JP2019148450A - 成分検知センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】油成分とその粘度とを検出可能な成分検知センサを提供する。【解決手段】成分検知センサ100は、対象物(自動車Vの底面)に向けて、走査しながら光を照射する発光部20と、発光部20から照射されて対象物を反射した光を受光し、電気信号に変換して測定する受光部40と、周囲の温度を測定する温度センサ70と、受光部の測定結果及び温度センサの測定結果に基づいて、対象物に含まれる成分を検出する演算部56とを備え、受光部は、成分の一つである炭素化合物成分による吸収が第一所定値よりも大きな第一波長帯の光と、第一所定値以下である第二波長帯の光とを測定し、演算部は、受光部による第一波長帯の光に対する第一測定結果と、第二波長帯の光に対する第二測定結果とを比較して炭素化合物成分の量を検出するとともに、温度センサの測定結果に基づいて炭素化合物の粘度を算出することで、当該粘度を反映した炭素化合物成分の量を算出する。【選択図】図6

Description

本発明は、成分検知センサに関する。
従来、例えば、水分による赤外線の吸収を利用して、水分量を測定する赤外線水分計が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−161424号公報
ところで、近年においては、油成分を検出可能な成分検知センサが望まれている。特に、油成分の粘度も検出できれば、検知対象物の状況を把握することができ、迅速な対処が可能となる。
そこで、本発明の目的は、油成分とその粘度とを検出可能な成分検知センサを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る成分検知センサは、対象物に向けて、走査しながら光を照射する発光部と、発光部から照射されて対象物を反射した光を受光し、電気信号に変換して測定する受光部と、周囲の温度を測定する温度センサと、受光部の測定結果及び温度センサの測定結果に基づいて、対象物に含まれる成分を検出する演算部とを備え、受光部は、成分の一つである炭素化合物成分による吸収が第一所定値よりも大きな第一波長帯の光と、炭素化合物成分による吸収が第一所定値以下である第二波長帯の光とを測定し、演算部は、受光部による第一波長帯の光に対する第一測定結果と、第二波長帯の光に対する第二測定結果とを比較して炭素化合物成分の量を検出するとともに、温度センサの測定結果に基づいて炭素化合物の粘度を算出することで、当該粘度を反映した炭素化合物成分の量を算出する。
本発明によれば、油成分とその粘度とを検出可能な成分検知センサを提供することができる。
図1は、実施の形態に係る成分検知センサの使用イメージを示す斜視図である。 図2は、実施の形態に係る成分検知センサの概略構成を示す斜視図である。 図3は、実施の形態に係る成分検知センサの制御ブロック図である。 図4は、実施の形態に係るセンサ部の走査範囲を模式的に示す平面図である。 図5は、実施の形態に係るセンサ部の構成と対象物とを示す模式図である。 図6は、実施の形態に係るセンサ部の制御ブロック図である。 図7は、オレイン酸の吸光スペクトルを示す図である。 図8は、水分の吸光スペクトルを示す図である。 図9は、オレイン酸の量及び水分量のそれぞれと危険度との関係を示すグラフである。 図10は、変形例1に係る受光部の概略構成を示す模式図である。 図11は、変形例2に係る受光部の概略構成を示す模式図である。 図12は、変形例3に係る受光部の概略構成を示す模式図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る成分検知センサについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
まず、実施の形態に係る成分検知センサ100について説明する。
図1は実施の形態に係る成分検知センサ100の使用イメージを示す斜視図である。図1では、成分検知センサ100が、例えば自動車の整備工場に設置された状態を例示している。成分検知センサ100は、この状態で自動車Vの底面を走査することで、自動車Vから漏れ出た油成分及び水分を検出する。
図2は、実施の形態に係る成分検知センサ100の概略構成を示す斜視図である。図3は、実施の形態に係る成分検知センサ100の制御ブロック図である。図2においては、上方が自動車Vの底面側となる。図2及び図3に示すように、成分検知センサ100は、センサ部1と、報知部2と、走査部3と、制御部4とを備えている。
センサ部1は、定位置から対象物に対して光を走査させながら照射して、各照射位置における成分の含有量を検出する。具体的には、センサ部1は、対象物である自動車Vの底面に対して定位置から光を走査させながら照射して、各照射位置における油成分及び水分を検出する。センサ部1は、走査部3によって姿勢が変動されるように、走査部3に設置されている。センサ部1は、走査部3によって姿勢が変動されることで、自動車Vの底面を走査しながら光を照射して、当該自動車Vの底面の部分毎の油成分及び水分を検出する。センサ部1の詳細については、後述する。
図4は、実施の形態に係るセンサ部1の走査範囲Aを模式的に示す平面図である。走査範囲Aは、成分検知センサ100によって油成分及び水分が検出される検出エリアである。つまり、走査範囲Aは、成分検知の対象物である。なお、図4では、自動車Vの底面に対応する走査範囲Aを示している。図4に示すように、走査部3は、センサ部1からの光が走査範囲Aを走査する間に、当該光の走査を一時的に複数回停止する。図4では、一行あたり等間隔で6箇所停止され、一列あたり等間隔で6箇所停止される場合を、照射範囲Rとして図示している。照射範囲Rは、センサ部1が一回の停止時に光を照射する範囲である。
報知部2は、センサ部1の検出結果に基づく情報を報知する報知部である。報知部2は、例えば、表示モニタなどである。
走査部3は、センサ部1の姿勢を変動させて、照射範囲Rを走査させる。具体的には、図2に示すように走査部3は、回転台31と、第一回転部32と、第二回転部33とを備えている。回転台31は、整備工場の適切な位置に固定されており、第一回転部32及び第二回転部33を保持している。
第一回転部32は、一部が回転台31に対して回転するように回転台31に設けられている。具体的には、第一回転部32は、第一基台321と、第一基台321に対して立設した壁部322と、第一基台321を回転させる第一モータ323とを備えている。第一モータ323の回転軸は上下方向に沿う方向となっている。第一モータ323が駆動することで、第一基台321及び壁部322が回転台31に対して回転する。第一基台321及び壁部322の回転方向は、図2中、矢印Y1で示している。
第二回転部33は、一部が第一回転部32に対して回転するように第一回転部32に設けられている。具体的には、第二回転部33は、第二基台331と、第二基台331を回転させる第二モータ332とを備えている。第二基台331は、第二モータ332を介して、壁部322に取り付けられている。第二基台331には、センサ部1が固定されている。第二モータ332の回転軸は、第一モータ323の回転軸に対して直交している。第二モータ332が駆動することで、第二基台331が第一回転部32に対して回転する。第二基台331の回転方向は、図2中、矢印Y2で示している。
第一モータ323及び第二モータ332のそれぞれの回転角を制御することにより、センサ部1の姿勢が変動する。これにより、図4に示すように、照射範囲Rが走査範囲A内を走査することとなる。例えば、第一モータ323は、回転角が制御されることによって、主走査方向の照射範囲Rのピッチを調整する。また、第二モータ332は、回転角が制御されることによって、副走査方向の照射範囲Rのピッチを調整する。
図3に示すように、制御部4は、例えばマイクロコントローラで構成されており、センサ部1と、報知部2と、走査部3とを制御する。制御部4は、センサ部1と、報知部2と、走査部3とを制御するための処理プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。
具体的には、制御部4は、走査部3の第一モータ323と第二モータ332とを制御することにより、照射範囲Rの位置が走査範囲A内を一時的に複数回停止しながら走査するように、センサ部1の姿勢を制御する。一時停止時においては、制御部4は、センサ部1を制御して、その位置にある照射範囲R内の油成分及び水分を検出する。制御部4は、報知部2を制御して、検出結果に基づく情報を報知する。
[センサ部]
次に、実施の形態に係るセンサ部1の概要について説明する。
図5は、実施の形態に係るセンサ部1の構成と対象物(走査範囲A)とを示す模式図である。図6は、実施の形態に係るセンサ部1の制御ブロック図である。
本実施の形態では、図5及び図6に示すように、センサ部1は、空間を隔てて存在する対象物に含まれる成分を検出する。
センサ部1は、筐体10と、発光部20と、受光部40と、温度センサ70と、信号処理回路50とを備えている。以下では、センサ部1の各構成要素について詳細に説明する。
[筐体]
筐体10は、発光部20と、受光部40と、温度センサ70と、信号処理回路50とを収容している。筐体10は、遮光性の材料から形成されている。これにより、外光が筐体10内に入射するのを抑制することができる。具体的には、筐体10は、第一受光モジュール41、第二受光モジュール42及び第三受光モジュール43が受光する光に対して遮光性を有する樹脂材料又は金属材料から形成されている。
筐体10の外壁には、複数の開口が設けられており、これらの開口に、発光部20のレンズ21と、受光部40のレンズ411、421、431と、温度センサ70とが取り付けられている。
[発光部]
発光部20は、第一検知光と、第二検知光と、参照光とを走査範囲Aに向けて発する発光部である。ここで、第一検知光は、炭素化合物成分による吸収が第一所定値よりも大きな第一波長帯を含む光である。また、第二検知光は、水分による吸収が第二所定値よりも大きな第三波長帯を含む光である。参照光は、水分による吸収が第二所定値以下であり、かつ炭素化合物成分による吸収が第一所定値以下である第二波長帯を含む光である。具体的には、発光部20は、レンズ21と、光源22とを備えている。
レンズ21は、光源22が発した光を、走査範囲Aに対して集光する集光レンズである。レンズ21は、樹脂製の凸レンズであるが、これに限らない。
光源22は、第一検知光をなす第一波長帯と、第二検知光をなす第三波長帯と、参照光をなす第二波長帯とを含む連続した光を発するLED(Light Emitting Diode)光源である。具体的には、光源22は、化合半導体からなるLED光源である。
図7は、オレイン酸の吸光スペクトルを示す図である。オレイン酸は、油成分の一つである脂肪酸成分である。脂肪酸成分は、炭素化合物成分の一種でもある。つまり、本実施の形態では、炭素化合物成分の一つであるオレイン酸を検出することで、油成分を検出する。図7に示すように、オレイン酸は、約1750nm及び約2350nmの波長に吸収ピークを有する。このため、第一検知光をなす第一波長帯としては、オレイン酸の吸光度が第一所定値よりも高い波長帯を選択する。つまり、第一波長帯は、オレイン酸によって吸収されやすい波長帯と言える。第一所定値として用いられる吸光度は、例えば0.25である。例えば、第一波長帯は、1750nm及び2350nmの少なくとも1つを含む波長帯とする。
図8は、水分の吸光スペクトルを示す図である。図8に示すように、水分は、約1450nm及び約1940nmの波長に吸収ピークを有する。このため、第二検知光をなす第三波長帯としては、水の吸光度が第二所定値よりも高い波長帯を選択する。つまり、第三波長帯は、水分によって吸収されやすい波長帯と言える。第二所定値として用いられる吸光度は、例えば、0.3である。例えば、第三波長帯は、1450nm及び1940nmの少なくとも1つを含む波長帯とする。
参照光をなす第二波長帯としては、オレイン酸による吸収が第一所定値以下であり、かつ、水分による吸収が第二所定値以下である波長帯を選択する。つまり、第二波長帯は、炭素化合物成分及び水分によって吸収されにくい波長帯と言える。例えば、第二波長帯は、1100nm及び1300nmの少なくとも一つを含む波長帯とする。
このように、光源22が、第一波長帯と第二波長帯と第三波長帯とを連続して含む光を照射するので、走査範囲Aには、第一検知光と参照光と第二検知光とが照射される。
[受光部]
受光部40は、発光部20から照射されて走査範囲Aを反射した光を受光し、電気信号に変換して測定する。受光部40は、第一受光モジュール41と、第二受光モジュール42と、第三受光モジュール43とを備えている。
図5に示すように第一受光モジュール41は、レンズ411と、第一バンドパスフィルタ412と、第一受光素子413とを備えている。
レンズ411は、走査範囲Aによって反射された反射光を第一受光素子413に集光するための集光レンズである。レンズ411は、例えば、焦点が第一受光素子413の受光面に位置するように筐体10に固定されている。レンズ411は、例えば、樹脂製の凸レンズであるが、これに限らない。
第一バンドパスフィルタ412は、反射光から第一波長帯の光を抽出するバンドパスフィルタである。具体的には、第一バンドパスフィルタ412は、レンズ411と、第一受光素子413との間に配置されており、レンズ411を透過して第一受光素子413に入射する反射光の光路上に設けられている。これにより、第一バンドパスフィルタ412は、第一波長帯の光を透過し、かつ、それ以外の波長帯の光を吸収する。
第一受光素子413は、走査範囲Aによって反射され、第一バンドパスフィルタ412を透過した第一波長帯の光を受光し、第一電気信号に変換する受光素子である。第一受光素子413は、受光した第一波長帯の光を光電変換することで、当該光の受光量(すなわち、強度)に応じた第一電気信号を生成する。つまり、第一電気信号は、第一測定結果である。生成された第一電気信号は、信号処理回路50に出力される。第一受光素子413は、例えば、フォトダイオードであるが、これに限定されない。例えば、第一受光素子413は、フォトトランジスタ、又は、イメージセンサでもよい。
第二受光モジュール42は、レンズ421と、第二バンドパスフィルタ422と、第二受光素子423とを備えている。
レンズ421は、走査範囲Aによって反射された反射光を第二受光素子423に集光するための集光レンズである。レンズ421は、例えば、焦点が第二受光素子423の受光面に位置するように筐体10に固定されている。レンズ421は、例えば、樹脂製の凸レンズであるが、これに限らない。
第二バンドパスフィルタ422は、反射光から第二波長帯の光を抽出するバンドパスフィルタである。具体的には、第二バンドパスフィルタ422は、レンズ421と、第二受光素子423との間に配置されており、レンズ421を透過して第二受光素子423に入射する反射光の光路上に設けられている。これにより、第二バンドパスフィルタ422は、第二波長帯の光を透過し、かつ、それ以外の波長帯の光を吸収する。
第二受光素子423は、走査範囲Aによって反射され、第二バンドパスフィルタ422を透過した第二波長帯の光を受光し、第二電気信号に変換する受光素子である。第二受光素子423は、受光した第二波長帯の光を光電変換することで、当該光の受光量に応じた第二電気信号を生成する。つまり、第二電気信号は、第二測定結果である。生成された第二電気信号は、信号処理回路50に出力される。第二受光素子423は、例えば、フォトダイオードであるが、これに限定されない。例えば、第二受光素子423は、フォトトランジスタ、又は、イメージセンサでもよい。
第三受光モジュール43は、レンズ431と、第三バンドパスフィルタ432と、第三受光素子433とを備えている。
レンズ431は、走査範囲Aによって反射された反射光を第三受光素子433に集光するための集光レンズである。レンズ431は、例えば、焦点が第三受光素子433の受光面に位置するように筐体10に固定されている。レンズ431は、例えば、樹脂製の凸レンズであるが、これに限らない。
第三バンドパスフィルタ432は、反射光から第三波長帯の光を抽出するバンドパスフィルタである。具体的には、第三バンドパスフィルタ432は、レンズ431と、第三受光素子433との間に配置されており、レンズ431を透過して第三受光素子433に入射する反射光の光路上に設けられている。これにより、第三バンドパスフィルタ432は、第三波長帯の光を透過し、かつ、それ以外の波長帯の光を吸収する。
第三受光素子433は、走査範囲Aによって反射され、第三バンドパスフィルタ432を透過した第三波長帯の光を受光し、第三電気信号に変換する受光素子である。第三受光素子433は、受光した第三波長帯の光を光電変換することで、当該光の受光量に応じた第三電気信号を生成する。つまり、第三電気信号は、第三測定結果である。生成された第三電気信号は、信号処理回路50に出力される。第三受光素子433は、例えば、フォトダイオードであるが、これに限定されない。例えば、第三受光素子433は、フォトトランジスタ、又は、イメージセンサでもよい。
[温度センサ]
温度センサ70は、周囲の温度を測定する温度センサである。周囲の温度とは、成分検知センサ100の周囲の温度、つまり環境温度であってもよいし、対象物(自動車Vの底面)の周囲の温度であってもよいし、対象物自体の温度であってもよい。本実施の形態では、温度センサ70は、筐体10に備えられており、成分検知センサ100の周囲の温度を測定する。なお、例えば温度センサ70が赤外線温度センサである場合には、筐体10から離れた対象物の周囲の温度または対象物自体の温度を測定することが可能である。
[信号処理回路]
信号処理回路50は、発光部20の光源22を点灯制御するとともに、第一受光素子413、第二受光素子423及び第三受光素子433から出力された第一電気信号、第二電気信号及び第三電気信号を処理することで、オレイン酸の量及び水分量を演算する回路である。
信号処理回路50は、筐体10に収容されていてもよく、又は、筐体10の外側面に取り付けられていてもよい。あるいは、信号処理回路50は、無線通信などの通信機能を有し、第一受光素子413からの第一電気信号、第二受光素子423からの第二電気信号及び第三受光素子433からの第三電気信号を受信してもよい。
具体的には、図6に示すように、信号処理回路50は、光源制御部51、第一増幅部521、第二増幅部522、第三増幅部523、第一信号処理部531、第二信号処理部532、第三信号処理部533及び演算部56を備えている。
光源制御部51は、駆動回路及びマイクロコントローラで構成される。光源制御部51は、光源22の制御プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。光源制御部51は、光源22の点灯及び消灯が所定の発光周期で繰り返されるように、光源22を制御する。具体的には、光源制御部51は、所定の周波数(例えば、1kHz)のパルス信号を光源22に出力することで、光源22を所定の発光周期で点灯及び消灯させる。
第一増幅部521は、第一受光素子413が出力した第一電気信号を増幅して第一信号処理部531に出力する。具体的には、第一増幅部521は、第一電気信号を増幅するオペアンプである。
第一信号処理部531は、マイクロコントローラで構成される。第一信号処理部531は、第一電気信号に対する処理プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。第一信号処理部531は、第一電気信号に対して、通過帯域制限を行うとともに当該通過帯域制限による位相遅延を補正してから、光源22の発光周期との乗算処理を施す。この第一電気信号に対する処理は、いわゆるロックインアンプ処理である。これにより、外乱光に基づくノイズを第一電気信号から抑制することが可能である。
第二増幅部522は、第二受光素子423が出力した第二電気信号を増幅して第二信号処理部532に出力する。具体的には、第二増幅部522は、第二電気信号を増幅するオペアンプである。
第二信号処理部532は、マイクロコントローラで構成される。第二信号処理部532は、第二電気信号に対する処理プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。第二信号処理部532は、第二電気信号に対して、通過帯域制限を行うとともに当該通過帯域制限による位相遅延を補正してから、光源22の発光周期との乗算処理を施す。この第二電気信号に対する処理は、いわゆるロックインアンプ処理である。これにより、外乱光に基づくノイズを第二電気信号から抑制することが可能である。
第三増幅部523は、第三受光素子433が出力した第三電気信号を増幅して第三信号処理部533に出力する。具体的には、第三増幅部523は、第三電気信号を増幅するオペアンプである。
第三信号処理部533は、マイクロコントローラで構成される。第三信号処理部533は、第三電気信号に対する処理プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。第三信号処理部533は、第三電気信号に対して、通過帯域制限を行うとともに当該通過帯域制限による位相遅延を補正してから、光源22の発光周期との乗算処理を施す。この第三電気信号に対する処理は、いわゆるロックインアンプ処理である。これにより、外乱光に基づくノイズを第二電気信号から抑制することが可能である。
演算部56は、例えば、マイクロコントローラである。演算部56は、信号処理プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。
演算部56は、第一受光素子413から出力された第一電気信号と、第三受光素子433から出力された第三電気信号とに基づいて、対象物が含むオレイン酸を検出する。具体的には、演算部56は、第一電気信号の電圧レベルと第三電気信号の電圧レベルとの比(信号比)に基づいて、対象物が含むオレイン酸の量を検出する。本実施の形態では、演算部56は、第一信号処理部531によって処理された第一電気信号と、第三信号処理部533によって処理された第三電気信号とに基づいて、対象物が含むオレイン酸の量を検出する。ここで、演算部56は、温度センサ70の測定結果に基づいてオレイン酸の粘度を算出し、当該粘度を反映したオレイン酸の量を算出する。
また、演算部56は、第二受光素子423から出力された第二電気信号と、第三受光素子433から出力された第三電気信号とに基づいて、対象物が含む水分を検出する。具体的には、演算部56は、第二電気信号の電圧レベルと第三電気信号の電圧レベルとの比(信号比)に基づいて、対象物が含む水分量を検出する。本実施の形態では、演算部56は、第二信号処理部532によって処理された第二電気信号と、第三信号処理部533によって処理された第三電気信号とに基づいて、対象物が含む水分量を検出する。
このように演算部56は、対象物に含まれる成分(オレイン酸及び水分)の量を検出する。
[成分検出処理]
続いて、演算部56による成分検出処理について説明する。本実施の形態では、演算部56は、反射光に含まれる検知光の光エネルギーPdと、参照光の光エネルギーPrとを比較することで、対象物に含まれる成分量を検出する。
例えば、オレイン酸を検出する場合には、検知光は第一検知光となる。つまり、この場合には、光エネルギーPdは、第一受光素子413から出力される第一電気信号の強度に対応し、光エネルギーPrは、第三受光素子433から出力される第三電気信号の強度に対応する。
また、水分を検出する場合には、検知光は第二検知光である。つまり、この場合には、光エネルギーPdは、第二受光素子423から出力される第二電気信号の強度に対応し、光エネルギーPrは、第三受光素子433から出力される第三電気信号の強度に対応する。
なお、以下の説明では、オレイン酸を検出する場合について説明する。なお水分を検出する場合には、「第一検知光」を「第二検知光」に、「第一波長帯」を「第二波長帯」に、「第一受光素子413」を「第二受光素子423」に、「第一バンドパスフィルタ412」を「第二バンドパスフィルタ422」に、「オレイン酸」を「水分」に、「第一電気信号」を「第二電気信号」に読み替えればよい。
光エネルギーPdは、次の(式1)で表される。
(式1) Pd=Pd0×Gd×Rd×Td×Aad×Ivd
ここで、Pd0は、光源22が発した光のうち、第一検知光をなす第一波長帯の光の光エネルギーである。Gdは、第一波長帯の光の第一受光素子413に対する結合効率(集光率)である。具体的には、Gdは、光源22が発した光のうち、対象物(走査範囲A)で拡散反射される成分の一部(すなわち、反射光に含まれる第一検知光)になる部分の割合に相当する。
Rdは、対象物による第一検知光の反射率である。Tdは、第一バンドパスフィルタ412により検知光の透過率である。Ivdは、第一受光素子413における反射光に含まれる第一検知光に対する受光感度である。
Aadは、対象物に含まれる成分(オレイン酸)による第一検知光の吸収率あり、次の(式2)で表される。
(式2) Aad=10−αa×Ca×D
ここで、αaは、予め定められた吸光係数であり、具体的には、成分(オレイン酸)による第一検知光の吸光係数である。Caは、対象物に含まれる成分(オレイン酸)の体積濃度である。Dは、第一検知光の吸収に寄与する成分の厚みの2倍である寄与厚みである。
より具体的には、成分(オレイン酸)が均質に分散した対象物では、光が対象物に入射し、反射して対象物から出射する場合において、Caは、対象物の成分に含まれる体積濃度に相当する。また、Dは、反射して対象物から出射するまでの光路長に相当する。例えば、Caは、対象物を覆っている液相に含まれる成分(オレイン酸)の濃度である。また、Dは、対象物を覆っている液相の平均的な厚みとして換算される寄与厚みである。
したがって、αa×Ca×Dは、対象物に含まれる成分量(オレイン酸の量)に相当する。以上のことから、対象物に含まれるオレイン酸の量に応じて、第一電気信号の強度に相当する光エネルギーPdが変化することが分かる。
同様に、第三受光素子433に入射する参照光の光エネルギーPrは、次の(式3)で表される。
(式3) Pr=Pr0×Gr×Rr×Tr×Ivr
本実施の形態では、参照光は、対象物に含まれる成分によって実質的には吸収されないとみなすことができるので、(式1)と比較して分かるように、オレイン酸による吸収率Aadに相当する項は(式3)には含まれていない。
(式3)において、Pr0は、光源22が発した光のうち、参照光をなす第三波長帯の光の光エネルギーである。Grは、光源22が発した参照光の第三受光素子433に対する結合効率(集光率)である。具体的には、Grは、参照光のうち、対象物で拡散反射される成分の一部(すなわち、反射光に含まれる参照光)になる部分の割合に相当する。Rrは、対象物による参照光の反射率である。Trは、第三バンドパスフィルタ432による参照光の透過率である。Ivrは、第三受光素子433の反射光に対する受光感度である。
本実施の形態では、光源22から照射される光、つまり、第一検知光と参照光とは、同軸かつ同スポットサイズで照射されるため、第一検知光の結合効率Gdと参照光の結合効率Grとは略等しくなる。また、第一検知光と参照光とはピーク波長が比較的近いので、第一検知光の反射率Rdと参照光の反射率Rrとが略等しくなる。
したがって、(式1)と(式3)との比(信号比)を取ることにより、次の(式4)が導き出される。
(式4) Pd/Pr=Z×Aad
ここで、Zは、定数項であり、(式5)で示される。
(式5) Z=(Pd0/Pr0)×(Td/Tr)×(Ivd/Ivr)
光エネルギーPd0及びPr0はそれぞれ、光源22の初期出力として予め定められている。また、透過率Td及び透過率Trはそれぞれ、第一バンドパスフィルタ412及び第三バンドパスフィルタ432の透過特性により予め定められている。受光感度Ivd及び受光感度Ivrはそれぞれ、第一受光素子413及び第三受光素子433の受光特性により予め定められている。したがって、(式5)で示されるZは、定数とみなすことができる。
演算部56は、第一電気信号に基づいて第一検知光の光エネルギーPdを算出し、第三電気信号に基づいて参照光の光エネルギーPrを算出する。具体的には、第一電気信号の信号レベル(電圧レベル)が光エネルギーPdに相当し、第三電気信号の信号レベル(電圧レベル)が光エネルギーPrに相当する。
したがって、演算部56は、(式4)に基づいて、対象物に含まれるオレイン酸の吸収率Aadを算出することができる。これにより、演算部56は、(式2)に基づいてオレイン酸の量を算出することができる。
また、演算部56は、温度センサ70の検出結果に基づいてオレイン酸の粘度を算出する。オレイン酸は、温度が高まれば粘度が低くなる特性がある。また、オレイン酸は粘度が変動することで体積も変動するため、算出したオレイン酸の量に対して粘度を反映させることでより正確なオレイン酸の量を求めることができる。なお、演算部56は、水分量の検出時においては、温度センサ70の測定結果を反映しない。
[オレイン酸の量及び水分量に関連した情報]
演算部56は、算出したオレイン酸の量及び水分量の少なくとも一方に基づく情報を算出し、制御部4に出力する。この情報には、例えば、オレイン酸の量と、オレイン酸の粘度と、水分量と、オレイン酸の量に基づく危険度と、水分量に基づく危険度などが挙げられる。
オレイン酸及び水分量のそれぞれが増加するということは、自動車Vから漏れ出る油成分及び水分も多いということであり、危険度が高いということを示している。図9は、オレイン酸の量及び水分量のそれぞれと危険度との関係を示すグラフである。図9に示すように、オレイン酸の量と危険度とは、正の相関があり、水分量と危険度とも正の相関がある。このため、演算部56は、例えば、危険度を複数段階(本実施の形態では3段階)のレベルに分けたテーブルを予め不揮発性メモリに記憶させており、算出したオレイン酸の量及び水分量のそれぞれとテーブルとに基づいて、危険度のレベルを求めることができる。
制御部4は、報知部2を制御して、演算部56の算出結果に基づく情報を報知する。ユーザは、報知内容を確認することで、自動車Vに対する適切なメンテナンスを検討することが可能である。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る成分検知センサ100によれば、対象物(自動車Vの底面)に向けて、走査しながら光を照射する発光部20と、発光部20から照射されて対象物を反射した光を受光し、電気信号に変換して測定する受光部40と、周囲の温度を測定する温度センサ70と、受光部40の測定結果及び温度センサ70の測定結果に基づいて、対象物に含まれる成分を検出する演算部56とを備え、受光部40は、成分の一つである炭素化合物成分による吸収が第一所定値よりも大きな第一波長帯の光と、炭素化合物成分による吸収が第一所定値以下である第二波長帯の光とを測定し、演算部56は、受光部40による第一波長帯の光に対する第一測定結果と、第二波長帯の光に対する第二測定結果とを比較して炭素化合物成分の量を検出するとともに、温度センサ70の測定結果に基づいて炭素化合物の粘度を算出することで、当該粘度を反映した炭素化合物成分の量を算出する。
油成分には、炭素化合物成分が含まれている。このため、炭素化合物成分を検出することができれば、油成分の量を検出することができる。また、温度センサ70の測定結果に基づいて油成分の粘度も算出可能である。これにより、油成分の量とその粘度とを検出可能な成分検知センサ100を提供することができる。
ここで、演算部56は、炭素化合物成分の粘度を反映して、炭素化合物成分の量を算出しているので、炭素化合物の量の正確性を高めることも可能である。
また、第一波長帯は、1750nm及び2350nmの少なくとも一つを含む。
これによれば、第一波長帯が1750nm及び2350nmの少なくとも一つを含んでいるので、炭素化合物成分の一つであるオレイン酸を検出することができる。
また、第二波長帯の光は、成分の一つである水分による吸収が第二所定値以下であり、受光部40は、水分による吸収が第二所定値以上である第三波長帯の光を測定し、演算部56は、受光部40による第三波長帯の光に対する第三測定結果と第二測定結果を比較し、水分の量を検出する。
これによれば、油成分の量とその粘度とに加えて、水分の量を検出することができる成分検知センサ100を提供することができる。
また、第三波長帯は、1450nm及び1940nmの少なくとも一つを含む。
これによれば、第三波長帯が1450nm及び1940nmの少なくとも一つを含んでいるので、水分を確実に検出することができる。
また、受光部40は、第一受光素子413、第二受光素子423及び第三受光素子433を備え、第一受光素子413は、第一波長帯の光を透過する第一バンドパスフィルタ412を有し、第二受光素子423は、第二波長帯の光を透過する第二バンドパスフィルタ422を有し、第三受光素子433は、第三波長帯の光を透過する第三バンドパスフィルタ432を有する。
これによれば、各受光素子と、各バンドバスフィルタとが一対一で設けられているので、第一波長帯、第二波長帯及び第三波長帯のそれぞれの光を同時に検出することができる。これにより、高速でリアルタイムな検出処理が可能である。
また、成分検知センサ100は、演算部56の算出結果に基づく情報を報知する報知部2を備える。
これによれば、報知部2は、演算部56の算出結果に基づく情報(オレイン酸の量と、オレイン酸の粘度と、水分量と、オレイン酸の量に基づく危険度と、水分量に基づく危険度など)を報知する。したがって、ユーザは、報知内容を確認することで、対象物に対する適切なメンテナンスを検討することが可能である。
また、炭素化合物成分は、脂肪酸成分である。
これによれば、成分検知センサ100が検出する炭素化合物成分は、油成分に含まれる可能性が高い脂肪酸成分であるので、油成分をより確実に検出することができる。特に、本実施の形態では、脂肪酸成分の中でも、油成分に含まれる可能性が高いオレイン酸を検出対象としているので、油成分を一層確実に検出することができる。
[変形例1]
上記実施の形態では、光源22と、第一受光素子413と、第二受光素子423と、第三受光素子433とが直線状に配列されている場合を例示した。しかし、光源22と、第一受光素子413と、第二受光素子423と、第三受光素子433との配置は、如何様でもよい。この変形例1では、その他の配置例について説明する。図10は、変形例1に係る受光部40aの概略構成を示す模式図である。図10は、光源22aの光軸方向から各部を見た図である。図10に示すように、変形例1では、光源22aを中心とした円周上に、第一受光素子413aと、第二受光素子423aと、第三受光素子433aとが配置されている。また、第一受光素子413aには、第一バンドパスフィルタ412aが対向配置されていて、第二受光素子423aには、第二バンドパスフィルタ422aが対向配置されていて、第三受光素子433aには、第三バンドパスフィルタ432aが対向配置されている。この場合においては、光源22aの光軸に対して、各受光素子が等間隔で配置されることになるので、各受光素子に対して入射する光を均一にすることが可能である。
[変形例2]
上記実施の形態では、各受光素子と、各バンドバスフィルタとが一対一で設けられている場合を例示した。この変形例2では、第一検知光及び第二検知光を一つの受光素子で測定する場合について説明する。図11は、変形例2に係る受光部40bの概略構成を示す模式図である。なお、以降の説明において、上記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図11に示すように、参照光用の第二受光素子423bは、第二波長帯の光を透過する第二バンドパスフィルタ422bと、レンズ421bとを有しており、これらが第二受光素子423bの光軸上に並んで配置されている。これにより、第二バンドパスフィルタ422bを透過した第二波長帯の光(参照光)が第二受光素子423bに入射されるので、第二受光素子423bが第二電気信号(第二測定結果)を出力する。
一方、第一検知光及び第二検知光用の第一受光素子413bは、レンズ411bを有しており、このレンズ411bが第一受光素子413bの光軸上に配置されている。また、第一受光素子413bは、第一波長帯の光を透過する第一バンドパスフィルタ412bと、第三波長帯の光を透過する第三バンドパスフィルタ432bとを有している。第一バンドパスフィルタ412bと第三バンドパスフィルタ432bとは、第一受光素子413bの光軸上で切り替わるように設けられている。具体的には、制御部4によって制御される切替機構(図示省略)によって、第一バンドパスフィルタ412bと第三バンドパスフィルタ432bとが、光軸上に交互に配置される。
つまり、第一バンドパスフィルタ412bが光軸上に配置されている場合には、第一波長帯の光(第一検知光)が第一受光素子413bに入射されるので、第一受光素子413bが第一電気信号(第一測定結果)を出力する。一方、第三バンドパスフィルタ432bが光軸上に配置されている場合には、第三波長帯の光(第二検知光)が第一受光素子413bに入射されるので、第一受光素子413bが第三電気信号(第三測定結果)を出力する。つまり、一つの第一受光素子413bであっても、第一検知光及び第二検知光を確実に測定することができる。
変形例2によれば、受光部40bは、第一受光素子413b及び第二受光素子423bを備え、第一受光素子413bは、第一波長帯の光を透過する第一バンドパスフィルタ412bと、第三波長帯の光の透過する第三バンドパスフィルタ432bとを切替可能に有し、第二受光素子423bは、第二波長帯の光を透過する第二バンドパスフィルタ422bを有する。
これによれば、受光素子の総数を削減することができる。また、第一検知光及び第二検知光においては、位置が固定された一つの第一受光素子413bで測定されるので、光軸ズレを抑制することができ、より正確な測定が可能となる。
[変形例3]
上記実施の形態では、各受光素子と、各バンドバスフィルタとが一対一で設けられている場合を例示した。この変形例3では、第一検知光、第二検知光及び参照光を一つの受光素子で測定する場合について説明する。図12は、変形例3に係る受光部40cの概略構成を示す模式図である。なお、以降の説明において、上記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
図12に示すように、第一受光素子413cは、レンズ411cを有しており、このレンズ411cが第一受光素子413cの光軸上に配置されている。また、第一受光素子413cは、第一波長帯の光を透過する第一バンドパスフィルタ412cと、第二波長帯の光を透過する第二バンドパスフィルタ422cと、第三波長帯の光を透過する第三バンドパスフィルタ432cとを有している。第一バンドパスフィルタ412cと、第二バンドパスフィルタ422cと、第三バンドパスフィルタ432cとは、第一受光素子413cの光軸上で切り替わるように設けられている。具体的には、制御部4によって制御される切替機構(図示省略)によって、第一バンドパスフィルタ412cと第二バンドパスフィルタ422cと第三バンドパスフィルタ432cとが、光軸上で切り替わって配置される。
つまり、第一バンドパスフィルタ412cが光軸上に配置されている場合には、第一波長帯の光(第一検知光)が第一受光素子413cに入射されるので、第一受光素子413cが第一電気信号(第一測定結果)を出力する。また、第二バンドパスフィルタ422cが光軸上に配置されている場合には、第二波長帯の光(参照光)が第一受光素子413cに入射されるので、第一受光素子413cが第二電気信号(第二測定結果)を出力する。さらに、第三バンドパスフィルタ432cが光軸上に配置されている場合には、第三波長帯の光(第二検知光)が第一受光素子413cに入射されるので、第一受光素子413cが第三電気信号(第三測定結果)を出力する。つまり、一つの第一受光素子413cであっても、第一検知光、第二検知光及び参照光を確実に測定することができる。
変形例3によれば、受光部40cは、第一受光素子413cを備え、第一受光素子413cは、第一波長帯の光を透過する第一バンドパスフィルタ412cと、第二波長帯の光を透過する第二バンドパスフィルタ422cと、第三波長帯の光の透過する第三バンドパスフィルタ432cとを切替可能に有している。
これによれば、受光素子の総数を削減することができる。また、第一検知光、第二検知光及び参照光においては、位置が固定された一つの第一受光素子413cで測定されるので、光軸ズレを抑制することができ、より正確な測定が可能となる。
(その他)
以上、本発明に係る成分検知センサについて、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、光源22がLED光源である場合を例示したが、光源は半導体レーザ素子又は有機EL素子などでもよい。
また、上記実施の形態では、第一検知光をなす第一波長帯と、参照光をなす第二波長帯と、第二検知光をなす第三波長帯とを含む連続した光を1つの光源22が発する場合を例示して説明した。しかしながら、複数の光源を設け、1つの光源が第一検知光を発し、また別の光源が第二検知光を発し、さらに別の光源が参照光を発するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、信号処理回路50に備わる光源制御部51、第一信号処理部531、第二信号処理部532、第三信号処理部533及び演算部56がそれぞれ専用のマイクロコントローラからなる場合を例示して説明したが、信号処理回路は、全体として1つのマイクロコントローラで実現されてもよい。
また、上記実施の形態では、成分検知センサ100が自動車の整備工場に設置されている場合を例示した。しかし、油成分が存在しうる場所であれば、如何なる場所に成分検知センサを配置することが可能である。例えば、成分検知センサの検査対象としては、キッチンのコンロ周り、換気扇周り、工場またはプラントの配管、タンク、重機などが挙げられる。
また、上記実施の形態では、成分検知センサ100がオレイン酸を検出する場合を例示した。しかしながら、成分検知センサは、検出対象となる成分に基づいて、第一検知光の第一波長帯及び参照光の第二波長帯を選択すれば、オレイン酸以外の脂肪酸成分を検出することも可能であるし、脂肪酸成分以外の炭素化合物成分を検出することも可能である。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
2 報知部
20 発光部
40、40a、40b、40c 受光部
56 演算部
70 温度センサ
100 成分検知センサ
412、412a、412b、412c 第一バンドパスフィルタ
413、413a、413b、413c 第一受光素子
422、422a、422b、422c 第二バンドパスフィルタ
423、423a、423b 第二受光素子
432、432a、432b、432c 第三バンドパスフィルタ
433、433a 第三受光素子
A 走査範囲(対象物)

Claims (9)

  1. 対象物に向けて、走査しながら光を照射する発光部と、
    前記発光部から照射されて前記対象物を反射した光を受光し、電気信号に変換して測定する受光部と、
    周囲の温度を測定する温度センサと、
    前記受光部の測定結果及び前記温度センサの測定結果に基づいて、前記対象物に含まれる成分を検出する演算部とを備え、
    前記受光部は、前記成分の一つである炭素化合物成分による吸収が第一所定値よりも大きな第一波長帯の光と、前記炭素化合物成分による吸収が第一所定値以下である第二波長帯の光とを測定し、
    前記演算部は、前記受光部による前記第一波長帯の光に対する第一測定結果と、前記第二波長帯の光に対する第二測定結果とを比較して前記炭素化合物成分の量を検出するとともに、前記温度センサの測定結果に基づいて前記炭素化合物の粘度を算出することで、当該粘度を反映した前記炭素化合物成分の量を算出する
    成分検知センサ。
  2. 前記第一波長帯は、1750nm及び2350nmの少なくとも一つを含む
    請求項1に記載の成分検知センサ。
  3. 前記第二波長帯の光は、前記成分の一つである水分による吸収が第二所定値以下であり、
    前記受光部は、前記水分による吸収が前記第二所定値以上である第三波長帯の光を測定し、
    前記演算部は、前記受光部による前記第三波長帯の光に対する第三測定結果と前記第二測定結果を比較し、前記水分の量を検出する
    請求項1または2に記載の成分検知センサ。
  4. 前記第三波長帯は、1450nm及び1940nmの少なくとも一つを含む
    請求項3に記載の成分検知センサ。
  5. 前記受光部は、第一受光素子、第二受光素子及び第三受光素子を備え、
    前記第一受光素子は、前記第一波長帯の光を透過する第一バンドパスフィルタを有し、
    前記第二受光素子は、前記第二波長帯の光を透過する第二バンドパスフィルタを有し、
    前記第三受光素子は、前記第三波長帯の光を透過する第三バンドパスフィルタを有する
    請求項3または4に記載の成分検知センサ。
  6. 前記受光部は、第一受光素子、第二受光素子を備え、
    前記第一受光素子は、前記第一波長帯の光を透過する第一バンドパスフィルタと、前記第三波長帯の光の透過する第三バンドパスフィルタとを切替可能に有し、
    前記第二受光素子は、前記第二波長帯の光を透過する第二バンドパスフィルタを有する
    請求項3または4に記載の成分検知センサ。
  7. 前記受光部は、第一受光素子を備え、
    前記第一受光素子は、前記第一波長帯の光を透過する第一バンドパスフィルタと、前記第三波長帯の光の透過する第三バンドパスフィルタと、前記第二波長帯の光を透過する第二バンドパスフィルタとを切替可能に有する
    請求項3または4に記載の成分検知センサ。
  8. 前記演算部の検出結果に基づく情報を報知する報知部を備える
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の成分検知センサ。
  9. 前記炭素化合物成分は、脂肪酸成分である
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の成分検知センサ。
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