以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
1.遊技機の構造
第1形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1〜図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠に対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、下方に押下操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、下方に押下操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に図2〜図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。なお、第1始動口11や第2始動口12といった始動口を入球口と称し、第1大入賞口14や第2大入賞口15といった大入賞口を特別入賞口あるいは特定の入賞口と称し、ゲート13を通過口あるいは通過領域と称することができるものとする。
遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」という)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(例えば4個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。
第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。なお、誘導ステージ12gの上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第2始動口12へ入賞することはできない。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでいる。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口15への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。なお、振分部材16kの作動態様は適宜変更可能である。
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。また、遊技性に応じて、第1大入賞装置14Dのような、特定領域や振分装置のない大入賞装置を2つ設ける構成とすることが可能である。
また、図2に示すように、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域を流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。図4に示すように、表示器類8には、特図1を可変表示する特図1表示器81a、特図2を可変表示する特図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器81aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器81bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図(識別図柄の一例)といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器81aおよび特図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81は、「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特図1保留表示器83aと特図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。また、本形態では、普図保留数を表示する普図保留表示器を設けていないが、普図保留表示器を表示器類8に加えてもよい。普図保留表示器としては、例えば特図保留表示器83と同様の構成のものを採用することが可能である。
次に、図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイで構成され、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。なお、画像表示装置50は、画像を表示することが可能であれば、複数枚の液晶ディスプレイで構成されるものや、EL(electro luminescence)ディスプレイで構成されるもの等、他の表示装置であってもよい。
盤上可動装置55は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に、図6〜図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6〜図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、大当たり遊技演出など)や客待ち演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部(メイン制御部)と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部(サブ制御部)と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56等)を用いた各種の演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。また、遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。
また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118、および遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ119が実装されている。
また、主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やアクチュエータ類が接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
主制御基板100に接続されている各種センサ類には、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、一般入賞口センサ10a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、特定領域センサ16a、および、非特定領域センサ17aが含まれている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13に設けられており、ゲート13を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ16aは、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ17aは、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sおよび振分ソレノイド16sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する。振分ソレノイド16sは、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する。
なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のための賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類、各種ランプ類が接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類の点灯制御を行う。
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、盤上可動装置55を駆動する盤上駆動モータ55m,盤下可動装置56を駆動する盤下駆動モータ56m,枠可動装置58を駆動する枠駆動モータ58m等が含まれている。演出制御用マイコン121は、これらのモータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類には、枠ランプ53,盤ランプ54等が含まれている。演出制御用マイコン121は、各ランプを発光させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図8〜図15を用いて説明する。なお、図8〜図15に示す各テーブルは、本項目の説明のための一般的なものであり、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明においてこれらとは別のテーブルを示した場合、パチンコ遊技機PY1ではそのテーブルが用いられているものとする。但し、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示さない構成については、この項目で示したテーブルが用いられているものとし、また、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示した構成についても、この項目で示したテーブルに変更することが可能であるとする。
3−1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3−1−1.当たり判定
当たり判定は、図9(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。また、当たり判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
3−1−2.普図変動
普図変動パターン判定は、図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。なお、普図変動パターン判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3−1−3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、図9(C)に示すような補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。なお、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせている。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.00秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。なお、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間が同じであってもよい。
3−2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3−2−1.大当たり判定
大当たり判定は、図10(A)に示すような大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3−2−2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
例えば、図10(B)に示すように、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Aが50%、大当たり図柄Bが50%にし、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Cが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
3−2−3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。なお、リーチ判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数が異なっている。なお、リーチ有りと判定される確率については、適宜に変更することが可能である。以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3−2−4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、図11〜図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報が含まれている。特図変動パターンに含ませる識別情報は、適宜に変更することが可能である。また、特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特別図柄の種別(特図1/特図2)に応じて分けなくてもよい。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、大当たり判定結果やリーチ判定結果に応じて分けなくてもよい。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。例えば、特図1保留数(U1)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図2保留数(U2)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特図保留数に応じて分けなくてもよい。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンには、図11〜図12の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローが関連付けられている。なお、特図変動パターンに特図変動演出の演出フローを関連付けなくてもよい。
また、図11〜図12の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンを、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けた名称で呼ぶことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」と言う。そして、大当たり変動の中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SP大当たり変動」と言い、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「L大当たり変動」と言い、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「N大当たり変動」と言う。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」と言い、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」と言い、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」と言い、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」と言う。通常ハズレ変動には、変動時間が互いに異なる3種類の変動(通常Aハズレ変動、通常Bハズレ変動、通常Cハズレ変動)がある。また、SP大当たりとSPハズレ変動とを総称する場合、SP変動と言う。
3−2−5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、図13に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行う。先読み判定は、大当たり判定よりも前に(具体的には例えば始動入賞時に)行われる。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、がある。なお、先読み判定テーブルを、始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に応じて分けなくてもよい。
また、先読み判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。なお、先読み判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。また、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
3−3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、図14に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。
図14に示すように、大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎(例えば大当たり遊技A〜C毎)に大当たり遊技構成要素が格納されている。各大当たり遊技では、1Rから15Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、16R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14a,15aによって検出されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
なお、図14に示す大当たり遊技Aは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄A(図11(B)参照)である場合に実行され、大当たり遊技Bは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Bである場合に実行され、大当たり遊技Cは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Cである場合に実行される構成とすることが可能である。
また、各大当たり遊技構成要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。第1大入賞口14だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成、あるいは、第2大入賞口15だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成とする場合には、用いない方の大入賞口を備えない構成としてもよい。また、実行可能な大当たり遊技の種類は、複数種類であってもよいし、1種類であってもよい。
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。また、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいい、特定領域16が閉状態にあることを「V閉鎖」ともいう。
振分部材16kは一定の作動態様で制御される(つまり、特定領域16は一定の開閉態様で制御される)。例えば、第2大入賞口15の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)を設定することが可能である。
なお、大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vロング大当たり」といい、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vショート大当たり」という。
3−4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、図15に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することがある。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては、非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態に切り替える契機をV通過とするか、大当たり図柄の種別とするかは、実現したい遊技性に応じて適宜定めておけばよい。高確率状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.0秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われる(図11〜図12参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くなっている。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される(図9(B))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くなっている。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される(図9(A))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。つまり、普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。また、時短状態における特図変動パターン判定テーブルが、非時短状態におけるものよりも、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易いものでなくてもよい。
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、当たり判定は行われるが大当たり判定は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。また、本明細書で説明している各種の遊技状態については、「第n遊技状態」(nは1以上の整数)の形式で任意に表現できるものとする。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図16〜図22を用いて説明する。
4−1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図16(A−1)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、図16(A−2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、実行される演出の頻度設定などがある。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、図16(B−1)に示すように、表示部50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、図16(B−2)に示すように、表示部50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、図16(B−3)に示すように、表示部50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1〜第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示部50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、図16(B−4)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示部50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、図16(B−5)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示部50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、図16(C−1)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、図16(C−2)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、図16(C−3)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
4−2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
4−2−1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図17(A)に示すように、表示部50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図17(A)に示すように、表示部50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。
なお、図17(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。
4−2−2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特図の可変表示が開始されると、例えば、図17(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、図17(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、図17(C−1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図17(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、図17(C−2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
4−2−3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図18(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図18(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図18(C−1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、図18(C−2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4−2−4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大あり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図19(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図19(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、図19(C−1)に示すように、表示部50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタ(味方キャラクタ)がバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、図19(C−2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とした場合、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%とした場合、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%とすれば、SPリーチBの大当たり期待度を、SPリーチAの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
4−2−5.Lリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性が、SPリーチよりは低いがNリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチのリーチ演出の実行時間は、SPリーチのリーチ演出の演出時間よりも短い(図11および図12)。よって、Lリーチのリーチ演出では、例えば、SPリーチのリーチ演出よりも短い動画が表示部50aに表示される。なお、Lリーチのリーチ演出の内容は適宜変更可能である。また、Lリーチのリーチ演出の後にSPリーチのリーチ演出が発展的に実行される特図変動パターンを設けてもよい。
4−3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図20(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特図1保留数が『1』の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、図20(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示することが可能である。
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特図1保留数および特図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。また、保留アイコン表示領域50dを設けるが当該アイコン表示領域50eを設けない構成としたり、両者を設けない構成としたりすることも可能である。
4−3−1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
保留演出では、特図1保留数が『0』のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、図20(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、図20(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特図1保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
4−4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、入力装置(通常ボタン40、特殊ボタン41)等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
4−4−1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、図21(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、表示部50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示部50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、図21(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。この可動体演出は、発展演出の一例である。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。また、演出が発展しない場合(例えばNハズレ変動の場合)に、所謂ガセ演出として、可動体演出を行うようにすることも可能である。
4−4−2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者が通常ボタン40や特殊ボタン41を操作する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、入力装置(特殊ボタン41)の押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、図22(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。操作促進演出において、表示部50aに、操作促進画像G3が表示される。操作促進画像G3は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像G32)と、操作有効期間の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像G33)と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなく操作有効期間が経過した後、図22(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、盤上可動体55kが表示部50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4−4−3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
先読み演出では、例えば、特図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に図23〜図24に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図23に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図8(A)および図8(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[2.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図24に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図23の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図8(A)および図8(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
特別動作処理(S106)に次いで、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理を行う(S107)。なお、振分装置16Dを作動させるのは、第2大入賞装置15Dを用いた特別遊技を行う場合である。但し、振分装置16Dを、電源投入から常に一定動作で作動させてもよい。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S108)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理を繰り返し実行し(図23参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[2−1.センサ検出処理]
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図2関係乱数を取得し、取得した特図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図2保留記憶部105bに記憶する。特図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特図2関係乱数と第2先読み判定テーブル(図13参照)とを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図1関係乱数を取得し、取得した特図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図1保留記憶部105aに記憶する。特図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特図1関係乱数と第1先読み判定テーブル(図13参照)とを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
特定領域センサ処理では、特定領域センサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
[2−2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
[2−3.特別動作処理]
特別動作処理(S106)では、特別図柄待機処理、特別図柄変動処理、特別図柄確定処理、大当たり遊技制御処理、遊技状態設定処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[2−3−1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理は、大当たり遊技状態ではなく、特図の可変表示が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数に基づいて、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理を行うとともに、特図2保留記憶部シフト処理を行う。また、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数に基づいて、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理を行うとともに、特図1保留記憶部シフト処理を行う。
特図2判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図2関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と、特図2大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。
特図2変動パターン判定処理は、特図2判定処理の後に行われる処理である。特図2変動パターン判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図2変動パターン判定テーブルとを用いて、特図2変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特図2変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特図2変動パターンが判定される。なお、特図2変動パターンの判定は、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)にも関連付けられる。そして、判定された特図2変動パターンを表す特図2変動開始コマンドを生成する。特図2変動開始コマンドには、特図2であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の可変表示を開始させる。
特図2保留記憶部シフト処理は、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図2保留記憶部シフト処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されていた特図2関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図2関係乱数を特図2保留記憶部105bからクリアする。このようにして、特図2関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図2保留数を表す特図2保留数コマンド生成する。
特図1判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図1関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と、特図1大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。
特図1変動パターン判定処理は、特図1判定処理の後に行われる処理である。特図1変動パターン判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図1変動パターン判定テーブルとを用いて、特図1変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特図1変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特図1変動パターンが判定される。なお、特図1変動パターンの判定は、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)にも関連付けられる。そして、判定された特図1変動パターンを表す特図1変動開始コマンドを生成する。特図1変動開始コマンドには、特図1であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の可変表示を開始させる。
特図1保留記憶部シフト処理は、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図1保留記憶部シフト処理では、特図1保留記憶部105aに記憶されていた特図1関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図1関係乱数を特図1保留記憶部105aからクリアする。このようにして、特図1関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図1保留数を表す特図1保留数コマンド生成する。
なお、特図2保留数および特図1保留数の何れも存在する場合、特図2判定処理が優先して行われ、特図2の可変表示と特図1の可変表示とが並行して行われないようになっている。
[2−3−2.特別図柄変動処理]
特別図柄変動処理は、特図の可変表示中に行われる処理である。特別図柄変動処理では、特図変動時間が経過することに応じて、特図表示器81に、特図の可変表示を終了させるとともに、大当たり判定の結果に応じた特図を停止表示させる。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たりを示す大当たり図柄を停止表示させ、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを示すハズレ図柄を停止表示させる。そして、特図の可変表示の終了を示す特図変動停止コマンドを生成する。
[2−3−3.特別図柄確定処理]
特別図柄確定処理は、特図が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理では、現在停止表示している特図が大当たり図柄である場合には、大当たり遊技状態に移行させる。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ高確率状態を終了させる場合には、通常確率状態を設定する。そして、通常確率状態への移行を示す高確率終了コマンドを生成する。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ時短状態を終了させる場合には、非時短状態を設定する。そして、非時短状態への移行を示す時短終了コマンドを生成する。なお、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ特図2保留数および特図1保留数が「0」の場合には、パチンコ遊技機PY1が待機状態であることを示す客待ちコマンドを生成する。
[2−3−4.大当たり遊技制御処理]
大当たり遊技制御処理は、大当たり遊技状態において行われる処理である。大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技制御テーブルを用いて、大当たり遊技を行う。大当たり遊技状態への移行後、オープニング時間または閉鎖時間の経過に応じて、各ラウンド遊技を開始する。そして、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技コマンドを生成する。また、最終のラウンド遊技を終了させることに応じて、エンディングを開始する。そして、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。
[2−3−5.遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理は、大当たり遊技状態が終了する際に行われる処理である。遊技状態設定処理では、通常確率状態から高確率状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に高確率状態を設定する。高確率状態の継続期間を制限する場合には、高確率状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく高確率状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、高確率状態の設定を示す高確率設定コマンドを生成する。また、非時短状態から時短状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に時短状態を設定する。時短状態の継続期間を制限する場合には、時短状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく時短状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、時短状態の設定を示す時短設定コマンドを生成する。
なお、遊技制御用マイコン101が各処理において生成するコマンドは、適宜に追加または変更することが可能である。
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、図25〜図27に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン121による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
[1.サブ制御メイン処理]
サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図25に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、サブ制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、大当たり遊技演出、客待ち演出など)が実現される。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002〜ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[2.1msタイマ割り込み処理]
1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図26に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理では、通常ボタン検出スイッチ40aや特殊ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データをランプ制御回路151に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動装置制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58などの可動装置を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[3.10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図27に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、通常ボタン40や特殊ボタン41といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、特図変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、特図変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SP大当たり変動やSPハズレ変動)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する特図変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、大当たり遊技演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出などの他の演出についても基本的には同じである。
7.パチンコ遊技機PY1の特徴部
以下、パチンコ遊技機PY1の特徴部を詳細に説明する。なお、パチンコ遊技機PY1の大きな特徴は、一見ハズレに見える演出展開であっても大当たり当選が報知されるという状況を意図的に作り出している点にある。
最初に、遊技制御用マイコン101が実行可能な大当たり遊技について説明する。遊技制御用マイコン101は、図28の大当たり遊技制御テーブルに示す各種の大当たり遊技(大当たり遊技1〜4)を実行可能である。
図28に示すように、遊技制御用マイコン101は、特図1判定処理(第1始動口11への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄1」又は「大当たり図柄2」の何れかを決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄1」を60%の割合で決定し、「大当たり図柄2」を40%の割合で決定する。また、遊技制御用マイコン101は、特図2判定処理(第2始動口12への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄3」又は「大当たり図柄4」の何れかを決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄3」を60%の割合で決定し、「大当たり図柄4」を40%の割合で決定する。
そして、遊技制御用マイコン101は、決定した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技を実行する。具体的には、「大当たり図柄1」が決定された場合に実行される「大当たり遊技1」、および、「大当たり図柄2」が決定された場合に実行される「大当たり遊技2」では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから8Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放し、9Rから16Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14を開放する。この大当たり遊技の9Rから16Rまでは、第1大入賞口14の開放時間が極めて短く、現実的には第1大入賞口14への入賞が見込めないラウンドとなっている。つまり、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は16回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は8回である。
また、「大当たり図柄3」が決定された場合に実行される「大当たり遊技3」、および、「大当たり図柄4」が決定された場合に実行される「大当たり遊技4」では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから16Rまでの全てにおいて、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放する。つまり、この大当たり遊技は、ラウンド遊技の総数も実質的なラウンド遊技の回数も16回である。
従って、実質的なラウンド遊技の回数が16回である「大当たり遊技3」や「大当たり遊技4」は、実質的なラウンド遊技の回数が8回である「大当たり遊技1」または「大当たり遊技2」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言え、「大当たり遊技3」や「大当たり遊技4」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技1」または「大当たり遊技2」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。
次に、遊技制御用マイコン101が制御可能な遊技状態について説明する。遊技制御用マイコン101は、「大当たり遊技1」、「大当たり遊技2」、「大当たり遊技3」、および「大当たり遊技4」の何れの大当たり遊技を実行した場合でも、大当たり遊技後の遊技状態を、時短状態に設定する。また、「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」の何れかの大当たり遊技を実行した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を、高確率状態に設定する一方、「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」の何れかの大当たり遊技を実行した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を、通常確率状態に設定する。つまり、「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」の後は、高確率高ベース遊技状態(高確率状態且つ時短状態)に制御し、「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」の後は、低確率高ベース遊技状態(通常確率状態且つ時短状態)に制御する。
本形態では、「高確率高ベース遊技状態」は、次回の大当たり遊技が実行されるまで継続可能とする。一方、「低確率高ベース遊技状態」は、特図の可変表示の回数が100回となるまで継続可能とする。
従って、その後に高確率状態が設定される「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」は、その後に高確率状態が設定されない「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言える。また、「大当たり遊技1」又は「大当たり遊技3」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技2」又は「大当たり遊技4」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。また、高確率状態の1つである「高確率高ベース遊技状態」は、通常確率状態の1つである「低確率高ベース遊技状態」よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。なお本明細書では、遊技者に有利な遊技状態を有利遊技状態と言うことがある。
次に、遊技制御用マイコン101が決定可能な特図1変動パターンについて説明する。遊技制御用マイコン101は、低確率低ベース遊技状態(通常確率状態且つ非時短状態)では、図29に示す特図1変動パターン判定テーブルを用いて、特図1変動パターンを決定可能である。
遊技制御用マイコン101は、通常確率状態且つ非時短状態に設定しているときの特図1変動パターン判定処理において、特図1判定処理で行った大当たり判定の結果、大当たり図柄種別判定の結果、リーチ判定の結果、および特図変動パターン乱数に基づいて、特図1変動パターンを決定する。図29に示すように、特図1変動パターンとしては、「THP001」〜「THP005」、「THP011」〜「THP013」、「THP016」〜「THP018」の11種類のうちの何れかを決定することが可能である。何れの特図1変動パターンに決定するかは、特図変動パターン乱数によって振り分けられる。なお、本形態における決定割合(振分率)は図29に示す通りである。この決定割合については、適宜に変更することが可能である。
より詳細には、パチンコ遊技機PY1は、大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合は、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄1」であっても「大当たり図柄2」であっても、特図1変動パターンとして、「THP001」〜「THP005」の5種類を決定することが可能である。
このうち「THP001」〜「THP003」は、いずれも「SP大当たり変動」である。後に詳述するが、本形態では、特図変動パターンに予告演出(示唆演出に相当)の実行態様が関連付けられている。具体的には、「THP001」は、変動演出の全期間において通常の演出選択基準にて各種の予告演出を選択する特図変動パターンである。また、「THP002」は、変動演出における特定のタイミングまでの期間(第1期間)においては特殊な演出選択基準にて各種の予告演出を選択し、特定のタイミング以降の期間(第2期間)においては通常の演出選択基準にて各種の予告演出を選択する特図変動パターンである。また、「THP003」は、変動演出の全期間において特殊な演出選択基準にて各種の予告演出を選択する特図変動パターンである。本形態では、変動演出における特定のタイミングとは、SPリーチの開始タイミングである。なお、特定のタイミングをどのタイミングにするかは適宜変更可能である。また、「THP001」は第1の変動パターンの例であり、「THP002」や「THP003」は第2の変動パターンの例である。
ここで、通常の演出選択基準(通常演出選択基準)とは、比較的高い大当たり期待度を示す予告演出(高期待度予告演出)が実行され易い演出選択基準である。これに対して、特殊な演出選択基準(特殊演出選択基準)とは、通常演出選択基準よりも高期待度予告演出が実行され難い演出選択基準である。本形態では、特図変動パターンとして、特殊演出選択基準にて予告演出を選択するパターンを設けることで、一見ハズレに見える演出展開であっても大当たり当選が報知されるという状況を意図的に作り出している。
特図変動パターン「THP001」に関連付けられた予告演出の実行態様を「熱パターン」といい、この特図変動パターンを特に「熱予告/SP大当たり変動」と称する。また、特図変動パターン「THP002」に関連付けられた予告演出の実行態様を「寒熱パターン」といい、この特図変動パターンを特に「寒熱予告/SP大当たり変動」と称する。また、特図変動パターン「THP003」に関連付けられた予告演出の実行態様を「寒パターン」といい、この特図変動パターンを特に「寒予告/SP大当たり変動」と称する。ちなみに、遊技者に有利な状態になる可能性が高い場合を「熱い」と表現し、熱い場合よりも遊技者に有利な状態になる可能性が低い場合を「寒い」と表現する。
なお、「THP004」は、「L大当たり変動」であり、「THP005」は、「N大当たり変動」である。大当たり判定の結果が「大当たり」である場合は、各変動の選択され易さは、「SP大当たり変動」>「L大当たり変動」>「N大当たり変動」の関係にある。また、「SP大当たり変動」に属する各変動の選択され易さは、「熱予告/SP大当たり変動」>「寒熱予告/SP大当たり変動」>「寒予告/SP大当たり変動」の関係にある。このような実行確率とすることにより、「寒熱予告/SP大当たり変動」や「寒予告/SP大当たり変動」を、「熱予告/SP大当たり変動」に対する例外として位置付けている。また、「寒熱予告/SP大当たり変動」よりも「寒予告/SP大当たり変動」を実行され難くすることにより、遊技者にとってはより意外性が強い「寒予告/SP大当たり変動」に希少性を出している。なお本形態では、「寒予告/SP大当たり変動」の振分率は、「N大当たり変動」の振分率と同じである。また、「寒熱予告/SP大当たり変動」の振分率は、「L大当たり変動」よりも高い。特図変動パターンの振分率は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。
また図29に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり判定の結果が「ハズレ」であり、リーチ判定の結果が「リーチ有り」であった場合は、特図1変動パターンとして、「THP011」〜「THP013」の3種類を決定することが可能である。「THP011」は、「SPハズレ変動」であり、「THP012」は、「Lハズレ変動」であり、「THP013」は、「Nハズレ変動」である。これらの各変動の選択され易さは、「Nハズレ変動」>「Lハズレ変動」>「SPハズレ変動」の関係にある。
また、パチンコ遊技機PY1は、大当たり判定の結果が「ハズレ」であり、リーチ判定の結果が「リーチ無し」であった場合は、特図1変動パターンとして、「THP016」〜「THP018」の3種類を決定することが可能である。この3種類の特図1変動パターンのうち何れに決定するかは、特図1保留数によって割り振られている。特図1保留数が0〜2個の場合には、特図変動時間が13000msと比較的長い「THP016」が決定され易く、特図1保留数が3〜4個の場合には、特図変動時間が4000msと比較的短い「THP018」が決定され易くなっている。
次に、SP変動(SP大当たり変動やSPハズレ変動)の演出フローと、予告演出の実行タイミングについて図30に基づいて説明する。図30に示すように、本形態では、特図変動パターンがSP変動である場合、変動演出の演出フローは、「通常変動」→「リーチ」→「Nリーチ」→「SPリーチ」で構成される。つまり、図17(A)(B)(C−2)、図18(A)(B)、図19(A)(B)(C−1)(C−2)に示した流れで変動演出が実行される。なお本形態では、SPリーチは、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを行うバトルリーチである。SP大当たり変動に係るバトルリーチでは、味方キャラクタが勝利する(図19(C−1))。一方、SPハズレ変動に係るバトルリーチでは、味方キャラクタが敗北する(図19(C−2))。バトルリーチにおいて「勝利」の演出(成功演出)又は「敗北」の演出(失敗演出)に分岐することを「当落分岐」と称する。
ここで、特図変動演出を構成する主要な演出について説明する。なお、演出制御用マイコン121は、特図変動演出を構成する各演出において、表示部50aに演出画像を表示するとともに、演出画像の表示に応じて、枠ランプ53や盤ランプ54を用いた発光演出や、スピーカ52を用いた音演出、可動装置55,56,58を用いた可動体演出、入力装置(通常ボタン40、特殊ボタン41)を用いた操作演出等を実行可能である。
A.通常変動
「通常変動」は、特図の可変表示の開始に応じて行われることがある演出である。特図変動演出において最初に行われるため、特図変動演出が開始されたことを示唆する演出として機能する。
B.リーチ
「リーチ」は、「通常変動」の後に、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一の図柄で仮停止表示される演出である。大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合に行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性がある演出として機能する。また、その後に「バトルリーチ」などのリーチ演出に発展することがあるため、リーチ演出が行われる可能性があることを示唆する演出としても機能する。
なおリーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で、遊技者に有利な遊技状態になること(例えば大当たり遊技状態になること)を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。
C.Nリーチ
「Nリーチ」は、「リーチ」が成立した後に行われることがある演出である。大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合に行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性があることを示唆する演出として機能する。
D.SPリーチ(バトルリーチ)
「バトルリーチ」は、「Nリーチ」の後に行われることがある演出であり、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを行う様子を示すリーチ演出である。バトルリーチには、勝利の態様と敗北の態様とがある。勝利のバトルリーチでは、味方キャラクタが勝利する勝利演出(成功演出)が行われる。これに対して、敗北のバトルリーチでは、味方キャラクタが敗北する敗北演出(失敗演出)が行われる。
「バトルリーチ」は、大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合よりも「大当たり」であった場合の方が行われ易いため、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。また、「Nリーチ」で終了する場合よりも、「Nリーチ」後に「バトルリーチ」に発展した場合の方が、大当たり遊技が行われ易いため、「バトルリーチ」は、「Nリーチ」よりも大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出としても機能する。
ここで、パチンコ遊技機PY1は、SP変動に係る変動演出に伴って、種々の予告演出を実行することが可能である。種々の予告演出には、「図柄エフェクト演出」、「可動体駆動演出」、「セリフ予告」、「桜吹雪予告」、「文字色予告」、「カットイン予告」、「操作演出」が含まれている。
「図柄エフェクト演出」、「可動体駆動演出」、及び、「セリフ予告」は、通常変動中に実行される(図30参照)。より詳細には、これらの各予告演出の実行開始タイミングは、「図柄エフェクト演出」が最も早く、「可動体駆動演出」がその次に早く、「セリフ予告」が最も遅い。「図柄エフェクト演出」、「可動体駆動演出」、及び、「セリフ予告」を、「リーチ前予告演出」と総称する。
また、「桜吹雪予告」は、NリーチからSPリーチに発展する際に実行される(図30参照)。「桜吹雪予告」を、その実行タイミングの観点から、「発展時予告演出」と称することがある。
また、「文字色予告」、「カットイン予告」、及び、「操作演出」は、SPリーチ中に実行される(図30参照)。より詳細には、これらの各予告演出の実行開始タイミングは、「文字色予告」が最も早く、「カットイン予告」がその次に早く、「操作演出」が最も遅い。「操作演出」は、当落分岐の前に実行される。すなわち、「操作演出」に続いて、勝利演出(成功演出)あるいは敗北演出(失敗演出)が実行される。なお、「文字色予告」、「カットイン予告」、及び、「操作演出」を、「SPリーチ中予告演出」と総称する。
次に各予告演出について詳細に説明する。
a.図柄エフェクト演出
「図柄エフェクト演出」は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示を開始する際に、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の周囲にエフェクト画像を表示する演出である(図31参照)。エフェクト画像には、光のエフェクト画像(光エフェクト画像G51、図31(B))と、炎のエフェクト画像(炎エフェクト画像G52、図31(C))とがある。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の周囲に光エフェクト画像G51を表示する図柄エフェクト演出(図31(A)(B))を、「光エフェクト」と称する。また、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の周囲に炎エフェクト画像G52を表示する図柄エフェクト演出(図31(A)(C))を、「炎エフェクト」と称する。後述するが、「炎エフェクト」は「光エフェクト」よりも大当たり期待度が高い予告演出である。なお、図柄エフェクト演出において表示するエフェクト画像は、適宜変更可能である。
b.可動体駆動演出
「可動体駆動演出」は、盤下可動体56kを動作させる演出である。可動体駆動演出には、「可動体煽り」と、「可動体出現」とがある。「可動体煽り」は、盤下可動体56kを昇降動作させた後(つまり上昇と下降とを一定時間(例えば3秒程度)にわたって繰り返した後)初期位置に戻す演出である(図32(A)(B)(C))。一方、「可動体出現」は、盤下可動体56kを昇降動作させた後、盤下可動体56kの前面側の全域が遊技者から視認可能となる出現位置に移動させ、一定時間(例えば3秒程度)、出現位置に位置させ続ける演出である(図32(A)(B)(D))。なお本形態では、「可動体煽り」において盤下可動体56kが上昇する位置(高さ)は、初期位置と出現位置の中間程度の位置である(図32(B)(C)参照)。「可動体煽り」では、盤下可動体56kの前面側の上半分程度が遊技者から視認可能となる。後述するが、「可動体出現」は「可動体煽り」よりも大当たり期待度高い予告演出である。なお、可動体駆動演出において動作させる可動体やその動作態様は、適宜変更可能である。
c.セリフ予告
「セリフ予告」は、まずミニキャラG61を表示し(図33(A))、その後、そのミニキャラG61のセリフを表示する演出である(図33(B)(C))。ミニキャラG61のセリフには、「リーチ?」と、「CHANCE!」とがある。「リーチ?」のセリフG62を表示するセリフ予告(図33(A)(B))を、「リーチ?」と称し、「CHANCE!」のセリフG63を表示するセリフ予告(図33(A)(C))を、「CHANCE!」と称する。後述するが、「CHANCE!」は「リーチ?」よりも大当たり期待度が高い予告演出である。なお、セリフ予告において表示するミニキャラやセリフは、適宜変更可能である。
d.桜吹雪予告
「桜吹雪予告」は、NリーチからSPリーチに発展する際に、桜吹雪の画像を表示する演出である。「桜吹雪予告」には、「小吹雪」と、「大吹雪」とがある。「小吹雪」は、所定量の桜吹雪の画像を表示部50aに表示する演出である(図34(A))。一方、「大吹雪」は、「小吹雪」において表示する桜吹雪の量よりも多い量の桜吹雪の画像を表示部50aに表示する演出である(図34(B))。後述するが、「大吹雪」は「小吹雪」よりも大当たり期待度が高い予告演出である。
e.文字色予告
「文字色予告」は、SPリーチ(バトルリーチ)において表示される文字を所定の色で表示する演出である。本形態では、バトルリーチにおいてSPリーチ開始タイトル画像G1を表示した後(図35(A))、味方キャラクタと敵キャラクタとが対峙している画像を表示するが(図35(B)又は(C))、この場面において、味方キャラクタの調子を表現する文字画像「調子が良さそうだ!」を表示する。この文字画像の表示色には白色と赤色とがある。「調子が良さそうだ!」の文字画像を白色で表示する演出(図35(B))を、「白文字」と称する。一方、「調子が良さそうだ!」の文字画像を赤色で表示する演出(図35(C))を、「赤文字」と称する。後述するが、「赤文字」は「白文字」よりも大当たり期待度が高い予告演出である。なお、文字色予告において表示する文字やその色は、適宜変更可能である。
f.カットイン予告
「カットイン予告」は、SPリーチ(バトルリーチ)においてカットイン画像を表示する演出である。本形態では、バトルリーチにおいて味方キャラクタと敵キャラクタとが対峙している画像を表示した後、カットイン画像を表示する(図36参照)。カットイン画像には、主人公キャラクタの仲間のキャラクタAが声援を送る様子を表す声援カットイン画像G81(図36(B))と、主人公キャラクタの仲間のキャラクタBが加勢に来たことを表す加勢カットイン画像G82(図36(C))とがある。声援カットイン画像G81を表示するカットイン予告(図36(A)(B))を、「声援カットイン」と称し、加勢カットイン画像G82を表示するカットイン予告(図36(A)(C))を、「加勢カットイン」と称する。後述するが、「加勢カットイン」は「声援カットイン」よりも大当たり期待度が高い予告演出である。なお、カットイン予告において表示する画像は、適宜変更可能である。
g.操作演出
「操作演出」は、SPリーチ(バトルリーチ)における当落分岐の際に実行される演出であり、遊技者に対して入力装置(本形態では通常ボタン40)の操作を促す演出である。本形態では、バトルリーチにおける当落分岐に際して遊技者に通常ボタン40を操作させ、この操作に応じて、あるいは遊技者による操作がなされることなく通常ボタン40の操作有効期間が経過したことに応じて、成功演出(図19(C−1))あるいは失敗演出(図19(C−2))を実行する。操作演出には、通常ボタン40の操作を促す操作促進画像を所定のサイズで表示する演出(図37(A)(B))と、これよりも大きなサイズで操作促進画像を表示する演出(図37(A)(C))とがある。前者で表示される操作促進画像を通常ボタン画像G91と言い、通常ボタン画像G91を表示する操作演出を「通常ボタン予告」と言う。一方、後者で表示される操作促進画像をデカボタン画像G92と言い、デカボタン画像G92を表示する操作演出を「デカボタン予告」と言う。後述するが、「デカボタン予告」は「通常ボタン予告」よりも大当たり期待度が高い予告演出である。なお、操作演出に利用する入力装置に、特殊ボタン41など、他の入力装置があってもよい。この場合、特殊ボタン41を操作させる操作演出を、通常ボタン40を操作させる操作演出よりも、大当たり期待度が高い予告演出としてもよい。
次に、各種の予告演出の実行抽選について図38に基づいて説明する。演出制御用マイコン121は、図38に示す予告演出選択テーブルに基づいて、予告演出を選択する。つまり演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101から特図変動開始コマンドを受信すると、受信コマンド解析処理(図27、ステップS4201)の中で変動開始コマンド受信時処理を行うが、この処理において、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて変動演出を選択するとともに、予告演出の実行抽選を行う。なお、予告演出の実行抽選の後、演出制御用マイコン121は、選択した予告演出を開始するための予告演出開始コマンドを出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン121は、変動開始コマンド受信時処理において、特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「SPハズレ変動」(THP011)である場合には、図38(A)に示す予告演出選択テーブルに基づいて各種の予告演出の実行抽選を行う。
すなわち、「図柄エフェクト演出」として、「光エフェクト」を40%の割合で選択し、「炎エフェクト」を10%の割合で選択する。また、「可動体駆動演出」として、「可動体煽り」を35%の割合で選択し、「可動体出現」を15%の割合で選択する。また、「セリフ予告」として、「リーチ?」を30%の割合で選択し、「CHANCE!」を20%の割合で選択する。また、「桜吹雪予告」として、「小吹雪」を60%の割合で選択し、「大吹雪」を40%の割合で選択する。また、「文字色予告」として、「白文字」を70%の割合で選択し、「赤文字」を30%の割合で選択する。また、「カットイン予告」として、「声援カットイン」を90%の割合で選択し、「加勢カットイン」を10%の割合で選択する。また、「操作演出」として、「通常ボタン予告」を80%の割合で選択し、「デカボタン予告」を20%の割合で選択する。
また演出制御用マイコン121は、変動開始コマンド受信時処理において、特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「熱予告/SP大当たり変動」(THP001)である場合には、図38(B)に示す予告演出選択テーブルに基づいて各種の予告演出の実行抽選を行う。
すなわち、「図柄エフェクト演出」として、「光エフェクト」を30%の割合で選択し、「炎エフェクト」を60%の割合で選択する。また、「可動体駆動演出」として、「可動体煽り」を25%の割合で選択し、「可動体出現」を65%の割合で選択する。また、「セリフ予告」として、「リーチ?」を20%の割合で選択し、「CHANCE!」を70%の割合で選択する。また、「桜吹雪予告」として、「小吹雪」を20%の割合で選択し、「大吹雪」を80%の割合で選択する。また、「文字色予告」として、「白文字」を30%の割合で選択し、「赤文字」を70%の割合で選択する。また、「カットイン予告」として、「声援カットイン」を35%の割合で選択し、「加勢カットイン」を65%の割合で選択する。また、「操作演出」として、「通常ボタン予告」を35%の割合で選択し、「デカボタン予告」を65%の割合で選択する。
図38(A)に示すハズレ用の予告演出選択テーブルは、ハズレ用演出選択基準(非有利用演出選択基準)であり、図38(B)に示す大当たり用の予告演出選択テーブルは、大当たり用の通常の演出選択基準(通常演出選択基準)である。本形態では、基本的にはこのような割合で各種の予告演出を選択する。そのため、図柄エフェクト演出としては、「炎エフェクト」が「光エフェクト」よりも大当たり期待度が高い。また、可動体駆動演出としては、「可動体出現」が「可動体煽り」よりも大当たり期待度が高い。また、セリフ予告としては、「CHANCE!」が「リーチ?」よりも大当たり期待度が高い。また、桜吹雪予告としては、「大吹雪」が「小吹雪」よりも大当たり期待度が高い。また、文字色予告としては、「赤文字」が「白文字」よりも大当たり期待度が高い。また、カットイン予告としては、「加勢カットイン」が「声援カットイン」よりも大当たり期待度が高い。また、操作演出としては、「デカボタン予告」が「通常ボタン予告」よりも大当たり期待度が高い。
このため、「炎エフェクト」、「可動体出現」、「CHANCE!」、「大吹雪」、「赤文字」、「応援カットイン」、「デカボタン予告」を、高期待度予告演出(高期待度示唆演出)と言う。また、「光エフェクト」、「可動体煽り」、「リーチ?」、「小吹雪」、「白文字」、「声援カットイン」、「通常ボタン予告」を、低期待度予告演出(低期待度示唆演出)と言う。低期待度予告演出(低期待度示唆演出)を、通常予告演出(通常示唆演出)とも言う。
なお、各リーチ前予告演出(図柄エフェクト演出、可動体駆動演出、セリフ予告)は、実行されないことがあるが、実行されない場合よりも実行された場合の方が大当たり期待度は高い。
ハズレ用演出選択基準(図38(A))に従って各種の予告演出の実行抽選を行った場合、SPリーチに係る変動演出の全期間にわたって、高期待度予告演出が実行され難い。このような予告演出の選択態様(あるいは実行態様)を、寒パターン(あるいはハズレパターン)と称する。また、大当たり用の通常演出選択基準(図38(B))に従って各種の予告演出の実行抽選を行った場合、SPリーチに係る変動演出の全期間にわたって、高期待度予告演出が実行され易い。このような予告演出の選択態様(あるいは実行態様)を、熱パターンと称する。
本形態では、このような演出振分を基本としつつも、特図変動パターンが「寒熱予告/SP大当たり変動」(THP002)である場合には、図38(C)に示す予告演出選択テーブルに従って各種の予告演出の実行抽選を行い、特図変動パターンが「寒予告/SP大当たり変動」(THP003)である場合には、図38(D)に示す予告演出選択テーブルに従って各種の予告演出の実行抽選を行う。これらのテーブルは、大当たり用の特殊な演出選択基準であり、図38(C)に示す予告演出選択テーブルを、第1特殊演出選択基準といい、図38(D)に示す予告演出選択テーブルを、第2特殊演出選択基準という。
第1特殊演出選択基準(図38(C))では、各SPリーチ中予告演出(文字色予告、カットイン予告、操作演出)の振分率は、通常演出選択基準(図38(B))と同じであるが、各リーチ前予告演出(図柄エフェクト演出、可動体駆動演出、セリフ予告)および発展時予告演出(桜吹雪予告)の振分率は、ハズレ用演出選択基準(図38(A))と同じである。このため、第1特殊演出選択基準(図38(C))に従って各種の予告演出の実行抽選を行った場合、SPリーチに係る変動演出において、SPリーチの開始前は、高期待度予告演出が実行され難く、SPリーチの開始後は、高期待度予告演出が実行され易い。このような予告演出の選択態様(あるいは実行態様)を、「寒熱パターン」と称する。
なお、変動開始コマンド受信時処理において、特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「寒熱予告/SP大当たり変動」(THP002)であり、図38(C)に示す予告演出選択テーブル(第1特殊演出選択基準)に従って各種の予告演出の実行抽選を行う場合、演出制御用マイコン121は、各予告演出を次のような割合で選択する。
すなわち、「図柄エフェクト演出」として、「光エフェクト」を40%の割合で選択し、「炎エフェクト」を10%の割合で選択する。また、「可動体駆動演出」として、「可動体煽り」を35%の割合で選択し、「可動体出現」を15%の割合で選択する。また、「セリフ予告」として、「リーチ?」を30%の割合で選択し、「CHANCE!」を20%の割合で選択する。また、「桜吹雪予告」として、「小吹雪」を60%の割合で選択し、「大吹雪」を40%の割合で選択する。また、「文字色予告」として、「白文字」を30%の割合で選択し、「赤文字」を70%の割合で選択する。また、「カットイン予告」として、「声援カットイン」を35%の割合で選択し、「加勢カットイン」を65%の割合で選択する。また、「操作演出」として、「通常ボタン予告」を35%の割合で選択し、「デカボタン予告」を65%の割合で選択する。
また、第2特殊演出選択基準(図38(D))では、各リーチ前予告演出(図柄エフェクト演出、可動体駆動演出、セリフ予告)、発展時予告演出(桜吹雪予告)、及び、各SPリーチ中予告演出(文字色予告、カットイン予告、操作演出)の振分率が、ハズレ用演出選択基準(図38(A))と同じである。このため、第2特殊演出選択基準(図38(D))に従って各種の予告演出の実行抽選を行った場合、SPリーチに係る変動演出の全期間にわたって、高期待度予告演出が実行され難い。つまり、この場合の予告演出の選択態様(あるいは実行態様)は、上述のSPハズレ変動の場合と同じ、「寒パターン」である。
なお、変動開始コマンド受信時処理において、特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「寒予告/SP大当たり変動」(THP003)であり、図38(D)に示す予告演出選択テーブル(第2特殊演出選択基準)に従って各種の予告演出の実行抽選を行う場合、演出制御用マイコン121は、各予告演出を次のような割合で選択する。
すなわち、「図柄エフェクト演出」として、「光エフェクト」を40%の割合で選択し、「炎エフェクト」を10%の割合で選択する。また、「可動体駆動演出」として、「可動体煽り」を35%の割合で選択し、「可動体出現」を15%の割合で選択する。また、「セリフ予告」として、「リーチ?」を30%の割合で選択し、「CHANCE!」を20%の割合で選択する。また、「桜吹雪予告」として、「小吹雪」を60%の割合で選択し、「大吹雪」を40%の割合で選択する。また、「文字色予告」として、「白文字」を70%の割合で選択し、「赤文字」を30%の割合で選択する。また、「カットイン予告」として、「声援カットイン」を90%の割合で選択し、「加勢カットイン」を10%の割合で選択する。また、「操作演出」として、「通常ボタン予告」を80%の割合で選択し、「デカボタン予告」を20%の割合で選択する。
次に、「熱パターン」での予告演出の実行例、「寒熱パターン」での予告演出の実行例、「寒パターン」での予告演出の実行例について図39〜図41に基づいて説明する。まず、「熱パターン」での予告演出の実行例について説明する。演出制御用マイコン121は、特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「熱予告/SP大当たり変動」(THP001)である場合、大当たり用の通常演出選択基準(図38(B))に従って予告演出の実行抽選を行う。この場合例えば、各種の予告演出が図39に示すように実行される。すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると、通常変動中に、「炎エフェクト」、「可動体出現」、「CHANCE!」の各予告演出が順次実行される。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチとなり、NリーチからSPリーチに発展する際に、「大吹雪」の予告演出が実行される。SPリーチのリーチ演出中には、「赤文字」、「加勢カットイン」、「デカボタン予告」の各予告演出が順次実行される。そして「デカボタン予告」に続いて、勝利演出(図19(C−1))が実行され、遊技者に大当たり当選が報知される。
このような熱パターンで予告演出が実行された場合、遊技者は、変動演出における早い段階(本形態では通常変動中)から大当たり期待度が高いことを認識することができ、大当たりに対して高い期待感をもって遊技を行うことが可能である。
次に、「寒熱パターン」での予告演出の実行例について説明する。演出制御用マイコン121は、特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「寒熱予告/SP大当たり変動」(THP002)である場合、第1特殊演出選択基準(図38(C))に従って予告演出の実行抽選を行う。この場合例えば、各種の予告演出が図40に示すように実行される。すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると、通常変動中に、「光エフェクト」、「リーチ?」の2つの予告演出が順次実行される。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチとなり、NリーチからSPリーチに発展する際に、「小吹雪」の予告演出が実行される。SPリーチのリーチ演出中には、「赤文字」、「加勢カットイン」、「デカボタン予告」の各予告演出が順次実行される。そして「デカボタン予告」に続いて、勝利演出(図19(C−1))が実行され、遊技者に大当たり当選が報知される。
このような寒熱パターンで予告演出が実行された場合、SPリーチが開始されるまでは、高期待度予告演出が実行されないため、遊技者は、大当たりに対して高い期待感を持たずに遊技を行う。しかし、SPリーチが開始されると、高期待度予告演出が何個も実行されるため、大当たりに対する期待感が高まる。そして最終的には遊技者の期待通りに、勝利演出が実行されて、大当たり当選が報知される。よって、変動演出の途中までは高期待度予告演出が実行されないのに、変動演出の途中からは高期待度予告演出が実行されて大当たりに対する期待感が高まるという意外性のある演出展開によって、遊技の興趣が向上する。
次に、「寒パターン」での予告演出の実行例について説明する。演出制御用マイコン121は、特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「寒予告/SP大当たり変動」(THP003)である場合、第2特殊演出選択基準(図38(D))に従って予告演出の実行抽選を行う。この場合例えば、各種の予告演出が図41に示すように実行される。すなわち、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると、通常変動中に、「光エフェクト」、「リーチ?」の2つの予告演出が順次実行される。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチとなり、NリーチからSPリーチに発展する際に、「小吹雪」の予告演出が実行される。SPリーチのリーチ演出中には、「白文字」、「声援カットイン」、「通常ボタン予告」の各予告演出が順次実行される。そして「通常ボタン予告」に続いて、勝利演出(図19(C−1))が実行され、遊技者に大当たり当選が報知される。
このような寒パターンで予告演出が実行された場合、高期待度予告演出が全く実行されないため、遊技者は、勝利演出が実行されるまで大当たりに対して高い期待感を持たずに遊技を行う。そして、勝利演出が実行されることで、大当たりに当選したことに驚くとともに、高揚感を抱く。このように本形態では、高期待度予告演出が全く実行されなくても、勝利演出が実行される(大当たり当選が報知される)ことがあるため、演出展開の意外性によって遊技の興趣が向上する。
なお、SP大当たり変動において高期待度予告演出が実行され易くなっている期間を、通常予告期間と称し、SP大当たり変動であるのに高期待度予告演出が実行され難くなっている期間を、特殊予告期間と称する。図39に示した熱パターンの実行例では、変動演出の全期間が通常予告期間である。また、図40に示した寒熱パターンの実行例では、変動演出の開始から、SPリーチの開始タイミングTa(特定のタイミングに相当)までの期間が特殊予告期間であり、SPリーチの開始タイミングTaからSPリーチの終了までの期間が通常予告期間である。また、図41に示した寒パターンの実行例では、変動演出の全期間が特殊予告期間である。
8.実施形態の効果
以上説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、変動演出の全期間にわたって高期待度予告演出が実行されて大当たり当選が報知される場合(熱パターン、図39参照)と、変動演出において高期待度予告演出が実行され難い期間があって大当たり当選が報知される場合(寒熱パターンや寒パターン、図40および図41参照)とがある。よって、予告演出の実行状況に基づく大当たりの当否予測に意外性を与えることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
特に本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、変動演出におけるSPリーチの開始までは高期待度予告演出が実行されないのに、SPリーチの開始からは高期待度予告演出が実行されるようになって、大当たり当選が報知される場合(寒熱パターン、図40参照)と、変動演出の全期間にわたって高期待度予告演出があまり実行されないのに大当たり当選が報知される場合とがある(寒パターン、図41参照)。そのため、一層遊技興趣を向上可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、第1特殊演出選択基準(図38(C))に基づいて予告演出が実行される場合には、変動演出においてSPリーチが開始されてから高期待度示唆が実行され易くなるため、SPリーチ以降において遊技者の期待感を徐々に高めることが可能である。よって、遊技興趣を向上可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1によれば、主制御基板100による変動パターンの決定によって(図29参照)、変動演出の全期間にわたって高期待度予告演出が実行され易いのか、変動演出において高期待度予告演出が実行され難い期間が含まれるのかが決定される。そのため、サブ制御基板120側のプログラム等の開発負担を抑えることが可能である。
9.変更例
以下、パチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成しても良い。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
<第2形態>
上述した第1形態のパチンコ遊技機PY1では、遊技制御用マイコン101が選択する特図変動パターンとして、「熱予告/SP大当たり変動」、「寒熱予告/SP大当たり変動」、「寒予告/SP大当たり変動」を設けた(図29参照)。これに対して、第2形態のパチンコ遊技機では、遊技制御用マイコン101が選択する特図変動パターンとしては、1つの「SP大当たり変動」しかないが、この「SP大当たり変動」を示す特図変動開始コマンドを受信した演出制御用マイコン121が、予告演出の選択態様(実行態様)を決定し、その決定に応じて予告演出の実行抽選を行う。つまり、遊技制御用マイコン101が予告演出の選択態様までは決定せず、演出制御用マイコン121によって予告演出の選択態様が決定される。
具体的には、第2形態のパチンコ遊技機では、遊技制御用マイコン101は、低確率低ベース遊技状態(通常確率状態且つ非時短状態)において、図42に示す特図1変動パターン判定テーブルを用いて、特図1変動パターンを決定可能である。図42に示すように、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合は、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄1」であっても「大当たり図柄2」であっても、特図1変動パターンとして、「THP007」、「THP004」、「THP005」の3種類を決定することが可能である。「THP007」は、「SP大当たり変動」であり、「THP004」は、「L大当たり変動」であり、「THP005」は、「N大当たり変動」である。このように第2形態のパチンコ遊技機では、SP大当たり変動に係る特図変動パターンが1種類(THP007)しか設けられていない。この「THP007」は、特定の変動パターンに相当する。なお、ハズレ変動に係る特図変動パターンは、第1形態と同様である。
そして、演出制御用マイコン121は、低確率低ベース遊技状態(通常確率状態且つ非時短状態)において、「SP変動」に係る特図変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを受信した場合、図43に示すサブ変動パターン判定テーブルに従って、サブ変動パターン(変動演出パターン)を選択する。具体的には、特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「SP大当たり変動」(THP007)である場合には、演出制御用マイコン121は、「熱予告/バトルリーチ勝利」のサブ変動パターン(SHP001)を70%の割合で選択し、「寒熱予告/バトルリーチ勝利」のサブ変動パターン(SHP002)を25%の割合で選択し、「寒予告/バトルリーチ勝利」のサブ変動パターン(SHP003)を5%の割合で選択する。これらのサブ変動パターンは、味方キャラクタが勝利するバトルリーチ(バトルリーチ勝利)の演出を行う点で共通しているが、互いに予告演出の実行パターン(実行態様)が異なっている。つまり第2形態では、サブ変動パターンに、予告演出の実行態様が関連付けられている。なお、サブ変動パターンの振分率は適宜変更可能である。
「熱予告/バトルリーチ勝利」のサブ変動パターン(SHP001)が選択された場合、予告演出の実行パターンは「熱パターン」である。すなわち、この場合には、演出制御用マイコン121は、大当たり用の通常演出選択基準(図38(B))に従って各種の予告演出の実行抽選を行う。よって、図39に示したような熱パターンで予告演出が実行される。
「寒熱予告/バトルリーチ勝利」のサブ変動パターン(SHP002)が選択された場合、予告演出の実行パターンは「寒熱パターン」である。すなわち、この場合には、演出制御用マイコン121は、第1特殊演出選択基準(図38(C))に従って各種の予告演出の実行抽選を行う。よって、図40に示したような寒熱パターンで予告演出が実行される。
「寒予告/バトルリーチ勝利」のサブ変動パターン(SHP003)が選択された場合、予告演出の実行パターンは「寒パターン」である。すなわち、この場合には、演出制御用マイコン121は、第2特殊演出選択基準(図38(D))に従って各種の予告演出の実行抽選を行う。よって、図41に示したような寒パターンで予告演出が実行される。
これに対して、特図1変動開始コマンドが示す特図変動パターンが「SPハズレ変動」(THP011)である場合には、演出制御用マイコン121は、「バトルリーチ敗北」のサブ変動パターン(SHP011)を選択する(図43)。このサブ変動パターンは、味方キャラクタが敗北するバトルリーチ(バトルリーチ敗北)の演出を行うサブ変動パターンである。
「バトルリーチ敗北」のサブ変動パターン(SHP011)が選択された場合も、予告演出の実行パターンは「寒パターン」(ハズレパターンとも言う)である。この場合には、演出制御用マイコン121は、ハズレ用の演出選択基準(図38(A))に従って各種の予告演出の実行抽選を行う。
以上説明した第2形態のパチンコ遊技機によれば、主制御基板100によって選択される特図変動パターンの数を増やすことなく、サブ制御基板120による演出選択基準の振り分け(図43参照)によって、変動演出の全期間にわたって高期待度予告演出が実行され易い予告演出の実行態様と、変動演出において高期待度予告演出が実行され難い期間がある予告演出の実行態様とを実現することが可能となっている。よって、主制御基板100の処理負担を増やすことなく、大当たり判定の結果の先バレを減らすことが可能である。なお、第1形態のパチンコ遊技機PY1が奏する効果のうち、本形態との相違点に起因する効果以外のものは、第2形態のパチンコ遊技機においても奏される。
<その他の変更例>
上記形態では、特図1の抽選について、通常確率状態且つ非時短状態(低確低ベース状態)のときの予告演出の実行手法として、3パターン(熱パターン、寒熱パターン、寒パターン)ある構成としたが、低確低ベース状態、低確高ベース状態、高確高ベース状態、高確低ベース状態のうち任意の1つ以上の遊技状態において、予告演出の実行手法が3パターンある構成とすることが可能である。また、各遊技状態において、特図1の抽選および特図2の抽選のうちの両方又はいずれか一方について、予告演出の実行手法が3パターンある構成とすることが可能である。
また上記形態では、大当たり変動に係る予告演出の実行手法として、熱パターン、寒熱パターン、寒パターンの3つを設けたが、熱パターンと寒熱パターンの2つのパターンを有する構成や、熱パターンと寒パターンの2つを有する構成としてもよい。つまり、特殊演出選択基準に基づく予告演出の実行態様が少なくとも1つあればよい。
また上記形態では、確変大当たり(例えば「大当たり図柄1」)に当選した場合であっても、通常大当たり(例えば「大当たり図柄2」)に当選した場合であっても、予告演出の実行態様(熱パターン、寒熱パターン、寒パターン)の振分率は同じであったが(図29参照)、異ならせてもよい。この場合、低確低ベース状態(通常遊技状態)、低確高ベース状態、高確高ベース状態、高確低ベース状態のうち任意の1つ以上の遊技状態において、予告演出の実行態様の振分率を異ならせることが可能である。具体的には例えば、高確高ベース状態において、「確変大当たり」の場合には、熱パターン、寒熱パターン、寒パターンの3つを任意の振分率で選択し、「通常大当たり」の場合には熱パターン、あるいは寒熱パターンのいずれかを任意の振分率で選択する構成とすれば、寒パターンでの大当たり報知を、高確率状態が継続する可能性が極めて高いことの報知と意味づけることが可能となる。
また上記形態では、寒熱パターンとして、変動演出中の高期待度予告演出の実行され易さを2段階に分けた予告演出の実行パターンを設けたが(図40参照)、変動演出中の高期待度予告演出の実行され易さを、3段階以上に分けてもよい。例えば、変動演出におけるリーチ成立前は高期待度予告演出が実行され難い第1特殊予告期間、リーチ成立からSPリーチ発展までは第1特殊予告期間よりも高期待度予告演出が実行され易い第2特殊予告期間、SPリーチ発展以降は第2特殊予告期間よりも高期待度予告演出が実行され易い通常予告期間といった具合に構成してもよい。
また上記形態では、SPリーチの開始の前後で高期待度予告演出の実行され易さを変えたが、Nリーチの開始の前後で高期待度予告演出の実行され易さを変えてもよい。また、リーチ成立前の任意のタイミングで高期待度予告演出の実行され易さを変えてもよい。高期待度予告演出の実行され易さを変える場合、その変化のタイミングが特定のタイミングに相当する。なお、上記形態における寒パターンのように変動演出の全期間が高期待度予告演出が実行され難い期間である場合には、変動演出が終了するタイミングが特定のタイミングに相当する。
また上記形態では、SPリーチとしてバトルリーチを設けたが、SPリーチの演出内容は適宜変更可能である。また、SPリーチに複数の種類(例えば、敵キャラクタXとのバトルリーチ、敵キャラクタYとのバトルリーチ、敵キャラクタZとのバトルリーチ)を設けてもよい。この場合、SPリーチの種類毎に特図変動パターンが異なっていてもよいし、特図変動パターンの種類は同じであるが、これを受信した演出制御用マイコン121が、各SPリーチに対応付けられた異なる複数のサブ変動パターン(変動演出パターン)の中から1つのサブ変動パターンを選択する構成としてもよい。そして、各SPリーチを実行する場合に、熱パターン、寒熱パターン、寒パターンのいずれのパターンでも予告演出を実行できるようにするとよい。なお、SPリーチの種類に応じて大当たり期待度が異なっていてもよい。
また上記形態では、SPハズレ変動に係る予告演出の実行態様として寒パターン(ハズレパターン)だけを設けたが、寒熱パターンで予告演出を実行することがある構成としてもよい。この場合、ハズレ変動に係る寒熱パターンは、大当たり変動に係る寒熱パターンよりも高期待度予告演出が実行され難いことが望ましい。
また上記形態において、リーチ前予告演出、発展時予告演出、SPリーチ中予告演出の種類は、任意に増やしたり減らしたりすることが可能であり、その演出内容は適宜変更可能である。例えば、リーチ前予告演出として、所謂ステップアップ予告等を追加してもよい。また、発展時予告演出として、襖が閉じる演出や、可動体駆動演出を行う構成としてもよい。また、SPリーチ中予告演出として、背景の一部または全部を特定の画像に変更するチャンスアップ予告を行う構成としてもよい。
また上記形態では、各種の予告演出のそれぞれについて、大当たり期待度が高い演出(高期待度示唆演出)と、それよりも大当たり期待度が低い演出(低期待度示唆演出)とを設けたが、例えば、群予告(ミニキャラ等が群をなしている画像を表示する予告演出)など、任意のタイミングで実行されることにより、実行されなかったときよりも非常に高い期待度が示唆される演出を設けてもよい。このような演出も高期待度示唆演出に含まれる。
また、任意の予告演出について、大当たり期待度が高い演出と大当たり期待度が低い演出だけでなく、大当たり期待度が中程度の演出を設けてもよい。つまり、各種の予告演出における大当たり期待度の分類を何段階とするかは適宜設定すればよい。
また上記形態において、所謂疑似連演出(全ての演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を一旦仮停止させたあと再び変動させる再変動表示を所定回数含む演出)を行う変動演出パターンを設けてもよい。この場合例えば、疑似2までの期間(2回目の仮停止までの期間)を高期待度予告演出が実行され難い特殊予告期間とし、疑似3以降の期間(2回目の再変動以降の期間)を高期待度予告演出が実行され易い通常予告期間とすることが可能である。また、疑似3までの期間(3回目の仮停止までの期間)を高期待度予告演出が実行され難い特殊予告期間とし、疑似4以降の期間(3回目の再変動以降の期間)を高期待度予告演出が実行され易い通常予告期間とすることが可能である。また、疑似連演出を伴う変動演出であっても、SPリーチが開始されるまでは高期待度予告演出が実行され難い構成としてもよい。また、疑似連演出を伴う変動演出であっても、変動演出の全期間にわたって高期待度予告演出が実行され難い構成としてもよい。
また、先読み演出(いわゆる連続予告や保留変化予告)の実行について、本発明の技術的思想を適用してもよい。即ち、熱パターンで予告演出を行う場合は、所謂ゾーン予告などの連続予告を実行可能であるが、寒熱パターンや寒パターンで予告演出を実行する場合は、連続予告を実行しないように構成するとよい。また、熱パターンで予告演出を行う場合は、保留変化予告を特定のタイミング(例えば当該変動(先読み演出の実行契機となった始動入賞に基づく変動)における所定のタイミング(例えばSPリーチの開始タイミング))前であっても実行可能であるが、寒熱パターンや寒パターンで予告演出を実行する場合は、保留変化予告を特定のタイミングまでは実行しないように構成するとよい。このように構成すれば、寒熱パターンや寒パターンで予告演出を実行するにも関わらず、先読み演出によって大当たり期待度が高いことが遊技者に悟られてしまうのを防ぐことが可能となる。なお、先読み演出の実行については、本発明の技術的思想を適用せず、熱パターンで予告演出を行う場合も、寒熱パターンや寒パターンで予告演出を行う場合も、区別なく先読み演出を実行する構成としてもよい。
また上記形態では、熱パターンで予告演出を実行する場合は図38(B)に示す予告演出選択テーブルに基づいて演出を選択し、寒熱パターンで予告演出を実行する場合は図38(C)に示す予告演出選択テーブルに基づいて演出を選択し、寒パターンで予告演出を実行する場合は図38(D)に示す予告演出選択テーブルに基づいて演出を選択した。これに対して、寒熱パターンや寒パターンで予告演出を実行する場合であっても、まず、図38(B)に示す予告演出選択テーブルに基づいて予告演出を選択し、その後、寒熱パターンであれば、SPリーチ開始前の高期待度予告演出に対して、演出の差し替えを行い(低期待度予告演出に適宜変更)、寒パターンであれば、変動演出の全期間にわたる高期待度予告演出に対して、演出の差し替え(低期待度示予告演出に適宜変更)を行う構成としてもよい。このような構成であっても、特殊演出選択基準に基づいて演出を選択していると言うものとする。
また、任意に定めた第1の遊技状態では、予告演出の実行態様(熱パターン、寒熱パターン、寒パターン)が特図変動パターンに関連付けられている構成(第1形態の構成、図29参照)を採用し、第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態では、予告演出の実行態様を演出制御用マイコン121が決定する構成(第2形態の構成、図43参照)を採用してもよい。具体的には例えば、特図2の抽選が主に行われる時短状態では、第1形態の構成(図29)を採用し、特図1の抽選が主に行われる非時短状態では、第2形態の構成(図43)を採用することとしてもよい。また、その逆の構成としてもよい。
また上記形態では、特殊予告期間であっても、高期待度予告演出が実行される可能性がある構成(高期待度予告演出が実行され難い構成)としたが(図38参照)、特殊予告期間においては、高期待度予告演出が一切実行されない構成としてもよい。
また、熱パターン、寒熱パターン、寒パターンのそれぞれにおける各種の予告演出の実行確率は適宜変更可能である。例えば、SP大当たり変動に係る寒パターンにおける予告演出の実行確率(図37(D)参照)が、SPハズレ変動に係る予告演出の実行確率(図37(A)参照)と異なっていてもよい。また、寒熱パターンにおける特定のタイミング以降(SPリーチ開始以降)の予告演出の実行確率(図37(C)参照)が、熱パターンにおける対応する予告演出の実行確率(図37(B)参照)と異なっていてもよい。
なお上記形態において、N大当たり変動の場合の各リーチ前予告演出の実行確率は、SPハズレ変動の場合と同じであり、Nハズレ変動の場合の各リーチ前予告演出の実行確率は、SPハズレ変動の場合よりも低く、特に、高期待度予告演出が実行され難くなっているものとする。なお、N大当たり変動やNハズレ変動の場合の予告演出の実行確率については、大当たりやSPリーチに対する期待感を過度に与えるものでなければ、適宜変更可能である。
また上記形態では、大当たり遊技状態(有利遊技状態の一例)になるかを示す変動演出(遊技演出の一例)と、大当たり遊技状態になる期待度を示唆する予告演出(示唆演出の一例)とを実行する場合に、予告演出の実行態様として熱パターン、寒熱パターン、寒パターンを設けた。これに対して、大当たり遊技演出として、大当たり遊技の終了後に高確率状態(有利遊技状態の一例)になるかを示す高確報知演出(遊技演出の一例)と、高確報知演出において結果(高確率状態になるか否か)が示されるまでの間に、高確率状態になる期待度を示唆する示唆演出とを実行することとし、この示唆演出の実行態様として、上記形態のような熱パターン、寒熱パターン、寒パターンが設けられている構成としてもよい。このような構成とすれば、大当たり遊技後に高確率状態にならないと思っている遊技者に驚きや高揚感を与えることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
また、当選時には、実質的な総ラウンド数が何ラウンドあるのかわからない場合がある遊技機において、実質ラウンドが例えば16Rまで続く大当たり遊技状態(有利遊技状態の一例)であることを示すラウンド数報知演出(遊技演出の一例)と、ラウンド数報知演出において結果(16Rまで続くか否か)が示されるまでの間に、16Rまで続くことに対する期待度を示唆する示唆演出とを実行することとし、この示唆演出の実行態様として、上記形態のような熱パターン、寒熱パターン、寒パターンが設けられている構成としてもよい。このような構成とすれば、実質ラウンドが16Rまで続かないと思っている遊技者に驚きや高揚感を与えることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
また、所謂1種2種混合機(小当たり遊技中の大入賞口内の特定領域への遊技球の通過に基づいて大当たり遊技を実行可能な遊技機)において、大当たり遊技の終了後に高ベース状態(有利遊技状態の一例)になることを示す高ベース報知演出(遊技演出の一例)と、高ベース報知演出において結果(高ベース状態になるか否か)が示されるまでの間に、高ベース状態になる期待度を示唆する示唆演出とを実行することとし、この示唆演出の実行態様として、上記形態のような熱パターン、寒熱パターン、寒パターンが設けられている構成としてもよい。このような構成とすれば、大当たり遊技後に高ベース状態にならないと思っている遊技者に驚きや高揚感を与えることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
また上記形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機としたが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本明細書に示されている発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また上記形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したが、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)に適用してもよい。この場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が有利遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が有利遊技状態に相当する。なお、ノーマル機では有利遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化され入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では有利遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。また、本発明を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機などに適用することも可能である。
また実施形態では、特図可変表示に略同調して小図柄KZ1,KZ2,KZ3の可変表示が行われるが、小図柄KZ1,KZ2,KZ3のように3つの図柄で構成させるのではなく、2つなど3つ以外の図柄で構成させてもよい。例えば、特図1と特図2とで分けた2つの図柄を設けても良い。また、特図1と特図2とで共通の1つの図柄を設けても良い。そして、これらの場合、画像表示装置50の表示部50aで表示し、サブ制御基板120にその制御を行わせても良い。また、遊技盤1の遊技領域6以外の領域において、図柄を表示するLED装置を設けても良い。この場合、そのLED装置の制御を主制御基板100またはサブ制御基板120に行わせても良い。
また実施形態では、特図2判定処理が優先的に行われるが、特図1判定処理が優先的に行われるように構成しても良い。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とについて、保留記憶部に記憶された順番で特図判定処理が行われるようにしても良い。
また実施形態では、特図1の可変表示と特図2の可変表示とが並行して行われていないが、特図1の可変表示と特図2の可変表示とが並行して行われるように構成しても良い。
また実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
10.本明細書に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明が開示されている。以下の説明では、実施形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1〜A4の総称であり、発明Bは、以下の発明B1〜B3の総称である。
発明A1:
遊技者に有利な有利遊技状態(例えば大当たり遊技状態)にするかの判定を行う判定手段(遊技制御用マイコン101)と、
前記判定が行われることに応じて、演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)と、を備え、
前記演出実行手段は、
前記有利遊技状態になるかを示す所定の遊技演出(変動演出)を実行可能であるとともに、
前記所定の遊技演出における複数のタイミングで、前記有利遊技状態になることに対する期待度を示唆する示唆演出(予告演出)を実行可能であり(図30参照)、
前記示唆演出には、前記期待度が高いことを示唆する高期待度示唆演出が含まれており、
前記演出実行手段は、
前記有利遊技状態になる旨を示す前記所定の遊技演出(SP大当たり変動に係る変動演出)を実行する場合、
予め定められた通常演出選択基準(図38(B)に示す予告演出選択テーブル)に基づいて前記示唆演出を実行するときと、
当該遊技演出における特定のタイミングまでは、前記通常演出選択基準よりも前記高期待度示唆演出が実行され難い特殊演出選択基準(図38(C)又は図38(D)に示す予告演出選択テーブル)に基づいて前記示唆演出を実行するときと、があることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)。
この構成の遊技機によれば、遊技演出における特定のタイミングまでは高期待度示唆演出が実行されないのに有利遊技状態になることが示される場合があるため、示唆演出に基づく判定結果の予測に意外性を与えることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
発明A2:
発明A1に記載の遊技機であって、
前記特殊演出選択基準には、
前記特定のタイミング(例えばSPリーチの開始タイミング)からは、前記高期待度示唆演出が実行され易い第1特殊演出選択基準(図38(C)に示す予告演出選択テーブル)と、
前記特定のタイミングからも、前記高期待度示唆演出が実行され難い第2特殊演出選択基準(図38(D)に示す予告演出選択テーブル)と、があることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、遊技演出における特定のタイミングまでは高期待度示唆演出が実行されないのに、特定のタイミングからは高期待度示唆演出が実行されるようになって、有利遊技状態になることが示される場合と、遊技演出の全期間にわたって高期待度示唆演出があまり実行されないのに有利遊技状態になることが示される場合とがあるため、遊技者に意外性を与え易くなり、一層遊技興趣を向上可能である。
発明A3:
発明A2に記載の遊技機であって、
前記遊技演出は、複数の演出図柄(EZ1,EZ2,EZ3)を変動表示させた後、前記判定手段による判定の結果を示す態様で停止表示させる変動演出であり、
前記特定のタイミングは、前記変動演出におけるリーチ成立後の所定のタイミング(例えばSPリーチの開始タイミング)であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1特殊演出選択基準に基づいて示唆演出が実行される場合には、変動演出におけるリーチ成立後のあるタイミングから高期待度示唆が実行され易くなるため、リーチ成立後において遊技者の期待感を徐々に高めることにより、遊技興趣を向上可能である。
発明A4:
発明A1から発明A3までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記判定手段(例えば遊技制御用マイコン101による大当たり判定の処理)を有し、遊技の進行を制御するメイン制御部(主制御基板100)と、
前記演出実行手段を有し、前記遊技の進行に伴う演出を制御可能なサブ制御部(サブ制御基板120)と、を備え、
前記メイン制御部は、
識別図柄(特別図柄)を変動表示させた後、前記判定手段による判定の結果を示す態様にて停止表示させることが可能な識別図柄表示制御手段(遊技制御用マイコン101による特別図柄の変動表示および停止表示の処理)と、
前記識別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択手段(遊技制御用マイコン101による特図変動パターンを選択する処理)と、を備え、
前記演出実行手段は、前記変動パターン選択手段によって選択された変動パターンに基づいて、前記遊技演出および前記示唆演出を実行可能なものであり、
前記変動パターン選択手段は、前記有利遊技状態にする旨の判定がなされた場合に、変動時間が同じ複数の変動パターン(図29に示す「THP001」〜「THP003」)のうちのいずれかを選択可能であり、
前記演出実行手段は、
前記複数の変動パターンのうち第1の変動パターン(図29に示す「THP001」)が選択された場合、前記通常演出選択基準に基づいて前記示唆演出を実行し、
前記複数の変動パターンのうち第2の変動パターン(例えば図29に示す「THP002」あるいは「THP003」)が選択された場合、前記特殊演出選択基準に基づいて前記示唆演出を実行することを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、メイン制御部による変動パターンの決定によって、サブ制御部がどのようなパターンで高期待度示唆演出を実行するのかを決めることが可能となる。その結果、サブ制御部の開発負担を抑えることが可能となる。
ところで、従来よりパチンコ遊技機では、遊技者に有利な遊技状態(例えば大当たり遊技状態)にするかの判定が行われ、その判定の結果が示されるまでの間に、様々な演出が行われる。演出の中には、遊技者に有利な遊技状態になることに対する期待度を示唆する演出がある。例えば特開2016−128089号公報には、大当たり判定の結果を示す変動演出に伴って、セリフ予告やウィンドウ予告を実行することにより、大当たり期待度を示唆する遊技機が記載されている。しかしながら、遊技者に有利な遊技状態になることに対する期待度を示唆する演出をどのように行うかについては、遊技興趣の向上のため、改善の余地がある。上記した発明Aは、特開2016−128089号公報に記載の遊技機に対して、「演出実行手段は、有利遊技状態になる旨を示す所定の遊技演出を実行する場合、予め定められた通常演出選択基準に基づいて示唆演出を実行するときと、当該遊技演出における特定のタイミングまでは、通常演出選択基準よりも高期待度示唆演出が実行され難い特殊演出選択基準に基づいて示唆演出を実行するときと、がある」という点で相違している。これにより、「演出を通じて遊技興趣の向上に寄与する遊技機を提供する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
発明B1:
遊技の進行を制御するメイン制御部(主制御基板100)と、
前記遊技の進行に伴う演出を制御可能なサブ制御部(サブ制御基板120)と、を備え、
前記メイン制御部は、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば大当たり遊技状態)にするかの判定を行う判定手段(遊技制御用マイコン101)を備え、
前記サブ制御部は、前記判定が行われることに応じて演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出実行手段は、
前記有利遊技状態になるかを示す所定の遊技演出(例えば変動演出)を実行可能であるとともに、
前記所定の遊技演出における複数のタイミングで、前記有利遊技状態になることに対する期待度を示唆する示唆演出(予告演出)を実行可能であり(図30)、
前記示唆演出には、前記期待度が高いことを示唆する高期待度示唆演出が含まれており、
前記演出実行手段は、
前記有利遊技状態になる旨を示す前記所定の遊技演出(SP大当たり変動に係る変動演出)を実行する場合、
予め定められた通常演出選択基準(図38(B)に示す予告演出選択テーブル)に基づいて前記示唆演出を実行するか、
当該遊技演出における特定のタイミングまでは、前記通常演出選択基準よりも前記高期待度示唆演出が実行され難い特殊演出選択基準(図38(C)又は図38(D)に示す予告演出選択テーブル)に基づいて前記示唆演出を実行するかを決定し(図43に示すサブ変動パターンの選択を行い)、
その決定に応じた演出選択基準に基づいて前記示唆演出を実行することを特徴とする遊技機(第2形態の遊技機)。
この構成の遊技機によれば、サブ制御部によって通常演出選択基準又は特殊演出選択基準のいずれに基づいて示唆演出を行うかが決定され、その決定結果に応じて示唆演出が実行される。そのため、サブ制御部の選択によって、遊技演出における特定のタイミングまでは高期待度示唆演出が実行されないのに有利遊技状態になることが示される場合が生じる。従って、メイン制御部の処理負担を増やすことなく、示唆演出に基づく判定結果の予測に意外性を与えることが可能となり、遊技興趣を向上可能である。
発明B2:
発明B1に記載の遊技機であって、
前記メイン制御部は、
識別図柄(特別図柄)を変動表示させた後、前記判定手段による判定の結果を示す態様にて停止表示させることが可能な識別図柄表示制御手段(遊技制御用マイコン101による特別図柄の変動表示および停止表示の処理)と、
前記識別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択手段(遊技制御用マイコン101による特図変動パターンを選択する処理)と、を備え、
前記変動パターン選択手段は、前記有利遊技状態にする旨の判定がなされた場合に、特定の変動パターン(図42に示す「THP007」)を選択可能であり、
前記演出実行手段は、
前記変動パターン選択手段によって選択された変動パターンに基づいて前記遊技演出を実行可能なものであり、
前記特定の変動パターンが選択された場合に、前記通常演出選択基準に基づいて前記示唆演出を実行するか、前記特殊演出選択基準に基づいて前記示唆演出を実行するかを決定し(図43参照)、その決定に応じた演出選択基準に基づいて前記示唆演出を実行することを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、メイン制御部によって選択される変動パターンの数を増やすことなく、サブ制御部による演出選択基準の振り分けによって、遊技演出における特定のタイミングまでは高期待度示唆演出が実行され難い実行態様を実現することが可能となる。よって、メイン制御部の処理負担を増やすことなく、判定結果の先バレを減らすことが可能となる。
発明B3:
発明B1又は発明B2に記載の遊技機であって、
前記特殊演出選択基準には、
前記特定のタイミング(例えばSPリーチの開始タイミング)からは、前記高期待度示唆演出が実行され易い第1特殊演出選択基準(図38(C)に示す予告演出選択テーブル)と、
前記特定のタイミングからも、前記高期待度示唆演出が実行され難い第2特殊演出選択基準(図38(D)に示す予告演出選択テーブル)と、があることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、遊技演出における特定のタイミングまでは高期待度示唆演出が実行されないのに、特定のタイミングからは高期待度示唆演出が実行されるようになって、有利遊技状態になることが示される場合と、遊技演出の全期間にわたって高期待度示唆演出があまり実行されないのに有利遊技状態になることが示される場合とがあるため、遊技者に意外性を与え易くなり、一層遊技興趣を向上可能である。
発明B4:
発明B3に記載の遊技機であって、
前記遊技演出は、複数の演出図柄(EZ1,EZ2,EZ3)を変動表示させた後、前記判定手段による判定の結果を示す態様で停止表示させる変動演出であり、
前記特定のタイミングは、前記変動演出におけるリーチ成立後の所定のタイミング(例えばSPリーチの開始タイミング)であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1特殊演出選択基準に基づいて示唆演出が実行される場合には、変動演出におけるリーチ成立後のあるタイミングから高期待度示唆が実行され易くなるため、リーチ成立後において遊技者の期待感を徐々に高めることにより、遊技興趣を向上可能である。
ところで、従来よりパチンコ遊技機では、遊技者に有利な遊技状態(例えば大当たり遊技状態)にするかの判定が行われ、その判定の結果が示されるまでの間に、様々な演出が行われる。演出の中には、遊技者に有利な遊技状態になることに対する期待度を示唆する演出がある。例えば特開2016−128089号公報には、大当たり判定の結果を示す変動演出に伴って、セリフ予告やウィンドウ予告を実行することにより、大当たり期待度を示唆する遊技機が記載されている。しかしながら、遊技者に有利な遊技状態になることに対する期待度を示唆する演出をどのように行うかについては、遊技興趣の向上のため、改善の余地がある。上記した発明Bは、特開2016−128089号公報に記載の遊技機に対して、「演出実行手段は、有利遊技状態になる旨を示す所定の遊技演出を実行する場合、予め定められた通常演出選択基準に基づいて示唆演出を実行するか、当該遊技演出における特定のタイミングまでは、通常演出選択基準よりも高期待度示唆演出が実行され難い特殊演出選択基準に基づいて示唆演出を実行するかを決定し、その決定に応じた演出選択基準に基づいて前記示唆演出を実行する」という点で相違している。これにより、「演出を通じて遊技興趣の向上に寄与する遊技機を提供する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。