JP2019141143A - 塗装用ブラシ及び塗装方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)本発明の塗装用ブラシは、複数の毛が裏面に植設された基板と、前記基板の表面に設けられた把持部と、を備える塗装用ブラシであって、前記毛の先端部は、平坦面及び前記平坦面に連続する湾曲面に揃うように形成されている。
(2)上記(1)の構成において、前記基板は、表面側に向けて湾曲した形状の表向湾曲部を有する。
(3)上記(2)の構成において、前記毛は、前記基板の裏面の法線方向に対して前記表向湾曲部の先端に向けて斜めに植設されている。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの構成において、前記毛は、前記基板の裏面の法線方向に対して上方に斜めに植設されている。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの構成の塗装用ブラシを用いた塗装方法は、前記毛に塗料を含ませるステップと、被塗装体の入隅角部に対して前記湾曲面を当接させた状態で、前記入隅角部に沿って前記塗装用ブラシを移動するステップと、を含む。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
また、湾曲面11cに揃う先端部11を第1面C1と第2面C2との間の第3面C3に当接させた状態で、図1において矢印Vで示すように鉛直方向に平行移動させると、表向湾曲部24に植設された複数の毛10における先端部11が揃う湾曲面11cを第1面C1と第2面C2との間の第3面C3に当接させた状態を保ったまま、塗装用ブラシ100をスライドすることができる。
よって、塗装用ブラシ100により、第1面C1(又は第2面C2)を塗装しながら、第3面C3を塗装できる。
なお、第2面C2に対して毛10の先端部11が揃う平坦面11pを当接させた状態で入隅角部Cの第3面C3を同時に塗装する際は、塗装用ブラシ100を図1に示す状態から上下反転して使用する。
基板20は、図3に示すように、第1基板21と、第2基板22と、第3基板23とを備える。基板20は、図4に示すように、正面視において、長方形状である。そして、基板20の長方形状を構成する各辺のうち、少なくとも一辺(図4において左側の辺)は、表向湾曲部24である。表向湾曲部24は、図3に示すように、平面視において、表面20a側に向けて湾曲しており、弾性変形可能になっている。なお、表向湾曲部24の弾性率は、表向湾曲部24の厚みで調節できる。
これにより、表向湾曲部24の裏面20bに植設された毛10を入隅角部Cの第3面C3に押し付けた際に、表向湾曲部24が弾性範囲で変形し、第3面C3の湾曲した形状に馴染んだ形状になるので、第3面C3の塗装ムラを抑制できる。
なお、表向湾曲部24は、基板20の長方形状を構成する各辺のうち、左側と右側の両方の辺に設けてもよい。これにより、塗装用ブラシ100を上下反転させなくても、第1面C1又は第2面C2を塗装しながら、第3面C3を塗装できる。
なお、第1基板21と第2基板22と第3基板23は、それぞれが別体であってもよいが、モールド成形等により一体成形されてもよい。
毛10の素材は、塗料を保持するのに適するものであればよく、例えば、ポリエステル繊維等の化学繊維又は獣毛等の天然繊維である。毛10は、塗料が付着されているかどうかを判りやすくするため、通常、白色、半透明又は透明であるが、色付けされていてもよい。
把持部30は、ユーザが塗装用ブラシ100を指で把持して使用できるようにしたものであり、例えば、熱可塑性樹脂等によって形成される。把持部30は、基板20の表面20aに対して正面視において略中央に設けられる。
把持部30は、ベース31と、支柱32と、グリップ33と、を備える。
把持部30を構成するベース31と、支柱32と、グリップ33とは、一体成形される。
また、グリップ33は、図4から図6に示すように、支柱32の位置に対して、上に延びる長さより、下に延びる長さの方が長くなっている。これにより、グリップ33の裏側面からベース31までの間の支柱32より上の空間αにユーザの右手の人差し指を配置し、グリップ33の裏側面からベース31までの間の支柱32より下の空間βにユーザの右手の中指(又は、中指と薬指)を配置し、グリップ33の表面側の空間γに親指を配置することができる。
以下、塗装用ブラシ100の製造方法の一形態を説明する。
塗装用ブラシ100は、複数の毛10が裏面20bに植設された基板20と、基板20の表面20aに設けられた把持部30と、を備えるので、複数の毛10が裏面20bに植設された基板20と、把持部30とを分けて製造できる。なお、複数の毛10が裏面20bに植設された基板20と、把持部30とを分けずに、基板20と把持部30とを一体成形して、塗装用ブラシ100を製造してもよい。
まず、あらかじめ均一な長さの毛10が全面に植設された基板20の母材を所定の大きさに切断して第1基板21及び第2基板22を作成する。なお、第1基板21及び第2基板22は別体としてもよく、一体としてもよい。
第1基板21及び第2基板22を別体とする場合は、第1基板21及び第2基板22に対して、第1基板21と第2基板22との間を跨ぐように、第3基板23を固定する。
第1基板21及び第2基板22を一体とする場合は、第3基板23をも一体としてよい。すなわち、第1基板21、第2基板22及び第3基板23を、例えばモールド成形により、一体成形して基板20を製造する。この際、複数の毛10と基板20とをインサート成形してもよい。
続いて、第1基板21における一辺を表向きに円弧状に湾曲させる曲げ加工を施して表向湾曲部24を形成する。
続いて、適宜、第2基板22における一辺を裏向きに円弧状に湾曲させる曲げ加工を施して、裏向湾曲部25を形成する。
このようにして、基板20を製造する。なお、裏向湾曲部25を形成すると、毛10の先端部11が裏向きに少し突出するので、裏向湾曲部25を形成した後に、先端部11における突出した部分を切り揃えて、毛10の先端部11が平らになるようにしてもよい。
なお、モールド成形により円弧状に湾曲した同じ形状の第1基板21及び第2基板22を形成し、それらを平面視において点対称になるように配置してから結合して一体とし、その後、毛10を植設したシートを基板20の裏面20bに貼付してもよい。これにより、前述の曲げ加工を省略できる。
このように、塗装用ブラシ100は簡単に製造できる。
塗装用ブラシ100は、次のような塗装方法に用いられる。なお、ここでは、右利きのユーザが、塗装用ブラシ100を用い、第1面C1を塗装しながら第3面C3を塗装する場面を想定して説明する。
まず、毛10に塗料を含ませる(ステップA1)。
次に、被塗装体Wの入隅角部Cに対して、表向湾曲部24の裏面20bに植設された毛10の先端部11である湾曲面11cを当接させた状態で、入隅角部Cに沿って塗装用ブラシ100を移動する(ステップA2)。
このように、塗装用ブラシ100を用いた塗装方法によれば、入隅角部Cを有する被塗装体Wであっても、表向湾曲部24の裏面20bに植設された毛10の先端部11である湾曲面11cによって入隅角部Cを塗装でき、複数種類の刷毛を使用することなく、簡単に塗装できる。
(B1)まず、毛10に塗料を含ませる(ステップB1)。
(B2)次に、把持部30を右手の3本の指で挟むようにして把持し、塗装用ブラシ100の姿勢を図1に示すように、表向湾曲部24の先端が入隅角部Cの第3面C3に対向する姿勢に保持し、被塗装体Wの第1面C1に対して毛10の先端部11が揃う平坦面11pを当接させる(ステップB2)。
(B3)続いて、図1において矢印Hで示すように、第1面C1に対して平坦面11pを当接させた状態で、塗装用ブラシ100を、第1面C1に沿って入隅角部Cの第3面C3に向けて移動し、毛10の先端部11が揃う湾曲面11cを第3面C3に当接させる(ステップB3)。
(B4)続いて、図1において矢印Vで示すように、第1面C1に対して平坦面11pを当接させた状態、かつ、第3面C3に対して表向湾曲部24を当接させた状態で、入隅角部Cに沿って塗装用ブラシ100を移動する(ステップB4)。
(B5)最後に、塗装用ブラシ100を用いて、残る第2面C2を塗装する(ステップB5)。
このように、塗装用ブラシ100を用いた塗装方法によれば、複数種類の刷毛等を使用することなく、第1面C1又は第2面C2を塗装するのと同時に第3面C3を塗装でき、入隅角部Cを簡単に塗装できる。
11 先端部
11c 湾曲面
11p 平坦面
20 基板
20a 表面
20b 裏面
21 第1基板
22 第2基板
23 第3基板
24 表向湾曲部
25 裏向湾曲部
30 把持部
31 ベース
32 支柱
33 グリップ
100 塗装用ブラシ
C 入隅角部
C1 第1面
C2 第2面
C3 第3面
G 連結部
H 矢印
V 矢印
W 被塗装体
α 空間
β 空間
γ 空間
Claims (5)
- 複数の毛が裏面に植設された基板と、
前記基板の表面に設けられた把持部と、を備える塗装用ブラシであって、
前記毛の先端部は、平坦面及び前記平坦面に連続する湾曲面に揃うように形成されている
ことを特徴とする塗装用ブラシ。 - 前記基板は、表面側に向けて湾曲した形状の表向湾曲部を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の塗装用ブラシ。 - 前記毛は、前記基板の裏面の法線方向に対して前記表向湾曲部の先端に向けて斜めに植設されている
ことを特徴とする請求項2に記載の塗装用ブラシ。 - 前記毛は、前記基板の裏面の法線方向に対して上方に斜めに植設されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の塗装用ブラシ。 - 前記毛に塗料を含ませるステップと、
被塗装体の入隅角部に対して前記湾曲面を当接させた状態で、前記入隅角部に沿って前記塗装用ブラシを移動するステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の塗装用ブラシを用いた塗装方法。
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