JP2019138334A - メカニカルシール - Google Patents
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Description
回転軸の傾きの中心がケーシングから離れた位置にある場合、回転軸が外側リングの軸線と垂直な方向に偏って傾くことがある。このような場合、上記(2)のメカニカルシールによれば、回転軸の偏りに合わせて、ケーシングに対して外側リングをその軸線と垂直な方向に偏るように位置調整することができる。また、回転軸の傾きに合わせて、外側リングに対する内側リングの傾きも調整することができる。これにより、ケーシングに対して回転軸が外側リングの軸線と垂直な方向に偏って傾いている回転機器であってもメカニカルシールを組み付けることができる。
この場合、内側リングが外側リングに対して所定範囲を超えて傾くことに起因して、シール部材のシール性能が低下するのを規制部材によって抑制することができる。
この場合、Oリングは、固定側となる外側リングに装着されるため、可動側となる内側リングに装着される場合に比べて、Oリングが外れるのを抑制することができる。
[全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るメカニカルシールを示す断面図である。図1において、本実施形態のメカニカルシール1は、ポンプ、撹拌機等の回転機器に用いられ、この回転機器の回転軸Sと、この回転軸Sを包囲しているケーシングCとの間に配置されている。
メカニカルシール1の回転側ユニット2は、回転軸Sに外嵌されたスリーブ11と、スリーブ11の機内側Bの外周に嵌合されたドライブリング12と、ドライブリング12の機外側Aの内周に嵌合された環状の回転密封環13とを備えている。
メカニカルシール1の静止側ユニット3は、ケーシングCに取り付けられた外側リング31と、外側リング31の内周側に配置された内側リング32と、内側リング32の内周に取り付けられた環状の第1リテーナ33と、第1リテーナ33の機内側Bに取り付けられた環状の第2リテーナ34と、第2リテーナ34の機内側Bに取り付けられた環状の静止密封環35とを備えている。ケーシングCに対する外側リング31の取り付け構造、及び外側リング31に対する内側リング32の取り付け構造については後述する。
図2は、外側リング31の正面図である。図1及び図2において、外側リング31は、軸線Xを中心とした円周面からなる外周面31dを有する。外側リング31は、その機内側Bの端面がケーシングCの機外側Aの端面に当接した状態で、ケーシングCに対して軸線Xと垂直な方向(図1の上下方向)に位置調整可能に取り付けられている。
図3は、図1の要部拡大断面図である。図3において、外側リング31の内周において、その機外側Aの端から軸方向の途中位置までには凹曲面31bが形成され、前記途中位置から機内側Bの端までには円周面31cが形成されている。本実施形態の凹曲面31bは、凹球面からなる。
また、外側リング31の内周の機内側Bには円周面31cが形成されているため、外側リング31の機内側Bから内側リング32を挿入することによって、外側リング31の内周側に内側リング32を簡単に組み付けることができる。
また、外側リング31の内周全体を凹曲面としてもよい。この場合には、外側リング31を周方向に分割して構成し、内側リング32の外周側に外側リング31の分割体を組み付ければよい。
なお、回り止め機構60は、外側リング31に対して内側リング32がその軸線回りに回転するのを規制するものであれば、ピン61と溝部62以外のもので構成されていてもよい。
図1において、本実施形態の回転軸Sは、ケーシングCから機外側Aへ所定距離だけ離れた位置において、図示しないベアリングによって回転可能に支持されている。このため、回転機器に精度不良が発生すると、回転軸Sの軸線Yが、図1の破線で示すように、前記ベアリングの支持部を中心として、ケーシングC側である外側リング31の軸線Xに対して、当該軸線Xと垂直な方向(図1では下方向)に偏って傾く場合がある。
すなわち、回転軸Sの前記垂直な方向への偏りに対しては、その偏りに合わせて、ケーシングCに対して外側リング31を前記垂直な方向に偏るように位置調整する。この位置調整は、スタッドボルト42A,42Bに締め付けられているナット43を緩め、外側リング31の切欠溝31aとスタッドボルト42A(42B)との相対位置が変位するように、外側リング31を前記垂直な方向に移動させることによって行うことができる(図2も参照)。
本実施形態のメカニカルシール1については、回転軸Sの軸線Yが、図1の2点鎖線で示すように、外側リング31の凹曲面31bの曲率中心Pを中心として傾いている回転機器にも静止側ユニット3を組み付けることができる。この場合は、以下のようにして静止側ユニット3を組み付ける。
本実施形態のメカニカルシール1によれば、ケーシングC側の外側リング31の内周に形成された凹曲面31bに対向して、内側リング32の外周に形成された凸曲面32bが配置される。このため、回転軸Sの軸線Yが、図1の2点鎖線で示すように、外側リング31の凹曲面31bの曲率中心Pを中心として傾いている回転機器において、静止側ユニット3をケーシングCに組み付ける際に、ケーシングCに対する回転軸Sの傾きに合わせて、外側リング31に対する内側リング32の傾きを調整することができる。これにより、ケーシングCに対して、外側リング31の凹曲面31bの曲率中心Pを中心として回転軸Sが傾いている回転機器であっても、メカニカルシール1を組み付けることができる。
本実施形態における外側リング31の切欠溝31aは、図2の上下方向以外に、図2の左右方向など、軸線Xと垂直な方向であり且つ回転軸Sが偏っている方向に長く切り欠いて形成されていればよい。また、切欠溝31aの替わりに長孔を形成してもよい。
例えば、本実施形態のメカニカルシール1は、回転密封環13と静止密封環35とを押圧させながら摺接させるための押圧部材(スプリング41やベローズ等)が静止側ユニット3側に設けられた、いわゆる静止型のメカニカルシールであるが、前記押圧部材が回転側ユニット2側に設けられた、いわゆる回転型のメカニカルシールにも適用することができる。
2 回転側ユニット
3 静止側ユニット
13 回転密封環
31 外側リング
31b 凹曲面
31e 第1環状溝
31f 第2環状溝
32 内側リング
32b 凸曲面
35 静止密封環
50 シール部材
51 第1のOリング
52 第2のOリング
60 回り止め機構
70 規制部材
C ケーシング
S 回転軸
X 外側リングの軸線
Claims (4)
- 回転軸に一体回転可能に設けられ、回転密封環を有する回転側ユニットと、
前記回転軸を包囲しているケーシングに設けられ、前記回転密封環が摺接する静止密封環を有する静止側ユニットと、を備え、
前記静止側ユニットは、
前記ケーシングに取り付けられる外側リングと、
前記外側リングの内周側に配置され、前記静止密封環が設けられる内側リングと、
前記外側リングの内周と前記内側リングの外周との間をシールするシール部材と、
前記外側リングに対して、前記内側リングがその軸線回りに回転するのを規制する回り止め機構と、を有し、
前記外側リングの内周には、凹曲面が形成され、
前記内側リングの外周には、前記ケーシングに対する前記回転軸の傾きに合わせて、前記外側リングに対する前記内側リングの傾きを調整できるように、前記凹曲面に対向して配置された凸曲面が形成されている、メカニカルシール。 - 前記外側リングが、前記ケーシングに対して、前記外側リングの軸線と垂直な方向に位置調整可能に取り付けられる、請求項1に記載のメカニカルシール。
- 前記静止側ユニットは、前記内側リングが前記外側リングに対して所定範囲を超えて傾くのを規制する規制部材をさらに有する、請求項1又は2に記載のメカニカルシール。
- 前記シール部材は、Oリングであり、
前記外側リングの内周に、前記Oリングが装着される環状溝が形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のメカニカルシール。
Priority Applications (1)
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JP2018020218A JP7066433B2 (ja) | 2018-02-07 | 2018-02-07 | メカニカルシール |
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JP2018020218A JP7066433B2 (ja) | 2018-02-07 | 2018-02-07 | メカニカルシール |
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JP2019138334A true JP2019138334A (ja) | 2019-08-22 |
JP7066433B2 JP7066433B2 (ja) | 2022-05-13 |
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ID=67693465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018020218A Active JP7066433B2 (ja) | 2018-02-07 | 2018-02-07 | メカニカルシール |
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JP (1) | JP7066433B2 (ja) |
Citations (5)
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US20160312898A1 (en) * | 2015-04-21 | 2016-10-27 | Inpro/Seal Llc | Shaft Seal Assembly |
-
2018
- 2018-02-07 JP JP2018020218A patent/JP7066433B2/ja active Active
Patent Citations (5)
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US20160312898A1 (en) * | 2015-04-21 | 2016-10-27 | Inpro/Seal Llc | Shaft Seal Assembly |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP7066433B2 (ja) | 2022-05-13 |
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