JP2019135202A - 光学ガラス - Google Patents

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Hiroto Nojima
浩人 野嶋
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早矢 吉川
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晟大 二野宮
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Abstract

【課題】屈折率(nd)及びアッベ数(νd)が所望の範囲内にありながら、時間の経過による光線透過率の低下が起こり難い光学ガラスを得る。【解決手段】光学ガラスは、酸化物基準の質量%で、SiO2成分を30.0〜80.0%、B2O3成分を1.0〜30.0%及びRn2O成分(式中、RnはLi、Na、Kの少なくともいずれかである)を1.0〜30.0%含有し、屈折率(nd)が1.47〜1.54、アッベ数(νd)が60〜68の範囲の光学定数を有し、日本光学硝子工業会規格JOGIS04−2005「光学ガラスのソラリゼーションの測定方法」に準じ、光を照射した前後の分光透過率をそれぞれ測定した際の劣化量が1%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、光学ガラスに関し、より具体的には耐熱衝撃性の高い光学ガラスに関する。
光学ガラスは、デジタルカメラやビデオカメラ等の撮影機器や、プロジェクタやプロジェクションテレビ等の画像再生(投影)機器等の各種光学機器の分野において用いられており、これらの機器において、光学系を構成するレンズやプリズム等の用途に用いられている。
ここで、屈折率(nd)が1.47〜1.54、アッベ数(νd)が60〜68の範囲の光学定数を有する光学ガラスとしては、特許文献1〜4に代表されるようなガラス組成物が知られている。
特開2001−089183号公報 特開2002−020136号公報 特開2002−356348号公報 特開2003−341557号公報
しかし、強力なレーザ光を扱う、プロジェクタやレーザ素子、レーザ発振器、レーザ加工機の用途において、光学ガラスが着色する問題が生じていた。例えば、プロジェクタの用途においては、2013年ごろから白熱光に代わってレーザ光が用いられるようになり、直進性が高く、エネルギー量及びエネルギー密度の高いレーザ光が、レンズやプリズムを構成する光学ガラスに当たることで、光学ガラスの光線透過率が時間の経過とともに低下する問題が生じるようになった。
また、このような光学ガラスの光線透過率が低下する問題は、監視カメラ、アクションカメラ、車載用カメラ又はヘッドライトの用途においても生じていた。特に、屋外で用いられるこれらの用途では、直射日光が光学ガラスに当たることで、同様の問題が生じていた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、時間の経過による光線透過率の低下が起こり難い光学ガラスを得ることにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意試験研究を重ねた結果、SiO成分とB成分、アルカリ金属成分を含有する光学ガラスにおいて、ソラリゼーションの小さな光学ガラスが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 酸化物基準の質量%で、
SiO成分 30.0〜80.0%、
成分 1.0〜30.0%及び
RnO成分(式中、RnはLi、Na、Kの少なくともいずれかである) 1.0〜30.0%であり、
屈折率(nd)が1.47〜1.54、アッベ数(νd)が60〜68の範囲の光学定数を有し、
日本光学硝子工業会規格JOGIS04−2005「光学ガラスのソラリゼーションの測定方法」に準じ、光を照射した前後の分光透過率をそれぞれ測定した際の劣化量が1%以下である、光学ガラス。
(2) レーザ光又は直射日光が入射される光学機器に用いられる(1)記載の光学ガラス。
(3) レーザプロジェクタ、レーザ加工機、レーザ素子、レーザ発振器又はヘッドライトの用途に用いられる、(1)又は(2)記載の光学ガラス。
本発明によれば、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、時間の経過による光線透過率の低下が起こり難い光学ガラスを得ることができる。
本発明の光学ガラスが好適に用いられる、レーザプロジェクタの光学系の構造を示す模式断面図である。 本発明の光学ガラスが好適に用いられる、輸送機用ヘッドライトの構造を示す模式断面図である。 本発明の光学ガラスが好適に用いられる、レーザ素子の光学系の構造を示す模式断面図である。 本発明の光学ガラスが好適に用いられる、レーザ発振器の光学系の構造を示す模式断面図である。 本発明の光学ガラスが好適に用いられる、レーザ加工機の光学系の構造を示す模式断面図である。 本発明の光学ガラスが好適に用いられる、車載カメラの光学系の構造を示す模式断面図である。
本発明の光学ガラスは、酸化物基準の質量%で、SiO成分を30.0〜80.0%、B成分を1.0〜30.0%及びRnO成分(式中、RnはLi、Na、Kの少なくともいずれかである)を1.0〜30.0%含有し、屈折率(nd)が1.47〜1.54、アッベ数(νd)が60〜68の範囲の光学定数を有し、日本光学硝子工業会規格JOGIS04−2005「光学ガラスのソラリゼーションの測定方法」に準じ、光を照射した前後の分光透過率をそれぞれ測定した際の劣化量が1%以下である。SiO成分とB成分、アルカリ金属成分を含有する光学ガラスにおいて、ソラリゼーションの小さな光学ガラスが得られる。そのため、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、時間の経過による光線透過率の低下が起こり難い光学ガラスを得ることができる。
以下、本発明の光学ガラスの実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
≪ガラス成分≫
本発明の光学ガラスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。本明細書中で特に断りがない場合、各成分の含有量は、全て酸化物換算組成のガラス全質量に対する質量%で表示されるものとする。ここで、「酸化物換算組成」とは、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が熔融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総質量を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
<必須成分、任意成分について>
SiO成分は、ガラス形成酸化物として欠かすことの出来ない必須成分であり、ガラスの化学的耐久性を高められる成分である。
特に、SiO成分を30.0%以上含有することで、ガラスの着色を低減でき、耐失透性を高められ、また、化学的耐久性を高めることができる。従って、SiO成分の含有量は、好ましくは30.0%、より好ましくは40.0%、さらに好ましくは46.0%、さらに好ましくは50.0%、さらに好ましくは55.0%、さらに好ましくは60.0%を下限とする。
一方で、SiO成分の含有量を80.0%以下にすることで、ガラス転移点や屈伏点の上昇を抑え、且つ屈折率の低下を抑えることができる。従って、SiO成分の含有量は、好ましくは80.0%、より好ましくは78.0%、さらに好ましくは74.0%、さらに好ましくは70.0%、さらに好ましくは65.0%を上限とする。
成分は、ガラス形成酸化物として欠かすことの出来ない必須成分であり、熔融粘度を小さくして均質なガラスを得る成分である。
特に、B成分を1.0%以上含有することで、ガラスの耐失透性を高められ、且つガラスの分散を小さくできる。従って、B成分の含有量は、好ましくは1.0%、より好ましくは3.0%、さらに好ましくは6.0%、さらに好ましくは10.0%、さらに好ましくは14.0%を下限とする。
一方、B成分の含有量を30.0%以下にすることで、より高い屈折率を得易くでき、化学的耐久性の悪化を抑えられる。従って、B成分の含有量は、好ましくは30.0%、より好ましくは25.0%、さらに好ましくは22.0%、さらに好ましくは19.0%を上限とする。
RnO成分(式中、RnはLi、Na、Kからなる群より選択される1種以上)の合計量は、1.0〜30.0%が好ましい。
特に、この合計量を1.0%以上とすることで、ガラス転移点や屈伏点を下げることができ、また、ガラス作製時の溶融性を向上させることができる。従って、RnO成分の質量和は、好ましくは1.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは8.0%、さらに好ましくは11.0%、さらに好ましくは12.5%を下限とする。
他方で、この合計量を30.0%以下とすることで、ガラスのソラリゼーションを小さくすることができる。また、ガラスの屈折率を低下し難くでき、ガラスの化学的耐久性を高めることができ、また、耐失透性を高められる。従って、RnO成分の質量和は、好ましくは30.0%、より好ましくは26.0%、さらに好ましくは22.0%、さらに好ましくは18.0%、さらに好ましくは16.0%を上限とする。
LiO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの熔融性を改善し、ガラス転移点を低くでき、また、プレス成形時の成形性を高められる任意成分である。従って、LiO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは2.0%、さらに好ましくは4.0%、さらに好ましくは5.5%を下限としてもよい。
他方で、LiO成分の含有量を20.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くでき、ガラスの化学的耐久性を高めることができ、また、耐失透性を高められる。従って、LiO成分の含有量は、好ましくは20.0%、より好ましくは15.0%、さらに好ましくは11.0%、さらに好ましくは8.0%を上限とする。
NaO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの熔融性を改善し、ガラスの耐失透性を高め、且つガラス転移点を低くできる任意成分である。
他方で、NaO成分の含有量を15.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くでき、ガラスの化学的耐久性を高めることができる。従って、NaO成分の含有量は、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは7.0%、さらに好ましくは4.0%を上限とする。
O成分は、0%超含有する場合に、ガラスの熔融性を改善し、ガラスの耐失透性を高め、且つガラス転移点を低くできる任意成分である。従って、KO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは2.0%、さらに好ましくは6.6%を下限としてもよい。
他方で、KO成分の含有量を25.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くでき、ガラスの化学的耐久性を高めることができる。従って、KO成分の含有量は、好ましくは25.0%、より好ましくは23.0%、さらに好ましくは20.0%、さらに好ましくは17.0%、さらに好ましくは14.0%、さらに好ましくは9.0%を上限とする。
Al成分は、0%超含有する場合に、ガラスの化学的耐久性を高め、且つガラスの分相を抑え、また、耐失透性を高める任意成分である。従って、Al成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは1.0%、さらに好ましくは3.0%、さらに好ましくは5.0%を下限としてもよい。
他方で、Al成分の含有量を23.0%以下にすることで、これらの過剰な含有によるガラスの耐失透性の低下を抑えられ、ガラスの屈伏点の上昇を抑え、また、ガラスの成形時における粘度を低くしてプレス成形し易くすることができる。従って、Al成分の含有量は、好ましくは23.0%、より好ましくは19.0%、さらに好ましくは15.0%、さらに好ましくは10.0%、さらに好ましくは9.0%を上限とする。
SiO成分、B成分及びAl成分の合計量は、50.0%以上が好ましい。これにより、所望の屈折率及びアッベ数を有し、プレス成形に適した低屈伏点及び粘度が得られるとともに、優れた化学的耐久性や耐失透性を得ることができる。従って、質量和(SiO+B+Al)は、好ましくは50.0%、より好ましくは60.0%、さらに好ましくは68.0%、さらに好ましくは75.0%、さらに好ましくは83.0%を下限とする。他方で、この合計量は、好ましくは98.0%、より好ましくは94.0%、さらに好ましくは90.0%を上限としてもよい。
TiO成分は、0%超含有する場合に、ガラスのソラリゼーションによる着色を低減し、化学的耐久性を向上し、また、ガラスの屈折率を高く、アッベ数を低く調整し、且つ耐失透性を高められる任意成分である。従って、TiO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは0.01%、さらに好ましくは0.05%、さらに好ましくは0.10%を下限としてもよい。
他方で、TiOの含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの着色を低減して可視光透過率を高められ、また、アッベ数の低下を抑えられる。従って、TiO成分の含有量は、好ましくは10.0%、より好ましくは5.0%、さらに好ましくは3.0%、さらに好ましくは1.0%を上限とする。
Nb成分及びWO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高められ、且つ耐失透性を高められる任意成分である。また、WO成分は、ガラス転移点を低くできる成分でもある。
他方で、Nb成分及びWO成分の含有量を各々10.0%以下にすることで、ガラスの着色を低減して可視光透過率を高められ、また、アッベ数の低下を抑えられる。従って、Nb成分及びWO成分の含有量は、それぞれ好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
ZnO成分は、0%超含有する場合に、ガラス転移点や屈伏点を低くでき、成型時の粘度を低く調整することができ、また、化学的耐久性を高められる任意成分である。そのため、ZnO成分の含有量は、好ましくは0%超、より好ましくは0.1%、さらに好ましくは0.5%を下限としてもよい。
他方で、ZnO成分の含有量を15.0%以下にすることで、耐失透性の低下を抑えられる。従って、ZnO成分の含有量は、好ましくは15.0%、より好ましくは10.0%、さらに好ましくは6.0%、さらに好ましくは4.0%を上限とする。
MgO成分、CaO成分、SrO成分及びBaO成分は、0%超含有する場合に、ガラス原料の熔融性やガラスの耐失透性を高められる任意成分である。
他方で、MgO成分、CaO成分、SrO成分及びBaO成分の各々の含有量を10.0%以下にすることで、これらの成分の過剰な含有による、屈折率の低下や耐失透性の低下を抑えられる。従って、MgO成分、CaO成分、SrO成分及びBaO成分の含有量は、それぞれ好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
RO成分(式中、RはMg、Ca、Sr、Baからなる群より選択される1種以上)の含有量の合計(質量和)は、12.0%以下が好ましい。これにより、RO成分の過剰な含有による、ガラスの屈折率の低下や耐失透性の低下を抑えられる。従って、RO成分の質量和は、好ましくは12.0%以下、より好ましくは10.0%未満、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
La成分、Gd成分、Y成分及びYb成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高め、且つアッベ数を高められる任意成分である。
他方で、La成分、Gd成分、Y成分及びYb成分の各々の含有量を10.0%以下にすることで、必要以上の屈折率の上昇を抑えられ、また、ガラスの耐失透性を高められる。従って、La成分、Gd成分、Y成分及びYb成分の含有量は、それぞれ好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
Ln成分(式中、LnはLa、Gd、Y、Ybからなる群より選択される1種以上)の含有量の和(質量和)は、10.0%以下が好ましい。
この和を10.0%以下にすることで、必要以上の屈折率の上昇を抑えられ、また、ガラスの耐失透性を高められる。従って、Ln成分の質量和は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
成分は、0%超含有する場合に、ガラスの耐失透性を高められる任意成分である。
他方で、P成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの化学的耐久性、特に耐水性の低下を抑えられる。従って、P成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
GeO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高め、且つ耐失透性を向上できる任意成分である。しかしながら、GeOは原料価格が高いため、その量が多いと材料コストが高くなる。従って、GeO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とし、最も好ましくは含有しない。
ZrO成分は、0%超含有する場合に、ガラスの高屈折率化及び低分散化に寄与でき、且つガラスの耐失透性を高められる任意成分である。
他方で、ZrO成分の含有量を10.0%以下にすることで、ZrO成分の過剰な含有によるガラスの耐失透性の低下を抑えられる。従って、ZrO成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
Ta成分は、0%超含有する場合に、ガラスの屈折率を高め、耐失透性を高め、且つ熔融ガラスの粘性を高められる任意成分である。
他方で、高価なTa成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの材料コストが低減されるため、より安価な光学ガラスを作製できる。また、これにより、原料の熔解温度が低くなり、原料の熔解に要するエネルギーが低減されるため、光学ガラスの製造コストをも低減できる。従って、Ta成分の含有量は、好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
Bi成分及びTeO成分は、0%超含有する場合に、屈折率を高め、且つガラス転移点を下げられる任意成分である。
一方で、Bi成分の含有量を10.0%以下にすることで、ガラスの耐失透性を高められ、且つ、ガラスの着色を低減して可視光透過率を高められる。
また、TeOは白金製の坩堝や、溶融ガラスと接する部分が白金で形成されている溶融槽でガラス原料を熔融する際、白金と合金化しうる問題がある。
従って、Bi成分及びTeO成分の含有量は、それぞれ好ましくは10.0%以下、より好ましくは5.0%未満、さらに好ましくは3.0%未満、さらに好ましくは1.0%未満とする。
SnO成分は、0%超含有する場合に、熔融ガラスの酸化を低減して清澄し、且つガラスの可視光透過率を高められる任意成分である。
一方で、SnO成分の含有量を3.0%以下にすることで、熔融ガラスの還元によるガラスの着色や、ガラスの失透を低減できる。また、SnO成分と熔解設備(特にPt等の貴金属)の合金化が低減されるため、熔解設備の長寿命化を図れる。従って、SnO成分の含有量は、好ましくは3.0%、より好ましくは1.0%、さらに好ましくは0.5%を上限とする。
Sb成分は、0%超含有する場合に、熔融ガラスを脱泡できる任意成分である。
一方で、Sb成分の含有量が多すぎると、ガラスのソラリゼーションが大きくなる。また、可視光領域の短波長領域における透過率が悪くなる。従って、Sb成分の含有量は、好ましくは2.0%、より好ましくは1.0%、さらに好ましくは0.5%を上限とする。
なお、ガラスを清澄し脱泡する成分は、上記のSb成分に限定されるものではなく、ガラス製造の分野における公知の清澄剤、脱泡剤或いはそれらの組み合わせを用いることができる。
<含有すべきでない成分について>
次に、本発明の光学ガラスに含有すべきでない成分、及び含有することが好ましくない成分について説明する。
他の成分を本願発明のガラスの特性を損なわない範囲で必要に応じ、添加することができる。ただし、Ti、Zr、Nb、W、La、Gd、Y、Yb、Luを除く、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びMo等の各遷移金属成分は、それぞれを単独又は複合して少量含有した場合でもガラスが着色し、可視域の特定の波長に吸収を生じる性質があるため、特に可視領域の波長を使用する光学ガラスにおいては、実質的に含まないことが好ましい。
また、PbO等の鉛化合物及びAs等の砒素化合物は、環境負荷が高い成分であるため、実質的に含有しないこと、すなわち、不可避な混入を除いて一切含有しないことが望ましい。
さらに、Th、Cd、Tl、Os、Be、及びSeの各成分は、近年有害な化学物資として使用を控える傾向にあり、ガラスの製造工程のみならず、加工工程、及び製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合には、これらを実質的に含有しないことが好ましい。
≪製造方法≫
本発明の光学ガラスは、例えば以下のように作製される。すなわち、酸化物、炭酸塩、硝酸塩及び水酸化物等の原料を各成分が所定の含有量の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を白金坩堝に投入し、ガラス組成の熔融難易度に応じて電気炉で1200〜1500℃の温度範囲で2〜4時間熔融し、攪拌均質化した後、適当な温度に下げてから金型に鋳込み、徐冷することにより作製される。
≪物性≫
本発明の光学ガラスは、高アッベ数(低分散)を有することが好ましい。特に、本発明の光学ガラスのアッベ数(ν)は、好ましくは60を下限とし、好ましくは68、より好ましくは65を上限とする。このような低分散を有することで、単レンズであっても光の波長による焦点のずれ(色収差)が小さくなる。加えて、このような低分散を有することで、例えば高分散(低いアッベ数)を有する光学素子と組み合わせた場合に、高い結像特性等を図ることができる。
また、本発明の光学ガラスの屈折率(n)は、好ましくは1.47、より好ましくは1.48を下限とする。この屈折率の上限は、好ましくは1.54、より好ましくは1.53であってもよい。
本発明の光学ガラスは、このように高い結像特性等を図りながらも、光学系の小型化を図ることができ、その場合であっても、時間の経過による光線透過率の低下が起こり難いガラスである。
特に、本発明の光学ガラスは、波長365nmに強いピークを持つ光についての分光透過率の劣化量が1.0%以下である。これにより、レーザ光として多く用いられる青色光(波長450nm)や、直射日光を光学ガラスに長時間当てたときにも、時間の経過による分光透過率の劣化が起こり難くなる。そのため、レーザ光を扱う装置や、直射日光が光学ガラスに当たる装置の光学素子に、本発明の光学ガラスを用いた場合であっても、光学素子の長寿命化を図ることができる。従って、本発明の光学ガラスのソラリゼーションは、好ましくは1.0%、より好ましくは0.8%、最も好ましくは0.5%を上限とする。
なお、本明細書中において「ソラリゼーション」とは、ガラスに波長365nmに強いピークを持つ紫外線を照射した場合の、分光透過率の劣化量を表すものである。具体的には、日本光学硝子工業会規格JOGIS04−2005「光学ガラスのソラリゼーションの測定方法」に準じ、光を照射した前後の分光透過率をそれぞれ測定することにより求められる。ここで、光の照射は、光学ガラスを100℃に加熱しながら、波長365nmに強いピークを持つ100Wの超高圧水銀ランプの光を、光学ガラスから30mmの距離から3時間照射することにより行う。
本発明の光学ガラスは、可視光透過率、特に可視光のうち短波長側の光の透過率が高く、それにより着色が少ないことが好ましい。
特に、本発明の光学ガラスは、ガラスの透過率で表すと、厚み10mmのサンプルで分光透過率80%を示す最も短い波長(λ80)は、好ましくは400nm、より好ましくは370nm、さらに好ましくは350nmを上限とする。
また、本発明の光学ガラスにおける、厚み10mmのサンプルで分光透過率5%を示す最も短い波長(λ)は、好ましくは360nm、より好ましくは340nm、さらに好ましくは320nmを上限とする。
これらにより、ガラスの吸収端が紫外領域に入るようになり、可視光に対するガラスの透明性が高められるため、この光学ガラスを、レンズ等の光を透過させる光学素子に好ましく用いることができる。
本発明の光学ガラスは、比重が小さいことが好ましい。より具体的には、本発明の光学ガラスの比重は4.50[g/cm]以下であることが好ましい。これにより、光学ガラスを用いた光学素子の質量が低減されるため、光学素子を備えた機器を軽量化することができる。従って、本発明の光学ガラスの比重は、好ましくは4.50、より好ましくは4.30、さらに好ましくは4.00、さらに好ましくは3.80を上限とする。なお、本発明の光学ガラスの比重は、概ね2.00以上、より詳細には2.20以上であることが多い。
本発明の光学ガラスの比重は、日本光学硝子工業会規格JOGIS05−1975「光学ガラスの比重の測定方法」に基づいて測定する。
本発明の光学ガラスは、630℃以下のガラス転移点(Tg)を有することが好ましい。これにより、ガラスがより低い温度で軟化するため、より低い温度でガラスをプレス成形できる。また、プレス成形に用いる金型の酸化を低減して金型の長寿命化を図ることもできる。従って、本発明の光学ガラスのガラス転移点は、好ましくは630℃、より好ましくは600℃、さらに好ましくは570℃を上限とする。なお、本発明の光学ガラスのガラス転移点の下限は特に限定されないが、本発明の光学ガラスのガラス転移点は、好ましくは100℃、より好ましくは200℃、さらに好ましくは300℃を下限としてもよい。
本発明の光学ガラスは、700℃以下の屈伏点(At)を有することが好ましい。屈伏点は、ガラス転移点と同様にガラスの軟化性を示す指標の一つであり、プレス成形温度に近い温度を示す指標である。そのため、屈伏点が700℃以下のガラスを用いることにより、より低い温度でのプレス成形が可能になるため、より容易にプレス成形を行うことができる。従って、本発明の光学ガラスの屈伏点は、好ましくは700℃、より好ましくは680℃、最も好ましくは650℃を上限とする。なお、本発明の光学ガラスの屈伏点は、好ましくは150℃、より好ましくは250℃、さらに好ましくは350℃を下限としてもよい。
本発明の光学ガラスは、耐失透性が高いことが好ましく、その指標として、低い液相温度を有することが挙げられる。例えば、本発明の光学ガラスの液相温度は、好ましくは1300℃、より好ましくは1200℃、さらに好ましくは1100℃を上限としてもよい。これにより、より低い温度で熔融ガラスを流出しても、作製されたガラスの結晶化が低減されるため、特に熔融状態からガラスを形成したときの失透を低減でき、ガラスを用いた光学素子の光学特性への影響を低減できる。また、ガラスの熔解温度を低くしてもガラスを成形できるため、ガラスの成形時に消費するエネルギーを抑えることで、ガラスの製造コストを低減できる。一方、本発明の光学ガラスの液相温度の下限は特に限定しないが、本発明によって得られるガラスの液相温度は、好ましくは550℃、より好ましくは600℃、さらに好ましくは700℃を下限としてもよい。なお、本明細書中における「液相温度」は、50mlの容量の白金製坩堝に30ccのカレット状のガラス試料を白金坩堝に入れて1350℃で完全に熔融状態にし、所定の温度まで降温して12時間保持し、炉外に取り出して冷却した後直ちにガラス表面及びガラス中の結晶の有無を観察し、結晶が認められない一番低い温度を表す。ここで降温する際の所定の温度は、550〜1300℃までの10℃刻みの温度である。
≪光学ガラスの用途≫
作製された光学ガラスから、例えば研磨加工の手段、又は、リヒートプレス成形や精密プレス成形等のモールドプレス成形の手段を用いて、ガラス成形体を作製することができる。すなわち、光学ガラスに対して研削及び研磨等の機械加工を行ってガラス成形体を作製したり、光学ガラスから作製したプリフォームに対してリヒートプレス成形を行った後で研磨加工を行ってガラス成形体を作製したり、研磨加工を行って作製したプリフォームや、公知の浮上成形等により成形されたプリフォームに対して精密プレス成形を行ってガラス成形体を作製したりすることができる。なお、ガラス成形体を作製する手段は、これらの手段に限定されない。
このように、本発明の光学ガラスから形成したガラス成形体は、様々な光学素子及び光学設計に有用である。その中でも特に、レーザ光を透過させる光学素子の用途や、直射日光が当たる光学素子の用途に、本発明の光学ガラスを用いることが好ましい。
<レーザ光を透過させる光学素子の用途>
このうち、レーザ光を透過させる光学素子の用途としては、レーザプロジェクタや、レーザ光を扱う輸送機用のヘッドライト、レーザ素子、レーザ発振器、レーザ加工機が挙げられる。
[レーザプロジェクタの用途]
このうち、レーザプロジェクタとしては、例えば図1に示すような、プロジェクタ光源装置1を備えたものを用いることができる。ここで、プロジェクタ光源装置1は、レーザ光を射出する光源11と、光源11の光軸上に配置される発光ホイール14と、発光ホイール14を回転駆動するホイールモータ13と、を備え、ホイールモータ13によって発光ホイール14を回転駆動して、光源11からのレーザ光が入射する発光ホイール14から、例えば赤色、青色及び緑色の光を射出することができる。
ここで、光源11の射出側にはコリメータレンズ12が配置されることが好ましく、発光ホイール14の射出面側には複数のレンズから構成された集光光学系が配置されて導光装置18に発光ホイール14からの射出光を入射させている。この集光光学系は、発光ホイール14の近傍に配置された集光レンズ群15と、集光レンズ群15の光軸上に配置されたコンデンサレンズ16と、コンデンサレンズ16の光軸上であって導光装置18の入射面近傍に配置された導光装置入射レンズ17とから構成されている。
光源11としては、例えば青色又は紫外光の波長域、つまり、約500nm以下のレーザ光を射出するレーザダイオードが用いられるが、これに限定されない。そして、光源11からの射出光は、例えば、コリメータレンズ12によって平行光に変換され、発光ホイール14にレーザ光として照射される。そして、発光ホイール14からの射出光は、例えば、集光レンズ群15によって集光された後、コンデンサレンズ16でさらに集光されて導光装置入射レンズ17に入射する。導光装置入射レンズ17に入射した光線束は、導光装置18の入射面に照射されて導光装置18内に入射し、導光装置18で均一な強度分布の光にして、その後の光学系に射出してもよく、例えば画像生成ブロックを経て投影側ブロックに射出することができる。
ここで、画像生成ブロックは、導光装置18から射出された光線束の光軸方向を変更する光軸変更ミラーと、この光軸変更ミラーにより反射した光を表示素子に集光させる複数枚の集光レンズと、これらの集光レンズを透過した光線束を表示素子に所定の角度で照射する照射ミラーと、を備えることができる。
また、投影側ブロックは、表示素子で反射されて画像を形成する光をスクリーンに放出する投影側光学系のレンズ群を有している。より具体的には、固定鏡筒に内蔵する固定レンズ群と、可動鏡筒に内蔵する可動レンズ群とを備えて、ズーム機能を備えた可変焦点型レンズユニットとすることができる。
しかし、このようなレーザプロジェクタは、光源11から発される青色レーザ光や紫外線レーザ光等のレーザ光が、光学系を構成する光学ガラスに当たることで、光学ガラスの透過率が徐々に低下していた。特に、光源11に最も近いレンズ(図1に示されるコリメータレンズ12)は、光源11から発されるレーザ光によって透過率が低下し易かった。
そこで、本発明の光学ガラスを、レーザプロジェクタの光学系を構成するレンズ等の光学素子、より好ましくはプロジェクタ光源装置1を構成する光学素子、さらに好ましくはコリメータレンズ12に用いることで、これらの光学素子における経時的な透過率の低下を起こり難くすることができる。
[輸送機用ヘッドライトの用途]
また、輸送機用ヘッドライト2としては、例えば図2に示すように、レーザ光を射出する光源22と、光源22の光軸上に配置される波長変換要素23と、を備え、光源22からのレーザ光が入射する波長変換要素23から、白色等の所望の色温度を有する光(複数の単色光の重畳によるものを含む)を射出することができる。
光源22としては、例えば青色又は紫外光の波長域、つまり、約500nm以下のレーザ光を射出するレーザダイオードが用いられるが、これに限定されない。そして、光源11からの射出光は、例えば、必要に応じて集光レンズ27を用いて波長変換要素23の方向に集め、波長変換要素23にレーザ光として照射する。
そして、波長変換要素23からの射出光は、必要に応じてリフレクター24を用いて、射出光の放射方向D2を輸送機用ヘッドライト2の主要放射方向D1に光路の方向を転換し、また、輸送機用ヘッドライト2の所望の光像を生成した上で、任意に設けられる透明なカバー部材28から、光を取り出すことができる。ここで、波長変換要素23の直前に、又は波長変換要素23を固定するように導光要素29を設け、それにより光源22から来た光を波長変換要素23に案内してもよい。また、光源22からの光を波長変換要素23や導光要素29に照射したときに生じる反射光を吸収させるため、この反射光の光路上にシールド要素25を設けてもよい。また、波長変換要素23をリフレクター24内に固定するキャリア要素として、クーリングフィン26を設けてもよい。
しかし、このような輸送機用ヘッドライト2は、光源22から発される青色レーザ光や紫外線レーザ光等が、集光レンズ27等の光学系や、カバー部材28を構成する光学ガラスに当たることで、光学ガラスの透過率が徐々に低下していた。特に、光源22に最も近いレンズ(図2に示される集光レンズ27)は、光源22から発されるレーザ光によって透過率が低下し易かった。
そこで、本発明の光学ガラスを、輸送機用ヘッドライト2の光学系を構成するレンズ等の光学素子、より好ましくは光源22と波長変換要素23の間に設けられる集光レンズ27に用いることで、これらの光学素子における経時的な透過率の低下を起こり難くすることができる。
[レーザ素子の用途]
また、レーザ素子としては、図3に示すように、2本のリードピン34から電流を供給したときにレーザ光を出射するレーザ発光素子3が挙げられ、例えば、図示しないレーザ光源と、図3に示すような、ステム31と、キャップ32と、ガラス33と、リードピン34とを備えたものを用いることができる。ここで、ガラス33は、カバーガラスとしてもよく、レンズとしてもよい。
このうち、ステム31は、例えば金属により構成される板状の部材であり、レーザ発光素子3の位置決めに用いられる。キャップ32は、レーザ光源を収容する部材であって、例えば金属により構成される部材であり、ステム31の主面に固定されている。このキャップ32の上面に設けられる開口には、透光性を有するガラス33が設けられ、ガラス33からレーザ光源からの光を取り出すように構成される。
リードピン34は、レーザ光源に電流を供給するためのピンであり、2本設けられる。リードピン34は、ステム31を貫通して、レーザ光源に電気的に接続される。
しかし、このようなレーザ発光素子3は、レーザ光源からの光がガラス33に当たることで、ガラス33の透過率が徐々に低下していた。
そこで、本発明の光学ガラスを、レーザ発光素子3のガラス33に用いることで、ガラス33における経時的な透過率の低下を起こり難くすることができる。
[レーザ発振器の用途]
また、レーザ発振器としては、励起光L0からレーザ光L1を発振させるレーザ発振器4が挙げられ、例えば、図4に示すように、励起光源41と、コリメータレンズ43と、集光レンズ44と、エンドミラー45と、レーザ媒質46と、出力ミラー47とを備えたものを用いることができる。ここで、エンドミラー45と出力ミラー47は、レーザ共振器を構成する。なお、レーザ発振器4は、Qスイッチやシャッタのように、発振するレーザのエネルギー等について、調整又は変更する手段を備えていてもよい。
ここで、励起光源41は、励起光L0を生成して出射するものであり、レーザダイオード等により構成される。また、励起光源41の種類は、所望とされるレーザ光と、レーザ媒質46の種類に応じて選択される。
励起光源41から出射される励起光L0は、必要に応じて伝送用光ファイバ42を介して伝送し、コリメータレンズ43に入射させて平行光束にする。平行光束になった励起光L0は、集光レンズ44を用いて集光し、集光レンズ44の焦点に配置したレーザ媒質46に照射する。これにより、励起光L0によってレーザ光L1が誘導放出される。
レーザ媒質46から誘導放出されたレーザ光L1は、エンドミラー45と出力ミラー47によって構成されるレーザ共振器に閉じ込められる。ここで、エンドミラー45は、励起光L0の波長を透過するとともにレーザ光L1の波長を高反射率で反射するミラーである。また、出力ミラー47は、レーザ光L1の波長に対して所定の透過率を持つミラーである。これらのエンドミラー45と出力ミラー47により、レーザ光L1はエンドミラー45と出力ミラー47の間を往復するようになり、出力ミラー47に入射されるレーザ光L1の一部が出力される。そして、出力ミラー47からの出力として、特定の共振周波数の定常波となったレーザ光L1を取り出すことができる。
しかし、このようなレーザ発振器4は、励起光L0やレーザ光L1が、光学系を構成する光学ガラスに当たることで、光学ガラスの透過率が徐々に低下していた。特に、コリメータレンズ43や集光レンズ44、エンドミラー45や出力ミラー47は、励起光L0やレーザ光L1の継続的な入射によって、透過率が低下し易かった。
そこで、本発明の光学ガラスを、レーザ発振器4の光学系を構成するレンズ等の光学素子、より詳細にはコリメータレンズ43や集光レンズ44、エンドミラー45や出力ミラー47に用いることで、これらの光学素子における経時的な透過率の低下を起こり難くすることができる。
[レーザ加工機の用途]
また、レーザ加工機としては、加工対象物Wを移動させながら切断加工等の加工を行うレーザ加工機5が挙げられ、例えば、図5に示すように、レーザ発振器51と、コリメータレンズ53と、集光レンズ56とを備えたものを用いることができる。また、レーザ加工機5は、レーザ発振器51で発振されたレーザ光Lを伝送する伝送用光ファイバ52や、レーザ光Lの進行方向を変える反射ミラー54、55を備えてもよい。
ここで、レーザ発振器51が発振するレーザ光Lとしては、集光させた際に加工対象物Wを加工することができれば特に限定されない。また、レーザ発振器51の内部の構成は、上述のレーザ発振器4と同じものであってもよい。
レーザ発振器51で発振されたレーザ光Lは、必要に応じて伝送用光ファイバ52を介して伝送し、コリメータレンズ53に入射させて平行光束にする。平行光束になったレーザ光Lは、必要に応じて反射ミラー54、55を用いて進行方向を変えた上で、集光レンズ56に入射させる。集光レンズ56に入射したレーザ光Lは、集光レンズ56を用いて集光し、集光レンズ56の焦点に配置した加工対象物Wに照射して、焦点近傍の加工対象物Wを加工する。
しかし、このようなレーザ加工機5は、レーザ発振器51から発されるレーザ光が、光学系を構成する光学ガラスに当たることで、光学ガラスの透過率が徐々に低下していた。特に、レーザ発振器51に近いレンズ(図5に示されるコリメータレンズ53)は、レーザ発振器51からのレーザ光Lの継続的な入射によって、透過率が低下し易かった。
そこで、本発明の光学ガラスを、レーザ加工機5の光学系を構成するレンズ等の光学素子、より好ましくはレーザ加工機5のコリメータレンズ53に用いることで、これらの光学素子における経時的な透過率の低下を起こり難くすることができる。
<直射日光が当たる光学素子の用途>
また、直射日光が当たる光学素子の用途としては、車載用のカメラや、輸送機用のヘッドライトが挙げられる。
[車載カメラの用途]
このうち、車載カメラは、自動車の車体の外方側に搭載されるカメラであって、図6に示すように、車載カメラ用レンズ(撮像レンズ)61と、この撮像レンズ61が結像する像を撮像する撮像素子(CCD)62と、を有する。このうち、撮像レンズ61は、複数枚のレンズ等の光学素子によって構成され、物点(被写体)側となる第1レンズ61aより被写体からの光束が入射するものである。第1レンズ61aより入射した光束は、第2以降のレンズに順次入射し、撮像素子62の撮像面上において、被写体の像として結像する。
車載カメラとしては、車体の後方部に搭載されて後方の確認に用いられるものや、車体の前方部に搭載されて前方や側方の確認、また、前車との距離の確認に用いられるもの等が挙げられる。
しかし、このような車載カメラにおける撮像レンズ61は、継続的に直射日光に当たることで、徐々に光線透過率が低下することが多い。特に、第1レンズ61aは、直射日光による光線透過率の低下の影響が大きい。
そこで、本発明の光学ガラスを、車載カメラに用いられる撮像レンズ61、より好ましくは被写体(物点)側の第1レンズ61aに用いることで、これらの撮像レンズ61における経時的な透過率の低下を起こり難くすることができる。
なお、車載カメラ用レンズとしては、複数枚のレンズのうちの少なくとも一の面を非球面としてもよい。これにより、レンズによって生じる収差を減少させ、解像度を向上させること等によって、光学特性の向上を図ることができる。
[輸送機用ヘッドライトの用途]
他方で、上述したような輸送機用ヘッドライトの用途においても、車載カメラの用途と同様に、継続的に直射日光に当たることで、光学素子の光線透過率が徐々に低下することが多い。
そこで、本発明の光学ガラスを、例えば図2に示される輸送機用ヘッドライト2において、カバー部材28や、集光レンズ27等の光学要素に用いることで、これらの光学要素における、経時的な透過率の低下を起こり難くすることができる。
本発明の実施例(No.1〜No.10)及び比較例(No.A〜No.C)の組成、並びに、これらのガラスの屈折率(n)、アッベ数(ν)、分光透過率が5%及び80%を示す波長(λ及びλ80)、比重、ガラス転移点、屈伏点、ソラリゼーションの結果を表1〜表2に示す。なお、以下の実施例はあくまで例示の目的であり、これらの実施例のみ限定されるものではない。
本発明の実施例及び比較例のガラスは、いずれも各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、水酸化物、メタ燐酸化合物等の通常の光学ガラスに使用される高純度原料を選定し、表に示した各実施例の組成の割合になるように秤量して均一に混合した後、白金坩堝に投入し、ガラス組成の熔融難易度に応じて電気炉で1200〜1500℃の温度範囲で2〜4時間熔融した後、攪拌均質化してから金型等に鋳込み、徐冷してガラスを作製した。
実施例及び比較例のガラスの屈折率(n)及びアッベ数(ν)は、ヘリウムランプのd線(587.56nm)に対する測定値で示した。また、アッベ数(ν)は、上記d線の屈折率と、水素ランプのF線(486.13nm)に対する屈折率(n)、C線(656.27nm)に対する屈折率(n)の値を用いて、アッベ数(ν)=[(n−1)/(n−n)]の式から算出した。
また、実施例及び比較例のガラスの液相温度は、粉砕したガラス試料を10mm間隔で白金板上に載せ、これを800℃から1200℃の温度傾斜のついた炉内で30分間保持した後で取り出し、冷却後にガラス試料中の結晶の有無を倍率80倍の顕微鏡にて観察することで測定した。この際、サンプルとして光学ガラスを直径2mm程度の粒状に粉砕した。
また、実施例及び比較例のガラスの透過率は、日本光学硝子工業会規格JOGIS02に準じて測定した。なお、本発明においては、ガラスの透過率を測定することで、ガラスの着色の有無と程度を求めた。具体的には、厚さ10±0.1mmの対面平行研磨品をJISZ8722に準じ、200〜800nmの分光透過率を測定し、λ(透過率5%時の波長)及びλ70(透過率70%時の波長)を求めた。
また、実施例及び比較例のガラスの比重は、日本光学硝子工業会規格JOGIS05−1975「光学ガラスの比重の測定方法」に基づいて測定した。
また、実施例及び比較例のガラスのガラス転移点(Tg)及び屈伏点(At)は、日本光学硝子工業会規格JOGIS08−2003「光学ガラスの熱膨張の測定方法」に従い、温度と試料の伸びとの関係を測定することで得られる熱膨張曲線より求めた。
また、実施例及び比較例のガラスのソラリゼーションは、日本光学硝子工業会規格JOGIS04−2005「光学ガラスのソラリゼーションの測定方法」に準じ、光を照射した前後の分光透過率をそれぞれ測定することにより求めた。ここで、光の照射は、光学ガラスを100℃に加熱しながら、波長365nmに強いピークを持つ100Wの超高圧水銀ランプの光を、光学ガラスから30mmの距離から3時間照射することにより行った。
Figure 2019135202
Figure 2019135202
表に表されるように、本発明の実施例の光学ガラスは、ソラリゼーションが1.0%以下、より詳細には0.7%以下であった。他方で、比較例(No.A〜No.C)のガラスは、ソラリゼーションが1.0%を上回っていた。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれも屈折率(n)が1.47〜1.54、アッベ数(ν)が60〜68の範囲内にあり、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、λ80(透過率80%時の波長)がいずれも400nm以下、より詳細には350nm以下であった。また、本発明の実施例の光学ガラスは、λ(透過率5%時の波長)がいずれも360nm以下、より詳細には320nm以下であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれもガラス転移点が600℃以下、より詳細には560℃以下であり、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれも屈伏点が700℃以下、より詳細には630℃以下であり、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれも比重が4.50以下、より詳細には3.70以下であり、所望の範囲内であった。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、いずれも失透しておらず、安定なガラスであった。
従って、本発明の実施例の光学ガラスは、屈折率(n)及びアッベ数(ν)が所望の範囲内にありながら、ソラリゼーションが小さいことが明らかになった。そのため、本発明の実施例の光学ガラスは、時間の経過による分光透過率の劣化が起こり難いものであると推察される。
また、本発明の実施例の光学ガラスは、着色が少なく、プレス成形を行い易く、また、比重が小さいものであることも明らかになった。
以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、本実施例はあくまで例示の目的のみであって、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多くの改変を当業者により成し得ることが理解されよう。
1 プロジェクタ光源装置
11 光源
12 コリメータレンズ
13 ホイールモータ
14 発光ホイール
15 集光レンズ群
16 コンデンサレンズ
17 導光装置入射レンズ
18 導光装置

2 輸送機用ヘッドライト
22 光源
23 波長変換要素
24 リフレクター
25 シールド要素
26 クーリングフィン
27 集光レンズ
28 カバー部材
29 導光要素
D1 主要放射方向
D2 放射方向

3 レーザ発光素子
31 ステム
32 キャップ
33 ガラス
34 リードピン

4、51 レーザ発振器
41 励起光源
42、52 伝送用光ファイバ
43、53 コリメータレンズ
44、56 集光レンズ
45 エンドミラー
46 レーザ媒質
47 出力ミラー
54、55 反射ミラー
L0 励起光
L、L1 レーザ光
W 加工対象物

61 撮像レンズ
61a 第1レンズ
62 撮像素子

Claims (3)

  1. 酸化物基準の質量%で、
    SiO成分 30.0〜80.0%、
    成分 1.0〜30.0%及び
    RnO成分(式中、RnはLi、Na、Kの少なくともいずれかである) 1.0〜30.0%であり、
    屈折率(nd)が1.47〜1.54、アッベ数(νd)が60〜68の範囲の光学定数を有し、
    日本光学硝子工業会規格JOGIS04−2005「光学ガラスのソラリゼーションの測定方法」に準じ、光を照射した前後の分光透過率をそれぞれ測定した際の劣化量が1%以下である、光学ガラス。
  2. レーザ光又は直射日光が入射される光学機器に用いられる請求項1記載の光学ガラス。
  3. レーザプロジェクタ、レーザ加工機、レーザ素子、レーザ発振器又はヘッドライトの用途に用いられる、請求項1又は2記載の光学ガラス。
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