JP2019133128A - プロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の劣化を抑制でき、偏光素子を効果的に冷却できるプロジェクターを提供すること。【解決手段】プロジェクターは、光源装置と、光源装置から出射された光を変調する光変調装置と、光変調装置に対する光入射側及び光出射側のうち一方に配置される偏光素子と、光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、偏光素子が配置され、内部に冷却液体が充填された筐体と、筐体内の冷却液体を偏光素子に流通させる流通装置と、を備え、冷却液体は、偏光素子の光入射側を第1方向に沿って流通し、偏光素子の光出射側を第1方向とは反対方向である第2方向に沿って流通する。【選択図】図2

Description

本発明は、プロジェクターに関する。
従来、光源装置と、当該光源装置から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成する光変調装置と、当該光変調装置によって形成された画像を拡大投射する投射光学装置と、を備えたプロジェクターが知られている。このようなプロジェクターとして、冷却対象である光変調装置を冷却風によって冷却するプロジェクターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載のプロジェクターでは、それぞれ光変調装置としての3つの液晶表示素子は、ダイクロイックプリズムに固定されており、これら3つの液晶表示素子の下方に、冷却ファンが設けられている。この冷却ファンから送風された冷却風は、風案内板に設けられた開口部を介して、各液晶表示素子の下側端面に供給される。そして、当該冷却風は、各液晶表示素子の入射側表面と、各液晶表示素子に対する光入射側に位置する偏光板との間を、当該液晶表示素子の表面の熱を奪いながら上方へと流通する。これにより、各液晶表示素子が空冷される。
また、液体冷媒を循環させて発熱体を冷却する電子機器が知られている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に記載の電子機器は、冷却対象である発熱体を冷却する冷却装置を備え、当該冷却装置は、受熱部、放熱部、ファン、タンク及びポンプと、これらを接続して循環流路を形成する配管と、を備える。これらのうち、受熱部によって受熱された発熱体の熱は、当該受熱部の内部を流通する液体冷媒に伝達され、放熱部にて放熱される。ファンは、放熱部に気体を送風して、放熱部での放熱を促進させる。タンクは、液体冷媒を貯留し、ポンプは、タンク内の液体冷媒を受熱部に供給する。
特開2002−107698号公報 特開2007−294655号公報
ところで、上記特許文献1に記載のように、光変調装置として液晶表示素子が採用される場合には、当該液晶表示素子に対する光入射側及び光出射側に、偏光素子を配置することが一般的である。このような偏光素子は、ある偏光方向の光を吸収する特性を有することから発熱しやすい一方で、熱によって劣化しやすい特性を有する。このため、偏光素子は、冷却される必要がある。
これに対し、上記特許文献1に記載のように、偏光素子に冷却風を送風して、当該偏光素子を冷却する構成や、上記特許文献2に記載のように、液体冷媒によって間接的に偏光素子を冷却する構成では、偏光素子を充分に冷却することが難しい場合がある。
このような問題に対し、冷却液体中に浸漬して偏光素子を冷却する構成が考えられる。
しかしながら、このような構成では、温度の変化に応じて密度が変化し、ひいては、屈折率が変化する液体の特性から、プロジェクターにより投射された画像が、以下のように劣化する。
例えば、液晶表示素子の光入射側に位置する偏光素子に対して、一端側から他端側に向かって冷却液体を流通させた場合、当該偏光素子の熱が伝達される冷却液体の温度は、上記他端側に向かうに従って高くなる。このことから、偏光素子の一端側と他端側とで冷却液体の屈折率は変化する。このような不均一な屈折率分布が生じると、偏光素子の一端側を通過した光の照度と、他端側を通過した光の照度とが異なるようになり、液晶表示素子に入射される光束に不均一な照度分布が生じる。このため、当該液晶表示素子によって変調されてプロジェクターから投射された画像に、照度むらが観察される。
一方、液晶表示素子の光出射側に位置する偏光素子に対して、一端側から他端側に向かって冷却液体を流通させた場合も、当該偏光素子の熱が伝達される冷却液体の温度は、上記他端側に向かうに従って高くなる。そして、上記のように、当該偏光素子に沿って流通する冷却液体に不均一な屈折率分布が生じると、液晶表示素子から出射された光束を投射する投射光学装置のバックフォーカス位置が、液晶表示素子において局所的に変化する。すなわち、当該バックフォーカス位置が、局所的に液晶表示素子に合わなくなる。このようなバックフォーカス位置の局所的な変化が生じると、投射された画像において、一部の画素の中心位置が移動したり、当該一部の画素の大きさが変化したりするような現象(これを解像度むらという)が観察される。
これらの問題から、投射された画像の劣化を抑制しつつ、冷却対象となる偏光素子を効果的に冷却できる構成が要望されていた。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、画像の劣化を抑制でき、偏光素子を効果的に冷却できるプロジェクターを提供することを目的の1つとする。
本発明の一態様に係るプロジェクターは、光源装置と、前記光源装置から出射された光を変調する光変調装置と、前記光変調装置に対する光入射側及び光出射側のうち一方に配置される偏光素子と、前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、前記偏光素子が配置され、内部に冷却液体が充填された筐体と、前記筐体内の前記冷却液体を前記偏光素子に流通させる流通装置と、を備え、前記冷却液体は、前記偏光素子の光入射側を第1方向に沿って流通し、前記偏光素子の光出射側を前記第1方向とは反対方向である第2方向に沿って流通することを特徴とする。
このような構成によれば、筐体内の冷却液体は、偏光素子の光入射側を第1方向に沿って流通し、当該偏光素子の光出射側を当該第1方向とは反対方向に沿って流通する。これによれば、当該偏光素子の光入射側を流通する冷却液体の温度分布と、光出射側を流通する冷却液体の温度分布とを、互いに補完させることができる。すなわち、偏光素子の光入射側及び光出射側を流通し光が通過する冷却液体の温度分布を略均一化できるので、偏光素子を通過する光は、略均一な屈折率分布を有する冷却液体を通過した光とみなすことができる。このため、当該偏光素子が光変調装置の光入射側に位置する場合には、当該光変調装置に入射される光の照度分布を略均一化できるので、上記照度むらが発生することを抑制できる。また、当該偏光素子が光変調装置の光出射側に位置する場合には、上記バックフォーカス位置の局所的な変動を抑制できるので、上記解像度むらが発生することを抑制できる。従って、投射光学装置によって投射されて表示された画像の劣化を抑制できる。
上記一態様では、前記偏光素子の光入射側を流通する前記冷却液体の流速と、前記偏光素子の光出射側を流通する前記冷却液体の流速とは、略同じであることが好ましい。
なお、それぞれの流速が略同じであるとは、これら流速が完全に一致している場合の他、これら流速の差が所定範囲内であり、それぞれが一致していると認識可能な場合を含む。
このような構成によれば、偏光素子の光入射側と光出射側とを略均一に冷却できる。この他、偏光素子の光入射側を流通する冷却液体の温度分布と、光出射側を流通する冷却液体の温度分布とを、それぞれ略一致させることができる。また、偏光素子の光入射側を流通する冷却液体の屈折率分布と、光出射側を流通する冷却液体の屈折率分布とを、それぞれ略一致させることができる。これにより、偏光素子の光入射側と光出射側とで、冷却液体の屈折率分布を略均一化できる。従って、投射された画像の劣化をより効果的に抑制できる。
上記一態様では、前記偏光素子は、前記光変調装置の光出射側に位置することが好ましい。
このような構成によれば、上記のように、投射された画像に解像度むらが発生することを抑制できるので、画像の劣化が少ないプロジェクターを構成できる。
上記一態様では、緑色光を含む複数の色光のそれぞれに対応する複数の前記光変調装置と、複数の前記光変調装置のそれぞれによって変調された色光を合成する光合成装置と、を備え、前記偏光素子は、前記緑色光に対応する前記光変調装置の光出射側に位置することが好ましい。
ここで、一般的に、光源装置から出射された光のうち、緑色光は、光量が他の色光に比べて大きい。そして、緑色光に対応する光変調装置の光出射側に配置される偏光素子、例えば、透過型光変調装置によって画像情報に応じて変調された緑色光が入射する偏光素子は、上記の通り、画像情報に基づいて所定の偏光方向に変調された光を吸収することになる。これらのことから、緑色光が入射される偏光素子は、温度が相対的に高くなりやすい。特に、偏光素子は、温度によって劣化しやすいことから、緑色光用の偏光素子を効果的に冷却する必要がある。
これに対し、上記構成によれば、緑色光に対応する偏光素子の光入射側及び光出射側を冷却液体が流通するので、当該偏光素子を効果的に冷却できる。従って、偏光素子、ひいては、プロジェクターの長寿命化を図ることができる。
上記一態様では、前記偏光素子は、前記光変調装置の光入射側に位置することが好ましい。
このような構成によれば、上記のように、投射された画像に照度むらが発生することを抑制できるので、画像の劣化が少ないプロジェクターを構成できる。
上記一態様では、前記偏光素子は、光入射面及び光出射面のうち一方の面に、所定の方向に沿ってそれぞれ延出し、かつ、前記所定の方向に交差する方向に配列された複数の凸部を有し、前記一方の面を流通する前記冷却液体は、前記複数の凸部が延出する前記所定の方向に沿って流通することが好ましい。
このような偏光素子として、基板上に凹凸構造が形成されたワイヤーグリッド型の偏光板を例示できる。
ここで、上記複数の凸部の配列方向に沿って冷却液体が流通すると、当該凸部によって冷却液体の速度境界層が厚くなるため、偏光素子の冷却効率が低下する。
これに対し、各凸部の延出方向である上記所定の方向に沿って冷却液体が流通することにより、上記速度境界層を薄くすることができ、当該偏光素子の冷却効率を高めることができる。従って、偏光素子を効果的に冷却できる。
上記一態様では、前記冷却液体は、フッ素系の不活性液体であることが好ましい。
ここで、フッ素系の不活性液体としては、例えば、フロリナート(スリーエム社の商標)やNOVEC(スリーエム社の登録商標)を用いることができる。
このような構成によれば、冷却液体に浸漬した状態で、電子部品である光変調装置を動作させることができる。従って、光変調装置を冷却しつつ、当該光変調装置を安定して動作させることができ、プロジェクターを安定して動作させることができる。
本発明の第1実施形態に係るプロジェクターの構成を示す模式図。 上記第1実施形態における冷却装置の構成を示す模式図。 上記第1実施形態における偏光素子の構成を示す模式図。 上記第1実施形態における偏光素子の構成を示す断面図。 上記第1実施形態における冷却液体の流通方向を示す図。 上記第1実施形態における冷却装置の変形を示す模式図。 上記第1実施形態における冷却装置の変形での冷却液体の流通方向を示す図。 本発明の第2実施形態に係るプロジェクターの冷却装置を示す模式図。 上記第2実施形態における冷却装置の変形を示す模式図。 上記第2実施形態における冷却装置の変形を示す模式図。 本発明の第3実施形態に係るプロジェクターの冷却装置を示す模式図。 本発明の第4実施形態に係るプロジェクターの冷却装置を示す模式図。 本発明の第5実施形態に係るプロジェクターの冷却装置を示すブロック図。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、内部に設けられた光源装置41から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、当該画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する投射型表示装置である。このプロジェクター1は、図1に示すように、外観を構成する外装筐体2と、当該外装筐体2内に収容される装置本体3と、を備える。このようなプロジェクター1は、詳しくは後述するが、冷却装置5Aの構成に特徴の1つを有する。
以下、プロジェクター1の構成について詳述する。
[外装筐体の構成]
外装筐体2は、略直方体形状に形成されている。この外装筐体2は、正面部23、背面部24、左側面部25及び右側面部26を有する他、それぞれ図示を省略するが、これら面部23〜26の一端側を接続する天面部と、これら面部23〜26の他端側を接続する底面部と、を有する。なお、底面部は、プロジェクター1の設置面に対向する面であり、複数の脚部が配設されている。
また、正面部23は、開口部231を有する。この開口部231を介して、後述する投射光学装置46の一部が露出され、当該投射光学装置46によって画像が投射される。
[装置本体の構成]
装置本体3は、画像投射装置4及び冷却装置5Aを備える。更に、図1では図示を省略するが、装置本体3は、プロジェクター1の動作を制御する制御装置、及び、プロジェクター1を構成する電子部品に電力を供給する電源装置を備える。
[画像投射装置の構成]
画像投射装置4は、制御装置から入力される画像情報(画像信号を含む)に応じた画像を形成し、当該画像を上記被投射面上に投射する。この画像投射装置4は、光源装置41、均一化装置42、色分離装置43、リレー装置44、画像形成装置45、投射光学装置46及び光学部品用筐体47を備える。
光源装置41は、均一化装置42に照明光を出射する。このような光源装置41の構成としては、例えば、励起光である青色光を出射するLD(Laser Diode)等の固体光源と、当該固体光源から出射された青色光のうち一部の青色光を、緑色光及び赤色光を含む蛍光に変換する波長変換素子と、を有する構成を例示できる。なお、光源装置41の他の構成としては、超高圧水銀ランプ等の光源ランプを光源として有する構成や、LED(Light Emitting Diode)等の他の固体光源を有する構成を例示できる。
均一化装置42は、光源装置41から入射される光束の中心軸に対する直交面内の照度を均一化する。この均一化装置42は、第1レンズアレイ421、第2レンズアレイ422、偏光変換素子423及び重畳レンズ424を備える。なお、均一化装置42は、均一化装置42を通過する光束の一部を遮蔽して透過光量を調整する調光装置を更に備えていてもよい。
これらのうち、偏光変換素子423は、第2レンズアレイ422から入射される光束を、1種類の直線偏光に揃えて出射する。
色分離装置43は、均一化装置42から入射される光束から、赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBを分離する。この色分離装置43は、赤色光LR及び緑色光LGを反射させて、青色光LBを透過させるダイクロイックミラー431と、赤色光LRを透過させて、緑色光LGを反射させるダイクロイックミラー432と、分離された青色光LBを後述する青用のフィールドレンズ451に向けて反射させる反射ミラー433と、を有する。なお、ダイクロイックミラー432にて反射された緑色光LGは、緑用のフィールドレンズ451に入射される。
リレー装置44は、分離された赤色光LRの光路上にそれぞれ設けられる入射側レンズ441、反射ミラー442、リレーレンズ443及び反射ミラー444を備え、当該赤色光LRを赤用のフィールドレンズ451に導く。なお、本実施形態では、画像投射装置4は、リレー装置44に赤色光LRを通す構成としたが、これに限らず、例えば青色光LBを通す構成としてもよい。
画像形成装置45は、入射される光を色光毎に変調し、変調された各色光を合成して、上記画像情報に応じた画像を形成する。この画像形成装置45は、上記した3つの色光LR,LG,LB毎にそれぞれ設けられるフィールドレンズ451、入射側偏光板452、光変調装置453及び出射側偏光板454と、1つの光合成装置455と、を備える。
入射側偏光板452は、後述する光変調装置453に対して光入射側に配置されている。入射側偏光板452は、赤色光LRに応じた入射側偏光板452R、緑色光LGに応じた入射側偏光板452G、及び、青色光LBに応じた入射側偏光板452Bを含む。
また、出射側偏光板454は、光変調装置453に対して光出射側に配置されている。出射側偏光板454は、赤色光LRに応じた出射側偏光板454R、緑色光LGに応じた出射側偏光板454G、及び、青色光LBに応じた出射側偏光板454Bを含む。
入射側偏光板452及び出射側偏光板454には、詳しくは後述するが、本実施形態では、ワイヤーグリッド型の偏光素子PP(図3及び図4参照)が採用されている。すなわち、本実施形態において偏光素子PPは、入射側偏光板452及び出射側偏光板454に対応する。
光変調装置453は、光源装置41から出射された光を画像情報に応じて変調する。光変調装置453は、赤色光LRに対応する光変調装置453R、緑色光LGに対応する光変調装置453G、及び、青色光LBに対応する光変調装置453Bを含む。本実施形態では、光変調装置453は、光入射面と光出射面とが異なる透過型の液晶パネルを備えて構成されている。
光合成装置455は、各光変調装置453によって変調されて出射側偏光板454を通過した各色光を合成する。この光合成装置455は、本実施形態では、略直方体形状のクロスダイクロイックプリズムにより構成されており、各光変調装置453よって変調された色光がそれぞれ入射される3つの光入射面455B,455G,455R(図2参照)と、これら色光を合成した画像光(画像を形成する光)が出射される1つの光出射面455E(図2参照)と、を有する。この光出射面455Eから出射された画像光は、投射光学装置46に入射される。
このような画像形成装置45を構成する3つの光変調装置453及び3つの出射側偏光板454は、光合成装置455において対応する光入射面455B,455G,455Rに、図示しない保持部材によって保持され、一体化されている。
なお、以下の説明では、入射側偏光板452、光変調装置453、出射側偏光板454及び光合成装置455を、画像形成ユニットFUと呼称する。この画像形成ユニットFUは、後述する冷却装置5Aの筐体51内に配置される。
投射光学装置46は、光合成装置455から入射される画像光を上記被投射面上に拡大投射して、当該画像光により形成される画像を当該被投射面上に表示させる。すなわち、投射光学装置46は、光変調装置453R,453G,453Bによって変調された光を投射する。この投射光学装置46は、複数のレンズが鏡筒内に配置された組レンズとして構成されている。
光学部品用筐体47は、上記した各装置42〜44及びフィールドレンズ451を保持する。
ここで、画像投射装置4には、設計上の光軸である照明光軸Axが設定されており、光学部品用筐体47は、当該照明光軸Axにおける所定位置に、各装置42〜44及びフィールドレンズ451を保持する。この光学部品用筐体47には、各フィールドレンズ451によって三方が囲まれる位置に、上記画像形成ユニットFUと冷却装置5Aの筐体51とが配置される空間Sが形成されている。
また、光源装置41及び投射光学装置46は、当該照明光軸Axにおける所定位置に配置される。
以下の説明においては、背面部24から正面部23に向かう方向を+Z方向とし、当該+Z方向に交差し、かつ、互いに交差する方向を+X方向及び+Y方向とする。これら+X方向及び+Y方向のうち、+X方向を左側面部25から右側面部26に向かう方向とし、+Y方向を、上記底面部から上記天面部に向かう方向とする。すなわち、+Z方向は、+Y方向側から見た場合に、投射光学装置46の中心軸に沿って、当該投射光学装置46が画像光を投射する方向である。また、図示を省略するが、+Z方向の反対方向を−Z方向とする。−X方向及び−Y方向も同様である。なお、本実施形態では、+X方向、+Y方向及び+Z方向は、互いに直交する方向として規定している。
[冷却装置の構成]
図2は、冷却装置5Aの構成を示す模式図であり、XZ平面に沿う冷却装置5Aの断面を模式的に示す図である。
冷却装置5Aは、プロジェクター1の冷却対象の1つである画像形成ユニットFUを冷却する。この冷却装置5Aは、図1及び図2に示すように、上記空間S内に配置される筐体51を有する他、図2に示すように、流通装置52を有する。
[筐体の構成]
筐体51は、図2に示すように、偏光素子PPを含む画像形成ユニットFUが内部に配置される筐体であり、略直方体形状に形成されている。この筐体51は、それぞれ異なる側面部に、開口部511B,511G,511R,511Eを有する。
開口部511B,511G,511Rは、それぞれ対応する入射側偏光板452B,452G,452Rの光入射面に対向する位置に形成されている。これら開口部511B,511G,511Rは、それぞれ対応するフィールドレンズ451(図1参照)を透過した青色光LB、緑色光LG及び赤色光LRが通過する開口部である。
開口部511Eは、光合成装置455の光出射面455Eに対向する位置に形成されている。この開口部511Eは、当該光出射面455Eから出射された上記画像光が通過する開口部である。
これら開口部511B,511G,511R,511Eには、透光性部材512が嵌め込まれており、これら開口部511B,511G,511R,511Eは、当該透光性部材512によって閉塞されている。
このような筐体51は、内部に冷却液体が封入される密閉筐体として構成されている。すなわち、筐体51の内部には、当該冷却液体が充填されており、上記画像形成ユニットFUは、当該冷却液体に浸漬される。
なお、密閉筐体とは、例えば、パッキン等を介して筐体51の一部の側面部が着脱可能に取り付けられている構造等、筐体51内の冷却液体が筐体51の外部に漏れ出ることが抑制されている範囲内で、簡素な密閉構造も含む。
また、冷却液体としては、電源及び画像情報が供給されて駆動される光変調装置453の動作に影響を与えない不活性液体(特に、フッ素系の不活性液体)を利用できる。このような不活性液体としては、例えば、フロリナート(スリーエム社の商標)やNOVEC(スリーエム社の登録商標)を採用できる。
[流通装置の構成]
流通装置52は、筐体51内の冷却液体を撹拌して、当該筐体51内にて冷却液体を循環させる。これにより、流通装置52は、当該冷却液体を画像形成ユニットFUに流通させる。この流通装置52は、本実施形態では、モーター(図示省略)と、当該モーターによって回転されるシャフト521と、当該シャフト521の外周に設けられたインペラ522と、を有する。このような構成であれば、冷却液体を撹拌するシャフト521及びインペラ522を筐体51内に配置し、発熱源となるモーターを筐体51外に配置することも可能である。この場合には、冷却液体の温度が流通装置52によって上昇することが抑制される。しかしながら、流通装置52の構成は、上記に限定されない。
本実施形態では、シャフト521及びインペラ522は、筐体51内のデッドスペースに複数設けられている。具体的に、各シャフト521及びインペラ522は、+Y方向側から筐体51内を見た場合に、略正方形状の筐体51において投射光学装置46に入射される画像光がほぼ通過しない四隅部分に配設されている。
すなわち、4つの流通装置52のうちの2つの流通装置52が有するシャフト521及びインペラ522は、光変調装置453Bを+Z方向において挟む位置に配置され、他の2つの流通装置52が有するシャフト521及びインペラ522は、光変調装置453Rを+Z方向において挟む位置に配置されている。換言すると、4つの流通装置52のうちの2つの流通装置52が有するシャフト521及びインペラ522は、光変調装置453Gを+X方向において挟む位置に配置され、他の2つの流通装置52が有するシャフト521及びインペラ522は、光合成装置455の光出射面455Eを+X方向において挟む位置に配置されている。なお、これに限らず、流通装置52の位置及び数は、適宜変更可能である。
[冷却液体の流れ]
このような冷却装置5Aにおいて、各流通装置52が駆動されると、筐体51内の冷却液体は、図2に示すように、筐体51の内面と入射側偏光板452との間、入射側偏光板452と光変調装置453との間、光変調装置453と出射側偏光板454との間、及び、出射側偏光板454と光合成装置455との間を、これらに沿って流通する。
この際、入射側偏光板452に沿って流通する冷却液体は、当該入射側偏光板452の周囲に沿って流通する。例えば、緑色光LG用の入射側偏光板452Gに沿って流通する冷却液体は、当該入射側偏光板452Gの光入射側を−X方向に沿って流通した後、光出射側に流通して、当該入射側偏光板452Gの光出射側を−X方向とは反対方向である+X方向に沿って流通する。そして、当該冷却液体は、光入射側に再度流通して、入射側偏光板452Gの光入射側を−X方向に流通する。
また、出射側偏光板454に沿って流通する冷却液体は、当該出射側偏光板454の周囲に沿って流通する。例えば、緑色光LG用の出射側偏光板454Gに沿って流通する冷却液体は、当該出射側偏光板454Gの光入射側を−X方向に沿って流通した後、光出射側に流通して、当該出射側偏光板454Gの光出射側を+X方向に沿って流通する。そして、当該冷却液体は、光入射側に再度流通して、出射側偏光板454Gの光入射側を−X方向に流通する。
このように冷却液体が流通することによって、光変調装置453においても、冷却液体は、光入射側と光出射側とで互いに反対方向に流通する。例えば、緑色光LG用の光変調装置453Gの光入射側を流通する冷却液体は、当該光変調装置453Gの光入射面に沿って+X方向に流通する。この光変調装置453Gの光出射側を流通する冷却液体は、当該光変調装置453Gの光出射面に沿って−X方向に流通する。
入射側偏光板452B、光変調装置453B及び出射側偏光板454Bの各光学素子に沿って流通する冷却液体も、上記と同様に、各光学素子における光入射側と光出射側とで互いに反対方向に流通する。また、入射側偏光板452R、光変調装置453R及び出射側偏光板454Rの各光学素子に沿って流通する冷却液体も、上記と同様に、各光学素子における光入射側と光出射側とで互いに反対方向に流通する。
これにより、入射側偏光板452、光変調装置453及び出射側偏光板454が冷却される。
なお、それぞれの入射側偏光板452、それぞれの光変調装置453、及び、それぞれの出射側偏光板454に沿って流通する冷却液体の流速は、略同じである。具体的に、入射側偏光板452B,452G,452Rのそれぞれに沿って流通する冷却液体の流速は、光入射側と光出射側とで略同じであり、出射側偏光板454B,454G,454Rのそれぞれに沿って流通する冷却液体の流速も、光入射側と光出射側とで略同じである。そして、入射側偏光板452に沿って流通する冷却液体の流速は、出射側偏光板454に沿って流通する冷却液体の流速と同じである。このため、入射側偏光板452B及び出射側偏光板454Bに挟まれる光変調装置453Bと、入射側偏光板452G及び出射側偏光板454Gに挟まれる光変調装置453Gと、入射側偏光板452R及び出射側偏光板454Rに挟まれる光変調装置453Rとのそれぞれに沿って流通する冷却液体の流速も、光入射側と光出射側とで同じである。
従って、それぞれの入射側偏光板452、それぞれの光変調装置453、及び、それぞれの出射側偏光板454は、略同じ冷却効率で冷却される。しかしながら、これに限らず、例えば温度が高くなりやすい構成や、熱によって劣化しやすい構成に流通する冷却液体の流速を、他の構成に比べて高くしてもよい。
[照度むらの改善]
ここで、液体は、温度の変化に伴って密度が変化し、これにより、屈折率が変化する。このため、入射側偏光板452の光入射側及び光出射側を一端側から他端側に向かって同方向に冷却液体が流通する場合、すなわち、冷却液体が入射側偏光板452の光入射側と光出射側とで互いに同じ方向に流通する場合、当該冷却液体の温度は、他端側に向かうに従って高くなることから、入射側偏光板452の一端側と他端側とで冷却液体の屈折率が異なる。このような不均一な屈折率分布が生じると、入射側偏光板452の一端側を通過した光の照度と、他端側を通過した光の照度とが異なるようになり、入射側偏光板452の光路後段に配置される光変調装置453に入射される光束に不均一な照度分布が生じる。この場合、当該光変調装置453によって変調されてプロジェクター1から投射された画像に、照度むらが観察される。
これに対し、上記のように、本実施形態において、入射側偏光板452の光入射側と光出射側とで、冷却液体の流通方向は、互いに反対方向である。例えば、緑色光LG用の入射側偏光板452Gの光入射側では、冷却液体は−X方向に流通し、光出射側では、冷却液体は+X方向に流通する。このため、入射側偏光板452Gの+X方向側と−X方向側とで、冷却液体の温度を略同じ値とすることができる。すなわち、所定の光学素子における光入射側を流通する冷却液体の温度の平均値と、光出射側を流通する冷却液体の温度の平均値とを、略同じ値にすることができる。そして、冷却液体の屈折率を略同じ値とすることができる。すなわち、所定の光学素子における光入射側を流通する冷却液体の屈折率の平均値と、光出射側を流通する冷却液体の屈折率の平均値とを、略同じ値にすることができる。他の入射側偏光板452B,452Rも同様である。これにより、入射側偏光板452を通過して光変調装置453に入射される光束の照度を略均一化できるので、上記照度むらの発生を抑制できる。
[解像度むらの改善]
出射側偏光板454の光入射側及び光出射側を一端側から他端側に向かって同方向に冷却液体が流通すると、当該冷却液体の温度は、他端側に向かうに従って高くなることから、出射側偏光板454の一端側と他端側とで冷却液体の屈折率が異なる。このような不均一な屈折率分布が生じると、投射光学装置46のバックフォーカス位置が変化する。すなわち、当該バックフォーカス位置が、光変調装置453に局所的に合わなくなる。このようなバックフォーカス位置の局所的な変化(ずれ)が生じると、投射光学装置46によって投射された画像において、ある画素の中心位置が変化する現象や、当該画素の大きさが変化する現象、すなわち、上記解像度むらが顕著に観察される。
これに対し、出射側偏光板454の光入射側と光出射側とで、冷却液体の流通方向は、互いに反対方向である。例えば、緑用の出射側偏光板454Gの光入射側では、冷却液体は−X方向に流通し、光出射側では、+X方向に流通する。このため、上記入射側偏光板452Gでの場合と同様に、出射側偏光板454Gの+X方向側と−X方向側とで、冷却液体の温度(光入射側及び光出射側の冷却液体の温度の平均値)を略同じ値とすることができ、冷却液体の屈折率(光入射側及び光出射側の冷却液体の屈折率の平均値)を略同じ値とすることができる。他の出射側偏光板454B,454Rも同様である。これにより、上記バックフォーカス位置が局所的に変化することを抑制でき、投射された画像に上記解像度むらが顕著に現れることが抑制される。
[冷却液体の流通方向に対する偏光板の向き]
図3及び図4は、偏光素子PPの構成を示す模式図である。具体的に、図3は、偏光素子PPを光入射側から見た模式図であり、図4は、偏光素子PPの透過軸に沿う断面を模式的に示す図である。
本実施形態では、入射側偏光板452及び出射側偏光板454として、図3及び図4に示す偏光素子PPが採用されている。この偏光素子PPは、光を透過させる透光性基板PP1上に、凹凸構造PP2が形成されたワイヤーグリッド型の無機偏光板である。
これらのうち、凹凸構造PP2は、偏光素子PPを透過する光の進行方向を+L方向とし、当該+L方向に交差し、かつ、互いに交差する+M方向及び+N方向とした場合、光入射面において、+M方向に沿って延出し、かつ、+N方向に配列された複数の突条部PP3(複数の凸部)と、当該複数の突条部PP3間のそれぞれに溝部PP4と、を有する。
それぞれの突条部PP3は、図4に示すように、アルミニウムを含む無機偏光材料が蒸着等によって透光性基板PP1上に積層されたグリッド層PP31と、当該グリッド層PP31上に塗布されたシリコン等の吸収層PP32と、を含んで構成される。
このような偏光素子PPの透過軸は、上記突条部PP3の配列方向、すなわち、+N方向に沿う軸となる。
このような偏光素子PPに沿って冷却液体が流通する場合、凹凸構造PP2に対する冷却液体の流通方向によっては、偏光素子PPの冷却効率が低下する。
具体的に、上記突条部PP3の配列方向である+N方向、或いは、当該+N方向の反対方向である−N方向(図示省略)に冷却液体が流通すると、当該突条部PP3によって速度境界層が厚くなり、偏光素子PPの冷却効率が低下する。
これに対し、上記突条部PP3及び上記溝部PP4の延出方向(長手方向)である+M方向、或いは、+M方向の反対方向である−M方向(図示省略)に沿って冷却液体が流通すると、速度境界層が薄くなり、上記に比べて偏光素子PPの冷却効率が高くなる。特に、上記のように例示したフッ素系の不活性液体の粘度は、気体より高く、水より小さい。また、当該不活性液体の表面張力は、水より大きい。このため、当該不活性液体により構成された冷却液体を、+M方向又は−M方向に沿って流通させることにより、当該冷却液体による偏光素子PPの冷却効率を高めることができる。
図5は、入射側偏光板452Gの突条部PP3及び溝部PP4の延出方向と冷却液体の流通方向とを示す図である。なお、図5においては、入射側偏光板452Gが有する複数の突条部PP3及び複数の溝部PP4のうち、一部についてのみ符号を付す。
冷却装置5Aでは、上記偏光素子PPが採用された入射側偏光板452のうち緑色光LG用の入射側偏光板452Gにおいて、冷却液体は、当該入射側偏光板452Gの光入射側を−X方向に沿って流通し、入射側偏光板452Gの光出射側を+X方向に沿って流通する。このため、図5に示すように、入射側偏光板452Gを、突条部PP3及び溝部PP4の延出方向が+X方向に沿うように配置することにより、上記速度境界層を薄くすることができ、入射側偏光板452Gを冷却液体によって効率よく冷却できる。
他の入射側偏光板452B,452Rについても、突条部PP3及び溝部PP4の延出方向が冷却液体の流通方向に沿うように、各入射側偏光板452B,452Rを配置することによって、これら入射側偏光板452B,452Rを効率よく冷却できる。
また、冷却装置5Aでは、上記偏光素子PPが採用された出射側偏光板454のうち緑色光LG用の出射側偏光板454Gにおいて、冷却液体は、当該出射側偏光板454Gの光入射側を−X方向に沿って流通し、出射側偏光板454Gの光出射側を+X方向に沿って流通する。このため、入射側偏光板452Gと同様に、出射側偏光板454Gを、突条部PP3及び溝部PP4の延出方向が+X方向に沿うように配置することにより、当該出射側偏光板454Gを冷却液体によって効率よく冷却できる。
他の出射側偏光板454B,454Rについても、突条部PP3及び溝部PP4の延出方向が冷却液体の流通方向に沿うように、各出射側偏光板454B,454Rを配置することによって、これら出射側偏光板454B,454Rを効率よく冷却できる。
なお、複数の突条部PP3及び複数の溝部PP4を有する凹凸構造PP2は、ワイヤーグリッド型の偏光素子PPの光入射面に形成されているとしたが、これに限らず、偏光素子PPの光出射面に形成されていてもよい。そして、入射側偏光板452の光入射側及び光出射側を、冷却液体が突条部PP3及び溝部PP4の延出方向に沿って互いに反対方向に流通する場合、凹凸構造PP2が、入射側偏光板452において光入射側及び光出射側のどちらに位置していても、冷却液体は、当該延出方向に沿って流通する。出射側偏光板454においても同様である。
このため、凹凸構造PP2が光入射側及び光出射側のいずれに位置している場合でも、入射側偏光板452及び出射側偏光板454を効率よく冷却できる。
[第1実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1によれば、以下の効果を奏することができる。
例えば、筐体51内の冷却液体は、入射側偏光板452Gの光入射側を、当該入射側偏光板452Gを通過する緑色光LGの進行方向に対する交差方向である−X方向(第1方向の一例)に沿って流通し、当該入射側偏光板452Gの光出射側を、−X方向とは反対方向である+X方向(第2方向の一例)に沿って流通する。これによれば、入射側偏光板452Gの光入射側を流通する冷却液体の温度分布と、光出射側を流通する冷却液体の温度分布とを、互いに補完することができる。すなわち、入射側偏光板452Gの光入射側及び光出射側を流通し緑色光LGが通過する冷却液体の温度分布を略均一化できるので、当該緑色光LGは、略均一な屈折率分布を有する冷却液体を通過した光とみなすことができる。このため、光変調装置453Gに入射される緑色光LGの照度分布を略均一化できるので、光変調装置453によって形成される画像、ひいては、プロジェクター1によって投射された画像に、照度むらが発生することを抑制できる。他の入射側偏光板452B,452Rにおいても同様である。
従って、投射光学装置46によって投射されて表示された画像に照度むらが観察されることを抑制でき、当該画像の劣化を抑制できる。
例えば、筐体51内の冷却液体は、出射側偏光板454Gの光入射側を、当該出射側偏光板454Gを通過する緑色光LGの進行方向に対する交差方向である−X方向(第1方向の一例)に沿って流通し、当該出射側偏光板454Gの光出射側を、−X方向とは反対方向である+X方向(第2方向の一例)に沿って流通する。これによれば、出射側偏光板454Gの光入射側を流通する冷却液体の温度分布と、光出射側を流通する冷却液体の温度分布とを、互いに補完することができる。すなわち、出射側偏光板454Gの光入射側及び光出射側を流通し緑色光LGが通過する冷却液体の温度分布を略均一化できるので、当該緑色光LGは、略均一な屈折率分布を有する冷却液体を通過した光とみなすことができる。このため、投射光学装置46のバックフォーカス位置が局所的に変動することを抑制できるので、投射された画像を構成する、赤色光LRにより形成された赤色画像、緑色光LGにより形成された緑色画像、及び、青色光LBにより形成された青色画像のうち、緑色画像に解像度むらが顕著に観察されることを抑制できる。他の出射側偏光板454B,454Rにおいても同様である。
従って、投射光学装置46によって投射されて表示された画像に解像度むらが観察されることを抑制でき、当該画像の劣化を抑制できる。
各入射側偏光板452において、光入射側を流通する冷却液体の流速と、光出射側を流通する冷却液体の流速とは、略同じである。また、各出射側偏光板454において、光入射側を流通する冷却液体の流速と、光出射側を流通する冷却液体の流速とは、略同じである。これによれば、入射側偏光板452の光入射側と光出射側とを略均一に冷却できる。また、出射側偏光板454の光入射側と光出射側とを略均一に冷却できる。この他、入射側偏光板452の光入射側を流通する冷却液体の温度分布と、光出射側を流通する冷却液体の温度分布とを、一致させることができる。また、入射側偏光板452の光入射側を流通する冷却液体の屈折率分布と、光出射側を流通する冷却液体の屈折率分布とを、一致させることができる。これにより、入射側偏光板452の光入射側と光出射側とで、冷却液体の屈折率分布を均一化できる。出射側偏光板454においても同様である。従って、投射された画像の劣化をより効果的に抑制できる。
プロジェクター1は、緑色光LGを含む複数の色光のそれぞれに対応する複数の光変調装置453B,453G,453Rと、前記複数の光変調装置のそれぞれによって変調された色光を合成する光合成装置455と、を備える。偏光素子PPは、緑色光LGに対応する光変調装置453Gの光出射側に位置する出射側偏光板454Gを構成する。
これによれば、青色光LB及び赤色光LRに比べて光量が大きい緑色光LGが入射されて温度が高くなりやすい出射側偏光板454Gを効果的に冷却できる。従って、プロジェクター1の長寿命化を図ることができる。
入射側偏光板452及び出射側偏光板454に採用される偏光素子PPは、透光性基板PP1の光入射面及び光出射面のうち一方の面に、凹凸構造PP2を有する。この凹凸構造PP2は、上記+M方向(所定の方向)に沿ってそれぞれ延出し、かつ、+N方向(所定の方向に交差する方向)に沿って配列された複数の突条部PP3(複数の凸部)と、当該複数の突条部PP3間のそれぞれに形成される複数の溝部PP4とを有する。そして、入射側偏光板452及び出射側偏光板454は、上記一方の面に沿って流通する冷却液体の流通方向に、上記複数の突条部PP3の延出方向が沿うように配置される。換言すると、入射側偏光板452及び出射側偏光板454は、当該冷却液体の流通方向にそれぞれ沿い、かつ、当該流通方向に交差する方向に配列された複数の突条部PP3を有する。これによれば、上記のように、速度境界層を薄くすることができ、偏光板452,454の冷却効率を高めることができる。従って、偏光板452,454を効果的に冷却できる。
筐体51内に充填される冷却液体は、フッ素系の不活性液体である。これによれば、冷却液体に浸漬した状態で、電子部品である光変調装置453を動作させることができる。従って、光変調装置453を冷却しつつ、当該光変調装置453を安定して動作させることができ、プロジェクター1を安定して動作させることができる。
[第1実施形態の変形]
上記プロジェクター1の冷却装置5Aでは、流通装置52によって流通する冷却液体は、各入射側偏光板452及び各出射側偏光板454を+Y方向側から見た場合に、これら偏光板452,454の周囲を反時計回りに流通していた。しかしながら、これに限らず、冷却装置は、+Y方向側から見て、冷却液体が偏光板452,454の周囲を時計回りに流通する構成としてもよい。また、冷却装置は、冷却液体が偏光板452,454の光入射側を+Y方向及び−Y方向の一方に流通し、光出射側を他方に流通する構成としてもよい。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図6は、上記冷却装置5Aの変形である冷却装置5Bを示す模式図である。詳述すると、図6は、XY平面に沿う冷却装置5Bの断面を模式的に示す図である。なお、図6では、筐体51内に配置され、光合成装置455を支持する支持部SMが図示されている。
例えば、図6に示す冷却装置5Bは、冷却装置5Aと同様に、画像形成ユニットFUが配置され、内部に冷却液体が充填される筐体51と、筐体51内の冷却液体を撹拌して循環させる流通装置52と、を備える。
この冷却装置5Bでは、入射側偏光板452(入射側偏光板452Gは図示省略)に沿って流通する冷却液体は、当該入射側偏光板452の光入射側を−Y方向に流通し、光出射側を+Y方向に流通して、当該入射側偏光板452の周囲を循環する。
また、出射側偏光板454(出射側偏光板454Gは図示省略)に沿って流通する冷却液体は、当該出射側偏光板454の光入射側を−Y方向に流通し、光出射側を+Y方向に流通して、当該出射側偏光板454の周囲を循環する。
図7は、冷却装置5Bにおける入射側偏光板452Bの突条部PP3及び溝部PP4の延出方向と冷却液体の流通方向とを示す図である。なお、図7においては、入射側偏光板452Bが有する複数の突条部PP3及び複数の溝部PP4のうち、一部についてのみ符号を付す。
なお、冷却装置5Bでも、入射側偏光板452は、それぞれの突条部PP3及び溝部PP4の延出方向が、冷却液体の流通方向に沿うように配置される。
例えば、入射側偏光板452Bは、凹凸構造PP2が光入射側に位置するとした場合、図7に示すように、突条部PP3及び溝部PP4の延出方向が、冷却液体の流通方向である−Y方向に沿うように配置される。また、他の入射側偏光板452G,452Rも同様であり、各出射側偏光板454も同様である。これにより、上記速度境界層を薄くすることができ、入射側偏光板452及び出射側偏光板454を効率よく冷却できる。
なお、凹凸構造PP2が、各偏光板452,454の光出射側に位置する場合や、冷却液体が各偏光板452,454の光入射側を+Y方向に流通し、光出射側を−Y方向に流通する場合でも同様に、当該各偏光板452,454を効率よく冷却できる。
従って、このような冷却装置5Bを備えるプロジェクターによっても、上記冷却装置5Aを備えるプロジェクター1と同様の効果を奏することができる。
なお、冷却装置5A,5Bは、冷却液体が各偏光板452,454の周囲を循環するように流通する構成に限らない。例えば、入射側偏光板452に沿って流通する冷却液体の流通方向が、当該入射側偏光板452の光入射側と光出射側とで互いに反対方向であり、出射側偏光板454に沿って流通する冷却液体の流通方向が、当該出射側偏光板454の光入射側と光出射側とで互いに反対方向となれば、これら偏光板452,454の周囲を冷却液体が循環しなくてもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有するが、冷却装置の筐体内の空間を区画する区画部材を有する点で、当該プロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、本実施形態に係るプロジェクターが有する冷却装置5Cを示す模式図である。詳述すると、図8は、XZ平面に沿う冷却装置5Cの断面を模式的に示す図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、冷却装置5Aに代えて冷却装置5Cを有する他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。
冷却装置5Cは、それぞれ上記した筐体51及び流通装置52を有する他、図8に示すように、区画部材53C,54Cを有する。
区画部材53C,54Cは、筐体51内に設けられ、当該筐体51内の空間を区画する。具体的に、区画部材53Cは、筐体51内に配置された画像形成ユニットFUの各入射側偏光板452を+X方向及び+Z方向において接続し、当該入射側偏光板452に対する光入射側の空間SP1と、光出射側の空間とを区画する。
このような区画部材53Cは、光合成装置455の光出射面455Eに対向する部位に、画像光が通過する開口部53C1を有する。この開口部53C1は、当該画像光が通過可能な透光性部材53C2によって閉塞されている。
また、区画部材54Cは、筐体51内に配置された画像形成ユニットFUの各出射側偏光板454を+X方向及び+Z方向において接続し、当該出射側偏光板454に対する光入射側の空間SP2と、光出射側の空間SP3とを区画する。すなわち、区画部材54Cは、上記入射側偏光板452に対する光出射側の空間を、空間SP2と空間SP3とに区画する。
このような区画部材54Cも、光出射面455Eに対向する部位に、画像光が通過する開口部54C1を有し、当該開口部54C1は、透光性部材54C2によって閉塞されている。
これら区画部材53C,54Cによって、筐体51内の空間は、入射側偏光板452に対する光入射側の空間SP1と、当該入射側偏光板452に対する光出射側で、かつ、出射側偏光板454に対する光入射側の空間SP2と、当該出射側偏光板454に対する光出射側の空間SP3と、に区画される。
なお、図示を省略するが、筐体51内には、当該区画部材53C,54Cに対する+Y方向側及び−Y方向側に冷却液体が流通可能な空間が形成されている。このため、冷却液体は、空間SP1〜SP3の間を流通可能である。すなわち、区画部材53C,54Cによって、空間SP1,SP2,SP3は、それぞれの空間を冷却液体が相互に流通可能に区画されている。これら空間SP1〜SP3のそれぞれの内部には、流通装置52(シャフト521及びインペラ522)が設けられており、当該空間SP1〜SP3内の冷却液体を撹拌及び流通させる。
このような冷却装置5Cにおいて、空間SP1内の流通装置52が駆動されると、当該空間SP1内の冷却液体は、図8において開口部511Eが上側となるように+Y方向側から筐体51を見て、反時計回りに流通する。このように流通する冷却液体は、筐体51の内面と入射側偏光板452との間を流通して、これら入射側偏光板452の光入射側の面を冷却する。例えば、当該冷却液体は、入射側偏光板452Gの光入射側を−X方向に沿って流通して、当該入射側偏光板452Gの光入射面を冷却する。なお、熱を帯びた冷却液体が筐体51の内面に接触することによって、当該冷却液体の熱の一部は筐体51に伝達され、当該筐体51によって外部に放熱される。これにより、冷却液体は冷却される。
また、空間SP2内の流通装置52が駆動されると、当該空間SP2内の冷却液体は、図8において+Y方向側から筐体51を見て、時計回りに流通する。このように流通する冷却液体は、入射側偏光板452と光変調装置453との間、及び、光変調装置453と出射側偏光板454との間を流通して、各入射側偏光板452の光出射面と、各光変調装置453の光入射面及び光出射面と、各出射側偏光板454の光入射面を冷却する。例えば、当該冷却液体は、入射側偏光板452Gと光変調装置453Gとの間、及び、光変調装置453Gと出射側偏光板454Gとの間を+X方向に沿って流通して、これらを冷却する。
更に、空間SP3内の流通装置52が駆動されると、当該空間SP3内の冷却液体は、図8において+Y方向側から筐体51を見て、反時計回りに流通する。このように流通する冷却液体は、出射側偏光板454と光合成装置455との間を流通して、これら出射側偏光板454の光出射面を冷却する。例えば、当該冷却液体は、出射側偏光板454Gと光合成装置455(光入射面455G)との間を−X方向に沿って流通して、これらを冷却する。
このように、筐体51内の冷却液体は、各光変調装置453の光入射側及び光出射側を、当該各光変調装置453に沿って同方向に流通する他、各入射側偏光板452の光入射側及び光出射側を、当該各入射側偏光板452に沿って互いに反対方向に流通し、各出射側偏光板454の光入射側及び光出射側を、当該各出射側偏光板454に沿って互いに反対方向に流通する。そして、詳しい図示を省略するが、各偏光板452,454の上記突条部PP3及び溝部PP4の延出方向は、冷却液体の流通方向に沿う。
このため、上記冷却装置5Aの場合と同様に、上記照度むら及び上記解像度むらの発生を抑制しつつ、各偏光板452,454を効率よく冷却できる。
なお、本実施形態においては、空間SP1〜SP3のそれぞれを流通する冷却液体の流速を略同じとしている。しかしながら、これに限らず、例えば空間SP2,SP3を流通する冷却液体の流速を、空間SP1を流通する冷却液体の流速より高くして、出射側偏光板454を積極的に冷却する構成としてもよい。
以上説明した冷却装置5Cを有するプロジェクターによっても、上記プロジェクター1と同様の効果を奏することができる。
[第2実施形態の変形]
上記冷却装置5Cでは、光変調装置453に沿って流通する冷却液体は、光入射側及び光出射側で同方向に流通するとした。しかしながら、これに限らず、光変調装置453においても、光入射側及び光出射側のそれぞれで、冷却液体が互いに反対方向となるように流通してもよい。この場合、各光変調装置453間を接続する区画部材を、新たに設けてもよい。
また、上記照度むら及び上記解像度むらのうち一方の改善を図る構成として、区画部材53C,54Cのうち一方のみを筐体51内に設け、対象となる偏光板の光入射側と光出射側とで、冷却液体が互いに反対方向となるように流通させてもよい。
図9は、冷却装置5Cの変形である冷却装置5Dを示す模式図である。詳述すると、図9は、XZ平面に沿う冷却装置5Dの断面を模式的に示す図である。
例えば、図9に示す冷却装置5Dは、冷却装置5Cと同様の構成を有するが、区画部材54Cは設けられていない。このため、区画部材53Cは、筐体51内の空間を、入射側偏光板452に対する光入射側の空間SP1と、光出射側の空間SP4とに区画する。
このような冷却装置5Dにおいて、空間SP1内の流通装置52が駆動されると、+Y方向側から見て、冷却液体は、当該空間SP1内を反時計回りに流通する。また、空間SP4内の流通装置52が駆動されると、+Y方向側から見て、冷却液体は、当該空間SP4内を時計回りに流通する。
このため、各入射側偏光板452においては、光入射側を流通する冷却液体の流通方向と、光出射側を流通する冷却液体の流通方向とが、互いに反対方向となる。このような冷却液体の流通方向は、入射側偏光板452に対する光入射側と光出射側とで互いに反対方向となれば、他の方向でもよい。そして、各光変調装置453及び各出射側偏光板454は、それぞれの光入射側及び光出射側を同方向に流通する冷却液体によって冷却される。
このような冷却装置5Dによっても、投射された画像に上記照度むらが顕著に観察されることを抑制でき、当該画像の劣化を抑制できる。
図10は、冷却装置5Cの変形である冷却装置5Eを示す模式図である。詳述すると、図10は、XZ平面に沿う冷却装置5Eの断面を模式的に示す図である。
また例えば、図10に示す冷却装置5Eは、冷却装置5Cと同様の構成を有するが、区画部材53Cは設けられていない。このため、区画部材54Cは、筐体51内の空間を、出射側偏光板454に対する光入射側の空間SP5と、光出射側の空間SP3とに区画する。
このような冷却装置5Eにおいて、空間SP5内の流通装置52が駆動されると、+Y方向側から見て、冷却液体は、当該空間SP5内を反時計回りに流通する。また、空間SP3内の流通装置52が駆動されると、+Y方向側から見て、冷却液体は、当該空間SP3内を時計回りに流通する。
このため、各出射側偏光板454においては、光入射側を流通する冷却液体の流通方向と、光出射側を流通する冷却液体の流通方向とが、互いに反対方向となる。このような冷却液体の流通方向は、出射側偏光板454に対する光入射側と光出射側とで互いに反対方向となれば、他の方向でもよい。そして、各入射側偏光板452及び各光変調装置453は、それぞれの光入射側及び光出射側を同方向に流通する冷却液体によって冷却される。
このような冷却装置5Eによっても、投射された画像に上記解像度むらが顕著に観察されることを抑制でき、当該画像の劣化を抑制できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を備える。しかしながら、本実施形態に係るプロジェクターが備える冷却装置では、光合成装置455と投射光学装置46との間の冷却液体の流通が規制されている。この点で、本実施形態に係るプロジェクターと、上記プロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図11は、本実施形態に係るプロジェクターが有する冷却装置5Fを示す模式図である。詳述すると、図11は、XZ平面に沿う冷却装置5Fの断面を模式的に示す図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、冷却装置5Aに代えて冷却装置5Fを有する他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。
冷却装置5Fは、図11に示すように、筐体51F及び流通装置52(図11では図示省略)を備える。
筐体51Fは、上記筐体51と同様に、画像形成ユニットFUが内部に配置される他、不活性液体である冷却液体が充填された略直方体形状の密閉筐体である。この筐体51Fは、それぞれ透光性部材512によって閉塞される開口部511B,511G,511R,511Eを有する。
この他、筐体51Fは、筐体51Fにおける+Z方向側に位置し、かつ、入射側偏光板452B,452R、光変調装置453B,453R及び出射側偏光板454B,454Rに対して+Z方向側に位置する側面部51F1を有する。そして、筐体51Fは、当該側面部51F1に、光合成装置455の光出射面455Eにおける光束通過領域PAの外側部分と接続される規制部51F2を有する。
規制部51F2は、光合成装置455の光出射面455Eから出射される画像光を遮らないように、光束通過領域PA外に配置されている。この規制部51F2は、当該光束通過領域PAへの冷却液体の流入を規制する部位であり、当該光出射面455Eから投射光学装置46に入射される画像光の光路において、光出射面455E及び投射光学装置46の間に冷却液体が流通することを規制する。すなわち、規制部51F2は、光合成装置455と投射光学装置46との間に冷却液体を流通させない。本実施形態では、このような規制部51F2は、開口部511Eを形作る端縁が光出射面455Eと接続されることによって構成されている。
ここで、上記のように、冷却液体は、温度によって屈折率が変化することから、当該冷却液体が筐体51F内を循環して冷却対象を冷却すると、冷却液体に不均一な温度分布が生じ、ひいては、不均一な屈折率分布が生じてしまう。
そして、光変調装置453から出射された光の光路後段を流通する冷却液体に不均一な屈折率分布が生じると、投射光学装置46のバックフォーカス位置が変化し、ひいては、上記解像度むらが、投射された画像に観察される。
この解像度むらは、上記光路後段(光変調装置453から光出射側)において、冷却液体における上記不均一な屈折率分布が生じる部位が、当該光変調装置453から離れる程、顕著に現れる。換言すると、解像度むらは、当該部位が投射光学装置46に近くなる程、顕著に現れる。例えば、光変調装置453と出射側偏光板454との間、出射側偏光板454と光合成装置455との間、及び、光合成装置455の光出射面455Eと投射光学装置46との間のそれぞれに、冷却液体が流通可能な流路が形成されている場合に、光合成装置455と投射光学装置46との間を流通する冷却液体に上記不均一な屈折率分布が生じると、上記解像度むらが最も顕著に現れる。
これに対し、上記冷却装置5Fでは、光変調装置453から出射された光が投射光学装置46に入射されるまでの光路において、当該光変調装置453から最も離れた光学部品間領域、すなわち、光出射面455Eと投射光学装置46との間の領域に、冷却液体が流通することが、上記規制部51F2によって規制される。
これによれば、光合成装置455と投射光学装置46との間に冷却液体が流通可能に構成されている場合に比べて、上記解像度むらが顕著に発生することを抑制できる。
また、このような解像度むらの発生具合は、光の進行方向に交差する方向に冷却液体が流通する冷却装置5Fの構成において、各光変調装置453の光路後段における冷却液体の流路幅(冷却液体の流路において当該光の進行方向に沿う寸法であり、液厚)の大きさによっても変化する。例えば、当該流路幅が大きくなると、上記解像度むらが顕著となり、当該流路幅が小さくなると、上記解像度むらが観察されにくくなる。
これに対し、冷却装置5Fでは、各光変調装置453から出射された色光の光路に沿う出射側偏光板454と光合成装置455との間の寸法は、当該光路に沿う光変調装置453と出射側偏光板454との間の寸法より小さくなるように、これら光変調装置453、出射側偏光板454及び光合成装置455は配置されている。例えば、赤色光LRの光路において、出射側偏光板454Rと光合成装置455の光入射面455Rとの間の寸法L2は、光変調装置453Rと出射側偏光板454Rとの間の寸法L1より小さい。すなわち、出射側偏光板454R及び光入射面455Rを通過する赤色光LRの進行方向に対して交差する方向に沿って出射側偏光板454Rと光入射面455Rとの間を流通する冷却液体の流路幅は、当該赤色光LRの進行方向に対して交差する方向に沿って光変調装置453Rと出射側偏光板454との間を流通する冷却液体の流路幅より小さい。
これにより、上記解像度むらの発生を抑制しつつ、これら光変調装置453及び出射側偏光板454を冷却できる。
なお、冷却装置5Fにおいても上記と同様に、入射側偏光板452、光変調装置453及び出射側偏光板454のそれぞれに沿って流通する冷却液体の流速は、略同じである。また、当該流速は、青色光LB、緑色光LG及び赤色光LRのそれぞれに応じた入射側偏光板452、光変調装置453及び出射側偏光板454のセットの間で略同じである。しかしながら、これに限らず、より高い冷却効率が要求される部品に流通する冷却液体の流速を、他の部品に流通する冷却液体の流速より高めてもよい。
また、冷却装置5Fでは、冷却液体は、+Y方向側から見て各入射側偏光板452の周囲を反時計回りに流通され、各出射側偏光板454の周囲を反時計回りに流通される。換言すると、当該冷却液体は、+Y方向側から見て各光変調装置453の周囲を時計回りに流通される。しかしながら、これに限らず、冷却装置5Fは、冷却液体が、+Y方向側から見て各入射側偏光板452及び出射側偏光板454のそれぞれの周囲を時計回りに流通する構成としてもよい。また、冷却液体は、入射側偏光板452、光変調装置453及び出射側偏光板454の周囲を循環しなくてもよい。
[第3実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記プロジェクター1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
筐体51Fは、光合成装置455の光出射面455Eと投射光学装置46との間への冷却液体の流入を規制する規制部51F2を有する。これによれば、筐体51F内を流通する冷却液体に上記不均一な屈折率分布が生じる場合でも、上記解像度むらが顕著に観察されることを抑制できる。従って、投射された画像の劣化を抑制できる。
光変調装置453及び出射側偏光板454に沿って、これらの間を流通する冷却液体の流路を第1流路とし、出射側偏光板454及び光合成装置455に沿って、これらの間を流通する冷却液体の流路を第2流路とした場合、光変調装置453から出射された光の進行方向に沿う第2流路の寸法L2(第2流路の流路幅)は、光変調装置453から出射された光の進行方向に沿う第1流路の寸法L1(第1流路の流路幅)より小さい。すなわち、光変調装置453から光路後段側に離れるに従って、冷却液体の流路幅は小さくなっている。換言すると、投射光学装置46に入射される光の光路において当該投射光学装置46に近づくに従って、冷却液体の流路幅は小さくなっている。これによれば、上記のように、寸法L2が寸法L1より大きい場合に比べて、解像度むらが観察されることを抑制できる。
この他、上記第1流路における冷却液体の流速と、上記第2流路における冷却液体の流速とは、それぞれ略同じである。これによれば、寸法L2(第2流路の流路幅)は、寸法L1(第1流路の流路幅)より小さいので、第1流路を流通する冷却液体の流量は、第2流路を流通する冷却液体の流量より多くなる。従って、光変調装置453を冷却しやすくすることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有するが、冷却液体の流通方向が異なる点で、当該プロジェクター1と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図12は、本実施形態に係るプロジェクターが有する冷却装置5Gを示す模式図である。詳述すると、図12は、XZ平面に沿う冷却装置5Gの断面を模式的に示す図であり、冷却装置5Gにおける冷却液体の流通方向と、各光変調装置453を通過し、光合成装置455を介して投射光学装置46に入射される各色光の光路とを示す図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、冷却装置5Aに代えて冷却装置5Gを有する他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。
冷却装置5Gは、図12に示すように、それぞれ上記した筐体51及び流通装置52(図12では図示省略)を備える他、複数の区画部材55Gを有する。
複数の区画部材55Gは、筐体51内の空間を区画して、流通装置52の撹拌によって流通する冷却液体の流通方向を調整する。換言すると、複数の区画部材55Gは、冷却液体を整流する整流部材として機能する。
具体的に、複数の区画部材55Gは、各光変調装置453において、光合成装置455によって合成されて投射光学装置46に入射される画像光における一端側の領域A1に対応する部位ST1側から、当該画像光における他端側の領域A2に対応する部位ST2側に、冷却液体を流通させる。ここで、部位ST1は、各光変調装置453において、光合成装置455から投射光学装置46に入射される画像光における一端側の領域A1に対応する光を変調する一端側部位である。また、部位ST2は、各光変調装置453において、投射光学装置46に入射される画像光における他端側の領域A2に対応する光を変調する他端側部位である。
ここで、画像形成ユニットFUでは、光変調装置453B,453G,453Rは、直方体形状の光合成装置455において隣り合う3つの光入射面455B,455G,455Rにそれぞれ対向するように配置されている。そして、緑色光LGは、+Z方向に沿って進行して入射側偏光板452、光変調装置453G及び出射側偏光板454を通過した後、光合成装置455を通過して、投射光学装置46に入射される。一方、青色光LBは、+X方向に沿って進行して入射側偏光板452、光変調装置453B及び出射側偏光板454を通過した後、光合成装置455にて+Z方向側に反射されて投射光学装置46に入射される。他方、赤色光LRは、−X方向に沿って進行して入射側偏光板452、光変調装置453R及び出射側偏光板454を通過した後、光合成装置455にて+Z方向側に反射されて投射光学装置46に入射される。
このため、光合成装置455に対して−Z方向側の位置で、かつ、XY平面に沿うように配置される光変調装置453Gでは、投射光学装置46に入射される画像光において+X方向側の領域A1(一端側の領域)に対応する光を変調する部位ST1は、+X方向側の部位である。また、光変調装置453Gでは、当該画像光において−X方向側の領域A2(他端側の領域)に対応する光を変調する部位ST2は、−X方向側の部位である。
同様に、光合成装置455に対して−X方向側に位置で、かつ、YZ平面に沿うように配置される光変調装置453Bでは、領域A1に対応する光を変調する部位ST1は+Z方向側の部位であり、領域A2に対応する光を変調する部位ST2は−Z方向側の部位である。また、光合成装置455に対して+X方向側の位置で、YZ平面に沿って配置される光変調装置453Rでは、部位ST1は−Z方向側の部位であり、部位ST2は+Z方向側の部位である。
ところで、冷却液体が、光変調装置453における一端側から他端側に向かって流通すると、冷却液体の流通方向における下流側となる他端側では冷却液体の温度は高くなりやすく、屈折率は低くなりやすい。
そして、各光変調装置453における冷却液体の屈折率が低い領域を通過した光が、投射光学装置46に入射される画像光において同じ領域に位置し、また、各光変調装置453における冷却液体の屈折率が高い領域を通過した光が、当該画像光において同じ領域に位置しないと、投射された画像に、色むらが顕著に観察されてしまう。換言すると、各光変調装置453B,453G,453Rによって変調された各色光において、冷却液体の屈折率が低い領域を通過した光、及び、屈折率が高い領域を通過した光が、画像光においてそれぞれ同じ領域を形成しない場合には、投射された画像に、色むらが顕著に観察されてしまう。
これに対し、冷却装置5Gにおいては、流通装置52及び複数の区画部材55Gによって、冷却液体は、入射側偏光板452及び出射側偏光板454のそれぞれの光入射側及び光出射側を、互いに反対方向に流通する際に、光変調装置453の光入射側では、部位ST2側から部位ST1側に向かって流通し、当該光変調装置453の光出射側では、部位ST1側から部位ST2側に向かって流通する。すなわち、光変調装置453における光入射側の面に沿って流通する冷却液体の流通方向は、部位ST1(一端側部位)と部位ST2(他端側部位)とを結ぶ方向において、各光変調装置453の間で略同じである。また、光変調装置453における光出射側の面に沿って流通する冷却液体の流通方向は、部位ST1(一端側部位)と部位ST2(他端側部位)とを結ぶ方向において、各光変調装置453の間で略同じである。
例えば、光変調装置453Gでは、冷却液体は、当該光変調装置453Gの光入射側を部位ST2側から部位ST1側に向かって流通し、光出射側を部位ST1側から部位ST2側に向かって流通する。他の光変調装置453B,453Rに流通する冷却液体も同様である。
このように、冷却液体を流通させることによって、各光変調装置453の光入射側において、部位ST2から部位ST1に向かう方向と、冷却液体の流通方向とを一致させることができる。同様に、各光変調装置453の光出射側において、部位ST1から部位ST2に向かう方向と、冷却液体の流通方向とを一致させることができる。従って、投射された画像に、色むら及び解像度むらが顕著に観察されることを抑制できる。
また、各光変調装置453においては、冷却液体の流通方向における上流側が、当該各光変調装置453において光入射側と光出射側とで互いに反対側となり、当該流通方向における下流側が、当該各光変調装置453において光入射側と光出射側とで互いに反対側となる。これにより、当該光変調装置453を略均一に冷却できる。
[第4実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記プロジェクター1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
各光変調装置453の光入射側を流通する冷却液体の流通方向は、部位ST1と部位ST2とを結ぶ方向において、光変調装置453のそれぞれで同じであり、当該冷却液体は、光入射側を部位ST2側から部位ST1側に向かって流通する。これによれば、各光変調装置453によって変調された変調光は、同じ照度分布を有する変調光として投射光学装置46に入射される。このため、色毎に照度分布が異なる画像が投射されることを抑制でき、上記照度むらが生じる場合であっても、投射された画像に色むらが顕著に観察されることを抑制できる。
各光変調装置453の光出射側を流通する冷却液体の流通方向は、部位ST1と部位ST2とを結ぶ方向において、光変調装置453のそれぞれで同じであり、当該冷却液体は、光入射側を部位ST1側から部位ST2側に向かって流通する。これによれば、各光変調装置453によって変調されて冷却液体を通過した変調光は、それぞれ解像度むらの分布が同じ変調光となって、投射光学装置46に入射される。このため、上記解像度むらが生じる場合であっても、当該解像度むらの分布が色毎に異なる画像が投射されることを抑制でき、上記解像度むらが顕著に観察されることを抑制できる。
[第4実施形態の変形]
上記冷却装置5Gでは、冷却液体は、光変調装置453の光入射側を部位ST2側から部位ST1側に向かって流通し、光出射側を部位ST1側から部位ST2側に向かって流通するとした。しかしながら、各光変調装置453の光入射側及び光出射側を流通する冷却液体の流通方向は、上記とは反対方向であってもよく、また、光入射側及び光入射側を流通する冷却液体の流通方向は、同じであってもよい。
また、冷却液体は、各入射側偏光板452、各光変調装置453及び各出射側偏光板454のそれぞれの光入射側及び光出射側を、−Y方向側又は+Y方向側に流通してもよい。この場合、画像光における一端側の領域A1及び他端側の領域A2のうち、一方は、当該画像光において+Y方向側の領域となり、他方は、−Y方向側の領域になる。この場合でも、各光変調装置453における部位ST1は、領域A1に対応する光を変調する部位であり、部位ST2は、領域A2に対応する光を変調する部位である。このように冷却液体が流通する場合でも、上記冷却装置5Gと同様の効果を奏することができる。なお、光変調装置453の光入射側及び光入射側を流通する冷却液体の流通方向は、同じであってもよく、互いに反対方向であってもよい。
更に、光変調装置453は、入射側偏光板452及び出射側偏光板454に流通する冷却液体の流路上に配置されるのではなく、当該流路とは異なる冷却液体の流路上に配置されてもよい。例えば、上記区画部材53C,54Cの間に、各光変調装置453を接続する区画部材を設け、当該光変調装置453の光入射側及び光出射側のそれぞれを流通する冷却液体の流通方向が、互いに反対方向となるように、冷却装置を構成してもよい。この場合、冷却液体は、光変調装置453の周囲を循環してもよく、循環しなくてもよい。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記プロジェクター1と同様の構成を有するが、冷却装置が冷却液体を筐体51外に流通させて冷却する冷却機構を有する。この点で、本実施形態に係るプロジェクターと上記プロジェクター1とは相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図13は、本実施形態に係るプロジェクターが有する冷却装置5Hの全体構成を示すブロック図である。
本実施形態に係るプロジェクターは、冷却装置5Aに代えて冷却装置5Hを有する他は、上記プロジェクター1と同様の構成及び機能を有する。
冷却装置5Hは、上記冷却装置5Aと同様に、上記冷却液体が充填された筐体51及び流通装置52を有する他、図13に示すように、当該筐体51内の冷却液体を当該筐体51の外部にて冷却する外部冷却機構56を有する。
この外部冷却機構56は、複数の配管561(5611〜5614)、貯留部562、圧送部563及び受熱部564を有する。
複数の配管561(5611〜5614)は、内部を冷却液体が流通し、筐体51、貯留部562、圧送部563及び受熱部564を、冷却液体が流通可能に接続する。具体的に、配管5611は、筐体51と貯留部562とを接続し、配管5612は、貯留部562と圧送部563とを接続する。また、配管5613は、圧送部563と受熱部564とを接続し、配管5614は、受熱部564と筐体51とを接続する。
貯留部562は、いわゆるタンクであり、筐体51の外部に設けられ、筐体51から配管5611を介して流入する冷却液体を内部に一時的に貯留する。この貯留部562は、冷却液体中に気泡が混入した場合に、当該気泡を確保する機能も有する。
圧送部563は、いわゆるポンプであり、筐体51の外部に設けられ、貯留部562に貯留された冷却液体を、配管5613を介して受熱部564に圧送する。
受熱部564は、いわゆる熱交換器(ラジエター)であり、筐体51の外部に設けられ、配管5613を介して流入される冷却液体の熱を受熱し、当該熱を外部に放熱することによって当該冷却液体を冷却する。このような受熱部564によって冷却された冷却液体は、配管5614を介して筐体51に流通される。なお、受熱部564を冷却する冷却ファンを設けてもよい。
ここで、詳しい図示を省略するが、例えば、一端が受熱部564に接続される配管5614の他端は、筐体51の−Y方向の側面部に接続される。また、一端が貯留部562に接続される配管5611の他端は、筐体51の+Y方向の側面部に接続される。このため、受熱部564によって冷却された冷却液体は、筐体51の下面から供給されて、当該筐体51の上面から外部冷却機構56に排出される。従って、筐体51内を冷却液体にて満たすことができ、画像形成ユニットFUを冷却液体中に浸漬させることができる。
このような冷却装置5Hにおいて、圧送部563が駆動されると、筐体51から貯留部562に流入されて貯留された冷却液体が、受熱部564に供給される。この受熱部564によって冷却された冷却液体は、筐体51に供給される。これにより、温度が低い冷却液体が筐体51内に供給され、当該冷却液体は、流通装置52によって画像形成ユニットFUの各構成に流通して、当該画像形成ユニットFUを冷却する。
このように、受熱部564にて冷却された冷却液体によって画像形成ユニットFUを冷却できるので、当該画像形成ユニットFUをより効果的に冷却できる。
なお、筐体51から配管561によって当該筐体51の外部を流通する外部冷却機構56における貯留部562、圧送部563及び受熱部564を冷却液体が流通する順序は、適宜変更可能である。また、筐体51内の構成は、上記した構成のいずれかと同じであってもよく、冷却液体の流通方向も、上記した構成のいずれと同じであってもよく、異なっていてもよい。また、筐体51内の流通装置52の数及び配置も適宜変更可能である。更に、冷却装置5Hは、筐体51に代えて筐体51Fを有していてもよい。
また、例えば、一端が受熱部564に接続される配管5614の他端は、筐体51の±X方向及び±Z方向の側面部のうちいずれかの側面部の−Y方向側の部位に接続され、一端が貯留部562に接続される配管5611の他端は、筐体51の±X方向及び±Z方向の側面部のうちいずれかの側面部の+Y方向側の部位に接続されてもよい。この場合、配管5614の上記他端が、±X方向及び±Z方向の側面部のうち1つの側面部の−Y方向側の部位に接続され、配管5611の上記他端が、±X方向及び±Z方向の側面部のうち当該1つの側面部以外の側面部の+Y方向側の部位に接続されてもよい。また、配管5614の上記他端が接続される側面部と同じ側面部であって、配管5614の上記他端が接続される部位より+Y方向側の部位に、配管5611の上記他端が接続されてもよい。更に例えば、−Y方向が鉛直方向と平行である場合に、筐体51に冷却液体を流入させる配管5614は、筐体51における鉛直方向における下方側の部位に接続され、筐体51から冷却液体を流出させる配管5611は、筐体51における鉛直方向における上方側の部位に接続されていてもよい。
[第5実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクターによれば、上記プロジェクター1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
筐体51内には、貯留部562に貯留され、圧送部563によって圧送された冷却液体が供給される。これによれば、当該冷却液体が筐体51内にて不足することを抑制できる。従って、筐体51内を冷却液体によって満たしやすくすることができる。
また、受熱部564は、配管5613を介して流入される冷却液体の熱を受熱するので、外部冷却機構56は、受熱部564にて冷却された冷却液体を筐体51に供給できる。従って、冷却液体を筐体51の外部にて冷却できるので、当該冷却液体によって冷却される画像形成ユニットFUを一層効果的に冷却できる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記した冷却装置5A〜5Hの構成を、互いに組み合わせてもよい。一例を挙げると、冷却装置5A,5Bのいずれかと、冷却装置5C〜5Eのいずれかと、冷却装置5F,5G,5Hと、を組み合わせてもよい。また、上記各実施形態にて冷却装置の変形として示した内容及び構成を、他の冷却装置に組み合わせてもよい。
上記各実施形態では、光変調装置453の光入射側に位置する入射側偏光板452が、光入射側及び光出射側を互いに反対方向に流通する筐体51内の冷却液体によって冷却されるとした。また、光変調装置453の光出射側に位置する出射側偏光板454が、光入射側及び光出射側を互いに反対方向に流通する筐体51内の冷却液体によって冷却されるとした。しかしながら、これに限らず、入射側偏光板452及び出射側偏光板454のうち一方のみが、当該冷却液体によって冷却されてもよい。また、3つの入射側偏光板452B,452G,452Rのうちいずれかのみが、当該冷却液体によって冷却されてもよい。更に、3つの出射側偏光板454B,454G,454Rのうちいずれかのみが、当該冷却液体によって冷却されてもよい。すなわち、光変調装置453の光入射側及び光出射側のいずれかに配置され、光入射側及び光出射側を互いに反対方向に流通する冷却液体によって冷却される偏光板が存在すればよい。
なお、入射側偏光板452と光変調装置453との間に、他の光学部品が配置されている場合でも、当該入射側偏光板452が、光変調装置453の光入射側に位置する偏光素子である。また、光変調装置453と出射側偏光板454との間に、他の光学部品が配置されている場合でも、当該出射側偏光板454が、光変調装置453の光出射側に位置する偏光素子である。
上記各実施形態では、入射側偏光板452及び出射側偏光板454のうち、1つの偏光板の光入射側を流通する冷却液体の流速と、当該1つの偏光板の光出射側を流通する冷却液体の流速とは、略同じであるとした。しかしながら、これに限らず、これらの流速は異なっていてもよい。
上記各実施形態では、出射側偏光板454のうち、緑色光LGが通過する出射側偏光板454Gは、光入射側及び光出射側を互いに反対方向に流通する冷却液体によって冷却されるとした。しかしながら、これに限らず、出射側偏光板454Gは、光入射側及び光出射側を同方向に流通する冷却液体によって冷却され、出射側偏光板454B,454Rのうち少なくとも一方が、光入射側及び光出射側を互いに反対方向に流通する冷却液体によって冷却されてもよい。入射側偏光板452についても同様である。
上記各実施形態では、画像投射装置4は、光源装置41から出射された光を、青色光LB、緑色光LG及び赤色光LRに分離する色分離装置43を有するとした。しかしながら、これに限らず、画像投射装置4は、青色光LBを出射する光源装置と、緑色光を出射する光源装置と、赤色光LRを出射する光源装置を、上記光源装置41に代えて有する構成としてもよい。
また、緑色光が通過する入射側偏光板452G、光変調装置453G及び出射側偏光板454Gは無くてもよい。すなわち、入射側偏光板452、光変調装置453及び出射側偏光板454は、青、緑及び赤の色光毎に設けられなくてもよく、他の色光に応じて設けられてもよい。
上記各実施形態では、入射側偏光板452及び出射側偏光板454には、ワイヤーグリッド型の偏光素子PPが採用されているとした。しかしながら、これに限らず、入射側偏光板452及び出射側偏光板454には、他の構成の偏光素子が採用されてもよい。
また、これら偏光板452,454の冷却効率を考慮しないのであれば、上記突条部PP3の配列方向(+N方向)に沿って冷却液体が流通してもよい。
上記各実施形態では、冷却液体として、フッ素系の不活性液体を採用した。しかしながら、これに限らず、冷却液体に浸漬された光変調装置453が安定して駆動できれば、当該冷却液体の組成は、上記に限定されない。
上記各実施形態では、筐体51,51Fの開口部511B,511G,511Rは、透光性部材512によって閉塞されているとした。しかしながら、これに限らず、例えば開口部511B,511G,511Rは、カラーフィルター(光学フィルター)やフィールドレンズ451によって閉塞されてもよい。この場合、開口部511B,511G,511Rを、筐体51,51Fの内側から閉塞してもよく、外側から閉塞してもよい。
また、入射側偏光板452の光入射側に冷却液体が流通しない構成である場合には、当該入射側偏光板452によって開口部511B,511G,511Rを閉塞してもよい。この場合でも、開口部511B,511G,511Rを、入射側偏光板452によって、筐体51の内側から閉塞してもよく、外側から閉塞してもよい。
上記各実施形態において採用される光変調装置は、制御装置と接続されるそれぞれの信号線に、当該光変調装置に入力される画像情報に応じて光変調装置における複数の表示素子(画素)を駆動させる駆動部(例えば、駆動IC(Integrated Circuit))を有していてもよい。特に、4Kや8K等の高解像度の画像を形成可能な光変調装置は、このような構成を有している場合がある。これらの駆動部は、光変調装置の表示素子を駆動させる際に発熱する。従って、上記各実施形態における冷却装置によれば、このような光変調装置が上記光変調装置453として採用されている場合でも、当該光変調装置453の信号線に取り付けられた駆動部も効率的に冷却することができる。
上記各実施形態では、プロジェクターは、それぞれ液晶パネルを有する3つの光変調装置453(453B,453G,453R)を備えるとした。しかしながら、これに限らず、2つ以下、あるいは、4つ以上の光変調装置を備えるプロジェクターにも、本発明を適用可能である。
上記各実施形態では、画像投射装置4は、図1に示すレイアウト及び光学部品を有する構成を例示した。しかしながら、これに限らず、他のレイアウト及び光学部品を有する画像投射装置4を採用してもよい。
上記各実施形態では、光変調装置453は、光入射面と光出射面とが異なる透過型の液晶パネルを有するとした。しかしながら、これに限らず、光変調装置453は、光入射面と光出射面とが同一となる反射型の液晶パネルを有する構成としてもよい。また、入射光束を変調して画像情報に応じた画像を形成可能な光変調装置であれば、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。
1…プロジェクター、41…光源装置、452(452B,452G,452R)…入射側偏光板(偏光素子)、453(453B,453G,453R)…光変調装置、454(454B,454G,454R)…出射側偏光板(偏光素子)、454G…出射側偏光板(第1偏光素子)、454B,454R…出射側偏光板(第2偏光素子)、455…光合成装置、455B,455G,455R…光入射面、455E…光出射面、46…投射光学装置、5A〜5H…冷却装置、51,51F…筐体、511B,511G,511R,511E…開口部、512…透光性基板、52…流通装置、521…シャフト、522…インペラ、FU…画像形成ユニット、LB…青色光、LG…緑色光、LR…赤色光、PP3…突条部(凸部)。

Claims (7)

  1. 光源装置と、
    前記光源装置から出射された光を変調する光変調装置と、
    前記光変調装置に対する光入射側及び光出射側のうち一方に配置される偏光素子と、
    前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、
    前記偏光素子が配置され、内部に冷却液体が充填された筐体と、
    前記筐体内の前記冷却液体を前記偏光素子に流通させる流通装置と、を備え、
    前記冷却液体は、
    前記偏光素子の光入射側を第1方向に沿って流通し、
    前記偏光素子の光出射側を前記第1方向とは反対方向である第2方向に沿って流通することを特徴とするプロジェクター。
  2. 請求項1に記載のプロジェクターにおいて、
    前記偏光素子の光入射側を流通する前記冷却液体の流速と、前記偏光素子の光出射側を流通する前記冷却液体の流速とは、略同じであることを特徴とするプロジェクター。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
    前記偏光素子は、前記光変調装置の光出射側に位置することを特徴とするプロジェクター。
  4. 請求項3に記載のプロジェクターにおいて、
    緑色光を含む複数の色光のそれぞれに対応する複数の前記光変調装置と、
    複数の前記光変調装置のそれぞれによって変調された色光を合成する光合成装置と、を備え、
    前記偏光素子は、前記緑色光に対応する前記光変調装置の光出射側に位置することを特徴とするプロジェクター。
  5. 請求項1又は請求項2に記載のプロジェクターにおいて、
    前記偏光素子は、前記光変調装置の光入射側に位置することを特徴とするプロジェクター。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
    前記偏光素子は、光入射面及び光出射面のうち一方の面に、所定の方向に沿ってそれぞれ延出し、かつ、前記所定の方向に交差する方向に配列された複数の凸部を有し、
    前記一方の面を流通する前記冷却液体は、前記複数の凸部が延出する前記所定の方向に沿って流通することを特徴とするプロジェクター。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のプロジェクターにおいて、
    前記冷却液体は、フッ素系の不活性液体であることを特徴とするプロジェクター。
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