JP2019132221A - 低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 構造が簡易で機器配置が容易な、低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置を提供する。【解決手段】 低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置であって、燃料油を供給する燃料油供給部(10)と、低着火性燃料を供給する低着火性燃料供給部(20)と、燃料油供給部から供給される燃料油と低着火性燃料供給部から供給される低着火性燃料とを混合させて混合燃料を生成する燃料混合部(30)と、内燃機関に配設されて燃料混合部から供給された混合燃料を内燃機関のシリンダ内へ噴射する燃料噴射部(40)とを備える。混合燃料内の燃料油と低着火性燃料とを分離するための混合燃料分離部(60)をさらに備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関を低着火性燃料を用いて作動させるための燃料噴射装置に関する。
従来、例えば、舶用ティーゼル機関では、長年にわたり重油などのいわゆる燃料油を主燃料としてきた。その理由は、燃料油が比較的安価で、どこでも大量に調達できるという、船舶に必要な条件を備えているからである。
この一方、近年、特に世界的な環境保全の観点からクリーンなエネルギ源が求められ、CO2 、SOX 、NOX 等の排出量の大幅削減が危急の課題となっている。特にCO2 、SOX の排出量削減は当然に舶用ディーゼル機関にも要求されるため、国際規則等に基づく規制が強化されることも考えられ、天然ガス、LNG等のガス燃料を主燃料とするガスエンジンの開発が急速に普及しつつある(例えば、特許文献1参照)。
また、これらのガス燃料はいわゆる低着火性燃料に分類されるが、この低着火性燃料にはメタノールも含まれる。このメタノールは燃料中に硫黄分を含んでいないため、燃焼しても大気汚染物質であるSOX を排出しない。また、単位発熱量当たりのCO2 や粒子状物質の排出量がこれまでの船舶燃料である燃料油に比べて小さいため、次世代クリーン燃料の一つとして期待されている。
さらに、メタノールの生産はこれまで石油からの精製が主であったが、石炭由来のメタノール精製プラントの計画も多数ある一方、安価な天然ガスから製造されるメタノールが、これまで以上に安価に、かつ大量に生産できる可能性があるため、供給面でもメタノールを舶用ディーゼル機関の燃料とする余地ができつつある。
このような状況下、本願出願人は、メタノールに代表される低着火性燃料を従来の舶用燃料である燃料油とともに使用可能な、二次燃料ディーゼル機関を開発した(例えば、特許文献2参照)。この二次燃料ディーゼル機関は、従来の燃料油を噴射するための燃料噴射ポンプ及び燃料噴射弁に加えて、二次燃料を噴射するための専用の二次燃料噴射ポンプ及び二次燃料噴射弁がそれぞれ別途追加装備されている。
そして、燃料油のための燃料噴射弁と二次燃料のための二次燃料噴射弁とを通して、そのときの機関の作動状態に応じて、使用される燃料が択一的に選択されて、100%燃料油又は100%二次燃料のいずれかで作動される。なお、二次燃料はピストンの圧縮による温度上昇だけでは安定した着火を得ることができないため、パイロット着火方式のエンジンでは、着火の容易な燃料油がパイロット燃料噴射弁からパイロット噴射されて、二次燃料の燃焼のための火種を形成する。
これにより、従来の燃料油だけを使用する機関と比べて、この二次燃料ディーゼル機関においては、ノッキングや未燃燃料の排出に関する問題がなく、しかも燃焼特性が二次燃料の性状に依存しないため、二次燃料のみによる作動時においても、燃料油による作動時と同等の機関出力及び負荷変動への追従性が充分に達成可能とされている。
特開2012−177333号公報
三井造船技報 No.218 「世界初のメタノール焚きME−LGI機関の完成」,第1頁〜第5頁,2017年1月30日発行,村上高弘著
上述のように、従来のメタノールに代表される低着火性燃料を使用する内燃機関においては、それまでの燃料油のための燃料噴射ポンプ及び燃料噴射弁に加えて、二次燃料を噴射させるための専用の二次燃料噴射ポンプ及び二次燃料噴射弁がそれぞれ別途追加装備され、燃料油のための燃料噴射弁と二次燃料のための二次燃料噴射弁とを通して、そのときの機関の作動状態に応じて燃料が択一的に選択されて、100%燃料油又は100%二次燃料のいずれか一方で作動される。
しかしながら、このように、それまでの燃料油のための燃料噴射ポンプ及び燃料噴射弁に加えて、二次燃料のための専用の二次燃料噴射ポンプ及び二次燃料噴射弁を別途追加装備するのでは、補機類が錯綜して配置される機関周りで、構造が複雑な2系統の燃料噴射装置をそれぞれ装備しなければならず、燃料噴射装置の機器配置が困難になる場合がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、燃料噴射装置の構造が極めて簡易で、機器配置が容易になる、低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置を提供することを課題とする。
上述の課題を解決するために、本発明が採用する手段は、低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置であって、燃料油を供給する燃料油供給部と、低着火性燃料を供給する低着火性燃料供給部と、燃料油供給部から供給される燃料油と低着火性燃料供給部から供給される低着火性燃料とを混合させて混合燃料を生成する燃料混合部と、内燃機関に配設されて燃料混合部から供給された混合燃料を内燃機関のシリンダ内へ噴射する燃料噴射部とを備えたことにある。上述の燃料油とは、例えば、ガソリン又は軽油又はA重油又はC重油などをいい、上述の低着火性燃料とは、例えば、LPG(液化石油ガス)又はメタノール又はエタノール又はジメチルエーテルなどをいう。
このように、本発明の低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置は、燃料油供給部から供給される燃料油と低着火性燃料供給部から供給される低着火性燃料とを混合して混合燃料を生成する燃料混合部と、この燃料混合部から供給された混合燃料を内燃機関のシリンダ内へ噴射する燃料噴射部とを備えるから、従来の二次燃料ディーゼル機関のように、燃料油と低着火性燃料の2系統からなる複雑な構造の燃料噴射装置を、補機類等が錯綜して配置される機関周りに、個別に2重装備する必要がなくなる。このため、燃料噴射装置の構造が極めて簡易となり、機器配置が容易になる。
上記低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置において、混合燃料内の燃料油と低着火性燃料とを分離させる混合燃料分離部をさらに備えることが望ましい。このように、混合燃料内の燃料油と低着火性燃料とを分離させる混合燃料分離部を備えることにより、一旦混合された混合燃料内の燃料油と低着火性燃料とを再分離して、それぞれ単独で保管又は利用することができるようになる。
また、上記混合燃料分離部は、燃料噴射部からシリンダ内へ噴射されない混合燃料を燃料油と低着火性燃料とに分離し、混合燃料から分離された燃料油は、燃料油供給部へ戻される、又は、混合燃料から分離された低着火性燃料は、低着火性燃料供給部へ戻されるこ
とがさらに望ましい。
このように、燃料混合部から内燃機関へ供給された混合燃料のうち、内燃機関の燃料噴射部からシリンダ内へ噴射されなかったいわば余剰の混合燃料は、燃料分離部により燃料油と低着火性燃料とに分離される。そして、混合燃料から分離された燃料油は燃料油供給部へ戻される、又は、混合燃料から分離された低着火性燃料は低着火性燃料供給部へ戻されるから、内燃機関の燃料噴射部からシリンダ内へ噴射されなかった混合燃料内の燃料油又は低着火性燃料のいずれか一方又は双方が、上記内燃機関の燃焼に無駄なく利用される。
上記低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置において、低着火性燃料は、液相状態で内燃機関の燃料噴射部へ供給されることが望ましい。このように、低着火性燃料が液相状態で内燃機関の燃料噴射部へ供給されることにより、混合燃料中の低着火性燃料は、その燃焼特性が維持された状態で内燃機関のシリンダ内へ噴射され、そして適切に燃焼される。
上記低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置において、内燃機関は、ディーゼルサイクルにて作動されることが望ましい。
内燃機関は、主にディーゼルサイクル及びオットーサイクルにより作動される。後に詳述するように、前者のディーゼルサイクルは、噴射される燃料が完全に燃焼されるのため熱効率に優れるという特長を有する一方、後者のオットーサイクルは、燃料の一部燃え残りが燃焼ガスと共に機関外部へ排出されるため、熱効率が劣るという問題がある。上述の低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置において、上記燃料油と低着火性燃料との混合燃料を用いてディーゼルサイクルにて作動されることにより、未燃燃料の排出に関する問題がなく熱効率に優れると共に、ノッキングが発生せず、また、従来の燃料油による内燃機関とほぼ同等の機関出力と負荷変動への追従性とが確保される。
上記低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置において、内燃機関は、パイロット燃料噴射弁を有しないことが望ましい。
上述の混合燃料は、着火性の悪い低着火性燃料に着火性のよい燃料油が混合されてなるから、従来の二次燃料ディーゼル機関に必要であったパイロット燃料噴射を不要にすることができる。この場合には、機関周りに燃料油等によるパイロット噴射のための燃料油供給部を別途装備する必要がなくなり、これによっても燃料噴射装置の構造が簡易となり、機器配置がさらに容易になる。
上記低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置において、混合燃料は、内燃機関の燃焼作動時に内燃機関の燃料噴射部からシリンダ内へ常時噴射されることが望ましい。
このように、混合燃料が、内燃機関の燃焼作動時に内燃機関の燃料噴射部からシリンダ内へ常時噴射されることにより、従来の二次燃料ディーゼル機関のような、燃料油又は低着火性燃料のいずれか一方のみによる作動をすべて排除することができ、燃料噴射装置の構造が一段と簡易になり、機器配置がさらに容易になる。
上記低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置において、燃料混合部は、内燃機関の作動状態に応じて燃料油供給部から供給される燃料油と低着火性燃料供給部から供給される低着火性燃料との混合比率を変化させることができることが望ましい。
このように、燃料混合部が、内燃機関の作動状態に応じて燃料油供給部から供給される燃料油と低着火性燃料供給部から供給される低着火性燃料との混合比率を変化させること
を可能にしたことにより、内燃機関のいかなる作動状態においても、混合燃料に対する着火性及びその他の燃焼特性を最適に維持することができる。
上記低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置において、低着火性燃料をメタノールとし、混合燃料に水を含有させるための水供給部をさらに備えることが望ましい。このように、低着火性燃料をメタノールにすると共に、混合燃料に水を含有させるための水供給部をさらに備えることにより、燃焼時に内燃機関のシリンダ内の燃焼温度を低下させることができ、NOX の排出量を一段と低下させることができる。
上述の低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置において、この水供給部は、低着火性燃料供給部に接続されて水を低着火性燃料供給部に供給して低着火性燃料に水を混入させることにより、混合燃料に水を含有させることがさらに望ましい。
このように、低着火性燃料供給部に接続される水供給部が、水を低着火性燃料供給部に供給して予め低着火性燃料に水を混入させることによって、混合燃料に水を含有させるようにしたことにより、水を混合燃料に容易に含有させることができる。
本発明の低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置は、低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置であって、燃料油を供給する燃料油供給部と、低着火性燃料を供給する低着火性燃料供給部と、燃料油供給部から供給される燃料油と低着火性燃料供給部から供給される低着火性燃料とを混合して混合燃料を生成する燃料混合部と、内燃機関に配設されて燃料混合部から供給された混合燃料を内燃機関のシリンダ内へ噴射する燃料噴射部とを備えるから、燃料噴射装置の構造が極めて簡易となり、機器配置を容易にすることができる、という優れた効果を奏する。
本発明の内燃機関の低着火性燃料を用いた燃料噴射装置を示すシステム図である。 図1とは別の、内燃機関の低着火性燃料を用いた燃料噴射装置を示すシステム図である。
本発明に係る低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置を実施するための形態を、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
図1に、第1の形態を示す。図1に示すように、内燃機関の一例としての舶用大型ディーゼル機関1の燃料噴射装置2は、燃料油を供給する燃料油供給部10と、低着火性燃料を供給する低着火性燃料供給部20と、燃料油供給部10から供給される燃料油と低着火性燃料供給部20から供給される低着火性燃料とを混合させてそれらの混合燃料を生成する燃料混合部30と、舶用大型ディーゼル機関1に配設されて燃料混合部30から供給される混合燃料をこのディーゼル機関1のシリンダ内へ噴射する燃料噴射部40と、混合燃料内の燃料油と低着火性燃料とを分離するための混合燃料分離部60とを備える。
上述の燃料油とは、例えば、ガソリン、軽油、A重油、C重油などをいい、また、低着火性燃料とは、例えば、LPG(液化石油ガス)、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルなどをいう。低着火性燃料は、従来の燃料油であるガソリン、軽油、A重油、C重油などと比べて着火性が低く、舶用大型ディーゼル機関などでこれらの低着火性燃料を主燃料として単独で使用した場合にはパイロット燃料噴射が必要であり、また、このパイロ
ット噴射用の燃料として、従来の燃料油が必要であった。
しかしながら、例えば、低着火性燃料のLPGやメタノールは、燃料油としての重油や軽油のような重質燃料と極性が類似しており、両者はよく混合する。本燃料噴射装置2はこのような燃料間の性質を利用するものである。
燃料油は、燃料油タンク11から流量計12を介して電動の燃料油ポンプ13に送られて、ここで加圧される。この燃料油ポンプ13で加圧された燃料油は、フィルタ14、三方弁15、逆止弁16を介して、上述の燃料混合部30へ送られる。三方弁15の切り替えにより、加圧された燃料油を燃料油タンク11へ戻すこともできる。三方弁15を出た過圧の燃料油は、三方弁15からの分岐路18に配設されたリリーフ弁19の作動により、燃料油タンク11へ戻される。上述の燃料油供給部10は、これらの機器により形成される。
一方、低着火性燃料は、低着火性燃料タンク21から流量計22を介して電動の低着火性燃料ポンプ23に送られて、ここで加圧される。この低着火性油ポンプ23で加圧された低着火性燃料は、フィルタ24、逆止弁26を介して上述の燃料混合部30へ送られる。フィルタ24を出た過圧の低着火性燃料は、フィルタ24からの分岐路28に配設されたリリーフ弁29の作動により、電動の昇圧ポンプ27、逆止弁27aを介して低着火性燃料タンク21へ戻される。上述の低着火性燃料供給部20は、これらの機器により形成される。
燃料混合部30は、舶用大型ディーゼル機関1の作動状態に応じて燃料油供給部10から供給される燃料油と、低着火性燃料供給部20から供給される低着火性燃料との混合比率を変化させることができる。
例えば、流量計12,22の流量値に基づいて、図示しないエンジンコントローラが燃料油ポンプ13及び低着火性油ポンプ23の作動を制御して、それらの吐出流量を変化させることにより、燃料混合部30における燃料油と低着火性燃料との混合比率を変化させることが可能である。また、燃料混合部30そのものに、図示しないエンジンコントローラの制御によって燃料油と低着火性燃料との混合比率を変化させることができる機能を持たせることもできる。
このように、舶用大型ディーゼル機関1の作動状態に応じて、燃料油供給部10から供給される燃料油と、低着火性燃料供給部20から供給される低着火性燃料との混合比率を変化させることにより、このディーゼル機関1のいかなる作動状態においても、着火性及び他の燃焼特性を最適に維持することができる。
燃料混合部30を出た燃料油と低着火性燃料との混合燃料は、逆止弁41を介して舶用大型ディーゼル機関1の燃料ポンプ42に供給され、この燃料ポンプ42により必要な噴射圧に加圧調整される。燃料ポンプ42で必要な噴射圧まで加圧された混合燃料は、燃料噴射弁43を介して、このディーゼル機関1のシリンダ内へ噴射される。燃料ポンプ42及び燃料噴射弁43により、燃料噴射部40が形成される。
このように、舶用大型ディーゼル機関1は、燃料油と低着火性燃料との混合燃料が用いられるから一定の着火性は確保され、パイロット噴射を行わなくても、従来の燃料油のみの舶用大型ディーゼル機関と比べても遜色ない着火性が得られる。このディーゼル機関1は、燃料油と低着火性燃料との混合燃料を用いて、図示しないエンジンコントローラの制御により、ディーゼルサイクルにて作動される。
内燃機関は、主にディーゼルサイクル及びオットーサイクルにより作動される。前者のディーゼルサイクルは、圧縮空気に燃料を噴射し、その燃料が圧縮工程により高温になった燃焼室内で自己着火する。このため、噴射された燃料は完全に燃焼され、熱効率に優れるという特長を有する。
一方、後者のオットーサイクルは、圧縮工程で燃焼室内に燃料を噴射し、上死点近傍で燃料を着火させることにより熱発生させる。このオットーサイクルにおいては、燃焼室内に噴射された燃料が完全に燃焼しきれず、燃え残り燃料が燃焼室内に残存する可能性がある。このため、燃料の燃え残りが排気ガスと共に機関外部へ排出され、熱効率が劣るという問題がある。
上述の舶用大型ディーゼル機関1においては、燃料油と低着火性燃料との混合燃料を用いてディーゼルサイクルにて作動されることにより、未燃燃料の排出に関する問題がなく熱効率に優れると共に、ノッキングが発生せず、また、従来の燃料油による内燃機関とほぼ同等の機関出力と負荷変動への追従性とが確保される。
また、上述の燃料混合部30を出た燃料油と低着火性燃料との混合燃料は、リリーフ弁61を介して混合燃料分離部60に送られる。混合燃料分離部60においては、燃料混合部30から舶用大型ディーゼル機関1へ供給された混合燃料のうち、燃料噴射弁43からシリンダ内へ噴射されなかった混合燃料が、燃料油と低着火性燃料とに分離される。
混合燃料分離部60によって分離された燃料油は、燃料油供給部10のリリーフ弁19の下流側の分岐路18を介して、燃料油タンク11へ戻される。また、混合燃料分離部60によって分離された低着火性燃料は、低着火性燃料供給部20のリリーフ弁29の下流側の分岐路28を介して低着火性燃料タンク21へ戻される。
このように、燃料油と低着火性燃料との混合燃料は、液相状態で燃料噴射弁43に供給されて、これらの燃料噴射弁43,53から舶用大型ディーゼル機関1のシリンダ内へ噴射される。すなわち、混合燃料の一部を形成する低着火性燃料は、低着火性燃料タンク21内のみならず、燃料混合部30を含めて液相状態が維持されたまま、燃料噴射弁43へ供給される。
また、この舶用大型ディーゼル機関1においては、燃焼作動時に、すなわちすべての燃焼作動状態において、燃料油と低着火性燃料との混合燃料が、燃料噴射弁43を介してシリンダ内へ常時噴射される。
低着火性燃料がメタノールやエタノールの場合には常温常圧で液相状態にあるから、燃料噴射弁43まで液相状態を保持するのに特別な装置は必要としない。一方、低着火性燃料がLPGやジメチルエーテルの場合には、燃料噴射弁43まで液相状態を保持するのに、一定の圧力をかける必要がある。
例えば、LPGでは、45°Cで20bar前後以下の圧力に保持する必要がある。また、燃料油供給部10から供給される燃料油の供給圧力と、低着火性燃料供給部20から供給される低着火性燃料の供給圧力は、燃料油供給部10のリリーフ弁19と低着火性燃料供給部29とにより、ほぼ同程度に調整される。
なお、上述の混合燃料は、着火性の悪い低着火性燃料に着火性のよい燃料油が混合されてなるから、着火性については低着火性燃料のみによる場合に比べて格段に向上する。このため、一例としての本燃料噴射装置2においては、パイロット燃料噴射弁を装備せず、パイロット燃料噴射は行われない。
図2に、第2の形態を示す。なお、上述の図1に示した第1の形態との相違点のみを説明する。この燃料噴射装置3は、低着火性燃料が例えばメタノールの場合のものであり、低着火性燃料であるメタノールに予め水を混入させて、舶用大型ディーゼル機関1の燃料噴射弁40からそのシリンダ内へ噴射される混合燃料に、水を含有させるための水供給部70が配設される。
水供給部70は、水タンク71と水ポンプ72とからなり、水ポンプ72で一定圧まで昇圧された水の供給路73は、低着火性燃料ポンプ23とフィルタ24との間の低着火性燃料供給路(低着火性燃料供給部)23aに接続され、一定圧の水が低着火性燃料供給路23aに供給される。
この場合、低着火性燃料がその一例としてのメタノールである一方、メタノールはCH基とOH基が1つの分子にあるため、海面活性剤のように、重油などの燃料油と水を媒介してこれらとミセルを形成したり、乳化された形となる。このため、水を混合燃料に容易に含有させることができる。
このように、混合燃料に水を含有させておくことにより、燃焼時に舶用大型ディーゼル機関1のシリンダ内の燃焼温度を低下させることができ、NOX の排出量を一段と低下させることができる。その他は、上述の第1の形態の低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置2と同様であるから、説明を省略する。
以上のように、本低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置2,3は、燃料油供給部10から供給される燃料油と、低着火性燃料供給部20から供給される低着火性燃料とを混合させて混合燃料を生成する燃料混合部30を有し、この燃料混合部30から供給される混合燃料を、一例としての舶用大型ディーゼル機関1のシリンダ内へ噴射する燃料噴射部40を備えたから、従来の二次燃料ディーゼル機関のように、燃料油と低着火性燃料の2系統からなる複雑な構造の燃料噴射装置を、機関周りに個別に2重装備する必要がなくなる。このため、本低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置2,3は、構造が極めて簡易となり、機器配置は容易である。
また、上述の混合燃料は、着火性の悪い低着火性燃料に着火性のよい燃料油が混合されてなるから、着火性の観点から従来の二次燃料ディーゼル機関に必要であったパイロット燃料噴射を不要にすることもできる。このため、機関周りに燃料油等によるパイロット噴射のための燃料油供給部を別途装備する必要がなくなり、これによっても燃料噴射装置の構造がさらに簡易となり、機器配置が容易になる。
一方、燃料混合部30から燃料噴射部40へ供給された混合燃料のうち、それらからシリンダ内へ噴射されなかったいわば余剰の混合燃料は、混合燃料分離部60により燃料油と低着火性燃料とに分離される。そして、この混合燃料分離部60により分離された燃料油は、燃料油供給部10へ戻されると共に、混合燃料分離部60により分離された低着火性燃料は低着火性燃料供給部20へ戻されるから、余剰となった混合燃料内の燃料油及び低着火性燃料が、上記舶用大型ディーゼル機関1の燃料噴射に無駄なく利用される。
また、低着火性燃料が液相状態で燃料噴射部40へ供給されることにより、混合燃料中の低着火性燃料は、その燃焼特性が維持された状態で内燃機関のシリンダ内へ噴射され、そして適切に燃焼される。
さらに、上述のように、混合燃料が燃料噴射部40から舶用大型ディーゼル機関1のシリンダ内へ常時噴射されることにより、従来の二次燃料ディーゼル機関のような、燃料油
又は低着火性燃料の択一的に選択されたいずれか一方のみによる作動をすべて排除することができ、構造が極めて簡易になり、機器配置が一段と容易になる。
なお、上述の低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置は一例にすぎず、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。例えば、内燃機関は上述の舶用大型ディーゼル機関1に限定されたものではなく、他の方式の内燃機関に対しても実施することができることは勿論である。
1 舶用大型ディーゼル機関
2,3 燃料噴射装置
10 燃料油供給部
11 燃料油タンク
12 流量計
13 燃料油ポンプ
14 フィルタ
15 三方弁
16 逆止弁
18 分岐路
19 リリーフ弁
20 低着火性燃料供給部
21 低着火性燃料タンク
22 流量計
23 低着火性燃料ポンプ
23a 低着火性燃料供給路
24 フィルタ
26 逆止弁
27 昇圧ポンプ
27a 逆止弁
28 分岐路
29 リリーフ弁
30 燃料混合部
40 燃料噴射部
41 逆止弁
42 燃料ポンプ
43 燃料噴射弁
60 混合燃料分離部
61 リリーフ弁
70 水供給部
71 水タンク
72 水ポンプ
73 供給路

Claims (10)

  1. 低着火性燃料を用いた内燃機関(1)の燃料噴射装置(2,3)であって、燃料油を供給する燃料油供給部(10)と、低着火性燃料を供給する低着火性燃料供給部(20)と、前記燃料油供給部から供給される前記燃料油と前記低着火性燃料供給部から供給される前記低着火性燃料とを混合して混合燃料を生成する燃料混合部(30)と、前記内燃機関に配設されて前記燃料混合部から供給された前記混合燃料を前記内燃機関のシリンダ内へ噴射する燃料噴射部(40)とを備えたことを特徴とする、低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置。
  2. 前記混合燃料内の前記燃料油と前記低着火性燃料とを分離させる混合燃料分離部(60)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置。
  3. 前記混合燃料分離部(60)は、前記燃料噴射部(40)から前記シリンダ内へ噴射されなかった前記混合燃料を前記燃料油と前記低着火性燃料とに分離し、前記混合燃料から分離された前記燃料油は、前記燃料油供給部(10)へ戻される、又は、前記混合燃料から分離された前記低着火性燃料は、前記低着火性燃料供給部(20)へ戻されることを特徴とする、請求項2に記載の低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置。
  4. 前記低着火性燃料は、液相状態で前記内燃機関の(1)の前記燃料噴射部(40)へ供給されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の低着火性燃料を用いた内燃機関の燃料噴射装置。
  5. 前記内燃機関(1)は、ディーゼルサイクルにて作動されることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の内燃機関の低着火性燃料による燃料噴射装置。
  6. 前記内燃機関(1)は、パイロット燃料噴射弁を有しないことを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の内燃機関の低着火性燃料による燃料噴射装置。
  7. 前記混合燃料は、前記内燃機関(1)の燃焼作動時に前記内燃機関の前記燃料噴射部(40)から前記シリンダ内へ常時噴射されることをことを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の内燃機関の低着火性燃料による燃料噴射装置。
  8. 前記燃料混合部(30)は、前記内燃機関(1)の作動状態に応じて前記燃料油供給部(10)から供給される前記燃料油と前記低着火性燃料供給部(20)から供給される前記低着火性燃料との混合比率を変化させることができることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の内燃機関の低着火性燃料による燃料噴射装置。
  9. 前記低着火性燃料をメタノールとし、前記混合燃料に水を含有させるための水供給部(70)をさらに備えたことを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の内燃機関の低着火性燃料による燃料噴射装置。
  10. 前記水供給部(70)は、前記低着火性燃料供給部(20)に接続されて前記水を前記低着火性燃料供給部(20)に供給して前記低着火性燃料に前記水を混入させることにより前記混合燃料に前記水を含有させることを特徴とする、請求項9に記載の内燃機関の低着火性燃料による燃料噴射装置。
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CN114635815A (zh) * 2022-04-01 2022-06-17 招商局重工(深圳)有限公司 一种甲醇燃料供给系统及其控制方法

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