JP2019128187A - 微生物による廃水処理装置、廃水処理方法、及び廃水処理に用いる微生物 - Google Patents

微生物による廃水処理装置、廃水処理方法、及び廃水処理に用いる微生物 Download PDF

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Abstract

【課題】ストロンチウム、セシウムなどの放射性物質を除去する方法、装置、及びこれに適した菌種を提供することを課題とする。【解決手段】芽胞形成菌、セシウム蓄積菌を使用して放射性物質を除去する。また、バチルス属の数種の菌がストロンチウムを効率良く除去することを見出した。【選択図】図9

Description

放射性物質、特にストロンチウム、及びセシウムを含む汚染水を微生物により処理する装置、及び廃水処理方法に関する。また、芽胞形成によってストロンチウムを効率良く芽胞内に取り込み、除去することができる菌種に関する。
福島第一原子力発電所では、原子力発電所の事故後の廃炉への取り組みとともに、日々発生する汚染水の処理が大きな問題となっている。東京電力によれば、事故によりメルトダウンした原子炉の核反応を抑制するために、日々320トンの循環水が原子炉建屋内に注水、回収され、その上、山脈側から海に流れ出ている地下水のうち、1日あたり約170トンが原子炉建屋に流れ込み、新たな汚染水になるという。そのため、「汚染源を取り除く」、「汚染源に水を近づけない」、「汚染水を漏らさない」という基本方針のもと対策が行われている。具体的には、建屋周りの地下水を井戸で汲み上げ除染して海に放出するサブドレン、地下水を原子炉建屋に流入する前に山側で汲み上げ、地下水位を下げる地下水バイパス、建屋周りの土を凍らせる凍土遮水壁など様々な方法が試みられている。
また、これら汚染対策として放射性物質を含んだ汚染水からのストロンチウム、セシウムなど多種の放射性物質の除去は、濾過法、鉄共沈法、炭酸塩沈殿法、あるいは吸着剤、キレート樹脂、イオン交換樹脂などを用いる方法が検討された。そして、それらを多段階に組み合わせた多核種除去設備(ALPS)などを含む複数の浄化設備で汚染水の浄化が行われている。しかし、システムを運用する中で、核種や除去方法の組み合わせに種々の問題点が存在している。また、汚染水が多量であり、いまだに日々発生していることから、より安価で効率の良い方法への改善が求められている。
汚染水の処理方法として、薬品や吸着剤を使用する方法の他に、微生物を用いて汚染水や廃水から水溶性金属イオンを除去する方法も知られている(非特許文献1、特許文献1〜4)。非特許文献1には、飲水に工場廃水から混入したストロンチウムを好熱性細菌(Bacillus属)によって除去する方法が開示されている。特許文献1には、原子力施設等で発生する有機物と放射性物質が含まれる放射性排水を微生物によって処理する装置、及び方法が開示されている。特許文献2には、放射性物質によって汚染された構築物、土壌等を除染洗浄した後の洗浄溶液に乳酸菌、有芽胞桿菌、酵母を混入し、放射性セシウムを菌体に必要な栄養素として取り込ませ除染することが開示されている。特許文献3には、微生物が形成する生物膜に放射性物質を吸収、吸着させ、汚染水を浄化する方法が開示されている。特許文献4には、脱窒菌、セシウム蓄積菌(Rhodococcus属)によってセシウムを吸着させ、Hebeloma属に属する微生物の菌糸にストロンチウムを吸着させることによって、廃液からセシウム、ストロンチウムを除去する方法が開示されている。
特開2007−064732号公報 特開2014−190978号公報 特開2013−104765号公報 特開2007−271306号公報
Chaalal, O., et al., 2015, J. Indust. Eng. Chem. Vol.21, p.822-827. Foerster, H. F. & Foster, J. W., 1966, J. Bacteriol. Vol.91,p.1333-1345.
上述のように、汚染水の処理方法としては、大きく分けて薬品や吸着剤を使用する方法と、微生物を利用する方法の2通りがある。現在福島第一原子力発電所で実施されている汚染水処理は、薬品や吸着剤を使用する方法が取られている。この方法の主な問題点としては除去率が低いこと、吸着する性能が低いこと、容易に除去しにくい核種が存在すること、カラムの段数が多いこと、吸収材の耐用期間が短いこと、吸収材が高価であり運転コストが高額になること、廃棄物として高レベル放射性物質を吸着した吸収材が大量に生じ、その処理と保管が必要になることなどがある。
また、微生物を使用する方法に関しても以下のような問題点がある。非特許文献1に記載の方法は飲料水に適したレベルまでストロンチウムを除去する方法であるが、原子力発電所の事故で発生した汚染水とは、想定している汚染水の量やストロンチウム濃度が異なること、種々の汚染物質が含まれていることからそのまま応用できるものとは考えられない。また、特許文献1〜4に記載の方法は、セシウム除去を念頭においたものであり、多種の核種に対応できるものではないなどの問題点がある。また、コスト面、安全面に関しても十分な配慮がなされているものとは言えない。
本発明は、多量の汚染水を迅速に効率よく、かつ、処理後に生じる産業廃棄物が少ない装置及び方法を提供することを課題とする。また、多段階の吸収剤処理を必要としない、低コストの処理装置及び方法を開示することを課題とする。特に、処理対象水に多く含まれており、生物に対する影響も大きいストロンチウムやセシウムの濃度を効率良く、かつ安価に下げる方法を提供することを課題とする。
本発明は、金属イオンを含む汚染水、特に放射性物質に汚染された水を処理する水処理装置、水処理方法、及びこれに用いる微生物に関する。
(1)微生物を用いた水処理装置であって、前記微生物の少なくとも1種が芽胞形成能を有する菌であって、投入した菌を培養し、放射性物質を取り込ませる培養・蓄積槽と、放射性物質を取り込ませた微生物を含む活性汚泥を沈殿させる沈殿槽を備え、前記培養・蓄積槽にはカルシウム濃度をモニターする装置を備えていることを特徴とする水処理装置。
(2)前記芽胞形成能を有する菌がバチルス属の菌であることを特徴とする(1)に記載の水処理装置。
(3)芽胞形成能を有する菌を用いる水処理装置であって、前記芽胞形成能を有する菌がバチルス属の菌であることを特徴とする水処理装置。
(4)前記バチルス属の菌が、B.cereus、B.thuringiensis、B.megaterium、B.mycoides、B.pseudomycoides及びB.weihenstehanensisの中から選択される少なくともいずれか1種である(2)又は(3)に記載の水処理装置。
(5)さらに、ロドコッカス属の菌を用いることを特徴とする(1)〜(4)いずれか1つ記載の水処理装置。
(6)前記ロドコッカス属の菌が、R. erythropolis、R. baikonurensis、R. maanshanensis、R. wratislaviensisのいずれか1つ以上の種であることを特徴とする(1)〜(5)いずれか1つ記載の水処理装置。
(7)微生物が生存できる環境に汚染水を調節する汚染水調節槽を備えていることを特徴とする(1)〜(6)いずれか1つ記載の水処理装置。
(8)活性汚泥として濃縮された放射性物質を減容するための装置を含むことを特徴とする(1)〜(7)いずれか1つ記載の水処理装置。
(9)ストロンチウムを除去する水処理装置に用いる微生物であって、カルシウムの代わりにストロンチウムを吸収し芽胞形成能を有する微生物。
(10)前記芽胞形成能を有する微生物がB.cereus、B.thuringiensis、B.megaterium、B.mycoides、B.pseudomycoides及びB.weihenstehanensisのいずれかの種に属することを特徴とする(9)に記載の微生物。
(11)セシウムを除去する水処理装置に用いる微生物であって、R. baikonurensis、R. maanshanensis、R. wratislaviensisのいずれかの種に属することを特徴とする微生物。
(12)汚染水処理方法であって、芽胞形成菌が生存できる環境に汚染水を調節する調節工程と、芽胞形成菌を混合する混合工程と、生物膜の形成及び汚染水中のカルシウム濃度を管理して混合した菌にストロンチウムを蓄積した芽胞を形成させる芽胞形成工程と、汚泥と処理水を分離する分離工程を備えている汚染水処理方法であって、前記芽胞形成菌がバチルス属の菌であることを特徴とする汚染水処理方法。
(13)前記芽胞形成工程の前工程又は後工程として、セシウム蓄積菌によりセシウムを菌体内に蓄積させるセシウム蓄積工程と、セシウム濃縮汚泥と処理水を分離する分離工程を備えている(12)記載の汚染水処理方法。
(14)微生物を用いた水処理装置であって、前記微生物の少なくとも1種がセシウム蓄積能を有する菌であって、投入した菌を培養し、放射性物質を取り込ませる培養・蓄積槽と、放射性物質を取り込ませた微生物を含む活性汚泥を沈殿させる沈殿槽を備え、前記培養・蓄積槽にはカリウム濃度をモニターする装置を備えていることを特徴とする水処理装置。
(15)前記セシウム蓄積能を有する菌がロドコッカス属の菌であることを特徴とする(14)に記載の水処理装置。
(16)前記ロドコッカス属の菌が、R. erythropolis、R. baikonurensis、R. maanshanensis、R. wratislaviensisのいずれか1つ以上の種であることを特徴とする(14)、又は(15)記載の水処理装置。
(17)汚染水処理方法であって、セシウム蓄積菌が生存できる環境に汚染水を調節する調節工程と、セシウム蓄積菌を混合する混合工程と、生物膜の形成及び汚染水中のカリウム濃度を管理して混合した菌にセシウムを蓄積させるセシウム蓄積工程と、汚泥と処理水を分離する分離工程を備えている汚染水処理方法であって、前記セシウム蓄積菌がロドコッカス属の菌であることを特徴とする汚染水処理方法。
(18)汚染水処理方法であって、芽胞形成菌、及びセシウム蓄積菌が生存できる環境に汚染水を調節する調節工程と、芽胞形成菌、及びセシウム蓄積菌を混合する混合工程と、汚染水中のカルシウム濃度、及びカリウム濃度を管理して、混合した芽胞形成菌にストロンチウムを取り込ませ、セシウム蓄積菌にセシウムを蓄積させる工程と、汚泥と処理水を分離する分離工程を備えている汚染水処理方法。
(19)前記芽胞形成菌がバチルス属の菌であり、前記セシウム蓄積菌がロドコッカス属の菌であることを特徴とする(18)記載の水処理装置。
芽胞誘導過程でのpH、培養液中のストロンチウム濃度、及び濁度の経時的変化を示す図。 芽胞形成を示す図。 R. erythropolisの増殖と培養液中のセシウム濃度を示す図。 芽胞形成菌を用いた廃水処理装置の模式図。 活性汚泥の減容装置を示す図。 セシウム蓄積菌を用いた廃水処理装置の模式図。 連続的にストロンチウム、セシウムを除去する装置の模式図。 連続的にストロンチウム、セシウム除去を行った結果を示す図。 同時にストロンチウム、セシウムを除去する装置の模式図。
本装置は、微生物に放射性物質を取り込ませて汚染水から除去する装置である。芽胞形成菌、セシウム蓄積菌を用いることにより、ストロンチウム、セシウムを汚染水から除去することができる。装置自体は、芽胞形成菌によってストロンチウムを除去する装置と、菌体内にセシウムを蓄積させセシウムを除去する装置とを別々に設置し、単独の核種を除去する装置としても良いし、連続的に配置し、まず片方の核種を除去した後に、残りの核種を除去する装置としても良い。さらに、両方の微生物を同時に培養して除去する構成としても良い。また、ストロンチウム、セシウム以外の核種も微生物が形成する生物膜(バイオフィルム)に吸着することから、生物膜を沈殿させて除去することによって、微量に含まれている放射性物質を併せて除去することが可能である。したがって、この方法であれば、多様な核種を効率良く除去することが可能となる。
まず、ストロンチウムを芽胞に取り込む芽胞形成菌について説明する。芽胞形成菌は、増殖に適した条件下では栄養細胞として細胞分裂を繰り返し増殖する。しかし、増殖に適さない条件下に置かれた時に細胞内に芽胞を形成し、休眠期に入る性質を有する。芽胞は強固な構造を持ち、熱や物理的な圧力、化学薬品などに極めて強い耐性を示す。芽胞内にストロンチウムを効率良く取り込ませることで、汚染水からストロンチウムを除去し、芽胞として回収することが可能となる。
芽胞は構造上、芽胞殻、コルテックス、コアよりなり、そのうちコアにはDNA、RNA、タンパク質などの高分子が含まれ、低分子としてはジピコリン酸とカルシウムイオンを多量に含む。ジピコリン酸は芽胞乾燥重量の5〜15%を占める。陽イオンであるカルシウムイオンはカルボン酸残基を有するジピコリン酸にキレートされて存在すると考えられている。芽胞形成時には細胞内で多量のジピコリン酸が合成され、多量のカルシウムイオンが菌体外から吸収される。ストロンチウムは周期表上カルシウムと同じ族に属し、カルシウムと同様な性質を示す。そのため、ストロンチウムイオンやバリウムイオンもコア形成時に吸収されることが知られている(非特許文献2)。ストロンチウムの芽胞形成細胞内への吸収機序は芽胞形成時のコアへの取り込みである。この性質を利用して、芽胞形成菌に芽胞を形成させ、芽胞を汚泥とともに回収することにより、ストロンチウムを濃縮し、処理水から除去することができる。
また、セシウムは、ロドコッカス(Rhodococcus)属の菌を用いることによって除去することができる。R. erythropolisは細胞の増殖時にセシウムを菌体内に蓄積することが知られている。R. erythropolisのセシウムの菌体内への取り込みはカリウム取り込み機構により行われる。セシウムは周期表上カリウムと同族であり、カリウムの類似体としてカリウム取り込み機構により菌体内に取り込まれる。ロドコッカス属菌の菌体内にセシウムを蓄積させ、これを除去すれば、汚染水からセシウムを除去することができる。
また、芽胞や菌体内だけではなく微生物が形成する生物膜にも、種々の金属イオンが吸収、吸着される。生物膜とは、微生物菌体と微生物が分泌した菌体外多糖類やタンパク質、菌体残渣などが集積した構造体のことであり、物体の表面に付着した状態で形成される。生物膜内では微生物が高密度に生息し大集落を形成する。生物膜には、ストロンチウムイオンやセシウムイオンだけではなく、多種の金属イオンが吸着する。したがって、芽胞を形成させる、あるいは菌体内にセシウムを蓄積させると同時に生物膜を形成させ回収することにより多種の金属イオンを回収することができる。汚染水に含まれている放射性金属イオンはストロンチウムイオン、セシウムイオンが主であることから、これらの核種は芽胞形成菌やセシウム蓄積菌に取り込ませることによって除去し、微量の核種は生物膜に吸着させて除去することができる。その結果、多種多量の放射性物質を効率良く除去することができる。
(1)芽胞形成菌の検討
芽胞形成菌は系統分類学上、真正細菌ドメイン、ファーミキューテス門に属するバチラーレス目及びクロストリジアーレス目に分類される細菌である。この2つの目の中の種々の科、属に属する菌種が芽胞を形成する。代表的な属としては好気条件下で発育するバチルス属及び嫌気条件下で発育するクロストリジア属がある。芽胞形成菌の中でもバチルス属の菌は、好気条件下で発育することから、好適に使用することができる。
そこで、バチラーレス目バチルス科に属するバチルス属及びジオバチルス属(Geobacillus)の代表的な種を用いて、最も効率良くストロンチウムを芽胞内に取り込む種の検討を行った。用いた菌株はNITEバイオテクノロジーセンター(NBRC)より入手した。バチルス属の10種、ジオバチルス属の1種の菌を入手し、芽胞形成、及びストロンチウム吸収能を測定した。培養条件はB. cereusについて報告されている条件を参考にして、培養温度は30℃、又は50℃、前培養培地はSpizizen最小培地を基本としたSZB培地、又はトリプトソーヤブイヨン(SCD)培地を用いて、芽胞形成の誘導にはmodified G培地を基本としたMG培地を用いて培養した。21時間培養の後、芽胞形成はミューラーのスポア染色を行い顕微鏡下で芽胞の存在を確認した。上清のストロンチウム濃度は常磐開発株式会社に委託して誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)を用いて測定した。
実験は次のようにして行った。トリプトソーヤ斜面寒天培地に発育した菌をSZB培地へ接種し、30℃で1晩振盪培養した。培養液を2倍量のSZB培地に接種し同じ条件で7時間培養し、前培養液とした。前培養液2mLを5mg/Lのストロンチウムを含む20mLのMG培地に接種し同条件で培養し芽胞形成を誘導した。21時間培養後に菌液を採取し、芽胞形成の状態を顕微鏡観察するとともに、遠心上清中のストロンチウム濃度を測定した。ただし、B. coagulans及びG. stearothermophilusについては前培養培地としてトリプトソーヤブイヨンを用い、培養は50℃で静置培養した点が異なる。その他は同じ条件で実施した。結果を表1に示す。
芽胞形成の状態をを顕微鏡観察した。表1の芽胞形成の欄で〇は、図2の32.5時間及び96時間に示すように明らかな芽胞が多数認められたこと、△はほとんどが栄養細胞で、芽胞は認められないか、認められても非常に少ないことを示す。
芽胞形成能のあるB. cereus、B. megaterium、及びB. thuringiensisは、上清のストロンチウム濃度が著しく減少していた。B. cereus、B. thuringiensisでは上清のストロンチウム濃度が0.1mg/L未満であり、ストロンチウム残存率も2.3%未満と溶液中のストロンチウムのほとんどが芽胞に取り込まれていた。B. megateriumはこれらの菌に比べると幾分芽胞への取り込みが少ないが、約90%のストロンチウムが芽胞に取り込まれていた。一方、この実験条件下では芽胞を形成しなかったB. amyloliquefaciensなどの菌は、ストロンチウム残存率がいずれも80%以上であった。
次に、上清のストロンチウム濃度が著しく減少していたB. thuringiensisとB. cereusの系統分類学上の近縁種についてもNBRCから4菌種入手し芽胞形成、及びストロンチウム吸収能を測定した。実験は表1における条件に準じて行った。その結果表2に示すように、新たにB.mycoides、B.pseudomycoides及びB.weihenstehanensisの3菌種において、明らかな芽胞形成が認められ、上清のストロンチウム濃度が著しく減少していた。また、この実験条件下では芽胞の形成が非常に少なかったB.flexusは、ストロンチウム残存率が90%以上であった。
したがって、これらの結果から、芽胞形成能とストロンチウム吸収能が相関していることは明らかである。すなわち、芽胞形成を誘導することができれば、芽胞内にストロンチウムを取り込ませ、除去することができる。
種毎の芽胞形成条件については不明の点も多く、B. cereus、B. megaterium、B. thuringiensis、B.mycoides、B.pseudomycoides及びB.weihenstehanensis以外の菌であっても、培養条件を変えることによって芽胞を形成させることができる可能性がある。したがって、上記6種以外の菌種であっても、ストロンチウムの除去に使用できる可能性がある。また、これらの種のうち、B. cereusはバイオセーフティレベルが2であるので、開放条件で大量に扱うには問題がある。しかしながら、B. megaterium、B. thuringiensis、B.mycoides、B.pseudomycoides及びB.weihenstehanensisを含め、多くのバチルス属菌はバイオセーフティレベルが1であるので、開放条件で大量に扱っても安全性に問題はない。したがって、芽胞形成能、バイオセーフティを考えるとB. megaterium、B. thuringiensis、B.mycoides、B.pseudomycoides及びB.weihenstehanensisを用いることが好ましい。
B. megateriumについて芽胞誘導過程での濁度、上清中ストロンチウム濃度、pHの推移を経時的に測定し、併せて芽胞形成状況を顕微鏡観察した。図1及び図2に示した。上述のように前培養した菌液をSZB培地に摂取し8時間培養した。その菌液20mLを200mLの芽胞形成誘導培地MG培地に接種し、経時的に菌液を採取し、試験に用いた。接種後18時間後から培養液の遠心上清中ストロンチウム濃度の減少が認められ、32.5時間後にはストロンチウム濃度は1mg/L(77%吸収)となった。その濃度は96時間培養後も維持され、一度吸収されたストロンチウムが放出されることはなかった。
図2は各試料について芽胞染色を行った顕微鏡像である。芽胞形成誘導培地で培養を開始して24時間後から栄養細胞内部に芽胞が認められる(図中いくつかの芽胞を△で示している。)32.5時間後には栄養細胞の細胞壁を溶解して細胞外に芽胞が存在するのが認められるようになり、96時間後には栄養細胞の細胞壁は溶解されて形をとどめない残渣となり、ほとんどが芽胞となった。遠心上清中のストロンチウムの濃度の減少と芽胞形成の進行は関連性があることが示された。芽胞内に取り込まれたストロンチウムが放出されないことは、ストロンチウム除去の面からは非常に重要である。
(2)セシウム蓄積菌の検討
R. erythropolisはセシウムを蓄積することが報告されていることから、R. erythropolis、及びその近縁種9種をNITEバイオテクノロジーセンターより入手し、セシウム除去能を検討した。
各菌はGultamate−Malate培地を基礎としたGMM培地で25℃で前培養し、前培養液の1/100容量を新しいGMM培地に接種した。菌を接種した培地を25℃、48時間振盪培養し、培養液の遠心上清中のセシウム濃度を測定した。表3はセシウムの濃度とセシウムの残存率をまとめたものである。R. erythropolisでは上清セシウム濃度が0.74mg/mLまで減少し、セシウム残存率は12.8%であり高い蓄積能を有することが示された。
R. erythropolisの他にR. baikonurensis、R. maanshanensis、R. wratislaviensisの3種がR. erythropolisと同等かそれ以上のセシウム蓄積能を示した。ロドコッカス属菌の中で、セシウム蓄積能を有することが明らかにされている菌種はR. erythropolisのみであり、R. baikonurensis、R. maanshanensis、R. wratislaviensisにセシウム蓄積能があることは今まで報告されておらず、本発明者らが初めて見出したことである。
一例としてR. erythropolisについて濁度、培地に残存するセシウム濃度の測定結果を示す。上記と同様にして、R. erythropolisを前培養し、前培養液の1/100容量を新しいGMM培地に接種した。菌を接種した培養液を経時的に回収し、濁度(OD660)と遠心上清に含まれるセシウムの濃度を測定し図3に示した。
図3は、濁度と培地に残存するセシウム濃度を示している。濁度の上昇(菌の増殖)と共に培養上清中のセシウム濃度が低下し、増殖が減速期から定常期に達した接種34時間後にセシウム濃度が0.44mg/L(91%吸収)と最低になった。セシウムも経時的にこれらロドコッカス属菌の菌体中に蓄積されることから、増殖した菌体を収集して除去すればよい。
(3)水処理装置の態様
本発明の水処理装置について、以下図面を示しながら詳細に説明する。まず、芽胞形成菌、セシウム蓄積菌を個別に培養し、放射性物質を除去する水処理装置について説明する。
[実施例1]ストロンチウムを除去する水処理装置の例
図4にストロンチウムを除去する水処理装置の一実施形態を示す。芽胞形成菌は前培養槽において培養を行う。前培養槽には種菌となる芽胞形成菌、及び栄養剤を添加する。前培養槽に添加する栄養剤は芽胞形成菌が増殖するのに適した栄養素が含まれている。また、培養温度も増殖に適した温度条件に設定され、散気装置によって酸素濃度も適切な濃度に調整されている。また、前培養槽は、以下に述べる汚染水調節槽、培養・蓄積槽に近接した場所に設置してもよいし、離れた場所に設置してもよい。離れた場所に設置した場合には、芽胞形成菌を増殖させた後、遠心等により濃縮した菌を培養・蓄積槽に添加すればよい。
汚染水は、まず汚染水調節槽において、栄養素の添加、pH、イオン濃度の調整などにより菌体が増殖できる条件に調節を行う。汚染水のpHが酸性あるいはアルカリ性に偏っている場合には、pH調節剤を加えて芽胞形成に適したpHに調整する。汚染水調節槽には、攪拌装置や各種ミキサーを設けてもよい。撹拌装置や各種ミキサーを設けることにより、栄養素やpH調節剤等が均一に混合される。また、添加物が粉体の場合にはその溶解に使用することもできる。撹拌装置としては、撹拌翼など効率良く撹拌することができるものであれば、どのような撹拌装置を用いても良い。ミキサーとしては液液混合型や紛液混合型など種々あるが目的に合った装置であれば、どのようなミキサーを用いても良い。固体の溶解を促進するために加温器や超音波発生装置を設けてもよい。また、バッチ式で処理する場合などは、調節槽を設けずに汚染水を直接培養・蓄積槽に導入し、培養・蓄積槽で必要な調整を行ってもよい。
また、汚染水に外界の微生物が大量に含まれ、それらが増殖することによって投入する芽胞形成菌の増殖や芽胞形成を抑制する可能性がある場合は、水質調整に先立ち処理液を50℃以上に加温処理することによって、外界由来の微生物を殺菌し、影響を防ぐことが可能である。また、芽胞形成菌として好熱性の芽胞形成菌を用いる場合には、混合槽や芽胞形成槽を好熱性芽胞形成菌が発育できる45℃以上の高温に維持することによって、外界由来の微生物の繁殖を抑制し、安定して培養を維持することができる。殺菌する別の手段として、汚染水調節槽において調節された調節水を培養・蓄積槽に移送する過程で超高温瞬間殺菌(UHT殺菌)あるいは紫外線照射殺菌を行ってもよい。
また、汚染水中のβ線、γ線など放射線量は予め測定しておく方が良い。汚染水中の放射性物質からのγ線はGM計数管やNaIシンチレーションサーベイメータ等で空間線量率をモニタリングし、放射性核種の量、挙動を計測する。また、β線源の定量についてはサンプリングした汚染水を用いた全β放射能測定を低バックグランドGM計数管等で行ったり、液体シンチレーションカウンターで測定すれば良い。β線源である放射性ストロンチウム90の定量については全β放射能測定を低バックグランド2πガスフロー検出器(LBC)で行ったり、液体シンチレーションカウンター等で測定することができ、あるいは誘導結合プラズマ−質量分析計(ICP−MS)等で測定することもできる。放射性のセシウム137やセシウム134の定量はγ線スペクトロメトリーをゲルマニウム半導体検出器やNaI(Tl)シンチレーション検出器等を用いて行えばよい。
微生物の増殖に必要な成分であるカルシウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウムなどを定量したり、モニタリングすることは培養の管理上重要であり、さらに非放射性のセシウムやストロンチウムなどの定量も必要である。これらの定量は誘導結合プラズマ−質量分析計(ICP−MS)や原子吸光分光光度計などで行えばよい。カルシウム、カリウム、ナトリウムについてモニタリングするには採取した溶液をカルシウムセンサー、カリウムセンサー、ナトリウムセンサー等を用いて測定することができる。
カルシウムイオンなど芽胞形成に重要な働きを持つイオンの濃度の管理は重要である。カルシウム濃度が一定以下でなければ、ストロンチウムを取り込んだ芽胞を効率よく形成しないので、一定以下になるように調整するとともに、芽胞形成に必要な他の栄養素を添加する。
汚染水調節槽に導入する汚染水については、導電率、浮遊物質(SS)、全有機炭素量(TOC)などを測定することにより、汚染水の一般的な水質汚染の指標を得ることができる。汚染水の調節を行う際には、槽内の水を適宜サンプリングし、栄養素濃度、pH、イオン濃度、SS、TOCなどの測定を行ってもよいし、栄養素、pH、イオン濃度、TOCなどを自動的に測定するpHセンサなど各種センサ、導電率測定装置、TOC測定装置などを汚染水調節槽に設けてモニターし自動的に調節するように構成してもよい。
汚染水調節槽で栄養素、pH、カルシウムイオン濃度等が調節された汚染水は、培養・蓄積槽に移送され、前培養槽で増殖させた芽胞形成菌と混合される。培養・蓄積槽はここでは2槽並列して記載しているが、処理が必要な汚染水の量に合わせて1槽でも、また2槽以上並列して配置しても構わない。培養・蓄積槽には、散気装置、温度調節装置、攪拌装置などを配置することによって、芽胞形成菌の増殖、さらに芽胞形成に適する条件に調整する。糖やアミノ酸等の有機物が多量に含まれている条件では、芽胞の形成が抑制され、芽胞形成菌が増殖する。また、貧栄養条件では芽胞が形成される。したがって、高密度で芽胞形成菌の培養を行う培養期、芽胞を形成させる芽胞形成期はそれぞれ異なる栄養状態を達成できるようにモニターし、栄養状態を調節する必要がある。有機物の測定は、COD(化学的酸素要求量)、BOD(生物化学的酸素要求量)、TOC(全有機炭素)を測定することによって行ってもよいし、グルコースセンサを用いて汚染水に含まれているグルコース量を測定してもよい。また、バチルス属菌では芽胞形成時には酸素を必要とすることが知られていることから、溶存酸素濃度を測定し、培養期、芽胞形成期に適した溶存酸素量となるように、散気装置によって調節することができる。これらの測定は、適宜サンプリングして測定してもよいし、槽内に測定器を配置し自動的に測定する構成としてもよい。
前培養槽で予め増殖させておいた芽胞形成菌は、培養・蓄積槽においても、汚染水調節槽から移送された液に含まれる栄養素によって増殖する。モニタリングにより増殖が不十分と判断されれば、芽胞形成菌が一定数に達するまで増殖できるように、栄養剤を培養・蓄積槽に追加して添加してもよい。芽胞形成菌を一定時間増殖させた後、栄養分の枯渇と共に芽胞形成が開始される。芽胞形成の進行は培養液をサンプリングして、芽胞染色を行い顕微鏡観察することにより確認することができる。芽胞形成の進行が遅れている場合には、芽胞形成を誘導するような成分であるマンガンイオンやそれ以外の因子を追加して、芽胞形成を誘導することができる。芽胞形成の際に培養・蓄積槽に含有されるカルシウム濃度が低くなるようにあらかじめ調整し、カルシウムの代わりにストロンチウムを芽胞内に取り込ませる。ストロンチウムの芽胞内への取り込みは培養・蓄積槽内のカルシウム濃度をモニタリングすることにより推測できるので、カルシウム濃度を測定することのできるセンサや誘導結合プラズマ−質量分析計(ICP−MS)や原子吸光分光光度計などを用い測定する必要がある。
培養・蓄積槽には微生物付着担体を設置することもできる。微生物付着担体は、生物膜が形成される表面積を増やすためのものであり、どのような構造のものであっても構わない。図4には、一例として多撚多条糸網翼担体を模式的に示している。多撚多条糸網翼担体は、複数の繊維条糸を螺旋状に撚った多撚条糸をさらに撚り合わせた複合多撚多条糸により構成した網目状の構造物が中心から翼のように突出している構造物であり、表面積が大きくなるように構成されている。多撚多条糸網翼担体は、一つ一つ独立した翼状の構造物とすることにより、微生物の大群落を含む生物膜を形成することができる。また、網目状の構造物としていることから、液体の滞留を防ぐことができる。多撚条糸は、ナイロン、綿、ポリプロピレンなどの糸を用いて作製することができる。微生物付着担体は、これに限らず微生物が形成する生物膜の付着面を大きくすることができればどのような形態のものでもよい。
微生物付着担体上の生物膜を構成する微生物はストロンチウムを蓄積する芽胞形成菌であってもよいし、それ以外に通常の活性汚泥を構成するような複合的な微生物群で構成されていてもよい。ただし、芽胞形成菌によるストロンチウム蓄積を阻害しない微生物群であることが必要である。微生物付着担体上で形成された生物膜には、微生物とともに放射性物質を含む種々のイオンが吸着される。したがって、生物膜には、芽胞内に取り込まれるストロンチウムだけではなく、多様な核種を付着させ除去することができる。培養・蓄積槽には超音波振動子を配置しておくことにより、微生物付着担体に形成された生物膜を剥離させることができる。芽胞、剥離させた生物膜を含む活性汚泥は次に沈殿槽に移送し沈殿させる。
沈殿槽で沈殿された放射性汚泥には芽胞、生物膜が多量に含まれている。この汚泥の一部を培養・蓄積槽に返送して再度増殖させストロンチウムを吸収させることもできる。この場合は前培養槽からの栄養細胞の供給を減量することが可能となる。
沈殿槽で沈殿された放射性汚泥には芽胞、生物膜が多量に含まれている。一方、処理水には汚染水から放射性汚染物質、特にストロンチウムが除去された状態となっている。放射性物質は規定の測定を行い、ストロンチウムやセシウムをはじめとする他の放射性核種の含有量が少ない場合にはそのまま排水したり、その量に応じて次の浄化処理を実施することができる。一方、放射性物質が多量に含まれている放射性汚泥は、このままでは容量が大きいことから、減容して廃棄する必要がある。放射性汚泥の減容は以下のようにして行うことができる(図5)。
放射性活性汚泥を含む処理水に凝集剤を加え、脱水を行う。凝集剤は沈殿槽に加えても、別途凝集槽を設けて、凝集槽で加える構成としてもよい。凝集剤としては、無機系の硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、鉄シリカ無機高分子凝集剤、イライト、コアライトなどや有機系のアルギン酸ナトリウム、CMCナトリウム塩、第4級アンモニウム塩、ポリアクリルアミド類などを使用することができる。脱水機にはフィルタープレス、真空脱水機、ベルトプレス、遠心脱水機などがあるが、扱う汚泥の性質と次の乾燥工程の処理方法に合わせて適切な方法を採用すれば良い。固形部分には芽胞、生物膜などが多量に含まれ放射性物質が濃縮される。一方、水分は放射性物質が微生物に取り込まれ除去されていることから、安全性を確認のうえ、処理水として排水することができる。
濃縮された活性汚泥は、乾燥機にかけ、さらに水分を除去する。汚泥を乾燥する方法には直接加熱乾燥方式として攪拌機付き熱風回転乾燥機や気流乾燥機、間接加熱乾燥方式として攪拌溝型乾燥機、遠心薄膜乾燥機、ドラム式蒸気乾燥機などがある。扱う汚泥の性質と目標とする最終水分含量を考慮して適する方式を選択すればよい。水分を除去して濃縮した乾燥汚泥は自動充填機を用いて、放射性廃棄物専用の容器に充填し廃棄すればよい。また、乾燥汚泥は芽胞や生物膜等から構成される有機物が主成分であるので、必要に応じて、炭化処理や焼却処理を行うことによって、廃棄物の容積をさらに減容することができる。
汚染水調節槽から、放射性物質が濃縮された活性汚泥を廃棄するまでの一連の作業は、放射性物質が濃縮されればされるほど被爆する危険を伴うことになる。したがって、材質、厚さ、構造によって各槽を形成する壁に放射能を遮蔽する機能を付与することが必要であり、さらに高レベルの放射性物質を扱う場合には、放射線遮蔽壁を設置しなければならない。また、各装置は自動運転できることが必要であり、点検、メンテナンス、修理も簡便かつ迅速にできるような構造、方式にすることが必要である。自動アームによる遠隔操作やロボットによる操作などができるように工夫し、作業員が直接装置に接する機会と時間をなるべく少なくする必要がある。
また、培養・蓄積槽においては散気装置による曝気操作により放射能を含んだミストが発生する可能性がある。ミスト発生を少なくする曝気方法を採用し、発生したミストを槽外に排出しない構造とすることが必要である。発生したミストを除く方法としてはミストを細管、邪魔板、メッシュ等を通して凝結水とする方法や、遠心分離で気体とミストを分離し、ミストを凝結水として除く方法など種々の方法があるが、ミストの発生量にあわせ回収率が高い方法を選択すればよい。
また、汚染水調節槽、培養・蓄積槽、沈殿槽等は高濃度の放射性物質を扱うため自動洗浄機能を有することが望ましい。内部に高圧洗浄水を吹き付ける散水装置を設けることにより、必要な洗浄が実施できるとともに、放射能を下げることによりメンテナンスや点検時の被曝を抑制することができる。また、殺菌剤を含む液を散布することにより、培養・蓄積槽や汚染水調節槽の消毒を行うことができる。
本水処理方法においては、効率良く放射性物質を濃縮するために、芽胞形成を行わせる工程が重要である。そのため、汚染水や培養液に含まれる増殖や芽胞形成に重要な働きを持つ因子を定量して、処理水を適切な状態に維持、管理する必要がある。各槽内の水質のモニタリングの他、定期的に処理水をサンプリングして菌の状態を解析することが望ましい。サンプリングした芽胞形成菌は顕微鏡で形態観察し、栄養細胞の発育、コンタミネーションの有無、芽胞の形成状況、生物膜の形成状況を確認し維持管理を行う。
[実施例2]セシウムを除去する水処理装置の例
次に、セシウムを除去する水処理装置について説明する。図6にセシウムを除去する装置を模式的に示す。R. erythropolisに代表されるセシウムを菌体内に蓄積する菌は、前培養槽において培養を行う。前培養槽には種菌となるセシウム蓄積菌、及びセシウム蓄積菌の増殖に適した栄養剤を添加し、培養を行う。前培養槽は、実施例1の芽胞形成菌の場合と同様に、培養・蓄積槽に近接した場所に設置しても、離れた場所に設置してもよい。
汚染水は、汚染水調節槽において、栄養剤、pH、イオン濃度、有機物量などがセシウム蓄積菌の増殖に適するように調節を行う。汚染水調節槽で調節された汚染水は培養・蓄積槽に移送され、前培養槽で増殖させたセシウム蓄積菌と混合する。セシウム蓄積菌は培養・蓄積槽で増殖させることにより汚染水に含まれていたセシウムを菌体内に蓄積する。培養・蓄積槽で一定時間培養することによって、菌体内にセシウムを蓄積したセシウム蓄積菌は沈殿槽に移送し沈殿させる。放射性汚泥の減容は実施例1と同様にして行うことができる。
本実施態様では、セシウム蓄積菌が高密度で増殖できるように、栄養条件、温度条件などの培養条件を調節する必要がある。槽内の温度、溶存酸素量や、COD、BOD、TOC、グルコースなどの有機物量を測定し、調整することにより、セシウム蓄積菌を高密度に増殖できるような条件に維持することができる。また、カリウム濃度が低くなければ、セシウムを効率よく蓄積しないので、カリウムセンサーなどでカリウム濃度を測定し、カリウム濃度が一定以下になるように調整する。
また、汚染水に外界の微生物が大量に含まれ、それらが増殖することによって投入するロドコッカス属の菌を抑制する可能性がある場合は、トルエンやキシレンなどのアルキルベンゼンを添加することにより外界由来の微生物の発育を抑制し、影響を防ぐことが可能である。ロドコッカス属の菌の中には細胞膜表層に菌体外多糖を分泌する株が多数報告されている。その菌体外多糖が疎水性の高い毒性物質に対するバリヤーとして働くために、アルキルベンゼンなどの芳香族炭化水素に対する耐性能・資化能を有していると考えられている。R.erythropolisはその代表的な菌種であり、アルキルベンゼン存在下で外界由来の微生物の発育を抑制しつつ、セシウムの除去を行うことができる。
[実施例3]連続的にストロンチウム、セシウムを除去する装置の例
次に、連続的にストロンチウム、セシウムを除去する装置について説明する。図7は、芽胞形成菌を用いてストロンチウムを除去し、次に、セシウム蓄積菌を用いてセシウムを除去する装置を模式的に示す。実施例1と同様にして芽胞形成菌によってストロンチウムが除去された活性汚泥は、脱水機、乾燥機によって減容し、自動充填機によって放射性廃棄物として処理される。ストロンチウムが除去された処理水(Sr処理水)は、次にセシウムを除去するために、実施例2と同様にして、セシウム蓄積菌によってセシウムを取り込ませる。セシウムはセシウム蓄積菌とともに活性汚泥として処理される。このように連続して2段階の処理を行うことによって、ストロンチウム、セシウムを非常に低濃度まで処理することが可能となる。ここでは、芽胞形成菌によるストロンチウム除去を最初に行い、次にセシウム蓄積菌によるセシウム除去を次に行っているが、順番を逆に行ってもよい。
バチルス属菌種、及びロドコッカス属菌種を用いて、連続的に処理を行い、ストロンチウム、セシウムを除去した結果を示す(図8)。セシウム蓄積菌用の栄養成分を含む溶液にセシウム及びストロンチウムをそれぞれ終濃度で5mg/Lになるように添加し、R. erythropolisの前培養液(1/100容)を接種し培養した。25℃にて32時間培養後遠心して上清中のセシウム及びストロンチウム濃度を測定した(図8(A)左)。セシウム濃度が18%まで減少している。
次にこの遠心上清溶液をフィルター濾過して無菌化し、B. megaterium用の栄養成分を添加し(1/9容)、前培養培地で培養したB. megateriumを接種した(1/10容)。30℃にて24時間培養後、遠心して上清中のセシウム及びストロンチウム濃度を測定した(図8(A)右)。ストロンチウム濃度が5%まで減少している。
これに対し、陰性コントロールとしては、上記の接種菌液の代わりに、菌無接種の前培養培地を加えた。その他は同じ操作を行った。2度目の操作で、セシウム及びストロンチウムの濃度が減少しているのは、添加溶液による希釈が生じるためである(図8(B))。
さらに、コントロールとして、合成ゼオライトA−4、粉末、75μm(200mesh)通過(東ソー株式会社製)により2回処理を行い比較した(図8(C))。陰性コントロールにおいて、菌無接種の前培養培地を加える時点で、合成ゼオライトも1mg/mL濃度で添加した。その他は同じ操作を行った。微生物によって連続的に除去を行った場合は、同じ組成の溶液条件下でゼオライトを用いた場合よりも低濃度までストロンチウム、セシウムを除去することができる。
[実施例4]同時にストロンチウム、セシウムを除去する装置の例
次に、芽胞形成菌、セシウム蓄積菌を同一の培養・蓄積槽内に添加し、放射性物質を除去する装置について説明する(図9)。前培養槽において、セシウム蓄積菌、芽胞形成菌をそれぞれ培養しておく。汚染水は、汚染水調節槽において、pH、及びセシウム蓄積菌の増殖に適した栄養剤を添加した後に、培養・蓄積槽に移送する。前培養槽で培養したセシウム蓄積菌を培養・蓄積槽に添加する。
セシウム蓄積菌は一般的に増殖が遅いので、まず汚染水をセシウム蓄積菌の培養に適した条件として培養を開始する。その後、芽胞形成菌用の栄養剤を添加し、前培養槽で培養した芽胞形成菌を接種することにより、芽胞形成菌の増殖と芽胞形成を行わせる。芽胞形成用栄養剤の添加と芽胞形成菌の接種時期を調節し、2種の菌の増殖と芽胞形成のタイミングを調整することによって同時にストロンチウム、セシウムを芽胞、あるいは菌体内に取り込ませ除去することができる。また、同時に除去するための方法はこの手順以外でもよく、全体の培養時間を短縮したり、蓄積効率を向上させるために、栄養剤の種類、組成、添加時期と2種の蓄積菌の添加時期を調節することができる。放射性物質が濃縮された活性汚泥は他の実施例と同様にして減容し、廃棄すればよい。この方法であれば、活性汚泥の減容が一度で済むことから非常に効率的である。
微生物を用いて金属イオンを濃縮することから、低コストで迅速に汚染水処理を行うことができるだけではなく、吸着剤を用いて除去する方法と比較して発生する産業廃棄物も非常に少なくてすむ。原子力発電所の事故に伴い自然環境中に放出された放射性物質、また、原発施設の管理、制御によって排出された汚染水はもちろんのこと、工業廃水に含まれるストロンチウムをはじめとする金属イオンを効率良く除去する方法としても応用することができる。

Claims (19)

  1. 微生物を用いた水処理装置であって、
    前記微生物の少なくとも1種が芽胞形成能を有する菌であって、
    投入した菌を培養し、放射性物質を取り込ませる培養・蓄積槽と、
    放射性物質を取り込ませた微生物を含む活性汚泥を沈殿させる沈殿槽を備え、
    前記培養・蓄積槽にはカルシウム濃度をモニターする装置を備えていることを特徴とする水処理装置。
  2. 前記芽胞形成能を有する菌がバチルス属の菌であることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
  3. 芽胞形成能を有する菌を用いる水処理装置であって、
    前記芽胞形成能を有する菌がバチルス属の菌であることを特徴とする水処理装置。
  4. 前記バチルス属の菌が、B.cereus、B.thuringiensis、B.megaterium、B.mycoides、B.pseudomycoides及びB.weihenstehanensisの中から選択される少なくともいずれか1種である請求項2又は3に記載の水処理装置。
  5. さらに、ロドコッカス属の菌を用いることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の水処理装置。
  6. 前記ロドコッカス属の菌が、R. erythropolis、R. baikonurensis、R. maanshanensis、R. wratislaviensisのいずれか1つ以上の種であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の水処理装置。
  7. 微生物が生存できる環境に汚染水を調節する汚染水調節槽を備えていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の水処理装置。
  8. 活性汚泥として濃縮された放射性物質を減容するための装置を含むことを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の水処理装置。
  9. ストロンチウムを除去する水処理装置に用いる微生物であって、
    カルシウムの代わりにストロンチウムを吸収し芽胞形成能を有する微生物。
  10. 前記芽胞形成能を有する微生物が
    B.cereus、B.thuringiensis、B.megaterium、B.mycoides、B.pseudomycoides及びB.weihenstehanensisのいずれかの種に属することを特徴とする請求項9に記載の微生物。
  11. セシウムを除去する水処理装置に用いる微生物であって、
    R. baikonurensis、R. maanshanensis、R. wratislaviensisのいずれかの種に属することを特徴とする微生物。
  12. 汚染水処理方法であって、
    芽胞形成菌が生存できる環境に汚染水を調節する調節工程と、
    芽胞形成菌を混合する混合工程と、
    生物膜の形成及び汚染水中のカルシウム濃度を管理して混合した菌にストロンチウムを蓄積した芽胞を形成させる芽胞形成工程と、
    汚泥と処理水を分離する分離工程を備えている汚染水処理方法であって、
    前記芽胞形成菌がバチルス属の菌であることを特徴とする汚染水処理方法。
  13. 前記芽胞形成工程の前工程又は後工程として、
    セシウム蓄積菌によりセシウムを菌体内に蓄積させるセシウム蓄積工程と、
    セシウム濃縮汚泥と処理水を分離する分離工程を備えている請求項12記載の汚染水処理方法。
  14. 微生物を用いた水処理装置であって、
    前記微生物の少なくとも1種がセシウム蓄積能を有する菌であって、
    投入した菌を培養し、放射性物質を取り込ませる培養・蓄積槽と、
    放射性物質を取り込ませた微生物を含む活性汚泥を沈殿させる沈殿槽を備え、
    前記培養・蓄積槽にはカリウム濃度をモニターする装置を備えていることを特徴とする水処理装置。
  15. 前記セシウム蓄積能を有する菌がロドコッカス属の菌であることを特徴とする請求項14に記載の水処理装置。
  16. 前記ロドコッカス属の菌が、R. erythropolis、R. baikonurensis、R. maanshanensis、R. wratislaviensisのいずれか1つ以上の種であることを特徴とする請求項14、又は15記載の水処理装置。
  17. 汚染水処理方法であって、
    セシウム蓄積菌が生存できる環境に汚染水を調節する調節工程と、
    セシウム蓄積菌を混合する混合工程と、
    生物膜の形成及び汚染水中のカリウム濃度を管理して混合した菌にセシウムを蓄積させるセシウム蓄積工程と、
    汚泥と処理水を分離する分離工程を備えている汚染水処理方法であって、
    前記セシウム蓄積菌がロドコッカス属の菌であることを特徴とする汚染水処理方法。
  18. 汚染水処理方法であって、
    芽胞形成菌、及びセシウム蓄積菌が生存できる環境に汚染水を調節する調節工程と、
    芽胞形成菌、及びセシウム蓄積菌を混合する混合工程と、
    汚染水中のカルシウム濃度、及びカリウム濃度を管理して、混合した芽胞形成菌にストロンチウムを取り込ませ、セシウム蓄積菌にセシウムを蓄積させる工程と、
    汚泥と処理水を分離する分離工程を備えている汚染水処理方法。
  19. 前記芽胞形成菌がバチルス属の菌であり、
    前記セシウム蓄積菌がロドコッカス属の菌であることを特徴とする請求項18記載の水処理装置。
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