JP2019127540A - 液晶組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】誘電異方性が高く、応答速度の速い液晶ディスプレイを提供する。【解決手段】(A)下記式[1]の化合物、(式中、R11はアルキル基又はアルコキシ基を表し、R12はアルキル基を表す。)(B)2個のシクロヘキセニルを有する液晶性化合物(C)2個のシクロヘキセニル+1個のフェニレンまたは2個のフェニレン+1個のシクロヘキセニルを有する液晶性化合物を含み、任意選択的に、(D)重合性化合物、(E)光重合開始剤を含む液晶組成物とする。【選択図】なし
Description
本発明は、特定の単環化合物、二環化合物及び三環化合物を含有する液晶組成物、並びに当該液晶組成物を用いた液晶ディスプレイに関する。
液晶化合物の特徴である光学異方性(Δn)(以下に「Δn」ということがある。)や誘電率異方性(Δε)(以下に「Δε」ということがある。)を利用した液晶表示素子は、これまでに多数作られており、時計を始め、電卓、測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子手帳、携帯電話、プリンター、コンピューター、TV等に利用されて来ている。この液晶表示素子に使用される液晶化合物には固有の液晶相が存在し、その相形態はネマチック相、スメクチック相及びコレステリック相に大別される。そのなかでも、ネマチック相が最も広く利用されている。
いずれの表示素子に用いられる液晶化合物も、水分、空気、熱、光等に対して安定であることが必要であるうえ、室温を中心としてできるだけ広い温度範囲で液晶相を示し、適切な誘電率異方性(Δε)と屈折率異方性(Δn)とを有し、応答速度が速く、低電圧駆動ができる特性などが必要となる。この特性を満たすためには、粘度が低く、低い閾値電圧を有する液晶が必要である。現在のところ単一化合物では上記のような条件をすべて満たす物質はなく、数種から、数十種の液晶化合物を混合して要求特性に合致させているのが現状である。さらに、近年の高精細TV、3D対応の表示等のため、さらなる応答速度の改良が求められている。
シクロヘキサン化合物を使用した応答性に優れたネマチック液晶組成物についても、多くの提案がなされている。例えば、形成できるプレチルト角が大きく、ストライプ・ドメインの発生率が顕著に低く、更に、化学的に安定で、低電圧駆動が可能であり、高時分割駆動に応えられる高速応答性に優れたネマチック液晶組成物(特許文献1)、所望の複屈折率の大きさに対し、駆動可能な温度範囲が広く、応答性に優れ、コントラストが良いネマチック液晶組成物を提供し、これを用いた、電気光学特性の改善されたTN−LCD、STN−LCD、TFT−LCD等の液晶表示装置を提供するものとして新規なシクロヘキサン化合物であって、反強誘電状態から強誘電状態への応答速度が改善された反強誘電性液晶組成物(特許文献2)がある。また、シクロヘキサン環を有し、現在汎用されている液晶組成物に混合した際、粘度を上昇させず、しきい値電圧を効果的に低下させることができる液晶表示セルの材料がある(特許文献3)。しかし、これまでの各提案では、応答速度について満足できるものではなかった。
重合性化合物を用いて液晶材料に事前傾斜角(プレチルト)を持たせるPSA(Polymer Sustained Alignment)技術では、配向膜を形成したTFT基板と対向基板の間に液晶化合物、重合性化合物等を含む液晶組成物を充填した液晶セルを作製し、所定電圧を印加した状態で光照射を行い、液晶組成物中の重合性化合物を重合させることにより、配向膜上に配向制御層を形成し、電圧無印加時の液晶化合物分子にチルト角を付与するのが一般的である。この技術は、応答時間がPVA方式より優れていると言われているが、更なる高速化が求められている。
従来、液晶組成物、特にネガ型液晶組成物には減粘剤としてアルケニル系の化合物が導入されてきた。しかし、このような液晶組成物を用いた液晶ディスプレイ(LCD)を長期にわたって使用した場合に焼き付きが発生するという問題があった。特にPSA(Polymer Sustained Alignment)技術では電圧保持率(VHR)の低下により、焼き付きが発生し易かった。PSA技術においては配向制御層形成のために光照射を行うのであるが、アルケニル系化合物の紫外光に対する耐性が低く、光曝露により開裂等の劣化を起こすためと考えられている。
本発明の解決しようとする課題は、ポリマー層形成のための紫外線照射を行ってもVHRの低下を起こさない液晶組成物、及びそのような液晶組成物を用いた誘電異方性が高く、応答速度の速い液晶ディスプレイを提供することである。
本発明は以下を包含する。
<1> (A) 下記式[1]の化合物、
(式中、R11は炭素原子数1乃至12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素原子数1乃至12の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基を表し、
R12は炭素原子数1乃至12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表す。)
(B) 下記式[2]の化合物、
(式中、R21、R22は、各々独立して炭素原子数1乃至6の直鎖状アルキル基を表す。)
(C) 下記式[3]の化合物、
(式中、R31、R32は、各々独立して炭素原子数1乃至12の直鎖状アルキル基を表し、環Aはシクロヘキサン環又はベンゼン環を表す。)
を含有する液晶組成物。
<2> 更に、
(D) 重合性化合物
を含有する、<1>に記載の液晶組成物。
<3> 更に、
(E) 光重合開始剤
を含有する、<2>に記載の液晶組成物。
<4> 式[1]の化合物(A)を2−20重量%含む、<1>乃至<3>のいずれか一項に記載の液晶組成物。
<5> 式[2]の化合物(B)を5−40重量%含む、<1>乃至<4>のいずれか一項に記載の液晶組成物。
<6> 式[3]の化合物(C)を10−90重量%含む、<1>乃至<5>のいずれか一項に記載の液晶組成物。
<7> 5%未満の重合性化合物(D)を含む、<2>に記載の液晶組成物。
<8> 0.5−8質量%の光重合開始剤(E)を含む、<3>に記載の液晶組成物。
<9> IPS技術又はVA技術による液晶ディスプレイ用である、<1>に記載の液晶組成物。
<10> PSA技術による液晶ディスプレイ用である、<2>に記載の液晶組成物。
<11> 光照射した<1>乃至<10>のいずれか一項に記載の液晶組成物を含む液晶ディスプレイ。
<12> 下記式[1]の化合物。
(式中、R11はメチル基、又はメトキシ基を表し、R12はメチル基を表す。)
<1> (A) 下記式[1]の化合物、
(式中、R11は炭素原子数1乃至12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素原子数1乃至12の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基を表し、
R12は炭素原子数1乃至12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表す。)
(B) 下記式[2]の化合物、
(式中、R21、R22は、各々独立して炭素原子数1乃至6の直鎖状アルキル基を表す。)
(C) 下記式[3]の化合物、
(式中、R31、R32は、各々独立して炭素原子数1乃至12の直鎖状アルキル基を表し、環Aはシクロヘキサン環又はベンゼン環を表す。)
を含有する液晶組成物。
<2> 更に、
(D) 重合性化合物
を含有する、<1>に記載の液晶組成物。
<3> 更に、
(E) 光重合開始剤
を含有する、<2>に記載の液晶組成物。
<4> 式[1]の化合物(A)を2−20重量%含む、<1>乃至<3>のいずれか一項に記載の液晶組成物。
<5> 式[2]の化合物(B)を5−40重量%含む、<1>乃至<4>のいずれか一項に記載の液晶組成物。
<6> 式[3]の化合物(C)を10−90重量%含む、<1>乃至<5>のいずれか一項に記載の液晶組成物。
<7> 5%未満の重合性化合物(D)を含む、<2>に記載の液晶組成物。
<8> 0.5−8質量%の光重合開始剤(E)を含む、<3>に記載の液晶組成物。
<9> IPS技術又はVA技術による液晶ディスプレイ用である、<1>に記載の液晶組成物。
<10> PSA技術による液晶ディスプレイ用である、<2>に記載の液晶組成物。
<11> 光照射した<1>乃至<10>のいずれか一項に記載の液晶組成物を含む液晶ディスプレイ。
<12> 下記式[1]の化合物。
(式中、R11はメチル基、又はメトキシ基を表し、R12はメチル基を表す。)
液晶組成物の粘度を低下させる効果のみならず、液晶組成物中の液晶化合物分子の重なり合いを適度に制御する効果を有する上記式[1]の単環化合物を液晶組成物中に導入することにより、ポリマー層形成のための紫外線照射を行ってもVHRの低下を起こさない液晶組成物、及びそのような液晶組成物を用いた誘電異方性が高く、応答速度の速い液晶ディスプレイの作製が可能となる。
本明細書における用語の使い方は次のとおりとする。液晶組成物とは、ネマチック相、スメクチック相などの液晶相を有する化合物の1種又は2種以上の混合物、及び液晶相を有する1種又は2種以上の化合物と1種又は2種以上の液晶相を有さない化合物の混合物を意味する。液晶表示素子とは、液晶表示パネル又は液体表示モジュールを意味する。
[(A) 式[1]の化合物]
本発明に係る液晶組成物は、(A)下記式[1]の化合物、
本発明に係る液晶組成物は、(A)下記式[1]の化合物、
(式中、R11は炭素原子数1乃至12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、又は炭素原子数1乃至12の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基を表し、
R12は炭素原子数1乃至12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基を表す。)
を含む。
好ましいアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル等が挙げられる。
好ましいアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、2−メチルブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、n−ウンデシルオキシ、n−ドデシルオキシ等が挙げられる。
式[1]の化合物の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、以下のようにして合成することができる。
(2OBFFO5の合成)
200ml四つ口フラスコに4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェノール(10.0g、57.4mmol)と炭酸カリウム(10.3g、74.5mmol)、1−ブロモペンタン(9.6g、63.6mmol)、DMF(50g)を加え、還流管と温度計を取り付け、80℃で15時間攪拌する。水を加え、トルエンで抽出し、有機層を水で洗浄する。ロータリーエバポレーターで溶媒を留去し、減圧蒸留する事で2OBFFO5(13.0g、53.2mmol、93%)を得る。
200ml四つ口フラスコに4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェノール(10.0g、57.4mmol)と炭酸カリウム(10.3g、74.5mmol)、1−ブロモペンタン(9.6g、63.6mmol)、DMF(50g)を加え、還流管と温度計を取り付け、80℃で15時間攪拌する。水を加え、トルエンで抽出し、有機層を水で洗浄する。ロータリーエバポレーターで溶媒を留去し、減圧蒸留する事で2OBFFO5(13.0g、53.2mmol、93%)を得る。
(5BFFO3の合成)
200ml四つ口フラスコに4−ペンチル−2,3−ジフルオロフェノール(10.0g、49.9mmol)と炭酸カリウム(8.97g、64.9mmol)、ブロモプロパン(6.7g、54.5mmol)、DMF(50g)を加え、還流管と温度計を取り付け、70℃で12時間攪拌する。水を加え、トルエンで抽出し、有機層を水で洗浄する。ロータリーエバポレーターで溶媒を留去し、減圧蒸留する事で5BFFO3(10.2g、42.1mmol、84%)を得る。
200ml四つ口フラスコに4−ペンチル−2,3−ジフルオロフェノール(10.0g、49.9mmol)と炭酸カリウム(8.97g、64.9mmol)、ブロモプロパン(6.7g、54.5mmol)、DMF(50g)を加え、還流管と温度計を取り付け、70℃で12時間攪拌する。水を加え、トルエンで抽出し、有機層を水で洗浄する。ロータリーエバポレーターで溶媒を留去し、減圧蒸留する事で5BFFO3(10.2g、42.1mmol、84%)を得る。
式[1]の化合物は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
炭素原子数1乃至6の直鎖状アルキル基は具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルであり、好ましくは、エチル、n−プロピル、n−ブチルである。
式[2]の化合物を製造する方法は、特に限定されるものではないが、例えば下記に示すスキームで表わされる3HFFH3の製造方法に準じて製造することができる。詳細は、例えば、特願2016−177274にも記載されている。
式[2]の化合物は、複数の立体異性体の混合物として存在してもよい。また、式[2]の化合物は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[(C) 式[3]の化合物]
本発明に係る液晶組成物は、(C)下記式[3]の化合物、
(式中、R31、R32は、各々独立して炭素原子数1乃至12の直鎖状アルキル基を表し、環Aはシクロヘキサン環又はベンゼン環を表す。)
を含む。
本発明に係る液晶組成物は、(C)下記式[3]の化合物、
(式中、R31、R32は、各々独立して炭素原子数1乃至12の直鎖状アルキル基を表し、環Aはシクロヘキサン環又はベンゼン環を表す。)
を含む。
炭素原子数1乃至12の直鎖状アルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等であり、好ましくは、エチル、n−プロピル、n−ブチルである。
式[3]の化合物の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、上記した式[2]の化合物の製造方法に準じて製造することができる。
式[3]の化合物は、複数の立体異性体の混合物として存在してもよい。また、式[3]の化合物は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[その他の液晶化合物]
本発明に係る液晶組成物は上記以外の液晶化合物を含んでもよい。かかる液晶化合物は上記(A)、(B)、(C)以外の化合物であれば特に限定されないが、次式(2)及び(3)で表わされる各化合物群の少なくとも1種類の化合物を例示することができる。
本発明に係る液晶組成物は上記以外の液晶化合物を含んでもよい。かかる液晶化合物は上記(A)、(B)、(C)以外の化合物であれば特に限定されないが、次式(2)及び(3)で表わされる各化合物群の少なくとも1種類の化合物を例示することができる。
(式(3)中、R3は炭素原子数1乃至6の直鎖状アルキル基を表し、環Iはシクロヘキサン環、又はベンゼン環を表し、環Jはシクロヘキサン環、又は隣り合う2つの炭素原子上にハロゲン原子を有していてもよいベンゼン環を表し、環Kは隣り合う2つの炭素原子上にハロゲン原子を有していてもよいベンゼン環を表し、R4は炭素原子数1乃至6の直鎖状アルキル基、又は炭素原子数1乃至6の直鎖状アルコキシ基を表す。)
好ましいアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、n−ヘキシル等が挙げられる。
好ましいアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、2−メチルブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ等が挙げられる。
「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味し、好ましくはフッ素である。
上記の化合物を任意の割合で配合することにより、本発明の液晶組成物を構成する。
[(D) 重合性化合物]
本発明に係る液晶組成物は、任意選択的に、下記式[II]の化合物および下記式[III]の化合物からなる群より選択される少なくとも1種の重合性化合物を含有することができる。
本発明に係る液晶組成物は、任意選択的に、下記式[II]の化合物および下記式[III]の化合物からなる群より選択される少なくとも1種の重合性化合物を含有することができる。
式[II]の化合物(D)は、
(式中、P1、P2は、同一又は異なって、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、ビニル基、又はビニルオキシ基を表し、
Sp1、Sp2は、同一又は異なって、炭素原子数1乃至6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、炭素原子数1乃至6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレンオキシ基、又は直接結合を表し、
Eは、単結合、−COCH=CH−若しくは−CH=CHCO−で連結されていてもよい炭素原子数10乃至32のアリーレン基を表す。)
によって表される。
(式中、P1、P2は、同一又は異なって、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、メタクリロイルアミノ基、ビニル基、又はビニルオキシ基を表し、
Sp1、Sp2は、同一又は異なって、炭素原子数1乃至6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基、炭素原子数1乃至6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレンオキシ基、又は直接結合を表し、
Eは、単結合、−COCH=CH−若しくは−CH=CHCO−で連結されていてもよい炭素原子数10乃至32のアリーレン基を表す。)
によって表される。
炭素原子数1乃至6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、1,3−プロピレン、1,2−プロピレン、2−メチル−1,3−プロピレン、2−メチル−1,2−プロピレン、1,4−ブチレン、1,3−ブチレン、1,2−ブチレン、1,2−シクロペンチレン、1,3−シクロペンチレン、
1,4−シクロヘキシレンなどである。
1,4−シクロヘキシレンなどである。
炭素原子数1乃至6の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキレンオキシ基としては、例えば、オキシメチレン、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン、オキシペンチレン、オキシヘキシレン、オキシシクロペンチレン、オキシシクロヘキシレンなどである。
単結合、−COCH=CH−若しくは−CH=CHCO−で連結されていてもよい炭素原子数10乃至32のアリーレン基としては、例えば、ナフタレンジイル、フェナントレンジイル、アントラセンジイル、又は単結合、−COCH=CH−若しくは−CH=CHCO−で中断されていてもよいビフェニレンなどである。
式[III]の化合物(D)は、下記式(12):
(式(12)中、AおよびBは、同一または異なって、P−Q−、H、ハロゲン、SF5、NO2、炭素基または炭化水素基を表し、ただし、AおよびBの少なくとも一方はP−Q−を表し、
Pは重合性基を表し、
Qはスペーサー基または単結合を表し、
i個のLおよびk個のNは、それぞれ同一または異なって、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−2,5−ジイルまたはナフタレン−2,7−ジイル(ただし、これらの基における1個以上のCH基は窒素原子で置き換えられていてもよい)、シクロヘキサン−1,3−ジイル(ただし、1個以上の隣接していないCH2基は酸素原子および/または硫黄原子で置き換えられていてもよい)、1,3−シクロヘキセニレン、ピペリジン−2,4−ジイル、ピペリジン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,7−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,7−ジイルまたはインダン−2,4−ジイルを表し、ただし、これら全ての基は無置換であっても、Tにより単置換または多置換されていてもよく、ただし、i=k=1の場合、基LおよびNの一方はMに示される意味の1つも有してよく、
j個のMは、それぞれ同一または異なって、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイルまたはナフタレン−2,6−ジイル(ただし、これらの基における1個以上のCH基は窒素原子で置き換えられていてもよい)、シクロヘキサン−1,4−ジイル(ただし、1個以上の隣接していないCH2基は酸素原子および/または硫黄原子で置き換えられていてもよい)、1,4−シクロヘキセニレン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、ピペリジン−2,5−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、インダン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイルまたはオクタヒドロ−4,7−メタノインダン−2,5−ジイルを表し、ただし、これら全ての基は無置換であっても、Tにより単置換または多置換されていてもよく、また、Lに示される意味の1つを有してもよく、
Tは、P−Q−、H、OH、ハロゲン、SF5、NO2、炭素基または炭化水素基を表し、
i個のWおよびj個のZは、それぞれ同一または異なって、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−OCO−、−O−CO−O−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−(CH2)n−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−(CF2)n−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CUVまたは単結合を表し、
UおよびVは、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜12個の炭素原子を有するアルキルを表し、
iおよびkは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、ただし、i+k>0であり、
jは、0、1、2または3を表し、
nは、1、2、3または4を表す。)
で表される。
(式(12)中、AおよびBは、同一または異なって、P−Q−、H、ハロゲン、SF5、NO2、炭素基または炭化水素基を表し、ただし、AおよびBの少なくとも一方はP−Q−を表し、
Pは重合性基を表し、
Qはスペーサー基または単結合を表し、
i個のLおよびk個のNは、それぞれ同一または異なって、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−2,5−ジイルまたはナフタレン−2,7−ジイル(ただし、これらの基における1個以上のCH基は窒素原子で置き換えられていてもよい)、シクロヘキサン−1,3−ジイル(ただし、1個以上の隣接していないCH2基は酸素原子および/または硫黄原子で置き換えられていてもよい)、1,3−シクロヘキセニレン、ピペリジン−2,4−ジイル、ピペリジン−2,6−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,7−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,7−ジイルまたはインダン−2,4−ジイルを表し、ただし、これら全ての基は無置換であっても、Tにより単置換または多置換されていてもよく、ただし、i=k=1の場合、基LおよびNの一方はMに示される意味の1つも有してよく、
j個のMは、それぞれ同一または異なって、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイルまたはナフタレン−2,6−ジイル(ただし、これらの基における1個以上のCH基は窒素原子で置き換えられていてもよい)、シクロヘキサン−1,4−ジイル(ただし、1個以上の隣接していないCH2基は酸素原子および/または硫黄原子で置き換えられていてもよい)、1,4−シクロヘキセニレン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、ピペリジン−2,5−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、インダン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイルまたはオクタヒドロ−4,7−メタノインダン−2,5−ジイルを表し、ただし、これら全ての基は無置換であっても、Tにより単置換または多置換されていてもよく、また、Lに示される意味の1つを有してもよく、
Tは、P−Q−、H、OH、ハロゲン、SF5、NO2、炭素基または炭化水素基を表し、
i個のWおよびj個のZは、それぞれ同一または異なって、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−OCO−、−O−CO−O−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−(CH2)n−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−(CF2)n−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CUVまたは単結合を表し、
UおよびVは、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜12個の炭素原子を有するアルキルを表し、
iおよびkは、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、ただし、i+k>0であり、
jは、0、1、2または3を表し、
nは、1、2、3または4を表す。)
で表される。
特に好ましい式(12)の化合物は、
L、M、N、W、Z、P、Q、i、j、kおよびnは上記の意味を有し、
Tは、P−Q−、OH、CH2OH、F、Cl、Br、I、−CN、−NO2、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)N(Rx)2、−C(=O)Y1、−C(=O)Rx、−N(Rx)2、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよい6〜20個の炭素原子を有するアリール、または1〜25個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシを表し、但し、1個以上の水素原子はF、ClまたはP−Q−で置き換えられていてもよく、
Y1は、ハロゲンを表し、
Rxは、P−Q−、H、ハロゲン、1〜25個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状または環状のアルキル(但し、1個以上の隣接していないCH2基は、酸素原子および/または硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、また、1個以上の水素原子はF、ClまたはP−Q−で置き換えられていてもよい)、置換されていてもよい6〜40個の炭素原子を有するアリールまたはアリールオキシ基、または置換されていてもよい2〜40個の炭素原子を有するヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシ基を表し、
AおよびBは、P−Q−、H、上に定義したとおりのT、1〜25個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキルを表し、但し、1個以上の隣接していないCH2基は、それぞれ互いに独立に、酸素原子および/または硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、−C(Rx)=C(Rx)−、−C≡C−、−N(Rx)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、また、1個以上の水素原子は、F、Cl、Br、I、CNまたはP−Q−で置き換えられていてもよく、但し、基AおよびBの少なくとも一方はP−Q−であるものである。
L、M、N、W、Z、P、Q、i、j、kおよびnは上記の意味を有し、
Tは、P−Q−、OH、CH2OH、F、Cl、Br、I、−CN、−NO2、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)N(Rx)2、−C(=O)Y1、−C(=O)Rx、−N(Rx)2、置換されていてもよいシリル、置換されていてもよい6〜20個の炭素原子を有するアリール、または1〜25個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシを表し、但し、1個以上の水素原子はF、ClまたはP−Q−で置き換えられていてもよく、
Y1は、ハロゲンを表し、
Rxは、P−Q−、H、ハロゲン、1〜25個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状または環状のアルキル(但し、1個以上の隣接していないCH2基は、酸素原子および/または硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、また、1個以上の水素原子はF、ClまたはP−Q−で置き換えられていてもよい)、置換されていてもよい6〜40個の炭素原子を有するアリールまたはアリールオキシ基、または置換されていてもよい2〜40個の炭素原子を有するヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシ基を表し、
AおよびBは、P−Q−、H、上に定義したとおりのT、1〜25個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキルを表し、但し、1個以上の隣接していないCH2基は、それぞれ互いに独立に、酸素原子および/または硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、−C(Rx)=C(Rx)−、−C≡C−、−N(Rx)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、また、1個以上の水素原子は、F、Cl、Br、I、CNまたはP−Q−で置き換えられていてもよく、但し、基AおよびBの少なくとも一方はP−Q−であるものである。
好ましくは、AおよびBは、同一または異なって、基P−Q−を表す。
好ましくは、AおよびBは、同一または異なって、基P−Q−を表し、但し、基Qの1つは単結合を表す。
好ましくは、AおよびBの一方はP−Q−を表し、他方は上に定義したとおりのT、1〜25個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキルを表し、但し、1個以上の隣接していないCH2基は、それぞれ互いに独立に、酸素原子および/または硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、−C(Rx)=C(Rx)−、−C≡C−、−N(Rx)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、また、1個以上の水素原子は、F、Cl、Br、I、CNまたはP−Q−で置き換えられていてもよい。
好ましくは、Qは単結合を表す。
好ましくは、WおよびZは単結合を表す。
好ましくは、Mは、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイルまたはナフタレン−2,6−ジイル(但し、これらの基における1個以上のCH基は窒素原子で置き換えられていてもよい)、シクロヘキサン−1,4−ジイル(但し、1個以上の隣接していないCH2基は酸素原子および/または硫黄原子で置き換えられていてもよい)、1,4−シクロヘキセニレン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、ピペリジン−2,5−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、インダン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイルまたはオクタヒドロ−4,7−メタノインダン−2,5−ジイルより選択され、但し、これら全ての基は無置換であっても、Tにより単置換または多置換されていてもよい。
好ましくは、Mは、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイルまたはナフタレン−2,6−ジイル(但し、これらの基における1個以上のCH基は窒素原子で置き換えられていてもよい)より選択され、但し、これら全ての基は無置換であっても、Tにより単置換または多置換されていてもよい。
LおよびNは、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−2,5−ジイルおよびナフタレン−2,7−ジイル(但し、これらの基における1個以上のCH基は窒素原子で置き換えられていてもよい)より選択され、ただし、これら全ての基は無置換であっても、Tにより単置換または多置換されていてもよい。
好ましくは、隣接する環基L、M、Nまたは対応する架橋基W、Zにメタ位またはパラ位で連結されている基Lおよび/またはNは、P−Q−を表す1個以上の置換基Tを有する。
好ましくは、i=k=1、および、j=0、1または2である。
好ましくは、i=j=0、k=1である。
好ましくは、AおよびBは、同一または異なって、基P−Q−を表し、但し、基Qの1つは単結合を表す。
好ましくは、AおよびBの一方はP−Q−を表し、他方は上に定義したとおりのT、1〜25個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキルを表し、但し、1個以上の隣接していないCH2基は、それぞれ互いに独立に、酸素原子および/または硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、−C(Rx)=C(Rx)−、−C≡C−、−N(Rx)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、また、1個以上の水素原子は、F、Cl、Br、I、CNまたはP−Q−で置き換えられていてもよい。
好ましくは、Qは単結合を表す。
好ましくは、WおよびZは単結合を表す。
好ましくは、Mは、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイルまたはナフタレン−2,6−ジイル(但し、これらの基における1個以上のCH基は窒素原子で置き換えられていてもよい)、シクロヘキサン−1,4−ジイル(但し、1個以上の隣接していないCH2基は酸素原子および/または硫黄原子で置き換えられていてもよい)、1,4−シクロヘキセニレン、ビシクロ[1.1.1]ペンタン−1,3−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジイル、スピロ[3.3]ヘプタン−2,6−ジイル、ピペリジン−2,5−ジイル、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、インダン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、フルオレン−2,7−ジイルまたはオクタヒドロ−4,7−メタノインダン−2,5−ジイルより選択され、但し、これら全ての基は無置換であっても、Tにより単置換または多置換されていてもよい。
好ましくは、Mは、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,4−ジイルまたはナフタレン−2,6−ジイル(但し、これらの基における1個以上のCH基は窒素原子で置き換えられていてもよい)より選択され、但し、これら全ての基は無置換であっても、Tにより単置換または多置換されていてもよい。
LおよびNは、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−2,5−ジイルおよびナフタレン−2,7−ジイル(但し、これらの基における1個以上のCH基は窒素原子で置き換えられていてもよい)より選択され、ただし、これら全ての基は無置換であっても、Tにより単置換または多置換されていてもよい。
好ましくは、隣接する環基L、M、Nまたは対応する架橋基W、Zにメタ位またはパラ位で連結されている基Lおよび/またはNは、P−Q−を表す1個以上の置換基Tを有する。
好ましくは、i=k=1、および、j=0、1または2である。
好ましくは、i=j=0、k=1である。
「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを表す。
重合性基Pは、例えば、フリーラジカルまたはイオン性連鎖重合、重付加または重縮合などの重合反応に適するか、または、例えば、ポリマー主鎖上への付加または縮合といったポリマー類似反応に適する基である。特に好ましくは、連鎖重合のための基、特に、C=C二重結合またはC≡C三重結合を含有するもの、および、例えば、オキセタンまたはエポキシ基などの開環重合に適する基である。
基Pは、好ましくは、CH2=CW1−COO−、CH2=CW1−CO−、
CH2=CW2−(O)k3−、CW1=CH−CO−(O)k3−、CW1=CH−CO−NH−、CH2=CW1−CO−NH−、CH3−CH=CH−O−、(CH2=CH)2CH−OCO−、(CH2=CH−CH2)2CH−OCO−、(CH2=CH)2CH−O−、(CH2=CH−CH2)2N−、(CH2=CH−CH2)2N−CO−、HO−CW2W3−、HS−CW2W3−、HW2N−、HO−CW2W3−NH−、CH2=CW1−CO−NH−、CH2=CH−(COO)k1−Phe−(O)k2−、CH2=CH−(CO)k1−Phe−(O)k2−、Phe−CH=CH−、HOOC−、OCN−およびW4W5W6Si−より選択され、式中、W1は、H、F、Cl、CN、CF3、フェニルまたは1〜5個の炭素原子を有するアルキルを表し、特に、H、F、ClまたはCH3であり、W2およびW3は、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜5個の炭素原子を有するアルキルを表し、特に、H、メチル、エチルまたはn−プロピルであり、W4、W5およびW6は、それぞれ互いに独立に、Cl、1〜5個の炭素原子を有するオキサアルキルまたはオキサカルボニルアルキルを表し、W7およびW8は、それぞれ互いに独立に、H、Clまたは1〜5個の炭素原子を有するアルキルを表し、Pheは、上に定義したとおりの基Tの1個以上で置換されていてもよい1,3−フェニレンまたは1,4−フェニレンを表し、k1、k2およびk3は、それぞれ互いに独立に、0または1を表し、k3は、好ましくは、1を表す。
特に好ましい基Pは、CH2=CH−COO−、CH2=C(CH3)−COO−、CH2=CH−、CH2=CH−O−、(CH2=CH)2CH−OCO−、(CH2=CH)2CH−O−、
Qにおけるスペーサー基は当業者には公知であり、例えば、Pure Appl.Chem.73巻(5号)、888頁(2001年)およびC.Tschierske、G.Pelzl、S.Diele、Angew.Chem.2004年、116巻、6340〜6368頁に記載がある。特に断らない限り、スペーサー基は、反応性メソゲン化合物(以下「RM」と称することもある)中でメソゲン基と重合性基(1個または複数)とを互いに連結している屈曲性基を表す。
メソゲン基は当業者には公知であり、文献に記載されており、引力および斥力的相互作用の異方性により、低分子量または高分子物質中で液晶(LC)相の発生に本質的に寄与する基を表す。メソゲン基を含有する化合物(メソゲン化合物)は、それ自身では必ずしも液晶相を有する必要はない。また、他の化合物と混合後および/または重合後のみに、メソゲン化合物が液晶相挙動を示すことも可能である。典型的なメソゲン基は、例えば、剛直な棒状または円盤状の形状の単位である。メソゲン化合物または液晶化合物に関して使用される用語および定義の概説が、Pure Appl.Chem.73巻(5号)、888頁(2001年)およびC.Tschierske、G.Pelzl、S.Diele、Angew.Chem.2004年、116巻、6340〜6368頁に記載されている。
反応性メソゲン(RM)は、メソゲン基および重合に適した1個以上の官能基(重合性基すなわちP)を含有する化合物を表す。
スペーサー基は、好ましくは、基「P−Q−」が式「P−Q’−X’−」に合致するように式Q’−X’より選択され、
ここでQ’は、1〜20個、好ましくは1〜12個の炭素原子を有するアルキレンを表し、ただし、F、Cl、Br、IまたはCNで単置換または多置換されていてもよく、かつ、1個以上の隣接していないCH2基は、酸素原子および/または硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、それぞれ互いに独立に、−O−、−S−、−NH−、−NR0−、−SiR0R00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−NR0−CO−O−、−O−CO−NR0−、−NR0−CO−NR0−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、
X’は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR0−、−NR0−CO−、−NR0−CO−NR0−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR0−、−CY2=CY3−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合を表し、
R0およびR00は、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜12個の炭素原子を有するアルキルを表し、および
Y2およびY3は、それぞれ互いに独立に、H、F、ClまたはCNを表す。
ここでQ’は、1〜20個、好ましくは1〜12個の炭素原子を有するアルキレンを表し、ただし、F、Cl、Br、IまたはCNで単置換または多置換されていてもよく、かつ、1個以上の隣接していないCH2基は、酸素原子および/または硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、それぞれ互いに独立に、−O−、−S−、−NH−、−NR0−、−SiR0R00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−NR0−CO−O−、−O−CO−NR0−、−NR0−CO−NR0−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていてもよく、
X’は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR0−、−NR0−CO−、−NR0−CO−NR0−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CF2S−、−SCF2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CF2CF2−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR0−、−CY2=CY3−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合を表し、
R0およびR00は、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜12個の炭素原子を有するアルキルを表し、および
Y2およびY3は、それぞれ互いに独立に、H、F、ClまたはCNを表す。
X’は、好ましくは、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR0−、−NR0−CO−、−NR0−CO−NR0−または単結合である。
典型的なQ’は、例えば、−(CH2)p1−、−(CH2CH2O)q1−CH2CH2−、−CH2CH2−S−CH2CH2−、−CH2CH2−NH−CH2CH2−または−(SiR0R00−O)p1−であり、式中、p1は1〜12の整数、q1は1〜3の整数、およびR0およびR00は上記の意味を有する。
特に好ましい基−X’−Q’−は、−(CH2)p1−、−O−(CH2)p1−、−OCO−(CH2)p1−、−OCOO−(CH2)p1−である。
特に好ましい基Q’は、例えば、いずれの場合も直鎖状のエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレンチオエチレン、エチレン−N−メチルイミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
「炭素基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含有する一価または多価の有機基であって、更に原子を含有していないか(例えば、−C≡C−など)、または、任意選択的に、例えばN、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeなどの原子の1個以上を更に含有している(例えば、カルボニルなど)ものをいう。「炭化水素基」とは、炭素基であって、更に1個以上の水素原子を含有し、任意選択的に、例えばN、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeなどのヘテロ原子の1個以上を含有してもよいものをいう。
炭素基または炭化水素基は、飽和基であっても、不飽和基であってもよい。不飽和基は、例えば、アリール、アルケニルまたはアルキニル基である。3個より多い炭素原子を有する炭素基または炭化水素基は、直鎖状、分岐状および/または環状のいずれでもよく、また、スピロ結合または縮合環を有していてもよい。
好ましい炭素基および炭化水素基は、置換されていてもよい1〜40個、好ましくは1〜25個、特に好ましくは1〜18個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシおよびアルコキシカルボニルオキシ、置換されていてもよい6〜40個、好ましくは6〜25個の炭素原子を有するアリールまたはアリールオキシ、または置換されていてもよい6〜40個、好ましくは6〜25個の炭素原子を有するアルキルアリール、アリールアルキル、アルキルアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシである。
更に好ましい炭素基および炭化水素基は、C1〜C40アルキル、C2〜C40アルケニル、C2〜C40アルキニル、C3〜C40アリル、C4〜C40アルキルジエニル、C4〜C40ポリエニル、C6〜C40アリール、C6〜C40アルキルアリール、C6〜C40アリールアルキル、C6〜C40アルキルアリールオキシ、C6〜C40アリールアルキルオキシ、C2〜C40ヘテロアリール、C4〜C40シクロアルキル、C4〜C40シクロアルケニルなどである。特に好ましくは、C1〜C22アルキル、C2〜C22アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C22アリル、C4〜C22アルキルジエニル、C6〜C12アリール、C6〜C20アリールアルキルおよびC2〜C20ヘテロアリールである。
更に好ましい炭素基および炭化水素基は、1〜40個、好ましくは1〜25個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であり、無置換であるか、または、F、Cl、Br、IまたはCNで単置換または多置換されており、ただし、1個以上の隣接していないCH2基は、酸素原子および/または硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、それぞれ互いに独立に、−C(Rx)=C(Rx)−、−C≡C−、−N(Rx)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよい。
Rxは、好ましくは、H、ハロゲン、1〜25個の炭素原子を有する直鎖状、分岐状または環状アルキル鎖(但し、1個以上の隣接していない炭素原子は、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、1個以上の水素原子はフッ素で置き換えられていてもよい)、6〜40個の炭素原子を有する置換されていてもよいアリールまたはアリールオキシ基、または5〜40個の炭素原子を有する置換されていてもよいヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシ基を表す。
「アルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」などは、多価の基、例えば、アルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレンなども包含するものとする。
「アリール」は、芳香族炭素基、またはそれらから誘導される基をいう。「ヘテロアリール」は、1個以上のヘテロ原子を含有する、上の定義の通りの「アリール」をいう。
好ましいアルキル基は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−ヘプチル、シクロヘプチル、n−オクチル、シクロオクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、ドデカニル、トリフルオロメチル、パーフルオロ−n−ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、パーフルオロオクチル、パーフルオロヘキシルなどである。
好ましいアルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルなどである。
好ましいアルキニル基は、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、オクチニルなどである。
好ましいアルコキシ基は、例えば、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、2−メチルブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、n−ウンデシルオキシ、n−ドデシルオキシなどである。
アリールおよびヘテロアリール基は単環であっても、多環であってもよく、即ち、それらは1個の環を有していてもよく(例えば、フェニルなど)、または2個以上の環を有していてもよく、また、2個以上の環は縮合していてもよく(例えば、ナフチルなど)、または、共有結合によって連結されていてもよく(例えば、ビフェニルなど)、または、縮合環および連結環の組み合わせを含有していてもよい。ヘテロアリール基は1個以上のヘテロ原子、好ましくは、O、N、SおよびSeより選択されるヘテロ原子を含有する。
6〜25個の炭素原子を有する単環、二環または三環式アリール基および2〜25個の炭素原子を有する単環、二環または三環式ヘテロアリール基が特に好ましく、これらは縮合環を含有していてもよく、置換されていてもよい。更に、5員、6員または7員のアリールおよびヘテロアリール基が好ましく、但し、1個以上のCH基は、酸素原子および/または硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、窒素原子、硫黄原子または酸素原子で置き換えられていてもよい。
好ましいアリール基は、例えば、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、[1,1’:3’,1”]ターフェニル−2’−イル、ナフチル、アントラセン、ビナフチル、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、テトラセン、ペンタセン、ベンゾピレン、フルオレン、インデン、インデノフルオレン、スピロビフルオレンなどである。
好ましいヘテロアリール基は、例えば、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、セレノフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾールなどの5員環;ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジンなどの6員環;またはインドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、ナフタイミダゾール、フェナントライミダゾール、ピリダイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、ベンゾキサゾール、ナフトキサゾール、アントロキサゾール、フェナントロキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、プテリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、ベンゾイソキノリン、アクリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾピリダジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリジン、フェナントロリン、チエノ[2,3b]チオフェン、チエノ[3,2b]チオフェン、ジチエノチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾチアジアゾチオフェンなどの縮合基;またはこれらの基の組み合わせである。また、ヘテロアリール基は、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、フッ素、フルオロアルキル、または更なるアリールまたはヘテロアリール基で置換されていてもよい。
アリール、ヘテロアリール、炭素基および炭化水素基は、1個以上の置換基を有していてもよく、置換基は、好ましくは、シリル、スルホ、スルホニル、ホルミル、アミン、イミン、ニトリル、メルカプト、ニトロ、ハロゲン、C1〜12アルキル、C6〜12アリール、C1〜12アルコキシ、ヒドロキシル、またはこれらの基の組み合わせを含む群より選択される。
好ましい置換基は、例えば、アルキルまたはアルコキシなどの溶解促進基、フッ素、ニトロまたはニトリルなどの電子求引基、またはポリマーのガラス転移温度(Tg)を上昇させる基であり、特に、例えば、t−ブチルまたは置換されていてもよいアリール基などの嵩高い基である。
より好ましい置換基は、例えば、F、Cl、Br、I、−CN、−NO2、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)N(Rx)2、−C(=O)Y1、−C(=O)Rx、−N(Rx)2であり、式中、Rxは上記の意味を有し、Y1はハロゲン、6〜40個、好ましくは置換されていてもよいシリルまたは6〜20個の炭素原子を有するアリール、および1〜25個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシを表し、ただし、1個以上の水素原子はFまたはClで置き換えられていてもよい。
置換されたシリルまたはアリールは、好ましくは、ハロゲン、−CN、R0、−OR0、−CO−R0、−CO−O−R0、−O−CO−R0または−O−CO−O−R0で置換されていてもよく、R0は上に定義したとおりである。
更に好ましい置換基は、例えば、F、Cl、CN、NO2、CH3、C2H5、OCH3、OC2H5、COCH3、COC2H5、COOCH3、COOC2H5、CF3、OCF3、OCHF2、OC2F5、フェニルである。
好ましい式(12)の化合物は、2個以上の重合性基Pを含有する分岐状の基Raおよび/またはRbおよび/または多官能重合性基を1個以上含有する。このタイプの適切な基、およびそれらを含有する重合性化合物は、例えば、米国特許第7,060,200号明細書または米国特許出願公開第2006/0172090号公報に記載されている。以下の式より選択される多官能重合性基が特に好ましい。
式中、
alkylは、単結合または1〜12個の炭素原子を有する直鎖状または分岐状のアルキレンを表し、但し、1個以上の隣接していないCH2基は、酸素原子および/または硫黄原子が互いに直接連結しないようにして、それぞれ互いに独立に、−C(Rx)=C(Rx)−、−C≡C−、−N(Rx)−、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−で置き換えられていてもよく、1個以上の水素原子はF、ClまたはCNで置き換えられていてもよく、ここで、Rxは上に定義したとおりであり、好ましくは、上に定義したとおりのR0を表し、
aaおよびbbは、それぞれ互いに独立に、0、1、2、3、4、5または6を表し、
Xは、X’に示される意味の1つを有し、
P1〜5は、それぞれ互いに独立に、上でPに示される意味の1つを有する。
重合性化合物は、当業者には公知であり、例えば、Houben−Weyl編、Methoden der organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry]、Thieme−Verlag社、Stuttgart市などの有機化学の標準的な著作に記載される方法に準じて調製される。式Iの重合性アクリレート類およびメタクリレート類の合成は、米国特許第5,723,066号明細書に記載される方法に準じて行うことができる。具体例は実施例で記載する。
最も単純な場合、一般式HO−L−W−(M−Z)i−N−OH(式中、L、M、N、W、Zおよびiは上に定義したとおりである)で表される市販のジオール類、例えば、1−(3−ヒドロキシフェニル)フェニル−3−オールなどを、基Pを含有する対応する酸、酸誘導体、またはハロゲン化化合物、例えば塩化(メタ)アクリロイルまたは(メタ)アクリル酸などを使用して、例えば、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)などの脱水剤の存在下でエステル化またはエーテル化することで合成を行う。
更に好ましい(D)重合性化合物の具体例の一つは、ジビニルベンゼンである。より好ましくは、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン又はそれらの混合物を用いることができる。
[(E)光重合開始剤]
本発明に係る液晶組成物は、任意選択的に、光重合開始剤(E)を含むことができる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
本発明に係る液晶組成物は、任意選択的に、光重合開始剤(E)を含むことができる。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、BASF社製の「イルガキュア651」、「イルガキュア184」、「イルガキュア819」、「イルガキュア907」、「イルガキュア1870」(CGI−403/イルガキュア184=7/3混合開始剤)、「イルガキュア500」、「イルガキュア369」、「イルガキュア1173」、「イルガキュア2959」、「イルガキュア4265」、「イルガキュア4263」、「イルガキュア127」、“OXE01”等;日本化薬製の「カヤキュアーDETX−S」、「カヤキュアーBP−100」、「カヤキュアーBDMK」、「カヤキュアーCTX」、「カヤキュアーBMS」、「カヤキュアー2−EAQ」、「カヤキュアーABQ」、「カヤキュアーCPTX」、「カヤキュアーEPD」、「カヤキュアーITX」、「カヤキュアーQTX」、「カヤキュアーBTC」、「カヤキュアーMCA」等;サートマー社製の“Esacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KTO46,KT37,KIP150,TZT)”等、及びそれらの組み合わせが好ましい例として挙げられる。
[応用例]
本発明に係る液晶組成物は、式[1]の化合物(A)を、好ましくは2−20重量%、より好ましくは3−15重量%、最も好ましくは4−10重量%含む。
本発明に係る液晶組成物は、式[1]の化合物(A)を、好ましくは2−20重量%、より好ましくは3−15重量%、最も好ましくは4−10重量%含む。
本発明に係る液晶組成物は、式[2]の化合物(B)を、好ましくは5−40重量%、より好ましくは10−40重量%、最も好ましくは20−40重量%含む。
本発明に係る液晶組成物は、式[3]の化合物(C)を、好ましくは10−90重量%、より好ましくは20−70重量%、最も好ましくは30−50重量%含む。
本発明に係る液晶組成物が(D)重合性化合物を含む場合、好ましくは5%未満、より好ましくは3%未満、特に好ましくは2%未満の(D)重合性化合物を含む。
本発明に係る液晶組成物が(E)光重合開始剤を含む場合、その含有量は、上記組成物に含まれる重合可能な化合物を重合させ、かつ開始点が増えすぎないように設定するという理由から、組成物中0.5−8質量%が好ましく、1−5質量%がより好ましい。
上記各成分は慣用の手段によって配合し、混合することができる。
本発明に係る液晶組成物は、電気光学用途に好適である。特に、PSA(Polymer Sustained Alignment)技術による液晶ディスプレイ(LCD)における使用に好適であり、PIレスIPS技術による液晶ディスプレイ(LCD)における使用にも好適である。本発明に係る液晶組成物は、液晶セルに封入して、電気光学表示素子とすることができる。
以下に実施例等を参照して本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例等によってなんら制限を受けるものではない。
尚、パーセンテージは重量パーセントである。温度は全て摂氏温度で示される。N-I転移点はネマチック相アイソトロピック相転移温度、Δnは光学異方性(589nm,25℃)を表わす。Δεは誘電率異方性を表す。
尚、パーセンテージは重量パーセントである。温度は全て摂氏温度で示される。N-I転移点はネマチック相アイソトロピック相転移温度、Δnは光学異方性(589nm,25℃)を表わす。Δεは誘電率異方性を表す。
合成例
上記化合物2HFFH3を以下のように合成した。
2−クロル−5−エチルヘキサノンと塩化4−n−プロピルシクロヘキシルマグネシウムをジエチルエーテルあるいはTHF溶媒を用い、塩化亜鉛、銅(II)アセチルアセトナートの存在下に反応させ、通常の処理を行い、4−エチル−4’−n−プロピルビ(シクロヘキサン)−2−オンを得た。
Δn= 0.059 m/z=250
上記化合物2HFFH3を以下のように合成した。
2−クロル−5−エチルヘキサノンと塩化4−n−プロピルシクロヘキシルマグネシウムをジエチルエーテルあるいはTHF溶媒を用い、塩化亜鉛、銅(II)アセチルアセトナートの存在下に反応させ、通常の処理を行い、4−エチル−4’−n−プロピルビ(シクロヘキサン)−2−オンを得た。
Δn= 0.059 m/z=250
ジクロロメタン8mlに上記で得た4−エチル−4’−n−プロピルビ(シクロヘキサン)−2−オン0.5gを溶解し、4℃にてDASTの0.5gを加えた。その後、室温にて38時間撹拌した。その後、トルエン抽出し、シリカゲルカラム処理(ヘプタン/酢酸エチル=5/1)により、化合物2HFFH3を0.2g得た。
Δn=0.062 m/z=272
Δn=0.062 m/z=272
他の上記化合物も、合成例にならって同様にして合成することができる。
実施例1、比較例1
(1)液晶組成物
比較例1として表1に示す組成の液晶組成物を調製した(N−I転移点:73.6℃、Δn=0.1010、Δε=−3.03)。比較例1の液晶組成物100重量部に対し、上記化合物2OBFFO3を5重量部溶解させ、表1に示す組成の実施例1の液晶組成物を調製した。
(1)液晶組成物
比較例1として表1に示す組成の液晶組成物を調製した(N−I転移点:73.6℃、Δn=0.1010、Δε=−3.03)。比較例1の液晶組成物100重量部に対し、上記化合物2OBFFO3を5重量部溶解させ、表1に示す組成の実施例1の液晶組成物を調製した。
(2)応答速度
実施例1及び比較例1の液晶組成物を、ギャップ3μ、ITO電極面積1cm2にVA配向処理を施したガラスセルに充填し、10Vの電圧印加時にUV光(30mW/cm2)を2分間照射し、応答速度(セルの透過光量が0%から50%までに変化した時間)を測定した。結果を表1に示す。
実施例1及び比較例1の液晶組成物を、ギャップ3μ、ITO電極面積1cm2にVA配向処理を施したガラスセルに充填し、10Vの電圧印加時にUV光(30mW/cm2)を2分間照射し、応答速度(セルの透過光量が0%から50%までに変化した時間)を測定した。結果を表1に示す。
表1に示されるとおり、本発明によれば、応答速度が改善された液晶組成物を得ることができる。
実施例2、比較例2
(1)液晶組成物
比較例2として表2に示す組成の、重合性化合物Aを含む液晶組成物を調製した。比較例2の液晶組成物100重量部に対し、上記化合物2OBFFO3を6重量部溶解させ、表2に示す組成の実施例2の液晶組成物を調製した。
(1)液晶組成物
比較例2として表2に示す組成の、重合性化合物Aを含む液晶組成物を調製した。比較例2の液晶組成物100重量部に対し、上記化合物2OBFFO3を6重量部溶解させ、表2に示す組成の実施例2の液晶組成物を調製した。
(2)応答速度
実施例2及び比較例2の液晶組成物を、ギャップ3μ、ITO電極面積1cm2にVA配向処理を施したガラスセルに充填し、10Vの電圧印加時にUV光(30mW/cm2)を2分間照射し、応答速度(セルの透過光量が0%から50%までに変化した時間)を測定した。結果を表2に示す。
実施例2及び比較例2の液晶組成物を、ギャップ3μ、ITO電極面積1cm2にVA配向処理を施したガラスセルに充填し、10Vの電圧印加時にUV光(30mW/cm2)を2分間照射し、応答速度(セルの透過光量が0%から50%までに変化した時間)を測定した。結果を表2に示す。
(3)PSA用液晶セル作製工程
一対のITO電極を有するガラス基板を2枚用意し、それぞれの片面にポリイミド系垂直配向膜を塗布し、90℃で5分間の仮焼成、続いて200℃で40分間の本焼成を行った。続いて、一方の基板上にシールを描画した。シール剤はUVと熱で硬化するタイプを用いた。続いて、その基板上に、重合性化合物Aを含む実施例2の液晶組成物を滴下した後、他方の基板を貼り合せてから100℃のオーブン中で40分間放置し、シールを完全に硬化させて液晶セルとした。続いて、重合性化合物Aの重合によりポリマー層の形成を行うため、液晶セルに10Vの矩形波電圧(60Hz)を印加し、紫外線照射を30分間行った。紫外光は、株式会社東芝製のブラックライト「FHF−32BLB」を用いて発生させた。以上の工程によりPSA用液晶セルを作製した。本発明に属しない液晶組成物(比較例2)を用いて、同様の工程で比較例用PSA用液晶セルを作製した。
一対のITO電極を有するガラス基板を2枚用意し、それぞれの片面にポリイミド系垂直配向膜を塗布し、90℃で5分間の仮焼成、続いて200℃で40分間の本焼成を行った。続いて、一方の基板上にシールを描画した。シール剤はUVと熱で硬化するタイプを用いた。続いて、その基板上に、重合性化合物Aを含む実施例2の液晶組成物を滴下した後、他方の基板を貼り合せてから100℃のオーブン中で40分間放置し、シールを完全に硬化させて液晶セルとした。続いて、重合性化合物Aの重合によりポリマー層の形成を行うため、液晶セルに10Vの矩形波電圧(60Hz)を印加し、紫外線照射を30分間行った。紫外光は、株式会社東芝製のブラックライト「FHF−32BLB」を用いて発生させた。以上の工程によりPSA用液晶セルを作製した。本発明に属しない液晶組成物(比較例2)を用いて、同様の工程で比較例用PSA用液晶セルを作製した。
(4)電圧保持率(VHR)測定
上記PSA用液晶セルのVHR測定を行った。測定は、紫外光照射によるポリマー層形成前後で行った。用いた装置及び測定条件は以下のとおりである。
装置:株式会社東陽テクニカ製6254型VHR測定システム
測定条件:5V印加、フレーム期間:16.6ms、70℃
結果を表2に示す。
上記PSA用液晶セルのVHR測定を行った。測定は、紫外光照射によるポリマー層形成前後で行った。用いた装置及び測定条件は以下のとおりである。
装置:株式会社東陽テクニカ製6254型VHR測定システム
測定条件:5V印加、フレーム期間:16.6ms、70℃
結果を表2に示す。
表2に示されるとおり、本発明によれば、応答速度が改善された液晶組成物を得ることができる。また、本発明に係る液晶組成物は、ポリマー層形成のための紫外線照射を行っても、VHRの低下もない。
本発明により、ポリマー層形成のための紫外線照射を行ってもVHRの低下を起こさない液晶組成物、及びそのような液晶組成物を用いた誘電異方性が高く、応答速度の速い液晶ディスプレイの提供が可能となった。
Claims (12)
- 更に、
(D) 重合性化合物
を含有する、請求項1に記載の液晶組成物。 - 更に、
(E) 光重合開始剤
を含有する、請求項2に記載の液晶組成物。 - 式[1]の化合物(A)を2−20重量%含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶組成物。
- 式[2]の化合物(B)を5−40重量%含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶組成物。
- 式[3]の化合物(C)を10−90重量%含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶組成物。
- 5%未満の重合性化合物(D)を含む、請求項2に記載の液晶組成物。
- 0.5−8質量%の光重合開始剤(E)を含む、請求項3に記載の液晶組成物。
- IPS技術又はVA技術による液晶ディスプレイ用である、請求項1に記載の液晶組成物。
- PSA技術による液晶ディスプレイ用である、請求項2に記載の液晶組成物。
- 光照射した請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液晶組成物を含む液晶ディスプレイ。
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---|---|---|---|---|
JP2020084179A (ja) * | 2018-11-15 | 2020-06-04 | Jnc株式会社 | ネマチック液晶組成物、これを用いたスイッチングプレートおよび表示パネル |
-
2018
- 2018-01-25 JP JP2018010650A patent/JP2019127540A/ja active Pending
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