JP2019126353A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】特典を付与するかを決定するタイミングと、遊技に関する演出とを関連付けることで、内部当籤役の報知をはじめとした特典付与の決定結果に関する演出をよりいっそう多様にした遊技機を提供する。【解決手段】パチスロ機のメインCPUは、スタートレバーの操作を検出し、さらに、ウェイト処理、遊技開始時ロック処理、及びリール回転開始処理を実行した後に、内部抽籤処理を実行する。そして、スタートレバーの操作タイミングが上記待機時間に達した後のタイミングである場合、内部抽籤処理が実行済である。そこで、メインCPUは、内部抽籤結果の報知を実行可能とする。【選択図】図145

Description

本発明は、パチスロ機などの遊技機に関する。
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、所定の契機に基づいて乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
これまで、役の抽籤は、主に、開始操作をスタートスイッチにより検出することを契機として行われる。その他、特許文献1のように、予め設定された複数の抽籤タイミングから1つの抽籤タイミングを選択する手段と、選択された抽籤タイミングで行われた抽籤により内部状態を決定する手段とを設けることも提案されている。具体的に、遊技機の制御手段は、乱数抽出を、(ア)ウェイトタイマが4.1秒に達したとき、(イ)メダルが投入されたとき、(ウ)始動レバーが有効であり、かつ、始動レバーが操作されたときの3回行う。そして、制御手段は、いずれのタイミングで抽出した乱数を用いるかを選択し、選択された乱数を用いて内部当籤役を決定する。
特開2003−236051号公報
特許文献1に記載の構成では、複数の抽籤タイミングのいずれで内部状態を決定するための抽籤(乱数値の取得)が行われるかが不明であるため、当りとなる乱数値を遊技者が狙い定めて取得することが困難となる。しかしながら、特許文献1に記載の構成では、役の抽籤タイミングを工夫することで、内部当籤役の報知をはじめとした遊技に関する演出の多様性を高めているとはいえず、役の抽籤タイミングと、遊技に関する演出とを関連付けることで、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供できる余地がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、特典を付与するかを決定するタイミングと、遊技に関する演出とを関連付けることで、内部当籤役の報知をはじめとした特典付与の決定結果に関する演出をよりいっそう多様にした遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、
複数の図柄を変動表示及び停止表示することが可能な複数の図柄表示部と(例えば、リール3L,3C,3R、リール表示窓4)、
遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ79)、
一の単位遊技の前の単位遊技において前記複数の図柄の変動表示が開始されてから経過した経過時間が所定時間に達していない場合、前記経過時間が前記所定時間に達するまで待機する待機手段と(例えば、ウェイト処理及び遊技開始時ロック処理を実行可能な主制御回路91)、
前記経過時間が前記所定時間に達した場合に、前記図柄を変動表示させる図柄変動手段と(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)、
特典を付与するかを決定する特典付与決定手段と(例えば、主制御回路91)、
演出を実行可能な演出手段と(例えば、情報表示器14)、
前記演出手段での演出を制御する演出制御手段と(例えば、情報表示器14での演出を制御する主制御回路91)、
を備え、
前記特典付与決定手段は、前記図柄変動手段による前記図柄の変動表示が開始した場合に、前記特典を付与するかを決定可能であり、
前記演出制御手段は、前記経過時間が所定時間に達し、前記図柄の変動表示が開始した場合に前記特典付与決定手段によって決定される結果の報知を実行可能である、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典付与決定手段は、開始操作検出手段による開始操作の検出が行われた場合とは異なり、一の単位遊技の前の単位遊技において複数の図柄の変動表示が開始されてから経過した経過時間が所定時間に達するまでの待機手段による待機が終わり、図柄変動手段による前記図柄の変動表示が開始した場合に、特典付与に関する決定を行うことができる。
そして、演出制御手段は、開始操作が検出されたときに経過時間が所定時間に達していない場合、特典付与決定手段による決定の結果が未だ出ていないため、特典付与決定手段による決定の結果を報知することはできない。それに対し、開始操作が検出されたときに経過時間が所定時間に達している場合、経過時間が所定時間に達することで、図柄変動手段による図柄の変動表示が行われ、特典付与決定手段による決定の結果が出ているため、特典付与決定手段による決定の結果の報知を実行可能である。
このように、待機手段による待機を、特典付与決定手段による特典付与の有無の決定に先立って実行し、待機手段による待機が行われ、図柄変動手段による図柄の変動表示が開始した場合に、特典付与決定手段による特典付与の有無の決定することで、所定時間が経過するまでの間、開始操作を行うことなく待機することで、開始操作を行うタイミングと略同時期に決定された、特典付与決定手段による決定の結果の報知を即時に受けるパターンと、所定時間が経過するまでの間に開始操作を行い、開始操作を行ってから、所定時間が経過するまで待機してから特典付与決定手段による決定の結果の報知を受けるパターンとの2パターンの遊技性を提供することが可能となる。
このような遊技機によれば、所定時間が経過するまでの間、開始操作を行わずに待機したり、待機しなかったりを遊技者の判断で決めることができ、それによって、特典付与決定手段による決定の結果の報知を即時に受けるパターンと、開始操作を行ってから、所定時間が経過するまで待機してから特典付与決定手段による決定の結果の報知を受けるパターンとに変化させることができる。よって、特典を付与することの決定タイミングと、遊技に関する演出が実行されるタイミングとを関連付けることで、特典付与決定手段による決定の結果の報知をはじめとした遊技に関する演出をよりいっそう多様にした遊技機を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機において、
前記所定時間を決定する所定時間決定手段をさらに備え、
前記待機時間は、前記経過時間が前記所定時間決定手段により決定された所定時間に達するまで待機する、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、待機時間に長短をつけることができ、所定時間が経過するまで待機したと思っていたのに、実際には待機しておらず、開始操作を行うタイミングと略同時期に決定された内部当籤役の報知を即時に受けることができなかったり、所定時間が経過するのを待ちきれず、実際には所定時間が経過していないと思っていたのに、実際には所定時間が経過するまで待機しており、開始操作を行うタイミングと略同時期に決定された内部当籤役の報知を即時に受けることができたり、ということがあり得る。そのため、遊技によりいっそうの多様性を付加することができる。
本発明によれば、特典を付与することの決定を行うタイミングと、遊技に関する演出が実行されるタイミングとを関連付けることで、内部当籤役の報知をはじめとした遊技に関する演出をよりいっそう多様にした遊技機を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るパチスロ機の機能フローを示す図である。 上記パチスロ機の外観構造を示す図である。 上記パチスロ機の情報表示器を示す図である。 上記パチスロ機が備える回路の全体構成を示すブロック図である。 上記パチスロ機の主制御回路の内部構成を示すブロック図である。 上記パチスロ機の副制御回路の内部構成を示すブロック図である。 上記パチスロ機の割合表示器を示す図である。 上記パチスロ機の遊技状態の遷移フローを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される図柄配置テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される図柄組合せテーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される図柄組合せテーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される図柄組合せテーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される内部抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機における内部当籤役と停止表示可能な図柄組合せとの対比表を示す図である。 上記パチスロ機における内部当籤役と停止表示可能な図柄組合せとの対比表を示す図である。 上記パチスロ機における内部当籤役と停止表示可能な図柄組合せとの対比表を示す図である。 上記パチスロ機における内部当籤役と停止表示される図柄組合せとの対応関係を示す図である。 上記パチスロ機の報知の有無に関する遊技状態の遷移フローを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される抽籤用フラグ決定テーブルを示す図である。 上記パチスロ機における表モードを説明するための図である。 上記パチスロ機に記憶される表モード移行抽籤用番号決定テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される表モード移行抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機における通常遊技状態中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるCZ抽籤用番号決定テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される通常中CZ抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるART抽籤用番号決定テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるART抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される前兆ゲーム数抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるCZ前兆中CZ昇格抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるART前兆中上乗せゾーン抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機におけるCZ中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるCZ中ART抽籤用番号決定テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるCZ中ART抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるバトルゲーム数抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される特殊CZ中上乗せゾーン抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機における通常ART中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される上乗せ抽籤用番号決定テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される通常ART中上乗せゾーン抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるART中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される上乗せゲーム数抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される解除モード移行抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される解除抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機における上乗せゾーン1,2中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機における上乗せゾーン1,2中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される上乗せゾーンレベル抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるイベントマス抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される上乗せゾーン1,2中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるボーナス入賞時上乗せゾーン昇格抽籤テーブル、上乗せゾーン2終了抽籤テーブル、上乗せゾーン1終了時復活ストック抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機における上乗せゾーン3中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される継続率抽籤テーブル、保証ストック抽籤テーブル、1セットゲーム数抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される上乗せゾーン3中上乗せゲーム数抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機における裏モードを説明するための図である。 上記パチスロ機に記憶される裏モード加算値抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるボーナス入賞時ART抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機におけるボーナス状態中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるBB中ART抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される特殊BB中上乗せゲーム数抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機におけるメイン側の報知内容、及びメイン側の報知とサブ側の報知との対応関係を示す図である。 上記パチスロ機における演出の一例を示す図である。 上記パチスロ機におけるメニュー画面の一例を示す図である。 上記パチスロ機におけるキャラクタカスタマイズ画面の一例を示す図である。 上記パチスロ機におけるタッチ操作モードの概要を示す図である。 上記パチスロ機におけるボタン操作モードの概要を示す図である。 上記パチスロ機におけるカスタマイズ可能な組合せの対応表を示す図である。 上記パチスロ機における遊技履歴画面の一例を示す図である。 上記パチスロ機に記憶される裏モード吸収演出抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される裏モード吸収演出抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される裏モード示唆演出抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機におけるサブ側での裏モードの管理方法を示す図である。 上記パチスロ機におけるサブ側での上乗せゾーン1,2中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機における通常BB中の表示例を示す図である。 上記パチスロ機における特殊BB中の表示例を示す図である。 上記パチスロ機における通常BB開始時の表示例を示す図である。 上記パチスロ機のメイン制御処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のスタート時状態別制御処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の表モード移行処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のスタート時通常中処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のスタート時CZ前兆中処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のスタート時CZ中処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の通常CZ処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の特殊CZ処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のスタート時ART前兆中処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のスタート時ART中処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の通常ART処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の上乗せゾーン1,2処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のイベントマス制御処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のイベントマス制御処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の上乗せゾーン3処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のスタート時ボーナス中処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のリール停止初期設定処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のリール停止制御処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のボーナス終了チェック処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のボーナス作動チェック処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のRT作動チェック処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の終了時状態別制御処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の終了時上乗せゾーン1,2中処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の終了時上乗せゾーン1,2中処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の終了時上乗せゾーン3中処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のメインCPUの制御による割込処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の主基板通信タスクを示すフローチャートである。 上記パチスロ機のナビエラー時保険処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のナビエラー時保険処理の流れを示す図である。 第1の変形例のパチスロ機におけるCZやART遊技状態への移行抽籤の概要を示す図である。 第2の変形例のパチスロ機に記憶される遊技ロック抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるロック時の演出抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機のメイン制御処理を示すフローチャートである。 図106に続くフローチャートである。 上記パチスロ機の遊技ロック抽籤処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の遊技開始ロック処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のリール演出処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機における遊技ロックでの演出の一例を示す図である。 上記パチスロ機における遊技ロックでの演出の他の一例を示す図である。 第3の変形例のパチスロ機におけるサブRAM103のサブRAM103に設けられる音データ送出チャンネルの概略構成を示す図である。 第3の変形例における遊技情報提供システムの概略模式図である。 上記パチスロ機のユニメモ管理タスクを示すフローチャートである。 上記パチスロ機のユニメモメニュー表示要求を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の主基板通信タスクを示すフローチャートである。 上記パチスロ機の定期割込処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の音データセット処理を示すフローチャートである。 図119に続くフローチャートである。 第4の変形例のパチスロ機に記憶される演出グループ抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるバトル演出抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機のメダル受付・スタートチェック処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の主基板通信タスクを示すフローチャートである。 上記パチスロ機のスタートコマンド受信時処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のリール停止コマンド受信時処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のメダル投入コマンド受信時処理を示すフローチャートである。 第5の変形例のパチスロ機における通常状態中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機におけるART遊技状態中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるART抽籤用番号決定テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるART抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される停止情報報知フラグ抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機のスタート時通常中処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のスタート時ART中処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の第1の通常ART更新処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の第2の通常ART更新処理を示すフローチャートである。 第6の変形例のパチスロ機に記憶される保留メダル演出抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機の副制御回路に設けられるメダル保留演出情報格納領域を示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるキャラクタ抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機の主基板通信タスクを示すフローチャートである。 上記パチスロ機のメダル投入コマンド受信時処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のスタートコマンド受信時処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機におけるメダル保留演出の一例を示す図である。 第7の変形例のパチスロ機に記憶される通常遊技状態・チャンスゾーン用遊技ロック時間抽籤テーブルを示す図である。 上記パチスロ機のメイン制御処理を示すフローチャートである。 図106に続くフローチャートである。 上記パチスロ機のウェイト処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の遊技開始時ロック処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の情報表示処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の次ゲーム遊技ロック時間抽籤処理を示すフローチャートである。 第8の変形例のパチスロ機に記憶される上乗せ抽籤用番号決定テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶されるART中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブルを示す図である。 上記パチスロ機に記憶される上乗せゲーム数報知決定テーブルを示す図である。 上記パチスロ機における初期表示と上乗せゲーム数の期待との関係を示す図である。 上記パチスロ機の主基板通信タスクを示すフローチャートである。 上記パチスロ機のスタートコマンド受信時処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機における上乗せゾーン中の演出の一例を示す図である。 第9の変形例のパチスロ機の電源投入時の初期化処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のメダル受付・スタートチェック処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の特定操作検知処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の主基板通信タスクを示すフローチャートである。 上記パチスロ機の特定操作コマンド受信時処理を示すフローチャートである。 第10の変形例のパチスロ機における上乗せゾーン3中の遊技の流れを示す図である。 上記パチスロ機の上乗せゾーン3処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のRT作動チェック処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の主基板通信タスクを示すフローチャートである。 上記パチスロ機のスタートコマンド受信時処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機のART中処理(サブ)を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の上乗せゾーン1,2処理(サブ)を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の上乗せゾーン3処理(サブ)を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の単位遊技終了コマンド受信時処理を示すフローチャートである。 第11の変形例のパチスロ機に記憶されるリミッタ作動時専用表モード移行抽籤用番号決定テーブルを示す図である。 上記パチスロ機の表モード移行処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機の入賞判別メダル払出処理を示すフローチャートである。 上記パチスロ機における終了時状態別制御処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を示す遊技機としてパチスロ機を例に挙げ、図面を参照しながら、その構成及び動作について説明する。
[機能フロー]
まず、図1を参照して、パチスロ機の機能フローについて説明する。本実施形態のパチスロ機では、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。また、遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し所定の付与条件が成立した場合に獲得ポイント等、電子データとして特典を付与する封入式の遊技機に適用することも可能である。
遊技者によりパチスロ機にメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値という)が抽出される。
内部当籤役決定手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部当籤役決定手段は、後述する主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。内部当籤役の決定により、後述の有効ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出しが行われる小役、再遊技(リプレイ)の作動が行われるリプレイ、ボーナスの作動が行われるボーナス役などのように特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外の所謂「ハズレ」に係るものとが設けられる。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。
パチスロ機では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、最大滑り駒数を図柄1個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第二種特別役物であるチャレンジボーナス(以下、「CB」という)及び「CB」を連続して作動させる「MB」(ミドルボーナス)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1駒分)内に、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
なお、本実施の形態では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタン19L、19C、19Rの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段もまた、後述する主制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロ機では、以上のような一連の流れが1回の遊技(単位遊技)として行われる。
また、パチスロ機では、上述した一連の遊技動作の流れの中で、液晶表示装置などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
具体的には、スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値という)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が備える各種処理手段(処理機能)の一つである。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機では、例えば、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[パチスロ機の構造]
次に、図2を参照して、本実施形態におけるパチスロ機の構造について説明する。
<外観構造>
図2は、パチスロ機1の外部構造を示す斜視図である。
パチスロ機1は、図2に示すように、外装体2を備える。外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネットと、キャビネットに対して開閉可能に取り付けられるフロントドアとを有する。
キャビネットの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられる。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rともいう。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有する。シート材の表面には、複数(例えば20個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドアの中央よりも上側には、上パネルユニット10と、液晶表示装置11とが設けられる。上パネルユニット10は、フロントドアの上端領域に設けられ、液晶表示装置11は、上パネルユニット10の下側に配置される。上パネルユニット10は、光源を有し、該光源から射出される光による演出を実行する。また、液晶表示装置11は、映像の表示による演出を実行する。また、上パネルユニット10の略中央部分には、球体役物12が設けられる。球体役物12は、光源を有し、該光源から射出される光による演出を実行する。
また、液晶表示装置11の表示面には、タッチセンサ111を設けられ、タッチセンサ111を介して受け付けた遊技者の操作に応じて表示が切り替え可能になっている。タッチセンサ111は、静電容量方式などの所定の動作原理に従い動作し、遊技者のタッチ操作を受け付けると、タッチ入力情報として当該操作に応じた信号を出力する。液晶表示装置11は、タッチセンサ111から出力されるタッチ入力情報に基づいて副制御基板72(図4参照)により制御される。本実施形態のパチスロ機1では、液晶表示装置11の表示面の全面をカバーするようにタッチセンサ111が設けられているため、液晶表示装置11の全面がタッチパネルとして機能する。
フロントドア2bの中央には、台座部13が設けられる。台座部13には、枠部材5と、遊技者の操作対象となる各種装置とが設けられる。
枠部材5は、図柄表示領域4と、ストップボタン取付部15とを有する。図柄表示領域4は、図2に示すように、枠部材5の開口部に設けられ、ストップボタン取付部15は、枠部材5の開口部の下部に設けられる。
図柄表示領域4は、正面(遊技者側)から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する領域で、かつ、3つのリール3L,3C,3Rより手前側(遊技者側)に配置される。図柄表示領域4は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後(キャビネット側)に配置された3つのリール3L,3C,3Rが透過して視認できる構成になっている。それゆえ、以下では、図柄表示領域4を、リール表示窓4という。
リール表示窓4は、その背後に設けられた3つのリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、各リールの周面に設けられた複数の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄がその枠内に表示されるように構成されている。リール表示窓4には、右上り斜めのクロスアップライン、上段のトップライン、中段のセンターライン、下段のボトムライン及び右下がり斜めのクロスダウンラインが表示されている。
リール表示窓4は、リール表示窓4の枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)が表示される。そのため、リール表示窓4は、3×3の図柄が表示される。リール表示窓4に表示されるクロスアップライン〜クロスダウンラインの5本のラインは、リール表示窓4が表示する3×3の図柄を直線的に結ぶラインである。
本実施形態では、これら5本のラインのうちのクロスアップラインが有効ラインであり、クロスアップラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、入賞の判定が行われる。一方、クロスアップライン以外の4本のラインは、入賞の判定に用いられることのない疑似的なラインである。
有効ライン(クロスアップライン)は、後述のMAXベットボタン21を操作すること、又はメダル投入口20にメダルを投入することにより有効化される。ここで、MAXベットボタン21を操作することと、メダルを投入することとは同義である。したがって、例えば「メダルの投入枚数」という場合には、上述のMAXベットボタン21の操作によるBET枚数と実際にメダル投入口20に投入された投入枚数のいずれも含まれる。
リール表示窓4は、透明の窓カバー16によって覆われている。窓カバー16は、枠部材5の内面側に配置されており、フロントドアの前面側から取り外し不可能な構成になっている。
また、枠部材5は、シート載置部17を有する。そして、シート載置部17と窓カバー16との間には、遊技に関する情報が記載されたシート部材(情報シート)が配置される。したがって、情報シートは、凹凸や隙間の無い滑らかな表面を有する窓カバー16により覆われており、窓カバー16は情報シートの取付部となる。
上述のように、本実施形態のパチスロ機1では、窓カバー16は、フロントドアの前面側から取り外し不可能であり、かつ、凹凸や隙間の無い滑らかな表面を有するので、情報シートの取付部を介してパチスロ機1の内部にアクセスする不正行為を防ぐことができる。
ストップボタン取付部15は、面形状が略台形の平板部材で構成される。そして、ストップボタン取付部15は、リール表示窓4の下方に設けられ、かつ、略台形状の面が正面(遊技者側)に向くように設けられている。ストップボタン取付部15の略台形状の面には、3つのストップボタン19L,19C,19Rがそれぞれ貫通する3つの貫通孔が横並びに設けられる。
3つのストップボタン19L,19C,19Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられ、各ストップボタンは、対応するリールの回転を停止するために設けられる。これらのストップボタン19L,19C,19Rは、遊技者の操作対象となる各種装置の一つである。なお、以下では、ストップボタン19L,19C,19Rを、それぞれ左ストップボタン19L、中ストップボタン19C、右ストップボタン19Rともいう。
また、台座部13には、遊技者の操作対象となる各種装置として、ストップボタン以外に、メダル投入口20、MAXベットボタン21及びスタートレバー23が設けられる。
メダル投入口20は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口20から受け入れられたメダルは、予め設定された枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、予め設定された枚数を超えた分は、パチスロ機1の内部に預けることができる。すなわち、パチスロ機1は、所謂クレジット機能を有する。
MAXベットボタン21は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。また、スタートレバー23は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。
また、正面から見て、フロントドアのリール表示窓4の左側部には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる情報表示器14と、操作ボタン22とが設けられる。情報表示器14は、後述の主制御基板71に接続され、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数という)、パチスロ機1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数という)等の情報をデジタル表示する。操作ボタン22は、遊技者に押下されるボタンであり、後述の副制御基板72に接続される。操作ボタン22の押下の検出及びそれに基づく選択操作の制御は副制御基板72により行われる。操作ボタン22は、十字キー及び決定ボタンを含み、遊技者が十字キーを操作すると、後述する選択カーソルが操作された方向に移動し、遊技者が決定ボタンを操作すると、選択カーソルが指し示している項目が選択(決定)される。
フロントドアの台座部13の両側には、それぞれサイドパネルユニット26L,26Rが設けられる。各サイドパネルユニットは、光源を有しており、光源から射出される光による演出を実行する。また、左側のサイドパネルユニット26Lの下方には、精算ボタン27が設けられる。精算ボタン27は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
フロントドアの台座部13の下方には、腰部パネルユニット31が設けられる。腰部パネルユニット31は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を射出する光源とを有する。
腰部パネルユニット31の下方には、メダル払出口32と、スピーカ用孔33L,33Rと、メダルトレイユニット34とが設けられる。メダル払出口32は、後述のホッパー装置51(メダル払出装置)の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダルトレイユニット34は、メダル払出口32から排出されたメダルを貯める。フロントドアの内部には、スピーカ用孔33L,33Rと対向する位置に、スピーカ65L,65Rが配設される。スピーカ65L,65Rから出力される演出内容に対応する効果音や楽曲等の音は、スピーカ用孔33L,33Rを介して遊技者側に出力される。
<情報表示器>
次に、図3を参照して、情報表示器14の構成について説明する。図3に示すように、情報表示器14は、インサートランプ141と、スタートランプ142と、リプレイランプ143と、ベット数ランプ144と、クレジットランプ145と、払出枚数ランプ146と、指示モニタ147と、リミットランプ148とを含んで構成される。
インサートランプ141は、点灯(又は点滅(以下省略))することでメダルの投入が可能であることを遊技者に対して報せ、スタートランプ142は、点灯することでスタートレバー6の操作に伴い遊技の開始が可能であることを遊技者に対して報せ、リプレイランプ143は、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを遊技者に対して報せる。また、ベット数ランプ144は、点灯することでベットされたメダルの枚数を遊技者に報せ、クレジットランプ145は、点灯することでパチスロ機1の内部に貯留されているメダルの枚数(クレジット数)を遊技者に対して報せ、払出枚数ランプ146は、点灯することで遊技の結果により払い出されたメダルの枚数(払出枚数)を遊技者に対して報せる。
また、指示モニタ147は、報知ランプ147aと、状態表示器147b(ATランプ)と、を含んで構成される。報知ランプ147aは、例えば、7セグメントLEDにより構成され、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で点灯することで、必要な停止操作の情報を遊技者に対して報せる。また、状態表示器147bは、点灯することで、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する遊技状態(例えば、ART遊技状態(図18参照))であることを遊技者に対して報せる。
ここで、後述するように、本実施形態では、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設けている。報知ランプ147aにおいて報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様とは、例えば、押し順「左、中、右」を報知する場合に「1」を表示し、押し順「左、右、中」を報知する場合に「2」を表示するといったことである。なお、報知ランプ147aにおける停止操作の情報の報知の詳細は、図58で後述する。
後述の図4に示すように、情報表示器14は、ドア中継端子板68を介して主制御基板71により制御される。ここで、パチスロ機1では、主制御基板71により制御される報知ランプ147aに加えて、副制御基板72により制御される他の手段を用いて停止操作の情報を報知することとしてもよく、例えば、上述の液晶表示装置11において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
この場合において、報知ランプ147aにおける報知の態様と、その他の手段における報知の態様とは、異なる態様であってもよい。すなわち、報知ランプ147aでは、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない(例えば、報知ランプ147aにおいて「1」と表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もあり、直接的な報知とは言えない)。これに対して、その他の手段における報知では、停止操作の情報を直接的に報知することとしてもよい。例えば、押し順「左、中、右」を報知する場合に、報知ランプ147aでは報知する押し順に一義的に対応する「1」を表示する一方で、その他の手段(液晶表示装置11)では、第1停止操作を左のリール3Lに対して行い、第2停止操作を中のリール3Cに対して行い、第3停止操作を右のリール3Rに対して行うことを直接的に報知することとしてもよい。
このように本実施形態のパチスロ機1では、副制御基板72の制御だけでなく、主制御基板71の制御によっても、内部当籤役に応じた必要な停止操作の情報を報知することができる。もちろん、停止操作の情報の報知は、遊技状態に応じて制御されることとしてもよい。より具体的には、後述の通常遊技状態(非ART)では停止操作の情報を報知することなく、後述のART遊技状態(図18参照)において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、クレジットランプ145及び払出枚数ランプ146とは別に報知ランプ147aを設けているが、報知ランプ147aを設けることなく、クレジットランプ145又は払出枚数ランプ146のいずれかを用いて、停止操作の情報を報知することとしてもよい。
インサートランプ141〜状態表示器147bは、背面に設けられたLED(図示せず)により点灯、点滅、消灯する。パチスロ機1では、主制御基板71がこのLEDの点灯、点滅、消灯を制御することで、遊技に関する各種の情報を遊技者に対して報せる。
<パチスロ機が備える制御系>
次に、パチスロ機1が備える制御系について、図4を参照して説明する。図4は、パチスロ機1の制御系の構成を示す回路ブロック図である。
パチスロ機1は、主制御基板71と副制御基板72とを有する。また、パチスロ機1は、主制御基板71に接続された、リール中継端子板74、設定用鍵型スイッチ56、割合表示器58、キャビネット側中継基板44及び電源装置53を有する。さらに、パチスロ機1は、キャビネット側中継基板44を介して主制御基板71に接続された外部集中端子板47、ホッパー装置51及びメダル補助収納庫スイッチ75を有する。
リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。リール中継端子板74は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
設定用鍵型スイッチ56は、遊技者に付与される利益の大きさを設定するために設けられた複数の設定値の中から、いずれかの設定値を設定するとき、又はパチスロ機1に設定されている設定値の確認を行うときに使用される。
割合表示器58は、主制御基板71に接続され、主制御基板71から出力される信号に基づいて特定区間割合や役物割合等の各種割合を表示する。なお、割合表示器58の構成、及び割合表示器58に表示される各種割合の詳細については、図5を参照して後述する。
キャビネット側中継基板44は、主制御基板71と、外部集中端子板47、ホッパー装置51及びメダル補助収納庫スイッチ75とを電気的に接続するための中継基板である。外部集中端子板47は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号などの信号をパチスロ機1の外部へ出力するために設けられる。
ホッパー装置51は、多量のメダルを収容可能であり、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパー装置51は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、又は、精算ボタン27が押下されてメダルの精算が行われるときに、メダルを払い出す。ホッパー装置51によって払い出されたメダルは、メダル払出口32(図2参照)から排出される。
メダル補助収納庫スイッチ441は、メダル補助収納庫(不図示)がメダルで満杯になっているか否かを検出する。なお、メダル補助収納庫は、ホッパー装置51から溢れ出たメダルを収納する。
電源装置53は、主制御基板71に接続された電源基板53bと、電源基板53bに接続された電源スイッチ53aとを有する。電源スイッチ53aは、パチスロ機1に必要な電源を供給するときに押下され、電源スイッチ53aが押下されると、電源装置53は、交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換し、該変換した電力を各部へ供給する。
また、パチスロ機1は、ドア中継端子板68、並びに、該ドア中継端子板68を介して、主制御基板71に接続された、セレクタ66、ドア開閉監視スイッチ67、BETスイッチ77、精算スイッチ78、スタートスイッチ79、ストップスイッチ基板80、遊技動作表示基板81及び副中継基板61を有する。
セレクタ66は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口20に投入された適正なメダルをホッパー装置51へ案内する。セレクタ66内においてメダルが通過する経路上には、図示しないが、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(投入操作検出手段)が設けられる。
ドア開閉監視スイッチ67は、パチスロ機1の外部へ、フロントドアの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。BETスイッチ77は、MAXベットボタン21が遊技者により押下されたことを検出する。精算スイッチ78は、精算ボタン27が遊技者により押下されたことを検出する。スタートスイッチ79(開始操作検出手段)は、スタートレバー23が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板80(停止操作検出手段)は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路とを備える。また、ストップスイッチ基板80には、ストップスイッチが設けられる。ストップスイッチは、各ストップボタン19L,19C,19Rが遊技者により押下されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板81は、情報表示器14に接続され、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき、及び、再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を情報表示器14に表示させるための基板である。また、遊技動作表示基板81には、各種のLEDが接続される。これらLEDは、例えば、遊技動作表示基板81から入力される信号に基づいて、情報表示器14に設けられた遊技開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板72は、ドア中継端子板68及び副中継基板61を介して主制御基板71に接続される。また、パチスロ機1は、副中継基板61を介して副制御基板72に接続された、サウンドI/O基板83、LED基板84、タッチセンサ111及び操作ボタン203を有する。なお、タッチセンサ111及び操作ボタン203については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
サウンドI/O基板83は、スピーカ65L,65Rや図示しない各種スピーカなどからなるスピーカ群に音声の出力を行う。LED基板84は、副制御基板72により制御される各種のLED群85を発光させて、これら各種のLED群85を演出に応じてパターンで点灯、点滅、消灯させる。
また、パチスロ機1は、副制御基板72に接続された、ロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87を有する。なお、ロムカートリッジ基板86及び液晶中継基板87は、副制御基板72とともに副制御基板ケース57に収納されている。
ロムカートリッジ基板86は、演出用の画像(映像)、音声、光及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板87は、副制御基板72及び液晶表示装置11間の接続配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板71に実装される主制御回路91の構成について、図5を参照して説明する。図5は、パチスロ機1の主制御回路91の構成例を示すブロック図である。
主制御回路91は、主に、主制御基板71に実装されたマイクロコンピュータ92により構成される。マイクロコンピュータ92は、メインCPU93、メインROM94及びメインRAM95により構成される。
メインROM94には、メインCPU93により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路101に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。また、メインROM94には、単位遊技に係る最少の遊技時間が複数記憶される。
メインRAM95には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU93には、クロックパルス発生回路96、分周器97、乱数発生器98及びサンプリング回路99が接続される。クロックパルス発生回路96及び分周器97は、クロックパルスを発生する。メインCPU93は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器98は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路99は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU93は、リールインデックスを検出してから各リールのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU93は、各リールの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リールの所定の位置に設けられ、各リールの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リールの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM95に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM95に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リールに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理する。したがって、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
<副制御回路>
次に、副制御基板72に実装される副制御回路101の構成について、図6を参照して説明する。図6は、パチスロ機1の副制御回路101の構成例を示すブロック図である。
副制御回路101は、主制御回路91と電気的に接続されており、主制御回路91から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路101は、基本的に、サブCPU102、サブRAM103、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM105、ドライバ106を含んで構成される。
サブCPU102は、主制御回路91から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板86に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板86は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とによって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU102が実行する制御プログラムが記憶される。例えば、制御プログラムには、主制御回路91との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクを実行するための各種プログラムが含まれる。また、制御プログラムには、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED群85等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ65L,65Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等を実行するための各種プログラムも含まれる。
データ記憶領域には、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれる。また、データ記憶領域には、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等も含まれる。
サブRAM103には、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
サブCPU102、レンダリングプロセッサ104、描画用RAM(フレームバッファを含む)105及びドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11に表示させる。
また、サブCPU102は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ65L,65R等のスピーカ群により出力させる。また、サブCPU102は、演出内容により指定されたランプデータに従ってLED群85の点灯及び消灯を制御する。
<割合表示器>
次に、割合表示器58の構成について、図7を参照して説明する。図7において上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、各種の割合を表示する割合表示器58を有する。図7(A)は、割合表示器58の取り付け例を示し、図7(B)は、割合表示器58に表示される内容を示す。
(割合表示器の構成)
図7に示すように、割合表示器58は、4桁の7セグメントLEDにより構成され、図7(B)で後述するように、上位2桁は、表示する割合の種類を示し、下位2桁は、当該割合の値を示す。割合表示器58は、管理者(遊技店の店員等)がパチスロ機1に不正改造がないか確認する際などに使用されるため、パチスロ機1の内部に設けられる。このとき、割合表示器58自体に対する不正を防止するため、割合表示器58は、主制御基板71を覆う主制御基板ケースの内部に設けられることが好ましい。
具体的な取り付け例としては、図7(A−1)に示すように、割合表示器58は、主制御基板71上に実装することとしてもよく、また、図7(A−2)に示すように、主制御基板71に接続された他の基板(割合表示基板)上に実装することとしてもよく、また、図7(A−3)に示すように、割合表示器58としての7セグメントLEDユニットを主制御基板に接続することで、取り付けることとしてもよい。いずれの場合であっても、図7(A)に示すように、主制御基板71とともに主制御基板ケースの内部に設けられることが好ましい。ここで、通常、主制御基板ケースには、記録紙や封印シールが貼りつけられるが、主制御基板ケース内に割合表示器58を設ける場合には、封印シールなどにより割合表示器58の視認性が損なわれることがないように、封印シールなどを貼りつけることが好ましい。なお、封印シールは、主制御基板ケースを開封した痕跡が残るようにするためのものであり、剥がしたときに跡が残るように特殊な加工がなされたシールである。また、記録紙は、主制御基板ケースの着脱や開封を正規の手続きで行ったときに、その旨を記録するための用紙であり、主制御基板71の識別番号が印字され、さらに、着脱又は開封を行った日時及びその際の担当者などを記入する記入欄が設けられている。ここで、正規の手続きとは、遊技機の製造(取付固定時)や遊技店に設置した後の立入検査などが挙げられる。
(割合表示器の表示内容)
続いて、割合表示器58の表示例について説明する。図7(B)に示すように、割合表示器58には、累計の特定区間割合と、直近6000ゲーム間の連続役物割合及び役物割合と、累計の連続役物割合及び役物割合と、が表示される。割合表示器58に累計の特定区間割合を表示する場合、4桁の7セグメントLEDのうちの上位2桁には、「AU」と表示され、直近6000ゲーム間の連続役物割合を表示する場合、上位2桁には、「=r」と表示され、直近6000ゲーム間の役物割合を表示する場合、上位2桁には、「=b」と表示され、累計の連続役物割合を表示する場合、上位2桁には、「Ar」と表示され、累計の役物割合を表示する場合、上位2桁には、「Ab」と表示される。また、4桁の7セグメントLEDのうちの下位2桁には、対応する割合がパーセント表示で表示される。
ここで、「特定区間割合」とは、全ての遊技状態における遊技回数(すなわち、総遊技回数)に対して、遊技者にとって有利な遊技状態における遊技回数が占める割合をいう。この場合において、遊技者にとって有利な遊技状態とは、遊技者にとって有利な情報を報知する報知状態(所謂AT中(本実施形態のART遊技状態))に加え、この報知状態への移行期待度が高いCZも含めることとしてもよい。また、報知状態中に開始するボーナス状態も、この場合における有利な遊技状態に含めることとしてもよい。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態における遊技回数を示す総遊技回数と、遊技者にとって有利な遊技状態における遊技回数を示す特定遊技回数とを計数しておき、以下に示す式により特定区間割合を算出する。
特定区間割合=特定遊技回数/総遊技回数×100
また、「連続役物割合」とは、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(すなわち、総払出枚数)に対して、第一種特別役物、又は第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中において払い出されたメダルの総数が占める割合をいう。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数を示す総払出枚数と、第一種特別役物、又は第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中において払い出されたメダルの総数を示す第1特定遊技中払出枚数とを計数しておき、以下に示す式により連続役物割合を算出する。
連続役物割合=第1特定遊技中払出枚数/総払出枚数×100
また、「役物割合」とは、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(すなわち、総払出枚数)に対して、いずれかの役物が作動中に払い出されたメダルの総数が占める割合をいう。なお、いずれかの役物とは、第一種特別役物、第一種特別役物に係る役物連続作動装置、第二種特別役物、第二種特別役物に係る役物連続作動装置、又は普通役物をいう。また、ART遊技状態中やCZ中も、遊技者にとって有利な状態であるため、いずれかの役物が作動している状態に含めることとしてもよい。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数を示す総払出枚数と、いずれかの役物が作動中に払い出されたメダルの総数を示す第2特定遊技中払出枚数とを計数しておき、以下に示す式により役物割合を算出する。
連続役物割合=第2特定遊技中払出枚数/総払出枚数×100
また、「累計」とは、パチスロ機1を設置してから現在までの全期間をいい、「直近6000ゲーム間」とは、6000ゲーム前の遊技から現在までの期間をいう。「累計」の割合を算出する場合、主制御基板71は、全期間において計数していた計数結果を用いて割合を算出すればよく、また、「直近6000ゲーム間」の割合を算出する場合、主制御基板71は、6000ゲーム前の遊技から現在までの期間において計数していた計数結果を用いて割合を算出すればよい。
なお、メインRAM33に設けられた所定のカウンタは、電源のON/OFFや設定変更がなされた場合でもクリア(初期化)されない領域に設けられる。すなわち、メインRAM33に記憶される割合表示器58に関するデータは、電源のON/OFFや設定変更がなされた場合でも消えないように構成されている。
また、メインRAM33に設けられた所定のカウンタは、400回の遊技を1セットとして、割合表示器58に関するデータを計数する。例えば、6000ゲーム間の割合を算出する場合には、15セットの累計の計数結果を用いて当該割合を算出する。
(割合表示器の表示内容(切り替え表示))
割合表示器58では、主制御基板71が算出した各種の割合を切り替えて表示する。割合表示器58に表示する内容の切り替え方法は任意であり、例えば、所定の間隔で自動的に、各種の割合を切り替えることとしてもよく、また、専用のスイッチの操作に応じて手動で、各種の割合を切り替えることとしてもよく、自動的な切り替えと手動による切り替えとを組み合わせて、各種の割合を切り替えることとしてもよい。
(割合表示器の変形例)
ところで、既存のパチスロ機は、割合表示器58を有していないため、図7(A)に示す割合表示器58の取り付け例では、既存のパチスロ機に対して大きな改変を行う必要がある。そこで、既存のパチスロ機において設けられている表示器を、各種の割合を表示する割合表示器58として用いることとしてもよい。具体的には、既存のパチスロ機では、貯留されているメダルの数(クレジット数)、及び今回の遊技において払い出されたメダルの枚数(払出枚数)を表示する表示器(情報表示器14)が設けられている。そこで、パチスロ機に対して特別な操作が行われた場合に、クレジット数を表示する表示部(クレジットランプ145)に表示する割合の種類を表示し、払出枚数を表示する表示部(払出枚数ランプ146)に当該種類の割合を表示するように、当該表示器の表示を切り替え可能にしてもよい。
なお、特別な操作は任意であるが、パチスロ機の内部に設けられたスイッチを用いた操作であることが好ましい。これにより、遊技者が偶然に特別な操作を行ってしまうことを防止できる。
[パチスロ機の遊技状態の遷移フロー]
次に、図8を参照しながら、本実施形態のパチスロ機1の主制御基板71(メインCPU93)により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。
本実施形態では、主制御基板71は、ボーナスの当籤/作動の有無、リプレイに係る内部当籤役の種別、及びその当籤確率に基づいて遊技状態を管理する。図8に示すように、主制御基板71は、ボーナス(F_BB1〜3)の当籤/作動の有無に基づいて、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態及びボーナス状態を区別する。具体的には、ボーナス非当籤状態は、ボーナスに非当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、フラグ間状態は、ボーナス当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。
なお、ボーナスの当籤の有無は、メインRAM33に設けられる内部当籤役格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理され、ボーナスの作動の有無は、メインRAM33に設けられる遊技状態フラグ格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理される。ここで、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、ボーナスが作動するまでボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越される。フラグ間状態は、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されている状態である。
また、主制御基板71は、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0〜RT3遊技状態の4種類の状態を設ける。なお、RT0遊技状態は、ボーナス状態の終了後などの初期状態において滞在する遊技状態である。また、RT1遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、RT2遊技状態はリプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態である。また、RT3遊技状態は、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されているときに(すなわち、フラグ間)滞在する遊技状態である。
これらRT0〜RT3遊技状態は、メインRAM33に設けられる遊技状態フラグ格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理される。具体的には、パチスロ機1では、RT1遊技状態フラグ〜RT3遊技状態フラグの3つのフラグを有し、これらフラグのオン/オフをメインRAM33で管理することでRT遊技状態を管理する。より具体的には、主制御基板71は、オンであるRT遊技状態フラグに応じたRT遊技状態を現在のRT遊技状態として特定する。なお、全てのRT遊技状態フラグがオフである場合には、主制御基板71は、現在のRT遊技状態がRT0遊技状態であると特定する。
図8に示すように、主制御基板71は、(1)RT0遊技状態においてベルこぼし目が表示されると、RT0遊技状態からRT1遊技状態に遊技状態を移行させる。また、主制御基板71は、(1)RT1遊技状態においてRT2移行リプが表示されると、RT1遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させ、(3)RT2遊技状態においてベルこぼし目又はRT1移行リプが表示されると、RT2遊技状態からRT1遊技状態に遊技状態を移行させる。
ここで、ベルこぼし目は、後述する押し順ベル(F_押し順ベル1_1st〜F_押し順ベル2_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、押し順ベルの種別毎に定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT2移行リプは、後述するRT1中リプ(F_RT1中リプ_123〜F_RT1中リプ_321)が内部当籤役として決定された場合に、RT1中リプの種別毎に定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT1移行リプは、後述するRT2中リプ(F_RT2中リプ_1st〜F_RT2中リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、RT2中リプの種別毎に定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。
また、主制御基板71は、(4)RT0〜RT2遊技状態においてボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、RT0〜RT2遊技状態からRT3遊技状態(フラグ間)に遊技状態を移行させる。また、主制御基板71は、(5)RT3遊技状態において内部当籤役として決定されているボーナスに係る役が入賞し、ボーナス状態が開始すると、RT3遊技状態(フラグ間)からボーナス状態に遊技状態を移行させる。また、主制御基板71は、(6)ボーナス状態中にボーナス状態の終了条件を満たすと、ボーナス状態を終了してRT0遊技状態に遊技状態を移行させる。
ここで、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態中に払い出されたメダルの枚数が232枚を超える(233枚以上)ことを、ボーナス状態の終了条件としている。また、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態中は、8枚のメダルが払い出される役(F_RB役、F_7煽り役、F_7揃い役1、F_7揃い役2)が必ず内部当籤役として決定され、これらの役が必ず入賞する。その結果、ボーナス状態中は、8枚のメダルが毎遊技必ず払い出されることになり、ボーナス状態は、必ず30回の遊技で終了することになるため、ボーナス状態中に払い出されたメダルの枚数が232枚を超えることという終了条件は、ボーナス状態中の遊技回数が30回に達することと言い換えることもできる。
[主制御側の各種のデータテーブル1]
続いて、図8において説明した遊技状態の遷移を説明するために必要な各種データテーブルの構成について、図9〜図17を参照して説明する。なお、これら各種データテーブルは、メインROM94に記憶されている。
<図柄配置テーブル>
図9に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」〜「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「19」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「赤7」、「青7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「ブランク1」、「ブランク2」及び「ブランク3」を含んでいる。
図9に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときにリール表示窓4の中段に位置する図柄(リール表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、20個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「19」を割り当てた対応関係を規定する。このように、リール表示窓4の中段を基準にすることで、リール表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3R毎に特定することができる。
<図柄コード表>
また、図9に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図9に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、「赤7」、「青7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「ブランク1」、「ブランク2」及び「ブランク3」の10種類である。図柄コード表では、「赤7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられ、「青7」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。同様に、「BAR」〜「ブランク3」の各図柄(図柄コード3〜10)に対しても、データとして「00000011」〜「00001010」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
次に、図10〜図12を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、当該図柄の組合せが表示された際にメインRAM95に格納するデータと、当該図柄の組合せが表示された際の特典(メダルの払出枚数)との対応関係を規定する。
本実施形態では、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せ(コンビネーション)と一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスゲーム(役物連続作動装置)の作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのいずれとも一致しない場合には、所謂「はずれ」となる。すなわち、本実施形態では、「はずれ」に対応する図柄の組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「はずれ」の図柄の組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「はずれ」の項目を設けて、直接「はずれ」を規定してもよい。
図柄組合せテーブル中のデータ欄は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するための情報を規定する。具体的には、データ欄には、対応する図柄の組合せのデータが格納される「格納領域」と、当該格納領域に格納される「データ(1バイトのデータ中の図柄の組合せに応じたビットを指定するためのデータ)」が規定される。
図柄組合せテーブルに規定する、コンビネーションは、各リール3L、3C、3Rが停止した場合に、有効ラインに沿って表示される各リール3L、3C、3Rの図柄組合せを意味する。それぞれのコンビネーションには、当該コンビネーションの役割や当該コンビネーションを構成する図柄の種別に応じたコンビネーション名が規定されている。
また、図柄組合せテーブルに規定する、払出枚数は、対応する図柄の組合せ(コンビネーション)が表示された際に払い出されるメダルの枚数を規定する。例えば、図12を参照すると、3BETの遊技でコンビネーション名「C_MDF1」〜「C_MDSP_02」の図柄の組合せが表示された場合には、8枚のメダルが払い出される。
また、図柄組合せテーブル中の内容欄は、それぞれの図柄の組合せの役割や、それぞれの図柄の組合せの特徴を示す。図10を参照して、例えば、コンビネーション名「C_移行目1_01」〜「C_移行目2_04」は、ベルこぼし目の図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、遊技状態がRT1遊技状態に移行する(図8参照)。
また、コンビネーション名「C_BB_A」〜「C_BB_C3」は、第一種特別役物の連続作動装置(BB)に係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、遊技状態がボーナス状態に移行する(図8参照)。
また、コンビネーション名「C_リーチ目リプ」は、リーチ目リプに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、再遊技の作動が行われる。なお、リーチ目リプに係る図柄の組合せは、当籤しても一般遊技状態中は有効ラインに沿って表示されることなく、フラグ間中のみ有効ラインに沿って表示される。
また、コンビネーション名「C_RT2_Tリプ_01」〜「C_RT2_Cリプ」は、RT2移行リプに係る図柄の組合せである。RT2移行リプが有効ラインに沿って表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、遊技状態がRT2遊技状態に移行する(図8参照)。
また、コンビネーション名「C_Bリプ」〜「C_CDリプ_04」は、リプレイに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、再遊技の作動が行われる。また、コンビネーション名「C_RT1_CUリプ」〜「C_RTリプ_04」は、RT1移行リプに係る図柄の組合せである。RT1移行リプが有効ラインに沿って表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、遊技状態がRT1遊技状態に移行する(図8参照)。
また、コンビネーション名「C_WMLN1_01」〜「C_WMLN3」は、スイカこぼし目に係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、1枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_CHA_A」〜「C_CHA_B4」は、チャンス目に係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、1枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_制御B01_01」〜「C_制御B10_04」は、1枚出目に係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、1枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_CHE」は、弱チェリーに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、1枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_制御B01_01」〜「C_制御B10_04」は、1枚出目に係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、1枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_SCHE01」〜「C_SCHE03」は、強チェリーに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、1枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_CDWMLN1_01」〜「C_CUWMLN」は、スイカに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、5枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_PCHA1」〜「C_PCHA6_04」は、確定チェリーに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、8枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_CENB_01」〜「C_CUB」は、ベルに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、8枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_MCF1」は、BB中7煽りに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、8枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_MD1」〜「C_MDSP_02」は、BB中7揃いに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、8枚のメダルが払い出される。
<内部抽籤テーブル>
続いて、図13を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。なお、図13に示す例では、それぞれの役に対する抽籤値自体は省略し、遊技状態毎にそれぞれの役が当籤可能であるか否かについてのみ示している。
なお、RT0〜RT2遊技状態は、リプレイに係る役に対応する抽籤値の情報のみが異なり、小役やボーナスに係る役に対応する抽籤値の情報は同一である。また、RT3遊技状態は、ボーナスに係る役が持ち越されている状態であり、ボーナスに係る役は当籤しない(抽籤値が0)ようになっているが、その他についてはRT0〜RT2遊技状態と同様に、リプレイに関する役に対応する抽籤値の情報のみが異なり、小役に対応する抽籤値の情報は同一である。このとき、RT3遊技状態中は、No3〜No7などのボーナスに係る役と小役とが同時に当籤する場合の抽籤値が減ることで、当該小役に対応する抽籤値が低下するように見えるが、その分の抽籤値は、No35〜No39などにおいて対応する小役の抽籤値が増加するため、小役に対応する抽籤値は、RT遊技状態に関わらず同一になる。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各役に応じた抽籤値(図示せず)で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(所謂「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられた役が内部当籤役として決定される確率が高い。すなわち、各番号の当籤確率は、「各番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
図13を参照すると、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態中は、抽籤の結果として「はずれ」が決定されないことが分かる。すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態中は、役「F_RB役」「F_7煽り役」「F_7揃い役1」「F_7揃い役2」の何れかが必ず内部当籤役として決定され、抽籤の結果が「はずれ」となることはない。
<内部当籤役と図柄組合せの対応表>
図14〜図16は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す比較表である。各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された役において、有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。
パチスロ機1では、主制御基板71は、内部当籤役及び遊技状態に応じて停止制御を異ならせ、所定の役が内部当籤役として決定された場合に、図14〜図16に示す対応関係の図柄の組合せ(コンビネーション)を表示可能にリール3L,3C,3Rの回転を停止する。ここで、図14〜図16に示す対応表では、役が内部当籤役として決定された場合に表示される可能性のある全ての図柄の組合せを列挙しているが、役に対応して丸印が付された図柄の組合せであっても、表示されないことがある。
すなわち、パチスロ機1では、停止表示可能な図柄の組合せや現在の遊技状態に応じて停止制御(例えば、優先して引き込む図柄)を異ならせることとしており、優先して引き込む図柄の関係上、丸印が付された図柄の組合せであっても表示されないことがある。そこで、役の種別と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を、図17に示す。
<ボーナス状態中以外の状態における当籤役と図柄の組合せとの対応関係>
図17の対応関係1は、ボーナス状態中以外の状態における当籤役と図柄の組合せとの対応関係(一部の役については省略)を示している。パチスロ機1では、複数の役として、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設ける。図17における「押し順正解」に対応付けられた図柄の組合せは、押し順に応じて表示される図柄の組合せのうち、遊技者にとって有利な図柄の組合せであり、「押し順不正解」に対応付けられた図柄の組合せは、押し順に応じて表示される図柄の組合せのうち、遊技者にとって不利な図柄の組合せである。遊技者にとって有利な停止操作を報知する場合、正解となる押し順を報知し、結果、「押し順正解」に対応付けられた図柄の組合せが表示されることになる。
ここで、本実施形態では、押し順役の名称の末尾は、正解となる押し順を表している。具体的には、役の名称の末尾「1st」は、正解となる押し順が、第1停止操作が左のリール3Lに対するものであることを意味し、役の名称の末尾「2nd」は、正解となる押し順が、第1停止操作が中のリール3Cに対するものであることを意味し、役の名称の末尾「3rd」は、正解となる押し順が、第1停止操作が右のリール3Rに対するものであることを意味している。また、役の名称の末尾「123」は、正解となる押し順が「左、中、右」であることを意味し、役の名称の末尾「132」は、正解となる押し順が「左、右、中」であることを意味し、役の名称の末尾「213」は、正解となる押し順が「中、左、右」であることを意味し、役の名称の末尾「231」は、正解となる押し順が「左、右、中」であることを意味している。
図17に示すように、役「F_RT1中リプ_123」〜「F_RT1中リプ_321」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、RT2移行リプに係る図柄の組合せ(図10参照)のうちの図14〜図16に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、押し順が正解でない場合には、リプレイに係る図柄の組合せ(図10参照)のうちの図14〜図16に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_RT2中リプ_1st」〜「F_RT2中リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、リプレイに係る図柄の組合せ(図10参照)のうちの図14〜図16に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、押し順が正解でない場合には、RT1移行リプに係る図柄の組合せ(図10参照)のうちの図14〜図16に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_押し順ベル1_1st」〜「F_押し順ベル2_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である。一般遊技状態において、役「F_押し順ベル1_1st」〜「F_押し順ベル2_3rd」は、押し順が正解である場合には、ベルに係る図柄の組合せ(図12参照)のうちの図14〜図16に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、押し順が正解でない場合には、ベルこぼし目又は1枚出目に係る図柄の組合せ(図10又は図11参照)のうちの図14〜図16に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
なお、役「F_押し順ベル1_1st」〜「F_押し順ベル2_3rd」のうちの、役「押し順ベル1(「F_押し順ベル1_1st」「F_押し順ベル1_2nd」「F_押し順ベル1_3rd」)」は、一般遊技状態中とフラグ間中とで停止制御が変わることのない役であり、役「押し順ベル2(「F_押し順ベル2_1st」「F_押し順ベル2_2nd」「F_押し順ベル2_3rd」)」は、一般遊技状態中とフラグ間中とで停止制御が変わる役である。すなわち、役「押し順ベル2」は、フラグ間中は、押し順に関係なくベルの図柄の組合せ(図12参照)のうちの図14〜図16に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
<ボーナス状態における当籤役と図柄の組合せとの対応関係>
図17の対応関係2は、ボーナス状態における当籤役と図柄の組合せとの対応関係を示している。役「F_RB役」は、押し順に関係なくベルの図柄の組合せ(図12参照)のうちの図14〜図16に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_7煽り役」は、BB中7煽り又はベルの図柄の組合せ(図12参照)のうちの図14〜図16に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_7揃い役1」「F_7揃い役2」は、BB中7揃い又はベルの図柄の組合せ(図12参照)のうちの図14〜図16に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。なお、役「F_7煽り役」〜「F_7揃い役2」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であってもよく、また、押し順に関係なく共通の図柄の組合せが表示される役であってもよい。
図13の内部抽籤テーブルに示すように、ボーナス状態中は、内部抽籤の結果が「はずれ」となることがなく、役「F_RB役」〜「F_7揃い役2」の何れかが必ず内部当籤役として決定される。そして、図17の対応関係2に示すように、役「F_RB役」〜「F_7揃い役2」の何れも、表示されることで8枚のメダルが払い出される図柄の組合せ(ベル、BB中7煽り又はBB中7揃い)が表示される。そのため、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態中は、毎遊技8枚のメダルが払い出されることになる。
<報知の有無に関する遊技状態の遷移フロー>
パチスロ機1は、ボーナスの当籤/作動の有無、リプレイに係る内部当籤役の種別、及びその当籤確率に基づいて遊技状態を管理する一方で、遊技者にとって有利な停止操作を報知するか否かなどに基づいて遊技状態を管理する。続いて、図18を参照して、報知の有無に関する遊技状態の遷移フローについて説明する。
図18に示すように、パチスロ機1の主制御基板71は、報知の有無に基づいて通常遊技状態及びCZ(チャンスゾーン)とART遊技状態とを区別する。通常遊技状態及びCZは、基本的には、遊技者にとって有利な停止操作の内容を報知しない遊技状態(非ART)であり、ART遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作を報知する遊技状態である。本実施形態のパチスロ機1では、遊技者は、通常遊技状態から(状況に応じてボーナス状態を挟みながら)、遊技者にとって有利なART遊技状態に移行するように遊技を行っていくことになる。
通常遊技状態は、パチスロ機1において最も不利な遊技状態であり、図18に示すように、通常遊技状態からはCZ及びART遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、通常遊技状態ではCZへの移行抽籤を行っており、(A)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、通常遊技状態からCZに遊技状態を移行させる。また、通常遊技状態ではARTへの移行抽籤を行っており、(B)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、通常遊技状態からART遊技状態に遊技状態を移行させる。
CZは、ART遊技状態に移行することについての期待度が高い遊技状態(チャンスゾーン)であり、図18に示すように、CZからは通常遊技状態又はART遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、CZではARTへの移行抽籤を行っており、(C)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、CZからART遊技状態に遊技状態を移行させ、(D)この移行抽籤に当籤することなくCZが終了すると、主制御基板71は、CZから通常遊技状態に遊技状態を移行させる。
ここで、パチスロ機1において、ART遊技状態は、基本的にはRT2遊技状態のうちARTに当籤中の遊技状態であり、ART当籤後にRT遊技状態がRT2遊技状態まで移行すると開始する。図8に示すように、RT2遊技状態は、RT0、RT1遊技状態から移行することになるため、ART当籤後であってもすぐにART遊技状態が開始されるわけではない。そこで、パチスロ機1では、ART当籤後(より詳細には、ART前兆後)のRT2遊技状態に移行するまでの間をART準備中とし、このART準備中においてRT2遊技状態に移行するために必要な停止操作を報知する。
続いて、ART遊技状態は、基本的にはRT2遊技状態のうちARTに当籤中の遊技状態である。図18に示すように、ART遊技状態は、通常ART及び上乗せゾーンにより構成される。通常ART及び上乗せゾーンは、それぞれ遊技性が異なる遊技状態であり、通常ARTは、所定ゲーム数の間、遊技者にとって有利な停止操作(例えば、払い出されるメダルの枚数が多い図柄の組合せを表示させるための停止操作や、RT2遊技状態を維持するために必要な停止操作)を報知する遊技状態であり、上乗せゾーンは、遊技者にとって有利な停止操作を報知するとともに、通常ARTの継続期間を上乗せする上乗せチャンスゾーンとして機能する遊技状態である。なお、上乗せゾーン中は、通常ARTの継続期間を消化せずに遊技が行われる。
図18に示すように、通常ARTからは上乗せゾーン又は通常遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、通常ARTでは上乗せゾーンへの移行抽籤を行っており、(E)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、通常ARTから上乗せゾーンに遊技状態を移行させる。また、通常ARTは、継続期間が管理されており、(G)この継続期間が終了すると、主制御基板71は、通常ARTから通常遊技状態に遊技状態を移行させる。なお、通常ARTの継続期間の管理方法は任意であるが、本実施形態のパチスロ機1では、ゲーム数により継続期間を管理する。もちろん、ゲーム数ではなく、通常ART中に払い出されるメダルの枚数や差枚数により継続期間を管理することとしてもよく、また、通常ART中にメダルの払い出しに影響を与える報知を行った回数(ナビ回数)により継続期間を管理することとしてもよい。
図18に示すように、上乗せゾーンからは通常ARTに移行する可能性がある。具体的には、上乗せゾーンでは終了抽籤を行っており、(F)この終了抽籤に当籤してしまうと上乗せゾーンが終了し、主制御基板71は、上乗せゾーンから通常ARTに遊技状態を移行させる。
また、図18に示すように、通常遊技状態、CZ及びART遊技状態(通常ART又は上乗せゾーン)からは、ボーナス状態に移行する可能性がある。具体的には、図18に示すように、(H)通常遊技状態、CZ及びART遊技状態においてボーナスに係る役が入賞すると、主制御基板71は、ボーナス状態に遊技状態を移行させる。
ここで、ボーナス状態には、通常BB、エピソードBB及び特殊BBが含まれる。パチスロ機1では、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されたタイミングや、ボーナスに係る役が入賞したタイミングにおける状況に基づいて、ボーナス状態の種別を決定する。具体的には、主制御基板71は、上乗せゾーンの一部である上乗せゾーン2中などにボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、開始するボーナス状態として特殊BBを決定する。
通常BB及びエピソードBBと、特殊BBとでは、ボーナス状態中の遊技性が異なる。具体的には、主制御基板71は、通常BB及びエピソードBB中は、内部当籤役に基づいて通常ARTや上乗せゾーンの権利を付与する抽籤を行い、特殊BB中は、内部当籤役に基づいて通常ARTの継続期間の上乗せ抽籤を行う。すなわち、通常BB及びエピソードBB中は、通常ARTや上乗せゾーンの権利が付与され、特殊BB中は、通常ARTの継続期間を上乗せする上乗せゲーム数が付与される。なお、通常BBとエピソードBBとは、ボーナス状態中の演出(表示)が異なるだけであり、ボーナス状態中の遊技性は同じである。言い換えると、通常BBとエピソードBBとは、サブ側(副制御基板72)による演出制御は異なるものの、メイン側(主制御基板71)による遊技制御は異ならない。
図18に示すように、ボーナス状態ではART遊技状態への移行抽籤を行っており、ボーナス状態終了時に、(I)ART遊技状態の権利が付与されてない場合には、主制御基板71は、ボーナス状態から通常遊技状態に遊技状態を移行させる。また、ボーナス状態終了時に、(J)ART遊技状態の権利が付与されている場合には、主制御基板71は、ボーナス状態からART遊技状態に遊技状態を移行させる。なお、ボーナス状態終了時にART遊技状態の権利が付与されているとは、ボーナス状態中に行う抽籤に伴いART遊技状態の権利が付与されたことに加え、ボーナス状態の前からART遊技状態の権利が付与されていた場合も含む。
[主制御側の各種のデータテーブル2]
次に、図18において説明した遊技状態の遷移を説明するために必要な各種データテーブルの構成について、図19〜図58を参照して説明する。なお、これら各種データテーブルは、メインROM94に記憶されている。
(抽籤用フラグ決定テーブル)
図19は、内部当籤役から抽籤用フラグを決定するための抽籤用フラグ決定テーブルである。一般的にパチスロ機では、内部当籤役に基づいて各種の抽籤を行うが、多数の役(図19を参照すると44種類)を内部当籤役として決定可能な場合に、それぞれの役毎に抽籤の結果を設けたのでは、一つの抽籤に要するデータ量が膨大になってしまう。遊技性の観点からは、様々な抽籤を行うことが好ましいが、メインROM94は仕様上容量が限られているため、一つの抽籤に要するデータ量が膨大になってしまうと、抽籤の種類を減らさなければならず、全体として遊技性が単調になってしまう。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、多数の役をグループ化するとともに、このグループ化した情報(抽籤用フラグ)に基づいて、各種の抽籤を行う。これにより、それぞれの抽籤に要するデータ量を抑えることができる。また、本実施形態のパチスロ機1では、多数の役のグループ化を様々な態様で行うことで、それぞれの抽籤に対して特徴付け(例えば、ある抽籤では別のグループである役同士が、他の抽籤では同一のグループとなることで、それぞれの抽籤が特徴づけられる)を行う。
図19に示す抽籤用フラグ決定テーブルは、多数の役を様々な態様でグループ化するために用いられ、内部当籤役として決定されたそれぞれの役に対して抽籤用フラグの情報を規定する。例えば、役「F_スイカ」は、抽籤用フラグAとして「3」、抽籤用フラグBとして「3」、抽籤用フラグCとして「3」、抽籤用フラグDとして「1」が規定されている。
<表モードの概要>
続いて、図20を参照して、表モードの概要について説明する。図20に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、表モードとして、「低確」「高確ショート」「高確ロング」の3つのモードを有する。この表モードは、例えば、通常遊技状態中に行うCZ抽籤や、ART遊技状態中に行う上乗せ抽籤に用いられ、基本的には、表モード「低確」は、これら抽籤において当籤する確率が低い状態であり、また、表モード「高確ショート」「高確ロング」は、これら抽籤において当籤する確率が高い状態である。
主制御基板71は、遊技状態が通常遊技状態、ART準備中又は通常ARTの何れかである場合に、抽籤用フラグBに基づいて表モードの移行を行うとともに、ボーナス状態の終了時にも表モードの移行を行う。具体的には、主制御基板71は、図21や図22に示すデータテーブルを用いて表モードの移行を行う。
(表モード移行抽籤用番号決定テーブル)
図21は、抽籤用フラグBから表モード移行抽籤用番号を決定するための表モード移行抽籤用番号決定テーブルである。表モード移行抽籤用番号決定テーブルは、抽籤用フラグB及び現在の表モードに対応付けて、表モード移行抽籤用番号を規定する。表モード移行抽籤用番号は、表モードの移行抽籤に用いられる情報である。例えば、抽籤用フラグB「3」は、現在の表モードが「低確」である場合には、表モード移行抽籤用番号として「2」が決定され、現在の表モードが「高確ショート」である場合には、表モード移行抽籤用番号として「3」が決定され、現在の表モードが「高確ロング」である場合には、表モード移行抽籤用番号として「4」が決定される。
(表モード移行抽籤テーブル)
図22は、表モードの移行先を抽籤するための表モード移行抽籤テーブルであり、図22(A)は、遊技状態が通常遊技状態、ART準備中又は通常ARTの何れかである場合に行う移行抽籤に用いられるテーブルであり、図22(B)は、ボーナス状態の終了時に行う移行抽籤に用いられるテーブルである。
図22(A)に示すように、表モード移行抽籤テーブル1は、表モード移行抽籤用番号毎に移行先の表モードについての抽籤値の情報を規定する。例えば、表モード移行抽籤用番号が「3」である場合には、移行先の表モードとして「高確ショート」が必ず抽籤されることになる。
また、図22(B)に示すように、表モード移行抽籤テーブル2は、ボーナス状態終了時の表モード毎に移行先の表モードについての抽籤値の情報を規定する。例えば、ボーナス状態終了時の表モードが「低確」である場合には、移行先の表モードとして「低確」又は「高確ショート」が抽籤されることになる。
<通常遊技状態中の遊技の流れ>
続いて、図23〜図30を参照して、通常遊技状態中の遊技について説明する。図23は、通常遊技状態中の遊技の流れを示す図であり、図24〜図30は、通常遊技状態中に用いられる各種のデータテーブルを示す図である。
図23に示すように、通常遊技状態中は、主制御基板71は、CZへの移行を行うCZ抽籤と、ART遊技状態への移行を行うART抽籤とを行う。通常遊技状態中に、主制御基板71は、抽籤用フラグB及び表モードに基づいてCZ抽籤を行い、CZ抽籤に当籤した場合には、その後(前兆を介して)遊技状態をCZに移行し、非当籤の場合には、遊技状態を通常遊技状態のまま維持する。また、通常遊技状態中に、主制御基板71は、抽籤用フラグAに基づいてART抽籤を行い、ART抽籤に当籤した場合には、その後(前兆を介して)遊技状態をART遊技状態に移行し、非当籤の場合には、遊技状態を通常遊技状態のまま維持する。
(CZ抽籤用番号決定テーブル)
図24は、抽籤用フラグBからCZ抽籤用番号を決定するためのCZ抽籤用番号決定テーブルである。CZ抽籤用番号決定テーブルは、抽籤用フラグB及び現在の表モードに対応付けて、CZ抽籤用番号を規定する。CZ抽籤用番号は、CZ抽籤に用いられる情報である。CZ抽籤用番号決定テーブルを参照すると、抽籤用フラグ「0(はずれ)」〜「3(押し順ベル)」は、現在の表モードに関わらず、CZ抽籤用番号として「0」が決定される。なお、CZ抽籤用番号「0」は、CZ抽籤に当籤することのない番号であるため、抽籤用フラグ「0(はずれ)」〜「3(押し順ベル)」の場合には、CZ抽籤に当籤することがない。
(通常中CZ抽籤テーブル)
図25は、CZ抽籤用番号に基づき通常遊技状態中に行うCZ抽籤に用いられる通常中CZ抽籤テーブルである。通常中CZ抽籤テーブルは、CZ抽籤用番号毎に、CZ抽籤の抽籤結果に関する抽籤値の情報を規定する。なお、後述するように、本実施形態のパチスロ機1では、CZとして、CZ1,CZ2,CZ3,CZ4及び特殊CZを有している。CZ1〜CZ4は、CZ中に行うART抽籤に当籤する期待度が異なるチャンスゾーンであり、基本的には、CZ1が最も当籤し難く、CZ2が次に当籤し難く、CZ3が次に当籤し難く、CZ4が最も当籤し易い。また、特殊CZは、移行した段階でART遊技状態への移行が確定しているチャンスゾーンである。
通常中CZ抽籤テーブルを用いたCZ抽籤では、CZ1,CZ2,CZ3,CZ4及び特殊CZのうちCZ1〜CZ4への移行に当籤する可能性があり、特殊CZへの移行に当籤することはない。なお、特殊CZは、CZ1〜CZ4への移行に当籤した後のCZ前兆中に行う昇格抽籤に当籤することで、移行する可能性がある(図29参照)。
(ART抽籤用番号決定テーブル)
図26は、抽籤用フラグAからART抽籤用番号を決定するためのART抽籤用番号決定テーブルである。ART抽籤用番号決定テーブルは、抽籤用フラグA及び現在の遊技状態に対応付けて、ART抽籤用番号を規定する。ART抽籤用番号は、ART抽籤に用いられる情報である。なお、図26のART抽籤用番号決定テーブルを参照すると、通常遊技状態中及びART終了待ち中を除く状態では、その状態に応じたART抽籤が別に行われることになるため、ボーナス当籤時(抽籤用フラグA「7」「8」)を除きART抽籤用番号として「0(ART抽籤に非当籤)」が決定される。
(ART抽籤テーブル)
図27は、ART抽籤用番号に基づいて行うART抽籤に用いられるART抽籤テーブルである。ART抽籤テーブルは、ART抽籤用番号毎に、ART抽籤の抽籤結果に関する抽籤値の情報を規定する。なお、本実施形態のパチスロ機1では、上乗せゾーンとして、上乗せゾーン1、上乗せゾーン2及び上乗せゾーン3を有している。上乗せゾーン1〜上乗せゾーン3は、それぞれ通常ARTの継続期間の上乗せが行われる点で共通するが、その上乗せの方法や上乗せの頻度がそれぞれ異なる。これら上乗せゾーン1〜上乗せゾーン3の詳細については、後述する。
また、図中「ART ストック+1」とは、通常ARTの権利が一つ付与されることであり、「ART、上乗せゾーン1 ストック+1」とは、通常ARTの権利と上乗せゾーン1の権利とがそれぞれ一つ付与されることであり、「ART、上乗せゾーン2 ストック+1」とは、通常ARTの権利と上乗せゾーン2の権利とがそれぞれ一つ付与されることであり、「ART、上乗せゾーン3 ストック+1」とは、通常ARTの権利と上乗せゾーン3の権利とがそれぞれ一つ付与されることである。
(前兆ゲーム数抽籤テーブル)
続いて、図28は、通常遊技状態中に行うCZ抽籤やART抽籤に当籤した場合に、CZやART遊技状態に移行する前の前兆ゲーム数を決定するための前兆ゲーム数抽籤テーブルである。前兆ゲーム数抽籤テーブルは、当籤した抽籤の種別毎に前兆ゲーム数についての抽籤値の情報を規定する。主制御基板71は、通常遊技状態中にCZ抽籤やART抽籤に当籤した場合、前兆ゲーム数を抽籤し、この前兆ゲーム数が経過した後に通常遊技状態からCZやART遊技状態に遊技状態を移行する。
(CZ前兆中CZ昇格抽籤テーブル)
続いて、図29は、CZの前兆中に行うCZの昇格抽籤に用いられるCZ前兆中CZ昇格抽籤テーブルである。CZ前兆中CZ昇格抽籤テーブルは、抽籤用フラグB毎に昇格抽籤の抽籤結果に関する抽籤値の情報を規定する。
(ART前兆中上乗せゾーン抽籤テーブル)
続いて、図30は、ARTの前兆中に行う上乗せゾーン1のストック抽籤に用いられるART前兆中上乗せゾーン抽籤テーブルである。ART前兆中上乗せゾーン抽籤テーブルは、抽籤用フラグA毎にストック抽籤の抽籤結果に関する抽籤値の情報を規定する。
主制御基板71は、図25を用いたCZ抽籤においてCZ1〜CZ4の何れかに当籤すると、図28を用いて前兆ゲーム数をセットする。そして、主制御基板71は、この前兆ゲームの間に、図29を用いた昇格抽籤を行い、昇格抽籤に当籤した場合には、CZ抽籤において当籤していたCZ1〜CZ4を特殊CZに書き換える(昇格させる)。
同様に、主制御基板71は、図27を用いたART抽籤においてARTに当籤すると、図28を用いて前兆ゲーム数をセットする。そして、主制御基板71は、この前兆ゲームの間に、図30を用いたストック抽籤を行い、ストック抽籤に当籤した場合には、上乗せゾーン1の権利を一つ付与する。
<CZ中の遊技の流れ>
続いて、図31〜図35を参照して、CZ中の遊技について説明する。図31は、CZ中の遊技の流れを示す図であり、図32〜図35は、CZ中に用いられる各種のデータテーブルを示す図である。
図31(A)に示すように、CZ1〜CZ4は、CZ前半とCZ後半とにより構成される。CZ前半は、12ゲーム継続しART抽籤が行われ、CZ後半は、3ゲーム又は4ゲーム継続し、CZ前半中のART抽籤の結果を報知するバトル演出が行われる。
主制御基板71は、CZ前半中に抽籤用フラグBに基づいてART抽籤を行い、また、CZ前半の最終ゲーム開始時にCZ後半のゲーム数の抽籤を行う。また、主制御基板71は、CZ後半中にも所謂レア役に応じてART抽籤を行っており、CZ前半中のART抽籤の結果の書き換えや、更なるARTの権利の付与を行う。主制御基板71は、CZ(前後半)中に行うARTに非当籤の場合には、CZ終了後に遊技状態を通常遊技状態に移行させ、ARTに当籤した場合には、CZ終了後に遊技状態を通常ARTに移行させ、ARTと上乗せゾーンとに当籤した場合には、CZ終了後に遊技状態を当籤した種別の上乗せゾーンに移行させる。
続いて、図31(B)に示すように、特殊CZ中は、上乗せゾーンのストック抽籤を行っており、特殊CZは、10ゲーム経過するまで、又はストック抽籤に当籤するまで継続する。主制御基板71は、特殊CZ中に、抽籤用フラグBに基づいて上乗せゾーン2のストック抽籤を行う。そして、主制御基板71は、上乗せゾーン2のストック抽籤に当籤することなく10ゲームが経過した場合には、特殊CZ終了して遊技状態を通常ARTに移行させ、10ゲームが経過する前に上乗せゾーン2のストック抽籤に当籤した場合には、特殊CZを終了して遊技状態を上乗せゾーン2に移行させる。
(CZ中ART抽籤用番号決定テーブル)
図32は、抽籤用フラグBからCZ中ART抽籤用番号を決定するためのCZ中ART抽籤用番号決定テーブルである。CZ中ART抽籤用番号決定テーブルは、CZ中の状況毎に設けられる。例えば、ART抽籤に未だ当籤していないCZの前半中は「ART非当籤のCZ前半中」のCZ中ART抽籤用番号決定テーブルが用いられ、ART抽籤に当籤しないまま行われるCZの後半中は「ART非当籤のCZ後半中」のCZ中ART抽籤用番号決定テーブルが用いられ、ART抽籤に当籤した後のCZ(前後半)中は「ART当籤後のCZ(前後半)中」のCZ中ART抽籤用番号決定テーブルが用いられる。
また、CZ中ART抽籤用番号決定テーブルは、抽籤用フラグB及びCZの種別に対応付けて、CZ中ART抽籤用番号を規定する。CZ中ART抽籤用番号は、CZ1〜CZ4中に行うART抽籤に用いられる情報である。図32のCZ中ART抽籤用番号決定テーブルを参照すると、CZの前半では、一度ART抽籤に当籤するまでは、抽籤用フラグBの種別に関係なくCZ中ART抽籤用番号として「0」以外が決定される。一方で、一度ART抽籤に当籤すると、又はCZの後半では、CZ中ART抽籤用番号「0」以外は、抽籤用フラグB「3」〜「7」(所謂レア役以上)でしか決定されない。
(CZ中ART抽籤テーブル)
図33は、CZ中ART抽籤用番号に基づいて行うART抽籤に用いられるCZ中ART抽籤テーブルである。CZ中ART抽籤テーブルは、CZ中ART抽籤用番号毎に、ART抽籤の抽籤結果に関する抽籤値の情報を規定する。パチスロ機1では、「0」以外のCZ中ART抽籤用番号が決定されている場合には、所定の確率でART抽籤に当籤することになる。
(バトルゲーム数抽籤テーブル)
図34は、CZ前半の最終ゲーム開始時にCZ後半のゲーム数(バトルゲーム数)を決定するために用いられるバトルゲーム数抽籤テーブルである。バトルゲーム数抽籤テーブルは、CZ前半中のART抽籤の結果(当籤、非当籤)に応じて、CZ後半のゲーム数に関する抽籤値の情報を規定する。なお、本実施形態のパチスロ機1では、CZ後半のゲーム数は、CZ前半中のART抽籤に非当籤の場合には必ず「3ゲーム」となり、CZ前半中のART抽籤に当籤していた場合には、所定の確率で「4ゲーム」となる。
(特殊CZ中上乗せゾーン抽籤テーブル)
図35は、特殊CZ中に行う上乗せゾーンのストック抽籤に用いられる特殊CZ中上乗せゾーン抽籤テーブルである。上乗せゾーン抽籤テーブルは、抽籤用フラグB毎に、上乗せゾーン2のストック抽籤の抽籤結果に関する抽籤値の情報を規定する。なお、特殊CZ中は、上乗せゾーン2についてのみストック抽籤を行っており、その他の上乗せゾーン1,3についてのストック抽籤は行わない。
<通常ART中の遊技の流れ>
続いて、図36〜図42を参照して、通常ART中の遊技について説明する。図36は、通常ART中の遊技の流れを示す図であり、図37〜図42は、通常ART中に用いられる各種のデータテーブルを示す図である。
図32(A)に示すように、通常ART中は、通常ARTの継続期間(ゲーム数)の上乗せ及び上乗せゾーンのストックを行う上乗せ抽籤を行っている。通常ART中の上乗せ抽籤は、基本的には表モード及び抽籤用フラグCに基づいて行われるが、ART遊技状態の継続ゲーム数が250ゲームを超えると表モードに関係なく抽籤用フラグCに基づいて行われる。なお、ART遊技状態の継続ゲーム数とは、通常ART中の継続ゲーム数と上乗せゾーン1〜3の継続ゲーム数との和であってもよく、また、通常ART中の継続ゲーム数のみであってもよい。また、ART遊技状態の継続ゲーム数は、前回以前のものも含む累計の継続ゲーム数ではなく、今回のART遊技状態の継続ゲーム数、言い換えると、ART遊技状態が終了することなく継続している間の同一のART遊技状態中における継続ゲーム数である。
主制御基板71は、通常ART中に表モードの移行抽籤を行うとともに、上述した上乗せ抽籤を行う。主制御基板71は、この上乗せ抽籤において非当籤の場合には、何らの上乗せも行うことなく通常ARTを継続し、上乗せ抽籤においてゲーム数の上乗せに当籤すると、ゲーム数(継続期間)を上乗せして通常ARTを継続し、上乗せ抽籤において上乗せゾーンのストック抽籤に当籤すると、遊技状態を通常ARTから当籤した種別の上乗せゾーンに移行する。
なお、主制御基板71は、ART準備中にも表モードの移行抽籤及び上乗せ抽籤を行う。ここで、ART準備中とは、ART遊技状態(通常ART、上乗せモード)の権利を有しており、かつ、ART遊技状態が開始する前の、RT0、RT1遊技状態中のことをいう。ART遊技状態は、ART遊技状態(通常ART、上乗せモード)の権利が付与された後にRT遊技状態がRT2遊技状態に移行することで開始するため、このART遊技状態が開始する前(すなわち、ART前兆中が終了した後)のRT0、RT1遊技状態をART準備中と呼ぶ。
また、図32(B)に示すように、通常ART中は、解除モードの移行抽籤と解除モードに基づく解除抽籤とを行っている。解除モードは、解除抽籤の当籤期待度が異なるモードである。解除モードの移行抽籤及び解除抽籤は、それぞれ現在の解除モードに基づいて行われ、解除モードの移行抽籤では、現在の解除モードに基づいて移行先の解除モードを抽籤し、解除抽籤では、現在の解除モードに基づいて上乗せゾーン1のストック抽籤を行う。
主制御基板71は、解除モードの移行抽籤の結果に応じてセットしている解除モードを切り替える。また、主制御基板71は、解除抽籤に非当籤の場合には、通常ARTを継続し、解除抽籤に当籤した場合には、遊技状態を通常ARTから上乗せゾーン1に移行する。
(上乗せ抽籤用番号決定テーブル)
図37は、抽籤用フラグCから上乗せ抽籤用番号を決定するための上乗せ抽籤用番号決定テーブルである。上乗せ抽籤用番号決定テーブルは、現在の表モード又はART遊技状態の継続ゲーム数毎に設けられる。例えば、ART遊技状態が250経過する前では、現在の表モードに応じた上乗せ抽籤用番号決定テーブルが用いられ、ART遊技状態が250ゲーム経過した後では、現在の表モードに関係なく「ART250G」の上乗せ抽籤用番号決定テーブルが用いられる。そして、上乗せ抽籤用番号決定テーブルは、抽籤用フラグCに対応付けて上乗せ抽籤用番号を規定する。
(通常ART中上乗せゾーン抽籤テーブル)
図38は、上乗せ抽籤用番号に基づいて行う上乗せ抽籤に用いられる通常ART中上乗せゾーン抽籤テーブルである。通常ART中上乗せゾーン抽籤テーブルは、上乗せ抽籤用番号毎に、上乗せ抽籤の抽籤結果に関する抽籤値の情報を規定する。
(ART中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブル)
図39は、抽籤用フラグCから上乗せゲーム数抽籤用番号を決定するためのART中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブルである。本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、上乗せ抽籤ではゲーム数を上乗せするか否かについてのみ抽籤し、上乗せするゲーム数自体は抽籤せずに、上乗せ抽籤とは別に行う上乗せゲーム数抽籤により上乗せするゲーム数を抽籤する。上乗せゲーム数抽籤用番号は、この上乗せゲーム数抽籤において用いられる情報である。ART中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブルは、現在の表モード又はART遊技状態の継続ゲーム数毎に設けられ、抽籤用フラグCに対応付けて上乗せゲーム数抽籤用番号を規定する。
(上乗せゲーム数抽籤テーブル)
図40は、上乗せゲーム数抽籤用番号に基づいて行う上乗せゲーム数抽籤に用いられる上乗せゲーム数抽籤テーブルである。上乗せゲーム数抽籤テーブルは、上乗せゲーム数抽籤用番号毎に、上乗せするゲーム数についての抽籤値の情報を規定する。
主制御基板71は、図38を用いた上乗せ抽籤において、ゲーム数の上乗せに当籤すると、図39を用いて上乗せゲーム数抽籤用番号を決定し、この上乗せゲーム数抽籤用番号に基づいて図40を用いて上乗せゲーム数の抽籤を行う。
(解除モード移行抽籤テーブル)
続いて、図41は、解除モードの移行抽籤に用いられる解除モード移行抽籤テーブルである。解除モード移行抽籤テーブルは、現在の解除モード毎に移行先の解除モードについての抽籤値の情報を規定する。
(解除抽籤テーブル)
続いて、図42は、解除モードに基づく解除抽籤に用いられる解除抽籤テーブルである。解除抽籤テーブルは、現在の解除モード毎に上乗せゾーン1のストックの有無についての抽籤値の情報を規定する。なお、主制御基板71は、ART遊技状態の継続ゲーム数が250ゲームを超えるまでは「デフォルト」の欄の解除抽籤テーブルを用いて解除抽籤を行い、ART遊技状態の継続ゲーム数が250ゲームを超えた後は、「ART250G」の欄の解除抽籤テーブルを用いて解除抽籤を行う。
主制御基板71は、抽籤用フラグCを用いた上乗せ抽籤(図37〜図40)の他に、解除モードに基づく上乗せゾーンのストック抽籤(解除抽籤)を行っており、図41及び図42に示す解除モード移行抽籤テーブル及び解除抽籤テーブルは、この抽籤において用いられる。
<上乗せゾーン1,2中の遊技の流れ>
続いて、図43〜図48を参照して、上乗せゾーン1,2中の遊技について説明する。図43及び図44は、上乗せゾーン1,2中の遊技の流れを示す図であり、図45〜図48は、上乗せゾーン1,2中に用いられる各種のデータテーブルを示す図である。
図43(A)に示すように、上乗せゾーン1,2中は、現遊技(今回の遊技)から4ゲーム後の遊技までの5ゲーム分の遊技のそれぞれに対してイベントマスがセットされる。イベントマスは、遊技の進行に応じて一つずつスライドする。そのため、主制御基板71は、上乗せゾーン1,2の開始時には、ゲーム分の遊技のそれぞれに対してイベントマスをセットし、その後、遊技が進行するたびに、スライドして空いた1ゲーム分の遊技に対して新たなイベントマスをセットする。
図43(B)に示すように、イベントマスは複数種類設けられている。主制御基板71は、上乗せゾーン1中は、これら複数種類のイベントマスの中から抽籤したイベントマスを5ゲーム分の遊技のそれぞれに対応付けてセットする一方で、上乗せゾーン2中は、イベントマス「裏」のみをセットする。
また、イベントマスには、それぞれ報酬が対応付けられている。なお、イベントマスに対応付けられる報酬には、遊技者にとって有利な報酬と不利な報酬とが含まれる。上乗せゾーン1,2中では、主制御基板71は、今回の遊技における内部当籤役(詳細には、抽籤用フラグC)に基づいて、当該遊技に対してセットされたイベントマスに対応付けられた報酬を付与する。基本的には、主制御基板71は、ベル以上(抽籤用フラグC「2」以上)が当籤すると、イベントマスに対応付けられた有利な報酬を付与し、リプレイ以下(抽籤用フラグC「0」「1」)が当籤すると、イベントマスに対応付けられた不利な報酬を付与する。なお、上乗せゾーン2中は、抽籤用フラグCに関係なく、イベントマス「裏」に対応付けられた有利な報酬(ゲーム数の上乗せ)が付与される。
本実施形態のパチスロ機1では、イベントマス「赤」に対してのみ不利な報酬を対応付け、その他のイベントマスには有利な報酬のみを対応付けている。具体的には、イベントマス「赤」には、不利な報酬として「ライフ−1」が対応付けられている。上乗せゾーン1中は、ライフにより継続期間が管理されており、イベントマス「赤」の不利な報酬である「ライフ−1」によりライフが0になると、上乗せゾーン1が終了する。なお、ライフは、上乗せゾーン1の開始時に1付与されるとともに、イベントマス「キャラ1」の報酬により付与される。
また、イベントマス「赤」がセットされている遊技において、レア役以上(抽籤用フラグ「3」以上)が当籤すると、「ゲーム数の上乗せ」という報酬が付与されることもある。
また、イベントマス「青1」〜「青5」には、有利な報酬として「ゲーム数の上乗せ」が対応付けられている。また、イベントマス「裏」には、有利な報酬として「上乗せゾーン2への移行」又は「ゲーム数の上乗せ」が対応付けられている。具体的には、イベントマス「裏」は、上乗せゾーン1,2の双方においてセットされる可能性があり、上乗せゾーン1中にセットされたイベントマス「裏」には「上乗せゾーン2への移行」が対応付けられ、上乗せゾーン2中にセットされたイベントマスには「ゲーム数の上乗せ」が対応付けられている。そのため、主制御基板71は、上乗せゾーン1中のイベントマス「裏」がセットされている遊技において、ベル以上が当籤すると、上乗せゾーン1か上乗せゾーン2に遊技状態を移行させる。
また、イベントマス「キャラ1」には、有利な報酬として「ライフ+1」が対応付けられ、イベントマス「キャラ2」には、有利な報酬として「赤マス変換ストック+1」が対応付けられている。ここで、「赤マス変換ストック」とは、イベントマス「赤」を他のイベントマスに変換する権利である。主制御基板71は、「赤マス変換ストック」を有している状況で、次回遊技にイベントマス「赤」がセットされている場合、このイベントマス「赤」を他のイベントマスに変換する。
また、イベントマス「キャラ3」には、有利な報酬として「2倍ストック+1」が対応付けられ、イベントマス「キャラ4」には、有利な報酬として「復活ストック+1」が対応付けられている。ここで、「2倍ストック」とは、ゲーム数の上乗せを行う際に上乗せするゲーム数を抽籤したゲーム数の2倍に変換する権利である。また、「復活ストック」とは、ライフが0になり上乗せゾーン1を終了する場合に、上乗せゾーン1を再開する再セット権利である。主制御基板71は、「2倍ストック」を有している状況で、イベントマス「青1」などによりゲーム数の上乗せが行われる場合、抽籤により決定した上乗せゲーム数を2倍にしてゲーム数の上乗せを行う。また、主制御基板71は、「復活ストック」を有している状況で、イベントマス「赤」によりライフが0になると(上乗せゾーン1が終了すると)、上乗せゾーン1を再開する。
また、イベントマス「バトル」には、有利な報酬として「裏マスに変換」が対応付けられている。ここで、「裏マスに変換」とは、現在セットされているイベントマスをイベントマス「裏」に変換することである。主制御基板71は、イベントマス「バトル」がセットされている遊技において、ベル以上が当籤すると、次回遊技以降の遊技に対してセットされているイベントマスをイベントマス「裏」に変換する。
(上乗せゾーン1の終了条件)
図43(C)に示すように、主制御基板71は、イベントマス「赤」がセットされている遊技においてリプレイ以下が当籤した結果、イベントマス「赤」の不利な報酬「ライフ−1」に伴いライフが0になると、上乗せゾーン1を終了し、遊技状態を通常ARTに移行させる。なお、イベントマス「赤」がセットされている遊技であっても、ベル以上が当籤した場合には、イベントマス「赤」の不利な報酬「ライフ−1」を回避することができ、上乗せゾーン1が継続する。また、ライフが0になったとしても「復活ストック」を有している場合には、主制御基板71は、上乗せゾーン1を再開する。
また、「2倍ストック」を有している場合や、保証ゲーム数が残っている場合には、主制御基板71は、イベントマス「赤」がセットされている遊技においてリプレイ以下が当籤したとしても、イベントマス「赤」の不利な報酬「ライフ−1」を付与しない。
(上乗せゾーン1から上乗せゾーン2への移行)
続いて、図44(D)(E)を参照して、上乗せゾーン1から上乗せゾーン2への移行について説明する。上述したようにイベントマス「裏」には、有利な報酬として「上乗せゾーン2への移行」が対応付けられている。主制御基板71は、上乗せゾーン1中のイベントマス「裏」がセットされている遊技において、ベル以上が当籤すると、イベントマス「裏」の有利な報酬「上乗せゾーン2への移行」に伴い、遊技状態を上乗せゾーン1から上乗せゾーン2に移行させる。一方で、主制御基板71は、上乗せゾーン1中のイベントマス「裏」がセットされている遊技において、リプレイ以下が当籤すると、有利な報酬を付与することなく、遊技状態を上乗せゾーン1のまま維持する。
また、図44(E)に示すように、主制御基板71は、上乗せゾーン1中にボーナスに係る役が入賞すると、上乗せゾーンの昇格抽籤を行う。主制御基板71は、この昇格抽籤に当籤した場合には、上乗せゾーン1を上乗せゾーン2に昇格させる。なお、この場合には、ボーナスに係る役の入賞に伴い開始するボーナス状態が、上乗せゾーン2と同様の遊技性を有する特殊BBとなる。一方で、昇格抽籤に非当籤の場合には、主制御基板71は、上乗せゾーン1を昇格することなく維持し、また、この場合には、開始するボーナス状態が通常BB又はエピソードBBとなる。
(上乗せゾーン2の終了条件)
図44(F)に示すように、主制御基板71は、上乗せゾーン2中にリプレイ以下が当籤すると、終了抽籤を行い、この終了抽籤において継続が決定されると、上乗せゾーン2を継続し、反対に終了抽籤において終了が決定されると、上乗せゾーン2を終了して、遊技状態を上乗せゾーン2から上乗せゾーン1に移行させる。なお、上乗せゾーン2中は、保証ゲーム数が付与され、主制御基板71は、この保証ゲーム数が残っている場合には、終了抽籤自体を行わない。
(上乗せゾーンレベル抽籤テーブル)
続いて、図45は、上乗せゾーンレベルを決定するための上乗せゾーンレベル抽籤テーブルである。上乗せゾーンレベル抽籤テーブルは、上乗せゾーンレベルについての抽籤値の情報を規定する。ここで、上乗せゾーンレベルとは、上乗せゾーン1中にセットするイベントマスの決定に用いられる情報であり、基本的には、上乗せゾーンレベルが高いほど遊技者にとって有利なイベントマスがセットされ易くなる。
主制御基板71は、上乗せゾーン1の開始時(より詳細には、上乗せゾーン1を開始する遊技の1ゲーム前の遊技終了時)に上乗せゾーンレベルを決定し、決定した上乗せゾーンレベルに基づいてイベントマスをセットする。なお、上述の「復活ストック」により上乗せゾーン1が再開した場合には、主制御基板71は、上乗せゾーンレベルとして、より有利な上乗せゾーンレベル3を決定する(すなわち、「復活ストック」による再開時には、上乗せゾーン1の初当たり時よりも高い確率で上乗せゾーンレベル3を決定する)。
(イベントマス抽籤テーブル)
続いて、図46は、セットするイベントマスを抽籤するために用いられるイベントマス抽籤テーブルである。イベントマス抽籤テーブルは、抽籤の結果セットするイベントマスについての抽籤値の情報を規定する。主制御基板71は、上乗せゾーン1の開始時には、図46(A)の「開始時」に示すイベントマス抽籤テーブルを用いて5ゲーム分のイベントマスを決定する。この「開始時」のイベントマス抽籤テーブルを参照すると、上乗せゾーン1の開始時には、3マス目以外にはイベントマス「赤」がセットされないことが分かる。
また、主制御基板71は、上乗せゾーン1の2ゲーム目以降は、図46(A)の「開始時以外」に示すイベントマス抽籤テーブルを用いてセットするイベントマスを決定する。「開始時以外」のイベントマス抽籤テーブルを参照すると、2ゲーム目以降は、上乗せゾーンレベルに応じてイベントマスが決定され、上乗せゾーンレベル「Lv3」では、上乗せゾーンレベル「Lv1」よりもイベントマス「赤」を決定する確率が低いことが分かる。
また、イベントマス「赤」を変換する場合には、主制御基板71は、図46(A)の「赤変換時」に示すイベントマス抽籤テーブルを用いて変換後のイベントマスを決定する。なお、本実施形態のパチスロ機1では、「赤マス変換ストック」がある場合の他、イベントマス「赤」が2つ連続してセットされてしまった場合に、イベントマス「赤」を変換する。「赤マス後」に示すイベントマス抽籤テーブルは、イベントマス「赤」が2つ連続してセットされた場合に参照されるテーブルであり、「ストック消費」に示すイベントマス抽籤テーブルは、「赤マス変換ストック」がある場合に参照されるテーブルである。
また、主制御基板71は、上乗せゾーン1中に遊技が特定の回数行われる毎に、図46(A)の「20ゲーム毎」に示すイベントマス抽籤テーブルを用いてセットするイベントマスを決定する。本実施形態のパチスロ機1では、上乗せゾーン1中に定期的(20ゲーム毎)にイベントマス「バトル」をセットすることとしており、「20ゲーム毎」のイベントマス抽籤テーブルは、定期的なイベントマス「バトル」のセットのために用いられる。
また、主制御基板71は、上乗せゾーン2及び特殊BB中は、図46(A)の「上乗せゾーン2」に示すイベント抽籤テーブルを用いてセットするイベントマスを抽籤する。「上乗せゾーン2」のイベント抽籤テーブルを参照すると、上乗せゾーン2及び特殊BB中は、イベントマス「裏」が必ず決定されることが分かる。
また、図46(B)に示すイベントマス抽籤テーブル2は、図46(A)に示すイベントマス抽籤テーブル1においてイベントマス「キャラ」が決定された場合に参照されるテーブルであり、当該イベントマス「キャラ」に対して設定する報酬(キャラ1〜キャラ4に応じた報酬)についての抽籤値の情報を規定する。主制御基板71は、イベントマス抽籤テーブル1においてイベントマス「キャラ」が決定された場合、イベントマス抽籤テーブル2を用いてイベントマス「キャラ1」〜「キャラ4」の中からセットするイベントマスを決定する。そして、主制御基板71は、このイベントマスがセットされた遊技においてベル以上が当籤すると、セットされた「キャラ1」〜「キャラ4」に応じた報酬を付与する。
また、図46(C)に示すイベントマス抽籤テーブル3は、図46(A)に示すイベントマス抽籤テーブル1においてイベントマス「バトル」が決定された場合に参照されるテーブルであり、当該イベントマス「バトル」に対して設定する報酬(裏マス変換個数)についての抽籤値の情報を規定する。主制御基板71は、イベントマス抽籤テーブル1においてイベントマス「バトル」が決定された場合、イベントマス抽籤テーブル3を用いて裏マス変換個数を決定し、当該イベントマス「バトル」にセットする。そして、主制御基板71は、このイベントマスがセットされた遊技においてベル以上が当籤すると、セットされた次回以降の裏マス変換個数分の遊技に対してセットされているイベントマスをイベントマス「裏」に変換する。
なお、後述するようにイベントマスは、対応する表示マスにより表示されることになるが、イベントマス「バトル」には、セットされた裏マス変換個数に対応した表示マス(例えば、敵キャラクタのボス)が表示される。
(上乗せゾーン1,2中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブル)
続いて、図47は、抽籤用フラグCから上乗せゲーム数抽籤用番号を決定するための上乗せゾーン中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブルである。通常ART中は、図39に示すART中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブルを用いて上乗せゲーム数抽籤用番号を決定するが、上乗せゾーン1,2中は、上乗せゾーン1,2中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブルを用いて上乗せゲーム数抽籤用番号を決定する。上乗せゾーン1,2中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブルは、イベントマスの種類毎に抽籤用フラグCに対応付けて上乗せゲーム数抽籤用番号を規定する。
なお、上乗せゾーン1中においてイベントマス「裏」には、「上乗せゾーン2への移行」という有利な報酬が設定されていることから、上乗せゾーン1中は、イベントマス「裏」に対して上乗せゲーム抽籤用番号「0」を規定することとしてもよい。この場合において、抽籤用フラグCの全てに対して上乗せゲーム抽籤用番号「0」を規定することとしてもよく、また、抽籤用フラグCの一部(例えば、ベル以下(抽籤用フラグC「0」〜「2」))に対して上乗せゲーム抽籤用番号「0」を規定し、その他の抽籤用フラグC(例えば、レア役以上(抽籤用フラグC「3」以上))に対しては図示した上乗せゲーム抽籤用番号を規定することとしてもよい。
また、上乗せゾーン1,2中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブルでは、イベントマス「赤」において、レア役以上(抽籤用フラグC「3」以上)に対して、「0」以外の上乗せゲーム数抽籤用番号を規定しているが、イベントマス「赤」ではレア役以上であっても上乗せゲーム数抽籤用番号「0」を規定することとしてもよい。すなわち、イベントマス「赤」は、不利な報酬として「ライフ−1」が規定されているイベントマスとして、ARTゲーム数の上乗せを行うことなくライフが1減算されるか否かのみを決定するイベントマスとしてもよい。
上乗せゾーン1,2中において、主制御基板71は、抽籤用フラグC及びイベントマスに応じて上乗せゲーム数抽籤用番号を決定すると、図40に示した上乗せゲーム数抽籤テーブルを参照して、決定した上乗せゲーム数抽籤用番号から上乗せゲーム数を抽籤する。
(ボーナス入賞時上乗せゾーン昇格抽籤テーブル)
続いて、図48(A)は、上乗せゾーン1中のボーナス入賞時に行う上乗せゾーンの昇格抽籤に用いられるボーナス入賞時上乗せゾーン昇格抽籤テーブルである。ボーナス入賞時上乗せゾーン昇格抽籤テーブルは、上乗せゾーンの昇格抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御基板71は、上乗せゾーン1中にボーナスに係る役が入賞すると、上乗せゾーン1を上乗せゾーン2に昇格するか否かの昇格抽籤を行い、この昇格抽籤において当籤した場合には、上乗せゾーン1を上乗せゾーン2に昇格するとともに、ボーナス入賞に伴い開始するボーナス状態を特殊BBとする。
(上乗せゾーン2終了抽籤テーブル)
続いて、図48(B)は、上乗せゾーン2の終了抽籤に用いられる上乗せゾーン2終了抽籤テーブルである。上乗せゾーン2終了抽籤テーブルは、抽籤用フラグD毎に終了抽籤の結果についての抽籤値の情報を規定する。上乗せゾーン2終了抽籤テーブルを参照すると、上乗せゾーン2は、ベル以上(抽籤用フラグD「1」)当籤で継続し、リプレイ以下(抽籤用フラグD「0」)当籤時の所定確率で終了する。
(上乗せゾーン1終了時復活ストック抽籤テーブル)
続いて、図48(C)は、上乗せゾーン1の終了時に行う「復活ストック」の抽籤に用いられる上乗せゾーン1終了時復活ストック抽籤テーブルである。上乗せゾーン1終了時復活ストック抽籤テーブルは、「復活ストック」の抽籤についての抽籤値の情報を規定する。この「復活ストック」の抽籤に当籤した場合には、「復活ストック」が1つ付与される。
<上乗せゾーン3中の遊技の流れ>
続いて、図49〜図51を参照して、上乗せゾーン3中の遊技について説明する。図49は、上乗せゾーン3中の遊技の流れを示す図であり、図50及び図51は、上乗せゾーン3中に用いられる各種のデータテーブルを示す図である。
図49(A)に示すように、上乗せゾーン3は、複数回数の遊技を1セットとし、継続判定において非当籤となるまで1セットの遊技が繰り返される。また、図49(B)に示すように、上乗せゾーン3中は、主制御基板71は、上乗せゾーン3の開始時(より詳細には、上乗せゾーン3を開始する遊技の1ゲーム前の遊技終了時)に継続率の抽籤を行い、1セットの開始時(より詳細には、前のセットの終了時)に保証ストックの抽籤、1セットのゲーム数の抽籤、及び継続判定の抽籤を行う。また、上乗せゾーン3中は、主制御基板71は、毎遊技、ゲーム数の上乗せ抽籤を行う。そのため、上乗せゾーン3は、複数回数の遊技(1セット)毎に行われる継続判定に非当籤となるまで、通常ART中のゲーム数を消化することなく、ゲーム数の上乗せが行われる状態であるといえる。
(継続率抽籤テーブル)
図50(A)は、継続判定の当籤確率を規定する継続率を抽籤するために用いられる継続率抽籤テーブルである。継続率抽籤テーブルは、継続率についての抽籤値の情報を規定する。主制御基板71は、上乗せゾーン3の開始時(より詳細には、上乗せゾーン3を開始する遊技の1ゲーム前の遊技終了時)に、継続率を抽籤し、この継続率を用いて継続判定の抽籤を行う。
(保証ストック抽籤テーブル)
図50(B)は、保証ストック数を抽籤するために用いられる保証ストック抽籤テーブルである。保証ストック抽籤テーブルは、保証ストック数についての抽籤値の情報を規定する。ここで、保証ストックがある場合には、継続判定を行うことなく、上乗せゾーン3を継続(次セットを開始)する。
なお、1回の上乗せゾーン3中に保証ストック抽籤テーブルを用いた保証ストック数の抽籤により保証ストックが付与された場合には、当該上乗せゾーン3中は更なる保証ストック数の抽籤を行わない。
(1セットゲーム数抽籤テーブル)
図50(C)は、1セットのゲーム数を抽籤するために用いられる1セットゲーム数抽籤テーブルである。1セットゲーム数抽籤テーブルは、保証ストック数の有無及びセット数の連荘数(より詳細には、連荘数÷4の余り)毎に設けられ、抽籤結果としての1セットのゲーム数についての抽籤値の情報を規定する。
(継続判定テーブル)
図50(D)は、上乗せゾーン3を継続するか否かの継続判定に用いられる継続判定テーブルである。継続判定テーブルは、継続率毎に判定結果(終了、継続)についての抽籤値の情報を規定する。主制御基板71は、上乗せゾーン3の開始時に継続率抽籤テーブルを用いて決定した継続率に従い、1セットの開始時(より詳細には、前のセットの終了時)に継続判定を行う。主制御基板71は、継続判定の結果、継続と判定された場合には、上乗せゾーン3を継続し、終了と判定された場合には、上乗せゾーン3を終了し、遊技状態を通常ARTに移行させる。
なお、主制御基板71は、保証ストックが0のときに継続判定を行い、保証ストックがある場合には、継続判定を行うことなく保証ストック数を1減算する。
(上乗せゾーン3中上乗せゲーム数抽籤テーブル)
図51(E)は、上乗せゾーン3中に上乗せするゲーム数を決定するための上乗せゾーン3中上乗せゲーム数抽籤テーブルである。上乗せゾーン3中上乗せゲーム数抽籤テーブルは、抽籤用フラグC毎に抽籤結果としての上乗せゲーム数についての抽籤値の情報を規定する。主制御基板71は、上乗せゾーン3中は、毎遊技、上乗せゾーン3中上乗せゲーム数抽籤テーブルを用いてゲーム数の上乗せ抽籤を行う。
なお、継続判定において終了が決定されているセット中の遊技において、ゲーム数の上乗せ抽籤に当籤(上乗せゲーム数「10」以上)した場合には、主制御基板71は、継続判定の結果を終了から継続に書き換える。
<裏モードの概要>
続いて、図52を参照して、裏モードの概要について説明する。図52に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、上述の表モードとは別に裏モードを管理する。裏モードは、遊技の進行に応じて順次加算(溜まる)されていくモードであり、ボーナスに係る役の入賞時にそれまでに溜まっていた裏モードに基づいて、通常ARTや上乗せゾーンの権利が付与される。
裏モードの加算は、裏モード抽籤状態がセットされた遊技の遊技終了時に行われる。また、裏モードの減算は、裏モードに基づく特典(通常ARTや上乗せゾーンの権利)が付与されたタイミングで行われる。なお、裏モード抽籤状態は、基本的には遊技の結果が遊技者にとって不利な結果になった場合にセットされるため、裏モードは、遊技の結果が遊技者にとって不利な結果になると加算(蓄積)されることになる。
ここで、裏モード抽籤状態とは、加算する裏モードの量についての期待度が異なる複数の状態であり、本実施形態のパチスロ機1では、裏モード抽籤状態として「リセット」「抽籤小」「抽籤中」「抽籤大」「特殊」の5種類の状態を有する。裏モード抽籤状態は、遊技が特定の状況になるとセットされ、セットされた裏モード抽籤状態に基づき裏モードが加算されると、クリアされる(すなわち、裏モードの加算は、裏モード抽籤状態がセットされたタイミングで一度だけ行われる)。
具体的には、主制御基板71は、裏モードが「0」になった場合に裏モード抽籤状態として「リセット」をセットする。なお、裏モードが「0」になった場合とは、例えば、初期化に伴い裏モードがクリアされた場合や、裏モードに基づく特典付与に伴い裏モードが減算された場合が該当する。また、主制御基板71は、CZ1〜CZ3がART抽籤に当籤することなく終了した場合に裏モード抽籤状態として「抽籤小」をセットし、CZ4がART抽籤に当籤することなく終了した場合に裏モード抽籤状態として「抽籤中」をセットする。
また、主制御基板71は、ART準備中の継続ゲーム数に基づいて、裏モード抽籤状態をセットする。具体的には、主制御基板71は、ART準備中が20ゲーム継続した場合に裏モード抽籤状態として「抽籤小」をセットし、ART準備中が30ゲーム継続した場合に裏モード抽籤状態として「抽籤小」をセットし、ART準備中が40ゲーム継続した場合に裏モード抽籤状態として「抽籤中」をセットし、ART準備中が50ゲーム継続した場合に裏モード抽籤状態として「抽籤大」をセットする。また、主制御基板71は、ART準備中が50ゲーム継続以上継続した場合には、10ゲーム毎に(60、70、80・・・)裏モード抽籤状態として「抽籤大」をセットする。
また、主制御基板71は、フラグ間中に役「F_チャンス役1」「F_チャンス役2」「F_強チェリー」が内部当籤役として決定された場合に裏モード抽籤状態として「抽籤小」をセットする。また、主制御基板71は、ART遊技状態が駆け抜けで終了した場合に裏モード抽籤状態として「抽籤中」をセットする。なお、駆け抜けで終了するとは、ART遊技状態中に、ゲーム数の上乗せ、上乗せゾーンの当籤、及びボーナスに係る役の当籤が一度も行われないことをいう。主制御基板71は、ART遊技状態が駆け抜けで終了した後に、RT2遊技状態からRT1遊技状態に移行したタイミングで、裏モード抽籤状態として「抽籤中」をセットする。なお、ART遊技状態が終了した後のRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行するまでの状態を、本実施形態では「ART終了待ち中」と呼ぶ。
また、主制御基板71は、ART遊技状態中又はART遊技状態の終了後以外の状況で、RT2遊技状態からRT1遊技状態に遊技状態が移行した場合に裏モード抽籤状態として「特殊」を付与する。上述したように、役「F_RT1中リプ_123」〜「F_RT1中リプ_321」が内部当籤役として決定されたRT1遊技状態中の遊技において、押し順に正解すると、RT2移行リプの図柄の組合せが表示され、遊技状態がRT1遊技状態からRT2遊技状態に移行する。そのため、遊技者の停止操作の順序によっては、RT1遊技状態中にRT2遊技状態に偶然移行することがある。同様に、RT2遊技状態からRT1遊技状態へも、遊技者の停止操作の順序によって偶然に移行することがある。主制御基板71は、このような場合に裏モード抽籤状態として「特殊」をセットする。
主制御基板71は、裏モード抽籤状態をセットすると、セットしたタイミングで一度だけ裏モードの加算を行う。また、主制御基板71は、ボーナスに係る役の入賞時に裏モードに基づく特典を付与するか抽籤し、付与する場合に裏モードの減算を行う。具体的には、主制御基板71は、図53及び図54に示すデータテーブルを用いて裏モードを管理する。
(裏モード加算値抽籤テーブル)
図53は、裏モード抽籤状態がセットされたときに裏モード加算値を決定するための裏モード加算値抽籤テーブルである。裏モード加算値抽籤テーブルは、裏モード抽籤状態毎に裏モード加算値についての抽籤値の情報を規定する。主制御基板71は、裏モード抽籤状態をセットすると、セットした裏モード抽籤状態に基づいて裏モード加算値を抽籤し、当該裏モード加算値分だけ裏モードを加算する。
(ボーナス入賞時ART抽籤テーブル)
図54は、ボーナスに係る役の入賞時に裏モードに基づく特典を付与するか否かを抽籤するためのボーナス入賞時ART抽籤テーブルである。ボーナス入賞時ART抽籤テーブルは、裏モードの値(より詳細には、裏モード÷50の商)毎にART抽籤の抽籤結果に関する抽籤値の情報を規定する。主制御基板71は、何れかに当籤(非当籤以外)した場合には、当籤内容に対応する権利を一つ付与するとともに、裏モードを50減算する。なお、減算の結果、裏モードがマイナスの値になってしまう場合には、主制御基板71は、裏モードの値を0にセットする。ボーナス入賞時のこの抽籤に当籤した場合には、続いて開始するボーナス状態がエピソードBB(ただし、開始するボーナス状態が特殊BBである場合には、特殊BBのまま)となる。
<ボーナス状態中の遊技の流れ>
続いて、図55〜図57を参照して、ボーナス状態中の遊技について説明する。図55は、ボーナス状態中の遊技の流れを示す図であり、図56及び図57は、ボーナス状態中に用いられる各種のデータテーブルを示す図である。
図55(A)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態として、特殊BB、エピソードBB及び通常BBを有する。これらボーナス状態は、ボーナス状態の開始時に満たしている条件に基づいて振り分けられる。具体的には、パチスロ機1(主制御基板71)は、上乗せゾーン1中に行うボーナス入賞時の昇格抽籤(図48(A)参照)に当籤、又は上乗せゾーン2中にボーナスに係る役が入賞という条件の何れかを満たしている場合には、開始するボーナス状態を特殊BBとして扱う。
また、パチスロ機1は、ボーナス状態の開始時に当該ボーナス状態の開始契機となったボーナスに係る役の当籤又は入賞に伴い通常ARTのストックが+1以上されている場合に、開始するボーナス状態をエピソードBBとして扱う。なお、開始契機となったボーナスに係る役の当籤又は入賞に伴い通常ARTのストックが+1以上になる場合とは、例えば、確定BB(抽籤用フラグA「8」)の当籤時や特殊CZ中の通常BB(抽籤用フラグA「7」)当籤時(図26及び図27参照)、また、裏モードに基づくART抽籤の当籤時(図54参照)が該当する。
また、パチスロ機1は、特殊BB及びエピソードBBの何れの条件も満たしていない場合に、開始するボーナス状態を通常BBとして扱う。なお、通常BBとエピソードBBとは、液晶表示装置11での演出内容が異なるだけであり、ボーナス状態中の遊技性は同一である。そのため、主制御基板71では、通常BBとエピソードBBとを区別することなく扱い、副制御基板72において、通常BBとエピソードBBとを区別することとしてもよい。一方で、特殊BBは、演出内容だけでなく遊技性も異なるため、主制御基板71においても開始するボーナス状態が特殊BBであることを管理する。
(通常BB及びエピソードBB中の遊技の流れ)
続いて、図55(B)に示すように、通常BB及びエピソードBB中は、BB中7揃いが成立すると、より具体的には、ボーナス状態中に役「F_7揃い役1」「F_7揃い役2」が内部当籤役として決定されると、通常ARTや上乗せゾーンの権利を付与する。
(特殊BB中の遊技の流れ)
続いて、図55(C)を参照して特殊BB中の遊技の流れについて説明する。上述したように、特殊BB中は、上乗せゾーン2と同様の遊技性を有する。より具体的には、上乗せゾーン2中は、イベントマス「裏」がそれぞれの遊技にセットされており、上乗せゾーン2の終了抽籤において終了となるまで毎遊技、イベントマス「裏」に基づくゲーム数の上乗せが行われる(図47及び図40参照(イベントマス「裏」では、ゲーム数上乗せ抽籤用番号「1」以上が必ず決定されるため、必ずゲーム数の上乗せが行われる))。特殊BBは、この上乗せゾーン2と遊技性の面で連続性を有しており、毎遊技、ゲーム数の上乗せが行われる。また、図72で後述するように、特殊BBは、上乗せゾーン2と演出面からも連続性を有しており、特殊BB及び上乗せゾーン2中は、液晶表示装置11には、イベントマス「裏」に対応する画像がそれぞれの遊技に対してセットされて表示される。
(BB中ART抽籤テーブル)
図56は、通常BB又はエピソードBB中に行うART抽籤に用いられるBB中ART抽籤テーブルである。BB中ART抽籤テーブルは、通常ARTのストックの有無毎に設けられ、抽籤用フラグEに対するART抽籤の結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御基板71は、通常BB又はエピソードBB中は、抽籤フラグEに基づいてART抽籤を行い、この抽籤に当籤した場合には対応するストックを1加算する。
(特殊BB中上乗せゲーム数抽籤テーブル)
図57は、特殊BBに抽籤用フラグEに基づいてゲーム数の上乗せ抽籤を行うために用いられる特殊BB中上乗せゲーム数抽籤テーブルである。特殊BB中上乗せゲーム数抽籤テーブルは、抽籤用フラグEに対応付けて抽籤結果としての上乗せゲーム数についての抽籤値の情報を規定する。上述したように、ボーナス状態中は、役「F_RB役」「F_7煽り役」「F_7揃い役1」「F_7揃い役2」が必ず内部当籤役として決定され「はずれ」となることがない。特殊BB中上乗せゲーム数抽籤テーブルを参照すると、これらの役「F_RB役」「F_7煽り役」「F_7揃い役1」「F_7揃い役2」に応じた抽籤用フラグEには、5以上の上乗せゲーム数が対応付けられているため、特殊BB中は、毎遊技、必ずゲーム数の上乗せが行われることになる。
<ART中などの押し順報知の概要>
以上説明したように、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71により様々な遊技状態が制御される。ここで、パチスロ機1では、ART遊技状態中などに遊技者にとって有利な停止操作の態様(押し順)を報知する。この報知は、メイン(主制御基板71)及びサブ(副制御基板72)の双方で行うが、図58では、メイン側の報知(ナビ)の内容と、メイン側の報知とサブ側の報知との対応関係について説明する。
(メイン側ナビの内容)
図58(A)は、メイン側で行う報知(ナビ)の内容を示す図である。図58に示すように、基本的には、メイン側では押し順役当籤時に、報知ランプ147a(図3参照)に当該押し順役に対して正解の押し順を一義的に示す値を表示することで、停止操作の情報を報知する。具体的には、正解の押し順が「左、中、右」である場合には報知ランプ147aに「1」を表示し、正解の押し順が「左、右、中」である場合には報知ランプ147aに「2」を表示し、正解の押し順が「中、左、右」である場合には報知ランプ147aに「3」を表示し、正解の押し順が「中、右、左」である場合には報知ランプ147aに「4」を表示し、正解の押し順が「右、左、中」である場合には報知ランプ147aに「5」を表示し、正解の押し順が「右、中、左」である場合には報知ランプ147aに「6」を表示し、正解の押し順が「左1st(第1停止操作が左のリール3Lに対するものであること)」である場合には報知ランプ147aに「7」を表示し、正解の押し順が「中1st(第1停止操作が中のリール3Cに対するものであること)」である場合には報知ランプ147aに「8」を表示し、正解の押し順が「右1st(第1停止操作が右のリール3Rに対するものであること)」である場合には報知ランプ147aに「9」を表示する。
(メイン側ナビとサブ側ナビとの対応関係)
図58(B)は、メイン側で行う報知(ナビ)の内容と、サブ側で行う報知(ナビ)の内容との対応関係を示す図である。サブ(副制御基板72)側では、液晶表示装置11に正解の押し順を直接的に示す表示を行うことで、停止操作の情報を報知する。このサブ側で行う報知は、押し順パターンと色パターンとにより構成される。押し順パターンは、正解の押し順を直接的に示す表示パターンである。例えば、正解の押し順が「左、中、右」である場合には、副制御基板72は、押し順パターン1に基づいて液晶表示装置11に「1,2,3」と表示することで、停止操作の順序を報知する。また、例えば、正解の押し順が「中1st」である場合には、副制御基板72は、押し順パターン8に基づいて液晶表示装置11に「−,1,−」と表示することで、停止操作の順序を報知する。
また、色パターンは、押し順パターンに応じた報知を行う際の色を表し、報知対象の押し順役に対応する色が設けられている。例えば、リプレイに対する報知を行う場合には、副制御基板72は、色パターン1に基づいて押し順パターンに応じた内容を青で表示し、ベルに対する報知を行う場合には、副制御基板72は、色パターン2に基づいて押し順パターンに応じた内容を黄で表示する。なお、本実施形態のパチスロ機1では、押し順役としてリプレイ(青)とベル(黄)との2種類のみを設けているが、副制御基板72は、色パターン3(白)を用いて正解の押し順を報知することがある。この点は、図101及び図102において後述する。
図58(B)に示すように、サブ側の押し順パターンは、メイン側のナビ内容と一対一で対応する。主制御基板71は、メイン側でナビを行う場合に、メイン側のナビ内容(1〜9又はなし)と当籤役の種別(リプレイ又はベル)とを副制御基板72に対して通知する。副制御基板72では、メイン側のナビ内容から、対応する押し順パターンを決定するとともに、当籤役の種別から色パターンを決定し、決定した押し順パターンに応じた内容を色パターンに応じた色で表示することで、サブ側のナビを行う。
[副制御側の制御]
以上、主制御基板71における制御について説明した。続いて、副制御基板72側の制御について説明する。具体的には、副制御基板72が制御する演出や液晶表示装置11の表示内容について説明する。
(演出の概要)
副制御基板72では、多数の演出を実行するが、初めに図59を参照して、これら演出の中の代表的な演出の概要について説明する。図59(A)は、裏モード用演出の概要を示す図である。裏モード用演出とは、メイン(主制御基板71)側で管理する裏モードを示唆する演出である。上述したようにメイン側では、裏モードを所定の契機で蓄積していく。裏モード示唆演出のうちの裏モード吸収演出は、裏モードが蓄積(加算)されたことを示唆する演出であり、裏モード示唆演出は、現在の裏モードの蓄積量を示唆する演出である。これら裏モード用演出は、液晶表示装置11に加え、球体役物12を用いて行われる。
副制御基板72は、裏モード吸収演出において、球体役物12にエネルギー(裏モード)が吸収されるように、液晶表示装置11及び球体役物12を制御することで、裏モードが蓄積されたことを示唆する。具体的には、副制御基板72は、裏モード吸収演出を行う場合、液晶表示装置11の左方、右方又は下方からエネルギーを発生させ、このエネルギーが球体役物12に吸収されるように液晶表示装置11の表示を制御する。このとき、副制御基板72は、メイン側において蓄積(加算)した裏モードの量に応じて、エネルギーの大きさやエネルギーの出現位置を変更する。
また、副制御基板72は、裏モード示唆演出では、吸収したエネルギーが球体役物12から溢れ出るように、液晶表示装置11及び球体役物12を制御することで、裏モードの蓄積量を示唆する。このとき、副制御基板72は、現在の裏モードの蓄積量に応じて、球体役物12から溢れだすエネルギーの大きさを変更する。
続いて、図59(B)は、上乗せゾーン用演出の概要を示す図である。上述したようにメイン側では、上乗せゾーン1,2中に5ゲーム分のイベントマスをセットする。上乗せゾーン用演出は、セットしたイベントマスに対応する画像を液晶表示装置11上に表示することで行う演出である。
メイン側では、上乗せゾーン1中は、イベントマスとして様々な種類のイベントマスをセットする。そのため、副制御基板72は、上乗せゾーン1中は、セットされた様々なイベントマスに応じた画像を液晶表示装置11に表示する。また、上乗せゾーン1中は、2倍ストックや復活ストックが付与されることがあり、このような場合には、副制御基板72は、2倍ストックや復活ストックが付与されていることを液晶表示装置11に表示する。
一方で、上乗せゾーン2中は、メイン側ではイベントマスとして「裏」のみをセットする。そのため、副制御基板72は、上乗せゾーン2中は、イベントマス「裏」に応じた画像(後述のブラックダイヤ)をそれぞれの遊技に対応付けて表示する。また、上乗せゾーン2中は、表示画面を暗転して、上乗せゾーン1に対して全体の印象を異ならせる。
なお、特殊BB中は、上乗せゾーン2と遊技性及び演出面での連続性を有するため、副制御基板72は、特殊BB中も表示画面を暗転するとともに、イベントマス「裏」に応じた画像(後述のブラックダイヤ)をそれぞれの遊技に対応付けて表示する。
<メニュー画面の概要>
続いて、図60を参照して、パチスロ機1のメニュー画面について説明する。図60(A)は、液晶表示装置11に表示されるメニュー画面の概要を示す図であり、図60(B)は、メニュー画面の構成例を示す図である。副制御基板72は、遊技が行われていない状況で操作ボタン22の決定ボタンが操作されると、図60(A)に示すメニュー画面を呼び出し、液晶表示装置11に表示する。
図60(B)に示すように、このメニュー画面には、メインメニューとして「カスタム遊技」「音量調整」「遊技データ」「配当・配列」「専用サイト」が設けられ、一部のメインメニューには更に詳細なサブメニューが設けられている。例えば、メインメニュー「カスタム遊技」には、サブメニュー「キャラ選択」「かんたんスタート」「パスワードを入力」「途中記録を見る」「記録して終了」「会員登録」が設けられる。
サブメニュー「キャラ選択」は、液晶表示装置11上で行う演出に用いるキャラクタのカスタマイズを行うメニューである。このキャラクタのカスタマイズは、図61〜図64で後述する。
サブメニュー「かんたんスタート」〜「会員登録」は、遊技者の登録遊技に関して用いられるメニューである。近年のパチスロ機では、遊技を行う遊技者の登録を行うことで、登録を行わない遊技者に比べて出玉には影響のない特典を付与することがある。具体的には、副制御基板72は、遊技者の登録を行った場合には、登録を行った後の遊技の履歴(例えば、ボーナス回数や小役の当籤確率といった遊技履歴に加え、実行した演出の演出履歴なども含む)を管理し、この履歴に基づいて一定の特典を付与する。この遊技の履歴は、今回の遊技に関するものだけでなく、前回行った遊技に関するものも含めることが可能である。具体的には、遊技者毎の遊技の履歴をサーバ上で管理しておき、遊技を行う際に携帯電話などを介してサーバから遊技機に遊技の履歴を通知することで、前回の遊技の履歴を引き継いで遊技を行うことができる。
サブメニュー「かんたんスタート」は、前回の遊技の履歴は引き継ぐことなく今回の遊技の履歴の蓄積のみを行う場合、すなわち簡易的なログインを行うために操作されるメニューである。また、サブメニュー「パスワードを入力」は、前回の遊技の履歴を引き継ぎつつ今回の遊技の履歴を更に蓄積する場合、すなわち正式なログインを行うために操作されるメニューである。ここで、簡易的なログインは、サブメニュー「かんたんスタート」が操作されるだけで完了する一方で、正式なログインは、会員登録を行ったうえで、パチスロ機1にパスワードを入力することで行われる。そのため、簡易的なログインと正式なログインとを比較すると、簡易的なログインは正式なログインよりも簡易な登録手順であるといえ、反対に、正式なログインは簡易的なログインよりも煩雑な登録手順であるといえる。
サブメニュー「途中記録を見る」は、ログイン(簡易又は正式)を行っている場合に、それまでに蓄積した遊技の履歴の途中記録を確認する場合に操作されるメニューである。サブメニュー「記録して終了」は、ログイン(簡易又は正式)を行っている場合に、それまでに蓄積した遊技の履歴をサーバ上に記録する場合に操作されるメニューである。これらサブメニュー「途中記録を見る」「記録して終了」が操作されると、蓄積した遊技の履歴がパチスロ機1から遊技者の携帯電話やサーバ上に読み出される。
また、サブメニュー「会員登録」は、サーバ上に遊技者の初期登録を行うために操作されるメニューである。
また、メインメニュー「遊技データ」には、サブメニュー「遊技履歴1」「遊技履歴2」が設けられる。サブメニュー「遊技履歴1」は、蓄積している遊技履歴の1ページ目を確認する際に操作されるメニューであり、サブメニュー「遊技履歴2」は、蓄積している遊技履歴の2ページ目を確認する際に操作されるメニューである。ここで、本実施形態のパチスロ機1では、サブメニュー「遊技履歴2」は、正式ログイン時のみ選択可能にし、簡易的なログイン時や非ログイン時には、サブメニュー「遊技履歴1」のみを選択可能にしている(なお、正式ログイン時にはサブメニュー「遊技履歴1」「遊技履歴2」の双方を選択可能にしている)。
具体的には、副制御基板72は、正式な登録手順によりログインを受け付けている場合には、遊技履歴の1ページ目及び2ページ目の双方を表示可能に液晶表示装置11の表示を制御する一方で、簡易的な登録手順によりログインを受け付けている場合には、遊技履歴の1ページ目を表示可能、かつ、遊技履歴の2ページ目を表示不可能に液晶表示装置11の表示を制御する。
なお、遊技履歴の1ページ目及び2ページ目に表示される内容については、図65で後述する。
また、メインメニュー「配当・配列」には、図60(B)に示すサブメニューが更に設けられ、サブメニューが選択されると、当該サブメニューに応じた内容が表示される。一方で、メインメニュー「音量調節」「専用サイト」にはサブメニューは設けられておらず、選択されると、当該メインメニューに応じた内容が表示される。
<パチスロ機1の操作モード(タッチ操作、選択操作)>
続いて、図61〜図64を参照して、パチスロ機1におけるキャラクタのカスタマイズ方法について説明するとともに、パチスロ機1における操作モードについて説明する。
図61(A)は、キャラクタのカスタマイズを行うキャラクタカスタマイズ画面である。キャラクタカスタマイズ画面では、「キャラクタ」選択欄と「コスチューム」選択欄と「ポーズ」選択欄と「アクセサリー」選択欄とが設けられ、それぞれの選択欄には選択可能な複数のアイコンが設けられる。パチスロ機1では、決定アイコンが操作されたタイミングでそれぞれの選択欄において選択されていたアイコン内容に基づいて、キャラクタがカスタマイズされる。
「キャラクタ」選択欄は、キャラクタを選択するために用いられ、副制御基板72は、複数種類のキャラクタの中から「キャラクタ」選択欄において選択された一のキャラクタを決定する。また、「コスチューム」選択欄は、キャラクタのコスチュームを選択するために用いられ、「ポーズ」選択欄は、キャラクタのポーズを選択するために用いられ、「アクセサリー」選択欄は、キャラクタのアクセサリーを選択するために用いられる。「コスチューム」選択欄〜「アクセサリー」選択欄は、それぞれキャラクタの表示態様(コスチューム、ポーズ、アクセサリー)に関するカスタマイズを行うために用いられる。副制御基板72は、対応する選択欄に応じた複数の表示態様の中から、当該選択欄において選択された一の表示態様を決定する。
このキャラクタカスタマイズ画面において、キャラクタのカスタマイズが行われると、副制御基板72は、「コスチューム」選択欄において選択したコスチューム、及び「アクセサリー」選択欄において選択したアクセサリーを身に着けた「キャラクタ」選択欄において選択したキャラクタを、「ポーズ」選択欄において選択したポーズで、液晶表示装置11に表示する。
ここで、本実施形態のパチスロ機1では、上述したように液晶表示装置11の全面をタッチパネルとするとともに、十字キーや決定ボタンを有する操作ボタン22を備える。表示画面上の選択は、タッチパネルを用いたタッチ操作と、操作ボタン22を用いたボタン操作の双方において行うことができる。なお、以下に示す例では、キャラクタカスタマイズ画面を例にとって操作方法について説明するが、操作可能な表示画面はキャラクタカスタマイズ画面に限られず、例えば、図60に示すメニュー画面などの他の表示画面においても同様の操作が可能である。
(タッチ操作モードとボタン操作モード)
図61(B)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、タッチ操作モードとボタン操作モードとを有する。タッチ操作モードでは、副制御基板72は、タッチパネル(タッチセンサ111)を介したタッチ操作により選択されたアイコンを決定し、ボタン操作モードでは、副制御基板72は、操作ボタン22の十字キーを介した操作(移動操作)に基づき選択カーソルを移動するとともに、操作ボタン22の決定ボタンを介した操作(決定操作)により選択カーソルが指し示しているアイコンを決定する。
副制御基板72は、これらタッチ操作モードとボタン操作モードとを簡易な方法で切り替える。具体的には、副制御基板72は、それぞれのモードに応じた操作がされると対応する操作モードに切り替える。より具体的には、副制御基板72は、タッチ操作モード時に、操作ボタン22が操作されると、タッチ操作モードからボタン操作モードに操作モードを切り替え、また、ボタン操作モード時に、タッチパネルを介してタッチ操作を受け付けると、ボタン操作モードからタッチ操作モードに操作モードを切り替える。
(タッチ操作モードの概要)
続いて、図62を参照して、タッチ操作モードの概要について説明する。図62(A)に示すように、タッチ操作モードでは、遊技者のタッチ操作に応じて、選択された内容を決定する。このとき、副制御基板72は、アイコンがタッチされている状況(選択中のアイコン)では、当該アイコン上にタッチオンエフェクトを発生して、タッチ(選択)しているアイコンを遊技者が分かるように表示する。また、副制御基板72は、タッチしていたアイコンから指を離すと、当該アイコン上に決定済みエフェクトを発生して、選択したアイコンを遊技者が分かるように表示する。
ところで、キャラクタのカスタマイズを可能にするパチスロ機では、カスタマイズ可能な範囲を段階的に開放することがあり、このような場合には、複数のアイコンは、開放済みのアイコンと、未開放のアイコンとを含むことになる。図62(B)に示すように、タッチ操作モードでは、未開放アイコンをタッチしても、反応しないこととしている。すなわち、副制御基板72は、開放済みのアイコンがタッチ操作されると当該アイコン上にタッチオンエフェクトを発生させる一方で、未開放のアイコンがタッチ操作されてもタッチオンエフェクトを発生させない。
図62(C)は、以上説明したタッチ操作モード時におけるアイコンの態様を示す図である。図62(C)に示すように、タッチ操作モード時は、開放済みのアイコンは、選ぶ(決定)することが可能でありタッチ操作されるとタッチオンエフェクトが発生する。また、開放済みのアイコンに対するタッチ操作が終了する(アイコンから指を離す)と、このアイコンには決定済みエフェクトが発生する。他方、タッチ操作モード時において未開放のアイコンは、選ぶことが不可能であるとともに、そもそもタッチ操作しても何らの反応もしない。
(ボタン操作モードの概要)
続いて、図63を参照して、ボタン操作モードの概要について説明する。図63(A)に示すように、ボタン操作モードでは、選択カーソルが表れ、複数のアイコンの間を移動する。この選択カーソルは、操作ボタン22の十字キーに対する操作により上下左右に移動する。そして、ボタン操作モードでは、操作ボタン22の決定ボタンが操作されると、選択カーソルが指し示していたアイコンが決定され、当該アイコン上に決定済みエフェクトが発生する。
また、ボタン操作モードにおいても未開放アイコンを選ぶことが(決定)できない点ではタッチ操作モードと同じであるが、図63(B)に示すように、ボタン操作モードでは、未開放アイコンについても選択カーソルを合わせることはできる。
このように未開放アイコンは、タッチ操作モード時は反応しないものの、ボタン操作モード時は選択カーソルを合わせることができる。タッチ操作モードは、直感的な操作が可能な操作モードであり、このような操作モード中に、未開放アイコンに対するタッチ操作で反応(タッチオンエフェクト発生)してしまうと、遊技者は、直感的に当該未開放アイコンも選ぶことが可能であると誤解してしまうことになる。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、タッチ操作モード時は、未開放アイコンに対する操作に何らの反応もしないこととすることで、当該未開放アイコンが今は選ぶことができないことを、遊技者に直感的に報せることとしている。
これに対して、選択カーソルを用いるボタン操作モードでは、未開放アイコンに反応しないこととすると、選択カーソルの位置が不明確になってしまうため、未開放アイコンであっても選択カーソルを合わせることはできるようにしている。これにより、両操作の違いを明瞭にすることができる。
続いて、図63(C)は、選択カーソルの移動方法を示す図である。ボタン操作モードにおいて十字キーが操作されると、副制御基板72は、図63(C)に示す方向に選択カーソルを移動する。
図63(D)は、以上説明したボタン操作モード時におけるアイコンの態様を示す図である。図63(D)に示すように、ボタン操作モード時は、開放済みのアイコンと未開放のアイコンの双方に対して選択カーソルを合わせることができる。選択カーソルを合わせている場合には、当該アイコンとともに選択カーソルが表示され、当該アイコンが選択中であることが分かるようになっている。また、操作ボタン22の決定ボタンが操作されると、当該アイコン上に決定済みエフェクトが発生する。
図62と図63とを比較すると、タッチ操作モードとボタン操作モードとでは、選択カーソルが表示されるか否かが異なる。また、タッチ操作モードでは、未開放アイコンが反応しないものの、ボタン操作モードでは、未開放アイコンであっても選択カーソルを合わせることができる点が異なる。また、タッチ操作モードでは、タッチオンエフェクトを発生することで、選択中のアイコンを判別可能にしているのに対して、ボタン操作モードでは、選択カーソルを合わせることで選択中のアイコンを判別可能にしている点も異なる。一方で、選んだ(決定した)アイコンに決定済みエフェクトを発生する点は、タッチ操作モード及びボタン操作モードともに共通する。
(カスタマイズ可能組合せ表)
続いて、図64を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるカスタマイズ可能な範囲について説明する。遊技者の観点からはキャラクタは制限なく自由にカスタマイズ可能であることが好ましいものの、キャラクタの管理者の観点からはキャラクタのイメージを損なわない範囲でのみカスタマイズ可能であることが好ましい。キャラクタのイメージを損なわない範囲でのカスタマイズを可能にするためには、選択可能なパーツを限定すればよく、例えば、キャラクタのイメージを損なうコスチュームなどは初めから選択不可能にしてしまえばよい。
このように、一つのパーツ(例えば、コスチューム)のみのカスタマイズを禁止するのであれば初めから選択不可能にすればよいものの、当該パーツは基本的には許容できるものの、他のパーツと組み合わせた場合に許容できなくなることもある。このような場合には、初めから選択不可能する必要はなく、特定の組み合わせのみを禁止すればよい。例えば、第1のコスチュームと第1のアクセサリーとは組み合わせ可能であるものの、第1のコスチュームと第2のアクセサリーは組み合わせ不可能である場合、第1のコスチューム自体、又は第2のアクセサリー自体を禁止するのではなく、この組み合わせを禁止すればよい。
図64は、カスタマイズ可能な組合せを規定するカスタマイズ可能組合せ表である。このカスタマイズ可能組合せ表は、それぞれのパーツ(コスチューム、ポーズ、アクセサリー)に対して、当該パーツと組み合わせて選択可能な他のパーツの種類を規定する。本実施形態のパチスロ機1では、例えば、アクセサリー3に対しては、コスチューム5のみを選択可能にし、コスチューム1〜4を選択不可能にしている。
副制御基板72は、第1のパーツの中の複数の選択肢のうち一つの選択肢のみが選択可能であり、他の選択肢が全て選択不可能である第2のパーツが選ばれた(決定された)場合には、遊技者の選択に関係なく、当該第2のパーツに対して唯一選択可能な一の選択肢を自動的に選ぶ(決定する)。具体的には、図64に示す例の場合、副制御基板72は、アクセサリーとしてアクセサリー3が選ばれた場合には、コスチュームとして唯一組合せ可能なコスチューム5を、遊技者の選択ではなく自動的に選ぶ。
これにより、キャラクタ固有のイメージを損なくことなくキャラクタをカスタマイズすることができる。また、組み合せ可能なものが一つのみの場合には、組み合せ可能な一つを自動的に選ぶため、遊技者の手間を取らせることなく、固有のイメージを損なわないキャラクタのカスタマイズが可能になる。
なお、遊技者がカスタマイズする順序によっては、アクセサリーよりも先にコスチュームが選ばれていることもある。先に選んだコスチュームが後に選んだアクセサリーに対して組み合わせ不可能に規定されている場合には、副制御基板72は、後に選ばれたアクセサリーに基づいて、先に選んでいたコスチュームの選択内容をクリアすることとしてもよい。また、後に選ばれたアクセサリーに対して組み合わせ可能なコスチュームが一つのみである場合には、副制御基板72は、先に選んでいたコスチュームを、当該一つのコスチュームに自動的に変更することとしてもよい。一例として、遊技者がコスチューム1を選んでいた後に、遊技者がアクセサリー3を選んだ場合、副制御基板72は、先に選んでいたコスチューム1を、後に選んだアクセサリー3に対して唯一組合せ可能なコスチューム5に自動的に変更することとしてもよい。
(履歴画面の概要)
続いて、図65を参照して、遊技履歴を表示する履歴画面の概要について説明する。図65(A)は、サブメニュー「遊技履歴1」から呼び出される遊技履歴の1ページ目であり、図65(B)は、サブメニュー「遊技履歴2」から呼び出される遊技履歴の2ページ目である。図65(A)に示すように、遊技履歴の1ページ目には、総ゲーム数、現在のゲーム数、ボーナス回数、CZ回数、ART回数、上乗せゾーン1,2回数及び上乗せゾーン3回数が表示される。このように遊技履歴の1ページ目には、総ゲーム数や現在のゲーム数に加え、ボーナスやARTなどの遊技者にとって有利な遊技状態が行われた回数が表示される。
また、図65(A)に示すように、遊技履歴の1ページ目には、「次ページへ」アイコンが表示される。この「次ページへ」アイコンが選ばれた場合には、遊技履歴の2ページ目が呼び出される。なお、上述したように、遊技履歴の1ページ目は、全ての遊技者が表示可能であるものの、遊技履歴の2ページ目は、正式ログインを行った遊技者のみが表示することができ、非ログインの遊技者や簡易ログインの遊技者は表示することはできない。そこで、副制御基板72は、ログインが行われていない場合や簡易ログインのみが行われている場合には、「次ページへ」アイコンを非表示や選ぶことができないようにする。
続いて、図65(B)に示すように、遊技履歴の2ページ目には、スイカ(「F_スイカ」)が内部当籤役として決定された回数(当籤回数)と、チャンス目A(「F_チャンス役1」)の当籤回数、チャンス役B(「F_チャンス役2」)の当籤回数、弱チェリー(「F_弱チェリー」)の当籤回数、強チェリー(「F_強チェリー」)の当籤回数、及び確定チェリー(「F_確定チェリー」)の当籤回数が表示される。すなわち、遊技履歴の2ページ目には、所謂レア役の当籤回数が表示される。
このように正式なログインを行った遊技者についてのみレア役の当籤回数を表示することで、パチスロ機1では、わざわざ正式な手順を踏んで登録を行った遊技者に対して、遊技には直接影響しない程度の特典(レア役の当籤回数の表示)を与えることができる。これによりレア役の当籤回数の表示を望む遊技者に対して、正式な登録の利用を促すことができ、結果、遊技機に対して愛着を持たせ、遊技機の稼動を上げることができる。
また、パチスロ機1では、簡易的な手順でログインを行った遊技者に対しては、レア役の当籤回数を表示する遊技履歴の2ページ目を表示しないため、簡易的なログイン手順を利用してログインのみを行っておき、他人が遊技を行った後に当該他人の遊技の結果を盗み見る行為を防止することができる。
<裏モード演出>
続いて、図66〜図69を参照して、裏モードに基づき行う裏モード演出について説明する。パチスロ機1において副制御基板72は、図59(A)に示す裏モード吸収演出及び裏モード示唆演出を行う。以下では、これら裏モード吸収演出及び裏モード示唆演出の実行方法について説明する。
(裏モード吸収演出抽籤テーブル)
図66及び図67は、裏モード吸収演出を実行する場合に参照される裏モード吸収演出抽籤テーブルである。裏モード吸収演出抽籤テーブルは、遊技の状況毎に設けられ、図66(B)に示す裏モード吸収演出抽籤テーブルは、CZの失敗時(すなわち、ART抽籤に当籤することなくCZが失敗した時)に参照され、図66(C)の裏モード吸収演出抽籤テーブルは、ART終了時に参照され、図66(D)の裏モード吸収演出抽籤テーブルは、ART準備中に参照され、図67(E)の裏モード吸収演出抽籤テーブルは、連続演出の失敗時に参照され、図66(A)の裏モード吸収演出抽籤テーブルは、これら以外の場合に参照される。
なお、パチスロ機1では、複数回の遊技にわたり行う演出であって、演出上で成功するとボーナスやARTの当籤の可能性が高まり、演出上で失敗するとボーナスやARTの非当籤の可能性が高まる連続演出を行うことがある。図67(E)の裏モード吸収演出抽籤テーブルは、この連続演出の失敗時に参照される。
裏モード吸収演出抽籤テーブルは、裏モードの差分毎に裏モード吸収演出の演出パターンの抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、裏モードの差分については、図69で後述する。副制御基板72は、裏モード吸収演出抽籤テーブルを用いた抽籤の結果、何れかの演出パターンが決定された場合、対応する裏モード吸収演出を実行する。
(裏モード示唆演出抽籤テーブル)
続いて、図68は、裏モード示唆演出を実行する場合に参照される裏モード示唆演出抽籤テーブルである。この裏モード示唆演出抽籤テーブルは、裏モード吸収演出に非当籤(実行しない)の場合に参照される。すなわち、裏モード示唆演出は、裏モード吸収演出が実行されない遊技において実行される可能性がある。裏モード示唆演出抽籤テーブルは、現在の裏モード(後述のメイン裏モードカウンタの値)毎に、裏モード示唆演出の演出パターンの抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。副制御基板72は、裏モード示唆演出抽籤テーブルを用いた抽籤の結果、何れかの演出パターンが決定された場合、対応する裏モード示唆演出を実行する。
<サブ側の裏モードの管理方法及び裏モード演出の契機>
続いて、図69を参照して、サブ(副制御基板72)側の裏モードの管理方法、及び裏モード演出(裏モード吸収演出、裏モード示唆演出)の契機とメイン(主制御基板71)側での裏モードの加算契機との関係について説明する。
図69(A)は、サブ側の裏モードの管理方法を示す図である。サブ側(サブRAM103)では、裏モードを計数するカウンタとして、メイン裏モードカウンタとサブ裏モードカウンタとを有する。メイン裏モードカウンタは、メイン側の裏モードの値と完全に一致するカウンタであり、メイン側から受信した裏モードの値をそのまま格納する。
一方で、サブ裏モードカウンタは、基本的には、裏モード吸収演出実行時のメイン裏モードカウンタの値が転写されるカウンタである。本実施形態のパチスロ機1では、所定のタイミング(図66(B)〜(E)参照)になると裏モード吸収演出を行うことがある。この裏モード吸収演出は、基本的には、前回の裏モード吸収演出から増加した裏モードの値(上述の裏モードの差分)に基づいて行われる。このような裏モード吸収演出間において増加した裏モードの値を特定するために、本実施形態のパチスロ機1では、サブRAM103に、メイン裏モードカウンタとサブ裏モードカウンタとを設け、メイン裏モードカウンタ(現在の裏モードの値)からサブ裏モードカウンタ(前回演出時の裏モードの値)を減算することで、裏モード吸収演出間において増加した裏モードの値(裏モードの差分)を算出する。図66及び図67において参照している、裏モード差分とは、「メイン裏モードカウンタの値−サブ裏モードカウンタの値」をいう。
図69(A)に示すように、サブ裏モードカウンタには、(1)メイン裏モードカウンタの値が0の時に、次遊技のメイン裏モードカウンタの値が転写される。この更新契機は、初期化時にサブ裏モードカウンタに初期値として何らかの値をセットするためのものである。また、サブ裏モードカウンタには、(2)裏モード吸収演出当籤時に、今遊技のメイン裏モードカウンタの値が転写される。すなわち、裏モード吸収演出により、前回の裏モード吸収演出から増加した裏モードの値(差分)が示唆されたため、サブ裏モードカウンタの値を更新する。また、サブ裏モードカウンタには、(3)前回遊技に比べてメイン裏モードカウンタの値が減少した時に、今遊技のメイン裏モードカウンタの値が転写される。上述したように、メイン側において裏モードに基づく特典が付与された場合、裏モードが50減算される。裏モード演出(裏モード吸収演出、裏モード示唆演出)は、裏モードに基づく特典の付与が行われるタイミングを推測するために行う演出であるため、裏モードに基づく特典が付与された後は、サブ裏モードカウンタの値を更新する。
続いて、図69(B)は、裏モード演出(裏モード吸収演出、裏モード示唆演出)の契機とメイン(主制御基板71)側での裏モードの加算契機との関係を示す図である。メイン側では裏モードの蓄積を、(1)裏モードリセット時、(2)CZ失敗時、(3)ART終了時、(4)ART準備中、(5)フラグ間、及び(6)非ART中のRT2遊技状態からRT1遊技状態への移行時の6つの契機で行う可能性がある(図52参照)。
一方で、サブ側では、裏モード吸収演出を、(1)CZ失敗時、(2)ART終了時、(3)ART準備中、(4)連続演出失敗時の4つの契機で行う可能性がある(図66、図67参照)。このサブ側で裏モード吸収演出を行う契機と、メイン側で裏モードの蓄積を行う契機とを比較すると、共通する部分があるものの共通しない部分もある。このように裏モード吸収演出を行う契機を、裏モードの蓄積を行う契機とは異ならせることで、メイン側の容量(すなわち、裏モードを蓄積する契機)を抑えつつも、多様な契機で演出を実行することができ、演出に多様性を持たせることができる。
より具体的には、裏モードは、遊技の結果が遊技者にとって不利な結果になった場合に蓄積されるところ、遊技者にとってみれば、不利な結果になったことは、多くの場合において演出面から感じる。例えば、所謂レア役が内部当籤役として決定されたにも関わらず、ボーナス、ART、CZに当籤していない場合、遊技者は、レア役を契機に行われる演出の結果(連続演出失敗)に伴い不利な結果になったことを感じることになる。そして、遊技者が不利な結果を感じたタイミングでメイン側において裏モードを蓄積するためには、メイン側において裏モードを蓄積する契機を膨大な数設ける必要があり、メイン側の容量が増加してしまう。
この点、本実施形態のパチスロ機1では、メイン側において裏モードを蓄積する契機とは異なり、かつ、遊技者が不利な結果になったことを感じる契機である、連続演出の失敗時に、裏モード吸収演出を行う。遊技者にとってみれば、裏モード吸収演出により裏モードが溜まるように表現されることで、自身が不利な結果になったと感じたタイミングで、裏モードが蓄積されたよう感じることになる。そして、裏モードの蓄積に伴い、裏モードによる特典の付与が近づくため、本実施形態のパチスロ機1では、遊技者が不利な結果を感じたタイミングで、裏モードによる特典の付与が近づいたことを報せることがきる。言い換えると、本実施形態のパチスロ機1では、メイン側の契機を限定しメイン側の容量を抑えつつも、メイン側の契機よりも多様な契機で裏モード吸収演出を行うことができる。
<上乗せゾーン1,2中の遊技の流れ(サブ側)>
続いて、図70を参照して、サブ(副制御基板72)側の制御による上乗せゾーン1,2中の遊技の流れについて説明する。上述したように、上乗せゾーン1,2中は、メイン側ではそれぞれ報酬が対応付けられたイベントマスを5ゲーム分セットする。以下では、セットしているイベントマスの見せ方(表示)について説明する。
メイン側では、イベントマス「赤」〜「バトル」の複数のイベントマスを管理している。これに対して、サブ側では、表示マスとして表示マス「敵」「宝箱」「ダイヤ」「ペット」「弱?」「強?」「キャラ1」「キャラ2」「キャラ3」「キャラ4」「キャラ5」「ブラックダイヤ」「バトル1」「バトル2」及び「バトル3」を有する。これら表示マスは、図70(A)に一例として示すように、イベントマスに対応付けられた報酬に基づいて、イベントマスに対応付けられている。
具体的には、表示マス「敵」は、上乗せゾーン1が終了してしまう可能性のある表示マスであり、「ライフ−1」の報酬が対応付けられたイベントマス「赤」がセットされた遊技に対して表示される。
また、表示マス「宝箱」「ダイヤ」「ペット」「キャラ5」は、ゲーム数の上乗せが行われる可能性のある表示マスであり、「ゲーム数の上乗せ」の報酬が対応付けられたイベントマス「青1」〜「青5」がセットされた遊技に対して表示される。
また、表示マス「弱?」「強?」は、他の表示マスに表示が切り替わる表示マスである。表示マス「弱?」は、表示マス「宝箱」以上に表示が切り替わり、表示マス「強?」は、表示マス「キャラ1」〜「キャラ5」に表示が切り替わる。
また、表示マス「キャラ1」〜「キャラ4」は、それぞれ「ライフ+1」「赤マス変換ストック+1」「2倍ストック+1」「復活ストック+1」が行われる可能性のある表示マスであり、それぞれの報酬が対応付けられたイベントマス「キャラ1」〜「キャラ4」がセットされた遊技に対して表示される。
また、表示マス「ブラックダイヤ」は、「上乗せゾーン2への移行」又は「ゲーム数の上乗せ」が行われる可能性のある表示マスであり、同じ報酬が対応付けられたイベントマス「裏」がセットされた遊技に対して表示される。
また、表示マス「バトル1」「バトル2」「バトル3」は、「裏マスに変換」が行われる可能性のある表示マスであり、同じ報酬が対応付けられたイベントマス「バトル」がセットされた遊技に対して表示される。なお、イベントマス「バトル」には、裏マス変換個数がセットされる(図46(C)参照)。表示マス「バトル1」は、裏マス変換個数として「1」「2」「4」がセットされたイベントマス「バトル」に対応して表示され、表示マス「バトル2」は、裏マス変換個数として「2」「4」がセットされたイベントマス「バトル」に対応して表示され、表示マス「バトル3」は、裏マス変換個数として「4」がセットされたイベントマス「バトル」に対応して表示される。
ロムカートリッジ基板86には、以上説明した表示マスに応じた画像データが記憶されている。また、ロムカートリッジ基板86には、後述する表示マス「不明」に応じた画像データも記憶されている。
(表示例1)
図70(B)に示すように、副制御基板72は、メイン側でイベントマスをセットすると、セットされたイベントマスに対して表示可能な表示マス(図70(A)参照)の中から任意の表示マスを抽籤し、液晶表示装置11に表示する。
(表示例2)
遊技者は、サブ側の制御の下に表示されている表示マスを用いて上乗せゾーン1,2を行うことになるが、遊技者によっては、イベントマス(表示マス)の表示を望まないこともある。例えば、遊技者にとってあまり好ましくないイベントマスがセットされている状況では、遊技者によっては、当該イベントマスの表示を望まないことも考えられる。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、所定の操作が行われた場合には、イベントマスを非表示にする。なお、所定の操作は任意の操作であってよく、例えば、操作ボタン22において十字キーの上と決定ボタンとが同時に操作することである。
具体的には、図70(C)に示すように、副制御基板72は、メイン側でイベントマスをセットした場合であっても、セットしたイベントマスに関わらず共通の表示マス「不明」を、それぞれの遊技に対応付けて表示する。これにより、セットされているイベントマス(報酬)の内容が分からなくなるため、遊技者は、毎ゲーム期待を抱きながら遊技を行うことになる。
なお、副制御基板72は、5ゲーム分のマスの全てを非表示(表示マス「不明」)にすることとしてもよく、また、一部のマスを非表示にし、一部のマスを表示することとしてもよい。図70(C)に示す例では、今回の遊技に対してセットされたイベントマスについては、対応する表示マス「宝箱」を表示し、次回以降の4ゲーム分の遊技に対してセットされたイベントマスを非表示としている。
<特殊BBの演出例>
続いて、図71及び図72を参照して、特殊BBの演出例について説明する。上述したように、特殊BBは、遊技性及び演出面から上乗せゾーン2と一定の連続性を有している。遊技性に関する連続性は、メイン側における上乗せゲーム数の抽籤により実現される一方で、演出面からの連続性は、サブ側の制御により実現される。以下、通常BBと特殊BBとを比較することで、特殊BBと上乗せゾーン2の演出面に関する連続性について説明する。
(通常BBの表示例)
図71は、上乗せゾーン1中にボーナス状態(通常BB)が開始する場合の表示例である。図71(A)に示すように、上乗せゾーン1中は、5ゲーム分の遊技にわたり表示マスが表示される。この上乗せゾーン1中は、上乗せゾーン1であることに加え、上乗せゾーン1中に獲得した上乗せゲーム数が表示される。
この上乗せゾーン1中にボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、図71(B)に示す表示例が表示される。具体的には、上乗せゾーン1に特有の5ゲーム分の表示マスの表示に加え、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されたことを示す表示「ボーナス確定」が表示される。
このようにボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、液晶表示装置11には、所謂ボーナス確定画面が表示される。この点は、上乗せゾーン1中にボーナスに係る役が内部当籤役として決定された場合も同様であり、副制御基板72は、ボーナスの当籤に伴い、図71(C)に示すボーナス確定画面を液晶表示装置11に表示する。
その後、ボーナス状態が開始すると、副制御基板72は、図71(D)に示すボーナス中の表示画面(ボーナス演出画面)を液晶表示装置11に表示する。本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス状態の終了条件を「232枚を超えるメダルの払出」としていることから、副制御基板72は、ボーナス状態中に獲得したメダルの枚数と、ボーナス状態の終了条件までの残数(すなわち、ボーナス状態の終了条件である232枚から、当該ボーナス状態中に払い出されたメダルの枚数を減算した枚数)を表示する。
(特殊BBの表示例)
続いて、図72は、上乗せゾーン2中にボーナス状態(特殊BB)が開始する場合の表示例である。図72(A)に示すように、上乗せゾーン2中は、上乗せゾーン1中と同様に、5ゲーム分の遊技にわたり表示マスが表示される。このとき、上乗せゾーン2中は、表示画面が暗転するとともに、イベントマス「裏」のみがセットされることから表示マス「ブラックダイヤ」のみが表示されることになる。
この上乗せゾーン2中にボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、図72(B)に示す表示例が表示される。具体的には、上乗せゾーン2に特有の5ゲーム分の表示マスの表示に加え、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されたことを示す表示「ボーナス確定」が表示される。
上述の通常BBの場合には、ボーナス確定画面(図71(C))を表示することとしているが、上乗せゾーン2と特殊BBとの演出面からの連続性を実現するため、副制御基板72は、上乗せゾーン2中にボーナスに係る役が内部当籤役として決定された場合には、ボーナス確定画面に切り替えることなく、上乗せゾーン2に特有の5ゲーム分の表示マスの表示(上乗せ演出画面)を維持する。一方で、ボーナス状態を適切に開始可能なように、副制御基板72は、この上乗せ演出画面上で「7を狙え」といった当籤しているボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを狙わせる表示を行い、ボーナスに係る役の入賞を促す。
その後、ボーナス状態が開始すると、副制御基板72は、図72(D)に示す表示画面を液晶表示装置11に表示する。具体的には、副制御基板72は、上乗せゾーン2中の上乗せ演出画面と同様に、特有の5ゲーム分の表示マスを表示する。また、副制御基板72は、通常BB中は、ボーナス状態の終了条件までの残数を表示することとしていたが、特殊BB中は、この残数に代えて、ボーナス状態の終了条件が満たされるまでに必要な残りの遊技回数(本実施形態では30回)を表示する。
遊技者からすると、遊技性及び演出面からの連続性が確保されるため、あたかも上乗せゾーン2が継続しているかのような遊技性を遊技者に与えることができる。また、ボーナス状態の終了タイミングを、残り遊技回数という直感的に分かり易い表示に代えることで、遊技者に対して、あたかも上乗せゾーン2が30ゲーム保証されたかのような感覚を持たせることができる。
(ボーナス開始(終了)時のロック)
ところで、近年のパチスロ機では、ボーナス状態の開始時及び終了時に、遊技の進行を一時的に停止することがある。このようなボーナス開始(終了)時のロック制御は、ボーナス状態の開始や終了を強調することができ好適であるが、上乗せゾーン2と特殊BBとのように連続性を持たせる場合には、連続性を損ねてしまうことにつながってしまう。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、ボーナス状態が通常BB又はエピソードBBである場合には、ボーナス状態の開始時及び終了時に遊技の進行を一時的に停止する一方で、特殊BB(すなわち、上乗せゾーン2中)である場合には、ボーナス状態の開始時及び終了時に遊技の進行を停止しない。なお、上述したように主制御基板71は、ボーナス状態が特殊BBであるか否かは管理することとしているため、このような制御は、特殊BBであるか否かによりロック制御を異ならせることで実現することができる。
(通常BB開始時の表示例)
続いて、図73を参照して通常BB開始時の表示例について説明する。主制御基板71は、通常BB中に役「F_7揃い役1」「F_7揃い役2」が当籤したか否かに基づいてART抽籤を行っている(図56参照)。近年では、このようなボーナス状態中の7揃いに基づくART抽籤の結果を、様々な態様で告知することとしている。典型的なものとしては「チャンス告知」「完全告知」「後告知」があげられる。パチスロ機では、これら様々な態様の中から遊技者が選択した態様に応じて、ボーナス状態中のART抽籤の結果を告知する。
このように告知の態様を選択可能にするパチスロ機は、現存するパチスロ機においても存在するものの、現存するパチスロ機では、告知の態様に応じてボーナス状態中の演出(映像+楽曲)も決まってしまう。遊技者にとってみれば、ボーナス状態中に好みの演出を流しつつ、好みの態様でART抽籤の結果の告知を受けたいものの、現存のパチスロ機では、告知の態様と演出とが結びついており、両者を個別に選択することはできない。
この点、本実施形態のパチスロ機1では、告知の態様と演出とを個別に選択可能にしている。図73は、通常BB開始時のボーナス開始画面の表示例である。図73に示すように、遊技者は、ボーナス開始画面においてART抽籤の告知態様を「チャンス告知」「完全告知」「後告知」の中から選択することができ、副制御基板72は、選択された態様でART抽籤の結果を告知する。また、遊技者は、ボーナス開始画面においてボーナス状態中に流れる演出も「演出A」「演出B」「演出C」の中から選択することができ、副制御基板72は、選択された演出を読み出してボーナス状態中に当該演出を行う。
これにより、告知の態様と演出(映像+楽曲)とを個別に選択することができるため、現存のパチスロ機では不可能であった組み合わせでボーナス状態中の遊技を行うことができる。なお、図73に示す例では、映像と楽曲がセットになった演出を選択可能にしているが、映像と楽曲とを個別に選択可能にすることとしてもよい。
[主制御回路の動作説明]
次に、図74〜図99を参照して、主制御回路91のメインCPU93が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理>
まず、メインCPU93の制御で行うパチスロ機1の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図74に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU93は、電源投入時の初期化処理を行う(S1)。この処理では、バックアップが正常に行われたか、設定変更が適切に行われたかなどが判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。
続いて、メインCPU93は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この初期化処理では、メインRAM95における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の単位遊技(ゲーム)毎にデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU93は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサやスタートスイッチ79の入力のチェックなどが行われる。
続いて、メインCPU93は、内部抽籤処理を行う(S4)。この処理では、メインCPU93は、現在の遊技状態に応じた内部抽籤テーブル(図13)を参照して、複数の役の中から内部当籤役として決定する役を抽籤する。
続いて、メインCPU93は、ボーナスに係る役(「F_BB1」〜「F_BB3」)が内部当籤役として決定されたか否かを判定する(S5)。ボーナスに係る役が内部当籤役として決定された場合には(YES)、メインCPU93は、RT3遊技状態フラグをオンに更新し、RT遊技状態をRT3遊技状態(フラグ間)に移行する(S6)。
RT3遊技状態フラグをオンに更新すると、又はS5においてボーナスに係る役が内部当籤役として決定されていない場合には(NO)、メインCPU93は、抽籤用フラグ変換処理を行う(S7)。この処理では、メインCPU93は、抽籤用フラグ決定テーブル(図19)を参照して、S4で決定した内部当籤役から抽籤用フラグを決定する。
続いて、メインCPU93は、図75で後述するスタート時状態別制御処理を行う(S8)。続いて、メインCPU93は、スタートコマンド生成処理を行う(S9)。この処理では、メインCPU93は、副制御回路101に送信するスタートコマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM95に設けられた通信データ格納領域に保存する。通信データ格納領域に保存されたコマンドは、後述の図99で説明する割込処理内のコマンドデータ送信処理により、主制御回路91から副制御回路101に送信される。
なお、スタートコマンドデータには、内部当籤役、メイン側ナビに関する情報、裏モードの値、遊技状態などの各種の情報が含まれる。ここで、メインCPU93は、一部の役(押し順役)については内部当籤役として決定された場合に、グループ化してスタートコマンドに含める。具体的には、押し順リプレイ(「F_RT1中リプ_123」〜「F_RT2中リプ_3rd」)は、リプレイとしてグループ化し、押し順ベル(「F_押し順ベル1_1st」〜「F_押し順ベル2_3rd」)は、ベルとしてグループ化する。副制御回路101側では、メイン側ナビに関する情報と、グループ化したリプレイ(又はベル)という情報とから、サブ側のナビ(押し順パターン、色パターン)を適切に決定することができる。
続いて、メインCPU93は、図90で後述するリール停止初期設定処理を行う(S10)。この処理では、S4で決定した内部当籤役に応じて停止制御に用いるリール停止制御情報を決定する。決定したリール停止制御情報は、メインRAM95に格納され、S12のリール停止制御処理において用いられる。
続いて、メインCPU93は、ウェイト処理を行った後にリール回転開始処理を行う(S11)。この処理において、メインCPU93は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理により、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
続いて、メインCPU93は、図91で後述するリール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、S10で決定したリール停止制御情報を用いて、左のストップボタン19L、中のストップボタン19C及び右のストップボタン19Rがそれぞれ押されたタイミングに基づいて該当するリールの回転が停止される。
続いて、メインCPU93は、入賞判別メダル払出処理を行う(S13)。この入賞判別メダル払出処理では、リール3L,3C,3Rが停止した結果、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、メダルの払い出しや再遊技の作動などの当該図柄の組合せに応じた利益を付与する。また、この処理では、メインCPU93は、入賞作動コマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM95に設けられた通信データ格納領域に保存する。なお、入賞作動コマンドデータには、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せなどの各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU93は、図92で後述するボーナス終了チェック処理を行う(S14)。この処理では、メインCPU93は、ボーナス状態中に払い出されたメダルの枚数に応じてボーナス状態を終了させ、遊技状態を一般遊技状態に移行させる。続いて、メインCPU93は、図93で後述するボーナス作動チェック処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU93は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに応じて、ボーナスを作動させる。
続いて、メインCPU93は、図94で後述するRT作動チェック処理を行う(S16)。この処理では、メインCPU93は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに応じて、RT遊技状態を移行させる。続いて、メインCPU93は、図95で後述する終了時状態別制御処理を行う(S17)。終了時状態別制御処理を行うと、メインCPU93は、一遊技(単位遊技)が終了したとして処理をS2に戻す。
<スタート時状態別制御処理>
次に、図75を参照して、スタート時状態別制御処理について説明する。スタート時状態別制御処理では、初めに、メインCPU93は、図76で後述する表モード移行処理を行う(S31)。ここで、本実施形態のパチスロ機1では、表モードの移行を、遊技の開始時(図74のS8)に行うこととしているが、表モードの移行は、遊技の終了時(図74のS17)で行うこととしてもよい。
続いて、メインCPU93は、遊技状態が通常遊技状態中であるか否かを判定する(S32)。遊技状態が通常遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、図77で後述するスタート時通常中処理を行う(S33)。
他方、遊技状態が通常遊技状態中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、遊技状態がCZ前兆中であるか否かを判定する(S34)。遊技状態がCZ前兆中である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、図78で後述するスタート時CZ前兆中処理を行う(S35)。
他方、遊技状態がCZ前兆中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、遊技状態がCZ中であるか否かを判定する(S36)。遊技状態がCZ中である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、図79で後述するスタート時CZ中処理を行う(S37)。
他方、遊技状態がCZ中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、遊技状態がART前兆中であるか否かを判定する(S38)。遊技状態がART前兆中である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、図82で後述するスタート時ART前兆中処理を行う(S39)。
他方、遊技状態がART前兆中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、遊技状態がART中であるか否かを判定する(S40)。ここで、S40におけるART中とは、遊技状態がART遊技状態(通常ART,上乗せゾーン)中であることの他にART準備中及びART終了待ち中であることも含む。遊技状態がART中である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、図83で後述するスタート時ART中処理を行う(S41)。
他方、遊技状態がART中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、遊技状態がボーナス状態中であるか否かを判定する(S42)。遊技状態がボーナス状態中である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、図89で後述するスタート時ボーナス中処理を行う(S43)。
スタート時ボーナス中処理に続いて、又はS42において遊技状態がボーナス状態中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、その他処理を行い(S44)、スタート時状態別制御処理を終了する。この処理では、メインCPU93は、メイン側のナビ内容の決定や、フラグ間中に役「F_チャンス役1」などが決定されたときに裏モード抽籤状態として「抽籤小」をセットするなどの処理を行う。
<表モード移行処理>
続いて、図76を参照して、表モード移行処理について説明する。表モード移行処理では、初めに、メインCPU93は、表モード移行抽籤用番号決定テーブル(図21)を参照して、抽籤フラグ及び現在の表モードから表モード移行抽籤用番号を決定する(S51)。続いて、メインCPU93は、表モード移行抽籤テーブル1(図22(A))を参照して、S51で決定した表モード移行抽籤用番号に基づいて移行先の表モードを決定、セットし(S52)、表モード移行処理を終了する。
<スタート時通常中処理>
続いて、図77を参照して、スタート時通常中処理について説明する。スタート時通常中処理では、初めに、メインCPU93は、CZ抽籤用番号決定テーブル(図24)を参照して、抽籤用フラグBからCZ抽籤用番号を決定する(S71)。続いて、メインCPU93は、通常中CZ抽籤テーブル(図25)を参照して、S71で決定したCZ抽籤用番号に基づいてCZ抽籤を行う(S72)。
続いて、メインCPU93は、このCZ抽籤に当籤したか否かを判定する(S73)。CZ抽籤に当籤していた場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、当籤した種別のCZのストックを1加算する(S74)。
S74の処理に続いて、又はS73においてCZ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、ART抽籤用番号決定テーブル(図26)を参照して、抽籤フラグAからART抽籤用番号を決定する(S75)。続いて、メインCPU93は、ART抽籤テーブル(図27)を参照して、S75で決定したART抽籤用番号に基づいてART抽籤を行う(S76)。
続いて、メインCPU93は、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S77)。ART抽籤に当籤していた場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、当籤した種別のARTや上乗せゾーンのストックを1加算する(S78)。
S78の処理に続いて、又はS77においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、通常ARTのストックがあるか否かを判定する(S79)。通常ARTのストックがある場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、前兆ゲーム数抽籤テーブル(図28)を参照して、前兆ゲーム数を抽籤してセットする(S80)。続いて、メインCPU93は、次遊技にART前兆中をセットして(S81)、スタート時通常中処理を終了する。
他方、S79において通常ARTのストックがない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、CZのストックがあるか否かを判定する(S82)。CZのストックがない場合には(NO)、スタート時通常中処理を終了する一方で、CZのストックがある場合には(YES)、前兆ゲーム数抽籤テーブル(図28)を参照して、前兆ゲーム数を抽籤してセットする(S83)。続いて、メインCPU93は、次遊技にCZ前兆中をセットして(S84)、スタート時通常中処理を終了する。
<スタート時CZ前兆中処理>
続いて、図78を参照して、スタート時CZ前兆中処理について説明する。スタート時CZ前兆中処理では、初めに、メインCPU93は、特殊CZに当籤しているか否かを判定する(S91)。特殊CZに当籤していない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、CZ前兆中CZ昇格抽籤テーブル(図29)を参照して、抽籤用フラグBに基づいて、CZの昇格抽籤を行う(S92)。続いて、メインCPU93は、昇格抽籤に当籤したか否かを判定し(S93)、昇格抽籤に当籤している場合には(YES)、ストックされているCZの種別を特殊CZに書き換える(S94)。
S94の処理に続いて、S91において特殊CZに当籤している場合(YES)、又はS93において昇格抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、ART抽籤用番号決定テーブル(図26)を参照して、抽籤用フラグAからART抽籤用番号を決定する(S95)。続いて、メインCPU93は、ART抽籤テーブル(図27)を参照して、S95で決定したART抽籤用番号に基づいてART抽籤を行う(S96)。
続いて、メインCPU93は、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S97)。ART抽籤に当籤していた場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、当籤した種別のARTや上乗せゾーンのストックを1加算し(S98)、スタート時CZ前兆中処理を終了する。
他方、S97においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、前兆ゲーム数を更新する(S99)。続いて、メインCPU93は、前兆ゲーム数が0になったか否かを判定する(S100)。メインCPU93は、前兆ゲーム数が0ではない場合には(NO)、スタート時CZ前兆中処理を終了する一方で、前兆ゲーム数が0である場合には(YES)、次遊技に当籤しているCZ種別に応じたCZをセットし、当該CZのストックを1減算し(S101)、スタート時CZ前兆中処理を終了する。
<スタート時CZ中処理>
続いて、図78を参照して、スタート時CZ中処理について説明する。スタート時CZ処理では、初めに、メインCPU93は、ART抽籤用番号決定テーブル(図26)を参照して、抽籤用フラグAからART抽籤用番号を決定する(S111)。続いて、メインCPU93は、ART抽籤テーブル(図27)を参照して、S111で決定したART抽籤用番号に基づいてART抽籤を行う(S112)。
続いて、メインCPU93は、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S113)。ART抽籤に当籤していた場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、当籤した種別のARTや上乗せゾーンのストックを1加算する(S114)。
S114の処理に続いて、又はS113においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、CZ1〜CZ4中であるか否かを判定する(S115)。CZ1〜CZ4中である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、図80で後述する通常CZ処理を行い(S116)、スタート時CZ中処理を終了する。他方、CZ1〜CZ4中ではない場合には(NO)、特殊CZ中であるため、メインCPU93は、続いて、図81で後述する特殊CZ処理を行い(S117)、スタート時CZ中処理を終了する。
<通常CZ処理>
続いて、図80を参照して、通常CZ処理について説明する。通常CZ処理では、初めに、メインCPU93は、CZ中ART抽籤用番号決定テーブル(図32)を参照して、CZ中の状態(前後半、ARTの当否)に基づいて、抽籤用フラグBからCZ中ART抽籤用番号を決定する(S131)。続いて、メインCPU93は、CZ中ART抽籤テーブル(図33)を参照して、S131で決定したCZ中ART抽籤用番号に基づいてART抽籤を行う(S132)。
続いて、メインCPU93は、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S133)。ART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU93は、当籤した種別のARTや上乗せゾーンのストックを1加算する(S134)。S134の処理に続いて、又はS133においてART抽籤に当籤していない場合には、メインCPU93は、CZ中のゲーム数を更新する(S135)。
続いて、メインCPU93は、前半の最終ゲーム(すなわち、12ゲーム目)であるか否かを判定する(S136)。前半の最終ゲームである場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、バトルゲーム数抽籤テーブル(図34)を参照して、バトルゲーム数を抽籤、セットし(S137)、通常CZ処理を終了する。
他方、前半の最終ゲームではない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、後半の最終ゲームであるか否かを判定する(S138)。後半の最終ゲームでもない場合には(NO)、メインCPU93は、通常CZ処理を終了する一方で、後半の最終ゲームである場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、ARTのストックが1以上であるか(すなわち、CZ中にARTのストックをしたか)否かを判定する(S139)。
ARTのストックが1以上である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、次遊技にART準備中をセットし(S140)、通常CZ処理を終了する。他方、ARTのストックが0の場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、次遊技に通常遊技状態をセットする(S141)。続いて、メインCPU93は、CZが失敗したとして、CZに対応する裏モード抽籤状態(CZ1〜CZ3は「抽籤小」、CZ4は「抽籤中」)をセットし(S142)、通常CZ処理を終了する。
<特殊CZ処理>
続いて、図80を参照して、特殊CZ処理について説明する。特殊CZ処理では、初めに、メインCPU93は、特殊CZ中上乗せゾーン抽籤テーブル(図35)を参照して、抽籤用フラグBに基づいてART抽籤を行う(S151)。続いて、メインCPU93は、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S152)。ART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、当籤した種別のARTや上乗せゾーンのストックを1加算し(S153)、次遊技にART準備中をセットし(S157)、特殊CZ処理を終了する。
他方、S152においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU93は、CZ中のゲーム数を更新する(S154)。続いて、メインCPU93は、特殊CZの最終ゲーム(すなわち、10ゲーム目)であるか否かを判定する(S155)。特殊CZの最終ゲームではない場合には、メインCPU93は、特殊CZ処理を終了する。
他方、特殊CZの最終ゲームである場合には(YES)、メインCPU93は、通常ARTのストックを1加算する(S156)。続いて、メインCPU93は、次遊技にART準備中をセットし(S157)、特殊CZ処理を終了する。
<スタート時ART前兆中処理>
続いて、図82を参照して、スタート時ART前兆中処理について説明する。スタート時ART前兆中処理では、初めに、メインCPU93は、ART抽籤用番号決定テーブル(図26)を参照して、抽籤用フラグAからART抽籤用番号を決定する(S171)。続いて、メインCPU93は、ART抽籤テーブル(図27)を参照して、S171で決定したART抽籤用番号に基づいてART抽籤を行う(S172)。
続いて、メインCPU93は、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S173)。ART抽籤に当籤していた場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、通常ARTや当籤した種別の上乗せゾーンのストックを1加算する(S174)。
S174の処理に続いて、又はS173においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、ART前兆中上乗せゾーン抽籤テーブル(図30)を参照して、抽籤用フラグAに基づいて上乗せゾーン抽籤を行う(S175)。続いて、メインCPU93は、この上乗せゾーン抽籤に当籤したか否かを判定する(S176)。上乗せゾーン抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU93は、スタート時ART前兆中処理を終了する一方で、上乗せゾーン抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、当籤した種別の上乗せゾーンのストックを1加算し(S177)、スタート時ART前兆中処理を終了する。
<スタート時ART中処理>
続いて、図83を参照して、スタート時ART中処理について説明する。スタート時ART中処理では、初めに、メインCPU93は、初めに、メインCPU93は、ART抽籤用番号決定テーブル(図26)を参照して、抽籤用フラグAからART抽籤用番号を決定する(S191)。続いて、メインCPU93は、ART抽籤テーブル(図27)を参照して、S191で決定したART抽籤用番号に基づいてART抽籤を行う(S192)。
続いて、メインCPU93は、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S193)。ART抽籤に当籤していた場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、当籤した種別のARTや上乗せゾーンのストックを1加算する(S194)。続いて、メインCPU93は、ART終了待ち中であるか否かを判定する(S195)。ART終了待ち中(すなわち、ART終了待ち中にART抽籤に当籤)である場合には(YES)、メインCPU93は、次遊技に当籤した種別のART又は上乗せゾーンをセットし、対応するストックを1減算し(S196)、スタート時ART中処理を終了する。
S193においてART抽籤に当籤していない場合(NO)、又はS195においてART終了待ち中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、通常ART中であるか否かを判定する(S197)。通常ART中である場合には、メインCPU93は、続いて、図84で後述する通常ART処理を行い(S198)、スタート時ART中処理を終了する。
他方、通常ART中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、上乗せゾーン1,2中であるか否かを判定する(S199)。上乗せゾーン1,2中である場合には、メインCPU93は、続いて、図85で後述する上乗せゾーン1,2処理を行い(S200)、スタート時ART中処理を終了する。
他方、上乗せゾーン1,2中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、上乗せゾーン3中であるか否かを判定する(S201)。上乗せゾーン3中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、スタート時ART中処理を終了する一方で、上乗せゾーン3中である場合には、メインCPU93は、続いて、図88で後述する上乗せゾーン3処理を行い(S202)、スタート時ART中処理を終了する。
<通常ART処理>
続いて、図84を参照して、通常ART処理について説明する。通常ART処理では、初めに、メインCPU93は、上乗せ抽籤用番号決定テーブル(図37)を参照して、抽籤用フラグCから上乗せ抽籤用番号を決定する(S211)。続いて、メインCPU93は、通常ART中上乗せゾーン抽籤テーブル(図38)を参照して、S211で決定した上乗せ抽籤用番号に基づいて上乗せ抽籤を行う(S212)。
続いて、メインCPU93は、この上乗せ抽籤において上乗せゾーンに当籤したか否かを判定し(S213)、上乗せゾーンに当籤している場合には(YES)、当籤した種別の上乗せゾーンのストックを1加算する(S214)。この処理に続いて、又はS214において上乗せゾーンに当籤していない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、ゲーム数の上乗せに当籤したか否かを判定する(S215)。
ゲーム数の上乗せに当籤している場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、ART中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブル(図39)を参照して、抽籤フラグCから上乗せゲーム数抽籤用番号を決定する(S216)。続いて、メインCPU93は、上乗せゲーム数抽籤テーブル(図40)を参照して、S216で決定した上乗せゲーム数抽籤用番号に基づいて、上乗せゲーム数を抽籤する(S217)。続いて、メインCPU93は、通常ARTの継続期間(ARTゲーム数)に抽籤した上乗せゲーム数を加算する(S218)。
S218の処理に続いて、又はS215においてゲーム数の上乗せに当籤していない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、解除モード移行抽籤テーブル(図41)を参照して、解除モードを抽籤するとともに、解除抽籤テーブル(図42)を参照して、この解除モードに基づき解除抽籤を行う(S219)。
続いて、メインCPU93は、この解除抽籤において上乗せゾーンに当籤したか否かを判定する(S220)。上乗せゾーンに当籤している場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、当籤した種別の上乗せゾーンのストックを1加算する(S221)。
この処理に続いて、又はS220において上乗せゾーンに当籤していない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、ARTゲーム数を更新する(S222)。続いて、メインCPU93は、上乗せゾーンのストックがあるか否かを判定する(S223)。上乗せゾーンのストックがある場合には(YES)、メインCPU93は、次遊技に対応する上乗せゾーンをセットするとともに、当該上乗せゾーンのストックを1減算し(S224)、通常ART処理を終了する。
他方、上乗せゾーンのストックがない場合には、メインCPU93は、ARTゲーム数が0であるか否かを判定する(S225)。ARTゲーム数が0ではない場合には(NO)、メインCPU93は、通常ART処理を終了する一方で、ARTゲーム数が0である場合には(YES)、メインCPU93は、次遊技にART終了待ち中をセットし(S226)、通常ART処理を終了する。
<上乗せゾーン1,2処理>
続いて、図85を参照して、上乗せゾーン1,2処理について説明する。上乗せゾーン1,2処理では、初めに、メインCPU93は、上乗せゾーン2中であるか否かを判定する(S231)。上乗せゾーン2中である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、保証ゲーム数があるか否かを判定する(S232)。
保証ゲーム数がない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、上乗せゾーン2終了抽籤テーブル(図48(B))を参照して、抽籤用フラグDに基づいて上乗せゾーン2の終了抽籤を行う(S233)。続いて、メインCPU93は、この終了抽籤において終了が決定されたか否かを判定する(S234)。終了が決定された場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、次遊技に上乗せゾーン1をセットし(S235)、上乗せゾーン1,2処理を終了する。
S231において上乗せゾーン2中ではない場合(NO)、S232の処理において保証ゲーム数がある場合(YES)、又はS234において終了が決定されていない(継続)場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、上乗せゾーン中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブル(図47)を参照して、抽籤用フラグC及び現在の遊技に対してセットされているイベントマスから、上乗せゲーム数抽籤用番号を決定する(S236)。続いて、メインCPU93は、上乗せゲーム数抽籤テーブル(図40)を参照して、S236で決定した上乗せゲーム数抽籤用番号に基づいて上乗せゲーム数を抽籤する(S237)。
続いて、メインCPU93は、2倍ストックがあるか否かを判定する(S238)。2倍ストックがある場合には(YES)、S237で抽籤した上乗せゲーム数を2倍にしたゲーム数を、通常ARTの継続期間(ARTゲーム数)に加算する(S239,S240)。また、この処理では、メインCPU93は、2倍ストックを1減算する(S239)。他方、2倍ストックがない場合には(NO)、メインCPU93は、通常ARTの継続期間(ARTゲーム数)にS237で抽籤した上乗せゲーム数をそのまま加算する(S240)。
続いて、メインCPU93は、図86で後述するイベントマス制御処理を行い(S241)、上乗せゾーン1,2処理を終了する。
<イベントマス制御処理>
続いて、図86及び図87を参照して、イベントマス制御処理について説明する。イベントマス制御処理では、初めに、メインCPU93は、ベル以上が当籤しているか否かを判定する(S251)。上述したように上乗せゾーン中は、ベル以上当籤で有利な報酬が付与され、リプレイ以下当籤で不利な報酬が付与されることになる。S251の判定は、以降の処理において有利な報酬を付与することになるか、不利な報酬を付与することになるかを判定している。なお、リプレイ以下当籤の場合には(NO)、メインCPU93は、図87のS271に処理を移す。
他方、ベル以上当籤の場合には(YES)、メインCPU93は、保証ゲーム数を更新する(S252)。続いて、メインCPU93は、今回の遊技にセットされているイベントマスが「キャラ1」であるか否かを判定する(S253)。イベントマスとして「キャラ1」がセットされている場合には(YES)、メインCPU93は、ライフを1加算し(S254)、イベントマス制御処理を終了する。
他方、イベントマスとして「キャラ1」がセットされていない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、今回の遊技にセットされているイベントマスが「キャラ2」であるか否かを判定する(S255)。イベントマスとして「キャラ2」がセットされている場合には(YES)、メインCPU93は、赤マス変換ストックを1加算し(S256)、イベントマス制御処理を終了する。
他方、イベントマスとして「キャラ2」がセットされていない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、今回の遊技にセットされているイベントマスが「キャラ3」であるか否かを判定する(S257)。イベントマスとして「キャラ3」がセットされている場合には(YES)、メインCPU93は、2倍ストックを1加算し(S258)、イベントマス制御処理を終了する。
他方、イベントマスとして「キャラ3」がセットされていない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、今回の遊技にセットされているイベントマスが「キャラ4」であるか否かを判定する(S259)。イベントマスとして「キャラ4」がセットされている場合には(YES)、メインCPU93は、復活ストックを1加算し(S260)、イベントマス制御処理を終了する。
他方、イベントマスとして「キャラ4」がセットされていない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、今回の遊技にセットされているイベントマスが「バトル」であるか否かを判定する(S261)。イベントマスとして「バトル」がセットされている場合には(YES)、メインCPU93は、イベントマス「バトル」にセット(後述の図96のS463参照)されている裏マス変換個数だけ次遊技以降のイベントマスを裏マスに変換し(S262)、イベントマス制御処理を終了する。
他方、イベントマスとして「バトル」がセットされていない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、今回の遊技が上乗せゾーン1中であり、かつ、今回の遊技にセットされているイベントマスが「裏」であるか否かを判定する(S263)。この判定がNOの場合には、メインCPU93は、イベントマス制御処理を終了する一方で、この判定がYESの場合には(YES)、メインCPU93は、全てのマスをイベントマス「裏」に変換する(S264)。続いて、メインCPU93は、次遊技に上乗せゾーン2をセットするとともに、保証ゲーム数を10加算し(S265)、イベントマス制御処理を終了する。
他方、リプレイ以下当籤の場合には、メインCPU93は、今回の遊技にセットされているイベントマスが「赤」であるか否かを判定する(S271)。イベントマスとして「赤」がセットされていない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、保証ゲーム数を更新し(S281)、イベントマス制御処理を終了する。
他方、イベントマスとして「赤」がセットされている場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、上乗せゾーン1が開始してから5ゲーム以内であるか否かを判定する(S272)。この判定がYESの場合には、メインCPU93は、全てのイベントマス「裏」に変換する(S273)。続いて、メインCPU93は、次遊技に上乗せゾーン2をセットするとともに、保証ゲーム数を10加算し(S274)、イベントマス制御処理を終了する。このように本実施形態のパチスロ機1では、上乗せゾーン1の開始から5ゲーム以内にイベントマス「赤」に応じた報酬「ライフ−1」が付与されると、メインCPU93は、上乗せゾーン1から上乗せゾーン2に遊技状態を移行させる。
他方、S272において開始5ゲーム以内ではない場合には(NO)メインCPU93は、続いて、保証ゲーム数があるか否か(S275)、2倍ストックがあるか否か(S276)、この上乗せゾーン中に一度も上乗せが行われていないか否か(S277)を判定する。これらの判定の何れかにおいてYESの場合には、メインCPU93は、続いて、保証ゲーム数を更新し(S281)、イベントマス制御処理を終了する。すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、保証ゲーム数が残っている場合、2倍ストックがある場合、一度も上乗せが行われていない場合には、イベントマス「赤」によるライフの減算が行われない。
他方、S275〜S277において全てNOの場合には、メインCPU93は、続いて、ライフを1減算する(S278)。続いて、メインCPU93は、ライフが0になったか否かを判定する(S279)。ライフが0ではない場合には(NO)、メインCPU93は、イベントマス制御処理を終了する一方で、ライフが0である場合には(YES)、メインCPU93は、次遊技に通常ARTをセットし(S280)、イベントマス制御処理を終了する。なお、復活ストックがある場合には、メインCPU93は、後述の終了時上乗せゾーン1,2中処理において上乗せゾーン1を再開する(後述の図96、図97)。
<上乗せゾーン3処理>
続いて、図88を参照して、上乗せゾーン3処理について説明する。上乗せゾーン3処理では、初めに、メインCPU93は、上乗せゾーン3中上乗せゲーム数抽籤テーブル(図51(E))を参照して、抽籤フラグCに基づいて上乗せゲーム数の抽籤を行う(S291)。続いて、メインCPU93は、この抽籤に当籤したか否かを判定し(S292)、当籤していない場合には(NO)、上乗せゾーン3処理を終了する。
他方、上乗せゲーム数の抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、抽籤した上乗せゲーム数をARTゲーム数に加算する(S293)。続いて、メインCPU93は、継続判定が非継続の場合には継続に変換し(S294)、上乗せゾーン3処理を終了する。上述したように上乗せゾーン3中は1セットの開始時(より詳細には、前回の1セットの終了時)に継続判定を行っている。この継続判定が非継続のセット中にARTゲーム数の上乗せが行われた場合、メインCPU93は、継続判定の結果を継続に書き換える。
<スタート時ボーナス中処理>
続いて、図89を参照して、スタート時ボーナス中処理について説明する。スタート時ボーナス中処理では、初めに、メインCPU93は、特殊BB中であるか否かを判定する(S311)。特殊BB中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、BB中ART抽籤テーブル(図56)を参照して、抽籤フラグEに基づいてART抽籤を行う(S312)。
続いて、メインCPU93は、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S313)。ART抽籤に当籤していない場合には、メインCPU93は、スタート時ボーナス中処理を終了する一方で、ART抽籤に当籤していた場合には(YES)、当籤した種別のARTや上乗せゾーンのストックを1加算し(S314)、スタート時ボーナス中処理を終了する。
他方、S311において特殊BB中である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、特殊BB中上乗せゲーム数抽籤テーブル(図57)を参照して、抽籤フラグEに基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行う(S316)。図57を参照すると、この上乗せ抽籤では必ず5ゲーム以上の上乗せゲーム数が抽籤される、メインCPU93は、続いて、抽籤した上乗せゲーム数をARTゲーム数に加算して(S317)、スタート時ボーナス中処理を終了する。
<リール停止初期設定処理>
次に、図90を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。リール停止初期設定処理では、初めに、メインCPU93は、回胴停止初期設定テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役などに基づいて回胴停止用番号を取得する(S331)。続いて、メインCPU93は、回胴停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(S332)。この処理では、メインCPU93は、例えば、押下順序別判定データなどの回胴停止用番号に対応付けられた各種情報を取得する。
続いて、メインCPU93は、図柄コード格納領域(図示せず)に回転中の識別子を格納する(S333)。すなわち、メインCPU93は、全図柄コード格納領域(未使用領域を除く)のビットを「1」にセットする。続いて、メインCPU93は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(S334)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン19L、19C、19Rの数を判別するためのものであり、メインRAM95の所定の領域に格納されている。
<リール停止制御処理>
続いて、図91を参照して、リール停止制御処理について説明する。リール停止制御処理では、初めに、メインCPU93は、有効なストップボタンが押されたか否かを判定する(S351)。この処理は、ストップスイッチ基板80から信号が出力されたか否かを判定する処理である。メインCPU93は、有効なストップボタンが押されていないと判定した場合には(NO)、ステップS351の処理を繰り返し実行する。
一方、メインCPU93は、有効なストップボタンが押されたと判定した場合には(YES)、押されたストップボタンに応じて、押下順序格納領域(図示せず)と、作動ストップボタン格納領域(図示せず)とを更新する(S352)。すなわち、メインCPU93は、作動ストップボタン格納領域を更新することで、押されたストップボタンの種別を管理するとともに、押されたストップボタンの種別及びその順序に基づいて押下順序格納領域を更新することで、停止操作の順序(押し順)を管理する。
続いて、メインCPU93は、ストップボタン未作動カウンタから1を減算し(S353)、作動ストップボタンから検索対象リールを決定し(S354)、図柄カウンタに基づいて停止開始位置をメインRAM95に格納する(S355)。停止開始位置は、ストップスイッチ基板80によって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU93は、滑り駒数決定処理を実行する(S356)。この滑り駒数決定処理は、回胴停止初期設定テーブルから内部当籤役に基づいて選択されるリール停止制御情報(停止テーブル群)に基づいて、停止開始位置に規定された滑り駒数を決定する処理である。
次に、メインCPU93は、主制御回路91から副制御回路101へ送信するリール停止コマンドデータを生成し、生成したリール停止コマンドデータをメインRAM95に割り当てられた通信データ格納領域に格納するリール停止コマンド生成処理を実行する(S357)。このリール停止コマンドデータは、停止されるリールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)などを表す。
次に、メインCPU93は、停止開始位置と滑り駒数決定データとに基づいて停止予定位置を決定し、メインRAM95に格納する(S358)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」〜「4」のうちの何れかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU93は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットする(S359)。次に、メインCPU93は、図柄コード格納処理を実行する(S360)。この図柄コード格納処理は、回転中のリールの図柄位置をチェックするためのチェック用図柄位置データの図柄コードを取得する。
次に、メインCPU93は、図柄コード格納処理で取得した図柄コードから図柄コード格納領域を更新する(S361)。次に、メインCPU93は、制御変更処理を行う(S362)。この制御変更処理では、特定の停止位置にあった場合に、リールの停止に用いる停止情報群が更新される。
次に、メインCPU93は、押されたストップボタンが放されたか否かを判定する(S363)。この処理は、ストップスイッチ基板80から信号が出力されなくなったか否かを判定する処理である。
メインCPU93は、押されたストップボタンが放されていないと判定した場合には(NO)、ステップS363の処理を繰り返し実行する。一方、メインCPU93は、押されたストップボタンが放されたと判定した場合には(YES)、続いて、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否かを判定する(S364)。ここで、ストップボタン未作動カウンタが0でないと判定した場合には(NO)、メインCPU93は、引込優先順位格納処理を実行し(S365)、ステップS41の処理を実行する。この引込優先順位格納処理では、回転しているリール3L、3C、3Rの全ての図柄の引込優先順位が決定される。一方、ストップボタン未作動カウンタが0であると判定した場合には(YES)、メインCPU93は、リール停止制御処理を終了する。
<ボーナス終了チェック処理>
続いて、図92を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。ボーナス終了チェック処理では、初めに、メインCPU93は、ボーナス状態中に払い出したメダルの枚数(払出枚数)が規定枚数(252枚)を超えたか否かを判定する(S371)。払出枚数が規定枚数を超えていない場合には、メインCPU93は、ボーナス終了チェック処理を終了する。
他方、払出枚数が規定枚数を超えた場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、ボーナス終了時表モード移行処理を行う(S372)。この処理では、メインCPU93は、表モード移行抽籤テーブル2(図22(B))を参照して、移行先の表モードを抽籤し、セットする。
続いて、メインCPU93は、次遊技に対応する遊技状態をセットする(S373)。具体的には、メインCPU93は、保有しているストックの種別に基づいて次遊技に対応する遊技状態をセットし、例えば、何らのストックも保有していない場合には、メインCPU93は、次遊技に通常遊技状態をセットする。
続いて、メインCPU93は、ボーナス終了時処理を行い(S374)、ボーナス終了チェック処理を行う。この処理では、メインCPU93は、ボーナス状態中に用いた情報をクリアするなどのボーナス状態の終了に伴う各種の処理を行う。また、この処理では、メインCPU93は、主制御回路91から副制御回路101へ送信するボーナス終了コマンドデータを生成し、生成したボーナス終了コマンドデータをメインRAM95に割り当てられた通信データ格納領域に格納する。このボーナス終了コマンドデータには、次遊技に対してセットした遊技状態の種別などの情報が含まれる。
<ボーナス作動チェック処理>
続いて、図93を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。ボーナス作動チェック処理では、初めに、メインCPU93は、BBの図柄の組合せ(「C_BB_A」〜「C_BB_C3」)が表示されたか否かを判定する(S391)。BBの図柄の組合せが表示されていない場合には(NO)、メインCPU93は、ボーナス作動チェック処理を終了する。
他方、BBの図柄の組合せが表示されていた場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定された遊技が上乗せゾーン2中であったか否かを判定する(S392)。上乗せゾーン2中であった場合には、メインCPU93は、次遊技に特殊BBをセットする(S393)。続いて、メインCPU93は、ボーナス開始時処理を行い(S394)、ボーナス作動チェック処理を終了する。なお、ボーナス開始時処理では、メインCPU93は、ボーナス状態に用いる情報をセットするなどのボーナス状態の開始に伴う各種の処理を行う。また、この処理では、メインCPU93は、主制御回路91から副制御回路101へ送信するボーナス開始コマンドデータを生成し、生成したボーナス開始コマンドデータをメインRAM95に割り当てられた通信データ格納領域に格納する。このボーナス開始コマンドデータには、開始したボーナス状態の種別(通常BB又は特殊BB)やボーナスに係る役の当籤に伴いARTのストックが付与されたか否かについての情報が含まれる。副制御回路101では、これらの情報から、通常BB、エピソードBB又は特殊BBを区別する。
他方、S392においてボーナスに係る役が内部当籤役として決定された遊技が上乗せゾーン2中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定された遊技が上乗せゾーン1中であったか否かを判定する(S395)。ボーナスに係る役が内部当籤役として決定された遊技が上乗せゾーン1中であった場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、ボーナス入賞時上乗せゾーン昇格抽籤テーブル(図48(A))を参照して、ボーナス入賞時の上乗せゾーン昇格抽籤を行う(S396)。
続いて、メインCPU93は、上乗せゾーン昇格抽籤に当籤したか否かを判定する(S397)。上乗せゾーン昇格抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU93は、次遊技に特殊BBをセットする(S398)。続いて、メインCPU93は、ボーナス開始時処理を行い(S399)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
他方、S395においてボーナスに係る役が内部当籤役として決定された遊技が上乗せゾーン1中ではない場合(NO)、又はS397において上乗せゾーン昇格抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、ボーナス入賞時ART抽籤テーブル(図54)を参照して、裏モードの値に基づいて裏モードに基づいてART抽籤を行う(S400)。
続いて、メインCPU93は、ART抽籤に当籤したか否かを判定する(S401)。エピソードBBに当籤している場合には(YES)、メインCPU93は、当籤した種別のARTや上乗せゾーンのストックを1加算し(S402)、続いて、裏モードを50減算する(S403)。なお、減算の結果、裏モードがマイナスの値になってしまう場合には、メインCPU93は、裏モードの値を0にセットする。この裏モードの減算に伴い裏モードが0になった場合には、メインCPU93は、続いて、裏モード抽籤状態として「リセット」をセットする(S404)。
S404の処理に続いて、又はS401においてART抽籤に当籤していない場合には、メインCPU93は、続いて、ボーナス開始時処理を行い(S405)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
<RT作動チェック処理>
続いて、図94を参照して、RT作動チェック処理について説明する。RT作動チェック処理では、初めに、メインCPU93は、表示された図柄の組合せに応じてRT遊技状態を移行する(S411)。具体的には、メインCPU93は、図8において説明した条件に応じてRT遊技状態を移行する。
続いて、メインCPU93は、ART準備中であるか否かを判定する(S412)。ART準備中である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、S411の処理においてRT2遊技状態に移行したか否かを判定する(S413)。ART準備中にRT2遊技状態に移行した場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、次遊技に対応する遊技状態をセットする(S414)。具体的には、メインCPU93は、通常ARTや上乗せゾーンのストックに応じて対応する遊技状態をセットする。続いて、メインCPU93は、ART開始時処理を行い(S415)、RT作動チェック処理を終了する。この処理では、メインCPU93は、ストックの減算やARTゲーム数の初期値のセットなどを行う。
他方、S412においてART準備中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、S411の処理においてRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行したか否かを判定する(S416)。RT2遊技状態からRT1遊技状態に移行していない場合には(NO)、メインCPU93は、RT作動チェック処理を終了する一方で、RT2遊技状態からRT1遊技状態に移行している場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、遊技状態が通常遊技状態又はCZ中であったか否かを判定する(S417)。
通常遊技状態又はCZ中にRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行した場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、裏モード抽籤状態として「特殊」をセットし(図94)、RT作動チェック処理を終了する。
他方、RT2遊技状態からRT1遊技状態に移行したのが通常遊技状態又はCZ中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、ART終了待ち中であるか否かを判定する(S419)。ART終了待ち中でもない場合には(NO)、メインCPU93は、RT作動チェック処理を終了する一方で、ART終了待ち中であった場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、ARTが駆け抜けで終了したか否かを判定する(S420)。ARTが駆け抜けで終了していた場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、裏モード抽籤状態として「抽籤中」をセットする(S421)。
S421の処理に続いて、又はX420においてART駆け抜けではないと判定した場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、次遊技に対応する遊技状態をセットする(S422)。続いて、メインCPU93は、ART遊技状態中に用いた各種の情報をクリアするART終了時処理を行い(S423)、RT作動チェック処理を終了する。
<終了時状態別制御処理>
続いて、図95を参照して、終了時状態別制御処理について説明する。終了時状態別制御処理では、初めに、メインCPU93は、ART準備中であるか否かを判定する(S431)。ART準備中である場合には、メインCPU93は、継続ゲーム数に応じた裏モード抽籤状態をセットする(S432)。
他方、ART準備中ではない場合には、メインCPU93は、続いて、上乗せゾーン1,2中であるか否かを判別する(S433)。なお、上乗せゾーン1,2中とは、現在上乗せゾーン1,2中である場合に加えて、次遊技から上乗せゾーン1,2が開始する場合(スタート時に次遊技に上乗せゾーン1,2がセット)も含む。上乗せゾーン1,2中である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、図96及び図97で後述する終了時上乗せゾーン1,2中処理を行う(S434)。
他方、S433において上乗せゾーン1,2中ではない場合には、メインCPU93は、続いて、上乗せゾーン3中であるか否かを判別する(S435)。なお、上乗せゾーン3中とは、現在上乗せゾーン3中である場合に加えて、次遊技から上乗せゾーン3が開始する場合(スタート時に次遊技に上乗せゾーン3がセット)も含む。上乗せゾーン3中である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、図98で後述する終了時上乗せゾーン3中処理を行う(S436)。
S432,S434,S436の処理に続いて、又はS435で上乗せゾーン3中ではない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、裏モード抽籤状態がセットされているか否かを判定する(S437)。裏モード抽籤状態がセットされている場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、裏モード加算値抽籤テーブル(図53)を参照して、セットされている裏モード抽籤状態に基づいて裏モード加算値抽籤処理を行う(S438)。続いて、メインCPU93は、抽籤した裏モード加算値に基づいて裏モードを更新するとともに(S439)、裏モード抽籤状態をクリアする(S440)。
S440の処理に続いて、又はS437において裏モード抽籤状態がセットされていない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、現在の遊技状態に応じて必要なその他の処理を行う(S441)。続いて、メインCPU93は、主制御回路91から副制御回路101へ送信する単位遊技終了コマンドデータを生成し、生成した単位遊技終了コマンドデータをメインRAM95に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(S442)。この単位遊技終了コマンドデータには、単位遊技終了時の各処理の結果についての情報などが含まれる。
<終了時上乗せゾーン1,2中処理>
続いて、図96を参照して、終了時上乗せゾーン1,2中処理について説明する。終了時上乗せゾーン1,2中処理では、初めに、メインCPU93は、上乗せゾーン1の開始時であるか否かを判定する(S451)。なお、上乗せゾーン1の開始時とは、次遊技から上乗せゾーン1が開始する遊技の終了時である。
上乗せゾーン1の開始時である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、上乗せゾーンレベルがセットされているか判定し、上乗せゾーンレベルがセットされていない場合には、上乗せゾーンレベル抽籤テーブル(図45)を参照して、上乗せゾーンレベルを抽籤し、セットする(S452)。なお、上乗せゾーンレベルがセットされていない場合とは、例えば、通常ARTから上乗せゾーン1が開始したとき、上乗せゾーン1以外の状態から開始した上乗せゾーン2の終了時であり、また、上乗せゾーンレベルがセットされている場合とは、例えば、復活ストックに基づき上乗せゾーン1が再開するとき(上乗せゾーンレベル3がセット)、上乗せゾーン1から移行した上乗せゾーン2の終了時(初めの上乗せゾーン1の開始時にセットした上乗せゾーンレベルが維持)である。続いて、メインCPU93は、イベントマス抽籤テーブル1(図46(A))を参照して、5ゲーム分のイベントマスを抽籤し、セットする(S453)。また、この処理では、メインCPU93は、保証ゲーム数として「5」をセットする。
他方、S451において上乗せゾーン1の開始時ではない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、上乗せゾーン1中の特定ゲーム数であるか否かを判定する(S454)。上述したように上乗せゾーン1中は、20ゲーム毎にイベントマス「バトル」がセットされる。S454の処理は、イベントマス「バトル」をセットするタイミングであるか判定する処理である。上乗せゾーン1中の特定ゲーム数である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、新たなイベントマスとして「バトル」をセットする(S455)。
他方、S454において上乗せゾーン1中の特定ゲーム数ではない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、イベントマス抽籤テーブル1(図46(A))を参照して、新たなイベントマスを抽籤してセットする(S456)。
続いて、メインCPU93は、赤マス変換ストックがあるか否かを判定する(S457)。赤マス変換ストックがある場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、次遊技に対してセットされたイベントマスが「赤」であるか否かを判定する(S458)。次遊技に対してセットされたイベントマスが「赤」である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、イベントマス抽籤テーブル1(図46(A))を参照して、次遊技対してセットされたイベントマス「赤」を他のイベントマスに変換して、赤マス変換ストックを1減算する(S459)。
S453、S455、S459の処理に続いて、S457で赤マス変換ストックがない場合、又はS458で次遊技に対してセットされたイベントマスが「赤」ではない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、5ゲーム分のイベントマスの中に「キャラ」がセットされているイベントマスがあるか否かを判定する(S460)。「キャラ」がセットされているイベントマスがある場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、イベントマス抽籤テーブル2(図46(B))を参照して、キャラ種別を抽籤し、対応するイベントマス「キャラ」にセットする(S461)。なお、5ゲーム分のイベントマスのうちの複数のイベントマスにイベントマス「キャラ」がセットされている場合には、メインCPU93は、これら複数のイベントマスの全てに対して一度の抽籤で決定したキャラ種別をセットすることとしてもよく、また、これら複数のイベントマスのそれぞれに対して個別の抽籤を行い、当該個別の抽籤で決定したキャラ種別をセットすることとしてもよい。
S461の処理に続いて、又はS460において「キャラ」がセットされているイベントマスがない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、5ゲーム分のイベントマスの中に「バトル」がセットされているイベントマスがあるか否かを判定する(S462)。「バトル」がセットされているイベントマスがある場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、イベントマス抽籤テーブル3(図46(C))を参照して、裏マス変換個数を抽籤し、対応するイベントマス「バトル」にセットする(S463)。なお、5ゲーム分のイベントマスのうちの複数のイベントマスにイベントマス「バトル」がセットされている場合には、メインCPU93は、これら複数のイベントマスの全てに対して一度の抽籤で決定した裏マス変換個数をセットすることとしてもよく、また、これら複数のイベントマスのそれぞれに対して個別の抽籤を行い、当該個別の抽籤で決定した裏マス変換個数をセットすることとしてもよい。
S463の処理に続いて、又はS462において「バトル」がセットされているイベントマスがない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、次遊技に通常ARTがセットされているか否かを判定する(S471)。次遊技に通常ARTがセットされていない場合には(NO)、メインCPU93は、終了時上乗せゾーン1,2中処理を終了する一方で、次遊技に通常ARTがセットされている場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、上乗せゾーン1終了時復活ストック抽籤テーブル(図48(C))を参照して、上乗せゾーン1終了時の復活ストック抽籤を行い(S472)、その抽籤結果に基づいて復活ストックの数を更新する(S473)。
続いて、メインCPU93は、復活ストックが1以上であるか否かを判定する(S474)。復活ストックが1以上ではない場合には(NO)、メインCPU93は、終了時上乗せゾーン1,2中処理を終了する一方で、復活ストックが1以上である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、次遊技に上乗せゾーン1をセット、すなわち、次遊技にセットしていた遊技状態を通常ARTから上乗せゾーン1に書き換える(S475)。
続いて、メインCPU93は、上乗せゾーンレベルとして上乗せゾーンレベル3をセットし(S476)、保証ゲーム数として「5」をセットする(S477)。続いて、メインCPU93は、復活ストックを1減算し(S478)、終了時上乗せゾーン1,2中処理を終了する。
<終了時上乗せゾーン3中処理>
続いて、図98を参照して、終了時上乗せゾーン3中処理について説明する。終了時上乗せゾーン3中処理では、初めに、メインCPU93は、上乗せゾーン3の開始時であるか否かを判定する(S491)。なお、上乗せゾーン3の開始時とは、次遊技から上乗せゾーン3が開始する遊技の終了時である。上乗せゾーン3の開始時である場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、継続率抽籤テーブル(図50(A))を参照して継続率を抽籤して、セットする(S492)。また、この処理では、メインCPU93は、保証ストック数を4加算する。
他方、上乗せゾーン3の開始時ではない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、1セット中の継続ゲーム数を更新する(S493)。続いて、メインCPU93は、1セット中の継続ゲーム数が1セットゲーム数に到達したか否かを判定する(S494)。1セットゲーム数に到達していない場合には(NO)、メインCPU93は、終了時上乗せゾーン3中処理を終了する一方で、1セットゲーム数に到達(1セットの終了時)している場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、継続がセットされているか否かを判定する(S495)。
継続がセットされていない場合には(NO)、メインCPU93は、次遊技に通常ARTをセットし(S496)、終了時上乗せゾーン3中処理を終了する。他方、継続がセットされている場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、保証ストック抽籤済みであるか否かを判定する(S497)。保証ストック抽籤済みではない場合(NO)、又はS492の処理に続いて、メインCPU93は、保証ストック抽籤テーブル(図50(B))を参照して、保証ストック抽籤を行う(S498)。
続いて、メインCPU93は、保証ストック抽籤に当籤したか否かを判定する(S499)。保証ストック抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、保証ストック数を3加算するとともに、保証ストック抽籤済みをセットする(S500)。
S500の処理に続いて、S497において保証ストック抽籤済みであると判定された場合(YES)、又はS499において保証ストック抽籤に当籤していないと判定された場合には(NO)、メインCPU93は、保証ストックがあるか否かを判定する(S501)。保証ストックがある場合には(YES)、メインCPU93は、続いて、保証ストック数を1減算するとともに、1セットゲーム数抽籤テーブル(図50(C))を参照して、次セットの1セットゲーム数を抽籤し、セットする(S502)。また、この処理では、メインCPU93は、1セット中の継続ゲーム数をクリアする。その後、メインCPU93は、終了時上乗せゾーン3中処理を終了する。
他方、保証ストックがない場合には(NO)、メインCPU93は、続いて、継続判定抽籤テーブル(図50(D))を参照して継続判定抽籤を行い、抽籤結果(継続又は終了)をセットする(S503)。続いて、メインCPU93は、1セットゲーム数抽籤テーブル(図50(C))を参照して、次セットの1セットゲーム数を抽籤し、セットする(S504)。また、この処理では、メインCPU93は、1セット中の継続ゲーム数をクリアする。その後、メインCPU93は、終了時上乗せゾーン3中処理を終了する。
<メインCPUの制御による割込処理>
続いて、図99を参照して、メインCPU93の制御による割込処理について説明する。初めに、メインCPU93は、レジスタの退避を行う(S511)。次いで、メインCPU93は、入力ポートチェック処理を行う(S512)。この処理では、ストップスイッチ等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次いで、メインCPU93は、タイマ更新処理を行う(S513)。この処理では、メインCPU93は、例えば、割込処理毎に所定のタイマの値を減算する処理を行う。次いで、メインCPU93は、通信データ送信処置を行う(S514)。この処理では、メインCPU93は、メインRAM95の通信データ格納領域に格納された各種コマンドを副制御回路101に送信する。
次いで、メインCPU93は、リール制御処理を行う(S515)。この処理では、メインCPU93は、全リールの回転開始が要求されたときに、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転を開始し、その後、各リールが一定速度で回転するように、3つのステッピングモータを駆動制御する。また、滑り駒数が決定されたときは、メインCPU93は、該当するリールの図柄カウンタを滑り駒数分だけ更新する。そして、メインCPU93は、更新された図柄カウンタが停止予定位置に対応する値に一致するのを待って、該当するリールの回転の減速及び停止が行われるように、対応するステッピングモータを駆動制御する。
次いで、メインCPU93は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S516)。この処理では、メインCPU93は、情報表示器14を駆動制御して、払出枚数やクレジット枚数などを表示する。次いで、メインCPU93は、レジスタの復帰処理を行う(S517)。そして、その後、メインCPU93は、割込処理を終了する。
[副制御回路の動作説明]
次に、図100及び図101を参照して、副制御回路101のサブCPU102が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<主基板通信タスク>
図100は、副制御回路101のサブCPU102が実行する主基板通信タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、通信メッセージキューの初期化を実行し(S611)、受信コマンドのチェックを実行する(S612)。次に、サブCPU102は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判定する(S613)。ここで、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判定した場合には(NO)、サブCPU102は、S611の処理を実行する。
一方、前回とは異なるコマンドを受信したと判定した場合には(YES)、サブCPU102は、受信したコマンドから遊技情報を作成し、作成した遊技情報をサブRAM103に格納する(S614)。次に、サブCPU102は、S614で作成した遊技情報に基づいて演出を登録する(S615)。詳細については省略するが、サブCPU102は、例えば、メイン側でセットされたイベントマスに応じた表示マスを用いた演出を登録し、また、裏モードの値に基づき裏モード演出を登録するなどの処理を行う。サブCPU102は、演出を登録すると、液晶表示装置11、スピーカ65L,65R、各種のLEDなどを制御して、登録した演出を実行する。続いて、サブCPU102は、図101で後述するナビエラー時保険処理を行い(S616)、S101の処理に戻る。
<ナビエラー時保険処理>
続いて、図101を参照して、サブCPU102の制御によるナビエラー時保険処理について説明する。このナビエラー時保険処理は、主制御回路91からスタートコマンドを受信したタイミングで行われる。ナビエラー時保険処理では、初めに、サブCPU102は、メイン側ナビがあるか否かを判定する(S631)。具体的には、サブCPU102は、受信したスタートコマンドにメイン側ナビについての情報が含まれるか否かを判定する。
メイン側ナビがない場合には(NO)、ナビエラー時保険処理を終了する一方で、メイン側がある場合には(YES)、サブCPU102は、続いて、ナビ演出パターンチェックを行い(S632)、メイン側ナビと一致する演出が登録されているか否かを判定する(S633)。この処理では、サブCPU102は、図100のS615で登録した演出がメイン側ナビに対応する演出であるか否かを判定する。一例として、サブCPU102は、メイン側ナビとして「1」が決定されている場合に、押し順パターン「1」のサブ側ナビがセットされているか否かを判定する(図58(B)参照)。
メイン側ナビと一致する演出が登録されている場合には(YES)、ナビエラー時保険処理を終了する一方で、メイン側ナビと一致しない演出が登録されている場合には(NO)、サブCPU102は、続いて、サブ側の報知(ナビ)に関する演出のうちの押し順パターンを、メイン側ナビと一致する押し順パターンに書き換える(S634)。続いて、サブCPU102は、サブ側の報知(ナビ)に関する演出のうちの色パターンとして「色3(白)」をセットし(S635)、ナビエラー時保険処理を終了する。
ここで、このナビエラー時保険処理の大まかな流れを図102に示す。なお、図102では、内部当籤役として役「F_押し順ベル1_1st」が決定された場合のナビエラー時保険処理の流れを示している。メイン側(メインCPU93)は、役「F_押し順ベル1_1st」を内部当籤役として決定すると、当該内部当籤役に応じたメイン側ナビの内容を決定する。ここで、役「F_押し順ベル1_1st」にはメイン側ナビ「7」が対応している(図58参照)。
メインCPU93は、内部当籤役とメイン側ナビとを決定すると、これらを含むスタートコマンドデータを生成して、サブ側に送る。サブ側(サブCPU102)は、スタートコマンドを受信すると、このスタートコマンドに含まれる情報から演出内容を登録する。図102に示す例では、サブCPU102は、基本的には、サブ側ナビの演出として、押し順パターン「7」と「色2(黄)」とを決定するが、何らかのエラーが生じた場合に、異なるサブ側ナビ、又はサブ側ナビとして何も決定されないことがあり得る。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、サブCPU102は、演出内容を決定すると、メイン側ナビと決定した演出内容とを比較する。なお、サブCPU102は、少なくともメイン側ナビとサブ側ナビの押し順パターンとを比較し、内部当籤役とサブ側ナビの色パターンとは比較することとしてもよく、比較しないこととしてもよい。
そして、サブCPU102は、この比較の結果、メイン側ナビと決定した演出内容とが一致する場合には、決定した演出内容に応じてサブ側のナビを行う。例えば、サブCPU102は、正解の押し順が左1stであることを黄色の文字や画像などを用いて液晶表示装置11に表示することで、サブ側のナビを行う。
一方で、サブCPU102は、この比較の結果、メイン側ナビと決定した演出内容とが一致しない場合には、決定している演出内容を、メイン側ナビの内容に応じた演出に書き換える。具体的には、サブCPU102は、サブ側ナビの押し順パターンを「7」に書き換える。このとき、サブCPU102は、色パターンとしては「色3(白)」をセットする。すなわち、メイン側ナビと決定した演出内容とが異なる場合には、サブCPU102は、メイン側ナビに一致する押し順パターンと、色パターン「色3(白)」とをセットする。そして、サブCPU102は、この書き換えた演出内容に応じてサブ側のナビを行う。例えば、サブCPU102は、正解の押し順が左1stであることを白色の文字や画像などを用いて液晶表示装置11に表示することで、サブ側のナビを行う。
[変形例]
以上、本実施形態に係るパチスロ機1について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
[変形例1:CZやARTへの移行]
上記実施形態のパチスロ機1では、CZやART遊技状態へは、通常遊技状態中に行う移行抽籤に当籤することで移行する。ここで、上記実施形態のパチスロ機1では、この移行抽籤に対して設定差を持たせることもあるが、この移行抽籤を「設定値に差のない情報」に基づいて行うこととしてもよい。なお、「設定値に差のない情報」とは、内部抽籤処理において全ての設定値において同一の確率で内部当籤役として決定される役(設定不問役)や、全リールの停止時に全ての設定値において同一の確率で表示されることになる図柄の組合せ(設定差のない図柄の組合せ)を少なくとも含むものである。
すなわち、変形例のパチスロ機1では、設定不問役が内部当籤役として決定された場合に、CZやART遊技状態への移行抽籤を行い、設定差のある役(設定差役)が内部当籤役として決定された場合には、CZやART遊技状態への移行抽籤を行わない。また、本実施形態のパチスロ機1では、全リールの停止時に設定差のない図柄の組合せが表示された場合に、CZやART遊技状態への移行抽籤を行い、設定差のある図柄の組合せが表示された場合には、CZやART遊技状態への移行抽籤を行わない。
また、CZやART遊技状態への移行抽籤は、予め定められており一切変動しない完全確率に基づき行われる。「予め定められており一切変動しない完全確率」とは、少なくとも設定値に基づいて変動することのない確率(すなわち、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率)を意味する。
なお、「予め定められており一切変動しない完全確率」として、更に、「設定値に差のない情報」に対して一義的に定められた確率であることを含めることとしてもよい。近年のパチスロ機では、移行抽籤に当籤し易い状態と当籤し難い状態とを設けることがある。このような場合に、「設定値に差のない情報に対して一義的に定められた確率」で移行抽籤を行う場合には、例えば、設定不問役の当籤時には、いかなる遊技状態であっても同一の確率で当籤する移行抽籤を行うことになる。反対に、「設定値に差のない情報に対して一義的に定められた確率ではない確率(すなわち、変動する確率)」で移行抽籤を行う場合には、例えば、設定不問役の当籤時に、現在の遊技状態に応じた確率で当籤する移行抽籤、すなわち、現在の遊技状態が高確率状態である場合には、高い確率で当籤する移行抽籤を行い、現在の遊技状態が低確率状態である場合には、低い確率で当籤する移行抽籤、を行うことになる。
このように「設定値に差のない情報」に基づいて行う移行抽籤を、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行うことで、変形例のパチスロ機1では、CZやART遊技状態への移行に関する期待度を各設定値に対して同一にすることができ、出玉性能の差を、設定差のある設定差役の当籤確率に抑えることができる。
<移行抽籤に用いる抽籤テーブルの例>
ここで、CZやART遊技状態への移行抽籤に用いる抽籤テーブルの例を、図103に示す。図103(A)は、内部当籤役を決定するための内部抽籤テーブルである。
図103(A)に示す例のように、内部抽籤テーブルは、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。ここで、内部抽籤テーブルを用いた抽籤により決定される役には、設定値により抽籤値が異なる設定差役と、設定値に関わらず抽籤値が同一の設定不問役とが含まれる。図103(A)に示す例では、役「F_BB1」「F_維持リプA」などは、設定値により抽籤値が異なる設定差役であり、役「F_サボ1」「F_チリリプ」「F_BB1+F_リーチ目リプ」等は、設定値に関わらず抽籤値が同一の設定不問役である。変形例のパチスロ機1では、設定差役が内部当籤役として決定された場合に、CZやART遊技状態への移行抽籤を行わず、設定不問役が内部当籤役として決定された場合に、CZやART遊技状態への移行抽籤を行う。なお、CZやART遊技状態への移行抽籤を行わないとは、移行抽籤自体を行わないことに加え、移行抽籤は行うものの必ず非当籤になることを含むものである。また、CZやART遊技状態への移行抽籤は、いずれかの設定不問役が内部当籤役として決定された場合に必ず行わなければならないわけではなく、移行抽籤を行う設定不問役と移行抽籤を行わない設定不問役とを設けることとしてもよい。
ここで、CZやART遊技状態へ移行するための抽籤としては、図103(B)に示すように、(1)内部当籤役を決定するための内部抽籤、(2)移行を行うか否かの移行抽籤、(3)移行する場合の移行先を決定するための有利区間種別抽籤の3つの抽籤が考えられる。変形例のパチスロ機1では、これら3つの抽籤を、それぞれ個別の乱数値を用いて行うこととしてもよく、また、全ての抽籤を共通の乱数値を用いて行うこととしてもよく、また、2つの抽籤を共通の乱数値を用いて行い、残り1つの抽籤を個別の乱数値を用いて行うこととしてもよい。なお、共通の乱数値を用いるとは、例えば、(1)内部抽籤において「0〜128」の乱数範囲において「F_スイカ」が決定される場合に、(2)「0〜64」を移行抽籤に非当籤の乱数範囲、「65〜128」を移行抽籤に当籤の乱数範囲とし、また、(3)「65〜83」を移行先がCZ1である乱数範囲、「83〜99」を移行先がCZ2である乱数範囲、「99〜115」を移行先が通常ARTである乱数範囲、「115〜128」を移行先が上乗せゾーン1である乱数範囲とすることである。言い換えると、一つの抽籤において当籤する乱数範囲の一部に、他の抽籤の抽籤結果を割り当てることである。
また、本発明は、パチスロ機だけでなくパチンコ機に対しても適用することができる。ここで、パチンコ機は、遊技者のスタート操作や停止操作などは受け付けることなく遊技が行われ、また、図柄の変動を、機械的なリールを用いて行うことの他、液晶表示装置での表示上で行うこともできる。そのため、パチンコ機に適用する場合には、複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段と、開始条件の成立に基づいて図柄を変動させる図柄変動手段と、開始条件の成立に基づいて内部的な抽籤を行う内部抽籤手段と、内部抽籤手段の抽籤結果に基づいて図柄の変動を停止させる停止制御手段と、停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、遊技の進行を制御する遊技制御手段とを備えていればよい。
[変形例2:メダル投入を利用したリール演出]
近年では、メダルの投入からストップボタンの操作に至るまでの遊技操作が一連の流れ作業として行われ、事務的になるのを防ぐため、遊技機にメダルが投入されると、サブリールの演出用シンボルの回転を開始し、スタートレバーが操作され、単位遊技の開始操作が検出されると、当籤役決定手段で決定された当籤役に基づいて演出用シンボルの回転を停止する遊技機が提案されている。しかしながら、遊技者の操作とは異なる他の操作によってシンボルを回転、停止させ、当籤役を予測可能にするという、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することが求められている。
そこで、主制御回路91は、メダルが貯留(クレジット)された場合に、複数のリール3L,3C,3Rのうち、少なくとも一のリール3L,3C,3Rにおける図柄を特定量変動させて停止させる特定演出の制御を行い、特定量変動させた図柄によって、当籤役を予測できるようにしてもよい。
そうすることで、メダルの貯留操作(クレジット操作)をきっかけとして、図柄を回転、停止させ、当籤役を予測可能にするという、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することができる。
<遊技ロック抽籤テーブル>
図104は、ロック演出の有無を抽籤するための遊技ロック演出テーブルである。図104に示すように、遊技ロック抽籤テーブルは、抽籤用フラグAの種類に応じてロック演出の有無についての抽籤値の情報を規定する。
<ロック時の演出制御テーブル>
図105は、ロック時の演出制御テーブルであり、ロック演出を実行する際に参照される。図105に示すように、ロック時の演出制御テーブルは、抽籤用フラグAの種類に応じてリール3L,3C,3Rの最終的な停止位置を決定するための抽籤値の情報を規定する。
例えば、抽籤用フラグAが「3」(スイカ)であり、抽籤結果が演出番号「31」であった場合、主制御回路91は、メダルの貯留(クレジット)操作に応じて、複数のリール3L,3C,3Rのうち、まずは、左リール3Lにおける図柄を1コマ変動させて停止させる特定演出を、センターライン上に図柄位置「17」のスイカ図柄が停止するまで実行する。続いて、主制御回路91は、メダルの貯留(クレジット)操作に応じて、複数のリール3L,3C,3Rのうち、中リール3Cにおける図柄を1コマ変動させて停止させる特定演出を、センターライン上に図柄位置「10」のスイカ図柄が停止するまで実行する。そして、主制御基板71は、メダルの貯留(クレジット)操作に応じて、複数のリール3L,3C,3Rのうち、右リール3Rにおける図柄を1コマ変動させて停止させる特定演出を、センターライン上に図柄位置「13」のスイカ図柄が停止するまで実行する。
<主制御回路の動作説明>
次に、図106〜図110を参照して、主制御回路91のメインCPU93が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
(メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理)
まず、メインCPU93の制御で行うパチスロ機1の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図106及び図107に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
本実施形態で説明したメインフロー(図74)と比較すると、本変形例では、抽籤用フラグ変換処理(ステップS7)の後に遊技ロック抽籤処理(ステップS711)が追加され、リール停止初期設定処理(ステップS10)の後に遊技開始時ロック処理(ステップS712)が追加されている点で異なる。また、スタートコマンド生成処理(S9)が行われる際、スタートコマンドには、遊技ロック抽籤処理における抽籤の結果に関する情報が含まれている点で異なる。
(遊技ロック抽籤処理)
続いて、図108を参照して、メインCPU93の制御による遊技ロック抽籤処理について説明する。
遊技ロック抽籤処理では、初めに、メインCPU93は、遊技ロック抽籤テーブル(図104)を参照し、抽籤用フラグAに応じて遊技ロック抽籤を行う(S731)。このS731の処理によって、ロック番号「0」(ロック演出なし)か、ロック番号「1」(ロック演出あり)かが決定される。
続いて、メインCPU93は、決定した遊技ロック番号を遊技ロックカウンタにセットする(S732)。続いて、メインCPU93は、所定の値をロックタイマにセットし(S733)、遊技ロック抽籤処理を終了する。
S733の処理でロックタイマにセットする値は、10秒、30秒等、予め決められた一定の値であってもよいし、5秒、10秒、20秒、30秒及び60秒等の複数の値から抽籤によって決定された値であってもよい。
(遊技開始時ロック処理)
続いて、図109を参照して、メインCPU93の制御による遊技開始時ロック抽籤処理について説明する。
遊技開始時ロック抽籤処理では、初めに、メインCPU93は、遊技ロックカウンタにセットされているロック番号が「1」(ロック演出あり)であるか否かを判定する(S751)。ロック番号が「1」である場合(YES)、メインCPU93は、処理をS752に移す。ロック番号が「0」である場合(NO)、メインCPU93は、遊技開始時ロック処理を終了する。
ロック番号が「1」である場合(YES)、メインCPU93は、続いて、ロック時の演出抽籤テーブル(図105)を参照し、演出用乱数値に応じて停止させる図柄位置を決定する(S752)。続いて、メインCPU93は、左リール演出フラグ、中リール演出フラグ、及び右リール演出フラグをオンにセットする(S753)。その際、リール演出フラグのコマンドも生成され、コマンドには、左リール演出フラグ、中リール演出フラグ、及び右リール演出フラグがオンであることの情報も含まれている。
続いて、メインCPU93は、クレジット可能であるか否かを判定する(S754)。
メダル投入口20から受け入れられたメダルは、予め設定された枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、予め設定された枚数を超えた分は、パチスロ機1の内部に預けることができる。すなわち、パチスロ機1は、所謂クレジット機能を有する。そして、パチスロ機1の内部に預けることの可能なクレジット枚数には、予め上限(例えば50枚)が設定されている。
S754において、メインCPU93は、パチスロ機1の内部に預けられている枚数が予め設定された上限未満であるか否かを判定する。クレジット可能である場合(YES)、メインCPU93は、処理をS755に移し、メダルの受付を許可する(S755)。メダルの受付を許可する際、メダル受付コマンドの生成も行われる。クレジット可能でない場合(NO)、メインCPU93は、処理をS763に移す。
メインCPU93がメダルの受付を許可した後(S755の処理の後)、メインCPU93は、続いて、ロックタイマが正の値であるか否かを判定する(S756)。ロックタイマが正の値である場合(YES)、メインCPU93は、処理をS757に移し、ロックタイマが正の値でない場合(NO)、メインCPU93は、処理をS763に移す。
S757において、メインCPU93は、メダルが投入されたか否かを判定する。メダルが投入された場合(YES)、メインCPU93は、処理をS758に移し、クレジット枚数カウンタの値を「1」加算する(S758)。メダルが投入されない場合(NO)、メインCPU93は、処理をS756に移す。
メインCPU93がクレジット枚数カウンタの値を「1」加算した後(S758の処理の後)、メインCPU93は、続いて、リール演出処理を実行する(S759)。リール演出処理は、S752の処理で決定された図柄位置にしたがい、複数のリール3L,3C,3Rによる演出を行うための処理である。リール演出処理の詳細については、後に図110を参照しながら説明する。
メインCPU93は、続いて、クレジット可能であるか否かを判定する(S760)。クレジット可能である場合(YES)、メインCPU93は、処理をS761に移す。クレジット可能でない場合(NO)、メインCPU93は、処理をS763に移す。
クレジット可能である場合(YES)、メインCPU93は、続いて、いずれのリール演出フラグもオフであるか否かを判定する(S761)。いずれのリール演出フラグもオフである場合(YES)、メインCPU93は、処理をS762に移し、ロックタイマを「0」にセットして(S762)、処理をS763に移す。いずれかのリール演出フラグがオンである場合(NO)、メインCPU93は、処理をS763に移す。
S763において、メインCPU93は、ロック番号、演出番号をクリアする(S763)。メインCPU93は、続いて、「メダル受付許可」から「メダル受付禁止」に更新し(S764)、遊技開始時ロック処理を終了する。メダルの受付を禁止する際、メダル受付禁止コマンドの生成も行われる。
(リール演出処理)
続いて、図110を参照して、メインCPU93の制御によるリール演出処理について説明する。
リール演出処理では、初めに、メインCPU93は、左リール演出フラグが「オン」であるか否かを判定する(S771)。左リール演出フラグが「オン」である場合(YES)、メインCPU93は、処理をS772に移し、左リール3Lを1コマ移動する(S772)。左リール演出フラグが「オン」でない場合(NO)、メインCPU93は、処理をS775に移す。
メインCPU93が左リール3Lを1コマ移動した後(S772の処理の後)、メインCPU93は、左リール3Lの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄位置であるか否かを判定する(S773)。左リール3Lの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄位置である場合(YES)、メインCPU93は、処理をS774に移し、左リール演出フラグをオフにセットし(S774)、リール演出処理を終了する。その際、リール演出フラグのコマンドも生成され、コマンドには、左リール演出フラグがオフにセットされたことの情報も含まれている。左リール3Lの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄位置でない場合(NO)、メインCPU93は、リール演出処理を終了する。
左リール演出フラグが「オン」でないと判定された場合(S771でNO)、メインCPU93は、処理をS775に移し、中リール演出フラグが「オン」であるか否かを判定する(S775)。中リール演出フラグが「オン」である場合(YES)、メインCPU93は、処理をS776に移し、中リール3Cを1コマ移動する(S776)。中リール演出フラグが「オン」でない場合(NO)、メインCPU93は、処理をS779に移す。
メインCPU93が中リール3Cを1コマ移動した後(S776の処理の後)、メインCPU93は、中リール3Cの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄位置であるか否かを判定する(S777)。中リール3Cの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄位置である場合(YES)、メインCPU93は、処理をS778に移し、中リール演出フラグをオフにセットし(S778)、リール演出処理を終了する。その際、リール演出フラグのコマンドも生成され、コマンドには、中リール演出フラグがオフにセットされたことの情報も含まれている。中リール3Cの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄位置でない場合(NO)、メインCPU93は、リール演出処理を終了する。
中リール演出フラグが「オン」でないと判定された場合(S775でNO)、メインCPU93は、右リール3Rを1コマ移動する(S779)。メインCPU93が右リール3Rを1コマ移動した後(S779の処理の後)、メインCPU93は、右リール3Rの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄位置であるか否かを判定する(S780)。右リール3Rの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄位置である場合(YES)、メインCPU93は、処理をS781に移し、右リール演出フラグをオフにセットし(S781)、リール演出処理を終了する。その際、リール演出フラグのコマンドも生成され、コマンドには、右リール演出フラグがオフにセットされたことの情報も含まれている。右リール3Rの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄位置でない場合(NO)、メインCPU93は、リール演出処理を終了する。
<遊技ロックの一例>
次に、図111及び図112を参照して、本変形例における遊技ロックの一例について説明する。具体的に、図111は、内部当籤役がスイカであるに単位遊技において遊技ロックが行われ、リール3L,3C,3Rを使ってメダル投入を利用したリール演出を行う場合の一例である。また、図112は、内部当籤役がハズレである単位遊技において遊技ロックが行われ、リール3L,3C,3Rを使ってメダル投入を利用したリール演出を行う場合の一例である。
(内部当籤役がスイカである場合)
まず、図111について説明する。メインCPU93は、内部抽籤処理でスイカを内部当籤役として決定した後(図106のS4)、遊技ロック抽籤処理を行う(図106のS711、図108)。遊技ロック抽籤処理において、メインCPU93は、遊技ロック抽籤テーブル(図104)を参照し、抽籤用フラグA(番号「3」,スイカ)に応じて遊技ロック抽籤を行う(図108のS731)。抽籤結果としてロック番号「1」(ロック演出あり)と決定されると、メインCPU93は、スタートコマンドを生成する(図106のS9)。このスタートコマンドには、遊技ロック抽籤処理における抽籤の結果に関する情報も含まれている。サブCPU102は、前回とは異なるコマンドであるスタートコマンドを受信していることから(図100のS613でYES)、その後の主基板通信タスク(図100)の処理において、サブRAM103に、遊技ロック抽籤処理における抽籤の結果に関する情報を格納する(図100のS614)。
続いて、メインCPU93は、遊技開始時ロック処理(図106のS712、図109)を行う。遊技開始時ロック処理において、メインCPU93は、ロック時の演出抽籤テーブル(図105)を参照し、抽籤用フラグA(番号「3」,スイカ)に応じて演出番号、すなわち停止させる図柄位置を決定する(図109のS752)。演出番号が「31」である場合、左リール3Lを停止させる図柄位置は、「17」(スイカ)であり、中リール3Cを停止させる図柄位置は、「10」(スイカ)であり、右リール3Rを停止させる図柄位置は、「13」(スイカ)である。
その後、メインCPU93は、左リール演出フラグ、中リール演出フラグ、及び右リール演出フラグをオンにセットし(図109のS753)、クレジット可能であれば(図109のS754でYESであれば)、メダル受付を許可する。メダルの受付を許可する際、メダル受付コマンドの生成も行われる。
サブRAM103には、遊技ロック抽籤処理における抽籤の結果に関する情報が格納されている。加えて、サブCPU102は、前回とは異なるコマンドであるメダル受付コマンドを受信したことから(図100のS613でYES)、サブRAM103に、メダルのクレジットが可能であることの情報も格納する(図100のS614)。そこで、サブCPU102は、メダルのクレジットを促す演出を登録する(図100のS615)。サブCPU102は、演出を登録すると、液晶表示装置11、スピーカ65L,65R、各種のLEDなどを制御して、登録した演出を実行する。
図111の(A)は、そのときの液晶表示装置11と、表示窓4の内側にある複数のリール3L,3C,3Rの表示例である。液晶表示装置11には、メダルのクレジットを促す演出として、「メダルを貯めろ!」との文字が表示される。そして、表示窓4には、前回の単位遊技でリール3L,3C,3Rを停止表示したときの図柄が表示されている。特に、左リール3Lでは、上段から「リプレイ」(図9における図柄位置:11)、「ベル」(図柄位置:10)、「青7」(図柄位置:9)が表示される。また、中リール3Cでは、上段から「リプレイ」(図柄位置:2)、「チェリー」(図柄位置:1)、「ブランク1」(図柄位置:0)が表示される。また、右リール3Rでは、上段から「リプレイ」(図柄位置:1)、「ブランク3」(図柄位置:0)、「赤7」(図柄位置:19)が表示される。
続いて、メインCPU93は、ロックタイマが正の値である間(図109のS756でYESと判定される間)、メダルが投入される毎に(図109のS757でYESと判定される毎に)、リール演出処理を実行し(図109のS759)、左リール3Lを1コマずつ移動させる(図110のS772)。左リール3Lを1コマずつ移動させる処理は、左リール3Lの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄停止位置である「17」(スイカ)になるまで(図110のS773でYESと判定されるまで)行われる。
左リール3Lの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄停止位置である「17」(スイカ)になると、メインCPU93は、左リール演出フラグをオフにセットする(図110のS774)。その際、リール演出フラグのコマンドも生成され、コマンドには、左リール演出フラグがオフにセットされたことの情報も含まれている。サブCPU102は、前回とは異なるコマンドを受信したことから(図100のS613でYES)、サブRAM103に、左リール演出フラグがオフにセットされたことの情報も格納する(図100のS614)。そこで、サブCPU102は、メダルのさらなるクレジットを促す演出を登録する(図100のS615)。サブCPU102は、演出を登録すると、液晶表示装置11、スピーカ65L,65R、各種のLEDなどを制御して、登録した演出を実行する。
図111の(B)は、そのときの液晶表示装置11と、表示窓4の内側にある複数のリール3L,3C,3Rの表示例である。液晶表示装置11には、メダルのさらなるクレジットを促す演出として、「もっとメダルを貯めろ!」との文字が表示される。そして、表示窓4には、図111の(A)での表示状態からメダルが7枚クレジットされ、左リール3Lの図柄が7コマ移動したときの図柄が表示されている。具体的に、左リール3Lでは、上段から「赤7」(図9における図柄位置:18)、「スイカ」(図柄位置:17)、「リプレイ」(図柄位置:16)が表示される。また、中リール3C及び右リール3Rについては、図111の(A)での表示状態と同じである。
続いて、メインCPU93は、ロックタイマが正の値である間(図109のS756でYESと判定される間)、メダルが投入される毎に(図109のS757でYESと判定される毎に)、リール演出処理を実行し(図109のS759)、中リール3Cを1コマずつ移動させる(図110のS776)。中リール3Cを1コマずつ移動させる処理は、中リール3Cの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄停止位置である「10」(スイカ)になるまで(図110のS777でYESと判定されるまで)行われる。
中リール3Cの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄停止位置である「10」(スイカ)になると、メインCPU93は、中リール演出フラグをオフにセットする(図110のS778)。その際、リール演出フラグのコマンドも生成され、コマンドには、中リール演出フラグがオフにセットされたことの情報も含まれている。サブCPU102は、前回とは異なるコマンドを受信したことから(図100のS613でYES)、サブRAM103に、中リール演出フラグがオフにセットされたことの情報も格納する(図100のS614)。そこで、サブCPU102は、メダルのさらなるクレジットを促す演出を登録する(図100のS615)。サブCPU102は、演出を登録すると、液晶表示装置11、スピーカ65L,65R、各種のLEDなどを制御して、登録した演出を実行する。
図111の(C)は、そのときの液晶表示装置11と、表示窓4の内側にある複数のリール3L,3C,3Rの表示例である。液晶表示装置11には、メダルのさらなるクレジットを促す演出として、「まだまだメダルを貯めろ!」との文字が表示される。そして、表示窓4には、図111の(B)での表示状態からメダルが9枚クレジットされ、中リール3Cの図柄が9コマ移動したときの図柄が表示されている。具体的に、中リール3Cでは、上段から「チェリー」(図9における図柄位置:11)、「スイカ」(図柄位置:10)、「青7」(図柄位置:9)が表示される。また、左リール3L及び右リール3Rについては、図111の(B)での表示状態と同じである。
続いて、メインCPU93は、ロックタイマが正の値である間(図109のS756でYESと判定される間)、メダルが投入される毎に(図109のS757でYESと判定される毎に)、リール演出処理を実行し(図109のS759)、右リール3Rを1コマずつ移動させる(図110のS779)。右リール3Rを1コマずつ移動させる処理は、右リール3Rの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄停止位置である「13」(スイカ)になるまで(図110のS780でYESと判定されるまで)行われる。
右リール3Rの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄停止位置である「13」(スイカ)になると、メインCPU93は、右リール演出フラグをオフにセットする(図110のS781)。その際、リール演出フラグのコマンドも生成され、コマンドには、右リール演出フラグがオフにセットされたことの情報も含まれている。サブCPU102は、前回とは異なるコマンドを受信したことから(図100のS613でYES)、サブRAM103に、右リール演出フラグがオフにセットされたことの情報も格納する(図100のS614)。そこで、サブCPU102は、メダルのさらなるクレジットを促す演出を登録する(図100のS615)。サブCPU102は、演出を登録すると、液晶表示装置11、スピーカ65L,65R、各種のLEDなどを制御して、登録した演出を実行する。
図111の(D)は、そのときの液晶表示装置11と、表示窓4の内側にある複数のリール3L,3C,3Rの表示例である。液晶表示装置11には、内部当籤役がスイカであることを示唆する演出として、「スイカ」との文字が表示される。本変形例では「スイカ」との文字を表示しているが、これに限るものでなく、内部当籤役が「スイカ」であることを示唆する図柄や色彩等であってもよい。
そして、表示窓4には、図111の(C)での表示状態からメダルが13枚クレジットされ、右リール3Rの図柄が13コマ移動したときの図柄が表示されている。具体的に、右リール3Rでは、上段から「BAR」(図9における図柄位置:14)、「スイカ」(図柄位置:13)、「ベル」(図柄位置:12)が表示される。左リール3L,中リール3C,右リール3Rの中段の図柄停止位置どうしを結んだセンターライン上には、「スイカ−スイカ−スイカ」の図柄組合せが表示される。この図柄組合せからも、内部当籤役がスイカであると予想される。
(内部当籤役がハズレである場合)
続いて、図112について説明する。メインCPU93は、内部抽籤処理でハズレを内部当籤役として決定した後(図106のS4)、遊技ロック抽籤処理を行う(図106のS711、図108)。遊技ロック抽籤処理において、メインCPU93は、遊技ロック抽籤テーブル(図104)を参照し、抽籤用フラグA(番号「0」,はずれ)に応じて遊技ロック抽籤を行う(図108のS731)。抽籤結果としてロック番号「1」(ロック演出あり)と決定されると、メインCPU93は、スタートコマンドを生成する(図106のS9)。このスタートコマンドには、遊技ロック抽籤処理における抽籤の結果に関する情報も含まれている。サブCPU102は、前回とは異なるコマンドであるスタートコマンドを受信していることから(図100のS613でYES)、その後の主基板通信タスク(図100)の処理において、サブRAM103に、遊技ロック抽籤処理における抽籤の結果に関する情報を格納する(図100のS614)。
続いて、メインCPU93は、遊技開始時ロック処理(図106のS712、図109)を行う。遊技開始時ロック処理において、メインCPU93は、ロック時の演出抽籤テーブル(図105)を参照し、抽籤用フラグA(番号「0」,はずれ)に応じて演出番号、すなわち停止させる図柄位置を決定する(図109のS752)。演出番号が「03」である場合、左リール3Lを停止させる図柄位置は、「17」(スイカ)であり、中リール3Cを停止させる図柄位置は、「10」(スイカ)であり、右リール3Rを停止させる図柄位置は、「12」(ベル)である。
その後、左リール3L、中リール3Cを用いた演出については、図111を参照して説明したとおりである。すなわち、図112の(A)〜(C)は、図111の(A)〜(C)と同じである。
図112の(A)〜(C)の演出が行われた後、メインCPU93は、ロックタイマが正の値である間(図109のS756でYESと判定される間)、メダルが投入される毎に(図109のS757でYESと判定される毎に)、リール演出処理を実行し(図109のS759)、右リール3Rを1コマずつ移動させる(図110のS779)。右リール3Rを1コマずつ移動させる処理は、右リール3Rの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄停止位置である「12」(ベル)になるまで(図110のS780でYESと判定されるまで)行われる。
右リール3Rの中段で停止した図柄停止位置が遊技開始時ロック処理で決定した図柄停止位置である「12」(ベル)になると、メインCPU93は、右リール演出フラグをオフにセットする(図110のS781)。その際、リール演出フラグのコマンドも生成され、コマンドには、右リール演出フラグがオフにセットされたことの情報も含まれている。サブCPU102は、前回とは異なるコマンドを受信したことから(図100のS613でYES)、サブRAM103に、右リール演出フラグがオフにセットされたことの情報も格納する(図100のS614)。そこで、サブCPU102は、メダルのさらなるクレジットを促す演出を登録する(図100のS615)。サブCPU102は、演出を登録すると、液晶表示装置11、スピーカ65L,65R、各種のLEDなどを制御して、登録した演出を実行する。
図112の(D)は、そのときの液晶表示装置11と、表示窓4の内側にある複数のリール3L,3C,3Rの表示例である。液晶表示装置11には、内部当籤役がハズレであることを示唆する演出として、「残念」との文字が表示される。
そして、表示窓4には、図112の(C)での表示状態からメダルが12枚クレジットされ、右リール3Rの図柄が12コマ移動したときの図柄が表示されている。具体的に、右リール3Rでは、上段から「スイカ」(図9における図柄位置:13)、「ベル」(図柄位置:12)、「リプレイ」(図柄位置:11)が表示される。左リール3L,中リール3C,右リール3Rの中段の図柄停止位置どうしを結んだセンターライン上には、「スイカ−スイカ−ベル」の図柄組合せが表示される。この図柄組合せからも、内部当籤役がハズレであると予想される。
本変形例によると、複数のリール3L,3C,3Rを用いた演出を制御するメインCPU93は、クレジット枚数カウンタにメダルが貯留(クレジット)された場合に、複数のリール3L,3C,3Rのうち、少なくとも一のリール3L,3C,3Rにおける図柄を特定量(本変形例では1コマずつとしているが、これに限るものではない。)変動させて停止させる特定演出の制御を行い、特定量変動させた図柄によって、メインCPU93が決定した特典付与の有無の結果を示唆する。なお、本変形例では、特典付与の有無の結果の一例として、内部当籤役の結果を例示しているが、これに限るものでなく、ARTの有無、ボーナス内部当籤の有無等、特典付与の有無に相当するものであれば、どのような内容であってもよい。
これにより、メダルの貯留操作をきっかけとして、図柄を回転、停止させ、内部当籤役を予測可能にするという、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することができる。
本変形例では、メダルの貯留操作をきっかけとした演出を、遊技開始時ロック処理が実行されている間に行われるものとしたが、これに限るものではない。遊技開始時のロックの有無に関わらず、スタートレバー23が操作されてから、停止ボタン19L,19C,19Rが操作されるまでの間であれば、任意の期間において、メダルの貯留操作をきっかけとした演出を実行可能にしてもよい。
本変形例では、メインCPU93がメダルの投入を検知したことに応じて、機械的なリール3L,3C,3Rを移動させる処理を実行可能なものとして説明したが、これに限るものではない。メインCPU93がメダルの投入を検知したことに応じて、メインCPU93がメダルの投入を検知したことを示すコマンドを生成し、サブCPU102がそのコマンドを受信したことに応じて、液晶表示装置11で表示される液晶リール(図示せず)を移動させる処理をサブCPU102が実行可能なものとしてもよい。
本変形例では、メダルの貯留操作をきっかけとして、少なくとも一のリール3L,3C,3Rにおける図柄を特定量(本変形例では1コマずつ)変動させて停止させる演出を実行し、特定量変動させた図柄によって、メインCPU93が決定した特典付与の有無の結果を示唆するが、これに限るものではない。
例えば、スタートレバー23が操作されてから、停止ボタン19L,19C,19Rが操作されるまでの間をメダルの貯留操作可能な期間とし、この期間であれば、メダルの貯留操作が行われる度に、特典付与の有無の決定結果に応じた演出を実行可能にしてもよい。例えば、1枚目のメダルの貯留操作を、内部当籤役がハズレであるか否かを報知する演出、2枚目のメダルの貯留操作を、内部当籤役がリプレイであるか否かを報知する演出、3枚目のメダルの貯留操作を、内部当籤役がベルであるか否かを報知する演出、4枚目のメダルの貯留操作を、内部当籤役がチェリーであるか否かを報知する演出、5枚目のメダルの貯留操作を、内部当籤役がスイカであるか否かを報知する演出、・・・N枚目のメダルの貯留操作を、内部当籤役がボーナスであるか否かを報知する演出とする。そして、内部当籤役がボーナスであれば、1枚目のメダルの貯留操作の際に、内部当籤役がハズレであることを否定するハズレ否定演出が実行され、2枚目のメダルの貯留操作の際に、内部当籤役がリプレイであることを否定するリプレイ否定演出が実行され、・・・N枚目のメダルの貯留操作の際に、内部当籤役がボーナスであることを報知するボーナス確定演出が実行されるようにしてもよい。あるいは、内部当籤役がリプレイであれば、1枚目のメダルの貯留操作の際に、内部当籤役がハズレであることを否定するハズレ否定演出が実行され、2枚目のメダルの貯留操作の際に、内部当籤役がリプレイであることを報知するリプレイ確定演出が実行されるようにしてもよい。この場合、3枚目以降のメダルの貯留操作がなされても、内部当籤役を報知する演出は、実行されない。
なお、メダルを貯留可能な枚数には、上限(例えば、50枚)が設けられている。上限に達した場合の演出内容については特に限定されないが、例えば、それ以上の貯留操作が行われても演出が実行されない、上限の貯留枚数に達したときに、予定されていた全ての演出が実行される、等が挙げられる。
[変形例3:お気に入りのキャラクタの音声について、所定の契機になっても非消音とする機能]
近年、特典の付与の有無を報知可能な遊技機において、歌唱された音声であるボーカル音と伴奏音とで構成される楽曲音を音出力手段から出力させる楽曲音出力手段と、報知手段による報知を可能とする所定期間内の遊技において、キャラクタの台詞を内容とする音声である台詞音を音出力手段から出力させる台詞音出力手段と、を備えることが提案されている。この遊技機において、音出力制御手段は、楽曲音の出力と台詞音の出力が同時に行われる場合は、ボーカル音、伴奏音及び台詞音の音信号を別々のチャンネルを介して音出力手段に出力し、かつ、ボーカル音の音量を、楽曲音の出力と台詞音の出力が同時に行われない場合の音量よりも小さく設定する。
この遊技機では、例えば、上左スピーカ、上右スピーカから出力されるナビボイス音の音量が所定の音量よりも小さく設定されているので、ナビボイス音の音量が所定の音量に設定されている場合と比べて、楽曲音が聴き取り易くなる。したがって、音による演出の効果を高め、遊技の興趣を高めることができる。
しかしながら、上記の遊技機では、いわゆる、メダルのベット操作、スタートレバーの操作、第3停止操作といった所定の契機に基づいて遊技機での演出が次の演出に切り換わる場合、キャラクタの台詞音が台詞の途中であるにも関わらず強制的に終了することがある。
ボーカル音や楽曲音については、映像を表示するにあたっての効果音やBGMとしての意味合いが大きく、比較的長時間であるため、ボーカル音や楽曲音の途中で強制的に終了することに致し方ない面もある。他方で、キャラクタの台詞音については、比較的短時間であり、台詞の途中であるにも関わらず強制的に終了してしまうと、遊技者に対し、台詞の途中で台詞音が切られてしまったという印象を与え得る。そこで、所定の契機に基づいて遊技機での演出を次の演出に切り換える際におけるキャラクタの台詞音について、更なる改善が求められている。
そこで、副制御回路101は、所定の契機になると、複数種類のキャラクタの中から選択された少なくとも一種の対象キャラクタの演出とは異なる演出、及び対象キャラクタの画像を表示する演出については、終了させる一方、少なくとも、対象キャラクタの音声を出音する演出については、上記所定の契機になっても、引き続き実行するよう、演出に係る装置群の動作を制御してもよい。
そうすることで、遊技者にとって好みのキャラクタの音声については、所定の契機になり、遊技機での演出が次の演出に切り換わる場合であっても、途中で終了することなく、最後まで出音される。よって、遊技の興趣をよりいっそう高めた遊技機を提供することができる。
<音データ送出チャンネル>
図113は、サブRAM103に設けられる音データ送出チャンネルの概略構成を示す図である。
音データ送出チャンネルは、サブCPU102が決定した音データを一時的に登録する機能を有し、音データ送出チャンネルA110と、音データ送出チャンネルB120とを含んで構成される。そして、それぞれの音データ送出チャンネルには、キャラクタ、効果音、BGMの種類によって異なる送出チャンネルが設けられている。
本変形例では、サブCPU102が新たな演出を登録すると、新たな演出に必要な音データ及び他の演出データ(画像データ、ランプ演出データ等)をセットする。遊技開始時においては、サブCPU102が新たな演出を登録すると、音データ送出チャンネルA110に、新たな演出に必要な音データを、キャラクタ、効果音、BGMの種類によってそれぞれ異なる送出チャンネルにセットする。続いて、サブCPU102が新たな演出を登録すると、今度は、音データ送出チャンネルB120に、新たな演出に必要な音データを、キャラクタ、効果音、BGMの種類によってそれぞれ異なる送出チャンネルにセットする。
そして、サブCPU102は、演出で使用する複数種類のキャラクタの中から選択された少なくとも一種の対象キャラクタの演出とは異なる演出、及び対象キャラクタの画像を表示する演出については、終了するよう、演出手段(スピーカ群65L,65R、LED群85、液晶表示装置11)を制御する。特に、サブCPU102は、音データ送出チャンネルA110に登録されている音データのうち、対象キャラクタとは異なるキャラクタの音データ送出チャンネル、効果音データ送出チャンネル、BGMデータ送出チャンネルについては、音量値を「0」に更新するよう、スピーカ群65L,65Rを制御する。一方で、サブCPU102は、対象キャラクタの音データ送出チャンネルについては、音量値をそのまま維持するよう、スピーカ群65L,65Rを制御する。そして、サブCPU102は、音データ送出チャンネルB120に新たに登録された音データについては、いずれの音データ送出チャンネルについても、音量値を所定の値に設定してスピーカ群65L,65Rから出音可能に制御する。
その後、サブCPU102が新たな演出を登録する毎に、音データ送出チャンネルA110、音データ送出チャンネルB120の順で交互に音データをセットする。
そうすることで、本変形例では、遊技者にとって好みのキャラクタの音声については、所定の契機になり、遊技機での演出が次の演出に切り換わる場合であっても、途中で終了することなく、最後まで出音することが可能になる。
<ユニメモを利用した、好みのキャラクタの音声を非消音にする機会の提供>
近年、携帯電話とインターネット上の専用サイトとを連動させ、専用サイトにより、遊技者が遊技を開始してからある時点までの遊技内容(遊技履歴)を遊技者に提供するサービス(以下、「ユニメモ」という)が知られている。このサービスを利用して、例えば、サブCPU102は、途中経過取得操作が行われたとき、記録終了操作が行われたとき等に遊技記録QRコードを作成し、遊技者が携帯電話を用いて遊技記録QRコードを読み込み、読み込んだ情報をインターネット上の専用サイトに入力することで、専用サイトにて、遊技者の遊技履歴を管理することが可能になる。そして、所定の遊技履歴、例えば、遊技者が合計で1万回の単位遊技を行ったときに、専用サイトを管理するデータ管理サーバから、好みのキャラクタの音声を非消音にすることを可能にするための特殊パスサードを送信し、遊技者が、遊技開始の際にパチスロ機1にその特殊パスワードを入力することで、はじめて、遊技機での演出が次の演出に切り換わる場合であっても、好みのキャラクタの音声を非消音にすることを可能にしてもよい。そうすることで、合計の単位遊技数が1万回であること等の所定の遊技履歴にすることへの魅力を高めることができる。
図114は、本変形例における遊技情報提供システムSの概略模式図である。遊技情報提供システムSは、パチスロ機1と、遊技者が所持するカメラ付き携帯通信端末400(以下、「携帯端末」という)と、遊技情報を管理するためのデータ管理サーバ500とを備える。なお、図114では、説明の便宜上、一台の携帯端末400を示しているが、複数の携帯端末400が、同時期に、データ管理サーバ500にアクセスすることができる。
携帯端末400とデータ管理サーバ500とは、ネットワークNWを介して、例えば、通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信をすることができる。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、ゲートウェイ等により構築されている。また、パチスロ機1は、ネットワークNWに接続されていない。
携帯端末400及びデータ管理サーバ500は、特に図示しないが、それぞれ、制御部、記憶部、表示部、通信部等を備えている。
パチスロ機1のサブCPU102は、遊技者が遊技を開始してからの遊技内容をサブRAM103のゲームデータ領域等に記録し、遊技者が遊技の途中または遊技の終了時にその遊技内容を示す遊技情報を取得しようとした場合に、2次元コードのQRコード(登録商標)330によって遊技者に遊技情報を提供する。
パチスロ機1のサブCPU102は、遊技情報提供サービスを行う際、遊技者の携帯端末400がデータ管理サーバ500にアクセスできるように、サブRAM103のゲームデータ領域103等に記録されている遊技者の遊技情報をQRコード(登録商標)330に変換してそのQRコード(登録商標)330を液晶表示装置11に表示させる。
具体的には、i)遊技者が遊技を開始するとき、ii)遊技者が遊技の途中で遊技情報を取得しようとしたとき、iii)遊技者が遊技の終了時に遊技情報を取得しようとしたときに、それぞれ、QRコード(登録商標)330を表示させる。
なお、QRコード(登録商標)330に代えて、または、それとともに、遊技者の遊技情報を変換したバーコードを表示させてもよい。
上記のi)遊技者が遊技を開始する時の送信情報にはデータ管理サーバ500のドメインに関する情報、電源オンからのログイン回数を示すログイン回数情報、自遊技機と他の遊技機とを識別するための遊技機識別情報等が含まれている。
また、上記のii)遊技者が遊技の途中で遊技情報を取得しようとしたとき、又はiii)遊技者が遊技の終了時に遊技情報を取得しようとしたときの送信情報には、それらの情報に加え、上記のi)遊技者が遊技を開始したとき以降に記録した遊技内容を示す遊技情報等が含まれる。
携帯端末400の制御部は、液晶表示装置11に表示されたQRコード(登録商標)330をカメラで読み取り、QRコード(登録商標)330に含まれるドメイン等の情報に従ってデータ管理サーバ500にアクセスし、上記i)のときであれば、QRコード(登録商標)330に含まれるログイン回数情報、遊技機識別情報等を開始時送信データとして送信し、上記ii)又はiii)のときであれば、QRコード(登録商標)330に含まれるログイン回数情報、遊技機識別情報、及び遊技情報等を出力時送信データとして送信する。
データ管理サーバ500の制御部は、上記i)のときにアクセスがあった場合には、受信した開始時送信データに含まれるログイン回数情報、遊技機識別情報等を記憶部に記憶する。
遊技情報管理サーバ500の制御部は、上記ii)、iii)のときにアクセスがあった場合には、受信した出力時送信データに含まれるログイン回数情報及び遊技機識別情報と、上記i)のときに記憶したログイン回数情報及び遊技機識別情報とが一致するかを判定し、一致する場合に、当該出力時送信データに含まれるログイン回数情報、遊技機識別情報、及び遊技情報等を図示しない遊技情報DB(database)に蓄積する。
また、遊技情報管理サーバ500の制御部は、受信した遊技情報等が示す内容を携帯端末400が表示できるような表示データ(例えば、Webページ)を生成し、アクセスしてきた携帯端末400に対して返信する。携帯端末400の制御部は受信した表示データに基づいて、遊技内容等を示す画像を表示部に表示させる。遊技者は、その表示された画像から遊技内容等を確認することができる。
<副制御回路の動作説明>
次に、図115〜図120を参照して、副制御回路101のサブCPU102が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
(ユニメモ管理タスク)
図115は、副制御回路101のサブCPU102が実行するユニメモ管理タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、OSの時間管理として10msの周期設定を行う(S811)。10msの周期を経過すると、サブCPU102は、遊技者が行った操作がメニュー起動操作か否かを判定する(S812)。サブCPU102は、メニュー起動操作であると判定したときには、後に図116を参照しながら説明するユニメモメニュー表示要求を行い(S813)、10msの周期待ちを行った(S827)後、遊技者が行った操作がメニュー起動操作か否かの判断処理に移る(S812)。
S812において、サブCPU102は、遊技者が行った操作がメニュー起動操作ではないと判定したときには、遊技者が行った操作が記録開始操作か否かを判定する(S814)。
サブCPU102は、遊技者が行った操作が記録開始操作であると判定した場合、ユニメモ用記録領域の初期化を行う(S815)。例えば、サブCPU102は、サブRAM103のゲームデータ領域の初期化を行う。
S815に続いて、サブCPU102は、遊技記録開始QRコード(登録商標)を作成し(S816)、続いて、遊技記録開始要求を行う(S817)。このとき、遊技記録開始QRコード(登録商標)は液晶表示装置11に表示され、遊技者はそれを携帯端末400のカメラで読み取る。この後、サブCPU102は、10msの周期待ちを行った(S817)後、遊技者が行った操作がメニュー起動操作か否かの判断処理に移る(S812)。
S814において、サブCPU102は、遊技者が行った操作は記録開始操作ではないと判定した場合には、遊技者が行った操作が途中経過取得操作であるか否かを判定する(S818)。
S818において、サブCPU102は、遊技者が行った操作が途中経過取得操作であると判定した場合、例えば、遊技者が、選択ボタン24により「途中経過取得」項目を選択して決定ボタン25を押下した場合には、パスワード入力処理を実行する(S819)。
次に、サブCPU102は、パスワード入力処理がキャンセルされたか否かを判断し(S820)、パスワード入力処理がキャンセルされたと判定した場合には、10msの周期待ちを行った(S827)後、遊技者が行った操作がメニュー起動操作か否かの判断処理に移る(S812)。
S822において、サブCPU102は、パスワード入力処理はキャンセルされていないと判定した場合には、遊技記録QRコード(登録商標)を作成する(S821)。このQRコード(登録商標)は液晶表示装置11に表示され、遊技者が携帯端末400のカメラで読み取ると、データ管理サーバ500の記憶部の遊技者固有の領域に途中経過の遊技情報が記録される。
S818において、サブCPU102は、遊技者が行った操作が途中経過取得操作ではないと判定した場合には、遊技者が行った操作は記録終了操作か否かを判定する(S822)。
S822において、サブCPU102は、遊技者が行った操作は記録終了操作ではないと判定した場合には、10msの周期待ちを行った(S827)後、遊技者が行った操作がメニュー起動操作か否かの判断処理に移る(S812)。
S822において、サブCPU102は、遊技者が行った操作は記録終了操作であると判定した場合、パスワード入力処理を実行する(S823)。次に、サブCPU102は、パスワード入力処理がキャンセルされたか否かを判断し(S824)、パスワード入力処理がキャンセルされたと判定した場合には、10msの周期待ちを行った(S827)後、遊技者が行った操作がメニュー起動操作か否かの判断処理に移る(S812)。
ステップS824において、サブCPU102は、パスワード入力処理はキャンセルされていないと判定した場合には、遊技記録QRコード(登録商標)を作成する(ステップS825)。このQRコード(登録商標)は液晶表示装置11に表示され、遊技者が携帯端末400のカメラで読み取ると、データ管理サーバ500の記憶部の遊技者の固有の領域に途中経過以降から遊技終了までの遊技情報が記録される。
ステップS825に続いて、サブCPU102は、遊技記録終了要求をし(S826)、10msの周期待ちを行った(S827)後、遊技者が行った操作がメニュー起動操作か否かの判断処理に移る(S812)。
(ユニメモメニュー表示要求処理)
図116は、副制御回路101のサブCPU102が実行するユニメモメニュー表示要求処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、所定時間内にキャラクタの選択操作があったか否かを判定する(S831)。
S831において、サブCPU102は、所定時間内にキャラクタの選択操作があったと判定した場合には、キャラクタの選択情報をセットする(S832)。S831において、サブCPU102は、所定時間内にキャラクタの選択操作がないと判定した場合には、操作内容に応じて情報登録する処理に移る(S836)。
S832において、サブCPU102がキャラクタの選択情報をセットする処理を実行すると(S832)、サブCPU102は、続いて、所定時間内に特殊パスワードの入力操作があったか否かを判定する(S833)。
S833において、サブCPU102は、所定時間内に特殊パスワードの入力操作があったと判定した場合には、特殊パスワードが正しいか否かを判定する(S834)。S834において、サブCPU102は、特殊パスワードが正しいと判定した場合には、特殊演出フラグをオンにセットし(S835)、操作内容に応じて情報登録する(S836)。S834において、サブCPU102は、特殊パスワードが正しくないと判定した場合には、S834の処理を繰り返す。
S833において、サブCPU102は、所定時間内に特殊パスワードの入力操作がなかったと判定した場合には、操作内容に応じて情報登録する処理に移る(S836)。
S836において、サブCPU102が、操作内容に応じて情報登録する処理を実行すると、サブCPU102は、ユニメモメニュー表示の終了要求操作があったか否かを判定する(S837)。
S837において、ユニメモメニュー表示の終了要求操作があったと判定した場合には、サブCPU102は、ユニメモメニュー表示要求処理を終了し、ユニメモ管理タスク(図115)において、10msの周期待ちを行った(図115のS827)後、遊技者が行った操作がメニュー起動操作か否かの判断処理に移る(図115のS812)。
S837において、ユニメモメニュー表示の終了要求操作がないと判定した場合には、サブCPU102は、所定時間内にキャラクタの選択操作があったか否かを判定する処理(S831)に戻る。
(主基板通信タスク)
図117は、本変形例3における主基板通信タスクを示すフローチャートである。
本実施形態で説明した主基板通信タスク(図100)と比較すると、本変形例3では、遊技情報に応じて演出登録する処理(ステップS615)と、ナビエラー時保険処理(ステップS616)との間に処理が追加されている点で異なる。
S615において、サブCPU102が、遊技情報に応じて演出登録すると、サブCPU102は、新たな演出が登録されたか否かを判定する(S851)。S851において、新たな演出が登録されたと判定した場合には、サブCPU102は、演出更新フラグをオンにセットし(S852)、ナビエラー時保険処理(S616)に移る。S851において、新たな演出が登録されなかったと判定した場合には、サブCPU102は、ナビエラー時保険処理(S616)に移る。
(定期割込処理)
図118は、副制御回路101のサブCPU102が実行する定期割込処理を示すフローチャートである。この割込処理は、2ms毎に行われる。
まず、サブCPU102は、演出更新フラグがオンであるか否かを判定する(S871)。サブCPU102は、演出更新フラグがオンであると判定したときには、後に図119を参照しながら説明する音データセット処理を行い(S872)、他の演出データをセットする処理を行った(S873)後、定期割込処理を終了する。サブCPU102は、演出更新フラグがオンではない(オフである)と判定したときには、定期割込処理を終了する。
(音データセット処理)
図119及び図120は、副制御回路101のサブCPU102が実行する音データセット処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、チャンネルA使用フラグがオンであるか否かを判定する(S891)。サブCPU102は、チャンネルA使用フラグがオンであると判定したときには、次回の演出で出音する音データを音データ送出チャンネルBの所定チャンネルにセットし(S892)、チャンネルBの音量を指定する(S893)。
それに対し、サブCPU102は、チャンネルA使用フラグがオンではない(オフである)と判定したときには、次回の演出で出音する音データを音データ送出チャンネルAの所定チャンネルにセットし(S899)、チャンネルAの音量を指定する(S900)。
サブCPU102がチャンネルBの音量を指定した(S893)後、サブCPU102は、特殊演出フラグがオンであるか否かを判定する(S894)。サブCPU102は、特殊演出フラグがオンであると判定したときには、音データ送出チャンネルAのうち、選択されたキャラクタの音を送出するチャンネル以外のチャンネルについて、音量を消音とさせるフレーズ番号を指定し(S895)、チャンネルA使用フラグをオフにする(S897)。
サブCPU102は、特殊演出フラグがオンではない(オフである)と判定したときには、音データ送出チャンネルAを構成する全てのチャンネルについて、音量を消音とさせるフレーズ番号を指定し(S896)、チャンネルA使用フラグをオフにする(S897)。
サブCPU102がチャンネルA使用フラグをオフにした(S897)後、サブCPU102は、チャンネルB使用フラグをオンにする(S898)。その後、サブCPU102は、音データセット処理を終了し、処理を図118のS873に移す。
他方で、サブCPU102がチャンネルAの音量を指定した(S900)後、サブCPU102は、特殊演出フラグがオンであるか否かを判定する(S901)。サブCPU102は、特殊演出フラグがオンであると判定したときには、音データ送出チャンネルBのうち、選択されたキャラクタの音を送出するチャンネル以外のチャンネルについて、音量を消音とさせるフレーズ番号を指定し(S902)、チャンネルB使用フラグをオフにする(S904)。
サブCPU102は、特殊演出フラグがオンではない(オフである)と判定したときには、音データ送出チャンネルBを構成する全てのチャンネルについて、音量を消音とさせるフレーズ番号を指定し(S903)、チャンネルB使用フラグをオフにする(S904)。
サブCPU102がチャンネルB使用フラグをオフにした(S904)後、サブCPU102は、チャンネルA使用フラグをオンにする(S905)。その後、サブCPU102は、音データセット処理を終了し、処理を図118のS873に移す。
本変形例によると、液晶表示装置11にユニメモメニューが表示されてから所定時間の間にキャラクタの選択操作が行われ(図116のS831、S832)、さらに、所定時間内に特殊パスワードが正しく入力されると(図116のS833、S834)、特殊演出フラグがオンにセットされる(図116のS835)。そして、新たな演出が登録されると(図117のS851)、演出更新フラグがオンにセットされ(図117のS852)、音データセット処理が実行される(図118のS872)。音データセット処理において、サブCPU102は、選択操作に係る対象キャラクタの音とは異なる音については、音を消音させる(図119のS895、図120のS902)。その一方で、少なくとも、対象キャラクタの音声を出音する演出について、サブCPU102は、新たな演出が登録されても、消音させることなく、引き続き出音させる(図119のS895、図120のS902)。
これにより、遊技者にとって好みのキャラクタの音声については、新たな演出が登録されることによってパチスロ機1での演出が次の演出に切り換わる場合であっても、途中で終了することなく、最後まで出音される。よって、遊技の興趣をよりいっそう高めたパチスロ機1を提供することができる。
また、本変形例において、新たな演出が登録された場合に全てのキャラクタの音声を出音可能にすると、新たな演出が登録されたことをきっかけに開始する次の演出における種々の音声(キャラクタの音声に限らず、ボーカル音や楽曲音も含むあらゆる音声)と混同し、かえって音声を識別できなくなることもあり得る。本変形例に記載のパチスロ機1によれば、新たな演出が登録された場合に引き続き演出を実行する音声を、遊技者が選んだ好みのキャラクタの音声に絞っているため、多種の音声が混同して各々の音声を識別できないという事態が生じるのを防止できる。
所定の契機に応じて、全てのキャラクタの音声を出音可能にすると、当該契機をきっかけに開始する次の演出における種々の音声(キャラクタの音声に限らず、ボーカル音や楽曲音も含むあらゆる音声)と混同し、かえって音声を識別できなくなることもあり得る。このような遊技機によれば、所定の契機になっても引き続き演出を実行する音声を、遊技者が選んだ好みのキャラクタの音声に絞っているため、多種の音声が混同して各々の音声を識別できないという事態が生じるのを防止できる。
[変形例4:メダル投入による演出効果]
これまで、遊技者自らのベットボタンの連打により、ART状態に移行したことを把握可能な遊技機が提案されている。しかしながら、物理的なボタンの操作だけでなく、他の形態での操作によっても、いわゆる連打演出を実行可能にし、遊技者にとって有利な状態につながるような遊技機は、提案されていない。
そこで、所定の演出を実行中に主制御回路91がメダルの貯留信号を検出すると、副制御回路101が、検出した貯留信号に応じて、液晶表示装置11等における特典の付与に関する報知の演出を制御できるようにしてもよい。そうすることで、物理的なボタンの操作だけでなく、メダルの貯留操作(クレジット操作)という、他の形態での操作によっても、いわゆる連打演出を実行可能にし、遊技者にとって有利な状態につながる点で、これまでにはない新たな遊技性を持った遊技機を提供することができる。
<演出グループ抽籤テーブル>
図121は、演出グループを抽籤するための演出グループ抽籤テーブルである。図121に示すように、演出グループ抽籤テーブルは、ART当籤の有無に応じて演出グループ番号を選択するための抽籤値の情報を規定する。
<バトル演出抽籤テーブル>
図122は、バトル演出における演出番号を抽籤するためのバトル演出抽籤テーブルである。バトル演出抽籤テーブルは、図121に示す演出グループ抽籤テーブルを参照した抽籤の結果が演出グループ番号「1」(バトル演出)である場合に参照される。
バトル演出抽籤テーブルは、ART当籤の有無に応じて演出番号を選択するための抽籤値の情報を規定する。ARTに当籤していると、ARTに当籤していない場合に比べて、バトルに勝利する演出が行われ易く(演出番号「1」、「3」)、ARTに当籤していないと、ARTに当籤している場合に比べて、バトルに敗北する演出が行われ易い(演出番号「2」、「4」)。
また、連打チャンスの演出が行われると(演出番号「3」、「4」)、連打チャンスの演出が行われない場合(演出番号「1」、「2」)に比べて、ARTに当籤している可能性が高い。そして、連打チャンスの後、バトルに勝利する演出が行われると、100/101の確率でARTに当籤している(演出番号「3」)。また、連打チャンスの後、バトルに敗北する演出が行われると、5/6の確率でARTに当籤していない(演出番号「4」)。そのため、連打チャンスの演出は、ARTに当籤していることへの期待度を高める演出のみならず、バトルの結果についてのART当籤の有無への信頼度が高い演出であるといえる。
<主制御回路の動作説明>
次に、図123を参照しながら、本実施形態でのメインフロー(図74)におけるメダル受付・スタートチェック処理(S3)の本変形例に合わせた具体的態様について説明する。
(メダル受付・スタートチェック処理)
メダル受付・スタートチェック処理では、初めに、メインCPU93は、自動投入要求があるか否かを判定する(S1011)。前回の単位遊技でリプレイ役に入賞した場合には、今回の単位遊技では、自動的にメダルが投入される。すなわち、ステップS1011の判断処理は、前回の単位遊技でリプレイに入賞したか否か判定するのと等価である。
ステップS1011において、自動投入要求があると判定したときには、メインCPU93は、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルを自動投入する自動投入処理を実行する(ステップS1012)。具体的には、メインCPU93は、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写し、自動投入カウンタをクリアする。
次に、メインCPU93は、メダル投入コマンドデータを生成し、生成したメダル投入コマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する(ステップS1013)。メダル投入コマンドデータは、メダルの投入枚数等の情報を含む。メインCPU31は、ステップS1013の処理の後、ステップS1015へ処理を移す。
ステップS1011において、自動投入要求がないと判定したときには、メインCPU93は、メダル受付許可を実行する(ステップS1014)。具体的には、メインCPU93は、セレクタ(図示せず)のソレノイドを駆動し、セレクタ内のメダルの通過を促す。
次に、メインCPU93は、遊技状態に応じて投入枚数の最大値を設定する(ステップS1015)。本変形例では、メインCPU93は、全ての遊技状態において投入枚数の最大値を「3」とセットするものとして説明するが、これに限るものではない。
次に、メインCPU93は、メダル受付許可があるか否かを判定する(ステップS1016)。この判定がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS1017の処理を行い、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS1021の処理を行う。
ステップS1017では、メインCPU31は、投入されたメダルの枚数をチェックするメダル投入チェック処理を実行する。メダル投入チェック処理において、メインCPU93は、チェックしたメダルの枚数に応じて、投入枚数カウンタの値を更新する。
次に、メインCPU93は、メダル投入コマンドデータを生成し、生成したメダル投入コマンドデータをメインRAM95の通信データ格納領域に格納する(ステップS1018)。メダル投入コマンドデータは、メダルの投入枚数等の情報を含む。
続いて、メインCPU31は、メダルの投入又はクレジットのいずれかが可能であるか否かを判定する(ステップS1019)。メインCPU31は、メダルセンサ(図示せず)による検出結果又はメインRAM95に格納されているクレジット数を表すデータに基づいて、メダルの投入及びクレジットのいずれも可能でないことを判定すると(NO)、メダルの受付けを禁止した後(ステップS1020)、ステップS1021へ処理を移す。
ステップS1020の処理を実行した後、ステップS1016でメダル受付許可がないと判定した場合、又はステップS1019でメダルの投入又はクレジットのいずれかが可能であると判別すると(YES)、メインCPU93は、投入されたメダルの枚数が遊技を開始できる枚数(本変形例では3枚)であるか否かを判定する(ステップS1021)。
ステップS1021において、投入されたメダルの枚数が遊技を開始できる枚数でないと判定したときには(NO)、メインCPU93は、ステップS1016に処理を戻す。
一方、投入されたメダルの枚数が遊技を開始できる枚数であると判定したときには(YES)、メインCPU93は、スタートスイッチ79がオンであるか否かを判定する(ステップS1022)。
ステップS1022において、スタートスイッチ79がオンでないと判定したときには、メインCPU93は、ステップS1016に処理を戻す。一方、スタートスイッチ79がオンであると判定したときには、メインCPU93は、メダル受付禁止を行う(ステップS1023)。具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行わずに、投入口に投入されたメダルのメダル払出口32からの排出を促す。ステップS1023の処理を実行した後、メインCPU93は、本サブルーチンを終了する。
<副制御回路の動作説明>
次に、図124〜図127を参照して、副制御回路101のサブCPU102が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
(主基板通信タスク)
図124は、本変形例4における主基板通信タスクを示すフローチャートである。
本実施形態で説明した主基板通信タスク(図100)と比較すると、本変形例4では、スタートコマンド受信時、リール停止コマンドの受信時、メダル投入コマンドの受信時の処理の態様が具体的に説明されている点で異なる(S1031〜S1037)。
(スタートコマンド受信時処理)
図125は、副制御回路101のサブCPU102が実行するスタートコマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、遊技状態が通常遊技状態又はチャンスゾーンであるか否かを判定する(S1051)。サブCPU102は、遊技状態が通常遊技状態又はチャンスゾーンであると判定したときには、処理をS1052に移す。それに対し、サブCPU102は、遊技状態が通常遊技状態又はチャンスゾーンでないと判定したときには、処理をS1057に移す。
S1052において、サブCPU102は、演出グループ抽籤テーブル(図121)を参照し、ART抽籤の結果に応じて演出グループ番号を決定する。
続いて、サブCPU102は、演出グループ番号が「1」であるか否かを判定する(S1053)。サブCPU102は、演出グループ番号が「1」であると判定したときには、処理をS1054に移す。それに対し、サブCPU102は、演出グループ番号が「1」でないと判定したときには、処理をS1057に移す。
S1054において、サブCPU102は、バトル演出抽籤テーブル(図122)を参照し、ART抽籤の結果に応じて演出グループ番号を決定する。
続いて、サブCPU102は、演出番号が「3」又は「4」であるか否かを判定する(S1055)。サブCPU102は、演出番号が「3」又は「4」であると判定したときには、連打演出フラグをオンにセットし(S1056)、処理をS1058に移す。それに対し、サブCPU102は、演出番号が「3」又は「4」でないと判定したときには、処理をS1058に移す。
S1057において、サブCPU102は、遊技状態及び演出グループに応じて、演出番号を決定する。
続いて、サブCPU102は、決定した演出番号に応じて、スタート時の演出データを登録する。(S1058)。続いて、サブCPU102は、スタートコマンド受信時の他の処理を実行し(S1059)、スタートコマンド受信時処理を終了する。
(リール停止コマンド受信時処理)
図126は、副制御回路101のサブCPU102が実行するリール停止コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、ストップボタン未作動カウンタが「0」であるか否かを判定する(S1071)。サブCPU102は、ストップボタン未作動カウンタが「0」であると判定したときには、処理をS1072に移す。それに対し、サブCPU102は、ストップボタン未作動カウンタが「0」でないと判定したときには、処理をS1074に移す。
S1072において、サブCPU102は、連打演出フラグがオンであるか否かを判定する。サブCPU102は、連打演出フラグがオンであると判定したときには、連打タイマの計測を開始し(S1073)、処理をS1074に移す。それに対し、サブCPU102は、連打演出フラグがオンでない(オフである)と判定したときには、処理をS1074に移す。
続いて、サブCPU102は、演出番号及び作動ストップボタンの種別に応じて、停止時の演出データを登録し(S1074)、リール停止コマンド受信時処理を終了する。
(メダル投入コマンド受信時処理)
図127は、副制御回路101のサブCPU102が実行するメダル投入コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、連打演出フラグがオンであるか否かを判定する(S1091)。サブCPU102は、連打演出フラグがオンであると判定したときには、処理をS1092に移す。それに対し、サブCPU102は、連打演出フラグがオンでない(オフである)と判定したときには、処理をS1099に移す。
S1092において、サブCPU102は、連打演出タイマの計測時間が20秒未満であるか否かを判定する。サブCPU102は、連打演出タイマの計測時間が20秒未満であると判定したときには、連打回数カウンタに「1」を加算し(S1073)、処理をS1094に移す。それに対し、サブCPU102は、連打演出タイマの計測時間が20秒未満でない(20秒以上である)と判定したときには、処理をS1096に移す。
S1094において、サブCPU102は、連打回数カウンタが「30」であるか否かを判定する。サブCPU102は、連打回数カウンタが「30」であると判定したときには、演出番号に応じて、連打演出の演出データを登録し(S1095)、処理をS1097に移す。サブCPU102は、連打回数カウンタが「30」でないと判定したときには、処理をS1100に移す。
S1096において、サブCPU102は、連打失敗の演出データを登録し、処理をS1097に移す。
続いて、サブCPU102は、連打タイマ及び連打演出カウンタをクリアし(S1097)、連打演出フラグをオフにセットして(S1098)、処理をS1100に移す。
S1099において、サブCPU102は、演出番号の種別に応じて、メダル投入時の演出データを登録し、処理をS1100に移す。
続いて、サブCPU102は、メダル投入コマンド受信時の他の処理を実行して(S1100)、メダル投入コマンド受信時処理を終了する。
本変形例に記載のパチスロ機1によれば、バトル演出を実行中にメダルセンサ(図示せず)がメダルのクレジット操作を検出し、サブCPU102がメダル投入コマンドを受信すると、サブCPU102は、メダル投入コマンドに応じて、液晶表示装置11等におけるARTの付与に関する報知の演出を制御する。そのため、物理的なボタンの操作だけでなく、メダルのクレジット操作という、他の形態での操作によっても、いわゆる連打演出を実行可能にし、遊技者にとって有利な状態につながる点で、これまでにはない新たな遊技性を持ったパチスロ機1を提供することができる。
また、本変形例に記載のパチスロ機1において、サブCPU102は、バトル演出を実行中にメダルセンサ(図示せず)がメダルのクレジット操作を検出し、サブCPU102がメダル投入コマンドを受信した回数に応じて、液晶表示装置11等におけるARTの付与に関する報知の演出を制御する。そのため、物理的なボタンの操作だけでなく、メダルの連続的なクレジット操作(貯留操作)という、他の形態での連続操作によっても、いわゆる連打演出を実行可能にし、遊技者にとって有利な状態につながる点で、より新たな遊技性を持った遊技機を提供することができる。
なお、本変形例では、メダル投入可能な期間を、第3停止後から開始操作までにしているが、これに限るものではない。例えば、リールの回転中等、他のタイミングとしてもよい。
なお、メダルを貯留可能な枚数には、上限(例えば、50枚)が設けられている。上限に達した場合の演出内容については特に限定されないが、例えば、それ以上の貯留操作が行われても演出が実行されない、上限の貯留枚数に達したときに、予定されていた全ての演出が実行される、等が挙げられる。
また、本変形例では、メダル1枚の貯留操作につき、打撃1回の演出に相当するものとして説明しているが、これに限るものではない。例えば、メダル1枚の貯留操作につき、打撃2回あるいはそれ以上の回数の演出に相当するものとしてもよいし、メダル2枚あるいはそれ以上の枚数の貯留操作につき、打撃1回の演出に相当するものとしてもよい。
[変形例5:新たな救済機能]
これまで、有利状態が長期間にわたり行われない場合に強制的に有利状態に移行させる救済機能を備えた遊技機が知られている。しかしながら、これまでの救済機能に関する工夫は、有利状態ではない通常状態が長時間続いた場合に、遊技の状態を通常状態から有利状態に移行させることによる救済である。そこで、新たな救済手段を提供し、遊技者が大きな不利益を受けることを防ぐ手当てにバリエーションを持たせることが求められている。
そこで、新たな救済手段を提供し、遊技者が大きな不利益を受けることを防ぐための救済機能にバリエーションを持たせてもよい。
<通常遊技状態中の遊技の流れ>
図128は、本変形例における通常遊技状態中の遊技の流れを示す図である。本実施形態における通常遊技状態中の遊技の流れ(図23)と対比すると、本実施形態では、ART抽籤に関し、主制御基板71が抽籤用フラグAに基づいてART抽籤を行い、ART抽籤に当籤した場合に、その後(前兆を介して)遊技状態をART遊技状態に移行するものであったのに対し、本変形例では、ART遊技状態が第1の通常ARTと、第2の通常ARTとを有し、ART抽籤に当籤した場合には、まず、遊技状態を通常遊技状態から第1の通常ARTに移行し、その後、チェリー(弱チェリー、強チェリー、確定チェリーのいずれか)に当籤した場合に、遊技状態を第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行する点で異なる。
図129は、本変形例におけるART遊技状態中の遊技の流れをより詳しく説明するための図である。
第1の通常ARTは、1000ゲームの報知パターンAと、100ゲームの報知パターンBとを含んで構成される。報知パターンAは、停止操作の情報の報知をほぼ実行できない区間であり、遊技者にとってほとんど特典が付与されない区間である。報知パターンBは、停止操作の情報の報知を実行可能な区間であり、遊技者にとって特典が付与される区間である。
遊技状態が通常遊技状態から第1の通常ARTに移行すると、主制御基板71は、報知パターンAの区間を1000ゲーム実行し、その後、報知パターンBの区間を100ゲーム実行する。
ここで、報知パターンAの区間の実行中であっても、チェリー(弱チェリー、強チェリー、確定チェリーのいずれか)に当籤すると、遊技状態が第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行される。第2の通常ARTは、32ゲームの報知パターンAと、100ゲームの報知パターンBとを含んで構成される。遊技状態が第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行すると、主制御基板71は、報知パターンAの区間が32ゲームに変更される。そして、報知パターンAの区間を32ゲーム実行すると、その後、報知パターンBの区間を100ゲーム実行する。
なお、本変形例では、内部当籤役がチェリーである場合、抽籤を行うことなく、第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行するものとしているが、これに限るものではない。何らかの抽籤を行い、抽籤に当籤した場合に、第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行するものとしてもよい。
あるいは、チェリーの種類によって第1の通常ARTから第2の通常ARTへの移行に当籤する確率を変えてもよい。例えば、内部当籤したチェリーが強チェリーである場合、内部当籤したチェリーが弱チェリーである場合に比べ、第1の通常ARTから第2の通常ARTへの移行に当籤し易くし、内部当籤したチェリーが確定チェリーである場合、内部当籤したチェリーが強チェリーである場合に比べ、第1の通常ARTから第2の通常ARTへの移行に当籤し易くしてもよい。
(変形例に係るART抽籤用番号決定テーブル)
図130は、変形例に係るART抽籤用番号決定テーブルである。図130に示すテーブルは、現在の遊技状態が通常遊技状態である場合に参照される。
遊技状態が通常遊技状態である場合、本実施形態では、抽籤用フラグAの種類と、設定値とに応じて、異なるART抽籤用番号が規定されていた(図26)。しかしながら、本変形例では、抽籤用フラグAの種類や、設定値に関わらず、同じART抽籤用番号「10」が規定されている。
(変形例に係るART抽籤テーブル)
図131は、変形例に係るART抽籤テーブルである。図131に示すテーブルは、ART抽籤用番号が「10」である場合に参照される。
ART抽籤テーブルでは、ART抽籤の抽籤結果に関する抽籤値の情報が規定されている。本変形例では、ART非当籤に抽籤値「1」が割り当てられており、ART当籤に抽籤値「255」が割り当てられている。
図130及び図131に示すテーブル群によると、通常遊技状態では、抽籤用フラグAの種類に関わらずARTの抽籤が行われ、255/256の割合で、ARTに当籤するといえる。
(停止情報報知フラグ抽籤テーブル)
図132は、停止情報報知フラグ抽籤テーブルである。
停止情報報知フラグ抽籤テーブルでは、報知パターンの種類から停止情報報知フラグの状態(オンにするか、オフにするか)を決定するための抽籤値の情報が規定されている。報知パターンがAである場合、停止情報報知フラグが「オン」と決定される割合は、10/256である。それに対し、報知パターンがAである場合、停止情報報知フラグが「オン」と決定される割合は、256/256である。
詳細な処理フローの記載は省略するが、停止情報報知フラグがオンである場合、所定の条件を充足していれば(本実施形態の場合であれば、遊技状態がRT2遊技状態であれば)、停止操作の情報の報知を実行可能である。それに対し、停止情報報知フラグがオフである場合、所定の条件を充足していても(本実施形態の場合であれば、遊技状態がRT2遊技状態であっても)、停止操作の情報の報知を実行不可能である。
<主制御回路の動作説明>
次に、図133〜図136を参照しながら、主制御回路91の本変形例に係る動作について説明する。
(変形例に係るスタート時通常中処理)
図133は、主制御回路91のCPU93が実行するスタート時通常中処理(本実施形態では図77)を示すフローチャートである。
まず、メインCPU93は、変形例に係るART抽籤用番号決定テーブル(図130)を参照し、抽籤用フラグAからART抽籤用番号を決定する(S1111)。本変形例では、抽籤用フラグAの種類に関わらず、ART抽籤用番号「10」が決定される。
続いて、メインCPU93は、変形例に係るART抽籤テーブル(図131)を参照し、ART抽籤用番号に基づいて、ART抽籤を行う(S1112)。本変形例では、ARTに当籤する割合は、255/256であり、非当籤となる割合は、1/256である。
続いて、メインCPU93は、ARTに当籤したか否かを判定する(S1113)。ARTに当籤した場合、メインCPU93は、次遊技として「第1の通常ART」をセットし(S1114)、報知パターンA残り回数カウンタに「1000」をセットして(S1115)、スタート時通常中処理を終了する。
それに対し、ARTに当籤しなかった場合、メインCPU93は、スタート時通常中処理を終了する。
(変形例に係るスタート時ART中処理)
図134は、主制御回路91のCPU93が実行するスタート時ART中処理(本実施形態では図83)を示すフローチャートである。
まず、メインCPU93は、停止情報報知フラグ抽籤テーブル(図131)を参照し、報知パターンに基づいて、停止情報報知フラグの状態を抽籤する(S1131)。この処理において、報知パターンA残り回数カウンタの値が1以上である場合、メインCPU93は、報知パターンが報知パターンAであるものとして抽籤を実行する。それに対し、報知パターンB残り回数カウンタの値が1以上である場合、メインCPU93は、報知パターンが報知パターンBであるものとして抽籤を実行する。
続いて、メインCPU93は、停止情報報知フラグの抽籤に当籤したか否かを判定する(S1132)。当籤した場合、メインCPU93は、停止情報報知フラグをオンにセットし(S1133)、処理をS1135に移す。当籤しなかった場合、メインCPU93は、停止情報報知フラグをオフにセットし(S1134)、処理をS1135に移す。
続いて、メインCPU93は、遊技状態が第1の通常ARTであるか否かを判定する(S1135)。遊技状態が第1の通常ARTである場合(YES)、メインCPU93は、後に説明する第1の通常ART更新処理を実行し、スタート時ART中処理を終了する。遊技状態が第1の通常ARTでない場合(NO)、メインCPU93は、後に説明する第2の通常ART更新処理を実行し、スタート時ART中処理を終了する。
(第1の通常ART更新処理)
図135は、主制御回路91のCPU93が実行する第1の通常ART更新処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU93は、報知パターンA残り回数カウンタが0よりも大きい(1以上)か否かを判定する(S1151)。報知パターンA残り回数カウンタが0よりも大きい場合(YES)、メインCPU93は、処理をS1152に移す。報知パターンA残り回数カウンタが0以下である場合(NO)、メインCPU93は、処理をS1159に移す。
S1152において、メインCPU93は、報知パターンA残り回数カウンタから1減算する。続いて、メインCPU93は、報知パターンA残り回数カウンタが32よりも大きいか否かを判定する(S1153)。報知パターンA残り回数カウンタが32よりも大きい場合(YES)、メインCPU93は、処理をS1154に移す。報知パターンA残り回数カウンタが32以下である場合(NO)、メインCPU93は、処理をS1157に移す。
S1154において、メインCPU93は、チェリーに当籤したか否かを判定する。ここでのチェリーは、弱チェリー、強チェリー及び確定チェリーのいずれも含むものとするが、これに限るものでなく、特定のチェリーであってもよい。あるいは、チェリーではなく、比較的当籤する頻度の低い他の役であってもよい。チェリーに当籤した場合(YES)、メインCPU93は、処理をS1155に移す。チェリーに当籤していない場合(NO)、メインCPU93は、処理をS1157に移す。
S1155において、メインCPU93は、次遊技に「第2の通常ART」をセットする。続いて、メインCPU93は、報知パターンA残り回数カウンタを「32」に更新し(S1156)、処理をS1157に移す。
S1157において、メインCPU93は、報知パターンA残り回数カウンタが0であるか否かを判定する。報知パターンA残り回数カウンタが0である場合(YES)、メインCPU93は、報知パターンB残り回数カウンタを「100」にセットし(S1158)、第1の通常ART更新処理を終了する。報知パターンA残り回数カウンタが0でない場合(NO)、メインCPU93は、第1の通常ART更新処理を終了する。
S1159において、メインCPU93は、報知パターンB残り回数カウンタから1減算する。続いて、メインCPU93は、報知パターンB残り回数カウンタが0であるか否かを判定する(S1160)。報知パターンB残り回数カウンタが0である場合(YES)、メインCPU93は、次遊技に「通常遊技状態」をセットし(S1161)、第1の通常ART更新処理を終了する。報知パターンB残り回数カウンタが0でない場合(NO)、メインCPU93は、第1の通常ART更新処理を終了する。
(第2の通常ART更新処理)
図136は、主制御回路91のCPU93が実行する第2の通常ART更新処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU93は、報知パターンA残り回数カウンタが0よりも大きい(1以上)か否かを判定する(S1171)。報知パターンA残り回数カウンタが0よりも大きい場合(YES)、メインCPU93は、処理をS1172に移す。報知パターンA残り回数カウンタが0以下である場合(NO)、メインCPU93は、処理をS1175に移す。
S1172において、メインCPU93は、報知パターンA残り回数カウンタから1減算する。続いて、メインCPU93は、報知パターンA残り回数カウンタが0であるか否かを判定する(S1173)。報知パターンA残り回数カウンタが0である場合(YES)、メインCPU93は、報知パターンB残り回数カウンタを「100」にセットし(S1174)、第2の通常ART更新処理を終了する。報知パターンA残り回数カウンタが0でない場合(NO)、メインCPU93は、第2の通常ART更新処理を終了する。
S1175において、メインCPU93は、報知パターンB残り回数カウンタから1減算する。続いて、メインCPU93は、報知パターンB残り回数カウンタが0であるか否かを判定する(S1176)。報知パターンB残り回数カウンタが0である場合(YES)、メインCPU93は、次遊技に「通常遊技状態」をセットし(S1177)、第2の通常ART更新処理を終了する。報知パターンB残り回数カウンタが0でない場合(NO)、メインCPU93は、第2の通常ART更新処理を終了する。
本変形例にに記載の遊技機によれば、通常遊技状態(非ART)において、メインCPU93は、通常遊技状態(非ART)における単位遊技ごとに、内部当籤役(抽籤用フラグA)の種類に関わらず、通常遊技状態(非ART)から第1の通常ARTに移行するかを決定する。これにより、通常遊技状態(非ART)から第1の通常ARTへの移行を、比較的少ない回数の単位遊技で実行することができる。
そして、第1の通常ARTにおいて、メインCPU93は、内部当籤役(抽籤用フラグA)がチェリー(弱チェリー、強チェリー、確定チェリーのいずれか)である場合に、第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行するかを決定する。メインCPU93は、内部当籤役(抽籤用フラグA)がチェリーである場合に当該決定を行うため、メインCPU93が第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行すると決定することは、比較的稀である。そして、第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行されると、報知パターンAの回数が、1000回から、より少ない32回に減り、報知パターンAの単位遊技を32回行えば、報知パターンAに比べて大きな特典を有する報知パターンBの単位遊技を実行可能になる。これにより、第1の通常ARTにおいて、第2の通常ARTに移行すると決定されたときは、報知パターンAの遊技回数を減らして、より大きな特典を有する報知パターンBの単位遊技を実行することが可能になる。
他方、メインCPU93が第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行すると決定することは、比較的稀であるため、報知パターンAの単位遊技の回数が1000回になるまでの間、第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行すると決定されないこともあり得る。そのようなときであっても、報知パターンAの単位遊技の回数が1000回になれば、続いて、報知パターンAの単位遊技に比べて大きな特典を有する報知パターンBの単位遊技が実行される。これにより、報知パターンBの単位遊技が長時間にわたって実行されない場合に、遊技者に対し、あたかも特典を有する単位遊技を強制的に実行する救済機能であるかのような感覚を付与できる。
[変形例6:メダル投入と演出のリンク]
近年では、メダルの投入からストップボタンの操作に至るまでの遊技操作が一連の流れ作業として行われ、事務的になるのを防ぐため、遊技機にメダルが投入されると、サブリールの演出用シンボルの回転を開始し、スタートレバーが操作され、単位遊技の開始操作が検出されると、当籤役決定手段で決定された当籤役に基づいて演出用シンボルの回転を停止する遊技機が提案されている。
この構成によれば、サブリールでは、従来何も演出が行われずに事務的に遊技操作が行われていたタイミングで、当籤役決定手段で決定された当籤役を報知するようになる。その結果、インパクトのある当籤役の報知を行うことが可能となり、遊技者は、今までにない興趣を持ってサブリールでの演出を楽しむことができるようになる。
しかしながら、メダルの投入からスタートレバーが操作されるまでの間は何ら演出が行われるものでなく、そのような間であっても、遊技に関する何らかの演出を実行し、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することが求められている。
そこで、メダルの投入からスタートレバーが操作されるまでの間であっても、遊技に関する何らかの演出を実行可能にしてもよい。
<メダル保留演出抽籤テーブル>
図137は、メダル保留演出抽籤テーブルである。このテーブルは、メダルのクレジット操作(貯留操作)に応じて液晶表示装置11に表示されるメダルの態様を決定するための抽籤値の情報が規定されている。
演出番号「0」が決定されると、演出内容は「はずれ」であり、メダルのクレジット操作が行われても、液晶表示装置11にメダルの図柄が表示されることはない。
演出番号「1」が決定されると、演出内容は「青メダル保留演出」であり、メダルのクレジット操作に応じて、液晶表示装置11において、メダルが保留されたことを示す演出が実行される。そのとき、メダルが青く光っている。
演出番号「2」が決定されると、演出内容は「黄メダル保留演出」であり、メダルのクレジット操作に応じて、液晶表示装置11において、メダルが保留されたことを示す演出が実行される。そのとき、メダルが黄色に光っている。
演出番号「3」が決定されると、演出内容は「赤メダル保留演出」であり、メダルのクレジット操作に応じて、液晶表示装置11において、メダルが保留されたことを示す演出が実行される。そのとき、メダルが赤く光っている。
メダル保留演出抽籤テーブルによると、演出番号「1」は、50/256の割合で決定され、演出番号「2」は、20/256の割合で決定され、演出番号「3」は、10/256の割合で決定される。そのため、「青メダル保留演出」は、比較的頻繁になされる演出である一方、「黄メダル保留演出」、「赤メダル保留演出」は、「青メダル保留演出」がなされる頻度に比べて、稀になされる演出と位置づけることができる。
<メダル保留演出情報格納領域>
図138は、メダル保留演出情報格納領域を示す。この格納領域は、メダル保留演出抽籤テーブル(図137)を参照して決定された抽籤結果の情報が格納される領域であり、サブRAM103の一部に設けられる。
メダル保留演出情報格納領域は、第1領域から第4領域を含んで構成される。
第1領域は、第1領域から第4領域のいずれにも情報が格納されていない場合に、まず最初に情報が格納される領域である。第1領域は、直近1ゲーム目のメダル保留演出に相当する。
第2領域は、第1領域に情報が格納されているが、第2領域から第4領域のいずれにも情報が格納されていない場合に、続いて情報が格納される領域である。第2領域は、直近2ゲーム目のメダル保留演出に相当する。
第3領域は、第1領域及び第2領域に情報が格納されているが、第3領域及び第4領域に情報が格納されていない場合に、続いて情報が格納される領域である。第3領域は、直近3ゲーム目のメダル保留演出に相当する。
第4領域は、第1領域から第3領域に情報が格納されているが、第4領域に情報が格納されていない場合に、続いて情報が格納される領域である。第4領域は、直近4ゲーム目のメダル保留演出に相当する。
直近1ゲーム目の単位遊技が終了すると、第2領域から第4領域に格納される情報が、それぞれ第1領域から第3領域に転写される。そして、第4領域に格納される情報がクリアされる。これにより、メダルの投入操作に応じて、液晶表示装置11に表示されるメダルの態様に関する情報を格納し続けることができる。
<キャラクタ抽籤テーブル>
図139は、キャラクタ抽籤テーブルである。このテーブルには、メダル保留演出情報格納領域の第1領域に格納されている情報(メダル保留演出の内容)に応じて、キャラクタ演出を実行するか否かを決定するための抽籤値の情報が格納されている。
上記第1領域に格納されている情報(メダル保留演出の内容)が「青メダル保留演出」である場合、キャラクタ演出が行われる確率は、1/256である。そのため、「青メダル保留演出」は、キャラクタ演出が行われることへの期待感をほとんど得られない演出に相当する。
上記第1領域に格納されている情報(メダル保留演出の内容)が「黄メダル保留演出」である場合、キャラクタ演出が行われる確率は、56/256である。そのため、「黄メダル保留演出」は、キャラクタ演出が行われることへの期待感を少しは持つことの可能な演出に相当する。
上記第1領域に格納されている情報(メダル保留演出の内容)が「赤メダル保留演出」である場合、キャラクタ演出が行われる確率は、156/256である。そのため、「赤メダル保留演出」は、キャラクタ演出が行われることへの期待感を強く持つことの可能な演出に相当する。
キャラクタ演出によって液晶表示装置11に表示させるキャラクタは、他の何らかの演出によってボーナス等の特典が得られることを示唆する報知で使用するキャラクタと同一であることが好ましい。そうすることで、本変形例でのメダル保留演出が実際には、内部当籤役等の抽籤フラグに紐づけられていないにも関わらず、遊技者に対し、メダル保留演出で「赤メダル保留演出」になること、そして、「赤メダル保留演出」に続いてキャラクタ演出が実行されることが、実際にはチャンスでないのに、あたかもチャンスであるかのような感覚を遊技者に与えることができる。
<副制御回路の動作説明>
次に、図140〜図142を参照して、副制御回路101のサブCPU102が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
(主基板通信タスク)
図140は、本変形例6における主基板通信タスクを示すフローチャートである。
本実施形態で説明した主基板通信タスク(図100)と比較すると、本変形例6では、メダル投入コマンドの受信時、スタートコマンドの受信時の処理の態様が具体的に説明されている点で異なる(S1211〜S1214)。
(メダル投入コマンド受信時処理)
図141は、副制御回路101のサブCPU102が実行するメダル投入コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、メダルのクレジット操作(貯留操作)であるか否かを判定する(S1231)。サブCPU102は、メダルのクレジット操作(貯留操作)であると判定したときには、処理をS1232に移す。それに対し、サブCPU102は、メダルのクレジット操作(貯留操作)でない、すなわち、直近の単位遊技を行うためのメダルの投入操作であると判定したときには、処理をS1235に移す。
S1232において、サブCPU102は、メダル保留演出抽籤テーブル(図137)を参照し、メダル保留演出の内容を決定する。
続いて、サブCPU102は、決定した演出番号が「1」〜「3」のいずれかであるか否かを判定する(S1233)。サブCPU102は、決定した演出番号が「1」〜「3」のいずれかであると判定したときには、処理をS1234に移す。それに対し、サブCPU102は、決定した演出番号が「1」〜「3」のいずれかでない(「0」である)と判定したときには、処理をS1235に移す。
S1234において、サブCPU102は、メダル保留演出情報格納領域(図138)の所定領域に演出データを登録する。
続いて、サブCPU102は、メダル投入コマンド受信時の他の処理を実行して(S1235)、メダル投入コマンド受信時処理を終了する。
(スタートコマンド受信時処理)
図142は、副制御回路101のサブCPU102が実行するスタートコマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、メダル保留演出情報格納領域の第1領域が「保留演出あり」であるか否かを判定する(S1251)。この処理において、サブCPU102は、メダル保留演出情報格納領域の第1領域に格納されているデータが、「青メダル保留演出」、「黄メダル保留演出」、「赤メダル保留演出」のいずれかであるか否かを判定する。サブCPU102は、第1領域が「保留演出あり」であると判定したときには、処理をS1252に移す。それに対し、サブCPU102は、第1領域が「保留演出あり」でないと判定したときには、処理をS1255に移す。
S1252において、サブCPU102は、キャラクタ抽籤テーブル(図139)を参照し、保留メダル演出の内容に応じてキャラクタ演出の有無を決定する。続いて、サブCPU102は、決定結果に応じて演出データを登録する(S1253)。
続いて、サブCPU102は、メダル保留演出情報格納領域(図138)の情報を更新する(S1254)。この処理において、サブCPU102は、第2領域から第4領域に格納される情報を、それぞれ第1領域から第3領域に転写する。そして、サブCPU102は、第4領域に格納される情報をクリアにする。これにより、メダルの投入操作に応じて、液晶表示装置11に表示されるメダルの態様に関する情報を格納し続けることができる。
続いて、サブCPU102は、スタートコマンド受信時の他の処理を実行し(S1255)、スタートコマンド受信時処理を終了する。
<メダル保留演出の一例>
次に、図143を参照して、本変形例におけるメダル保留演出の一例について説明する。
遊技者がメダルのクレジット操作(貯留操作)を行うと、サブCPU102は、メダル投入コマンド受信時処理(図141)において、メダル保留演出抽籤テーブル(図137)を参照し、メダル保留演出の内容を決定する(S1232)。その結果が演出番号「1」(青メダル保留演出)であると、サブCPU102は、メダル保留演出情報格納領域(図138)の第1領域に、1ゲーム目のメダル保留演出データとして、「青メダル保留演出」の情報を登録する(S1234)。そして、サブCPU102は、演出を登録すると、液晶表示装置11、スピーカ65L,65R、各種のLEDなどを制御して、登録した演出を実行する。
そして、メダルのクレジット操作(貯留操作)を繰り返し行うことで、サブCPU102は、あるタイミングにおいて、当該格納領域の第2領域に、2ゲーム目のメダル保留演出データとして、「青メダル保留演出」の情報を登録し、当該格納領域の第3領域に、3ゲーム目のメダル保留演出データとして、「赤メダル保留演出」の情報を登録する。同様に、サブCPU102は、演出を登録すると、液晶表示装置11、スピーカ65L,65R、各種のLEDなどを制御して、登録した演出を実行する。
図143の(A)は、そのときの液晶表示装置11の表示例である。液晶表示装置11には、メダルを保留可能であることを示唆する、「メダルを貯めて、保留しよう!」との文字が表示される。そして、その文字の下には、左から順に、直近1ゲーム目としての、青く光ったメダルが保留されている図柄、直近2ゲーム目としての、青く光っているメダルが保留されている図柄、直近3ゲーム目としての、赤く光っているメダルが保留されている図柄が表示される。直近4ゲーム目としての図柄は、空白である。
続いて、遊技者がスタートレバー23を操作し、そのことをスタートスイッチ79が検知すると、メインCPU93は、内部抽籤処理(図74のS4)や、特殊チャンスゾーンにおける上乗せゾーン抽籤(図81のS151)等を実行する。そして、メインCPU93は、サブCPU102にスタートコマンドを送信する。スタートコマンドには、内部抽籤処理に関する情報が含まれている。
そして、サブCPU102は、スタートコマンドを受信すると、スタートコマンド受信時処理(図142)を実行する。スタートコマンド受信時処理(図142)において、サブCPU102は、キャラクタ抽籤テーブル(図139)を参照してキャラクタ演出の有無を決定する処理(S1252)等を実行する。
例えば、直近1ゲーム目の保留メダル演出の内容は、「青メダル保留演出」であることから、サブCPU102は、キャラクタ抽籤テーブル(図139)を参照し、メダル保留演出の内容が「青メダル保留演出」であることに応じた抽籤を実行し、結果として、キャラクタ演出「なし」と決定する。
図143の(B)は、そのときの液晶表示装置11の表示例である。液晶表示装置11では、特に演出がなされない。そのため、「青メダル保留演出」は、キャラクタ演出が行われることへの期待感をほとんど得られない演出に相当する。
その後、サブCPU102は、メダル保留演出情報格納領域(図138)の第2領域から第4領域に格納される情報を、それぞれ第1領域から第3領域に転写する。そして、サブCPU102は、第4領域に格納される情報をクリアにする(図142のS1254)。
続く単位遊遊技において、メダルのクレジット操作(貯留操作)を繰り返し行うことで、サブCPU102は、あるタイミングにおいて、上記格納領域(図138)の第3領域に「青メダル保留演出」がセットされ、第4領域に「黄メダル保留演出」がセットされる。そして、サブCPU102がキャラクタ演出の有無を決定する処理(S1252)等を実行した後、サブCPU102は、メダル保留演出情報格納領域(図138)の第2領域から第4領域に格納される情報を、それぞれ第1領域から第3領域に転写する。そして、サブCPU102は、第4領域に格納される情報をクリアにする(図142のS1254)。
続く単位遊遊技において、メダルのクレジット操作(貯留操作)を繰り返し行うことで、サブCPU102は、あるタイミングにおいて、上記格納領域(図138)の第4領域に「青メダル保留演出」がセットされる。
図143の(C)は、そのときの液晶表示装置11の表示例である。液晶表示装置11には、「メダル保留状況」との文字が表示される。そして、その文字の下には、左から順に、直近1ゲーム目としての、メダルが赤色に光った図柄、直近2ゲーム目としての、メダルが青色に光った図柄、直近3ゲーム目としての、メダルが黄色に光った図柄、直近3ゲーム目としての、メダルが青色に光った図柄が表示される。
そして、直近1ゲーム目の保留メダル演出の内容は、「赤メダル保留演出」であることから、サブCPU102は、キャラクタ抽籤テーブル(図139)を参照し、メダル保留演出の内容が「赤メダル保留演出」であることに応じた抽籤を実行し、結果として、キャラクタ演出「あり」と決定する。
図143の(D)は、そのときの液晶表示装置11の表示例である。液晶表示装置11には、上空に花火が打ち上がり、キャラクタがVサインをする様子が表示されている。そのため、「赤メダル保留演出」は、キャラクタ演出が行われることへの期待感を強く持つことの可能な演出に相当する。
本変形例に記載のパチスロ機1によると、サブCPU102は、メダルのクレジット操作に応じて、メダルを模した複数種類のメダル画像(青色のメダル画像、黄色のメダル画像、赤色のメダル画像)から、液晶表示装置11に表示するメダル画像を決定する。そして、サブCPU102は、メダルのクレジット操作を検出した場合に、液晶表示装置11に表示するメダル画像の決定の結果に応じた色のメダル画像を表示するよう液晶表示装置11を制御し、そのメダル画像の色に応じて、メダル画像を表示する演出に続く演出を制御する。
これまで、メダルのクレジット操作(貯留操作)を行ったとしても、メダルがクレジット(貯留)されたことを示す音が出音されたり、クレジット(貯留)されたメダルの数量が数字で表示されるにとどまっていた。本変形例に記載のパチスロ機1によれば、メダルのクレジット操作をメダルセンサが検出することに応じて、スタートレバー23の操作の検出とは無関係に、液晶表示装置11に、メダルを表したメダル画像を表示させる演出が実行される。そして、メダル画像を表示させる演出に続いて、液晶表示装置11に表示されるメダルの色に応じた、演出が実行される。
遊技者にとってみれば、メダルのクレジットを行ってから、スタートレバー23を操作するまでの間であっても、メダルのクレジットを契機として、所定の記憶領域にメダルが貯留されることにとどまらず、液晶表示装置11にもメダルが貯留されるかのような印象を与えることができる。そして、メダルの貯留の段階では、いわゆる内部当籤役の決定等の抽籤が行われていないため、抽籤結果の報知を行うことはできないものの、メダルの画像を表示させる演出に続いて、キャラクタ演出の有無の決定の結果に応じた演出を実行することで、液晶表示装置11に表示されているメダルの色によっては、なかなか得ることのできない、特定のキャラクタによる演出を実行し得るというチャンス的な要素が付与される。
その結果、本変形例に記載のパチスロ機1によると、メダルの投入開始から、スタートレバー23の操作を行うまでの間であっても、遊技に関する演出を実行し、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することができる。
[変形例7:待機時間による演出機能]
これまで、役の抽籤は、主に、開始操作をスタートスイッチにより検出することを契機として行われる。その他、予め設定された複数の抽籤タイミングから1つの抽籤タイミングを選択する手段と、選択された抽籤タイミングで行われた抽籤により内部状態を決定する手段とを設けることも提案されている。例えば、遊技機の制御手段は、乱数抽出を、(ア)ウェイトタイマが4.1秒に達したとき、(イ)メダルが投入されたとき、(ウ)始動レバーが有効であり、かつ、始動レバーが操作されたときの3回行う。そして、制御手段は、いずれのタイミングで抽出した乱数を用いるかを選択し、選択された乱数を用いて内部当籤役を決定する。
複数の抽籤タイミングを複数設けることで、内部状態を決定するための抽籤(乱数値の取得)を行うタイミングが不明になり、当りとなる乱数値を遊技者が狙い定めて取得することが困難となる。しかしながら、依然として、内部当籤役の報知をはじめとした遊技に関する演出の多様性を高めているとまではいえない。
そこで、本変形例では、特典を付与するかを決定するタイミングと、遊技に関する演出とを関連付けることで、内部当籤役の報知をはじめとした特典付与の決定結果に関する演出をよりいっそう多様にした遊技機を提供することを目的としている。
<遊技ロック時間抽籤テーブル>
図144は、遊技ロック時間抽籤テーブルである。このテーブルは、遊技状態毎に設けられる。
図144は、遊技状態が通常遊技状態又はチャンスゾーンである場合に使用されるテーブルである。このテーブルでは、抽籤用フラグBに応じて遊技ロック時間を決定するための抽籤値の情報が規定されている。
図示は省略するが、遊技状態が通常ARTである場合、遊技状態が上乗せゾーンである場合についても、それぞれ個別に遊技ロック時間抽籤テーブルが設けられている。これらのテーブルでは、抽籤用フラグCに応じて遊技ロック時間を決定するための抽籤値の情報が規定されている。
なお、本変形例では、遊技ロック時間抽籤テーブルは、役(抽籤用フラグ)に基づいて遊技ロック時間を決定可能に構成されているが、これに限るものではなく、役(抽籤用フラグ)に基づかず、遊技ロック時間をランダムに決定可能に構成してもよい。この場合、遊技ロック時間毎に、抽籤値に重みをつけてもよいし、重みをつけず、抽籤値を均等に設定してもよい。
<主制御回路の動作説明>
次に、図145〜図150を参照して、主制御回路91のメインCPU93が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
(メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理)
まず、メインCPU93の制御で行うパチスロ機1の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図145及び図146に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
本実施形態で説明したメインフロー(図74)と比較すると、本変形例では、(1)メダル受付・スタートチェック処理(S3)の後にウェイト処理(S1311)及び遊技開始時ロック処理(S1312)が追加され、(2)遊技開始時ロック処理(S1312)の後にリール回転開始処理(S11)が実行され、(3)スタートコマンド生成処理(S9)の後に情報表示処理(S1313)が追加され、(4)終了時状態別制御処理(S17)の後に次ゲーム遊技ロック時間抽籤処理(S1314)が追加されている点で異なる。
(ウェイト処理)
続いて、図147を参照して、メインCPU93の制御によるウェイト処理について説明する。
ウェイト処理では、初めに、メインCPU93は、前回の単位遊技から4.1秒を経過したか否かを判定する(S1331)。この処理において、メインCPU93は、前回の単位遊技から4.1秒を経過したと判定したときには、ウェイト処理を終了する。それに対し、メインCPU93は、前回の単位遊技から4.1秒を経過していないと判定したときには、S1331の処理を繰り返す。
(遊技開始時ロック処理)
続いて、図148を参照して、メインCPU93の制御による遊技開始時ロック処理について説明する。
遊技開始時ロック処理では、初めに、メインCPU93は、ロックタイマの設定時間を経過したか否かを判定する(S1351)。この処理において、メインCPU93は、ロックタイマの設定時間を経過したと判定したときには、遊技開始時ロック処理を終了する。それに対し、メインCPU93は、ロックタイマの設定時間を経過していないと判定したときには、S1351の処理を繰り返す。
(情報表示処理)
続いて、図149を参照して、メインCPU93の制御による情報表示処理について説明する。
情報表示処理では、初めに、メインCPU93は、遊技状態が通常遊技状態又はチャンスゾーンであるか否かを判定する(S1371)。この処理において、メインCPU93は、遊技状態が通常遊技状態又はチャンスゾーンであると判定したときには、処理をS1372に移す。それに対し、メインCPU93は、遊技状態が通常遊技状態又はチャンスゾーンでないと判定したときには、情報表示処理を終了する。
S1372において、メインCPU93は、情報表示器14に表示する情報表示データとして、抽籤用フラグBに応じた値をセットし、情報表示処理を終了する。
S1373において、メインCPU93は、遊技状態が通常ARTであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU93は、遊技状態が通常ARTであると判定したときには、処理をS1374に移す。それに対し、メインCPU93は、遊技状態が通常ARTでないと判定したときには、情報表示処理を終了する。
S1374において、メインCPU93は、情報表示器14に表示する情報表示データとして、抽籤用フラグCに応じた値をセットし、情報表示処理を終了する。
S1375において、メインCPU93は、遊技状態が上乗せゾーンであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU93は、遊技状態が上乗せゾーンであると判定したときには、処理をS1376に移す。それに対し、メインCPU93は、遊技状態が上乗せゾーンでないと判定したときには、情報表示処理を終了する。
S1376において、メインCPU93は、情報表示器14に表示する情報表示データとして、抽籤用フラグCに応じた値をセットし、情報表示処理を終了する。
(次ゲーム遊技ロック時間抽籤処理)
続いて、図150を参照して、次ゲーム遊技ロック時間抽籤処理について説明する。
次ゲーム遊技ロック時間抽籤処理では、初めに、メインCPU93は、遊技状態が通常遊技状態又はチャンスゾーンであるか否かを判定する(S1391)。この処理において、メインCPU93は、遊技状態が通常遊技状態又はチャンスゾーンであると判定したときには、処理をS1392に移す。それに対し、メインCPU93は、遊技状態が通常遊技状態又はチャンスゾーンでないと判定したときには、処理をS1397に移す。
S1392において、メインCPU93は、通常遊技状態・チャンスゾーン用遊技ロック時間抽籤テーブル(図144)を参照し、抽籤用フラグBに応じて遊技ロック時間を決定し、処理をS1397に移す。
S1393において、メインCPU93は、遊技状態が通常ARTであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU93は、遊技状態が通常ARTであると判定したときには、処理をS1394に移す。それに対し、メインCPU93は、遊技状態が通常ARTでないと判定したときには、処理をS1395に移す。
S1394において、メインCPU93は、通常ART用遊技ロック時間抽籤テーブル(図示せず)を参照し、抽籤用フラグCに応じて遊技ロック時間を決定し、処理をS1397に移す。
S1395において、メインCPU93は、遊技状態が上乗せゾーンであるか否かを判定する。この処理において、メインCPU93は、遊技状態が上乗せゾーンであると判定したときには、処理をS1396に移す。それに対し、メインCPU93は、遊技状態が上乗せゾーンでないと判定したときには、処理をS1397に移す。
S1396において、メインCPU93は、上乗せゾーン用遊技ロック時間抽籤テーブル(図示せず)を参照し、抽籤用フラグCに応じて遊技ロック時間を決定し、処理をS1397に移す。
S1397において、メインCPU93は、S1392、S1394、S1396のいずれかの処理で決定された遊技ロック時間にロックタイマをセットし、次ゲーム遊技ロック時間抽籤処理を終了する。
本変形例に記載のパチスロ機1によれば、メインCPU93は、スタートレバー23が操作された場合とは異なり、さらに、ウェイト処理(図145のS1311)、遊技開始時ロック処理(図145のS1312)、及びリール回転開始処理(図145のS11)を実行した後に、内部抽籤処理(図145のS4)を実行する。
スタートレバー23が操作されたタイミングが、一の単位遊技の前の単位遊技において図柄表示領域4での図柄の変動表示が開始されたタイミングから所定時間に達するよりも前のタイミングである場合、メインCPU93による内部抽籤処理が未だ実行されていない。そのため、情報表示器14における内部抽籤結果の報知を行うことはできない。それに対し、スタートレバー23が操作されたタイミングが上記所定時間に達した後のタイミングである場合、メインCPU93による内部抽籤処理が実行されている。そこで、メインCPU93は、情報表示器14における内部抽籤結果の報知(図149のS1373、S1375、S1377)を実行可能である。
遊技者にとってみれば、上記所定時間が経過するまでの間、スタートレバー23の操作を行うことなく待機することで、スタートレバー23の操作を行うタイミングと略同時期に決定された、内部抽籤結果の報知を即時に受けるパターンと、上記所定時間が経過するまでの間にスタートレバー23の操作を行い、スタートレバー23の操作を行ってから、所定時間が経過するまで待機してから内部抽籤結果の報知を受けるパターンとの2パターンの遊技性を、主制御回路91の動作によって擬似的に受けることが可能となる。
このようなパチスロ機1によれば、上記所定時間が経過するまでの間、スタートレバー23の操作を行わずに待機したり、待機しなかったりを遊技者の判断で決めることができ、それによって、特典付与決定手段による決定の結果の報知を即時に受けるパターンと、開始操作を行ってから、所定時間が経過するまで待機してから特典付与決定手段による決定の結果の報知を受けるパターンとに変化させることができる。よって、メインCPU93が内部抽籤処理を実行するタイミングと、遊技に関する演出を実行するタイミングとを関連付けることで、主制御回路91の動作によって内部抽籤結果の報知をはじめとした遊技に関する演出をよりいっそう多様にした遊技機を提供することができる。
また、本変形例に記載のパチスロ機1では、メインCPU93が遊技ロック時間を決定し、上記所定時間に長短をつけられるものとしている(図144)。そのため、上記所定時間が経過するまで待機したと思っていたのに、実際には待機しておらず、内部抽籤結果の報知を即時に受けることができなかったり、上記所定時間が経過するのを待ちきれず、実際には上記所定時間が経過していないと思っていたのに、実際には上記所定時間が経過するまで待機しており、スタートレバー23を操作するタイミングと略同時期に決定された内部当籤役の報知を即時に受けることができたり、ということがあり得る。そのため、遊技によりいっそうの多様性を付加することができる。
また、情報表示器14における内部抽籤結果の報知とは異なる演出についても、比較的長時間の演出を提供したり、比較的短時間の演出を提供したりすることができるため、演出内容も多様になる。
[変形例8:上乗せ打順変化]
これまで、上乗せゲーム数の報知態様には、種々の工夫がなされている。しかしながら、現状、実際に上乗せ遊技数として決定された数に比べて大きく離れた単位遊技数を、報知用の上乗せ遊技数として頻繁に報知することは難しく、上乗せ遊技数の報知には、なお改良の余地がある。
例えば、実際の上乗せ遊技数よりも大きな単位遊技数を、報知用の上乗せ遊技数として報知可能にするとともに、遊技の進行につれて、実際の上乗せ遊技数と報知用の上乗せ遊技数との差を低く抑えることの可能な遊技機を提供してもよい。
<本変形例における上乗せ抽籤用番号決定テーブル>
図151は、本変形例における上乗せ抽籤用番号決定テーブルの一例を示す図である。このテーブルは、図37に示した上乗せ抽籤用番号決定テーブルの変形例に相当する。
本実施形態では、抽籤用フラグCが「2」(押し順ベル)である場合、上乗せ抽籤用番号は、「0」と決定されていた(図37の上乗せ抽籤用番号決定テーブル参照)。この場合、通常ART中上乗せゾーン抽籤テーブル(図38)を参照する抽籤では、「非当籤」となる。したがって、本実施形態では、抽籤用フラグCが「2」(押し順ベル)である場合に、ARTのゲーム数が上乗せされることはない。
それに対し、本変形例では、抽籤用フラグCが「2」(押し順ベル)である場合、上乗せ抽籤用番号は、「7」と決定される(図151参照)。この場合、通常ART中上乗せゾーン抽籤テーブル(図38)を参照する抽籤では、ARTのゲーム数上乗せに当籤する場合がある。
抽籤用フラグCが「2」(押し順ベル)である場合において、ARTのゲーム数上乗せに当籤する可能性があるか否かが異なる点で、本変形例は、本実施形態とは異なる。
<本変形例におけるART中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブル>
図152は、本変形例におけるART中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブルの一例を示す図である。このテーブルは、図39に示した上乗せ抽籤用番号決定テーブルの変形例に相当する。
本実施形態では、抽籤用フラグCが「2」(押し順ベル)である場合、上乗せ抽籤用番号は、「0」と決定されていた(図37の上乗せ抽籤用番号決定テーブル参照)。この場合、ART中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブル(図40)を参照する抽籤では、「0G」となる。したがって、本実施形態では、抽籤用フラグCが「2」(押し順ベル)である場合に、ARTのゲーム数が上乗せされることはない。
それに対し、本変形例では、抽籤用フラグCが「2」(押し順ベル)である場合、上乗せ抽籤用番号は、「7」と決定される(図152参照)。この場合、ART中上乗せゲーム数抽籤用番号決定テーブル(図40)を参照する抽籤では、ARTの期間が、20ゲーム、30ゲーム、50ゲーム又は100ゲームの上乗せに当籤する場合がある。
抽籤用フラグCが「2」(押し順ベル)である場合において、ARTのゲーム数上乗せに当籤する可能性があるか否かが異なる点で、本変形例は、本実施形態とは異なる。
<本変形例における上乗せゲーム数報知決定テーブル>
図153は、本変形例における上乗せゲーム数報知決定テーブルである。このテーブルは、遊技状態が上乗せゾーンであり、抽籤用フラグCが「2」(押し順ベル)であり、上乗せゲーム数が30以上である場合に参照される。
本変形例において、遊技状態が上乗せゾーンであり、抽籤用フラグCが「2」(押し順ベル)であり、上乗せゲーム数が30以上であると、サブCPU103は、液晶表示装置11に対し、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rを表示させる(図156の上図参照)。左領域11L、中領域11C及び右領域11Rに表示される数字は、上乗せゲーム数を示唆する3桁の値に相当する。左領域11Lは、上乗せゲーム数の100の位に相当し、中領域11Cは、上乗せゲーム数の10の位に相当し、右領域11Rは、上乗せゲーム数の1の位に相当する。
図153の(1)に示すように、初期表示として、左領域11Lには「0」が表示され、中領域11Cには「3」が表示され、右領域11Rには「1」が表示される。これは、上乗せゲーム数が30ゲームであることを示唆している。
ここで、サブCPU103は、液晶表示装置11に対し、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rのほか、別領域11Dを表示させる(図156の上図参照)。別領域11Dに表示される数字は、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rに表示される数字のいずれかを置き換えるための数字に相当する。
図153の(2)のテーブルには、押し順ベルの具体的態様に応じて別領域11Dに表示される数字の置き換え態様を決定するための情報が規定されている。
本変形例では、初期表示として、別領域11Dには「1」が表示される。内部当籤役が「F_押し順ベル1_1st」又は「F_押し順ベル1_1st」である場合、すなわち、第1停止操作が左停止ボタン19Lである押し順が正解である場合、別領域11Dに表示される数字「1」は、左領域11Lの数字「0」と置き換わる。この場合、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rの数字は、それぞれ「0」、「3」、「0」から、「1」、「3」、「0」に置き換わる。これは、上乗せゲーム数が30ゲームから130ゲームに増えたことを示す演出に相当する。
内部当籤役が「F_押し順ベル2_1st」又は「F_押し順ベル2_1st」である場合、すなわち、第1停止操作が中停止ボタン19Cである押し順が正解である場合、別領域11Dに表示される数字「1」は、中領域11cの数字「3」と置き換わる。この場合、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rの数字は、それぞれ「0」、「3」、「0」から、「0」、「1」、「0」に置き換わる。これは、上乗せゲーム数が30ゲームから10ゲームに減ったことを示す演出に相当する。
内部当籤役が「F_押し順ベル3_1st」又は「F_押し順ベル3_1st」である場合、すなわち、第1停止操作が右停止ボタン19Rである押し順が正解である場合、別領域11Dに表示される数字「1」は、右領域11Rの数字「0」と置き換わる。この場合、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rの数字は、それぞれ「0」、「3」、「0」から、「0」、「3」、「1」に置き換わる。これは、上乗せゲーム数が30ゲームから31ゲームに増えたことを示す演出に相当する。
<初期表示と上乗せゲーム数の期待値との関係>
図154は、初期表示と上乗せゲーム数の期待値との関係を示す図である。
本変形例は、上乗せゲーム数の期間の決定に続いていずれかの押し順役が内部当籤役として決定されたとき、複数の領域11L,11C,11Rのうち、最初の停止操作において有効ライン上に所定の図柄の組合せが停止させるための停止ボタン19L,19C,19Rに対応して設けられたリール3L,3C,3Rに対応する表示領域11L,11C,11Rで表示する数字を、別領域11Dで表示される所定の数字に置き換えることを特徴とする。
例えば、最初の停止操作において有効ライン上に所定の図柄の組合せが停止させるための停止ボタン19L,19C,19Rに対応して設けられたリール3L,3C,3Rに対応する領域11L,11C,11Rが、報知用上乗せ期間の初期値の桁数よりも大きな桁に相当する数字を表示する領域11L,11C,11Rである場合、報知用上乗せ期間の初期値の桁数よりも大きな桁に相当する数字が、もともと表示されていた数字よりも大きな数字に置き換わることもあり得る。そのため、遊技者は、押し順役が内部当籤役として決定されることを契機として、上乗せ期間が大きく延びるかもしれない、という期待感を持つことができ、実際に、領域11L,11C,11Rでの報知態様が変わることで、上乗せ期間が大きく延びたという印象を受けることができ、遊技の興趣が高まる。
加えて、報知用の上乗せ遊技数が実際の上乗せ遊技数に比べて著しく大きくなるのを防ぐことが好ましい。
図155は、報知用の上乗せ遊技数が実際の上乗せ遊技数に比べて著しく大きくなるのを防ぐための初期表示と上乗せゲーム数の期待値との関係を示す図である。
例として、図153で示したように、上乗せゲーム数が30以上である場合について説明する。この場合、初期表示として、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rには、それぞれ「0」、「3」、「0」と表示される。
別領域11Dに表示される数字が「1」である場合、左領域11Lの数字が置換されると、上乗せゲーム数の表示態様が「030」から「130」になる。同様に、中領域11Cの数字が置換されると、上乗せゲーム数の表示態様が「030」から「010」になり、右領域11Rの数字が置換されると、上乗せゲーム数の表示態様が「030」から「031」になる。
この場合、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rによる表示態様の変化量(増減量)の期待値は、100×1/3+(−20)×1/3+1×1/3=約27であり、実際の増加量である「30」よりも小さい。したがって、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rによって表示される数字(上乗せゲーム数)が「030」から「130」と大幅に増えたとしても、遊技の進行につれて、実際の上乗せ遊技数と報知用の上乗せ遊技数とが大きく乖離するのを防ぐことができる。
図154は、実際の上乗せゲーム数のそれぞれについて、期待値を示したものである。実際の上乗せゲーム数が10ゲーム以上又は20ゲーム以上であり、30ゲーム未満である場合、左領域11L、中領域11C、右領域11R及び別領域11Dにおいて、どのような表示態様にしても、期待値との乖離が生じ得る。そのため、期待値を示したものである。実際の上乗せゲーム数が10ゲーム以上又は20ゲーム以上であり、30ゲーム未満である場合に、本変形例を適用するのは、好ましくない。
実際の上乗せゲーム数が30ゲーム以上である場合、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rにそれぞれ「0」、「3」、「0」と表示し、別領域11Dに「1」と表示することができる。
実際の上乗せゲーム数が40ゲーム以上である場合、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rにそれぞれ「0」、「4」、「0」と表示し、別領域11Dに「1」と表示することができる。
実際の上乗せゲーム数が50ゲーム以上である場合、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rにそれぞれ「0」、「5」、「0」と表示し、別領域11Dに「1」と表示することができる。
実際の上乗せゲーム数が60ゲーム以上である場合、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rにそれぞれ「0」、「6」、「0」と表示し、別領域11Dに「1」又は「2」と表示することができる。
実際の上乗せゲーム数が70ゲーム以上である場合、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rにそれぞれ「0」、「7」、「0」と表示し、別領域11Dに「1」又は「2」と表示することができる。
実際の上乗せゲーム数が80ゲーム以上である場合、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rにそれぞれ「0」、「8」、「0」と表示し、別領域11Dに「1」又は「2」と表示することができる。
実際の上乗せゲーム数が90ゲーム以上である場合、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rにそれぞれ「0」、「9」、「0」と表示し、別領域11Dに「1」から「3」のいずれかと表示することができる。
本変形例では、図154に示す表を参照しながら、サブCPU102が、メインCPU93によって決定された実際の上乗せゲーム数以下の期間を、液晶表示装置11等で報知する報知用上乗せ期間の初期値(初期表示の数値)として決定することが好ましい。そうすることで、報知用の上乗せ遊技数が実際の上乗せ遊技数に比べて著しく大きくなるのを防ぐことができる。
<副制御回路の動作説明>
次に、図155及び図156を参照して、副制御回路101のサブCPU102が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
(主基板通信タスク)
図155は、本変形例8における主基板通信タスクを示すフローチャートである。
本実施形態で説明した主基板通信タスク(図100)と比較すると、本変形例7では、スタートコマンドの受信時の処理の態様が具体的に説明されている点で異なる(S1311、S1312)。
(スタートコマンド受信時処理)
図156は、副制御回路101のサブCPU102が実行するスタートコマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、遊技状態が上乗せゾーン中であるか否かを判定する(S1331)。サブCPU102は、遊技状態が上乗せゾーン中であると判定したときには、処理をS1332に移す。それに対し、サブCPU102は、遊技状態が上乗せゾーン中でないと判定したときには、処理をS1334に移す。
S1332において、サブCPU102は、上乗せゲーム数が30ゲーム以上であるか否かを判定する。サブCPU102は、上乗せゲーム数が30ゲーム以上であると判定したときには、処理をS1333に移す。それに対し、サブCPU102は、上乗せゲーム数が30ゲーム以上でないと判定したときには、処理をS1334に移す。
S1333において、サブCPU102は、上乗せゲーム数報知決定テーブル(図153)を参照し、内部当籤役に応じて、初期表示、置換表示の演出データを登録する。
続いて、サブCPU102は、スタートコマンド受信時の他の処理を実行し(S1334)、スタートコマンド受信時処理を終了する。
<本変形例に係る上乗せゾーン中の演出の一例>
次に、図157を参照して、本変形例における上乗せゾーン中の演出の一例について説明する。
メインCPU93は、ARTを実行するかを決定する。そして、メインCPU93は、上乗せ抽籤用番号決定テーブル(図151)、通常ART中上乗せゾーン抽籤テーブル(図38)、ART中上乗せゲーム数抽籤用番号テーブル(図152)、及び上乗せゲーム数抽籤テーブル(図40)等を参照し、ARTが付与される期間の延長の度合いを示す上乗せ期間を決定する(図64のS215〜S218)。そして、サブCPU102は、上乗せゲーム数報知決定テーブル(図153)を参照し、メインCPU93が決定した上乗せ期間に基づいて、液晶表示装置11等で報知する報知用上乗せ期間の初期値を決定する(図156のS1333)。
図157は、そのときの液晶表示装置11での表示例を示す。上段は、スタートレバー23を操作したときの表示例である。上乗せ期間の決定が行われた場合、液晶表示装置11等における、リール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して数字を表示可能な複数の表示領域(左領域11L、中領域11C及び右領域11R)には、サブCPU102によって決定された初期値(例えば、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rの順に「0」、「3」、「0」)が表示される。そして、表示領域(左領域11L、中領域11C及び右領域11R)とは別に数字を表示可能な別表示領域(別領域11D)には、複数の表示領域(左領域11L、中領域11C及び右領域11R)のうち、報知用上乗せ期間の初期値「30」の桁数(2桁)よりも大きな桁(3桁目)に相当する数字を表示する表示領域(左領域11L)で表示する数字(「0」)よりも大きく、報知用上乗せ期間の初期値「30」の桁数(2桁)と同じ桁(2桁目)に相当する数字を表示する表示領域(中領域11C)で表示する数字(「3」)よりも小さい数字(「1」)が表示される。
そして、メインCPU93による上乗せ期間の決定に続いて、メインCPU93が抽籤用フラグCとして「2」(押し順ベル)を内部当籤役として決定されたとき、複数の表示領域のうち、最初の停止操作において、有効ライン上に押し順ベルの正解の場合に相当する図柄の組合せ(図柄組合せテーブル(図10〜図12)の「ベル」に相当する図柄組合せ)が停止させるための停止ボタン19L,19C,19Rに対応して設けられたリール3L,3C,3Rに対応する表示領域11L,11C,11Rで表示する数字を、別領域11Dで表示される数字に置き換える。
図157の(A)は、最初の停止操作において有効ライン上に所定の図柄の組合せが停止させるための停止ボタン19L,19C,19Rに対応して設けられたリール3L,3C,3Rに対応する表示領域が、報知用上乗せ期間の初期値の桁数(2桁)よりも大きな桁(3桁目)に相当する数字を表示する表示領域(左領域11L)である場合の例を示す。この場合、液晶表示装置11には、「左を押せ」との表示とともに、報知用上乗せ期間の初期値の桁数よりも大きな桁に相当する数字が、もともと表示されていた数字(「0」)よりも大きな数字(「1」)に置き換わる。そのため、遊技者は、押し順役が内部当籤役として決定されることを契機として、上乗せ期間が大きく延びるかもしれない、という期待感を持つことができ、実際に、報知手段での報知態様が変わることで、上乗せ期間が大きく延びたという印象を受けることができ、遊技の興趣が高まる。
他方で、図157の(B)は、最初の停止操作において有効ライン上に所定の図柄の組合せが停止させるための停止ボタン19L,19C,19Rに対応して設けられたリール3L,3C,3Rに対応する表示領域が、報知用上乗せ期間の初期値の桁数(2桁)と同じ桁(2桁目)に相当する数字を表示する表示領域(中領域11C)である場合の例を示す。この場合、液晶表示装置11にには、「中を押せ」との表示とともに、報知用上乗せ期間の初期値の桁数と同じ桁に相当する数字(「3」)が、もともと表示されていた数字よりも小さな数字(「1」)に置き換わる。そのため、遊技の進行につれて、実際の上乗せ遊技数と報知用の上乗せ遊技数との乖離を低く抑えることができる。
加えて、液晶表示装置11において上乗せ期間が延びる演出は、報知用上乗せ期間の初期値の桁数よりも大きな桁に相当する数字が変更されることによってなされるため、遊技者は、上乗せ期間が大きく延びたとの印象を受けられる。他方で、液晶表示装置11において上乗せ期間が短縮される演出は、報知用上乗せ期間の初期値の桁数と同じ桁に相当する数字が変更されることによってなされるため、遊技者は、上乗せ期間の延びに比べれば、上乗せ期間の減少の程度に比べて小さいとの印象を受けられる。
なお、図157の(C)は、最初の停止操作において有効ライン上に所定の図柄の組合せが停止させるための停止ボタン19L,19C,19Rに対応して設けられたリール3L,3C,3Rに対応する表示領域が、報知用上乗せ期間の初期値の桁数(2桁)よりも小さな桁(1桁目)に相当する数字を表示する表示領域(右領域11C)である場合の例を示す。この場合、液晶表示装置11には、「右を押せ」との表示とともに、報知用上乗せ期間の初期値の桁数よりも小さな桁に相当する数字が、もともと表示されていた数字(「0」)よりも大きな数字(「1」)に置き換わる。そして、液晶表示装置11には、「とほほ。たった1ゲームだった。」との表示がなされる。
[変形例9:状態確認機能]
遊技店が閉店する際、内部に記憶されている遊技状況を何ら更新せず、据え置くと、その段階での遊技状況が翌日の営業日に持ち越されることになる。例えば、内部に記憶されている遊技状況が、いわゆるボーナスフラグ間、前兆中、チャンスゾーン突入中、特定の内部当籤役に内部当籤し易い高確率中等といった、遊技者にとって有利な遊技状況であると、次の営業日の開店直後に遊技する遊技者に有利な状況を与えることになる。遊技店にとってみれば、店舗運営上、上記有利な状況を享受する遊技者が多く現れることは、避けたい。
遊技店の開店時等に遊技情報(消化ゲーム数等)の据え置き状態が発生することを防止するために、パチスロ機1が所定時間以上の電断から復帰した際(例えば遊技店の開店時の電源投入時)に、設定変更コマンド受信時に行う初期化処理と同じ初期化処理を自動的に行うことが提案されている。
しかしながら、店舗の運営面を考慮すると、開店直後に遊技するメリットを遊技者に付与し、開店直後から高い稼働率で店舗を運営したいところである。その意味で、全ての遊技機を一律に初期化するのではなく、初期化する遊技機と、初期化しない遊技機とを遊技店側に選択できるマニュアル的要素を残すことが好ましい。
とはいうものの、初期化処理は、遊技店のスタッフにとって負担の大きな作業であり、初期化処理にかかる負担をできるだけ軽減することが望ましい。
そこで、開閉可能な扉に設けられたドアキーの操作を含む特定の操作がなされた場合に、ボーナスフラグ間、前兆中、チャンスゾーン突入中、特定の内部当籤役に内部当籤し易い高確率中等の遊技情報が初期値でないときに、その旨の報知を行う報知手段を設けてもよい。
<主制御回路の動作説明>
次に、図158〜図160を参照して、主制御回路91のメインCPU93が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
(電源投入時の初期化処理)
続いて、図158を参照して、本変形例における電源投入時の初期化処理について説明する。この処理は、図74のS1に相当する。
まず、メインCPU93は、バックアップが正常であるか否かを判定する(S1411)。この判定処理では、メインCPU93は、チェックサム値を用いた誤り検出を行うことにより、バックアップが正常であるか否かを判別する。
例えば、電源オフ時にパチスロ機1の設定値(出玉率が予め定められた6段階の1つに設定する値)及びその設定値から算出されたチェックサム値がバックアップデータとしてメインRAM95の所定領域に格納されている。S1411の処理では、メインCPU93は、メインRAM95に格納されている設定値及びチェックサム値を読み出す。次いで、メインCPU93は、読み出した設定値から算出したチェックサム値と、バックアップされていたチェックサム値とを比較する。そして、両者のサム値が一致していれば、メインCPU93は、バックアップが正常であると判断する。
S1411において、メインCPU93が、バックアップが正常でないと判別したとき(S1411がNO判定の場合)、メインCPU93は、後述のS1413の処理を行う。一方、S1411において、メインCPU93が、バックアップが正常であると判別したとき(S1411がYES判定の場合)、メインCPU93は、バックアップされた設定値をメインRAM95内の所定領域にセットする(S1412)。これにより、バックアップが正常であった場合には、電源オフ前の設定値がメインRAM95にセットされることになる。
S1412の処理後又はS1411がNO判定の場合、メインCPU93は、設定変更スイッチ(不図示)がオン状態であるか否かを判別する(S1413)。S1413において、メインCPU93が、設定変更スイッチがオン状態でないと判別したとき(S1413がNO判定の場合)、メインCPU93は、後述のS1418の処理を行う。
一方、S1413において、メインCPU93が、設定変更スイッチがオン状態であると判別したとき(S1413がYES判定の場合)、メインCPU93は、設定変更時の所定の初期化処理を行う(S1414)。なお、この処理では、メインCPU93は、例えば、メインRAM95の内部当籤役格納領域や表示役格納領域に格納されているデータをクリアすると共に、設定値をクリアする。
次いで、メインCPU93は、初期化コマンド生成格納処理を行う(S1415)。この処理では、メインCPU93は、副制御回路101に送信する初期化コマンドのデータを生成し、該コマンドデータをメインRAM95に設けられた通信データ格納領域に保存する。また、通信データ格納領域に保存された初期化コマンドは、後述の図76で説明する割込処理内のコマンドデータ送信処理により、主制御回路91から副制御回路101に送信される。なお、初期化コマンドデータには、設定値変更の有無、設定値情報等が含まれる。
S1415の処理後、メインCPU93は、設定値変更処理を実行する(S1416)。この処理では、メインCPU93は、リセットスイッチの操作結果に応じて、設定値を予め定められている1〜6のうちから選択し、その後に操作されるスタートレバー23の操作結果に基づいて設定値を確定させる。
S1416の処理後、メインCPU93は、設定変更スイッチをオフにし(S1417)、電源投入時の初期化処理を終了する。
S1418において、メインCPU93は、バックアップが正常であるか否かを判定する(S1418)。S1418において、メインCPU93が、バックアップが正常であると判別したとき(S1418がYES判定の場合)、メインCPU93は、バックアップデータに基づいて、設定値を電断前の状態に復帰させる(S1419)。そして、S1419の処理後、メインCPU93は、電源投入時処理を終了する。
一方、S1418において、メインCPU93が、バックアップが正常でないと判別したとき(S1418がNO判定の場合)、メインCPU93は、電源投入時エラー処理を行う(S1420)。この処理では、メインCPU93は、バックアップが正常ではないことをエラー表示等によって表示する。
なお、本変形例において、バックアップが正常ではないときに発生するエラー(バックアップエラー)は、新たに設定変更が行われる等によって解除される。
(メダル受付・スタートチェック処理)
続いて、図159を参照して、本変形例におけるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。この処理は、図74のS3に相当する。
本変形例におけるメダル受付・スタートチェック処理と、図123で説明したメダル受付・スタートチェック処理とを対比すると、本変形例におけるメダル受付・スタートチェック処理では、S1015の処理の後に、特定操作検知処理(S1431)が実行される点で異なる。
(特定操作検知処理)
続いて、図160を参照して、本変形例における特定操作検知処理について説明する。
まず、メインCPU93は、特定操作がなされたか否かを判定する(S1451)。本変形例において、特定操作が、MAXベットボタン21を押しながらドアキーを捻る操作であるものとして説明するが、これに限るものではない。特定操作は、遊技者が触れることのできない操作(ドアキーを捻る操作)を含むものであれば、どのような操作であってもよい。また、MAXベットボタン21を押す操作の代わりに、操作ボタン22(演出ボタンに相当)を押す操作、スタートレバー23の操作等を行うようにしてもよい。
メインCPU93は、特定操作がなされたと判定したときには、特定操作コマンド生成格納処理を実行し(S1452)、特定操作検知処理を終了する。メインCPU93は、特定操作がなされなかったと判定したときには、特定操作検知処理を終了する。
<副制御回路の動作説明>
次に、図161及び図162を参照して、副制御回路101のサブCPU102が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
(主基板通信タスク)
図161は、本変形例9における主基板通信タスクを示すフローチャートである。
本実施形態で説明した主基板通信タスク(図100)と比較すると、本変形例9では、特定操作コマンドの受信時の処理の態様が具体的に説明されている点で異なる(S1471〜S1473)。
(特定操作コマンド受信時処理)
図162は、副制御回路101のサブCPU102が実行する特定操作コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、遊技状態がチャンスゾーン、ART遊技状態、ボーナス状態のいずれかであるか否かを判定する(S1491)。サブCPU102は、遊技状態がチャンスゾーン、ART遊技状態、ボーナス状態のいずれかであると判定したときには、処理をS1494に移す。それに対し、サブCPU102は、遊技状態がチャンスゾーン、ART遊技状態、ボーナス状態のいずれでもないと判定したときには、処理をS1492に移す。
S1492において、サブCPU102は、表モードが高速ショート、高速ロングのいずれかであるか否かを判定する。サブCPU102は、表モードが高速ショート、高速ロングのいずれかであると判定したときには、処理をS1494に移す。それに対し、サブCPU102は、表モードが高速ショート、高速ロングのいずれでもないと判定したときには、処理をS1493に移す。
S1493において、サブCPU102は、裏モードが抽籤小、抽籤中、抽籤大、特殊のいずれかであるか否かを判定する。サブCPU102は、裏モードが抽籤小、抽籤中、抽籤大、特殊のいずれかであると判定したときには、処理をS1494に移す。それに対し、サブCPU102は、裏モードが抽籤小、抽籤中、抽籤大、特殊のいずれでもないと判定したときには、特定操作コマンド受信時処理を終了する。
S1494において、サブCPU102は、設定変更示唆演出データを登録し、特定操作コマンド受信時処理を終了する。
本変形例に記載のパチスロ機1によると、液晶表示装置11やスピーカ群65L,65R等では、特定操作(MAXベットボタン21を押しながらドアキーを捻る操作)がなされた場合、所定の遊技情報が初期値でないとき(遊技状態がチャンスゾーン、ART遊技状態、ボーナス状態のいずれかであるとき、表モードが高速ショート、高速ロングのいずれかであるとき、あるいは、裏モードが抽籤小、抽籤中、抽籤大、特殊のいずれかであるとき)に、設定変更示唆演出データに応じた報知が実行される。
上記特定操作は、開閉可能な扉に設けられたドアキーの操作を含んでいる。遊技者は、ドアキーを操作することができないため、遊技者が上記特定操作を行い、設定変更示唆演出データに応じた報知を受けることはできない。これにより、特定の遊技者が有利になるのを防ぐことができる。
また、遊技店の店員は、基本的に、液晶表示装置11やスピーカ群65L,65R等による報知があったパチスロ機1について、設定値の変更操作を行い、メインRAM95に記憶されている遊技情報を初期化して初期値にすればよく、全てのパチスロ機1について遊技情報を初期化する必要はないため、上記初期化にかかる負担を軽減できる。
加えて、液晶表示装置11やスピーカ群65L,65R等によって報知された全てのパチスロ機1に対して一律に遊技情報を初期化するのではなく、初期化するパチスロ機1と、初期化しないパチスロ機1とを遊技店側に選択できるマニュアル的要素を残している。そのため、遊技者に、開店直後に遊技するメリットを付与することができ、開店直後における店舗の稼働率を上げることができ得る。
[変形例10:初期ARTゲーム数隠し機能]
これまで、ARTの上乗せゲーム数の報知態様には、種々の工夫がなされている。例えば、ARTモードにおいて遊技数の上乗せ契機ごとに上乗せ遊技数の報知演出を行う演出方法と、遊技数の上乗せ契機ごとに上乗せ遊技数の報知を行うのではなく、ARTモードの終了時点にまとめて報知する演出方法とを設け、これらの演出方法を遊技者が任意に選択可能にすることが提案されている。
また、例えば、特別遊技状態の単位遊技において、表示列の図柄の変動表示に対する停止操作のタイミングが対応する所定の時間範囲内である場合に特典を付与する特典付与演出を実行するか否かを決定するとともに、特典として報知遊技の所定の加算単位遊技数を決定可能な特典付与演出決定手段と、特典付与演出決定手段により決定された所定の加算単位遊技数が規定の加算単位遊技数以下である場合には、所定の加算単位遊技数を示唆する特定の情報を報知せず、所定の加算単位遊技数が規定の加算単位遊技数より大きい場合には、所定の加算単位遊技数を示唆する特定の情報を報知する加算数示唆演出実行手段とを備える遊技機が提案されている。
しかしながら、加算数示唆演出実行手段による報知の基準となる「規定の加算単位遊技数」が大きいと、加算数示唆演出実行手段による報知がほとんど行われないため、必ずしも、遊技の興趣を高められるとはいえない。他方で、加算数示唆演出実行手段による報知の頻度を上げるために、加算数示唆演出実行手段による報知の基準となる「規定の加算単位遊技数」を小さくすると、加算数示唆演出実行手段による報知の価値が下がり、これもまた、遊技の興趣を高められるとはいえない。そのため、加算数示唆演出実行手段による報知の基準となる「規定の加算単位遊技数」を高くしたうえで、それでもなお、加算数示唆演出実行手段による報知を高い頻度で行うことの可能な遊技機の提供が求められている。
この課題を解決するため、初回の上乗せ期間決定区間については、上乗せ決定手段によって決定された上乗せ期間が特典状態の期間として加算されて期間記憶手段に記憶される一方、報知手段は、上乗せ期間として、上乗せ決定手段によって決定された上乗せ期間よりも短い期間を報知し、未報知期間記憶手段には、上乗せ期間決定手段によって実際に決定された上乗せ期間から報知手段で上乗せ期間として報知した期間を引いた差が未報知上乗せ期間として記憶されてもよい。
そして、2回目以降の上乗せ期間決定区間については、上乗せ決定手段によって決定された上乗せ期間が特典状態の期間として加算されて期間記憶手段に記憶される一方、所定の場合に、上乗せ決定手段によって決定された上乗せ期間を報知手段で報知せず、未報知期間記憶手段に未報知上乗せ期間として記憶されてもよい。
この場合、報知手段は、未報知期間記憶手段に記憶される未報知上乗せ期間が所定の期間になった場合に、特典状態の期間について所定の期間が上乗せされたことを報知する。
以下、本変形例の具体的態様について、より詳しく説明する。
<本変形例における上乗せゾーン3中の遊技の流れ>
図163を参照しながら、本変形例における上乗せゾーン3中の遊技の流れについて説明する。
本変形例では、上乗せゾーン3が開示するときに、通常ARTの上乗せゲーム数として「50」を加算するものとして説明する。
また、さらなる上乗せゲーム数を、抽籤用フラグCに応じた抽籤により決定するものとして説明する。
その他は、本実施形態に記載の上乗せゾーン3と同じである。
<本変形例における上乗せゲーム数の報知の流れの一例>
また、図163を参照しながら、本変形例における上乗せゲーム数の報知の流れの一例について説明する。
(最初の上乗せゾーン3の開始時)
まず、最初の上乗せゾーン3を開始すると、抽籤の結果に関わらず、通常ARTを50ゲーム上乗せしたことが報知される。
50ゲームを上回る上乗せゲーム数については、報知せずに隠される。
(最初の上乗せゾーン3の継続中)
最初の上乗せゾーン3の継続中については、通常ARTのゲーム数の上乗せがあっても、上乗せしたゲーム数の報知がなされることはない。ゲーム数の上乗せが行われたことは、隠される。
(その後の通常ART中)
その後の通常ART中においてゲーム数の上乗せがあったときは、上乗せしたゲーム数が報知される。
(2回目以降の上乗せゾーン1〜3)
2回目以降の上乗せゾーン1〜3が実行された場合、通常ARTのゲーム数の上乗せがあっても、上乗せしたゲーム数の報知がなされることはない。ゲーム数の上乗せが行われたことは、隠される。
(100ゲーム上乗せされたことの報知)
これらを通じて、隠された上乗せゲーム数の合計が100ゲームに達したとき、通常ARTが100ゲーム上乗せされたことがまとめて報知される。
このようなパチスロ機1によれば、少なくとも、ARTの上乗せを決定する初回において、50ゲームを上回る上乗せゲーム数について、未報知上乗せ期間として確実に記憶させることができる。そのため、報知の基準となる上乗せゲーム数が比較的大きな数(本変形例では「100」)に設定されていたとしても、ARTの上乗せを決定する初回において、未報知上乗せ期間を確実に記憶させるとはいえない従来のパチスロ機1に比べ、未報知上乗せ期間が100ゲームになる頻度が高まる。その結果、報知の基準となる上乗せゲーム数が比較的大きな数(本変形例では「100」)に設定されていたとしても、ARTが100ゲーム上乗せされたことの報知を高い頻度で行うことができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
<主制御回路の動作説明>
次に、図164及び図165を参照して、主制御回路91のメインCPU93が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
(上乗せゾーン3処理)
まず、図164を参照して、本変形例における上乗せゾーン3処理について説明する。この処理は、図88に相当する。
本変形例における上乗せゾーン3処理と、図88で説明した上乗せゾーン3処理とを対比すると、本変形例における上乗せゾーン3処理では、S291の処理に先立って、メインCPU93がS1511〜S1513の処理を実行する点で異なる。以下では、S1511〜S1513の処理について説明する。
まず、メインCPU93は、上乗せゾーン3既作動フラグがオフであるか否かを判定する(S1511)。メインCPU93は、上乗せゾーン3既作動フラグがオフであると判定したときには、処理をS1512に移す。それに対し、メインCPU93は、上乗せゾーン3既作動フラグがオフでない(オンである)と判定したときには、処理をS291に移す。
S1512において、メインCPU93は、ARTゲーム数として「50」を加算する。続いて、メインCPU93は、上乗せゾーン3既作動フラグをオンにし(S1513)、処理をS291に移す。
S291以降の処理については、本実施形態において図88を参照しながら説明したものと同じである。
(RT作動チェック処理)
まず、図165を参照して、本変形例におけるRT作動チェック処理について説明する。この処理は、図94に相当する。
本変形例におけるRT作動チェック処理と、図94で説明したRT作動チェック処理とを対比すると、本変形例におけるRT作動チェック処理では、S423の処理の後に、メインCPU93が上乗せゾーン3既作動フラグをオフにする処理(S1531)を実行する点で異なる。
<副制御回路の動作説明>
次に、図166〜図171を参照して、副制御回路101のサブCPU102が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
(主基板通信タスク)
図166は、本変形例10における主基板通信タスクを示すフローチャートである。
本実施形態で説明した主基板通信タスク(図100)と比較すると、本変形例10では、スタートコマンドの受信時の処理の態様と、単位遊技終了コマンドの受信時の処理の態様とが具体的に説明されている点で異なる(S1551〜S1554)。
(スタートコマンド受信時処理)
図167は、副制御回路101のサブCPU102が実行するスタートコマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、遊技状態がART遊技状態であるか否かを判定する(S1571)。サブCPU102は、遊技状態がART遊技状態であると判定したときには、処理をS1572に移す。それに対し、サブCPU102は、遊技状態がART遊技状態でないと判定したときには、処理をS1573に移す。
S1572において、サブCPU102は、図168を参照しながら説明するART中処理(サブ)を実行し、処理をS1573に移す。
S1573において、サブCPU102は、スタートコマンド受信時の他の処理を実行し、スタートコマンド受信時処理を終了する。
(ART中処理(サブ))
図168は、サブCPU102が実行するART中処理(サブ)を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、遊技状態が通常ART中であるか否かを判定する(S1591)。サブCPU102は、遊技状態が通常ART中であると判定したときには、通常ART処理(サブ)を実行し(S1592)、処理をS1597に移す。
それに対し、サブCPU102は、遊技状態が通常ART中でないと判定したときには、遊技状態が上乗せゾーン1,2中であるか否かを判定する(S1593)。サブCPU102は、遊技状態が上乗せゾーン1,2中であると判定したときには、後に図169を参照して説明する上乗せゾーン1,2処理(サブ)を実行し(S1594)、処理をS1595に移す。
それに対し、サブCPU102は、遊技状態が上乗せゾーン1,2中でないと判定したときには、遊技状態が上乗せゾーン3中であるか否かを判定する(S1595)。サブCPU102は、遊技状態が上乗せゾーン3中であると判定したときには、後に図170を参照して説明する上乗せゾーン3処理(サブ)を実行し(S1596)、処理をS1597に移す。
S1597において、サブCPU102は、その他の処理を実行し、ART中処理(サブ)を終了する。
(上乗せゾーン1,2処理(サブ))
図169は、サブCPU102が実行する上乗せゾーン1,2処理(サブ)を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、ゲーム数の上乗せに当籤したか否かを判定する(S1611)。サブCPU102は、ゲーム数の上乗せに当籤したと判定したときには、処理をS1612に移す。サブCPU102は、ゲーム数の上乗せに当籤していないと判定したときには、処理をS1619に移す。
S1612において、サブCPU102は、抽籤した上乗せゲーム数をARTゲーム数カウンタに加算する。続いて、サブCPU102は、上乗せゲーム数特殊報知フラグがオンであるか否かを判定する(S1613)。サブCPU102は、上乗せゲーム数特殊報知フラグがオンであると判定したときには、処理をS1614に移す。サブCPU102は、上乗せゲーム数特殊報知フラグがオンでない(オフである)と判定したときには、処理をS1618に移す。
S1614において、サブCPU102は、抽籤した上乗せゲーム数をARTゲーム数未報知カウンタに加算する。続いて、サブCPU102は、ARTゲーム数未報知カウンタの値が100以上であるか否かを判定する(S1615)。サブCPU102は、ARTゲーム数未報知カウンタの値が100以上であると判定したときには、処理をS1616に移す。サブCPU102は、ARTゲーム数未報知カウンタの値が100以上でない(99以下である)と判定したときには、処理をS1619に移す。
S1616において、サブCPU102は、上乗せゲーム数特殊報知演出データを登録する。続いて、サブCPU102は、ARTゲーム数未報知カウンタから「100」減算し(S1617)、処理をS1619に移す。
S1618において、サブCPU102は、抽籤した上乗せゲーム数の報知演出データを登録する。続いて、サブCPU102は、その他の処理を実行し(S1619)、上乗せゾーン1,2処理(サブ)を終了する。
(上乗せゾーン3処理(サブ))
図170は、サブCPU102が実行する上乗せゾーン3処理(サブ)を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、上乗せゲーム数特殊報知フラグがオフか否かを判定する(S1631)。サブCPU102は、上乗せゲーム数特殊報知フラグがオフであると判定したときには、処理をS1632に移す。サブCPU102は、上乗せゲーム数特殊報知フラグがオフでない(オンである)と判定したときには、処理をS1635に移す。
S1632において、サブCPU102は、ARTゲーム数カウンタに「50」を加算する。続いて、サブCPU102は、上乗せゲーム数特殊報知フラグをオンにする(S1633)。続いて、サブCPU102は、50ゲーム上乗せの報知演出データを登録する(S1634)。
続いて、サブCPU102は、ゲーム数上乗せに当籤したか否かを判定する(S1635)。サブCPU102は、ゲーム数上乗せに当籤したと判定したときには、処理をS1636に移す。サブCPU102は、ゲーム数上乗せに当籤していないと判定したときには、処理をS1641に移す。
S1636において、サブCPU102は、抽籤した上乗せゲーム数をARTゲーム数カウンタに加算する。続いて、サブCPU102は、抽籤した上乗せゲーム数をARTゲーム数未報知カウンタに加算する(S1637)。
続いて、サブCPU102は、ARTゲーム数未報知カウンタの値が100以上であるか否かを判定する(S1638)。サブCPU102は、ARTゲーム数未報知カウンタの値が100以上であると判定したときには、処理をS1639に移す。サブCPU102は、ARTゲーム数未報知カウンタの値が100以上でない(99以下である)と判定したときには、処理をS1641に移す。
S1639において、サブCPU102は、上乗せゲーム数特殊報知演出データを登録する。続いて、サブCPU102は、ARTゲーム数未報知カウンタから「100」減算し(S1640)、処理をS1641に移す。
続いて、サブCPU102は、その他の処理を実行し(S1641)、上乗せゾーン3処理(サブ)を終了する。
(単位遊技終了コマンド受信時処理)
図171は、サブCPU102が実行する単位遊技終了コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU102は、ART終了であるか否かを判定する(S1651)。サブCPU102は、ART終了であると判定したときには、処理をS1652に移す。サブCPU102は、ART終了でないと判定したときには、処理をS1656に移す。
S1652において、サブCPU102は、上乗せゲーム数特殊報知フラグがオンであるか否かを判定する。サブCPU102は、上乗せゲーム数特殊報知フラグがオンであると判定したときには、処理をS1653に移す。サブCPU102は、上乗せゲーム数特殊報知フラグがオンでない(オフである)と判定したときには、処理をS1655に移す。
S1653において、サブCPU102は、ARTゲーム数未報知カウンタをクリアにする。続いて、サブCPU102は、上乗せゲーム数特殊報知フラグをオフにする(S1654)。
続いて、サブCPU102は、ARTゲーム数未報知カウンタをクリアにする。続いて、サブCPU102は、上乗せゲーム数特殊報知フラグをオフにする(S1654)。
続いて、サブCPU102は、ART終了時処理(サブ)を実行する(S1655)。続いて、サブCPU102は、単位遊技終了コマンド受信時の他の処理を実行し(S1656)、単位遊技終了コマンド受信時処理を終了する。
本変形例に記載のパチスロ機1によれば、メインCPU93は、ARTを付与するか決定し、決定した場合にARTを付与可能なART遊技状態に移行可能である。そして、ART遊技状態には、ARTの期間を延長の度合いを示す上乗せ期間を決定し、決定した場合にARTの期間を延長する上乗せゾーン1〜3が設けられる。
ここで、初回の上乗せゾーン3については、メインCPU93によって決定された上乗せ期間(図164のS1512の処理によって加算される「50」ゲームと、S291の抽籤によって決定された上乗せゲーム数)が上乗せゲーム数として加算されて、サブRAM103に設けられたARTゲーム数カウンタに記憶される一方、液晶表示装置11等は、上乗せ期間として、メインCPU93によって決定された上乗せ期間よりも短い期間である、50ゲーム上乗せの報知演出データに応じた演出を実行し(図170のS1634)、サブRAM103に設けられたARTゲーム数未報知カウンタには、メインCPU93によって実際に決定された上乗せ期間から、液晶表示装置11等で上乗せ期間として報知した期間(本変形例では「50ゲーム」)を引いた差が未報知上乗せ期間として記憶される。
また、2回目以降の上乗せゾーンについては、上乗せゾーンの種類にかかわらず、メインCPU93によって決定された上乗せ期間が加算されてサブRAM103に設けられたARTゲーム数カウンタに記憶される一方、上乗せゲーム数特殊報知フラグがオンである場合に、メインCPU93によって決定された上乗せ期間を液晶表示装置11等で報知せず、ARTゲーム数未報知カウンタに未報知上乗せ期間として記憶される(図169のS1614、図170のS1637)。
そして、液晶表示装置11等は、ARTゲーム数未報知カウンタに記憶される未報知上乗せ期間が100ゲーム以上になった場合に、ARTの期間について100ゲームが上乗せされたことを報知する(図169のS1616、図170のS1639)。
このようなパチスロ機1によれば、少なくとも、上乗せゾーンとなる初回において、ARTゲーム数未報知カウンタに未報知上乗せ期間を確実に記憶させることができる。そのため、液晶表示装置11等における報知の基準となる期間が、100ゲームと比較的長い期間に設定されていたとしても、上乗せゾーンとなる初回において、ARTゲーム数未報知カウンタに未報知上乗せ期間を確実に記憶させるとはいえない従来のパチスロ機に比べ、未報知上乗せ期間が100ゲームになる頻度が高まる。液晶表示装置11等における報知の基準となる期間が比較的長い期間に設定されていたとしても、ARTの期間が上乗せされたことの報知を高い頻度で行うことができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、本変形例に記載のパチスロ機1において、初回の上乗せ期間ゾーン3については、液晶表示装置11等は、上乗せ期間として、CPU93によって少なくとも決定される最低期間(本変形例では50ゲーム)を報知する。そして、ARTゲーム数未報知カウンタには、メインCPU93によって実際に決定された上乗せ期間(図164のS1512の処理によって加算される「50」ゲームと、S291の抽籤によって決定された上乗せゲーム数)から、上記の最低期間を引いた差が未報知上乗せ期間として記憶されることが好ましい。
このようなパチスロ機1によれば、上乗せゾーン3となる初回において、ARTゲーム数未報知カウンタには、未報知上乗せ期間として、メインCPU93によって実際に決定された上乗せ期間から、メインCPU93によって少なくとも決定される最低期間を引いた差(実質的には、図164のS291の抽籤によって決定された上乗せゲーム数)が記憶される。そのため、上乗せゾーン3となる初回において、ARTゲーム数未報知カウンタに記憶される未報知上乗せ期間をよりいっそう大きくすることができ、結果として、未報知上乗せ期間が100ゲーム以上になる頻度がよりいっそう高まる。
他方、液晶表示装置11等は、上乗せ期間として、メインCPU93によって少なくとも決定される最低期間(本変形例では「50」ゲーム)を報知することから、遊技者は、最低期間の上乗せが確実に行われることの安心感を持ちながら遊技を進めることができる。
このようなパチスロ機1によれば、液晶表示装置11等における報知の基準となる期間が、100ゲーム等と、比較的長い期間に設定されていたとしても、ARTの期間が上乗せされたことの報知を高い頻度で行うことができ、遊技の興趣をよりいっそう高めることが可能となる。
[変形例11:ART終了後の遊技]
ART機能を有する遊技機について、設定変更時およびリミッタによるART遊技終了時に、モード選択抽選手段が、同一の種類のデータにより構成されるモード選択抽選テーブルを用いて、報知抽選手段のART移行抽選のモードを選択することが提案されている。このようなパチスロ機によると、リミッタによるAT遊技終了という遊技者に有利な状態が発生した後においては、設定変更時と同じ処理でAT移行抽選のモードが選択されるので、例えば、設定変更時よりも有利なART移行抽選のモードがAT遊技終了時に選択されて、ART遊技が終了した後、短期間にART遊技の権利が報知抽選手段により再付与されるという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止することができる。
しかしながら、このようなパチスロ機では、ART遊技終了後における遊技の興趣が減退する可能性がある。
そこで、本変形例では、特典が短期間で再付与されるという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止しつつ、特典が付与される遊技の終了後においても、遊技の興趣を維持し続けることの可能なパチスロ機を提供することを目的としている。
<リミッタ作動時専用表モード移行抽籤用番号決定テーブル>
図172は、リミッタ作動時専用表モード移行抽籤用番号決定テーブルである。
表モード移行抽籤用番号を決定する際、本実施形態では、図21に示すテーブルを参照して決定するものとしていた。図172は、リミッタ作動時に限って参照されるテーブルであり、リミッタ作動時でない場合は、本実施形態と同様、図21に示すテーブルが参照される。
図21に示すテーブルは、抽籤用フラグBの種類及び現在の表モード(低確、高確ショート、高確ロング)に応じて異なる抽籤用番号が決定されるように規定されている。
それに対し、図172に示すテーブルは、抽籤用フラグBの種類に関わらず、同じ抽籤用番号「9」が決定されるように規定されている。
そして、抽籤用番号として「9」が決定されると、続く表モード移行抽籤において、64/256の割合で「高確ショート」に当籤し、192/256の割合で「高確ロング」に当籤する(図22の(A)参照)。表モード移行抽籤において、「低確」に当籤することは、ない。
<主制御回路の動作説明>
次に、図173〜図175を参照して、主制御回路91のメインCPU93が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
(表モード移行処理)
まず、図173を参照して、本変形例における表モード移行処理について説明する。この処理は、図76の変形例に相当する。
まず、メインCPU93は、リミッタ作動フラグがオンであるか否かを判定する(S1711)。メインCPU93は、リミッタ作動フラグがオンであると判定したときには、処理をS1712に移す。それに対し、メインCPU93は、リミッタ作動フラグがオンでない(オフである)と判定したときには、処理をS1714に移す。
S1712において、メインCPU93は、リミッタ作動時専用表モード移行抽籤用番号決定テーブル(図172)を参照し、抽籤用フラグBから、表モード移行抽籤用番号を決定する。続いて、メインCPU93は、リミッタ作動フラグをオフにセットし(S1713)、S52に移る。
S1714において、メインCPU93は、表モード移行抽籤用番号決定テーブル(図21)を参照し、抽籤用フラグB及び現在の表モードから、表モード移行抽籤用番号を決定し、S52に移る。
続いて、S52において、表モード移行抽籤テーブル(図22)を参照し、表モード移行抽籤用番号に基づいて移行先の表モードを決定、セットし、表モード移行処理を終了する。
(入賞判別メダル払出処理)
次に、図174を参照して、本変形例における入賞判別メダル払出処理について説明する。この処理は、図74のS13に相当する。
まず、メインCPU93は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、当該図柄の組合せに応じた利益を付与する(S1731)。
続いて、メインCPU93は、遊技状態がART遊技状態であるか否かを判定する(S1732)。メインCPU93は、遊技状態がART遊技状態であると判定したときには、処理をS1733に移す。それに対し、メインCPU93は、遊技状態がART遊技状態でないと判定したときには、入賞判別メダル払出処理を終了する。
S1733において、メインCPU93は、付与した利益の数量をART利益付与カウンタに加算する。続いて、メインCPU93は、ART利益付与カウンタの値が3000以上であるか否かを判定する(S1734)。メインCPU93は、ART利益付与カウンタの値が3000以上であると判定したときには、リミッタ作動フラグをオンにセットし(S1735)、入賞判別メダル払出処理を終了する。それに対し、メインCPU93は、ART利益付与カウンタの値が3000以上でないと判定したときには、入賞判別メダル払出処理を終了する。
(終了時状態別制御処理)
次に、図175を参照して、本変形例における終了時状態別制御処理について説明する。この処理は、図95の変形例に相当する。
本変形例における終了時状態別制御処理は、図95のS440の処理に続いて、S1751〜S1753の処理が追加されている点で異なる。以下では、S1751〜S1753の処理について説明する。
S1751において、メインCPU93は、リミッタ作動フラグがオンであるか否かを判定する。メインCPU93は、リミッタ作動フラグがオンであると判定したときには、処理をS1752に移す。それに対し、メインCPU93は、リミッタ作動フラグがオンでない(オフである)と判定したときには、処理をS441に移す。
S1752において、メインCPU93は、リミッタ作動時の初期化処理を行う。この処理において、メインCPU93は、遊技状態をART遊技状態から通常遊技状態に更新するとともに、モード情報を、ARTへの移行期待度が最も低い「低確」モードに更新する。
続いて、メインCPU93は、ART利益付与カウンタをクリアし(S1753)、処理をS441に移す。なお、S441以降の処理は、図95を参照しながら説明した内容と同じである。
本変形例に記載のパチスロ機1によれば、ARTへの移行期待度が異なる複数のモード(低確、高確ショート、高確ロング)が設けられており、メインCPU93は、ART利益付与カウンタの値が3000以上になった場合(図174のS1734の処理でYESの場合)、リミッタ作動フラグをオンにセットし(図174のS1735)、モード情報を、ARTへの移行期待度が最も低い「低確」モードに更新する(図175のS1752)。これにより、ARTにおいて付与された利益がメダル3000枚になった後の遊技において、ARTに再び短期間で移行するという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止できる。
続いて、メインCPU93は、表モード移行抽籤用番号決定テーブル(図21、図172)及び表モード移行抽籤テーブル(図22)を参照して、現在のモード(低確モード)から他のモード(高確ショート又は高確ロング)に更新するかを決定する。その際、リミッタ作動時に参照される表モード移行抽籤用番号決定テーブル(図172)では、他の表モード移行抽籤用番号決定テーブル(図21)とは異なり、常に、表モード移行抽籤用番号「9」が選択される。そして、表モード移行抽籤テーブル(図22)において、表モード移行抽籤用番号「9」は、他の表モード移行抽籤用番号である「0」〜「2」、「5」〜「8」、「10」、「11」に比べて、通常遊技状態からART遊技状態への移行期待度が大きな期待モード(高確ショート、高確ロング)に更新する更新期待度が高く設定されている。そのため、メインCPU93は、高い頻度で、更新期待度が低い低確モードから高いモード(期待モード:高確ショート、高確ロング)に更新すると決定する。モードが期待モードに更新されれば、遊技の状態がART遊技状態移行する移行期待度が高まり、結果として、ARTのよる特典の付与の終了後においても、遊技の興趣を維持し続けることが可能となる。
よって、このようなパチスロ機1によれば、特典が短期間で再付与されるという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止しつつ、特典が付与される遊技の終了後においても、遊技の興趣を維持し続けることの可能なパチスロ機1を提供することができる。
なお、本変形例では、ART利益付与カウンタの値が3000以上になった場合にリミッタ作動フラグをオンにセットし、モード情報を、ARTへの移行期待度が最も低い「低確」モードに更新するものとして説明しているが、これに限るものでなく、ARTを連続して実行可能な単位遊技の回数に上限を設け、ARTの区間が上限に達した場合にもまた、モード情報を、ARTへの移行期待度が最も低い「低確」モードに更新するものとしてもよい。
また、本変形例に記載のパチスロ機1において、メインCPU93は、開閉可能な扉に設けられたドアキーの操作を含む所定の操作(設定変更のための初期化操作、図158のS1413〜S1417参照)がなされた場合も、モード情報を最低モード(低確モード)に更新できることが好ましい。この場合、表モード移行抽籤用番号決定テーブルは、図21に記載のものが参照される(図173のS1714)。図21では、表モードが「低確」である場合、表モード移行抽籤用番号は、「2」、「5」、「6」、「7」、「10」、「11」のいずれかである。そして、先に説明したとおり、表モード移行抽籤テーブル(図22)において、ART利益付与カウンタの値が「3000」に達し、その結果、表モードが「低確」モードになったときに選択される表モード移行抽籤用番号「9」は、設定変更のための初期化操作の結果として表モードが「低確」モードになったときに選択される表モード移行抽籤用番号「2」、「5」、「6」、「7」、「10」、「11」に比べて、通常遊技状態からART遊技状態への移行期待度が大きな期待モード(高確ショート、高確ロング)に更新する更新期待度が高く設定されている。
このようなパチスロ機1によれば、ARTにおいて付与された特典が所定量になった後の遊技を進めようとする遊技者に対しては、特典が短期間で再付与されるという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止しつつ、特典が付与される遊技の終了後においても、遊技の興趣を維持し続けることの可能にする。他方、翌日の営業日の開店直後に遊技する遊技者に対しては、過剰に大きな特典が付与されるといった事態が生じるのを防ぐことができる。
なお、開閉可能な扉に設けられたドアキーの操作を含む所定の操作(設定変更のための初期化操作、図159のS1413〜S1417参照)がなされることで、モード情報が最低モード(低確モード)に更新された場合に、専用の表モード移行抽籤用番号決定テーブルを参照するようにしてもよい。この場合、低確モードに対応する表モード移行抽籤用番号決定テーブルは、ART利益付与カウンタの値が3000以上になった場合、又はARTの回数が上限に達したとき場合に参照される第1のテーブルと、設定変更のための初期化操作がなされた場合に参照される第2のテーブルとを有し、第1のテーブルと、第2のテーブルとの間では、最低モード(低確モード)から期待モード(高確ショート、高確ロング)に更新する更新期待度が異なることが望ましい。
[変形例12:他の変形例]
上記実施形態のパチスロ機1では、ART状態の一態様として引き戻しゾーンを有しているが、これに限られるものではなく、引き戻しゾーン中はART状態(有利区間)ではないものとしてもよい。
また、上記実施形態のパチスロ機1では、通常状態中に1周期の遊技が行われる等すると、前兆状態(各種のガセ前兆又は各種の本前兆)に移行し、本前兆である場合には、前兆終了後に対応する遊技状態に遊技状態を移行する。ここで、上記実施形態のパチスロ機1では、この前兆状態中の遊技を通常状態に含まれるものとしているが、これに限られるものではなく、前兆状態中の遊技を有利区間としてもよい。例えば、前兆ゲーム数に相当する期間継続する有利区間Aと、前兆ゲーム数に相当する期間を超えて継続する有利区間Bとを有し、有利区間A中は遊技者に対して1回のナビを行う一方で、有利区間B中は、前兆ゲーム数に相当する期間は遊技者に対して1回のナビを行い(例えば、遊技者にとって有利な停止操作の態様を1回報知し)、当該期間を超えた期間は、全てのナビを行う(例えば、遊技者にとって有利な停止操作の態様を全て報知する)。一例として、前兆ゲーム数に相当する期間を15ゲーム間し、当該期間を超えた期間を50ゲーム間とする場合、主制御回路91は、有利区間Aに移行した場合、15ゲーム間の間に1回のナビを行うとともに、15ゲームが経過すると有利区間Aを終了する。他方、主制御回路91は、有利区間Bに移行した場合、15ゲーム間の間に1回のナビを行い、15ゲームが経過すると、その後に続く50ゲームの間は全てのナビを行う。このようにすることで、ガセ前兆中の遊技を有利区間Aにより実現することができ、また、本前兆からART状態への遊技を有利区間Bにより実現することができる。
また、上記実施形態のパチスロ機1の各遊技状態の遊技性は、他の遊技状態に対しても適用可能である。例えば、チャンスゾーン中の遊技性を、ART状態中の上乗せや通常状態中のチャンスゾーン又はART状態への移行に転用することができ、また、ART状態中の遊技性を、チャンスゾーン中のART抽籤や通常状態中のチャンスゾーン又はART状態への移行に転用することができる。
また、上記実施形態のパチスロ機1では、様々な特典を付与することとしているが、遊技者に付与する特典は任意である。例えば、遊技者に付与される出玉に関する特典(例えば、ART状態への移行、ART状態の継続期間の上乗せ、CZへの移行、CZの継続期間の上乗せ)だけでなく、出玉以外の特典(例えば、特典映像の開放や、パチスロ機1のカスタム開放、プレミア演出のカスタム開放(抽籤確率や、ステージ、キャラクタ等)、携帯端末との連動機能(携帯端末で画像や遊技情報が得られる権利)など)であってもよい。
また、ART状態中に行われる報知の内容は上述した例に限定されず、任意である。例えば、遊技者にとって有利な状態となる特別な図柄組合せが表示される停止操作の順序(押し順)を報知してもよいし、当該図柄組合せが表示されるために必要な停止操作のタイミング(狙うべき図柄)を報知するようにしてもよい。
遊技者にとって有利な状態としては、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率は変化しない(又は遊技性に影響を与えない程度の範囲で変化する)が、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する機能、すなわち、AT機能が作動する遊技状態であってもよい。また、遊技者にとって有利な状態としては、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率が高くなる再遊技高確率状態(リプレイタイム)が作動するとともに、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する機能が作動する、すなわち、ART機能が作動する遊技状態であってもよい。
また、ART状態の継続期間の管理方法も任意である。例えば、ゲーム数により継続期間を管理することとしてもよく、また、セット数により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART状態中に払い出されるメダルの枚数や差枚数により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART状態中にメダルの払い出しに影響を与える報知を行った回数(ナビ回数)により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART状態中の任意のタイミングで行う継続判定により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART状態中に特定の図柄組合せが表示されるとART状態を終了させることとしてもよい。
この場合、上乗せの対象は、ゲーム数、セット数、ナビ回数、差枚数などのようにART状態の継続期間の管理方法によって適宜調整される。
また、CZの継続期間の管理も任意である。ゲーム数により継続期間を管理することとしてもよく、また、セット数により継続期間を管理することとしてもよく、また、CZ中の任意のタイミングで行う継続判定により継続期間を管理することとしてもよく、また、CZ中に特定の図柄組合せが表示されるとCZを終了させることとしてもよく、また、CZ中に行ったART抽籤の回数により継続期間を管理することとしてもよく、また、CZ中にART状態に移行した回数により継続期間を管理することとしてもよい。
この場合、上乗せの対象は、ゲーム数、セット数、抽籤回数などのようにCZの継続期間の管理方法によって適宜調整される。
また、上記実施形態のパチスロ機1では、報知(ART)機能の作動を、メイン(主制御基板71)側の制御の下に行うこととしているが、これに限られるものではなく、サブ(副制御基板72)側の制御により報知(ART)機能の作動を行うこととしてもよい。
また、上記実施形態のパチスロ機1では、CZやART状態へは、通常状態中に行う移行抽籤に当籤することで移行する。ここで、上記実施形態のパチスロ機1では、この移行抽籤に対して設定差を持たせることもあり得るが、この移行抽籤を「設定値に差のない情報」に基づいて行うこととしてもよい。なお、「設定値に差のない情報」とは、内部抽籤処理において全ての設定値において同一の確率で内部当籤役として決定される役(設定不問役)や、全リールの停止時に全ての設定値において同一の確率で表示されることになる図柄組合せ(設定差のない図柄組合せ)を少なくとも含むものである。
すなわち、変形例のパチスロ機1では、設定不問役が内部当籤役として決定された場合に、CZやART状態への移行抽籤を行い、設定差のある役(設定差役)が内部当籤役として決定された場合には、CZやART状態への移行抽籤を行わない。また、パチスロ機1では、全リールの停止時に設定差のない図柄組合せが表示された場合に、CZやART状態への移行抽籤を行い、設定差のある図柄組合せが表示された場合には、CZやART状態への移行抽籤を行わない。
なお、本明細書において、抽籤を行わないとは、抽籤自体を行わないことだけでなく、抽籤はするものの必ず非当籤となることを含むものである。
また、CZやART状態への移行抽籤は、予め定められており一切変動しない完全確率に基づき行われることとしてもよい。「予め定められており一切変動しない完全確率」とは、少なくとも設定値に基づいて変動することのない確率(すなわち、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率)を意味する。
なお、「予め定められており一切変動しない完全確率」として、更に、「設定値に差のない情報」に対して一義的に定められた確率であることを含めることとしてもよい。近年の遊技機では、移行抽籤に当籤し易い状態と当籤し難い状態とを設けることがある。このような場合に、「設定値に差のない情報に対して一義的に定められた確率」で移行抽籤を行う場合には、例えば、設定不問役の当籤時には、いかなる遊技状態であっても同一の確率で当籤する移行抽籤を行うことになる。反対に、「設定値に差のない情報に対して一義的に定められた確率ではない確率(すなわち、変動する確率)」で移行抽籤を行う場合には、例えば、設定不問役の当籤時に、現在の遊技状態に応じた確率で当籤する移行抽籤、すなわち、現在の遊技状態が高確率状態である場合には、高い確率で当籤する移行抽籤を行い、現在の遊技状態が低確率状態である場合には、低い確率で当籤する移行抽籤、を行うことになる。
このように「設定値に差のない情報」に基づいて行う移行抽籤を、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行うことで、変形例のパチスロ機1では、CZやART状態への移行に関する期待度を各設定値に対して同一にすることができ、出玉性能の差を、設定差のある設定差役の当籤確率に抑えることができる。
また、CZやART状態へ移行するための抽籤としては、(1)内部当籤役を決定するための内部抽籤、(2)移行を行うか否かの移行抽籤、(3)移行する場合の移行先を決定するための有利区間種別抽籤の3つの抽籤が考えられる。パチスロ機1では、これら3つの抽籤を、それぞれ個別の乱数値を用いて行うこととしてもよく、また、全ての抽籤を共通の乱数値を用いて行うこととしてもよく、また、2つの抽籤を共通の乱数値を用いて行い、残り1つの抽籤を個別の乱数値を用いて行うこととしてもよい。なお、共通の乱数値を用いるとは、例えば、(1)内部抽籤において「0〜128」の乱数範囲において所定の設定不問役が決定される場合に、(2)「0〜64」を移行抽籤に非当籤の乱数範囲、「65〜128」を移行抽籤に当籤の乱数範囲とし、また、(3)「65〜83」を移行先がCZ1である乱数範囲、「83〜99」を移行先がCZ2である乱数範囲、「99〜115」を移行先がCZ3である乱数範囲、「115〜128」を移行先がART状態である乱数範囲とすることである。言い換えると、一つの抽籤において当籤する乱数範囲の一部に、他の抽籤の抽籤結果を割り当てることである。
また、上記実施形態及び各種変形例では、遊技機としてパチスロを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明のリール制御に係る特徴や設定変更及び確認に係る特徴などのパチスロ機1に特有の特徴以外の特徴は、「パチンコ」と呼ばれる遊技機にも適用可能であり、同様の効果が得られる。例えば、チェックサムの生成及び判定処理、メインCPU93専用命令コードを使用した各種処理(Qレジスタを用いたアドレスの指定処理、ソフトタイマーの更新処理、7セグLED駆動処理、通信データの生成格納処理等)、規定外ROM領域及び規定外RAM領域を使用した各種処理などの特徴は、「パチンコ」にも適用可能である。
また、設定値は1段階のみとしてもよい。このとき、設定変更処理をのこしても良いし、無くしてしまってもよい。設定変更処理を残す場合には、同一設定への打ち直しのみが可能となるため、実質的にはRAMクリアするための処理となる。設定値を1段階のみとする場合であっても、有利状態(ART状態など)の抽籤(初当り及び/又は上乗せなど)に関するモードを設け、所定確率で当籤する所定役が当籤した回数を計数し、その回数が規定値に達したときに、このモードを切り替わるようにすることで、出玉に起伏を生じさせることができる。
この場合、所定確率の分母と規定値とを掛けた値が一つの出玉の波となる。その値を1日に相当する遊技回数で切り替わるように規定すれば、設定値が1段階であっても、複数設けた遊技機と遜色のないものとすることが出来る。例えば、1日の営業時間を11時間とした場合、11h=39600secであるため、1遊技にかかる最短時間を規則に則り4.1秒とすると、1日当たりの最大遊技回数は、39600/4.1=約9659回となる。なお、休憩(食事やトイレ)を一切挟まないというのは現実的ではないため、1日当たりの遊技回数を概ね8000回程度と考える。所定確率を1/32、規定値を256とすることで、32×256=8192となるため、概ね1日で出玉の波が切り替わるようにすることができる。
さらに、所定役が当籤した回数が規定値に達するたびに、遊技者に有利なモードと不利なモードとが交互に切り替わるようにすれば、二日間サイクルで収益が安定するようになるため、遊技店の営業に資することができる。なお、設定値を1段階にした場合の説明を行ったが、1段階には限られず転用が可能である。より具体的には、設定値の数を変えずに採用すれば、設定値の数を増やさずに、出玉の波をより複雑にすることが可能となる。また、設定値の数を減らせば、設定値が減って単調になるところを補うことができる。
また、設定値の数を減らすことができた場合、その分のデータ容量を削減することができる。仮に6段階の設定値を1段階の設定値にすることができれば、データを1/6にまで削減することができる。また、各段階で望む出玉率に設計するための開発コストも1/6となる。さらに言えば、遊技機は試験に適合したもののみが、営業に用いることが許可されるものであるところ、試験に要する時間も短縮することが可能となる。
[その他の本実施形態に係る遊技機の拡張性]
本実施形態のパチスロ機1では、遊技者のメダルの投入操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口20に対して投入する操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン15a、若しくは1ベットボタン15bを操作して投入する操作)により遊技が開始され、遊技が終了したときにメダルの払い出しがある場合には、ホッパー装置51が駆動してメダル払出口24からメダルが払い出され、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、これに限られるものではない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技媒体が投入され、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、メダルが払い出される)形態全てについて、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路91(主制御基板71)自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、メダルレスで遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路91(主制御基板71)に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
この場合、遊技媒体管理装置は、ROM及びRWM(あるいは、RAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行う上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、又は遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチスロ機1の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合のほか、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられる場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンター等に持っていくか、又は他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機又は遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機又は遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置又は遊技媒体管理装置に対し遊技媒体又は有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知りえない情報を設定することや遊技機又は遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記憶するようにしてもよい。
なお、この遊技媒体管理装置は、上述のように、メダルレスでのみ遊技を可能とするものであってもよいし、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態、及びメダルレスで遊技を可能とする形態、双方の形態で遊技を可能とするものであってもよい。この場合には、遊技媒体管理装置が、上述のセレクタ66やホッパー装置51を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路91(主制御基板71)によって制御され、その制御結果が送信されること基づいて、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示する制御を行い得る制御を可能とする方式を採用することもできる。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチスロ機1に適用する場合について説明しているが、上述した遊技球を用いるスロットマシンや封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部のセレクタ66やホッパー装置51等を減らすことができ、遊技機の原価及び製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、装置を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
[パチスロ機の効果]
以上、本発明に係るパチスロ機1について説明した。このようなパチスロ機1によれば以下の効果が期待できる。
<上乗せゾーン1中の遊技>
上乗せゾーン中では、主制御基板71(メインCPU93)は、それぞれ対応付けられた報酬が異なる複数のイベントマスの中から一のイベントマスを、現遊技から4ゲーム先の遊技までの5ゲーム分の遊技のそれぞれに対して設定し、このイベントマスが設定されている遊技において付与条件を満たすと、当該遊技に対して設定されているイベントマスに応じた報酬を付与する。例えば、主制御基板71(メインCPU93)は、イベントマス「青1」が設定されている遊技においてベル以上が当籤すると、通常ARTの継続期間を上乗せする。
また、主制御基板71(メインCPU93)は、イベントマス「赤」が設定されている遊技においてリプレイ以下が当籤すると、ライフを1減算し、この減算よりライフが0になると上乗せゾーン1を終了する。このとき、主制御基板71(メインCPU93)は、上乗せゾーン1の開始時に5ゲーム分の保証ゲーム数を付与しておき、保証ゲーム数が残っている間は、イベントマス「赤」が設定されている遊技においてリプレイ以下が当籤したとしてもライフを1減算せずに、上乗せゾーン1を継続する。
また、主制御基板71(メインCPU93)は、イベントマス「キャラ4」が設定されている遊技においてベル以上が当籤すると、復活ストックを1加算する。この復活ストックが付与されている状況では、主制御基板71(メインCPU93)は、イベントマス「赤」に伴いライフが0になり上乗せゾーン1が終了した場合であっても、上乗せゾーン1を再開する。
また、主制御基板71(メインCPU93)は、イベントマス「裏」が設定されている遊技においてベル以上が当籤すると、上乗せゾーン1から上乗せゾーン2に移行するための権利を付与し、主制御基板71(メインCPU93)は、この上乗せゾーン2に移行する権利が付与されている場合に、遊技状態を上乗せゾーン1から上乗せゾーン2に遊技状態を移行させる。
また、主制御基板71(メインCPU93)は、イベントマス「バトル」が設定されている遊技においてベル以上が当籤すると、次遊技以降のイベントマス「バトル」に対して設定されている裏マス変換個数分の遊技に対して設定されているイベントマスをイベントマス「裏」に書き換える。なお、主制御基板71(メインCPU93)は、上乗せゾーン1中にこのイベントマス「バトル」を定期的(20ゲーム毎)に設定する。
(イベントマスの表示/非表示)
本発明に係るパチスロ機1では、5ゲーム分の遊技のそれぞれに対して設定したイベントマスを所定の態様で表示する。具体的には、ロムカートリッジ基板86には、イベントマスのそれぞれに対応付けて設けられた表示マス「宝箱」「敵」などと、イベントマスの全てに共通して設けられた表示マス「不明」とを含む複数の画像が記憶され、副制御基板72(サブCPU102)は、メイン側でイベントマスが設定されると、イベントマスのそれぞれに対応付けられた画像(表示マス「宝箱」「敵」)、又はイベントマスの全てに共通して設けられた画像(表示マス「不明」)を液晶表示装置11に表示する。
具体的には、副制御基板72(サブCPU102)は、所定の操作が行われていない場合には、メイン側で設定したイベントマスに固有の画像を液晶表示装置11に表示し、所定の操作が行われている場合には、メイン側で設定したイベントマスに関わらず共通の画像を液晶表示装置11に表示する。
このように設定されているイベントマス(報酬)の表示/非表示を遊技者の操作に伴い切り替え可能にすることで、遊技者の好みに合わせて遊技性を変化させることができる。すなわち、例えば、内部的(メイン側)に遊技者にとってあまり好ましくないイベントマスがセットされている状況では、遊技者によっては、当該イベントマスの表示を望まないことも考えられる。このような場合であってもイベントマスを非表示にすることを遊技者が選択していた場合には、設定されているイベントマス(報酬)の内容が分からなくなるため、遊技者は、毎ゲーム期待を抱きながら遊技を行うことになる。
なお、副制御基板72(サブCPU102)は、5ゲーム分のマスの全てを非表示(表示マス「不明」)にすることとしてもよく、また、一部のマスを非表示にし、一部のマスを表示することとしてもよい。例えば、副制御基板72(サブCPU102)は、次遊技以降の遊技に対して表示マス「不明」を表示し、今回の遊技に対してはイベントマスのそれぞれに対応付けられた画像を表示する。この場合、副制御基板72(サブCPU102)は、次遊技に対して表示している表示マス「不明」が遊技の進行に伴いスライドし、今回の遊技に対応するものとなると、この表示マス「不明」を今回の遊技に対して対応付けられた画像に切り替えて、液晶表示装置11に表示する。なお、表示を切り替えるタイミングは任意であり、例えば、副制御基板72(サブCPU102)は、前遊技の終了時、今回の遊技の開始時、今回の遊技の停止操作時(第1〜第3停止操作の何れか)に、液晶表示装置11の表示を切り替える。
このようにすることで、遊技者は、次回以降の先の遊技に対して設定されている報酬の内容は分からないものの、今回の遊技については設定されている報酬の内容を把握することができるため、遊技者は、今回の遊技について強い興味を抱いて遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
(上乗せゾーン1の継続/非継続)
また、本発明に係るパチスロ機1では、イベントマス「赤」に伴いライフが0になると上乗せゾーン1を終了するが、保証ゲーム数が残っている間は、ライフの減算が行われることなく、結果、保証ゲーム数が残っている間は上乗せゾーン1が終了しない。このように、パチスロ機1では、遊技者にとって不利なイベントマスが多く設定されている場合であっても、保証ゲーム数が残っている間は上乗せゾーン1が終了しないため、上乗せゾーン1が直ぐに終了してしまうことがなく、一定の興趣が担保される。また、保証ゲーム数を消化した後であっても、復活ストックを有している場合には、終了時に上乗せゾーン1が再開されるため、遊技の興趣を更に高めることができる。
また、パチスロ機1では、主制御基板71(メインCPU93)は、上乗せゾーン1の開始時に上乗せゾーンレベルを設定する。この上乗せゾーンレベルは、イベントマスの選択期待度がそれぞれ異なるモードであり、例えば、上乗せゾーンレベル3では、上乗せゾーンレベル1が設定されている場合に比べてイベントマス「赤」を選択する確率が低い。主制御基板71(メインCPU93)は、通常の上乗せゾーン1の開始時には、所定の確率で上乗せゾーンレベルを抽籤する一方で、復活ストックにより上乗せゾーン1を再開する場合には、必ず上乗せゾーンレベル3を決定する。これにより、復活ストックの付与を受けていた場合には、上乗せゾーン1の終了時に上乗せゾーン1が再開されるだけでなく、再開する上乗せゾーン1自体が終了し難くなるため、遊技の興趣を更に高めることができる。
(上乗せゾーン1から上乗せゾーン2への移行)
また、パチスロ機1では、イベントマス「裏」が設定されている遊技においてベル以上が当籤すると、より有利な上乗せゾーン2に移行する。ここで、イベントマス「裏」は、イベントマス「バトル」が設定されている遊技においてベル以上が当籤すると、裏マス変換個数の分だけセットされるため、イベントマス「バトル」が設定されている場合には、その後の遊技においてより有利な上乗せゾーン2への移行期待度が高まることになる。これにより、例えば、次回以降の遊技に対して設定されているイベントマスが遊技者にとって不利なものであったとしても、今回の遊技においてイベントマス「バトル」が設定されている場合には、イベントマス「バトル」に応じた報酬を得ることで不利な状況を回避することができるため、遊技の興趣が担保される。このとき、イベントマス「裏」「バトル」に応じた報酬を得るためには、ベル以上が当籤する必要があるため、必ず報酬を得ることができる場合と比べて、書き換えの頻度を高めることができ、遊技の興趣を更に高めることができる。
また、パチスロ機1では、上乗せゾーン1中に一定の間隔でイベントマス「バトル」を設定するため、定期的にイベントマス「裏」への書き換えのチャンスが訪れる。この定期的なチャンスにおいてイベントマス「バトル」に応じた報酬を得ることができた場合には、その後の遊技において、より有利な上乗せゾーン2への移行期待度が高まるため、遊技の興趣を更に高めることができる。
<上乗せゾーン2の遊技>
上乗せゾーン2中は、主制御基板71(メインCPU93)は、毎遊技、ARTゲーム数の上乗せを行う。具体的には、主制御基板71(メインCPU93)は、上乗せゾーン2中は、メダルの払出が行われるベル以上が当籤すると、必ずARTゲーム数の上乗せを行い、メダルの払出のないリプレイ以下が当籤すると、上乗せゾーン2の終了抽籤において終了しない限り、ARTゲーム数の上乗せを行う(図47の「裏」欄、及び図40参照)。また、主制御基板71(メインCPU93)は、この上乗せゾーン2中にボーナス状態が開始すると、上乗せゾーン2を終了することなく、継続する。
具体的には、パチスロ機1(主制御基板71、副制御基板72)では、上乗せゾーン2中にボーナス状態が開始すると、上乗せゾーン2と遊技性及び演出面での連続性を有する特殊BBを開始する。より具体的には、主制御基板71(メインCPU93)は、特殊BB中は、ARTゲーム数の上乗せを行っており、特殊BB中にメダルの払出が行われる役が当籤(なお、特殊BB中は、メダルの払出が行われる役が必ず当籤)すると、必ずARTゲーム数の上乗せを行う(図57参照)ことで、上乗せゾーン2と特殊BBとで遊技性の面からの連続性を実現する。また、副制御基板72(サブCPU102)は、特殊BB中は上乗せゾーン2中と同じ演出画面を表示することで、演出面からの遊技性を実現する。
このように本発明に係るパチスロ機1では、上乗せゾーン2中にボーナス状態が開始されても上乗せゾーン2を終了することなく継続する。ここで、ボーナス状態(特殊BB)中は、リプレイ以下が当籤することはないため、終了抽籤自体が行われず上乗せゾーン2が終了することがない。また、ボーナス状態中は、メダルの払出が行われる役が必ず当籤するため、ARTゲーム数の上乗せが行われ易く、上乗せゾーン2と比べても更に有利な状態となる。このように上乗せゾーン2中のボーナス状態を更に有利な状態とすることで、上乗せゾーン中のボーナスにより上乗せゾーンを終了してしまう従来のパチスロ機とは異なり、上乗せゾーン2中の興趣を更に高めることができる。
また、特殊BB中は、上乗せゾーン2と演出的に連続させるとともに、払出可能なメダルの枚数ではなく、当該払出可能枚数分のメダルが払い出されることになる残りの遊技回数を表示する。遊技者からすると、遊技性及び演出面からの連続性が確保されるため、あたかも上乗せゾーン2が継続しているかのような遊技性を遊技者に与えることができる。また、ボーナス状態の終了タイミングを、残り遊技回数という直感的に分かり易い表示に代えることで、遊技者に対して、あたかも上乗せゾーン2が30ゲーム保証されたかのような感覚を持たせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
<裏モード演出>
また、主制御基板71(メインCPU93)は、遊技の結果が遊技者にとって不利な結果になることを契機に裏モードを蓄積し、蓄積した裏モードが50以上になると、ボーナス入賞時にART遊技状態の権利を付与する(図54参照)。パチスロ機1では、この裏モードが蓄積されたことを示唆する裏モード吸収演出を実行するところ、主制御基板71(メインCPU93)が裏モードを蓄積する契機と、副制御基板72(サブCPU102)が裏モード吸収演出を実行する契機とは、一部が重複し、一部が異なる。
このように裏モード吸収演出を行うタイミングを、裏モードを蓄積する契機とは異なる契機で実行可能にすることで、実際に裏モードが蓄積されたタイミングとは異なる様々なタイミングで演出を実行することができ、演出に多様性を持たせることができる。また、裏モードを蓄積する契機を抑えつつ、演出を実行する契機を増やすことができるため、出玉に関する管理を行うメイン側の容量(裏モードを蓄積する契機)を抑えつつも、多様な契機で演出を実行することができ、演出に多様性を持たせることができる。
また、副制御基板72(サブCPU102)は、前回の演出実行時から蓄積された裏モード(メイン裏モードカウンタの値−サブ裏モードカウンタの値)に基づいて裏モード吸収演出を行うため、蓄積された裏モードを適切に示唆することができる。
<キャラクタのカスタマイズ>
また、本発明に係るパチスロ機1では、演出に用いるキャラクタのカスタマイズを可能にしている。具体的には、パチスロ機1では、キャラクタの選択に加え、キャラクタの表示態様としてキャラクタのコスチューム、キャラクタのアクセサリー、及びキャラクタのポーズの選択を可能にしている。
パチスロ機1では、コスチューム、アクセサリー、ポーズのそれぞれについて組合せ可能な範囲を規定し(図64参照)、規定された範囲でのみ、キャラクタのカスタマイズを可能にしている。そして、副制御基板72(サブCPU102)は、組合せ可能な組み合わせとして一つのものしか規定されていないパーツが遊技者により選択された場合には、当該パーツに対して組み合わせ可能なものを自動的に決定する。例えば、特定のコスチュームのみが組合せ可能なアクセサリーが選択された場合には、当該特定のコスチュームを自動的に選択肢、他のコスチュームの選択を禁止する。
これにより、遊技機やキャラクタのイメージを損なう可能性のある組み合わせは、選択不可能にすることができ、固有のイメージを損なうことなくキャラクタをカスタマイズすることができる。また、組合せ可能なパーツを自動的に決定するため、遊技者の手間を取らせることなく、固有のイメージを損なわないキャラクタのカスタマイズが可能になる。
<タッチ操作モードとボタン操作モード>
また、本発明に係るパチスロ機1では、液晶表示装置11上にタッチセンサ111を設けることで、液晶表示装置11の全面をタッチパネルとして用い、パチスロ機1の表示に関する入力を、このタッチパネルを介したタッチ操作モードと、操作ボタン22を介したボタン操作モードと、により受け付ける。
このタッチ操作モードとボタン操作モードとは、遊技者が対応する操作を行うだけで切り替えることができる。例えば、副制御基板72(サブCPU102)は、タッチ操作モード時に操作ボタン22が操作されると、タッチ操作モードからボタン操作モードに切り替え、ボタン操作モード時にタッチパネルが操作されると、ボタン操作モードからタッチ操作モードに切り替える。これにより、遊技者は、自身が好む操作モードを自由に選ぶことができ、また、簡易な方法で自身が望む操作モードに切り替えることができる。
(タッチ操作モードとボタン操作モードとの違い(未開放アイコン))
また、パチスロ機1では、タッチ操作モード時は、未開放アイコンを選択不可能(タッチしても反応しない)とすることで、複数のアイコンの中から未開放アイコンを決定できないことを明確にすることができる。また、ボタン操作モード時には、未開放アイコンも選択カーソルで選択可能にすることで、この未開放アイコンが現在は決定できないが将来解放されることで決定可能であることが明確になる。
(タッチ操作モードとボタン操作モードとの違い(選択中の表示))
また、パチスロ機1では、タッチ操作モードとボタン操作モードとで、選択中のアイコンの表示態様を異ならせる。具体的には、タッチ操作モード時には、選択中のアイコンをタッチオンエフェクト付きで表示し、ボタン操作モード時には、選択中のアイコンを選択カーソル付きで表示することで、両操作の違いを明瞭にすることができる。
<かんたんスタート時の履歴表示>
また、パチスロ機1では、正式なログインを行った遊技者に対しては、レア役の当籤回数を含む遊技履歴の2ページ目を表示することで、わざわざ正式な手順を踏んで登録を行った遊技者に対して、遊技には直接影響しない程度の特典(レア役の当籤回数の表示)を与えることができる。これによりレア役の当籤回数の表示を望む遊技者に対して、正式な登録の利用を促すことができ、結果、遊技機に対して愛着を持たせ、遊技機の稼動を上げることができる。
また、パチスロ機1では、簡易的な手順でログインを行った遊技者に対しては、レア役の当籤回数を含む遊技履歴の2ページ目を表示しないため、簡易的なログイン手順を利用してログインのみを行っておき、他人が遊技を行った後に当該他人の遊技の結果を盗み見る行為を防止することができる。
<ナビエラー時保険処理>
また、パチスロ機1では、メイン側から受信した情報にメイン側ナビの情報が含まれている場合には、サブ側では、決定した演出がメイン側ナビに対応する演出であるか否かを判定し、対応する演出でない場合には、抽籤により決定していた演出を、メイン側ナビに対応する演出に強制的に書き換える。これにより、何らかの理由でメイン側ナビに合った演出が抽籤されてない場合であっても、サブ側の演出をメイン側ナビに合った演出に書き換えて実行することができるため、メイン・サブの双方において確実に報知を行うことができ、結果、遊技者は報知を確実に享受することができる。
<メダル投入を利用したリール演出>
近年では、メダルの投入からストップボタンの操作に至るまでの遊技操作が一連の流れ作業として行われ、事務的になるのを防ぐため、遊技機にメダルが投入されると、サブリールの演出用シンボルの回転を開始し、スタートレバーが操作され、単位遊技の開始操作が検出されると、当籤役決定手段で決定された当籤役に基づいて演出用シンボルの回転を停止する遊技機が提案されている。しかしながら、遊技者の操作とは異なる他の操作によってシンボルを回転、停止させ、当籤役を予測可能にするという、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することが求められている。
そこで、主制御回路91は、複数のリール3L,3C,3Rを用いた演出を制御するメインCPU93は、クレジット枚数カウンタにメダルが貯留(クレジット)された場合に、複数のリール3L,3C,3Rのうち、少なくとも一のリール3L,3C,3Rにおける図柄を特定量変動させて停止させる特定演出の制御を行い、特定量変動させた図柄によって、主制御回路91が決定した特典付与の有無の結果を示唆する。
そうすることで、メダルの貯留操作(クレジット操作)をきっかけとして、図柄を回転、停止させ、当籤役を予測可能にするという、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することができる。
<ユニメモを利用した、好みのキャラクタの音声を非消音にする機会の提供>
近年、携帯電話とインターネット上の専用サイトとを連動させ、専用サイトにより、遊技者が遊技を開始してからある時点までの遊技内容(遊技履歴)を遊技者に提供するサービス(以下、「ユニメモ」という)が知られている。このサービスを利用して、例えば、サブCPU102は、途中経過取得操作が行われたとき、記録終了操作が行われたとき等に遊技記録QRコードを作成し、遊技者が携帯電話を用いて遊技記録QRコードを読み込み、読み込んだ情報をインターネット上の専用サイトに入力することで、専用サイトにて、遊技者の遊技履歴を管理することが可能になる。
ところで、メダルのベット操作、スタートレバーの操作、第3停止操作といった所定の契機に基づいて遊技機での演出が次の演出に切り換わる場合、キャラクタの台詞音が台詞の途中であるにも関わらず強制的に終了することがある。ボーカル音や楽曲音については、映像を表示するにあたっての効果音やBGMとしての意味合いが大きく、比較的長時間であるため、ボーカル音や楽曲音の途中で強制的に終了することに致し方ない面もある。他方で、キャラクタの台詞音については、比較的短時間であり、台詞の途中であるにも関わらず強制的に終了してしまうと、遊技者に対し、台詞の途中で台詞音が切られてしまったという印象を与え得る。
そこで、液晶表示装置11にユニメモメニューが表示されてから所定時間の間にキャラクタの選択操作が行われ(図116のS831、S832)、さらに、所定時間内に特殊パスワードが正しく入力されると(図116のS833、S834)、特殊演出フラグがオンにセットされる(図116のS835)。そして、新たな演出が登録されると(図117のS851)、演出更新フラグがオンにセットされ(図117のS852)、音データセット処理が実行される(図118のS872)。音データセット処理において、サブCPU102は、選択操作に係る対象キャラクタの音とは異なる音については、音を消音させる(図119のS895、図120のS902)。その一方で、少なくとも、対象キャラクタの音声を出音する演出について、サブCPU102は、新たな演出が登録されても、消音させることなく、引き続き出音させる(図119のS895、図120のS902)ようにしてもよい。
これにより、遊技者にとって好みのキャラクタの音声については、新たな演出が登録されることによってパチスロ機1での演出が次の演出に切り換わる場合であっても、途中で終了することなく、最後まで出音される。よって、遊技の興趣をよりいっそう高めたパチスロ機1を提供することができる。
<メダル投入による演出効果>
これまで、遊技者自らのベットボタンの連打により、ART状態に移行したことを把握可能な遊技機が提案されている。しかしながら、物理的なボタンの操作だけでなく、他の形態での操作によっても、いわゆる連打演出を実行可能にし、遊技者にとって有利な状態につながるような遊技機は、提案されていない。
そこで、所定の演出を実行中に主制御回路91がメダルの貯留信号を検出すると、副制御回路101が、検出した貯留信号に応じて、液晶表示装置11等における特典の付与に関する報知の演出を制御できるようにしてもよい。例えば、連打演出フラグがオンにセットされ(図125のS1056)、バトル演出が実行されている間に、メダルセンサ(図示せず)がメダルのクレジット操作を検出し(図123のS1017)、サブCPU102がメダル投入コマンドを受信すると(図124のS1035でYES)、サブCPU102は、メダル投入コマンドに応じて、液晶表示装置11等におけるARTの付与に関する報知の演出を制御する(図127のS1095等)。そのため、物理的なボタンの操作だけでなく、メダルのクレジット操作という、他の形態での操作によっても、いわゆる連打演出を実行可能にし、遊技者にとって有利な状態につながる点で、これまでにはない新たな遊技性を持ったパチスロ機1を提供することができる。
<新たな救済機能>
これまで、有利状態が長期間にわたり行われない場合に強制的に有利状態に移行させる救済機能を備えた遊技機が知られている。しかしながら、これまでの救済機能に関する工夫は、有利状態ではない通常状態が長時間続いた場合に、遊技の状態を通常状態から有利状態に移行させることによる救済である。そこで、新たな救済手段を提供し、遊技者が大きな不利益を受けることを防ぐ手当てにバリエーションを持たせることが求められている。
そこで、新たな救済手段を提供し、遊技者が大きな不利益を受けることを防ぐための救済機能にバリエーションを持たせてもよい。
例えば、通常遊技状態(非ART)において、メインCPU93は、通常遊技状態(非ART)における単位遊技ごとに、内部当籤役(抽籤用フラグA)の種類に関わらず、通常遊技状態(非ART)から第1の通常ARTに移行するかを決定してもよい。これにより、通常遊技状態(非ART)から第1の通常ARTへの移行を、比較的少ない回数の単位遊技で実行することができる。
そして、第1の通常ARTにおいて、メインCPU93は、内部当籤役(抽籤用フラグA)がチェリー(弱チェリー、強チェリー、確定チェリーのいずれか)である場合に、第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行するかを決定してもよい。メインCPU93は、内部当籤役(抽籤用フラグA)がチェリーである場合に当該決定を行うため、メインCPU93が第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行すると決定することは、比較的稀である。そして、第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行されると、報知パターンAの回数が、1000回から、より少ない32回に減り、報知パターンAの単位遊技を32回行えば、報知パターンAに比べて大きな特典を有する報知パターンBの単位遊技を実行可能になる。これにより、第1の通常ARTにおいて、第2の通常ARTに移行すると決定されたときは、報知パターンAの遊技回数を減らして、より大きな特典を有する報知パターンBの単位遊技を実行することが可能になる。
他方、メインCPU93が第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行すると決定することは、比較的稀であるため、報知パターンAの単位遊技の回数が1000回になるまでの間、第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行すると決定されないこともあり得る。そのようなときであっても、報知パターンAの単位遊技の回数が1000回になれば、続いて、報知パターンAの単位遊技に比べて大きな特典を有する報知パターンBの単位遊技が実行される。これにより、報知パターンBの単位遊技が長時間にわたって実行されない場合に、遊技者に対し、あたかも特典を有する単位遊技を強制的に実行する救済機能であるかのような感覚を付与できる。
<メダル投入と演出のリンク>
近年では、メダルの投入からストップボタンの操作に至るまでの遊技操作が一連の流れ作業として行われ、事務的になるのを防ぐため、遊技機にメダルが投入されると、サブリールの演出用シンボルの回転を開始し、スタートレバーが操作され、単位遊技の開始操作が検出されると、当籤役決定手段で決定された当籤役に基づいて演出用シンボルの回転を停止する遊技機が提案されている。
この構成によれば、サブリールでは、従来何も演出が行われずに事務的に遊技操作が行われていたタイミングで、当籤役決定手段で決定された当籤役を報知するようになる。その結果、インパクトのある当籤役の報知を行うことが可能となり、遊技者は、今までにない興趣を持ってサブリールでの演出を楽しむことができるようになる。
しかしながら、メダルの投入からスタートレバーが操作されるまでの間は何ら演出が行われるものでなく、そのような間であっても、遊技に関する何らかの演出を実行し、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することが求められている。
そこで、メダルの投入からスタートレバーが操作されるまでの間であっても、遊技に関する何らかの演出を実行可能にしてもよい。
例えば、メダルのクレジット操作が行われ、スタートレバー23が操作された場合に、サブCPU102は、メダルを模した複数種類のメダル画像(青色のメダル画像、黄色のメダル画像、赤色のメダル画像)から、液晶表示装置11に表示するメダル画像を決定してもよい。そして、サブCPU102は、メダルのクレジット操作を検出した場合に、液晶表示装置11に表示するメダル画像の決定の結果に応じた色のメダル画像を表示するよう液晶表示装置11を制御し、そのメダル画像の色に応じて、メダル画像を表示する演出に続く演出を制御してもよい。
これまで、メダルのクレジット操作(貯留操作)を行ったとしても、メダルがクレジット(貯留)されたことを示す音が出音されたり、クレジット(貯留)されたメダルの数量が数字で表示されるにとどまっていた。本変形例に記載のパチスロ機1によれば、メダルのクレジット操作をメダルセンサが検出することに応じて、スタートレバー23の操作の検出とは無関係に、液晶表示装置11に、メダルを表したメダル画像を表示させる演出が実行される。そして、メダル画像を表示させる演出に続いて、液晶表示装置11に表示されるメダルの色に応じた、演出が実行される。
遊技者にとってみれば、メダルのクレジットを行ってから、スタートレバー23を操作するまでの間であっても、メダルのクレジットを契機として、所定の記憶領域にメダルが貯留されることにとどまらず、液晶表示装置11にもメダルが貯留されるかのような印象を与えることができる。そして、メダルの貯留の段階では、いわゆる内部当籤役の決定等の抽籤が行われていないため、抽籤結果の報知を行うことはできないものの、メダルの画像を表示させる演出に続いて、キャラクタ演出の有無の決定の結果に応じた演出を実行することで、液晶表示装置11に表示されているメダルの色によっては、なかなか得ることのできない、特定のキャラクタによる演出を実行し得るというチャンス的な要素が付与される。
その結果、本変形例に記載のパチスロ機1によると、メダルの投入開始から、スタートレバー23の操作を行うまでの間であっても、遊技に関する演出を実行し、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することができる。
<待機時間による演出機能>
これまで、役の抽籤は、主に、開始操作をスタートスイッチにより検出することを契機として行われる。その他、予め設定された複数の抽籤タイミングから1つの抽籤タイミングを選択する手段と、選択された抽籤タイミングで行われた抽籤により内部状態を決定する手段とを設けることも提案されている。例えば、遊技機の制御手段は、乱数抽出を、(ア)ウェイトタイマが4.1秒に達したとき、(イ)メダルが投入されたとき、(ウ)始動レバーが有効であり、かつ、始動レバーが操作されたときの3回行う。そして、制御手段は、いずれのタイミングで抽出した乱数を用いるかを選択し、選択された乱数を用いて内部当籤役を決定する。
複数の抽籤タイミングを複数設けることで、内部状態を決定するための抽籤(乱数値の取得)を行うタイミングが不明になり、当りとなる乱数値を遊技者が狙い定めて取得することが困難となる。しかしながら、依然として、内部当籤役の報知をはじめとした遊技に関する演出の多様性を高めているとまではいえない。
そこで、特典を付与するかを決定するタイミングと、遊技に関する演出とを関連付けることで、内部当籤役の報知をはじめとした特典付与の決定結果に関する演出をよりいっそう多様にした遊技機を提供してもよい。
例えば、メインCPU93は、スタートレバー23が操作された場合とは異なり、さらに、ウェイト処理(図145のS1311)、遊技開始時ロック処理(図145のS1312)、及びリール回転開始処理(図145のS11)を実行した後に、内部抽籤処理(図145のS4)を実行する。
スタートレバー23が操作されたタイミングが、一の単位遊技の前の単位遊技において図柄表示領域4での図柄の変動表示が開始されたタイミングから所定時間に達するよりも前のタイミングである場合、メインCPU93による内部抽籤処理が未だ実行されていない。スタートレバー23が操作されたタイミングが、一の単位遊技の前の単位遊技において図柄表示領域4での図柄の変動表示が開始されたタイミングから所定時間に達するよりも前のタイミングである場合、メインCPU93による内部抽籤処理が未だ実行されていない。そのため、情報表示器14における内部抽籤結果の報知を行うことはできない。それに対し、スタートレバー23が操作されたタイミングが上記所定時間に達した後のタイミングである場合、メインCPU93による内部抽籤処理が実行されている。そこで、メインCPU93は、情報表示器14における内部抽籤結果の報知(図149のS1373、S1375、S1377)を実行可能である。
遊技者にとってみれば、上記所定時間が経過するまでの間、スタートレバー23の操作を行うことなく待機することで、スタートレバー23の操作を行うタイミングと略同時期に決定された、内部抽籤結果の報知を即時に受けるパターンと、上記所定時間が経過するまでの間にスタートレバー23の操作を行い、スタートレバー23の操作を行ってから、所定時間が経過するまで待機してから内部抽籤結果の報知を受けるパターンとの2パターンの遊技性を受けることが可能となる。
このようなパチスロ機1によれば、上記所定時間が経過するまでの間、スタートレバー23の操作を行わずに待機したり、待機しなかったりを遊技者の判断で決めることができ、それによって、特典付与決定手段による決定の結果の報知を即時に受けるパターンと、開始操作を行ってから、所定時間が経過するまで待機してから特典付与決定手段による決定の結果の報知を受けるパターンとに変化させることができる。よって、メインCPU93が内部抽籤処理を実行するタイミングと、遊技に関する演出を実行するタイミングとを関連付けることで、内部抽籤結果の報知をはじめとした遊技に関する演出をよりいっそう多様にした遊技機を提供することができる。
また、メインCPU93が遊技ロック時間を決定し、上記所定時間に長短をつけられるようにしてもよい(図144)。そうすると、上記所定時間が経過するまで待機したと思っていたのに、実際には待機しておらず、内部抽籤結果の報知を即時に受けることができなかったり、上記所定時間が経過するのを待ちきれず、実際には上記所定時間が経過していないと思っていたのに、実際には上記所定時間が経過するまで待機しており、スタートレバー23を操作するタイミングと略同時期に決定された内部当籤役の報知を即時に受けることができたり、ということがあり得る。そのため、遊技によりいっそうの多様性を付加することができる。
また、情報表示器14における内部抽籤結果の報知とは異なる演出についても、比較的長時間の演出を提供したり、比較的短時間の演出を提供したりすることができるため、演出内容も多様になる。
<上乗せ打順変化>
これまで、上乗せゲーム数の報知態様には、種々の工夫がなされている。しかしながら、現状、実際に上乗せ遊技数として決定された数に比べて大きく離れた単位遊技数を、報知用の上乗せ遊技数として頻繁に報知することは難しく、上乗せ遊技数の報知には、なお改良の余地がある。
例えば、実際の上乗せ遊技数よりも大きな単位遊技数を、報知用の上乗せ遊技数として報知可能にするとともに、遊技の進行につれて、実際の上乗せ遊技数と報知用の上乗せ遊技数との差を低く抑えることの可能な遊技機を提供してもよい。
例えば、メインCPU93は、ARTを実行するかを決定する。そして、メインCPU93は、上乗せ抽籤用番号決定テーブル(図151)、通常ART中上乗せゾーン抽籤テーブル(図38)、ART中上乗せゲーム数抽籤用番号テーブル(図152)、及び上乗せゲーム数抽籤テーブル(図40)等を参照し、ARTが付与される期間の延長の度合いを示す上乗せ期間を決定する(図64のS215〜S218)。そして、サブCPU102は、上乗せゲーム数報知決定テーブル(図153)を参照し、メインCPU93が決定した上乗せ期間に基づいて、液晶表示装置11等で報知する報知用上乗せ期間の初期値を決定する(図156のS1333)。
図157に示すように、上乗せ期間の決定が行われた場合、液晶表示装置11等における、リール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して数字を表示可能な複数の表示領域(左領域11L、中領域11C及び右領域11R)には、サブCPU102によって決定された初期値(例えば、左領域11L、中領域11C及び右領域11Rの順に「0」、「3」、「0」)が表示される。そして、表示領域(左領域11L、中領域11C及び右領域11R)とは別に数字を表示可能な別表示領域(別領域11D)には、複数の表示領域(左領域11L、中領域11C及び右領域11R)のうち、報知用上乗せ期間の初期値「30」の桁数(2桁)よりも大きな桁(3桁目)に相当する数字を表示する表示領域(左領域11L)で表示する数字(「0」)よりも大きく、報知用上乗せ期間の初期値「30」の桁数(2桁)と同じ桁(2桁目)に相当する数字を表示する表示領域(中領域11C)で表示する数字(「3」)よりも小さい数字(「1」)が表示される。
そして、メインCPU93による上乗せ期間の決定に続いて、メインCPU93が抽籤用フラグCとして「2」(押し順ベル)を内部当籤役として決定されたとき、複数の表示領域のうち、最初の停止操作において、有効ライン上に押し順ベルの正解の場合に相当する図柄の組合せ(図柄組合せテーブル(図10〜図12)の「ベル」に相当する図柄組合せ)が停止させるための停止ボタン19L,19C,19Rに対応して設けられたリール3L,3C,3Rに対応する表示領域11L,11C,11Rで表示する数字を、別領域11Dで表示される数字に置き換える。
最初の停止操作において有効ライン上に所定の図柄の組合せが停止させるための停止ボタン19L,19C,19Rに対応して設けられたリール3L,3C,3Rに対応する表示領域が、報知用上乗せ期間の初期値の桁数(2桁)よりも大きな桁(3桁目)に相当する数字を表示する表示領域(左領域11L)である場合、報知用上乗せ期間の初期値の桁数よりも大きな桁に相当する数字が、もともと表示されていた数字(「0」)よりも大きな数字(「1」)に置き換わる。そのため、遊技者は、押し順役が内部当籤役として決定されることを契機として、上乗せ期間が大きく延びるかもしれない、という期待感を持つことができ、実際に、報知手段での報知態様が変わることで、上乗せ期間が大きく延びたという印象を受けることができ、遊技の興趣が高まる。
他方で、最初の停止操作において有効ライン上に所定の図柄の組合せが停止させるための停止ボタン19L,19C,19Rに対応して設けられたリール3L,3C,3Rに対応する表示領域が、報知用上乗せ期間の初期値の桁数(2桁)と同じ桁(2桁目)に相当する数字を表示する表示領域(中領域11C)である場合、液晶表示装置11にには、「中を押せ」との表示とともに、報知用上乗せ期間の初期値の桁数と同じ桁に相当する数字(「3」)が、もともと表示されていた数字よりも小さな数字(「1」)に置き換わる。そのため、遊技の進行につれて、実際の上乗せ遊技数と報知用の上乗せ遊技数との乖離を低く抑えることができる。
加えて、液晶表示装置11において上乗せ期間が延びる演出は、報知用上乗せ期間の初期値の桁数よりも大きな桁に相当する数字が変更されることによってなされるため、遊技者は、上乗せ期間が大きく延びたとの印象を受けられる。他方で、液晶表示装置11において上乗せ期間が短縮される演出は、報知用上乗せ期間の初期値の桁数と同じ桁に相当する数字が変更されることによってなされるため、遊技者は、上乗せ期間の延びに比べれば、上乗せ期間の減少の程度に比べて小さいとの印象を受けられる。
<状態確認機能>
遊技店が閉店する際、内部に記憶されている遊技状況を何ら更新せず、据え置くと、その段階での遊技状況が翌日の営業日に持ち越されることになる。例えば、内部に記憶されている遊技状況が、いわゆるボーナスフラグ間、前兆中、チャンスゾーン突入中、特定の内部当籤役に内部当籤し易い高確率中等といった、遊技者にとって有利な遊技状況であると、次の営業日の開店直後に遊技する遊技者に有利な状況を与えることになる。遊技店にとってみれば、店舗運営上、上記有利な状況を享受する遊技者が多く現れることは、避けたい。
遊技店の開店時等に遊技情報(消化ゲーム数等)の据え置き状態が発生することを防止するために、パチスロ機1が所定時間以上の電断から復帰した際(例えば遊技店の開店時の電源投入時)に、設定変更コマンド受信時に行う初期化処理と同じ初期化処理を自動的に行うことが提案されている。
しかしながら、店舗の運営面を考慮すると、開店直後に遊技するメリットを遊技者に付与し、開店直後から高い稼働率で店舗を運営したいところである。その意味で、全ての遊技機を一律に初期化するのではなく、初期化する遊技機と、初期化しない遊技機とを遊技店側に選択できるマニュアル的要素を残すことが好ましい。
とはいうものの、初期化処理は、遊技店のスタッフにとって負担の大きな作業であり、初期化処理にかかる負担をできるだけ軽減することが望ましい。
そこで、開閉可能な扉に設けられたドアキーの操作を含む特定の操作がなされた場合に、ボーナスフラグ間、前兆中、チャンスゾーン突入中、特定の内部当籤役に内部当籤し易い高確率中等の遊技情報が初期値でないときに、その旨の報知を行う報知手段を設けてもよい。
例えば、液晶表示装置11やスピーカ群65L,65R等では、特定操作(MAXベットボタン21を押しながらドアキーを捻る操作)がなされた場合、所定の遊技情報が初期値でないとき(遊技状態がチャンスゾーン、ART遊技状態、ボーナス状態のいずれかであるとき、表モードが高速ショート、高速ロングのいずれかであるとき、あるいは、裏モードが抽籤小、抽籤中、抽籤大、特殊のいずれかであるとき)に、設定変更示唆演出データに応じた報知が実行される(図162参照)。
上記特定操作は、開閉可能な扉に設けられたドアキーの操作を含んでいる(図160参照)。遊技者は、ドアキーを操作することができないため、遊技者が上記特定操作を行い、設定変更示唆演出データに応じた報知を受けることはできない。これにより、特定の遊技者が有利になるのを防ぐことができる。
また、遊技店の店員は、基本的に、液晶表示装置11やスピーカ群65L,65R等による報知があったパチスロ機1について、設定値の変更操作を行い、メインRAM95に記憶されている遊技情報を初期化して初期値にすればよく、全てのパチスロ機1について遊技情報を初期化する必要はないため、上記初期化にかかる負担を軽減できる。
加えて、液晶表示装置11やスピーカ群65L,65R等によって報知された全てのパチスロ機1に対して一律に遊技情報を初期化するのではなく、初期化するパチスロ機1と、初期化しないパチスロ機1とを遊技店側に選択できるマニュアル的要素を残している。そのため、遊技者に、開店直後に遊技するメリットを付与することができ、開店直後における店舗の稼働率を上げることができ得る。
<初期ARTゲーム数隠し機能>
これまで、ARTの上乗せゲーム数の報知態様には、種々の工夫がなされている。例えば、ARTモードにおいて遊技数の上乗せ契機ごとに上乗せ遊技数の報知演出を行う演出方法と、遊技数の上乗せ契機ごとに上乗せ遊技数の報知を行うのではなく、ARTモードの終了時点にまとめて報知する演出方法とを設け、これらの演出方法を遊技者が任意に選択可能にすることが提案されている。
また、例えば、特別遊技状態の単位遊技において、表示列の図柄の変動表示に対する停止操作のタイミングが対応する所定の時間範囲内である場合に特典を付与する特典付与演出を実行するか否かを決定するとともに、特典として報知遊技の所定の加算単位遊技数を決定可能な特典付与演出決定手段と、特典付与演出決定手段により決定された所定の加算単位遊技数が規定の加算単位遊技数以下である場合には、所定の加算単位遊技数を示唆する特定の情報を報知せず、所定の加算単位遊技数が規定の加算単位遊技数より大きい場合には、所定の加算単位遊技数を示唆する特定の情報を報知する加算数示唆演出実行手段とを備える遊技機が提案されている。
しかしながら、加算数示唆演出実行手段による報知の基準となる「規定の加算単位遊技数」が大きいと、加算数示唆演出実行手段による報知がほとんど行われないため、必ずしも、遊技の興趣を高められるとはいえない。他方で、加算数示唆演出実行手段による報知の頻度を上げるために、加算数示唆演出実行手段による報知の基準となる「規定の加算単位遊技数」を小さくすると、加算数示唆演出実行手段による報知の価値が下がり、これもまた、遊技の興趣を高められるとはいえない。そのため、加算数示唆演出実行手段による報知の基準となる「規定の加算単位遊技数」を高くしたうえで、それでもなお、加算数示唆演出実行手段による報知を高い頻度で行うことの可能な遊技機の提供が求められている。
この課題を解決するため、パチスロ機1のメインCPU93は、ARTを付与するか決定し、決定した場合にARTを付与可能なART遊技状態に移行可能にする。そして、ART遊技状態には、ARTの期間を延長の度合いを示す上乗せ期間を決定し、決定した場合にARTの期間を延長する上乗せゾーン1〜3が設けられる。
ここで、初回の上乗せゾーン3については、メインCPU93によって決定された上乗せ期間(図164のS1512の処理によって加算される「50」ゲームと、S291の抽籤によって決定された上乗せゲーム数)が上乗せゲーム数として加算されて、サブRAM103に設けられたARTゲーム数カウンタに記憶される一方、液晶表示装置11等は、上乗せ期間として、メインCPU93によって決定された上乗せ期間よりも短い期間である、50ゲーム上乗せの報知演出データに応じた演出を実行し(図170のS1634)、サブRAM103に設けられたARTゲーム数未報知カウンタには、メインCPU93によって実際に決定された上乗せ期間から、液晶表示装置11等で上乗せ期間として報知した期間(変形例10では「50ゲーム」)を引いた差が未報知上乗せ期間として記憶される。
また、2回目以降の上乗せゾーンについては、上乗せゾーンの種類にかかわらず、メインCPU93によって決定された上乗せ期間が加算されてサブRAM103に設けられたARTゲーム数カウンタに記憶される一方、上乗せゲーム数特殊報知フラグがオンである場合に、メインCPU93によって決定された上乗せ期間を液晶表示装置11等で報知せず、ARTゲーム数未報知カウンタに未報知上乗せ期間として記憶される(図169のS1614、図170のS1637)。
そして、液晶表示装置11等は、ARTゲーム数未報知カウンタに記憶される未報知上乗せ期間が100ゲーム以上になった場合に、ARTの期間について100ゲームが上乗せされたことを報知する(図169のS1616、図170のS1639)。
このようなパチスロ機1によれば、少なくとも、上乗せゾーンとなる初回において、ARTゲーム数未報知カウンタに未報知上乗せ期間を確実に記憶させることができる。そのため、液晶表示装置11等における報知の基準となる期間が、100ゲームと比較的長い期間に設定されていたとしても、上乗せゾーンとなる初回において、ARTゲーム数未報知カウンタに未報知上乗せ期間を確実に記憶させるとはいえない従来のパチスロ機に比べ、未報知上乗せ期間が100ゲームになる頻度が高まる。液晶表示装置11等における報知の基準となる期間が比較的長い期間に設定されていたとしても、ARTの期間が上乗せされたことの報知を高い頻度で行うことができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
<ART終了後の遊技>
ART機能を有する遊技機について、設定変更時およびリミッタによるART遊技終了時に、モード選択抽選手段が、同一の種類のデータにより構成されるモード選択抽選テーブルを用いて、報知抽選手段のART移行抽選のモードを選択することが提案されている。このようなパチスロ機によると、リミッタによるAT遊技終了という遊技者に有利な状態が発生した後においては、設定変更時と同じ処理でAT移行抽選のモードが選択されるので、例えば、設定変更時よりも有利なART移行抽選のモードがAT遊技終了時に選択されて、ART遊技が終了した後、短期間にART遊技の権利が報知抽選手段により再付与されるという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止することができる。
しかしながら、このようなパチスロ機では、ART遊技終了後における遊技の興趣が減退する可能性がある。
そこで、ARTへの移行期待度が異なる複数のモード(低確、高確ショート、高確ロング)を設け、メインCPU93は、ART利益付与カウンタの値が3000以上になった場合(図174のS1734の処理でYESの場合)、リミッタ作動フラグをオンにセットし(図174のS1735)、モード情報を、ARTへの移行期待度が最も低い「低確」モードに更新する(図175のS1752)。これにより、ARTにおいて付与された利益がメダル3000枚になった後の遊技において、ARTに再び短期間で移行するという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止できる。
続いて、メインCPU93は、表モード移行抽籤用番号決定テーブル(図21、図172)及び表モード移行抽籤テーブル(図22)を参照して、現在のモード(低確モード)から他のモード(高確ショート又は高確ロング)に更新するかを決定する。その際、リミッタ作動時に参照される表モード移行抽籤用番号決定テーブル(図172)では、他の表モード移行抽籤用番号決定テーブル(図21)とは異なり、常に、表モード移行抽籤用番号「9」が選択される。そして、表モード移行抽籤テーブル(図22)において、表モード移行抽籤用番号「9」は、他の表モード移行抽籤用番号である「0」〜「2」、「5」〜「8」、「10」、「11」に比べて、通常遊技状態からART遊技状態への移行期待度が大きな期待モード(高確ショート、高確ロング)に更新する更新期待度が高く設定されている。そのため、メインCPU93は、高い頻度で、更新期待度が低い低確モードから高いモード(期待モード:高確ショート、高確ロング)に更新すると決定する。モードが期待モードに更新されれば、遊技の状態がART遊技状態移行する移行期待度が高まり、結果として、ARTのよる特典の付与の終了後においても、遊技の興趣を維持し続けることが可能となる。
よって、このようなパチスロ機1によれば、特典が短期間で再付与されるという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止しつつ、特典が付与される遊技の終了後においても、遊技の興趣を維持し続けることの可能なパチスロ機1を提供することができる。
[付記1]
付記1のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特開2009−178510号公報に示すように、近年では、複数のマスを設け、これら複数のマスのそれぞれに対して所定の効果を与えるとともに、当該マスに与えられた効果に応じた画像を当該マス上に表示することで、スゴロクのような遊技性を持たせる遊技機が知られている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、マス上に表示された画像からその後の遊技の展開を想像することができるため、遊技の興趣を向上させることができるものの、表示される画像が遊技者にとって不利益なものであった場合に、遊技の興趣が低下してしまう恐れがあり、更なる改善が求められていた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を損ねることのない遊技性を持った遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、リール表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ79)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91、ストップスイッチ基板80)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、それぞれ対応付けられた報酬が異なる複数の報酬情報(例えば、イベントマス)の中から一の報酬情報を、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技のそれぞれに対して設定する報酬情報設定手段(例えば、主制御回路91)と、報酬情報が設定されている遊技において付与条件を満たすと、当該遊技に対して設定されている報酬情報に応じた報酬を付与する報酬付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数の報酬情報のそれぞれに対応付けて設けられた個別画像(例えば、表示マス「敵」など)と、前記複数の報酬情報の全てに共通して設けられた共通画像(例えば、表示マス「不明」)とを含む複数の画像を記憶する記憶手段(例えば、ロムカートリッジ基板86)と、前記報酬情報設定手段が前記複数回数の遊技に対して設定した複数の報酬情報に基づいて所定の画像を表示する表示手段(例えば、液晶表示装置11、副制御回路101)と、所定の操作を受け付ける操作受付手段(例えば、操作ボタン22)と、を備え、前記表示手段は、前記操作受付手段により前記所定の操作が受け付けられていない場合には、前記報酬情報設定手段が設定した報酬情報に対応する個別画像を、前記複数回数の遊技のそれぞれに対応付けて表示し、前記操作受付手段により前記所定の操作が受け付けられている場合には、前記報酬情報設定手段が設定した報酬情報に関わらず前記共通画像を、前記複数回数の遊技のそれぞれに対応付けて表示することを特徴とする。
このような遊技機によれば、報酬情報設定手段により複数回数分の遊技に対して報酬情報が設定されると、基本的には、設定される報酬に応じた個別画像を表示する。このような個別画像を表示することで、遊技者は、その後の遊技の展開を想像することができ好適である。また、本発明に係る遊技機では、所定の操作が受け付けられている場合には、付与される報酬に応じた個別画像ではなく、報酬に関係なく共通する共通画像を表示する。これにより、その後の遊技に対して遊技者にとって有利ではない報酬情報が設定されている場合であっても、遊技者は、表示されている共通画像からでは、その後の遊技を想像することができない。このように、本発明に係る遊技機では、報酬情報を設定した場合に、設定された報酬を把握容易な個別画像と、設定された報酬を把握困難な共通画像とを切り替えることができるため、遊技者の好みに合った表示が可能になり、遊技の興趣を損ねることのない遊技性を実現することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記表示手段は、前記操作受付手段により前記所定の操作が受け付けられている場合には、前記複数回数の遊技のうちの現遊技に対応付けて表示している前記共通画像を、当該現遊技に対して設定されている報酬情報に対応する個別画像に切り替えて表示することを特徴とする。
このような遊技機によれば、現遊技よりも後の遊技に対しては、共通画像を表示することで付与される報酬を把握困難にする一方で、現遊技については、共通画像から個別画像に切り替えて表示することで、付与される報酬を把握容易にしている。このように直前までは共通画像により報酬内容を隠しつつ、直前になって個別画像により報酬内容を把握可能にすることで、現遊技の遊技性を高めることができる。これにより、その後の遊技の展開が遊技者にとって好ましくない場合であっても、その後の遊技の展開を遊技者に把握されることなく、全体としての遊技性を高めることができる。
[付記2]
付記2のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特開2009−178510号公報に示すように、近年では、複数のマスを設け、これら複数のマスのそれぞれに対して所定の効果を与えるとともに、当該マスに与えられた効果に応じた画像を当該マス上に表示することで、スゴロクのような遊技性を持たせる遊技機が知られている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、マス上に表示された画像からその後の遊技の展開を想像することができるため、遊技の興趣を向上させることができるものの、表示される画像が遊技者にとって不利益なものであった場合に、遊技の興趣が低下してしまう恐れがあり、更なる改善が求められていた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を損ねることのない遊技性を持った遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、通常遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、リール表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ79)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91、ストップスイッチ基板80)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、前記有利状態において、所定の開始条件を満たすと、報酬を付与する報酬遊技(例えば、上乗せゾーン1)を開始する報酬遊技開始手段(例えば、主制御回路91)と、前記報酬遊技中に、それぞれ対応付けられた報酬が異なる複数の報酬情報を含む遊技制御情報(例えば、イベントマス)の中から一の遊技制御情報を、現遊技から所定回数先の遊技までの複数回数の遊技のそれぞれに対して設定する設定手段(例えば、主制御回路91)と、遊技制御情報が設定されている遊技において付与条件を満たすと、当該遊技に対して設定されている遊技制御情報に基づいて遊技を制御する報酬遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、前記報酬遊技制御手段は、第1遊技制御情報(例えば、イベントマス「赤」)が設定されている遊技では、前記報酬遊技が開始してから特定回数(例えば、保証ゲーム数)の遊技が行われた後に所定の役(例えば、リプレイ以下当籤)が内部当籤役として決定されると当該報酬遊技を終了する一方で、前記報酬遊技が開始してから特定回数の遊技が行われる前に所定の役が内部当籤役として決定されても当該報酬遊技を終了することなく継続し、第1報酬情報(例えば、イベントマス「青1」など)が設定されている遊技において付与条件(例えば、ベル以上当籤)を満たすと、継続中の有利状態の継続期間を延長し、第2報酬情報(例えば、イベントマス「キャラ4」)が設定されている遊技において付与条件(例えば、ベル以上当籤)を満たすと、前記報酬遊技の再セット権利(例えば、復活ストック)を付与し、前記報酬遊技開始手段は、前記再セット権利が付与されている状況で、前記第1遊技制御情報報酬情報に基づき前記報酬遊技が終了されると、前記報酬遊技を再開することを特徴とする。
このような遊技機によれば、報酬遊技中は複数回数分の遊技に対して遊技制御情報が設定されるため、遊技者は、その後の遊技の展開を想像することができ好適である。また、本発明に係る遊技機では、報酬遊技の終了契機となる第1遊技制御情報が設定されている遊技であっても、報酬遊技が開始してから特定回数の遊技が行われるまでは、報酬遊技は終了することなく継続する。これにより、不利な遊技制御情報(第1遊技制御情報)が設定されている場合であっても、特定回数の遊技の間(すなわち、保証期間)は、報酬遊技が継続することになるため、後の遊技が不利な展開になってしまう状況であっても、保証期間内は不利な展開を回避することができ、一定の興趣を担保することができる。また、保証期間が経過した後であっても、第2報酬情報に応じた報酬である再セット権利の付与を受けていた場合には、終了時に報酬遊技が再開されるため、遊技の興趣を更に高めることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記報酬遊技の開始時に、前記複数回数の遊技のそれぞれに対して設定する遊技制御情報の選択期待度が異なる複数のモード情報(例えば、上乗せゾーンレベル)の中から一のモード情報を設定するモード設定手段を更に備え、前記報酬情報設定手段は、第1モード情報(例えば、上乗せゾーンレベル3)が設定されている場合には第2モード情報(例えば、上乗せゾーンレベル1)が設定されている場合に比べて低い確率で、前記第1遊技制御情報を前記一の遊技制御情報として選択し、前記モード設定手段は、前記再セット権利に基づき前記報酬遊技を再開する場合には、前記所定の開始条件に基づき前記報酬遊技を開始する場合よりも高い確率で、前記第1モード情報を前記一のモード情報として設定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、再セット権利に基づき報酬遊技を再開する場合には、所定の開始条件に基づき報酬遊技を開始する場合よりも高い確率で第1モード情報を設定する。この第1モード情報は、報酬遊技の終了契機となる第1遊技制御情報を選択する確率が低いモード情報であるため、再セット権利に基づき報酬遊技を再開する場合には、所定の開始条件に基づき報酬遊技を開始する場合よりも報酬遊技が終了し難く(継続し易く)なる。これにより、再セット権利の付与を受けていた場合には、終了時に報酬遊技が再開されるだけでなく、再開する報酬遊技自体が通常よりも継続し易くなるため、遊技の興趣を更に高めることができる。
[付記3]
付記3のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特開2009−178510号公報に示すように、近年では、複数のマスを設け、これら複数のマスのそれぞれに対して所定の効果を与えるとともに、当該マスに与えられた効果に応じた画像を当該マス上に表示することで、スゴロクのような遊技性を持たせる遊技機が知られている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、マス上に表示された画像からその後の遊技の展開を想像することができるため、遊技の興趣を向上させることができるものの、表示される画像が遊技者にとって不利益なものであった場合に、遊技の興趣が低下してしまう恐れがあり、更なる改善が求められていた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を損ねることのない遊技性を持った遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、通常遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、リール表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ79)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91、ストップスイッチ基板80)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、第1の開始条件(例えば、上乗せゾーン1のストック)を満たすと、報酬を付与する第1報酬遊技(例えば、上乗せゾーン1)を開始する第1報酬遊技開始手段(例えば、主制御回路91)と、第2の開始条件(例えば、上乗せゾーン2のストック)を満たすと、前記第1報酬遊技に比べて多くの報酬を付与する第2報酬遊技(例えば、上乗せゾーン2)を開始する第2報酬遊技開始手段(例えば、主制御回路91)と、前記第1報酬遊技又は前記第2報酬遊技中に、それぞれ対応付けられた報酬が異なる複数の報酬情報(イベントマス)の中から一の報酬情報を、現遊技から第1回数先の遊技までの複数回数の遊技のそれぞれに対して設定する報酬情報設定手段(例えば、主制御回路91)と、報酬情報が設定されている遊技において付与条件を満たすと、当該遊技に対して設定されている報酬情報に応じた報酬を付与する報酬付与手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、前記報酬付与手段は、第1報酬情報(例えば、イベントマス「裏」)が設定されている遊技において所定の役(例えば、ベル以上)が内部当籤役として決定されると、前記第1報酬遊技から前記第2報酬遊技に移行するための移行権利(例えば、上乗せゾーン2のストック)を付与し、第2報酬情報が設定されている遊技において所定の役が内部当籤役として決定されると、設定されている報酬情報を前記第1報酬情報に書き換える書換権利(例えば、裏マス変換個数により裏マスに書き換える権利)を付与し、前記報酬情報設定手段は、前記書換権利が付与されている場合、次遊技以降の第2回数分の遊技に対して設定されている報酬情報を前記第1報酬情報に書き換え、前記第2報酬遊技開始手段は、前記移行権利が付与されている場合に、前記第2報酬遊技を開始することを特徴とする。
このような遊技機によれば、報酬遊技中は複数回数分の遊技に対して報酬情報が設定されるため、遊技者は、その後の遊技の展開を想像することができ好適である。ここで、本発明に係る遊技機では、第2報酬情報が設定されている遊技において付与条件を満たすと、その後の第2回数分の遊技に対して設定されている報酬情報を第1報酬情報に書き換え、また、第1報酬情報が設定されている遊技において付与条件を満たすと、より多くの報酬が期待できる第2報酬遊技を開始する。そのため、第2報酬情報に応じた報酬を得ることができた場合には、その後の第2回数分の遊技において、より多くの報酬が期待できる第2報酬遊技への移行期待度が高まることになる。これにより、その後の遊技の展開が遊技者にとって不利な状況であったとしても、第2報酬情報に応じた報酬を得ることで、不利な状況を回避することができるため、遊技の興趣が担保される。このとき、報酬情報に応じた報酬を得るための付与条件は、所定の役が内部当籤役として決定されることであるため、必ず報酬情報に応じた報酬を得ることができる場合と比べて、書き換えの頻度(第2報酬情報の出現頻度)を高めることができ、遊技の興趣を更に高めることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記報酬情報設定手段は、前記第1報知遊技中の第3回数毎の遊技に対して前記第2報酬情報を設定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1報知遊技中は所定の間隔(第3回数毎)で第2報酬情報が設定されるため、第1報知遊技中は、定期的に第1報酬情報への書き換えのチャンスが訪れる。この定期的なチャンスにおいて第2報酬情報に応じた報酬を得ることができた場合には、その後の遊技において、より多くの報酬が期待できる第2報酬遊技への移行期待度が高まることになるため、遊技の興趣を更に高めることができる。
[付記4]
付記4のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報などの遊技者にとって有利な情報を報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。このようなAT機(ART機)に関して、特開2012−050611号公報には、ATの継続期間の上乗せを行う上乗せ特化ゾーンを備えた遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような上乗せ特化ゾーンを備えた遊技機では、上乗せ特化ゾーン中にATの継続期間を延長することができるため、AT中の興趣を向上させることができるものの、上乗せ特化ゾーン中にボーナス等の他の有利状態が開始してしまうと、上乗せ特化ゾーンが中断されてしまうことがあり、興趣が向上している状況に水を差してしまうという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、上乗せ遊技中の興趣を損ねることのない遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知する報知遊技状態(例えば、ART遊技状態)と報知しない通常状態(例えば、通常遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、リール表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ79)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91、ストップスイッチ基板80)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、前記入賞判定手段により所定役(例えば、ボーナスに係る役)が入賞したと判定されると、ボーナス状態を開始するボーナス開始手段(例えば、主制御回路91)と、前記ボーナス状態中に規定数を超える数の遊技媒体が付与されると、当該ボーナス状態を終了するボーナス終了手段(例えば、主制御回路91)と、所定の開始条件(例えば、上乗せゾーン2のストック)を満たすと、前記報知遊技状態の継続期間を延長する上乗せ状態(例えば、上乗せゾーン2)を開始する上乗せ開始手段(例えば、主制御回路91)と、前記上乗せ状態中に前記ボーナス状態が開始されると、当該上乗せ状態を終了することなく継続する上乗せ制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記上乗せ状態中に遊技媒体が付与されるメダル付与役が内部当籤役として決定されると、前記報知遊技状態の継続期間を延長する上乗せ制御手段(例えば、主制御回路91)と、現在の状態に応じた演出画面を表示する表示手段(例えば、液晶表示装置11、副制御回路101)と、を備え、前記内部当籤役決定手段は、前記ボーナス状態中は、ボーナス状態以外の状態に比べて高い確率で前記メダル付与役を内部当籤役として決定し、前記表示手段は、前記上乗せ状態以外の状態で開始されたボーナス状態中は、ボーナス状態に応じたボーナス演出画面であり、前記規定数から当該ボーナス状態中に付与された遊技媒体の数を減算した払出残数を表示するボーナス演出画面を表示し、前記上乗せ状態中は、上乗せ状態に応じた上乗せ演出画面を表示し、前記上乗せ状態中に開始されたボーナス状態中は、当該上乗せ状態中に表示している上乗せ演出画面を維持したまま、前記規定数の遊技媒体が付与されるために必要な遊技回数を表示することを特徴とする。
このような遊技機によれば、上乗せ状態中にボーナス状態が開始されても上乗せ状態を終了することなく継続する。ここで、ボーナス状態では、上乗せ状態中に継続期間を延長する契機となるメダル付与役が高い確率で内部当籤役として決定されるため、上乗せ状態中に開始するボーナス状態を、通常の上乗せ状態よりも継続期間が延長され易い特殊な上乗せ状態として用いることができる。これにより、上乗せ状態中のボーナス状態を、更に有利な状態にすることができるため、従来のように状況に水を差してしまうことがなく、上乗せ状態中の興趣を更に高めることができる。
また、本発明に係る遊技機では、上乗せ状態以外の状態で開始されたボーナス状態中は、ボーナス状態に固有のボーナス演出画面を表示する一方で、上乗せ状態中に開始されたボーナス状態中は、上乗せ状態に応じた上乗せ演出画面を維持するため、上乗せ状態が継続していることを一目で把握可能にしている。このとき、ボーナス演出画面では、ボーナス状態の終了契機となる規定数までの払出残数を表示する一方で、上乗せ演出画面では、当該規定数の遊技媒体が付与されるために必要な遊技回数を表示する。このように演出画面をボーナス演出画面と上乗せ演出画面とで異ならせるだけでなく、ボーナス状態の終了条件の表示も、通常のボーナス状態と異ならせることで、通常のボーナス状態と上乗せ状態中のボーナス状態との表示上の差別化を図り、上乗せ状態中のボーナス状態に対して特殊な遊技性を持たせることができ、結果、遊技の興趣を高めることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記上乗せ状態以外の状態では、前記ボーナス状態の開始時及び終了時に遊技の進行を一時的に停止する一方で、前記上乗せ状態中では、前記ボーナス状態の開始及び終了時に遊技の進行を停止しない遊技制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、上乗せ状態以外の状態では、ボーナス状態の開始及び終了時に遊技の進行を一時的に停止するため、ボーナス状態の開始演出や終了演出の期間を設けることができ、演出の多様性を確保することができる。一方で、上乗せ状態中のボーナス状態の開始及び終了時は、遊技の進行を停止しないため、ボーナス状態の前後における上乗せ状態の連続性を確保することができる。このようにボーナス状態が開始する状況に応じて遊技の進行を制御することで、多様な遊技性を実現することができる。
[付記5]
付記5のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特開2009−261547号公報には、遊技者にとって有利な状態への移行や遊技者にとって有利な特典の付与などが行われるか否かを報知する複数の連続演出を備える遊技機が開示されている。このような遊技機では、複数の連続演出に対して選択される割合が予め決められており、この割合に基づいて期待度が高い連続演出と期待度が低い連続演出とを設けることができ、遊技の興趣の向上が期待される。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、このような遊技機では、遊技の経験が増えるにつれて連続演出が行われる傾向から、期待度の高い連続演出と期待度の低い連続演出とをある程度判別することが可能になる。そのため、期待度の低い連続演出が実行された場合に、遊技者は、何らの期待感を持つことなく遊技を行うことになるだけでなく、期待度の高い連続演出が実行された場合に、その期待度に反して有利な特典が付与されないときには、遊技の興趣を大きく低下してしまうという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって不利な結果になった場合における興趣の低下を軽減可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、リール表示窓4)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ79)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91、ストップスイッチ基板80)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、遊技の結果が遊技者にとって不利な結果になることを契機に内部ポイント(例えば、裏モード)を蓄積するポイント蓄積手段(例えば、主制御回路91)と、前記ポイント蓄積手段に蓄積される内部ポイントが所定値に達すると、遊技者にとって有利な特典(例えば、ボーナス入賞時のART抽籤に当籤)を付与する特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記ポイント蓄積手段に内部ポイントが蓄積されたことを示唆する演出(例えば、裏モード吸収演出)を実行する演出実行手段(例えば、液晶表示装置11、副制御回路101)と、を備え、前記演出実行手段は、遊技の結果が、前記ポイント蓄積手段が内部ポイントを蓄積する契機となる結果のうちの少なくとも一部の結果になることを契機に前記演出を実行し得るとともに、遊技の結果が、前記ポイント蓄積手段が内部ポイントを蓄積する契機となる結果とは異なる結果になることを契機(例えば、連続演出失敗時)に前記演出を実行し得ることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技者にとって不利な結果になった場合に蓄積される内部ポイントが所定値に達すると、遊技者にとって有利な特典を付与する。このとき、内部ポイントが蓄積されると、その旨を示唆する演出を実行するため、不利な結果が連続している場合であっても、演出から示唆された内部ポイントの蓄積量によっては、その後の遊技に対して期待感を持つことができ、不利な結果に伴う遊技の興趣の低下を軽減することができる。特に、内部ポイントが蓄積されたことを示唆する演出を、内部ポイントを蓄積する契機とは異なる契機で実行することで、実際に内部ポイントが蓄積されたタイミングとは異なる様々なタイミングで演出を実行することができ、演出に多様性を持たせることができる。この点は、出玉に関する管理をメイン側で厳格に行わなければならない、近年の遊技機において特に期待することができる。すなわち、内部ポイントが所定値に達すると遊技者にとって有利な特典を付与するため、内部ポイントの蓄積は出玉に関係し、メイン側で管理しなければならないところ、メイン側の容量は限られているため、内部ポイントを蓄積する契機は、抑える必要がある。この点、本発明に係る遊技機では、内部ポイントを蓄積する契機とは異なる契機で演出を実行可能にしているため、メイン側の容量(すなわち、内部ポイントを蓄積する契機)を抑えつつも、多様な契機で演出を実行することができ、演出に多様性を持たせることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記ポイント蓄積手段が前記内部ポイントを蓄積したにも関わらず前記演出実行手段が前記演出をしない場合に、当該蓄積した前記内部ポイントを累積し差分ポイントとして算出する差分算出手段(例えば、副制御回路101)を更に備え、前記演出実行手段は、遊技の結果が前記演出を実行し得る契機となる結果になると、差分算出手段が算出した前記差分ポイントに基づいて前記演出を実行し、前記差分算出手段は、前記演出実行手段により前記演出が実行されると、前記差分ポイントをクリアすることを特徴とする。
このような遊技機では、内部ポイントが蓄積されたにも関わらず演出が実行されない場合に、内部ポイントが累積されていくため、演出間に蓄積された内部ポイントを差分ポイントとして算出することができる。上述のように内部ポイントを蓄積する契機とは異なる契機で演出を実行する場合、前回の遊技の内部ポイントと今回の遊技の内部ポイントとを比較したのでは、これまでに蓄積された内部ポイントを適切に示唆することができない。この点、本発明に係る遊技機では、内部ポイントが蓄積されたことを示唆する演出を、前回の演出実行時から蓄積された内部ポイントの累計に基づいて実行するため、これまでに蓄積された内部ポイントを適切に示唆することができる。
[付記6]
付記6のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年では、複数のキャラクタの中から演出に登場するキャラクタを遊技者が選択し、選択されたキャラクタを用いて演出を行う遊技機も提案されており、特開2014−207997号公報には、遊技者の操作に応じてキャラクタやそのキャラクタのコスチュームなどを選択可能にした遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、登場するキャラクタを遊技者の好みに合わせて設定(カスタマイズ)することができるため、遊技の興趣を向上させ、また遊技を飽き難くさせることができる。しかしながら、遊技者がキャラクタのコスチュームなどを自由に選択できるようにしてしまうと、遊技機の仕様やキャラクタのモチーフにそぐわない設定が行われる恐れがあり、遊技機やキャラクタのイメージを損なう恐れがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、固有のイメージを損なうことなくキャラクタをカスタマイズ可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、リール表示窓4)と、開始条件の成立に基づいて前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、開始条件の成立に基づいて内部的な抽籤を行う内部抽籤手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部抽籤手段の抽籤結果に基づいて前記図柄の変動を停止させる停止制御手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、複数種類のキャラクタの中から一のキャラクタを決定するキャラクタ決定手段(例えば、副制御回路101)と、キャラクタの表示態様に係る複数の第1表示態様情報(例えば、アクセサリー)の中から一の第1表示態様情報を、選択操作に基づいて決定する第1表示態様決定手段(例えば、副制御回路101)と、キャラクタの表示態様に係る前記第1表示態様情報とは異なる複数の第2表示態様情報(例えば、コスチューム)の中から一の第2表示態様情報を、選択操作に基づいて又は自動的に決定する第2表示態様決定手段(例えば、副制御回路101)と、前記キャラクタ決定手段が決定したキャラクタを、前記第1表示態様決定手段及び前記第2表示態様決定手段が決定した第1表示態様情報と第2表示態様情報との組み合わせに応じた態様で表示する表示手段(例えば、液晶表示装置11、副制御回路101)と、前記第1表示態様情報に対して、当該第1表示態様情報と組み合わせて選択可能な第2表示態様情報の種類を規定する組合せ規定手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記組合せ規定手段は、複数の第2表示態様情報の中の特定の第2表示態様情報のみを、特定の第1表示態様情報に対して組み合わせ可能な第2表示態様情報として規定し、前記第2表示態様決定手段は、前記第1表示態様決定手段により前記特定の第1表示態様情報が決定されると、前記特定の第2表示態様情報を前記一の第2表示態様情報として自動的に決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技者は、キャラクタの表示態様に関して第1表示態様情報(アクセサリー)と第2表示態様情報(コスチューム)とを組み合わせて選択することができるため、登場するキャラクタを遊技者の好みに合わせてカスタマイズすることができる。このとき、本発明に係る遊技機では、第1表示態様情報に対して組み合わせ可能な第2表示態様情報を予め規定しておき、特定の第2表示態様情報のみが組み合わせ可能な情報として規定されている第1表示態様情報(特定の第1表示態様情報)が遊技者により選択された場合には、唯一組合せ可能な特定の第2表示態様情報を自動的に決定する。これにより、遊技機やキャラクタのイメージを損なう可能性のある組み合わせは、選択不可能にすることができ、固有のイメージを損なうことなくキャラクタをカスタマイズすることができる。また、特定の第1表示態様情報が遊技者により選択された場合には、唯一組合せ可能な特定の第2表示態様情報を自動的に決定するため、遊技者の手間を取らせることなく、固有のイメージを損なわないキャラクタのカスタマイズが可能になる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第2表示態様決定手段は、選択操作に基づいて前記特定の第2表示態様情報とは異なる所定の第2表示態様情報が前記一の第2表示態様情報として決定されている場合に、前記第1表示態様決定手段により前記特定の第1表示態様情報が決定されると、前記特定の第2表示態様情報を前記一の第2表示態様情報として自動的に決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技者により既に第2表示態様情報が決定されている場合であっても、その後、第1表示態様情報(特定の第1表示態様情報)が遊技者により選択された場合には、唯一組合せ可能な特定の第2表示態様情報を自動的に決定する。このように遊技者の選択を受け付けていた場合であっても、唯一組合せ可能な表示態様情報に自動的に切り替えるため、遊技者の手間を取らせることなく、固有のイメージを損なわないキャラクタのカスタマイズが可能になる。
[付記7]
付記7のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年では、複数のキャラクタの中から演出に登場するキャラクタを遊技者が選択し、選択されたキャラクタを用いて演出を行う遊技機も提案されており、特開2014−207997号公報には、遊技者の操作に応じてキャラクタやそのキャラクタのコスチュームなどを選択可能にした遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、登場するキャラクタを遊技者の好みに合わせて設定(カスタマイズ)することができるため、遊技の興趣を向上させ、また遊技を飽き難くさせることができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、カスタマイズの効果をより高めるためには、選択可能な項目を増やしたり、個々の項目内で選択できる種類を多くしたりするといったように、選択肢をより多く設けることが好ましい。この点、上述の遊技機では、遊技者の選択操作を十字キーや決定ボタンなどの操作ボタンを介して受け付けているが、遊技機において十字キーや決定ボタンなどは付加的な操作部であるため、基本的には操作性が悪く、選択肢の増加に伴い選択操作が煩わしくなるという問題があった。
また、近年では、直感的な操作を可能にするために、遊技機においてもタッチ操作が可能なタッチパネルを設けることがあるものの、遊技者の中にはこのような直感的な操作を好まない遊技者も多く、また、直感的であるが故に、直感的に操作方法を理解できない場合に、その操作方法を映像などで伝えることが困難になるという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者に合った方法で選択操作が可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、リール表示窓4)と、開始条件の成立に基づいて前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、開始条件の成立に基づいて内部的な抽籤を行う内部抽籤手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部抽籤手段の抽籤結果に基づいて前記図柄の変動を停止させる停止制御手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、アイコンに対するタッチ操作を受け付けるタッチパネル(例えば、液晶表示装置11、タッチセンサ111)と、選択カーソルに対する移動操作、及び当該選択カーソルが選択するアイコンを決定する決定操作を受け付ける操作ボタン(例えば、操作ボタン22)と、を備え、前記タッチパネルを介した操作では、複数のアイコンのうちの開放済みアイコンを選択可能である一方で、未開放アイコンは選択不可能であり、前記操作ボタンを介した操作では、移動操作に基づき移動する選択カーソルが前記開放済みアイコン及び前記未開放アイコンの双方を選択可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、タッチパネルを介した操作と操作ボタンを介した操作との双方の方法により、選択操作を行うことができるため、遊技者は、自身が好む方法で選択操作を行うことができる。また、タッチパネルを介した操作では、未開放アイコンを選択不可能、すなわち、タッチしても反応しないこととすることで、複数のアイコンの中から未開放アイコンを決定できないことを明確にすることができる。また、選択ボタンを介した操作では、未開放アイコンも選択カーソルで選択可能、すなわち、選択カーソルを合わせることができることとすることで、この未開放アイコンが現在は決定できないが将来解放されることで決定可能であることが明確になる。
また、本発明に係る遊技機において、複数のアイコンの中から前記タッチパネルを介したタッチ操作により選択された一のアイコンを決定するタッチ操作モードと、前記操作ボタンを介した移動操作に基づき移動する選択カーソルが一のアイコンを選択している状況で、前記操作ボタンを介した決定操作に基づき複数のアイコンの中から当該一のアイコンを決定するボタン操作モードと、から一の操作モードを決定する操作モード決定手段(例えば、副制御回路101)を更に備え、前記操作モード決定手段は、操作モードとして前記タッチ操作モードを決定している状況で、前記操作ボタンを介して移動操作又は決定操作を受け付けると、操作モードを前記タッチ操作モードから前記ボタン操作モードに切り替え、また、操作モードとして前記ボタン操作モードを決定している状況で、前記タッチパネルを介してタッチ操作を受け付けると、操作モードを前記ボタン操作モードから前記タッチ操作モードに切り替えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、操作モードとして、アイコンに対するタッチ操作により一のアイコンを決定するタッチ操作モードと、選択カーソルを移動させることで一のアイコンを決定するボタン操作モードとを有する。これら操作モードは、それぞれの操作モードに対応する操作を受け付けることで自動的に切り替わるため(具体的には、ボタン操作モード時にタッチ操作を受け付けるとボタン操作モードからタッチ操作モードに切り替わり、タッチ操作モード時にボタン操作を受け付けるとタッチ操作モードからボタン操作モードに切り替わる)、操作モードの切り替えが容易であり、遊技者は、自身が好む操作モードを自由に選ぶことができる。
[付記8]
付記8のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年では、複数のキャラクタの中から演出に登場するキャラクタを遊技者が選択し、選択されたキャラクタを用いて演出を行う遊技機も提案されており、特開2014−207997号公報には、遊技者の操作に応じてキャラクタやそのキャラクタのコスチュームなどを選択可能にした遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、登場するキャラクタを遊技者の好みに合わせて設定(カスタマイズ)することができるため、遊技の興趣を向上させ、また遊技を飽き難くさせることができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、カスタマイズの効果をより高めるためには、選択可能な項目を増やしたり、個々の項目内で選択できる種類を多くしたりするといったように、選択肢をより多く設けることが好ましい。この点、上述の遊技機では、遊技者の選択操作を十字キーや決定ボタンなどの操作ボタンを介して受け付けているが、遊技機において十字キーや決定ボタンなどは付加的な操作部であるため、基本的には操作性が悪く、選択肢の増加に伴い選択操作が煩わしくなるという問題があった。
また、近年では、直感的な操作を可能にするために、遊技機においてもタッチ操作が可能なタッチパネルを設けることがあるものの、遊技者の中にはこのような直感的な操作を好まない遊技者も多く、また、直感的であるが故に、直感的に操作方法を理解できない場合に、その操作方法を映像などで伝えることが困難になるという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者に合った方法で選択操作が可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、リール表示窓4)と、開始条件の成立に基づいて前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、開始条件の成立に基づいて内部的な抽籤を行う内部抽籤手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部抽籤手段の抽籤結果に基づいて前記図柄の変動を停止させる停止制御手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、アイコンに対するタッチ操作を受け付けるタッチパネル(例えば、液晶表示装置11、タッチセンサ111)と、選択カーソルに対する移動操作、及び当該選択カーソルが選択するアイコンを決定する決定操作を受け付ける操作ボタン(例えば、操作ボタン22)と、前記タッチパネルを介したタッチ操作により選択中のアイコンを第1態様で表示し、選択カーソルにより選択中のアイコンを前記第1態様とは異なる第2態様で表示する表示制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、タッチパネルを介した操作と操作ボタンを介した操作との双方の方法により、選択操作を行うことができるため、遊技者は、自身が好む方法で選択操作を行うことができる。また、タッチ操作時とボタン操作時とで、選択中のアイコンの表示態様を異ならせることで、具体的には、タッチ操作時には、選択中のアイコンを第1態様(例えば、タッチONエフェクト付き)で表示し、ボタン操作モード時には、選択中のアイコンを第2態様(例えば、選択カーソル付き)で表示することで、両操作の違いを明瞭にすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、複数のアイコンの中から前記タッチパネルを介したタッチ操作により選択された一のアイコンを決定するタッチ操作モードと、前記操作ボタンを介した移動操作に基づき移動する選択カーソルが一のアイコンを選択している状況で、前記操作ボタンを介した決定操作に基づき複数のアイコンの中から当該一のアイコンを決定するボタン操作モードと、から一の操作モードを決定する操作モード決定手段(例えば、副制御回路101)を更に備え、前記操作モード決定手段は、操作モードとして前記タッチ操作モードを決定している状況で、前記操作ボタンを介して移動操作又は決定操作を受け付けると、操作モードを前記タッチ操作モードから前記ボタン操作モードに切り替え、また、操作モードとして前記ボタン操作モードを決定している状況で、前記タッチパネルを介してタッチ操作を受け付けると、操作モードを前記ボタン操作モードから前記タッチ操作モードに切り替えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、操作モードとして、アイコンに対するタッチ操作により一のアイコンを決定するタッチ操作モードと、選択カーソルを移動させることで一のアイコンを決定するボタン操作モードとを有する。これら操作モードは、それぞれの操作モードに対応する操作を受け付けることで自動的に切り替わるため(具体的には、ボタン操作モード時にタッチ操作を受け付けるとボタン操作モードからタッチ操作モードに切り替わり、タッチ操作モード時にボタン操作を受け付けるとタッチ操作モードからボタン操作モードに切り替わる)、操作モードの切り替えが容易であり、遊技者は、自身が好む操作モードを自由に選ぶことができる。
[付記9]
付記9のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年では、特開2014−207997号公報に示すように、遊技者が所有する携帯電話やスマートフォンと連携する遊技機も知られている。このような遊技機では、遊技の結果をコード化して表示し、当該コードを携帯電話などで読み取ると、読み取った遊技の結果が携帯電話を介してサーバに蓄積される。そして、次に遊技を行うときに、蓄積された遊技の結果に応じたパスワードをサーバから発行し、当該パスワードを遊技機に入力することで、前回遊技の演出履歴などの情報を復帰させて続きから遊技を行うことができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、遊技者によっては、前回遊技からの演出履歴の引き継ぎには興味がなく、今回の遊技における遊技の結果に対してのみ興味を抱くことがあり、このような遊技者は、引き継ぐ必要のない演出履歴のためにわざわざパスワードの発行及び入力を求めることに煩わしさを感じてしまう。そこで、近年では、前回遊技からの演出履歴の引き継ぎを行うことなく、今回の遊技の結果の蓄積だけを目的とする遊技者に対して、パスワードの入力を省いて、遊技の結果の蓄積を開始させる簡単スタートという機能を有する遊技機も提案されている。
しかしながら、パスワードの入力を省いた場合、サーバでの認証が必要なくなるため、簡単スタートを誰でも行うことが可能になってしまい好ましくない状況になる恐れがあった。具体的には、自分が遊技を行わない遊技機に対して簡単スタートを設定しておき、他者が当該遊技機で遊技を行った後に、その遊技の履歴を後から盗み見ることが可能であり、簡単スタートに関して更なる改善が求められていた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、他者の遊技の履歴を盗み見る行為を防止可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、リール表示窓4)と、開始条件の成立に基づいて前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、開始条件の成立に基づいて内部的な抽籤を行う内部抽籤手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部抽籤手段の抽籤結果に基づいて前記図柄の変動を停止させる停止制御手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、遊技の結果を示す遊技履歴を管理する履歴管理手段(例えば、副制御回路101)と、前記履歴管理手段が管理する前記遊技履歴の一部である第1遊技履歴を表示する第1履歴画面(例えば、遊技履歴の1ページ目)、及び前記第1遊技履歴とは異なる第2遊技履歴を表示する第2履歴画面(例えば、遊技履歴の2ページ目)を含む複数の表示画面を表示する表示手段(例えば、液晶表示装置11)と、前記表示手段の表示を制御する表示制御手段(例えば、副制御回路101)と、第1の登録手順(例えば、正式な登録手順)、又は当該第1の登録手順よりも簡易な第2の登録手順(例えば、簡易的な登録手順)により、遊技を行う遊技者の登録を受け付ける登録受付手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記表示制御手段は、前記第1の登録手順により登録を受け付けている場合には、前記第1遊技履歴及び前記第2遊技履歴の双方を表示可能に前記表示手段の表示を制御する一方で、前記第2の登録手順により登録を受け付けている場合には、前記第1遊技履歴を表示可能、かつ、前記第2遊技履歴を表示不可能に前記表示手段の表示を制御することを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1の登録手順及び第1の登録手順よりも簡易な第2の登録手順により遊技を行う遊技者の登録を受け付けるため、遊技者は、手順を踏んだ正式な登録と、簡易な手順で済む簡易な登録とを選択して行うことができる。この場合において、第1の登録手順により登録を受け付けている場合には、第1遊技履歴及び第2遊技履歴の双方を表示可能にする一方で、第2の登録手順により登録を受け付けている場合には、第1遊技履歴は表示できるものの、第2遊技履歴を表示不可能にする。これにより、簡易な登録を利用した場合には、一部の遊技履歴しか見ることができなくなるため、簡易な登録を利用して他者の遊技結果を盗み見る行為を防止することができる。また、わざわざ正式な手順を踏んで登録を行った遊技者に対しては、遊技には直接影響しない程度の特典(第2遊技履歴の表示)を与えることで、正式な登録の利用を促進し、結果、遊技機に対して愛着を持たせ、遊技機の稼動を促進することができる。
[付記10]
付記10のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特開2010−057732号公報に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など、遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、ナビの有り無しで遊技に優劣が生じるため、単なる役抽籤のみでは得られない遊技性を実現することができるものの、AT機能を採用する前提として、遊技者が確実にナビを享受できるように設計する必要がある。しかしながら、何らかのエラーなどが発生したときに適切にナビを行うことができない場合があり、このような場合に対する対策が求められている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者が確実にナビを享受できる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、リール表示窓4)と、遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御回路91)と、遊技に関する演出を制御する副制御部(例えば、副制御回路101)と、遊技に関する演出を実行する演出実行手段(例えば、液晶表示装置11)と、を備え、前記主制御部は、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ79)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、内部当籤役として決定された際に停止操作の順序に応じて第1の図柄組合せ又は第2の図柄組合せを含む複数の図柄の組合せが停止表示可能な押し順役を含む複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、主制御回路91、ストップスイッチ基板80)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段に設けられた有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、前記内部当籤役決定手段により前記押し順役が内部当籤役として決定されると、前記第1の図柄組合せを前記有効ライン上に停止表示するための停止操作の順序を一義的に示す指示情報(例えば、メイン側ナビの内容)を決定する指示情報決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記指示情報決定手段が決定した指示情報を報知する指示情報報知手段(例えば、情報表示器14)と、前記副制御部に対して、遊技の進行結果に関する遊技情報であって、前記指示情報決定手段により前記指示情報されている場合には、当該指示情報を含む遊技情報を通知する通知手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、前記副制御部は、前記主制御部から取得した前記遊技情報に基づいて、前記演出実行手段で実行する演出を抽籤により決定する演出決定手段(例えば、副制御回路101)と、前記演出実行手段により決定された前記演出を前記演出実行手段で実行する演出制御手段(例えば、副制御回路101)と、前記主制御部から前記指示情報を取得している場合に、前記演出決定手段により決定された前記演出が前記主制御部から取得した前記指示情報に対応する演出であるか否かを判定する判定手段(例えば、副制御回路101)と、を備え、前記演出決定手段は、前記判定手段により前記演出が前記指示情報に対応する演出ではないと判定されると、決定していた前記演出を、前記指示情報が一義的に示す停止操作の順序を報知する演出に書き換えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、メイン(主制御部)側で停止操作の順序を報知する場合には、主制御部は、サブ側(副制御部)に通知する遊技情報に指示情報を含めて遊技情報を通知する。副制御部では、メイン側から取得した遊技情報に基づいて実行する演出を抽籤により決定するため、遊技情報に指示情報が含まれている場合には、基本的にはメイン側の報知に合った演出が決定されることになるが、何らかのエラーでメイン側の報知に合った演出が決定されない場合もあり得る。そこで、本発明に係る遊技機では、メイン側から受信した遊技情報に指示情報(メイン側の報知内容)が含まれている場合には、決定した演出が当該指示情報に対応する演出であるか否かを判定し、対応する演出でない場合には、抽籤により決定していた演出を、指示情報に対応する演出に強制的に書き換える。これにより、何らかの理由でメイン側の報知に合った演出が抽籤されてない場合であっても、サブ側の演出をメイン側の報知に合った演出に書き換えて実行することができるため、メイン・サブの双方において確実に報知を行うことができ、結果、遊技者は報知を確実に享受することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記押し順役として、第1の押し順役と第2の押し順役とを含み、前記指示情報に対応する演出は、当該指示情報が一義的に示す停止操作の順序を、前記押し順役の種別に応じた色で報知する演出であり、前記副制御部の前記演出決定手段は、前記判定手段により前記演出が前記指示情報に対応する演出ではないと判定されると、決定していた前記演出を、前記指示情報が一義的に示す停止操作の順序を、前記第1の押し順役に応じた第1の色及び前記第2の押し順役に応じた第2の色の何れとも異なる第3の色で報知する演出に書き換えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、メイン側の報知に合った演出が抽籤されている場合には、サブ側では、指示情報が一義的に示す停止操作の順序を、押し順役の種別に応じた色で報知するが、何らかの理由でメイン側の報知に合った演出が抽籤されてない場合には、指示情報が一義的に示す停止操作の順序を、押し順役の何れにも対応していない色(第3の色)で報知する。これにより、エラー発生時(何らかの理由でメイン側の報知に合った演出が抽籤されてない場合)に、押し順役の種別を誤って報知してしまうことを防止できる。
[付記11]
付記11のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特開2009−153759号公報に示すように、近年では、メダルの投入からストップボタンの操作に至るまでの遊技操作が一連の流れ作業として行われ、事務的になるのを防ぐため、遊技機にメダルが投入されると、サブリールの演出用シンボルの回転を開始し、スタートレバーが操作され、単位遊技の開始操作が検出されると、当籤役決定手段で決定された当籤役に基づいて演出用シンボルの回転を停止する遊技機が提案されている。サブリールでは、従来何も演出が行われずに事務的に遊技操作が行われていたタイミングで、当籤役決定手段で決定された当籤役を報知するようになる。
この構成によれば、サブリールでは、従来何も演出が行われずに事務的に遊技操作が行われていたタイミングで、当籤役決定手段で決定された当籤役を報知するようになる。その結果、インパクトのある当籤役の報知を行うことが可能となり、遊技者は、今までにない興趣を持ってサブリールでの演出を楽しむことができるようになる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
特開2009−153759号公報に記載の構成では、サブリールにおける演出用シンボルの回転が開始した後、スタートレバーの操作によって、回転する演出用シンボルが一度に停止する。そこで、スタートレバーを操作するタイミングに限らず、遊技中における遊技者による何らかの操作が行われる度にシンボルを回転、停止させ、当籤役を逐次的に予測可能にするという、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することが求められている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、新たな遊技性を持った遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、
遊技価値のベット信号を検出することに応じて、前記遊技価値をベットすることが可能なベット手段と(例えば、主制御回路91、BETスイッチ)、
複数の図柄を変動表示及び停止表示することが可能な複数の図柄表示部と(例えば、リール3L,3C,3R、リール表示窓4)、
前記ベット手段により第1の数量の遊技価値がベットされた場合に、前記図柄を変動表示させる図柄変動手段と(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ79)、
特典を付与するかを決定する特典付与決定手段と(例えば、主制御回路91)、
前記図柄表示部と同体あるいは別体に設けられ、前記特典付与手段による決定の結果に応じた演出を実行可能な演出手段と(例えば、リール3L,3C,3R及びリール表示窓4、液晶表示装置11)、
前記演出手段での演出を制御する演出制御手段と(例えば、主制御回路91、副制御回路101)、
前記遊技価値の貯留信号を検出することに応じて、前記遊技価値を貯留することが可能な貯留手段と(例えば、主制御回路91、クレジット枚数カウンタ)、
を備え、
前記演出制御手段は、前記貯留手段に第2の数量の前記遊技価値が貯留された場合に、前記複数の図柄表示部のうち、少なくとも一の図柄表示部における図柄を特定量変動させて停止させる特定演出の制御を行い、
前記特定量変動させた図柄によって、前記特典付与決定手段による決定の結果を示唆する、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、演出手段での演出を制御する演出制御手段は、貯留手段に第2の数量の遊技価値が貯留された場合に、複数の図柄表示部のうち、少なくとも一の図柄表示部における図柄を特定量変動させて停止させる特定演出の制御を行い、特定量変動させた図柄によって、特典付与決定手段による決定の結果を示唆する。
これにより、遊技価値の貯留操作をきっかけとして、図柄を回転、停止させ、特典付与決定手段による決定の結果を予測可能にするという、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機において、
前記特定演出は、前記複数の図柄表示部において前記特典付与決定手段による決定の結果を示唆する図柄が停止表示されるまでの間、前記貯留手段に前記第2の数量の前記遊技価値が貯留される毎に実行される、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、演出手段で実行する演出として、複数の図柄表示部のうち、まずは、少なくとも一の表示部における図柄を特定量だけ変動させて停止させる動作を、遊技価値が貯留される毎に、特典付与決定手段による決定の結果を示唆する図柄が停止表示されるまで行われ、その後、他の表示部における図柄を特定量だけ変動させて停止させる動作を、遊技価値が貯留される毎に、特典付与決定手段による決定の結果を示唆する図柄が停止表示されるまで行われる。したがって、遊技価値の貯留操作をきっかけとして、図柄を複数回に分けて回転、停止させ、特典付与決定手段による決定の結果を段階的に予測可能にするという、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機は、
遊技価値のベット信号を検出することに応じて、前記遊技価値をベットすることが可能なベット手段と(例えば、主制御回路91、BETスイッチ)、
複数の図柄を変動表示及び停止表示することが可能な複数の図柄表示部と(例えば、リール3L,3C,3R、リール表示窓4)、
前記ベット手段により第1の数量の遊技価値がベットされることを含む所定の操作が行われた場合に、前記図柄を変動表示させる図柄変動手段と(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ79)、
特典を付与するかを決定する特典付与決定手段と(例えば、主制御回路91)、
前記図柄表示部と同体あるいは別体に設けられ、前記特典付与手段による決定の結果に応じた演出を実行可能な演出手段と(例えば、リール3L,3C,3R及びリール表示窓4、液晶表示装置11)、
前記演出手段での演出を制御する演出制御手段と(例えば、主制御回路91、副制御回路101)、
前記遊技価値の貯留信号を検出することに応じて、前記遊技価値を貯留することが可能な貯留手段と(例えば、主制御回路91、クレジット枚数カウンタ)、
を備え、
前記演出制御手段は、前記貯留手段に第2の数量の前記遊技価値が貯留された場合に、前記特典付与決定手段による決定の結果に応じた特定演出の制御を行う、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、演出手段での演出を制御する演出制御手段は、貯留手段に第2の数量の遊技価値が貯留された場合に、特典付与決定手段による決定の結果に応じた特定演出の制御を行う。
これにより、遊技価値の貯留操作をきっかけとして、特典付与決定手段による決定の結果を予測可能にするという、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技価値の貯留操作をきっかけとして、特典付与決定手段による決定の結果を予測可能にするという、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することができる。
[付記12]
付記12のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特開2016−047152号公報に示すように、近年では、報知可能遊技において、歌唱された音声であるボーカル音と伴奏音とで構成される楽曲音を音出力手段から出力させる楽曲音出力手段と、報知手段による報知を可能とする所定期間内の遊技において、キャラクタの台詞を内容とする音声である台詞音を音出力手段から出力させる台詞音出力手段と、を備える遊技機が提案されている。この遊技機において、音出力制御手段は、楽曲音の出力と台詞音の出力が同時に行われる場合は、ボーカル音、伴奏音及び台詞音の音信号を別々のチャンネルを介して音出力手段に出力し、かつ、ボーカル音の音量を、楽曲音の出力と台詞音の出力が同時に行われない場合の音量よりも小さく設定する。
この遊技機では、例えば、上左スピーカ、上右スピーカから出力されるナビボイス音の音量が所定の音量よりも小さく設定されているので、ナビボイス音の音量が所定の音量に設定されている場合と比べて、楽曲音が聴き取り易くなる。したがって、音による演出の効果を高め、遊技の興趣を高めることができる。
また、左スピーカ、上右スピーカから出力されるナビボイス音の音量が所定の音量に設定されている場合とは、音の定位を異ならせることができる。したがって、下左スピーカ及び下右スピーカから出力されるナビボイス音と、各スピーカから出力される楽曲音の両方を聴き取り易くすることができる。
また、例えば、特定の擬似ボーナス中に取得されるサウンドデータに含まれている、ボーカル音、伴奏音、台詞音、SE音(Sound Effect音,遊技の演出において適宜出力される効果音)のサウンドデータは、別々のチャンネルに入力され、ボーカル音、伴奏音、台詞音、SE音は別々のスピーカから出力されるように設定されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
特開2016−047152号公報に記載の構成では、ボーカル音によって、楽曲音、台詞音の音声が聞き取りづらくなることを防止できる点で、音による演出の効果を高めて、遊技の興趣を高めることができる。しかしながら、いわゆる、メダルのベット操作、スタートレバーの操作、第3停止操作といった所定の契機に基づいて遊技機での演出が次の演出に切り換わる場合、キャラクタの台詞音が台詞の途中であるにも関わらず強制的に終了することがある。
ボーカル音や楽曲音については、映像を表示するにあたっての効果音やBGMとしての意味合いが大きく、比較的長時間であるため、ボーカル音や楽曲音の途中で強制的に終了することに致し方ない面もある。他方で、キャラクタの台詞音については、比較的短時間であり、台詞の途中であるにも関わらず強制的に終了してしまうと、遊技者に対し、台詞の途中で台詞音が切られてしまったという印象を与え得る。そこで、所定の契機に基づいて遊技機での演出を次の演出に切り換える際におけるキャラクタの台詞音について、更なる改善が求められていた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、所定の契機に基づいて遊技機での演出を次の演出に切り換える際に、キャラクタの台詞音が途中で切られるのを回避することで、遊技の興趣をよりいっそう高めた遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、
複数の図柄を変動表示することが可能な複数の図柄変動手段と、前記図柄変動手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段とを備える遊技機であって、
遊技中における演出を実行する演出手段と(例えば、液晶表示装置11、スピーカ群65L,65R)、
前記演出手段での演出を制御する演出制御手段と(例えば、サブCPU102)、
前記演出で使用する複数種類のキャラクタの中から選択された少なくとも一種の対象キャラクタの情報を記憶可能な選択キャラクタ情報記憶手段と(例えば、サブRAM103)、
を備え、
前記演出制御手段は、
所定の契機になると、前記対象キャラクタの演出とは異なる演出、及び前記対象キャラクタの画像を表示する演出については、終了するよう前記演出手段を制御する一方で、
少なくとも、前記対象キャラクタの音声を出音する演出については、前記所定の契機になっても、引き続き実行するよう前記演出手段を制御する、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、演出手段での演出を制御する演出制御手段は、所定の契機になると、複数種類のキャラクタの中から選択された少なくとも一種の対象キャラクタの演出とは異なる演出、及び対象キャラクタの画像を表示する演出については、終了するよう演出手段を制御する。その一方で、少なくとも、対象キャラクタの音声を出音する演出について、演出制御手段は、所定の契機になっても、引き続き実行するよう演出手段を制御する。
これにより、遊技者にとって好みのキャラクタの音声については、所定の契機に基づいて遊技機での演出が次の演出に切り換わる場合であっても、途中で終了することなく、最後まで出音される。よって、遊技の興趣をよりいっそう高めた遊技機を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機において、
前記所定の契機は、前記演出手段で実行中の第1演出に続く第2演出の開始を指令する第2演出開始指令信号を検出した場合を含み、
前記所定の契機に基づき、前記演出制御手段は、
前記第2演出の実行を開始するよう前記演出手段を制御し、
少なくとも、前記対象キャラクタの音声を出音する演出については、前記第2演出の実行を開始していても、引き続き実行するよう前記演出手段を制御する、
ことを特徴とする。
所定の契機に応じて、全てのキャラクタの音声を出音可能にすると、当該契機をきっかけに開始する次の演出における種々の音声(キャラクタの音声に限らず、ボーカル音や楽曲音も含むあらゆる音声)と混同し、かえって音声を識別できなくなることもあり得る。このような遊技機によれば、所定の契機になっても引き続き演出を実行する音声を、遊技者が選んだ好みのキャラクタの音声に絞っているため、多種の音声が混同して各々の音声を識別できないという事態が生じるのを防止できる。
また、本発明に係る遊技機において、
前記演出手段は、音を出力する音出力手段(例えば、スピーカ群65L,65R)を有し、
前記演出制御手段は、前記音出力手段に音信号を出力する複数のチャンネルを有し(例えば、音データ送出チャンネルA、音データ送出チャンネルB)、
前記複数のチャンネルは、第1キャラクタ、第2キャラクタ、キャラクタの音声とは異なる楽曲のそれぞれについて複数設けられ(例えば、音データ送出チャンネルAに設けられた複数種類のチャンネル、音データ送出チャンネルBに設けられた複数種類のチャンネル)、
前記所定の契機は、前記演出手段で実行中の第1演出に続く第2演出の開始を指令する第2演出開始指令信号を検出した場合を含み、
前記第1演出において、前記演出制御手段は、前記第1キャラクタ、前記第2キャラクタ、及び前記楽曲の前記第1演出での音信号を、別々の第1チャンネルを介して前記音出力手段に出力し、
前記所定の契機に基づき、前記演出制御手段は、
前記対象キャラクタ以外のキャラクタ、及び前記楽曲の前記第1演出での音信号の出力を停止し、
前記対象キャラクタの前記第1演出での音信号を、前記対象キャラクタに対して設けられた第1チャンネルを介した前記音出力手段への出力を継続し、
前記第1キャラクタ、前記第2キャラクタ、及び前記楽曲の前記第2演出での音信号を、別々の第2チャンネルを介した前記音出力手段への出力を開始する、
ことを特徴とする。
所定の契機に応じて、全てのキャラクタの音声を出音可能にすると、当該契機をきっかけに開始する次の演出における種々の音声(キャラクタの音声に限らず、ボーカル音や楽曲音も含むあらゆる音声)と混同し、かえって音声を識別できなくなることもあり得る。このような遊技機によれば、所定の契機になっても引き続き音声の出力を継続するチャンネルを、遊技者が選んだ好みのキャラクタの音声を出力するためのチャンネルに絞っているため、多種の音声が混同して各々の音声を識別できないという事態が生じるのを防止できる。
[発明の効果]
本発明によれば、所定の契機に基づいて遊技機での演出を次の演出に切り換える際に、キャラクタの台詞音が途中で切られるのを回避でき、結果として、遊技の興趣をよりいっそう高めた遊技機を提供することができる。
[付記13]
付記13のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特開2014−028193号公報に示すように、近年では、ART遊技状態への移行が決定した場合、液晶表示装置では、遊技者に対して、所定時間の間にベットボタンの連打を促す表示が行われ、遊技者によるベットボタンの連打数が20回以上である場合、ART状態に移行したことを示す特殊識別信号が外部端子板を介して外部に出力される一方で、遊技者によるベットボタンの連打数が20回よりも少ない場合には、該特殊識別信号の出力は行われないことが提案されている。
この構成によれば、遊技者自らのベットボタンの連打により、ART状態に移行したことを把握できるため、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、物理的なボタンの操作だけでなく、他の形態での操作によっても、いわゆる連打演出を実行可能にし、遊技者にとって有利な状態につながるような遊技機は、提案されていなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、物理的なボタンの操作だけでなく、他の形態での操作によっても、いわゆる連打演出を実行可能にし、遊技者にとって有利な状態につなげるという、新たな遊技性を持った遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、
所定数の遊技価値がベットされた場合に遊技を実行可能な遊技機であって、
特典を付与するかを決定する特典付与決定手段と(例えば、ARTを付与可能な主制御回路91)、
演出を実行可能な演出手段と(例えば、液晶表示装置11)、
前記演出手段での演出を制御する演出制御手段と(例えば、副制御回路101)、
前記遊技価値の貯留信号を検出することに応じて、前記遊技価値を貯留することが可能な貯留手段と(例えば、クレジット枚数カウンタ)、
を備え、
前記演出制御手段は、所定の演出を実行中に前記貯留信号を検出すると、検出した前記貯留信号に応じて、前記演出手段における前記特典の付与に関する報知の演出を制御する、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定の演出を実行中に貯留手段が遊技価値の貯留信号を検出すると、演出制御手段は、検出した貯留信号に応じて、演出手段における特典の付与に関する報知の演出を制御する。そのため、物理的なボタンの操作だけでなく、遊技価値の貯留手段への貯留という、他の形態での操作によっても、いわゆる連打演出を実行可能にし、遊技者にとって有利な状態につながる点で、これまでにはない新たな遊技性を持った遊技機を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機において、
前記演出制御手段は、前記所定の演出を実行中に前記貯留信号を検出した回数に応じて、前記演出手段における前記特典の付与に関する報知の演出を制御する、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、物理的なボタンの操作だけでなく、遊技価値の貯留手段への連続的な貯留という、他の形態での連続操作によっても、いわゆる連打演出を実行可能にし、遊技者にとって有利な状態につながる点で、より新たな遊技性を持った遊技機を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機において、
前記所定の演出は、所定の時間内に所定の操作(例えば、物理的なボタンの操作)を連続して行うことを促す連打演出であり、
前記演出制御手段は、前記連打演出を実行中に前記貯留信号を検出した回数に応じて、前記演出手段における前記特典の付与に関する報知の演出を制御する、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、物理的なボタンの操作だけでなく、遊技価値の貯留手段への連続的な貯留という、他の形態での連続操作を遊技者自身で行うことにより、遊技者にとって有利な状態につながる点で、より新たな遊技性を持った遊技機を提供することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、物理的なボタンの操作だけでなく、他の形態での操作を通じて遊技者にとって有利な状態につなげるという、新たな遊技性を持った遊技機を提供することができる。
[付記14]
付記14のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
ところで、遊技者にとって有利な有利状態が長期間にわたり行われないと、遊技者の受ける不利益が著しく大きくなる。そこで、有利状態が長期間にわたり行われない場合に強制的に有利状態に移行させる救済機能を備えた遊技機が知られている。
救済機能については、これまでいくつかの工夫が行われている。例えば、特開2017−113195号公報では、遊技を行う状態がART非当籤中である場合に行う移行抽籤に当籤すると、ART非当籤中からART当籤中に状態を移行させる遊技機において、上記の移行抽籤において当籤する確率を示す当籤確率を決定する際、ART非当籤中からART当籤中に状態が移行するまでの単位遊技の回数を計数するRTゲーム数カウンタが示す値を所定回数から減算した残り回数の逆数を当籤確率として決定することが提案されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、これまでの救済機能に関する工夫は、有利状態ではない通常状態が長時間続いた場合に、遊技の状態を通常状態から有利状態に移行させることによる救済である。そこで、新たな救済手段を提供し、遊技者が大きな不利益を受けることを防ぐ手当てにバリエーションを持たせることが求められている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、新たな救済手段を提供し、遊技者が大きな不利益を受けることを防ぐための救済機能にバリエーションを持たせた遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、
遊技を行う状態として、第1遊技状態(例えば、通常遊技状態(非ART))と第2遊技状態(例えば、第1の通常ART)と第3遊技状態(例えば、第2の通常ART)とを有する遊技機であって、
複数の図柄を変動表示及び停止表示することが可能な複数の図柄表示部と(例えば、リール3L,3C,3R、リール表示窓4)、
複数の役から内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段と(例えば、主制御回路91)、
前記図柄を変動表示させる図柄変動手段と(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)、
前記複数の図柄表示部に対応して複数設けられ、前記図柄の変動表示を停止させるための停止操作を受け付ける停止操作手段と(例えば、停止ボタン19L,19C,19R)、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作手段の操作とに応じて、前記図柄表示部で変動表示する図柄の変動を停止させる停止制御手段と(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)、
前記停止制御手段により停止表示される図柄の表示態様に応じた特典を付与する特典付与手段と(例えば、主制御回路91)、
前記第1遊技状態において、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態に移行するかを決定する第1移行決定手段と(例えば、変形例に係るART抽籤用番号決定テーブル及びART抽籤テーブルを参照してARTの当籤あるいは非当籤を抽籤する主制御回路91)、
前記第2遊技状態において、前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に移行するかを決定する第2移行決定手段と(例えば、チェリーの当籤によって第1の通常ARTから第2の通常ARTに移行する主制御回路91)、
を備え、
前記第2遊技状態は、所定の単位遊技(例えば、報知パターンA)を所定回数(例えば、1000回)行い、続いて、前記所定の単位遊技に比べて、前記特典の付与を受けるための前記複数の停止操作手段の操作順序又は操作タイミングを報知する確率が高い報知遊技(例えば、報知パターンB)を行う状態であり、
前記第3遊技状態は、前記所定の単位遊技を前記所定回数よりも少ない特定回数(例えば、32回)行い、続いて、前記報知遊技を行う状態である、
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、第1遊技状態において、第1移行決定手段は、第1遊技状態から第2遊技状態に移行するかを決定する。
そして、第2遊技状態において、第2移行決定手段は、第2遊技状態から第3遊技状態に移行するかを決定する。そして、第2遊技状態から第3遊技状態に移行されると、所定の単位遊技の回数が、所定回数から、より少ない特定回数に減り、所定の単位遊技を特定回数行えば、所定の単位遊技に比べて、特典の付与を受けるための複数の停止操作手段の操作順序等を報知する確率が高い報知遊技を実行可能になる。これにより、第2遊技状態において、第3遊技状態に移行すると決定されたときは、所定の単位遊技の遊技回数を減らして、より大きな特典を有する単位遊技を実行することが可能になる。
他方、所定の単位遊技の回数が所定回数になるまでの間、第2遊技状態から第3遊技状態に移行すると決定されないこともあり得る。そのようなときであっても、所定の単位遊技の回数が所定回数になれば、続いて、上述した報知遊技が実行される。これにより、報知遊技が長時間にわたって実行されない場合に、遊技者に対し、あたかも報知遊技を強制的に実行する救済機能であるかのような感覚を付与できる。
また、本発明に係る遊技機は、
前記第1移行決定手段は、前記第1遊技状態における前記単位遊技ごとに、前記内部当籤役の種類に関わらず、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態に移行するかを決定し、
前記第2移行決定手段は、前記内部当籤役が所定の内部当籤役である場合に、前記第2遊技状態から前記第3遊技状態に移行するかを決定する、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1遊技状態において、第1移行決定手段は、第1遊技状態における単位遊技ごとに、内部当籤役の種類に関わらず、第1遊技状態から第2遊技状態に移行するかを決定する。これにより、第1遊技状態から第2遊技状態への移行を、比較的少ない回数の単位遊技で実行することができる。
そして、第2遊技状態において、第2移行決定手段は、内部当籤役が所定の内部当籤役である場合に、第2遊技状態から第3遊技状態に移行するかを決定する。第2移行決定手段は、内部当籤役が所定の内部当籤役である場合に抽籤を行うため、第2移行決定手段が第3遊技状態に移行すると決定することは、比較的稀である。そして、第2遊技状態から第3遊技状態に移行されると、所定の単位遊技の回数が、所定回数から、より少ない特定回数に減り、所定の単位遊技を特定回数行えば、所定の単位遊技に比べて、特典の付与を受けるための複数の停止操作手段の操作順序等を報知する確率が高い報知遊技を実行可能になる。これにより、第2遊技状態において、第3遊技状態に移行すると決定されたときは、所定の単位遊技の遊技回数を減らして、より大きな特典を有する単位遊技を実行することが可能になる。
他方、第2移行決定が第2遊技状態から第3遊技状態に移行すると決定することは、比較的稀であるため、所定の単位遊技の回数が所定回数になるまでの間、第2遊技状態から第3遊技状態に移行すると決定されないこともあり得る。そのようなときであっても、所定の単位遊技の回数が所定回数になれば、続いて、上述した報知遊技が実行される。これにより、報知遊技が長時間にわたって実行されない場合に、遊技者に対し、あたかも報知遊技を強制的に実行する救済機能であるかのような感覚を付与できる。
[発明の効果]
本発明によれば、新たな救済手段を提供し、遊技者が大きな不利益を受けることを防ぐための救済機能にバリエーションを持たせた遊技機を提供することができる。
[付記15]
付記15のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特開2009−153759号公報に示すように、近年では、メダルの投入からストップボタンの操作に至るまでの遊技操作が一連の流れ作業として行われ、事務的になるのを防ぐため、遊技機にメダルが投入されると、サブリールの演出用シンボルの回転を開始し、スタートレバーが操作され、単位遊技の開始操作が検出されると、当籤役決定手段で決定された当籤役に基づいて演出用シンボルの回転を停止する遊技機が提案されている。サブリールでは、従来何も演出が行われずに事務的に遊技操作が行われていたタイミングで、当籤役決定手段で決定された当籤役を報知するようになる。
この構成によれば、サブリールでは、従来何も演出が行われずに事務的に遊技操作が行われていたタイミングで、当籤役決定手段で決定された当籤役を報知するようになる。その結果、インパクトのある当籤役の報知を行うことが可能となり、遊技者は、今までにない興趣を持ってサブリールでの演出を楽しむことができるようになる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
特開2009−153759号公報に記載の構成では、サブリールにおける演出用シンボルの回転が開始した後、スタートレバーの操作によって、回転する演出用シンボルが一度に停止する。しかしながら、メダルの投入からスタートレバーが操作されるまでの間は何ら演出が行われるものでなく、そのような間であっても、遊技に関する何らかの演出を実行し、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することが求められている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、メダルの投入からスタートレバーが操作されるまでの間であっても、遊技に関する何らかの演出を実行し、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、
所定数の遊技価値がベットされた場合に遊技を実行可能な遊技機であって、
遊技価値のベット信号を検出することに応じて、前記遊技価値をベットすることが可能なベット手段と(例えば、BETスイッチ77)、
遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と(例えば、スタートスイッチ79)、
演出を実行可能な演出手段と(例えば、液晶表示装置11)、
前記演出手段での演出を制御する演出制御手段と(例えば、副制御回路101)、
前記遊技価値を表した複数種類の遊技価値画像から前記演出手段に表示する遊技価値画像を決定する遊技価値画像決定手段と(例えば、副制御回路101)、
前記遊技価値の貯留信号を検出することに応じて、前記遊技価値を貯留することが可能な貯留手段と(例えば、クレジット枚数カウンタ)、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記貯留信号を検出した場合に、前記遊技価値画像決定手段による決定の結果に応じた遊技価値画像を表示するよう前記演出手段を制御し、
前記遊技価値画像決定手段による決定の結果に応じて、前記遊技価値画像を表示する演出に続く前記演出手段での演出を制御する、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技価値画像決定手段は、遊技価値を表した複数種類の遊技価値画像から演出手段に表示する遊技価値画像を決定する。そして、演出制御手段は、貯留信号を検出した場合に、遊技価値画像決定手段による決定の結果に応じた遊技価値画像を表示するよう演出手段を制御し、遊技価値画像決定手段による決定の結果に応じて、遊技価値画像を表示する演出に続く前記演出手段での演出を制御する。
これまで、遊技価値の貯留を行ったとしても、遊技価値が貯留されたことを示す音が出音されたり、貯留された遊技価値の数量が数字で表示されるにとどまっていた。本発明に係る遊技機によれば、遊技価値の貯留信号を検出することに応じて、開始操作の検出とは無関係に、演出手段に、遊技価値を表した遊技価値画像を表示させる演出が実行される。そして、遊技価値の画像を表示させる演出に続いて、遊技価値画像決定手段による決定の結果に応じた、演出が実行される。
遊技者にとってみれば、遊技価値の貯留を行ってから、開始操作検出手段により開始操作が検出されるまでの間であっても、遊技価値の貯留を契機として、貯留手段に遊技価値が貯留されることにとどまらず、演出手段にも遊技価値が貯留されるかのような印象を与えることができる。そして、遊技価値の貯留の段階では、いわゆる内部当籤役の決定等の抽籤が行われていないため、抽籤結果の報知を行うことはできないものの、遊技価値の画像を表示させる演出に続いて、遊技価値画像決定手段による決定の結果に応じた演出を実行することで、遊技価値画像決定手段による決定の結果によっては、なかなか得ることのできない、特定の演出を実行し得るというチャンス的な要素が付与される。
その結果、本発明によると、遊技価値の貯留を行ってから、開始操作検出手段により開始操作が検出されるまでの間であっても、遊技に関する何らかの演出を実行し、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、ベット手段に遊技価値がベットされてから、開始操作検出手段により開始操作が検出されるまでの間であっても、遊技に関する演出を実行し、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供することができる。
[付記16]
付記16のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、所定の契機に基づいて乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
これまで、役の抽籤は、主に、開始操作をスタートスイッチにより検出することを契機として行われる。その他、特開2003−236051号公報のように、予め設定された複数の抽籤タイミングから1つの抽籤タイミングを選択する手段と、選択された抽籤タイミングで行われた抽籤により内部状態を決定する手段とを設けることも提案されている。具体的に、遊技機の制御手段は、乱数抽出を、(ア)ウェイトタイマが4.1秒に達したとき、(イ)メダルが投入されたとき、(ウ)始動レバーが有効であり、かつ、始動レバーが操作されたときの3回行う。そして、制御手段は、いずれのタイミングで抽出した乱数を用いるかを選択し、選択された乱数を用いて内部当籤役を決定する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
特開2003−236051号公報に記載の構成では、複数の抽籤タイミングのいずれで内部状態を決定するための抽籤(乱数値の取得)が行われるかが不明であるため、当りとなる乱数値を遊技者が狙い定めて取得することが困難となる。しかしながら、特許文献1に記載の構成では、役の抽籤タイミングを工夫することで、内部当籤役の報知をはじめとした遊技に関する演出の多様性を高めているとはいえず、役の抽籤タイミングと、遊技に関する演出とを関連付けることで、これまでにはない遊技性を持った遊技機を提供できる余地がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、特典を付与するかを決定するタイミングと、遊技に関する演出とを関連付けることで、内部当籤役の報知をはじめとした特典付与の決定結果に関する演出をよりいっそう多様にした遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、
複数の図柄を変動表示及び停止表示することが可能な複数の図柄表示部と(例えば、リール3L,3C,3R、リール表示窓4)、
遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と(例えば、主制御回路91、スタートスイッチ79)、
一の単位遊技の前の単位遊技において前記複数の図柄の変動表示が開始されてから経過した経過時間が所定時間に達していない場合、前記経過時間が前記所定時間に達するまで待機する待機手段と(例えば、ウェイト処理及び遊技開始時ロック処理を実行可能な主制御回路91)、
前記経過時間が前記所定時間に達した場合に、前記図柄を変動表示させる図柄変動手段と(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)、
特典を付与するかを決定する特典付与決定手段と(例えば、主制御回路91)、
演出を実行可能な演出手段と(例えば、情報表示器14)、
前記演出手段での演出を制御する演出制御手段と(例えば、情報表示器14での演出を制御する主制御回路91)、
を備え、
前記特典付与決定手段は、前記図柄変動手段による前記図柄の変動表示が開始した場合に、前記特典を付与するかを決定可能であり、
前記演出制御手段は、前記経過時間が所定時間に達し、前記図柄の変動表示が開始した場合に前記特典付与決定手段によって決定される結果の報知を実行可能である、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典付与決定手段は、開始操作検出手段による開始操作の検出が行われた場合とは異なり、一の単位遊技の前の単位遊技において複数の図柄の変動表示が開始されてから経過した経過時間が所定時間に達するまでの待機手段による待機が終わり、図柄変動手段による前記図柄の変動表示が開始した場合に、特典付与に関する決定を行うことができる。
そして、演出制御手段は、開始操作が検出されたときに経過時間が所定時間に達していない場合、特典付与決定手段による決定の結果が未だ出ていないため、特典付与決定手段による決定の結果を報知することはできない。それに対し、開始操作が検出されたときに経過時間が所定時間に達している場合、経過時間が所定時間に達することで、図柄変動手段による図柄の変動表示が行われ、特典付与決定手段による決定の結果が出ているため、特典付与決定手段による決定の結果の報知を実行可能である。
このように、待機手段による待機を、特典付与決定手段による特典付与の有無の決定に先立って実行し、待機手段による待機が行われ、図柄変動手段による図柄の変動表示が開始した場合に、特典付与決定手段による特典付与の有無の決定することで、所定時間が経過するまでの間、開始操作を行うことなく待機することで、開始操作を行うタイミングと略同時期に決定された、特典付与決定手段による決定の結果の報知を即時に受けるパターンと、所定時間が経過するまでの間に開始操作を行い、開始操作を行ってから、所定時間が経過するまで待機してから特典付与決定手段による決定の結果の報知を受けるパターンとの2パターンの遊技性を提供することが可能となる。
このような遊技機によれば、所定時間が経過するまでの間、開始操作を行わずに待機したり、待機しなかったりを遊技者の判断で決めることができ、それによって、特典付与決定手段による決定の結果の報知を即時に受けるパターンと、開始操作を行ってから、所定時間が経過するまで待機してから特典付与決定手段による決定の結果の報知を受けるパターンとに変化させることができる。よって、特典を付与することの決定タイミングと、遊技に関する演出が実行されるタイミングとを関連付けることで、特典付与決定手段による決定の結果の報知をはじめとした遊技に関する演出をよりいっそう多様にした遊技機を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機において、
前記所定時間を決定する所定時間決定手段をさらに備え、
前記待機時間は、前記経過時間が前記所定時間決定手段により決定された所定時間に達するまで待機する、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、待機時間に長短をつけることができ、所定時間が経過するまで待機したと思っていたのに、実際には待機しておらず、開始操作を行うタイミングと略同時期に決定された内部当籤役の報知を即時に受けることができなかったり、所定時間が経過するのを待ちきれず、実際には所定時間が経過していないと思っていたのに、実際には所定時間が経過するまで待機しており、開始操作を行うタイミングと略同時期に決定された内部当籤役の報知を即時に受けることができたり、ということがあり得る。そのため、遊技によりいっそうの多様性を付加することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、特典を付与することの決定を行うタイミングと、遊技に関する演出が実行されるタイミングとを関連付けることで、内部当籤役の報知をはじめとした遊技に関する演出をよりいっそう多様にした遊技機を提供することができる。
[付記17]
付記17のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
ところで、特定の小役の成立をランプ等でナビゲートする機能、すなわち、アシストタイム(以下、「AT」という)の機能を備える遊技機が開発されている。さらに、従来、AT機能に加え、特定の図柄組合せが表示された場合にリプレイの当籤確率が通常時より高い遊技状態が作動する機能、すなわち、リプレイタイム(以下、「RT」という)の機能を備える遊技機も開発されている。
また、AT及びRTの両方が同時に作動する機能(以下、「ART」という)を備えた遊技機も存在する。このような遊技機において、通常遊技状態より有利な特定遊技状態を設け、特定遊技状態の残り遊技回数を延長する上乗せゲーム数を決定し、当該上乗せゲーム数を液晶表示装置で報知することが提案されている。
上乗せゲーム数の報知態様には、種々の工夫がなされている。例えば、報知遊技状態において、所定の単位遊技数の期間に渡って報知遊技の加算単位遊技数を決定可能な上乗せ遊技を実行可能であり、上乗せ遊技において上乗せ遊技の加算単位遊技数を決定可能である上乗せ遊技実行手段を備える遊技機が提案されている。この遊技機において、上乗せ遊技実行手段は、報知遊技状態の遊技期間の開始時に行われる上乗せ遊技において、報知遊技の単位遊技数及び上乗せ遊技の単位遊技数の加算態様が互いに異なる複数種の加算モードの中から所定の加算モードを決定する加算モード決定手段を有し、上乗せ遊技において、加算モードに対応する所定の内部当籤役が決定された場合には、報知遊技の加算単位遊技数が増加可能であり、上乗せ遊技の加算が確定する(特開2017−063989号公報
参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
上乗せゲーム数の大小は、遊技の成否に直結するため、遊技者にとって大きな関心事である。そのため、特許文献1に記載の遊技機において、報知遊技の単位遊技数及び上乗せ遊技の単位遊技数の加算態様が互いに異なる複数種の加算モードの中から所定の加算モードを決定することは、上乗せ遊技の単位遊技数の報知態様の多様化に繋がり、例えばART、AT等の遊技者にとって有利な遊技状態の期間の決定態様に対する遊技者の興趣を高めることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の遊技機であっても、実際に上乗せ遊技数として決定された数に比べて大きく離れた単位遊技数を、報知用の上乗せ遊技数として頻繁に報知することは難しい。そのため、上乗せ遊技の単位遊技数の報知態様にはなお改良の余地がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、実際の上乗せ遊技数よりも大きな単位遊技数を、報知用の上乗せ遊技数として報知可能にするとともに、遊技の進行につれて、実際の上乗せ遊技数と報知用の上乗せ遊技数との差を低く抑えることの可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、
特典を付与するかを決定し、決定した場合に特典を付与する遊技機であって、
複数の図柄を変動表示及び停止表示することが可能な複数の図柄表示部と(例えば、リール3L,3C,3R、リール表示窓4)、
複数の役の中から内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段と(例えば、主制御回路91)、
前記図柄を変動表示させる図柄変動手段と(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)、
前記複数の図柄表示部に対応して設けられ、前記図柄の変動表示を停止させるための停止操作を受け付ける停止操作手段と(例えば、主制御回路91、ストップスイッチ基板80)、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、停止操作された前記停止操作手段に対応する前記図柄表示部で変動表示する図柄の変動を停止させる停止制御手段と(例えば、主制御回路91、ステッピングモータ)、
特典を付与するかを決定する特典付与決定手段と(例えば、主制御回路91)、
所定の契機に応じて、前記特典が付与される期間の延長の度合いを示す上乗せ期間を決定する上乗せ決定手段と(例えば、主制御回路91)、
遊技に関する情報を報知する報知手段と(例えば、液晶表示装置11)、
前記上乗せ決定手段によって決定された上乗せ期間に基づいて、前記報知手段で報知する報知用上乗せ期間の初期値を決定する初期値決定手段と(例えば、副制御回路101)、
を備え、
前記複数の役は、前記停止操作手段の操作順序が所定の操作順序である場合に、前記有効ライン上に所定の図柄の組合せが停止するように前記停止制御手段を制御させることの可能な複数種類の押し順役を含み、
前記上乗せ決定手段による上乗せ期間の決定が行われた場合、
前記報知手段には、前記複数の図柄表示部に対応して数字を表示可能な複数の表示領域(例えば、左領域11L、中領域11C、右領域11R)が設けられ、
前記表示領域には、前記初期値決定手段によって決定された初期値が表示され、
前記上乗せ決定手段による上乗せ期間の決定に続いて前記内部当籤役決定手段によりいずれかの前記押し順役が内部当籤役として決定されたとき、前記複数の表示領域のうち、最初の前記停止操作において前記有効ライン上に前記所定の図柄の組合せが停止させるための前記停止操作手段に対応して設けられた前記図柄表示部に対応する表示領域で表示する数字を、他の数字に置き換える、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典付与決定手段は、特典を付与するかを決定する。そして、上乗せ決定手段は、所定の契機に基づいて、特典が付与される期間の延長の度合いを示す上乗せ期間を決定する。そして、初期値決定手段は、上乗せ決定手段によって決定された上乗せ期間に基づいて、報知手段で報知する報知用上乗せ期間の初期値を決定する。
上乗せ期間の決定が行われた場合、報知手段における、複数の図柄表示部に対応して数字を表示可能な複数の表示領域には、初期値決定手段によって決定された初期値が表示される。
そして、上乗せ決定手段による上乗せ期間の決定に続いて内部当籤役決定手段によりいずれかの押し順役が内部当籤役として決定されたとき、複数の表示領域のうち、最初の停止操作において有効ライン上に所定の図柄の組合せが停止させるための停止操作手段に対応して設けられた図柄表示部に対応する表示領域で表示する数字を、他の数字に置き換える。
例えば、最初の停止操作において有効ライン上に所定の図柄の組合せが停止させるための停止操作手段に対応して設けられた図柄表示部に対応する表示領域が、報知用上乗せ期間の初期値の桁数よりも大きな桁に相当する数字を表示する表示領域である場合、報知用上乗せ期間の初期値の桁数よりも大きな桁に相当する数字が、もともと表示されていた数字よりも大きな数字に置き換わり得る。そのため、遊技者は、押し順役が内部当籤役として決定されることを契機として、上乗せ期間が大きく延びるかもしれない、という期待感を持つことができ、実際に、報知手段での報知態様が変わることで、上乗せ期間が大きく延びたという印象を受けることができ、遊技の興趣が高まる。
また、本発明に係る遊技機において、
前記初期値決定手段は、前記上乗せ決定手段によって決定された上乗せ期間以下の期間を、前記報知手段で報知する報知用上乗せ期間の初期値として決定する、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知用の上乗せ遊技数が実際の上乗せ遊技数に比べて著しく大きくなるのを防ぐことができる。
また、本発明に係る遊技機において、
前記上乗せ決定手段による上乗せ期間の決定が行われた場合、
前記報知手段には、前記表示領域とは別に数字を表示可能な別表示領域(例えば、別領域11D)がさらに設けられ、
前記別表示領域には、前記複数の表示領域のうち、前記報知用上乗せ期間の初期値の桁数よりも大きな桁に相当する数字を表示する表示領域で表示する数字よりも大きく、前記報知用上乗せ期間の初期値の桁数と同じ桁に相当する数字を表示する表示領域で表示する数字よりも小さい数字が表示される、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、最初の停止操作において有効ライン上に所定の図柄の組合せが停止させるための停止操作手段に対応して設けられた図柄表示部に対応する表示領域が、報知用上乗せ期間の初期値の桁数よりも大きな桁に相当する数字を表示する表示領域である場合、報知用上乗せ期間の初期値の桁数よりも大きな桁に相当する数字が、もともと表示されていた数字よりも大きな数字に置き換わる。そのため、遊技者は、押し順役が内部当籤役として決定されることを契機として、上乗せ期間が大きく延びるかもしれない、という期待感を持つことができ、実際に、報知手段での報知態様が変わることで、上乗せ期間が大きく延びたという印象を受けることができ、遊技の興趣が高まる。
他方で、最初の停止操作において有効ライン上に所定の図柄の組合せが停止させるための停止操作手段に対応して設けられた図柄表示部に対応する表示領域が、報知用上乗せ期間の初期値の桁数と同じ桁に相当する数字を表示する表示領域である場合、報知用上乗せ期間の初期値の桁数と同じ桁に相当する数字が、もともと表示されていた数字よりも小さな数字に置き換わる。そのため、遊技の進行につれて、実際の上乗せ遊技数と報知用の上乗せ遊技数との乖離を低く抑えることができる。
加えて、報知手段において上乗せ期間が延びる演出は、報知用上乗せ期間の初期値の桁数よりも大きな桁に相当する数字が変更されることによってなされるため、遊技者は、上乗せ期間が大きく延びたとの印象を受けられる。他方で、報知手段において上乗せ期間が短縮される演出は、報知用上乗せ期間の初期値の桁数と同じ桁に相当する数字が変更されることによってなされるため、遊技者は、上乗せ期間の延びに比べれば、上乗せ期間の減少の程度に比べて小さいとの印象を受けられる。
[発明の効果]
本発明によれば、実際の上乗せ遊技数よりも大きな単位遊技数を、報知用の上乗せ遊技数として報知可能にするとともに、遊技の進行につれて、実際の上乗せ遊技数と報知用の上乗せ遊技数との差を低く抑えることの可能な遊技機を提供することができる。
[付記18]
付記18のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
ところで、遊技店が閉店する際、内部に記憶されている遊技状況を何ら更新せず、据え置くと、その段階での遊技状況が翌日の営業日に持ち越されることになる。例えば、内部に記憶されている遊技状況が、いわゆるボーナスフラグ間、前兆中、チャンスゾーン突入中、特定の内部当籤役に内部当籤し易い高確率中等といった、遊技者にとって有利な遊技状況であると、次の営業日の開店直後に遊技する遊技者に有利な状況を与えることになる。遊技店にとってみれば、店舗運営上、上記有利な状況を享受する遊技者が多く現れることは、避けたい。
例えば、特開2016−049285号公報には、遊技店の開店時等に遊技情報(消化ゲーム数等)の据え置き状態が発生することを防止するために、パチスロ機1が所定時間以上の電断から復帰した際(例えば遊技店の開店時の電源投入時)に、設定変更コマンド受信時に行う初期化処理と同じ初期化処理を自動的に行うことが開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
特開2016−049285号公報に記載の遊技機によると、初期化処理に対するスタッフの負担を軽減することができるとともに、スタッフが開店前の初期化処理の作業を忘れても遊技の不公平性が発生しないようにすることができる。
しかしながら、店舗の運営面を考慮すると、開店直後に遊技するメリットを遊技者に付与し、開店直後から高い稼働率で店舗を運営したいところである。その意味で、全ての遊技機を一律に初期化するのではなく、初期化する遊技機と、初期化しない遊技機とを遊技店側に選択できるマニュアル的要素を残すことが好ましい。
とはいうものの、初期化処理は、遊技店のスタッフにとって負担の大きな作業であり、初期化処理にかかる負担をできるだけ軽減することが望ましい。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、開店直後に遊技するメリットを残しつつ、開店直後に遊技することで、有利な状況を享受する遊技者が多数現れるリスクを抑えるとともに、遊技情報を初期化する処理にかかる遊技店のスタッフの負荷を軽減させることの可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、
複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段とを備える遊技機であって、
遊技に関する第1遊技情報(例えば、液晶表示装置11での背景映像等、遊技情報の初期化、電源投入・遮断のいずれによっても初期値になる情報)及び第2遊技情報(例えば、遊技状態の種類に関する情報、表モードに関する情報、裏モードに関する情報等、遊技情報を初期化すれば初期値になるが、電源投入・遮断では初期値にならない情報)を含む複数の遊技情報を記憶可能な遊技情報記憶手段と(例えば、メインRAM95、サブRAM103)、
所定の操作(例えば、設定値の変更操作)がなされた場合に、前記遊技情報記憶手段に記憶される前記遊技情報を初期化して初期値に設定可能な初期化手段と(例えば、設定変更時の初期化処理を実行可能な主制御回路91)、
を備え、
前記初期化手段は、
初期化操作がなされた場合には、前記遊技情報記憶手段に記憶される前記第1遊技情報及び前記第2遊技情報の双方を初期値に設定可能であり、
電源の投入操作又は遮断操作がなされた場合には、前記遊技情報記憶手段に記憶される前記第1遊技情報については初期値に設定可能である一方で、前記第2遊技情報については現在の値のまま維持可能であり、
遊技者では行うことのできない特定の操作(例えば、MAXベットボタン21を押しながらドアキーを捻る操作)がなされた場合に、前記遊技情報記憶手段に記憶される前記遊技情報を報知可能な報知手段(例えば、液晶表示装置11、スピーカ65L,65R)、
を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知手段は、遊技者では行うことのできない特定の操作がなされた場合に、遊技情報記憶手段に記憶される遊技情報を報知可能である。
遊技者は、上記特定の操作を行い、報知手段による報知を受けることはできない。これにより、特定の遊技者が有利になるのを防ぐことができる。
また、遊技店の店員は、基本的に、上記特定の操作を行い、報知手段による報知があった遊技機について、所定の操作を行い、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報を初期化すればよく、全ての遊技機について遊技情報を初期化する必要はないため、上記初期化にかかる負担を軽減できる。
加えて、報知手段によって報知された全ての遊技機に対して一律に遊技情報を初期化するのではなく、初期化する遊技機と、初期化しない遊技機とを遊技店側に選択できるマニュアル的要素を残している。そのため、遊技者に、開店直後に遊技するメリットを付与することができ、開店直後における店舗の稼働率を上げることができ得る。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定の操作は、開閉可能な扉に設けられたドアキーの操作を含むことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の操作は、遊技者では確実に行うことのできない操作であるため、特定の遊技者が有利になるのを確実に防ぐことができる。
[発明の効果]
本発明によれば、開店直後に遊技するメリットを残しつつ、開店直後に遊技することで、有利な状況を享受する遊技者が多数現れるリスクを抑えるとともに、遊技情報を初期化する処理にかかる遊技店のスタッフの負荷を軽減させることの可能な遊技機を提供することができる。
[付記19]
付記19のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
ところで、特定の小役の成立をランプ等でナビゲートする機能、すなわち、アシストタイム(以下、「AT」という)の機能を備える遊技機が開発されている。さらに、従来、AT機能に加え、特定の図柄組合せが表示された場合にリプレイの当籤確率が通常時より高い遊技状態が作動する機能、すなわち、リプレイタイム(以下、「RT」という)の機能を備える遊技機も開発されている。
また、AT及びRTの両方が同時に作動する機能(以下、「ART」という)を備えた遊技機も存在する。このような遊技機において、通常遊技状態より有利な特定遊技状態を設け、特定遊技状態の残り遊技回数を延長する上乗せゲーム数を決定し、当該上乗せゲーム数を液晶表示装置で報知することが提案されている。
上乗せゲーム数の報知態様には、種々の工夫がなされている。例えば、ARTモードにおいて遊技数の上乗せ契機ごとに上乗せ遊技数の報知演出を行う演出方法と、遊技数の上乗せ契機ごとに上乗せ遊技数の報知を行うのではなく、ARTモードの終了時点にまとめて報知する演出方法とを設け、これらの演出方法を遊技者が任意に選択可能にすることが提案されている。
また、例えば、特別遊技状態の単位遊技において、表示列の図柄の変動表示に対する停止操作のタイミングが対応する所定の時間範囲内である場合に特典を付与する特典付与演出を実行するか否かを決定するとともに、特典として報知遊技の所定の加算単位遊技数を決定可能な特典付与演出決定手段と、特典付与演出決定手段により決定された所定の加算単位遊技数が規定の加算単位遊技数以下である場合には、所定の加算単位遊技数を示唆する特定の情報を報知せず、所定の加算単位遊技数が規定の加算単位遊技数より大きい場合には、所定の加算単位遊技数を示唆する特定の情報を報知する加算数示唆演出実行手段とを備える遊技機が提案されている(特開2017−063987号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
上乗せゲーム数の大小は、遊技の成否に直結するため、遊技者にとって大きな関心事である。そのため、特許文献1に記載の遊技機において、所定の加算単位遊技数が規定の加算単位遊技数より大きくなり、加算数示唆演出実行手段による報知が行われることで、遊技者は、遊技の興趣を高めることができる。
しかしながら、加算数示唆演出実行手段による報知の基準となる「規定の加算単位遊技数」が大きいと、加算数示唆演出実行手段による報知がほとんど行われないため、必ずしも、遊技の興趣を高められるとはいえない。他方で、加算数示唆演出実行手段による報知の頻度を上げるために、加算数示唆演出実行手段による報知の基準となる「規定の加算単位遊技数」を小さくすると、加算数示唆演出実行手段による報知の価値が下がり、これもまた、遊技の興趣を高められるとはいえない。そのため、加算数示唆演出実行手段による報知の基準となる「規定の加算単位遊技数」を高くしたうえで、それでもなお、加算数示唆演出実行手段による報知を高い頻度で行うことの可能な遊技機の提供が求められている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、上乗せゲーム数が所定数以上である場合に報知する遊技機において、当該所定数を高くしたうえで、それでもなお、報知を高い頻度で行うことで、遊技の興趣を高めることの可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、
特典を付与するか決定し、決定した場合に特典を付与可能な特典状態(例えば、ART)に移行可能であり、前記特典状態には、前記特典状態の期間を延長の度合いを示す上乗せ期間を決定し、決定した場合に前記特典状態の期間を延長する上乗せ期間決定区間(例えば、上乗せゾーン)が設けられる遊技機であって、
前記上乗せ期間決定区間において、前記特典状態の期間の延長の度合いを示す上乗せ期間を決定する上乗せ決定手段と(例えば、変形例10における上乗せゾーン3処理(図164)を実行可能な主制御回路91)、
前記特典状態の期間を記憶する期間記憶手段と(例えば、ARTゲーム数カウンタ)、
前記特典状態に関する情報を報知する報知手段と(例えば、液晶表示装置11)、
所定の場合に、前記上乗せ決定手段によって決定された前記上乗せ期間を前記報知手段で報知せず、報知しない上乗せ期間を未報知上乗せ期間として記憶する未報知期間記憶手段と(例えば、ARTゲーム数未報知カウンタ)、
を備え、
前記特典を付与すると決定し、前記特典状態に移行してから初回の前記上乗せ期間決定区間については、
前記上乗せ決定手段によって決定された上乗せ期間が前記特典状態の期間として加算されて前記期間記憶手段に記憶される一方、
前記報知手段は、上乗せ期間として、前記上乗せ決定手段によって決定された上乗せ期間よりも短い期間を報知し、
前記未報知期間記憶手段には、前記上乗せ期間決定手段によって実際に決定された上乗せ期間から前記報知手段で上乗せ期間として報知した期間を引いた差が未報知上乗せ期間として記憶され、
前記特典を付与すると決定し、前記特典状態に移行してから2回目以降の前記上乗せ期間決定区間については、
前記上乗せ決定手段によって決定された上乗せ期間が前記特典状態の期間として加算されて前記期間記憶手段に記憶される一方、
前記所定の場合に、前記上乗せ決定手段によって決定された前記上乗せ期間を前記報知手段で報知せず、前記未報知期間記憶手段に前記未報知上乗せ期間として記憶され、
前記報知手段は、前記未報知期間記憶手段に記憶される未報知上乗せ期間が所定の期間になった場合に、前記特典状態の期間について前記所定の期間が上乗せされたことを報知する、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典を付与するか決定し、決定した場合に特典を付与可能な特典状態に移行可能である。そして、特典状態には、特典状態の期間を延長の度合いを示す上乗せ期間を決定し、決定した場合に特典状態の期間を延長する上乗せ期間決定区間が設けられる。
ここで、初回の上乗せ期間決定区間については、上乗せ決定手段によって決定された上乗せ期間が特典状態の期間として加算されて期間記憶手段に記憶される一方、報知手段は、上乗せ期間として、上乗せ決定手段によって決定された上乗せ期間よりも短い期間を報知し、未報知期間記憶手段には、上乗せ期間決定手段によって実際に決定された上乗せ期間から報知手段で上乗せ期間として報知した期間を引いた差が未報知上乗せ期間として記憶される。
また、2回目以降の上乗せ期間決定区間については、上乗せ決定手段によって決定された上乗せ期間が前記特典状態の期間として加算されて前記期間記憶手段に記憶される一方、所定の場合に、上乗せ決定手段によって決定された上乗せ期間を報知手段で報知せず、未報知期間記憶手段に未報知上乗せ期間として記憶される。
そして、報知手段は、未報知期間記憶手段に記憶される未報知上乗せ期間が所定の期間になった場合に、特典状態の期間について所定の期間が上乗せされたことを報知する。
このような遊技機によれば、少なくとも、上乗せ期間決定区間となる初回において、未報知期間記憶手段に未報知上乗せ期間を確実に記憶させることができる。そのため、報知手段における報知の基準となる所定の期間が比較的長い期間に設定されていたとしても、上乗せ期間決定区間となる初回において、未報知期間記憶手段に未報知上乗せ期間を確実に記憶させるとはいえない従来の遊技機に比べ、未報知上乗せ期間が上記所定の期間になる頻度が高まる。報知手段における報知の基準となる所定の期間が比較的長い期間に設定されていたとしても、特典状態の期間が上乗せされたことの報知を高い頻度で行うことができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、本発明に係る遊技機において、
前記初回の前記上乗せ期間決定区間については、
前記報知手段は、上乗せ期間として、前記上乗せ期間決定手段によって少なくとも決定される最低期間を報知し、
前記未報知期間記憶手段には、前記上乗せ期間決定手段によって実際に決定された上乗せ期間から前記最低期間を引いた差が未報知上乗せ期間として記憶される、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、上乗せ期間決定区間となる初回において、未報知期間記憶手段に、未報知上乗せ期間として、上乗せ期間決定手段によって実際に決定された上乗せ期間から、上乗せ期間決定手段によって少なくとも決定される最低期間を引いた差が記憶される。そのため、上乗せ期間決定区間となる初回において未報知期間記憶手段に記憶される未報知上乗せ期間をよりいっそう大きくすることができ、結果として、未報知上乗せ期間が上記所定の期間になる頻度がよりいっそう高まる。
他方、報知手段は、上乗せ期間として、上乗せ期間決定手段によって少なくとも決定される最低期間を報知することから、遊技者は、最低期間の上乗せが確実に行われることの安心感を持ちながら遊技を進めることができる。
このような遊技機によれば、報知手段における報知の基準となる所定の期間が比較的長い期間に設定されていたとしても、特典状態の期間が上乗せされたことの報知を高い頻度で行うことができ、遊技の興趣をよりいっそう高めることが可能となる。
[発明の効果]
本発明によれば、上乗せゲーム数が所定数以上である場合に報知する遊技機において、当該所定数を高くしたうえで、それでもなお、報知を高い頻度で行うことで、遊技の興趣を高めることの可能な遊技機を提供することができる。
[付記20]
付記20のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
このような遊技機において、遊技者が所持するメダルの数を減少させない、あるいは、増加させるようにすることが可能なアシストタイム(以下、これを「AT」という)と称される期間を発生させる機能を備えたものが提供されている。そして、AT機能を有する遊技機においては、設定変更時およびリミッタによるAT遊技終了時に、モード選択抽選手段が、同一の種類のデータにより構成されるモード選択抽選テーブルを用いて、報知抽選手段のAT移行抽選のモードを選択することが提案されている(特許文献1参照)。
特開2017−086761号公報に記載の遊技機によると、リミッタによるAT遊技終了という遊技者に有利な状態が発生した後においては、設定変更時と同じ処理でAT移行抽選のモードが選択されるので、例えば、設定変更時よりも有利なAT移行抽選のモードがAT遊技終了時に選択されて、AT遊技が終了した後、短期間にAT遊技の権利が報知抽選手段により再付与されるという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特開2017−086761号公報に記載の遊技機では、AT遊技終了後における遊技の興趣が減退する可能性がある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、特典が短期間で再付与されるという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止しつつ、特典が付与される遊技の終了後においても、遊技の興趣を維持し続けることの可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、
遊技を行う状態として、第1状態(例えば、通常遊技状態)及び第2状態(例えば、ART遊技状態)を有する遊技機であって、
遊技情報を記憶可能な遊技情報記憶手段と(例えば、メインRAM95)、
前記第2状態において付与された前記特典が所定量(例えば、メダル3000枚の払出)になった場合、又は前記第2状態での区間が連続して実行可能な区間の上限(例えば、ART遊技状態の回数が1500ゲーム)になった場合に、前記遊技情報記憶手段に記憶される所定の遊技情報を初期化する初期化手段と(例えば、リミッタ作動時に初期化可能な主制御回路91)、
を備え、
前記第1状態から前記第2状態への移行期待度が異なる複数のモード(例えば、「低確」モード、「高確ショート」モード、「高確ロング」モード)が設けられ、
前記所定の遊技情報は、前記第1状態から前記第2状態への移行期待度が異なる複数のモードのうち、現在のモードがどのモードであるかというモード情報を含み、
前記複数のモードごとに、前記モード情報を他のモードに更新する更新期待度が異なるモード更新抽籤テーブルが記憶されるモード更新抽籤テーブル記憶手段と(例えば、表モード移行抽籤用番号決定テーブル及び表モード移行抽籤テーブルが記憶されるメインROM94)、
前記モード設定手段に設定されたモードに対応するモード更新抽籤テーブルに応じて、前記モード情報を他のモードに更新するかを決定するモード更新決定手段と(例えば、表モード移行処理(図173)を実行可能な主制御回路91)、
前記モード更新決定手段によりモードを更新すると決定された場合に、前記モード情報を更新するモード更新手段と(例えば、主制御回路91)、
をさらに備え、
前記初期化手段は、前記第2状態において付与された前記特典が所定量になった場合、又は前記第2状態での区間が連続して実行可能な区間の上限になった場合に、前記モード情報を、前記第2状態への移行期待度が最も低い最低モードに更新し、
前記最低モードに対応するモード更新抽籤テーブルは、他のモード更新抽籤テーブルに比べて、前記第1状態から前記第2状態への移行期待度が所定の期待度よりも大きな期待モードに更新する更新期待度が高く設定されている、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2状態への移行期待度が異なる複数のモードが設けられており、初期化手段は、第2状態において付与された特典が所定量になった場合、又は前記第2状態での区間が連続して実行可能な区間の上限になった場合に、モード情報を、第2状態への移行期待度が最も低い最低モードに更新する。これにより、第2状態において付与された特典が所定量になった後等の遊技において、第2状態に再び短期間で移行するという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止できる。
続いて、モード更新決定手段は、モード設定手段に設定されたモードに対応するモード更新抽籤テーブルに応じて、現在のモードから他のモードに更新するかを決定する。その際、最低モードに対応するモード更新抽籤テーブルでは、他のモード更新抽籤テーブルに比べて、第1状態から第2状態への移行期待度が所定の期待度よりも大きな期待モードに更新する更新期待度が高く設定されている。そのため、モード更新決定手段は、高い頻度で、更新期待度が低いモードから高いモード(期待モード)に更新すると決定する。モードが期待モードに更新されれば、第2状態に遊技の状態が移行する移行期待度が高まり、結果として、特典が付与される遊技の終了後においても、遊技の興趣を維持し続けることが可能となる。
よって、このような遊技機によれば、特典が短期間で再付与されるという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止しつつ、特典が付与される遊技の終了後においても、遊技の興趣を維持し続けることの可能な遊技機を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機において、
前記初期化手段は、開閉可能な扉に設けられたドアキーの操作を含む所定の操作(例えば、設定値の変更操作)がなされた場合も、前記モード情報を前記最低モードに更新し、
前記最低モードに対応する最低モード用モード更新抽籤テーブルは、
前記第2状態において付与された前記特典が所定量になった場合、又は前記第2状態での区間が連続して実行可能な区間の上限になった場合にモードが更新されて前記最低モードになったときに参照される第1の最低モード用モード更新抽籤テーブルと、
前記所定の操作がなされた場合にモードが更新されて前記最低モードになったときに参照される第2の最低モード用モード更新抽籤テーブルと、
を有し、
前記第1の最低モード用モード更新抽籤テーブルは、前記第2の最低モード用モード更新抽籤テーブルに比べて、前記最低モードから前記期待モードに更新する更新期待度が高く設定されている、
ことを特徴とする。
モード更新手段がモードを最低モードに更新することを含む遊技情報の初期化は、第2状態において付与された特典が所定量になった場合のほか、ドアキーの操作を含む所定の操作がなされた場合にも実行される。
この場合、第2状態において付与された特典が所定量になった場合、最低モードに対応するモード更新抽籤テーブルは、最低モードから期待モードに更新する更新期待度が比較的高く設定されている、
一方、遊技店が閉店する際等に、ドアキーの操作を含む所定の操作がなされることによって遊技情報の初期化が行われた場合には、第2状態において付与された特典が所定量になった場合ほど高い頻度では期待モードへのモードの更新が行われない。
このような遊技機によれば、第2状態において付与された特典が所定量になった後の遊技を進めようとする遊技者に対しては、特典が短期間で再付与されるという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止しつつ、特典が付与される遊技の終了後においても、遊技の興趣を維持し続けることの可能にする。他方、翌日の営業日の開店直後に遊技する遊技者に対しては、過剰に大きな特典が付与されるといった事態が生じるのを防ぐことができる。
また、本発明に係る遊技機は、
遊技を行う状態として、第1状態(例えば、通常遊技状態)及び第2状態(例えば、ART遊技状態)を有する遊技機であって、
遊技情報を記憶可能な遊技情報記憶手段と(例えば、メインRAM95)、
前記第2状態において付与された前記特典が所定量(例えば、メダル3000枚の払出)になった場合、及び開閉可能な扉に設けられたドアキーの操作を含む所定の操作(例えば、設定値の変更操作)がなされた場合の少なくとも一方がなされたとき、あるいは、前記第2状態での区間が連続して実行可能な区間の上限(例えば、ART遊技状態の回数が1500ゲーム)になった場合、及び前記所定の操作がなされた場合の少なくとも一方がなされたとき、のいずれかにおいて、前記遊技情報記憶手段に記憶される所定の遊技情報を初期化する初期化手段と(例えば、リミッタ作動時に初期化可能な主制御回路91)、
を備え、
前記第1状態から前記第2状態への移行期待度が異なる複数のモード(例えば、「低確」モード、「高確ショート」モード、「高確ロング」モード)が設けられ、
前記所定の遊技情報は、前記第1状態から前記第2状態への移行期待度が異なる複数のモードのうち、現在のモードがどのモードであるかというモード情報を含み、
前記複数のモードごとに、前記モード情報を他のモードに更新する更新期待度が異なるモード更新抽籤テーブルが記憶されるモード更新抽籤テーブル記憶手段と(例えば、表モード移行抽籤用番号決定テーブル及び表モード移行抽籤テーブルが記憶されるメインROM94)、
前記モード設定手段に設定されたモードに対応するモード更新抽籤テーブルに応じて、前記モード情報を他のモードに更新するかを決定するモード更新決定手段と(例えば、表モード移行処理(図174)を実行可能な主制御回路91)、
前記モード更新決定手段によりモードを更新すると決定された場合に、前記モード情報を更新するモード更新手段と(例えば、主制御回路91)、
をさらに備え、
前記初期化手段は、前記第2状態において付与された前記特典が所定量になった場合、及び前記所定の操作がなされた場合の少なくとも一方がなされたとき、あるいは、前記第2状態での区間が連続して実行可能な区間の上限になった場合、及び前記所定の操作がなされた場合の少なくとも一方がなされたとき、のいずれかにおいて、前記モード情報を、前記第2状態への移行期待度が最も低い最低モードに更新し、
前記最低モードに対応する最低モード用モード更新抽籤テーブルは、
前記第2状態において付与された前記特典が所定量になった場合、又は前記第2状態での区間が連続して実行可能な区間の上限になった場合にモードが更新されて前記最低モードになったときに参照される第1の最低モード用モード更新抽籤テーブルと、
前記所定の操作がなされた場合にモードが更新されて前記最低モードになったときに参照される第2の最低モード用モード更新抽籤テーブルと、
を有し、
前記第1の最低モード用モード更新抽籤テーブルと、前記第2の最低モード用モード更新抽籤テーブルとの間では、前記最低モードから前記期待モードに更新する更新期待度が異なる、
ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2状態への移行期待度が異なる複数のモードが設けられており、初期化手段は、第2状態において付与された特典が所定量になった場合、及び開閉可能な扉に設けられたドアキーの操作を含む所定の操作がなされた場合の少なくとも一方がなされたとき、あるいは、第2状態での区間が連続して実行可能な区間の上限になった場合、及び前記所定の操作がなされた場合の少なくとも一方がなされたとき、のいずれかにおいて、モード情報を、第2状態への移行期待度が最も低い最低モードに更新する。これにより、第2状態において付与された特典が所定量になった後等の遊技において、第2状態に再び短期間で移行するという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止できる。
続いて、モード更新決定手段は、モード設定手段に設定されたモードに対応するモード更新抽籤テーブルに応じて、現在のモードから他のモードに更新するかを決定する。その際、第2状態において付与された特典が所定量になった等の場合と、遊技店が閉店する際等に、ドアキーの操作を含む所定の操作がなされることによって遊技情報の初期化が行われた場合との間では、期待モードにモードが更新される更新期待度が異なる。
このような遊技機によれば、第2状態において付与された特典が所定量になった後の遊技を進めようとする遊技者に対しては、特典が短期間で再付与されるという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止しつつ、特典が付与される遊技の終了後においても、遊技の興趣を維持し続けることの可能にする。他方、翌日の営業日の開店直後に遊技する遊技者に対しては、過剰に大きな特典が付与されるといった事態が生じるのを防ぐことができる。
[発明の効果]
本発明によれば、特典付与の終了後の遊技において、特典が短期間で再付与されるという過度の期待感を遊技者にあおるのを防止しつつ、特典が付与される遊技の終了後においても、遊技の興趣を維持し続けることの可能な遊技機を提供することができる。
1…パチスロ機、3L,3C,3R…リール、4…リール表示窓、19L,19C,19R…ストップボタン、91…主制御回路、101…副制御回路

Claims (2)

  1. 複数の図柄を変動表示及び停止表示することが可能な複数の図柄表示部と、
    遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段と、
    一の単位遊技の前の単位遊技において前記複数の図柄の変動表示が開始されてから経過した経過時間が所定時間に達していない場合、前記経過時間が前記所定時間に達するまで待機する待機手段と、
    前記経過時間が前記所定時間に達した場合に、前記図柄を変動表示させる図柄変動手段と、
    特典を付与するかを決定する特典付与決定手段と、
    演出を実行可能な演出手段と、
    前記演出手段での演出を制御する演出制御手段と、
    を備え、
    前記特典付与決定手段は、前記図柄変動手段による前記図柄の変動表示が開始した場合に、前記特典を付与するかを決定可能であり、
    前記演出制御手段は、前記経過時間が所定時間に達し、前記図柄の変動表示が開始した場合に前記特典付与決定手段によって決定される結果の報知を実行可能である、
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記所定時間を決定する所定時間決定手段をさらに備え、
    前記待機時間は、前記経過時間が前記所定時間決定手段により決定された所定時間に達するまで待機する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。

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