JP2019125698A - Infrared detection element - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、赤外線検出素子に関する。 The present invention relates to an infrared detection element.
赤外線検出素子は、熱検知や、二酸化炭素や大気汚染物質の濃度測定、人工衛星を用いたリモートセンシング等に用いられる。赤外線検出器の一つとして、量子ドットのサブバンド間遷移を利用した量子ドット型赤外線検出素子が知られている。 The infrared detection element is used for heat detection, concentration measurement of carbon dioxide and air pollutants, remote sensing using an artificial satellite, and the like. As one of infrared detectors, a quantum dot infrared detector using intersubband transition of quantum dots is known.
量子ドット型赤外線検出素子は、量子ドットの周囲を、量子ドットを構成する材料よりも大きなバンドギャップを持つ半導体で3次元的に囲まれた構造を有する。量子ドット内には、電子又は正孔が強く閉じ込められ、離散的なエネルギー準位が形成される。これらの準位のうち伝導帯の複数の電子サブバンド準位を利用し、サブバンド間エネルギー差に相当するエネルギーを持つ赤外線を検知する。 The quantum dot infrared detection device has a structure in which the periphery of the quantum dot is three-dimensionally surrounded by a semiconductor having a band gap larger than that of the material constituting the quantum dot. Electrons or holes are strongly confined within the quantum dot, and discrete energy levels are formed. Among these levels, a plurality of electronic subband levels in the conduction band are used to detect an infrared ray having an energy corresponding to an intersubband energy difference.
特許文献1には、量子ドットと障壁層との間に中間層を備える量子ドット型赤外線検出器が記載されている。量子ドットからの電子の脱出を中間層により容易にすることで、赤外線検出器の感度が高まる。
しかしながら、上述の赤外線検出器は、量子ドットにInAsを用いており、大気による赤外線吸収が生じにくい8μm〜14μmの波長帯域に感度スペクトルのピーク波長を有していない。 However, the above-mentioned infrared detector uses InAs for the quantum dots, and does not have the peak wavelength of the sensitivity spectrum in a wavelength band of 8 μm to 14 μm where infrared absorption by the atmosphere hardly occurs.
本発明の目的は、上述の課題を鑑み、感度スペクトルのピーク波長を受光感度が高い8μm〜10μmに調整できる赤外線検出素子を提供することにある。 An object of the present invention is to provide an infrared detecting element capable of adjusting the peak wavelength of the sensitivity spectrum to 8 μm to 10 μm where the light receiving sensitivity is high, in view of the above-mentioned problems.
本発明の一態様にかかる赤外線検出素子は、量子ドット層を備えた光吸収層を少なくとも一層備え、前記量子ドット層は、InxGa1−xAs(0.43≦x≦0.51)で表記される量子ドットを含み、感度スペクトルのピーク波長が8μm以上10μm以下である。 The infrared detection element according to one aspect of the present invention includes at least one light absorption layer including a quantum dot layer, and the quantum dot layer is an In x Ga 1-x As (0.43 ≦ x ≦ 0.51). And the peak wavelength of the sensitivity spectrum is 8 μm or more and 10 μm or less.
本発明によれば、感度スペクトルのピーク波長を受光感度が高い8μm〜10μmに調整できる赤外線検出素子を提供することができる。 According to the present invention, it is possible to provide an infrared detecting element capable of adjusting the peak wavelength of the sensitivity spectrum to 8 μm to 10 μm where the light receiving sensitivity is high.
以下、本発明の実施形態である赤外線検出素子について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。 Hereinafter, an infrared detection element according to an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. In the drawings used in the following description, in order to make the features easy to understand, the features that are the features may be enlarged and shown for convenience, and the dimensional ratio of each component is not necessarily the same as the actual.
図1は、本実施形態にかかる赤外線検出素子の断面模式図である。図1に示す赤外線検出素子100は、素子部20と、半導体基板21と、緩衝層22と、下部コンタクト層23と、上部コンタクト層24と、上部電極25と、下部電極26と、電圧源27と、電流計28とを備える。
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view of the infrared detection element according to the present embodiment. The
半導体基板21、緩衝層22及び下部コンタクト層23は、素子部20の土台である。半導体基板21には、III−V族半導体化合物を用いることができる。例えば、GaAs等を用いることができる。
The
緩衝層22は、半導体基板21の一面に積層されている。緩衝層22は、一般的には半導体基板21と同一の材料により構成されるが、結晶品質が十分であれば半導体基板21と格子整合する他の材料でも構わない。
The
下部コンタクト層23は、緩衝層22の半導体基板21と反対側の面に積層されている。下部コンタクト層23は、素子部20と下部電極26との電気的な接続を担う。下部コンタクト層23は、n型半導体を主材料として構成される。下部コンタクト層23には、例えばSi原子を濃度2×1018cm−3程度ドーピングしたGaAsを用いることができる。
The
下部コンタクト層23の一面には、素子部20と下部電極26とが積層されている。下部電極26は、導電性を有するものを用いることができる。
The
下部電極26は、電圧源27及び電流計28を介して、上部電極25と接続されている。上部電極25は、導電性を有するものを用いることができる。電圧源27は、上部電極25と下部電極26との間に適切な電圧を印加する。電圧を印加することで、素子部20に電子が注入される。電流計28は、上部電極25と下部電極26との間に流れる光電流を測定する。光電流は、素子部20に入射した赤外線Lを吸収することにより生じる。
The
上部電極25は、上部コンタクト層24と接続されている。上部コンタクト層24は、素子部20の上面に形成されている。上部コンタクト層24は、素子部20と上部電極25との電気的な接続を担う。上部コンタクト層24は、n型半導体を主材料として構成されている。上部コンタクト層24には、例えばSi原子を濃度2×1018cm−3程度ドーピングしたGaAsを用いることができる。
The
素子部20は、下部コンタクト層23と上部コンタクト層24との間に設けられている。素子部20は、赤外線Lを吸収し、光電流を生み出す。素子部20は、光吸収層10と中間層11とが順に積層されている。光吸収層10は単層でもよいが、入射する赤外線Lの吸収効率を高めるためには、複数層積層されていることが好ましい。具体的には、光吸収層10は10層以上積層されていることが好ましい。
The
図2は、本実施形態にかかる赤外線検出素子100の素子部20の要部を拡大した断面模式図であり、一つの量子ドット12A近傍を拡大している。
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view of an enlarged main part of the
図2に示すように、光吸収層10は、下部バリア層15と、下地層14と、量子ドット層12と、量子井戸層13と、キャップ層16と、上部バリア層17とを備える。
As shown in FIG. 2, the
量子ドット層12は、電圧源27(図1参照)により素子部20に注入された電子を捕捉する。図3は、図2に示す赤外線検出素子100の伝導帯構造を模式的に示した図である。図3に示すように、量子ドット層12はエネルギー準位が最も低い。そのため、素子部20に注入された電子は量子ドット層12に落ち込む。
The
量子ドット層12は、InxGa1−xAs(0.43≦x≦0.51)で表記される量子ドット12Aを含む。InxGa1−xAs(0.43≦x≦0.51)で構成される量子ドット12Aは、InAsを用いた量子ドットと比較して最小エネルギーE1が高い。そのため、この例の場合、基底状態u1しか存在しない。
上記の組成式においてIn組成比xは、0.43≦x≦0.51であることが好ましく、0.45<x<0.50であることがより好ましい。量子ドット12Aの組成は、量子ドット12Aがとりうる伝導帯構造に大きな影響を及ぼす。
In the above composition formula, the In composition ratio x is preferably 0.43 ≦ x ≦ 0.51, and more preferably 0.45 <x <0.50. The composition of the
量子ドット12Aの組成式を上記範囲内とすることで、感度スペクトルのピーク波長を受光感度が高い8μm〜10μmに調整できる。
By setting the composition formula of the
量子ドット層12には、量子ドット12Aが複数個、存在している。量子ドット層12における量子ドット12Aの密度は、1×1010個/cm2以上1×1012個/cm2以下であることが好ましく、5×1010個/cm2以上5×1011個/cm2以下であることがより好ましく、1×1011個/cm2であることがさらに好ましい。赤外線吸収体である量子ドット12Aの数は吸収媒体の総体積を増加させるという観点からはより多い方が好ましい。一方で、量子ドット12Aの数が多くなりすぎると、隣接する量子ドット12A同士の距離が近くなりすぎ、互いに影響を及ぼしあう。その結果、量子ドット12Aの3次元閉じ込め効果が低下する。そのため、量子ドット12Aが所定の密度範囲で存在することで、赤外線Lの吸収効率が高まる。
In the
また量子ドット12Aの積層方向の上面12aは、平坦化していることが好ましい。すなわち、複数の量子ドット12Aの高さは略一定であることが好ましい。ここで略一定とは、量子ドット12Aを含むウエハの断面を透過型電子顕微鏡で観察することにより計測した50個の量子ドット12Aの高さの平均値に対するブレが20%以内を意味する。
The
複数の量子ドット12Aの高さが揃うと、それぞれの量子ドット12A中の基底状態u1が一定になる。赤外線検出素子100は、基底状態u1と励起状態のエネルギー準位差により吸収波長が決定する。すなわち、各量子ドット12Aにおける基底状態u1が一定になることで、エネルギー準位差が一定になり、特定の波長の赤外線に対する赤外線検出素子100の感度が高まる。
When the heights of the plurality of
量子ドット12Aの高さは、3nm以上6nm以下であることが好ましく、4nm以上5nm以下であることがより好ましく、4.5nmであることがさらに好ましい。
The height of the
また量子ドット12Aの形状は、円柱形状または円錐台形状であることが好ましい。量子ドット12Aのサイズは、10nm以上30nm以下であることが好ましく、15nm以上25nm以下であることがより好ましく、20nmであることがさらに好ましい。ここで量子ドット12Aのサイズとは、量子ドット12Aの積層方向の下面の直径を指す。また量子ドット12Aの上面は、10nm以上20nm以下であることが好ましく、12nm以上18nm以下であることがより好ましく、14nm以上15nm以下であることがさらに好ましい。
The shape of the
量子ドット12Aのサイズや高さは、量子ドット層12の伝導帯構造を変化させる。例えば、量子ドット12Aのサイズや高さが大きすぎると、量子ドット層12内に捕捉される電子数が増える。捕捉される電子数が増すと、それぞれが相互作用を生じ、赤外線検出の感度が低下するおそれがある。
The size and height of the
また量子ドット12AにはSiがドープされていることが好ましい。量子ドット12AにSiをドープすると、キャリアとなる電子が増加する。赤外線検出素子100は、電子の動きを光電流として読み出す。すなわち、キャリア数が増加すると、赤外線検出素子100の検出感度が向上する。特に、後述する下部バリア層15及び上部バリア層17を設ける場合は、Siをドープすることが好ましい。これらのバリア層は、電子の流れを阻害する。そのため、赤外線検出素子100内のキャリア数を増加させることで、検出感度の低下をより防ぐことができる。
Preferably, the
量子井戸層13は、量子ドット12Aの少なくとも一部を被覆する。量子井戸層13の上面の形状は、量子ドット12Aの形状を反映することが好ましく、量子井戸層13は量子ドット12Aの上面12aを被覆することが好ましい。量子井戸層13が量子ドット12Aの上面12aを被覆すると、エネルギー準位において中間準位が設けられ、光電流が流れやすくなる。量子井戸層13は、量子ドット12AよりIn組成比xが低い物質を含む。例えば、In0.1Ga0.9As等を用いることができる。
The
量子井戸層13のエネルギー準位は、キャップ層16と量子ドット層12の中間に位置する。つまり量子井戸層13は、束縛された電子が励起される際の中間準位として機能する。中間準位が存在すると、光電流が流れやすくなり、赤外線検出素子100の感度が向上する。
The energy level of the
量子井戸層13の厚みは、4nm以上7nm以下であることが好ましく、5nm以上6nm以下であることがより好ましく、5.7nmであることがさらに好ましい。ここで量子井戸層13の厚みとは、量子ドット12Aが存在しない部分における量子井戸層13の厚みを指す。量子井戸層13の幅が厚すぎると、量子ドット12Aによる量子閉じ込め効果が小さくなる。そのため暗電流が増大し、赤外線検出素子100の感度低下の原因となる。
The thickness of the
下部バリア層15は、量子ドット層12の積層方向の下方に位置する。下部バリア層15の伝導帯端は、基準となるGaAsのエネルギー準位よりエネルギー準位が高い。このような伝導帯オフセットを持つ物質としては、例えばAlをドープしたGaAsが挙げられる。より具体的には、下部バリア層15にAl0.2Ga0.8Asを用いることができる。
The
一方で上部バリア層17は、量子ドット層12の積層方向の上方に位置する。上部バリア層17の伝導帯端は、基準となるGaAsのエネルギー準位よりエネルギー準位が高い。上部バリア層17には、下部バリア層15と同様の物質を用いることができる。
On the other hand, the
量子ドット層12に束縛された電子は、下部バリア層15及び上部バリア層17をトンネル効果又は熱励起により通過する。換言すると、下部バリア層15及び上部バリア層17は電子の流れを阻害する。下部バリア層15及び上部バリア層17は、赤外線検出素子100の暗電流を抑制する。
Electrons bound to the
下部バリア層15及び上部バリア層17の厚みは2nm以下であることが好ましく、1nm以下であることがより好ましい。これらの厚みが厚すぎると、電子がこれらの障壁を通過することが難しくなる。つまり、赤外線検出素子100の暗電流だけでなく、必要な光電流の流れも阻害するおそれがある。その結果、赤外線検出素子100の感度の低下の原因となりうる。
The thickness of the
下地層14は、下部バリア層15と量子ドット層12の間に位置する。下地層14は、中間層11と同様にGaAsからなる。Alがドープされた下部バリア層15の上には、量子ドット層12を積層し難い。下地層14を設けることで、量子ドット層12の結晶性が高まる。
The
またキャップ層16は、上部バリア層17と量子ドット層12の間に位置する。キャップ層16も中間層11と同様にGaAsからなる。
The
下地層14及びキャップ層16のエネルギー準位は、量子ドット層12と下部バリア層15又は上部バリア層17の間に位置する。つまり下地層14及びキャップ層16は、束縛された電子が励起される際の中間準位として機能する。中間準位が存在すると、光電流が流れやすくなり、赤外線検出素子100の感度が向上する。
The energy levels of the
下地層14及びキャップ層16の厚みは、0.5nm以上2nm以下であることが好ましく、1.0nm以上1.5nm以下であることがより好ましい。下地層14及びキャップ層16により形成される量子井戸の幅が厚すぎると、量子ドット12Aによる量子閉じ込め効果が小さくなる。そのため、暗電流が増大し、赤外線検出素子100の感度低下の原因となる。
The thickness of the
光吸収層10において赤外線L(図1参照)を吸収するのは、量子ドット層12である。そのため、必須の層は量子ドット層12である。一方で、その他の層も光吸収に大きな寄与を及ぼすため、赤外線検出素子100は上述のその他の層も備えることが好ましい。
It is the
素子部20において光吸収層10は、中間層11を介して積層されている。中間層11は、GaAsからなることが好ましい。中間層11は、量子ドット12Aによって凹凸が形成された積層面を平坦化する。そのため、中間層11の厚みは、30nm以上60nm以下であることが好ましく、40nm以上50nm以下であることがより好ましく、46nmであることがさらに好ましい。
In the
ここまで、赤外線検出素子100の具体的な構成について説明した。次いで、赤外線検出素子100の動作について図を用いて説明する。
The specific configuration of the
図1に示すように赤外線検出素子100に赤外線Lが入射する。入射した赤外線Lは、光吸収層10で吸収される。光吸収層10は、赤外線Lを吸収し、光電流を生み出す。発生した光電流は、電流計28により検出される。光吸収層10において、赤外線Lを吸収し光電流が生み出される過程について説明する。
As shown in FIG. 1, the infrared ray L is incident on the
図3に示すように、量子ドット層12はエネルギー準位が最も低い。そのため、電圧源27(図1参照)により素子部20に注入された電子は、量子ドット層12に捕捉される。量子ドット層12に捕捉された電子は、赤外線L(図1参照)により励起される。励起された電子は、トンネル効果又は熱励起により下部バリア層15又は上部バリア層17を通過し、光電流を発生させる。
As shown in FIG. 3, the
電子が励起される際には、量子ドット層12の基底状態u1から磁気量子数が3の励起状態wk(1≦k<500)への遷移(第1の遷移)が主に生じる。励起過程に要するエネルギーのうち、基底状態u1のエネルギーE1と、励起状態wkにおける下地層14及びキャップ層16の束縛エネルギーEcとのエネルギー差が、8〜10μmの赤外線のエネルギーに合致する。
When an electron is excited, a transition (first transition) from the ground state u 1 of the
一方で、量子ドット層12の組成、構成を変化すると、電子の遷移過程も変化する。例えば、量子ドット層12の基底状態u1から別の励起状態wk’への遷移(第2の遷移)が生じる。励起状態wk’は、励起状態wkよりも基板成長軸方向に広く波動関数が広がっている。そのため、励起状態wk’と基底状態u1との波動関数の重なりは、励起状態wkとの場合に比べて小さく、遷移双極子モーメントが小さい。
On the other hand, when the composition and configuration of the
図4は、本実施形態にかかる赤外線検出素子100の受光波長と、受光波長における受光感度との関係を模式的に示した図である。図4に示すように、感度スペクトルは受光波長に対して離散的になっている。これは、InxGa1−xAs(0.43≦x≦0.51)で構成される量子ドット12Aは、量子ドット層12内でとりうる準位が基底状態u1に固定されるためである。
FIG. 4 is a view schematically showing the relationship between the light reception wavelength of the
第1の感度スペクトルQD1は、量子ドット12Aが所定の組成の場合の第1の遷移によって生じる。第1の遷移は、最小エネルギーE1と束縛エネルギーEcとのエネルギー差分に対応する波長の赤外線により生じる。この赤外線の波長は、第1の感度スペクトルQD1のピーク波長λ1に対応する。
The first sensitivity spectrum QD1 is generated by the first transition when the
第1の遷移過程に必要なエネルギーは、励起過程において最小である。そのため、生じる感度スペクトルの中でピーク波長λ1は最も短波長となる。 The energy required for the first transition process is minimal in the excitation process. Therefore, the peak wavelength λ1 is the shortest wavelength among the generated sensitivity spectrum.
本実施形態にかかる赤外線検出素子100は、量子ドット層がInxGa1−xAs(0.43≦x≦0.51)で表記される量子ドットを含む。そのため、ピーク波長λ1は、8μm以上10μm以下となる。
一方で、第2の感度スペクトルQD2は、量子ドット12Aの組成又は周囲の構成を変化させた場合の第2の遷移によって生じる。第2の遷移は第1の遷移より必要なエネルギー量が多い。そのため第2の感度スペクトルQD2の最大受光感度は、第1の感度スペクトルQD1より小さい。またピーク波長λ2は、ピーク波長λ1より長波長となる。
On the other hand, the second sensitivity spectrum QD2 is generated by the second transition when the composition of the
その他、量子ドット12Aの組成等を変化させることで、感度スペクトルのピークが得られる位置は変わる。例えば、励起過程によっては、第3の感度スペクトルQD3等も生じる。これらの励起過程は、第1の遷移及び第2の遷移より必要なエネルギー量が多い。そのため、第3の感度スペクトルQD3以降の感度スペクトルの最大受光感度は小さくなり、ピーク波長も長波長にシフトする。
In addition, changing the composition or the like of the
図4には、大気の赤外線の透過率も同時に示す(符号A)。大気は赤外線を吸収するが、8μm〜14μmの波長帯域の赤外線の透過率は高い。この帯域は大気の窓と呼ばれている。赤外線検出素子は、例えば人工衛星を用いたリモートセンシング等にも用いられている。そのため、大気による赤外線の吸収の影響は無視できない。そのため、大気環境下における赤外線の検出では、この大気の窓を利用することが好ましい。本実施形態にかかる赤外線検出素子100は、ピーク波長λpが8μm以上10μm以下であり、大気の窓を利用している。
The infrared ray transmittance of the atmosphere is also shown in FIG. 4 (symbol A). The atmosphere absorbs infrared rays, but the transmittance of infrared rays in the wavelength band of 8 μm to 14 μm is high. This zone is called the window of the atmosphere. The infrared detection element is also used, for example, for remote sensing using a satellite. Therefore, the influence of infrared absorption by the atmosphere can not be ignored. Therefore, it is preferable to use the window of the atmosphere in the detection of infrared radiation under the atmospheric environment. The
これに対し、図5は量子ドットにInAsを用いた赤外線検出素子の伝導帯構造を模式的に示した図である。また図6は、量子ドットにInAsを用いた赤外線検出素子の受光波長と、受光波長における受光感度との関係を模式的に示した図である。図6には、大気の赤外線の透過率も同時に示す(符号A)。 On the other hand, FIG. 5 is a view schematically showing the conduction band structure of the infrared detection device using InAs for the quantum dots. FIG. 6 is a view schematically showing the relationship between the light receiving wavelength of an infrared detecting element using InAs for quantum dots and the light receiving sensitivity at the light receiving wavelength. In FIG. 6, the transmittance of infrared rays of the atmosphere is also shown (symbol A).
図5に示すように、量子ドットにInAsを用いた量子ドット層12’のエネルギー準位は、量子ドットにInxGa1−xAsを用いた場合より低い。そのため、量子ドット層12’内でとりうる状態(状態u1、状態v1、状態w1)が複数存在する。すなわち、電子の励起過程が多数存在する。その結果、図6に示す感度スペクトルは複数のピークが重ね合わさったものとなる。
As shown in FIG. 5, the energy level of the
また量子ドット層12’のエネルギー準位が低いため、最小エネルギーE1と中間層11’による束縛エネルギーEcとのエネルギー差は大きくなる。すなわち、状態u1、状態v1、状態w1から状態uk、状態vk、状態wkの遷移に必要なエネルギーが大きくなる。そのため、赤外線検出素子の感度スペクトルのピーク波長λpは、大気の窓より短波長となる。 Further, since the energy level of the quantum dot layer 12 'is low, the energy difference between the minimum energy E1 and the bound energy Ec by the intermediate layer 11' becomes large. That is, the energy required for the transition from the state u 1 , the state v 1 , the state w 1 to the state u k , the state v k , and the state wk is increased. Therefore, the peak wavelength λp of the sensitivity spectrum of the infrared detection element is shorter than the window of the atmosphere.
上述のように、本実施形態にかかる赤外線検出素子は、InxGa1−xAs(0.43≦x≦0.51)で表記される量子ドットを含み、感度スペクトルのピーク波長が8μm以上10μm以下である。すなわち、本実施形態にかかる赤外線検出素子は、大気の窓の中でも最も短波長の領域に感度スペクトルのピーク波長を有する。そのため、大気の窓の中でも特に高感度に赤外線を検出できる。 As described above, the infrared detection element according to the present embodiment includes the quantum dots represented by In x Ga 1-x As (0.43 ≦ x ≦ 0.51), and the peak wavelength of the sensitivity spectrum is 8 μm or more 10 μm or less. That is, the infrared detection element according to the present embodiment has the peak wavelength of the sensitivity spectrum in the shortest wavelength region of the atmospheric window. Therefore, it is possible to detect infrared rays particularly at high sensitivity even in the atmospheric window.
次に、本実施形態にかかる赤外線検出素子の製造方法の一例について図1及び図2を基に説明する。 Next, an example of a method of manufacturing the infrared detection element according to the present embodiment will be described based on FIGS. 1 and 2.
半導体基板21として、面方位が(001)面のGaAs基板を用意する。そして半導体基板21を分子線エピタキシャル(MBE)装置内に導入する。自然酸化膜の除去処理を行った後、580℃程度に半導体基板21の温度を保つ。その後、半導体基板21と同じGaAsからなる緩衝層を500nmの膜厚で積層する。
A GaAs substrate having a (001) plane orientation is prepared as the
次いで、緩衝層22の上に下部コンタクト層23を積層する。下部コンタクト層23は、GaAsを積層後にSi原子を濃度2×1018cm−3程度ドーピングする。
Next, the
そして得られた下部コンタクト層23上に、素子部20を積層する。まず中間層11としてGaAsを積層する。中間層11の上には、光吸収層10を積層する。
Then, the
光吸収層10は以下の手順で積層する。まず中間層11上に、厚み1nm以下のAlxGa1−xAsで表記される下部バリア層15と、厚み1nm程度のGaAsからなる下地層14とを順に積層する。
The
その後、半導体基板21の温度を500℃前後まで低下させ、厚さが2〜3原子層分のInxGa1−xAsを積層する。
Thereafter, the temperature of the
この際、格子定数の違いから発生する歪みにより、InxGa1−xAsは島状に三次元成長する。これはSK(Stranski−Krastanov)モード成長と呼ばれる様式であり、この手法により、量子ドット12Aが平面内に複数並んだ量子ドット層12が得られる。量子ドット12Aの高さ、サイズ、密度等は、成長温度、成長速度、供給するInxGa1−xAsの量で調整できる。
At this time, In x Ga 1-x As is three-dimensionally grown like an island due to a strain generated from a difference in lattice constant. This is a mode called SK (Stranski-Krastanov) mode growth, and this method provides a
量子ドット12Aを作製した後には、フラッシングを行うことが好ましい。フラッシングとは、複数の量子ドット12Aの高さを揃えることをいう。フラッシングは、以下の手順で行うことができる。まず量子ドット12Aを成長後、量子ドット12Aを構成する材料より蒸発しにくい材料からなる埋め込み層を、量子ドット12Aより低い高さで、量子ドット12Aの周囲に形成する。その結果、量子ドット12Aは、埋め込み層内に埋め込まれる。そして、半導体基板21を加熱し、埋め込み層により被覆されなかった量子ドット12Aを蒸発させる。このような手順を経ることで、複数の量子ドット12Aの高さが揃う。量子ドット12A中に含まれるInは、Gaより昇華しやすい。そのため、加熱することで量子ドット12A中に含まれるInの一部が昇華し、量子ドット12Aの上面12aが平坦化する。
It is preferable to perform flushing after producing the
また量子ドット12Aには、Siをドープすることが好ましい。Siドープは、分子線エピタキシー法(MBE)により量子ドット層12上にSi分子線を所定の時間照射することにより行う。
Further, it is preferable to dope the
そして量子ドット層12上には、In組成比xを量子ドット層12より減らした量子井戸層13を積層する。量子井戸層13を5〜6nm程度積層することで、量子ドット層12は量子井戸層13により被覆される。量子井戸層13は、量子ドット12Aの形状を反映する。
Then, on the
その後、厚み1nm程度のGaAsからなるキャップ層16と、厚み1nm以下のAlxGa1−xAsで表記される上部バリア層17と、を順に積層する。これにより光吸収層10が形成される。次いで、中間層11と光吸収層10を複数回繰り返し積層することで素子部20が得られる。
Thereafter, a
最後に、素子部20上に上部コンタクト層24を積層する。上部コンタクト層24は、GaAsを積層後にSi原子を濃度2×1018cm−3程度ドーピングする。ここでは、MBE法を用いて作製する例を説明したが、有機金属気相成長法(MOCVD法)等のその他の結晶成長方法を用いてもよい。
Finally, the
そして、得られた積層体の一部を選択的にエッチングし、下部コンタクト層23を露出する。選択的なエッチングは、紫外線リソグラフィーを行った後に、ドライエッチング又はウェットエッチングにより行う。
Then, a part of the obtained laminate is selectively etched to expose the
エッチングにより分離された構造体それぞれが、赤外線検出素子を構成する。これらの赤外線検出素子を複数配列することで赤外線検出器が得られる。 Each structure separated by etching constitutes an infrared detection element. An infrared detector can be obtained by arranging a plurality of these infrared detection elements.
上部電極25及び下部電極26は、それぞれリフトオフ法によって形成できる。リフトオフ法は、リソグラフィー、金属蒸着、レジスト剥離等の工程を含む。
The
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。 Although the preferred embodiments of the present invention have been described above in detail, the present invention is not limited to the specific embodiments, and various modifications may be made within the scope of the present invention as set forth in the appended claims. It is possible to change and change
(実施例1)
実施例1として図1の構成の赤外線検出素子を準備した。光吸収層10の積層数は10層とした。また光吸収層10の構成は図2の構成のものを用いた。下部バリア層15及び上部バリア層17は、Al0.2Ga0.8Asを用い、厚みを1nmとした。また下地層14及びキャップ層16は、GaAsを用い、厚みを1〜1.5nmとした。量子ドット12Aは、下部直径20nm、上部直径14nm、高さ4.5nmの円錐台形とした。量子ドット12Aの組成は、InxGa1−xAsとしxの範囲を変更した。さらに、量子井戸層13は、In0.1Ga0.9Asを用い、厚みを5.7nmとした。
Example 1
As Example 1, the infrared detection element of the structure of FIG. 1 was prepared. The number of laminated
そして作製した赤外線検出器の受光波長に対する受光感度を測定した。図7は、InxGa1−xAsで構成される量子ドットのピーク波長λpと赤外線検出素子の受光感度との関係を示した図である。 And the light reception sensitivity with respect to the light reception wavelength of the produced infrared detector was measured. FIG. 7 is a diagram showing the relationship between the peak wavelength λ p of a quantum dot formed of In x Ga 1-x As and the light receiving sensitivity of the infrared detection element.
図7に示すように、量子ドットのピーク波長λpが大きくなると、受光感度が低下することが確認された。つまり、大気の窓の中では、ピーク波長λpが8μmに近づくにつれ、赤外線検出素子100の受光感度は高まっている。
As shown in FIG. 7, it has been confirmed that the light receiving sensitivity decreases as the peak wavelength λp of the quantum dot increases. That is, in the window of the atmosphere, as the peak wavelength λp approaches 8 μm, the light receiving sensitivity of the
本実施形態にかかる赤外線検出素子100は、In組成比x及び構造を最適化することで、感度スペクトルのピーク波長λpを8μm以上10μm以下としている。すなわち、赤外線検出素子100は赤外線の透過率の高い大気の窓の中でも最も受光感度の高い領域を利用できる。
The
図8は、図7における検討で検出した赤外線の受光感度と、InxGa1−xAsのIn組成比xと、ピーク波長λpと、の関係を一つのグラフにまとめたものである。 FIG. 8 is a graph showing the relationship between the light receiving sensitivity of infrared light detected in the study in FIG. 7, the In composition ratio x of In x Ga 1 -x As, and the peak wavelength λp.
図8に示すように、In組成比xが0.45≦x≦0.50の場合にピーク波長λpは8.1μm≦λp≦9.4μmを満たした。またこの際の受光感度Rは、16.9(40%)≦R≦41.8%と高い受光感度を示した。 As shown in FIG. 8, when the In composition ratio x is 0.45 ≦ x ≦ 0.50, the peak wavelength λp satisfies 8.1 μm ≦ λp ≦ 9.4 μm. The light receiving sensitivity R at this time showed a high light receiving sensitivity as 16.9 (40%) ≦ R ≦ 41.8%.
10:光吸収層
11:中間層
12:量子ドット層
12A:量子ドット
13:量子井戸層
14:下地層
15:下部バリア層
16:キャップ層
17:上部バリア層
20:素子部
21:半導体基板
22:緩衝層
23:下部コンタクト層
24:上部コンタクト層
25:上部電極
26:下部電極
27:電圧源
28:電流計
100:赤外線検出素子
L:赤外線
λp:ピーク波長
10: light absorption layer 11: intermediate layer 12:
Claims (10)
前記量子ドット層は、InxGa1−xAs(0.43≦x≦0.51)で表記される量子ドットを含み、
感度スペクトルのピーク波長が8μm以上10μm以下である、赤外線検出素子。 At least one light absorbing layer comprising a quantum dot layer,
The quantum dot layer includes quantum dots represented by In x Ga 1-x As (0.43 ≦ x ≦ 0.51),
The infrared detection element whose peak wavelength of a sensitivity spectrum is 8 micrometers or more and 10 micrometers or less.
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