JP2019119271A - 車両用制動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置を大型化させることなく入力ピストンとマスタピストンとの当接を抑制でき、且つ適切な制動性能を発揮することができる車両用制動装置を提供する。【解決手段】本発明は、ブレーキ操作部材10のストロークの増大に応じてシリンダ11内を所定方向に進行する入力ピストン13と、シリンダ11内において入力ピストン13に対して所定方向に離間して配置されたマスタピストン14と、マスタピストン14を所定方向に駆動することでマスタ圧を発生させる駆動部4と、車輪に回生制動力を付与する回生制動部8と、を備え、ストロークの増大に応じて回生制動力を増大させつつ、回生制動部8と駆動部4とを協調制御する車両用制動装置であって、ストロークが所定値以上になった場合、駆動部4によるマスタピストン14の駆動量を規定値増大させ且つ規定値に応じて回生制動力を減少させる調整制御を実行する制御部61を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用制動装置に関する。
車輪に回生制動力を付与する回生制動部を備える車両用制動装置は、回生エネルギーを最大限取得するために、マスタシリンダ内に、ブレーキ操作部材の操作に応じて前進する入力ピストン、及び入力ピストンから前方に離間したマスタピストンが配置されている。この離間距離があることにより、ブレーキ操作部材の通常操作による直接的なマスタピストンの前進が防止され、回生制動力を最大限発生させつつ、別の駆動源により電気的にマスタピストンの駆動を制御することができる。このような構成は、例えば特開2012−214091号公報に開示されている。
特開2012−214091号公報
上記のような構成では、ブレーキフィーリングが悪化しないように、ブレーキ操作部材のストロークが増大している際に、入力ピストンとマスタピストンとが極力当接しないように設計される。ここで、回生制動力のみで要求制動力を満たしている状況では、マスタピストンが前進しないため、ブレーキ操作部材のストローク分だけ両ピストンが接近する。例えば、この状況でさらに急操作(急踏み)がなされた場合、両ピストンが当接するおそれがある。これを回避するためには、例えばマスタシリンダを大きくして、離間距離を大きくすることが考えられる。しかしながら、これによれば装置全体が大型化してしまう。また一方で、車両用制動装置は、適切な制動性能、すなわちブレーキ操作部材の操作量(要求制動力)に応じた制動力(及びさらに望ましくは車両安定性)を発揮する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、装置を大型化させることなく入力ピストンとマスタピストンとの当接を抑制でき、且つ適切な制動性能を発揮することができる車両用制動装置を提供することを目的とする。
本発明の車両用制動装置は、ブレーキ操作部材のストロークの増大に応じてシリンダ内を所定方向に進行する入力ピストンと、前記シリンダ内において前記入力ピストンに対して前記所定方向に離間して配置されたマスタピストンと、前記マスタピストンを前記所定方向に駆動することで、車輪に付与される液圧制動力に対応するマスタ圧を発生させる駆動部と、前記車輪に回生制動力を付与する回生制動部と、を備え、前記ストロークの増大に応じて前記回生制動部の回生制動力を増大させつつ、前記回生制動部と前記駆動部とを協調制御する車両用制動装置であって、前記ストロークが所定値以上になった場合、前記駆動部により前記マスタピストンの駆動量を規定値増大させ且つ前記規定値に応じて前記回生制動部により回生制動力を減少させる調整制御を実行する制御部を備える。
本発明によれば、ストロークが所定値以上となった場合、調整制御により、マスタピストンが所定方向、すなわち入力ピストンから離間する方向に駆動する。これにより、入力ピストンとマスタピストンとの当接が抑制される。またマスタピストンの所定方向への進行によるマスタ圧の増大によって液圧制動力も増大するが、回生制動力が減少するため、制動力が大きくなりすぎず、要求制動力に応じた制動力が発揮可能となる。また、車両用制動装置としては回生制動部が前輪又は後輪に対して設けられ且つマスタ圧が前後輪両方の液圧制動力に対応する構成が一般的だが、この構成においても、回生制動力が減少することで、前輪及び後輪の一方の制動力が他方よりも過度に大きくなることが抑制され、適切な車両安定性が発揮可能となる。
第1実施形態の車両用制動装置の構成図である。 第1実施形態のアクチュエータの構成図である。 第1実施形態の調整制御の一例を示すタイムチャートである。 第1実施形態の制動力配分を示す説明図である。 第1実施形態の減速度と回生量との関係を示す説明図である。 第1実施形態の調整制御の別の一例を示すタイムチャートである。 第2実施形態の制御装置の構成図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。説明に用いる各図は概念図であり、各部の形状は必ずしも厳密なものではない場合がある。
<第1実施形態>
車両用制動装置BFは、図1及び図2に示すように、マスタシリンダ1と、反力発生装置2と、第1制御弁22と、第2制御弁23と、サーボ圧発生装置(「駆動部」に相当する)4と、アクチュエータ5と、ホイールシリンダ541〜544と、各種センサ71〜77と、上流側ECU6と、下流側ECU6Aと、を備えている。
また、第1実施形態の車両はハイブリッド車両であるため、車両用制動装置BFには、車輪Wに回生制動力を発生させ、アクチュエータ5との協調制御を実行する回生制動装置(「回生制動部」に相当する)8が設けられている。回生制動装置8は、後輪Wrに対して設けられ、ハイブリッドECU81と、発電機82と、インバータ83と、バッテリ84と、を備えている。回生制動装置8の詳細については公知であるため省略する。第1実施形態の車両は後輪駆動の車両である。なお、説明において、車輪Wfl、Wfr、Wrl、Wrrは車輪Wと、前輪Wfl、Wfrは前輪Wfと、後輪Wrl、Wrrは後輪Wrと記載することがある。各車輪Wには、例えばブレーキパッドZ1及びブレーキロータZ2が設置されている。
マスタシリンダ1は、ブレーキペダル(「ブレーキ操作部材」に相当する)10の操作量に応じてブレーキ液をアクチュエータ5に供給する部位であり、メインシリンダ11、カバーシリンダ12、入力ピストン13、第1マスタピストン14、および第2マスタピストン15を備えている。ブレーキペダル10は、ドライバがブレーキ操作可能なブレーキ操作手段であれば良い。
メインシリンダ11は、前方が閉塞されて後方に開口する有底略円筒状のハウジングである。メインシリンダ11の内周側の後方寄りに、内向きフランジ状に突出する内壁部111が設けられている。内壁部111の中央は、前後方向に貫通する貫通孔111aとされている。また、メインシリンダ11の内部の内壁部111よりも前方に、内径がわずかに小さくなっている小径部位112(後方)、113(前方)が設けられている。つまり、小径部位112、113は、メインシリンダ11の内周面から内向き環状に突出している。メインシリンダ11の内部には、小径部位112に摺接して軸方向に移動可能に第1マスタピストン14が配設されている。同様に、小径部位113に摺接して軸方向に移動可能に第2マスタピストン15が配設されている。
カバーシリンダ12は、略円筒状のシリンダ部121、蛇腹筒状のブーツ122、およびカップ状の圧縮スプリング123で構成されている。シリンダ部121は、メインシリンダ11の後端側に配置され、メインシリンダ11の後側の開口に同軸的に嵌合されている。シリンダ部121の前方部位121aの内径は、内壁部111の貫通孔111aの内径よりも大きい。また、シリンダ部121の後方部位121bの内径は、前方部位121aの内径よりも小さい。
防塵用のブーツ122は蛇腹筒状で前後方向に伸縮可能であり、その前側でシリンダ部121の後端側開口に接するように組み付けられている。ブーツ122の後方の中央には貫通孔122aが形成されている。圧縮スプリング123は、ブーツ122の周りに配置されるコイル状の付勢部材であり、その前側がメインシリンダ11の後端に当接し、後側はブーツ122の貫通孔122aに近接するように縮径されている。ブーツ122の後端および圧縮スプリング123の後端は、操作ロッド10aに結合されている。圧縮スプリング123は、操作ロッド10aを後方に付勢している。
入力ピストン13は、ブレーキペダル10の操作に応じてカバーシリンダ12内を摺動するピストンである。入力ピストン13は、前方に底面を有し後方に開口を有する有底略円筒状のピストンである。入力ピストン13の底面を構成する底壁131は、入力ピストン13の他の部位よりも径が大きくなっている。入力ピストン13は、シリンダ部121の後方部位121bに軸方向に摺動可能かつ液密的に配置され、底壁131がシリンダ部121の前方部位121aの内周側に入り込んでいる。
入力ピストン13の内部には、ブレーキペダル10に連動する操作ロッド10aが配設されている。操作ロッド10aの先端のピボット10bは、入力ピストン13を前側に押動できるようになっている。操作ロッド10aの後端は、入力ピストン13の後側の開口およびブーツ122の貫通孔122aを通って外部に突出し、ブレーキペダル10に接続されている。ブレーキペダル10が踏み込み操作されたときに、操作ロッド10aは、ブーツ122および圧縮スプリング123を軸方向に押動しながら前進する。操作ロッド10aの前進に伴い、入力ピストン13も連動して前進する。
第1マスタピストン14は、メインシリンダ11の内壁部111に軸方向に摺動可能に配設されている。第1マスタピストン14は、前方側から順番に加圧筒部141、フランジ部142、および突出部143が一体となって形成されている。加圧筒部141は、前方に開口を有する有底略円筒状に形成され、メインシリンダ11の内周面との間に間隙を有し、小径部位112に摺接している。加圧筒部141の内部空間には、第2マスタピストン15との間にコイルばね状の付勢部材144が配設されている。付勢部材144により、第1マスタピストン14は後方に付勢されている。換言すると、第1マスタピストン14は、設定された初期位置に向けて付勢部材144により付勢されている。
フランジ部142は、加圧筒部141よりも大径で、メインシリンダ11の内周面に摺接している。突出部143は、フランジ部142よりも小径で、内壁部111の貫通孔111aに液密に摺動するように配置されている。突出部143の後端は、貫通孔111aを通り抜けてシリンダ部121の内部空間に突出し、シリンダ部121の内周面から離間している。突出部143の後端面は、入力ピストン13の底壁131から離間し、その離間距離dは変化し得るように構成されている。このように、第1マスタピストン14は、初期状態において、入力ピストン13の前方に入力ピストン13と離間距離dだけ離れて配置されている。
ここで、メインシリンダ11の内周面、第1マスタピストン14の加圧筒部141の前側、および第2マスタピストン15の後側により、「第1マスタ室1D」が区画されている。また、メインシリンダ11の内周面(内周部)と小径部位112と内壁部111の前面、および第1マスタピストン14の外周面により、第1マスタ室1Dよりも後方の後方室が区画されている。第1マスタピストン14のフランジ部142の前端部および後端部は後方室を前後に区分しており、前側に「第2液圧室1C」が区画され、後側に「サーボ室1A」が区画されている。第2液圧室1Cは、第1マスタピストン14の前進により容積が減少し第1マスタピストン14の後退により容積が増加する。また、メインシリンダ11の内周部、内壁部111の後面、シリンダ部121の前方部位121aの内周面(内周部)、第1マスタピストン14の突出部143(後端部)、および入力ピストン13の前端部により「第1液圧室1B」が区画されている。
第2マスタピストン15は、メインシリンダ11内の第1マスタピストン14の前方側に、小径部位113に摺接して軸方向に移動可能に配置されている。第2マスタピストン15は、前方に開口を有する筒状の加圧筒部151、および加圧筒部151の後側を閉塞する底壁152が一体となって形成されている。底壁152は、第1マスタピストン14との間に付勢部材144を支承している。加圧筒部151の内部空間には、メインシリンダ11の閉塞された内底面111dとの間に、コイルばね状の付勢部材153が配設されている。付勢部材153により、第2マスタピストン15は後方に付勢されている。換言すると、第2マスタピストン15は、設定された初期位置に向けて付勢部材153により付勢されている。メインシリンダ11の内周面、内底面111d、および第2マスタピストン15により、「第2マスタ室1E」が区画されている。
マスタシリンダ1には、内部と外部を連通させるポート11a〜11iが形成されている。ポート11aは、メインシリンダ11のうち内壁部111よりも後方に形成されている。ポート11bは、ポート11aと軸方向の同様の位置に、ポート11aに対向して形成されている。ポート11aとポート11bは、メインシリンダ11の内周面とシリンダ部121の外周面との間の環状空間を介して連通している。ポート11aおよびポート11bは、配管161に接続され、かつリザーバ171(低圧源)に接続されている。
また、ポート11bは、シリンダ部121および入力ピストン13に形成された通路18により第1液圧室1Bに連通している。通路18は入力ピストン13が前進すると遮断され、これによって第1液圧室1Bとリザーバ171とが遮断される。ポート11cは、内壁部111より後方かつポート11aよりも前方に形成され、第1液圧室1Bと配管162とを連通させている。ポート11dは、ポート11cよりも前方に形成され、サーボ室1Aと配管163とを連通させている。ポート11eは、ポート11dよりも前方に形成され、第2液圧室1Cと配管164とを連通させている。
ポート11fは、小径部位112の両シール部材G1、G2の間に形成され、リザーバ172とメインシリンダ11の内部とを連通している。ポート11fは、第1マスタピストン14に形成された通路145を介して第1マスタ室1Dに連通している。通路145は、第1マスタピストン14が前進するとポート11fと第1マスタ室1Dが遮断される位置に形成されている。ポート11gは、ポート11fよりも前方に形成され、第1マスタ室1Dと管路31とを連通させている。
ポート11hは、小径部位113の両シール部材G3、G4の間に形成され、リザーバ173とメインシリンダ11の内部とを連通させている。ポート11hは、第2マスタピストン15の加圧筒部151に形成された通路154を介して第2マスタ室1Eに連通している。通路154は、第2マスタピストン15が前進するとポート11hと第2マスタ室1Eが遮断される位置に形成されている。ポート11iは、ポート11hよりも前方に形成され、第2マスタ室1Eと管路32とを連通させている。
また、マスタシリンダ1内には、適宜、Oリング等のシール部材が配置されている。シール部材G1、G2は、小径部位112に配置され、第1マスタピストン14の外周面に液密的に当接している。同様に、シール部材G3、G4は、小径部位113に配置され、第2マスタピストン15の外周面に液密的に当接している。また、入力ピストン13とシリンダ部121との間にもシール部材G5、G6が配置されている。
ストロークセンサ71は、ドライバによりブレーキペダル10が操作された操作量(ストローク)を検出するセンサであり、検出信号を上流側ECU6及び下流側ECU6Aに送信する。ブレーキストップスイッチ72は、ドライバによるブレーキペダル10の操作の有無を2値信号で検出するスイッチであり、検出信号を上流側ECU6に送信する。
反力発生装置2は、ブレーキペダル10が操作されたとき操作力に対抗する反力を発生する装置であり、ストロークシミュレータ21を主にして構成されている。ストロークシミュレータ21は、ブレーキペダル10の操作に応じて第1液圧室1Bおよび第2液圧室1Cに反力液圧を発生させる。ストロークシミュレータ21は、シリンダ211にピストン212が摺動可能に嵌合されて構成されている。ピストン212は圧縮スプリング213によって後方に付勢されており、ピストン212の後面側に反力液圧室214が形成される。反力液圧室214は、配管164およびポート11eを介して第2液圧室1Cに接続され、さらに、反力液圧室214は、配管164を介して第1制御弁22および第2制御弁23に接続されている。
第1制御弁22は、非通電状態で閉じる構造の電磁弁であり、上流側ECU6により開閉が制御される。第1制御弁22は、配管164と配管162との間に接続されている。ここで、配管164はポート11eを介して第2液圧室1Cに連通し、配管162はポート11cを介して第1液圧室1Bに連通している。また、第1制御弁22が開くと第1液圧室1Bが開放状態になり、第1制御弁22が閉じると第1液圧室1Bが密閉状態になる。したがって、配管164および配管162は、第1液圧室1Bと第2液圧室1Cとを連通するように設けられている。
第1制御弁22は通電されていない非通電状態で閉じており、このとき第1液圧室1Bと第2液圧室1Cとが遮断される。これにより、第1液圧室1Bが密閉状態になってブレーキ液の行き場がなくなり、入力ピストン13と第1マスタピストン14とが一定の離間距離を保って連動する。また、第1制御弁22は通電された通電状態では開いており、このとき第1液圧室1Bと第2液圧室1Cとが連通される。これにより、第1マスタピストン14の進退に伴う第1液圧室1Bおよび第2液圧室1Cの容積変化が、ブレーキ液の移動により吸収される。
圧力センサ73は、第2液圧室1Cおよび第1液圧室1Bの反力液圧を検出するセンサであり、配管164に接続されている。圧力センサ73は、第1制御弁22が閉状態の場合には第2液圧室1Cの圧力を検出し、第1制御弁22が開状態の場合には連通された第1液圧室1Bの圧力も検出することになる。圧力センサ73は、検出信号を上流側ECU6に送信する。
第2制御弁23は、非通電状態で開く構造の電磁弁であり、上流側ECU6により開閉が制御される。第2制御弁23は、配管164と配管161との間に接続されている。ここで、配管164はポート11eを介して第2液圧室1Cに連通し、配管161はポート11aを介してリザーバ171に連通している。したがって、第2制御弁23は、第2液圧室1Cとリザーバ171との間を非通電状態で連通して反力液圧を発生させず、通電状態で遮断して反力液圧を発生させる。
サーボ圧発生装置4は、いわゆる油圧式ブースタ(倍力装置)であって、減圧弁41、増圧弁42、圧力供給部43、およびレギュレータ44を備えている。減圧弁41は、非通電状態で開く常開型の電磁弁(常開弁)であり、上流側ECU6により流量(又は圧力)が制御される。減圧弁41の一方は配管411を介して配管161に接続され、減圧弁41の他方は配管413に接続されている。つまり、減圧弁41の一方は、配管411、161、およびポート11a、11bを介してリザーバ171に連通している。減圧弁41は、閉弁することで、パイロット室4Dからブレーキ液が流出することを阻止する。なお、リザーバ171とリザーバ434とは、図示していないが連通している。リザーバ171とリザーバ434が同一のリザーバであっても良い。
増圧弁42は、非通電状態で閉じる常閉型の電磁弁(常閉弁)であり、上流側ECU6により流量(又は圧力)が制御されている。増圧弁42の一方は配管421に接続され、増圧弁42の他方は配管422に接続されている。圧力供給部43は、レギュレータ44に主に高圧の作動液を供給する部位である。圧力供給部43は、アキュムレータ431、液圧ポンプ432、モータ433、およびリザーバ434を備えている。圧力センサ75は、アキュムレータ431の液圧を検出する。圧力供給部43は、の構成は公知であるため説明は省略する。
レギュレータ44は、機械式のレギュレータであって、内部にパイロット室4Dが形成されている。また、レギュレータ44には、複数のポート4a〜4hが形成されている。パイロット室4Dは、ポート4f及び配管413を介して減圧弁41に接続され、ポート4g及び配管421を介して増圧弁42に接続されている。増圧弁42の開弁により、アキュムレータ431からポート4a、4b、4gを介して高圧のブレーキ液がパイロット室4Dに供給され、ピストンが移動し、パイロット室4Dが拡大する。当該拡大に応じて弁部材が移動し、ポート4aとポート4cが連通し、配管163を介して高圧のブレーキ液がサーボ室1Aに供給される。一方、減圧弁41の開弁により、パイロット室4Dの液圧(パイロット圧)が低下し、ポート4aとポート4cとの間の流路が弁部材により遮断される。このように、上流側ECU6は、減圧弁41及び増圧弁42を制御することで、サーボ圧に対応するパイロット圧を制御し、サーボ圧を制御している。実際のサーボ圧は、圧力センサ74により検出される。第1実施形態は、ブレーキ操作機構と調圧機構とが分離されたバイワイヤ構成になっている。
アクチュエータ5は、マスタ圧が発生する第1マスタ室1D及び第2マスタ室1Eと、ホイールシリンダ541〜544の間に配置されている。アクチュエータ5と第1マスタ室1Dとは管路31により接続され、アクチュエータ5と第2マスタ室1Eは管路32により接続されている。アクチュエータ5は、下流側ECU6Aの指示に応じて、ホイールシリンダ541〜544の液圧(ホイール圧)を調整する装置である。アクチュエータ5は、下流側ECU6Aの指令に応じて、ブレーキ液をマスタ圧からさらに加圧する加圧制御、増圧制御、減圧制御、又は保持制御を実行する。アクチュエータ5は、下流側ECU6Aの指令に基づき、これら制御を組み合わせて、アンチスキッド制御(ABS制御)、又は横滑り防止制御(ESC制御)等を実行する。
具体的に、アクチュエータ5は、図3に示すように、油圧回路5Aと、モータ90と、を備えている。油圧回路5Aは、第1配管系統50aと、第2配管系統50bと、を備えている。第1配管系統50aは、前輪Wfl、Wfrに加えられる液圧(ホイール圧)を制御する系統である。第2配管系統50bは、後輪Wrl、Wrrに加えられる液圧(ホイール圧)を制御する系統である。また、各車輪Wに対して、車輪速度センサ76が設置されている。第1実施形態では前後配管が採用されている。
第1配管系統50aは、主管路Aと、差圧制御弁51と、増圧弁52、53と、減圧管路Bと、減圧弁54、55と、調圧リザーバ56と、還流管路Cと、ポンプ57と、補助管路Dと、オリフィス部58と、ダンパ部59と、を備えている。説明において、「管路」の用語は、例えば液圧路、流路、油路、通路、又は配管等に置換可能である。
主管路Aは、管路32とホイールシリンダ541、542とを接続する管路である。差圧制御弁51は、主管路Aに設けられ、主管路Aを連通状態と差圧状態に制御する電磁弁である。差圧状態は、弁により流路が制限された状態であり、絞り状態ともいえる。差圧制御弁51は、下流側ECU6Aの指示に基づく制御電流に応じて、自身を中心としたマスタシリンダ1側の液圧とホイールシリンダ541、542側の液圧との差圧を制御する。換言すると、差圧制御弁51は、制御電流に応じて、主管路Aのマスタシリンダ1側の部分の液圧と主管路Aのホイールシリンダ541、542側の部分の液圧との差圧を制御可能に構成されている。
差圧制御弁51は、非通電状態で連通状態となるノーマルオープンタイプである。差圧制御弁51に印加される制御電流が大きいほど、差圧は大きくなる。差圧制御弁51が差圧状態に制御されてポンプ57が駆動している場合、制御電流に応じて、マスタシリンダ1側の液圧よりもホイールシリンダ541、542側の液圧のほうが大きくなる。差圧制御弁51に対しては、チェックバルブ51aが設置されている。主管路Aは、ホイールシリンダ541、542に対応するように、差圧制御弁51の下流側の分岐点Xで2つの管路A1、A2に分岐している。
増圧弁52、53は、下流側ECU6Aの指示により開閉する電磁弁であって、非通電状態で開状態(連通状態)となるノーマルオープンタイプの電磁弁である。増圧弁52は管路A1に配置され、増圧弁53は管路A2に配置されている。増圧弁52、53は、増圧制御時に非通電状態で開状態となってホイールシリンダ541〜544と分岐点Xと連通させ、保持制御及び減圧制御時に通電されて閉状態となりホイールシリンダ541〜544と分岐点Xとを遮断する。
減圧管路Bは、管路A1における増圧弁52とホイールシリンダ541、542との間と調圧リザーバ56とを接続し、管路A2における増圧弁53とホイールシリンダ541、542との間と調圧リザーバ56とを接続する管路である。減圧弁54、55は、下流側ECU6Aの指示により開閉する電磁弁であって、非通電状態で閉状態(遮断状態)となるノーマルクローズタイプの電磁弁である。減圧弁54は、ホイールシリンダ541、542側の減圧管路Bに配置されている。減圧弁55は、ホイールシリンダ541、542側の減圧管路Bに配置されている。減圧弁54、55は、主に減圧制御時に通電されて開状態となり、減圧管路Bを介してホイールシリンダ541、542と調圧リザーバ56とを連通させる。調圧リザーバ56は、シリンダ、ピストン、及び付勢部材を有するリザーバである。
還流管路Cは、減圧管路B(又は調圧リザーバ56)と、主管路Aにおける差圧制御弁51と増圧弁52、53の間(ここでは分岐点X)とを接続する管路である。ポンプ57は、吐出ポートが分岐点X側で吸入ポートが調圧リザーバ56側に配置されるように、還流管路Cに設けられている。ポンプ57は、モータ90によって駆動されるギア式の電動ポンプ(ギアポンプ)である。ポンプ57は、還流管路Cを介して、調圧リザーバ56からマスタシリンダ1側又はホイールシリンダ541、542側にブレーキ液を流動させる。また、ポンプ57は、例えばアンチスキッド制御の際、開状態の減圧弁54、55を介して、ホイールシリンダ541、542内のブレーキ液をマスタシリンダ1に汲み戻す。このように、ポンプ57は、マスタシリンダ1とホイールシリンダ541、542との間に配置され、ホイールシリンダ541、542内のブレーキ液をホイールシリンダ541、542外に吐出することができる。
ポンプ57は、ブレーキ液を吐出する吐出過程と、ブレーキ液を吸入する吸入過程と、を繰り返すように構成されている。つまり、ポンプ57は、モータ90により駆動されると、吐出過程と吸入過程とを交互に繰り返して実行する。吐出過程では、吸入過程で調圧リザーバ56から吸入したブレーキ液が、分岐点Xに供給される。モータ90は、下流側ECU6Aの指示により、リレー(図示せず)を介して通電され、駆動する。ポンプ57とモータ90は、併せて電動ポンプともいえる。
オリフィス部58は、還流管路Cのポンプ57と分岐点Xとの間の部分に設けられた、絞り形状部位(いわゆるオリフィス)である。ダンパ部59は、還流管路Cのポンプ57とオリフィス部58との間の部分に接続されたダンパ(ダンパ機構)である。ダンパ部59は、還流管路Cのブレーキ液の脈動に応じて、当該ブレーキ液を吸収・吐出する。オリフィス部58及びダンパ部59は、脈動を低減(減衰、吸収)する脈動低減機構といえる。
補助管路Dは、調圧リザーバ56の調圧孔56aと、主管路Aにおける差圧制御弁51よりも上流側(又はマスタシリンダ1)とを接続する管路である。調圧リザーバ56は、ストローク増加による調圧孔56aへのブレーキ液の流入量増加に伴い、弁孔56bが閉塞されるように構成されている。弁孔56bの管路B、C側にはリザーバ室56cが形成される。
ポンプ57の駆動により、調圧リザーバ56又はマスタシリンダ1内のブレーキ液が、還流管路Cを介して主管路Aにおける差圧制御弁51と増圧弁52、53の間の部分(分岐点X)に吐出される。そして、差圧制御弁51及び増圧弁52、53の制御状態に応じて、ホイール圧が加圧される。このようにアクチュエータ5では、ポンプ57の駆動と各種弁の制御により加圧制御が実行される。つまり、アクチュエータ5は、ホイール圧を加圧可能に構成されている。なお、主管路Aの差圧制御弁51とマスタシリンダ1の間の部分には、当該部分の液圧(マスタ圧)を検出する圧力センサ77が設置されている。圧力センサ77は、検出結果を上流側ECU6及び下流側ECU6Aに送信する。
第2配管系統50bは、第1配管系統50aと同様の構成であって、後輪Wrl、Wrrのホイールシリンダ543、544の液圧を調整する系統である。第2配管系統50bは、主管路Aに相当し管路31とホイールシリンダ543、544とを接続する主管路Abと、差圧制御弁51に相当する差圧制御弁91と、増圧弁52、53に相当する増圧弁92、93と、減圧管路Bに相当する減圧管路Bbと、減圧弁54、55に相当する減圧弁94、95と、調圧リザーバ56に相当する調圧リザーバ96と、還流管路Cに相当する還流管路Cbと、ポンプ57に相当するポンプ97と、補助管路Dに相当する補助管路Dbと、オリフィス部58に相当するオリフィス部58aと、ダンパ部59に相当するダンパ部59aと、を備えている。第2配管系統50bの詳細構成については、第1配管系統50aの説明を参照できるため、説明を省略する。また、以下の説明において、アクチュエータ5の各部の記載は、第1配管系統50aの符号を用い、第2配管系統50bの符号は省略する。
上流側ECU6及び下流側ECU6Aは、CPUやメモリ等を備える電子制御ユニット(ECU)である。上流側ECU6は、ホイール圧の目標値である目標ホイール圧(又は目標減速度)に基づいて、サーボ圧発生装置4に対する制御を実行するECUである。上流側ECU6は、目標ホイール圧に基づいて、サーボ圧発生装置4に対して、増圧制御(加圧制御)、減圧制御、又は保持制御を実行する。増圧制御では、増圧弁42が開状態となり、減圧弁41が閉状態となる。減圧制御では、増圧弁42が閉状態となり、減圧弁41が開状態となる。保持制御では、増圧弁42及び減圧弁41が閉状態となる。
上流側ECU6には、各種センサ71〜77が接続されている。上流側ECU6は、これらセンサから、ストローク情報、マスタ圧情報、反力液圧情報、サーボ圧情報、及び車輪速度情報を取得する。上記センサと上流側ECU6とは、図示しない通信線(CAN)により接続されている。また、上流側ECU6は、下流側ECU6Aからアクチュエータ5の制御状況に関する情報(アンチスキッド制御中等)を取得する。
下流側ECU6Aは、ホイール圧の目標値である目標ホイール圧(又は目標減速度)に基づいて、アクチュエータ5に対する制御を実行するECUである。下流側ECU6Aは、目標ホイール圧に基づいて、アクチュエータ5に対して、増圧制御、減圧制御、保持制御、又は加圧制御を実行する。下流側ECU6Aは、上流側ECU6を介して又は直接的に、各種センサ71〜77から情報を取得する。なお、上流側ECU6及び下流側ECU6Aは、1つのECUで構成されても良い。
ここで、ホイールシリンダ541に対する制御を例に下流側ECU6Aによる各制御状態について簡単に説明すると、増圧制御では、増圧弁52(及び差圧制御弁51)が開状態となり、減圧弁54が閉状態となる。なお、差圧制御弁51と並列に設置されたチェックバルブ51aにより、上流から下流へのブレーキ液の流れは許容され、その逆は禁止される。したがって、上流側の液圧が下流側の液圧より高い場合、差圧制御弁51への制御なしに、チェックバルブ51aを介してブレーキ液は下流に供給される。減圧制御では、増圧弁52が閉状態となり、減圧弁54が開状態となる。保持制御では、増圧弁52及び減圧弁54が閉状態となる。また、保持制御は、増圧弁52を閉じず、減圧弁54を閉じ、差圧制御弁51を閉じる(絞る)ことでも実行できる。また、保持制御では、加圧応答性の観点からモータ90及びポンプ57を駆動させたまま、差圧制御弁51からブレーキ液を上流側に漏らしつつ、差圧を維持する制御もなされる。つまり、差圧制御弁51及び/又は増圧弁52は、ホイール圧を保持する保持弁に相当する。加圧制御では、差圧制御弁51が差圧状態(絞り状態)となり、増圧弁52が開状態となり、減圧弁54が閉状態となり、モータ90及びポンプ57が駆動する。
両ECU6、6Aの協調制御の例について簡単に説明すると、上流側ECU6は、ストローク情報に基づいて目標減速度(減速度の目標値)を設定し、通信線を介して目標減速度情報を下流側ECU6Aに伝達する。目標マスタ圧及び目標ホイール圧は、目標減速度に基づいて決定される。上流側ECU6と下流側ECU6Aは、協調制御により、ホイール圧を目標ホイール圧に(減速度を目標減速度に)近づけるようにブレーキ液の液圧を制御する。上流側ECU6ではストロークに基づき目標減速度を演算して目標マスタ圧を演算し、下流側ECU6Aでは目標減速度に基づき目標ホイール圧を演算し、検出されたマスタ圧(又は目標マスタ圧)と目標ホイール圧とに基づき加圧量(制御量)を設定する。
また、両ECU6、6Aは、ハイブリッドECU81との協調制御(回生協調制御)を実行する。回生協調制御では、例えば、ブレーキ操作開始から所定状況までは、回生制動装置8による回生制動力とアクチュエータ5によるホイール圧の加圧(液圧制動力)により目標減速度を達成させる。そして、所定状況以降は液圧制動力としてサーボ圧発生装置4によるマスタ圧の加圧も加えられ、回生制動力とともに目標減速度を達成させる。ブレーキ操作終了付近では、例えば回生制動力のみで目標減速度を達成し、その後、所定のタイミングで、回生制動力から液圧制動力(アクチュエータ5による加圧)に切り替えるすり替え制御が実行される。ハイブリッドECU81は、状況に応じて目標回生制動力を設定するとともに実際に発生した回生制動力の情報を両ECU6、6Aに送信し、両ECU6、6Aは、回生制動力と液圧制動力とにより要求制動力(要求減速度)が達成されるように、サーボ圧発生装置4及びアクチュエータ5を制御する。
このように、車両用制動装置BFは、ブレーキペダル10のストロークの増大に応じてメインシリンダ11内を前進する入力ピストン13と、メインシリンダ11内において入力ピストン13に対して前方に離間して配置された第1マスタピストン14と、第1マスタピストン14を前方に駆動することで、車輪Wに付与される液圧制動力に対応するマスタ圧を発生させるサーボ圧発生装置4と、車輪Wに回生制動力を付与する回生制動装置8と、を備え、ストロークの増大に応じて回生制動装置8の回生制動力を増大させつつ、回生制動装置8とサーボ圧発生装置4とを協調制御する装置である。また、回生制動装置8は、車輪Wのうち前輪Wf又は後輪Wrに対して回生制動力を付与し、サーボ圧発生装置4は、マスタ圧に基づく液圧(ホイール圧)により前輪Wf及び後輪Wrに対して液圧制動力を付与する。
(調整制御)
ここで、入力ピストン13と第1マスタピストン14との当接(衝突)を抑制し且つ適切な制動性能を発揮するための調整制御について説明する。ここで、各ECU6、6A、81は、協調して制御を実行するため、1つの制御装置60を構成しているといえる。制御装置60は、機能として、ブレーキペダル10のストロークが所定値以上になった場合、サーボ圧発生装置4により第1マスタピストン14の駆動量を規定値(所定駆動量)増大させ且つ当該規定値に応じて回生制動装置8により回生制動力を減少させる調整制御を実行する制御部61を備えている。
調整制御は、サーボ圧を所定増大勾配で所定圧増大させつつ、所定増大勾配に応じた減少勾配で回生制動力を所定量減少させる制御ともいえる。所定増大勾配は、一定値又はストロークの増大勾配に応じた値に設定される。所定圧は、第1マスタピストン14の駆動液圧(セット荷重に対応する液圧)より大きい値に設定される。所定量は、例えば、予め設定された、一定値(固定値)、ストロークの増大勾配(例えばストロークが所定値に達する直前の増大勾配)に対応する値、又は第1マスタピストン14の駆動量が規定値増大した場合に増大する前輪Wf又は後輪Wrの液圧制動力に対応する値である。なお、サーボ圧の増大勾配は、第1マスタピストン14の駆動量の増大勾配に対応する。また、調整制御は、回生制動力が発生している回生制動中に実行される。
調整制御の一例を、図3及び図4を参照して説明する。図3に示すように、まず、ブレーキ操作初期であるt1〜t2では、後輪Wrの回生制動力のみで要求制動力が実現され、t2〜t3においては、アクチュエータ5が加圧制御により前輪Wfに発生させる液圧制動力と後輪Wrの回生制動力によって、要求制動力が実現される。そして、t3においてブレーキペダル10(入力ピストン13)のストロークが所定値に達すると、調整制御が実行され、サーボ圧発生装置4が作動してストローク変動に応じた増大勾配でマスタ圧(サーボ圧)が増大するとともに、マスタ圧の増大勾配と同じ勾配(絶対値:傾き)の減少勾配で所定量だけ回生制動力が減少する(t3〜t4)。ここでの所定量は、予め設定された一定値である。t3においてサーボ圧を所定増大勾配で増大させることで、サーボ圧が第1マスタピストン14の駆動液圧に達した際、瞬間的に第1マスタピストン14が規定値前進する。
t3〜t4において、調整制御及びストロークの増大に応じてサーボ圧が増大することで、第1マスタピストン14が前進する。また、この際、踏み込み操作が継続されているため入力ピストン13も前進している。t3〜t5においては、要求制動力の増大分及び後輪Wrの回生制動力の減少分を、マスタ圧の増大及びアクチュエータ5の後輪Wrへの加圧制御により補填している。なお、その後、停車直前にすり替え制御が実行される。
この調整制御によれば、離間距離dが小さい状況において第1マスタピストン14が前進するため、離間距離dが増大され(又は離間距離dの減少が抑制され)、入力ピストン13と第1マスタピストン14との当接は抑制される。さらに、図4に示すように、前輪Wfと後輪Wrとの制動力配分を良好に保つことができる。例えば、ストロークが所定値に達した際(t3)、回生制動力の減少なく、サーボ圧を増大させるだけの制御が行われた場合、図4の二点鎖線で示すように、制動力が高い領域において理想配分線から離れた状態で制動力が増大することになる。制動力が高い領域における制動力配分は、制動力が低い領域に比べて、走行安定性に大きな影響を与える。
しかしながら、第1実施形態の調整制御では、マスタ圧の増大に応じて回生制動力を減少させ後輪Wrの制動力の増大を抑制しているため、調整制御の実行中(t3〜t4)に、理想配分線に向けて配分状態が移動する。その後、t4〜t5において、制御部61が回生制動力を一定にすると、マスタ圧の増大により前輪Wf及び後輪Wrの液圧制動力が均等に増大し、理想配分線に沿って制動力が増大する。これにより、制動力が高い領域において、前輪Wf及び後輪Wrの一方の制動力が他方に比べて過度に増大することが抑制され、車両安定性が良好に保たれる。車両用制動装置としては、第1実施形態のように回生制動装置8が前輪Wf又は後輪Wrに対して設けられ且つマスタ圧が前後輪両方の液圧制動力に対応する構成が一般的だが、この構成においても、回生制動力が減少することで、前輪Wf及び後輪Wrの一方の制動力が他方よりも過度に大きくなることが抑制され、適切な車両安定性が発揮可能となる。また、調整制御が実施されても、液圧制動力の増大及び回生制動力の減少により、発生する制動力も要求制動力に応じた値となる。
また、第1実施形態において、調整制御実行に関するストロークの閾値である所定値は、通常のブレーキ操作(緊急ブレーキを除く操作)が行われる常用域(例えば減速度が0.3G以下)に対応する値ではなく、高減速度域(例えば減速度が0.3〜0.5G)に対応する値に設定されている。これにより、調整制御を実行したとしても、図5に示すように、高減速度域での回生量は低下するが、常用域での回生量は低下しないため、回生量の減少を極めて小さくすることができる。例えば緊急ブレーキ操作が為された場合には、減速度が高減速度域に達する。
また、マスタ圧の増大に対してアクチュエータ5の調圧機能により制動力配分を調整しようとすると、各種電磁弁の作動音、及びストロークのロック等が発生するため、ブレーキフィーリングが悪化する上、実質的にも配分調整の実現は困難である。しかし、第1実施形態の調整制御によれば、アクチュエータ5に特別な制御を実行する必要はなく、これらの問題は発生しない。
また、制御部61が、調整制御において、ストロークの増大勾配が大きいほど回生制動力の減少勾配を大きくするため、より精度良く制動性能を保つことができる。なお、例えば、t3でストロークが所定値に達した以後、ストロークが一定に保たれた場合、図6に示すように、調整制御により、第1マスタピストン14の駆動量が所定増大勾配で規定値だけ増大し、当該増大による液圧制動力の増大を打ち消すように、回生制動力が所定減少勾配で所定量だけ減少する。つまり、調整制御が実施されても、要求制動力に応じた制動力が実現される。そして、離間距離dが規定値増大する。
<第2実施形態>
第2実施形態の車両用制動装置は、第1実施形態に比べて、制御装置60がさらに判定部62を備えている点で異なっている。したがって、異なっている部分についてのみ説明する。第2実施形態の説明において、第1実施形態の説明及び図面を参照することができる。
制御装置60は、図7に示すように、機能として、制御部61と、判定部62と、を備えている。判定部62は、ブレーキペダル10のストロークの増大勾配が基準値(所定勾配)以上となる蓋然性(可能性の大小)を判定するように構成されている。制御部61は、判定部62によって判定された蓋然性が高いほど、規定値を大きく設定する。判定部62は、車速が大きいほど蓋然性が高いと判定する。車速は、例えば車輪速度センサ76の検出結果に基づいて算出できる。高速走行時には、低速走行時に比べて、緊急ブレーキ操作を行う可能性が高くなる。したがって、判定部62は、車速が所定速度以上である場合、上記蓋然性が高いと判定する。制御部61は、判定部62により上記蓋然性が高いと判定されている場合、規定値を大きくする(例えば規定値を初期値から一定量増大させる)。これにより、調整制御が実行されると、第1マスタピストン14の駆動量(例えば瞬間的な駆動量)が低速時よりも大きくなり、より確実に入力ピストン13と第1マスタピストン14との当接を抑制することができる。
<その他>
本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、制御部61は、ブレーキペダル10に対してポンピング操作が実行されている場合、ストロークの大小にかかわらず、調整制御を実行するように構成されても良い。ポンピング操作は、踏み込みとリリースとを短期間に繰り返す操作であり、制御部61は例えばストロークの変動から検知することができる。ポンピング操作が為されている状況では、離間距離dがほぼ周期的に変動するが、そこで制御遅れ等が発生した場合には、入力ピストン13が前進している際に(離間距離dが小さい時に)第1マスタピストン14が後退することも考えられる。そこで、ポンピング操作がなされている際は、ストロークにかかわらず制御部61が調整制御を予め実行しておくことで、入力ピストン13と第1マスタピストン14との当接は抑制される。
また、アクチュエータ5は、加圧機能を持つものに限らず、加圧機能を持たないもの(例えばABSアクチュエータ)であっても良い。また、サーボ圧発生装置4は、レギュレータ44を持たない構成であっても良い。また、回生制動装置8は、前輪Wfに対して設けられても良い。また、所定方向は、ブレーキペダル10を踏み込んだ際に入力ピストン13が進行する方向であり、本実施形態では前方として説明している。また、両ECU6、6Aは、1つのECUで構成されても良い。
10…ブレーキペダル(ブレーキ操作部材)、11…メインシリンダ(シリンダ)、13…入力ピストン、14…第1マスタピストン(マスタピストン)、4…サーボ圧発生装置(駆動部)、5…アクチュエータ、61…制御部、62…判定部、8…回生制動装置(回生制動部)、BF…車両用制動装置、W…車輪。

Claims (5)

  1. ブレーキ操作部材のストロークの増大に応じてシリンダ内を所定方向に進行する入力ピストンと、前記シリンダ内において前記入力ピストンに対して前記所定方向に離間して配置されたマスタピストンと、前記マスタピストンを前記所定方向に駆動することで、車輪に付与される液圧制動力に対応するマスタ圧を発生させる駆動部と、前記車輪に回生制動力を付与する回生制動部と、を備え、前記ストロークの増大に応じて前記回生制動部の回生制動力を増大させつつ、前記回生制動部と前記駆動部とを協調制御する車両用制動装置であって、
    前記ストロークが所定値以上になった場合、前記駆動部により前記マスタピストンの駆動量を規定値増大させ且つ前記規定値に応じて前記回生制動部により回生制動力を減少させる調整制御を実行する制御部を備える車両用制動装置。
  2. 前記ブレーキ操作部材の前記ストロークの増大勾配が基準値以上となる蓋然性を判定する判定部を備え、
    前記制御部は、前記判定部によって判定された前記蓋然性が高いほど、前記規定値を大きく設定する請求項1に記載の車両用制動装置。
  3. 前記判定部は、車速が大きいほど前記蓋然性が高いと判定する請求項2に記載の車両用制動装置。
  4. 前記制御部は、前記ブレーキ操作部材に対してポンピング操作が実行されている場合、前記ストロークの大小にかかわらず、前記調整制御を実行する請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用制動装置。
  5. 前記制御部は、前記調整制御において、前記ストロークの増大勾配が大きいほど前記回生制動力の減少勾配を大きくする請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用制動装置。
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