JP2019117601A - 需要予測装置、需要予測方法及びコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】より高い精度で需要予測をすることができる需要予測装置、需要予測方法及びコンピュータプログラムを提供することである。【解決手段】実施形態の需要予測装置は、第1予測決定部と、第2予測決定部とを持つ。第1予測決定部は、所定の情報の予測値を含む予報データと、需要の実績値を含む第1実績データと、に基づいて需要の予測値を示す第1予測データを決定する。第2予測決定部は、第1予測データが所定の条件を満たす場合、第1実績データと、所定の情報の実績値を含む第2実績データと、に基づいて需要の予測値を示す第2予測データを決定する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、需要予測装置、需要予測方法及びコンピュータプログラムに関する。
従来、電力などの需要の予測に用いられる予測モデルには、気象予報値が用いられることが多い。しかし、気象予報値は、実績値と異なる場合がある。したがって、需要予測結果は、気象予報値と実績値との誤差の影響を受ける。そこで、需要予測結果を補正するために、誤差の影響を考慮した補正モデルが用いられる。しかし、補正モデルの構築にあたり、需要予測結果が用いられる場合、構築される補正モデルにも誤差が含まれる。したがって、補正モデルを用いても、正確な予測ができない場合があった。
本発明が解決しようとする課題は、より高い精度で需要予測をすることができる需要予測装置、需要予測方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
実施形態の需要予測装置は、第1予測決定部と、第2予測決定部とを持つ。第1予測決定部は、所定の情報の予測値を含む予報データと、需要の実績値を含む第1実績データと、に基づいて前記需要の予測値を示す第1予測データを決定する。第2予測決定部は、前記第1予測データが所定の条件を満たす場合、前記第1実績データと、前記所定の情報の実績値を含む第2実績データと、に基づいて前記需要の予測値を示す第2予測データを決定する。
以下、実施形態の需要予測装置、需要予測方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の需要予測装置100の機能構成を表す機能ブロック図である。需要予測装置100は、パーソナルコンピュータ又はサーバ等の情報処理装置である。需要予測装置100は、バスで接続されたプロセッサやメモリや補助記憶装置などを備え、需要予測プログラムを実行することによって通信部101、入力部102、表示部103、記憶部104及び制御部105を備える装置として機能する。なお、通信部101、入力部102、表示部103、記憶部104及び制御部105の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。需要予測プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。需要予測プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
図1は、第1の実施形態の需要予測装置100の機能構成を表す機能ブロック図である。需要予測装置100は、パーソナルコンピュータ又はサーバ等の情報処理装置である。需要予測装置100は、バスで接続されたプロセッサやメモリや補助記憶装置などを備え、需要予測プログラムを実行することによって通信部101、入力部102、表示部103、記憶部104及び制御部105を備える装置として機能する。なお、通信部101、入力部102、表示部103、記憶部104及び制御部105の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。需要予測プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。需要予測プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
通信部101は、ネットワークインタフェースである。通信部101はネットワークを介して、データを受信する。通信部101は、例えば無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、Bluetooth(登録商標)又はLTE(Long Term Evolution)(登録商標)等の通信方式で通信してもよい。
入力部102は、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部102は、入力装置を需要予測装置100に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部102は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、需要予測装置100に対する指示を示す指示情報)を生成し、需要予測装置100に入力する。
表示部103は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の出力装置である。表示部103は、出力装置を需要予測装置100に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、表示部103は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。
記憶部104は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部104は、需要予測に用いられる各種のデータを記憶する。記憶部104は、データ記憶部106、予測モデル記憶部107及び補正モデル記憶部108を記憶する。
データ記憶部106は、データテーブルを記憶する。予測モデル記憶部107は、予測モデル及び更新予測モデルを記憶する。予測モデルは、需要の予測データを算出するために用いられる数式である。更新予測モデルは、実績データに基づいて更新された予測モデルを表す。予測モデル記憶部107に記憶された更新予測モデルは、予測モデルとして扱われる。補正モデル記憶部108は、補正モデル及び更新補正モデルを記憶する。補正モデルは、需要の補正データを算出するために用いられる数式である。更新補正モデルは、実績データ及び再予測データに基づいて更新された補正モデルを表す。補正モデル記憶部108に記憶された更新補正モデルは、補正モデルとして扱われる。
制御部105は、需要予測装置100の各部の動作を制御する。制御部105は、例えばプロセッサ及びメモリを備えた装置により実行される。制御部105は、需要予測プログラムを実行することによって、データ管理部109、予測モデル管理部110、補正モデル管理部111、予測部112、補正部113及び指令送信部114として機能する。
データ管理部109は、データ取得部115及び欠測補間部116を備える。データ取得部115は、予報データ及び実績データを取得する。予報データは、所定の期間に関する気温等の気象情報に関する予測値である。実績データは、所定の期間に関する気温等の気象情報(予報データ)又は需要に関する実績値である。欠測補間部116は、取得したデータのうち、欠測データを補間する。欠測データとは、取得できなかった予報データ又は実績データである。需要の実績値に関する実績データは、第1実績データの一態様である。予報データに関する実績データは、第2実績データの一態様である。
欠測補間部116は、取得したデータに欠測データが含まれるか否かを判定する。欠測補間部116は、欠測データが含まれる場合、欠測データを所定の方法で補間する。所定の方法は、例えば、線形補間、多項式補間又はスプライン補間等であってもよく、どのような方法が用いられてもよい。データ管理部109は、取得したデータ又は補完したデータをデータ記憶部106に記録する。データ管理部109は、異なるタイミングで、欠測データに関する予報データ又は実績データが取得できた場合、補間されたデータに対して取得したデータを上書きする。
予測モデル管理部110は、予測モデル構築・更新部117を備える。予測モデル管理部110が、モデル更新指示を受信すると、予測モデル構築・更新部117は、実績データに基づいて予測モデルを更新し、更新予測モデルを生成する。予測モデル管理部110は、更新予測モデルを、予測モデル記憶部107に記録する。
予測モデルは、下記の数式(1)のように表される。数式(1)のD(t)は、需要の実績データを表す。Dp(t)は、需要の予測データを表す。Tp(t)は、気温の予報データを表す。tは予測対象時刻を表す。Δtは、予測対象時刻と使用する実績データとの時間差を表す。α、β及びγは所定の係数である。予測モデルの更新に用いられる実績データD(t)、予測データDp(t)及び気温予報データTp(t)の期間は、例えば、直近1か月、1年、1年間の同一曜日、直近3か月間の同一時刻等であってもよい。また、予測モデルは線形モデルに限定されず、ニューラルネットなどの非線形モデル又はパターンマッチング手法等のどのようなモデルが用いられてもよい。
予測モデルには、以下の数式(2)のように、入力に予測データDp(t)が含まれてもよい。
予測モデル構築・更新部117は、予測モデルを更新する場合、予測データDp(t)及び気温予報データTp(t)に対応する実績値D(t)及びT(t)を用いる。したがって、予測モデルを表す数式(1)又は数式(2)は、以下の数式(3)で表される。所定の係数α、β又はγを最小二乗法などによって決定される。予測モデル構築・更新部117は、係数α、β又はγを決定する際にはデータの重み付けをしてもよい。
補正モデル管理部111は、補正モデル構築・更新部118を備える。補正モデル構築・更新部118は、モデル更新指示を受信すると、予測部112に対して予測再演算指令を送信する。補正モデル構築・更新部118は、データ管理部109に記録された実績データ及び再予測データに基づいて、補正モデルを更新し、更新補正モデルを生成する。補正モデル管理部111は、更新補正モデルを、補正モデル記憶部108に記録する。再予測データは、実績データと予測モデルとに基づいて算出される予測データである。補正モデルは、予測データを補正する補正データを算出する規則を示す。
補正モデルは、下記の数式(4)のように表される。数式(4)のD(t)は、需要の実績データを表す。Dp(t)は、需要の予測データを表す。Dc(t)は、需要の補正データを表す。t´は、補正対象時刻を表す。Δt´は、補正対象時刻と使用する実績データとの時間差を表す。α、β及びγは所定の係数である。
予測部112は、予測演算部119及び予測再演算部120を備える。予測演算部119は、予測モデル、予報データ及び実績データに基づいて、予測データを算出する。予測演算部119は、予測データをデータ記憶部106に記録する。予測演算部119は、年間予測、月間予測、週間予測又は翌日予測等のようにまとまった時刻分を一度に算出してもよい。予測演算部119は、第1予測決定部の一態様である。第1予測決定部は、予報データと、第1実績データと、に基づいて需要の予測値を示す第1予測データを決定する。予測データは第1予測データの一態様である。
予測再演算部120は、予測部112が予測再演算指令を受信すると、予測モデルと実績データとに基づいて、再予測データを算出する。予測再演算部120は、再予測データを数式(1)の入力値である気温予報データTp(t)に実績値T(t)を入力することで、算出する。算出結果は、数式(5)で表される。数式(5)のDp´(t)は、再予測データを表す。予測再演算部120は、第2予測決定部の一態様である。第2予測決定部は、第1実績データと、第2実績データと、に基づいて第2予測データを決定する。再予測データは、第2予測データの一態様である。
予測再演算部120は、再予測データを算出する期間として、前回の処理によって算出された期間の続きを算出してもよいし、予め指定された期間を算出してもよい。また、予測再演算部120は、再予測データの算出に使用される実績データに関して、補間された欠測データを除く処理を加えてもよい。予測再演算部120は、再予測データをデータ記憶部106に記録する。
補正モデル構築・更新部118は、補正モデルを更新する場合、補正データDc(t)及び予測データDp(t)に対応する実績値D(t)及び再予測データDp´(t)を用いる。したがって、補正モデルを表す数式(4)は、以下の数式(6)で表される。所定の係数a、b又はcを最小二乗法などによって決定される。補正モデル構築・更新部118は、所定の係数a、b又はcを決定する際にはデータの重み付けをしてもよい。
補正部113は、補正演算部121を備える。補正演算部121は、補正モデル、予報データ、実績データ及び予測データに基づいて補正データを算出する。補正部113は、補正データをデータ記憶部106に記録する。補正演算部121は、補正データを、予測データが算出されるよりも短い間隔で算出する。
指令送信部114は、モデル判断部122を備える。モデル判断部122は、予測モデル又は補正モデルを更新するか否かを判定する。モデル判断部122は、予測モデルを更新するか否かを、所定の条件に基づいて判定してもよいし、ユーザからの入力に基づいて判定してもよい。所定の条件とは、前回の予測モデル更新からの経過日数又は経過時間、予測演算部119が予測モデルを用いて算出した予測データの予測精度又は閾値を超える誤差の発生の割合等を予測モデル更新をするか否かの判定条件としてもよい。モデル判断部122は、予測モデルを更新すると判定した場合、モデル更新指示を予測モデル管理部110に送信する。モデル判断部122は、補正モデルを更新するか否かを、上記の所定の条件に基づいて判定してもよいし、予測モデルが更新されたタイミングとしてもよいし、どのような条件であってもよい。モデル判断部122は、補正モデルを更新すると判定した場合、モデル更新指示を補正モデル管理部111に送信する。
図2は、第1の実施形態のデータテーブルの一具体例を示す図である。データテーブルは、データレコードを有する。データレコードは、日時、実績データ、予測データ、再予測データ、補正データ、予報データ及び実績データの各値を有する。日時は、データレコードの各値がどの期間の値を示すのかを表す。実績データは、実際に需要家によって消費された電力の実績を示す値である。予測データは、予測モデルと予報データに基づいて算出される。予測データは、日時に示される期間に、需要家によって消費されると予測される電力を示す値である。再予測データは、予測データが算出された後、過去の実績データに基づいて算出される。再予測データは、日時に示される期間に関して、需要家によって消費されると予測される電力を示す値である。補正データは、これまでの実績データと予報データとに基づいて算出される値である。予報データは、日時に示される期間に関して、予報される気温等の気象情報である。
図2に示される例では、データテーブルの最上段のデータレコードは、日時の値が“2016/12/01 00:00-00:29”実績データの値が“105”、予測データの値が“100”、再予測データの値が“103”、補正データの値が“120”、予報データの値が“5.5”、実績データの値が“5.2”である。従って、データテーブルの最上段のデータレコードによると、日時が“2016年12月1日 0時0分から0時29分”の期間におけるデータであり、その時の実績データは、“105Wh”であり、予測データは“100Wh”であり、再予測データは“103Wh”であり、補正データは“120Wh”であり、予報データは“5.5℃”であり、実績データは“5.2℃”であることがわかる。図2の補正データ列の6行目のセルは、現在、補正データが算出されているセルである。なお、図2に示されるデータテーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図2とは異なる態様でデータテーブルが構成されてもよい。
図3は、第1の実施形態の予測モデルテーブルの一具体例を示す図である。予測モデルテーブルは、予測モデルレコードを有する。予測モデルレコードは、モデル名、α、β及びγの各値を有する。モデル名は、予測モデルの識別子を示す。α、β及びγは、予測モデルの係数を示す。
図3に示される例では、予測モデルテーブルの最上段の予測モデルレコードは、モデル名の値が“予測モデル”、αの値が“0.8”、βの値が“0.3”、γの値が“20”である。従って、予測モデルテーブルの最上段の予測モデルレコードによると、モデル名が“予測モデル”に関する、予測モデルの係数の値あり、αは、“0.8”であり、βは“0.3”であり、γは“20”であることがわかる。なお、図3に示される予測モデルテーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図3とは異なる態様で予測モデルテーブルが構成されてもよい。例えば、予測モデルテーブルは、補正モデルに関するレコードを有するように構成されてもよい。
図4及び図5は、第1の実施形態の補正データ算出の処理の流れを示すフローチャートである。データ取得部115は、予報データ及び実績データを取得する(ステップS101)。欠測補間部116は、取得したデータに欠測データが含まれるか否かを判定する(ステップS102)。欠測データが含まれる場合(ステップS102:YES)、欠測補間部116は、欠測データを所定の方法で補間し、ステップS104へ遷移する(ステップS103)。欠測データが含まれない場合(ステップS102:NO)、データ管理部109は、予報データ、実績データ及び欠測データをデータ記憶部106に記録する(ステップS104)。
モデル判断部122は、所定の条件に基づいて予測モデルを更新するか否かを判定する(ステップS105)。予測モデルを更新すると判定された場合(ステップS105:YES)、モデル判断部122は、モデル更新指示を予測モデル管理部110に送信する。予測モデル構築・更新部117は、実績データに基づいて予測モデルを更新し、更新予測モデルを生成する(ステップS106)。予測モデル管理部110は、更新予測モデルを、予測モデル記憶部107に記録し、ステップS108に遷移する(ステップS107)。予測モデルを更新しないと判定された場合(ステップS105:NO)、ステップS108に遷移する。
予測演算部119は、予測モデル、予報データ及び実績データに基づいて、予測データを算出する(ステップS108)。予測部112は、予測データをデータ記憶部106に記録する(ステップS109)。
モデル判断部122は、所定の条件に基づいて補正モデルを更新するか否かを判定する(ステップS110)。補正モデルを更新すると判定された場合(ステップS110:YES)、モデル判断部122は、モデル更新指示を補正モデル管理部111に送信する。補正モデル管理部111は、モデル更新指示を受信すると、予測再演算指示を予測部112に送信する。予測再演算部120は、予測モデルと実績データとに基づいて、再予測データを算出する(ステップS111)。予測再演算部120は、再予測データをデータ記憶部106に記録する(ステップS112)。補正モデル構築・更新部118は、実績データ及び再予測データに基づいて、更新補正モデルを生成する(ステップS113)。補正モデル管理部111は、更新補正モデルを、補正モデル記憶部108に記録し、ステップS115に遷移する(ステップS114)。補正モデルを更新しないと判定された場合(ステップS110:NO)、ステップS115に遷移する。
補正演算部121は、補正モデル、予報データ、実績データ及び予測データに基づいて補正データを算出する(ステップS115)。補正部113は、補正データをデータ記憶部106に記録する(ステップS116)。
図6は、第1の実施形態の補正データ算出の処理の流れを示すシーケンス図である。図4、図5に示されるフローチャートでは、データ取得、予測モデルの更新、予測データの算出、補正モデルの更新及び補正データの算出が同じ回数ずつ実施される。しかし、図6のシーケンス図に示されるように、需要予測装置100は、ステップS101からS104までは毎時刻実施し、ステップS105からS108までは毎月実施し、ステップS108からS114までは毎日実施し、ステップS115からS116までは毎時刻実施してもよい。また、それぞれのステップは、図6とは異なる頻度で実行されてもよい。
図7は、第1の実施形態の予測結果の表示の一具体例を示す図である。図7の上段のグラフは、従来の予測結果を示すグラフの一具体例である。図7の下段のグラフは、第1の実施形態による、再予測データが含まれる予測結果を示すグラフの一具体例である。図7の各グラフは、縦軸が需要又は気温、横軸が時間を表す。図7の上段のグラフは、気温の予報データ、気温の実績データ、需要の予測データ、需要の補正データ及び需要の実績データの各値がプロットされた図を表す。図7の下段のグラフは、気温の予報データ、気温の実績データ、需要の予測データ、需要の補正データ、需要の実績データ及び需要の再予測データの各値がプロットされた図を表す。
図7の上段のグラフによると、補正演算部121は、予測データと実績データとを学習することで、補正データを算出する。これに対して、図7の下段のグラフによると、補正演算部121は、予測データと実績データとを学習することで、元補正データを算出する点は、図7の上段のグラフと同じである。元補正データは、図7上段のグラフに示される補正データと同一のデータである。さらに、補正演算部121は、実績データと再予測データとに基づいて、新補正データを算出する。
このように構成された需要予測装置100では、予測演算部119が、気温の予報データと、需要の実績データと、に基づいて需要の予測データとを算出する。補正演算部121は、予測データと実績データとに基づいて、補正データを算出する。しかし、需要の予測データの算出に用いられる予報データは、誤差を含む。したがって、補正データには、予報データが含む誤差が含まれる。そこで、予測再演算部120が、需要の実績データと、予測モデルと、に基づいて、需要の再予測データを算出する。算出された再予測データは、予報データを含まないため、誤差を含まない。補正演算部121は、再予測データと実績データとに基づいて、補正データを算出する。算出された補正データは、気象予報値などの予報データの誤差の影響を含まないため、予測精度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態における需要予測装置100について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点について説明する。
次に、第2の実施形態における需要予測装置100について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態と異なる点について説明する。
第2の実施形態では、予測モデル記憶部107は、予測対象に対して、複数の予測モデルを記憶してもよい。第2の実施形態では、補正モデル記憶部108は、予測対象に対して、複数の補正モデルを記憶してもよい。
第2の実施形態では、需要予測装置100は、複数の予測モデル及び補正モデル毎に、図4及び図5に示すステップS101からステップS116の各ステップを実行する。需要予測装置100は、ステップS101からステップS116の各ステップを実行し、予測モデル及び補正モデルの更新と予測データ、再予測データ及び補正データの算出とを実行する。
モデル判断部122は、複数の予測モデルの中から予測データの算出に用いられる予測モデルを選択する。モデル判断部122は、複数の補正モデルの中から補正データの算出に用いられる補正モデルを選択する。モデル判断部122は、予測モデル又は補正モデルを選択する場合、所定のモデル決定条件を満たすモデルを選択する。所定のモデル決定条件は、例えば、ステップS116までに算出された予測データ、再予測データ又は補正データの予測精度、閾値を超える誤差の発生割合、四季、曜日、営業日、時刻、天気、気温、降水量、降雪量、イベントの有無又は使用する変数の個数等が用いられてもよいし、入力部102を介してユーザによって指定されてもよい。モデル判断部122は、予測モデルを更新する場合、選択した予測モデルを予測モデル記憶部107に記録する。モデル判断部122は、補正モデルを更新する場合、選択した補正モデルを補正モデル記憶部108に記録する。記録された予測モデル又は補正モデルは、次回の予測データ又は補正データの算出に用いられる。
図8は、第2の実施形態のデータテーブルの一具体例を示す図である。データテーブルは、データレコードを有する。図8のデータテーブルは、予測モデル及び補正モデルが、それぞれ2種類記録されている場合のデータテーブルである。図8のデータテーブルでは、それぞれ2種類の予測モデル及び補正モデルを第1予測モデル、第2予測モデル、第1補正モデル及び第2補正モデルとして説明する。
第2の実施形態のデータレコードは、日時、実績データ、第1予測データ、第1再予測データ、第2予測データ、第2再予測データ2、第11補正データ、第12補正データ、第21補正データ、第22補正データ、予報データ及び実績データの各値を有する。日時は、データレコードが示す値がどの期間の値を示すのかを表す。実績データは、実際に需要家によって消費された電力の実績を示す値である。第1予測データは、第1予測モデルと予報データとに基づいて算出される。第1予測データは、日時に示される期間に、需要家によって消費されると予測される電力を示す値である。第1再予測データは、第1予測モデルと過去の実績データとに基づいて算出される。第1再予測データは、日時に示される期間に関して、需要家によって消費されると予測される電力を示す値である。第2予測データは、第2予測モデルと予報データとに基づいて算出される。第2予測データは、日時に示される期間に、需要家によって消費されると予測される電力を示す値である。第2再予測データは、第2予測モデルと過去の実績データとに基づいて算出される。第2再予測データは、日時に示される期間に関して、需要家によって消費されると予測される電力を示す値である。第11補正データは、第1予測データ及び第1補正データに基づいて算出される補正データである。第12補正データは、第1予測データ及び第2補正データに基づいて算出される補正データである。第21補正データは、第2予測データ及び第1補正データに基づいて算出される補正データである。第22補正データは、第2予測データ及び第2補正データに基づいて算出される補正データである。
図8に示される例では、データテーブルの最上段のデータレコードは、日時の値が“2016/12/01 00:00-00:29”実績データの値が“105”、第1予測データの値が“100”、第1再予測データの値が“103”、第2予測データの値が“90”、第2再予測データの値が“92”、第11補正データの値が“120”、第12補正データの値が“110”、第21補正データの値が“105”、第22補正データの値が“95”、予報データの値が“5.5”、実績データの値が“5.2”である。従って、データテーブルの最上段のデータレコードによると、日時が“2016年12月1日 0時0分から0時29分”の期間におけるデータであり、その時の実績データは、“105Wh”であり、第1予測データは“100Wh”であり、第1再予測データは“103Wh”であり、第2予測データは“90Wh”であり、第2再予測データは“92Wh”であり、第11補正データは“120Wh”であり、第12補正データは“110Wh”であり、第21補正データは“105Wh”であり、第22補正データは“95Wh”であり、予報データは“5.5℃”であり、実績データは“5.2℃”であることがわかる。
第11補正データの列及び第12補正データの列の6行目のセルは、現在、算出されている補正データのセルである。なお、図8に示されるデータテーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図8とは異なる態様でデータテーブルが構成されてもよい。図8のデータテーブルでは、2種類の予測モデルと補正モデルとの全ての組み合わせによって算出された4種類の補正データが記録されている。しかし、予測モデルと補正モデルとの組み合わせのうち、一部の組み合わせで算出された補正データが記録されていてもよい。例えば、データテーブルは、最適な予測データが算出された予測モデルと2種類の補正モデルとの組み合わせで算出された2種類の補正データを記録するように構成されてもよい。
図9は、第2の実施形態の予測モデルテーブルの一具体例を示す図である。予測モデルテーブルは、予測モデルレコードを有する。予測モデルレコードは、モデル名、α、β、ω、γ及び使用フラグの各値を有する。モデル名は、予測モデルの識別子を示す。α、β及びγは、予測モデルの係数を示す。使用フラグは、現在、予測部112によって用いられている予測モデルを示す。使用フラグは、例えば1又は0で表される。使用フラグが1である場合、予測部112によって用いられている予測モデルであることを表す。使用フラグが0である場合、予測部112によって用いられていない予測モデルであることを表す。
図9に示される例では、予測モデルテーブルの最上段の予測モデルレコードは、モデル名の値が“第1予測モデル”、αの値が“0.8”、βの値が“0.3”、ωの値がnull、γの値が“20”、使用フラグの値が“1”である。従って、予測モデルテーブルの最上段の予測モデルレコードによると、“第1予測モデル”に関する予測モデルであり、予測モデルの係数の値であるαは、“0.8”であり、βは“0.3”であり、ωは使用されていない、γは“20”であることがわかる。また、予測部112は、“第1予測モデル”を予測データを算出するために用いていることがわかる。なお、図9に示される予測モデルテーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図9とは異なる態様で予測モデルテーブルが構成されてもよい。例えば、使用フラグは、1又は0の2値ではなく、使用割合が入力されてもよい。この場合、第1予測モデルと第2予測モデルとの算出結果を0.4:0.6の割合で加算することで、予測データが算出されるように構成されてもよい。また、予測モデルテーブルは、補正モデルに関するレコードを有するように構成されてもよい。
図9に示される第1予測モデルは数式(1)、第2予測モデルは数式(7)で表されてもよい。
数式(1)及び数式(7)によると、第1予測モデルと第2予測モデルとには共通の入力が含まれるが、第1予測モデルと第2予測モデルとには、異なる値が入力されてもよい。また、数式(1)及び数式(7)は、どちらも線形モデルであるが、非線形モデルでも、パターンマッチングで予測するものでも、その他の予測手法でもよい。また、第1予測モデルが線形モデルとして、第2予測モデルが非線形モデルとするように、異なるモデルが用いられてもよい。
図10は、第2の実施形態のモデル選択の処理の流れを示すフローチャートである。需要予測装置100は、ステップS101からステップS116までの処理を実行する(ステップS201)。モデル判断部122は、予測モデル又は補正モデルを更新するか否かを判定する(ステップS202)。判定条件は、例えば、ステップS201にて算出された予測データ、再予測データ及び補正データの予測精度、閾値を超える誤差の発生割合又は使用する変数の個数等が用いられてもよいし、入力部102を介してユーザによって指定されてもよい。予測モデル又は更新モデルを更新しない場合(ステップS202:NO)、処理を終了する。
予測モデル又は更新モデルを更新する場合(ステップS202:YES)、モデル判断部122は、所定のモデル決定条件に基づいて、複数の予測モデル又は補正モデルの中から予測モデルと補正モデルとを選択する(ステップS203)。所定のモデル決定条件は、例えば、ステップS201にて算出された予測データ、再予測データ及び補正データの予測精度、閾値を超える誤差の発生割合又は使用する変数の個数等が用いられてもよいし、入力部102を介してユーザによって指定されてもよい。モデル判断部122は、選択した予測モデルを予測モデル記憶部107に記録する(ステップS204)。モデル判断部122は、予測モデルテーブルの使用フラグを更新する。モデル判断部122は、選択した補正モデルを補正モデル記憶部108に記録する(ステップS205)。
図11は、第2の実施形態の予測結果の表示の一具体例を示す図である。図11によると、需要予測装置100は、補正モデルは第1〜第3補正モデルを有する。図11の上段のテーブルは、各時刻における、実績データ、予測データ、第1補正データ、第2補正データ及び第3補正データの各値を示すテーブルである。第1〜第3補正データは、それぞれ、第1補正モデル、第2補正モデル及び第3補正モデルによって算出された補正データである。
図11の中段のグラフは、予測結果を示すグラフの一具体例である。図11の中段のグラフの縦軸は、需要を表す。横軸は時間を表す。図11の中段のグラフは、予測データ、実績データ、再予測データ及び第1から第3の補正データの各値がプロットされた図を表す。
図11の下段は、図11上段のテーブルと図11中段のグラフとの、設定情報を表す。設定情報は、日付、需要種別及び算出結果で構成される。日付は、いつのデータを表示させるかを表す。需要種別は、電力、冷熱又は温熱等のいずれの需要に関するデータを表示させるかを表す。算出結果は、予測モデル又は補正モデルとして、いずれのモデルを使用するかを表す。需要予測装置100は、入力部102を介してユーザから日付、需要種別及び算出結果の各値の指定指示を受け付ける。具体的には、ユーザは、入力部102を介して各設定情報に隣接する逆三角形の画像を操作することで、各設定情報の各値を指定する指定指示を入力できる。制御部105は、受け付けた指定指示により受け付けた各値に基づいて、図11上段のテーブルと図11中段のグラフとを更新して表示部103に表示させる。
このように構成された需要予測装置100では、複数の予測モデル又は補正モデルから、最適なモデルを選択することができる。したがって、需要予測装置100は、さらに予測精度を向上させることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態における需要予測装置100について説明する。第3の実施形態では、第1〜第2の実施形態と異なる点について説明する。
次に、第3の実施形態における需要予測装置100について説明する。第3の実施形態では、第1〜第2の実施形態と異なる点について説明する。
第3の実施形態では、予測モデル記憶部107及び補正モデル記憶部108は、所定の条件に応じて使用される複数の予測モデル及び補正モデルを記憶してもよい。所定の条件は、例えば、時刻又は日時であってもよいし、平日又は休日であってもよいし、どのような条件であってもよい。
第3の実施形態では、モデル判断部122は、予測モデルを新たに構築するか否かを判定する。モデル判断部122は、予測モデル記憶部107に予測モデルが記憶されていない場合、予測モデルを新たに構築すると判定する。モデル判断部122は、予測モデル記憶部107に予測モデルが記憶されている場合、かつ所定の条件を満たす場合、予測モデルを新たに構築すると判定する。所定の条件とは、例えば、複数のグループにグルーピングされた予測データ及び実績データの各グループが、有効であるか否かで判定される。
モデル判断部122は、グルーピングを行うに当たり、数十日分〜数年分の予測データ及び実績データに基づいて、予測モデルを分ける条件(条件データ)を決定する。予測モデルを分ける条件は、予報データと実績データとの差分の大きさ、季節、曜日、営業日、時刻、天気、気温、降水量、降雪量、イベントの有無等である。モデル判断部122は、予測データ及び実績データをグループに分けた後、グループ内の各データを用いて相関値、平均値、分散値、中央値等の統計情報を算出する。モデル判断部122は、統計情報に基づいて、グループ分けが有効かを判定する。モデル判断部122は、例えば予め与えられた閾値と統計情報とを比較して、統計情報が閾値を超えている場合に、グループ分けが有効であると判定する。モデル判断部122は、グループ分けが有効であると判断した場合、予測モデルを構築すると判定する。
モデル判断部122は、グループ分けが有効ではないと判断した場合、他の条件でのグループ分けを行う。モデル判断部122は、グループ分けが有効かを判断する。モデル判断部122は、全ての条件でグループ分けが有効ではないと判断された場合、予測モデルを構築しないと判定する。モデル判断部122は、予測モデルを構築すると判定した場合、予測モデル管理部110に対して、新規モデル構築指令を送信する。新規モデル構築指令には、予測モデルをグルーピングした条件データが含まれる。
予測モデル管理部110が、新規モデル構築指令を受信した場合、予測モデル構築・更新部117は、新規モデル構築指令に含まれる条件データに当てはまる実績データに基づいて、新規の予測モデルを構築する。予測モデル構築・更新部117は、新規の予測モデルを構築するに当たり、ステップS105〜ステップS107の処理と同様の方法で予測モデルを構築する。予測モデル構築・更新部117は、条件データ及び構築した予測モデルを予測モデル記憶部107に記録する。
モデル判断部122は、補正モデルを新たに構築するか否かを判定する。モデル判断部122は、補正モデル記憶部108に補正モデルが記憶されていない場合、補正モデルを新たに構築すると判定する。モデル判断部122は、補正モデル記憶部108に補正モデルが記憶されている場合、かつ所定の条件を満たす場合、補正モデルを新たに構築すると判定する。所定の条件とは、例えば、予測モデルを新たに構築する場合と同じ条件であってもよい。モデル判断部122は、補正モデルを構築すると判定した場合、補正モデル管理部111に対して、新規モデル構築指令を送信する。新規モデル構築指令には、補正モデルをグルーピングした条件データが含まれる。
図12は、第3の実施形態の予測モデルテーブルの一具体例を示す図である。第3の実施形態の予測モデルテーブルでは、使用される予測モデルを決定する条件として、平日又は休日が記録される。したがって、予測部112は、平日では第1予測モデル、休日では第2予測モデルを使用して、予測データ又は再予測データを算出する。なお、休日とは、例えば、土日祝日であってもよいし、それ以外の曜日で構成されてもよい。休日は、ユーザによって指定されてもよい。平日とは、休日以外の日である。
第3の実施形態の予測モデルレコードは、モデル名、D(t−Δt)、Tp(t)、定数項及び条件の各値を有する。モデル名は、予測モデルの識別子を示す。、D(t−Δt)、Tp(t)、定数項は、予測モデルを表す数式で使用される具体的な数値を示す。条件は、予測モデルが使用される具体的なタイミングを表す。
図12に示される例では、予測モデルテーブルの最上段の予測モデルレコードは、モデル名の値が“第1予測モデル”、D(t−Δt)の値が“0.8”、Tp(t)の値が“0.3”、定数項の値が“20”、条件の値が“平日”である。従って、予測モデルテーブルの最上段の予測モデルレコードによると、予測モデルレコードは、“第1予測モデル”に関する予測モデルであり、予測データ又は再予測データの算出に当たり、D(t−Δt)の値として“0.8”、Tp(t)の値として“0.3”、定数項の値として“20”が用いられる。“第1予測モデル”は、平日に使用される予測モデルであることがわかる。なお、図12に示される予測モデルテーブルは一具体例に過ぎない。そのため、図12とは異なる態様で予測モデルテーブルが構成されてもよい。例えば、条件は、平日又は休日ではなく、具体的な曜日が入力されてもよい。例えば、条件1つに対して、複数の予測モデルを有するように構成されてもよい。また、予測モデルテーブルは、補正モデルに関するレコードを有するように構成されてもよい。
図13及び図14は、第3の実施形態の補正データ算出の処理の流れを示すフローチャートである。データ取得部115は、予報データ及び実績データを取得する(ステップS301)。欠測補間部116は、取得したデータに欠測データが含まれるか否かを判定する(ステップS302)。欠測データが含まれる場合(ステップS302:YES)、欠測補間部116は、欠測データを所定の方法で補間し、ステップS304へ遷移する(ステップS303)。欠測データが含まれない場合(ステップS302:NO)、データ管理部109は、予報データ、実績データ及び欠測データをデータ記憶部106に記録する(ステップS304)。
モデル判断部122は、予測モデルを新たに構築するか否か判定する(ステップS305)。予測モデルを新たに構築しない場合(ステップS305:NO)、処理はステップS308に遷移する。予測モデルを新たに構築する場合(ステップS305:YES)、モデル判断部122は、新規モデル構築指令を予測モデル管理部110に送信する。予測モデル管理部110が新規モデル構築指令を受信すると、予測モデル構築・更新部117は、新規モデル構築指令に含まれる条件データに当てはまる実績データに基づいて、新規の予測モデルを構築する(ステップS306)。予測モデル構築・更新部117は、条件データ及び構築した予測モデルを予測モデル記憶部107に記録する(ステップS307)。
モデル判断部122は、所定の条件に基づいて予測モデルを更新するか否かを判定する(ステップS308)。予測モデルを更新すると判定された場合(ステップS308:YES)、モデル判断部122は、モデル更新指示を補正モデル管理部111に送信する。予測モデル構築・更新部117は、実績データに基づいて予測モデルを更新し、更新予測モデルを生成する(ステップS309)。予測モデル管理部110は、更新予測モデルを、予測モデル記憶部107に記録し、ステップS311に遷移する(ステップS310)。予測モデルを更新しないと判定された場合(ステップS308:NO)、ステップS311に遷移する。
予測演算部119は、予測モデル、予報データ及び実績データに基づいて、予測データを算出する(ステップS311)。予測部112は、予測データをデータ記憶部106に記録する(ステップS312)。
モデル判断部122は、補正モデルを新たに構築するか否かを判定する(ステップS313)。補正モデルを新たに構築しない場合(ステップS313:NO)、処理はステップS318に遷移する。補正モデルを新たに構築する場合(ステップS313:YES)、モデル判断部122は、新規モデル構築指令を補正モデル管理部111に送信する。補正モデル管理部111は、新規モデル更新指令を受信すると、予測再演算指示を予測部112に送信する。予測再演算部120は、予測モデルと実績データとに基づいて、再予測データを算出する(ステップS314)。予測再演算部120は、再予測データをデータ記憶部106に記録する(ステップS315)。補正モデル構築・更新部118は、新規モデル構築指令に含まれる条件データに当てはまる実績データに基づいて、新規の補正モデルを構築する(ステップS316)。補正モデル構築・更新部118は、条件データ及び構築した補正モデルを補正モデル記憶部108に記録し、ステップS318に遷移する(ステップS317)。
モデル判断部122は、所定の条件に基づいて補正モデルを更新するか否かを判定する(ステップS318)。補正モデルを更新すると判定された場合(ステップS318:YES)、モデル判断部122は、モデル更新指示を補正モデル管理部111に送信する。補正モデル管理部111は、モデル更新指示を受信すると、予測再演算指示を予測部112に送信する。予測再演算部120は、予測モデルと実績データとに基づいて、再予測データを算出する(ステップS319)。予測再演算部120は、再予測データをデータ記憶部106に記録する(ステップS320)。補正モデル構築・更新部118は、実績データ及び再予測データに基づいて、更新補正モデルを生成する(ステップS321)。補正モデル管理部111は、更新補正モデルを、補正モデル記憶部108に記録し、ステップS115に遷移する(ステップS322)。補正モデルを更新しないと判定された場合(ステップS318:NO)、ステップS115に遷移する。
補正演算部121は、補正モデル、予報データ、実績データ及び予測データに基づいて補正データを算出する(ステップS323)。補正部113は、補正データをデータ記憶部106に記録する(ステップS324)。
このように構成された需要予測装置100では、指定された条件に応じて予測モデル又は補正モデルから最適なモデルを構築することができる。したがって、需要予測装置100は、さらに予測精度を向上させることができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態における需要予測装置100について説明する。第4の実施形態では、第1〜第3の実施形態と異なる点について説明する。第4の実施形態では、補正対象となる需要が、複数の需要家の予測データの合計値となる。需要家とは、電力などの需要予測対象を消費する建物やエリアなどを表す。
次に、第4の実施形態における需要予測装置100について説明する。第4の実施形態では、第1〜第3の実施形態と異なる点について説明する。第4の実施形態では、補正対象となる需要が、複数の需要家の予測データの合計値となる。需要家とは、電力などの需要予測対象を消費する建物やエリアなどを表す。
データ記憶部106は、需要家毎にデータテーブルを記憶する。データ記憶部106は、各需要家のデータテーブルの各値を加算した合計データテーブルを記憶する。制御部105は、需要家毎のデータテーブルの各値を加算することで、合計データテーブルを生成する。制御部105は、合計データテーブルをデータ記憶部106に記録する。なお、合計データテーブルの生成にあたり、所定の条件を満たす需要家を対象として、合計データテーブルを生成してもよい。所定の条件とは、例えば、同じ気温データを用いた需要家であってもよいし、予め定められた需要量以上の需要をする需要家であってもよい。予測モデル記憶部107は、需要家毎に、予測モデルテーブルを記録する。
図15は、第4の実施形態のデータテーブルの一具体例を示す図である。図15は、図15(a)と図15(b)とを含む。図15(a)は、データテーブルを表す。図15(a)に表されるデータテーブルは、需要家A及び需要家Bの2種類のデータテーブルである。図15(b)は、合計データテーブルを表す。合計データテーブルは、需要家A及び需要家Bの実績データ及び補正データの合計値を表す。
図16は、第4の実施形態の予測モデルテーブルの一具体例を示す図である。図16に表される予測モデルテーブルは、需要家A、需要家B及び需要家Cの3種類の予測モデルテーブルである。
図17及び図18は、第4の実施形態の補正データ算出の処理の流れを示すフローチャートである。データ取得部115は、予報データ及び実績データを取得する(ステップS401)。欠測補間部116は、取得したデータに欠測データが含まれるか否かを判定する(ステップS402)。欠測データが含まれる場合(ステップS402:YES)、欠測補間部116は、欠測データを所定の方法で補間し、ステップS404へ遷移する(ステップS403)。欠測データが含まれない場合(ステップS402:NO)、データ管理部109は、予報データ、実績データ及び欠測データをデータ記憶部106に記録する(ステップS404)。
モデル判断部122は、所定の条件に基づいて予測モデルを更新するか否かを判定する(ステップS405)。予測モデルを更新すると判定された場合(ステップS405:YES)、モデル判断部122は、モデル更新指示を補正モデル管理部111に送信する。予測モデル構築・更新部117は、実績データに基づいて予測モデルを更新し、更新予測モデルを生成する(ステップS406)。予測モデル管理部110は、更新予測モデルを、予測モデル記憶部107に記録し、ステップS408に遷移する(ステップS407)。予測モデルを更新しないと判定された場合(ステップS405:NO)、ステップS408に遷移する。
予測演算部119は、予測モデル、予報データ及び実績データに基づいて、予測データを算出する(ステップS408)。予測部112は、予測データをデータ記憶部106に記録する(ステップS409)。制御部105は、需要家毎の予測データを加算し、加算した値をデータ記憶部106に記録する(ステップS410)。
モデル判断部122は、所定の条件に基づいて補正モデルを更新するか否かを判定する(ステップS411)。補正モデルを更新すると判定された場合(ステップS411:YES)、モデル判断部122は、モデル更新指示を補正モデル管理部111に送信する。補正モデル管理部111は、モデル更新指示を受信すると、予測再演算指示を予測部112に送信する。予測再演算部120は、予測モデルと実績データとに基づいて、再予測データを算出する(ステップS412)。予測再演算部120は、再予測データをデータ記憶部106に記録する(ステップS413)。補正モデル構築・更新部118は、実績データ及び再予測データに基づいて、更新補正モデルを生成する(ステップS414)。補正モデル管理部111は、更新補正モデルを、補正モデル記憶部108に記録し、ステップS416に遷移する(ステップS415)。補正モデルを更新しないと判定された場合(ステップS411:NO)、ステップS416に遷移する。
補正演算部121は、補正モデル、予報データ、実績データ及び予測データに基づいて補正データを算出する(ステップS416)。補正部113は、補正データをデータ記憶部106に記録する(ステップS417)。制御部105は、需要家毎の補正データを加算し、加算した値をデータ記憶部106に記録する(ステップS418)。
このように構成された需要予測装置100では、予測データを算出する場合に、需要家毎に異なる需要の傾向を考慮して、需要予測ができる。また、需要予測装置100は、予報データに誤差が含まれていたとしても、複数の需要家の合計値で補正データを算出することで、誤差の影響を許容範囲に抑えることができる。したがって、需要予測装置100は、さらに予測精度を向上させることができる。
第4の実施形態では、需要予測装置100は、各需要家の補正モデルを構築する代わりに需要家毎の需要の合計値の補正モデルを構築した。しかし、需要予測装置100は、各需要家の補正モデルに加えて、合計値の補正モデルを構築するように構成されてもよい。この場合、モデル判断部122は、需要家毎に補正データを算出するか、需要家の需要の合計値に対する補正データを算出するか、決定してもよい。モデル判断部122は、決定にあたって、第1形態1〜第3の実施形態の判断材料と同様又はそれ以外の判断材料を用いて決定してもよいし、入力部102を介してユーザからの指示を受付けて決定してもよい。
上記の各実施形態では、電力需要の予測及び電力需要予測の補正に関して説明をした。しかし、各実施形態の適用先は電力需要に限られない。例えば、各実施形態は、温熱、冷熱、上下水、水素又は食糧等の需要の予測及び予測の補正に適用されてもよい。さらに、上記の各実施形態に用いられる予報データは、気温の予報データとして説明をした。しかし、予報データは気温に限られない。例えば、予報データは、気象予報データとして、気温、天気、湿度、降水量、降雪量、日射量、日照時間、風速、気圧等が用いられてもよいし、気象予報データから算出された熱需要予測データが用いられてもよい。例えば、予報データは、スケジュール予報データとして、各種花粉の飛散、熱中症、桜等の花の開花、台風の進路、デマンドレスポンスの発令等が用いられてもよい。例えば、予報データは、価格予報データとして、デマンドレスポンスの対価、スポット市場や時間前市場におけるα値等の速報値等が用いられてもよい。例えば、予報データは、グリーンエネルギーの発電量予報データとして、太陽光発電量、風力発電量等が用いられてもよい。また、上記の各実施形態に用いられる実績データは、電力需要と気温の実績値とを用いた場合に関して説明した。しかし、実績データには、上記予報値の実績データが用いられてもよい。
上記の各実施形態では、予測モデル構築・更新部117が予測モデルを構築する場合、ニューラルネットワーク等の他変数の相関を学習する手法が用いられてもよい。この場合、予測モデル構築・更新部117は、変数として過去の予測データを用いることで、補正データを含めた一括予測をするように構成されてもよい。このように構成された需要予測装置100では、補正モデルを有さない場合であっても、補正データを生成することができる。
上記各実施形態では、データ管理部109、予測モデル管理部110、補正モデル管理部111、予測部112、補正部113及び指令送信部114はソフトウェア機能部であるものとしたが、LSI等のハードウェア機能部であってもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、予測再演算部120を持つことにより、より高い精度で需要予測をすることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100…需要予測装置、101…通信部、102…入力部、103…表示部、104…記憶部、105…制御部、106…データ記憶部、107…予測モデル記憶部、108…補正モデル記憶部、109…データ管理部、110…予測モデル管理部、111…補正モデル管理部、112…予測部、113…補正部、114…指令送信部、115…データ取得部、116…欠測補間部、117…予測モデル構築・更新部、118…補正モデル構築・更新部、119…予測演算部、120…予測再演算部、121…補正演算部、122…モデル判断部
Claims (9)
- 所定の情報の予測値を含む予報データと、需要の実績値を含む第1実績データと、に基づいて前記需要の予測値を示す第1予測データを決定する第1予測決定部と、
前記第1予測データが所定の条件を満たす場合、前記第1実績データと、前記所定の情報の実績値を含む第2実績データと、に基づいて前記需要の予測値を示す第2予測データを決定する第2予測決定部と、
を備える、需要予測装置。 - 前記第1予測データと前記第2実績データとの差分が所定の条件を満たす場合、前記第2予測データに基づいて、前記第1予測データを補正する補正データを算出する規則を示す補正モデルを生成する補正モデル構築部を更に備える、
請求項1に記載の需要予測装置。 - 前記第1予測データ又は前記第2予測データを算出する規則を示す予測モデル又は前記補正モデルを複数記憶する記憶部と、
所定のモデル決定条件に基づいて、複数の前記予測モデル又は複数の前記補正モデルのうち、すくなくともいずれか1つを決定するモデル決定部と、
をさらに備える、
請求項2に記載の需要予測装置。 - 前記所定のモデル決定条件は、前記第1予測データ、前記第2予測データ又は前記補正データの予測精度と、閾値を超える前記差分の発生割合と、四季、曜日、営業日、時刻、天気、気温、降水量、降雪量又はイベントの有無のうち少なくとも1つである、
請求項3に記載の需要予測装置。 - 前記予測モデルを生成する予測モデル構築部を更に備え、
前記予測モデル構築部又は前記補正モデル構築部は、前回の更新からの経過日数、経過時間、前記第2予測データ又は前記補正データの予測精度、閾値を超える前記差分の発生割合のうち、少なくとも1つに基づいて、前記予測モデル又は前記補正モデルを更新する、
請求項3または4に記載の需要予測装置。 - 前記予報データは、気象予報データ、スケジュール予報データ、価格予報データ、発電量予報データ又は熱需要予測データのうち、少なくとも1つ以上である、
請求項2から5のいずれか1項に記載の需要予測装置。 - 前記補正データを、前記第1予測データが算出されるよりも短い間隔で算出する補正演算部を更に備える、
請求項2から6のいずれか1項に記載の需要予測装置。 - 需要予測装置が、所定の情報の予測値を含む予報データと、需要の実績値を含む第1実績データと、に基づいて前記需要の予測値を示す第1予測データを決定する第1予測決定ステップと、
需要予測装置が、前記第1予測データが所定の条件を満たす場合、前記第1実績データと、前記所定の情報の実績値を含む第2実績データと、に基づいて前記需要の予測値を示す第2予測データを決定する第2予測決定ステップと、
を備える、需要予測方法。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の需要予測装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
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