JP2019117339A - 眼鏡レンズ、ヘッドマウントディスプレイ、レンズブランクおよびセミフィニッシュトレンズブランク - Google Patents

眼鏡レンズ、ヘッドマウントディスプレイ、レンズブランクおよびセミフィニッシュトレンズブランク Download PDF

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Hiroyuki Mukoyama
浩行 向山
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Abstract

【課題】ヘッドマウントディスプレイの光学部分を眼鏡レンズとしたうえで、眼鏡レンズの形状の自由度を高める技術を提供する。【解決手段】物体側の面と、眼球側の面と、側面と、を有する眼鏡レンズ1であって、レンズ本体1aと導光部材5とを有し、眼球側の面3全体はレンズ本体により構成され、眼球側の面の少なくとも一部が曲面部3aであり、映像光が眼球側の面または眼鏡レンズの側面から入射され、導光部材を伝い、眼球側の面の曲面部から出射するように構成された、眼鏡レンズ、およびその関連技術を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、眼鏡レンズ、ヘッドマウントディスプレイ、レンズブランクおよびセミフィニッシュトレンズブランクに関する。
ヘッドマウントディスプレイ(以降、HMDとも称する。)としては、外界光と映像光とを重ねて表示させるシースルー機能を持たせたものが知られている(例えば特許文献1)。
特開2014−170094号公報
特許文献1では、映像素子からの映像光が伝わる順番としては、映像光出射部および投射レンズそして導光部材となる(特許文献1の図2)。なお、導光部材に直列する形で、透視機能を補助する透過部材が連結されている(特許文献1の[0038]、図2)。
特許文献1に記載のHMDにおいて、眼鏡でいうところのレンズの位置に配される部分(以降、光学部分と称する。)の形状は、導光部材の形状が大きな影響を与える。なぜなら、導光部材の形状に沿って、導光部材と連結する透過部材の形状も決定されるためである。
仮に、光学部分の形状を変更する場合、導光部材の形状も変更する必要があり、そうなると映像光の導光経路も変更を余儀なくされ、大規模な設計変更が必要となる。そのため、特許文献1に記載のHMDの光学部分の形状の自由度は高くない。
そこで本発明は、HMDの光学部分を眼鏡レンズとしたうえで、眼鏡レンズの形状の自由度を高める技術を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたものである。
本発明の第1の態様は、
物体側の面と、眼球側の面と、側面と、を有する眼鏡レンズであって、
レンズ本体と導光部材とを有し、
眼球側の面全体はレンズ本体により構成された、眼鏡レンズである。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の態様であって、
眼球側の面の少なくとも一部が曲面部であり、映像光が眼球側の面または眼鏡レンズの側面から入射され、導光部材を伝い、眼球側の面の曲面部から出射するように構成される。
本発明の第3の態様は、第2の態様に記載の態様であって、
外界光が物体側の面から入射され、眼球側の面の曲面部から出射する際の、装用者の眼に対する眼鏡レンズの度数がゼロではない。
本発明の第4の態様は、第1〜第3のいずれかの態様に記載の態様であって、
物体側の面の曲率と、眼球側の面または側面において映像光が入射する部分の曲率との差が屈折力にして0.15D以下である。
本発明の第5の態様は、第1〜第4のいずれかの態様に記載の態様であって、
眼鏡レンズはメニスカス形状を有する。
本発明の第6の態様は、
物体側の面と、眼球側の面と、側面と、を有する眼鏡レンズと、映像光を出射する映像光出射部と、を備えたヘッドマウントディスプレイであって、
眼鏡レンズはレンズ本体と導光部材とを有し、
眼球側の面全体はレンズ本体により構成された、ヘッドマウントディスプレイである。
本発明の第7の態様は、第6の態様に記載の態様であって、
眼球側の面の少なくとも一部が曲面部であり、映像光が眼球側の面または眼鏡レンズの側面から入射され、導光部材を伝い、眼球側の面の曲面部から出射するように構成される。
本発明の第8の態様は、第7の態様に記載の態様であって、
外界光が物体側の面から入射され、眼球側の面の曲面部から出射する際の、装用者の眼に対する眼鏡レンズの度数がゼロではない。
本発明の第9の態様は、
物体側の面が加工される前の物体側予定面と、眼球側の面が加工される前の眼球側予定面と、両面に挟まれた側面予定面と、を有する眼鏡レンズ用のレンズブランクであって、
レンズブランク本体と、映像光を到達可能な導光部材とを有し、
眼球側予定面全体はレンズブランク本体により構成された、レンズブランクである。
本発明の第10の態様は、第9の態様に記載の態様であって、
物体側予定面の曲率および側面予定面の曲率の少なくともいずれかと、眼球側予定面の曲率との差が屈折力にして0.15D以下である。
本発明の第11の態様は、
物体側の面と、眼球側の面が加工される前の眼球側予定面と、両面に挟まれた側面予定面と、を有する眼鏡レンズ用のセミフィニッシュトレンズブランクであって、
セミフィニッシュトレンズブランク本体と、映像光を到達可能な導光部材とを有し、
眼球側予定面全体はレンズブランク本体により構成された、セミフィニッシュトレンズブランクである。
本発明の第12の態様は、第11の態様に記載の態様であって、
物体側の面の曲率および側面予定面の曲率の少なくともいずれかと、眼球側予定面の曲率との差が屈折力にして0.15D以下である。
本発明によれば、HMDの光学部分を眼鏡レンズとしたうえで、眼鏡レンズの形状の自由度を高めることができる。
光学部分をメニスカス形状としたときに課題が生じるメカニズムを説明する水平断面概略図である。 本実施形態の眼鏡レンズおよび眼鏡レンズがHMDの一部として機能することを示す水平断面概略図である。 眼球側の面に設けられた凹形状の曲面部と映像光が入射する部分である凸形状とを区画する段差を設けたうえで、本実施形態の眼鏡レンズおよび眼鏡レンズがHMDの一部として機能することを示す水平断面概略図である。 プラスの処方度数を実現可能とする眼鏡レンズであり、眼鏡レンズがHMDの一部として機能することを示す水平断面概略図である。 マイナスの処方度数を実現可能とする眼鏡レンズであり、眼鏡レンズがHMDの一部として機能することを示す水平断面概略図である。 本実施形態のレンズブランクを示す水平断面概略図である。
以下、本発明の実施形態について述べる。
本実施形態におけるヘッドマウントディスプレイは、映像光を出射する映像光出射部と、以下の眼鏡レンズとを有するものである。映像光出射部は、光源、投射レンズ等、映像光を出射するのに必要な構成を備えたもののことを指す。
なお、本実施形態の大きな特徴は、特許文献1でいうところの光学部分を眼鏡レンズとしたところであり、眼鏡レンズの関連技術である。例えば特許文献1で言うところの光学部分に係る技術以外の構成(光源、投射レンズ、導光部材の具体的な構成、HMDの駆動制御部等)については公知のものを採用しても構わないため、詳細は省略する。
以降、「映像光の度数」という表現を用いることがあるが、これは正確に言うと「映像光が眼球側の面または側面から入射され、導光部材を伝い、眼球側の面の曲面部から出射する際の、装用者の眼に対する眼鏡レンズの度数」のことである。「外界光の度数」という表現は「外界光が物体側の面から入射され、眼球側の面の曲面部から出射する際の、装用者の眼に対する眼鏡レンズの度数」とする。
本実施形態の眼鏡レンズ1を図2に基づいて説明する。図2は本実施形態の眼鏡レンズ1および眼鏡レンズ1がHMDの一部として機能することを示す水平断面概略図である。なお、図2中、実線は映像光、破線は外界光を示すものとし、本明細書の各図においては以降同様とする。
本実施形態の眼鏡レンズ1はシースルー機能を有し、物体側の面2と眼球側の面3とを有する。眼鏡レンズ1の側面4(以降、コバとも称する。)は物体側の面2と眼球側の面3に挟まれている。眼鏡レンズ1はレンズ本体1aと導光部材5とからなる。本明細書では、物体側の面2と眼球側の面3とは互いに対向しており、物体側の面2から見て光軸方向に対向して存在する面の部分が眼球側の面3であり、その逆に眼球側の面3から見て光軸方向に対向して存在する面の部分が物体側の面2である。
ここでいう「レンズ本体1a」とは、導光部材5以外の構成を指し、加工が容易なレンズ基材(プラスチックやガラス)から主に構成され、例えば特許文献1で言うところの透過部材、眼鏡レンズ1に設けられるハードコート層等を包含するものである。なお、レンズ本体1aの定義としては、眼鏡レンズ1に対して着脱可能なアタッチメントは含まないが、本実施形態の眼鏡レンズ1に対してシェード等のカバーアタッチメントを実際に設けることは妨げない。
レンズ本体1aと導光部材5との位置関係であるが、眼球側の面3全体がレンズ本体1aにより構成されるのであれば特に限定は無い。
例えば導光部材5全体を覆うようにレンズ本体1aの内部に収容される全埋め込み型を採用しても構わないし、眼鏡レンズ1の側面4および物体側の面2の少なくともいずれかにおいて導光部材5が露出する半埋め込み型を採用しても構わない。半埋め込み型の場合、本来なら眼鏡レンズ1全体の輪郭形状を構成するレンズ本体1aの一部を切り欠いた部分に導光部材5を収め、眼鏡レンズ1の物体側の面2および側面4の少なくともいずれかの一部の形状を導光部材5が構成する、言い方を変えると該一部にて導光部材5が露出するという態様となる。
眼鏡レンズ1の形状の自由度の高さを鑑みると、半埋め込み型のうち導光部材5の露出が側面4のみの場合であるのが好ましい。さらには、導光部材5の露出が全く無い全埋め込み型がより好ましい。全埋め込み型だと物体側の面2および眼球側の面3はレンズ本体1a(加工が容易なレンズ基材)により構成されることになり、眼鏡レンズ1の形状の自由度が高くなる。
しかもその際に、眼鏡レンズ1の眼球側の面3を加工することにより、装用者が近視や遠視の場合、処方度数を実現可能な眼鏡レンズ1を得ることが可能になる。その際、眼球側の面3だけでなく、物体側の面2も加工してもよい。
特許文献1にはシースルー機能を有するHMDが記載されているものの、外界光が光学部分を通過する際の正負の屈折力は相殺され、外界光が装用者の眼Eに到達する際には度数が無い状態であり、特許文献1の光学部分は屈折矯正の機能は持たない(特許文献1の[0050])。
特許文献1に記載のようなシースルー機能を有するHMDの光学部分で屈折矯正はできないため、近視や遠視などにより処方度数が必要な装用者にとっては補助装着部材(例えば特開2014−174366号公報)をいちいち装着せざるを得なかった。
しかしながら本実施形態の眼鏡レンズ1ならば、先に述べたように処方度数を実現可能な眼鏡レンズ1を得ることが可能であるため、眼鏡レンズ1によってシースルー機能を有するHMDとしての機能を発揮可能且つ処方度数も実現可能となる。
本明細書で言う「外界光が物体側の面から入射され、眼球側の面の曲面部から出射する際の、装用者の眼に対する眼鏡レンズの度数がゼロではない」とは、処方度数がゼロ以外の状態のことを指し、ゼロではない処方度数が、物体側の面2の形状および眼球側の面3の曲面部3aの形状により実現されることを指す。
ただ、本実施形態の眼鏡レンズ1はゼロではない処方度数を実現するものに限定されるものではないし、例えば片眼の眼鏡レンズ1は処方度数ゼロとする一方、もう片眼の眼鏡レンズ1はゼロではない処方度数としても構わない。
なお、映像光出射部6からの映像光は、眼球側の面3から入射されてもよいし、側面4から入射されてもよい。本実施形態においては眼球側の面3から映像光が入射される場合を挙げるが、側面4から入射される場合であって、眼鏡レンズ1の側面4において導光部材5が露出する半埋め込み型を採用する場合、映像光を導光部材5に直接入射してもよい。その場合、導光部材5において映像光が直接入射する部分の曲率と物体側の面3の曲率との差を屈折力にして0.15D以下とするのが好ましい(段落0043、0044参照)。
本実施形態の眼鏡レンズ1の眼球側の面3についてであるが、先ほど述べたように、眼球側の面3はレンズ本体1aにより構成される。つまり、本実施形態の眼鏡レンズ1の眼球側の面3において導光部材5は露出しておらず、眼球側の面3全体がレンズ本体1aにより構成される。この構成を採用することにより、眼球側の面3全体を自由に加工でき、HMDにおける眼鏡レンズ1の形状の自由度を高められる。
そして、本実施形態の眼鏡レンズ1の眼球側の面3の少なくとも一部を曲面部3aとするのが好ましい。映像光出射部6からの映像光および外界光は最終的にはこの曲面部3aを通過し、装用者の眼Eに到達する。その際に、本実施形態の眼鏡レンズ1においては、映像光出射部6からの映像光が眼球側の面3または側面4から入射され、導光部材5を伝い、眼球側の面3の曲面部3aから出射する際の、装用者の眼Eに対する眼鏡レンズ1の度数と、外界光が物体側の面2から入射され、眼球側の面3の曲面部3aから出射する際の、装用者の眼Eに対する眼鏡レンズ1の度数との差が0.50D以下であるのが好ましい。
上記度数差を0.50D以下とした理由としては、外界光は無限遠からのものとする一方、映像光はそれよりも手前に見えるようにすることが有り得るためである。ただ、映像光に対する意図的な度数の変更を加味し、かつ眼鏡レンズ1の形状に由来する映像光と外界光との間の見え方の差を更に加味したとしても、上記度数差を0.50D以下とした眼鏡レンズ1は本発明者が知る限り新規であるうえ、この構成ならば、眼鏡レンズ1の形状に由来する映像光と外界光との間の見え方の差を低減できる。なお、上記度数差は0.40D以下が好ましく、0.25D以下がより好ましい。
なお、映像光を手前に見えるようにするための具体的な方法としては、映像光出射部6からの映像光に対して別のレンズを通過させて度数を付けたうえで、本実施形態の眼鏡レンズ1に映像光を入射させるという方法がある。また、眼鏡レンズ1の内部における映像光の光路上に別のレンズを埋め込んだり、導光部材5に度数を付ける構成を付与したりしてもよい。
本実施形態の眼鏡レンズ1では、意図的に変更された映像光に係る度数以外の、眼鏡レンズ1の形状に由来する映像光と外界光との間の見え方の度数差を0.15D以下とするのが好ましい。眼鏡レンズ1の形状に由来する映像光と外界光との間の見え方の度数差とは、物体側の面2の曲率と、眼球側の面3または側面4において映像光が入射する部分3bの曲率との差を屈折力にした値である。なお、物体側の面2が平板形状である場合は曲率をゼロとみなす。
先ほど説明したように、映像光と外界光は共に眼球側の面3の曲面部3aを通過する。そのため、外界光が入射する物体側の面2の曲率と、眼球側の面3または側面4において映像光が入射する部分3b(本実施形態だと眼球側の面3の一部分)の曲率との差が小さければ、最終的に装用者の眼Eに到達する映像光と外界光との度数差は小さくなる。両曲率の差は屈折力にして0.10D以下がより好ましく、0.05D以下が更に好ましい。理論的に最も好ましいのは両曲率を等しくすることである。
眼球側の面3の形状は上記曲面部3aがあれば特に限定は無く、図2に示すように、本実施形態においては曲面部3aが凹形状である一方、映像光が入射する部分3bを一部凸形状とし、物体側の面2との曲率差を屈折力にして0.15D以下に収まるようにしてもよい。なお、曲面部3aと上記凸形状とは図2だと滑らかにつながっているが、両者の間を段差(エッジ)によりつないで構わない。更に、図3に示すように、曲面部3aと上記凸形状とを区画する段差を設けても構わない。図3は、眼球側の面3に設けられた凹形状の曲面部3aと映像光が入射する部分3bである凸形状とを区画する段差を設けたうえで、本実施形態の眼鏡レンズおよび眼鏡レンズがHMDの一部として機能することを示す水平断面概略図である。
なお、図2や図3のように眼球側の面3の形状を自由に設定できるのは、容易に加工可能なレンズ本体1aにて眼球側の面3の全体を構成しているからに他ならない。
物体側の面2の形状については特に限定は無いが、眼鏡レンズ1はメニスカス形状である方が外観が良好である。そのため、眼球側の面3の曲面部3aを凹形状としたうえで、物体側の面2を凸形状にしてもよい。なお、メニスカス形状とは「物体側の面2が全体的に(面積の半分以上、好適には面積の8割以上が)凸形状であり、眼球側の面3が全体的に(面積の半分以上、好適には面積の8割以上が)凹形状である形状」のことを指す。
本実施形態における導光部材5の形状の設計は、物体側の面2の形状(=眼球側の面3において映像光が入射する部分3bの形状)と対応している。ただ、特許文献1の場合だと光学部分の端部に光学部分の一部として導光部材5が設けられている関係上、導光部材5の形状とそれに連結する透過部材の形状とは互いに影響を受けていたが、本実施形態だと少なくとも眼球側の面3はレンズ本体1aにより構成されているため、そこまでの制限は無い。そのため、後述のレンズブランク10(図6)のベースカーブ区分は3つ程度を用意しておき、導光部材5の設計もそれに応じて3種類程度を用意しておけば足りる。
なお、図2に示すように眼球側の面3の曲面部3aを凹形状とする一方、映像光が入射する部分3bを一部凸形状とする場合であっても、物体側の面2が全体的に凸形状であり、眼球側の面3の大半が凹形状の曲面部3aであることから、図2に示す眼鏡レンズ1はメニスカス形状を有するレンズ(すなわちメニスカスレンズ)と呼んで差し支えない。
更に言うと、上記の諸条件を満たすのならば、物体側の面2の形状および眼球側の面3の形状は任意で良く、装用者の処方度数を実現するような形状としてもよいし、ファッション性を高める形状にしてもよい。例えば、HMDのデザインや装用者の好みにより、浅いカーブを採用したり、深いカーブを採用してもよい。このような選択の自由が確保できるのは、先ほどから述べているように、本実施形態によってHMDの眼鏡レンズ1の形状の自由度を高めた結果である。しかもその眼鏡レンズ1の形状に由来する映像光と外界光との間の見え方の差も低減できている。
ちなみに本明細書における凸形状および凹形状は球面またはトーリックである場合を想定して構わない。両形状の少なくとも一部を非球面とすることも可能ではあるが、HMDに使用される眼鏡レンズ1であることを鑑みると両形状は球面またはトーリックとするのが加工が容易である。また、特記の無い限り、物体側の面2が曲面である場合は一律に球面またはトーリック(基本的には球面)のことを指し、眼球側の面3の曲面部3aも一律に球面またはトーリック(基本的には球面)のことを指すものとする。例えば物体側の面2が球面、眼球側の面3がトーリック形状を有するようにすることが考えられるが、この形状に本発明が限定されるわけではないうえ、物体側の面2、眼球側の面3が一律に球面またはトーリック形状となることに本発明が限定されるわけではない。
物体側の面2の形状および眼球側の面3の形状の一例を以下に示す。
図4は、プラスの処方度数を実現可能とする眼鏡レンズであり、眼鏡レンズがHMDの一部として機能することを示す水平断面概略図である。プラスの処方度数を実現すべく、眼球側の面3の曲面部3aを凸形状に加工する一方で物体側の面2は平板状に加工している。なお、眼球側の面3において映像光が入射される部分は、物体側の面2と同じ形状すなわち平板状に加工している。この場合、映像光出射部6から出射される映像光が、眼球側の面3の平板状の部分、導光部材5、眼球側の面3の凸形状の曲面部3aを順に経て眼Eに到達する際の度数と、外界光が、物体側の面2、眼球側の面3の凸形状の曲面部3aを順に経て眼Eに到達する際の度数とは理論的に等しくなっている。なぜならいずれも平板状、凸形状を順に経由しており、物体側の面2の形状と眼球側の面3における映像光が入射する部分3bは共に平板状であり曲率差が理論的にゼロであるためである。
物体側の面2の形状および眼球側の面3の形状の別の一例を以下に示す。
図5は、マイナスの処方度数を実現可能とする眼鏡レンズであり、眼鏡レンズ1がHMDの一部として機能することを示す水平断面概略図である。マイナスの処方度数を実現すべく、眼球側の面3の曲面部3aを凹形状に加工する一方で物体側の面2は平板状に加工している。なお、眼球側の面3において映像光が入射される部分は、物体側の面2と同じ形状すなわち平板状に加工している。この場合、映像光出射部6から出射される映像光が、眼球側の面3の平板状の部分、導光部材5、眼球側の面3の凹形状の曲面部3aを順に経て眼Eに到達する際の度数と、外界光が、物体側の面2、眼球側の面3の凹形状の曲面部3aを順に経て眼Eに到達する際の度数とは理論的に等しくなっている。なぜならいずれも平板状、凹形状を順に経由しており、物体側の面2の形状と眼球側の面3における映像光が入射する部分3bは共に平板状であり曲率差が理論的にゼロであるためである。
本実施形態においては眼鏡レンズ1、そしてそれを使用したHMDについて主に述べた。この眼鏡レンズ1の基となるレンズブランク及びセミフィニッシュトレンズブランクにも本発明の技術的思想が反映されている。レンズブランクとは、レンズの面加工前のレンズ製造のための材料である。セミフィニッシュトレンズブランクとは、レンズブランクにおける物体側予定面(すなわち面加工前である物体側の被加工面)および眼球側予定面(すなわち面加工前である眼球側の被加工面)のうち一面だけを光学的に仕上げたプラスチック基材のレンズブランクのことを指す。
以下、本実施形態の眼鏡レンズ1を作製するためのレンズブランク及びセミフィニッシュトレンズブランクについて述べる。特記の無い事項は眼鏡レンズ1について先ほどまで説明した内容の通りである。なお、以降に述べる、レンズブランクにおけるレンズブランク“本体”、セミフィニッシュトレンズブランクにおけるセミフィニッシュトレンズブランク“本体”は、レンズ“本体”の定義付けで説明した内容と同様とし、導光部材5以外の構成を指し、加工が容易なレンズ基材(プラスチックやガラス)から主に構成されるものとする。
図6は、本実施形態のレンズブランク10を示す水平断面概略図である。本実施形態のレンズブランク10は、物体側の面が加工される前の物体側予定面20と、眼球側の面が加工される前の眼球側予定面30と、側面予定面40と、を有する。レンズブランク10の側面予定面40(これもコバとも称する。)は物体側予定面20と眼球側予定面30に挟まれている。そして、本実施形態のレンズブランク10は、レンズブランク本体10aと、映像光を伝達可能な導光部材5とを有する。そして、眼球側予定面30の全体はレンズブランク本体10aにより構成される。
そして本実施形態のレンズブランク10においては、物体側予定面20および眼球側予定面30は凸形状を有するのが好ましい。その理由としては、先に挙げた、面加工済みの物体側の面2の形状および眼球側の面3の形状の各例が示すように、物体側の面2の形状と眼球側の面3の形状の自由度は高く、物体側の面2においては平板状、凸形状、凹形状、様々な形状に加工することが可能である。そのように種々の形状への加工に対応すべく、本実施形態のレンズブランク10においては物体側予定面20の全面を凸形状としている。眼球側予定面30でも同様の事情により全面を凸形状としている。こうすることにより物体側予定面20および眼球側予定面30にて切削量を調整することにより凸形状はもとより平板状、凹形状への加工を行うことが可能となる。
レンズブランク本体10aと導光部材5とを有し、眼球側予定面30全体がレンズブランク本体10aにより構成され、物体側予定面20および眼球側予定面30が凸形状を有するレンズブランク10は、上記のような本発明の技術的思想が反映されたからこそ想到し得る構成である。
なお、本実施形態のセミフィニッシュトレンズブランクは、図6におけるレンズブランク10の物体側予定面20のみを光学的に仕上げたプラスチック基材のレンズブランクである。本実施形態のセミフィニッシュトレンズブランクは、物体側予定面20に対して予め面加工がなされた物体側の面2と、眼球側予定面30と、側面予定面40と、を有する。セミフィニッシュトレンズブランクの側面予定面40(これもコバとも称する。)は物体側の面2と眼球側予定面30に挟まれている。そして、本実施形態のセミフィニッシュトレンズブランクは、セミフィニッシュトレンズブランク本体と、映像光を到達可能な導光部材5とを有し、眼球側予定面30の全体はセミフィニッシュトレンズブランク本体により構成されており、本発明の技術的思想が反映されている。そのうえで、本実施形態のセミフィニッシュトレンズブランクにおいては、物体側の面2および眼球側予定面30は凸形状を有するのが好ましい。
なお、眼鏡レンズ1における眼球側の面3または側面4において映像光が入射する部分3bの曲率との差が屈折力にして0.15D以下とするのが好ましいことを加味し、予め、レンズブランク10やセミフィニッシュトレンズブランクの段階において、物体側予定面20(セミフィニッシュトレンズブランクだと物体側の面2)および側面予定面40の曲率の少なくともいずれかの曲率と、眼球側の被加工面30の曲率との差が屈折力にして0.15D以下とするのが好ましく、0.10D以下がより好ましく、0.05D以下が更に好ましく、最も好ましいのは両曲率を等しくすることである。
1…眼鏡レンズ
1a…レンズ本体
2…物体側の面
3…眼球側の面
3a…曲面部
3b…映像光が入射する部分
4…側面(コバ)
5…導光部材
6…映像光出射部
10…レンズブランク
10a…レンズブランク本体
20…物体側予定面
30…眼球側予定面
40…側面予定面(コバ)
100…光学部分
200…光学部分の物体側の面
300…光学部分の眼球側の面
500…導光部材
600…光源
E…眼

Claims (12)

  1. 物体側の面と、眼球側の面と、側面と、を有する眼鏡レンズであって、
    レンズ本体と導光部材とを有し、
    眼球側の面全体はレンズ本体により構成された、眼鏡レンズ。
  2. 眼球側の面の少なくとも一部が曲面部であり、映像光が眼球側の面または眼鏡レンズの側面から入射され、導光部材を伝い、眼球側の面の曲面部から出射するように構成された、請求項1に記載の眼鏡レンズ。
  3. 外界光が物体側の面から入射され、眼球側の面の曲面部から出射する際の、装用者の眼に対する眼鏡レンズの度数がゼロではない、請求項2に記載の眼鏡レンズ。
  4. 物体側の面の曲率と、眼球側の面または側面において映像光が入射する部分の曲率との差が屈折力にして0.15D以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の眼鏡レンズ。
  5. 眼鏡レンズはメニスカス形状を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の眼鏡レンズ。
  6. 物体側の面と、眼球側の面と、側面と、を有する眼鏡レンズと、映像光を出射する映像光出射部と、を備えたヘッドマウントディスプレイであって、
    眼鏡レンズはレンズ本体と導光部材とを有し、
    眼球側の面全体はレンズ本体により構成された、ヘッドマウントディスプレイ。
  7. 眼球側の面の少なくとも一部が曲面部であり、映像光が眼球側の面または眼鏡レンズの側面から入射され、導光部材を伝い、眼球側の面の曲面部から出射するように構成された、請求項6に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  8. 外界光が物体側の面から入射され、眼球側の面の曲面部から出射する際の、装用者の眼に対する眼鏡レンズの度数がゼロではない、請求項7に記載のヘッドマウントディスプレイ。
  9. 物体側の面が加工される前の物体側予定面と、眼球側の面が加工される前の眼球側予定面と、両面に挟まれた側面予定面と、を有する眼鏡レンズ用のレンズブランクであって、
    レンズブランク本体と、映像光を到達可能な導光部材とを有し、
    眼球側予定面全体はレンズブランク本体により構成された、レンズブランク。
  10. 物体側予定面の曲率および側面予定面の曲率の少なくともいずれかと、眼球側予定面の曲率との差が屈折力にして0.15D以下である、請求項9に記載のレンズブランク。
  11. 物体側の面と、眼球側の面が加工される前の眼球側予定面と、両面に挟まれた側面予定面と、を有する眼鏡レンズ用のセミフィニッシュトレンズブランクであって、
    セミフィニッシュトレンズブランク本体と、映像光を到達可能な導光部材とを有し、
    眼球側予定面全体はセミフィニッシュトレンズブランク本体により構成された、セミフィニッシュトレンズブランク。
  12. 物体側の面の曲率および側面予定面の曲率の少なくともいずれかと、眼球側予定面の曲率との差が屈折力にして0.15D以下である、請求項11に記載のセミフィニッシュトレンズブランク。
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