JP2019112530A - 粘度特性改良剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の燃費を向上させることができる粘度特性改良剤、及び該粘度特性改良剤を含有する冷却液用添加剤組成物を提供する。【解決手段】[1]下記式(1)で表される化合物(A)、及びコーヒー抽出物及び大豆抽出物から選ばれる1種以上の抽出物(B)からなる粘度特性改良剤、並びに[2]それを含有する冷却液用添加剤組成物である。[式中、R1は炭素数12〜24のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2はエチレン基又はプロピレン基を示し、mは1〜15であり、Mは陽イオン又は水素原子を示す。]【選択図】なし

Description

本発明は、内燃機関の燃費を向上させることができる粘度特性改良剤、及び該粘度特性改良剤を含有する冷却液用添加剤組成物に関する。
自動車エンジン等の内燃機関を冷却するための冷却液としては様々なものが知られているが、その中でも、水はエンジン用冷却液として冷却性能が高いため好ましい。しかし、真水は摂氏0℃以下になると凍結する。そこで、冷却液の不凍性を向上させるために、エチレングリコール等のグリコール類をベースにして、必要な凍結温度を得るように水で希釈し、更に必要によりエンジンやラジエーター等に使用される金属、ゴム及び樹脂等の劣化を防止するための各種添加剤を配合した冷却液組成物が使用されてきた。
しかしながら、エチレングリコール等のグリコール類を使用した場合、特に低温において冷却液組成物の粘度が著しく上昇するという問題があった。このため、従来の粘度特性改良技術においては、一般に、低温時の流動性を向上させるための低粘度化が行われてきた。
ところが、低粘度化を行うと、冷却液とシリンダーボア壁との温度境界層が薄くなり、また対流が起こりやすくなるため、冷却液がシリンダーボア壁から熱を奪いやすくなり、その結果、冷却損失が増大し、燃費悪化を招くという問題が新たに生じた。
一方、放熱性を低下させて冷却損失を低減させるために、エチレングリコール等のグリコール類の濃度を上げて低温時の冷却液の粘度を増大させると、高温時において冷却能力不足となり、オーバーヒートを招くという問題が生じた。
前記問題を解決する技術として、例えば特許文献1には、特定の範囲の動粘度を有する内燃機関用冷却液組成物、及びこれを用いた内燃機関の運転方法が開示されており、冷却液組成物の動粘度を特定の範囲とすることにより、低温時の冷却損失を低減させ、かつ高温時の冷却能力を維持することができるとされている。
特許文献2には、粘度特性改良剤、アルカリ金属塩等のアルカリ金属化合物、及び基剤を含有する冷却液組成物であって、粘度特性改良剤が、特定のアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩であり、基剤が、エチレングリコール等のアルコール類、水からなり、動粘度が特定の範囲にある、冷却液組成物が開示されている。
特許文献3には、水と曇点を有する界面活性剤とを含む冷却液組成物が開示されており、曇点を有する界面活性剤を所定の割合で含有することにより、高い冷却性能と不凍性とを有する冷却液組成物が得られるとされている。
特許文献4〜6には、アルキルエーテルの1種〜3種と、水及び/又は水溶性有機溶剤を含有する冷却液組成物が開示されており、エンジン運転直後における冷却液の動粘度をより高くすることにより、冷却損失を低減し速やかにエンジンを最適温度まで上昇させることができ、また、定常運転時の動粘度をより低くすることにより、装置の運転をより円滑化させることができるとされている。
特許文献7には、粘度特性改良剤としての非イオン性界面活性剤と基剤を含有し、動粘度が、25℃で8.5mm/秒以上であり、かつ100℃で2.0mm/秒以下である冷却液組成物が開示されている。
前記のように、従来技術において、冷却液の添加剤として各種の粘度特性改良剤が用いられてきたが、内燃機関の燃費を向上させるためには、さらに、高温時の粘度上昇が小さく高温時の冷却能力を維持したまま、低温時に増粘し冷却損失を低減させて低温時の暖機性を向上させる必要があった。
国際公開第2013/183161号 特開2016−124931号公報 特開2010−270256号公報 特開2014−189736号公報 特開2014−189737号公報 特開2015−74669号公報 特開2014−12831号公報
本発明は、内燃機関の燃費を向上させることができる粘度特性改良剤、及び該粘度特性改良剤を含有する冷却液用添加剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、特定のアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩と、コーヒー抽出物及び大豆抽出物から選ばれる1種以上とを組み合わせて冷却液に添加することにより、(1)冷却液のせん断粘度を好適な範囲に調整でき、低温時の冷却損失を低減させ、かつ高温時の冷却能力を維持することが可能となること、(2)従来の粘度特性改良剤を用いた場合と比較して低温において結晶析出及び/又はゲル化しにくい性質を冷却液に付与することが可能となること、また、(3)極低温時の粘度を低減し、冷却液循環ポンプの負荷を低減できること、その結果、内燃機関の燃費を大きく向上できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の[1]及び[2]を提供する。
[1]下記式(1)で表される化合物(A)、及びコーヒー抽出物及び大豆抽出物から選ばれる1種以上の抽出物(B)からなる粘度特性改良剤。
[式中、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数12以上24以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、mはROの平均付加モル数を示し1以上15以下であり、Mは陽イオン又は水素原子を示す。]
[2]前記[1]に記載の粘度特性改良剤を含有する冷却液用添加剤組成物。
本発明によれば、内燃機関の燃費を向上させることができる粘度特性改良剤、及び該粘度特性改良剤を含有する冷却液用添加剤組成物を提供することができる。
[粘度特性改良剤]
本発明の粘度特性改良剤は、下記式(1)で表される化合物(A)、及びコーヒー抽出物及び大豆抽出物から選ばれる1種以上の抽出物(B)からなる。
[式中、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数12以上24以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、mはROの平均付加モル数を示し1以上15以下であり、Mは陽イオン又は水素原子を示す。]
なお、本明細書において、「粘度特性改良剤」、「冷却液用添加剤組成物」、「冷却液」、「冷却液組成物」、及び「濃縮冷却液組成物」の用語の意義は以下のとおりである。
・粘度特性改良剤:冷却液組成物に添加することによって、冷却液組成物の粘度−温度曲線に変曲点を2以上発現させる化合物。
・冷却液用添加剤組成物:冷却液用の粘度特性改良剤を含有する組成物。
・冷却液:水等の冷却すべき対象物の温度を下げるために使用される液状の媒体。
・冷却液組成物:冷却液にグリコール類、各種の添加剤を添加した組成物。
・濃縮冷却液組成物:各種添加剤や媒体を含有する冷却液組成物の濃縮物。そのままでも冷却液として使用可能であるが、水と混合、希釈して冷却液を作るために使用される組成物。
本発明によれば、粘度特性改良剤を冷却液又は冷却液組成物に添加することによって、極低温時、低温時及び高温時において好適なせん断粘度を有する冷却液又は冷却液組成物を調製することができる。なお、本発明において、極低温とは−30℃程度を意味し、低温とは25℃程度を意味するが、極低温時及び低温時を総称して、以下、単に「低温時」ともいう。また、高温とは100℃程度を意味する。
本発明に係る粘度特性改良剤における効果の作用メカニズムの詳細は定かではないが、以下のように考えられる。すなわち、化合物(A)及びコーヒー抽出物及び大豆抽出物から選ばれる1種以上の抽出物(B)からなる粘度特性改良剤を冷却液に添加すると、(i)冷却液組成物中で化合物(A)及び抽出物(B)が配向して存在するため、又は(ii)冷却液基剤と複合体を形成することで、冷却液中にある種の構造体を形成し、温度変化によって該構造体を変化させることができるため、冷却液の粘度特性を改良することができると考えられる。
<化合物(A)>
化合物(A)は、下記式(1)で表される、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル又はこれらの塩である。
なお、化合物(A)は、式(1)で表される、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル、及びポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩のいずれか1種を含有していればよく、2種以上を含有していてもよい。
[式中、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数12以上24以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、mはROの平均付加モル数を示し1以上15以下であり、Mは陽イオン又は水素原子を示す。]
式(1)におけるRであるアルキル基又はアルケニル基は、直鎖でも分岐鎖であってもよいが、低温時のせん断粘度を高くし、高温時のせん断粘度を低くして、内燃機関の燃費を向上させる観点から、直鎖であることが好ましい。
アルキル基及びアルケニル基の炭素数は、上記と同様の観点から、12以上であり、好ましくは16以上、より好ましくは18以上、更に好ましくは20以上であり、そして、24以下であり、好ましくは22以下である。すなわち、アルキル基及びアルケニル基の炭素数は、好ましくは16以上22以下、より好ましくは18以上22以下、更に好ましくは20以上22以下である。
の具体例としては、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、マルガリル基、イソステアリル基、2−ヘプチルウンデシル基、ステアリル基、アラキジル基、ベヘニル基、リグノセリル基等のアルキル基;オレイル基等のアルケニル基が挙げられ、上記と同様の観点から、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基が好ましく、ベヘニル基がより好ましい。
式(1)におけるROは、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基であり、低温時及び高温時において好適なせん断粘度とし、内燃機関の燃費を向上させる観点から、エチレンオキシ基が好ましい。
mは、ROの平均付加モル数を示し、低温時及び高温時において好適なせん断粘度とし、内燃機関の燃費を向上させる観点から、1以上であり、好ましくは2以上であり、そして15以下であり、好ましくは8以下、より好ましくは7以下、更に好ましくは6以下、より更に好ましくは5以下、より更に好ましくは4以下である。すなわち、mは1以上15以下であり、好ましくは1以上8以下、より好ましくは1以上7以下、更に好ましくは1以上5以下、より更に好ましくは2以上5以下、より更に好ましくは2以上4以下である。
式(1)におけるMは、陽イオン又は水素原子を示す。
Mが陽イオンである場合、式(1)で表される化合物は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩となる。この場合、式(1)で表される化合物は、厳密には以下の式(1−1)で表される。
式(1−1)中のR、R、mは、式(1)中のR、R、mと同義であり、好ましい範囲も同様である。Mは陽イオンを示す。
Mである陽イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン、カルシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、及びトリエタノールアンモニウムイオン等のアルカノールアンモニウムイオン等が挙げられる。これらの中では、低温時及び高温時において好適なせん断粘度とし、内燃機関の燃費を向上させる観点から、Mは、好ましくはアルカリ金属イオン及びアルカノールアンモニウムイオン、より好ましくはアルカリ金属イオン、更に好ましくはナトリウムイオン(Na)及びカリウムイオン(K)から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはナトリウムイオン(Na)である。
なお、Mが二価以上の陽イオンの場合には、−SO の陰イオンと対イオンとなるように存在すればよく、例えば、二価の陽イオンであれば、−SO の量に対して、1/2量が存在すればよい。
式(1)におけるMが水素原子である場合、式(1)で表される化合物は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステルとなる。
本発明の一実施形態において、Rが直鎖の炭素数18以上22以下のアルキル基であり、ROがエチレンオキシ基であり、mが1以上8以下であり、Mがナトリウムイオン又はカリウムイオンである化合物(A)を用いることが好ましい。
また、Rが、直鎖の炭素数20以上22以下のアルキル基であり、ROがエチレンオキシ基であり、mが2以上7以下であり、Mがナトリウムイオン又はカリウムイオンである化合物(A)を用いることがより好ましく、Rが、直鎖の炭素数20以上22以下のアルキル基であり、ROがエチレンオキシ基であり、mが3以上6以下であり、Mがナトリウムイオン又はカリウムイオンである化合物(A)を用いることが更に好ましい。
化合物(A)の具体例としては、C1837O−(CHCHO)−SONa、C1837O−(CHCHO)−SOK、C2245O−(CHCHO)−SONa、及びC2245O−(CHCHO)−SOKから選ばれる1種以上が好適に挙げられる。
化合物(A)は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
<コーヒー抽出物及び大豆抽出物から選ばれる1種以上の抽出物(B)>
化合物(B)は、コーヒー抽出物及び大豆抽出物から選ばれる1種以上の抽出物である。
本明細書において、「コーヒー抽出物」及び「大豆抽出物」とは、水又は水を含む溶媒を用いた抽出処理によって、コーヒー(豆及び粉末)及び大豆から得られる抽出液、該抽出液の希釈液又は濃縮液、該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物又は精製物をいう。
(抽出源であるコーヒー及び大豆の種類)
コーヒー(豆及び粉末)の種類は特に限定されない。コーヒー豆種としては、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種が挙げられ、またコーヒー豆の産地としては、例えば、ブラジル、コロンビア、グァテマラ、インドネシア、ベトナム、タンザニア、イエメン、エチオピア、ジャマイカ等を挙げることができる。
大豆の種類も特に限定されない。例えば、黄大豆、黒大豆、青大豆等が挙げられ、米国産食品用大豆IOM(インディアナ,オハイオ,ミシガンの略)、米国産一般搾油用大豆、国産大豆、ブラジル産大豆、中国産大豆等を用いることができ、遺伝子組み替え、非遺伝子組み替えを問わずに使用できる。
コーヒー及び大豆は1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
(コーヒー抽出物及び大豆抽出物の製造)
コーヒー抽出物及び大豆抽出物の製造方法に特に制限はない。例えば、水、メタノール、エタノール、アセトン及びそれらのいずれかの混合物等を抽出溶媒とする方法が挙げられる。これらの中では、低温時及び高温時において好適なせん断粘度とし、内燃機関の燃費を向上させる観点及び安全性の観点から、水を含む抽出溶媒を用いる方法が好ましく、水による抽出方法がより好ましい。
コーヒー及び大豆は、豆そのままの状態で抽出してもよいが、抽出効率向上の観点から、粉砕し、抽出面積を大きくすることが好ましい。
抽出方法は、1段抽出法でも多段階抽出法でもよい。多段階抽出法とは、コーヒー及び大豆を複数の独立した抽出塔それぞれに投入し、1段階目の抽出塔に抽出溶媒を供給して該抽出塔から抽出物を排出させ、次いで、1段階目の抽出塔から排出された抽出物を2段階目の抽出塔に供給し該抽出塔から抽出物を排出させるという操作を繰り返し行い、最終段階の抽出塔から排出された抽出物を回収する抽出法をいう。抽出は常圧下でも、加圧下でもよい。
抽出条件は、抽出源であるコーヒー及び大豆の性状に依存するが、抽出温度は好ましくは55℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上、より更に好ましくは80℃以上、より更に好ましくは90℃以上であり、そして、好ましくは190℃以下、より好ましくは170℃以下、更に好ましくは150℃以下、より更に好ましくは130℃以下、より更に好ましくは110℃以下である。
抽出圧力(ゲージ圧)は、抽出効率の観点から、好ましくは0.1MPa以上、より好ましくは0.15MPa以上、更に好ましくは0.2MPa以上であり、そして、好ましくは1.5MPa以下、より好ましくは1.4MPa以下、更に好ましくは1.3以下である。
また、内燃機関の冷却経路詰まり防止の観点から、冷却液に不溶な成分をフィルター等によって除去することが好ましく、濾紙や濾布を用いて濾過することがより好ましい。
コーヒー抽出物及び大豆抽出物の乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等が挙げられる。乾燥物の形態としては、粉末状、粒状等が挙げられる。
コーヒー抽出物及び大豆抽出物には、種々の異なる構造を有するポリフェノールが含まれる。ポリフェノールは、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基を有する化合物の総称である。
コーヒー抽出物から得られるポリフェノールとしては、クロロゲン酸類、タンニン類等が挙げられる。クロロゲン酸類としては、モノカフェオイルキナ酸、フェルラキナ酸、ジカフェオイルキナ酸等が挙げられ、タンニン類としては、タンニン酸、プロアントシアニジン、ガロタンニン、エラグタンニン等が挙げられる。
大豆抽出物から得られるポリフェノールとしては、イソフラボン、アントシアニン、サポニン等が挙げられる。
(化合物(A)と抽出物(B)の質量比)
本発明の粘度特性改良剤における、化合物(A)と抽出物(B)の質量比[(A)/(B)]は、低温時及び高温時において好適なせん断粘度とし、内燃機関の燃費を向上させる観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは1以上であり、そして、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下、より更に好ましくは15以下、より更に好ましくは10以下である。
[冷却液用添加剤組成物]
本発明の冷却液用添加剤組成物は、本発明の粘度特性改良剤を含有する。
本発明の冷却液用添加剤組成物は、少なくとも、化合物(A)及び抽出物(B)を含有しておればよく、化合物(A)及び抽出物(B)からなる粘度特性改良剤を添加するだけでなく、化合物(A)及び抽出物(B)を別々に配合して調製することもできる。
本発明の冷却液用添加剤組成物における、化合物(A)と抽出物(B)の質量比[(A)/(B)]は、本発明の粘度特性改良剤と同様に、低温時及び高温時において好適なせん断粘度とし、内燃機関の燃費を向上させる観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは1以上であり、そして、好ましくは40以下、より好ましくは30以下、更に好ましくは20以下、より更に好ましくは15以下、より更に好ましくは10以下である。
本発明の冷却液用添加剤組成物において、含有させる各種の粘度特性改良剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、本発明の冷却液用添加剤組成物は、冷却液に不凍性や防食性等の各種効果を与える添加剤を含有することが好ましい。
本発明の冷却液用添加剤組成物は、冷却液を調製する際の作業性の観点から、さらに水を含有することが好ましい。水としては、特に限定されず、イオン交換水、逆浸透膜処理水(RO水)、蒸留水、純水、超純水等を用いることができる。これらの中では、入手容易性の観点、並びに長期保管時及び冷却液としての使用時における硬度成分の析出抑制の観点から、イオン交換水が好ましい。
本発明の冷却液用添加剤組成物は、化合物(A)及び抽出物(B)以外のアルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物から選ばれる1種以上(以下、「(C)成分」ともいう)を更に含有することができる。
「前記化合物(A)及び抽出物(B)以外のアルカリ金属塩」とは、アルカリ金属塩のうち、化合物(A)又は抽出物(B)に該当するものは除くという意味である。
なお、(C)成分は、予め、化合物(A)及び/又は抽出物(B)と混合して用いてもよく、その場合、化合物(A)及び/又は抽出物(B)に、アルカリ金属水酸化物を、中和当量を超えて過剰量添加した態様で用いてもよい。
アルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物に含まれるアルカリ金属は、低温時及び高温時において好適なせん断粘度とし、内燃機関の燃費を向上させる観点から、好ましくはリチウム、ナトリウム、及びカリウムから選ばれる1種以上であり、より好ましくはナトリウム及びカリウムから選ばれる1種以上であり、更に好ましくはカリウムである。
化合物(A)及び抽出物(B)以外のアルカリ金属塩としては、無機酸又は有機酸のアルカリ金属塩、及びトリアゾール又はチアゾールのアルカリ金属塩から選ばれる1種以上が好適に挙げられる。
無機酸のアルカリ金属塩としては、亜硝酸、硝酸、モリブテン酸、次亜塩素酸、硫酸、炭酸、塩酸、リン酸、ケイ酸、ホウ酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。
有機酸のアルカリ金属塩としては、安息香酸、p−トルイル酸、p−tert−ブチル安息香酸等の芳香族カルボン酸のアルカリ金属塩;ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、オレイン酸等の脂肪族モノカルボン酸のアルカリ金属塩;アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、クエン酸等の脂肪族多価カルボン酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。
トリアゾールやチアゾールのアルカリ金属塩としては、ベンゾトリアゾールのアルカリ金属塩等が挙げられる。
上記のアルカリ金属塩の中では、低温時及び高温時の冷却液組成物のせん断粘度を好適な範囲とし、内燃機関の燃費を向上させる観点から、好ましくは脂肪族多価カルボン酸のアルカリ金属塩であり、より好ましくはセバシン酸のアルカリ金属塩、更に好ましくは、セバシン酸ジカリウム塩である。
本発明の冷却液用添加剤組成物に用いられるアルカリ金属水酸化物としては、特に限定されず、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選ばれる1種以上が好適に挙げられる。上記のアルカリ金属水酸化物の中では、低温時及び高温時の冷却液組成物のせん断粘度を好適な範囲とし、内燃機関の燃費を向上させる観点、及び水を含有する際の保存安定性の観点から、水酸化カリウムが好ましい。
本発明の冷却液用添加剤組成物は、化合物(A)、抽出物(B)、及びその他の成分を混合し、必要に応じ加熱、攪拌することにより得ることができる。各成分を配合する順序は特に制限されない。
(各成分の含有量)
本発明の冷却液用添加剤組成物における化合物(A)及び抽出物(B)の合計含有量は、低温時及び高温時の冷却液組成物のせん断粘度を好適な範囲とし、内燃機関の燃費を向上させる観点から、冷却液用添加剤組成物中に、好ましくは1質量%以上であり、輸送効率及び貯蔵効率の観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは100質量%である。また、冷却液として調製する際の作業性の観点から、化合物(A)及び抽出物(B)の合計含有量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下である。
化合物(A)と抽出物(B)は、冷却液として好適なせん断粘度を得る観点から、両者が混合して均一溶解又は均一分散した一つの形態になっていることが好ましいが、個別に又は複数種の比率に予め混合したものを調製し、所望のせん断粘度になる質量比で冷却液に添加してもよい。
本発明の冷却液用添加剤組成物における水の含有量は、冷却液に調製する際の作業性の観点から、冷却液用添加剤組成物中に、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは75質量%以上であり、輸送効率及び貯蔵効率の観点から、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、より更に好ましくは60質量%以下である。
化合物(A)及び抽出物(B)以外のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ金属水酸化物の含有量は、用いる粘度特性改良剤との組み合わせにおいて、低温時及び高温時の冷却液組成物のせん断粘度を好適な範囲とし、内燃機関の燃費を向上させる観点、及び水を含有する際の保存安定性の観点から、冷却液用添加剤組成物中に、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは0.1質量%以上であり、そして、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.4質量%以下、より更に好ましくは0.3質量%以下である。
また、化合物(A)及び抽出物(B)以外のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ金属水酸化物を含有することにより、冷却液用添加剤組成物のpHを調整することができ、水を含有する際の保存安定性の観点から、25℃におけるpHは、好ましくは8以上、より好ましくは9以上であり、そして、好ましくは11以下、より好ましくは10以下である。
本発明の冷却液用添加剤組成物は、上述したように粘度特性改良剤の成分として化合物(A)及び抽出物(B)を含むことにより、冷却液のせん断粘度を好適な範囲とし、内燃機関の燃費を向上させることが可能となる。
25℃におけるせん断粘度を高くしたい場合には、粘度特性改良剤の含有量を増加させる方法、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ金属水酸化物の含有量を調整する方法等により達成することができ、また100℃におけるせん断粘度を低くしたい場合には、粘度特性改良剤の含有量を減少させる方法、アルカリ金属塩及び/又はアルカリ金属水酸化物の含有量を調整する方法等により達成することができる。
(防錆剤等)
本発明の冷却液用添加剤組成物には、エンジン冷却液経路に使用されている金属の腐食を効果的に抑制するため、化合物(A)及び抽出物(B)以外の少なくとも1種以上の防錆剤を冷却液の粘度に影響を与えない範囲で含ませることができる。防錆剤としては、リン酸及びその塩、脂肪族カルボン酸及びその塩、芳香族カルボン酸及びその塩、トリアゾール類、チアゾール類、ケイ酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、ホウ酸塩、モリブテン酸塩、及びアミン塩から選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。防錆剤の含有量は、冷却液用添加剤組成物中の化合物(A)及び抽出物(B)の合計質量100質量部に対して、好ましくは0質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上、より更に好ましくは25質量部以上であり、そして、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは50質量部以下、より更に好ましくは40質量部以下である。
本発明の冷却液用添加剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、更にその他の添加剤を配合することができる。その他の添加剤としては、例えば、増粘剤、pH調整剤、消泡剤、着色剤、苦味剤等が挙げられる。
増粘剤としては、高分子多糖類や水溶性樹脂等が好ましい。高分子多糖類としては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム等が挙げられ、水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、アラビアゴム等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン系又はポリエーテル系のもの等が挙げられる。
前記その他の添加剤の合計配合量は、冷却液用添加剤組成物100質量部に対して、通常10質量部以下、好ましくは5質量部以下である。
本発明の冷却液用添加剤組成物は、車両、船舶、航空機、発電機、冷暖房システムの内燃機関及び電池スタック等の冷却液に用いることができる。これらの中では、内燃機関用の冷却液に用いることが好ましい。
ここで、内燃機関とは、燃料をシリンダー内で燃焼させ、燃焼ガスを直接作動流体として用いて、その熱エネルギーによって仕事をする原動機であり、容積型のピストンエンジンやロータリーエンジン、速度型のガスタービンエンジンやジェットエンジン等が挙げられる。これらの中では、自動車のピストンエンジンやロータリーエンジン用であることが好ましい。
[冷却液、冷却液組成物]
本発明の冷却液用添加剤組成物の冷却液への添加量は、低温時及び高温時の冷却液組成物のせん断粘度を好適な範囲とし、内燃機関の燃費を向上させる観点から、冷却液組成物100質量部に対し、化合物(A)及び抽出物(B)の合計量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.03質量%以上、より更に好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは0.15質量%以上、より更に好ましくは0.25質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
本発明の冷却液用添加剤組成物を含有する冷却液は、低温時の冷却損失を抑制する観点から、−30℃におけるせん断粘度は、好ましくは120mPa・s以上、より好ましくは130mPa・s以上、更に好ましくは140mPa・s以上、より更に好ましくは150mPa・s以上であり、内燃機関冷却用のウォーターポンプへの負荷を低減し、内燃機関の燃費悪化を抑制する観点から、好ましくは400mPa・s以下、より好ましくは350mPa・s以下、更に好ましくは300mPa・s以下、より更に好ましくは280mPa・s以下である。
冷却液の25℃におけるせん断粘度は、上記と同様の観点から、好ましくは20mPa・s以上、より好ましくは30mPa・s以上、更に好ましくは35mPa・s以上、より更に好ましくは40mPa・s以上であり、そして、好ましくは180mPa・s以下、より好ましくは160mPa・s以下、更に好ましくは140mPa・s以下、より更に好ましくは120mPa・s以下、より更に好ましくは110mPa・s以下である。
本発明の冷却液用添加剤組成物を含有する冷却液は、高温時の冷却能力が維持され、オーバーヒートを防ぐ観点から、100℃におけるせん断粘度は、好ましくは0.2mPa・s以上、より好ましくは0.4mPa・s以上、更に好ましくは0.6mPa・s以上であり、そして、好ましくは2.0mPa・s以下、より好ましくは1.8mPa・s以下、更に好ましくは1.6mPa・s以下、より更に好ましくは1.4mPa・s以下である。
内燃機関用冷却液に用いられる基剤は、一価アルコール、二価アルコール、三価アルコール等のアルコール及びグリコールモノアルキルエーテルから選ばれる少なくとも1種のアルコール類及び/又は水からなる。
内燃機関用冷却液は、不凍性を有する基剤を含むことが好ましいが、不凍性が必要とされない場合には、基剤は水単独であってもよい。
一価アルコールとしては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等の好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは1〜3の一価アルコールが挙げられ、これらの中から選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
二価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール等の好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは2〜3の二価アルコールが挙げられ、これらの中から選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
三価アルコールとしては、例えばグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、5−メチル−1,2,4−ヘプタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール等の好ましくは炭素数3〜6、より好ましくは3の三価アルコールが挙げられ、これらの中から選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
グリコールモノアルキルエーテルのアルキル基の炭素数は1〜4が好ましく、1〜2がより好ましく、グリコールの炭素数は2〜6が好ましく、2がより好ましい。グリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられ、これらの中から選ばれる1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
前記基剤の中でも、取り扱い性、価格、入手容易性の観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、及び水から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、エチレングリコールと水とを含むことがより好ましい。
前記基剤として用いる水としてはイオン交換水が好ましい。
(配合組成)
冷却液、特に内燃機関用冷却液100質量部中、基剤の含有量は、冷却液として機能させる観点から、好ましくは50質量部以上、より好ましくは75質量部以上、更に好ましくは80質量部以上、より更に好ましくは90質量部以上である。
冷却液、特に内燃機関用冷却液100質量部中、前記アルコール類、好ましくはエチレングリコールの含有量は、不凍性の観点から、好ましくは1〜99.85質量部、より好ましくは10〜95質量部、更に好ましくは25〜89質量部、より更に好ましくは25〜74質量部である。
冷却液、特に内燃機関用冷却液100質量部中、水の含有量は、好ましくは0.1〜99.85質量部、より好ましくは0.3〜95質量部、更に好ましくは10〜74質量部、より更に好ましくは25〜74質量部である。
基剤が水とアルコール類を含む場合、水とアルコール類の配合割合については、不凍性、引火性を考慮し、任意に調整できる。基剤中の水とアルコール類の質量割合は、引火点を発生することを回避する観点から、好ましくは20:80〜90:10(水:アルコール類)、より好ましくは40:60〜75:25である。
冷却液、特に内燃機関用冷却液は、基剤、本発明の粘度特性改良剤、必要により防錆剤、並びに必要により防錆剤以外のその他の添加剤を混合して得られるものが好ましい。その他の添加剤としては、pH調整剤、消泡剤、着色剤等が挙げられ、動粘度等に影響を与えない範囲で適宜添加することができる。冷却液、特に内燃機関用冷却液は、各成分を混合後、好ましくは60℃以上、より好ましくは80℃以上、そして、好ましくは100℃以下に、加熱し、必要に応じ攪拌し、溶解させた後、室温(20℃)まで、冷却することで得られるものであることがより好ましい。
合成例1(化合物(A)の合成)
1−ドコサノール(東京化成工業株式会社製)のエトキシレート(エチレンオキシド平均付加モル数4.0)を反応温度110℃でスルファミン酸(スルファミン酸/エトキシレートのモル比:1.10)で硫酸化反応を行った。
得られたポリオキシエチレンベヘニルエーテル硫酸化物256gを48質量%水酸化ナトリウム水溶液で中和後、窒素流入下80℃で加熱し、脱アンモニアを行い、水でポリオキシエチレンベヘニルエーテル硫酸ナトリウム塩濃度が13質量%になるように調整し、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル硫酸ナトリウム塩(C2245O−(CHCHO)−SONa:化合物(A))を合成した。
実施例1〜15、及び比較例1(冷却液用添加剤組成物1〜16の製造)
化合物(A)及び抽出物(B)からなる粘度特性改良剤とイオン交換水を表1に示す有効分になるように配合し、冷却液用添加剤組成物1〜16を製造した。
使用した抽出物(B)は以下のようにして、調製した。
・抽出物(B−1)
300mLガラスビーカーにネスカフェ ゴールドブレンド レギュラーソリュブルコーヒー(ネスレ日本株式会社製)20g、90℃に加熱した水200mLを加え、回転子(フッ素樹脂(PTFE)、φ8mm×25mm)を用いて回転数300rpmで10分間撹拌し、メンブレンフィルター(親水性PTFEタイプ、孔径0.50μm、東洋濾紙株式会社製)でろ過を行い、ロータリーエバポレーターを用いて得られた抽出液から水を除去し、コーヒー抽出物19.2gを得た。
・抽出物(B−2)
ザ・ブレンド117(UCC上島珈琲株式会社製)を用いて、抽出物(B−1)と同様の方法でコーヒー抽出物19.6gを得た。
・抽出物(B−3)
ドリップ オン キリマンジャロブレンド(キーコーヒー株式会社製)を90℃に加熱した水200mLを用いて2分間でドリップし、ロータリーエバポレーターを用いて得られた抽出液から水を除去し、コーヒー抽出物0.5gを得た。
・抽出物(B−4)
ドリップ オン モカブレンド(キーコーヒー株式会社製)を用いて、抽出物(B−3)と同様の方法でコーヒー抽出物0.4gを得た。
・抽出物(B−5)
香り炒り豆、モカブレンド(UCC上島珈琲株式会社製)をファイバーミキサー(品番MX−X58、パナソニック株式会社製)で180秒間粉砕した。300mLガラスビーカーに得られた粉体20g、90℃に加熱した水200mLを加え、その後、抽出物(B−1)の製造と同様にして、コーヒー抽出物0.7gを得た。
・抽出物(B−6)
炒り豆、ゴールドスペシャル リッチブレンド(UCC上島珈琲株式会社製)を用いて、抽出物(B−5)と同様の方法でコーヒー抽出物0.7gを得た。
・抽出物(B−7)
香り炒り豆、モカブレンド(UCC上島珈琲株式会社製)をファイバーミキサー(品番MX−X58、パナソニック株式会社製)で30秒間粉砕した。300mLガラスビーカーに得られた粉体20g、90℃に加熱した水200mLを加え、その後、抽出物(B−1)の製造と同様にして、コーヒー抽出物0.5gを得た。
・抽出物(B−8)
香り炒り豆、モカブレンド(UCC上島珈琲株式会社製)をファイバーミキサー(品番MX−X58、パナソニック株式会社製)で180秒間粉砕した。300mLガラスビーカーに得られた粉体20g、60℃に加熱した水200mLを加え、その後、抽出物(B−1)の製造と同様にして、コーヒー抽出物0.7gを得た。
・抽出物(B−9)
大豆サポニン80(株式会社アクセスワン製)
・抽出物(B−10)
300mLガラスビーカーにダイズラボ 大豆粉(マルコメ株式会社製)20g、90℃に加熱した水200mLを加え、その後、ろ過を硬質濾紙(No.4A、東洋濾紙株式会社製)で行った以外は抽出物(B−1)の製造と同様にして、大豆抽出物9.0gを得た。
・抽出物(B−11)
豆印、大玉大豆(サンコク製)を用いて、抽出物(B−10)と同様の方法で大豆抽出物10.0gを得た。
応用例1〜15、比較応用例1〜2
(1)濃縮冷却液組成物の製造
セバシン酸(小倉合成工業株式会社製)、水酸化カリウム(株式会社大阪ソーダ製、47%希釈品)、エチレングリコール(丸善石油化学株式会社製)及び水(オルガノ株式会社製、純水装置G−10DSTSETで製造した1μS/cm以下の純水)を室温で混合し、混合時の有効分が、セバシン酸4質量%、水酸化カリウム2質量%、エチレングリコール92質量%、及び水2質量%である濃縮冷却液組成物を得た。
(2)冷却液組成物の製造
上記(1)で得られた濃縮冷却液組成物と、実施例1〜15、比較例1で得られた冷却液用添加剤組成物1〜16、及び水を用いて、表2に示す割合で混合し、冷却液組成物を得た。得られた冷却液組成物のせん断粘度を下記に示す方法で測定した。結果を表2に示す。
<せん断粘度の測定>
応用例及び比較応用例で調製した冷却液組成物を用いて、測定温度に設定した恒温槽で1時間静置させた後に、アントンパール社製レオメーター(MCR−302形)、アタッチメント(CP50−1)を用いて、回転速度22/sで測定(測定時間:5秒、測定温度:−30℃、25℃又は100℃)し、せん断粘度を測定した。
表2から、本発明の粘度特性改良剤及び冷却液用添加剤組成物を含有する冷却液(応用例1〜15)は、極低温(−30℃)におけるせん断粘度が120mPa・s以上400mPa・s以下、特に140mPa・s以上350mPa・s以下であり、低温(25℃)におけるせん断粘度が20mPa・s以上180mPa・s以下、特に35mPa・s以上110mPa・s以下であるため、内燃機関等への負荷を低減し、内燃機関の燃費悪化を抑制することができることが分かる。また、高温(100℃)におけるせん断粘度が0.2mPa・s以上2.0mPa・s以下、特に0.5mPa・s以上1.6mPa・s以下であるため、高温時の冷却能力が維持され、オーバーヒートを防ぐことができる。
本発明の粘度特性改良剤及び冷却液用添加剤組成物は、自動車、作業用車両(トラック、重機等)等の車両、船舶、航空機、発電機、冷暖房システムの内燃機関(ハイブリッドシステムを含む)及び電池スタックの冷却に好適に使用される。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表される化合物(A)、及びコーヒー抽出物及び大豆抽出物から選ばれる1種以上の抽出物(B)からなる粘度特性改良剤。

    [式中、Rは直鎖又は分岐鎖の炭素数12以上24以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、mはROの平均付加モル数を示し1以上15以下であり、Mは陽イオン又は水素原子を示す。]
  2. 化合物(A)と抽出物(B)の質量比[(A)/(B)]が0.1以上40以下である、請求項1に記載の粘度特性改良剤。
  3. 請求項1又は2に記載の粘度特性改良剤を含有する冷却液用添加剤組成物。
  4. さらに水を含有する、請求項3に記載の冷却液用添加剤組成物。
  5. さらに化合物(A)及び抽出物(B)以外のアルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物から選ばれる1種以上を含有する、請求項3又は4に記載の冷却液用添加剤組成物。
  6. 少なくとも、化合物(A)及び抽出物(B)を配合してなる、請求項3〜5のいずれかに記載の冷却液用添加剤組成物。
  7. 冷却液が内燃機関用冷却液である、請求項3〜6のいずれかに記載の冷却液用添加剤組成物。
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