JP2019107221A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】現在の設定に応じた大当り判定を効率よく実行することができる技術の提供。【解決手段】主制御CPU72は、大当り判定選択テーブルのアドレスと事前にロードされた確率状態フラグの値に基づいて確率状態に応じた大当り判定選択テーブルのアドレスを算出し(S2304,S2306)、次に設定フラグをロードし(S2308)算出されたアドレスと設定フラグの値に基づいて現在の設定に応じた大当り判定テーブルのアドレスを算出する(S2310)。事前にロードされた乱数値が大当り判定テーブルに定義されている下限値以上かつ上限値以下であれば(S2312:Yes,S2314:Yes)、主制御CPU72は「大当り(01H)」を戻り値とし(S2316)、そうでなければ(S2312:No,S2314:No)「はずれ(00H)」を戻り値として(S2318)、呼び出し元の処理に復帰する。【選択図】図16

Description

本発明は、遊技の中で抽選を実行する遊技機に関する。
従来、この種の遊技機として、特別図柄の大当り判定における当選確率に関する設定を変更する機能が搭載された遊技機が知られている。例えば、当選確率をn段階に設定可能に設けられ、n段階に対応してn種類の当否判定テーブルが予め用意されており、保留記憶の消費時(当該変動時)には、その保留記憶に係る大当り用乱数と最新の確率設定に応じた当否判定用テーブルとに基づいて特別図柄の大当り判定を実行する遊技機が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2017−109084号公報
上述した先行技術によれば、当該変動時に現在の設定に応じた特別図柄の大当り判定を行うことができると考えられる。
ところで、このような遊技機にて、保留記憶が新たに追加された際に先読み処理を実行する場合には、当該変動時における場合と同様に現在の設定に応じた特別図柄の大当り判定を行う必要があるが、それぞれの場合における大当り判定を異なる制御により実装すると、制御が煩雑化し効率がよくない。
そこで、本発明は、現在の設定に応じた大当り判定を効率よく実行することができる技術の提供を課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の括弧書中の文言はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明は、以下の解決手段に示す各発明特定事項を少なくとも1つ含む発明とすることができる。さらに、以下の解決手段に示す各発明特定事項には、発明特定事項を限定する要素を追加して下位概念化することができ、発明特定事項を限定する要素を削除して上位概念化することもできる。
解決手段1:本解決手段の遊技機は、遊技中に抽選契機が発生すると、大当りに当選したか否かを抽選する所定の抽選の実行に必要な抽選要素を取得する抽選要素取得手段と、取得された前記抽選要素を記憶する抽選要素記憶手段と、前記所定の抽選の当選確率に関する設定を複数種類のうちいずれかに変更可能な設定変更手段と、前記抽選要素が新たに取得されると、前記抽選要素が新たに取得されると、当該取得された抽選要素について、少なくとも大当りに当選する抽選要素であるか否かを事前に判定する事前判定手段と、所定の始動条件が満たされた状態で前記抽選要素が記憶されている場合、前記抽選要素に基づいて前記所定の抽選を実行する抽選実行手段と、前記事前判定手段による判定及び前記抽選実行手段による抽選の実行のいずれに対しても、前記設定に応じた当選確率を適用させる設定適用手段とを備える。
本解決手段の遊技機は、以下の構成を備えている。
(1)遊技中に抽選契機が発生すると(始動入賞口に遊技球が入球すると)、大当りに当選したか否かを抽選する所定の抽選(特別図柄抽選)の実行に必要な抽選要素(特別図柄の大当り乱数)が取得される。
(2)上記(1)で取得された抽選要素が記憶される。抽選要素(保留)は、例えば所定の上限数まで(1つの図柄につき4個まで)記憶することができる。
(3)上記(2)の所定の抽選の当選確率に関する設定は、複数種類(例えば6種類)の中からいずれかの設定に変更可能に設けられている。
(4)上記(2)の抽選要素が新たに取得されると、事前判定手段によりその抽選要素について上記(1)の所定の抽選に関する事前の判定(先判定処理)が行われる。事前の判定では、その抽選要素に基づく所定の抽選において大当りに当選するか否かが少なくとも判定される。
(5)所定の始動条件(例えば大当り遊技中でなく図柄が変動中・停止表示中でないという条件)が満たされた状態で上記(2)の抽選要素が記憶されている場合、抽選実行手段により抽選要素を用いて上記(1)の所定の抽選が実行される。
(6)上記(4)の事前判定手段により行われる事前の判定、及び、上記(5)の抽選実行手段により実行される抽選のいずれに対しても、設定適用手段により上記(3)の設定に応じた当選確率が適用される。
一般的に、新たな取得された抽選要素に関する演出を実行する際(入賞時、先読み時)には、この抽選要素を用いて行う抽選の結果が事前に判定される。また、この抽選要素に対応して(抽選要素を消費して)特別図柄の変動を開始する際(当該変動時)には、この抽選要素を用いて抽選が実行される。このように、遊技中には複数の場面において、抽選要素を用いて行う抽選の結果(大当りであるか否か)が何らかの形で確認される(大当り判定が実行される)こととなる。ここで、当選確率に関する設定が変更可能とされている場合には、現在の設定に対応する当選確率を適用した抽選の結果を確認する必要があるため、設定の変更が可能でない(設定の機能を備えていない)遊技機と比較してその制御は自ずと複雑なものとなる。また、こうした制御を入賞時と当該変動時とで個別に実装すると、制御はさらに複雑化してしまう。
これに対し、本解決手段においては、事前判定手段により行われる事前の判定に対しても、また抽選実行手段により実行される所定の抽選に対しても、現在の設定に応じた当選確率が共通の手段(事前判定手段)によって決定される。したがって、本解決手段によれば、入賞時と当該変動時とで現在の設定に応じた当選確率を適用する制御を個別に実装することなく、共通の手段を用いて適切な当選確率が適用することができるため、現在の設定に応じた大当り判定を効率よく実行することができる。
解決手段2:本解決手段の遊技機は、解決手段1において、前記設定変更手段は、前記所定の抽選において少なくとも所定の確率で当選が得られる低確率状態又は前記低確率状態に比較して高い確率で当選が得られる高確率状態の少なくとも一方に関して予め規定された複数種類の当選確率のうちいずれかに対応する前記設定に変更可能であり、前記設定適用手段は、前記低確率状態又は前記高確率状態のいずれかに該当する遊技状態と前記設定とに応じた前記当選確率を適用させるに際し、前記遊技状態を前記設定に先行して参照する。
本解決手段では、以下の特徴が追加される。
(7)上記(3)の複数種類の各設定は、低確率状態又は高確率状態の少なくとも一方に関して予め規定された複数種類の各当選確率に対応している。ここで、低確率状態とは、上記(1)の所定の抽選において少なくとも所定の確率で当選が得られる遊技状態のことであり、高確率状態とは、低確率状態に比較して高い確率で当選が得られる遊技状態のことである。言い換えると、低確率状態における当選確率は高確率状態における場合よりも低く、また、高確率状態における当選確率医は低確率状態における場合よりも高い。
(8)上記(6)で適用され得る当選確率は、上記(7)の設定の種類毎に予め規定されているのに加え、遊技状態(低確率状態又は高確率状態)によっても異なる値が予め規定されており、当選確率の適用は、遊技状態と適用される設定とに応じて行われる。また、当選確率を決定するに当たっては、設定(設定フラグ)よりも先に遊技状態(確率状態フラグ)が参照される。
低確率状態と高確率状態とでは当選確率が異なり、高確率状態においては低確率状態よりも高い当選確率(例えば低確率状態における場合の約10倍程度の当選確率)が適用される。そのため、当選確率に関する設定が変更可能とされている場合には、現在の設定とともに遊技状態も踏まえた当選確率を適用して大当り判定を実行する必要がある。
本解決手段においては、低確率状態又は高確率状態の少なくとも一方に関して複数種類の当選確率が予め規定されており、各当選確率にいずれかの設定が対応している。また、現在の設定と遊技状態とに応じて当選確率を適用させる際には、先ず遊技状態が参照され、その後で設定が参照される。したがって、本解決手段によれば、遊技状態と現在の設定とを段階的に参照することにより対象となる当選確率の規定を徐々に絞り込みながら効率よく参照することができる。したがって、本解決手段によれば、共通の手段(事前判定手段)による当選確率の適用が遊技状態及び設定に基づいて効率的になされるため、現在の設定に応じた大当り判定をさらに効率よく実行することができる。
本発明によれば、現在の設定に応じた大当り判定を効率よく実行することができる。
パチンコ機の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 遊技盤ユニットを単独で示す正面図である。 パチンコ機に装備された盤面ランプについて示す図である。 遊技盤ユニットの一部を拡大して示す正面図である。 パチンコ機に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。 設定の値と特別図柄抽選の当選確率との関係を示す図である。 リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(1/2)である。 リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(2/2)である。 電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。 割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。 スイッチ入力イベント処理の手順例を示すフローチャートである。 第1特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 第2特別図柄記憶更新処理の手順例を示すフローチャートである。 取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。 設定別大当り判定処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄大当り判定選択テーブルの構造を説明する図である。 確率状態別の特別図柄大当り判定選択テーブルの構造を説明する図である。 設定別の特別図柄低確時大当り判定テーブルの構造を説明する図である。 設定別の特別図柄高確時大当り判定テーブルの構造を説明する図である。 特別図柄高確時大当り判定テーブルの異なる構成例を説明する図である。 特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。 特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率・高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。 はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。 はずれ時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。 はずれ時変動パターン選択テーブル(特殊区間)の一例を示す図である。 第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。 第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。 大当り時変動パターン選択テーブル(低確率・高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。 大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。 大当り時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。 大当り時変動パターン選択テーブル(特殊区間)の一例を示す図である。 はずれ時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。 特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。 特殊変動管理処理の手順例を示すフローチャートである。 表示出力管理処理の構成例を示すフローチャートである。 大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。 大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。 特殊変動回数設定処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。 小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。 小当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。 非時間短縮状態でのゲームフローについて説明する図である。 時間短縮状態でのゲームフローについて説明する図である。 特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。 大当り(当選)時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。 チャレンジボーナス演出の演出例を示す図である。 お宝チャレンジ演出の演出例を部分的に示す連続図である。 花火ラッシュの演出例を示す連続図である。 花火ボーナス演出の演出例を部分的に示す連続図である。 ノーマルボーナス演出の演出例を部分的に示す連続図である。 海岸モードの演出例を示す連続図である。 設定示唆演出の第1演出例について示す連続図である(1/4)。 設定示唆演出の第1演出例について示す連続図である(2/4)。 設定示唆演出の第1演出例について示す連続図である(3/4)。 設定示唆演出の第1演出例について示す連続図である(4/4)。 設定示唆演出の第2演出例について示す連続図である。 設定示唆演出の第3演出例について示す連続図である(1/2)。 設定示唆演出の第3演出例について示す連続図である(2/2)。 演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。 作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 設定示唆演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 設定示唆演出の第1演出例の演出パターン選択テーブルの構成例を示す図である。 設定示唆演出の第2演出例の点灯パターン選択テーブルの構成例を示す図である。 設定示唆演出の第3演出例の動作パターン選択テーブルの構成例を示す図である。 演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。 演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。 大当り時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。 はずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。 モード演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。 可変入賞装置作動時処理の構成例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
ここで、本明細書では、パチンコ機1に相対するようにして着席した遊技者から見て左側を左とし、遊技者から見て右側を右とし、遊技者から見て上側を上とし、遊技者から見て下側を下とし、遊技者から見て手前側を前とし、遊技者から見て奥側を後として説明している。
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
また、受皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(操作入力受付手段)が設置されている。演出切替ボタン45は、複数種類の操作(1回押下、複数回押下、連打、長押し等)が可能であり、操作入力を受け付ける。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作(操作入力)することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
さらに、演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(操作入力受付手段、回転型セレクター)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示器42に表示される演出内容を変化させることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
主制御基板ユニット170には、主制御装置が内蔵されており、主制御装置には、RAMクリアスイッチ71、設定変更スイッチ83及び設定用鍵穴208が設けられている。RAMクリアスイッチ71は、RAMクリア、すなわち主制御装置内に装備されているRAM(RWM)の初期化を行う際に用いられるスイッチである。設定変更スイッチ83は、パチンコ機1の遊技に関する設定を変更する際に用いられるスイッチである。また、設定用鍵穴208は、設定の変更/参照を行う上で必要とされる設定キーを差し込むための鍵穴である。なお、設定の変更に関しては、別の図面を参照しながらさらに後述する。
RAMクリアスイッチ71及び設定変更スイッチ83は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースの外側から押下可能に設けられている。また、設定用鍵穴208は、キーシリンダが透明ケースを貫通した状態(透明ケースがキーシリンダの周囲を囲んだ状態)で設けられているため、透明ケースが封止されたままの状態で設定キーを差し込み、回転させることが可能である。
なお、図2に示したRAMクリアスイッチ71、設定変更スイッチ83及び設定用鍵穴208の配設位置は、飽くまで一例である。また、RAMクリアスイッチ71、設定変更スイッチ83及び設定用鍵穴208は、主制御装置の外側に設けられて主制御装置に接続される構成としてもよい。
また、主制御装置には、性能表示モニタ220が接続されている。性能表示モニタ220は、パチンコ機1を裏側から見て、主制御基板ユニット170の左上の領域で視認可能なように主制御装置に配置されており、4個の7セグメントLEDを備えている。4個の7セグメントLEDは左右方向に並べて配置されており、それぞれの7セグメントLEDは、10進数のアラビア数字を表示することができる7つのセグメントと、その右下に位置するドットセグメントとによって構成されている。性能表示モニタ220は、主制御基板ユニット170を覆っている透明ケースを通じて、視認可能である。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域8aが形成されている。
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、この演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率非時間短縮状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)であり、遊技領域8aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、低確率時間短縮状態、高確率時間短縮状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域、特定の領域)である。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に中始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。
このうち、中始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されている。
また、第2可変入賞装置31、始動ゲート20、第1可変入賞装置30及び可変始動入賞装置28は、遊技領域8aの右側部分に、上からこの順番で配置されている。
左側の3つの普通入賞口22は遊技領域8aの左側部分に配置されており、右側の1つの普通入賞口24(所定入賞口)は、始動ゲート20と第1可変入賞装置30との間に配置されている。
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で中始動入賞口26、普通入賞口22,24に入球したり、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したり、始動ゲート20を通過したり、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球したり、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球したりする。
ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に中始動入賞口26に入球するか、普通入賞口22に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球するか、始動ゲート20を通過するか、普通入賞口24に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の可変始動入賞装置28に入球する可能性がある。
始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、中始動入賞口26、普通入賞口22,24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、中始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
一方、可変始動入賞装置28や、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31、普通入賞口24に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って右始動入賞口28a(始動入賞口)への入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、1つの開閉部材28bを有しており、開閉部材28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。開閉部材28bは先端が上を向いた状態で閉止位置にあり、このとき右始動入賞口28aへの入球は不能(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、開閉部材28bは閉止位置から開放位置に向けて変位し(右方向に倒れこみ)、右始動入賞口28aを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、右始動入賞口28aへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28bは始動入賞口28aへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(例えば、第1特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合、特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合、第2特別図柄が「5ラウンド通常図柄」又は「5ラウンド確変図柄」の態様で停止表示された場合)に作動し、第1大入賞口30b(上大入賞口)への入賞を可能にする(特別電動役物、第1特別入賞事象発生手段)。
第1可変入賞装置30は、1つの開閉部材30aを有しており、開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。開閉部材30aは先端が上を向いた状態で閉止位置にあり、このとき第1大入賞口30bへの入球は不能(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aは閉止位置から開放位置に向けて変位し(左方向に倒れこみ)、第1大入賞口30bを開放する。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の入球が可能な状態となり、第1大入賞口30bへの入球を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。
第2可変入賞装置31は、特別な条件が満たされた場合(例えば、第2特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合(第2特別図柄が「5ラウンド通常図柄」又は「5ラウンド確変図柄」の態様で停止表示された場合を除く。))に作動し、第2大入賞口31b(下大入賞口)への入賞を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。
第2可変入賞装置31は、1つの開閉部材31aを有しており、開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。開閉部材31aは先端が上を向いた状態で閉止位置にあり、このとき第2大入賞口31bへの入球は不能(遊技球が入球できる隙間がない状態)となっている。一方、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aは閉止位置から開放位置に向けて変位し(左方向に倒れこみ)、第2大入賞口31bを開放する。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の入球が可能な状態となり、第2大入賞口31bへの入球を発生させることができる。なお、このとき開閉部材31aは第2大入賞口31bへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。
遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列や構造物の形状は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の右始動入賞口28a)や第1可変入賞装置30(開放時の第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(開放時の第2大入賞口31b)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放中の可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)や第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて上記の演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40f(例えば動物のキャラクター)とともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。これら可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
〔ランプユニット〕
演出ユニット40の左側縁部には、ランプユニット200が設置されている。
ランプユニット200は、6個の表示体201〜206を備えている。6個の表示体201〜206は、液晶表示器42の表示画面の左側中央付近から液晶表示器42の表示画面の左側上部付近に向かって列をなして配置されている。
6個の表示体201〜206には、それぞれ別の動物キャラクターが表示されており、また、それぞれ別の数字の「1」〜「6」が表示されている。表示体の数は、6個未満であっても、7個以上であってもよいが、分かりやすさの観点から、設定の数に対応していることが好ましい。
〔可動役物〕
また、液晶表示器42の下部には、板状の可動役物60が配置されている。
可動役物60は、左側可動体61及び右側可動体62を備えている。
左側可動体61及び右側可動体62は、左側可動体61と右側可動体62とが接近した状態の待機位置から、左側可動体61が左方向に移動し右側可動体62が右方向に移動することにより、左側可動体61と右側可動体62とが離れた状態の可動位置に移動可能である。
また、左側可動体61及び右側可動体62は、それぞれが左右に細かく往復運動することにより、可動役物60がガタガタと振動しているかのような開閉動作を行うことができる。
左側可動体61及び右側可動体62の下方には、不図示の可動役物用モータ及び移動機構(ラック、ピニオン、複数のギア列等)が配置されており、可動役物用モータを回転させることにより、移動機構を介して、左側可動体61及び右側可動体62を移動させることができる。
ここで、可動役物60は、中始動入賞口26の上方に配置する例で説明しているが、中始動入賞口26の左側や右側、下方等に配置することもできる。
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40kが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40kに案内された遊技球は、その真下にある中始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
〔盤面ランプの詳細〕
図4は、パチンコ機に装備された盤面ランプについて示す図である。
遊技盤ユニット8や演出ユニットには、多数の盤面ランプ53が備えられる。例えば、ランプユニット200の6個の表示体201〜206の内部には、6つのLEDランプ53a,53b,53c,53d,53e,53fが備えられている。また、中始動入賞口26の正面部分にはLEDランプ53gが備えられている。
LEDランプ53a〜53gは、フルカラーLEDランプに対応しており、その点灯状態(点灯色、点灯パターン)を変化させることによって、各表示体は個別の発光による演出動作を行うことができる。なお、特に図示はしていないが、これらのランプ以外にも、演出ユニットや遊技盤面内には多数のLEDランプが配置されている。
図5は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の右側付近)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の左下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、中始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、中始動入賞口26に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、可変始動入賞装置28に遊技球が入球するごとに、右始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で中始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
また、遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図6は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、RAM76の使用禁止領域を除く全領域の初期化を行うためのRAMクリアスイッチ71や、入出力(I/O)ポート79、図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
さらに、主制御装置70には、設定変更装置73、設定変更スイッチ83及び設定キースイッチ210が設けられている。設定変更装置73は、パチンコ機1の遊技に関する設定を切り替える装置である。ここで、遊技に関する設定とは、作動確率の組み合わせをいう。さらに、作動確率とは、条件装置が作動することとなる(大当り遊技が実行されることとなる)特別図柄の組み合わせが表示される確率をいう。設定変更スイッチ83は、設定を切り替える際に用いられる操作部材である。設定キースイッチ210は、設定を切り替える上で必須となる設定キーの回転に伴い、その回転状態を示す信号(ON/OFF)を入力する入力部材である。設定変更装置73は、例えば、設定キーが回転された状態で設定変更スイッチ83が操作されることにより作動する。設定の変更には、様々な手法を採用することができるが、例えば、以下の手順で行うことができる。
(1)まず、専用キー(ドアキー)でパチンコ機1の扉を開ける。具体的には、専用キーをシリンダ錠6aの鍵穴に差し込んで時計回りに回転させ、内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4を開放する。これにより、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出する。
(2)ついで、パチンコ機1の電源をOFFにする。
(3)パチンコ機1の裏側(主制御基板ユニット170)に設けられている設定用鍵穴208に設定キーを差し込んで、時計回りに回転させる。
(4)そして、パチンコ機1の電源をONにする。
(5)これにより、設定キーが変更位置に回転されたことを示す信号(ON)が設定キースイッチ210により入力され、この信号入力に基づいて設定の変更が可能な状態となる。このとき、図示しないロック機構により安全ロックが掛けられる。したがって、設定キーは、元の位置に戻されない限りは抜き取ることが不可能となる。
(6)設定の変更が可能な状態において、設定変更スイッチ83を任意の回数だけ押下することにより、例えば、6段階のうちのいずれかの段階に設定を変更することができる。
設定の値は、例えば、性能表示モニタ220や遊技状態表示装置38(特別図柄表示装置等)に表示することができる。
(7)目的の設定に達したら、設定キーを反時計回りに回転させて元の位置に戻す。この操作により、設定キーが元の位置に戻されたことを示す信号(OFF)が設定キースイッチ210により入力され、この信号入力に基づいて設定の変更が確定する。このとき、設定の値を性能表示モニタ220や遊技状態表示装置38に表示している場合には、その表示が消える。なお、設定変更の確定は、他の操作(例えば、主制御装置70に接続された他の操作手段や、設定変更の確定用に別途設けられたボタンを押下する等)により行ってもよい。
(8)そして、設定キーを設定用鍵穴208から抜き取る。
(9)最後に、パチンコ機1の扉を閉める。これにより、設定の変更が完了する。設定の変更が完了すると、通常の遊技が開始される。
設定が変更された場合、主制御CPU72は、変更後の設定の値をRAM76の設定値保存バッファに記憶する。設定値保存バッファは、バックアップの対象となるメモリ領域とすることができる。例えば、主制御CPU72は、変更後の設定の値をRAM76のフラグ領域に記憶されている設定フラグに上書き保存する。このとき、設定が変更されたか否かに関わらず、設定の変更が確定したことを契機として確定した設定の値を設定フラグに上書き保存してもよい。
なお、ここでは設定変更スイッチ83を押下して設定をいずれかの段階に変更する構成としているが、設定変更スイッチ83を別途設けずに、RAMクリアスイッチ71を兼用する構成としてもよい。この場合、上記の手順(6)において、RAMクリアスイッチ71を任意の回数だけ押下することとなる。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、中始動入賞口26、可変始動入賞装置28(右始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するためのものである。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、その数をカウントするためのものである。
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する第1入賞口スイッチ86と、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する第2入賞口スイッチ81とが装備されている。なお、左側の3つの普通入賞口22については、共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば3つの入賞口スイッチを設置して、各普通入賞口22に対する遊技球の入球を個別に検出してもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
また、遊技盤ユニット8には、アウトスイッチ99が設けられている。遊技盤ユニット8には、普通入賞口22,24、中始動入賞口26、右始動入賞口28a、第1大入賞口30b、第2大入賞口31b、アウト口32を通過した遊技球を合流させる合流通路が形成されており、この合流通路にアウトスイッチ99が設けられている。アウトスイッチ99は、合流通路を通過する遊技球を検出するものであり、遊技球を検出するたびに検出信号が主制御装置70に入力される。主制御装置70は、アウトスイッチ99から入力される検出信号に基づいて、アウト球の数を計数する。ここで、遊技領域8aに発射された遊技球は、必ず、合流通路を通過してパチンコ機1の外部に排出されることから、アウトスイッチ99は、遊技領域8aに発射された発射球数、つまり、遊技領域8aから排出される排出数(アウト球数)を計数する。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また、主制御装置70には、パネル中継端子板87を介して、性能表示モニタ220が接続されている。性能表示モニタ220は、遊技球が各入賞口(始動入賞口、普通入賞口)に入球することによって払い出される賞球数を、遊技領域に発射した遊技球の数を示すアウト数(アウトスイッチ99で検出された遊技球の数)で除算して算出されるベースを表示するためのモニタである。ベースは、遊技を進行させる制御に用いられる使用領域とは別の領域(使用外領域)を用いて予め設定された区間ごとに算出され、現在の区間のベースと、前回の区間のベースとが、予め設定された間隔ごとに切り替わって表示される。性能表示モニタ220は、4個の7セグメントLEDを有しており、その表示動作は主制御CPU72からの制御信号に基づいて制御される。主制御CPU72は、ベースの算出状況に応じて性能表示モニタ220に対する制御信号を出力し、各7セグメントLEDの点灯状態を制御する。
なお、性能表示モニタ220は、パネル中継端子板87を介して主制御装置70に接続する例で説明しているが、パネル中継端子板87を介さずに主制御装置70に接続してもよく、主制御装置70の内部の構成として性能表示モニタ220を配置してもよい。
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90及び第2大入賞口ソレノイド97が設けられている。これらソレノイド88,90,97は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたりする。なお、これらソレノイド88,90,97についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記の一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、上記の内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53(53a〜53g)を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46やガラス枠装飾ランプ48,50,52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここではガラス枠装飾ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受皿ユニット6に受皿電飾基板を設置し、ガラス枠装飾ランプ52については受皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、ガラス枠上スピーカ54,55及び外枠スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、上記のジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、上記の受皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体モータ57及び可動役物用モータ58が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。可動役物用モータ58は、例えば不図示のリンク機構を介して左側可動体61及び右側可動体62を左右に往復運動させる(可動役物60を可動させる)。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53、可動体モータ57及び可動役物用モータ58にそれぞれ印加される。
上記の液晶表示器42は遊技盤ユニット8の裏側に設置されており、遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上記のように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。
図7は、設定の値と特別図柄抽選の当選確率との関係を示す図である。
設定の値が「1」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/319」である。
設定の値が「2」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/299」である。
設定の値が「3」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/279」である。
設定の値が「4」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/259」である。
設定の値が「5」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/239」である。
設定の値が「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、「1/199」である。
設定の値が「1」〜「6」である場合、特別図柄抽選の当選確率(高確率状態)は、「1/32」である。
このように、設定は最大で6段階まで設けることが可能であり、設定の値が大きい値であるほど、特別図柄抽選の当選確率(低確率状態)は、大きな値となっているため、遊技者にとって有利な状況となる。
なお、図示の例では、特別図柄抽選の当選確率は、低確率状態でのみ設定差を設ける例で説明したが、低確率状態に加えて高確率状態でも設定差を設けてもよい。また、設定に関しては、規則により許容されれば、大当り確率以外の項目(例えば、高確率状態への移行率、時間短縮状態への移行率、確変回数、時短回数、特殊変動回数等)に設定差を設けてもよい。
続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図8及び図9は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS115a:主制御CPU72は、設定関連処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、設定値保存バッファに記憶されている設定の値を反映させた設定コマンドを演出制御装置124に送信する処理を実行する。このような処理を実行することにより、電源投入時に、設定の値を反映させた設定コマンドが、主制御装置70から演出制御装置124に送信される。なお、この設定関連処理は、リセットスタート処理だけでなく、割込管理処理等の任意の箇所で実行することができる。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図9に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図11中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図11中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図11)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図10は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図8)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図11は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、第1入賞口スイッチ86、第2入賞口スイッチ81からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、中始動入賞口スイッチ80、右始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、中始動入賞口スイッチ80又は右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,81,82,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
また、主制御CPU72は、賞球払出処理において、演出制御装置124に対して賞球個数の内容を伝達する賞球内容コマンドを出力する。例えば、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対応する第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力された場合、大入賞口の利益に対応する賞球内容コマンドを生成する。また、普通入賞口24に対応する第2入賞口スイッチ81から入賞検出信号が入力された場合、普通入賞口の利益に対応する賞球内容コマンドを生成する。賞球内容コマンドは、演出制御出力処理(図11中ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
〔賞球数及び獲得遊技球数について〕
第1特別図柄の始動口の賞球数及び第2特別図柄の始動口の賞球数は、それぞれ1個以上の規定数に設定されている。また、第1特別図柄の始動口と第2特別図柄の始動口とでは、賞球数を異ならせてもよい。さらに、特別図柄抽選の当選確率や、総獲得遊技球数の期待値(初当りから時間短縮状態が終了するまでの一連の期間に得られる平均出球数)に基づいて、最低賞球数を設定してもよい。さらにまた、特別図柄抽選の当選確率、総獲得遊技球数の期待値、大入賞口の開放回数、大入賞口の開放時間、大入賞口の最大入賞数、大入賞口の賞球数が所定の条件を満たした場合、1回の大当りによる獲得遊技球数が最大の獲得遊技球数の1/4未満となる大当りを設定してもよい。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90及び第2大入賞口ソレノイド97の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお、本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図12は、スイッチ入力イベント処理(図11中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する中始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する右始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口に対応する第1カウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで第1大入賞口カウント処理を実行する。第1大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS21aに進む。
ステップS21a:主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口に対応する第2カウントスイッチ85から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS21bに進んで第2大入賞口カウント処理を実行する。第2大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図11)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図13は、第1特別図柄記憶更新処理(図12中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、第1特別図柄及び第2特別図柄で共通して使用する8つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図12)に復帰する。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図11中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
このとき、リードした大当り決定乱数値を先ず所定のレジスタに一旦セットし、その上でレジスタの値を転送先のアドレス(RAM76内)にセーブしてもよい。或いは、リードした大当り決定乱数値を、所定のレジスタにセットするとともに転送先のアドレスにセーブしてもよい。いずれにしても、ここで大当り決定乱数値を所定のレジスタにセットした場合には、この後で実行される取得時演出判定処理(ステップS37、図15)において、レジスタにセットした大当り決定乱数値を直接参照することができる。すなわち、この場合には、レジスタにセットした乱数値は先読み判定で用いられ、転送先のアドレスにセーブした乱数値は当該変動時の抽選用としてRAM76の乱数記憶領域に記憶されることとなる。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS37:大当り中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理(先読み処理)を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお、上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS39:そして、主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図12)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図14は、第2特別図柄記憶更新処理(図12中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図12)に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図13)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図11中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして、主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図13)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図13)と同様である。
ステップS44:また、主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図13)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる(記憶手段、抽選要素記憶手段)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図13)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして、大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、同じく大当り中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理(先読み処理)を実行する(先読み処理実行手段)。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS49:そして、主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また、以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図12)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図15は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図13中のステップS37,図14中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(先判定実行手段、先読み処理実行手段)。上記のように、この処理は第1特別図柄(中始動入賞口26への入球時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図13中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図14中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
なお、先の第1特別図柄記憶更新処理での大当り決定乱数値の取得時(図13中のステップS32)又は第2特別図柄記憶更新処理での大当り決定乱数値の取得時(図14中のステップS42)に、大当り決定乱数値を所定のレジスタにセットしている場合には、そのレジスタの値を先判定用乱数値として用いることができる。したがって、その場合には、RAM76に記憶されている乱数のロードは不要であるため、ステップS52の実行を省略することができる。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。主制御CPU72は、例えばRAM76のフラグ領域に記憶されている確率状態予定フラグの値が「FFH」以外であるか否かにより、確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認することができる。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「いずれかの確変図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「いずれかの通常図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに「00H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(FFH)されている。
なお、フラグの初期値としては、通常「00H」が採用されることが多いが、確率状態予定フラグにおいては初期値を「FFH」としている。これは、確率状態予定フラグが、制御処理の便宜上、確率状態フラグと同様の値(「00H」又は「01H」)がセットされ得るものであるとともに、値がセットされているか否かの判別を可能とする必要があるためである。仮に初期値を「00H」とした場合、値「00H」が初期値のまま更新されていないのか、それとも明示的にセットされたものであるかを判別することができなくなる。そこで、このような事態を回避するために、確率状態予定フラグの初期値を「FFH」としている。したがって、初期値は「FFH」に限定されず、確率状態フラグにセットされ得ない値であればよい。
なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56及びステップ60を省略してもよい。
ステップS60:主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグには「01H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグには「00H」がセットされている。
ステップS68:主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、確率状態フラグには「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、確率状態フラグには「00H」がセットされている。
ステップS70:次に主制御CPU72は、設定別大当り判定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ステップS52でロードした大当り決定乱数が当り値の範囲内にあるか否かをステップS60又はステップS80でロードしたフラグが示す確率状態(低確率状態又は高確率状態)と現在の設定(設定1〜設定6のいずれか)とに応じた大当り判定テーブルを用いて判定し、その判定結果を返す。なお、設定別大当り判定処理の具体的な内容については、別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS72:主制御CPU72は、前ステップS70で実行された設定別大当り判定処理の結果が大当りであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72は、設定別大当り判定処理からの戻り値が「01H」であれば大当りであり、戻り値が「00H」であれば大当りでない(はずれである)と確認することができる。判定結果が大当りである場合(ステップS72:Yes)、主制御CPU72は次にステップS74を実行する。一方、判定結果が大当りでない場合(ステップS72:No)、主制御CPU72は次にステップS80を実行する。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図13中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図14中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「確変図柄」又は「通常図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして、主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「通常図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「00H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「通常図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「時間短縮機能」の作動時における変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチ判定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。なお、この処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成してもよい。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされている場合には、確率状態予定フラグをロードした上で事前の大当り判定を行う(ステップS60→ステップS70)。これに対し、確率状態予定フラグがセットされていない(リセットされている)場合には、現在の確率状態フラグをロードした上で事前の大当り判定を行う(ステップS68→ステップS70)。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(低確率状態→高確率状態、高確率状態→低確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図13)又は第2特別図柄記憶更新処理(図14)に復帰する。
なお、ここでは特図先判定演出コマンド(図柄判定情報)の下位バイトをセットし(ステップS78)、変動パターン先判定コマンドを生成しているが(ステップS79,S80)、必要に応じて適宜その他のコマンドを生成してもよい。例えば、図柄判定情報とは別に、図柄指定情報(当り図柄であるか否か、当り図柄である場合は何ラウンド図柄であるか)を示す演出コマンドを別途生成してもよい。
〔設定別大当り判定処理〕
図16は、設定別大当り判定処理の手順例を示すフローチャートである。設定別大当り判定処理は、確率状態(低確率状態又は高確率状態)と現在の設定(設定1〜設定6のいずれか)とを踏まえ、これらに応じて異なる大当り判定テーブルを用いて、設定別大当り判定処理の呼び出し前にロードされた大当り決定乱数が当り値の範囲内にあるか否かの判定を行い、判定結果を示す値を呼び出し元に戻す処理である。
本実施形態においては、確率状態に応じて異なる特別図柄大当り判定選択テーブル(「特別図柄低確時大当り判定選択テーブル」及び「特別図柄高確時大当り判定選択テーブル」)と、設定に応じて異なる特別図柄大当り判定テーブル(「特別図柄低確時大当り判定テーブル1〜6」及び「特別図柄高確時大当り判定テーブル1〜6」)とが、予め用意されている。設定別大当り判定処理では、確率状態及び現在の設定に応じた大当り判定テーブルが用いられる。なお、確率状態別の特別図柄大当り判定選択テーブル、設定別の特別図柄大当り判定テーブルの構造や、各テーブルからのデータの取得方法については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
設定別大当り判定処理は、先の取得時演出判定処理において事前の大当り判定を行う際(図15中のステップS70)や、作動記憶が消費されて当該変動を開始する前に実行される特別図柄変動前処理において大当り判定を行う際(後述する図23中のステップS2300)に呼び出される。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS2304:主制御CPU72は、特別図柄大当り判定選択テーブルのアドレスをセットする。
ステップS2306:次に主制御CPU72は、確率状態に応じた特別図柄大当り判定選択テーブルのアドレスを算出する。具体的には、主制御CPU72は、前ステップS2304でセットされた特別図柄大当り判定選択テーブルのアドレスに対し、設定別大当り判定処理の呼び出し前にロードされた確率状態フラグの値をオフセットとして加えたアドレスを参照し、この位置に定義されているデータ(差分アドレス)を用いて、確率状態に応じた特別図柄大当り判定選択テーブルのアドレスを算出する。
例えば、事前にロードされた確率状態フラグの値が「01H」(高確率状態)であれば、特別図柄大当り判定選択テーブルの先頭アドレスに「1」を加算したアドレスに定義されているデータを用いて、特別図柄高確時大当り判定選択テーブルのアドレスを算出することとなる。また、事前にロードされた確率状態フラグの値が「00H」(低確率状態)であれば、特別図柄大当り判定選択テーブルの先頭アドレスに「0」を加算したアドレスに定義されているデータを用いて、特別図柄低確時大当り判定選択テーブルのアドレスを算出することとなる。
ステップS2308:主制御CPU72は、「設定フラグ」をロードする。設定フラグは、現在の設定を表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されている。設定フラグには、現在の設定(設定1〜設定6のいずれか)に応じて「1」〜「6」のいずれかの値がセットされている。
ステップS2310:主制御CPU72は、現在の設定に応じた特別図柄大当り判定テーブルのアドレスを算出する。具体的には、主制御CPU72は、前ステップS2306で算出された確率状態別の特別図柄大当り判定選択テーブルに対し、前ステップS2308でロードされた設定フラグの調整値をオフセットとして加えたアドレスを参照し、この位置に定義されているデータ(差分アドレス)を用いて、現在の設定に応じた確率状態別の特別図柄大当り判定テーブルのアドレスを算出する。
ここで、設定フラグの調整値とは、オフセットとして加える値の取り得る範囲の起点を調整するために設定フラグの値から一定値を減算した値のことであり、例えば一定値を「1」とした場合には、設定フラグの値が「1」であれば調整値は「0」となり、設定フラグの値が「6」であれば調整値は「5」となる。このようにして算出された調整値が、確率状態別の特別図柄大当り判定選択テーブルの先頭アドレスに対して加算される。
例えば、上記の場合において、事前にロードされた確率状態フラグの値が「01H」(高確率状態)であり、かつ、前ステップS2308でロードされた設定フラグの値が「1」であれば、特別図柄高確時大当り判定選択テーブルの先頭アドレスに「0」を加算したアドレスに定義されているデータを用いて、特別図柄高確時大当り判定テーブル1のアドレスを算出することとなる。
ステップS2312:主制御CPU72は、前ステップS2310で算出された設定別の特別図柄大当り判定テーブルを参照し、1つ目の定義値、すなわち大当り下限値が、事前にロードされた大当り決定乱数以下であるか否かを確認する。大当り下限値が大当り決定乱数以下である場合(ステップS2312:Yes)、主制御CPU72は次にステップS2314を実行する。一方、大当り下限値が大当り決定乱数より大きい場合(ステップS2312:No)、主制御CPU72は次にステップS2318を実行する。
ステップS2314:主制御CPU72は、ステップS2310で算出された設定別の特別図柄大当り判定テーブルを参照し、2つ目の定義値、すなわち大当り上限値が、事前にロードされた大当り決定乱数以上であるか否かを確認する。大当り上限値が大当り決定乱数以上である場合(ステップS2314:Yes)、主制御CPU72は次にステップS2316を実行する。一方、大当り上限値が大当り決定乱数より小さい場合(ステップS2314:No)、主制御CPU72は次にステップS2318を実行する。
ステップS2316:主制御CPU72は、事前にロードされた大当り決定乱数が大当り値の範囲内であると判定し、呼び出し元への戻り値として「大当り(01H)」をセットする。
ステップS2318:主制御CPU72は、事前にロードされた大当り決定乱数が大当り値の範囲内でない(大当り値の範囲外である)と判定し、呼び出し元への戻り値として「はずれ(00H)」をセットする。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は呼び出し元である取得時演出判定処理(図15)又は特別図柄変動前処理(図23)に復帰する。
なお、ここでは、取得時演出判定処理(図15)における事前の大当り判定を「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に行う場合を想定した手順例を説明したが、事前の大当り判定を単純に現在の確率状態に応じて行う場合には、設定別大当り判定処理の呼び出し前に確率状態フラグをロードする手順をなくし、これに代えて設定別大当り判定処理の冒頭に現在の確率状態フラグをロードする手順を加えてもよい。
また、設定別大当り判定処理を実行する毎に、RAM76に記憶されている設定フラグの値が正常であるか(不具合等に起因して想定外の値がセットされていないか)を確認する処理を実行してもよい。設定フラグの値が正常であるかの確認処理は、これ以外のタイミングで定期的に実行することも可能であり、例えば、変動開始時や、タイマ割込処理時に、毎回に実行してもよい。さらに、確認処理において設定フラグの値が正常でない(異常である)ことが確認された場合には、設定フラグの値を最も低い「1」に補正する処理を行ってもよい。
〔特別図柄大当り判定選択テーブルの構造〕
図17は、特別図柄大当り判定選択テーブルの構造を説明する図である。特別図柄大当り判定選択テーブルは、設定別大当り判定処理の過程で確率状態に応じた特別図柄大当り判定選択テーブルのアドレスを算出する際(図16中のステップS2306)に参照される。
特別図柄大当り判定選択テーブルの1行目(先頭)には、特別図柄低確時大当り判定選択テーブルへの差分アドレスが定義されており、2行目(先頭からのオフセットが「1」である位置)には、特別図柄高確時大当り判定選択テーブルへの差分アドレスが定義されている。特別図柄大当り判定選択テーブルの1行目のデータは、低確率状態に対応して定義されたものであり、2行目のデータは、高確率状態に対応して定義されたものである。
確率状態に応じた特別図柄大当り判定選択テーブルのアドレスを算出する際(図16中のステップS2306)には、主制御CPU72は、特別図柄大当り判定選択テーブルの先頭アドレスに対し、オフセットとして確率状態を示す値が格納されている確率状態フラグを加えたアドレスを参照することにより、指定された確率状態に対応する特別図柄大当り判定選択テーブルのアドレスを算出する。
〔確率状態別の特別図柄大当り判定選択テーブルの構造〕
図18は、確率状態別の特別図柄大当り判定選択テーブルの構造を説明する図である。確率状態別の特別図柄大当り判定選択テーブルは、設定別大当り判定処理の過程で現在の設定に応じた特別図柄大当り判定テーブルのアドレスを算出する際(図16中のステップS2310)に参照される。
図18中(A):特別図柄低確時大当り判定選択テーブルの構造を説明する表である。特別図柄低確時大当り判定選択テーブルの1行目(先頭)には、特別図柄低確時大当り判定テーブル1への差分アドレスが定義されており、2行目(先頭からのオフセットが「1」である位置)には、特別図柄低確時大当り判定テーブル2への差分アドレスが定義されており、3行目(先頭からのオフセットが「2」である位置)には、特別図柄低確時大当り判定テーブル3への差分アドレスが定義されており、テーブルの4行目(先頭からのオフセットが「3」である位置)には、特別図柄低確時大当り判定テーブル4への差分アドレスが定義されており、5行目(先頭からのオフセットが「4」である位置)には、特別図柄低確時大当り判定テーブル5への差分アドレスが定義されており、6行目(先頭からのオフセットが「5」である位置)には、特別図柄低確時大当り判定テーブル6への差分アドレスが定義されている。特別図柄低確時大当り判定選択テーブルの1行目のデータは、設定1に対応して定義されたものであり、2行目のデータは、設定2に対応して定義されたものであり、3行目のデータは、設定3に対応して定義されたものであり、4行目のデータは、設定4に対応して定義されたものであり、5行目のデータは、設定5に対応して定義されたものであり、6行目のデータは、設定6に対応して定義されたものである。
図18中(B):特別図柄高確時大当り判定選択テーブルの構造を説明する表である。特別図柄高確時大当り判定選択テーブルの1行目(先頭)には、特別図柄高確時大当り判定テーブル1への差分アドレスが定義されており、2行目(先頭からのオフセットが「1」である位置)には、特別図柄高確時大当り判定テーブル2への差分アドレスが定義されており、3行目(先頭からのオフセットが「2」である位置)には、特別図柄高確時大当り判定テーブル3への差分アドレスが定義されており、テーブルの4行目(先頭からのオフセットが「3」である位置)には、特別図柄高確時大当り判定テーブル4への差分アドレスが定義されており、5行目(先頭からのオフセットが「4」である位置)には、特別図柄高確時大当り判定テーブル5への差分アドレスが定義されており、6行目(先頭からのオフセットが「5」である位置)には、特別図柄高確時大当り判定テーブル6への差分アドレスが定義されている。特別図柄高確時大当り判定選択テーブルの1行目のデータは、設定1に対応して定義されたものであり、2行目のデータは、設定2に対応して定義されたものであり、3行目のデータは、設定3に対応して定義されたものであり、4行目のデータは、設定4に対応して定義されたものであり、5行目のデータは、設定5に対応して定義されたものであり、6行目のデータは、設定6に対応して定義されたものである。
現在の設定に応じた特別図柄大当り判定テーブルのアドレスを算出する際(図16中のステップS2310)には、主制御CPU72は、特別図柄低確時大当り判定選択テーブル又は特別図柄高確時大当り判定選択テーブルのうち、確率状態に応じたいずれか一方の選択テーブルの先頭アドレスに対し、オフセットとして現在の設定を示す値が格納されている設定フラグの調整値を加えたアドレスを参照することにより、現在の設定に対応する特別図柄大当り判定テーブルのアドレスを算出する。
〔設定別の特別図柄低確時大当り判定テーブルの構造〕
図19は、特別図柄低確時大当り判定テーブル1〜6の構造を説明する図である。これらの特別図柄低確時大当り判定テーブル(以下、「低確時判定テーブル」と略称する場合がある。)は、設定別大当り判定処理の過程で低確率状態である場合に大当り決定乱数が大当り値の範囲内であるか否かを判定する際(図16中のステップS2312,S2314)に参照される。
低確時判定テーブル1〜6は、図7で示した6段階の各設定に対応して設けられている。低確時判定テーブル1〜6はいずれも同じ構造を有しており、それぞれに2バイトのデータが2個ずつ定義されている。各低確時判定テーブルの1つ目の定義データは大当り下限値であり、2つめの定義データは大当り上限値である。なお、大当り下限値及び大当り上限値と比較される大当り決定乱数は2バイトのデータであり、0〜65535のいずれかの値を取り得る。以下、各低確時判定テーブルの内容に即して説明する。
図19中(A):低確時判定テーブル1の構造を説明する表である。低確時判定テーブル1は、低確時の設定1に対応して設けられた判定テーブルであり、大当り下限値「10001」及び大当り上限値「10205」が定義されている。設定1では、低確率状態における特別図柄抽選の当選確率が「1/319」と設定されており、この当選確率に合わせて大当りの範囲が「10001〜10205」と定義されている(205/65536≒1/319)。
図19中(B):低確時判定テーブル2の構造を説明する表である。低確時判定テーブル2は、低確時の設定2に対応して設けられた判定テーブルであり、大当り下限値「10001」及び大当り上限値「10219」が定義されている。設定2では、低確率状態における特別図柄抽選の当選確率が「1/299」と設定されており、この当選確率に合わせて大当りの範囲が「10001〜10219」と定義されている(219/65536≒1/299)。
図19中(C):低確時判定テーブル3の構造を説明する表である。低確時判定テーブル3は、低確時の設定3に対応して設けられた判定テーブルであり、大当り下限値「10001」及び大当り上限値「10235」が定義されている。設定3では、低確率状態における特別図柄抽選の当選確率が「1/279」と設定されており、この当選確率に合わせて大当りの範囲が「10001〜10235」と定義されている(235/65536≒1/279)。
図19中(D):低確時判定テーブル4の構造を説明する表である。低確時判定テーブル4は、低確時の設定4に対応して設けられた判定テーブルであり、大当り下限値「10001」及び大当り上限値「10253」が定義されている。設定4では、低確率状態における特別図柄抽選の当選確率が「1/259」と設定されており、この当選確率に合わせて大当りの範囲が「10001〜10253」と定義されている(253/65536≒1/259)。
図19中(E):低確時判定テーブル5の構造を説明する表である。低確時判定テーブル5は、低確時の設定5に対応して設けられた判定テーブルであり、大当り下限値「10001」及び大当り上限値「10274」が定義されている。設定5では、低確率状態における特別図柄抽選の当選確率が「1/239」と設定されており、この当選確率に合わせて大当りの範囲が「10001〜10274」と定義されている(274/65536≒1/239)。
図19中(F):低確時判定テーブル6の構造を説明する表である。低確時判定テーブル6は、低確時の設定6に対応して設けられた判定テーブルであり、大当り下限値「10001」及び大当り上限値「10329」が定義されている。設定6では、低確率状態における特別図柄抽選の当選確率が「1/199」と設定されており、この当選確率に合わせて大当りの範囲が「10001〜10329」と定義されている(329/65536≒1/199)。
このように、設定の値(6段階のいずれかを示す値)が大きい値であるほど、大当りの範囲が広く定義されている。
大当り決定乱数が大当り値の範囲内であるか否かを判定する際(図16中のステップS2312,S2314)には、主制御CPU72は、現在の設定に応じた低確時判定テーブルに定義されている大当り下限値及び大当り上限値を用いて、事前にロードされた大当り決定乱数が大当り値の範囲内であるか否かを確認する。したがって、例えば大当り決定乱数が「10250」である場合、現在の設定が「1」〜「3」のいずれかであれば、大当り決定乱数は大当り値の範囲外(=はずれ)であると判定されるが、現在の設定が「4」〜「6」のいずれかであれば、大当り決定乱数は大当り値の範囲内(=大当り)であると判定されることとなる。
また、設定により大当り値の範囲が異なるため、大当り決定乱数がいずれの範囲で大当りと判定されたかに応じて、確定する設定が違ってくる。例えば、大当り決定乱数が「10275〜10329」の範囲内で大当りと判定された場合には、現在の設定が「6」であることが確定する一方、大当り決定乱数が「10254〜10274」の範囲内で大当りと判定された場合には、現在の設定が「5」又は「6」のいずれか(設定5以上)であることが確定する。
このように本実施形態では、「大当り(当選)」として判定された大当り決定乱数の該当範囲から現在の設定値を知ることができる。
そこで、大当り決定乱数が特定の範囲(各設定に固有の当り値範囲)に該当した場合に、生成する演出コマンドにその情報を含ませてもよい。例えば、先判定演出コマンドの下位バイト(後続値)に、「設定2以上確定」、「設定3以上確定」…、「設定6確定」といった情報を含ませた値をセットしてもよいし、先判定演出コマンドとは別の演出コマンドを設け、その下位バイトに同様の値をセットしてもよい。このような演出コマンドは、「設定2以上確定先判定コマンド」、「設定3以上確定先判定コマンド」…、「設定6確定先判定コマンド」等として用いることができる。そして、このような演出コマンドを送信することにより、主制御CPU72は、演出制御装置124に対しいずれの設定(又はそれ以上)が確定したかを知らせることができる。また、演出制御CPU126は、受信した演出コマンドの内容に基づいて、パチンコ機1の現在の設定を示唆する演出(設定示唆演出)を適時かつ適切に実行することが可能となる。
〔設定別の特別図柄高確時大当り判定テーブルの構造〕
図20は、特別図柄高確時大当り判定テーブル1〜6の構造を説明する図である。これらの特別図柄高確時大当り判定テーブル(以下、「高確時判定テーブル」と略称する場合がある。)は、設定別大当り判定処理の過程で高確率状態である場合に大当り決定乱数が大当り値の範囲内であるか否かを判定する際(図16中のステップS2312,S2314)に参照される。
高確時判定テーブル1〜6は、図7で示した6段階の各設定に対応して設けられている。高確時判定テーブル1〜6は、いずれも上述した低確時判定テーブル1〜6と同じ構造を有している。また、図20に示されるように、特別図柄高確時大当り判定テーブル1〜6には、いずれも大当り下限値「10001」及び大当り上限値「12048」が定義されている。つまり、高確時判定テーブル1〜6には同一のデータが定義されている。
図7で説明したように、本実施形態においては、特別図柄抽選の当選確率は低確率状態のみで設定差を設けており、高確率状態では設定差が設けられていない。すなわち、高確率状態における特別図柄抽選の当選確率は、現在の設定が「1」〜「6」のいずれであっても「1/32」と設定されており、この当選確率に合わせて大当りの範囲が「10001〜12048」と定義されている(2048/65536=1/32)。
大当り決定乱数が大当り値の範囲内であるか否かを判定する際(図16中のステップS2312,S2314)には、主制御CPU72は、現在の設定に応じた高確時判定テーブルに定義されている大当り下限値及び大当り上限値を用いて、事前にロードされた大当り決定乱数が大当り値の範囲内であるか否かを確認する。しかしながら、高確率状態では当選確率の設定差が設けられていないため、現在の設定がいずれであっても、同じ判定がなされることとなる。
〔特別図柄高確時大当り判定選択テーブルの構成例(第2実施形態)〕
図21は、特別図柄高確時大当り判定テーブルの異なる構成例を説明する図である。上述した実施形態においては、特別図柄抽選の当選確率は高確率状態では設定差が設けられていないため、大当り決定乱数が大当り値の範囲内であるか否かを判定する上で必要とされる大当り下限値及び大当り上限値の組み合わせは1種類のみである。この点を踏まえ、特別図柄高確時大当り判定選択テーブル及び高確時判定テーブルを上述した態様とは異なる内容で構成することにより、制御データの容量を圧縮することが可能となる。以下、具体的な構成例を説明する。
図21中(A):第2実施形態における特別図柄高確時大当り判定選択テーブルの構成例を説明する表である。この構成例においては、特別図柄高確時大当り判定選択テーブルの1行目〜6行目には、いずれも高確時判定テーブル1への差分アドレスが定義されている。このうち、1行目のデータは設定1に対応して定義されたものであり、2行目のデータは設定2に対応して定義されたものであり、3行目のデータは設定3に対応して定義されたものであり、4行目のデータは設定4に対応して定義されたものであり、5行目のデータは設定5に対応して定義されたものであり、6行目のデータは設定6に対応して定義されたものである。
現在の設定に応じた高確時判定テーブルのアドレスを算出する際(図16中のステップS2310)には、主制御CPU72は、特別図柄高確時大当り判定選択テーブルの先頭アドレスに対し、オフセットとして現在の設定を示す値が格納されている設定フラグの調整値を加えたアドレスを参照することにより、現在の設定に対応する特別図柄大当り判定テーブルのアドレスを算出する。このとき、特別図柄高確時大当り判定選択テーブルの各行には、全て同じ判定テーブル(高確時判定テーブル1)への差分アドレスが定義されているため、現在の設定がいずれであっても結果的に同じ判定テーブル(高確時判定テーブル1)のアドレスが算出されることとなる。
図21中(B):第2実施形態における高確時判定テーブル1の構成例を説明する表である。高確時判定テーブル1には、大当り下限値「10001」及び大当り上限値「12048」が定義されている。高確率状態に対応して必要とされる大当り下限値及び大当り上限値の組み合わせは1種類のみであり、高確率状態に対応する判定テーブルは1つあれば足りるため、第2実施形態においては、高確時判定テーブル1を各設定で共通して用いることとし、高確時判定テーブル2〜6は設けられていない。
高確率状態に対応する各テーブル(特別図柄高確時大当り判定選択テーブル及び高確時判定テーブル)をこのような定義データで構成することにより、高確時判定テーブル2〜6が不要となるため、上述した実施形態と比較して、高確時判定テーブル5個分のデータ削減することができる。各高確時判定テーブルには、2バイトのデータが2個ずつ定義されているため、具体的には2バイト×2個×5テーブルで合計20バイトも制御データの容量を圧縮することができる。このようにして空けられたデータ領域は別の制御に活用することが可能となるため、遊技性の向上に寄与することができる。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図11)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図22は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5000)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:大当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が大当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。大当り時可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば29秒間若しくは0.1秒間又は10個の遊技球の入球をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば15回)にわたって励磁され、これにより第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で15回あれば、これらを「15ラウンド」と総称することがある。
また、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また、主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図11中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる(高確率時間短縮状態移行手段、有利遊技状態移行手段)。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また、「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率になり、また、普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
ステップS6000:小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。小当り遊技においては、第1可変入賞装置30が所定の開放時間(例えば、0.1秒)で所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、例えば複数の当選種類として、以下の当選種類が設けられている。
(1)「11ラウンド確変大当り1〜11」
(2)「15ラウンド確変大当り1〜6」
(3)「8ラウンド確変大当り」
(4)「6ラウンド確変大当り」
(5)「11ラウンド通常大当り」
(6)「3ラウンド確変大当り」
(7)「5ラウンド確変大当り」
(8)「5ラウンド通常大当り」
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「11ラウンド確変大当り1〜11」は「11ラウンド確変図柄1〜11」の大当りに対応し、「11ラウンド通常大当り」は「11ラウンド通常図柄」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔11ラウンド確変図柄1〜11〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「11ラウンド確変図柄1〜11」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、第1可変入賞装置30の第1大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが11ラウンド目まで継続する。「11ラウンド確変図柄1〜11」に該当した場合、大当り遊技の終了後に「確率変動機能」及び「時間短縮機能」を作動させることで、「高確率時間短縮状態」に移行する。
ここで、第1可変入賞装置30の第1大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。また、第2可変入賞装置31の第2大入賞口も同様に、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。
〔15ラウンド確変図柄1〜7〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「15ラウンド確変図柄1〜7」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30b又は第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bの開放が1回ずつ行われ、これが15ラウンド目まで継続する。「15ラウンド確変図柄1〜7」に該当した場合、大当り遊技の終了後に「確率変動機能」及び「時間短縮機能」を作動させることで、「高確率時間短縮状態」に移行する。
〔8ラウンド確変図柄〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「8ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが8ラウンド目まで継続する。「8ラウンド確変図柄」に該当した場合、大当り遊技の終了後に「確率変動機能」及び「時間短縮機能」を作動させることで、「高確率時間短縮状態」に移行する。
〔6ラウンド確変図柄〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「6ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが6ラウンド目まで継続する。「6ラウンド確変図柄」に該当した場合、大当り遊技の終了後に「確率変動機能」及び「時間短縮機能」を作動させることで、「高確率時間短縮状態」に移行する。
〔11ラウンド通常図柄〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「11ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われ、これが11ラウンド目まで継続する。「11ラウンド通常」に該当した場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「低確率時間短縮状態」に移行する。
〔3ラウンド確変図柄〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「3ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bの開放が1回ずつ行われ、これが3ラウンド目まで継続する。「3ラウンド確変図柄」に該当した場合、大当り遊技の終了後に「確率変動機能」及び「時間短縮機能」を作動させることで、「高確率時間短縮状態」に移行する。
〔5ラウンド確変図柄〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「5ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bの開放が1回ずつ行われ、これが5ラウンド目まで継続する。「5ラウンド確変図柄」に該当した場合、大当り遊技の終了後に「確率変動機能」及び「時間短縮機能」を作動させることで、「高確率時間短縮状態」に移行する。
〔5ラウンド通常図柄〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「5ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、大当り遊技が実行される(特別遊技実行手段)。この場合、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bの開放が1回ずつ行われ、これが5ラウンド目まで継続する。「5ラウンド通常」に該当した場合、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「低確率時間短縮状態」に移行する。
いずれにしても、当選図柄がいずれかの「確変図柄」に該当すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率時間短縮状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。一方、当選図柄がいずれかの「通常図柄」に該当すると、大当り遊技終了後に内部状態は「低確率時間短縮状態」に移行する。
なお、大当り遊技中のオープニング時間、ラウンド間インターバル時間、エンディング時間は、それぞれ共通の「5.0秒」、「1.5秒」、「7.0秒」となっている。なお、オープニング時間とは、大当り遊技が開始してから大入賞口が開放するまでの待機時間であり、ラウンド間インターバル時間とは、ラウンドとラウンドとの間に設定される待機時間であり、エンディング時間とは、大当り遊技の最終ラウンドが終了した後に設定される待機時間である。
〔小当り〕
また、本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当り遊技が行われて第1可変入賞装置30が開閉動作する(特例遊技実行手段)。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当り遊技(第1可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当り遊技では第1可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、第1大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また、小当り遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。なお、本実施形態では、小当りを設定する遊技仕様としているが、小当りを設定しない遊技仕様とすることもできる。
〔特別図柄変動前処理〕
図23は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図11中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお、復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。また、この処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図11中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2290:主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、確率状態フラグには「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、確率状態フラグには「00H」がセットされている。
ステップS2300:主制御CPU72は、次に主制御CPU72は、設定別大当り判定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ステップS2200で読み出した大当り決定乱数が当り値の範囲内にあるか否かをステップS2290でロードしたフラグが示す確率状態(低確率状態又は高確率状態)と現在の設定(設定1〜設定6のいずれか)とに応じた大当り判定テーブルを用いて判定し、その判定結果を返す。
ステップS2400:前ステップS2300で実行された設定別大当り判定処理の結果が大当りであるか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72は、設定別大当り判定処理からの戻り値が「01H」であれば大当りであり、戻り値が「00H」であれば大当りでない(はずれである)と確認することができる。判定結果が大当りでない場合(ステップS2400:No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、小当り判定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、ステップS2200で読み出した抽選用乱数が小当り値の範囲内にあるか否かを判定する。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に第1可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2403に進む。このように、本実施形態では小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら小当り判定を行ってもよい。
ステップS2403:主制御CPU72は、前ステップS2402の小当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(ステップS2403:No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図11中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば、2.0秒程度)に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また、「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある(例えば、変動表示開始時作動記憶数0個→12.5秒程度、変動表示開始時作動記憶数1個→8秒程度、変動表示開始時作動記憶数2個→5秒程度、変動表示開始時作動記憶数3個→2.5秒程度)。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、選択された特別図柄の変動パターンに関する情報は、変動パターンコマンドとして演出制御装置に送信される(当選時も同様)。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図24は、はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率・高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率又は高確率非時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」〜「5」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「6」,「7」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「8」は、スーパーリーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、変動パターン選択テーブルは、変動開始時作動記憶数に応じて異なるテーブル内容としてもよい(以下、同様)。
ここで、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンでは、設定される変動時間の長さが大きく異なっている。すなわち、「非リーチ変動パターン」は基本的に短い変動時間(例えば作動記憶数に応じて3.0秒〜12.0秒程度)に対応するものであるのに対し、「リーチ変動パターン」はその倍以上の長い変動時間(例えば30秒〜150秒程度)に対応するものである。
そして、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
図25は、はずれ時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「21」〜「28」が割り当てられている。
変動パターン番号「21」〜「25」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「26」〜「28」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。ただし、変動パターン番号「21」〜「25」は、時間短縮変動での非リーチ変動となるため、通常状態の変動時間として短縮した変動時間(例えば、2.0秒程度)が設定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「22」を選択する。
図26は、はずれ時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態でのはずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「41」〜「48」が割り当てられている。
変動パターン番号「41」〜「45」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「46」〜「48」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。ただし、変動パターン番号「41」〜「45」は、高確率時間短縮状態での高速変動を実現するために、通常状態の変動時間として極端に短縮した変動時間(例えば、0.5秒程度)が設定されている。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「42」を選択する。
図27は、はずれ時変動パターン選択テーブル(特殊区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態の特殊区間で、非当選に該当した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。なお、特殊区間とは、「11ラウンド確変図柄1〜11」又は「11ラウンド通常図柄」に該当した場合の大当り遊技終了後に移行する区間であり、変動パターン選択用カウンタ値が1以上である場合に移行する区間である。
ここで、高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態の特殊区間でのはずれ時の変動パターンは、後述するお宝チャレンジ演出を実現するため、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば20秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ特殊変動パターン50)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「50」を選択する。なお、非リーチ特殊変動パターン50は、変動時間が固定された特殊変動パターンであり、記憶数によって変動時間が短縮されることはない。
〔図23:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、判定結果がはずれ(非当選)の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当りである場合(ステップS2400:Yes)、又は小当りである場合(ステップS2403:Yes)、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2401:主制御CPU72は、大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2410に進む。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択される当選図柄として、「11ラウンド確変図柄1〜11」、「15ラウンド確変図柄1〜6」、「8ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄」、「11ラウンド通常図柄」、「3ラウンド確変図柄」、「5ラウンド確変図柄」、「5ラウンド通常図柄」が用意されている。なお、各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「11ラウンド確変図柄1」であれば、「11ラウンド確変図柄1a」、「11ラウンド確変図柄1b」、「11ラウンド確変図柄1c」、・・・といった具合である。
また、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の選択比率が異なっている。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって選択する当選図柄を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図28は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、この第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「2」,「3」,「31」,「1」,「10」,「2」,「35」は分母を100とした場合の割合に相当する。また、左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「11ラウンド確変図柄1〜11」、「15ラウンド確変図柄1」、「8ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄」、「11ラウンド通常図柄」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「11ラウンド確変図柄1〜9」が選択される割合はそれぞれ100分の2(=2%)であり、「11ラウンド確変図柄10」が選択される割合は100分の3(=3%)であり、「11ラウンド確変図柄11」が選択される割合は100分の31(=31%)であり、「15ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の1(=1%)であり、「8ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の10(=10%)であり、「6ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の2(=2%)であり、「11ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の35(=35%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。
ここで、図中の「実質」とは、大入賞口がショート開放されるラウンド遊技と、大入賞口がロング開放されるラウンド遊技とが含まれる大当り遊技において、ロング開放されるラウンド遊技の回数を示している。ラウンド遊技は、第1大入賞口を用いて実行してもよく、第2大入賞口を用いて実行してもよい。また、図中の「次回」とは、確変回数として「10000回」が設定されることを意味している。なお、ラウンド数と実質数とが一致している大当りは、ショート開放されるラウンド遊技が存在していないこと(ロング開放されるラウンド遊技のみであること)を示している。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」〜「0FH」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「11ラウンド確変図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側の3つのカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数、時短回数、特殊変動回数の値が示されている。
〔確変回数〕
本実施形態では、いずれかの確変図柄に該当した場合、確変回数は10000回付与される(確変次回)。一方、いずれかの通常図柄に該当した場合、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
本実施形態では、「11ラウンド確変図柄1〜10」、「15ラウンド確変図柄1」、「8ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄」に該当した場合、時短回数は10000回付与される(確変次回)。また、「11ラウンド確変図柄11」に該当した場合、時短回数は10回付与される。この場合、10変動分の確変(高確率時間短縮状態)が終了すると、潜伏確変状態(高確率非時間短縮状態)に移行する。なお、潜伏確変状態で「11ラウンド確変図柄11」に該当した場合には、時短回数を10000回付与してもよい(いわゆる潜伏継続無し)。さらに、「11ラウンド通常図柄」に該当した場合、時短回数は10回付与される。この場合、10変動分の時短(低確率時間短縮状態)が終了すると、通常状態(低確率非時間短縮状態)に移行する。
〔特殊変動回数〕
本実施形態では、「11ラウンド確変図柄1〜11」、「11ラウンド通常図柄」に該当した場合、特殊変動回数が設定される。具体的には、「11ラウンド確変図柄1」に該当した場合には特殊変動回数として「1回」が設定され、「11ラウンド確変図柄2」に該当した場合には特殊変動回数として「2回」が設定され、このような設定が、「11ラウンド確変図柄10」まで続き、「11ラウンド確変図柄11」、「11ラウンド通常図柄」に該当した場合には特殊変動回数として「10回」が設定される。なお、「15ラウンド確変図柄1」、「8ラウンド確変図柄」、「6ラウンド確変図柄」に該当した場合、特殊変動回数は設定されない。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図29は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、この第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル(当選種類規定手段)を参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「33」,「4」,「3」,「6」,「8」,「3」,「5」,「35」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、振分値に対応する「15ラウンド確変図柄2〜7」、「3ラウンド確変図柄」、「5ラウンド確変図柄」、「5ラウンド通常図柄」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「15ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の33(=33%)であり、「15ラウンド確変図柄4,5」が選択される割合はそれぞれ100分の3(=3%)であり、「15ラウンド確変図柄6」が選択される割合は100分の6(=6%)であり、「15ラウンド確変図柄7」が選択される割合は100分の8(=8%)であり、「3ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の3(=3%)であり、「5ラウンド確変図柄」が選択される割合は100分の5(=5%)であり、「5ラウンド通常図柄」が選択される割合は100分の35(=35%)である。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」〜「09H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「15ラウンド確変図柄2」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H01H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの右側の3つのカラムには、大当り遊技の終了後に付与される確変回数、時短回数、特殊変動回数の値が示されている。
〔確変回数〕
本実施形態では、いずれかの確変図柄に該当した場合、確変回数は10000回付与される(確変次回)。一方、いずれかの通常図柄に該当した場合、確変回数は付与されない。
〔時短回数〕
本実施形態では、「15ラウンド確変図柄2〜7」、「3ラウンド確変図柄」、「5ラウンド確変図柄」に該当した場合、時短回数は10000回付与される(確変次回)。一方、「5ラウンド通常図柄」に該当した場合、時短回数は100回付与される(時短100回)。この場合、100変動分の時短(低確率時間短縮状態)が終了すると、通常状態(低確率非時間短縮状態)に移行する。
〔特殊変動回数〕
本実施形態では、第2特別図柄での当選の場合、特殊変動回数は設定されない。
〔図23:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行っている。そして、「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。基本的には、ノーマルリーチ演出やロングリーチ演出等のリーチ演出よりもスーパーリーチ演出の方が、変動時間が長く当選の期待度も高い。また、時間短縮機能が作動している状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択してもよい。
〔大当り時変動パターン選択テーブルの例〕
図30は、大当り時変動パターン選択テーブル(低確率・高確率非時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率又は高確率非時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。なお、本実施形態では、大当りの種類(当選図柄)によって変動パターンを区別していないが、それぞれの大当りで専用の変動パターン選択テーブルを用いてもよい(以下、同様)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「61」〜「68」が割り当てられている。
変動パターン番号「61」〜「66」は、スーパーリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「67」,「68」は、リーチ演出(スーパーリーチ演出以外のリーチ演出)が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「62」を選択する。
図31は、大当り時変動パターン選択テーブル(低確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、低確率時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「81」〜「88」が割り当てられている。
変動パターン番号「81」〜「88」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「82」を選択する。
図32は、大当り時変動パターン選択テーブル(高確率時間短縮状態)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態での当選時に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「101」〜「108」が割り当てられている。
変動パターン番号「101」〜「108」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。なお、高確率時間短縮状態での当選時には、リーチ演出が行われずに当りとなる変動パターンを設定してもよい。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「102」を選択する。
図33は、大当り時変動パターン選択テーブル(特殊区間)の一例を示す図である。
この選択テーブルは、高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態の特殊区間で、大当りに該当した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。
ここで、高確率時間短縮状態又は低確率時間短縮状態の特殊区間での大当り時の変動パターンは、後述するお宝チャレンジ演出にて特別な当選時の演出を実現するため、すべて同一の変動パターン(変動時間は例えば30秒程度)を設定しており、この選択テーブルでは、予め定められた1つの変動パターン(非リーチ当り特殊変動パターン170)を選択するテーブル構成としている。
したがって、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値がいずれの値であっても、変動パターン番号として「170」を選択する。なお、非リーチ当り特殊変動パターン170は、変動時間が固定された特殊変動パターンであり、記憶数によって変動時間が短縮されることはない。
〔図23:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「いずれかの確変図柄」である場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段)。また、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類が「いずれかの通常図柄」である場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値をリセットする(低確率状態設定手段、低確率状態移行手段、確率状態設定手段)。
また、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「いずれの当選図柄」であっても、主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。
また、ステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお、本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また、主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図22:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして、主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図23中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔はずれ時変動パターン決定処理〕
図34は、はずれ時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2600:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値をRAM76からロードして、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいか否かを確認する。「変動パターン選択用カウンタ値」は、主制御CPU72で管理しているカウンタ値であり、特殊変動を実行する際に参照する変数である。なお、変動パターン選択用カウンタ値は、後述する特殊変動回数設定処理(図45)で設定される。
その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2606を実行する。これに対して、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きくないことを確認した場合、すなわち、変動パターン選択用カウンタ値が「0」であることを確認した場合(No)、主制御CPU72はステップS2602を実行する。
なお、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きい場合とは、特殊変動を実行することを意味しており、変動パターン選択用カウンタ値が「0」である場合とは、特殊変動を実行しないことを意味している。
ステップS2602:主制御CPU72は、内部状態が高確率時間短縮状態であるか否かを確認する。内部状態は、確率変動機能作動フラグ及び時間短縮機能作動フラグにより確認することができる(以下、同様)。
その結果、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2608を実行する。これに対して、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認できない場合、主制御CPU72はステップS2604を実行する。
ステップS2604:主制御CPU72は、内部状態が低確率時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2610を実行する。これに対して、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認できない場合、主制御CPU72はステップS2612を実行する。
ステップS2606:主制御CPU72は、特殊区間用のはずれ時変動パターン選択テーブル(図27)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2608:主制御CPU72は、高確率時間短縮状態用のはずれ時変動パターン選択テーブル(図26)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2610:主制御CPU72は、低確率時間短縮状態用のはずれ時変動パターン選択テーブル(図25)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2612:主制御CPU72は、非時間短縮状態用(低確率・高確率非時間短縮状態)のはずれ時変動パターン選択テーブル(図24)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図23)に復帰する。
〔大当り時変動パターン決定処理〕
図35は、大当り時変動パターン決定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2710:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値をRAM76からロードして、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいか否かを確認する。
その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2716を実行する。これに対して、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きくないことを確認した場合、すなわち、変動パターン選択用カウンタ値が「0」であることを確認した場合(No)、主制御CPU72はステップS2712を実行する。
ステップS2712:主制御CPU72は、内部状態が高確率時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2718を実行する。これに対して、内部状態が高確率時間短縮状態であることを確認できない場合、主制御CPU72はステップS2714を実行する。
ステップS2714:主制御CPU72は、内部状態が低確率時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2720を実行する。これに対して、内部状態が低確率時間短縮状態であることを確認できない場合、主制御CPU72はステップS2722を実行する。
ステップS2716:主制御CPU72は、特殊区間用の大当り時変動パターン選択テーブル(図33)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2718:主制御CPU72は、高確率時間短縮状態用の大当り時変動パターン選択テーブル(図32)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2720:主制御CPU72は、低確率時間短縮状態用の大当り時変動パターン選択テーブル(図31)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
ステップS2720:主制御CPU72は、非時間短縮状態用の大当り時変動パターン選択テーブル(図30)を参照して、変動パターンを決定する処理を実行する。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図23)に復帰する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図36は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図23中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する作動記憶が残存しているか否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が1以上である場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が0である場合(ステップS2210:No)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:次いで主制御CPU72は、対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の記憶エリアをシフトする対象が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして、主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また、主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお、上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして、主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図23)に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図37は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして、主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図22中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。なお、「停止表示時間終了コマンド」とは、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、確率変動機能を非作動とし、時間短縮機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大役)が開始される前には、低確率非時間短縮状態に移行されることになる。
ステップS4400:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当りの種類が「15ラウンド大当り」である場合、連続作動回数ステータスには「15ラウンド」に対応する値がセットされる。また、大当りの種類が「3ラウンド大当り」である場合、連続作動回数ステータスには「3ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして、主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図23中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当りの種類が「15ラウンド大当り」である場合、連続作動回数コマンドは「15ラウンド」を表す値として生成される。また、大当り種類が「3ラウンド大当り」である場合、連続作動回数コマンドは「3ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして、小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして、主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4608:主制御CPU72は、特殊変動管理処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、大当り遊技の終了後に実行される特殊変動を管理する処理を実行する。なお、特殊変動管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保障することができる。なお、「時間短縮状態」に関する回数切りカウンタは、当選図柄に応じた値(例えば10回、100回、10000回等)が設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして、主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、「高確率状態」で高確率状態をカウントする回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはないため、実際にリセットされるのは時間短縮機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態や高確率状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔特殊変動管理処理〕
図38は、特殊変動管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4660:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値をRAM76からロードして、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいか否かを確認する。
その結果、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きいことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS4662を実行する。これに対して、変動パターン選択用カウンタ値が「0」よりも大きくないことを確認した場合、すなわち、変動パターン選択用カウンタ値が「0」である場合(No)、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(図37)に復帰する。
ステップS4662:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値をデクリメント(1減算)する処理を実行する。これにより、特殊変動を実行する回数(特殊変動の実行可能回数)が1回減る。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(図37)に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図39は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図11中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、確率変動状態表示ランプ38dは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、もしくは、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされるまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当り遊技により第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は上記の時短状態表示ランプ38eに加えて、発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対しても点灯信号を出力する。なお、発射位置指定ランプ38fは、大当り遊技を経て「時間短縮状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「時間短縮状態」が終了するまで点灯し、「時間短縮状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38b,38cに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応する表示ランプ38a,38b,38cの組み合わせである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「15ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「15ラウンド」を表す点灯パターンに対応するランプ(例えば、表示ランプ38a,38b,38cの全てのランプ)に対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数ステータスの値が「3ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「3ラウンド」を表す点灯パターンに対応するランプ(例えば、ランプ38aのみ)に対して点灯信号を出力する。3つの表示ランプ38a,38b,38cでは、6通りの点灯パターンを表示することができるので、本実施形態の6種類の大当りに対応させることができる。なお、ラウンド数に対応する点灯パターンの詳細は、遊技者に明確に伝達しておくために、表示ランプ38a,38b,38cの周辺に表示しておくことが好ましい。
〔大当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、大当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図40は、大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。大当り時可変入賞装置管理処理は、大当り時遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、大当り時終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:大当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして大当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大当り時大入賞口開閉動作処理及び大当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図41は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)、オープニング時間、エンディング時間等を設定する。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は基本的には10個程度であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図23中のステップS2410)で選択した大当り時の当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、大当りの種類として「15ラウンド大当り」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を15回に設定する。また、大当りの種類として「3ラウンド大当り」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を3回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時の開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開放時間となる。なお、大当り時開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして、主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5212:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理(図40)に復帰する。
〔大当り時大入賞口開閉動作処理〕
図42は、大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5301:主制御CPU72は、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS5314で設定する大入賞口インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5302を実行する。
ステップS5302:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を開放させる。具体的には、大当り中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
第1大入賞口又は第2大入賞口を開放させた場合、主制御CPU72は、第1大入賞口開放コマンド又は第2大入賞口開放コマンドを生成する。第1大入賞口開放コマンド及び第2大入賞口開放コマンドは、演出制御装置124に送信される。
ステップS5303:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図41中のステップS5208)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、大入賞口開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31(開放中の第1大入賞口又は第2大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5301〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で大入賞口開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
ステップS5312:主制御CPU72は、第1大入賞口又は第2大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に移行する。
第1大入賞口又は第2大入賞口を閉鎖させた場合、主制御CPU72は、第1大入賞口閉鎖コマンド又は第2大入賞口閉鎖コマンドを生成する。第1大入賞口閉鎖コマンド及び第2大入賞口閉鎖コマンドは、演出制御装置124に送信される。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(図41中のステップS5210)で設定した大入賞口インターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5315:主制御CPU72は、大入賞口インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ大入賞口インターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理(図40)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5301からジャンプして直にステップS5314を実行する。一方、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5318を実行する。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。
1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用していない場合、各ラウンドでの「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定される。したがって、各ラウンドでは1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
一方、1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用している場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。
この場合、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5301〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大当り時大入賞口閉鎖処理〕
図43は、大当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜15)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜15)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、大当り時遊技プロセス選択処理(図40中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大当り時大入賞口開閉動作処理の実行後は大当り時大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(15回等)に達するまでの間、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を大当り時終了処理に設定する。
ステップS5408:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は大当り時終了処理が選択されることになる。
〔大当り時終了処理〕
図44は、大当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この大当り時終了処理は、大当り時の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5501:主制御CPU72は、大当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS5502:次に主制御CPU72は、大当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、大当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(図40)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って大当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5503以降を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図23中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5508:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば10000回)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、上記のように10000回程度の膨大な回数を設定した場合、そこまで非当選が続くことは確率的にほとんどないので(高確率時の当選確率が例えば32分の1〜100分の1程度)、実質的には次回の当選まで高確率状態が続くことになる。これとは逆に、高確率状態に実質的な上限を設ける場合、確率変動回数は現実的な回数(例えば70回程度)に設定される(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図23中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5512:そして、時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば10回、100回又は10000回)を設定する。設定した時短回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5512を実行しない。
ステップS5514:そして、主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS5515:主制御CPU72は、特殊変動回数設定処理を実行する。具体的には、主制御CPU72は、当選図柄の種類に基づいて変動パターン選択用カウンタ値を設定する処理を実行する。なお、特殊変動回数設定処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS5516:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図22中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔特殊変動回数設定処理〕
図45は、特殊変動回数設定処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5600:主制御CPU72は、今回の当選が「11ラウンド確変図柄1〜11」又は「11ラウンド通常図柄」のいずれかに該当するか否かを確認する。
その結果、今回の当選が「11ラウンド確変図柄1〜11」又は「11ラウンド通常図柄」のいずれかに該当することを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5602を実行する。これに対して、今回の当選が「11ラウンド確変図柄1〜11」又は「11ラウンド通常図柄」のいずれかに該当することを確認できない場合、主制御CPU72は大当り時終了処理(図44)に復帰する。
ステップS5602:主制御CPU72は、変動パターン選択用カウンタ値に当選図柄に応じた値をセットする。当選図柄に応じた値は、図28の特殊変動回数の値に応じてセットされる。これにより、大当り遊技の終了後には、特殊変動が1回〜10回実行されることになる。なお、セットされた変動パターン選択用カウンタ値は、特別図柄が1回停止表示されるたびに1ずつ減算される。そして、このような処理を通じて、主制御CPU72は、選択される変動パターンを通常変動としたり、特殊変動としたりすることができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時終了処理(図44)に復帰する。
〔小当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、小当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。
図46は、小当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。小当り時可変入賞装置管理処理は、小当り時遊技プロセス選択処理(ステップS6100)、小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)、小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)、小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)、小当り時終了処理(ステップS6500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS6100:小当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS6200〜ステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)を選択する。一方、既に小当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を選択し、小当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)を選択する。また、設定された連続作動回数にわたって小当り時大入賞口開閉動作処理及び小当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時終了処理(ステップS6500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図47は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第1可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS6212:主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお、「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS6214:主制御CPU72は、先のステップS6212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS6216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS6218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に第1可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS6220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理(図46)に復帰する。そして、主制御CPU72は、次に小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を実行する。
〔小当り時大入賞口開閉動作処理〕
図48は、小当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、小当り時に第1可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6301:主制御CPU72は、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS6314で設定するインターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
その結果、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6314を実行する。一方、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS6302を実行する。
ステップS6302:主制御CPU72は、第1大入賞口を開放させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
ステップS6304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図47中のステップS6216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6308を実行する。
ステップS6308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30(開放中の第1大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS6310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(小当り時の開放1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図46)に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が小当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS6301〜ステップS6310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS6306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS6312を実行する。ここで、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS6306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS6312:主制御CPU72は、第1大入賞口を閉鎖させる。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30が開放状態から閉鎖状態に復帰する。
ステップS6314:次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の小当り時大入賞口開放パターン設定処理(図47中のステップS6218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。
ステップS6315:主制御CPU72は、インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だインターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理(図46)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで小当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS6301からジャンプして直にステップS6314を実行する。一方、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6316を実行する。
ステップS6316:主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に小当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔小当り時大入賞口閉鎖処理〕
図49は、小当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS6412:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS6414:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図47中のステップS6214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS6416を実行する。
ステップS6416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図46)に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、小当り時遊技プロセス選択処理(図46中のステップS6100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である小当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、小当り時大入賞口開閉動作処理の実行後に、主制御CPU72は再び小当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS6414:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6418を実行する。
ステップS6418,ステップS6420:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を小当り時終了処理に設定する。
ステップS6430:そして、主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(図46)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は小当り時終了処理が選択されることになる。
〔小当り時終了処理〕
図50は、小当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。この小当り時終了処理は、小当り時の第1可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS6502:主制御CPU72は、小当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
ステップS6504:次に主制御CPU72は、小当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、小当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は本モジュールを終了して小当り時可変入賞装置管理処理(図46)に復帰する。
この後、時間の経過に伴って小当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS6506以降を実行する。
ステップS6506,ステップS6508:主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また、内部状態フラグから「小当り中」を消去して小当り遊技を終了させる。なお、大当りの場合、内部的な条件装置が作動するが(例えば、条件装置に対応するフラグがONになるが)、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS6510:以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS6512:そして、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図22中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔非時間短縮状態でのゲームフロー〕
図51は、非時間短縮状態でのゲームフローについて説明する図である。
パチンコ機で遊技を開始する場合、〔F0〕非時間短縮状態の〔F1〕通常モードから遊技が開始される。「通常モード」は、特別図柄抽選の当選確率は「低確率状態」であり、かつ、普通図柄抽選の当選確率は「低確率状態」である。このように、〔F1〕通常モードは、「低確率非時間短縮状態」となるので、中始動入賞口26に遊技球を入球させることにより、第1特別図柄が変動を開始して遊技が進行する。
〔F0〕非時間短縮状態としては、〔F1〕通常モードの他に、〔F2〕祭りモードがある。〔F2〕祭りモードは、低確率又は高確率非時間短縮状態である。
〔F2〕祭りモードにて、〔F3〕規定条件(例えば、低確率非時間短縮状態で特別図柄が10回変動したという条件)が満たされた場合、〔F1〕通常モードに移行する。
〔F1〕通常モード又は〔F2〕祭りモードにて、〔F4〕「11ラウンド通常図柄」又は「11ラウンド確変図柄11」に該当すると、〔F5〕11ラウンド大当り遊技(チャレンジボーナス)が実行され、〔F6〕お宝チャレンジ演出で〔F7〕失敗演出が実行されて、〔F2〕祭りモードに移行する。
〔F6〕お宝チャレンジ演出は、大当り遊技の終了後における1回目〜10回目の変動を用いて実行される確変昇格ジャッジ演出である。
〔F1〕通常モード又は〔F2〕祭りモードにて、〔F8〕「11ラウンド確変図柄1〜10」に該当すると、〔F5〕14ラウンド大当り遊技(チャレンジボーナス)が実行され、〔F6〕お宝チャレンジ演出で〔F9〕成功演出が実行されて、〔F10〕花火ラッシュに移行する。〔F10〕花火ラッシュは、高確率時間短縮状態である。
〔F1〕通常モード又は〔F2〕祭りモードにて、〔F11〕「15ラウンド確変図柄1」に該当すると、〔F12〕15ラウンド大当り遊技(スペシャルボーナス)が実行され、そのまま〔F10〕花火ラッシュに移行する。この場合、〔F6〕お宝チャレンジ演出は実行されない。
〔F1〕通常モード又は〔F2〕祭りモードにて、〔F13〕「6ラウンド確変図柄」又は「8ラウンド確変図柄」に該当すると、6ラウンド大当り遊技又は8ラウンド大当り遊技とともにモード移行演出が実行され、そのまま〔F10〕花火ラッシュに移行する。
〔時間短縮状態でのゲームフロー〕
図52は、時間短縮状態でのゲームフローについて説明する図である。
〔G0〕時間短縮状態は、大きく分けて〔G1〕花火ラッシュ(高確率時間短縮状態)と、〔G2〕海岸モード(低確率時間短縮状態)とに分けられる。
〔G1〕花火ラッシュ又は〔G2〕海岸モードにて、〔G3〕「15ラウンド確変図柄2〜7」又は「3ラウンド確変図柄」に該当すると、〔G4〕変動表示中に実行されるバトルリーチ演出において〔G5〕勝利演出が実行され、〔G6〕15ラウンド大当り遊技(花火ボーナス)の終了後に、〔G1〕花火ラッシュに移行する。
一方、〔G1〕花火ラッシュ又は〔G2〕海岸モードにて、〔G7〕「5ラウンド通常図柄」に該当すると、〔G4〕変動表示中に実行されるバトルリーチ演出において〔G8〕敗北演出が実行され、〔G9〕5ラウンド大当り遊技(ノーマルボーナス)の終了後に、〔G2〕海岸モードに移行する。
また、〔G1〕花火ラッシュ又は〔G2〕海岸モードにて、〔G10〕「5ラウンド確変図柄」に該当すると、〔G4〕変動表示中に実行されるバトルリーチ演出において〔G8〕敗北演出が実行されるが、〔G9〕5ラウンド大当り遊技(ノーマルボーナス)の実行中に、〔G11〕大役昇格演出(逆転演出、復活演出、確変昇格演出が実行され)、大当り遊技の終了後に、〔G1〕花火ラッシュに移行する。
なお、以上のゲームフローに関しては、代表的なゲームフローの一例を示したものであり遊技の流れをすべて網羅しているものではない。
〔演出画像の例〕
次に、パチンコ機1において実際に液晶表示器42に表示される演出画像について、いくつかの例を挙げて説明する。以上のように、パチンコ機1において大当りの内部抽選が行われると、主制御CPU72による制御の下で変動パターン(変動時間)を決定し、第1特別図柄や第2特別図柄による変動表示が行われる(図柄表示手段)。ただし、上記のように第1特別図柄や第2特別図柄そのものは7セグメントLEDによる点灯・点滅表示であるため、見た目上の訴求力に乏しい。そこでパチンコ機1では、上記のように演出図柄を用いた変動表示演出が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される(図1参照)。各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「9」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。ここで、左演出図柄、中演出図柄、及び右演出図柄は、いずれも数字が「9」〜「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
図53は、特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。なお、ここでは非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図53中(A):例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
〔記憶数表示演出〕
また、液晶表示器42の画面下部の変動前表示領域X1には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数を表すマーカ(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されている。これらマーカM1,M2は、それぞれの表示個数が第1特別図柄、第2特別図柄の作動記憶数(第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aの表示数)を表しており、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
また、マーカM1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応するマーカM1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応するマーカM2が例えばハートの図形で表示されている。図示の例では、マーカM1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の作動記憶数が4個であることを表し、マーカM2が全て非表示(破線で示す)となっていることで第2特別図柄の作動記憶数が0個であることを表している。
また、演出図柄の変動表示中、例えば液晶表示器42の画面右上には第4図柄(図中に参照符号Z1,Z2を付す)が表示されている。この第4図柄Z1,Z2は、左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお、第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。第4図柄Z1は、第1特別図柄に対応しており、第4図柄Z2は、第2特別図柄に対応している。
また、第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が例えば「15ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば赤表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。なお、第4図柄Z1,Z2は、液晶画面に表示するのではなく、盤面に配置されたLEDで表示してもよい。
〔変動表示演出開始〕
図53中(B):例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される(演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また、マーカM1,M2は、変動開始前は、液晶表示器42の下方部分における帯状部分の変動前表示領域X1に表示されているが、変動開始後は、液晶表示器42の左下部分に表示されている台座画像による変動中表示領域X2に移動して、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで表示され続ける(当該変動中記憶表示演出)。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
この場合の背景画像は、例えば浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛け、夕涼みでもするかのようにリラックスしている風景を表現したものである。このような背景画像は、演出上での滞在モードが例えば「通常モード」であることを表現している。本実施形態において「通常モード」は、時間短縮機能が非作動であり、また、確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のモードが設けられており、モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらモードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。
また、演出図柄の変動表示中、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されており、第4図柄Z1は、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔左図柄停止〕
図53中(C):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の左側位置に数字の「8」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。
〔作動記憶数減少時の演出例〕
ここで、先の図53中(B)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が4個あったとすると、マーカM1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ変動中表示領域X2に移動され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が消費されたということを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図53中(C)の例においては、記憶順で先頭にあったマーカM1が変動中表示領域X2に移動することにより、変動前表示領域X1での表示が残り3個になったため、画面上に残った3つのマーカM1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へずれていく演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということや「作動記憶が消費されて特別図柄が変動中である」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
〔右演出図柄停止〕
図53中(D):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面の中側位置に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「7」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「9」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「8」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。また、その他にも例えば「5」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「8」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
〔停止表示演出〕
図53中(E):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。
また、停止表示演出が行われると、変動中表示領域X2に移動して表示を継続していたマーカM1も非表示となる。したがって、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上述した例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔大当り時の演出例〕
図54は、大当り(当選)時に実行されるリーチ演出の流れを示す連続図である。なお、大当り時には当選図柄に応じて異なる演出を実行することができる。ここではリーチ演出の他に、変動表示演出や停止表示演出及び予告演出が含まれるものとする。その他にも、変動表示演出中に実行される予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出)の一例を説明する。
以下のリーチ演出は、例えば第1特別図柄表示装置34において大当り時の変動パターンによる変動表示が行われた後、第1特別図柄が大当りの態様(例えば7セグメントLEDの「己」,「ヨ」,「口」,「巳」,「F」,「E」,「L」,「Γ」等)で停止表示されるまでに実行される(リーチ演出実行手段)。なお、図54中、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また、上記のマーカM1,M2及び第4図柄Z1,Z2については、ここでの図示を省略している。以下、演出の流れに沿って説明する。また、以下のリーチ演出は通常のリーチ演出であるが、選択された変動パターンに応じて、以下のリーチ演出とは別のスーパーリーチ演出(図示は省略)が実行される場合もある。
〔変動表示演出〕
図54中(A):例えば、第1特別図柄の変動開始に略同期して、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向(例えば上から下)にスクロールするようにして変動表示演出が開始される。
〔リーチ発生前予告演出(1段階目)〕
図54中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において、キャラクターの絵柄画像(絵札)を用いた1段階目のリーチ発生前予告演出が行われる。このリーチ発生前予告演出は、予め定められた順序にしたがって1段階から複数段階(例えば2〜5段階)まで、段階的に態様の変化が進行していく予告演出である。このリーチ発生前予告演出で用いられる絵柄画像は、画面上で変動表示されている演出図柄の手前に位置し、例えば画面の左端からひょっこりと出現するようにして表示される(その他の出現の態様でもよい。)。なお、ここでいう「リーチ発生前予告」とは、いずれかの演出図柄が停止表示される前にリーチの可能性や大当りの可能性を予告するという意味である。このような「リーチ発生前予告演出」を実行することで、遊技者に対して「リーチに発展するかも知れない=大当りの可能性が高まる」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ発生前予告演出(2段階目)〕
図54中(C):リーチ発生前予告演出の1段階目の態様が実行された後、続いてリーチ発生前予告演出の態様の変化が2段階目に進行する。ここでは2段階目のリーチ発生前予告演出として、先とは違うキャラクターの絵柄画像を用いた演出が行われている。具体的には、画面の右端から別の絵柄画像が追加で出現し、先に表示されていた絵柄画像の前面に重なって表示される。また、このとき表示される絵柄画像は、先に表示されていた絵柄画像よりもサイズが大きい。そして、絵柄画像で表現されたキャラクターが台詞(例えば「リーチになるよ」等)を発するという、音響出力による演出もあわせて行われる。
このような2つ目の絵柄画像を用いたリーチ発生前予告演出(2段階目)は、先の図54中(B)で行われたリーチ発生前予告演出(1段階目)からさらに一歩進んだ発展型である。このように発展していく「リーチ発生前予告演出」の態様を称して、一般的に「ステップアップ予告」等と表現することがある。ここではリーチ発生前予告演出で2段階目の絵柄画像が出現する例を挙げているが、3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示される演出態様であってもよい。また、例えば3段階目、4段階目、5段階目の絵柄画像が次々と出現して表示されるごとに、そのサイズが拡大されるものとしてもよい。なお、この段階でも演出図柄の変動表示は継続されている。いずれにしても、リーチ発生前予告演出の態様の変化をより多くの段階まで進行させることにより、今回の変動で大当りになる可能性(期待度)が高いことを遊技者に示唆することができる(例えば、5段階目まで進行すると最大の期待度を示唆する等。)。
〔左演出図柄の停止〕
図54中(D):変動表示演出の中期にさしかかり、やがて左演出図柄の変動表示が停止される。なお、この時点で画面の左側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止している。
〔リーチ状態の発生〕
図54中(E):そして左演出図柄に続き、例えば右演出図柄の変動表示が停止される。この時点で、画面の右側位置に数字の「5」を表す演出図柄が停止していることから、「5」−「変動中」−「5」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示される。また、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。
リーチ状態の発生後、当選時のリーチ演出が実行される(ただし、この時点では未だ当選の結果は表出されていない。)。リーチ演出では、テンパイした数字(ここでは「5」)に対応する演出図柄だけが画面上に表示され、それ以外は表示されなくなる。なお、このとき演出図柄が画面の四隅にそれぞれ縮小された状態で表示される場合もある。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図54中(F):リーチ状態が発生して暫くすると、例えば「ハート」の図形を表す画像が群をなして画面上を斜めに過ぎっていくリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。この場合、突然、画面上に「ハート群」の画像が流れていくように表示されるため、これによって遊技者に対する視覚的な訴求力を高めることができる。このような視覚的に賑やかなリーチ予告発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図54中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「6」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出もまた、数字の「5」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「4」まで消去されて「5」が画面手前に残ると「大当り」であり、そして数字の「5」も消去されてしまうと「はずれ」であることを意味する。なお、はずれの場合、数字の「5」が消去された後の画面上に例えば数字の「6」が表示される。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」と順番に画像が消去されていくに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。そして、実際に画面上で数字の「4」まで消去され、数字の「5」が画面上に残った状態で演出が進行すると、「大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図54中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入るようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「5」が消去されずに残れば、そのまま「5」−「5」−「5」の大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
上記とは別のリーチ演出として、例えば「数字の「2」〜「4」までが消去されてしまい、最後に数字の「5」が消去されずに残れば大当りになる」という展開もある。このようなタイミングでキャラクターの画像を出現させると、遊技者に対して「いよいよ大当りが近いかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔中演出図柄停止〕
図54中(I):最後の中演出図柄が停止する。この例では、「5」を表す演出図柄が画面の中央に停止表示されている。
図54中(J):そして、例えば第1特別図柄の停止表示に略同期して、演出図柄としての停止表示演出についても停止表示が行われる。演出図柄の停止表示演出は、例えば左・中・右演出図柄をそれぞれ初期の大きさに復元した状態で行われる。このような停止表示演出を行うことで、最終的な当選種類が演出上で確定したことを遊技者に対して教示することができる。
また、内部抽選の結果が非当選であれば、今回の変動対象である第1特別図柄がはずれ図柄で停止表示されるため、演出図柄も同様にはずれの態様で停止表示演出が行われる。この場合、画面の中央には「5」以外の数字「4」や「6」を表示することで、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことを知らせる演出が行われる。なお、このような演出は「はずれリーチ演出」として実行されるものである。
〔チャレンジボーナス演出(大役中演出)〕
図55は、チャレンジボーナス演出の演出例を示す図である。
チャレンジボーナス演出は、「11ラウンド確変図柄1〜11」又は「11ラウンド通常図柄」に該当した場合の大当り遊技中に実行される。
〔1ラウンド〕
図55中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、画面の右下隅位置には、今回の当選図柄に対応した演出図柄(ここでは数字の「1」)が表示されている。このように、大当り遊技中も引き続き当選図柄(いわゆる「残し目」)を表示しておくことで、遊技者に対して「1の演出図柄で当選した」という情報を引き続き教示することができる。また、表示画面の下側の領域には、「チャレンジボーナス」の文字が表示され、画面の周囲には馬のキャラクターの画像が表示されている。
〔5ラウンド〕
図55中(B):この後、大当り遊技が順調に進行し、5ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND5」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。なお、実際の大当り遊技は11ラウンドまで継続するが、6ラウンド目以降は、各ラウンドにおいて、大入賞口がショート開放(例えば0.1秒の開放)される。このため、この5ラウンド目が実質的な最終ラウンドとなる。
〔大役終了時〕
図55中(C):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に実行される演出内容を伝達する大役終了演出が実行される。この例では、画面内に「お宝チャレンジ突入!」という文字情報が表示されている。
〔お宝チャレンジ演出の演出例〕
図56は、お宝チャレンジ演出の演出例を部分的に示す連続図である。
お宝チャレンジ演出は、「11ラウンド確変図柄1〜11」又は「11ラウンド通常図柄」に該当した場合の大当り遊技の終了後における1変動目〜10変動目を用いて実行される確変昇格ジャッジ演出である。お宝チャレンジ演出では、馬のキャラクターがお宝を探す演出が実行され、お宝を見つけることができれば花火ラッシュに突入する。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図56中(A):「11ラウンド確変図柄1〜11」又は「11ラウンド通常図柄」に該当した場合の大当り遊技の終了後、1回目の変動表示が行われることで、「お宝チャレンジ演出」が開始される。演出図柄は、画面の左上隅位置で縮小した状態で変動表示演出が実行されている(「変動中」−「変動中」−「変動中」)。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されている。
〔遊技説明演出〕
お宝チャレンジ演出が開始されると、まず遊技説明演出が実行される。図示の例では、画面の左側に仙人のキャラクターが表示され、その仙人のキャラクターが「お宝を見つけることができれば花火ラッシュ突入じゃ!」という台詞を発する演出が実行されている。
〔11ラウンド確変図柄1当選時〕
図56中(B):先の大当りが「11ラウンド確変図柄1」に該当していた場合、特殊変動の回数は1回となるため、1回目のお宝チャレンジ演出で成功演出が実行される。具体的には、馬のキャラクターがお宝を見つける演出が実行される。そして、画面の上方に「成功」の文字が表示され、仙人のキャラクターが「お見事!」という台詞を発する演出が実行される。
〔変動終了時〕
図56中(C):大当り遊技終了後から1回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「1」−「2」−「3」)。また、第4図柄Z1は、非当選の態様(例えば白表示色)で停止表示されている。
また、このタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を遊技者に対して教示する演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような演出を実行することにより、「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
〔11ラウンド確変図柄2〜11又は11ラウンド通常図柄当選時〕
図56中(D):一方、「11ラウンド確変図柄2〜11」又は「11ラウンド通常図柄」のいずれかでの当選の場合、1回目のお宝チャレンジ演出では失敗演出が実行される。そして、画面の上方に「失敗」の文字が表示され、仙人のキャラクターが「残念」という台詞を発する演出が実行される。
〔変動終了時〕
図56中(E):大当り遊技終了後から1回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「4」−「5」−「6」)。また、第4図柄Z1は、非当選の態様(例えば白表示色)で停止表示されている。
また、このタイミングにおいて、お宝チャレンジ演出が継続することを遊技者に対して教示する演出が実行される。図示の例では、画面内に「お宝チャレンジ継続!」という文字情報が表示されている。そして、「11ラウンド確変図柄2〜10」に該当している場合には、それぞれの当選図柄に設定された特殊変動が終了するまでお宝チャレンジ演出が継続され、最終的には、お宝チャレンジ演出において成功演出が実行される。
〔変動終了時〕
図56中(F):一方、「11ラウンド通常図柄」又は「11ラウンド確変図柄11」に該当している場合、大当り遊技終了後から10回目の変動(非当選時)においても失敗演出が実行される。また、このタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を遊技者に対して教示する演出が実行される。図示の例では、画面内に「祭りモード突入!」という文字情報が表示されている。このような演出を実行することにより、「低確率又は高確率非時間短縮状態」の祭りモードに移行することを遊技者に教示することができる。なお、高確率非時間短縮状態において「11ラウンド確変図柄11」に該当した場合には、時短回数が10000回に設定されるため、大当り遊技終了後から10回目の変動において、成功演出を実行することができる。
〔花火ラッシュの演出例〕
図57は、花火ラッシュの演出例を示す連続図である。
花火ラッシュは、高確率時間短縮状態であり、大当り遊技後に当選の結果が得られない限り、特別図柄が10000回変動するまで継続する。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図57中(A):「花火ラッシュ」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。花火ラッシュの背景画像は、遊技者に対して花火のモチーフを深く印象付けるために、「夜空に花火が打ち上げられる情景」が表現された背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上部では第4図柄Z2が変動表示されている。
図57中(B):そして、大当り遊技終了後から1回目の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「3」−「1」−「7」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
図57中(C):次回の変動が開始されると、大当り遊技終了後から2回目の変動表示が行われる。なお、高確率時間短縮状態では、可変始動入賞装置28の作動が高頻度で行われるため、遊技者が右打ちを継続する限り、第2特別図柄の変動表示に伴う演出図柄の変動表示が行われることが多い。
〔花火ボーナス演出〕
図58は、花火ボーナス演出の演出例を部分的に示す連続図である。
花火ボーナス演出は、「15ラウンド確変図柄2〜7」又は「3ラウンド確変図柄」等に該当した場合の大当り遊技中に実行される演出である。
〔1ラウンド〕
図58中(A):大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、「大当り中」という遊技の進行状況に対応した内容の大役中演出が実行される。大役中演出では、例えば画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、表示画面の右上の領域には、「花火ボーナス」の文字が表示され、画面の中央には馬にまたがる動物のキャラクターの画像が表示される。
〔最終ラウンド〕
図58中(B):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終ラウンドに移行する。例えば、15ラウンド大当りが実行されている場合には、画面内に「ROUND15」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。
〔大役終了時〕
図58中(C):大当り遊技が終了するタイミングにおいて、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「花火ラッシュ突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「高確率時間短縮状態」の花火ラッシュに移行することを遊技者に教示することができる。
〔ノーマルボーナス演出〕
図59は、ノーマルボーナス演出の演出例を部分的に示す連続図である。
ノーマルボーナス演出は、「5ラウンド通常図柄」又は「5ラウンド確変図柄」等に該当した場合の大当り遊技中に実行される演出である。
〔1ラウンド〕
図59中(A):ノーマルボーナス演出における大当り遊技の1ラウンド目が開始されると、画面内に「ROUND1」のラウンド数に対応する文字情報が表示される。また、画面左上には、「ノーマルボーナス」の文字が表示され、画面の中央には犬のキャラクターの画像が表示される。
〔5ラウンド〕
図59中(B):この後、大当り遊技が順調に進行し、最終の5ラウンドに移行すると、画面内には「ROUND5」のラウンド数に対応する文字情報が表示されるとともに、大当り遊技中に固有の演出画像が表示されている。
〔大役終了時〕
図59中(C):「5ラウンド通常図柄」に該当した際の大当り遊技が終了するタイミング(エンディング時間中)において、この後に移行する内部状態を教示する内容の大役終了演出が実行される。図示の例では、画面内に「海岸モード突入!」という文字情報が表示されている。このような大役終了演出を実行することにより、大当り遊技終了後の特典として「低確率時間短縮状態」の海岸モードに移行することを遊技者に教示することができる。なお、「5ラウンド確変図柄」に該当している場合には、ノーマルボーナス演出の実行中に大役昇格演出が実行され、花火ラッシュに移行する。
〔海岸モードの演出例〕
図60は、海岸モードの演出例を示す連続図である。
海岸モードは、時間短縮状態にて「5ラウンド通常図柄」に該当した場合の大当り遊技の終了後に移行される。海岸モードは、「低確率時間短縮状態」である。以下、演出の流れについて順を追って説明する。
図60中(A):「海岸モード」の状態で演出図柄の変動表示が行われている。海岸モードの背景画像は、海岸モードのコンセプトである癒しの印象を表現するために、「砂浜」や「海」、「山」等の画像をモチーフとした背景画像となっている。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z2が変動表示されている。
図60中(B):そして、今回の変動(非当選時)が終了したことにより、すべての演出図柄が停止表示されている(「1」−「1」−「5」)。また、第4図柄Z2は、非当選の態様(例えば白色表示色)で停止表示されている。
図60中(C):そして、次回の変動が開始される。この海岸モードは、当選の結果が得られずに特別図柄が100回変動すると終了となる。海岸モードが終了すると低確率非時間短縮状態の通常モードに移行する。なお、海岸モードにて当選の結果が得られた場合は、リーチ演出が実行されて大当りとなる。
〔設定示唆演出の第1演出例〕
図61〜図64は、設定示唆演出の第1演出例について示す連続図である。
ここで、設定示唆演出とは、少なくとも抽選要素(保留、入賞時に獲得される各種乱数)が取得されてから抽選要素が消費されるまで(当該変動が開始されるまで)の一部又は全部の期間を利用して実行される演出であり、パチンコ機1の設定を示唆する演出である。
また、設定示唆演出の第1演出例は、液晶表示器42に表示する画像によって設定を示唆する演出例である。
〔変動表示演出開始前〕
図61中(A):液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている(「2」−「5」−「8」)。図示の例では、マーカM1が3つ表示されているため、第1特別図柄の作動記憶が3個存在していることが表されている。
図示の例では、3個のマーカM1に、非リーチはずれ変動パターンに対応する抽選要素が記憶されているものとする(非R)。
ここで、図中の吹き出しの図形は、実際の遊技中の表示画面に表示されるものではなく、説明の便宜のために表示している。
〔変動表示演出開始〕
図61中(B):第1特別図柄の変動開始とともに、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される。このとき、第1特別図柄の作動記憶に対応するマーカM1が1つ変動中表示領域X2に移動する。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されている。なお、ここでの第1特別図柄の変動は、非リーチはずれ変動パターンが選択されているものとする。
また、図示の例では、浴衣を着こなした女性キャラクターが長椅子に腰掛けている背景画像が表示されている。このような演出により、演出上での滞在モードが通常モードであるということを遊技者に伝達することができる。
〔左演出図柄停止〕
図61中(C):変動開始からしばらくすると、画面の左側に数字の「1」を表す左演出図柄が停止する。
〔右演出図柄停止〕
図61中(D):左演出図柄の停止に続けて、画面の右側に数字の「4」を表す右演出図柄が停止する。
〔記憶の増加〕
このタイミングで、中始動入賞口26に遊技球が1個入球し、左側から3番目のマーカM1に、リーチ演出が実行される変動パターンに対応する抽選要素が新たに取得(記憶)されたものとする(R)。図中の「R」の文字情報は、実際の遊技中の表示画面に表示されるものではなく、説明の便宜のために表示している情報であり、リーチ演出が実行される変動パターンに対応する抽選要素(リーチ変動に対応する抽選要素)が新たに取得されたことを示している。
〔マーカ変化演出〕
図示の例では、通常の白色マーカではなく、白色点滅マーカが表示されるマーカ変化演出が実行されている。これにより、先読み演出が開始されたことを遊技者に伝達することができる。
また、入賞時には設定示唆演出の実行抽選が行われる。そして、ここでは、設定示唆演出の第1演出例の実行条件が満たされ、設定示唆演出の第1演出例のシナリオとして、第1特別図柄の記憶数が2個になった際に(保2の状態で)設定示唆キャラクターを3人まで登場させ、第1特別図柄の記憶数が1個になった際に(保1の状態で)設定示唆キャラクターを6人まで登場させるシナリオが選択されたものとする。
〔中演出図柄停止〕
図61中(E):右演出図柄の停止に続けて、数字の「1」を表す中演出図柄が停止している。また、第4図柄Z1も、「はずれ」に対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。第1特別図柄の変動が終了すると、変動中表示領域X2に表示されているマーカM1が消滅する演出が実行される。
〔変動表示演出開始前〕
図62中(F):液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている(「1」−「1」−「4」)。図示の例では、マーカM1が3つ表示されているため、第1特別図柄の作動記憶が3個存在していることが表されている。
〔変動表示演出開始〕
図62中(G):第1特別図柄の変動開始とともに、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される。このとき、第1特別図柄の作動記憶に対応するマーカM1が1つ変動中表示領域X2に移動する。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されている。なお、ここでの第1特別図柄の変動は、非リーチはずれ変動パターンが選択されているものとする。
〔設定示唆演出〕
設定示唆演出として、設定示唆キャラクターSC1が大きく表示される演出が実行されている。この設定示唆演出は、最終的に設定示唆キャラクターが「何人まで増えるか」という演出内容になっている。そして、設定示唆キャラクターが増えれば増えるほど、示唆する設定の値が上昇していく。なお、設定示唆演出を実行する際には、設定示唆専用の特殊背景を表示してもよい。
また、設定示唆キャラクターSC1を表示する前に、演出切替ボタン45を模した画像を表示し、遊技者により演出切替ボタン45が押下されたことを契機として設定示唆キャラクターSC1を表示してもよい。なお、その他の設定示唆キャラクターでも同様である。
〔左演出図柄停止〕
図62中(H):変動開始からしばらくすると、画面の左側に数字の「2」を表す左演出図柄が停止する。
〔設定示唆演出〕
設定示唆演出として、表示画面が2分割される演出が実行され、設定示唆キャラクターSC1に加えて、設定示唆キャラクターSC2が表示される演出が実行されている。
〔右演出図柄停止〕
図62中(I):左演出図柄の停止に続けて、画面の右側に数字の「5」を表す右演出図柄が停止する。
〔設定示唆演出〕
設定示唆演出として、表示画面が3分割される演出が実行され、設定示唆キャラクターSC1,SC2に加えて、設定示唆キャラクターSC3が表示される演出が実行されている。
〔中演出図柄停止〕
図62中(J):右演出図柄の停止に続けて、数字の「2」を表す中演出図柄が停止している。また、第4図柄Z1も、「はずれ」に対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。第1特別図柄の変動が終了すると、変動中表示領域X2に表示されているマーカM1が消滅する演出が実行される。
〔変動表示演出開始前〕
図63中(K):液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている(「2」−「2」−「5」)。図示の例では、マーカM1が2つ表示されているため、第1特別図柄の作動記憶が2個存在していることが表されている。
〔変動表示演出開始〕
図63中(L):第1特別図柄の変動開始とともに、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される。このとき、第1特別図柄の作動記憶に対応するマーカM1が1つ変動中表示領域X2に移動する。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されている。なお、ここでの第1特別図柄の変動は、非リーチはずれ変動パターンが選択されているものとする。
〔設定示唆演出〕
設定示唆演出として、表示画面が4分割される演出が実行され、設定示唆キャラクターSC1〜SC3に加えて、設定示唆キャラクターSC4が表示される演出が実行されている。
〔左演出図柄停止〕
図63中(M):変動開始からしばらくすると、画面の左側に数字の「5」を表す左演出図柄が停止する。
〔設定示唆演出〕
設定示唆演出として、表示画面が5分割される演出が実行され、設定示唆キャラクターSC1〜SC4に加えて、設定示唆キャラクターSC5が表示される演出が実行されている。
〔右演出図柄停止〕
図63中(N):左演出図柄の停止に続けて、画面の右側に数字の「7」を表す右演出図柄が停止する。
〔設定示唆演出〕
設定示唆演出として、表示画面が6分割される演出が実行され、設定示唆キャラクターSC1〜SC5に加えて、設定示唆キャラクターSC6が表示される演出が実行されている。なお、設定示唆演出によって表示した設定示唆キャラクターSC1〜SC6は、この時点で非表示としてもよい。また、設定示唆キャラクターSC1〜SC6は、リーチ状態が発生するまで、又は、リーチ状態が発生した後も、継続して表示してもよい。
〔中演出図柄停止〕
図63中(O):右演出図柄の停止に続けて、数字の「6」を表す中演出図柄が停止している。また、第4図柄Z1も、「はずれ」に対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。第1特別図柄の変動が終了すると、変動中表示領域X2に表示されているマーカM1が消滅する演出が実行される。
〔変動表示演出開始前〕
図64中(P):液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄の列が大きく表示されている(「5」−「6」−「7」)。図示の例では、マーカM1が3つ表示されているため、第1特別図柄の作動記憶が1個存在していることが表されている。
〔変動表示演出開始〕
図64中(Q):第1特別図柄の変動開始とともに、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される。このとき、第1特別図柄の作動記憶に対応するマーカM1が1つ変動中表示領域X2に移動する。また、液晶表示器42の画面右上では第4図柄Z1が変動表示されている。なお、ここでの第1特別図柄の変動は、リーチ演出が実行される変動パターンが選択されているものとする。
〔左演出図柄停止〕
図64中(R):変動開始からしばらくすると、画面の左側に数字の「3」を表す左演出図柄が停止する。
〔マーカ変化演出〕
図64中(S):このタイミングでマーカ変化演出が実行される。具体的には、仙人のキャラクターが「変化じゃ」という台詞を発する動作演出を行うことにより、変動中表示領域X2に表示されているマーカM1が白色点滅マーカから赤色マーカに変化する演出が実行されている。
〔リーチ状態の発生〕
図64中(T):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が停止表示される。この時点では、画面の右側位置に数字の「3」を表す右演出図柄が停止表示されている。右演出図柄が停止表示されることにより、画面上に横一線状(1本のライン上)に数字の「3」−「変動中」−「3」のリーチ状態が発生している。そして画面上には、リーチ状態となる1本のラインを強調する画像が合わせて表示されるとともに、「リーチ!」という音声が出力される演出が実行される。そして、この後はリーチ演出が実行されて大当りかはずれとなる演出が実行される。
〔設定示唆演出の第2演出例〕
図65は、設定示唆演出の第2演出例について示す図である。
設定示唆演出の第2演出例は、点灯するランプの数によって、設定を示唆する演出例である。
図65中(A):第1特別図柄は変動中である。液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が実行されている。なお、ここでの第1特別図柄の変動は、非リーチはずれ変動パターンが選択されているものとする。
また、ここでは、設定示唆演出の第2演出例の実行条件が満たされており、設定示唆演出の第2演出例のシナリオとして、第1特別図柄の記憶数が3個になった際に(保3の状態で)表示体201のLEDランプ53aを点灯させ、第1特別図柄の記憶数が2個になった際に(保2の状態で)表示体202のLEDランプ53bを点灯させ、第1特別図柄の記憶数が1個になった際に(保1の状態で)表示体203のLEDランプ53c〜表示体206のLEDランプ53fを点灯させるシナリオが選択されたものとする。
〔設定示唆演出〕
このようなシナリオが選択されている場合、第1特別図柄の記憶数が3個になった際には(保3の状態では)、設定示唆演出として、表示体201のLEDランプ53aが点灯する演出が実行される。
図65中(B):また、第1特別図柄の記憶数が2個になった際には(保2の状態では)、設定示唆演出として、表示体202のLEDランプ53bが点灯する演出が実行される。
図65中(C):さらに、第1特別図柄の記憶数が1個になった際には(保1の状態では)、設定示唆演出として、表示体203のLEDランプ53c〜表示体206のLEDランプ53fが点灯する演出が実行される。このように、複数のランプを一度に同時点灯させることにより、高設定を示唆することができる。
〔設定示唆演出の第3演出例〕
図66及び図67は、設定示唆演出の第3演出例について示す連続図である。
設定示唆演出の第3演出例は、可動役物60の動作によって、設定を示唆する演出例である。
図66中(A):第1特別図柄は変動中である。液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が実行されている。なお、ここでの第1特別図柄の変動は、非リーチはずれ変動パターンが選択されているものとする。
〔記憶の増加〕
図66中(B):このタイミングで、中始動入賞口26に遊技球が1個入球し、左側から2番目のマーカM1に、非リーチ変動パターンに対応する抽選要素が新たに取得されたものとする(非R)。
また、ここでは、設定示唆演出の第3演出例の実行条件を満たさなかったものとする。
この場合、可動役物60は動作することなく、中始動入賞口26のLEDランプ53gが一定時間(1.0秒程度)点灯する演出が実行される。なお、点灯色は、基本的に、白色であるが、先読み処理の内容に基づいて、白色以外の点灯色(青色、緑色、赤色等)で点灯させ、当選に対する信頼度を示唆するようにしてもよい。
〔記憶の増加〕
図67中(C):また、別のタイミングで、中始動入賞口26に遊技球が1個入球し、左側から3番目のマーカM1に、非リーチ変動パターンに対応する抽選要素が新たに取得されたものとする(非R)。
ここでは、設定示唆演出の第3演出例の実行条件を満たしたものとし、「設定1」を示唆する動作パターンが選択されたものとする。
この場合、可動役物60(左側可動体61及び右側可動体62)が1回開閉し、その後に、中始動入賞口26のLEDランプ53gが一定時間(1.0秒程度)点灯する演出が実行される。
〔記憶の増加〕
図67中(D):さらに、別のタイミングで、中始動入賞口26に遊技球が1個入球し、左側から4番目のマーカM1に、非リーチ変動パターンに対応する抽選要素が新たに取得されたものとする(非R)。
また、ここでは、設定示唆演出の第3演出例の実行条件を満たしたものとし、「設定6」を示唆する動作パターンが選択されたものとする。
この場合、可動役物60(左側可動体61及び右側可動体62)が6回開閉し、その後に、中始動入賞口26のLEDランプ53gが一定時間(1.0秒程度)点灯する演出が実行される。
次に、以上の演出を具体的に実現するための制御手法の例について説明する。上述した変動表示演出やリーチ演出、リーチ発生前予告演出、記憶数表示演出、大役中演出、先読み演出、設定示唆演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図68は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、賞球内容コマンド、設定コマンド等がある。
ステップS401:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は記憶数表示演出や、マーカM1,M2を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動体40fは可動体モータ57を駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
また、演出制御CPU126は、可動役物60(左側可動体61及び右側可動体62)の駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動役物60は可動役物用モータ58を駆動源として動作する。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される作動記憶演出管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図69は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行しない。
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2を表示させる演出を選択する。また、第1特別図柄の作動記憶が増加した場合には、演出制御CPU126は、中始動入賞口26のLEDランプ53gを一定時間点灯(0.5秒程度)させる処理を実行することができる。なお、設定示唆演出の第3演出例を実行する場合には、点灯開始タイミングを所定時間遅延させることができる。
ステップS703:演出制御CPU126は、先読み演出管理処理を実行する(先読み演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は、先読み演出(マーカ変化演出、ゾーン演出、連続演出等)を実行するか否かについての判定処理を実行し、先読み演出を実行すると決定した場合には、先読み演出の具体的な内容を決定する(選択する)処理を実行する。
例えば、マーカ変化演出は、一定の変動秒数以上の変動パターン(例えば一定時間以上の変動時間を有する非リーチはずれ変動パターンやノーマルリーチ以上の変動パターン等)が先読み処理の対象となる当該変動で選択される予定である場合であり、かつ、演出用の乱数抽選に当選した場合に選択される。変動パターンは、変動パターン先判定コマンドにより確認することができる。
このような処理を実行することにより、演出制御CPU126は、先読み演出の実行条件を満たしている場合(変動パターン先判定コマンドの内容等に基づく先読み処理の結果が所定の演出実行条件を満たしている場合)、複数回の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動に跨って実行される演出であって、第1特別図柄又は第2特別図柄が当選の態様で停止される可能性を示唆する先読み演出を実行することができる(先読み演出実行手段)。
ステップS703a:演出制御CPU126は、設定示唆演出管理処理を実行する(設定示唆演出実行手段)。
この処理では、演出制御CPU126は、設定示唆演出を実行するか否かについての判定処理を実行し、設定示唆演出を実行すると決定した場合には、設定示唆演出の具体的な内容を決定する処理(いずれの種類の設定示唆演出を、どのようなシナリオ(抽選要素が取得されてから抽選要素が消費されるまでの一部又は全部の期間のうちいずれの期間を利用して設定示唆演出を実行するかについてのシナリオ)で実行するかを決定する処理)を実行する。
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応したマーカM1,M2をスライドさせる演出、内部抽選により消費した抽選要素に対応するマーカを変動前表示領域X1から変動中表示領域X2に移動させる演出を選択する。なお、変動中表示領域X2に移動させた記憶マーカは変動終了時に消去する演出を選択する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(図68)に復帰する。
〔設定示唆演出管理処理〕
図70は、設定示唆演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS710:演出制御CPU126は、設定示唆演出の実行条件が満たされているか否かを確認する。設定示唆演出の実行条件は、例えば、以下に示す条件を少なくとも1つ満たした場合に満たされる条件とすることができる。なお、本判定処理は、実行しない処理とすることもできる。
(1)今回の入賞も含めて記憶数が2以上であること。2以上としている理由は、記憶数が1であると、当該変動でしか設定示唆演出を実行することができない場合があるからである。
(2)今回の入賞に対応する当該変動以外にリーチ変動が含まれていないこと。リーチ変動が含まれていないことを条件としている理由は、過去に記憶された抽選要素にリーチ変動に対応する抽選要素が含まれていると、設定示唆演出と、リーチ演出やその他の予告演出とが干渉する可能性があるからである。
その結果、設定示唆演出の実行条件が満たされていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS712を実行し、設定示唆演出の実行条件が満たされていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は作動記憶演出管理処理(図69)に復帰する。
ステップS712:演出制御CPU126は、設定示唆演出の第1演出例の実行条件が満たされているか否かを確認する。設定示唆演出の第1演出例の実行条件は、例えば、先読み演出(マーカ変化演出等)が選択されており(実行予定であり)、かつ、演出用の乱数抽選(1/100程度の確率で当選する抽選)に当選した場合に満たされる条件とすることができる。
その結果、設定示唆演出の第1演出例の実行条件が満たされていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS718を実行し、設定示唆演出の第1演出例の実行条件が満たされていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS714を実行する。
このような判定処理を実行することにより、演出制御CPU126は、先読み演出の実行中に、設定示唆演出の第1演出例を実行することができる(設定示唆演出実行手段)。
ステップS714:演出制御CPU126は、設定示唆演出の第2演出例の実行条件が満たされているか否かを確認する。設定示唆演出の第2演出例の実行条件は、例えば、当該変動で選択される変動パターンの内容に関わらず、演出用の乱数抽選(1/200程度の確率で当選する抽選)に当選した場合に満たされる条件とすることができる。
その結果、設定示唆演出の第2演出例の実行条件が満たされていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS722を実行し、設定示唆演出の第2演出例の実行条件が満たされていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS716を実行する。
ステップS716:演出制御CPU126は、設定示唆演出の第3演出例の実行条件が満たされているか否かを確認する。設定示唆演出の第3演出例の実行条件は、例えば、当該変動で選択される変動パターンの内容に関わらず、演出用の乱数抽選(1/300程度の確率で当選する抽選)に当選した場合に満たされる条件とすることができる。
その結果、設定示唆演出の第3演出例の実行条件が満たされていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS726を実行し、設定示唆演出の第3演出例の実行条件が満たされていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、作動記憶演出管理処理(図69)に復帰する。
ステップS718:演出制御CPU126は、設定示唆演出の第1演出例の演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、後述する設定示唆演出の第1演出例の演出パターン選択テーブルを参照しながら、設定の値に基づいて第1演出例の演出パターンを決定する処理を実行する。
ステップS720:演出制御CPU126は、設定示唆演出の第1演出例のシナリオ決定処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、ステップS718で決定した第1演出例の演出パターンや現在の記憶数等に基づいて、入賞時から当該変動が開始されるまでの設定示唆演出の第1演出例のシナリオを決定する。
例えば、ステップS716にて設定示唆演出の第1演出例の演出パターンを「6人」と決定し、現在の第1特別図柄の記憶数が3個である場合、第1特別図柄の変動が開始して抽選要素の記憶数が2個になった際に「1人目」〜「3人目」のキャラクターを表示し、次の第1特別図柄の変動が開始して抽選要素の記憶数が1個になった際に「4人目」〜「6人目」のキャラクターを表示するといったシナリオを決定する。
ステップS722:演出制御CPU126は、設定示唆演出の第2演出例の点灯パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、後述する設定示唆演出の第2演出例の点灯パターン選択テーブルを参照しながら、設定の値に基づいて第2演出例の点灯パターンを決定する処理を実行する。
ステップS724:演出制御CPU126は、設定示唆演出の第2演出例のシナリオ決定処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、ステップS722で決定した第2演出例の点灯パターンや現在の記憶数等に基づいて、入賞時から当該変動が開始されるまでの設定示唆演出の第2演出例のシナリオを決定する。
例えば、ステップS722にて設定示唆演出の第2演出例の点灯パターンを「6個」と決定し、現在の第1特別図柄の記憶数が3個である場合、第1特別図柄の変動が開始して抽選要素の記憶数が2個になった際に「1個目」〜「3個目」の表示体201〜203を点灯させ、次の第1特別図柄の変動が開始して抽選要素の記憶数が1個になった際に「4個目」〜「6個目」の表示体204〜206を点灯させるといったシナリオを決定する。
ステップS726:演出制御CPU126は、設定示唆演出の第3演出例の動作パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、後述する設定示唆演出の第3演出例の動作パターン選択テーブルを参照しながら、設定の値に基づいて第3演出例の動作パターンを決定する処理を実行する。
ステップS728:演出制御CPU126は、設定示唆演出の第3演出例のシナリオ決定処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、ステップS726で決定した第3演出例の動作パターンに基づいて、入賞時から当該変動が開始されるまでの設定示唆演出の第3演出例のシナリオを決定する。
例えば、ステップS726にて設定示唆演出の第3演出例の動作パターンを「6回」と決定した場合、入賞時に可動役物60(左側可動体61及び右側可動体62)を6回開閉し、その後に、中始動入賞口26のLEDランプ53gを一定時間(1.0秒程度)点灯させるといったシナリオを決定する。
また、ステップS726にて設定示唆演出の第3演出例の動作パターンを「1回」と決定した場合、入賞時に可動役物60(左側可動体61及び右側可動体62)を1回開閉し、その後に、中始動入賞口26のLEDランプ53gを一定時間(1.0秒程度)点灯させるといったシナリオを決定する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、作動記憶演出管理処理(図69)に復帰する。
〔設定示唆演出の第1演出例の演出パターン選択テーブル〕
図71は、設定示唆演出の第1演出例の演出パターン選択テーブルの構成例を示す図である。
このテーブルは、設定示唆演出の第1演出例の演出パターン選択処理(図70のステップS718)にて、設定示唆演出の第1演出例の演出パターンを選択する際に用いられるテーブルである。
図中左カラムには、設定の値が表示されている。具体的には、「1」〜「6」が表示されている。なお、演出制御CPU126は、設定コマンドを参照することにより設定の値を確認することができる。
一方、図中上段には、演出パターンが表示されている。具体的には、「1人」〜「6人が表示されており、「1人」は「設定1」を示唆しており、「6人」は「設定6」を示唆している。
演出パターンの人数は、液晶表示器42の表示画面に表示する設定示唆キャラクターの人数に対応している。例えば、「1人」の場合は、設定示唆キャラクターSC1だけを表示し、「6人」の場合は、設定示唆キャラクターSC1〜SC6を表示する。
〔設定1〕
設定の値が「1」である場合、演出パターンとして「1人」が選択される割合は「95%」であり、演出パターンとして「2人」〜「6人」が選択される割合はそれぞれ「1%」である。
〔設定2〕
設定の値が「2」である場合、演出パターンとして「1人」が選択される割合は「91%」であり、演出パターンとして「2人」が選択される割合は「5%」であり、演出パターンとして「3人」〜「6人」が選択される割合はそれぞれ「1%」である。
〔設定3〕
設定の値が「3」である場合、演出パターンとして「1人」が選択される割合は「91%」であり、演出パターンとして「2人」が選択される割合は「1%」であり、演出パターンとして「3人」が選択される割合は「5%」であり、演出パターンとして「4人」〜「6人」が選択される割合はそれぞれ「1%」である。
〔設定4〕
設定の値が「4」である場合、演出パターンとして「1人」が選択される割合は「91%」であり、演出パターンとして「2人」,「3人」が選択される割合はそれぞれ「1%」であり、演出パターンとして「4人」が選択される割合は「5%」であり、演出パターンとして「5人」,「6人」が選択される割合はそれぞれ「1%」である。
〔設定5〕
設定の値が「5」である場合、演出パターンとして「1人」が選択される割合は「91%」であり、演出パターンとして「2人」〜「4人」が選択される割合はそれぞれ「1%」であり、演出パターンとして「5人」が選択される割合は「5%」であり、演出パターンとして「6人」が選択される割合は「1%」である。
〔設定6〕
設定の値が「6」である場合、演出パターンとして「1人」が選択される割合は「91%」であり、演出パターンとして「2人」〜「5人」が選択される割合はそれぞれ「1%」であり、演出パターンとして「6人」が選択される割合は「5%」である。
このように、本テーブルでは、設定の値に対応した人数が選択されやすくなっているだけでなく、どのような設定でも、すべての演出パターンを実行可能なテーブルとなっている。
〔設定示唆演出の第2演出例の点灯パターン選択テーブル〕
図72は、設定示唆演出の第2演出例の点灯パターン選択テーブルの構成例を示す図である。
このテーブルは、設定示唆演出の第2演出例の点灯パターン選択処理(図70のステップS722)にて、設定示唆演出の第2演出例の点灯パターンを選択する際に用いられるテーブルである。
図中左カラムには、設定の値が表示されている。具体的には、「1」〜「6」が表示されている。
一方、図中上段には、点灯パターンが表示されている。具体的には、「1個」〜「6個が表示されており、「1個」は「設定1」を示唆しており、「6個」は「設定6」を示唆している。
点灯パターンの個数は、点灯させる表示体の個数に対応している。例えば、「1個」の場合は、表示体201だけを点灯させ、「6個」の場合は、表示体201〜206を点灯させる。
〔設定1〕
設定の値が「1」である場合、点灯パターンとして「1個」が選択される割合は「95%」であり、点灯パターンとして「2個」が選択される割合は「3%」であり、点灯パターンとして「3個」が選択される割合は「2%」である。なお、設定の値が「1」である場合、点灯パターンとして「4個」〜「6個」が選択されることはない。
〔設定2〕
設定の値が「2」である場合、点灯パターンとして「1個」が選択される割合は「91%」であり、点灯パターンとして「2個」が選択される割合は「7%」であり、点灯パターンとして「3個」が選択される割合は「2%」である。なお、設定の値が「2」である場合、点灯パターンとして「4個」〜「6個」が選択されることはない。
〔設定3〕
設定の値が「3」である場合、点灯パターンとして「1個」が選択される割合は「91%」であり、点灯パターンとして「2個」が選択される割合は「2%」であり、点灯パターンとして「3個」が選択される割合は「7%」である。なお、設定の値が「3」である場合、点灯パターンとして「4個」〜「6個」が選択されることはない。
〔設定4〕
設定の値が「4」である場合、点灯パターンとして「1個」が選択される割合は「91%」であり、点灯パターンとして「2個」,「3個」が選択される割合はそれぞれ「1%」であり、点灯パターンとして「4個」が選択される割合は「5%」であり、点灯パターンとして「5個」が選択される割合は「2%」である。なお、設定の値が「4」である場合、点灯パターンとして「6個」が選択されることはない。
〔設定5〕
設定の値が「5」である場合、点灯パターンとして「1個」が選択される割合は「91%」であり、点灯パターンとして「2個」,「3個」が選択される割合はそれぞれ「1%」であり、点灯パターンとして「4個」が選択される割合は「2%」であり、点灯パターンとして「5個」が選択される割合は「5%」である。なお、設定の値が「5」である場合、点灯パターンとして「6個」が選択されることはない。
〔設定6〕
設定の値が「6」である場合、点灯パターンとして「1個」が選択される割合は「91%」であり、点灯パターンとして「2個」〜「5個」が選択される割合はそれぞれ「1%」であり、点灯パターンとして「6個」が選択される割合は「5%」である。なお、設定の値が「6」である場合、いずれの点灯パターンも選択される可能性がある。
このように、本テーブルでは、設定の値に対応した動作回数が選択されやすくなっているだけでなく、設定4,5,6確定演出や、設定6確定演出等の高設定確定演出を実行することができるテーブルとなっている。
〔設定示唆演出の第3演出例の動作パターン選択テーブル〕
図73は、設定示唆演出の第3演出例の動作パターン選択テーブルの構成例を示す図である。
このテーブルは、設定示唆演出の第3演出例の動作パターン選択処理(図70のステップS726)にて、設定示唆演出の第3演出例の動作パターンを選択する際に用いられるテーブルである。
図中左カラムには、設定の値が表示されている。具体的には、「1」〜「6」が表示されている。
一方、図中上段には、動作パターンが表示されている。具体的には、「1回」〜「6回が表示されており、「1回」は「設定1」を示唆しており、「6回」は「設定6」を示唆している。
動作パターンの回数は、可動役物60を開閉させる回数に対応している。例えば、「1回」の場合は、可動役物60を1回だけ開閉し、「6回」の場合は、可動役物60を6回開閉する。
〔設定1〕
設定の値が「1」である場合、動作パターンとして「1回」が選択される割合は「41%」であり、動作パターンとして「2回」,「4回」,「6回」が選択される割合はそれぞれ「3%」であり、動作パターンとして「3回」,「5回」が選択される割合はそれぞれ「25%」である。
〔設定2〕
設定の値が「2」である場合、動作パターンとして「1回」,「3回」,「5回」が選択される割合はそれぞれ「3%」であり、動作パターンとして「2回」が選択される割合は「41%」であり、点灯パターンとして「4回」,「6回」が選択される割合はそれぞれ「25%」である。
〔設定3〕
設定の値が「3」である場合、動作パターンとして「1回」,「5回」が選択される割合はそれぞれ「25%」であり、動作パターンとして「2回」,「4回」,「6回」が選択される割合はそれぞれ「3%」であり、動作パターンとして「3回」が選択される割合は「41%」である。
〔設定4〕
設定の値が「4」である場合、動作パターンとして「1回」,「3回」,「5回」が選択される割合はそれぞれ「3%」であり、動作パターンとして「2回」,「6回」が選択される割合はそれぞれ「25%」であり、点灯パターンとして「4回」が選択される割合は「41%」である。
〔設定5〕
設定の値が「5」である場合、動作パターンとして「1回」,「3回」が選択される割合はそれぞれ「25%」であり、動作パターンとして「2回」,「4回」,「6回」が選択される割合はそれぞれ「3%」であり、動作パターンとして「5回」が選択される割合は「41%」である。
〔設定6〕
設定の値が「6」である場合、動作パターンとして「1回」,「3回」,「5回」が選択される割合はそれぞれ「3%」であり、動作パターンとして「2回」,「4回」が選択される割合はそれぞれ「25%」であり、点灯パターンとして「6回」が選択される割合は「41%」である。
このように、本テーブルでは、設定の値に対応した動作回数が選択されやすくなっているだけでなく、偶数設定又は奇数設定を示唆しやすいテーブルとなっている。
〔演出図柄管理処理〕
図74は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は(演出実行手段)、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において大当り時可変入賞装置管理処理(図22中のステップS5000)が選択された場合や小当り時可変入賞装置管理処理(図22中のステップS6000)が選択された場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(演出実行手段)。小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行することができる。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば15ラウンド大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、15ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
〔演出図柄変動前処理〕
図75は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図68中のステップS404)、ランプ駆動処理(図68中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。なお、具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する(予告演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
このように、演出制御CPU126は、予告演出を実行するか否かの抽選に当選した場合(規定の演出実行条件が満たされた場合)、変動表示演出(所定の演出)の実行中に当選の態様で演出図柄が停止表示されることを示唆する(所定の演出の成功の可否を示唆する、所定の演出に関する)予告演出を実行する(予告演出実行手段)。
また、演出制御CPU126は、この予告選択処理において予告演出を実行すると決定した場合には、変動表示中のいずれのタイミングで予告演出を開始するのかを決定する処理を実行する。なお、予告演出には、変動表示中に実行される各種の予告演出(ステップアップ予告演出、会話予告演出、カットイン予告演出、群予告演出、役物落下演出、次回予告演出、タイトル色変更演出)だけでなく、擬似連続予告演出や先読み予告演出、記憶マーカ変化予告演出等も含まれる。
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。例えば滞在モードが「通常モード(低確率非時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、女性キャラクターが長椅子に腰掛けている背景画像を選択する処理を実行する。また、滞在モードが「花火ラッシュ(高確率時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、花火をモチーフとした背景画像を選択する処理を実行する。さらに、滞在モードが「海岸モード(低確率時間短縮状態)」である場合、演出制御CPU126は、海岸をモチーフとした背景画像を選択する処理を実行する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図74中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
〔大当り時変動演出パターン選択処理〕
図76は、大当り時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS800:演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、変動パターンコマンドをロードする。これにより、今回の変動がどのような種類の大当り変動パターンであるかを確認することができる。
ステップS802:演出制御CPU126は、ロードした変動パターンが特殊変動パターンであるか否かを確認する。
その結果、今回の変動パターンが特殊変動パターンであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS804を実行し、今回の変動パターンが特殊変動パターンであることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS806を実行する。
ステップS804:演出制御CPU126は、特殊変動パターン当り演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。具体的には、演出制御CPU126は、お宝チャレンジ演出にて大当りとなる演出パターンを選択する。
ステップS806:演出制御CPU126は、リーチ後当り演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。具体的には、演出制御CPU126は、変動パターンの種類(変動時間の長短)に応じてノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出等の演出パターンを選択する。
そして、ステップS804又はステップS806の処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図75)に復帰する。
〔はずれ時変動演出パターン選択処理〕
図77は、はずれ時変動演出パターン選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS820:演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、変動パターンコマンドをロードする。これにより、今回の変動がどのような種類のはずれ変動パターンであるかを確認することができる。
ステップS822:演出制御CPU126は、ロードした変動パターンが特殊変動パターンであるか否かを確認する。
その結果、今回の変動パターンが特殊変動パターンであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS826を実行し、今回の変動パターンが特殊変動パターンであることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS824を実行する。
ステップS824:演出制御CPU126は、ロードした変動パターンがリーチ後はずれ変動パターンであるか否かを確認する。
その結果、今回の変動パターンがリーチ後はずれ変動パターンであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS828を実行し、今回の変動パターンがリーチ後はずれ変動パターンであることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS830を実行する。
ステップS826:演出制御CPU126は、特殊変動パターンはずれ演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、特別図柄の変動中にお宝チャレンジ演出を実行し、前回の当選図柄の種類に基づいてお宝チャレンジ演出を継続させたり、花火ラッシュに移行させたり、祭りモードに移行させたりする演出パターンを選択する。
ステップS828:演出制御CPU126は、リーチ後はずれ演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、リーチ演出を実行してはずれとなる演出パターンを選択する。
ステップS830:演出制御CPU126は、非リーチはずれ演出選択処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、主制御CPU72から受信した変動パターンコマンドに基づいて、リーチ演出を実行しないではずれとなる演出パターンを選択する。
そして、ステップS826、ステップS828又はステップS830のいずれかの処理を終えると、演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理(図75)に復帰する。
〔モード演出管理処理〕
図78は、モード演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS850:演出制御CPU126は、内部状態が時間短縮状態(低確率時間短縮状態又は高確率時間短縮状態)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認して内部状態が時間短縮状態であるか否かを確認する。
その結果、内部状態が時間短縮状態であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS856を実行する。これに対して、内部状態が時間短縮状態であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS852を実行する。
ステップS852:演出制御CPU126は、今回の変動が特殊変動パターンに該当する変動パターンであるか否かを確認する。この確認は、変動パターンコマンドを確認することにより実行することができる。
その結果、今回の変動が特殊変動パターンに該当する変動パターンであることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS858を実行する。一方、今回の変動が特殊変動パターンに該当する変動パターンであることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS854を実行する。
ステップS854:演出制御CPU126は、前回の当選図柄が「5ラウンド通常図柄」であるか否かを確認する。前回の当選図柄がいずれの図柄に該当していたか、また前回の内部状態がいずれの状態であったかについての確認は、前回の当選時に当選図柄に関する情報や内部状態に関する情報をRAM130に記憶しておくことにより実現することができる。
その結果、前回の当選図柄が「5ラウンド通常図柄」であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS860を実行する。これに対して、前回の当選図柄が「5ラウンド通常図柄」であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS862を実行する。
ステップS856:演出制御CPU126は、非時間短縮状態に対応する背景画像を選択する処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、「通常モード」の背景画像又は「祭りモード」の背景画像を選択する処理を実行する。例えば、演出制御CPU126は、低確率非時間短縮状態において、基本的には「通常モード」の背景画像を選択する処理を実行する。また、演出制御CPU126は、お宝チャレンジ演出後は、「祭りモード」の背景画像を選択し、低確率非時間短縮状態で特別図柄が規定回数(例えば10回)変動した場合には、「通常モード」の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS858:演出制御CPU126は、お宝チャレンジ演出用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS860:演出制御CPU126は、花火ラッシュ用の背景画像を選択する処理を実行する。
ステップS862:演出制御CPU126は、海岸モード用の背景画像を選択する処理を実行する。
そして、ステップS856〜ステップS862のいずれかの処理を終えると、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図75)に復帰する。
〔可変入賞装置作動時処理〕
図79は、可変入賞装置作動時処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置作動時処理は、実行選択処理(ステップS902)、可変入賞装置作動前処理(ステップS904)、可変入賞装置作動中処理(ステップS906)、可変入賞装置作動後処理(ステップS908)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って可変入賞装置作動時処理の基本的な流れを説明する。
ステップS902:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS904〜ステップS908のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置作動時処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置作動前処理を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として可変入賞装置作動前処理(ステップS904)を選択する。また、既に可変入賞装置作動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として可変入賞装置作動中処理(ステップS906)を選択する。さらに、可変入賞装置作動中処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として可変入賞装置作動後処理(ステップS908)を選択する。
ステップS904:可変入賞装置作動前処理では、演出制御CPU126は大当り遊技中や小当り遊技中に実行する演出の内容を選択する処理を実行する。
例えば、「11ラウンド通常図柄」、「11ラウンド確変図柄1〜11」に該当した場合は、チャレンジボーナス演出を選択する処理を実行する。
また、「15ラウンド確変図柄1」に該当した場合は、スペシャルボーナス演出を選択する処理を実行する。
さらに、「6ラウンド確変図柄」又は「8ラウンド確変図柄」に該当した場合は、突発的に花火ラッシュに移行する大役中演出(モード移行演出)を選択する処理を実行する。
一方、「15ラウンド確変図柄2〜7」又は「3ラウンド確変図柄」に該当した場合は、花火ボーナス演出を選択する処理を実行する。また、「5ラウンド確変図柄」に該当した場合は、ノーマルボーナス演出(5ラウンド大当り演出)の実行中に、大役昇格演出を実行する演出を選択する処理を実行する。さらに、「5ラウンド通常図柄」に該当した場合は、ノーマルボーナス演出(5ラウンド大当り演出)を実行する演出を選択する処理を実行する。
ステップS906:可変入賞装置作動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、大当り演出の実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS908:可変入賞装置作動後処理では、演出制御CPU126は、可変入賞装置の終了時間の間に移行先のモードを遊技者に対して伝達する演出を実行する。
演出制御CPU126は、当選図柄に応じて海岸モード突入演出を実行したり、花火ラッシュ突入演出を実行したりする。具体的には、当選時に「11ラウンド通常図柄」、「11ラウンド確変図柄1〜11」に該当している場合には、「お宝チャレンジ」に突入することを示す演出を選択する処理を実行し、「15ラウンド確変図柄1」、「15ラウンド確変図柄2〜7」、「3ラウンド確変図柄」、「5ラウンド確変図柄」に該当している場合には、花火ラッシュに突入することを示す演出を選択する処理を実行し、「5ラウンド通常図柄」に該当している場合には、海岸モードに突入することを示す演出を選択する処理を実行する。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)本実施形態によれば、先読み時(取得時演出判定処理)と当該変動時(特別図柄変動前処理)とで、大当り判定に用いられる各種のテーブルを状況に応じて使い分けて判定する制御を個別に実装することなく、同一のモジュール(設定別大当り判定処理)を呼び出すことにより大当り判定の結果を得ることができるため、現在の設定に応じた大当り判定を効率よく実行することができる。
(2)本実施形態によれば、特別図柄判定選択テーブル(図17)、確率状態別の特別図柄判定選択テーブル(図18)、設定別の特別図柄大当り判定テーブル(図19,図20)が階層的に設けられているため、最大で6段階まで設けることが可能である設定が実際には何段階まで設けられているかを大当り判定を行う上で意識する必要がなく、設定フラグ及び確率状態フラグの値に基づいて状況に応じた特別図柄大当り判定テーブルを割り出し、この判定テーブルに定義された大当り下限値及び大当り上限値を用いて大当り判定を行う(大当り決定乱数が大当り値の範囲内であるか否かを判定する)ことができる。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
上述した実施形態では、RAM76に記憶されている設定フラグの値が正常である場合の例で説明したが、設定別大当り判定処理(図16)による判定結果が事前判定時と当該変動時とで異なる場合、すなわち、取得時演出判定処理での実行時(図15中のステップS70)と特別図柄変動前処理での実行時(図23中のステップS2300)とで判定結果が異なる場合には、設定フラグの値が異常であると判断し、エラー報知の処理を行なったり、エラーが発生した旨を示す外部情報信号やセキュリティ信号を出力したりしてもよい。これにより、遊技場のホールコンピュータ、ひいては遊技場の管理者に、何らかの異常が発生したことを報知することができる。
また、当該変動時の判定結果に基づいて遊技を実行することも可能である。その場合には、事前判定時の判定結果に基づいて設定された演出を実行しない、或いはその演出の設定をクリアする構成としてもよい。このとき、特別図柄表示装置34,35では、当該変動時の判定結果に基づいて点滅(変動表示)及び点灯(停止表示)を行い、液晶表示器42の画面では、演出の進行を停止させる(前回の変動終了時の画面を表示し続ける)構成としてもよい。このような表示を行うことにより、何らかの異常が発生したことを遊技者に気付かせることができる。
上述した実施形態では、各特別図柄大当り判定テーブル(低確時判定テーブル1〜6、高確時判定テーブル1〜6)において、いずれも大当り下限値を「10001」と定義する例で説明したが、これに限定されない。例えば、低確時判定テーブルと高確時判定テーブルとで異なる大当り下限値を定義してもよいし、或いはテーブル毎に異なる大当り下限値を定義してもよい。
上述した実施形態における設定別の大当り確率は飽くまで一例であり、異なる大当り確率を設定してもよい。異なる大当り確率を設定する場合には、これに合わせて各特別図柄大当り判定テーブルにおける大当り値の範囲(大当り下限値及び大当り上限値)を再定義すればよい。
上述した実施形態においては、低確率状態における大当り確率には6段階で設定差を設けつつ、高確率状態における大当り確率には設定差を設けない例で説明したが、低確率状態における大当り確率の設定差は6段階よりも少なくしてもよい。また、高確率状態においても6段階又はそれ以下の段階による設定差を設けてもよい。
例えば、低確率状態における大当り確率の設定差を4段階とし、設定1〜設定4の大当り確率を異ならせつつ設定5,6の大当り確率は設定4と同一の設定とする場合は、設定1〜4に対応する低確時判定テーブル1〜4に各設定における大当り確率に合わせた大当り値の範囲(大当り下限値及び大当り上限値)を定義し、設定5,6に対応する低確時判定テーブル5,6には低確時判定テーブル4と同一の定義を行えばよい。或いは、上述した第2実施形態における場合に倣って、特別図柄低確時大当り判定選択テーブルの1行目〜4行目にそれぞれ低確時判定テーブル1〜4への差分アドレスを定義し、5行目及び6行目には、いずれも低確時判定テーブル4への差分アドレスを定義しておけばよい。このデータ構成によれば、低確時判定テーブル5,6は不要となるため、その分の制御データ(この例の場合は2バイト×2個×2テーブルで合計8バイト)の容量を圧縮することが可能となる。
上述した実施形態では、いわゆるループタイプ(確変回数に実質的な上限を設定しないタイプ)の遊技機に本発明を適用する例で説明したが、STタイプ(確変回数に実質的な上限を設定するタイプ)の遊技機に本発明を適用してもよい。
上述した実施形態では、確変領域を有しない遊技機に本発明を適用する例で説明したが、確変領域を有する遊技機に本発明を適用してもよい。
上述した実施形態では、「第1特別図柄及び第2特別図柄の同時回し」を採用していない遊技機に本発明を適用する例で説明したが、同時回しを採用している遊技機に対しても本発明を適用することができる。
上述した実施形態のパチンコ機1に、リアルタイムクロック(RTC:遊技機が電断状態であるか否かに関わらず、現在時刻を計時する現在時刻計時手段)を設置し、現在時刻が所定の時間になった場合(例えば、閉店1時間前、土曜日、日曜日、末尾が特定の数字の日になった場合)に、設定示唆演出の実行条件を緩和させる処理(設定示唆演出が実行されやすくする処理)を実行してもよい。
上述した実施形態では、設定示唆演出は、抽選要素が取得されてから抽選要素が消費されるまでの一部又は全部の期間を利用して実行する例で説明したが、抽選要素が消費された後の当該変動で実行してもよい。
設定示唆演出で用いた演出パターンや点灯パターン、動作パターンは、特別図柄が当選の態様で停止される期待度の高低を示唆する演出パターン等として利用してもよい。例えば、設定6を示唆する演出パターンは、当選の期待度が高い演出パターンとして用いることができ、設定1を示唆する画像は、当選の期待度が低い演出パターンとして用いることができる。
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。
1 パチンコ機
8 遊技盤ユニット
8a 遊技領域
20 始動ゲート
28 可変始動入賞装置
33 普通図柄表示装置
33a 普通図柄作動記憶ランプ
34 第1特別図柄表示装置
35 第2特別図柄表示装置
34a 第1特別図柄作動記憶ランプ
35a 第2特別図柄作動記憶ランプ
38 遊技状態表示装置
42 液晶表示器
45 演出切替ボタン
70 主制御装置
71 RAMクリアスイッチ
72 主制御CPU
74 ROM
76 RAM
83 設定変更スイッチ
124 演出制御装置
126 演出制御CPU
208 設定用鍵穴
210 設定キースイッチ
220 性能表示モニタ

Claims (2)

  1. 遊技中に抽選契機が発生すると、大当りに当選したか否かを抽選する所定の抽選の実行に必要な抽選要素を取得する抽選要素取得手段と、
    取得された前記抽選要素を記憶する抽選要素記憶手段と、
    前記所定の抽選の当選確率に関する設定を複数種類のうちいずれかに変更可能な設定変更手段と、
    前記抽選要素が新たに取得されると、当該取得された抽選要素について、少なくとも大当りに当選する抽選要素であるか否かを事前に判定する事前判定手段と、
    所定の始動条件が満たされた状態で前記抽選要素が記憶されている場合、前記抽選要素に基づいて前記所定の抽選を実行する抽選実行手段と、
    前記事前判定手段による判定及び前記抽選実行手段による抽選の実行のいずれに対しても、前記設定に応じた当選確率を適用させる設定適用手段と
    を備えた遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記設定変更手段は、
    前記所定の抽選において少なくとも所定の確率で当選が得られる低確率状態又は前記低確率状態に比較して高い確率で当選が得られる高確率状態の少なくとも一方に関して予め規定された複数種類の当選確率のうちいずれかに対応する前記設定に変更可能であり、
    前記設定適用手段は、
    前記低確率状態又は前記高確率状態のいずれかに該当する遊技状態と前記設定とに応じた前記当選確率を適用させるに際し、前記遊技状態を前記設定に先行して参照することを特徴とする遊技機。
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