JP2019106850A - 非接触受電装置及び非接触送電装置 - Google Patents

非接触受電装置及び非接触送電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、早期に異物検出を行うことができる非接触受電装置及び非接触送電装置を提供することである。【解決手段】 一実施形態に係る非接触受電装置は、非接触送電装置から無線により供給された電力を受け取る非接触受電装置であって、受電コイルと、負荷回路と、第1の温度センサと、第2の温度センサと、制御回路とを具備する。制御回路は、第1の温度センサにより検出された温度と第2の温度センサにより検出された温度との温度差の変化を示す傾きを算出し、前記傾きが予め設定された閾値以上である場合、前記非接触送電装置に送電を停止させる為の情報を出力する。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、非接触受電装置及び非接触送電装置に関する。
非接触で電力を伝送する非接触電力伝送装置が普及しつつある。非接触電力伝送装置は、電力を供給(送電)する非接触送電装置と、非接触送電装置から供給された電力を受け取る非接触受電装置とを備える。非接触送電装置は、電磁誘導または磁界共振(共鳴)などの電磁結合を利用して、非接触受電装置に電力を供給する。非接触送電装置は、送電コイルが設けられた送電台を有し、送電コイルから磁界を発生させることによって、送電台に載置された非接触受電装置に電力を供給する。非接触受電装置は、一般的には二次電池を備え、非接触送電装置から供給された電力を二次電池に蓄える充電処理を行う。
このような非接触電力伝送装置において、非接触送電装置の送電台と非接触受電装置との間に何らかの異物が挿入されることが想定される。例えば異物が金属などの導電体である場合、非接触送電装置から送電台に載置された非接触受電装置に対する電力の供給が行われると、導電体に渦電流が発生して発熱する。そこで、コイルの近傍の温度とコイルから離れた位置の温度との差と、予め設定された閾値とを比較し、異物を検出し、報知する非接触送電装置がある。
異物検出に時間を要した場合、ユーザが非接触送電装置から離れてしまい、ユーザが異物が存在することを認識できない可能性がある。この為、早期に異物検出を行う必要があるという課題がある。
特開2011−229264号公報
本発明が解決しようとする課題は、早期に異物検出を行うことができる非接触受電装置及び非接触送電装置を提供することである。
一実施形態に係る非接触受電装置は、非接触送電装置から無線により供給された電力を受け取る非接触受電装置であって、受電コイルと、負荷回路と、第1の温度センサと、第2の温度センサと、制御回路とを具備する。制御回路は、第1の温度センサにより検出された温度と第2の温度センサにより検出された温度との温度差の変化を示す傾きを算出し、前記傾きが予め設定された閾値以上である場合、前記非接触送電装置に送電を停止させる為の情報を出力する。
図1は、一実施形態に係る非接触電力伝送装置の構成例について説明する為の図である。 図2は、第1の実施形態に係る非接触送電装置及び非接触受電装置の構成例について説明する為の図である。 図3は、第1の実施形態に係る非接触受電装置の温度センサの配置位置について説明する為の説明図である。 図4は、第1の実施形態に係る非接触送電装置の動作の例について説明する為の図である。 図5は、第1の実施形態に係る非接触受電装置の動作の例について説明する為の図である。 図6は、第1の実施形態に係る非接触受電装置の動作の例について説明する為の図である。 図7は、第1の実施形態に係る非接触受電装置の複数の温度センサの温度差について説明する為の説明図である。 図8は、第1の実施形態に係る非接触受電装置の複数の温度センサの温度差の傾きについて説明する為の説明図である。 図9は、第2の実施形態に係る非接触送電装置及び非接触受電装置の構成例について説明する為の図である。 図10は、第2の実施形態に係る非接触送電装置の温度センサの配置位置について説明する為の説明図である。 図11は、第2の実施形態に係る非接触送電装置の動作の例について説明する為の図である。 図12は、第3の実施形態に係る非接触送電装置の動作の例について説明する為の図である。 図13は、第3の実施形態に係る非接触送電装置の複数の温度センサの温度差について説明する為の説明図である。 図14は、第3の実施形態に係る非接触受送電装置の複数の温度センサの温度差の傾きについて説明する為の説明図である。 図15は、第2の実施形態に係る非接触送電装置及び非接触受電装置の他の構成例について説明する為の図である。
以下、一実施形態に係る非接触送電装置、非接触受電装置、非接触電力伝送装置について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る非接触電力伝送装置1の構成例を示す説明図である。
非接触電力伝送装置1は、電力を供給(送電)する非接触送電装置2と、非接触送電装置2から供給された電力を受け取る非接触受電装置3とを備える。
非接触送電装置2は、電磁誘導または磁界共振(共鳴)などの磁界結合を利用して、非接触受電装置3に電力を供給する。すなわち、非接触送電装置2は、非接触受電装置3と電気的に接続されていない状態(非接触状態)で、非接触受電装置3に電力を供給する。図1に示されるように、非接触送電装置2は、送電台11、表示部12、及び送電コイル13を備える。
送電台11は、非接触送電装置2の筐体の一部が平板状に形成された部分であって、筺体内部に送電コイル13が設けられたものである。
表示部12は、非接触送電装置2の状態を示すインジケータ(例えばLEDまたはディスプレイ等)である。
送電コイル13は、交流電力によって磁界を発生させる送電回路と接続されている。送電コイル13は送電台11の非接触受電装置3が置かれる面(載置面)と平行に配設されて構成される。
非接触受電装置3は、非接触送電装置2から送電された電力を受電する装置である。非接触受電装置3は、例えばスマートフォン、タブレットPCなどの携帯情報端末として構成される。また、非接触受電装置3は、スマートフォン、タブレットPCなどの携帯情報端末の電源端子に接続され、非接触送電装置2から送電された電力を携帯情報端末に供給する構成であってもよい。また、図1に示されるように、非接触受電装置3は、受電コイル21、表示部22、及び二次電池23を備える。
受電コイル21は、磁界の変化に基づいて電流を発生させる素子であって、非接触受電装置3の筐体のいずれかの面と平行に配設されて構成される。受電コイル21は、絶縁された電線が巻かれた巻線構造として構成されていてもよいし、プリント基板上にコイルパターンが形成されて構成されていてもよい。非接触受電装置3の筐体の受電コイル21が設けられた面が送電台11の載置面に向けられた状態で、非接触受電装置3が送電台11上に載置された場合、受電コイル21は、非接触送電装置2の送電コイル13と電磁結合する。
二次電池23は、受電コイル21に発生した電力で充電されるとともに、非接触受電装置3の各部に電力を供給する電池である。
表示部22は、種々の情報を表示する表示装置である。
非接触送電装置2は、送電コイル13に交流電力(送電電力)を供給することによって、送電コイル13から磁界を発生させる。非接触送電装置2は、送電コイル13から磁界を発生させることによって、送電コイル13と電磁結合された受電コイル21を介して非接触受電装置3に電力を供給する。
非接触受電装置3の受電コイル21は、非接触送電装置2の送電コイル13から出力された磁界によって、誘導電流を発生させる。非接触受電装置3は、受電コイル21に生じた電力を二次電池23に蓄える充電処理を行う。
なお、非接触送電装置2と非接触受電装置3との間における電力伝送は、送電コイル13の中心C1と、受電コイル21の中心C2とのずれ(位置ずれ)の大きさに応じて効率が低下する。また、非接触送電装置2と非接触受電装置3との間に異物が挿入される場合がある。異物が、例えば金属などの導電体である場合、非接触送電装置2から送電された電力が異物に吸収される為、異物が発熱すると同時に、電力伝送の効率が低下する。
(第1の実施形態)
図2は、第1の実施形態に係る非接触電力伝送装置1の非接触送電装置2及び非接触受電装置3の構成例について説明する為の説明図である。
まず非接触送電装置2について説明する。
非接触送電装置2には、商用電源からACアダプタ4などの直流電源を介して直流電力が供給される。非接触送電装置2は、直流電源により、非接触受電装置3に対して電力を供給する送電状態と、非接触受電装置3に対して電力を供給しない待機状態とのいずれかで動作する。
非接触送電装置2は、電源回路14、送電回路15、送電コイル13、表示部12、無線通信回路16、及び制御回路17などを備える。
電源回路14は、外部の直流電源の電圧を各回路の動作に適した電圧に変換する。これにより、電源回路14は、送電回路15に送電を行わせる為の電力を生成し、送電回路15に供給する。また、電源回路14は、制御回路17を動作させる為の電力を生成し、制御回路17に供給する。
送電回路15は、制御回路17の制御に基づき、電源回路14から供給される直流電力をスイッチングすることにより、交流電力(送電電力)を生成する。送電回路15は、交流電力を送電コイル13に供給することにより、送電コイル13に磁界を発生させる。
送電コイル13は、図示されない共振用のコンデンサと直列あるいは並列接続されることにより、共振回路(送電共振回路)を構成するようにしてもよい。送電コイル13は、送電回路15から供給された電力によって磁界を発生させる。
表示部12は、非接触送電装置2の状態を示すインジケータである。表示部12は、制御回路17の制御に応じて表示を切り替える。例えば、表示部12は、非接触送電装置2の動作状態に応じて表示色を切り替える。また、例えば、表示部12は、異物検出処理の結果に応じて表示色を切り替えてもよい。あるいは、表示部12は、動作状態をメッセージで表示するようにしてもよい。
無線通信回路16は、非接触受電装置3と無線通信を行う為のインターフェースである。無線通信回路16は、電力伝送の周波数とは異なる周波数で無線通信を行う回路である。無線通信回路16は、例えば、2.4GHzまたは5GHz帯を使用する無線LAN、920MHz帯を使用する近距離無線通信装置、赤外線を利用した通信装置などである。具体的には、無線通信回路16は、Bluetooth(登録商標)またはWi−Fi(登録商標)などの規格に従って非接触受電装置3と無線通信を行う回路である。なお、無線通信回路16は、電力伝送の搬送波を負荷変調して非接触受電装置3と通信を行う為の信号処理を行う回路であってもよい。
制御回路17は、送電回路15、表示部12、及び無線通信回路16の動作をそれぞれ制御する。制御回路17は、プロセッサとメモリとを備える。プロセッサは、演算処理を実行する。プロセッサは、例えば、メモリに記憶されているプログラム及びプログラムで用いられるデータに基づいて種々の処理を行う。メモリは、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。なお、制御回路17は、マイコン、及び/または発振回路などにより構成されていてもよい。
例えば、制御回路17は、非接触送電装置2の状態に応じて表示部12の表示を切り替える。また例えば、制御回路17は、無線通信回路16を介した非接触受電装置3との通信を制御する。
また例えば、制御回路17は、送電回路15から出力する交流電力の周波数の制御、及び送電回路15の動作のオンオフを制御する。例えば、制御回路17は、送電回路15を制御することにより、送電コイル13に磁界を発生させる状態(送電状態)と、送電コイル13に磁界を発生させない状態(待機状態)とを切り替える。また、制御回路17は、送電コイル13に間欠的に磁界を発生させて、非接触受電装置3が非接触送電装置2に載置された状態を検出する制御や、通常の送電状態よりも小さい磁界を発生させる制御を行うようにしてもよい。
制御回路17は、電力伝送に電磁誘導方式を利用する場合、100kHz〜200kHz程度の交流電力を送電コイル13に供給するように送電回路15を制御する。また、制御回路17は、電力伝送に磁界共振方式を利用する場合、6.78MHzまたは13.56MHz等のMHz帯の交流電力を送電コイル13に供給する。また、送電回路15から送電コイル13に供給する交流電力の周波数は、上記のものに限定されず、非接触受電装置3の仕様に応じて変更されてもよい。
次に、非接触受電装置3について説明する。
非接触受電装置3は、受電コイル21、受電回路24、充電回路25、二次電池23、表示部22、無線通信回路26、第1の温度センサ27、第2の温度センサ28、及び制御回路29を備える。なお、非接触受電装置3は、充電回路25及び二次電池23の代わりに、負荷に電力を供給する為の出力端子を備える構成であってもよい。
受電コイル21は、図示されないコンデンサと直列あるいは並列接続されることにより、共振回路(受電共振回路)を構成する。受電コイル21は、非接触受電装置3が非接触送電装置2の送電台11に載置された場合、非接触送電装置2の送電コイル13と電磁結合する。受電コイル21は、非接触送電装置2の送電コイル13から出力された磁界によって、誘導電流を発生させる。即ち、受電コイル21と図示されないコンデンサとから構成される受電共振回路は、受電共振回路に接続された受電回路24に交流電力(受電電力)を供給する交流電源として機能する。
例えば、電力伝送に磁界共振方式を利用する場合、受電共振回路の自己共振周波数が、非接触送電装置2が送電する周波数と同一、或いはほぼ同一となるように構成されることが望ましい。これにより、受電コイル21と送電コイル13とが電磁結合した場合の電力の伝送効率が向上する。
受電回路24は、受電共振回路から供給される受電電力を整流し、直流に変換する。受電回路24は、例えば複数のダイオードにより構成された整流ブリッジを備える。整流ブリッジの一対の入力端子は、受電共振回路に接続されている。受電回路24は、受電共振回路から供給された受電電力を全波整流することにより、直流電力を一対の出力端子から出力する。受電回路24の一対の出力端子には、充電回路25が接続されている。受電回路24は、直流電力を充電回路25に供給する。
充電回路25は、受電回路24から供給される直流電力を、充電処理に用いられる直流電力(充電電力)に変換する。即ち、充電回路25は、受電回路24から出力された受電電力により二次電池23を充電する為の充電電力を出力する。例えば、充電回路25は、二次電池23を充電する場合、所定の電流値や電圧値の電力を二次電池23に供給する。
二次電池23は、充電回路25により生成された充電電力により充電され、また、非接触受電装置3の種々の構成の動作に用いられる。
例えば、二次電池23は、非接触受電装置3の種々の処理を実行する制御回路29に電力を供給する。また、二次電池23は、表示部22、無線通信回路26、図示されないカメラ、及びスピーカなどが接続されている。
表示部22は、種々の情報を表示する表示装置である。表示部22は、制御回路29または図示されないグラフィックコントローラの制御により画面を表示する。
無線通信回路26は、非接触送電装置2と無線通信を行う為のインターフェースである。無線通信回路26は、電力伝送の周波数とは異なる周波数で無線通信を行う回路である。無線通信回路26は、例えば、2.4GHzまたは5GHz帯を使用する無線LAN、920MHz帯を使用する近距離無線通信装置、赤外線を利用した通信装置などである。具体的には、無線通信回路26は、Bluetooth(登録商標)またはWi−Fi(登録商標)などの規格に従って非接触送電装置2と無線通信を行う回路である。なお、無線通信回路26は、電力伝送の搬送波を負荷変調して非接触送電装置2と通信を行う為の信号処理を行う回路であってもよい。
第1の温度センサ27及び第2の温度センサ28は、それぞれ温度を検出するセンサである。第1の温度センサ27及び第2の温度センサ28は、それぞれ検出した温度を示す検出信号を制御回路29に供給する。
図3は、第1の温度センサ27及び第2の温度センサ28の設置位置の例について説明する為の説明図である。図3に示されるように、第1の温度センサ27は、受電コイル21の中心C2の近傍の温度を検出する。中心C2の近傍は、受電コイル21が受ける磁界が強い(磁束密度が高い)位置である。このように第1の温度センサ27が磁束密度の高い位置の温度を検出するように構成されることにより、異物による温度の変化を検出しやすくなる。
また、第2の温度センサ28は、受電コイル21の中心C2から離れた位置、例えば受電コイル21よりも外側の位置の温度を検出する。中心C2から離れた位置は、受電コイル21が受ける磁界が弱い(磁束密度が低い)か、または磁界の影響を受けにくい位置である。このように第2の温度センサ28が磁束密度の低い位置の温度を検出するように構成されることにより、異物による温度の変化を第1の温度センサ27よりも検出しにくくなる。
上記のように、受電コイル21の中心C2に対して、第1の温度センサ27は近く、第2の温度センサ28は遠い位置に配置される。即ち、第1の温度センサ27は、第2の温度センサ28よりも受電コイル21の中心C2に近い位置の温度を検出する。このように第1の温度センサ27及び第2の温度センサ28の温度を検出する位置が設定されることにより、異物による温度の変化の検出結果が第1の温度センサ27と第2の温度センサ28とで差が出る。
制御回路29は、受電回路24、充電回路25、表示部22、及び無線通信回路16の動作をそれぞれ制御する。制御回路29は、プロセッサとメモリとを備える。プロセッサは、演算処理を実行する。プロセッサは、例えば、メモリに記憶されているプログラム及びプログラムで用いられるデータに基づいて種々の処理を行う。メモリは、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。
例えば、制御回路29は、表示部22に種々の情報を表示させる。また例えば、制御回路29は、無線通信回路26を介した非接触送電装置2との通信を制御する。
制御回路29は、充電回路25の動作を制御する。例えば、制御回路29は、充電回路25を制御することにより、二次電池23を充電する(充電処理を行う)状態と、充電処理を行わない状態とを切り替える。
次に、上記の構成の非接触送電装置2の動作について説明する。
図4は、非接触送電装置2の動作の例について説明する為のフローチャートである。
非接触送電装置2は、起動されると、待機状態で動作する(ACT11)。このとき、制御回路17は、一定時間ごとに送電回路15が動作するように制御する。これにより、送電回路15は、間欠的に送電コイル13に送電電力を供給する。
制御回路17は、間欠的に送電を行いつつ、載置検出処理を行う(ACT12)。載置検出処理は、送電台11に電力の供給対象である非接触受電装置3が載置されたか否かを判断する処理である。非接触送電装置2の制御回路17は、送電回路15から送電コイル13に供給される電流を検出する図示されない電流検出回路の検出結果に基づいて、送電台11に電力の供給対象である非接触受電装置3が載置されたか否かを判断する。もしくは、制御回路17は、電源回路14から送電回路15に供給される電流を検出する図示されない電流検出回路の検出結果に基づいて、送電台11に電力の供給対象である非接触受電装置3が載置されたか否かを判断する。
例えば、制御回路17は、待機状態において、間欠的に送電回路15から送電コイル13に送電電力を供給させる。制御回路17は、送電回路15から送電コイル13に送電電力を供給している間において、電流検出回路の検出結果が増加した場合、非接触受電装置3が送電台11に載置されたと判断する。
制御回路17は、送電台11に非接触受電装置3が載置されたと判断した場合、認証処理を行う(ACT13)。認証処理は、非接触送電装置2と非接触受電装置3との間において、電力の伝送を行う相手の機器が正しい機器であるか否かを判断する処理である。非接触送電装置2と、非接触受電装置3とは、互いに所定の情報を送受信することにより、認証処理を行う。
例えば、認証処理は、送電台11に載置された非接触受電装置3が正しい機器であるかどうかを非接触送電装置2が判断する処理である。例えば、非接触送電装置2の制御回路17は、無線通信回路16を介して非接触受電装置3から認証情報を取得する。認証情報は、非接触受電装置3の識別情報、型番、対応している電力伝送の方式、対応している周波数などを示す情報である。制御回路17は、取得した認証情報と、メモリに記録されている情報とを比較することにより、送電台11に載置された非接触受電装置3が、非接触送電装置2により電力を供給することができる正しい機器であるかどうかを判断する。認証情報は、非接触送電装置2または非接触受電装置3の識別情報のみでも構わないし、その他の情報であってもよい。
なお、認証処理は、自身が載置された送電台11を有する非接触送電装置2が正しい機器であるかどうかを非接触受電装置3が判断する処理であってもよい。この場合、非接触受電装置3の制御回路29は、無線通信回路26を介して非接触送電装置2から認証情報を取得する。認証情報は、非接触送電装置2の識別情報、型番、対応している電力伝送の方式、対応している周波数などを示す情報である。制御回路29は、取得した認証情報と、メモリに記録されている情報とを比較することにより、非接触送電装置2が、自身に対応した正しい機器であるかどうかを判断する。
制御回路17は、認証処理の結果が正常であるか否か(認証結果がOKであるか否か)を判断する(ACT14)。制御回路17は、認証処理が正常に行われていない(認証結果がNGである)と判断した場合(ACT14、NO)、ACT11の処理に移行する。
制御回路17は、認証処理が正常に行われたと判断した場合(ACT14、YES)、送電回路15から送電コイル13に送電電力を供給することにより、非接触受電装置3に対する送電を開始する(ACT15)。
制御回路17は、非接触受電装置3に対する送電を停止するか否か判断する(ACT16)。例えば、制御回路17は、送電回路15から送電コイル13に供給される電流の値に基づき、送電中に送電台11から非接触受電装置3が取り除かれたか否かを逐次判断する。制御回路17は、送電台11から非接触受電装置3が取り除かれたと判断した場合、送電を停止すると判断する。また、制御回路17は、送電を停止することを指示する情報が非接触受電装置3から供給された場合、送電を停止すると判断する。
制御回路17は、非接触受電装置3に対する送電を停止しないと判断した場合(ACT16、NO)、ACT15の処理に移行し、送電を継続する。
また、制御回路17は、非接触受電装置3に対する送電を停止すると判断した場合(ACT16、YES)、非接触受電装置3に対する送電を停止し(ACT17)、処理を終了する。
なお、制御回路17は、送電を停止した後に、送電を再開することを指示する情報が非接触受電装置3から供給された場合、送電回路15を動作させ、送電を再開する。
次に、上記の構成の非接触受電装置3の動作について説明する。
図5は、非接触受電装置3の動作の例について説明する為のフローチャートである。
非接触受電装置3は、非接触送電装置2の送電台11に載置されると、非接触送電装置2から供給される電力によって起動する(ACT21)。
非接触受電装置3の制御回路29は、起動すると、充電回路25を制御することにより、受電回路24から充電回路25に供給される直流電力を、充電処理に用いられる充電電力に変換させ、二次電池23に充電電力を供給させる充電処理を実行する(ACT22)。
また、制御回路29は、第1の温度センサ27及び第2の温度センサ28からそれぞれ検出値を取得し、取得した検出値に基づいて、異物検出処理を行い(ACT23)、異物の有無を判断する(ACT24)。異物検出処理は、非接触受電装置3と非接触送電装置2との間に異物が挿入されているか否かを判断する処理である。異物検出処理については後述する。
制御回路29は、異物検出処理において異物が無いと判断した場合(ACT24、NO)、二次電池23に充電電力を供給する充電処理を実行する(ACT25)。即ち、制御回路29は、二次電池23を充電する充電処理を継続させる。
制御回路29は、充電処理を終了するか否か判断する(ACT26)。例えば、制御回路29は、二次電池23の充電状態を監視し、二次電池23が十分に充電されたか否か判断する。制御回路29は、二次電池23が十分に充電されたと判断した場合、充電処理を終了すると判断する。
制御回路29は、充電処理を終了しないと判断した場合(ACT26、NO)、ACT23の処理に移行し、再度異物検出処理を行う。異物が検出されなかった場合、充電処理が継続される。
また、制御回路29は、充電処理を終了すると判断した場合(ACT26、YES)、充電処理を終了し(ACT27)、図5の処理を終了する。
また、制御回路29は、ACT24で異物が有ると判断した場合(ACT24、YES)、無線通信回路26を介して、非接触送電装置2に対して、送電を停止することを指示する情報や異物を検出したという情報を送信し(ACT28)、ACT27の処理に移行し、充電処理を終了する。非接触送電装置2は、ACT28で送信された送電を停止することを指示する情報を受信した場合、送電を停止する。ここで、ACT27の処理に移行する前に、制御回路29が動作するための電源供給が直ちに停止した場合には、ACT27の処理を行わずに制御回路29は動作を停止する。
これにより、非接触送電装置2は、非接触受電装置3に対して電力を供給する送電状態から、非接触受電装置3に対して電力を供給しない待機状態に切り替わる。また、二次電池23の残量があり、非接触受電装置3が非接触送電装置2からの電力を受けなくても動作可能な場合、制御回路29は、異物が存在することを表示部22に表示させる。またさらに、非接触送電装置2の制御回路17は、異物が存在することを非接触送電装置2の表示部12に表示するようにしてもよい。
次に、非接触受電装置3において行われる異物検出処理について説明する。
非接触受電装置3の制御回路29は、第1の温度センサ27の温度の検出結果、及び第2の温度センサ28の温度の検出結果に基づいて、異物の有無を検出する異物検出処理を行う。異物検出処理は、送電台11と非接触受電装置3との間に、電力の供給対象ではない何らかの導電体を備える物体(異物)が存在するか否かを判断する処理である。異物は、例えば、クリップなどのように導電体が剥き出しになったものであってもよいし、非接触ICカードなどのように樹脂などの筐体に導電体が収容されたものであってもよい。
非接触送電装置2から非接触受電装置3への送電が開始されると、送電回路15、送電コイル13、受電コイル21、及び受電回路24などの各部品が発熱する。非接触送電装置2と非接触受電装置3との間に異物が存在しないとすると、磁束密度が高い送電コイル13の中央C1の温度、及び受電コイル21の中央C2の温度が、他の位置の温度に比べて高くなる。特に、送電コイル13の中央C1の温度は、磁束密度の低い送電コイル13の周囲の温度に比べて高くなり、受電コイル21の中央C2の温度は、磁束密度の低い受電コイル21の周囲の温度に比べて高くなる。即ち、送電コイル13の中央C1及び受電コイル21の中央C2に近い位置と、送電コイル13の中央C1及び受電コイル21の中央C2から遠い位置とで、温度差が生じる。
さらに、非接触送電装置2と非接触受電装置3との間に金属等の異物が存在する場合、送電コイル13から出力された電力の一部が異物に吸収される。異物に吸収された電力は、異物内に渦電流を生じさせる。これにより、異物に熱が発生する。例えば、送電台11上に金属等の異物が存在する場合、異物が存在する位置と、他の位置とで温度に差が生じることが推測される。
上記の理由により、温度を検出する位置の違いに起因する温度差に、異物の有無に起因する温度差が加わる。即ち、非接触送電装置2と非接触受電装置3との間に異物が存在する場合、非接触送電装置2と非接触受電装置3との間に異物が存在しない場合に比べて、異なる位置に設けられた温度センサにより検出される温度の差が大きくなる。この為、制御回路29は、異なる位置に設置された第1の温度センサ27により検出された温度と、第2の温度センサ28により検出された温度との差(温度差)に基づいて、異物の有無を判断する。
図6は、非接触受電装置3における異物検出処理の例について説明する為のフローチャートである。
非接触受電装置3の制御回路29は、第1の温度センサ27から温度T1を取得する(ACT31)。上記したように、第1の温度センサ27は、受電コイル21の中心C2の近傍の温度を示す検出信号を制御回路29に供給する。制御回路29は、第1の温度センサ27から供給された検出信号をA/D変換して、温度を示す値である温度T1を取得する。
非接触受電装置3の制御回路29は、第2の温度センサ28から温度T2を取得する(ACT32)。上記したように、第2の温度センサ28は、受電コイル21の中心C2から離れた位置の温度を示す検出信号を制御回路29に供給する。制御回路29は、第2の温度センサ28から供給された検出信号をA/D変換して、温度を示す値である温度T2を取得する。
制御回路29は、温度T1と温度T2との温度差Gを算出する(ACT33)。制御回路29は、温度T1と温度T2とで高い方から低い方の値を減算することにより温度差Gを算出する。即ち、制御回路29は、温度T1−温度T2の絶対値を温度差G(G=|T1−T2|)として算出する。
制御回路29は、温度差Gの時間に応じた変化に基づいて、温度差の傾きSを算出する(ACT34)。例えば、制御回路29は、メモリに所定時間毎に算出した温度差Gを記憶する。制御回路29は、記憶された温度差Gに基づいて、所定の時間間隔における温度差Gの変化量を温度差の傾きSとして算出する。
制御回路29は、算出した温度差の傾きSと、予め設定された閾値(第1の検出用閾値)Th1とを比較する(ACT35)。第1の検出用閾値Th1は、例えば制御回路29のメモリに記憶される。第1の検出用閾値Th1は、非接触送電装置2と非接触受電装置3との間に異物が存在する場合に推定される温度差の傾きSの最大値(傾きS1と称する)よりも低く、且つ非接触送電装置2と非接触受電装置3との間に異物が存在しない場合に推定される温度差の傾きSの最大値(傾きS2と称する)よりも高い値である。
第1の検出用閾値Th1は、電力を送電する非接触送電装置2の種類ごとに記憶されていてもよい。この場合、制御回路29は、上記の認証処理において非接触送電装置2の種類を認識し、認識した種類に対応した第1の検出用閾値Th1をメモリから読み出し、温度差の傾きSとの比較に用いる。
また、非接触受電装置3が、通常の充電処理よりも処理負荷が高い急速充電処理などの処理を行うことができる構成である場合、さらに充電処理の種類ごとに第1の検出用閾値Th1が記憶されていてもよい。この場合、制御回路29は、充電処理の種類に対応した第1の検出用閾値Th1をメモリから読み出し、温度差の傾きSとの比較に用いる。
制御回路29は、算出した温度差の傾きSが第1の検出用閾値Th1未満である場合(ACT35、NO)、非接触送電装置2と非接触受電装置3との間に異物が存在しないと判断し(ACT36)、異物検出処理を終了する。この場合、図5に示されるように、制御回路29は、充電処理を継続する。なお、制御回路29による異物が存在しないとの判断は必須ではなく、ACT35の判断結果に基づき充電処理を継続してもよい。
また、制御回路29は、算出した温度差の傾きSが第1の検出用閾値Th1以上である場合(ACT35、YES)、非接触送電装置2と非接触受電装置3との間に異物が存在すると判断し(ACT37)、異物検出処理を終了する。この場合、図5に示されるように、制御回路29は、充電処理を停止し、非接触送電装置2に送電を停止させる為の情報を出力する。なお、制御回路29による異物が存在するとの判断は必須ではなく、ACT35の判断結果に基づき充電処理を停止し、非接触送電装置2に送電を停止させる為の情報を出力するようにしてもよい。
次に、上記のように異物検出処理を行った場合の温度差Gの変化について説明する。
図7は、充電が開始された後の温度差Gの変化について説明する為の説明図である。図7の縦軸は、温度差Gを示し、横軸は、時間を示す。
図8は、充電が開始された後の温度差の傾きSの変化について説明する為の説明図である。図8の縦軸は、温度差の傾きSを示し、横軸は、時間を示す。
なお、タイミングt0では、非接触送電装置2から非接触受電装置3への送電が開始されておらず、タイミングt1で、非接触送電装置2から非接触受電装置3への送電が開始されると仮定する。
図7の第1のグラフ31は、異物が存在しない場合の温度差Gの変化を示すグラフである。第1のグラフ31は、タイミングt0からタイミングt1の間で温度差Gが0であることを示す。また、第1のグラフ31は、タイミングt1以降、温度差Gが増加していることを示す。
図8の第1のグラフ41は、異物が存在しない場合の温度差の傾きSの変化を示すグラフである。第1のグラフ41は、タイミングt0からタイミングt1の間で温度差の傾きSが0であることを示す。また、第1のグラフ41は、タイミングt1以降、温度差の傾きSが傾きS2まで増加し、その後温度差の傾きSが徐々に減少していることを示す。即ち、第1のグラフ31及び第1のグラフ41は、異物が存在しない場合、送電が開始されたタイミングから温度差が増加し、時間が経過するにつれて、温度が飽和に近づき、温度差の増加の割合が小さくなることを示す。
図7の第2のグラフ32は、金属などの異物が存在し、且つ異物検出処理を行わない場合の温度差Gの変化を示すグラフである。第2のグラフ32は、タイミングt0からタイミングt1の間で温度差Gが0であることを示す。また、第2のグラフ32は、タイミングt1以降、温度差Gが増加していることを示す。
図8の第2のグラフ42は、異物が存在し、且つ異物検出処理を行わない場合の温度差の傾きSの変化を示すグラフである。第2のグラフ42は、タイミングt0からタイミングt1の間で温度差の傾きSが0であることを示す。また、第2のグラフ42は、タイミングt1以降、温度差の傾きSが傾きS1まで増加し、その後温度差の傾きSが徐々に減少していることを示す。
第2のグラフ32及び第2のグラフ42は、異物が存在する場合、送電が開始されたタイミングから急激に温度差が増加し、時間が経過するにつれて、温度が飽和に近づき、温度差の増加の割合が小さくなることを示す。また、第2のグラフ32及び第2のグラフ42は、異物が存在しない場合に比べて、温度差G及び傾きSがより大きいことを示す。
図7の第3のグラフ33は、異物が存在し、且つ異物検出処理を行う場合の温度差Gの変化を示すグラフである。第3のグラフ33は、タイミングt0からタイミングt1の間で温度差Gが0であることを示す。また、第3のグラフ33は、タイミングt1からタイミングt2に亘って温度差Gが増加し、タイミングt2からタイミングt4に亘って温度差Gが低下し、タイミングt4以降、再度温度差Gが増加していることを示す。
図8の第3のグラフ43は、異物が存在し、且つ異物検出処理を行う場合の温度差の傾きの変化を示すグラフである。第3のグラフ43は、タイミングt0からタイミングt1の間で温度差の傾きSが0であることを示す。また、第3のグラフ43は、タイミングt1からタイミングt2に亘って温度差の傾きSが増加し、タイミングt2において温度差の傾きSが第1の検出用閾値Th1以上になったことを示す。この場合、制御回路29は、異物が存在すると判断し、非接触送電装置2の送電を停止させる為の情報を出力する。また同時に、充電回路25の動作も停止させる。第3のグラフ43は、送電が停止されたタイミングt2の直後から傾きSが正の値から負の値に変化することを示す。また、第3のグラフ43は、タイミングt3からタイミングt4に亘り、傾きSが負の値から徐々に0に戻ることを示す。さらに、異物が取り除かれ、タイミングt4で非接触受電装置3からの送電が再開されるとする。この為、第3のグラフ43は、タイミングt4からタイミングt5に亘って傾きSが増加し、タイミングt5以降、傾きSが徐々に減少していることを示す。
第3のグラフ33及び第3のグラフ43は、異物が存在し、傾きSが第1の検出用閾値Th1以上になったタイミングで送電が停止され、温度差Gが戻った際に、送電が再開されることを示す。また、第3のグラフ33及び第3のグラフ43は、送電が停止されてから送電が再開されるまでの間に異物が取り除かれ、送電再開後の傾きSが、異物がない時と同様に緩やかになることを示す。
なお、上記の例では、タイミングt4において、第3のグラフ33の温度差Gが0に戻ると説明したが、この構成に限定されない。送電が再開されるタイミングt4において、温度差Gは、残っていてもよい。第3のグラフ33の温度差Gが0に戻るまでの時間は、各温度センサの周辺の空間及び構造の材質などにより変化する。例えば、タイミングt2からタイミングt4の時間が短い(例えば数十秒〜数分程度である)場合、第3のグラフ33の温度差Gは、0まで低下しない。
上記したように、非接触受電装置3は、受電コイル21の中心C2に近い位置に設けられた第1の温度センサ27と、受電コイル21の中心C2から離れた位置に設けられた第2の温度センサ28と、を有する。非接触受電装置3の制御回路29は、第1の温度センサ27が検出した温度T1と、第2の温度センサ28が検出した温度T2との温度差Gを算出し、温度差Gの変化の割合を示す傾きSを算出する。制御回路29は、傾きSが予め設定された第1の検出用閾値Th1以上になった場合に、非接触送電装置2と非接触受電装置3との間に異物が存在すると判断し、非接触送電装置2による送電を停止させる為の情報を出力する。傾きSは、温度差Gに比べて急激に変化し、短時間で最大値に到達する。この為、制御回路29は、温度差Gに応じて異物を検出する構成に比べて、より早く異物が存在するか否かを判断することができる。
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係る非接触電力伝送装置1Aの非接触送電装置2A及び非接触受電装置3Aの構成例について説明する為の説明図である。なお、第2の実施形態は、非接触受電装置3Aではなく非接触送電装置2Aが異物検出処理を行う点が第1の実施形態と異なる。
非接触送電装置2Aは、電源回路14、送電回路15、送電コイル13、表示部12、無線通信回路16、第1の温度センサ18A、第2の温度センサ19A、及び制御回路17Aなどを備える。
第1の温度センサ18A及び第2の温度センサ19Aは、それぞれ温度を検出するセンサである。第1の温度センサ18A及び第2の温度センサ19Aは、それぞれ検出した温度を示す検出信号を制御回路17Aに供給する。
図10は、第1の温度センサ18A及び第2の温度センサ19Aの設置位置の例について説明する為の説明図である。図10に示されるように、第1の温度センサ18Aは、送電コイル13の中心C1の近傍の温度を検出する。また、第2の温度センサ19Aは、送電コイル13の中心C1から離れた位置、例えば送電コイル13よりも外側の位置の温度を検出する。
制御回路17Aは、制御回路17と同様の構成を有し、制御回路17と送電時の動作が異なる。
非接触受電装置3Aは、受電コイル21、受電回路24、充電回路25、二次電池23、表示部22、無線通信回路26、及び制御回路29を備える。即ち、非接触受電装置3Aは、第1の温度センサ27及び第2の温度センサ28を備えていない点が第1の実施形態と異なる。
次に、上記のような構成の非接触送電装置2Aの動作について説明する。
図11は、非接触送電装置2Aの動作の例について説明する為のフローチャートである。
非接触送電装置2Aは、起動されると、待機状態で動作する(ACT41)。このとき、制御回路17Aは、一定時間ごとに送電回路15が動作するように制御する。これにより、送電回路15は、間欠的に送電コイル13に送電電力を供給する。
制御回路17Aは、間欠的に送電を行いつつ、載置検出処理を行う(ACT42)。
制御回路17Aは、送電台11に非接触受電装置3Aが載置されたと判断した場合、認証処理を行う(ACT43)。
制御回路17Aは、認証処理の結果が正常であるか否か(認証結果がOKであるか否か)を判断する(ACT44)。制御回路17Aは、認証処理が正常に行われていない(認証結果がNGである)と判断した場合(ACT44、NO)、ACT41の処理に移行する。
制御回路17Aは、認証処理が正常に行われたと判断した場合(ACT44、YES)、送電回路15から送電コイル13に送電電力を供給し、非接触受電装置3Aに対する送電を開始するように制御する(ACT45)。
また、制御回路17Aは、第1の温度センサ18A及び第2の温度センサ19Aからそれぞれ検出値を取得し、取得した検出値に基づいて、異物検出処理を行い(ACT46)、異物の有無を判断する(ACT47)。異物検出処理は、非接触受電装置3Aと非接触送電装置2Aとの間に金属等の異物が挿入されているか否かを判断する処理である。ACT46で制御回路17Aが実行する異物検出処理は、第1の実施形態において非接触受電装置3の制御回路29が実行する異物検出処理と同様の処理である。
制御回路17Aは、異物検出処理において異物が無いと判断した場合(ACT47、NO)、送電を実行する(ACT48)。即ち、制御回路17は、送電回路15から送電コイル13に送電電力を供給するように制御し、送電を継続する。
制御回路17Aは、非接触受電装置3Aに対する送電を停止するか否か判断する(ACT49)。例えば、制御回路17Aは、送電回路15から送電コイル13に供給される電流の値、あるいは電源回路14から送電回路15に供給される電流の値に基づき、送電中に送電台11から非接触受電装置3Aが取り除かれたか否かを逐次判断する。制御回路17Aは、送電台11から非接触受電装置3Aが取り除かれたと判断した場合、送電を停止するように制御する。また、制御回路17Aは、例えば二次電池23が満充電になったこと等により、送電を停止することを指示する情報を非接触受電装置3Aから受信した場合、送電を停止する制御を行う構成であってもよい。
制御回路17Aは、非接触受電装置3Aに対する送電を停止しないと判断した場合(ACT49、NO)、ACT46の処理に移行する。即ち、制御回路17Aは、異物検出処理を繰り返し実行しつつ、送電を継続する。
また、制御回路17Aは、非接触受電装置3Aに対する送電を停止すると判断した場合(ACT49、YES)、非接触受電装置3Aに対する送電を停止し(ACT50)、処理を終了する。
また、制御回路17Aは、ACT47で異物が有ると判断した場合(ACT47、YES)、ACT50の処理に移行し、送電を停止し、処理を終了する。その後、異物が取り除かれ、非接触受電装置3Aが送電台11から外されると、制御回路17Aは、待機状態(ACT41)から動作を再開する。
上記したように、非接触送電装置2Aが送電コイル13の中心C1に近い位置に設けられた第1の温度センサ18Aと、送電コイル13の中心C1から離れた位置に設けられた第2の温度センサ19Aと、を有し、異物検出処理を行う構成であってもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、非接触送電装置2Aが、第1の温度センサ18A及び第2の温度センサ19Aにおける温度差Gの傾きSと、予め設定された第1の検出用閾値Th1との比較結果に基づいて異物の有無を判断するのではなく、温度差Gと可変する第2の検出用閾値Th2との比較結果に基づいて異物の有無を判断する点が異なる。なお、異物検出処理を実行するのは、第1の実施形態における非接触受電装置3であっても、第2の実施形態における非接触送電装置2Aであってもよい。本実施形態では、非接触送電装置2Aが温度差Gと可変する第2の検出用閾値Th2との比較結果に基づく異物検出処理を実行すると仮定して説明する。
図12は、非接触送電装置2Aにおける異物検出処理の例について説明する為のフローチャートである。
非接触送電装置2Aの制御回路17Aは、第1の温度センサ18Aから温度T1を取得する(ACT61)。上記したように、第1の温度センサ18Aは、送電コイル13の中心C1の近傍の温度を示す検出信号を制御回路17Aに供給する。制御回路17Aは、第1の温度センサ18Aから供給された検出信号をA/D変換することにより、温度を示す値である温度T1を取得する。
非接触送電装置2Aの制御回路17Aは、第2の温度センサ19Aから温度T2を取得する(ACT62)。上記したように、第2の温度センサ19Aは、送電コイル13の中心C1から離れた位置の温度を示す検出信号を制御回路17Aに供給する。制御回路17Aは、第2の温度センサ19Aから供給された検出信号をA/D変換することにより、温度を示す値である温度T2を取得する。
制御回路17Aは、温度T1と温度T2との温度差Gを算出する(ACT63)。制御回路17Aは、温度T1と温度T2とで高い方から低い方の値を減算することにより温度差Gを算出する。即ち、制御回路17Aは、温度T1−温度T2の絶対値を温度差G(G=|T1−T2|)として算出する。
制御回路17Aは、温度差Gの時間に応じた変化に基づいて、温度差の傾きSを算出する(ACT64)。例えば、制御回路17Aは、メモリに所定時間毎に算出した温度差Gを記憶する。制御回路17Aは、記憶された温度差Gに基づいて、所定の時間間隔における温度差Gの変化量を温度差の傾きSとして算出する。
また、制御回路17Aは、第2の検出用閾値Th2を算出する(ACT65)。第2の検出用閾値Th2は、送電を開始してからの経過時間に応じて変化する値である。具体的には、制御回路17Aは、予め設定された初期値に、送電を開始してからの経過時間に応じた値(増加推測値)を加算することにより、第2の検出用閾値Th2を算出する。増加推測値は、送電を開始してからの経過時間に応じて増加する値である。例えば、増加推測値は、異物が存在しない場合の、送電を開始してからの経過時間に応じた温度差Gに相当する。第2の検出用閾値Th2を算出する為の初期値及び増加推測値は、例えば制御回路17Aのメモリに記憶される。
なお、第2の検出用閾値Th2を算出する為の初期値及び増加推測値は、電力を受電する非接触受電装置3Aの種類ごとに記憶されていてもよい。この場合、制御回路17Aは、上記の認証処理において非接触受電装置3Aの種類を認識し、認識した種類に対応した初期値及び増加推測値をメモリから読み出し、第2の検出用閾値Th2の算出に用いる。
また、非接触送電装置2Aが、通常の送電よりも大容量の送電を行うことができる構成である場合、さらに送電する容量ごとに第2の検出用閾値Th2を算出する為の初期値及び増加推測値が記憶されていてもよい。この場合、制御回路17Aは、送電する容量に対応した初期値及び増加推測値をメモリから読み出し、第2の検出用閾値Th2の算出に用いる。
制御回路17Aは、算出した温度差の傾きSが負の値であるか否か判断する(ACT66)。制御回路17Aは、算出した温度差の傾きSが負の値ではないと判断した場合(ACT66、NO)、温度差Gが第2の検出用閾値Th2以上であるか否か判断する(ACT67)。
制御回路17Aは、算出した温度差Gが第2の検出用閾値Th2未満である場合(ACT67、NO)、非接触送電装置2Aと非接触受電装置3Aとの間に異物が存在しないと判断し(ACT68)、異物検出処理を終了する。この場合、制御回路17Aは、充電処理を継続する。なお、制御回路17Aによる異物が存在しないとの判断は必須ではなく、ACT67の判断結果に基づき充電処理を継続してもよい。
また、制御回路17Aは、算出した温度差Gが第2の検出用閾値Th2以上である場合(ACT67、YES)、非接触送電装置2Aと非接触受電装置3Aとの間に異物が存在すると判断し(ACT69)、異物検出処理を終了する。この場合、制御回路17Aは、非接触受電装置3Aへの送電を停止する。なお、制御回路17Aによる異物が存在するとの判断は必須ではなく、ACT67の判断結果に基づき充電処理を停止し、非接触送電装置3Aへの送電を停止するようにしてもよい。
また、制御回路17Aは、ACT66で、温度差の傾きSが負の値であると判断した場合、第2の検出用閾値Th2をリセットし(ACT70)、ACT61の処理に移行する。例えば、非接触受電装置3Aに対して電力を供給する送電状態から非接触受電装置3に対して電力を供給しない待機状態に切り替わった後は、それまでに増加した温度差Gが減少を始める。即ち、温度差Gが第2の検出用閾値Th2よりも大きいにも関わらず、送電が行われていない状態になる。このような状態では、温度差Gが減少を続けている為、異物の検出に適さない。この為、制御回路17Aは、温度差の傾きSが0に達するまでの間、温度差Gと第2の検出用閾値Th2との比較を行わない。即ち、制御回路17Aは、第1の温度センサ18Aにより検出された温度T1と第2の温度センサ19Aにより検出された温度T2との温度差Gの変化を示す傾きSを算出し、傾きSが負の値である場合、異物が存在するか否かの判断を行わず、送電を停止した状態を継続させる。
次に、上記のように異物検出処理を行った場合の温度差Gの変化について説明する。
図13は、充電が開始された後の温度差Gの変化について説明する為の説明図である。図13の縦軸は、温度差Gを示し、横軸は、時間を示す。
図14は、充電が開始された後の温度差の傾きSの変化について説明する為の説明図である。図14の縦軸は、温度差の傾きSを示し、横軸は、時間を示す。
なお、タイミングt0では、非接触送電装置2Aから非接触受電装置3Aへの送電が開始されておらず、タイミングt1で、非接触送電装置2Aから非接触受電装置3Aへの送電が開始されると仮定する。
図13の第2の検出用閾値Th2は、初期値に送電開始からの経過時間に応じた増加推測値が加算された値である。第2の検出用閾値Th2は、送電が開始されたタイミングt1から増加し始める。また、第2の検出用閾値Th2は、温度差Gの傾きSが負の値になった場合にリセットされ、初期値に戻る。第2の検出用閾値Th2は、送電が再開されると、再び増加し始める。
図13の第1のグラフ31Aは、異物が存在しない場合の温度差Gの変化を示すグラフである。第1のグラフ31Aは、タイミングt0からタイミングt1の間で温度差Gが0であることを示す。また、第1のグラフ31Aは、タイミングt1以降、温度差Gが増加していることを示す。
図14の第1のグラフ41Aは、異物が存在しない場合の温度差の傾きSの変化を示すグラフである。第1のグラフ41Aは、タイミングt0からタイミングt1の間で温度差の傾きSが0であることを示す。また、第1のグラフ41Aは、タイミングt1以降、温度差の傾きSが傾きS2まで増加し、その後温度差の傾きSが徐々に減少していることを示す。即ち、第1のグラフ31A及び第1のグラフ41Aは、異物が存在しない場合、送電が開始されたタイミングから温度差が増加し、時間が経過するにつれて、温度が飽和に近づき、温度差の増加の割合が小さくなることを示す。
図13の第2のグラフ32Aは、異物が存在し、且つ異物検出処理を行わない場合の温度差Gの変化を示すグラフである。第2のグラフ32Aは、タイミングt0からタイミングt1の間で温度差Gが0であることを示す。また、第2のグラフ32Aは、タイミングt1以降、温度差Gがグラフ31Aよりも増加していることを示す。
図14の第2のグラフ42Aは、異物が存在し、且つ異物検出処理を行わない場合の温度差の傾きSの変化を示すグラフである。第2のグラフ42Aは、タイミングt0からタイミングt1の間で温度差の傾きSが0であることを示す。また、第2のグラフ42Aは、タイミングt1以降、温度差の傾きSが傾きS1まで増加し、その後温度差の傾きSが徐々に減少していることを示す。
第2のグラフ32A及び第2のグラフ42Aは、異物が存在する場合、送電が開始されたタイミングから急激に温度差が増加し、時間が経過するにつれて、温度が飽和に近づき、温度差の増加の割合が小さくなることを示す。また、第2のグラフ32A及び第2のグラフ42Aは、異物が存在しない場合に比べて、温度差G及び傾きSがより大きいことを示す。
図13の第3のグラフ33Aは、異物が存在し、且つ異物検出処理を行う場合の温度差Gの変化を示すグラフである。第3のグラフ33Aは、タイミングt0からタイミングt1の間で温度差Gが0であることを示す。また、第3のグラフ33Aは、タイミングt1からタイミングt2に亘って温度差Gが増加し、タイミングt2において温度差Gが第2の検出用閾値Th2以上になったことを示す。この場合、制御回路17Aは、異物が存在すると判断し、送電を停止する。この為、第3のグラフ33Aで示されるように、送電が停止されたタイミングt2からタイミングt4に亘って温度差Gが低下し、送電が再開されるタイミングt4以降、再度温度差Gが増加する。
図14の第3のグラフ43Aは、異物が存在し、且つ異物検出処理を行う場合の温度差の傾きSの変化を示すグラフである。第3のグラフ43Aは、タイミングt0からタイミングt1の間で温度差の傾きSが0であることを示す。また、第3のグラフ43Aは、タイミングt1からタイミングt2に亘って温度差の傾きSが増加し、送電が停止されたタイミングt2の直後から傾きSが正の値から負の値に変化することを示す。また、第3のグラフ43Aは、その後タイミングt3からタイミングt4に亘り、傾きSが徐々に0に戻ることを示す。制御回路17Aは、傾きSが負であるタイミングt2の直後からタイミングt4までの間は、異物検出処理を行わない。この為、送電も再開されない。タイミングt4で傾きSが0に戻ると、制御回路17Aは、再度異物検出処理を行い、温度差Gが第2の検出用閾値Th2未満であれば送電を再開する。また、第3のグラフ43Aは、タイミングt4からタイミングt5に亘って傾きSが増加し、タイミングt5以降、傾きSが徐々に減少していることを示す。
第3のグラフ33A及び第3のグラフ43Aは、異物が存在し、温度差Gが第2の検出用閾値Th2以上になったタイミングで送電が停止され、温度差Gが戻った際に、送電が再開されることを示す。また、第3のグラフ33A及び第3のグラフ43Aは、送電が停止されてから送電が再開されるまでの間に異物が取り除かれ、送電再開後の傾きSが緩やかになることを示す。
上記したように、非接触送電装置2Aは、送電コイル13の中心C1に近い位置に設けられた第1の温度センサ18Aと、受電コイル21の中心C1から離れた位置に設けられた第2の温度センサ19Aと、を有する。非接触送電装置2Aの制御回路17Aは、第1の温度センサ18Aが検出した温度T1と、第2の温度センサ19Aが検出した温度T2との温度差Gを算出し、温度差Gの変化の割合を示す傾きSを算出する。また、制御回路17Aは、送電開始してからの経過時間に応じた第2の検出用閾値Th2を算出する。制御回路17Aは、温度差Gの第2の検出用閾値Th2以上になった場合に、非接触送電装置2と非接触受電装置3との間に異物が存在すると判断し、送電を停止する。
送電を開始してから十分に時間が経過すると、第1の温度センサ18Aが検出した温度T1及び第2の温度センサ19Aが検出した温度T2が飽和する。例えば、温度差Gと比較される閾値を固定値にする場合、異物が存在しない場合の温度差Gの飽和した値より高い値Gmaxを閾値として設定する必要がある。図13の例によると、第2のグラフ32Aが第2の検出用閾値Th2以上になるタイミングはタイミングt2であり、閾値Gmax以上になるタイミングは、タイミングt5である。このように、非接触送電装置2Aは、温度差Gと比較される閾値が固定値である場合に比べて、より早く異物が存在するか否かを判断することができる。
また、非接触送電装置2Aは、第1の温度センサ18Aが検出した温度T1及び第2の温度センサ19Aが検出した温度T2と比較する為の閾値Th3がさらに設定されていてもよい。閾値Th3は、予め設定された固定値である。例えば、制御回路17Aは、閾値Th3をメモリに記憶する。制御回路17Aは、第1の温度センサ18Aが検出した温度T1及び第2の温度センサ19Aが検出した温度T2と閾値Th3とを比較し、温度T1と温度T2とのいずれかが閾値Th3以上になった場合に、送電を停止させる構成であってもよい。これにより、非接触送電装置2Aは、温度T1と温度T2とがともに増加して温度差Gが第2の検出用閾値Th2を超えない場合に、送電台11が発熱することを防ぐことができる。
なお、上記の実施形態では、制御回路17Aは、送電開始してからの経過時間に応じた第2の検出用閾値Th2を算出し、第1の温度センサ18Aが検出した温度T1と第2の温度センサ19Aが検出した温度T2との温度差Gと第2の検出用閾値Th2との比較結果に基づいて、異物が存在するか否か判断すると説明した。制御回路17Aが、第2の検出用閾値Th2及び温度差Gの算出、並びに異物が存在するか否か判断を行うタイミングは、第2の検出用閾値Th2がGmaxを超える前のタイミングであれば、どのタイミングであってもよい。例えば、制御回路17Aは、送電を開始してから、所定時間が経過したタイミングで、第2の検出用閾値Th2及び温度差Gの算出、並びに異物が存在するか否か判断を1回行う構成であってもよい。また、例えば、制御回路17Aは、送電を開始してから、複数のタイミングで、第2の検出用閾値Th2及び温度差Gの算出、並びに異物が存在するか否か判断を行う構成であってもよい。
なお、上記の実施形態では、制御回路17Aは、図12のACT66で、温度差の傾きSが負の値であると判断した場合、第2の検出用閾値Th2をリセットすると説明したが、この構成に限定されない。制御回路17Aは、温度差の傾きSが負の値である任意の値(−α)未満である場合に、第2の検出用閾値Th2をリセットし、ACT61に移行する構成であってもよい。このような構成によると、制御回路17Aは、温度差の傾きSが0に達する前に再度温度差Gが第2の検出用閾値以上であるか否か判断することができる。これにより、送電を再開するまでの時間を短くすることができる。
なお、異物による発熱は、異物の位置、異物の大きさ、及び異物の材質などにより送電台11上における分布が変わる。この為、上記の構成において、複数の温度センサの検出位置に亘って発熱する領域が存在する場合、温度差からの検出が難しくなる可能性がある。具体的には、異物が第2のセンサ19Aの近くに存在する場合、異物が存在するにも係わらず、温度差が生じない可能性がある。そこで、非接触送電装置2Aは、第2の温度センサ19Aをさらに備えていてもよい。非接触送電装置2Aが第2の温度センサ19Aを2つ以上備える場合、制御回路17Aは、第1の温度センサ18A及び複数の第2の温度センサ19により検出された温度を、1対1で総当たりで差分の絶対値を算出し、最も大きい値を上記の温度差Gとして異物検出を行う。これにより、例えば、異物が近くに存在するために、第1の温度センサ18Aとの差分が生じにくい第2の温度センサ19Aが存在する場合であっても、制御回路17Aは、異物から遠い他の第2の温度センサ19Aと、第1の温度センサ18Aまたは異物に近い第2の温度センサ19Aとの温度差Gに基づいて、異物検出を行うことができる。これにより、異物の位置によって異物検出の精度が低下することを防ぐことができる。
なお、非接触送電装置2Aが複数の第2の温度センサ19Aを備える例について説明したが、非接触受電装置3が第2の温度センサ28を複数備える構成であってもよい。この場合も、制御回路29は、第1の温度センサ27及び複数の第2の温度センサ28により検出された温度を、1対1で総当たりで差分の絶対値を算出し、最も大きい値を上記の温度差Gとして異物検出を行う。これにより、制御回路29は、異物から遠い第2の温度センサ28と、第1の温度センサ27または異物に近い第2の温度センサ28との温度差Gに基づいて、異物検出を行うことができる。
また、第2の温度センサ28は、受電コイル21が受ける磁界が弱い位置に配置されると説明したが、より理想的には、第2の温度センサ28は、磁界の影響による温度上昇の影響を受けない位置の温度(環境温度)を検出することができるように配置されることが望ましい。この場合、異物の位置によって第2の温度センサ28により検出される温度が変化しない為、非接触受電装置3は、1つの第1の温度センサ27と、1つの第2の温度センサ28とを用いて、高い精度で異物検出を行うことができる。また、非接触送電装置2Aの第2の温度センサ19Aも同様である。
なお、非接触送電装置2Aが電力供給する非接触受電装置3Aが大型である場合、送電コイル13も大型になる場合がある。
図15は、第2の実施形態に係る非接触送電装置2A及び非接触受電装置3Aの他の構成例である非接触送電装置2B及び非接触受電装置3Bについて説明する為の図である。
非接触受電装置3Bは、電気自動車などの大型の装置に組み込まれ、電磁誘導または磁界共振(共鳴)などの磁界結合を利用して、非接触送電装置2Bから電力を受け取る装置である。
非接触受電装置3Bは、受電コイル21B、二次電池23、受電回路24、充電回路25、無線通信回路26、及び制御回路29などを備える。受電コイル21Bは、磁界の変化に基づいて電流を発生させる素子であって、非接触受電装置3Bの車体(シャーシ)に設けられる。受電回路24及び充電回路25は、受電コイル21Bに発生した電力を、二次電池23に充電する。
非接触送電装置2Bは、電磁誘導または磁界共振(共鳴)などの磁界結合を利用して、電気自動車などの大型の装置に組み込まれた非接触受電装置3Bに電力を供給する装置である。
非接触送電装置2Bは、送電台11B、送電コイル13B、電源回路14、送電回路15、無線通信回路16、制御回路17B、複数の第1の温度センサ18B、及び第2の温度センサ19Bなどを備える。
送電台11Bは、非接触受電装置3Bの筐体(シャーシ)が配置される。
送電コイル13Bは、電流によって磁界を発生させる素子である。送電コイル13Bは、送電台11Bに配置される。送電コイル13Bは、送電台11Bに非接触受電装置3Bが配置された場合、非接触受電装置3Bの受電コイル21Bと電磁結合する。
制御回路17Bは、プロセッサとメモリとを備える。制御回路17Bは、プロセッサがメモリ内のプログラムを実行することにより、非接触送電装置2Bの動作を制御する。制御回路17Bは、送電回路15を制御することにより、送電回路15に接続された送電コイル13Bに交番電流を流す。これにより、送電コイル13Bに生じる磁界が変化する。これにより、送電コイル13Bに電磁結合した受電コイル21Bに電力が発生する。この結果、非接触送電装置2Bから非接触受電装置3Bに電力が供給される。
第1の温度センサ18B及び第2の温度センサ19Bは、それぞれ温度を検出するセンサである。第1の温度センサ18B及び第2の温度センサ19Bは、それぞれ検出した温度を示す検出信号を制御回路17Bに供給する。
図15に示されるように、複数の第1の温度センサ18Bは、送電コイル13Bの内側、すなわち送電コイル13Bよりも中心C1に近い側に設けられている。なお、第1の温度センサ18Bは、送電コイル13Bの内側ではなく、送電コイル13Bと送電台11Bとの間に設けられていてもよい。すなわち、第1の温度センサ18Bは、送電コイル13B上に設けられていてもよい。第1の温度センサ18Bは、少なくとも、送電コイル13Bの外周よりも中心C1に近い側に設けられていればよい。第2の温度センサ19Bは、送電コイル13Bの外側、すなわち送電コイル13Bよりも中心C1から遠い側に設けられている。
上記のように、非接触受電装置3B及び非接触送電装置2Bが大型である場合、非接触送電装置2Bの送電コイル13が大型になる。このような構成において、第1の温度センサが1つである場合、第1の温度センサの検出位置まで異物Mによる温度上昇の影響が及ばず、異物Mを検出できない可能性がある。
そこで、制御回路17Bは、複数の第1の温度センサ17Bの検出結果と、第2の温度センサ18Bの検出結果とを1対1で総当たりで差分の絶対値を算出する。さらに、制御回路17Bは、算出結果のうちで最も大きい値を上記の温度差Gとして異物検出を行う。これにより、制御回路17Bは、異物Mに近い第1の温度センサ18Bと、第2の温度センサ19Bとの温度差Gに基づいて、異物検出を行うことができる。
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…非接触電力伝送装置、1A…非接触電力伝送装置、2…非接触送電装置、2A…非接触送電装置、3…非接触受電装置、3A…非接触受電装置、11…送電台、12…表示部、13…送電コイル、14…電源回路、15…送電回路、16…無線通信回路、17…制御回路、18A…第1の温度センサ、19A…第2の温度センサ、21…受電コイル、22…表示部、23…二次電池、24…受電回路、25…充電回路、26…無線通信回路、27…第1の温度センサ、28…第2の温度センサ、29…制御回路。

Claims (5)

  1. 非接触送電装置から無線により供給された電力を受け取る非接触受電装置であって、
    前記非接触送電装置の送電コイルと電磁結合する受電コイルと、
    前記受電コイルが受け取った電力が供給される負荷回路と、
    前記受電コイルの温度を検出する第1の温度センサと、
    前記第1の温度センサよりも、前記受電コイルの中心から離れた位置の温度を検出する第2の温度センサと、
    前記第1の温度センサにより検出された温度と前記第2の温度センサにより検出された温度との温度差の変化を示す傾きを算出し、前記傾きが予め設定された閾値以上である場合、前記非接触送電装置に送電を停止させる為の情報を出力する制御回路と、
    を具備する非接触受電装置。
  2. 非接触受電装置に電力を送電する非接触送電装置であって、
    前記非接触受電装置の受電コイルと電磁結合する送電コイルと、
    前記送電コイルにより電力を送電する送電回路と、
    前記送電コイルの温度を検出する第1の温度センサと、
    前記第1の温度センサよりも、前記送電コイルの中心から離れた位置の温度を検出する第2の温度センサと、
    前記第1の温度センサにより検出された温度と前記第2の温度センサにより検出された温度との温度差の変化を示す傾きを算出し、前記傾きが予め設定された閾値以上である場合、送電を停止させる制御回路と、
    を具備する非接触送電装置。
  3. 非接触受電装置に電力を送電する非接触送電装置であって、
    前記非接触受電装置の受電コイルと電磁結合する送電コイルと、
    前記送電コイルにより電力を送電する送電回路と、
    前記送電コイルの温度を検出する第1の温度センサと、
    前記第1の温度センサよりも、前記送電コイルの中心から離れた位置の温度を検出する第2の温度センサと、
    送電を開始してからの経過時間に応じて増加する閾値と、前記第1の温度センサにより検出された温度と前記第2の温度センサにより検出された温度との温度差とを比較し、前記温度差が前記閾値以上である場合、送電を停止させる制御回路と、
    を具備する非接触送電装置。
  4. 前記制御回路は、前記第1の温度センサにより検出された温度と前記第2の温度センサにより検出された温度との温度差の変化を示す傾きを算出し、前記傾きが負の値である場合、送電を停止した状態を継続させる請求項3に記載の非接触送電装置。
  5. 非接触送電装置から無線により供給された電力を受け取る非接触受電装置であって、
    前記非接触送電装置の送電コイルと電磁結合する受電コイルと、
    前記受電コイルが受け取った電力が供給される負荷回路と、
    前記受電コイルの温度を検出する第1の温度センサと、
    前記第1の温度センサよりも、前記受電コイルの中心から離れた位置の温度を検出する第2の温度センサと、
    送電が開始してからの経過時間に応じて増加する閾値と、前記第1の温度センサにより検出された温度と前記第2の温度センサにより検出された温度との温度差とを比較し、前記温度差が前記閾値以上である場合、送電を停止させる為の情報を出力する制御回路と、
    を具備する非接触受電装置。
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