JP2019105554A - てん輪及び調速機 - Google Patents

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福田  正己
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晴子 山崎
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義樹 小野
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Abstract

【課題】機械式時計の調速機であるてんぷの回転往復運動に対し、外的な磁場がもたらす影響を抑制する構造を提供する。【解決手段】てん輪100について、連結ブリッジ部の上面側と下面側の少なくともいずれか一方に設けられた、耐磁材料で構成される耐磁板300,400を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、機械式時計の調速機であるてんぷの運動に対し、外的な磁場がもたらす影響を抑制する構造に関する。
機械式時計において、ぜんまいのばね力によって蓄えられたエネルギーを一定量で解放していく為に、うずまき形状を成しているひげぜんまいと、そのばね力を利用して往復運動をするてんぷ等の部品群を備えた調速機、及び脱進機といった構造が知られている。
てんぷは複数の部品から構成されており、一般的にはてん真に対して、てん輪、振座、ひげ玉といった部品が結合される。てん輪は、その慣性モーメントとひげぜんまいのばね定数に従った振動周期で、てん真を中心として往復運動を行っている。
てんぷに対して外的な磁界が発生すると、てんぷを構成する部品のうち磁性材料で構成される部品は、磁場の強さに応じた磁力が発生し、様々な支障をきたす場合がある。
てんぷは調速機として回転往復運動をしており、てんぷを構成する部品の一つであるらせん形状をしたひげぜんまいは、てんぷの回転往復運動に従ってらせん形状の収縮・膨張をしている。
しかし、ひげぜんまいが磁性材料、例えば、鉄からできている場合、外的な磁場の発生によりひげぜんまいは磁気を帯びてしまい、磁力が発生する。この磁力により、らせん形状の収縮・膨張率が小さくなり、基本的に機械式時計の歩度は進み方向にずれる。
上記外部磁場の影響を防ぐ方策として、特許文献1には、外的な磁界の影響を抑制する為に、磁性体により構成したポッド状部材と蓋からなるハウジングによって、ひげぜんまいの磁気シールド効果を有するてんぷが開示されている。
独国特許出願公開第19651320号明細書
特許文献1の構成は、磁気シールド効果は期待できるものの設置するには広いスペースが必要となり、時計が大型化する欠点を有する。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、機械式時計の調速機であるてんぷの回転往復運動に対し、外的な磁場がもたらす影響を抑制する構造を 提供することである。
このために、本発明は、請求項1から請求項12に記載のてん輪又は調速機に関する。具体的には、本発明のてん輪は、連結ブリッジ部と、
該連結ブリッジ部の上面側と下面側の少なくとも一方に設けられた、耐磁材料で構成される耐磁板を有することを特徴とする。
本発明によれば、機械式時計に対して外的な磁場が発生した場合においても、計時性能が落ちることを抑制する為の調速機の構造を提供することができる。
また、てんぷ製造における重心のアンバランス調整工程をより簡易的、かつ安定的にすることができる。
耐磁板が結合されたてんぷ周辺部の斜視図である。 第一実施形態における上耐磁板の斜視図である。 第一実施形態における下耐磁板の斜視図である。 第一実施形態における下耐磁板の切削例を示す斜視図である。 第一実施形態における下耐磁板の変形例を示す斜視図である。 第一実施形態における、径を小さくした変形例の下耐磁板を結合したてんぷの断面図である。 第一実施形態における、下耐磁板にひげぜんまい形状を記した変形例を示す斜視図である。 第二実施形態における、てん輪を耐磁材料で製作したてんぷの断面図である。 てん輪の環状リム部を無くした変形例のてんぷの斜視図である。 上耐磁板をてん輪の上面に結合させた変形例の断面図である。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
また、ムーブメント、及びてんぷ、ひげぜんまいに対して、文字板がある面を下側、文字盤が無い面(裏蓋側)を上側とする。
図1は、第一実施形態の耐磁板として上耐磁板300、および下耐磁板400が結合されているてんぷブロック000の斜視図である。てんぷブロック000は、複数の部品から成るてんぷ010、てんぷ受け200、ひげ持ち700、緩急針600、耐震装置800などから構成されている。
外的な磁場は方向性を持つ要因であり、てんぷに対する磁場の方向毎に、対応を取る必要がある。図1の第一実施形態では、ひげぜんまい500(図6、8、10参照)を透磁率が高い材料から成る上耐磁板300と下耐磁板400で挟む構造にすることによって、ひげぜんまい500の上側、又は下側に垂直な方向からの磁場の影響を抑制している。
ここで、てん輪100は、連結ブリッジ部と連結ブリッジ部の外端に接するか近接して配置される環状リム部を備え、上耐磁板300と下耐磁板400は、連結ブリッジ部の上面側と下面側と設けられている。 耐磁板は、上側又は下側の一方に配置しただけでも効果が得られるが、上側と下側の両方に配置すれば、より効果が高く好ましい。
図2は本発明に用いられる2枚の耐磁板のうち、ひげぜんまい500の上側に設置される上耐磁板300の斜視図である。
上耐磁板300は透磁率が高い材料から構成されており、一例としてパーマロイといった材料から成る。
形状は、基本的にてん真が通る中心穴301を有した円板とし、緩急針600やひげ持ち700といったてんぷブロック000を構成する他の部品との接触を避けるように逃げ部302が形成される形状となっている。
上耐磁板300はひげぜんまい500の上側に設置することで、ひげぜんまい500の上側方向からの磁場が、ひげぜんまい500に与える影響を抑制することができる。
上耐磁板300の設置場所は、好ましくはてんぷ受け200の下面に結合させ、てんぷブロック000自体の高さが低いまま耐磁性能を上げるのが良いが、これに限定されない。
上耐磁板300のてんぷ受け200への結合方法は、各部品への物理的負荷による変形が少ないように、好ましくは接着結合が良いが、分解可能なように、ねじによる結合や、圧入による結合を行っても良い。
図3は本発明に用いられる2枚の耐磁板のうち、ひげぜんまい500の下側に設置される下耐磁板400の斜視図である。
下耐磁板400も上耐磁板300と同様に透磁率が高い材料から構成されるが、後述する理由により上耐磁板300と異なる材料を使用しても良い。
形状は、基本的に、てん真や振り座などのてんぷ010の構成部品が通る中心穴401を有した円板とする。
下耐磁板400は、ひげぜんまい500の下側に設置することで、ひげぜんまい500の下側方向からの磁場が、ひげぜんまい500に与える影響を抑制することができる。
下耐磁板400の設置場所は、好ましくはてん輪100の下面に結合させ、てんぷブロック000自体の高さが低いまま耐磁性能を上げるのが良いが、これに限定されない。
下耐磁板400をてん輪100に結合させる方法は、各部品への物理的負荷による変形が少ないように、好ましくは接着結合が良いが、これに限定されない。例として、ねじによる結合や、てん真への圧入結合、また、第三結合部品としてピンを使用した結合方法などが挙げられる。
下耐磁板400は、図1のようなてん輪100の下面、又はてん輪100の上面に結合させることで、てん輪100の剛性を向上させることができる。
てん輪100は、その製造工程における形状切削時や、他部品との結合の時に外的応力を受ける可能性が多分にある。その外的応力によって、てん輪100が変形することがあり、てん輪100の形状が変わることによって、例えばてん輪100の慣性モーメントが設計値と差異を生じ、期待する計時性能を得られない可能性がある。また、てん輪100の変形により、他部品との干渉を起こし、耐久性が落ちる可能性もある。
したがって、てん輪100の剛性を向上させることは、時計の性能、寿命に対し有利であり、下耐磁板400をてん輪100に結合させることによって、耐磁性能を向上させるとともに、てん輪100の剛性を向上させることが可能となる。
てんぷ010は、ひげぜんまい500のばね力に応じて回転往復運動を行うが、ひげぜんまい500のばね力以外の回転往復運動へ影響を与える諸要因により、等時性が乱されることが一般的である。等時性を乱す要因の一つに、てん輪100のアンバランスによる影響がある。てん輪100は、その円周上に対して均等な質量分布を持ち、てん輪の重心がてん輪100の中心にあることが理想だが、実際は形状ばらつきなどにより、てん輪の円周状に対して質量分布のアンバランスが生じる。例えば、てん輪100の環状リム部1
01上に対して、ある一部分だけ質量が大きかったとすると、時計を縦姿勢にした時、つまりてんぷを縦姿勢にした時に、その質量が重い部分に対して重力が発生してしまい、結果、ひげぜんまい500のばね力とは異なった回転力をてんぷに与えることになるので、等時性を乱す原因となる。
上記のようなアンバランス状態のことを、以下、てんぷの静的片重り、と称し、片重りとりを行なうことをアンバランス調整と称することとする。
てんぷ010の静的片重りに対して、一般的には、てんぷ010の製造工程において調整加工が行われる。例として、アンバランスの方向に応じて、てん輪100を切削して質量を小さくする、又は質量調整用部材を付加して質量を増加させることが挙げられる。
上記てんぷ010の片重り取り作業として、てん輪100を切削する場合は、一般的に、てん輪100の環状リム部101の下面側を切削することが多い。この理由としては、てん輪100の円周上に対してどの角度に対しても切削が可能な位置が、てん輪100の環状リム部101上であるためである。
ここで、てん輪100の質量分布のアンバランスがてん輪100の一点に集中すると仮定し、その点をアンバランス点と呼ぶ。その場合、アンバランス点に対する重力によって回転力が発生する場合に、その回転力の強さは、アンバランス点の過分質量の大きさと、回転中心からの距離に比例する。つまり、てん輪100の環状リム部101を切削して、てん輪100の片重りを取る場合は、回転中心からの距離は固定されているので、アンバランス量が大きいほど、多くの質量を取る、つまり切削量を大きくする必要がある。しかし、切削ばらつきにより、理想の切削量を得られなかった場合は、片重りを取ることができない。特に、アンバランス量がとても小さい場合は、切削量も微小となるので、切削ばらつきがアンバランス調整に与えるずれの影響も大きい。
図3で示したてん輪100の下面、又はてん輪100の上面に結合させた下耐磁板構造を採用することで、上記問題を解決し、てんぷの静的片重りに対する調整加工の安定性を向上させることができる。
従来技術では、てん輪の片重り取り工程は切削位置がてん輪の環状リム部上である為に、てんぷの回転中心からの距離が固定されていたが、本発明の下耐磁板400をアンバランス調整用の加工の対象とすることで、その切削位置は環状リム部101上に限られることなく、下耐磁板400の形状内であれば如何なる位置においても切削加工をする、つまり一部質量を減少させた部分を作成することができるようになる。つまり、アンバランス量が小さい場合の調整においては、てんぷ010の回転中心から近い場所で切削を行うことにより、環状リム部101上で切削を行う場合と比較して、調整に必要な切削量が多くなる。このことにより、同じ切削量ばらつきが発生したとしても、環状リム部101での切削と比べて、アンバランス調整用に与えるずれの影響が小さくなり、結果として、てんぷの静的片重りに対する調整加工の安定性を向上させることができる。
てんぷの静的片重り取りの加工については、一般的には切削ツールを使用した切削加工が行われるが、例えばレーザー加工による下耐磁板400の切削、打ち抜き加工をすることで質量を減少させた部分を作成することもできる。打ち抜き加工の場合は、加工深さが一定となるので、てんぷの回転中心からの加工距離によって調整量を変えることができる。また、環状リム部101上の切削に対しては、その切削溝の形状は小さなものに限られるが、下耐磁板400を加工する場合は、図4のように溝402の長さを大きくすることで調整量を変えることもできる。これにより、小さな切削深さにて調整を行うことができるので、切削応力が小さい加工をすることができる。
てんぷの静的片重りの調整に対して、今まで切削加工をすることで一部の質量を減少させる例を記したが、質量を増加させることによる調整も行うことができる。本発明の下耐磁板400をてん輪100に結合させる場合には、図5のように下耐磁板の中心から一定の間隔毎に溝403を設けて置き、アンバランスに応じた方向、中心からの距離の位置にある溝403に対して、硬化性の樹脂等を充填させることで質量付加による片重り取りを行うことができる。
溝に充填する充填材の質量は、各溝で同じでも良いが、位置によって変えても良い。これにより、より細かな調整が可能となる。質量を変える方法としては、充填量を変える他、充填材の材質を変えても良い。
質量付加による調整は、切削加工等の質量減の加工に比べて、部品への負荷が小さく、切削応力による部品の変形等を抑制することができる。また、バリなどの切削痕残りが無い為に、切削加工よりも工程管理が容易である。
下耐磁板400の外径形状寸法は基本的にてん輪100の外径形状寸法と等しくすることによって、位置ずれすることなくてん輪100を結合させることができるが、てんぷ010の軽量化を目的として下耐磁板400の外径形状寸法を小さくすることもできる。この場合、下耐磁板400の外径形状寸法は、図6のように、好ましくは、ひげぜんまい500の外端径より大きく、てん輪100の外径形状寸法より小さくする。このようにすることで、ひげぜんまい500の下側方向からの磁場が、ひげぜんまい500に与える影響を抑制する効果を妨げることなく、てんぷ010の軽量化をすることができる。
下耐磁板400の上側にひげぜんまい500の外端形状を記すことによって、ひげぜんまい500の形状に関して成形、及び検査工程を容易にすることができる。
てんぷのひげぜんまいの外端部分は一般的に、緩急針600やひげ持ち700といった部品との機能を果たすために、緩急針600やひげ持ち700の位置に合わせた、スパイラル形状とは異なる形状が形成される。この外端形状成形工程では、成形作業に技術が要され、その形状の精度は作業者の習熟度によることが多い。
前記外端形状成形工程において、図7のように下耐磁板400のひげぜんまい上面側にひげぜんまいの外端形状に合った溝411を記しておくことによって、外端形状成形工程の作業者は特殊な治具などを必要とせずに、外端形状を成形することができる。これにより、作業者の習熟度によらず作業が可能となり、工程上の制約が無くなる。
また、外端形状の成形作業後の検査を行うために、画像認識ソフト等を利用して、下耐磁板410に記されているひげぜんまいの外端形状に合った溝411と、実際のひげぜんまい500の形状を比較し、図面形状値に対しての形状ずれを瞬時に把握することができるシステムを構築することができる。これにより、検査工程の自動化が図れて、検査時間の時間短縮、それに伴うコストダウンが可能となる。
ここまで、下耐磁板400はてんぷの性能を向上させる目的で、てん輪100に結合される例を挙げてきたが、下耐磁板400に対して装飾を施し、外観性を向上させることもできる。耐磁板の色や表面状態、模様などを加工することによって、下耐磁板400を装飾部材として利用することもできる。
この時、下耐磁板400に対する装飾を、好ましくはてん輪の上側に当たる面に行い、てん輪の下側に当たる面において、てん輪のアンバランスの調整を行うことによって、外観性を損なうことなく調整工程を両立させることができる。
また、調整と装飾を兼用することも可能である。その一体化例を示す。
図5での調整の場合、あらかじめ設けられたパターン溝に硬化性樹脂等を充填させることでアンバランスの調整を行うことができるが、その際に樹脂の色などを変えることで耐磁板の上面を装飾的に見せることができる。密度と色が異なる硬化性樹脂を数パターン用意し、アンバランス量と方向に合わせて硬化性液体を少なくとも1つの溝に充填させることで、個体によるランダムな装飾が施されたうえでアンバランスの調整も行うことができる。
前記方法でのアンバランス調整における充填材は、樹脂に限らず、宝石などの固体を用いても良い。その場合は、少なくとも1つの固体を、てんぷのアンバランスを相殺する場所に固定結合させることで、装飾性を上げつつアンバランスの調整を行うことができる。
[第二実施形態]
本発明の第二実施形態として、てん輪を耐磁材料で製作し、耐磁板としての機能をもたせることができる。第一実施形態では、てん輪100と上耐磁板300ないし、下耐磁板400は別材料の別部品であったが、てん輪100を耐磁材料で製作することによって、連結ブリッジ112を備えるてん輪100と下耐磁板400とを一体で構成し 同一の部品とすることもできる。これにより、てん輪100の軽量化と、てん輪100自体の厚みを厚くする必要が無く、耐磁性能を両立させることができる。
てん輪100を耐磁材料で製作する時のてん輪形状は、好ましくはてん輪100の外径寸法を、ひげぜんまい500の外径寸法よりも大きくした円板にすることによって、ひげぜんまい500の下側方向からの磁場が、ひげぜんまい500に与える影響を抑制する効果を妨げることなく、てんぷ010の軽量化をすることができる。
また、円板状でなくても、ひげぜんまい500の外径寸法より小さい部分、かつてん真が入る下耐磁板の中心穴以外の面積が円周状のどの角度に対しても存在していれば、ひげぜんまい500の下側からの磁場が、ひげぜんまい500に与える影響を抑制する効果を無くすことはない。
前記実施形態例ではてん輪100と下耐磁板400を同一の部品とする例を挙げたが、てん輪100の材料を耐磁材料にした場合でも、てん輪100と下耐磁板400は別部品としても良い。
環状リム部を備えるてん輪100全体を耐磁材料で製作すれば、てん輪100の環状リム部101の高さを、ひげぜんまい500の上面より高くすることによって、ひげぜんまい500の横側からの磁場が、ひげぜんまい500に与える影響を抑制することができる。
図8は耐磁材料から成るてん輪110であり、その環状リム部111の高さが、ひげぜんまい500の上面より高くなっている例である。こうすることによって、上耐磁板300の効果も合わせれば、ひげぜんまい500の上面、下面、および横側からの磁場の影響を抑制することができる。
[各種変形例]
上述の各実施形態に対し、下記のような変形例の実施が可能である。
第一実施形態、または第二実施形態において、一般的なてん輪100の形状の一部である環状リム部101を無くした形状にすることで、てんぷ010の軽量化を図ることができる。図9は変形例として、てん輪100の環状リム部101を無くした例である。これによって、てん輪120は、てん真を結合させる中心部分と、連結ブリッジ部122のみ
で構成され、主に連結ブリッジ部122の下面に下耐磁板400を結合させている。下耐磁板400の外径形状の寸法も連結ブリッジ部122の最外径に合わせて、小さくすることによって軽量化を図ることができる。
本発明の第一実施形態の説明として、基本的に下耐磁板400はてん輪100の下面側に結合させる例を挙げてきたが、図10のようにてん輪100の上面側に下耐磁板400を結合させても良い。図10は具体的に、てん輪100の連結ブリッジ部102の上面側に耐磁板を結合させている。
この場合はてん輪100の下面に下耐磁板400を結合させる場合と比べて、てん輪自体の厚みを抑えることができ、耐磁性能を損なうことなく、より薄いムーブメントを設計することができる。
本発明の耐磁板は透磁率が高い材料から構成されることを特徴としており、錆が発生しにくいパーマロイで製作するのが好ましいが、他にも鉄、鉄コバルト合金などで製作しても良い。
本発明の下耐磁板400をてん輪100に結合させる際は、好ましくは接着による結合にすることによって、てん輪100、下耐磁板400に対して応力的負荷が少なく結合を行うことができる。接着結合をする場合は、てん輪100表面上と下耐磁板400表面上の少なくとも1か所以上で結合されていればよい。
てん輪100、または下耐磁板400の結合面上に接着剤体積が入り込む接着剤溜まりの溝を成形することによって、てん輪100と下耐磁板400との間に接着剤体積による厚みの発生を抑制して結合を行うことができる。
本発明の下耐磁板400をてん輪100に結合させる方法として、溶接による結合を行っても良い。例えば、レーザー光線を利用したレーザー溶接を行うことで結合箇所の制御を行うことができ、物理的な応力的負荷を少なくてん輪100と下耐磁板400を結合させることができる。
本発明の下耐磁板400をてん輪100に結合させる方法として、結合補助部品を利用した結合を行っても良い。例えば下耐磁板400とてん輪100にピンが入る穴を設け、ピンによる圧入結合、カシメ結合を利用した嵌めあい結合を行っても良い。てんぷの種類によってはてん輪に慣性モーメント調整目的の錘をつけているものもあり、構造上ピンなどの補助部品を介して慣性モーメント調整錘を乗せているものは、慣性モーメント調整錘で使用しているピンを長くすることで下耐磁板400を結合させることもできる。
本発明の上耐磁板300をてんぷ受け200に結合させる方法として、下耐磁板400の場合と同様に、好ましくは接着結合が良いが、溶接による結合もしくは結合補助部品を利用した結合を行っても良い。
本発明の下耐磁板400の形状は、基本的に円板が良いが、多段にすることもできる。例えば、ひげの外径以上の範囲において、下耐磁板の高さをひげ上面高さより高くすることによって、ひげ側面からの磁力の影響を下耐磁板が抑制することができる。この場合はひげの全周にわたって耐磁材料が囲っていることが好ましい。
下耐磁板や上耐磁板に対して、外観向上目的で宝石などの第3部材を結合させても良い。特に下耐磁板に対しては、宝石の結合によるてん輪のアンバランス調整を行うことも可能であり、外観向上と部品の品質向上を両立させることができる。
000 てんぷブロック
010 てんぷ
100 てん輪
101 環状リム部
102 連結ブリッジ部
200 てんぷ受け
300 上耐磁板
400 下耐磁板
500 ひげぜんまい
600 緩急針
700 ひげ持ち
800 耐震装置

Claims (12)

  1. 連結ブリッジ部と、該連結ブリッジ部の上面側と下面側の少なくとも一方に設けられた、耐磁材料で構成される 耐磁板を有するてん輪。
  2. 前記連結ブリッジ部と前記耐磁板が一体で構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載のてん輪。
  3. 前記連結ブリッジ部の外端に接するか近接して配置される環状リム部を有し、
    前記環状リム部が耐磁材料で構成される
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のてん輪。
  4. 前記環状リム部と前記耐磁板が一体で構成される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のてん輪。
  5. 請求項4に記載のてん輪と、ひげぜんまいと、を有し、
    前記環状リム部の高さが、前記ひげぜんまいの上面よりも高い
    ことを特徴とする調速機。
  6. 請求項1から4のいずれか1つに記載のてん輪と、ひげぜんまいと、を有する
    ことを特徴とする調速機。
  7. 前記耐磁板は、アンバランス調整用に 質量を減少させた部分を有する
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の調速機。
  8. 前記耐磁板は、アンバランス調整用の質量付加部材を設置するための溝を有することを特徴とする請求項5から7のいずれか1つに記載の調速機。
  9. 前記質量付加部材は、複数種類の色の硬化性樹脂又は宝石を用いる
    ことを特徴とする請求項8に記載の調速機。
  10. 前記連結ブリッジ部の外端に接するか近接して配置される環状リム部を有し、
    前記耐磁板の径は、前記ひげぜんまいの径よりも大きく、
    前記環状リム部の内径又は前記連結ブリッジ部の外端よりも小さい
    ことを特徴とする請求項5から9のいずれか1つに記載の調速機。
  11. 前記耐磁板の前記ひげぜんまいと対向する面に、前記ひげぜんまいの外形形状が設けられている
    ことを特徴とする請求項5から10のいずれか1つに記載の調速機。
  12. てんぷ受けと、該てんぷ受け下面に前記耐磁板を配置する
    ことを特徴とする請求項5から11のいずれか1つに記載の調速機。
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