[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図12を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図8は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図であり、図9は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。また、図10は、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図11はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図12はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球B(図90を参照)が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。外枠2は、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、パチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備に取付けられ、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けるためのものである。
また、扉枠3は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成し、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することで、より重低音のサウンドを遊技者に聴かせることができるものである。
扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
また、扉枠3は、ハンドル182とは別に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えており、遊技者参加型演出が実行された際に、遊技者が演出操作部301を操作することで遊技者が演出に参加できるようになり、遊技球Bによる遊技に加えて、演出操作部301の操作によっても遊技者を楽しませることができるようにしている。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠4を外枠2に対して開閉可能に取付けると共に扉枠3を開閉可能に取付けるための本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520と、本体枠ベースユニット500を補強している本体枠補強フレーム530と、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bを受取る払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550で受取った遊技球Bを遊技者側へ払出すための払出ユニット560と、電源基板630や払出制御基板633を有している基板ユニット620と、本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。また、本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
遊技盤5は、遊技者の操作によって遊技球Bが行われる遊技領域5aと、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。裏ユニット3000には、遊技状態に応じて可動演出や発光演出を行うことが可能な裏演出ユニット3100を備えている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技球Bと当接し所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘と、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005と、を備えている。障害釘は、遊技パネル1100の前面に植設されている。一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005は、表ユニット2000に備えられている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで、遊技球Bを打込むことができる。これにより、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005等に、受入れられたり通過したりするように、遊技者に対してハンドル182の打込操作を楽しませることができる。
また、遊技盤5は、遊技領域5a内に遊技球Bを打込むことで変化する遊技状態に応じて、演出表示装置1600に所定の演出画像を表示させたり、裏演出ユニット3100により可動演出や発光演出を行わせたりして、遊技者を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図13乃至図18を参照して説明する。図13はパチンコ機における外枠の正面図であり、図14は外枠の背面図であり、図15は外枠の右側面図である。また、図16は外枠を前から見た斜視図であり、図17は外枠を後ろから見た斜視図である。図18は、外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。
外枠2は、図示するように、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成していると共に、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することができるものである。
外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50が、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510を着脱可能に支持することができる。外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持することができ、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けることができる。
[2−1.外枠左組立体及び外枠右組立体]
外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20について、主に図19を参照して詳細に説明する。図19は、外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体を夫々分解して前から見た分解斜視図である。外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、夫々が上下に延びており、互いに左右に離間して配置されている。外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を同軸上で回転可能に支持して、外枠2に対して本体枠4を開閉可能に取付けるためのものである。
まず、外枠左組立体10は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠左部材11と、外枠左部材11の右側面上端に取付けられている左上連結部材12と、外枠左部材11の右側面下端に取付けられている左下連結部材13と、を備えている。
外枠左部材11は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠左部材11は、左側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に右方へ窪んでいる凹部11aと、右側面における凹部11aとは反対側の部位から右方へ膨出している膨出部11bと、膨出部11bを上下に貫通している空洞部11cと、を備えている。外枠左部材11は、凹部11aや膨出部11bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部11cによって、重量が軽減されている。
また、外枠左部材11は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。左側面の複数の溝は、V字状に形成されており、右側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠左部材11は、後述する外枠右組立体20の外枠右部材21と左右対称形状に形成されている。
左上連結部材12は、外枠左部材11の上端と外枠上部材30の左端とを連結するためのものである。左上連結部材12は、水平に延びた平板状の水平固定部12aと、水平固定部12aの左辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部12bと、水平固定部12aの左辺における上横固定部12bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部12cと、を備えている。左上連結部材12は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材12は、後側の下横固定部12cを外枠左部材11の空洞部11c内に挿入させると共に、水平固定部12aを外枠左部材11の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部12cを外枠左部材11の右側面に当接させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から下横固定部12cにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左上連結部材12は、水平固定部12aを外枠上部材30の左端側の下面に当接させると共に、上横固定部12bを外枠上部材30の左側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部12a及び上横固定部12bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
左下連結部材13は、外枠左部材11の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の左端とを連結するためのものである。左下連結部材13は、水平に延びた平板状の水平固定部13aと、水平固定部13aの左辺から上方へ延出していると共に水平固定部13aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部13bと、上横固定部13bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部13cと、上横固定部13bの後辺から右方へ短く延出している平板状の当接部13dと、を備えている。左下連結部材13は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左下連結部材13は、当接部13dの後面を外枠左部材11の膨出部11bの前面に当接させると共に、上横固定部13bの左側面を外枠左部材11の右側面に当接させ、水平固定部13aの下面を外枠左部材11の下端と一致させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から上横固定部13bにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左下連結部材13は、水平固定部13aを外枠下部材41の左端側の上面に当接させると共に、下横固定部13cを外枠下部材41の左側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部13a及び下横固定部13cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
次に、外枠右組立体20は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠右部材21と、外枠右部材21の左側面上端に取付けられている右上連結部材22と、外枠右部材21の左側面下端に取付けられている右下連結部材23と、外枠右部材21の左側面上部に取付けられている上鉤掛部材24と、外枠右部材21の左側面下部に取付けられている下鉤掛部材25と、を備えている。
外枠右部材21は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠右部材21は、右側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に左方へ窪んでいる凹部21aと、左側面における凹部21aとは反対側の部位から左方へ膨出している膨出部21bと、膨出部21bを上下に貫通している空洞部21cと、を備えている。外枠右部材21は、凹部21aや膨出部21bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部21cによって、重量が軽減されている。
また、外枠右部材21は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。右側面の複数の溝は、V字状に形成されており、左側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠右部材21は、外枠左組立体10の外枠左部材11と左右対称形状に形成されている。
右上連結部材22は、外枠右部材21の上端と外枠上部材30の右端とを連結するためのものである。右上連結部材22は、水平に延びた平板状の水平固定部22aと、水平固定部22aの右辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部22bと、水平固定部22aの右辺における上横固定部22bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部22cと、を備えている。右上連結部材22は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右上連結部材22は、後側の下横固定部22cを外枠右部材21の空洞部21c内に挿入させると共に、水平固定部22aを外枠右部材21の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部22cを外枠右部材21の左側面に当接させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から下横固定部22cにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右上連結部材22は、水平固定部22aを外枠上部材30の右端側の下面に当接させると共に、上横固定部22bを外枠上部材30の右側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部22a及び上横固定部22bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
右下連結部材23は、外枠右部材21の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の右端とを連結するためのものである。右下連結部材23は、水平に延びた平板状の水平固定部23aと、水平固定部23aの右辺から上方へ延出していると共に水平固定部23aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部23bと、上横固定部23bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部23cと、上横固定部23bの後辺から左方へ短く延出している平板状の当接部23dと、を備えている。右下連結部材23は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右下連結部材23は、当接部23dの後面を外枠右部材21の膨出部21bの前面に当接させると共に、上横固定部23bの右側面を外枠右部材21の左側面に当接させ、水平固定部23aの下面を外枠右部材21の下端と一致させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から上横固定部23bにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右下連結部材23は、水平固定部23aを外枠下部材41の右端側の上面に当接させると共に、下横固定部23cを外枠下部材41の右側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部23a及び下横固定部23cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25は、後述する本体枠4における施錠ユニット650の外枠用鉤653が掛止されるものである。上鉤掛部材24は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部24aと、取付部24aの前辺から左方へ延出しており上側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部24bと、を備えている。
下鉤掛部材25は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部25aと、取付部25aの前辺から左方へ延出しており下側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部25bと、掛止片部25bを前後に貫通しており下側の外枠用鉤653が挿通可能な挿通口25cと、を備えている。
[2−2.外枠上部材]
外枠2の外枠上部材30について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠上部材30は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結するためのものである。外枠上部材30は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠上部材30は、左右方向の長さが、後述する外枠下組立体40の外枠下部材41の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠上部材30は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部30aを備えている。これら左右両端の切欠部30aには、左上連結部材12の上横固定部12b及び右上連結部材22の上横固定部22bが夫々挿入された状態で取付けられる。
また、外枠上部材30は、左側端部において、上面と前面が一般面よりも窪んだ取付段部30bを備えている。この取付段部30bには、後述する外枠上ヒンジ組立体50が取付けられる。
[2−3.外枠下組立体]
外枠2の外枠下組立体40について、主に図20を参照して詳細に説明する。図20は、外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結すると共に、パチンコ機1において扉枠3よりも下側を閉鎖して装飾するためのものである。
外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結しており左右に延びている外枠下部材41と、外枠下部材41の前方に配置されており外枠下部材41に沿って左右に延びていると共に後方が開放されている箱状の幕板前部材42と、幕板前部材42の後側に取付けられていると共に外枠下部材41の上面に取付けられており前方が開放されている左右に延びた箱状の幕板後部材43と、幕板後部材43の上面における左端に形成されている球噛防止機構44と、を備えている。
外枠下部材41は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠下部材41は、左右方向の長さが、外枠上部材30の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠下部材41は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へ夫々窪んでいる切欠部41aを備えている。これら左右両端の切欠部41aには、左下連結部材13の下横固定部13c及び右下連結部材23の下横固定部23cが夫々挿入された状態で取付けられる。これにより、外枠左部材11及び外枠右部材21の下端同士を連結することができる。
また、外枠下部材41は、上面から凹んでおり、幕板後部材43の下部が挿入される凹部41bを備えている。凹部41bは、左右に延びていると共に、前後方向中央の後ろ寄りの位置から前端側へ抜けている。この凹部41bにより、幕板前部材42及び幕板後部材43により形成される幕板内部空間40aの容積を可及的に広くしている。
幕板前部材42は、左右方向の長さが外枠下部材41と同じ長さに延びており、高さに対して前後方向の奥行が短い横長の直方体状の箱状に形成されており、後側の全面が開放されている。幕板前部材42は、開放されている後側を、幕板後部材43によって閉鎖することで、幕板後部材43と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板前部材42は、右端付近の前面において、前後に貫通していると共に左右に延びている長孔状の開口部42aを備えている。
幕板後部材43は、左右方向の長さが外枠下部材41よりも若干短く延びており、前方が開放された箱状に形成されている。幕板後部材43は、前面に幕板前部材42を取付けることで、幕板前部材42と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板後部材43は、上面における左右方向中央部において、左右に延びていると共に上方へ突出しており幕板内部空間40aと連通している筒状の接続筒部43aを有している。接続筒部43aは、上端が、幕板後部材43の一般的な上面と一致している前端側から後方へ向かうほど上方へ位置するように傾斜している。本実施形態では、接続筒部43aの上端は、45度の角度で傾斜している。
この接続筒部43aは、左右方向の長さが、幕板後部材43全体の約1/3の長さに形成されていると共に、前後方向の奥行が、幕板後部材43全体の奥行よりも若干短く形成されている。接続筒部43a内には、前端側と後端側とを結ぶ複数のリブ43bが備えられている。この接続筒部43aの上端には、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aにおけるスピーカカバー621の接続部621cが接続されて、スピーカユニット620aの内部空間と連通した状態となり、エンクロージャ624を形成する。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端において、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが滞留することで、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止するためのものである。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端に形成されており、後述する外枠下ヒンジ部材60が際されるように平坦に形成された載置部44aと、載置部44aの左端において上方へ向かって開口している第一排出口44bと、載置部44aにおける第一排出口44bよりも右方で上方へ向かって開口している第二排出口44cと、載置部44aの後辺及び右辺から上方へ延出している立壁部44dと、立壁部44dの上端から前方へ突出していると共に上面が後方へ向かうに従って上方に位置するように傾斜している上端突出部44eと、を備えている。
第一排出口44bは、後述する外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと一致する位置に形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、遊技球Bが通過可能な大きさに形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、幕板内部空間40aとは連通しておらず、幕板後部材43の後面に開口している。従って、第一排出口44b及び第二排出口44cに進入した遊技球Bを、幕板後部材43の後方へ排出することができる。
この球噛防止機構44は、球噛防止機構44は、外枠下ヒンジ部材60と後述する本体枠下ヒンジ組立体520との間の隙間を通して、ピアノ線等の不正な工具が挿入された場合、載置部44aの後端から立上っている立壁部44dにより、不正な工具の侵入を阻止することができる。仮に、不正な工具の先端が立壁部44dに当接することで、上方へ曲がったとしても、立壁部44dの上端に備えられている前方へ突出した上端突出部44eに当接し、これ以上の侵入を阻止することができる。従って、外枠下ヒンジ部材60の部位を介して、不正行為が行われるのを防止することができる。
ところで、載置部44aの後端に立壁部44dを備えた場合、外枠2に対して本体枠4を開けた時に、何らかの理由により載置部44a上に落下した遊技球Bが、立壁部44dによって外枠2の後方への移動が阻止されるため、載置部44a上に遊技球Bが滞留し易くなる。そして、載置部44a上に遊技球Bが滞留していると、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟み込まれてしまい、本体枠4を閉じることができなくなる問題が発生する。
これに対して、本実施形態の球噛防止機構44では、外枠下ヒンジ部材60上や載置部44a上に落下した遊技球Bを、外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと第一排出口44bを通して、又は、第二排出口44cを通して、遊技球Bを幕板後部材43の後方(外枠2の後方)へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止することができる。
外枠下組立体40は、幕板前部材42及び幕板後部材43の上面に左右に離間して配置されている一対の案内部材45と、幕板前部材42の開口部42aを後側から閉鎖している平板状のグリル部材46と、グリル部材46を挟んで開口部42aを閉鎖するように幕板前部材42の内部に取付けられており前後に延びた二つの円筒を有したポート部材47と、幕板後部材43の接続筒部43aの上端に配置される枠状のシール部材48と、を備えている。
一対の案内部材45は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、扉枠3の下端が当接するものである。案内部材45は、摩擦抵抗の低い低摩擦材料によって形成されており、本体枠4の下端を滑り易くして、開閉を容易にしている。
グリル部材46は、無数の小穴を有したパンチングメタルにより形成されている。ポート部材47は、二つの円筒により、グリル部材46を介して幕板内部空間40a(エンクロージャ624)と外枠2の前方とを連通させている。ポート部材47は、二つの円筒が、所定の内径で所定の長さに形成されており、ヘルムホルツ共鳴の原理により本体枠スピーカ622から後方(エンクロージャ624内)へ発せられた低音を共振・増幅させて、豊かな低音を外枠2の前方(遊技者側)へ放射することができる。つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。
シール部材48は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、接続筒部43aの上端と本体枠4におけるスピーカカバー621の接続部621cの下端との間に挟まれて圧縮されるものであり、接続筒部43aと接続部621cとの間からスピーカのエンクロージャ内の音が漏れるのを防止するものである。
[2−4.外枠上ヒンジ組立体]
外枠2の外枠上ヒンジ組立体50について、主に図21を参照して詳細に説明する。図21(a)は外枠2の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左組立体10の上端と外枠上部材30の左端に取付けられるものであり、外枠2に対して本体枠4をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左部材11の凹部11aの上端と外枠上部材30の取付段部30bとに取付けられる外枠上ヒンジ部材51と、外枠上ヒンジ部材51に取付けられているロック部材52と、ロック部材52を外枠上ヒンジ部材51に取付けている取付ビス53と、を備えている。
外枠上ヒンジ部材51は、水平に延びた平板状で外枠上部材30の取付段部30bの上面に取付けられる上固定部51aと、上固定部51aの前辺から前方へ延出している平板状の前方延出部51bと、前方延出部51bの右辺の途中から前方へ向かうに従って前方延出部51bの左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝51cと、上固定部51aの左辺から下方へ延びている平板状の横固定部51dと、前方延出部51bの左辺から前辺を周って軸受溝51cが開口している部位までの端縁から下方へ延びており横固定部51dと連続している平板状の端縁壁部51eと、を備えている。外枠上ヒンジ部材51は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。外枠上ヒンジ部材51は、軸受溝51c内において、本体枠上ヒンジ部材510の後述する本体枠上ヒンジピン512を回転可能に支持することができる。
ロック部材52は、前後に延びている帯板状のロック本体52aと、ロック本体52aの後端から右方へ突出している操作片52bと、ロック本体52aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部52cと、ロック本体52aの後端付近で上下に貫通している取付孔52dと、を備えている。ロック部材52は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材52は、取付ビス53によって、外枠上ヒンジ部材51における前方延出部51bの下面で、軸受溝51cよりも後側の部位に回動可能に取付けられる。
ロック部材52は、外枠上ヒンジ部材51に取付けた状態で、ロック本体52aが、平面視で軸受溝51cを遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠上ヒンジ部材51の端縁壁部51eにおける軸受溝51cの開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている。また、ロック本体52aの後端から左方へ延びている弾性部52cの先端は、外枠上ヒンジ部材51における端縁壁部51eの内周面に当接している。このロック部材52は、弾性部52cの付勢力によって取付孔52dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材52のロック本体52aの前端付近の右側面が、端縁壁部51eに当接している。この状態では、軸受溝51cにおけるロック本体52aよりも前側の部位に、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512を収容可能な空間が形成される。
このロック部材52は、操作片52bを操作することで、弾性部52cの付勢力に抗してロック本体52aを回動させることができる。そして、操作片52bの操作によって、ロック本体52aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝51cからロック本体52aを後退させることができ、軸受溝51cが全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝51c内に本体枠上ヒンジピン512を挿入したり、軸受溝51c内から本体枠上ヒンジピン512を外したりすることができる。
[2−5.外枠下ヒンジ部材]
外枠2の外枠下ヒンジ部材60について、主に図18を参照して詳細に説明する。外枠下ヒンジ部材60は、水平に延びた平板状の水平部60aと、水平部60aの左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上部60bと、水平部60aの前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン60cと、水平部60aを上下に貫通しており遊技球Bが一つのみ通過可能な大きさの排出孔60dと、を備えている。この外枠下ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。
外枠下ヒンジ部材60の水平部60aは、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン60cは、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン60cは、水平部60aの前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔60dは、水平部60aにおいて、立上部60bの前後方向中央の部位と接し、水平部60aの左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔60dは、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと、略同じ大きさに形成されている。
外枠下ヒンジ部材60は、外枠2に組立てた状態で、水平部60aの後部が、外枠下組立体40における幕板後部材43の載置部44a上に載置され、図示しないビスによって幕板後部材43に固定されている。また、立上部60bが、外枠左部材11の右側面における膨出部11bよりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠下ヒンジ部材60は、外枠下ヒンジピン60cを、本体枠4の本体枠下ヒンジ組立体520における外枠用下ヒンジ孔521aに挿通させることで、外枠上ヒンジ部材51と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2を組立てた状態では、排出孔60dが、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと一致している。これにより、水平部60a上の遊技球Bを、排出孔60d及び第一排出口44bを通して、外枠2の後方へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bが、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔60dから排出させることができる。この際に、排出孔60dが、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bを、排出孔60dから排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが留まり難くすることができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、主に図22乃至図30を参照して詳細に説明する。図22はパチンコ機における扉枠の表面図であり、図23は扉枠の背面図であり、図24は扉枠の左側面図であり、図25は扉枠の右側面図である。図26は扉枠を右前から見た斜視図であり、図27は扉枠を左前から見た斜視図であり、図28は扉枠を後ろから見た斜視図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100に着脱可能に取付けられており本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖しているガラスユニット160と、ガラスユニット160の下部を後側から覆うように扉枠ベースユニット100に取付けらている防犯カバー170と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット180と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット200と、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット400と、皿ユニットの上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット410と、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット450と、を備えている。
扉枠ベースユニット100は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されており前後に貫通している扉窓101aを有した扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられているハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、ハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、扉枠ベース101を補強して剛性を付与するものである。扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けるためのものである。シリンダ錠130は、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。
また、球送給ユニット140は、上皿201内の遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給するためのものである。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ガラスユニット160は、透明なガラス板162を有しており扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖している。防犯カバー170は、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように扉枠ベース101に取付けられている。ハンドルユニット180は、遊技者が回転操作可能なハンドル182を備えており、ハンドル182を操作することで、上皿201内の遊技球Bを、球発射装置540によって遊技盤5の遊技領域5a内に打込む遊技を行うためのものである。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられ、本体枠4の前面を開閉可能に閉鎖していると共に、本体枠4に取付けられている遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としている。扉枠ベースユニット100は、外形が上下に延びた四角形で平板状の扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられておりハンドルユニット180を取付けるためのハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠ベース101の後側に取付けられており扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、扉枠ベース101の後側に取付けられておりハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、扉枠ベース101の後側に取付けられており配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
この扉枠ベースユニット100には、前面下隅にハンドルユニット180が、扉窓101aの下側前面に皿ユニット200が、扉窓101aの左外側前面に扉枠左サイドユニット400が、扉窓101aの右外側前面に扉枠右サイドユニット410が、扉窓101aの上外側前面に扉枠トップユニット450が、夫々取付けられるものである。
また、扉枠ベースユニット100には、扉窓101aを後方から閉鎖するようにガラスユニット160が取付けられると共に、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように透明な防犯カバー170が取付けられるものである。
[3−1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース101は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース101は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された扉窓101aを備えている。扉窓101aは、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース101の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース101の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。このように、扉枠ベース101は、前後に貫通している扉窓101aにより全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース101は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース101は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面101bと、ハンドル取付座面101bと扉窓101aとの間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115が挿入される挿入凹部101cと、挿入凹部101cにおいて前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通孔101dと、シリンダ挿通孔101d及びハンドル取付座面101bの正面視左側で前後に貫通しており球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141bを前方に臨ませるための球送給開口101eと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面101bと略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット150の球放出口150dを前方に臨ませる下皿用球通過口101fと、正面視左端付近で扉窓101aの下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット150の貫通球通路150aを前方に臨ませる上皿用球通過口101gと、扉窓101aの内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット160のガラス枠161が挿入されるガラスユニット取付部101hと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、正面視左下隅(上皿用球通過口101gの下方)に形成されており前後に貫通した縦長の複数のスリット101iを、備えている。複数のスリット101iの後側にスピーカダクト103が取付けられる。また、複数のスリット101iは、パチンコ機1を組立てた状態で、前方に皿ユニット200における皿ユニットベース211のスピーカ口211bが位置していると共に、後方に本体枠4のスピーカユニット620aにおける本体枠スピーカ622が位置しており、本体枠スピーカ622からの音を前方へ放射することができる。
更に、扉枠ベース101は、扉窓101aの下方でハンドル取付座面101bの上方において、前後に貫通している貫通孔101jを備えている。この貫通孔101jは、扉枠ベースユニット100側と皿ユニット200側とを接続する配線ケーブル(図示は省略)が挿通されるものであり、後述する扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の貫通部114bと一致するように形成されている。
[3−1b.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材102は、扉枠ベース101の前面にハンドルユニットを取付けるためのものであり、扉枠ベース101の前面のハンドル取付座面101bに取付けられる。
ハンドル取付部材102は、前後方向へ延びた円筒状の筒部102aと、筒部102aの後端から筒部102aの軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部102bと、筒部102a内に突出していると共に筒部102aの軸方向全長に亘って延びており筒部102aの周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条102cと、筒部102aの外周面とフランジ部102bの前面とを繋ぎ、筒部102aの周方向に対して複数配置された補強リブ102dと、を備えている。
ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面を、扉枠ベース101におけるハンドル取付座面101bの前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面101bに取付けられる。
筒部102aは、内径がハンドルユニット180におけるハンドルベース181の基部181aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条102cは、一つが筒部102aの上部に備えられており、残り二つが筒部102aの下部に備えられている。これら三つの突条102cは、ハンドルベース181における三つの溝部181cと対応する位置に形成されている。従って、ハンドル取付部材102は、三つの突条102cと、ハンドルベース181の三つの溝部181cとを一致させた状態でのみ、筒部102a内にハンドルベース181の基部181aを挿入させることができ、扉枠ベース101に対してハンドルベース181(ハンドルユニット180)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面に対して、筒部102aの軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース101の傾斜しているハンドル取付座面101bに取付けることで、筒部102aの軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニット180を同様に傾いた状態で扉枠ベース101に取付けることができる。
[3−1c.スピーカダクト]
扉枠ベースユニット100のスピーカダクト103について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。このスピーカダクト103は、筒状に形成されており、扉枠ベース101の後側において複数のスリット101iが形成されている部位に取付けられる。スピーカダクト103は、パチンコ機1を組立てた状態で、筒状の部位の後端が、本体枠4の本体枠スピーカ622の前方に位置している。これにより、本体枠4の本体枠スピーカ622から放射(出力)された音(サウンド)を、拡散させることなく前方へ誘導することができ、扉枠ベース101の複数のスリット101i及び皿ユニット200の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bを通して、パチンコ機1の前方(遊技者側)へ良好に誘導することができる。
また、スピーカダクト103は、筒状の部位の下方の後面に、接続ケーブル503を保持するケーブルホルダ103aを備えている。ケーブルホルダ103aは、扉枠中継基板カバー107よりも正面視左方に配置されており、扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続されている接続ケーブル503を、扉枠3の左端側へ延びるように保持している。
[3−1d.扉枠主中継基板・扉枠副中継基板・ハンドル後中継基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠主中継基板104、扉枠副中継基板105、ハンドル後中継基板106について、主に図32及び図33等を参照して説明する。扉枠主中継基板104は、外形が上下に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右下隅に取付けられる。扉枠主中継基板104は、ハンドル後中継基板106と本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェース基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503(図83及び図84を参照)の一部が接続される。
扉枠副中継基板105は、外形が、上下に延びた四角形の上部の正面視右側に左右に延びた四角形が組み合された逆L字状に形成されており、上下に延びているが扉枠主中継基板104の背面視左方に隣接するように、扉枠ベース101の後側に取付けられている。
扉枠副中継基板105は、ハンドルユニット180のハンドル装飾基板184、皿ユニット200の皿ユニット中継基板214、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイドユニット410のサイド窓内装飾部装飾基板413及び扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467等と、本体枠4のインターフェース基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503の残りが接続される。
扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、接続端子が後方へ向かって突出するように、扉枠ベース101に取付けられる。扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の上下に延びている部位とが、扉枠中継基板カバー107によって後側が被覆された状態となり、扉枠副中継基板105の残りの部位が、ファールカバーユニット150によって後側が被覆された状態となる。
ハンドル後中継基板106は、外形が左右に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側における球送給開口101eの下方でハンドル取付座面101bの後側に取付けられる。ハンドル後中継基板106は、扉枠主中継基板104とハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、及び球送給ユニット140の球送給ソレノイド145との接続を中継するためのものである。ハンドル後中継基板106は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、ハンドル後中継基板カバー108によって後側が被覆された状態となる。
[3−1e.扉枠中継基板カバー・ハンドル後中継基板カバー・ケーブルカバー]
扉枠ベースユニット100の扉枠中継基板カバー107、ハンドル後中継基板カバー108、及びケーブルカバー109について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠中継基板カバー107は、扉枠ベース101の後側に取付けることで、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板の一部(逆L字状の上下に延びている部位)の後側を被覆するものである。扉枠中継基板カバー107は、前方及び正面視左方が開放された箱状に形成されている。扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、後側を被覆している扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の接続端子が扉枠中継基板カバー107の内部に露出しており、開放されている左側から接続ケーブル503を内部に挿入して、それら端子に接続することができる。
ハンドル後中継基板カバー108は、ハンドル後中継基板106の後側を被覆するように扉枠ベース101の後側に取付けられるものである。ケーブルカバー109は、扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の後側に取付けられ、扉枠主中継基板104と皿ユニット200の球貸操作ユニット220とを接続する配線ケーブル(図示は省略)を被覆するためのものである。ケーブルカバー109は、左右に延びた箱状に形成されており、前面の左端付近と下面の左右方向中央に、配線ケーブルを通すための開口が形成されている。
[3−1f.扉枠補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の扉枠補強ユニット110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、平板状の扉枠ベース101を補強して、扉枠ベースユニット100に剛性を付与している。扉枠補強ユニット110は、左右に離間して配置されている上下に延びた左補強フレーム111及び右補強フレーム112と、左補強フレーム111及び右補強フレーム112の上端同士を連結している左右に延びた上補強フレーム113と、左補強フレーム111の下端から上寄りの位置に左端側が取付けられており右補強フレーム112付近まで右方へ延びた中間補強フレーム114と、中間補強フレーム114の右端と右補強フレーム112とを連結しているシリンダ取付フレーム115と、右補強フレーム112の後側に上下に離間して複数取付けられており本体枠4の施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される鉤掛部材116と、を備えている。
左補強フレーム111及び右補強フレーム112は、左右方向が一定の幅で、扉枠ベース101の上下の高さと略同じ長さで上下に延びている。右補強フレーム112には、上下方向に離間しており、前後方向に貫通している複数の挿通孔が形成されている。これら挿通孔は、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、施錠ユニット650の扉枠用鉤652の先端が挿通される。上補強フレーム113は、上下方向が一定の幅で、扉枠ベース101の左右の幅と略同じ長さで左右に延びている。
中間補強フレーム114は、上下方向が上補強フレーム113の上下の幅よりも広い幅で左右に延びている。中間補強フレーム114は、左端付近において上端から下方へ四角く切欠かれた切欠部114aと、右端付近において前後に貫通している貫通部114bと、を有している。切欠部114aは、扉枠ベース101の上皿用球通過口101gと、貫通部114bは、扉枠ベース101の貫通孔101jと、夫々一致する位置に形成されている。
シリンダ取付フレーム115は、左右に離間して配置されており正面視において上下に延びた四角形の平板状に形成されている一対の後片部と、一対の後片部の対面している夫々の辺から前方へ平板状に延出している一対の側片部と、一対の前方延出部の前端の辺同士を連結している平板状の前片部と、を備えている。このシリンダ取付フレーム115は、平面視の形状が前方へ突出した凸形状に形成されている。シリンダ取付フレーム115は、左側の後片部が中間補強フレーム114の右端に取付けられ、右側の後片部が右補強フレーム112に取付けられる。このシリンダ取付フレーム115は、前片部にシリンダ錠130が取付けられる。
鉤掛部材116は、右補強フレーム112の後側において、前後に貫通している挿通孔の部位に取付けられている。これら鉤掛部材116は、施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される。
扉枠補強ユニット110を構成している左補強フレーム111、右補強フレーム112、上補強フレーム113、中間補強フレーム114、シリンダ取付フレーム115、及び鉤掛部材116は、金属板をプレス成型によって打抜き・屈曲することで形成されている。これらは、リベットによって組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、左補強フレーム111、右補強フレーム112、及び上補強フレーム113が、扉枠ベース101の左辺、右辺、及び上辺に沿うように組立てられていると共に、中間補強フレーム114が、扉枠ベース101の扉窓101aの下方に位置するように組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、図示しない複数のビスにより扉枠ベース101の後側に取付けられる。この扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101に取付けた状態で、中間補強フレーム114の切欠部114a及び貫通部114bが、扉枠ベース101の上皿用球通過口101g及び貫通孔101jと一致した状態となると共に、シリンダ取付フレーム115が、扉枠ベース101の挿入凹部101c内に挿入された状態となる。
[3−1g.扉枠上ヒンジ組立体]
扉枠ベースユニット100の扉枠上ヒンジ組立体120について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110の正面視左上隅に取付けられる。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠3を、扉枠下ヒンジ部材125と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110に取付けられるヒンジブラケット121と、ヒンジブラケット121に上下方向へ移動可能に取付けられる扉枠上ヒンジピン122と、扉枠上ヒンジピン122に取付けられる鍔部材123と、扉枠上ヒンジピン122を上方へ移動するように付勢しているロックバネ124と、を備えている。
ヒンジブラケット121は、正面視四角形の平板状の取付片121aと、取付片121aの上辺及び下辺から前方へ延出している平板状の突出片121bと、を備えている。ヒンジブラケット121は、取付片121aが扉枠補強ユニット110に取付けられる。ヒンジブラケット121は、金属板を屈曲させて形成されている。
扉枠上ヒンジピン122は、円柱状の金属棒をL字状に屈曲させたものである。扉枠上ヒンジピン122は、扉枠上ヒンジ組立体120に組立てた状態で、上下に延びている部位が、ヒンジブラケット121における一対の突出片121bの前端付近において下方から貫通し、上端が上側の突出片121bよりも上方へ延び出していると共に、水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接している。扉枠上ヒンジピン122は、上端が本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510における上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aに回転可能に挿通される。
鍔部材123は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン122における一対の突出片121bの間となる部位に取付けられている。ロックバネ124は、コイル状に形成されており、鍔部材123とヒンジブラケット121における下側の突出片121bとの間において扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位の周りに被せられている。このロックバネ124により、鍔部材123を介して扉枠上ヒンジピン122が上方へ付勢されている。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122がロックバネ124により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン122の上端が、上側の突出片121bの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位を、ロックバネ124の付勢力に抗してその部位を下方へ移動させると、扉枠上ヒンジピン122を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン122の上端を、上側の突出片121bの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における上下に延びている部位が、後述する扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126と同軸上に位置している。これにより、扉枠上ヒンジピン122と扉枠下ヒンジピン126とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1h.扉枠下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠下ヒンジ部材125について、主に図31乃至図33を参照して説明する。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110の正面視左下隅に取付けられる。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を、扉枠上ヒンジ組立体120と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110に取付けられ正面視四角形で平板状の取付片125aと、取付片125aの下辺から前方へ延出している平板状の突出片125bと、突出片125bの前端付近の下面から下方へ突出している扉枠下ヒンジピン126(図22等を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ部材125の取付片125a及び突出片125bは、金属板を屈曲させて形成されている。扉枠下ヒンジピン126は、円柱状の金属棒で、下端部の外周にテーパ状の面取りが施されている。この扉枠下ヒンジピン126は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態で、突出片125bにおける扉枠上ヒンジ組立体120の扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位と同軸上となる部位に取付けられている。
この扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠下ヒンジピン126を本体枠側下ヒンジ部材の扉枠用ヒンジ孔に挿入することで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1i.シリンダ錠]
扉枠ベースユニット100のシリンダ錠130について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。シリンダ錠130は、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115に取付けられ、後述する施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。シリンダ錠130は、前後に延びた円柱状のシリンダ本体131と、シリンダ本体131の前端面に形成されている鍵穴132と、シリンダ本体131の後側に取付けられており鍵穴132に挿入され正規の鍵を回転させると一緒に回転する回転伝達部材133と、を備えている。
シリンダ錠130のシリンダ本体131は、シリンダ取付フレーム115の前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材133は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材133は、本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダ654の一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材133(鍵穴132に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダ654に伝達させて回転させることができる。
シリンダ錠130は、扉枠3に組立てた状態で、シリンダ本体131の前端が皿ユニット200における皿ユニット本体252のシリンダ挿通口252hの前端と略一致した状態となる(図22等を参照)。
[3−1j.球送給ユニット]
扉枠ベースユニット100の球送給ユニット140について、主に図34及び図35を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。図35(a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から供給される遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給することができると共に、上皿201内に貯留された遊技球Bを、上皿球抜ボタン222の操作によって下皿202へ抜くことができるものである。
球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から遊技球Bが供給され前後方向に貫通している進入口141a、及び進入口141aの下側に開口する球抜口141bを有し後方が開放された箱状の前カバー141と、前カバー141の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー141の進入口141aから進入した遊技球Bを球発射装置540へ供給するための打球供給口142aを有した後カバー142と、後カバー142及び前カバー141の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー141の後側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切る仕切部143aを有した球抜部材143と、球抜部材143の仕切部143a上の遊技球Bを一つずつ後カバー142の打球供給口142aへ送り、前カバー141と後カバー142との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送給部材144と、球送給部材144を回動させる球送給ソレノイド145と、を備えている。
この球送給ユニット140は、図示するように、正面視で、球送給部材144が進入口141aの右側に配置されており、球送給部材144の左側に球抜部材143が、球送給部材144の右側に球送給ソレノイド145が夫々配置されている。
球送給ユニット140の前カバー141は、正面視で球抜口141bの左側に、球抜部材143の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット141cを備えており、このスリット141cから後述する球抜部材143の作動棹143cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー141は、進入口141aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241cの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜部材143は、進入口141aよりも下側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切り上面が球送給部材144の方向へ向かって低くなる仕切部143aと、仕切部143aの球送給部材144とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口141bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部143bと、回動棹部143bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹143cと、作動棹143cよりも下側で回動棹部143bの側面から仕切部143aとは反対側へ突出した錘部143dと、を備えている。球抜部材143の作動棹143cは、前カバー141に形成された円弧状のスリット141cを通して前方へ突出するように形成されている(図34(a)を参照)。作動棹143cは、扉枠ベース101の球送給開口101eを介して皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって下方へ移動する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端(上面)と当接する。
球送給部材144は、進入口141a及び球抜部材143の仕切部143aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部144aと、遮断部144aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部144bと、球保持部144bの後端から下方へ延出する棒状の棹部144cと、を備えている。球送給部材144における遮断部144aと球保持部144bは、夫々回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送給部材144の球保持部144bは、一つの遊技球Bを保持可能な大きさとされている。球送給部材144は、球送給ソレノイド145の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部144cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送給部材144は、遮断部144aが仕切部143aの方向を向くと同時に球保持部144bが打球供給口142aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部144bが仕切部143aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送給部材144が供給位置の時には、球保持部144bに保持された遊技球Bが、打球供給口142aから球発射装置540へ供給されると共に、進入口141aから仕切部143a上に進入した遊技球Bが、遮断部144aによって球保持部144b(打球供給口142a)側への移動が遮断されて仕切部143a上に留まった状態となる。一方、球送給部材144が保持位置へ回動すると、球保持部144bが仕切部143aの方向を向くと共に、球保持部144bの棹部144c側の端部が打球供給口142aを閉鎖した状態となり、仕切部143a上の遊技球Bが一つだけ球保持部144b内に保持される。
また、球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送給作動桿146と、球送給作動桿146における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送給部材144を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送給クランク147と、を備えている。
球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145の下方の部位に鉄板146aを備えている。球送給作動棹146は、左右に延びており、球送給クランク147とは反対側の端部(右端部)が前後に延びた軸周りに回転可能に前カバー141及び後カバー142に取付けられている。球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145が駆動されると、発生する磁力によって鉄板146aが球送給ソレノイド145の方(上方)へ引寄せられ、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が上方へ移動するように回動する。その後、球送給ソレノイド145の駆動が解除されると、磁力が消滅することによって鉄板146aの自重が作用して、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が下方へ移動するように回動して初めの状態に復帰する。これにより、球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145によって、球送給クランク147に近い左端部(先端)が上下方向に揺動することとなる。
球送給クランク147は、球送給作動桿146の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部147aと、係合部147aの球送給作動桿146と係合する側とは反対側に配置され前カバー141と後カバー142との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部147bと、軸部147bから上方へ延出しており、球送給部材144における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部144c(図35(b)を参照)と係合する伝達部147cと、を備えている。
この球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動により球送給作動棹146の先端(左端)を上方へ移動させることで、球送給作動棹146を介して球送給クランク147を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の非駆動時(通常時)では、球送給作動桿146が球送給ソレノイド145の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送給部材144が供給位置に位置した状態となる。また、球送給ソレノイド145の駆動時では、球送給作動桿146が球送給ソレノイド145の下端に吸引されて先端(左端)が上方へ位置した状態となり、球送給部材144が保持位置へ回動する。つまり、球送給ソレノイド145が駆動される(ONの状態)と、球送給部材144が遊技球Bを一つ受入れ、球送給ソレノイド145の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送給部材144が受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る(供給する)ことができる。この球送給ユニット140における球送給ソレノイド145の駆動は、払出制御基板633の発射制御部633b(図102を参照)により発射ソレノイド542の駆動制御と同期して制御される。
また、球送給ユニット140は、回動可能に軸支されている球抜部材143か、錘部143dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっている。しかしながら、球抜部材143の前方へ突出している作動棹143cが、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって動作する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端と当接することで、その回動が規制されているため、通常の状態では、球抜部材143の仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間に位置して仕切っており、球抜口141b側へ遊技球Bが侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニットの上皿球抜ボタンを下方へ押圧操作すると、上皿球抜スライダが作動伝達部と共に下方へスライドし、作動伝達部の下方への移動に伴って作動棹143cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部と共に作動棹143cが下方へ移動すると、球抜部材143が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から移動して仕切りが解除される。これにより、進入口141aから進入した遊技球Bが、球抜口141b側へ落下し、球抜口141bから皿ユニット200における上皿球抜後ユニット240の球抜誘導路241cへと排出され、下皿球供給口211cを介して下皿202へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜部材143の作動棹143cが当接する作動伝達部242bが形成されている上皿球抜スライダ242は、バネ243によって上方へ付勢されているので、仕切部143a上に遊技球Bが勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹143cを介してバネ243によって吸収させることができ、球抜部材143等が破損するのを防止することができると共に、遊技球Bが仕切部143aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送給ユニット140は、後カバー142における打球供給口142aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部142b(図35(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部142b内に不正防止部材148が取付けられている。球送給ユニット140の不正防止部材148は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー142の取付凹部142b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。
不正防止部材148は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している上片部148a及び下片部148bと、上片部148a及び下片部148bの互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状に夫々形成されている傾斜部148cと、を備えている。不正防止部材148の上片部148aは、不正防止部材148の一般面に対して、正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。下片部148bは、不正防止部材148の一般面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、上片部148aと下片部148bとによって、右方に向かうに従って広がるV字状の溝を形成している。
不正防止部材148は、後カバー142の取付凹部142bに取付けられることで、上片部148aと下片部148bとで形成されるV字状の溝が、打球供給口142a内と連通した状態となる。
この不正防止部材148によれば、紐を取付けた不正な遊技球Bを、上皿から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、不正な遊技球Bに取付けられた紐を操作して、不正な遊技球Bを第一始動口等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置540により発射(打球)された不正な遊技球Bの勢いによって、不正な遊技球Bに取付けられた紐を、上片部148aと下片部148bとの間に挿入させた上で、上片部148aと下片部148bとによって形成されたV字状の狭くなった部位により切断させることができ、紐を取付けた不正な遊技球Bを用いた不正行為が行われるのを防止することができる。
[3−1k.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット150について、主に図36及び図37を参照して詳細に説明する。図36(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図37は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。ファールカバーユニット150は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられている。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。ファールカバーユニット150は、図示するように、扉枠ベース101の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体151と、ユニット本体151の前面に取付けられている平板状の蓋部材152と、を備えている。
ファールカバーユニット150は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニットの通常誘導路と皿ユニットの上皿球供給口とを連通させる貫通球通路150aと、貫通球通路150aの正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニットの満タン誘導路と連通可能な満タン球受口150bと、を備えている。
また、ファールカバーユニット150は、満タン球受口150bの正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球B(ファール球)を受けるファール球受口150cと、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口150b及びファール球受口150cに受入れられた遊技球Bを前方へ放出すると共に皿ユニットの下皿球供給口と連通する球放出口150dと、を備えている。
更に、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151及び蓋部材152によって、満タン球受口150b及びファール球受口150cと球放出口150dとの間に形成されており所定量の遊技球Bを貯留可能な広さを有している貯留通路150eを、備えている。
貫通球通路150aは、ユニット本体151と蓋部材152の両方に跨って形成されている。満タン球受口150b及びファール球受口150cは、ユニット本体151に形成されている。球放出口150dは、蓋部材152に形成されている。貯留通路150eは、ユニット本体151と蓋部材152とで形成されている。
また、ファールカバーユニット150は、貯留通路150eの内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体151及び蓋部材152に取付けられている平板状の可動片153と、可動片153の貯留通路150eから遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ154と、可動片153を貯留通路150e側へ付勢しているバネ155と、を備えている。
このファールカバーユニット150は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球Bで一杯になって、球放出口150dから遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなると、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bを貯留することができる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、遊技球Bの重さによって可動片153の上端がバネ155の付勢力に抗して貯留通路150eから遠ざかる方向へ移動するように可動片153が回動し、その回動が満タン検知センサ154によって検知される。これにより、下皿202が遊技球Bで満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ154により満タンが検知されると、これ以上の遊技球Bの払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151の後側で貫通球通路150aの下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610の払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接可能な扉開閉当接部150fを備えている(図91を参照)。扉開閉当接部150fは、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部150fに払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接することで、払出通路開閉扉613を回動させて下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端(前側開口)を開放させることができる。
[3−2.ガラスユニット]
扉枠3におけるガラスユニット160について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット160は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖するように、後方からガラスユニット取付部101h内に挿入されて着脱可能に取付けられている。このガラスユニット160は、扉枠3を本体枠4に対して閉めた時に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを遊技者側(前方)から視認可能とすると共に、遊技領域5aの前方を閉鎖するものである。
ガラスユニット160は、扉枠ベース101の扉窓101aの内周形状よりも大きくガラスユニット取付部101hに取付可能な枠状のガラス枠161と、ガラス枠161の枠内を閉鎖し外周がガラス枠161に取付けられている透明な二つのガラス板162と、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の後側に回転可能に取付けられガラス枠161を扉枠ベース101に取付けるための一対のガラスユニット取付部材163と、を備えている。
ガラス枠161は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片161aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片161bと、を有している。ガラス枠161の取付片161aは、ガラスユニット取付部材163の突出部163bと当接可能とされている。係止片161bは、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の空間内に挿入可能とされている(図97を参照)。二つのガラス板162は、ガラス枠161の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図97を参照)。
ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部163aと、基部163aから回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部163bと、を有している。ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後面における扉窓101aの四隅のうち上側の二つの隅の外側に、夫々回転可能に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101に取付けるには、まず、扉枠ベース101に取付けられているガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも上方に位置するように回転させた状態とする。そして、扉枠ベース101の後側から、ガラスユニット160のガラス枠161の係止片161bを、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠161の前端を扉枠ベース101のガラスユニット取付部101hの後面に当接させる。その後、ガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも下方に位置するように回転させて、突出部163bをガラス枠161の取付片161aの後面と当接させる。これにより、ガラスユニット160が扉枠ベース101に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット160は、扉枠ベース101(扉枠ベースユニット100)に対して着脱可能となっている。
なお、ガラスユニット160では、ガラスユニット取付部材163の突出部163bが、基部163aよりも下方に位置している回転位置の時に、突出部163bによりガラス枠161の後方への移動を規制しているため、ガラスユニット取付部材163に振動等が作用しても、突出部163bが基部163aよりも上方となるように位置へ回転することはない。従って、ガラス枠161の後方への移動の規制が自然に解除されることはなく、ガラスユニット160が扉枠ベース101から自然に外れることはない。
[3−3.防犯カバー]
扉枠3における防犯カバー170について、主に図29及び図30等を参照して詳細に説明する。防犯カバー170は、ガラスユニット160の後面下部を覆うように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー170は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部171と、本体部171の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片172と、左右に離間して配置され本体部171よりも前方に突出し、扉枠ベース101の後側に係止可能とされている一対の係止片173と、を備えている。
防犯カバー170の本体部171は、扉枠ベースユニット100に取付けた状態で下端がガラスユニット160の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部171は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部171の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片172は、本体部171の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー170は、本体部171と後方突片172とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片172は、本体部171の外周縁とは異なる本体部171の後面の一部からも後方に突出している。この本体部171の後面の一部から後方に突出している後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球B(球発射装置540により発射された遊技球B)が、防犯カバー170の後方突片172に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球Bの打込みを阻害することはない。
一対の係止片173は、扉枠ベースユニット100(スピーカダクト103及びケーブルカバー109)の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー170は、扉枠ベースユニット100に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー170は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部171の前面がガラスユニット160の後面(ガラス枠161の後端)と当接し、本体部171の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片172が、前構成部材1000の防犯凹部1009内に挿入された状態となる。また、防犯カバー170は、本体部171の下辺から後方に突出している後方突片172が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−4.ハンドルユニット]
扉枠3におけるハンドルユニット180について、主に図38等を参照して詳細に説明する。図38(a)は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿201内の遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100におけるハンドル取付部材102の筒部102aに取付けられるハンドルベース181と、ハンドルベース181の前端に回転可能に取付けられるハンドル182と、ハンドル182の前端側を覆うようにハンドルベース181に取付けられる円盤状のカバー台座183と、カバー台座183の前側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されているハンドル装飾基板184と、ハンドル装飾基板184の前側を覆うようにカバー台座183に取付けられているハンドルカバー185と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、ハンドル182の後側でハンドルベース181の前面に取付けられるインナーベース186と、前端にハンドル182が取付けられると共にインナーベース186とハンドルベース181とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部187aを有している軸部材187と、軸部材187の駆動ギア部187aと噛合している伝達ギア188と、伝達ギア188と一体回転する検知軸189aを有しハンドルベース181とインナーベース186との間に挟持されているハンドル回転検知センサ189と、を備えている。
更に、ハンドルユニット180は、一端側がハンドルベース181に取付けられると共に他端側がハンドル182に取付けられハンドル182を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ190と、一端側がインナーベース186に取付けられると共に他端側が伝達ギア188に取付けられ伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ191と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、インナーベース186の後方でハンドルベース181に取付けられているハンドルタッチセンサ192と、先端側がハンドルベース181の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース186の後方でハンドルベース181に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン193と、単発ボタン193の押圧操作を検知しハンドルベース181に取付けられている単発ボタン操作センサ194と、を備えている。
ハンドルユニット180のハンドルベース181は、前後に延びた円筒状の基部181aと、基部181aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部181bと、円筒状の基部181aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部181cと、を備えている。ハンドルベース181の基部181aは、外径がハンドル取付部材102の筒部102aの内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部181cは、ハンドル取付部材102における筒部102aの三つの突条102cと対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部181cを三つの突条102cと一致させた状態で、基部181aをハンドル取付部材102の筒部102a内に挿入させることができると共に、三つの溝部181c内に夫々突条102cが挿入されることで、ハンドルベース181がハンドル取付部材102に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル182は、外周面から周方向に離れて外方へ突出している四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dと、回転軸(軸部材187)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット182eと、スリット182eよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ190の他端側が係止される係止突部182fと、を備えている。
四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dは、正面視において時計回りの方向に順番に備えられている。詳述すると、第一突起182aは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでいる(抉れている)。第二突起182bは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第一突起182aの最も突出した部位から時計回りの方向へ約85度の回転角度で離れており、第一突起182aよりはやや低く突出している。この第二突起182bは、最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反時計周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでおり、第一突起182aと相似した形状に形成されている。
第三突起182cは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第二突起182bの最も突出した部位から時計回りの方向へ約70度の回転角度で離れており、第一突起182aの約半分の高さで突出している。この第三突起182cは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、時計回りの方向の側面が反対側である反時計回りの方向の側面よりもなだらかに傾斜している。第四突起182dは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第三突起182cの最も突出した部位から時計回りの方向へ約55度の回転角度で離れており、第一突起182aよりもやや高く突出している。この第四突起182dは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、略二等辺三角形に形成されている。
カバー台座183は、円盤状に形成されており、後面から後方へ突出している三つの取付ボス183aを備えている。三つの取付ボス183aは、ハンドル182のスリット182eを前方から貫通してハンドルベース181の前面に取付けられる。ハンドルカバー185の取付ボス183aが、ハンドル182のスリット182eを貫通していることから、取付ボス183aがスリット182eの周方向端部に当接することとなり、ハンドル182の回転角度を規制している。本例では、ハンドル182を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
ハンドルカバー185は、前面が前方へ丸く膨出しており、透光性を有している。ハンドルカバー185は、内部に、透明な部材で立体的に形成されたレンズ部材が備えられている。このハンドルカバー185は、ハンドル装飾基板184の前面のLEDを適宜発光させることで、発光装飾させられる。
このハンドルユニット180は、扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに対して、ハンドル取付部材102を介して取付けられる。この扉枠ベース101のハンドル取付座面101bは、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドル取付部材102を介して取付けられるハンドルユニット180も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
ハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189は、可変抵抗器とされており、ハンドル182を回転させると、軸部材187及び伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aが回転する。この検知軸189aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ189の内部抵抗が変化し、ハンドル回転検知センサ189の内部抵抗に応じて後述する球発射装置540における発射ソレノイド542の駆動力が変化して、ハンドル182の回転角度に応じた強さで遊技球Bが遊技領域5a内へ打込まれる。
ハンドルタッチセンサ192は、ハンドルユニット180に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル182等に接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル182等への接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル182を回動させると、ハンドル回転検知センサ189の検知が受付けられ、ハンドル182の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド542の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。つまり、遊技者がハンドル182に触れずに、何らかの方法でハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル182を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
また、ハンドルユニット180は、遊技者がハンドル182を回転操作中に、単発ボタン193を押圧すると、単発ボタン操作センサ194が単発ボタン193の操作を検知し、払出制御基板633の発射制御部633bによって発射ソレノイド542の駆動が停止させられる。これにより、ハンドル182の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン193の押圧操作を解除することで、単発ボタン193を操作する前の打込み強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
更に、ハンドルユニット180は、ハンドル182に、四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dを備えており、ハンドル182を正面視時計回りの方向へ最も回転させて、遊技球Bを最も強く遊技領域5a内に打込むようにした(所謂、「右打ち」した)時に、第四突起182dが、ハンドル182を回転させていない時の第一突起182aの位置と、略同じ位置となるため、第四突起182dを第一突起182aとしてハンドル182を持ち替えることで、遊技者が楽な状態で「右打ち」の位置でハンドル182を維持させることができ、遊技者の疲労感を軽減させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−5.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット200について、主に図39乃至図42を参照して詳細に説明する。図39は扉枠の皿ユニットを見た斜視図であり、図40は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図41は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図42は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも下側の部位に取付けられる。皿ユニット200は、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201やファールカバーユニット150から供給される遊技球Bを貯留可能な下皿202と、を備えている。
皿ユニット200は、上皿201を有しており扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面に取付けられている皿ベースユニット210と、皿ベースユニット210の前面に取付けられており下皿202を有している皿装飾ユニット250と、皿装飾ユニット250及び皿ベースユニット210の前面に取付けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット300と、を備えている。
皿ベースユニット210は、左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられており下皿202を有している下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275の夫々の下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301として、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、を備えている。演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340の回転を回転操作部302に伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330を発光装飾させる演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆う装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
皿ユニット200は、全体が前方へ膨出しており、左右方向中央において演出操作部301の上面が斜め上前方を向くように演出操作ユニット300が配置されており、上面における演出操作ユニット300の左側に上皿201が演出操作ユニット300の右側に球貸操作ユニット220が配置されていると共に、上皿201の下側で演出操作ユニット300の左側に下皿202が配置されている。
[3−5a.上皿]
皿ユニット200の上皿201について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。上皿201は、皿ユニットベース211と上皿本体212とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿201(上皿本体212)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿201は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい誘導通路部201a(図46を参照)を有している。上皿201は、誘導通路部201aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部201aの正面視右端側が、球貸操作ユニット220の下方へ潜り込んでいる。
上皿201は、皿ユニット200に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース211の上皿球供給口211aよりも下側の位置から上皿球送給口211eの上端に対して遊技球Bの外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口211aから前方へ放出された遊技球Bが、上皿201内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球Bを誘導通路部201aの右端側から上皿球送給口211eを通って球送給ユニット140側へ供給させることができる。
なお、誘導通路部201aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具201bが備えられており、遊技球Bが接触(転動)することで、遊技球Bに帯電した静電気を除去させることができる。
[3−5b.下皿]
皿ユニット200の下皿202について、主に図39乃至図42等を参照して詳細に説明する。下皿202は、上皿201の下方で、正面視おいて皿ユニット200(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿202は、下皿本体251と皿ユニットベース211とで形成されている。下皿202は、遊技球Bを貯留可能な容器状に形成されており、底壁に上下に貫通し遊技球Bを排出可能とされた下皿球抜孔202aを備えている。下皿202の下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260によって開閉可能に閉鎖されている。
下皿202は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿202は、上下に貫通している下皿球抜孔202aが、右端付近の前端付近に配置されている。この下皿202は、底面が下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿202の下皿球抜孔202aは、皿ユニット200に組立てた状態で、下皿球供給口211cの前方で演出操作ユニット300の下方に位置している。
下皿202は、下皿球抜孔202aを閉鎖している状態で、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを貯留することができると共に、下皿球抜孔202aを開放することで貯留されている遊技球Bを皿ユニット200の下方(例えば、ドル箱)へ排出させることができる。また、下皿202の下皿球抜孔202aが開放されている状態では、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に配置されていることから、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、最短距離の移動で速やかに下皿球抜孔202aから下方へ排出させることができる。
[3−5c.皿ベースユニット]
皿ユニット200における皿ベースユニット210について、主に図43乃至図46を参照して詳細に説明する。図43は皿ユニットにおける皿ベースユニットを前から見た斜視図であり、図44は皿ユニットにおける皿ベースユニットを後ろから見た斜視図である。また、図45は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図46は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられると共に、前面に、皿装飾ユニット250及び演出操作ユニット300が取付けられるものである。
皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、皿ユニットベース211の前面上部における上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、皿ユニットベース211の前面で取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、を備えている。
また、皿ベースユニット210は、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方で皿ユニットベース211の前面に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方で皿ユニットベース211の後側に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
[3−5c−1.皿ユニットベース]
皿ベースユニット210の皿ユニットベース211について、主に図45及び図46を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース211は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられ、扉枠ベース101の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース211は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口211aと、上皿球供給口211aの下方で前後に貫通しており前側にパンチングメタルが取付けられているスピーカ口211bと、正面視左右中央に対して左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口211cと、下皿球供給口211cの後方へ筒状に延びている部位の右側壁において遊技球Bが通過可能な大きさに切欠かれている切欠部211dと、下皿球供給口211cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送給口211eと、を備えている。
また、皿ユニットベース211は、上皿球送給口211eの右方で前方へ突出しており取付ベースが載置される載置突部211fと、上皿球送給口211eの左方で上皿本体の下方において前後に貫通しており上皿球抜後ユニット240における上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bが挿通されるスライダ挿通口211gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口211hと、正面視右隅付近で前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口211iと、を備えている。
皿ユニットベース211の上皿球供給口211aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿201の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の上皿用球通過口101gを前側から貫通してファールカバーユニット150の貫通球通路150aの前端と接続している。これにより、払出ユニット560の払出装置580から払出された遊技球Bが、上皿球供給口211aを通って上皿201内に供給(払出)される。
下皿球供給口211cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿202の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の下皿用球通過口101fを前側から貫通してファールカバーユニット150の球放出口150dの前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内を流通する遊技球Bが、下皿球供給口211cを通って下皿202内に供給される。また、下皿球供給口211cの筒状に延びている部位に形成されている切欠部211dには、上皿球抜後ユニット240の後ベース241における球抜誘導路241cの下流端が接続されている。これにより、上皿201に貯留されている遊技球Bが、上皿球抜ボタン222の操作により、上皿球送給口211e、球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141b、上皿球抜後ユニット240の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241c、及び切欠部211dを介して、下皿球供給口211cから下皿202内に排出される。
上皿球送給口211eは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球受口241aの前方に位置しており、上皿201内の遊技球Bが、上皿球抜後ユニット240の球受口241aから球送給誘導路241bへ供給される。
[3−5c−2.上皿本体]
皿ベースユニット210の上皿本体212について、主に図45及び図46等を参照して詳細に説明する。上皿本体212は、皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニットベース211と協働して上皿201を形成するものである。上皿本体212は、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。上皿本体212は、左右に延びており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出している。上皿本体212は、最も前方へ膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい幅に形成されている。上皿本体212の底面は、右端が最も低くなるように傾斜している。上皿本体212は、右端付近の上方が閉鎖されている。
上皿本体212は、皿ユニット200に組立てた状態で、右端付近の上方が閉鎖されている部位が、球貸操作ユニット220の下方に潜り込むように取付けられている。また、上皿本体212は、上部における左右方向の中間部に、演出操作ユニット取付部212aが形成されており、この演出操作ユニット取付部212aに演出操作ユニット300の一部が取付けられる。
[3−5c−3.取付ベース]
皿ベースユニット210の取付ベース213について、主に図45及び図46を参照して詳細に説明する。取付ベース213は、皿ユニットベース211の載置突部211fの上面に載置された状態で皿ユニットベース211の前面に取付けられると共に、上側に球貸操作ユニット220が取付けられるものである。取付ベース213は、上方が開放された浅い箱状に形成されている。取付ベース213は、左端付近において上下に貫通している挿通口213aと、後端右隅において上下に貫通している貫通口213bと、を備えている。
取付ベース213の挿通口213aは、上皿球抜前ユニット230の前スライダ232が挿通されるものである。また、貫通口213bは、球貸操作ユニット220と扉枠主中継基板104とを接続するための配線ケーブルが挿通されるものである。
[3−5c−4.皿ユニット中継基板]
皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214は、扉枠ベースユニット100における扉枠副中継基板105と、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、及び操作部中継基板392との接続を中継するためのものである。皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fより右側に取付けられる。この皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211に取付けた状態では、後面が皿ユニットベース211の後側に臨んでいる。
[3−5c−5.球貸操作ユニット]
皿ベースユニット210の球貸操作ユニット220について、主に図39乃至図46等を参照して詳細に説明する。球貸操作ユニット220は、取付ベース213を介して皿ユニットベース211の前面に取付けられている。この球貸操作ユニット220は、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出したり、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、所定数の遊技球Bを皿ユニット200の上皿201内へ貸出したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量を表示したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却したり、するためのものである。
球貸操作ユニット220は、取付ベース213の上側に取付けられるベース部221と、ベース部221の上面の左端付近に配置されている上皿球抜ボタン222と、ベース部221の上面における上皿球抜ボタン222の右方に配置されており透光性を有した円盤状の球貸操作ベース223と、球貸操作ベース223の前部左側に配置されている球貸ボタン224と、球貸操作ベース223の前部右側に配置されている返却ボタン225と、球貸操作ベース223の後部下方に配置されている球貸表示部(図示は省略)と、を備えている。
上皿球抜ボタン222は、ベース部221の上面から円柱状に上方へ突出しており、遊技者が押圧操作することで下方へ移動することができる。球貸ボタン224は、円形状に形成されている。返却ボタン225は、三角形状に形成されている。球貸表示部は、三つの7セグメントLEDにより構成されており、発光している状態で透明な球貸操作ベース223を通して視認することができる。
球貸操作ユニット220は、上皿球抜ボタン222を押圧操作することで、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿へ排出することができる。また、球貸機に現金や残金のあるプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン224を押圧操作すると、所定数の遊技球Bが上皿201に供給される。返却ボタン225を押圧操作すると、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードに対して、貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却する。球貸表示部には、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードの残量が表示される。また、球貸表示部には、球貸機が故障した時にエラーコードが表示される。
[3−5c−6.上皿球抜前ユニット及び上皿球抜後ユニット]
皿ベースユニット210における上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240について、主に図45及び図46等を参照して詳細に説明する。上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、球貸操作ユニット220の上皿球抜ボタン222が押圧操作された時に、球送給ユニット140と協働して、上皿201内に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出させるためのものである。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fの左方で球貸操作ユニット220の下方に取付けられる。上皿球抜後ユニット240は、皿ユニットベース211の後面における上皿球抜前ユニット230の後方となる部位に取付けられる。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面に取付けられており上下に延びた筒状の前ベース231と、前ベース231の筒内に上下方向へ移動可能に挿入されている前スライダ232と、を備えている。前ベース231は、皿ユニットベース211の前面における上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gの前方付近に取付けられている。前スライダ232は、上下に延びており、上端が上皿球抜ボタン222の下端と当接していると共に、下端が上皿球抜後ユニット240の上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面と当接している。
上皿球抜後ユニット240は、上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gを後方から閉鎖するように皿ユニットベース211の後面に取付けられる後ベース241と、後ベース241の前面に上下方向へスライド可能に取付けられている上皿球抜スライダ242と、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢しているバネ243と、後ベース241の後側に取付けられている後カバー244と、を備えている。
後ベース241は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付ける部位から上方へ突出していると共に前方へ向かって開口しており遊技球Bが通過可能な球受口241aと、球受口241aに受入れられた遊技球Bを後ベース241の後面において下方へ誘導した後に後方へ誘導する球送給誘導路241bと、後ベース241の後面において球送給誘導路241bよりも下側の位置から遊技球Bを下方へ誘導した後に背面視右方へ誘導する球抜誘導路241cと、を備えている。
球受口241aは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿201の誘導通路部201a下流端(正面視右端)において、皿ユニットベース211の上皿球送給口211eを通して前方へ向かって開口する位置に形成されている。球送給誘導路241bは、扉枠3に組立てた状態で、下部の後方に球送給ユニット140の進入口141aが位置するように形成されている。これにより、上皿201に供給された遊技球Bが、球受口241a及び球送給誘導路241bを通って球送給ユニット140の進入口141aに進入するようになっている。
球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付けている部位よりも背面視右方へ突出していると共に、背面視右端側が低くなるように傾斜しており、背面視右側面に開口している。球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、後側が後カバー244によって閉鎖される。球抜誘導路241cは、扉枠3に組立てた状態で、球送給誘導路241bの下方で上下に延びている部位の上部が、球送給ユニット140の球抜口141bの前方に位置すると共に、左右に延びている部位の背面視右端が皿ユニットベース211における下皿球供給口211cの切欠部211dに接続されるように形成されている。これにより、球送給ユニット140の球抜口141bから排出された遊技球Bは、球抜誘導路241c及び切欠部211dを介して下皿球供給口211cから下皿202内へ放出される。
上皿球抜スライダ242は、正面視の形状が四角形に形成されており、左上隅から前方へ突出している作動受部242aと、作動受部242aの後側となる後面から後方へ突出している作動伝達部242bと、を備えている。作動受部242aは、上面が平坦に形成されている。また、作動伝達部242bは、上面が後方へ向かうに従って下方へ位置するように傾斜しており、上面の後端と繋がるように下面が水平に延びている。
上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動受部242aが、皿ユニットベース211のスライダ挿通口211gを後側から貫通して前方へ突出していると共に、作動受部242aの上面に上皿球抜前ユニット230の前スライダ232の下端が当接している。また、上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動伝達部242bが、後ベース241の後方に突出していると共に、上面に球送給ユニット140の球抜部材143における作動棹143cが当接している。
バネ243は、上端が後ベース241に取付けられていると共に、下端が上皿球抜スライダ242に取付けられており、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢している。従って、上皿球抜スライダ242は、バネ243の付勢力により上方への移動端に位置しており、バネ243の付勢力に抗することで下方へ移動することができる。
上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていると共に、上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面に当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222を上方へ移動端に位置させている。また、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていることから、作動伝達部242bの上面に当接している作動棹143cの下方への移動を阻止しており、球抜部材143の仕切部143aを進入口141aと球抜口141bとの間に位置させて、両者の間を仕切っている。
従って、上皿球抜ボタン222を押圧していない状態では、球送給ユニット140において進入口141aと球抜口141bとの間が仕切られており、上皿201から球受口241aへ送られた遊技球Bを、進入口141a及び球送給部材144を介して打球供給口142aから球発射装置540側へ送ることができる。
一方、上皿球抜ボタン222を、バネ243の付勢力に抗して下方へ押圧すると、前スライダ232を介して上皿球抜スライダ242が下方へ移動し、上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上面に当接している球抜部材143の作動棹143cが下方へ移動できるようになり、球抜部材143の錘部143dの荷重により球抜部材143が回動して仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から後退する。これにより、上皿201から球受口241a及び球送給誘導路241bを通って進入口141aに進入した遊技球Bが、進入口141aの下方に開口している球抜口141bから前方へ排出されることとなる。そして、球抜口141bから前方へ排出された遊技球Bは、球抜誘導路241cを通って切欠部211dから下皿球供給口211c内へ誘導された後に、下皿球供給口211cから下皿202内へ放出され、上皿201内の遊技球Bが下皿202内へ排出されることとなる。
上皿球抜ボタン222の下方への押圧を解除すると、バネ243の付勢力により上皿球抜スライダ242が上方へ移動し、作動受部242aと当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222が上昇すると共に、作動伝達部242bと当接している作動棹143cにより球抜部材143が回動して進入口141aと球抜口141bとの間に仕切部143aが位置して元の状態に復帰することとなる。
このように、上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240によって、上皿201内の遊技球Bを、球送給ユニット140を介して球発射装置540側へ送給したり、下皿202側へ排出したりすることができる。
[3−5d.皿装飾ユニット]
皿ユニット200における皿装飾ユニット250について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。図47は皿ユニットにおける皿装飾ユニットを前から見た斜視図であり、図48は皿装飾ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図49は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図50は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿装飾ユニット250は、下皿202を有しており皿ベースユニット210の前面に取付けられると共に、左右方向中央に前方から演出操作ユニット300が取付けられるものである。皿装飾ユニット250は、皿ユニット200の略全体を装飾している。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられ皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成する下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間して夫々取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿ユニット本体252の全面で皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275の夫々の下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
[3−5d−1.下皿本体]
皿装飾ユニット250における下皿本体251について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。下皿本体251は、皿ベースユニット210の皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成するものである。下皿本体251は、左右に延びていると共に、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。この下皿本体251は、皿ユニットベース211の前面下部における左右方向中央より左側の部位に、開放されている後方が閉鎖されるように取付けられる。
下皿本体251は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿本体251には、平面視において、右端の前端付近において、上下に貫通している下皿球抜孔202aが形成されている。下皿本体251は、底面が、下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋265によって開閉可能に閉鎖される。
下皿本体251は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、外周と下面の一部とが皿ユニット本体252に覆われた状態となる。また、下皿本体は、皿ユニット200に組立てた状態で、底面が皿ユニットベース211の下皿球供給口211cよりも下方に位置していると共に、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に位置している。これにより、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、貯留することができる。
[3−5d−2.皿ユニット本体]
皿装飾ユニット250における皿ユニット本体252について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿ユニット本体252は、皿ベースユニット210における皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニット200の前面を装飾するものである。皿ユニット本体252は、上部側では左右方向の中央が前方へ突出するように膨出しており、下部側では左右方向の左側が前方へ突出するように膨出している。また、皿ユニット本体252は、上面が、左右方向の中央が最も低くなるように湾曲している。皿ユニット本体252は、後方へ開放された箱状に形成されている。
皿ユニット本体252は、上部において左右両端から左右方向中央へ向かうに従って前方へ膨出していると共に下方へ延びており左右に離間している上部サイド膨出部252aと、下部において左右方向中央より左側が下皿本体251の外周を被覆するように前方へ膨出している下部前面装飾部252bと、下部前面装飾部252bの下端から後方へ平板状に延びている底板部252cと、を備えている。
左右の上部サイド膨出部252aは、後方が開放された箱状に形成されており、夫々の前面に皿左上装飾ユニット270及び皿左下装飾ユニット280と皿右上装飾ユニット275及び皿右下装飾ユニット285が取付けられる。左側の上部サイド膨出部252aは、下面の右端が下部前面装飾部252bと接続されている。また、右側の上部サイド膨出部252aは、下端が下部前面装飾部252bと接続されている。
皿ユニット本体252は、左側の上部サイド膨出部252aと下部前面装飾部252bとの間で前後に貫通している下皿開口部252dが形成されている。下皿開口部252dは、遊技者の手指が挿入可能な大きさで、左方へ向かうに従って上下が広くなるように形成されている。下皿開口部252dは、下皿本体251と左側の上部サイド膨出部252aの下面とによって、前後に延びた筒状に形成されている。
また、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bにおける下皿本体251の外周を被覆している部位の前面下端から上方へ切欠かれている前面切欠部252eと、底板部252cにおける下皿本体251の下方となる部位において切欠かれている底面切欠部252fと、を備えている。前面切欠部252e及び底面切欠部252fには、下皿球抜ユニット260が挿入される。
更に、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bの右下隅において前後に貫通しておりハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口252gと、ハンドル挿通口252gの上方で下部前面装飾部252bを前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口252hと、左右方向中央となる一対の上部サイド膨出部252aの間に形成されており演出操作ユニット300が取付けられる演出操作ユニット取付部252iと、を備えている。演出操作ユニット取付部252iは、皿ユニット本体252の左右方向の幅の約1/3の幅に形成されている。
皿ユニット本体252は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿ベースユニット210の前面を全体的に覆うように形成されており、下皿開口部252dを通してスピーカ口211bが前方へ臨んだ状態となる。また、皿装飾ユニット250に組立てた状態では、前面切欠部252eから下皿球抜ユニット260の下皿球抜ボタン263が前方へ臨むと共に、下皿球抜ユニット260の下皿球抜ベース261が底面切欠部252fを閉鎖して下面同士が同一面上の状態となる。
[3−5d−3.下皿球抜ユニット]
皿装飾ユニット250における下皿球抜ユニット260について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられ、下皿球抜孔202aを開閉させることで、下皿202に遊技球Bを貯留させたり、下皿202から遊技球Bを排出させたりするためのものである。
下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられており平面視右前隅に上下に貫通している貫通孔を有した平板状の下皿球抜ベース261と、下皿球抜ベース261の上面側において前後へスライド可能に取付けられているスライダ262と、スライダ262の前端に取付けられている下皿球抜ボタン263と、スライダ262を前方へ付勢しているバネ264と、スライダ262の前後方向への移動によって貫通孔を開閉する下皿球抜蓋265と、スライダ262を介して下皿球抜蓋265を開状態に保持する保持機構266と、を備えている。
下皿球抜ベース261は、皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖する大きさに形成されており、下皿202(下皿本体251)の下皿球抜孔202aと一致する位置に上下に貫通している貫通孔が形成されている。下皿球抜ベース261の貫通孔は、下皿球抜孔202aと同じ大きさに形成されている。スライダ262は、前後に延びた平板状に形成されており、下皿球抜ベース261における左右方向中央から左寄りの部位に、前後へスライド可能に取付けられている。スライダ262は、上方へ円柱状に突出している突ピンを備えている。
下皿球抜蓋265は、左端側が、スライダ262よりも左方の位置で、上下に延びた軸周りに対して回転可能に下皿球抜ベース261に取付けられており、右端側が、スライダ262を越えて右方へ延出しており右端側が貫通孔を閉鎖可能に形成されている。下皿球抜蓋265には、スライダ262の突ピンが摺動可能に挿入される左右に延びたスリットが形成されている。
下皿球抜ユニット260は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、下皿球抜ベース261が皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖していると共に、下皿球抜ベース261の下面が底板部252cの下面と同一面上に位置している。また、下皿球抜ボタン263が、皿ユニット本体252の前面切欠部252eから前方に臨んでいる。下皿球抜ユニット260は、通常の状態では、スライダ262がバネ264の付勢力により前方側の移動端に位置していると共に、下皿球抜蓋265の右端側が貫通孔の直上に位置しており、貫通孔(下皿球抜孔202a)を閉鎖している。
この通常の状態では、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265によって閉鎖されており、下皿202に遊技球Bを貯留させることができる。また、通常の状態では、下皿球抜ボタン263の前面が、下部前面装飾部252bの前面における前面切欠部252eの周囲の前面と略一致している。
通常の状態において、下皿球抜ボタン263を後方へ押圧して、バネ264の付勢力に抗して後方へ移動させると、下皿球抜ボタン263と伴にスライダ262が後方へ移動することとなる。このスライダ262が後方へ移動することで、スライダ262の突ピンがスリットを介して下皿球抜蓋265を後方へ押圧し、下皿球抜蓋265が左端側を中心にして右端側が後方へ移動する方向へ回動することとなる。そして、貫通孔の直上に位置していた下皿球抜蓋265の右端側が、貫通孔の位置から後方へ移動することで、貫通孔が開放されて下皿球抜孔202aが開いた状態となり、下皿球抜孔202aを通して下皿202内の遊技球Bを皿ユニット200の下方へ排出させることができる。
なお、下皿球抜ボタン263の押圧によりスライダ262を後方へ移動させると、スライダ262の後端が保持機構266によって保持されるようになっており、下皿球抜ボタン263の押圧を解除しても、スライダ262がバネ264の付勢力によって前方へ移動することはない。これにより、下皿球抜蓋265の右端側が後方へ回動したままの状態となり、下皿球抜孔202aが開放されたままの状態で維持され、下皿202内の遊技球Bを連続して下方へ排出させることができる。
この状態から下皿球抜孔202aを閉鎖するには、下部前面装飾部252bの前面よりも後退している下皿球抜ボタン263を後方へ押圧すると、保持機構266によるスライダ262の保持が解除される。そして、下皿球抜ボタン263の押圧を放すと、スライダ262がバネ264の付勢力により前方へ移動し、下皿球抜ボタン263の前面が下部前面装飾部252bの前面と一致した状態に復帰すると共に、下皿球抜蓋265が回動して右端側が貫通孔の直上に位置し、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265により閉鎖された状態となる。これにより、下皿202内に遊技球Bを貯留させることができる。
[3−5d−4.皿左上装飾ユニット及び皿右上装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の上部に取付けられる。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット200の上部で演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左上装飾ユニット270は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左上装飾体271と、皿左上装飾体271の後側に取付けられている皿左上リフレクタ272と、皿左上リフレクタ272の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左上装飾基板273と、を備えている。
皿左上装飾体271は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿左上装飾体271は、前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸が斜め左上に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿左上装飾体271は、乳白色に形成されている。
皿左上リフレクタ272は、皿左上装飾体271の内部に後方から挿入されており、皿左上装飾基板273のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左上装飾基板273に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左上装飾体271を発光装飾させることができる。
皿左上装飾ユニット270は、扉枠3に組立てた状態で、左端が扉枠左サイドユニット400の下端と連続し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの左端と連続している。皿左上装飾ユニット270は、皿左上装飾体271において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左上装飾基板273の複数のLEDを発光させると、皿左上装飾体271の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右上装飾ユニット275は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右上装飾体276と、皿右上装飾体276の後側に取付けられている皿右上リフレクタ277と、皿右上リフレクタ277の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右上装飾基板278と、を備えている。
皿右上装飾体276は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿右上装飾体276は、前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸が斜め右上に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿右上装飾体276は、乳白色に形成されている。
皿右上リフレクタ277は、皿右上装飾体276の内部に後方から挿入されており、皿右上装飾基板278のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右上装飾基板278に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右上装飾体276を発光装飾させることができる。
皿右上装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、右端が扉枠右サイドユニット410の下端と連続し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの右端と連続している。皿右上装飾ユニット275は、皿右上装飾体276において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右上装飾基板278の複数のLEDを発光させると、皿右上装飾体276の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5d−5.皿左下装飾ユニット及び皿右下装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285について、主に図47乃至図50等を参照して詳細に説明する。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275に夫々沿って延びるように、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の下部に取付けられる。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と協働して、皿ユニット200の前面と演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左下装飾ユニット280は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左下装飾体281と、皿左下装飾体281の後側に取付けられている皿左下リフレクタ282と、皿左下リフレクタ282の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左下装飾基板283と、を備えている。
皿左下装飾体281は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿左下装飾体281は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸がやや斜め左上後方に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端が球面状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿左下装飾体281は、乳白色に形成されている。
皿左下リフレクタ282は、皿左下装飾体281の内部に後方から挿入されており、皿左下装飾基板283のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左下装飾基板283に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左下装飾体281を発光装飾させることができる。
皿左下装飾ユニット280は、扉枠3に組立てた状態で、左端が皿左上装飾ユニット270の左端の下方に位置し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの左端と連続している。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281の左端が球面状に形成されていることから、左端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左下装飾基板283の複数のLEDを発光させると、皿左下装飾体281の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右下装飾ユニット285は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右下装飾体286と、皿右下装飾体286の後側に取付けられている皿右下リフレクタ287と、皿右下リフレクタ287の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右下装飾基板288と、を備えている。
皿右下装飾体286は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿右下装飾体286は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸がやや斜め右上後方に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端が球面状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿右下装飾体286は、乳白色に形成されている。
皿右下リフレクタ287は、皿右下装飾体286の内部に後方から挿入されており、皿右下装飾基板288のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右下装飾基板288に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右下装飾体286を発光装飾させることができる。
皿右下装飾ユニット285は、扉枠3に組立てた状態で、右端が皿右上装飾ユニット275の右端の下方に位置し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの右端と連続している。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286の右端が球面状に形成されていることから、右端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右下装飾基板288の複数のLEDを発光させると、皿右下装飾体286の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5e.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200における演出操作ユニット300の全体構成について、主に図51乃至図54等を参照して詳細に説明する。図51は、皿ユニットにおける演出操作ユニットを演出操作ボタンの進退方向から見た平面図である。図52(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図53は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図54は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット300は、皿ユニット200における左右方向中央に備えられており、皿ユニット200を装飾していると共に、遊技者参加型演出が実行された際に遊技者が操作して演出に参加することができるものである。演出操作ユニット300は、皿ベースユニット210と皿装飾ユニット250とに取付けられている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、から構成されている。演出操作部301は、回転操作部302が、外径に対して約3/5の大きさの内径を有した円環状に形成されており、その環内に押圧操作部303が配置されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に配置され、回転操作部302の内径の半分よりも若干大きい直径の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周と回転操作部302の内周との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、演出操作リング330の回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340と演出操作リング330の回転操作部302との間で回転を伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に操作部ベース320に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330の下方で操作部ベース320の上面に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆うように操作部ベース320に取付けられている装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
[3−5e−1.演出操作部カバーユニット]
演出操作ユニット300の演出操作部カバーユニット310について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。演出操作部カバーユニット310は、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに取付けられ、皿ユニット200の左右方向中央で演出操作ユニット300の前面を装飾するものである。演出操作部カバーユニット310は、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。
演出操作部カバーユニット310は、下方へ窪んだ半球状のユニット下カバー311と、ユニット下カバー311の前側上端に取付けられており前方へ膨出した半円環状のユニット前カバー312と、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から取付けられている皿中央上リフレクタ313と、皿中央上リフレクタ313に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央上装飾基板314と、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から取付けられている皿中央下リフレクタ315と、皿中央下リフレクタ315に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央下装飾基板316と、を備えている。
ユニット下カバー311は、ユニット下カバー311は、前後方向中央後寄りから前側が、下方へ膨出した半球面状に形成されており、これより後側が、皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに、上方から載置されるように取付けられる。ユニット下カバー311は、前部の半円弧状に延びている上端縁に形成される仮想の平面に垂直な軸線が、上方へ向かうに従って前方へ位置するように、傾斜した状態で取付けられる。本実施形態では、鉛直線に対して約18度(18.65度)の角度で傾斜している。ユニット下カバー311は、皿ユニット200に組立てた時に、最も低くなる部位に複数の排水孔311aが形成されている。
演出操作ユニット300には、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとの隙間や、外周押圧操作部303bと回転操作部302との隙間が存在するため、演出操作ユニット300に対して上方から、異物としてコーヒーやジュースなどの液体や煙草の灰や塵埃などの粉末状の物体が進入する可能性がある。この場合、演出操作ユニット300に設けられる各種のセンサやモータが不具合を起こしたり、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとの隙間や、外周押圧操作部303bと回転操作部302との隙間に異物が挟まることで、中央押圧操作部303a、外周押圧操作部303b、回転操作部302などがスムーズに移動しなくなったりするなどの不具合を起こす可能性がある。そのため、これらの異物をパチンコ機1から外部に排出する機構として、ユニット下カバー311に排水孔311aが形成されている。
排水孔311aは複数設けられているが、一部の排水孔311aの真下には、下皿202などのパチンコ機1を構成する部材は設けられておらず、これらの排水孔311aから異物が排出された場合は、パチンコ機1が載置される島設備の載置面上に直接落下する。このような構成とすることで、排水孔311aから排出された異物をパチンコ機1から離間した状態におくことができ、排出された異物によってパチンコ機1が汚されることを抑止することが可能となる。
本実施形態において、一部の排水孔311aの真下には、下皿202などのパチンコ機1を構成する部材は設けられていないが、排水孔311aの真下に下皿202が位置するようにしてもよい。このような構成とすることで、液体が下皿202において滞留するため、パチンコ機1が載置される島設備の載置面が汚されることを抑止することが可能となる。
ユニット下カバー311は、厚さ2mm程度の不透明なポリカーボネート樹脂により形成されている。このような構成とすることで、排水孔311aによって排出しきれなかった異物が、ユニット下カバー311の内側における排水孔311a周辺に残留したとしても、外観からはその存在が確認できないため、美観が低下することを抑止することが可能となる。
一方、ユニット下カバー311を透明な樹脂で形成し、内部が視認できるようにしてもよい。このような構成とすることで、演出操作ユニット300に上方から異物が進入し、ユニット下カバー311に異物が流下してきた場合に、扉枠3を開放し、扉枠3から皿ユニット200を取外して、さらに皿ユニット200から演出操作ユニット300を取外して、演出操作ユニット300の内部の状況を確認するといった手間を要することなく、外部からの観察によって、演出操作ユニット300に異物が進入したことや、排水孔311aによる異物の排出状況、ユニット下カバー311内における異物の滞留状況が確認でき、演出操作ユニット300への異物の進入状況に応じて、パチンコ機1を用いた営業の中止、パチンコ機1の清掃、部品交換といった処置を適切に行うことが可能となる。
ユニット下カバー311に排水孔311aが設けられている実施形態を示したが、排水孔311aを設けないようにしてもよい。このような構成とした場合でも、ユニット下カバー311を不透明な樹脂により形成した場合、あるいは透明な樹脂により形成した場合の双方において上述したような効果を奏するものとなる。また、排水孔311aを設けないようにすることで、排水孔311aに対して下方から針金やピアノ線等の金属製細線を挿入するといった遊技者による悪戯、嫌がらせ行為が行われることを防止することが可能となる。
排水孔311aは、ユニット下カバー311を円柱状にくり抜いたような形状で、形成されている。このような構成とすることで、演出操作ユニット300に上方から異物として液体が進入し、ユニット下カバー311に流下してきた場合に、排水孔311aを通過する液体の抵抗を減らし、パチンコ機1の外への排出を速やかに行うことが可能となる。また、演出操作ユニット300に上方から異物として煙草の灰等の固体が進入し、ユニット下カバー311に流下してきた場合に、排水孔311aを通過する固体が排水孔311a内で滞留することを防止でき、パチンコ機1の外への排出を速やかに行うことが可能となる。
排水孔311aが、ユニット下カバー311を円柱状にくり抜いたような形状で直線的に形成されている実施形態を示したが、排水孔311aをこのような直線的でない形状としてもよい。例えば、排水孔の形状が円弧状やS字状に曲がっていたりするようにしてもよい。このような構成とすることで、排水孔311aに対して下方から針金やピアノ線等の金属製細線を挿入するといった遊技者による悪戯、嫌がらせ行為から、演出操作ユニット300内に設けられる部材である振動スピーカ354、操作ボタン昇降駆動モータ367、操作部中継基板ユニット390等を保護することが可能となる。
排水孔311aは、ユニット下カバー311を円柱状にくり抜いたような形状で、形成されているが、その直径は約2mmとなっている。排水孔311aは、演出操作ユニット300内に進入した異物を排出するために設けられているが、排水孔311aに異物を挿入するといった遊技者による悪戯、嫌がらせ行為が行われることを念頭に置く必要がある。挿入される異物としては、遊技者自身の指(直径15−20mm程度)、遊技球(直径11mm程度)、煙草(直径8mm程度)、針金・ピアノ線等の金属製細線(直径0.2−2mm程度)が想定される。これらの異物の挿入を防ぐには、排水孔311aの直径をこれらの異物の直径よりも小さくすることが望ましい。一方、排水孔311aの直径を小さくした場合に、ユニット下カバー311内に流下してきた液体の表面張力の影響が無視できない大きさとなり、排水孔311aからの液体の排出効率が低下する可能性がある。したがって、本実施形態においては、排水孔311aの直径を約2mmとしている。
上記した挿入が想定される異物のうち、遊技者の指、遊技球、煙草については、事前の準備を要することなく衝動的に排水孔311aに対して挿入することが可能なものである。一方、針金・ピアノ線等の金属製細線については、遊技者が通常持ち歩いているものではなく、計画的にホールに所持してきたりすることがなければ、排水孔311aに対して挿入することができないものであり、そのような事態が発生する可能性と比べると、遊技者の指、遊技球、煙草が挿入される事態が発生する可能性の方が相対的に高いものと考えられる。そこで、遊技者の指、遊技球、煙草が発作的に挿入されるような事態に対する対策としては、排水孔311aの直径を8mm未満としておけばよい。このような構成とすることで、排水孔311aに対して下方から遊技者の指、遊技球、煙草を挿入するといった悪戯、嫌がらせ行為から、演出操作ユニット300内に設けられる部材である振動スピーカ354、操作ボタン昇降駆動モータ367、操作部中継基板ユニット390等を保護することが可能となる。
排水孔311aの形状が円柱状の例を示したが、排水孔311aの形状は円柱状に限定されるものではなく、スリット状、テーパ状、正方形・長方形等の四角形等の形状をしていてもよい。これらの形状とした場合も、排水孔311aの最も狭い部分の幅を8mm未満とすることで、排水孔311aに対し、遊技者の指、遊技球、煙草を挿入するといった悪戯、嫌がらせ行為から、演出操作ユニット300内に設けられる部材である振動スピーカ354、操作ボタン昇降駆動モータ367、操作部中継基板ユニット390等を保護することが可能となる。
排水孔311aは、ユニット下カバー311を円柱状にくり抜いたような形状で、形成されているが、ユニット下カバー311を備える演出操作ユニット300がパチンコ機1に取り付けられた状態では、排水孔311aの下方へ向かうに従って後方へ位置するように傾斜した状態となっている。本実施形態では、鉛直線に対して約18度(18.65度)の角度で後方に向かってのみ傾斜している。排水孔311aから異物として液体が排出される場合、後方に向かって勢いがついた状態で液体が排出される。このような構成とすることで、椅子に座って遊技をしている遊技者の着衣等に液体が飛散することを抑止することが可能となる。また、遊技者が遊技をしていない場合には、椅子の着座部に液体が飛散することを抑止することが可能となる。また、演出操作ユニット300に多量の液体が進入し、ユニット下カバー311の内側に液体が多く滞留している場合には、排水孔311aにかかる水圧が強くなり、後方側に向けて勢いよく液体が排出されることとなり、遊技者の着衣等に液体が飛散することを抑止するといった効果をより高めることが可能となる。
排水孔311aが下方へ向かうに従って後方へ位置するように傾斜した状態となっている実施形態を示したが、傾斜を設けないように排水孔311aを形成するようにしてもよい。このような構成とすることで、排水孔311aから排出された液体の落下位置が排水孔311aの真下に限定されることとなるため、パチンコ機1が載置される島設備の載置面上における液体の落下位置を容易に予測することができ、液体の落下に対する対策をとりやすくすることが可能となる。
排水孔311aが下方へ向かうに従って後方へ位置するように傾斜した状態となっている実施形態を示したが、下方へ向かうに従って前方へ位置するように傾斜した状態にしてもよい。この場合、排水孔311aから異物として液体が排出される場合、前方に向かって勢いがついた状態で液体が排出される。このような構成とすることで、パチンコ機1の手前側に載置されるドル箱や各台計数システムにおける球受け皿の中に液体が落下することを抑止することが可能となる。
排水孔311aが下方へ向かうに従って後方へ位置するように傾斜した状態となっている実施形態を示したが、下方へ向かうに従って左方へ位置するように傾斜した状態にしてもよい。この場合、排水孔311aから異物として液体が排出される場合、左方に向かって勢いがついた状態で液体が排出される。このような構成とすることで、パチンコ機1の手前側に載置されるドル箱、各台計数システムにおける球受け皿、ハンドル182を操作する遊技者の手に対して液体が落下することを抑止することが可能となる。
排水孔311aが下方へ向かうに従って後方へ位置するように傾斜した状態となっている実施形態を示したが、下方へ向かうに従って右方へ位置するように傾斜した状態にしてもよい。この場合、排水孔311aから異物として液体が排出される場合、右方に向かって勢いがついた状態で液体が排出される。このような構成とすることで、パチンコ機1の手前側に載置されるドル箱、各台計数システムにおける球受け皿、一般にパチンコ機1の左側に設置される台間機、各台計数システムにおける球受け皿と台間機とを繋ぐ流路に対して液体が落下することを抑止することが可能となる。
排水孔311aが下方へ向かうに従って後方へ位置するように傾斜した状態となっている実施形態及び、排水孔311aが下方へ向かうに従って前方、左方、右方へ位置するように傾斜した状態となっている変形例を示したが、前後方向、左右方向を組み合わせた方向に排水孔311aを傾斜させた状態としてもよい。このような構成とすることで、遊技者や遊技場施設等に対して液体が落下することを抑止することが可能となる。例えば、排水孔311aが下方へ向かうに従って左前方へ位置するように傾斜した状態とした場合には、ハンドル182を操作する遊技者の右手、ドル箱、各台計数システムにおける球受け皿、台間機、各台計数システムにおける球受け皿と台間機とを繋ぐ流路に対して液体が落下することを抑止することが可能となる。
本実施形態において、排水孔311aは、ユニット下カバー311の下方に複数個(具体的には8個)設けられている。このような構成とすることで、排水孔311aの一部において、流下してきた異物が詰まったり、遊技者により外側からガムでふさがれたりといった事態が発生した場合でも、排水孔311aの排出機能を確保することが可能となる。
排水孔311aがユニット下カバー311の下方に複数個(具体的には8個)設けられている実施形態を示したが、排水孔311aを1つのみ設けるようにしてもよい。このような構成とすることで、排水孔311aを複数設ける場合と比べ、液体の落下位置が限定されるため、液体の落下により汚れる遊技場施設の面積を軽減することが可能となる。
本実施形態において、排水孔311aは、下方に凸となる球面状のユニット下カバー311の下方に複数個(具体的には8個)設けられているが、最下端に4つ、中間の高さに2つ、さらに上方に2つといったように高さを変えて設けられている。このような構成とすることで、ユニット下カバー311の内側に流入した液体の量が少ない場合には、最下端の4つの排水孔311aのみから液体が排出される。最下端の4つの排水孔311aは近接しており、液体の落下位置が限定されるため、液体の落下により遊技場施設が汚れることを抑止することが可能となる。一方、流入した液体の量が多く、ユニット下カバー311の内側に多くの液体が溜まってきた場合には、中間の高さに設けられた2つの排水孔311a、さらには上方に設けられた2つの排水孔311aからも液体の排出が行われる。この場合には、最下端の4つの排水孔311aを用いて液体を排出する場合と比べ、単位時間当たりの液体の排出量を増やすことが可能となる。
ユニット前カバー312は、ユニット前カバー312は、平面視の形状がユニット下カバー311の前端に沿うように前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット下カバー311の前部上端に取付けられている。ユニット前カバー312は、前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央上装飾体312aと、皿中央上装飾体312aの下方で前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央下装飾体312bと、を備えている。ユニット前カバー312は、皿中央下装飾体312bの下端がユニット下カバー311に取付けられている。
ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aと皿中央下装飾体312bは、略同じ太さ(半径)の円筒を、半割にした上で割面を中心側へ向けて半円弧状に延びるように屈曲させた形状に形成されている。皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、大きい曲率で半円弧状に延びていると共に、皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、若干細い太さの半円筒状に形成されている。ユニット前カバー312は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿中央上装飾体312aの前端が、皿中央下装飾体312bの前端よりも前方へ突出している。また、皿ユニット200に組立てた状態では、皿中央上装飾体312aの左右両端が、皿左上装飾ユニット270の右端及び皿右上装飾ユニット275の左端と夫々連続していると共に、皿中央下装飾体312bの左右両端が、皿左下装飾ユニット280の右端及び皿右下装飾ユニット285の左端と夫々連続している。ユニット前カバー312は、透光性を有し、乳白色に形成されている。
また、ユニット前カバー312は、扉枠3に組立てた状態で、その前端が扉枠3の前端となっており、扉枠ベース101の前面からユニット前カバー312の前端までの距離が、扉枠ベース101の左右方向の全幅の約1/2の距離となっている。
皿中央上リフレクタ313は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央上リフレクタ313は、皿中央上装飾基板314に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央上装飾基板314は、皿中央上装飾体312aに沿うように半円弧状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央上装飾基板314の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央上装飾体312aを発光装飾させることができる。
皿中央下リフレクタ315は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央下リフレクタ315は、皿中央下装飾基板316に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央下装飾基板316は、皿中央下装飾体312bに沿うように半円弧状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央下装飾基板316の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央下装飾体312bを発光装飾させることができる。
演出操作部カバーユニット310は、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bにおいて、半円弧状に延びている途中に補強用のリブを有していないことから、皿中央上装飾基板314のLED及び皿中央下装飾基板316のLEDを発光させると、夫々の全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
演出操作部カバーユニット310は、皿ユニット200に組立てた状態で、前端が、上皿201や下皿202よりも前方へ大きく突出している。また、演出操作部カバーユニット310は、皿中央上装飾体312aが皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276と連続していると共に、皿中央下装飾体312bが皿左下装飾体281及び皿右下装飾体286と連続している。これにより、演出操作ユニット300を目立たせていると共に、一体的な装飾により見栄えを良くしている。
[3−5e−2.操作部ベース]
演出操作ユニット300の操作部ベース320について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作部ベース320は、演出操作部カバーユニット310内に上方から挿入され、下端が演出操作部カバーユニット310に取付けられると共に、上部後端が皿ベースユニット210における上皿本体212の演出操作ユニット取付部212aに取付けられる。操作部ベース320は、上方が開放された容器状に形成されている。
操作部ベース320は、外形が略立方体の箱状に形成されており上方が開放されている本体部321と、本体部321の上端から外方へ延出しており外周が円形状に形成されているフランジ部322と、本体部321の底面から下方へ突出している複数(ここでは四つ)の脚部323と、フランジ部322の後端に形成されており皿ベースユニット210に取付けられる上部取付部324と、本体部321の左外側でフランジ部322を貫通して上方に開口しており操作リング用伝達ギア350を回転可能に支持するためのギア軸受部325と、を備えている。
操作部ベース320は、本体部321が、内部に演出操作ボタンユニット360を収容可能な大きさに形成されている。本体部321は、底壁に下側から振動スピーカ354が取付けられると共に、下面における振動スピーカ354が取付けられる部位が平坦面に形成されている。本体部321の底壁は、振動スピーカ354からの振動に対して共振し易く形成されており、振動を増幅させることができる。
本体部321の底壁の上面には、演出操作ボタンユニット360におけるボタンユニットベース361の脚部361bが取付けられる。また、本体部321は、底壁の外周縁において、本体部321内に侵入した液体を排出させる貫通孔が形成されている。本体部321は、左側壁外側に回転駆動ユニット340が取付けられると共に、後側壁外側に操作部中継基板ユニット390が取付けられる。
本体部321はその上部が前方に傾くように取り付けられるため、底壁321aに流入した液体は底壁321a上を流下し前方に移動するようになっている。前記した貫通孔321bは、底壁321aの前方側端部に複数個(具体的には3個)設けられており、前方に移動してきた液体は、貫通孔321bから排出され、ユニット下カバー311に向けて落下する。このような構成とすることで、底壁321aの下面に取付けられた振動スピーカ354に液体が進入し、振動スピーカ354が故障するといった事態が発生することを抑止することが可能となる。
底壁321aの下面に振動スピーカ354が取付けられている実施形態を示したが、振動スピーカ354に代えて駆動用・振動発生用のモータや、LEDが実装された装飾基板、皿ユニット中継基板214から演出操作ユニット300へ送られる信号を中継する操作部中継基板392が収納された基板ボックス391などを底壁321aの下面に取り付けるようにしてもよい。このような構成とすることで、これらの物品に液体が進入し、これらの物品が故障するといった事態が発生することを抑止することが可能となる。
本実施形態において、振動スピーカ354は、底壁321aの下面の略中央に取付けられているが、振動スピーカ354を取付ける位置を底壁321aの下面における後方側の領域としてもよい。このような構成とすることで、振動スピーカ354の取付け位置が高くなり、演出操作ユニット300に多量の液体が進入し、ユニット下カバー311の内側に多量の液体が滞留したとしても、底壁321aの下面に取付けられた振動スピーカ354に液体が進入し、振動スピーカ354が故障するといった事態が発生することを抑止することが可能となる。
本実施形態において、振動スピーカ354は、底壁321aの下面に取付けられているが、底壁321aの下面に、底壁321aに対して垂直方向に立直する立壁を設けて振動スピーカ354の全周を覆うようにしてもよい。このような構成とすることで、底壁321aの下面を液体が流下して、底壁321aの下面に取付けられた振動スピーカ354に液体が進入し、振動スピーカ354が故障するといった事態が発生することを抑止することが可能となる。
振動スピーカ354の全周を覆うように立壁を設ける例を示したが、立壁によって振動スピーカ354の周囲の一部を覆うようにしてもよい。例えば、立壁によって振動スピーカ354の少なくとも後方側を覆うようにしてもよい。また、立壁によって振動スピーカ354の外周と底壁321aの周縁とが最も近づく位置の近傍を少なくとも覆うようにしてもよい。また、振動スピーカ354の配線が設けられている部位については対応する部位に立壁を設けないようにしてもよい。このような構成とすることで、底壁321aの下面を液体が流下して、底壁321aの下面に取付けられた振動スピーカ354に液体が進入し、振動スピーカ354が故障するといった事態が発生することを抑止することが可能となる。さらに、振動スピーカ354の全周を覆うように立壁を設ける場合と比べ、振動スピーカ354の放熱性を高めることが可能となる。
底壁321aの上面には、底壁321aの強度を高めるためのリブが前後方向及び左右方向に向けてそれぞれ複数本設けられている。また、左右方向のリブの高さ(約0.5mm)は前後方向のリブの高さ(約2mm)よりも低くなっている。このような構成とすることで、底壁321aの強度を保ちつつ操作部ベース320に流入した液体をよどみなく貫通孔321bに誘導することが可能となる。
フランジ部322は、外周がユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの内周と略一致する直径に形成されている。フランジ部322の上面には、演出操作リング装飾基板352及び装飾基板カバー353が取付けられると共に、演出操作リング330のリング取付ベース331が取付けられる。複数の脚部323は、下端が演出操作部カバーユニット310におけるユニット下カバー311の上面に取付けられる。
ギア軸受部325は、ギア取付部材と協働して操作リング用伝達ギアを、左右に延びた軸周りに対して回転可能に取付けることができる。ギア軸受部325に操作リング用伝達ギア350を取付けた状態では、操作リング用伝達ギア350の上部が上方へ突出した状態となると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bがフランジ部322の下方において外側に露出した状態となる。
操作部ベース320は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、フランジ部322の上面が、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの上面よりも若干下方に位置している。また、演出操作ユニット300に組立てた状態では、本体部321の下面に振動スピーカ354が接した状態で取付けられている。
[3−5e−3.演出操作リング]
演出操作ユニット300の演出操作リング330について、主に図55及び図56等を参照して詳細に説明する。図55(a)は演出操作ユニットの演出操作リングを上前から見た斜視図であり、(b)は演出操作リングを下前から見た斜視図である。図56(a)は演出操作リングを分解して上前から見た分解斜視図であり、(b)は演出操作リングを分解して下前から見た分解斜視図である。演出操作リング330は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、遊技者が回転操作可能な回転操作部302を有している。演出操作リング330(回転操作部302)は、直径(外径)が上皿201の前後方向の寸法の約2倍の大きさとされており、内径が外径の約3/5の大きさの円環状に形成されている。本実施形態では、演出操作リング330の外径が約13cmとされている。
演出操作リング330は、操作部ベース320のフランジ部322の上面に取付けられる円環状のリング取付ベース331と、リング取付ベース331に回転可能に載置される円環状の回転ベース332と、回転ベース332の外周面と当接しリング取付ベース331に上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられている複数のブッシュ333と、リング取付ベース331に取付けられており回転ベース332の上方への移動を規制しているリング抜止部材334と、を備えている。
また、演出操作リング330は、回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外上カバー335と、リング外上カバー335の下側に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外下カバー336と、リング外上カバー335の内周側で回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング内カバー337と、を備えている。リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、夫々透光性を有した円環状に形成されている。
リング取付ベース331は、外径が操作部ベース320のフランジ部322の外径よりも若干大きく、内径がフランジ部322の内径と略同じ大きさに形成されている。リング取付ベース331は、内周縁に沿った上面側に回転ベース332が周方向へ摺動可能に載置される載置部331aと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ離間して複数(ここでは四つ)の部位から上方へ円筒状に突出しておりブッシュ333を回転可能に取付けるためのボス部331bと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ間隔をあけて複数の部位において上下に貫通している貫通口331cと、を備えている。複数の貫通口331cは、演出操作リング装飾基板352のLEDと対応する位置に形成されている。
回転ベース332は、外径がリング取付ベース331の載置部331aの直径(外径)よりも若干小さく、内径がリング取付ベース331の内径よりも小さく形成されている。回転ベース332は、下面から下方へ突出していると共に周方向へ延びているリングギア332aを備えている。リングギア332aは、回転ベース332の中心側へ向かうに従って下方へ突出するように傘歯車に形成されている。リングギア332aは、リング取付ベース331の内径よりも外径が小さく形成されており、演出操作リング330に組立てた状態では、リング取付ベース331の内周側から下方へ臨んだ状態となる。このリングギア332aは、演出操作ユニット300に組立てた状態で、操作リング用伝達ギア350のリング側ギア部350aと噛合する。
リング外上カバー335は、円形における外部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている外上表面部335aと、外上表面部335aに立体的に形成されており周方向へ複数配置されている装飾部335bと、外上表面部335aの内周端から下方へ延出した後に中心側へ延出しており周方向へ複数配置されている外上カバー取付部335cと、を備えている。リング外上カバー335の外上表面部335aは、円の1/4の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。装飾部335bは、外形が六角形に形成されている。外上カバー取付部335cは、外上表面部335aの下端よりも若干下方へ延出しており、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外下カバー336は、円形における外部且つ下部を構成している円弧が円環状に延びている外下表面部336aと、外下表面部336aの内側から上方且つ中心側へ突出しており周方向へ複数配置されている外下カバー取付部336bと、を備えている。リング外下カバー336の外下表面部336aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。外下カバー取付部336bは、リング外上カバー335に取付けられるものである。
リング内カバー337は、円形における内部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている内表面部337aと、内表面部337aの内側端部から中心軸に平行に下方へ延びている筒状の筒表面部337bと、筒表面部337bの外周に形成されており周方向へ複数配置されている内カバー取付部337cと、を備えている。リング内カバー337の内表面部337aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。筒表面部337bは、円筒状の内径が回転ベース332の内径と同じ大きさである。内カバー取付部337cは、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、演出操作リング330に組立てた状態で、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aが、連続するように形成されており、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aによって、円の1/2以上の範囲の部位を構成し、全体がドーナツ状となる。演出操作リング330は、演出操作リング装飾基板352によって発光装飾可能とされている。
[3−5e−4.回転駆動ユニット]
演出操作ユニット300における回転駆動ユニット340について、主に図57乃至図59等を参照して詳細に説明する。図57(a)は演出操作ユニットの回転駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は回転駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。図58は回転駆動ユニットを分解して右前から見た分解斜視図であり、図59は回転駆動ユニットを分解して左前から見た分解斜視図である。回転駆動ユニット340は、演出操作リング330の回転操作部302を回転駆動させたり、回転操作部302の回転操作を検知したりするためのものである。回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321における左側面の外側に取付けられる。
回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321に取付けられる回転駆動ベース341と、回転駆動ベース341の右側面後部に回転軸が左方へ突出するように取付けられる操作リング駆動モータ342と、操作リング駆動モータ342の回転軸に取付けられる駆動ギア343と、駆動ギア343により回転させられる変速ギア344と、変速ギア344により回転させられると共に操作リング用伝達ギア350を回転させる伝達検知ギア部材345と、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345を回転駆動ベースを協働して回転可能に取付けていると共に駆動ギア343、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345左方から被覆しているギアカバー346と、を備えている。
また、回転駆動ユニット340は、ギアカバー346に取付けられており伝達検知ギア部材345の回転位置を検知している第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348と、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348を左方から覆うようにギアカバー346に取付けられているセンサカバー349と、を備えている。
回転駆動ベース341は、左右方向が短く前後方向へ長く延びており左方へ開放されている浅い箱状に形成されている。操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされている。駆動ギア343は、平歯車とされている。変速ギア344は、駆動ギアと噛合する平歯車状の第一ギア344aと、第一ギア344aと一体回転すると共に大径に形成されている平歯車状の第二ギア344bと、から構成されている。変速ギア344の第二ギア344bは、伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合する。
伝達検知ギア部材345は、変速ギア344よりも大径(第二ギア344bの直径の2倍の大きさ)のギア部345aと、ギア部345aの左側面から左方へ突出しており周方向に一定の間隔で列設されている複数の検知片345bと、を備えている。ギア部345aは、変速ギア344の第二ギア344bと噛合すると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。複数の検知片345bは、周方向の長さが周方向へ離間している間隔と同じ長さとされている。本実施形態では、検知片345bは、45度の回転角度の間隔で、周方向に八つ配置されている。これら検知片345bは、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知される。
第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、伝達検知ギア部材345の検知片345bを検知するものである。第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、周方向へ列設されている検知片345bの間隔に対して、整数倍とは異なる間隔で周方向へ離間して配置されている。本実施形態では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、101.25度の回転角度で離間している。これにより、伝達検知ギア部材345が回転した時に、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348が同じタイミングで検知片345bを検知することはなく、一方が先に検知片345bを検知するようになっている。これにより、伝達検知ギア部材345を介して演出操作リング330における回転操作部302の回転方向や回転速度を検知することができる。
回転駆動ユニット340は、組立てた状態で、伝達検知ギア部材345のギア部345aの上部が上方へ露出しており、ギア部345aの露出した部位が操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。また、回転駆動ユニット340は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、全体が演出操作部カバーユニット310内に位置している。
回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342の駆動により、駆動ギア343、変速ギア344、伝達検知ギア部材345、及び操作リング用伝達ギアを介して、演出操作リング330の回転操作部302を任意の方向へ回転させることができる。また、回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342により駆動ギア343を、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。
また、回転駆動ユニット340は、遊技者により演出操作リング330の回転操作部302が回転させられると、操作リング用伝達ギア350を介して伝達検知ギア部材345が回転し、伝達検知ギア部材345の検知片345bが第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知され、回転操作部302の回転操作を検知することができる。従って、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。
また、回転駆動ユニット340では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作された回転方向と同じ方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作をアシストすることができる。或いは、回転操作部302の回転方向とは反対の方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作に負荷を与えることができる。従って、これらを適宜組合せることで、回転操作部302に、遊技者参加型演出の内容に応じた操作感を付与したり、クリック感を付与したりすることができる。
[3−5e−5.操作リング用伝達ギア]
演出操作ユニット300の操作リング用伝達ギア350について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作リング用伝達ギア350は、回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345と演出操作リング330の回転操作部302の回転ベース332との間で回転を伝達させるものであり、操作部ベース320のギア軸受部325に回転可能に取付けられるものである。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転ベース332におけるリングギア332aと噛合する傘歯車状のリング側ギア部350aと、リング側ギア部350aと一体回転し回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345におけるギア部345aと噛合する平歯車状の駆動側ギア部350bと、を備えている。リング側ギア部350aと駆動側ギア部350bは、ピッチ円が同じ直径に形成されている。傘歯車状のリング側ギア部350aは、回転ベース332の回転軸の方向へ窄まっている。
操作リング用伝達ギア350は、回転軸が左右方向へ延びていると共に、演出操作リング330の回転ベース332の回転軸と交わるように、操作部ベース320に取付けられる。操作リング用伝達ギア350は、操作部ベース320のギア軸受部325に上方から挿入された上で、ギア取付部材351が操作部ベース320に取付けられることで、操作部ベース320に回転可能に取付けられる。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作ユニット300に組立てられた状態で、リング側ギア部350aが演出操作リング330における回転ベース332のリングギア332aと噛合していると共に、駆動側ギア部350bが回転駆動ユニット340における伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合している。従って、操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転操作部302の回転操作を回転駆動ユニット340側へ伝達させることができると共に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342の回転駆動を演出操作リング330の回転操作部302に伝達させて回転させることができる。
[3−5e−6.演出操作リング装飾基板]
演出操作ユニット300における演出操作リング装飾基板352について、主に図53及び図54等を参照して説明する。演出操作リング装飾基板352は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、上面に複数のLEDが実装されている。演出操作リング装飾基板352は、演出操作リング330の下方に取付けられており、複数のLEDを適宜発光させることで演出操作リング330(回転操作部302)を発光装飾させることができる。
演出操作リング装飾基板352は、円環を前後に分割したような形態に形成されており、前側の前装飾基板352aと、後側の後装飾基板352bとで構成されている。前装飾基板352a及び後装飾基板352bの上面の夫々に、複数のLEDが外周に沿って列設されている。演出操作リング装飾基板352の複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。
演出操作リング装飾基板352は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、演出操作リング330のリング取付ベース331の下方に位置している。演出操作リング装飾基板352は、上側が透明な装飾基板カバー353によって被覆されている。装飾基板カバー353は、演出操作リング装飾基板352と同様に、前後に分割された形態に形成されており、前装飾基板352aを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる前基板カバー353aと、後装飾基板352bを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる後基板カバー353bと、で構成されている。
演出操作リング装飾基板352は、上面に実装されている複数のLEDを発光させることで、装飾基板カバー353及びリング取付ベース331の貫通口331cを通して、回転操作部302を構成しているリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337を、内部から発光装飾させることができる。従って、回転操作部302内にLEDが備えられているような発光装飾を遊技者に見せることができる。
[3−5e−7.振動スピーカ]
演出操作ユニット300における振動スピーカ354について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。振動スピーカ354は、操作部ベース320における本体部321の下面に出力方向を上方へ向けて取付けられている。
ここで、振動スピーカ354の原理について簡単に説明すると、振動スピーカ354は一般的なダイナミック型スピーカと同様に、ボイスコイル、マグネット、ヨーク、ダイアフラムなどを備えている。また、振動スピーカ354内には前記マグネットを備える磁気回路部が弾性的に支持されている。音源ICから、ボイスコイルに対して予め定められた所定の周波数の正弦波を入力すると、ボイスコイルが励磁され、弾性的に支持された磁気回路部が共振することにより振動が発生し、振動スピーカ354の外部に対して振動を伝達する仕組みとなっている。
一方、従来の振動を発生させる方式としては、円筒型のコアレスモータの出力軸に偏心した分銅を取りつけたモータ(いわゆる「偏心モータ」)を回転させることで振動を発生させる方式が知られている。
この方式と比較すると、振動スピーカ354を用いた方式には、薄型でスペースを取らない、同サイズの偏心モータを利用した方式と比べ強い振動を得ることができる、振動の指向性が高いといった利点がある。また、偏心モータを用いた方式は出力軸に大きな負荷がかかり壊れやすいのに対し、振動スピーカ354は耐久性が高いといった利点がある。
本体部321にはボタンユニットベース361の脚部361bを介して演出操作ボタンユニット360が取り付けられており、振動スピーカ354により生成された上下方向の振動が、本体部321の底壁からボタンユニットベース361の脚部361bを介して演出操作ボタンユニット360へと伝わるように構成されている。
また、本体部321にはフランジ部322を介して演出操作リング330が取り付けられており、振動スピーカ354により生成された上下方向の振動が本体部321の底壁からフランジ部322を介して演出操作リング330へと伝わるように構成されている。
また、本体部321は本体部321の底面から下方へ突出している複数の脚部323を介して、ユニット下カバー311に取り付けられており、振動スピーカ354により生成された上下方向の振動が本体部321の底壁から本体部321の底面から下方へ突出している複数の脚部323を介してユニット下カバー311へと伝わるように構成されている。
さらに、ユニット下カバー311やフランジ部322からの振動がユニット前カバー312へ伝わるように構成されている。
このように、振動スピーカ354は操作部ベース320の底壁を振動させ、この振動が操作部ベース320を介して伝達することにより、演出操作ユニット300全体を振動させることができる。
また、振動スピーカ354の中心を垂直に通る軸と、押圧操作部303の表面をなす面を垂直に通る軸が同一のものとなっている。振動スピーカ354は振動スピーカ354の中心を垂直に通る軸の軸方向に対して振動を発生させるため、振動スピーカ354の中心を垂直に通る軸と、押圧操作部303の表面をなす面を垂直に通る軸とを同一のものとすることにより、振動スピーカ354から出力される振動を、押圧操作部303に対して好適に伝達することができる。
また、振動スピーカ354の中心を垂直に通る軸と、押圧操作部303の表面をなす面の中心を垂直に通る軸が同一のものとなっている。振動スピーカ354は振動スピーカ354の中心を垂直に通る軸の軸方向に対して振動を発生させるため、振動スピーカ354の中心を垂直に通る軸と、押圧操作部303の表面をなす面の中心を垂直に通る軸とを同一のものとすることにより、振動スピーカ354から出力される振動を、押圧操作部303に対して好適に伝達することができる。
また、振動スピーカ354から出力される振動の振動方向と押圧操作部303の操作方向とが平行になるように構成されている。この場合、遊技者による押圧操作部303の操作に対して、振動スピーカ354から出力される振動を遊技者に対してダイレクトに伝えることが可能となる。
また、振動スピーカ354は、押圧操作部303のように遊技者による押圧操作によって移動する部材の中に取り付けられるのではなく、遊技者による押圧操作によって直接移動することがない本体部321の底壁に対して、押圧操作部303から離間するように取り付けられている。これにより、遊技者が押圧操作部303を強く操作し、演出操作部301に強い衝撃が伝達された場合であっても、振動スピーカ354を押圧操作部303のように遊技者による押圧操作によって移動する部材の中に取り付ける場合と比較して、振動スピーカ354が内部に備えるボイスコイルやダイアフラムなどの可動体に与える衝撃を抑えることができ、それらが破損することを防止できることが可能となる。
なお、振動を発生する手段は振動スピーカ354に限定されるわけではなく、例えば、振動を発生する手段として偏心モータを採用した場合であっても、偏心モータを遊技者による押圧操作によっても移動することがない部位に取り付けることで、偏心モータの出力軸などの破損を防止することが可能となる。
なお、振動スピーカ354は、発生した振動を操作部ベース320の底壁に伝達させることで、操作部ベース320を介して演出操作ユニット300全体を振動させることができるが、これに加え、演出操作ユニット300が取り付けられる皿ユニット200に振動を伝達することで、皿ユニット200を構成する皿装飾ユニット250が有する下皿202や、同じく皿ユニット200を構成する皿ベースユニット210が有する上皿201を振動させてもよい。
この場合、遊技機における演出として演出操作ユニット300を振動させた際に、演出操作ユニット300に手を触れず、上皿201に手をかけている遊技者に対しても演出として振動が発生したことを認知させることができるため、興趣の低下を抑えることが可能となる。
また、上皿201を振動させることにより、上皿201に滞留する遊技球Bをスムーズに球発射装置540に対して供給することが可能となる。
また、下皿202を振動させることにより、下皿202に滞留する遊技球Bを、皿ユニット200の下方へスムーズに排出させることが可能となる。
振動スピーカ354からの振動が演出操作ユニット300全体を振動させ、さらに、演出操作ユニット300が取り付けられる皿ユニット200に振動を伝達する例を示したが、ハンドルユニット180に対しては振動を伝達させないようにすることが望ましい。これは、ハンドルユニット180が振動することで、遊技者によるハンドル182の操作が妨害されるおそれがあるためである。
ハンドルユニット180に対して振動を伝達させないようにするには、振動を吸収する部材をハンドル挿通口252gの内側に設けたり、振動スピーカ354の発生する振動の大きさを調整したりするとよい。
また、演出操作ユニット300は、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとの隙間や、外周押圧操作部303bと回転操作部302との隙間が存在するため、演出操作ユニット300に対して上方から、異物としてコーヒーやジュースなどの液体や煙草の灰や塵埃などの粉末状の物体が進入する可能性がある。この場合、演出操作ユニット300に設けられる各種のセンサやモータが不具合を起こしたり、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとの隙間や、外周押圧操作部303bと回転操作部302との隙間に異物が挟まることで、中央押圧操作部303a、外周押圧操作部303b、回転操作部302などがスムーズに移動しなくなったりするなどの不具合を起こす可能性があるため、これらの異物を適切に排出する機構を設けることが望ましい。
そこで、振動スピーカ354が、遊技機における演出として振動を発生させ、演出操作ユニット300全体が振動した場合に、これらの異物が演出操作ユニット300内で下方に落下し、ユニット下カバー311の上面に集まり、最終的には排水孔311aから外部に排出できるように構成されている。また、振動スピーカ354は演出操作ユニット300の下方に設置されているため、同じく演出操作ユニット300の下方に設置されているユニット下カバー311に対して、振動を効率的に伝えることが可能となる。
振動スピーカ354による振動の発生は、遊技機における演出として用いられるが、この際、異物の排出も同時に行うことができるため、遊技を中断することなく、異物の進入への対処をすることが可能となる。また、遊技機における演出として、振動スピーカ354による振動の発生が所定の確率で発生することによって、定期的に異物の排出が行われるため、長期間に渡って演出操作ユニット300を正常に動作させることが可能となる。
遊技機による演出として、振動スピーカ354により振動を発生させる例を示したが、店員あるいは異物を侵入させてしまった遊技者自身が、演出操作部301を操作することによって、任意に振動スピーカ354により振動を発生させることができるようにしてもよい。
この場合、図柄が変動していない非遊技時や電源投入時に演出操作部301を操作することにより、振動スピーカ354により振動を発生させることができるようにするとよい。これにより、演出操作ユニット300に進入した異物の量が多く、遊技機における演出として振動スピーカ354による振動が偶然発生するのを待つ場合と比較し、排水孔311aからの異物の排出を速やかに行うことが可能となる。
また、演出操作部301を操作することにより、任意に振動スピーカ354の振動を発生させる場合には、振動スピーカ354による振動を遊技機における演出に用いる場合と比べ、異なる継続時間や異なる強さで振動を発生させてもよい。
一方、遊技機における演出として、押圧操作部303が上昇あるいは下降したり、回転操作部302が回転したりした場合にも、振動スピーカ354により振動を発生させる場合と同様に進入した異物の排出を促すことができる。
また、振動スピーカ354により振動を発生させる場合と同様に、店員あるいは異物を侵入させてしまった遊技者自身が、演出操作部301を操作することによって、任意に押圧操作部303を上昇あるいは下降させたり、回転操作部302を回転させたりすることができるようにしてもよい。
この場合、図柄が変動していない非遊技時や電源投入時に演出操作部301を操作することにより、押圧操作部303の上昇や下降、回転操作部302の回転を発生させることができるようにするとよい。これにより、演出操作ユニット300に進入した異物の量が多く、遊技機における演出として、押圧操作部303の上昇や下降、あるいは、回転操作部302の回転が偶然発生するのを待つ場合と比較し、排水孔311aからの異物の排出を速やかに行うことが可能となる。
また、演出操作部301を操作することにより、任意に押圧操作部303の上昇や下降、回転操作部302の回転を発生させる場合には、押圧操作部303の上昇や下降、演出操作リング330の回転を遊技機における演出に用いる場合と比べ、異なる継続時間や異なる速度で昇降や回転を発生させてもよい。
なお、本実施例において、振動スピーカ354が振動を発生させる際に、40Hz±2Hz程度の周波数の音波を出力しているが、この周波数は人の可聴域の下限に近いものであり、遊技機が設置されるパチンコホール等の環境音や遊技機自身が備える他のスピーカ(例えば本体枠スピーカ622)から出力される可聴音によるマスキング効果を考慮すると実質的に人の聴覚によって認識できるものではない。
一方、音源ICから振動スピーカ354に対して、振動を発生させる場合と比べて周波数の高い音波を出力する信号を与えることにより、通常のスピーカのように可聴音を発するように振動スピーカ354を制御することも可能である。
このように演出操作ユニット300に設けられる振動スピーカ354は、音源ICから与えられる信号に応じて、振動と可聴音の双方を出力することができるものとなっている。
また、音源ICから振動スピーカ354に対して供給する信号の振幅を変更することにより、振動スピーカ354が発生する振動の強さを変更することができる。
また、音源ICから振動スピーカ354に対して供給する信号は、連続的に供給してもよいし、間欠的に供給するようにしてもよい。例えば、あらかじめ定められた期間(例えば5秒間)、連続的に信号を供給することで連続的な振動を発生させたり、所定期間(例えば1秒)毎に信号の供給を開始及び停止するようにすることで間欠的な振動を発生させたりするようにしてもよい。これにより興趣を向上させることが可能となる。
また、操作リング駆動モータ342はステッピングモータとされ、操作リング駆動モータ342の駆動により回転操作部302を回転させているが、このとき、振動スピーカ354により振動を発生させると、操作部ベース320を介して、操作リング駆動モータ342に強い振動が伝達され、操作リング駆動モータ342に脱調が発生するおそれがある。そこで、操作リング駆動モータ342の駆動と振動スピーカ354による振動の発生は排他的に行われることが望ましい。例えば、操作リング駆動モータ342の駆動により回転操作部302を回転させ、その後回転を停止させたのちに、振動スピーカ354により振動を発生させたり、振動スピーカ354により振動を発生させ、その後振動の発生を停止させたのちに、操作リング駆動モータ342の駆動により回転操作部302を回転させたりするとよい。これにより、操作リング駆動モータ342に脱調が発生することを防止することができ、回転操作部302の回転制御の精度を高めることが可能となる。
また、操作ボタン昇降駆動モータ367を駆動することにより、押圧操作部303が上昇あるいは下降することとなるが、操作ボタン昇降駆動モータ367として、ステッピングモータを採用した場合も、操作リング駆動モータ342の場合と同様に、操作ボタン昇降駆動モータ367の駆動と振動スピーカ354による振動の発生は排他的に行われることが望ましい。これにより、操作ボタン昇降駆動モータ367に脱調が発生することを防止することができ、押圧操作部303を上昇あるいは下降させる制御の精度を高めることが可能となる。
また、図柄が変動していない非遊技時や電源投入時に演出操作部301を操作することにより、振動スピーカ354により遊技領域5aにまで伝達する振動を発生させることができるようにするとよい。これにより、扉枠3を開くことなく、障害釘と障害釘の間や、障害釘と種々の役物の間に遊技球Bが詰まる球詰まり状態(いわゆる「ブドウ」と称する状態)や、可動入賞装置により球が挟まれた状態(いわゆる「球噛み」状態)の解消を図ることが可能となる。
[3−5e−8.演出操作ボタンユニット]
演出操作ユニット300における演出操作ボタンユニット360について、主に図60乃至図62等を参照して詳細に説明する。図60は演出操作ユニットの演出操作ボタンユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図61は演出操作ボタンユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。図62(a)は押圧操作部が下降位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図であり、(b)押圧操作部が上昇位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図である。演出操作ボタンユニット360は、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられており、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303を有している。演出操作ボタンユニット360の押圧操作部303は、円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周を覆うように形成されている円筒状の外周押圧操作部303bと、で構成されている。
演出操作ボタンユニット360は、外周が略円形状に形成されており操作部ベース320の本体部321内に取付けられるボタンユニットベース361と、ボタンユニットベース361の中心軸を境にして対象に配置されており上方へ円柱状に延出している一対のガイドシャフト362と、一対のガイドシャフト362の上端同士を連結しており外周がボタンユニットベース361よりも小さい円形状に形成されている円盤状の上部ベース363と、上部ベース363とボタンユニットベース361との間において一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられており外周がボタンユニットベース361と略同じ大きさの円形状に形成されている円盤状の昇降ベース364と、一対のガイドシャフト362が夫々挿通されており昇降ベース364を上方へ付勢している一対の昇降バネ365と、を備えている。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361の中心から上方へ円柱状に延出しており上端が上部ベース363に取付けられている中央シャフト366と、ボタンユニットベース361の下面に回転軸が上方へ突出するように取付けられている操作ボタン昇降駆動モータ367と、操作ボタン昇降駆動モータ367の回転軸に取付けられている平歯車状の昇降駆動ギア368と、昇降駆動ギア368と噛合しておりボタンユニットベース361の上側に回転可能に取付けられている平歯車状の従動ギア369と、従動ギア369により回転させられ中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられている昇降カム駆動ギア部材370と、昇降カム駆動ギア部材370と下端が連結されていると共に中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられており回転することで昇降ベース364を昇降させる昇降カム部材371と、昇降駆動ギア368、従動ギア369、及び昇降カム駆動ギア部材370を上方から覆うようにボタンユニットベース361の上側に取付けられている円盤状のギアカバー372と、を備えている。
更に、演出操作ボタンユニット360は、内径が上部ベースよりも大径で上下に延びた有底筒状に形成されており昇降ベース364より上側で一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられている中央ボタン本体373と、中央ボタン本体373と昇降ベース364との間に配置されており中央ボタン本体373を上方へ付勢している一対のボタンバネ374と、中央ボタン本体373と略同じ径で上端側が閉鎖された有底筒状に形成されており上部ベース363の上方を覆うように中央ボタン本体373の上端に取付けられている中央ボタンカバー375と、上部ベース363の上面に取付けられており上方へ光を照射可能な複数のLEDが実装されている中央ボタン装飾基板376と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、中央ボタン本体373と中央ボタンカバー375とで中央押圧操作部303aを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、昇降ベース364の上面における中央ボタン本体373よりも外側の部位に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている円環状の外周ボタン装飾基板377と、外周ボタン装飾基板377の上側を覆うと共に中央ボタン本体373の外周を覆うように昇降ベース364に取付けられている外周基板カバー378と、外周基板カバー378における中央ボタン本体373の外周を覆っている部位の外周側で外周ボタン装飾基板377の上方に配置されており立体的な装飾が施された透光性を有する円筒状の外周装飾レンズ379と、外周装飾レンズ379の外周及び上面を覆うように昇降ベース364に取付けられており中央において中央ボタンカバー375が上方へ臨む透明な外周ボタンカバー380と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、外周基板カバー378と外周装飾レンズ379と外周ボタンカバー380とで、外周押圧操作部303bを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361に取付けられており押圧操作部303の押圧操作を検知する押圧検知センサ381と、ボタンユニットベース361に取付けられており昇降カム駆動ギア部材370の回転位置を検知することで昇降ベース364の昇降を検知する昇降検知センサ382と、を備えている。
ボタンユニットベース361は、円盤状に形成されているベース本体361aと、ベース本体361aから下方へ突出している複数の脚部361bと、を備えている。ボタンユニットベース361のベース本体361aは、外径が、操作部ベース320における本体部321の内周径よりも若干小さい大きさに形成されている。このベース本体361aは、上面に、一対のガイドシャフト362、中央シャフト366、従動ギア369、昇降カム駆動ギア部材370、及びギアカバー372が取付けられ、下面に、押圧検知センサ381及び昇降検知センサ382が取付けられる。ボタンユニットベース361は、脚部361bの下端が操作部ベース320における本体部321の底壁に取付けられる。
一対のガイドシャフト362は、ボタンユニットベース361のベース本体361aの上面において、中心から前方及び後方へ、ベース本体361aの直径の半分の距離の位置に夫々取付けられている。一対のガイドシャフト362及び中央シャフト366は、金属棒によって形成されている。一対のガイドシャフト362は、中央シャフト366よりも太く形成されている。
上部ベース363は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径の約1/2の大きさに形成されている。一対の昇降バネ365は、コイルスプリングとされており、下端がボタンユニットベース361のベース本体361aに当接していると共に、上端が昇降ベース364に当接している。昇降バネ365は、ボタンバネ374よりも付勢力の強いバネとされている。
昇降ベース364は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径と略同じ大きさに形成されている。昇降ベース364は、一対のガイドシャフト362が夫々摺動可能に挿入される一対のガイド孔364aと、中央において昇降カム部材371が通過可能な大きさで上下に貫通している中央孔364bと、中央孔364bの周縁から上方へ円筒状に突出している立壁部364cと、立壁部364cの下端付近において中央孔364bの内へ互いに対向するように突出している一対の案内ピン364dと、を備えている。一対の案内ピン364dは、同一軸芯上で互いに対向していると共に、軸芯周りに回転可能に取付けられている。
昇降ベース364は、一対のガイド孔364aに一対のガイドシャフト362が挿通されることで、上下方向へ昇降可能に案内される。昇降ベース364は、立壁部364cの上端が上部ベース363に当接することで、上方への移動が規制されると共に、上部ベース363との間に中央ボタン本体373の底部373bが移動可能な空間を形成している。また、昇降ベース364は、一対の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aに案内されることで、上下方向へ移動させられる。
昇降カム駆動ギア部材370は、従動ギア369と噛合する平歯車状のギア部370aと、ギア部370aから上方へ突出しており昇降カム部材371の下端が連結される連結部370bと、ギア部370aから下方へ筒状に突出していると共に対向している二箇所が切欠かれており昇降検知センサ382により検知される昇降検知片370cと、を備えている。昇降カム駆動ギア部材370は、ギア部370aの中心に中央シャフト366が挿入されることで、回転可能に取付けられる。
昇降カム部材371は、中心に中央シャフト366が挿通されることで、回転可能に取付けられる。昇降カム部材371は、円柱状の外周面において周方向へ180度離間しており、外方へ突出している一対のカム部371aを備えている。一対のカム部371aは、昇降ベース364の案内ピン364dを案内するものである。
カム部371aは、下端付近において軸芯に対して直角方向へ延びている第一カム371bと、第一カム371bの中間で上方へ窪んでいる係止部371cと、第一カム371bの一方の端部から軸芯と平行に上方へ延びている第二カム371dと、第一カム371bの第二カム371dとは反対側の端部から螺旋状に上方へ延びている第三カム371eと、を備えている(図62を参照)。第二カム371dと第三カム371eは、同じ高さまで上方へ延びており、隣接するカム部371a同士の間では、昇降ベース364の案内ピン364dの直径よりも小さい距離で離間している。
また、昇降カム部材371は、下端に昇降カム駆動ギア部材370の連結部370bと連結する被連結部371fを備えている。
昇降カム部材371は、カム部371aにおいて、第二カム371dが、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させた時に、第一カム371bの後端側から上方へ延出するように形成されている。昇降カム部材371は、回転することで、カム部371aにより昇降ベース364の案内ピン364dを案内して昇降ベース364を昇降させることができる。
中央ボタン本体373は、中央ボタン本体373は、上下に延びた円筒状の筒部373aと、筒部373aの下端側を閉鎖している底部373bと、底部373bを貫通しており一対のガイドシャフト362が摺動可能に挿入される一対のガイド孔373cと、底部373bの中央において昇降ベース364の立壁部364cの外径よりも大きい径で貫通している中央口373dと、底部373bから下方へ突出しており押圧検知センサ381により検知される押圧検知片373eと、底部373bから後方へ円柱状に突出しておりボタンバネ374に挿通される一対のガイドボス373fと、を備えている。
中央ボタン本体373は、筒部373aと底部373bとによって、有底筒状に形成されている。中央ボタン本体373は、底部373bが上部ベース363と昇降ベース364との間に配置されると共に、筒部373aの上端が上部ベース363よりも上方へ突出するように形成されている。中央口373dは、下方へ短く延びた円筒状に形成されており、下端が昇降ベース364の上面に当接することで、中央ボタン本体373の下方への移動が規制される。中央ボタン本体373の中央口373dを通って、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363に当接する。
中央ボタン本体373は、一対のガイドボス373fが挿通されている一対のボタンバネ374によって上方へ付勢されている。一対のガイドボス373fは、下端が昇降ベース364を貫通して下方へ延出するように形成されており、下端にワッシャが挿通されたビスが取付けられる。ガイドボス373fの下端に取付けられたワッシャが昇降ベース364の下面に当接することで、中央ボタン本体373の上方への移動が規制される。
中央ボタン本体373の押圧検知片373eは、一対のボタンバネ374の付勢力に抗して中央ボタン本体373の底部373b(中央口373dの下端)が昇降ベース364の上面に当接した時に、昇降ベース364を貫通して下方へ突出するように形成されている。この中央ボタン本体373は、不透明に形成されている。一対のボタンバネ374は、昇降バネ365よりも付勢力の弱いコイルバネとされている。
中央ボタンカバー375は、中央ボタン本体373の筒部373aと略同じ直径の円盤状の天板部375aと、天板部375aの外周から下方へ延出している筒状の周壁部375bと、を備えており、透光性を有するように形成されている。中央ボタンカバー375は、天板部375aと周壁部375bとによって有底筒状に形成されている。この中央ボタンカバー375は、周壁部375bの下端が中央ボタン本体373における筒部373aの上端に取付けられる。
中央ボタン装飾基板376は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。中央ボタン装飾基板376は、複数のLEDを適宜発光させることで、中央ボタンカバー375を発光装飾させることができる。外周ボタン装飾基板377は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。外周ボタン装飾基板377は、複数のLEDを適宜発光させることで、外周装飾レンズ379及び外周ボタンカバー380を発光装飾させることができる。
外周基板カバー378は、外周ボタン装飾基板377の上側を覆い昇降ベース364に取付けられる円環状の基板部378aと、基板部378aの内周から上方へ筒状に延出しており中央ボタン本体373の外周を覆う円筒部378bと、を備えている。外周基板カバー378は、透明に形成されている。
外周装飾レンズ379は、上方へ向かうに従って周方向へ移動するように延びている捩れた部位が、周方向に一定の間隔で列設されている。外周装飾レンズ379は、外周基板カバー378における基板部378aの上側に取付けられている。外周ボタンカバー380は、外周装飾レンズ379の外周を覆う円筒状の筒状部380aと、筒状部380aの上端から中心側へ延出している円環状の環状部380bと、を備えている。外周ボタンカバー380は、筒状部380aの下端が昇降ベース364に取付けられる。環状部380bは、内径が外周基板カバー378の円筒部378bと略同じ大きさに形成されている。
演出操作ボタンユニット360は、組立てた状態では、図62(a)に示すように、昇降ベース364が一対の昇降バネ365によって上方へ付勢された状態で、昇降ベース364の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aにおける係止部371cに下方から挿入されている。この状態では、昇降ベース364が下方へ移動した下降位置の状態となっており、一対の昇降バネ365が圧縮されている。また、この状態では、中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力により上方側への移動端に位置しており、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出した状態となっている。
従って、演出操作ユニット300に組立てた状態では、外周ボタンカバー380の上面が演出操作リング330の上面よりも僅かに上方へ突出していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している(図63等を参照)。
この状態(図62(a)の状態)で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を下方へ押圧して、ボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動させると、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知され、中央押圧操作部303aの押圧操作が検知される。中央押圧操作部303aを押圧操作した状態では、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面と略一致した高さとなっている(図65(c)を参照)。
また、この状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を下方へ押圧操作しても、外周ボタンカバー380は下方へ移動することはなく、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381に検知されることもない。つまり、押圧操作部303の押圧操作が検知されない。
この下降位置の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降駆動ギア368を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降駆動ギア368と噛合している従動ギア369を介して昇降カム駆動ギア部材370が平面視反時計回りの方向へ回転し、昇降カム駆動ギア部材370と連結されている昇降カム部材371も同じ方向へ回転することとなる。この昇降カム部材371が反時計回りの方向へ回転すると、図62において正面に見えているカム部371aが右方へ移動することとなり、昇降ベース364の案内ピン364dが、係止部371cから第一カム371bにおける係止部371cの左方の部位へ転動すると共に、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動する。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って、第一カム371bに沿って相対的に左方へ転動する案内ピン364dが、第一カム371bの左端から第二カム371d側へ位置すると、第二カム371dが第一カム371bに対して垂直に上方へ延びていることから、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが第二カム371dに沿って上方へ移動することとなり、案内ピン364dと一緒に昇降ベース364が上昇して上昇位置の状態となる。
上昇位置の状態では、図62(b)に示すように、昇降ベース364の案内ピン364dが、一方のカム部371aの第二カム371dと残りのカム部371aの第三カム371eとに接した状態となっている。この状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367の駆動が一旦停止される。
上昇位置の状態では、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363の下面に当接しており、昇降ベース364のこれ以上の上方への移動が規制されている。また、上昇位置の状態では、下降位置の時の中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)と外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)との位置関係が保持されており、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を含む押圧操作部303全体が上方へ移動していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している。
演出操作ユニット300に組立てた状態で、上昇位置へ移動させると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく突出した状態となる(図65(b)等を参照)。
この上昇位置の状態で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、ボタンバネ374の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動し、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接することとなる。中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接している状態では、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364よりも下方へ突出した状態となっているが、昇降ベース364がボタンユニットベース361から離れているため、押圧検知片373eが押圧検知センサ381によって検知されることはない。
中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、昇降バネ365の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した上で、昇降ベース364が、昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接することで、昇降ベース364が下降位置の状態となり、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)も下降位置の状態となる。
このように、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した状態で、昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接すると、昇降ベース364から下方へ突出している中央ボタン本体373の押圧検知片373eが、押圧検知センサ381に検知された状態となり、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)の押圧が検知される。
一方、上昇位置の状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を、昇降バネ365の付勢力よりも力で下方へ押圧した場合、外周ボタンカバー380を介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。この状態では、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380が下降位置の状態となるが、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)がボタンバネ374の付勢力により上方へ突出していることから、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364から下方へ突出しておらず、押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知されない。
中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を(押圧操作部303を)、上昇位置から下降位置へ戻すには、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視反時計回りの方向へ回転させると、図62(b)において、昇降ベース364の案内ピン364dの左上と当接している第三カム371eが、右方(案内ピン364dの方向)へ移動することとなるため、第三カム371eによって案内ピン364dが下方へ押圧され、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動することとなる。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って案内ピン364dが第三カム371eの下端から第一カム371b側へ移動すると、昇降ベース364の下方への移動が停止し、案内ピン364dが第一カム371bに沿って転動する。その後、案内ピン364dが第一カム371bの途中の係止部371cの位置に到達すると、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが上方へ窪んだ係止部371c内に挿入されると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367による昇降カム部材371の回転を停止させることで、元の下降位置の状態となる。
また、演出操作ボタンユニット360は、その上部が前方に傾いた状態で操作部ベース320内に載置されており、演出操作ボタンユニット360の一部である、ボタンユニットベース361、ボタンユニットベース361の上側に取付けられている円盤状のギアカバー372も同様に傾いた状態で操作部ベース320内に載置された状態となっている。このような構成とすることで、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとの隙間から液体が進入してきたとしても、進入してきた液体はギアカバー372の上面を前面側に流下して、操作部ベース320内に流下することとなる。
また、ボタンユニットベース361の下面における後方側の領域に操作ボタン昇降駆動モータ367が取り付けられている。このような構成とすることで、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとの隙間から液体が進入してきたとしても、操作ボタン昇降駆動モータ367へ液体が流下することを抑止することが可能となる。
また、操作ボタン昇降駆動モータ367は、電源供給や制御を行うための操作ボタン昇降駆動モータ端子367aをその側面に備えているが、操作ボタン昇降駆動モータ端子367aがボタンユニットベース361の中央側を向くように、ボタンユニットベース361に取り付けられている。このような構成とすることで、ギアカバー372の周縁から操作部ベース320に向けて液体が流下してきたとしても、操作ボタン昇降駆動モータ端子367aに液体が接触し短絡などの電気的な不具合が発生するといった事態の発生を抑止することが可能となる。
本実施形態において、操作ボタン昇降駆動モータ367は、ボタンユニットベース361の下面に取付けられているが、ボタンユニットベース361の下面に、ボタンユニットベース361に対して垂直方向に立直する立壁を設けて操作ボタン昇降駆動モータ367の全周を覆うようにしてもよい。このような構成とすることで、ボタンユニットベース361の下面を液体が流下して、ボタンユニットベース361の下面に取付けられた操作ボタン昇降駆動モータ367に液体が進入し、操作ボタン昇降駆動モータ367が故障するといった事態が発生することを抑止することが可能となる。
操作ボタン昇降駆動モータ367の全周を覆うように立壁を設ける例を示したが、立壁によって操作ボタン昇降駆動モータ367の周囲の一部を覆うようにしてもよい。例えば、立壁によって操作ボタン昇降駆動モータ367の少なくとも後方側を覆うようにしてもよい。また、立壁によって操作ボタン昇降駆動モータ367の外周とボタンユニットベース361の周縁とが最も近づく位置の近傍を少なくとも覆うようにしてもよい。また、操作ボタン昇降駆動モータ端子367aが設けられている部位については、少なくとも操作ボタン昇降駆動モータ端子367aに対応する部位がカバーされるように立壁を設けるようにしてもよい。一方、操作ボタン昇降駆動モータ端子367aがボタンユニットベース361の中央側を向くように、ボタンユニットベース361に取り付けられている場合には、操作ボタン昇降駆動モータ端子367aに対応する部位の立壁を設けないようにしてもよい。このような構成とすることで、ボタンユニットベース361の下面を液体が流下して、ボタンユニットベース361の下面に取付けられた操作ボタン昇降駆動モータ367に液体が進入し、操作ボタン昇降駆動モータ367が故障するといった事態が発生することを抑止することが可能となる。さらに、操作ボタン昇降駆動モータ367の全周を覆うように立壁を設ける場合と比べ、操作ボタン昇降駆動モータ367の放熱性を高めることが可能となる。
[3−5e−9.操作部中継基板ユニット]
演出操作ユニット300における操作部中継基板ユニット390について、主に図53及び図54等を参照して詳細に説明する。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320の後面に取付けられている。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320における本体部321の後面に取付けられる箱状の基板ボックス391と、基板ボックス391内に取付けられている操作部中継基板392と、を備えている。
基板ボックス391は、演出操作ユニット300に組立てた時に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342を後側から覆うモータカバー部391aを有している。操作部中継基板392は、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、操作リング駆動モータ342、第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、演出操作リング装飾基板352、振動スピーカ354、操作ボタン昇降駆動モータ367、中央ボタン装飾基板376、外周ボタン装飾基板377、押圧検知センサ381、及び昇降検知センサ382と、皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214との接続を中継している。
基板ボックス391は、その外観が長方形状に形成されており、長辺が左右方向を向くように操作部ベース320の後面に取付けられている。また、基板ボックス391は内部が視認可能なように透明な合成樹脂により形成されている。
操作部中継基板392の後方側の面には、演出操作ユニット300に設けられている各種の基板、モータ、センサ等との接続及び皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214との接続を行うための操作部中継基板コネクタ部392aが複数設けられている。基板ボックス391には、操作部中継基板コネクタ部392aに対応する位置において、基板ボックス391の後方側を形成する平面をくり抜いたような形状で基板ボックス開口部391bが設けられている。基板ボックス開口部391bの形状は、操作部中継基板コネクタ部392aの形状に合わせた形状となっており、具体的には、正方形または長方形状となっている。また、基板ボックス開口部391bを通して、演出操作ユニット300内に設けられている各種の基板、モータ、センサ等及び皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214からの配線の端部に設けられたコネクタが操作部中継基板コネクタ部392aに接続されている。
本実施形態において、基板ボックス391の後方側を形成する平面をくり抜くような形状で基板ボックス開口部391bが設けられているが、基板ボックス開口部391bの全周縁から後方に向けて立壁状に立直する防水壁391cを設けるようにしてもよい。このような構成とすることで、基板ボックス391の後方側を形成する平面の面上を液体が流下してきたとしても、防水壁391cにより基板ボックス391内へ液体が流下する事態が発生することを抑止することが可能となる。
基板ボックス391の後方側を形成する面に設けられている基板ボックス開口部391bの全周縁から後方に向けて防水壁391cを設ける変形例を示したが、防水壁391cを設ける部位を基板ボックス開口部391bの全周縁とするのではなく、周縁の一部のみとしてもよい。例えば、基板ボックス開口部391bの上半分の領域に対応する周縁に少なくとも防水壁391cを設けるようにしてもよいし、正方形又は長方形状の形状となっている基板ボックス開口部391bの上辺に対応する周縁に少なくとも防水壁391cを設けるようにしてもよいし、正方形又は長方形状の形状となっている基板ボックス開口部391bの下辺に対応する周縁に少なくとも防水壁391cを設けないようにしてもよい。このような構成とすることで、基板ボックス391内へ液体が流下する事態が発生することを抑止することが可能となる。また、基板ボックス開口部391bにおけるコネクタの着脱を容易に行うことが可能となる。
基板ボックス391の後方側を形成する面に設けられている基板ボックス開口部391bの周縁から後方に向けて防水壁391cを設ける変形例を示したが、防水壁391cを設ける部位を基板ボックス開口部391bの周縁以外の部位としてもよい。例えば、基板ボックス開口部391bから離間した位置において、防水壁391cを設けてもよい。また、複数の基板ボックス開口部391bへの液体の流入を抑止するように1の防水壁391cを設けるようにしてもよい。このような構成とすることで、基板ボックス391の後方側を形成する平面の面上を液体が流下してきたとしても、防水壁391cにより基板ボックス391内へ液体が流下する事態が発生することを抑止することが可能となる。また、基板ボックス開口部391bにおけるコネクタの着脱を容易に行うことが可能となる。
さらに、防水壁391cを直線状とし、防水壁391cが右方向あるいは左方向に行くに従って下方に行くように形成してもよい。このような構成とすることで、基板ボックス391の後方側を形成する平面の面上を液体が流下してきたとしても、防水壁391cにより基板ボックス391内へ液体が流下する事態が発生することを抑止することが可能となる。さらに、防水壁391cに傾きが設けられていることで、流下してきた液体を右方向あるいは左方向へ誘導することができ、防水壁391cより下方にある他の物品から流下してきた液体を遠ざけることが可能となる。
操作部中継基板392は、前後方向において、演出操作ユニット300に設けられている各種の基板、モータ、センサ等と、皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214との間の位置に取り付けられている。このような構成とすることで、演出操作ユニット300に設けられている各種の基板、モータ、センサ等と操作部中継基板392とを接続する配線の長さと、操作部中継基板392と皿ユニット中継基板214とを接続する配線の長さとの総延長を短くすることが可能となる。
基板ボックス391は、演出操作ユニット300における、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとの隙間や、外周押圧操作部303bと回転操作部302との隙間から前後方向に距離を置くように取付けられている。また、基板ボックス391は操作部ベース320の後面に取付けられている。このような構成とすることで、演出操作ユニット300における、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとの隙間や、外周押圧操作部303bと回転操作部302との隙間に液体が進入した場合でも、操作部ベース320の後面が壁となり、基板ボックス391に液体が流下するという事態が発生することを抑止することが可能となる。
また、基板ボックス391は、操作部ベース320における本体部321の後面において、その上部が前方に傾くように取付けられている。このような構成とすることで、基板ボックス391を水平面に対して平行になるように取付けた場合と比べて、平面視における基板ボックス391の面積を小さくすることができ、上方から流下してくる液体による影響を少なくすることが可能となる。
本実施形態において、基板ボックス391は、操作部ベース320における本体部321の後面において、その上部が前方に傾くように取り付けられているが、基板ボックス391が水平面に対して垂直になるように、取付けるようにしてもよい。このような構成とすることで、基板ボックス391を水平面に対して平行になるように取付けた場合や、基板ボックス391の上部が前方に傾くように取付ける場合と比べて、平面視における基板ボックス391の面積を小さくすることができ、上方から流下してくる液体による影響を少なくすることが可能となる。
基板ボックス391が、操作部ベース320における本体部321の後面において、水平面に対して垂直になるように取り付ける例を示したが、基板ボックス391の長辺が上下方向を向くように、取付けるようにしてもよい。このような構成とすることで、平面視における基板ボックス391の面積をさらに小さくすることができ、上方から流下してくる液体による影響を少なくすることが可能となる。
本実施形態において、基板ボックス391の後方側を形成する平面をくり抜くような形状で基板ボックス開口部391bが設けられており、基板ボックス開口部391bを通して、演出操作ユニット300内に設けられている各種の基板、モータ、センサ等及び皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214からの配線の端部に設けられたコネクタが操作部中継基板コネクタ部392aに接続されているが、基板ボックス391をカバーする基板ボックスカバー393を、基板ボックス391の少なくとも一部を覆うように基板ボックス391の後方から取付けるようにしてもよい。基板ボックスカバー393は、基板ボックス391の後方側を形成する平面に対して平行となるような平面状に形成することが望ましい。また、基板ボックスカバー393は、基板ボックス391の後方側を形成する平面と、基板ボックスカバー393の一部を構成する平面状の部分とは一定の間隔を設けることが望ましい。また、基板ボックスカバー393を後方に凸状の形状とし、基板ボックス391の上端、左右端及び下端の少なくとも一部を覆う形状としてもよい。このような構成とすることで、操作部中継基板コネクタ部392aに液体が進入するといった事態が発生することを抑止することが可能となる。
基板ボックス391をカバーする基板ボックスカバー393を、基板ボックス391の後方から取付ける変形例を示したが、基板ボックス391と基板ボックスカバー393との間に形成される隙間に、操作部中継基板コネクタ部392aに接続される配線の余剰部分を収納するようにしてもよい。このような構成とすることで、流下してきた液体によって演出操作ユニット300内における各種の配線が汚れるという事態が発生することを抑止することが可能となる。
基板ボックス391をカバーする基板ボックスカバー393を、基板ボックス391の後方から取付ける変形例を示したが、基板ボックスカバー393の後面に流下してきた液体を左右方向に誘導する突状の基板ボックスカバー液体誘導部393aを基板ボックスカバー393の後面に立直するようにして設けるようにしてもよい。具体的には、基板ボックスカバー393の後面において、基板ボックスカバー液体誘導部393aを直線状とし、基板ボックスカバー液体誘導部393aが右方向あるいは左方向に行くに従って下方に行くように形成するとよい。また、基板ボックスカバー393背面において、直線状の2本の基板ボックスカバー液体誘導部393aを、上が凸の山型の形状で設けるようにし、右方向及び左方向に流下してきた液体を振り分けるようにしてもよい。基板ボックスカバー液体誘導部393aが右方向や左方向に傾いている例を示したが、左右方向に平行に基板ボックスカバー液体誘導部393aを設けるようにしてもよい。このような構成とすることで、基板ボックスカバー393に流下してきた液体を遊技機1内における液体を流下させたくない部位から遠ざけることが可能となる。
基板ボックスカバー液体誘導部393aを、基板ボックスカバー393の後面に立直するようにして設ける例を示したが、上述のような基板ボックスカバー液体誘導部393aに代えて、あるいは加えて基板ボックスカバー393自体が段差部を備えるようにし、段差部によって液体を誘導するようにしてもよい。
[3−5e−10.演出操作ユニットの作用]
次に、演出操作ユニット300の作用について、主に図63乃至図65等を参照して詳細に説明する。図63は、演出操作ユニットの左側面図において演出操作リングと回転駆動ユニットとの関係を示す説明図である。図64は、演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作リングと演出操作リング装飾基板との関係を示す説明図である。図65(a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は押圧操作部が上昇位置の時の皿ユニットの正面図であり、(c)は押圧操作部の中央押圧操作部を押圧した時の皿ユニットの正面図である。
演出操作ユニット300は、上面に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、大きな円環状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303とで構成されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に位置する円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aと回転操作部302との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
回転操作部302は、演出操作リング330のリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されている。中央押圧操作部303aは、演出操作ボタンユニット360の中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373によって形成されており、外周押圧操作部303bは、外周ボタンカバー380及び外周基板カバー378によって形成されている。
演出操作ユニット300は、円環状の回転操作部302(演出操作リング330)の上面によって形成される仮想の平面の前方側が低くなるように傾斜した状態で皿ユニット200に組立てられる。従って、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303の押圧方向が、下方へ向かうに従って後方へ移動する(換言すると、上方へ向かうに従って前方へ移動する)ように傾斜している。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、回転操作部302の上面よりも押圧操作部303が僅かに上方へ突出した状態となっている。詳しくは、演出操作リング330の上面よりも外周ボタンカバー380の上面が僅かに上方へ突出していると共に、外周ボタンカバー380の上面よりも中央ボタンカバー375の上面が上方へ突出した状態となっている(図63等を参照)。
この通常の状態で、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して演出操作リング330の回転操作部302が、平面視において時計周りの方向へ回転する。一方、操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で反時計周りの方向へ回転させると、演出操作リング330の回転操作部302が平面視において反時計回りの方向へ回転する。
操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされており、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。この振動は、振動スピーカ354による振動とは異なり、回転操作部302のみが振動する。
演出操作リング330の回転操作部302は、操作リング駆動モータ342により回転させられるだけでなく、遊技者によっても回転させることができる。回転操作部302を平面視において時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転し、回転操作部302を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転する。この伝達検知ギア部材345は、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348の二つのセンサによって回転を検知している。
伝達検知ギア部材345の回転は、複数の検知片345bを第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知することで、回転を検知している。詳述すると、周方向に等間隔で列設されている複数の検知片345bの間隔に対して、周方向に離間している第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348との間隔が、整数倍とならない間隔とされている。これにより、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、同じタイミングで検知片345bを検知しないように構成されている。
本実施形態では、伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転すると、第二回転検知センサ348が検知片345bを検知してから第一回転検知センサ347が検知片345bを検知する。これに対して、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転すると、第一回転検知センサ347が検知片345bを検知してから第二回転検知センサ348が検知片345bを検知する。従って、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、検知片345bを検知する順番によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転方向を検知することができる。また、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348における検知片345bの検知時間によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転速度を検知することができる。
このように、回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。また、回転操作部302の回転操作を検知した時に、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と同じ方向へ回転駆動させることで、回転操作を軽くしてアシストすることができる。或いは、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と反対方向へ回転駆動させることで、回転操作を重くしたり、クリック感を付与したりすることができる。
演出操作リング330の回転操作部302は、リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されており、円の半分以上の円弧が環状に延びている形状に形成されている。換言すると、回転操作部302がドーナツ状に形成されている。そして、回転操作部302は、図示するように、外周面、上面、及び内周面の一部、が露出した状態で取付けられているため、遊技者の手で掴み易い形状に形成されている。
これにより、回転操作部302に対して遊技者が様々な方向から触れることができるため、遊技者のやり易い思い思いの仕方で回転操作部302を回転操作させることができ、回転操作部302の操作性が高められている。また、回転操作部302は、押圧操作部303が下降位置又は上昇位置の何れの状態の時でも、回転操作することができる。なお、回転操作部302は、下面側が操作部ベース320に取付けられているため、自動車のハンドルのように握ることはできない。
演出操作ユニット300は、図64に示すように、演出操作リング330の下方に、複数のLEDが円環状に列設されている演出操作リング装飾基板352を備えている。これにより、演出操作リング装飾基板352のLEDを発光させることで、演出操作リング330の回転操作部302を発光装飾させることができる。また、演出操作リング装飾基板352では、複数のLEDを回転操作部302に沿って環状に列設しているため、回転操作部302の回転に合わせて、列設されている複数のLEDを順次発光させることで、回転している回転操作部302の特定の部位のみを発光装飾させることができる。これにより、回転する回転操作部302内に、LED(装飾基板)が備えられているように遊技者を錯覚させることができる。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、図65(a)に示すように、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303が、その上面が回転操作部302の上面よりも僅かに上方に突出した下降位置の状態となっている。この状態では、回転操作部302を回転させることができると共に、押圧操作部303における中央押圧操作部303aを押圧操作することができる。中央押圧操作部303aを下方へ押圧操作すると、中央押圧操作部303a(中央ボタンカバー375)の上面が、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)の上面と略同じ高さまで下降し、押圧検知センサ381により押圧が検知される。
この通常(下降位置)の状態では、押圧操作部303における外周押圧操作部303bを下方へ押圧しても、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)が下方へ移動することはなく、押圧検知センサ381により押圧が検知されることはない。
通常の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降ベース364の案内ピン364dがカム部371a(第一カム371b)から外れて、一対の昇降バネ365の付勢力により、昇降ベース364と共に押圧操作部303が勢いよく上方へ突出して上昇位置の状態となる(図65(b)を参照)。この上昇位置の状態では、押圧操作部303の上面が回転操作部302の上面よりも大きく上方に位置している。換言すると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく上方へ突出している。
押圧操作部303が上昇位置の状態で、中央押圧操作部303aを下方へ押圧すると、まず、ボタンバネ374の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが下方へ移動し、中央押圧操作部303aの上面と外周押圧操作部303bの上面とが略同じ高さの状態となる。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。更に、昇降バネ365の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが外周押圧操作部303bと一緒に下方へ移動し、中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図65(c)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知する。
また、押圧操作部303が上昇位置の状態で、外周押圧操作部303bを下方へ押圧すると、中央押圧操作部303aの上面が外周押圧操作部303bの上面よりも上方へ突出している状態のまま、外周押圧操作部303bと中央押圧操作部303aとが下方へ移動し、外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図65(a)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。
このように、本実施形態の押圧操作部303は、下降位置或いは上昇位置に関わらず、中央押圧操作部303aを、下方への移動端まで押圧しないと、押圧検知センサ381により検知されないようになっている。従って、遊技者に対して、中央押圧操作部303aをしっかりと押圧操作させることを促すことが可能となるため、遊技者参加型演出において演出操作部301の操作に注意を引付けさせることができ、遊技者参加型演出をより楽しませることができる。
なお、押圧操作部303が上昇位置の状態でも、回転操作部302を回転させることができる。従って、押圧操作部303を上昇位置の状態とした時では、遊技者によっては、押圧操作部303を手がかりにして回転操作が楽になったり、押圧操作部303が邪魔になって回転操作がし難くなったりすることから、回転操作部302の操作性を変化させることができ、より多彩な操作を楽しませることができる。
[3−6.扉枠左サイドユニット]
扉枠3における扉枠左サイドユニット400について、主に図66乃至図68を参照して詳細に説明する。図66(a)は扉枠の扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図67は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図68は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠左サイドユニット400は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの左外側を装飾するものである。
扉枠左サイドユニット400は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの左外側に取付けられる扉枠左サイドベース401と、扉枠左サイドベース401の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板402と、扉枠左サイド装飾基板402の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている左サイドリフレクタ403と、左サイドリフレクタ403の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている扉枠左サイド装飾体404と、を備えている。
扉枠左サイドベース401は、上下に延びており前方へ開放された箱状に形成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、上下に延びた帯板状に形成されており、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとで構成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠左サイド装飾基板402は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠左サイド装飾体404を発光装飾させることができる。
左サイドリフレクタ403は、扉枠左サイド装飾基板402に実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔403aが形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、前方へ膨出した半円弧が上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠左サイド装飾体404は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、下端が皿ユニット200における皿左上装飾ユニット270の皿左上装飾体271の左端と連続するように形成されており、上端が扉枠トップユニット450扉枠トップ装飾体453の左側下端と連続するように形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、左右方向の幅と前後方向の奥行が、略同じ距離に形成されている。扉枠左サイドユニット400は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの左外側を装飾しており、円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見せている。
[3−7.扉枠右サイドユニット]
扉枠3における扉枠右サイドユニット410について、主に図69乃至図71を参照して詳細に説明する。図69(a)は扉枠の扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図70は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図71は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠右サイドユニット410は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの右外側を装飾するものである。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3の右辺から皿ユニット200の上皿201や下皿202と略同じ位置まで前方へ平板状に延出しており、左右方向へ貫通しているサイド窓410aと、サイド窓410a内に複数配置されている発光可能なサイド窓内装飾部410bと、を備えている。この扉枠右サイドユニット410は、パチンコ機1が設置された遊技ホール等において、右側に配置されているパチンコ機の遊技領域内を見え難くしたり、右側のパチンコ機で遊技している遊技者から本パチンコ機1の遊技領域5a内を見え難くしたりすることができ、遊技のプライバシーを保護するような遊技者のパーソナル空間を形成することができる。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの右外側に取付けられ上下に延びている扉枠右サイドベース411と、扉枠右サイドベース411の前面に取付けられており前方へ円筒状に延出し上下に列設されている複数のサイド窓内装飾部410bを有するサイド窓内装飾部材412と、前面におけるサイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bと対応する部位に複数のLEDが実装されており扉枠右サイドベース411の前側に取付けられているサイド窓内装飾部装飾基板413と、サイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bの内部に夫々挿入されている内部リフレクタ414と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット410は、サイド窓内装飾部材412の前端よりも前方に配置されており上下に延びている右サイドリフレクタ415と、扉枠右サイドベース411に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の右側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口416aが形成されている扉枠右サイド外パネル416と、扉枠右サイドベース411及び右サイドリフレクタ415に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の左側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口417aが形成されている扉枠右サイド内パネルと417と、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット410は、右サイドリフレクタ415の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠右サイド装飾基板418と、右サイドリフレクタ415の前側を覆うように右サイドリフレクタ415に取付けられている扉枠右サイド装飾体419と、を備えている。
扉枠右サイドベース411は、上下に延びており後方へ開放された箱状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、上下方向に列設されている複数(ここでは三つ)のサイド窓内装飾部410bの下端同士を連結している平板状の連結ベース412aを有している。サイド窓内装飾部材412のサイド窓内装飾部410bは、前端側が後端側よりも外径がやや小さくなった円錐台状の円筒に形成されていると共に、円筒の前端が半球状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、サイド窓内装飾部410bの前端が扉枠右サイド外パネル416に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、扉枠右サイドベース411の前面において、上下方向中央に対して下寄りの位置から上側の部位に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、透光性を有した乳白色に形成されている。
サイド窓内装飾部装飾基板413は、扉枠右サイドベース411の前面において、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの後方となる部位に取付けられる。サイド窓内装飾部装飾基板413に備えられている複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。サイド窓内装飾部装飾基板413は、複数のサイド窓内装飾部410bの夫々の後方となる部位に、四つのLEDがサイド窓内装飾部410bの軸芯を中心として上下左右の十字状に配置されている。
内部リフレクタ414は、正面視の形状がX状に形成されており、挿入されるサイド窓内装飾部410bの内面に沿うように前後方向に延びている。内部リフレクタ414は、サイド窓内装飾部410bの内部を、上下左右の四つに仕切っている。
右サイドリフレクタ415は、扉枠右サイドベース411と同じ高さで上下に延びており、前後方向の形状が、上端から下端へ向かうに従って、前方へ移動した後に後方へ移動するような波状に形成されている。右サイドリフレクタ415は、前後に貫通し、扉枠右サイド装飾基板418のLEDが前方へ臨む複数の貫通孔415aが形成されている。
扉枠右サイド外パネル416は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド外パネル416は、左右方向へ貫通している貫通口416aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド外パネル416は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド内パネル417は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。扉枠右サイド内パネル417は、左右方向へ貫通している貫通口417aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド内パネル417は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド装飾基板418は、上下に延びた帯板状に形成されており、右サイド上装飾基板418aと、右サイド下装飾基板418bとで構成されている。扉枠右サイド装飾基板418は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠右サイド装飾基板418は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠右サイド装飾体419を発光装飾させることができる。
扉枠右サイド装飾体419は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠右サイド装飾体419は、前方へ膨出した半円弧が、右サイドリフレクタ415に沿うように波状に上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠右サイド装飾体419は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、下端が皿ユニット200における皿右上装飾ユニット275の皿右上装飾体276の右端と連続するように形成されていると共に、上端が扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453の右側下端と連続するように形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの右外側を装飾しており、扉枠右サイド装飾体419の部位が円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見える。扉枠右サイドユニット410は、上から1/4の部位が最も前方へ突出するように前端(前辺)が波状に前方へ延びており、衝立状に形成されている。扉枠右サイドユニット410は、左右方向へ貫通しているサイド窓410aを有しており、サイド窓410aを通して反対側を視認することができる。
扉枠右サイドユニット410は、サイド窓410a内に、前後に延びた円筒状(円柱状)のサイド窓内装飾部410bを備えており、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDを発光させることで、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることができる。そして、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることで、サイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通して反対側を見え難くすることができる。
本実施形態の扉枠右サイドユニット410によれば、通常の状態では、複数のサイド窓内装飾部410bを発光装飾させるサイド窓内装飾部装飾基板413のLEDが消灯しているため、サイド窓410aにおける三つのサイド窓内装飾部410bの間を通して、本パチンコ機1の横(島設備の端)から遊技領域5a内を視認することができる。従って、遊技をするパチンコ機として本パチンコ機1(本遊技盤5)を探している遊技者が、島設備に沿って本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、本パチンコ機1を簡単に見つけることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠右サイドユニット410にサイド窓410aが貫通していてもサイド窓内装飾部410bを含むその他の部位によって、近隣に位置している遊技者の視線を遮ることができるため、他の遊技者から遊技領域5aの全体を見え辛くすることができ、他の遊技者から見られているような感じを受け難くすることで他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行わせることができる。
更に、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDにより三つのサイド窓内装飾部410bを発光させると、その光によりサイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通した視認性を変化させる。この際に、三つのサイド窓内装飾部410bを、円柱状としていることから、光が帯状且つ放射状に放射されることとなるため、サイド窓内装飾部410bを眩しくさせて間から反対側を視認し難くすることができ、隣等の他の遊技者から遊技領域5a内を覗かれ難くすることができる。このように、遊技領域5a内を覗かれ難くすることができることから、他の遊技者が本パチンコ機1に注目するのを回避させることができるため、注目されることで他の遊技者が気になって遊技に専念できないことから不快感を覚えたり、ミスが誘発されることで損した気分になったりするのを防止することができ、遊技者を遊技に専念させることで遊技をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[3−8.扉枠トップユニット]
扉枠3における扉枠トップユニット450について、主に図72乃至図74等を参照して詳細に説明する。図72(a)は扉枠における扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)はトップ下カバーを外した状態で示す扉枠トップユニットの底面図である。図73は扉枠トップユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図74は扉枠トップユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。扉枠トップユニット450は、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるものである。
扉枠トップユニット450は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも上側に取付けられる扉枠トップベース451と、扉枠トップベース451の左右両側と前面上部を覆うように扉枠トップベース451に取付けられているトップ上カバー452と、トップ上カバー452の前端に取付けられている扉枠トップ装飾体453と、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の下端とを連結している扉枠トップ底板454と、を添えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面中央に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中央装飾基板455と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の左方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ左装飾基板456と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の右方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ右装飾基板457と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ中央装飾基板455との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ中央リフレクタ458と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ左装飾基板456との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ左リフレクタ459と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ右装飾基板457との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ右リフレクタ460と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ底板454の上面中央に取付けられている中央スピーカボックス461と、中央スピーカボックス461に下方へ向けて取付けられている一対のトップ中央スピーカ462と、扉枠トップベース451の前面左右両端付近に取付けられている一対のスピーカブラケット463と、一対のスピーカブラケット463に夫々取付けられている一対のトップサイドスピーカ464と、扉枠トップ底板454を下方から覆うように扉枠トップ底板454に取付けられているトップ下カバー465と、トップ下カバー465の外周縁を下方から押圧するように扉枠トップ底板454に取付けられている下カバー枠466と、扉枠トップベース451の上部右端付近に取付けられている扉枠トップ中継基板467と、扉枠トップベース451の上方を覆うようにトップ上カバー452に取付けられている扉枠トップ天板468と、を備えている。
扉枠トップベース451は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の左右方向の幅と同じ長さで左右に延びている平板状の本体部451aと、本体部451aの前面における左右両端付近から前方へ突出している前方突出部451bと、を備えている。本体部451aは、下辺が、扉枠ベース101における扉窓101aの上縁と沿うように、左右方向の中央が上方へ位置するような湾曲状に形成されている。左右の前方突出部451bは、前端が下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜しており、後方へ開放された箱状に形成されている。正面視右側の前方突出部451bは、上方にも開放されている。
トップ上カバー452は、正面視の形状が、扉枠トップベース451と略同じ形状に形成されている。トップ上カバー452は、扉枠トップベース451の左右の前方突出部451bの夫々の外側を覆うと共に、左右の前方突出部451bの前端上部の間を結ぶような形状に形成されている。トップ上カバー452の前端は、左右方向中央が前方へ最も突出しており、左右方向中央から左右方向両端へ向かうに従って、下方及び後方へ移動するように湾曲状に延びている。また、トップ上カバー452は、上面に後端から前方へ向かって大きく切欠かれた開口部452aを有している。この開口部452aは、扉枠トップ天板468によって閉鎖される。
扉枠トップ装飾体453は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、前方へ膨出した半円弧が、左右両端から左右方向中央へ向かうに従って曲率が小さくなると共に、トップ上カバー452の前端に沿うように、左右方向へ延びた形態に形成されている。これにより、扉枠トップ装飾体453は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、左右方向の両端が下方へ延びるように向いており、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端と夫々連続するように形成されている。
扉枠トップ底板454は、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の本体部451aの下端同士を連結するように前後方向へ延びていると共に、左右方向中央が上方へ膨出するように左右方向へ延びている。扉枠トップ底板454は、前後方向の中央が下方へ突出するように折れ曲がった形態に形成されている。扉枠トップ底板454は、左右方向へ離間しており前端と後端とを結ぶと共に上方へ平板状に延びている一対の補強リブ454aと、一対の補強リブ454aの間において上下に貫通しておりトップ中央スピーカ462が臨む一対の中央スピーカ口454bと、一対の補強リブ454aの夫々の左右方向外側において上下に貫通しておりトップサイドスピーカ464が臨む一対のサイドスピーカ口454cと、を有している。扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に中央スピーカボックス461が取付けられる。
扉枠トップ中央装飾基板455は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ中央装飾基板455は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ中央装飾基板455は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の中央部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ左装飾基板456は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ左装飾基板456は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ左装飾基板456は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の左部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板457は、左右に延びた帯板状に形成されている。扉枠トップ右装飾基板457は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ右装飾基板457は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の右部分を発光装飾させることができる。
トップ中央リフレクタ458、トップ左リフレクタ459、及びトップ右リフレクタ460は、夫々左右方向に延びており、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457に夫々実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔が形成されている。
中央スピーカボックス461は、左右に延びた箱状に形成され、一対のトップ中央スピーカ462が下前を向くように取付けられる。この中央スピーカボックス461は、扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に取付けられる。トップ中央スピーカ462は、フルレンジスピーカとされており、広い周波数帯域で音声や音楽等のサウンドを出力するものである。
スピーカブラケット463は、扉枠トップベース451における左右の前方突出部451bの下面に取付けられる。トップサイドスピーカ464は、ツイータとされており、音声や音楽等のサウンドの高音域を出力するものである。
トップ下カバー465は、無数の貫通孔を有した金属板からなるパンチングメタルによって形成されている。トップ下カバー465を通して、トップ中央スピーカ462やトップサイドスピーカ464から出力されたサウンドが、前方且つ下方へ向けて放射される。
扉枠トップ中継基板467は、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、トップ中央スピーカ462、及びトップサイドスピーカ464と、扉枠ベースユニット100の扉枠副中継基板105との接続を中継するためのものである。
扉枠トップ天板468は、トップ上カバー452の開口部452aを閉鎖するものであり、前端がトップ上カバー452に係止されると共に、後端が扉枠ベースユニット100に取付けられる。
扉枠トップユニット450は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの上外側を装飾している。扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の左右両端が、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端と夫々連続しており、一体的な装飾を形成している。また、扉枠トップユニット450は、一対のトップ中央スピーカ462及び一対のトップサイドスピーカ464によって、音声や音楽等のサウンドを遊技者側へ出力することができる。
[3−9.扉枠の装飾]
扉枠3における装飾について、主に図75等を参照して詳細に説明する。図75は、各装飾基板と共に示す扉枠の正面図である。扉枠3は、図示するように、正面視中央に、ガラスユニット160の透明なガラス板162によって閉鎖されている上下に延びた略四角形の扉窓101aを有している。扉枠3は、皿ユニット200の皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、演出操作ユニット300の皿中央上装飾体312a、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453によって、扉窓101aの外周が全周に亘って囲まれている。
扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453は、半チューブ状に形成されているため、扉窓101aの全周が蛍光灯で囲まれているような装飾を遊技者に見せることができる。
扉枠3では、扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453の後方に、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が配置されているため、それら装飾基板のLEDを適宜発光させることで、扉窓101aの外周全体を発光装飾させたり、扉窓101aの外周に沿って光が移動するように発光演出を遊技者に見せたり、することができる。
扉枠3の皿ユニット200では、上面に、上皿201の前後方向の距離よりも直径が大きい円環状でドーナツ形状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に同軸状に配置された円筒状の外周押圧操作部303bと円柱状の中央押圧操作部303aとからなる押圧操作部303とが取付けられていると共に、回転操作部302の下方に回転操作部302と同じような半円弧のドーナツ形状(半円筒状、若しくは、半チューブ状)で直径の大きな二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが上下に二つ離間して取付けられていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの両端と連続するように同じような形状の扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453が遊技領域5aの外周を囲むように扉枠ベース101の扉窓101aの外側に取付けられている。
これにより、皿ユニット200において、回転操作部302と二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bとで三つのドーナツ形状の部材が上下に並んでいると共に、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが同心円状に並んでいるため、見た目のインパクトを高めることができ、回転操作部302や押圧操作部303を目立たせることができる。
また、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、及び皿中央上装飾体312aの下方に配置されている皿左下装飾体281、皿右下装飾体286及び皿中央下装飾体312bを、半チューブ状のチューブの太さを若干細くしていると共に、皿中央下装飾体312bの下方に半球面状のユニット下カバー311を備えている。これにより、演出操作ユニット300では下端から上方へ向かうほど大きくなっているため、上下方向に対する遠近感を強調することが可能となり、上側に配置されている遊技者が操作可能な回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができ、遊技者の関心を皿ユニット200の上面の演出操作ユニット300における回転操作部302や押圧操作部303へ強く引付けさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、皿ユニット200の上面に、ドーナツ形状の回転操作部302を上方へ向かうに従って前方へ位置するように延びている軸周りに回転可能に取付けており、回転操作部302の上面が、前端側が低くなるように傾斜した状態となるため、回転操作部302や押圧操作部303の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)の方向を向くこととなり、遊技者から回転操作部302や押圧操作部303の全容を見え易くすることができ、回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができる。また、上述したように、回転操作部302や押圧操作部303の全容が判り易くなるため、遊技者に対して回転操作部302がドーナツ形状であることを認識させ易くすることができる。従って、遊技者に対して、ドーナツ形状の回転操作部302が回転操作するものであることを即座に認識させることができるため、遊技者参加型演出が実行された時に、即座に遊技者が回転操作部302を回転操作することができ、回転操作部302の操作により遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を上皿201の前後方向の距離よりも大きくしていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの直径を回転操作部302よりも大きくしており、パチンコ機1の皿ユニット200において、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの前端側が上皿201よりも前方へ大きく突出した状態となると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが回転操作部302の外周を装飾している状態となるため、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを大きく目立たせることができると同時に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bによって回転操作部302周りの見栄えを良くすることができる。従って、遊技者に対して、一見して他のパチンコ機とは異なるパチンコ機1であることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
[4.本体枠の全体構成]
パチンコ機1における本体枠4の全体構成について、主に図76乃至図82を参照して詳細に説明する。図76はパチンコ機における本体枠の正面図であり、図77はパチンコ機における本体枠の背面図である。図78は本体枠を右前から見た斜視図であり、図79は本体枠を左前から見た斜視図であり、図80は本体枠を後ろから見た斜視図である。図81は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図82は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の上端に取付けられ外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120が回転可能に取付けられる本体枠上ヒンジ部材510と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の下端に取付けられ外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる本体枠下ヒンジ組立体520と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベースユニット500の正面視左側面に取付けられる本体枠補強フレーム530と、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、本体枠ベースユニット500の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550の後側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出ユニット560と、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている基板ユニット620と、本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、本体枠ベースユニット500の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、扉枠3側と接続するための接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、を備えている。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501に取付けられるスピーカユニット620aと、本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、スピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェースユニット620eと、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501に取付けられるユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
[4−1.本体枠ベースユニット]
本体枠4における本体枠ベースユニット500について、主に図76乃至図84等を参照して詳細に説明する。図83(a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。図84は、本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。本体枠ベースユニット500は、前方から後部が外枠2の枠内に挿入されると共に、前方から挿入された遊技盤5の外周を保持するものである。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、本体枠ベース501の前面における左下隅に取付けられており接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、本体枠ベース501の前面下部に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501は、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aと、ベース本体501aの上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口501bと、遊技盤挿入口501bの下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部501cと、遊技盤載置部501cの左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部501dと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における遊技盤載置部501cの正面視右下側で後方へ窪んでおり球発射装置540を取付けるための発射装置取付部501eと、発射装置取付部501eの正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fと、遊技盤載置部501cの正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット620におけるスピーカユニット620aの本体枠スピーカ622を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部501gと、本体枠ベース501は、スピーカ用開口部501gの下方で後方へ窪んでいると共に左右に延びており接続ケーブル案内部材502が取付けられるケーブル取付凹部501hと、ケーブル取付凹部501hの正面視右端上部において前後に貫通しているケーブル挿通口501iと、を備えている。
更に、本体枠ベース501は、ベース本体501aにおける遊技盤挿入口501bの正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット650が取付けられると共に、後端に裏カバー640が回動可能に取付けられる後方延出部501jと、ベース本体501aの後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を取付けるための上ヒンジ取付部501k及び下ヒンジ取付部501lと、を備えている。
本体枠ベース501には、前面における遊技盤載置部501cの下方でスピーカ用開口部501gの右方の位置に、遊技盤ロック部材505が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。遊技盤ロック部材505は、遊技盤挿入口501bに挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能とすることで、遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5を着脱可能としている。
本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hは、下ヒンジ取付部501lの右端側からスピーカ用開口部501gよりも右方で遊技盤ロック部材505が取付けられ部位の下方の位置まで左右方向に延びている。ケーブル取付凹部501hは、接続ケーブル案内部材502を収容可能な大きさに形成されており、接続ケーブル案内部材502の右端側を上下に延びた軸周りに回転可能に取付けることができる。
本体枠ベースユニット500の接続ケーブル案内部材502は、左右に延びた平板状の案内本体502aと、案内本体502aの上下両辺において夫々前方へ突出していると共に案内本体502aの右端よりも右方へ延出している帯板状の一対の枠片502bと、一対の枠片502bの右端同士を連結している円柱状の取付軸502cと、案内本体502aの上下両端において前後に貫通していると共に左右方向へ列設されている複数の貫通孔502dと、を備えている。
接続ケーブル案内部材502は、左右方向の長さが、本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hの左右方向の長さよりも若干短い長さとされており、ケーブル取付凹部501h内に収容可能な大きさに形成されている。接続ケーブル案内部材502は、取付軸502cが、ケーブル取付凹部501h内における右端付近において上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。これにより、接続ケーブル案内部材502は、左端側が前方へ突出するように回動(ヒンジ回転)することができる。
この接続ケーブル案内部材502は、接続ケーブル503を案内するためのものである。接続ケーブル503は、複数の配線コードからなり、一方の端部が基板ユニット620のインターフェース基板635に接続されると共に、反対側の端部が扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続される。
続いて、接続ケーブル案内部材502による作用効果について説明する。接続ケーブル案内部材502は、図84等に示すように、本体枠ベース501に対して、左右方向における扉枠3をヒンジ回転可能に取付ける側(左側)とは反対側の端部(右側端部)が、扉枠3のヒンジ軸と平行に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。
そして、本体枠4のインターフェース基板635と扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105とを接続する接続ケーブル503は、インターフェース基板635に接続されている側が、接続ケーブル案内部材502の案内本体502aの右方から左方へ延びるように案内本体502aの前面に当接させた状態で、案内本体502aの上下両端側に形成されている複数の貫通孔502dのうち左右方向が同じ位置の一組の貫通孔502dに挿通した結束バンド504により、案内本体502aと一緒に締付けられることで、案内本体502aに取付けられる。
本体枠4の接続ケーブル案内部材502は、パチンコ機1に組立て扉枠3を本体枠4に対して閉じた状態で、扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の後方に位置している(図84(a)を参照)。この状態では、接続ケーブル503が、接続ケーブル案内部材502から左方へ延び出した後、下ヒンジ取付部501lの前方で曲げ返されて扉枠3のケーブルホルダ103aを通って扉枠中継基板カバー107内へ延出している。扉枠3のケーブルホルダ103aは、接続ケーブル案内部材502の左端よりも左方に配置されている。
この状態で、扉枠3を本体枠4に対して開くようにヒンジ回転させると、接続ケーブル案内部材502の左端側が、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている側によって前方へ引っ張られ、接続ケーブル案内部材502が右端の取付軸502cを中心にして回動することとなる。この際に、本実施形態では、扉枠3の開角度αと、接続ケーブル案内部材502の開角度βとの関係が、 α/2≧β (望ましくは、α/3≧β) を満たすように形成されている(図84(b)を参照)。
接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3が閉じている状態(扉枠3の開角度αが0度の状態)では、0度となっている。接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3を開いて開角度αが大きくなるに従って、大きくなるが、開角度αがある程度(例えば、約90度)よりも大きくなると、増加が停止するように推移する。本実施形態では、開角度βの最大角度が、45度未満とされている。
このように、扉枠3を開けた時に、接続ケーブル案内部材502の左端側が、本体枠ベース501よりも前方へ移動するように接続ケーブル案内部材502が回動するため、接続ケーブル案内部材502に接続ケーブル503が案内されることで、扉枠3と本体枠4との間で接続ケーブル503が垂れ下がってしまうのを防止することができる。
開いた扉枠3を閉める時には、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている部位が相対的に後方へ移動することとなるため、接続ケーブル503によって接続ケーブル案内部材502の左端側が後方へ押圧され、接続ケーブル案内部材502が取付軸502cを中心にして左端側が後方へ移動するように回動することとなる。この際に、接続ケーブル案内部材502が、45度未満の開角度βで開いているため、接続ケーブル案内部材502が扉枠3の閉じる方向への移動を阻害することはなく、扉枠3をスムーズに閉めることができる。また、接続ケーブル503が接続ケーブル案内部材502に案内されているため、扉枠3を閉める際に、接続ケーブル503が扉枠3と本体枠4との間に挟まれることはなく、接続ケーブル503に異常が生じるのを防止することができる。
また、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503を、180度折返していることから、接続ケーブル503の折返している部位に、折り癖を付けることができる。これにより、扉枠3を開くことで、接続ケーブル503の180度折返されている部位が開くように変化した時に、折り癖により接続ケーブル503に対して閉じようとする力が作用することとなるため、扉枠3を閉じる際に、その折り癖により接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)が開く方向へ移動するのを阻止することができると共に、接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)を閉じる方向へ誘導させることができ、扉枠3を円滑に閉じさせることができる。
更に、扉枠3側において、折返されている接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502の先端よりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)に近い位置でケーブルホルダ103aによって保持していることから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、ケーブルホルダ103aによって保持されている接続ケーブル503により、接続ケーブル案内部材502の先端側を扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側へ引寄せることができる。
また、本実施形態では、接続ケーブル案内部材502の回転中心を通り、扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)を中心として、スピーカダクト103におけるケーブルホルダ103aよりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側で後方へ突出している部位(押圧部)を通る円に接する接線と、本体枠4の前面と交差する角度が、45度以下となるように構成している。これにより、これにより、本体枠4に対して扉枠3を閉じる時に、押圧部が接続ケーブル503に当接することにより、接続ケーブル503を介して開いている接続ケーブル案内部材502の先端側を閉じる方向へ押圧することができるため、扉枠3の閉方向への移動に伴って接続ケーブル案内部材502をスムーズに閉じさせることができ、扉枠3を確実に閉じることができる。また、扉枠3の開閉に伴って回転(開閉)する接続ケーブル案内部材502の最大開角度βを、45度以下とすることができるため、扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を閉じる方向へ確実に回転させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[4−2.本体枠上ヒンジ部材]
本体枠4における本体枠上ヒンジ部材510について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられ、外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120を回転可能に取付けるものである。
本体枠上ヒンジ部材510は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体511と、上ヒンジ本体511の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠上ヒンジ組立体50に軸支される本体枠上ヒンジピン512と、を備えている。上ヒンジ本体511は、水平に延びた部位における本体枠上ヒンジピン512の正面視左側で上下方向に貫通しており扉枠上ヒンジ組立体120を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔511aを備えている。
本体枠上ヒンジ部材510は、上ヒンジ本体511における下方へ折り曲げられて上下に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられる。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠上ヒンジピン512が、外枠上ヒンジ組立体50における外枠上ヒンジ部材51の軸受溝51c内に挿入されて軸支される。上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aには、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120における扉枠上ヒンジピン122が下方から回転可能に挿入される。
この本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠下ヒンジ組立体520と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−3.本体枠下ヒンジ組立体]
本体枠4における本体枠下ヒンジ組立体520について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられ、外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる。
本体枠下ヒンジ組立体520は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体521と、下ヒンジ第一本体521の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体522と、を備えている。本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521の水平に延びている部位から上方へ間隔をあけて下ヒンジ第二本体522の水平に延びている部位が配置されていると共に、下ヒンジ第一本体521の垂直に延びている部位の前面に、下ヒンジ第二本体522の垂直に延びている部位が当接している。
下ヒンジ第一本体521は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており外枠2の外枠下ヒンジ部材60における外枠下ヒンジピン60cが下方から挿入される外枠用下ヒンジ孔521aを有している。外枠用下ヒンジ孔521aは、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512と同軸上に形成されている。
下ヒンジ第二本体522は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126が上方から挿入される扉枠用下ヒンジ孔522aと、水平に延びている部位の左辺における扉枠用下ヒンジ孔522aよりも後側の位置から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片522bと、を備えている。扉枠用下ヒンジ孔522aは、本体枠上ヒンジ部材510の上ヒンジ本体511における扉枠用上ヒンジ孔511aと同軸上に形成されている。
本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521と下ヒンジ第二本体522とにおける垂直に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられる。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠上ヒンジ部材510と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−4.本体枠補強フレーム]
本体枠4における本体枠補強フレーム530について、主に図81及び図82等を参照して詳細に説明する。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の左側面に取付けられる。本体枠補強フレーム530は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。本実施形態では、本体枠補強フレーム530が、金属の押出型材によって形成されている。
本体枠補強フレーム530には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置規制部材531が、上下に離間して二つ取付けられている。
本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の左側(ヒンジ側)を補強していると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止している。
[4−5.球発射装置]
本体枠4における球発射装置540について、主に図85等を参照して詳細に説明する。図85(a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。球発射装置540は、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており、扉枠3における皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球Bを、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むためのものである。球発射装置540は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット180のハンドル182の回動角度に応じた強さで遊技球Bを打込むことができる。
球発射装置540は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の発射装置取付部501eに取付けられる平板状の発射ベース541と、発射ベース541の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース541を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド542と、発射ソレノイド542の回転軸に基端が取付けられている打球槌543と、打球槌543の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース541の前面に取付けられており遊技球Bが転動可能な発射レール544と、を備えている。
球発射装置540は、扉枠3の球送給ユニット140から遊技球Bが発射レール544の上面右端に供給されるようになっており、発射レール544の上面右端に遊技球Bが供給されている状態で、ハンドル182を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド542が駆動して、打球槌543により遊技球Bを打球する。そして、打球槌543により打たれた遊技球Bは、発射レール544を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球Bの打込強さ等の関係で、打球した遊技球Bが遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール544と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット150のファール球受口150cへ落下し、ファールカバーユニット150内を通って下皿202に排出される。
[4−6.払出ベースユニット]
本体枠4における払出ベースユニット550について、主に図86等を参照して詳細に説明する。図86(a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。払出ベースユニット550は、逆L字状に形成されており、本体枠ベースユニット500の後側に取付けられる。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551を備えている。払出ベース551は、前後方向が略一定の幅で左右に延びている天板部551aと、天板部551aの正面視左辺から前後方向の幅が天板部と略同じ幅で下方へ長く延びている左側板部551bと、天板部551aの正面視右辺から前後方向の幅が天板部551aと略同じ幅で下方へ短く延びている右側板部551cと、天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ延びている背板上部551dと、左側板部551bの後辺よりも前方寄りの位置から右方へ略一定の幅で下端付近まで延びている背板左部551eと、背板左部551eの右辺から後方へ左側板部551bの後辺と同じ位置まで延びている内側板部551fと、左側板部551bの下辺の前部から右方へ背板左部551eの右辺と略同じ位置まで延びている底板部551gと、底板部551gの右辺と内側板部551fの下辺とを連結している連結板部551hと、を備えている。払出ベース551は、正面視において逆L字状に形成されており、前方とL字の内方へ開放された箱状に形成されている。
払出ベース551は、天板部551aが本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bの左右方向の幅と略同じ長さで左右に延びていると共に、左側板部551bが遊技盤挿入口501bの上下方向の高さと略同じ長さで上下に延びている。払出ベース551は、天板部551a、左側板部551b、及び右側板部551cの前端が本体枠ベース501の後側に取付けられる。
また、払出ベース551は、左側板部551b、背板左部551e、及び内側板部551fによって、後方へ開放されており上下に延びている浅い凹部状の部位を備えており、その部位に払出ユニット560が取付けられる。また、払出ベース551は、内側板部551fの正面視右側面の上部において右方へ突出しており、裏カバー640が取付けられる裏カバー取付部551iを有している。
払出ベースユニット550は、払出ベース551の天板部551aの上面に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、払出ベース551の左右に延びている部位の上側における球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、を備えている。
[静電ノイズ対策]
ところで、パチンコ機等の遊技機では、主制御基板1310をはじめとした複数の制御基板が搭載され、主制御基板1310から出力されたコマンドを介したそれら制御基板の連携によって遊技制御、演出制御、払出制御等の各種制御が行われている。これら制御基板上には、電磁波ノイズの影響を受けやすいCPU等の電子部品が多数実装されているため、誤動作のない安定的な遊技動作を保証するためには電磁波ノイズの影響を如何に排除するかが非常に重要である。
この電磁波ノイズの発生源は種々考えられるが、弾球遊技機等、遊技媒体として遊技球を使用する遊技機に特有でしかも最も影響が大きいノイズ発生源が遊技球である。即ち、遊技球は遊技島設備によって各遊技機の上方から球タンク552に供給され、遊技機内で遊技に供された後、再び遊技島に回収されるようになっているが、その移動過程で遊技球同士の摩擦、遊技球と通路壁との摩擦等によって静電気が発生する。そして、帯電した遊技球からの放電によって電磁波ノイズが発生し、CPU等の電子部品に悪影響を与えてしまう。
上記したように、ノイズ発生源となる遊技球が最も多数供給されて集中する箇所は球タンク552である。その次は、球タンク552から遊技球を払出装置580へと誘導するタンクレール553となる。即ち、球タンク552に蓄積される静電気の量が最も大きいと考えられる。そこで、球タンク552の直近にて静電気を除電することが得策であると考えられる。また、より安定的な遊技動作を実現するためには、このような静電気の瞬間的な放電による電磁波ノイズの発生自体を抑制する対策以外にも、電磁波ノイズが発生してもそれによる電子部品への悪影響を排除できるような対策も望まれる。
従来の遊技機では、例えば、特開2012−120593号公報(段落[0335]、図68、図69)に開示されているように、球タンク552へ投入される遊技球の除電については、「タンクレール731の内壁に配置されたアース板736は、詳細な図示は省略するが、アース金具782を介して電源基板851のアース用コネクタを経由して外部に接地されるようになっており、タンクレール731内で遊技球がアース板736と接触することで、帯電した静電気を除去することができるようになっている。」との記載のように、CRユニット6との間で通信される通信用の電源である電源AC24Vを供給し易いように遊技機の本体枠4の下部のCRユニット6側に配置された電源基板630(図95参照)に各アースを一旦集約し、電源基板630を介して島設備のアース6000に接続して接地していた。
図202(a)はこの態様を示した従来の遊技機のアース系統を示すブロック図である。図202(a)に示すように、従来は、球タンク552や、主制御基板1310に代表されるような各種制御基板、CRユニット6とをインターフェースするインターフェース基板635等の各所で発生する静電気をいったん電源基板630において集約し、電源基板630を通じて島設備のアース6000に接続して接地していた。
電源基板630は一般的に重量があるため、遊技機において下方に配置されることが多い。そのため、アース電源基板630において集約するためには、遊技機の上部の球タンク552や払出装置580等からアース線を下方の電源基板630に向けて引き回す必要がある。このようにアース線を引き回すことによって、途中に存在する各種制御基板に電磁波ノイズが伝達して予期せぬ影響を及ぼす虞があった。また、電源基板630にアース線を集約しているため、電源基板630に何らかの問題が発生するとアースに影響が出たり、逆にアース線に電流が流れることによって、電源基板630の動作に影響を与える虞があった。さらに、島設備のアースを取る箇所が遊技機の上方にある場合などは、電源基板630で集約したアース線を再度下方から上方に引き回して接続する必要があるため煩雑となることがあった。
そこで、本実施形態の遊技機では、遊技球が最も多数供給されて、発生する静電気が最も多い球タンク552について、電源基板630を介することなく接地する構成とした。また、いち早く除電するため、球タンク552を導電性樹脂(例えば、ABS樹脂への導電性フィラを混ぜる含有量を増やす等して得られた樹脂)で構成し、従来は球タンク552で発生した静電気を、タンクレール等を通じてアースに接続していたところを、球タンク552から直接アースに接続するようにしている。そして、静電気が最も溜りやすい球タンク552の直近に除電作用を発揮するアース回路基板559を電源基板630とは別に独立させて配置し、球タンク552とアース回路基板559とをアース線で接続し、さらに、アース回路基板559を島設備のアース6000に接続するようにした。
図202(b)は本実施形態の遊技機のアース系統を示すブロック図である。図202(b)に示すように、球タンク552だけではなく、CRユニット6とをインターフェースするインターフェース基板635、電源基板630等、各所で発生する静電気をいったんアース回路基板559において集約し、アース回路基板559を通じて島設備のアース6000に接続して接地した。このように、各所で発生する静電気をいったん集約する役目をアース回基板559が果たしている。本実施形態においては、球タンク552、インターフェース基板635、電源基板630等と、アース回路基板559とは直接接続される構成とされている。なお、遊技球を誘導するタンクレール553は、透明な非導電性樹脂で構成されているが、導電性を備えて球タンク552と一体として導電性を有するようにしてもよい。この場合、従来から行われているように、内部に金属板を備えることによって導電性を持たせるようにすることもできる。また、球誘導ユニット570からもアースを取るようにすることもできるが、そのように構成すると、球タンク552からのアース経路と、球タンク552と接続している球誘導ユニット570の複数の経路が形成されるため、両者の間で干渉が発生するおそれもあることから、適切な箇所から一点で接地することが望ましい。
そして、球タンク552の側面或いは後面といった複数の箇所にアース金具を接続可能としている。なんとなれば、遊技場側に設置されている島設備の違いによって遊技球の球タンク552への供給(落下)位置がまちまちであるので、電気的に接続するためのアース線を接続するための位置をそれに合わせてより近傍に変更することを可能とするのである。アース金具の取付位置は球タンク552において適宜選択して任意に取り付ける。そして、静電気が最も溜りやすい球タンク552の直近に除電作用を発揮するアース回路基板559を配置するようにした。
図203は、除電を行うためのアース回路基板559を備えた払出ベースユニット550を本体枠4の斜め後方から見た斜視図である。また、図204はアース回路基板559を収納した収納ケース部551jを上方から透視して示した裏面図であり、また、図205はアース回路基板559の回路図である。さらに、図206は図203における主として球タンク552並びにタンクレール553を示す要部拡大図である。
図203に示すように、払出ベース551を透過性を有するものとすると共に、払出ベースユニット550は、払出ベース551の左右に延びている部位の上面における球タンク552の右側方であってタンクレール553の上方には、外部から視認可能な透明な樹脂ケースで構成された外部端子板558の回路部分が集約されたケース部558aが配置されており、外部端子板558の回路部分(例えば、端子板裏面)と外部端子板558の外部との接続部分の両者が外部から視認可能となっている。なお、本例では外部端子板558は横長な矩形のものでその長辺が本体枠4の左右方向に沿って配置されている。また、本例では、外部端子板558の短辺は本体枠4の上下方向に沿って配置されているが、これに限らず、外部端子板558の短辺は本体枠4の上下方向に対して傾いて配置されていてもよい。また、ケース部558aの後面に外部端子板558(接続部)が配設されている。
また、外部端子板558のケース部558aの内部の上方には、内部が視認可能である透明樹脂製で薄型箱状の収納ケース部551jが配置され、収納ケース部551jの内部には除電を行うためのアース回路基板559が裏面(半田面)を上方に向けて収納されている。このため、外部端子板558の接続部分はもとより、外部端子板558の端子板裏面並びにアース回路基板559の裏面と後述のコネクタ部分との両方が外部から容易に視認可能に設けられている。なお、本例では、透明な樹脂製のケースにより外部から視認可能としているが、これに限らず、透明とは限られないケース部に開口する孔部(例えば、スリットや溝孔等でもよい)を設け、前記孔部から外部端子板558の接続部分はもとより、外部端子板558の端子板裏面並びにアース回路基板559の裏面と後述のコネクタ部分との両方が外部から容易に視認可能な構成としてもよい。
また、払出ベース551も透明樹脂で形成すれば、遊技盤を外せば内側より外部端子板558の裏面(半田面)を視認することができる。なお、収納ケース部551jは払出ベース551に対して別体でも一体に形成してもよい。
このような位置にアース回路基板559が設けられているため、遊技機を本体枠4の前方から見る場合には、遊技盤を外すだけで、払出ベースユニット550や、そこに含まれている外部端子板558、アース回路基板559を視認することができる。その際、外部端子板558やアース回路基板559は、本体枠4の前方から見る場合には、左上付近に位置することになるため、不正行為を行おうとしたときに扉を大きく開ける必要があり、アース回路基板559等に不正な電気的素子を取り付けにくくなり、仮に行ったとしても、外部から不正行為が行われていることを発見しやすくなる。
[球タンク552の固定態様]
本例における球タンク552の固定態様について図206に基づいて説明する。球タンク552は透過性を有する払出ベース551の上部裏面の背面視左側にビス止めにより取り付けられる。本例では、払出ベース551への取付面に当接する球タンク552の前部の上部の左右両側に、側方の突出した取付部552a、552bが形成されている。そして、本体枠4の後方から取付部552a、552bに対してそれぞれ払出ベース551にビス止めされている。
また、球タンク552は、球タンク552の外面略中央に突設形成されたボス部による取付部552cと、球タンク552の背面視で右側部後部に前後方向に並んで突出形成されたボス部によるタンクレール553の取付部552dと、アース金具の取付部552eとを備えている。
タンクレール553は、球タンク552の取付部552cと552dに対して下方からビス止めされることで取り付けられている。また、本例では球タンクの取付部552eに対して、アース線5591(図204参照)の一端に接続されたアース金具が金属製のビス(図示せず)によって下方からビス止めされている。
[球タンク552におけるアース金具の取り付け態様]
なお、本例では球タンク552のアース金具の取付部552eは他の取付部に対して独立して専用に設けられているが、必ずしも独立的に設けるというものに限定されるものではなく、他の取付部と共用することも可能である。以下にその各例を挙げる。
例えば、遊技場側に設置されている島設備からの遊技球の供給箇所が、図206の遊技機1の裏面側から示す斜視図で球タンク552の内部の左側部に集中するような場合では、遊技球の侵入箇所近傍の球タンク552の左側部に静電気が最も溜りやすい。このような場合、取付部552aに金属製のビスでアース金具を払出ベース551に対して共締めするようにしてもよい。
また、例えば、遊技場側に設置されている島設備からの遊技球の供給箇所が、図206の遊技機1の裏面側から示す斜視図で球タンク552の内部の中央部に集中するような場合では、遊技球の侵入箇所近傍の球タンク552の中央部に静電気が最も溜りやすい。このような場合、取付部552cに金属製のビスで下方からアース金具をタンクレール553と共に共締めするようにしてもよい。
さらに、例えば、遊技場側に設置されている島設備からの遊技球の供給箇所が、図206の遊技機1の裏面側から示す斜視図で球タンク552の右側部に集中するような場合では、遊技球の侵入箇所近傍の球タンク552の右側部に静電気が最も溜りやすい。また、遊技球の侵入箇所とは別に、球タンク552の右側部は、静電気を帯びた遊技球が多数集合してくることによって、静電気が溜まりやすくなることもある。さらに、タンクレール553は遊技球を上下に重ならないように一列に整列させる球整流部材556を有していることにより、遊技球が停留しやすい。このような場合、取付部552dに金属製のビスでアース金具をタンクレール553と共に下方から共締めするようにしてもよい。
図204は、除電を行うためのアース回路基板559を備えた払出ベースユニット550の収納ケース部551jを上方から眺めて見た透視図である。図204に示すように、アース回路基板559は5つのコネクタCN11〜CN15を備えている。詳述すると、一端が導電性樹脂により構成された球タンク552に接続された除電用のアース線5591の他端がコネクタCN13に接続されている。なお、球タンク552の外周面にアース接続用のボス部を複数箇所設けて、球タンク552の下部に配設された各主演出装置の増大化による配置構成の変化に対応できるようにしてもよく、静電気の発生要因に対応するためには、それぞれのアース接続用のボス部は、互いに離間した状態で設けておくことが望ましい。
また、一端が本体枠4に設けられた本体枠金属部材に接続された除電用のアース線5592の他端がコネクタCN14に接続されている。なお、球誘導ユニット570の誘導通路570aにアースのためのアース金具で接続し、アース回路基板に別途コネクタCN16(図示せず)を設けてアース接続端子を設けてもよい。この場合、後述の図205の回路図に示されているように、CN13やCN14に対して並列に接続してもよい。
また、電源基板630のアース線5593の一端がコネクタCN15に接続されている。さらに、一端がインターフェース基板635のフレームグランドに接続されたアース線5595の他端がコネクタCN11に接続されている。なお、インターフェース基板635のフレームグランドは、CRユニット6が収納される筐体(フレーム)と所定の配線を介して電気的に接続されており、CRユニット6が収納される筐体からのノイズ電流が、インターフェース基板635のフレームグランド、アース線5595を介して、アース回路基板559に接続されるようになっている。コネクタCN12には、アース線5594の一端が接続されている。そして、アース線5594の他端を当該遊技機1が設置される島設備(遊技機設備)に用意されたアースに接続することで、遊技機全体が接地されるようになっている。
図205はアース回路基板559の回路図である。球タンク552と接続されたアース線5591が接続されたコネクタCN13からの接続線の一端にはアース抵抗ER1の一端が接続されている。また、本体枠4に設けられた本体枠金属部材と接続されたアース線5592が接続されたコネクタCN14からの接続線の一端にもアース抵抗ER2の一端が接続されている。すなわち、静電気が溜る部分にアース抵抗ER1(本例では一例として抵抗値510Ω)を介して電気的に接続し、少しずつ静電気を遊技機設備のグランドに導くことで除き、徐々に放電させることで静電気の瞬間的な放電を抑止している。
また、アース抵抗ER1の他端とアース抵抗ER2の他端とが接続されると共に、アース抵抗ER1側の接続点の後段は二股に分岐され、分岐された一方はコネクタCN15(電源基板)に接続され、分岐された他方がコネクタCN12(島設備)と接続される。アース抵抗ER2側の接続点の後段はコネクタCN11(インターフェース基板)に接続されている。
なお、CRユニット6から、CRユニット6が収納された筐体を介して、インターフェース基板635に流れるノイズ電流は小さいので、アース線5595は他のアース線5591〜5594に比べ細いアース線を用いており、アース線5595を接続するコネクタCN11も他のコネクタに比べて小型なものを用いている(図204参照)。
このように、収納ケース部551jの内部にはアース抵抗ER1及びER2を備えたアース回路基板559が設けられ、アース回路基板559に設けられたアース抵抗ER1の一端に球タンク552に接続されたアース線が接続され、アース抵抗ER1を介して電磁波ノイズの原因となる高電圧の瞬時的な放電を抑止するようにしている。また、アース抵抗ER2の一端に本体枠4の本体枠金属部材に接続されたアース線が接続され、アース抵抗ER2を介して電磁波ノイズの原因となる高電圧の瞬時的な放電を抑止するようにしている。
また、図205に示されているように、各所における静電気は一点においてコネクタCN12(島設備)と一点で接続して、一系統で静電気を逃がすようにしている。例えば、球タンク552からアース線を取りつつ、球タンク552と接続している球誘導ユニット570からも同時にアース線を取るといった構成も可能であるが、その場合には、球タンク552で発生した静電気が、直接コネクタCN12(島設備)に接続される系統と、球誘導ユニット570を経由して接続される系統の2系統となるため、それぞれの経路による除電が互いに干渉してうまくアースができなくなるおそれがある。
また、本体枠4の裏面上部に配置したアース回路基板559に各所で発生する静電気を一旦集約するようにしたので、従来のように本体枠4の裏面下部に配置した電源基板630に静電気を一旦集約するものに比して、アース配線の引き回しが簡単となる。
アース回路基板559と外部端子板558とを近接させ、両者を本体枠4において、裏面から見て上部の右側に配置したので、アース回路基板559からのアース線5594の島設備のアース6000との接続と、外部端子板558からの出力配線の島設備との接続との作業を同時に行うといったことがしやすくなり、作業性が向上する。
そうして、アース抵抗ER1及びアース抵抗ER2の他端に遊技機設備に向けてアース線5594(図204参照)が接続されていて、収納ケース部551jの後面から外部にさらにアース線5594が引き出され、引き出されたアース線5594が遊技場設備に用意されたグランドに接続されることで、遊技機全体が接地されるようになっている。このように、静電気が溜りやすい球タンク552と除電作用を発揮するアース回路基板559とを接続するアース線5591の長さを他のアース線よりも最短となるように構成してある。
また、アース回路基板559に各アース線を集約し、アース回路基板559のコネクタCN12(島設備)から引き出されるアース線5594が直接島設備のアース6000に接続されていることにより、電源基板630を通さないで接地できる。このため、電源基板630に何らかの問題が発生してもアースに影響が出ることを低減することができる。また逆に、従来は電源基板630を介してアースを行っていたため、アース線に多くの電流が流れた場合などに電源基板630の動作に影響を及ぼすおそれがあったが、本実施形態のように電源基板630を介さないで接地したことによって、そのようなおそれも回避できる。
なお、実施形態ではアース回路基板559のコネクタCN13(球タンク)とコネクタCN12(島設備)との間、コネクタCN14(本体枠金属部材)とコネクタCN12(島設備)との間に、それぞれアース抵抗ER1、ER2が設けられているが、アース抵抗を必ずしも設ける必要はない。アース抵抗はアースの際に電流が急激に流れることを防ぐために設けられているため、予測される発生電圧に応じて設ければよく、必要に応じてコネクタCN11(インターフェース基板)、コネクタCN12(島設備)、コネクタCN15(電源基板)においても適宜の抵抗値を有する抵抗を設けるようにすることもできる。また、コネクタCN12(島設備)の手前に適当な大きさのアース抵抗を設けるようにして、各部で発生した静電気をアースする際の共通の抵抗とすることもできるし、例えば球タンクの導電率を調整することによって、アース抵抗を設けずに適宜の大きさの電流量でアースを行うようにすることも可能である。
なお、アース回路基板559は基板裏面(半田面)を上にして収納ケース部551jの内部に収められており、払出ユニットベース550の外部から視認可能に配置されている。このため、アース回路基板559に不正な電気的素子が取り付けられたとしても、即座に目視により発見することができる。また、下側となる基板表面には、アース回路基板559のコネクタCN13(球タンク)とコネクタCN12(島設備)との間、コネクタCN14(本体枠金属部材)とコネクタCN12(島設備)との間をそれぞれ接続する間に、アース抵抗ER1、ER2が設けられており、こちらについても外部から視認可能な状態で取り付けられている。また、コネクタの緩み等の不測の事態に備えるため、払出ユニットベース550から収納ケース部551jを取り外し可能とすると共に、アース回路基板559を収納ケース部551jから取り外し可能に構成してもよい。
また、外部端子板558のケース部558aの外面にアース線を引っ掛ける掛止部(例えば、鉤状)を複数箇所に設け、これらの掛止部にアース線を引っ掛けた後、アース回路基板559にアース線をコネクタ接続する構成としてもよい。このようにすれば、アース線の重みによるアース線自体のふらつきや、アース線が他の部材に接触したときのふらつきに起因するコネクタへの影響を抑止でき、接続を安定させることができる。
なお、球タンク552は樹脂で形成されているため、図77並びに図80に示されるように、球タンク552に遊技球が貯留されたり、上部から球が衝突することで、球タンク552の底部が撓んで下方の部材に接触するとアースされてしまう虞があるため、球タンク552の底部が撓んでも、球タンク552が払出ベース551の天板部551aに接触しないことを考慮して接触を避ける程度に隙間が形成されているものである。さらに、前記隙間を設けることで、球タンク552に遊技球が島設備から投入された時の衝撃がその下の部材に伝わることがない。
さらに、球タンク552において、左側に設けられている取付部552aからアースを取ってアース回路基板559と接続する場合などは、取付部552aとアース回路基板559とを接続するアース線を、この隙間を使って通すように構成するとよい。
また、図12の斜視図に示すように、本体枠4に遊技盤5を嵌め込んで装着した状態では、球タンク552の下方に周辺制御ユニット1500が位置することとなる。なお、周辺制御ユニット1500は、液晶表示装置1600やその他の演出用の可動役物を駆動させるための電気的駆動源を抱えているので、発熱しやすいものとなっている。そこで、周辺制御ユニット1500の中の、周辺制御基板1510が収納された周辺制御基板ボックス1520には難燃性のポリカーボネート樹脂(透明もしくは黒色)が使われている。周辺制御基板ボックス1520を樹脂製とすることで、周辺制御基板ボックス1520を金属で構成したものに比べて重量を軽量化することができる効果がある。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板ボックス1520は、球タンク552を構成しているABS樹脂よりは電気的抵抗が低い導電性樹脂であるポリカーボネート(導電性のフィラの含有量を高く調整されることで実現でき、例えば含有される炭素の量を多くする)で構成されている。すなわち、導電率は周辺制御ユニット1500の周辺制御基板ボックス1520のほうが球タンク552よりも高い。なお、周辺制御基板ボックス1520は金属で構成されていてもよい。なぜなら、静電気による電磁波ノイズの影響を受けやすい周辺制御基板1510が内部に収納されていることによるものである。
なお、周辺制御基板ボックス1520もアース回路基板559にアース金具(図示せず)を介してアース線で本体枠金属部材に接続され、最終的にはアース線5592により、アース回路基板559に接続されている。このため、周辺制御基板1510は、静電気の放電によって発生する電磁波ノイズを抑止するようにされ、電磁波ノイズの影響を受け難くするように、早急に静電気を除去するようにされている。また、これにより、ポリカーボネートは高熱に強いため、ポリカーボネートが有する自己消火性(高温に強い)によって、その下方に配置される主制御ユニット1300へ熱伝達の影響が及ぶことを抑止することができる。
なお、本体枠4を外枠2に対して閉じたときに、島設備側の遊技球を球タンク552に供給する方向に開く方向に動作させる球供給レバーに当接して押圧させる当接押圧部が球タンク552の周壁に形成されている。本例では、球タンク552の周壁を形成している周壁部の上縁に外方に突出する突部が設けられている(図80に示されている球タンク552の側部及び後部を参照)。このため、球タンク552が前記球供給レバーに当った時の衝撃をある程度吸収できるようになっている。
また、払出ベースユニット550は、タンクレール553の上端における左右方向の途中に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられておりタンクレール553の左端まで延びている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下端における正面視左端付近に取付けられている球止部材557と、を備えている。
球タンク552は、左右方向が払出ベース551の天板部551aの左右方向の幅の約半分の長さに形成されていると共に、前後方向が天板部551aの前後方向の奥行よりも短い長さに形成されている。球タンク552は、天板部551aの上面において、左右方向の右寄りの位置に取付けられている。球タンク552の底面は、左端側が低くなるように傾斜している。球タンク552は、左端側がタンクレール553と連通している。
タンクレール553は、払出ベース551の天板部551aの上面における左右方向中央より左側の後端付近に取付けられている。タンクレール553は、平面視の形状が、球タンク552と連通している右端から左方且つ後方へ斜めで前後方向の奥行が遊技球Bの外径の数倍の奥行から略一つ分の奥行になるように延びた後に、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい奥行で左方へ真直ぐに延びた形状に形成されている。タンクレール553は、左端側が低くなるように底面が傾斜しており、底面の左端が遊技球Bの外径よりも若干大きい大きさで下方へ向かって開口している。タンクレール553の底面の左端の開口が、払出ユニット560の球誘導ユニット570における誘導通路570aの上端開口と連通している。
また、タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の上端が、左端側の高さが遊技球Bの外径よりも若干大きい高さとなるように、底面よりも水平に対して急な角度で左端側が低くなるように傾斜している。タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の後端が、天板部551aの後辺と略一致するように天板部551aの上面に取付けられる。また、タンクレール553は、左方へ真直ぐ延びている部位の上端に、第一レールカバー554、第二レールカバー555、球整流部材556、及び球止部材557が取付けられる。
第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553における左方へ真直ぐに延びている部位の上端に取付けられる。第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553の上端の前後方向の奥行が、タンクレール553内の遊技球Bの圧力によって、広がったり、狭くなったりするのを防止するためのものである。
球整流部材556は、タンクレール553の上端における第一レールカバー554と第二レールカバー555との間に部位において、第一レールカバー554側の端部が前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。球整流部材556は、タンクレール553内へ突出し左右方向に延びている整流片556aを備えている(図92を参照)。この整流片556aによって上下二段になって流通している遊技球Bの上段側の遊技球Bの流れを遅らせて、下流側では一段となって流れるように整流することで、タンクレール553内の高さが低くなっても球詰りしないようにしている。
球止部材557は、タンクレール553の下面における正面視左端付近において、左右方向へスライド可能に取付けられており、左方へスライドさせることで、タンクレール553の底面左端の開口を閉鎖して、タンクレール553から下流の払出ユニット側へ遊技球Bが流通しないようにすることができる。なお、球止部材557は払出ベース551に形成された凹部(図示せず)の内方に配置されており、図80に示すように後方に突出していない。このため、不測に球止部材557に接触して引っ掛けてしまうことを防止できる。
先にも説明したが、払出ベースユニット550は、払出ベース551の左右に延びている部位の上面における球タンク552の正面視左方に取付けられている外部端子板558を、更に備えている。外部端子板558は、パチンコ機1とパチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備との間で電気的な接続を行うためのものである。外部端子板558は、図示は省略するが、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b側へ臨んだアース接続部を備えている。アース接続部には、遊技盤5側から延びたアース線が接続される。
[4−7.払出ユニットの全体構成]
本体枠4における払出ユニット560の全体構成について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。図87(a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。図88(a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。払出ユニット560は、払出ベースユニット550の払出ベース551の背板左部551eの後面に取付けられるものである。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の下側に配置されており球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
球誘導ユニット570は、タンクレール553により一列に整列された遊技球Bを、払出装置580へ供給する。払出装置580は、球誘導ユニット570から供給された遊技球Bが流通可能な払出通路580aと、払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bとを有しており、通常の状態では、払出制御基板633からの指示に基づいて払出通路580aから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出し、球抜レバー593が操作される球抜通路580bから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出するものである。
上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bと、球抜通路580bから放出された遊技球Bとを、分けて下方へ誘導するものである。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600を介して、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bを扉枠3側へ誘導し、球抜通路580bから放出された遊技球Bを基板ユニット620側へ誘導するものである。
[4−7a.球誘導ユニット]
払出ユニット560における球誘導ユニット570について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。球誘導ユニット570は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面上部に後方から取付けられ、タンクレール553からの遊技球Bを受取って払出装置580側へ遊技球Bを誘導するためのものである。
球誘導ユニット570は、遊技球Bが流通可能な蛇行状に延びた誘導通路570aを有しており前方へ開放されている箱状の誘導ユニットベース571と、誘導ユニットベース571の前側を閉鎖している平板状の誘導通路前蓋572と、誘導通路570a内を流通する遊技球Bにより可動する可動片部材573と、可動片部材573の可動を検知することで誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知する球切検知センサ574と、を備えている(図92を参照)。
球誘導ユニット570は、誘導ユニットベース571及び誘導通路前蓋572の正面視の形状が、上下に延びた四角形に形成されている。誘導通路570aは、誘導ユニットベース571の上面の左端付近において上方へ開口しており、上端から誘導ユニットベース571の高さ方向中央付近まで垂直に下方へ延びた後に、右方へ屈曲し、誘導ユニットベース571の左右方向の幅の間で折返しを繰返しながら蛇行状に下方へ延びて、誘導ユニットベース571の下面の左端付近において下方へ開口している。
誘導通路570aは、遊技球Bが流通する流通方向に対して、前後右方の奥行と、左右方向の幅とが、遊技球Bの外径よりも若干大きく形成されており、遊技球Bを一列で誘導することができる。
球誘導ユニット570は、上部付近において、可動片部材573が誘導通路570a内へ進退可能に取付けられている。詳しくは、可動片部材573は、上部が誘導通路570aの正面視右外側の部位で前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており、自重により下端の一部が誘導通路570a内へ突出するように形成されている。この可動片部材573は、誘導通路570a内へ突出している部位に遊技球Bが当接することで、突出している部位が遊技球Bに押されて誘導通路570a内から後退して突出していない状態となる。
球切検知センサ574は、可動片部材573の一部が誘導通路570a内へ突出している時には、可動片部材573を検知せず、可動片部材573の一部が誘導通路570a内から後退して突出していない時には、可動片部材573を検知する。従って、球切検知センサ574は、誘導通路570a内に遊技球Bが存在している時には検知の状態となり、誘導通路570a内に遊技球Bが存在していない時には非検知の状態となる。
球誘導ユニット570は、本体枠4に組立てた状態で、誘導通路570aの上流端が、タンクレール553の下流端と連通していると共に、誘導通路570aの下流端が、払出装置580の払出通路580aの上流端と連通している。球誘導ユニット570は、遊技球Bを誘導する誘導通路570aが蛇行状に延びていることから、球誘導ユニット570の全高によりも誘導通路570aが長く延びており、誘導通路570a内に多くの遊技球Bを貯留することができる。また、球誘導ユニット570は、球切検知センサ574によって誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知することができるため、誘導通路570aを介して球タンク552内の遊技球Bの有無を検知することができる。
[4−7b.払出装置]
払出ユニット560における払出装置580について、主に図87乃至図90等を参照して詳細に説明する。図89は、払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。図90(a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図である。払出装置580は、払出ベースユニット550の払出ベース551における背板左部551eの後面の球誘導ユニット570の下側に後方から着脱可能に取付けられる。
払出装置580は、後方へ開放された箱状で遊技球Bが流通可能な払出通路580a及び払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bを有している払出装置本体581と、払出装置本体581を後側から閉鎖している平板状の払出装置後蓋582と、払出装置本体581の前側に取付けられており後方へ開放された浅い箱状の払出装置前蓋583と、を備えている。
また、払出装置580は、払出装置本体581の後面に取付けられており回転軸が払出装置本体581と払出装置前蓋583との間に突出している払出モータ584と、払出モータ584の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア585と、駆動ギア585と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア586と、第一伝達ギア586と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア587と、第二伝達ギア587と噛合している平歯車状の払出ギア588a及び払出ギア588aよりも外方へ延出している複数の検知片588bを有し払出装置本体581と払出装置前蓋583との間で回転可能に取付けられている払出ギア部材588と、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間で払出ギア部材588と一体回転し払出通路580a内に突出している複数の羽根片589aを有した払出羽根589と、払出装置本体581の後側に取付けられており払出ギア部材588の検知片588bを検知する羽根回転検知センサ590と、を備えている。
更に、払出装置580は、払出通路580aの下流端において払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって取付けられており遊技球Bを検知する払出検知センサ591と、払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって払出通路580aから分岐する部位で球抜通路580bを開閉可能に取付けられている球抜可動片592と、球抜可動片592が球抜通路580bを閉鎖している位置で保持可能とされており払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって上下方向へスライド可能に取付けられている球抜レバー593と、を備えている。
払出装置580は、平面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。払出装置580は、左右方向の幅が、球誘導ユニット570の左右方向の幅よりも正面視右方へ大きく形成されている。
払出装置580の払出通路580aは、図89に示すように、背面視において、上流端が左右方向の中央から左寄りの位置で上方へ開口しており、下流端が左右方向の右端付近の位置で下方へ開口している。払出通路580aは、上流端から下方へ向かうに従って少しずつ左方へ移動するように上から全高の約1/3の高さほど下方へ斜めに延び、そこから右方やや斜め下へ折れ曲がった後に、左右の幅の約1/3のところで折れ曲がって払出羽根589の中心(回転軸)へ向かうように下方へ略垂直に延びている。そして、払出羽根589の中心よりも上側において、遊技球Bの外径よりも若干大きい幅で背面視右方へ折れ曲がった後に、払出羽根589の外周との間に遊技球Bよりも若干大きい隙間が形成されるように払出羽根589と同心円の円弧状に下方へ延びた上で、払出羽根589の中心よりも背面視右方の位置で下流端まで下方へ垂直に延びている。
払出通路580a内において、払出羽根589よりも下方で下流端の直上に払出検知センサ591が配置されている。
球抜通路580bは、払出通路580a内における上流端から斜め下方へ延びて右方へ折れ曲がっている部位で分岐して、背面視左辺に沿って下端まで垂直に延びており、底面の背面視における左端付近で下方へ開口している。
払出装置本体581及び払出装置後蓋582は、払出通路580aと球抜通路580bとが分岐している部位における球抜可動片592が取付けられている側において、互いに対向し遊技球Bの外径よりも狭い隙間を形成するように夫々から後方及び前方へ突出していると共に、夫々が払出通路580aと球抜通路580bの背面視における左側壁と連続するように形成されている本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aを備えている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、払出通路580aにおける球抜通路580bと分岐して上から約1/3の高さの位置で背面視右方へ延びている部位の背面視左方の位置に形成されている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、背面視において左斜め上へ窪むように湾曲しており、主に球抜通路580bの側壁を構成するように形成されている。本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って球抜可動片592が回動する。
払出モータ584は、払出装置本体581における払出通路580aが上流端から斜め下方へ延びている部位の背面視右方に取付けられている。駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588は、払出装置本体581の前方に配置されており、前側が払出装置前蓋583によって被覆されている。払出ギア部材588は、外方へ延出している平板状の検知片588bが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。
払出羽根589は、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間に配置されている。払出羽根589は、外方へ平板状に延出している複数の羽根片589aが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。羽根片589aは、払出通路580a内における上方から回転軸に向かって延びた後に背面視右方へ延びている部位において、払出通路の側壁との間が遊技球Bの外径よりも狭くなるように、払出通路580a内へ突出している。払出羽根589は、三つの羽根片589aの間に、中心側へ遊技球Bの半径よりも若大きい半径の円弧で窪んだ球収容部589bを備えている。この球収容部589bには、遊技球Bを一つのみ収容可能とされている。これにより、払出羽根589は、羽根片589aによって払出通路580a内の遊技球Bが、払出羽根589よりも下流側へ移動するのを規制することができると共に、背面視時計回りの方向へ回転することで球収容部589bに収容された遊技球Bを下流側へ移動させることができる。
払出ギア部材588と払出羽根589は、払出装置後蓋582と払出装置前蓋583とによって同軸上で一体回転可能に取付けられている。羽根回転検知センサ590は、背面視において、払出ギア部材588の回転軸の背面視左方に配置されている。羽根回転検知センサ590は、払出羽根589と一体回転する払出ギア部材588の検知片588bを検知することで、払出羽根589の回転を検知するためのものである。
球抜可動片592は、上端が、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの上端において前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。球抜可動片592は、く字状に屈曲しており、窪んでいる側が払出通路580a内を向くように取付けられている。球抜可動片592は、前後方向の奥行が、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間の隙間よりも小さく形成されており、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの間の隙間を通って、球抜通路580b内へ突出したり球抜通路580b外へ後退したりすることができる。
球抜レバー593は、球抜可動片592の上端付近の背面視左方において上下方向へスライド可能に、払出装置本体581及び払出装置後蓋582に取付けられている。球抜レバー593は、一部が払出装置後蓋582を貫通して後方へ突出しており、その突出している部位を操作することで、スライドさせることができる。球抜レバー593は、下降端に位置させることで、下部が球抜可動片592と当接可能となり、球抜可動片592の背面視時計回りの方向への回動を規制することができ、球抜可動片592によって球抜通路580bを閉鎖させることができる。また、球抜レバー593は、上昇端に位置させることで、球抜可動片592を球抜通路580bの外側へ回動できるようにすることができ、球抜通路580bを開くことができる(図90を参照)。
球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態とすると、球抜可動片592の上流側で数珠繋ぎのような状態となっていた遊技球Bが、球抜可動片592を越えて球抜通路580b側へ流下することとなる。この際に、球抜通路580bが払出通路580aの上流側から真直ぐに直線状に延びているため、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、真直ぐに球抜通路580b側へ流下すると共に、球抜通路580bの下流側が島設備側に連通していることから、払出羽根589のように遊技球Bの流れを抑制するようなものがないため、遊技球Bが払出通路580a側よりも早く流下することとなる。
このように、球抜可動片592を回動可能としている状態では、球抜通路580b内を遊技球Bが早い速度で流下することから、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592の下端側に遊技球Bが勢い良く当接することとなるが、球抜可動片592が払出装置本体581の本体側ガイド壁581aと払出装置後蓋582の後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの内面よりも外側へ移動することができることから、その当接の力によって球抜可動片592が球抜通路580bの外側へ移動することとなるため、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、遊技球Bにより球抜可動片592に強い力が作用しないようにすることができ、遊技球Bの衝突による球抜可動片592の耐久性の低下や破損を抑制させることができる。
このようなことから、球抜可動片592を破損し難くすることができることから、球抜通路580bの下流側の島設備側へより多くの遊技球Bをより早く排出させることができるため、パチンコ機1の交換やメンテナンス等にかかる時間の増加を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、球抜可動片592が回動可能な状態の時に、球抜可動片592が遊技球Bよりも狭い間隔の本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの外側へ移動するため、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592に遊技球Bが当接することで球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して外側へ移動する際に、球抜可動片592と一緒に遊技球Bが本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間側へ移動しても、遊技球Bよりも間隔の狭い本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間により、遊技球Bのみが外側への移動を阻止することができる。
そして、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間によって遊技球Bの外側への移動が阻止されることで、球抜可動片592から遊技球Bが離れることとなり、その後の球抜可動片592の移動が慣性力によることとなるため、球抜可動片592に対して強い力が作用することはなく、球抜可動片592を破損し難くすることができると共に、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間から遊技球Bが球抜通路580bの外側へ飛び出すことはなく、遊技球Bを球抜通路580bの下流側へ確実に流通させることができる。
[4−7c.上部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における上部満タン球経路ユニット600について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット600は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面下部で払出装置580の下側に後方から取付けられる。上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580から下方へ放出され遊技球Bを、下部満タン球経路ユニット610へ誘導するためのものである。上部満タン球経路ユニット600は、正面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。
上部満タン球経路ユニット600は、払出ベース551に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース601と、上部満タンベース601の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー602と、上部満タンカバー602の上端付近に回転可能に取付けられており払出装置580を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材603と、を備えている。上部満タンベース601は、正面視右辺から右方へ突出しており、裏カバーを取付けるための裏カバー取付部601aを備えている。
また、上部満タン球経路ユニット600は、上面における正面視左端付近において上方へ開口しており下から全高の約2/3の高さの位置まで左辺に沿って下方へ延出している上部払出球受通路600aと、上部払出球受通路600aと連通しており正面視右方へ全幅の約3/4ほど延びていると共に下から全高の約1/6の高さまで下方へ延出している上部球貯留通路600bと、上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視左側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部通常払出通路600cと、上部通常払出通路600cと隣接し上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視右側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部満タン払出通路600dと、上面における正面視右端付近において上方へ開口して下方へ略垂直に延びた後に下面の右端付近において下方へ開口している上部球抜通路600eと、を備えている(図92を参照)。
上部満タン球経路ユニット600は、下面において、正面視左側から、上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eが、順に並んで下方へ開口している。上部満タン球経路ユニット600は、払出ユニット560に組立てた状態で、上部払出球受通路600aの上流端が、払出装置580における払出通路580aの下流端の直下で開口しており、上部球抜通路600eの上流端が、払出装置580における球抜通路580bの下流端の直下で開口している。これにより、払出装置580の払出通路580aから放出(払出)された遊技球Bは、上部払出球受通路600a及び上部球貯留通路600bを通って、上部通常払出通路600c又は上部満タン払出通路600dの何れかから下方へ放出される。また、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部球抜通路600eを通って下方へ放出される。
[4−7d.下部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610について、主に図87及び図88等を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット610は、払出ベースユニット550における払出ベース551の底板部551gに載置されると共に、上部満タン球経路ユニット600の下部に取付けられる。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600から下方へ放出された遊技球Bを、扉枠3側へ誘導したり、基板ユニット620側へ誘導したりするものである。下部満タン球経路ユニット610は、前端側が低くなるように前後方向に延びていると共に、後端が上方へ延びている。
下部満タン球経路ユニット610は、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cを有しており前後方向に延びていると共に上方へ開放されている下部満タンベース611と、下部満タンベース611の上側に取付けられている下部満タンカバー612と、下部満タンベース611の前端に前後に延びた軸周りに回動可能に取付けられており下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を開閉可能としている払出通路開閉扉613と、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を閉鎖する方向へ払出通路開閉扉613を付勢している閉鎖バネ614と、を備えている。
下部満タン球経路ユニット610は、後端の上方へ延びている部位の上面に、正面視左から順に、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cが並んだ状態で、夫々の上流端が上方へ向かって開口している。下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bは、左右に並んだ状態で前方へ延びた上で、下部満タン球経路ユニット610の前端において前方へ向かって開口している。下部満タン払出通路610bは、下部通常払出通路610aよりも若干低い状態で前方へ延びている。下部球抜通路610cは、下部満タン払出通路610bの正面視右側面に沿って前方へ延びており、前後方向の途中において右方へ向かって開口している。
払出通路開閉扉613は、下部通常払出通路610aと下部満タン払出通路610bとの夫々の前端開口の間の位置で回動可能に取付けられている。この払出通路開閉扉613は、閉鎖バネ614によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、通常の状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の前端開口(下流端開口)を閉鎖している。払出通路開閉扉613は、前方へ突出している作動突部613aを備えている。作動突部613aは、正面視の形状が、払出通路開閉扉613の回動中心を中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。この作動突部613aは、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、扉枠3におけるファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接するように形成されている。
下部満タン球経路ユニット610は、払出ユニット560に組立てた状態で、後部上端において上方へ開口している下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、下部球抜通路610cが、夫々上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eの下流端の直下に位置している。これにより、上部通常払出通路600cから下方へ放出された遊技球Bは、下部通常払出通路610aを流通し、上部満タン払出通路600dから下方へ放出された遊技球Bは下部満タン払出通路610bを流通し、上部球抜通路600eから下方へ放出された遊技球Bは下部球抜通路610cを流通することとなる。
また、下部満タン球経路ユニット610は、パチンコ機1に組立てた状態で、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端(下流端)が、扉枠3におけるファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bの直後で開口している。また、下部球抜通路610cの下流端は、基板ユニット620のベースユニット620bにおける左方へ開口した球抜誘導部627と対向するように開口している。
下部満タン球経路ユニット610は、通常の状態(本体枠4に対して扉枠3を閉じている状態)では、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接することで、閉鎖バネ614の付勢力に抗して正面視反時計回りの方向へ回動している。これにより、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が開いた状態となっており、ファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bと連通した状態となっている。
一方、本体枠4に対して扉枠3を開いた状態とすると、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fから離れることとなり、払出通路開閉扉613が閉鎖バネ614の付勢力によって正面視時計回りの方向へ回動し、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの夫々の下流端の開口が閉じられた状態となる。この状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610b内の遊技球Bが、夫々の前端開口から前方へ移動することができなくなる。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開けても、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bから遊技球Bがこぼれることはない。
[4−7e.払出ユニットにおける遊技球の流れ]
続いて、払出ユニット560における遊技球Bの流れについて、主に図92を参照して詳細に説明する。払出ユニット560は、本体枠4に組立てた状態では、払出ベース551の後面に取付けられている。通常の状態では、払出装置580の球抜レバー593が下降端に位置しており、払出通路580aから分岐している球抜通路580bを分岐部分において閉鎖している。また、下部満タン球経路ユニット610では、払出通路開閉扉613が開状態となっている。
上方へ開放されている球タンク552には、パチンコ機1を設置している遊技ホール島設備から、例えば、球誘導ユニット570の球切検知センサ574による球切れの検知に基づいて、所定数の遊技球Bが供給される。球タンク552に供給・貯留された遊技球Bは、タンクレール553によって一列に整列された状態で、球誘導ユニット570の誘導通路570aを通って払出装置580の払出通路580a内へと送られる。払出モータ584が回転していない状態では、遊技球Bが払出羽根589よりも下流側へ移動(流下)することができず、払出羽根589よりも上流側に複数の遊技球Bが滞留した状態となる。
そして、球誘導ユニット570の誘導通路570a内の遊技球Bが可動片部材573を押圧し、球切検知センサ574が可動片部材573を検知することなる。これにより、少なくとも可動片部材573から払出羽根589までの間の通路内に遊技球Bが貯留されていることが判る。
この状態で、払出モータ584により払出羽根589が背面視時計周りの方向へ回転すると、球収容部589bに収容された遊技球Bが背面視時計回りの方向へ移動し、払出通路580aにおける払出羽根589よりも下流側へ放出される。そして、払出羽根589(球収容部589b)から放出された遊技球Bは、払出検知センサ591に検知された後に、上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへと送られる。
上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへ送られた遊技球Bは、通常の状態では、上部球貯留通路600bを通って、上部払出球受通路600aの直下に配置されている上部通常払出通路600cへと流下する。そして、上部通常払出通路600cへと流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a、扉枠3のファールカバーユニット150の貫通球通路150aを通って、皿ユニット200における皿ユニットベース211の上皿球供給口211aから上皿201内へ放出される。
払出装置580から多くの遊技球Bが払出されて、上皿201内が遊技球Bで一杯になると、上皿球供給口211aから前方へ遊技球Bを放出することができなくなるため、払出装置580から払出された遊技球Bが、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a内に滞留するようになり、更に遊技球Bが払出されると、下部通常払出通路610aと上流側で連通している上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c内にも滞留することとなる。そして、上部通常払出通路600c内が遊技球Bで一杯になった状態で、更に遊技球Bが払出されると、上部通常払出通路600cの上流側で連通している上部球貯留通路600b内に遊技球Bが滞留し始める共に、遊技球Bが上部通常払出通路600cと隣接している上部満タン払出通路600d側へ流下し初める。
そして、上部満タン払出通路600d側へ流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bを通って、扉枠3のファールカバーユニット150における満タン球受口150bに受けられる。その後、満タン球受口150bに受けられた遊技球Bは、貯留通路150e、球放出口150d、及び皿ユニットベース211の下皿球供給口211cを通って下皿202内へ放出される。これにより、上皿201が遊技球Bで満タンになった状態で、更に遊技球Bが払出された場合、遊技球Bを自動的に下皿202へ払出させることができる。
なお、下皿202が遊技球Bで一杯になって、下皿球供給口211cから前方へ遊技球Bを放出することができなくなった状態で、更に遊技球Bが払出されると、下皿球供給口211cの上流側のファールカバーユニット150の貯留通路150e内に遊技球Bが滞留して貯留されることとなる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、可動片153が可動して満タン検知センサ154に検知され、上皿201及び下皿202が遊技球Bで満杯(満タン)になっていることを遊技者に案内すると共に、払出装置580の払出モータ584を、満タン検知センサ154が非検知の状態となるまで一時的に停止させる。
パチンコ機1のメンテナンスや交換等の際に、球タンク552内に貯留されている遊技球Bをパチンコ機1から排出する場合は、払出装置580の球抜レバー593を下降端の位置から上方へスライドさせて上昇端の位置の状態とする。その後、球抜可動片592の下端側が遊技球Bに押されて、背面視時計回りの方向へ回動することとなり、球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って、球抜通路580bの外側へ押し出された状態となる。これにより、払出通路580aから分岐している球抜通路580bへ遊技球Bが進入可能となり、上流側の遊技球Bが球抜通路580bを通って下方へ放出される。
この際に、球抜可動片592の部位では、流下する遊技球Bが、球抜可動片592よりも本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに強く当接するため、球抜可動片592が破損し難くなっている。
そして、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部満タン球経路ユニット600の上部球抜通路600e、及び下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cを通って、下部球抜通路610cの下流端開口から基板ユニット620の球抜誘導部627へ放出された後に、排出球受部628及び球排出口629を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出される。
[4−8.基板ユニット]
本体枠4における基板ユニット620について、主に図93乃至図97等を参照して詳細に説明する。図93(a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。図94は、基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。図95は基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図96は基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図97は、左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェースユニット620eと、を備えている。
スピーカユニット620aは、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカカバー621と、スピーカカバー621の後面における正面視左端付近において前方へ向けて取付けられている本体枠スピーカ622と、本体枠スピーカ622の後側を覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられており前方へ開放された容器状のスピーカボックス623と、を備えている。
スピーカカバー621は、左右方向へ延びており、正面視左端付近において前後に貫通しており上下に延びた複数のスリットにより構成されている円形状のスピーカ取付部621aと、スピーカ取付部621aの正面視右方側で後方から前方へ膨出するように窪んでいる空間用前凹部621bと、空間用前凹部621bの下面から下方へ突出していると共に左右方向へ延びており斜め下後へ向けて開口している接続部621cと、を備えている。
スピーカカバー621のスピーカ取付部621aに、後側から本体枠スピーカ622が前方へ向けて取付けられる。また、スピーカカバー621の接続部621cは、下端が外枠2の外枠下組立体40における幕板後部材43の接続筒部43aの上端と一致するように45度の角度で傾斜している。本体枠スピーカ622は、主に低音を出力するコーン型スピーカとされている
スピーカボックス623は、前方へ開放された容器状に形成されており、本体枠スピーカ622の後側となる部位が後方へ最も大きく突出しており、正面視右方へ向かうに従って、階段状に後方への突出が小さくなるように形成されている。これにより、スピーカボックス623の正面視中央より右側の後方の空間を十分に確保することができ、ベースユニット620bや電源ユニット620c等が配置できるようにしている。スピーカボックス623は、スピーカカバー621の接続部621cを除いた後面の全体を被覆する(閉じる)ように形成されている。
スピーカユニット620aは、スピーカカバー621とスピーカボックス623とで本体枠スピーカ622から後方へ出力されるサウンドを封じ込めるエンクロージャ624の一部を形成している。このエンクロージャ624は、スピーカカバー621においてスピーカ取付部621aの正面視右方に前方へ膨出した空間用前凹部621bが形成されていることから、スピーカボックス623が右方へ向かうに従って後方への突出量が小さくなるように階段状に形成されていても、本体枠スピーカ622よりも右方の空間を充分に広く確保されている。
スピーカユニット620aは、外枠2に対して本体枠4を閉じた状態とすると、スピーカカバー621の接続部621cがシール部材48を挟むように接続筒部43aに接続され、本体枠スピーカ622の後方の空間と、外枠2の幕板内部空間40aとが連通した状態となる。従って、本体枠スピーカ622の後側に、スピーカカバー621、スピーカボックス623、幕板前部材42、及び幕板後部材43によって、広い空間のエンクロージャ624を形成することができ、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを幕板前部材42の開口部42aから前方へ出力(放射)させることができる。
詳述すると、上述したように、スピーカユニット620aでは、本体枠スピーカ622の後方の空間(エンクロージャ624の一部)を、比較的広い奥行で正面視右方まで延出させて、接続部621c及び接続筒部43aを介して外枠下組立体40側へ連通させていることから、本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドにおいて、特に低音域を減衰させることなく、外枠下組立体40側へ伝達させることができると共に、伝達された低音域を二つのポート部材47を通すことで共振・増幅させて幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射することができる。
この際に、幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射されるサウンドは、位相が反転された状態で、放射されるようにしているため、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されたサウンドに対して、増幅させるように共振することとなり、本体枠スピーカ622の口径が小さくても重低音が響く大きなサウンドを出力することができる。
つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。これにより、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されるサウンドと、本体枠スピーカ622の後面から出力されて外枠2のグリル部材46から放射されるサウンドとによって、豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
また、スピーカユニット620aは、スピーカカバー621に、スピーカ取付部621aの下部と空間用前凹部621bとの間の位置で前後方向に貫通している貫通口621dが形成されていると共に、スピーカボックス623に、貫通口621dと連通して筒状に延びており前後に貫通している貫通筒623aが形成されている。スピーカユニット620aに組立てた状態では、貫通口621dと貫通筒623aが互いに連通し、エンクロージャ624とは独立した状態となる。これら貫通口621d及び貫通筒623aには、接続ケーブル503が挿通される。
基板ユニット620のベースユニット620bは、スピーカボックス623の一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられる前ベース625と、前ベース625の後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる後ベース626と、を備えている。
また、ベースユニット620bは、前ベース625と後ベース626とで協働して形成しており、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導する球抜誘導部627と、球抜誘導部627の下流側で正面視右方において上方へ開口しており遊技盤5から下方に排出された遊技球Bを受ける排出球受部628と、球抜誘導部627及び排出球受部628を通った遊技球Bを下方へ排出する球排出口629と、を備えている。
球抜誘導部627は、上流端が正面視において左側面の上部に左方へ向けて開口しており、下流端が排出球受部628の左端側に開口している。球抜誘導部627は、本体枠4に組立てた状態で、上流端の開口が、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cの下流端開口と一致するように対向しており、下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って、排出球受部628へ誘導することができる。
排出球受部628は、上方へ開放されていると共に、左右に長く延びている。排出球受部628の底面は、正面視左端が球抜誘導部627の底面と連続しており、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。
ベースユニット620bは、球タンク552から抜かれた遊技球Bや、遊技盤5から排出された遊技球Bを、球抜誘導部627や排出球受部628によって正面視右方へ誘導した後に、球排出口629から下方へ排出するようにしているため、正面視において左右方向中央より左側の空間を広く確保し易くすることができる。これにより、スピーカユニット620aのエンクロージャ624の空間を広くすることができ、従来のパチンコ機よりも豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
基板ユニット620の電源ユニット620cは、ベースユニット620bの後ベース626の後側に取付けられている電源基板630と、電源基板630の後側を覆うように後ベース626に取付けられている電源基板カバー631と、を備えている。
払出制御ユニット620dは、電源ユニット620cにおける電源基板カバー631の後側に着脱可能に取付けられる箱状の払出制御基板ボックス632と、払出制御基板ボックス632内に収容されている払出制御基板633(図97を参照)と、を備えている。払出制御基板633は、皿ユニット200における球貸操作ユニット220の球貸ボタン224の押圧操作や、遊技盤5の主制御基板等からの払出コマンドに応じて、払出装置580の払出モータ584を制御して、指示された数の遊技球Bを遊技者側(上皿201又は下皿202)に払出すためのものである。払出制御基板ボックス632は、開閉の痕跡が残るように形成されている。これにより、払出制御基板633に対する不正な改造を察知することができ、不正行為に対する抑止力を高めている。
インターフェースユニット620eは、スピーカユニット620aにおけるスピーカボックス623の後側に取付けられている基板ベース634と、基板ベース634の後面に取付けられているインターフェース基板635と、インターフェース基板635の後側を覆うように基板ベース634に取付けられているインターフェース基板カバー636と、を備えている。
基板ベース634は、スピーカボックス623の後面における本体枠スピーカ622の後方となる後方へ最も突出している部位に取付けられている。インターフェース基板635は、接続ケーブル503の一方(本体枠4側)の端部が接続されている。インターフェース基板635は、電源基板630、払出制御基板633、主制御基板、周辺制御基板、等が接続されると共に、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットと接続される。インターフェース基板カバー636は、払出制御ユニット620dの一部を覆うように基板ベース634(インターフェース基板635)よりも正面視右方へ延出している。
[4−9.裏カバー]
本体枠4における裏カバー640について、主に図76乃至図82を参照して詳細に説明する。裏カバー640は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b内に前方から挿入されて取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。裏カバー640は、正面視における右辺が、本体枠ベース501の後方延出部501jの上下に延びている後端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられる。
裏カバー640は、上下左右に延びた平板の正面視右辺側が前方へ折り曲げられたような形状に形成されており、本体枠4に組立てた状態で、後面が払出ベース551の背板上部551dの後面と略同一面上に位置するように形成されている。裏カバー640は、前後に貫通し上下に延びている複数のスリット641が形成されている。本実施形態では、裏カバー640は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠4内を視認することができる。
[4−10.施錠ユニット]
本体枠4における施錠ユニット650について、主に図98を参照して詳細に説明する。図98(a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。施錠ユニット650は、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠するものである。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501の後方延出部501jの右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、ユニットベース651の前端下部から前方へ突出しており回転方向によって扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、を備えている。
また、施錠ユニット650は、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、ユニットベース651の前端における伝達シリンダ654よりも上方の位置から前方へ突出しており下方へスライドさせることで、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠4に組立てた状態で、複数(三つ)の扉枠用鉤652、伝達シリンダ654、及び外枠用開錠レバー656が、本体枠ベース501の前面よりも前方へ突出している。伝達シリンダ654は、本体枠ベース501のシリンダ挿通口501fを通って前方へ突出し、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすることで、前端が扉枠3のシリンダ錠130の回転伝達部材133と係合し、鍵穴132に挿入された鍵の回転が伝達されて回転する。
施錠ユニット650は、複数(三つ)の扉枠用鉤652が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠補強ユニット110の鉤掛部材116に係止され、複数(二つ)の外枠用鉤653が、外枠2における外枠右組立体20の上鉤掛部材24と下鉤掛部材25とに係止される。
施錠ユニット650は、パチンコ機1に組立てた状態で、シリンダ錠130の鍵穴132に対応している鍵を差し込んで、正面視反時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の扉枠用鉤652が上方へ移動し、本体枠4に対して扉枠3が開錠される。一方、鍵を正面視時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。本体枠4に対して扉枠3を開いた状態では、外枠用開錠レバー656を下方へスライドさせると、複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。このようにして、本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間の施錠を、開錠することができる。
本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間を施錠する場合は、扉枠用鉤652及び外枠用鉤653の先端側が細くなるように傾斜しているため、本体枠4に対して扉枠3を閉じたり、外枠2に対して本体枠4を閉じたりすると、扉枠用鉤652や外枠用鉤653が、鉤掛部材116や上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25を乗り越えるように下方や上方へ移動した後に、錠バネ655の付勢力によって施錠状態となる。
[5.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図99乃至図101を参照して詳細に説明する。図99はパチンコ機における遊技盤の正面図である。図100は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図101は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005が備えられている。従って、遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005等に、受入れられたり通過したりするように、ハンドル182の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている(図示は省略)。また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図102を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左下隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が取付けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて何れかにおいて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002と一つの一般入賞口2001を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており二つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに取付けられている枠状のセンター役物2500と、を備えている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、裏箱3010の後面における開口部3010aよりも下側で背面視左端に取付けられているパネル中継基板3031と、裏箱3010内に取付けられている複数の裏演出ユニット3100と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図99乃至図101を参照して詳細に説明する。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。アウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球Bは、アウト口1008を通って前構成部材1000(遊技パネル1100)の後方へ排出される。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー170の後方へ突出した後方突片172が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の切欠部1122と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部1122を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
[5−2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図99乃至図101を参照して詳細に説明する。遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダ1120よりも薄く、障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト口1008と対応した位置に下端から上方へ窪んだアウト凹部1111が形成されている。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本例では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ上で、内側が略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通している貫通口1121を備えている。
また、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1122を備えている。この切欠部1122は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部1122を貫通して貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
[5−3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダ1200について、主に図100及び図101を参照して詳細に説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部1201を有している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている。
基板ホルダ1200は、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部1201が、本体枠4の基板ユニット620におけるベースユニット620bの排出球受部628の直上に位置している。これにより、アウト口1008を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球B、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球B、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方の排出球受部628へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図100及び図101を参照して詳細に説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する主制御基板1310(図102を参照)と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、インターフェース基板635、及び周辺制御基板1510と、接続されている。また、主制御基板1310は、パネル中継基板3031を介して、機能表示ユニット1400、ゲートセンサ2401、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403、始動口ソレノイド2404、アタッカソレノイド2405、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、磁気センサ3003、と接続されている。
[5−5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図99を参照して詳細に説明する。機能表示ユニット1400は、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左下隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の扉窓101aを通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、図99において拡大して示すように、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器1401と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器1402と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器1403と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器1404と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器1405と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器1406と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器1407と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器1408、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5−6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニット1500について、主に図101を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図102を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、図示は省略するが、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット300、扉枠3側の各種装飾基板、演出表示装置1600、等と接続されている。
[5−7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について、主に図99乃至図101を参照して説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした12inchのフルカラーの液晶表示装置である。演出表示装置は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
演出表示装置1600は、正面視左側面から外方へ突出している二つの左固定片1601と、正面視右側面から外方へ突出している右固定片1602と、を備えている。この演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部3010b内の正面視左内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの左固定片1601を挿入した上で、右固定片1602側を前方へ移動させて、右固定片1602をロック機構3020の開口部内に挿入し、ロック機構3020を下方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5−8.表ユニット]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図99乃至図101を参照して詳細に説明する。表ユニット2000は、遊技パネル1100のパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部が開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて何れかにおいて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005と、を備えている。
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部に配置されおり、左右方向中央に対して左側に三つ、右側に一つ夫々配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央で最下端にあるアウト口1008の直上に配置されている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における正面視右端付近で上下方向中央の下寄りに配置されている。第二始動口2004は、ゲート部2003の直下に配置されている。大入賞口2005は、左右方向中央より右側の一般入賞口2001の右上方で第一始動口2002と第二始動口2004との間の高さに配置されている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1008の直上に取付けられており一つの一般入賞口2001と第一始動口2002とを有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており二つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400と、遊技領域5a内の略中央に取付けられている枠状のセンター役物2500と、センター役物2500に取付けられている表演出ユニット2600と、を備えている。
表ユニット2000のアタッカユニット2400は、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2401と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403(カウントセンサとも称する)と、を備えている(図102を参照)。また、アタッカユニット2400は、ゲート部2003の遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果に応じて第二始動口2004を開閉させる始動口ソレノイド2404と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて大入賞口2005を開閉させるアタッカソレノイド2405と、を備えている。
表ユニット2000のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100、及びサイドユニット2200よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置された演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている各種演出ユニット等を前方から視認することができる。
枠状のセンター役物2500は、下辺を除いた全周が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方へ突出しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bが、枠内に侵入できないようになっている。
センター役物2500は、正面視左側の外周面に、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口しているワープ入口2501と、ワープ入口2501に進入した遊技球Bを放出可能とされ枠内に開口しているワープ出口2502と、ワープ出口2502から放出された遊技球Bを左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出可能なステージ2503と、を備えている。
センター役物2500のステージ2503は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100(パネル板1110)に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状に形成されている。このステージ2503は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(頂部)と、その左右両側の最も低くなっている部位(谷部)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、ステージ2503の左右方向中央の高くなっている部位(頂部)が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上に位置している。これにより、ステージ2503の中央から遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、正面視において上面の左右方向中央より右側と、右側面の上部とが、遊技領域5aの外周(外レール1001及び右レール1005)との間で遊技球Bの外径よりも若干大きい隙間が形成されるように取付けられている。そして、センター役物2500の右側面上部の下方にアタッカユニット2400が取付けられている。従って、遊技球Bがセンター役物2500の右側を流通するように遊技領域5a内に打込む(所謂、右打ちする)と、高い確率でゲート部2003に対して遊技球Bを通過させることができると共に、高い確率で開放されている(開いている)大入賞口2005に対して遊技球Bを受入させることができる。
表演出ユニット2600は、詳細に図示は省略するが、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、可動したり発光したりする複数の演出装飾体を備えており、可動演出や発光演出を行うことができるものである。表演出ユニット2600は、複数の演出装飾体を適宜用いて、発光演出や可動演出等を行うことが可能であり、それらを適宜組合せることで多彩なパターンの演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、各種の演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
表ユニット2000において、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後側の裏ユニット3000へ送られて一般入賞口センサ3001により検知された上で、下方の基板ホルダ1200へ排出される。また、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後側の裏ユニット3000へ送られて第一始動口センサ3002により検知された上で、下方の基板ホルダ1200へ排出される。
また、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2402に検知された後に、遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダ1200へ排出される。大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、大入賞口センサ2403に検知された後に、遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダ1200へ排出される。
[5−9.裏ユニット]
遊技盤5における裏ユニット3000について、主に図99乃至図101を参照して説明する。裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられており、後側に演出表示装置1600及び周辺制御ユニット1500が取付けられている。裏ユニット3000は、表ユニット2000の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003と、を備えている(図102を参照)。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、裏箱3010の後面における開口部3010aよりも下側で背面視左端に取付けられているパネル中継基板3031と、裏箱3010内に取付けられている裏演出ユニット3100と、を備えている。
裏ユニット3000の裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける背面視右辺において枠内の内側から外方へ向かって窪んでおり演出表示装置1600の左固定片1601が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの背面視左辺の上下方向中央において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構3020が取付けられる切欠部3010dと、を備えている。
裏箱3010の開口部3010aは、演出表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が上下にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に当接した状態で、パネルホルダ1120に取付けられる。裏箱3010は、裏演出ユニット3100等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
パネル中継基板3031は、主制御基板1310と、機能表示ユニット1400、ゲートセンサ2401、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403、始動口ソレノイド2404、アタッカソレノイド2405、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、及び磁気センサ3003との接続を中継するためのものである。
裏演出ユニット3100は、詳細に図示は省略するが、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、可動したり発光したりする複数の演出装飾体を備えており、可動演出や発光演出を行うことができるものである。裏演出ユニット3100は、複数の演出装飾体を適宜用いて、発光演出や可動演出等を行うことが可能であり、それらを適宜組合せることで多彩なパターンの演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、各種の演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[6.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図102を参照して説明する。図102は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からのコマンドに基づいて演出表示装置1600での演出画像の表示を制御する演出表示制御部1512と、を備えている。払出制御基板633は、遊技球Bの払出し等を制御する払出制御部633aと、ハンドル182の回転操作による遊技球Bの発射を制御する発射制御部633bと、を備えている。
[6−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、図102では詳細な図示は省略するが、図154に示すように、第一始動口センサ3002及び第二始動口センサ2402を直接主制御基板1310に接続し、磁気センサ3003、大入賞口センサ2403、一般入賞口センサ3001、ゲートセンサ2401、始動口ソレノイド2404、アタッカソレノイド2405は、パネル中継基板3031を介して主制御基板1310に接続するようにしてもよい。なお、制御構成についての詳細な説明は、図103乃至図153を用いて後述する。
主制御基板1310は、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポートと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路1310bと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路1310dと、主制御MPUに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチと、停電監視回路1310eと、を備えている。主制御MPUは、その内蔵されたROMやRAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板1310の主制御MPUは、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ3002、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2402、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検出する一般入賞口センサ3001、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2401、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、及び遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ3003(なお、後述では磁気検出センサ4024として記している)、等からの検出信号が夫々主制御I/Oポートを介して入力される。
主制御MPUは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポートから主制御ソレノイド駆動回路に制御信号を出力することにより、始動口ソレノイド2404、及びアタッカソレノイド2405に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポートから機能表示ユニット1400の状態表示器1401、普通図柄表示器1402、普通保留表示器1403、第一特別図柄表示器1404、第一特別保留数表示器1405、第二特別図柄表示器1406、第二特別保留数表示器1407、ラウンド表示器1408、等に駆動信号を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、ゲートセンサ2401、及び大入賞口センサ2403には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3001には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球Bが、第一始動口2002や第二始動口2004に頻繁に入球すると共に、ゲート部2003を頻繁に通過するため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2401による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2401には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、大入賞口2005が開放されて遊技球Bが頻繁に入球するため、大入賞口センサ2403による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、大入賞口センサ2403にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球Bが頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ3001による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3001には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPUは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板633に送信したり、この払出制御基板633からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポートを介して周辺制御基板1510の周辺制御部1511に送信したりする。なお、主制御MPUは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板633からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部1511に送信する。
主制御基板1310には、詳細な説明は後述するが、基板ユニット620の電源基板630から各種電圧が供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報をRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、RAMから完全に消去(クリア)される。このRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)は、払出制御基板633にも出力される。
また、主制御基板1310には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板630から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力する。この停電予告信号は、主制御I/Oポートを介して主制御MPUに入力される他に、払出制御基板633等にも出力されている。
[6−2.払出制御基板]
遊技球Bの払出し等を制御する払出制御基板633は、払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aと、発射ソレノイド542による発射制御を行うとともに、球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bと、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチと、メンテナンスの際に、球タンク552、タンクレール553、球誘導ユニット570、及び払出装置580内の遊技球Bを、パチンコ機1の外部(上皿201)へ排出して球抜き動作を開始するための球抜スイッチと、を備えている。
[6−2a.払出制御部]
払出制御基板633における払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aは、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPUと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポートと、払出制御MPUが正常に動作しているか否かを監視するための外部WDT(外部ウォッチドックタイマ)と、払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路と、払出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路と、を備えている。払出制御MPUには、その内蔵されたROMやRAMのほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部633aの払出制御MPUは、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポートを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板1310からのRAMクリアスイッチの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポートを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ154からの検出信号が入力されたり、球切検知センサ574、払出検知センサ591、及び羽根回転検知センサ590からの検出信号が入力される。
球誘導ユニット570の球切検知センサ574、払出装置580の払出検知センサ591及び羽根回転検知センサ590からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
また、ファールカバーユニット150の満タン検知センサ154からの検出信号は、払出制御入力回路に入力され、払出制御I/Oポートを介して払出制御MPUに入力される。
払出制御MPUは、払出モータ584を駆動するための駆動信号を、払出制御I/Oを介して払出モータ584に出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器に表示するための信号を、払出制御I/Oポートを介してエラーLED表示器に出力したり、パチンコ機1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポートを介して主制御基板1310にシリアル方式で送信したり、実際に払出した遊技球Bの球数を払出制御I/Oポートを介して外部端子板558に出力したりする。この外部端子板558は、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球Bの球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器(図示は省略)は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切検知センサ574からの検出信号に基づいて払出装置580内に遊技球Bがない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて払出装置580の払出通路580aと払出羽根589との間に遊技球Bがかみ込んで払出羽根589が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて払出検知センサ591に異常が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいてファールカバーユニット150内に貯留された遊技球Bで満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板633からCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払出していない遊技球Bの球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸ボタン224からの遊技球Bの球貸要求信号、及び返却ボタン225からのプリペイドカードの返却要求信号は、CRユニットに入力される。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球Bの球数を指定した信号を、払出制御基板633にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポートで受信されて払出制御MPUに入力される。またCRユニットは、貸出した遊技球Bの球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度の表示信号を球貸操作ユニット220へ出力し、この信号が球貸操作ユニット220の球貸表示部に入力されて表示される。
[6−2b.発射制御部]
発射制御部633bは、発射ソレノイド542による発射制御と、球送給ソレノイド145による球送給制御と、を行う。発射制御部633bは、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド542に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送給ソレノイド145に駆動信号を出力する球送給ソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送給ソレノイド駆動回路に出力する。
ハンドルユニット180の関係では、ハンドル182に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドル182の回転位置に応じて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル回転検知センサ189からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力され。
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル回転検知センサ189からの信号に基づいて、ハンドル182の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド542に出力する。一方、球送給ソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bを球送給ユニット140内に1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド542に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送給ソレノイド駆動回路から球送給ソレノイド145に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板633に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタを備えている。このキャパシタにより払出制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御基板633のRAMに記憶することができる。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板1310のRAMクリアスイッチが操作されると、払出制御基板633のRAMから完全に消去(クリア)される。
[6−3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、図102に示すように、主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部1511と、この周辺制御部1511からの制御データに基づいて、演出表示装置1600の描画制御を行う演出表示制御部1512と、を備えている。
[6−3a.周辺制御部]
周辺制御基板1510における演出制御を行う周辺制御部1511は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPUと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽、音声、及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
周辺制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の各装飾基板に送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の駆動モータ或いは駆動ソレノイドに送信したり、扉枠3に設けられた操作リング駆動モータ342、及び操作ボタン昇降駆動モータ367等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、演出表示装置1600に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を表示制御部用シリアルI/Oポートから演出表示制御部1512に送信したり、するほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
遊技盤5に設けられた表演出ユニット2600や裏演出ユニット3100の位置を検出するための各種検知センサからの検知信号は、周辺制御MPUに入力されている。また、扉枠3に設けられた演出操作ユニット300の押圧検知センサ381、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348からの検知信号は、周辺制御MPUに入力されている。
また周辺制御MPUは、演出表示制御部1512が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が演出表示制御部1512から入力されており、この動作信号に基づいて演出表示制御部1512の動作を監視している。
音源ICは、周辺制御MPUからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROMから音情報を抽出し、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510が収容された周辺制御基板ボックス1520から後方へ突出しているボリュームを回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。本実施形態では、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622とに、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、或いは、4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができる。
また、振動スピーカ354においても、他のスピーカと同様に、音源ICを用いて、周辺制御MPUからの制御データに基づいて音ROMから振動に変わる音情報を抽出し、押しボタン演出と合わせて使用される。例えば、演出表示装置1600に表示された「ボタンを押せ!!」、もしくは、こちらは音声を発生させるスピーカから発音される「ボタンを押せ!!」の音声を契機に遊技者が演出操作部301を押すこととなるが、このとき振動スピーカに振動に変わる音情報を利用して、操作部ベース320の底壁を振動板にみたてて振動スピーカの振動を演出操作部301へと伝える。このとき遊技者は、あたかも演出操作部301が震えたかのような感触を得ることになる。
ここで、振動スピーカ354は音情報を与えて、演出操作部301を振動させることを目的としており、共振により振動が得られるように音情報を与えることとなる。ここで、共振させるにあたっては、遊技機に取り付けられる振動スピーカ354の特性、振動スピーカを取り付ける部材の材質、硬さ、取り付け方法に左右されるため、特定の周波数のみの音情報を入力するようにした場合には、特性のばらつきによって共振せずに振動が得られない場合がある。本実施例では、これらの特性のばらつきを吸収すべく、入力する音情報の周波数を単一の周波数とはせずに、幅を持たせた周波数として入力している。本実施の遊技機では、40Hz±2Hzの正弦波、38Hzから42Hzを1Hz単位で各1周期、およそ1秒間に8回変化(スイープ)させている。これを断続的に、1秒スイープ入力しては、1秒後再び入力することを繰り返し行っている。
なお、出荷時における振動スピーカーの検査(動作確認)については、図125のフローチャートのステップS16〜S36に示されているような、RAMクリア処理における一連の処理を利用したり、RAMクリア処理を契機として行うようにしている。
本実施例に記載の遊技機では、電源遮断時には主制御基板1310が記憶する情報、及び、払出制御基板633が記憶する情報は同様な方法で記憶保持している。
具体的には、CPUが内蔵するRAMに対する電源供給端子に、通電中に電荷を蓄えるコンデンサを接続し、電源が遮断したときにコンデンサに蓄えられた電荷によって、電源供給するようにしている。
ここで、遊技機の出荷時には、十分な通電がされておらず、コンデンサには電荷が蓄えられておらず、RAMは不定な状態となる場合がある。そうすると、コンデンサに電荷が蓄えられていない状態で電源が供給された場合においては、電源遮断時に記録する、チェックサム値およびバックアップフラグの値が正常な値としては存在しないため、RAMが異常であると判定される。その場合は、CPUはRAMの全領域をクリアするとともに、電源投入時の状態に関するコマンドとして、RAMクリア報知コマンドをサブ制御基板に送信する。サブ制御基板は、RAMクリア報知音コマンドを受信すると、所定期間、例えば90秒間RAMクリアに関する報知を繰り返す。
本実施形態においては、このRAMクリア報知期間を利用して、振動スピーカの動作確認を行う。
サブ制御基板のCPUは、自己の状態がRAMクリア報知状態にあるときに押しボタンが操作された場合、前述したように、40Hz±2Hzの正弦波信号(38Hzから42Hzを1Hz単位で各1周期として、およそ1秒間に8回変化(スイープ))させる。これを断続的に、1秒スイープ入力しては、1秒後再び入力することを繰り返し行って、所定期間振動スピーカーに入力するよう制御する。
そもそもRAMには、例えば、大当たり中や確率変動中といった、遊技者が有利な状態にあるとき、一時的に停電が発生した場合の担保として情報を記憶しておく。逆に、閉店間際に確率変動状態になった場合や、遊技者の都合により確率変動状態で遊技をやめざるをえない状況が発生したときに遊技者間の公平を保つために、遊技機の状態を初期状態にすべく機能としてRAMクリア機能は備えられている。そして、電源が供給されるときにRAMクリアボタンを押しておくことで、押されていると判断したときにも、前記したRAMクリアにおける一連の処理を実行するものである。したがって、RAMクリア報知期間に振動スピーカの動作確認を行うようにしても、通常の営業中は意識的にRAMクリアしないかぎりは、突然、サブ制御基板の状態が振動スピーカの動作確認状態に移行することはない。
なお、本実施例に記載の遊技機の音源IC(又は内蔵IC)は、スピーカが接続可能な音声出力端子を6つ持ち、各チャンネルに設定された音声が内蔵ミキサーでミックスされて、各スピーカが接続された音声出力端子を介して出力される。
ここで、音声出力端子は、選択的に設定することが可能になっており、振動スピーカについては、複数備えられている音声出力端子のうち、1つを振動スピーカ専用の音声出力端子として設定している。
また、通常のスピーカにおける音声信号と、振動スピーカにおける振動のための信号は、いずれも同様の形態であるため、信号の生成については共通の音源ICを利用することができる。ただ、それぞれの機能や目的は異なるため、両者の混同を避けるべく、音声用として利用する音声出力端子と、振動発生源として利用する音声出力端子とを分けるようにすることが好ましい。このように設定しておくと、例えば、一斉に音量を均一に絞りたいときには、音量の調整を後述するメインボリューム等を用いて一括管理することが可能となるが、このような場合においても、同じようなタイミングで発生した振動スピーカによる演出が併せて絞り込まれることなく制御を行うことが可能となるように、音声と振動とを分けて制御することが可能となる。
なお、周辺制御部1511は、周辺制御MPUに内蔵された内蔵WDT(ウォッチドックタイマ)のほかに、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)も備えており、周辺制御MPUは、内蔵WDTと外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPUから演出表示制御部1512に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPUから遊技盤5の演出駆動基板に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド等は、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
演出駆動基板は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基づいた点灯信号又は点滅信号を、扉枠3に備えられた各装飾基板のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基づいた点灯信号又は点滅信号を遊技盤5に備えられた各装飾基板のLEDに出力したりする。
また、演出駆動基板は、受信した駆動コマンドに基づいた駆動信号を、扉枠3に備えられた操作リング駆動モータ342及び操作ボタン昇降駆動モータ367や、遊技盤5に備えられた各駆動モータ等に出力したりする。
[6−3b.演出表示制御部]
演出表示制御部1512は、演出表示装置1600の描画制御を行うものである。演出表示制御部1512は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての表示制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する表示制御ROMと、演出表示装置1600を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)と、演出表示装置1600に表示される画面の各種データを記憶する画像ROMと、この画像ROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされる画像RAMと、を備えている。
この表示制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDPを制御して演出表示装置1600の描画制御を行っている。なお、表示制御MPUは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部1511に出力する。また表示制御MPUは、VDPから実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
表示制御ROMは、演出表示装置1600に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、画像ROMに記憶されている各種データを画像RAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って演出表示装置1600に描画される画面データを、前もって、画像ROMから画像RAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
表示制御MPUは、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。このように、表示制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。
VDPは、表示制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて画像RAMからスプライトデータを抽出して演出表示装置1600に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを、演出表示装置1600に出力する。またVDPは、演出表示装置1600が、表示制御MPUからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を表示制御MPUに出力する。なお、VDPは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、演出表示装置1600の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを、演出表示装置1600に出力する方式である。
画像ROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。画像ROMの容量が大きくなると、つまり、演出表示装置1600に描画するスプライトの数が多くなると、画像ROMのアクセス速度が無視できなくなり、演出表示装置1600に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速い画像RAMに、画像ROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、この画像RAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態で画像ROMに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、演出表示装置1600に、纏まった単位として表示されるイメージである。例えば、演出表示装置1600に、種々の人物(キャラクタ)を表示させる場合には、夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、演出表示装置1600に複数人の人物を表示させる場合には、複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて演出表示装置1600に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「スプライトキャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのスプライトキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。このように、スプライトキャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
演出表示装置1600は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動される。演出表示装置1600は、演出表示制御部1512から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、演出表示装置1600は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[7.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図99を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット180のハンドル182を遊技者が回転操作することで、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bが、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込み強さは、ハンドル182の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘(図示は省略)が遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘に当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘の他に、遊技球Bの当接により回転する風車(図示は省略)が適宜位置に備えられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球Bは、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、図示しない複数の障害釘に当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球Bが、センター役物2500の外周面に開口しているワープ入口2501に進入すると、ワープ出口2502からステージ2503に供給される。
ステージ2503に供給された遊技球Bは、ステージ2503上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央の頂部、又は、頂部の左右両側の谷部、の何れかから前方へ放出される。ステージ2503の中央の頂部から遊技球Bが遊技領域5a内に放出されると、その頂部が第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、3個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
ステージ2503を転動している遊技球Bが、頂部の左右両側の谷部から遊技領域5a内に放出されと、始動口ユニット2100へ向かって流下する。センター役物2500のステージ2503から遊技領域5a内に放出された遊技球Bは、始動口ユニット2100の第一始動口2002、始動口ユニット2100やサイドユニット2200の一般入賞口2001、及びアタッカユニット2400の一般入賞口2001等、に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球Bが、ワープ入口2501に進入しなかった場合、サイドユニット2200により左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001、或いは、始動口ユニット2100の第一始動口2002や一般入賞口2001等、に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球Bが、センター役物2500の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入する(所謂、右打ちする)と、センター役物2500の右側を通ってアタッカユニット2400の上部へ放出される。この部位には、アタッカユニット2400におけるゲート部2003と第二始動口2004とが備えられており、ある程度の確率でゲート部2003を通過する。
そして、右打した遊技球Bが、ゲート部2003を通過すると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、閉鎖されている第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3〜10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。そして、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、4個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球Bが通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01〜60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。この普通変動時間が短いほど、ゲート部2003において「普通当り」を抽選した遊技球Bが、第二始動口2004に受入れられるようになる。
なお、遊技球Bがゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球Bがゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球Bが通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「中当り」、「小当り」、「確率変動(確変)当り」、「時間短縮(時短)当り」、を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「小当り」、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、「確変時短無し当り」、等がある。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、特別変動時間の経過後に、大入賞口2005が所定の開閉パターンで遊技球Bの受入れが可能な状態となる。大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。従って、大入賞口2005が遊技球Bを受入可能としている時に、大入賞口2005に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
特別抽選結果が「小当り」の場合、大入賞口2005が、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間、遊技球Bを受入可能な開状態となってから閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰返す。一方、特別抽選結果が「大当り」の場合、大入賞口2005が、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球Bの受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「2R大当り」であれば2ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各絵柄列を変動させ、変動表示されている絵柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの絵柄列の絵柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の絵柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの絵柄列が停止して各絵柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、小当り遊技、大当り遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、操作リング駆動モータ342により回転操作部302を回転させたり、振動させたり、回転操作をアシストしたり、回転操作を阻害したりすることができると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367により押圧操作部303を上昇させて目立たせることができ、演出操作部301の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板及び表演出ユニット2600や裏演出ユニット3100等を適宜用いて、発光演出や可動演出等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、周辺制御基板1510では、回転操作部302や押圧操作部303を操作する遊技者参加型演出において、遊技者が操作すべき操作を間違えたり、行わなかったりした時に、正しい操作を行わせるように遊技者にその旨を告知する。具体的には、例えば、中央押圧操作部303aの押圧操作が要求されている時に、外周押圧操作部303bを押圧操作したり、回転操作部302を回転操作した場合、振動スピーカ354により振動させたり演出表示装置1600にその旨を表示させたりする。
[8.本実施形態と本発明の関係]
本実施形態における扉枠3の皿ユニット200は本発明の膨出部に、本実施形態における上皿201及び下皿202は本発明の貯留皿に、本実施形態の演出操作ユニット300における演出操作部カバーユニット310のユニット下カバー311及びユニット前カバー312は本発明の装飾体に、本実施形態におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aは本発明の第一装飾部に、本実施形態におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bは本発明の第二装飾部に、本実施形態における皿中央上装飾基板314及び皿中央下装飾基板316は本発明の装飾体発光手段に、本実施形態における演出操作リング装飾基板352、中央ボタン装飾基板376及び外周ボタン装飾基板377は本発明の操作部発光手段に、夫々相当している。
[9.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、本体枠4を開閉可能に閉鎖している扉枠3における扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも下側の部位に、遊技球Bを貯留可能な上皿201及び下皿202を備えている皿ユニット200が前方へ膨出していると共に、皿ユニット200に、扉枠ベース101の全幅に対して約1/2の長さで前端が扉枠ベース101の前面から前方へ突出している演出操作部カバーユニット310を備えていると共に、演出操作部カバーユニット310の上面に同心円状に配置されている中央押圧操作部303a、外周押圧操作部303b、及び回転操作部302を備えている。これにより、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に取付けると、遊技領域5a内を視認可能な扉窓101aの下方において、上面に演出操作部301が取付けられている演出操作部カバーユニット310が前方へ大きく突出しているため、他のパチンコ機1よりも皿ユニット200(演出操作部カバーユニット310)を目立たせることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。また、扉枠3の下方において、演出操作部カバーユニット310(ユニット前カバー312)の前端を前方へ大きく突出させているため、上皿201の前端から演出操作部カバーユニット310を前方へ遠ざけることができると共に、演出操作部カバーユニット310の左右方向の長さを従来よりも長くすることができる。従って、遊技者が皿ユニット200の上面に手を置いたり上皿201に手を掛けたりしても、演出操作部カバーユニット310の全体に対して、遊技者の手によって隠される部位を少なくすることができるため、皿中央上装飾基板314及び皿中央下装飾基板316により演出操作部カバーユニット310(ユニット前カバー312)を発光装飾させた時に、遊技者に対してユニット前カバー312の発光装飾に気付かせ易くすることができ、遊技者が損した気分になるのを回避させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉窓101aの下方において、演出操作部カバーユニット310を前方へ大きく突出させていることから、遊技者が本パチンコ機1の前方に着座すると、演出操作部カバーユニット310におけるユニット前カバー312の前端が遊技者に対して可及的に接近した状態となるため、遊技状態に応じて皿中央上装飾基板314及び皿中央下装飾基板316によりユニット前カバー312を発光装飾させたり、演出操作リング装飾基板352、中央ボタン装飾基板376及び外周ボタン装飾基板377により演出操作部301を発光装飾させたりすると、その光が下方から遊技者を照射することとなり、ユニット前カバー312や演出操作部301の発光装飾によって遊技者の視線を下方のユニット前カバー312や演出操作部301へ向けさせることができると共に、遊技者の視線を下方に向けさせることで、前方に備えられている遊技領域5a内を遊技者の視界から遠ざけて、遊技領域5a内を視認させ難くすることができる。従って、遊技領域5a内において、例えば、演出表示装置1600による演出画像の場面が変化する時、可動体が可動する時、第二始動口2004や大入賞口2005が開閉動作する時、等の際に、ユニット前カバー312や演出操作部301を発光装飾させることで、遊技者を遊技領域5aの下方に向けさせ、その後、遊技者が視線を遊技領域5a内に戻した時に、演出画像や可動体等が変化していることで、遊技者を驚かせて強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、上述したように、遊技状態に応じてユニット前カバー312を発光装飾させることで注目させて、その隙に遊技領域5a内での演出を変化させることにより遊技者を驚かせることができるため、ユニット前カバー312の発光装飾によって遊技者にチャンスの到来(例えば、遊技者が有利となる有利遊技状態(「大当り遊技」)の発生)を示唆することができる。これにより、ユニット前カバー312の発光装飾に対してプレミアム感を付与することができるため、ユニット前カバー312が発光装飾するか否かによって遊技者をワクワク・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、ユニット前カバー312を前方へ大きく突出させていることから、遊技者がユニット前カバー312の全体を見ようとすると、パチンコ機1から遠ざかって見ることとなるため、遊技領域を含む遊技機全体が見易くなる。これにより、遊技者に対してワンテンポ置いたような気分にさせることができ、遊技者をリラックスさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、皿ユニット200の左右方向中央に前方へ大きく突出した演出操作部カバーユニット310を取付けているため、演出操作部カバーユニット310の存在感を際立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者に対する訴求力を高めて遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。また、前方へ突出している演出操作部カバーユニット310を左右方向中央に取付けていることから、遊技者の両手を前方へ伸ばし易くすることができるため、遊技領域5a内へ遊技球Bを打込むためのハンドル182の操作や、上皿201内に貯留されている遊技球Bの取扱い等を行い易くすることができ、遊技者にストレスを与え難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、演出操作部カバーユニット310のユニット前カバー312の上下に配置されている皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを、半円弧形状の断面が、外方へ膨出するように半円環状に延びるようにしていることから、円筒チューブ状のドーナツの半分が前方へ突出しているような形態としているため、遊技者に対して滑らかで柔らかな印象を与えることが可能となり、遊技者に対して落ち着いた気分で遊技を行わせることができ、遊技者を遊技に専念させて興趣の低下を抑制させることができると共に、遊技者が一見しただけで接触しても怪我のし難い安全なものであることを認識させることができ、遊技者を安心させることで遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310の上面から突出している演出操作部301とを同時に発光装飾させることで、扉窓101aの下方の前方へ膨出している皿ユニット200の全体を発光装飾させることができるため、皿ユニット200を目立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができ、全体の発光装飾により遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができると共に、遊技者の関心を演出操作部301に向けさせて操作を促すことができ、遊技者に演出操作部301を操作させることで遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを半ドーナツ状としているため、遊技状態に応じて皿中央上装飾基板314及び皿中央下装飾基板316により皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの全体を発光装飾させると、円環状の蛍光灯のような発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。発光装飾させる際に、例えば、一方から光が流れるように発光装飾させると、ドーナツの内部を光が移動して回転しているような発光演出を遊技者に見せることができるため、遊技者を驚かせて何か良いことがあるのではないかと思わせることができると共に、演出操作部カバーユニット310の上面に取付けられている回転操作部302を、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの光が回転している方向へと同じ方向へ回転操作させるように遊技者を促すことができる。或いは、上下に配置されている皿中央上装飾体312aと皿中央下装飾体312bとを交互に発光装飾させることで、光が上下に移動するような発光演出を、遊技者に見せることができると共に、上下に移動する光により遊技者に対して外周押圧操作部303bや中央押圧操作部303aの押圧操作を促すことができる。従って、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを適宜発光装飾させることにより遊技者に対して回転操作部302の回転操作を促したり、押圧操作部303の押圧操作を促したりすることができるため、遊技者に対して回転操作部302又は押圧操作部303を的確に操作させることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置すると、扉枠3における扉枠ベース101の扉窓101aの横(右側辺の外側)から前方へ延出している平板状の扉枠右サイドユニット410に、サイド窓内装飾部材412の前後方向へ円柱状に延びた三つのサイド窓内装飾部410bが上下方向へ間隔をあけて配置されているサイド窓410aが形成されており、通常の状態では、複数のサイド窓内装飾部410bを発光装飾させるサイド窓内装飾部装飾基板413のLEDが消灯しているため、サイド窓410aにおける三つのサイド窓内装飾部410bの間を通して、本パチンコ機1の横(島設備の端)から遊技領域5a内を視認することができる。従って、遊技をするパチンコ機として本パチンコ機1(本遊技盤5)を探している遊技者が、島設備に沿って本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、本パチンコ機1を簡単に見つけることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。その後、遊技者が本パチンコ機1の前方に着座すると、扉枠3の扉窓101aを通して遊技盤5の遊技領域5a内や機能表示ユニット1400及び演出表示装置1600を良好に視認することができるため、遊技領域5a内で遊技を行うことができ、遊技者に対して遊技を楽しませることができると共に、現在の遊技状態を機能表示ユニット1400及び演出表示装置1600によって知ることができる。
この際に、本体枠4に対して左側の側辺が扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126によりヒンジ回転可能に取付けられている扉枠3において、扉窓101aの左右方向両外側のうちヒンジの軸芯から遠い右外側から扉枠右サイドユニット410が前方へ延出していることから、扉枠右サイドユニット410にサイド窓410aが貫通していてもサイド窓内装飾部410bを含むその他の部位によって、近隣に位置している遊技者の視線を遮ることができるため、他の遊技者から遊技領域5aの全体を見え辛くすることができ、他の遊技者から見られているような感じを受け難くすることで他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行わせることができる。そして、遊技領域5a内において遊技が進行することで所定の遊技状態に変化すると、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDにより三つのサイド窓内装飾部410bを発光させて、その光によりサイド窓410a内を眩しくすることでサイド窓410aを通した視認性を変化させる。この際に、三つのサイド窓内装飾部410bを、円柱状としているため、光を帯状且つ放射状に放射させることができ、サイド窓内装飾部410bを眩しくさせて間から反対側を視認し難くすることができると共に、サイド窓内装飾部410bの発光によって遊技者の視線をサイド窓内装飾部410bに向けさせることが可能となり、サイド窓410aを通した反対側に対する関心を薄れさせてサイド窓410aを通した視認性を低下させることができ、隣等の他の遊技者から遊技領域5a内や機能表示ユニット1400及び演出表示装置1600を覗かれ難くすることができる。
詳述すると、遊技状態として、例えば、遊技者が有利となるチャンスの到来を示唆するような遊技状態(場面)の時に、三つのサイド窓内装飾部410bを発光させて、その眩しさによりサイド窓410aを通した視認性を低下させる。これにより、隣等の他の遊技者が、サイド窓410aを通して本パチンコ機1においてチャンスが到来していることを認識させ難くすることができることから、他の遊技者が本パチンコ機1に注目するのを回避させることができるため、注目されることで他の遊技者が気になって遊技に専念できないことから不快感を覚えたり、ミスが誘発されることで損した気分になったりするのを防止することができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。従って、チャンスの到来等の遊技状態の時に、サイド窓410aを通して他の遊技者から遊技領域5a内を覗かれるのを防止することができるため、遊技者を遊技に専念させることができ、遊技をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、サイド窓410a内において、前後方向に延びている三つのサイド窓内装飾部410bを、上下方向へ間隔をあけて配置していることから、サイド窓410aを横から見る角度が変化しても、三つのサイド窓内装飾部410bが重なって見えることはないため、サイド窓内装飾部410bを発光させていない時には、サイド窓410a内における三つのサイド窓内装飾部410bの間を通して反対側(遊技領域5a内)を視認することができ、遊技をするパチンコ機として本パチンコ機1(本遊技盤5)を探している遊技者が、島設備に沿って本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、本パチンコ機1を簡単に見つけることができる。
また、三つのサイド窓内装飾部410bを上下方向へ間隔をあけて配置していることから、ある高さのサイド窓内装飾部410bを発光させると、遊技領域5a内における同じ高さの部位を、サイド窓410aを通して他の遊技者から視認し難くすることができるため、遊技状態に応じて三つのサイド窓内装飾部410bのうちの特定のサイド窓内装飾部410bを発光させることで、遊技領域5a内の高さ方向において特定の領域(部位)を視認し難くすることができ、チャンスの到来等を他の遊技者に知られ難くすることができる。従って、チャンスの到来等の遊技状態の時に、サイド窓410aを通して他の遊技者から遊技領域5a内を覗かれるのを防止することができるため、遊技者を遊技に専念させることができ、遊技をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、前方へ長く延出している扉枠右サイドユニット410に、左右に貫通しているサイド窓410aを備えていることから、三つのサイド窓内装飾部410bを消灯させて、サイド窓410aを通した視認性を確保している状態では、サイド窓410aを通して本パチンコ機1の横から遊技領域5a内を視認することができるため、本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、島設備の端から遊技領域5a内に対して不正行為が行われているのを発見し易くすることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、扉枠3の扉窓101aの左右両外側のうち、本体枠4にヒンジ回転可能に取付けられている左側辺側より遠ざかった右外側から扉枠右サイドユニット410を前方へ延出させているため、本体枠4に対して扉枠3を90度以上開くことができる。従って、扉枠3を開いてメンテナンスや遊技盤5の交換等の作業を行う際に、扉枠3を大きく開けることで扉枠3を邪魔になり難くすることができ、作業性の悪化を防止することができる。
また、遊技状態に応じて三つのサイド窓内装飾部410bを発光させるようにしていることから、遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)の発生する可能性(所謂、期待値)に応じて、サイド窓内装飾部410bを発光させたり消灯させたりしても良い。詳述すると、例えば、リーチ演出やリーチ発展演出等の実行中において、期待値が低い時にサイド窓内装飾部410bを発光させて他の遊技者から覗かれ難くすることで、有利遊技状態が発生しなかった時(「ハズレ」の時)に、他の遊技者との間で気まずい雰囲気となるのを回避させることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができ。或いは、期待値が高い時には、サイド窓内装飾部410bを発光させなかったり消灯させたりすることで、他の遊技者から覗かれ易い状態としても、有利遊技状態が発生する(「大当り」となる)ことで、気まずい雰囲気となることはなく興趣の低下を抑制させることができると共に、他の遊技者が応援しているような雰囲気にすることができ、遊技者の遊技に対する興趣を高めさせて遊技をより楽しませることができる。
更に、三つのサイド窓内装飾部410bを上下方向へ間隔をあけて配置していることから、遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)の発生する可能性(所謂、期待値)に応じて、三つのサイド窓内装飾部410bを順番(例えば、下から上、上から下、中央から上下両側、等)に発光させたり、三つのサイド窓内装飾部410bのうちの特定のサイド窓内装飾部410bを発光させたりしても良い。詳述すると、例えば、リーチ演出やリーチ発展演出等の実行中において、期待値が高くなるほど、三つのサイド窓内装飾部410bを、下から順に、或いは、上から順に、発光させることで、他の遊技者から覗かれ難くすると共に、期待値を示唆することができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
上記のような三つのサイド窓内装飾部410bの発光の態様は、発光(点灯)・消灯の他に、点滅パターンや発光色の違い、発光色の変化(例えば、冷めた感じの青色から熱い感じの赤色への変化、交通信号を模したような青黄赤の変化、等)、或いは、明るさ(輝度)の変化、等としても良く、上記と同様の作用効果を奏することができると共に、三つのサイド窓内装飾部410bにより扉枠3の装飾性をより高めることができ、遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
このようなことから、逆に、リーチ演出やリーチ発展演出等の実行中において、三つのサイド窓内装飾部410bの発光の有無や発光パターン等の発光態様により、遊技者に対して有利遊技状態の発生する可能性の度合い(期待値)を示唆することができるため、当該演出の実行中に三つのサイド窓内装飾部410bがどのような発光態様で発光するか否かによって遊技者をワクワク・ドキドキさせることができ、遊技者の期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3に設けられている演出操作ユニット300の演出操作部301の操作により、三つのサイド窓内装飾部410bを、任意に発光させたり消灯させたりすることができるようにしても良い。これにより、例えば、リーチ演出やリーチ発展演出等の際に、遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り」遊技)の発生する可能性(所謂、期待値)が低い時に、演出操作部301を操作してサイド窓内装飾部410bを発光させることで、他の遊技者から覗かれるのを防止することができるため、有利遊技状態が発生しなかった時(「ハズレ」の時)に、他の遊技者に見られていることで気まずい雰囲気になるのを回避させることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。或いは、有利遊技状態の発生する可能性(期待値)が高い時(又は、熱い演出が実行されている時)に、演出操作部301を操作してサイド窓内装飾部410bを発光させないようにする(或いは、サイド窓内装飾部410bを消灯させるようにする)ことで、他の遊技者から覗かれても、有利遊技状態が発生することで、気まずい雰囲気となることはなく興趣の低下を抑制させることができると共に、他の遊技者が応援しているような雰囲気にすることができ、遊技者の遊技に対する興趣を高めさせて遊技をより楽しませることができる。
また、演出操作部301の操作により、三つのサイド窓内装飾部410bが発光するタイミングや発光態様等を設定できるようにしても良い。これにより、予め設定されているデフォルトの状態では、他の遊技者から覗かれたくない遊技者特有のタイミングが設定されていないことで、遊技者によっては覗かれることで不快に感じて遊技に対する興趣を低下させてしまう虞があるが、演出操作部301の操作により遊技者の好みに応じてカスタマイズすることができるため、上述した作用効果を確実に奏することができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、本体枠4における払出ユニット560の払出装置580において、球抜レバー593を下降(ロック)させて球抜可動片592を回動不能とすると共に球抜通路580bを閉鎖している状態(第一状態)とすると、上流から払出通路580aを流下してきた遊技球Bが、球抜可動片592によって球抜通路580bへの流通が不能とされているため、引続き払出通路580aの下流側へと流通することとなり、払出通路580aを介して払出羽根589へ送ることができる。一方、球抜レバー593を上昇(ロックを解除)させて球抜可動片592を回動可能な状態(第二状態)とすると、上流から払出通路580aを流下してきた遊技球Bが、払出通路580aの下流側へ流通することなく、球抜可動片592を越えて球抜通路580bへ流通することとなり、球抜通路580bを介して島設備側となるパチンコ機1の外部へ排出することができる。そして、払出通路580aの下流側に払出羽根589を備えていることから、通常の状態では、球抜レバー593によって球抜可動片592が回動不能な状態(第一状態)となっていると共に、払出羽根589より上流側では、遊技球Bが数珠繋ぎのように連続した状態で停留している。
この通常の状態で払出羽根589が回転駆動されると、払出羽根589より上流側の遊技球Bが下流側へ流れることとなり、球抜可動片592によって払出羽根589側へ遊技球Bが誘導されて払出羽根589へ送られると共に、払出羽根589では遊技球Bを一つずつ払出すことから、払出羽根589より上流側の遊技球Bの流れる速度が比較的遅くなるため、遊技球Bの当接により球抜可動片592に作用する力が比較的弱いと共に、球抜可動片592における遊技球Bと当接する部位の反対側が球抜通路580bの中央付近であることから、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、球抜可動片592が破損することはない。このことから、遊技中の球抜可動片592の破損を低減させることができるため、球抜可動片592の破損により遊技が中断して遊技者に不快感を与えてしまうのを回避させることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
一方、パチンコ機1(或いは遊技盤5)の交換やメンテナンス等の際に、払出通路580aから遊技球Bを排出させる時には、球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態(第二状態)とすると、球抜可動片592の上流側で数珠繋ぎのような状態となっていた遊技球Bが、球抜可動片592を越えて球抜通路580b側へ流下することとなる。この際に、球抜通路580bが払出通路580aの上流側から真直ぐに直線状に延びているため、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、真直ぐに球抜通路580b側へ流下すると共に、球抜通路580bの下流側が島設備側に連通していることから、払出羽根589のように遊技球Bの流れを抑制するようなものがないため、遊技球Bが払出通路580a側よりも早く流下することとなる。このように、球抜可動片592を回動可能としている状態では、球抜通路580b内を遊技球Bが早い速度で流下することから、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592の下端側に遊技球Bが勢い良く当接することとなるが、球抜可動片592が払出装置本体581の本体側ガイド壁581aと払出装置後蓋582の後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの内面よりも外側へ移動することができることから、その当接の力によって球抜可動片592が球抜通路580bの外側へ移動することとなるため、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、遊技球Bにより球抜可動片592に強い力が作用しないようにすることができ、遊技球Bの衝突による球抜可動片592の耐久性の低下や破損を抑制させることができる。このようなことから、球抜可動片592を破損し難くすることができることから、球抜通路580bの下流側の島設備側へより多くの遊技球Bをより早く排出させることができるため、パチンコ機1の交換やメンテナンス等にかかる時間の増加を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、球抜可動片592が回動可能な状態の時に、球抜可動片592が遊技球Bよりも狭い間隔の本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの外側へ移動するため、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592に遊技球Bが当接することで球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して外側へ移動する際に、球抜可動片592と一緒に遊技球Bが本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間側へ移動しても、遊技球Bよりも間隔の狭い本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間により、遊技球Bのみが外側への移動を阻止することができる。そして、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間によって遊技球Bの外側への移動が阻止されることで、球抜可動片592から遊技球Bが離れることとなり、その後の球抜可動片592の移動が慣性力によることとなるため、球抜可動片592に対して強い力が作用することはなく、球抜可動片592を破損し難くすることができると共に、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間から遊技球Bが球抜通路580bの外側へ飛び出すことはなく、遊技球Bを球抜通路580bの下流側へ確実に流通させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、パチンコ機1を設置する遊技ホールの島設備に取付けられている枠状の外枠2に対して、左辺側において上下に延びている軸周りに開閉可能に取付けられている本体枠4が、外枠2の枠内を閉鎖するように閉じていると共に、本体枠4に対して左辺側の扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126(軸芯)を中心として開閉可能(ヒンジ回転可能)に取付けられている扉枠3を閉じている状態では、本体枠4の前面と扉枠3の後面とが互いに対面して平行に延びていると共に、本体枠4側の払出制御基板633、主制御基板1310、及び周辺制御基板1510等と、扉枠3側の球送給ユニット140、ハンドルユニット180、及び演出操作ユニット300等とを接続している接続ケーブル503が、本体枠4における本体枠ベース501の前面において後方へ窪んでいるケーブル取付凹部501hにおける軸芯より遠ざかった部位から軸芯側へ延びて、ケーブル取付凹部501h内に取付けられ本体枠4の前面及び扉枠3の後面と平行に延びている接続ケーブル案内部材502の案内本体502aに保持された上で更に軸芯付近まで延びた後に、折返して軸芯より遠ざかる方向へ延びて、扉枠3における接続ケーブル案内部材502の先端よりも軸芯に近い位置でスピーカダクト103のケーブルホルダ103aによって保持された上で扉枠3側の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続されている。
そして、本体枠4の前面側を閉鎖している(閉じている)扉枠3を、本体枠4から開くように左辺側の軸芯を中心としてヒンジ回転させると、扉枠3の後面が本体枠4の前面から遠ざかることから、接続ケーブル503における扉枠3から延び出している部位が本体枠4から離れるように前方へ移動するため、折返されている接続ケーブル503が開くように変形し、接続ケーブル503の変形に伴って接続ケーブル案内部材502が本体枠4の前面に対して傾くように、軸芯から遠ざかった取付軸502cを中心にして回転(回動)する。このように、本体枠4に対して扉枠3を開くと、本体枠4と扉枠3との間の空間へ、接続ケーブル案内部材502における軸芯に近い先端側が突出するため、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503が軸芯の近くを通ることとなり、接続ケーブル案内部材502や接続ケーブル503が邪魔になり難い状態となっている。
換言すると、接続ケーブル案内部材502が、回転可能に取付けられている取付軸502cから軸芯側へ先端部を延出させているため、従来のパチンコ機のように、案内部材の基端部を軸芯から遠ざかる方向へ延出させた場合と比較して、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503の折返している部位が、扉枠3の開閉の扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126に近い位置となり、接続ケーブル503の折返している部位を邪魔になり難い位置とすることができる。
一方、本体枠4に対して開いている扉枠3を閉じる時には、本体枠4の前面に対して扉枠3の後面が接近するように移動するため、接続ケーブル案内部材502と接続ケーブル503とが上記とは逆の動きをすると共に、接続ケーブル503が接続ケーブル案内部材502に保持(案内)されていることで、本体枠4と扉枠3との間に挟まれることなく扉枠3を閉じることができる。従って、扉枠3を開閉させるようなメンテナンスの際に、接続ケーブル案内部材502や接続ケーブル503がメンテナンスの邪魔になることはなく、メンテナンスを円滑に行わせることができると共に、メンテナンスのために中断している遊技の中断時間の増加を低減させることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、接続ケーブル案内部材502の先端から軸芯側へ延び出した後に折返されて軸芯より遠ざかる方向へ延びている接続ケーブル503を、接続ケーブル案内部材502の先端よりも軸芯に近い位置でケーブルホルダ103aによって扉枠3側に保持していることから、本体枠4(ケーブル取付凹部501h)の前面に対する接続ケーブル案内部材502の回転角度が、軸芯を中心としてケーブルホルダ103aを通る円に接し、接続ケーブル案内部材502の取付軸502cの中心を通る接線が、扉枠3の後面と交差する角度以下となるため、接続ケーブル案内部材502の延びている長手方向の軸線が、扉枠3の後面に対して、直角に近い角度とならないようにすることができる。また、扉枠3側において、折返されている接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502の先端よりも軸芯に近い位置でケーブルホルダ103aによって保持していることから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、ケーブルホルダ103aによって保持されている接続ケーブル503により、接続ケーブル案内部材502の先端側を軸芯側へ引寄せることができる。
これらのことから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を基の状態へ復帰するように回転させることができ、扉枠3が閉まらなくなったり、接続ケーブル案内部材502の先端が扉枠3に当接して接続ケーブル503が断線してしまったりするような異常の発生を防止することができる。従って、遊技中に、扉枠3を開閉させてメンテナンスを行わなければならないような異常が発生した際に、接続ケーブル案内部材502や接続ケーブル503がメンテナンスの作業を阻害することはなく、メンテナンスを円滑に行わせることができ、遊技の中断時間の増加を低減させて、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503を、180度折返していることから、接続ケーブル503の折返している部位に、折り癖を付けることができる。これにより、扉枠3を開くことで、接続ケーブル503の180度折返されている部位が開くように変化した時に、折り癖により接続ケーブル503に対して閉じようとする力が作用することとなるため、扉枠3を閉じる際に、その折り癖により接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)が開く方向へ移動するのを阻止することができると共に、接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)を閉じる方向へ誘導させることができ、扉枠3を円滑に閉じさせることができる。
また、接続ケーブル案内部材502が取付けられている本体枠4とは反対側の扉枠3において、閉じた時に接続ケーブル案内部材502の先端よりも軸芯に近い位置(ケーブルホルダ103aよりも軸芯に近い位置)に備えられており、当接することで接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502が取付けられている本体枠4側へ押圧可能な押圧部(スピーカダクト103におけるケーブルホルダ103aよりも軸芯側で後方へ突出している部位)を、備える。これにより、本体枠4に対して扉枠3を閉じる時に、押圧部が接続ケーブル503に当接することにより、接続ケーブル503を介して開いている接続ケーブル案内部材502の先端側を閉じる方向へ押圧することができるため、扉枠3の閉方向への移動に伴って接続ケーブル案内部材502をスムーズに閉じさせることができ、扉枠3を確実に閉じることができる。また、接続ケーブル案内部材502の回転中心を通り、扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)を中心として押圧部を通る円に接する接線と、本体枠4の前面と交差する角度が、45度以下となるように構成している。これにより、扉枠3の開閉に伴って回転(開閉)する接続ケーブル案内部材502の最大開角度βを、45度以下とすることができるため、扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を閉じる方向へ確実に回転させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
更に、接続ケーブル案内部材502における案内本体502aの二つの長辺側に夫々枠片502bを備えていることから、平板状の案内本体502aの剛性が高まって曲がり難くなるため、接続ケーブル503をしっかりと保持することができると共に、一対の枠片502bによって接続ケーブル503を長手方向へ案内させることができ、上述したような作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、上述したように、接続ケーブル案内部材502の剛性が高められていることから、接続ケーブル503として、多くの電線からなる重い接続ケーブル503とした場合でも、接続ケーブル案内部材502が曲がって歪むことはないため、取付軸502cを中心にして接続ケーブル案内部材502が確実に回転することができ、良好な状態で接続ケーブル503を案内させることができると共に、より多くの電線を案内させることが可能となるため、本体枠4と扉枠3との間の電気的な接続を、一か所に集約させることができ、パチンコ機1にかかる構成を簡略化させることができる。
また、接続ケーブル案内部材502の案内本体502aにおける一対の枠片502bの間に接続ケーブル503を添わせた状態で、接続ケーブル503の両側の貫通孔502dに結束バンド504を通して、接続ケーブル503と接続ケーブル案内部材502とを結束バンド504で一緒に巻き付けることにより、接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502に保持させることができるため、接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502に保持させる作業を簡単に行うことができる。また、接続ケーブル案内部材502の貫通孔502dを通した結束バンド504により接続ケーブル503を保持させることで、結束バンド504が案内部材502から外れないようにすることができ、接続ケーブル案内部材502に接続ケーブル503を確実に保持させることができると共に、接続ケーブル案内部材502から接続ケーブル503が外れることにより扉枠3を閉める際に接続ケーブル503が本体枠4と扉枠3との間に挟まれてしまうのを回避させることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
更に、本体枠4に取付けられているスピーカユニット620aの本体枠スピーカ622の後側の空間を、接続部621c及び接続筒部43aを介して、外枠2の下辺を構成している外枠下組立体40におけるポート部材47と接続筒部43aとの間の空間(幕板内部空間40a)と連通させていることから、スピーカユニット620a内の空間と外枠2側の空間とにより本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の容積を充分に確保することができるため、本体枠スピーカ622から重低音を出力させることができ、重低音のサウンドにより遊技者を楽しませて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。従って、本体枠4に接続ケーブル案内部材502を取付けるためのケーブル取付凹部501hを備えることで、スピーカユニット620a内の容積が減少しても、本体枠スピーカ622から重低音のサウンドを出力させることができることから、本体枠4において本体枠スピーカ622の下方に後方へ窪んだケーブル取付凹部501hを備えることができ、本体枠4側に上述した作用効果を奏する接続ケーブル案内部材502を取付けることができる。また、接続ケーブル503の一部を保持している接続ケーブル案内部材502を、本体枠4における後方へ窪んだケーブル取付凹部501hの内部に取付けているため、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502がケーブル取付凹部501h内に収容された状態となり、本体枠4の前面からの突出を可及的に抑制することができ、扉枠3の後面との干渉を回避させて扉枠3を確実に閉じられるようにすることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、外枠2に対して本体枠4及び扉枠3を閉じている状態では、扉枠3における扉枠ベース101の扉窓101aを通して本体枠4における本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに保持されている遊技盤5の遊技領域5aを前方(遊技者側)から視認することができ、その扉窓101aの下方では、外枠2の下辺を構成している外枠下組立体40の幕板前部材42の前面においてその長手方向(左右方向)の右端部付近にポート部材47の前端が開口していると共に、扉枠3の前面の下部においてポート部材47とは左右方向の反対側となる左端部付近に皿ベースユニット210のスピーカ口211bが開口している。そして、スピーカ口211bが本体枠4の遊技盤挿入口501bの下方に取付けられている本体枠スピーカ622の前面側と連通していると共に、本体枠スピーカ622の後側を覆っているスピーカユニット620a(スピーカカバー621及びスピーカボックス623)の内部空間が、スピーカカバー621の接続部621c及び幕板後部材43の接続筒部43aを介してポート部材47の内部と連通している。この状態で、スピーカユニット620aに取付けられている本体枠スピーカ622を駆動させると、本体枠スピーカ622から前方へ出力された音声、音楽、及び効果音等のサウンドは、スピーカカバー621のスピーカ取付部621a及び扉枠3のスピーカ口211bを通して遊技者側へ放射される。一方、本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドは、接続部621c及び接続筒部43aを通って幕板前部材42と幕板後部材43とで構成されている幕板内部空間40aの内部へと伝達され、ポート部材47から前方の遊技者側へ放射される。この際に、本体枠スピーカ622の後側の空間(エンクロージャ624)を、スピーカユニット620aの内部空間と、外枠下組立体40の幕板内部空間40aとで構成しているため、エンクロージャ624の容積を可及的に大きくすることができ、本体枠スピーカ622から前方へ低音域において伸びのあるサウンドを出力させることができる。また、外枠2における幕板後部材43の接続筒部43aを、枠内の中心側(上方)へ向かって開口させていることから、エンクロージャ624において外枠2と本体枠4(スピーカユニット620a)との接続部分における奥行方向(前後方向)の幅を、従来よりも大きくすることができるため、接続筒部43a及び接続部621cの前後方向の幅を大きくしており、スピーカユニット620aの内部空間から外枠2の幕板内部空間40a側へのサウンドの減衰を可及的に低減させることができる。更に、外枠2側では、ポート部材47を筒状としていることから、ポート部材47においてヘルムホルツ共振が発生するため、低音域を増幅させることができると共に、位相を反転させることができ、ポート部材47から低音が増幅されたサウンドを出力させることができる。そして、本体枠スピーカ622から前方へ出力されたサウンドと、ポート部材47から前方へ出力されたサウンドとが、パチンコ機1の前方において互いに干渉して合成されることで、音量がより大きくなるため、遊技者に対してより豊かな低音のサウンドを聴かせることができ、遊技者に音声、音楽、及び効果音等のサウンドを楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、ポート部材47において本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドの位相を反転させて前方へ放射している(所謂、バスレフ型スピーカを構成している)ことから、本体枠スピーカ622から前方へ出力されたサウンドと、ポート部材47から前方へ出力されたサウンドとが重なると、互いの位相が同じであるため、音波の振幅が大きくなりサウンドの音量が大きくなり、従来のパッシブラジエータを用いた場合と比較して、簡単な構成でサウンドの出力を高めることができる。
更に、遊技盤5が保持される遊技盤挿入口501bよりも下方にスピーカユニット620aや外枠下組立体40を配置しているため、それらの上下寸法を大きくすることができ、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の容積を大きくすることができる。詳述すると、一般的には、パチンコ機1の前方に遊技者が着座した時に、遊技者の目の位置(高さ)を、パチンコ機1の上下方向中央よりも上側に位置させるようにしているため、遊技が行われる遊技領域5aの中心を、パチンコ機1の中心よりも上側に位置させている。このことから、パチンコ機1の下部ではスペースを比較的確保し易くなることから、外枠2の下辺を構成している外枠下組立体40や本体枠4における遊技盤挿入口501bよりも下側の上下寸法を比較的大きくすることが可能となるため、外枠下組立体40やスピーカユニット620aの上下寸法を大きくすることで、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の容積を大きくすることができ、低音がより豊かなサウンドを出力させることができると共に、遊技者にサウンドを楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、接続筒部43aと接続部621cとを前後方向に対して傾斜させているため、外枠2に対して本体枠4を閉じるだけで、接続筒部43aに接続部621cが当接して互いに接続させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができると共に、接続筒部43aと接続部621cとの間で摺動抵抗が発生しないことから本体枠4の開閉動作が重くなることはなく、メンテナンス等の際の作業性の低下を抑制させることができる。
更に、シール部材48によって接続筒部43aと接続部621cとの間を密閉しているため、接続筒部43aと接続部621cとの間においてエンクロージャ624内のサウンドの漏れを防止することができ、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1とすることができる。
また、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の容積の一部を、外枠2の外枠下組立体40において確保することができることから、スピーカユニット620aを小さくすることができるため、相対的に遊技盤挿入口501bを大きくしてより遊技領域5aの広い遊技盤5を備えることができ、広い遊技領域5aによって遊技者をより楽しませることができると共に、扉枠3の扉窓101aを通して広い遊技領域5aが見えることで本パチンコ機1を目立たせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、パチンコ機1の下部において、左右方向の右端部付近にポート部材47を配置していると共に、反対側の左端部付近にスピーカユニット620aのスピーカ取付部621aつまり本体枠スピーカ622を配置しているため、本体枠スピーカ622とポート部材47とが左右方向に離れていることで、本体枠スピーカ622から前方へ出力されたサウンドと、ポート部材47から前方へ出力されたサウンドとが、外枠2(パチンコ機1)から前方へある程度離れた位置において互いに干渉することとなり、パチンコ機1の前方に着座している遊技者付近でサウンドを増幅させることができ、上述したように、遊技者に対して豊かな低音のサウンドを聴かせることができる。
また、上述したように、本体枠スピーカ622とポート部材47とから前方へ出力されたサウンドを、遊技者付近で干渉させて増幅させるようにしているため、本パチンコ機1から離れている他の遊技者には増幅されていないサウンドが届くこととなる。これにより、チャンスの到来を示唆するようなサウンドが出力された時に、本パチンコ機1で遊技している遊技者には、音量が大きく低音が豊かなサウンドが聞えることで遊技に対する期待感を高めさせることができる。一方、他のパチンコ機で遊技している遊技者に対しては、本パチンコ機1からのサウンドが聞え難くなるため、本パチンコ機1においてチャンスの到来等が示唆されていることを認識させ難くすることが可能となり、他の遊技者が本パチンコ機1をのぞき込むのを低減させることができ、のぞき込みにより本パチンコ機1で遊技している遊技者に不快感を与えて興趣を低下させてしまうのを抑制させることができる。
また、外枠2の接続筒部43aの位置を、外枠下組立体40の長手方向(左右方向)の中央としていることから、接続筒部43aに接続される本体枠4側のスピーカユニット620aの接続部621cの位置が、左右方向の中央となるため、左右方向に対するスピーカユニット620aの長さを、スピーカ取付部621aが形成されている左端部付近から中央までとすることができ、本体枠4において中央を間にしてスピーカユニット620aとは反対側にスペースを確保することができる。従って、本体枠4において、左右方向の中央を間にしてスピーカユニット620aとは反対側に確保されたスペースに他の部材を配置したり、当該スペースに広がるように他の部材を大きくしたりすることができるため、他の部材によって他のパチンコ機との差別化を図ることができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、上述したように、外枠2の下辺の左右方向の中央を間にしてスピーカユニット620aとは反対側にスペースを確保することができるため、そのスペースに、遊技球Bを外部へ排出するための球抜誘導部627や排出球受部628等を備えたベースユニット620b、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5a内へ遊技球Bを打込むための球発射装置540、パチンコ機1での電源を制御する電源基板630、及び遊技媒球の払出しを制御する払出制御基板633、等を配置することができ、それらを確実に備えたパチンコ機1とすることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの前方且つ下方において前方へ膨出している皿ユニット200に、上面から上方へ突出している中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周を囲み上皿201の前後方向の距離よりも大きい直径の環状の外周押圧操作部303bと、外周押圧操作部303bの外周を囲んでいる円環状の回転操作部302とが、上面の前端側が低くなるように傾斜している状態で配置されているため、それら回転操作部302及び押圧操作部303の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)がある方向を向くこととなり、中央押圧操作部303a、外周押圧操作部303b、回転操作部302の全容を見え易くして、同心円状に配置されている三つの大きな操作部(押圧操作部303及び回転操作部302)を遊技者に見せることができ、遊技者に対して強いインパクトを与えることができると共に、従来のパチンコ機に備えられている操作部とは明らかに異なる形態の操作部が備えられていることを一見して認識させることができ、他のパチンコ機に対して本パチンコ機1を差別化して遊技者の関心を強く引付けさせることができる。また、中央押圧操作部303a、外周押圧操作部303b、及び回転操作部302が目立つことから、遊技者に対して中央押圧操作部303a、外周押圧操作部303b、及び回転操作部302を操作する遊技者参加型演出に対する期待感を高めさせることができ、遊技者参加型演出が実行される遊技状態となるように遊技を進めさせる(ここでは、遊技領域5a内へ遊技球Bを多く打込ませる)ことができると共に、遊技者参加型演出が実行された時に当該演出に参加させ易くすることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技状態に応じて操作ボタン昇降駆動モータ367等からなる昇降機構により中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bを、回転操作部302の上面よりも僅かに突出している後退位置(下降位置)と、後退位置よりも上方へ突出している突出位置(上昇位置)との間で移動させることができると共に、後退位置の時には昇降カム部材371の係止部371cによって外周押圧操作部303bを押圧不能な状態としており、中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bが後退位置にあることで、遊技者に対して外周押圧操作部303bの押圧操作が受付けられないことを明確に認識させることができるため、中央押圧操作部303aを確実に押圧操作させることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、後退位置の状態では、外周押圧操作部303bが押圧不能な状態となっていることから、中央押圧操作部303aと回転操作部302の間に動かない外周押圧操作部303bが存在することとなるため、回転操作部302を回転操作したはずみに中央押圧操作部303aを押圧してしまったり、中央押圧操作部303aを押圧操作したはずみに回転操作部302を回転させてしまったりするような誤操作を発生し難くすることができ、遊技者参加型演出を確実に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
そして、突出位置へ移動させることで、皿ユニット200の上面において、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとが上方へ大きく突出した状態となるため、中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bを目立たせることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、中央押圧操作部303aや外周押圧操作部303bの押圧操作に対するプレミアム感を付与することができ、何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。従って、外周押圧操作部303bや中央押圧操作部303aを押圧操作する遊技者参加型演出に参加させ易くすることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
この突出位置の状態では、外周押圧操作部303bが新たに押圧操作可能となると共に、中央押圧操作部303a、外周押圧操作部303b、及び回転操作部302を同心円状に配置しているため、例えば、中央押圧操作部303aを押圧操作しなければならない時に、外周押圧操作部303bを押圧操作してしまったり、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bの両方を押圧操作してしまったり、或いは、外周押圧操作部303bを押圧操作しなければならない時に、中央押圧操作部303aを押圧操作してしまったり、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bの両方を押圧操作してしまったり、回転操作部302を回転させてしまったり、更には、回転操作部302を回転操作しなければならない時に、外周押圧操作部303bを押圧してしまったり、外周押圧操作部303bと中央押圧操作部303aとを押圧してしまったりすることを誘発させることができる。これにより、遊技者に対して、押圧操作や回転操作する際に、押圧操作すべき押圧操作部303や回転操作すべき回転操作部302に留意させながら押圧操作や回転操作をさせることができるため、押圧操作や回転操作に対して緊張感を付与することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、押圧操作や回転操作をおこなう遊技者参加型演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、振動スピーカ354や演出表示装置1600等の告知手段を備えており、遊技者参加型演出において、外周押圧操作部303bの押圧操作が可能となる突出位置の状態で、遊技者が中央押圧操作部303aを押圧操作すべき時に、間違えて外周押圧操作部303bのみを押圧操作すると、告知手段によって中央押圧操作部303aを押圧操作する旨を告知することで、押圧操作をやり直させて押圧操作すべき中央押圧操作部303aを確実に押圧操作させることができ、遊技者に遊技者参加型演出を楽しませることができると共に、押圧操作の間違いが修正されるため、間違えることで遊技者が損した気分になるのを回避させることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技者が正しく中央押圧操作部303aの押圧操作をしていると思い込んでいる場合、中央押圧操作部303aを押圧操作しているのにも関わらず遊技者参加型演出の反応(変化)が所望と異なることとなり、中央押圧操作部303aが故障していると遊技者が錯覚して興趣を低下させてしまう虞がある。これに対して、上記のように、告知手段によって押圧操作の間違えを告知しているため、遊技者の思い込みを修正させることができ、正しく中央押圧操作部303aを押圧操作させて、遊技者参加型演出を楽しませることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技が行われる遊技盤5の遊技領域5aの前方且つ下方において、前方へ膨出し遊技を行うための遊技球Bを貯留する上皿201及び下皿202を備えている皿ユニット200に、外周側面、上面、及び内周側面が外部に露出し上下に延びた軸周りに回転可能な円環状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとからなる押圧操作部303とが配置されていると共に、遊技領域5a内において遊技が行われることで変化する遊技状態に応じて、回転操作部302を回転操作したり押圧操作部303を押圧操作したりする遊技者参加型演出が周辺制御基板1510によって実行される。そして、遊技者参加型演出が実行された時に、遊技者が回転操作部302を適宜方向へ回転操作したり押圧操作部303を押圧操作したりすることで、その回転操作や押圧操作に応じて当該演出が変化することとなるため、遊技者が演出に参加することができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。この回転操作部302を回転操作する際に、遊技者が外部に露出している外周側面、上面、及び内周側面の何れかに触れて操作することとなり、回転操作部302の回転中心から最も遠い位置に触れて回転操作することが可能となるため、回転操作部302を相対的に小さい力で回転させることができ、回転操作部302の回転操作を行い易いものとすることができる。また、回転操作部302の外周側面に触れて回転操作する場合、遊技者の手によって外周側面を一方向へ擦るように操作することで、回転操作部302を簡単に早い速度で回転させることができる。従って、回転操作部302に対して高速回転を要求するような遊技者参加型演出が実行された場合でも、上述したように、回転操作部302を早い速度で回転させることができるため、遊技者に対して当該演出を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302を比較的小さい(軽い)力で回転させることができるため、回転操作部302を頻繁に回転操作しても、遊技者を早期に疲労させ難くすることが可能となり、回転操作部302を回転操作する遊技者参加型演出を継続して楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。また、上述したように、回転操作部302を早く回転させたり、軽い力で回転させたりすることができるため、遊技者参加型演出において、遊技者に対して多様な回転操作を要求したり、夫々において異なる回転操作を要求したりすることが可能となり、より多種・多様な遊技者参加型演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、遊技者が触れて回転操作する操作カバー(リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって構成されている)の外周側面が、皿ユニット200に回転可能に取付けられている回転ベース332よりも外方(回転中心とは反対側の方向)へ円弧状に突出しているため、外周側面を擦るように回転操作しても、皿ユニット200が邪魔になることはなく、回転操作部302を容易に回転させることができると共に、回転操作部302の外周側面が丸くなっていることから、回転操作部302の真横(回転軸に対して直角方向)以外の方向からでも外周側面に触れ易くなるため、回転操作部302を回転操作する際に、遊技者が回転操作部302の外周側面の位置や向きを気にすることなく操作することができ、回転操作部302の操作性を高めることができる。従って、回転操作部302(操作カバー)の外周側面を擦るようにして回転操作部302を回転させることができるため、遊技者参加型演出において回転操作部302をより早い速度で回転させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を大きくしていることから、従来のパチンコ機のような直径の小さい回転操作部と比較して、微小な回転角度での回転操作をし易くしたり、回転操作の際の遊技者の動作を大きくしたりすることができるため、遊技者に対して回転操作部302を回転操作していることをより実感させることができ、遊技者参加型演出において回転操作部302の回転操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、回転操作部302を円環状として、外周側面、上面、及び内周側面を外部に露出させていることから、遊技者が回転操作部302を回転操作する際に、外周側面以外に、上面や内周側面等の遊技者の好みや状況に応じた部位に触れて回転操作することができるため、回転操作部302の操作性をより高めることができ、回転操作部302を回転操作する遊技者参加型演出をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の外周側面、上面、及び内周側面を外部に露出させて遊技者が回転操作可能としているため、回転操作部302の環内に押圧操作部303を備えても、押圧操作部303が回転操作部302の回転操作を阻害することはなく、回転操作部302を快適に回転操作させることができ、回転操作と押圧操作の両方を充分に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、回転操作部302の外周側面、上面、及び内周側面を外部に露出させて遊技者が回転操作可能としており、回転操作部302を遊技者が握ることができない形態としているため、回転操作部302の外観を、自動車のステアリングホイールや飛行機の操縦桿、等とは全く異なる外観とすることできる。これにより、例えば、回転操作部を自動車のステアリングホイールのような形態とした場合、遊技者が回転操作部を見た瞬間に、回転操作部を握って操作するものであると思い込んでしまい、自動車のハンドルさばきのような操作しかできなくなるため、多彩な回転操作を要求する遊技者参加型演出が実行された時に、ハンドルさばきとは異なる回転操作を行うことができず、遊技者参加型演出を楽しめなくなって、遊技に対する興趣を低下させてしまう虞がある。しかしながら、本実施形態では、回転操作部302の外観を、自動車のステアリングホイールや飛行機の操縦桿、等とは全く異なる外観としているため、遊技者に対して回転操作部302の操作の仕方に対する先入観を払拭することが可能となり、回転操作部302を遊技者の思い思いに操作させることができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、押圧操作部303を突出位置へ移動させた状態でも、回転操作部302の外周側面や上面等が外部に露出しているため、回転操作部302の外周側面や上面等を回転操作することで、突出している押圧操作部303が邪魔になることはなく、回転操作部302を快適に回転操作することができ、回転操作部302の回転操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技盤5において遊技が行われる遊技領域5aの前方且つ下方において、前方へ膨出し遊技を行うための遊技球Bを貯留する上皿201や下皿202を備えている皿ユニット200の上面に、回転軸が上下に延びている円環状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとからなる押圧操作部303とが配置されており、回転操作部302を遊技者が回転させると、回転操作部302の回転ベース332のリングギア332aを介して、回転操作部302の回転軸とは直交する軸周りに回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345が回転すると共に、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348が伝達検知ギア部材345の検知片345bを検知して回転を検知するため、伝達検知ギア部材345を介して回転操作部302の回転操作を検知することができる。従って、従来の回転操作部のように、下側に回転を検知するための検知片を全周に亘って備える必要がない。また、回転操作部302の回転を、リングギア332aを介して伝達検知ギア部材345へ伝達させているため、リングギア332aから伝達検知ギア部材345へ回転を伝達させる部位(操作リング用伝達ギア350と噛合している部位)が、回転操作部302の全周の一部で済む。従って、回転操作部302の下方に容易にスペースを確保することができ、回転操作部302と伝達検知ギア部材345との間の高さに十分な数のLEDが円環状に列設された演出操作リング装飾基板352を配置することができる。そして、遊技領域5a内において遊技が行われることで変化する遊技状態と、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348による回転操作部302の回転検知とに応じて、演出操作リング装飾基板352の複数のLEDを適宜発光させることで、回転操作部302を構成しているリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337の全体を充分(均一)に発光装飾させることができ、回転操作部302を目立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができる。
また、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348により伝達検知ギア部材345を介して回転操作部302の回転方向や回転速度を検知することができるため、回転操作部302の回転方向と同じ方向と同じ速度で、演出操作リング装飾基板352の円環状に列設されている複数のLEDを順次発光(点灯・消灯)させることができる。これにより、リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337の特定の部位が発光装飾された状態で、回転操作部302が回転することとなるため、遊技者に対して、恰も回転操作部302の内部にLEDが備えられているように錯覚させることができ、回転操作部302の回転(回転操作)を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。或いは、遊技状態に応じて、回転操作部302の回転操作を要求する遊技者参加型演出を実行した際に、演出操作リング装飾基板352の円環状に列設されている複数のLEDを、回転操作させたい方向へ順次発光させることで、遊技者に対して回転操作部302の回転操作を促すことができ、遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348により回転操作部302の回転方向及び回転速度(rpm)を検知しており、演出操作リング装飾基板352において円環状に列設されている複数のLEDを、回転操作部302と同じ回転速度となるように順番に点灯させることができる。これにより、遊技者が回転操作部302を回転操作しているのにも関わらず、回転操作部302のとある部位が発光している状態で回転操作部302と一緒に回転することとなるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、回転操作部302の回転と発光装飾とでプレミアム感を付与することができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、演出操作リング装飾基板352の円環状に列設されている複数のLEDを順次発光させて、回転操作部302において光が回転する発光装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者に対して円環状の回転操作部302が回転操作するためのものであることを即座位に認識させることができ、遊技者参加型演出が実行された時に遊技者を当該演出に参加させ易くすることができると共に、遊技者参加型演出の実行に対して期待感を高めさせることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、伝達検知ギア部材345を、回転操作部302の回転軸に対して直交する軸周りへ回転可能に取付けており、回転操作部302の回転面に対して垂直方向から見た時に、回転操作部302の投影範囲に可及的に近い位置、に伝達検知ギア部材345を配置しており、皿ユニット200において、回転操作部302に係る構成(演出操作ユニット300、或いは、回転駆動ユニット340)をコンパクトにまとめることができるため、相対的に回転操作部302の直径を大きくすることができ、回転操作部302を目立たせて遊技者の関心を強く引付けさせることができる。
更に、遊技状態に応じて伝達検知ギア部材345を介して回転操作部302を回転駆動させる操作リング駆動モータ342を備えており、上述したように、演出操作リング装飾基板352によって発光装飾可能な回転操作部302を、遊技者の回転操作に加えて、操作リング駆動モータ342によっても回転させることができるため、遊技状態に応じて皿ユニット200の上面の回転操作部302をぐるぐる回転させと共に、発光装飾させることで、遊技領域5aの下方且つ前方において回転操作部302を目立たせることができ、遊技者の関心を回転操作部302へ強く引付けさせることができる。
また、回転操作部302の回転を伝達検知ギア部材345、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知することができるため、遊技者が回転操作部302を回転操作した時に、回転操作部302と同じ方向へ操作リング駆動モータ342により回転操作部302を回転させることで、回転操作部302の回転操作をアシストすることができ、回転操作部302の操作感を軽くすることができる。或いは、遊技者による回転操作とは逆方向へ操作リング駆動モータ342により回転操作部302を回転させることで、回転操作部302の回転操作に負荷を与えることができ、回転操作部302の操作感を重くすることができる。更に、遊技者による回転操作に対して、所定の回転角度毎に、操作リング駆動モータ342により回転が停止する方向へ回転操作部302に回転力を与えることで、回転操作部302の回転操作にクリック感を付与することができる。また、回転操作部302を、操作リング駆動モータ342により所定の角度範囲内で往復回動させることで、回転操作部302を振動させることができる。このように、操作リング駆動モータ342により回転操作部302に対して様々な操作感を付与することができることから、より多彩な遊技者参加型演出に対応することができるため、多彩な演出によって遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、演出操作リング装飾基板352を備えていることから、操作リング駆動モータ342による回転操作部302の操作感を付与させる際に、演出操作リング装飾基板352の複数のLEDを、回転操作と同じ方向へ順次発光させたり、回転操作と逆方向へ順次発光させたりすることで、光によって操作感を支援することができるため、遊技者に対して回転操作部302の回転操作を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を上皿201の前後方向の距離よりも大きくしていることから、回転操作部302の下方のスペースが確保し易くなり、より多くの数のLEDが実装された演出操作リング装飾基板352を配置することができるため、回転操作部302をより均一且つ明るく発光装飾させることができ、遊技者の関心を強く引付けることができる。
更に、演出操作リング装飾基板352、外周ボタン装飾基板377、及び中央ボタン装飾基板376によって、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aを、夫々良好な状態に発光装飾させることができるため、それらを適宜発光させることで、回転操作部302のみを発光装飾させたり、押圧操作部303のみを発光装飾させたり、中央押圧操作部303aのみを発光装飾させたり、外周押圧操作部303bのみを発光装飾させたりすることができ、遊技者に対して操作させたい操作部を認識させ易くして遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、外周ボタン装飾基板377において複数のLEDを円環状に列設していることから、それらを順次発光させることで、光が回るような発光演出を行うことができるため、回転操作部302における演出操作リング装飾基板352による演出と、外周押圧操作部303bにおける外周ボタン装飾基板377による演出とを関連付けた演出を行うことができる。具体的には、例えば、遊技者に対して、回転操作部302の回転操作を促す際に、演出操作リング装飾基板352のLEDと外周ボタン装飾基板377のLEDの両方を夫々順次発光させることで、二列になって光が回転する発光装飾を行う。或いは、遊技者が回転操作部302を回転操作している時に、外周ボタン装飾基板377のLED(外周押圧操作部303b)でも回転操作部302の回転に合わせて光を回転させたり、遊技者に対して回転操作部302の回転方向を逆方向へ促したい時に、外周ボタン装飾基板377のLEDにより逆方向へ光を回転させたりする発光装飾を行う。このように、多彩な発光による演出を遊技者に見せることができるため、遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、同心円状に並んでいる回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aを夫々発光装飾させる演出操作リング装飾基板352、外周ボタン装飾基板377、及び中央ボタン装飾基板376を備えているため、例えば、演出操作リング装飾基板352、外周ボタン装飾基板377、及び中央ボタン装飾基板376の順に夫々のLEDを発光させたり、逆の順に発光させたりすることで、回転操作部302から中央押圧操作部303aへ集中するような光の演出や、中央押圧操作部303aから回転操作部302へ拡散するような光の演出を見せることができる。これにより、より多彩な発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者の関心を中央押圧操作部303aへ向けさせたり、回転操作部302へ向けさせたりすることができ、中央押圧操作部303aや回転操作部302の操作を促して遊技者参加型演出を楽しませることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技が行われる遊技領域5aを備えた遊技盤5を、本体枠4に対して前方から着脱可能に取付けていると共に、本体枠4の前面を開閉可能に閉鎖している扉枠3の扉枠ベース101に、遊技領域5aを前方から視認可能な扉窓101aを形成すると共に、透明平板状のガラス板162を備えたガラスユニット160を、扉窓101aを閉鎖するように扉枠3(扉枠ベース101)に取付け、扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に、遊技を行うための遊技球Bを貯留する上皿201及び下皿202を備えた皿ユニット200を取付けている。
そして、皿ユニット200の上面に、上皿201の前後方向の距離よりも直径が大きい円環状でドーナツ形状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に同軸状に配置された円筒状の外周押圧操作部303bと円柱状の中央押圧操作部303aとからなる押圧操作部303とが取付けられていると共に、回転操作部302の下方に回転操作部302と同じような半円弧のドーナツ形状で直径の大きな二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが上下に二つ離間して取付けられていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの両端と連続するように同じような形状の扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453が遊技領域5aの外周を囲むように扉枠ベース101の扉窓101aの外側に取付けられている。
従って、皿ユニット200において、回転操作部302と二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bとで三つのドーナツ形状の部材が上下に並んでいると共に、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが同心円状に並んでいるため、見た目のインパクトを高めることができ、回転操作部302や押圧操作部303を目立たせることができると共に、遊技者が操作可能な回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができ、遊技者の関心を皿ユニット200の上面の演出操作ユニット300における回転操作部302や押圧操作部303へ強く引付けさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302と皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bとを同じような円柱形状(チューブ)を環状にしたようなドーナツ形状としていると共に、回転操作部302の下方に備えられている皿中央上装飾体312aと連続するように半円柱形状の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453が遊技領域5aの外周を囲んでいるため、遊技領域5aの外周を円柱形状のチューブで囲んだような装飾を遊技者に見せることができ、パチンコ機1前面の装飾に対して統一感を付与することができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができると共に、遊技者の関心を円柱形状のチューブで囲まれている内側(遊技領域5a及び回転操作部302や押圧操作部303)へ向けさせて訴求力を高めることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせて遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
また、皿ユニット200の上面に、ドーナツ形状の回転操作部302を上方へ向かうに従って前方へ位置するように延びている軸周りに回転可能に取付けており、回転操作部302の上面が、前端側が低くなるように傾斜した状態となるため、回転操作部302や押圧操作部303の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)の方向を向くこととなり、遊技者から回転操作部302や押圧操作部303の全容を見え易くすることができ、回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができる。また、上述したように、回転操作部302や押圧操作部303の全容が判り易くなるため、遊技者に対して回転操作部302がドーナツ形状であることを認識させ易くすることができる。従って、遊技者に対して、ドーナツ形状の回転操作部302が回転操作するものであることを即座に認識させることができるため、遊技者参加型演出が実行された時に、即座に遊技者が回転操作部302を回転操作することができ、回転操作部302の操作により遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を上皿201の前後方向の距離よりも大きくしていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの直径を回転操作部302よりも大きくしており、パチンコ機1の皿ユニット200において、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの前端側が上皿201よりも前方へ大きく突出した状態となると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが回転操作部302の外周を装飾している状態となるため、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを大きく目立たせることができると同時に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bによって回転操作部302周りの見栄えを良くすることができる。従って、遊技者に対して、一見して他のパチンコ機とは異なるパチンコ機1であることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
更に、回転操作部302を、円柱形状を環状にしたようなドーナツ形状としていることから、平らな円盤形状とした場合と比較して、回転操作部302の上面、外側側面、内側側面、等に手指がかかり易くなるため、遊技者が好きなように回転操作部302を回転操作することができる。また、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを回転操作部302よりも大きく形成していることから、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが回転操作部302よりも外側へ突出することとなるため、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bに腕を置いたり手指をかけたりすることができ、遊技者が楽な姿勢で回転操作部302を操作することができると共に、回転操作部302よりも前方へ突出している皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの存在によって、遊技者が回転操作部302に近付きすぎないようにすることが可能となり、回転操作部302の周りに遊技者が操作するための腕や手指が移動する空間を確保し易くすることができ、回転操作部302の操作性を高めることができる。このように、回転操作部302の回転操作が行い易いため、遊技者参加型演出が実行された時に、遊技者が回転操作部302の操作を思うようにすることができ、遊技者に遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の内側の外周押圧操作部303b及び中央押圧操作部303aからなる押圧操作部303を、後退位置(下降位置)と突出位置(上昇位置)との間で移動可能としていることから、押圧操作部303を上昇位置へ移動させると、押圧操作部303が回転操作部302よりも上方へ大きく突出した状態となるため、回転操作部302や押圧操作部303をより大きく見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、回転操作部302や押圧操作部303の操作に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、押圧操作部303が下降位置の時には、押圧操作部303よりもドーナツ形状の回転操作部302の方が相対的に目立ち易くなることから、遊技者の関心を回転操作部302へ向けさせることができる一方、押圧操作部303が上昇位置の時には、突出した押圧操作部303が回転操作部302よりも目立ち易くなることから、遊技者の関心を押圧操作部303へ向けさせることができる。従って、実行される遊技者参加型演出の内容に応じて、押圧操作部303を下降位置と上昇位置との間で移動させることで、遊技者に対して操作させたい演出操作部301を促すことができ、遊技者に対して回転操作部302や押圧操作部303を的確に操作させて遊技者参加型演出を楽しませることができる。
更に、回転操作部302の内側にある押圧操作部303を下降位置とした時には、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが互いに同じような高さとなると共に、回転操作部302及び中央押圧操作部303aが操作可能となり、押圧操作部303を下降位置から上昇位置へ移動させた時には、外周押圧操作部303bと中央押圧操作部303aが回転操作部302よりも上方へ突出した状態となると共に、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが操作可能となる。従って、遊技者参加型演出の内容に応じて、遊技者が操作可能な演出操作部301を適宜使い分けることができ、より多彩な演出に対応させることができると共に、遊技者に多様な操作を楽しませることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、演出操作リング装飾基板352、皿中央上装飾基板314及び皿中央下装飾基板316、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457を備えているため、回転操作部302、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312b、及び、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453を、発光装飾させることで、パチンコ機1全体の見栄えを良くすることができ、遊技者の関心を強く引付けさせて訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。また、回転操作部302、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312b、及び、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453を、適宜発光装飾させることで、遊技者の視線を遊技領域5a内から演出操作部301(回転操作部302)へ誘導したり、演出操作部301から遊技領域5a内へ誘導したりすることができるため、遊技状態に応じて遊技者に演出操作部301を操作させたり、遊技領域5a内での遊技を行わせたりすることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記の実施形態では、押圧操作部303を上昇位置へ移動させた状態で、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)を下降端まで押圧しても、外周押圧操作部303bの押圧が検知されないものを示したが、これに限定するものではなく、外周押圧操作部303bの押圧を検知できるようにしても良い。これにより、同じ押圧操作でも、中央押圧操作部303aと外周押圧操作部303bとで異なる演出態様に変化させたり、外周押圧操作部303bが押圧操作された時には中央押圧操作部303aの押圧操作を促したりすることが可能となり、より多彩な遊技者参加型演出を行うことができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上記の実施形態では、押圧操作部303(中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303b)を上昇位置へ移動させた状態では、押圧操作部303を押圧すると、下降位置まで移動するものを示したが、これに限定するものではなく、上昇位置の状態で押圧操作部303を押圧すると、上昇位置から僅かに下方へ移動した後に下方への移動が規制されるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、前方へ膨出している皿ユニット200の上面に回転操作部302を備えたものを示したが、これに限定するものではなく、皿ユニットの内部に回転操作部を配置すると共に、皿ユニットの前面において回転操作部の外周側面を外部に露出させるようにしても良い。これによっても、上述と同様に回転操作部の回転操作を遊技者に楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上記の実施形態では、接続筒部43aを介して幕板内部空間40a(ポート部材47)と連通されるスピーカユニット620aを、本体枠4に備えものを示したが、これに限定するものではなく、扉枠3(皿ユニット200)に内部がポート部材47と連通するスピーカユニットを備えるようにしても良く、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図102、図154、図103〜図120を参照して説明する。図102及び図154は主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図である。また、図103は図102のつづきを示すブロック図であり、図104は主基板を構成する払出制御基板とCRユニット及び度数表示板との電気的な接続を中継する遊技球等貸出装置接続端子板に入出力される各種検出信号の概略図であり、図105は図154のつづきを示すブロック図であり、図106は周辺制御MPUの概略を示すブロック図であり、図107は液晶表示制御部における音源内蔵VDP周辺のブロック図である。
なお、上述の実施形態では扉枠3には演出表示に関わる演出表示装置は設けられていないものであった。しかしながら、以下の説明においては、遊技盤5に設けられた演出表示装置1600とは別に、扉枠3にも演出表示に関わる扉枠側演出表示装置460(図107参照)を設けることのできるように、制御構成するものとして説明する。
パチンコ機1の制御構成は、図102に示すように、主制御基板1310、払出制御基板633及び周辺制御基板1510から主として構成されており、各種制御が分担されている。まず、主制御基板1310について説明し、続いて払出制御基板633、電源基板630、そして周辺制御基板1510について説明する。
[7−1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、図154に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに遊技動作を制御するメイン制御プログラムなどの各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310aと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路1310bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための主制御出力回路1310cと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路1310dと、予め定めた電圧の停電又は瞬停の兆候を監視する停電監視回路1310eと、を主として備えている。
主制御MPU1310aには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ1310af(以下、「主制御内蔵WDT1310af」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU1310aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路1310an(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路1310an」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値32767という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されておらず(つまり、初期値が固定されておらず)、主制御MPU1310aがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(後述する主制御水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路1310anが繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路1310anから値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路1310bは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御出力回路1310cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き主制御出力回路1310caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし主制御出力回路1310cbと、から構成されている。リセット機能付き主制御出力回路1310caは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き主制御出力回路1310caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし主制御出力回路1310cbは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし主制御出力回路1310cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
図99に示した、第一始動口2002に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ3002、第二始動口2004に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ2402、及び一般入賞口2001に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ3001からの検出信号や停電監視回路1310eからの信号は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。また、図99に示した、ゲート部2003を通過した遊技球を検出するゲートセンサ2401、大入賞口2005に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ2403、及び図100示した裏ユニット3000に取り付けられて磁石を用いた不正行為を検出する磁気センサ3003からの検出信号は、遊技盤5に取り付けられたパネル中継基板3031、そして主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPU1310aは、これらの各スイッチからの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから主制御ソレノイド駆動回路1310dに制御信号を出力し、主制御ソレノイド駆動回路1310dからパネル中継基板3031を介して始動口ソレノイド2404及びアタッカソレノイド2405に駆動信号を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caからパネル中継基板3031、そして機能表示ユニット1400を介して第一特別図柄表示器1404、第二特別図柄表示器1406、第一特別保留数表示器1405、第二特別保留数表示器1407、普通図柄表示器1402、状態表示器1401、及びラウンド表示器1408に駆動信号を出力したりする。
また、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから払出制御基板633に遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに信号(停電クリア信号)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから停電監視回路1310eに信号(停電クリア信号)を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、ゲートセンサ2401、及び大入賞口センサ2403には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ3001には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2002や第二始動口2004に頻繁に入球するし、ゲート部2003を頻繁に通過するため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2401による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2401には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態が発生すると、大入賞口2005が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、大入賞口センサ2403による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、大入賞口センサ2403にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2001,2201には、一般入賞口センサ3001,4020による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ3001,4020には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路1310cbに払い出しに関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路1310cbから払出制御基板633に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。払出制御基板633は、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を主制御基板1310に出力する。この信号(払主ACK信号)が主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、払出制御基板633からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして主制御入力回路1310bで受信することにより、主制御入力回路1310bからその所定のシリアル入力ポートの入力端子で各種コマンドをシリアルデータとして受信する。主制御MPU1310aは、払出制御基板633からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに出力し、リセット機能付き主制御出力回路1310caから払出制御基板633に信号(主払ACK信号)を出力する。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路1310cbに遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路1310cbから周辺制御基板1510に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
ここで、周辺制御基板1510へ各種コマンドをシリアルデータとして送信する主周シリアル送信ポートについて簡単に説明する。主制御MPU1310aは、主制御CPUコア1310aaを中心として構成されており、主制御内蔵RAMのほかに、主制御各種シリアルI/Oポートの1つである主周シリアル送信ポート1310ae等がバス1310ahを介して回路接続されている(図112を参照)。主周シリアル送信ポート1310aeは、周辺制御基板1510へ各種コマンドを主周シリアルデータとして送信するものであり、送信シフトレジスタ1310aea、送信バッファレジスタ1310aeb、シリアル管理部1310aec等を主として構成されている(図112を参照)。主制御CPUコア1310aaは、コマンドを送信バッファレジスタ1310aebにセットして送信開始信号をシリアル管理部1310aecに出力すると、このシリアル管理部1310aecが送信バッファレジスタ1310aebにセットされたコマンドを送信バッファレジスタ1310aebから送信シフトレジスタ1310aeaに転送して主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信開始する。本実施形態では、送信バッファレジスタ1310aebの記憶容量として32バイトを有している。主制御CPUコア1310aaは、送信バッファレジスタ1310aebに複数のコマンドをセットした後にシリアル管理部1310aecに送信開始信号を出力することによって複数のコマンドを連続的に周辺制御基板1510に送信している。
なお、主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図108を参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU1310aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。主制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に後述する払出制御基板633の操作スイッチ954が操作されると、操作スイッチ954からの操作信号(RAMクリア信号)が払出制御基板633から出力され、主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、主制御MPU1310aによって主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[7−2.払出制御基板]
遊技球の払い出し等を制御する払出制御基板633は、図103に示すように、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部633aと、各種機能を兼用する操作スイッチ954と、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器860bと、を備えている。また、RAMクリアスイッチとしての機能を兼ね備える操作スイッチ954は、操作されることによって出力された検出信号に基づいて、主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号を出力する。
[7−2−1.払出制御部]
払い出しに関する各種制御を行う払出制御部633aは、図103に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技媒体の払出動作を制御する払出制御プログラムを含む各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU952aと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路952bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための払出制御出力回路952cと、図89に示した払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路952dと、CRユニット6との各種信号をやり取りするためのCRユニット入出力回路952eと、を備えている。払出制御MPU952aには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御によって、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドをそれぞれ払出制御入力回路952bを介して主払シリアルデータ受信信号としてシリアル方式でシリアルデータを受信する。また、払出制御プログラムは、遊技球の払出動作にエラーが発生したことを契機として枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンドに相当)を生成したり、エラー解除部としての操作スイッチ954の操作信号(検出信号)に基づいて16ビット(2バイト)のエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンドに相当)を作成し、これらエラー発生コマンド及びエラー解除ナビコマンドをそれぞれ、払主シリアルデータ送信信号としてシリアル方式のシリアルデータとして、払出制御I/Oポート952bを介して主制御基板1310の受信ポートに対して出力する(コマンド送信手段)。また、この払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、即ち、払出制御部メイン処理が実行されたり払出制御部タイマ割り込み処理が実行されて払出制御が開始された後に、その払出動作に関してエラーが発生した場合、操作スイッチ954の操作に伴って発生した検出信号に基づいて当該エラーを解除するとともに当該エラーに応じた警告情報の出力などを停止させる(エラー解除制御手段)。
また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその開放操作に伴う検出信号(扉枠開放検出信号)が入力されると扉枠開放コマンドの(第1の扉開放コマンド)を出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその開放操作に伴う検出信号(本体枠開放検出信号)が入力されると本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を出力する。一方、また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその閉鎖操作に伴う検出信号(扉枠閉鎖検出信号)が入力されると扉枠閉鎖コマンド(第1の扉枠閉鎖コマンド)のを出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその閉鎖操作に伴う検出信号(本体枠閉鎖検出信号)が入力されると本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を出力する。
払出制御入力回路952bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、払出制御入力回路952bは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、払出制御入力回路952bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出制御出力回路952cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き払出制御出力回路952caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし払出制御出力回路952cbと、から構成されている。リセット機能付き払出制御出力回路952caは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き払出制御出力回路952caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし払出制御出力回路952cbは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし払出制御出力回路952cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出ユニット560の球誘導ユニット570の供給通路内の遊技球の球切れを検知する球切検知センサ574、及び払出装置580の払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ591、払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ590からの検出信号は、払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。なお、後述の説明上、羽根回転検知センサ590を、この明細書において単に回転検知センサ840ということにする。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、図1に示したファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タン検知センサ154からの検出信号は、まずハンドル中継端子板315、電源基板630、そして払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
払出制御MPU952aは、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを、払出制御入力回路952bを介して、そのシリアル入力ポートの入力端子でシリアルデータ方式で受信したり、操作スイッチ954の操作信号(検出信号)を払出制御入力回路952bを介して主制御基板1310に対して出力する。払出制御MPU952aは、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから主制御基板1310に信号(払主ACK信号)を出力する。
また、払出制御MPU952aは、そのシリアル出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態を示すための各種コマンドをシリアルデータとしてリセット機能なし払出制御出力回路952cbに送信することにより、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
主制御基板1310は、払出制御基板633からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を払出制御基板633に出力する。この信号(主払ACK信号)が払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、払出制御MPU952aは、その所定の出力ポートの出力端子から、払出モータ584を駆動するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号を払出モータ駆動回路952dに出力し、払出モータ駆動回路952dから駆動信号を払出モータ584に出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器860bに表示するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したりする。
エラーLED表示器860bは、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器860bが表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間において電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切検知センサ574からの検出信号に基づいて払出装置580の供給通路内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転検知センサ840からの検出信号に基づいて払出装置580の供給通路と連通する振分空間の入り口において払出回転体と遊技球とがその入り口近傍でかみ合って払出回転体が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「払出検知センサエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて払出検知センサ591に異常が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいてファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板633からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中(賞球ストック(未払出)あり)」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
また、払出制御MPU952aは、その所定の出力ポートの出力端子から、実際に払い出した遊技球の球数等をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから図示しない抵抗を介して外部端子板784に実際に払い出した遊技球の球数等を出力したりする。
また、払出制御基板633は、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)を図示しない抵抗を介して外部端子板784に出力している。外部端子板784は、図示しない複数のフォトカプラ(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)が設けられており、これらの複数のフォトカプラを介して、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに遊技球の球数等及び各種情報(遊技情報、遊技球の払出動作に関するエラー内容或いはエラーがあった旨)をそれぞれ伝えるようになっている。
外部端子板784とホールコンピュータとは、複数のフォトカプラにより電気的に絶縁された状態となっており、パチンコ機1の外部端子板784を経由してホールコンピュータへ異常な電圧が印加されてホールコンピュータが誤動作したり故障したりしないようになっているし、ホールコンピュータからパチンコ機1の外部端子板784を経由して遊技を進行する主制御基板1310や払出等を制御する払出制御基板633に異常な電圧が印加されて誤動作したり故障したりしなしようになっている。ホールコンピュータは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数等やパチンコ機1の遊技情報を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
球貸ボタン328からの遊技球の球貸要求信号、及び返却ボタン329からのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主扉中継端子板880、そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板633にシリアル方式で送信し、この信号がCRユニット入出力回路952eを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。また、CRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を球貸返却表示部に表示するための信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が球貸返却表示部に入力されるようになっている。また、球貸返却表示部に隣接するCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの供給電圧が遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されるようになっている。
なお、払出制御基板633に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板633に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図108を参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU952aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶することができるようになっている。払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ954が操作されると、その操作信号が払出制御入力回路952bを介して、払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、払出制御MPU952aは払出制御内蔵RAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号として判断し、これを契機として、払出制御MPU952aによって払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。この操作信号(RAMクリア信号)は、リセット機能なし払出制御出力回路952cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に出力されるようにもなっている。
[7−2−2.遊技球等貸出装置接続端子板との各種信号のやり取り]
ここで、払出制御部633aとCRユニット6とにおける各種信号のやり取り、及びCRユニット6と度数表示板365とにおける各種信号のやり取りについて、図125に基づいて説明する。遊技球等貸出装置接続端子板869は、図125に示すように、CRユニット6と払出制御基板633との基板間の電気的な接続を中継するほかに、CRユニット6と度数表示板365との基板間の電気的な接続も中継している(正確には、遊技球等貸出装置接続端子板869は、主扉中継端子板880を介して度数表示板365と電気的に接続されており、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続され、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880とが電気的に接続され、そして主扉中継端子板880と度数表示板365とが電気的に接続されている)。CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と払出制御基板633との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880との基板間、及び遊技球等貸出装置接続端子板869と度数表示板365との基板間は、各配線(ハーネス)によって電気的にそれぞれ接続されている。また、電源基板630からの後述するAC24Vが遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に供給されている。CRユニット6は、この供給されたAC24Vから所定電圧VL(本実施形態では、直流+12V(DC+12V、以下「+12V」記載する。))を、内蔵する図示しない電圧作成回路により作成してグランドLGとともに、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板633に供給する一方、遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して度数表示板365に供給している。
度数表示板365は、その部品面に、の球貸ボタン328と対応する位置に押ボタンスイッチである球貸ボタン328が実装され、貸球ユニット360の返却ボタン329と対応する位置に押ボタンスイッチである返却ボタン329が実装され、貸球ユニット360の貸出残表示部363と対応する位置にセグメント表示器である球貸返却表示部が実装されている。
球貸ボタン328及び返却ボタン329は、CRユニット6からのグランドLGが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して電気的に接続されている。球貸ボタン328は、球貸ボタン328が押圧操作されると、球貸ボタン328のスイッチが入り(ONし)、球貸ボタン328からの球貸操作信号TDSが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。返却ボタン329は、返却ボタン329が押圧操作されると、返却ボタン329のスイッチが入り(ONし)、返却ボタン329からの返却操作信号RESが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。
球貸返却表示部は、セグメント表示器が3個一列に並設されたものであり、これら3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器ずつ順次駆動する、いわゆるダイナミック点灯方式によって3桁のセグメント表示器が点灯制御されるようになっている。このような点灯制御によって、球貸返却表示部は、CRユニット6に挿入されたプリペイドカードの残額を表示したり、CRユニット6のエラーを表示したりする。球貸返却表示部は、3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器を指定するためのデジット信号DG0〜DG2(計3本の信号)と、この指定した1桁のセグメント表示器を点灯させて表示させる内容を指定するためのセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−G(計7本の信号)と、がCRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されると、この入力された、デジット信号DG0〜DG2及びセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gに従って1桁のセグメント表示器が順次発光され、これらの3桁のセグメント表示器の発光による内容が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。
なお、球貸返却表示部に隣接してCRユニットランプ365dが度数表示板365に実装されている。このCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの所定電圧VLが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されている。所定電圧VLは、CRユニットランプ365dを介して遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸可能信号TDLとしてCRユニット6に入力されている。CRユニット6は、内蔵する電圧作成回路で電源基板630から供給されたAC24Vから所定電圧VLを作成しており、球貸ボタン328及び返却ボタン329が有効である球貸可能な状態である場合には球貸可能信号TDLの論理を制御してCRユニットランプ365dを発光させ、この発光が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。また、セグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gは、遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸返却表示部に入力されている。
CRユニット6は、球貸ボタン328が押圧操作されて球貸ボタン328からの球貸操作信号TDSが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、貸球要求信号であるBRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板633(払出制御MPU952a)に出力するようになっている。そしてCRユニット6は、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板633(払出制御MPU952a)に出力するようになっている。BRDY及びBRQが入力される払出制御基板633(払出制御MPU952a)は、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるための信号であるEXSを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したり、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるための信号であるPRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したりする。なお、例えば、球貸ボタン328が押圧操作されると、200円分の遊技球が払い出されるように、ホールの店員等がCRユニット6に予め設定している場合には、1回の払出動作が連続して2回行われるようになっており、100円分の25球が払い出されると、続けて100円分の25球が払い出され、計200円分の50球が払い出されることとなる。
CRユニット6は、返却ボタン329が押圧操作されて返却ボタン329からの返却操作信号RESが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、プリペイドカードを図示しない挿入口から排出して返却するようになっている。この返却されたプリペイドカードは、球貸ボタン328が押圧操作された結果、払い出された遊技球の球数に相当する金額が減算された残額が記憶されている。
[7−3.電源基板630]
次に、電源基板630について簡単に説明する。電源基板630は、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を電気的に接続したり、電気的に遮断したりすることができる電源スイッチ934と、各種電源を生成する電源制御部935と、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド542による発射制御及び図1に示した球送りユニット250の球送給ソレノイド255による球送制御を行う発射制御部633bと、を備えている。
[7−3−1.電源制御部]
電源制御部935は、電源スイッチ934が操作されてパチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)を整流する同期整流回路935aと、同期整流回路935aで整流された電力の力率を改善する力率改善回路935bと、力率改善回路935bで力率が改善された電力を平滑化する平滑化回路935cと、平滑化回路935cで平滑化された電力から各種基板に供給するための各種直流電源を作成する電源作成回路935dと、を備えている。
[7−3−2.発射制御部]
発射ソレノイド542による発射制御と、球送給ソレノイド145による球送制御と、を行う発射制御部633bは、発射制御回路953aを主として構成されている。発射制御回路953aは、ハンドル182の回転位置に応じて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す強度(発射強度)を電気的に調節するハンドル回転検知センサ189からの操作信号と、ハンドル182に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192からの検出信号と、遊技者の意志によって遊技球の打ち出し(発射)を強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号と、がハンドル中継端子板315を介して、入力されている。また、発射制御回路953aは、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続されると、その旨を伝えるCR接続信号が払出制御基板633を介して入力されている。
発射制御回路953aは、ハンドル回転検知センサ189からの操作信号に基づいて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイド542に出力する制御を行っている一方、ハンドル中継端子板315を介して球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより球送りユニット250の球送部材が皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る制御を行っている。
[7−4.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、図105に示すように、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて演出制御を行い、かつ、図19に示す扉枠側演出表示装置460の表示領域の描画を行う演出表示駆動基板4450と制御コマンドや各種情報(各種データ)をやり取りする周辺制御部1511と、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行う一方、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音制御を行う液晶表示制御部1512と、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するリアルタイムクロック(以下、「RTC」と記載する。)制御部4165と、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節する音量調整ボリューム1510aと、を備えている。
[7−4−1.周辺制御部]
演出制御を行う周辺制御部1511は、図105に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU1511aと、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに演出動作を制御するサブ制御プログラムなどの各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータを記憶する周辺制御ROM1511bと、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理をまたいで継続される各種情報(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に描画する画面を規定するスケジュールデータや各種LED等の発光態様を規定するスケジュールデータなどを管理するための情報など)を記憶する周辺制御RAM1511cと、日をまたいで継続される各種情報(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)を記憶する周辺制御SRAM1511dと、周辺制御MPU1511aが正常に動作しているか否かを監視するための周辺制御外部ウォッチドックタイマ1511e(以下、「周辺制御外部WDT1511e」と記載する。)と、を備えている。
周辺制御RAM1511cは、瞬停が発生して電力がすぐ復帰する程度の時間しか記憶された内容を保持することができず、電力が長時間遮断された状態(長時間の電断が発生した場合)ではその内容を失うのに対して、周辺制御SRAM1511dは、電源基板630に設けられた図示しない大容量の電解コンデンサ(以下、「SRAM用電解コンデンサ」と記載する。)によりバックアップ電源が供給されることにより、記憶された内容を50時間程度、保持することができるようになっている。電源基板630にSRAM用電解コンデンサが設けられることにより、遊技盤5をパチンコ機1から取り外した場合には、周辺制御SRAM1511dにバックアップ電源が供給されなくなるため、周辺制御SRAM1511dは、記憶された内容を保持することができなくなってその内容を失う。
周辺制御外部WDT1511eは、周辺制御MPU1511aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御MPU1511aは、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)に周辺制御外部WDT1511eのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御外部WDT1511eに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御MPU1511aは、一定期間内にクリア信号を周辺制御外部WDT1511eに出力するときには、周辺制御外部WDT1511eのタイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御MPU1511aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310からの各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから図示しない周辺制御出力回路を介してランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データをモータ駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路を介してモータ駆動基板4180に送信したり、扉枠3に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データを枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したり、扉枠3の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データを枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したりする。
主制御基板1310からの各種コマンドは、図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートに入力されている。また、演出操作ユニット400に設けられた、ダイヤル操作部401の回転(回転方向)を検出するための回転検出スイッチからの検出信号、及び押圧操作部405の操作を検出するための押圧検出スイッチからの検出信号は、枠装飾駆動アンプ基板194に設けた図示しない扉側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された演出操作ユニット検出データが扉側シリアル送信回路から、周辺扉中継端子板882、枠周辺中継端子板868、そして周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aの演出操作ユニット検出用シリアルI/Oポートに入力されている。
遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチ(例えば、フォトセンサなど。)からの検出信号は、モータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された可動体検出データが遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートに入力されている。周辺制御MPU1511aは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの入出力を切り替えることにより周辺制御基板1510とモータ駆動基板4180との基板間における各種データのやり取りを行うようになっている。
なお、周辺制御MPU1511aは、ウォッチドックタイマを内蔵(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)しており、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDT1511eとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[7−4−1a.周辺制御MPU]
次に、マイクロコンピュータである周辺制御MPU1511aについて説明する。周辺制御MPU1511aは、図106に示すように、周辺制御CPUコア1511aaを中心として、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御DMA(Direct Memory Accessの略)コントローラ1511ac、周辺制御バスコントローラ1511ad、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御アナログ/デジタルコンバータ(以下、周辺制御A/Dコンバータと記載する)1511ak等から構成されている。
周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御DMAコントローラ1511acに対して、内部バス1511ahを介して、各種データを読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511akに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、各種データを読み書きする。
また、周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御ROM1511bに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして外部バス1511hを介して、各種データを読み込む一方、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511dに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして外部バス1511hを介して、各種データを読み書きする。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行う専用のコントローラであり、DMA0〜DMA3という4つのチャンネルを有している。
具体的には、周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御MPU1511aに内蔵される周辺制御内蔵RAM1511abの記憶装置と、周辺制御MPU1511aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御内蔵RAM1511abの記憶装置に対して、内部バス1511ahを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び周辺バス1511aiを介して、読み書きする。
また、周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御MPU1511aに外付けされる、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御MPU1511aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び外部バス1511hを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び周辺バス1511aiを介して、読み書きする。
周辺制御バスコントローラ1511adは、内部バス1511ah、周辺バス1511ai、及び外部バス1511hをコントロールして周辺制御MPUコア1511aaの中央処理装置と、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の各種装置間において、各種データのやり取りを行う専用のコントローラである。
周辺制御各種シリアルI/Oポート1511aeは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポート、モータ駆動基板用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、主制御基板用シリアルI/Oポート、演出操作ユニット情報取得用シリアルI/Oポートを有している。
周辺制御内蔵ウォッチドックタイマ(周辺制御内蔵WDT)1511afは、周辺制御MPU1511aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御CPUコア1511aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせた場合には、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)にそのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御内蔵WDT1511afに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御CPUコア1511aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせて一定期間内にクリア信号を周辺制御内蔵WDT1511afに出力するときには、タイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agは、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号、扉側モータ駆動発光ラッチ信号等の各種ラッチ信号を出力するほかに、周辺制御外部WDT1511eにクリア信号を出力したり、遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチからの検出信号をモータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化して、このシリアル化された可動体検出データを遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御MPU1511aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートで受信するための可動体情報取得ラッチ信号を出力したりする。このLEDは、高輝度の白色LEDであり、大当り遊技状態の発生が確定している旨を伝えるための確定告知ランプとなっている。本実施形態では、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agとが電気的に直接接続された構成を採用することにより、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agとの経路を短くすることで遊技上重量な意味を持つLEDの点灯制御についてノイズ対策を講ずることができる。なお、LEDの点灯制御については、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理において実行されるようになっており、このLEDを除く他のLED等は、後述する周辺制御部定常処理において実行されるようになっている。
周辺制御A/Dコンバータ1511akは、音量調整ボリューム1510aと電気的に接続されており、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変し、つまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512(後述する音源内蔵VDP1512a)を制御してスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整によりスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。
なお、本実施形態では、音楽や効果音のほかに、パチンコ機1の異常の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりする等。)ための告知音もスピーカ921及び上部スピーカ573から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512(後述する音源内蔵VDP1512a)を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。
これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に異常が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が異常の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
[7−4−1b.周辺制御ROM]
周辺制御ROM1511bは、周辺制御部1511、液晶表示制御部1512、RTC制御部4165等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータを予め記憶されている。各種スケジュールデータには、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。この音指令データには、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
なお、周辺制御ROM1511bに記憶されている各種制御プログラムは、周辺制御ROM1511bから直接読み出されて実行されるものもあれば、後述する周辺制御RAM1511cの各種制御プログラムコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されて実行されるものもある。また周辺制御ROM1511bに記憶されている、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータも、周辺制御ROM1511bから直接読み出されるものもあれば、後述する周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されるものもある。
また、周辺制御ROM1511bには、RTC制御部4165を制御する各種制御プログラムの1つとして、遊技盤側演出表示装置1600の使用時間に応じて遊技盤側演出表示装置1600の輝度を補正するための輝度補正プログラムが含まれている。この輝度補正プログラムは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側演出表示装置1600の経年変化にともなう輝度低下を補正するものであり、後述するRTC制御部4165の内蔵RAMから遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時、現在の日時、輝度設定情報等を取得して、この取得した輝度設定情報を補正情報に基づいて補正する。この補正情報は、周辺制御ROM1511bに予め記憶されている。輝度設定情報は、後述するように、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものであり、例えば、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。
[7−4−1c.周辺制御RAM]
周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御RAM1511cは、図106に示すように、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア1511caと、このバックアップ管理対象ワークエリア1511caに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccと、周辺制御ROM1511bに記憶されている各種制御プログラムがコピーされたものを専用に記憶する各種制御プログラムコピーエリア1511cdと、周辺制御ROM1511bに記憶されている、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータ等がコピーされたものを専用に記憶する各種制御データコピーエリア1511ceと、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっていないものを専用に記憶するバックアップ非管理対象ワークエリア1511cfと、が設けられている。
なお、パチンコ機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)には、バックアップ非管理対象ワークエリア1511cfに対して値0が強制的に書き込まれてゼロクリアされる一方、バックアップ管理対象ワークエリア1511ca、バックアップ第1エリア1511cb、及びバックアップ第2エリア1511ccについては、パチンコ機1の電源投入時に主制御基板1310からの電源投入時状態コマンド(図143を参照)がRAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図123に示した操作スイッチ954が操作された時における演出の開始を指示したりするものである)であるときにはゼロクリアされる。
バックアップ管理対象ワークエリア1511caは、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理において更新される各種情報である演出情報(1fr)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1fr)と、後述する1msタイマ割り込みが発生するごとに実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理において更新される各種情報である演出情報(1ms)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1ms)と、から構成されている。ここで、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア1511cbからバックアップ第2エリア1511ccに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(1fr)」は、後述するように、音源内蔵VDP1512aが1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力すると、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU1511aに出力するようになっているため、Vブランク信号が入力されるごとに、換言すると、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1fr)や後述する演出バックアップ情報(1fr)についても、同一の意味で用いる)。「(1ms)」は、後述するように、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1ms)や後述する演出バックアップ情報(1ms)についても、同一の意味で用いる)。
Bank0(1fr)には、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cab、受信コマンド記憶領域1511cac、RTC情報取得記憶領域1511cad、及びスケジュールデータ記憶領域1511cae等が設けられている。ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaには、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATがセットされる記憶領域であり、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabには、扉枠3の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATがセットされる記憶領域であり、受信コマンド記憶領域1511cacには、主制御基板1310から送信される各種コマンドを受信してその受信した各種コマンドがセットされる記憶領域であり、RTC情報取得記憶領域1511cadには、RTC制御部4165(後述するRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aa)から取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、スケジュールデータ記憶領域1511caeには、主制御基板1310(主制御MPU1310a)から受信したコマンドに基づいて、この受信したコマンドと対応する各種スケジュールデータがセットされる記憶領域である。スケジュールデータ記憶領域1511caeには、周辺制御ROM1511bから各種制御データコピーエリア1511ceにコピーされた各種スケジュールデータが読み出されてセットされるものもあれば、周辺制御ROM1511bから各種スケジュールデータが直接読み出されてセットされるものもある。
Bank0(1ms)には、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cag、可動体情報取得記憶領域1511cah、及び演出操作ユニット情報取得記憶領域1511cai、及び描画状態情報取得記憶領域1511cak等が設けられている。枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafには、扉枠3に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされる記憶領域であり、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagには、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされる記憶領域であり、可動体情報取得記憶領域1511cahには、遊技盤5に設けた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiには、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいてダイヤル操作部401の回転(回転方向)及び押圧操作部405の操作等を取得した各種情報(例えば、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて作成するダイヤル操作部401の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部405の操作履歴情報など。)がセットされる記憶領域であり、描画状態情報取得記憶領域1511cakには、演出表示駆動基板4450が周辺制御基板1510の音源内蔵VDP1512aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する後述するLOCKN信号に基づいて周辺制御基板1510と演出表示駆動基板4450との接続間における異常の頻度や異常の発生状態を取得した各種情報がセットされる記憶領域である。
なお、Bank0(1fr)のランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa及び枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabと、Bank0(1ms)の枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf及びモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagとは、第1領域及び第2領域という2つの領域にそれぞれ分割されている。
ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaは、後述する周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域に、遊技盤側発光データSL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域、第2領域に遊技盤側発光データSL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理においてランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域にセットした遊技盤側発光データSL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabは、周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域に、扉側発光データSTL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域、第2領域に扉側発光データSTL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理において枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域にセットした扉側発光データSTL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafは、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域に、扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域、第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理において枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域にセットした扉側モータ駆動データSTM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagは、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域に、遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域、第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理においてモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域にセットした遊技盤側モータ駆動データSM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア1511caに記憶されている各種情報である演出情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccについて説明する。バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccは、2つのバンクを1ペアとする2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア1511cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア1511ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア1511cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア1511ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
また、本実施形態では、通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるようになっているが、これらの周辺制御DMAコントローラ1511acによる高速コピーを実行するプログラムは共通化されている。つまり本実施形態では、演出情報(1fr)、演出情報(1ms)を、共通の管理手法(共通のプログラムの実行)で情報を管理している。
[7−4−1d.周辺制御SRAM]
周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御SRAM1511dは、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア1511daと、このバックアップ管理対象ワークエリア1511daに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcと、が設けられている。なお、周辺制御SRAM1511dに記憶された内容は、パチンコ機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)に主制御基板1310からの電源投入時状態コマンド(図122を参照)がRAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図103に示した操作スイッチ954が操作された時における演出の開始を指示したりするものである)ときにおいても、ゼロクリアされない。この点については、上述した周辺制御RAM1511cのバックアップ管理対象ワークエリア1511ca、バックアップ第1エリア1511cb、及びバックアップ第2エリア1511ccがゼロクリアされる点と、全く異なる。また、パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで、周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容(項目)ごとに(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴など。)クリアすることができる一方、周辺制御RAM1511cに記憶されている内容(項目)については、全く表示されず、設定モードにおいてクリアすることができないようになっている。この点についても、周辺制御RAM1511cと周辺制御SRAM1511dとで全く異なる。
バックアップ管理対象ワークエリア1511daは、日をまたいで継続される各種情報である演出情報(SRAM)(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(SRAM)から構成されている。ここで、Bank0(SRAM)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、上述したように、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア1511dbからバックアップ第2エリア1511dcに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(SRAM)」は、周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御SRAM1511dに記憶されている各種情報がバックアップ対象となっていることから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(SRAM)や後述する演出バックアップ情報(SRAM)についても、同一の意味で用いる)。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア1511daに記憶されている各種情報である演出情報(SRAM)がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcについて説明する。バックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcは、2つのバンクを1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容である演出情報(SRAM)は、演出バックアップ情報(SRAM)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア1511dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア1511dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア1511dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア1511dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
[7−4−2.液晶表示制御部]
遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御とスピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音制御とを行う液晶表示制御部1512は、図105に示すように、音楽や効果音等の音制御を行うための音源が内蔵(以下、「内蔵音源」と記載する。)されるとともに遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行う音源内蔵VDP(Video Display Processorの略)1512aと、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示される画面の各種キャラクタデータに加えて音楽や効果音等の各種音データを記憶する液晶及び音制御ROM1512bと、シリアル化された音楽や効果音等をオーディオデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するオーディオデータ送信IC1512cと、扉枠側演出表示装置460へシリアル化された描画データを扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450へ向かって送信する扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データをプラス信号とマイナス信号とに差動化する差動化回路1512eと、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号のほかに、差動化回路1512eからの信号が入力されるとともに、差動化回路1512eからの信号が入力されているときには、この信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eからの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続する強制切替回路1512fと、を備えている。この液晶及び音制御ROM1512bには、後述する画面や画像の表示に用いるスプライトデータとして、例えばリング状表示物(環状の表示物)の表示に用いる環状画像データ、後述する操作メニュー背景画像の表示に用いる操作メニュー背景画像データ、後述する少なくとも1つの選択表示物の表示に用いる選択表示物画像データ、後述するボリュームスケールを含む音量調整画面の表示に用いる音調調整背景画像データ、後述する音量調整アイコンの表示に用いる音量設定アイコン画像データ等の他、遊技者から見て本体枠4の背面における各部位の位置が視認可能な本体枠背面画像の表示に用いる本体枠背面画像データ、サービスモード画面の表示に用いるサービスモード画面画像データ、休憩タイマー設定画面の表示に用いる休憩タイマー設定画面画像データ、及び、休憩中画面の表示に用いる休憩中画面画像データが格納されている。なお、液晶及び音制御ROM1512bは、演出操作ユニット400の押圧操作部405(操作部)を操作すべき旨を促すための示唆表示物の表示に用いる示唆表示物画像データをも格納している。
周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からのコマンドと対応する画面生成用スケジュールデータを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータの先頭の画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力した後に、後述するVブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って先頭の画面データに続く次の画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。このように、周辺制御MPU1511aは、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って、この画面生成用スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の画面データから1つずつ音源内蔵VDP1512aに出力する。
また、周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からのコマンドと対応する音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力した後に、Vブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って先頭の音指令データに続く次の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。このように、周辺制御MPU1511aは、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って、この音生成用スケジュールデータに時系列に配列された音指令データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の音指令データから1つずつ音源内蔵VDP1512aに出力する。
[7−4−2a.音源内蔵VDP]
音源内蔵VDP1512aは、上述した内蔵音源のほかに、周辺制御MPU1511aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、図107に示すように、液晶及び音制御ROM1512bから遊技盤側キャラクタデータ及び上皿側キャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを生成するためのVRAMも内蔵(以下、「内蔵VRAM」と記載する。)している。音源内蔵VDP1512aは、内蔵VRAM上に生成した描画データのうち、遊技盤側演出表示装置1600に対する描画データをチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する描画データをチャンネルCH2から、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して、扉枠側演出表示装置460に出力(送信)することで、遊技盤側演出表示装置1600と扉枠側演出表示装置460との同期化を図っている。
チャンネルCH1から出力される描画データは、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるのに対して、チャンネルCH2から出力される描画データは、周辺制御基板1510から、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)される。このように、チャンネルCH1から出力される描画データは、上述したように、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるため、周辺制御基板1510及び遊技盤側演出表示装置1600は遊技盤5にそれぞれ取り付けられていることによりチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600までの経路に要する配線の長さが短いものの、チャンネルCH2から出力される描画データは、上述したように、周辺制御基板1510から扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力されるため、周辺制御基板1510は遊技盤5に取り付けられているのに対して、演出表示駆動基板4450は扉枠3の皿ユニット320内に収納されていることによりチャンネルCH2から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして演出表示駆動基板4450までの経路に要する配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなることでノイズの影響を極めて受けやすくなる。このため、描画データを送るための配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなるというチャンネルCH2に対しては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。
チャンネルCH1は、LVDS(Low Voltage Differential
Signaling)というシリアル方式による差動インターフェースを使用しているのに対して、チャンネルCH2は、パラレル方式によるインターフェースを使用している。チャンネルCH2から出力される描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、扉枠側演出用トランスミッタIC4610dでシリアル化されて、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。そして、このシリアル化された各種信号は、演出表示駆動基板4450においてパラレル信号に復元されて扉枠側演出表示装置460に出力されるようになっている。
このように、周辺制御MPU1511aが遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力すると、音源内蔵VDP1512aは、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM1512bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成し、この生成した描画データうち、遊技盤側演出表示装置1600に対する画像データをチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する画像データをチャンネルCH2から図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)する。つまり、「1画面分(1フレーム分)の画面データ」とは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成するためのデータのことである。
また、音源内蔵VDP1512aは、1画面分(1フレーム分)の描画データを、チャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する画像データをチャンネルCH2から図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)すると、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU1511aに出力する。本実施形態では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が出力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。周辺制御MPU1511aは、このVブランク信号が入力されたことを契機として、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理を実行するようになっている。ここで、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の液晶サイズによって多少変化する。また、周辺制御MPU1511aと音源内蔵VDP1512aとが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合がある。
なお、音源内蔵VDP1512aは、フレームバッファ方式が採用されている。この「フレームバッファ方式」とは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の画面に描画する1画面分(1フレーム分)の描画データをフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持し、このフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持した1画面分(1フレーム分)の描画データを、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力する方式である。
また、音源内蔵VDP1512aは、主制御基板1310からのコマンドに基づいて周辺制御MPU1511aから上述した音指令データが入力されると、図107に示すように、液晶及び音制御ROM1512bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データをトラックに組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定してスピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ機1の異常の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、報知音に対しては、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。
演出音のサブボリューム値は、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで後述する設定モードへ移行して調節することができるようになっている。
また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、演出音に対しては、複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力し、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
ここで、演出音がスピーカ921及び上部スピーカ573から流れている場合に、パチンコ機1の異常の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
つまり、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけスピーカ921及び上部スピーカ573から流れるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れるようになっている。
このように、演出音がスピーカ921及び上部スピーカ573から流れている場合に、パチンコ機1の異常の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れるときには、演出音の音量が消音になって報知音がスピーカ921及び上部スピーカ573から流れるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過してスピーカ921及び上部スピーカ573から流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
[7−4−2b.液晶及び音制御ROM]
液晶及び音制御ROM1512bは、図107に示すように、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に描画するための遊技盤側キャラクタデータと、扉枠側演出表示装置460の表示領域に描画するための上皿側キャラクタデータと、が予め記憶されるとともに、音楽、効果音、報知音、及び告知音等の各種の音データも予め記憶されている。
[7−4−2c.オーディオデータ送信IC]
オーディオデータ送信IC1512cは、音源内蔵VDP1512aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に送信するとともに、左側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に送信する。これにより、スピーカ921及び上部スピーカ573から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されるようになっている。
なお、オーディオデータ送信IC1512cは、周辺制御基板1510から枠装飾駆動アンプ基板194に亘る基板間を、左右それぞれ差分方式のシリアルデータとしてオーディオデータを出力することにより、例えば、左側オーディオデータのプラス信号、マイナス信号にノイズの影響を受けても、プラス信号に乗ったノイズ成分と、マイナス信号に乗ったノイズ成分と、を枠装飾駆動アンプ基板194で合成して1つの左側オーディオデータにする際に、互いにキャンセルし合ってノイズ成分が除去されるようになっているため、ノイズ対策を講じることができる。
[7−4−2d.扉枠側演出用トランスミッタIC]
扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、図107に示すように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データが入力されている。チャンネルCH2は、上述したように、パラレル方式によるインターフェースが使用されている。描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ8ビット、計24ビットで構成されている。本実施形態では、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力可能な赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ6ビット、計18ビットであるため、各映像信号における上位6ビットが扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力されている。下位2ビットは、人間の目にとって判別困難な極めて微弱な色情報であるため、音源内蔵VDP1512aから出力されているものの、微弱な色情報を含む下位2ビットを無効化している。
音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データである、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力されると、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、がザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化して差動1ペアケーブルのみでこれらの各種信号を、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信する。
上述したように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1から出力される描画データは、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるため、チャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600までの経路(第1経路)に要する配線の長さが短いものの、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データは、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)されるため、チャンネルCH2から扉枠側演出表示装置460までの経路(第2経路)に要する配線の長さが第1経路に要する配線の長さより極めて長くなることによりノイズの影響を極めて受けやすくなる。
具体的には、図1に示した本体枠4に対して開閉自在に扉枠3が軸支されているため、本体枠4の開放側辺に沿って図5に示した施錠ユニット700の反対側である閉塞側に、例えば本体枠4に装着される遊技盤5に備える周辺制御基板1510から扉枠3に備える皿ユニット320に収納される演出表示駆動基板4450などの、本体枠4側に備える各種基板と扉枠3側に備える各種基板とを電気的に接続する各種配線を通す必要がある。ところが、本体枠4の閉塞側には、払出装置580のほかに、この払出装置580によって払出された遊技球を、皿ユニット320の上皿321へ誘導することができると共に上皿321が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿322側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770が配置されている。
また、本体枠4の下側には、パチンコ島設備から電源が供給される図6に示した電源基板630等を一纏めにしてユニット化した図5に示した払出ユニット560が配置されている。このように、本体枠4側に備える各種基板と扉枠3側に備える各種基板とを電気的に接続する各種配線は、払出装置580、満タン分岐ユニット770、電源基板630等の近傍に引き回されることとなり、払出装置580に備える払出モータ584が駆動されることによるノイズのほかに、遊技球による静電放電によるノイズやパチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等を受ける環境下にある。
このため、描画データを送るための配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなるというチャンネルCH2に対しては、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。本実施形態では、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続するための配線として、上述したように、差動1ペアケーブルを用いているが、この差動1ペアケーブルは、2本の配線が単に平行に設けられる平行線ではなく、ツイストペアケーブルである。このツイストペアケーブルは、2本の配線を撚り合わせたケーブルであって、撚り対線とも呼ばれるものである。
ここで、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして平行線を採用した場合について簡単に説明する。描画データを送るための配線の長さが音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1と比べて極めて長くなるという音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2に対して、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとしても、このようなハードウェアによる構成だけでは、遊技球の静電放電によるノイズ、パチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等により、平行線におけるシリアルデータが影響を受けると、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信する際にそのノイズがキャンセル(除去)されないため、シリアルデータが影響を受けた状態のまま扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信されることとなり、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データが正規なものと異なる乱れたものとして扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信され、扉枠側演出表示装置460の表示領域では、いわゆる砂嵐のような画像が表示されて何の画像であるのかを全く認識することができなくなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、描画データを送るための配線の長さが音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1と比べて極めて長くなるという音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2に対して、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとするとともに、このようなハードウェアによる構成に加えて、ディファレンシャル方式によるシリアルデータが配線に侵入したノイズの影響を受けたとしても受信側においてそのノイズをキャンセル(除去)することができるツイストペアケーブルを、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして採用した。これにより、遊技球の静電放電によるノイズ、パチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等により、ツイストペアケーブルにおいてシリアルデータが影響を受けたとしても、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信する際にそのノイズがキャンセル(除去)されるようになっているため、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データは、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で確実に受信されて扉枠側演出表示装置460に出力されることにより、扉枠側演出表示装置460において、液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aが生成した画像を確実に表示することができる。ノイズをキャンセル(除去)することにより、砂嵐のような何の画像であるのかを全く認識することができなくなるような画像が扉枠側演出表示装置460で表示されることを防止することができるため、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。したがって、ノイズの影響による遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間においては、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882が介在している。これは、本体枠4と扉枠3とが一体的に構成されるものではなく、別々に組み立てられたものを、本体枠4に扉枠3を取り付けるという構造を採用しているため、本体枠4に扉枠3を取り付ける作業のあとに、扉枠3側に備える各種基板からのハーネスやツイストケーブルなどの各種配線を本体枠4側に備える周辺扉中継端子板882に電気的に接続することによって、本体枠4側に備える各種基板と、扉枠3側に備える各種基板と、を電気的に接続することができるようになっている。このような構成により、本体枠4から扉枠3を開放して各種配線を取り外す作業を行ったあとに、本体枠4から扉枠3を取り外すことで、本体枠4や扉枠3のメンテナンスを行うことができるし、扉枠3に生じた異常が解消することができない場合には、この異常のある扉枠3に替えて他の扉枠3’を本体枠4に取り付けて、扉枠3’側に備える各種基板からの各種配線を本体枠4側に備える周辺扉中継端子板882に電気的に接続することによって、本体枠4側に備える各種基板と、扉枠3’側に備える各種基板と、を電気的に接続することができる。
また、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとするとともに、このようなハードウェアによる構成に加えて、ディファレンシャル方式によるシリアルデータが配線に侵入したノイズの影響を受けたとしても受信側においてそのノイズをキャンセル(除去)することができるツイストペアケーブルを、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして採用した。具体的には、周辺制御基板1510と枠周辺中継端子板868との基板間、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882との基板間、そして周辺扉中継端子板882と演出表示駆動基板4450との基板間においては、それぞれツイストペアケーブルにより電気的に接続されているのに対して、電源配線やその他の各種信号を伝える配線においては、それぞれハーネスにより電気的に接続されている。これにより、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882とには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにより送信されるディファレンシャル方式によるシリアルデータを伝送するための映像伝送用配線パターンのほかに、電源用配線パターンやその他の各種信号を伝送するための各種信号用配線パターンと、が混在している。このため、枠周辺中継端子板868、及び周辺扉中継端子板882には、電源用配線パターンや各種信号用配線パターンから所定寸法だけ離して上述した映像伝送用配線パターンがそれぞれ形成されている。トランスミッタからレシーバまでの経路には、枠周辺中継端子板868、及び周辺扉中継端子板882という複数の中継端子板をまたぐこととなるため、これらの複数の中継端子板に形成される映像伝送用配線パターンの入出力間において、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにより送信されるディファレンシャル方式によるシリアルデータを伝送する信号の一部が反射されてノイズとなったり、その信号の出力レベルが低下するという問題が生ずる。そこで、本実施形態では、これらの複数の中継端子板に形成される映像伝送用配線パターンには、インピーダンス整合が施されている。
また、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板1510と枠周辺中継端子板868との基板間、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882との基板間、そして周辺扉中継端子板882と演出表示駆動基板4450との基板間においては、それぞれツイストペアケーブルにより電気的に接続されているのに対して、電源配線やその他の各種信号を伝える配線においては、それぞれハーネスにより電気的に接続されているが、ツイストペアケーブルのうち、一方の配線を赤色とし、他方の配線を灰色とするとともに、ハーネスのうち、電源を供給する配線を赤色とし、他の複数の配線を灰色としている。なお、電源を供給する配線を赤色とせず、黄色としてもよい。
[7−4−2e.強制切替回路、差動化回路]
扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号は、強制切替回路1512f、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信されるようになっている。この強制切替回路1512fには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号のほかに、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されて入力されている。この差動化回路1512eでは、LOCKN信号出力要求データをディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化している。このLOCKN信号出力要求データは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として送信されるものである。強制切替回路1512fは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するように回路構成されている。これにより、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。周辺制御MPU1511aは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、LOCKN信号出力要求データを、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450(実際には、周辺制御基板1510に備える差動化回路1512e)に向かって送信する。
扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450は、周辺制御基板1510からのシリアル信号(シリアルデータ)を後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信すると、シリアル化された各種信号をパラレル信号に復元して扉枠側演出表示装置460に出力する液晶モジュール回路4450Vと、から主として構成されている。
扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、音源内蔵VDP1512aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝える後述するLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。周辺制御MPU1511aは、入力されるLOCKN信号に基づいて、所定の条件が成立すると、その旨を伝えるための画像を音源内蔵VDP1512aを制御して生成して遊技盤側演出表示装置1600に出力することにより遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して報知する。
また、扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、受信したその2つの信号がLOCKN信号出力要求データであると判断したときには、後述するLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。これにより、周辺制御MPU1511aは、LOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生していないとして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に異常が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生しているとして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に異常が発生していると判断して、その旨を伝える報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に異常が発生しました。店員をお呼びください。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御して遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、その旨を伝える報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に異常が発生しています。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御してオーディオデータ送信IC1512cに出力することにより扉枠3に設けたスピーカから報知音が流れる。これにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示される報知画像と、扉枠3に設けたスピーカ等から繰り返し流れる報知音と、により報知を行うことができるようになっている。このとき、扉枠3に備える発光装飾用のLEDや遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯してもよい。
[7−4−3.RTC制御部]
年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するRTC制御部4165は、図105に示すように、RTC4165aを中心として構成されている。このRTC4165aには、カレンダー情報と時刻情報とが保持されるRAM4165aaが内蔵(以下、「RTC内蔵RAM4165aa」と記載する。)されている。RTC4165aは、駆動用電源及びRTC内蔵RAM4165aaのバックアップ用電源として電池4165b(本実施形態では、ボタン電池を採用している。)から電力が供給されるようになっている。つまりRTC4165aは、周辺制御基板1510(パチンコ機1)からの電力が全く供給されずに、周辺制御基板1510(パチンコ機1)と独立して電池4165bから電力が供給されている。これにより、RTC4165aは、パチンコ機1の電力が遮断されても、電池4165bからの電力供給により、カレンダー情報や時刻情報を更新保持することができるようになっている。
周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、RTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報や時刻情報を取得して上述した周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにセットし、この取得したカレンダー情報や時刻情報に基づく演出を遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げることができるようになっている。このような演出としては、例えば、12月25日であればクリスマスツリーやトナカイの画面が遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられたり、大晦日であれば新年カウントダウンを実行する画面が遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられたりする等を挙げることができる。カレンダー情報や時刻情報は、工場出荷時に設定される。
なお、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合にはLEDの輝度設定情報が記憶保持されている。周辺制御MPU1511aは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、RTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得してバックライトの輝度調整をPWM制御により行う。輝度設定情報は、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれている。
また、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報、時刻情報や輝度設定情報のほかに、カレンダー情報、時刻情報、及び輝度設定情報をRTC内蔵RAM4165aaに最初に記憶した年月日及び時分秒の情報として入力日時情報も記憶されている。
周辺制御MPU1511aは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトが冷陰極管タイプのものが装着されている場合には、バックライトのON/OFF制御もしくはONのみとするようになっている。
RTC内蔵RAM4165aaに記憶される、カレンダー情報、時刻情報、輝度設定情報、及び入力日時情報等の各種情報は、遊技機メーカの製造ラインにおいて設定される。製造ラインにおいては、例えば遊技盤側演出表示装置1600の表示テスト等の各種テストを行うため、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時として入力日時情報が製造ラインで入力された年月日及び時分秒である製造日時に設定される。
このように、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合における輝度設定情報、及び入力日時情報等、パチンコ機1の機種情報(例えば、低確率や高確率における大当り遊技状態が発生する確率など)とは独立して維持が必要な情報を記憶保持することができるようになっている。
また、RTC内蔵RAM4165aaに記憶保持される輝度設定情報等は、パチンコ機1が設置されるホールの環境によっては製造日時に設定された遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度では明るすぎたり、暗すぎたりする場合もある。そこで、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行してバックライトの輝度を所定の輝度に調節することができるようになっている。パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるほかに、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することでカレンダー情報、時刻情報を再設定したり、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を所望の輝度に調節したりすることができる。この調節された遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの所望の輝度は、輝度設定情報に記憶されるLEDの輝度としてそれぞれ上書き(更新記憶)されるようになっている。
なお、設定モードでは、周辺制御MPU1511aは、上述した輝度補正プログラムを実行することにより、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側演出表示装置1600の経年変化にともなう輝度低下を補正する。周辺制御MPU1511aは、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、入力日時情報を取得して遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時を特定し、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定し、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度とを有する輝度設定情報を取得する。この取得した輝度設定情報を周辺制御ROM1511bに予め記憶されている補正情報に基づいて補正する。
例えば、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。
なお、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、直接、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定してもいいし、後述する周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1002の現在時刻情報取得処理において周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにおける、カレンダー情報記憶部にセットされて周辺制御基板1510のシステムにより更新される現在のカレンダー情報と、時刻情報記憶部にセットされて周辺制御基板1510のシステムにより更新される現在の時刻情報と、を取得して現在の日時を特定してもいい。
[834.音量調整ボリューム]
音量調整ボリューム1510aは、上述したように、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節することができるようになっている。音量調整ボリューム1510aは、上述したように、そのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変するようになっており、電気的に接続された周辺制御A/Dコンバータ1511akがつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、上述したように、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512(音源内蔵VDP1512a)を制御してスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。
このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整によりスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。また、本実施形態では、上述したように、音楽や効果音のほかに、パチンコ機1の異常の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したり等。)ための告知音もスピーカ921及び上部スピーカ573から流れるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512(音源内蔵VDP1512a)を制御して調整することができるようになっている。
このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に異常が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が異常の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
なお、本実施形態では、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節するようになっていることに加えて、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで設定モードへ移行して音楽や効果音の音量を調節することができるようになっている。パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるほかに、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作すると、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができる。具体的には、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、周辺制御A/Dコンバータ1511akがアナログ値からデジタル値に変換して、この変換した値に対して、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることができるようになっている。この調節された音量は、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックのうち、音楽や効果音等の演出音の音データが組み込まれたトラックに対して、サブボリューム値として設定更新されて演出音の音量の調節に反映されるものの、上述した報知音や告知音の音量に調節に反映されないようになっている。
このように、本実施形態では、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を直接回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、の2つの方法がある。音量調整ボリューム1510aは、周辺制御基板1510に実装されているため、本体枠4を外枠2から必ず開放した状態にする必要がある。そうすると、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作することができるのは、ホールの店員となる。ところが、ホールの店員が調節した音量では、遊技者にとって小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合もあるし、遊技者にとって大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合もある。そこで、パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したり、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが行われている期間内において、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作したりした場合には、設定モードを行うための画面が遊技盤側演出表示装置1600に表示され、この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作することで音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができるようになっている。これにより、遊技者は所望の音量に音楽や効果音の音量を調節することができるため、ホールの店員が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、ホールの店員が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
また、本実施形態では、パチンコ機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが繰り返し行われると(例えば、10回)、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされて、音量が初期化されるようになっている。この音量の初期化では、ホールの店員が調節した音量、つまりホールの店員が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を直接回動操作して調節した音量となるようになっている。これにより、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が演出操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
[8.電源システム]
次に、パチンコ機1の電源システムについて、図108及び図109を参照して説明する。図108はパチンコ機の電源システムを示すブロック図であり、図109は図108のつづきを示すブロック図である。まず、電源基板630について説明し、続いて各制御基板等に供給される電源について説明する。なお、各種基板のグランド(GND)や各種端子板のグランド(GND)は、電源基板630のグランド(GND)と電気的に接続されており、同一グランド(GND)となっている。
[8−1.電源基板630]
電源基板630は、電源コードと電気的に接続されており、この電源コードのプラグがパチンコ島設備の電源コンセントに差し込まれている。電源スイッチ934を操作すると、パチンコ島設備から供給されている電力が電源基板630に供給され、パチンコ機1の電源投入を行うことができる。
電源基板630は、図108に示すように、電源制御部935、発射制御部633bを備えている。電源制御部935は、パチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)から各種直流電圧を作成したり、主制御基板1310や払出制御基板633へのバックアップ電源を供給する回路であり、発射制御部633bは、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド542や図1に示した球送りユニット250の球送給ソレノイド145を駆動制御する回路である。
電源制御部935は、同期整流回路935a、力率改善回路935b、平滑化回路935c、電源作成回路935d、キャパシタBC0,BC1を備えている。パチンコ島設備から供給されているAC24Vは、電源基板630を介して遊技球等貸出装置接続端子板869に供給されるとともに、同期整流回路935aに供給されている。この同期整流回路935aは、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を整流して力率改善回路935bに供給している。この力率改善回路935bは、整流された電力の力率を改善して直流+37V(DC+37V、以下、「+37V」と記載する。)を作成して平滑化回路935cに供給している。この平滑化回路935cは、供給される+37Vのリップルを除去して+37Vを平滑化させて発射制御部633bの発射制御回路953a及び電源作成回路935dにそれぞれ供給している。
キャパシタBC0は、主制御基板1310の主制御MPU1310aに内蔵されたRAM(主制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給し、キャパシタBC1は、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPU952aに内蔵されたRAM(払出制御内蔵RAM)へのバックアップ電源を供給している。
発射制御部633bの発射制御回路953aは、平滑化回路935cから供給される+37Vを駆動電源として、ハンドル182の回転位置に見合う打ち出し強度(発射強度)で遊技球を図1に示した遊技領域5aに向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイド542に出力する制御を行う一方、球送りユニット250の球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより球送りユニット250の球送部材が皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る制御を行う。
電源作成回路935dは、平滑化回路935cから供給される+37Vから直流+5V(DC+5V、以下、「+5V」と記載する。)、直流+12V(DC+12V、以下、「+12V」と記載する。)、及び直流+24V(DC+24V、以下、「+24V」と記載する。)をそれぞれ作成して払出制御基板633及び枠周辺中継端子板868にそれぞれ供給している。+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ライン、+12Vが印加されて供給される電源系統が+12V電源ライン、そして+24Vが印加されて供給される電源系統が+24V電源ラインとなる。
電源作成回路935dで作成される+5Vは、後述するように、払出制御基板633に供給されている。払出制御基板633に供給される+5Vは、払出制御フィルタ回路951aを介して払出制御MPU952aの電源端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して払出制御内蔵RAMの電源端子に印加されるようになっている。電源作成回路935dで作成される+12Vは、払出制御基板633を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gに供給されている。この+5V作成回路1310gは、払出制御基板633からの+12Vから主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを作成している。+5V作成回路1310gで作成される+5Vは、主制御フィルタ回路1310hを介して主制御MPU1310aの電源端子に供給されるとともに、ダイオードMD0を介して主制御内蔵RAMの電源端子に供給されるようになっている。
電源基板630のキャパシタBC1のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC1のプラス端子は、払出制御基板633の払出制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、払出制御基板633のダイオードPD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、電源基板630の電源作成回路935dで作成される+5Vは、払出制御MPU952aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードPD0により順方向である払出制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC1は、電源基板630の電源作成回路935dで作成される+5Vが払出制御基板633、そして再び払出制御基板633から電源基板630に戻ってくるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源作成回路935dで作成される+5Vが払出制御基板633に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板633に供給されるようになっているため、払出制御MPU952aの電源端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU952aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMの電源端子には払VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
電源基板630のキャパシタBC0のマイナス端子は、グランド(GND)と接地される一方、キャパシタBC0のプラス端子は、払出制御基板633を介して主制御基板1310の主制御内蔵RAMの電源端子と電気的に接続されるとともに、主制御基板1310のダイオードMD0のカソード端子とも電気的に接続されている。つまり、+5V作成回路1310gで作成される+5Vは、主制御MPU1310aの電源端子に向かって電流が流れるとともに、ダイオードMD0により順方向である主制御内蔵RAMの電源端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に向かって電流が流れるようになっている。このように、キャパシタBC0は、+5V作成回路1310gで作成される+5Vが主制御基板1310、そして払出制御基板633から電源基板630に供給されるという電気的な接続方法により、+5Vが供給されて充電することができるようになっている。これにより、電源基板630の電源作成回路935dで作成される+12Vが払出制御基板633を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gに供給されなくなって+5V作成回路1310gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして、払出制御基板633を介して、主制御基板1310に供給されるようになっているため、主制御MPU1310aの電源端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU1310aが作動しないものの、主制御内蔵RAMの電源端子には主VBBが供給されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[8−2.各制御基板等に供給される電圧]
次に、各制御基板等に供給される電圧についての概要を説明し、続いて、主として払出制御基板に供給される電圧、そして主制御基板に供給される電圧について説明する。
電源基板630の電源作成回路935dで作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図108に示すように、払出制御基板633に供給され、これら3種類の電圧のうち、+12V及び+24Vという2種類の電圧は、払出制御基板633を介して主制御基板1310に供給されている。また電源基板630の電源作成回路935dで作成された+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、枠周辺中継端子板868に供給されるとともに、この枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510及び周辺扉中継端子板882にそれぞれ供給されている。
周辺制御基板1510に供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図109(a)に示すように、ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170a及びモータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aにそれぞれ供給されている。ランプ駆動基板4170のランプ駆動回路4170aは、遊技盤5の各種装飾基板に点灯信号、点滅信号や階調点灯信号等の各種信号を出力し、モータ駆動基板4180の駆動源駆動回路4180aは、遊技盤5のモータやソレノイド等の電気的駆動源に駆動信号を出力する。
周辺制御基板1510は、枠周辺中継端子板868から供給される+5Vから直流3.3V(DC+3.3V、以下、「+3.3V」と記載する。)を作成する+3.3V作成回路1510bを備えている。+3.3V作成回路1510bが作成する+3.3Vは、遊技盤側演出表示装置1600の液晶モジュール1600aに供給されている。また、周辺制御基板1510に供給される+12Vは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライト電源1600bに供給されている。
これに対して、周辺扉中継端子板882に供給される+5V、+12V、及び+24Vという3種類の電圧は、図109(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に供給されている。枠装飾駆動アンプ基板194は、周辺扉中継端子板882から供給される+12Vから直流+9V(DC+9V、以下、「+9V」と記載する。)を作成する+9V作成回路194aを備えている。+9V作成回路194aが作成する+9Vとともに、周辺扉中継端子板882から供給される+5V、+12V、及び+24Vという計4種類の電圧が扉枠3の各種装飾基板等に供給されている。
また、周辺扉中継端子板882に供給される+12Vは、上皿側液晶モジュール電源回路4450xに供給されている。上皿側液晶モジュール電源回路4450xは、+12Vから+3.3Vを作成している。上皿側液晶モジュール電源回路4450xが作成した+3.3Vは、図107に示した液晶モジュール回路4450Vを構成する各種電子部品にそれぞれ供給されているほかに、上皿側液晶モジュールバックライト電源回路4450yや扉枠側演出表示装置460にそれぞれ供給されている。上皿側液晶モジュールバックライト電源回路4450yが作成した電圧は、扉枠側演出表示装置460に供給されている。
[8−2−1.払出制御基板に供給される電圧]
払出制御基板633は、図108に示すように、払出制御MPU952a等のほかに、払出制御フィルタ回路951a等を備えている。この払出制御フィルタ回路951aは、電源基板630からの+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードPD0を介して電源基板630のキャパシタBC1に供給されるほかに、例えば、払出制御部633aの払出制御MPU952a等に供給されている。電源基板630からの+12Vは、例えば、払出制御部633aの払出制御入力回路952b等に供給されるとともに、払出制御基板633を介して、外部端子板784の外部通信回路784aに供給されている。この外部端子板784の外部通信回路784aは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を伝える信号を遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータへ出力する回路である。ホールコンピュータは、外部通信回路784aから出力される信号から、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。なお、電源基板630からの+24は、払出制御基板633において何ら使用されずに、払出制御基板633を介して、主制御基板1310に供給されている。
[8−2−2.主制御基板に供給される電圧]
主制御基板1310は、図108に示すように、主制御MPU1310a等のほかに、+5V作成回路1310g、主制御フィルタ回路1310h、停電監視回路1310e等を備えている。+5V作成回路1310gは、電源基板630からの+12Vが払出制御基板633を介して供給され、この+12Vから主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板1310において、+5V作成回路1310gが作成する+5Vが印加されて供給される電源系統が+5V電源ラインとなる。本実施形態では、電源基板630の電源作成回路935dで作成される+5V電源ラインと、主制御基板1310の+5V作成回路1310gで作成される+5V電源ラインと、が電気的に接続されることがないように回路構成されているため、電源基板630の電源作成回路935dで作成される+5V電源ラインが主制御基板1310の各種電子部品と電気的に接続されることがないし、主制御基板1310の+5V作成回路1310gで作成される+5V電源ラインが主制御基板1310を除く他の基板等の各種電子部品と電気的に接続されることもない。
主制御フィルタ回路1310hは、+5V作成回路1310gで作成される+5Vが供給されており、この+5Vからノイズを除去している。この+5Vは、ダイオードMD0を介して電源基板630のキャパシタBC0に供給されるほかに、例えば、主制御MPU1310a等に供給されている。払出制御基板633からの+12Vは、例えば、主制御入力回路1310b等に供給され、払出制御基板633からの+24Vは、例えば、主制御ソレノイド駆動回路1310d等に供給されている。
停電監視回路1310eは、電源基板630からの+12V及び+24Vが払出制御基板633を介して供給されており、これら+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU1310aに出力する。停電予告信号は、主制御基板1310、そして払出制御基板633の払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aに入力される。また、停電予告信号は、主制御基板1310を介して周辺制御基板1510に入力される。また、停電予告信号は、周辺制御基板1510、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、図109(b)に示すように、枠装飾駆動アンプ基板194に入力されるとともに、この枠装飾駆動アンプ基板194を介して、扉枠の装飾基板等にそれぞれ入力されるようになっている。
本実施形態では、停電監視回路1310eは、+12V電源ラインと+24V電源ラインとの2つの電源ラインに印加される電圧をそれぞれ監視することによって、+12V電源ライン又は+24V電源ラインの一方の電源ラインに印加される電圧を監視する場合と比べて、停電又は瞬停等の電源断の兆候をより正確に把握することができる。
[9.主制御基板の回路]
次に、図154に示した主制御基板1310の回路等について、図110〜図112を参照して説明する。図110は主制御基板の回路を示す回路図であり、図111は停電監視回路を示す回路図であり、図112は主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路を示す回路図である。まず、図108に示した主制御フィルタ回路1310hについて説明し、続いて主制御基板1310で作成された電源、主制御システムリセット、主制御水晶発振器、主制御入力回路、停電監視回路、主制御MPUへの各種入出力信号、そして主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間の通信用インターフェース回路について説明する。
主制御基板1310は、図154及び図110に示した、主制御MPU1310a、主制御入力回路1310b、主制御出力回路1310c、主制御ソレノイド駆動回路1310d、停電監視回路1310e、+5V作成回路1310g、及び主制御フィルタ回路1310hのほかに、周辺回路として、図110に示すように、リセット信号を出力する主制御システムリセットMIC1、クロック信号を出力する主制御水晶発振器MX0(本実施形態では、24メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。
[9−1.主制御フィルタ回路]
主制御フィルタ回路1310hは、図110に示すように、主制御3端子フィルタMIC0を主として構成されている。この主制御3端子フィルタMIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。主制御3端子フィルタMIC0は、その1番端子に、+5V作成回路1310gで作成される+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)と接地され、その3番端子からノイズ成分を除去した+5Vが出力されている。1番端子に印加される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される+5Vは、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサMC1及び電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、主制御システムリセットMIC1の電源端子、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。なお、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。
主制御MPU1310aのVDD端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU1310aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、主制御MPU1310aのVDD端子は、コンデンサMC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードMD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードMD0のカソード端子は、主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC4の他端と電気的に接続されている。この主制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードMD0のカソード端子及びコンデンサMC4の他端と電気的に接続されるほかに、抵抗MR0を介して、図108に示した電源基板630のキャパシタBC0のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、主制御フィルタ回路1310hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、主制御MPU1310aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードMD0を介して、主制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC0のプラス端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図108に示した電源基板630の電源作成回路935dで作成される+12Vが払出制御基板633を介して主制御基板1310の+5V作成回路1310gに供給されなくなって+5V作成回路1310gが+5Vを作成することができなくなった場合には、キャパシタBC0に充電された電荷が主VBBとして主制御基板1310に供給されるようになっているため、主制御MPU1310aのVDD端子にはダイオードMD0により電流が妨げられて流れず主制御MPU1310aが作動しないものの、主制御内蔵RAMのVBB端子には主VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[9−2.主制御システムリセット]
主制御フィルタ回路1310hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図110に示すように、主制御システムリセットMIC1の電源端子に印加されている。主制御システムリセットMIC1は、主制御MPU1310a及びリセット機能付き主制御出力回路1310caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。主制御システムリセットMIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサMC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、主制御システムリセットMIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
主制御システムリセットMIC1の出力端子は、主制御MPU1310aのリセット端子であるSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサMC6によりリップルが除去されて平滑化されている。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗MR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が主制御MPU1310aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子にそれぞれ入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が主制御MPU1310aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子にそれぞれ入力される。主制御MPU1310aのSRST端子及びリセット機能付き主制御出力回路1310caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、主制御MPU1310a及びリセット機能付き主制御出力回路1310caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−3.主制御水晶発振器]
主制御フィルタ回路1310hによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図110に示すように、主制御水晶発振器MX0の電源端子であるVDD端子に印加されている。このVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC8の他端と電気的に接続されており、VDD端子に入力される+5Vは、さらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VDD端子のほかに、出力周波数選択端子であるA端子、B端子、C端子及びST端子にもそれぞれ印加されている。主制御水晶発振器MX0は、これらのA端子、B端子、C端子及びST端子に+5Vがそれぞれ印加されることにより、24MHzのクロック信号を出力端子であるF端子から出力する。
主制御水晶発振器MX0のF端子は、主制御MPU1310aのクロック端子であるCLK端子と電気的に接続されており、24MHzのクロック信号が入力されている。なお、主制御水晶発振器MX0の接地端子であるGND端子はグランド(GND)と接地されており、主制御水晶発振器MX0のF端子の分周波を出力するD端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[9−4.主制御入力回路]
主制御入力回路1310bは、図102に示した、一般入賞口センサ3001,4020、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、磁気検出センサ4024、大入賞口センサ2403、ゲートセンサ2401からの検出信号のほかに、図103に示した払出制御基板633に備える操作スイッチ954からの操作信号(RAMクリア信号)等が入力される回路である。各スイッチからの検出信号が入力される回路構成は、同一であるため、ここでは、操作スイッチ954からの操作信号(RAMクリア信号)が入力される回路について説明する。
[9−4−1.操作スイッチからの操作信号(RAMクリア信号)が入力される回路]
まず、操作スイッチ954は、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板633の払出制御MPU952aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板1310の主制御MPU1310aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。主制御基板1310には、払出制御基板633が有するエラー解除を行う機能を有していないため、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ954からの操作信号が入力されると、主制御内蔵RAMをクリアするためのRAMクリア信号として判断して主制御内蔵RAMをクリアする処理を行う。
主制御基板1310には、操作スイッチ954が操作されていないときには払出制御基板633から論理がLOWとなった操作信号が入力される一方、操作スイッチ954が操作されているときには払出制御基板633から論理がHIとなった操作信号が払出制御基板633から入力されるようになっている(この点の詳細な説明について後述する)。
電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板633に備える操作スイッチ954からの操作信号を伝える伝送ラインは、図110に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR3を介してトランジスタMTR0のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のベース端子は、抵抗MR3と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR4の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR0のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR0のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR5の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC10(非反転バッファICMIC10は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC10A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。
払出制御基板633における操作スイッチ954からの操作信号を出力する回路は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、操作スイッチ954からの操作信号を伝える伝送ラインがプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられている。主制御基板1310は、操作スイッチ954が操作されていないときには払出制御基板633からの操作信号がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなって入力される一方、操作スイッチ954が操作されているときには払出制御基板633からの操作信号がプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなって入力される。
抵抗MR3,MR4、及びトランジスタMTR0から構成される回路は、操作スイッチ954からの操作信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
操作スイッチ954が操作されていないときには、論理がLOWとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作スイッチ954からの操作信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチ954からの操作信号の論理値がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものでないと判断する。
一方、操作スイッチ954が操作されているときには、プルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった操作スイッチ954からの操作信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力される操作スイッチ954からの操作信号の論理値がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
なお、操作スイッチ954からの操作信号は、プルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられている。これは、操作スイッチ954からの操作信号が払出制御基板633を介して入力されているためである。つまり、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて信号の信頼性を高めている。そこで、本実施形態では、主制御基板1310に直接入力される、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、及び第二始動口センサ2402からの検出信号は、プルアップ抵抗により+5V側に引き上げられる一方、図123に示したパネル中継基板3031を介して入力される、磁気検出センサ4024、大入賞口センサ2403、一般入賞口センサ3001、及びゲートセンサ2401からの検出信号は、主制御基板1310に直接入力されないため、操作スイッチ954からの操作信号と同様に、プルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
[9−5.停電監視回路]
主制御基板1310は、図108に示したように、電源基板630から+12V及び+24Vという2種類の電圧が払出制御基板633を介して供給されており、+12V及び+24Vが停電監視回路1310eに入力されている。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を、主制御MPU1310aのほかに、払出制御基板633の払出制御MPU952aや周辺制御基板1510に出力する。ここでは、まず停電監視回路の構成について説明し、続いて+24Vの停電又は瞬停の監視、+12Vの停電又は瞬停の監視、そして停電予告信号の出力について説明する。
[9−5−1.停電監視回路の構成]
停電監視回路1310eは、図111に示すように、シャント式安定化電源回路MIC20、オープンコレクタ出力タイプのコンパレータMIC21、DタイプフリップフロップMIC22、トランジスタMTR20〜MTR23を主として構成されている。
シャント式安定化電源回路MIC20の基準電圧入力端子であるREF端子、及びカソード端子であるK端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR20の他端と電気的に接続されて+5Vが印加されており、REF端子に入力される電流が抵抗MR20により制限されている。K端子は、コンパレータMIC21の比較基準電圧となるリファレンス電圧Vref(本実施形態では、2.495Vが設定されている。)を出力する。K端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC20の他端と電気的に接続されており、K端子から出力されるリファレンス電圧Vrefは、コンデンサMC20によりリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。なお、シャント式安定化電源回路MIC20のアノード端子であるA端子はグランド(GND)と接地されている。
コンパレータMIC21は、2つの電圧比較回路を備えており、その1つ(MIC21A)を、+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いているとともに、残りの1つ(MIC21B)を、+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較するために用いている。MIC21Aのプラス端子である3番端子は、+24Vの監視電圧V1が印加され、MIC21Aのマイナス端子である2番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。MIC21Bのプラス端子である5番端子は、+12Vの監視電圧V2が印加され、MIC21Bのマイナス端子である6番端子は、リファレンス電圧Vrefが印加されている。これらの比較結果は、DタイプフリップフロップMIC22に入力されている。このDタイプフリップフロップMIC22は、2つのDタイプフリップフロップ回路を備えており、その1つ(MIC22A)を本実施形態に用いている。コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC21の他端と電気的に接続されており、コンパレータMIC21の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC21によりリップルが除去されて平滑化され、コンパレータMIC21のグランド端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地されている。
[9−5−2.+24Vの停電又は瞬停の監視]
+24Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Aが+24Vの監視電圧V1とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+24Vの監視電圧V1が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子は、図111に示すように、一端が+24V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR21の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR22の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR21,MR22の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC23の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Aのプラス端子である3番端子に印加される+24Vの監視電圧V1は、抵抗MR21,MR22による抵抗比によって+24Vが分圧され、コンデンサMC23によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR21,MR22の値は、+24Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+24Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V1pf(本実施形態では、21.40Vに設定されている。)となったときに、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子は、オープンコレクタ出力となっており、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいときには、+24Vの監視電圧V1がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[9−5−3.+12Vの停電又は瞬停の監視]
+12Vの停電又は瞬停の監視は、上述したように、コンパレータMIC21のMIC21Bが+12Vの監視電圧V2とリファレンス電圧Vrefとを比較することにより行われている。+12Vの監視電圧V2が印加されるコンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子は、図111に示すように、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR24の他端と、一端がグランド(GND)に接地される抵抗MR25の他端と、が電気的に接続されるとともに抵抗MR24,MR25の他端と、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC25の他端と、が電気的に接続されている。コンパレータMIC21のMIC21Bのプラス端子である5番端子に印加される+12Vの監視電圧V2は、抵抗MR24,MR25による抵抗比によって+12Vが分圧され、コンデンサMC25によりリップルが除去されて平滑化されている。抵抗MR24,MR25の値は、+12Vが停電又は瞬停した際に、その電圧が+12Vから落ち始めて予め設定した停電検知電圧V2pf(本実施形態では、10.47Vに設定されている。)となったときに、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefと同値になるように設定されている。
コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子は、オープンコレクタ出力となっており、上述したMIC21Aの出力端子である1番端子と電気的に接続されているため、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR23の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC24の他端と電気的に接続されてDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子と電気的に接続されている。コンデンサMC24は、上述したように、ローパスフィルタとしての役割を担っている。
+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより大きくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、プルアップ抵抗MR23により+5V側に引き上げられ、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
一方、+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいときには、+12Vの監視電圧V2がリファレンス電圧Vrefより小さくなり、コンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子に印加される電圧は、グランド(GND)側に引き下げられ、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される。
[9−5−4.停電予告信号の出力]
DタイプフリップフロップMIC22は、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化により、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶し、この記憶値(論理)を、出力端子である1Q端子から出力するとともに、その記憶値(論理)を反転させた値を、出力端子である負論理1Q端子から出力する。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、ラッチ状態を解除してプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理を反転させた信号を出力端子である1Q端子から出力する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号、つまりプリセット端子であるPR端子に入力されている信号の論理と同一の論理となった信号を負論理1Q端子から出力する)一方、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されると、ラッチ状態をセットする。また、DタイプフリップフロップMIC22は、クリア端子であるCLR端子に論理がHIとなった信号が入力されてラッチ状態をセットするようになっている際に、プリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなった信号が入力されると、論理をHIとする信号を出力端子である1Q端子から出力する状態を維持する(このとき、1Qから出力される信号の論理を反転させた信号を負論理1Q端子から出力する状態を維持する)。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、D入力端子である1D端子、及びクロック入力端子である1CK端子は、グランド(GND)とそれぞれ接地されているため、クロック入力端子である1CK端子に入力されるクロック信号のエッジの変化がなく、D入力端子である1D端子に入力される信号の値(論理)を記憶して出力端子である1Q端子から出力することがないように回路構成されている。DタイプフリップフロップMIC22は、プリセット端子であるPR端子に、上述したように、+24Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Aの出力端子である1番端子からの信号と、+12Vの停電又は瞬停の監視を行うコンパレータMIC21のMIC21Bの出力端子である7番端子からの信号と、が入力され、これらの信号に基づいて、出力端子である1Q端子から信号を出力する。なお、電源端子であるVcc端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC22の他端と電気的に接続されており、DタイプフリップフロップMIC22の電源端子であるVcc端子に印加される+5Vは、コンデンサMC22によりリップルが除去されて平滑化され、接地端子であるGND端子は、グランド(GND)と接地され、出力端子である1Q端子の論理を反転する負論理1Q端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
DタイプフリップフロップMIC22は、本実施形態において、クリア端子であるCLR端子に主制御MPU1310aからの停電クリア信号がリセット機能付き主制御出力回路1310caを介して入力されている。この停電クリア信号は、主制御MPU1310aが行う後述する主制御側電源投入時処理において、出力開始されて所定時間経過後に停止されるようになっている。CLR端子は負論理入力であるため、主制御MPU1310aからの停電クリア信号は、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介してその論理がLOWとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されると、ラッチ状態を解除するようになっており、このとき、プリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する。
一方、主制御MPU1310aからの停電クリア信号の出力が停止されると、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介してその論理がHIとなってCLR端子に入力される。DタイプフリップフロップMIC22は、CLR端子に停電クリア信号が入力されないときには、ラッチ状態をセットするようになっており、PR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチする。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号が停電予告信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子は、リセット機能なし主制御出力回路1310cbと電気的に接続され、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号をリセット機能なし主制御出力回路1310cbから払出制御基板633に払出停電予告信号として出力するとともに、周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力する。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子と、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と、を電気的に接続する主制御入力回路1310bは、図111に示すように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR26の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR27を介してトランジスタMTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のベース端子は、抵抗MR27と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR28の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23(非反転バッファICMIC23は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(MIC23A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。
抵抗MR27,MR28、及びトランジスタMTR20から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR20のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がOFFする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR29により+5V側に引き上げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR20のベース端子に入力されることでトランジスタMTR20がONする。これにより、トランジスタMTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて非反転バッファICMIC23を介して論理がLOWとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板633に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbは、図111に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路1310bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR30を介して前段のトランジスタMTR21のベース端子と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のベース端子は、抵抗MR30と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR31の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタMTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR32の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR33を介して後段のトランジスタMTR22のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のベース端子は、抵抗MR33と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR34の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタMTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC26の他端と電気的に接続され、そして配線(ハーネス)を介して払出制御基板633と電気的に接続されている。なお、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板633と電気的に接続されると、払出制御基板633における図113に示した払出制御部633aの払出制御入力回路952bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図113に示した払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR30,MR31、及び前段のトランジスタMTR21から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗MR33,MR34、及び後段のトランジスタMTR22から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするものである。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、前段のトランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて前段のトランジスタMTR21がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタMTR22がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR21がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加される電圧である、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタMTR22がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がOFFする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR32により+5V側に引き上げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がONする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板633においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板633に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなって前段のトランジスタMTR21のベース端子に入力されることで前段のトランジスタMTR21がONする。これにより、前段のトランジスタMTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)に引き下げられて後段のトランジスタMTR22のベース端子に印加されることで後段のトランジスタMTR22がOFFする。これにより、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御入力回路952bにおいてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板633に入力される。
また、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbは、図111に示すように、オープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子が上述した主制御入力回路1310bの抵抗MR26と電気的に接続されて抵抗MR35を介してトランジスタMTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のベース端子は、抵抗MR35と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR36の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510と電気的に接続されている。
なお、トランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510と電気的に接続されると、図105に示した周辺制御基板1510における周辺制御部1511の図示しない周辺制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されるとともに図105に示した周辺制御MPU1511aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続される。
抵抗MR35,MR36、及びトランジスタMTR23から構成される回路は、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。一方、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR23のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられてトランジスタMTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、論理がHIとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がLOWとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がOFFする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510における周辺制御部1511の払出制御入力回路においてプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板1510に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、論理がLOWとなった信号がDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるため、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号がその論理がHIとなってトランジスタMTR23のベース端子に入力されることでトランジスタMTR23がONする。これにより、トランジスタMTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して周辺制御基板1510においてグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった周辺停電予告信号が周辺制御基板1510に入力される。
このように、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を主制御MPU1310aに停電予告信号として伝える主制御入力回路1310bと、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を周辺制御基板1510に周辺停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbと、にはトランジスタがそれぞれ1つであり、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号と周辺制御基板1510に入力される周辺停電予告信号との論理が同一論理となっているのに対して、DタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力される信号を払出制御基板633に払出停電予告信号として出力するリセット機能なし主制御出力回路1310cbにはトランジスタが前段と後段との2つであり、払出停電予告信号の論理は、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号の論理と周辺制御基板1510に入力される周辺停電予告信号の論理とを反転させた論理となっており、停電予告信号の論理及び周辺停電予告信号の論理と異なっている。
また、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR29の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICMIC23を介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されているのに対して、リセット機能なし主制御出力回路1310cbの後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御入力回路952bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗の他端と電気的に接続されているとともに、リセット機能なし主制御出力回路1310cbのトランジスタMTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板1510における周辺制御部1511の払出制御入力回路において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗と電気的に接続されている。これは、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20のコレクタ端子と主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1との端子間においては、主制御入力回路1310bのトランジスタMTR20と主制御MPU1310aとが主制御基板1310に実装されているため、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行うのに対して、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間、及び主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間においては、基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU1310a、払出制御MPU952a、及び周辺制御MPU1511aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いた停電予告信号の論理(ON/OFF信号)によって停電予告を行っている。
[9−6.主制御MPUへの各種入出力信号]
次に、主制御MPU1310aへの各種入出力信号について、図110を参照して説明する。主制御MPU1310aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXA端子は、図110に示した払出制御基板633からのシリアルデータが主制御入力回路1310bを介して払主シリアルデータ受信信号として受信される。一方、主制御MPU1310aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXA端子及びTXB端子は、TXA端子から、払出制御基板633に送信するシリアルデータを主払シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路1310cbに送信してリセット機能なし主制御出力回路1310cbから払出制御基板633に主払シリアルデータ送信信号を送信し、TXB端子から、図110に示した周辺制御基板1510に送信するシリアルデータを主周シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし主制御出力回路1310cbに送信してリセット機能なし主制御出力回路1310cbから周辺制御基板1510に主周シリアルデータ送信信号を送信する。
主制御MPU1310aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した操作信号(RAMクリア信号)が入力されるほかに、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号が主制御入力回路1310bを介して入力されたり、図110に示した第一始動口センサ3002等の各種スイッチからの検出信号が主制御入力回路1310bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの各出力端子からは、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主払ACK信号をリセット機能付き主制御出力回路1310caに出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから主払ACK信号を払出制御基板633に出力したり、図123に示した、始動口ソレノイド2404に対して、リセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから主制御ソレノイド駆動回路1310dを介して始動口ソレノイド2404に駆動信号を出力したり、図123に示した第一特別図柄表示器1404等の各種表示器に対して、リセット機能付き主制御出力回路1310caにそれぞれ駆動信号を出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから各種表示器に駆動信号をそれぞれ出力したり、遊技に関する各種情報(遊技情報)をリセット機能付き主制御出力回路1310caに出力してリセット機能付き主制御出力回路1310caから遊技に関する各種情報(遊技情報)を払出制御基板633に出力したり等する。
[9−7.主制御基板と周辺制御基板との基板間の通信用インターフェース回路]
次に、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間の通信用インターフェース回路について、図112を参照して説明する。主制御基板1310は、図108に示した電源基板630からの+12Vが払出制御基板633を介して供給され、+5V作成回路1310gは、この+12Vから主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vを作成している。主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
具体的には、主制御基板1310は、リセット機能なし主制御出力回路1310cbを通信用インターフェース回路として機能させており、通信用インターフェース回路は、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50を主として構成されている。これに対して、周辺制御基板1510には、通信用インターフェース回路として、ダイオードAD10、電解コンデンサAC10(本実施形態では、静電容量:47μF)、フォトカプラAIC10(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)を主として構成されている。
主制御基板1310のダイオードMD50のアノード端子には、電源基板630から供給される+12Vが払出制御基板633を介して印加され、ダイオードMD50のカソード端子には、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサMC50(本実施形態では、静電容量:220マイクロファラッド(μF))のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードMD50のカソード端子は、電解コンデンサMC50のプラス端子と電気的に接続されるほかに、配線(ハーネス)を介して、周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10のアノード端子(1番端子)と電気的に接続されている。
これにより、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板630からの電力が払出制御基板633を介して主制御基板1310に供給されなくなった場合には、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板1310から周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加し続けることができるようになっている。
このように、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生した場合に、図110に示した電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470μF)に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっているため、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeは、少なくとも、その送信バッファレジスタ1310aebに主制御CPUコア1310aaがセットしたコマンドをシリアル管理部1310aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ1310aeaから主周シリアルデータとして送信完了することができる。
主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、上述したように、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間を電気的に接続する配線(ハーネス)に侵入するノイズの影響を抑えるために、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vよりも高い電圧である+12Vを用いて送信されることによってその信頼性が高められている。
そこで、本実施形態では、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC50に充電された電荷が+12Vとして主制御基板1310から周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10のアノード端子に印加されるようになっているため、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeは、その送信バッファレジスタ1310aebに主制御CPUコア1310aaがセットしたコマンドをシリアル管理部1310aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ1310aeaから主周シリアルデータとして送信すると、トランジスタMTR50のコレクタ端子から+12Vにより論理をHIとする主周シリアルデータ送信信号を送信することができるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeの送信バッファレジスタ1310aebの記憶容量が32バイトを有しており、また1パケットが3バイトのデータから構成されているため、送信バッファレジスタ1310aebに最大で10パケット分のデータが記憶されるようになっている。また、本実施形態では、主制御MPU1310aから送信される主周シリアルデータの転送ビットレートが19200bpsに設定されている。
フォトカプラAIC10のカソード端子(3番端子)は、抵抗AR10、そしてその配線(ハーネス)を介して、主制御基板1310のトランジスタMTR50のコレクタ端子と電気的に接続されている。周辺制御基板1510の抵抗AR10は、フォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。
図110に示した主制御MPU1310aから主周シリアルデータ送信信号を出力するTXB端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗MR50の他端と電気的に接続されるとともに抵抗MR51を介してトランジスタMTR50のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のベース端子は、抵抗MR51と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗MR52の他端と電気的に接続されている。トランジスタMTR50のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地されている。
抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成される回路はスイッチ回路であり、主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れないため、フォトカプラAIC10がOFFする。一方、主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、周辺制御基板1510のフォトカプラAIC10の内蔵赤外LEDに順方向の電流が流れるため、フォトカプラAIC10がONする。
周辺制御基板1510のダイオードAD10のアノード端子には、電源基板630から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して印加されて、ダイオードAD10のカソード端子が、マイナス端子がグランド(GND)と接地される電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されている。ダイオードAD10のカソード端子は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるほかに、フォトカプラAIC10の電源端子であるVcc端子(6番端子)と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10のエミッタ端子(4番端子)は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラAIC10のコレクタ端子(5番端子)は、電解コンデンサAC10のプラス端子と電気的に接続されるプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラAIC10がON/OFFすることによりフォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主周シリアルデータ送信信号として周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。
これにより、上述したように、例えば停電又は瞬停が発生することにより、電源基板630から供給される+5Vが枠周辺中継端子板868を介して周辺制御基板1510に供給されなくなった場合には、電解コンデンサAC10に充電された電荷が+5VとしてフォトカプラAIC10のVcc端子に印加し続けることができるようになっている。電又は瞬停が発生した際に、電解コンデンサAC10からの+5Vが印加されることにより、主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号は、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeの送信バッファレジスタ1310aebにセットされたデータが送信完了することができるようになっており、送信途中の主周シリアルデータ送信信号、つまり主周シリアルデータが寸断されることなく、また欠落されることなく周辺制御基板1510で確実に受信されるようになっている。
主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がHIであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられてトランジスタMTR50がOFFすることでフォトカプラAIC10がOFFするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗AR11により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される一方、主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理がLOWであるときには、トランジスタMTR50のベース端子に印加される電圧が抵抗MR50により+5V側に引き上げられてトランジスタMTR50がONすることでフォトカプラAIC10がONするようになっているため、フォトカプラAIC10のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主周シリアルデータ送信信号が周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラAIC10のコレクタ端子から出力される主周シリアルデータ送信信号の論理は、主制御MPU1310aのTXB端子から周辺制御基板1510へ送信される主周シリアルデータ送信信号の論理と、同一の論理となっている。
このように、本実施形態では、主制御MPU1310aの制御基準電圧である+5Vが印加される+5V電源ラインと、ダイオードMD50を介して印加される通信用電圧である+12Vが印加される+12V電源ラインと、が停電又は瞬停が発生して制御基準電圧及び通信用電圧が低下した際の対策が施されている。つまり、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeに対しては、+5V電源ラインと、主制御フィルタ回路1310hの電解コンデンサMC2を第1の補助電源とする電解コンデンサMC2のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+5V電源ラインから印加される制御基準電圧が低下しても、第1の補助電源である主制御フィルタ回路1310hの電解コンデンサMC2のプラス端子からの制御基準電圧が印加されることによって、制御基準電圧が印加された状態を維持することができるようになっているし、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路1310cbに対しては、+12V電源ラインに印加される+12Vが通信用電圧としてダイオードMD50のアノード端子に印加され、このダイオードMD50のカソード端子と、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子と、が電気的に並列接続されることにより、停電又は瞬停が発生して+12V電源ラインからダイオードMD50を介して印加される通信用電圧が低下しても、第2の補助電源である電解コンデンサMC50のプラス端子からの通信用電圧が印加されることによって、通信用電圧が印加された状態を維持することができるようになっている。これにより、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信中のコマンドの寸断を防止することができ、また欠落を防止することができるため、周辺制御基板1510は、送信中のコマンドを確実に受信することができる。したがって、停電の発生直後や瞬停時におけるコマンドの取りこぼしを解消することができる。
また、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aeの送信バッファレジスタ1310aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべて、抵抗MR50、抵抗MR51,MR52、及びトランジスタMTR50から構成されて通信用インターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路1310cbを介して、周辺制御基板1510へ送信完了することができるように、主制御フィルタ回路1310hの電解コンデンサMC2の静電容量として470μFが設定され、電解コンデンサMC50の静電容量として220μFが設定されている。これにより、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信中に停電又は瞬停が発生しても、送信バッファレジスタ1310aebにセットされた複数のコマンドを主周シリアルデータとしてすべてインターフェース回路として機能させるリセット機能なし主制御出力回路1310cbを介して周辺制御基板1510へ送信完了することができるため、周辺制御基板1510は、送信バッファレジスタ1310aebにセットされた複数のコマンドを寸断することなく、また欠落することなく確実に受信することができる。
[10.払出制御基板の回路]
次に、図103に示した払出制御基板633の回路等について、図113〜図118を参照して説明する。図113は払出制御部の回路等を示す回路図であり、図114は払出制御入力回路を示す回路図であり、図115は図114の続きを示す回路図であり、図116は払出モータ駆動回路を示す回路図であり、図117はCRユニット入出力回路を示す回路図であり、図118は主制御基板との各種入出力信号、及び外部端子板への各種出力信号を示す入出力図である。まず、払出制御フィルタ回路について説明し、続いて払出制御部の回路、そして主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号について説明する。
[10−1.払出制御フィルタ回路]
払出制御フィルタ回路951aは、図113に示すように、払出制御3端子フィルタPIC0を主として構成されている。この払出制御3端子フィルタPIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。払出制御3端子フィルタPIC0の1番端子は、図108に示した電源基板630からの+5Vが印加されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC0の他端と電気的に接続されており、電源基板630からの+5VがコンデンサPC0により、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。払出制御3端子フィルタPIC0の2番端子は、グランド(GND)と接地され、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、ノイズ成分を除去した+5Vを出力している。
払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子は、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサPC1、及び電解コンデンサPC2(本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、払出制御3端子フィルタPIC0の3番端子から出力される+5Vからさらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された+5Vは、後述する、払出制御システムリセットPIC1の電源端子、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子、払出制御MPU952aの電源端子であるVDD端子等にそれぞれ印加されている。なお、払出制御MPU952aの電源端子であるVDD端子には、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサPC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。
払出制御MPU952aのVDD端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される+5VはコンデンサPC3によりさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU952aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
また、払出制御MPU952aのVDD端子は、コンデンサPC3と電気的に接続されるほかに、ダイオードPD0のアノード端子と電気的に接続されている。ダイオードPD0のカソード端子は、払出制御MPU952aに内蔵されているRAM(払出制御内蔵RAM)の電源端子であるVBB端子と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC4の他端と電気的に接続されている。この払出制御内蔵RAMのVBB端子は、ダイオードPD0のカソード端子及びコンデンサPC4の他端と電気的に接続されるほかに、抵抗PR0を介して、図108に示した電源基板630のキャパシタBC1のプラス端子と電気的に接続されている。つまり、払出制御フィルタ回路951aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、払出制御MPU952aのVDD端子に印加されるとともに、ダイオードPD0を介して、払出制御内蔵RAMのVBB端子と、キャパシタBC1のプラス端子と、に印加されるようになっている。これにより、上述したように、図108に示した電源基板630の電源作成回路935dで作成される+5Vが払出制御基板633に供給されなくなった場合には、キャパシタBC1に充電された電荷が払VBBとして払出制御基板633に供給されるようになっているため、払出制御MPU952aのVDD端子にはダイオードPD0により電流が妨げられて流れず払出制御MPU952aが作動しないものの、払出制御内蔵RAMのVBB端子には払VBBが印加されることにより記憶内容が保持されるようになっている。
[10−2.払出制御部の回路]
払出制御部633aは、払出制御MPU952a、払出制御入力回路952b、払出制御出力回路952c、払出モータ駆動回路952d、CRユニット入出力回路952eのほかに、周辺回路として、図113に示すように、リセット信号を出力する払出制御システムリセットPIC1、クロック信号を出力する払出制御水晶発振器PX0(本実施形態では、8メガヘルツ(MHz))を主として構成されている。ここでは、まず払出制御システムリセットについて説明し、続いて払出制御水晶発振器、払出制御入力回路、払出モータ駆動回路、CRユニット入出力回路、そして払出制御MPUへの各種入出力信号について説明する。
[10−2−1.払出制御システムリセット]
払出制御フィルタ回路951aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図113に示すように、払出制御システムリセットPIC1の電源端子に印加されている。払出制御システムリセットPIC1は、払出制御MPU952a及びリセット機能付き払出制御出力回路952caにそれぞれリセットをかけるものであり、遅延回路が内蔵されている。払出制御システムリセットPIC1の遅延容量端子には、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC5の他端と電気的に接続されており、このコンデンサPC5の容量によって遅延回路による遅延時間を設定することができるようになっている。具体的には、払出制御システムリセットPIC1は、電源端子に入力された+5Vがしきい値(例えば、4.25V)に達すると、遅延時間経過後に出力端子からシステムリセット信号を出力する。
払出制御システムリセットPIC1の出力端子は、払出制御MPU952aのリセット端子であるSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子とそれぞれ電気的に接続されている。出力端子は、オープンコレクタ出力タイプであり、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR1の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC6の他端と電気的に接続されている。このコンデンサPC6は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。出力端子は、電源端子に入力される電圧がしきい値より大きいときにはプルアップ抵抗PR1により+5V側に引き上げられて論理がHIとなり、この論理が払出制御MPU952aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子にそれぞれ入力される一方、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さいときには論理がLOWとなり、この論理が払出制御MPU952aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子にそれぞれ入力される。払出制御MPU952aのSRT0端子及びリセット機能付き払出制御出力回路952caのリセット端子はそれぞれ負論理入力であるため、電源端子に入力される電圧がしきい値より小さい状態となると、払出制御MPU952a及びリセット機能付き払出制御出力回路952caにリセットがかかる。なお、電源端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC7の他端と電気的に接続されており、電源端子に入力される+5Vはリップルが除去されて平滑化されている。また、接地端子はグラント(GND)と接地されており、NC端子は外部と電気的に未接続の状態となっている。
[10−2−2.払出制御水晶発振器]
払出制御フィルタ回路951aによりノイズ成分が除去されて平滑化された+5Vは、図113に示すように、払出制御水晶発振器PX0の電源端子であるVCC端子に入力されている。このVCC端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC8の他端と電気的に接続されており、VCC端子に入力される+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。また、この平滑化された+5Vは、VCC端子のほかに、払出制御水晶発振器PX0の出力許可(Output Enable)端子であるOE端子にも印加されている。払出制御水晶発振器PX0は、そのOE端子に+5Vが印加されることにより、8MHzのクロック信号を出力端子であるOUT端子から出力する。
払出制御水晶発振器PX0のOUT端子は、払出制御MPU952aのクロック端子であるMCLK端子と電気的に接続されており、8MHzのクロック信号が払出制御MPU952aに入力されている。なお、払出制御水晶発振器PX0の接地端子であるGND端子はグラント(GND)と接地されている。
[10−2−3.払出制御入力回路]
払出制御入力回路952bは、図114に示した、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619、図108に示した主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの払出停電予告信号が入力される回路、図124に示したハンドル中継端子板315、そして電源基板630を介して満タン検知センサ154からの検出信号が入力される回路、操作スイッチ954からの操作信号が入力される回路等である。まず、扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路について説明し、続いて本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路、停電監視回路からの払出停電予告信号が入力される回路、満タン検知センサからの検出信号が入力される回路、そして操作スイッチからの操作信号が入力される回路について説明する。なお、満タン検知センサ154や、図124に示した、球切検知センサ574、払出検知センサ591、回転検知センサ840等の各種検出スイッチは、出力端子がオープンコレクタ出力タイプであるため、各種検出スイッチからの検出信号が入力される回路構成はほぼ同一であるため、ここでは、満タン検知センサからの検出信号が入力される回路について説明する。
[10−2−3(a).扉枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路]
扉枠開放スイッチ618は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、図1に示した、扉枠3が本体枠4から開放された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠3が本体枠4に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。扉枠開放スイッチ618の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR20の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のベース端子は抵抗PR21と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR22の他端と電気的に接続されている。また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC20の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR20のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR20のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR23の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC20(非反転バッファICPIC20は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC20A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0と電気的に接続されている。トランジスタPTR20がON/OFFすることによりトランジスタPTR20のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が扉開放信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
また、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のベース端子は抵抗PR24と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR25の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR21のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR21のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR21がON/OFFすることによりトランジスタPTR21のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
更に、扉枠開放スイッチ618の1番端子は、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR21を介してトランジスタPTR20のベース端子と電気的に接続されるとともに、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR24を介してトランジスタPTR21のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられて抵抗PR26を介してトランジスタPTR22のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のベース端子は抵抗PR26と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR27の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR22のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して図123に示した主制御基板1310と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR22のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されると、図123に示した主制御基板1310の主制御入力回路1310bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR22がON/OFFすることによりトランジスタPTR22のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板1310に入力される。
プルアップ抵抗PR20及びコンデンサPC20から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、扉枠3が本体枠4から開放される際に、又は扉枠3が本体枠4に閉鎖される際に、扉枠開放スイッチ618を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による扉枠開放スイッチ618からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR21,PR22、及びトランジスタPTR20から構成される回路と、抵抗PR24,PR25、及びトランジスタPTR21から構成される回路と、抵抗PR26,PR27、及びトランジスタPTR22から構成される回路と、は扉枠開放スイッチ618からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR20がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR23により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。また、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR21がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。
これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR22がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
一方、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR20のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR20により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR20がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR20のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。また、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR21のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR21がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR21のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFしているため、トランジスタPTR22のベース端子に印加される電圧が+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR22がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR22のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
このように、扉枠3が本体枠4から開放された状態では、扉枠開放スイッチ618がONすることにより、論理がHIとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される一方、扉枠3が本体枠4に閉鎖された状態では、扉枠開放スイッチ618がOFFすることにより、論理がLOWとなった扉枠開放信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力され、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
[10−2−3(b).本体枠開放スイッチからの検出信号が入力される回路]
本体枠開放スイッチ619は、常閉形(ノーマルクローズ(NC))を用いており、図1に示した、本体枠4が外枠2から開放された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態でスイッチがOFF(切断)するようになっている。本体枠開放スイッチ619の2番端子は、グランド(GND)に接地される一方、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR28の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のベース端子は抵抗PR29と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR30の他端と電気的に接続されている。また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC21の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR23のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR21のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR23のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して外部端子板784と電気的に接続されると、外部端子板784において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR23がON/OFFすることによりトランジスタPTR23のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が外端枠扉開放情報出力信号として外部端子板784に入力される。
また、本体枠開放スイッチ619の1番端子は、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR29を介してトランジスタPTR23のベース端子と電気的に接続されるほか、プルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられて抵抗PR31を介してトランジスタPTR24のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のベース端子は抵抗PR31と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR32の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR24のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、上述したトランジスタPTR22のコレクタ端子と電気的に接続されるとともに、配線(ハーネス)を介して図123に示した主制御基板1310と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR24のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されると、図123に示した主制御基板1310の主制御入力回路1310bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR24がON/OFFすることによりトランジスタPTR24のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が主枠扉開放信号として主制御基板1310に入力される。
プルアップ抵抗PR28及びコンデンサPC21から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、本体枠4が外枠2から開放される際に、又は本体枠4が外枠2に閉鎖される際に、本体枠開放スイッチ619を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による本体枠開放スイッチ619からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR29,PR30、及びトランジスタPTR23から構成される回路と、抵抗PR31,PR32、及びトランジスタPTR24から構成される回路と、は本体枠開放スイッチ619からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR23がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR24がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
一方、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR23のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR23がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR23のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して外部端子板784においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力される。また、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFしているため、トランジスタPTR24のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR28により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR24がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR24のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
このように、本体枠4が外枠2から開放された状態では、本体枠開放スイッチ619がONすることにより、論理がHIとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がHIとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される一方、本体枠4が外枠2に閉鎖された状態では、本体枠開放スイッチ619がOFFすることにより、論理がLOWとなった外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784に入力され、論理がLOWとなった主枠扉開放信号が主制御基板1310に入力される。
本実施形態では、上述したように、扉枠3が本体枠4に閉鎖された状態と、本体枠4が外枠2から開放された状態と、のうち、いずれか一方の状態又は両方の状態となった場合でも、主制御基板1310に対しては主枠扉開放信号が入力されるようになっているため、図154に示した主制御基板1310の主制御MPU1310aは、主枠扉開放信号に基づいて、扉枠3が本体枠4から開放された状態であるか、それとも本体枠4が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができるし、外部端子板784に対しては外端枠扉開放情報出力信号が入力されるようになっているため、この外端枠扉開放情報出力信号が外部端子板784を介してホールコンピュータに伝わり、ホールコンピュータは、外端枠扉開放情報出力信号に基づいて、扉枠3が本体枠4から開放された状態であるか、それとも本体枠4が外枠2から開放された状態であるかを判別することができないものの、扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを判断することができる。
また、本実施形態では、上述したように、扉枠開放スイッチ618、本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用したことにより、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、扉枠3が本体枠4から開放された状態となり、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619が短絡してスイッチがON(導通)する状態となっても、本体枠4が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチを採用することにより、短絡時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板1310に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
なお、扉枠開放スイッチ618及び本体枠開放スイッチ619をノーマルクローズのスイッチから、常開形(ノーマルオープン(NO))のスイッチ(扉枠開放スイッチ618’及び本体枠開放スイッチ619’)に替えると、扉枠開放スイッチ618’は、扉枠3が本体枠4から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、扉枠3が本体枠4に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。本体枠開放スイッチ619’は、本体枠4が外枠2から閉鎖された状態でスイッチがON(導通)し、本体枠4が外枠2に開放された状態でスイッチがOFF(切断)する。そうすると、何らかの原因により扉枠開放スイッチ618’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、扉枠3が本体枠4から開放された状態となるし、また、何らかの原因により本体枠開放スイッチ619’が断線してスイッチがOFF(切断)する状態となっても、本体枠4が外枠2から開放された状態となる。このように、扉枠開放スイッチ618’及び本体枠開放スイッチ619’をノーマルオープンのスイッチを採用しても、断線時にでも、主枠扉開放信号を主制御基板1310に出力することができるとともに、外端枠扉開放情報出力信号を外部端子板784を介してホールコンピュータに伝えることができる。
[10−2−3(c).停電監視回路からの払出停電予告信号が入力される回路]
主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの払出停電予告信号を伝える伝送ラインは、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR40の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR41を介してトランジスタPTR40のベース端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のベース端子は抵抗PR41と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR42の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR40のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR40のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR43の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1と電気的に接続されている。トランジスタPTR40がON/OFFすることによりトランジスタPTR40のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が払出停電予告信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
抵抗PR41,PR42、及びトランジスタPTR40から構成される回路は、主制御基板1310に備える停電監視回路1310eからの払出停電予告信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
停電監視回路1310eは、上述したように、電源基板630からの+12V及び+24Vという2種類の電圧の停電又は瞬停の兆候を監視しており、停電又は瞬停の兆候を検出すると、リセット機能なし主制御出力回路1310cbを介して停電予告として払出停電予告信号を払出制御基板633に出力する。停電監視回路1310eは、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候を監視し、上述したように、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して払出制御基板633においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板633に入力される一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、後段のトランジスタMTR22のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して上述したプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることで論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板633に入力される。
+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより大きいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより大きいという条件の両方の条件が成立したときには、つまり+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御基板633に入力されるため、トランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR40がOFFし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR43により+5V側に引き上げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子から論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
一方、+24Vの電圧が停電検知電圧V1pfより小さいという条件、及び+12Vの電圧が停電検知電圧V2pfより小さいという条件のうち、いずれか一方の条件が成立したときには、つまり+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御基板633に入力されるため、停電監視回路1310eからの払出停電予告信号によりトランジスタPTR40のベース端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR40により+12V側に引き上げられることでトランジスタPTR40がONし、トランジスタPTR40のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられる。これにより、トランジスタPTR40のコレクタ端子の論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される。
このように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、論理がLOWとなった払出停電予告信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっている。これは、上述したように、+12V及び/又は+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候があるときには、論理がHIとなった停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力される一方、+12V及び+24Vの電圧の停電又は瞬停の兆候がないときには、停電予告信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力されるようになっているため、停電監視回路1310eからの停電予告による、払出制御MPU952aに入力される払出停電予告信号の論理と、主制御MPU1310aに入力される停電予告信号の論理と、が同一論理となっている。
[10−2−3(d).満タン検知センサからの検出信号が入力される回路]
図1に示したファールカバーユニット270に備える満タン検知センサ154からの検出信号は、図1に示したハンドル中継端子板315、そして図6に示した電源基板630を介して、払出制御基板633に入力されている。この満タン検知センサ154の出力端子は、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されるオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、払出制御基板633において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR44aの他端と電気的に接続されるとともに満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されている。この満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。
満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の2番端子は、グランド(GND)と接地され、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の3番端子は、抵抗PR44bを介して、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50の1番端子と電気的に接続されるとともに、抵抗PR45を介してトランジスタPTR41のベース端子と電気的に接続されている。これにより、満タン検知センサ154の検出信号は、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去されてトランジスタPTR41のベース端子に入力される。トランジスタPTR41のベース端子は、抵抗PR45が電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)に接地される抵抗PR46の他端と電気的に接続されるとともに、一端がグランド(GND)と電気的に接続されるコンデンサPC40の他端と電気的に接続されている。コンデンサPC40は、ローパスフィルタとしての役割を担っている。トランジスタPTR41のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR41のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR47の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2と電気的に接続されている。トランジスタPTR41がON/OFFすることによりトランジスタPTR41のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号が満タン信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
抵抗PR45,PR46、及びトランジスタPTR41から構成される回路は、満タン検知センサ154からの検出信号によりON/OFFするスイッチ回路である。
満タン検知センサ154は、上述したように、ファールカバーユニット270の第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものである。本実施形態では、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タン検知センサ154の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板630を介して、払出制御基板633においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が払出制御基板633に入力される一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タン検知センサ154の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板630を介して、払出制御基板633においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が払出制御基板633に入力される。
収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっていないときには、満タン検知センサ154の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板630を介して、払出制御基板633においてプルアップ抵抗44aにより+12V側に引き上げられて論理がHIとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった満タン信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
一方、収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているときには、満タン検知センサ154の出力端子に印加される電圧がハンドル中継端子板315、そして電源基板630を介して、払出制御基板633においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなった信号が上述したトランジスタPTR41のベース端子に入力されることでトランジスタPTR41がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR41のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR47により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった満タン信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力される。
なお、本実施形態では、満タン検知センサ154からの検出信号は、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50を介して、抵抗PR45、抵抗PR46、及びトランジスタPTR41から構成されるスイッチ回路に入力される回路構成としていたが、図124に示した、球切検知センサ574、払出検知センサ591等の各種検出スイッチからの検出信号は、満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50のようなT型フィルタ回路を介さずに各スイッチ回路に直接入力される回路構成となっている。満タン検知センサ154は、扉枠3に取り付けられるファールカバーユニット270に設けられているため、本体枠4に取り付けられる払出装置580に設けられる球切検知センサ574、払出検知センサ591等と比べると、検出信号を伝送する経路が極めて長くなり、ノイズの影響を極めて受けやすい。
満タン検知センサ154は、ファールカバーユニット270の第二球通路における収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを検出するものであり、払出制御MPU952aは、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいて、収容空間が貯留された遊技球で満タンであると判断すると、払出モータ584の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止する制御を行うようになっている。つまり、満タン検知センサ154からの検出信号を伝える伝送経路(伝送ライン)にノイズが侵入すると、払出制御MPU952aは、収容空間が貯留された遊技球で満タンでもないのに、払出モータ584の駆動制御を強制的に停止して払出回転体による遊技球の払い出しを停止するという場合もあるし、収容空間が貯留された遊技球で満タンであるにもかからず、払出モータ584を駆動制御して払出回転体を回転させて遊技球の払い出しを継続することにより上述した賞球通路の上流側まで遊技球で満たされると、払出回転体そのものが回転することができなくなって払出モータ584に負荷が異常にかかり、払出モータ584が過負荷となって異常発熱して故障したり、払出モータ584の回転軸を払出回転体の回転運動に伝達する機構等が故障したりするという場合もある。そこで、本実施形態では、このような問題が発生しないように、満タン検知センサ154からの検出信号を、まず満タン検知センサ用3端子フィルタPIC50において、ノイズ成分が除去するように回路構成を採用した。
[10−2−3(e).操作スイッチからの操作信号が入力される回路]
操作スイッチ954の出力端子である1番端子及び2番端子は、グランド(GND)に接地され、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されている。前段のトランジスタPTR42のベース端子は、抵抗PR49と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR50の他端と電気的に接続されている。また、操作スイッチ954の出力端子である4番端子は、プルアップ抵抗PR48と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC41の他端と電気的に接続されている。前段のトランジスタPTR42のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR51の他端と電気的に接続されるとともに抵抗PR52を介して後段のトランジスタPTR43のベース端子と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のベース端子は、抵抗PR52と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR53の他端と電気的に接続されている。後段のトランジスタPTR43のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR54の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC40(非反転バッファICPIC40は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC40C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3と電気的に接続されている。前段及び後段のトランジスタPTR42,PTR43がON/OFFすることにより後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRWMCLR信号として払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。
また、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子は、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR49を介して前段のトランジスタPTR42のベース端子と電気に接続されるほか、プルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて抵抗PR55を介してトランジスタPTR44のベース端子と電気に接続されている。トランジスタPTR44のベース端子は、抵抗PR55と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR56の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR44のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR44のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して主制御基板1310と電気的に接続されると、図110に示した、主制御基板1310の主制御入力回路1310bにおいて、一端が+12V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗MR2の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR44がON/OFFすることによりトランジスタPTR44のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がRAMクリア信号として主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。
プルアップ抵抗PR48及びコンデンサPC41から構成される回路は、スイッチ信号発生回路であり、操作スイッチ954が押圧操作される際に、操作スイッチ954を構成する接点が短時間ON/OFFを繰り返すバタつき現象による操作スイッチ954からの電圧の変動を吸収する機能も有する回路として構成されている。
抵抗PR49,PR50、及びトランジスタPTR42から構成される回路は前段のスイッチ回路であり、抵抗PR52,PR53、及びトランジスタPTR43から構成される回路は後段のスイッチ回路であり、抵抗PR55,PR56、及びトランジスタPTR44から構成される回路はスイッチ回路であり、操作スイッチ954からの操作信号によりON/OFFするものである。
操作スイッチ954は、上述したように、電源投入時から予め定めた期間内において払出制御基板633の払出制御MPU952aに内蔵されるRAM(払出制御内蔵RAM)、及び主制御基板1310の主制御MPU1310aに内蔵されるRAM(主制御内蔵RAM)をクリアする場合に操作されたり、電源投入後においてエラー報知されている際に、そのエラーを解除するために操作されたりするようになっており、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能と、電源投入後(RAMクリアとして機能を奏する期間を経過した後、つまり電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能と、を有している。操作スイッチ954からの操作信号は、電源投入時から予め定めた期間内におけるRAMクリアを行う機能においては、RAMクリア信号となる一方、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)におけるエラー解除を行う機能においては、エラー解除信号となる。
操作スイッチ954が操作されていないときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられることで論理がHIとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がONし、前段のスイッチ回路もONすることとなり、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることで後段のトランジスタPTR43がOFFし、後段のスイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR54により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRWMCLR信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。払出制御MPU952aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がHIであるときにはエラー解除を行うことを指示するものではないと判断する。
また、操作スイッチ954が操作されていないときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48により+5V側に引き上げられて論理がHIとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御基板1310に入力される。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がLOWであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図110に示した、この論理がLOWであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗MR5により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がHIであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断する。
一方、操作スイッチ954が操作されているときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号が前段のトランジスタPTR42のベース端子に入力されて前段のトランジスタPTR42がOFFし、前段のスイッチ回路もOFFすることとなり、後段のトランジスタPTR43のベースに印加される電圧である、前段のトランジスタPTR42のコレクタ端子に印加される電圧が抵抗PR51により+5V側に引き上げられることで後段のトランジスタPTR43がONし、後段のスイッチ回路もONすることとなる。これにより、後段のトランジスタPTR43のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRWMCLR信号が払出制御MPU952aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力される。払出制御MPU952aは、電源投入時から予め定めた期間内において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときには払出制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断し、電源投入後(電源投入時から予め定めた期間が経過した後)において、入力端子PA3に入力されるRWMCLR信号の論理がLOWであるときにはエラー解除を行うことを指示するものであると判断する。
また、操作スイッチ954が操作されているときには、操作スイッチ954の出力端子である3番端子及び4番端子がプルアップ抵抗PR48によりグランド(GND)側に引き下げられることで論理がLOWとなった操作信号がトランジスタPTR44のベース端子に入力されてトランジスタPTR44がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR44のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗MR2により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったRAMクリア信号が主制御基板1310に入力される。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、電源投入時から予め定めた期間内に論理がHIであるRAMクリア信号が入力されているときには、上述したように、図110に示した、この論理がHIであるRAMクリア信号がトランジスタMTR0のベース端子に入力されることでトランジスタMTR0がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタMTR0のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったRAMクリア信号が主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力される。主制御MPU1310aは、入力端子PA0に入力されるRAMクリア信号の論理がLOWであるときには主制御内蔵RAMに記憶される情報を消去するRAMクリアを行うことを指示するものであると判断する。
[10−2−4.払出モータ駆動回路]
次に、図116に示した払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路952dについて説明する。払出モータ駆動回路952dは、図116に示すように、電圧切替回路952da、ドライブICPIC60を主として構成されている。電圧切替回路952daの電源入力端子1,2は、+12V電源ライン及び+5V電源ラインとそれぞれ電気的に接続されて+12及び+5Vがそれぞれ印加され、電圧切替回路952daの接地端子は、グランド(GND)と接地されている。電圧切替回路952daの電源切替入力端子は、電圧切替信号が入力される。この電圧切替信号は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路952caから電圧切替回路952daの電源切替入力端子に出力されるようになっている。電圧切替回路952daの電源出力端子は、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子とそれぞれ電気的に接続されるとともに、払出モータ584の電源端子と電気的に接続され、電圧切替回路952daの電圧切替入端子に入力される電圧切替信号に基づいて、+12V又は+5Vを、モータ駆動電圧として、ツェナーダイオードPZD60を介して、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子にそれぞれ供給するとともに、払出モータ584に供給する。
ドライブICPIC60は、4つのダーリントンパワートランジスタを備えており、本実施形態では、ドライブICPIC60のエミッタ端子である6番端子及び7番端子は、それぞれグランド(GND)と接地され、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子は、払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力される。ドライブICPIC60のコレクタ端子である2番端子、4番端子、9番端子、そして11番端子は、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子とそれぞれ対応しており、ドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子に払出モータ駆動信号が抵抗PR60〜PR63を介してそれぞれ入力されると、励磁信号である駆動パルスを払出モータ584と対応する各相(/B相、B相、A相、/A相)にそれぞれ出力する。この払出モータ駆動信号は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力され、リセット機能付き払出制御出力回路952caから抵抗PR60〜PR63を介してドライブICPIC60のベース端子である1番端子、5番端子、8番端子、そして12番端子にそれぞれ出力されるようになっている。これらの駆動パルスは、払出モータ584の各相(/B相、B相、A相、/A相)に流す励磁電流のスイッチングにより行われ、払出モータ584を回転させる。なお、このスイッチングにより各相(/B相、B相、A相、/A相)の駆動パルス(励磁信号)を遮断したときには逆起電力が発生する。この逆起電力がドライブICPIC60の耐圧を超えると、ドライブICPIC60が破損するため、保護として、ドライブICPIC60のカソード端子である3番端子及び10番端子の前段に上述したツェナーダイオードPZD0を電気的に接続する回路構成を採用した。
[10−2−5.CRユニット入出力回路]
次に、図117に示したCRユニット6との各種信号を入出力するためのCRユニット入出力回路952eについて説明する。払出制御基板633は、CRユニット6から、上述したように、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、貸球要求信号であるBRDYと、1回の払出動作開始要求信号であるBRQと、が入力され、また図125に示した電源基板630から供給されるAC24Vから作成した、所定電圧VL(+12V)及びグランドLGが供給される一方、払出制御基板633から、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号と、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号と、を出力する。これらの各種信号等を入出力する入出力回路は、図117に示すように、フォトカプラPIC70〜PIC74(赤外LEDとフォトトランジスタとが内蔵されている。)を主として構成されている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、抵抗PR70を介して、フォトカプラPIC70のアノード端子に印加されている。フォトカプラPIC70のカソード端子は、CRユニット6からのグランドLGと電気的に接続されている。抵抗PR60は、フォトカプラPIC70の内蔵赤外LEDに流れる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときには、フォトカプラPIC70がONする一方、フォトカプラPIC70のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFするようになっている。フォトカプラPIC70のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71を介してトランジスタPTR70のベース端子と電気的に接続されるほかに、抵抗PR72を介してトランジスタPTR71のベース端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC70のコレクタ端子は、抵抗PR71と電気的に接続されるほかに、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR73の他端と電気的に接続されている。
トランジスタPTR70のベース端子は、抵抗PR71と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR74の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR70のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR70のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR75の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80A)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して図113に示した払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。トランジスタPTR70がON/OFFすることによりトランジスタPTR70のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号1として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、トランジスタPTR71のベース端子は、抵抗PR72と電気的に接続されるほかに、一端がグランド(GND)と接地される抵抗PR76の他端と電気的に接続されている。トランジスタPTR71のエミッタ端子は、グランド(GND)に接地され、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板630と電気的に接続されている。なお、トランジスタPTR71のコレクタ端子は、配線(ハーネス)を介して電源基板630と電気的に接続されると、電源基板630において、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される図示しないプルアップ抵抗の他端と電気的に接続される。トランジスタPTR71がON/OFFすることによりトランジスタPTR71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がCR接続信号として電源基板630に入力される。
抵抗PR71,PR74、及びトランジスタPTR70から構成される回路は、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR70がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号1が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR70のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR70がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR70のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PTR75により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号1が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
抵抗PR72,PR76、及びトランジスタPTR71から構成される回路も、フォトカプラPIC70のON/OFFによりON/OFFするスイッチ回路である。
CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されていないときには、フォトカプラPIC70がOFFし、プルアップ抵抗PR73により+5V側に引き上げられることでトランジスタPTR71がONし、スイッチ回路もONすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板630においてグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったCR接続信号が電源基板630に入力される。
一方、CRユニット6からの所定電圧VLがフォトカプラPIC70のアノード端子に印加されているときには、フォトカプラPIC70がONし、トランジスタPTR71のベース端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられることでトランジスタPTR71がOFFし、スイッチ回路もOFFすることとなる。これにより、トランジスタPTR71のコレクタ端子に印加される電圧が配線(ハーネス)を介して電源基板630のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられて論理がHIとなったCR接続信号が電源基板630に入力される。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子のほかに、抵抗PR77を介して、フォトカプラPIC71のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC71のカソード端子は、CRユニット6からのBRDYが入力されている。抵抗PR77は、フォトカプラPIC71の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONする一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするようになっている。フォトカプラPIC71のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC71のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR78の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80B)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC71がON/OFFすることによりフォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRDY信号として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC71がONするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRDY信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC71のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRDYの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC71がOFFするため、フォトカプラPIC71のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR78により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRDY信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC71のコレクタ端子から出力されるBRDY信号の論理は、CRユニット6からのBRDYの論理と同一の論理となっている。
CRユニット6からの所定電圧VLは、フォトカプラPIC70のアノード端子、及びフォトカプラPIC71のアノード端子のほかに、抵抗PR79を介して、フォトカプラPIC72のアノード端子にも印加されている。フォトカプラPIC72のカソード端子は、CRユニット6からのBRQが入力されている。抵抗PR79は、フォトカプラPIC72の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONする一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするようになっている。フォトカプラPIC72のエミッタ端子は、グランド(GND)と接地され、フォトカプラPIC72のコレクタ端子は、一端が+5V電源ラインと電気的に接続されるプルアップ抵抗PR80の他端と電気的に接続されるとともに非反転バッファICPIC80(非反転バッファICPIC80は、8つの非反転バッファ回路を備えており、その1つ(PIC80C)に入力された信号波形の論理を反転させることなく整形して出力する。)を介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子と電気的に接続されている。フォトカプラPIC72がON/OFFすることによりフォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がBRQ信号として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC72がONするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったBRQ信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。一方、フォトカプラPIC72のアノード端子にCRユニット6からの所定電圧VLが印加されているときであって、CRユニット6からのBRQの論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC72がOFFするため、フォトカプラPIC72のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR80により+5V側に引き上げられて論理がHIとなったBRQ信号が払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。このように、フォトカプラPIC72のコレクタ端子から出力されるBRQ信号の論理は、CRユニット6からのBRQの論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号は、リセット機能なし払出制御出力回路952cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから抵抗PR81を介してフォトカプラPIC73のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC73のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR82の他端と電気的に接続されている。抵抗PR82は、フォトカプラPIC73の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONする一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするようになっている。フォトカプラPIC73のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC73のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR83により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC73がON/OFFすることによりフォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がEXSとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC73がONするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC73のアノード端子に抵抗PR82を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC73がOFFするため、フォトカプラPIC73のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR83により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったEXSがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC73のコレクタ端子から出力されるEXSの論理は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるEXS信号の論理と同一の論理となっている。
払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるPRDY信号は、抵抗PR84を介して、フォトカプラPIC74のカソード端子に入力されている。フォトカプラPIC74のアノード端子は、一端が+12V電源ラインと電気的に接続される抵抗PR85の他端と電気的に接続されている。抵抗PR85は、フォトカプラPIC74の内蔵赤外LEDに流がれる電流を制限するための制限抵抗である。フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONする一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするようになっている。フォトカプラPIC74のエミッタ端子は、CRユニット6からのグランドLGと接地され、フォトカプラPIC74のコレクタ端子は、プルアップ抵抗PR86により、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6内において所定電圧VLに引き上げられてその内蔵制御装置と電気的に接続されている。フォトカプラPIC74がON/OFFすることによりフォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力される信号の論理が変化し、その信号がPRDYとしてCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。
フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がLOWとなっているときには、フォトカプラPIC74がONするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がグランド(GND)側に引き下げられて論理がLOWとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。一方、フォトカプラPIC74のアノード端子に抵抗PR85を介して+12Vが印加されているときであって、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理がHIとなっているときには、フォトカプラPIC74がOFFするため、フォトカプラPIC74のコレクタ端子に印加される電圧がプルアップ抵抗PR86により所定電圧VLに引き上げられて論理がHIとなったPRDYがCRユニット6の内蔵制御装置に入力される。このように、フォトカプラPIC74のコレクタ端子から出力されるPRDYの論理は、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能なし払出制御出力回路952cbを介して出力されるPRDY信号の論理と同一の論理となっている。
[10−2−6.払出制御MPUへの各種入出力信号]
次に、払出制御MPU952aの各種入出力ポートの入出力端子から入出力される各種入出力信号について説明する。
払出制御MPU952aのシリアル入力ポートのシリアルデータ入力端子であるRXD端子は、図113に示すように、主制御基板1310からのシリアルデータが払出制御入力回路952bを介して主払シリアルデータ受信信号として受信される。一方、払出制御MPU952aのシリアル出力ポートのシリアルデータ出力端子であるTXD端子からは、主制御基板1310に送信するシリアルデータを払主シリアルデータ送信信号としてリセット機能なし払出制御出力回路952cbに送信してリセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に払主シリアルデータ送信信号を送信する。
払出制御MPU952aの所定の入力ポートの各入力端子には、上述した、RWMCLR信号、払出停電予告信号、扉開放信号、満タン信号、CRユニット6からの各種信号(BRQ信号、BRDY信号、CR接続信号1等)等がそれぞれ入力されるほかに、例えば、上述した払主シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える主制御基板1310からの主払ACK信号が払出制御入力回路952bを介して入力されたり、図124に示した、球切検知センサ574、払出検知センサ591、回転検知センサ840等からの検出信号が払出制御入力回路952bを介してそれぞれ入力されたり等する。
一方、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの各出力端子からは、上述したEXS信号及びPRDY信号をリセット機能なし払出制御出力回路952cbにそれぞれ出力してリセット機能なし払出制御出力回路952cbからEXS信号及びPRDY信号をCRユニット入出力回路952eに出力したり、上述した電圧切替信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから電圧切替信号を電圧切替回路952daに出力したり、払出モータ駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから払出モータ駆動信号を払出モータ駆動回路952dを介して払出モータ584に出力したりするほかに、例えば、上述した主払シリアルデータ受信信号の正常受信完了の旨を伝える払主ACK信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから払主ACK信号を主制御基板1310に出力したり、図124に示したエラーLED表示器860bの駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力してリセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したり等する。
[10−3.主制御基板との各種入出力信号及び外部端子板への各種出力信号]
次に、払出制御基板633と主制御基板1310との各種入出力信号と、払出制御基板633から外部端子板784への各種出力信号について、図118を参照して説明する。
[10−3−1.主制御基板との各種入出力信号]
払出制御基板633は、主制御基板1310と各種入出力信号のやり取りを行う。具体的には、図118(a)に示すように、払出制御基板633は、上述した、払主シリアルデータ送信信号、払主ACK信号、操作信号(RAMクリア信号)、主枠扉開放信号等を、主制御基板1310に出力する。これらの出力される信号は、主制御基板1310の主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
一方、払出制御基板633は、上述した、主払シリアルデータ受信信号、主払ACK信号、及び操作信号(RAMクリア信号)のほかに、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号、及び2ラウンド大当り情報出力信号等の大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する遊技情報信号や払出停電予告信号等が主制御基板1310から入力される。これらの入力される信号は、払出制御基板633の払出制御部633aの払出制御入力回路952bのプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。
[10−3−2.外部端子板への各種出力信号]
払出制御基板633は、外部端子板784に各種信号を出力する。具体的には、図118(b)に示すように、上述した外端枠扉開放情報出力信号のほかに、払出モータ584が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとに出力される賞球数情報出力信号、主制御基板1310から払出制御基板633を介して、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号との大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号等の遊技情報信号を、外部端子板784に出力する。これらの出力される信号は、外部端子板784のプルアップ抵抗により+12V側に引き上げられている。つまり外部端子板784には、払出制御基板633側からの外端枠扉開放情報出力信号、及び賞球数情報出力信号という2つの信号が出力され、主制御基板1310側からのメイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号という8つの信号が払出制御基板633を介して(通過して)出力されるようになっている。
外部端子板784から出力される信号は、図示しない遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに伝わるようになっており、ホールコンピュータは、遊技者の遊技等を監視している。なお、15ラウンド大当り情報出力信号又は2ラウンド大当り情報出力信号を1つの大当り情報出力信号としてホールコンピュータに出力する場合には、ホールコンピュータは、ラウンドが2回となった大当りの回数(2ラウンド大当りの発生回数)と、ラウンドが15回となった大当りの回数(15ラウンド大当りの発生回数)と、が合算されたものがパチンコ機1の大当りの回数となる。このため、ホールコンピュータは、その合算された大当り回数から、2ラウンド大当りの発生回数や15ランド大当りの発生回数を把握することができないので、実際にパチンコ機1で発生した大当り回数が多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができない。またパチンコ機1の上方に図示しないデータカウンタが配置されており、遊技者の中には、このデータカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数等を参考にして遊技を行うか否かを選択する者もいる。
ところが、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、実際には2ラウンド大当りの発生回数に偏っている場合もあるので、遊技者が遊技を開始しても、2ラウンド大当りばかり発生して15ラウンド大当りがなかなか発生しないこともある。このように、データカウンタに表示された大当り遊技状態の発生回数は、遊技者に期待感を与えることはできるものの、必要以上に遊技者の射幸心をあおりかねない。
そこで、本実施形態では、大当り情報出力信号として、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号とを別々にホールコンピュータに出力することにより、ホールコンピュータは、2ラウンド大当りの発生回数と、15ラウンド大当り発生回数と、を正確に把握することができるようになっている。したがって、ホールコンピュータは、実際にパチンコ機1で発生した大当り回数の多いのが、2ラウンド大当りであるのか、それとも15ラウンド大当りであるのかを、把握することができるし、データカウンタには15ラウンド大当りの発生回数と2ラウンド大当りの発生回数とを別々に又は15ラウンド大当りの発生回数のみを大当り遊技状態の発生回数として表示することができるので、必要以上に遊技者の射幸心をあおることもない。
なお、本実施形態では、2ラウンド大当り情報出力信号は2ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっており、15ラウンド大当り情報出力信号も15ラウンド大当りが発生して終了するまでの期間においてホールコンピュータに出力された状態となっている。本実施形態のように、2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号をホールコンピュータに出力する方法のほかに、例えば、2ラウンド大当りが発生すると、2ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とし、15ラウンド大当りが発生すると、15ラウンド大当り情報出力信号が所定期間だけホールコンピュータに出力される状態とする、このような2ラウンド大当り情報出力信号及び15ラウンド大当り情報出力信号を同一の所定期間だけホールコンピュータに出力する方法も挙げることができる。
[11.外部端子板の出力端子の配列]
次に、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータへ各種信号を出力する外部端子板784の出力端子の配列について、図119を参照して説明する。外部端子板784は、、本体枠ベース600の後面に取り付けられる賞球ベースの後面に取り付けられるとともに、その後側が外部端子板カバー786により覆われている。図119は外部端子板の出力端子の配列を示す図である。
外部端子板784は、上述したように、外端枠扉開放情報出力信号、賞球数情報出力信号、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号と2ラウンド大当り情報出力信号との大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、及び始動口入賞情報出力信号を払出制御基板633から入力されると、パチンコ機1の外部へ出力するものである。
これらの各種信号について、簡単に説明すると、外端枠扉開放情報出力信号は、図1に示した扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを伝える信号であり、賞球数情報出力信号は、図5に示した払出モータ584が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、メイン賞球数情報出力信号は、図8に示した第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、15ラウンド大当り情報出力信号は、15ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、2ラウンド大当り情報出力信号は、2ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、確率変動中情報出力信号は、確率変動が発生している状態である旨を伝える信号であり、特別図柄表示情報出力信号は、図10に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404や第二特別図柄表示器1406で特別図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、普通図柄表示情報出力信号は、図10に示した機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、時短中情報出力信号は、時短状態が発生している旨を伝える信号であり、始動口入賞情報出力信号は、図8に示した第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球するごとにその旨を伝える信号である。
外部端子板784には、図119に示すように、出力端子PT1〜PT10が一列に水平に並んで配置されている。出力端子PT1は、白色に施されて賞球数情報出力信号が出力されるものである。賞球数情報出力信号は、上述したように、図5に示した払出モータ584が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT1から0.105秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの賞球数情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、賞球数情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ機1の払出モータ584が賞球として10球の遊技球を賞球として払い出したことを把握することができるとともに、その払い出した遊技球の球数をカウントしてパチンコ機1が払い出した遊技球の総球数を把握することができる。
出力端子PT2は、緑色に施されて外端枠扉開放情報出力信号が出力されるものである。外端枠扉開放情報出力信号は、上述したように、図1に示した扉枠3及び/又は本体枠4が開放されているという遊技者が通常遊技中に生じない状態が発生していることを伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT2から扉枠3及び/又は本体枠4が開放されている間、出力されるようになっている。外部端子板784からの外端枠扉開放情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、外端枠扉開放情報出力信号が入力されている間、パチンコ機1の扉枠3及び/又は本体枠4が開放されていることを把握することができる。
出力端子PT3は、灰色に施されて特別図柄表示情報出力信号が出力されるものである。特別図柄表示情報出力信号は、上述したように、図10に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404や第二特別図柄表示器1406で特別図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT3から機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404や第二特別図柄表示器1406における特別図柄の変動表示の終了(停止)時に0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの特別図柄表示情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、特別図柄表示情報出力信号が入力されると、パチンコ機1の機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404や第二特別図柄表示器1406において特別図柄の変動表示が終了(停止)したことを把握することができるとともに、その回数をカウントしてパチンコ機1の機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404や第二特別図柄表示器1406において特別図柄を変動表示した総回数を把握することができる。
出力端子PT4は、黄色に施されて始動口入賞情報出力信号が出力されるものである。始動口入賞情報出力信号は、上述したように、図8に示した第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球するごとにその旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT4から第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球するごとに0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの始動口入賞情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、始動口入賞情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ機1の第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入球したことを把握することができるとともに、始動口入賞情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1の第一始動口2002又は第二始動口2004に入球した遊技球の総球数を把握することができる。
出力端子PT5は、黒色に施されて15ラウンド大当り情報出力信号が出力されるものである。15ラウンド大当り情報出力信号は、上述したように、15ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT5から15ラウンド大当りが発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの15ラウンド大当り情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、15ラウンド大当り情報出力信号が入力されている間、パチンコ機1に15ラウンド大当りが発生している状態であることを把握することができるとともに、15ラウンド大当り情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に15ラウンド大当りが発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT6は、桃色に施されて2ラウンド大当り情報出力信号が出力されるものである。2ラウンド大当り情報出力信号は、上述したように、2ラウンド大当りが発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT6から2ラウンド大当りが発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの2ラウンド大当り情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、2ラウンド大当り情報出力信号が入力されている間、パチンコ機1に2ラウンド大当りが発生している状態であることを把握することができるとともに、2ラウンド大当り情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に2ラウンド大当りが発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT7は、青色に施されて普通図柄表示情報出力信号が出力されるものである。普通図柄表示情報出力信号は、上述したように、図10に示した機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示を終了(停止)した状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT7から機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402における普通図柄の変動表示の終了(停止)時に0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からの普通図柄表示情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、普通図柄表示情報出力信号が入力されると、パチンコ機1の機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402において普通図柄の変動表示が終了(停止)したことを把握することができるとともに、その回数をカウントしてパチンコ機1の機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402において普通図柄を変動表示した総回数を把握することができる。
出力端子PT8は、赤色に施されて時短中情報出力信号が出力されるものである。時短中情報出力信号は、上述したように、時短状態が発生している旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT8から時短状態が発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの時短中情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、時短中情報出力信号が入力されると、パチンコ機1に時短状態が発生していることを把握することができるとともに、時短中情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に時短状態が発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT9は、橙色に施されて確率変動中情報出力信号が出力されるものである。確率変動中情報出力信号は、上述したように、確率変動が発生している状態である旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT9から確率変動が発生している間、出力されるようになっている。外部端子板784からの確率変動中情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、確率変動中情報出力信号が入力されると、パチンコ機1に確率変動が発生している状態であることを把握することができるとともに、確率変動中情報出力信号が入力された回数をカウントしてパチンコ機1に確率変動が発生した総回数を把握することができる。
出力端子PT10は、水色に施されてメイン賞球数情報出力信号が出力されるものである。メイン賞球数情報出力信号は、上述したように、図8に示した第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出される予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であり、本実施形態では、出力端子PT10から0.128秒間、出力されるようになっている。外部端子板784からのメイン賞球数情報出力信号がホールコンピュータへ入力されると、ホールコンピュータは、メイン賞球数情報出力信号が入力されるごとに、パチンコ機1が賞球として10球の遊技球を賞球として払い出す予定であることを把握することができるとともに、その払い出す予定の遊技球の球数をカウントしてパチンコ機1が払い出す予定の遊技球の総球数を把握することができる。なお、例えば第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が20球以上に達してメイン賞球数情報出力信号を複数回出力するとき場合には、メイン賞球数情報出力信号が0.256(=0.128秒間×2回)秒間、1つの連続した信号とならにように、0.128秒間という間隔をあけて出力するようになっている。
外部端子板784の出力端子PT1〜PT10のうち、出力端子PT1,PT2は、払出制御基板633側において出力される各種信号が出力されるのに対して、出力端子PT3〜PT10は、主制御基板1310側において出力される各種信号が払出制御基板633を介して(通過して)出力されるように配置されている。出力端子PT1〜PT10は、それぞれ色が施され、これらの色と同一色に施されたコネクタを有する配線を出力端子PT1〜PT10にそれぞれ電気的に接続することにより、他の配線を誤って電気的に接続することを防止することができるようになっている。そして、払出制御基板633側において出力される各種信号と、主制御基板1310側において出力される各種信号と、を混在しないように、払出制御基板633側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための出力端子PT1,PT2を外部端子板784の左側に一列に配置するとともに、主制御基板1310側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための出力端子PT3〜PT10を外部端子板784の中央左寄りから右側に向かって一列に配置することにより、この点においても、払出制御基板633側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための配線と、主制御基板1310側において出力される各種信号をホールコンピュータへ伝えるための配線と、を誤って電気的に接続することを防止することができるようになっている。
なお、本実施形態では、払出制御基板633側において出力される賞球数情報出力信号と、主制御基板1310側において出力されるメイン賞球数情報出力信号と、がそれぞれ外部端子板784からホールコンピュータへ伝えるように構成されている。これは、例えば、パチンコ島設備に何らかのトラブルにより図1に示した賞球タンク720にパチンコ島設備側からの遊技球が供給されなくなっている状態において、賞球タンク720に貯留されている遊技球が残り少なくなった時点において、たまたまパチンコ機1に15ラウンド大当りが発生すると、遊技球を賞球として払い出すための賞球タンク720に貯留されている遊技球の球数が不足するため、払い出すことができなくなる(また、例えば払出装置580内において球詰まりや球がみが発生すると、これを解消することができないと、遊技球を払い出すことができない)。そうすると、払出制御基板633側において出力される賞球数情報出力信号は、上述したように、図5に示した払出モータ584が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号であるため、遊技球を払い出すことができなくなることにより払出制御基板633は賞球数情報出力信号を出力して外部端子板784を介してホールコンピュータへ伝えることができなくなる。遊技球が払い出されない状態となると、遊技者がホールの店員等を呼び出す。ホールの店員などは、例えば、パチンコ島設備から賞球タンク720へ遊技球を供給するためのホース状の補給ノズル等をチェックして球詰まりの位置を特定(また、例えば払出装置580内において発生した、球詰まりの位置や球がみの位置を特定)して解消することにより、遊技球が払い出される状態に復帰することとなる。
しかし、ホールの店員等が作業をすすめている状況であっても、主制御基板1310による遊技は進行しているため、15ラウンド大当り終了したのちに、ホールの店員等の作業により遊技球が払い出される状態に復帰すると、払出制御基板633は未払い出しの遊技球を次々と払い出すこととなり、15ラウンド大当り終了して15ラウンド大当りが発生していない時期であるにもかかわらず、払出制御基板633は、払出モータ584が賞球として実際に払い出した遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える賞球数情報出力信号を出力して外部端子板784を介してホールコンピュータへ伝えることとなる。そうすると、15ラウンド大当りが発生していない時期であるにもかかわらず、極めて多くの遊技球を払い出すこととなるため、パチンコ機1の遊技状態と、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数と、の関係をホールコンピュータが正確に把握することができないという問題が生ずる。
そこで、本実施形態では、払出制御基板633により払出モータ584が駆動制御されて賞球として実際に払い出したか否かに関係なく、つまり払出制御基板633が出力する賞球数情報出力信号とは別の信号として、主制御基板1310は、図8に示した第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001,2201、及び大入賞口2005等の各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える信号としてメイン賞球数情報出力信号を出力して払出制御基板633、そして外部端子板784を介して、ホールコンピュータへ伝えるという仕組みを採用した。これにより、仮に、上述したトラブル(補給ノズル等における球詰まり、払出装置580内における球詰まりや球がみ等のトラブル)が発生したとしても、パチンコ機1の遊技状態と、この遊技状態における払い出す予定の遊技球の球数と、の関係を正確にホールコンピュータへ伝えることができる。したがって、パチンコ機1の遊技状態と、遊技状態における払い出される遊技球の球数と、の関係をホールコンピュータが正確に把握することができる。
[12.演出表示駆動基板の回路]
次に、扉枠側演出表示装置460の表示領域の描画を行う演出表示駆動基板4450の回路について、図120を参照して説明する。演出表示駆動基板4450は、上述したように、扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納されており、扉枠側演出表示装置460の表示領域の描画を行う液晶モジュール回路450Vを主として構成されている。図120は上皿側液晶表示装置の表示領域の描画を行う液晶モジュール回路を示す回路図である。
[12−1.液晶モジュール回路]
演出表示駆動基板4450の液晶モジュール回路450Vは、図120に示すように、扉枠側演出用レシーバICSDIC0を主として構成されている。
液晶モジュール回路450Vは、図107に示した周辺制御基板1510の扉枠側演出用トランスミッタIC1512dからザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式によるシリアル信号(シリアルデータ)がプラス信号とマイナス信号として送信されると、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、コモンモードチョークコイルSDL0にそれぞれ入力され、このコモンモードチョークコイルSDL0によりプラス信号とマイナス信号とからノイズをそれぞれ分離することができるようになっている。ノイズが分離されたプラス信号とマイナス信号とは、扉枠側演出用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力されている。RXIN+端子とRXIN−端子との間には抵抗SDR0が電気的に接続されている。この抵抗SDR0は、終端抵抗(ターミネータ)であり、プラス信号とマイナス信号とがRXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ反射するのを防ぎ、シリアル信号の乱れを防止している。
扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、に復元する(つまり、シリアル化される前のパラレル信号に復元する)。なお、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号は、上述したように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ8ビットであるものの、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力可能な赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ6ビット、計18ビットであるため、各映像信号における上位6ビットの信号となっている。
液晶モジュール回路450Vは、周辺制御基板1510の扉枠側演出用トランスミッタIC1512dからの信号のほかに、上述したように、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが周辺制御基板1510の差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号も入力されるようになっている。周辺制御基板1510の強制切替回路1512fは、上述したように、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するように回路構成されている。これにより、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450の液晶モジュール回路450Vに送信される一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450の液晶モジュール回路450Vに送信される。
強制切替回路1512fは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号、つまり扉枠側演出用トランスミッタIC1512dからザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式によるシリアル信号(シリアルデータ)がプラス信号とマイナス信号として、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、コモンモードチョークコイルSDL0に入力され、そして扉枠側演出用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力される一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して入力されているときには、この2つの信号がコモンモードチョークコイルSDL0に入力され、そして扉枠側演出用レシーバICSDIC0のRXIN+端子とRXIN−端子とにそれぞれ入力される。扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、LOCKN信号の出力要求であることを判断して、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。
なお、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データは、上述したように、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として送信されるものである。本実施形態におけるLOCKN信号出力要求データは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されるものの、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号、つまり上述したザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)とデータ形式が全く異なる構造としている。このため、LOCKN信号出力要求データが扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信されると、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号でないものと判断し、異常なデータであるとして、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を出力することとなる。換言すると、本実施形態では、受信したデータが異常なデータであると判断したときにLOCKN信号を出力するという扉枠側演出用レシーバICSDIC0の機能を利用して、後述するLOCKN端子からLOCKN信号を強制的に出力させるために、わざわざ、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号とデータ形式が異なる構造のLOCKN信号出力要求データを、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力することにより、扉枠側演出用レシーバICSDIC0というデバイスが正常に動作しているか否かを確認することができるようになっている。これにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生しているか否かを確認することができる。
扉枠側演出用レシーバICSDIC0のVDD端子、VDDO端子、LVDSVDD端子、PLLVDD端子、及びPDWN端子は、図109に示した上皿側液晶モジュール電源回路4450xが作成した+3.3Vがそれぞれ供給され、扉枠側演出用レシーバICSDIC0のGND端子、GNDO端子、LVDSGND願紙、PLLGND端子、EDGE端子、OE端子、MODE0、及びMODE1端子がそれぞれグランドに接地されている。
VDD端子は、デジタル回路用の電源端子であり、このデジタル回路用のグランドとなるGND端子との端子間にコンデンサSDC0が電気的に接続されており、VDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
VDDO端子は、TTL(Transistor−Transistor Logic)出力用の電源端子であり、このTTL出力用のグランドとなるGNDO端子との端子間にコンデンサSDC1が電気的に接続されており、VDDO端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
LVDSVDD端子は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)入力用の電源端子であり、このLVDS入力用のグランドとなるLVDSGND端子との端子間にコンデンサSDC2が電気的に接続されており、LVDSVDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
PLLVDD端子は、PLL(Phase Locked Loop)回路用の電源端子であり、このPLL回路用のグランドとなるPLLGND端子との端子間にコンデンサSDC3が電気的に接続されており、PLLVDD端子に供給される+3.3Vの電源ラインから高周波ノイズを除去している。
PDWN端子は、+3.3Vが供給(印加)されることにより論理がHIとなって通常動作する旨を伝える一方、+3.3の供給が停止されて論理がLOWとなってパワーダウンする旨を伝える端子である。PDWN端子は、+3.3Vが抵抗SDR1を介して供給されるとともに、一端がグランドに接地されたバリスタSDZ0の他端と電気的に接続されている。このバリスタSDZ0は、抵抗SDR1を介して供給される+3.3Vの電電ラインのノイズや過電圧を抑えている。
EDGE端子は、後述する、CLKOUT端子から出力されるクロック信号DCLKに基づく各種出力端子(DE端子、SYNC0端子〜SYNC2端子、及びD0端子〜D17端子)から出力される各種信号の伝送を、立ち上がりエッジとする(論理がLOWからHIへ遷移する)場合、又は立ち下がりエッジとする(論理がHIからLOWへ遷移する)場合のいずれかを指定するための端子であり、本実施形態では、上述したように、EDGE端子をグランドに接地することにより立ち下がりエッジを指定している。因みに、EDGE端子を+3.3Vに接続すると、立ち上がりエッジを指定することができる。
OE端子は、後述する各種出力端子(DE端子、SYNC0端子〜SYNC2端子、D0端子〜D17端子、及びCLKOUT端子)の出力を許可するか否かを指示するものであり、本実施形態では、上述したように、OE端子をグランドに接地することにより、常に、出力可能状態としている。因みに、OE端子を+3.3Vに接続すると、出力することができない状態となる。
MODE0端子、及びMODE1端子は、動作モードを選択する端子であり、ともにグランドに接地することで動作モードを選択することができる。動作モードには、ノーマルモードとシェイクハンドモードとがある。ノーマルモードでは、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号(3ビットの同期信号)と、から構成されるパラレル信号に扉枠側演出用レシーバICSDIC0が復元するという通常動作するモードである。シェイクハンドモードでは、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求する旨をLOCKN端子からLOCKN信号を出力するモードである。このシェイクハンドモードは、自動的に切り替わるようになっている。
例えば、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号(3ビットの同期信号)と、から構成されるパラレル信号に扉枠側演出用レシーバICSDIC0が復元したものが、何らかの理由により、異常なデータで扉枠側演出表示装置460に描画することが困難である場合には、ノーマルモードからシェイクハンドモードに自動的に切り替わってLOCKN端子からLOCKN信号を出力する。このLOCKN信号は、ダンピング抵抗である抵抗SDR2、周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に入力され、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。周辺制御MPU1511aは、入力されるLOCKN信号に基づいて、所定の条件が成立すると、その旨を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに伝えるために、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子に接続確認信号を出力する。この接続確認信号がINIT端子に入力されると、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信する。このような所定のデータパターン(SYNCパターン)が扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信されることにより、トランスミッタとレシーバとの間の接続を容易に回復することができるようになっている。所定のデータパターン(SYNCパターン)は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに予め記憶されている。なお、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子と、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子と、を枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して電気的に直接接続してもよい。
LOCKN端子は、上述したように、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求する旨を出力する端子である。LOCKN端子から出力されるLOCKN信号は、演出表示駆動基板4450のダンピング抵抗である抵抗SDR2、周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に入力され、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。
SYNC0端子〜SYNC2端子は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて復元された水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号を出力する端子である。本実施形態では、復元された、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号を使用しないため、SYNC0端子〜SYNC2端子が未接続端子となっている。
DE端子は、後述する、CLKOUT端子から出力されるクロック信号、データ出力端子であるD0端子〜D17端子から出力されるデータが有効又は無効であることを伝えるDE信号を出力する端子である。DE端子から出力されるDE信号は、ダンピング抵抗である抵抗SDR3を介して扉枠側演出表示装置460に入力される。
CLKOUT端子は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0に内蔵されるPLL回路により生成されるクロック信号DCLKを出力する端子である。CLKOUT端子から出力されるクロック信号DCLKは、ダンピング抵抗である抵抗SDR4を介して扉枠側演出表示装置460に入力される。
D0端子〜D17端子は、RXIN+端子とRXIN−端子とにおいてそれぞれ入力されたシリアル信号(シリアルデータ)に基づいて復元された赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号(18ビットの映像信号)を出力するデータ出力端子である。D0端子〜D5端子という6ビットのデータ出力端子から青色映像信号B0〜B5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この青色映像信号B0〜B5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA0を介して扉枠側演出表示装置460にそれぞれ入力される。D6端子〜D11端子という6ビットのデータ出力端子から緑色映像信号G0〜G5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この緑色映像信号G0〜G5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA1を介して扉枠側演出表示装置460にそれぞれ入力される。D12端子〜D17端子という6ビットのデータ出力端子から赤色映像信号R0〜R5(6ビット)をクロック信号DCLKと同期して出力し、この赤色映像信号R0〜R5の各信号線がダンピング抵抗であるラダー抵抗SDRA2を介して扉枠側演出表示装置460にそれぞれ入力される。
なお、周辺制御基板1510、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、演出表示駆動基板4450、及び扉枠側演出表示装置460のグランドは、電気的に接続されており、同一グランドとなっている。
[13.主制御基板の送受信に関する各種コマンド]
次に、主制御基板1310から払出制御基板633へ送信される各種コマンドと、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される各種コマンドについて、図121〜図122を参照して説明する。図121は主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図122は主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図123は図122の主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルであり、図124は主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドの一例を示すテーブルである。まず、主制御基板から払出制御基板へ送信される払い出しに関するコマンドである賞球コマンドについて説明し、続いて主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドについて説明し、主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドについて説明する。
[13−1.主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンド]
主制御基板1310の主制御MPU1310aは、図123に示した、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及び大入賞口センサ2403等の各種入賞スイッチからの検出信号が入力されると、これらの検出信号に基づいて、予め定めた球数の遊技球を賞球として払い出すための賞球コマンドを払出制御基板へ送信する。この賞球コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドである。本実施形態では、パチンコ機1とCRユニット6(パチンコ機1と通信して、パチンコ機1(払出装置580)の払出モータ584を駆動して貯留皿である、上皿321や下皿322に貸球として遊技球を払い出す装置)とが電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ機を「CR機」という。)、図121(a)に示すように、主制御基板1310から払出制御基板633に送信する賞球コマンドには、コマンド10H〜コマンド1EH(「H」は16進数を表す。)が用意されており、コマンド10Hでは賞球1個が指定され、コマンド11Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド1EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板633は、払出モータ584を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
また、パチンコ機1と球貸し機(遊技球を貯留皿である、上皿321や下皿322に貸球として直接払い出す装置)とが遊技場(ホール)に隣接して設置され、パチンコ機1と球貸し機が電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ機を「一般機」という。)、図121(b)に示すように、主制御基板1310から払出制御基板633に送信する賞球コマンドには、コマンド20H〜コマンド2EHが用意されており、コマンド20Hでは賞球1個が指定され、コマンド21Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド2EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板633は、払出モータ584を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
なお、CR機及び一般機の共通のコマンドとして、図121(c)に示すように、コマンド30Hが用意されており、このコマンド30Hではセルフチェックが指定されている。送信側は、コマンド送信後、所定期間、受信側からコマンドの受け取り確認として出力するACK信号が入力されない場合に、コマンド30Hを送信して、ACK信号が入力されるか否かをチェックすることで接続状態を確認する。本実施形態におけるCR機の場合では、払出制御基板633がCRユニット6との接続状態を確認する。
[13−2.主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンド]
次に、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される各種コマンドについて説明する。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、遊技の進行に基づいて周辺制御基板1510に各種コマンドを送信する。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、図122及び図123に示すように、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、から構成されている。
各種コマンドは、図122及び図123に示すように、特図1同調演出関連、特図2同調演出関連、大当り関連、電源投入、普図同調演出関連、普通電役演出関連、報知表示、状態表示、及びその他に区分されている。
[13−2−1.特図1同調演出関連]
特図1同調演出関連は、図123に示した第一始動口センサ3002からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図122に示すように、図99に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404に関する、特図1同調演出開始、特別図柄1指定、特図1同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「A*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図1同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄1指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図1同調演出終了コマンドは、特図1同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。なお、確率及び時短状態には、低確率状態であって時短状態であることを指示する低確率時短状態と、高確率状態であって時短状態であるを指示する高確率時短状態と、低確率状態であって時短状態でないことを指示する低確率非時短状態と、高確率状態であって時短状態でないことを指示する高確率非時短状態と、から構成されている(通常遊技状態としては、低確率非時短状態が設定されている)。ここで、高確率状態は、大当りする確率が低確率状態(通常遊技状態)と比べて高く設定されるという状態であり、時短状態は、例えば、図99に示した普通図柄表示器1402による普通図柄を変動表示する時間を、非時短状態(通常遊技状態)と比べて、短くして普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示することにより、所定時間における後述する普通抽選による普通抽選結果の停止表示回数を非時短状態と比べて多くするとともに、さらに、第二始動口2004への遊技球の受入率(入球率)を高めることにより持ち球を減らさず特別図柄の抽選機会を得ることができるという状態(換言すると、非時短状態と比べて、一対の可動片を開閉動作させるか否かの決定を多くするとともに、一対の可動片を開閉動作させる場合には一対の可動片の開閉動作の期間を長くすることにより、第二始動口2004への遊技球の受入率(入球率)を高めるという状態)である。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図1同調演出開始コマンドは、特別図柄1変動開始時に送信され、特別図柄1指定コマンドは、特図1同調演出開始の直後に送信され、特図1同調演出終了コマンドは、特別図柄1変動時間経過時(特別図柄1確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、特図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−2.特図2同調演出関連]
特図2同調演出関連は、図102に示した第二始動口センサ2402からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図122に示すように、図123に示した機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1406に関する、特図2同調演出開始、特別図柄2指定、及び特図2同調演出終了という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「B*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図2同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄2指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図2同調演出終了は、特図2同調演出終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図2同調演出開始コマンドは、特別図柄2変動開始時に送信され、特別図柄2指定コマンドは、特図2同調演出開始の直後に送信され、特図2同調演出終了コマンドは、特別図柄2変動時間経過時(特別図柄2確定時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−3.大当り関連]
大当り関連という区分には、図122に示すように、大当りオープニング、大入賞口1開放N回目表示、大入賞口1閉鎖表示、大入賞口1カウント表示、大当りエンディング、大当り図柄表示、小当りオープニング、小当り開放表示、小当りカウント表示、及び小当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「C*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始を指示するものであり、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放中開始(図99に示した、始動口ユニット2100の大入賞口2005のN回目のラウンドの開放中又は開放開始)を指示するものであり、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、ラウンド間の大入賞口1閉鎖中開始(始動口ユニット2100の大入賞口2005のラウンド間の閉鎖中又は閉鎖開始)を指示するものであり、大入賞口1カウント表示コマンドは、カウント0〜10個の遊技球の球数をカウントした旨(図123に示した大入賞口センサ2403によって検出された、大入賞口2005に入球した遊技球の球数)を伝えるものであり、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始を指示するものであり、大当り図柄表示コマンドは、大当り図柄情報表示を指示するものである。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始を指示するものであり、小当り開放表示コマンドは、小当り開放中開始(小当り時における、始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放中又は開放開始)を指示するものであり、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞演出(小当り中における、大入賞口2005に入球した遊技球が大入賞口センサ2403によって検出された場合における演出)を指示するものであり、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始時に送信され、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜16ラウンド目の大入賞口1開放時(始動口ユニット2100の大入賞口2005のN回目のラウンドの開放時)に送信され、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、大入賞口1閉鎖時(始動口ユニット2100の大入賞口2005の閉鎖開始)に送信され、大入賞口1カウント表示コマンドは、大入賞口1開放時及び大入賞口1へのカウント変化時(始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放時、及び大入賞口2005に入球した遊技球が大入賞口センサ2403によって検出された時)に送信され、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始時に送信され、大当り図柄表示コマンドは、大入賞口開放時(始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放時)に送信される。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始時に送信され、小当り開放表示コマンドは、小当り開放時(小当り時における、始動口ユニット2100の大入賞口2005の開放時)に送信され、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞時(小当り中における、大入賞口2005に入球した遊技球が大入賞口センサ2403によって検出された時)に送信され、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−4.電源投入]
電源投入という区分には、図122に示すように、電源投入時状態、及び電源投入時主制御復帰先という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「D*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
電源投入時状態コマンドは、RAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである。電源投入時状態コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、図124に示した払出制御基板633の操作スイッチ954が操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。このパチンコ機の機種コードは、例えば、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など)であるのか、を特定するものである。つまり、パチンコ機の機種コードの情報は、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、から主として構成されている。
電源投入時主制御復帰先コマンドは、主制御基板1310自体の復帰先を指示するものである。電源投入時主制御復帰先コマンドは、図123に示した始動口ソレノイド2404の駆動状態を指示する情報と、図122に示した大入賞口センサ2405の駆動状態を指示する情報と、を主としてから構成されている。
電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に送信される。具体的には、パチンコ機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとが送信される。
[13−2−5.普図同調演出関連]
普図同調演出関連は、図123に示したゲートセンサ2401からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図123示すように、図123に示した機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402に関する、普図同調演出開始、普図柄指定、普図同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「E*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図同調演出開始コマンドは、モードで指定された演出パターンで普図同調演出開始を指示するものであり、普図柄指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、普図同調演出終了コマンドは、普図同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、確率及び時短状態を指示するものである。なお、確率及び時短状態には、上述したように、低確率状態であって時短状態であることを指示する低確率時短状態と、高確率状態であって時短状態であるを指示する高確率時短状態と、低確率状態であって時短状態でないことを指示する低確率非時短状態と、高確率状態であって時短状態でないことを指示する高確率非時短状態と、から構成されている(通常遊技状態としては、低確率非時短状態が設定されている)。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図同調演出開始コマンドは、普通図柄1変動開始時に送信され、普図柄指定コマンドは、普図同調演出開始の直後に送信され、普図同調演出終了コマンドは、普通図柄変動時間経過時(普通図柄確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、普図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−6.普通電役演出関連]
普通電役演出関連は、図99に示した始動口ソレノイド2404の駆動により開閉れる図8に示した一対の可動片に関するものであり、その区分には、図122に示すように、普図当りオープニング、普電開放表示、及び普図当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「F*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始を指示するものであり、普電開放表示コマンドは、普電開放中開始(一対の可動片が始動口ソレノイド2404の駆動により左右方向へ拡開した状態、又は拡開する時)を指示するものであり、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始時に送信され、普電開放表示コマンドは、普電開放時(一対の可動片が始動口ソレノイド2404の駆動により左右方向へ拡開する時)に送信され、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−7.報知表示]
報知表示の区分には、図124に示すように、入賞異常表示、接続異常表示、断線・短絡異常表示、磁気検出スイッチ異常表示、扉開放、及び扉閉鎖という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「6*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時(大当り中でもないのに、始動口ユニット2100の大入賞口2005に遊技球が入球してその遊技球を大入賞口センサ2403が検出した時)に入賞異常報知の開始を指示するものであり、接続異常表示コマンドは、例えば、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間に亘る経路において電気的な接続異常がある場合に接続異常報知の開始を指示するものであり、断線・短絡異常表示コマンドは、例えば、主制御基板1310と、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403等との電気的な接続の断線・短絡が生じた場合に断線・短絡異常表示の開始を指示するものであり、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、図123に示した磁気検出センサ4024に異常が生じた場合に磁気検出スイッチ異常報知の開始を指示するものである。
また、扉開放コマンドは、図124に示した、払出制御基板633を介して入力される扉枠開放スイッチ618からの検出信号(開放信号)に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して開放された状態である場合に、扉開放報知を指示するものであり、扉枠閉鎖コマンドは、その扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態である場合に扉開放報知終了を指示するものである。一方、本体枠開放コマンドは、図124に示した、払出制御基板633を介して入力される本体枠開放スイッチ619からの検出信号(開放信号)に基づいて、本体枠4が外枠2に対して開放された状態である場合に、本体枠開放報知を指示するものであり、本体枠閉鎖コマンドは、その本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して閉鎖された状態である場合に本体枠開放報知終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時に送信され、接続異常表示コマンドは、主制御基板1310から払出制御基板633へのコマンド送信時に払出制御基板633からのACK返信(ACK信号)がなかった時に送信され、断線・短絡異常表示コマンドは、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403等のうち、いずれが断線または短絡状態となった時に送信され、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、磁気検出センサ4024の異常を検知した時に送信される。また、扉開放コマンドは、扉開放を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して開放された状態である場合)に送信され、扉枠閉鎖コマンドは、扉閉鎖を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。本体枠開放コマンドは、本体枠開放を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して開放された状態である場合)に送信され、本体枠閉鎖コマンドは、本体枠閉鎖を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−8.状態表示]
状態表示の区分には、図124に示すように、枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)、エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)及び枠状態2コマンドという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「7*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンドは、それぞれ、払出制御基板633から送信された1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、これらの詳細な説明は、後述する。なお、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、払出制御基板633からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、図124に示すように、「7*H」をステータスとして設定するとともに、その受信したコマンドをそのままモードとして設定する。つまり、主制御MPU1310aは、払出制御基板633からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、これら受信したコマンドに付加情報である「7*H」を付加することにより、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドに整形する。
整形された、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これら整形された、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[13−2−9.テスト関連]
テスト関連の区分には、図123に示すように、テストという名称の各種コマンドから構成されている。このテストコマンドには、ステータスとして「8*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
テストコマンドは、周辺制御基板1510の各種検査を指示するものである(例えば、図105に示した、周辺制御部1511、液晶表示制御部1512、ランプ駆動基板4170、モータ駆動基板4180、及び枠装飾駆動アンプ基板194等の各種基板の検査を行うものである)。
テストコマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、払出制御基板633の操作スイッチ954が操作されたときに、後述する主制御側電源投入時処理が実行されて主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理でテストコマンドが送信される。
[13−2−10.その他]
その他の区分には、図123に示すように、始動口入賞、変動短縮作動終了指定、高確率終了指定、特別図柄1記憶、特別図柄2記憶、普通図柄記憶、特別図柄1記憶先読み演出、及び特別図柄2記憶先読み演出という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「9*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
始動口入賞コマンドは、始動口入賞演出開始を指示するものであって、第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した場合における演出の開始と、第二始動口センサ2402からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した場合における演出の開始と、をそれぞれ指示するものであり、変動短縮作動終了指定コマンドは、変動短縮作動状態から変動短縮非作動状態への状態移行を指示するものであり、高確率終了指定コマンドは、高確率状態から低確率状態への状態移行を指示するものであり、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1保留0〜4個(図8に示した第一始動口2002に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2保留0〜4個(図8に示した第二始動口2004に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1406で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1保留0〜4個(図8に示したゲート部2003を遊技球が通過して機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1保留が機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄1保留に基づく第一特別図柄表示器1404による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものであり、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2保留が機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1406で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄2保留に基づく第二特別図柄表示器1406による表示結果の予告を報知する先読み演出開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、始動口入賞コマンドは、始動口入賞時(第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した時や、第二始動口センサ2402からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した時)に、図72に示したスピーカ622及び図72に示した上部スピーカ464から主に音声でその旨を報知するために送信され、変動短縮作動終了指定コマンドは、規定回数の変動短縮を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、高確率終了指定コマンドは、「高確率N回」の場合の高確率回数を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1作動保留球数変化時(第一始動口2002に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第一始動口2002に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第一特別図柄表示器1404で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2作動保留球数変化時(第二始動口2004に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1406で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらに第二始動口2004に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第二特別図柄表示器1406で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄1作動保留球数変化時(ゲート部2003を遊技球が通過して機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない保留数がある状態において、さらにゲート部2003を遊技球が通過して保留数が増加した時や、その保留数から普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄1記憶先読み演出コマンドは、特別図柄1作動保留球数増加時(第一始動口2002に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信され、特別図柄2記憶先読み演出コマンドは、特別図柄2作動保留球数増加時(第二始動口2004に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
ところで、始動口入賞コマンドは、上述したように、始動口入賞時(第一始動口センサ3002からの検出信号に基づいて第一始動口2002に遊技球が入球した時や、第二始動口センサ2402からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した時)に、スピーカ921及び上部スピーカ573から主に音声でその旨を報知するために送信されるが、図105に示した周辺制御基板1510が始動口入賞コマンドをどのように利用するかについては、パチンコ機の仕様によって異なる場合もある。例えば、本実施形態におけるパチンコ機1では、スピーカ921及び上部スピーカ573から音声で報知するほかに、不正行為の有無を監視するためにも利用するという仕様のものである。これに対して、他のパチンコ機では、周辺制御基板1510が始動口入賞コマンドを単に受信するだけで、スピーカ921及び上部スピーカ573から音声で報知しない仕様のものもある。
[13−3.主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンド]
次に、主制御基板1310が受信する払出制御基板633からの各種コマンドについて説明する。
払出制御基板633からの各種コマンドの区分には、図124に示すように、枠状態1、エラー解除ナビ及び枠状態2という名称のコマンドから構成されており、枠状態1、エラー解除ナビ、そして枠状態2の順で優先順位が設定されている。
枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)には、球切れ、満タン、50個以上のストック中、接続異常及びCR未接続が用意されており、球切れではビット0(B0、「B」はビットを表す。)に値1がセットされ、満タンではビット1(B1)に値1がセットされ、50個以上のストック中ではビット2(B2)に値1がセットされ、接続異常ではビット3(B3)に値1がセットされ、CR未接続ではビット4(B4)に値1がセットされる。枠状態1コマンドのビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B5に値1、B6に値0、そしてB7に値0がセットされている。
エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)には、球がみ、払出検知センサエラー及びリトライエラーが用意されており、球がみではビット2(B2)に値1がセットされ、払出検知センサエラーではビット3(B3)に値1がセットされ、リトライエラーではビット4(B4)に値1がセットされる。ここで、「払出検知センサエラー」とは、図124に示した払出検知センサ591の異常が生じているか否かを示すものである。「リトライエラー」とは、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球の払い出しが繰り返し行われたことを示すものである。エラー解除ナビコマンドのビット(B0)、ビット(B1)、及びビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B0に値0、B1に値0、B5に値0、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
枠状態2コマンドには、球抜き中が用意されており、球抜き中ではビット0(B0)に値1がセットされる。枠状態2コマンドのビット1(B1)〜ビット7(B7)には、B1に値0、B2に値0、B3に値0、B4に値0、B5に値1、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS558のコマンド送信処理で送信される。
[14.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて、図125した主制御基板1310が行う各種制御処理について、図125〜図127を参照して説明する。図125は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図126は図125の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図127は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて初期値更新型のカウンタの動き、主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。
[14−1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、図102に示した、第一特別図柄表示器1404及び第二特別図柄表示器1406で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに第一特別図柄表示器1404及び第二特別図柄表示器1406で導出表示される大当り図柄の決定に用いるための大当り図柄用乱数と、この大当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための大当り図柄用初期値決定用乱数、小当り遊技状態を発生させるときに第一特別図柄表示器1404及び第二特別図柄表示器1406で導出表示される小当り図柄の決定に用いるための小当り図柄用乱数、この小当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための小当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、図8に示した可動片を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数と、図102に示した普通図柄表示器1402で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
このような遊技制御に用いられる各種乱数のうち、大当り判定用乱数はハードウェアにより更新されるものに対して、他の各種乱数はソフトウェアにより更新されるようになっている。
例えば、大当り判定用乱数は、図102に示した主制御MPU1310aに内蔵される主制御内蔵ハード乱数回路1310anによりハードウェアにより直接更新されるようになっている。この主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、上述したように、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(図110に示した主制御水晶発振器MX0から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路1310anが繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路1310anから値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
これに対して、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。このカウンタは、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は更新される。このようなカウンタの更新方法を「初期値更新型のカウンタ」という。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
なお、本実施形態では、図103に示した払出制御基板633の操作スイッチ954が電源投入時に操作された場合や、後述する、主制御側電源投入時処理において図154に示した主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出して得たチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致していない場合など、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合には、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、図154に示した主制御MPU1310aがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる仕組みとなっている。つまり、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、初期値導出処理の実行によりIDコードに基づいて導出された同一の固定値が常に上書き更新されるようになっている。このように、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数にセットされる値は、IDコードを利用して導出されており、主制御MPU1310aを製造したメーカによって主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMにIDコードを記憶させるとIDコードが外部装置を用いても書き換えられないという第1のセキュリティー対策と、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合に初期値導出処理を実行することによってIDコードに基づいて同一の固定値を導出するという第2のセキュリティー対策と、による2段階のセキュリティー対策が講じられることよって解析されるのを防止している。
ここで、主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードを普通図柄当り判定用初期値決定用乱数として用いる利点について説明する。例えば、賞球として払い出される遊技球を不正に獲得しようとする者が何らかの方法で遊技盤5を入手して分解し、主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードを不正に取得し、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングを把握することができたとしても、そのIDコードが個体を識別するためのユニークな符号が付されたものであるため、他の遊技盤5’に備える主制御MPU1310a’に内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードとまったく異なるものとなる。つまり他の遊技盤5’においては、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングも、入手した遊技盤5のものとまったく異なる。換言すると、入手した遊技盤5を分解して解析して得たIDコードは、他の遊技盤5’、つまり他のパチンコ機1’において、まったく役に立たないものであるため、分解して解析した得た所定間隔ごとに瞬停を発生させ、その所定間隔ごとに、図99示したゲート部2003に遊技球を通過させたとしても、図99示した可動片を開閉動作させて第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態を発生させることができない。
[14−2.主制御側電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、デフォルトとして予め定めたアドレスにスタックポインタが設定されるように主制御MPU1310aが回路構成されている。このスタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。
そして上述したメイン制御プログラムが、主制御基板1310の主制御MPU1310aによる制御の下、図125及び図126に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、メイン制御プログラムは、主制御MPU1310aの制御の下、RAMアクセス許可の設定を行う(ステップS10)。このRAMアクセス許可の設定により主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に対する更新を行うことができる。
ステップS10に続いて、メイン制御プログラムは、図154に示した主制御内蔵WDT1310afの初期値設定及び起動設定を行う(ステップS12)。ここでは、主制御MPU1310aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視する主制御内蔵WDT1310afに初期値を設定するために主制御MPU1310aに内蔵されるウオッチドックタイマコントロールレジスタ(以下、「WDTコントロールレジスタ」と記載する。)にタイマ設定値を設定して主制御内蔵WDT1310afを起動させて主制御MPU1310aをリセットするまでの計時を開始する。主制御内蔵WDT1310afが起動すると、主制御内蔵WDT1310afによる計時が開始され、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでに、主制御MPU1310aに内蔵されるウオッチドックタイマクリアレジスタ(以下、「WDTクリアレジスタ」と記載する。)にタイマクリア設定値をセットしないと、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされるようになっている。これに対して、主制御内蔵WDT1310afが起動して計時が開始されると、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでにWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすると、主制御内蔵WDT1310afによる計時がクリアされて、再び計時が開始されるようになっている。このように、主制御内蔵WDT1310afによる計時をタイマ設定値で設定された時間に達するまでにクリアして再び計時を開始するという処理を繰り返し行うことにより主制御MPU1310aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視することができる。
ステップS12に続いて、メイン制御プログラムは、停電クリア処理を行う(ステップS14)。この停電クリア処理では、まず、図111に示した停電監視回路1310eに停電クリア信号の出力を開始する。この停電監視回路1310eは、電圧比較回路であるコンパレータMIC21と、DタイプフリップフロップMIC22と、から構成されている。電圧比較回路であるコンパレータMIC21は、+24Vとリファレンス電圧との電圧を比較したり、+12Vとリファレンス電圧との電圧を比較したりすることで、その比較結果を出力する。この比較結果は、停電又は瞬停が発生していない場合ではその論理がHIとなってDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力される一方、停電又は瞬停が発生した場合ではその論理がLOWとなってDタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力されるようになっている。
停電クリア処理では、まず停電監視回路1310eに停電クリア信号の出力を開始することにより、このDタイプフリップフロップMIC22のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を開始する。この停電クリア信号は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子からその論理をLOWとして、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介して、DタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、主制御MPU1310aは、DタイプフリップフロップMIC22のラッチ状態を解除することができ、ラッチ状態をセットするまでの間、DタイプフリップフロップMIC22のプリセット端子であるPR端子に入力された論理を反転して出力端子である1Q端子から出力する状態とすることができ、その1Q端子からの信号を監視することができる。
続いて、停電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。停電予告信号が入力されているか否かの判定では、停電予告信号として、上述したDタイプフリップフロップMIC22の出力端子である1Q端子から出力されている信号に基づいて行う。
電源投入後に電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待っても停電予告信号の入力がなかったときには、メイン制御プログラムは、DタイプフリップフロップMIC22のクリア端子であるCLR端子に停電クリア信号の出力を停止する。ここでは、停電クリア信号は、主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子からその論理をHIとして、リセット機能付き主制御出力回路1310caを介して、DタイプフリップフロップICのクリア端子であるCLR端子に入力される。これにより、主制御MPU1310aは、DタイプフリップフロップMIC22をラッチ状態にセットすることができる。DタイプフリップフロップMIC22は、そのプリセット端子であるPR端子に論理がLOWとなって入力された状態をラッチすると、出力端子である1Q端子から停電予告信号を出力する。
ステップS14に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って主制御内蔵RAM(遊技記憶部)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(遊技側電源投入時操作制御手段)。具体的には、メイン制御プログラムは、まず、図124に示した払出制御基板633の操作スイッチ954が操作されているか否かを判定する(ステップS16)。この判定では、メイン制御プログラムが、払出制御基板633の操作スイッチ954が操作されたことに伴う操作信号(検出信号)に基づくエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)が主制御MPU1310aに入力されているか否かにより行う。メイン制御プログラムは、その操作信号の論理値に基づいて、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断して操作スイッチ954が操作されていないと判定する一方、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断して操作スイッチ954が操作されていると判定する。
ステップS16において、メイン制御プログラムは、上記操作スイッチ954が操作されているときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットする(ステップS18)。一方、メイン制御プログラムは、ステップS16で操作スイッチ954が操作されていないときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS20)。即ち、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って、主制御MPU1310aに内蔵されたRAM(つまり、主制御内蔵RAM(遊技記憶部))の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(遊技制御側電源投入時操作制御手段)。上述したRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報を消去するか否かを示すフラグであり、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS18及びステップS20でセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS18又はステップS20に続いて、メイン制御プログラムは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、図126に示した、周辺制御基板1510の液晶表示制御部1512による演出表示装置1600及びの描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として2.5秒(s)が設定されている。
ステップS22に続いて、メイン制御プログラムは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS24)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから入力される。ステップS24の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。ステップS24の判定で停電予告信号の入力があるときには、メイン制御プログラムは、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行う。これにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることとなる。その後メイン制御プログラムが、主制御基板1310の主制御MPU1310aによる制御の下、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS24の判定がステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS24の判定で停電予告信号の入力がないときには、メイン制御プログラムは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS26)。上述したように、RAMクリア報知フラグRCL−FLGは、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS26でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0であるとき、つまり遊技情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS28)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS28に続いて、メイン制御プログラムは、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS30)。一致しているときには、このメイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS32)。このバックアップフラグBK−FLGは、遊技情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、主制御基板1310の製造ラインの検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、についての詳細な説明を後述する。
ステップS32でバックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したときには、メイン制御プログラムは、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS34)。この設定は、主制御MPU1310aに内蔵されたROM(つまり、主制御内蔵ROM)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。これにより、遊技バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、不正手段(例えば、不正行為者が腕の裾に隠した高周波出力装置)からの高周波が主制御基板1310に照射されて主制御MPU1310a自体がリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS34に続いて、メイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGに値0をセットする(ステップS36)。これにより、これ以後の各種処理が行われることにより遊技情報、チェックサムの値(サム値)等が変更されるため、後述する主制御側電源断時処理を正常に終了してバックアップフラグBK−FLGに値1がセットされないと、後述するように、主制御内蔵RAMの全領域がクリアされることとなる。
一方、ステップS26でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり遊技情報を消去するときには、或いはステップS30でチェックサムの値(サム値)が一致していないときには、又はステップS32でバックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、メイン制御プログラムは、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS38)。即ち、メイン制御プログラムは、上述した操作スイッチ954の操作に伴う検出信号の入力を契機として遊技制御側RAMクリア処理を実行している(払出制御側電源投入時操作制御手段)。具体的には、メイン制御プログラムは、値0を主制御内蔵RAMに書き込むことよって行う。なお、その代わりに、メイン制御プログラムは、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい。また、主制御MPU1310aは、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がRAMクリアを指示するもので遊技情報を消去するとき、サム値が一致していないとき、又は主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御MPU1310aの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を行い、この固定値を、上述した普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数にセットする。
ステップS38に続いて、メイン制御プログラムは、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS40)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットされることにより実施される。
ステップS36又はステップS40に続いて、メイン制御プログラムは、割り込み初期設定を行う(ステップS42)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、4ミリ秒(ms)に設定されている。
ステップS42に続いて、メイン制御プログラムは、シリアル通信初期設定を行う(ステップS44)。ここでは、主制御MPU1310aに内蔵される各種シリアル入出力ポート(例えば、払出制御基板633に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)、周辺制御基板1510に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)に対応する、送信シリアルポートプリスケーラに通信速度の設定やパリティ有無の設定等を行うとともに、送信シリアルポートコントロールレジスタに送信回路の初期化の設定や送信許可の設定等を行う。
ステップS44に続いて、メイン制御プログラムは、試験信号出力ポート初期化設定を行う(ステップS46)。ここでは、遊技機の試験機関において、各種検査情報を出力するための図示しない試験信号出力ポートを、電源投入時に初期化設定(OFFデータ出力に設定)等を行う。
ステップS46に続いて、メイン制御プログラムは、図154に示した主制御内蔵ハード乱数回路1310anの起動設定を行う(ステップS48)。ここでは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数を、ハードウェアにより更新するために主制御MPU1310aに内蔵される、ハード乱数コントロールレジスタに乱数をラッチして取得するという設定等を行うとともに、ハード乱数設定レジスタに主制御内蔵ハード乱数回路1310anの起動等を設定する。これらの設定により主制御内蔵ハード乱数回路1310anが起動すると、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(図131に示した主制御水晶発振器MX0から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。なお、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路1310anから乱数(乱数値)を取得するときには、主制御内蔵ハード乱数回路1310anにラッチ信号を出力し、このラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した乱数(乱数値)を、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得するようになっている。主制御MPU1310aは、この取得した乱数値を大当り判定用乱数としてセットする。
ステップS48に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時に送信するコマンドの予約設定を行う(ステップS50)。ここでは、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図122に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとが送信されることとなる。これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。なお、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS50に続いて、メイン制御プログラムは、割り込み許可設定を行う(ステップS52)。この設定によりステップS42で設定した割り込み周期、つまり4msごとに後述する主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS52に続いて、メイン制御プログラムは、電源投入時から所定時間を経過すると、つまり、主制御側メイン処理が開始されると、操作スイッチ954(操作スイッチ)の操作に伴うエラー解除ナビコマンドの受け取りを契機とした遊技制御側RAMクリア処理の実行を規制することとなる(通常時操作制御手段)。以上のように、メイン制御プログラムは、操作スイッチ954の操作に伴って入力される検出信号を、タイムシェアリングの概念により、上述のように電源投入時から所定時間に亘ってエラー解除ナビコマンドの入力を契機としてRAMクリア処理を実行させたり(遊技制御側電源投入時操作制御手段)、当該所定時間の経過後は当該エラー解除ナビコマンドの入力があってもRAMクリア処理の実行を規制し(遊技制御側通常時操作制御手段)、発生したエラーに伴うエラー報知を解除するための解除スイッチとして取り扱っている。つまり、本来、払出動作に関して発生したエラーを解除するために使用されるはずであった操作スイッチ954(エラー解除部)を、電源投入時から所定時間に亘って、その代わりに、遊技記憶部としての主制御内蔵RAM(及び後述する払出記憶部としての払出制御内蔵RAM)の初期化を開始させるためのRAMクリア処理を実行するための操作部として機能させたり、当該所定時間の経過後に、遊技球の払出動作に関して発生したエラーを解除するための操作部として機能させることができるようになっている。
次にメイン制御プログラムは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから入力される。ステップS54の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS54で停電予告信号の入力がないときには、メイン制御プログラムは非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数をソフトウェアにより更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。
ステップS56に続いて、再びステップS54に戻り、メイン制御プログラムは、停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS54〜ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS54〜ステップS56の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS54で停電予告信号の入力があったときには、メイン制御プログラムは、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、遊技情報の書き換えを保護している。
ステップS58に続いて、メイン制御プログラムは、停電クリア信号を出力開始する(ステップS60)。ここでは、ステップS14の停電クリア処理において停電クリア信号を出力開始した処理と同一の処理を行う。これにより、メイン制御プログラムは、主制御MPU1310aの制御の下、DタイプフリップフロップMIC22のラッチ状態を解除することができる。
ステップS60に続いて、メイン制御プログラムは、図102に示した、始動口ソレノイド2404、大入賞口センサ2405、第一特別図柄表示器1404、第二特別図柄表示器1406、第一特別保留数表示器1405、第二特別保留数表示器1407、普通図柄表示器1402、普通図柄記憶表示器1188、状態表示器1401、ラウンド表示器1408等に出力している駆動信号を停止する(ステップS62)。
ステップS62に続いて、メイン制御プログラムは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS64)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS64に続いて、メイン制御プログラムは、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする(ステップS66)。これにより、遊技バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS66に続いて、メイン制御プログラムは、RAMアクセス禁止の設定を行う(ステップS68)。このRAMアクセス禁止の設定により主制御内蔵RAM(遊技記憶部)に対するアクセスが行うことができなくなることよって主制御内蔵RAM(遊技記憶部)の内容の更新を防止することができる。
ステップS68に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることとなる。その後メイン制御プログラムが、主制御基板1310の主制御MPU1310aによる制御の下、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
パチンコ機1(主制御MPU1310a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS30では主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS32では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報を2重にチェックすることにより遊技バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
ここで、ステップS24の停電予告信号の有無の判定をステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行う点について説明する。まず、ステップS24の停電予告信号の有無の判定がない場合における問題点について、つまりステップS22のウェイト時間待機処理に続いてステップS26のRAMクリアフラグの値の判定を行ってその後の処理をすすめる場合における問題点について説明する。
主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合に、図110に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっている。つまり、瞬停や停電によりパチンコ島設備からの電源が遮断された状態であっても、電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が+5Vとして印加されることにより、パチンコ島設備からの電源が遮断されてから約7msという時間が経過するまでの期間内に、主制御側電源断時処理を完了することができるようになっている。これは、遊技者が遊技を行っている際に、つまり、主制御側メイン処理又は後述する主制御側タイマ割り込み処理を行っている際に、停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合において、主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。
ところが、極めて稀な現象として、復電時にステップS22のウェイト時間待機処理において、図105に示した、周辺制御基板1510の液晶表示制御部1512による演出表示装置1600及びの描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)までの待機時間(ブートタイマ:本実施形態では、2.5秒が設定されている。)を計時開始し、その待機時間に達する直前で、仮に瞬停又は停電が発生すると、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が+5Vとして印加されるものの、約7msという期間内に、ステップS42で割り込み初期設定が行われ、その後、ステップS52で割り込み許可設定が行われることにより、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われて、主制御内蔵RAMの内容が更新されても、主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を完了することができなくなる場合がある。このため、主制御内蔵RAMの内容に基づく、チェックサムを算出した値が記憶されることなく再び復電時に主制御側電源投入時処理を開始することとなる。
そうすると、今回の復電時において主制御側電源投入時処理を開始して、瞬停や停電が発生することなく、ステップS22のウェイト時間待機処理を完了し、その後、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出した値と、瞬停又は停電が発生した直前における主制御内蔵RAMに記憶されている値と、をステップS30で比較判定すると、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域をクリアすることなる。換言すると、復電時に操作スイッチ954がホールの店員等により操作されてRAMクリアというホールの店員等による意思表示がなくても、強制的に主制御内蔵RAMに記憶されている情報を消去(クリア)することとなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うようになっている。これにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることができるようになっている。ステップS22のウェイト時間待機処理を行う前に、ステップS18又はステップS20においてRAMクリア報知フラグRCL−FLGに値が設定されるものの、RAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、上述したように、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶されるため、ステップS10でRAMアクセス許可の設定が行われていても、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されない。
このように、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されているときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されるとステップS24の判定により判定されたときには)、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、主制御基板1310の主制御MPU1310aを強制的にリセットして主制御基板1310を再起動することができるようになっているため、遊技の進行を行うことができず、遊技情報が更新されることを防止することができ、チェックサムの算出結果に変動が生ずることがないようになっている。これにより、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。したがって、復電時において、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報が初期化されることを防止することができる。
また、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップ24として設けて、停電予告信号が入力されていないときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されないとステップS24の判定により判別されたときには)、主制御基板1310の主制御MPU1310aが遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断されても、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に、図131に示した電解コンデンサMC2による電源の供給により、この遊技の進行による遊技情報を記憶するためのバックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPU1310aが完了することができるようになっているため、主制御MPU1310aの主制御MPU1310aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、バックアップ処理においてチェックサムの算出結果(つまり、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値)と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。つまり、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報に復元されて主制御基板1310を起動することができるようになっている。
更に、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていると判定したときには主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることで主制御内蔵RAMの内容を全く更新することなく再び主制御側電源断時処理を開始することができる一方、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていないと判定したときにはこれまで通りハードウェアによる約7msという「瞬停又は停電時電源確保期間」以内に主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。つまり、本実施形態では、復電時に主制御側電源投入時処理を行っている際に瞬停や停電が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された場合であって、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に、図110に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って+5Vとして印加されるようになっているため、電解コンデンサMC2というハードウェアによる約7msという「瞬停又は電源確保期間」内において主制御側電源断時処理を完了することができない場合においては、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後におけるステップ24で停電予告信号が入力されているか否かの判定を行い、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDT1310afに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDT1310afによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることができるようになっている。このようなソフトウェアによる主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることでステップS24より後のステップ(具体的には、ステップS42で割り込み初期設定を行って、その後に、ステップS52で割り込み許可を設定して後述する主制御側タイマ割り込み処理を開始するという制御フロー)への進行を阻止することで主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が更新されることを回避することができるという仕組みを採用した。このように停電又は瞬停が発生してパチンコ島設備からの電源が遮断された際に、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されないようにソフトウェアで賄う部分と、主制御側電源断時処理を確実に完了して主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されないようにハードウェアで賄う部分と、に2つに分けて構成することにより、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が変更されることを確実に防止することができるようになっている。
次に、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点について説明する。ステップS50では、上述したように、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図122に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。この電源投入時主制御復帰先コマンドは、上述したように、始動口ソレノイド2404の駆動状態を指示する情報と、図43に示した大入賞口センサ2405の駆動状態を指示する情報と、主として構成されている。ここでは、まず電源投入時主制御復帰先コマンドに、始動口ソレノイド2404の駆動状態を指示する情報と、図122に示した大入賞口センサ2405の駆動状態を指示する情報と、が含まれていない場合における問題点、つまり、ステップS50において電源投入時主制御復帰先コマンドが電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われない場合における問題点について説明する。
例えば、周辺制御基板1510が大当り遊技状態の画面(例えば、大当り遊技演出の画面)を図100示した演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310が大入賞口センサ2405を駆動して図99示した大入賞口2005が開閉部材により開放されているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、大入賞口センサ2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として大当り遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、大当り遊技状態のどのラウンドであるか全く表示することができない。つまり、例えば大入賞口2005に遊技球が入球して図102に示した大入賞口センサ2403によって検出され、大入賞口2005に入球した遊技球の球数を伝える大入賞口1カウント表示コマンドを主制御基板1310が周辺制御基板1510に送信して周辺制御基板1510が受信したとしても、周辺制御基板1510は、確率及び時短状態に応じて画面に大入賞口2005に入球した遊技球の球数が演出表示装置1600の表示領域に表示することができても、大当り遊技状態のどのラウンド(つまり、何回目のラウンド)であるか全く表示することができない。
このような状況において、主制御基板1310は、例えば大当り遊技状態の4ラウンド(4回目のラウンド)を終了するときには、大入賞口センサ2405の駆動を停止して大入賞口2005が開閉部材2107により開放されている状態から閉鎖されている状態へ移行する旨(つまり、始動口ユニット2100の大入賞口2005のラウンド間の閉鎖開始)を指示する大入賞口1閉鎖表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信し、主制御基板1310が大当り遊技状態の5ラウンド(5回目のラウンド)を開始するときには、大入賞口センサ2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨(つまり、大入賞口2005の5回目のラウンドの開放開始)を指示する大入賞口開放5回目表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信する。これにより、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の5ラウンドの開始という画面を、上述した確率及び時短状態に応じた画面からようやく切り替えて演出表示装置1600の表示領域に表示することととなる。
また、例えば、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面(例えば、可動片が拡開されている旨を遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310が始動口ソレノイド2404を駆動して拡開させた状態となっているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、始動口ソレノイド2404の駆動を開始して一対の可動片が略垂直に立上った状態から左右方向へ拡開させた状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に全く表示することができない。このため、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生したことに驚いて、復電時において、瞬停や停電が発生する直前における第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態であることを忘れている場合もあり、このような場合には、復電時における遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態に復帰されているにもかかわらず、復電時に演出表示装置1600の表示領域に遊技を指示する画面(つまり、第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示する画面)が表示されないことにより、遊技者がどのような遊技を行えば分からなくなるという問題もあった。
このように、上述した2つ例においては、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができないという問題があった。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いするという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、図122に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、周辺制御基板1510は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとに基づいて、例えば、上述した例では、大当り遊技状態の4ラウンドにおいて、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、大入賞口センサ2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨を周辺制御基板1510に伝えることができるため、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の4ラウンドである旨を特定した画面(つまり、何回目のラウンドであるかを示す画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示することができないものの、大当り遊技状態であって大入賞口センサ2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材2107により開放されている状態である旨を伝える画面(例えば、「大当りです。大入賞口が開放されています。大入賞口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において大入賞口2005に遊技球を入球させるという遊技を指示することができるし、また例えば、上述した例では、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている状態において、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、始動口ソレノイド2404の駆動を開始して一対の可動片を左右方向へ拡開させた状態となっている旨を伝える画面(例えば、「可動片を拡開させています。下始動口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示することができる。これにより、瞬停や停電が発して、その後に復電する際に、周辺制御基板1510の復帰先を主制御基板1310側で細かく指示することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができる。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いすることを防止することができる。
次に、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、について説明する。主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述した、バックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPU1310aは、一度も実行していない状態であるため、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出しても、ステップS30で比較判定において、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域を必ずクリアすることなる。これにより、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、図122に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドという2つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となる。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において、まず電源投入時状態コマンドが送信され、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドが送信されるようになっている。これを利用して、主制御基板検査工程においては、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、主制御基板1310から最初のコマンドとして電源投入時状態コマンドが主制御基板検査工程の検査装置へ送信されることとなる。
ところで、電源投入時状態コマンドは、上述したように、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、図124に示した払出制御基板633の操作スイッチ954が操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。ここでは、電源投入時状態コマンドにパチンコ機の機種コードを示す情報が含まれていない場合における問題点について説明する。
パチンコ機の機種コードは、上述したように、パチンコ機1(正確には、主制御基板1310)として、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など))であるのか、を特定することができるものである。
パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいては、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在する場合がある。そうすると、製造ラインの作業者は、複数種類の作品の版権(例えば、映画A、映画B、ドラマC、映画D、漫画E、及び漫画Fという作品の版権)のうち、どの作品の版権に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているのか分からなくなったり、複数種類の作品の版権のうち、一の版権(例えば、映画Dという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているにもかかわらず、他の版権(例えば、漫画Fという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているという思い込みや勘違いもある。このため、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、製造ラインの作業者は、製造ラインで製造した主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを確認することができないし、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを確認することもできない。これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在したまま、遊技盤5に主制御基板1310を取り付けるための遊技盤組立ラインへ送られることとなる。このため、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付ける場合もあった。これにより、結果として、遊技盤5の生産効率が低下するという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、パチンコ機の機種コードを示す情報を含む電源投入時状態コマンドを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、図122に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインの作業者は、製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、主制御基板1310を電源投入することにより、検査装置が主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、検査モニタに表示する詳細な機種情報を目視することにより、主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを判別することができるとともに、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを判別することもできるようになっている。これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在しても、製造ラインの主制御基板検査工程の作業者は、検査モニタを目視して主制御基板1310の機種タイプ、作品の版権、及び遊技仕様を正確に判別することができることによって、作品の版権に対する主制御基板1310ごとに分別して後続の遊技盤組立ラインへ送ることができる。そして、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応する主制御基板1310を遊技盤5に確実に取り付けることができ、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付けるという作業によって生ずる遊技盤5の生産効率の低下を防止することができる。したがって、遊技盤5の生産効率の向上に寄与することができる。
[14−3.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図125及び図126に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御基板1310では、メイン制御プログラムが、主制御MPU1310aの制御の下、図127に示すように、レジスタバンクの切替を行う(ステップS100)。主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)には、第1のレジスタバンクと第2のレジスタバンクとから構成される2つのレジスタバンクがある。第1のレジスタバンクは上述した主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用される一方、第のレジスタバンクは本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において使用される。ステップS100では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において第2のレジスタバンクを使用するため、主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用されている第1のレジスタバンクから第2のレジスタタンクへのレジスタバンクの切り替えを行う。なお、本実施形態では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されるときに、各レジスタをスタックに退避する処理は必要ないようになっている。
ステップS100に続いて、メイン制御プログラムは、タイマ減算処理を行う(ステップS102)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って第一特別図柄表示器1404及び第二特別図柄表示器1406が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器1402が点灯する時間のほかに、主制御基板1310(主制御MPU1310a)が送信した各種コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払主ACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS102に続いて、メイン制御プログラムは、スイッチ入力処理を行う(ステップS104)。このスイッチ入力処理では、主制御MPU1310aの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、このメイン制御プログラムは、例えば、図99に示した一般入賞口2001,2201に入球した遊技球を検出する図102に示した一般入賞口センサ3001からの検出信号、図99に示した大入賞口2005に入球した遊技球を検出する図102に示した大入賞口センサ2403からの検出信号、図99に示した第一始動口2002に入球した遊技球を検出する図102に示した第一始動口センサ3002からの検出信号、図99に示した第二始動口2004に入球した遊技球を検出する図102に示した第二始動口センサ2402からの検出信号、図99に示したゲート部2003を通過した遊技球を検出する図102に示したゲートセンサ2401からの検出信号、図102に示した磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出センサ4024からの検出信号や後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを図102に示した払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。また、第一始動口2002に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口2004に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ2402からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応する図102に示したその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。つまり、第一始動口センサ3002からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるし、第二始動口センサ2402からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。
なお、本実施形態では、一般入賞口2001,2201に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ3001からの検出信号、大入賞口2005に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ2403からの検出信号、第一始動口2002に入球した遊技球を検出する第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口2004に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ2402からの検出信号、及びゲート部2003を通過した遊技球を検出するゲートセンサ2401からの検出信号は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして扱う。
このように、スイッチ入力処理では、メイン制御プログラムが、一般入賞口センサ3001、大入賞口センサ2403、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2401からの検出信号を、1回目〜3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目〜4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避することができるようになっているため、一般入賞口センサ3001、大入賞口センサ2403、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2401からの検出信号の信頼性を高めることができる。
ステップS104に続いて、メイン制御プログラムは、当落乱数更新処理を行う(ステップS106)。この当落乱数更新処理では、上述した、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図126に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。これに対して、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数は、当落判定(大当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。
例えば、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述したように、初期値更新型のカウンタであり、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、この主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数は更新される。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
本実施形態では、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図126に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS106の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS56の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS56の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい。
ステップS106に続いて、メイン制御プログラムは、賞球制御処理を行う(ステップS108)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための図121に示した賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している場合には、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するための図121に示したセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板633に送信する。例えば、図99に示した大入賞口2005に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているため、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶し、賞球コマンドを払出制御基板633に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板633に送信したりする。なお、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成する場合のように、賞球として払い出す遊技球の球数が10球を超える場合には、その超えた球数に、次回のこの賞球制御処理において、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が加算されて、この加算された遊技球の球数がに達しているときには、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶することとなる。
ステップS108に続いて、メイン制御プログラムは、枠コマンド受信処理を行う(ステップS110)。払出制御基板633では、払出制御プログラムが、図122に示した状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(例えば、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。一方、後述するように払出制御プログラムは、払出動作にエラーが発生した場合にエラー発生コマンドを出力したり、操作スイッチ954の検出信号に基づいてエラー解除ナビコマンドを出力する。
上述した枠コマンド受信処理では、メイン制御プログラムが、この各種コマンドを払主シリアルデータとして正常に受信すると、その旨を払出制御基板633に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、メイン制御プログラムは、その正常に払主シリアルデータとして受信したコマンドを2バイト(16ビット)のコマンドに整形し(図102の状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。なお、ここでいう枠状態1コマンドは第1のエラー発生コマンドに相当するとともに、エラー解除ナビコマンドは第1のエラー解除コマンドに相当する。
ステップS110に続いて、メイン制御プログラムは、不正行為検出処理を行う(ステップS112)。この不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合に大入賞口センサ2403からの検出信号が入力されているとき(大入賞口2005に遊技球が入球するとき)等には、異常状態として図102に示した報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS112に続いて、メイン制御プログラムは、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS114)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、図102に示した主制御内蔵ハード乱数回路1310anにラッチ信号を出力し、ラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した乱数(乱数値)を、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得し、この取得した乱数値を大当り判定用乱数としてセットする。そして大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定(「特別抽選」という。))したり、大当り図柄用乱数を更新するカウンタの値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている確変当り判定値と一致するか否かを判定(確率変動を発生させるか否かの判定)したりする。ここで、「確率変動」とは、大当りする確率が通常時(低確率)にくらべて高く設定された高確率(確変時)に変化することである。本実施形態では、上述した大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)として、低確率では値32668〜値32767が設定されており、通常時判定テーブルから読み出されるのに対して、高確率では値31768〜値32767が設定されており、確変時判定テーブルから読み出される。このように、ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理では、大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定するときには、大当り判定用乱数(つまり、主制御内蔵主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)が大当り判定範囲に含まれているか否かにより行う。
これらの判定結果が第一始動口センサ3002によるものである場合には図122に示した特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その抽選結果が第二始動口センサ2402によるものである場合には図122に示した特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するするとともに、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って第一特別図柄表示器1404又は第二特別図柄表示器1406を点灯させるよう第一特別図柄表示器1404又は第二特別図柄表示器1406への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには、図122に示した大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、図99に示した開閉部材2107を開閉動作させるよう大入賞口センサ2405への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、大入賞口2005が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、図10に示したラウンド表示器1408の2ラウンド表示ランプ1407aを点灯させるよう2ラウンド表示ランプ1407aへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときには、図10に示したラウンド表示器1408の15ラウンド表示ランプ1407bを点灯させるよう15ラウンド表示ランプ1407bへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、確率変動の発生の有無を所定の色で点灯させるよう状態表示器1401への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
ステップS114に続いて、メイン制御プログラムは、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS116)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいてゲート入賞処理を行う。このゲート入賞処理では、入力情報からゲートセンサ2401からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出してゲート情報として主制御内蔵RAMのゲート情報記憶領域に記憶する。
このゲート情報記憶領域には、第0区画〜第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順にゲート情報が格納されるようになっている。例えばゲート情報がゲート情報記憶の第0区画〜第2区画に格納されている場合、ゲートセンサ2401からの検出信号が入力端子に入力されていたときにはゲート情報をゲート情報記憶の第3区画に格納する。
ゲート情報はゲート情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。このゲート情報がセットされると、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画に、ゲート情報記憶の第3区画のゲート情報がゲート情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされてゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、ゲート情報記憶の第1区画〜第2区画にゲート情報が記憶されている場合には、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされてゲート情報記憶の第2区画及びゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、ゲート情報記憶の第1区画〜第3区画にゲート情報が格納されていると、格納されたゲート情報の総数を保留球として普通図柄記憶表示器1188を点灯させるよう、上述したゲート情報に基づいて普通図柄記憶表示器1188の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ゲート入賞処理に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされたゲート情報を読み出し、この読み出したゲート情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により可動片を開閉動作させるか否かが決定する。この決定で開閉動作をさせる場合には、一対の可動片が左右方向へ拡開した状態となることで第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態なる。この決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、図122に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って普通図柄表示器1402を点灯させるよう普通図柄表示器1402への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、例えばその取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、図122に示した普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、可動片を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2404への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致していないときには、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、図122に示した普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って普通図柄表示器1402を点灯させるよう普通図柄表示器1402への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS116に続いて、メイン制御プログラムは、ポート出力処理を行う(ステップS118)。このポート出力処理では、主制御MPU1310aの各種出力ポートの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。このメイン制御プログラムは、例えば、出力情報に基づいて主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子から、払出制御基板633からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板633に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2005の開閉部材2107の開閉動作を行う大入賞口センサ2405に駆動信号を出力したり、可動片の開閉動作を行う始動口ソレノイド2404に駆動信号を出力したりするほかに、メイン賞球数情報出力信号、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力情報、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板633に出力したりする。
ステップS118に続いて、メイン制御プログラムは、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS120)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、このメイン制御プログラムが、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、図122に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド(例えば、大入賞口2005(図99照)に入球した遊技球を検出した際に大入賞口センサ2403(図102参照)からの検出信号に基づ大入賞口カウントコマンドに相当する大入賞口1カウント表示コマンド)、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図102に示した、報知表示に区分される各種コマンド(扉開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンドなど)、状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンド)、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドが記憶されている。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されている。具体的には、主周シリアルデータは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、ステータス及びモードを数値とみなしてその合計を算出したサム値と、から構成されており、このサム値は、送信時に作成されている。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、主周シリアルデータとして各種コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生した場合に、図110に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が+5Vとして印加されるようになっているため、図112に示した、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポート1310aaは、少なくとも、その送信バッファレジスタ1310aebに主制御CPUコア1310aaがセットしたコマンドをシリアル管理部1310aecにより送信シフトレジスタ41aeaに転送して送信シフトレジスタ1310aeaから主周シリアルデータとして送信完了することができるようになっている。停電又は瞬停が発生して電力が回復する復電時には、図126に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、復電した旨を伝えるために、図122に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶しているため、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。なお、主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、主制御側電源投入時処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとが送信されることとなる。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板633から枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド)を送信する(エラーコマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板633から受け取った図124に示す形態である枠状態1コマンドを、図123に示す形態の枠状態1コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
またその一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板633からエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510に対してエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンド)を送信する(エラーコマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板633から受け取った図122に示す形態であるエラー解除ナビコマンドを、図102に示す形態のエラー解除ナビコマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
またさらに、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板633から本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して本体枠開放コマンド(第2の本体枠開放コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第2の本体枠送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板633から受け取った図122に示す形態である本体枠開放コマンドを、図102に示す形態である本体枠開放コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板633から本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して本体枠閉鎖コマンド(第2の本体枠閉鎖コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第2の本体枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板633から受け取った図122に示す形態である本体枠閉鎖コマンドを、図102に示す形態である本体枠閉鎖コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
また、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板633から扉開放コマンド(第1の扉開放コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して扉開放コマンド(第2の扉枠開放コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第2の扉枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板633から受け取った図122に示す形態である扉枠閉鎖コマンドを、図102に示す形態である扉閉鎖コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。一方、この周辺制御基板コマンド送信処理では、メイン制御プログラムが、RXA端子の受信ポートによって払出制御基板633から扉閉鎖コマンド(第1の扉閉鎖コマンド)を受信した場合、周辺制御基板1510(演出制御部)に対して扉閉鎖コマンド(第2の扉閉鎖コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第2の扉枠コマンド送出手段)。この場合、メイン制御プログラムは、払出制御基板633から受け取った図122に示す形態である扉閉鎖コマンドを、図102に示す形態である扉閉鎖コマンドとして周辺制御基板1510に転送している。
ステップS120に続いて、メイン制御プログラムは、図102に示した主制御内蔵WDT1310afのクリアを行い(ステップS122)、このルーチンを終了する。ステップS22の主制御内蔵WDT1310afのクリアは、主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることにより行う。これにより、主制御内蔵WDT1310afによる計時がクリアされる。そして、主制御内蔵WDT1310afによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDT1310afにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされずに済む。
なお、主制御基板1310は、上述したように、遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断される前に、遊技の進行による遊技情報を記憶するための上述したバックアップ処理を実行して完了することができるとともに、復電時において、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先として、バックアップ処理を実行した遊技情報に基づいて、パチンコ機1への電源が遮断される際における、本ルーチンにおけるステップS118のポート出力処理による電気的駆動源である始動口ソレノイド2404や大入賞口センサ2405の駆動状態を指示する図122の電源投入時主制御復帰先コマンドを周辺制御基板1510へ出力することができるようになっている。つまり、主制御基板1310は、図126の主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、同処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、図122の電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。このため、周辺制御基板1510は、主制御基板1310からの電源投入時主制御復帰先コマンドに基づいて、復電時における主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示することができる。これにより、遊技者が遊技を行っている際に、瞬停や停電が発生して、その後に復電するときに、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができるとともに、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示して報知することができるため、パチンコ機1のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に遊技者に見えて故障したと勘違いされることを防止することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することにより、遊技者に故障したと勘違いされることを防止することができる。
また、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述したように、図125の主制御側電源投入時処理におけるステップS38で主制御内蔵RAMの全領域を必ずクリアすることなる。これにより、同処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、図122に示した電源投入に区分される電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドという2つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となり、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信する。主制御基板検査工程の検査装置は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、主制御基板検査工程の検査モニタに詳細な機種情報を表示するようになっている。
[15.払出制御基板の各種制御処理]
次に、図124に示した払出制御基板633が行う各種制御処理について、図128〜図144を参照して説明する。図128は払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図129は図128の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図127は図129に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図131は払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図132は回転検知センサ履歴作成処理の一例を示すフローチャートであり、図133はスプロケット定位置判定スキップ処理の一例を示すフローチャートであり、図134は球がみ判定処理の一例を示すフローチャートであり、図135は賞球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図136は貸球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図137はストック監視処理の一例を示すフローチャートであり、図138は払出球がみ動作判定設定処理の一例を示すフローチャートであり、図139は払出設定処理の一例を示すフローチャートであり、図140は球がみ動作設定処理の一例を示すフローチャートであり、図141はリトライ動作監視処理の一例を示すフローチャートであり、図142は不整合カウンタリセット判定処理の一例を示すフローチャートであり、図143はエラー解除操作判定処理の一例を示すフローチャートであり、図144は球貸しによる払出動作時の信号処理(ア)、CRユニットからの入力信号確認処理(イ)を示すタイミングチャートである。
まず、払出制御部電源投入時処理について説明し、続いて払出制御部タイマ割り込み処理、球抜きスイッチ操作判定処理、回転検知センサ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、払出球がみ動作判定設定処理、払出設定処理、球がみ動作設定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除操作判定処理について説明する。なお、球抜きスイッチ操作判定処理、回転検知センサ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、払出球がみ動作判定設定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除操作判定処理は、後述する払出制御部電源投入時処理におけるステップS562の主要動作設定処理の一処理として行われ、回転検知センサ履歴作成処理、スプロケット定位置判定スキップ処理、球がみ判定処理、リトライ動作監視処理、不整合カウンタリセット判定処理、エラー解除操作判定処理、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、そして払出球がみ動作判定設定処理の順番で優先順位が設定されている。
[15−1.払出制御部電源投入時処理]
パチンコ機1に電源が投入されると、払出制御基板633における払出制御部633aでは、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図128〜図127に示すように、払出制御部電源投入時処理を行う。この払出制御部電源投入時処理が開始されると、払出制御プログラムは、払出制御MPU952aは、割り込みモードの設定を行う(ステップS500)。この割り込みモードは、払出制御MPU952aの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御部タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理を行う。
ステップS500に続いて、払出制御プログラムは、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS502)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPU952aの各種入力ポート及び各種出力ポートの設定等を行う。
ステップS502に続いて、払出制御プログラムは、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS506)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS508)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、図102に示した主制御基板1310の停電監視回路1310eから停電予告として停電予告信号(払出停電予告信号)が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると主制御基板1310の停電監視回路1310eから停電予告信号(払出停電予告信号)が入力される。そこで、ステップS506のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS508の判定では、主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号(払出停電予告信号)に基づいて行う。
ステップS508に続いて、払出制御プログラムは、操作スイッチ954が操作されているか否かを判定する(ステップS512)。この判定は、操作スイッチ954からの操作信号の論理値に基づいて、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断して操作スイッチ954が操作されていないと判定する一方、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断して操作スイッチ954が操作されていると判定する。
ステップS512で操作スイッチ954が操作されているときには、払出制御プログラムは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値1をセットする(ステップS514)。即ち、払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間に亘って、払出制御MPU952aに内蔵されたRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする(払出制御側電源投入時操作制御手段)。一方、ステップS512で操作スイッチ954が操作されていないときには、払出制御プログラムは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値0をセットする(ステップS516)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU952aの払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶されている、例えば、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS514及びステップS516でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU952aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS514又はステップS516に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS518)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。
ステップS518に続いて、払出制御プログラムは、スタックポインタの設定を行う(ステップS520)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS520では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS520に続いて、払出制御プログラムは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS522)。上述したように、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS522で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないときには、払出制御プログラムは、チェックサムの算出を行う(ステップS524)。このチェックサムは、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS524に続いて、払出制御プログラムは、算出したチェックサムの値が後述する払出制御部電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS526)。一致しているときには、払出制御プログラムは、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS528)。この払出バックアップフラグHBK−FLGは、払出情報、チェックサムの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御部電源断時処理において払出制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御部電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御部電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS528で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるとき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了したときには、払出制御プログラムは、復電時として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS530)。この設定では、払出バックアップフラグHBK−FLGに値0がセットされる他に、払出制御MPU952aに内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報が読み出され、この復電時情報が払出制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている上述した払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報、時間管理情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタリセット判定時間等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS522で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去するときには、又はステップS526でチェックサムの値が一致していないときには、又はステップS528で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了していないときには、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS532)。即ち、払出制御プログラムは、操作スイッチ954の操作信号の検出を契機として払出制御側RAMクリア処理を実行する(払出制御側電源投入時操作制御手段)。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報がクリアされる。
ステップS532に続いて、払出制御プログラムは、初期設定として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS534)。この設定は、払出制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS530又はステップS534に続いて、払出制御プログラムは、割り込み初期設定を行う(ステップS536)。この設定は、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、2msに設定されている。
ステップS536に続いて、払出制御プログラムは、割り込み許可設定を行う(ステップS538)。この設定によりステップS536で設定した割り込み周期、つまり2msごとに払出制御部タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS538に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットする(ステップS539)。このウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS539に続いて、払出制御プログラムは、停電予告信号(払出停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS540)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号(払出停電予告信号)が主制御基板1310の停電監視回路1310eから入力される。ステップS540の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS540で停電予告信号の入力がないときには、払出制御プログラムは、2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS542)。この2ms経過フラグHT−FLGは、後述する、2msごとに処理される払出制御部タイマ割り込み処理で2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値0であるとき、つまり2ms経過していないときには、ステップS540に戻り、払出制御プログラムは、停電予告信号(払出停電予告信号)が入力されているか否かを判定する。
一方、ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、払出制御プログラムは、2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットする(ステップS544)。
ステップS544に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットする(ステップS546)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS539においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS546に続いて、払出制御プログラムは、ポート出力処理を行う(ステップS548)。このポート出力処理では、払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を払出制御MPU952aの各種出力ポートの出力端子から出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(図121に示した、賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を正常に受信した旨を伝える払主ACK情報、払出モータ584への駆動制御を行う駆動情報、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器860bに表示するLED表示情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときには払主ACK信号を主制御基板1310に出力したり、払出モータ584に駆動信号を出力したり、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数情報信号として外部端子板558に出力したり(本実施形態では、払出モータ584が実際に10個の遊技球を払い出すごとに外部端子板558に賞球数情報信号を出力している。具体的には、賞球数情報を出力するための賞球数情報信号出力判定用カウンタが設けられており、この賞球数情報信号出力判定用カウンタは、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を、後述するステップS550のポート入力処理で図124に示した払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、カウントするものであり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)により払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新されている。この払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)は、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶される賞球数情報信号出力判定用カウンタの値に、後述するステップS550のポート入力処理で図124に示した払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を加算して記憶更新する。ステップS548では、この賞球情報記憶領域から賞球数情報信号出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出した賞球数情報信号出力判定用カウンタの値が値10を超えているときには、外部端子板558に賞球数情報信号を出力するとともに、その超えた球数を、賞球数情報信号出力判定用カウンタの値として、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新するようになっている。)、エラーLED表示器860bに表示信号を出力したりする。
ステップS548に続いて、払出制御プログラムは、ポート入力処理を行う(ステップS550)。このポート入力処理では、払出制御MPU952aの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、操作スイッチ954の操作信号、回転検知センサ840からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、満タン検知センサ154からの検出信号、CRユニット6からのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板1310が正常に受信した旨を伝える主制御基板1310からの主払ACK信号等、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS550に続いて、払出制御プログラムは、タイマ更新処理を行う(ステップS552)。このタイマ更新処理では、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態が生じているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球がみ判定時間、払出回転体の定位置判定を行わない際に設定されているスキップ判定時間、、賞球タンク720及びタンクレール803に貯留されている遊技球を排出する際に設定されている球抜き判定時間、図1に示したファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球切検知センサ574からの検出信号により払出装置580の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行うほかに、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に払出検知センサ591で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを監視するための不整合カウンタINCCをリセットするか否かの判定を行う際にその判定条件と設定されている不整合カウンタリセット判定時間の時間管理を行う。例えば、球がみ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球がみ判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球がみ判定時間を正確に計っている。
本実施形態では、スキップ判定時間が22.75ms、球抜き判定時間が60060ms、満タン判定時間が504ms、球切れ判定時間が119ms、不整合カウンタリセット判定時間が7000s(約2時間)にそれぞれ設定されており、このタイマ更新処理を行うごとに球抜き判定時間、満タン判定時間、球切れ判定時間及び不整合カウンタリセット判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球抜き判定時間、満タン判定時間、球切れ判定時間及び不整合カウンタリセット判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS552に続いて、払出制御プログラムは、CR通信処理を行う(ステップS554)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、CRユニット6からの各種信号(BRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号)が入力されているか否かを判定する。CRユニット6からの各種信号に基づいて、払出制御MPU952aは、CRユニット6と各種信号のやり取りを行う。
ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。
この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元することができる。これにより、払出装置580による遊技球の払出動作を実行している際に、瞬停又は停電して払出動作を続行することができなくなっても、復電時に、その払出動作を続行することができるため、過不足なく遊技球を上皿321や下皿322に払い出すことができる。換言すれば、払出制御MPU952aは、CR通信処理において、CRユニット6と各種信号のやり取りを行いながら、遊技球を上皿321や下皿322に払い出している際に、瞬停又は停電してCRユニット6と各種信号のやり取りが遮断され、遊技球の払い出しを続行することができなくなっても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値が、払出バックアップ情報として記憶された、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元されることによって、瞬停又は停電する直前における、パチンコ機1(払出制御MPU952a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りを、復電時から継続することができるとともに、遊技球の払い出しを引き続き行うことができるようになっている。
このように、パチンコ機1(払出制御MPU952a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りは、瞬停又は停止しても、復電時に、瞬停又は停止する直前の状態に復元されるようになっており、瞬停又は停止による影響によってパチンコ機1(払出制御MPU952a)とCRユニット6とによる各種信号が変化しないようになっている。したがって、パチンコ機1(払出制御MPU952a)とCRユニット6とによる各種信号のやり取りの信頼性を高めることができる。
また、CR通信情報記憶領域に記憶される各種情報は、上述したように、払出バックアップ情報に含まれている。CR通信処理では、復電時に、ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において設定された、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、例えば貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、そのPRDY信号を払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する。そして、主要動作設定処理の一処理として行われる、例えばリトライ動作監視処理において、払出バックアップ情報に含まれている、払出制御内蔵RAMに記憶されている賞球情報記憶領域の不整合カウンタINCCの値に基づいて、この不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かを判定し、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断して、つまり払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であると判断して、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし、払出球がみ動作判定設定処理において、CRユニット6へのエラー状態の出力の設定として、例えばCRユニット6と通信中でないときには貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態(LOW)をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。
これにより、CR通信処理では、復電時から次のタイマ割り込みで、このPRDY信号の論理の状態を、CR通信情報記憶領域から読み出してそのPRDY信号を払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する。このように、例えば、瞬停する直前において、払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であった場合には、復電時に、その状態が復元されるため、復電してから極めて早い段階で、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号を払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力することができ、CRユニット6に払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態である旨を伝えることができる。これにより、復電時から極めて早い段階で、CRユニット6からの無駄な貸球要求信号であるBRDYが出力されるのを防止することができる。
また、CR通信処理では、ステップS550のポート入力処理で、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域からCR接続信号を読み出してこのCR接続信号に基づいて、その論理がHIであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニット6とが遊技球等貸出装置接続端子板869を介して電気的に接続されているときには、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をHIとして払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する一方、その論理がLOWであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニット6とが遊技球等貸出装置接続端子板869を介して電気的に接続されていないときには、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をLOWとして払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子からCRユニット6へ出力する。なお、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号の論理の状態は、EXS信号出力設定情報として払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域に記憶され、払出制御基板633とCRユニット6とが電気的に接続されているか否かを伝えるCR接続信号は、CR接続情報として状態情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS554に続いて、払出制御プログラムは、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS556)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タン検知センサ154からの検出信号により上述したファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球切検知センサ574からの検出信号により上述した払出装置580の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、ファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タン検知センサ154からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間(504ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タン検知センサ154からの検出信号がONであるときには、ファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タン検知センサ154からの検出信号がOFFであるときには、ファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
払出装置580の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切検知センサ574からの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切検知センサ574からの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切検知センサ574からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間(119ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切検知センサ574からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切検知センサ574からの検出信号がONであるときには、払出装置580の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切検知センサ574からの検出信号がOFFであるときには、払出装置580の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS556に続いて、払出制御プログラムは、コマンド受信処理を行う(ステップS558)。このコマンド受信処理では、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(図121に示した、賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を受信する。
この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝える払主ACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS558に続いて、払出制御プログラムは、コマンド解析処理を行う(ステップS560)。このコマンド解析処理では、ステップS558で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS560に続いて、払出制御プログラムは、主要動作設定処理を行う(ステップS562)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球がみ等の動作設定を行ったり、リトライ動作の判定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。
ステップS562に続いて、払出制御プログラムは、LED表示データ作成処理を行う(ステップS564)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板633のエラーLED表示器860bに表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に基づいて、払出装置580の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、対応する表示データ(本実施形態では、表示値1(数字「1」))を作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS564に続いて、払出制御プログラムは、コマンド送信処理を行う(ステップS566)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいて図122に示した状態表示に区分される各種コマンド(扉開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンド、枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンドに相当)、エラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンドに相当)及び枠状態2コマンド)を作成して主制御基板1310に送信する。例えば、状態情報記憶領域から球切れ情報を読み出すと、この球切れ情報に基づいて、払出装置580の供給通路に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、枠状態1コマンドを作成して主制御基板1310に送信したりする。また、このコマンド送信処理においては、この払出制御プログラムは、例えば遊技球の払出動作に関するエラーが発生したなどの枠状態の変化があると、この払出動作に関して発生したエラーの発生部位に関する情報(以下「エラー発生位置情報」という)を含めた枠状態1コマンド(第1のエラー解除コマンド)を生成している(エラー発生コマンド生成手段)。一方、このコマンド送信処理では、払出制御プログラムが、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値1であると、即ち、操作スイッチ954の操作に応じた操作信号が検出されていると、上述したエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンド)を出力する(コマンド送出手段)。また、この払出制御プログラムは、本体枠開放スイッチ619からの本体枠開放検出信号が入力されると、本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第1の本体枠コマンド送出手段)。イ歩婦、この払出制御プログラムは、本体枠開放スイッチ619からの本体枠閉鎖検出信号が入力されると、本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を送信する(本体枠コマンド送出手段、第1の本体枠コマンド送出手段)。また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からの扉枠開放検出信号が入力されると、扉枠開放コマンド(第1の扉枠開放コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第1の扉枠コマンド送出手段)。一方、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からの扉枠閉鎖検出信号が入力されると、扉枠閉鎖コマンド(第1の扉枠閉鎖コマンド)を送信する(扉枠コマンド送出手段、第1の扉枠コマンド送出手段)。また、この払出制御プログラムは、上述したコマンド送信処理(ステップS566)において、上述した状態情報記憶領域からエラー内容を含むエラー情報を読み出し、他のパチンコ機と自らを識別するための台番号情報及び当該エラー情報に基づくエラー情報信号を外部端子板558を経由してホールコンピュータに出力する。なお、ホールコンピュータは、このエラー情報信号を受け取ると、ホール店員が所持する無線装置に、上記台番号情報及びエラー情報を提供し、このホール店員が、この台番号情報に基づく台番号のパチンコ機において、エラー情報に含まれるエラー内容が発生していることを認識可能とすることができる。
ステップS566に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットする(ステップS568)。ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cがセットされることにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS546においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS568に続いて、再びステップS539に戻り、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットし、ステップS540で停電予告信号(払出停電予告信号)が入力されているか否かを判定し、この停電予告信号(払出停電予告信号)の入力がなければ、ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定し、この2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、ステップS544で2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし、ステップS546でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットし、ステップS548でポート出力処理を行い、ステップS550でポート入力処理を行い、ステップS552でタイマ更新処理を行い、ステップS554でCR通信処理を行い、ステップS556で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS558でコマンド受信処理を行い、ステップS560でコマンド解析処理を行い、ステップS562で主要動作設定処理を行い、ステップS564でLED表示データ作成処理を行い、ステップS566でコマンド送信処理を行い、ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットし、ステップS539〜ステップS568を繰り返し行う。なお、このステップS539〜ステップS568の処理を「払出制御部メイン処理」という。
主制御基板1310による遊技の進行に応じて払出制御部メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPU952aの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPU952aは、ステップS548のポート出力処理において、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK信号を、優先して主制御基板1310に出力している。これにより、払出制御MPU952aは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS540で停電予告信号(払出停電予告信号)の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS570)。この設定により後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。
ステップS570に続いて、払出制御プログラムは、払出モータ584への駆動信号の出力を停止する(ステップS574)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。
ステップS574に続いて、払出制御プログラムは、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS576)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。
ステップS576に続いて、払出制御プログラムは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS578)。このチェックサムは、ステップS524で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値の記憶領域を除く、払出制御内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS578に続いて、払出制御プログラムは、払出バックアップフラグHBK−FLGに値1をセットする(ステップS580)。これにより、払出バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS580に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS582)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。
ステップS582に続いて、払出制御プログラムは、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、払出制御MPU952aにリセットがかかり、その後、払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御の下、この払出制御部電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS570〜ステップS582の処理及び無限ループを「払出制御部電源断時処理」という。
パチンコ機1(払出制御MPU952a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御部電源投入時処理を行う。
なお、ステップS526では払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS528では払出制御部電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[15−2.払出制御部タイマ割り込み処理]
次に、払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御部タイマ割り込み処理は、図128〜図129に示した払出制御部電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、2ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御部タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御基板633の払出制御部633aでは、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図131に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS590)。ここでは、上述した払出制御部メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御部タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS590に続いて、払出制御プログラムは、2ms経過フラグHT−FLGに値1をセットする(ステップS592)。この2ms経過フラグHT−FLGは、この払出制御部タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり2msごとに2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS592に続いて、払出制御プログラムは、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS594)。この復帰は、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタから汎用記憶素子(汎用レジスタ)に切り替える。この汎用レジスタを払出制御部メイン処理で使用することにより補助レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS594に続いて、払出制御プログラムは、割り込み許可の設定を行い(ステップS596)、このルーチンを終了する。
[15−3.回転検知センサ履歴作成処理]
次に、回転検知センサ履歴作成処理について説明する。この回転検知センサ履歴作成処理では、図124に示した回転検知センサ840からの検出信号の履歴を作成する。
回転検知センサ履歴作成処理が開始されると、払出制御基板633における払出制御部633aでは、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図132に示すように、払出制御内蔵RAMから回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS610)。この回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTは、1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有しており、回転検知センサ840からの検出信号の履歴を回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTとして払出制御内蔵RAMの回転検知センサ履歴情報記憶領域に記憶されている。ステップS610では、この回転検知センサ履歴情報記憶領域から回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを読み出している。
ステップS610に続いて、払出制御プログラムは、回転検知センサ840からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS612)。この判定は、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理において回転検知センサ840からの検出信号に基づいて行われる。具体的には、その検出信号は、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS612では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して回転検知センサ840からの検出信号があるか否かの判定を行う。入力情報に回転検知センサ840からの検出信号があるときには、払出制御プログラムは、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出回転体の回転位置を把握する検出スリットが回転検知センサ840の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であると判定する。一方、入力情報に回転検知センサ840からの検出信号がないときには、払出制御プログラムは、検出スリットが回転検知センサ840の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態と判定する。
ステップS612で検出スリットが回転検知センサ840の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であるときには、払出制御プログラムは、回転検知センサ検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS614)。この回転検知センサ検出履歴情報のシフト処理では、ステップS610で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS614に続いて、払出制御プログラムは、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの最下位ビットB0に値1をセットし(ステップS616)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS612で検出スリットが回転検知センサ840の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であるときには、払出制御プログラムは、回転検知センサ検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS618)。この回転検知センサ検出履歴情報のシフト処理では、払出制御プログラムは、ステップS614の回転検知センサ検出履歴情報のシフト処理と同一の処理を行い、ステップS610で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS618に続いて、払出制御プログラムは、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの最下位ビットB0に値0をセットし(ステップS620)、このルーチンを終了する。
このように、この回転検知センサ履歴作成処理が行われるごとに、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、検出スリットが回転検知センサ840の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態又は検出スリットが回転検知センサ840の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態に応じて最下位ビットB0に値1又は値0がセットされるため、回転検知センサ840からの検出信号の履歴を作成することができる。
[15−4.スプロケット定位置判定スキップ処理]
次に、スプロケット定位置判定スキップ処理について説明する。このスプロケット定位置判定スキップ処理は、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出回転体が定位置にあるか否かの判定を、所定の条件が成立しているときにスキップする。なお、払出回転体の定位置判定は、払出装置580による遊技球の払い出しが終了した際に行われるようにもなっている。これにより、球がみが発生していない状態で払出モータ584の回転軸の回転を確実に開始することができる。
スプロケット定位置判定スキップ処理が開始されると、払出制御基板633における払出制御部633aでは、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図133に示すように、定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS630)。この定位置判定スキップフラグSKP−FLGは、払出回転体の定位置判定を行うか否かを示すフラグであり、払出回転体の定位置判定を行わないとき(スキップするとき)値1、払出回転体の定位置判定を行うとき(スキップしないとき)値0にそれぞれ設定される。
ステップS630で定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0であるとき(スキップしないとき)、つまり払出回転体の定位置判定を行うときには、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの回転検知センサ履歴情報記憶領域から回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを読み出し(ステップS632)、定位置判定値と一致しているか否かを判定する(ステップS634)。この定位置判定値は、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS634の判定では、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ここで、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0が値1となる場合は、4回のタイマ割り込み周期で続けて、上述した、検出スリットが回転検知センサ840の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態であることを意味している。この4回のタイマ割り込み周期の発生では、図124に示した払出モータ584が4ステップ回転している。払出モータ584の回転は、第1ギア、第2ギア、第3ギアを介して回転検出盤の払出回転体の回転となる。これらの第1ギア、第2ギア、第3ギアには遊び(バックラッシュ)があるため、払出回転体が時計方向又は反時計方向に回転することとなるものの、このバックラッシュによる払出回転体の回転は、払出モータ584の約2ステップの回転に相当する程度となるように設計されているため、本実施形態では、払出回転体の定位置判定を行う場合には、回転検知センサ840からの検出信号の履歴、図132で示した回転検知センサ履歴作成処理で回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを作成し、作成した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0、つまり最新の4回のタイマ割り込み周期の発生によるからの検出信号に基づいて行っている。これにより、4回のタイマ割り込み周期では、払出モータ584が4ステップ回転しているため、バックラッシュによる払出回転体の回転より多く回転しており、バックラッシュによる払出回転体の回転を吸収することができる。したがって、バックラッシュによる払出回転体の定位置の誤検出を防ぐことができるため、払出回転体の回転位置を払出モータ584の回転位置で正しく管理することができる。なお、本実施形態では、4回のタイマ割り込み周期は8ms(=2ms×4回)であり、バックラッシュ吸収時間として設定されている。
ステップS634で、ステップS632で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、定位置判定スキップフラグSKP−FLGに値1をセットする(ステップS636)。これにより、払出回転体の定位置判定を行わない(スキップする)ように設定することができる。なお、払出制御MPU952aは、ステップS636における払出回転体の回転位置を払出回転体の定位置に設定する。
ステップS636に続いて、払出制御プログラムは、スキップ判定時間を有効に設定し(ステップS638)、このルーチンを終了する。ここで、検出スリットは、払出回転体の凹部と同じ数の3個であり、回転検出盤の外周に等分(120度ごと)に形成されている。また、払出モータ584の回転は、上述したように、第1ギア、第2ギア、第3ギアを介して回転検出盤の払出回転体の回転となる。本実施形態では、回転検出盤(払出回転体)の各検出スリット間(120度)の回転は、払出モータ584の18ステップの回転に相当するように設計されている。
払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御の下、払出回転体の回転位置を払出モータ584のステップ数に基づいて管理している。具体的には、(1)検出スリットが回転検知センサ840の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移し出す過渡状態(「エッジ検出状態」という。)と、(2)検出スリットが回転検知センサ840の光軸を遮断状態から非遮断状態に遷移した状態(「定位置確定状態」という。)と、(3)検出スリットが回転検知センサ840の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態(「定位置判定スキップ状態」)と、の3つの状態で管理している。(1)のエッジ検出状態では払出モータ584の1ステップの回転に相当し、(2)の定位置確定状態では払出モータ584の4ステップの回転に相当し、(3)の定位置判定スキップ状態では払出モータ584の13ステップの回転に相当し、計18ステップの回転で回転検出盤の各検出スリット間(120度)の回転位置、つまり払出回転体の回転位置を管理している。
(3)の定位置判定スキップ状態では、検出スリットが回転検知センサ840の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態であるため、スキップ判定時間は、払出モータ584の13ステップ回転する時間が設定されている。上述したように、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、スキップ判定時間が26ms(=2ms×13ステップ)となる。
ステップS638でスキップ判定時間が有効になることによって、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理でスキップ判定時間の減算が行われる。なお、払出制御MPU952aは、スキップ判定時間を減算し、その減算結果が値0になると、定位置判定スキップフラグSKP−FLGに初期値0をセットする。
一方、ステップS630で定位置判定スキップフラグSKP−FLGが値0でない(値1である)とき(スキップするとき)、つまり払出回転体の定位置判定を行わないときには、又はステップS634で、ステップS632で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する。なお、ステップS636でセットされた定位置判定スキップフラグSKP−FLGは、払出制御MPU952aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
パチンコ島設備から供給された遊技球は、賞球タンク802及びタンクレール803に貯留され、払出装置580の供給通路に取り込まれ、払出装置580に導かれる。遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生する。このため、払出装置580はノイズの影響を受けやすり環境下にある。払出装置580には、回転検知センサ840が設けられており、この回転検知センサ840からの検出信号は遊技球の静電放電によるノイズの影響を受けやすい。
そこで、本実施形態では、ノイズの影響による誤検出を抑制するために、上述した(3)の定位置判定スキップ状態、つまり検出スリットが回転検知センサ840の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態では、払出回転体の定位置判定を行わないようにしている。これにより、払出回転体の定位置判定の精度を高めている。なお、払出回転体の定位置を検出するために必要な周期や期間は、上述したように、予め計算によって求めることができるため、スキップ判定時間を簡単に設定及び調整するこができる。
[15−5.球がみ判定処理]
次に、球がみ判定処理について説明する。この球がみ判定処理は、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを判定する。
球がみ判定処理が開始されると、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPU952aは、図134に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転検知センサ履歴情報記憶領域から回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS640)。
ステップS640に続いて、払出制御プログラムは、上述した回転検知センサ840からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS642)。この判定は、ステップS640で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS642の判定では、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS642で、ステップS640で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、検出スリットが回転検知センサ840の光軸を非遮断状態から遮断状態に遷移した状態、つまり払出回転体が回転している状態であり、球がみ状態が生じていないとして、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS642で、ステップS640で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、球がみ中フラグPBE−FLGに値1をセットする(ステップS644)。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ584が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS644に続いて、払出制御プログラムは、球がみ判定時間を有効に設定し(ステップS646)、このルーチンを終了する。この球がみ判定時間が有効になることによって、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で球がみ判定時間の減算が行われる。
[15−6.各種賞球ストック数加算処理]
次に、各種賞球ストック数加算処理について説明する。この各種賞球ストック数加算処理には、賞球用賞球ストック数加算処理と貸球用賞球ストック数加算処理とがあり、賞球用賞球ストック数加算処理は主制御基板1310からの後述する賞球コマンドに基づいて払い出す球数を加算する処理であり、貸球用賞球ストック数加算処理はCRユニット6からの貸球要求信号に基づいて払い出す球数を加算する処理である。まず、賞球用賞球ストック数加算処理について説明し、続いて貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。なお、本実施形態では、賞球用賞球ストック数加算処理が優先的に行われるように設定されており、この賞球用賞球ストック数加算処理で加算された賞球ストック数に応じた遊技球が払出装置580で払い出されたあと、貸球用賞球ストック数加算処理を行うように設定されている。
[15−6−1.賞球用賞球ストック数加算処理]
賞球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板633における払出制御部633aでは、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図135に示すように、賞球コマンドがあるか否かを判定する(ステップS650)。この判定は、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS560のコマンド解析処理で解析したコマンドに基づいて行う。具体的には、その解析したコマンドは受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶されている。ステップS650では、払出制御プログラムが、この受信コマンド情報記憶領域から受信コマンド情報を読み出して賞球コマンドであるか否かの判定を行う。
ステップS650で受信コマンド情報が賞球コマンドでないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS650で受信コマンド情報が賞球コマンドであるときには、払出制御プログラムは、この賞球コマンドに対応する賞球数PBVを、賞球数情報テーブルから読み出す(ステップS652)。この賞球数情報テーブルは、その詳細な説明を後述するが、賞球コマンドと賞球数PBVとを対応付けて払出内蔵ROMに予め記憶されている情報テーブルである。
ステップS652に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出す(ステップS654)。この賞球ストック数PBSは、払出装置580で遊技球を未だ払い出していない数、つまり未払い出しの球数を表しており、本実施形態では、2バイト(16ビット)の記憶容量を有している。これにより、賞球ストック数PBSは、値0〜値32767個までの未払い出しの球数を記憶することができるようになっている。なお、賞球ストック数PBSは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS652では、この賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出している。
払出制御プログラムは、ステップS654で読み出した賞球ストック数PBSにステップS652で読み出した賞球数PBVを加算し(ステップS656)、このルーチンを終了する。なお、ステップS656で加算したあと、ステップS650で読み出した賞球コマンドを受信コマンド情報記憶領域から消去する。
[15−6−2.貸球用賞球ストック数加算処理]
次に、貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。この貸球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板633における払出制御部633aでは、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図136に示すように、貸球要求信号があるか否かを判定する(ステップS660)。この判定は、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理でCRユニット6からの貸球要求信号に基づいて行われる。具体的には、その貸球要求信号は入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS660では、払出制御プログラムは、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して貸球要求信号があるか否かの判定を行う。
ステップS660で貸球要求信号がないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS660で貸球要求信号があるときには、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS662)、この賞球ストック数PBSに貸球数RBVを加算し(ステップS664)、このルーチンを終了する。貸球数RBVは固定値であり、払出内蔵ROMに予め記憶されている。本実施形態では、貸球数RBVとして値25が設定されている。なお、ステップS664で加算したあと、払出制御プログラムは、ステップS660で読み出した貸球要求信号を入力情報記憶領域から消去する。また、本実施形態では、賞球を優先している(賞球と貸球とを区別して管理している)ため、貸球要求信号があるときであっても、貸球要求信号を保持し、賞球の払い出しの完了をもって貸球の払い出しを行う。したがって、本実施形態では、賞球ストック数PBSが値0になってから貸球の払い出しを行うようになっている。
[15−7.ストック監視処理]
次に、ストック監視処理について説明する。このストック監視処理は、遊技者が遊技中に、図1に示したファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンにした状態(ストックした状態)で遊技を続けていないか監視する処理である。
ストック監視処理が開始されると、払出制御基板633における払出制御部633aでは、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図137に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS670)、読み出した賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH以上であるか否かを判定する(ステップS672)。注意的しきい値THは、固定値であり、払出内蔵ROMに予め記憶されている。本実施形態では、注意的しきい値THとして値50が設定されている。
ステップS672で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH以上であるときには、払出制御プログラムは、注意フラグCA−FLGに値1をセットし(ステップS674)、このルーチンを終了する。この注意フラグCA−FLGは、遊技者がファールカバーユニット270の収容空間に遊技球のストックを開始し、遊技球の未払い出し数(上述した賞球ストック数)が注意的しきい値TH以上に達している旨を示すフラグであり、注意的しきい値TH以上に達しているとき値1、注意的しきい値TH以上に達していないとき値0にそれぞれ設定される。
一方、ステップS672で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH未満であるときには、払出制御プログラムは、注意フラグCA−FLGに値0をセットし(ステップS676)、このルーチンを終了する。
遊技状態が大当りとなり、遊技者がリラックスして図105に示した演出表示装置1600及びで繰り広げられる演出に見入ったりしていると、遊技者は、うっかりして1ラウンドの間、賞球として払い出された遊技球を、下皿322から下皿球抜ボタン263を操作して抜かないことがある。この状態で遊技を続けると、下皿322が遊技球で満タンとなり、そしてファールカバーユニット270の収容空間に遊技球が溜まり出す。ファールカバーユニット270の収容空間が遊技球で満タンになると、上述したように、賞球ストック数PBSの値が増加して注意的しきい値TH以上となり、注意演出として扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDが点滅する。この点滅によって、例えばホールの店員に対して遊技者の遊技を注意する旨を伝えることができる。これにより、ホールの店員は遊技者に下皿322から遊技球を抜く旨を伝えることができ、遊技者は下皿322(ファールカバーユニット270の収容空間)に遊技球を満タンにした状態で遊技を継続することを防止することができる。
なお、本実施形態では、注意的しきい値THは、1バイト(8ビット)で表せる上限値255の約5分の1に相当する値50に設定されている。これにより、ホールの店員に対してできるだけ早い段階で遊技者の遊技に注意を促す旨を伝えることができるようになっている。
[15−8.払出球がみ動作判定設定処理]
次に、払出球がみ動作判定設定処理について説明する。この払出球がみ動作判定設定処理は、払出モータ584で遊技球を、上皿321や下皿322に払い出すか、球がみ動作を行うか、又はこのような払い出しや排出等を行わないか、いずれかに設定する処理である。
払出球がみ動作判定設定処理が開始されると、払出制御基板633における払出制御部633aでは、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図138に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転検知センサ履歴情報記憶領域から回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS680)。
ステップS680に続いて、払出制御プログラムは、図103に示した回転検知センサ840からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS682)。この判定は、ステップS680で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS682の判定では、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS682で、払出制御プログラムは、ステップS680で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、リトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS684)。このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、後述するリトライ動作が異常動作しているか否かを示すフラグであり、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定される。
ステップS682で、ステップS680で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、又は、ステップS684で、リトライエラーフラグRTERR−FLGが値1でない(値0である)とき、つまりリトライ動作が異常動作していないときには、払出制御プログラムは、球がみ中フラグPBE−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS686)。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ584が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS686で球がみ中フラグPEB−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり球がみ動作を行っていないときには、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS688)、読み出した賞球ストック数PBSが値0より大きいか否かを判定する(ステップS690)。この判定では、払出モータ584による遊技球の払い出しにおいて未払い出しの球数があるか否かが判定されている。
ステップS690で賞球ストック数PBSが値0より大きいとき、つまり未払い出しの球数があるときには、払出制御プログラムは、ファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを判定する(ステップS692)。この判定では、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS556の満タン及び球切れチェック処理で記憶された満タン情報に基づいて行われる。具体的には、満タン情報は上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶されている。ステップS692では、この状態情報記憶領域から満タン情報を読み出してファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを判定する。
ステップS692でファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンでないときには、払出制御プログラムが後述する払出設定処理を行い(ステップS694)、このルーチンを終了する。この払出設定処理では、上皿321や下皿322に遊技球を払い出す払出動作を行う。
一方、ステップS692でファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する。本実施形態のパチンコ機1では、ファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンになると、払出モータ584を強制停止する。この払出モータ584が強制停止中に賞球が発生すると、払出モータ584による未払い出しの球数が増え、図135に示した賞球用賞球ストック数加算処理によって賞球ストック数PBSが加算されて増加することとなる。
一方、ステップS690で賞球ストック数PBSが値0より大きくない(値0である)とき、つまり未払い出しの球数がないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する。これにより、遊技球の払い出しを行わない。
一方、ステップS686で球がみ中フラグPBE−FLGが値1、つまり球がみ動作を行っているときには、払出制御プログラムが、後述する球がみ動作設定処理を行い(ステップS700)、このルーチンを終了する。この球がみ動作設定処理では、払出装置580の払出回転体による球がみ状態を解消する球がみ動作を行う。
一方、ステップS684で、リトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、払出制御プログラムは、払出モータ584への駆動信号の出力停止(停止)を設定する(ステップS702)。この設定では、払出モータ584に駆動信号を停止する駆動情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS702に続いて、払出制御プログラムは、CRユニット6へのエラー状態の出力を設定し(ステップS704)、このルーチンを終了する。ステップS704では、現在、球貸しができない状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)にはPRDY信号の論理をLOW、つまり立ち下げた状態を保持し、PRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。
これにより、図127の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御部633aの払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)にはEXS信号の論理の状態を維持し、EXS信号の論理の状態をEXS信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図127の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からEXS信号出力設定情報を読み出してこの読み出したEXS信号出力設定情報、つまり論理が維持されたEXS信号を、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。なお、「EXS信号の論理の状態を維持」とは、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
[15−8−1.払出設定処理]
次に、払出設定処理について説明する。この払出設定処理では、払出モータ584を駆動して遊技球を払い出す設定を行う処理である。
払出設定処理が開始されると、払出制御基板633における払出制御部633aでは、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図139に示すように、払出制御内蔵RAMから駆動指令数DRVを読み出す(ステップS710)。この駆動指令数DRVは、払出モータ584で払い出す遊技球の球数を指令するものであり、賞球ストック数PBSと同値である。なお、駆動指令数DRVは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS710では、この賞球情報記憶領域から駆動指令数DRVを読み出している。
ステップS710に続いて、払出制御プログラムは、駆動指令数DRVが値0であるか否かを判定する(ステップS712)。この判定は、払出モータ584で払い出す遊技球の球数が残っているか否かを駆動指令数DRVに基づいて判定される。
ステップS712で駆動指令数DRVが値0であるとき、つまり払出モータ584で払い出す遊技球の球数がゼロ個であるときには、払出制御プログラムは、払出モータ584への駆動信号の出力停止(停止)を設定する(ステップS714)。この設定では、払出モータ584に駆動信号を停止する駆動情報が設定されて、上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
ステップS714に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域から賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS716)、実球計数PBを読み出す(ステップS718)。この実球計数PBは、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数をカウントしたものである。このカウントは、その詳細な説明を後述するが、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で図124に示した払出検知センサ591からの検出信号に基づいて行う。なお、実球計数PBは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS718では、この賞球情報記憶領域から実球計数PBを読み出している。
ステップS718に続いて、払出制御プログラムは、ステップS716で読み出した賞球ストック数PBSからステップS718で読み出した実球計数PBを引いた値を、賞球ストック数PBS及び駆動指令数DRVにセットし(ステップS720)、実球計数PBに値0をセットし(ステップS722)、このルーチンを終了する。なお、駆動指令数DRV及び実球計数PBが値0であるときには、ステップS722では、ステップS716で読み出した賞球ストック数PBSの値がそのまま駆動指令数DRVにセットされる。
一方、ステップS712で駆動指令数DRVが値0でないとき、つまり払出モータ584で払い出す遊技球の球数があるときには、払出制御プログラムは、払出モータ584への駆動信号の出力を設定する。(ステップS724)。この設定では、払出モータ584に駆動信号を出力する駆動情報が設定されて払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
ステップS724に続いて、払出制御プログラムは、駆動指令数DRVから値1だけ引き(デクリメントし、ステップS726)、払出検知センサ591からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS728)。この判定は、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理において払出検知センサ591からの検出信号に基づいて行われる。具体的には、その検出信号は入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS728では、払出制御プログラムが、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して払出検知センサ591からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS728で払出検知センサ591からの検出信号があるときには、払出制御プログラムが、実球計数PBに値1だけ足し(インクリメントし、ステップS730)、このルーチンを終了する。ステップS730で実球計数PBをインクリメントすることで実球計数PBをカウントアップすることとなる。
一方、ステップS728で払出検知センサ591からの検出信号がないときには、払出制御プログラムが、そのままこのルーチンを終了する。このように、払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御の下、ステップS726で駆動指令数DRVをデクリメントする場合であって、ステップS728の判定で払出検知センサ591からの検出信号がないとき、つまり実球計数PBにインクリメントしない場合には、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に遊技球が受け止められていなかったために遊技球を1球が払い出すことができなかったと判断する。そこで、払出制御プログラムは、その払い出されるはずの1球をもう一度払い出すために、上述したステップS720で、賞球ストック数PBSから実球計数PBを引いた値を駆動指令数DRVにセットする。これにより、ステップS728の判定で払出検知センサ591からの検出信号がないとき、つまり実球計数PBにインクリメントしないときには、その払い出されるはずの1球である値1を賞球ストック数PBSに含めることができ、換言すれば、その払い出されるはずの1球である値1を賞球ストック数PBSにまるめ込むことができるため、その払い出されるはずの1球を再び払い出すリトライ動作を行うことができる。このリトライ動作を行うことによって、遊技者への遊技球の未払い出しが生ずるおそれを極めて小さくすることができ、遊技球の未払い出しによる遊技者の不利益を防止することができる。
[15−8−2.球がみ動作設定処理]
次に、球がみ動作設定処理について説明する。この球がみ動作設定処理では、払出装置580の払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出回転体による球がみ状態を解消する設定を行う処理である。
球がみ動作設定処理が開始されると、払出制御基板633における払出制御部633aでは、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図140に示すように、球がみ判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS750)。この判定は、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で減算された球がみ判定時間に基づいて行われる。具体的には、その球がみ判定時間は、時間管理情報として上述した払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS750では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して球がみ判定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS750で球がみ判定時間が経過していないときには、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの回転検知センサ履歴情報記憶領域から回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS752)。
ステップS752に続いて、払出制御プログラムは、上述した回転検知センサ840からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS754)。この判定は、ステップS752で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かが判定される。この定位置判定値は、上述したように、払出内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS754の判定では、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS754で、ステップS752で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、払出制御プログラムは、球がみ動作を行うよう払出モータ584への駆動信号の出力を設定し(ステップS756)、このルーチンを終了する。この設定では、払出モータ584に駆動信号を出力する駆動情報が設定されて上述した払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
一方、ステップS754で、ステップS752で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、払出モータ584への駆動信号の停止を設定する(ステップS758)。この設定では、払出モータ584に駆動信号を停止する駆動情報が設定されて払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶される。
ステップS758に続いて、払出制御プログラムは、球がみ動作の終了として球がみ中フラグPBE−FLGに値0をセットし(ステップS760)、このルーチンを終了する。この球がみ中フラグPBE−FLGは、払出回転体による球がみ状態が生じているか否かを示すフラグであり、払出モータ584が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき(球がみ動作の終了)値0にそれぞれ設定される。
一方、ステップS750で球がみ判定時間が経過したときには、払出制御プログラムは、払出モータ584への駆動信号の停止を設定する(ステップS762)。この設定では、払出モータ584に駆動信号を停止する駆動情報を設定して払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS762に続いて、払出制御プログラムは、CRユニット6へのエラー状態の出力を設定する(ステップS764)。ここでは、現在、球貸しができない状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、払出制御MPU952aは、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)にはPRDY信号の論理をLOW、つまり立ち下げた状態を保持し、PRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図127の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御部633aの払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)にはEXS信号の論理の状態を維持し、EXS信号の論理の状態をEXS信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図127の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からEXS信号出力設定情報を読み出してこの読み出したEXS信号出力設定情報、つまり論理が維持されたEXS信号を、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。なお、「EXS信号の論理の状態を維持」とは、上述したように、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
ステップS764に続いて、払出制御プログラムは、球がみ動作の終了として球がみ中フラグPBE−FLGに値0をセットし(ステップS766)、このルーチンを終了する。
[15−9.リトライ動作監視処理]
次に、リトライ動作監視処理について説明する。このリトライ動作監視処理では、払い出されるはずの遊技球を再び払い出すリトライ動作が正常に行われているか否かを監視する処理である。
リトライ動作監視処理が開始されると、払出制御基板633における払出制御部633aでは、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図141に示すように、上述した払出制御内蔵RAMの回転検知センサ履歴情報記憶領域から回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTを読み出す(ステップS770)。
ステップS770に続いて、払出制御プログラムは、上述した回転検知センサ840からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS772)。この判定は、ステップS770で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTが定位置判定値と一致しているか否かを判定する。この定位置判定値は、上述したように、払出制御内蔵ROMに記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS772の判定では、回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS772において、ステップS770で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、払出制御プログラムは、不整合カウンタINCCに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS774)。この不整合カウンタINCCは、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、払出検知センサ591で検出された球数と、の差を算出するためのカウンタであり、通常、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、払出検知センサ591で検出された球数と、が一致しているため、値0となる。払出制御プログラムは、図139に示した払出設定処理において、リトライ動作を行うため、このリトライ動作によって、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に払出検知センサ591で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを不整合カウンタINCCで監視して判断している。なお、不整合カウンタINCCは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている。ステップS774では、払出制御プログラムは、この賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCをインクリメントしている。
ステップS774に続いて、又はステップS772で、ステップS770で読み出した回転検知センサ検出履歴情報RSW−HISTの下位4ビットB3〜B0と定位置判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、払出制御プログラムは、払出検知センサ591からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS776)。この判定は、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は、上述したように、入力情報として上述した払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS776では、払出制御プログラムが、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して払出検知センサ591からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS776で払出検知センサ591からの検出信号があるときには、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCから値1だけ引く(デクリメントし、ステップS778)。
ステップS778に続いて、又はステップS776で払出検知センサ591からの検出信号がないときには、払出制御プログラムは、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かの判定する(ステップS780)。パチンコ機1では、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率が数百万分の1程度であることが実験によって得られており、本実施形態では、不整合しきい値INCTHとして値5が設定されている。
図127の払出制御部電源投入時処理におけるステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、復電時に、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに基づいてこのリトライ動作監視処理に使用する情報が設定される。この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における不整合カウンタINCC等の値に復元することができるようになっている。これにより、ステップS780の判定では、瞬停又は停電する直前まで行っていた、払出装置580による遊技球の払出動作(リトライ動作)の監視を、復電時から継続することができるようになっている。このため、例えば、瞬停又は停電する直前において、ステップS780の判定で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいときには、リトライ動作が正常動作していると判断し、つまり払出装置580による遊技球の払出動作が正常状態であると判断し、復電時においても、ステップS780の判定で払出装置580による遊技球の払出動作が正常状態であると判断することができる。一方、ステップS780の判定で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断し、つまり払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であると判断し、復電時においても、ステップS780の判定で払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であると判断することができる。
ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、払出制御プログラムは、「リトライエラー」である旨を報知するために、払出制御基板633に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860bに数字「5」を表示するリトライエラー情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)する(ステップS782)。一方、「賞球ストック中」である旨を報知する場合には、払出制御プログラムは、エラーLED表示器860bに数字「9」を表示する賞球ストック中情報を設定して上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)する(ステップS782)。
ステップS782に続いて、払出制御プログラムは、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに値0(初期値0)をセットする(ステップS784)。ステップS784では、不整合カウンタINCCは、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、この内的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。なお、不整合カウンタINCCは、電源投入時において操作スイッチ954がRAMクリアするために操作されると、この外的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。操作スイッチ954が電源投入時に操作されると、上述したように、その操作に対応した操作信号がRAMクリア信号として図102に示した主制御基板1310の主制御MPU1310aに入力される。上述したメイン制御プログラムは、主制御MPU1310aの制御の下、上述したように、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報をすべて消去し、RAMクリア報知コマンドを、図102に示した周辺制御基板1510に出力する。これにより、図91に示したスピーカ921及び図998に示した上部スピーカ573からRAMクリア報知音が流れるようになっている。
ステップS784に続いて、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし(ステップS786)、このルーチンを終了する。このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、リトライ動作が異常動作しているか否かを示すフラグであり、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定される。
なお、払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御の下、ステップS782で払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域にセット(記憶)したリトライエラー情報(或いは賞球ストック中情報)を、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理でリトライエラーの状態コマンドを作成して主制御基板1310に送信し、同処理におけるステップS564のLED表示データ作成処理でエラーLED表示器860bに表示する表示データを作成してLED表示情報として出力情報記憶領域に記憶し、同処理におけるステップS548のポート出力処理で出力情報記憶領域に記憶されたLED表示情報に基づいてエラーLED表示器860bに駆動信号を出力し、このエラーLED表示器860bに数字「5」を表示する。状態コマンドを受信した主制御基板1310では、メイン制御プログラムが、図127に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で周辺制御基板1510に送信する。この周辺制御基板1510は、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDを所定の色(本実施形態では、赤色)で発光させる、点灯信号を出力する扉枠側点灯点滅コマンドを図105に示した枠装飾駆動アンプ基板194に出力し、複数のLEDを所定の色で発光させる。この複数のLEDの発光に気付いたホールの店員等は、上述したように、本体枠4を外枠2に対して開放することで払出制御基板633に実装されたエラーLED表示器860bに数字「5」が表示されることを目視することによって「リトライエラー」が発生していることを確認することができる。これにより、ホールの店員等は、その発生原因を調べるために、払出検知センサ591の異常や、払出検知センサ591からの払出制御基板633まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等の確認作業を、複数のLEDの発光とエラーLED表示器860bの表示内容とが報知されない場合と比べると、極めて早く行うことができる。
また、払出検知センサ591を意図的に非作動状態とすることによって、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球を検出困難として上述したリトライ動作を強制的に発生させて、このリトライ動作によって払い出される遊技球を不正に獲得する不正行為が行われたとしても、上述した不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となると、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDが発光するため、ホールの店員等がパチンコ機1の状態を確認するために駆け付けることとなる。そうすると、不正行為を行う遊技者は、その行為が発見されないように中断せざるを得なくなり、不正行為による不正な遊技球を継続して獲得することができない。不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHと一致しても、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数は不整合しきい値INCTHと同一となるため、つまり5球であるため、払出検知センサ591を意図的に非作動状態とする行為によるホールの損害を極めて小さく抑えることができる。
更に、不整合カウンタINCCは、上述したように、ステップS780で不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないとき、つまり不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となったという内的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。これにより、不整合カウンタINCCは、例えば、エラー解除するために操作スイッチ954を操作したという外的要因が発生したことを契機として初期化されないようになっている。したがって、操作スイッチ954等を不正に改造して、その操作信号が払出制御MPU952aに入力されるようにしても、このような不正行為によって、不整合カウンタINCCが強制的に初期化されることがない。
[15−10.不整合カウンタリセット判定処理]
次に、不整合カウンタリセット処理について説明する。この不整合カウンタリセット処理では、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、払出検知センサ591で検出された球数と、の差を算出する不整合カウンタINCCを、リセットするか否かを判定する処理である。
不整合カウンタリセット判定処理が開始されると、払出制御基板633における払出制御部633aでは、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図142に示すように、不整合カウンタリセット判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS790)。この判定は、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で更新された不整合カウンタリセット判定時間に基づいて行われる。具体的には、その不整合カウンタリセット判定時間は、時間管理情報として上述した払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS790では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して不整合カウンタリセット判定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS790で不整合カウンタリセット判定時間が経過していないときには、払出制御プログラムが、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS790で不整合カウンタリセット判定時間が経過したときには、払出制御プログラムが不整合カウンタリセット判定時間の初期化を行う(ステップS792)。この初期化によって、不整合カウンタリセット判定時間に初期値である7000s(約2時間)がセットされる。
ステップS792に続いて、払出制御プログラムは、上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタINCCに値0(初期値0)をセットし(ステップS794)、このルーチンを終了する。不整合カウンタINCCは、上述したように、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、払出検知センサ591で検出された球数と、の差を算出するためのカウンタであり、通常、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、払出検知センサ591で検出された球数と、が一致しているため、値0となる。払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御によって、図139に示した払出設置処理において、リトライ動作を行うため、このリトライ動作によって、払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に払出検知センサ591で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを不整合カウンタINCCで監視して判断している。本発明のパチンコ機1では、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率が数百万分の1程度であることが実験によって得られている。
ここで、パチンコ機1は、上述したように、遊技盤5と、遊技盤5が装着される本体枠4等の枠体と、からなり、遊技盤5を交換(新台入替)することにより遊技仕様を変更できるように構成されているため、払出装置580を制御する払出制御基板633、払出装置580の駆動電源や払出制御基板633の制御電源を生成する電源基板630は、共通の機能として枠体側に装備されている。払出制御基板633における払出制御部633aでは、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、上述したように、不整合カウンタINCCを監視することによって、リトライ動作を繰り返し行っているか否かの異常動作を判定することができるようになっており、図127に示した払出制御部電源投入時処理における払出制御部電源断時処理では電源遮断時に遮断直前の不整合カウンタINCCを記憶する一方、図129に示した払出制御部電源投入時処理におけるステップS530の処理(RAM作業領域の復電時設定)では電源投入時にその記憶した不整合カウンタINCCから再び処理を開始するようになっている。
そうすると、電源を遮断してパチンコ機1に装着されている遊技盤5から、この遊技盤5と異なる他の遊技仕様の遊技盤5’に交換して電源を投入する場合には、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPU952aは、遊技盤5がパチンコ機1に装着されたときに記憶された不整合カウンタINCCから再び処理を開始することとなる。つまり、遊技盤5’が装着されたパチンコ機1を遊技者が遊技すると、交換前の遊技盤5が装着されたパチンコ機1における不整合カウンタINCCをそのまま受け継ぐこととなる。このため、遊技盤5’が装着されたパチンコ機1を遊技者が遊技して、たまたま数百万分の1という確率で、つじつまの合わない遊技球の球数が生じて不整合カウンタINCCが増加し、この不整合カウンタINCCが上述した不整合しき値INCTH以上となると、遊技盤5から遊技盤5’に交換して短い期間で、払出制御MPU952aによって、リトライ動作の異常動作として判定されるおそれがある。つまり、遊技盤5から遊技盤5’に交換されてから間もない期間で、払出検知センサ591の異常や、払出検知センサ591からの払出制御基板633まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていないにもかかわらず、突然、リトライ動作の異常動作として判定されるおそれがある。
このように、遊技盤5から遊技盤5’に交換して短い期間でリトライ動作の異常動作として判定されると、交換された遊技盤5’は新しいにもかかわらず、故障しやすいという印象を遊技者に与えかねない。リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される数百万分の1という確率は、パチンコ機1をホールに設置して、1週間、ホールの営業時間中、連続稼働させた場合における、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球が1球払い出される確率と同一であるため、図141に示したリトライ動作監視処理におけるステップS778の処理で不整合カウンタINCCから数百万分の1の確率で値1だけ引かれない状態となる。そうすると、1週間では不整合カウンタINCCに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値1となり、2週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値2となり、3週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値3となり、4週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値4となり、5週間では不整合カウンタINCCにさらに値1がインクリメントされて不整合カウンタINCCが値5となって上述した不整合しきい値INCTHと一致することとなる。つまり5週間が経過すると、不整合カウンタINCCが不整合しきい値INCTHと一致するために、払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御の下、図141に示したリトライ動作監視処理におけるステップS776の判定で、払出検知センサ591からの検出信号がないものとして判定することとなり、払出検知センサ591の異常や、払出検知センサ591からの払出制御基板633まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていると判断して、図141に示したリトライ動作監視処理におけるステップS782の処理で、「リトライエラー」である旨を報知するために、払出制御基板633に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860bに数字「5」を表示するリトライエラー情報を設定して払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)することとなる。
そこで、払出制御MPU952aは、この不整合カウンタリセット判定処理におけるステップS790の判定で不整合カウンタリセット判定時間が経過したと判定したときには、つまり7000s(約2時間)ごとに、繰り返し、不整合カウンタリセット判定処理におけるステップS794の処理で不整合カウンタINCCに値0を強制的にセット、つまり強制的にリセットすることによって、上述した数百万分の1という確率で発生する不整合カウンタINCCのインクリメントを無効化している。これにより、払出検知センサ591の異常や、払出検知センサ591からの払出制御基板633まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等が生じていないにもかかわらず、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライエラー情報を払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)することを防止することができる。
なお、払出検知センサ591を意図的に非作動状態とすることによって、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出回転体の凹部に受け止められて払い出された遊技球を検出困難として上述したリトライ動作を強制的に発生させ、このリトライ動作によって払い出される遊技球を不正に獲得する不正行為が行われても、払出検知センサ591を意図的に短時間繰り返し非作動状態とする場合では、上述したように、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上となると、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDが発光するため、ホールの店員等がパチンコ機1の状態を確認するために駆け付けることとなる。そうすると、不正行為を行う遊技者は、その行為が発見されないように中断せざるを得なくなり、不正行為による不正な遊技球を継続して獲得することができない。一方、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上とならないよう払出検知センサ591を意図的に長時間繰り返し非作動状態する場合では、7000s(約2時間)ごとに、不整合カウンタINCCがリセットされるものの、この間に、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数は、上述したように、不整合カウンタINCCが不整合しきい値INCTHまでであり、払出検知センサ591を意図的に長時間繰り返し非作動状態としても、不正行為を行う遊技者が獲得できる遊技球の球数を極めて少なくすることができる。
[15−11.エラー解除操作判定処理]
次に、エラー解除操作判定処理について説明する。このエラー解除操作判定処理では、図124に示した操作スイッチ954が操作されているか否かを判定する。
エラー解除操作判定処理が開始されると、払出制御基板633における払出制御部633aでは、払出制御プログラムが、払出制御MPU952aの制御の下、図143に示すように、操作スイッチ954がエラー解除するために操作されているか否かを判定する(ステップS800)。この判定は、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS550のポート入力処理で操作スイッチ954からの操作信号に基づいて行われる。具体的には、その操作信号は入力情報として上述した払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS800では、払出制御プログラムが、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がHIであるときにはエラー解除を行うことを指示するものではないと判断して操作スイッチ954が操作されていないと判定する一方、操作スイッチ954からの操作信号の論理値がLOWであるときにはエラー解除を行うことを指示するものであると判断して操作スイッチ954が操作されていると判定する。
ステップS800で操作スイッチ954が操作されていないときには、払出制御プログラムは、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS800で操作スイッチ954が操作されているときには、払出制御プログラムは、エラーフラグ状態確認処理を行う(ステップS802)。このエラーフラグ状態判定処理では、払出装置580に関する各種エラー情報に対応するエラーフラグの状態を確認する。例えば、リトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGの状態を確認する。
このリトライエラーフラグRTERR−FLGは、上述したように、リトライ動作が異常動作しているとき値1、リトライ動作が異常動作していないとき(リトライ動作が正常動作している)とき値0にそれぞれ設定されるため、払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御の下、リトライエラーフラグRTERR−FLGの値が値0であるか、又は値1であるか、を確認している。
ステップS802に続いて、払出制御プログラムが状態情報設定処理を行う(ステップS804)。この状態情報設定処理では、ステップS802で確認したエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグに対応する状態情報を、上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)する。これにより、図130に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理で、上記状態情報記憶領域から各種情報(状態情報)を読み出し、この読み出した状態情報に基づいて状態コマンドを作成して主制御基板1310に送信することとなる。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライエラー情報を、払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域にセット(記憶)すると、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS566のコマンド送信処理で、リトライエラーの状態コマンドを作成して主制御基板1310に送信することとなる。
なお、リトライエラー情報を受信した主制御基板1310は、メイン制御プログラムが、図127に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で周辺制御基板1510に送信し、周辺制御基板1510では、サブ制御プログラムが、リトライ動作にエラーが生じている旨を伝えるリトライ動作エラー報知処理を行う。このリトライ動作エラー報知処理では、「賞球ユニットを確認してください。」、そして「払出制御基板のハーネスを確認してください。」のリトライ動作のエラー報知アナウンスを、所定回数(本実施形態では、2回。)繰り返し図91に示したスピーカ921及び図88に示した上部スピーカ573から流れることによって、ホールの店員等に報知するようになっている。このリトライ動作のエラー報知アナウンスを聞いたホールの店員等は、図124に示した払出検知センサ591の異常や、払出検知センサ591からの払出制御基板633まで亘る各種ハーネスの断線、各種コネクタの接触不良等を、スピーカ921及び上部スピーカ573からリトライ動作のエラー報知アナウンスが流れない場合と比べると、極めて早く確認することができる。またリトライ動作エラー報知処理では、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDを所定の色(本実施形態では、赤色)で発光させている。
ステップS804に続いて、払出制御プログラムが解除設定処理を行う(ステップS806)。この解除設定処理では、ステップS802で確認した各種エラー情報に対応するエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグに対応するエラーがすでに払出制御基板633に実装されているセグメント表示器であるエラーLED表示器860bによって表示されている内容を強制的に停止したり、球貸しができる状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、上述したPRDY信号の論理をHI、つまり立ち上げた状態を保持し、払出制御部633aの払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力したりする。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、すでにエラーLED表示器860bによって表示されている「リトライエラー」である旨を報知する数字「5」を強制的に停止するために、上述した払出制御内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶されているリトライエラー情報を、「正常」である旨を報知する図形「−」が表示される情報に強制的に上書きする。また、球貸しができる状態となっている旨をCRユニット6に伝えるために、PRDY信号の論理をHI、つまり立ち上がった状態を保持し、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。
ステップS806に続いて、払出制御プログラムがエラーフラグ初期化処理を行い(ステップS808)、このルーチンを終了する。このエラーフラグ初期化処理では、ステップS802で確認した各種エラー情報に対応するエラーフラグに基づいて、エラーフラグの状態が、エラーが生じている旨を示すものである場合には、そのエラーフラグを初期化する。例えば、上述したリトライ動作が異常動作しているか否かを示すリトライエラーフラグRTERR−FLGが値1であるとき、つまりリトライ動作が異常動作しているときには、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値0をセットして初期化する。このとき、上述した、PRDY信号の論理をHI、つまり立ち上がった状態を保持し、このPRDY信号の論理の状態をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。これにより、図127の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理で、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報、つまり論理がLOWであるPRDY信号を、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に出力する。
このように、リトライエラーフラグRTERR−FLGは、図141に示したリトライ動作監視処理におけるステップS780の判定で、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTH以上であるときには、この内的要因が発生したことを契機として同処理のステップS786の処理でリトライエラーフラグRTERR−FLGに値1がセットされる一方、操作スイッチ954が操作されると、これを契機として、つまりこの外的要因が発生したことを契機としてリトライエラーフラグRTERR−FLGに値0がセットされて初期化されるようになっている。なお、リトライエラーフラグRTERR−FLGは、電源投入時において操作スイッチ954がRAMクリアするために操作されると、これを契機として、つまり操作スイッチ954がエラーを解除するためにRAMクリアするために操作スイッチ954が操作された場合と同様に、この外的要因が発生したことを契機として初期化されるようになっている。
以上のようにパチンコ機1は、本来、払出動作に関して発生したエラーを解除するために使用されるはずであった操作スイッチ954(操作スイッチ)を、電源投入時から主制御側メイン処理が実行されるまでの所定時間に亘って、その代わりに、主制御内蔵RAM(遊技記憶部)及び払出制御内蔵RAM(払出記憶部)の初期化を開始させるためのRAMクリア機能を発揮させるための操作部として機能させている。またこのパチンコ機1は、当該所定時間の経過後に、この操作スイッチ954を、遊技球の払出動作に関して発生したエラーを解除するための操作部として機能させている。ここで、ホール店員が仮にパチンコ機の操作に慣れていない者であっても、遊技機の背面における操作スイッチ954の位置さえ覚えていれば、この操作スイッチ954を操作したタイミングに応じて、それが電源投入時から所定時間を経過していれば、遊技球の払出動作に関して発生したエラーを解除する機能を発揮させる一方、操作スイッチ954を操作したタイミングに応じて、それが電源投入時から所定時間内であれば、記憶部を初期化する機能を発揮させることができる。従って、ホール店員は、このような遊技機においてエラーが発生した場合でも、エラー対応時におけるスイッチ操作の効率化が図られてスイッチ操作に迷うことなく適切に対処することができるため、遊技が中断された遊技者が遊技意欲を損なう前に遊技を再開させることができる。
[15−12.CRユニットとの各種信号のやり取り]
次に、図127の払出制御部電源投入時処理の払出制御部メイン処理におけるステップS554のCR通信処理についてタイミングチャートを用いて説明する。このCR通信処理では、図125に示した、払出制御基板633とCRユニット6との各種信号のやり取りを行う。まず、球貸しによる払出動作時の信号処理について説明し、続けてCRユニット6からの入力信号確認処理について説明する。ここでは、金額として200円分の遊技球の球数(本実施形態では、50球であり、金額として100円分の25球の払出動作を2回行っている。)を貸球数として、、上皿321や下皿322に払い出す場合について説明する。なお、CRユニット6からのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号は、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの読み出した入力情報に記憶されているものであり、CR通信処理は、割り込みタイマ周期である2msごとに、入力情報からBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号の論理の状態を確認している。
[15−12−1.球貸しによる払出動作時の信号処理]
払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPU952aは、払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、貸球を払い出すための払出動作が可能状である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、図144(d)に示すように、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理をHIとして、つまり立ち上げて保持して払出制御部633aの払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH0)。この状態で、例えば遊技者によって球貸ボタン328が押圧操作されると、球貸ボタン328のスイッチが入る(ONする)ようになっており、この球貸操作信号が図125に示したTDSとして度数表示板365から遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力される。このTDSが入力されたCRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出すため、図144(a)に示すように、貸球要求信号であるBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板633(払出制御MPU952a)に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH1)。このBRDYは、BRDY信号として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
このBRDY信号が入力された払出制御MPU952aは、払出制御プログラムが、図144(b)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HA(本実施形態では、20ミリ秒(ms)〜58msに設定されている。)が経過するまでに、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQが立ち上がるか否かを監視する。
CRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数のうち、まず100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出すため、図144(b)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HAが経過するまでに、BRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH2)。このBRQは、BRQ信号として払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
払出制御MPU952aは、図144(c)に示すように、タイミングH1から貸出要望監視時間HAが経過するまでにBRQ信号が立ち上がると、タイミングH2からBRQ要望了解ACK監視時間HB(本実施形態では、20ms±1msに設定されている。)が経過するまでに、1回の払出動作を開始した旨を伝えるために、EXS信号の論理をHIとして、つまり立ち上げた状態を保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH3)。
このEXSが入力されたCRユニット6は、図144(b)に示すように、タイミングH3から貸出指示監視時間HC(本実施形態では、20ms〜58msに設定されている。)が経過するまでに、タイミングH2から立ち上げて保持したBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板633に出力し、その信号を立ち下げて保持する(タイミングH4)。
払出制御MPU952aは、図144(c)に示すように、タイミングH4から払出監視時間HD(本実施形態では、球払出時間に設定されている。)が経過するまでに、1回の払出動作を行って所定の貸球数だけ、つまり100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出す。そして払出監視時間HDが経過すると、タイミングH3から立ち上げて保持したEXS信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH5)。
CRユニット6は、金額として200円分の遊技球の球数のうち、残り100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出すため、図144(b)に示すように、タイミングH5から次要求確認タイミングHE(本実施形態では、最大268msに設定されている。)が経過するまでに、BRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板633(払出制御MPU952a)に出力し、その信号を立ち上げて保持する(タイミングH6)。
払出制御MPU952aは、上述した方法を用いて同様に、残り100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出すと、図144(c)に示すように、立ち上げて保持したEXS信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH7)。
CRユニット6は、タイミングH7からCRユニット貸出完了監視時間HF(本実施形態では、最大268msに設定されている。)が経過するまでに、図144(a)に示すように、タイミングH1から立ち上げて保持したBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板633(払出制御MPU952a)に出力し、その信号を立ち下げて保持する(タイミングH8)。
上述した、貸出要望監視時間HA、BRQ要望了解ACK監視時間HB、貸出指示監視時間HC、払出監視時間HD、次要求確認タイミングHE、CRユニット貸出完了監視時間HFは、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で計時されている。
なお、払出制御MPU952aは、球切れ、球がみ、払出検知センサエラー、リトライエラー、満タン等が生じているとき場合には、CRユニット6と通信中でないとき(CRユニット6からのBRDYの論理がLOW、つまり立ち下がって保持されているとき)には、図144(d)に示すように、タイミングH1から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングH9)。一方、CRユニット6と通信中であるとき(CRユニット6からのBRDYの論理がHI、つまり立ち上がって保持されているとき)には、図示しないが、EXS信号の論理の状態を維持し、払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する。「EXS信号の論理の状態を維持」とは、EXS信号の論理がLOWである(EXS信号が立ち下がって保持されている)ときにはその論理LOWを維持し、EXS信号の論理がHIである(EXS信号が立ち上がっている保持されている)ときにはその論理HIを維持することである。
このように、CRユニット6は、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPU952aと各種信号のやり取りを行い、払出制御MPU952aが金額として200円分の遊技球の球数を、金額として100円分の25球の払出動作を2回行うことによって、貸球数が50球となる遊技球を上皿321や下皿322に払い出している。なお、CRユニット6の正面側に設けられている、図示しない設定部をホールの店員等が操作して、例えば、金額として100円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出すように設定した場合には、払出制御MPU952aが金額として100円分の25球の払出動作を1回行い、金額として500円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出すように設定した場合には、払出制御MPU952aが金額として100円分の25球の払出動作を5回行い、金額として1000円分の遊技球の球数を貸球数として上皿321や下皿322に払い出すように設定した場合には払出制御MPU952aが金額として100円分の25球の払出動作を10回行うこととなる。
[15−12−2.CRユニットからの入力信号確認処理]
払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPU952aは、上述した貸出要望監視時間HAが経過しても、CRユニット6がBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板633に出力し、その信号を立ち上げていない場合や、上述した貸出指示監視時間HCが経過しても、CRユニット6がBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板633に出力し、その信号を立ち下げていない場合や、上述した次要求確認タイミングHEが経過しても、CRユニット6がBRQを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板633に出力し、その信号を立ち上げていない場合や、上述したCRユニット貸出完了監視時間HFが経過しても、CRユニット6がBRDYを、CRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板633に出力し、その信号を立ち下げていない場合には、上述した、PRDY及びEXSを用いて、BRQ及びBRDYが正常であるか否かの確認を行う。具体的には、払出制御MPU952aは、図144(e),(f)に示すように、BRQ及びBRDYが正常でないと判断すると(タイミングJ0)、このタイミングJ0から所定期間JA(本実施形態では、200ms±1msに設定されている。)の経過後に、PRDY信号の論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態を保持して払出制御部633aの払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力し、EXS信号の論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態を保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、EXSとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ1)。
続いて払出制御MPU952aは、タイミングJ1から所定期間JB(本実施形態では、200ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ1から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ2)。
続いて払出制御MPU952aは、タイミングJ2から所定期間JC(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ2から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ3)。
続いて払出制御MPU952aは、タイミングJ3から所定期間JD(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ3から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ4)。
続いて払出制御MPU952aは、タイミングJ4から所定期間JE(本実施形態では、100ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ4から立ち上げて保持したPRDY信号を、その論理をLOWとして、つまり立ち下げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ5)。
続いて払出制御MPU952aは、タイミングJ5から所定期間JF(本実施形態では、10000ms±1msに設定されている。)の経過後に、タイミングJ5から立ち下げて保持したPRDY信号を、その論理をHIとして、つまり立ち上げた状態に保持して払出制御MPU952aの所定の出力ポートの出力端子から出力し、PRDYとして、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力する(タイミングJ6)。
上述した、所定期間JA〜所定期間JFは、図127に示した払出制御部電源投入時処理(払出制御部メイン処理)におけるステップS552のタイマ更新処理で計時されている。
[16.周辺制御基板の各種制御処理]
次に、図102に示した、主制御基板1310(主制御MPU1310a)から各種コマンドを受信する周辺制御基板1510の各種処理について、図145〜図153を参照して説明する。図145は周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図146は周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図147は周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図148は周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図149は周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図150はLOCKN信号履歴作成処理の一例を示すフローチャートであり、図151は接続異常判定処理の一例を示すフローチャートであり、図152は接続回復処理の一例を示すフローチャートであり、図153は扉枠側演出用トランスミッタICのINIT端子に対して接続確認信号を出力するタイミングを説明するタイミングチャートである。
周辺制御基板1510は、図105に示したように、周辺制御部1511と液晶表示制御部1512とから構成されており、ここでは、周辺制御部1511の各種制御処理について説明する。まず、周辺制御部電源投入時処理について説明し、続いて周辺制御部Vブランク割り込み処理、周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、周辺制御部停電予告信号割り込み処理、LOCKN信号履歴作成処理、接続異常判定処理、接続回復処理について説明する。LOCKN信号履歴作成処理は、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1110の描画状態情報取得処理の一処理として実行され、接続異常判定処理及び接続回復処理は、後述する周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行され、接続異常判定処理に続いて接続回復処理が実行されるようになっている。なお、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部停電予告信号割り込み処理が最も高く設定され、続いて周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、そして周辺制御部Vブランク割り込み処理という順番に設定されている。
[16−1.周辺制御部の各種制御処理]
[16−1−1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図145を参照して説明する。パチンコ機1に電源が投入されると、図105に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図145に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、演出制御プログラムが周辺制御MPU1511aの制御の下、初期設定処理を行う(ステップS1000)。この初期設定処理では、演出制御プログラムが、周辺制御MPU1511a自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理等を行う。周辺制御MPU1511aは、まず自身を初期化する処理を行うが、この周辺制御MPU1511aを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御MPU1511aを初期化することができる。これにより、周辺制御MPU1511aは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板1310から出力される、図122及び図102に示した、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。
ホットスタート/コールドスタートの判定処理では、図106に示した周辺制御RAM1511cついては、そのバックアップ第1エリア1511cbにおける、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1fr)を比較するとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1ms)を比較し、そのバックアップ第2エリア1511ccにおける、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1fr)を比較するとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(1ms)を比較し、この比較した内容が一致しているときには図127に示した周辺制御RAM1511cの通常使用する記憶領域である、Bank0(1fr)に対してBank1(1fr)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(1fr)と、Bank0(1ms)に対してBank1(1ms)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(1ms)と、をそれぞれコピーバックしてホットスタートとする一方、比較した内容が一致していないとき(つまり、不一致であるとき)には周辺制御RAM1511cの通常使用する記憶領域である、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)に対してそれぞれ値0を強制的に書き込んでコールドスタートとする。
またホットスタート/コールドスタートの判定処理では、図106に示した周辺制御SRAM1511dについても、そのバックアップ第1エリア1511dbにおける、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(SRAM)を比較するとともに、そのバックアップ第2エリア1511dcにおける、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)にバックアップされている内容である演出バックアップ情報(SRAM)を比較する。この比較した内容が一致しているときには図127に示した周辺制御SRAM1511dの通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に対してBank0(SRAM)に記憶されている内容である演出バックアップ情報(SRAM)をコピーバックしてホットスタートとする一方、比較した内容が一致していないとき(つまり、不一致であるとき)には周辺制御SRAM1511dの通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に対して値0を強制的に書き込んでコールドスタートとする。このようなホットスタート又はコールドスタートに続いて、図127に示した周辺制御RAM1511cのバックアップ非管理対象ワークエリア1511cfに対して値0を強制的に書き込んでゼロクリアする。そして周辺制御MPU1511aは、この初期化設定処理を行った後に、図127に示した周辺制御内蔵WDT1511afと、図105に示した周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1000に続いて、演出制御プログラムは現在時刻情報取得処理を行う(ステップS1002)。この現在時刻情報取得処理では、図105に示したRTC制御部4165のRTC41654aのRTC内蔵RAM4165aaから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して、図127に示した周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadに、現在のカレンダー情報としてカレンダー情報記憶部にセットするとともに、現在の時刻情報として時刻情報記憶部にセットする。また、現在時刻情報取得処理では、液晶表示装置の輝度設定処理も行う。この液晶表示装置の輝度設定処理では、周辺制御MPU1511aがRTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得して、この取得した輝度設定情報に含まれるLEDの輝度となるように、演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する処理を行う。輝度設定情報は、上述したように、演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものである。
液晶表示装置の輝度設定処理では、具体的には、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されている輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaに記憶されている輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が80%で演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。なお、この液晶表示装置の輝度設定処理では、上述した、演出表示装置1600の使用時間に応じて演出表示装置1600の輝度を補正するための輝度補正プログラムと同様な補正が全く行われないようになっている。これは、この液晶表示装置の輝度設定処理に輝度補正プログラムと同様な補正プログラムが組み込まれることにより、液晶表示装置の輝度設定処理が実行されるごとに、LEDの輝度が100%に向かって補正されるのを防止するためである。
本実施形態では、周辺制御MPU1511aがRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報と時刻情報とを取得するのは、電源投入時の1回のみとなっている。また周辺制御MPU1511aは、この現在時刻情報取得処理を行った後に、周辺制御内蔵WDT1511afと周辺制御外部WDT1511eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1002に続いて、演出制御プログラムは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットする(ステップS1006)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB−FLGは、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP1512aから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。このステップS1006では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットすることによりVブランク信号検出フラグVB−FLGを一度初期化している。また周辺制御MPU1511aは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットした後に、周辺制御内蔵WDT1511afと周辺制御外部WDT1511eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1006に続いて、演出制御プログラムは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1008)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1でない(値0である)ときには、再びステップS1008に戻ってVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを繰り返し判定する。このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。また周辺制御MPU1511aは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定した後に、周辺制御内蔵WDT1511afと周辺制御外部WDT1511eとにクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行するときには、まず定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットする(ステップS1009)。この定常処理中フラグSP−FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1009に続いて、演出制御プログラムは1ms割り込みタイマ起動処理を行う(ステップS1010)。この1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理で更新される。
ステップS1010に続いて、演出制御プログラムは、ランプデータ出力処理を行う(ステップS1012)。このランプデータ出力処理では、演出制御プログラムが図105に示したランプ駆動基板4170へのDMAシリアル連続送信を行う。ここでは、図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用してランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。このランプ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、図127に示した周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御RAM1511cのランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaに、図8に示した遊技盤5に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATが後述するランプデータ作成処理で作成されてセットされた状態となっている。
図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの先頭アドレスに格納された遊技盤側発光データSL−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaに格納された残りの遊技盤側発光データSL−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側発光クロック信号SL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
またランプデータ出力処理では、演出制御プログラムが、図105に示した枠装飾駆動アンプ基板194へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでも、周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用して枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート連続送信を行う。この枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、図127に示した周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御RAM1511cの枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabに、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATが後述するランプデータ作成処理で作成されてセットされた状態となっている。
周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因に枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信を指定し、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの先頭アドレスに格納された扉側発光データSTL−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側発光クロック信号STL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabに格納された残りの扉側発光データSTL−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側発光クロック信号STL−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
ステップS1012に続いて、演出制御プログラムは、演出操作ユニット監視処理を行う(ステップS1014)。この演出操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における演出操作ユニット情報取得処理において、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて操作ボタン410の操作等を取得した各種情報がセットされる図106に示した周辺制御RAM1511cの演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiに基づいて、操作ボタン410の操作有無を監視し、操作ボタン410の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。
ステップS1014に続いて、演出制御プログラムは、表示データ出力処理を行う(ステップS1016)。この表示データ出力処理では、後述する表示データ作成処理で音源内蔵VDP1512aの内蔵VRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを音源内蔵VDP1512aが図107に示したチャンネルCH1,2から演出表示装置1600に出力する。これにより、演出表示装置1600にさまざまな画面が描画される。なお、表示データ出力処理では、音源内蔵VDP1512aの描画能力を超える描画を行った場合には、生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを演出表示装置1600に出力することをキャンセルするようになっている。これにより、処理時間の遅れを防止することができるが、いわゆるコマ落ちが発生することとなるものの、ステップS1012のランプデータ出力処理による、図8に示した遊技盤5に設けた各種装飾基板の複数のLED、及び扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDによる演出と、後述する音データ出力処理による、図5に示したスピーカ921及び図2に示した上部スピーカ573から各種演出に合わせた音楽や効果音等による演出と、の同期を優先することができる仕組みとなっている。
ステップS1016に続いて、演出制御プログラムは、音データ出力処理を行う(ステップS1018)。この音データ出力処理では、演出制御プログラムが、後述する音データ作成処理で音源内蔵VDP1512aに設定された音楽及び効果音等の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力したり、音楽及び効果音のほかに報知音や告知音の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力したりする。このオーディオデータ送信IC1512cは、音源内蔵VDP1512aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータを、プラス信号及びマイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するとともに、左側オーディオデータを、プラス信号及びマイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信する。これにより、スピーカ921及び上部スピーカ573から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されたりするほかに報知音や告知音もステレオ再生されたりする。
ステップS1018に続いて、演出制御プログラムはスケジューラ更新処理を行う(ステップS1020)。このスケジューラ更新処理では、演出制御プログラムが図127に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた各種スケジュールデータを更新する。例えば、スケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、先頭の発光データから何番目の発光データを各種LEDの発光態様とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、音楽や効果音等の音データ、報知音や告知音の音データを指示する音指令データのうち、先頭の音指令データから何番目の音指令データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、先頭の駆動データから何番目の駆動データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるモータ及びソレノイド駆動処理では、ポインタが指示する駆動データに従ってモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、モータ及びソレノイド駆動処理において更新したポインタの指示する駆動データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、モータ及びソレノイド駆動処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの駆動データから他の駆動データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において強制的に本来指示するはずの駆動データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
ステップS1020に続いて、演出制御プログラムは、受信コマンド解析処理を行う(ステップS1022)。この受信コマンド解析処理では、演出制御プログラムが、演出表示駆動基板4450から周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して送信された情報や、主制御基板1310から送信された各種コマンドを、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理(コマンド受信手段)において受信した各種コマンドの解析を行う(コマンド解析手段)。演出制御プログラムは、演出表示駆動基板4450から周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して送信された情報に基づいて、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットする。また、演出制御プログラムは、この周辺制御部コマンド割り込み処理で受信された主制御基板1310からのコマンドが、例えば、始動口入賞演出の開始を指示するための始動口入賞コマンド、普通図柄の保留数(0〜4個)を識別するための普通図柄記憶コマンド、図柄同調演出の開始を指示するための図柄同調演出開始コマンド、始動保留数が変化すると出力される図柄記憶コマンド、大入賞口2005に遊技球が受け入れられる度に出力された大入賞口1カウント表示コマンド(大入賞口カウントコマンド)、または、図102に示される満タンという内容を示す枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンド、満タンエラー発生コマンド)であるか否かを解析し(コマンド解析手段)、現在、どの遊技状態であるかを認識する。また、この演出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、この周辺制御部コマンド受信割り込み処理によって受信されたコマンドが本体枠開放コマンド、本体枠閉鎖コマンド、扉開放コマンドまたは扉枠閉鎖コマンドであるか否かを解析する。主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて図106に示した周辺制御RAM1511cの受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されるようになっており、受信コマンド解析処理では、演出制御プログラムが、受信コマンド記憶領域1511cacに記憶された各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、図122に示した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、図102に示した、報知表示に区分される各種コマンド、上述した扉枠開放コマンド、扉枠閉鎖コマンド、本体枠開放コマンド及び本体枠閉鎖コマンド並びにエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンドに相当)及び枠状態1コマンド(第2のエラー発生コマンドに相当)などの状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。
ステップS1022に続いて、演出制御プログラムが警告処理を行う(ステップS1024)。この警告処理では、さらに、演出制御プログラムが、上述のようにステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、図102に示した報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための異常表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットする。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
またさらに、この警告処理では、電源投入時から所定時間が経過した後に、演出制御プログラムが、上述した受信コマンド解析処理(ステップS1022)において解析したコマンドが、図102に示した状態表示に区分される各種コマンド、例えばエラー解除ナビコマンド(第2のエラー解除コマンド)である場合、演出動作に伴う通常の演出態様とは異なる態様で液晶表示制御部1512を制御することにより、例えば、演出表示装置1600(演出装置)、(演出装置)、ランプ(演出装置)を用いて視覚的に外部に警告したり、スピーカを用いて聴覚的に外部に警告する(エラー報知手段)。このようにすると、悪意のある遊技者が、遊技状態であるにも拘わらず払出制御基板633の操作スイッチ954を操作することにより主制御基板1310にエラー解除ナビコマンドを入力しようと試行した際に、パチンコ機1が外部に警告を行う構成となっているため、遊技の進行に影響を及ぼしかねない主制御基板1310に対する不正行為が抑止されるようになる。
次に、上述したステップS1024に続いて、演出制御プログラムはRCT取得情報更新処理を行う(ステップS1026)。このRTC取得情報更新処理では、演出制御プログラムが、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得して図127に示した周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにセットした、カレンダー情報記憶部に記憶されたカレンダー情報と時刻情報記憶部に記憶された時刻情報とを更新する。このRCT取得情報更新処理により、時刻情報記憶部に記憶される時刻情報である時分秒が更新され、この更新される時刻情報に基づいてカレンダー情報記憶部に記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
ステップS1026に続いて、演出制御プログラムはランプデータ作成処理を行う(ステップS1028)。このランプデータ作成処理では、この演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、そのポインタが指示する発光データに基づいて、図8に示した遊技盤5に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成するとともに、図127に示した周辺制御RAM1511cのランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaにセットするとともに、扉枠3に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成して、図127に示した周辺制御RAM1511cの枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabにセットする。
ステップS1028に続いて、演出制御プログラムは表示データ作成処理を行う(ステップS1030)。この表示データ作成処理では、演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。音源内蔵VDP1512aは、周辺制御MPU1511aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM1512bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して演出表示装置1600に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上に生成する。
ステップS1030に続いて、演出制御プログラムは音データ作成処理を行う(ステップS1032)。この音データ作成処理では、演出制御プログラムが、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。音源内蔵VDP1512aは、周辺制御MPU1511aから音指令データが入力されると、液晶及び音制御ROM1512bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。
なお、音データ作成処理では、この音データ作成処理を行うごとに(つまり、周辺制御部定常処理を行うごとに)、図127に示した周辺制御A/Dコンバータ1511akを起動し、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理しており、基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aを制御して、上述したステップS1018の音データ出力処理で音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力することにより、スピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が流れるようになっている。
また、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aを制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合であっても、スピーカ921及び上部スピーカ573から流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に異常が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が異常の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて演出表示装置1600で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
ステップS1032に続いて、演出制御プログラムはバックアップ処理を行う(ステップS1034)。このバックアップ処理では、演出制御プログラムが、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbと、バックアップ第2エリア1511ccと、にそれぞれコピーしてバックアップするとともに、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbと、バックアップ第2エリア1511dcと、にそれぞれコピーしてバックアップする。
具体的には、バックアップ処理では、周辺制御RAM1511cについて、図127に示した、バックアップ対象ワークエリア1511caにおける、1フレーム(1frame)ごとに、つまり周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(1fr)に含まれる、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cab、受信コマンド記憶領域1511cac、RTC情報取得記憶領域1511cad、及びスケジュールデータ記憶領域1511caeに記憶されている内容である演出情報(1fr)を、演出バックアップ情報(1fr)として、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(1fr)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)へのコピーを指定し、Bank0(1fr)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
またバックアップ処理では、周辺制御SRAM1511dについて、図127に示した、バックアップ対象ワークエリア1511daにおける、1フレーム(1frame)ごとに、つまり周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(SRAM)に記憶されている内容である演出情報(SRAM)を、演出バックアップ情報(SRAM)として、バックアップ第1エリア1511dbのBank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511dcのBank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(SRAM)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbのBank1(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511dbのBank1(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbのBank2(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511dbのBank2(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511dcのBank3(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511dcのBank3(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(SRAM)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511dcのBank4(SRAM)へのコピーを指定し、Bank0(SRAM)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(SRAM)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511dcのBank4(SRAM)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
ステップS1034に続いて、WDTクリア処理を行う(ステップS1036)。このWDTクリア処理では、周辺制御内蔵WDT1511afと、周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにしている。
ステップS1036に続いて、演出制御プログラムが、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1006に戻り、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットして初期化し、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理においてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで、ステップS1008の判定を繰り返し行う。つまりステップS1008では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで待機し、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を行い、再びステップS1006に戻る。このように、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を行うようになっている。ステップS1009〜ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。
この周辺制御部定常処理は、演出制御プログラムが、まずステップS1009で周辺制御部定常処理を実行中であるとして定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることから開始し、ステップS1010で1ms割り込みタイマ起動処理を行い、ステップS1012、ステップS1014、・・・、そしてステップS1036の各処理を行って最後にステップS1038において周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすると、完了することとなる。周辺制御部定常処理は、ステップS1008でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるときに実行される。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP1512aから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[16−1−2.周辺制御部Vブランク信号割り込み処理]
次に、図105に示した、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aから入力されたことを契機として実行する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部Vブランク信号割り込み処理が開始されると、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図125に示すように、定常処理中フラグSP−FLGが値0であるかを判定する(ステップS1045)。この定常処理中フラグSP−FLGは、上述したように、図145の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1009〜ステップS1038の周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり周辺制御部定常処理を実行中であるときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したときには、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットし(ステップS1050)、このルーチンを終了する。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。
本実施形態では、ステップS1045で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定し、周辺制御部定常処理を実行完了したときにはステップS1050でVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットするようになっているが、これは、周辺制御部定常処理を実行中であるときに、Vブランク信号が入力されてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットすると、図145の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008の判定で周辺制御部定常処理を実行するものとして、現在実行中の周辺制御部定常処理を途中で強制的にキャンセルして周辺制御部定常処理を最初から実行開始するため、これを防止する目的で、図145の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1009で定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることで周辺制御部定常処理を実行中である旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えるとともに、図145の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1038で定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすることで周辺制御部定常処理を実行完了した旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えることにより、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理におけるステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定するようになっている。換言すると、Vブランク信号が入力されて次のVブランク信号が入力されるまでに周辺制御部定常処理を実行完了することができず、いわゆる処理落ちした場合の処置である。
これにより、今回の周辺制御部定常処理においては、約33.3msという時間でその処理を完了できず処理落ちした場合には、図145の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008の判定で次回のVブランク信号が入力されるまで待機する状態となる。つまり、処理落ちした今回の周辺制御部定常処理を実行するための時間が約66.6msとなる。通常、図145の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理は1回の周辺制御部定常処理に対して32回だけ実行されるものの、上述した処理落ちした今回の周辺制御部定常処理が存在する場合には、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が64回ではなく、32回だけ実行されるようになっている。つまり、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても演出の進行状態を確実に整合させることができる。
[16−1−3.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図145の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、図105に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図147に示すように、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。この1msタイマ割り込み実行回数STNは、上述したように、図145の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンタである。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。具体的には、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマが起動されると、まず1回目の1msタイマ割り込みが発生し、2回目、・・・、そして32回目の1msタイマ割り込みが順次発生することとなる。
ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了する。33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部1msタイマ割り込み処理の方が周辺制御部Vブランク割り込み処理と比べて高く設定されているものの、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルするようになっている。換言すると、本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。そして、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。
一方、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいときには、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1102)。この1msタイマ割り込み実行回数STNに値1が足されることにより、図145の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
ステップS1102に続いて、モータ及びソレノイド駆動処理を行う(ステップS1104)。このモータ及びソレノイド駆動処理では、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、図105に示した、枠装飾駆動アンプ基板194及びモータ駆動基板4180のモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。
具体的には、モータ及びソレノイド駆動処理では、枠装飾駆動アンプ基板194へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでは、図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用して枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート連続送信を行う。この枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、まず周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに基づいて、演出操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成するとともに、図127に示した周辺制御RAM1511cの枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafにセットする。そして周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因に枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信を指定し、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの先頭アドレスに格納された扉側モータ駆動データSTM−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側モータ駆動クロック信号STM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafに格納された残りの扉側モータ駆動データSTM−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、扉側モータ駆動クロック信号STM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
またモータ及びソレノイド駆動処理では、モータ駆動基板4180へのDMAシリアル連続送信処理を行う。ここでも、図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御DMAコントローラ1511acを利用してモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信を行う。このモータ駆動基板用シリアルI/Oポート連続送信が開始されるときには、まず周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに基づいて、図8に示した遊技盤5に設けられる各種可動体を可動させるためのモータやソレノイドへの駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して作成するとともに、図127に示した周辺制御RAM1511cのモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagにセットする。そして周辺制御MPU1511aの周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にモータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信を指定し、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの先頭アドレスに格納された遊技盤側モータ駆動データSM−DATのうちの最初の1バイトを、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込む。これにより、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始する。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信割り込み要求が発生するごとに、これを契機として(本実施形態では、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに書き込まれた1バイトのデータが送信シフトレジスタに転送され、その送信バッファレジスタに1バイトのデータがなくなって空となったことを契機としている。)、周辺制御CPUコア1511aaがバスを使用していない場合に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagに格納された残りの遊技盤側モータ駆動データSM−DATを1バイトずつ、外部バス1511h、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの送信バッファレジスタに転送して書き込むことで、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートは、この書き込まれた送信バッファレジスタのデータを送信シフトレジスタに転送し、遊技盤側モータ駆動クロック信号SM−CLKと同期して送信シフトレジスタの1バイトのデータを、1ビットずつ送信開始し、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートによる連続送信を行っている。
ステップS1104に続いて、可動体情報取得処理を行う(ステップS1106)。この可動体情報取得処理では、遊技盤5に設けた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの可動体情報取得記憶領域1511cahにセットする。この可動体情報取得記憶領域1511cahにセットされる各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報から遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得することができる。
ステップS1106に続いて、演出操作ユニット情報取得処理を行う(ステップS1108)。この演出操作ユニット情報取得処理では、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、操作ボタン410の操作履歴情報など。)を作成し、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiにセットする。この演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiにセットされる各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報から操作ボタン410の操作有無を取得することができる。
ステップS1108に続いて、描画状態情報取得処理を行う(ステップS1110)。この描画状態情報取得処理では、図120に示した演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴情報を作成し、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの描画状態情報取得記憶領域1511cakにセットする。LOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。描画状態情報取得記憶領域1511cakにセットされるLOCKN信号の履歴情報から周辺制御基板1510と演出表示駆動基板4450との接続間における異常の頻度や異常の発生状態を取得しての描画状態を取得することができる。
ステップS1110に続いて、バックアップ処理を行い(ステップS1112)、このルーチンを終了する。このバックアップ処理では、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbと、バックアップ第2エリア1511ccと、にそれぞれコピーしてバックアップするとともに、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511dbと、バックアップ第2エリア1511dcと、にそれぞれコピーしてバックアップする。
具体的には、バックアップ処理では、周辺制御RAM1511cについて、図127に示した、バックアップ対象ワークエリア1511caにおける、1ms割り込みタイマが発生するごとに、つまり本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ対象となっているBank0(1ms)に含まれる、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cag、可動体情報取得記憶領域1511cah、及び演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiに記憶されている内容である演出情報(1ms)を、演出バックアップ情報(1ms)として、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(1ms)に記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank1(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank2(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank2(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank3(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1ms)に記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank4(1ms)へのコピーを指定し、Bank0(1ms)の先頭アドレスに格納された内容からBank0(1ms)の終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank4(1ms)の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
このように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msという期間内において、演出の進行として上述したステップS1104〜ステップS1108の演出に関する各種処理を実行している。これに対して、図145の周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msという期間内において、演出の進行として上述したステップS1012〜ステップS1032の演出に関する各種処理を実行している。周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが値33より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了するようになっているため、仮に、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合でも、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルし、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。つまり、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、演出の進行状態を確実に整合させることができる。
また、上述したように、Vブランク信号が出力される間隔は、演出表示装置1600の液晶サイズによって多少変化するし、周辺制御MPU1511aと音源内蔵VDP1512aとが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合もある。本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。つまり本実施形態では、Vブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合であっても、33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルすることによって、このVブランク信号が出力される間隔が多少変化することによる時間ズレを吸収することができるようになっている。
[16−1−4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、主制御基板1310からの各種コマンドを受信する周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。図105に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からの各種コマンドがシリアルデータとして送信開始されると、これを契機として主周シリアルデータを周辺制御MPU1511aに内蔵する主制御基板用シリアルI/Oポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、周辺制御部コマンド受信割り込み処理を行う。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されており、1バイト目としてステータスが割り振られ、2バイト目としてモードが割り振られ、3バイト目としてステータスとモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図127に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1200)。この1バイト受信期間タイマは、主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1200で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であるときには、周辺制御MPU1511aの内蔵する主制御基板用シリアルI/Oポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1202)、受信カウンタSRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1204)。この受信カウンタSRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、主周シリアルデータの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタSRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1204に続いて、受信カウンタSRXCが値3であるか否か、つまり主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1206)。この判定では、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1206で受信カウンタSRXCが値3でないとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、まだ主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1208)、このルーチンを終了する。ステップS1208で1バイト受信期間タイマがセットされることで、主周シリアルデータの2バイト目であるモード又は主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1206で受信カウンタSRXCが値3であるとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したときには、受信カウンタSRXCに初期値0をセットし(ステップS1210)、サム値を算出する(ステップS1212)。この算出は、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスと、主周シリアルデータの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1212に続いて、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1214)。ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値は、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値であるため、ステップS1212で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ機1は、パチンコ島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、パチンコ機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。そこで、本実施形態では、周辺制御部1511側において、受信した主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間において、主周シリアルデータがノイズの影響を受けて正規と異なる主周シリアルデータに変化したか否かを判定することができる。
ステップS1214で、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているときには、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとを、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの受信コマンド記憶領域1511cacに記憶し(ステップS1216)、このルーチンを終了する。この受信コマンド記憶領域1511cacは、リングバッファとして用いており、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとは、受信コマンド記憶領域1511cacの周辺制御部受信リングバッファに記憶される。この「周辺制御部受信リングバッファ」とは、バッファの最後と先頭が繋がっているように使われるバッファのことであり、バッファの先頭から順次データを記憶し、バッファの最後まできたら最初に戻って記憶する。なお、周辺制御MPU1511aは、ステップS1216で周辺制御部受信リングバッファに記憶する際に、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を対応付けて記憶しており、3バイト目として割り振られたサム値を破棄する。
一方、ステップS1200で1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えているときには、又はステップS1214で、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していないときには、そのままこのルーチンを終了する。
[16−1−5.周辺制御部停電予告信号割り込み処理]
次に、図111に示した、主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号(周辺停電予告信号)が主制御基板1310から入力されたことを契機として実行する周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されると、図105に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、まず2マイクロ秒タイマを起動し(ステップS1320)、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS1302)。この判定で停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されていないときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1302で停電予告信号が入力されているときには、2マイクロ秒経過したか否かを判定する(ステップS1304)。この判定では、ステップS1320で起動したタイマが2マイクロ秒経過した否かを判定している。ステップS1304で2マクロ秒経過していないときには、ステップS1302に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、停電予告信号が入力されていないときにはそのままこのルーチンを終了する一方、停電予告信号が入力されているときには、再びステップS1304で2マイクロ秒経過したか否かを判定する。つまりステップS1304の判定では、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているか否かを判定している。
ステップS1304で本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているときには、節電処理を行う(ステップS1306)。この節電処理では、演出表示装置1600のバックライトの消灯、遊技盤5に設けられるモータやソレノイドへの励磁OFF、各種LEDの消灯等を順次実行することによりパチンコ機1のシステム全体の消費電力を抑えることによって、パチンコ機1の電力が遮断されても周辺制御MPU1511aが動作可能な時間である20ミリ秒の期間だけ安定動作を確保している。
ステップS1306に続いて、コマンド受信待機処理を行う(ステップS1308)。このコマンド受信待機処理では、主制御基板1310が送信中の各種コマンドがある場合を想定して、送信中のコマンドを周辺制御MPU1511aが受信することができるように、少なくとも、17ミリ秒の期間だけ待機するようになっている。コマンドを受信すると、上述した、周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されて、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの受信コマンド記憶領域1511cac(周辺制御部受信リングバッファ)に受信したコマンドが記憶される。
ステップS1308に続いて、コマンドのバックアップ処理を行う(ステップS1310)。このコマンドのバックアップ処理では、図127に示した、バックアップ対象ワークエリア1511caにおけるBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーし、そしてバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acが高速にコピーする。
この周辺制御DMAコントローラ1511acによるBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容の高速コピーについて簡単に説明すると、図127に示した周辺制御MPU1511aの周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank1(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第1エリア1511cbのBank2(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
続いて、周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank3(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーし、そして周辺制御MPUコア1511aaが周辺制御DMAコントローラ1511acの要求要因にBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacに記憶されている内容を、バックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域へのコピーを指定し、Bank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの先頭アドレスに格納された内容からBank0(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域1511cacの終端アドレスに格納された内容までを、所定バイト(例えば、1バイト)ずつ連続してバックアップ第2エリア1511ccのBank4(1fr)に含まれる受信コマンド記憶領域の先頭アドレスから順番にすべてコピーする。
ステップS1310に続いて、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。この判定で停電予告信号が入力されているときには、WDTクリア処理を行う(ステップS1314)。このWDTクリア処理では、周辺制御MPU1511aは、図127に示した周辺制御内蔵WDT1511afと、図105に示した周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようにする。
一方、ステップS1312で停電予告信号が入力されていないとき、又はステップS1314に続いて、再びステップS1312に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。つまり、停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されているか否かを無限に判定し続けることとなる。このように無限に判定し続けることにより、ステップS1312で停電予告信号(周辺停電予告信号)が入力されていないときには、周辺制御MPU1511aは、周辺制御内蔵WDT1511afと、周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力することができなくなり、周辺制御MPU1511aにリセットがかかる一方、ステップS1312で停電予告信号が入力されているときには、ステップS1314でWDTクリア処理を行い、周辺制御MPU1511aにリセットがかからない。なお、周辺制御MPU1511aにリセットがかかると、図145に示した周辺制御部電源投入時処理が再び開始されることとなる。
このように、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号(周辺停電予告信号)の入力が継続する場合には、ステップS1314でWDTクリア処理が実行されることによって停電状態になる直前で周辺制御MPU1511aにリセットがかからないようになっている。これに対して、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、WDTクリア処理が実行されないため、周辺制御内蔵WDT1511afと、周辺制御外部WDT1511eと、にクリア信号を出力が中断されるようになっている。これにより、ノイズなどで本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が誤って開始され、そのノイズが2マイクロ秒の期間を超えて発生することでステップS1302の判定を通過したとしても、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号(周辺停電予告信号)の入力が継続されず解除された場合には、ステップS1314のWDTクリア処理が実行されないことにより周辺制御MPU1511aにリセットがかかるようになっているため、そのようなノイズに対して自動的にリセット復帰することで対応することができるようになっている。
[16−1−6.LOCKN信号履歴作成処理]
次に、図147に示した周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるステップS1110の描画状態情報取得処理の一処理として実行するLOCKN信号履歴作成処理について説明する。このLOCKN信号履歴作成処理では、図120に示した演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴を作成する。このLOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、図128に示した周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。
LOCKN信号履歴作成処理が開始されると、図105に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図150に示すように、図106に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの描画状態情報取得記憶領域1511cakからLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを読み出す(ステップS1500)。このLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTは、1バイト(8ビット:最上位ビットB7、B6、B5、B4、B3、B2、B1、最下位ビットB0、「B」はビットを表す。)の記憶容量を有しており、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴がLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTとして描画状態情報取得記憶領域1511cakに記憶されている。
ステップS1500に続いて、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号があるか否かを判定する(ステップS1502)。この判定は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断して、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求していると判定する一方、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータでない(正常なデータである)と判断して、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求していないと判定する。
ステップS1502で扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、LOCKN信号検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS1504)。このLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理では、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるときには、ステップS1500で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS1504でLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTをシフトした場合には、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの最下位ビットB0に値1をセットし(ステップS1506)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS1502で扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、LOCKN信号検出履歴情報のシフト処理を行う(ステップS1508)。このLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理では、ステップS1504のLOCKN信号検出履歴情報のシフト処理と同一の処理を行い、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号がないときには、ステップS1500で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを、最上位ビットB7←B6、B6←B5、B5←B4、B4←B3、B3←B2、B2←B1、B1←最下位ビットB0という具合に、最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトする。
ステップS1508でLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTをシフトした場合には、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの最下位ビットB0に値0をセットし(ステップS1510)、このルーチンを終了する。
このように、このLOCKN信号履歴作成処理が実行されるごとに、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを最下位ビットB0から最上位ビットB7に向かって1ビットずつシフトしたのち、最下位ビットB0に値1又は値0がセットされるため、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号の履歴を作成することができる。
[16−1−7.接続異常判定処理]
次に、図145に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する接続異常判定処理について説明する。この接続異常判定処理では、図120に示した演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴に基づいて、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生しているか否か判定する。
接続異常判定処理が開始されると、図105に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図132に示すように、図127に示した、周辺制御MPU1511aと外付けされる周辺制御RAM1511cの描画状態情報取得記憶領域1511cakからLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTを読み出す(ステップS1520)。このLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTには、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子から出力されるLOCKN信号の履歴が記憶されている。このLOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号である。
ステップS1520に続いて、扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号があるか否かを判定する(ステップS1522)。この判定は、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTが接続確認判定値と一致しているか否かを判定する。この接続確認判定値は、図105に示した周辺制御ROM1511bに予め記憶されており、本実施形態では、「00001111B(「B」はビットを表す。)」であり、上位4ビットのB7〜B4が値0、下位4ビットのB3〜B0が値1となっている。ステップS1522の判定では、LOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているか否かの判定を行う。
ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致していないときには、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生していない状態であると判定して、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1522で、ステップS1520で読み出したLOCKN信号検出履歴情報LOCKN−HISTの下位4ビットB3〜B0と接続確認判定値の下位4ビットB3〜B0とが一致しているときには、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定して通信チェックカウンタCC−CNTに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1524)。この通信チェックカウンタCC−CNTは、本ルーチンが実行されるごとに、ステップS1522の判定において、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した回数をカウントアップする(累積回数を数える)ものである。なお、通信チェックカウンタCC−CNTは、パチンコ機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信チェックカウンタCC−CNTの値に復元されるようになっている。
ステップS1524に続いて、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいか否かを判定する(ステップS1526)。この判定では、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないと判定する一方、通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さくない(大きい)ときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していると判定する。
ステップS1526で通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さいとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、通信異常フラグCC−FLGに値0をセットし(ステップS1528)、このルーチンを終了する。一方、ステップS1526で通信チェックカウンタCC−CNTの値が累積回数上限値CC−LMTより小さくない(大きい)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているときには、通信異常フラグCC−FLGに値1をセットし(ステップS1530)、このルーチンを終了する。通信異常フラグCC−FLGは、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達してトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に異常が発生しているか否かを示すフラグであり、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に異常が発生しているとき値1、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、通信異常フラグCC−FLGは、パチンコ機1が電源投入されると、値0がセットされてリセットされるようになっているのに対して、瞬停や停電によってリセットされず、復電時において瞬間や停電となる直前の通信異常フラグCC−FLGの値に復元されるようになっている。
[16−1−8.接続回復処理]
次に、図145に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する接続回復処理について説明する。この接続回復処理では、図151に示した接続異常判定処理に続いて実行され、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するために所定のデータパターン(SYNCパターン)を出力する一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続が異常であるときにその旨を報知する。
接続回復処理が開始されると、図105に示した周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、図151に示すように、図145に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図106に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた各種スケジュールデータのうち、画面生成用スケジュールデータを起動中であるか否かを判定する(ステップS1540)。この判定では、スケジューラ更新処理において、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタが更新されているか否かを判定する。換言すると、スケジューラ更新処理において、ポインタを更新しているときには画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているため、画面生成用スケジュールデータが起動中であると判定する一方、画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているときには画面生成用スケジュールデータが未起動であると判定する。なお、この判定では、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間であるか否かを、画面生成用スケジュールデータに基づいて判断することができるようになっており、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間であるときには、後述するステップS1542へ進む一方、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間でないとき(単なる、客待ちの待機した状態であるとき)には、そのままこのルーチンを終了するようになっている。
ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが起動中であるときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1540で画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているとき、つまり画面生成用スケジュールデータが未起動であるときには、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないか否かを判定する(ステップS1542)。この通信チェックカウンタCC−CNTは、上述したように、図132に示した接続異常判定処理が実行されるごとに、同処理におけるステップS1522の判定において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した回数をカウントアップする(累積回数を数える)ものである。この判定では、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったか否かを判定する。
ステップS1542で通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した回数が1回もないときには、そのままこのルーチンを終了する一方、ステップS1542で通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったときには、通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるか否かを判定する(ステップS1544)。この通信異常フラグCC−FLGは、上述したように、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達してトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に異常が発生しているか否かを示すフラグであり、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に異常が発生しているとき値1、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を行い(ステップS1546)、このルーチンを終了する。このSYNCパターン出力処理では、周辺制御MPU1511aが周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子に対して接続確認信号を出力することにより、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dが演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0に対して所定のデータパターン(SYNCパターン)を出力する。この所定のデータパターン(SYNCパターン)は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに予め記憶されているものであって扉枠側演出用レシーバICSDIC0に対して出力されるものであり、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復するものである。
一方、ステップS1544で通信異常フラグCC−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に異常が発生しているときには、通信エラー表示処理を行い(ステップS1548)、このルーチンを終了する。この通信エラー表示処理では、トランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に異常が発生している旨を伝えるために、図8に示した遊技盤5に備える演出表示装置1600の表示領域に描画する処理を行う。例えば、演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に異常が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示される。また、通信エラー表示処理では、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生しているか否かを確認するために、の動作確認要求として、周辺制御MPU1511aからLOCKN信号出力要求データを送信し、扉枠側演出用レシーバICSDIC0がLOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN端子からLOCKN信号を周辺制御MPU1511aに出力し、このLOCKN信号が入力されていないときには、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生しているとしてに異常が発生していると判断し、その旨を、報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に異常が発生しました。店員をお呼びください。」)が演出表示装置1600の表示領域に表示する処理を行うとともに、報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に異常が発生しています。」)が扉枠3に設けたスピーカ等から繰り返し流れる処理を行う。このとき、扉枠3に備える発光装飾用のLEDや遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯する処理を行うようにしてもよい。
次に、周辺制御MPU1511aが図107に示した周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dのINIT端子に対して接続確認信号を出力するタイミングについて図153のタイミングチャートを用いて説明する。
まず、図8に示した遊技盤5に備える演出表示装置1600の表示領域に変動表示される装飾図柄について簡単に説明すると、図145に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理等により装飾図柄の変動表示が実行されるようになっており、図102に示した主制御基板1310の主制御MPU1310aよる図126に示した主制御側電源投入時処理の主制御側メイン処理や図127に示した主制御側タイマ割り込み処理等により図8に示した第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は図8に示した第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果が「大当り」となると、図8に示した大入賞口2005の開閉動作の繰返し回数(ラウンド数)が1ラウンド〜15ラウンドまでの計15ラウンドとなり、各ラウンドでは、所定時間(例えば、30秒間)内において、大入賞口2005に遊技球が入球して、その球数が所定個数(例えば、9球)となると、そのラウンドが消化するようになっており、大入賞口2005に遊技球が1球入球するごとに、所定個数(例えば、15球)の遊技球が払い出されるようになっている。
第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて、周辺制御基板1510の周辺制御部1511が液晶表示制御部1512を制御することにより、演出表示装置1600の表示領域の左側には左側装飾図柄、中央には中央装飾図柄、そして右側には右側装飾図柄の変動表示が開始され、所定時間経過した後に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が停止されて第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を遊技者が認識することができるようになっており、このとき、図120に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404又は第二特別図柄表示器1406で表示された第一特別図柄又は第二特別図柄においても第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果を確認することができるようになっている。左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が変動表示されているときには背景画像が視認できる程度に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が半透明な態様となり、左側装飾図柄は表示領域の左上側から左下側に向かって、中央装飾図柄は表示領域の中央上側から中央下側に向かって、右側装飾図柄は表示領域の右上側から右下側に向かってそれぞれリールが回転しているかのような態様で変動表示されるとともに、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されると、停止表示された左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄と対応する位置における背景画像が視認困難となるように左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が不透明な態様となるようになっている。このように、図120に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1404又は第二特別図柄表示器1406において変動表示開始されて停止表示される第一特別図柄又は第二特別図柄と、演出表示装置1600の表示領域で変動表示開始されて停止表示される左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄と、が同期化されている。
周辺制御基板1510の周辺制御部1511は、第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果、又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を伝える主制御基板1310からのコマンドを受信すると、この受信したコマンドに基づいて、液晶表示制御部1512を制御することにより、図153に示すように、図8に示した演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されると(タイミングK0)、図145に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図106に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力するのかを指示するために、ポインタが更新されているため、つまりスケジューラ更新処理において、ポインタを更新しているときには画面生成用スケジュールデータに沿って演出が進行しているため、画面生成用スケジュールデータが起動中であり、画面生成用スケジュールデータが起動中である間、つまり左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、図145に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理において、図152に示した接続回復処理を実行しても、この接続回復処理におけるステップS1540の判定で、そのままルーチンを強制的に終了するようになっている。
これにより、演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないときであっても、つまり周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に異常が発生している状態であると判定した回数が1回でもある場合であっても、接続回復処理におけるステップS1546のSYNCパターン出力処理を行わず、トランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行わないようになっているし、接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を行わず、例えば、演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に異常が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示されないようになっているため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を無効化するとともに、は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データに基づいて画像を表示する。
演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されると(タイミングK1)、図145に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1020のスケジューラ更新処理において、図106に示した周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに沿って演出が完了してポインタの更新がすべて終了しているため、つまりスケジューラ更新処理において、画面生成用スケジュールデータが未起動であり、画面生成用スケジュールデータが未起動である間においては、図145に示した周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1024の警告処理の一処理として実行する図152に示した接続回復処理におけるステップS1540の判定で、同処理におけるステップS1542の処理へ進み、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した回数が1回もないときには、そのままルーチンを終了する一方、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した回数が1回でもあったときには、同処理におけるステップS1544の処理へ進み、通信異常フラグCC−FLGの値が値0であるとき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、同処理におけるステップS1546の処理へ進み、上述したSYNCパターン出力処理を行い、ルーチンを終了する一方、通信異常フラグCC−FLGの値が値0でない(値1である)とき、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に異常が発生しているときには、同処理におけるステップS1548の処理へ進み、上述した通信エラー表示処理を行い、ルーチンを終了する。換言すると、演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されている間においては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を必ず行うことにより、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行う一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているとき(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に異常が発生している)には、通信エラー表示処理を必ず行うことにより、例えば、演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に異常が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを表示して報知する処理を行うようになっており、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を有効化している。
演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示され、再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されるまでのインターバル期間においては、演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されている間であるため、上述したように、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が有効化され、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、SYNCパターン出力処理を必ず行うことにより、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと扉枠側演出用レシーバICSDIC0との接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行う一方、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達しているとき(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に確実に異常が発生している)には、通信エラー表示処理を必ず行うことにより、例えば、演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に異常が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを表示して報知する処理を行うようになっている。
再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されると(タイミングK2)、上述したように、画面生成用スケジュールデータが起動中であるため、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示される(タイミングK3)までの間においては、通信チェックカウンタCC−CNTの値が値0でないときであっても、つまり周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間(つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続)に異常が発生している状態であると判定した回数が1回でもある場合であっても、接続回復処理におけるステップS1546のSYNCパターン出力処理を行わず、トランスミッタとレシーバとの間の接続を回復する処理を行わないようになっているし、接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を行わず、例えば、演出表示装置1600の表示領域に「上皿側液晶表示装置に異常が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージが表示されないようになっているため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号を無効化するとともに、は、扉枠側演出用レシーバICSDIC0が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データに基づいて画像を表示する。
このように、演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示され、再び左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されるまでのインターバル期間においては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が有効化される一方、演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の変動表示が開始されて停止表示されるまでの間においては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであることを伝える扉枠側演出用レシーバICSDIC0からのLOCKN信号が無効化されるようになっている。これは、演出表示装置1600の表示領域において左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄の停止表示される組み合わせ結果が遊技者には最も関心のある情報であり、遊技者に利益が付与される大当り遊技状態が発生するか否かを遊技者が判断することができるため、演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が変動表示されると、左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄が停止表示されるまでは、の表示領域に描画される演出の画像がノイズの影響等により乱れて正しく描画できない状態となったとしても、途中で演出を中断し、正しく描画できる状態に回復する処理を行うのではなく、演出表示装置1600の表示領域に左側装飾図柄、中央装飾図柄、及び右側装飾図柄を停止表示させることにより、遊技者の最も関心のある情報を描画完了させている。
この点においては、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aが、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、LOCKN信号出力要求データを、周辺制御基板1510に備える差動化回路1512eに送信する場合と大きく異なっている。このLOCKN信号出力要求データは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御MPU1511aから送信されるものであって、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生しているか否かを確認するために、の動作確認要求として送信されるものである。
周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが周辺制御基板1510に備える差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されると、上述したように、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が周辺制御基板1510に備える強制切替回路1512fに入力される。強制切替回路1512fは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板1510から扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。そして演出表示駆動基板4450に備える液晶モジュール回路4450Vの扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、受信したその2つの信号がLOCKN信号出力要求データであると判断したときには、そもそも、LOCKN信号出力要求データは、上述したように、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号とデータ形式が異なる構造であるため、異常なデータであると判断され、LOCKN信号を周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに出力する。これにより、周辺制御MPU1511aは、LOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生していないとして演出表示駆動基板4450に異常が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生しているとして演出表示駆動基板4450に異常が発生していると判断して、その旨を伝える報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に異常が発生しました。店員をお呼びください。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御して演出表示装置1600に出力するとともに、その旨を伝える報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に異常が発生しています。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御してオーディオデータ送信IC1512cに出力することにより扉枠3に設けたスピーカ等から報知音が流れる。これにより、演出表示装置1600の表示領域に表示される報知画像と、扉枠3に設けたスピーカ等から繰り返し流れる報知音と、により報知を行うことができるようになっている。このとき、扉枠3に備える発光装飾用のLEDや遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯してもよい。
このように、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、シリアルデータであるLOCKN信号出力要求データを送信すると、強制切替回路1512fがLOCKN信号出力要求データを扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信することができるように回路接続し、LOCKN信号出力要求データを受信した扉枠側演出用レシーバICSDIC0が応答信号として扉枠側演出用レシーバICSDIC0のLOCKN端子からLOCKN信号を周辺制御MPU1511aに出力するようになっているため、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生していないとしてに異常が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生しているとしてに異常が発生していると判断することができる。そして、周辺制御MPU1511aは、に異常が発生していると判断したときには報知処理として、図131の接続回復処理におけるステップS1548の通信エラー表示処理を実行することができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU1511aは、の異常を発見すると、その旨を、報知処理を実行することにより、ホールの店員等に報知することができるようになっているため、ホールの店員等は、遊技者が遊技を行う前に異常が発生しているか否かを極めて簡単にチェックすることができ、そのチェックに手間がかからないようになっている。したがって異常を手間をかけずに発見することができる。
また、LOCKN信号は、上述したように、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0が、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する信号であり、具体的には、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続を確認(回復)するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を送信要求するために出力する信号であるため、扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから送信される画像を正常に受信できないときには扉枠側演出用レシーバICSDIC0と扉枠側演出用トランスミッタIC1512dとの画像通信間において通信異常が発生して受信した描画データが異常なデータとなる旨を伝えるために、LOCKN信号を周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに出力することができるようになっている。これにより、LOCKN信号が入力される周辺制御MPU1511aは、所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから扉枠側演出用レシーバICSDIC0へ送信開始する旨を伝える接続確認信号を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに出力することにより、画像通信間における通信異常を解消させることができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU1511aは、画像通信間における通信異常による異常を早期に発見して、その異常を解消させるように扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに働きかけることができるようになっている。したがって異常を発見して解消することにより遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
更に、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから送信される画像を受信してに出力する扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから送信される画像を正常に受信できないときには扉枠側演出用レシーバICSDIC0と扉枠側演出用トランスミッタIC1512dとの画像通信間において通信異常が発生している旨を伝える通信異常発生信号であるLOCKN信号を演出制御マイクロプロセッサである周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに出力することができるようになっているため、LOCKN信号が入力される周辺制御MPU1511aは、液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aを制御して通信異常が発生している旨を伝える画像である「上皿側液晶表示装置に異常が発生しました。店員をお呼びください。」というメッセージを生成し、この生成した画像を演出表示装置1600の表示領域に表示して報知することができるようになっている。換言すると、周辺制御MPU1511aは、画像通信間における通信異常によるの異常を早期に発見して、その旨を、パチンコ機1の前面に着座する遊技者に報知してその遊技者がホールの店員等に伝えたり、パチンコ機1の前をたまたま通りかかったホールの店員等に直接報知することができるようになっているため、ホールの店員等は、その異常が発生して早い段階でその異常を解消するための作業に取り掛かることができる。したがって異常を早期発見して解消することにより遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
更にまた、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、LOCKN信号を有効化して画像通信間における通信異常を解消するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信開始する旨を伝える接続確認信号を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに、その累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達するまで、繰り返し出力し続けることができるようになっている。これにより、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1404又は第二特別図柄表示器1406において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し接続確認信号を出力し続けることができるため、通信異常が解消される方向へ向かわせることができる。
そして、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態が1回でもある場合であって、トランスミッタとレシーバとの間の接続に異常が発生している状態であると判定した累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達していないときには、LOCKN信号を有効化して画像通信間における通信異常を解消するための所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信開始する旨を伝える接続確認信号を扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに、その累積回数が累積回数上限値CC−LMTに達するまで、繰り返し出力し続けている際に、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1404又は第二特別図柄表示器1406において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して遊技の進行を再び実行開始したときには接続確認信号の出力を停止し、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、周辺制御MPU1511aから出力される接続確認信号が停止されて接続確認信号が入力されなくなると、所定のデータパターン(SYNCパターン)を扉枠側演出用レシーバICSDIC0に送信するのを停止して液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aが生成する画像を扉枠側演出用レシーバICSDIC0に出力することができるようになっている。これにより、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1404又は第二特別図柄表示器1406において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し異常解消信号である接続確認信号を出力し続けることにより、通信異常が解消される方向へ向かわせることができるようになっているため、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1404又は第二特別図柄表示器1406において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して停止表示して遊技の進行を実行していない期間に限って、繰り返し接続確認信号を出力し続けている際に、主制御基板1310の主制御MPU1310aが第一特別図柄表示器1404又は第二特別図柄表示器1406において第一特別図柄又は第二特別図柄遊技を変動開始して遊技の進行を再び実行開始したとしても、の表示画面において進行する演出の歪み(画像の乱れ)は、主制御基板1310の主制御MPU1310aが遊技の進行を再び実行開始して終了するごと(タイミングK1〜タイミングK2の期間(インターバル期間)となるごと)に、解消する方向へ向かわせることができる。
以上のような実施形態によれば、パチンコ機1が図102の主制御基板1310及び図124の払出制御基板633を備えている。主制御基板1310は、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに向かって打球発射装置650によって発射される遊技球が遊技領域5aに設けられる始動領域である第一始動口2002や第二始動口2004に入球したことに基づいて遊技の進行を制御する遊技制御マイクロプロセッサである図102の主制御MPU1310aが実装されている。払出制御基板633は、主制御基板1310からの払出指令である図121(a),(b)の賞球コマンドに基づいて払出装置580による遊技球の払い出しを制御する払出制御マイクロプロセッサである図124の払出制御MPU952aが実装されている。
遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aは、少なくとも、主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)を備えている。主制御内蔵RAMは、電源遮断後においても遊技に関する情報を記憶することができるようになっている。
払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aは、少なくとも、払出制御MPU952aに内蔵されているRAM(払出制御内蔵RAM)を備えている。払出制御内蔵RAMは、電源遮断後においても払い出しに関する情報を記憶することができるようになっている。
本実施形態のパチンコ機1は、さらに、図103の操作スイッチ954を備えている。操作スイッチ954は、電源投入時から図125の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間内に操作されると、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技に関する情報を消去するための図110のRAMクリア信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310a出力するとともに、電源投入時から図128の払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間内に操作されると、払出制御内蔵RAMに記憶されている払い出しに関する情報を消去するためのRAMクリア信号として図115のRWMCLR信号を払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するRAMクリア機能と、電源投入時から図125の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間(又は、電源投入時から図128の払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間)が経過した後に操作されると、払出装置580に関して発生したエラーを解除するためのエラー解除信号として図136のRWMCLR信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aに出力せずに払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するエラー解除機能と、を兼備するものである。
このように、操作スイッチ954は、電源投入時から図125の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間内に操作されると、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技に関する情報を消去するための図110のRAMクリア信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aに出力するとともに、電源投入時から図128の払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間内に操作されると、払出制御内蔵RAMに記憶されている払い出しに関する情報を消去するためのRAMクリア信号として図115のRWMCLR信号を払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するRAMクリア機能と、電源投入時から図125の主制御側電源投入時処理におけるステップS16の判定処理が行われる期間(又は、電源投入時から図128の払出制御部電源投入時処理におけるステップS512の判定処理が行われる期間)が経過した後に操作されると、払出装置580に関して発生したエラーを解除するためのエラー解除信号として図115のRWMCLR信号を遊技制御マイクロプロセッサである主制御MPU1310aに出力せずに払出制御マイクロプロセッサである払出制御MPU952aに出力するエラー解除機能と、を兼備しているため、1つの操作スイッチ954による操作により、RAMクリア機能とエラー解除機能との2つの異なる機能をそれぞれパチンコ機1に設けることができる。したがって、コスト削減に寄与しながらRAMクリア機能及びエラー解除機能を設けることができる。
[パネル中継基板3031のセンサ信号入力部]
パネル中継基板3031のセンサ信号入力部は、遊技盤に配された各種検出センサ、例えば、ゲートセンサ2401、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、磁気センサ3003(後述では、磁気検出センサ4024)、と接続されている。各検出センサからの検出信号が入力される回路構成は、同一であるため、ここでは、検出センサの一例として磁気検出センサ4024を挙げ、磁気検出センサ4024からの検出信号が入力される回路について説明する。
遊技機において、遊技領域に打ち込まれた遊技球に対し、磁石(例えば、永久磁石や電磁石)を近づける等して、遊技球の流下状態を欲しいがままに操り、不当な利益を得ようとする不正な遊技行為が後を絶たない。
このような不正な遊技行為を検知し、発光手段や音声による警報等によって不正行為を抑制するために、遊技領域の所定位置に対応させて、磁気を検出可能な磁気検出センサ4024が設けられている。
[従来の磁気センサ入力回路]
図155は遊技機に配備された従来の磁気センサ入力回路の一例を示す回路図である。遊技機は主制御基板1310とパネル中継基板3031とを有している。図示するように、磁気検出センサ4024には、+5V作成回路1310gで作成された電圧+5Vが供給されている。
磁気検出センサ4024は、磁気センサMGSと内蔵型のトランジスタSTRとにより構成されている。磁気センサMGSは、例えば、磁気抵抗効果素子等からなり、所定値以上の磁気を検出しないときは所定の電圧(例えば、+5V)を出力し、所定値以上の磁気を検出したときは電圧を出力しない(0V)ようになっている。
トランジスタSTRのベース端子は磁気センサMGSの出力端子に接続され、トランジスタSTRのエミッタ端子は接地されている。トランジスタSTRのコレクタ端子はコネクタCON1を介してパネル中継基板3031に配備されたプルアップ抵抗IR0の一端に接続され、プルアップ抵抗IR0の他端には+12Vが印加されている。これにより、トランジスタSTRがオフ状態である場合には、トランジスタSTRのコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR0により+12V側に引き上げられている(第1の電圧に相当する)。
トランジスタSTRは、磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧によりオンし、コレクタ端子からエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタSTRは、磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの出力が停止されることによりオフし、コレクタ端子からエミッタ端子への電流の流れが停止される。
また、トランジスタSTRのコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR0と接続されるほかに、抵抗IR1の一端と接続され、抵抗IR1の他端はトランジスタITR0のベース端子に接続されている。トランジスタITR0のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR0のコレクタ端子はプルアップ抵抗IR2の一端に接続され、プルアップ抵抗IR2の他端には+12Vが印加されている。これにより、トランジスタITR0がオフ状態である場合には、トランジスタITR0のコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられている。
また、トランジスタITR0のコレクタ端子は、プルアップ抵抗IR2と接続されるほかに、後段にあるトランジスタITR1のベース端子と接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bに接続されている。
主制御入力回路1310bは、プルアップ抵抗NR1、抵抗NR2、トランジスタNTR1により構成されており、プルアップ抵抗NR1の一端がコネクタCON2を介してパネル中継基板3031の前段のトランジスタITR1のコレクタ端子と接続され、プルアップ抵抗NR1の他端には、+12Vが印加されている。これにより、前段のトランジスタITR1がオフ状態である場合には、トランジスタITR1のコレクタ端子は、プルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられている。
また、トランジスタITR1のコレクタ端子は、プルアップ抵抗NR1と接続されるほかに、抵抗NR2の一端と接続され、抵抗NR2の他端はトランジスタNTR1のベース端子に接続されている。トランジスタNTR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタNTR1のコレクタ端子は、主制御MPU1310aの入力ポートに電気的に接続されている。
同図において、検出センサ部は磁気検出センサ4024が該当し、電圧出力部4163は、磁気検出センサ4024と接続され、+12Vが印加されたプルアップ抵抗IR0が該当する。また、検知回路部4164は、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されると共に、+12Vが印加されたプルアップ抵抗IR2と、トランジスタITR0のコレクタ端子にベース端子が接続されたトランジスタITR1とにより構成された回路が該当する。
また、検知回路部4164の前段において、コネクタCON1、電圧出力部4163、抵抗IR1及びトランジスタITR0により構成された回路によりセンサ信号入力部4162が構成されている。このように、パネル中継基板3031には、センサ信号入力部4162及び検知回路部4164が配備されていることになる。
[検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、トランジスタSTRのコレクタ端子にトランジスタITR0のベース端子が接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子に印加される電圧も接地側に引き下げられる。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されているトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子にトランジスタITR0のベース端子が接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子に印加される電圧も+12V側に引き上げられる(第1の電圧に相当する)。これにより、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されているトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR2により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
以上に説明した、磁気センサMGS、内蔵のトランジスタSTR、トランジスタITR0、トランジスタITR1、トランジスタNTR1の作動状態を図159に表形式で示している。なお、磁気検出センサ4024がパネル中継基板3031に対して断線した場合も磁気センサMGSが磁気を検出したときの作動と同様に、トランジスタITR0がオンし、トランジスタITR1がオフし、トランジスタNTR1がオンする。
ところで、コネクタ部材によって信号伝達を行っている場合、コネクタ部材が腐食したり、コネクタ接続部分に塵埃が入り込むと、接触抵抗が発生する。コネクタ部材には、コネクタ部材の接触部端子の形状によってピンコンタクトタイプとベローズコンタクトとがあるが、ベローズコンタクトタイプの場合では、接続作業等の際にコネクタ部材に付帯するハーネスを引っ張ると、ピンコンタクトタイプに比べ隙間が開きやすい。隙間が開くと、この部分から塵埃等が入り込みやすくなる。
また、コネクタ部材に振動が加わる場合も同様に接触抵抗が発生する。例えば、右打ちをして遊技しているとき、多数の遊技球が連続的に集中して流下する遊技領域の特定部分からの振動がコネクタ部材に加わることで微摺動摩耗が発生した場合にも、これによって接触抵抗が発生する虞がある。
ここで、磁気検出センサ4024とパネル中継基板3031の電圧出力部4163とを電気的に接続しているコネクタ部材(コネクタCON1)にこのような接触抵抗RRが発生した場合の従来の磁気センサ入力回路の動作について説明する。例えば、図155においては、コネクタ部材に接触抵抗RRが発生した場合、接触抵抗RRが鎖線にて示されている。なお、接触抵抗RRの大きさは、コネクタの接触が正常な場合の100倍〜1000倍となる。
先に説明したように、磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、内蔵のトランジスタSTRがオンする。内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗RR(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう。図155においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0と抵抗IR1との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗RRに電流が流れることで第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い電圧がトランジスタITR0のベース端子に印加されることになる。そして、接触抵抗RRによって持ち上げられた電圧がトランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間の規定電圧に達することが起こると、トランジスタITR0がオン状態となる。そのため、磁気検出センサ4024が非検出状態であるにもかかわらず、トランジスタITR0がオン状態となる虞がある。即ち、パネル中継基板3031に配備された従来のセンサ信号入力部4162では、接触抵抗RRが発生するとセンサの信号を誤検知する虞がある。
[磁気センサ入力回路の実施例1]
図156は実施形態の遊技機に配備された磁気センサ入力回路の一例(実施例1)を示す回路図である。本実施形態における実施例1の磁気センサ入力回路は、図155の従来の磁気センサ入力回路の磁気検出センサ4024、コネクタCON1、パネル中継基板3031の電圧出力部4163、検知回路部4164、主制御基板1310の主制御入力回路1310bは同一の回路構成である。そのため、同一の回路構成部分には、同一の符号を使用する。
なお、磁気検出センサ4024は遊技領域内の複数箇所、例えば、第一始動口2002、第二始動口2004、一般入賞口2001、大入賞口2005、アウト口1126等の近傍にそれぞれ設置されることになる。
本実施形態の磁気センサ入力回路が従来の磁気センサ入力回路と異なる点は、電圧出力部4163と検知回路部4164との間に、磁気検出センサ4024が磁気を検出しない非検出状態(第2の状態)のとき、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子が接地側に引き下げられる電圧(第2の電圧)に、第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が加算されても、検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避する回避部4166が備えられ、回避部4166を介して電圧出力部4163と検知回路部4164とが電気的に接続されている点である。
この実施例1では、回避部4166は、前記所定の電圧よりもツェナー電圧が高いツェナーダイオードZD0で構成されている例である。具体的には、ツェナーダイオードZD0のカソード端子は電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端と接続され、接続部分の前段においてコネクタCON1を介して磁気検出センサ4024の内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子と接続されている。
ツェナーダイオードZD0のアノード端子は、後段に配されているトランジスタITR0のベース端子と接続されている。また、プルアップ抵抗IR0の他端には+12Vが印加されている。トランジスタITR0のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR0のコレクタ端子は、検知回路部4164において、+12Vが他端に印加されたプルアップ抵抗IR2の一端に接続されるとともに、検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bと接続されている。なお、コネクタCON1、電圧出力部4163、回避部4166によりセンサ信号入力部4162が構成されている。
[コネクタの接触が正常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
これにより、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、トランジスタSTRのコレクタ端子はツェナーダイオードZD0を介してトランジスタITR0のベース端子が接続されていることで、ツェナー電圧が第2の電圧よりも高いため、ツェナーダイオードZD0は非導通状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気センサMGSが磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子はツェナーダイオードZD0を介してトランジスタITR0のベース端子と接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子にはツェナー電圧が印加される(第1の電圧に相当する)。これにより、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されている検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
そして、主制御MPU1310aが、このような異常な状態であると判定した場合には、上記の例では、磁気検出スイッチ信号の論理がHIであると判定した場合には、主制御部MPU1310aが周辺制御部1511にエラーコマンドを送信し、外部端子板784からホールコンピュータにその旨の信号を出力する処理等を行う。周辺制御部1511がエラーコマンドに応じて、演出表示装置1600や警報ランプ、音声等で異常を報知する。
[コネクタの接触が異常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態(第2の状態)のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。
内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗RR(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がる。図104においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0とツェナーダイオードZD0との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗に電流が流れることで、第2の電圧に、第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が加算され、ツェナーダイオードZD0のカソード端子に印加されることになる。第2の電圧よりも高い所定の電圧が加算されて印加されても、所定の電圧よりもツェナー電圧が高いため、ツェナーダイオードZD0は非導通状態を維持する。このため、トランジスタITR0のベース端子に電圧が印加されることはない(0V)。これにより、トランジスタITR0がオフする。つまり、回避部4166により検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
なお、後段の検知回路部4164と主制御入力回路1310bの動作は、コネクタの接触が正常な場合の検出動作と同じとなる。
これにより、検知回路部4164の電圧に影響を与えないため(電圧変化がないため)、コネクタ部材の微摺動摩耗等が原因で接触抵抗が発生したとき、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することができる。
なお、従来と同様に、磁気センサMGSによる異常が検知された場合には、主制御MPU1310aが周辺制御部1511にエラーコマンドを送信し、周辺制御部1511が送信されたエラーコマンドに応じて、磁石を用いた不正な遊技行為が行われたこと、または磁気検出センサ4024に断線が生じていることを遊技盤側演出表示装置1600や扉枠側演出表示装置、警告表示器、音声等で報知する。また、外部端子板784からホールコンピュータにエラー信号を出力する。
[磁気センサ入力回路の実施例2]
図157は実施形態の遊技機に配備された磁気センサ入力回路の一例(実施例2)を示す回路図である。実施例2の磁気センサ入力回路は、図155の従来の磁気センサ入力回路の磁気検出センサ4024、コネクタCON1、パネル中継基板3031の電圧出力部4163、検知回路部4164、主制御基板1310の主制御入力回路1310bは同一の回路構成である。そのため、同一の回路構成部分には、同一の符号を使用する。
この実施例2では、回避部4166は、一端が電圧出力部4163に接続された第1の抵抗IR1と、第1の抵抗IR1の他端に一端が接続され、他端が接地された第2の抵抗IR3とを含んで構成されている。本実施例2のセンサ信号入力部4162と、図155の従来のセンサ信号入力部4162とを比較すると、他端が接地された抵抗IR3の一端が、抵抗IR1の他端と後段に配されたトランジスタITR0のベース端子との接続点に、接続されている点で異なっている。すなわち、実施例2では、回避部4166は、前記所定の電圧が印加されたときに接地に電流を流して落としてしまう抵抗IR3で構成されている例である。
なお、第1の抵抗IR1の一端は、電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端と接続され、接続部分の前段においてコネクタCON1を介して磁気検出センサ4024の内蔵トランジスタSTRのコレクタ端子と接続されている。
また、トランジスタITR0のコレクタ端子は、検知回路部4164において、+12Vが他端に印加されたプルアップ抵抗IR1の一端に接続されるとともに、トランジスタITR1のベース端子に接続されている。トランジスタITR1のエミッタ端子は接地され、トランジスタITR1のコレクタ端子は、コネクタCON2を介して主制御基板1310の主制御入力回路1310bと接続されている。なお、コネクタCON1、電圧出力部4163、回避部4166によりセンサ信号入力部4162が構成されている。
[コネクタの接触が正常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
これにより、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。また、トランジスタSTRのコレクタ端子はトランジスタITR0のベース端子に接続されていることで、接地側に引き下げられた電圧がトランジスタITR0のベース端子に印加される。これにより、トランジスタITR0がオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気検出センサ4024が磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。
また、+12Vの電圧がプルアップ抵抗IR0、回避部4166の第1の抵抗IR1、第2の抵抗IR3で構成された直列抵抗回路に印加され、プルアップ抵抗IR0、回避部4166の第1の抵抗IR1、第2の抵抗IR3を経由して電流が接地に流れる。第2の抵抗IR3に電流が流れることにより、第2の抵抗IR3の両端間に発生する電位差が、トランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間に印加されることで、トランジスタITR0がオンする。
トランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR0がオンすることで、トランジスタITR0のコレクタ端子に接続されている検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
[コネクタの接触が異常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。
内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がる。図157においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0と第1の抵抗IR1との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗RRに電流が流れることで、第2の電圧に第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が加算されて第1の抵抗の一端に印加されることになる。この電圧は、磁気検出センサ4024の内蔵のトランジスタがオフしたときに印加される電圧に比べて十分に低い電圧となる。
第2の電圧よりも高い所定の電圧が加算されて第1の抵抗の一端に印加されると、第1の抵抗IR1に電流が流れ、さらにこの電流は第2の抵抗IR3を通じて接地に流れる。つまり、第2の抵抗IR3の他端が接地されているため、第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が第2の電圧に加算された電圧による電流がほぼ接地に落ちて、第2の抵抗IR3の後段のトランジスタITR0のベース端子には電流がほとんど流れ込まない。よって、後段のトランジスタITR0はオンしない。この結果、後段のトランジスタITR0はオフ状態を維持する。つまり、回避部4166により、検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
なお、後段の検知回路部4164と主制御入力回路1310bの動作は、コネクタの接触が正常な場合の検出動作と同じとなる。
これにより、検知回路部4164の電圧に影響を与えないため(電圧変化がないため)、コネクタ部材の微摺動摩耗等が原因で接触抵抗が発生したとき、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することができる。
[磁気センサ入力回路の実施例3]
図158は実施形態の遊技機に配備された磁気センサ入力回路の一例(実施例3)を示す回路図である。実施例3の磁気センサ入力回路は、図155の従来の磁気センサ入力回路の磁気検出センサ4024、コネクタ、パネル中継基板3031の電圧出力部4163、検知回路部4164、主制御基板1310の主制御入力回路1310bは同一の回路構成である。そのため、同一の回路構成部分には、同一の符号を使用する。
この実施例3では、回避部4166は、第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧よりも高い動作電圧に設定されたダーリントン回路を構成する2つのトランジスタITR0、ITR2と抵抗IR1、IR4、IR5を含んで構成されている。前述の実施例2と比較すると、実施例3では、他端が接地された抵抗IR3に代えて直列接続した抵抗IR4と抵抗IR5とをダーリントン回路を構成する2つのトランジスタITR0、ITR2に各々並列に接続している。すなわち、実施例3では、回避部4166は、前記所定の電圧が印加されたときに接地に電流を流して落としてしまう抵抗IR4と抵抗IR5で構成されている例である。
より具体的には、抵抗IR1の一端が電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端に接続され、抵抗IR1の他端がダーリントン回路の前段のトランジスタITR0のベース端子に接続されている。トランジスタITR0のエミッタ端子は、ダーリントン回路の後段のトランジスタITR2のベース端子と接続され、トランジスタITR2のエミッタ端子は接地されている。
また、抵抗IR1の他端は前段のトランジスタITR0のベース端子と接続されるほかに、抵抗IR4の一端に接続され、抵抗IR4の他端は前段のトランジスタITR0のエミッタ端子と接続されている。また、前段のトランジスタITR0のエミッタ端子には、抵抗IR5の一端が接続され、抵抗IR5の他端は接地されている。
つまり、前段のトランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間に抵抗IR4が並列接続され、後段のトランジスタITR2のベース端子とエミッタ端子間に抵抗IR5が並列接続されていることになる。また、2つのトランジスタITR0、ITR2のコレクタ端子は、検知回路部4164の+12Vが他端に印加されたプルアップ抵抗IR2の一端にされるとともに、トランジスタITR1のベース端子と接続されている。
[コネクタの接触が正常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。トランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、コネクタCON1、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられる(第2の電圧に相当する)。トランジスタSTRのコレクタ端子にトランジスタITR0のベース端子が接続されていることで、トランジスタITR0のベース端子に印加される電圧も接地側に引き下げられる。これにより、トランジスタITR0がオフし、トランジスタITR2もオフする。
トランジスタITR0がオフすると、プルアップ抵抗IR2により+12V側に引き上げられた電圧が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加されることで、トランジスタITR1がオンする。トランジスタITR1がオンすると、プルアップ抵抗NR1、コネクタCON2、トランジスタITR1のコレクタ端子、トランジスタITR1のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。
また、トランジスタITR1がオンすることで、トランジスタITR1のコレクタ端子に接続されている主制御入力回路1310bのトランジスタNTR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタNTR1がオフする。トランジスタNTR1がオフとなっているコレクタ端子の論理がLOW(オフ)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
磁気検出センサ4024が磁気を検出した検出状態のときは、磁気センサMGSからの電圧の出力が停止され、トランジスタSTRのベース端子に印加される電圧がなくなることで内蔵のトランジスタSTRがオフする。トランジスタSTRがオフすることで、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が+12V側に引き上げられる。
また、+12Vの電圧がプルアップ抵抗IR0、回避部4166の抵抗IR1、抵抗IR4、抵抗IR5で構成された直列抵抗回路に印加され、プルアップ抵抗IR0、回避部4166の抵抗IR1、抵抗IR4、抵抗IR5を経由して電流が接地に流れる。抵抗IR4に電流が流れることにより、抵抗IR4の両端間に発生する電位差が、前段のトランジスタITR0のベース端子とエミッタ端子間に印加される。これにより、前段のトランジスタITR0がオンする。
前段のトランジスタITR0がオンすると、プルアップ抵抗IR2、トランジスタITR0のコレクタ端子、トランジスタITR0のエミッタ端子、抵抗IR5を経由して接地に電流が流れる。抵抗IR5に電流が流れることにより、抵抗IR5の両端間に発生する電位差が、後段のトランジスタITR2のベース端子とエミッタ端子間に印加される。これにより、後段のトランジスタITR2がオンする。
後段のトランジスタITR2がオンすると、プルアップ抵抗IR2、後段のトランジスタITR2のコレクタ端子、トランジスタITR2のエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。また、トランジスタITR2がオンすることで、後段のトランジスタITR2のコレクタ端子に接続されている検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に印加される電圧が接地側に引き下げられ、トランジスタITR1がオフする。
トランジスタITR1がオフすると、主制御入力回路1310bのプルアップ抵抗NR1により+12V側に引き上げられた電圧がトランジスタNTR1のベース端子に印加されることで、トランジスタNTR1がオンする。トランジスタNTR1がオンすることで、トランジスタNTR1のコレクタ端子に接続されている論理がHI(オン)となった磁気検出スイッチ信号が主制御MPU1310aの入力ポートに入力される。
[コネクタの接触が異常な場合の検出動作]
磁気検出センサ4024の磁気センサMGSが磁気を検出しない非検出状態のときは、磁気センサMGSから出力される電圧が内蔵のトランジスタSTRのベース端子に印加されることで内蔵のトランジスタSTRがオンする。
内蔵のトランジスタSTRがオンすると、プルアップ抵抗IR0、接触抵抗RR(コネクタCON1)、トランジスタSTRのコレクタ端子、トランジスタSTRのエミッタ端子を経由して接地に電流が流れる。これにより、内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子に印加される電圧が接地側に引き下げられるものの(第2の電圧に相当する)、接触抵抗RRに電流が流れることで、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がる。図158においては、接触抵抗RRの上流側の電位が持ち上がってしまう箇所として、プルアップ抵抗IR0と抵抗IR1との接続点が黒丸として例示されている。
つまり、コネクタ部の接触状態に起因して発生する接触抵抗に電流が流れることで、第2の電圧に、第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が加算された電圧が抵抗IR1の一端に印加されることになる。この電圧は、磁気検出センサ4024の内蔵のトランジスタがオフしたときに印加される電圧に比べて十分に低い電圧となる。
第2の電圧よりも高く第1の電圧よりも低い所定の電圧が抵抗IR1の一端に印加されると、抵抗IR1に電流が流れ、さらにこの電流は抵抗IR4及び抵抗IR5を通じて接地に流れる。つまり、抵抗IR5の他端が接地されているため、印加された所定の電圧による電流のほとんどが接地に落ちて、抵抗IR1の後段にあたるダーリントン回路の前段のトランジスタITR0のベース端子にはほとんど電流が流れ込まない。よって、前段のトランジスタITR0はオンしない。また、後段のトランジスタITR2もオンしない。この結果、ダーリントン回路の2つのトランジスタITR0、ITR2はオフ状態を維持する。つまり、回避部4166が検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避している。
なお、後段の検知回路部4164と主制御入力回路1310bの動作は、コネクタの接触が正常な場合の検出動作と同じとなる。
これにより、検知回路部4164の電圧に影響を与えないため(電圧変化がないため)、コネクタ部材の微摺動摩耗等が原因で接触抵抗が発生したとき、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することができる。
また、図160に示すように、複数の磁気検出センサ4024の各々にそれぞれ接続された複数のオープンコレクタ型のセンサ信号入力部4162が検知回路部4164のトランジスタITR1のベース端子に複数並列に接続されている。これらセンサ信号入力部4162のいずれか1つが、磁気を検出してオンしたときに、検知回路部4164のトランジスタITR1がオフするものである。
なお、磁気検出センサ4024とセンサ信号入力部4162との結線のいずれか1つが断線した場合も同様に、断線した磁気検出センサ4024に対応するセンサ信号入力部4162がオンすることで検知回路部4164のトランジスタITR1がオフする。また、センサが複数ある場合、これら複数のセンサに対して電圧出力部4163をそれぞれ設け、それぞれ設けた電圧出力部4163を、ダーリントン回路を複数有するトランジスタアレイ、例えば「TD62083AP」(市販品、TOSHIBA社製)に接続して用いることができる。
以上、本実施形態のパネル中継基板3031に配備されたセンサ信号入力部4162について説明したが、センサ信号入力部4162に適用できる検出センサは、磁気検出センサ4024に限定されるものではなく、コネクタ部材により検出センサからセンサ信号の伝達を行うものであればよく、各種センサ、例えば、一般入賞口センサ4020、第一始動口センサ4002、第二始動口センサ4004、カウントセンサ4005、振動検出センサ、接触センサ等を適用することが可能である。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
以上、本発明の実施形態について、実施例1〜3を示して説明したが、本発明の要旨、すなわち、回避部4166が備えられた回路構成を変更するものでなければ、電圧出力部4163、回避部4166、検知回路部4164についての基板上の配設箇所は、必要に応じて種々選択的に変更して配置することが可能である。以下には、配置例のバリエーションを数例示す。
[実施例4]
図161は、磁気センサ入力回路の検知回路部4164を主制御基板1310に配置した一例を示す。この例では、電圧出力部4163と、回避部4166と、信号中継用のトランジスタITR0とをパネル中継基板3031に配置している。なお、電気的な基本接続は、図156に示した回路と変わりはない。また、回避部4166による作用、効果の点も図156に示した回路と変わりはない。
図161に示すように、パネル中継基板3031の信号中継用のトランジスタITR0のコレクタ端子と、主制御基板1310の検知回路部4164のプルアップ抵抗IR2の他端及びトランジスタITR1のベース端子とがコネクタCON2によって電気的に接続されているものである。
[実施例5]
図162は、磁気センサ入力回路の検知回路部4164を主制御基板1310に配置した他の例を示す。この例では、電圧出力部4163と、回避部4166とをパネル中継基板3031に配置し、信号中継用のトランジスタITR0は、配置箇所を主制御基板1310に移し、検知回路部4164の前段に設けている。この実施例5についても、電気的な基本接続は、図156に示した回路と変わりはない。また、回避部4166による作用、効果の点も図156に示した回路と変わりはない。
図162に示すように、パネル中継基板3031の回避部4166を構成しているツェナーダイオードZD0のアノード端子と、主制御基板1310の信号中継用のトランジスタITR0のベース端子とがコネクタCON2によって電気的に接続されているものである。
また、図161に示した実施例4と図162に示した実施例5では、パネル中継基板3031と主制御基板1310とが両端にコネクタ部材を備えたハーネス(図157では単にCON2と記している)によって電気的に接続している。このため、コネクタ接続部分においても、接触抵抗が発生する虞がある。そこで、この接触抵抗による信号の誤検知を回避するために、実施例4における変形実施例として、回路上、コネクタ部材CON2の後段に、すなわち、一端に+12Vが印加されたブルアップ抵抗NR1の他端とコネクタ部材CON2に接続している信号線との接続点と、トランジスタITR1のベース端子との間に、回避部4166と同様に、さらにもう1つ回避部を設けるようにしてもよい。これによると、さらに信号の誤検知を低減でき、信号検知の信頼性が高まる。
なお、本発明において、実施例4及び実施例5における+12Vが一端に印加されたプルアップ抵抗IR2及びトランジスタITR1で検知回路部4164を構成している例を用いて説明している。このことは、本質的には、後段に接続されている主制御MPU1310aに入力される論理(HIレベルアクティブとするのか、LOWレベルアクティブとするのか)の違いにより制御上有利となる方を選択して設けているものであって、そのためにプルアップ抵抗IR2及びトランジスタITR1からなる回路を検知回路部4164として設け、これを主制御入力回路1310aの前段に配しているものである。
しかしながら、一端に+12Vが印加されたブルアップ抵抗NR1の他端が信号線に接続され、かつその信号線の後段に抵抗NR2を介してベース端子が接続されると共に、エミッタ端子が接地され、かつコレクタ端子が入力ポート(図示省略)に接続してなる主制御入力回路1310aそのものが検知回路部4164を代用しているもの(換言すると、検知回路部4164としての機能を果たしている回路、つまり、主制御入力回路1310aで検知を行うことが可能であるわけであるから)、でも本願発明は十分に成り立つものである。
[実施例6]
図163は、磁気センサ入力回路の回避部4166と検知回路部4164とを主制御基板1310に配置した例を示す。なお、信号中継用のトランジスタITR0も、配置箇所を主制御基板1310に移し、検知回路部4164の前段に設けている。この実施例6についても、電気的な基本接続は、図156に示した回路と変わりはない。また、回避部4166による作用、効果の点も図156に示した回路と変わりはない。
図163に示すように、パネル中継基板3031の電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の他端が接続されているコネクタCON1に通じる信号線と、主制御基板1310の回避部4166を構成しているツェナーダイオードZD0のカソード端子とがコネクタCON2によって電気的に接続されているものである。
なお、上記の実施例4〜実施例6のようにパネル中継基板3031及び主制御基板1310を回路構成すると、パネル中継基板3031を検出センサ部(この実施例では、磁気検出センサ4024としているがこれに限定されない)の種類の如何によらず、共通化することが可能となる利点がある。
なお、組み付け性の立場からいえば、中継基板を利用することは望ましいが、遊技者に抽選をもたらす始動口に設けられる第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402については、利便性を欠いてでも、不正防止の観点から中継基板に回路素子を設けることなく、主制御基板1310に直接コネクタで接続するようにした方がよい場合がある。このような場合においては、実施例7の構成が好適に機能する。
[実施例7]
図164は、磁気センサ入力回路の電圧出力部4163と、回避部4166と、検知回路部4164とを主制御基板1310に配置した例を示す。この例でも、信号中継用のトランジスタITR0も、配置箇所を主制御基板1310に移し、検知回路部4164の前段に設けている。この実施例7についても、電気的な基本接続は、図156に示した回路と変わりはない。また、回避部4166による作用、効果の点も図156に示した回路と変わりはない。
図164に示すように、パネル中継基板3031は、磁気検出センサ4024からの信号を単純に中継する信号線(例えばプリント配線による)が形成されているのみである。当該信号線はパネル中継基板3031上でコネクタに接続されたハーネスにより主制御基板1310のコネクタCON1と電気的に接続されているものである。つまり、主制御基板1310のツェナーダイオードZD0のカソード端子は電圧出力部4163のプルアップ抵抗IR0の一端と接続され、接続部分の前段においてコネクタCON1及びパネル中継基板3031を介して磁気検出センサ4024の内蔵のトランジスタSTRのコレクタ端子と接続されていることになる。
なお、図164ではコネクタ(CON3、CON4)のみを設けた中継基板を用いているが、中継基板を用いることなく、磁気検出センサ4024の出力を直接主制御基板1310に接続するように構成することもできる。
[実施例4]〜[実施例7]に示した構成によっても、回避部4166を備えていることにより、検知回路部4164の電圧に影響を与えないため(電圧変化がないため)、コネクタ部材の微摺動摩耗等が原因で接触抵抗が発生したとき、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することができる。
上記実施例7においては、磁気検出センサ4024はパネル中継基板3031に設けられたコネクタCON3(図中では四角で表している)を通じてパネル中継基板3031に電気的に接続され、さらに、パネル中継基板3031に設けられたコネクタCON4(図中では四角で表している)を通じて主制御基板1310に設けられたコネクタ部材CON1と電気的に接続された構成となっている。よって、接触抵抗はコネクタCON3、コネクタCON4およびコネクタCON1の3箇所で発生する虞がある。
このことを配慮して、パネル中継基板3031の接続部分(図中では四角で表しているCON3及びCON4)のゆるみで生じた接触抵抗とコネクタCON1の部分の接触抵抗RRに電流が流れることによる電圧(上記した3箇所のコネクタ接続部分で各々発生する接触抵抗により電圧の加算分)が、検出センサ部(磁気検出センサ4024)が第2の状態の第2の電圧に加算されても、回避部4166は、検知回路部4164に対する前記所定の電圧による作用を回避するように選択されて設けられている。これにより、検知回路部4164の電圧に影響を与えないため、各コネクタ部材の微摺動摩耗等が原因で接触抵抗が発生したとき、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することができる。
また、[実施例4]〜[実施例7]に示した構成において、回避部4166としてツェナーダイオードZD0を用いて説明しているが、回避部4166はツェナーダイオードZD0に限らず、先に説明した図157(実施例2)の回避部4166や図158(実施例3)の回避部4166を用いることができる。
実施例7に示すパネル中継基板3031は、検出センサ部からの信号を単純に中継する信号線(例えばプリント配線による)が形成されているのみであるから、複数個の検出センサ部からの信号をパネル中継基板3031において各々独立的に集約し、1つのコネクタ部材に纏めるようにプリント配線を形成し、主制御基板1310とコネクタ接続する利点がある。
[検出センサ部、パネル中継基板及び主制御基板の電気的接続]
次に、検出センサ部4000、パネル中継基板3031及び主制御基板1310の電気的接続について説明する。図165は主として検出センサ部とパネル中継基板と主制御基板との電気的接続の基本的構成を示すブロック図である。検出センサ部4000は、遊技盤5の所定位置に配置された各種検出センサを総称するものであり、先に説明したように、例えば、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403、振動検出センサ、磁気検出センサ4024(図102では符号3003)等が相当する。
主制御基板1310は遊技の進行を制御するもので、制御主体となる主制御MPU1310が搭載された基板である。パネル中継基板3031は検出センサ部4000の検出信号を主制御基板1310に中継する基板である。
検出センサ部4000は、パネル中継基板3031に設けられたコネクタ部材4501を介してパネル中継基板3031に電気的に接続されている。また、パネル中継基板3031と主制御基板1310とは、パネル中継基板3031に設けられたコネクタ部材4502と、主制御基板1310に設けられたコネクタ部材4503とが、両端に接続用コネクタを備えたハーネスによってコネクタ接続されることにより、電気的に接続されている。つまり、検出センサ部4000は、パネル中継基板3031が備えるコネクタ部材4501及びコネクタ部材4502、主制御基板が備えるコネクタ部材4503を介して主制御基板1310に電気的に接続され、検出センサ部4000の検出信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aに入力される構成となっている。
[パネル中継基板3031並びに主制御基板1310の遊技機における配置位置]
図166はパネル中継基板3031並びに主制御基板1310のパチンコ機1における配置位置の各例を模式的に示す正面図である。図166(A)〜図166(D)において、パネル中継基板3031並びに主制御基板1310は、遊技者から視認されない位置となる遊技盤5の後部であって、基本的には演出表示装置(例えば、液晶表示装置)1600(図100参照、図では図示を省略)の下方に配置される。なお、符号180は図9等に示されている扉枠3に設けられ、遊技者に操作されるハンドルユニットであり、符号303は図9等に示されている扉枠3の下部中央に設けられ、遊技者により演出のため押し込み操作される押圧操作部である。
図166(A)は、遊技盤5の後部下部の中央に主制御基板1310が配置され、遊技盤5の後部下部であって、正面視で主制御基板1310の右方にパネル中継基板3031が配置されている配置パターンを示している。なお、図166(A)〜165(D)において、具体的には、遊技領域5aの後端を区画する板状の透明な遊技パネル1100(図100、図101参照)の後面に取り付けられる箱状の裏ユニット3000の後面に対して、パネル中継基板3031並びに主制御基板1310は、取り付けられる。
図166(B)は、遊技盤5の後部下部の中央にパネル中継基板3031が配置され、遊技盤5の後部下部であって、正面視でパネル中継基板3031の右方に主制御基板1310が配置されている配置パターンを示している。図166(C)は、遊技盤5の後部下部の中央に主制御基板1310が配置され、遊技盤5の後部下部であって、正面視で主制御基板1310の左方にパネル中継基板3031が配置されている配置パターンを示している。
また、図166(A)〜図166(C)において、主制御基板1310に対するパネル中継基板3031の前後方向の位置関係は、主制御基板1310と同層或いは主制御基板1310の前方にパネル中継基板3031が位置している。
また、図166(D)は、遊技盤5の後部下部の中央に主制御基板1310及びパネル中継基板3031が前後方向において重ね合わされて配置されている配置パターンを示している。図166(D)では、主制御基板1310の前方にパネル中継基板3031が配置されている。以上に示した図166(A)〜図166(D)に示すように、パネル中継基板3031や主制御基板1310は、様々な条件からその配置が決定される。
検出センサ部4000は、パネル中継基板3031に設けられたコネクタ部材4501を介してパネル中継基板3031に電気的に接続されている。また、パネル中継基板3031と主制御基板1310とは、パネル中継基板3031に設けられたコネクタ部材4502と、主制御基板1310に設けられたコネクタ部材4503とが、両端に接続用コネクタを備えたハーネスによってコネクタ接続されることにより、電気的に接続されている。つまり、検出センサ部4000は、パネル中継基板3031が備えるコネクタ部材4501及びコネクタ部材4502、主制御基板が備えるコネクタ部材4503を介して主制御基板1310に電気的に接続され、検出センサ部4000の検出信号が主制御基板1310の主制御MPU1310aに入力される構成となっている。
そこで、以下に述べる実施例は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を回避する回避部ユニットを提供することはもとより、振動発生源と制御基板との配置位置関係を考慮して、回避部ユニットをパネル中継基板や主制御基板に適切に配置した遊技機に関するものである。
[回避部ユニットの配置例]
図167(A)〜図167(C)は、パネル中継基板3031や主制御基板1310に対する回避部ユニット4510の配置例を示す図である。なお、回避部ユニット4510は、コネクタ部材に発生する接触抵抗による電圧の加算作用を回避するための回避部4166を含む回路構成を示すものである。回避部4166は、先に図156乃至図158において説明したものであり、回避部4166よりも前段に配置された回路部分において、コネクタ部材の接続状態に緩みを生じ、この部分に接触抵抗が発生することで、接触抵抗により電圧が加算されても、回避部4166よりも後段に配置された検知回路部に対する加算分の電圧による作用を回避するものである。
上述のように、コネクタ部材に振動が加わると、コネクタ部材の接触抵抗により検出センサ部4000からの信号の誤検知する虞が高まる。しかしながら、上述の図166(A)〜図166(D)に示したように、通常、パネル中継基板3031や主制御基板1310は、様々な条件から遊技盤5におけるその配置が決定される。その際に各基板を振動から影響を受けることを避けるように配置することまで配慮されないことが多い。一方、影響する振動発生源としては、先に述べた右打ちによる遊技領域5aの右側領域に配された遊技球誘導路部材と遊技球との衝突によるものの他、例えば、演出ボタン(操作ボタン)の殴打操作によるもの、球発射装置の打球槌の打球動作、高出力のスピーカによる音等が挙げられる。
そこで、以下に説明する実施形態は、このような事情に鑑みてなされたものであり、コネクタ部材の緩みによって接触抵抗が発生し、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を回避する回避部ユニット4510を提供することはもとより、振動発生源との位置関係に考慮して、回避部ユニット4510をパネル中継基板3031や主制御基板1310に適切に配置したものである。
図167(A)はパネル中継基板3031に回避部ユニット4510を設けた例を示しており、検出センサ部4000とパネル中継基板3031とを電気的に接続するコネクタ部材4501に振動が加わることによってコネクタ部材4501が緩みを生じ、この緩みによって接触抵抗が発生しても、接触抵抗による電圧の加算作用を回避部ユニット4510で回避することで、検出センサ部4000からの信号の誤検知を回避するものである。
図167(B)は主制御基板1310に回避部ユニット4510を設けた例を示しており、パネル中継基板3031に設けられたコネクタ部材4502或いは主制御基板1310に設けられたコネクタ部材4503に振動が加わることによってコネクタ部材4502または4503が緩みを生じ、この緩みによって接触抵抗が発生しても、接触抵抗による電圧の加算作用を回避部ユニット4510で回避することで、パネル中継基板3031から中継されて出力された信号の誤検知を回避するものである。
図167(C)はパネル中継基板3031及び主制御基板1310の両基板に夫々回避部ユニット4510を設けた例を示しており、検出センサ部4000とパネル中継基板3031とを電気的に接続するコネクタ部材4501に振動が加わること、および、パネル中継基板3031に設けられたコネクタ部材4502或いは主制御基板1310に設けられたコネクタ部材4503に振動が加わること、これらによってコネクタ部材4501、コネクタ部材4502またはコネクタ部材4503が緩みを生じ、この緩みによって接触抵抗が発生しても、接触抵抗による電圧の加算作用を回避部ユニット4510で回避することで、検出センサ部4000からの信号の誤検知を回避し、かつパネル中継基板3031から中継されて出力された信号の誤検知を回避するものである。
[振動発生源の具体例と回避部ユニット4510の配設例]
図168(A)乃至図168(F)は、パチンコ機1における振動発生源の具体例と、パネル中継基板3031及び主制御基板1310の配置例を示す図である。なお、各図において、振動発生源となる部材をハッチング部分で示している。図168(A)〜図168(C)は、右打ちをして遊技しているとき、遊技領域5aの右側領域に、右打ちされた多数の遊技球が連続的に集中して流下する遊技球誘導路ユニット4200が備えられ、遊技球誘導路ユニット4200からの振動がコネクタ部材に加わることで微摺動摩耗が発生した場合、これによって接触抵抗が発生する虞がある、という例を示している。
図168(A)に示す基板配置の遊技機の場合で振動発生源が右打ちによる遊技盤5と遊技球との衝突であるときには、振動発生源となる遊技球誘導路ユニット4200に対してパネル中継基板3031が近接して配置されているので、パネル中継基板3031のコネクタ部材[図167(A)に示したコネクタ部材4501]が影響を受けやすい。よって、回避部ユニット4510をパネル中継基板3031に配置する[図167(A)参照]。
図168(B)に示す基板配置の遊技機の場合で振動発生源が右打ちによる遊技盤5と遊技球との衝突であるときには、振動発生源となる遊技球誘導路ユニット4200に対して主制御基板1310が近接して配置されているので、主制御基板1310のコネクタ部材[図167(B)に示したコネクタ部材4503]が影響を受けやすい。よって、回避部ユニット4510を主制御基板1310に配置する[図167(B)参照]。
図168(C)に示す基板配置の遊技機の場合で振動発生源が右打ちによる遊技盤5と遊技球との衝突であるときには、振動発生源となる遊技球誘導路ユニット4200に対して主制御基板1310もパネル中継基板3031も近接して配置されている、と考慮すると、どちらの基板のコネクタ部材[図167(C)に示したコネクタ部材4501、コネクタ部材4502及びコネクタ部材4503]も振動の影響を受けやすい。よって、主制御基板1310にもパネル中継基板3031にもそれぞれ回避部ユニット4510を配置する[図167(C)参照]。
図168(D)は、振動発生源が押圧操作部303である場合を示している。例えば、遊技者が遊技に集中する余り、押圧操作部303を力んで殴打操作した場合や、特定演出時に演出表示装置1600にて「連打」のメッセージが表示され、遊技者が該メッセージを認識することにより、遊技者が押圧操作部303を連続して殴打した場合等、振動発生源が演出のための押圧操作部303への操作によるものであるときには、押圧操作部303が振動発生源となる場合が想定される。このような場合に対して図168(D)では、振動発生源となる押圧操作部303に対して主制御基板1310が近接して配置されているので、主制御基板1310のコネクタ部材[図167(B)に示したコネクタ部材4503]が振動の影響を受けやすい。よって、回避部ユニット4510を主制御基板1310に配置する[図167(B)参照]。
図168(D)に示した基板配置の遊技機の場合に限らず、図168(B)〜図168(D)に示した基板配置の遊技機の場合では、図167(A)〜図167(C)に示した回避部ユニット4510の配置パターンを採用することができる。
図168(E)は、振動発生源が球発射装置540の打球槌543(具体的な配置位置は図10を参照)である場合を示している。例えば、右打ちによる遊技では、球発射装置540の打球槌543による発射する遊技球に対する打力(弾発力)が大きくなり、この時の衝撃が振動発生源となることが想定される。このような場合に対して図168(E)では、振動発生源となる打球槌543に対してパネル中継基板3031が近接して配置されているので、パネル中継基板3031のコネクタ部材[図167(A)に示したコネクタ部材4501]が振動の影響を受けやすい。よって、回避部ユニット4510をパネル中継基板3031に配置する[図167(A)参照]。
図168(E)に示した基板配置の遊技機の場合に限らず、図168(B)〜図168(D)に示した基板配置の遊技機の場合であっても、図167(A)乃至図167(C)に示した回避部ユニット4510の配置パターンを採用することができる。
図168(F)は、振動発生源が音出力のための本体枠スピーカ622(具体的な配置位置は図79を参照)である場合を示している。例えば、特定演出時に遊技状態を盛り上げるため大音量の効果音が本体枠スピーカ622から出力されるのであるが、この際の本体枠スピーカ622の振動が振動発生源となることが想定される。このような場合に対して図168(F)では、振動発生源となる本体枠スピーカ622に対してパネル中継基板3031が近接して配置されているので、パネル中継基板3031のコネクタ部材[図167(A)に示したコネクタ部材4501]が振動の影響を受けやすい。よって、回避部ユニット4510をパネル中継基板3031に配置する[図167(A)参照]。
図168(F)に示した基板配置の遊技機の場合に限らず、図168(A)、図168(B)及び図168(D)に示した基板配置の遊技機の場合であっても、図167(A)乃至図167(C)に示した回避部ユニット4510の配置パターンを採用することができる。
以上に示した振動発生源となる部材は、パチンコ機1において1つに限られるものではない。例えば、遊技球誘導路ユニット4200と打球槌543とを備えたもの、遊技球誘導路ユニット4200と押圧操作部303とを備えたもの等のように、遊技状態に応じて振動発生源となる部材も変化することが想定される。すなわち、振動発生源となる部材を複数個備えた遊技機が想定される。その場合であっても、図167(A)乃至図167(C)に示した回避部ユニット4510の配置パターンの何れかを採用することができる。
以上に説明したように、振動発生源との位置関係に考慮して、回避部ユニット4510をパネル中継基板3031や主制御基板1310に適切に配置することができる。また、回避部ユニット4510を適切に配置することによって、振動発生源となる部材からの振動によってコネクタ部材に緩みが生じ、これによって接触抵抗が発生した場合であっても、接触抵抗による検出センサ部4000やパネル中継基板3031からの信号の誤検知を回避することが可能である。
先にも述べたが、コネクタ部材によって信号伝達を行っている場合、コネクタ部材が腐食したり、コネクタ接続部分に塵埃が入り込むと、接触抵抗が発生する。また、コネクタ部材に振動が加わる場合も同様に接触抵抗が発生する。例えば、右打ちをして遊技しているとき等、多数の遊技球が連続的に集中して流下する遊技領域の特定部分からの振動がコネクタ部材に加わった場合、これによって接触抵抗が発生する虞がある。
このようなことが原因となって発生した接触抵抗に電流が流れると、接触抵抗の上流側の電位が持ち上がってしまい、本来の正常な状態とは異なる異常な電圧が検知回路部に入り込む虞がある。即ち、検出センサの信号を誤検知する虞がある。
そこで、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を防止することが必要となる。上述のように、コネクタ部材に振動が加わると、検出センサからの信号の誤検知する虞が高まる。しかしながら、通常、パネル中継基板や主制御基板は、様々な条件から遊技盤におけるその配置が決定される。その際に各基板を振動から影響を受けることを避けるように配置することまで配慮されないことが多い。一方、影響する振動発生源としては、先に述べた右打ちによる遊技盤と遊技球との衝突によるものの他、例えば、演出ボタンの殴打操作によるもの、球発射装置の打球槌の打球動作、高出力のスピーカによる大音量等が挙げられる。
そこで、以下の述べる実施例は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、接触抵抗による検出センサからの信号の誤検知を回避する回避部ユニットを提供することはもとより、振動発生源との位置関係に考慮して、回避部ユニットをパネル中継基板や主制御基板に適切に配置した遊技機に関するものである。
以上に説明した実施形態を総括すると以下の技術的手段として纏めることができる。
[手段1]に係る遊技機は、
遊技盤の所定位置に配置された検出センサ部と、遊技の進行を制御する主制御基板と、前記検出センサ部の検出信号を前記主制御基板に中継するパネル中継基板と、が備えられたものであって、上記課題を解決するために、
遊技球が打ち込まれる遊技領域の右側領域に、前記遊技球が右打ちされることにより連続的に右打ちされた遊技球が流下する遊技球誘導路ユニットが配置され、
前記主制御基板と前記パネル中継基板との少なくとも一方がコネクタ部材を有し、
前記コネクタ部材を有している基板が前記遊技球誘導路ユニットに近接して配置されており、前記主制御基板と前記パネル中継基板との何れか一方に、前記コネクタ部材に発生する接触抵抗による電圧の加算作用を回避するための回避部ユニットが設けられている、
ことを特徴とする。
[手段1]に係る遊技機によれば、振動発生源となる遊技球誘導路ユニットとの位置関係に考慮して、回避部ユニットをパネル中継基板及び主制御基板のうちの何れか一方に適切に配置することができる。また、回避部ユニットを適切に配置することによって、振動発生源となる部材からの振動によってコネクタ部材に緩みが生じ、これによって接触抵抗が発生した場合であっても、接触抵抗による検出センサ部やパネル中継基板からの信号の誤検知を回避することが可能である。
[手段2]に係る遊技機は、遊技盤の所定位置に配置された検出センサ部と、遊技の進行を制御する主制御基板と、前記検出センサ部の検出信号を前記主制御基板に中継するパネル中継基板と、が備えられた遊技機において、
遊技者により演出のための所定の操作が可能とされた操作ボタンを有し、
前記主制御基板と前記パネル中継基板との少なくとも一方がコネクタ部材を有し、
前記コネクタ部材を有している基板が前記操作ボタンに近接して配置されており、前記主制御基板と前記パネル中継基板との何れか一方に、前記コネクタ部材に発生する接触抵抗による電圧の加算作用を回避するための回避部ユニットが設けられている、
ことを特徴とする。
[手段2]に係る遊技機によれば、振動発生源となる操作ボタンとの位置関係に考慮して、回避部ユニットをパネル中継基板及び主制御基板のうちの何れか一方に適切に配置することができる。また、回避部ユニットを適切に配置することによって、振動発生源となる部材からの振動によってコネクタ部材に緩みが生じ、これによって接触抵抗が発生した場合であっても、接触抵抗による検出センサ部やパネル中継基板からの信号の誤検知を回避することが可能である。
[手段3]に係る遊技機は、
遊技盤の所定位置に配置された検出センサ部と、遊技の進行を制御する主制御基板と、前記検出センサ部の検出信号を前記主制御基板に中継するパネル中継基板と、が備えられた遊技機において、
打球ハンドルへの操作に応じて遊技領域内に向けて遊技球を発射する球発射装置を有し、前記主制御基板と前記パネル中継基板との少なくとも一方がコネクタ部材を有し、
前記コネクタ部材を有している基板が前記球発射装置の打球槌に近接して配置されており、前記主制御基板と前記パネル中継基板との何れか一方に、前記コネクタ部材に発生する接触抵抗による電圧の加算作用を回避するための回避部ユニットが設けられている、
ことを特徴とする。
[手段3]に係る遊技機によれば、振動発生源となる球発射装置の打球槌との位置関係に考慮して、回避部ユニットをパネル中継基板及び主制御基板のうちの何れか一方に適切に配置することができる。また、回避部ユニットを適切に配置することによって、振動発生源となる部材からの振動によってコネクタ部材に緩みが生じ、これによって接触抵抗が発生した場合であっても、接触抵抗による検出センサ部やパネル中継基板からの信号の誤検知を回避することが可能である。
[手段4]に係る遊技機は、
遊技盤の所定位置に配置された検出センサ部と、遊技の進行を制御する主制御基板と、前記検出センサ部の検出信号を前記主制御基板に中継するパネル中継基板と、が備えられた遊技機において、
音出力のためのスピーカを有し、
前記主制御基板と前記パネル中継基板との少なくとも一方がコネクタ部材を有し、
前記コネクタ部材を有している基板が前記スピーカに近接して配置されており、前記主制御基板と前記パネル中継基板との何れか一方に、前記コネクタ部材に発生する接触抵抗による電圧の加算作用を回避するための回避部ユニットが設けられている、
ことを特徴とする。
[手段4]に係る遊技機によれば、振動発生源となると高出力のスピーカの位置関係に考慮して、回避部ユニットをパネル中継基板及び主制御基板のうちの何れか一方に適切に配置することができる。また、回避部ユニットを適切に配置することによって、振動発生源となる部材からの振動によってコネクタ部材に緩みが生じ、これによって接触抵抗が発生した場合であっても、接触抵抗による検出センサ部やパネル中継基板からの信号の誤検知を回避することが可能である。
上記各実施形態の遊技機によれば、振動発生源となる遊技部材の位置関係に考慮して、回避部ユニットをパネル中継基板及び主制御基板のうちの何れか一方に適切に配置することができる。また、回避部ユニットを適切に配置することによって、振動発生源となる部材からの振動によってコネクタ部材に緩みが生じ、これによって接触抵抗が発生した場合であっても、接触抵抗による検出センサ部やパネル中継基板からの信号の誤検知を回避することが可能である。
上述した事情に限らず、昨今の遊技機では演出用に用いられるモータやソレノイド等の駆動源により電気的に駆動される可動演出体(可動役物)は複数個設けられることが一般的である。これらの可動役物については、その体積や動作範囲が増加傾向にあり、また動作範囲、ものによっては動作速度も拡大傾向にあって、可動方法も複雑化しているのが現状である。そのため、可動役物自体が振動発生源となり、コネクタ部材に緩みが生じ、これによって接触抵抗が発生することが考えられる。本発明の実施形態は、こうした場合であっても、接触抵抗による検出センサ部やパネル中継基板からの信号の誤検知を回避することが可能である。
ところで、複数の可動役物が初期位置にない場合には、所定の演出を正常に開始することができなく虞がある。
そのために、可動演出体の初期位置を確実に把握するために原点位置検出センサ(投光式及び受光式を一組としてなるフォトセンサが多く用いられている)が可動演出体もしくは駆動モータ内蔵直接型にあって、これらの検出信号を制御主体にフィードバックさせて制御に利用している。演出用の制御基板と駆動基板の電気的信号のやり取りは、やはりコネクタ部材並びにそれらを接続するハーネスによって実現されている。
具体的な図示は既に多く実施されているので図示は省略するが、上記可動演出役物の遊技盤面における配置位置は、例えば、遊技領域5aの上部背後(初期位置)、遊技領域5aの左側背後(初期位置)、遊技領域5aの中央部で左右に分かれた演出可動体が遊技パネルの中央部で合体演出するとか、遊技領域5aの中央下部(大入賞口ユニットの後方等)にある初期位置のものが上方に移動するとか、というように、その機種とバージョンの違いによって遊技機の特色性をアピールするために配置位置が様々に変化する。
さて、駆動データやそれを動作させるための各信号の送信と原点検出信号を正しく送受信できなくなれば、誤り検出ができなく虞があるばかりでなく、誤送信を起こす虞もあることが想定される。ここで、上述の回避部ユニット4166を原点位置検出センサの送信方向の後段において駆動基板上に設ける、または、制御側の周辺制御基板1510(図102参照)の信号入力側に設けることが考慮される。
上記のように、急速に少なくとも2つの可動部材が合体する演出を行う場合にも、その時の衝突による振動が激しく伝わる虞が予想され、この場合にもそれなりの対策を抗じる必要がある。一具体例として図169(C)に示すように、ハッチングで示した左右の可動部材が遊技盤5の中央部で合体する激熱演出を実施する場合、周辺制御基板の配置位置や、左右の演出可動体の原点位置検出するセンサの配置箇所を考慮する必要が出て来る。
[原点位置検出センサ部、駆動基板及びそれを制御する周辺制御基板の電気的接続]
図169(A)は、周辺制御基板1510とパネル中継基板3031(駆動基板)と駆動手段及び可動演出体の原点位置を検出するための原点位置検出センサ4000についての主として電気的接続の基本的構成を示すブロック図である。
周辺制御基板1510は演出の進行を制御するもので、演出制御主体となる周辺制御部1511が搭載された基板である。パネル中継基板3031(駆動基板)は原点位置検出センサ部4000の検出信号を周辺制御基板1510に中継する基板でもある。
図169において、周辺制御基板1510は演出のための制御主体を行うもので、パネル中継基板3031(駆動基板)は周辺制御基板1510から出力された駆動データを駆動源に出力すると共に少なくとも可動演出体の初期位置(原点位置検出センサ)の情報を入力して入力した情報を周辺制御基板1510に伝達し、周辺制御基板1510はこれを基に制御に用いるものとされている。パネル中継基板3031(駆動基板)は駆動手段に駆動信号に応じた駆動電流を供給するためのものであり、その他、可動演出体に応じた駆動電流を供給するため初期位置を検出するための原点位置検出をパネル中継基板3031(駆動基板)に受け渡す。図169(A)に示すように、これらの制御信号の送受信は、コネクタ部材4504、4505、4506による電気的接続によって行われている。
振動発生源演出のための可動部材の位置関係と周辺制御基板1510或いはパネル中継基板3031(駆動基板)と原点位置検センサとを結ぶコネクタ部材の位置関係は様々であるので、このうち一方に「振動によるコネクタ接続の緩みが生じるのかという適切な影響を考慮して」回避ユニット4150を配置する。図169(A)または図169(B)に示すように適宜配設することができる。このことによって、振動発生源となる部材からの振動によってコネクタ部材の緩みが生じ、これらによって接触抵抗が発生した場合であっても、接触抵抗による原点位置検出センサ4000や駆動基板からの信号の誤検知を回避することが可能である。
なお、可動役物を動作する際、コネクタにより接続される、駆動手段、原点位置検出センサ部、駆動基板、周辺制御基板でのコネクタ接続の緩みを問題視したが、当然、右打ち、操作ボタン、球発射装置、スピーカを振動発生源と考えた場合にも適用される。
[複数の演出用の可動役物のグループ分け]
先にも述べたが、遊技機では演出用に用いられるモータやソレノイド等の駆動源により電気的に駆動される可動演出体(可動役物)は複数個設けられることが一般的である。これらの可動役物については、その体積や動作範囲が増加傾向にあり、また動作範囲、ものによっては動作速度も拡大傾向にあって、可動方法も複雑化している。さらに異なる可動役物毎の可動範囲が交差する場合もある。
複数の可動役物のうちの1つに、例えば、演出開始するときの動作開始となるそれぞれの初期位置に戻っていないという異常が発生した場合、他の可動役物の動作状態はほとんど考慮されていないのが現状である。他の可動役物を考慮せず異常が発生した可動役物のみで復帰動作を行わせると、他の可動役物に干渉してしまう虞がある。そうなると、遊技者に不安感を抱かせて遊技の興趣を低下させてしまう虞がある。
ここで、演出に可動役物を用いるためには、すべての可動役物を初期位置に復旧させる必要がある。また、役物が意図せず、何らかの原因で初期位置ではない箇所に停止している場合、可動役物を初期位置へ復旧させる動作を行うが、複数の役物が初期位置ではないとき、上述のように可動役物同士の可動範囲が交差するといったことを考慮しないと、復旧動作を行う際に、他の可動役物と物理的に干渉してすべての可動役物を初期位置に復旧させることができなくなる場合がある。なお、このような場合には、可動役物の物理的な干渉によって、普段とは異なる大きな振動等が発生することもあるが、前述のように回避部ユニット4166を備えているので、周辺制御基板1510においては、センサの検出信号の誤検知を回避することができる。
そこで、以下に説明する実施形態は、複数の役物の初期位置への復旧を確実に行うために、動作範囲同士が互いに物理的に干渉する可動役物同士を1つのグループとしてまとめて管理し、グループ内の可動役物を、各可動役物が演出開始のための動作を開始する位置となるそれぞれの初期位置への復旧動作中に各可動役物同士が物理的に干渉することのないように予め定められた動作シーケンスで復帰動作を行うことで、初期位置ではない箇所からの復旧を確実に行わせるものである。
以下の実施形態において、複数の各可動役物は、演出のための動作を開始する初期位置から演出のための動作が終了するまでの作動位置までの動作範囲内を可動である。また、周辺制御基板1510において、複数の各可動役物は、それぞれの可動役物の動作範囲同士が互いに干渉しない複数のグループに区分けされ、かつ少なくとも1つのグループにあっては動作範囲同士が互いに干渉する複数の可動役物を含んでいる。
また、複数の可動役物はそれぞれについて予め設定された少なくとも初期位置を検出する初期位置検出センサ(例えば、フォトセンサ)を備えている。なお、位置検出センサは、演出のための動作開始位置を検出できる初期位置検出センサに加えて、さらに、動作範囲の中途位置や動作範囲の終点位置を検出する位置検出センサが設けられていてもよい。周辺制御基板1510は、動作範囲同士が互いに干渉する複数の可動役物を含んだグループ内の複数の可動役物のうち1つでも上記のような所定位置(初期位置または中途位置または終点位置)が検出されない異常があったときには、各可動役物が演出開始のための動作の開始位置となるそれぞれの初期位置への復旧動作中に前記各可動役物同士が物理的に干渉することのないように予め定められた動作シーケンスに従って当該グループ内の全ての可動役物をそれぞれの初期位置に復旧動作させる。
図170は、例えば、裏演出ユニット3100に配設された演出用の複数の可動役物と、複数の可動役物のグループ分けを概念的に示した正面図である。図170に示すように、パチンコ機1の中央部には役物グループ01(符号5000)が配設され、パチンコ機1の右側部には役物グループ02(符号5002)が配設され、パチンコ機1の左側部には役物グループ03(符号5004)が配設され、パチンコ機1の上部略中央には役物グループ04(符号5006)が配設され、パチンコ機1の下部略中央には役物グループ05(符号5008)が配設されている。つまり、5つの役物グループをパチンコ機1は有している。
5つの役物グループ01〜05は、互いに動作範囲内で物理的に干渉しないようになっている。より具体的には、役物グループ01は、仮面役物、胴体変形左役物、胴体変形右役物、胴体格納−出現役物、上液晶駆動役物、下液晶駆動役物で構成されている。役物グループ02は右肩役物のみで構成され、役物グループ03は左肩役物のみで構成され、役物グループ04は顔役物のみで構成され、役物グループ05はポップアップ役物のみで構成されている。
よって、演出のための動作範囲が物理的に干渉する可動役物は同一グループとされている。上記の例では、役物グループ01に属する仮面役物、胴体変形左役物、胴体変形右役物、胴体格納−出現役物、上液晶駆動役物、下液晶駆動役物は、動作範囲同士が互いに干渉するものとされている。
[可動役物の初期位置への復旧動作(役物補正動作という)]
役物グループ内の可動役物のうち1つでも異常があった場合には、予め定めた動作シーケンスでグループ内の可動役物を全て動作させ初期位置に復旧させる。例えば、状態の変化時や、変動開始時に全てのモータのフォトの状態を確認し、問題があるようであれば(例えば初期位置にないことが検出された場合)、モータが属する役物グループの全ての役物を対象とした、補正動作を行うモータシーケンスデータを用いて、正しい位置に役物を復旧させる。
この実施形態では、役物グループ02〜役物グループ05については、各役物グループに属している可動役物は1つのみであるので、初期位置への復旧動作中に他の役物グループには物理的に干渉しないから、各役物グループ毎に並列的に役物補正動作を行ってよい。役物グループ01については、役物グループ01に属している可動役物は6つであるので、初期位置への復旧動作中にグループ内の可動役物が互いに物理的に干渉しないように予め定められた動作シーケンスで行う必要がある。
以下に、役物グループ01における役物補正動作の一例を挙げて説明する。周辺制御基板1510は、この例では、役物グループ01に属している複数の可動役物のうち1つでも初期位置が検出されない異常があったときには、初期位置への復旧動作中に物理的に干渉しないように予め定められた動作シーケンスに従って当該グループ内の全ての可動役物を動作させてそれぞれの初期位置に復旧させる。
より具体的には、役物グループ01内の可動役物のひとつでもフォト異常と判断された場合は、グループ内の役物は全て動作を停止させる。なお、フォト異常とは、可動役物が予め規定された初期位置に戻っていないことを意味する。グループにおける役物補正動作は、問題のある場所にある可動役物だけではなく、予め定められた役物補正モータシーケンスデータを用いて、問題のある可動役物が属するグループ内の全ての可動役物をそれぞれの初期位置へ復旧動作させることで、問題のある可動役物の正しい初期位置への復旧を行う。
役物補正モータシーケンスデータとは、主として駆動するモータの駆動順序とその動作時間(換言すると、駆動開始タイミング並びに駆動終了タイミング)等が定義されているものであり、周辺制御基板1510の周辺制御ROMに記憶されている。上述の役物グループ01の場合であると、可動役物は6つあるので、これら6つの可動役物を駆動させる駆動源としてのモータをそれぞれモータA(仮面役物)、モータB(胴体変形左役物)、モータC(胴体変形右役物)、モータD(胴体格納−出現役物)、モータE(上液晶駆動役物)、モータF(下液晶駆動役物)、と呼ぶことにする。
役物グループの別に関係なく初期位置への復旧動作を行う場合、駆動させるモータを1つずつ順番に駆動させるようにしてもよいが、これに限らず、復旧動作中に可動役物同士の物理的な干渉が起こりえない場合には、駆動させるモータを複数駆動させるようにしてもよい。例えば、駆動開始タイミングをずらして一緒に駆動させたり、複数同時に駆動させるようにしてもよい。
例えば、胴体格納−出現役物(モータD)についてフォト異常が検出されたと仮定する。図171は、一例として、この時に行われる初期位置への復旧動作を行う場合のタイミングチャートである。図171において、時刻t0に初期位置への復旧動作が開始されている。時刻t0では先ずモータAが駆動され、時刻t1でモータAの駆動が停止される。
これと同時に、即ち、時刻t1にモータB及びモータCが同時に駆動されている。この後、時刻t2にはモータE及びモータFが同時に駆動されている。さらにこの後、時刻t3にモータB及びモータCが同時に駆動停止されている。この後、時刻t4にモータE及びモータFが同時に駆動停止されている。また、同時刻t4に、モータDが駆動されている。そうして、時刻t5に、モータDの駆動が停止されている。即ち、時刻t5に初期位置への復旧動作が終了されている。なお、各モータの駆動停止は、フォト検出が正常であることが条件となる。
なお、2つまたはそれ以上の役物グループが初期位置への復旧動作(役物補正動作という)を行っている際に、異なるグループ同士は可動役物の動作範囲同士が物理的に干渉することがない場合には、並行して2つの役物グループについて役物補正動作を行ってもよい。
また、1つの役物グループが初期位置への復旧動作(役物補正動作という)を行っている際に、互いに干渉しない他の役物グループについては、役物補正動作を行っている役物グループとは無関係に演出のための動作を行って演出を継続するようにしてもよい。このようにすることで、遊技機として可動役物を用いた演出を中断せずに済み、継続して演出をすることができる。
さらに、1つの役物グループで異常のためこの役物グループにおける役物補正動作を行う必要が発生するが、演出中であるような場合、役物補正動作を行う必要と判定された役物グループの役物補正動作は行わず、他の役物グループの可動役物だけによって演出を行うようにしてもよい。そして、他の役物グループの可動役物だけによる演出の終了後、役物補正動作を行う必要があると判定された役物グループの役物補正動作を行うようにする。これによっても、遊技機として可動役物を用いた演出を中断せずに済み、継続して演出をすることができる。
[初期位置への復旧動作を行う開始タイミング]
役物の初期位置への復旧動作を行う開始タイミングは、電源投入時、変動開始時、変動終了時、大当りオープニング、大当りエンディング、デモ開示時、デモ終了時、扉開放時、扉閉鎖時等が考えられる。
電源投入時については全ての役物グループの役物補正動作を必ず行うようにする。このため、電源投入時の役物補正動作が完了するまでは、変動時の予告や演出に関わる役物演出動作は行わないようにする。変動時の予告や演出に関わる役物補正動作の開始タイミングは、電源投入時の役物補正動作が完了した、次回の変動から有効とする。また、電源投入時の役物補正動作は、各役物が各々の原点にいるかどうかに関係なく必ず全役物について実行する。
電源投入時に役物補正動作は、例えば、(1)役物を初期位置と反対側に最小限の動作を行い、フォトを外す。(2)次いで、初期位置へ役物を動作させフォト検出する。全ての役物に対して(1)、(2)を実行する。これによれば、遊技が開始されて遊技中に確実に可動役物による演出動作を実行することができる。
また、役物グループの役物補正動作の開始タイミングを大当りエンディングとする点については、役物グループ001のように可動役物が6つあるような場合では、大当り遊技中に役物グループ001の役物補正動作が行われる時間が多少かかるが、大当り遊技そのものは終了しているので、役物グループ001の役物補正動作が遊技に関与するものでないと、遊技者を安心させることができる。
[役物補正動作中のリトライ]
役物演出実行時、電源投入時の初期動作、役物補正動作を行うことで原点(フォト側)に移動させる動作を行なってもフォト検知できないときに、例えば、可動役物同士がぶつかる等してうまくいかなかったときに、1カウントし、連続して所定回数、例えば計5カウントとなった時点で、次回の電源再投入時まで、フォト異常となった役物と役物が含まれる役物グループ全体を可動不可とする。なお、5回カウントに関してであるが、カウントは連続して5回となるため、フォト検知で、一度でも正常(検知されること)となるとカウント数は「0」に戻る。
上述の役物補正動作のリトライ動作を行ってフォト検出があれば通常の演出を行う状態に復旧するが、上述の役物補正動作のリトライ動作(上例では5回)を実行してもフォト検知できない場合には、役物補正動作を行う必要があると判定された役物グループの役物補正動作は行わず、正常に演出動作を行うことができる他の役物グループの可動役物だけによって演出を代行するようにしてもよい。
また、役物補正動作を行う際に、可動役物を原点(フォト側)に移動させる動作を行なってもフォト検知できない回数が連続して所定回数となったときにフォト異常と判定し、フォト異常となった役物とその役物が含まれる役物グループ全体を可動不可とする例を示したが、フォト異常であると判定する基準である所定回数をあらかじめ設定された標準回数から、ホール店員が任意の回数に変更できるように構成してもよい。
これにより、出荷後の不具合の発見や経年劣化などにより役物に異常が発生し、これに対処をする必要が生じた場合に、ホール側で適切なリトライ回数を設定することが可能となる。例えば、フォト異常が頻発するような場合に、リトライ回数を標準回数より少なく設定することで、煩雑なリトライ動作が遊技者によって観察され、遊技者の興趣を削ぐといった事態の発生を低減させることが可能となる。
役物グループ内の可動役物について、上記リトライ動作を行うか行わなくてもよいのかを役物グループの種別毎で、それぞれ設定してもよい。この場合、遊技機の仕様によっては、主制御基板1310で行われている本遊技(当落に直接的に関わる遊技内容)に関係しない可動役物による演出だけでなく、本遊技(当落に補助的に関わる遊技内容)に関係する可動役物による演出を行うものがある。役物グループのうちの複数の可動役物についての何れかに原点位置に復旧できない故障が発生した場合、本遊技にあまり支障のないような役物グループの可動役物については、リトライ動作を行わないようにしてもよい。一方、本遊技(当落に補助的に関わる遊技内容)に関係する可動役物による演出(大当りになるようであることを事前に演出で報知したり、確変となることを事前に演出で報知する可動役物)を含んでいる役物グループの場合には、この役物グループの可動役物について何れかに原点位置に復旧できない故障が発生した場合、リトライ動作を行うようにする。このようにすると、遊技者を安心させることが期待でき、遊技の興趣の低下を抑止することができる、という効果が期待できる。
また、実行する演出の種類の別によってリトライ動作を行うか行わないかを設定してもよい。例えば、大当り遊技中等のように遊技者にとって有利となっている遊技状態を演出によって遊技の興趣を盛り上げる狙いで可動役物を演出に用いる場合、用いられる可動役物が属する役物グループについては、リトライ動作を行うようにする。一方、通常の遊技状態や期待度の低いリーチ状態である場合は、本遊技(当落に直接的に関わる遊技内容)に関係しない可動役物については、リトライ動作を行わないようにすることも可能である。
[フォト異常検出時の可動役物の動作異常報知]
可動役物が故障したとき(役物を制御するために接続される配線が断線した場合なども含む)になんらかの報知を行うことが考えられる。可動役物が故障した場合には演出表示装置1600にて帯状に例えば「役物故障です」と表示する。可動役物が、フォト異常時の役物停止処理(5回カウント)となった場合に報知を開始する。
なお、可動役物の故障の報知に関しては、表示に加えて、合わせて音による報知を行うようにしてもよく、故障の報知にあたっては、故障の種類に応じて音と表示との組み合わせ方等を変更してもよい。
また、複数の可動役物、あるいは盤面のみならず、例えば、枠に備えた可動体も故障した場合は、可動役物や可動体ごとに個別に報知するようにしてもよいし、役物故障としてまとめて報知するようにしてもよい。このとき、個別に報知する場合においては、演出表示装置に故障箇所を特定できるよう並べて表示してもよく、音声による報知については、「役物故障です」といずれかの可動役物、可動体が故障していることを報知するようにしてもよい。
なお、可動役物、可動体の故障の他、例えば、RAMが初期化された場合においては、RAMクリア報知音を所定期間鳴らすようにしているが、このように、演出にかかる報知とは異なる報知をすべき状況が重複した場合においては、特に音声については、優先して鳴らす必要のある状況として、RAMクリア報知を優先して報知するのがよい。このとき、RAMクリア報知音を所定期間鳴らした後に、役物故障を報知するようにする。
[フォト異常検出時の別対応]
可動役物が故障したときの対応として、すでに説明したように、初期位置への復旧動作である役物補正動作を行ったり、役物補正動作を行って原点に移動させる動作を行ってもフォト検知できない時に、所定の回数を上限としてリトライ動作を行うが、所定の回数リトライを行っても、依然として役物が原点に復帰できずフォト検知できない場合に、故障が起きた役物グループの役物を故障したまま放置して、故障が起きていない役物グループの役物については、役物の演出動作を継続する例について説明する。
図102に示されているパチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図ですでに説明したとおり、パチンコ機1の主な制御構成は、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。そのうち、周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511を備えており、周辺制御部1511からのコマンドに基づいて各演出装置の制御が行われる。周辺制御基板1510における演出制御を行う周辺制御部1511は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPUと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽、音声、及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
周辺制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の各装飾基板に送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから遊技盤5の駆動モータ或いは駆動ソレノイドに送信したり、扉枠3に設けられた操作リング駆動モータ342、及び操作ボタン昇降駆動モータ367等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、演出表示装置1600に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を表示制御部用シリアルI/Oポートから演出表示制御部1512に送信したり、するほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
遊技盤5に設けられた表演出ユニット2600や裏演出ユニット3100の位置を検出するための各種検知センサからの検知信号は、周辺制御MPUに入力されている。また、扉枠3に設けられた演出操作ユニット300の押圧検知センサ381、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348からの検知信号は、周辺制御MPUに入力されている。
これらにより、周辺制御基板1510の周辺制御部1511において、役物グループ01〜05を構成する役物がすべて基準位置にあるかどうか、すなわち、役物グループ01〜05を構成する役物に異常が発生していないかどうかを判定する。
そして、役物グループ01〜05を構成する役物がすべて基準位置にあり、いずれにも異常が発生していないと判定した場合には、通常の役物の制御を実行する。
また、図162に記載されているように、例えば役物グループ01においては、仮面役物、胴体変形左役物、胴体変形右役物、胴体格納一出現役物、上液晶駆動役物、下液晶駆動役物等から構成されている。例えば、胴体変形左役物に異常が発生した場合の異常の発生個所によっては、その胴体変形左役物の停止位置によって、胴体変形右役物の原点位置への復旧動作の妨げとなって、何度リトライをしてもすべての役物を原点位置に復帰させることができない、復帰不可能な障害となっている場合がある。このとき、周辺制御部1511内の図示しないRAM内に役物グループごとに、復帰不能状態であることを表すフラグを備えており、パチンコ機1の起動時には0が格納されているが、いずれかの役物グループが復帰不能状態となったときには、復帰不能状態となった役物グループに対応するフラグに1が格納される。
ここで、すでに説明したように、各役物グループどうしは、互いに物理的に干渉しないようにグループ分けされている。そのため、いずれかの役物グループが復帰不能状態となったとしても、他の役物グループについては駆動を継続させることが可能である。
そのため、本実施形態においては、復帰不能状態となった役物グループについてはそのまま放置し、それ以外の役物グループに属する役物を用いて役物演出を継続する。
具体的には、周辺制御部1511内の図示しないRAM内から復帰不能状態であることを示すフラグを読み出す。そして、いずれの役物グループに対応するフラグも0である場合には、いずれの役物グループにも復帰不可能な障害が発生していないと判定して、原点復帰動作を行ったうえで、役物演出を継続する。
また、いずれかの役物グループに対応するフラグにおいて1が格納されている場合には、その役物グループに復帰不可能な障害が発生しているものと判定する。その場合には、フラグに1が設定されて復帰不可能な障害が発生している役物グループに属する役物に対して、復帰動作の継続を停止して、動作を停止させる処理を行う。これにより、復帰不可能にもかかわらず、繰り返し復帰動作を行うことで、モータに無理な動作を加えることによる無駄な電力の消費や、役物の故障を防止することが可能となる。
ここで、役物としては、部材が動作することで演出動作をさせる役物であってもいいが、部材の動作に加えて、役物の部材に発光部材を設けるようにして動作に加えて発光による演出を行ったり、役物自体を半透明の部材で形成して、役物内部に設けられたLED等の発光部材によって、役物自体を発光させる演出を行うようにすることも可能である。
ここで、役物を駆動する駆動信号と、役物を装飾するLEDを発光する発光信号とを別系統とし、両者を独立制御可能にした場合においては、復帰不可能な障害が発生している役物グループに属する役物については、復帰動作の継続を停止して、動作を停止させているが、役物の動作は停止していても、役物に設けられた発光部材や、役物自体を発光させる発光制御については、役物の動作の干渉等に影響なく行うことができるため、継続して行うようにすることもできる。この時に、本来行うべき演出制御を行うようにしてもよい。これにより、復旧不可能な障害が発生している役物グループに属する役物においても、発光制御を継続させることによって、ある程度の演出を継続して行わせることが可能となる。
また、別の手法として、復帰不可能な障害が発生している役物グループに属する役物について、役物の動作を停止させながら、役物に設けられた発光部材や役物自体を発光させる発光制御において、本来行うべき演出制御に代えて、復帰不可能な障害の発生箇所や障害の種類等に応じた発光制御を行うようにすることもできる。これにより、動作停止している役物の発光態様によって、障害の発生箇所や障害の種類を把握することが可能となる。
そして、フラグが0の役物グループ、すなわち、復帰不可能な障害が発生していない役物グループに属する役物については、通常通りの役物動作制御を行う。一部の役物で障害が発生して、全体の役物動作制御を止めると完全に役物動作が停止してしまい、遊技者の興趣を低下させてしまうおそれがあるところ、復帰不可能な障害が発生した役物グループに属する役物についてはそのまま放置しておき、復帰不可能な役物グループの役物と物理的に干渉することのない役物グループの役物を駆動させることで、完全に役物動作を停止させる場合と比較して、遊技者の興趣を高める役物動作制御を行うことが可能となる。
なお、可動役物の動作異常の報知については前記したように、可動役物が故障したとき(可動役物自体の故障だけではなく、可動役物を制御するために接続される配線が断線した場合なども含む)になんらかの報知を行うことが考えられる。可動役物が故障した場合の報知の一例として、演出表示装置1600にて帯状に例えば「役物故障です」と表示するといった方法がある。また、後述するようにコネクタの異常と可動役物の動作異常など、複数の異常を検出した場合などには、表示にあたっては、検出した複数の異常のそれぞれを表示するようにすることもできるし、重要度の高い異常から順に表示するようにするすることもできる。
可動役物が、故障して復帰不能状態となったことの検知は、役物補正動作を行って原点に移動させる動作を行ってもフォト検知できないときにカウントを行い、その後何度かリトライを行う。所定回数(一例として5回)役物補正動作を行っても、依然としてフォト検知ができない場合には、復帰不能状態となったものとし、復帰不能状態となったことで報知を開始する。
また、可動役物の故障の報知においては、上記の演出表示装置1600における表示による報知だけではなく、合わせて音による報知を行うようにしてもよい。また、報知の方法としては、表示による報知、音による報知、両者の組み合わせによる報知を混在させてもよく、それらの報知手法の選択方法として、故障の種類に応じて音と表示との組み合わせ方等を変更してもよい。さらに、後述する振動スピーカを用いて振動による報知を行ってもよい。例えば、複数の異常を検出した場合に、重要度の高い異常については演出表示装置1600における表示による報知とし、重要度の低い異常については音による報知を行うといった設定も可能である。
このような実施形態において、遊技が行われている遊技中に表示による報知や音による報知が必要以上に行われるのは好ましくない。そこで、可動役物の故障の報知については、遊技中においては表示による報知のみとしたり、音による報知であっても音量を小さくしたりしておくことが好ましい。
また、この場合においては、遊技中ではないホール営業を開始する前であれば、周りの遊技者等に配慮する必要はない。そのため、ホール関係者に知らせることを目的として、電源投入時に可動役物の動作異常を確認できるようプログラミングして事前に設定しておき、その際には表示と音の両方を用いて、わかりやすくホール関係者に知らせるようにしてもよい。このように、報知の形態については、その期間についても設定するようにするとよい。
ホールの形態としては、何百台もの台が設置されるような大型店や、台の数が少ない小型店など営業形態はさまざまある。特に、台数が多い大型店においてホール関係者が少ない場合などには、役物補正動作を全ての台について、ひとつひとつ確認することができない場合がある。そのような場合においても、前記のように表示及び音でわかりやすくホール関係者に知らせるような設定とすることによって、故障の発生をよりわかりやすく報知することが可能となる。そして、可動役物に故障が発生していることがわかった時点で、ホール関係者により再度電源の再投入を行ったり、修理を行ったりすることによって、故障の手当をすることが可能となる。
また、前述したRAMクリア報知期間中の振動スピーカーの検査(動作確認)と同じように、RAMクリア処理、RAMクリア報知コマンドの受信を契機に、役物補正動作を実行するようにすることも可能である。
また、遊技機の下部に設けられた可動役物(例えば、役物グループ05のポップアップ役物)が遊技球Bやゴミなどの異物を挟みこむことなどを原因として、原点へ復帰しないなどの異常が検知された場合に、振動スピーカ354により、可動役物まで伝達するような振動を発生させ、可動役物の原点位置への復旧を促す原点位置復旧処理を制御手段が実行するようにしてもよい。
[自動チャンネル方式による音制御]
次に、周辺制御基板1510の周辺制御MPU1510aが所定の周期毎(例えば16ms毎)に実行する音データ作成処理において、その一部である自動チャンネル音制御に関する説明について後述する。そこで、次に、本実施形態による自動チャンネル音制御について説明する。まずは、その背景について簡単に説明する。
一般的なパチンコ機においては、遊技の進行に応じて各シーンにおいてスピーカから様々な音を出力することにより遊技者の興味を引く演出を実現しようとしている。例えば、遊技者の期待を向上させるはずのリーチであっても、その種類に応じて多彩な音が出力されるものもあればそうでないものも存在している。このような一般的なパチンコ機では、そのような各リーチを含め、各シーンにおいて出力されるべき各音に対して各チャンネルが予め割り当てられており、このような各音は対応する既定の各チャンネルを用いて再生される(特許第5627044号公報参照)。しかしながら、一般的なパチンコ機においては、仮に空きチャンネルがあったとしても、チャンネルの割り当て上、再生しようとした音が当該空きチャンネルに割り当てられ得ない場合があり、当該再生しようとした音が再生できず多彩な音演出を実現し難いという問題点があった。
そこで、本実施形態では、空きチャンネルを有効に活用して多彩な音演出を実現し遊技者の興趣を高めることを目的とし、周辺制御基板1510の周辺制御MPU1510aが、それぞれ一対のトップ中央スピーカ462及びトップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622から出力されるべき各音に対して動的に各チャンネルを割り当てて管理する一方、当該出力予定である音の組み合わせの数が各チャンネルの最大チャンネル数(本実施形態では16チャンネルを例示する)を超える場合、所定の優先順位に従って最大チャンネル数の範囲内において上記出力予定である音の組み合わせに対して動的に各チャンネルを割り当てるようにしている(チャンネル制御手段)。さらに周辺制御MPU1510aは、上記所定の優先順位に従って最大チャンネル数の範囲内において動的に割り当てられた各チャンネルを介して上記出力予定である音の組み合わせを同時に再生している(音出力制御手段)。以下、具体的に説明する。
[固定チャンネル方式による音制御]
図172(A)及び図172(B)は、それぞれ、本実施形態に対する比較対象としての固定チャンネル方式による音制御の一例を示している。図172(A)は、音の再生チャンネルの一例を示している。この固定チャンネル方式による音制御では、後述する本実施形態による自動チャンネル方式による音制御と同様に、例えば、再生チャンネル00〜再生チャンネル15の全16チャンネルを用いる。なお、図示の「再生ch」は、再生チャンネルを省略したものである。
一方、図172(B)は、各音に対する再生チャンネルの割り当ての一例を示している。この固定チャンネル方式による音制御では、図示のように、使用する各再生チャンネルに各音が予め割り当てられている。ここで、基本的な音再生ルールについて触れると、1つの音は、ステレオで出力する場合には2チャンネルが必要になる一方、モノラルで出力する場合には1チャンネルが必要となる。
図示の「報知音1」〜「ボタン押下音」は、再生を開始した音は再生終了までいかなることがあっても途中で消音してはならないものとする。チャンネル割り当て方法としては、再生チャンネルと音と一対で専用に割り当て、音の上書きが起こらないようにする。一方、図示の「通常BGM」〜「保留入賞音」は、再生を開始した音は再生中に別な音で上書きされて消音しても問題ない。チャンネル割り当て方法としては、できるだけ、再生タイミングが被らないように同一チャンネルに割り当てるようにしている。
固定チャンネル方式による音制御では、出力中の同じチャンネルに新しい音を出力すると、出力中の音は消音され新しい音が出力される。上書きされると支障がある音に関しては、独立したチャンネルを割り当てるか、または、再生タイミングが重ならない音を同じチャンネルに割り当てるようにしている。
図173は、固定チャンネル方式による音制御を実現するための音定義テーブルの一例を示している。この音定義テーブルにおいては、音の区分及び音名称ごとに、再生チャンネル番号、左右パン初期値、上下パン初期値、ボリューム初期値、音番号、再生タイプ設定及び出力タイプ設定の定義を管理している。再生チャンネル番号については上述しているため、説明を省略する。コネクタの異常等の原因で、磁気検出センサ4024等のセンサが異常を検出した場合には、区分「異常報知音」、音名称「センサ異常検出」の音制御を行うこととなる。
また、前述した可動役物の初期位置(原点位置)を検出する初期位置検出センサ(フォトセンサ)の異常を検出、すなわち、可動役物の動作異常を検出した場合にも、区分「異常報知音」、音名称「センサ異常検出」の音制御を行う。
なお、コネクタの異常等と、可動役物の動作異常をそれぞれ区別したい場合には、例えば、図173において、現在は音名称「センサ異常検出」としてch02が割り当てられているが、可動役物の動作異常を検出した場合の初期位置検出センサの異常検出についてはch03を別途追加割り当てするなど、固定チャンネルとして専用チャンネルを設けてもよい。このとき、異常検出については確実な報知を行うために、固定チャンネルと自動チャンネルを併用する場合には、異常検出を固定チャンネルに割り当てることが好ましい。
また、異常の種類に応じて区別した場合に、異なる異常が重複したときには、あらかじめ異常の種類の重要度を決めておくようにしてもよい。例えば、RAMクリア、磁気検出、役物故障の順に重要度が低くなるようにあらかじめ設定がなされた場合に、これらの異常が重複して発生した場合には、重要度が高く、最優先で報知しなければならないRAMクリアを特定する報知音(「RAMがクリアされました」)を報知するようにしてもよい。
この場合、重複して発生している異常のうち、重要度の高い異常については重要度の低い異常よりも報知の重要性が高いため、重要度の低い異常についてはすぐに報知をせず、異常が発生したことを記憶しておき、重要度の高い異常が解消した後や、重要度の高い異常の報知を開始してから所定期間経過した後に、記憶しておいた重要度の低い異常を特定する報知音(「磁気を検出しました」や「役物故障です」)を異常が解消するまで、または定められた所定期間報知するようにしてもよい。
重複して異常が発生して順次報知を行う場合には、重要度の高い順に報知を行っていき、重要度の高い異常の報知の終了後に、次に重要度の高い異常の報知を行うといったように順次報知を行ってもよいが、重要度の低い異常の報知音の報知期間を長く設定し、異常が起きたときから重要度の高い異常を特定する報知音と合わせて重要度の低い異常の報知音を報知しつつ、最初は重要度の高い報知音の方がよりよく聞こえるように、重要度の高い報知音の音量を大きくして、重要度の低い報知音の音量を小さく設定しておき、重要度の高い異常の報知期間の終了を契機に、重要度の低い異常を特定する報知音が良く聞こえるように音量を大きくして、異常が解消するまで、あるいは定められた所定期間報知するようにすることもできる。
また、異常が発生するタイミングが異なる場合、例えば、役物の故障の発生に伴い、役物が故障である旨を報知(「役物故障です」)している最中に、磁気を検出したことにより磁気検出した旨を報知(「磁気を検出しました」)する場合には、前述したように異常の種類に基づいて報知する順番を入れ替える。
この場合は、報知の態様が「役物異常です」から「磁気を検出しました」に切り替えることになる。そして、磁気による異常が解消されると、再び役物の故障を報知することになる。
異常の種類については、重要度に応じて、RAMクリア、磁気検出、役物異常の順に重要度が低く設定されている。その他の異常についても、それぞれの異常に応じて適宜重要度の順を設定することが可能である。
報知の態様については、音、表示、あるいは音と表示とを組み合わせ、いずれかの態様で報知するとよい。例えば、前記した例では、音声で報知している最中、表示装置に「役物異常です」を表示するようにして、磁気による異常が解消されると、表示を消去し、再び役物の故障を音声で報知する。音で、音と表示でといった具合に、演出に使用されるスピーカーや表示装置を利用し、状況に応じて報知の態様を切り替える。特に表示装置については、近年、複数の小型液晶を役物装置として演出に用いられているが、小型表示装置に異常状況を表示して、抽選図柄を表示する主たる表示装置については、異常状況を表示しないようにして、できるだけ遊技に支障をきたさないよう配慮するとよい。
左右パン初期値は、上部左スピーカ(トップ中央スピーカ462及びトップサイドスピーカ464)及び上部右スピーカ(トップ中央スピーカ462及びトップサイドスピーカ464)との組み合わせでなる左右のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に左右パンの設定値を動的に変化させることにより上部左スピーカ及び上部右スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、左右スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。例えば「0x00」と設定されると、トップ中央スピーカ462及びトップサイドスピーカ464の左スピーカのみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、トップ中央スピーカ462及びトップサイドスピーカ464、から個別に出力される音量差は0となり左右スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xff」と設定されると右スピーカのみから出力されることを示している。
上下パン初期値は、例えば一対のトップサイドスピーカ464と一対のトップ中央スピーカ462及び1つの本体枠スピーカ622の上部及び下部のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に上下パンの設定値を動的に変化させることによりそれら上部及び下部スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、上下スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。例えば「0x00」と設定されると一対の上部スピーカのみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、これらの組み合わせでなる上部及び下部スピーカから個別に出力される音量差は0となり上下スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xff」と設定されると下部スピーカである本体枠スピーカ622のみから出力されることを示している。
ボリューム初期値は、再生開始時の音量設定を表しており、例えば「0x00」から「0xff」の設定範囲で定めることができる。音番号は、上述した各音を区別するための識別子である。再生タイプ設定は、対象とする音を繰り返し再生するループ再生(図示の「LOOP」に相当)であるか、或いは、対象とする音を1回再生する1SHOT再生(図示の「1SHOT」に相当)であるかを表している。出力タイプ設定は、対象とする音をモノラルで再生するか、或いは、ステレオで再生するかを表している。
図174は、遊技状態、再生音及び再生チャンネルとの関係を示している。横軸である時間軸は遊技状態を示し、遊技状態としては順に、例えば「変動前半」、「変動後半」、「左図柄停止」、「右図柄停止」、「中図柄停止」及び「大当り中」を挙げることができる。一方、縦軸は(再生)優先順位を表し、下から上に向けて(再生)優先順位が高くなることを表している。
図175(A)は、演出タイムチャートの一例を示し、図175(B)は、チャンネル再生タイムチャートの一例を示し、図175(C)は、各音を再生しようとした際に再生できないという問題点の一例を示している。これら図175(A)〜図175(C)は、互いに横軸が共通の時間軸となっている。
図175(A)では、横軸である時間軸に沿って遊技状態として順に「変動前半」、「変動後半」、「左図柄停止」、「右図柄停止」、「中図柄停止」及び「大当り中」となるように遊技が制御されることを挙げることができる。
図175(A)に示す「変動前半」において、例えば、図175(C)の問題点1に示すように新たな音として「前半予告A」の再生時間中に始動口入賞(図示の「保留入賞」に相当)があると、図172(B)で示されるように、「保留入賞音」が「前半予告A」と同じ再生チャンネル14、15に予め割り当てられているため、「前半予告A」の再生音が、保留入賞音で上書きされて「前半予告A」音の出力が停止してしまうことなる(固定チャンネルによる音制御の場合)。
図175(A)に示す「変動後半」において、例えば、図175(C)の問題点2に示すように新たな音として「全画面予告」の再生時間中に始動口入賞(図示の「保留入賞」に相当)があると、図172(B)で示されるように、「保留入賞音」が「全画面予告」と同じ再生チャンネル14,15に予め割り当てられているため、「全画面予告」の再生音が、保留入賞音で上書きされて「全画面予告」音の出力が停止してしまうことになる(固定チャンネルによる音制御の場合)。
[自動チャンネル方式による音制御]
次に本実施形態による自動チャンネル方式による音制御の一例について説明する。図176(A)及び図176(B)は、それぞれ、本実施形態としての自動チャンネル方式による音制御の一例を示している。
図176(A)は、音の再生チャンネルの一例を示しており、上述した固定チャンネルによる音制御とは、再生チャンネルの属性としてのチャンネル区分が自動チャンネル(図示の「AUTOch」に相当)となっている点が異なっている。ここでチャンネル区分が自動チャンネルであるとは、各音に対する各再生チャンネルが固定されておらず可変であり、後述する規則に沿って自動的に割り当てられるように制御することを示している(上述した「自動チャンネル方式による音制御」に相当)。
本実施形態による自動チャンネル方式による音制御では、既述の固定チャンネル方式による音制御と同様に、例えば、再生チャンネル00〜再生チャンネル15の全16チャンネルを用いる。なお、図示の「再生ch」は、再生チャンネルを省略したものである。
一方、図176(B)は、各音に対する再生チャンネルの割り当ての一例を示している。この自動チャンネル方式による音制御では、図示のように、各音に個別に優先順位が割り当てられている。ここで、基本的な音再生ルールについて触れると、上述したように、1つの音は、ステレオで出力する場合には2チャンネルが必要になる一方、モノラルで出力する場合には1チャンネルが必要となる。
図示の「報知音1」〜「ボタン押下音」は、再生を開始した音は再生終了までいかなることがあっても途中で消音してはならない。一方、図示の「通常BGM」〜「保留入賞音」は、再生を開始した音は再生中に別な音で上書きされて消音しても問題ない。
自動チャンネル方式による音制御では、個々の再生チャンネルを、AUTOグループチャンネル(以下「AUTOグループ」と省略する)として定義している。AUTOグループは複数定義できる一方、複数の再生チャンネルをAUTOグループ内に定義することができる。各AUTOグループは、AUTOグループ用の音を再生するために用いられる。AUTOグループに音を割り当てる場合、各AUTOグループにおいて特定のAUTOグループを指定するための識別子と優先順位(プライオリティ)を指定することができる。新規な音を再生する際にAUTOグループに定義されている音であれば、指定されたAUTOグループ内に空きチャンネル(未使用チャンネル)が存在すれば、即時再生される。
上記の場合において空きチャンネルが存在しない場合は、演出制御プログラムが、新規に再生しようとする音の優先順位に基づいて、AUTOグループ内おいて現在再生中の全てのチャンネルを検索する。演出制御プログラムは、再生中の音自身より優先順位が低いか又は同一であるチャンネルが存在すればそのAUTOチャンネルの使用を終了し、新規の音の再生を行う。一方、演出制御プログラムは、AUTOグループ内に、再生中の音自身よりも優先順位が低いか或いは同一でない空きチャンネルが存在しない場合には、当該新規な音の再生を行わない。
図177は、自動チャンネル方式による音制御を実現するための音定義テーブルの一例を示している。この自動チャンネル方式における音定義テーブルにおいては、音の区分及び音名称ごとに、既に説明済みの固定チャンネルによる音制御のような再生チャンネル番号、左右パン初期値、上下パン初期値、ボリューム初期値、音番号、再生タイプ設定及び出力タイプ設定の代わりに、AUTOグループを指定するための識別子と優先順位(「再生優先順位」ともいう)、左右パン初期値、上下パン初期値、ボリューム初期値、音番号、シークポイント、再生タイプ設定及び出力タイプ設定の定義を管理している。
まず、各特定のAUTOグループを指定するための識別子は、各音が複数存在するAUTOグループのうちどのAUTOグループで再生されるかを表す。また優先順位は、各音が同時に再生される際に、どちらの音が優先して再生されるべきであるかを示す指標である。この優先順位は、数値が大きいほど優先して再生されるべき音である一方、数値が小さいほど優先されずに再生されるべき音であることを表している。本実施形態では、優先して再生されるべき音の種類の順序として、例えば、優先順位が「25」である報知音(「報知音1」、「報知音2」及び「報知音3」)、優先順位が「20」である効果音(「大当り確定音」及び「ボタン押下音」)、優先順位が「15」であるBGM(「通常BGM」など)、優先順位が「10」である効果音(「全画面予告効果音」など)、優先順位が「05」である効果音(「前半予告効果音」〜「後半予告効果音」)、優先順位が「01」である保留入賞音としている。これにより、空きチャンネルが存在しない状態において、例えば、報知音を再生しようとした場合、予め定められた再生チャンネルを用いて再生する必要がなく、優先順位がより低い方の音(例えば保留入賞音)を再生中のチャンネルを用いて、報知音が優先して再生されることになる。
既に説明したように左右パン初期値は、上部左スピーカ(トップ中央スピーカ462及びトップサイドスピーカ464)及び上部右スピーカ(トップ中央スピーカ462及びトップサイドスピーカ464)との組み合わせでなる左右のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に左右パンの設定値を動的に変化させることにより左及び右スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、左右スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。この左右パン初期値は、パン情報として管理されている。例えば「0x00」と設定されるとトップ中央スピーカ462及びトップサイドスピーカ464の左スピーカ(トップ中央スピーカ462及びトップサイドスピーカ464)のみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、トップ中央スピーカ462及びトップサイドスピーカ464から個別に出力される音量差は0となり左右スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xff」と設定されると右スピーカ(トップ中央スピーカ462及びトップサイドスピーカ464)のみから出力されることを示している。
また既に説明済みのように上下パン初期値は、例えば一対のトップサイドスピーカ464と一対のトップ中央スピーカ462及び1つの本体枠スピーカ622の上下のスピーカによる音の音像定位初期位置を表している。音の再生中に左右パンの設定値を動的に変化させることによりそれら上部及び下部スピーカから個別に出力される音量に差が生まれ、上部及び下部スピーカ間の任意の空間に音像を定位させることが出来る。この上下パン初期値は、パン情報として管理されている。例えば「0x00」と設定されると一対の上部スピーカ573のみから出力されることを示し、例えば「0x80」と設定されると、これらの組み合わせでなる上部及び下部スピーカから個別に出力される音量差は0となり上部及び下部スピーカの中央に音像が定位することとなる。例えば「0xff」と設定されると下部スピーカである本体枠スピーカ622のみから出力されることを示している。
同様にボリューム初期値は、再生開始時の音量設定を表しており、例えば「0x00」から「0xff」の設定範囲で定めることができ、加えて3バイト目に「1」(0xffであれば0x1ff)を設定することで、遊技機に備えられている一つまたは複数の音量調整装置を操作したことによる、音量変更の影響は受けず、必ず初期値で設定された音量で再生されることを表している。音番号は、上述した各音を区別するための識別子である。
シークポイントは、各音に対応する音データにおいて同一フレーズ内の再生開始位置番号を表している。本実施形態では、このシークポイントとして、例えば「右上スピーカ確認音」〜「前半予告A効果音」にそれぞれ「0」が設定されている一方、「後半予告A効果音」及び「後半予告B効果音」にそれぞれ[1」が設定されている。このようなシークポイントにより音源内に登録できる、音の最大数を超えた場合に登録できる最大数を超えて音の登録を行うことができる。
再生タイプ設定は、対象とする音を繰り返し再生するループ再生(図示の「LOOP」に相当)であるか、或いは、対象とする音を1回再生する1SHOT再生(図示の「1SHOT」に相当)であるかを表している。出力タイプ設定は、対象とする音をモノラルで再生するか、或いは、ステレオで再生するかを表している。
図178は、遊技状態、再生音及び優先順位との関係を示している。横軸である時間軸は遊技状態を示し、遊技状態としては順に、例えば「変動前半」、「変動後半」、「左図柄停止」、「右図柄停止」、「中図柄停止」及び「大当り中」を挙げることができる。一方、縦軸は(再生)優先順位を表し、下から上に向けて(再生)優先順位が高くなることを表している。
図178(A)は、演出タイムチャートの一例を示し、図178(B)は、AUTOチャンネル再生タイムチャートの一例を示している。これら図178(A)及び図178(B)は、それぞれ横軸が共通の時間軸となっている。図178(A)では、横軸である時間軸に沿って遊技状態として順に、「変動前半」、「変動後半」、「左図柄停止」、「右図柄停止」、「中図柄停止」及び「大当り中」となるように遊技が制御されることを挙げることができる。
図179(A)に示す「変動前半」においては、図179(B)に示すように、その一部として、例えば再生チャンネル00〜01において「通常BGM再生」の音が終始再生されている(範囲Aに相当)。ここで、始動口入賞(図示の「保留入賞」に相当)があったために新たな音として保留入賞音を再生しようとすると、その開始タイミングにおいて再生チャンネル12〜13が空きチャンネルとして存在しており、この保留入賞音を再生チャンネル12〜13を用いて再生することができるため、再生中の音がいずれも保留入賞音(図示の「保留音再生」に相当)によって上書きされることなく、その他全ての種類の音の出力が継続する。
図179(A)に示す「変動後半」においては、図179(B)に示すように、その一部として、例えば再生チャンネル00〜01において「リーチBGM再生」の音が終始再生されている(範囲Bに相当)。ここで、例えば始動入賞(図示の「保留入賞」に相当)があったために新たな音として保留入賞音を再生しようとすると、その開始タイミングにおいて再生チャンネル04〜05が空きチャンネルとして存在しており、再生中の音がいずれも保留入賞音(図示の「保留音再生」に相当)によって上書きされることなく、その他全ての種類の音の出力が継続する。
図179(A)に示す「変動後半」においては、その後さらに、例えば報知(図示の「報知2発生」に相当)が発生したために新たな音として優先順位が「25」と最も高い報知音(図示の「報知2」に相当)を再生しようとすると、空きチャンネルの検索の結果、図179(B)に示すように、その開始タイミングにおいて空きチャンネルが存在しないことが判明する。そこで、当該開始タイミングにおいて再生中の音のうち最も優先順位の低い音を検索し、優先順位が「01」と最も低い保留入賞音を再生しているチャンネルとして再生チャンネル04〜05を見つけ出す。これらの再生チャンネル04〜05においては、上述のように保留入賞音が再生されているが、次に再生しようとする報知音(図示の「報知音2」に相当)の優先順位(25)がその保留入賞音の優先順位(01)よりも高いため、これら再生チャンネル04〜05において再生中の保留入賞音が当該報知音で上書きされる。
図180は、周辺制御RAMに設けられたAUTOグループチャンネル制御用ワーク領域に格納されている自動チャンネル制御用ワーク情報の一例を示す。この自動チャンネル制御用ワーク情報は、ワーク名称として、各チャンネル毎に、設定予約フラグ、要求音番号、再生中音番号、自動割付グループ、自動割付時の優先度、登録からの経過時間、音量制御用ワーク及びパン制御用ワークを含み、これらに対応する各情報を有する。
設定予約フラグは、「0」以外の値であれば設定予約がなされていることを示している。要求音番号は、「−1」が停止、「−1」以外であれば、再生すべき音を識別するための識別子としての音データインデックス番号を表している。再生中音番号は、「−1」が停止、「−1」以外であれば、再生中の音を識別するための識別子としての音データインデックス番号を表している。
自動割付グループは、「0」であるとチャンネルが固定的に割り付けられる一方、「1〜」であるとチャンネルが自動的に割り付けられるようになっている(後述する「自動チャンネル方式による音制御」に相当)。ここで、自動割付グループは、例えば「1」であればAUTOグループ1であることを示し、「2」であればAUTOグループ2を示している。一方、自動割り付け時の優先度は、後述の自動チャンネル方式による音制御を行う場合における優先度を表している。
登録からの経過時間は、所望の再生音の登録時を「0」として、その登録時からの経過時間を表している。なお、当該登録からの経過時間は、上記自動割り付け時の優先度が同一である音が複数再生中である状況において新たな音を再生しようとした場合に、当該複数の再生中の音のうちどの音を上書きして消去すべきであるかを判定するのに使用される。例えば、より長時間に亘って再生していた音を割り出して、この音を当該新たな音で上書きして消去するようにしている。
音量制御用ワークは、再生する音の音量値(ボリューム値)が格納されている。パン制御用ワークは、上述した左右パン及び上下パンの設定値を含むパン情報を格納している。
図181は、自動チャンネル方式においてAUTOグループを一つだけ定義した場合の音制御を行うに際における空きチャンネルの検索処理の一例を示している。なお、図181においてもチャンネルを「ch」と省略している。
演出制御プログラムは、新規な音の再生要求があると(ステップS1100)、当該新規な音に関する自動割付グループを確認し(ステップS1102)、この自動割付グループが「0」である場合には固定割付であると判定し、指定されたチャンネルで新規な音の再生を開始する。
一方、演出制御プログラムは、この自動割付グループが「0」以外である場合には自動割り付けであると判定し、当該新規な音がモノラルチャンネルに対応しているかどうかが判定される(ステップS1106)。
演出制御プログラムは、新規の音がモノラルである場合、空いている(モノラル)チャンネル(1チャンネル)が存在するか否かを判定し(ステップS1108)、存在している場合には当該空き(モノラル)チャンネルで上記新規の音の再生を開始する一方(ステップS1109)、存在していない場合には再生中の(モノラル)チャンネル内で当該新規の音の優先順位と同一或いはそれより低い再生音のチャンネルが存在するか否かを判定する(ステップS1110)。
演出制御プログラムは、そのような再生中の(モノラル)チャンネル内で当該新規の音の優先順位と同一或いはそれより低い再生音のチャンネルが存在しない場合には処理を終了する一方、存在する場合には該当するチャンネルが複数存在しているか否かを判定する(ステップS1112)。
演出制御プログラムは、当該該当するチャンネルが複数存在している場合には、既述の登録からの経過時間に基づいて当該該当するチャンネルの中で、登録からの再生時間が最も長い音を再生中の(モノラル)チャンネルで上記新規の音の再生を開始する(ステップS1114)。一方、演出制御プログラムは、当該該当するチャンネルが複数存在せず1つである場合、所望の条件を満たす(モノラル)チャンネルで上記新規の音の再生を開始する(ステップS1116)。
その一方、既述のステップS1106において、演出制御プログラムが、上記新規の音がモノラルでないと判定した場合、空いている(ステレオ)チャンネル(2チャンネル)が存在しているか否かを判定する(ステップS1120)。演出制御プログラムは、空きチャンネルが存在していると判定した場合、所望の条件を満たす(ステレオ)チャンネルを選択し上記新規な音の再生を開始する(ステップS1122)。
一方、演出制御プログラムは、空きチャンネルが存在しないと判定した場合、再生中の音の(ステレオ)チャンネル内に新規の音の優先順位と同一或いは低いものが存在するか否かを判定し(ステップS1124)、存在しない場合には処理を終了するため、再生しようとした新規の音による再生中の音の上書きは実施しない。一方、演出制御プログラムは、存在する場合には、該当するチャンネルが複数存在するか否かを判定する(ステップS1126)。
演出制御プログラムは、該当するチャンネルが複数存在しない場合には所望の条件を満たす(ステレオ)チャンネルで上記新規な音の出力を開始する一方、該当するチャンネルが複数存在する場合には、既述の登録からの経過時間に基づいて、該当するチャンネルの中で登録からの再生時間が最も長い(ステレオ)チャンネルで上記新規な音の再生を開始する(ステップS1130)。
以上のように演出制御プログラムは、新規な音を再生するために空きチャンネルを検索する。このような空きチャンネルの検索処理をより視覚的に分かり易く説明する。
図182(A)及び図182(B)〜図185(A)及び図185(B)は、それぞれ、空きチャンネル検索処理の具体的な内容の一例を示している。演出制御プログラムは、図182(A)に示すように、優先順位が15である通常BGMの再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01が空いているため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで通常BGMの再生を開始する。
演出制御プログラムは、図182(B)に示すように、優先順位が05である前半予告_Aの効果音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル02〜03に空きが存在するため、これら再生チャンネル02〜03を用いてステレオで前半予告_Aの効果音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図183(A)に示すように、優先順位が20であるホタン押下音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル04〜05に空きが存在するため、これら再生チャンネル04〜05を用いてステレオでボタン押下音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図183(B)に示すように、優先順位が05である前半予告_Bの効果音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル06〜07に空きが存在するため、これら再生チャンネル06〜07を用いてステレオで前半予告_Bの効果音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図184(A)に示すように、優先順位が20である大当り確定音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル08〜09に空きが存在するため、これら再生チャンネル08〜09を用いてステレオで大当り確定音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図184(B)に示すように、優先順位が05である前半予告_Cの効果音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル10〜11に空きが存在するため、これら再生チャンネル10〜11を用いてステレオで前半予告_Cの効果音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図185(A)に示すように、優先順位が01である保留入賞音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル12〜13に空きが存在するため、これら再生チャンネル12〜13を用いてステレオで保留入賞音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図185(B)に示すように、優先順位が25である報知音3の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル14〜15に空きが存在するため、これら再生チャンネル14〜15を用いてステレオで報知音3の再生を開始する。
図186(A)及び図186(B)〜図189(A)及び図189(B)は、それぞれ、空きチャンネル検索処理の具体的な内容の一例を示している。演出制御プログラムは、図186(A)に示すように、優先順位が15であるリーチBGMの再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01が空いているため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオでリーチBGMの再生を開始する。
演出制御プログラムは、図186(B)に示すように、優先順位が25である報知音1の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル02〜03に空きが存在するため、これら再生チャンネル02〜03を用いてステレオで報知音1の再生を開始する。
以上のような処理を繰り返した後、次に演出制御プログラムは、図187(A)に示すように、優先順位が10である全画面予告音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル10〜11に空きが存在するため、これら再生チャンネル10〜11を用いてステレオで全画面予告音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図187(B)に示すように、優先順位が25である報知音1の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、図187(A)に示すように再生チャンネル02〜03(図示の「非再生(空き)」に相当)に空きが存在するため、これら再生チャンネル02〜03を用いてステレオで報知音1の効果音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図136(A)に示すように、優先順位が25である報知音3の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル04〜05(図示の「非再生(空き)」に相当)に空きが存在するため、これら再生チャンネル04〜05を用いてステレオで報知音3の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図188(B)に示すように、優先順位が10である役物予告音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル12〜13に空きが存在するため、これら再生チャンネル12〜13を用いてステレオで役物予告音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図189(A)に示すように、優先順位が01である保留入賞音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル14〜15(図示の「非再生(空き)」に相当)に空きが存在していたため、これら再生チャンネル14〜15を用いてステレオで保留入賞音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図189(B)に示すように、優先順位が25である報知音2の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行うが、空きチャンネルが存在しないため、再生中の音に対応する各チャンネル内で優先順位が最も低い「保留入賞音」を再生している再生チャンネル14〜15による再生の使用を停止し、この再生チャンネル14〜15を用いてステレオで所望の音である報知音2の再生を開始する。
このようにすると、上記出力予定の各音が予め特定のチャンネルに固定的に割り付けられておらず音の優先順位に応じて優先順位の低い再生チャンネルを検索し、より優先順位の高い上記出力予定の各音が検索で見つかった再生チャンネルで再生されることとなる。従って、本実施形態によれば、既述のように空きチャンネルを有効に活用することができるばかりでなく、当該空きチャンネルを含めた各チャンネルを用いて上記出力予定の各音を可能な限り多く再生できるようになるため、多彩な音演出を実現し遊技者の興趣を高めることができる。
図190(A)及び図190(B)〜図191(A)及び図191(B)は、それぞれ、空きチャンネル検索処理の具体的な内容の一例を示している。演出制御プログラムは、図190(A)に示すように、優先順位が15である左図柄停止音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01が空いているため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで左図柄停止音の再生を開始する。
演出制御プログラムは、図190(B)に示すように、優先順位が15である右図柄停止音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01に空きが存在するため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで右図柄停止音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図191(A)に示すように、優先順位が15である中図柄停止音の再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01に空きが存在するため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで中図柄停止音の再生を開始する。
次に演出制御プログラムは、図191(B)に示すように、優先順位が15である大当りBGMの再生要求が発生したことを契機として、空きチャンネルの検索を行い、再生チャンネル00〜01に空きが存在するため、これら再生チャンネル00〜01を用いてステレオで大当りBGMの再生を開始する。
なお、演出制御プログラムは、ある再生チャンネルを用いて優先順位に従った音の差し替え再生が発生した場合、その再生の完了後に、その再生チャンネルにおいて差し替え前に再生していた従前の音を復帰させるようにしても良いことは云うまでもない。
[音制御のバリエーション]
以上の実施形態においては、最大チャンネル数分の全ての再生チャンネルを用いて自動チャンネル方式による音制御を行うことを一例として説明してきたが、これに限られず、上述した固定チャンネルによる音制御との組み合わせなどによって次のように音制御を行うようにしても良い。
図192(A)〜図192(F)は、それぞれ、既述の2種類の各チャンネル方式又はこれらの組み合わせによる音制御におけるチャンネル割り当てのバリエーション例を示す図である。
図192(A)は、上述した実施形態との比較例としてこれまでに説明した最大チャンネル数分(16チャンネル)固定チャンネル方式による音制御におけるチャンネル割り当て例を示し、図192(B)は、これまでに説明した本発明の実施形態に相当し、最大チャンネル数分自動チャンネル方式によって音制御を行う場合のチャンネル割り当て例を示している。これら2つのチャンネル割り当てによる音制御については説明済みであるため、詳細な説明は省略する。
図192(C)は、複数の自動チャンネルグループを用いつつ最大チャンネル数分の再生チャンネルについてチャンネル割り当てを行い自動チャンネル方式による音制御を行う実施形態を示している(図示の「PTN2」に相当)。図192(D)は、1つの自動チャンネルグループを用いつつ最大チャンネル数分の再生チャンネルについてチャンネル割り当てを行うとともに一部の再生チャンネルについて既述の固定チャンネル方式による音制御を行う実施形態を示している(図示の「PTN3」に相当)。
図192(E)は、複数の自動チャンネルグループを用いつつ最大チャンネル数分の再生チャンネルについてチャンネル割り当てを行うとともに一部の再生チャンネルについて既述の固定チャンネル方式による音制御を行う実施形態を示している(図示の「PTN4」に相当)。なお、図192(E)に示したチャンネル方式の具体例については、図192以降の図面を参照しながら詳細に後述する。
図192(F)は、1つの自動チャンネルグループを用いつつ最大チャンネル数分の再生チャンネルについてチャンネル割り当てを行い自動チャンネル方式による音制御を行うとともに一部の再生チャンネルについて既述の固定チャンネル方式による音制御を行うが、上述の例とは各再生チャンネル数が可変となるようにチャンネル数が確保される点が異なっている。なお、図192(F)に示したチャンネル方式の具体例については、図192以降の図面を参照しながら詳細に後述する。
本実施形態に示したように、すべてのチャンネルを1グループとする自動チャンネル方式を採用することによって、あらかじめ指定された基準に基づいて空きチャンネルの割り当て又は出力中のチャンネルの入れ替えを行うため、音の優先順位を決定するだけで音の出力が可能となる。したがって、チャンネルを指定して音を出力するといった従来の制御方式とは異なり、チャンネルの管理が不要となるため、音出力に関する制御を簡素化することが可能となり、開発効率を向上させることが可能となる。
また、自動チャンネル方式を採用することによって、チャンネル数を最小限にすることが可能となり、例えば、チャンネル数の少ない廉価版の音源ICを採用することが可能となり、遊技機の製造コストを削減することができる。
[15.自動チャンネル方式による音制御の別形態]
続いて、前述した音制御方式の別形態の詳細について説明する。前述した音制御方式では、自動チャンネル方式として各チャンネルに対する音の割り当てを動的に変化させることによって、空きチャンネルを有効に活用して多くの音を再生できるようにしていたが、遊技の演出が多様化している近年の遊技機では、数百、数千種類の音を選択して出力するため、音源の管理が複雑化してしまうおそれがある。
また、複数の音を重ねて出力することによって、重複して予告演出を実行したり、少ない音源で多様な音演出を可能としたりする。そこで、図192(C)に示したように、音を複数のグループに分割し、グループごとに複数の音と再生チャンネルとの割り当てを動的に行うことによって、確実に重複して音を出力することができる。また、音を種類ごとに分割することによって管理が容易になる利点も有する。
さらに、音には、報知音のように演出音よりも優先して出力すべき音やBGMのように継続して出力される音がある。これらの音では、動的にチャンネルを割り当てるよりも出力するチャンネルを固定したほうが都合がよい。そこで、図192(D)に示したように、優先して出力される音や常時出力される音については固定チャンネル方式で出力し、始動入賞や変動表示の結果に応じて変化する音については自動チャンネル方式で出力する。
以上のように構成することによって、自動チャンネル方式によって空きチャンネルを有効に活用するとともに、固定チャンネル方式によって不要なチャンネル切替制御が発生することを防ぐことができる。また、BGM、演出音、報知音などの音の種類によって分類することが可能となるため、演出データの管理が容易になる。
図192(E)に示した音制御方式は、図192(C)及び図192(D)に示した音制御方式を組み合わせたものであり、各方式の利点を有している。以下、図192(E)に示した音制御方式について具体的に説明する。
[15−1.固定チャンネル方式と複数の自動チャンネル方式とが混在する音制御]
本実施形態では、前述した例と異なり、音源制御におけるチャンネル数は32チャンネル(ch)とし、固定チャンネル方式で音を再生するチャンネルと、自動チャンネル方式で音を再生するチャンネルとが含まれている。また、自動チャンネル方式で音を再生するチャンネルは、2つのグループに分けられている。以下、図193を参照しながら具体的に説明する。
[15−1−1.再生チャンネルの構成]
図193は、本実施形態における音源制御における再生チャンネルの構成表の一例を示す図である。前述のように、本実施形態の音源制御では、32個のチャンネルを使用し、各チャンネルにはユニークな識別子(チャンネル番号)が割り当てられている。
チャンネルの構成表は、チャンネル番号に対し、自動割付を行うか否かを示す「自動割付け」、各チャンネルの属するグループを示す「区分」、各チャンネルの「使用目的」が含まれる。なお、図193に示す構成表には、補足として「備考」が追加されている。
本実施形態の各チャンネルの構成は、図193に示すように、チャンネル番号0から7までが固定チャンネル方式、8から19までが自動チャンネル方式、20から23までが固定チャンネル方式、24から29までが自動チャンネル方式、30及び31が固定チャンネル方式となっている。
また、チャンネル番号8から19までの自動チャンネル方式のチャンネルが「AUTOグループ1」、チャンネル番号24から29までの自動チャンネル方式のチャンネルが「AUTOグループ2」となっている。
本実施形態における遊技機では、ステレオで音を出力可能としており、ステレオ出力の場合には1ペア(2個)のチャンネルを使用する。一方、モノラル出力場合には1個のチャンネルを使用する。
チャンネル番号0のチャンネル(以下、「チャンネル0」とし、各チャンネルを「チャンネル」チャンネルの番号+1となる「チャンネル番号」で表現する)は、システム用に使用されるチャンネルである。例えば、特定の機種によらずに、メーカー共通で使用される音を出力するためのチャンネルである。具体的には、遊技機起動時にメーカーのロゴを表示するとともに出力される音などである。また、チャンネル1はステレオで音が出力される場合にチャンネル0とペアになるチャンネルである。
チャンネル2は、遊技中又は客待ち状態でBGMを出力するために使用されるチャンネルである。チャンネル3は、ステレオでBGMが出力される場合にチャンネル2とペアになるチャンネルである。同様に、チャンネル4及びチャンネル5は、BGMを出力するために使用されるチャンネルであり、チャンネル6及びチャンネル7は、ステレオでBGMが出力される場合にチャンネル5及びチャンネル6とペアになるチャンネルである。
また、本実施形態では、単にステレオ出力をしているだけでなく、複数の音を同時に出力することでBGMの音質を向上させている。そのため、BGMを出力するために複数(ペア)のチャンネルを使用可能となっており、BGM1からBGM3を同時に出力することが可能となっている。さらに、後述するように、チャンネル20(及びチャンネル21)でもBGMを出力することが可能となっているため、最大8チャンネル(4ペア)を使用してBGMを4本同時に出力することが可能となっている。
遊技機が正常に稼動している間、BGMは継続して出力されており、所定の音源が繰り返し再生される。そのため、BGMを再生するためのチャンネルは継続して占有されており、動的にチャンネルを割り当てるよりもあらかじめチャンネルを固定しておいたほうが効率的になる。そこで、本実施形態の遊技機における音源制御では、BGMを再生するためのチャンネルを固定チャンネル方式とし、BGMのみを出力するようにしている。これにより、空きチャンネルが発生させてしまうことを防ぎながら、自動チャンネル方式のみで音を再生するよりも制御を簡素化することができる。
チャンネル8から19は、予告演出の実行時に出力される音を再生するためのチャンネルである。予告演出では、変動表示の結果や期待度、遊技の進行状況などに応じて抽選によって選択された音が都度出力される。このように、所定の条件に基づいて都度出力される音については、自動チャンネル方式を適用することによってチャンネルを有効に使用することができる。
本実施形態では、前述した例と異なり、自動チャンネル方式を適用するチャンネルをグループ化する。予告演出時の音を出力するチャンネルのグループは、AUTOグループ1となっている。
予告演出の実行時に音を出力する場合、周辺制御MPUは、まず、AUTOグループ1に割り当てられたチャンネルのうち、空きチャンネルをサーチする。なお、ステレオの場合には2チャンネル分の空きチャンネルをサーチし、原則的に連続するチャンネルを出力用のチャンネルとして設定する。このとき、空きチャンネルが存在すれば、当該空きチャンネルから指定された音を出力するように設定する。一方、空きチャンネルが存在しない場合には、所定の条件に基づいて、使用中のチャンネルを開放して新たに音を出力したり、指定された音の出力を中止したりする。なお、チャンネル選択の詳細な手順については図194を参照しながら後述する。
チャンネル20及び21は、固定チャンネル方式が適用されるチャンネルである。チャンネル21は、チャンネル20とステレオ出力時にペアとなるチャンネルである。チャンネル20及び21は、BGM出力又は演出音を出力するためのチャンネルである。4つの音を重ねてBGMを出力する場合や特定の演出音を出力する場合に使用される。特定の演出音は、例えば、自動チャンネル方式で出力される予告演出以外の演出で出力される音である。
チャンネル22及び23は、チャンネル20及び21と同様に、固定チャンネル方式が適用されるチャンネルである。チャンネル23は、チャンネル22とステレオ出力時にペアとなるチャンネルである。チャンネル22及び23は、保留音が出力されるチャンネルである。チャンネル22及び23で出力される保留音は、例えば、始動入賞時に抽選結果によらずに出力される音であったり、大当り確定時など優先して出力する音であったりする。なお、始動入賞時の抽選結果に基づく音などは、後述するように、チャンネル24から29から出力される。
チャンネル24から29は、自動チャンネル方式が適用されるチャンネルである。チャンネル24から29は、始動入賞時に抽選結果に応じた期待度などに基づいて出力される音や変動開始時に保留表示が変化する場合に出力される音が再生される。チャンネル22及び23を固定チャンネル方式で出力することによって、チャンネル24から29に空きチャンネルがない場合であっても大当り確定時の音を確実に出力することが可能となり、遊技者の注意を引くことができる。
チャンネル30及び31は、固定チャンネル方式が適用されるチャンネルである。チャンネル30及び31は、システム用に使用されるチャンネルである。チャンネル30は、ボリューム変更時の変更音や遊技媒体の払い出し時の報知音が出力される。また、チャンネル31は、遊技機に異常が発生した場合に報知音が出力される。このように、遊技機の操作に関わる報知音や異常発生時の報知音が確実に外部に伝達されるように、あらかじめ出力先が確保された固定チャンネル方式が適用されている。
以上のように、本実施形態では、BGMのように定常的に出力が継続される場合や異常報知音のように確実に出力する必要がある場合には固定チャンネル方式のチャンネルが割り当てられる。これに対し、遊技状態などに応じて臨機応変に出力される音については自動チャンネル方式を適用することによって、空きチャンネルが生じていながら音が出力されなくなることを防止し、有限数であるチャンネルを有効に活用することができる。
[空きチャンネル検索処理]
続いて、本実施形態の音源制御の空きチャンネルを検索する手順について説明する。図194は、本実施形態の音を出力する制御を実行する場合における空きチャンネル検索処理の手順の一例を示すフローチャートである。図181ではAUTOグループが1つの場合について説明したが、図194では複数のAUTOグループを有する点で相違する。なお、共通する処理については説明を省略する。
図194に示す空きチャンネル検索処理では、ステップS1108及びステップS1120の処理において、新規音が自動チャンネル方式の場合に、同じグループのチャンネルに空きチャンネルが存在するか否かを判定する。すなわち、異なるグループのチャンネルが空いていても同じチャンネルのグループに空きがなければ、ステップS1108及びステップS1120の結果は「No」となる。
さらに、図194に示す空きチャンネル検索処理では、空きチャンネルがない場合に所定の条件に基づいて選択されたチャンネルから出力されている音の再生を中止し、新規音を当該チャンネルから出力する(ステップS1118、ステップS1132)。以下、図195を参照しながら音の再生を中止するチャンネルの選択条件について説明する。なお、音の出力が中止された演出は画像表示や役物の動作については中止せずに継続して実行される。
図195は、本実施形態において新規音の出力時にチャンネルが空いていなかった場合に、音の出力を入れ替える(音の再生を中止する、開放する)チャンネルを選択する条件の一例を示す図である。具体的な選択条件としては、再生中の音と新規音について属性を比較し、より重要度の高い音を優先する。属性とは、後述するように、再生時間、出力がステレオであるかモノラルであるか、ボリュームの大きさ、再生中の音の変化量などを含み、さらに、チャンネル選択時点における音の再生時間、再生残り時間なども含む。以下、各条件について具体的に説明する。
条件1は、再生開始からの再生時間(経過時間)に基づいてチャンネルを選択する。例えば、図181のステップS1114及びS1130に示したように、再生時間の長いチャンネルを選択する。このように再生が開始されてからの経過時間が長いチャンネルを選択することによって十分に実行された演出音の出力を終了し、新たな演出が実行されたことを遊技者が認識しやすくなる。
条件2は、演出全体の再生時間に基づいてチャンネルを選択する。例えば、再生時間の長い演出ほど期待度の高い演出となり得るため、再生時間の短い演出を選択する。一方、再生時間の長い演出を中止することによって、以降実行される演出に与える影響を最小限にするようにしてもよい。この場合、再生開始からの再生時間によらずにあらかじめ設定されている総再生時間に基づいて判定する。
条件1及び条件2は再生時間に関する条件であったが、これ以外にも、例えば、残り演出時間の短い(又は長い)演出の音出力を中止してもよい。また、演出全体の時間に対して再生開始からの経過時間、すなわち、演出の進行比率に応じてチャンネルを選択するようにしてもよい。このように条件を設定することによって、演出の初期段階又は最終段階で音の出力を中止することができる。
条件3は、再生中の音のボリュームの大きさに基づいてチャンネルを選択する。例えば、ボリュームの大きい音が出力される演出のほうが重要度の高い演出となり得るため、出力されている音のボリュームが小さいチャンネルを優先して選択する。反対に、出力されている音のボリュームが大きいチャンネルを優先して選択し、新たに演出が実行されることを遊技者に認識させるようにしてもよい。
条件4は、再生中の音のボリュームの変化に基づいてチャンネルを選択する。例えば、フェードイン又はフェードアウトされる音が出力される演出のほうが重要度の高い演出となり得るものとし、ボリュームの変化量の少ないチャンネルを優先して選択する。反対に、ボリュームの変化の多いチャンネルを優先して選択し、音制御の負荷を低減するようにしてもよい。
条件5は、動的な音像定位位置の変化(パンポット)に基づいてチャンネルを選択する。例えば、ステレオスピーカーの左右の音の出力を変化させることによってより立体的な音響効果をもたらすような演出のほうが重要度の高い演出となり得るものとして、動的な音像定位位置の変化の少ないチャンネルを優先して選択する。一方、動的な音像定位位置の変化の多いチャンネルを優先して選択し、音制御の負荷を低減するようにしてもよい。
条件6は、音番号(インデックス)に基づいてチャンネルを選択する。例えば、音番号の大きい(小さい)番号を選択する。このとき、音番号に優先順位を対応付けるようにしてもよい。
条件7は、音がモノラルであるかステレオであるかによってチャンネルを選択する。例えば、音質のよいステレオ音で出力される演出のほうが期待度が高いものとして、モノラル音を出力するチャンネルを選択する。一方、モノラル音は1チャンネルのみ使用するため、モノラル音を出力するチャンネルを開放しても空きチャンネルの数が足りない場合には、空きチャンネルを増やすためにステレオ音を出力するチャンネルを選択するようにしてもよい。
条件8は、ボリュームの調整が許可されているか否かによってチャンネルを選択する。例えば、ボリューム調整を行えないように設定された演出ほど重要度が高いものとしてもよいし、ボリューム調整を行えるように設定された演出ほど重要度の高いものとしてもよい。
以上示した条件のほかにも、例えば、同じ優先順位の場合には、チャンネルを入れ替えずに新たな音の再生要求を破棄するようにしてもよい。また、すべての音に対してユニークな優先順位を割り当てることで、同じ優先順位とならないように演出データを設定するようにしてもよい。
図195に示す表には、例として1から8までの条件を示したが、これらの条件は単独で適用してもよいし、複数の条件を組み合わせて適用するようにしてもよい。例えば、各条件に閾値を設定し、より多くの条件を満たすチャンネルを選択してもよいし、各条件に優先順位を設定し、順次条件を適用するようにしてもよい。
[ボリューム制御]
続いて、新たに出力する音に割り当てられた優先順位に基づいて、チャンネルを割り当てる制御を行う例について説明する。ここでは、変動前半に3種類の予告(前半予告A〜C)が実行される例について説明する。図196は、本実施形態の音制御を説明するための演出例を示すタイミングチャートであり、(A)は効果音が再生されるタイミング、(B)は各効果音が出力されるチャンネルを示している。図197は、本実施形態の演出例における効果音の優先順位の一例を示す図である。
図196に示す演出例では、変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、前半予告_Aが発生する。このとき、表示画面上に演出ボタンの操作指示が表示され、遊技者が演出ボタンを操作すると、前半予告_Bが発生する。さらに、前半予告_A及び前半予告_Bが実行中に前半予告Cが発生する。
また、図145に示すように、前半予告_Aの優先順位が03、前半予告_Bの優先順位が05、前半予告_Cの優先順位が20となっている。さらに、前半予告_B及び前半予告_Cにはボリューム抑制フラグが設定されているため、同じグループ内で優先順位の低い予告演出が重複して実行される場合には、抑制ボリューム値に基づいて音量が低減される。
各予告の内容について説明すると、前半予告_Aは、例えば、キャラクタが登場する演出であり、表示画面にキャラクタが登場するとともに、効果音がチャンネル08及び09からステレオで出力される。
前半予告_Bは、演出ボタンの操作によって実行される演出であり、ボタン操作時にボタン押下音が再生されるとともに(チャンネル18,19)、前半予告_Bが開始され、チャンネル10及び11からステレオで効果音が出力される。
前半予告_Cは、効果音の出力とともに(チャンネル12,13)、所定時間、画面表示が中止され、前半予告_Cよりも優先順位の低い音、具体的には他の予告演出及びBGMが一時的に消音される(ブラックアウト演出)。その後、演出画面が表示されると、前半予告_C以外の効果音の出力が再開される。
ここで、図198を参照しながら各予告演出の効果音のボリューム変化についてさらに詳細に説明する。図198は、本実施形態の前半変動における効果音のボリューム変化の一例を示すタイミングチャートであり、(A)は演出効果音の出力タイミング、(B)は各演出効果音のボリューム変化を示す。また、横軸は時間軸、(B)の縦軸はボリューム(音量)を示す。
前述のように、本実施形態では、時刻t0から変動表示が開始され、時刻t1になると、前半予告_Aが開始される。このとき、前半予告_Aの演出効果音のあらかじめ設定されたボリュームV_Aで出力される。
その後、演出ボタンの操作指示が演出画面上に表示され、演出ボタンの押下によって前半予告_Bが実行される(時刻t2)。このとき、演出ボタンのボタン押下音がボリュームV_Tで再生されるとともに前半予告_Bの演出効果音がボリュームV_Bで出力される。また、前半予告_Bの優先順位は前半予告_Aの優先順位よりも高いため、前半予告_Aの効果音のボリュームを50%に抑制する。
なお、後で実行された予告演出の優先順位が実行中の予告演出の優先順位よりも低い又は同じ場合にはボリュームを下げなくてもよいし、同時に出力されている効果音が少ない場合にもボリュームを下げなくてもよい。また、特定の予告演出の組み合わせの場合のみボリュームを下げるようにしてもよい。
さらに、時刻t3で前半予告Cが実行されると、時刻t5までの間、画面が暗転し、前半予告_C以外の効果音が消音される。このとき、前半予告_Cの効果音は、ボリュームV_Cで出力される。
また、時刻t3から消音された前半予告_A及び前半予告_Bの演出効果音は、時刻t5で出力が再開される。ボタン押下音は、本来であれば、時刻t4まで出力されるがt5>t4であるため、時刻t3で再生が終了する。
その後、前半予告_A及び前半予告_Bは、あらかじめ設定された終了時刻まで演出が継続される(時刻t6,t7)。さらに、時刻t7において前半予告_Bが終了し、変動前半が終了する。
なお、演出効果音が消音されている期間は、ボリュームを0にした状態で演出効果音の出力を継続するようにしてもよいし、演出効果音の出力を停止するようにしてもよい。ボリュームを0にする場合、チャンネルごとのボリューム(サブボリューム)を0に設定してもよいし、演出効果音全体のボリュームを制御するメインボリュームを0に設定し、前半予告_Cの効果音の出力をメインボリュームによる制御の影響を受けないようにバイパスして出力するようにしてもよい。また、前半予告_Cによって他の効果音の出力が抑制されている状態であっても、より優先順位の高い効果音、警告音、報知音については出力される。
以上のように、新たな音を出力して再生中の音のボリュームを下げる場合、ボリューム抑制フラグなどによって指定された音のボリュームを下げるのではなく、すべてのチャンネルで再生中の音のボリュームを下げるようにしてもよいし、チャンネル方式(固定チャンネル方式、自動チャンネル方式)が同じチャンネルで再生中の音のボリュームを下げるようにしてもよい。また、同じグループ(AUTOグループ)内のチャンネルで再生中の音のボリュームを下げるようにしてもよい。
[効果]
以上のように構成することによって、本実施形態では、優先順位の高い音を優先して出力することができる。優先順位の高い音は、例えば、報知音や警告音など遊技者や遊技場の従業員に確実に伝達するための音であったり、変動表示の結果が大当りとなる期待度が高く、遊技者の期待感を高めるための効果音であったり、演出効果が高く遊技の興趣を向上させることが可能な効果音であったりする。
さらに、本実施形態では、音源制御で使用する各チャンネルを複数のグループに分類することによって、演出効果音に関する演出データの管理を容易にすることが可能となる。これにより、系統的なテストの実施などによるバグ発生の抑止など開発効率の向上を図ることができる。また、安定した遊技を可能とすることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
特に、本実施形態では、自動チャンネル方式のチャンネルが複数のグループに分類されている。具体的には、予告演出の効果音を出力するグループ(AUTOグループ1)と、保留関連の効果音を出力するグループ(AUTOグループ2)である。予告演出の効果音は、チャンネル数と比較して膨大な数となっており、また、重複して同時に複数の演出効果音が再生可能となっている。特に、変動前半時には、当該変動の予告とともに保留中の変動の先読み予告が実行されるなどして割り当てられたチャンネル数を超える演出効果音の出力が要求されることがありうる。このような場合に、AUTOグループ1に割り当てられたチャンネル内で、優先順位の低い演出効果音を優先順位の高い演出効果音に入れ替えながら出力することによって、遊技の興趣を最大限高めることができる。
さらに、変動表示の保留表示の変化及びこれにともなって演出効果音を出力することによって期待度を報知する演出は、遊技者の期待感を大きく高めることができ、確実に実行されることが望ましい。本実施形態では、このような保留表示(保留音)に関する演出効果音をAUTOグループ2に属するチャンネルから出力することによって、変動表示に係る予告演出とは独立して、より確実に再生することができる。また、変動表示おける予告演出の場合と異なり、AUTOグループ2に割り当てられたチャンネル数と比較して、同時に出力される演出効果音の数が大きく超えることはないため、演出効果音の出力が中止される可能性が少なくなっている。また、中止された場合であっても、優先順位の低い演出効果音の出力が中止されるだけである。したがって、遊技者の期待感を高める効果の高い演出を確実に実行することにより、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、本実施形態では、自動チャンネル方式が適用されたチャンネルと固定チャンネル方式が適用されたチャンネルとが混在している。前述したように、自動チャンネル方式では、空きチャンネルをサーチすることによって有限数のチャンネルを有効に活用するとともに、優先順位を設定することによって演出効果や重要度の高い音を優先して出力することを可能としている。一方、固定チャンネル方式は、BGMのように継続して音を出力する場合や遊技機の故障や不正行為などの報知するために優先して音を出力する場合に適用される。このように、音の特性や用途に応じて適したチャンネル方式を適用することによって、各チャンネルを有効に利用し、さらに、音の出力状況に合わせた適切な制御を行うことができる。例えば、BGMを出力する制御では、遊技状態に関わらず、あらかじめ割り当てられたチャンネルに音を出力すればよく、また、警報音を出力する制御では、空きチャンネルをサーチすることなく、指定されたチャンネルに直接音を出力すればよい。一方、自動チャンネル方式では、前述したように、空きチャンネルを最大限に活用し、また、演出効果の高い音を優先して出力することができる。
さらに、本実施形態では、演出効果音(チャンネル)ごとのボリュームを制御することによって、優先順位の高い演出を強調して実行することができる。また、実行中の演出についても中断することなくボリュームを下げながら継続させることができる。このとき、優先順位の高い演出が終了した後も先に実行された優先順位の低い演出が継続中であれば、ボリュームを元の音量に戻すことも可能である。また、実施例に記載したように、他の演出を停止させ、特定の演出を単独で実行することによって、当該特定の演出の演出効果を際立たせることができる。このようにして、本実施形態では、演出のバリエーションを増加させ、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、前述した振動スピーカ354の駆動にも、効果音やBGMを奏でるために使用される音源ICが利用される。振動スピーカ354に対し音源ICから音情報を与えることによって、演出操作部301を振動させる。
振動スピーカ354に対する音源ICからの音情報の提供は、演出操作部301を振動させることを目的とすることから、演出操作部301を動作させる演出の出現に合わせ都度チャンネル設定すればよいが、ここでは、同じ音情報ではあるものの、効果音やBGMといった実際に音を発する音情報との性質上の混同を避けるために固定チャンネルとし、振動スピーカ専用のチャンネルに割り当てている。
また、参照する音ROMの音情報としては、前述したように、40Hz±2Hzの正弦波であって、38Hzから42Hzを1Hz単位で各1周期、およそ1秒間に8回変化(スイープ)させ、これを断続的に、1秒スイープ入力しては、1秒後に再び入力される音情報として、前記音ROMの所定の記憶領域に記憶しておく。
さらに、前記したようにボリュームを制御することによって、優先順位の高い演出について音量を大きくして強調したりしているが、振動の強弱についても音量の大小と同じように、前記した40Hz±2Hzの正弦波の振幅を大小させることにより強弱をつけるようにし、振動を段々強くしたり、段々弱くしたりして、音の音量の大きさを調整するのと同様に、振動の強弱に置き換えて利用もしている。
なお、音源ICについては、それのみの機能を有する単独のデバイスとして表現してきたが、演出表示制御部において、演出表示装置1600を表示制御するVDPに音源ICに相当する機能が内蔵されたデバイスのような場合においても、ここまで述べてきた同様な音の制御ができるものであれば、振動を制御することが可能である。このような場合においては、音ROMと画像ROMとをハイブリッド化、あるいは同一のデバイスとして、それぞれで使用する情報を予め記憶しておくように構成してもよい。また、これらを制御するCPU、制御ROMもそれぞれ同一のデバイスで構成してもよい。
[15−2.固定チャンネル方式と自動チャンネル方式とが混在する音制御の変形例]
以上説明した音制御方式では、自動チャンネル方式が設定されているチャンネル数と固定チャンネル方式が設定されているチャンネル数があらかじめ設定された数となっていたが、本変形例では、自動チャンネル方式が設定されているチャンネル数と固定チャンネル方式が設定されているチャンネル数が可変となっている変形例について説明する。
[演出例]
チャンネル数を可変にした場合に、例えば、一時的に同種類の音を割り当て可能なチャンネル数よりも多く出力したい場合があげられる。例えば、複数のシーンを含む演出を実行可能な遊技機の場合において、画面を複数に分割し(例えば、9分割)、分割された各画面で異なるシーンを表示する。そのとき、各シーンに対応するBGMを出力することが考えられる。図199は、本実施形態の変形例における演出の画面構成例を示す図である。図199に示す演出例はリーチ発生後の後半変動における予告演出となっている。
本変形例では、表示画面を9分割し、各画面に異なるシーンの表示する演出(マルチ画面演出)を実行する。そして、いずれか一つのシーンが選択され、選択されたシーンに対応する演出が実行される。このとき、各シーンのBGM(9種類)が同時に出力される。なお、シーンの選択は抽選によるものであってもよいし、遊技者が選択するものであってもよい。
本変形例の遊技機は、前述した実施例と同様に、音源制御において32個のチャンネルを使用する。また、デフォルトのチャンネルの割り当ては、図193に示した配置と同様である。したがって、最大同時に4種類(8チャンネル)のBGMを出力することが可能となっている。しかしながら、本変形例におけるマルチ画面演出では、同時に9種類のBGMを出力する必要がある。そこで、本変形例では、BGMを出力するためのチャンネルを再割り当てし、チャンネルの配置を再編成する。
[15−2−2.チャンネル配置]
図200は、本実施形態の変形例における音源制御における再生チャンネルの構成表の一例を示す図であり、(A)はデフォルトの構成、(B)はマルチ画面演出実行時の構成を示す。図200(A)のデフォルトの構成は、前述したように、図193に示した配置と同様である。
本変形例では、マルチ画面演出が開始されると、図200(A)に示したチャンネルの配置を図148(B)に示した配置に変更する。具体的には、BGMを出力するための固定チャンネル方式のチャンネルを追加し(チャンネル8〜17)、AUTOグループ1に割り当てられた自動チャンネル方式が採用されたチャンネルの数を削減している。これは、マルチ画面演出の実行中にさらに異なる予告演出を実行しても遊技者に認識されにくいためである。
マルチ画面演出開始後、すべてのシーンが表示されている間は各シーンに対応するBGMがすべて再生される。このとき、すべてのBGMを通常のボリュームで出力すると、音量が大きくなりすぎるため、音量を通常よりも小さくした状態で出力する。そして、シーンが選択されると、選択されたシーンに基づく予告演出(後半予告)が実行され、選択されたシーンのBGMのボリュームを通常の音量に設定し、これ以外のBGMの再生を終了する。また、遊技者がシーンを選択する場合には、例えば、遊技機に備えられた操作部によって分割された画面を選択し、シーンを決定するまでの間、選択されているシーンのBGMを他のシーンのBGMよりもボリュームを大きくするようにしたり、他のシーンのBGMのボリュームを小さくするようにしてもよい。
[15−2−3.ボリューム制御]
図201は、本実施形態の変形例の変動後半における効果音のボリューム変化の一例を示すタイミングチャートであり、(A)は演出効果音の出力タイミング、(B)は各演出効果音のボリューム変化を示す。
図201に示す演出例では、マルチ画面演出の実行が決定したタイミングで(例えば、変動開始時)、チャンネル配置がデフォルト状態(図200(A))からマルチ画面演出用の配置(図200(B))に変更される。前半変動終了後(時刻t11)、リーチが発生し、後半変動が開始される。後半変動の開始後、マルチ画面演出が開始される(時刻t12)。このとき、図199に示したように、表示画面が分割され、分割された表示領域に異なるシーンが表示されるとともに、各シーンに対応するBGMが出力される。
マルチ画面演出が開始されると、そして、マルチ画面演出用の配置(図200(B))に変更後の各チャンネルの使用目的に対応するBGMを出力する。このとき、通常のボリュームV_1よりも小さいボリュームV_2で出力する。
その後、演出を継続するシーンが選択されると(時刻t13)、選択されたシーンに対応するBGMのボリュームを通常のボリュームV_1に設定し、他のBGMの出力を停止する。図201に示す演出例では、シーン5が選択され、BGM_0−5の音量を通常のボリュームV_1に設定する。このとき、シーン5に対応する表示領域が表示画面全体に表示され、さらに、シーン5に対応する後半予告_5が実行される。
なお、マルチ画面演出の終了後、BGM_0−5を出力するチャンネルをチャンネル10,11からチャンネル2,3に変更し、チャンネルの配置をデフォルトに戻してもよい。本変形例のように、チャンネル10,11からのBGMの出力を継続する場合には、次の変動の開始時にチャンネルをデフォルトの配置に戻すようにしてもよい。
また、チャンネル配置の変更は、必要になったタイミングで変更するようにしてもよい。例えば、本変形例では、マルチ画面演出の実行を開始する直前にチャンネルの配置を変更してもよいし、後半変動の開始時に変更するようにしてもよい。
さらに、演出内容に応じてチャンネルの配置を変更するのではなく、遊技状態(例えば、大当り状態、時短状態、背景変化などの演出モード)が変化した場合に変更してもよい。
[効果]
以上のように構成することによって、固定チャンネル方式による音制御を行う固定チャンネル(図192(F)の「可変固定ch」に相当)の数と、自動チャンネル方式による音制御を行う自動チャンネル(図192(F)の「可変AUTOch」に相当)の数とが、再生しようとする音の種類や数に応じて柔軟に変化させることができる。これにより、状況に応じてより多くの報知音、BGM或いは効果音を再生可能な状態とすることができるようになり、例えば遊技されていない状況においてはより多くの種類の報知音を出力するようにしたり、再生可能な報知音の数を抑制して演出上再生すべきBGMや効果音の数を増やすなどの柔軟な対応が可能となる。
実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上述した作用効果と同様の作用効果を奏することができる。