JP2019103208A - 耐砂塵性に優れた反射ミラー、及び該反射ミラーを備えた太陽光発電システム - Google Patents

耐砂塵性に優れた反射ミラー、及び該反射ミラーを備えた太陽光発電システム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、反射ミラー及び反射ミラーを備えた太陽光発電システムに関する。【解決手段】エチレン酢酸ビニル共重合体、又はポリエチレンを主成分とする層を樹脂層1、アクリル系樹脂、又はウレタン系樹脂を主成分とする層を樹脂層2、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリアミドからなる群から選ばれる一の樹脂を主成分とする層を樹脂層3としたときに、光透過基板、樹脂層1、金属層、樹脂層2、及び樹脂層3をこの順で有することを特徴とする、反射ミラー。【選択図】図1

Description

本発明は、耐砂塵性に優れた反射ミラー、及び該反射ミラーを備えた太陽光発電システムに関する。
近年、石油や石炭等の化石燃料の代替エネルギーとして、原子力発電、水力発電、風力発電、太陽光発電などの種々の方法が注目されている。その中でも太陽光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する太陽光発電は、クリーンなエネルギー源として期待されている。
この太陽光発電は一般に、太陽光が入射する受光面側から、光透過基板/封止材/太陽電池素子/封止材/太陽電池裏面保護シートがこの順に積層された構造を有する太陽電池モジュールによって行われる。太陽光は光透過基板から太陽電池モジュール内に浸入し、封止材を通じて太陽電池素子に到達し、太陽電池素子に吸収される。吸収された太陽光のエネルギーは太陽電池素子で電気エネルギーへと変換され、太陽電池素子に接続されたリード線を通じて外部に取り出され、各種電気機器に供給される。
太陽電池モジュールの発電量は通常、太陽電池モジュールに入射し、太陽電池素子へ到達した太陽光の照度に比例することが知られている。さらに、メガソーラーに代表される太陽光発電所においては、この太陽電池モジュール10枚程度を直列接続し、パワーコンディショナーで最適な電流値及び電圧値で動作させることで、太陽光発電システムとして稼動させる態様が一般的である。
この太陽電池モジュール1枚当たりの発電量は、地表に到達する日射強度のみならず太陽高度による影響も受けるため、太陽電池モジュールの設置角度によって太陽光発電システムの発電量が異なることが知られている。そのため、太陽光発電システムにおいて、太陽電池モジュール1枚あたりの発電量を極大化するために、太陽電池素子に入射する光量を極大化するという観点で、設置環境の緯度・経度に応じて設置角度を設定することが重要となる。
近年では太陽光発電システムの年間積算発電量向上を目的として、太陽高度に対してモジュールの角度を変化させる追尾システムが開発されている(特許文献1)。また、太陽光を反射し、モジュールへ集光させる目的で、反射ミラーを使用した発電システムも開発されている(特許文献2)。
特開2016−62931号公報 特開2006−40931号公報
しかしながら、特許文献1の追尾システムでは、太陽電池モジュールの単位面積当たりの発電量が大きくならないため発電効率が悪く、出力向上に対するコストが見合わないことも多い。また、特許文献2に記載の発電システムにおいては、反射ミラーは高効率で太陽光を反射することができるものの、長期間使用すると砂塵により反射ミラーが磨耗し、反射ミラーの性能が低下することが問題となる。この問題は、砂塵が大量に発生する砂漠地域においてより顕著である。
そこで本発明は、係る従来技術に鑑みて、耐砂塵性に優れた反射ミラー、及び該反射ミラーを備えた太陽光発電システムを提供することをその課題とする。
上記課題を達成するため、本発明は以下の構成からなる。
(1) エチレン酢酸ビニル共重合体、又はポリエチレンを主成分とする層を樹脂層1、アクリル系樹脂、又はウレタン系樹脂を主成分とする層を樹脂層2、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリアミドからなる群から選ばれる一の樹脂を主成分とする層を樹脂層3としたときに、透明基板、樹脂層1、金属層、樹脂層2、及び樹脂層3をこの順で有することを特徴とする、反射ミラー。
(2) 前記金属層の厚みが5μm以上25μm以下であることを特徴とする、(1)に記載の反射ミラー。
(3) 前記樹脂層3が白色粒子を含有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の反射ミラー。
(4) 前記樹脂層3が2層構造を有し、前記樹脂層3を構成する層のうち樹脂層2側に位置する層を樹脂層3A、もう一方の層を樹脂層3Bとしたときに、樹脂層3Bにおける白色粒子の質量分率が、樹脂層3Aにおける白色粒子の質量分率よりも大きいことを特徴とする、(3)に記載の反射ミラー。
(5) 前記樹脂層3Aの厚みが、前記樹脂層3Bの厚みの4倍以上7倍以下であることを特徴とする、(4)に記載の反射ミラー。
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載の反射ミラー及び太陽電池モジュールを備えることを特徴とする、太陽光発電システム。
本発明により、耐砂塵性に優れ、長期にわたる屋外環境下の使用において太陽光の反射能力を維持することができる反射ミラーと、前記反射ミラーを備えた太陽光発電システムを提供することができる。
本発明の一実施態様に係る太陽光発電システムの側面図。 本発明の一実施態様に係る太陽光発電システムの上面図。 本発明の一実施態様に係る太陽光発電システムの上面図。 本発明の一実施態様に係る太陽光発電システムにおいて用いることができる太陽電池モジュールの断面図。
以下、本発明の反射ミラー、及び、太陽光発電システムについて、詳細に説明する。
<反射ミラー>
本発明の反射ミラーは、エチレン酢酸ビニル共重合体、又はポリエチレンを主成分とする層を樹脂層1、アクリル系樹脂、又はウレタン系樹脂を主成分とする層を樹脂層2、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリアミドからなる群から選ばれる一の樹脂を主成分とする層を樹脂層3としたときに、光透過基板、樹脂層1、金属層、樹脂層2、及び樹脂層3をこの順で有することが重要である。このような態様とすることにより、光反射性能や層間密着性の低下を押さえつつ反射ミラーの耐砂塵性を向上させることができる。
光透過基板は、屋外に設置した際に受光面側の最表面に位置し、反射ミラーに入射する光を通過させつつ、反射ミラーに剛性や耐衝撃性を付与する役割を果たす。そのため、光透過基板は高い光透過性と強度を備えることが好ましい。光透過基板の材質は本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、上記観点から、ガラス、ポリカーボネート、及びポリメタクリル酸メチル等を用いることが好ましく、さらに耐久性も考慮するとガラスを用いることがより好ましく、強化ガラスを用いることがさらに好ましい。
樹脂層1は、エチレン酢酸ビニル共重合体、又はポリエチレンを主成分とする層である。ここで、「エチレン酢酸ビニル共重合体、又はポリエチレンを主成分とする層」とは、層を構成する成分全体を100質量%としたときに、エチレン酢酸ビニル共重合体又はポリエチレンを50質量%より多く含む層をいう。以下、「主成分とする層」については同様に解釈するものとする。なお、エチレン酢酸ビニル共重合体又はポリエチレンが架橋構造を有する場合においては、これらの架橋体もエチレン酢酸ビニル共重合体又はポリエチレンであるとみなすものとする。この点も、以下、樹脂成分の含有量を算出する際に同様とする。
樹脂層1は、屋外に設置した際に光透過基板と金属層の間に位置し、反射ミラーに入射する光を通過させつつ、光透過基板と金属層とを密着させる役割を担う。エチレン酢酸ビニル共重合体やポリエチレンは透明性、及び光透過基板に用いることができる材料や金属との密着性に優れる。そのため、樹脂層1により、受光面に照射された太陽光の吸収を軽減しつつ、光透過基板と金属層の密着性を高めることができる。
樹脂層1におけるエチレン酢酸ビニル共重合体は、本発明の効果を損なわない限り、エチレン由来成分と酢酸ビニル由来成分の共重合比率は特に制限されない。但し、透明性と形状維持の観点から、重合体を構成する全成分100質量%に占める酢酸ビニル由来成分の含有量は18質量%以上35質量%未満であることが好ましい。酢酸ビニル由来成分の含有量が18質量%以上であることにより、樹脂層1の透明性を高くすることができ、光線透過率の低下を軽減することができる。一方、酢酸ビニル由来成分の含有量が35質量%未満であることにより、溶融温度が高くなるため、高温環境下においても反射ミラーの形状を維持するのが容易となる。
樹脂層1におけるポリエチレンは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず適宜選択することができるが、透明性の観点から、密度が0.92g/cm以下のポリエチレンを用いることが好ましい。密度が0.92g/cm以下のポリエチレンを用いることにより、ポリエチレンの結晶化による透明性の低下を軽減することができる。ここで、密度とは、JIS K 7112:1999に準拠した方法により測定した密度をいう。
樹脂層1におけるエチレン酢酸ビニル共重合体やポリエチレンは架橋構造を有することが好ましい。エチレン酢酸ビニル共重合体やポリエチレンを架橋することにより、温度上昇に伴う流動が軽減されるため、高温環境下でも反射ミラーの形状を維持することが容易となる。また、これらの樹脂を架橋させることにより、樹脂層1の透明性も向上するため、金属層に到達する光量も多くすることができる。その結果、太陽電池モジュールへと反射させる光量も多くすることができる。
樹脂層1において、エチレン酢酸ビニル共重合体やポリエチレンを架橋させるための架橋剤としては、有機過酸化物を用いることが好ましい。具体的には、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等を好適に用いることができる。中でも、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、及び2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンは、耐熱性に優れ、高温下でも分解に伴うラジカルが発生しにくいため、反射ミラーの耐久性を向上させる面でより好適に用いることができる。
これらの有機過酸化物は、本発明の効果を損なわない限り、単独で用いても二種以上組み合わせて用いてもよい。また、樹脂層1は、本発明の効果を損なわない範囲で、紫外線吸収剤、光安定剤、及びシランカップリング剤等を含有してもよい。
また、樹脂層1における架橋剤の含有量は、樹脂層1を形成する樹脂100質量部に対して0.1質量部以上1.5質量部以下であることが好ましい。樹脂層1における架橋剤の含有量が、樹脂層1を形成する樹脂100質量部に対して0.1質量部以上であることにより、樹脂層1を形成する樹脂を十分に架橋させることができる。一方、樹脂層1における架橋剤の含有量が、樹脂層1を形成する樹脂100質量部に対して1.5質量部以下であることにより、不必要に多量の架橋剤を含有させることを回避でき、さらに未分解の架橋剤が樹脂層1に残存することに起因する経年劣化を軽減することもできる。
金属層は、金属又は金属化合物(以下、これらを総称して金属材料ということがある。)を主成分とし、反射ミラーの光線反射性能を担う層である。金属層を形成する金属材料は、本発明を損なわない限り特に制限されないが、反射ミラーの光線反射性能を高める観点から、光線反射性能の高いものを用いることが好ましい。具体的には、銀、アルミニウム、銅等を単独で又は2種類以上組み合わせて用いることが好ましく、さらにコスト面とのバランスを考慮すると、アルミニウムを用いることがより好ましい。
金属層の厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、反射ミラーの耐久性、生産性、製造コストの観点から、5μm以上25μm以下であることが好ましい。金属層の厚みを上記範囲とするための方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、所望の厚みの金属箔を用いて金属層を形成させる方法が簡便性の面で好ましい。金属層の厚みを5μm以上とすることにより、反射ミラーの耐久性を向上させることができる。さらに金属層の形成に金属箔を用いる場合は、金属箔の厚みを5μm以上とすることにより、金属箔の破れに伴う生産性低下を軽減することもできる。一方、金属層の厚みを25μm以下とすることにより、不要な製造コストの上昇を軽減しつつ、必要な光線反射性能を確保することができる。
樹脂層2は、アクリル系樹脂、又はウレタン系樹脂を主成分とする層である。樹脂層2は、主に金属層と樹脂層3とを接着させる役割を担う。そのため樹脂層2は、長期間の屋外使用での劣化に起因する剥離を生じない程度の耐候性を備えることが好ましい。アクリル系樹脂やウレタン系樹脂は、硬化剤等を混合させて金属層や樹脂層3を形成する部材と共にドライラミネート等を行うことにより、架橋構造が形成されて上記特性に優れたものとなる。アクリル系樹脂やウレタン系樹脂の種類は本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、上記観点から、ポリエーテルポリウレタン系樹脂、ポリエステルポリウレタン系樹脂などを用いることが好ましい。硬化剤としてはポリイソシアネート系の硬化剤等を用いることが好ましい。
樹脂層2の厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、密着性と生産性を両立する観点から、1μm以上5μm以下であることが好ましい。樹脂層2の厚みを1μm以上とすることにより、金属層と樹脂層3の密着性を十分に確保することができる。一方、樹脂層2の厚みを5μm以下とすることにより、塗工速度を十分に上げられるため、生産性の向上や生産コストの軽減が可能となる。
樹脂層3は、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリアミドからなる群から選ばれる一の樹脂を主成分とする層である。この樹脂層3は、通常、受光面と反対側の最表層に位置し、砂塵等の飛来物から金属層を保護する役割を担う。そのため、樹脂層3は砂塵等の飛来物が衝突しても容易に磨耗若しくは破損しない程度の強度を備えることが好ましい。上記各樹脂はいずれも強度に優れており、これらを主成分とすることにより樹脂層3の強度を高めることができ、結果、反射ミラーの耐砂塵性が向上する。樹脂層3の主成分は上記各樹脂のいずれでもよいが、反射ミラーの製造コストの面から、ポリエステルであることが好ましい。
樹脂層3の厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、製造コストの増加を軽減しつつ耐砂塵性を向上させる観点から、25μm以上100μm以下であることが好ましい。樹脂層3の厚みを25μm以上とすることにより、屋外曝露環境下での砂塵による摩耗により樹脂層2や金属層が露出するのを軽減することができ、長期間にわたって樹脂層2や金属層を損傷から守ることができる。一方、樹脂層3の厚みを100μm以下とすることにより、不要な製造コストの上昇を軽減しつつ、十分な耐砂塵性を確保できる。なお、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリアミドからなる群から選ばれる一の樹脂を主成分とする層が連続して存在する場合においては、これらの層全体を一つの樹脂層3とみなし、これらの層の合計厚みを樹脂層3の厚みとする。
また、長期間にわたって外部環境にさらされることから、樹脂層3は耐砂塵性の他に加えて、耐紫外線性を備えることも好ましい。樹脂層3の耐紫外線性を向上させる観点から、樹脂層3が白色粒子を含有することが好ましい。ここで白色とは、JIS Z 8717:1989に準拠して測定したマンセル表示系の明度が7.0以上10.0以下である色を意味する。樹脂層3が白色粒子を含有することにより、樹脂層3に入射した紫外線が白色粒子により反射され、樹脂層3の耐紫外線性が向上する。白色粒子の種類は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛からなる群より選択される少なくとも1種を好適に用いることができる。中でも、発色の観点から、酸化チタンを用いることがより好ましく、耐紫外線性の観点からルチル型の酸化チタンを用いることがさらに好ましい。
また、本発明の反射ミラーにおいては、樹脂層3が2層構造を有することが好ましい。「樹脂層3が2層構造を有する」とは、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリアミドからなる群から選ばれる一の樹脂を主成分とする層が連続して2つ存在することを意味する。通常、前述の白色粒子を多く含むことで層の耐紫外線性は向上するが、その場合、樹脂成分が減少することで弾性限界が小さくなり、耐砂塵性が低下する。このような態様とすることにより、層毎に前述の白色粒子の量を調節することが可能となり、耐紫外線性と耐砂塵性の両立が容易となる。
樹脂層3が2層構造を有する場合、耐紫外線性と耐砂塵性の両立の観点から、樹脂層3を構成する層のうち樹脂層2側に位置する層を樹脂層3A、もう一方の層を樹脂層3Bとしたときに、樹脂層3Bにおける白色粒子の質量分率が、樹脂層3Aにおける白色粒子の質量分率よりも大きいことが好ましい。このような態様とすることにより、相対的に白色粒子を多く含み、耐紫外線性に優れる樹脂層3Bが反射ミラーの最外層に位置することとなる。そのため、樹脂層3Aに到達する紫外線量を減少させることができ、耐砂塵性に優れる樹脂層3Aの紫外線による劣化を軽減することができる。
樹脂層3Aと樹脂層3Bの厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、耐紫外線性、耐砂塵性、及び製造コストの観点から、樹脂層3Aの厚みが、樹脂層3Bの厚みの4倍以上7倍以下であることが好ましい。樹脂層3Aの厚みが樹脂層3Bの厚みの4倍以上であることにより、必要な耐紫外線性を確保しつつ白色粒子を少なくすることができ、製造コストを低く抑えることができる。一方、樹脂層3Aの厚みが樹脂層3Bの厚みの7倍以下であることにより、必要な耐砂塵性を確保しつつ、耐紫外線性を高めることができる。すなわち、このような態様とすることにより、また、主に樹脂層3Aによる耐砂塵性向上効果と、主に樹脂層3Bによる耐紫外線性向上効果を両立しながら、製造コストも低く抑えることができる。
樹脂層3Aにおける白色粒子含有量は、樹脂層3Bにおける白色粒子含有量と同等以上とならなければ、本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができるが、反射ミラーの耐紫外線性と製造コストを両立する観点から、層を構成する全成分100質量%に対して0.5質量%以上3.5質量%以下であることが好ましい。樹脂層3Aにおける白色粒子含有量が、層を構成する全成分100質量%に対して0.5質量%以上であることにより、樹脂層3Bをわずかに透過した紫外線による樹脂層3Aの劣化を軽減することができる。一方、樹脂層3Aにおける白色粒子含有量が、層を構成する全成分100質量%に対して3.5質量%以下であることにより、製造コストを低く抑えることができる。
樹脂層3Bにおける白色粒子含有量は、樹脂層3Aにおける白色粒子含有量と同等以下とならなければ、本発明の効果を損なわない範囲で適宜定めることができるが、耐紫外線性と耐砂塵性を両立しつつ製造コストを低く抑える観点から、層を構成する全成分100質量%に対して10.0質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。樹脂層3Bにおける白色粒子含有量が、層を構成する全成分100質量%に対して10.0質量%以上であることにより、樹脂層3Bの耐紫外線性を十分に高めることができる、一方、樹脂層3Bにおける白色粒子含有量が、層を構成する全成分100質量%に対して20.0質量%以下であることにより、白色粒子による強度や耐砂塵性の低下を抑えつつ、製造コストを低く抑えることができる。
次に、反射ミラーの製造方法について具体例を挙げて説明する。光透過基板、樹脂層1、金属層、樹脂層2、及び樹脂層3となる各部材を一体化させる方法としては、先に、金属層、樹脂層2、及び樹脂層3となる各部材をドライラミネート法で一体化させて積層体とした後、真空ラミネート法で、光透過基板となる部材、樹脂層1となる部材、及び該積層体を一体化させる方法が利用できる。ドライラミネート法で該積層体を得る際に、樹脂層2は接着剤層として機能する。また、真空ラミネート法においては、光透過基板となる部材、樹脂層1となる部材、及び該積層体この順で積層し、各部材を加熱圧着させることが好ましい。
さらに、反射ミラーは、その剛性を向上させて強風等の自然環境への耐性を高める観点から、端部にフレームを有することも好ましい。フレームは剛性向上の観点から鉄、アルミニウム、真鍮、銀、銅などの金属製であることが好ましく、剛性とコストのバランスからアルミニウム製であることがより好ましい。
本発明の反射ミラーは、光透過基板側から波長300〜1,200nmの範囲における1nmピッチで測定した分光鏡面反射率の平均値(以下、鏡面反射率ということがある。)が25%以上であることが好ましい。このような態様とすることにより、多くの光を反射することができるため、太陽電池モジュールへ光が反射されるように設置することにより太陽電池モジュールの出力を向上させることができる。鏡面反射率は、JIS R 3106:1998に定める方法により測定することができる。例えば、島津製作所株式会社製UV−3600Plusを用いて波長300〜1,200nmの範囲において、1nmピッチで相対全光線反射率を測定した後、同じ波長範囲内で相対拡散反射率を測定し、相対全光線反射率と相対拡散反射率の差を取ることで求めることができる。
鏡面反射率を25%以上とする方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば明細書中に記載の光透過基板と樹脂層1と金属層を一体化させることによって達成することができる。このとき、光透過基板と樹脂層1を一体化させた積層品において、波長300〜1,200nmの範囲における1nmピッチで測定した光線透過率の平均値(以下、光線透過率の平均値ということがある)が85%以上であることが好ましい。光線透過率の平均値が85%以上であれば、反射ミラーに入射し金属層に到達する光量が多くなるため、金属層により反射される光量が大きくなり、これを太陽電池モジュールへ入射させることによりその出力を向上させることができる。光線透過率は、波長300〜1,200nmの範囲における光線透過率を1nmピッチで測定し、この平均値を計算することにより求めることができる。なお、測定装置としては、例えば島津製作所株式会社製UV−3600Plusを用いることができる。
<太陽光発電システム>
本発明の太陽光発電システムは、本発明の反射ミラー及び太陽電池モジュールを備えることを特徴とする。このような態様とすることにより、反射ミラーにより反射された太陽光が太陽電池モジュールに照射されるため、太陽電池モジュール中の太陽電池素子に到達する光量が多くなる。そのため、太陽電池モジュールのみを単独で使用した場合に比べて太陽電池モジュールの発電量が向上する。
反射ミラーの配置は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、太陽電池素子に到達する光量を増やす観点から、例えば図1に示すように、反射ミラー(符号2)が太陽電池モジュール(符号1)の受光面の前方に位置し、かつ反射ミラーの受光面と太陽電池モジュールの受光面が向き合っていることが好ましい。このような態様とすることにより、反射ミラーにより反射された太陽光の多くが太陽電池モジュールの受光面に入射することとなり、太陽電池モジュールの出力が向上する。ここで受光面とは、地表と反対側に位置する面をいい、通常はこの受光面に太陽光が照射される。
本発明の太陽光発電システムを南回帰線より北に位置する地域に設置する場合は、太陽電池モジュールの受光面を南側に向けて設置することが好ましい。このような態様とすることにより、太陽が太陽電池モジュールに対して常に南側に位置することとなるため、より多くの直射光を太陽電池素子に入射させることができる。一方、同様の観点から、南回帰線より南に位置する地域においては、太陽電池モジュールの受光面を北側に向けて設置することが好ましい。なお、ここで南側とは、真南の方角のみではなく、真南の方角から西又は東に45°以下傾いた方角も含むものとし、北側についても同様に解釈するものとする。
本発明の太陽光発電システムは、季節や設置する地点の緯度にもよるが、太陽電池素子に到達する光量を増やす観点から、水平面と反射ミラーの受光面とのなす角の大きさが5°以上50°以下であることが好ましい。水平面と反射ミラーの受光面とのなす角の大きさが5°未満の場合、反射ミラーによる反射光は空の方向に向かうため、太陽電池モジュールに入射する反射光の量が少なくなることがある。一方、水平面と反射ミラーの受光面とのなす角の大きさが50°より大きい場合、太陽光が反射ミラーによって遮られて太陽電池モジュールに直接入射する光量が減少するため、逆に発電量が低下することがある。
本発明の太陽光発電システムにおける太陽電池モジュールと反射ミラーの好ましい位置関係について、一実施態様を示して説明する。図1は、本発明の一実施態様に係る太陽光発電システムの側面図を、図2、3は、本発明の一実施態様に係る太陽光発電システムの上面図をそれぞれ示す。なお、本一実施態様は具体例として提示するものであり、本発明はこれに限定されない。
図1〜3に示す太陽光発電システムにおいて、太陽電池モジュール1は、受光面が南側向き、かつ受光面と水平面とのなす角の大きさが25°となるように、太陽電池モジュール用架台3により固定されている。そして、反射ミラー2は、太陽電池モジュール1の受光面の前方に、受光面が北側向き、かつ受光面と水平面とのなす角の大きさが25°となるように反射ミラー用架台4により固定されている。なお、以下、太陽電池モジュール用架台3と反射ミラー用架台4を総称して、架台ということがある。
このとき、反射ミラーの下端高さを太陽電池モジュールの下端高さと揃えると、反射ミラー2による反射光が太陽電池モジュール1の裏面やアルミフレーム(図示しない)等によって遮蔽されず、効率的に太陽電池モジュール1の受光面に到達するため好ましい。図1〜3においては、太陽電池モジュールと反射ミラーがその長辺方向において平行な位置関係で描かれているが、必ずしも平行である必要はなく、設置する場所の地形等に応じて適宜その位置関係を調整することができる。
図1〜3において、太陽電池モジュール1と反射ミラー2はいずれも凹凸のない直方体として描かれているが、本発明の効果を損なわない限り、その表面に凹凸を有していても、その表面が曲面であってもよい。また、太陽電池モジュール1の受光面と反射ミラー2の受光面の面積については、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、設置スペース等を考慮して適宜調節することができる。例えば、図2に示すように両者の面積が等しくても、図3に示すように両者の面積が異なってもよい(図3の例は、太陽電池モジュール1の受光面よりも反射ミラー2の受光面の面積が大きい例である。)。図2に示すように両者の面積が等しい場合、両者に共通する部材を複数サイズ用意する必要がなくなり、製造工程の簡略化やコスト削減が可能となる利点がある。
架台3や4は、太陽電池モジュール1や反射ミラー2の受光面が向く方角や水平面に対する角度を調節できる機構(以下、総称して角度調節機構ということがある。)を有することが好ましい。反射ミラーによる出力向上効果は、季節による太陽高度の変動等の影響を受ける。そのため、架台3や4が角度調節機構を有することにより、季節の変化に合わせて太陽電池モジュール1や反射ミラー2の設置条件を最適化することが容易となり、その結果、季節が変動しても高い出力向上効果を得ることが容易となる。
より具体的には、太陽高度が高い夏季に、反射ミラー2で反射された太陽光を太陽電池モジュール1の受光面へ効率的に入射させるためには、水平面と反射ミラー2の受光面とのなす角の大きさを、上記好ましい範囲内で大きくすることが好ましい。太陽高度が高い場合に水平面と反射ミラー2の受光面とのなす角の大きさが小さいと、反射ミラー2による反射光が太陽電池モジュール1の受光面から外れた方向に行きやすいためである。一方、太陽高度が低い冬季においては、上記観点より、水平面と反射ミラー2の受光面とのなす角の大きさを、夏季に比べて小さくすることが好ましい。
<太陽電池モジュール>
本発明の太陽光発電システムにおける太陽電池モジュールは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、公知のものを使用することができる。その具体例としては、図4に示すように、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池素子5を、受光面側の光透過基板6と太陽電池裏面保護シート7との間に配置し、光透過基板6と太陽電池裏面保護シート7との間を封止材8で封止した構成のものが挙げられる。
光透過基板6や封止材8は、例えば、前述した反射ミラーにおける光透過基板や樹脂層1と同様のものをそれぞれ使用できる。太陽電池素子5としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系、銅−インジウム−ガリウム−セレン、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル、ガリウム−砒素などのIII−V族やII−VI族化合物半導体系など、各種公知の太陽電池素子を適用することができるが、発電効率やコストの面から、多結晶シリコンを用いることが好ましい。
太陽電池裏面保護シートとしては、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、公知のものを使用することができる。より具体的には、フッ素フィルム、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、及びこれらを複数枚貼り合わせたものを使用することができる。また、太陽電池裏面保護シートは、反射率向上のために白色粒子を含有する層を有する態様とすることや、他の部材との密着性を強化するために易接着層を有する態様とすること等ができる。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
〔特性の測定方法及び評価方法〕
実施例中に示す測定や評価、各実施例で使用した部材の製造は、次に示すような条件、方法で行った。
(1)ポリエチレンテレフタレートの重合
ジメチルテレフタレート100質量部とエチレングリコール60質量部の混合物に、酢酸カルシウム0.08質量部、三酸化アンチモン0.03質量部を添加し、加熱昇温してエステル交換反応を行った。その後、該エステル交換反応生成物に、酢酸リチウム0.16質量部、及びリン酸トリメチル0.25質量部を添加して重合反応槽に移行した。次いで、重合反応槽内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧し、1mmHgの減圧下、温度290℃の条件で重合して、固有粘度0.52のポリエチレンテレフタレートを得た。得られたポリエチレンテレフタレートを固化させた後、各辺2mm×4mm×4mmの直方体状に切断し、回転型真空重合装置を用いて0.5mmHgの減圧下、温度230℃の条件で40時間加熱処理して、固有粘度0.82、カルボキシル末端基濃度8.5eq/tonのポリエチレンテレフタレート(PET−1)を得た。
(2)樹脂層3に使用するフィルム
<PETフィルム−1>
PET−1と平均粒子径0.2μmの酸化チタン(表面未処理、ルチル型)を98.5:1.5(質量比)で混合し、温度180℃、真空度0.5mmHgの条件下で2時間の減圧乾燥を行い、樹脂層3Aを得るための樹脂混合物を得た。また、PET−1と平均粒子径0.2μmの酸化チタン(表面未処理、ルチル型)を82.0:18.0(質量比)で混合し、同条件で減圧乾燥して樹脂層3Bを得るための樹脂混合物を得た。次いで、樹脂層3Aを得るための樹脂混合物を280℃に加熱した押出機(a)に、樹脂層3Bを得るための樹脂混合物を280℃に加熱した押出機(b)にそれぞれ供給し、50μmカットフィルターで異物を除去した後、各樹脂混合物をTダイ複合口金に導入した。このとき、両押出機の押出量をコントロールして、厚み比(樹脂層3Aを得るための樹脂混合物:樹脂層3Bを得るための樹脂混合物)が4:1となるように、Tダイ複合口金内で各樹脂混合物を積層させた。その後、Tダイ複合口金内より積層した溶融シート状物を押し出し、これを表面温度20℃のキャストドラム上に静電印加法で密着させることにより、冷却固化して未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを、85℃に加熱したロール群で予熱し、互いに周速の異なる90℃の延伸ロールで長手方向に倍率3.5倍で延伸した後、25℃のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。さらに、その両端をクリップで把持しながら一軸延伸フィルムをテンターに導き、温度95℃の予熱ゾーンで予熱し、温度105℃の延伸ゾーンにて幅方向に倍率4.0倍で延伸し、熱処理ゾーンにて温度205℃で20秒間の熱処理をし、温度180℃の条件で幅方向に3.0%、長手方向に1.5%弛緩させた後、25℃まで均一に冷却して、厚み75μm、厚み比(樹脂層3A:樹脂層3B)4:1の二軸延伸フィルム(PETフィルム−1)を得た。
<PETフィルム−2〜PETフィルム−9>
各樹脂混合物の組成、フィルムの層構成、厚み、及び厚み比を表1のとおりとした以外はPETフィルム−1と同様に製造した。なお、フィルムの厚み比は各押出機の押出量を制御することにより、調節した。
Figure 2019103208
PETフィルム−5は樹脂層3Aを得るための樹脂混合物と樹脂層3Bを得るための樹脂混合物が同一組成であるため、層構成は単層となった。
<ポリフッ化ビニル(PVF)フィルム>
デュポン株式会社製“テドラー”(登録商標)(厚み:38μm 単層構成、白色粒子を含まない。)を使用した。
<ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルム>
ARKEMA株式会社製“カイナー”(登録商標)(厚み:30μm 単層構成、白色粒子を含まない。)を使用した。
<ウレタンフィルム>
株式会社武田産業製“タフグレイス”(厚み:100μm 単層構成、白色粒子を含まない。)を使用した。
(3)接着剤の調整
<ウレタン系接着剤>
三井化学ポリウレタン株式会社製ドライラミネート剤“タケラック”(登録商標)A−310(ポリエステルポリウレタン樹脂)を12質量部、三井化学ポリウレタン株式会社製の芳香族ポリイソシアネート化合物である“タケネート”(登録商標)A−3を1質量部、及び酢酸エチルを212質量部量り取り、これらを混合して15分間撹拌することにより固形分濃度3質量%のドライラミネート用ウレタン系接着剤を得た。
<アクリル系接着剤>
先ず、エチルメタクリレート70g、シクロヘキシルメタクリレート10g、2−エチルヘキシルアクリレート10g、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート10gを混合し、モノマー混合物を調製した。次いで、攪拌機、滴下口、温度計、冷却管、及び窒素ガス導入口を備えた容積500mlのフラスコ内に、酢酸エチル70gとモノマー混合物50gを投入し、80℃に昇温させた。温度が80℃に到達した後、重合開始剤として1gの2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)をフラスコ内に投入し、自己発熱によって昇温させて約84℃で還流させた。次いで、残りのモノマー混合物50gと酢酸エチル30gと2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)1gを混合してモノマー混合物2を調製し、還流反応を確認してから5分経過後に、還流した混合物が入っているフラスコ内に該モノマー混合物2を2時間かけて連続的に滴下して、温度84℃で3時間加熱することにより、全成分100質量%に対してアクリル系ポリマーの不揮発分を50.0質量%含む溶液を得た。その後、アクリル系ポリマーの不揮発分100質量部に対して、8質量部のポリイソシアネート硬化剤“デスモジュール”(登録商標)N3200(住化バイエルウレタン株式会社製)を加え、さらに溶液全体100質量%に対して、アクリル系ポリマーの不揮発分が20質量%となるまでトルエンで希釈することにより、ドライラミネート用アクリル系接着剤を得た。
<ポリエステル系接着剤>
東洋モートン株式会製TM−585−60(全成分100質量%に対して、不揮発分が60質量%)と、東洋モートン株式会社製CAT−10L(全成分100質量%に対して、不揮発分が52.5質量%)を質量比100:7の割合で配合した。その後、混合物を構成する全成分を100質量%としたときに、固形分が合計で30質量%となるように酢酸エチルで希釈することにより、ドライラミネート用ポリエステル系接着剤を得た。
(4)反射ミラーの作製
「(2)樹脂層3に使用するフィルム」に示す各フィルムの樹脂層3A側(単層フィルムの場合は任意の片側)の表面にコロナ処理を施し、ワイヤーバーにより該表面に「(3)接着剤の調整」で得られた各接着剤を塗布した後、150℃で30秒間乾燥した。このときの接着剤の塗布量は乾燥後に5g/mとなるように予め設定した。次いで、接着剤を塗布したフィルムに表2、3に示す金属層を重ねてラミネートを行った。さらに得られた積層体を温度40℃の雰囲気下で72時間エージング処理して接着剤の硬化反応を促し、金属層、樹脂層2(接着剤層)、及び樹脂層3をこの順に有する積層フィルムを得た。次に、光透過基板、樹脂層1、及び該積層フィルムを、光透過基板、樹脂層1、金属層、樹脂層2、及び樹脂層3の順になるように積層し、熱板温度145℃の真空ラミネータに投入して、4分間脱気した後、1kgf/cmの圧力で11分間プレスした。その後、ラミネート時にはみ出した熱可塑性樹脂を除去し、シリコンシーラントを用いてアルミフレームと一体化させたものを反射ミラーとした。
(5)反射ミラーの鏡面反射率
JIS R 3106:1998に定める方法で、反射ミラーの鏡面反射率を測定した。より具体的には、以下の手順、条件で測定した。株式会社島津製作所製UV−3600Plusを用いて波長300〜1,200nmの範囲において、1nmピッチで反射ミラーの分光反射率を測定した。このとき、光は反射ミラーの受光面側(光透過基板側)より照射した。また、分光反射率を測定する際に、基準板として硫酸バリウムを使用した。相対全光線反射率を測定した後、同じ波長範囲内で相対拡散反射率を測定し、波長300〜1,200nmにおいて1nmピッチで測定した相対全光線反射率と相対拡散反射率の差を取って、その相加平均を算出することで、波長300〜1,200nmの範囲における平均鏡面反射率を求め、これを鏡面反射率とした。
(6)太陽電池モジュールの出力向上率
英弘精機株式会社製I−Vチェッカー MP−11を2個使用して、反射ミラーを設置した太陽光発電システムと反射ミラーを設置しない太陽光発電システムそれぞれの発電量を同時に評価した。こうして得られた、反射ミラーを設置した場合の最大出力の値と、反射ミラーを設置しない場合の最大出力の値との差を取り、この差について、反射ミラーを設置しない場合の最大出力に対する割合(%)を算出することによって、反射ミラーを設置することによる出力向上率とした。
(7)耐砂塵性評価
ASTM−D968−05(2010)に規定される方法に準拠して実施した。砂は、黒色炭化ケイ素(宇部サンド工業株式会社製 F80)を使用した。先ず反射ミラーの樹脂層3側を10Lの黒色炭化ケイ素で磨耗処理し、次いで超音波洗浄機にて水中で30分間洗浄を行って表面に付着した黒色炭化ケイ素を除去した。その後、反射ミラーの樹脂層3側より最外層以外の層が露出しているか否かを目視で確認し、露出がない場合を合格、露出があった場合を不合格とした。なお、ここで最外層とは、樹脂層3が2層構成の場合は樹脂層3Bを指し、樹脂層3が単層構成の場合は樹脂層3を指す。
(8)接着性評価
JIS K 6854−2:1999に準拠した方法で、ガラスと樹脂層1と間の接着強度を評価した。接着強度が40N/10mm以上の場合を合格とし、40N/10mm未満の場合を不合格とした。
(9)外観評価
反射ミラーの表面を目視で観察し、クラック及びシワの有無を確認した。クラック及びシワが共に存在しない場合を合格、少なくとも一方が存在する場合を不合格とした。
(10)耐紫外線性評価
作製した反射ミラーに対し、メタルハライドランプを用いて、照射強度1,600W/m、槽内温度63℃、槽内湿度30%RHの条件で24時間、樹脂層3側から紫外線照射処理を実施した。その後、JIS K 7373:2006に準拠した方法で樹脂層3側から色調を測定し、YIを算出した後、初期値との差を算出した。得られた値をΔYIとし、ΔYIが4未満であれば合格、4以上であれば不合格とした。
(実施例1)
「(4)反射ミラーの作製」の項に記載の方法により、光透過基板(3mm厚みのガラス)/樹脂層1(エチレン酢酸ビニル共重合体(杭州FIRST有限公司製 F806))/金属層(アルミニウム箔)/樹脂層2(ウレタン系接着剤)/樹脂層3(PETフィルム−1)をこの順に有する反射ミラー(受光面のサイズ:1,475mm×971mm)を作製した。次に、54枚の太陽電池素子を直列に接続したフジプレアム株式会社製多結晶シリコン太陽電池モジュール(受光面のサイズ:1,475mm×971mm 以下、実施例において、単に太陽電池モジュールということがある。)2枚について、JIS C 8914:2005の基準状態に準じて最大出力の測定を実施した。2枚の太陽電池モジュールの出力がほぼ同等であることを確認した後、これらの太陽電池モジュールを、地面(水平面)とのなす角の大きさが25°となるように、1.5mの間隔を空けて設置した。次に、設置した2枚の太陽電池モジュールの一方のみの前方に、地面とのなす角の大きさが30°となるように反射ミラーを設置し、各項目の評価を行った。評価結果を表2に示す。なお、このとき各太陽電池モジュールの受光面は南向き、反射ミラーの受光面は北向きとした。
(実施例2〜15、比較例1〜4)
反射ミラー構成を表2〜4のとおりとした以外は実施例1と同様に評価を実施した。評価結果を表2〜4に示す。なお、実施例11においては、樹脂層3として使用するPETフィルム−1を逆向きにしたため、位置的に樹脂層3Aに相当する層が樹脂層3Bに相当する層よりも白色粒子の含有量が多くなっている。
Figure 2019103208
各実施例における太陽電池モジュールの出力向上率(%)の測定は、太陽高度が55°以上75°以下の範囲内にあるタイミングで実施した。表3の各実施例と表4の各比較例においても同様である。
Figure 2019103208
Figure 2019103208
本発明により、耐砂塵性に優れ、長期にわたる屋外環境下の使用において太陽光の反射能力を維持することができる反射ミラーと、前記反射ミラーを備えた太陽光発電システムを提供することができる。本発明の反射ミラー及び太陽光発電システムは、特に砂塵が生じやすい屋外環境下で好適に用いることができ、オープンラックでより好適に用いることができる。
1:太陽電池モジュール
2:反射ミラー
3:太陽電池モジュール用架台
4:反射ミラー用架台
5:太陽電池素子
6:基板
7:太陽電池裏面保護シート
8:封止材

Claims (6)

  1. エチレン酢酸ビニル共重合体、又はポリエチレンを主成分とする層を樹脂層1、アクリル系樹脂、又はウレタン系樹脂を主成分とする層を樹脂層2、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリアミドからなる群から選ばれる一の樹脂を主成分とする層を樹脂層3としたときに、光透過基板、樹脂層1、金属層、樹脂層2、及び樹脂層3をこの順で有することを特徴とする、反射ミラー。
  2. 前記金属層の厚みが5μm以上25μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の反射ミラー。
  3. 前記樹脂層3が白色粒子を含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の反射ミラー。
  4. 前記樹脂層3が2層構造を有し、前記樹脂層3を構成する層のうち樹脂層2側に位置する層を樹脂層3A、もう一方の層を樹脂層3Bとしたときに、樹脂層3Bにおける白色粒子の質量分率が、樹脂層3Aにおける白色粒子の質量分率よりも大きいことを特徴とする、請求項3に記載の反射ミラー。
  5. 前記樹脂層3Aの厚みが、前記樹脂層3Bの厚みの4倍以上7倍以下であることを特徴とする、請求項4に記載の反射ミラー。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の反射ミラー及び太陽電池モジュールを備えることを特徴とする、太陽光発電システム。
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