JP2019101698A - 監視制御システム、監視制御方法、監視制御装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

監視制御システム、監視制御方法、監視制御装置及びコンピュータプログラム Download PDF

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圭一 宮尾
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正彦 堤
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Abstract

【課題】オペレータの能力に依存することなく監視制御対象を精度良く監視又は制御することができる監視制御システム、監視制御方法、監視制御装置及びコンピュータプログラムを提供することである。【解決手段】実施形態の監視制御システムは、学習部、支援情報生成部、教師データ生成部を備える。学習部は、監視制御対象の状態と、前記監視制御対象の監視又は制御を支援する諸事項との関係性を、教師データを用いた機械学習により学習する。支援情報生成部は、前記監視制御対象の状態を示す状態情報と、前記学習部によって学習された前記関係性とに基づいて、前記監視制御対象の現在の状態に応じた事項を示す支援情報を生成する。教師データ生成部は、過去に取得された前記状態情報と、前記監視制御対象に対して行われた操作を示す操作情報とに基づいて、前記教師データを生成する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、監視制御システム、監視制御方法、監視制御装置及びコンピュータプログラムに関する。
従来、各種のプラントや工場等の施設の監視制御システムにおいて、適切な監視制御が行われるか否かは、制御対象の監視又は操作を行うオペレータの質によって左右される場合が少なくない。特に、上下水道プラント等の水処理関連の施設においては、処理対象の水に対する薬品の注入量や各種機器の動作の調整を、処理対象の水の量や水質の変動に応じて適切に行う必要があり、オペレータにはこれらの調整に関する諸判断を、各種情報に基づいて総合的に行える技術が求められる。しかしながら、このような各オペレータの技術力に依存する運用では、今後懸念される技術職員の減少や技術力の低下等に対応することができない。そのため各オペレータの能力に依存しない監視制御方法の確立が望まれている。
特許第4330942号公報 特開2010−182287号公報 特開2015−228259号公報
本発明が解決しようとする課題は、オペレータの能力に依存することなく監視制御対象を精度良く監視又は制御することができる監視制御システム、監視制御方法、監視制御装置及びコンピュータプログラムを提供することである。
実施形態の監視制御システムは、学習部、支援情報生成部、教師データ生成部を備える。学習部は、監視制御対象の状態と、前記監視制御対象の監視又は制御を支援する諸事項との関係性を、教師データを用いた機械学習により学習する。支援情報生成部は、前記監視制御対象の状態を示す状態情報と、前記学習部によって学習された前記関係性とに基づいて、前記監視制御対象の現在の状態に応じた事項を示す支援情報を生成する。教師データ生成部は、過去に取得された前記状態情報と、前記監視制御対象に対して行われた操作を示す操作情報とに基づいて、前記教師データを生成する。
実施形態の監視制御システム100のシステム構成の具体例を示す図。 実施形態における監視制御装置1の機能構成の具体例を示すブロック図。 実施形態における監視端末2の機能構成の具体例を示すブロック図。 実施形態における状態情報及び指示情報に基づく運転情報の具体例を示す図。 実施形態における状態情報及び指示情報に基づく運転情報の具体例を示す図。 実施形態における状態情報及び指示情報に基づく運転情報の具体例を示す図。 実施形態における支援情報に基づく運転情報の具体例を示す図。 実施形態における支援情報に基づく運転情報の具体例を示す図。 実施形態における支援情報に基づく運転情報の具体例を示す図。 実施形態における支援情報の表示例を示す図。 実施形態における支援情報の表示例を示す図。 実施形態における監視制御装置1の動作例を示すフローチャート。 実施形態の監視制御システム100の適用例を示す図。
以下、実施形態の監視制御システム、監視制御方法、監視制御装置及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、実施形態の監視制御システム100のシステム構成の具体例を示す図である。監視制御システム100は、監視制御装置1及び監視端末2を備え、監視制御対象Tの監視又は制御を行う。監視制御装置1と監視端末2とは互いに通信可能に構成される。監視制御装置1は、監視制御対象Tの状態を示す情報(以下「状態情報」という。)を監視制御対象Tから取得する。例えば、状態情報には、監視制御対象Tの状態に影響する可能性のある各種の物理量を示す情報が含まれる。監視制御装置1は、取得した状態情報に基づいて支援情報を生成し、生成した支援情報を監視端末2に送信する。支援情報は、監視制御対象Tの監視又は制御を支援する諸事項(以下「支援事項」という。)を示す情報である。例えば、監視制御対象Tの制御に必要な操作が支援情報によって示される。このような支援情報が提供されることにより、監視制御システム100のオペレータが適切に監視制御対象Tを監視又は制御することができる。
また、監視制御装置1は、監視端末2から指示情報を取得する。指示情報は、監視制御装置1に対する各種処理の実行指示を示す情報である。例えば、指示情報には、監視制御装置1に対して監視制御対象Tに対する各種操作の実行指示を示す操作情報が含まれる。この場合、監視制御装置1は、監視端末2から取得した指示情報に基づいて監視制御対象Tを操作するための制御情報を生成し、生成した制御情報を監視制御対象Tに送信することにより、監視制御対象Tを制御する。また、例えば、指示情報には、支援情報の送信指示を示す情報が含まれてもよい。この場合、監視制御装置1は、指示情報の取得に応じて支援情報を生成し、生成した支援情報を監視端末2に送信する。
監視端末2は、監視制御対象Tを監視又は制御に用いられる端末である。具体的には、監視端末2は、監視制御装置1から支援情報を取得し、取得した支援情報を表示部に表示する。オペレータは、監視端末2に表示された支援情報に基づいて監視制御対象Tの状態を把握するとともに、監視制御対象Tの制御に必要な操作監視端末2に入力する。この入力により、指示情報が監視制御装置1に送信される。この指示情報に基づいて監視制御装置1が監視制御対象Tを制御することにより、オペレータの操作が監視制御対象Tに反映される。
図2は、実施形態における監視制御装置1の機能構成の具体例を示すブロック図である。監視制御装置1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。監視制御装置1は、プログラムの実行によって第1通信部101、第2通信部102、教師データ記憶部111、学習データ記憶部112、運転情報記憶部113、指示情報取得部121、状態情報取得部122、対象制御部123、支援情報生成部131、教師データ生成部141及び学習部142を備える装置として機能する。なお、監視制御装置1の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
第1通信部101及び第2通信部102は、通信インタフェースを含んで構成される。監視制御装置1は第1通信部101を介して監視端末2と通信し、第2通信部102を介して監視制御対象Tと通信する。
教師データ記憶部111、学習データ記憶部112及び運転情報記憶部113は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。教師データ記憶部111は教師データを記憶する。教師データは、機械学習(教師あり学習)において、与えられたデータの関係性を学習するために用いられる情報である。教師データは、教師データ生成部141によって生成される。学習データ記憶部112は学習データを記憶する。学習データは、教師データに基づいて学習された関係性を示す情報である。学習データは、学習部142によって生成される。
運転情報記憶部113には、監視制御対象Tの監視又は制御に関する情報が運転情報として蓄積される。例えば、運転情報には、監視制御対象Tから取得される状態情報や、支援情報生成部131によって生成された支援情報、監視端末2から送信された指示情報が含まれる。運転情報記憶部113は、これらの各種情報を、その取得タイミングと対応づけて記憶、蓄積する。
指示情報取得部121は監視端末2から指示情報を取得する。指示情報取得部121は、取得した指示情報を端末制御部25又は支援情報生成部131に出力する。取得した指示情報が監視制御対象Tの制御に必要な操作を示す場合、指示情報取得部121は取得した指示情報を端末制御部25に出力する。取得した指示情報が自装置に対する支援情報の送信の指示を示す場合、指示情報取得部121は取得した指示情報を支援情報生成部131に出力する。その一方で、指示情報取得部121は、取得した指示情報を運転情報の一部として運転情報記憶部113に記憶させる。
状態情報取得部122は監視制御対象Tから状態情報を取得する。状態情報取得部122は、取得した状態情報を支援情報生成部131に出力するとともに、運転情報の一部として運転情報記憶部113に記憶させる。
対象制御部123は、指示情報取得部121によって取得された指示情報に基づいて、監視制御対象Tを操作するための制御情報を生成する。対象制御部123は、生成した制御情報を監視制御対象Tに送信することにより、監視制御対象Tを制御する。
支援情報生成部131は学習データ記憶部112に記憶されている学習データと、状態情報取得部122から出力される状態情報とに基づいて、監視制御対象Tの現在の状態に応じた支援情報を生成する。支援情報生成部131は、生成した支援情報を、第1通信部101を介して監視端末2に送信するとともに、運転情報の一部として運転情報記憶部113に記憶させる。なお、支援情報生成部131は、支援情報の生成及び送信を予め定められた所定のタイミングで実行するように構成されてもよいし、監視端末2から支援情報の送信を要求する指示情報が受信された場合に支援情報を生成及び送信するように構成されてもよい。
教師データ生成部141は運転情報記憶部113に記憶されている運転情報に基づいて、学習部142が監視制御対象Tの状態と諸事項との関係性を学習するために用いる教師データを生成する。具体的には、教師データ生成部141は、運転情報に含まれる各種の情報について、教師データとして相応しくないデータを削除する処理や、学習部142の学習処理に適した形式に変換する処理等を行う。なお、教師データ生成部141は、教師データの生成を所定のルールに基づいて行うように構成されてもよいし、ユーザの操作に基づいて行うように構成されてもよい。また、教師データ生成部141は、予め生成された教師データを外部装置から取得するように構成されてもよい。教師データ生成部141は、このように生成又は取得した教師データを教師データ記憶部111に記憶させる。
学習部142は、教師データ記憶部111に記憶されている教師データに基づいて機械学習処理を行う。具体的には、学習部142には、教師あり学習によって識別器を生成するための機械学習技術が適用される。機械学習技術の具体例として、SVM(Support Vector Machine)やDL(Deep Learning)がある。学習部142は、機械学習処理を行うことにより、監視制御対象Tの状態と、監視制御対象Tの監視又は制御に必要な支援事項との関係性を学習する。学習部142が学習する関係性は1つであってもよいし、複数であってもよい。具体的には、学習部142は、このような関係性を識別するための識別器を表すパラメータ等のデータを学習データとして生成する。学習部142は、生成した学習データを学習データ記憶部112に記憶させる。
図3は、実施形態における監視端末2の機能構成の具体例を示すブロック図である。監視端末2は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。監視端末2は、プログラムの実行によって通信部21、表示部22、入力部23、支援情報記憶部24及び端末制御部25を備える装置として機能する。なお、監視端末2の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
通信部21は、通信インタフェースを含んで構成される。監視端末2は、通信部21を介して監視制御装置1と通信する。
表示部22は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を含んで構成される。又は、表示部22は、これらの表示装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。表示部22は、監視制御対象Tの監視又は制御に関する情報を表示する。例えば、表示部22には、監視制御対象Tに含まれる各種機器を監視するために用いられる監視画面が表示される。監視画面には、各種機器の状態や各種機器に対する操作メニューなどが表示される。オペレータは、この監視画面に表示される情報を目視することにより監視制御対象Tの状態を把握するとともに、必要に応じて監視制御対象Tの制御に必要な各種操作を入力する。
入力部23は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。又は、入力部23は、これらの入力装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。入力部23は、自装置に対する操作の入力を受け付ける。具体的には、入力部23は、自装置を用いて監視制御対象Tの監視業務を行うオペレータによる操作の入力を受け付ける。例えば、オペレータは、監視制御装置1に対して監視制御対象Tの操作を指示する操作を入力する。また、例えば、オペレータは、監視制御装置1に対して支援情報の送信を指示する操作を入力する。入力部23は、入力された操作を示す情報(以下「入力情報」という。)を端末制御部25に出力する。
支援情報記憶部24は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。支援情報記憶部24は支援情報を記憶する。
端末制御部25は、入力部23を介して入力される入力情報と、通信部21を介して監視制御装置1から受信される支援情報とに基づいて、監視制御対象Tの監視又は制御を支援する第1支援処理及び第2支援処理を実行する。第1支援処理は、監視制御装置1から支援情報を取得し、取得した支援情報を表示部22に表示させる処理である。例えば、第1支援処理は、支援情報の表示対象となる機器(以下「対象機器」という。)を選択する操作が入力されたことに応じて実行される。端末制御部25は、この入力に応じて監視制御装置1から対象機器に関する支援情報の送信を要求する。端末制御部25は、この要求に対する応答として監視制御装置1から支援情報を取得し、取得した支援情報を監視画面内の対象機器の表示に対応づけて表示部22に表示させる。
一方、第2支援処理は、監視制御装置1に対して監視制御対象Tの操作を指示する処理である。端末制御部25は、入力情報が第1支援処理の実行指示を示す場合、又は監視制御装置1から支援情報が受信された場合に第1支援処理を実行し、入力情報が第2支援処理の実行指示を示す場合に第2支援処理を実行する。
図4〜図6は、実施形態における状態情報及び指示情報に基づく運転情報の具体例を示す図である。図4〜図6は、監視制御対象が上下水道施設である場合における運転情報の一例を示す。図4(A)及び図4(B)は、上下水道施設が備えるポンプに関する運転情報の一例を示す。図4(A)に示す運転情報は、ポンプの運転状態、故障状態、ポンプによって送り出される水の流量及び圧力、ポンプにより水が流出又は流入する貯水槽の水位、ポンプの回転数、ポンプの消費電力量を時系列に示す。また、図4(B)に示す運転情報は、ポンプに対して行われた操作、及びその操作の入力が行われた場所を時系列に示す。
なお、下水処理の方法の一つに、微生物の働きを利用して下水中の不要物を除去する生物学的方法がある。このような処理方法では、微生物を活性化させるためにブロワ等の送風機を用いて処理対象の水に空気を供給する。ブロワは、ポンプと同様の構成を持つ機器であるため、この場合、ブロワに関する運転情報が図4と同様の情報として取得されてもよい。
図5(A)及び図5(B)は、上下水道施設が備える薬品注入装置に関する運転情報の一例を示す。一般に上下水道施設では、不要物の除去や殺菌等の目的で処理対象の水に各種薬品が注入される。図5(A)に示す運転情報は、薬品注入装置の運転状態、故障状態、薬品の注入率、薬品の残量、処理対象の水の濁度、pH、処理対象の水に残留する塩素の濃度、処理対象の水の水温を時系列に示す。また、図5(B)に示す運転情報は、薬品注入装置に対して行われた操作、及びその操作の入力が行われた場所を時系列に示す。
図6(A)及び図6(B)は、上下水道施設が備える遮断器や開閉器等の受変電機器に関する運転情報の一例を示す。これらの受変電機器は、上下水道施設が備える各機器と電力系統との接続又は切断や、電力系統から供給される電力の変電等を行い、各機器に対する電力供給を制御する機能を有する。図6(A)に示す運転情報は、各機器と電力系統との接続状態(ONは接続、OFFは切断を表す)、受変電機器の故障状態、電力系統から受電した電力又は受電後に変電された電力の電流、電圧及び電力量、力率を時系列に示す。また、図6(B)に示す運転情報は、受変電機器に対して行われた操作、及びその操作の入力が行われた場所を時系列に示す。
図7〜図9は、実施形態における支援情報に基づく運転情報の具体例を示す図である。図7〜図9は、図4〜図6の説明と同様に、監視制御対象Tが上下水道施設である場合における運転情報の一例を示す。図7はポンプに関する運転情報の一例を示し、図8は薬品注入装置に関する運転情報の一例を示す。図7に示す運転情報は、ポンプの運転状態、動作状態、各ポンプが何台目に運転を開始したか(台数情報)、連続運転時間、平均連続運転時間、累積運転時間、累積使用電力量、ポンプの運転に関して実施されたナビゲーションの内容(運転ナビ情報)、ポンプの停止に関して実施されたナビゲーションの内容(停止ナビ情報)を時系列に示す。
また、図8に示す運転情報は、薬品注入装置の動作状態、処理対象の水の水質(水質情報)、連続運転時間、累積運転時間、薬品の注入に関して実施されたナビゲーションの内容(注入ナビ情報)、装置の運転に関して実施されたナビゲーションの内容(運転ナビ情報)、装置の停止に関して実施されたナビゲーションの内容(停止ナビ情報)、装置が前回停止した要因(前回停止要因)を時系列に示す。また、図9に示す運転情報は、受変電機器の運転状態、動作状態、前回の故障要因、過去の故障履歴、機器に対して行われた前回の操作を時系列に示す。
図10及び図11は、実施形態における支援情報の表示例を示す図である。図10は、上下水道施設が備える各ポンプの状態に関する支援情報の表示例を示す。図10に示す表示例は、処理対象の水に凝集剤としてPAC(Poly-Aluminum Chloride)を注入するポンプ(図中の1号PAC注入ポンプ)の監視画面において、支援情報に基づく2つの表示A及びBが表示された例である。
この場合、支援情報生成部131は、取得された状態情報と、学習データ記憶部112に記憶されている学習データとに基づいて、1号PAC注入ポンプの現在の注入率が21.20[mg/l]であること、現在のPACの注入率が2015年3月21日の8時45分に20.10[mg/l]から変更されたこと、原水濁度が20.00度を超えていること、現在のPACの注入率を23.00[mg/l]に引き上げることが推奨されること、を推定するとともに、これらの推定結果を示す支援情報を生成し、生成した支援情報を監視端末2に送信する。
この場合、監視端末2は、ユーザによる表示対象(1号PAC注入ポンプ)の選択に応じて表示A及びBをポップアップ表示させる。なお、表示対象の選択は、どのような操作によって実現されてもよい。例えば、表示対象の選択は、マウスによる表示対象のクリック操作によるものであってもよいし、表示対象に対するマウスオーバ操作によるものであってもよい。また、この場合、支援情報は、予め監視制御装置1から取得され、支援情報記憶部24に記憶されていてもよい。また、支援情報は、ユーザによる表示対象の選択操作に応じて監視制御装置1から取得されてもよい。
図11に示す表示例は、1号送水ポンプP1及び2号送水ポンプP2の監視画面において、支援情報に基づく表示Cが表示された例である。この場合、支援情報生成部131は、取得された状態情報と、学習データ記憶部112に記憶されている学習データとに基づいて、1号送水ポンプP1の連続運転時間が18時間5分であること、平均連続運転時間が40時間20分であること、累積運転時間が1532時間30分であること、累積使用電力量が126501キロワット時であること、を推定するとともに、これらの推定結果を示す支援情報を生成し、生成した支援情報を監視端末2に送信する。この場合、監視端末2は、ユーザによる表示対象(1号送水ポンプ)の選択に応じて表示Cをポップアップ表示させる。
なお、支援情報は、必ずしも学習データに基づく推定によって得られた情報でなくてもよい。例えば、連続運転時間や累積運転時間、累積使用電力量等の情報は、蓄積されている過去の運転情報や制御情報等に基づく演算によって取得されてもよい。
図12は、実施形態における監視制御装置1の動作例を示すフローチャートである。まず、監視制御装置1の状態情報取得部122が、監視制御対象Tから状態情報が取得されたか否かを判定する(ステップS101)。状態情報が取得された場合(ステップS101−YES)、状態情報取得部122は、取得した状態情報を支援情報生成部131に出力するとともに、運転情報として運転情報記憶部113に記憶させる(ステップS102)。支援情報生成部131は、状態情報取得部122によって取得された状態情報と、学習データ記憶部112に記憶されている学習データとに基づいて支援情報を生成する(ステップS103)。
例えば、支援情報生成部131は、監視制御対象Tの現在の状態に応じた操作を示す支援情報を生成してもよい。この場合、教師データ生成部141は、監視制御対象Tの各状態と、各状態の監視制御対象Tに必要な操作とを示す教師データを生成する。学習部142は、このような教師データに基づいて、監視制御対象Tの状態と、その状態の監視制御対象Tに対して行われるべき操作との関係性を学習する。支援情報生成部131は、このような学習によって生成された学習データを用いることにより、現在の監視制御対象Tに必要な操作を示す支援情報を生成することができる。
また、この場合、教師データ生成部141は、監視制御対象Tに対して行われた操作のうち、所定期間内に所定回数以上行われた操作を抽出した教師データを生成してもよい。このような教師データが生成されることにより、学習部142は、監視制御対象Tの状態に対してより関連性の高い操作との関係性を学習することができる。
また、教師データにおいて、監視制御対象Tに対して行われた操作が所定期間内に複数存在する場合、学習部142は、監視制御対象Tと、複数の操作の操作順序との関係性を学習してもよい。支援情報生成部131は、このような学習によって生成された学習データを用いることにより、現在の監視制御対象Tに必要な複数の操作と、その操作順序とを示す支援情報を生成することができる。
また、例えば、支援情報生成部131は、監視制御対象Tに含まれる各種機器について、機器の運転時間、消費電力量、及びその機器に生じる可能性のある所定の事象を示す支援情報を生成してもよい。この場合、教師データ生成部141は、監視制御対象Tの各状態と、各状態の監視制御対象Tにおける各種機器の運転時間、消費電力量、及びその機器に生じた事象を示す教師データを生成する。学習部142は、このような教師データに基づいて、監視制御対象Tの状態と、その状態の監視制御対象Tにおける各種機器の運転時間、消費電力量、及びその機器に生じた事象との関係性を学習する。支援情報生成部131は、このような学習によって生成された学習データを用いることにより、現在の監視制御対象Tの状態から推定される各種機器の運転時間、消費電力量、及びその機器に生じる可能性のある事象を示す支援情報を生成することができる。
なお、支援情報は、学習データと状態情報とに基づいて直接的に生成される情報であってもよいし、直接的に生成された情報に基づいて得られる二次的な情報であってもよい。支援情報生成部131は、生成した支援情報を監視端末2に送信する(ステップS104)とともに、運転情報として運転情報記憶部113に記憶させる(ステップS105)。
一方で、ステップS101において、状態情報が取得されていない場合(ステップS101−NO)、指示情報取得部121が、監視端末2から指示情報が取得されたか否かを判定する(ステップS106)。指示情報が取得されていない場合(ステップS106−NO)、指示情報取得部121は、処理をステップS101に移す。一方で、指示情報が取得された場合(ステップS106−YES)、指示情報取得部121は、取得された指示情報を運転情報として運転情報記憶部113に記憶させる(ステップS107)とともに、指示情報が監視制御対象Tの操作を指示する情報(以下「操作指示情報」という。)であるか、又は支援情報の送信を指示する情報(以下「送信指示情報」という。)であるかを判定する(ステップS108)。なお、指示情報には、監視制御装置1に対する他の指示を示す情報が含まれてもよいが、ここでは簡単のため、指示情報は、操作指示情報又は送信指示情報のいずれかであると仮定する。
指示情報が送信指示情報である場合(ステップS108:送信指示情報)、指示情報取得部121は、ステップS103に処理を移す。一方、指示情報が操作指示情報である場合(ステップS108:操作指示情報)、対象制御部123が操作指示情報に基づいて制御情報を生成し、生成した制御情報を監視制御対象Tに送信し(ステップS109)、ステップS101に処理を移す。
このように構成された実施形態の監視制御システム100は、オペレータの監視に必要な支援情報を、機械学習技術に基づいて学習された状態情報と支援情報との関係性に基づいて生成する。さらに、実施形態の監視制御システム100は、過去に取得された状態情報や支援情報、指示情報に基づいて作成した(又は作成された)教師データを用いて上記の関係性を学習する。そのため、このような学習方法によれば、監視制御システム100は、過去に行われた監視制御対象Tの監視又は制御の実績に基づいて、監視制御対象Tの状態に応じたより適切な支援情報を生成することができる。すなわち、このように構成された実施形態の監視制御システム100によれば、オペレータの能力に依存することなく監視制御対象Tを精度良く監視又は制御することが可能となる。
具体的には、オペレータに対して、過去の制御実績に基づく適切な操作を提案することが可能となる。例えば、オペレータに対して、処理対象の水の状態に応じた、適切な薬品の注入率を提案することが可能となる。また例えば、オペレータに対して、適切なタイミングで過去の操作履歴を提供することが可能となる。また例えば、オペレータに対して、注目すべき監視制御対象の状態を適切に抽出するとともに、それを適切なタイミングで通知することが可能となる。
従来、オペレータに対する操作のナビゲーションは、予め登録された内容のガイダンスが、予め定められた所定の条件が満たされた場合に通知されるものであった。そのためには、上記のガイダンス情報を予め監視制御装置1や監視端末2に登録する必要があった。これに対して、実施形態の監視制御システム100は、監視制御対象Tの状態と、その状態において必要な情報との関係性を学習することができるため、上記のような事前登録の作業に要する労力を削減することが可能となる。
(適用例)
図13は、実施形態の監視制御システム100の適用例を示す図である。適用例の監視制御システム100aは、複数の監視制御装置1を収容するデータセンタ10と、監視制御装置1及び監視端末2を備える監視システム20と、可搬端末群30と、を備える。データセンタ10と監視システム20とはVPN(Virtual Private Network)網VNを介して接続され、可搬端末群30はインターネットINを介してデータセンタ10にアクセス可能である。また、監視制御対象TはVPN網VNを介して監視システム20と通信可能である。
この適用例では、監視制御対象Tから送信される状態情報、及びデータセンタ10又は監視システム20の各監視端末2から送信される指示情報は、VPN網VNを介してデータセンタ10又は監視システム20の監視制御装置1に送信される。監視制御装置1は、状態情報又は指示情報に基づいて制御情報を生成し、生成した制御情報を、VPN網VNを介して監視制御対象Tに送信する。また、監視制御装置1は、取得された各種情報を学習又は蓄積し、学習データに基づく推定又は蓄積データに基づく演算によって支援情報を生成し、生成した支援情報を、インターネットINを介してスマートフォンやPC、タブレット等の可搬端末群30に送信する。
このように構成された監視制御システム100aにおいて、オペレータはデータセンタ10に配置されてもよいし、監視システム20に配置されてもよい。データセンタに配置されたオペレータは、監視端末2−1を用いて監視制御対象Tの監視又は制御を行うことができる。また、監視システム20に配置されたオペレータは、監視端末2−2及び2−3を用いて監視制御対象Tの監視又は制御を行うことができる。また、オペレータは、必ずしもデータセンタ10又は監視システム20に配置される必要はなく、スマートフォンやPC、タブレット等の可搬端末を用いて任意の場所で監視制御対象Tの監視又は制御を行ってもよい。
また、図13に示すように、監視制御装置1をデータセンタ10に複数配置することにより、監視制御装置1が有する機能をクラウドサービスとして提供することも可能である。この場合、監視システム20は必ずしも監視制御装置1を備える必要はない。また、データセンタ10及び監視システム20が備える各監視制御装置1は、必ずしも監視制御装置1の全ての機能を有する必要はない。例えば、監視システム20の監視制御装置1は、状態情報の取得と、取得した状態情報をデータセンタ10の監視制御装置1に送信する機能を有し、データセンタ10の監視制御装置1は、監視システム20の監視制御装置1から受信される状態情報に基づいて支援情報を生成し、生成した支援情報を監視端末2−1〜2−3に送信する機能を有してもよい。この場合、状態情報と支援情報との関係性を学習する機能は、少なくともデータセンタ10の監視制御装置1が有すればよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、監視制御対象Tの状態と、監視制御対象Tの監視又は制御を支援する諸事項との関係性を、教師データを用いた機械学習により学習する学習部142と、監視制御対象Tの状態を示す状態情報と、学習部142によって学習された関係性とに基づいて、監視制御対象Tの現在の状態に応じた事項を示す支援情報を生成する支援情報生成部131と、過去に取得された状態情報と、監視制御対象Tに対して行われた操作を示す操作情報とに基づいて、教師データを生成する教師データ生成部141と、を持つことにより、オペレータの能力に依存することなく監視制御対象を精度良く監視又は制御することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100,100a…監視制御システム、1…監視制御装置、101…通信部、102…通信部、111…教師データ記憶部、112…学習データ記憶部、113…運転情報記憶部、121…指示情報取得部、122…状態情報取得部、123…対象制御部、131…支援情報生成部、141…教師データ生成部、142…学習部、2,2−1〜2−3…監視端末、21…通信部、22…表示部、22…支援情報を表示部、23…入力部、24…支援情報記憶部、25…端末制御部、10…データセンタ、20…監視システム、30…可搬端末群

Claims (9)

  1. 監視制御対象の状態と、前記監視制御対象の監視又は制御を支援する諸事項との関係性を、教師データを用いた機械学習により学習する学習部と、
    前記監視制御対象の状態を示す状態情報と、前記学習部によって学習された前記関係性とに基づいて、前記監視制御対象の現在の状態に応じた事項を示す支援情報を生成する支援情報生成部と、
    過去に取得された前記状態情報と、前記監視制御対象に対して行われた操作を示す操作情報とに基づいて、前記教師データを生成する教師データ生成部と、
    を備える監視制御システム。
  2. 前記学習部は、前記状態と前記操作との関係性を学習し、
    前記支援情報生成部は、前記監視制御対象の現在の状態に応じた操作を示す支援情報を生成する、
    請求項1に記載の監視制御システム。
  3. 前記学習部は、前記状態と、所定期間内に前記監視制御対象に対して所定回数以上行われた操作との関係性を学習する、
    請求項2に記載の監視制御システム。
  4. 前記学習部は、所定期間内に前記監視制御対象に対して行われた操作が複数存在する場合、前記状態と、複数の前記操作の操作順序との関係性を学習し、
    前記支援情報生成部は、前記監視制御対象の状態に応じた複数の操作及びその操作順序を示す支援情報を生成する、
    請求項2に記載の監視制御システム。
  5. 前記状態情報は、前記監視制御対象に含まれる機器の運転状態、消費電力量、及び前記機器に生じた所定の事象を示す情報を含み、
    前記学習部は、前記監視制御対象の状態と、前記所定の事象との関係性を学習し、
    前記支援情報生成部は、前記監視制御対象の状態に応じた前記機器の運転時間、消費電力量、及び前記機器に生じる可能性のある所定の事象を示す支援情報を生成する、
    請求項1に記載の監視制御システム。
  6. 前記支援情報生成部を備える監視制御装置と通信する監視端末をさらに備え、
    前記監視端末は、
    前記監視制御対象に関する情報を表示する表示部と、
    前記監視制御対象に含まれる機器であって前記支援情報の表示対象となる機器を選択する操作の入力を受け付ける入力部と、
    前記入力に応じて前記監視制御装置から前記機器に関する支援情報を取得し、取得した前記支援情報を前記機器の表示に対応づけて前記表示部に表示させる制御部と、
    を備え、
    前記支援情報生成部は、前記監視端末の要求に応じて前記機器に関する支援情報を生成し、生成した前記支援情報を前記監視端末に送信する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の監視制御システム。
  7. 監視制御対象の状態と、前記監視制御対象の監視又は制御を支援する諸事項との関係性を、教師データを用いた機械学習により学習し、
    前記監視制御対象の状態を示す状態情報と、前記学習部によって学習された前記関係性とに基づいて、前記監視制御対象の現在の状態に応じた事項を示す支援情報を生成し、
    過去に取得された前記状態情報と、前記監視制御対象に対して行われた操作を示す操作情報とに基づいて、前記教師データを生成する、
    監視制御方法。
  8. 監視制御対象の状態と、前記監視制御対象の監視又は制御を支援する諸事項との関係性を、教師データを用いた機械学習により学習する学習部と、
    前記監視制御対象の状態を示す状態情報と、前記学習部によって学習された前記関係性とに基づいて、前記監視制御対象の現在の状態に応じた事項を示す支援情報を生成する支援情報生成部と、
    過去に取得された前記状態情報と、前記監視制御対象に対して行われた操作を示す操作情報とに基づいて、前記教師データを生成する教師データ生成部と、
    を備える監視制御装置。
  9. 請求項8に記載の監視制御装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
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