JP2019100912A - 電磁波を用いた物質の同定装置、同定方法 - Google Patents

電磁波を用いた物質の同定装置、同定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サンプルの量にかかわらず、また位相変化を測定することなく物質を同定する評価装置を提供する。【解決手段】本発明の電磁波を用いて物質を同定するための装置は、空洞共振器と、空洞共振器に複数の周波数の電磁波を送信し、受信する透過/反射の電磁波の共振周波数と振幅を測定する電磁波測定手段と、測定電磁波の共振周波数変化と振幅変化から空洞共振器内の物質を同定する解析手段とを備える。解析手段は、(i)既知物質の量の変化に対応した電磁波の共振周波数変化、共振周波数での振幅変化、特定周波数での振幅変化を検出し、2つの異なる電磁界モードでの共振周波数変化、共振周波数変化と共振周波数での振幅変化、及び特定周波数での振幅変化の各相関関係を求め、(ii)検査対象物質についての共振周波数変化、共振周波数での振幅変化、または特定周波数での振幅変化を既知物質の対応する相関関係に当てはめることにより検査対象物質を同定する。【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波を用いた物質の同定装置、同定方法に関し、より具体的には、空洞共振器に複数の周波数の電磁波を送信し、受信する透過または反射の電磁波の共振周波数と振幅を基に物質を同定するための装置、方法に関する。
非破壊で物質を同定する評価方法として、共振周波数変化と共振周波数での振幅変化の相関関係を利用する方法がある。例えば、非特許文献1は、農産物のアズキの水分量を同定する方法が提案されており、空洞共振器の中にアズキを入れ、マイクロ波を照射し、1つの電磁界共振モードの共振周波数変化と共振周波数での振幅変化を使って水分量を推定することを開示する。
しかし、非特許文献1の方法は、アズキ1粒毎の粒径(厚径、幅径)の情報が必要であり、また、測定は1粒ずつ行わなければならない。そのため、大量のサンプルの評価には長い時間を要するという問題がある。
一方、サンプルの量にかかわらず非破壊で物質を同定する評価方法として、振幅変化と位相変化の相関関係を利用する方法がある。特許文献1は、マイクロ波の単一周波数での振幅変化と位相変化を解析して水分量を検出する水分量測定装置/方法を開示する。
しかし、特許文献1の方法で用いる位相変化の測定は、システムが複雑になり装置の価格が高価であること等の問題がある。
特開2015−161597号公報
熊林他、"マイクロ波センサを利用したアズキ粒の非破壊水分測定"北海道立食品加工研究センター報告、No.3(1998)
本発明の目的は、サンプルの量にかかわらず、また位相変化を測定することなく物質を同定する評価装置/方法を提供することである。
本発明一態様では、電磁波を用いて物質を同定するための装置を提供する。その装置は、物質を内包可能な空洞共振器と、空洞共振器に複数の周波数の電磁波を送信し、受信する空洞共振器からの透過または反射の電磁波の共振周波数と振幅を測定するための電磁波測定手段と、測定された電磁波の共振周波数変化と振幅変化から空洞共振器に内包された物質を同定するための解析手段とを備える。
その解析手段は、(i)空洞共振器内の既知の物質の量の変化に対応して測定された電磁波の共振周波数変化、共振周波数での振幅変化、特定周波数での振幅変化を検出し、2つの異なる電磁界モードでの共振周波数変化の相関関係、共振周波数変化と共振周波数での振幅変化の相関関係、特定周波数での振幅変化の相関関係を求め、(ii)検査対象物質について検出した共振周波数変化、共振周波数での振幅変化、または特定周波数での振幅変化を既知の物質についての対応する相関関係の一つに当てはめることにより検査対象物質を同定する。
本発明の一態様では、電磁波を用いた物質の同定方法を提供する。その同定方法は、(a)未知の物質が内包された空洞共振器に複数の周波数の電磁波を照射して、透過または反射する電磁波を受信するステップと、(b)受信された電磁波の共振周波数を検出するステップと、(c)空洞共振器の2つの異なる電磁界モードにおいて、予め得られた未知の物質を内包しない状態の空洞共振器の共振周波数と、検出された電磁波の共振周波数との周波数差を求めるステップと、(d)2つの異なる電磁界モードにおける周波数差を、複数の既知の物質の各々についてその量を変えながらステップ(a)〜(c)により予め得られた複数の2つの異なる電磁界モードにおける周波数差の相関関係に当てはめることにより、未知の物質を同定するステップと、を含む。
本発明によれば、非接触・非破壊で測定できるため、高いスループットが得られ全数検査も可能であり、オンラインでリアルタイム測定も可能である。本発明によれば、サンプルの量に依存しないので、測定者の技量や経験によらず正確に測定可能である。本発明によれば、位相変化を測定しないため、システムが簡易になり、装置価格を安価にすることができる。本発明によれば、同じ測定原理で電磁波の幅広い周波数の選択性があるので、測定の対象物に応じた周波数の選択が可能となる。
本発明の一実施形態の同定装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態の空洞共振器の構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態の水量を変えたときの共振特性を示す図である。 本発明の一実施形態の水量を変えたときの共振特性を示す図である。 本発明の一実施例の測定結果(共振周波数変化vs共振周波数変化)を示す図である。 本発明の一実施例の測定結果(振幅変化vs振幅変化)を示す図である。 本発明の一実施例の測定結果(共振周波数変化vs振幅変化)を示す図である。
図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態の電磁波を用いて物質を同定するための装置(以下、同定装置と呼ぶ)の構成を示す図である。同定装置100は、解析手段1と電磁波測定手段3と空洞共振器6を含む。解析手段1は、例えばパーソナルコンピューター(PC)からなり、所定のソフトウェアの実行下で後述する本発明の同定方法のための各種処理(解析)を行う。
電磁波測定手段3は、例えばネットワークアナライザからなり、解析手段1(以下、PCと記す)とケーブル2(例えばGP−IBケーブル、USBケーブル等)を介して相互に通信可能に接続する。ネットワークアナライザには、ベクトルネットワークアナライザとスカラーネットワークアナライザが含まれる。本発明では位相測定を行わないので、後者のスカラーネットワークアナライザを用いることも可能である。
電磁波測定手段3(以下、ネットワークアナライザと記す)は、入出力ポート7、8に接続された同軸ケーブル4、5を介して空洞共振器6と通信可能に接続する。ネットワークアナライザ3は、空洞共振器6に複数の周波数の電磁波を送信し、受信する空洞共振器6からの透過または反射の電磁波の共振周波数と振幅を測定する。ネットワークアナライザ3は、測定した周波数と振幅のデータをケーブルを介してPC1に送信することができ、同時に内蔵するモニターにそれらを表示することができる。PC1は、測定された電磁波の共振周波数変化と振幅変化から空洞共振器に内包された物質を同定するための各種解析を行う。その解析内容については後述する。
図2は、本発明の一実施形態の空洞共振器6の構成を示す断面図である。図2では、円筒形の金属製の容器の対向する側面に電磁波の入力ポートと出力ポートがあり、各ポートにはアンテナプローブ63、64が容器内に突出するように設けられている。容器の上側から内部に向けて細長い容器(以下、チューブと呼ぶ)61が挿入できるようになっている。図2のチューブ61は試験管のような形状をしているが、チューブの形状はこれに限られず、直方体等の形状であっても良く、また注入される物質の量の変化を目視できる透明なあるいは半透明なガラスや樹脂等で作られた容器が好ましい。
チューブ61には、被検査対象物である試料(物質)62がその量を任意に変えながら入れられるようになっている。本発明の一実施形態の同定装置100では、このチューブ61内の物資を同定する。なお、本発明で利用可能な空洞共振器は、図2の円筒形の空洞共振器6に限定されず他の形状の空洞共振器を利用することも可能である。
以下、図3〜図7を参照しながら図1及び図2の一実施形態の同定装置を用いた本発明の一実施形態の物質の同定方法について説明する。最初に本発明の一実施形態の同定方法について本出願の発明者らが得た知見とその方法の概要について説明する。
本発明者らは、電磁界共振モードの共振周波数変化、共振周波数での振幅変化(減衰量)、特定周波数での振幅変化に着目し、物質の量の変化は、異なる電磁界共振モードの共振周波数変化の相関、共振周波数変化と共振周波数での振幅変化の相関、または特定周波数での振幅変化の相関として検出されることを見出した。そして、物質の量を変えて異なる電磁界共振モードの共振周波数変化、共振周波数での振幅変化、または特定周波数での振幅変化を測定しプロットすれば、物質固有の相関関係を求めることができることを創案した。
すなわち、最初に、(a)予め既知の種々の物質の量を変えて、複数の異なる周波数の電磁波を照射し、物質を透過または反射した電磁波の周波数と振幅を測定して、(b)共振周波数変化、共振周波数での振幅変化、特定周波数での振幅変化を検出し、相関関係を予め求めておく。次に、(c)被検査対象物に、複数の異なる周波数の電磁波を照射し、被検査対象物を透過または反射した電磁波の周波数と振幅を測定して、(d)共振周波数変化、共振周波数での振幅変化、特定周波数での振幅変化を検出し、(e)予め求めておいた相関関係に当てはめれば物質を同定(評価や分別も)することができる。以上が同定方法の概要である。
次に具体的に同定方法を説明する。なお、以下の説明では、被検査対象物の物質として、水、エタノール、小麦粉、及び脱脂粉乳を用いた場合の例(実験結果)を基に説明しているが、本発明の実施態様の同定方法の被検査対象物はこれらの物質に限定されるものではない。すなわち、チューブ61にその量を変えながら入れることが可能な物質であれば、液体または固体、粘性体、粒状体、あるいは粉状体などその種類や形態を任意に選択することができる。
<実施形態1:共振周波数変化の相関関係を用いる場合>
最初に、被検査対象物の測定に先立って、予め既知の水について、異なる量を入れたチューブ61を順番に図1、2の空洞共振器6の中に設置し、ネットワークアナライザ3によって周波数2〜4GHzの複数の異なる電磁波を照射して透過した電磁波を受信する。図3は、ネットワークアナライザ3によって得られる、水の量を3種類変えたとき((1)水の量1、(2)水の量2、(3)水の量3)の電磁界共振モードTE111の共振特性(周波数vs振幅)の例を示したグラフである。(0)は、水をチューブ61に入れていない場合である。水なしの共振周波数2.628GHzに対して、水の量を1、2、3と増やすにつれて、共振周波数(共振点)、すなわち(1)、(2)、(3)の各波形のピーク(◆印)の周波数が小さくなっていくことがわかる。同時に共振周波数(共振点)での振幅も徐々に小さくなっていることがわかる。
図4は、図3の場合と同様に、ネットワークアナライザ3によって得られる、水の量を3種類変えたとき((1)水の量1、(2)水の量2、(3)水の量3)の電磁界共振モードTE211の共振特性(周波数vs振幅)の例を示したグラフである。(0)は、水をチューブ61に入れていない場合である。水なしの共振周波数3.919GHzに対して、水の量を1、2、3と増やすにつれて、共振周波数(共振点)、すなわち(1)、(2)、(3)の各波形のピーク(◆印)の周波数が小さくなっていくことがわかる。同時に共振周波数(共振点)での振幅も徐々に小さくなっていることがわかる。
図3及び図4の結果(グラフ)から、PC1によって、電磁界共振モードTE111の共振周波数変化A、すなわち図3の(0)波形のピーク(○印)の2.628GHzの周波数と(1)〜(3)の波形の各共振点(◆印)での周波数との差と、TE211の共振周波数変化B、すなわち図4の(0)波形のピーク(○印)の3.919GHzの周波数と(1)〜(3)の波形の各共振点(◆印)での周波数との差を検出する。そして、横軸がTE111の共振周波数変化A、縦軸がTE211の共振周波数変化Bのグラフにプロットすると図5のグラフの●印のようになる。すなわち、図5の(0)−(1)、(0)−(2)、(0)−(3)は、上記した図3の電磁界共振モードTE111の共振周波数変化Aを横軸に、図4のTE211の共振周波数変化Bを縦軸にそれぞれプロットしたものである。
水に代えてチューブ61内にエタノールを入れてその量を変えながら図3と図4と同様な共振特性(周波数vs振幅)のグラフを得てから、横軸にTE111の共振周波数変化A、縦軸にTE211の共振周波数変化Bのグラフにプロットすると図5のグラフの▲印のようになる。図5の水(●印)とエタノール(▲印)のグラフを物質同定のための相関関係とする。この相関関係を求めるまでを、被検査対象物の測定に先立って予め行っておく。
次に被検査対象物を入れたチューブ61を空洞共振器6内に設置し、ネットワークアナライザ3によって周波数2〜4GHzの複数の異なる電磁波を照射して透過した電磁波を受信する。PC1によって、電磁界共振モードTE111の共振周波数変化とTE211の共振周波数変化を検出し、予め求めていた図5のグラフの相関関係に当てはめれば、物質の同定、すなわち図5の例では水かエタノールかの同定が可能となる。水やエタノールに代えて他の既知の物質について図5と同様な相関関係を予め得ておけば、他の未知の物質の同定も基本的に可能となる。
<実施形態2:特定周波数での振幅変化の相関関係を用いる場合>
特定周波数での振幅変化の相関関係を用いた物質の同定方法の例を示す。被検査対象物の測定に先立って、予め既知の水について、異なる量を入れたチューブ61を順番に空洞共振器6の中に設置し、ネットワークアナライザ3によって周波数2.628GHzと3.919GHzの電磁波を照射して透過した電磁波を受信する。図3の3つの■印は、水の量を3種類変えたとき((1)水の量1、(2)水の量2、(3)水の量3)の2.628GHzのデータの例を示したグラフである。(0)は、水をチューブ61に入れていない場合である。同様に、図4の3つの■印は、上記と同じ水の量のときの3.919GHzのデータの例を示したグラフである。
この2つの周波数2.628GHzと3.919GHzは、空洞共振器6のチューブ61に水とエタノールをフル(満タン)に入れて周波数2〜6GHzの電磁波を照射して予め測定した透過特性(周波数vs振幅)において、振幅変化の大きい電磁界共振モードTE111とTE211の周波数として選択したものである。したがって、振幅変化の大きい他の電磁界共振モードの周波数を選択することもできる。また、空洞共振器6の種類(形状)や測定物質が変わればその共振周波数の値は変化するので、空洞共振器6の種類(形状)等に応じて適宜2つの共振周波数を選択することになる。
PC1によって、周波数2.628GHzでの振幅変化(図3の○印の振幅と■印の振幅の差)と、3.919GHzの振幅変化(図4の○印の振幅と■印の振幅の差)を検出する。そして、横軸が2.628GHzでの振幅変化、縦軸が3.919GHzでの振幅変化のグラフにプロットすると図6のグラフの●印のようになる。同様な手順により、エタノールの場合について振幅変化のグラフを得ると図6の▲印のようになる。図6の水(●印)とエタノール(▲印)のグラフを物質同定のための相関関係とする。この相関関係を求めるまでを、被検査対象物の測定に先立って予め行っておく。
次に被検査対象物を入れたチューブ61を空洞共振器6内に設置し、ネットワークアナライザ3によって周波数2.628GHzと3.919GHzの電磁波を照射して透過した電磁波を受信する。PC1によって、周波数2.628GHzの振幅変化と3.919GHzの振幅変化を検出し、予め求めていた図6のグラフの相関関係にあてはめれば、物質の同定、すなわち図6の例では水かエタノールかの同定が可能となる。水やエタノールに代えて他の既知の物質について図6と同様な相関関係を予め得ておけば、他の未知の物質の同定も基本的に可能となる。
<実施形態3:共振周波数変化と共振周波数での振幅変化の相関関係を用いる場合>
共振周波数変化と共振周波数での振幅変化の相関関係を用いた物質の同定方法の例を示す。ここでは、水とエタノールに代えて小麦粉と脱脂粉乳を用いた場合の例を示す。被検査対象物の測定に先立って、予め既知の小麦粉について、異なる量を入れたチューブ61を順番に空洞共振器6の中に設置し、ネットワークアナライザ3によって周波数2〜4GHzの複数の異なる電磁波を照射して透過した電磁波を受信する。
PC1によって、電磁界共振モードTE111の共振周波数変化とTE211の共振周波数での振幅変化を検出し、横軸がTE111の共振周波数変化、縦軸がTE211の共振周波数での振幅変化のグラフにプロットすると図7のグラフの●印のようになる。TE111の共振周波数変化の例は、図3の○印の周波数と◆印の周波数の差である。TE211の共振周波数での振幅変化の例は、図4の○印の振幅と◆印の振幅の差である。同様に脱脂粉乳の場合について求めると、図7の▲印のようになる。図7の小麦粉(●印)と脱脂粉乳(▲印)のグラフを物質同定のための相関関係とする。この相関関係を求めるまでを、被検査対象物の測定に先立って予め行っておく。
次に、被検査対象物を入れたチューブ61を空洞共振器6内に設置し、ネットワークアナライザ3によって周波数2〜4GHzの複数の異なる電磁波を照射して透過した電磁波を受信する。PC1によって、電磁界共振モードTE111の共振周波数変化とTE211の共振周波数での振幅変化を検出し、予め求めていた図7のグラフの相関関係に当てはめれば、物質の同定、すなわち図7の例では小麦粉か脱脂粉乳かの同定が可能となる。小麦粉や脱脂粉乳に代えて他の既知の物質について図7と同様な相関関係を予め得ておけば、他の未知の物質の同定も基本的に可能となる。
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明をした。しかし、本発明はこれらの実施形態に限られるものではない。さらに、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実施できるものである。
本発明の電磁波を用いて物質を同定するための装置/方法は、物質の量にかかわらず非破壊で物質を同定できる評価装置/方法として、公立及び民間の分析機関、製造業界、食品業界会等で広く利用、応用することができる。
1:解析手段(パーソナルコンピューター(PC))
2:ケーブル
3:電磁波測定手段(ネットワークアナライザ)
4、5:同軸ケーブル
6:空洞共振器
7、8:入出力ポート
61:容器(チューブ)
62:物質(試料、非検査対象物)
63、64:アンテナプローブ
100:同定装置

Claims (11)

  1. 電磁波を用いて物質を同定するための装置であって、
    物質を内包可能な空洞共振器と、
    前記空洞共振器に複数の周波数の電磁波を送信し、受信する前記空洞共振器からの透過または反射の電磁波の共振周波数と振幅を測定するための電磁波測定手段と、
    測定された前記電磁波の共振周波数変化と振幅変化から前記空洞共振器に内包された物質を同定するための解析手段と、を備え、
    前記解析手段は、
    (i)前記空洞共振器内の既知の物質の量の変化に対応して測定された前記電磁波の共振周波数変化、共振周波数での振幅変化、特定周波数での振幅変化を検出し、2つの異なる電磁界モードでの共振周波数変化の相関関係、共振周波数変化と共振周波数での振幅変化の相関関係、特定周波数での振幅変化の相関関係を求め、
    (ii)検査対象物質について検出した共振周波数変化、共振周波数での振幅変化、または特定周波数での振幅変化を前記既知の物質についての対応する前記相関関係の一つに当てはめることにより前記検査対象物質を同定する、装置。
  2. 前記解析手段は、
    前記空洞共振器の2つの異なる電磁界モードにおいて、前記検査対象物質を内包しない状態の前記空洞共振器の共振周波数と、複数の既知の物質の各々についてその量を変えながら測定された前記空洞共振器からの透過または反射の電磁波の共振周波数との周波数差を、前記2つの異なる電磁界モードでの共振周波数変化として、前記共振周波数変化の相関関係を求める、請求項1に記載の装置。
  3. 前記解析手段は、
    前記空洞共振器の第1の電磁界モードにおいて、前記検査対象物質を内包しない状態の前記空洞共振器の共振周波数と、複数の既知の物質の各々についてその量を変えながら測定された前記空洞共振器からの透過または反射の電磁波の共振周波数との周波数差と、前記空洞共振器の第2の電磁界モードにおいて、前記検査対象物質を内包しない状態の前記空洞共振器の共振周波数での振幅と、前記複数の既知の物質の各々についてその量を変えながら測定された前記空洞共振器からの透過または反射の電磁波の共振周波数での振幅との振幅差を、前記共振周波数変化と共振周波数での振幅変化として、前記共振周波数変化と共振周波数での振幅変化の相関関係を求める、請求項1に記載の装置。
  4. 前記解析手段は、
    前記空洞共振器に2つの異なる周波数の電磁波を照射した際の、前記検査対象物質を内包しない状態の前記空洞共振器からの透過または反射の電磁波の振幅と、複数の既知の物質の各々についてその量を変えながら測定された前記空洞共振器からの透過または反射の電磁波の振幅との振幅差を、前記特定周波数での振幅変化として、前記特定周波数での振幅変化の相関関係を求める、請求項1に記載の装置。
  5. 前記2つの異なる電磁界モードは、TE111モードとTE211モードを含む、請求項1または2に記載の装置。
  6. 前記第1の電磁界モードはTE111モードを含み、前記第2の電磁界モードはTE211モードを含む、請求項3に記載の装置。
  7. 電磁波を用いた物質の同定方法であって、
    (a)未知の物質が内包された空洞共振器に複数の周波数の電磁波を照射して、透過または反射する電磁波を受信するステップと、
    (b)受信された前記電磁波の共振周波数を検出するステップと、
    (c)前記空洞共振器の2つの異なる電磁界モードにおいて、予め得られた前記未知の物質を内包しない状態の前記空洞共振器の共振周波数と、検出された前記電磁波の共振周波数との周波数差を求めるステップと、
    (d)前記2つの異なる電磁界モードにおける前記周波数差を、複数の既知の物質の各々についてその量を変えながら前記ステップ(a)〜(c)により予め得られた複数の前記2つの異なる電磁界モードにおける前記周波数差の相関関係に当てはめることにより、前記未知の物質を同定するステップと、を含む同定方法。
  8. 電磁波を用いた物質の同定方法であって、
    (a)未知の物質が内包された空洞共振器に2つの異なる周波数の電磁波を照射して、透過または反射する電磁波を受信するステップと、
    (b)受信された前記電磁波の共振周波数での振幅を検出するステップと、
    (c)前記2つの異なる周波数の各々での、予め得られた前記未知の物質を内包しない状態の前記空洞共振器の共振周波数での振幅と、検出された前記電磁波の共振周波数での振幅との振幅差を求めるステップと、
    (d)前記2つの異なる周波数の各々での前記振幅差を、複数の既知の物質の各々についてその量を変えながら前記ステップ(a)〜(c)により予め得られた複数の前記2つの異なる周波数での前記振幅差の相関関係に当てはめることにより、前記未知の物質を同定するステップと、を含む同定方法。
  9. 電磁波を用いた物質の同定方法であって、
    (a)未知の物質が内包された空洞共振器に複数の周波数の電磁波を照射して、透過または反射する電磁波を受信するステップと、
    (b)受信された前記電磁波の共振周波数での振幅を検出するステップと、
    (c)前記空洞共振器の第1の電磁界モードにおいて、予め得られた前記未知の物質を内包しない状態の前記空洞共振器の共振周波数と、前記電磁波の共振周波数との周波数差を求めるステップと、
    (d)前記空洞共振器の第2の電磁界モードにおいて、予め得られた前記未知の物質を内包しない状態の前記空洞共振器の共振周波数での振幅と、検出された前記電磁波の共振周波数での振幅との振幅差を求めるステップと、
    (e)前記第1の電磁界モードでの前記周波数差と、前記第2の電磁界モードでの前記振幅差を、複数の既知の物質の各々についてその量を変えながら前記ステップ(a)〜(d)により予め得られた複数の前記第1の電磁界モードでの前記周波数差と前記第2の電磁界モードでの前記振幅差との相関関係に当てはめることにより、前記未知の物質を同定するステップと、を含む同定方法。
  10. 前記2つの異なる電磁界モードは、TE111モードとTE211モードを含む、請求項7または8に記載の方法。
  11. 前記第1の電磁界モードはTE111モードを含み、前記第2の電磁界モードはTE211モードを含む、請求項9に記載の方法。

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