JP2019100910A - 微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法 - Google Patents

微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】種々の条件における微生物の活性を簡易かつ迅速に直接測定することが可能な微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法を提供する。【解決手段】陽イオン交換膜20で仕切られた第1のセル11及び第2のセル12と、各セルに配置された電極と、電極に対し電気的な信号を印加及び/又は観測する電気化学計測器40とを備え、測定対象となる微生物を一方のセルに投入し、かつ少なくとも微生物が投入されるセルにはメディエータMを添加することを特徴とする微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法。【選択図】図1

Description

本発明は、微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法に関するものである。
下水や汚水等の有機性排水を処理する方法として、活性汚泥を用いた方法が知られている。活性汚泥法では、活性汚泥に含まれる微生物により排水中の有機成分が分解されて処理される。活性汚泥を用いた水処理では、排水の汚濁度を化学的酸素要求量(COD)又は生化学的酸素要求量(BOD)に換算し、水質の汚染状態を監視する。従来のBODの測定方法は、長時間かかるため、種々のBOD測定用センサが開発されている。
例えば、特許文献1には、陽極及び陰極、陽極及び陰極の伝導媒体、並びに両電極間のイオン交換膜を含む無媒介体生物燃料電池からなり、陰極部には電気化学的活性菌を含有する試料を添加するBOD測定用バイオセンサ及びこのバイオセンサを用いたBOD測定方法が記載されている。
また、特許文献1には、陽極及び陰極、陽極及び陰極の伝導媒体、並びに両電極間のイオン交換膜を含む無媒介体生物燃料電池からなり、陰極部には所定の有機物を代謝する電気化学的活性菌を含有させた有機物濃度測定用バイオセンサ及びこのバイオセンサを用いた有機物濃度測定方法についても記載されている。
特許第3557528号
特許文献1のような微生物燃料電池の構成を活用したバイオセンサは、排水中の有機成分の濃度やBODを測定するものであり、種汚泥等の微生物の活性を測定するものではない。一方、活性汚泥法による最適な処理条件を維持管理するためには、排水に添加するための微生物の活性を簡便かつ迅速に測定できることが求められる。
本発明の課題は、微生物の活性を簡易かつ迅速に直接測定することが可能な微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法を提供することである。
本発明者は、上記の課題について鋭意検討した結果、微生物燃料電池セルの構成において、メディエータを用いることで微生物の代謝に基づく電気化学的応答の測定を可能とし、微生物の活性を測定することが可能な微生物活性測定センサの構成及び微生物活性の評価方法を見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法である。
上記課題を解決するための本発明の微生物活性測定センサは、微生物の活性を測定する微生物活性測定センサであって、陽イオン交換膜で仕切られた第1及び第2のセルと、前記各セルに配置された電極と、前記電極に対し、電気的な信号を印加及び/又は観測する電気化学計測器とを備え、測定対象となる微生物を一方のセルに投入し、かつ少なくとも微生物が投入されるセルにはメディエータを添加するという特徴を有する。
本発明の微生物活性測定センサは、微生物燃料電池セルの構成においてメディエータを用いることで、微生物の代謝に基づく電子を電極に流すことができるようになり、微生物活性を電気化学的応答として測定することが可能となる。また、本発明の微生物活性測定センサによれば、電極を電子受容体として利用できる電気化学的活性菌以外の微生物の活性も測定することができるため、活性汚泥等の種々の微生物を含むものの総合的な活性を直接的に測定することが可能となる。
また、本発明の微生物活性測定センサの一実施態様としては、電気化学計測器がポテンショスタットを含み、電気化学計測器から得られた電気化学的応答を演算処理する演算処理部と、演算処理部で処理した結果を表示する表示部をさらに備えるという特徴を有する。
この特徴によれば、電位掃引が可能なポテンショスタットを用いることで、微生物の代謝による電子放出を強制的に促し、微生物の活性に基づく電気化学的応答を得ることが可能となる。また、得られた電気化学的応答を演算処理して、その演算結果を表示することで、センサとして簡便かつ迅速な微生物活性測定が可能となる。
また、本発明の微生物活性測定センサの一実施態様としては、電気化学計測器で得られる電気化学的応答が、リニアスイープボルタンメトリー測定による短絡電流の値であり、演算処理部では、短絡電流の基準値を定め、前記短絡電流の基準値と測定値との比較に基づき、微生物の活性を判定するという特徴を有する。
この特徴によれば、微生物の活性に係るパラメータとして、電位掃引により0Vとした際の応答電流である短絡電流の値を用い、この短絡電流の基準値を定め、前記短絡電流の基準値と測定値との比較を行うことで、微生物の現状の活性を簡便かつ迅速に直接判定することが可能となる。
また、本発明の微生物活性測定センサの一実施態様としては、電気化学計測器で得られる電気化学的応答が、電極間を短絡させた後、有機物を添加して測定した自然電位の経時変化であり、演算処理部では、自然電位の経時変化の傾きにより、微生物の活性を判定するという特徴を有する。
この特徴によれば、微生物の活性に係るパラメータとして、一度電極間を短絡させることで電子を放出した微生物に対して、有機物を添加した際の自然電位の経時変化に係る傾きを用い、この自然電位の経時変化の傾きと微生物活性の間にある相関関係から、微生物が所定の有機物と反応する際の活性を簡便かつ迅速に判定することが可能となる。
上記課題を解決するための本発明の微生物活性の評価方法は、陽イオン交換膜で仕切られた第1及び第2のセルのいずれか一方に、測定対象となる微生物を投入し、かつ少なくとも微生物が投入されるセルにはメディエータを添加する試料調製工程と、各セルに電極を配して、電気的な信号を印加及び/又は観測する電気化学計測器によって、電気化学的応答を得るデータ収集工程とを含むという特徴を有する。
本発明の微生物活性の評価方法は、微生物燃料電池セルの構成においてメディエータを用いることで、微生物の代謝に基づく電子を電極に流すことができるようになり、微生物活性を電気化学的応答という形でデータ収集することが可能となる。また、本発明の微生物活性の評価方法によれば、電極を電子受容体として利用できる電気化学的活性菌以外の微生物の活性も測定することができるため、活性汚泥等の種々の微生物を含むものの総合的な活性を直接的に評価することが可能となる。
また、本発明の微生物活性の評価方法の一実施態様としては、データ収集工程で得られた電気化学的応答を演算処理する演算工程を含み、電気化学的応答が、リニアスイープボルタンメトリー測定による短絡電流の値であり、演算工程では、短絡電流の基準値を定め、前記短絡電流の基準値と測定値との比較に基づき、微生物の活性を判定するという特徴を有する。
この特徴によれば、電気化学的応答として電位掃引により0Vとした際の応答電流として得られる短絡電流の値を、微生物の活性に係るパラメータとして用い、この短絡電流の基準値を定め、この基準値と測定値を比較することで、微生物の現状の活性を簡便かつ迅速に直接評価することが可能となる。
また、本発明の微生物活性の評価方法の一実施態様としては、データ収集工程で得られた電気化学的応答を演算処理する演算工程を含み、電気化学的応答が、電極間を短絡させた後、有機物を添加して測定した自然電位の経時変化であり、演算工程では、自然電位の経時変化の傾きにより、微生物の活性を判定するという特徴を有する。
この特徴によれば、一度電極間を短絡させることで電子を放出した微生物に対して、有機物を添加した際の自然電位の経時変化に係る傾きを、微生物の活性に係るパラメータとして用いることで、この自然電位の経時変化の傾きと微生物活性の間にある相関関係から、微生物が所定の有機物と反応する際の活性を簡便かつ迅速に判定することが可能となる。
また、本発明の微生物活性の評価方法の一実施態様としては、試料調製工程には、脱酸素処理が含まれているという特徴を有する。
この特徴によれば、セル内の酸素と微生物の代謝により発生する電子とが反応して、電子が消費されることがなくなり、より正確な測定を行うことができる。
本発明によれば、微生物の活性を簡易かつ迅速に直接測定することが可能な微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法を提供することができる。
本発明に係る微生物活性測定センサの構造を示す概略説明図である。 本発明の第1の実施態様に係るリニアスイープボルタンメトリー測定から得られる電位−電流グラフである。 本発明の第1の実施態様に係る対象微生物の生菌数と短絡電流値との関係を示したグラフである。対象微生物が通性嫌気性菌(Escherichia coli)の場合の結果である。 本発明の第1の実施態様に係る対象微生物の生菌数と短絡電流値との関係を示したグラフである。対象微生物が好気性菌(Rhodococcus erythropolis)の場合の結果である。 本発明の第2の実施態様に係る自然電位測定の経時変化を示す電位−時間グラフである。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法の実施態様を詳細に説明する。
なお、実施態様に記載する微生物活性測定センサについては、本発明に係る微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法を説明するために例示したにすぎず、これに限定されるものではない。
[微生物活性測定センサの構成]
図1には、本発明の微生物活性測定センサの概略説明図が図示されている。
本発明に係る微生物活性測定センサ1は、微生物群の微生物活性を測定するための測定センサであり、図1に示すように、第1のセル11及び第2のセル12と、セル11、12の間を仕切る陽イオン交換膜20と、セル11、12にそれぞれ配置された電極31、32と、電極31、32に接続した電気化学計測器40とを設けたものである。
また、微生物活性測定センサ10には、電気化学計測器40で得られたデータを演算処理するための演算処理部50と、演算処理の結果を表示する表示部60とを備えている。
セル11、12及び電極31、32は、電気化学分野に係る公知の構成であれば、特に素材や形状は問わない。なお、微生物燃料電池として用いられる構成を利用するものであってもよい。
また、陽イオン交換膜20は、水素イオンを透過することのできる公知の構成であればよく、特に限定するものではない。なお、微生物燃料電池として用いられる構成を利用するものであってもよい。
電気化学計測器40は、電極31、32に対して電気的な信号を印加及び/又は観測する構成であり、本実施態様では、電極31を作用極、電極32を対極及び参照極とした2電極式の測定が可能なものとする。また、電気化学計測器40として電位掃引を行うことのできるポテンショスタットを含むものであることが望ましい。
ポテンショスタットは、電圧を測定・制御するための装置であり、作用極の電位を掃引して作用極に流れる応答電流を測定し、応答電流と電位差(参照極の電位と作用極の電位の差)との関係を求めることができるものである。また、電位の掃引方法としては、リニアスイープボルタンメトリー(LSV)、サイクリックボルタンメトリー、クロノクーロメトリーなどが知られているが、本発明では特にLSV測定を用いるものである。
演算処理部50は、電気化学計測器40で測定された電気化学的応答を基に解析を行うものである。例えば、解析に必要なプログラムをCPU等のプロセッサにより実行する計算装置である
また、表示部60は、演算処理部50における判定結果を数値または画像として出力できるモニターである。
[試料調製]
一方のセル11に活性測定対象となる対象微生物Bを導入し、同じセル11内にメディエータMを添加する。
メディエータMは、対象微生物Bの代謝により発生する電子を受け取り、受け取った電子を電極31に渡すものである。メディエータMの具体例としては、例えば、メチレンブルー、フェリシアン化カリウム、ニュートラルレッドなどが挙げられる。
なお、もう一方のセル12に、メディエータMとは別のメディエータM′を添加してもよい。
また、対象微生物Bを導入したセル11内に酸素が存在すると、対象微生物Bの代謝により発生する電子と酸素とが反応してしまい、正確な測定ができなくなる。そのため、セル11内を無酸素状態とする必要がある。よって、メディエータMはあらかじめ脱気、窒素置換あるいは脱酸素剤で処理したものをセル11内に添加する。また、対象微生物Bを活性汚泥とする場合、活性汚泥からの酸素の持ち込みをなくすために、汚泥を静置して固液分離後に上清を捨て、さらに脱気、窒素置換、脱酸素剤などの脱酸素処理を行ってもよい。特に、好気汚泥を対象微生物Bとする場合には、この脱酸素処理を行うことが望ましい。
対象微生物Bとしては、代謝により発生する電子を、メディエータMを介して間接的にあるいは直接的に電極31に受け渡すことが可能であれば、特に制限されない。例えば、通性嫌気性菌や偏性嫌気性菌等の嫌気性環境下で生育可能な嫌気性菌や、好気性環境下のみで生育可能な好気性菌等が挙げられる。正確な測定が可能であるという観点から、対象微生物Bとして、嫌気性菌を使用することが好ましい。
[微生物活性の測定]
本発明の微生物活性の測定は、微生物群の代謝により発生する電子がメディエータを介して電極に伝達され、電極間に電子が流れることを利用するものである。このとき流れる電子の量は微生物の活性と相関関係にあると考えられるため、本発明の微生物活性測定センサによる電気化学的応答を用いることで、微生物の活性を評価することが可能となる。微生物活性の評価の観点としては、対象微生物の現状の活性を直接評価するものと、対象微生物が所定の有機物(代表基質)と反応する際の活性を評価するものが挙げられる。
なお、本発明の微生物活性の測定は、微生物の活性を測定するだけでなく、有機性排水の有機成分濃度やBODの測定に利用することも可能である。例えば、所定の活性を有する微生物を用いて、微生物活性を測定することにより、その結果から有機性排水の有機成分濃度やBODを換算することができる。本発明の微生物活性測定センサによれば、電極を電子受容体として利用できる電気化学的活性菌以外の微生物の活性も測定するため、有機性排水の有機成分濃度やBODへの換算において、高精度の結果を得ることができる。
[第1の実施態様]
本発明の第1の実施態様は、対象微生物Bの現状の活性を直接評価するものである。
第1の実施態様では、対象微生物Bを含む試料に対して電位掃引を行うことで、対象微生物Bの代謝による電子の発生を強制的に促し、その発生する電子量から測定前の対象微生物Bの活性を直接評価するものである。
微生物活性測定センサ10を用い、対象微生物Bを通性嫌気性菌であるEscherichia coliとして、微生物活性の測定を行った。
試料調製は次のように行った。セル11には、対象微生物Bと、メディエータMとしてメチレンブルーを添加し、窒素置換を行って脱酸素状態とした。一方、セル12には、メディエータM′としてフェリシアン化カリウムを添加した。
電極31をアノード、電極32をカソードとし、電気化学測定器40としてポテンショスタットを用いて自然電位から0Vまで電位掃引してLSV測定を行った。自然電位とは、電流が流れていないときの電極間の電位差を指し、開回路電圧(Open Circuit Voltage:OCV)とも呼ばれるものである。本実施態様においては、メディエータM及びM′間の電位差に起因する値となる。
図2は、LSV測定から得られる電位−電流グラフである。対象微生物Bの生菌数が異なる試料についてLSV測定を行った結果を示している。
図2に示すように、LSV測定で得られた電位−電流グラフの面積は、微生物の代謝活動によって発生した電子に基づく電子量とみなすことができ、生菌数の増加に伴い、電子量が増加することがわかる。すなわち、微生物の活性状態を電気化学的に直接測定することが可能であることが示された。
このとき、電位差が0となる点における応答電流の値を短絡電流(Short Circuit Current:SCC)値とし、生菌数との相関性について検討した。 図3及び図4は、生菌数とSCC値との関係を示したグラフである。図3は、対象微生物Bが通性嫌気性菌(Escherichia coli)の場合の結果である。また、図4は、対象微生物Bが好気性菌(Rhodococcus erythropolis)の場合の結果である。
図3及び図4に示すように、対象微生物Bが嫌気性菌、好気性菌のいずれであっても、生菌数とSCC値との間には一定の相関関係があることが示された。
よって、SCC値が微生物活性を測るためのパラメータとして利用可能であることが示された。
本実施態様の演算処理部50における解析としては、電気化学測定器40で測定されたSCC値を用いた解析を行う。
解析は、測定したSCC値のうち、基準となる基準値を定め、その他のSCC値の測定値と比較を行うものとする。例えば、初期状態において測定したSCC値の初期値を基準値として、その後測定したSCC値の測定値と比較を行うものとする。このとき、SCC値の初期値よりも測定値のほうが低くなっていれば、微生物活性が低下したものと判断する。これにより、演算処理部50において簡便に微生物活性を判定することが可能となる。
また、演算処理部50においては、あらかじめ測定した生菌数とSCC値の関係に基づいて、微生物の活性を判定することとしてもよい。
表示部60では、演算処理部50における判定結果として、SCC値の測定値が基準値を下回り、微生物活性が十分ではないと判定した結果として、○×などの記号や緑・赤などの色を用いた画像を表示するものとする。あるいは、微生物の活性をSCC値から導かれる生菌数として表示するものとしてもよい。
[第2の実施態様]
本発明の第2の実施態様は、対象微生物Bが所定の有機物(代表基質)と反応する際の活性を評価するものである。
第2の実施態様においては、対象微生物Bが代謝によって一度電子を放出した後、所定の有機物(代表基質)に対しての対象微生物Bの応答を測定するものである。
第1の実施態様と異なる点は、電気化学計測器40によって得られる電気化学的応答として、一度電極31、32間を短絡させた後、対象微生物Bの入っているセル11に、有機物を添加した際のOCVの経時変化を用いることである。
その他の測定条件、試料調製については第1の実施態様と同様である。
電極31、32間を短絡させることで、対象微生物Bに対して一度電子を放出させることができる。そのための手段としては、電極間を導線で直接つないで短絡させる他に、電気化学測定器40としてポテンショスタットを用いてOCVから0Vまで電位掃引してLSV測定を行うこととしてもよい。
その後、有機物をセル11に添加して、電気化学測定器40でOCVの経時変化を測定する。
図5は、OCV測定の経時変化を示す電位−時間グラフである。対象微生物Bが異なる試料についての結果を示しており、いずれも通性嫌気性菌(Escherichia coli)を対象微生物Bとしている。
図5に示すように、OCV測定の経時変化を示す電位−時間グラフは、微生物によって異なる傾向を示し、有機物に対するそれぞれの微生物の応答の違いがOCV測定の経時変化を示す電位−時間グラフに表れることがわかる。すなわち、有機物に対する微生物の応答(活性)状態を電気化学的に測定することが可能であることが示された。このとき、OCV測定の経時変化を示す電位−時間グラフの傾き(OCV回復速度)を、有機物に対するそれぞれの微生物の反応の違い、すなわち有機物に対する微生物活性を測るためのパラメータの一つとする。
本実施態様の演算処理部50における解析としては、電気化学測定器40で測定されたOCV回復速度を用いた解析を行う。
OCV回復速度は、微生物の種類及び生菌数、また有機物の種類及び濃度に応じて変化する。また、微生物の生菌数が多い、又は微生物に対する有機物の分解特性がよいほど、OCV回復速度の値は大きくなる。すなわち、OCV回復速度の値が高いほど、微生物活性が高いと考えることができる。
本実施態様の解析により、OCV回復速度と微生物活性との間には一定の相関関係があることがわかった。この相関関係に基づき、演算処理部50において微生物活性を判定することが可能となる。
表示部60では、演算処理部50における判定結果として、微生物の活性をOCV回復速度の値として表示する。あるいは、OCV回復速度が所定の値を下回り、微生物活性が十分ではないと判定した結果として、○×などの記号や緑・赤などの色を用いた画像を表示するものとする。
また、対象微生物Bを一定とし、対象微生物Bの応答を判定したい有機物についての測定を行うことも可能である。特に、活性汚泥法による水処理において、処理効率向上を目的として活性汚泥中の微生物活性の回復に適した有機物を特定するために、本実施態様の微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法を適用してもよい。
なお、上述した実施態様は微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法の一例を示すものである。本発明に係る微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法は、上述した実施態様に限られるものではなく、請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、上述した実施態様に係る微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法を変形してもよい。
例えば、本実施態様の微生物活性測定センサは、2電極式としているが、対極と参照極とを分けた3電極式としてもよい。
また、本実施態様の微生物活性の評価方法としては、電気化学測定器における検出感度を考慮して、試料調製工程の前に、微生物の濃縮処理又は希釈処理を行う工程を含むものであってもよい。
本発明の微生物活性測定センサ及び微生物活性の評価方法は、微生物の活性を直接測定することが可能なため、微生物の活性に応じて処理効率が変化する処理プロセスの維持管理に利用される。例えば、活性汚泥法による有機性排水処理における水質の維持管理のために利用される。
また、有機物に対する微生物の応答を評価することも可能であるため、例えば、活性汚泥法による有機性排水の処理効率を評価するだけではなく、活性汚泥中の微生物活性の回復に適した有機物の迅速な特定や、異常成分の混入による微生物の活性低下の検知に基づいた異常排水の検知などに利用することができる。
10 微生物活性測定センサ、11,12 セル、20 陽イオン交換膜、31,32 電極、40 電気化学測定器、50 演算処理部、60 表示部、B 対象微生物、M,M′ メディエータ

Claims (8)

  1. 微生物の活性を測定する微生物活性測定センサであって、
    陽イオン交換膜で仕切られた第1及び第2のセルと、
    前記各セルに配置された電極と、
    前記電極に対し、電気的な信号を印加及び/又は観測する電気化学計測器とを備え、
    測定対象となる微生物を一方のセルに投入し、かつ少なくとも微生物が投入されるセルにはメディエータを添加することを特徴とする、微生物活性測定センサ。
  2. 前記電気化学計測器がポテンショスタットを含み、
    前記電気化学計測器から得られた電気化学的応答を演算処理する演算処理部と、
    前記演算処理部で処理した結果を表示する表示部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の微生物活性測定センサ。
  3. 前記電気化学計測器で得られる電気化学的応答が、リニアスイープボルタンメトリー測定による短絡電流の値であり、
    前記演算処理部では、前記短絡電流の基準値を定め、前記短絡電流の基準値と測定値との比較に基づき、微生物の活性を判定することを特徴とする、請求項2に記載の微生物活性測定センサ。
  4. 前記電気化学計測器で得られる電気化学的応答が、前記電極間を短絡させた後、有機物を添加して測定した自然電位の経時変化であり、
    前記演算処理部では、前記自然電位の経時変化の傾きにより、微生物の活性を判定することを特徴とする、請求項2に記載の微生物活性測定センサ。
  5. 微生物の活性を評価する方法であって、
    陽イオン交換膜で仕切られた第1及び第2のセルのいずれか一方に、測定対象となる微生物を投入し、かつ少なくとも微生物が投入されるセルにはメディエータを添加する試料調製工程と、
    前記各セルに電極を配して、電気的な信号を印加及び/又は観測する電気化学計測器によって、電気化学的応答を得るデータ収集工程と、を含むことを特徴とする、微生物活性の評価方法。
  6. 前記データ収集工程で得られた電気化学的応答を演算処理する演算工程を含み、
    前記電気化学的応答が、リニアスイープボルタンメトリー測定による短絡電流の値であり、
    前記演算工程では、前記短絡電流の基準値を定め、前記短絡電流の基準値と測定値との比較に基づき、微生物の活性を判定することを特徴とする、請求項5に記載の微生物活性の評価方法。
  7. 前記データ収集工程で得られた電気化学的応答を演算処理する演算工程を含み、
    前記電気化学的応答が、前記電極間を短絡させた後、有機物を添加して測定した自然電位の経時変化であり、
    前記演算工程では、前記自然電位の経時変化の傾きにより、微生物の活性を判定することを特徴とする、請求項5に記載の微生物活性の評価方法。
  8. 前記試料調製工程には、脱酸素処理が含まれていることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか一項に記載の微生物活性の評価方法。

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