JP2019100630A - 燃焼装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造を簡略化することが可能な燃焼装置を提供する。【解決手段】燃焼装置100は、内部空間10sを形成する壁部を備える。壁部は、互いに対向する第1の壁と第2の壁と、第1の壁と第2の壁との間に位置する第3の壁16及び第3の壁16の両端側において内部空間10sを挟むように配置された一対の側壁18、20とを含む。第3の壁16は、燃料50と酸化剤52との混合物54を内部空間10sに供給する供給部を有する。【選択図】図2
Description
本開示は、燃焼装置に関し、特に、デトネーション波を発生させる燃焼装置に関する。
デトネーションを利用することにより一般的なタービンエンジンよりも高い理論熱効率が期待されるデトネーションエンジンが知られている。本出願人は、特許文献1において、連続燃焼可能な回転デトネーションエンジンの技術について開示した。特許文献1に記載の回転デトネーションエンジンは、回転デトネーション燃焼器と、デトネーション開始装置と、燃料供給装置と、遠心圧縮機と、ステータと、タービンと、筐体とで構成されている。
特許文献1に記載の回転デトネーションエンジンは、回転デトネーション波を発生させるために、タービンなどの回転部分を含み、三次元的な曲率を有する部材を組み合わせて構成されており、構成をさらに簡略にすることが求められる。つまり、デトネーションを利用する燃焼装置には、構造を簡略化する観点で改善すべき課題がある。
本開示の目的は、このような課題に鑑みてなされたもので、構造を簡略化することが可能な燃焼装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本開示のある態様の燃焼装置は、内部空間を形成する壁部を備える。壁部は、互いに対向する第1の壁と第2の壁と、第1の壁と第2の壁との間に位置する第3の壁及び第3の壁の両端側において内部空間を挟むように配置された一対の側壁とを含み、第3の壁は、燃料と酸化剤との混合物を内部空間に供給する供給部を有する。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本開示の構成要素や表現を方法、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本開示の態様として有効である。
本開示によれば、構造を簡略化することが可能な燃焼装置を提供することができる。
本発明者は、従来の回転デトネーションエンジンとパルスデトネーションエンジンの特徴を踏まえ、デトネーション波を連続して発生させる観点で燃焼装置を研究し、以下の知見を得た。一対の側壁に挟まれた空間に、一方の側壁から他方の側壁に向かって伝搬するデトネーション波を発生させることにより、このデトネーション波が他方の側壁で反射して一方の側壁に向かって伝搬する状態が観察された。さらに、この空間に燃料と酸化剤との混合物を連続して供給することにより、このデトネーション波は、往復伝搬を連続して繰り返し、往復デトネーションサイクルに遷移することが観察された。
これらから、本発明者は、往復伝搬するデトネーション波によって回転デトネーションエンジンとパルスデトネーションエンジンの両方の長所を実現できると着想し、往復デトネーションサイクルの発案に至った。
これらから、本発明者は、往復伝搬するデトネーション波によって回転デトネーションエンジンとパルスデトネーションエンジンの両方の長所を実現できると着想し、往復デトネーションサイクルの発案に至った。
往復デトネーションサイクルを利用する燃焼装置は、回転デトネーションエンジンに比べて構造を簡略化することが可能である。また、この燃焼装置は、流体制御アクチュエータや溶射装置など小規模な用途から、ボイラ熱源や姿勢制御スラスタなどの中規模な用途、さらには大型発電機やロケットエンジンなど大規模な用途まで幅広い用途に展開が可能であると考えられる。
本開示の実施例に係る燃焼装置は、このような知見に基づいて案出されたものであり、以下に具体的な構成と特徴を説明する。
本開示の実施例に係る燃焼装置は、このような知見に基づいて案出されたものであり、以下に具体的な構成と特徴を説明する。
以下の説明では、実施例において同一または同等の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略する。
なお、以下の説明において、「平行」、「垂直」は、完全な平行、垂直だけではなく、誤差の範囲で平行、垂直からずれている場合も含むものとする。また、「略」は、おおよその範囲で同一であるという意味である。
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
[実施例]
以下、図面を参照して、本開示の実施例に係る燃焼装置100の構成について説明する。図1は、本実施例に係る燃焼装置100を概略的に示す上面図である。図1は、主に後述するコア部12の周辺を示しており、配管等の記載は省略している。図2は、燃焼装置100のコア部12を概略的に示す正面図である。
以下、図面を参照して、本開示の実施例に係る燃焼装置100の構成について説明する。図1は、本実施例に係る燃焼装置100を概略的に示す上面図である。図1は、主に後述するコア部12の周辺を示しており、配管等の記載は省略している。図2は、燃焼装置100のコア部12を概略的に示す正面図である。
以下、主にXYZ直交座標系をもとに説明する。X軸方向は、図1、図2において紙面左右方向に対応する。Y軸方向は、図1において紙面上下方向に対応し、図2において紙面に垂直な方向に対応する。Z軸方向は、図1において紙面に垂直な方向に対応し、図2において紙面上下方向に対応する。Y軸方向およびZ軸方向はそれぞれX軸方向に直交する。X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの正の方向は、各図における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。また、X軸の正方向側を「右側」、X軸の負方向側を「左側」ということもある。また、Y軸の正方向側を「前側」、Y軸の負方向側を「後側」、Z軸の正方向側を「上側」、Z軸の負方向側を「下側」ということもある。このような方向の表記は燃焼装置100の使用姿勢を制限するものではなく、燃焼装置100は、用途に応じて任意の姿勢で使用されうる。
燃焼装置100は、往復デトネーションを実現するための燃焼装置である。本開示の燃焼装置は、内部空間を形成する壁部を備える。この壁部は、互いに対向する第1の壁と第2の壁と、第1の壁と第2の壁との間に位置する第3の壁及び第3の壁の両端側において内部空間を挟むように配置された一対の側壁とを含む。以下の説明において、第1の壁および第2の壁は、第1および第2壁14、15によって例示され、第3の壁は第3の壁16によって例示され、一対の側壁は一対の側壁18、20によって例示される。
燃焼装置100は、燃焼室10と、コア部12と、第1、第2壁14、15と、開始部60と、燃料供給部64と、酸化剤供給部68と、排気部22と、を主に含む。第1、第2壁14、15は、Y軸方向に離間して互いに対向して配置されている。燃焼室10の内部空間10sは、第1、第2壁14、15の対向する2つの対向面14b、15cの間に形成される。2つの対向面14b、15cは互いに平行に設けられてもよい。2つの対向面14b、15cは、平坦であってもよい。燃焼室10は、第1、第2壁14、15の間でコア部12に設けられ、その内部空間10sで燃料50と酸化剤52との混合物54を燃焼させる。コア部12および第1、第2壁14、15は、燃焼時の高温や高圧に耐えうる材料で形成されることが望ましく、この例では、ステンレス鋼などの金属材料で形成されている。
第1、第2壁14、15は、コア部12を挟んで内部空間10sをY軸方向に区画する。燃料供給部64は、内部空間10sおよび開始部60に燃料50を供給する。酸化剤供給部68は、内部空間10sおよび開始部60に酸化剤52を供給する。開始部60は、内部空間10sの混合物54の燃焼を開始させるために内部空間10sに燃焼ガスを供給する。開始部60が供給する燃焼ガスはデトネーション波を伴ってもよい。開始部60は、内部空間10sとは別に供給された燃料50と酸化剤52の混合物54に点火プラグ(不図示)の火花により点火して燃焼ガスを発生させる。開始部60で発生した燃焼ガスは、開始部60に連通する開口部20hから内部空間10sに導入される。燃焼ガスを導入するための開口部20hの位置は、内部空間10s内に往復デトネーションサイクルを実現可能な位置であれば特に限定されない。排気部22は、混合物54の燃焼により発生した排出ガス56を内部空間10sから外部に排出する。
燃料50は、所望の可燃性を有するものであれば特に限定されず、例えば、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、その他の炭化水素燃料、水素であってもよい。本例では、燃料50としてエチレンガスを用いている。酸化剤52は、所望の速度で燃料50を酸化可能なものであれば特に限定されない。本例では、酸化剤52として酸素ガスを用いている。
図2に示すように、コア部12には、燃焼室10と、排気部22と、混合部26と、酸化剤中継部24と、燃料配管28と、酸化剤配管30と、燃料中継部32と、が設けられる。
(燃焼室)
図3、図4も参照して燃焼室10を説明する。図3は、燃焼室10の周辺を拡大して示す正面図である。図4は、燃焼室10を模式的に示す正面図である。燃焼室10は、燃料50と酸化剤52との混合物54を燃焼させるための内部空間10sを包囲する。燃焼室10は、第3の壁16と、一対の側壁18、20と、を備える。第3の壁16および一対の側壁18、20は、第1、第2壁14、15の間にY軸方向に延在し、内部空間10sに面している。つまり、燃焼室10は、第1、第2壁14、15と、第3の壁16と、一対の側壁18、20と、によって画定され、後述する排気部22側が開放された箱状の内部空間10sを規定する。
図3、図4も参照して燃焼室10を説明する。図3は、燃焼室10の周辺を拡大して示す正面図である。図4は、燃焼室10を模式的に示す正面図である。燃焼室10は、燃料50と酸化剤52との混合物54を燃焼させるための内部空間10sを包囲する。燃焼室10は、第3の壁16と、一対の側壁18、20と、を備える。第3の壁16および一対の側壁18、20は、第1、第2壁14、15の間にY軸方向に延在し、内部空間10sに面している。つまり、燃焼室10は、第1、第2壁14、15と、第3の壁16と、一対の側壁18、20と、によって画定され、後述する排気部22側が開放された箱状の内部空間10sを規定する。
(第3の壁)
第3の壁16は、内部空間10sのZ軸で負方向側の縁において略X軸方向に沿って設けられている。第3の壁16は、内部空間10sに混合物54を供給する供給部として規定される1または複数の供給ノズル10bを有する。この例では、X軸方向に略等間隔に配列された15個の供給ノズル10bが設けられている。混合物54は供給ノズル10bを介して内部空間10sに噴射される。この例では、第3の壁16の内部空間10s側の第3壁面16fは、X軸方向の中央部がZ軸で負方向に凹んだ円弧面(凹面)である。つまり、第3壁面16fは、正面視で所定の曲率半径Rsを有する円弧16gに沿った形状を有する。曲率半径Rsは、燃焼装置の大きさに応じて任意に設定することができる。この例では、曲率半径Rsは57.3mmに、第3壁面16fの円弧16gに沿った長さLsは45mmに設定されている。
第3の壁16は、内部空間10sのZ軸で負方向側の縁において略X軸方向に沿って設けられている。第3の壁16は、内部空間10sに混合物54を供給する供給部として規定される1または複数の供給ノズル10bを有する。この例では、X軸方向に略等間隔に配列された15個の供給ノズル10bが設けられている。混合物54は供給ノズル10bを介して内部空間10sに噴射される。この例では、第3の壁16の内部空間10s側の第3壁面16fは、X軸方向の中央部がZ軸で負方向に凹んだ円弧面(凹面)である。つまり、第3壁面16fは、正面視で所定の曲率半径Rsを有する円弧16gに沿った形状を有する。曲率半径Rsは、燃焼装置の大きさに応じて任意に設定することができる。この例では、曲率半径Rsは57.3mmに、第3壁面16fの円弧16gに沿った長さLsは45mmに設定されている。
(一対の側壁)
一対の側壁18、20は、略X軸方向に伝搬するデトネーション波を反射する反射板として機能する。このため、一対の側壁18、20は、内部空間10sをX軸方向に挟むように配置されている。第3の壁16の両端部16d、16eは、一対の側壁18、20の端部18e、20eにそれぞれ接続されている。第3の壁16の両端部16d、16eから遠ざかるにつれて、一対の側壁18、20の間のX軸方向の間隔が小さくなるように配置されている。この結果、燃焼室10の内部空間10sは、正面視で略扇形状に形成されている。
一対の側壁18、20は、略X軸方向に伝搬するデトネーション波を反射する反射板として機能する。このため、一対の側壁18、20は、内部空間10sをX軸方向に挟むように配置されている。第3の壁16の両端部16d、16eは、一対の側壁18、20の端部18e、20eにそれぞれ接続されている。第3の壁16の両端部16d、16eから遠ざかるにつれて、一対の側壁18、20の間のX軸方向の間隔が小さくなるように配置されている。この結果、燃焼室10の内部空間10sは、正面視で略扇形状に形成されている。
この例では、一対の側壁18、20の内部空間10s側の第1側壁面18f、第2側壁面20fは、平面状である。つまり、第1側壁面18f、第2側壁面20fは、正面視で直線状に形成されている。第1側壁面18fを含む平面と第2側壁面20fを含む平面とは、互いに平行であってもよく、互いに交差してもよい。この例では、これらの平面は交差するように構成されている。つまり、正面視の第1側壁面18f、第2側壁面20fの延長線18c、20cは、所定の角度θ1で互いに交差している。延長線18c、20cの交点Pは内部空間10sのZ軸で正方向側に設定されている。角度θ1は、一例として30°〜90°の範囲内に設定されてもよい。好ましくは、角度θ1は、40°〜60°の範囲内に設定されてもよい。この例では、角度θ1は、45°に設定されている。これらの範囲では、安定した往復デトネーションサイクルの発現が期待される。
一対の側壁18、20と第3の壁16との接続部において、各延長線18c、20cと円弧16gの接線とがなす角度θ2、θ3は、一例として60°〜120°の範囲内に設定されてもよい。この例では、角度θ2、θ3は90°に設定されている。これらの範囲では、安定した往復デトネーションサイクルの発現が期待される。
この例では、内部空間10sの正面視の輪郭は、当該輪郭のX軸方向範囲の中心を通るZ軸方向に延びる直線Qに対して線対称である。この場合、安定した往復デトネーションサイクルの発現が期待される。
側壁20には、内部空間10sの混合物54の燃焼を開始させるための開始部60に連通する開口部20hが設けられている。燃焼装置100では、燃焼を開始させる際、開始部60で発生させた燃焼ガスを開口部20hから内部空間10sに導入する。
(排気部)
排気部22は、混合物54の排出ガス56を排出する排気口として機能する。この例では、排気部22は、内部空間10sの第3の壁16と反対側(Z軸で正方向側)に設けられている。つまり、排気部22は、内部空間10sのZ軸で正方向側に開口している。排気部22は、第1、第2壁14、15の間にY軸方向に延在する一対の排気側壁22bを有する。一対の排気側壁22bは、燃焼装置100の用途に応じて所望の機能を発揮するように配置される。この例では、一対の排気側壁22bのX軸方向の間隔は、内部空間10sからの距離によらず略一定である。一対の排気側壁22bは、内部空間10sから遠ざかるにつれてX軸方向の間隔が大きくなるように配置されてもよい。
排気部22は、混合物54の排出ガス56を排出する排気口として機能する。この例では、排気部22は、内部空間10sの第3の壁16と反対側(Z軸で正方向側)に設けられている。つまり、排気部22は、内部空間10sのZ軸で正方向側に開口している。排気部22は、第1、第2壁14、15の間にY軸方向に延在する一対の排気側壁22bを有する。一対の排気側壁22bは、燃焼装置100の用途に応じて所望の機能を発揮するように配置される。この例では、一対の排気側壁22bのX軸方向の間隔は、内部空間10sからの距離によらず略一定である。一対の排気側壁22bは、内部空間10sから遠ざかるにつれてX軸方向の間隔が大きくなるように配置されてもよい。
(混合部)
混合部26は、燃料50と酸化剤52とを混合して混合物54を生成する気化器として機能する。図5は、コア部12の混合部26の周辺をY−Z面で切断した断面を示す断面図である。混合部26は、酸化剤中継部24と、燃料中継部32と、複数の供給ノズル10bと、複数の燃料ノズル26gを含む。
混合部26は、燃料50と酸化剤52とを混合して混合物54を生成する気化器として機能する。図5は、コア部12の混合部26の周辺をY−Z面で切断した断面を示す断面図である。混合部26は、酸化剤中継部24と、燃料中継部32と、複数の供給ノズル10bと、複数の燃料ノズル26gを含む。
酸化剤中継部24には酸化剤52が貯留され、貯留された酸化剤52は内部空間10sに供給される。酸化剤中継部24は、第1、第2壁14、15の間に形成される。酸化剤中継部24は、それぞれY軸方向に延在する中壁24b、24c、24d、24eによって区画される正面視で略矩形状の部屋である。中壁24b、24dは、それぞれ、Z軸方向に延在して、X軸方向に対向している。中壁24c、24eは、それぞれ、X軸方向に延在して、Z軸方向に対向している。中壁24b、24c、24dには酸化剤配管30が接続されている。酸化剤中継部24には、酸化剤供給部68から複数の酸化剤配管30を介して酸化剤52が供給される。酸化剤中継部24の内部空間10sに近い側の中壁24eには、内部空間10sに向かって15個の供給ノズル10bが接続されている。
各供給ノズル10bは、酸化剤中継部24から略Z軸方向に延びて燃焼室10に至る細い通路である。各供給ノズル10bにおいて混合物54が生成され、生成された混合物54は内部空間10sに供給される。各供給ノズル10bのX−Y面で切断した断面は、例えば略円形であってもよい。
燃料中継部32は、酸化剤中継部24と燃焼室10の間で略X軸方向に延びる管状の空間である。燃料中継部32のY−Z面で切断した断面は、例えば略円形であってもよい。この例では、燃料中継部32は、各供給ノズル10bより太く形成されている。燃料中継部32のX軸方向の両端部は燃料配管28が接続されており、燃料中継部32には燃料供給部64から燃料配管28を介して燃料50が供給される。複数の燃料ノズル26gは、燃料中継部32から各供給ノズル10bの途中に至る細い通路である。
燃料中継部32に供給された燃料50は、燃料ノズル26gを介して各供給ノズル10bの途中に供給される。酸化剤中継部24に供給された酸化剤52は、各供給ノズル10bの入口10cから出口10dに向かって流れ、各供給ノズル10bの途中で燃料ノズル26gから供給された燃料50と混合される。燃料50と混合された酸化剤52は、混合物54として各供給ノズル10bの出口10dから内部空間10sに供給される。
燃料配管28は、圧力および流量を調整するバルブ類(不図示)を含み、燃料供給部64から燃料中継部32に至る燃料50の供給路を構成している。酸化剤配管30は、圧力および流量を調整するバルブ類(不図示)を含み、酸化剤供給部68から酸化剤中継部24に至る酸化剤52の供給路を構成している。
(動作)
次に、図6〜図11も参照して、燃焼装置100の動作の一例について説明する。図6〜図11は、燃焼装置100における燃焼の進行を模式的に示す説明図である。これらの図は、正面視の内部空間10sにおける燃焼の様子を示している。まず、混合物54が、供給ノズル10bから燃焼室10の内部空間10sに供給され、内部空間10s全域に拡散する。また、開始部60に供給された燃料50と酸化剤52とに点火され、燃焼ガスBgが生成される。この燃焼ガスBgは、側壁20の開口部20hから内部空間10sに導入される。
次に、図6〜図11も参照して、燃焼装置100の動作の一例について説明する。図6〜図11は、燃焼装置100における燃焼の進行を模式的に示す説明図である。これらの図は、正面視の内部空間10sにおける燃焼の様子を示している。まず、混合物54が、供給ノズル10bから燃焼室10の内部空間10sに供給され、内部空間10s全域に拡散する。また、開始部60に供給された燃料50と酸化剤52とに点火され、燃焼ガスBgが生成される。この燃焼ガスBgは、側壁20の開口部20hから内部空間10sに導入される。
内部空間10sに導入された燃焼ガスBgによって、側壁20近傍の混合物54は燃焼を開始し、新たな燃焼ガスBgが生成される。図6は、側壁20近傍の混合物54が燃焼を開始した直後の状態を示している。新たに生成された燃焼ガスBgは連鎖的に混合物54を着火し、燃焼ガスBgの領域は側壁18に向かって膨張する。以下、燃焼ガスBgの領域の表面を火炎面Ffという。
図7は、燃焼開始から33μs経過後の状態を示している。この状態では、火炎面Ffは超音速で進行し、衝撃波Swを発生させる。図8は、燃焼開始から103μs経過後の状態を示している。この状態では、火炎面Ffは、左右に進行してその両側に衝撃波Swを発生させる。この状態で、燃焼ガスBgに局所爆発Leが発生すると、衝撃波Swはデトネーション波Deに遷移する。
図9は、燃焼開始から123μs経過後の状態を示している。この状態では、燃焼ガスBgの領域は内部空間10sの略全域に拡大している。また、燃焼室10の内部や壁部の近傍で局所爆発Leが発生し、衝撃波Swはデトネーション波Deに遷移する。図10は、燃焼開始から130μs経過後の状態を示している。図11は、燃焼開始から137μs経過後の状態を示している。これらの図は、内部空間10s内で衝撃波Swとデトネーション波Deが伝搬する様子を示している。
このように、デトネーション波Deは一方の側壁20から他方の側壁18に向かって伝搬する。側壁18に到達したデトネーション波Deは、側壁18で反射され、側壁20に向かって伝搬する。側壁20に到達したデトネーション波Deは、側壁20で反射され、側壁18に向かって伝搬する。このように、デトネーション波Deは、往復伝搬を繰り返す過程で徐々に増幅され、やがて定常的に側壁20と側壁18との間を往復する往復デトネーションサイクルに移行する。この往復デトネーションサイクルは、混合物54が供給されていれば続き、混合物54が供給されなくなると停止する。このようにして、往復デトネーションサイクルを生じることによって、燃焼装置100は、熱効率の高いエンジンとして機能する。
本開示の一態様の概要は、次の通りである。本開示のある態様の燃焼装置は、内部空間を形成する壁部を備え、壁部は、互いに対向する第1の壁と第2の壁と、第1の壁と第2の壁との間に位置する第3の壁及び第3の壁の両端側において内部空間を挟むように配置された一対の側壁とを含み、第3の壁は、燃料と酸化剤との混合物を内部空間に供給する供給部を有する。
この態様によると、一対の側壁の間でデトネーション波を往復伝搬させながら混合物を第3の壁から供給して、定常的な往復デトネーションサイクルを発現させることができる。このため、燃焼装置は、構造が単純化され、幅広い用途に使用することができる。
第3の壁の内部空間側の面は円弧面であり、第3の壁の両端部は、一対の側壁の端部にそれぞれ接続されている。この場合、第3の壁と一対の側壁とが離れている場合に比べて、デトネーション波の損失を低減して、往復デトネーションサイクルを安定的に発現させることができる。
一対の側壁は、その間隔が第3の壁の両端部から遠ざかるにつれて小さくなるように配置されてもよい。この場合、デトネーション波の損失を一層低減して、往復デトネーションサイクルを安定的に発現させることができる。
一対の側壁の互いに向い合う面は、平行に設けられてもよい。この場合、往復デトネーションサイクルを安定的に発現させることができる。
内部空間の第3の壁とは反対側に、混合物の排出ガスを排出する排気部が設けられてもよい。この場合、排気部が、デトネーション波の伝搬方向に略直交する方向に設けられているので、デトネーション波の損失を低減して、往復デトネーションサイクルを安定的に発現させることができる。
一対の側壁の少なくとも一方には、混合物の燃焼を開始させるための開始部に連通する開口部が設けられてもよい。この場合、一方の側壁から他方の側壁に向かってトリガとしての燃焼ガスを導入することができるので、効率的に往復デトネーションサイクルを発現させることができる。
以上、本開示の実施例をもとに説明した。これらの実施例は例示であり、いろいろな変形および変更が本開示の特許請求の範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本開示の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
以下、変形例について説明する。変形例の図面および説明では、実施例と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施例と重複する説明を適宜省略し、実施例と相違する構成について重点的に説明する。
(第1変形例)
実施例の説明では、第1、第2壁14、15の対向面が互いに平行な例について説明したが、本開示はこれに限定されない。第1、第2壁14、15の対向面は、非平行であってもよく、凹面や凸面などの曲面であってもよい。
実施例の説明では、第1、第2壁14、15の対向面が互いに平行な例について説明したが、本開示はこれに限定されない。第1、第2壁14、15の対向面は、非平行であってもよく、凹面や凸面などの曲面であってもよい。
(第2変形例)
実施例の説明では、一対の側壁18、20の内部空間10s側の第1側壁面18f、第2側壁面20fが平面状である例について説明したが、本開示はこれに限定されない。第1側壁面18f、第2側壁面20fは、凹面や凸面などの曲面であってもよい。
実施例の説明では、一対の側壁18、20の内部空間10s側の第1側壁面18f、第2側壁面20fが平面状である例について説明したが、本開示はこれに限定されない。第1側壁面18f、第2側壁面20fは、凹面や凸面などの曲面であってもよい。
(第3変形例)
実施例の説明では、第3の壁16の内部空間10s側の第3壁面16fが曲面である例について説明したが、本開示はこれに限定されない。第3壁面16fは、平面状であってもよい。
実施例の説明では、第3の壁16の内部空間10s側の第3壁面16fが曲面である例について説明したが、本開示はこれに限定されない。第3壁面16fは、平面状であってもよい。
(第4変形例)
実施例の説明では、一対の側壁18、20の各延長線18c、20cと円弧16gの接線とがなす角度θ2、θ3が、互いに等しい例について説明したが、本開示はこれに限定されない。角度θ2、θ3は、互いに異なっていてもよい。
実施例の説明では、一対の側壁18、20の各延長線18c、20cと円弧16gの接線とがなす角度θ2、θ3が、互いに等しい例について説明したが、本開示はこれに限定されない。角度θ2、θ3は、互いに異なっていてもよい。
(第5変形例)
実施例の説明では、燃料50と酸化剤52とが、別々の配管によって供給され、内部空間10sの近傍で混合される例について説明したが、本開示はこれに限定されない。燃料50と酸化剤52とは内部空間10sから離れた領域で混合され、その混合物54が配管によって各供給ノズル10bに供給されてもよい。
実施例の説明では、燃料50と酸化剤52とが、別々の配管によって供給され、内部空間10sの近傍で混合される例について説明したが、本開示はこれに限定されない。燃料50と酸化剤52とは内部空間10sから離れた領域で混合され、その混合物54が配管によって各供給ノズル10bに供給されてもよい。
(第6変形例)
実施例の説明では、内部空間10sの正面視の輪郭が線対称である例について説明したが、本開示はこれに限定されない。内部空間10sの正面視の輪郭は非対称であってもよい。
実施例の説明では、内部空間10sの正面視の輪郭が線対称である例について説明したが、本開示はこれに限定されない。内部空間10sの正面視の輪郭は非対称であってもよい。
これらの各変形例は、実施例に係る燃焼装置100と同様の作用・効果を奏する。
上述した実施例と変形例の任意の組み合わせもまた本開示の実施例として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施例は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
本開示の燃焼装置は、流体制御アクチュエータ、溶射装置、ボイラ熱源、姿勢制御スラスタ、発電機、ロケットエンジンなどに利用することが可能である。
10・・燃焼室、 10b・・供給ノズル、 10s・・内部空間、 12・・コア部、 14・・対向壁、 16・・第3の壁、 18、20・・一対の側壁、 22・・排気部、 24・・酸化剤中継部、 26・・混合部、 50・・燃料、 52・・酸化剤、 54・・混合物、 60・・開始部、 100・・燃焼装置。
Claims (6)
- 内部空間を形成する壁部を備え、
前記壁部は、互いに対向する第1の壁と第2の壁と、前記第1の壁と第2の壁との間に位置する第3の壁及び前記第3の壁の両端側において前記内部空間を挟むように配置された一対の側壁とを含み、前記第3の壁は、燃料と酸化剤との混合物を前記内部空間に供給する供給部を有することを特徴とする燃焼装置。 - 前記第3の壁の前記内部空間側の面は円弧面であり、
前記第3の壁の両端部は、前記一対の側壁の端部にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。 - 前記一対の側壁は、その間隔が前記第3の壁の両端部から遠ざかるにつれて小さくなるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の燃焼装置。
- 前記一対の側壁の互いに向い合う面は、平行に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の燃焼装置。
- 前記内部空間の前記第3の壁とは反対側に、前記混合物の排出ガスを排出する排気部が存在することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の燃焼装置。
- 前記一対の側壁の少なくとも一方は、前記混合物の燃焼を開始させるための開始部に連通する開口部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の燃焼装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017232418A JP2019100630A (ja) | 2017-12-04 | 2017-12-04 | 燃焼装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=66976727
Family Applications (1)
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JP2017232418A Pending JP2019100630A (ja) | 2017-12-04 | 2017-12-04 | 燃焼装置 |
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JP (1) | JP2019100630A (ja) |
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2017
- 2017-12-04 JP JP2017232418A patent/JP2019100630A/ja active Pending
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