JP2019099877A - 高融点金属体の製造方法、真空加熱装置及び多孔質台座 - Google Patents

高融点金属体の製造方法、真空加熱装置及び多孔質台座 Download PDF

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正明 平川
智啓 永田
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Abstract

【課題】炭素還元によって、より高純度の高融点金属体を製造する。【解決手段】高融点金属体の製造方法は、真空容器内に設けられたステージ上に、高融点金属酸化物及び炭素を含む成形体を支持可能な多孔質台座を載置することを含む。上記成形体は、上記多孔質台座に支持される。上記成形体は、上記真空容器内を排気機構により排気される。さらに、上記成形体は、上記真空容器内を排気機構により排気しつつ加熱機構によって加熱される。上記成形体に含まれる上記高融点金属酸化物を炭素還元して、高融点金属体が形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、高融点金属体の製造方法、真空加熱装置及び多孔質台座に関する。
タンタル等の高融点金属を含む金属酸化物から、高融点金属を抽出する方法として、炭素還元法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。例えば、タンタル酸化物及び黒鉛を含む成形体をプラズマアーク炉に入れ、この成形体に数千度以上のプラズマトーチに晒し、成形体から高融点金属体を得る手法である。しかしながら、プラズマアーク法は、プラズマトーチに晒される成形体の面積が限られることから量産性には優れない。
これに対して、成形体を数千度以上に加熱処理する別の手法として、真空加熱処理がある(例えば、特許文献1参照)。真空加熱処理は、比較的大きな成形体を真空容器内に設置できることから、一度に炭素還元できる成形体の量が増し、量産性に優れる。そして、このような真空加熱処理では、成形体の炭素還元をいかにして効率よく促進させ、高純度の高融点金属体を得るかが重要になる。
特許第4023774号公報
日本鉱業会誌/96 1105 ('80−3) 165<45>−170<54>
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、炭素還元によって、より高純度の高融点金属体を製造する高融点金属体の製造方法、真空加熱装置及び多孔質台座を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る高融点金属体の製造方法は、真空容器内に設けられたステージ上に、高融点金属酸化物及び炭素を含む成形体を支持可能な多孔質台座を載置することを含む。上記成形体は、上記多孔質台座に支持される。上記成形体は、上記真空容器内を排気機構により排気しつつ加熱機構によって加熱される。上記成形体に含まれる上記高融点金属酸化物は、炭素還元される。
このような方法であれば、高融点金属酸化物及び炭素を含む成形体が多孔質台座によって支持され、加熱機構によって成形体が加熱される。これにより、成形体からステージへの熱拡散が抑えられる。この結果、高純度の高融点金属が形成される。
上記の高融点金属体の製造方法においては、上記多孔質台座は、上高融点金属酸化物に含まれる高融点金属と同じ金属を含んでもよい。
このような方法であれば、高融点金属酸化物及び炭素を含む成形体が高融点金属酸化物に含まれる高融点金属と同じ金属を含む多孔質台座によって支持され、加熱機構によって成形体が加熱される。これにより、多孔質台座から高融点金属以外の不純物が高融点金属体に入りにくくなる。この結果、高純度の高融点金属が形成される。
上記の高融点金属体の製造方法においては、上記多孔質台座として、タングステン酸化物を含む上記成形体には、密度9.6g/cm以下のタングステン多孔質体を用いてもよい。また、モリブデン酸化物を含む上記成形体には、密度5.1g/cm以下のモリブデン多孔質体を用いてもよい。また、タンタル酸化物を含む上記成形体には、密度8.4g/cm以下のタンタル多孔質体を用いてもよい。また、ニオブ酸化物を含む上記成形体には、密度4.3g/cm以下のニオブ多孔質体を用いてもよい。
これらの方法であれば、成形体は、高融点金属酸化物に含まれる高融点金属と同じ金属を含む多孔質台座によって支持され、加熱機構によって成形体が加熱される。これにより、成形体からステージへの熱拡散が抑えられ、且つ多孔質台座から高融点金属以外の不純物が高融点金属体に入りにくくなる。この結果、高純度の高融点金属が形成される。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る真空加熱装置は、真空容器と、排気機構と、ステージと、多孔質台座と、加熱機構とを具備する。上記排気機構は、上記真空容器内のガスを排気する。上記ステージは、上記真空容器内に設けられる。上記多孔質台座は、上記ステージに載置される。上記多孔質台座は、高融点金属酸化物及び炭素を含む成形体を支持可能である。上記加熱機構は、上記成形体を加熱する。
このような真空加熱装置であれば、高融点金属酸化物及び炭素を含む成形体が多孔質台座によって支持され、加熱機構によって成形体が加熱される。これにより、成形体からステージへの熱拡散が抑えられる。この結果、高純度の高融点金属が形成される。
上記の真空加熱装置においては、上記多孔質台座は、上記ステージに載置される第1面と、上記成形体を支持可能な第2面とを含む台座本体を有してもよい。上記台座本体は、上記高融点金属酸化物に含まれる高融点金属と同じ金属を含んでもよい。
このような真空加熱装置であれば、高融点金属酸化物及び炭素を含む成形体が高融点金属酸化物に含まれる高融点金属と同じ金属を含む多孔質台座によって支持される。これにより、多孔質台座から高融点金属以外の不純物が高融点金属体に入りにくくなる。この結果、高純度の高融点金属が形成される。
上記の真空加熱装置においては、上記台座本体は、密度9.6g/cm以下のタングステン多孔質体、密度5.1g/cm以下のモリブデン多孔質体、密度8.4g/cm以下のタンタル多孔質体、及び密度4.3g/cm以下のニオブ多孔質体のいずれかであってもよい。
このような真空加熱装置であれば、成形体は、高融点金属酸化物に含まれる高融点金属と同じ金属を含む多孔質台座によって支持され、加熱機構によって成形体が加熱される。これにより、成形体からステージへの熱拡散が抑えられ、且つ多孔質台座から高融点金属以外の不純物が高融点金属体に入りにくくなる。この結果、高純度の高融点金属が形成される。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る多孔質台座は、真空容器内に設けられたステージに載置される第1面と、高融点金属酸化物及び炭素を含み、上記高融点金属酸化物が炭素還元されると高融点金属体に変化する成形体を支持可能な第2面とを有する台座本体を具備する。
このような多孔質台座であれば、高融点金属酸化物及び炭素を含む成形体が多孔質台座によって支持され、加熱機構によって成形体が加熱される。これにより、成形体からステージへの熱拡散が抑えられる。この結果、高純度の高融点金属が形成される。
上記の多孔質台座においては、上記台座本体は、上記高融点金属酸化物に含まれる高融点金属と同じ金属を含んでもよい。
このような多孔質台座であれば、高融点金属酸化物及び炭素を含む成形体が高融点金属酸化物に含まれる高融点金属と同じ金属を含む多孔質台座によって支持される。これにより、多孔質台座から高融点金属以外の不純物が高融点金属体に入りにくくなる。この結果、高純度の高融点金属が形成される。
上記の多孔質台座においては、上記台座本体が密度9.6g/cm以下のタングステン多孔質体、密度5.1g/cm以下のモリブデン多孔質体、密度8.4g/cm以下のタンタル多孔質体、及び密度4.3g/cm以下のニオブ多孔質体のいずれかであってもよい。
このような多孔質台座であれば、成形体は、高融点金属酸化物に含まれる高融点金属と同じ金属を含む多孔質台座によって支持され、加熱機構によって成形体が加熱される。これにより、成形体からステージへの熱拡散が抑えられ、且つ多孔質台座から高融点金属以外の不純物が高融点金属体に入りにくくなる。この結果、高純度の高融点金属が形成される。
以上述べたように、本発明によれば、炭素還元によって、より高純度の高融点金属体が製造される。
本実施形態に係る真空加熱装置の概略断面図である。 図(a)は、台座の概略上面図である。図(b)は、図(a)における破線部の概略断面図である。図(c)は、図(a)の概略拡大図である。 本実施形態に係る真空加熱装置の動作の一例を示す概略グラフ図である。 図(a)は、実施例1に係る真空加熱処理で形成されたタンタル金属体のX線回折結果である。図(b)は、比較例に係る真空加熱処理で形成されたタンタル金属体のX線回折結果である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。各図面には、XYZ軸座標が導入される場合がある。
図1は、本実施形態に係る真空加熱装置の概略断面図である。図1に示される真空加熱装置1は、一例であり、この例に限らない。
真空加熱装置1は、真空容器10と、脚部11と、基体12と、排気機構20と、ステージ30と、台座40と、加熱機構50と、断熱部材60と、ガス供給機構80とを具備する。図1の例では、台座40上に成形体100が載置された状態が示されている。この状態では、成形体100は、加熱される前の状態にある。
真空容器10は、基体12、ステージ30、台座40、加熱機構50、断熱部材60、及び成形体100を囲む。真空容器10は、例えば、円筒状の真空容器で、X軸方向に延在する。真空加熱装置1においては、図1の手前と奥にも真空容器10の一部である扉部(不図示)が配置され、真空容器10内のガスが排気機構20によって排気される。これにより、真空容器10内は、減圧状態に維持される。排気機構20は、例えば、ロータリーポンプ、メカニカルブースターポンプ等の真空ポンプを有する。真空容器10は、脚部11により支持されている。基体12は、真空容器10内に固定され、断熱部材60下に配置されている。なお、基体12も断熱材として機能する。
真空容器10内には、断熱部材60が設けられている。断熱部材60は、固定冶具65により真空容器10の内壁10wに固定されている。断熱部材60は、ステージ30の一部、台座40、加熱機構50の一部、及び成形体100を囲む。断熱部材60の内側は、断熱部材60の外側から密閉されてなく、真空容器10内では、断熱部材60の内側と外側とでガスの行き来が可能である。
断熱部材60は、下部断熱部材61と、側部断熱部材62a、62bと、上部断熱部材63とを有する。下部断熱部材61は、X−Y平面(水平面)に対して平行に配置されている。下部断熱部材61は、Z軸方向において上部断熱部材63に対向する。側部断熱部材62aと側部断熱部材62bとは、Y軸方向において互いに対向する。下部断熱部材61、側部断熱部材62a、62b、及び上部断熱部材63のそれぞれは、X軸方向に延在する。真空容器10内には、成形体100の手前及び奥にも断熱部材が配置されてもよい。
ステージ30の一部は、断熱部材60内に設けられている。ステージ30は、ステージ本体31と、複数の支柱33と、炭素板32と、炭素シート34とを有する。ステージ本体31及び支柱33は、例えば、炭素製材料で構成されている。炭素板32と、炭素シート34とは、ステージ30から適宜取り除いてもよい。
複数の支柱33のそれぞれは、例えば、下部断熱部材61を貫通し、基体12に対して垂直に立設されている。ステージ本体31は、複数の支柱33(例えば、4点支持)により支えられている。これにより、ステージ本体31は、X−Y平面に対して平行に配置される。さらに、ステージ30は、ステージ本体31が下部断熱部材61に直接接しない構成になる。
炭素板32は、ステージ本体31上に載置されている。ステージ本体31及び炭素板32は、断熱部材60内においてX軸方向に延在する。例えば、Z軸方向からステージ本体31及び炭素板32を見た場合、ステージ本体31及び炭素板32の平面形状は、例えば、長方形である。
ステージ本体31の下に下部断熱部材61が配置されていることにより、成形体100が加熱機構50によって加熱された場合、成形体100に与えられた熱が真空容器10に逃げにくい構成になる。また、炭素板32は、線膨張係数が小さく、耐熱特性に優れる。このような炭素板32をステージ本体31上に配置することにより、ステージ本体31は、は、成形体100や台座40から直接的な損傷を受けにくく、成形体100及び台座40を広い面積にわたり安定して支持することができる。
また、台座40と炭素板32との間に炭素シート34を配置することにより、台座40が数千度以上の高温になったとしても、台座40と炭素板32との直接的な反応が抑えられる。この場合、台座40が炭素シート34と反応しても、炭素シート34を定期的に交換することにより、炭素板32においては、金属反応による腐食が回避される。
ステージ30上には、台座40が載置されている。図1では、1つの台座40の上面40uに成形体100が載置されている状態が示されている。例えば、成形体100は、4個の台座40によって、その4隅が支持されてもよい。台座40の詳細については、後述する。
台座40上には、成形体100が載置される。成形体100は、高融点金属酸化物及び炭素を含む。成形体100は、高融点金属酸化物の粉末と、炭素の粉末とが混合されて、高圧プレスにより成形されたペレット体またはブロック体である。成形体100は、例えば、平均粒径が25μmの高融点金属酸化物の粉末と、平均粒径が15μmの炭素の粉末とが圧力40MPaで加圧成形されたものである。
成形体100中の炭素のモル濃度(mol/m)は、高融点金属酸化物のモル濃度の約5倍である。平均粒径は、例えば、レーザ散乱法により測定される。成形体100の形状は、一例として、厚さ10mm、径30mmのペレット体とする。成形体100の形状は、ペレット体に限らず、例えば、一辺が10mm以上100mm以下のブロック体であってもよい。
高融点金属は、例えば、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、Ta(タンタル)、Nb(ニオブ)、チタン(Ti)等のいずれかである。成形体100は、タングステン酸化物(WO)と炭素(C)とを含む成形体、モリブデン酸化物(MoO)と炭素(C)とを含む成形体、タンタル酸化物(Ta)と炭素(C)とを含む成形体、及びニオブ酸化物(Nb)と炭素(C)とを含む成形体のいずれかである。
なお、図1には、1個の成形体100が台座40によって支持されているが、X軸方向またはY軸方向に複数の台座40を配置し、これらの台座40上に成形体100を載置してもよい。または、成形体100上に別の台座40を載置し、この別の台座40上に別の成形体100が載置されてもよい。または、台座40上に複数の成形体100が積層されてもよい。このような方法によれば、一度に炭素還元できる成形体100の数が増し、高融点金属体の量産性が向上する。
加熱機構50は、成形体100を輻射熱によって加熱する。加熱機構50は、第1加熱機構51と、第2加熱機構52とを有する。
第1加熱機構51は、ヒータ板51aと、絶縁性の支持冶具51bとを有する。支持冶具51bは、真空容器10の内壁10wに固定され、上部断熱部材63を貫通する。支持冶具51bは、ヒータ板51aを支持するとともに、真空容器10外からヒータ板51aに電力を供給する配線が設けられている。ヒータ板51aは、X軸方向に延在するとともに、上部断熱部材63から下部断熱部材61に向かう方向に延在する。ヒータ板51aは、側部断熱部材62aと接触せず、側部断熱部材62aと平行に配置されている。
第2加熱機構52は、ヒータ板52aと、絶縁性の支持冶具52bとを有する。支持冶具52bは、真空容器10の内壁10wに固定され、上部断熱部材63を貫通する。支持冶具52bは、ヒータ板52aを支持するとともに、真空容器10外からヒータ板52aに電力を供給する配線が設けられている。ヒータ板52aは、X軸方向に延在するとともに、上部断熱部材63から下部断熱部材61に向かう方向に延在する。ヒータ板52aは、側部断熱部材62bと接触せず、側部断熱部材62bと平行に配置されている。
互いに対向する一対のヒータ板51a、52aは、炭素製ヒータである。ヒータ板51a、52aのそれぞれの下端は、ステージ本体31よりも下に位置する。これにより、成形体100は、ヒータ板51a、52aからの輻射熱によって左右から均等に加熱される。例えば、成形体100は、1900℃以上に加熱され得る。
ヒータ板は、成形体100の上方に配置されてもよく、成形体100の手前または奥にも配置されてもよい。これにより、横と上方から成形体100により均一に熱を与えることができる。
一方、真空加熱装置1では、炭素還元を利用した高融点金属体の量産を想定していることから、成形体100は1個とは限らず複数になり、ステージ30上の成形体の重量が嵩む場合もある。このため、真空加熱装置1では、成形体100を支持する頑丈なステージ30が必須になる。
従って、成形体100の下にはステージ30が配置され、ヒータ板は、配置されない。ここで、ステージ本体31の下にヒータ板を配置する手法もある。しかし、この構成では、ステージ本体31によってヒータ板からの輻射熱が遮られてしまう。さらに、ステージ本体31の下方にヒータ板を配置する場合、支柱33を避けてヒータ板を配置する必要があり、ステージ本体31下に配置するヒータ板の構造が複雑になってしまう。
成形体100の温度は、例えば、ヒータ板51a、52aに投入する電力と、成形体100の温度との関係、ヒータ板51a、52aの温度と、成形体100の温度との関係等を予め求めることにより算出される。ヒータ板51a、52aの温度は、熱電対によって測定してもよく、または、放射温度計によって、直接、成形体100の温度を測定してもよい。また、成形体100の温度を間接的に測定する温度測定用の試料を成形体100の近傍に設置してもよい。
ガス供給機構80は、真空容器10内に、N、Ar等のガスを供給することできる。例えば、成形体100に対する加熱が終了し、成形体100が所定の温度にまで冷却した後、ガス供給機構80によって真空容器10内にパージ用のガス(例えば、N)が供給される。
図2(a)は、台座の概略上面図である。図2(b)は、図2(a)における破線部の概略断面図である。図2(c)は、図2(a)の概略拡大図である。
台座40は、一例として、直方体状に構成されている。台座40は、下面40d(第1面)と、下面40dとは反対側の上面40u(第2面)とを有する台座本体40bを具備する。台座40の厚みは、4mm以上である。また、台座40は、Z軸方向に複数に重ねてもよく、台座40の下に台座40の材料とは異なる別の台座を介設してもよい。この場合、別の台座は、台座40よりも安価な材料で構成されたものとすることができる。
台座40において、下面40dは、ステージ30に対向し、上面40uは、成形体100に対向する。例えば、上面40uは、成形体100を支持可能な面であり、下面40dは、ステージ30に載置される面である。
台座40は、多孔質金属体である。台座40には、内径が数μmから数10μmの空孔40hが多数設けられている。台座40の気孔率(全体積に占める空間体積の割合(%))は、50%以上75%以下である。気孔率は、例えば、懸吊法(アルキメデス法)により求められる。台座40の気孔率が50%より小さくなると、台座40の熱伝導率が高くなって、成形体100を加熱機構50で加熱しても、成形体100から台座40を介してステージ30に熱が逃げるので好ましくない。一方、台座40の気孔率が75%より大きくなると、台座の機械的強度が落ち、好ましくない。
さらに、台座40(台座本体40b)は、成形体100に含まれる高融点金属酸化物の高融点金属と同じ金属を含む。例えば、台座40は、成形体100に含まれる高融点金属酸化物の高融点金属を99.9wt%以上含む。
次に、台座40を例に、本実施形態に係る高融点金属体の製造方法の一例を説明する。
図3は、本実施形態に係る真空加熱装置の動作の一例を示す概略グラフ図である。
図3の横軸は、時間であり、右縦軸は、真空容器10内の圧力であり、左縦軸は、成形体100の温度である。
本実施形態に係る真空加熱処理では、予め、真空容器10内に設けられたステージ30上に台座40を載置する。続いて、成形体100を台座40上に支持させる。
ここで、台座40(台座本体40b)としては以下の材料を用いる。例えば、タングステン酸化物を含む成形体100に対しては、密度が2.4g/cm以上9.6g/cm以下のタングステン多孔質体を用いる。モリブデン酸化物を含む成形体100に対しては、密度が1.3g/cm以上5.1g/cm以下のモリブデン多孔質体を用いる。タンタル酸化物を含む成形体100に対しては、密度が2.1g/cm以上8.4g/cm以下のタンタル多孔質体を用いる。ニオブ酸化物を含む成形体100に対しては、密度が1.1g/cm以上4.3g/cm以下のニオブ多孔質体を用いる。なお、密度は、常温(25℃)における密度とする。
なお、常温における金属結晶では、タングステン金属の密度が19.3g/cmで、モリブデン金属の密度が10.2g/cmで、タンタル金属の密度が16.7g/cmで、ニオブ金属の密度が8.6g/cmとする。
次に、真空容器10内を排気機構20によって、数Pa(例えば、2Pa)まで排気し、真空排気をしながら成形体100を加熱機構50により、例えば、10℃/分の速度で加熱する。これにより、成形体100の温度は、徐々に上昇する。
真空容器10内の圧力は、成形体100の温度が室温から600℃になるまでは、真空容器10の内壁10w、ステージ30、断熱部材60、成形体100等に物理吸着していたガスの脱ガスが起きて、一旦、2Pa以上にまで上昇する。脱ガスが緩和すると、真空容器10内の圧力が再び減少する。
成形体100への昇温加熱を続け、成形体100の温度が1935℃になった後、昇温加熱を停止して60分間、成形体100の温度を1935℃のまま保持する。成形体100では、約1800℃以上になると、炭素還元が起こり、例えば、高融点金属酸化物(M)が炭素(C)によって還元されて、高融点金属(M)と一酸化炭素(CO)とが生成する。これにより、真空容器10内の圧力が再び上昇する。炭素還元中、真空容器10内の圧力は、例えば、2Pa以上10Pa以下になる。一酸化炭素は、排気機構20のよって真空容器10外に排気される。
炭素還元によって成形体100中の炭素が消費されると、成形体100中の炭素の量が減少し、成形体100からの一酸化炭素の放出が徐々に緩和する。これに応じて真空容器10内の圧力は減少し、真空容器10内の圧力減少が飽和したときに、成形体100への加熱を停止する。
続いて、成形体100の温度が25℃以下になった後に、真空容器10内を例えばNガスで数回パージする。この後、真空容器10を大気開放して、高融点金属酸化物が炭素還元された高融点金属体を真空容器10から取り出す。取り出した高融点金属体は、例えば、別の真空容器に移されて、EB(Electron Beam)照射により溶解され、高融点金属インゴットが形成される。高融点金属インゴットは、例えば、高融点金属膜をスパッタリグ成膜する高融点金属ターゲットとして切り出される。
なお、台座40は、成形体100を炭素還元して高融点金属体を形成する手法と同じ手法で形成される。例えば、高融点金属酸化物の粉末と、炭素の粉末とが高圧プレスにより成形されたブロック体に炭素還元処理を施すと、成形体100から炭素の粉末と、高融点金属酸化物の粉末中の酸素とが消滅する。この消滅した部分が空孔となって、多孔質の高融点金属体(すなわち、台座40)が形成される。
このような多孔質体で構成された台座40を用いれば、台座40の上面40uから下面40dまでの熱伝導が抑えられ、加熱機構50によって成形体100に与えられた熱が台座40を介してステージ30に逃げにくくなる。これにより、成形体100が加熱機構50によって効率よく加熱される。
また、台座40は、多孔質であるため、炭素還元によって成形体100からガスが放出しても、ガスは、成形体100と台座40との間または台座40中を通過して真空容器10に拡散する。すなわち、ガスは、成形体100の上部と側部のほか、下部からも効率よく放出される。これにより、成形体100全体にわたり炭素還元反応が効率よく進み、高純度の高融点金属体が形成される。
また、台座40は、成形体100に含まれる高融点金属酸化物の高融点金属と同じ金属を含むため、台座40が成形体100に接触した状態で、成形体100を炭素還元して高融点金属体を製造しても、台座40から高融点金属以外の不純物が高融点金属体に入りにくくなる。これにより、高純度の高融点金属体が形成される。
特に、成形体100から台座40を製造することにより、成形体100に含まれる不純物元素と、台座40に含まれる不純物元素とが同じになり、台座40から高融点金属体に成形体100に含まれていない新たな不純物元素が混入することはない。
また、台座40の上面40uは、平坦であるため、真空排気時または大気開放時に成形体100が台座40から滑落しにくく、倒壊もしにくい。さらに、台座40の上面40uが平坦であることから、上面40uに複数の成形体100を載置でき、高融点金属体の量産性が向上する。
以下に、実施例により本実施形態をさらに具体的に説明する。本発明は、これらの実施例には限定されない。
(実施例1)
五酸化タンタル(高純度化学製:99.9%)と、炭素(日本黒鉛製)とをモル濃度(mol/m)で1:5の比で混合し、100MPaでプレス成型加工をし、成形体を作製した。厚みが10mmの多孔質タンタル台座(気孔率58%、密度7.0g/cm)上に成形体をセットした。
真空容器10内の到達真空度は、5Pa以下になった後に、加熱機構50により成形体を1900℃に加熱して、五酸化タンタルの炭素還元をした。これにより、タンタル金属体が得られた。
図4(a)は、実施例1に係る真空加熱処理で形成されたタンタル金属体のX線回折結果である。図4(b)は、比較例に係る真空加熱処理で形成されたタンタル金属体のX線回折結果である。
X線回折は、θ−2θ法による。グラフの横軸は、2θ(°)であり、縦軸は、光強度(任意値)である。被測定体は、炭素還元が図られたタンタル金属体(厚さ10mm、径30mmのペレット体)である。測定箇所は、タンタル金属体の下側中央部である。
X線回折結果において、Ta、TaCのピークは観測されず、Taのピークのみが観測された。また、タンタル金属体の下側中央部以外の部分についても、同様にTa、TaCのピークが観測されず、Taのピークのみが観測された。
(実施例2)
五酸化ニオブ(高純度化学製:99.9%)と、炭素(日本黒鉛製)とをモル濃度で1:5の比で混合し、100MPaでプレス成型加工をし、成形体を作製した。厚みが10mmの多孔質ニオブ台座(気孔率60%、密度3.4g/cm)上に成形体をセットした。この後、実施例1と同様に成形体に炭素還元処理をした。実施例2においても、X線回折結果は、Nbのピークのみが観測された。
(実施例3)
実施例1と同じ成形体を実施例1と同じ多孔質タンタル台座上に4段に積層して、実施例1と同様に4段の成形体に対して炭素還元処理をした。X線回折結果は、いずれの成形体からTaのピークのみが観測された。また、4段の成形体の倒壊は、起きなかった。
(比較例)
多孔質タンタル台座を用いないで、実施例1と同じ成形体を炭素シート34上に直接載置して、実施例1と同様に成形体に対して炭素還元処理をした。図4(b)に示すように、比較例では、タンタル金属体の下側中央部Pbで、Taのピークのほかに、Ta、TaCのピークが観測された。この理由として、以下のことが考えられる。
例えば、成形体を炭素シート34上に直接載置すると、成形体に与えられた熱がステージ30に逃げていく。これにより、比較例では、成形体の下部中央部の加熱が不充分になり、タンタル金属体の下側中央部における炭素還元が不充分になる、と推測される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
1…真空加熱装置
10…真空容器
10w…内壁
11…脚部
12…基体
20…排気機構
30…ステージ
31…ステージ本体
32…炭素板
33…支柱
34…炭素シート
40…台座
40b…台座本体
40d…下面
40u…上面
50…加熱機構
51…第1加熱機構
52…第2加熱機構
51a、52a…ヒータ板
51b、52b…支持冶具
60…断熱部材
61…下部断熱部材
62a、62b…側部断熱部材
63…上部断熱部材
65…固定冶具
80…ガス供給機構
100…成形体

Claims (12)

  1. 真空容器内に設けられたステージ上に、高融点金属酸化物及び炭素を含む成形体を支持可能な多孔質台座を載置し、
    前記多孔質台座に前記成形体を支持させ、
    前記真空容器内を排気機構により排気しつつ前記成形体を加熱機構によって加熱し、
    前記成形体に含まれる前記高融点金属酸化物を炭素還元する
    高融点金属体の製造方法。
  2. 請求項1に記載の高融点金属体の製造方法であって、
    前記多孔質台座は、前記高融点金属酸化物に含まれる高融点金属と同じ金属を含む
    高融点金属体の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の高融点金属体の製造方法であって、
    前記多孔質台座として、タングステン酸化物を含む前記成形体には、密度9.6g/cm以下のタングステン多孔質体を用いる
    高融点金属体の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の高融点金属体の製造方法であって、
    前記多孔質台座として、モリブデン酸化物を含む前記成形体には、密度5.1g/cm以下のモリブデン多孔質体を用いる
    高融点金属体の製造方法。
  5. 請求項1または2に記載の高融点金属体の製造方法であって、
    前記多孔質台座として、タンタル酸化物を含む前記成形体には、密度8.4g/cm以下のタンタル多孔質体を用いる
    高融点金属体の製造方法。
  6. 請求項1または2に記載の高融点金属体の製造方法であって、
    前記多孔質台座として、ニオブ酸化物を含む前記成形体には、密度4.3g/cm以下のニオブ多孔質体を用いる
    高融点金属体の製造方法。
  7. 真空容器と、
    前記真空容器内のガスを排気する排気機構と、
    前記真空容器内に設けられたステージと、
    前記ステージに載置され、高融点金属酸化物及び炭素を含む成形体を支持可能な多孔質台座と、
    前記成形体を加熱する加熱機構と
    を具備する真空加熱装置。
  8. 請求項7に記載の真空加熱装置であって、
    前記多孔質台座は、前記ステージに載置される第1面と、前記成形体を支持可能な第2面とを含む台座本体を有し、
    前記台座本体は、前記高融点金属酸化物に含まれる高融点金属と同じ金属を含む
    真空加熱装置。
  9. 請求項8に記載の真空加熱装置であって、
    前記台座本体は、密度9.6g/cm以下のタングステン多孔質体、密度5.1g/cm以下のモリブデン多孔質体、密度8.4g/cm以下のタンタル多孔質体、及び密度4.3g/cm以下のニオブ多孔質体のいずれかを含む
    真空加熱装置。
  10. 真空容器内に設けられたステージに載置される第1面と、高融点金属酸化物及び炭素を含み、前記高融点金属酸化物が炭素還元されると高融点金属体に変化する成形体を支持可能な第2面とを有する台座本体を具備する
    多孔質台座。
  11. 請求項10に記載の多孔質台座であって、
    前記台座本体は、前記高融点金属酸化物に含まれる高融点金属と同じ金属を含む
    多孔質台座。
  12. 請求項11に記載の多孔質台座であって、
    前記台座本体は、密度9.6g/cm以下のタングステン多孔質体、密度5.1g/cm以下のモリブデン多孔質体、密度8.4g/cm以下のタンタル多孔質体、及び密度4.3g/cm以下のニオブ多孔質体のいずれかを含む
    多孔質台座。
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