以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。なお、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMは、従来の第1種ぱちんこ遊技機に相当する機能を二つ混在した機種であり、第1の遊技(第1特別図柄遊技)と第2の遊技(第2特別図柄遊技)とを展開可能である。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
はじめに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PM(単に「遊技機PM」とも称する)は、図1に示すように、外郭方形
枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2には、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラスを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ11が設けられている。ガラス枠5の下部には遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿8及び下球皿9)が設けられており、上球皿8の正面中央には遊技者によって押圧操作される演出ボタン(演出スイッチ)15が設けられ、下球皿9の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12が設けられている。以下では、便宜上、演出用の操作入力手段を「演出ボタン15」と称するが、本例における演出ボタン(演出スイッチ)15とは、オン/オフ操作式のボタン型のスイッチ、操作入力の方向に応じた出力を行う十字型のスイッチ(十字キー、十字ボタン)、傾動操作式のレバー型のスイッチ、回転操作式のダイヤルスイッチ、遊技者の手が近付いたとき又は接触したときに出力を行う近接スイッチ、タッチセンサ、タッチパネルなど、あらゆる操作入力手段を含む概念で用いる。
遊技盤20は、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂材料を用いて矩形平板状に形成された基板をベースとして構成されている。遊技盤20の前面には、外レール41及び内レール42が円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成されている。また、外レール41と内レール42とにより遊技球を遊技領域PAへ案内するための案内通路(図示せず)が形成され、この案内通路における遊技球の出口開口の近傍位置(内レール42の先端部に)、該出口開口から遊技領域PA内へ放出された遊技球が再び案内通路へ逆戻りするのを防止する球戻り防止弁43が配設されている。この遊技領域PAには、風車や多数本の遊技釘とともに、第1始動口51、第2始動口52、作動ゲート53、大入賞口54、一般入賞口61,62,63,64などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り21が配設されており、このセンター飾り21の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。また、遊技領域PAは、略中央のセンター飾り21を基準として、センター飾り21の左側の領域(左打ちに対応した盤面領域)である左側領域PA1と、センター飾り21の右側の領域(右打ちに対応した盤面領域)である右側領域PA2とに区画される。センター飾り21の上部には、外レール41と略上下方向に対向する天板部22が一体形成されており、上記の案内通路の延長上において、天板部22と外レール41との間で遊技球が右側領域PA2へ通過可能な導入通路44が形成されている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1始動口51は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ511を備えている。この第1始動口51は、上方に向けた開口された常時開放型の入賞口であり、主として左側領域PA1を流
下する遊技球(左打ちした遊技球)が入球可能となっている。第1始動口51への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
第2始動口52は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ521を備えている。この第2始動口51は、右打ちに対応した盤面領域である右側領域PA2に配設され、主として右側領域PA2を流下する遊技球(右打ちした遊技球)が入球可能となっている。第2始動口52への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。この第2始動口52は、一般に電チューと称される普通電動役物522と、この普通電動役物522を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド523とを備える。普通電動役物522は、遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が第2始動口52に入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。つまり、普通電動役物522は、開放状態に変位しなければ遊技球が第2始動口52へ入球し難い構造となっており、後述の所定の契機(普通図柄抽選に当選する契機)で開放状態となると遊技球の入球容易性が高くなる。
作動ゲート53は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ531を備えている。なお、作動ゲート53への遊技球の通過は、第2始動口52を開放状態とするか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口54は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選結果が大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる横長方形状をなす入賞口として形成される。大入賞口54は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ541と、一般にアタッカーと称される特別電動役物542と、この特別電動役物542を開閉駆動させるための大入賞口ソレノイド543とを備えている。特別電動役物542は、遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態と、遊技球が大入賞口54に入球不能又は入球困難な閉鎖状態とに可変する。本例において大入賞口54は、遊技領域PAにおける右側領域PA2に設けられている。そのため、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)においては、遊技球を発射する際に、右側領域PA2を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、大入賞口54への入球が容易となっている。
図3は、大入賞口54の構成を示す模式図である。この大入賞口54内には、大入賞口スイッチ541の下流側に位置して、大当り遊技(「特別遊技」とも呼称する)の終了後の遊技状態を決定するための振分装置544が設けられている。振分装置544には、大入賞口54に入球した遊技球が振り分けられる特定領域548と非特定領域549とが設けられる。この振分装置544には、大入賞口54に入球した遊技球を特定領域548又は非特定領域549へ選択的に案内する可動部材545が設けられるとともに、可動部材545を開閉駆動するための特定領域ソレノイド546が設けられている。可動部材545が閉鎖位置にある状態では、特定領域548は可動部材545によって閉鎖され、遊技球は非特定領域549へ振り分けられる。一方、可動部材545が開放位置にある状態では、特定領域548が開放され、遊技球は特定領域548へ振り分けられる。この特定領域548内には、当該特定領域548内に流入した遊技球を検出するための特定領域スイッチ547が設けられている。この特定領域スイッチ547は、大当り遊技の終了後の遊技状態を確変遊技状態(特別図柄の確率変動機能が作動した高確率状態)に設定するための確変スイッチとして機能する。
一般入賞口61〜63は、左打ちに対応した盤面領域である左側領域PA1に配設され、左側領域PA1を流下した遊技球が入球可能である。一般入賞口61〜63は、遊技球の入球を検出するための一般入賞口スイッチ611を備えている。この一般入賞口スイッチ611は、コスト低減等の観点から、三つの一般入賞口61〜63の共通センサ(シン
グルセンサ)として構成されており、いずれの一般入賞口61〜63への遊技球の入球も検出が可能である。一方、一般入賞口64は、右打ちに対応した盤面領域である右側領域PA2に配設され、右側領域PA2を流下した遊技球が入球可能である。一般入賞口64は、遊技球の入球を検出するための一般入賞口スイッチ641を備えている。なお、各一般入賞口61〜64への遊技球の入球は特別図柄又は普通図柄の抽選の契機とはならないが、他の入賞口(作動ゲート53を除く)と同様に賞球獲得の契機となる。
第1特別図柄表示装置71は、遊技球が第1始動口51に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第1特別図柄表示装置71は、例えば8個のLEDランプから構成され、第1特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。
第2特別図柄表示装置72は、遊技球が第2始動口52に入球したことを契機として、第2特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第2特別図柄表示装置72は、例えば8個のLEDランプから構成され、第2特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。
第1特図保留ランプ73および第2特図保留ランプ74は、例えば2個のLEDランプからそれぞれ構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは大当り遊技の実行中に、第1始動口51への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。同様に、第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは大当り遊技の実行中に、第2始動口52への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。
普通図柄表示装置75は、例えば2個のLEDランプから構成され、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。普図保留ランプ76は、例えば4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が普通図柄変動の保留数(まだ実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。なお、普通図柄表示装置75の左側には、大当り遊技におけるラウンド遊技(単位遊技)の回数(ラウンド数:特別電動役物542が連続して作動する回数)を表示するラウンド表示器77が設けられている。
演出表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止表示する装飾図柄の変動演出や大当りの期待度を予告的に示唆又は報知する予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示部700と、第1特図保留ランプ73および第2特図保留ランプ74と同期して第1特別図柄およぶ第2特別図柄の保留表示が実行される保留画像表示部710が設けられている。本実施形態では、演出表示装置70として、液晶表示装置を採用している。装飾図柄表示部700には、所定の有効ライン(不図示)上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左表示領域Z1、中表示領域Z2、右表示領域Z3)が設けられており、左表示領域Z1に対応して装飾図柄の左図柄、中表示領域Z2に対応して装飾図柄の中図柄、右表示領域Z3に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示されるようになっている。保留画像表示部710には、通常の表示態様では、特別図柄
の作動保留球が生起されると所定態様の保留画像(保留アイコン)が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、最大で8個(第1特別図柄の保留画像が4個、第2特別図柄の保留画像が4個)の表示が可能である。
センター飾り21は、演出表示装置70の周囲に設置され、遊技球の流路、演出画面の保護、装飾等の機能を有する。このセンター飾り21には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する可動役物24が設けられている。可動役物24は、駆動源としてモータM(例えば、ステッピングモータ)を備えて構成されている。また、遊技盤20には、遊技の展開状況に応じて発光する盤ランプ(LEDランプ)25が設けられている。以下の説明では、便宜上、枠ランプ10および盤ランプ25を総称して「演出ランプLP」とも称する。
続いて、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された基枠体をベースとしてなる裏セット盤30が、上下のヒンジ機構3を介して前枠2後方に横開き開閉及び着脱が可能に連結されている。この裏セット盤30には、前面開放の矩形箱状をなす裏セットカバー30Cが着脱自在に装着されており、常には前枠2に取り付けられた遊技盤20の裏面側を覆って配設されている(これにより後述する主制御基板100、演出制御基板200、画像制御基板300が裏セットカバー30Cにより覆われる)。
裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する貯留タンク31、貯留タンク31から右方に緩やかな下り傾斜を有して延びるタンクレール32、タンクレール32の右端部に繋がり下方に延びる球供給通路部33、球供給通路部33により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット34、賞球払出ユニット34から払い出された遊技球を上球皿6に導くための賞球通路部35などが設けられている。
遊技盤10の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板100や、演出全般の制御を行う演出制御基板200、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板300、などが取り付けられている。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板400や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板500などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
<ぱちんこ遊技機の制御構成>
次に、図4を追加参照して、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMに搭載された各制御基板について説明する。図4は、ぱちんこ遊技機PMの制御構成を示す制御ブロック図である。
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路104とを備えて構成された主制御マイコン(ワンチップマイコン)110を搭載しており、メインCPU101がROM102に記憶された制御プログラムに従って遊技進行に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、
主制御基板100には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、メインCPU101が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とするCTC回路、メインCPU101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する乱数生成回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
メインCPU101は、各スイッチからの検出情報などに基づき、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM103は、電源基板500において生成されるバックアップ電源によってバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。RAM103のバックアップ領域は、電源断が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくためのエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰されるようになっている。
また、主制御基板100は、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、特定領域スイッチ547,一般入賞口スイッチ611,641などと電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、各種スイッチからの検出信号をメインCPU101に入力する。また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75および普図保留ランプ76に電気的に接続されるとともに、普通電動役物ソレノイド523、特別電動役物ソレノイド543および特定領域ソレノイド546に電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、メインCPU101からの制御信号を各種表示手段および各種ソレノイドに送信する。
主制御基板100と演出制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から演出制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から演出制御基板200へ各種の演出制御コマンドが送信される。演出制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできない。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路204とを備えて構成された演出制御マイコン(ワンチップマイコン)210を搭載しており、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、演出制御基板200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、サブメインCPU201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、TPU回路からの信号などに基づきタイマ割込み等の各種割込みを起動させる割込みコントローラ、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、画像制御基板300へ画像および音響を指示する画像制御コマンド、ランプ接続
基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成する。演出制御基板200は、画像制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが演出制御基板200から画像制御基板300へ送信される一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が画像制御基板300から演出制御基板200へ送信される。
また、演出制御基板200は、複数のLEDドライバを搭載したランプ接続基板91と電気接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本例では、演出制御基板200とランプ接続基板91とは、クロック同期式のシリアル通信が採用されており、ランプデータ伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。ランプ接続基板91は、演出制御基板200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバを内蔵しており、このランプ制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプLPに対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプLPを点灯又は消灯させる制御を行う。
さらに、演出制御基板200は、複数のモータドライバ92と電気接続されており、I/Oポート回路204を介して、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。モータドライバ92は、演出制御基板200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、各可動役物24のステッピングモータに対して駆動電流を供給又は遮断して、各可動役物24を動作させる制御を行う。なお、モータドライバ92へのデータ送信はパラレル通信方式が採用されている。
画像制御基板300は、演出制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路304とを備えて構成された画像制御マイコン(ワンチップマイコン)310を搭載しており、サブサブCPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、画像制御基板300には、図示省略するが、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、サブサブCPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号(画像データ)を演出表示装置に送信する。このVDPには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、サブサブCPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカ11に出力する。
払出制御基板400は、払出CPU401、ROM402およびRAM403を主体として構成されている。払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット34を駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドル12の操作量に基づき球送り機構13と発射機構14とを同期的に駆動させて遊技球の発射の制御を実行する。
電源基板500は、詳細図示を省略するが、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成するための通常電源回路と、バックアップ電源を生成するためのバックアップ電源回路と、電圧低下による電源断を監視するための電源断監視回路と、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電子・電気部品に必要な電源を供給する。電源基板500には、電源回路を起動させるための電源スイッチが接続されており、遊技島の電源装置から1次電源が供給されていることを前提として、該電源スイッチがオンになると、電源基板500の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。電源基板500は、遊技島の電源装置からの電源供給が遮断されたことを検出可能に構成されており、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を主制御基板100、演出制御基板200、払出制御基板400に送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技島の電源装置からぱちんこ遊技機PMに電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。また、電源基板500には、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、主制御基板100のRAM103の一時記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのRAMクリアスイッチ(図示せず)が接続されている。なお、RAMクリアスイッチは、電源基板500ではなく、例えば主制御基板100に接続される構成であってもよい。
<ぱちんこ遊技機の基本動作>
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿8に遊技球を貯留させて発射ハンドル12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り機構13によって1球ずつ発射機構14に送り出され、該発射機構14により遊技領域PAに打ち出される。このとき、発射ハンドル12を所定量未満で操作したときは、遊技球は右側領域PA2へ到達せず、左側領域PA1を流下する。この左側領域PA1には、遊技球を第1始動口51や一般入賞口61〜63へ向けて流下させるための左側流路が形成されている。一方、発射ハンドル12を所定量以上で操作したときは、遊技球は右側領域PA2に到達し、右側領域PA2を流下する。この右側領域PA2には、遊技球を第2始動口52、作動ゲート53、大入賞口54、一般入賞口64へ向けて流下させるための右側流路が形成されている。このように左側領域PA1又は右側領域PA2を流下する遊技球は、これら左側領域PA1又は右側領域PA1にて振り分けられた経路に応じて、第1始動口51、第2始動口52、作動ゲート53、大入賞口54、一般入賞口61〜64のいずれかに入球し得る一方で、いずれの入賞口にも入球しなかった場合はアウト口29へ流下される。
遊技領域PAを流下する遊技球が、第1始動口51、第2始動口52、大入賞口54、一般入賞口61〜64のいずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット34により上球皿8又は下球皿9へ払い出される。本実施形態において、各入賞口に遊技球が1球入球したときに払い出される賞球数(単位賞球数)として、第1始動口51及び第2始動口52はそれぞれ「4個」及び「3個」、一般入賞口61〜64は「5個」、大入賞口54は「10個」が設定されている。なお、単位賞球数は本実施形態に例示したもに限定されるものではなく、他の単位賞球数を適用してもよい。例えば、単位賞球数として、第1始動口51は「4個」、第2始動口52は「1個」、一般入賞口61〜64は「3個」等としてもよい。また、単位賞球数として、左打ち領域PA1の一般入賞口61〜63は「5個」、右打ち領域PA2の一般入賞口64は「3個」等とし、一般入賞口61〜64の配設される盤面領域に応じて単位賞球数を異なるものとしてもよい。
遊技球が第1始動口51又は第2始動口52に入球すると、特別図柄の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件(後述の変動開始条件)が成立する場合に、最先の保留球に係る抽選乱
数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置70において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技(大当り遊技)に移行し、大入賞口54の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別図柄および装飾図柄が大当りを示す停止態様で確定表示されると、大当り遊技として、複数回のラウンド遊技(単位遊技)が実行される。
本実施形態では、所定の大当りに当選すると、大当り遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数に達するまで(次回の大当りが発生するまで)、特別図柄の確率変動機能(「確変」とも称する)が作動する場合がある。特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、特別図柄抽選の大当り確率が通常の低確率状態から高確率状態へ移行するため、新たな大当り(大当り遊技)が比較的早期に発生するようになる。なお、本実施形態では、特別図柄の当否判定の当選確率(大当り確率)を通常確率よりも高確率とする高確率状態への連続移行回数を制限するリミット機能が備えられている(詳細後述)。
また、大当り遊技が終了した後は、特別図柄の確率変動機能に付随して又は独立して、特別図柄の変動時間短縮機能(以下「時短」ともいう)が作動する場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、特別図柄及び装飾図柄の平均的な変動時間が通常よりも短縮される傾向となり、単位時間当たりの特別図柄抽選回数が向上する(単位時間当たりの大当りの獲得容易性を高めることができる)。
さらに、大当り遊技が終了した後は、特別図柄の変動時間短縮機能に付随して又は独立して、電チューサポート機能が作動する場合がある。電チューサポート機能は、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物522の開放延長機能が作動することにより、第2始動口52への入球容易性が高められる状態(「入球容易状態」とも称する)である。なお、普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となる。普通電動役物522の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物522の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。この入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口52への入球容易性も高まるため、第2始動口52への入球数が増加する可能性も向上する。したがって、電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口52への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。つまり、遊技球の発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。以下では、電チューサポート機能が作動している状態を「高ベース状態」、電チューサポート機能が作動していない状態を「低ベース状態」とも呼称する。
<ぱちんこ遊技機の主要な機能構成>
次に、図5の機能ブロック図を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として、主制御基板100/演出制御基板200)の各種機能について説明する。
主制御基板100は、図5に示すように、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段
120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段165、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられたメインCPU101、ROM102、RAM103、電子回路等のハードウェア及びROM102等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、特定領域スイッチ547、一般入賞口スイッチ611,641などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動口スイッチ511にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「第1始動口入賞コマンド」と称する)を生成し、第2始動口スイッチ521にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「第2始動口入賞コマンド」と称する)を生成し、作動ゲートスイッチ531にて遊技球の通過を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「作動ゲート入賞コマンド」と称する)を生成し、大入賞口スイッチ541にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「大入賞口入賞コマンド」と称する)を生成し、特定領域スイッチ547にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「特定領域入賞コマンド」と称する)を生成し、一般入賞口スイッチ611にて遊技球の入球を検出した場合は、その旨を示す演出制御コマンド(「一般入賞口入賞コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。
遊技抽選乱数発生手段120は、主制御マイコン110の乱数生成回路で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段120は、メインCPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、当り乱数生成のために前述の内蔵乱数に加算される特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄停止図柄乱数、特別図柄停止図柄乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための特別図柄停止図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の1周期の更新が終了した後に新たな更新がなされるための初期値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新(インクリメントやデクリメント、素数の加算など)し、また、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131、普通図柄保留制御手段132、を含む。
特別図柄保留制御手段131は、第1始動口51又は第2始動口52への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は
第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口51,52への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタと、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタとを有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。本実施形態では、第1特別図柄の作動保留球と第2特別図柄の作動保留球とを、入球した順番(保留記憶された順番)に消化して、その入球順に従って第1特別図柄および第2特別図柄を選択的に変動表示する、いわゆる入球順消化を採用している。そのため、最先の特別図柄の作動保留球が第1特別図柄の作動保留球であるか第2特別図柄の作動保留球であるかに関わらず、その最先の特別図柄の作動保留球から順番に消化される。なお、その変形例としては、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行して、第2特別図柄の作動保留球が存在する間は、第1特別図柄の作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄の作動保留球を優先的に消化する、いわゆる優先消化を採用してもよい。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
普通図柄保留制御手段132は、作動ゲート53への遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。上記の事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。なお、上記事前判定タイミングは一例であり、遊技機仕様に合わせて事前判定タイミングを変更(例えば、普通電動役物を有さない第2特別図柄に係る始動口を有し、通常時に8個保留が溜められる機種では上記(1)を第1特別図柄のみならず第2特別図柄も対象にする、等)したり、事前判定タイミングを設けずいつでも事前判定を行う仕様を採用してもよい。具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否の事前判定(当否事前判定)、図柄の事前判定(図柄事前判定)、変動パターンの事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、当否事前判定用テーブル、図柄事前判定用テーブル、変動パターン事前判定用テーブルのそれぞれが乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画され、この領域(判定置数)ごとに、抽選ID(事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する))が割り当てられている。そのため、この事前判定の結果は、後述の特別図柄抽選処理手段140による本抽選の結果(当否判定の結果、図柄判定の結果、変動パターン判定の結果)に準ずるものとなっている。なお、当否事前判定用テーブルや図柄事前判定用テーブルなどは、実際に変動を開始するときに抽選に使用する当否抽選テーブルや図柄抽選テーブルなどと同じものであってもよい。ここで、変動パターン事前判定用テーブルは、変動開始時の遊技状況(確変の有無、時短の有無、特殊テーブルを参照する限定頻度期間中か否か、保留球数など)が変化する可能性があることから、前述のように、複数の領域の何れに含まれるかを判定する方が望ましい。また、変形例として、上記の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に格納する前に一時的に記憶されるメインCPU101上のレジスタ等の乱数値を事前判定するように構成してもよい。そして、事前判定手段135は、事前判定の結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段412、特別図柄変動パターン判定手段143、を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「特別図柄の変動開始条件が成立する」或いは「特別図柄の変動開始条件が充足する」とは、その一例として、(1)大当り中又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときであり、その結果として、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄
の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。
ここで、図6は、特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図である。図中、(A)は特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(低確率状態)において参照され、(B)は特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(高確率状態)において参照される。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値の乱数範囲(本例では便宜上、当選確率のみを示す)と、大当り、小当り、はずれの判定結果とが対応付けられている。図6に示すように、特別図柄の当否抽選において、特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)では、相対的に低確率「約1/96」で大当りとなる。一方、特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)では、大当りの当選確率が向上して、相対的に高確率「約1/54」で大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの当選確率が低確率「約1/96」から高確率「約1/54」に変動する。このように大当りの当選確率は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しく設計されている。ここで、当否判定の結果が大当りに該当しなかった場合であっても、第1特別図柄の当否判定においては、所定の当選確率「約2/96」で小当りとなる。なお、小当りの当選確率は、遊技状態(低確率状態、高確率状態)に関係なく、同じ当選確率に設計されている。本例では、第1特別図柄の当否判定のみ小当りが存在するように構成しているが、例えば、第2特別図柄の当否判定にも小当りを設けて、第2特別図柄の当否判定よりも第1特別図柄の当否判定のほうが高い確率で小当りとなるように構成してもよい。
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、図7に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する際に参照される第1特別図柄大当り図柄テーブルおよび第2特別図柄大当り図柄テーブルを有している。なお、本実施形態において、「特定大当り」とは大当り遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させることとなる大当り(確変大当り)を意味し、「通常大当り」とは大当り遊技の終了後に確率変動機能を作動させることのない大当り(非確変大当り)を意味する。
図7(A)は、第1特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り属性、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄大当りテーブルでは、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群A,Bが設定されている。具体的には、図柄群A(2R長開放大当り1)と、図柄群B(2R長開放大当り2)とに振り分けられる。2R長開放大当り1,2(図柄群A,B)は、大当り遊技の規定ラウンド数が2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間が約28秒である。
図7(B)は、第2特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り属性、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口の開放時間がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄大当り図柄テーブルでは、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群C,Dが設定されている。具体的には、図柄群C(10R長開放大当り)と、図柄群B(2R短開放大当り)とに振り分けられる。10R長開放大当り(図柄群C)は、大当り遊技の規定ラウンド数が10ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間が約30秒である。2R短開放大当り(図柄群D)は、大当り遊技の規定ラウンド数が2ラウンドで、
1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間が約2秒である。
上記のように、各大当り(大当り種別)は、大別的には、「長開放大当り」と「短開放大当り」とに区分される。長開放大当りは、大当り遊技のラウンド遊技として、大入賞口54が長時間(本例では「約28秒」又は「約30秒」)開放する長開放のラウンド遊技が実行される契機となる大当りである。短開放大当りは、大当り遊技のラウンド遊技として、大入賞口54が短時間(本例では「約2.0秒」)開放する短開放のラウンド遊技が実行される契機となる大当りをいう。図7に示すように、第1特別図柄の大当りは全て長開放大当りに振り分けられ、第2特別図柄の大当りは長開放大当りおよび短開放大当りのいずれかに振り分けられる。本例において、長開放のラウンド遊技は、大入賞口54の開放時間が、大入賞口54に規定数(フルカウント:10球)の遊技球を入球可能又は入球容易に設定されたラウンド遊技である。短開放のラウンド遊技は、大入賞口54の開放時間が、大入賞口54に規定数(フルカウント:10球)の遊技球を入球不能又は入球困難に設定されたラウンド遊技である。
また、各大当り(大当り種別)は、大当り属性として、「条件付き特定大当り」と「条件付き通常大当り」とに区分される。「条件付き特定大当り」とは、特定領域548への遊技球の入球が容易又は可能に設定され、基本的には特定領域548に遊技球が入賞することを条件に、特定大当り(確変大当り)であることが確定する大当りをいう。「条件付き」とする理由は、特定領域548への遊技球の入球が容易な大当りであっても、実際に遊技球が特定領域548に入球しなかったときは、結果的に通常大当り(非確変大当り)となる可能性があるからである。また、「条件付き通常大当り」とは、特定領域548への遊技球の入球が困難又は不可能に設定され、基本的には遊技球が特定領域548に入球しないことを条件に、通常大当り(非確変大当り)であることが確定する大当りをいう。「条件付き」とする理由は、特定領域548への遊技球の入球が困難な大当りであっても、実際に遊技球が特定領域658に入賞したときは、結果的に特定大当り(確変大当り)となる可能性があるからである。ここで、図7(a)に示すように、第1特別図柄抽選では、条件付き通常大当りの当選確率が「100%」である。また、図7(b)に示すように、第2特別図柄抽選では、条件付き特定大当りの当選確率が「100%」である。すなわち、第2特別図柄抽選で大当りが発生した場合は、その大当り種別に関わらず、常に条件付き特定大当りに当選することが確定的となる。そのため、第1特別図柄抽選で大当りが発生する場合よりも、第2特別図柄抽選で大当りが発生する場合の方が、条件付き特定大当り(確変大当り相当)に当選する可能性が高く、大当り遊技の終了後に有利な遊技状態(高確率状態)へ移行する可能性が高い。なお、変形例として、特定領域548を具備しないスペック(いわゆる「V確変機」ではないスペック)の遊技機を採用する場合は、本例における大当り属性として、「条件付き特定大当り」は「特定大当り」又は「確変大当り」に該当し、「条件付き通常大当り」は「通常大当り」又は「非確変大当り」に該当するように構成してもよい。
また、本実施形態では、上述のとおり、大当り種別として、「10R長開放大当り」、「2R長開放大当り1」、「2R長開放大当り2」、「2R短開放大当り」の4種類が設定されている。そして、大当り遊技における賞球獲得の期待値(賞球獲得期待値)は、「10R長開放大当り」>「2R長開放大当り1,2」>「2R短開放大当り」の順になっている。
また、本実施形態では、上記4種類の大当り種別のうち、いずれの大当り種別に該当する場合でも、その大当り遊技中に設定された特定ラウンドにおいて、遊技球が特定領域548に入球するか否かに基づき、該大当り遊技の終了後の遊技状態が確変遊技状態に移行するか否か振り分けられる。特定ラウンドとは、可動部材545が開閉動作し、且つ、特定領域スイッチ547が有効となる(特定領域548への遊技球の入球検知を有効として
扱う、すなわち、遊技球が特定領域548に入球することにより確変移行が決定される)ラウンドをいう。この特定ラウンドは、いずれの大当り種別に当選した場合でも、第2ラウンド目に設定されている。なお、以下では、特定ラウンド以外の他のラウンドを「通常ラウンド」とも呼称する。また、便宜上、特定ラウンドの実行中に遊技球が特定領域548に入球することを「V入賞」とも呼称する。
図8は、大当り遊技中における大入賞口54及び特定領域548の開放パターンを説明するためのタイムチャートである。本実施形態では、上記の大当り種別に応じて3種類の開放パターンが用意されている。図中には、大当り遊技中の大入賞口54および特定領域548の状態変化の様子が左から右に向かって時系列的に示されている。なお、各ラウンド間には、大入賞口54の閉鎖状態が維持されるインターバル時間(待機時間)が設けられている。図中に示す開放パターンは、各ラウンドの実行状態を概念的に表すものであり、各ラウンドの開放時間および閉鎖時間(インターバル時間を含む)の時間幅および比率は、実際の時間幅および比率と対応するものではない。すなわち、図中では、各ラウンドの経過を分かり易く表現するために、各ラウンドおよび各インターバルの時間幅を均等に記載しているが、実際には各ラウンドおよび各インターバルの時間幅は該ラウンドの開放態様等に応じて異なるものである。なお、本実施形態では、大入賞口54の開放パターンは、大当り種別に応じて異なり得るものとなっているが、特定領域548の開放パターンは、大当り種別に関わらず同一となっている。但し、その変形例としては、特定領域548の開放パターンについても、大当り種別に応じて異なるように構成してもよい。
図中(A)は、第1特別図柄抽選にて「2R長開放大当り1」又は「2R長開放大当り2」に当選した場合に大当り遊技で実行される開放パターンである。大入賞口54は、ラウンドの開始時から約2秒後に開放して、そのまま約28秒間に亘り開放状態を維持して、ラウンドの終了時に閉鎖する(各ラウンド時間は約30秒に設定される)。よって、各ラウンドにおいて大入賞口54は約28秒間開放されるため、規定数(フルカウント:10球)の遊技球を大入賞口54に入球させることが可能又は容易である。一方、特定領域548は、第2ラウンド(特定ラウンド)の開始時から約0.032秒後に開放し、そのまま約2秒間に亘り開放状態を維持した後、閉鎖する。そのため、大入賞口54に入球した遊技球が特定領域548に到達したときには、特定領域548が閉鎖されているため、遊技球が特定領域548に入球することは極めて難しく、実質的に確変移行は不可能である。
図中(B)は、第2特別図柄抽選にて「10R長開放大当り」に当選した場合に大当り遊技で実行される開放パターンである。大入賞口54は、ラウンドの開始と同時に開放して、そのまま約30秒間に亘り開放状態を維持して、ラウンドの終了時に再び閉鎖する(各ラウンド時間は約30秒に設定される)。よって、各ラウンドにおいて大入賞口54は約30秒間開放されるため、規定数(フルカウント:10球)の遊技球を大入賞口54に入球させることが可能又は容易である。一方、特定領域548は、第2ラウンド(特定ラウンド)の開始時から約0.032秒後に開放して、そのまま約2秒間に亘り開放状態を維持した後、閉鎖する。そのため、第1ラウンド目から第2ラウンド目にかけて大入賞口54を狙って遊技球を発射させていれば、大入賞口54に入球した遊技球が特定領域548に入球することは容易であり、実質的に確変移行が可能である。
図中(C)は、第2特別図柄抽選にて「2R短開放大当り」に当選した場合に大当り遊技で実行される開放パターンである。大入賞口54は、各ラウンドの開始と同時に開放して、そのまま約2秒間に亘り開放状態を維持して、ラウンドの終了時に閉鎖する(各ラウンド時間は2秒に設定される)。よって、各ラウンドにおいて大入賞口54は約2秒間しか開放されないため、規定数(フルカウント:10球)の遊技球を大入賞口54に入球させることは不可能又は困難であるが、2〜3個程度の遊技球を大入賞口54に入球させるこ
とは可能又は容易である。一方、特定領域54は、第2ラウンド(特定ラウンド)の開始時から約0.032秒後に開放して、そのまま約2秒間に亘り開放状態を維持した後、閉鎖する。そのため、第1ラウンド目から第2ラウンド目にかけて大入賞口54を狙って遊技球を発射させていれば、大入賞口54に入球した遊技球が特定領域548に入球することは容易であり、実質的に確変移行が可能である。
なお、上記の開放パターンは、遊技機のスペック等に応じて適宜変更可能である。また、特定ラウンドにおいて大入賞口54の開放動作と特定領域548の開放動作とを同期(連動)させて、大入賞口54が開放されたことを契機として特定領域548が開放され(大入賞口54が開放された時点以降で特定領域548が開放され)、大入賞口54が閉鎖されたことを契機として特定領域548が閉鎖される(大入賞口54が閉鎖された時点以降で特定領域548が閉鎖される)構成としてもよい。つまり、大入賞口54が長開放されると特定領域548も長開放され、大入賞口54が短開放されると特定領域548も短開放される仕様であってもよい。その仕様を適用した場合には、基本的には、上記の条件付き特定大当りに当選した場合には特定ラウンドにて大入賞口54および特定領域548が長開放されるラウンド遊技となり、上記の条件付き通常大当りに当選した場合には特定ラウンドにて大入賞口54および特定領域548が短開放されるラウンド遊技として構成される。また、上記の開放パターンでは、いずれの大当り種別に該当する場合であっても、特定ラウンドの実行回数が1回(第2ラウンド目のみ)であったが、特定ラウンドの実行回数は複数回設定されていてもよい。また、特定領域548の有効無効を、停止表示された特別図柄、すなわち実行される大当りの種類に応じて切り替えるようにし、例えば上記の実施形態において、第1特別図柄抽選結果である「2R長開放当り」にて特定領域548を通過した場合であっても、大当り遊技後に確変遊技状態が設定されないように制御してもよく、この場合においては、大入賞口54および特定領域548の開放パターンのタイミングをずらす等の制御をすることなく設計を可能とすることができる。
続いて、本実施形態における遊技状態について説明する。図9は、本実施形態における遊技状態および演出モードの遷移図である。本実施形態では、複数種の遊技状態として、通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態が設定されている。その遊技状態の種類として、1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」又は「確変遊技状態」と称し、2)特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能のみが作動する遊技状態を「時短状態」又は「時短遊技状態」と称し、3)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」又は「通常遊技状態」と称する。「確変遊技状態」及び「時短遊技状態」は、いずれも「通常遊技状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。なお、各遊技状態は、特別図柄の確率変動機能の作動状態(高確率状態/低確率状態)と、電チューサポート機能の作動状態(高ベース状態/低ベース状態)との組み合わせにより、(1)確変遊技状態を「高確率高ベース状態」、(2)時短遊技状態を「低確率高ベース状態」、(3)通常遊技状態を「低確率低ベース状態」と表現することもできる。
図10は、本実施形態における遊技状態設定テーブルを示す模式図である。遊技状態設定テーブルには、各大当り種別に対して、その大当り遊技の終了後に、特別図柄の確率変動機能が作動する確変作動回数(「確率変動回数」とも呼称する)と、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する時短作動回数(「変動時間短縮回数」とも呼称する)と、電チューサポート機能が作動する電サポ作動回数(「入球容易状態回数」とも呼称する)とが対応付けられている。特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合に付与される確変作動回数、時短作動回数、電サポ作動回数は、(ア)大当り種別(図柄群の種類)と、(イ)大当り当選時の遊技状態と、(ウ)大当り遊技中における特定領域548への遊技球の入球の有無とに応じて設定される。
第1特別図柄および第2特別図柄においていずれの大当り種別に当選した場合でも、大当り遊技中に遊技球を特定領域548に入球させることができれば、大当り当選時の遊技状態を問わず、確変作動回数「∞回(65535回)」、時短作動回数「∞回(65535回)」、電サポ作動回数「∞回(65535回)」が設定される。すなわち、いずれの大当り種別に当選した場合でも、大当り遊技中に遊技球を特定領域548に入球することができれば、その大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態が設定される。
また、第1特別図柄において「2R長開放大当り1」に当選した場合、大当り遊技中に遊技球を特定領域548に入球できなかったときは、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態であれば、確変作動回数「0回」、時短作動回数「0回」、電サポ作動回数「0回」が設定される一方で、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態であれば、確変作動回数「0回」、時短作動回数「100回」、電サポ作動回数「100回」が設定される。すなわち、大当り当選時の遊技状態が通常状態であれば、大当り遊技の終了後の遊技状態として通常遊技状態が再び設定され、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態であれば、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態(継続回数:100回)が設定される。
また、第1特別図柄において「2R長開放大当り2」に当選した場合、大当り遊技中に遊技球を特定領域548に入球できなかったときは、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態であれば、確変作動回数「0回」、時短作動回数「70回」、電サポ作動回数「70回」が設定される一方で、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態であれば、確変作動回数「0回」、時短作動回数「100回」、電サポ作動回数「100回」が設定される。すなわち、大当り当選時の遊技状態が通常状態であれば、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態(継続回数:70回)が設定され、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態であれば、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態(継続回数:100回)が設定される。
また、第2特別図柄において「10R長開放大当り」又は「2R短開放大当り」に当選した場合、大当り遊技中に遊技球を特定領域548に入球できなかったときは、大当り当選時の遊技状態を問わず、確変作動回数「0回」、時短作動回数「100回」、電サポ作動回数「100回」が設定される。すなわち、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合に、その大当り遊技中に遊技球を特定領域548に入球することができなければ、その大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態(継続回数:100回)が設定される。
なお、本実施形態では、上記の説明からも判るように、基本的には、通常遊技状態において第1特別図柄の当否判定にて大当りとなった場合に、大当り遊技の終了後の遊技状態が(時短遊技状態を経由せずに)確変遊技状態に直接移行する、いわゆる遊技機の設計意図に基づく直撃ルートは用意されていない。設計意図に基づかない例外としては、2R長開放大当り1,2において、V入賞した場合に確変遊技状態へ直接移行する場合である。
ここで、本実施形態では、通常遊技状態よりも遊技者に有利になる遊技状態として時短遊技状態を「有利遊技状態」とも呼称し、時短遊技状態よりも遊技者に有利になる遊技状態として確変遊技状態を「最有利遊技状態」とも呼称する。また、有利遊技状態は、第1有利遊技状態(継続回数が70回に設定された時短遊技状態)と、第2有利遊技状態(継続回数が100回に設定された時短遊技状態)とに区別される。第2有利遊技状態は、第1有利遊技状態と比べて、時短作動回数および電サポ作動回数が30回だけ多く設定されている点で、最有利遊技状態に移行する確率が高い。従って、各遊技状態は、通常遊技状態<第1有利遊技状態<第2有利遊技状態<最有利遊技状態の順に、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
本実施形態のぱちんこ遊技機は、予め設定された上限回数(「リミット回数」とも呼称する)を限度として、第1特別図柄又は第2特別図柄で大当りとなることを契機として付与される確変遊技状態の連続回数(連続発生回数)を制限するためのリミッタ機能を備えている。後述の遊技状態制御手段165は、大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態への移行権利を獲得した連続回数(確変遊技状態への移行を決定した連続回数)を計数するリミットカウンタを備えている。
リミットカウンタは、大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域548に入球する(確変遊技状態への移行が決定される)ことを契機として更新される。すなわち、本実施形態では、いずれの大当り種別に当選した場合でも、大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させることで確変移行の権利が付与されるV確変スペックを採用しているため、大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させたこと(確変移行の権利を獲得したこと)がリミットカウンタを加算するための条件となる。そのため、いずれの大当り種別に当選した場合でも、大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させることができなかった場合は、リミットカウンタがリセットされることになる(すなわち、ゼロクリアされる)。以下では、説明の便宜上、確変遊技状態への移行権利を獲得した連続回数を「確変大当り回数」とも呼称する。
本実施形態では、大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域548に入球することで確変遊技状態への移行権利を獲得した場合、リミットカウンタが上限回数に達するまでは、その大当り遊技の終了後の遊技状態を確変遊技状態に設定する(確変作動回数「∞回」、時短作動回数「∞回」、電サポ作動回数「∞回」を設定する)。一方、大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域548に入球することで確変遊技状態への移行権利を獲得したとしても、リミットカウンタが上限回数に到達した場合は、その大当り遊技の終了後の遊技状態を強制的に時短遊技状態に設定する(確変作動回数「0回」、時短作動回数「100回」、電サポ作動回数「100回」を設定する)。なお、本実施形態において、上限回数(リミット回数)は、「5回」に設定されている。以降では、リミットカウンタが上限回数に到達することを「リミット機能が作動する」と言い換えることがある。本実施形態では、このように、1の特別図柄で実行されることとなる大当り遊技において、V入賞の有無で異なる遊技状態に設定可能とする遊技機(停止表示された特別図柄とV入賞の2条件で判断する機種)であるため、V入賞に寄らず停止表示された特別図柄に基づき確変遊技状態を作動させる特別図柄と遊技状態が1対1対応の機種と異なり、確変遊技状態の作動条件となるV入賞フラグに基づく遊技状態設定のみを終了させることとなり、V入賞しなかった場合の特別図柄に対応した遊技状態(第2有利遊技状態)をリミット機能が作動した際に実行可能としている。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、図11〜図13に示すように、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態に基づき、複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。この変動パターン選択状態と、変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。
ここで、変動パターン選択状態について説明する。変動パターン選択状態とは、変動パターン(変動パターンテーブル)を選択する際に参照される選択条件の一つである。本例では、複数種の変動パターン選択状態として、通常選択状態、時短選択状態、確変選択状態が設定されている。通常選択状態は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能のいずれも作動していない遊技状態(通常遊技状態)において設定される変動パターン選択状態である。時短選択状態は、特別図柄の確率変動機能は作動しないが、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動している遊技状態(時短遊技状態)において設定される変動パターン選択状態である。確変選択状態は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能の全てが作動している遊技状態(確変遊技状態)において設定される変動パターン選択状態である。なお、図示等は省略しているが、大当りや小当りの実行から起算して所定の期間(例えば大当り後の1〜4変動や、時短終了となる70変動目、100変動目)のみに限定的に参照される特殊変動パターンテーブルを参照可能としてもよい。このような特殊変動パターンテーブルは、実行される当りの種類(大当りや小当りを開始することとなった特別図柄の停止表示図柄)やV入賞有無等の条件に基づいて設定され、この特殊変動パターンテーブルの参照状態を限定頻度状態と称する。
図11〜図13に図示する各変動パターンテーブルは、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで参照する欄が相違しており、同一の特別図柄変動パターン乱数値を取得したとしても、互いに異なる変動パターンが選択され得るようになっている。ここで、各図に記載されている作動保留球の個数(「保留0個」、「保留1〜2個」、「保留3個」)は、第1特別図柄の変動パターン抽選であれば、第1特別図柄の作動保留球数(保留消化後の作動保留球の個数)を意味し、第2特別図柄の変動パターン抽選であれば、第2特別図柄の作動保留球数(保留消化後の作動保留球の個数)を意味する。この作動保留球の個数は、変動パターンの抽選時(当該変動表示の開始時/保留消化後)に存在する作動保留球の個数である(当該変動表示により消化された作動保留球は含まない)。なお、その変形例としては、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の合算値を使用してもよい。また、限定頻度状態においては、第1特別図柄、第2特別図柄に関係なく、共通のテーブルを使用して変動パターン抽選を行うものであって良い。
ここで、特別図柄の変動表示と連動して行われる装飾図柄の変動演出は、特別図柄の変動パターンの種別(変動時間)などに基づき決定される。図11〜図13には、参考として、各変動パターンに対応して設定される変動演出の内容も記載している。図中、「超短縮変動」、「短縮変動」、「通常変動」は、3列の装飾図柄が変動して、一度もリーチ状態を経由せずに、いわゆるバラケ目で「はずれ」となる演出である。以下では、超短縮変動、短縮変動及び通常変動をまとめて「非リーチはずれ」とも称する。この非リーチはずれでは、通常変動よりも短縮変動、短縮変動よりも超短縮変動の方が短い時間で変動表示が停止する点で相互に変動態様が異なる。「Nリーチ(Nリーチ演出)」は、3列ある装飾図柄のうち2列(一般的には左列及び右列)に同一の装飾図柄が停止した状態(リーチ状態)で、残り1列(一般的には中列)に異なる装飾図柄が停止したならば「はずれ」となり、残り1列(一般的には中列)に同一の装飾図柄が停止したならば「大当り」となる演出である。「SPリーチ(SPリーチ演出)」は、上記のNリーチよりも相対的に大当り期待度の高いリーチ演出であり、Nリーチから発展して、例えばアニメや実写等の静止画・動画などが表示される演出である。なお、「SPリーチ煽り」は、リーチが成立するか否かを煽る演出である。本例における変動パターンの種別では、非リーチ<Nリーチ<SPリーチの順に、大当り期待度が高くなるように設定されている。なお、以下では、説明の便宜上、特段の場合を除き「小当り」に関する記載を省略する。
(変動パターンテーブル1)
図11は、変動パターンテーブル1を示す模式図である。変動パターンテーブル1は、現在滞在中の変動パターン選択状態が通常選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル1は、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。
はずれ用の変動パターンテーブル1には、変動パターンPH1−1(超短縮変動)、PH1−2(短縮変動)、PH1−3(通常変動)、PH1−4(Nリーチ)、PH1−5(SPリーチA(失敗))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、変動パターンPH1−1(超短縮変動)、PH1−2(短縮変動)、PH1−3(通常変動)、PH1−4(Nリーチ)、PH1−5(SPリーチA(失敗))のうちのいずれかが選択される。このとき、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に応じて参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、特別図柄変動パターン乱数値が同じであっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、作動保留球数が多いほど変動時間が相対的に短く設定された変動パターン(超短縮変動又は短縮変動)が選択されやすく、作動保留球数が少ないほど変動時間が相対的に長く設定された変動パターン(通常変動又はNリーチ)が選択されやすくなっている。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、変動パターンPH1−2(短縮変動)が選択される。つまり、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合と異なり、作動保留球数に依存せず、変動パターンが固定となる(変動時間が相対的に短く設定された短縮変動のみが選択される)。
大当り用の変動パターンテーブル1には、変動パターンPA1−1(Nリーチ)、PA1−2(SPリーチA(勝利))、PA1−3(SPリーチA(敗北))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別が2R長開放大当り1であれば、変動パターンPA1−2(SPリーチA(勝利))が選択され、大当り種別が2R長開放大当り2であれば、変動パターンPA1−3(SPリーチA(敗北))が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存せず、変動パターンPA1−1(Nリーチ)が選択される。
ここで、「SPリーチA(勝利)」、「SPリーチA(敗北)」、「SPリーチ(失敗)」は、いずれも味方キャラクタが敵キャラクタと対戦して勝敗を決するバトル演出の前半部分が展開されるリーチ演出である。このバトル演出の前半部分は、味方キャラクタと敵キャラクタとが出会うことでSPリーチに発展して、その後、味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦する演出内容となっている。一方、バトル演出の後半部分は、大当り遊技中に実行される大当り中演出として構成されており、味方キャラクタと敵キャラクタとの対戦の勝敗が決する演出内容となっている。そのため、バトル演出の前半部分の終了時(変動表示の終了時)に、該バトル演出の継続が成功してバトル演出の後半部分に発展すると「大当り」が確定し、該バトル演出の継続が失敗してバトル演出の後半部分に発展しないと「はずれ」が確定する。このようにバトル演出は、図柄の変動表示中に実行される前半部分(大当り変動演出)と、大当り遊技中に実行される後半部分(大当り中演出)とが連続的に繋がって構成されている。具体的には、図柄の変動演出と大当り中演出とが連続的且つ一体性のある特殊連続演出として実行され、図柄の変動表示からその大当り遊技までに亘る演出において一貫したストーリー性のある演出内容を表示することで、全体を通して一つのリーチ演出(バトル演出)として擬似的に見せるものである。ここで、「SPリーチA(勝利)」が選択されると、バトル演出が後半部分に発展して(バトル演出が継続して)、最終的に味方キャラクタが勝利する。「SPリーチA(敗北)」が選択されると、バトル演出が後半部分に発展して(バトル演出が継続して)、最終的に味方キャラクタが敗北する。従って、このバトル演出では、味方キャラクタが勝利すると「2R長開放大当り1(時短有り大当り)」が確定し、味方キャラクタが敗北すると「2R長開放大当
り2(時短無し大当り)」が確定する。一方、「SPリーチA(失敗)」が選択されると、バトル演出が後半部分へ発展せず、バトル演出が前半部分で終了することで「はずれ」が確定する。以下では、説明の便宜上、バトル演出の前半部分を「バトル前半演出」とも呼称し、バトル演出の後半部分を「バトル後半演出」とも呼称する。なお、本実施形態におけるバトル演出の具体的な演出例については後述する。
(変動パターンテーブル2)
図12は、変動パターンテーブル2を示す模式図である。変動パターンテーブル2は、現在滞在中の変動パターン選択状態が時短選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル2は、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。
はずれ用の変動パターンテーブル2には、変動パターンPH2−1(超短縮変動)、PH2−2(通常変動)、PH2−3(Nリーチ)、PH2−4(SPリーチ煽り)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH2−2(通常変動)、PH2−3(Nリーチ)のうちのいずれかが選択される。すなわち、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数が何個存在していたとしても、変動パターンPH1−1(超短縮変動)が選択されることはない。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、変動パターンPH2−1(超短縮変動)、PH2−2(通常変動)、PH2−3(Nリーチ)、PH2−4(SPリーチ煽り)のうちのいずれかが選択される。このとき、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に応じて(詳しくは作動保留球の有無に応じて)参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、特別図柄変動パターン乱数値が同じであっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、作動保留球が存在していない場合は変動パターンPH2−1(超短縮)が選択されることはなく、作動保留球が存在している場合にのみ変動パターンPH2−1(超短縮変動)が選択され得るため、作動保留球が存在していない場合よりも、作動保留球が存在している場合の方が、相対的に変動時間の短い変動パターンが選択されやすくなる傾向となる。
大当り用の変動パターンテーブル2には、変動パターンPA2−1(Nリーチ)、変動パターンPA2−2(SPリーチB(成功))、PA2−3(SPリーチB(失敗))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存せず、変動パターンPA2−1(Nリーチ)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別が10R長開放大当りであれば、変動パターンPA2−2(SPリーチB(成功))、大当り種別が2R短開放大当りであれば、変動パターンPA2−3(SPリーチB(失敗))が選択される。
ここで、「SPリーチB(成功)」、「SPリーチB(失敗)」は、いずれも当否判定の結果を大当りとするための擬似的な条件として、その演出結果が特定の態様を呈すべきことを内容とする指令を遊技者に提示するミッション演出である。このミッション演出では、所定の指令を達成できればミッション成功(10R長開放大当り)となり、所定の指令を達成できなければミッション失敗(2R短開放大当り)となる演出である。本実施形態では、詳細後述するが、時短遊技状態において設定される演出モードとして、修行モード、放浪モードを備えており、現在滞在する演出モードに応じたミッション(指令)が発動される。例えば、修行モードにおいては、師匠が命じる修行に成功すればミッション成功、師匠が命じる修行に失敗すればミッション失敗となる。また、放浪モードにおいては、放浪の途中で新たな敵を発見できればミッション成功となり、新たな敵を発見できなければミッション失敗となる。なお、第2特別図柄の変動パターンの変形例として、超短縮変動(3秒)の変動パターンPH2−1の他に、超短縮変動(3秒)×N回の変動時間(
例えばN=4の場合には、3×4=12秒)に設計された変動パターンを用意してもよい。つまり、この変動パターンは、実際には1回の変動表示でありながら、演出表示装置70において擬似的にN回の装飾図柄の変動表示を行うことで、あたかもN回の超短縮変動が実行されたかのように見せるものである。その際、演出表示装置70において、時短遊技状態の残り変動回数を非表示としたり、実際の1変動および擬似的な装飾図柄の1変動で演出表示装置70に表示される演出上の残りの変動回数を減算するものとして、時短遊技状態の継続期間である70回の変動表示において、現在何回転目の変動表示が行われているのかを遊技者に分かり難くすることができる。
(変動パターンテーブル3)
図13は、変動パターンテーブル3を示す模式図である。変動パターンテーブル2は、現在滞在中の変動パターン選択状態が確変選択状態である場合に設定される変動パターンテーブルである。変動パターンテーブル3は、当否判定の結果(大当り/はずれ)に応じて異なるテーブルとなっている。
はずれ用の変動パターンテーブル3には、変動パターンPH3−1(超短縮変動)、PH3−2(通常変動)、PH3−3(SPリーチ煽り)が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に依存することなく、変動パターンPH3−2(通常変動)又はPH3−3(SPリーチ煽り)が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、変動パターンPH3−1(超短縮変動)、PH3−3(SPリーチ煽り)のうちのいずれかが選択される。このとき、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれである場合は、作動保留球数に応じて(詳しくは作動保留球が存在するか否かに応じて)参照先のテーブル内容が異なるように設定されており、特別図柄変動パターン乱数値が同じであっても、異なる変動パターンが選択され得るようになっている。具体的には、作動保留球が存在していない場合は、変動パターンPH3−1(超短縮変動)が選択されることはなく、作動保留球が存在している場合にのみ、変動パターンPH3−1(超短縮)が選択され得る。そのため、作動保留球が存在していない場合よりも、作動保留球が存在している場合の方が、相対的に変動時間の短い変動パターンが選択される傾向となる。
大当り用の変動パターンテーブル3には、変動パターンPA3−1(SPリーチC(逃亡))、PA3−2(SPリーチC(勝利))、PA3−3(SPリーチC(敗北))が設定されている。ここで、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、その大当り種別に依存せず、変動パターンPA3−1(SPリーチC(逃亡))が選択される。一方、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りである場合は、大当り種別が10R長開放大当りであれば、変動パターンPA3−2(SPリーチC(勝利))が選択され、大当り種別が2R短開放大当りであれば、変動パターンPA3−3(SPリーチC(敗北))が選択される。
ここで、「SPリーチC(逃亡)」、「SPリーチC(勝利)」、「SPリーチ(敗北)」は、いずれも味方キャラクタが敵キャラクタと対戦して勝敗を決するバトル演出が展開されるリーチ演出である。「SPリーチC(逃亡)」は、味方キャラクタが敵キャラクタと闘わずに逃亡することで「2R長開放大当り1」又は「2R長開放大当り2」に当選したことが確定する。「SPリーチC(勝利)」は、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利することで「10R長開放大当り」に当選したことが確定する。「SPリーチC(敗北)」は、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北することで「2R短開放大当り」に当選したことが確定する。
このように変動パターンテーブル1〜3では、各変動パターンに対して特別図柄の変動時間が設定されているが、いずれの変動パターンが選択された場合でも、特別図柄の確定
停止時間は「0.5秒」が設定されている。なお、特別図柄の確定停止時間とは、特別図柄が確定的に停止表示される時間(完全に停止された状態が保持される時間)である。なお、このような特別図柄の変動時間及び確定停止時間に対応して、装飾図柄の変動時間及び確定停止時間も設定されている。
また、特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、演出制御基板200との通信が正常に行われているか否かを確認するための演出制御コマンド(通信検査コマンド)、変動付加情報(変動時間を加減算するための情報)を含む演出制御コマンド(変動付加情報指定コマンド)、変動パターン情報を含む演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)、キャラクタ演出番号(図柄群および遊技状態)の情報を含む演出制御コマンド(図柄指定コマンド)等を生成して(以降、これらのコマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148と、を有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグに一時記憶され、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持しており、普通図柄の確率変動機能が作動していない状態(非入球容易状態)においては例えば「160/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照し、普通図柄の確率変動機能が作動している状態(入球容易状態)においては、例えば「282/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照して、普通図柄の当否抽選を実行する。
普通図柄停止図柄判定手段147は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を割り当てる一方、はずれである場合には所定のはずれ図柄を割り当てるようになっている。
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、普通図柄の変動時間短縮機能が作動していない状態(非入球容易状態)においては、相対的に長い変動時間を選択する(例えば「4秒・5秒・6秒・7秒・8秒・9秒・10秒」の7種類をそれぞれ均一的に選択する)。一方、普通図柄の変動時間短縮機能が作動している状態(入球容易状態)においては、相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。なお、普通図柄遊技の制御においては、主制御基板100のメインCPU101の処理負荷軽減のため、非電チューサポート状態においては、普通図柄抽選の当選確率を「0」としたり、普通図柄の変動時間を単一のものとする仕様を採用することも考えられる。
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された大当り図柄に応じて、大当り開始デモおよび大当り終了デモに係るデモ時間を決定する。また、特別遊技制御手段150は、演出制御基板200側に対して、大当り開始デモ演出の実
行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、大当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板200側において、大当り遊技中に展開される一連の大当り演出(大当り開始デモ演出、ラウンド演出、大当り終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。また、特別遊技制御手段150は、大当り遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、現在のラウンド数の情報および大入賞口54の開放や閉鎖の情報などが含まれる。なお、上記デモ時間に関しては、大当り図柄のみではなく、大当り発生時の遊技状態によって同一の大当り図柄であっても大当り開始デモや大当り終了デモに係るデモ時間を異ならせてもよい。
また、特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置70等に表示される小当り開始デモおよび小当り終了デモに係るデモ時間を決定する。また、特別遊技制御手段150は、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156、普通図柄表示制御手段157、を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置71および第2特別図柄表示装置72の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置75に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置75の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステイタスに基づき監視される。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、大当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド543に制御信号を出力し、特別電動役物542を所定の作動パターンに従って開放させる。大当り遊技は、特別電動役物542の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技(単位遊技)とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、2R,10R)だけ連続して実行するものである。電動役物制御手段160は、特別電動役物542の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り種別が2R長開放大当り1(図柄群A)、2R長開放大当り2(図柄群B)である場合は、1回のラウンド遊技において大入賞口54を最大で約28秒間開放させる。また、大当り種別が10R長開放大当り(図柄群C)である場合は、1回のラウンド遊技において大入賞口54
を最大で約30秒間開放させる。他方、大当り種別が2R短開放大当り(図柄群D)である場合は、1回のラウンド遊技において大入賞口54を最大で約2秒間開放させる。ここで、大当り遊技における大入賞口54の閉鎖条件(単位遊技の終了条件)とは、規定カウント数の遊技球の入球又は規定秒数の開放可能期間の経過である。
また、電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド543に制御信号を出力し、特別電動役物542を短時間(約1.8秒)だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される点で、複数回のラウンド遊技で構成される大当り遊技とは区別される。
また、電動役物制御手段160は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド523に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物522を開放させる。ここで、電動役物制御手段160は、開放延長機能が作動していない状態(非入球容易状態)においては、普通電動役物522を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、開放延長機能が作動している状態(入球容易状態)においては、普通電動役物522を相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
遊技状態制御手段165は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合、上記の遊技状態設定テーブルを参照して、(ア)当該大当りに係る図柄の種類と、(イ)大当り当選時の遊技状態と、(ウ)大当り遊技中の特定領域548への遊技球の入球の有無とに基づき、大当り遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、大当り遊技の終了後の遊技状態を切り替える。本実施形態では、前述したように、複数種の遊技状態として、通常遊技状態(低確率低ベース状態)、時短遊技状態(低確率低ベース状態)、確変遊技状態(高確率高ベース状態)が設定されており、上記の遊技状態設定テーブルを参照して、複数種の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定される。なお、遊技状態設定テーブルについては既述したので、ここでは重複説明を省略する。ここで、上記のように、大当り発生は遊技状態の移行契機となり得るが、小当り発生は遊技状態の移行契機とはならない。すなわち、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなる場合、その遊技状態の終了条件となる変動(例えば時短遊技状態の70変動目、100変動目など)を除いて、当該小当り前の遊技状態が通常遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も通常遊技状態となり、当該小当り前の遊技状態が時短遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も時短遊技状態となり、当該小当り前の遊技状態が確変遊技状態であれば、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も確変遊技状態となる。
遊技状態制御手段165は、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が実行された場合に、当該大当りないし小当りの図柄種別に基づき、特別遊技の終了後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技の終了後の変動パターン選択状態を切り替える。本実施形態では、複数種の変動パターン選択状態として、通常選択状態、時短選択状態、確変選択状態、限定頻度状態が設定されており、前記決定された遊技状態に応じて、複数種の変動パターン選択状態のうちのいずれかが択一的に設定される。なお、変動パターン選択状態については既述したので、ここでは重複説明を省略する。
遊技状態制御手段165は、現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態であ
る場合には、演出制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図4等では記載を省略しているが、扉開放スイッチはガラス枠5が開放されているか否かの検出手段であり、枠開放スイッチは前枠2が開放されているか否かの検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤30が開放されているか否かの検出手段である。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆる不正遊技行為を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段180は、特別図柄遊技および普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄および普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、リミットカウンタの計数情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(大当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄および変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置71,72の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物542の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEとEVENTを区別するために、MODEデータのBit7は「1」、EVENTデータのBit7は「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEおよびEVENTの各々の送信タイミングでストローブ信号が出力される。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
演出制御基板200は、図5に示すように、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ制御手段230、役物制御手段240、エラー演出制御手段250、サブメイン情報記憶手段260、コマンド送受信手段270、を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配されたサブメインCPU201、ROM202、RAM203、電子回路等のハードウェア及びROM202に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段210は、サブメインCPU201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み演出の抽選に使用する先読み抽選乱数、装飾図柄の停止図柄の抽選に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの抽選に使用する変動演出パターン乱数、予告演出の抽選に使用する予告抽選乱数、大当り演出パターンの抽選に使用する大当り演出パターン乱数、演出ステージの移行抽選に使用するステージ抽選乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合(主制御基板100から演出制御コマンドを受信しなかった場合)の残余時間を利用して更新する。
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、変動演出制御手段224、装飾図柄制御手段225、予告演出制御手段226、大当り演出制御手段227を含む。
演出モード制御手段221は、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドに基づき、主制御基板100側で管理される遊技状態および変動パターン選択状態との整合性をとるかたちで、演出モード(「遊技演出モード」とも称する)を制御する。本実施形態では、図9に示すように、複数種の演出モードとして、通常演出モード、時短演出モード、確変演出モード、引き戻し演出モードが設定されており、主制御基板100側において管理される遊技状態(又は変動パターン選択状態)に応じて、複数種の演出モードのうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。
基本的には、遊技状態が通常遊技状態であるときは「通常演出モード」が設定され、遊技状態が時短遊技状態であるときは「時短演出モード」が設定され、遊技状態が確変遊技状態であるときは「確変演出モード」が設定される。但し、リミット機能が作動することで確変遊技状態が終了したことに基づき時短遊技状態へ移行するときは、この時短遊技状態へ移行した直後の限定回数(100回)の変動表示においては「引き戻し演出モード」が設定され、その限定回数(100回)の変動表示を終えたときに「通常演出モード」が設定される。すなわち、遊技状態が通常遊技状態から時短遊技状態へ移行するときは、演出モードが「通常演出モード」から「時短演出モード」へ移行する一方で、遊技状態が確変遊技状態から時短遊技状態へ移行するときは、演出モードが「確変演出モード」から「引き戻し演出モード」へ移行する。そして、いずれかの演出モードが設定されると、当該演出モードに滞在中であることを示唆する演出(変動演出)として、画面上において当該演出モード専用の背景画像(装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、また、当該演出モード専用のBGMがスピーカ11から出力される。このように背景画像およびBGMは演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像又はBGMの種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、このコマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、対応するカウンタの値を更新(加算)する。一方、保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの変動開始コマンドを受信すると、すなわち、作動保留球が消化されると、対応するカウンタの値を更新(減算)する。また、保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置70の保留画像表示部710に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。また、保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球(最先の作動保留球)が消化されることで、この作動保留球に対応する保留画像に切り替わって表示される変動中画像を表示する制御を行う。本実施形態では、明示的に言及しない限り、第1特別図柄の保留画像と第2特別図柄の保留画像とを区別せずに単に「保留画像」と称し、第1特別図柄の変動中画像と第2特別図柄の変動中画像とを区別せずに単に「変動中画像」と称する場合がある。
先読み予告制御手段223は、先読み予告演出の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み抽選」と称する)を実行する。先読み予告演出は、先読み対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出(例えばリーチ演出)発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。このとき、先読み抽選は、主制御基板100からの事前判定コマンドに含まれる事前判定結果の情報に基づき行われる。ここで、先読み予告制御手段223は、主制御基板100からの事前判定コマンドを受信すると、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第
2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口51,52への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。事前判定結果の情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の事前判定結果の情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された事前判定結果の情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
ここで、図14を参照しながら、保留画像および変動中画像について説明する。図14は、保留画像および変動中画像の説明に供する模式図である。上記の保留画像表示部710には、保留画像を表示するための保留画像表示領域711と、変動中画像を表示するための変動中画像表示領域712とが割り当てられている。保留画像表示領域711には、特別図柄の作動保留球が生起されると対応する保留画像が表示される一方、特別図柄の作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される(変動中画像に切り替わる)。保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、第1特別図柄の作動保留球に対応する保留画像が最大で4個、第2特別図柄の作動保留球に対応する保留画像が最大で4個、それぞれ表示可能である。具体的には、保留画像表示領域711は、特別図柄の作動保留球に対応する保留画像を表示可能な8個の表示領域(第1表示領域X1〜第8表示領域X8)を有している。第1表示領域X1は保留1個目(保留1)の保留画像に対応し、第2表示領域X2は保留2個目(保留2)の保留画像に対応し、第3表示領域X3は保留3個目(保留3)の保留画像に対応し、第4表示領域X4は保留4個目(保留4)の保留画像に対応し、第5表示領域X5は保留5個目(保留5)の保留画像に対応し、第6表示領域X6は保留6個目(保留6)の保留画像に対応し、第7表示領域X7は保留7個目(保留7)の保留画像に対応し、第8表示領域X8は保留8個目(保留8)の保留画像に対応する。なお、図中には、便宜上、第1特別図柄の保留画像と第2特別図柄の保留画像とを区別せず、白丸印で表現しているが、実際には、第1特別図柄の保留画像と第2特別図柄の保留画像とを互いに識別可能な表示形態を採用することが好適である。
ここで、第1表示領域X1に表示された最先の保留画像が消化されると、この保留画像が変動中画像表示領域712に移動して当該変動表示に対応した変動中画像として表示される(当該変動表示の開始時から停止時まで表示される)。具体的に、特別図柄の作動保留球が生起される毎に、第1表示領域X1から順に1個ずつ保留画像(保留1、保留2、保留3…の保留画像)が追加表示され、また、特別図柄の作動保留球が消化される毎に、変動中画像表示領域に表示された変動中画像が消失されるとともに、保留画像表示領域に表示された保留画像(保留1、保留2、保留3…の保留画像)が1個ずつ左側(変動中画像表示領域712側)へ向かって移動して、第1表示領域X1に表示されていた保留画像が変動中画像に切り替わって変動中画像表示領域712に表示される。なお、図中には、便宜上、保留画像と変動中画像とを区別せず、白丸印で表現しているが、実際には、保留画像と変動中画像とを互いに識別可能な表示形態を採用することが好適である。ここで、本実施形態においては、通常遊技状態においては第1特別図柄が遊技の主体であり、時短遊技状態および確変遊技状態では第2特別図柄が遊技の主体であるため、保留表示としては、必ずしも8個の保留画像(保留表示領域)を表示するものでなく、各遊技状態で遊技
の主体となっている特別図柄の保留の最大4つまでの表示を行うものであってもよい。
ここで、保留変化先読み演出が実行されると、上記の事前判定の結果に基づき、保留画像表示部710に表示される保留画像および変動中画像のうち、先読み抽選の対象となった保留画像および変動中画像の表示態様を、通常表示態様から特殊表示態様に変化させる演出が表示される。本実施形態では、保留画像および消化時画像の表示態様(表示色)として、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」の5種類を用意している。そのうち、「白色」が通常表示態様であり、「青色」、「緑色」「赤色」、「虹色」が特殊表示態様である。上記5種類の表示態様は、当否判定の結果が大当りとなる期待度(大当り期待度)と関係しており、「白色」<「青色」<「緑色」<「赤色」<「虹色」の順に1段階ずつ大当り期待度が高くなるように設定されている。つまり、当否抽選の結果が「はずれ」となる場合よりも「大当り」となる場合の方が、大当り期待度の高い表示態様の保留画像又は変動中画像が高確率で選択されるようになっている。なお、「虹色」の保留画像又は変動中画像は、大当り当選が確定となるプレミア的な保留画像又は変動中画像を意味する。そのため、「虹色」の保留画像又は変動中画像が出現した場合や、「虹色」の保留画像又は変動中画像に変化した場合には、該保留画像又は該変動中画像に対応する変動表示にて大当り当選することが確約される。なお、図面上では、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」の5種類の表示態様を、その保留画像内又は変動中画像内に上記色彩の名称を付記することで表現する。つまり、図面上では、「白」の文字を付して白色の保留画像又は変動中画像を表現し、「青」の文字を付して青色の保留画像又は変動中画像を表現し、「緑」の文字を付して緑色の保留画像又は変動中画像を表現し、「赤」の文字を付して赤色の保留画像又は変動中画像を表現し、「虹」の文字を付して虹色の保留画像又は変動中画像を表現する。
変動演出制御手段224は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、変動付加情報など)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを抽選により決定する。変動演出制御手段224は、変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルが選択されるようになっている。ここで、主制御基板100側では特別図柄のメイン変動パターン(例えば「SPリーチA」や「SPリーチB」など)が定まるのに対して、演出制御基板200側では当該メイン変動パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した装飾図柄のサブ変動パターン(例えば「SPリーチA1,A2…」や「SPリーチA2,A3…」など)が定まる。装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。また、この装飾図柄の変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、滞在中の演出モードを異にすれば、互いに演出内容の異なる変動演出パターンが選択され得ることになる。すなわち、変動演出パターンテーブルは、滞在中の演出モードごとに用意される(図示の例では、便宜上、演出モードに依存しない共通の変動演出パターンテーブルのみを用意している)。
装飾図柄制御手段225は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(停止図柄情報、遊技状態情報)と、変動演出制御手段224により決定された上記の変動演出パターンとに基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を抽選により決定する。詳細は後述するが、本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成されており、この装飾図柄は例えば数字等からなる識別要素により形成される。また、装飾図柄制御手段225は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止
図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「小当りを示す停止図柄(小当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、小当り図柄や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。また、抽選結果が非リーチはずれである場合には、いわゆる「チャンス目」と称される特定の出目が選択されることがある。更には、擬似連続演出(いわゆる疑似連)などで、最終的な停止図柄を確定表示する前に仮停止表示させる演出を行う場合には、その仮停止図柄が選択される。チャンス目や仮停止図柄を表示させる場合は、数字の装飾図柄に対して「CHANCE」や「NEXT」などの文字を表示する特殊装飾図柄に、三図柄のうち少なくとも一の停止図柄を差し替えて表示させる場合がある。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、次述の変動演出パターン毎に予め定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間が極短く設定された短縮変動の変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特殊の変動演出パターンである場合には、右図柄→中図柄→左図柄の順に停止させることもでき、この場合は大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。
予告演出制御手段226は、変動演出制御手段224によて決定された変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを抽選により決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターン等が含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動表示過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り期待度は高くなっている。予告演出制御手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告抽選テーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告抽選テーブルを選択するようになっている。なお、具体的な予告演出の種類としては、例えば、コメント予告演出、背景予告演出、SU(ステップアップ)予告演出、ロゴ予告演出、ミニキャラ予告演出、群予告演出、役物予告演出などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置70での装飾図柄の変動表示に、1又は複数の予告演出の表示を合成することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
大当り演出制御手段227は、大当り遊技中であることを報知する大当り演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り演出は、大当り遊技の開始を報知する開始デモ
演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、大当り遊技の終了を報知する終了デモ演出とを含む。大当り演出決定手段227は、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信した場合、サブメイン情報記憶手段260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り種別に応じて、大当り開始デモ演出時間とラウンド演出時間(大入賞口54の開放パターンに応じた演出時間)と大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。また、大当り演出決定手段227は、大当り演出パターンに従って、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として終了デモ演出を実行する。大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」の文字が表示されて、大当り遊技の開始が告げられる。また、ラウンド演出では、例えば画面上に現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、大当り遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。そして、大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」の文字が表示されて、大当り遊技の終了が告げられる。
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像および音響に関する画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプの点灯や発光色等を制御する。ランプ制御手段230は、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ80)を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板91へ送信する。
役物制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各可動役物24の駆動を制御する。役物制御手段240は、可動役物24を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。
エラー演出制御手段250は、主制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
サブメイン情報記憶手段260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド、ACKコマンドをそれぞれ格納可能である。
コマンド送受信手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、この演出制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。コマンド送受信手段270は、主制御基板100からの前述のストローブ信号の入力に基づき割込みを発生させて演出制御コマンドの受信割
込み処理(詳細後述)を実行し、この割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得するようになっている。なお、コマンド送受信手段270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理(後述する優先レベル7未満の割込み処理)よりも優先的に行うようになっている。
また、コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示すべく、サブメイン情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドをシリアル通信方式にて画像制御基板300へ送信する。画像制御コマンドは、原則として、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本例では500μs)毎に送信される。これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させるかたちで予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをサブメイン情報記憶手段260のACKコマンドバッファに格納するようになっている。
[各種の演出]
かかる構成のぱちんこ遊技機PMでは、前述したように、遊技の進行状況等に応じて、各種の遊技演出が演出制御基板200により制御されて実行されるように構成されている。以下では、各種の遊技演出のうち、各演出モードにおける主たる演出内容について説明する。本実施形態では、複数種の演出モードとして、通常演出モード、時短演出モード、確変演出モード、引き戻し演出モードが用意されており、各演出モードに応じた遊技演出が実行されるように構成されている。以下では、便宜上、特別図柄の作動保留球において、当否判定(又は事前判定)の結果が大当りとなる作動保留球を「大当り保留」、当否判定(又は事前判定)の結果がはずれとなる作動保留球を「はずれ保留」、当否判定(又は事前判定結果)の結果が小当りとなる作動保留球を「小当り保留」とも呼称る。また、先読み予告演出の実行契機(先読み予告抽選の対象)となる作動保留球を「トリガ保留」とも呼称する。
<通常演出モード>
通常演出モードでは、第1始動口51を狙った左打ちの遊技性となり、主として第1特別図柄の変動表示が行われる。この通常演出モードは、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦するバトルモードとして構成されている。すなわち、演出モードが通常演出モードである場合に、第1特別図柄の変動表示においてSPリーチに発展すると、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦して勝敗を決するバトル演出(「第1バトル演出」と呼称する)が実行される。この第1バトル演出は、通常演出モード(通常遊技状態)が左打ちにより遊技球を第1始動口51に入球させて第1特別図柄の変動表示を行う遊技性であることから、主に第1特別図柄の変動表示を対象に行われる。
図15は、第1バトル演出の流れを説明するためのタイムチャートである。図中(A)は「2R長開放大当り1(時短有り大当り)」に該当する場合、図中(B)は「2R長開放大当り2(時短無し大当り)」に該当する場合、図中(C)は「はずれ」に該当する場合である。この第1バトル演出は、図柄の変動表示と大当り遊技とを連続性のある一連の演出にて繋げて、図柄の変動表示中に発展したSPリーチ演出(バトルリーチ演出)が大当り遊技の終了時まで継続して、あたかも大当り中演出(大当り遊技の実行中)をSPリーチ演出の後半部分として擬似的に見せる演出である。
上記の第1バトル演出は、前述したように、第1特別図柄の変動表示中に実行されるバ
トル前半演出と、大当り遊技中に実行されるバトル後半演出とから構成されている。バトル前半演出は、当該変動表示中にSPリーチに発展したときに開始され、当該変動表示が停止したときに終了する。このバトル前半演出が終了した後、バトル後半演出に発展すると、その時点で大当りが確定的となる。つまり、当否判定の結果が大当り、ばずれに関係なくバトル前半演出は実行され得る(変動パターン「SPリーチA(失敗)」、「SPリーチA(勝利)」、「SPリーチA(敗北)」)が、当否判定の結果が大当りである場合にのみバトル後半演出に発展する(変動パターン「SPリーチA(勝利)」、「SPリーチA(敗北)」)。バトル後半演出は、大当り遊技中(大当り開始デモ、ラウンド遊技、大当り終了デモ)に行われる。そして、バトル後半演出の演出結果(バトルの勝敗)に応じて、第1特別図柄の大当りの種類(時短の有無)が遊技者に対して示唆又は報知される。具体的には、第1バトル演出の演出結果が勝利となると、今回の大当りが「時短有り大当り(2R長開放大当り)」であることが確定し、基本的には、その大当り遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に移行する。一方、第1バトル演出の演出結果が敗北となると、今回の大当りが「時短無し大当り(2R長開放大当り2)」であることが確定し、基本的には、その大当り遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に移行する。つまり、第1バトル演出は、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合に、その大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態(時短演出モード)へ突入するか否か、すなわち、後述の第1の関門を突破できるか否かを、バトル後半演出の演出結果(バトルの勝敗)に応じて示唆又は報知するものである。なお、バトル後半に発展することとなる変動パターンが2種類存在している(「SPリーチA(勝利)、(敗北)」)が、これは実行される大当りの種類が時短有となるか否かを示唆することとなる特別図柄の変動中のリーチ発展前またはバトル前半の予告演出において実行可能なものを演出統括手段220において選択してよいか否かを変動パターン抽選の結果によって切り分けるためである。
本実施形態では、バトル後半演出(大当り中演出)について、複数種の演出パターンが用意されており、この演出パターンの内容に応じてバトル演出の結果が勝利となる期待度(時短有り大当り当選の期待度)が示唆又は報知される。以下では、上記のバトル後半演出(大当り中演出)として、演出パターンA〜Dを例示する。演出パターンAは、(ア)大当り開始デモ〜第1ラウンド目において、敵キャラクタが優勢となる演出、(イ)第2ラウンド目〜大当り終了デモにおいて、味方キャラクタと敵キャラクタとが同時に攻撃した直後のボタン分岐演出(結果報知)が発生する内容となっている。演出パターンBは、(ア)大当り開始デモ〜第1ラウンド目において、味方キャラクタと敵キャラクタとが拮抗する演出、(イ)第2ラウンド目〜大当り終了デモにおいて、味方キャラクタと敵キャラクタとが同時に攻撃した直後のボタン分岐演出(結果報知)が発生する内容となっている。演出パターンCは、(ア)大当り開始デモ〜第1ラウンド目において、味方キャラクタが優勢となる演出、(イ)第2ラウンド目〜大当り終了デモにおいて、味方キャラクタが攻撃した直後のボタン分岐演出(結果報知)が発生する内容となっている。演出パターンDは、(ア)大当り開始デモ〜第1ラウンド目において、敵キャラクタが優勢となる状態から逆転して味方キャラクタが優勢となる演出、(イ)第2ラウンド目〜大当り終了デモにおいて、味方キャラクタが攻撃した直後のボタン分岐演出(結果報知)が発生する内容となっている。本実施形態では、バトル後半演出の演出パターンA〜Dにおいて、演出パターンA<演出パターンB<演出パターンC<演出パターンDの順に、味方キャラクタが勝利する期待度(時短有り大当り当選の期待度)が高くなるように設定されている。なお、他の演出パターンとして、当該変動表示が第1特別図柄の時短有り大当り(2R長開放大当り1)であり、且つ、後続の作動保留球内に第1特別図柄の大当り保留が存在することを条件(後述の保留内連荘が成立することを条件)に、味方キャラクタが敵キャラクタに圧勝する演出パターンEを用意してもよい。すなわち、この演出パターンEは、保留内連荘が成立していることを告知する保留内連荘演出であるとも言える。この演出パターンEが選択される場合、上記の第1バトル演出として、先の大当り(当該変動表示のリーチ発展時又は大当り遊技の開始時)から後の大当り(大当り保留が消化されることで実行
される変動表示の終了時又は大当り遊技の終了時)まで、特別演出として一連のスペシャルムービーを再生してもよい。なお、大当り中演出(後半バトル演出)の変形例として、大当り開始デモでは、通常の開始デモ演出とは異なり、大当り遊技の開始を告げるメッセージ等は表示せず、また、ラウンド遊技中では、通常のラウンド演出とは異なり、ラウンド数や右打ち指示、獲得賞球数等を表示しない構成としてもよい。加えて、装飾図柄の変動表示では、この装飾図柄の変動表示および停止表示を画面の端の方に縮小表示し、また、大当り遊技中(少なくともラウンド遊技中)においても、装飾図柄を擬似的に変動表示又は停止表示させることが好適である。なお、装飾図柄の種類(図柄の識別要素:色、文字、数字、形状など)は、装飾図柄の変動表示中と大当り演出中とで異なるものとしてもよい。
また、上記の第1バトル演出と連動して又は独立して、第1ラウンド〜第2ラウンドまでのラウンド遊技において、遊技球が大入賞口54に入球することを契機として所定の演出態様が発生又は変化する大入賞口入球演出を実行してもよい。この大入賞口入球演出は、遊技球が大入賞口54に入球したことを契機として、又は、該大入賞口54への遊技球の入球に基づく所定の実行条件が成立したことを契機として実行される。大入賞口入球演出では、遊技球が大入賞口54に入球すると、画面上に所定のカットイン画像が表示される。このカットイン画像の表示態様(例えば、色、形状、大きさ)は、遊技球が大入賞口54に入球することに応じて所定の変化条件(変化抽選に当選や、変化テーブルで定められた数の入球検知など)を満たした場合に段階的に変化可能(ステップアップ可能)となっており、その表示態様に基づき時短有り大当りの当選期待度(味方キャラクタが勝利する期待度)を示唆又は報知するように構成される。なお、その変形例としては、大入賞口入球演出は、全てのラウンドではなく、特定ラウンド(第2ラウンド)においてのみ実行されるものでもよい。また、更なる変形例として、大入賞口入球演出は、第2ラウンド(最終ラウンド)における遊技球の最後の入球タイミング(基本的には10球目の入球タイミング)においてのみ実行されるものでもよい。
上記の大入賞口入球演出は、基本的には、大入賞口54への遊技球の入球に基づき実行されるものであるが、時短有り大当り当選を示唆する演出として、大入賞口入球演出以外に大当り中の開始デモから2ラウンド目などの所定期間の大当り中演出の実行中に遊技者が演出ボタン15を操作したことを契機として裏ボタン演出(隠しボタン演出)が発生するように構成してもよい。この裏ボタン演出とは、遊技者に演出ボタン15の操作入力を明示的に促すことなく、予め設定された所定の期間中又は所定のタイミングにて該演出ボタン15が操作されたときに実行され得る演出である。本実施形態においては、裏ボタン演出を実行するうえで、前後に傾倒操作可能な操作レバー上に操作ボタンが配設された演出操作装置を備えていることが好適である。この演出操作装置は、ガラス枠5の前面側に設けられて前後に傾倒操作可能な操作レバーと、この操作レバーの上部に設けられて押下操作可能な操作ボタンとを備えて構成される。大当り後の特定のタイミングで操作ボタンが操作される、または操作レバーが傾倒されることで、裏ボタン演出が開始されると、画面上に「ボタンを押下操作してメータを溜めることができれば大チャンス発生」というメッセージが表示される。メータ画像は、主の演出(バトル演出)の邪魔にならないように、画面の端の方に表示される。このメータ画像は、例えば横長の帯形に形成されており、その内側には所定数の目盛が付されている。この裏ボタン演出では、遊技者が操作ボタンを操作する毎に、メータ数が1目盛だけ増加したりメータ数の目盛を維持することを繰り返したりして、メータ数が所定数に達すると、大チャンス演出の実行条件が成立することになる。この大チャンス演出は、一例として、当落分岐のタイミングで発生し、通常大チャンス演出を実行されない場合に表示される操作ボタンの操作に基づく演出結果の報知態様から、遊技者が操作レバーを傾倒操作することで、その演出結果(時短有り大当りに当選したか否か)が報知される態様に変更されるものである。なお、プレミア音声として、メータ数が増加する際に発生する音声が特殊音である場合や、メータ数が所定数に達した
際に発生する音声が確定音である場合には、その時点で時短有り大当りに当選したことが確定的となる。但し、時短有り大当りに当選していたとしても、プレミア音声が発生しない場合があってもよく、その場合には上記のとおり、操作レバーを傾倒操作したタイミングで時短有り大当りに当選したか否かが示唆又は報知されることが好適である。
なお、遊技球が大入賞口54へ入球して大入賞口スイッチ541にて検出されるタイミングで大入賞口入球演出を進めると、遊技球の発射の間隔や、大入賞口54に到達するまでの遊技釘による移動速度変化や非入球位置への誘導等により、大入賞口スイッチ541での遊技球の検出タイミングがずれて演出のテンポが悪くなるおそれがあるため、大入賞口54の内部の大入賞口スイッチ541の検出後の位置に規定数の遊技球(最大10個の遊技球)を貯留可能な貯留装置を設け、各ラウンド遊技において大入賞口54に入球した遊技球をその貯留装置で一旦停留させ、この停留させた遊技球を各ラウンド間のインターバル期間や大当り終了デモ期間等で一気に、あるいは一定間隔で放出させるようにしてもよい。なお、この大入賞口入球演出の演出効果を一層高めるため、その貯留装置は遊技者が視認可能に構成されていることが好適である。
また、本実施形態では、当該変動表示における大当り期待度を示唆又は報知する変動中画像(消化済の保留画像)が大当り遊技の実行中にも継続表示される。すなわち、上記の変動中画像が当該変動表示の開始時から大当り遊技の終了時まで継続的に表示される。なお、大当り遊技の実行中に表示される変動中画像は、先読み予告演出(保留変化演出)の対象となった変動中画像に限られる。すなわち、この変動中画像は、先読み予告の対象となった保留画像(少なくとも1回の保留変化を行った保留画像)が保留消化に伴い変動中画像に切り替わったものを対象とする。ここで、変動中画像の表示色(第1の表示形式)は大当り期待度を示唆又は報知するのに対して、変動中画像の形状(第2の表示形式)はバトル演出の勝利期待度(時短付き大当りの当選期待度)を示唆又は報知する。つまり、変動中画像の表示色は主に当該変動表示中において大当り期待度を示唆又は報知する要素であるのに対して、変動中画像の形状は主に大当り遊技中において大当り種別(時短付き大当り、時短無し大当り)を示唆又は報知する要素である。この変動中画像の形状は、当該変動表示の実行中、当該変動表示の停止時、および大当り遊技の実行中のうちの少なくともいずれかのタイミングで変化することが好適である。なお、変形例として、変動中画像の表示色のみで、大当り期待度とバトル演出の勝利期待度とを示唆又は報知するように構成してもよい。その場合には、両者を明確に識別できるように、大当り期待度を示唆又は報知するための表示色(例えば、白色、青色、緑色、赤色、虹色)と、バトル演出の勝利期待度を示唆又は報知するための表示色(例えば、紫色、オレンジ色、金色)とを異なる色彩で構成することが好適である。
≪先読み予告演出≫
また、演出モードが通常演出モードである場合、所定の先読み予告演出が実行され得るように構成されている。先読み予告演出とは、先読み抽選対象の作動保留球が消化される以前の一又は複数回の変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出の発生の可能性を予告的に示唆又は報知する演出である。演出モードが通常演出モードである場合、先読み予告演出の抽選実行条件は、少なくとも1個以上の第1特別図柄の作動保留球が存在することである。ここで、複数個の第1特別図柄の作動保留球内に、2個以上の大当り保留が存在する場合、先の大当り保留(1個目の大当り保留)は先読み予告抽選の対象となるが、後の大当り保留(2個目以降の大当り保留)は先読み予告抽選の対象から除外する。すなわち、遊技球が第1始動口51へ入球したことに基づき第1特別図柄の作動保留球が発生して、この作動保留球を対象に先読み予告抽選を実行する際に、この抽選対象の作動保留球よりも先に消化される予定の作動保留球(時短有無は関係なし)が存在する場合には、先読み予告抽選を非実施とする。その理由としては、第1特別図柄で大当りが発生する場合、その大当り当選時の遊技状態に応じて得られる利益が異なるため(時短作動回数が異
なるため)、例えば先行の作動保留球が時短有りの大当り保留(2R長開放大当り1)であり、後続の作動保留球が時短無しの大当り保留(2R長開放大当り2)である場合、先行の作動保留球が消化されることで大当りが発生して大当り遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に移行すると、後続の作動保留球が時短有りの大当り保留(時短100回が付与される事故当り)に昇格してしまい、先読み予告演出の報知内容と実際の大当り利益との間に齟齬が生じるおそれがあるからである。なお、先行の作動保留球が時短有りの大当りであるか否かを問わない理由は、先行の作動保留球が時短付きの大当り(2R長開放大当り1)である場合に限り先読み予告抽選を規制してしまうと、この先行の作動保留球が消化されることで実行される当該変動表示において大当りが発生したときに、後続の作動保留球に係る保留画像が大当り確定となる保留画像(例えば虹色の保留画像)に変化しても、当該変動表示が時短無しの大当りであることが先バレしてしまい、大当り中演出が面白みに欠けるものとなるからである。
(保留内連荘演出)
また、演出モードが通常演出モードである場合、保留内連荘が成立した状態であることを示唆又は報知する保留内連荘演出(先読み予告演出)を実行可能である。保留内連荘とは、先行の作動保留球が消化されることに基づき実行された当否判定の結果が大当りとなる場合に、当該作動保留球に係る当否判定が許可されてから大当り遊技の終了時までの間の所定のタイミングにおいて存在する一以上の後続の作動保留球内に、大当りとなることが予定される作動保留球が存在している利益状態をいう。なお、本実施形態では、いずれの演出モードに滞在している場合でも、保留内連荘演出が実行され得るように構成されている。
演出モードが通常演出モードであるときに保留内連荘演出を実行する場合、第1特別図柄の作動保留球が保留内連荘の対象となる。すなわち、先に消化される先行の作動保留球が第1特別図柄の大当り保留であり、且つ、後続の作動保留球内に第1特別図柄の大当り保留(トリガ保留)が存在することを条件とする。ここで、通常演出モードに滞在しているときに保留内連荘が成立している場合、すなわち、先行の作動保留球(大当り保留)と後続の作動保留球(大当り保留)とがそれぞれ消化されることで短期間のうち複数の大当りが発生する場合には、これら複数の大当りを連続性のある一連の演出として繋いだ保留内連荘演出(「特殊連続演出」と呼称する)を実行可能である。すなわち、この特殊連続演出は、先行の作動保留球(大当り保留)が消化されることで実行される変動表示と、この変動表示が大当りとなることで実行される大当り遊技と、後続の作動保留球(大当り保留)が消化されることで実行される変動表示とを、連続性のある一連の演出として繋ぐものである。なお、先行の作動保留球に係る変動表示と、後続の作動保留球に係る変動表示との間に、一又は複数回のはずれの変動表示を挟む場合(一以上のはずれ保留を存在する場合)には、はずれの変動表示を跨ぐかたちで特殊連続演出が実行される(はずれの変動表示についても特殊連続演出の一部分として構成される)。以下では、説明の便宜上、先行の作動保留球(大当り保留)が消化されることに基づき実行される変動表示を「先の大当り変動表示」、後続の作動保留球(大当り保留)が消化されることに基づき実行される変動表示を「後の大当り変動表示」とも称する。
この特殊連続演出は、上述の第1バトル演出の特殊演出パターンであり、バトル後半演出にて味方キャラクタが敵キャラクタに敗北した後に復活して、最終的には勝利する演出内容となっている。本実施形態では、特殊連続演出の実行条件として、先行の大当り変動表示にて「時短有り大当り(2R長開放大当り1)」が発生することを条件とする。換言すれば、先行の作動保留球の大当り種別が「時短有り大当り(2R長開放大当り1)」であることを条件とする。前述したように、演出モードが通常演出モードであるときに、時短有り大当りに当選した場合には、本来であれば、変動表示と大当り遊技とに跨って行われる第1バトル演出にて、味方キャラクタが単に勝利する演出内容となる。一方、特殊連
続演出では、上記の実行条件を満足する場合(先の大当り変動表示にて時短有り大当りが発生する場合)に、先の大当り変動表示と後の大当り変動表示とに跨って行われる特殊バトル演出にて味方キャラクタが敵キャラクタに一旦敗北した後、復活して最終的に勝利する演出内容となっている。つまり、特殊連続演出の前半部分は、先の大当り変動表示のリーチ発展時から大当り遊技の終了時までの演出尺を使って、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦して敗北する(地に倒れる)という流れの演出内容で構成される。特殊連続演出の後半部分は、上記の大当り遊技の終了時から後の大当り変動表示の終了時までの演出尺を使って、味方キャラクタが復活して必殺技を繰り出すことで敵キャラクタに勝利するという流れの演出内容で構成される。ここで、通常遊技状態で当選した先の大当りである「時短有り大当り(2R長開放大当り1)」の後で実行される時短遊技状態の初回4変動は、変動パターンの選択状態を限定頻度状態として、大当り保留があるか否かに関わらず外れの場合に短時間変動(例えば3秒変動のみ)を選択し、大当りの場合も最も短い大当り変動を選択するものとすることで、特殊連続演出としての後半部分の演出期間を短縮することができる。なお、保留内連荘による特殊連続演出は、後続の保留に大当り保留がある場合に必ず実施するものでなく、演出抽選(特殊連続演出実行抽選)に当選した場合や、先の「時短有大当り(2R長開放大当り1)」の特別図柄が、前述の限定頻度状態への移行契機図柄である場合などで実行可能とし、特殊連続演出が実行されない場合においては、後に示す昇格抽選演出での昇格態様の演出にて大当りの報知を実行するものとする。
<時短演出モード>
次に、時短演出モードでは、第2始動口52を狙った右打ちの遊技性となり、主として第2特別図柄の変動表示が行われる。この時短演出モードは、味方キャラクタが各種の修行に挑戦して、その修行の結果に応じて大当り種別を示唆又は報知する修行モードである。すなわち、時短演出モードに滞在しているときに、第2特別図柄の変動表示にてリーチに発展すると、味方キャラクタが師匠の与えるミッション(所定の修行)に挑戦するSPリーチ演出が実行される。この時短演出モードでは、このSPリーチ演出の演出結果(修行成功、修行失敗)に応じて、第2特別図柄の大当り種別を示唆又は報知する。すなわち、リーチ演出の終了時(変動表示の終了時)において、所定の修行に成功すると「高利益大当り(10R長開放大当り)」が確定し、所定の修行に失敗すると「低利益大当り(2R短開放大当り)」が確定する。つまり、このリーチ演出は、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合に、その大当り遊技の終了後の遊技状態として確変遊技状態(確変演出モード)へ突入するか否か、すなわち、後述の第2の関門を突破できるか否かを、該リーチ演出の演出結果(修行の結果)に応じて示唆又は報知するものである。なお、第2特別図柄の変動表示中にリーチ(SPリーチ演出)に発展した場合には、修行の結果(成功、失敗)に関わらず、大当り(条件付き特定大当り)に当選したことが確定し、基本的には大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させることを条件に、最有利状態(確変遊技状態)に移行することが予定される。但し、2R短開放大当りに当選した場合に、所定の修行に失敗した演出が発生して最有利遊技状態に移行するのは、リーチ演出の演出結果(失敗演出)と移行先の遊技状態(最有利遊技状態)との間に不自然さが残り、遊技者に与える印象も悪くなるおそれがある。そのため、2R短開放大当りに当選した場合には、所定の修行に失敗した直後、特別な修行ゾーン(修行ゾーンEXTRA)に突入
する演出を実行させて、次述する確変演出モード(連荘モード)において1回目のバトルが発生するまでの間、特別な修行ゾーン(修行ゾーンEXTRA)に滞在しているかのような
演出を実行してもよい。
≪昇格抽選演出≫
ここで、演出モードが時短演出モードである場合、通常演出モードから時短演出モードへ移行した直後の所定回数の変動表示(時短演出モードに突入した直後の数回転)では、通常演出モード(通常遊技状態)において生起された第1特別図柄の作動保留球が残存している可能性が高く、この時短演出モードにおいてその残存保留が消化されて第1特別図
柄の変動表示が実行された場合、該第1特別図柄の大当り昇格を示唆又は報知する昇格抽選演出を実行可能である。つまり、演出モードが時短演出モードに突入すると、電チューサポート機能が作動した入球容易状態に移行して、主として第2始動口52への遊技球の入球を狙った右打ちの遊技性となるが、この時短演出モードに突入した直後は、通常演出モードにおいて生起した第1特別図柄の作動保留球が残存している可能性が高く、その場合には時短演出モードに突入した直後の数回転以内において第1特別図柄の大当り(いわゆる事故当り)が発生することとなるため、この事故当りが発生したときに付与される時短作動回数があたかも70回から100回に増加(昇格)したように見せることで、大当り発生に対する遊技者の期待感を裏切らないようにしている。なお、所定回数とは、特別図柄の変動表示回数として「4回」である。これは第1特別図柄の作動保留球の最大個数である4個に対応した変動表示回数である。そのため、時短演出モードに突入した直後の所定回数(4回転)の第1特別図柄の変動表示では、その変動表示中に、時短作動回数を昇格させるか否かを煽る昇格抽選演出を実行するようになっている。この昇格抽選演出では、画面上に「昇格抽選中である」旨を示唆又は報知する画像(例えば画面の端に「昇格抽選中」と記載された帯画像)が表示される。一方、時短演出モードにおける5回転目以降の変動表示では、遊技球が第1始動口51へ入球したことに基づき第1特別図柄の変動表示が行われたとしても、当該変動表示にて昇格抽選演出は実行しない。但し、当該変動表示(第1特別図柄の変動表示)が大当りとなる場合は、当該変動表示にて昇格抽選演出を実行して、この事故当りを大当り昇格(大当りにより付与される時短作動回数の昇格)として見せることが好適である。
なお、昇格抽選演出は、その演出種別として、変動演出又は予告演出として実行することが好適である。昇格抽選演出を変動演出として実行する場合は、昇格抽選演出を実行する所定回数(時短遊技状態に移行した直後の4回転)の変動表示だけ、変動パターン選択状態を特殊選択状態(限定頻度状態)に切り替えることが好適である。その変形例としては、昇格抽選演出を実行する所定回数(4回転)だけ、内部的に別の演出モード(演出ステージ)に切り替えて、昇格抽選演出に対応する背景画像を表示してもよい。一方、昇格抽選演出を予告演出として実行する場合は、昇格抽選演出を実行する所定回数(時短遊技状態に移行した直後の4回転)の変動表示だけ、予告抽選処理において高確率(100%が最適)で昇格抽選演出の実行を決定する仕様とすることが好適である。なお、5回転目以降の変動表示が第1特別図柄で大当りとなることで昇格抽選演出を実行する場合は、第1特別図柄の事前判定情報(当否の事前判定情報)を参照して、先読み抽選演出の実行可否を判定することが好適である。なお、時短遊技状態移行時に第1特別図柄の作動保留球が4つない状況下で、第2特別図柄に係る作動保留球が生起した場合に、はずれである場合には、第1特別図柄と同様の演出を実行し、当りである場合には特別な演出を実行するものでもよいし、通常の時短遊技状態(変動パターンテーブル2の選択状態)における第2特別図柄に係る演出と同じものを実行するものであって良い。
≪予告演出≫
また、演出モードが時短演出モードである場合、遊技者が選択した味方キャラクタの種類に応じて、各種の予告演出の発生頻度が異なるように構成されている。本実施形態では、例えば3種類の味方キャラクタX1〜X3が用意されており、遊技者は画面上に表示された3種類の味方キャラクタX1〜X3の中から好みの味方キャラクタを選択することが可能である。味方キャラクタX1は、先読み予告重視タイプのキャラクタであり、他の味方キャラクタが選択された場合と比較して、先読み予告演出の実行頻度が相対的に高くなるように設定されている。味方キャラクタBは、ボタン予告重視タイプのキャラクタであり、他の味方キャラクタが選択された場合と比較して、ボタン予告演出の実行頻度が相対的に高くなるように設定されている。味方キャラクタCは、一発告知タイプのキャラクタであり、他の味方キャラクタが選択された場合と比較して、予告演出の実行頻度が相対的に低くなるように設定されている(予告演出を全く実行しないものでもよい)。なお、変
形例としては、味方キャラクタと予告演出種別とを個別に選択して、味方キャラクタと予告演出種別との組合せを遊技者の好みに合わせた組合せに設定できるように構成してもよい。この味方キャラクタの選択演出は、初当りが発生する(通常遊技状態において第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる)ことで行われる大当り遊技の終了時(大当り終了デモ)に実行される。この大当り終了デモのデモ時間は、味方キャラクタの選択時間を確保するために、連荘時の大当り終了デモと比べて、比較的長時間に設定されている。なお、ここで選択された味方キャラクタは、後述の確変演出モードにおいても引き継がれる。初当りが発生した際、前述の保留内連荘演出である特殊連続演出の実行に当選した場合は、初当りの大当りにおける終了デモ演出時に選択時間を設けると演出の見栄えが悪くなるため、後続の大当りの最終ラウンド(2ラウンド目)〜終了デモ期間などの時間に選択可能とするものでもよいし、選択時間を設けず予め定められたデフォルトキャラクタ(キャラクタA)に設定されるものであってもよい。
<確変演出モード>
次に、確変演出モードでは、第2始動口52を狙った右打ちの遊技性となり、主として第2特別図柄の変動表示が行われる。確変演出モードは、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦するバトルモードとして構成されている。すなわち、演出モードが確変演出モードである場合に、第2特別図柄の変動表示においてSPリーチに発展すると、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦して勝敗を決するバトル演出(「第2バトル演出」と呼称する)が実行される。この第2バトル演出は、確変演出モード(確変遊技状態)が右打ちにより遊技球を第2始動口52に入球させて第2特別図柄の変動表示を行う遊技性であることから、主に第2特別図柄の変動表示を対象に行われる。
図16は、確変演出モードにおける基本画面を示す模式図である。演出モードが確変演出モードである場合に、第2特別図柄の変動表示にてリーチに発展すると、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦する第2バトル演出が実行される。本実施形態では、第2特別図柄の変動表示の実行中にSPリーチ(第2バトル演出)に発展した時点で、大当り当選が確定的となる。そして、このSPリーチ中に報知される第2バトル演出の演出結果(勝利、敗北)に応じて、第2特別図柄の大当り種別を示唆又は報知することになる。すなわち、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利すると「高利益大当り(10R長開放大当り)」が確定し、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北すると「低利益大当り(2R短開放大当り)」が確定する。
本実施形態では、リミット機能を搭載しているため、確変大当り回数が所定の上限回数(リミット回数)に達するまで、5回の確変大当りを獲得することが可能であるが、非確変遊技状態から確変遊技状態へ移行する契機となった大当りが発生した時点で確変大当り回数が1回と計数されるため、非確変遊技状態から確変遊技状態へ移行した後の残り4回分の大当りにて第2バトル演出が発生する仕様となっている。本実施形態においては、遊技状態が確変遊技状態である場合、実質100%の確変継続率に設計されているため、リミット機能が作動するまでの間に、計4回の第2バトル演出を発生させることが極めて容易である。この第2バトル演出では、味方キャラクタの対戦相手として、4人の敵キャラクタが設定されており、合計4回の第2バトル演出を通じて、4人の敵キャラクタとの総当たり戦が用意されている。つまり、各回の第2バトル演出において、味方キャラクタは4人の敵キャラクタのうちの1人と対戦し、毎回異なる敵キャラクタと対戦するようになっている。
図16に示すように、演出モードが確変演出モードである場合、その変動表示が大当り当選の契機となる変動表示(バトルリーチが発生する契機となる変動表示)であるか否かに関わらず、常に画面上には全ての対戦相手が表示されており、遊技者は画面を見れば連荘中の対戦組合せ(対戦順序)を認識できるようになっている。具体的には、画面の上部
領域には、左から右へ順に、1回目の対戦相手(敵キャラクタA)、2回目の対戦相手(敵キャラクタB)、3回目の対戦相手(敵キャラクタC)、4回目の対戦相手(敵キャラクタD)が表示されており、そのうちの次回の対戦相手(図示例では敵キャラクタA)には「NEXT」の文字が表示されている。つまり、当該変動表示においてバトルリーチに発展すると、「NEXT」の文字が表示された対戦相手との第2バトル演出が発生する。なお、バトルの対戦組合せ(対戦順序)は、基本的にはランダムに設定されている。
≪先読み予告演出≫
また、演出モードが確変演出モードである場合、第2バトル演出が発生するか否かを煽る先読み予告演出を実行可能に構成されている。この先読み予告演出は、味方キャラクタ又は敵キャラクタ(次回の対戦相手)が所定の台詞を発することで、次回以降の変動表示にて第2バトル演出が発生する可能性を示唆又は報知する演出である。この先読み予告演出の演出パターンとしては、図16に示すように、画面上の味方キャラクタが台詞を発する台詞パターンAと、画面上の敵キャラクタ(次回の対戦相手)が台詞を発する台詞パターンBとがある。本実施形態では、台詞パターンBが実行される場合(敵キャラクタが台詞を発する場合)よりも、台詞パターンAが実行される場合(味方キャラクタが台詞を発する場合)の方が、この先読み予告の対象となる作動保留球(トリガ保留)が消化されることを契機として実行される変動表示において第2バトル演出が発生する期待度が高くなるように設定されている。また、この先読み予告抽選においては、当否事前判定の結果が「はずれ」である場合よりも「大当り」である場合の方が先読み予告抽選に当選する確率が高く、図柄事前判定の結果が「図柄D(2R短開放大当り)」である場合よりも「図柄C(10R長開放大当り)」である場合の方が台詞パターンA(高期待度の先読み予告演出パターン)の選択率が高くなるように設定されている。その演出例としては、トリガ保留が4個目の作動保留球(4個目の保留画像H4)として生起された場合、該トリガ保留が消化される3変動前の変動表示(トリガ保留が3個目の保留画像となるときの変動表示)では台詞パターンBが選択され、該トリガ保留が消化される2変動前の変動表示(トリガ保留が2個目の保留画像となるときの変動表示)では台詞パターンBが選択され、該トリガ保留が消化される1変動前の変動表示(トリガ保留が1個目の保留画像となるときの変動表示)では台詞パターンAが選択される。
<引き戻し演出モード>
次に、引き戻し演出モードでは、第2始動口52を狙った右打ちの遊技性となり、主として第2特別図柄の変動表示が行われる。この引き戻し演出モードは、前回の確変演出モード(バトルモード)の対戦成績に応じて、放浪モード又は修行ゾーンが択一的に設定される演出モードである。また、この引き戻し演出モードは、高ベース状態に設定された所定回数(引き戻し期間:100回転)の変動表示において、相対的に高確率(本例では65%)で確変演出モードに引き戻すことのできる演出モードである。すなわち、リミット機能が作動して確変演出モードが終了しても、この引き戻し演出モードが終了するまでに、大当りが発生してその大当り遊技中に遊技球を特定領域548に入球させることができると、再び確変演出モードを引き戻すことが可能となる。上記の対戦成績とは、確変演出モードにおける合計4回の第2バトル演出の対戦結果(味方キャラクタが敵キャラクタに勝利した回数)である。換言すれば、上記の対戦成績とは、リミット到達までに、高利益大当り(10R長開放大当り)に当選した回数である。この引き戻し演出モードにおいては、対戦成績が3勝以上である場合は放浪モードに移行し、対戦成績が2勝以下である場合は特別修行モードに移行する。このとき、放浪モードに滞在中に次の大当りが発生して確変演出モードに移行する場合は、該確変演出モードに移行した際に、前回とは異なる対戦組合せが設定される(前回の敵キャラクタA〜Dとは異なる新しい敵キャラクタE〜Hが設定される)。一方、特別修行モードに滞在中に次の大当りが発生して確変演出モードに移行する場合は、該確変演出モードに移行した際に、前回と同じ対戦組合せが設定される(前回と同じ敵キャラクタA〜Dが設定される)。
次に、図9を参照しながら、本実施形態の遊技フローについて説明する。図9は、上述したとおり、本実施形態における遊技状態および演出モードの遷移図である。本実施形態では、複数種の遊技状態として、通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態が設定されている。
まず、遊技状態が通常遊技状態である場合、第2始動口52への遊技球の入球頻度よりも第1始動口51への遊技球の入球頻度の方が高く設定されているため、左打ち(左側領域PA1を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第1始動口51に入球させて、第1特別図柄の当否判定(第1特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。この通常遊技状態において、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなると、その大当り種別として、「2R長開放大当り1」が33%の確率で発生し、「2R長開放大当り2」が67%の確率で発生する。このとき、「2R長開放大当り1」および「2R長開放大当り2」のいずれに当選した場合でも、大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させる(確変移行の権利を得る)ことは極めて困難であるが、いずれの場合にも実質2ラウンド分の出玉(200発)を獲得することができる。ここで、「2R長開放大当り1」に当選した場合は、その大当り遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態(第1有利遊技状態)に設定される。一方、「2R長開放大当り2」に当選した場合は、その大当り遊技の終了後の遊技状態が再び通常遊技状態に設定される。すなわち、第1特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合、時短遊技状態(第1有利遊技状態)への移行確率(時短突入率)が約33%に設定され、通常遊技状態への移行確率が約67%に設定されている。その結果、遊技状態が通常遊技状態である場合は、第1の関門として、「2R長開放大当り1(時短有り大当り)」を引くことで、時短遊技状態(有利遊技状態)に移行することを狙って遊技が進められる。そして、この第1の関門を突破すると(2R長開放大当り1に当選すると)、大当り遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態(第1有利遊技状態)に突入する。
続いて、遊技状態が時短遊技状態(第1有利遊技状態)に移行すると、電チューサポート機能が作動して第2始動口52への遊技球の入球容易性が高まるため、右打ち(右側領域PA2を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第2始動口52に入球させて、第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。この時短遊技状態は、大当り遊技の終了後から起算して、特別図柄の変動表示回数が70回に達するまで継続する。そのため、時短遊技状態において次の大当りが発生せずに特別図柄の変動表示回数が70回に到達すると、この時短遊技状態が終了して、通常遊技状態に転落する。ここで、時短遊技状態において第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなると、その大当り種別として、「10R長開放大当り」に50%の確率で当選し、「2R短開放大当り」に50%の確率で当選する。「10R長開放大当り」に当選した場合は、実質10ラウンド分の出玉(1000発)を獲得することができるが、「2R短開放大当り」に当選した場合は、1R当りの開放時間が約2秒であるため、実質2ラウンド分の出玉(200発)を獲得することが極めて困難であり、出玉期待値としては50〜70発程度となる。一方、「10R長開放大当り」および「2R短開放大当り」のいずれに当選した場合でも、基本的には、大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させる(確変移行の権利を得る)ことが可能であり、その大当り遊技の終了後の遊技状態が確変遊技状態(最有利遊技状態)に設定される。すなわち、本実施形態では、時短遊技状態において第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合、確変遊技状態(最有利遊技状態)への突入率が実質100%に設定されている。その結果、この時短遊技状態では、第2の関門として、特別図柄の変動表示回数が70回に到達するまでに(時短遊技状態が終了するまでに)、第2特別図柄の当否判定で大当りを獲得して、その大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行させることを狙って遊技が進められる。そして、この第2の関門を突破すると(第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなると)、大当り遊技の終了後
の遊技状態が確変遊技状態(最有利遊技状態)に突入する。
なお、本実施形態では、時短遊技状態における大当り確率が「約1/96」、第2特別図柄で条件付き特定大当り(確変大当り相当)に当選する確率が「100/100」に設定されているため、この時短遊技状態において特別図柄の変動表示回数が70回に到達するまでに第2特別図柄の当否判定において大当りを導出する確率、すなわち確変遊技状態(最有利遊技状態)への移行契機となる大当りを引く確率が「約52%」に設定されている。
また、本実施形態では、上述したとおり、確変大当り回数を所定の上限回数を限度として制限するリミット機能を搭載している。そのため、遊技状態が時短遊技状態である場合に、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなり、その大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域548に入球することを契機として確変遊技状態への移行が決定されると、リミットカウンタ(確変大当り回数)が「1回」となり、以後、「5回」を上限として確変遊技状態への移行契機となる大当りを連続させることが可能となる。
続いて、遊技状態が確変遊技状態に移行すると、上述の時短遊技状態と同様に、電チューサポート機能が作動して第2始動口52への遊技球の入球容易性が高まるため、右打ち(右側領域PA2を狙って遊技球を発射させること)により遊技球を第2始動口52に入球させて、第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄の変動表示)を主体的に実行する遊技性となる。この確変遊技状態において、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなると、その大当り種別として、「10R長開放大当り」に50%の確率で当選し、「2R短開放大当り」に50%の確率で当選する。ここで、「10R長開放大当り」および「2R短開放大当り」のいずれに当選した場合でも、大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させる(確変移行の権利を得る)ことが可能であり、基本的には、その大当り遊技の終了後の遊技状態が確変遊技状態(最有利遊技状態)に設定される。すなわち、本実施形態では、確変遊技状態において第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合、確変遊技状態(最有利遊技状態)への突入率が実質100%に設定されている。
また、本実施形態では、確変遊技状態における大当り確率が「約1/54」、第2特別図柄で条件付き特定大当り(確変大当り相当)に当選する確率が「100/100」に設定されるため、この確変遊技状態が継続する期間内(∞回=65535回)において、第2特別図柄の当否判定において大当りを導出確率、すなわち、確変遊技状態(最有利遊技状態)への移行契機となる大当りを引く確率が約99.9%(実質100%)に設定されている。
ここで、本実施形態では、上述のとおり、リミット機能の上限回数が「5回」に設定されており、その上限回数に達するまでは、基本的には大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させることを条件に、確変遊技状態を実質100%の確率で継続させる「5回セット」の大当りを獲得できる仕様となっている。すなわち、一度、第2特別図柄の当否判定において大当りを導出すると、実質的に5回セットで大当りを獲得できる仕様となる。このように5回セットの大当りが発生することにより、最大で5000発の出玉(1回あたり1000発×5回)を獲得することが可能である。従って、遊技者は右打ちによる遊技をしていれば、第2特別図柄の当否判定において大当りを導出させて、その上限回数に達するまでは、大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させることを条件に、確変遊技状態を継続させて、最有利遊技状態での遊技を進めることができる(いわゆる連荘状態を継続させることができる)。
一方、遊技状態が確変遊技状態である場合に、第2特別図柄の大当りに当選して、その大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させたとしても、リミットカウンタ
(確変大当り回数)が上限回数に達すると、その大当り遊技の終了後の遊技状態が強制的に時短遊技状態(第2有利遊技状態)に設定される。このリミット到達後の時短遊技状態(第2有利遊技状態)は、大当り遊技の終了後から起算して、特別図柄の変動表示回数が100回に達するまで継続する。
なお、遊技状態が確変遊技状態である場合に、リミットカウンタ(確変大当り回数)が上限回数に達する前であっても、第1特別図柄の当否判定において大当り(事故当り)が導出された場合、或いは、第2特別図柄の当否判定において大当りが導出されたにも関わらず大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させることができなかった場合は、リミットカウンタがリセット(ゼロクリア)され、上記5回セットの確変大当りの権利が消滅することになる。なお、その場合は、リミット到達時と同じく、大当り遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態(第2有利遊技状態)に設定される。
このとき、時短遊技状態(第1有利遊技状態、第2有利遊技状態)は、大当り確率が「約1/96」に設定され、第2特別図柄において条件付き特定大当り(確変大当り相当)に当選する確率が「100/100」に設定されている。ここで、第1有利遊技状態(初当り後の遊技状態)は、特別図柄の変動表示回数が70回に達するまで継続するため、この第1有利遊技状態が終了するまでに第2特別図柄の当否判定で大当りを引く確率が「約52%」に設定されている。一方、第2有利遊技状態(リミット到達後の遊技状態)は、特別図柄の変動表示回数が100回に達するまで継続するため、この第2有利遊技状態が終了するまでに第2特別図柄の当否判定で大当りを引く確率(引き戻し率)が「約65%」に設定されている。すなわち、第2有利遊技状態は、第1有利遊技状態と比べて、最有利遊技状態(確変遊技状態)への引き戻し率が高確率に設定されている。従って、本実施形態では、確変遊技状態がリミット到達により終了して時短遊技状態に移行したとしても、その時短遊技状態として第1有利遊技状態よりも有利度合いの高い第2有利遊技状態が設定されるため、この第2有利遊技状態が終了するまでに最有利遊技状態を引き戻す可能性が高いと言える。つまり、リミット到達後は、改めて二つの関門(第1の関門、第2の関門)を突破しなくとも、更には第2の関門の突破率よりも高い確率で、最有利遊技状態を引き戻すことが可能となり、5回セットの大当りを再度獲得するという、遊技者の期待感を向上させることができる。
<主制御基板側の処理>
次に、図17〜図33のフローチャートを参照しながら、主制御基板100における動作処理の手順について説明する。主制御基板100側の処理は、主制御側メイン処理と、主制御側タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
《主制御側メイン処理》
図17〜図18は主制御基板100の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットによりメインCPU101のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAM103のアクセス許可を行う(S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、メインCPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
続いて、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(S5)。RAMクリアスイッチがオンされている場合(S5:YES)には、後述するS9でRAM103
の全領域がゼロクリアされる。他方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(S6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常である場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合に(S8:NO)には、RAM103の全領域をゼロクリアする(S9)。次に、RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、演出表示装置70の初期化、演出ランプLPの初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(S11)。
次に、電源断復帰設定処理において、RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。
続いて、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(S15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
続いて、普通電動役物522を電源断前の状態(例えば、第2始動口52を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物542を電源断前の状態(例えば、大入賞口54を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。続いて、確変フラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、確変フラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグ(特別図柄の確率変動機能が作動している状態であることを示すフラグ)である。次いで、タイマ割込みを起動させるため、主制御マイコン110のCTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。続いて、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理で
は、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21〜S25のループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21〜S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(S26〜S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
次に、RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAM103のチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAM103のアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
《主制御側タイマ割込み処理》
次に、主制御基板100の主制御側タイマ割込み処理を説明する。図19は、主制御基板100のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、遊技制御マイコン110のCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。なお、以下で使用する用語として、「条件装置」および「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味しており、「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」とは、特別電動役物542を連続して複数回作動させることができるものである。
まず、このタイマ割込みが発生すると、メインCPU101内のレジスタの内容をRAM103のスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、メインCPU101がプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイ
ッチ531、大入賞口スイッチ541、特定領域スイッチ547、一般入賞口スイッチ611,641、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数および特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、ぱちんこ遊技機PMの遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本例では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置71,72に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口51の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口51の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)での第1始動口スイッチ511、第2始動口スイッチ521、作動ゲートスイッチ531、大入賞口スイッチ541、特定領域スイッチ547、一般入賞口スイッチ611,641の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報をメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求、などを行う。なお、この入賞監視処理(S59)の詳細は図20を用いて後述する。
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、上記の入賞監視処理での検出結果に基づき、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400へ送信するとともに、払出制御基板400からの受信データを監視して払出制御基板400との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲート53への通過を監視し、作動ゲート53を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を
限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置75又は普通電動役物522に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口51および第2始動口52への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数のコマンド要求、などを順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物542に係る動作処理として、特別電動役物542の作動開始および作動終了の設定、大入賞口54の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口54の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口54の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマ
ンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物542が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、LED出力処理を実行する(S72)。このLED出力処理では、特別図柄および普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを、各特別図柄表示装置71,72、普通図柄表示装置75、各特図保留ランプ73,74、普図保留ランプ76、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S73)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されたいる場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S74)このソレノイド出力処理では、各電動役物542を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド623,643に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S75)。この演出制御コマンド送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納された演出制御コマンドの中から、ポインタで指定された演出制御コマンドを読み出して、この演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(S76)。この外部情報出力処理では、外部端子板を介して、遊技機の動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、メインCPU101を割込み許可状態に設定する(S77)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S
26〜S32)を実行することとなる。
≪入賞監視処理≫
次に、入賞監視処理(S59)について説明する。図20は、入賞監視処理(S59)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口スイッチ入力処理を実行する(S101)。第1始動口スイッチ入力
処理では、第1始動口スイッチ511からの検出信号を入力したか否かを判定する。第1始動口スイッチ511からの検出信号を入力した場合は、遊技球が第1始動口51に入球したことを示す第1始動口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、第1始動口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、第1始動口スイッチ511からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、第2始動口スイッチ入力処理を実行する(S102)。第2始動口スイッチ入力処理では、第2始動口スイッチ521からの検出信号を入力したか否かを判定する。第2始動口スイッチ521からの検出信号を入力した場合は、遊技球が第2始動口52に入球したことを示す第2始動口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、第2始動口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、第2始動口スイッチ521からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
次いで、作動ゲートスイッチ入力処理を実行する(S103)。作動ゲートスイッチ入力処理では、作動ゲートスイッチ531からの検出信号を入力したか否かを判定する。作動ゲートスイッチ531からの検出信号を入力した場合は、遊技球が作動ゲート53を通過したことを示す作動ゲート入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、作動ゲート入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、作動ゲートスイッチ531からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、大入賞口スイッチ入力処理を実行する(S104)。大入賞口スイッチ入力処理では、大入賞口スイッチ541からの検出信号を入力したか否かを判定する。大入賞口スイッチ541からの検出信号を入力した場合は、遊技球が大入賞口54に入球したことを示す大入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶するとともに、大入賞口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、大入賞口スイッチ541からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
次いで、特定領域スイッチ処理を実行する(S105)。特定領域スイッチ入力処理では、特定領域スイッチ547からの検出信号を入力したか否かを判定する。特定領域スイッチ547からの検出信号を入力した場合は、遊技球が特定領域548に入球(通過)したことを示す特定領域入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞情報格納領域に一時記憶する(特定領域通過フラグをオンする)とともに、特定領域入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。なお、この特定領域通過フラグがオンされると(遊技球が特定領域648に通過したことが判定されると)、後述の大当り遊技中の処理において確変フラグがオンされることになる(確変移行の権利が付与されることになる)。一方、特定領域スイッチ547からの検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移行する。
続いて、一般入賞口スイッチ処理を実行する(S106)。一般入賞口スイッチ入力処理では、一般入賞口スイッチ611,641からの検出信号を入力したか否かを判定する。一般入賞口スイッチ611,641からの検出信号を入力した場合は、遊技球が一般入賞口61〜64に入球したことを示す一般入賞口入賞データをメイン情報記憶手段180の入賞データ格納領域に一時記憶するとともに、一般入賞口入賞コマンドを生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。一方、一般入賞口スイッチ611,641からの検出信号の入力がなければ、今回の入賞監視処理を終了する。
≪特別図柄遊技処理≫
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述の始動口監視制御処理(S64)、特別図柄制御処理(S65)、特別電動役物制御処理(S66)、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)、などが該当する。
(始動口監視制御処理)
始めに、始動口監視制御処理(S64)について説明する。図21は、始動口監視制御処理(S64)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口51への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S201)。第1始動口51への入賞を検出した場合(S201:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S202:YES)には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S203)。そして、第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S204)、第1始動口51の入賞チェックを終了する。
続いて、第2始動口52への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S205)。第2始動口52への入賞を検出した場合(S205:YES)には、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S206:YES)には、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S207)。そして、第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S208)、第2始動口52の入賞チェックを終了する。
続いて、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、S204又はS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(S209)。作動保留球数の更新があった場合(S209:YES)には、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S210)。
次いで、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(S211)。事前判定タイミングである場合(S211:YES)には、始動口入賞時に取得された各種乱数に基づく先読み判定情報を生成するため、当り乱数バッファ(保留n記憶領域またはレジスタなど)から特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(S212)。そして、この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S213)。
また、当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(S214)。そして、この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納
する(S215)。さらに、変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(S216)。そして、この事前判定結果の情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S217)。
(特別図柄変動開始監視制御処理)
次に、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)について説明する。図22は特別図柄変動開始監視制御処理(S68)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視制御処理(S68)では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(S310)を実行する。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、最先の作動保留球に対応する特別図柄側の処理が実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(S301)。続いて、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステイタスおよび第2特別図柄遊技ステイタスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(S302)。
続いて、特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(S303)。当該作動保留球数が「0」でない場合(S303:NO)、すなわち、特別図柄の作動保留球が存在している場合は、最先の作動保留球が第1特別図柄の作動保留球であるか否かを判定する(S304)。最先の作動保留球が第1特別図柄の作動保留球である場合(S304:YES)は、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S305)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。
一方、最先の作動保留球が第2特別図柄の作動保留球である場合(S304:NO)には、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S306)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。この特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細は図23を用いて後述する。
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(S301:YES,S302:NO,S303:YES)には、特別図柄変動開始監視処理(S310)をスキップする。
(特別図柄変動開始監視処理)
次に、特別図柄変動開始監視処理(S310)について説明する。図23は、特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視処理(S310)では、上述のS305又はS306で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(S311)。そして、減算後の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S312)。続いて、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)、変動パターン選択処理(S423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に転送する(S313)。また、保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S314)。
続いて、特別図柄当否判定処理を実行する(S320)。特別図柄当否判定処理(S320)では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次いで、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。そして、特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。また、この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納する。
続いて、図柄判定処理を実行する(S330)。図柄判定処理(S330)では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。そして、今回決定した特別図柄の停止図柄(図柄群)、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された停止図柄(図柄群)の種類と、特別図柄および普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
続いて、当否判定の結果が小当りに該当するか否かを判定するとともに(S341)、当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(S342)。当否判定の結果が小当りである場合(S341:YES)は、S347に移行し、当否判定の結果がはずれである場合(S341:NO,S342:NO)は、S349に移行する。
他方、当否判定の結果が大当りである場合(S341:NO,S342:YES)には、S330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別電動役物542の作動パターンを設定する(S346)。具体的には、特別電動役物542の作動パターンとして、ラウンド遊技の規定ラウンド数、大入賞口54の最大開放時間などを設定する。
次いで、S330で決定された図柄群の種類と現在の遊技状態とに基づき、特別遊技終了後又は小当り遊技後の変動パターン選択状態を設定する(S347)。続いて、S330で決定された図柄群の種類に基づき、特別遊技(大当り遊技又は小当り遊技)のデモ演出時間(当り開始デモ時間および当り終了デモ時間)を設定する(S348)。次いで、前述の特別図柄当否判定処理(S320)および図柄判定処理(S330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域および特別図柄図柄判定領域をクリアする(S349)。そして、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S350)。
(特別図柄制御処理)
次に、特別図柄制御処理(S65)について説明する。図24は、特別図柄制御処理(S65)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物542が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステイタスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(S401)。続いて、特別電動役物542が未作動中である場合(S401:YES)には、第1特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(S402)。
第1特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でない場合(S402:YES)には、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S403)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。他方、第1特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」である場合(S402:NO)には、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S404)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。
なお、次述する特別図柄制御汎用処理(S410)では、上述のS403又はS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細は図25を用いて後述する。
(特別図柄制御汎用処理)
続いて、特別図柄制御汎用処理を実行する(S410)。ここで、図25は、特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄制御汎用処理(S410)では、特別図柄遊技ステイタスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(S411〜S414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが0でないか否かを判定する(S411)。特別図柄遊技ステイタスが「00H」でない場合(S411:YES)には、特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(S412)。特別図柄遊技ステイタスが「01H」である場合(S412:YES)には、特別図柄変動開始処理(S420)に移行する。この特別図柄変動開始処理(S420)の詳細は図26を用いて後述する。一方、S412でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(S413)。特別図柄遊技ステイタスが「02H」である場合(S413:YES)には、特別図柄変動中処理(S430)に移行する。この特別図柄変動中処理(S430)の詳細は図27を用いて後述する。S413でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(S414)。特別図柄遊技ステイタスが「03H」である場合(S414:YES)には、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細は図28〜図29を用いて後述する。
(特別図柄変動開始処理)
次に、特別図柄変動開始処理(S420)について説明する。図26は、特別図柄変動開始処理(S420)の詳細を示すフローチャートである。
まず、当否抽選の結果および変動パターン選択状態等に基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(S421)。続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(S422)。そして、特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(S423)。
次いで、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(S424)。そして、特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段165の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(S425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(S426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、通信検査コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
続いて、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(S427)。そして、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
(特別図柄変動中処理)
次に、特別図柄変動中処理(S430)について説明する。図27は、特別図柄変動中処理(S430)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(S431)。この表示パターン番号切替処理(S431)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力される。
次いで、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(S432)。特別図柄の変動時間が終了した場合(S432:YES)には、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(S433)。続いて、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S434)。
次いで、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として「500(ms)」を格納する(S435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。そして、特別図柄遊技ステイタスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(S436)。
(特別図柄停止図柄表示中処理)
次に、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)について説明する。図28〜図29は、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(S441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合(S441:YES)には、特別図柄遊技ステイタスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(S442)。
続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(S443)。当否判定データが大当りデータである場合(S443:YES)には、現在の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する(S444)。すなわち、大当り当選時の遊技状態を遊技状態バッファに一時記憶することとなる。特別図柄の確率変動機能の作動停止(S445)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(S446)、電チューサポート機能の作動停止(S447)、を順に行う。具体的には、確変フラグに「00H(オフ)」を設定するとともに、確率変動回数カウンタ、変動時間短縮回数カウンタおよび入球容易状態回数カウンタに「00H」を設定してゼロクリアする。
次いで、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(S448)。続いて、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(S449)。また、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(S450)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(S451)。
他方、当否判定データが大当りデータでない場合(S443:NO)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S452)。特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(S452:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS453)。続いて、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS454)。確率変動回数カウンタがゼロである場合(S454:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(S455)。減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合(S454:NO)には、S455をスキップして、S456に移行する。
次いで、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S456)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合(S456:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の変動時間短縮回数カウンタを1減算する(ステップS457)。続いて、変動時間短縮回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS458)。変動時間短縮回数カウンタがゼロである場合(S458:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(S459)。減算後の時短回数カウンタがゼロでない場合(S458:NO)には、S458をスキップして、S460に移行する。
次いで、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(S460)。電チューサポート機能が作動中である場合(S460:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の入球容易状態回数カウンタを1減算する(ステップS461)。続いて、入球容易状態回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS462)。入球容易状態回数カウンタがゼロである場合(S462:YES)には、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(S463)。減算後の入球容易状態回数カウンタがゼロでない場合(S462:NO)には、S463をスキップして、S464に移行する。
次いで、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(S464)。そして、変動パターン選択状態を更新する(S465)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数が予め設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
次いで、前述のS452〜S465にて更新された現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S466)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定および更新を実行する。
続いて、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されているか否かを判定する(S467)。小当りデータが格納されている場合(S467:YES)には、小当り遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り開始デモコマンド)を生成する(S468)。続いて、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移する(S469)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため「00H」を設定する(S470)。
他方、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されていない場合(S467:NO)、すなわち、特別図柄判定フラグにはずれデータ「00H」が格納されている場合には、S468〜S470をスキップする。なお、特別図柄判定フラグがはずれデータである場合に、当該フラグの内容をクリアする処理をしなかったのは、元々はずれデータとして「00H」が格納されているからである。
(特別電動役物制御処理)
次に、特別電動役物制御処理(S66)について説明する。図30〜図32は、電動役物制御処理(S66)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」であるか否かを判定する(S501)。特別電動役物遊技ステイタスが「01H」である場合(S501:YES)には、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物542が作動中であるか否かを判定する(S502)。特別電動役物542が作動していない場合(S502:NO)には、特別電動役物542の作動開始時間であるか否かを判定する(S503)。特別電動役物542の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物542の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物542の作動開始時間である場合(S503:YES)には、ラウンド演出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S504)。なお、演出制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。そして、特別電動役物542の作動を開始して(S505)、特別電動役物542の作動中の処理として、S506〜S510の処理を実行する。
特別電動役物542の作動中の処理として、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞したか否かを判定するとともに(S506)、特別電動役物542の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S507)。このとき、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞した場合(S506:YES)又は特別電動役物542の作動時間が経過した場合(S507:YES)には、特別電動役物542の作動を停止させる(S508)。そして、特別電動役物542の連続作動回数が予め定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(S509)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合(S509:NO)には、特別電動役物542の連続作動回数を1インクリメントする(S510)。なお、上述の特定領域スイッチ処理(
S105)では、特定ラウンド(本実施形態における第2ラウンド)において、特定領域スイッチ547の検出情報を予め定めた特定領域検出有効期間内に受け付けることによって特定領域通過フラグをオンとする処理を実行する。
他方、特別電動役物542の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合(S509:YES)には、S511に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り終了デモコマンド)を生成する(S511)。
続いて、遊技状態設定処理として、特定領域通過フラグの確認(確変移行の判定)、リミットカウンタ情報の更新、リミッタ機能の判定、特別遊技の終了後の遊技状態を規定するための各作動回数情報(確率変動回数情報、変動時間短縮回数情報、入球容易状態回数情報)の設定などを行う(S512)。この遊技状態設定処理(S512)の詳細は図33を用いて後述する。
次いで、確率変動回数カウンタに記憶された確率変動回数情報(確変作動回数情報)が確率変動機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S514)。確率変動機能作動データである場合(S514:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(S515)。他方、確率変動機能作動データではない場合(S514:NO)には、S515をスキップする。
続いて、変動時間短縮回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S516)。変動時間短縮機能作動データである場合(S516:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(S517)。他方、変動時間短縮機能作動データでない場合(S516:NO)には、S517をスキップする。
続いて、入球容易状態回数カウンタに記憶された入球容易状態回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S518)。電チューサポート機能作動データである場合(S518:YES)には、電チューサポート機能の作動を開始させる(S519〜S521)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(S519)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(S520)、普通電動役物522の開放延長機能の作動開始(S521)、を順に実行する。他方、電チューサポート機能作動データでない場合には、S519〜S521をスキップする。
次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S522)。続いて、前述のS512〜S522にて設定された特別遊技後の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S523)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S524)。
他方、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」でない場合(S501:NO)には、S530に移行して、特別電動役物遊技ステイタスが「02H(小当り遊技)」であるか否かを判定する(S530)。特別電動役物遊技ステイタスが「02H」である場合(S530:YES)には、以降の処理で小当り遊技処理を実行する。
その小当り遊技処理において、まず、特別電動役物542が作動中であるか否かを判定する(S531)。特別電動役物542が作動していない場合(S531:NO)には、
特別電動役物542の作動を開始する(S532)。他方、特別電動役物542が作動中である場合(S531:YES)には、S532をスキップする。
続いて、特別電動役物542の作動中の処理として、大入賞口54に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S533)、特別電動役物542の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S534)。このとき、大入賞口54に遊技球が規定カウント数(最大入賞数)だけ入賞した場合(S533:YES)又は特別電動役物542の作動時間が経過した場合(S534:YES)には、特別電動役物542の作動を停止する(S535)。
続いて、小当り遊技の終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り終了デモコマンド)を生成する(S536)。次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S537)。続いて、上記S537にて設定された特別遊技後の変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S538)。この遊技状態指定コマンドは、演出制御基板200側で、演出モードの移行契機の判定、移行先の演出モードの特定などに用いられる。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S539)。
(遊技状態設定処理)
次に、遊技状態設定処理(S512)について説明する。図33は、遊技状態設定処理(S512)の詳細を示すフローチャートである。
まず、メイン情報記憶手段180の特定領域通過フラグがオンとなっているか否かを判定する(S541)。特定領域通過フラグがオンしている場合(S541:YES)、すなわち、大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域548を通過している場合には、リミットカウンタを1加算する(S542)。続いて、リミットカウンタが上限数に達しているか否かを判定する(S543)。リミットカウンタが上限数に達していない場合(S543:NO)には、大当り遊技の終了後の遊技状態を確変遊技状態とすべく、確変フラグに「01H(オン)」を設定する(S544)とともに、確率変動回数カウンタに確率変動回数情報(確変作動回数情報)を設定する(S545)。一方、リミットカウンタが上限数に達している場合(S543:YES)には、S544,S545をスキップして、S546に移行する。続いて、メイン情報記憶手段180の特定領域通過フラグをオフする(S546)。
次いで、大当り当選時の遊技状態を確認すべく、遊技状態バッファを確認する(S547)。そして、上記S564にて読み出した大当り当選時の遊技状態と、上記S330で決定した図柄群の種類(大当り種別)と、確変フラグのオンオフ状態とに基づいて、変動時間短縮回数カウンタに変動時間短縮回数情報を設定するとともに(S548)、入球容易状態回数カウンタに入球容易状態回数情報を設定する(S549)。
続いて、メイン情報記憶手段180の確変フラグがオンしているか否かを判定する(S550)。確変フラグがオンしていない場合(S550:NO)には、リミットカウンタをリセットする(S551)。一方、確変フラグがオンしている場合(S550:YES)には、S551をスキップして、この遊技状態設定処理を終了する。
<演出制御基板側の処理>
次に、図34〜図39のフローチャートを参照しながら、演出制御基板200における動作処理の手順について説明する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後などサブ
メインCPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号に起因して起動される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理とを含んで構成される。
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が発生したときの優先度を示す優先レベルが設定されている。本例では、「電源リセットによるリセット開始処理:最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理:最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理:レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理:レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理:レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理:レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、サブメインCPU201が不正な命令を実行したとき、サブメインCPU201が不正な領域又は不正な方法にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが発生したときなどに起動する。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
演出制御側メイン処理内では、基本的には、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させるかたちで各割込み処理が起動される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的には当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。そして、各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、演出制御マイコン210(割込みコントローラ)のレジスタ設定によって規定される。
《リセット開始処理》
まず、演出制御基板200のリセット開始処理について説明する。図34は演出制御基板200のリセット開始処理を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、サブメインCPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S601以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(S601)。そして、各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(S602)。
続いて、ハードウェアに関する基本的な設定として、サブメインCPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(S603)。さらに、演出制御マイコン210のRAM203内のメモリ領域を初期化する(S604)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。また、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムをRAM203に適宜展開する。
続いて、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(S605)。次
いで、予め各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を行う(S606)。さらに、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ80)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(S607)。そして、サブメインCPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(S608)。
続いて、遊技演出の主たる処理として演出制御側メイン処理を実行する(S609)。この演出制御側メイン処理(S609)の詳細は図35を用いて後述する。なお、前記S609で演出制御側メイン処理へ移行すると、メイン処理から当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグ等の発生によって、万が一、この処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する。
《演出制御側メイン処理》
次に、演出制御基板200の演出制御側メイン処理(S609)について説明する。図35は演出制御側メイン処理(S609)を示すフローチャートである。
まず、演出制御側メイン処理内で制御プログラムがRAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(S611)。続いて、全ての割込みを許可(各種の割込み処理の起動を許可)する(S612)。
次いで、デバイスの初期化動作を実行する(S613)。この初期化動作は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイド等のデバイスによって可動役物24の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物24は予め設定された初期位置(基準位置)に復帰する。
続いて、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(S614)。このとき、サブメインCPU201がプログラムを正常に実行しているときは、予め設定されたタイムアウト時間内に、サブメインCPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
続いて、入力ポートチェック処理を実行する(S615)。この入力ポートチェック処理では、後述のタイマ割込み処理におけるポート入出力処理S912でのI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを割込み発生毎に監視して、複数回(例えば4回)の監視において入力ポートの状態が全て「1」の場合は信号レベルを「1(Hレベル)」、全て「0」の場合は信号レベルを「0(Lレベル)」、それ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
続いて、エラー演出管理処理を実行する(S616)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(S622)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(S920)にて16ms周期で減算更新される。そして、エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
続いて、演出ボタン監視制御処理を実行する(S617)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄の変動変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、所定の操作有効時間内における演出ボタン15の入力状態を監視して、演出ボタン15の入力状態に関する情報を保持する。
続いて、予告抽選管理処理を実行する(S618)。この予告抽選管理処理では、後続のコマンド解析処理(S620)で選択される変動演出パターンのシナリオに沿って、装飾図柄の変動過程の各段階で発生する予告演出の内容を定めた予告演出パターンを抽選で決定する。ここで決定された予告演出パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の予告演出パターン格納領域に一時記憶される。また、この予告演出パターン番号を画像制御基板300側へ指定するための画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファに設定する。このとき、予告演出パターンとして、役物予告演出パターンが選択された場合には、役物リクエストが発生し、後続のデバイス管理処理(S619)にて、可動役物24の駆動パターンが特定される。なお、本例では、装飾図柄の一変動内で発生する複数種の予告演出(予告演出パターン)の全てを、1回のメインループ処理内で抽選するのではなく、当該メインループ処理効率を向上させるため、予告演出の発生時期(例えば、変動開始段階、リーチ発生段階、変動停止段階)毎に分けて、複数回のメインループ処理に跨って抽選する構成となっている。その際、装飾図柄の変動開始段階で発生する予告演出については、装飾図柄の変動開始と同期をとる(画像制御コマンドを早急に送信する)必要があるので、先発のメインループ処理内で抽選を行うようになっている。
次に、デバイス管理処理を実行する(S619)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(S620)にて各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、ROM203に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプLPのランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。なお、本例において、1フレーム時間は、演出表示装置70において毎秒約60フレーム(=約60fps)で描画等する場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、可動役物24の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データ等)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力され、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプLPを消灯させ、又は、可動役物24の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
続いて、コマンド解析処理(S620)を実行する。このコマンド解析処理では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理(S620)の詳細は図36を用いて後述する。
そして、今回のループ処理中で、コマンド解析(演出制御コマンドの解析)を実行したか否かを判定する(S621)。コマンド解析直後の場合(S621:YES)は、S614に戻り、次のループ処理へ移行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合(S621:NO)、すなわち、コマンドバッファが空である場合には、所定時間が経過するまで、演出抽選乱数更新処理を実行する(S622)。なお、本実施形態では、上記の所
定時間として、ランプLPの切り替え制御の最小単位(32ms)の半分の時間となる「16ms」が設定されている。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの各種の演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
(コマンド解析処理)
次に、コマンド解析処理(S622)について説明する。図36は、コマンド解析処理(S622)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100からの演出制御コマンドがサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納されているか否かを監視して、格納された演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
まず、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S631)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合(ステップS631:YES)には、演出状態移行処理(S632)へ移行する。演出状態移行処理(S632)では、遊技状態指定コマンドに含まれる遊技状態情報および変動パターン選択状態情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S633)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合(S633:YES)には、保留情報管理処理(S634)へ移行する。この保留情報管理処理(S634)では、サブメイン情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、演出表示装置70の保留画像表示部710に表示される保留画像の表示個数および表示態様(表示色など)を更新するための処理を行う。
次いで、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S635)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合(ステップS635:YES)には、変動演出内容決定処理(S636)へ移行する。この変動演出内容決定処理(S636)では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には装飾図柄の変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には装飾図柄の変動演出を終了させるための処理を実行する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S637)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドが含まれる。大当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS637:YES)には、大当り演出内容決定処理(S638)へ移行する。この大当り演出内容決定処理(S638)では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S639)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドが含まれる。小当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS639:YES)には、小当り演出内容決定処理(S640)へ移行する。この小当り演出内容決定処理(S640)では、小当り
開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域にエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S641)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合(S641:YES)には、エラー演出内容決定処理(S642)へ移行する。このエラー演出内容決定処理(S642)では、サブ情報記憶手段280からエラー演出指定コマンドを読み出して、演出ランプLPの点灯やスピーカ11の音声などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
なお、サブ情報記憶手段280のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合(S631:NO、S633:NO、S635:NO、S637:NO、S639:NO、S641:NO)は、何もせずコマンド解析処理を終了する。
《演出制御コマンドの受信割込み処理》
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理を説明する。図37は、演出制御コマンドの受信割込み処理を示すフローチャートである。この演出制御コマンドの受信割込み処理では、前述したように、主制御基板100からのストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生することで開始され、この割込み処理において各種の演出制御コマンドが取得されるようになっている。なお、演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含む構成となっており、主制御基板100から演出制御基板200へ、MODEデータ、EVENTデータの順に送信される。以下では、説明の便宜上、MODEデータを「第1コマンド」、EVENTデータを「第2コマンド」とも称する。
まず、主制御基板100からのストローブ信号に基づく割込みが発生すると、演出制御コマンドの入力値が確定したか否かを判定する(S901)。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読み込み、2回連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値が確定となる。これはノイズ等により演出制御コマンドの読み取りが失敗するおそれがあるためであり、2回連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値を確定とはしない。
続いて、今回受信したコマンドが第1コマンド(MODE)であるか否か、換言すれば、第1コマンド(MODE)であるか第2コマンド(EVENT)であるかを判定する(S902)。今回受信したコマンドが第1コマンドである場合(S902:YES)は、当該第1コマンドをテンポラリ領域に一時的に記憶する(S903)。そして、演出抽選乱数発生手段210から演出抽選乱数を取得して、この乱数情報をサブメイン情報記憶手段260の演出抽選乱数格納領域に一時記憶する(S904)。なお、演出抽選乱数の取得時期を、演出制御コマンドの受信時としているのは、演出制御コマンドは遊技球の始動入賞時や特別図柄の変動開始時など物理的に不規則なタイミングで送信されるため、それを契機とすることで取得時期に周期性を出さないようにするためである。このように演出抽選乱数の取得時期を不規則とすることで、各種の演出抽選においても、同一の演出が不自然に繰り返し選択されてしまう等の不都合が発生し難くなる。
一方、今回受信したコマンドが第2コマンドである場合(S902:NO)には、すでに第1コマンドを受信済であるか否かを判定する(S905)。すなわち、演出制御コマンドを第1コマンド(MODE)→第2コマンド(EVENT)の順に受信したか否か判定して、演出制御コマンドの組合せに矛盾がないかを確認する。演出制御コマンドの組合せに矛盾がない場合(S905:YES)は、ライトポインタ(書き込み用のポインタ)の示すアドレスを取得する(S906)。続いて、第1コマンドと第2コマンドとを、ライトポインタの指示するアドレスに従って、サブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファ(リングバッファ)に保存する(S907)。保存されたコマンドデータは、メイン処理における前記のコマンド解析処理(S620)で読み出され、演出制御コ
マンドの種別に対応した演出制御処理が実行される。次いで、ライトポインタの示すアドレスを更新する(S908)。さらに、前記S903で一時記憶したコマンドデータ(第1コマンド)をクリアする(S909)。そして、当該演出制御コマンド受信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
《演出制御側タイマ割込み処理》
次に、演出制御側タイマ割込み処理を説明する。図38は、演出制御側タイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動され、上述の演出制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
タイマ割込みが発生すると、サブメインCPU201内のレジスタの内容をRAM203のスタック領域に退避させた後、S911以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込み等、優先レベル2以上の割込みを許可する(S911)。
続いて、ポート入出力処理を実行する(S912)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204におけるポートデータの入力処理、出力処理を行う。入力処理では、I/Oポート回路204(入力ポート)に入力されている各種信号を読み取り、これを入力情報として記憶する。出力処理では、サブメイン情報記憶手段260に一時記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204(出力ポート)から出力する。
続いて、デバイス制御データ出力処理を実行する(S913)。このデバイス制御データ出力処理では、前記のデバイス管理処理(S619)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出してサブメイン情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204(出力ポート)からモータドライバ92へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えられることとなる。
次いで、演出用タイマ更新処理を実行する(S914)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理され、その時間軸上で可動役物24の駆動タイミングや演出ランプLPの点灯タイミング等の時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(S913)やランプデータ更新処理(S917)などにおいても利用される。
続いて、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(S915)。演出ボタン15の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる時間である。
続いて、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(S916)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」〜「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」〜「14」であれば1インクリメントし、タスクカウンタの値が「15」となった場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。そして、今回更新されたタスクカウンタの値に対
応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(S917のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(S9189の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(S919のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本例では、タスクカウンタの値(「0」〜「15」)のうち、或る1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)と一致させるためである。そして、この演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
続いて、ランプデータ更新処理を実行する(S917)。このランプデータ更新処理では、前記のデバイス管理処理(S621)等で特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板91へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期したかたちで、1ビット毎にランプ接続基板91に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返され、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力されるようになっている。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板91に対してシリアル転送にて出力される。
続いて、画像CPU暴走監視処理を実行する(S918)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が1600ms(50〜100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基板300のサブサブCPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側はサブサブCPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。
次いで、エラー管理タイマ処理を実行する(S919)。このエラー管理タイマ処理では、前記のエラー演出管理処理(S616)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。そして、全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
《画像制御コマンドの送信割込み処理》
次に、画像制御コマンドの送信割込み処理を説明する。図39は、画像制御コマンドの送信割込み処理を示すフローチャートである。この画像制御コマンドの送信割込み処理は、予め設定された一定間隔(500μs)毎に発生する。
この画像制御コマンドの送信割込み処理では、まず、サブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファをチェックする(S931)。続いて、画像制御コマンドバッファにおいてリードポインタを取得する(S932)。次いで、画像制御コマンドバッフ
ァに画像制御コマンドが格納されているか否かを判定する(S933)。画像制御コマンドが格納されているか否かは、例えば、リードポインタとライトポインタによって確認でき、リードポインタとライトポインタとが一致している場合には、画像制御コマンドが格納されていないことになる。画像制御コマンドが格納されている場合(S933:YES)には、リードポインタが指す領域から画像制御コマンドを読み出す(S934)。この読み出した画像制御コマンドを、出力先として指定されたシリアル通信回路の出力バッファにセットする(S935)。これによりシリアルポートから画像制御コマンドが画像制御基板300に対してシリアル送信される。次いで、コマンドデータ(前記S935で送信したコマンドデータ)をクリアする(S936)。続いて、リードポインタを1インクリメントして更新する(S937)。そして、当該画像制御コマンドの送信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
以上、本実施形態によれば、第1の関門として、通常遊技状態において時短有り大当りに当選することで第1有利遊技状態(時短遊技状態)に移行し、第2の関門として、該第1有利遊技状態において条件付き特定大当りに当選することで最有利遊技状態(確変遊技状態)に移行するという、二段階の関門突破を条件に、最有利遊技状態が複数回繰り返される遊技性(複数回セットの大当りを獲得できる遊技性)として構成されている。従って、最有利遊技状態となるまでに二段階の関門があるため、その分だけ最有利遊技状態で大当りが連荘したしたときの出玉量を規則として定められる基準内に収まる設計値(出玉)の振り分けにおいて増やすことができ(出玉感のある遊技を実現することができ)、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、第1の関門を突破したことを報知するタイミング(大当り遊技中)と第2の関門を突破したことを報知するタイミング(時短遊技中のSPリーチ中)とを異ならせることで、各関門を突破したときの遊技演出が単調となるのを防止して、各関門を突破したときの遊技者の達成感を向上させることができるとともに、いずれの報知タイミングがいずれの関門突破に対応しているのかを定めることで遊技者にとって遊技の流れや演出内容を理解しやすい(誤解を招かない)仕様とすることが可能となる。特に、主体となる特別図柄遊技では、第1の関門(通常時の大当りが時短有大当りであるか否か)は、大当りの種別に依存し(第1特別図柄33%の大当り図柄が時短有大当り)、第2の関門は、大当りの種別に依存しない(第2特別図柄は100%条件付き特定大当り)ものである。そのため、第1の関門の報知に関しては、大当りとなること及び大当りが時短付き当りであることを一連の演出で成功態様、失敗態様を1回の報知で行うことができるため、演出的に大当りになることを盛り上げて報知した後、時短有大当りが獲得できない失敗態様で遊技者の気分を盛り下げることなく報知できる。一方、第2の関門においては、時短中に第2特別図柄の大当りを獲得することが最有利遊技状態への移行条件であることから、大当り獲得となるか否かのポイントに注力して演出的に盛り上げる報知を実行するものであるため、第1関門、第2関門ともに1回の演出的な注目ポイント(演出分岐ポイント)に注目させることができ、遊技性として2回の関門を突破するという複雑さをはらみながらも、演出的には単純明快な遊技機を提供することができる。
(第1実施形態の変形例1)
上記実施形態では、大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域548に入球するか否かに応じて確変移行の有無を判定するV確変スペックを採用するため、遊技状態が確変遊技状態(最有利遊技状態)であるときにリミット機能が作動する前であっても(リミットカウンタが上限回数に到達する前であっても)、その大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させることができなければ、確変遊技状態(最有利遊技状態)から時短遊技状態(第2有利遊技状態)に転落する仕様となっている。例えば、遊技状態が確変遊技状態である場合に、(ア)第1特別図柄の当否判定の結果が大当り(条件付き通常大当り)となってしまったことで、その大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させ
ることができず、確変遊技状態(最有利遊技状態)から確変遊技状態(第2有利遊技状態)に転落する場合、(イ)第2特別図柄の当否判定の結果が大当り(条件付き特定大当り)となったにも関わらず、その大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させることができず、確変遊技状態(最有利遊技状態)から時短遊技状態(第2有利遊技状態)に転落する場合である。そのような場合には、リミットカウンタは、大当り遊技の終了時にリセットされることになる。
一方、上記実施形態とは異なり、V確変スペックを採用しない場合、すなわち、特別図柄の停止図柄(大当り図柄)に基づき確変移行の有無を判定するノーマル確変スペックを採用する場合には、特別図柄の停止図柄の抽選時に、その大当り図柄が特定大当り図柄(確変遊技状態への移行契機となる大当り図柄)であるか通常大当り図柄(確変遊技状態への移行契機とならない大当り図柄)であるかが決まるため(その大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行するか否かが決まるため)、通常大当り図柄を引くことで確変遊技状態(最有利遊技状態)から転落する場合には、その大当りを契機として実行される大当り遊技の終了時を待たず、その特別図柄の停止図柄の抽選時に、リミットカウンタをリセットするように構成してもよい。また、さらなる変形例としては、リミットカウンタのリセットのタイミングとして、上記のように確変遊技状態(最有利遊技状態)の実行中に通常大当り図柄を引いたときではなく、時短遊技状態(第2有利遊技状態)に転落した後、その時短遊技状態(第2有利遊技状態)の実行中に確変大当り(特定大当り図柄)を引くことで、確変遊技状態(最有利遊技状態)を引き戻すこととなったとき、すなわち、その特別図柄の停止図柄(特定大当り図柄)の抽選時であってもよい。つまり、先の変形例では、確変遊技状態が終了(時短遊技状態に転落)する契機となる大当り図柄(通常大当り図柄)の抽選時又は抽選後にリミットカウンタをリセットし、後の変形例では、確変遊技状態を引き戻す契機となる大当り図柄(特定大当り図柄)の抽選時又は抽選後にリミットカウンタをリセットする構成である。なお、このリミットカウンタをリセットするタイミングとしては、少なくとも特別図柄の停止図柄の判定処理(図23:S330)が行われた後のタイミングとして、例えば、特別図柄変動開始監視処理(図23を参照)や、特別図柄変動開始処理(図26を参照)、特別図柄変動中処理(図27:を参照)、特別図柄停止図柄表示中処理(図28〜29を参照)のうちのいずれかのタイミングで行われていることが好適である。本変形例によれば、主制御基板100の処理負担を軽減して、遊技制御処理を円滑に進めることが可能となる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るぱちんこ遊技機について説明する。第2実施形態のぱちんこ遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態のぱちんこ遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第2実施形態のぱちんこ遊技機は、第1実施形態のぱちんこ遊技機と同様に、大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域548に入球したことを条件に、当該大当り遊技の終了後の遊技状態を確変遊技状態に設定する、いわゆるV確変タイプの遊技機として構成されている。この第2実施形態においても、確変遊技状態が次回の大当りが発生するまで継続する、いわゆるノーマル確変機を採用している。
また、第2実施形態のぱちんこ遊技機は、所定の遊技状態(潜伏確変遊技状態)において小当りが頻繁に発生する、いわゆる小当りRUSHモードを採用している。小当りRUSHモードの遊技性については後述する。
続いて、第2実施形態のぱちんこ遊技機に関する基本構成を順番に説明する。
図40は、第2実施形態のぱちんこ遊技機の正面図である。図40に示すように、遊技盤20の右側領域PA2には、上から下に向かって順に、作動ゲート53、第2始動口52(普通電動役物522)、大入賞口54(特別電動役物542)が配置されている。普通電動役物522は、第2始動口52を開閉するための前後スライド式の可動部材524を備えて構成された電動役物である。可動部材524は、第2始動口52を閉鎖して遊技球の入球を不能又は困難とする閉鎖位置(突出位置)と、第2始動口52を開放して遊技球の入球を可能又は容易とする開放位置(退避位置)との間で、前後方向(盤面と直交する方向)にスライド可能となっている。この可動部材524の上面は、前後方向に遊技球約1個分以上の通路幅を有して、正面視にて右側から左側へ向かって下り傾斜するように形成されている。そのため、可動部材524が閉鎖位置にある場合(第2始動口52が閉鎖状態である場合)は、遊技球が可動部材524の上面を誘導路として流下可能となり、当該誘導路上を右方から左方に流下して普通電動役物522の左端から落下する。なお、その変形例として、小当りRUSHでは、普通電動役物522の作動時に、遊技球をなるべく下流に流下させないようにすることが好ましいため、可変部材524へ到達する前の流路(特に直前)において、左右方向の傾斜が入れ替わるよう流路を折り返すように構成したり、流路の両側に互い違いに突状片を設けた減速機構を採用したりして、可変部材524に遊技球が入球しやすいよう遊技球の勢いを減衰させるように構成することが好ましい。
この普通電動役物522の下方には、特別電動役物(大入賞口54)が配置されており、普通電動役物522の上面を通過した遊技球は大入賞口54へ向かって流下することになり、そのとき大入賞口54が開放状態であれば、該遊技球が大入賞口54に入球することが容易となっている。一方、可動部材524が開放位置にある場合(第2始動口52が開放状態である場合)は、右側領域PA2を流下する遊技球は第2始動口52に入球することが容易となっている。本例では、右側領域PA2を流下する遊技球は、高い確率(ほぼ100%)で第2始動口52(普通電動役物522)に向かって流れる盤面設計(ゲージ設計)となっており、第2始動口52が閉鎖状態であれば、遊技球は可動部材524の上面に誘導されて大入賞口54に向かって流下する一方で、第2始動口52が開放状態であれば、遊技球は第2始動口52に入球して大入賞口54まで到達しないように構成されている。
続いて、第2実施形態における特別図柄の当否判定について説明する。図41は、第2実施形態における特別図柄当否抽選テーブルを示す模式図である。図中、(A)は特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(低確率状態)において参照され、(B)は特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(高確率状態)において参照される。図41に示すように、特別図柄の当否抽選において、特別図柄の確率変動機能が作動していない遊技状態(低確率状態)では、相対的に低確率「1/200」で大当りとなる。一方、特別図柄の確率変動機能が作動している遊技状態(高確率状態)では、大当りの当選確率が向上して、相対的に高確率「5/200」で大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの当選確率が低確率「1/200」から高確率「5/200」に変動する。このように大当りの当選確率は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しく設計されている。ここで、当否判定の結果が大当りに該当しなかった場合であっても、第2特別図柄の当否判定においては、非常に高い当選確率「180/200」又は「190/200」で小当りとなる。なお、小当りの当選確率を、遊技状態(低確率状態、高確率状態)に関係なく、同じ当選確率にしてもよい。本例では、第2特別図柄の当否判定のみ小当りが存在するように構成しているが、第1特別図柄の当否判定にも小当りを設けて、第1特別図柄の当否判定および第2特別図柄の当否判定のいずれにおいても小当りが当選するように構成してもよい。但し、その場合には、第1特別図柄の当否抽選での小当りの当選確率よりも第2特別図柄の当否抽選での小当りの当選確率の方が相対的に高確率に設定されていること
が好適である。
続いて、第2実施形態における大当り種別(大当り内訳)について説明する。図42は、第2実施形態における大当り内訳として特別図柄大当り図柄テーブルを示す模式図である。
図42(A)は、第1特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り属性、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄大当りテーブルでは、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群A,Bが設定されている。具体的には、図柄群A(2R長開放大当り1)と、図柄群B(2R長開放大当り2)とに振り分けられる。2R長開放大当り1,2(図柄群A,B)は、大当り遊技の規定ラウンド数が2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間が約28秒である。
図42(B)は、第2特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り属性、大当り別遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄大当り図柄テーブルでは、1種類の図柄群Cのみが設定されている。この図柄群Cには、大当り種別として、2R短開放大当りが対応する。2R短開放大当りは、大当り遊技の規定ラウンド数が2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間が約2秒である。
第2実施形態においても、上記の各大当り(大当り種別)は、大当り属性として、「条件付き特定大当り」と「条件付き通常大当り」とに区分される。図42(a)に示すように、第1特別図柄抽選では、条件付き通常大当りの当選確率が「100%」である。また、図42(b)に示すように、第2特別図柄抽選では、条件付き特定大当りの当選確率が「100%」である。すなわち、第2特別図柄抽選で大当りが発生した場合は、その大当り種別に関わらず、常に条件付き特定大当りに当選することが確定的となる。そのため、第1特別図柄抽選で大当りが発生する場合よりも、第2特別図柄抽選で大当りが発生する場合の方が、条件付き特定大当り(確変大当り相当)に当選する可能性が高く、大当り遊技の終了後に有利な遊技状態(高確率状態)へ移行する可能性が高い。
また、第2実施形態では、上記3種類の大当り種別のうち、いずれの大当り種別に該当する場合でも、その大当り遊技中に設定された特定ラウンドにおいて、遊技球が特定領域548に入球するか否かに基づき、該大当り遊技の終了後の遊技状態が確変遊技状態に移行するか否か振り分けられる。特定ラウンドとは、可動部材545が開閉動作し、且つ、特定領域547が有効となる(特定領域548への遊技球の入球検知を有効として扱う、すなわち、遊技球が特定領域548に入球することにより確変移行が決定される)ラウンドをいう。この特定ラウンドは、いずれの大当り種別に当選した場合でも、第2ラウンド目に設定されている。
図43は、第2実施形態における大入賞口54及び特定領域548の開放パターンを説明するためのタイムチャートである。第2実施形態では、上記の大当り種別に応じて2種類の開放パターンが用意されている。図中には、大当り遊技中の大入賞口54および特定領域548の状態変化の様子が左から右に向かって時系列的に示されている。なお、各ラウンド間には、大入賞口54の閉鎖状態が維持されるインターバル時間(待機時間)が設けられている。図中に示す開放パターンは、各ラウンドの実行状態を概念的に表すもので
あり、各ラウンドの開放時間および閉鎖時間(インターバル時間を含み)の時間幅および比率は、実際の時間幅および比率と対応するものではない。すなわち、図中では、各ラウンドの経過を分かり易く表現するために、各ラウンドおよび各インターバルの時間幅を均等に記載しているが、実際には各ラウンドおよび各インターバルの時間幅は該ラウンドの開放態様等に応じて異なるものである。なお、大入賞口54の開放パターンは、大当り種別に応じて異なり得るものとなっているが、特定領域548の開放パターンは、大当り種別に関わらず同一となっている。
図中(A)は、第1特別図柄抽選にて「2R長開放大当り1」又は「2R長開放大当り2」に当選した場合に大当り遊技で実行される開放パターンである。大入賞口54は、ラウンドの開始時から約2秒後に開放して、そのまま約28秒間に亘り開放状態を維持して、ラウンドの終了時に閉鎖する(各ラウンド時間は約30秒に設定される)。よって、各ラウンドにおいて大入賞口54は約28秒間開放されるため、規定数(フルカウント:10球)の遊技球を大入賞口54に入球させることが可能又は容易である。一方、特定領域548は、第2ラウンド(特定ラウンド)の開始時から約0.032秒後に開放し、そのまま約2秒間に亘り開放状態を維持した後、閉鎖する。そのため、大入賞口54に入球した遊技球が特定領域548に到達したときには、特定領域548が閉鎖されているため、遊技球が特定領域548に入球することは極めて難しく、実質的に確変移行は不可能である。
図中(B)は、第2特別図柄抽選にて「2R短開放大当り」に当選した場合に大当り遊技で実行される開放パターンである。大入賞口54は、各ラウンドの開始と同時に開放して、そのまま約2秒間に亘り開放状態を維持して、ラウンドの終了時に閉鎖する(各ラウンド時間は2秒に設定される)。よって、各ラウンドにおいて大入賞口54は約2秒間しか開放されないため、規定数(フルカウント:10球)の遊技球を大入賞口54に入球させることは不可能又は困難であるが、2〜3個程度の遊技球を大入賞口54に入球させることは可能又は容易である。一方、特定領域54は、第2ラウンド(特定ラウンド)の開始時から約0.032秒後に開放して、そのまま約2秒間に亘り開放状態を維持した後、閉鎖する。そのため、第1ラウンド目から第2ラウンド目にかけて大入賞口54を狙って遊技球を発射させていれば、大入賞口54に入球した遊技球が特定領域548に入球することは容易であり、実質的に確変移行が可能である。
続いて、第2実施形態における遊技状態について説明する。図44は、第2実施形態における遊技状態および演出モードの遷移図である。この第2実施形態では、複数種の遊技状態として、通常遊技状態、時短遊技状態、潜伏確変遊技状態が設定されている。その遊技状態の種類として、1)特別図柄の確率変動機能および特別図柄の変動時間短縮機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態」又は「潜伏確変遊技状態」と称し、2)特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能のみが作動する遊技状態を「時短状態」又は「時短遊技状態」と称し、3)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」又は「通常遊技状態」と称する。「潜伏確変遊技状態」及び「時短遊技状態」は、いずれも「通常遊技状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。なお、各遊技状態は、特別図柄の確率変動機能の作動状態(高確率状態/低確率状態)と、電チューサポート機能の作動状態(高ベース状態/低ベース状態)との組み合わせにより、(1)潜伏確変遊技状態を「高確率低ベース状態」、(2)時短遊技状態を「低確率高ベース状態」、(3)通常遊技状態を「低確率低ベース状態」と表現することもできる。
図45は、第2実施形態における遊技状態設定テーブルを示す模式図である。遊技状態設定テーブルには、各大当り種別に対して、大当り遊技の終了後に、特別図柄の確率変動機能が作動する確変作動回数(「確率変動回数」とも呼称する)と、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する時短作動回数(「変動時間短縮回数」とも呼称する)と、電チューサ
ポート機能が作動する電サポ作動回数(「入球容易状態回数」とも呼称する)とが対応付けられている。特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる場合に付与される確変作動回数、時短作動回数、電サポ作動回数は、(ア)大当り種別(図柄群の種類)と、(イ)大当り当選時の遊技状態と、(ウ)大当り遊技中における特定領域548への遊技球の入球の有無とに応じて設定される。
第1特別図柄および第2特別図柄においていずれの大当り種別に当選した場合でも、大当り遊技中に遊技球を特定領域548に入球させることができれば、大当り当選時の遊技状態を問わず、確変作動回数「∞回(65535回)」、時短作動回数「∞回(65535回)」、電サポ作動回数「0回」が設定される。すなわち、いずれの大当り種別に当選した場合でも、大当り遊技中に遊技球を特定領域548に入球することができれば、その大当り遊技の終了後の遊技状態として潜伏確変遊技状態が設定される。
また、第1特別図柄において「2R長開放大当り1」に当選した場合、大当り遊技中に遊技球を特定領域548に入球できなかったときは、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態であれば、確変作動回数「0回」、時短作動回数「0回」、電サポ作動回数「0回」が設定される一方で、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態であれば、確変作動回数「0回」、時短作動回数「100回」、電サポ作動回数「100回」が設定される。すなわち、大当り当選時の遊技状態が通常状態であれば、大当り遊技の終了後の遊技状態として通常遊技状態が再び設定され、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態であれば、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態(継続回数:100回)が設定される。
また、第1特別図柄において「2R長開放大当り2」に当選した場合、大当り遊技中に遊技球を特定領域548に入球できなかったときは、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態であれば、確変作動回数「0回」、時短作動回数「70回」、電サポ作動回数「70回」が設定される一方で、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態であれば、確変作動回数「0回」、時短作動回数「100回」、電サポ作動回数「100回」が設定される。すなわち、大当り当選時の遊技状態が通常状態であれば、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態(継続回数:70回)が設定され、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態又は確変遊技状態であれば、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態(継続回数:100回)が設定される。
また、第2特別図柄において「2R短開放大当り」に当選した場合、大当り遊技中に遊技球を特定領域548に入球できなかったときは、大当り当選時の遊技状態を問わず、確変作動回数「0回」、時短作動回数「100回」、電サポ作動回数「100回」が設定される。すなわち、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合に、その大当り遊技中に遊技球を特定領域548に入球することができなければ、その大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態(継続回数:100回)が設定される。
第2実施形態では、通常遊技状態よりも遊技者に有利になる遊技状態として時短遊技状態を「有利遊技状態」とも呼称し、時短遊技状態よりも遊技者に有利になる遊技状態として潜伏確変遊技状態を「最有利遊技状態」とも呼称する。また、有利遊技状態は、第1有利遊技状態(継続回数が70回に設定された時短遊技状態)と、第2有利遊技状態(継続回数が100回に設定された時短遊技状態)とに区別される。つまり、各遊技状態は、通常遊技状態<第1有利遊技状態<第2有利遊技状態<最有利遊技状態の順に、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
第2実施形態のぱちんこ遊技機は、予め設定された上限回数(「リミット回数」とも呼称する)を限度として、第1特別図柄又は第2特別図柄で大当りとなることを契機として
付与される潜伏確変遊技状態の連続回数(連続発生回数)を制限するためのリミッタ機能を備えている。上述の遊技状態制御手段165は、大当り遊技の終了後の遊技状態として潜伏確変遊技状態への移行権利を獲得した連続回数(潜伏確変遊技状態への移行を決定した連続回数)を計数するリミットカウンタを備えている。
リミットカウンタは、大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域548に入球する(潜伏確変遊技状態への移行が決定される)ことを契機として更新される。すなわち、本実施形態では、いずれの大当り種別に当選した場合でも、大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させることで確変移行の権利が付与されるV確変スペックを採用しているため、大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させたこと(確変移行の権利を獲得したこと)がリミットカウンタを加算するための条件となる。そのため、いずれの大当り種別に当選した場合でも、大当り遊技の実行中に遊技球を特定領域548に入球させることができなかった場合は、リミットカウンタがリセット(ゼロクリア)されることになる。以下では、説明の便宜上、潜伏確変遊技状態への移行権利を獲得した連続回数を「確変大当り回数」とも呼称する。
第2実施形態では、大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域548に入球することで潜伏確変遊技状態への移行権利を獲得した場合、リミットカウンタが上限回数に達するまでは、その大当り遊技の終了後の遊技状態を潜伏確変遊技状態に設定する(確変作動回数「∞回」、時短作動回数「∞回」、電サポ作動回数「0回」を設定する)。一方、大当り遊技の実行中に遊技球が特定領域548に入球することで潜伏確変遊技状態への移行権利を獲得したとしても、リミットカウンタが上限回数に到達した場合は、その大当り遊技の終了後の遊技状態を強制的に時短遊技状態に設定する(確変作動回数「0回」、時短作動回数「100回」、電サポ作動回数「100回」を設定する)。なお、第2実施形態において、上限回数(リミット回数)は、「3回」に設定されている。
続いて、第2実施形態における演出モードについて説明する。第2実施形態では、図44に示すように、複数種の演出モードとして、通常演出モード、時短演出モード、潜伏確変演出モード、引き戻し演出モードが設定されている。この第2実施形態においても、主制御基板100側において管理される遊技状態(又は変動パターン選択状態)に応じて、複数種の演出モード(通常演出モード、時短演出モード、潜伏確変演出モード、引き戻し演出モード)のうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。なお、以下においては、潜伏確変演出モードを「小当りRUSHモード」とも呼称する。
基本的には、遊技状態が通常遊技状態であるときは「通常演出モード」が設定され、遊技状態が時短遊技状態であるときは「時短演出モード」が設定され、遊技状態が潜伏確変遊技状態であるときは「小当りRUSHモード」が設定される。但し、リミット機能が作動することで確変遊技状態が終了したことに基づき時短遊技状態へ移行するときは、この時短遊技状態へ移行した直後の限定回数(100回)の変動表示においては「引き戻し演出モード」が設定され、その限定回数(100回)の変動表示を終えたときに「通常演出モード」が設定される。すなわち、遊技状態が通常遊技状態から時短遊技状態へ移行するときは、演出モードが「通常演出モード」から「時短演出モード」へ移行する一方で、遊技状態が潜伏確変遊技状態から時短遊技状態へ移行するときは、演出モードが「小当りRUSHモード」から「引き戻し演出モード」へ移行する。なお、小当りRUSHモードは、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合に設定される演出モードであるため、本例における最有利遊技状態中の演出モードということになる。
続いて、第2実施形態における特別図柄の変動時間(変動パターン)について説明する。図46は、第2実施形態における特別図柄の変動時間の比較表である。なお、この第2
実施形態では、特別図柄の変動パターンテーブルの図示を省略しているが、実際には、第1実施形態と同様に、特別図柄の変動時間(変動パターン)は、特別図柄の変動パターンテーブルを参照して選択される。
図中(A)には、遊技状態が通常遊技状態である場合における特別図柄の変動時間を表記している。第1特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「3秒〜60秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜90秒」に設定されている。第2特別図柄の変動時間は、当否判定の結果が小当り又ははずれである場合は「1000秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜90秒」が設定されている。すなわち、第2特別図柄の変動時間については、当否判定の結果が大当りとなる場合以外は、他の変動時間と比較して極めて長い変動時間(1000秒)が設定されている。
図中(B)には、遊技状態が時短遊技状態である場合における特別図柄の変動時間を表記している。第1特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「1秒〜60秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」が設定されている。第2特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「1秒〜3秒」に設定され、当否判定の結果が小当りである場合は「0.5秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」に設定されている。
図中(C)には、遊技状態が潜伏確変遊技状態である場合における特別図柄の変動時間を表記している。第1特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「1秒〜60秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」が設定されている。第2特別図柄の変動時間は、当否判定の結果がはずれである場合は「10秒〜35秒」に設定され、当否判定の結果が小当りである場合は「0.5秒」に設定され、当否判定の結果が大当りである場合は「30秒〜60秒」に設定されている。なお、潜伏確変遊技(小当りRUSHモード)の実行中に、第2特別図柄の当否判定の結果がはずれとなった場合の変動時間を或る程度長めに設定している理由としては、大当りを回避して小当りRUSHモードの継続を煽る演出を実行するための演出尺を確保するためである。
続いて、第2実施形態における普通図柄抽選について説明する。図47は、第2実施形態における普通図柄抽選の説明に供する模式図である。図中(A)は普通図柄当否抽選テーブル、図中(B)は普通図柄変動パターンテーブル、図中(C)は普通電動役物開放パターンテーブルを示している。
普通図柄の当り確率は、図47(A)に示すように、電チューサポート機能が作動していない低ベース状態において「1/1.02」に設定され、電チューサポート機能が作動している高ベース状態において「1/1.01」に設定されている。そのため、第2実施形態では、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに関わらず、普通図柄の当否判定において極めて高確率で当りが導出される。
普通図柄の変動時間は、図47(B)に示すように、電チューサポート機能が作動していない低ベース状態において「2秒」に設定され、電チューサポート機能が作動している高ベース状態において「0.3秒」に設定されている。
普通電動役物の開放パターンは、図47(C)に示すように、電チューサポート機能が作動していない低ベース状態において「2秒の開放→2秒の閉鎖→2秒の開放→2秒の閉鎖→2秒の開放」に設定され、電チューサポート機能が作動している高ベース状態において「5.9秒の開放」に設定されている。すなわち、普通電動役物の開放パターンとして
、低ベース状態においては2秒の開放動作が3回にわたり行われ、高ベース状態においては5.9秒の開放動作が1回だけ行われる。
従って、低ベース状態での普通図柄遊技の当選時の主な流れとしては、普通図柄の変動表示(0.3秒)→普通図柄の停止時間(0.1秒)→普通電動役物の作動(開放2秒→閉鎖2秒→開放2秒→閉鎖2秒→開放2秒→閉鎖)→普通電動役物終了デモ(0.004秒)となる。一方、高ベース状態での普通図柄遊技の当選時の主な流れとしては、普通図柄の変動表示(0.3秒)→普通図柄の停止時間(0.1秒)→普通電動役物の作動(開放5.9秒→閉鎖)→普通電動役物終了デモ(0.004秒)となる。
本実施形態では、第2特別図柄抽選における小当りの当選確率(約1/1.11)が極めて高く、且つ、特別図柄の変動時間短縮機能が作動した遊技状態(時短遊技状態、潜伏確変遊技状態)では小当りの変動時間が極めて短時間(0.5秒)に設定されているため、遊技状態が時短遊技状態(高ベース状態)であっても、潜伏確変遊技状態(低ベース状態)であっても、遊技球が第2始動口52に入球することを契機として小当り遊技が頻繁に発生する。このとき、時短遊技状態(高ベース状態)においては、普通電動役物522が長開放(5.9秒間の開放)を行っているときに遊技球が第2始動口52に入球して小当りに当選した場合であっても、その小当り遊技において大入賞口54を狙って右打ちした遊技球(右側領域PA2を流下する遊技球)は長開放中の普通電動役物522に入球して大入賞口54に到達できないため、小当り遊技により出玉を増やすことは極めて困難である。なお、普通電動役物522が閉鎖する直前に遊技球が入球して小当りに当選した場合でも、後続の遊技球が作動ゲート53を通過してから普通電動役物522が開放されるまでの時間が微小時間(普通図柄の変動時間=0.3秒)に設定されているため、大入賞口54を狙って右打ちした遊技球(右側領域PA2を流下する遊技球)は即開放された普通電動役物522に入球する可能性が高い(大入賞口54に到達できない)。そのため、時短遊技状態においては、小当りが頻繁に発生したとしても、その小当り遊技の実行中に遊技球を大入賞口54に入球させることが極めて困難であり、実質的に持ち球を増やすことはできない。
一方、潜伏確変遊技状態(低ベース状態)においては、普通電動役物522が短開放(2秒間の開放)を3回行っている間に遊技球が第2始動口52に入球して小当りに当選した場合には、その小当り遊技において大入賞口54を狙って右打ちした遊技球(右側領域PA2を流下する遊技球)は、普通図柄の変動表示中(2秒間)や普通電動役物作動中における2秒間閉鎖中の普通電動役物522(可動部材524)の上面を通過して大入賞口54へと到達することができる。従って、潜伏確変遊技状態(小当りRUSHモード)の実行中は、第2始動口52に遊技球を入球させて第2特別図柄の変動表示を高頻度で行い、次の大当りが発生するまでの間、小当り遊技を高頻度で実行させる遊技性となる。それにより、小当り遊技を実行する度に大入賞口54に2〜3個程度の遊技球を入球させて、20〜30個の賞球を連続して獲得することが可能となる(持ち球を増加させることが可能となる)。なお、通常遊技状態においても、小当りの当選確率が高確率に設定されているが、大当り以外の変動時間(小当り、はずれの変動時間)が極めて長時間(1000秒)に設定されているため、遊技者が右打ちにより小当りを狙った遊技をしても、第2特別図柄の消化の効率が非常に悪く、小当りを頻発させることはできない。
また、第2実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄との変動開始条件の判定をそれぞれの判定条件によって実行することで、第1特別図柄表示装置71による第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄表示装置72による第2特別図柄の変動表示とを並行して行う構成となっている。つまり、第1実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄の双方に作動保留球が存在する場合でも、作動保留球数が消化されるのはいずれか一方の特別図柄であり、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に当否抽選や変動表示等が行われること
のない、いわゆる直列の機種となっていたが、第2実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄について、それぞれに対応する作動保留球を別個に消化することで、第1特別図柄と第2特別図柄とが独立して当否抽選や変動表示等が行われる、いわゆる並列の機種を採用している(具体的には、前述の特別図柄の変動開始条件(2)が「(2′)第1特別図柄および第2特別図柄のうち、作動保留球を有する特別図柄が変動待機中であること、」となる機種)。そのため、通常遊技状態において、遊技球が第2始動口52に入球することで、第2特別図柄の変動表示が極めて長時間(1000秒)にわたり行われたとしても、この第2特別図柄の変動表示と並行して、第1特別図柄の変動表示が行われるため、第2特別図柄の変動表示中に遊技が滞ることがない。なお、この並列の機種において、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、一方の特別図柄側の当否抽選の際に、他方の特別図柄側で実行されている変動の当否抽選の結果が大当りに該当している場合には、一方の特別図柄の当否抽選は大当りとならないように実行される(小当りには当選可能)。大当りとならないように実行される当否抽選として、(a)大当りとなった場合に当否抽選結果を「はずれ」に変更する、(b)大当り判定のみを行わず、小当り判定のみを行う(小当りがない機種は大当り判定を行わずに即時「はずれ」に決定する)、などの方法があげられる。また、いずれかの特別図柄で大当り図柄が停止表示された場合には、他方の図柄は当否抽選結果に関係なく「はずれ」で停止し、いずれかの図柄が小当り図柄で停止表示された場合には、2つの特別図柄で特別電動役物542を作動させることが無いように、小当り遊技に基づく特別電動役物542の作動中において、他方の図柄の変動表示を中断(変動時間のカウントを停止)させる。
続いて、小当りRUSHモード中の主たる遊技演出について説明する。演出モードが小当りRUSHモードである場合、トリガ保留の事前判定結果に基づき、小当りRUSHモードが継続する可能性を示唆又は報知する先読み予告演出を実行可能である。この先読み予告演出の抽選実行条件は、(1)第2特別図柄の作動保留球が複数個存在すること、(2)先行の作動保留球内に少なくとも1個以上の小当り保留が存在すること、(3)先行の作動保留球内に大当り保留が存在しないこと、である。従って、この抽選実行条件として、先行の作動保留球内にはずれ保留が存在していてもよいが、変形例としては、先行の作動保留球が全て小当り保留であること(はずれ保留が存在しないこと)を条件としてもよい。また、第1特別図柄の作動保留球(特に大当り保留)に基づく変動が実行されている場合、上記の抽選実行条件が成立せず、先読みに当選した後において、先読み予告抽選に当選し、対象となった作動保留球の変動が開始される前に第1特別図柄の大当り変動が実行された場合も先読み予告をキャンセルする。また、先読み予告抽選の対象となる作動保留球(トリガ保留)は、事前判定の結果が大当りとなる作動保留球(大当り保留)、事前判定の結果が小当りとなる作動保留球(小当り保留)、事前判定の結果がはずれとなる作動保留球(はずれ保留)のいずれであってもよい。この先読み予告演出は、トリガ保留が消化される以前の一又は複数回の変動表示(先行の作動保留球が消化されたときに行われる変動表示)において小当りが発生すること(小当り遊技において遊技球が大入賞口54に入球したこと)を契機として開始又は進行される。つまり、先読み予告演出は、先行の作動保留球に対応する変動表示の結果が小当りとなり、その小当り遊技にて遊技球を大入賞口54に入球させることを契機として、所定の演出態様を変化させることに基づき、その先読み予告結果として、小当りRUSHモードの継続性を示唆又は報知するものである。
図48は、小当りRUSH中に実行される先読み予告演出の演出例を示す模式図である。本例の先読み予告演出は、遊技球が大入賞口54に入球したことを契機として、画面に表示されたメータ画像(メータを模した画像)のレベルを変化させる演出である。メータ画像は、横長の帯形に形成されており、その内側には目盛(予め設定された規定の目盛数:20目盛)が付されている。この先読み予告演出では、遊技球が大入賞口54に入球するごとにメータ数が所定数だけ増加することで、該メータ数が規定数(20目盛)まで達
すると、小当りRUSHモードの継続性を肯定する演出結果(小当りRUSHモードが大当り発生により終了することを否定する演出結果)となる。言い方を変えると、先読み演出の期待度表示(演出が進行したときのメータ数)が、遊技者に有利な態様で表示されるにしたがって、トリガ保留における大当りの可能性が低くなる演出である。
図中(A)に示すように、演出モードが小当りRUSHモードである場合、画面の上部の領域には、この小当りRUSHモード中にてリミット回数(上限数)に到達するまでに確変大当り(潜伏確変大当り)を獲得可能な回数に対応した個数(2個)の星画像が表示され、黒色の星画像の数(1個)によりリミットカウンタが2回となっていること(残り1回でリミット回数に達すること)が報知される。
図中(B)に示すように、4個目の作動保留球(図面上では青色の保留画像)が発生して、この作動保留球をトリガ保留として先読み予告演出が開始されると、画面の上部の領域には、小当りRUSHモードが継続するか否かや、小当りRUSHモード終了までのリミットカウンタが更新されるか否かを煽るため「DANGER」というメッセージの帯画像が表示されるとともに、画面の下部の領域には、該先読み予告演出で用いられるメータ画像が表示される。なお、本例においては、トリガ保留(青色の保留画像)の事前判定結果は「小当り」であり、その先行保留の全て(白色の保留画像の全て)の事前判定結果が「小当り」又は「はずれ」とする。なお、前述したように、先読み演出の開始を、先行する「小当り」遊技の小当り開始時や、大入賞口54への入球時に行うものであってもよい。
図中(C)に示すように、先行の作動保留球(1個目の作動保留球)が消化されて、その変動表示の終了時に小当り図柄(3・3・1)が停止表示されることで、小当り遊技が開始されることになる。なお、変形例として、小当りRUSHモードにおいて、小当り図柄を3つの装飾図柄が揃っていないハズレ態様にて行うもの限らず、偶数組合せ、奇数組合せ、中装飾図柄が特殊小当り図柄などによって行うものでもよい。このようにすることで、先読み演出中の図柄停止時に、小当りが当選するか否か(メータを溜められるチャンスが得られるかどうか)にも注目させることができるようになる。
図中(D)に示すように、小当り遊技の実行中に遊技球が大入賞口54に入球すると、メータ数が所定数だけ増加する。1回あたり(1球の入球あたり)のメータの増加量(所定数)は、演出抽選で決定され、トリガ保留の種別として、「小当り保留」>「はずれ保留」>「大当り保留」の順に、メータの増加量が高くなるように設定されている。以降、小当り発生に基づき、小当り遊技の実行中に遊技球が大入賞口54に入球するごとに、メータ数が演出抽選により決定された数だけ増加する。
図中(E)に示すように、トリガ保留(図面上では青色の保留画像)に対応する変動表示が実行される前に、メータ数が規定数まで達すると、その演出結果として小当りRUSHモードが継続すること(トリガ保留が小当りRUSHモードの終了契機となる大当り保留ではないこと)が示唆又は報知される。
但し、実際には、トリガ保留の事前判定の結果(すなわちトリガ保留が小当りRUSHの終了契機となる大当り保留であるか否か)が予め確定しているため、その種類に応じた演出展開(演出結果)となる。すなわち、トリガ保留の事前判定の結果が小当り又ははずれである場合は、小当りRUSHモードの継続性を肯定する演出結果(メータ数が最終的に規定数に到達する演出)が高確率で展開され、トリガ保留の事前判定の結果が大当りである場合は、小当りRUSHの継続性ないしリミットカウンタの維持を否定する(メータ数が最終的に規定数に到達しない演出)が展開される。なお、この演出結果(小当りRUSHモードの継続性)は、図48に図示したようにメータ数が規定数に達した時点で告知
してもよいし(報知後一定期間でメータ等先読み画像消去)、トリガ保留が消化されることで行われる演出にて大当り判定に基づいて行われる演出を、メータの状況を関連付けて行うものとし、当該変動表示中に告知してもよい(トリガ変動の終了に合わせて先読み画像消去)。
この先読み予告演出の変形例として、小当り遊技中に遊技球が大入賞口54に入球したことに基づき賞球が払い出された場合に、その賞球数に応じた個数のオブジェクト画像を現出させて、そのオブジェクト画像をメータ画像に向かって移動させることで(オブジェクト画像がメータ画像に吸収されるような演出を行うことで)、オブジェクト画像の個数分だけメータ数を増加させるように構成してもよい。なお、メータの増加量は、賞球数に対応した数(一定数)でもよいし、演出抽選で決定された数(変数)でもよい。また、メータ画像の変化量としては、遊技球が大入賞口54に入球するごとにメータ数が増加する加算式ではなく、遊技球が大入賞口54に入球するごとに減少する減算式を採用してもよい。
また、この先読み予告演出の変形例として、ゲージ画像が変化する契機となるのは、遊技球が大入賞口54に入球すること以外であってもよい。例えば、ゲージ画像を味方キャラクタの体力の形式で表示して、最初は満タン状態であったゲージ画像(体力)が時間の経過に応じて一定速度で減少していき、遊技球が大入賞54に入球することで、画面上に応援メッセージが表示されるとともに、ゲージ画像が一定量だけ増加(体力が一定量だけ回復)するものとしてもよい。また、ゲージ画像は、遊技球が大入賞口54に入球すること以外に、ア)各変動表示が実行される毎に微量変化したり、イ)変動表示の結果(当否判定の結果)に応じて変化したり、ウ)変動演出や予告演出の内容(大当り期待度など)に応じて変化したりするものでもよい。加えて、ゲージの増加した領域又は減少した領域(該演出が開始された後に変化して視認可能になる領域)に文字やキャラクタ等を表示して、小当りRUSHモードの継続(大当り回避)の期待度を示唆又は報知してもよい。さらに、遊技球が大入賞口54に入球することで、ゲージ画像が変化(増加又は変化)するだけでなく、アイテムストック抽選が実行されるようにしてもよい。このアイテムストック抽選にて獲得したアイテムは、トリガ保留が消化させることで実行される変動表示において小当りRUSHモードの継続性を煽る演出にて用いられるものである。なお、ゲージ画像の変化量に応じて、上記抽選にて獲得したアイテムがランクアップするようにしてもよい。
また、この先読み予告演出の変形例として、先読み予告演出のトリガ保留がはずれ保留である場合には、該はずれ保留の事前判定の結果として、超短縮変動や短縮変動よりも変動時間(演出尺)の長い変動パターン(例えば通常変動やNリーチ)が選択されたものであることを条件にしてもよい。また、複数種のはずれ図柄(例えば、第1はずれ図柄、第2はずれ図柄)を用意して、事前判定の結果として、前述のNリーチを高頻度で選択する第2はずれ図柄が選択されたはずれ保留であることや、この第2はずれ図柄用の変動パターン(第2はずれ図柄に対応する変動パターン)が選択されたはずれ保留であることを条件に加えてもよい。すなわち、複数種のはずれ保留のうち、特定の事前判定結果を有するはずれ保留のみを、先読み予告演出の対象となるトリガ保留としてもよい。さらに、このように、先読み予告演出のトリガ保留にて、演出結果を報知する態様を採用するならば、上述したメータ画像表示のように目的となる量が明確なものに限らず、画面周囲に青色、緑色、赤色、虹色などの炎が燃え上がるようなエフェクト表示にて、段階的に小当りRUSHモードの継続性に係る期待度がステップアップするよう示唆表示するものであってもよい。
また、この先読み予告演出の変形例として、複数種の小当り図柄(例えば、第1小当り図柄、第2小当り図柄)を用意して、事前判定の結果として、第1小当り図柄が選択され
た場合と、第2小当り図柄が選択された場合とで、先読み予告演出の実行頻度や、先読み予告演出の進行の度合い、先読み予告演出の演出形式(演出形態)が異なるように構成してもよい。
さらに、この先読み予告演出の変形例として、第2特別図柄の大当り種別として、出玉の獲得が期待できる高利益大当り(10R長開放大当り)と、出玉の獲得が期待できない低利益大当り(2R短開放大当り)とを用意し、いずれの大当りに当選した場合であっても、その大当り遊技の終了後の演出モードが小当りRUSHモード(潜伏確変遊技状態)に移行する状況下で、トリガ保留が高利益大当り(小当りRUSHモードに再突入)となる場合には、先読み予告演出や先読み対象保留の変動中の演出として通常は現出することのない、プレミアパターンを実行するようにしてもよい。なお、その場合には、当該トリガ保留の変動演出が固定的となるため、従来の先読みゾーン演出などと同様に、先読み予告演出中は特殊な演出モードに切り替えることが好適である。
また、この先読み予告演出の変形例として、遊技球が大入賞口54に入球したことを契機として演出が進行する代わりに、遊技球が一般入賞口64に入球したこと、或いは、遊技球が大入賞口54および一般入賞口64のうちのいずれかに入球したことを契機として演出が進行するように構成してもよい。
以上、第2実施形態によれば、第1の関門として、通常遊技状態において時短有り大当りに当選することで第1有利遊技状態(時短遊技状態)に移行し、第2の関門として、該第1有利遊技状態において条件付き特定大当りに当選することで最有利遊技状態(潜伏確変遊技状態)に移行するという、二段階の関門突破を条件に、最有利遊技状態が複数回繰り返される遊技性(複数回セットの大当りを獲得できる遊技性)として構成されている。従って、最有利遊技状態となるまでに二段階の関門があるため、その分だけ最有利遊技状態で大当りが連荘したしたときの出玉量を増やすことができ(出玉感のある遊技を実現することができ)、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、潜伏確変遊技状態(最有利遊技状態)の実行中は、大当りが発生するまで小当りを頻発させて小当り遊技により出玉を増やすという小当りRUSHモードの遊技性を維持しつつ、時短遊技状態(有利遊技状態)の実行中は、小当りを頻発させながらも小当り遊技を実質的に機能させないようにすることで、射幸性を一定の範囲に抑制することができるため、各遊技状態を通じて減り張りを付けながらも、バランスの良い遊技性を実現することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。また、第2実施形態によれば、遊技の主体となる第2特別図柄を変動させる遊技態様で遊技を続ける限り、小当りRUSHモードを複数回の大当りが獲得されるまで、繰り返し実行できるため、小当りRUSHモード移行後にすぐに大当りとなった場合であっても小当りRUSHモードを十分に堪能することなく終えてしまうことを防止できる。
また、第2実施形態によれば、大当り発生を否定することにより小当りRUSHモード(最有利遊技状態)の継続性を肯定する内容の先読み予告演出を実行することで、通常の遊技展開であれば大当り発生が遊技者にとって最も有利な状況であるのに対して、この小当りRUSHモード中(最有利遊技状態中)の先読み予告演出では、大当り発生により小当りRUSHモード(最有利遊技状態)が終了してしまうという遊技者にとって不利となり得る状況であることを予告する従来にはない斬新な発想の演出を創出することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態によれば、遊技状態が潜伏確変遊技状態(最有利遊技状態)であるときに小当り遊技が頻繁に発生するという遊技性を利用して、小当り遊技の実行中に遊技球が大入賞口54に入球することを契機として先読み予告演出を開始又は進行させること
で、小当り遊技の発生頻度に応じてその後も小当りの頻発状態(潜伏確変遊技状態)が継続するか否かを煽ることができるため、小当り遊技(小当りRUSHモード)の楽しさを倍増させることができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。また、小当り遊技中における大入賞口54への入球等に応じて先読み演出を進行させる方法を採用することにより、従来の先読み対象保留までの各変動において先読み演出を1回ずつ進行させるものと異なり、先読み対象となる保留までの1変動毎に複数回の先読み演出の進行を実行させることができるため、従来にない先読み演出の新しい興趣性を提供することができる。
(第2実施形態の変形例1)
リミット機能の上限回数は、小当りRUSHモードに移行する契機となる初回の大当り当選時の第2特別図柄の停止図柄又は装飾図柄の停止図柄に応じて異ならせるように構成したり、第1特別図柄、第2特別図柄の少なくとも一方大当りに電サポ確変(高ベース移行)大当りを設けて、潜伏確変遊技状態へ移行するまでの間にリミット回数を減らしたりリセットさせたりして、潜伏確変遊技状態に移行した際の残りリミット回数を不定となる構成を採用してもよい。このようにすると、リミット機能の上限回数が可変となるため、小当りRUSHモード中のキャラクタに応じて期待感を異ならせる等の演出が可能となる。装飾図柄の大当り図柄がキャラクタAである場合はリミット到達までの上限回数(または残り回数)が「2回」に設定され(実質的には小当りRUSHモードにおいて1回の大当りを引くまで)、装飾図柄の大当り図柄がキャラクタBである場合は上限回数が「3回」に設定され(実質的には小当りRUSHモードにおいて2回の大当りを引くまで)、装飾図柄の大当り図柄がキャラクタCである場合は上限回数が「4回〜5回」に設定される((実質的には小当りRUSHモードにおいて3回〜4回の大当りを引くまで)。
(第2実施形態の変形例2)
上述の第2実施形態では、第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなった場合、電サポ無しの大当り(2R短開放大当り)のみであったが、その変形例として、例えば振り分け率を50:50の割合で、電サポ無しの大当りと、電サポ有りの大当り(電サポ作動回数:∞回)とを用意してもよい。このようにすると、電サポ有りの大当りを獲得した際は、高確率であっても高ベース遊技状態となり、前述したように小当りの出玉を獲得し難い遊技性であることから、電サポ無し大当りを引くか、リミット到達まで、持ち球が現状維持ないし微減となる遊技状態に制御されることになる。このようにすると、小当りRUSHモードにおける出玉を大入賞口54への入球多くするか、1球当りの賞球数を増加させるかなどの設定を行い、小当り1回あたりの出玉量を増加させても、遊技機の設計基準内に収めながら、小当りRUSHモードの出玉感をさらに増加させることができる。また、第2特別図柄の大当り属性として、条件付き特定大当りの中に、特定領域通過で潜伏確変遊技状態に移行させるRUSH移行特定大当りと、潜伏確変遊技状態へ移行しない高確率高ベース特定大当りとを用意して、トリガ保留がRUSH移行特定大当り(その大当り遊技の終了後の演出モードが再び小当りRUSHモード(潜伏確変遊技状態)に遷移する契機となる大当り)であれば成功演出を実行して、トリガ保留が条件付き高確率高ベース特定大当り(図44に図示しない高確率高ベース遊技演出モードへ移行)であれば失敗演出を実行するように構成してもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るぱちんこ遊技機について説明する。第3実施形態のぱちんこ遊技機は、基本的には、上述の第3実施形態のぱちんこ遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第3実施形態のぱちんこ遊技機は、第1種の遊技性と第2種の遊技性とを併せ持ったい
わゆる1種2種混合タイプの遊技機(一般に小当りVとも呼ばれる機種)である。つまり、この機種のぱちんこ遊技機は、特別図柄の変動表示結果が大当り図柄で停止表示することで大当り遊技を実行する第1種の遊技性と、特別図柄の変動表示結果が小当り図柄で停止表示することで開放状態となった大入賞口54に入球した遊技球が特定領域548を通過することで大当り遊技を実行する第2種の遊技性とを具備する。
第3実施形態のぱちんこ遊技機は、基本的には、第1実施形態のぱちんこ遊技機と同様の盤面構成を備えており、以下、第3実施形態のぱちんこ遊技機の盤面構成については図1などを適宜参照して説明する。この第3実施形態のぱちんこ遊技機は、遊技領域PA内に単一の大入賞口54のみが搭載されている。すなわち、第3実施形態においても、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)の実行中は、大入賞口54が開閉動作するように構成されている。大入賞口54の内部には、前述したとおり、大入賞口54に入球した遊技球を特定領域548又は非特定領域549へ選択的に案内する可動部材545が設けられており、特定領域548内には当該特定領域548内に入球した遊技球を検出するための特定領域スイッチ547が設けられている。この大入賞口54の構成については、前述の第1実施形態(図3を参照)において詳述しているので、ここでは重複説明を省略する。なお、第1実施形態および第2実施形態では、大当り遊技中に大入賞口54に入球した遊技球が特定領域548を通過する(特定領域スイッチ547にて検出される)ことで、その大当り遊技の終了後に確変移行する権利が付与される構成であったが、第3実施形態では、小当り遊技中に大入賞口54に入球した遊技球が特定領域548を通過する(特定領域スイッチ547にて検出される)ことで、その小当り遊技の終了後に大当り遊技に発展する権利が付与される構成となっている。この第3実施形態では、小当り遊技において大入賞口54に入球した遊技球の全てが特定領域548を通過する構成となっている。但し、大入賞口54内に設けられた振分手段により、小当り遊技において大入賞口54に入球した遊技球が所定の比率(例えば1:1や1:2、2:1の比率)で特定領域548および非特定領域549に選択的に振り分けられる構成を採用するものとしてもよい。
第3実施形態における特別図柄の当否判定(大当り抽選)について説明する。図49は、第3実施形態における特別図柄当否抽選テーブルを示す模式図である。なお、第3実施形態のぱちんこ遊技機は、特別図柄の確率変動機能を搭載しておらず、大当り当選確率は常に一定である。図49に示すように、第1特別図柄の当否抽選では、大当りの当選確率が「約1/319」に設定されている。一方、第2特別図柄の当否抽選では、大当りの当選確率が「約1/319」、小当りの当選確率が「約1/4」に設定されている。すなわち、大当りの当選確率は、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで等しく設計されている。一方、小当りは、第2特別図柄の当否抽選には設定されているが、第1特別図柄の当否抽選には設定されていない。なお、第1特別図柄の当否判定にも小当りを設けて、第1特別図柄の当否判定および第2特別図柄の当否判定のいずれにおいても小当りが当選するように構成してもよい。但し、その場合には、第1特別図柄の当否抽選での小当りの当選確率よりも第2特別図柄の当否抽選での小当りの当選確率の方が相対的に高確率に設定されていることが好適である。このような第3実施形態においては、時短遊技状態において、第2特別図柄を変動させて小当りを早期に獲得し、出玉を獲得することを遊技性とすることから、第2特別図柄の優先消化を採用することが好ましい。
続いて、第3実施形態における大当り種別および小当り種別について説明する。図50は、第3実施形態における特別図柄大当り図柄テーブルおよび特別図柄小当り図柄テーブルを示す模式図である。
図50(A)は、第1特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第1特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間、時短作動回数
(電サポ作動回数)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第1特別図柄大当り図柄テーブルでは、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群A,Bが設定されている。具体的には、図柄群A(10R時短有り大当り1)と、図柄群B(10R時短無し大当り)とに振り分けられる。10R時短有り大当り1(図柄群A)および10R時短無し大当り(図柄群B)は、いずれも大当り遊技の規定ラウンド数が2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間が約30秒である。また、10R時短有り大当り1(図柄群A)は、時短作動回数「∞回(100回)」および電サポ作動回数「∞回(100回)」が設定され、大当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行する。10R時短無し大当り(図柄群B)は、時短作動回数および電サポ作動回数が「0回」に設定され、大当り遊技の終了後に通常遊技状態に移行する。なお、上述のとおり、第1特別図柄の当否判定の結果として小当りは設定されていないため、第1特別図柄小当り図柄テーブルは用意されていない。
図50(B)は、第2特別図柄大当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄大当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、大当り種別、大当り遊技の規定ラウンド数、各ラウンドの大入賞口54の開放時間、時短作動回数(電サポ作動回数)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。第2特別図柄大当り図柄テーブルでは、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群C,Dが設定されている。具体的には、10R時短有り大当り2(図柄群C)と、2R時短有り大当り(図柄群D)とに振り分けられる。10R時短有り大当り2(図柄C)は、大当り遊技の規定ラウンド数が10ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は約30秒である。2R時短有り大当り(図柄D)は、大当り遊技の規定ラウンド数が2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口54の最大開放時間は第1ラウンド目が約30秒、第2ラウンド目が約2秒である。また、10R時短有り大当り2(図柄群C)および2R時短有り大当り(図柄群D)は、いずれも時短作動回数「∞回(100回)」および電サポ作動回数「∞回(100回)」が設定され、大当り遊技の終了後に時短遊技状態に移行する。
図50(C)は、第2特別図柄小当り図柄テーブルを模式的に示す図である。この第2特別図柄小当り図柄テーブルには、特別図柄当り図柄乱数値に対して、図柄群、小当り種別、小当り遊技の大入賞口54の開放回数・開放時間、大当り発展後の規定ラウンド数・時短作動回数(電サポ作動回数)がそれぞれ対応付けられている(本例では、便宜上、停止図柄の記載を省略する)。具体的には、図柄群E(小当り1)と、図柄群F(小当り2)とに振り分けられる。小当り1,2(図柄群E,F)は、いずれも大入賞口54の開放回数が1回で、大入賞口54の開放時間が約1.6秒に設定されている。また、小当り1,2(図柄群E,F)は、いずれも小当り遊技において大入賞口54に入球した遊技球が特定領域548を通過することで大当りに発展する小当り種別である。すなわち、小当り1(図柄群E)は、2ラウンド目以降の制御が上記の「10R時短有り大当り2(図柄群C)」と同等の大当り遊技に発展する契機となる小当り種別であり、小当り2(図柄群F)は、2ラウンド目以降の制御が上記の「2R時短有り大当り(図柄群D)」と同等の大当り遊技に発展する契機となる小当り種別である。なお、以降の説明では、小当り遊技において遊技球が特定領域548を通過することにより発生する大当りを「V大当り」或いは「小当り発展大当り」とも呼称する。また、以下において「大当り」と記載した場合は、特段の場合を除き、小当りV(小当り発展大当り)を含むものとする。
続いて、第3実施形態における遊技状態について説明する。図51は、第3実施形態における遊技状態および演出モードの遷移図である。第3施形態では、複数種の遊技状態として、通常遊技状態、時短遊技状態が設定されている。その遊技状態の種類として、1)特別図柄の確率変動機能が作動せず且つ特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動する遊技状態を「時短状態」又は「時短遊技状態」と称し、2)全ての機
能が作動していない遊技状態を「通常状態」又は「通常遊技状態」と称する。「時短遊技状態」は、「通常遊技状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。そのため、第3実施形態では、通常遊技状態よりも遊技者に有利になる遊技状態として時短遊技状態を「有利遊技状態」又は「最有利遊技状態」とも呼称する。なお、各遊技状態は、特別図柄の確率変動機能の作動状態(高確率状態/低確率状態)と、電チューサポート機能の作動状態(高ベース状態/低ベース状態)との組み合わせにより、(1)時短遊技状態を「低確率高ベース状態」、(2)通常遊技状態を「低確率低ベース状態」と表現することもできる。
上記の大当り種別のうち、「10R時短有り大当り1」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に依存せず、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態(時短作動回数100回、電サポ作動回数100回)が設定される。また、上記の大当り種別のうち、「10R時短無し大当り」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態が通常遊技状態であれば、大当り遊技の終了後の遊技状態として通常遊技状態(時短作動回数0回、電サポ作動回数0回)が設定され、大当り当選時の遊技状態が時短遊技状態であれば、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態(時短作動回数100回、電サポ作動回数100回)が設定される。また、上記の大当り種別のうち、「10R時短有り大当り2」、「2R時短有り大当り」に当選した場合は、大当り当選時の遊技状態に依存せず、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態(時短作動回数100回、電サポ作動回数100回)が設定される。一方、「小当り1」、「小当り1」に当選した場合は、小当り遊技において遊技球を特定領域548に通過させて大当りを発生させることを条件に、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態(時短作動回数100回、電サポ作動回数100回)が設定される。本実施形態における小当り遊技では、遊技球を発射している場合においてほぼ確実に特定領域を通過し、大当りへ発展させることができるように制御するものであり、「小当り」=「大当り」の関係にある。そのため、「小当り1」、「小当り2」に当選した場合でも、小当り遊技において遊技球を特定領域548に通過させることができず大当りに発展しなければ、該小当り遊技の前後において遊技状態は変わらないものとしてしまうと、不利な「小当り2」での特定領域通過を回避して、有利な「小当り1」での特定領域通過を得るという設計者の意図しない攻略ができてしまう恐れがあるため、「小当り」の当選時に時短遊技状態を終了させたり、複数回(例えば2回)の小当り遊技の実行で時短遊技状態を終了させたりすることが好ましい。
第3実施形態のぱちんこ遊技機は、予め設定された上限回数(「リミット回数」とも呼称する)を限度として、第1特別図柄又は第2特別図柄で大当りとなることを契機として付与される時短遊技状態の連続回数(連続発生回数)を制限するためのリミッタ機能を備えている。上述の遊技状態制御手段165は、大当り遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態への移行権利を獲得した連続回数(時短遊技状態への移行を決定した連続回数)を計数するリミットカウンタを備えている。
リミットカウンタは、特別図柄の停止図柄判定(大当り図柄判定)において、大当り遊技の終了後の遊技状態を時短遊技状態に移行する契機となる図柄群(図柄群A,C,Dおよび時短遊技中の図柄群B)を選択したこと(つまり、大当り種別として時短有り大当りを導出したこと)に基づき加算される。加えて、リミットカウンタは、大当り遊技の終了後の遊技状態を時短遊技状態に移行する契機となる小当りVが発生したことに基づき加算される。以下では、説明の便宜上、時短遊技状態への移行権利を獲得した連続回数を「時短大当り回数」とも呼称する。
第3実施形態では、時短有り大当り又は小当りVの発生に基づき時短遊技状態への移行権利を獲得した場合、リミットカウンタが上限回数に達するまでは、その大当り遊技の終了後の遊技状態を時短遊技状態に設定する(時短作動回数「∞回(100回)」、電サポ
作動回数「∞回(100回)」を設定する)。一方、時短有り大当り又は小当りVの発生に基づき時短遊技状態への移行権利を獲得したとしても、リミットカウンタが上限回数に到達した場合は、その大当り遊技の終了後の遊技状態を強制的に通常遊技状態に設定する(時短作動回数「0回」、電サポ作動回数「0回」を設定する)。なお、第2実施形態において、上限回数(リミット回数)は、「5回」に設定されている。
続いて、第3実施形態における演出モードについて説明する。第3実施形態では、図51に示すように、複数種の演出モードとして、通常演出モード、時短演出モード、引き戻し演出モードが設定されている。この第3実施形態においても、主制御基板100側において管理される遊技状態(又は変動パターン選択状態)に応じて、複数種の演出モード(通常演出モード、時短演出モード、引き戻し演出モード)のうちのいずれかが択一的に設定され、該設定された演出モードに応じた変動演出が実行される。
基本的には、遊技状態が通常遊技状態であるときは「通常演出モード」が設定され、遊技状態が時短遊技状態であるときは「時短演出モード」が設定される。但し、リミット機能が作動することで時短技状態が終了したこと、或いは、特別図柄の変動表示回数が100回に到達することで時短遊技状態が終了したことに基づき通常遊技状態へ移行するときは、この通常遊技状態へ移行した直後の限定回数(4回)の変動表示においては「引き戻し演出モード」が設定され、その限定回数(4回)の変動表示を終えたときに「通常演出モード」が設定される。なお、限定回数の「4回」は第2特別図柄の最大作動保留球数に該当し、時短遊技が終了となる大当り、小当り変動の変動終了時に保留数が4個ある前提による回数であり、保留数が4に満たない場合には、限定回数は保留数と同数の4未満の数となる。
なお、上述のとおり、時短遊技状態は、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示回数(合算の変動表示回数)が100回に到達したことを契機として終了することになっているが、その時短遊技状態の終了条件として、以下に示す終了条件を付加、或いは、以下に示す終了条件に変更してもよい。この終了条件としては、ア)第1特別図柄の変動表示回数が第1回数に到達したこと、イ)第2特別図柄の変動表示回数が第2回数に到達したこと、ウ)第1特別図柄の変動表示回数が第3回数(=第1回数+第2回数−1回)に到達したこと、のうち少なくとも1つ以上の条件を採用することが好適である。なお、第1回数としては、第1特別図柄の作動保留球数の最大値よりも多くした「5回」が最適である。また、終了条件(又は追加の終了条件)として第2回数のみを採用する場合には、この第2回数を「100回」とすることが好適である。また、第3回数は、少なくとも「100回」以下であることが好適である。
続いて、時短演出モードにおける主たる遊技演出について説明する。演出モードが時短演出モードである場合、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦するバトル演出が実行される。このバトル演出は、第1実施形態で例示した第2バトル演出(確変遊技状態におけるバトル演出)と同様の構成となっており、以下においてはこの第2バトル演出と異なる点を中心に説明する。ここで、本例のバトル演出では、上記の第2バトル演出と同様に、リミットカウンタが上限回数に到達するまでの間に、最大で4回のバトル演出が実行され得るが、最終回のバトル演出(4回目のバトル演出)の演出内容が上記の第2バトル演出と相違する特徴点である。
演出モードが時短演出モードである場合、特別図柄の当否判定の結果が大当りに該当すると、その変動表示において味方キャラクタが敵キャラクタと対戦するバトル演出(バトルリーチ演出)が実行される。すなわち、当該変動表示においてバトルリーチに発展した時点で大当りが確定し、そのバトル演出の勝敗結果に応じて大当りの種類が示唆又は報知されるようになっている。ここで、演出モードが時短演出モードである場合は、第2始動
口52を狙った右打ちの遊技性となり、主として第2特別図柄の変動表示が行われる。そのため、本例においてバトル演出が発生するのは、第2特別図柄の変動表示(SPリーチ)である。よって、味方キャラクタがバトル演出に勝利すると高利益大当り(10R時短有り大当り2)、味方キャラクタがバトル演出に敗北すると低利益大当り(2R時短無し大当り)となることが確定する。
ここで、大当り発生時の変動パターンの選択処理において、リミットカウンタが上限回数に到達する契機とならない大当り、小当りである場合は、特別図柄の変動パターンとして非特殊変動パターンが選択され、その変動表示において通常のバトル演出(第1実施形態の第2バトル演出と同様のバトル演出)が実行される。一方、リミットカウンタが上限回数に到達する契機となる大当り、小当りである場合は、特別図柄の変動パターンとして特殊変動パターンが選択され、その変動表示において特別のバトル演出(「最終バトル演出」と呼称する)が実行される。この特殊変動パターンは、非特殊変動パターンと比べて、特別図柄の変動時間が相対的に長時間(例えば60秒)に設定された変動パターンであり、リミットカウンタが上限回数に到達する契機となる大当り以外では選択されることがない。最終バトル演出は、味方キャラクタが最強の敵キャラクタ(いわゆるラスボス)と対戦する希少性の高いプレミア演出である。この最終バトル演出の実行中は、画面上に「保留を4個溜めよう」というメッセージが表示される。つまり、最終バトル演出(最終回の変動表示)の実行中に、遊技球を第2始動口52に入球させて、第2特別図柄の作動保留球を出来るだけ多く発生させることを遊技者に対して喚起する。それにより、最終バトル演出(リミット到達の契機となる最終回の変動表示)が終了して、その大当り遊技の終了後の遊技状態が通常遊技状態に転落したとしても、通常遊技状態に移行した直後の4回転の変動表示内において、それまでに溜めておいた第2特別図柄の作動保留球(4個の作動保留球)を消化させて大当り、小当りを発生させることで、再び時短遊技状態に引き戻す可能性を高めている。そのため、上述したとおり、最終バトル演出の演出尺(特殊変動パターンの変動時間)を相対的に長時間に設定して、遊技球を第2始動口52に入球させて第2特別図柄の作動保留球を発生させるための時間を確保している。なお、最終バトル演出の発生は、リミット機能が作動する契機(時短遊技状態が終了する契機)となる演出となるため、大当りの種類に関わらず、味方キャラクタが敵キャラクタ(ラスボス)に敗北する演出内容となる。但し、この大当り(リミット到達の契機となる大当り)の発生時に保留内連荘が成立している場合には、最終バトル演出において味方キャラクタが敵キャラクタ(ラスボス)に勝利する演出内容としてもよい。
また、リミット到達後に移行する引き戻し演出モード(通常遊技状態)においては、引き戻し演出モードに移行した直後の所定回数の変動表示(第2特別図柄の作動保留球に対応した変動表示)において、時短遊技状態の引き戻しの可能性を煽るチャンス演出を実行可能である。所定回数とは、第2特別図柄の作動保留球の最大個数に対応する「4回」である。つまり、この所定回数は、時短遊技状態の実行中に発生した第2特別図柄の作動保留球(時短遊技状態から通常遊技状態へと持ち越した残存保留)を利用した引き戻し期間である。よって、時短遊技状態の実行中に発生した第2特別図柄の作動保留球がなくなった段階で引き戻し演出モードは終了する。
第1チャンス演出は、リーチに発展するか否かを煽る、いわゆるテンパイ煽り演出である。この第1のチャンス演出として、装飾図柄の変動表示中のリーチ発展時に、敵キャラクタのテンパイ図柄が成立すれば、その時点で大当り期待度が高期待度(約50%)となる。一方、装飾図柄が味方キャラクタのテンパイ図柄となれば、その時点で大当り確定となる。また、引き戻し演出モードの演出として、リミット到達時に第2特別図柄の作動保留球に係る先読み情報を判定して、より引き戻しが期待できる高期待度のチャンス演出として後述の第2チャンス演出を実行する場合を有する。
第2チャンス演出は、引き戻し演出モードに移行した直後に消化される予定の4個の作動保留球の事前判定結果を先読み抽選して、引き戻し演出モードに移行した直後の4回の変動表示においてそれぞれ現出する演出態様を事前報知する先読み演出である。そのため、第2のチャンス演出では、事前判定結果に基づき、引き戻し演出モード突入後の1回転目〜4回転目の演出態様(変動演出態様)を先読み抽選して、この引き戻し演出モード突入後の1回転目の変動表示の開始時に、その先読み結果(1回転目〜4回転目の演出態様)を示唆又は報知するものとなる。その1回転目〜4回転目の変動表示では、変動パターン選択状態が特殊選択状態に切り替わり、当否判定の結果に関わらず、各回の変動表示にてリーチ演出が実行されるように構成されている。このリーチ演出の種別として、高期待度リーチ演出、中期待度リーチ演出、低期待度リーチ演出が用意されており、低期待度リーチ演出<中期待度リーチ演出<高期待度リーチ演出、の順に大当り期待度が高く設定されている。なお、上記の事前判定結果について、当否の事前判定結果のみを対象とし、停止図柄および変動パターンの事前判定結果を対象から除くため、当否判定の結果に応じてその変動パターン(変動演出態様)を先読みする必要がある。そのため、変動パターン(変動演出態様)として、当否判定の結果が大当りに該当する場合は「高期待度リーチ演出」が相対的に高頻度で選択され、小当りに該当する場合は「中期待度パターン」が相対的に高頻度で選択され、はずれに該当する場合は「低期待度リーチ演出」が相対的に高頻度で選択されるようになっている。なお、大当りに該当する場合に選択される当確リーチ演出(プレミアムリーチ演出)を用意してもよい。
続いて、第2チャンス演出の演出例について説明する。図52は、第2チャンス演出の演出例を示す模式図である。
図中(A)に示すように、時短演出モードから引き戻し演出モードに転落した場合、この引き戻し演出モードに突入したことを報知する画面が表示される。
図中(B)に示すように、第2チャンス演出の導入演出として、「今回の試練はこの4つ」というメッセージが表示され、4つの試練(4回の変動表示)のうちいずれかをクリアすれば、時短演出モード(時短遊技状態)を引き戻せることが示唆される。
図中(C)に示すように、画面上に4つの選択画像(1回転目〜4回転目の変動表示に対応する選択画像)が表示され、各選択画像内に各変動表示の演出態様に関連する画像を表示することで、各変動表示において現出するリーチ演出の大当り期待度が示唆される。なお、図示例では、各選択画像内に所定数の星を表示して、この星の数を用いて各SPリーチ演出(各変動表示)の大当り(小当り)期待度を示唆又は報知しており、星の数が多いほど大当り(小当り)期待度が高くなる(大当り期待度の高いSPリーチ演出の出現率が高くなる)。
[共通変形例]
次に、第1実施形態〜第3実施形態の共通変形例について説明する。この共通変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態〜第3実施形態のうちのいずれかの遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
<共通変形例1>
上述の実施形態では、遊技領域に大入賞口を1つのみ搭載した機種を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、特定領域(確変領域、V領域)を備えた第1の大入賞口と、特定領域(確変領域、V領域)を備えていない第2の大入賞口との、2つ以上の大入賞口を搭載した機種を採用してもよい。例えば、遊技領域の右側領域における第2始動口の下方に、第1の大入賞口と第2の大入賞口とをを略上下に並べて配置してもよい。
なお、その場合には、遊技球が第1の大入賞口に入球した場合に払い出される賞球数(単位賞球数)と、遊技球が第2の大入賞口に入球した場合に払い出される賞球数(単位賞球数)とを同数としても相違するものとしてもよい。また、第1の大入賞口が配置される盤面領域と、第2の大入賞口が配置される盤面領域とを同じ領域としても異なる領域としてもよい。例えば、第1始動口の下方に一方の大入賞口を配置し、第2始動口の下方に他方の大入賞口を配置してもよい。加えて、上記第3実施形態において、二つの大入賞口を採用する場合には、大当り遊技において開放される大入賞口と、小当り遊技において開放される大入賞口とを異なるものとしてもよい。
<共通変形例2>
上述の実施形態では、潜伏確変遊技状態を特別図柄の確率変動機能および特別図柄の変動時間短縮機能が作動し、電チューサポート機能が作動していない遊技状態として定義したが、これに限定されるものではなく、潜伏確変遊技状態を特別図柄の確率変動機能のみが作動し、特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動していない遊技状態と定義してもよい。
<共通変形例3>
上述の実施形態では、メータ画像を利用した遊技演出が設けられているが、そのメータ画像について、例えば、画面の左側に通常遊技状態用のメータ画像の表示領域を設け、画面の右側に確変遊技状態用又は時短遊技状態用のメータ画像の表示領域を設けて、遊技状態に応じて、各メータ画像の表示/非表示を選択的に切り替えるように構成してもよい。具体的に、遊技状態が通常状態であるときは、主として左打ち遊技が実行されるため、画面の左側にメータ画像を表示し、遊技状態が確変状態又は時短遊技状態であるときは、主として右打ち遊技が実行されるため、画面の右側にメータ画像を表示することが好適である。
<共通変形例4>
上述の第1実施形態、第2実施形態において、リミット到達時の時短遊技状態の継続回数は、最有利遊技状態へ復帰しやすいよう、「100回」で固定とする実施例を記載しているが、リミット到達時の大当り図柄に応じて、V入賞しなかった場合の時短遊技状態の継続回数を異ならせて(例えば「60回」、「80回」、「100回」など)、最有利遊技状態に復帰する可能性を異ならせてもよく、さらに継続回数に応じた演出モードを実行させたり、共通の演出モードで時短遊技状態の継続回数上乗せ演出を行う等の演出制御を実行するものであってもよい。また、第一関門の突破となる大当りに関しても、停止表示された特別図柄(大当り図柄)に応じて時短遊技状態の継続回数を異ならせる仕様を採用してもよい。
なお、上記実施形態(第1〜第3実施形態)および変形例の技術的意義をより明瞭に把握し易くするために、最後に、上記実施形態および変形例に対応する課題について概説しておく。
従来機種のぱちんこ遊技機では、特別遊技の終了後に上記当否判定の当選確率(大当り確率)を通常確率よりも高確率とする確変遊技状態に移行させるものがあるが、確変遊技状態への移行が連続すると、遊技者の射幸心が高くなり過ぎるおそれがあるため、それを抑えるために確変遊技状態へ連続して移行する回数を計数して、確変遊技状態への連続移行回数を所定のリミット回数を上限として制限するリミット機能を備えたものが知られている(例えば、「特開2017−35139号公報」を参照)。
また、従来機種のぱちんこ遊技機では、遊技球の始動口への入球に基づき行われる当否判定の結果を演出的に示す装飾図柄の変動表示に合わせて、リーチ演出や予告演出などの
各種の遊技演出が実行され、大当りへの期待感が遊技者に付与されるようになっている(例えば、「特開2011−255039号公報」を参照)。
また、従来機種のぱちんこ遊技機では、上記当否判定の結果が小当りに該当する場合、大当り遊技よりも相対的に獲得利益の低い小当り遊技を実行するものが知られている(例えば、「特開2012−152370号公報」を参照)。
また、従来機種のぱちんこ遊技機では、上記当否判定が実行される以前に、未消化の作動保留球に対して事前判定を行い、この事前判定結果に基づく情報を遊技者に対して予告的に報知する先読み予告演出が知られている(例えば、「特開2014−208189号公報」を参照)。
しかしながら、このような構成を採用するぱちんこ遊技機は、従来機種として既に多数存在しているため、従来機種との差別化を図るためには、更なる遊技の興趣性の向上が求められている。
そこで、上記実施形態および変形例に係るぱちんこ遊技機では、遊技の興趣性の向上を図ることを目的として、上記のような構成を採用し、上記のような作用効果を達成している。
なお、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。また、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素のうち一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものについても、本発明の範囲に含まれるものである。