以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態では、住宅等の建物に適用される家事判定システム20について具体化されている。図1はその家事判定システム20が設けられた住宅11およびその敷地10を示す概略平面図である。なお、本実施形態では、住宅11に、居住者として両親(父親及び母親)とその子供(二人)とが居住していることを想定している。
図1に示すように、敷地10内には、住宅11、駐車場12、洗濯物を干す物干し場13が設けられている。まず、敷地10内に設けられた平屋建て(1階建て)の住宅11の間取りについて説明する。
住宅11内には、屋内空間として、住宅幅方向(東西方向)における中央部にリビングダイニング21が設けられ、リビングダイニング21を挟んだ両側のうち一方側(東側)には玄関22、廊下23、寝室24,25が設けられ、他方側(西側)にはキッチン31、廊下32、洗面室33、トイレ34、浴室35及び寝室36が設けられている。
リビングダイニング21には収納庫26が設けられ、収納庫26には掃除機41が収納されている。
玄関22には、出入口としての玄関口42が設けられている。この玄関口42を通じて住宅11への出入りが可能となっている。また、玄関口42には、玄関ドア43が設けられている。玄関ドア43は、例えば回動式の開き戸からなる。この玄関ドア43により玄関口42が開閉されるようになっている。玄関22の屋外側には、エントランススペース14が設けられている。
キッチン31は、リビングダイニング21及び廊下32に隣接しており、その廊下32は洗面室33、トイレ34及び寝室36へそれぞれ通じている。洗面室33には浴室35が隣接している。
キッチン31には、調理台30が設けられており、調理台30には、コンロ27、作業スペース28、流し台29が順に設けられている。
洗面室33には、自動重量測定機能を有する洗濯機44及び作業台45が設けられている。作業台45の上にはアイロン46が備えられ、作業台45は洗濯物を畳んだりアイロンがけをしたりするための作業スペースとして設置されている。そして、洗面室33には勝手口47が設けられ、洗面室33から屋外側に設けられた物干し場13への出入りが可能となっている。物干し場13には物干し台16が設けられている。
トイレ34にはトイレに出入りするためのトイレドア48が取り付けられている。
住宅11の屋外側に設けられた駐車場12には、居住者の所有する車両15が駐車されている。
そして、本実施形態の敷地10及び住宅11には、家事判定システム20(図2参照)が導入されている。家事判定システム20は、例えば、住宅11の居住者が、調理、洗濯、掃除、育児(子供の送迎等)等の家事作業を行った場合に利用される。具体的には、居住者が家事作業を行った場合、それぞれの家事作業の行動要素ごとに要素負荷が測定される。したがって、家事作業を行動要素ごとに測定するための装置が本システムに導入される。
家事判定システム20の一実施形態としては、家事を判定するために、ICタグ読取装置、各種センサ、通信機等が敷地10及び住宅11に設けられ、また車両15には車載ナビゲーション装置17等が設けられる。これらの家事判定システム20に使用される装置は適宜選択し、設定することができる。また本実施形態において、これら機器を統括制御するコントローラ50(図2に図示)を備える。コントローラ50は、例えばリビングダイニング21に設けられ、壁等に取り付けられている。なお、住宅11にホームエネルギ管理システム(HEMS)が導入されている場合には、そのHEMSをコントローラ50として用いるようにしてもよい。
まず、本実施形態では、家事判定システム20の評価対象者が家事作業を行っていることを検知するために、住居内の家事作業に関わる場所にはICタグ読取装置が設置される。家事判定システム20の評価対象者は住居内でICタグを携帯する。住居内の家事作業に関わる場所で評価対象者がICタグ読取装置により検知され、その検知情報はコントローラ50に送信され記憶される。そして、後述の家事負荷のデータ集計の際には、その場所における家事判定に関わる条件を満たした場合に、評価対象者がその家事に従事したと判定される。以下では、家事判定システム20による家事判定のためにICタグを携帯する居住者を対象者と称する。なお、本実施形態では、対象者としては両親(父親及び母親)を想定している。以下では、母を「居住者A」、父を「居住者B」と称する場合もある。
本実施形態で用いられるICタグ読取装置(以下、「読取装置」と称する)は、ICタグに記録されたIDコードを非接触で読み取り可能な読取装置である。読取装置は読取部及び送信アンテナを含んで構成されている。読取部によるIDコードの読み取りは公知のRFID(Radio Frequency Identification)通信を用いて行われる。すなわち、ICタグが読取部から所定の範囲内にある場合に、IDコードの読み取りが行われる。送信アンテナは読取部で読み取ったIDコードをコントローラ50に送信する。コントローラ50には、家事判定システム20の対象者それぞれに固有のIDコード等が予め登録されている(後述の図3参照)。そして、コントローラ50では、送信されたIDコードと登録されているIDコードとの一致判定を行い、対象者であるか否かの認証を行う。IDコードが一致して認証されると、コントローラ50は、対象者が読取装置により検知されている時間(すなわち、読取装置の設置された場所での対象者の滞在時間)を計測し、記憶する。送信されたIDコードが登録されていない場合には、そのIDコードの認証は行われない。なお、本明細書中では対象者が読取装置を介してIDコードにより認証されることを「対象者の検知」と称する。
コントローラ50には、読取装置の設置場所が設定され、そして読取装置の設置場所ごとにその読取部とICタグとの通信可能範囲(ICタグの検知範囲)が設定されている。本明細書中、読取部のICタグの検知範囲を検知エリアと称する。
以下、上述の読取装置の設置場所、並びに家事判定システム20により家事を判定するための機器(センサ、通信機等)及びその設置場所について説明する。
住宅11のエントランススペース14には、対象者の外出及び帰宅を検知するための読取装置14xが設置されている。読取装置14xの検知エリアは玄関エリア141として図1に図示されている。
キッチン31の調理台30に設けられたコンロ27、作業スペース28及び流し台29には、それぞれ読取装置27x,28x,29xが設置されている。読取装置27x,28x,29xは、設置された場所で作業する対象者を検知するよう設定されている。したがって、コンロ27での作業を行う際の作業領域であり、読取装置27xにより検知されうる領域を加熱エリア271、作業スペース28で作業を行う際の作業領域であり、読取装置28xにより検知されうる領域を準備エリア281、流し台29で作業を行う際の作業領域であり、読取装置29xにより検知されうる領域を片づけエリア291と区分する(図1に各エリアの検知エリアを図示)。各読取装置が設置された場所(すなわち、加熱エリア271、準備エリア281、片づけエリア291)に対象者が立ち入ると各読取装置が対象者を検知し、その検知情報は送信アンテナを通じてコントローラ50に送信される。なお、以下では、加熱エリア271、準備エリア281、片づけエリア291の3つのエリアをまとめて「調理エリア」と称する。以下、調理エリアと称した場合は、3つすべてのエリアを意味し、その位置は調理エリア内であれば特に指定されないことを意味する。
そして、コンロ27には、火の使用状況を検知するために炎センサ61が設けられている。炎センサ61は、例えば、コンロ27の前面側(作業者が立つ側)に検出方向をコンロ27側に向けて取り付けられている。なお、炎センサ61は送信アンテナを含んで構成されており、炎センサ61がコンロ27の使用に伴う炎を検知するとその検知情報は送信アンテナを通じてコントローラ50に送信される。炎センサ61としては、炎から放射される赤外線を検知する赤外線式炎センサ又は炎から放射される紫外線を検知する紫外線式炎センサ等が用いられる。
流し台29に備えられた蛇口(図示せず)には、その吐水口(図示せず)に蛇口センサ62が設置されている。蛇口センサ62は送信アンテナを含んで構成されており、蛇口センサ62が蛇口の下部付近(吐水口付近)に手や物を検知するとその検知情報が送信アンテナを通じてコントローラ50に送信される。蛇口センサ62が手や物を検知した場合、流し台で水の使用中と判断される。蛇口センサ62としては、例えば、赤外線センサなどが使用される。
洗面室33には、洗濯を開始するために洗濯物を洗濯槽に入れたり、洗濯終了後に洗濯物を洗濯槽から取り出したりする対象者を検知するために、洗濯機44付近を検知エリアとする読取装置44xが設けられている。また、洗濯物を畳んだり、アイロンがけをする対象者を検知するために、作業台45付近を検知エリアとする読取装置45xが設けられている。読取装置44xの検知エリアは洗濯機エリア441、読取装置45xの検知エリアは作業台エリア451として図1に図示されている。
洗濯機44には、その起動情報及び洗濯開始の際に測定する洗濯物の重量情報を検知情報としてコントローラ50に送信する通信機63が設けられている。作業台45上に置かれたアイロン46には、アイロン46の起動を検知情報として送信する通信機64が取り付けられている。
トイレ34内には、読取装置34x(例えば、天井)が設けられている。読取装置34xの検知エリアはトイレエリア341として図1に図示されている。読取装置34xはトイレ34内に対象者が立ち入ると対象者を検知し、その検知情報は送信アンテナを通じてコントローラ50に送信される。また、トイレ34のトイレドア48には開閉を検知するモーションセンサ65が設けられている。モーションセンサ65は、送信アンテナを含んで構成されており、トイレドア48の開閉情報がコントローラ50に送信される。
浴室35内には、読取装置35x(例えば、天井)が設けられている。読取装置35xの検知エリアは浴室エリア351として図1に図示されている。読取装置35xは浴室35内に対象者が立ち入ると対象者を検知し、その検知情報は送信アンテナを通じてコントローラ50に送信される。
リビングダイニング21の収納庫26に収納された掃除機41には、その起動情報を検知情報として送信する通信機66と、読取装置41xとが取り付けられている。読取装置41xにより、掃除機41を使用して掃除を行う対象者が検知される。読取装置41xの検知エリアは掃除機エリア411として図1に図示されている。なお、掃除機41の移動に伴い掃除機41に取り付けられた読取装置41xの検知エリア(掃除機エリア411)も移動する。
物干し場13の物干し台16には、物干し場13に存在する対象者を認識する読取装置16xが取り付けられている。読取装置16xの検知エリアは物干し台エリア161として図1に図示されている。
駐車場12に駐車された車両15には車載ナビゲーション装置17が設置されている。また、車両15内には、車両15内にいる対象者を検知するための読取装置15xが設けられている。車両15に設けられた車載ナビゲーション装置17と住宅11に設けられたコントローラ50とは、互いにインターネット等の通信ネットワークN(図2参照)を通じて相互に情報通信することが可能となっている。読取装置15xは車両15内にいる対象者を検知し、その検知情報は送信アンテナより、車両15内に設けられた車載ナビゲーション装置17に送信される。検知情報を受信した車載ナビゲーション装置17は通信ネットワークNを通じてその検知情報をコントローラ50に送信する。読取装置15xの検知エリアは車内エリア151として図1に図示されている。なお、車両15の移動に伴い、車両15に取り付けられた読取装置15xの検知エリア(車内エリア151)も移動する。
続いて、家事判定システム20の電気的構成について説明する。図2は、家事判定システム20の電気的構成を示しており、以下では、その図2を参照しながら電気的構成の説明を行う。
上述のように、住宅11において家事判定に関わる各場所に設置された各読取装置、各機器(センサ、通信機等)はその検知情報を送信アンテナ等の無線通信によりコントローラ50にそれぞれ送信する(図2では読取装置、センサ、通信機は省略)。
コントローラ50は、CPUやメモリ等を有するマイクロコンピュータを備えるものである。コントローラ50は、少なくとも、家事判定システム20に関わる家事行動の測定や推定の制御、得られた家事負荷データの集計結果の表示制御等の制御を行う制御部51と、ICタグ認証のためのIDコード、家事判定に関する事項、各種装置類(読取装置、センサ、通信機、車載ナビゲーション装置17等)からの検知結果等を記憶する記憶部52と、時間を計測する場合に用いられるタイマ53と、各装置類と無線通信が可能な通信部54と、を備える。また、コントローラ50には、得られた家事負荷データの集計結果等を表示する液晶ディスプレイ等からなる表示部55と、文字入力用キーボードや入力ボタン等からなる操作部56とが接続されている。住宅11にホームエネルギ管理システム(HEMS)が導入されている場合には、そのHEMSのモニタを表示部55として用いるようにしてもよい。
コントローラ50の記憶部52には、家事判定に関する事項を記憶するための構成として、家事判定システム20の対象者のIDコード、家事の行動要素、その行動要素の測定及び家事負荷の推定方法等を設定する家事設定記憶エリア57と、対象者の検知情報及び機器の使用状況等が記録されるタイムチャートを格納する家事行動記憶エリア58と、家事負荷データの集計結果を記憶する家事集計記憶エリア59とが備えられている。
居住者所有の車両15に設けられた車載ナビゲーション装置17は、CPU等のナビ制御部18を有している。ナビ制御部18は、車載ナビゲーション装置17の制御を司るものであり、ROMやRAM等からなる記憶部181を有するコンピュータによって構成されている。記憶部181には、車載ナビゲーション装置17の制御プログラムの他、地図情報等が記憶されている。また、記憶部181には、ナビ制御部18が取得した情報や、家事判定処理に必要な情報等が一時的に記憶される。このナビ制御部18には、通信部182、GPS端末183及び画面表示部184が接続されている。
通信部182は、通信ネットワークNを介して、住宅11に設けられたコントローラ50や外部の情報源と無線による通信を可能とするものである。ナビ制御部18は、通信部182を通じて、コントローラ50やそれ以外の外部の情報源との間で通信を行う。外部の情報源から取得する情報の例としては、地図の更新情報や渋滞情報等の各種情報がある。
GPS端末183は、GPS衛星から発信される電波を受信することで自身(車両15)の現在の位置情報を生成する。ナビ制御部18は、GPS端末183で生成された現在位置情報をもとに、車両15が指定の場所(例えば、保育園、塾等の子供の送迎場所)を経由した場合、その送迎場所での検知情報を通信部182と通信ネットワークNとを介して、住宅11に設けられたコントローラ50に向けて送信する。そして、その際、車両15内に設けられた読取装置15xでICタグのIDコードが受信されている場合、そのIDコードも通信部182と通信ネットワークNとを介して、住宅11に設けられたコントローラ50に向けて送信される。
コントローラ50の記憶部52には読取装置ごとにその設置された場所が記憶されており、読取装置からIDコードが送信されIDコードが認証されると、その場所で対象者が検知されたとしてその時間とともに記憶部52の家事行動記憶エリア58に記憶される。また、家事に関わる機器の検知情報についてもその時間とともに記憶部52の家事行動記憶エリア58に記憶される。
コントローラ50は、送信された対象者の検知情報及び機器の検知情報を24時間収集及び蓄積し、1日ごとにデータの集計を行う。データの集計のタイミングは特に制限されないが、一般的な家庭において家事作業が行われていない就寝する時間帯でデータ収集を切り換えるのが好ましいため、本実施形態では午前3時と設定する。コントローラ50は、午前3時になると後述するデータの集計方法に従って、家事行動記憶エリア58に記憶された情報に基づき、要素負荷の測定及び要素負荷に基づく家事負荷の推定を実施し、家事負荷データを集計する。集計された家事負荷データは家事集計記憶エリア59に記憶される。
そして、得られた家事負荷データの集計結果を表示部55に表示するとともに、通信ネットワークNを介して、家事判定システム20を管理する管理サーバ70に送信する。
ここで、家事判定システム20は複数の家庭80X,80Y,・・・・80Nに導入されており、管理サーバ70は複数の家庭の家事負荷データを統括管理する。管理サーバ70は、例えば、地域X内のデータ管理機関(図示せず)に設置され、当該管理機関の管理者によって管理されている。
管理サーバ70は、CPU等を有する周知のマイクロコンピュータを主体に構成されている。管理サーバ70は、少なくとも、制御部71と、通信部72と、記憶部73とを備えている。また、管理サーバ70には、操作部74が接続されている。通信部72は、各住居のコントローラやデータベース等、外部装置との間で無線通信が可能となっている。この場合、この通信部72を介して制御部71が外部装置(例えば、コントローラ50)との間で無線通信可能とされている。
管理サーバ70の制御部71には、複数の人又は家庭から送信されてくる家事負荷データを、人及び家庭と対応させて収集する収集部711と、収集部711において収集した家事負荷データの集計結果を、各家庭の表示部において比較可能な状態で表示させるよう制御する表示制御部712と、が備えられている。
また、管理サーバ70の制御部71には、家事負荷のレベルに関する特定の条件を設定する設定部713と、収集部711によって収集された各家事負荷について、この特定の条件を満たしたか否かを判定する判定部714と、各家庭から収集されたデータに基づいて、家事負荷が所定の条件を満たした場合には、その家事負荷を負担した(家事負荷に基づく)人又は家庭にポイントを付与するためのポイント付与部715と、が備えられている。
管理サーバ70の記憶部73には、家事負荷データ記憶エリア731と、ポイント設定記憶エリア732と、ポイント付与記憶エリア733とが備えられている。
ポイント設定記憶エリア732には、設定部713により設定された家事負荷のレベルに関する所定の条件が記憶されている。判定部714により、人又は家庭においてポイント設定記憶エリア732に設定された条件を満たしているか否かについて判断される。条件を満たしていると判断された場合は、ポイント付与部715により、ポイント設定記憶エリア732に設定されたポイントが各家庭に付与される。そして、ポイント付与記憶エリア733には、各家庭に付与されたポイントの合計が記憶されている。
図3は、コントローラ50の記憶部52に備えられた家事設定記憶エリア57の記憶内容を示す概念図である。家事設定記憶エリア57には、少なくとも、各家事について、その家事を構成する行動要素の設定、その行動要素として判断するための条件、その行動要素の負荷(以下、「要素負荷」と称する)の測定方法、要素負荷に基づいて計算される家事負荷の推定方法、家事判定システム20の対象者のIDコード、読取装置の設置場所及びその検知エリアの設定(図示せず)、等が記憶されている。
次に、コントローラ50により記憶される家事行動について、図4を参照しながら説明する。図4は、コントローラ50の記憶部52に備えられた家事行動記憶エリア58に格納されたタイムチャートの内容を示す概念図である。図4に示されるように、家事行動記憶エリア58には、時間とともに読取装置ごとの対象者の検知情報と、家事に関わる機器の検知情報とがタイムチャートとして記憶されている。上述のように、家事負荷データの集計が午前3時に実施されるため、タイムチャートは午前3時より開始する。なお、図4のタイムチャートにおいて読取装置による検知情報は、居住者A(母)を対象とするものである。居住者B(父)についても、居住者A(母)と同様にして、家事判定システム20に関する装置類からの検知情報がタイムチャートとして家事行動記憶エリア58に格納される。
図4のタイムチャートより、居住者Aが8時に住宅11から外出し、16時過ぎに一時帰宅し、その後17時過ぎに再度外出して、18時に帰宅していることがわかる。そして、居住者Aは在宅中に様々なエリアに設置された読取装置より検知され、その検知情報が時間とともに記憶されている。また、読取装置による対象者の検知を示すタイムチャートは対象者ごとに記憶されている。
次に、コントローラ50の制御部51により実行される家事判定システム20の制御処理の内容について図5〜12に基づいて説明する。上述した家事設定記憶エリア57に記憶された各家事の行動要素ごとの測定方法及び家事負荷の推定方法に従って、家事行動記憶エリア58に格納されたタイムチャートに基づき、午前3時に家事判定(データの集計)を実施する。
図5は、コントローラ50により実施される家事負荷データの集計における制御処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS101では、午前3時か否かが判定される。午前3時でない場合、本処理を終了する。午前3時の場合、ステップS102へ進む。ステップS102では、図4の対象者の検知情報及び機器の検知情報からなるタイムチャートのデータを読み込み、ステップS103へ進む。
ステップS103では、タイムチャートに基づき、「調理」の家事負荷についての計算が実施される。「調理」の家事負荷の計算の実施後、ステップS104へ進み、タイムチャートに基づき、「洗濯」の家事負荷についての計算が実施される。「洗濯」の家事負荷の計算の実施後、ステップS105へ進み、タイムチャートに基づき、「掃除」の家事負荷についての計算が実施される。「掃除」の家事負荷の計算の実施後、ステップS106へ進み、タイムチャートに基づき、「育児」の家事負荷についての計算が実施される。
ステップS103〜106で各家事の家事負荷の計算が実施された後、ステップS107へ進み、家事負荷データの集計結果が記憶部52に備えられた家事集計記憶エリア59に記憶されるとともに、その集計結果は表示部55に表示される。
その後、ステップS108へ進み、管理サーバ70に家事負荷データの集計結果が送信される。
家事負荷データの集計結果の送信後は本処理を終了する。
以上のように、コントローラ50は、午前3時になると、データ集計を開始し、集計後は結果を家事集計記憶エリア59に記憶し、表示部55に表示した後、管理サーバ70に集計した家事負荷データを送信する。
以下では、図5のフローチャートに記載した各家事における家事負荷の計算について説明する。なお、以下のフローチャートは対象者ごとに実施される。そのため、各フローチャートの最初に判定を行う対象者が選択された後、選択された対象者に対しての判定が実施されるが、以下のフローチャートでは対象者の選択について省略する。
上述のように、毎日3時に家事負荷データの集計が実施されるため、3時以降の最初の所定エリアへの検知から各フローチャートが開始される。
図6は、家事のうち、調理における行動要素の測定及び家事負荷の推定をするための制御処理の流れを示すフローチャートである。図6のフローチャートにより、家事設定記憶エリア57に設定されている調理の行動要素「準備作業」、「加熱作業」及び「片づけ作業」について、それぞれの要素負荷が測定され、要素負荷に基づき調理の家事負荷が推定される。
図6に示すように、まずステップS11では、タイムチャートにおける調理エリアへの進入を示す調理エリアでの検知があったか否かが判定される。調理エリアでの検知がない場合、NO判定してステップS22へ進む。調理エリアでの検知がある場合、YES判定してステップS12へ進む。
ステップS12では、その調理エリアでの検知が5分以上の継続した滞在か否かが判定される。調理エリアでの検知が5分未満の滞在であった場合、ステップS12をNO判定してステップS21へ進む。調理エリアでの検知が5分以上の継続した滞在の場合、ステップS12をYES判定してステップS13へ進む。ここでは、家事設定記憶エリア57に設定されているように、調理エリアに5分以上継続して滞在していることで、この滞在(時間)は「調理」に従事していると判定されている。
次に、ステップS13では、その滞在(検知)において火の使用(炎センサ61による検知)があったか否かが判定される。火の使用がなかった場合はNO判定してステップS20へ進む。火の使用があった場合、YES判定してステップS14に進む。
ステップS14では、火の使用開始時に対象者が加熱エリア271に滞在していたか否かが判定される。火の使用開始時に対象者が加熱エリア271に滞在していなかった場合は、NO判定してステップS20へ進む。火の使用開始時に対象者が加熱エリア271に滞在していた場合は、YES判定してステップS15へ進む。
ステップS15では、その火の使用時間は「加熱作業」として判定され、「加熱作業」の要素負荷の測定が実施される。すなわち、家事設定記憶エリア57に設定されているように、火の使用時に加熱エリア271に滞在していることで「加熱作業」と判定され、ステップS15でその火の使用時間が「加熱作業」の要素負荷として測定される。
ステップS15で「加熱作業」の要素負荷の測定の後、ステップS16へ進み、その滞在において「加熱作業」として判定された時間(加熱作業時)以外の時間で水の使用(蛇口センサ62による検知)があったか否かが判定される。水の使用があった場合、YES判定してステップS17へ進む。水の使用がなかった場合は、NO判定してステップS19へ進む。
ステップS17では、加熱作業時以外の時間で、水の使用を含み、かつ5分以上の継続した片づけエリア291の滞在があるか否かが判定される。片づけエリア291の5分以上の継続した滞在があり、かつその滞在において水の使用が含まれている場合は、YES判定してステップS18に進む。片づけエリア291の5分以上の継続した滞在がない場合、又は片づけエリア291の5分以上の滞在において水の使用が含まれていない場合は、NO判定してステップS19に進む。
ステップS18では、片づけエリア291の5分以上の継続した滞在で、かつその滞在において水の使用が含まれている時間を「片づけ作業」として判定され、「片づけ作業」の要素負荷の測定が実施される。
すなわち、家事設定記憶エリア57に設定されているように、「加熱作業」時以外の時間において、片づけエリア291での5分以上の継続した滞在があり、かつその滞在において水の使用が含まれている場合は、その片づけエリア291の滞在時間を「片づけ作業」の要素負荷として測定される。
ステップS13で火の使用がなくNO判定した場合、及びステップS14で火の使用開始時に対象者が加熱エリア271にいなかった場合、ステップS20へ進み、その滞在(検知)において水の使用があったか否かが判定される。そして、水の使用があった場合は、ステップS17へ進み、上記と同様の「片づけ作業」があるか否かの判定処理がなされる。水の使用がなかった場合はNO判定をしてステップS19へ進む。
ステップS18で「片づけ作業」の要素負荷の測定を実施した後、又は、ステップS16及びステップS17、ステップS20で片づけ作業が含まれていないと判定された場合、ステップS19へ進む。ステップS19では、「準備作業」の負荷の測定が実施される。
すなわち、家事設定記憶エリア57に設定されているように、調理エリアでの5分以上の継続した滞在において「加熱作業」及び「片づけ作業」と判定される時間以外の時間が「準備作業」の要素負荷として測定される。
「準備作業」の負荷の測定が実施された後、ステップS21へ進み、本検知以外で他に、調理エリアでの検知があるか否かが判定される。調理エリアでの検知が他にある場合、ステップS21をYES判定して、ステップS12へ進み、ステップS12〜S21の各処理を繰り返す。調理エリアでの検知が他にない場合、ステップS21をNO判定してステップS22へ進む。
ステップS22では、各検知においてステップS15,S18,S19で得られた「加熱作業」、「片づけ作業」、「準備作業」の負荷について、行動要素ごとに合計して要素負荷の集計をした後、集計された要素負荷に基づいて「調理」の家事負荷の推定が実施される。ステップS22で要素負荷の集計及び家事負荷の推定を実施した後は、本処理を終了する。
以上のように、図6のフローチャートでは、調理エリアでの5分以上の継続した滞在は調理作業に従事していると判定され(S12のYES判定)、その調理作業に従事した滞在(時間)について、準備作業、加熱作業、又は片づけ作業のどの行動要素の要素負荷となるかが判定される。そして、タイムチャートで調理エリアへの進入を示す検知ごとに上記ステップS12〜S21の各処理を繰り返す。その後、ステップS22で、それぞれで得られた要素負荷について集計し、当該要素負荷に基づき調理の家事負荷が推定される。
タイムチャートを拡大した図7に基づいて、図6のフローチャートを具体的に説明する。
図7は、18時以降の調理に関わるエリアでの対象者(居住者A)の検知情報及び調理に関わる機器(センサ)の検知情報を示すタイムチャートの一部拡大図である。判定は、調理エリアの滞在として検知されたT1、T2、T3、・・・の検知ごとに実施される。ここでは18時からの処理でT1の処理からスタートするが、上述のように、毎日3時に家事負荷のデータ集計が実施されるため、3時以降の最初の調理エリアの進入から図7のフローチャートが開始される。
まずT1の滞在は5分に満たないため、ステップS12がNO判定され、ステップS21へ進む。ステップS21では、T1の次の滞在としてT2の滞在があるため、YES判定され、ステップS12へ進み、その後ステップS12〜S21でT2の滞在について判定処理される。T2の場合、5分以上の滞在であるため、ステップS12はYES判定され、ステップS13では火の使用についてNO判定される。その後、ステップS20へ進み、水の使用についてYES判定されてステップS17へ進む。ステップS17では、加熱作業時以外で、水の使用を含む片づけエリア291の5分以上の継続した滞在があるか否かが判定される。T2では、水の使用を含んでいるが片づけエリア291での継続した5分以上の滞在がないため、ステップS17はNO判定され、ステップS19へ進む。よって、T2の滞在の5分は「準備作業」の行動要素の要素負荷として計算される。
続くステップS21ではT2の次の滞在としてT3の滞在があるため、YES判定され、ステップS12へ進み、T3の滞在について判定処理がされる。T3の滞在では、火の使用F301と、水の使用W301及びW302が検知されている。そのためステップS13の火の使用についてYES判定され、ステップS14に進み、火の使用開始時に加熱エリア271にいるか否かが判定される。図7のタイムチャートより、T303の加熱エリア271の滞在中に火の使用F301の検知がされたことがわかる。よって、ステップS14がYES判定され、ステップS15で、火の使用時間の2分が「加熱作業」の行動要素の要素負荷として測定される。そして、ステップS16では、火の使用時以外での水の使用がYES判定されるが、片づけエリア291に5分以上滞在していないため、ステップS17がNO判定されてステップS19に進む。ステップS19では、T3の滞在10分のうち、加熱作業2分を差し引いた8分が「準備作業」の行動要素の要素負荷として計算される。
続くステップS21ではT3の次の滞在としてT4の滞在があるため、YES判定され、ステップS12へ進み、T4の滞在について判定処理がされる。T4の滞在(28分)においては、火の使用F401、F402と、水の使用W401、W402、W403、W403が検知されている。そのためステップS13の火の使用についてYES判定され、ステップS14に進み、火の使用開始時に調理エリアにいるか否かが判定される。図7のタイムチャートより、加熱エリア271の滞在T405において火の使用F401の検知、加熱エリア271の滞在T407において火の使用F402の検知がされたことがわかる。よって、ステップS14がYES判定され、ステップS15で、火の使用時間の3分(F401)と8分(F402)とを加算した11分が「加熱作業」の行動要素の要素負荷として計算される。
そして、ステップS16で、火の使用時以外での水の使用としてW402及びW403が検知されているためYES判定され、ステップS17に進む。ステップS17では、「加熱作業」時以外で、水の使用を含む片づけエリア291の継続した5分以上の滞在があるか否かが判定される。T4では、水の使用を含む片づけエリア291での継続した5分以上の滞在があるため(T413)、ステップS17はYES判定され、ステップS18へ進む。ステップS18では、片づけエリア291の滞在時間5分が「片づけ作業」の行動要素の要素負荷として計算される。そして、ステップS19では、T4の滞在28分のうち、「加熱作業」の11分、及び「片づけ作業」5分を、滞在時間28分から差し引いた12分が「準備作業」の行動要素の要素負荷として計算される。
続いてステップS21ではT4の次の滞在としてT5の滞在があるため、YES判定され、ステップS12へ進み、T5の滞在について判定処理がされる。T5の滞在(15分)においては、火の使用の検知はなく、水の使用W501〜W505が検知されている。そのためステップS13の火の使用についてNO判定され、ステップS20に進み、水の使用についてYES判定されてステップS17に進む。ステップS17では、「加熱作業」時以外で、水の使用を含む片づけエリア291の継続した5分以上の滞在があるか否かが判定される。T5では、水の使用を含む片づけエリア291での継続した5分以上の滞在があるため(T501)、ステップS17はYES判定され、ステップS18へ進む。
ステップS18では、片づけエリア291の滞在時間10分が「片づけ作業」の行動要素の要素負荷として計算される。なお、水の使用W505は片づけエリア291の滞在T503時の水の使用となるが、滞在T503は5分未満であるため、「片づけ作業」に該当しない。そして、ステップS19では、T5の滞在15分のうち、片づけ作業10分を差し引いた5分が「準備作業」の行動要素の要素負荷として計算される(加熱作業は0分)。
続いてステップS21でT5の次の滞在がない場合、NO判定して、ステップS22へ進む。
以上のように、タイムチャートにおける調理エリアの滞在T1、T2、・・・・の滞在ごとに調理作業に該当する滞在か否かを判定し、調理作業に該当した場合は、その滞在における準備作業、加熱作業、片づけ作業の行動要素ごとの要素負荷をフローチャートに従い判定する。調理エリアへの進入ごとにフローチャートの判定(ステップS12〜S21)の各処理を繰り返した後はステップS22へ進み、それぞれの滞在において計算された要素負荷を、要素負荷ごとに集計する。例えば、T1〜T5の滞在においては、「準備作業」は30分、「加熱作業」は13分、「片づけ作業」は15分である。そして、集計された要素負荷に基づいて「調理」の家事負荷は58分と推定される。
図8は、家事のうち、洗濯における行動要素の測定及び家事負荷の推定をするための制御処理の流れを示すフローチャートである。図8のフローチャートにより、家事設定記憶エリア57に設定されている洗濯の行動要素「洗濯物干し作業」、「洗濯物取り入れ作業」、「洗濯物たたみ作業」及び「アイロンがけ作業」について、それぞれの要素負荷が測定され、要素負荷に基づき洗濯の家事負荷が推定される。
図8に示すように、まずステップS31では、物干し台エリア161で対象者が検知されたか否かが判定される。物干し台エリア161での検知がない場合、NO判定してステップS41へ進む。物干し台エリア161で検知されている場合、YES判定をしてステップS32へ進む。
ステップS32では、その検知の2時間前以内に洗濯が終了しているか否かが判定される。2時間前以内に洗濯終了していた場合は、YES判定をしてステップS33へ進む。2時間前以内に洗濯終了していない場合は、NO判定をしてステップS37へ進む。
ステップS33では、その物干し台エリア161での検知の前後1分のどちらかに洗濯機エリア441で検知されているか否かが判定される。洗濯機エリア441での検知がない場合、NO判定して、ステップS36に進む。洗濯機エリア441での検知がある場合、YES判定して、ステップS34に進む。
ステップS34では、その物干し台エリア161での対象者の検知は「洗濯物干し作業」と判定され、「洗濯物干し作業」の要素負荷の測定が実施される。
すなわち、家事設定記憶エリア57に設定されているように、洗濯機44使用終了後2時間以内の物干し台エリア161での検知、及びその物干し台エリア161での検知前後1分以内での洗濯機エリア441での検知が「洗濯物干し作業」と判定され、洗濯機44の重量測定により測定された洗濯物重量に基づいて、その要素負荷(洗濯物1kgを2分の作業として時間換算)が測定される。
ステップS32でNO判定されてステップS37に進むと、その検知の5〜18時間前に洗濯が終了しているか否かが判定される。5〜18時間前に洗濯終了していない場合、NO判定をしてステップS40へ進む。5〜18時間前に洗濯終了していた場合、YES判定をしてステップS38へ進む。
ステップS38では、その物干し台エリア161での検知の前後1分のどちらかに作業台エリア451で検知されているか否かが判定される。作業台エリア451での検知がない場合、NO判定してステップS40に進む。作業台エリア451での検知がある場合、YES判定してステップS39に進む。
ステップS39では、その物干し台エリア161での対象者の検知は「洗濯物取り入れ作業」と判定され、「洗濯物取り入れ作業」の要素負荷の測定が実施される。
すなわち、家事設定記憶エリア57に設定されているように、洗濯機44使用終了後5時間以上18時間以内の物干し台エリア161での検知、及びその物干し台エリア161での検知前後1分以内での作業台エリア451での検知が「洗濯物取り入れ作業」と判定され、洗濯機44の重量測定により測定された洗濯物重量に基づいて、その要素負荷(洗濯物1kgを0.5分の作業として時間換算)が測定される。
ステップS34で「洗濯物干し作業」、ステップS39で「洗濯物取り入れ作業」と判定され、それぞれその作業に基づく測定が実施された後、ステップS34及びステップS39からステップS35へ進む。ステップS35では、その物干し台エリア161での検知から30分以内の物干し台エリア161での検知を除いて、他に物干し台エリア161での検知があるか否かが判定される。他に物干し台エリア161での検知がない場合は、NO判定してステップS41へ進む。他に物干し台エリア161での検知がある場合、YES判定してステップS32へ進み、ステップS32〜S40の各処理を繰り返す。
ステップS33でNO判定されてステップS36に進むと、その物干し台エリア161での検知の他に物干し台エリア161での検知があるか否かが判定される。物干し台エリア161でその検知以外に検知されていない場合は、NO判定してステップS41へ進む。物干し台エリア161でその検知以外に検知されている場合、YES判定してステップS32へ進み、ステップS32〜S40の各処理を繰り返す。
同様に、ステップS37でNO判定されてステップS40に進むと、その物干し台エリア161での検知の他に物干し台エリア161での検知があるか否かが判定される。物干し台エリア161でその検知以外に検知されていない場合は、NO判定してステップS41へ進む。物干し台エリア161でその検知以外に検知されている場合、YES判定してステップS32へ進み、ステップS32〜S40の各処理を繰り返す。
ステップS35,S36,S40でNO判定されて、ステップS41へ進むと、作業台エリア451で対象者が検知されたか否かが判定される。なお、ステップS41は、3時以降の最初の作業台エリア451での検知から開始される。作業台エリア451での検知がない場合、NO判定されてステップS47へ進む。作業台エリア451で検知されている場合、YES判定をしてステップS42へ進む。
ステップS42では、作業台エリア451での検知が5分以上継続した滞在か否かが判定される。5分以上継続した滞在の場合は、YES判定をしてステップS43へ進む。5分以上継続した滞在でない場合は、NO判定をしてステップS45へ進む。
ステップS43では、その作業台エリア451での検知の間にアイロン46の電源がオンされたか否かが判定される。アイロン46が電源オンされていない場合、NO判定して、ステップS44に進む。アイロン46が電源オンされている場合、YES判定して、ステップS46に進む。
ステップS46では、その作業台エリア451での対象者の検知において、アイロン46の電源がオンの状態の間を「アイロンがけ作業」と判定され、「アイロンがけ作業」の要素負荷の測定が実施される。そして「アイロンがけ作業」の要素負荷の測定の実施の後、ステップS44へ進む。
ステップS44では、その作業台エリア451での対象者の検知において、「アイロンがけ作業」と判定された時間以外を「洗濯物たたみ作業」と判定され、「洗濯物たたみ作業」の要素負荷の測定が実施される。
すなわち、家事設定記憶エリア57に設定されているように、作業台エリア451での5分以上の継続した滞在においてアイロンの電源がオンの時間が「アイロンがけ作業」の要素負荷として計測され、「アイロンがけ作業」と判定される時間以外の時間は「洗濯物たたみ作業」の要素負荷として計測される。
ステップS44の「洗濯物たたみ作業」の測定が実施された後、ステップS45へ進む。ステップS45では、その作業台エリア451での検知の他に作業台エリア451での検知があるか否かが判定される。他に作業台エリア451での検知がない場合は、NO判定してステップS47へ進む。他に作業台エリア451での検知がある場合、YES判定してステップS42へ進み、ステップS42〜S46の各処理を繰り返す。
ステップS47では、ステップS34で得られた「洗濯物干し作業」、S39で得られた「洗濯物取り入れ作業」、ステップS44で得られた「洗濯物たたみ作業」、及びステップS46で得られた「アイロンがけ作業」の負荷について、行動要素ごとに合計して要素負荷の集計をした後、集計された要素負荷に基づいて「洗濯」の家事負荷の推定が実施される。ステップS47で要素負荷の集計及び家事負荷の推定を実施した後は、本処理を終了する。
以上のように、ステップS31からステップS40までは「洗濯物干し作業」及び「洗濯物取り入れ作業」の行動要素の判定のチャートであり、ステップS41からステップS46までは「洗濯物たたみ作業」及び「アイロンがけ作業」の行動要素の判定のチャートである。そして、それぞれで得られた行動要素について集計し、当該要素負荷に基づき洗濯の家事負荷が推定される。
以下、図9のタイムチャートの拡大図を参照しながら、図8の洗濯の各行動要素の判定について具体的に説明する。図9は、6時前〜7時過ぎ、17時付近、22時付近における、洗濯に関わるエリアでの対象者(居住者A)の検知情報及び洗濯に関わる機器の検知情報を示すタイムチャートの一部拡大図である。
図9において、物干し台エリア161の最初の進入はT605のタイミングで検知されている。洗濯終了の時点は、洗濯機44が洗濯開始してその後終了した際に自動で電源オフとなったときであり、タイムチャートの洗濯機44の検知情報から判断される。図9より、T605の約15分前のT602で洗濯機44の電源がオフ(検知オフ)となったことが示されている。よって、T605のタイミングで検知された物干し台エリア161の進入については、2時間前以内に洗濯終了していた場合として判定される。
図9において、T605のタイミングで検知された物干し台エリア161の進入は、T606のタイミングで物干し台エリア161から出ている。この際、ステップS33としては、T605の1分前以内、又はT606の1分後以内の少なくともいずれかで洗濯機エリア441で検知されていれば、YES判定となる。洗濯物干し作業は、洗濯機44から洗濯物を取り出し、それらを物干し台エリア161で干す作業であるため、洗濯機エリア441への立ち入りが必須であるためである。この場合、T605の1分前以内に洗濯機エリア441で検知(T603〜T604)、T606の1分後以内に洗濯機エリア441で検知(T607のタイミングでの検知)されているため、ステップS33はYES判定され、T605〜T606の物干し台エリア161の検知は「洗濯物干し作業」として判定される(ステップS34)。
ここで、洗濯機44による洗濯T601〜T602においては、洗濯開始時に洗濯機44が実施した洗濯物の重量測定により、洗濯物の重量情報(例えば、5kg)がコントローラ50には送信されている。例えば、洗濯物が5kgだった場合、「洗濯物干し作業」の要素負荷としては、10分(5kg×2分)と計算される。
次に、ステップS35で、その物干し台エリア161での検知から30分以内の検知を除いて他の物干し台エリア161での検知があるか否かが判定される。物干し台エリア161での検知としては、T605〜T606の検知の次にT608〜T609の検知があるが、T608〜T609の検知はT605〜T606の検知の終了時であるT606のタイミングから30分以内の検知であるため、ステップS35の他の検知に該当しない。そして、ステップS35における他の検知としてはT610〜T611の検知が該当する。よって、フローチャートにおいてステップS35をYES判定して、ステップS32へ進み、次はT610〜T611の検知についての判定を実施する。
T610〜T611の検知において、T610のタイミングは洗濯終了時T602から2時間前以内ではないため、NO判定されステップS37へ進む。T610〜T611の検知において洗濯終了時T602はT610の約10時間前であるため、洗濯終了が5〜18時間前という条件に該当する。よって、ステップS37はYES判定となる。
次に、ステップS38としては、T610の1分前以内、又はT611の1分後以内の少なくともいずれかで作業台エリア451で検知されていれば、YES判定となる。洗濯物取り入れ作業は、物干し台エリア161から洗濯物を取り入れ、洗濯物を畳むための作業台45に洗濯物を置く作業であるため、作業台エリア451への立ち入りが必須であるためである。この場合、T610の1分前以内に作業台エリア451の進入は検知されていないが、T611の1分後以内に作業台エリア451で検知(T612〜T613)されているため、ステップS38はYES判定され、T610〜T611の検知は「洗濯物取り入れ作業」として判定される(ステップS39)。
上記と同様に洗濯物が5kgだった場合、「洗濯物取り入れ作業」の要素負荷としては、2.5分(5kg×0.5分)と計算される。
次に、ステップS35で、その物干し台エリア161での検知から30分以内の検知を除いて他の物干し台エリア161での検知があるか否かが判定される。この場合、物干し台エリア161での検知としては、T610〜T611の検知の次にT614〜T615の検知があるが、T614〜T615の検知はT610〜T611の検知の終了時であるT611のタイミングから30分以内の検知であるため、ステップS35の他の検知に該当しない。そして、ステップS35において、物干し台エリア161での他の検知はないため、ステップS35をNO判定してステップS41へ進む。
次にステップS41では作業台エリア451での検知について判定される。図9において作業台エリア451の最初の検知はT612〜T613のタイミングで検知されている。当該T612〜T613の検知は、5分未満であるためステップS42でNO判定され、ステップS45へ進む。そして、T612〜T613の次の検知として、T614〜T615の検知があるため、ステップS45をYES判定してステップS42へと進む。しかしながら、当該T614〜T615の検知も5分未満であるため、ステップS42でNO判定され、ステップS45へ進む。T614〜T615の次の検知として、T616〜T617の検知があるため、ステップS45をYES判定してステップS42へと進む。
T616〜T617の検知は5分以上であるため、ステップS42をYES判定してステップS43へ進む。当該T616〜T617の検知にはアイロン46の電源がオンされていないため、ステップS43をNO判定して、ステップS44へ進み、T616〜T617の検知は「洗濯物たたみ作業」として判定される。そして、「洗濯物たたみ作業」の測定の実施後、ステップS45へ進み、他の検知の有無が判定される。ここで、次のT618〜T619の検知は5分未満であるため省略し、次のT620〜T623の検知について判定する。
T620〜T623の検知は5分以上であるためステップS43へ進む。そして当該検知にはアイロン46の電源がオンされている状態(T621〜T622)が含まれているため、ステップS43をYES判定してステップS46へ進み、アイロン46の電源オンの時間8分が「アイロンがけ作業」に従事したと判定される。そして、「アイロンがけ作業」の測定の実施後、ステップS44へ進み、「洗濯物たたみ作業」の測定が実施される。この場合、作業台エリア451への滞在15分のうち、8分が「アイロンがけ作業」であるため、7分が「洗濯物たたみ作業」の時間として要素負荷の測定が実施される。
そして、当該T620〜T623を最後として作業台エリア451での検知がないため、ステップS45をNO判定して、ステップS47へ進む。ステップS47では、ステップS34で得られた「洗濯物干し作業」、S39で得られた「洗濯物取り入れ作業」、ステップS44で得られた「洗濯物たたみ作業」、及びステップS46で得られた「アイロンがけ作業」の負荷について、行動要素ごとに合計して要素負荷の集計をした後、集計された要素負荷に基づいて「洗濯」の家事負荷の推定が実施される。例えば、図9のタイムチャートにおいては、「洗濯物干し作業」は10分、「洗濯物取り入れ作業」は2.5分、「洗濯物たたみ作業」は27分、「アイロンがけ作業」は8分である。そして、集計された要素負荷に基づいて「洗濯」の家事負荷は47.5分と推定される。
図10は、家事のうち、掃除における行動要素の測定及び家事負荷の推定をするための制御処理の流れを示すフローチャートである。図10のフローチャートにより、家事設定記憶エリア57に設定されている掃除の行動要素「浴室掃除作業」、「トイレ掃除作業」及び「掃除機での掃除作業」について、それぞれの要素負荷が測定され、要素負荷に基づき掃除の家事負荷が推定される。
ステップS61では、浴室エリア351で対象者が検知されたか否かが判定される。入浴時にはICタグを保有していないため、対象者がICタグを保有したまま浴室35に入り浴室エリア351で検知されることで入浴とは異なると判断され、「浴室掃除」の判定が開始する。浴室エリア351での検知がない場合、NO判定されてステップS71へ進む。浴室エリア351で検知されている場合、YES判定をしてステップS62へ進む。
ステップS62では、その検知が5分以上継続した滞在か否かが判定される。5分以上継続した滞在の場合は、YES判定をしてステップS63へ進む。5分以上継続した滞在でない場合は、NO判定をしてステップS64へ進む。
ステップS63では、その浴室エリア351での対象者の検知は「浴室掃除作業」と判定され、「浴室掃除作業」の要素負荷の測定が実施される。すなわち、家事設定記憶エリア57に設定されているように、浴室エリア351での5分以上の継続した滞在がある場合、その浴室エリア351の滞在時間を「浴室掃除作業」の要素負荷として測定する。ステップS63の「浴室掃除作業」の測定が実施された後、ステップS64へ進む。
ステップS64では、その浴室エリア351での検知の他に浴室エリア351での検知があるか否かが判定される。他に浴室エリア351での検知がない場合は、NO判定してステップS71へ進む。他に浴室エリア351での検知がある場合、YES判定してステップS62へ進み、ステップS62〜S64の各処理を繰り返す。
ステップS61,S64でNO判定されて、ステップS71へ進むと、トイレエリア341で対象者が検知されたか否かが判定される。なお、ステップS71は、3時以降の最初のトイレエリア341の進入から開始される。トイレエリア341での検知がない場合、NO判定されてステップS81へ進む。トイレエリア341で検知されている場合、YES判定をしてステップS72へ進み、その検知が5分以上継続した滞在か否かが判定される。5分以上継続した滞在の場合は、YES判定をしてステップS73へ進む。5分以上継続した滞在でない場合は、NO判定をしてステップS75へ進む。
ステップS73では、そのトイレエリア341での検知の間(トイレ34での滞在の間)、トイレドア48が開けた状態か否かが判定される。トイレドア48が開けた状態の場合、YES判定してステップS74に進む。トイレドア48が開けた状態でない場合、NO判定してステップS75へ進む。
通常、トイレ34の使用時はトイレドア48を閉じた状態であり、一方でトイレ掃除の際は作業スペースなどの観点からトイレドア48を開放して行う。したがって、トイレドア48を開けた状態での5分以上のトイレ34滞在(トイレエリア341での検知)により「トイレ掃除」に従事していると判定される。
ステップS74で、そのトイレエリア341での対象者の検知は「トイレ掃除作業」と判定され、「トイレ掃除作業」の要素負荷の測定が実施される。すなわち、家事設定記憶エリア57に設定されているように、トイレエリア341での5分以上の継続した滞在で、かつその滞在の間トイレドア48が開けた状態の場合、そのトイレエリア341の滞在時間を「トイレ掃除作業」の要素負荷として測定する。ステップS74の「トイレ掃除作業」の測定が実施された後、ステップS75へ進む。
ステップS75では、そのトイレエリア341での検知の他にトイレエリア341での検知があるか否かが判定される。他にトイレエリア341での検知がない場合は、NO判定してステップS81へ進む。他にトイレエリア341での検知がある場合、YES判定してステップS72へ進み、ステップS72〜S75の各処理を繰り返す。
ステップS71,S75でNO判定されて、ステップS81へ進むと、掃除機41の電源オンが検知されたか否かが判定される。なお、ステップS81は、3時以降の最初の掃除機41の電源オンから開始される。掃除機41の電源オンの検知がない場合、NO判定されてステップS85へ進む。掃除機41の電源オンが検知されている場合、YES判定をしてステップS82へ進む。
ステップS82では、その掃除機41の電源がオンの間、掃除機エリア411で対象者が検知されたか否かが判定される。掃除機エリア411で検知されていた場合は、YES判定をしてステップS83へ進む。掃除機エリア411で検知されていない場合は、NO判定をしてステップS84へ進む。
ステップS83では、その掃除機エリア411での対象者の検知は「掃除機での掃除作業」と判定され、「掃除機での掃除作業」の要素負荷の測定が実施される。すなわち、家事設定記憶エリア57に設定されているように、掃除機41の電源オンの間、掃除機エリア411で対象者が検知されている場合、その掃除機41の電源がオンの時間を「掃除機での掃除作業」の要素負荷として測定する。
ステップS83の「掃除機での掃除作業」の測定が実施された後、ステップS84へ進む。ステップS84では、その掃除機41の電源オンの検知の他に掃除機41の電源オンの検知があるか否かが判定される。他に掃除機41の電源オンの検知がない場合は、NO判定してステップS85へ進む。他に掃除機41の電源オンの検知がある場合、YES判定してステップS82へ進み、ステップS82〜S84の各処理を繰り返す。
ステップS81,S84でNO判定されてステップS85へ進むと、ステップS85ではステップS63で得られた「浴室掃除作業」、S74で得られた「トイレ掃除作業」、及びステップS83で得られた「掃除機での掃除作業」の負荷について、行動要素ごとに合計して要素負荷の集計をした後、集計された要素負荷に基づいて「掃除」の家事負荷の推定が実施される。ステップS85で要素負荷の集計及び家事負荷の推定を実施した後は、本処理を終了する。
以上のように、ステップS61からステップS64までは「浴室掃除作業」の行動要素の判定のチャートであり、ステップS71からステップS75までは「トイレ掃除作業」の行動要素の判定のチャートであり、ステップS81からステップS84までは「掃除機での掃除作業」の行動要素の判定のチャートである。そして、それぞれで得られた行動要素について集計し、当該要素負荷に基づき掃除の家事負荷が推定される。
図11は、家事のうち、育児における行動要素の測定及び家事負荷の推定をするための制御処理の流れを示すフローチャートである。図11のフローチャートにより、家事設定記憶エリア57に設定されている育児の行動要素「送迎」について、その要素負荷が測定され、要素負荷に基づき育児の家事負荷が推定される。
ステップS91では、送迎場所として予め設定された指定の送迎場所で車両15が検知されたか否かが判定される。上述のように、毎日3時に家事負荷のデータ集計が実施されるため、3時以降の最初の送迎場所での検知から図11のフローチャートが開始される。指定の送迎場所での車両15の検知がない場合、NO判定されてステップS96へ進む。指定の送迎場所で車両15が検知されている場合、YES判定をしてステップS92へ進む。
ステップS92では、車内エリア151で対象者が検知されたか否かが判定される。車内エリア151で検知されていた場合は、YES判定をしてステップS93へ進む。車内エリア151で検知されていない場合は、NO判定をしてステップS95へ進む。
ステップS93では、その検知(滞在)が5分以上継続したか否かが判定される。5分以上継続して滞在していた場合は、YES判定をしてステップS94へ進む。5分以上継続して滞在していない場合は、NO判定をしてステップS95へ進む。
ステップS94では、その指定の送迎場所で(車内での)対象者の検知は「送迎作業」と判定され、「送迎作業」の要素負荷の測定が実施される。すなわち、家事設定記憶エリア57に設定されているように、送迎場所での滞在時間と、検知された送迎場所の指定負荷(分)とを加算して、その「送迎作業」の要素負荷が計測される。
ステップS94の「送迎作業」の測定が実施された後、ステップS95へ進む。ステップS95では、その指定の送迎場所での車両15の検知の他に指定の送迎場所での車両15の検知があるか否かが判定される。他に指定の送迎場所での車両15の検知がない場合は、NO判定してステップS96へ進む。他に指定の送迎場所での車両15の検知がある場合、YES判定してステップS92へ進み、ステップS92〜S95の各処理を繰り返す。
ステップS91,S95でNO判定されてステップS96へ進むと、ステップS96ではステップS95で得られた「送迎作業」の負荷について合計して要素負荷の集計をした後、集計された要素負荷に基づいて「育児」の家事負荷の推定が実施される。ステップS96で要素負荷の集計及び家事負荷の推定を実施した後は、本処理を終了する。
以下、図12のタイムチャートの拡大図を参照しながら、図10の掃除及び図11の育児の各行動要素の判定について具体的に説明する。図12は、18時付近、21時付近における、掃除及び育児に関わるエリアでの対象者(居住者A)の検知情報及び掃除及び育児に関わる機器の検知情報を示すタイムチャートの一部拡大図である。
浴室掃除は浴室エリア351での5分以上の滞在で「浴室掃除」と判定される。そのため、T712のタイミングでの浴室エリア351での検知(2分)は「浴室掃除」と判定されず、T713のタイミングでの浴室エリア351での検知(10分)が「浴室掃除」と判定される。
トイレ掃除は、トイレドア48が開けたままの状態で、対象者が5分以上継続してトイレエリア341に滞在することにより「トイレ掃除」と判定される。よって、T701及びT709のタイミングでトイレドア48を開けて閉じた後のトイレエリア341での検知は「トイレ掃除」と判定されない。一方、T710〜T711では、トイレドア48が開いた状態で検知されており、この際、対象者のトイレエリア341での検知は5分以上継続している。よって、T710〜T711のトイレエリア341での検知は「トイレ掃除」と判定される。
掃除機41での掃除としては、掃除機41の電源オンかつ対象者が掃除機エリア411で検知されることで「掃除機での掃除」として判定される。図12において、T704のタイミングで対象者が掃除機エリア411で検知されて、T705のタイミングで掃除機41の電源がオン、T706のタイミングで掃除機41の電源オフ、T707のタイミングで掃除機エリア411で対象者が検知されなくなっている。この場合、掃除機41での掃除作業の要素負荷としては、掃除機41の電源がオンされている時間、すなわちT705〜T706の20分間となる。
送迎については、指定の送迎場所で車両15が5分以上継続して検知され、車内エリア151に対象者が検知されることで、「送迎作業」と判定される。図12においては、送迎場所でT702のタイミングで車両15が検知され、15分滞在している。そして、その際、車内エリア151で対象者が検知されている。よって、この送迎場所での車両15の検知は「送迎作業」によるものであると判定され、計測された送迎場所での滞在時間(15分)と、当該送迎場所に送迎した場合として予め設定した指定負荷(送迎場所が保育園の場合は15分、塾の場合は20分)とを加算して、「送迎」の要素負荷とする。
上記の図5、図7、図9及び図10のフローチャートにより、各家事の家事負荷が推定される。上記では対象者として居住者Aのみの検知結果を記載し説明したが、本実施形態ではICタグにより複数の人をそれぞれ検知でき、上記と同様にしてそれぞれの人に対して家事負荷の推定が実施できる。すなわち、午前3時に1日分(前日午前3時〜当日午前3時まで)の家事負荷について、それぞれの人について、図5、図7、図9及び図10のフローチャートに従って各家事の行動要素ごとに要素負荷を測定し、その行動要素に基づき家事負荷の推定が実施される。そして、人ごとに集計された家事負荷データは家事集計記憶エリア59に記憶される。
図13は、記憶部52に備えられた家事集計記憶エリア59の記憶内容を表す概念図であり、住宅11の家事判定システム20の評価対象者について集計された家事負荷データを示している。なお、上記では説明を省略したが、住宅11においては、居住者Bについても家事行動記憶エリア58に格納されたタイムチャートに基づき、図5、図7、図9及び図10のフローチャートにより各家事の家事負荷が推定されている。
図13に示されるように、住宅11の家事判定システム20の評価対象者である居住者A(母)と居住者B(父)とに対して、それぞれが従事した家事負荷データが人ごとに集計されて、日付ともに家事集計記憶エリア59に記憶される。なお、後述するように、家事判定システム20は管理サーバ70により家事負荷データが管理されるため、各家庭における家事負荷データは例えば保存期間を1カ月とし、保存期間後は自動削除されるようにしてもよい。
そして、家事負荷データの集計結果は、表示部55に表示される。例えば、図14のように、各家事における要素負荷と家事負荷とが対象者ごとに識別されてグラフで表示される。
上述のように、午前3時に集計された集計結果のデータは、管理サーバ70に通信ネットワークNを通じて送信される。管理サーバ70では、制御部71の収集部711により、各家庭から集計結果として送信されてきた1日分の家事負荷データを収集先である人及び家庭と対応させて、記憶部73の家事負荷データ記憶エリア731に記憶させる。各家庭の家事負荷データの集計結果は日々送信され、そのデータが家事負荷データ記憶エリア731に蓄積される。家事負荷データ記憶エリア731に記憶された集計結果の一覧を図15に示す。
そして、例えば住宅11の居住者が自家庭について、他の家庭と比較したいと考えた際には、居住者による操作部56の操作によりコントローラ50から通信ネットワークNを通して管理サーバ70にデータ要求が伝達される。そして、管理サーバ70の制御部71は、記憶部73より要求に応じるための家事負荷データを抽出し、要求に応じた結果となるよう制御(計算)する。そして抽出され計算された結果は、制御部71の表示制御部712により表示形式を制御されて、データ要求の結果として通信ネットワークNを通してコントローラ50へ送信される。そして、コントローラ50は、住宅11の家事負荷データが、抽出され計算されたデータと比較できる表示形式で表示部55に表示される。
他の家庭との比較要求の結果として表示部55に示されるグラフについて図16及び図17に示す。図16は、自家庭の家事負荷量について全家庭の家事量との比較要求をした結果の例である。図16のグラフには、家事判定システム20を導入する全家庭における1カ月の家事負荷量の分布図及びその分布図における自家庭の位置(グラフ中、矢印の示す位置)が示されている。また、自家庭の1日平均家事量についても表中に表示されている(矢印の上の数値)。図17は、類似家庭における特定の人の家事負荷量の比較要求をした結果の例である。図17のグラフには、住宅11の父(居住者B)の家事量(1日平均)と、類似の家族構成(父母子2人の家庭)における父の平均家事量(1日平均)とが、行動要素ごとに比較されて示されている。
さらに、家事判定システム20は、特定のレベルで家事を実施した人及び家庭に対して、ポイント付与を実施する制度が備えられている。ポイント付与を実施するための家事ごとのレベルについては、ポイント設定記憶エリア732に設定されている。図18には、ポイント設定記憶エリア732に記憶されたポイント付与のレベルに関する概念図を示す。ポイント設定記憶エリア732には、家事判定システム20を利用している家庭にポイント付与するために、各家事において所定のレベルが設定され、そのレベルに達している場合に付与されるポイントが設定されている。なお、本実施形態では、人に基づいてポイント付与される場合も家庭単位でポイント付与される。
管理サーバ70は日々送信された家事負荷データの集計結果を記憶し、例えば、月初め(1日)の3時に、前月1カ月分の家事負荷データを人ごと及び家庭ごとに集計する。そうして、1カ月分の集計結果に基づき、各人及び各家庭がポイント付与の条件を満たしているか否かが判定され、条件を満たしていると判定された場合、該当する家庭にポイントが付与される。そして、ポイント付与された場合は管理サーバ70からコントローラ50に付与されたポイント数の情報が送信され、例えば、表示部55に「ポイントが5点付与されました」というガイドメッセージが表示部55に表示されることにより居住者に報知される。
そして、管理サーバ70の記憶部73のポイント付与記憶エリア733には、各人及び各家庭に付与されたポイントについて記憶されている。図19には、ポイント付与記憶エリア733に記憶されている付与されたポイント数の記憶内容を示す。
家事判定システム20で付与されるポイントは、例えば、管理サーバ70のサーバ使用料金に使用したり、サーバ管理者が提供できるサービスに還元できるようにすればよい。例えば、HEMSと併用して当該システムを利用する場合は、家のメンテナンスのための施工に使用することもできる。
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
本実施形態によれば、家事の行動要素ごとにその要素負荷が測定され、要素負荷に基づいて家事負荷が推定される。さらに測定及び推定により得られた家事負荷について、表示部55に表示することにより、どのような家事または行動が負荷となっているかが可視的に確認できる。
本実施形態によれば、各家事単位で行動要素が設定されているため、それぞれの家事における行動要素ごとの負荷が判定できる。
本実施形態によれば、行動要素の測定及び家事負荷の推定を人ごとに実施することができる。人ごとに家事負荷が表示されることにより、家族間における家事負担の割合が判断できる。これにより、お互いの家事への貢献を感謝しつつ、補完するような配慮が生まれることが期待できる。そして、家族間で家事を助け合う関係性が構築できることにより、家事を推進することにつながる。これにより、快適な住環境が維持でき、さらには、より快適な住環境の実現が期待できる。
本実施形態によれば、複数の人又は複数の家庭から家事負荷データが管理サーバ70に収集され、それらの収集した家事負荷データを用いて、自家庭と他の家庭とを比較することができる。さらには、収集した家事負荷データを用いて、家庭における特定の人(例えば、父)の家事負荷量に着目して、自家庭と他の家庭とを比較することもできる。これにより、自家庭における家事量を客観的に捉えることができ、モチベーションの向上につながることが期待できる。
本実施形態によれば、収集した家事負荷データについて、設定した所定のレベルに達している場合、その家事負荷に従事した家庭にポイントを付与する。ポイントが付与されることにより、これまで評価されにくかった家事を貢献度に応じて評価することができ、家庭内での家事のモチベーション向上につながる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、家事判定システム20の評価対象者をICタグにより検知したが、評価対象者を検知する方法はこれに制限されず、例えば、指紋認証による個人認証、カメラを用いた顔認証による個人認証等を用いたり、またはこれらを適宜組み合わせて評価対象者の検知を行ってもよい。
(2)上記実施形態では、行動要素の測定において所定のエリアの滞在時間等の時間を要素負荷として測定したが、時間以外を要素負荷として測定してもよい。例えば、調理の片づけ作業において、水の使用量を測定して要素負荷としてもよい。時間以外を要素負荷とする場合は、家事を他の家事と比較するために家事間での基準を設けて、その基準に対しての数値を結果として使用することが好ましい。具体的には、例えば、上記実施形態での洗濯物干し作業と洗濯物取り入れ作業とにおいて、洗濯物の重量を時間換算したような方法で基準を設けるとよい。
(3)上記実施形態では、家事判定システム20の評価対象者として両親(父親及び母親)を対象としたが、評価対象者は各家庭それぞれにおいて任意で設定でき、例えば子や、多世帯においては子の祖父母等も評価対象者として含むこともできる。
(4)上記実施形態で種々の要素負荷及び指定負荷について設定したが、これらの設定は任意で設定することができ、例えば、家庭ごとに家事や行動要素を設定できるようにしてもよい。この場合、他の家庭と比較する際はそれらの任意設定できる項目は補正されて比較したり、所定の家事(行動要素)のみを他の家庭との比較に用いる等すればよい。
例えば、掃除の行動要素として、庭掃除や、ごみ出し等を設定することができる。これらの要素負荷の測定としては、庭掃除は庭に読取装置を設置し、当該読取装置により対象者を検知し、庭での5分以上の継続した検知により、庭掃除に従事したと判定する。
ゴミ出しの要素負荷としては、例えば、住居内のゴミを回収し、そのゴミの重量を要素負荷として測定する。
また、人ごとに指定負荷を変えて設定してもよい。例えば、子を評価対象者とする場合、子への家事手伝いのモチベーション向上を図るため、子が行った行動要素に指定負荷(例えば、30分)を設定して、子の家事負荷が評価されやすいように表示部55で表示することができる。
(5)上記実施形態では、管理サーバ70の家事負荷データ記憶エリア731で管理される家庭のデータとして家族構成が記憶されているが、家事負荷データをより詳細に比較するために、例えば、「共働き世帯 or 専業主婦世帯」、「単世帯 or 多世帯」、「子の年齢層:0〜6歳未満、6〜12歳未満、12〜18歳未満、or 18〜22歳未満、22歳以上」、「住居地(県)」、「主な移動手段:車 or 電車」等をさらに登録してもよい。
これにより、共働き世帯における父母の家事負担の割合や、地域ごとの父母の家事負担の割合などのデータが抽出でき、様々なデータの統計を取ることも可能となる。