JP2019095425A - クロマトグラフィー用のキット - Google Patents

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泰 吉正
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彰大 田谷
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Abstract

【課題】 クロマトグラフィーを行う際に、分離能を向上することを課題とする。さらには、試料の濃縮により感度を向上することも課題とする。【解決手段】 検出対象物を含む試料から、前記検出対象物を分離するクロマトグラフィー用のキットであって、担体を含むプレートと、前記担体に設けられた塩とを有し、前記担体は、第一の領域と、前記第一の領域とは異なり、かつ前記第一の領域と接する第二の領域とを含み、前記第一の領域には第一の塩が設けられ、前記検出対象物は、前記第一の領域又は前記第二の領域において分離されることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明はクロマトグラフィー用のキットに関する。
薄層クロマトグラフィー(以下TLCともいう)は、ガラスやアルミなどの支持体上にシリカゲルやアルミナなどの担体を薄く塗ったプレートに試料を付与し、溶媒で展開することで、混合物を分離する手法である。安価で迅速な分析が可能であることから、化学反応の追跡や簡易的な薬物検査などに広く用いられている。
TLCを用いて混合物から対象物を分離する場合、担体、溶媒を選択し、試行錯誤によって分離能がよくなる条件を探すことになる。しかし、担体の種類は限られており、溶媒の種類と混合比の検討には時間を要するため、望みの分離能が得られないこともしばしばあった。
またTLCは、HPLCなどの高価な分析法に比べて感度が低い。したがって試料が希薄な場合には、何度も付与して感度を稼ぐ必要がある。また、付与した時点では見えていても、展開による拡散の影響で見えなくなってしまうこともある。特許文献1には、分離能と感度を向上させるものとして、濃縮部付きTLCプレートが開示されている。濃縮部付きプレートとは、吸着層の手前に、比表面積が小さく吸着活性のない担体を塗布した部分を連結したプレートである。付与された試料は、濃縮部では吸着されないため、吸着層との連結部に濃縮され、分離能と感度が向上する。しかし、特許文献1の構成では、担体の種類によって、濃縮できる対象物が限られ、様々な検出対象物の濃縮を可能とする構成ではなかった。
特開昭53−149393号公報
そこで本発明では、様々な検出対象物の濃縮を可能とするクロマトグラフィーを提供することを目的とする。
本発明に係るクロマトグラフィー用のキットは、検出対象物を含む試料から、前記検出対象物を分離するキットであって、担体を含むプレートと、前記担体に設けられた塩とを有し、前記担体は、第一の領域と、前記第一の領域とは異なり、かつ前記第一の領域と接する第二の領域とを含み、前記第一の領域には第一の塩が設けられ、前記検出対象物は、前記第一の領域又は前記第二の領域において分離されることを特徴とする。
本発明に係るクロマトグラフィー用のキットによれば、試料から様々な検出対象物を濃縮することができる。その結果、特定の検出対象物を分離する能力が高い。さらに、検出対象物が濃縮されることにより、微量の検出対象物でも検出できる。すなわち、検出対象物の検出感度が高いキットを提供することができる。
本発明の実施形態に係るクロマトグラフィー用のキットを説明するための図。 本発明の実施形態に係るクロマトグラフィー用のキットを説明するための図。 本発明の実施形態に係るクロマトグラフィー用のキットを説明するための図。 本発明の実施例14に係るクロマトグラフィー用のキットを説明するための図。 本発明の実施例19に係るクロマトグラフィー用のキットを説明するための図。
以下、本発明の実施形態について、主に薄層クロマトグラフィーを例として説明するが本発明はこれらに限られない。
本実施形態に係るクロマトグラフィー用のキットは、検出対象物を含む試料から、前記検出対象物を分離するものである。キットは、担体を含むプレートと、担体に設けられた塩とを有する。担体は、第一の領域と、第一の領域とは異なり、かつ第一の領域と接する第二の領域とを含み、第一の領域には第一の塩が設けられ、検出対象物は、第一の領域又は第二の領域において分離される。このようなキットを用いることで、検出対象物を分離する能力を向上させることができる。また、試料が濃縮されることにより、キットによる検出対象物の検出感度を向上することができることも見出した。
薄層クロマトグラフィーでは、担体と対象物の相互作用の強さによって対象物の展開速度が変わると言われている。展開速度は相互作用が強いほど遅くなり、相互作用が弱いほど速くなる。そして、静電相互作用、特に酸塩基相互作用が展開速度に及ぼす影響が大きい。本実施形態においては、塩を含有させることで、シリカゲルの酸・塩基性が変化し、相互作用が変化する結果、展開速度が変化し分離能を向上することができるようになったと考えられる。また、この性質を利用し、一部の物質の展開速度のみを急激に遅くする塩を塗布すれば、それら一部の物質のみを選択的に濃縮することができるため、希薄な試料であっても感度を大きく向上させることができる。
すなわち、従来は、シリカゲルに化学修飾を施すことで酸塩基性の調整を行っていたが、本実施形態の手法を用いれば塩を含有させるだけで、様々な酸塩基性のシリカゲルを簡便に作成することができる。また、本手法を用いれば、1枚のプレートにいくつもの領域を配置することができる。これにより、対象物に合わせて自在に調整ができるため、分離しづらい物質の分離能を向上することができる。さらに、濃縮したい物質を選択的に濃縮し、感度を向上することもできる。
(プレート)
本実施形態に薄層クロマトグラフィー用のキットに含まれるプレートは、少なくとも担体を有する。なお、本実施形態において担体とは吸着等の性質を示し、他の物質を固定する土台となる物質のことである。本実施形態におけるプレートは支持体上に担体が設けられた構造を含み構成されていてもよいし、支持体がなく、担体のみを含み構成されていても良い。支持体上の担体は、所謂TLCのように薄層の形態でもよいし、所謂マイクロ流路プレートのようにカラム状の形態でもよい。
本実施形態に係るプレートの一例について図1を用いて説明する。本実施形態に係るプレートは支持体103上に担体106を有する。担体は、第一の領域101と、第一の領域101とは異なり、かつ第一の領域101と接する第二の領域102とを含み、第一の領域101には第一の塩が設けられている。また、第二の領域102には、第一の塩とは異なる第二の塩が設けられていてもよい。また、第一の領域101と第二の領域102にともに第一の塩が設けられていてもよい。この場合、第一の領域101に設けられた第一の塩の濃度と、第二の領域102に設けられた第一の塩の濃度とは異なるようにする。104あるいは105の方向に後述する展開液を導入して展開を行う。
図2には、他の一例として矩形状のプレートの長辺方向に、塩を塗った領域を2つ、塩を塗っていない領域を3つ有するプレートを示している。支持体206上に担体207を有しており、また、第一の領域201、第二の領域202、第三の領域203、第四の領域204、第五の領域205を有しており、第二の領域202、第四の領域204にはそれぞれ異なる種類の塩が設けられる。または、5つの領域のうち接する領域同士に設けられる塩の種類が同じ場合、各々異なる濃度の塩が設けられる。なお、塩が設けられない領域を1以上含んでいても良い。塩が設けられない領域を2以上含む場合、塩が設けられない領域同士が接する構成とならないようにする。すなわち、互いに接する領域の一方には、塩が設けられる構成とする。
なお、第一の領域、及び第二の領域と異なる位置に、さらに第三の領域から第nの領域(nは3以上の整数)の領域を有していてもよい。だだし、第kの領域は少なくとも第k−1の領域と接している(kは2≦k≦nをみたす整数)。第kの領域は、塩の有無、濃度、種類によって第k−1の領域と区別できるものとする。図2に示す208あるいは209の方向に、後述する展開液を導入して展開を行う。
図3には、さらに他の一例として、プレートの長辺および短辺方向に、塩を塗った領域を4つ有するプレートを示している。支持体305上に吸着層306を有しており、また、第一の領域301、第二の領域302、第三の領域303、第四の領域304を有している。第一の領域301は第二の領域302と接しており、第二の領域302は第三の領域303と接しており、第三の領域303は第四の領域304と接している。第一の領域301、第二の領域302、第三の領域303、第四の領域304にはそれぞれ種類かつ/あるいは濃度の異なる塩を含有する。図3に示す307あるいは308の方向に、後述する展開液を導入して展開を行う。
図5には、カラム状の担体を用いたプレートの一例を示している。支持体503上に吸着層506を有しており、さらに第一の領域501、第二の領域502を有している。図5に示す504あるいは505の方向に、後述する展開液を導入して展開を行う。
塩の濃度は1.0mg/mm以上であることが好ましく、2.0mg/mm以上であることがより好ましい。本発明において「濃度」とは、担体1mmあたりの塩の質量を意味する。
(塩)
本発明における塩とは、酸由来の陰イオンと塩基由来の陽イオンがイオン結合した化合物のことを指す。無機塩としては、たとえば、NaCl、NHCl、(NHSO、LiCl、CaCl、KCl、NaHSO4、KHPO、NaHPO、NaHPO、NaSO、KPO、NaHCO、KHCO、KCO、KNO、NaBrなどを用いることができる。有機塩としては、たとえば、CHCOOK、CHCOONa、Na、CaC、HCOONa、NaH(CO(COO))、NaH(CO(COO))、Na(CO(COO))などを用いることができる。
第一の塩は、水溶液が塩基性を示す塩であることが好ましい。例えば、NaHPO、KPO、NaHCO、KHCO、KCO、CHCOOK、CHCOONa、Na、CaC、HCOONa、NaH(CO(COO))、NaH(CO(COO))、Na(CO(COO))で構成される群から選択される少なくとも一種を用いることができる。その中で、NaHCOあるいはKHCOを用いることが好ましい。
第二の塩は水溶液が中性あるいは酸性を示す塩であることが好ましい。例えば、NaCl、NHCl、KCl、KNO、(NHSO、NaHSO4、KHPO、NaHPOで構成される群から選択される少なくとも一種を用いることができる。その中で、KHPOあるいはNaHPOを用いることが好ましい。
塩は水などの適切な溶媒に溶解あるいは分散させたものを、前述のプレートに塗布してもよいし、塩と担体を予め混ぜておいたプレートを用いてもよい。塗布する際は、筆やスプレー、ピペット、エアブラシなどを適宜使用すればよい。あるいは、塩の溶液にプレートを浸漬させてもよい。
(試料)
対象物を含有する試料としては特に限定されないが、本手法を用いれば、対象物の濃度が希薄であったり、複雑な組成の試料であったりしても分析することができる。たとえば、尿、血液、汗など複雑な組成の体液中の微量成分であっても分析することができる。
試料に含まれる物質としては、3−カルバミル−1−メチルピリジニウムクロリド、キナルジン酸、アデノシン、ウラシル、ニコチン酸、4−ピリドキシン酸、ニコチンアミド、4−ヒドロキシフェニル酢酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル酢酸、テオフィリン、4−アミノ安息香酸、8オキソ2’デオキシグアノシン、カフェイン、テオブロミン等が挙げられる。その中で検出対象物は、8オキソ2’デオキシグアノシン等が挙げられる。
(支持体)
支持体103の材質は、ガラス、プラスチック、アルミ等が用いられ、試料の種類、展開液の種類等により適宜選択できる。支持体103の寸法や形状については、取り扱いの簡便さからは試料が移動する方向の長さ3cm〜15cm、幅1cm〜5cmの方形が好ましい。
(担体)
担体としては、シリカゲル、アルミナ、セルロース、けいそう土などを用いることができる。また、シリカゲル中のシラノール基に有機部位を化学結合した化学修飾型シリカゲルも用いることができる。化学修飾型シリカゲルは逆相、NH、CN、DIOLタイプなどが知られており、分析したい試料にあわせ、適宜選択すればよい。
(展開溶媒)
展開溶媒は、通常用いられている極性溶媒及び/または非極性溶媒を単独または混合して用いることができる。分析したい試料に合わせ、適宜選択すればよい。
(試料の付与方法)
試料はキャピラリーやマイクロピペットなどを用いて、点状や面状に付与することができる。あるいは、プレートの一辺を試料溶液に接触させ、吸い上げて付与することもできる。担体がカラム状の形態をとっている場合は、流路を通じて試料を付与することもできる。
(検出方法)
試料の検出は、UV光の吸収を目視やカメラなどで認識することで行うことができる。また、呈色試薬を用いて目的物質を呈色させたものを、目視やカメラなどで認識することでも行うことができる。
(Rf値)
本実施形態において、Rf値とは、展開を一方向に行った際の、(展開前の対象物質存在領域の重心から展開後の対象物質存在領域の重心までの距離)/(展開前の対象物質存在領域の重心から溶媒の先端までの距離)を意味する。Rf値を比較する際には、比較対象とする構成要素以外の構成や条件は互いに同じにする。例えば、プレートに設ける塩の種類を変えたときのRfの値を算出する際、検出対象物、担体、展開液といった他の構成要素や条件は同じにする。なお、二次元展開を行った際は、一回目と二回目でそれぞれRf値を定義する。第kの領域と同様の組成を持つプレートで測定した、前記検出対象物のRf値をRfとしたとき、Rf/Rfk−1の値が2以上あるいは0.5以下となるようなkが1つ以上存在することが好ましく、5以上あるいは0.2以下となるようなkが1つ以上存在することがより好ましい。
(用途)
本実施形態に係るクロマトグラフィー用のキットは、検出対象物の有無や濃度の検出をする用途のほかに、試料から特定の検出対象物を精製することにも使うことができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(サンプルの調製)
下記表1に記載の含有量(何れも単位は質量%)となるように各材料を混合した。
Figure 2019095425
(展開液の調製)
下記表2に記載の含有量(何れも単位は体積%)となるように各材料を混合した。
IPA:2−プロパノール
MeOH:メタノール
EtOH:エタノール
Figure 2019095425
(プレート)
実験には下記表3に記載のプレートを用いた。
Figure 2019095425
プレート1:平均細孔径60Åのシリカゲル(蛍光指示薬F254含有)を、250μmの膜厚でガラスに塗布したプレート
プレート2:表面に1,2−ジヒドロキシー3−プロポキシプロピル基を修飾した平均細孔径60Åのシリカゲル(蛍光指示薬F254s含有)を、200μmの膜厚でガラスに塗布したプレート
プレート3:表面にアミノ基を修飾した平均細孔径60Åのシリカゲル(蛍光指示薬F254s含有)を、200μmの膜厚でガラスに塗布したプレート
プレート4:表面にアルキルシアノ基を修飾した平均細孔径60Åのシリカゲル(蛍光指示薬F254s含有)を、200μmの膜厚でガラスに塗布したプレート
プレート5:表面にオクタデシル基を修飾した平均細孔径60Åのシリカゲル(蛍光指示薬F254s含有)を、250μmの膜厚でガラスに塗布したプレート
プレート6:平均細孔径60Åのシリカゲル(蛍光指示薬F254含有)を、250μmの膜厚でガラスに塗布したプレートに不活性な担体からなる濃縮ゾーンを連結したプレート
プレート7:平均細孔径60Åのシリカゲル(蛍光指示薬F254含有)を充填した直径3mmの細管を有するガラス製マイクロ流路プレート
各実施例、比較例では、下記表4に記載のサンプル、展開液、プレートをそれぞれ用いた。
Figure 2019095425
(塩の塗布)
実施例1から18、比較例1から3では、3cm×5cmに切断した薄層プレートを用いた。塩の塗布は、マイクロピペット(エッペンドルフ社製)を用いて塩の水溶液(9wt%)を付与することで行った。塩は、一方の短辺からもう一方の短辺に向けて、下記表5に記載の割合となるように均一に塗布した。
実施例19では、カラムへの充填前に、あらかじめ塩水溶液に担体を浸漬させ、ろ過、乾燥することで塩の塗布を行った。
また、塩の濃度を下記表5に示した。
(展開方法)
<展開方法1>
薄層プレートの短辺の第一の領域側を底辺とし、底辺から10mmの位置に、ガラス管のスポイトにてサンプルを1μl付与した。サンプルは60℃のホットプレート上で乾燥させた。TLC用展開層(アズワン社製)の底部に2mm程度の深さとなるように展開液を入れ、展開層に蓋をして10分静置した。その後、展開層中にシリカゲルプレートの底辺が下になるように入れ、展開液がサンプル付与位置から20mm上に上がるまで静置した。
<展開方法2>
薄層プレートの短辺の第二の領域側を底辺とした以外は、展開方法1と同様の方法で展開を行った。
<展開方法3>
薄層プレートの短辺の第三の領域と第四の領域側を底辺とし、領域4内の底辺から10mmの位置に、ガラス管のスポイトにてサンプルを1μl付与した。サンプルは60℃のホットプレート上で乾燥させた。TLC用展開層(アズワン社製)の底部に2mm程度の深さとなるように展開液を入れ、展開層に蓋をして10分静置した。その後、展開層中にシリカゲルプレートの底辺が下になるように入れ、展開液がサンプル付与位置から20mm上に上がるまで静置した。次に、プレートを取り出し、60℃のホットプレート上で乾燥させ、常温に戻るまで放置した。その後、領域1と領域4の側が下になるように展開層中に入れ、展開液がサンプル付与位置から20mm上に上がるまで静置した。
<展開方法4>
薄層プレートのどちらか一方の短辺を底辺とした以外は、展開方法1と同様の方法で展開を行った。
<展開方法5>
PEEKチューブ(仁礼工業製)とマイクロシリンジポンプMSP−1D(アズワン社製)をマイクロ流路プレートに接続し、流速500μL/分で展開をおこなった。シリンジにはガスタイトシリンジ(ハミルトン社製)を用いた。
各実施例における展開方法は、下記表5中に記載した。
Figure 2019095425
なお、表5において、実施例1〜13、及び15〜18は、図1で示す構成のプレートを用いており、第一の領域が101、第二の領域が102に対応する。実施例15は、図4で示す構成のプレートを用いており、第一の領域が401、第二の領域が402、第三の領域が403、第四の領域が404となっている。
(評価)
<分離能の評価>
各スポット同士のRf値の比を1以上になるように算出したときの最小値が1.5以上である場合はAA(特に好ましいレベル)、1.2以上である場合はA(好ましいレベル)、1.1以上である場合はB(許容できるレベル)、それ以外をCとした。なお、1成分しか含まれない場合は、未評価とした。実施例14については、1回目、2回目の展開においてそれぞれRf値を求めて算出した。
<濃縮能の評価>
各対象物質について、(展開前の対象物質存在領域の展開方向の最大幅)/(展開後の対象物質存在領域の展開方向の最大幅)の最大値が5以上である場合はAA(特に好ましいレベル)、2以上である場合はA(好ましいレベル)、1以上である場合はB(許容できるレベル)、それ以外をCとした。実施例14については、2回目の展開時の濃縮幅を用いて算出した。
<総合評価>
分離能、濃縮能の評価で、どちらもC評価がない場合○(好ましいレベル)、どちらか一つでもC評価がある場合は×(許容できないレベル)とした。
各評価結果は下記表6に記載した。
Figure 2019095425
101 第一の領域
102 第二の領域
103 支持体
104 展開方向
105 展開方向
106 担体
201 第一の領域
202 第二の領域
203 第三の領域
204 第四の領域
205 第五の領域
206 支持体
207 担体
208 展開方向
209 展開方向
301 第一の領域
302 第二の領域
303 第三の領域
304 第四の領域
305 支持体
306 吸着層
307 展開方向
308 展開方向
501 第一の領域
502 第二の領域
503 支持体
504 展開方向
505 展開方向
506 吸着層

Claims (17)

  1. 検出対象物を含む試料から、前記検出対象物を分離するクロマトグラフィー用のキットであって、
    担体を含むプレートと、前記担体に設けられた塩とを有し、
    前記担体は、第一の領域と、前記第一の領域とは異なり、かつ前記第一の領域と接する第二の領域とを含み、
    前記第一の領域には第一の塩が設けられ、
    前記検出対象物は、前記第一の領域又は前記第二の領域において分離されることを特徴とするキット。
  2. 前記第二の領域には、前記第一の塩とは異なる第二の塩が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキット。
  3. 前記第二の領域には、前記第一の塩が設けられ、前記第一の領域に設けられた前記第一の塩の濃度と、前記第二の領域に設けられた前記第一の塩の濃度とは異なることを特徴とする請求項1に記載のキット。
  4. 前記第一の塩は、水溶液が塩基性を示す塩であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のキット。
  5. 前記第一の塩は、NaHPO、KPO、NaHCO、KHCO、KCO、CHCOOK、CHCOONa、Na、CaC、HCOONa、NaH(CO(COO))、NaH(CO(COO))、Na(CO(COO)
    で構成される群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項4に記載のキット。
  6. 前記第一の塩はNaHCOあるいはKHCOであることを特徴とする請求項5に記載のキット。
  7. 前記第二の塩は水溶液が中性あるいは酸性を示す塩であることを特徴とする請求項2に記載のキット。
  8. 前記第二の塩はNaCl、NHCl、KCl、KNO、(NHSO、NaHSO4、KHPO、NaHPOで構成される群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項7に記載のキット。
  9. 前記第二の塩はKHPOあるいはNaHPOであることを特徴とする請求項8に記載のキット。
  10. 前記第一の領域、及び前記第二の領域における、前記第一の塩の濃度が1.0mg/mm以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のキット。
  11. 前記第一の領域、及び前記第二の領域における、前記第一の塩の濃度が2.0mg/mm以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のキット。
  12. 前記第一の領域、及び前記第二の領域と異なる位置に、さらに第三から第nの領域(nは3以上の整数)を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のキット。
  13. 前記第1の領域から前記第nの領域のうち、第kの領域で測定した前記検出対象物のRf値をRfとしたとき、Rf/Rfk−1の値が2以上あるいは0.5以下となるようなk(kは2≦k≦n)が1つ以上存在することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載のキット。
  14. 前記Rf/Rfk−1の値が5以上あるいは0.2以下となるようなkが1つ以上存在することを特徴とする請求項13に記載のキット。
  15. 前記プレートが長辺と短辺とを有する矩形であり、前記プレートの長辺方向に、前記第一から第kの領域が配置されていることを特徴とする請求項13または14に記載のキット。
  16. 前記プレートが長辺と短辺とを有する矩形であり、前記プレートの長辺方向及び短辺方向に、前記第一の領域から前記第kの領域が配置されていることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載のキット。
  17. 前記検出対象物は、8オキソ2’デオキシグアノシンであることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載のキット。
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