次に、発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本欄にて説明する形態はあくまでも例示であり、これに限定されることはない。また、後述する形態例の各々における構成や制御等の全部または一部を他の形態例に応用ないし他の形態例と組み合わせすることは、本書に言及がなくても可能である。また、各形態例について種々の変形例を説明するが、かかる変形例を他の形態例に適用することは、本書に言及がない場合であっても可能である。
以下説明する形態は、具体的には、第1の形態例、第2の形態例、第3の形態例、第4の形態例、第5の形態例、第6の形態例、第7の形態例、第8の形態例、第9の形態例および第10の形態例である。なお、他の形態例と重複する構成や制御等については、その説明や図示を省略することがあり、他の形態例の図面を利用することがある。また、他の形態例と重複する構成や制御等についても省略せずに説明や図示をすることがある。
〔第1の形態例〕
まず、第1の形態例について説明する。
ここで、遊技球による遊技を長く継続していると遊技者の集中力等を維持させることが難しくなる。そのため、遊技者の集中力等の維持を図るべく、このような先読み演出を利用することが考えられる。しかしながら、従来から提案されている遊技機での先読み演出では、遊技者の集中力等の維持を十分に図ることが困難であった。
そこで、第1の形態例は、遊技者が遊技する際に遊技の興趣性を更に高めることを可能にするために、以下の構成を採用する。
すなわち、第1の形態例に係る遊技機は、第1の始動口b121での入賞を第1の検出手段b211が検出すると大当たり抽選を第1の抽選手段b231が行うと共に第2の始動口b122での入賞を第2の検出手段b212が検出すると大当たり抽選を第2の抽選手段b231が行い、当該大当たり抽選の結果を示す図柄表示および当該図柄表示の前に図柄が変動する変動表示を行う遊技機b100であって、前記第1の検出手段b211により検出される入賞に対応して行われる前記第1の抽選手段b231の大当たり抽選が保留される保留球の発生についての保留球発生情報を取得する取得手段b231と、前記取得手段b231により取得した前記保留球発生情報に係る入賞について前記第1の抽選手段b231による大当たり抽選が行われる前に当該大当たり抽選の結果を判定する事前判定手段b231と、前記事前判定手段b231による判定が所定の場合に当該変動まで連続する複数の変動表示にわたって行われる特定演出における終局の演出態様を決定する決定手段b301と、前記特定演出を、複数の変動表示の際に演出態様が変化し前記決定手段b301により決定される前記終局の演出態様に当該変動で移行するように実行する実行手段b301と、を備え、前記実行手段b301は、前記特定演出の実行中に前記第2の検出手段b212により検出される入賞に基づく変動表示を契機として当該特定演出の実行を中止し、かつ当該変動で当該特定演出での前記終局の演出形態に移行させることを特徴とするものである。
以下、「図1−」を含む図面番号を持つ図面(以下、図1ということがある)を参照して具体的に説明する。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〔遊技機の基本構成〕
図1−1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機a100の概略正面図である。
同図に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機a100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機a100は、遊技球が打ち出される遊技盤a110と、遊技盤a110を囲む枠部材a150とを備えている。遊技盤a110は、枠部材a150に着脱自在に取り付けられている。
遊技盤a110は、前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域a111と、下方から発射された遊技球が上昇して遊技領域a111の上部位置へ向かう通路を形成するレール部材a112と、遊技領域a111の右側に遊技球を案内する案内部材a113とを備えている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域a111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部a114が配設されている。この画像表示部a114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像を表示したりする。
また、遊技盤a110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物a115および盤ランプa116を備えている。可動役物a115は、遊技盤a110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプa116は、発光することで各種の演出を行う。
遊技領域a111には、遊技球が落下する方向に変化を与えるための図示しない遊技くぎおよび風車等が配設されている。また、遊技領域a111には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。また、遊技領域a111には、遊技領域a111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域a111の外に排出する排出口a117が配設されている。
本実施の形態では、入賞や抽選に関する種々の役物として、遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する第1始動口a121および第2始動口a122と、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する始動ゲート(以下、単にゲートと呼ぶ)a124と、が遊技盤a110に配設されている。なお、図1−1において、ゲートa124は、遊技領域a111の左右にそれぞれ設けられており、左側のゲートa124はa124Lと記載し、右側のゲートa124はa124Rと記載している。また、ここにいう第1始動口a121および第2始動口a122とは、予め定められた1の特別図柄表示器の作動契機となる入賞口をいう。具体的には、第1始動口a121および第2始動口a122には、入賞の際に遊技球の通過を検知するスイッチ(後述の第1始動口スイッチa211および第2始動口スイッチa212)が設けられている。そして、第1始動口a121または第2始動口a122に遊技球が入賞した際にこのスイッチが遊技球の通過を検知することが、特別図柄表示器を作動させる契機となる。
第2始動口a122は、チューリップの花の形をした一対の羽根が電動ソレノイドにより開閉すると共に点灯する普通電動役物としての電動チューリップ(開閉部材)a123を備えている。電動チューリップa123は、羽根が閉じていると、遊技球が第2始動口a122へ入り難い一方で、羽根が開くと第2始動口a122の入口が拡大して遊技球が第2始動口a122へ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップa123は、普通図柄抽選に当選すると、点灯ないし点滅しながら羽根が規定時間(例えば0.15秒ないし1.8秒間)および規定回数(例えば1回ないし3回)だけ開く。
パチンコ遊技機a100は、遊技状態として、大当たり抽選の当選確率に基づき、最も当選確率の低い低確率状態と、低確率状態よりも当選確率の高い中確率状態と、中確率状態よりも当選確率の高い高確率状態とを有している。なお、所定の条件において低確率状態と、中確率状態と、高確率状態とのいずれかの状態に制御される。また、パチンコ遊技機a100は、第2始動口a122への入賞機会が少ない時短無状態と、時短無状態よりも第2始動口a122への入賞機会が多い時短状態とを有している。なお、所定の条件において、時短無状態と、時短状態とのいずれかの状態に制御される。ここで、時短状態とは、たとえば、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップa123の開時間を延長する、のいずれか一つまたは複数の組合せによって制御される遊技状態である。なお、時短状態では、特別図柄の特別図柄変動時間が短縮されていてもよい。
また、本実施の形態では、入賞や抽選に関するその他の役物として、特別図柄抽選の結果に応じて開放する特別電動役物としての第1大入賞口a125Aおよび第2大入賞口a125B(以下、両者をまとめて大入賞口a125ということがある)と、遊技球が入賞しても抽選を行わない普通入賞口a126と、が遊技盤a110に配設されている。なお、第2大入賞口a125Bは、ランクアップボーナス(RUB)専用のアタッカーである。
本実施の形態では、遊技盤a110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器a130が配設されている。
また、遊技盤a110の裏面には、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御基板、演出を統括的に制御する演出制御基板、画像および音による演出を制御する画像制御基板、各種のランプおよび可動役物a115による演出を制御するランプ制御基板などの図示しない各種の基板等が取り付けられる。また、遊技盤a110の裏面には、供給された24VのAC電源をDC電源に変換して各種の基板等に出力するスイッチング電源(不図示)が配設されている。
枠部材a150は、遊技者がハンドルa151に触れてレバーa152を時計方向に回転させる操作を行うとその操作角度に応じた打球力にて遊技球を所定の時間間隔(例えば1分間に100個)で電動発射する発射装置(不図示)を備えている。また、枠部材a150は、遊技者のレバーa152による操作と連動したタイミングで発射装置に遊技球を1つずつ順に供給する供給装置(不図示)と、供給装置が発射装置に供給する遊技球を一時的に溜めておく皿a153と、を備えている。この皿a153には、例えば払い出しユニットによる払出球が払い出される。
なお、本実施の形態では、皿a153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドルa151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材a150は、発射装置のハンドルa151に遊技者が触れている状態であっても遊技球の発射を一時的に停止させるための停止ボタンa154と、皿a153に溜まっている遊技球を箱(不図示)に落下させて取り出すための取り出しボタンa155と、を備えている。
また、枠部材a150は、パチンコ遊技機a100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカa156および枠ランプa157を備えている。スピーカa156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプa157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプa157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材a150は、遊技盤a110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
図1−2は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機a100を説明する図であり、(a)は、遊技盤a110の右下に配設された表示器a130の一例を示す拡大図であり、(b)は、パチンコ遊技機a100の部分平面図である。
パチンコ遊技機a100の表示器a130は、図1−2の(a)に示すように、第1始動口a121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器a221と、第2始動口a122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器a222と、ゲートa124の通過に対応して作動する普通図柄表示器a223と、を備えている。第1特別図柄表示器a221は、第1始動口a121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器a222は、第2始動口a122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。普通図柄表示器a223は、遊技球がゲートa124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器a221、第2特別図柄表示器a222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の抽選結果が表示される。同様に、普通図柄表示器a223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の抽選結果が表示される。
また、表示器a130は、第1特別図柄表示器a221での保留に対応して作動する第1特別図柄保留表示器a218と、第2特別図柄表示器a222での保留に対応して作動する第2特別図柄保留表示器a219と、普通図柄表示器a223での保留に対応して作動する普通図柄保留表示器a220と、を備えている。本実施の形態では、第1特別図柄保留表示器a218、第2特別図柄保留表示器a219および普通図柄保留表示器a220は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって保留数が表示される。
ここで、保留について説明する。特別図柄の変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)にさらに第1始動口a121または第2始動口a122に遊技球が入賞した場合、特別図柄が変動中であるために、後の入賞に基づく特別図柄の変動表示動作を開始することができない。そのため、後の入賞は規定個数(例えば4個)を限度に記憶され、その入賞した遊技球に対する特別図柄を始動させるための権利が、先に入賞した遊技球に対する変動表示動作が終了するまで、保留される。なお、普通図柄に関しても、特別図柄と同様の処理を行う。このような保留がなされていることおよびその保留の数(未変動数)が、第1特別図柄保留表示器a218、第2特別図柄保留表示器a219および普通図柄保留表示器a220に表示される。
さらに、表示器a130は、パチンコ遊技機a100の状態を表示する状態表示器a224を備えている。本実施の形態では、状態表示器a224は、3個のLEDを配列した表示装置で構成されている。3個のLEDのうち1つは、パチンコ遊技機a100の状態が、特別図柄抽選の当選確率が高確率である高確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。もう一つのLEDは、特別図柄抽選の当選確率が中確率である中確率状態となっているか否かを点灯により報知するものである。残りの1つは、パチンコ遊技機a100の状態が、第2始動口a122に入賞しやすい時短状態となっているか否かを点灯により報知するものである。なお、状態表示器a224には、さらにLEDを設け、右打ちすることによって(遊技球の打球力を変更することによって)遊技者に有利な状態となっているか否かを点灯により報知してもよい。
パチンコ遊技機a100の枠部材a150は、遊技者が演出に対する入力を行うための入力装置を備えている。図1−2の(b)に示すように、本実施の形態では、入力装置の一例として、演出ボタンa161と、演出ボタンa161に隣接し、略十字に配列された複数のキーからなる演出キーa162と、が枠部材a150に配設されている。図示の例において、遊技者は、例えば、十字に配列された4つのキーからなる演出キーa162を操作することにより、画像表示部a114に表示されている複数の画像の何れかを指示することが可能であり、また、演出ボタンa161を操作することにより、指示した画像を選択することが可能である。また、入力装置の形態としては、図示した演出ボタンa161および演出キーa162の他、レバーやダイヤル等、演出の内容等に応じて様々な入力形態を採用することができる。
〔制御ユニットの構成〕
次に、パチンコ遊技機a100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図1−3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部a200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部a300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部a310と、各種のランプおよび可動役物a115を用いた演出を制御するランプ制御部a320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部a400と、を備えている。
前述したように、遊技制御部a200、演出制御部a300、画像/音響制御部a310、ランプ制御部a320、および払出制御部a400各々は、遊技盤a110の後面に配設されたメイン基板としての遊技制御基板、サブ基板としての演出制御基板、画像制御基板、ランプ制御基板、および払出制御基板において個別に構成されている。
〔遊技制御部の構成・機能〕
遊技制御部a200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPUa201と、CPUa201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMa202と、CPUa201の作業用メモリ等として用いられるRAMa203と、を備えている。
遊技制御部a200は、第1始動口a121または第2始動口a122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部a300に送る。また、高確率状態と中確率状態と低確率状態との間の変更情報を演出制御部a300に送る。
さらに、遊技制御部a200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは電動チューリップa123の開時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部a200は、遊技球が連続的に第1始動口a121または第2始動口a122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲートa124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部a200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口a125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口a125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
さらに、遊技制御部a200は、第1始動口a121、第2始動口a122、大入賞口a125および普通入賞口a126に遊技球が入賞すると、遊技球が入賞した場所に応じて1つの遊技球当たり所定数の賞球を払い出すように、払出制御部a400に対する指示を行う。例えば、第1始動口a121に遊技球が入賞すると3個の賞球、第2始動口a122に遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口a125に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口a126に遊技球が入賞すると10個の賞球をそれぞれ払い出すように、払出制御部a400に指示命令(コマンド)を送る。なお、ゲートa124を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは払出制御部a400に指示しない。
払出制御部a400が遊技制御部a200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部a200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部a400から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
遊技制御部a200には、検知手段として、図1−3に示すように、第1始動口a121への遊技球の入賞を検出する第1始動口検出部(第1始動口スイッチ(SW))a211と、第2始動口a122への遊技球の入賞を検出する第2始動口検出部(第2始動口スイッチ(SW))a212と、電動チューリップa123を開閉する電動チューリップ開閉部a213と、ゲートa124への遊技球の通過を検出するゲート検出部(ゲートスイッチ(SW))a214と、が接続されている。
さらに、遊技制御部a200には、第1大入賞口a125Aへの遊技球の入賞を検出する第1大入賞口検出部(第1大入賞口スイッチ(SW))a215と、第1大入賞口a125Aを閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する第1大入賞口開閉部a216と、第2大入賞口a125Bへの遊技球の入賞を検出する第2大入賞口検出部(第2大入賞口スイッチ(SW))a225と、第2大入賞口a125Bを閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する第2大入賞口開閉部a226と、普通入賞口a126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))a217と、が接続されている。
また、遊技制御部a200には、特別図柄の変動中に第1始動口a121へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内(例えば4個)で表示する第1特別図柄保留表示器a218と、特別図柄の変動中に第2始動口a122へ入賞した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する第2特別図柄保留表示器a219と、普通図柄の変動中にゲートa124を通過した未変動分の保留個数を限度個数内で表示する普通図柄保留表示器a220と、が接続されている。
さらに、遊技制御部a200には、第1始動口a121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器a221と、第2始動口a122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器a222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器a223と、パチンコ遊技機a100の状態を表示する状態表示器a224と、が接続されている。
そして、第1始動口スイッチa211、第2始動口スイッチa212、ゲートスイッチa214、大入賞口スイッチa215および普通入賞口スイッチa217にて検出された検出信号が、遊技制御部a200に送られる。また、遊技制御部a200からの制御信号が、電動チューリップ開閉部a213、第1大入賞口開閉部a216、第2大入賞口開閉部a226、第1特別図柄保留表示器a218、第2特別図柄保留表示器a219、普通図柄保留表示器a220、第1特別図柄表示器a221、第2特別図柄表示器a222、普通図柄表示器a223および状態表示器a224に送られる。それにより、遊技制御部a200は、上記した払い出し賞球数に関連する各種制御を行う。
さらに、遊技制御部a200には、ホールに設置されたホストコンピュータ(不図示)に対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板a250が接続されている。そして、遊技制御部a200は、払出制御部a400から取得した、払い出した賞球数に関する情報や遊技制御部a200の状態等を示す情報を、盤用外部情報端子基板a250を介してホストコンピュータに送信する。
〔演出制御部の構成・機能〕
演出制御部a300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPUa301と、CPUa301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMa302と、CPUa301の作業用メモリ等として用いられるRAMa303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)a304と、を備えている。
演出制御部a300は、例えば遊技制御部a200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタンa161または演出キーa162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタンa161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部a300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部a300は、遊技制御部a200より受信した高確率状態と中確率状態と低確率状態との間の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部a300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部a310およびランプ制御部a320に送る。
〔画像/音響制御部の構成・機能〕
画像/音響制御部a310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPUa311と、CPUa311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMa312と、CPUa311の作業用メモリ等として用いられるRAMa313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部a310は、演出制御部a300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部a114に表示する画像およびスピーカa156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部a310のROMa312には、画像表示部a114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROMa312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカa156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPUa311は、ROMa312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部a300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部a310は、画像処理された画像データにより画像表示部a114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカa156から出力される音響を制御する。
〔ランプ制御部の構成・機能〕
ランプ制御部a320は、盤ランプa116や枠ランプa157の発光、および可動役物a115の動作を制御する際の演算処理を行うCPUa321と、CPUa321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMa322と、CPUa321の作業用メモリ等として用いられるRAMa323と、を備えている。
そして、ランプ制御部a320は、演出制御部a300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプa116や枠ランプa157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物a115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部a320のROMa322には、演出制御部a300にて設定される演出内容に応じた盤ランプa116や枠ランプa157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPUa321は、ROMa322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部a300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部a320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプa116や枠ランプa157の発光を制御する。
また、ランプ制御部a320のROMa322には、演出制御部a300にて設定される演出内容に応じた可動役物a115の動作パターンデータが記憶されている。CPUa321は、可動役物a115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
〔払出制御部の構成・機能〕
払出制御部a400は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPUa401と、CPUa401にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROMa402と、CPUa401の作業用メモリ等として用いられるRAMa403と、を備えている。
そして、払出制御部a400は、遊技制御部a200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部a400は、遊技制御部a200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口a121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部a411を制御する。ここでの払出駆動部a411は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
また、払出制御部a400には、払出駆動部a411により遊技球の貯留部から実際に払い出された賞球の数を検出する払出球検出部a412と、貯留部(不図示)での遊技球の貯留の有無を検出する球有り検出部a413と、遊技者が遊技する際に使用する遊技球や払い出された賞球が保持される皿a153が満タン状態に有るか否かを検出する満タン検出部a414と、が接続されている。そして、払出制御部a400は、払出球検出部a412、球有り検出部a413および満タン検出部a414にて検出された検出信号を受け取り、これらの検出信号に応じた所定の処理を行う。
さらに、払出制御部a400には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板a450が接続されている。そして、払出制御部a400は、例えば払出駆動部a411に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部a412にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板a450を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部a200に対しても、同様の情報を送信する。
〔遊技制御部の機能構成〕
続いて、遊技制御部a200の機能構成を説明する。
図1−4は、遊技制御部a200の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技制御部a200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部a231と、普通図柄判定部a232と、特別図柄変動制御部a233と、特別図柄判定部a234と、普通図柄変動制御部a237と、を備えている。
また、遊技制御部a200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部a235を備えている。
さらに、遊技制御部a200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部a238と、電動チューリップ動作制御部a239と、賞球処理部a240と、出力制御部a241と、乱数制御部a242と、を備えている。
乱数取得部a231は、第1始動口a121や第2始動口a122に遊技球が入賞した場合に、特別図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、特別図柄判定部a234による判定に用いられる。
乱数取得部a231は、ゲートa124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部a232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部a233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
特別図柄判定部a234は、特別図柄の変動開始時に、図1−17−1、図1−17−2に示すような乱数テーブルを用いて、その抽選結果が「大当たりか否か」、「大当たりに当選した場合の大当たりの種類」、「大当たりに当選していない場合での小当たりかはずれか」を判定する。すなわち、乱数取得部a231は、検知手段である第1始動口スイッチa211または第2始動口スイッチa212により遊技球の通過が検知されたことを契機として特別図柄に関する乱数値を取得し、特別図柄判定部a234は、取得した乱数値に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技(大当たり遊技等)を行うか否かを判定する。なお、前述した特別図柄の抽選(大当たり抽選)は、乱数取得部a231および特別図柄判定部a234における処理のことをいう。
ここで、「大当たり」は、大当たり遊技において大入賞口a125が開状態となるラウンドの回数(ラウンド数)と、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態と、に応じて複数の種類に分けられる。詳細は後述するが、本実施の形態のパチンコ遊技機100においては、大入賞口a125のラウンド回数が、16R(ラウンド)の大当たり、開状態となる時間の長い4Rの大当たり、開状態となる時間の短い4Rの大当たりが設定される。また、本実施の形態のパチンコ遊技機100においては、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態が、時短無状態と時短状態のいずれか、および高確率状態と中確率状態と低確率状態のいずれかの組み合わせとなる大当たりが設定される。すなわち、大当たり遊技の終了後に発生する遊技状態に基づく大当たりの種類としては、大当たり遊技の終了後に、時短状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短遊技状態の大当たり)、時短状態および中確率状態の両方の状態を有する中確率時短遊技状態となる大当たり(以下、中確率時短遊技状態の大当たり)、時短状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短遊技状態の大当たり)、時短無状態および高確率状態の両方の状態を有する高確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、高確率時短無遊技状態の大当たり)、時短無状態および中確率状態の両方の状態を有する中確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、中確率時短無遊技状態の大当たり)、時短無状態および低確率状態の両方の状態を有する低確率時短無遊技状態となる大当たり(以下、低確率時短無遊技状態の大当たり)が有り得る。これらの大当たりは、各々個別の特別図柄に対応付けられており、特別図柄抽選において当選した特別図柄の種類に応じて大当たりの種類が確定する。
また、「大当たり」は、大当たり遊技の時間が長く多量の遊技球の払い出しが期待できる大当たりと、大当たり遊技の時間が短く遊技球の払出がほとんど期待できない大当たりとに分けられる場合がある。前者は「長当たり」と呼ばれ、後者は「短当たり」と呼ばれる。本実施の形態のパチンコ遊技機100では、例えば、16R(ラウンド)の大当たりおよび開状態となる時間の長い(長開放)4Rの大当たりが「長当たり」に該当し、開状態となる時間の短い(短開放)4Rの大当たりが「短当たり」に該当する。「長当たり」では、大入賞口a125の開状態が所定条件(例えば29.5秒経過または10個の遊技球の入賞)を満たすまで維持されるラウンドが所定回数(上記の例では16回または4回)繰り返される。また、「短当たり」では、一定時間(例えば0.1秒)だけ大入賞口a125が開状態となるラウンドが所定回数(上記の例では4回)繰り返される。以下の説明において、大当たりの種類を区別するために、ラウンド数および開放時間(長開放か短開放か)を示して、16R長当たり、4R長当たり、4R短当たり等と呼ぶことがある。
また、大当たりに当選していない場合の「小当たり」は、例えば0.1秒だけ第1大入賞口a125Aが開状態となる態様が所定回数(例えば4回)行われる小当たり遊技が行われる。なお、小当たり当選時には、小当たり遊技が終了した後においても小当たり当選前の遊技状態を継続する。すなわち、小当たり当選時の遊技状態が高確率時短遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても高確率時短遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。同様に、小当たりの当選時の遊技状態が低確率時短無遊技状態である場合には、小当たり遊技の終了後においても低確率時短無遊技状態が継続され、遊技状態は移行しない。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
変動パターン選択部a235は、第1特別図柄表示器a221や第2特別図柄表示器a222にて表示する特別図柄の変動パターン(変動時間)を選択する。ここでは、変動パターン選択部a235は、大当たり遊技を行うか否かの判定結果およびリーチを行うか否かの判定結果等に基づいて、変動パターンを決定する。そして、変動パターン選択部a235により選択された変動パターンに基づいて、特別図柄変動制御部a233が特別図柄の変動を制御する。変動パターン選択部a235および特別図柄変動制御部a233の動作の詳細については後述する。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄判定部a232は、普通図柄の抽選が行われた場合に、普通図柄の抽選結果が「当選かはずれであるか」を判定する。
普通図柄変動制御部a237は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
電動チューリップ動作制御部a239は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、電動チューリップa123を規定時間および規定回数だけ開放し、第2始動口a122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、電動チューリップa123のこのような開放状態を発生させない。
大入賞口動作制御部a238は、第1大入賞口a125Aおよび第2大入賞口a125Bの開放動作を制御する。
賞球処理部a240は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部a241は、遊技制御部a200から演出制御部a300および払出制御部a400へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部a242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
〔遊技機の基本動作〕
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機a100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機a100の基本的な動作は、メイン制御手段である遊技制御部a200により行われる。そして、この遊技制御部a200の制御の下、サブ制御手段である演出制御部a300により遊技上の演出の制御が行われ、払出制御部a400により賞球の払い出しの制御が行われる。
図1−5は、遊技制御部a200の主要動作を示すフローチャートである。
遊技制御部a200は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図1−5に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。図1−5を参照すると、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(ステップa501〜a506)。
乱数更新処理(ステップa501)では、遊技制御部a200の乱数制御部a242は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数の値を更新する。乱数の設定および乱数値の更新の詳細については後述する。
スイッチ処理(ステップa502)としては、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理が行われる。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部a200の乱数取得部a231は、図1−3の第1始動口スイッチa211および第2始動口スイッチa212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部a200の普通図柄判定部a232は、図1−3のゲートスイッチa214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
図柄処理(ステップa503)としては、特別図柄処理、普通図柄処理が行われる。
特別図柄処理では、遊技制御部a200の特別図柄変動制御部a233、特別図柄判定部a234、変動パターン選択部a235により、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
普通図柄処理では、遊技制御部a200の普通図柄変動制御部a237により、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理が行われる。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
電動役物処理(ステップa504)としては、大入賞口処理、電動チューリップ処理が行われる。
大入賞口処理では、遊技制御部a200の大入賞口動作制御部a238は、所定の条件に基づいて第1大入賞口a125Aおよび第2大入賞口a125Bの開放動作を制御する。
電動チューリップ処理では、遊技制御部a200の電動チューリップ動作制御部a239は、所定の条件に基づいて電動チューリップa123の開放動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
賞球処理(ステップa505)では、遊技制御部a200の賞球処理部a240は、入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力処理(ステップa506)では、遊技制御部a200の出力制御部a241は、演出制御部a300および払出制御部a400へ制御用コマンドを出力する。制御用コマンドは、ステップa505までの各処理において生成され、RAMa203にセットされており、この出力処理で出力される。
〔遊技制御部での始動口スイッチ処理〕
図1−6は、図1−5のステップa502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口a121における入賞に対する処理と、第2始動口a122における入賞に対する処理とが順次行われる。図1−6を参照すると、遊技制御部a200は、まず、第1始動口a121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチa211がONとなったか否かを判断する(ステップa601)。第1始動口スイッチa211がONとなったならば、次に遊技制御部a200は、第1始動口a121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(ステップa602)。図1−6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(ステップa602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口a121における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U1が上限値未満である場合(ステップa602でYes)、次に遊技制御部a200は、保留数U1の値を1加算する(ステップa603)。そして、遊技制御部a200の乱数取得部a231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAMa203に格納する(ステップa604)。ここでは、第1始動口a121の入賞なので、特別図柄抽選のための乱数値が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップa501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により、後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。ここにいう乱数値としては、大当たり、小当たりまたははずれを決定する大当たり乱数値、大当たりの種類(大当たり遊技の終了後における時短状態か時短無状態、高確率状態か中確率状態か低確率状態、長当たりか短当たり)を決定する図柄乱数値(大当たり図柄乱数値)、図柄変動における変動パターンを特定するための変動パターン乱数値、はずれのときにリーチ有り演出をするか否かを決定するリーチ乱数値、等が含まれる。
次に、遊技制御部a200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップa605)。この事前判定処理は、抽選結果の判定を図柄変動開始時ではなく始動口入賞時に(すなわちステップa605において)行うものである。なお、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部a200は、ステップa603による保留数U1の増加を演出制御部a300に通知するための保留数増加コマンドをRAMa203にセットし(ステップa606)、第1始動口a121における入賞に対する処理を終了する。ステップa605の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、ステップa605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
次に、第2始動口a122における入賞に対する処理が行われる。図1−6を参照すると、次に遊技制御部a200は、第2始動口a122に遊技球が入賞して第2始動口スイッチa212がONとなったか否かを判断する(ステップa607)。第2始動口スイッチa212がONとなったならば、次に遊技制御部a200は、第2始動口a122の入賞における未変動分の保留数U2が上限値未満か否かを判断する(ステップa608)。図1−6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U2が上限値に達している場合は(ステップa608でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第2始動口a122における入賞に対する処理を終了する。
一方、保留数U2が上限値未満である場合(ステップa608でYes)、次に遊技制御部a200は、保留数U2の値を1加算する(ステップa609)。そして、遊技制御部a200の乱数取得部a231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAMa203に格納する(ステップa610)。ここでは、第2始動口a122の入賞なので、上記のステップa604と同様に、特別図柄抽選のための乱数値(大当たり乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値など)が取得される。このとき取得される乱数値は、ステップa501の乱数更新処理で更新された値である。そして、この乱数値により後の特別図柄処理において特別図柄抽選の結果が確定される。
次に、遊技制御部a200は、特別図柄の変動表示動作が保留されている(すなわち未抽選の)入賞球(保留球)に対して、抽選結果の予告演出を行うための事前判定処理を行う(ステップa611)。この事前判定処理の内容は、上記のステップa605と同様である。この事前判定処理も、事前判定に基づく予告演出を行わない遊技機においては、この事前判定処理を省略する場合がある。
この後、遊技制御部a200は、ステップa609による保留数U2の増加を演出制御部a300に通知するための保留数増加コマンドをRAMa203にセットし(ステップa612)、第2始動口a122における入賞に対する処理を終了する。ステップa611の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、ステップa611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
〔遊技制御部でのゲートスイッチ処理〕
図1−7は、ゲートa124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部a200は、まず、ゲートa124を遊技球が通過してゲートスイッチa214がONとなったか否かを判断する(ステップa701)。ゲートスイッチa214がONとなったならば、次に遊技制御部a200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(ステップa702)。図1−7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(ステップa702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
一方、保留数Gが上限値未満である場合(ステップa702でYes)、次に遊技制御部a200は、保留数Gの値を1加算する(ステップa703)。そして、遊技制御部a200の乱数取得部a231は、今回の入賞による抽選のための乱数値を取得し、RAMa203に格納する(ステップa704)。ここでは、ゲートa124の入賞なので、普通図柄抽選のための乱数値(当たり乱数値など)が取得される。
ステップa704で乱数値が取得された後、遊技制御部a200は、ステップa703による保留数Gの増加を演出制御部a300に通知するための保留数G増加コマンドをRAMa203にセットし(ステップa705)、ゲートa124における入賞に対する処理を終了する。
〔遊技制御部での特別図柄処理〕
図1−8は、図1−5のステップa503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部a200の特別図柄変動制御部a233は、まず、RAMa203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップa801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
当たり遊技フラグがONである場合、既にパチンコ遊技機a100は大当たり中であるので、特別図柄変動を開始することなく特別図柄処理を終了する(ステップa801でYes)。一方、当たり遊技フラグがOFFである場合(ステップa801でNo)、次に特別図柄変動制御部a233は、パチンコ遊技機a100の現在の状態が特別図柄変動中か否かを判断する(ステップa802)。特別図柄変動中でない場合(ステップa802でNo)、次に特別図柄変動制御部a233は、特別図柄の未変動分の保留数U1、U2(図1−6参照)に関する処理を行う(ステップa803〜a806)。本実施の形態では、第1始動口a121の入賞に係る保留数U1と第2始動口a122の入賞に係る保留数U2とを区別しているので、この処理も対応する始動口ごとに個別に行う。
具体的には、特別図柄変動制御部a233は、まず第2始動口a122の入賞に係る保留数U2が1以上か判断する(ステップa803)。保留数U2が1以上である場合(ステップa803でYes)、特別図柄変動制御部a233は、保留数U2の値を1減算する(ステップa804)。一方、保留数U2=0である場合は(ステップa803でNo)、特別図柄変動制御部a233は、次に第1始動口a121の入賞に係る保留数U1が1以上か判断する(ステップa805)。保留数U1が1以上である場合(ステップa805でYes)、特別図柄変動制御部a233は、保留数U1の値を1減算する(ステップa806)。一方、保留数U1=0である場合は(ステップa805でNo)、特別図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、特別図柄変動を開始せず、別ルーチンの客待ち設定処理を実行して処理を終了する(ステップa816)。
ステップa804またはステップa806で保留数U1または保留数U2を減算した後、特別図柄変動制御部a233は、RAMa203のフラグ設定においてセットされた客待ちフラグをOFFとする(ステップa807)。客待ちフラグは、パチンコ遊技機a100が客待ち状態であることを識別するためのフラグであり、客待ち設定処理(ステップa816、図1−12参照)においてセットされる。
次に、特別図柄変動制御部a233は、別ルーチンによる大当たり判定処理および変動パターン選択処理を実行する(ステップa808、a809)。詳しくは後述するが、この大当たり判定処理および変動パターン選択処理によって、第1特別図柄表示器a221に変動表示される特別図柄の変動用の設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)が決定される。なお、これらの情報は演出制御部a300に送られる変動開始コマンドに含まれる。
この後、特別図柄変動制御部a233は、大当たり判定処理および変動パターン選択処理で決定された設定内容に基づき、図1−2に示す第1特別図柄表示器a221、第2特別図柄表示器a222により表示される特別図柄の変動を開始する(ステップa810)。そして、この設定内容を示す設定情報(大当たり図柄、遊技状態、変動パターン等)を含んだ変動開始コマンドを生成し、RAMa203にセットする(ステップa811)。ステップa811でセットされた変動開始コマンドは、図1−5のステップa506に示した出力処理で演出制御部a300へ送信される。
ステップa802で特別図柄変動中と判断された場合(ステップa802でYes)、またはステップa811で変動開始コマンドがセットされた後、特別図柄変動制御部a233は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップa812)。すなわち、ステップa810で特別図柄の変動を開始してからの経過時間がステップa809の変動パターン選択処理で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップa812でNo)、特別図柄変動が継続されるので、そのまま特別図柄処理が終了する。
一方、変動時間を経過した場合(ステップa812でYes)、特別図柄変動制御部a233は、まず、第1特別図柄表示器a221、第2特別図柄表示器a222における特別図柄の変動をステップa808の大当たり判定処理で決定された図柄で停止する(ステップa813)。後述する装飾図柄を停止させるための変動停止コマンドをRAMa203にセットする(ステップa814)。そして、別ルーチンの停止中処理を実行する(ステップa815)。停止中処理の内容については後述する。ステップa814でセットされた変動停止コマンドは、図1−5のステップa506に示した出力処理で演出制御部a300へ送信される。
〔遊技制御部による大当たり判定処理〕
図1−9は、大当たり判定処理(図1−8のステップa808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部a200の特別図柄判定部a234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(ステップa901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(ステップa902、905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図1−6のステップa604またはステップa610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図1−17−1参照)。
ステップa901の乱数判定の結果が大当たりだった場合(ステップa902でYes)、次に特別図柄判定部a234は、大当たり図柄乱数値の判定を行う(ステップa903)。この判定の結果に応じて、大当たりの種類(高確率状態か中確率状態か低確率状態、時短状態か時短無状態、長当たりか短当たり)が決定される。何れの大当たりとなるかは、図1−6のステップa604またはステップa610で取得した大当たり図柄乱数の値が、大当たりの種類ごとに予め設定された値のうちの何れと一致したかによって決定される(図1−17−2参照)。
以上の判定の後、特別図柄判定部a234は、大当たり図柄乱数の判定により決定された大当たりの種類を表す図柄(大当たり図柄)を設定情報としてRAMa203にセットする(ステップa904)。
ステップa901の乱数判定の結果が小当たりだった場合(ステップa902でNo、ステップa905でYes)、次に特別図柄判定部a234は、小当たりであることを表す図柄(以下、小当たり図柄)を設定情報としてRAMa203にセットする(ステップa906)。
ステップa901の乱数判定の結果が大当たりでも小当たりでもない場合(ステップa902、ステップa905でNo)、次に特別図柄判定部a234は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAMa203にセットする(ステップa907)。
〔遊技制御部による変動パターン選択処理〕
図1−10は、変動パターン選択処理(図1−8のステップa809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部a200の変動パターン選択部a235は、まず、大当たり判定処理(図1−9)のステップa902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップa1001)。そして、大当たりだった場合(ステップa1001でYes)、変動パターン選択部a235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROMa202から読み出してRAMa203にセットする(ステップa1002)。
一方、大当たりしなかった場合(ステップa1001でNo)、次に変動パターン選択部a235は、遊技者に大当たりを期待させるためのいわゆるリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数値の判定を行う(ステップa1003)。リーチ演出を行うか否かは、図1−6のステップa604またはステップa610で取得したリーチ乱数の値が予め設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図1−17−3(a)参照)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(ステップa1004でYes)、変動パターン選択部a235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROMa202から読み出してRAMa203にセットする(ステップa1005)。また、リーチ演出を行わない場合(ステップa1004でNo)、変動パターン選択部a235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROMa202から読み出してRAMa203にセットする(ステップa1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
次に、変動パターン選択部a235は、図1−6のステップa604またはステップa610で取得した変動パターン乱数値およびステップa1002、a1005、a1006でセットされた変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数値の判定を行う(ステップa1007)。すなわち、変動パターン選択部a235は、RAMa203にセットされた変動パターンテーブルを参照し、変動パターン乱数の乱数値に応じた変動パターンを選択する。したがって、同じ乱数値が取得された場合でも、特別図柄抽選の結果が、大当たりしたか否か、大当たりしていない場合はリーチ演出を行うか否か、といった状態の違いに応じて参照される変動パターンテーブルが異なるので、決定される変動パターンが異なる。
この後、変動パターン選択部a235は、ステップa1007で選択した変動パターンを設定情報としてRAMa203にセットする(ステップa1008)。ステップa1008でセットされた変動パターンの設定情報は、図1−8のステップa811でセットされる変動開始コマンドに含まれ、図1−5のステップa506に示した出力処理で演出制御部a300へ送信される。
〔遊技制御部による停止中処理〕
図1−11は、停止中処理(図1−8のステップa815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部a200は、まず、RAMa203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップa1101)。時短フラグがONである場合(ステップa1101でYes)、遊技制御部a200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(ステップa1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(ステップa1103)。そして、抽選回数J=0であれば(ステップa1103でYes)、時短フラグをOFFにする(ステップa1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図1−14)における遊技状態設定処理(図1−15)で行われる。
時短フラグがOFFであった場合(ステップa1101でNo)またはステップa1104で時短フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Jの値が0でない場合(ステップa1103でNo)、次に遊技制御部a200は、RAMa203のフラグ設定において高確率状態または中確率状態であることを示すフラグ(以下、確変フラグ)がONになっているか否かを調べる(ステップa1105)。なお、この確変フラグと先の時短フラグが共にONである場合は、高確率時短遊技状態または中確率時短遊技状態であり、確変フラグがONであり時短フラグがOFFである場合は、高確率時短無遊技状態または中確率時短無遊技状態である。
確変フラグがONである場合(ステップa1105でYes)、遊技制御部a200は、高確率状態または中確率状態での抽選回数(変動回数)Xの値を1減算し(ステップa1106)、抽選回数Xが0になったか否かを調べる(ステップa1107)。そして、抽選回数X=0であれば(ステップa1107でYes)、確変フラグをOFFにする(ステップa1108)。なお、確変フラグをONにする操作と、抽選回数Xの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図1−14)における遊技状態設定処理(図1−15)で行われる。
確変フラグがOFFであった場合(ステップa1105でNo)またはステップa1108で確変フラグをOFFにした後、あるいは抽選回数Xの値が0でない場合(ステップa1107でNo)、次に遊技制御部a200は、今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(ステップa1109)。そして、大当たりだった場合(ステップa1109でYes)、次に遊技制御部a200は、大当たりの種類が長当たりか否かを判断する(ステップa1110)。
ここで、大当たりか否かの判断は、大当たり判定処理(図1−9)の判定結果に基づいて判断することができる。例えば、後述する図1−17−2の図表に示す図柄の何れかがセットされているならば、ステップa1109でYesである。大当たり判定処理によりRAMa203に、はずれ図柄または小当たり図柄がセットされているならば、ステップa1109でNoである。
大当たりの種類が長当たりであった場合(ステップa1110でYes)、遊技制御部a200は、長当たり遊技フラグをONにする(ステップa1111)。これにより、RAMa203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が長当たりである大当たり遊技状態(長当たり遊技状態)となる。なお、ここでは長当たりにおいて、高確率状態か低確率状態かを区別していない。高確率状態となるか低確率状態となるかは、後述の大入賞口処理(図1−14)における遊技状態設定処理(図1−15)で該当するフラグをONにすることによって特定される。
大当たりの種類が長当たりでなかった場合(ステップa1110でNo)、遊技制御部a200は、短当たり遊技フラグをONにする(ステップa1112)。これにより、RAMa203の遊技状態の設定が、大当たりの種類が短当たりである大当たり遊技状態(短当たり遊技状態)となる。長当たりの場合と同様、短当たりの場合も高確率状態か低確率状態かを区別していない。
ステップa1111またはステップa1112で当たり遊技フラグをONにした後、遊技制御部a200は、抽選回数J、Xの値を初期化する(ステップa1113)。また、遊技制御部a200は、ステップa1101において時短フラグがONであって、ステップa1103において抽選回数Jが0でなかった場合に、時短フラグをOFFにする(ステップa1114)。同様に、ステップa1105において確変フラグがONであって、ステップa1107において抽選回数Xが0でなかった場合に、確変フラグをOFFにする(ステップa1114)。
一方、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりでなかった場合(ステップa1109でNo)、次に遊技制御部a200は、今回の特別図柄抽選の結果が小当たりであったか否かを判断する(ステップa1115)。小当たりでなかった場合は(ステップa1115でNo)、停止中処理を終了する。
一方、小当たりであった場合(ステップa1115でYes)、遊技制御部a200は、小当たり遊技を開始する(ステップa1116)。これにより、RAMa203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、第1大入賞口a125Aを所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
ステップa1113で抽選回数J、Xの値を初期化した後、遊技制御部a200は、オープニング動作を開始する(ステップa1117)。ここで、オープニング動作の内容は、ステップa1111、a1112の何れで当たり遊技フラグがONとなったかに応じて異なる。すなわち、当たり遊技フラグの状態に応じて、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたオープニング動作の何れかが行われることとなる。
この後、遊技制御部a200は、演出制御部a300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAMa203にセットして(ステップa1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図1−5のステップa506に示した出力処理で演出制御部a300へ送信される。
〔遊技制御部による客待ち設定処理〕
図1−12は、客待ち設定処理(図1−8のステップa816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部a200は、まず、RAMa203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(ステップa1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機a100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
客待ちフラグがONである場合、パチンコ遊技機a100は客待ち状態であるので、そのまま処理を終了する(ステップa1201でYes)。一方、客待ちフラグがOFFである場合、遊技制御部a200は、客待ちコマンドを生成してRAMa203にセットし(ステップa1202)、客待ちフラグをONにする(ステップa1203)。ステップa1202でセットされた客待ちコマンドは、図1−5のステップa506に示した出力処理で演出制御部a300へ送信される。なお、客待ちフラグとは、特別図柄の変動が停止して、保留が無い状態でセットされるものである。
〔遊技制御部による普通図柄処理〕
図1−13は、図1−5のステップa503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部a200の普通図柄変動制御部a237は、まず、RAMa203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップa1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、電動チューリップa123が後述の電動チューリップ処理(図1−16)にしたがって開放され、第2始動口a122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
補助遊技フラグがONである場合、既に補助遊技状態となっており、普通図柄が停止している状態なので、普通図柄変動を開始することなく普通図柄処理を終了する(ステップa1301でYes)。一方、補助遊技フラグがOFFである場合(ステップa1301でNo)、次に普通図柄変動制御部a237は、パチンコ遊技機a100の現在の状態が普通図柄変動中か否かを判断する(ステップa1302)。普通図柄変動中でない場合(ステップa1302でNo)、次に普通図柄変動制御部a237は、普通図柄の未変動分の保留数G(図1−7参照)が1以上か判断する(ステップa1303)。保留数G=0である場合は(ステップa1303でNo)、普通図柄の抽選を始動するための入賞が無いことを意味するため、普通図柄変動を開始せずに処理を終了する。
これに対し、保留数Gが1以上である場合(ステップa1303でYes)、普通図柄変動制御部a237は、保留数Gの値を1減算し(ステップa1304)、今回の普通図柄抽選における当たり乱数の判定を行って、普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップa1305)。当選したか否かは、図1−7のステップa704で取得した当たり乱数の値が、後述する図1−17−3(b)に示すテーブル等において当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される。
次に、普通図柄変動制御部a237は、普通図柄抽選の結果に応じて普通図柄の設定を行う(ステップa1306)。すなわち、普通図柄抽選に当選した場合は、当選したことを表す図柄(以下、当たり図柄)を設定情報としてRAMa203にセットする。一方、普通図柄抽選に当選しなかった場合は、抽選にはずれたことを表す図柄(以下、はずれ図柄)を設定情報としてRAMa203にセットする。
次に、普通図柄変動制御部a237は、普通図柄の変動時間の設定を行う(ステップa1307)。この変動時間は、図1−11におけるステップa1104、a1114、後述の図1−15におけるステップa1504、a1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。すなわち、ステップa1307による設定の際に時短フラグがONである場合は、短時間(例えば1.5秒)に設定され、時短フラグがOFFである場合は、長時間(例えば4.0秒)に設定される。この設定の後、普通図柄変動制御部a237は、ステップa1307の設定内容に基づき、図1−2(a)および図1−3に示す普通図柄表示器a223における普通図柄の変動を開始する(ステップa1308)。
ステップa1308で普通図柄の変動を開始した後、またはステップa1302で普通図柄変動中と判断された場合(ステップa1302でYes)、普通図柄変動制御部a237は、変動時間を経過したか否かを判断する(ステップa1309)。すなわち、ステップa1308で普通図柄の変動を開始してからの経過時間がステップa1307で設定された変動時間に達したか否かが判断される。変動時間を経過していなければ(ステップa1309でNo)、普通図柄変動が継続されるので、そのまま普通図柄処理が終了する。
一方、変動時間が終了した場合(ステップa1309でYes)、普通図柄変動制御部a237は、普通図柄表示器a223における普通図柄の変動を停止する(ステップa1310)。そして、普通図柄変動制御部a237は、停止した普通図柄に基づき普通図柄抽選に当選したか否かを判断する(ステップa1311)。当選したならば(ステップa1311でYes)、補助遊技フラグをONにする(ステップa1312)。一方、抽選にはずれたならば(ステップa1311でNo)、補助遊技フラグをONにすること無く普通図柄処理を終了する。
〔遊技制御部による大入賞口処理〕
図1−14は、図1−5のステップa504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部a200の大入賞口動作制御部a238は、まず、RAMa203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップa1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、第1大入賞口a125A(または第2大入賞口a125B)への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(ステップa1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(ステップa1401でYes)、次に大入賞口動作制御部a238は、パチンコ遊技機a100が停止中処理(図1−11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(ステップa1402)。
パチンコ遊技機a100がオープニング中である場合(ステップa1402でYes)、次に大入賞口動作制御部a238は、予め設定されたオープニング動作が行われるべき時間(オープニング時間)を経過したか否かを判断する(ステップa1403)。オープニング時間を経過していないならば、大入賞口a125でのオープニング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップa1403でNo)。一方、オープニング時間を経過したならば(ステップa1403でYes)、次に大入賞口動作制御部a238は、大入賞口a125の作動設定を行い(ステップa1404)、入賞個数Cを初期化(C=0)し(ステップa1405)、大入賞口a125の作動ラウンド数Rの値を現在の値から1加算して(ステップa1406)、大入賞口a125を作動開始(開放)する(ステップa1407)。
ステップa1404の作動設定では、大入賞口a125の作動パターンと、その作動パターンで作動させるラウンド数(作動ラウンド数)とが設定される。大入賞口a125が作動する場合としては、特別図柄抽選で、大当たりであった場合と、小当たりであった場合がある。作動パターンおよびラウンド数は、これらの当たりの種類に応じて様々に設定される。一例としては、長当たり(16R長当たりまたは4R長当たり)の場合、例えば、大当たりの種類に応じて16ラウンド(16R)または4ラウンド(4R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行う。短当たり(4R短当たり)の場合、例えば、4ラウンド(4R)作動させ、1ラウンドでは0.1秒の開放を1回行う。小当たりの場合、例えば、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.1秒の開放を4回行う。ここで、短当たりでの作動と小当たりでの作動を上記の例で比較すると、共に0.1秒の開放が4回行われることとなる。すなわち、遊技者から見える大入賞口a125の動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同じであり、遊技盤a110上の大入賞口a125の動作のみから短当たりと小当たりとを区別することはできない。
また、別の例としては、長当たりでは、15ラウンド(15R)作動させ、1ラウンドでは29.5秒の開放を1回行い、短当たりでは、2ラウンド(2R)作動させ、1ラウンドでは0.9秒の開放を2回行い、小当たりでは、1ラウンド(1R)作動させ、この1ラウンドで0.9秒の開放を2回行う。この場合も、短当たりでの作動と小当たりでの作動を比較すると、共に0.9秒の開放が2回行われることとなり、遊技者から見える第1大入賞口a125Aの動作は、短当たりの場合と小当たりの場合とで同様となる。
なお、小当たりの際には、第1大入賞口a125Aの開放累積時間が1.8秒以内に設定されなければならないことが法令により定められている。一方で、大当たり(長当たりまたは短当たり)の際には、第1大入賞口a125Aを複数回連続開放させなければならない。そこで、上記のように小当たりでの作動と短当たりでの作動を外見上区別し難くしようとする場合、小当たりでは、1作動での開放累積時間が1.8秒以内を満たす範囲で、第1大入賞口a125Aが2回以上開放する作動形態が設定され、短当たりでは、小当たりの開放回数と同数のラウンド数が設定される。
次に、大入賞口動作制御部a238は、ステップa1404で設定された作動パターンにおける開放時間を経過したか否かを判断する(ステップa1408)。大入賞口a125での開放状態が開放時間を経過していない場合(ステップa1408でNo)、次に大入賞口動作制御部a238は、大入賞口a125への入賞個数Cが規定の個数(例えば9個)以上か否かを判断する(ステップa1409)。開放時間を経過しておらず、かつ入賞個数Cが規定個数未満である場合は、大入賞口a125の作動状態(開放状態)が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップa1409でNo)。一方、開放時間を経過したか(ステップa1408でYes)、または入賞個数Cが規定個数に達した場合(ステップa1409でYes)、大入賞口動作制御部a238は、大入賞口a125を作動終了(閉口)する(ステップa1410)。
次に、大入賞口動作制御部a238は、大入賞口a125の作動のラウンド数Rがステップa1404で設定された最大値に達したか否かを判断する(ステップa1411)。そして、最大値に達していないならば、残りの作動が行われるため、大入賞口処理を終了する(ステップa1411でNo)。
大入賞口a125の作動のラウンド数Rが最大値に達したならば(ステップa1411でYes)、次に大入賞口動作制御部a238は、エンディング動作を開始する(ステップa1412)。ここで、エンディング動作の内容は、長当たり遊技、短当たり遊技の各遊技状態において設定されたエンディング動作のうち、当たり遊技フラグの状態に対応するものとなる。
この後、大入賞口動作制御部a238は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAMa203にセットする(ステップa1413)。このオープニングコマンドは、図1−5のステップa506に示した出力処理で演出制御部a300へ送信される。
次に、大入賞口動作制御部a238は、大入賞口a125の作動のラウンド数Rを0にリセットした後(ステップa1414)、エンディング動作の開始からの経過時間が予め設定されたエンディング動作が行われるべき時間(エンディング時間)を経過したか否かを判断する(ステップa1417)。エンディング時間を経過していないならば、エンディング動作が継続されるので、大入賞口処理を終了する(ステップa1417でNo)。一方、エンディング時間を経過したならば(ステップa1417でYes)、次に大入賞口動作制御部a238は、遊技制御部a200による遊技状態設定処理を経た後(ステップa1418)、当たり遊技フラグをOFFにして、大入賞口処理を終了する(ステップa1419)。遊技状態設定処理の内容については後述する。
ステップa1402で、パチンコ遊技機a100がオープニング中ではないと判断した場合(ステップa1402でNo)、次に大入賞口動作制御部a238は、エンディング中か否かを判断する(ステップa1415)。そして、エンディング中であるならば(ステップa1415でYes)、上記ステップa1417以降の動作を実行する。
一方、パチンコ遊技機a100がエンディング中でもないならば(ステップa1415でNo)、次に大入賞口動作制御部a238は、大入賞口a125が作動(開放)中か否かを判断する(ステップa1416)。そして、作動中でないならば(ステップa1416でNo)、上記ステップa1405以降の動作を実行し、作動中であるならば(ステップa1416でYes)、上記ステップa1408以降の動作を実行する。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
〔遊技状態設定処理〕
エンディング時間が経過した場合(ステップa1417でYes)に実行される、遊技制御部a200による遊技状態設定処理(ステップa1418)の内容を図1−15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図1−14のステップa1401で当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図1−15に示すように、遊技制御部a200は、まず、その当たりの種類を判断する(ステップa1501、a1502、a1503、a1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図1−9)でRAMa203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図1−9)のステップa902、a903、a905と概ね同様であるので、ステップa902、a903、a905の判断結果を用いても良い。
また、図1−15に示す例では、高確率状態および中確率状態を確変有り(確変フラグをONにする)、低確率状態を確変無し(確変フラグをONにしない)としている。
小当たりである場合(ステップa1501でYes)、遊技状態(パチンコ遊技機a100の内部状態)は変更しないので、遊技状態設定処理を終了する。
なお、当たりの種類が小当たりの場合、遊技状態を変更する制御を行うことが考えられる。例えば、小当たりにより低確率状態が中確率状態になる制御例(後述のステップa1509の確変フラグON)である。付言すると、小当たりにより中確率状態が高確率状態になる制御例を挙げることができる。
また、当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(ステップa1501でNo、ステップa1502、a1503でYes)、遊技制御部a200は、時短フラグをONにする(ステップa1504)。これにより、RAMa203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部a200は、抽選回数Jの初期値を設定し(ステップa1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が低確率時短無遊技状態の大当たりである場合(ステップa1501でNo、a1502でYes、ステップa1503でNo)、遊技制御部a200は、時短フラグ、確変フラグともONにせずに処理を終了する。したがって、この大当たりの後の遊技に対するRAMa203の遊技状態の設定は、低確率時短無遊技状態となる。
当たりの種類が高確率時短遊技状態の大当たりまたは中確率時短遊技状態の大当たりである場合(ステップa1501、a1502でNo、ステップa1506でYes)、遊技制御部a200は、時短フラグをONにし(ステップa1507)、抽選回数Jの初期値を設定する(ステップa1508)。この場合の抽選回数Jの初期値は、図示の例では80回である。また、遊技制御部a200は、確変フラグをONにし(ステップa1509)、抽選回数Xの初期値を設定する(ステップa1510)。抽選回数Xの初期値は、図示の例では80回である。これにより、当たりの種類に応じて、RAMa203の遊技状態の設定が高確率時短遊技状態または中確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短遊技状態または中確率時短遊技状態における抽選が80回行われたならば、高確率時短遊技状態または中確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
一方、当たりの種類が高確率時短無遊技状態の大当たりまたは中確率時短無遊技状態の大当たりである場合(ステップa1501、a1502、ステップa1506でNo)、遊技制御部a200は、確変フラグのみをONにし(ステップa1509)、抽選回数Xの初期値(80回)を設定する(ステップa1510)。これにより、当たりの種類に応じて、RAMa203の遊技状態の設定が高確率時短無遊技状態または中確率時短遊技状態となる。そして、この高確率時短無遊技状態における抽選が80回行われたならば、高確率時短無遊技状態または中確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
なお、パチンコ遊技機100の仕様によっては、特別図柄抽選において大当たりに当選した際に、高確率状態や中確率状態へ必ず移行するように設定されたものがある。このような場合は、図1−15のステップa1502の判定は必ずNoとなり、ステップa1503〜ステップa1505の処理は行われない。
〔遊技制御部による電動チューリップ処理〕
図1−16は、図1−5のステップa504に示した電動役物処理のうちの電動チューリップ処理の内容を示すフローチャートである。
電動チューリップ処理において、遊技制御部a200の電動チューリップ動作制御部a239は、まず、RAMa203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(ステップa1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、電動チューリップa123は開放しないため、電動チューリップ処理を終了する(ステップa1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(ステップa1601でYes)、次に電動チューリップ動作制御部a239は、電動チューリップa123が作動中か否かを判断する(ステップa1602)。
電動チューリップa123が作動中でない場合(ステップa1602でNo)、電動チューリップ動作制御部a239は、電動チューリップa123の作動パターンの設定を行い(ステップa1603)、設定した作動パターンで電動チューリップa123を作動させる(ステップa1604)。ここで、作動パターンは、図1−11におけるステップa1104、a1114、図1−15におけるステップa1504、a1507等の処理で設定される時短フラグに基づいて設定される。例えば、ステップa1603による設定の際に時短フラグがOFFである場合は、0.15秒の開放時間で1回開放する作動パターンが設定され、時短フラグがONである場合は、1.80秒の開放時間で3回開放する作動パターンが設定される。このように、通常、時短フラグがONであるとき(時短状態のとき)は、電動チューリップa123が長時間、複数回開放され、第2始動口a122に入賞し易くなる入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
ステップa1602で電動チューリップa123が作動中と判断された場合(ステップa1602でYes)、またはステップa1604で電動チューリップa123を作動させた後、電動チューリップ動作制御部a239は、設定されている作動パターンにおける開放時間が経過したか否かを判断する(ステップa1605)。開放時間を経過していなければ、電動チューリップa123の作動状態(開放状態)が継続されるので、電動チューリップ処理を終了する(ステップa1605でNo)。一方、開放時間を経過したならば(ステップa1605でYes)、電動チューリップ動作制御部a239は、補助遊技フラグをOFFとして、電動チューリップ処理を終了する(ステップa1606)。
〔乱数による判定の手法〕
ここで、大当たり判定処理(図1−9)、変動パターン選択処理(図1−10)、普通図柄処理(図1−13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図1−17は、本実施の形態で用いられる乱数(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図1−17−1には大当たり乱数の構成例、図1−17−2には大当たり図柄乱数の構成例、図1−17−3(a)にはリーチ乱数の構成例、図1−17−3(b)には当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図1−17−1を参照すると、大当たり乱数の判定値として、パチンコ遊技機a100の遊技状態が低確率状態の大当たりと中確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの3種類が設定されている。乱数(大当たり乱数)の値の範囲は何れも0〜399の400個である。低確率状態の特別図柄抽選(大当たり抽選)の場合、当選値は1つ(値「0」)だけが設定され、当選確率は1/400である。また中確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は4個(値「0」〜「3」)設定され、当選確率は1/100(=4/400)である。また高確率状態の特別図柄抽選の場合、当選値は10個(値「0」〜「9」)設定され、当選確率は10/400(=1/40)である。すなわち図示の例では、低確率状態で特別図柄抽選が行われる場合に比べて、中確率状態で特別図柄抽選が行われると、当選確率が4倍となり、高確率状態で特別図柄抽選が行われると、当選確率が10倍となる。なお、図示の例では、特別図柄抽選ではずれのときに行われる小当たりか否かの判定については示されていないが、小当たりについても図1−17−1に示したような乱数の設定により、所定の確率で小当たりに当選する抽選が行われる。
図1−17−2を参照すると、大当たり図柄には、第1始動口a121に入賞したことを契機とする特別図柄に基づく大当たりの種類として、16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1、4R長当たり2、4R長当たり3、4R短当たり1、4R短当たり2、4R短当たり3、4R短当たり4の9種類が設定されている。また、第2始動口a122に入賞したことを契機とする特別図柄に基づく大当たりの種類として、16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1、4R長当たり2、4R長当たり3の5種類が設定されている。すなわち、第2始動口a122に入賞した場合に当選する大当たりには、短当たりは無い。
ここで、16R長当たり1は、高確率時短遊技状態の大当たりである。16R長当たり2は、高確率時短遊技状態の大当たりであって、大当たり遊技においてランクアップボーナス(RUB)の態様によるラウンド遊技の制御が行われる大当たりである。ランクアップボーナスについては後述する。4R長当たり1は、高確率時短遊技状態の大当たりである。4R長当たり2は、当初は高確率時短遊技状態となり途中から中確率時短遊技状態となる大当たりである。4R長当たり3は、中確率時短遊技状態の大当たりである。4R短当たり1は、高確率時短遊技状態の大当たりである。4R短当たり2は、高確率時短無遊技状態の大当たりである。4R短当たり3は、当初は高確率時短無遊技状態となり途中から中確率時短無遊技状態となる大当たりである。4R短当たり4は、中確率時短無遊技状態の大当たりである。
図示の例では、乱数値(大当たり図柄乱数値)の範囲は、第1始動口a121と第2始動口a122の何れに入賞した場合も0〜99の100個である。第1始動口a121に入賞した場合、16R長当たり1の当選値は3個(値「0」〜「2」)設定され、当選確率は3/100である。16R長当たり2の当選値は1個(値「3」)設定され、当選確率は1/100である。4R長当たり1の当選値は30個(値「4」〜「33」)設定され、当選確率は30/100である。4R長当たり2の当選値は30個(値「34」〜「63」)設定され、当選確率は30/100である。4R長当たり3の当選値は30個(値「64」〜「93」)設定され、当選確率は30/100である。4R短当たり1の当選値は1個(値「94」)設定され、当選確率は1/100である。4R短当たり2の当選値は1個(値「95」)設定され、当選確率は1/100である。4R短当たり3の当選値は2個(値「96」〜「97」)設定され、当選確率は2/100である。4R短当たり4の当選値は2個(値「98」〜「99」)設定され、当選確率は2/100である。一方、第2始動口a122に入賞した場合、16R長当たり1の当選値は47個(値「0」〜「46」)設定され、当選確率は47/100である。16R長当たり2の当選値は3個(値「47」〜「49」)設定され、当選確率は3/100である。4R長当たり1の当選値は20個(値「50」〜「69」)設定され、当選確率は20/100である。4R長当たり2の当選値は10個(値「70」〜「79」)設定され、当選確率は10/100である。4R長当たり3の当選値は20個(値「80」〜「99」)設定され、当選確率は20/100である。
16R長当たり2は、大当たり遊技において、ランクアップボーナス(RUB)の態様によるラウンド遊技の制御が行われる。このランクアップボーナスでは、長開放のラウンド遊技が16ラウンド行われるが、演出において、ラウンド回数が大当たり遊技の開始時に報知されない。そして、例えば4R長当たりと錯覚するような演出および大入賞口a125の動作制御の後に残りのラウンド遊技を行うことにより、大当たり遊技中にラウンド回数が増えたように見せかける。
4R短当たり1、4R短当たり2、4R短当たり3および4R短当たり4は、いずれも短開放のラウンド遊技が行われる。このうち、4R短当たり1は、大当たり遊技後に遊技状態が時短状態を伴う高確率時短遊技状態へ移行する大当たりである(いわゆる突確)。これに対し、4R短当たり2、4R短当たり3および4R短当たり4は、大当たり遊技後に遊技状態が時短状態を伴わない高確率時短無遊技状態または中確率時短無遊技状態へ移行する大当たりである(いわゆる潜確)。この4R短当たり2および4R短当たり3に当選したときは、大当たり遊技時やその後の演出として、遊技状態が高確率状態または中確率状態へ移行することが明確に報知されない潜伏演出が行われる。
また、図1−17−2に示す各種の大当たりは全て、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率状態または中確率状態に移行する(確変)。したがって、図示の例において、特別図柄抽選で大当たりに当選した場合の確変突入率は、100%である。大当たり遊技後の高確率状態または中確率状態は、特別図柄抽選が80回行われるまで継続する。ただし、4R長当たり2および4R短当たり3では、大当たり遊技後の前半の特別図柄抽選40回までは高確率状態(図1−17−1に示した高確率状態のテーブルで特別図柄抽選の判定が行われる)であり、後半の特別図柄抽選40回は中確率状態(図1−17−1に示した中確率状態のテーブルで特別図柄抽選の判定が行われる)となる(このように高確率状態や中確率状態の継続期間が限定されているパチンコ遊技機100をST(スペシャル・タイム)機などともいう)。
なお、大当たり遊技後に時短状態となる大当たり(16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1、4R長当たり2、4R長当たり3および4R短当たり1)では、上記の高確率状態または中確率状態に伴って、特別図柄抽選が80回行われるまで時短状態が継続し、電動チューリップa123の開放による第2始動口a122への入賞サポート(電チューサポート)が行われる。
大当たり判定処理では、図1−17−1に示す大当たり乱数に基づく判定で大当たりに当選した場合、第1始動口a121または第2始動口a122に入賞した際に取得された大当たり図柄乱数値(図1−6参照)に応じて、図1−17−2に示すいずれかの大当たりに対応する特別図柄が特定される(図1−9参照)。そして、特定された特別図柄に基づいて、大当たりの遊技の内容およびその後の遊技状態が決定される。
また、図1−17−2に示す例では、第1始動口a121に入賞した場合の大当たりは、4R長当たり(4R長当たり1〜4R長当たり3)に当選する確率が高く、第2始動口a122に入賞した場合の大当たりは、16R長当たり(16R長当たり1、16R長当たり2)に当選する確率が高い。このように、第1始動口a121に入賞した場合と第2始動口a122に入賞した場合における大当たりの種類の当選確率を相違させることにより、様々な遊技性を持たせることができる。また、遊技盤a110における第1始動口a121と第2始動口a122の配置を工夫し、特定の状態(モード)では第1始動口a121と第2始動口a122の何れか一方を狙い易くなるように構成することによって、遊技者にさらに積極的な遊技への参加を促すことも可能である。
次に、リーチ乱数の判定について説明する。
図1−17−3(a)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
なお、リーチ乱数によって決定されるリーチ有り演出、リーチ無し演出というのは、画像表示部a114において行われる演出の態様を示すものである。すなわち、特別図柄の変動表示中には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる図柄が三列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されるのと同時に、これら図柄がスクロールを開始する。
そして、リーチ有り演出においては、スクロールの開始後、所定時間経過後にスクロールが停止して各図柄を停止表示する際に、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に停止する。このとき、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示するとともに、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。このようなリーチ有り演出のなかには、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりするいわゆるスーパーリーチ演出が含まれている。一方、リーチ無し演出は、リーチ有り演出とは異なり、遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示するものである。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、画像表示部a114においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するためのもので、所定の確率でリーチ有り演出が出現するようにして、遊技者に対して適度に期待感を与えるようにしている。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が必ず行われ、最終的に横または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が停止表示する。これに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が停止表示する。
次に、普通図柄抽選に用いられる当たり乱数の判定について説明する。
図1−17−3(b)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲートa124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲートa124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
各種の抽選に用いられる判定情報としての乱数値は、所定の初期値から始まって、図1−5に示す乱数更新処理(ステップa501)が行われるたびに1ずつ加算される。そして、各抽選が行われた時点の値が始動口スイッチ処理(図1−6)およびゲートスイッチ処理(図1−7)で取得され、特別図柄処理(図1−8)や普通図柄処理(図1−13)で使用される。なお、この乱数値のカウンタは無限ループカウンタであり、設定されている乱数の最大値(例えば大当たり乱数では1009)に達した後は再び0に戻る。また、乱数更新処理は一定時間ごとに行われるため、各乱数の初期値が特定されてしまうと、これらの情報に基づいて当選値が推定される恐れがある。そこで、一般に、適当なタイミングで各乱数の初期値をランダムに変更する仕組みが導入されている。
なお、図1−17−1〜図1−17−3の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
〔演出制御部の動作〕
次に、演出制御部a300の動作を説明する。
図1−18は、演出制御部a300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部a300の動作は、図1−18(a)に示すメイン処理と、図1−18(b)に示す割り込み処理とからなる。図1−18(a)を参照すると、演出制御部a300は、まず起動時に初期設定を行い(ステップa1801)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(ステップa1802)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(ステップa1803)、割り込み処理を受け付ける。
割り込み処理は、ステップa1802で設定された周期にしたがって定期的に行われる。図1−18(b)を参照すると、この割り込み処理において、演出制御部a300は、遊技制御部a200からのコマンドを受信してコマンド受信処理を行う(ステップa1811)。このコマンド受信処理において、演出パターンが選択される。また、演出制御部a300は、遊技者による演出ボタンa161等の操作を受け付けるための演出ボタン処理を行う(ステップa1812)。この後、演出制御部a300は、選択した演出パターンの情報を含むコマンドを画像/音響制御部a310およびランプ制御部a320に送信するコマンド送信処理を行う(ステップa1813)。これにより、画像表示部a114への画像表示や音響出力、可動役物a115の動作、盤ランプa116や枠ランプa157の発光等による演出が行われる。
〔演出制御部によるコマンド受信処理〕
図1−19は、コマンド受信処理(図1−18(b)のステップa1811)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部a300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(ステップa1901)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部a200において、図1−6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(ステップa606、a612)、図1−5に示した出力処理(ステップa506)で演出制御部a300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(ステップa1901でYes)、演出制御部a300は、RAMa303に保持されている保留数の値を1加算し(ステップa1902)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAMa303にセットする(ステップa1903)。
受信したコマンドが保留数増加コマンドでない場合(ステップa1901でNo)、またはステップa1903の保留数増加コマンドのセット後にコマンドを受信した場合、演出制御部a300は、受信したコマンドが変動開始コマンドか否かを判断する(ステップa1904)。この変動開始コマンドは、遊技制御部a200において、図1−8に示した特別図柄処理においてセットされ(ステップa811)、図1−5に示した出力処理(ステップa506)で演出制御部a300へ送信される。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(ステップa1904でYes)、演出制御部a300は、演出選択処理を実行する(ステップa1905)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドでない場合(ステップa1901およびステップa1904でNo)、またはステップa1905の演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部a300は、受信したコマンドが変動停止コマンドか否かを判断する(ステップa1906)。この変動停止コマンドは、遊技制御部a200において、図1−8に示した特別図柄処理においてセットされ(ステップa814)、図1−5に示した出力処理(ステップa506)で演出制御部a300へ送信される。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(ステップa1906でYes)、演出制御部a300は、変動演出終了中処理を実行する(ステップa1907)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンドおよび変動停止コマンドでない場合(ステップa1901、ステップa1904およびステップa1906でNo)、またはステップa1907の変動演出終了中処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部a300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるオープニングを開始するためのオープニングコマンドか否かを判断する(ステップa1908)。このオープニングコマンドは、図1−11に示した停止中処理においてセットされ(ステップa1118)、図1−5に示した出力処理(ステップa506)で演出制御部a300へ送信される。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(ステップa1908でYes)、演出制御部a300は、当たり演出選択処理を実行する(ステップa1909)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンドおよびオープニングコマンドでない場合(ステップa1901、ステップa1904、ステップa1906およびステップa1908でNo)、またはステップa1909の当たり演出選択処理の実行後にコマンドを受信した場合、演出制御部a300は、受信したコマンドが大当たり演出におけるエンディングを開始するためのエンディングコマンドか否かを判断する(ステップa1910)。このエンディングコマンドは、図1−14に示した大入賞口処理においてセットされ(ステップa1413)、図1−5に示した出力処理(ステップa506)で演出制御部a300へ送信される。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(ステップa1910でYes)、演出制御部a300は、エンディング演出選択処理を実行する(ステップa1911)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動開始コマンド、変動停止コマンド、オープニングコマンドおよびエンディングコマンドでない場合(ステップa1901、ステップa1904、ステップa1906、ステップa1908およびステップa1910でNo)、またはステップa1911のエンディング演出選択処理の終了後にコマンドを受信した場合、次に演出制御部a300は、受信したコマンドが客待ち状態に移行するための客待ちコマンド受信処理を実行する(ステップa1912)。客待ちコマンド受信処理の詳細については後述する。
図1−20は、モードフラグの設定例を示す図である。
演出制御部a300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAMa303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率状態または中確率状態に移行する長当たり(16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1、4R長当たり2)にはモードフラグ1が、低確率状態となる大当たりにはモードフラグ2が、潜確ではない短当たり(4R短当たり1)にはモードフラグ3が、潜確の短当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの大当たり(図柄)の種類は、図1−17−2に示したものと同様である。なお、本実施の形態のパチンコ遊技機100は、図1−17−2を参照して説明したように、大当たり遊技後に低確率状態となる大当たりが設けられていない。したがって、モードフラグ2に対応する大当たりは存在しない。また、図1−20において、何れの当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図1−20に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
図1−21は、図1−19の演出選択処理(ステップa1905)の内容を示すフローチャートである。
この演出選択処理において、演出制御部a300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(ステップa2101)。また、演出制御部a300は、RAMa303の設定からパチンコ遊技機a100の現在のモードフラグを参照し(ステップa2102)、RAMa303に保持されている保留数の値を1減算する(ステップa2103)。そして、演出制御部a300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部a114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(ステップa2104)。最後に、演出制御部a300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROMa302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAMa303にセットして、演出選択処理を終了する(ステップa2105)。
詳述しないが、ステップa2104における図柄変動の演出パターンの選択処理では、演出モードと変動パターンと演出乱数(図1−18のステップa1801において更新されている乱数の一つであり、変動開始コマンド受信時に演出乱数値を取得している)とに基づいて演出パターンが決定される。ここで決定された演出パターンに基づいて、装飾図柄の変動表示、背景演出および予告演出が決定される。なお、装飾図柄の変動表示とは、第1特別図柄表示器a221または第2特別図柄表示器a222で行われる特別図柄の変動表示に伴い、画像表示部a114にて行われる演出表示である。この装飾図柄の変動表示において、リーチ演出等が実行される。
図1−22は、図1−19の変動演出終了中処理(ステップa1907)の内容を示すフローチャートである。
この変動演出終了中処理において、演出制御部a300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(ステップa2201)。また、演出制御部a300は、RAMa303の設定からパチンコ遊技機a100の現在のモードフラグを参照する(ステップa2202)。そして、演出制御部a300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(ステップa2203)。何らかの当たりである場合は(ステップa2203でYes)、その当たりの種類に応じて、図1−20に示した設定例に基づきRAMa303にセットされているモードフラグを変更する(ステップa2204)。
一方、特別図柄抽選の抽選結果が当たりでない場合(ステップa2203でNo)、次に演出制御部a300は、モードフラグの値が0か否かを調べる(ステップa2205)。モードフラグが0でない場合(ステップa2205でNo)、演出制御部a300は、パラメータMを1減算し(ステップa2206)、Mの値が0になったか否かを調べる(ステップa2207)。Mの値が0になったならば(ステップa2207でYes)、演出制御部a300は、モードフラグを0に設定する(ステップa2208)。
ステップa2205でモードフラグが0であった場合(ステップa2205でYes)、ステップa2207でパラメータMの値が0にならなかった場合(ステップa2207でNo)、またはステップa2208でモードフラグを0に設定した後、あるいはステップa2204でモードフラグを変更した後、演出制御部a300は、図柄変動の演出の終了を指示するための変動演出終了コマンドをRAMa303にセットして、変動演出終了中処理を終了する(ステップa2209)。ここで、図1−20を参照すると、ステップa2204でモードフラグを変更した場合は、変動演出終了後の演出モードは当たりの種類に応じた演出モードとなる。また、ステップa2205でモードフラグが0であった場合およびステップa2208でモードフラグを0に設定した場合は、変動演出終了後の演出モードはAモードとなる。また、ステップa2207でパラメータMの値が0にならなかった場合は、これまでの演出モードが継続される。
図1−23は、図1−19の当たり演出選択処理(ステップa1909)の内容を示すフローチャートである。
この当たり演出選択処理において、演出制御部a300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(ステップa2301)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(ステップa2302)。そして、演出制御部a300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROMa302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAMa303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(ステップa2303)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
図1−24は、図1−19のエンディング演出選択処理(ステップa1911)の内容を示すフローチャートである。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部a300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(ステップa2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(ステップa2402)。そして、演出制御部a300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROMa302から読み出し、これらのデータと共に、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAMa303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(ステップa2403)。
図1−25は、図1−19の客待ちコマンド受信処理(ステップa1912)の内容を示すフローチャートである。
演出制御部a300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(ステップa2501)。客待ちコマンドを受信した場合(ステップa2501でYes)、演出制御部a300は、経過時間の計測を開始し(ステップa2502)、RAMa303において計測フラグをONにする(ステップa2503)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(ステップa2501でNo)、演出制御部a300は、RAMa303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(ステップa2504)。計測フラグがOFFであれば(ステップa2504でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
計測フラグがONである場合(ステップa2504でYesまたはステップa2503でONにした後)、次に演出制御部a300は、計測時間があらかじめ定められたタイムアップ時間に達したか否かを判断する(ステップa2505)。タイムアップしていない場合(ステップa2505でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。一方、タイムアップした場合(ステップa2505でYes)、演出制御部a300は、RAMa303に保持されている計測フラグをOFFにし(ステップa2506)、客待ち演出を行うための客待ち演出コマンドをRAMa303にセットして客待ちコマンド受信処理を終了する(ステップa2507)。
以上のようにしてコマンド受信処理が完了すると、RAMa303には、変動演出開始コマンド、変動演出終了コマンド、当たり演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、客待ち演出コマンドの何れかがセットされている。
図1−26は、演出ボタン処理(図1−18(b)のステップa1812)の内容を示すフローチャートである。
この演出ボタン処理において、演出制御部a300は、まず遊技者による演出ボタンa161等の操作手段が操作されたか否かを判断する(ステップa2601)。ここで、操作手段の操作とは、演出ボタンa161が押下されてONとなること、演出キーa162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタンa161および演出キーa162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機a100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部a300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
演出ボタンa161等の操作手段が操作されたならば(ステップa2601でYes)、演出制御部a300は、操作手段の操作内容を示す情報を含む演出ボタンコマンドをRAMa303にセットして演出ボタン処理を終了する(ステップa2602)。
この後、演出制御部a300は、図1−18(b)のコマンド送信処理(ステップa1813)を行って、上記のコマンド受信処理および演出ボタン処理でRAMa303にセットされたコマンドを画像/音響制御部a310およびランプ制御部a320に送信する。そして、画像/音響制御部a310およびランプ制御部a320が、受信したコマンドに基づき、画像表示部a114への画像表示、音響出力、可動役物a115の動作、盤ランプa116や枠ランプa157の発光等を制御して、設定された演出を実行する。
〔事前判定に基づく予告演出〕
次に、本実施形態による事前判定に基づく予告演出について説明する。
第1の形態例の本実施形態では、図1−6を参照して説明したように、第1始動口a121(図1−1または図1−3参照)に遊技球が入賞して第1始動口スイッチa211(図1−3参照)がONとなった場合、および第2始動口a122(図1−1または図1−3参照)に遊技球が入賞して第2始動口スイッチa212(図1−3参照)がONとなった場合に、図柄変動時の抽選による判定(図1−8のステップa808、a809参照)に先立って、特別図柄抽選の抽選結果の事前判定(先読み)を行う(図1−6のステップa605、a611参照)。
また、本実施形態では、上記の事前判定の結果に基づいて、判定結果を遊技者に報知または示唆する予告演出を行う。この予告演出は、事前判定が行われた入賞球(保留球)に対する図柄変動よりも先に行われる他の入賞球に対する図柄変動の際に実行される。本実施形態では、保留球は、一つの始動口(第1始動口a121または第2始動口a122)につき4個を上限としている(図1−6参照)。また、第2始動口a122の保留球の消化を優先するものとする。この場合、例えば、第2始動口a122のある保留球について事前判定を行った場合、その保留球についての図柄変動が行われる前に、変動中のものも含めて、最大で4個の入賞球についての図柄変動が行われることとなる。事前判定が行われた保留球に係る予告演出において、その保留球についての図柄変動が行われる前に複数回の図柄変動が行われる場合、その複数回の図柄変動にまたがる予告演出を行っても良い。
〔予告演出を行うための遊技制御部のRAMおよび演出制御部のRAMの構成〕
このような事前判定に基づく予告演出を実行するために、本実施の形態における遊技制御部a200のRAMa203および演出制御部a300のRAMa303は、以下のような構成を有する。
図1−27は、本実施の形態に係る遊技制御部a200のRAMa203(図1−3参照)の構成例を説明するブロック図である。同図の(a)は、記憶領域a204の構成を示すブロック図であり、(b)は、(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
同図の(a)に示すように、RAMa203は、大当たり乱数抽選により取得した大当たり乱数を記憶する特別図柄保留記憶領域としての記憶領域a204を備えている。この記憶領域a204は、第1始動口a121の保留数と第2始動口a122の保留数の最大値に対応する8つの記憶部を有している(各保留数の上限値が4の場合)。具体的に説明すると、記憶領域a204は、第1記憶部a204a、第2記憶部a204b、第3記憶部a204c、第4記憶部a204d、第5記憶部a204e、第6記憶部a204f、第7記憶部a204g、第8記憶部a204hを有している。
また、同図の(b)に示すように、これらの記憶部a204a〜a204hの各々は、大当たりに当選した際の変動回数Nが記憶される領域と、入賞した始動口(第1始動口a121または第2始動口a122)の別を表す情報が記憶される領域と、を有する。また、記憶部a204a〜a204hの各々は、取得された大当たり乱数が記憶される領域と、図柄乱数が記憶される領域と、リーチ乱数が記憶される領域と、を有する。すなわち、記憶部a204a〜a204hの各々には、大当たり乱数、図柄乱数およびリーチ乱数が記憶される。また、記憶部a204a〜a204hの各々は、事前判定情報が記憶される領域を有する。事前判定情報とは、上記の各乱数に基づく事前判定処理(図1−6のステップa605、a611参照)によって得られた情報である。事前判定情報の内容は、特別図柄処理(図1−8参照)における各種の判定結果として得られる情報と同様であり、具体的には、当たりの種類(大当たり、小当たり、はずれ)、大当たりであった場合にはその大当たりの種類、演出の内容はリーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのかといったことを示すための情報である。
ここで、各乱数は、第1記憶部a204aから順に記憶していく。より具体的に説明すると、例えば、第1記憶部a204a〜第8記憶部a204hのいずれにも乱数が記憶されていないときには、取得した乱数が第1記憶部a204aに記憶されることになる。また、例えば、第1記憶部a204a〜第4記憶部a204dに乱数がすでに記憶されているときには、取得した乱数が第5記憶部a204eに記憶されることになる。
図1−28は、本実施の形態に係る演出制御部a300のRAMa303の構成例を説明するブロック図である。図1−28の(a)は、保留記憶領域a305、a306および点灯個数記憶領域a307の構成を示すブロック図であり、(b)は、(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図1−28の(a)に示すように、RAMa303は、保留球が保留されている状況を記憶する保留状況記憶領域としての第1保留記憶領域a305および第2保留記憶領域a306を備えている。この第1保留記憶領域a305および第2保留記憶領域a306は、第1始動口a121への入賞に対する保留および第2始動口a122への入賞に対する保留にそれぞれ対応しており、各々4つの記憶部を有している。具体的には、第1保留記憶領域a305は、第1記憶部a305a、第2記憶部a305b、第3記憶部a305c、第4記憶部a305dを有している。また、第2保留記憶領域a306は、第1記憶部a306a、第2記憶部a306b、第3記憶部a306c、第4記憶部a306dを有している。
また、同図の(b)に示すように、これらの記憶部a305a〜a305d、a306a〜a306dの各々は、保留フラグをON/OFFする保留フラグ記憶領域と、報知フラグをON/OFFする報知フラグ記憶領域と、を有している。保留フラグは、各記憶部a305a〜a305d、a306a〜a306dごとに保留球の有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば第1始動口a121への入賞による保留数が3である場合、第1〜3記憶部a305a、a305b、a305cの3つの保留フラグ記憶領域において、保留フラグがONとなる。報知フラグは、個々の保留球に関して後述する先読み結果の報知コマンドの有無を識別するためのフラグである。すなわち、例えば上記3つの保留球に対して事前判定処理(図1−6のステップa605、a611および後述の図1−29参照)が行われ、3番目の保留球に対して報知コマンドがセットされた場合、第3記憶部a305cの報知フラグ記憶領域において、報知フラグがONとなる。
すなわち、RAMa203およびRAMa303は、遊技制御部a200および演出制御部a300において保留球に関して、事前判定の結果を含む情報(保留球情報)を記憶する保留球情報記憶手段として機能する。また、遊技制御部a200は、大当たり抽選を行う抽選手段であり、事前判定処理を行う事前判定手段である。演出制御部a300は、先読み報知演出を行う演出制御手段である。
さらに説明すると、図1−28の(a)に示すように、RAMa303は、遊技盤a110に配設されている4つの太鼓ランプ部a11,a12,a13,a14(例えば図1−36参照)のうちいくつが点灯しているかという点灯中の数(0〜4)である点灯個数を記憶する点灯個数記憶領域a307を備えている。
なお、これらの太鼓ランプ部a11〜a14は、太鼓をモチーフにしたものであり、盤ランプa116として演出に用いられる。太鼓ランプ部a11〜a14の点灯/消灯および発光色の制御は、演出制御部a300からのコマンドに応じてランプ制御部a320により行われる。
〔事前判定処理〕
ここで、保留先読みの場合の事前判定処理(図1−6のステップa605,a611参照)について詳細に説明する。
まず、事前判定処理での乱数による判定の手法について説明する。
図1−29−1〜図1−29−3は、本実施の形態に係る事前判定処理で用いられる乱数の構成例を示す図である。
図1−29−1には事前判定処理での大当たり乱数の構成例、図1−29−2には事前判定処理での図柄乱数の構成例、図1−29−3には事前判定処理でのリーチ乱数の構成例が、それぞれ示されている。
図1−29−1を参照すると、事前判定処理での大当たり乱数は、図1−17−1に示した大当たり判定処理における大当たり乱数と同様の構成となっている。すなわち、パチンコ遊技機a100の遊技状態が低確率状態の大当たりと中確率状態の大当たりと高確率状態の大当たりの3種類が設定されている。乱数の値の範囲は、何れも0〜399の400個である。事前判定における当選確率は、低確率状態では1/400(当選値「0」)であり、中確率状態では4/400(=1/100)(当選値「0」〜「3」)であり、高確率状態では10/400(=1/40)(当選値「0」〜「9」)である。
なお、図示の例では、特別図柄抽選ではずれのときに行われる小当たりか否かの判定については示されていないが、小当たりについても図1−29−1に示したような乱数に基づく事前判定により、所定の確率で小当たりに当選する抽選が行われる。
図1−29−2を参照すると、事前判定処理での大当たり図柄乱数は、図1−17−2に示した大当たり判定処理における大当たり図柄乱数と同様の構成となっている。すなわち、第1始動口a121に入賞したことを契機とする特別図柄に基づく大当たりの種類として、16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1、4R長当たり2、4R長当たり3、4R短当たり1、4R短当たり2、4R短当たり3、4R短当たり4の9種類が設定されている。また、第2始動口a122に入賞したことを契機とする特別図柄に基づく大当たりの種類として、16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1、4R長当たり2、4R長当たり3の5種類が設定されている。
乱数値の範囲は、第1始動口a121と第2始動口a122の何れに入賞した場合も0〜99の100個である。事前判定における当選確率は、第1始動口a121に入賞した場合、16R長当たり1では3/100(当選値「0」〜「2」)であり、16R長当たり2では1/100(当選値「3」)であり、4R長当たり1では30/100(当選値「4」〜「33」)であり、4R長当たり2では30/100(当選値「34」〜「63」)であり、4R長当たり3では30/100(当選値「64」〜「93」)であり、4R短当たり1では1/100(当選値「94」)であり、4R短当たり2では1/100(当選値「95」)であり、4R短当たり3では2/100(当選値「96」〜「97」)であり、4R短当たり4では2/100(当選値「98」〜「99」)である。一方、第2始動口a122に入賞した場合、16R長当たり1では47/100(当選値「0」〜「46」)であり、16R長当たり2では3/100(当選値「47」〜「49」)であり、4R長当たり1では20/100(当選値「50」〜「69」)であり、4R長当たり2では10/100(当選値「70」〜「79」)であり、4R長当たり3では20/100(当選値「80」〜「99」)である。
図1−29−3を参照すると、事前判定処理でのリーチ乱数は、図1−17−3(a)に示した変動パターン選択処理におけるリーチ乱数と同様の構成となっている。すなわち、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。したがって、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、事前判定により、8.8/100(=22/250)の確率でリーチ演出が行われると判定される。
〔遊技制御部による事前判定処理〕
図1−30は、本実施の形態に係る事前判定処理(図1−6のステップa605,a611)の内容を示すフローチャートである。
図1−30に示すフローチャートでは、遊技制御部a200のCPUa201は、内部状態が高確率状態または中確率状態(以下、高(中)確率状態と記載)か否かを判断し(ステップa3001)、高(中)確率状態であると判断すると(ステップa3001でYes)、始動口スイッチ処理(図1−6参照)において獲得した大当たりの抽選の権利が、現在の高(中)確率状態に移行してから、何回目の大当たりの抽選の権利に相当するものであるのかを判断する。
すなわち、以後の遊技状態が高(中)確率状態となる大当たり(図1−29−2に示す例では、16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1、4R長当たり2、4R短当たり1、4R短当たり2、4R短当たり3の7種類)の当選が確定すると、大当たりに当選した際の変動回数Nが、基準回数Mに設定される。例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(特別図柄の変動表示)によって、16R長当たり1(高確率時短遊技状態となる長当たり)に当選した場合には、RAMa203に「200」というデータが記憶され、それに伴って、内部状態が高確率時短遊技状態となる。したがって、電源をONしてから、201回目に行われる大当たりの抽選は、高確率時短遊技状態に移行してから、1回目の大当たりの抽選に相当し、同様に、210回目に行われる大当たりの抽選は、高確率時短遊技状態に移行してから、10回目の大当たりの抽選に相当することとなる。このように、始動口スイッチ処理(図1−6参照)によって取得した大当たりの抽選の権利が、高確率時短遊技状態に移行してから何回目の大当たりの抽選に相当するのかを演算する。具体的には、CPUa201が変動回数Nから基準回数Mを減算することによって演算値Zを取得する(ステップa3002)。中確率時短遊技状態へ移行する大当たりに当選した場合も同様の処理が行われる(以下、高確率時短遊技状態と中確率時短遊技状態とを合わせて高(中)確率時短遊技状態と記載)。
そして、CPUa201は、演算値Zが所定回数X以下であるか否かを判断する(ステップa3003)。ここでいう所定回数Xというのは、高(中)確率状態用の当たり判定用テーブル(図1−29−1参照)に基づいて大当たり乱数が判定される上限回数である。
ここで、本実施形態においては、以後の遊技状態が高(中)確率時短遊技状態となる大当たりに当選すると、以後、80回を上限として、大当たり乱数の判定が高(中)確率状態用の当たり判定用テーブルに基づいて行われる。したがって、本実施形態においては、所定回数Xは80と設定されることとなり、演算値Zが80以下であるか否かを判断することとなる。
すなわち、始動口スイッチ処理(図1−6参照)によって取得した大当たり乱数が、高(中)確率状態用の当たり判定用テーブルに基づいて判定されるのか、それとも、高(中)確率時短遊技状態が終了して低確率状態用の当たり判定用テーブル(図1−29−1参照)に基づいて判定されるのかを、ここで判断することとなる。
例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(変動回数N=200)によって16R長当たり1(高確率時短遊技状態となる長当たり)に当選したとする。その後、高確時短率遊技状態になってから78回の大当たりの抽選が行われ、いまだ大当たりに当選していない状況で、変動回数N=279の保留A、変動回数N=280の保留B、変動回数N=281の保留Cが、RAMa203に記憶されたとする。このとき、基準回数M=200と設定されているため、保留Aは演算値Z=79となり、保留Bは演算値Z=80となり、保留Cは演算値Z=81となる。したがって、保留Aおよび保留Bはステップa3003で「YES」と判断され、保留Cはステップa3003で「NO」と判断される。
このように、ステップa3002およびステップa3003の処理によって、現在の内部状態ではなく、あくまでも特別図柄処理時の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高(中)確率状態から低確率状態へと遊技状態が変化する場合にも、正確な判定結果を導き出すことができる。
CPUa201は、演算値Zが所定回数X以下であると判断すると(ステップa3003でYes)、以後の内部状態を低確率状態に変更する「大当たり」に係る事前判定情報が、始動口スイッチ処理(図1−6参照)の開始前に記憶されているか否かを判断する(ステップa3004)。ただし、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、大当たり遊技後に低確率状態となる大当たりは存在しないため、ステップa3004でYesと判定されることはない。したがって、CPUa201は、ステップa3004でNoと判断し、高(中)確率状態用の当たり判定用テーブルを選択する(ステップa3006)。
本実施の形態において、各種の大当たりは、いずれも所定回数X=80に設定される(図1−17−2参照)。したがって、ステップa3004でNoである限り、大当たり抽選が80回行われるまで、大当たりの種類に応じて、高確率状態用の当たり判定用テーブルまたは中確率状態用の当たり判定用テーブルの一方が選択される。しかし、4R長当たり2および4R短当たり3に当選したことにより高確率状態となった場合には、当初、大当たり抽選が40回行われるまでは高確率状態であり、高確率状態用の当たり判定用テーブルが選択される。そして、その後は中確率状態へ移行するので、中確率状態用の当たり判定用テーブルが選択される。
一方、現在の遊技状態が低確率状態である場合(ステップa3001でNo)や、現在の遊技状態が高(中)確率状態であっても演算値Zが所定回数Xを超えていると判断した場合(ステップa3003でNo)には、次のような処理を行う。すなわち、CPUa201は、RAMa203の記憶領域a204(図1−27参照)に、以後の遊技状態を高(中)確率状態に変更する大当たりに係る事前判定情報が、始動口スイッチ処理(図1−6参照)の開始前に記憶されているか否かを判断する(ステップa3005)。例えば、始動口スイッチ処理(図1−6参照)のステップa605において、記憶領域a204の第6記憶部a204f(図1−27参照)に乱数を記憶した場合には、第1記憶部a204a〜第5記憶部a204e(図1−27参照)に高(中)確率状態となる大当たりのいずれかに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判断する。すなわち、始動口スイッチ処理(図1−6参照)において留保された保留球よりも先に消化される保留球に、内部状態を高(中)確率状態に変更するものがあるかを判断する。なぜなら、このような保留球が先に留保されているとなれば、始動口スイッチ処理において留保された保留球を消化するときに、内部状態が高(中)確率状態になってしまうからである。
したがって、ステップa3005でNoと判断した場合には、低確率状態用の当たり判定用テーブルを選択し(ステップa3007)、Yesと判断した場合には、高(中)確率状態用の当たり判定用テーブルを選択する(ステップa3006)。
このように、ステップa3004およびステップa3005の処理によって、特別図柄処理の際の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高確率状態から低確率状態へと内部状態が変化する場合や、低確率状態から高確率状態へと内部状態が変化する場合にも、正確な事前判定の結果を導き出すことができる。
そして、低確率時乱数判定テーブルと高確率時乱数判定テーブルのうち選択されたテーブルに基づいて各乱数の判定が行われ(ステップa3008)、その判定結果を事前判定情報として記憶領域a204(図1−27参照)に記憶する(ステップa3009)。そして、その判定結果が大当たりまたは小当たりであったか否かを判断し(ステップa3010)、大当たりまたは小当たりであった場合には(ステップa3010でYes)、予兆コマンドをセットし(ステップa3011)、また、ハズレであった場合(ステップa3010でNo)には、通常コマンドをセットする(ステップa3012)。これにより、事前判定処理が終了する。なお、セットされた事前判定コマンドは、出力処理(図1−5のステップa506参照)において演出制御部a300に送信される。
なお、事前判定処理において、図1−30に図示されていない制御を採用することも考えられる。例えば、ハズレであった場合(ステップa3010でNo)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定し、リーチ演出が行われると判定したときはリーチコマンドをセットする。また、大当たりであると事前判定された場合には(ステップa3010でYes)、大当たりの種類が事前判定される。
ここで、これらの事前判定コマンドは、新たに留保されて第1保留U1または第2保留U2の保留個数が変更されたという情報を演出制御部a300に送信するものであり、また、事前判定した結果が大当たり、小当たり、ハズレのいずれであるかという情報が含まれている。また、事前判定コマンドは、太鼓ランプ部a11,a12,a13,a14(例えば図1−36参照)を用いた段階的な演出を行うか否かを通知する情報もまた含まれる。
〔演出制御部の動作〕
次に、遊技制御部a200から送信される各コマンドに対応して演出制御部a300が行う動作を説明する。具体的には、本実施の形態では、演出制御部a300は、事前判定コマンド受信処理、演出実行コマンド受信処理および演出制御処理を行う。これらの処理は、演出制御部a300のCPUa301がROMa302に格納されているプログラムの読み出しを行い、そのプログラムにより実行されるものである。
図1−31は、演出制御部a300の動作の一部を示すフローチャートである。なお、出力処理(図1−5のステップa506参照)により遊技制御部a200から送信された各種のコマンドは、演出制御部a300のRAMa303に設けられた不図示のコマンド記憶部にいったん記憶される。そして、演出制御部a300のCPUa301は、不図示のコマンド記憶装置に記憶されたコマンドを所定の間隔で見に行くと共に、記憶されている各コマンドに基づいて演出を制御する。
演出制御部a300は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図1−31に示す各処理を一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行する。同図を参照すると、事前判定コマンド受信処理、演出実行コマンド受信処理および演出制御処理が順次実行される(ステップa3101〜a3103)。
図1−31に示すように、演出制御部a300は、遊技制御部a200から事前判定コマンドを受信すると事前判定コマンド受信処理を行い(ステップa3101)、遊技制御部a200から演出実行コマンドを受信すると演出実行コマンド受信処理を行う(ステップa3102)。そして、演出制御部a300は、その後に演出制御処理を行う(ステップa3103)。
なお、これら事前判定コマンド受信処理、演出実行コマンド受信処理および演出制御処理の詳細な内容については後述する。
〔演出制御部による事前判定コマンド受信処理〕
図1−32は、演出制御部a300での事前判定コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すフローチャートでは、CPUa301は、不図示のコマンド記憶部に事前判定コマンドが記憶されているか否かを判断する(ステップa3201)。事前判定コマンドが記憶されていると判断すると(ステップa3201でYes)、CPUa301は、RAMa303の第1保留記憶領域a305ないし第2保留記憶領域a306の保留フラグ記憶領域(図1−28参照)にて保留フラグをONする(ステップa3202)。
なお、事前判定コマンドが記憶されていない場合(ステップa3201でNo)には、事前判定コマンド受信処理を終了する。
次に、CPUa301は、RAMa303の第1保留記憶領域a305ないし第2保留記憶領域a306のいずれかの記憶部a305a〜a305d,a306a〜a306d(図1−28参照)に予兆フラグがONされているか否かを判断する(ステップa3203)。その結果、CPUa301は、いずれかの記憶部a305a〜a305d,a306a〜a306d(図1−28参照)に予兆フラグがONされていると判断した場合(ステップa3203でYes)には、保留数予兆表示コマンドをセットする(ステップa3204)。
その一方で、いずれの記憶部a305a〜a305d,a306a〜a306d(図1−28参照)にも予兆フラグがONされていないと判断した場合(ステップa3203でNo)には、保留数通常表示コマンドをセットする(ステップa3205)。
なお、これらのコマンドは、演出制御処理において、保留数を遊技者に報知するためのものであり、第1保留U1および第2保留U2に係る情報を有している。また、保留数予兆コマンドには、いずれの記憶部に予兆フラグがONされているのかという情報も有している。
このようにしてコマンドをセットしたら、事前判定コマンド受信処理を終了する。
〔演出制御部による演出実行コマンド受信処理〕
図1−33は、演出制御部a300での演出実行コマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すフローチャートでは、演出制御部a300のCPUa301は、RAMa303に演出実行コマンドが記憶されているか否かを判断する(ステップa3301)。ここにいう演出実行コマンドとは、特別図柄処理(図1−5のステップa503参照)により生成されるものをいい、少なくとも「大当たり」「小当たり」「ハズレ」の大当たりの判定結果に係る情報と、特別図柄の変動時間および演出の態様(リーチ有り演出かリーチ無し演出か)と、に係る情報を有する。より具体的に説明すると、演出実行コマンドは、これから変動表示が開始される特別図柄の内容、すなわち、大当たり、小当たり、ハズレのいずれに係る特別図柄の変動表示が開始されるのかという情報を有する。また、演出実行コマンドは、この特別図柄の変動表示の際に行われる演出が、リーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのか、さらにはそのリーチ演出の時間に係る情報を有する。
CPUa301は、事前判定コマンドが記憶されていると判断すると(ステップa3301でYes)、ROMa302に格納された複数の演出テーブルの中から、演出実行コマンドに基づいて一の演出テーブルを選択する(ステップa3302)。
なお、演出制御部a300のROMa302には、長当たり演出テーブル、短当たりおよび小当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、ハズレリーチ無し演出テーブルが格納されている。
その後、CPUa301は、0〜250の乱数の中から一の乱数を無作為に抽出して取得し(ステップa3303)、選択された演出テーブルに基づいてその乱数を判定する。この演出テーブルにおいては、乱数と演出パターンとが対応付けられており、乱数に応じて多数の演出パターンの中から一の演出パターンを決定する。これにより、CPUa301は、演出内容を決定する(ステップa3304)。より具体的には、画像表示部a114における装飾図柄パターン、可動役物a115の動作パターン、盤ランプa116と枠ランプa157の照射パターン、スピーカa156から出力する音声パターンがそれぞれ決定される。
また、乱数判定の際には、盤ランプa116としての太鼓ランプ部a11〜a14(図1−36参照)を用いた演出である点灯数増加演出を行うか否かがCPUa301により決定される。点灯数増加演出は、所定条件(例えば、図柄変動時間が短縮されて2秒または4秒である場合(短縮変動))の下で、乱数判定が大当たりの場合のみならず、大当たり以外の場合にも行うこと(所謂ガセ)が考えられる。付言すると、既に点灯数増加演出を実行中の場合には、かかる点灯数増加演出の実行についての決定を行わない。
なお、例えば点灯数増加演出の実行中であることを示すフラグをRAMa303に格納し、かかるフラグに応じて制御することが考えられる。
このようにして、特別図柄の変動表示中に行われる演出パターンが決定した後に、CPUa301は、決定された演出パターンに係る演出確定コマンドをセットする(ステップa3305)。そして、CPUa301は、RAMa303の保留記憶領域a305,a306のシフト処理を行う(ステップa3306)。例えば、受信した演出実行コマンドが第1保留U1に係る場合には、第4記憶部a305dに記憶されているフラグを第3記憶部a305cにシフトして記憶する。そして、第3記憶部a305cに記憶されているフラグを第2記憶部a305bにシフトして記憶し、第2記憶部a305bに記憶されているフラグを第1記憶部a305aにシフトして記憶する。なお、この場合には、第1記憶部a305aに記憶されているフラグは消去する。
CPUa301は、保留記憶領域a305,a306のいずれかの記憶部a305a〜a305d,a306a〜a306dに予兆フラグがONされているか否かを判断する(ステップa3307)。いずれかの記憶部a305a〜a305d,a306a〜a306dに予兆フラグがONされていると判断した場合(ステップa3307でYes)には、CPUa301は保留数予兆表示コマンドをセットする(ステップa3308)。そうでないと判断した場合(ステップa3307でNo)には、保留数通常表示コマンドをセットする(ステップa3309)。これらのコマンドは、演出制御処理において保留数を遊技者に報知するためのものであり、第1保留U1の保留数および第2保留U2の保留数に係る情報を有する。また、保留数予兆コマンドには、いずれの記憶部a305a〜a305d,a306a〜a306dに予兆フラグが記憶されているのかという情報も有する。
なお、具体的には図示していないが、演出制御部a300のCPUa301がルーチン処理を実行する際に、事前判定コマンドと演出実行コマンドとを同時に受信する場合がある。この場合には、図1−32に示す事前判定コマンド受信処理のステップa3204またはステップa3205において、すでに保留数予兆表示コマンドまたは保留数通常表示コマンドがセットされている。一方で、図1−33に示す演出実行コマンド受信処理においては、事前判定コマンド受信処理とは別に、ステップa3306にてシフト処理された後の情報に基づいて、保留数予兆表示コマンドまたは保留数通常表示コマンドをセットする。そのため、ステップa3204またはステップa3205でセットされたコマンドと、ステップa3308またはステップa3309でセットされたコマンドとは異なったものとなる。
このように、事前判定コマンドと演出実行コマンドとを同時に受信した場合には、事前判定コマンド受信処理においてセットされたコマンドを消去したうえで、演出実行コマンド受信処理において、新たなコマンドをセットすることとなる。
予兆フラグONとの判断をした場合(ステップa3307でYes)である場合には、CPUa301は、点灯数増加演出コマンド処理を行う(ステップa3310)。かかる点灯数増加演出コマンド処理は、点灯数増加演出についての設定を行う処理であり、その詳細は後述する。
このようにしてコマンドをセットしたら、演出実行コマンド受信処理を終了する。
〔点灯数増加演出コマンド処理〕
図1−34は、本実施の形態に係る点灯数増加演出コマンド処理(図1−33のステップa3310)の内容を示すフローチャートであり、点灯数増加演出を実行すると決定した場合(上述したステップa3304の説明を参照)に行われるものである。
図1−34に示すフローチャートでは、演出制御部a300のCPUa301は、まず太鼓ランプ部a11〜a14(例えば図1−36参照)による点灯数増加演出の内容を決定する(ステップa3401)。より具体的には、CPUa301は、RAMa303の点灯個数記憶領域a307(図1−28の(a)参照)に記憶されている直前の点灯個数(0個〜4個)を確認する。そして、点灯個数の上限である4個でなければ、CPUa301は、直前の点灯個数を1つ加算し、点灯個数記憶領域a307に記憶する。点灯個数の上限である4個のときは、点灯数増加演出は終了するので、点灯個数を0とするリセットを行い、点灯個数記憶領域a307にそれを記憶する。
このように、点灯数増加演出における現在の点灯個数(0個〜4個)は、RAMa303の点灯個数記憶領域a307(図1−28の(a)参照)に記憶され、かつ更新される。
なお、本実施の形態では、第1始動口入賞の保留数が最大で4であることから、点灯個数の上限を4個としているが、他の数とすることも考えられる。例えば、第1始動口入賞の保留数のみならず、第2始動口入賞の保留数をも用いる場合には、点灯個数を8個上限とする等である。また、点灯個数の上限を4や8以外の数とすることも考えられる。
こうして決定される点灯数増加演出は、第1始動口a121への入賞に係る保留球の消化ごとに太鼓ランプ部a11〜a14(例えば図1−36参照)の点灯する数が増えていく光による演出であり、終局的には、太鼓ランプ部a11〜a14のすべてが点灯する。言い換えると、終局の演出形態である全点灯に向かって、特別図柄の変動表示ごとに、点灯数が1つから4つまで順に増えていく。全点灯した場合には、遊技者にとって有利な状態、例えば大当たりになる可能性が高まる専用演出に移行する。すなわち、点灯数増加演出により点灯数を増加していくことで期待度が上がっていく。
したがって、保留球が消化する毎に太鼓ランプ部a11〜a14の点灯数が増加していくことから、遊技者は、点灯数増加演出が開始されると、大当たりになるかもしれないという期待感を持って遊技を楽しむことができ、遊技の興趣性を高めることができる。
また、点灯数増加演出は、特別図柄抽選の未抽選分について先読みによる事前判定が行われた結果を示唆する予兆演出の一つであり、保留先読み演出を複数の変動にまたがる連続演出とすることでストーリー性を持たせることが可能になる。なお、点灯数増加演出は、太鼓ランプ部a11〜a14の点灯に関連して、画像表示部a114に所定の画像を表示する演出を伴うものであってもよい。
ここにいう点灯数増加演出は、特定演出の一例である。
なお、点灯個数の上限を4個とする場合に、常に上限まで点灯数を増加する演出のほかに、上限よりも少ない数を点灯数として、演出制御部a300のCPUa301が予め決定し(終局の演出態様についての決定)、決定した点灯数まで順に増やしていくという制御例も考えられる。
ここで、点灯数増加演出で全点灯した場合、専用演出に移行する態様と専用演出に移行しない態様(所謂ガセ)とを設定することが考えられる。
また、点灯数増加演出が開始されると、必ず全点灯するという演出制御が考えられるほか、全点灯に至る途中で点灯数増加演出が終わってしまう演出制御も考えられる。例えば、点灯数が2つの状態の場合に次の変動表示で3つの状態にならずに点灯数増加演出が終了してしまう制御例である。
このような制御例の場合には、遊技者は、点灯数増加演出が開始されると、大当たりになるかもしれないという期待感と不安感を持つことでドキドキ感を楽しむことができ、遊技の興趣性をさらに高めることができる。
また、点灯数増加演出では、変動表示ごとに太鼓ランプ部a11〜a14の点灯数を増加させる演出制御例のほか、次の変動表示が行われても太鼓ランプ部a11〜a14の点灯数を一時的に増加させず点灯数がそのまま維持され、その後のいずれかの変動表示で点灯数を再び増加させるという変形例が考えられる。すなわち、かかる変形例は、太鼓ランプ部a11〜a14の点灯数が一時的に変わらず、点灯数増加演出が進行せずに足踏み状態となる。言い換えると、かかる演出は、太鼓ランプ部a11〜a14がフリーズする演出(フリーズ演出)ないし進行が中休みする演出であるということができる。
また、本実施の形態では、全点灯状態に向かって太鼓ランプ部a11〜a14の点灯数を順次増加する演出(いわゆる一方向演出)を実行するが、点灯数を一時的に減少させる変形例(点灯数増減演出)も考えられる。例えば、ある変動表示のときに点灯数が2である場合、次の変動表示で点灯数を1に減少させた後に、さらに次の変動表示で点灯数を3に増加させる演出である。なお、点灯数増加演出に点灯数減少演出を取り入れる演出を、点灯数変更演出ということができる。
また、点灯数増加演出に、上述のフリーズ演出および上述の点灯数減少演出を取り入れた演出も考えられる。
付言すると、本実施の形態では、太鼓ランプ部a11〜a14(図1−36参照)による点灯数増加演出を実行するが、画像表示部a114に太鼓ランプ部a11〜a14に代わる画像を表示する変形例も考えられる。その場合には、太鼓ランプ部a11〜a14に代わる画像を保留表示であると遊技者が誤認してしまうことがないような画像とする必要がある。
このようにして、点灯数増加演出の内容が決定したら、CPUa301は、第2始動口a122への入賞に係る保留球が存在するか否かを判断する(ステップa3402)。すなわち、CPUa301は、RAMa303の第2保留記憶領域a306(図1−28参照)に保留フラグONがあるか否かを判断する。
そして、第2保留記憶領域a306(図1−28参照)に保留フラグONがあれば(ステップa3402でYes)、CPUa301は、中断フラグをONに設定し(ステップa3403)、点灯数増加演出の実行を中断する指示である演出中断コマンドをセットする(ステップa3404)。演出中断コマンドをセットする意義については、後述する。なお、設定された中断フラグはRAMa303に格納される。
ここで、このような演出中断コマンドのセットは、第2始動口a122への入賞に係る保留球が存在するという条件を満たす場合になされるが、他の条件を追加することや他の条件に置き換えることが考えられる。
その一方で、第2保留記憶領域a306(図1−28参照)に保留フラグONがなければ(ステップa3402でNo)、CPUa301は、次に中断フラグがONであるか否かを判断する(ステップa3405)。すなわち、点灯数増加演出が中断している状態であるかを、中断フラグで判定する。より詳細には、点灯数増加演出が中断中であれば中断フラグがONであり、中断していなければ中断フラグがOFFである。
さらに説明すると、中断している点灯数増加演出を再開するタイミングは、点灯数増加演出を開始する契機になった保留先読みに係る保留球が消化される当該変動の時である。そのため、中断フラグがONである場合(ステップa3405でYes)、CPUa301は、当該変動であるか否かを判断する(ステップa3406)。そして、当該変動の場合(ステップa3406でYes)、CPUa301は、中断フラグをOFFに設定した後(ステップa3407)、点灯数増加演出の実行を指示する演出実行コマンドをセットする(ステップa3408)。
中断フラグがONでない場合(ステップa3405でNo)、点灯数増加演出が中断していないことから、CPUa301は、演出実行コマンドのセット(上述のステップa3408参照)を行う。
また、当該変動でない場合(ステップa3406でNo)、CPUa301は、未だ点灯数増加演出を再開する時期が到来しないとして、中断フラグONの設定(上述のステップa3403参照)および演出中断コマンドのセット(上述のステップa3404参照)を行う。
このようにしてコマンドをセットしたら、点灯数増加演出コマンド処理を終了する。
〔演出制御部による演出制御処理〕
図1−35は、演出制御部a300での演出制御処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すフローチャートでは、上述した事前判定コマンド受信処理または演出実行コマンド受信処理において保留数予兆表示コマンドがセットされている場合には、画像/音響制御部a310のCPUa311は、ROMa312からプログラムを読み出して画像表示部a114について保留数予兆表示制御としての演出表示装置制御を開始する(ステップa3501)。すなわち、画像表示部a114の装飾図柄の変動中に所定画像の表示を行う。なお、画像表示部a114に保留数表示が表示されているときには、保留数表示を変更する。
また、上述した点灯数増加演出コマンド処理において演出実行コマンドがセットされている場合には、ランプ制御部a320のCPUa321は、ROMa322からプログラムを読み出して太鼓ランプ部a11〜a14について点灯制御としての演出用照明装置制御を開始し(ステップa3503)、かつ、画像/音響制御部a310のCPUa311は、ROMa312からプログラムを読み出して画像表示部a114について点灯に伴う表示制御としての演出表示装置制御を開始する(ステップa3501)。
その一方で、上述した点灯数増加演出コマンド処理において演出中断コマンドがセットされている場合には、CPUa321は、太鼓ランプ部a11〜a14について全消灯制御としての演出用照明装置制御を開始する(ステップa3503)。
ここで、太鼓ランプ部a11〜a14を点灯させる際の光の色を一定にする制御例のほかに、点灯する光の色を所定の条件を満たすと変更する制御例が考えられる。また、点灯する光の明るさを一定にする制御例のほかに、光の明るさを所定の条件を満たすと変更する制御例が考えられる。また、点灯状態が維持される点灯状態のほかに、点灯と消灯とを繰り返す点滅状態とする制御例も考えられる。
かかる制御例を採用する場合、上述した「所定の条件」としては、例えば、遊技状態が所定のものであるとすることが考えられる。より具体的には、光の色および/または明るさ等を、低確率遊技状態の場合と中確率遊技状態の場合と高確率遊技状態の場合とで互いに異なるものとしたり、低確率遊技状態の場合(非確変)とそれ以外の遊技状態の場合(確変)とで互いに異なるものとしたりすることが考えられる。すなわち、太鼓ランプ部a11〜a14における発光態様を遊技状態に応じて変化させる制御例である。
なお、このような発光態様変更制御を行う際、遊技状態を正確に反映させる演出例のほかに、遊技状態を正確には反映させない演出例や遊技状態とはまったく異なるようにする演出例が考えられる。
また、ランプ制御部a320のCPUa321は、ROMa322からプログラムを読み出して可動役物a115について保留数予兆表示制御としての演出役物装置制御を開始する(ステップa3502)。同様に、ランプ制御部a320のCPUa321は、盤ランプa116および枠ランプa157について保留数予兆表示制御としての演出用照明装置制御を開始する(ステップa3503)。また、画像/音響制御部a310のCPUa311は、スピーカa156について保留数予兆表示制御としての音出力装置制御を開始する(ステップa3504)。
また、保留数通常表示コマンドがセットされている場合には、CPUa311による画像表示部a114の保留数通常表示制御としての演出表示装置制御(ステップa3501)、およびCPUa321による可動役物a115の保留数通常表示制御としての演出役物装置制御(ステップa3502)を行う。また、CPUa321による盤ランプa116および枠ランプa157の保留数通常表示制御としての演出用照明装置制御(ステップa3503)、およびCPUa311によるスピーカa156の保留数通常表示制御としての音出力装置制御(ステップa3504)を行う。
〔点灯数増加演出の具体的な態様〕
次に、本実施の形態に係る点灯数増加演出の具体的な態様について、図1−36、図1−37および図1−38を用いて説明する。付言すると、上述したように、点灯数増加演出は、太鼓ランプ部a11〜a14を用いて行われるが、さらに太鼓ランプ部a11〜a14の点灯に関連する画像を画像表示部a114に表示することも考えられる。
ここで、太鼓ランプ部a11〜a14のうち太鼓ランプ部a11は、1個目の点灯ランプである。また、太鼓ランプ部a12は2個目の点灯ランプ、太鼓ランプ部a13は3個目の点灯ランプ、太鼓ランプ部a14は4個目の点灯ランプである。
〔点灯数増加演出における第1の態様〕
図1−36は、点灯数増加演出の具体的な第1の態様を説明する図であり、点灯数増加演出が中断されることなく終局の演出態様に移行する場合を示す。図1−36の(a−1)、(b−1)、(c−1)、(d−1)および(e−1)の各々は、主に保留状態を説明するための図であり、同図の(a−2)、(b−2)、(c−2)、(d−2)および(e−2)の各々は、太鼓ランプ部a11〜a14の点灯数増加演出を説明するための図である。
また、図1−36の(a−1)は、(a−2)と共に、変動中示唆画像a10Aが表示されるときの保留球と太鼓ランプ部a11〜a14の点灯との関係を説明する。すなわち、(a−1)と(a−2)との組み合わせで変動中示唆画像a10A表示時の状態を示している。同じく、図1−36の(b−1)と(b−2)は共に、変動中示唆画像a10B表示時の状態を示し、同図の(c−1)と(c−2)は共に、変動中示唆画像a10C表示時の状態を示している。また、図1−36の(d−1)および(d−2)は変動中示唆画像a10D表示時の状態を示し、同図の(e−1)および(e−2)は変動中示唆画像a10E表示時の状態を示している。なお、説明の便宜上、(a−1)および(a−2)を以下、単に(a)と呼ぶことがある。同じく、(b−1)および(b−2)を(b)、(c−1)および(c−2)を(c)とそれぞれ呼び、また、(d−1)および(d−2)を(d)、(e−1)および(e−2)を(e)とそれぞれ呼ぶことがある。
図1−36の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は時系列的に示したものであり、時間の経過により(a)〜(e)の順で移行するものとする。
図1−36の(a)に示す時点では、変動中示唆画像a10Aのほか、保留球a10B、保留球a10C、保留球a10Dおよび保留球a10Eについての事前判定が演出制御部a300のCPUa301により既に行われている。そして、同図の(a−1)に示すように、最先の保留分である変動中示唆画像a10Aに係る大当たり抽選に基づく図柄変動が行われ(消化)、また、保留球a10B〜a10Eという4つの保留が存在している。
さらに説明すると、新しく保留された保留球a10Eについて事前判定の結果、大当たりであり、かつ、点灯数増加演出を行うことがCPUa301により決定されている。そのため、図1−36の(a−1)では、保留球a10Eに「当」の文字を付して図示する。なお、点灯数増加演出の開始は、次変動(図1−36の(b−2)参照)である。
そして、図1−36の(a)に示す時点では、点灯数増加演出が開始されておらず、したがって、同図の(a−2)に示すように、太鼓ランプ部a11〜a14のいずれも、消灯している。なお、太鼓ランプ部a11〜a14については、消灯の代わりに、点灯数増加演出時の光り方ではなく通常時の光り方が行われるように、ランプ制御部a320のCPUa321が制御することも考えられる。
図1−36の(b)に示す時点では、同図の(b−1)に示すように、最先の保留分が消化され(変動中示唆画像a10B参照)、保留球a10C,a10D,a10Eのほかに新たな保留分である保留球a10Fが発生している。この時点でも4つの保留が存在している。なお、保留球a10Fについての事前判定の結果は、大当たりではなかった。
そして、点灯数増加演出が開始され、同図の(b−2)に示すように、4つの太鼓ランプ部a11〜a14のうち最も上側に位置する太鼓ランプ部a11のみが点灯し、他の太鼓ランプ部a12〜a14は消灯している(1個点灯)。
図1−36の(c)は、最先の保留分が消化され(変動中示唆画像a10C参照)、その図柄変動中を示している(同図の(c−1)参照)。そして、保留球a10D,a10E,a10Fのほかに新たな保留分である保留球a10Gが発生している。
また、図1−36の(c)に示す時点でも、引き続き点灯数増加演出が行われており、同図の(c−2)に示すように、同図の(b−2)の状態から点灯数が1つ増え、2つとなっている。すなわち、太鼓ランプ部a11と、太鼓ランプ部a11よりも下方に位置すると共に太鼓ランプ部a11に隣接するa12と、が点灯している(2個点灯)。他の太鼓ランプ部a13,a14は消灯している。
図1−36の(d)は、最先の保留分の消化時(変動中示唆画像a10D参照)であり、保留球a10E,a10F,a10Gのほかに新たな保留分である保留球a10Hが発生している(同図の(d−1)参照)。
また、図1−36の(d)に示す時点でも点灯数増加演出が継続されており、同図の(d−2)に示すように、点灯数がさらに1つ増え、3つとなっている。すなわち、太鼓ランプ部a11,a12が点灯すると共に、太鼓ランプ部a12よりも下方に位置すると共に太鼓ランプ部a12に隣接するa13が点灯している(3個点灯)。
図1−36の(e)に示す時点は、同図の(e−1)に示すように、最先の保留分が消化され(変動中示唆画像a10E参照)、その図柄変動がなされている状態である。すなわち、大当たりの事前判定がなされた保留球a10Eの当該変動の時である。なお、保留球a10F,a10G,a10Hのほかに新たな保留分である保留球a10Iが発生している。
そして、図1−36の(e)でも点灯数増加演出が継続中であり、上述したように当該変動であることから、終局の演出態様に移行する。かかる終局の演出態様は、所定の手順で予め決定されており、例えば4個点灯(全点灯)のほか、3個点灯や2個点灯等である。同図の(e−2)に示す場合では、点灯数増加演出による点灯数は、最大値である4つであり、太鼓ランプ部a11〜a13のほか、最も下側に位置すると共に最も外形が大きい太鼓ランプ部a14も点灯している(4個点灯)。すなわち、4つの太鼓ランプ部a11〜a14すべてが点灯している(予め定められる終局の演出態様)。保留球a10Eの図柄変動が開始され、事前判定の結果大当たりである保留球a10Eの当該変動にて大当たりに至る演出が開始される。
このように、太鼓ランプ部a11〜a14を用いる点灯数増加演出は、複数の図柄変動にわたって行われるものである。そして、太鼓ランプ部a11〜a14の点灯態様は、複数の図柄変動ごとに変化し、かつ、かかる変化は、太鼓ランプ部a11〜a14の全点灯という終局の演出態様に向かうものである。
なお、上述したように、もし保留球a10Eの大当たり抽選が大当たりでないときには、終局の演出態様に移行した後に、大当たりに至る演出を行うことなく、次の図柄変動を開始する制御例が考えられる。
また、本実施の形態では、先読み演出として太鼓ランプ部a11〜a14の点灯数が次第に増えていく点灯数増加演出を実行する。このような点灯数増加演出は、遊技者が大当たりに近づいていくことが感覚的に容易に把握できるようにしているが、これに限らず、太鼓ランプ部a11〜a14の点灯パターンを変化する他の演出も考えられる。
例えば、先読み演出では、太鼓ランプ部a11〜a14のうちいずれか一つが点灯する制御を行う。より具体的には、例えば図1−36の(b−2)で太鼓ランプ部a11が点灯し、同図の(c−2)で太鼓ランプ部a12が点灯し、同図の(d−2)で太鼓ランプ部a13が点灯し、同図の(e−2)で太鼓ランプ部a14が点灯する態様である。言い換えると、点灯する太鼓ランプ部a11〜a14を順次切り替えていく制御である。
〔点灯数増加演出における第2の態様〕
図1−37は、点灯数増加演出の具体的な第2の態様を説明する図であり、点灯数増加演出が中断される場合を示す。すなわち、同図に示す第2の態様は、点灯数増加演出が中断される点で、図1−36に示す第1の態様と異なる。
なお、図1−37では、上述の図1−36と共通する配置で図示することから、共通する配置の説明については省略することがある。また、図1−37は、(a)〜(e)を時系列的に示すほか、(e)の次変動として、(f−1)および(f−2)で構成される(f)も示している。付言すると、図1−37において(d−2)と(e−2)とは互いに同じ図示内容になることから、重複する図示を省略している。
第2の態様を示す図1−37において、中断するまでは図1−36の場合(第1の態様)と同じである。すなわち、図1−37の(a)〜(c)に示す各時点は、上述した図1−36の(a)〜(c)に示す各時点に相当するものであり、それらの詳細な説明を省略する。付言すると、図1−37の(a)では全消灯、(b)は1個点灯、(c)は2個点灯である。
なお、保留球a10Eについて事前判定(図1−30参照)の結果、大当たりであり、かつ、点灯数増加演出を行うことがCPUa301により決定され(図1−37の(a)参照)、次変動で点灯数増加演出が開始されている(同図の(b)および(c)参照。図1−34のステップa3408参照)。
保留球a10Cの図柄変動が終了する前に、第2始動口a122に遊技球が入球すると、図1−37の(d−1)に示すように、最先の保留分である保留球a10Dについての大当たり抽選が行われず、優先消化の第2始動口入賞についての大当たり抽選が行われる(図1−9参照)。
図1−37の(d)に示す時点では、このように第2始動口入賞に基づく変動表示が行われている。
さらに説明すると、図1−37の(d)に示す時点は、同図の(d−2)に示すように、太鼓ランプ部a11〜a14のいずれも点灯しておらず、消灯している。すなわち、一つ前の時点である図1−37の(c)では、太鼓ランプ部a11,a12が点灯し、すでに点灯数増加演出を実行中である(図1−37の(c−2)参照。図1−34のステップa3405でNo、ステップa3408)。しかしながら、図1−37の(d)に示す時点では、第2始動口入賞に基づく図柄変動を契機として点灯数増加演出が中断している(図1−37の(d−2)参照。図1−34のステップa3402でYes、ステップa3403〜a3404参照)。
このような点灯数増加演出の中断は、次変動である図1−37の(e)に示す時点でも継続している(同図の(e−2)参照。図1−34のステップa3406でNo、ステップa3403〜a3404参照)。すなわち、図1−37の(e)に示す時点では、太鼓ランプ部a13が点灯せず、また、3個点灯にならない。
そして、保留球a10Eについて大当たり抽選(図1−9参照)が行われる当該変動の時、すなわち図1−37の(f)に示す時点では、中断していた点灯数増加演出が再開される。より具体的には、太鼓ランプ部a11〜a14のすべてが点灯する終局の演出態様が実行される(同図の(f−2)参照。図1−34のステップa3406でYes、ステップa3407〜a3408参照)。付言すると、太鼓ランプ部a11〜a14のすべてをランプ制御部a320のCPUa321により点灯させる場合、まず太鼓ランプ部a11を点灯した後に太鼓ランプ部a12、a13の順で点灯し、最後に太鼓ランプ部a14を点灯する態様が考えられ、また、太鼓ランプ部a11〜a14のすべてを一気に点灯する態様も考えられる。
なお、図1−37の(f)に示す時点は、図1−36の(e)に示す時点に相当するものである。
〔点灯数増加演出における第3の態様〕
図1−38は、点灯数増加演出の具体的な第3の態様を説明する図であり、図1−37に示す第2の態様と同じく、点灯数増加演出が中断される場合を示す。すなわち、図1−38に示す第3の態様は、点灯数増加演出が中断される点で、図1−36に示す第1の態様と異なる。
なお、図1−38は、上述の図1−37と共通する配置で図示することから、共通する配置の説明については省略することがある。また、図1−38において(c−2)、(d−2)および(e−2)は互いに同じ図示内容になることから、重複する図示を省略している。
第3の態様では、優先消化の第2始動口入賞が図1−38の(d)に示す時点の前に発生している。このため、図1−38の(c)に示す時点は、図1−38の(c−1)に示すように、最先の保留分である保留球a10Cについての大当たり抽選は行われない。
そして、図1−38の(c−2)に示すように、それまで実行されていた点灯数増加演出は中断され、太鼓ランプ部a11〜a14のいずれも消灯している(図1−34のステップa3402でYes、ステップa3403〜a3404参照)。
また、保留球a10Cについての図柄変動が行われる図1−38の(d)に示す時点(同図の(d−1)参照)および、保留球a10Dについての図柄変動が行われる同図の(e)に示す時点(同図の(e−1)参照)でも、依然として点灯数増加演出は中断している(同図の(d−2)および(e−2)参照。図1−34のステップa3406でNo、ステップa3403〜a3404参照)。
そして、図1−38の(f)に示す保留球a10Eの当該変動時に、第2の態様を示す図1−37の(f)の場合と同じく、点灯数増加演出が再開される(図1−38の(f−2)参照。図1−34のステップa3406でYes、ステップa3407〜a3408参照)。
このように、図1−37に示す第2の態様および図1−38に示す第3の態様では、第2始動口入賞が発生すると、第1始動口入賞の保留消化が後回しになり、かつ、点灯数増加演出の実行が中断する。以下、補足説明する。
ランプ制御部a320のCPUa321により点灯数増加演出が実行される条件の一つは、第1始動口入賞に係る保留球の発生であり、第2始動口入賞ではない。そして、本実施の形態に係るパチンコ遊技機a100では、第2始動口入賞は第1始動口入賞に優先して消化される仕様である。
したがって、第2始動口入賞があると、第1始動口入賞に係る保留球が発生していても、第2始動口入賞の大当たり抽選および図柄変動演出等について割り込み処理される(第2始動口入賞の優先処理。図1−8のステップa803参照)。
本実施の形態では、点灯数増加演出中に第2始動口入賞が発生する可能性があることから、演出制御の複雑化を回避するために、本実施の形態では、上述したように、演出中断コマンドがセットされる(図1−34のステップa3404参照)。このような演出中断コマンドによって、決定された内容の点灯数増加演出が中断される。すなわち、太鼓ランプ部a11〜a14が全消灯し、それに伴う画像演出や音演出等の実行がすべて控えられる。言い換えると、点灯数増加演出が開始される前の演出状態に戻る。
さらに説明すると、演出制御部a300のCPUa301は、第2始動口入賞の割り込み処理が終わると、第1始動口入賞に係る保留球の処理を開始する(図1−37の(e)または図1−38の(d)参照)。しかしながら、点灯数増加演出再開のタイミングは、必ずしも第1始動口入賞に係る保留球処理の開始時ではなく(図1−37の(e)参照)、当該変動時である(図1−37の(f)または図1−38の(f)参照)。言い換えると、中断している点灯数増加演出は、当該変動時まで再開しない。したがって、第2始動口入賞に伴って点灯数増加演出が中断したという事情を詳しく知らない遊技者は、いったん開始された点灯数増加演出が行わわれなくなったことで、例えば不安感やあきらめ感等を覚える。
そして、点灯数増加演出の再開時には、中断前における太鼓ランプ部a11〜a14の点灯数のいかんにかかわらず、点灯数増加演出における終局の演出態様(太鼓ランプ部a11〜a14の全点灯)が行われる。そのため、詳しい事情をあまり知らない遊技者は、点灯数増加演出でいきなりの全点灯が行われたと感じ、引き戻しの達成感で気分が高揚したり今後の遊技の展開に幸福感を感じたりして、遊技の楽しみを遊技者に提供することが可能になる。
また、演出制御部a300のCPUa301が行う第2始動口入賞の割り込み処理後の点灯数増加演出制御の複雑化を防止し、制御負担を軽減することが可能になる。
〔点灯数増加演出における第4の態様〕
図1−39は、点灯数増加演出の具体的な第4の態様を説明する図であり、図1−37に示す第2の態様と同じく、点灯数増加演出が中断される場合を示す。すなわち、図1−39に示す第4の態様は、点灯数増加演出が中断される点で、図1−36に示す第1の態様と異なる。
なお、図1−39は、上述の図1−38と共通する配置で図示することから、共通する配置の説明については省略することがある。
第4の態様を示す図1−39の(a)〜(c)に示す各時点は、上述した図1−38の(a)〜(c)に示す各時点に相当するものであり、それらの詳細な説明を省略する。付言すると、図1−39の(a)では全消灯、(b)は1個点灯、(c)は全消灯である。
また、第4の態様を示す図1−39の(d)〜(f)に示す各時点は、点灯数増加演出が中断されない場合である第1の態様を示す図1−36の(c)〜(e)に示す各時点に相当するものである。すなわち、第4の態様では、第2始動口入賞の割り込みにより点灯数増加演出が中断しても、第1始動口入賞における最先の保留分に基づく変動表示が行われると、当該変動(図1−37の(f)または図1−38の(f)参照)であるか否かを問わず、点灯数増加演出が再開する。より詳細には、いったん中断した点灯数増加演出が再開する際、常に終局の演出態様が実行されるとは限らず、途中の演出態様(例えば2個点灯)から終局の演出態様(例えば4個点灯)へと段階的に移行していく点灯演出が実行される。
具体的に説明すると、第4の態様では、図1−39の(d−2)に示すように、点灯数増加演出の再開時に2個点灯であり、太鼓ランプ部a11,a12が点灯している。同図の(e−2)に示す次の変動表示では、さらに太鼓ランプ部a13が点灯し、3個点灯となる。
そして、点灯数増加演出を開始する契機になった保留先読みに係る保留球a10Eが消化される当該変動である同図の(f−2)では、太鼓ランプ部a14が点灯し、4個点灯(全点灯)になっている。
このように、第4の態様では、第2始動口入賞の優先処理によって点灯数増加演出が中断するものの、優先処理を終えると次の変動表示にて点灯数増加演出を再開するものである。このため、太鼓ランプ部点灯の演出制御が第2の態様および第3の態様よりも複雑化するものの、変動表示ごとに太鼓ランプ部a11〜a14が段階的に順次点灯していくという演出の仕方で実行することが可能になる。
以上説明したように、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態では、保留先読みの結果に応じた太鼓ランプ部a11〜a14を用いる点灯数増加演出を実行することで興趣性の向上を図ることができ、また、そのようなより興趣性の高い点灯数増加演出の実行ないし中断に伴う演出制御部a300の制御負担を軽減させることが可能になる。
なお、事前判定の結果に基づいて、大当たり図柄の種類に応じて、太鼓ランプ部a11〜a14の点灯色を異ならせても良い。具体的には、事前判定によって、大当たり遊技後に高確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1(図1−29−2参照))が判定された場合と、中確率状態に移行する大当たり(例えば4R長当たり2(図1−29−2参照))が判定された場合と、低確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり3(図1−29−2参照))が判定された場合とで、太鼓ランプ部a11〜a14を発光させる際の発光色を異ならせてもよい。
〔第2の形態例〕
第2の形態例について説明する。
ところで、例えば遊技者による参加を促すなどのために、事前判定による判定結果を単に報知して予告演出を行うのではなく、遊技者の操作手段の操作に基づいて判定結果を報知または示唆する演出を行う場合がある。
ここで、遊技機においては、遊技の進行に伴って、特別図柄の変動、停止に伴う演出が次々に実行される。これに伴って、演出を行う制御部においては、例えば画像表示装置の表示制御のための処理が行われ、その処理の負荷も大きくなっている。そのため、操作手段における操作を有効とする有効期間を予め設定したうえで、その有効期間内に操作手段の操作が実行されることを条件として判定結果を報知または示唆する演出を行うように構成する場合がある。一方で、このように構成した場合には、遊技者に対して、操作手段の操作が有効となるタイミングを適切に知らせたいという要請もある。
ただし、例えば有効期間に応じて画像表示装置における有効期間の表示態様を変化させようとすると、上述した演出のための表示制御に加えて、有効期間の表示のための表示制御の処理が必要となり、やはり演出を行う制御部の負荷が大きくなってしまう。
そこで、第2の形態例は、操作手段の操作に基づいて予告演出を実行する遊技機において、制御部の負荷を低減しながら、遊技者に操作手段の操作タイミングを適切に示唆するために、以下の構成を採用する。
すなわち、第2の形態例に係る遊技機b100は、所定の判定条件を満足したことを契機として、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するか否かを判定する判定手段b200(b234,b234)と、前記判定手段b200(b234,b234)による判定の結果を画像表示部b114において報知する判定結果報知手段b300と、操作部b161Pを有し遊技者により当該操作部b161Pの操作が可能な操作手段b161と、所定の有効期間に前記操作手段b161の前記操作部b161Pの操作が行われることを条件として、前記判定手段b200(b234,b234)による判定の結果を示唆する示唆演出を行う示唆演出実行手段b300と、前記有効期間を含む特定期間において前記操作手段b161の操作を指示する指示表示を前記画像表示部b114に表示させる操作指示表示手段b300と、前記操作手段b161に設けられ、前記有効期間において有効期間中であることを報知する報知手段b161Lと、を備えることを特徴とする遊技機である。
以下、「図2−」を含む図面番号を持つ図面(以下、図2ということがある)を参照して具体的に説明する。なお、第2の形態例について、第1の形態例の図面(図1)を参照する場合があり、その場合には、図1に記載されている符号の上一桁の「a」を「b」に置き換えたものとして説明することがある。
図2−2−2は、第2の形態例での演出ボタンb161を説明するための図である。かかる演出ボタンb161は、上述した図1−2の演出ボタンa161に相当するものである。
本実施形態の演出ボタンb161は、図2−2−2(a)に示すように、ボタン状に形成され遊技者が押下する操作が可能な操作部b161Pと、発光するボタンランプb161Lとを有している。ボタンランプb161Lは、ランプ制御部b320(図1−3のランプ制御部a320に相当)によって発光が制御される。そして、ボタンランプb161Lは、予め定められたタイミングで点灯および消灯をすることができる。本実施形態では、後述する先読み報知演出の実行の際、図2−2−2(b)に示すように、演出ボタンb161による操作が有効であるときに点灯する。また、図2−2−2(b)に示すように、演出ボタンb161の操作が無効となるときに消灯するように構成される。そして、ボタンランプb161Lは、先読み報知演出においては、演出ボタンb161の操作部b161Pの操作の有効期間中に有効期間であることを遊技者に対して報知する。
なお、先読み報知演出および演出ボタンb161のボタンランプb161Lの発光による有効期間の報知については後に詳しく説明する。
〔事前判定に基づく予告演出〕
第2の形態例の本実施形態では、第1の形態例にて説明した事前判定(保留先読み)に基づく予告演出のための構成を備え、そのための制御を行う(図1−27〜図1−31参照)。そのため、同じ構成や制御については、説明または図示を省略することがある。
〔報知コマンドの受け付け処理〕
図2−30は、演出制御部b300による報知コマンドの受け付け処理の内容を示すフローチャートである。なお、同図は、第1の形態例において図1−32に示す事前判定コマンド受信処理と共通する部分を含むものであるが、説明の便宜上、共通部分についても以下説明する。
上記の保留数増加コマンドの受信時の処理の後、演出制御部b300は、保留数増加コマンドから抽出された報知コマンド(ないし事前判定コマンド)がRAMb303に記憶されているか否かを判断する(ステップb3001)。報知コマンドが記憶されていると判断すると(ステップb3001でYes)、演出制御部b300は、RAMb303における今回の保留球に対応する記憶領域(第1〜4記憶部b305a〜b305dおよび第1〜4記憶部b306a〜b306dのいずれか)において、保留フラグおよび報知フラグ(ないし予兆フラグ(図1−32のステップa3202参照))をONにする。保留数増加コマンドから報知コマンドではなく通常コマンドが抽出された場合は、保留フラグのみをONにする(ステップb3002)。なお、報知コマンドが記憶されていない場合(ステップb3001でNo)には、報知コマンド受け付け処理を終了する。
なお、報知コマンドがRAMb303に記憶されている場合に常に報知フラグをONにする制御例の他に、種々の制御例が考えられる。その一例を説明すると、報知コマンドがRAMb303に記憶されている場合、報知フラグをONにするか否かの抽選(報知抽選)が行われ、報知抽選の結果が報知フラグをONにするとき(当選時)に報知フラグをONにする制御例である。
この場合の当選確率については、遊技状態にかかわらず一定にする例のほか、遊技状態に応じて変える例も考えられる。例えば、遊技状態が高確率遊技状態のときは低確率遊技状態のときよりも当選確率を高め、かつ、中確率遊技状態のときの当選確率を、高確率遊技状態と低確率遊技状態との間に設定する。
次に、演出制御部b300は、RAMb303の第1〜4記憶部b305a〜b305dおよび第1〜4記憶部b306a〜b306dのいずれかにおいて、報知フラグがONとなっているか否かを判断する(ステップb3003)。記憶部b305a〜b305d、b306a〜b306dのいずれかにおいて報知フラグがONとなっていると判断した場合(ステップb3003でYes)、次に演出制御部b300は、変動時間Hが所定値Kよりも大きいか否かを判断する(ステップb3004)。そして、変動時間Hが所定値Kよりも大きいと判断した場合には(ステップb3004でYes)には、予告演出を行うための報知演出コマンド(ないし保留数予兆表示コマンド(図1−32のステップa3204参照))をセットし(ステップb3005)、報知コマンド受け付け処理を終了する。
一方、第1〜4記憶部b305a〜b305dおよび第1〜4記憶部b306a〜b306dのいずれにおいても報知フラグがONとなっていないと判断した場合(ステップb3003でNo)および変動時間Hが所定値K以下であると判断した場合(ステップb3004でNo)、演出制御部b300は、先読み結果を報知しない通常演出を行うための通常演出コマンド(ないし保留数通常表示コマンド(図1−32のステップa3205参照))をセットし(ステップb3006)、報知コマンド受け付け処理を終了する。
なお、これらのコマンドは、演出制御処理において、保留数を遊技者に報知するためのものであり、保留球ごとの個別情報(第1始動口b121および第2始動口b122のいずれに係る保留球か、各始動口における何番目の保留球か等)を有している。また、報知演出コマンドには、第1〜4記憶部b305a〜b305dおよび第1〜4記憶部b306a〜b306dのいずれにおいて報知フラグがONとなっているのかという情報も含まれている。
より詳しくは、ここにいう変動時間Hとは、大当たり判定処理(図1−9参照)による特別図柄が変動する時間であり、当該変動に係る変動時間ということもできる。また、所定値Kは、予告演出を行うのに必要な時間(尺)よりも大きな値である。例えば、実行しようとする予告演出の尺が3秒である場合、所定値Kとして4秒の値を採用することが考えられる。これは、変動時間Hが実行しようとする予告演出の尺よりも長くなければ、図柄変動中に予告演出を行うことができないためである。したがって、第1〜4記憶部b305a〜b305dおよび第1〜4記憶部b306a〜b306dのいずれにおいて報知フラグがONとなっている場合であっても、変動時間Hが所定値K以下である場合には、報知演出コマンドではなく通常演出コマンドがセットされる(ステップb3003、b3004、b3006参照)。
〔演出選択時のフラグ設定処理〕
上記のように、保留数増加コマンドを受信した演出制御部b300は、受信した保留数増加コマンドに含まれる報知コマンドまたは通常コマンドに基づき保留フラグ等の設定を行う。そして、この保留フラグ等とそれ以前の保留球に関する情報とに基づき、演出にて保留球に関する情報を報知するためのコマンド(報知演出コマンドまたは通常演出コマンド)の設定を行う。
しかし、各保留球が対応する記憶領域b305、b306は、特別図柄の変動が行われて保留球が消化される度に切り替わる。例えば、第1〜4記憶部b306a〜b306dについて考える。この場合、第2始動口b122に入賞した保留球の最初の1つが消化されると、2番目乃至4番目の保留球は1番目乃至3番目の保留球に繰り上がる。そのため、各保留球が対応する記憶領域b306は、第2〜4記憶部b306b〜b306dの3つから第1〜3記憶部b306a〜b306cの3つに切り替わる。そこで、例えば演出選択処理(図1−21参照)において保留数が減算された際に(ステップa2103参照)、付加的な処理として、第1〜4記憶部b305a〜b305dおよび第1〜4記憶部b306a〜b306dのフラグが再設定される。
また、上記のフラグの再設定が行われると、これに伴って、演出にて保留球に関する情報を報知するためのコマンド(報知演出コマンドまたは通常演出コマンド)も再セットされる。コマンドセットの処理手順は、図2−30のステップb3003〜ステップb3006に示した手順と同様である。
なお、具体的には図示していないが、演出制御部b300がルーチン処理を実行する際に、事前判定コマンドと演出実行コマンドとを同時に受信する場合がある。この場合には、図2−30に示した報知コマンド受け付け処理のステップb3005またはステップb3006において、すでに報知演出コマンドまたは通常演出コマンドがセットされている。一方で、演出選択時においては、報知コマンド受け付け処理とは別に、保留球と記憶領域b305、b306とが切り替わった後の情報に基づいて、報知演出コマンドまたは通常演出コマンドをセットする。そのため、ステップb3005またはステップb3006でセットされたコマンドと、演出選択時にセットされたコマンドとは異なったものとなる。
引き続いて、先読み報知演出について具体的に説明する。
〔先読み報知演出の具体例〕
ここで、本実施形態による先読み報知演出の具体例について説明する。本実施形態では、画像表示部b114に表示される演出画像により保留球に関する情報を報知する。報知する情報には、保留球の有無、保留数、個々の保留球に関する先読み情報(事前判定の判定結果)が含まれる。
図2−31は、画像表示部b114に表示される保留球表示の例を示す図である。
図2−31に示す例では、画像表示部b114の画面の下部に第1保留球オブジェクトb51〜第4保留球オブジェクトb54と、第1保留球オブジェクトb51〜第4保留球オブジェクトb54を表示する位置を示す第1保留位置表示b61〜第4保留位置表示b64とを表示する。さらに、画像表示部b114の画面の下部には、保留球が消化されて変動が実行されていることを表現する台座画像b71と消化オブジェクトb72とを表示する。
第1保留球オブジェクトb51〜第4保留球オブジェクトb54は、第1始動口b121に入賞して発生した保留球を表示する画像である。図2−31(a)に示す例では、第1始動口b121における保留数の最大値である4個の保留球表示が行われている。基本的に第1保留球オブジェクトb51〜第4保留球オブジェクトb54は、同じ画像を用いて表現する。本実施形態では、「御輿」を模した画像をデフォルトの形としてそれぞれ用いている。
なお、本実施の形態では、第1始動口入賞の保留数が最大で4であることから、点灯個数の上限を4個としているが、他の数とすることも考えられる。例えば、第1始動口入賞の保留数のみならず、第2始動口入賞の保留数をも用いる場合には、保留球オブジェクトの数を8個上限とする等である。また、保留球オブジェクトの数の上限を4や8以外の数とすることも考えられる。
実際の遊技の際には、コマンド受信処理における保留数加算(図1−19のステップa1902参照)および演出選択処理における保留数減算(図1−21のステップa2103参照)による保留数の増減に応じて、画像表示部b114に表示される保留球表示が変化する。すなわち、この保留球表示によって、保留球の有無および保留数の情報が遊技者に対して報知される。
抽選待ちの順位として1番目の保留球の有無を表示する位置である第1保留位置表示b61と、2番目の保留球の有無を表示する位置である第2保留位置表示b62と、3番目の保留球の有無を表示する位置である第3保留位置表示63と、4番目の保留球の有無を表示する位置である第4保留位置表示b64とがそれぞれ設けられる。本実施形態では、第1保留位置表示b61〜第4保留位置表示b64は、台座画像b71に隣接して並べて設けられる。そして、台座画像b71に近い側から遠い側へと、第1保留位置表示b61〜第4保留位置表示b64の順に配置される。
そして、第1保留位置表示b61には第1保留球オブジェクトb51が表示され、第2保留位置表示b62には第2保留球オブジェクトb52が表示され、第3保留位置表示63には第3保留球オブジェクトb53が表示され、そして、第4保留位置表示b64には第4保留球オブジェクトb54がそれぞれ表示される。
消化オブジェクトb72は、台座画像b71の上側に表示される画像である。消化オブジェクトb72は、保留球オブジェクト(b51〜b54)と同じ形の画像である。そして、消化オブジェクトb72が台座画像b71にて表現される台座に載っているような表現を用いることで、保留球の消化が行われて当該変動が実行されていることを表示する。
例えば、第1始動口b121への入賞に応じてコマンド受信処理により保留数加算(図1−19のステップa1902参照)が行われると、第1保留球オブジェクトb51が表示され、第2保留球オブジェクトb52、第3保留球オブジェクトb53、第4保留球オブジェクトb54の順に表示されていく。
そして、特別図柄の変動に応じて演出選択処理により保留数減算(図1−21のステップa2103参照)が行われると、図2−31(b)に示すように、第4保留球オブジェクトb54を消し、台座画像b71の上に消化オブジェクトb72を表示する。これによって、第1保留球オブジェクトb51が台座画像b71の上に移動し、第2保留球オブジェクトb52〜第4保留球オブジェクトb54が台座画像b71側に移動したかのような動きを表現する。
また、新たに保留が発生する場合には、第4保留位置表示b64に第4保留球オブジェクトb54を表示する。
なお、ここでは第1始動口b121への入賞に基づく保留球の保留球オブジェクト表示について具体的に説明したが、第2始動口b122への入賞に基づく保留球に関しても同様である。
図2−32は、先読み報知演出について説明するための図である。
〔先読み報知演出の実行〕
本実施形態が適用されるパチンコ遊技機b100では、本実施形態の事前判定の判定結果を報知する演出である先読み報知演出を実行する。先読み報知演出は、2つの段階を備えて構成される。すなわち、遊技者に対して演出ボタンb161を操作するように指示を行う「操作指示演出」と、実際に演出ボタンb161の操作部b161Pが操作されたことに基づいて保留球オブジェクトの表示態様を変化させ、事前判定の結果を報知する「結果示唆演出」を実行する。このように、本実施形態では、保留球に対応する報知フラグがONである場合に、そのまますぐに事前判定の判定結果を報知するのではなく、遊技者による演出ボタンb161の操作に基づいて判定結果の報知を実行する。
(操作指示演出)
操作指示演出は、図2−32(a)に示すように、画像表示部b114の画面において、演出ボタンb161(図2−2−2参照)の操作を指示する画像である操作指示オブジェクトb73を表示する。そして、画像表示部b114において、報知対象となる保留球が存在することを示すとともに、その保留球に対して報知結果演出を実行するための演出ボタンb161の操作を促す。本実施形態では、操作指示オブジェクトb73は、演出ボタンb161の形を模した画像である。そして、操作指示オブジェクトb73を対応する保留球の保留オブジェクトに重ねるように表示する。図2−32(a)に示す例では、第3保留球オブジェクトb53に操作指示オブジェクトb73を重ねるように表示する。遊技者は、保留球オブジェクトに対応する保留球に関して先読み報知演出の実行が可能であることを把握できる。
加えて、本実施形態では、操作指示演出として、演出ボタンb161におけるボタンランプb161L(図2−2−2(a)参照)も点灯させる。これによって、画像表示部b114のみならず、手元の演出ボタンb161においても演出ボタンb161の遊技者による操作を促すことができる。
〔結果示唆演出〕
本実施形態では、操作指示演出が実行され、実際に演出ボタンb161が操作されることで、先読み報知演出を実行し事前判定処理の判定結果を報知する。ここで、保留球の先読み情報は、事前判定処理(図1−6のステップa605、a611参照)によって得られた情報であり、具体的には、当たりの種類(大当たり、小当たり、はずれ)、大当たりであった場合にはその大当たりの種類(例えば、高確率長当たり、中確率長当たり、低確率短当たり等)、演出の内容はリーチ有り演出であるのかリーチ無し演出であるのかといったことを示すための情報である。ただし、第1保留球オブジェクトb51〜第4保留球オブジェクトb54の態様を変化させる際には、判定結果をそのまま示す情報だけでなく、曖昧な表現や比喩的な表現を用いて判定結果を示唆し、遊技者に判定結果を推量させる情報を出力しても良い。
例えば、図2−32(b)に示すように、事前判定によって当たりの種類が大当たりであると判定された場合、演出ボタンb161の操作に基づいて、第3保留球オブジェクトb53にデフォルトの画像とは異なる白く光るエフェクトを施す。このように、例えば当たりの種類等によって第1保留球オブジェクトb51〜第4保留球オブジェクトb54の表示態様をデフォルトの形とは異ならせることで、遊技者に対して期待感を持たせるようにしている。なお、デフォルトの形を異ならせる演出のほかに、デフォルトの色や大きさが異なる等、遊技者が一見して認識可能な表示態様とすることが考えられる。
なお、事前判定の結果に基づいて、大当たり図柄の種類に応じて、保留オブジェクトにて判定結果を表示する態様を異ならせてもよい。具体的には、事前判定によって、大当たり遊技後に高確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1(図1−29−2参照))が判定された場合と、中確率状態に移行する大当たり(例えば4R長当たり2(図1−29−2参照))が判定された場合と、低確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり3(図1−29−2参照))が判定された場合とで、保留オブジェクトにて判定結果を表示する態様をそれぞれ異ならせてもよい。
なお、演出ボタンb161の1回の操作によって最終的な判定結果の報知を行うのではなく、演出ボタンb161の複数回の操作に基づいて判定結果を報知するようにしても良い。この場合、最終的な保留球オブジェクトの表示態様に向け、操作回数に応じて段階的に態様を変化させるように構成する。これによって、遊技者に対してより積極的な参加を促すことができるとともに、遊技者にとっても期待感が増し興趣性をさらに高められる。
また、事前判定の判定結果とは全く関係のない情報(言わば、ガセ情報)を出力しても良い。これらのように、事前判定の判定結果をそのまま示す情報以外の情報を混在させて提供することにより、判定結果をそのまま示す情報のみを提供する場合と比べて、遊技者が判定結果を推量することができるため、興趣性を高める効果を期待できる。
なお、図2−32(c)に示すように、操作指示演出が実行された後、その保留球が消化されるまでに、演出ボタンb161による操作が行われなければ、報知対象となる保留球に対応する保留球オブジェクトに重なるようにして操作指示オブジェクトb73を表示し続ける。例えば、図2−32(a)に示す状態にて当初3番目の保留球として報知対象が設定され、第3保留球オブジェクトb53に操作指示オブジェクトb73が重ねて表示される。そして、演出ボタンb161が操作されなければ、保留が消化されることで保留の順位が繰り上がり、図2−32(c)に示すように、その報知対象の保留球が第2保留球オブジェクトb52として表示された際に、第2保留球オブジェクトb52に重ねて操作指示オブジェクトb73を表示する。
その後、報知対象の保留球が消化されるまで、遊技者によって演出ボタンb161の操作が行われない場合がある。この場合には、報知対象の保留球が消化されるときであって、台座画像b71上にて消化オブジェクトb72が表示される際に、消化オブジェクトb72の画像をデフォルトの形ではなく、上記のとおり光のエフェクトを施すなど表示態様を変化させる。これによって、今回は演出ボタンb161の操作を行わなかった遊技者が、演出ボタンb161を操作することによって保留球オブジェクトの表示態様が変化し、先読み報知演出の存在を知ることができる。
〔結果示唆演出の操作の有効期間〕
引き続いて、結果示唆演出における有効期間の設定、および有効期間の表示(報知)について説明する。
図2−33は、有効期間に関わる操作指示表示と報知を説明するためのタイミングチャートである。
なお、図2−33の例では、まさに変動を行っている(当該変動)一の変動において、2個の保留球がある状態であって、2番目の保留球において報知フラグがONにセットされている。すなわち、2番目の保留球が先読み報知演出の対象である。そして、この保留球の先読み報知演出に関わる有効期間の操作指示表示および有効期間の報知について説明する。
まず、図2−33(a)および(b)を参照しながら、操作の有効期間について説明する。
本実施形態では、結果示唆演出を実行するために演出ボタンb161による操作が可能となる有効期間を定めている。有効期間は、例えば、図2−33(a)に示すように一の変動の変動中における一部の期間に設定される。一方で、一の変動が終了する直前や、一の変動が終了し次の変動が開始するまでの間は、結果示唆演出の実行のための演出ボタンb161による操作を無効にする。
具体的には、一の変動が終了する(変動が停止する)までには、図1−22を参照しながら説明したように、変動演出終了中処理が実行される。この変動演出終了中処理が実行されると、演出制御部b300は、変動停止コマンドを解析し(図1−22のステップa2201)、変動演出終了コマンドをセットする(図1−22のステップa2209)ための処理を行う。したがって、実際に変動が停止するまでの間は、演出制御部b300における各種処理の負担が大きくなる。
また、一の変動が終了し、次の変動を開始するまでの期間は、図1−21を参照しながら説明したように、演出選択処理が実行される。この演出選択処理が実行されると、演出制御部b300は、変動開始コマンドを解析し、変動演出開始コマンドをセットする(図1−21のステップa2105)のための処理を行う。したがって、実際に次の変動を開始するまでの間は、演出制御部b300における各種処理のための負担が大きい。
そして、上述した先読み報知演出に関しても、先読み報知演出における結果示唆演出を描画処理するのに一定の処理の負担がかかる。そこで、本実施形態では、図2−33(b)に示すように演出制御部b300における変動演出を実行するための処理において、上述のように処理の負荷が特に大きい期間には先読み報知演出における結果示唆演出を実行しないように、一の変動時間中において一定の期間においては無効期間を設けている。
一方で、図2−33(b)に示すように、一の変動時間中(または次の変動時間中)において、変動演出終了中処理が実行される期間以外においては、先読み報知演出のための演出ボタンb161による操作を有効にしている。すなわち、一の変動が行われる特定の期間のうち所定の期間においてのみ演出ボタンb161による操作が有効となる有効期間を設定する。
そして、本実施形態では、遊技者に対して操作演出を実行するための操作指示に関し、画像表示部b114と演出ボタンb161とで異なる指示態様を行っている。
まず、画像表示部b114に操作指示オブジェクトb73を表示して行う操作指示においては、保留球オブジェクトが表示されている限り、その保留球オブジェクトと共に表示し続ける。すなわち、有効/無効期間にかかわらず、画像表示部b114における表示を行う。本実施形態では、当該変動を区切りとして、報知対象の保留球に対応する保留球オブジェクトを表示する。そのため、図2−33(c)に示すように、変動表示動作中(入賞1回分の変動表示が行なわれている間)の期間に対応して、操作指示オブジェクトb73が表示される。すなわち、入賞1回分の変動表示を単位として保留球オブジェクトの更新が行われるため、当該変動の一連の期間に対応して操作指示オブジェクトb73の表示期間が設定される。
なお、例えば図2−33(a)に示すように、一の変動の変動期間と他の変動の変動期間との間には一定の期間がある。そして、遊技者が演出ボタンb161を操作しない場合で、一の変動と他の変動とが順に実行される際、その一定の期間中には操作指示オブジェクトb73が表示されないことになる。ただし、実際には、この一定の期間は微少であり、遊技者の見た目には一の変動と他の変動とを跨いで操作指示オブジェクトb73が継続して表示されているように見える。
さらに、本実施形態では、報知対象の保留球に対応する保留球オブジェクトに重ねて操作指示オブジェクトb73を表示させている。ここで、例えば保留球オブジェクトとは別に操作を指示するオブジェクトを表示する態様を採用してもよい。この場合、必ずしも報知対象の保留球の保留球オブジェクトの表示の更新に付随して操作指示オブジェクトb73を表示する必要がない。従って、例えば演出ボタンb161の操作が行われるまで、一の変動期間や他の変動期間を跨いで操作指示オブジェクトb73を表示し続ける構成とすることができる。
一方、演出ボタンb161では、図2−33(d)に示すように、操作有効期間に合わせてボタンランプb161Lを点灯させ、操作有効期間中に有効期間であることを報知する。すなわち、設定された操作の有効期間に一致させて演出ボタンb161のボタンランプb161Lを点灯させ、操作の無効期間に一致させて演出ボタンb161のボタンランプb161Lを消灯させる。
ボタンランプb161Lの点灯処理に関しては、変動表示や保留球の表示のための処理とは別に行われるため、演出制御部b300における処理の負荷が抑制される。そのため、本実施形態では、操作の有効期間に合わせた操作指示は、演出ボタンb161のボタンランプb161Lで行うように構成している。
特に、遊技者は、装飾図柄の変動表示が行われる画像表示部b114に注目している。そのため、先読み報知演出が実行され先読み結果を知ることができる状態にあることは、画像表示部b114に操作指示オブジェクトb73(図2−32(a)参照)を表示することが好ましい。また、演出ボタンb161の画像表示部b114における操作指示表示の態様を変化させず表示したままにすることで、演出制御部b300における描画処理の負荷の増大を抑制できる。
一方で、比較的に処理の負荷が小さいボタンランプb161Lにおいては有効期間を正確に表示することによって、遊技者が適切なタイミングで演出ボタンb161の操作を実行することができる。
なお、例えば時短状態などにおいて第2始動口b122(図1−1の第2始動口a122に相当)への入球機会が多くなる状態にあると、保留球の処理や変動表示のための処理などに伴って画像表示部b114における表示制御の処理が混み合う。このような遊技状態においては、特に、本実施形態の構成を適用することで、演出制御部b300の負荷を抑えながら、操作タイミングを適切に報知することができる。
また、本実施形態では、有効期間を報知するために、操作の有効時にランプを点灯し、操作の無効時にはランプを消灯する態様を用いたが、この報知態様に限定されるものではない。
例えば、演出ボタンb161にスピーカを設けて操作有効期間中には有効期間であることがわかるような音を出力したり、演出ボタンb161にファンを設けて操作有効期間中に有効期間であることが把握できるように送風を行ったりしても良い。
さらに、本実施形態では、事前判定(先読み)の結果の判定の結果を示唆する演出を、保留球表示に関連付けて行っているが、これに限定するものではない。保留球表示以外の態様に関連づけて、事前判定の結果を示唆する演出を行っても構わない。この場合においても、事前判定の結果を表示するために遊技者に操作手段の操作を指示する際に、画像表示部b114の画面においては設定される有効期間を含む特定期間において演出ボタンb161の操作を指示する操作指示画像を表示する。一方で、演出ボタンb161においては有効期間において有効期間中であることを報知するように構成すれば良い。
また、事前判定(先読み)の結果の判定の結果を示唆する演出の他の例として、以下の演出を例示することができる。
例えば、演出ボタンb161を連打または長押しするなど一定期間演出ボタンb161を操作し続けることを条件として、判定の結果を表示する演出を実行する。
この際に、操作の有効期間に対して、画像表示部b114に表示する演出ボタンb161の操作指示表示の表示を早めに切り上げる。そして、有効期間の終盤において、実際には操作を受け付けることが可能な期間であるにも関わらず、遊技者は有効期間が終了したかのように思わせる。ここで、画像表示部b114における操作指示表示の表示が終了した後、遊技者が演出ボタンb161を操作し続けて、条件である一定期間の操作を満足した場合には判定結果が報知される。これによって、あきらめずに演出ボタンb161を操作していた遊技者の気分を向上させることができる。
そして、上記の演出において、演出ボタンb161における操作の報知(ボタンランプb161Lの点灯)は、予め定めた操作の有効期間に一致させて行うようにする。このように構成することで、画像表示部b114の画面表示により有効期間が終了したと思う遊技者に対し、演出ボタンb161におけるボタンランプb161Lの点灯状態を気づかせることで、演出ボタンb161の操作を続けるきっかけをつくることができる。そして、結果として上述のように判定結果が報知されて、遊技者を気分良くさせることができる。
〔第3の形態例〕
第3の形態例について説明する。
ところで、従来の遊技機では、画像表示装置に画像を表示することにより様々な情報を遊技者に提示しているが、この種の画像は、遊技状態や遊技の進行に伴って行われる演出として表示されるものであった。そのため、情報を提示する予め決められた場面でのみ画像表示装置に表示されていた。また、このような演出のための画像は、遊技の進行に伴って制御される演出において用いられるため、表示される場面が限定されていた。
ここで、遊技状態や遊技の進行とは別に、画像表示装置に特定の画像を継続的に表示させれば、遊技状態や演出内容に関わらず、遊技者が遊技機にて遊技を行っている間を通じて遊技者の気分を盛り上げたり、遊技に興味を持たせたりする効果が期待できる。また、この特定の画像の表示態様を特定の遊技制御や演出に応じて変動させるようにすれば、特定の画像の表示態様により、特定の遊技状態や演出が行われることを遊技者に示唆することができる。そのため、この特定の画像に対する遊技者の興趣をさらに高めることができる。
そこで、第3の形態例は、遊技の進行に応じて行われる演出とは別に、画像表示装置に特定の画像を表示させることにより、遊技者の興趣を高めるために、以下の構成を採用する。
すなわち、第3の形態例に係る遊技機は、
始動条件の成立に応じて遊技情報を取得し、当該遊技情報に基づいて遊技制御を行う遊技制御手段c200と、
前記遊技制御手段c200から遊技制御に関する情報に基づいて、遊技の進行に応じた遊技演出の実行を制御する演出制御手段c300と、
演出画像を表示する画像表示手段c114と、
前記演出制御手段c300による演出の制御に基づき、前記画像表示手段c114による演出画像の表示を制御する画像制御手段c310と、を備え、
前記画像制御手段c310は、
前記画像表示手段c114の表示画面の一部に、前記遊技演出とは異なる特別演出を実行可能に構成し、
前記遊技制御手段c200により予め定められた特定の制御が前記遊技制御手段c200により行われる場合、または当該特定の制御に基づく前記演出制御手段c300による演出が実行される場合に、前記特別演出としての第1演出を実行し、
前記特定の制御が行われない場合は、前記遊技制御手段c200による遊技状態の制御および前記演出制御手段c300による演出の制御に関わらず、前記特別演出としての第2演出を実行すること、
を特徴とする。
以下、「図3−」を含む図面番号を持つ図面(以下、図3ということがある)を参照して具体的に説明する。なお、第3の形態例について、第1の形態例の図面(図1)を参照する場合があり、その場合には、図1に記載されている符号の上一桁の「a」を「c」に置き換えたものとして説明することがある。
〔画像表示部を用いた特別演出〕
次に、第3の形態例において本実施の形態で行われる特別演出について説明する。
上記のように、パチンコ遊技機c100では、遊技球の始動口c121、122(図1−1の始動口a121,a122に相当)への入賞等により得られる遊技情報に基づいて遊技制御部c200(図1−3の遊技制御部a200に相当)による遊技制御が行われ、この遊技制御に基づく遊技の進行に応じて演出制御部c300(図1−3の演出制御部a300に相当)により演出の実行が制御される。本実施の形態では、さらに、この遊技の進行に応じた演出(遊技演出)とは別に、画像表示部c114(図1−1または図1−3の画像表示部a114に相当)への画像表示による特別演出を行う。
図3−27は、第3の形態例での特別演出を説明する図である。
図3−27には、遊技演出としての装飾図柄の変動表示が行われている様子と、本実施の形態による特別演出が表示された画像表示部c114が示されている。図3−27に示す装飾図柄は、3個の図柄で構成される。装飾図柄を構成する各図柄には数字が記載されている。装飾図柄の変動表示においては、各図柄が、例えば上から下へ循環的に順送りされ、画像表示部c114の表示画面上でスクロールするような表示が行われる。また、装飾図柄は、第1特別図柄表示器c221または第2特別図柄表示器c222で行われる特別図柄の変動表示の停止に伴って変動表示を停止し、停止時の各図柄における数字の組み合わせにより、特別図柄抽選の抽選結果を示す。また、特に図示しないが、通常、画像表示部c114には、この装飾図柄と共に、様々な背景画像を表示する遊技演出が実行される。
本実施の形態による特別演出は、図3−27に示すように、画像表示部c114の表示画面の一部の領域(図示の例では右上)に、特定の画像c114aを表示させることにより行われる。この特定画像は、遊技演出における背景画像よりも遊技者から見て手前に表示される。図示の例では、特定の画像c114aとして、特定の人物(キャラクタ)の動画が表示される。この画像c114aは、原則として、遊技の進行に関わらず常時継続的に、画像表示部c114に表示されている。そして、画像c114aに表示されたキャラクタが、様々なアクション(動作)を行ったり、セリフを発したりする。
本実施の形態の特別演出は、予め定められた特定の制御が遊技制御部c200や演出制御部c300により行われたことを実行条件とする第1演出と、かかる特定の制御が行われていないときに、適宜にかつ単発的に実行される第2演出と、第1演出および第2演出のいずれも実行されないときに定常的に実行される第3演出とに分類することができる。さらに、本実施の形態において、第1演出は、実行条件に基づいて複数のカテゴリ(区分)に分類される。これらの特別演出では、画像c114aにおいて、表示されたキャラクタが、成立した実行条件に応じて特定されるカテゴリごとに予め設定されたアクションを行い、セリフを発する。
図3−28は、特別演出の構成例を示す図である。
同図に示す例では、第1演出である「激熱予告」、「大当たり」、「復活大当たり」の3種類のカテゴリと、第2演出である「単発」、第3演出である「待機」の各カテゴリに関して、アクションと、セリフと、実行条件とが記載されている。また、各カテゴリには、複数のアクションとセリフの組み合わせが例示されている。
図3−28に示す特別演出において、第1演出の「激熱予告」カテゴリの演出は、特別図柄抽選において大当たり等の特定の抽選結果に所定の信頼度で当選したことを実行条件として実行される。第1演出の「大当たり」カテゴリの演出は、特別図柄抽選において後述の復活大当たり以外の大当たりに当選したことを実行条件として実行される。第1演出の「復活大当たり」カテゴリの演出は、特別図柄抽選において復活大当たりに当選したことを実行条件として実行される。ここで、復活大当たりとは、装飾図柄の変動において、一時的にはずれを表す図柄で仮停止(疑似停止(本書において「疑似」を「擬似」と表すことがある))させた後に再び変動させ、その後に停止させて抽選結果を報知するような遊技演出が行われる大当たりである。なお、復活大当たりとその他の大当たりのいずれに当選したかは、特別図柄の変動パターンに基づいて特定される。
また、第2演出の「単発」カテゴリの演出は、特別図柄の変動において特定の変動パターンが選択されたことを実行条件として実行される。また、「単発」カテゴリの演出は、個々の演出ごとに、実行可能な変動パターンが対応付けられている。そして、特別図柄の変動において選択された変動パターンに基づき、実行する「単発」カテゴリの演出が決定される。
また、第3演出の「待機」カテゴリの演出は、上記の第1演出および第2演出のいずれも行われないときに、定常的に実行される。すなわち、特別演出では、通常は第3演出が継続的に実行され、第1演出または第2演出のいずれかの実行条件を満たした場合に、その実行条件に対応する特別演出が実行される。
上記のように、本実施の形態の特別演出において、第1演出および第2演出は、遊技制御部c200から演出制御部c300に送られる変動開始コマンドに含まれる大当たり図柄や変動パターン等の情報に基づいて、実行条件を満たすか否かが判断される。したがって、演出制御部c300が変動開始コマンドを取得したタイミングで、実行する特別演出が決定される。
また、本実施の形態において、第1演出および第2演出に含まれる個々の演出は、実行されるタイミングが予め定められている。例えば、第1演出の「復活大当たり」カテゴリの演出は、図3−28にも示すように、装飾図柄の変動がはずれの図柄で仮停止するタイミングで実行される。一方、特に図示していないが、「大当たり」カテゴリの演出は、装飾図柄の変動が停止して図柄が確定したタイミングで実行され、「激熱予告」カテゴリの演出は、装飾図柄の変動中の予め設定されたタイミングで実行される。また、第2演出の各演出も、それぞれ実行されるタイミングが特定されている。したがって、実行するタイミングが異なるのであれば、第1演出または第2演出における複数の演出が共に実行されることを妨げない。しかし、第1演出と第2演出の実行タイミングが重なっている場合は、本実施の形態では、第1演出が優先的に実行される。
なお、図3−27および図3−28に示した特別演出の例は、上記のように画像c114aに表示された動画によるキャラクタのアクションと音声によるセリフの組み合わせによって構成したが、セリフ音声は、設定により出力と非出力とを切り替え選択可能としても良い。セリフに関しては、音声による出力を行わない場合、または音声による出力の有無に関わらず、画像c114aに吹き出しを表示させて、視覚的に提示するような演出を行うことができる。
〔特別演出の制御〕
本実施の形態の特別演出は、上記のように、遊技制御部c200から送信された変動開始コマンドを受け付けた演出制御部c300の制御に基づき、画像/音響制御部c310により実行される。本実施形態の特別演出の制御手法の一例としては、演出制御部c300が実行する特別演出を選択し、画像/音響制御部c310が演出制御部c300により選択された特別演出を実行するか否かを決定する手法が考えられる。
図3−29は、上記の特別演出の制御手法における演出制御部c300の動作例を示すフローチャートである。
図3−29に示す例では、演出制御部c300は、遊技制御部c200から変動開始コマンドを取得すると(ステップc2901)、まず、第3演出である「待機」カテゴリの演出(以下、待機演出)を変更するか否かを決定する(ステップc2902)。待機演出は、大当たりの種類や変動パターンに関わらず定常的に実行されるものであるが、所定の条件に基づき、実行する待機演出の種類が変更される。例えば、特別図柄の変動が所定回数行われた場合に、実行中の待機演出を他の待機演出に変更する等の条件を設定することができる。
待機演出を変更すると決定した場合(ステップc2902でYes)、演出制御部c300は、次に実行する待機演出を選択する(ステップc2903)。次に実行する待機演出の選択は、例えば所定の切り替え規則に基づいて行うことができる。また、変動開始コマンドの受信時に取得される演出乱数として待機演出用乱数の乱数値を取得し、取得した乱数値に基づいて待機演出の選択を行うこともできる。
一方、待機演出を変更しないと決定した場合(ステップc2902でNo)、演出制御部c300は、次に実行する待機演出として、現在実行中の待機演出を選択する(ステップc2904)。これにより、第3演出である待機演出においては、現在の状態が維持される。
次に、演出制御部c300は、第1演出を選択する(ステップc2905)。本実施の形態では、第1演出は、変動開始コマンドの受信に伴う本動作において、必ず、カテゴリごとに一つずつ選択される。したがって、ここでは、図3−28を参照して説明した三つのカテゴリの第1演出に関して、それぞれ実行する演出の選択が行われる。第1演出の選択は、例えば変動開始コマンドの受信時に取得される演出乱数として各カテゴリの演出用の乱数(「激熱予告」カテゴリの演出用乱数、「大当たり」カテゴリの演出用乱数、「復活大当たり」カテゴリの演出用乱数)の乱数値を取得し、取得した乱数値に基づいて各第1演出の選択を行うこともできる。
次に、演出制御部c300は、ステップc2901で取得した変動開始コマンドに基づき、変動パターンを確認する(ステップc2906)。そして、演出制御部c300は、確認された変動パターンに対応する(すなわち、その変動パターンで実施可能な)第2演出である「単発」カテゴリの演出を一つ選択する(ステップc2907)。なお、確認された変動パターンに対応する第2演出が複数存在する場合は、例えば変動開始コマンドの受信時に取得される演出乱数として「単発」カテゴリの演出用の乱数の乱数値を取得し、取得した乱数値に基づいて第2演出の選択を行うこともできる。また、確認された変動パターンに対応する第2演出が存在しない場合は、ステップc2907において第2演出の選択は行われない。
以上のようにして選択された各第1演出(本実施の形態では三つ)、第2演出、第3演出(待機演出)の情報は、図1−18(b)に示したコマンド送信処理(ステップa1813)により、画像/音響制御部c310へ送信される。
図3−30は、演出制御部c300から上記の特別演出の情報を取得した画像/音響制御部c310の動作例を示すフローチャートである。
図3−30を参照すると、画像/音響制御部c310は、演出制御部c300から特別演出の情報を含むコマンドの受信を確認すると(ステップc3001)、受信したコマンドに基づいて、待機演出の内容を確認する(ステップc3002)。ここで、現在実行中の待機演出とは異なる演出が選択されていれば、待機演出が切り替わり、実行中の待機演出と同じ演出が選択されていれば、実行中の待機演出が維持されることとなる。この後、画像/音響制御部c310は、選択された待機演出の画像を図3−27に示した画像c114aとして画像表示部c114に表示させるため、画像のデータをRAMc313にセットする(ステップc3003)。
次に、画像/音響制御部c310は、各第1演出が実行可能か否かを判断する(ステップc3004)。具体的には、特別図柄抽選の抽選結果および変動パターンに基づいて、演出制御部c300から受信したコマンドにより特定される「激熱予告」カテゴリの演出を実行可能か否かを判断する。また、特別図柄抽選の抽選結果が復活大当たり以外の大当たりか否かに基づいて、「大当たり」カテゴリの演出を実行可能か否かを判断する。また、特別図柄抽選の抽選結果が復活大当たりか否かに基づいて、「復活大当たり」カテゴリの演出が実行可能か否かを判断する。そして、実行可能な第1演出が存在するならば、その第1演出の画像を図3−27に示した画像c114aとして画像表示部c114に表示させるため、画像のデータをRAMc313にセットする(ステップc3005)。
次に、画像/音響制御部c310は、第2演出が実行可能か否かを判断する(ステップc3006)。第2演出は、変動パターンに基づいて選択されているので、原則的には必ず実行することができる。ただし、いずれかの第1演出が実行可能であり、その第1演出の実行タイミングと第2演出の実行タイミングとが重なっている場合は、第1演出が優先的に実行されるため、第2演出を実行することができない。したがって、ここでは、実行可能とされた第1演出の実行タイミングと第2演出の実行タイミングとに基づいて、第2演出を実行可能か否かが判断される。また、図3−29のステップc2907で、変動パターンによっては第2演出の選択が行われず、実行可能な第2演出が存在しない場合もある。そして、第2演出を実行可能であるならば、画像/音響制御部c310は、その第2演出の画像を図3−27に示した画像c114aとして画像表示部c114に表示させるため、画像のデータをRAMc313にセットする(ステップc3007)。
以上のようにして、本実施の形態によれば、演出制御部c300の制御による遊技球の入賞等に基づく遊技演出とは別に、画像表示部c114を用いた特別演出が継続的に実行される。これにより、遊技の進行とは関連せずに、継続的に遊技者の気分を盛り上げ、遊技に興味を持たせることができる。また、特別図柄抽選において大当たりに当選する等、特定の遊技制御が行われる場合には、第1演出により遊技に関する情報を遊技者に提示することができるので、遊技者の興趣をより一層高めることができる。
なお、上記の実施の形態では、図3−29および図3−30を参照して説明した動作例において、変動開始コマンドを受信する度に実行する待機演出を選択することとした(ステップc2903参照)。しかしながら、画像/音響制御部c310において待機演出を切り替える順序等が設定されている場合には、単に待機演出を切り替えるか否かのみを決定し、その旨のコマンドを演出制御部c300から画像/音響制御部c310へ送るようにしても良い。
また、上記の動作例においては、演出制御部c300が実行する特別演出を選択し、画像/音響制御部c310が選択された特別演出を実行可能か否かを判断して、実行可能な特別演出を実行した。これに対し、演出制御部c300において実行可能な特別演出のカテゴリのみを決定し、実行する演出の選択は画像/音響制御部c310が行うように構成しても良い。この場合、演出制御部c300は、特別図柄抽選の抽選結果および変動パターンに基づいて、第1演出における「激熱予告」カテゴリを実行可能か否か、「大当たり」カテゴリまたは「復活大当たり」カテゴリのいずれかを実行可能か否かを判断する。そして、実行可能と判断した第1演出のカテゴリの情報と、遊技状態によらずに実行可能な、第2演出である「単発」カテゴリおよび第3演出である「待機」カテゴリの情報とを、コマンドにて画像/音響制御部c310に通知する。そして、画像/音響制御部c310は、取得したカテゴリの情報に基づき、該当するカテゴリの演出を一つずつ選択し、実行する。
さらに、上記の実施形態では、特別演出による画像c114aを画像表示部c114に継続的に表示させることとしたが、演出制御部c300により特殊な演出が実行される場合には、画像c114aを非表示とし、特別演出を実行しないように制御することも可能である。また、上記の実施の形態では、画像c114aに特定のキャラクタを表示し、そのキャラクタのアクションとセリフにより特別演出を行ったが、特別演出の具体的な態様は、上記の実施の形態には限定されない。遊技球の入賞等に基づく遊技演出とは異なる演出として実行される演出であれば、様々な態様を採り得る。
なお、大当たり図柄の種類に基づいて、特別演出の態様をさらに細かく異ならせても良い。例えば、大当たり遊技後に、大当たり遊技後に高確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1(図1−17−2参照))が判定された場合と、中確率状態に移行する大当たり(例えば4R長当たり2(図1−17−2参照))が判定された場合と、低確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり3(図1−17−2参照))が判定された場合とで、特定のキャラクタのアクションやセリフを異ならせてもよい。
さらにまた、上記の形態例では大当たりの種類に応じて実行する特別演出(第1演出)が選択される例を示したが、パチンコ遊技機c100の遊技状態に応じて選択され実行される特別演出を用意することも考えられる。この場合、例えば、以前に取得した変動開始コマンドに基づいて認識される現在の遊技状態(高確率状態、中確率状態または低確率状態)に応じて実行可能な特別演出が選択される。そして、単発で行われる第2演出等のように、予め定められた適当なタイミングで、選択された特別演出が実行される。これにより、本形態例の特別演出により現在の遊技状態を示唆することができる。
本実施の形態では、図1−17−2を参照して説明したように、特別図柄抽選で大当たりに当選した場合、大当たり遊技後に高確率状態か中確率状態のいずれかに移行し、その後、特別図柄抽選が80回行われると低確率状態へ移行する。また、大当たりの種類によっては、大当たり遊技後の遊技状態が特別図柄抽選の実行回数に応じて変化する場合がある。図1−17−2に示した例では、4R長当たり2や4R短当たり2に当選した場合、大当たり遊技後の遊技状態は、特別図柄抽選80回のうち前半の40回までは高確率状態となり、後半の40回は中確率状態となる。したがって、本形態例の特別演出において遊技状態を示唆することにより、遊技者の遊技に対する集中を高めることができる。なお、特別演出による遊技状態の示唆は、適当な信頼度を設定して行う(適当な確率で偽の情報を含む)ようにしても良い。
〔第4の形態例〕
第4の形態例について説明する。
ここで、大当たり遊技中は、多くの賞球を獲得することができ、遊技者の気分が高揚し、遊技に対する集中力を維持回復することが期待できるものの、大当たり中に行われる演出によっては、却って遊技者の集中力が低下してしまうおそれがある。
そこで、第4の形態例は、大当たり遊技中に行う演出で遊技者の遊技に対する意欲の低下を抑制することを可能にするために、以下の構成を採用する。
すなわち、第4の形態例に係る遊技機は、入賞を契機に行われる判定の結果に応じて大入賞口d125を開閉する大当たり遊技を遊技制御部d200が行い、当該大当たり遊技に伴う演出を演出制御部d300が行う遊技機d100であって、前記遊技制御部d200は、前記判定の結果が第1の大当たり遊技である場合、前記大入賞口d125への入球を容易にする連続の長開放動作に続けて開放時に当該大入賞口d125への入球が容易でない連続の短開放動作を行う第1の開放動作制御手段d201と、前記判定の結果が前記第1の大当たり遊技とは異なる第2の大当たり遊技である場合、前記連続の長開放動作を行うと共に前記連続の短開放動作を行わない第2の開放動作制御手段d201と、を備え、前記演出制御部d300は、大当たり遊技が終了するときに行われる終了表示演出を前記第1の大当たり遊技で行う場合、前記連続の短開放動作中に当該終了表示演出を行う終了表示演出制御手段d301を備える、ことを特徴とするものである。
以下、図4を参照して具体的に説明する。なお、第4の形態例について、第1の形態例の図面(図1)を参照する場合があり、その場合には、図1に記載されている符号の上一桁の「a」を「d」に置き換えたものとして説明することがある。
〔大当たり遊技時の開放動作〕
次に、第4の形態例において遊技制御部d200の大入賞口動作制御部d238(図1−4の大入賞口動作制御部a238に相当)により行われる大入賞口d125(図1−1の第1大入賞口a125Aに相当)の制御について説明する。
図4−27は、第4の形態例での大当たり遊技時の大入賞口d125の開放制御を説明する図である。
同図に示すように、大当たり遊技時の大入賞口d125の制御内容には、動作制御開始時のオープニング(OP)と、動作制御終了時のエンディング(ED)と、を含み、これらオープニングとエンディングとの間における連続した所定回数(n)の開放を含む。そして、このような連続の開放は、インターバル(IN)を挟んで行われる。
より詳細には、大入賞口動作制御部d238が大入賞口d125の動作制御を開始すると、大入賞口動作制御部d238は、まずオープニング時間の間、オープニング動作を行う。そして、大入賞口動作制御部d238は、大入賞口d125にて1回目の開放状態を設定し、開放時間後に大入賞口d125を閉口する(R1)。引き続き、インターバル時間の経過の後、大入賞口動作制御部d238は、大入賞口d125にて2回目の開放状態を設定し、開放時間後に大入賞口d125を閉口する(R2)。そのような大入賞口d125の開閉を所定回数であるn回行った後(Rn)、大入賞口動作制御部d238は、エンディング時間の間だけエンディング動作を行って、大入賞口d125の動作制御を終了する。
なお、大入賞口d125の連続開放が終了してから大当たり遊技が終了するまでの期間(エンディング)を、大当たり遊技の終期ということができる。
〔第1の実施の形態〕
次に、第1の実施の形態に係る大当たりの遊技制御と大当たり遊技の演出制御との関係について説明する。
図4−28は、第1の実施の形態に係る大当たりの遊技制御と大当たり遊技の演出制御との関係を説明する図であり、(a)は、演出制御の第1の態様を示し、(b)は、演出制御の第2の態様を示す。なお、第4の形態例を説明する図4−28では、長当たり(図1−20参照)を特定図柄Aとして示す。また、長当たり後短当たりを特定図柄Bとして示す。なお、特定図柄Aおよび特定図柄Bは、時短がある当たりであるが、特定図柄Aおよび特定図柄Bを時短がない当たりとすることもできる。
図4−28の(a)または(b)に示すように、大当たり図柄が特定図柄Aである場合、遊技制御部d200のCPUd201(図1−3のCPUa201に相当)は、オープニング動作の後、1ラウンド当たり29.5秒の長開放動作を連続して16ラウンド行い(長開放16R)、最後にエンディング動作(ED16)を経て一連の大当たり遊技を終了する。
また、大当たり図柄が特定図柄Bである場合、CPUd201は、オープニング動作の後、1ラウンド当たり29.5秒の長開放動作を連続して4ラウンド行い(長開放4R)、続いて1ラウンド当たり0.1秒の短開放動作を連続して12ラウンド行い(短開放12R)、最後にエンディング動作(ED4)を経て一連の大当たり遊技を終了する。
このような連続の長開放動作は、大入賞口d125への入球を容易にする動作であり、また、連続の短開放動作は、大入賞口d125への入球が容易でない動作である。
そして、大当たり図柄が特定図柄Aである場合、演出制御部d300のCPUd301(図1−3のCPUa301に相当)は、大当たり遊技の開始に伴って大当たり演出を開始する。そして、16ラウンドの長開放が完了し、CPUd201によるエンディング動作(ED16)に移ると、CPUd301は、終了表示演出を実行する。ここにいう終了表示演出とは、大当たり遊技が終了するときに行われるものをいう。詳細は後述する。
より詳細には、特定図柄Aの場合における終了表示演出の開始タイミングは、16ラウンドの長開放(長開放16R)の動作完了時ないしエンディング動作(ED16)の開始時であり、また、終了表示演出の終了タイミングは、エンディング動作(ED16)の終了時である。
また、大当たり図柄が特定図柄Bである場合、CPUd301は、終了表示演出が短開放12Rの動作中に行われるように演出制御する。すなわち、特定図柄Bである場合における終了表示演出は、特定図柄Aの場合のようなエンディング動作(ED4)が始まる時に開始されるのではなく、それよりも早い時期に開始されることになる。
さらに説明すると、終了表示演出は、エンディング動作(ED4)の終了時に終了する必要があり、その条件を満たすように、CPUd301により短開放12Rの動作中に実行される。
より具体的には、図4−28の(a)に示す第1の態様では、短開放12Rの開始と共に行っており、また、同図の(b)に示す第2の態様では、短開放12Rの開始後の所定の時に行っている。
すなわち、図4−28の(a)では、特定図柄Bの場合において、特定図柄Aの場合における終了表示演出の内容を短開放12Rの開始と共に開始したときにエンディング動作(ED4)の終了時に終了表示演出が終わるように、エンディング動作(ED4)の時間について所謂尺合わせが行われている。なお、特定図柄Bの場合の演出時間T4aは、特定図柄Aの終了表示演出の演出時間T16aと同じである。
また、同図の(b)では、特定図柄Bの場合に実行される終了表示演出は、エンディング動作(ED4)の終了に合わせて終了表示演出が終わるように、短開放12R中の所定の時に開始する制御が行われる。なお、特定図柄Bの場合の演出時間T4bは、特定図柄Aの終了表示演出の演出時間T16bと同じである。
このように、特定図柄Bの場合に特定図柄Aとは異なるタイミングで終了表示演出を行う理由は以下のとおりである。すなわち、大当たり図柄が特定図柄Bの場合は、特定図柄Aの場合に比べて獲得可能な賞球の数が少ない。すなわち、特定図柄Bの場合では、長開放動作が4ラウンド行われることで、賞球を容易に獲得できるものの、その後に続けて短開放動作が12ラウンド行われても、賞球を獲得することが困難である。そのため、より少ない発射球でより多くの賞球を獲得しようとする遊技者であれば、12ラウンドの短開放動作中は遊技球の発射を止めてしまうこと(止め打ち)が想定される。このような止め打ちが行われると、大当たり図柄が特定図柄Bの大当たりが多ければ多いほどパチンコ遊技機d100の稼働率が低下し、ホール店としては好ましくない事態を招いてしまうおそれがある。
また、遊技者からすると、長開放動作(長開放4R)のときに遊技球を発射して賞球を得た後、短開放動作(短開放12R)のときに止め打ちし、さらに長いエンディング動作(ED4)のときに、遊技状態に関係のない情報である終了表示演出を見続けることになる。このため、それまで維持してきた遊技に対する遊技者の集中力を削いでしまうおそれがある。
そこで、かかる不都合な事態に対処すべく、大当たり図柄が特定図柄Bである場合の大当たり遊技における終了表示演出の開始時を繰り上げてエンディング動作(ED4)の時間(エンディング時間)を短くしている。すなわち、長開放動作(長開放4R)が終わってから大当たり遊技が終了するまでの期間が短くなるように遊技制御および演出制御を行っている。これにより、稼働率の低下を防止すると共に遊技者の集中力が維持されるようにしている。
次に、終了表示演出で表示される画像について説明する。
図4−29は、終了表示演出で画像表示部d114に表示される画像例を示す図であり、(a)は、最初に表示される画像例を示し、(b)は、(a)の次に表示される画像例を示す。なお、図4−29の(a)と(b)の表示順序を逆にする変形例も考えられる。
かかる終了表示演出は、大当たり遊技終了の際に画像表示部d114(図1−1または図1−3の画像表示部a114に相当)にて行われるものであり、例えば、大当たり後に確変が継続することを報知する「継続」という文字を表示する演出や、パチンコ遊技機d100(図1−1のパチンコ遊技機a100に相当)を製造した会社を示す会社ロゴの画像を表示する演出などが含まれる。
なお、終了表示演出において、遊技状態を示唆する態様を採用することが考えられる。例えば、確変(高確率遊技状態または中確率遊技状態)のときは、「継続」の文字を通常のとき(低確率遊技状態)とは異なる色や大きさ等で表示する示唆演出である。
また、終了表示演出として、プリペイドカードを取り忘れないように注意喚起する画像を表示する演出(注意喚起演出)を含む場合がある。より詳細には、注意喚起演出を行う表示タイミングとしては、大当たり終了の際であるが、全ての大当たり終了の際に注意喚起演出を必ず行わなければならないというものではない。例えば、初回、潜伏時の大当たりの場合には、出球あり大当たり終了の際に表示するという演出制御が考えられる。また、確変・時短中の大当たりの場合には表示しないという演出制御が考えられる。
なお、大当たり図柄が特定図柄Bである場合の終了表示演出の内容は、大当たり図柄が特定図柄Aである場合の終了表示演出の内容と同じである。
本実施の形態における終了表示演出では、CPUd301の制御下で、まず図4−29の(a)に示すように、画像表示部d114に、「継続」の文字d11および注意喚起画像d12が表示される。なお、図4−29の(a)に示す画像例において注意喚起画像d12を省略して「継続」の文字d11を表示する変形例も考えられる。
図4−29の(a)では、右打ちにより遊技を行う状態であることを示す画像も表示されている。
このように、終了表示演出の演出時間T4aを短くするために、1つの画面で複数の情報を遊技者に報知する態様を採用している。
その後、図4−29の(b)に示すように、画像表示部d114の表示内容が「○△□会社」という会社ロゴの画像d13に切り換わる。
なお、終了表示演出は、CPUd301により行われるエンディング演出選択処理(図1−24参照)でセットされるエンディング演出開始コマンド(図1−24のステップa2403参照)を基に、画像/音響制御部d310のCPUd311により行われる。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態に係る大当たり遊技の演出制御について説明する。なお、第2の実施の形態は、第1の実施の形態と共通する構成・機能を有することから、共通する構成には、同じ符号を用い、また、共通する構成・機能の説明および図示を省略することがある。第1の実施の形態について上述した各種の変形例を、第2の実施の形態に適用することが考えられる。また、第2の実施の形態の構成ないし制御の一部を第1の実施の形態に適用することが可能であり、また、第1の実施の形態の構成ないし制御の一部を第2の実施の形態に適用することも可能である。
図4−30は、第2の実施の形態に係る終了表示演出の内容を説明する図である。なお、同図には、終了表示演出において注意喚起画像d12を表示する場合(上段)と注意喚起画像d12を表示しない場合(中段)と注意喚起画像d14bを表示する場合(下段)を示し、いずれも演出制御部d300のCPUd301により制御される。また、終了表示演出は、演出時間T4a,T16a,T4b,T16bであり、同一であるものとする。
終了表示演出において注意喚起画像d12を表示する場合、図4−30の上段に示すように、終了表示演出の開始から時点ta1までの間、画像表示部d114に注意喚起画像d12が表示される。そして、時点ta1で「継続」の文字d11に切り換わり、時点ta2まで表示される。さらに、時点ta2で会社ロゴの画像13に切り換わり、終了表示演出の終了まで表示される。
また、終了表示演出において注意喚起画像d12を表示しない場合、図4−30の中段に示すように、終了表示演出の開始時に「継続」の文字d11が画像表示部d114に表示される。そして、時点tb1で、会社ロゴの画像d13に切り換わり、終了表示演出の終了時まで表示される。
さらに説明すると、終了表示演出において注意喚起画像d12を表示する場合における時点ta2から終了表示演出の終了時までの時間と、注意喚起画像d12を表示しない場合における時点tb1から終了表示演出の終了時までの時間とは、互いに同じである。すなわち、会社ロゴの画像d13を表示する時間は一定時間にしている。これにより、機種開発の担当者の負担軽減を図ることが可能になる。
終了表示演出において注意喚起画像d14bを表示する場合、図4−30の下段に示すように、終了表示演出の開始時に、「継続」の文字d14aと注意喚起画像d14bとを含む画像d14が画像表示部d114に表示される。そして、時点tc1で、会社ロゴの画像d13に切り換わり、終了表示演出の終了時まで表示される。
なお、紙面スペースの都合上、図4−30の下段では、画像d14内の注意喚起画像d14bの全てを図示することはせず、部分的に省略している。
付言すると、図4−30の下段の場合でも、会社ロゴの画像d13を表示する時間は一定時間にしている。
さらに説明すると、画像d14において、注意喚起画像d14bは、図4−30の上段に示す注意喚起画像d12よりも小さく表示されている。すなわち、注意喚起画像12は、より目立つように表示され、注意喚起画像d14bがあまり目立たないように画像d14の一部として表示される。
ここで、注意喚起画像d12を表示する場合と注意喚起画像d14bを含む画像d14を表示する場合について説明する。画像表示部d114に目立つように表示される注意喚起画像d12は、比較的多くの賞球を獲得する長当たり(大当たり図柄が特定図柄A)のときに表示する制御例が考えられる。また、画像表示部d114にあまり目立たないように表示される注意喚起画像d14bは、多くの賞球を獲得することが困難な長当たり後短当たり(大当たり図柄が特定図柄B)のときに表示する制御例が考えられる。注意喚起画像d12と注意喚起画像d14bのかかる使い分けにより、より適切な注意喚起を行うことが可能になる。
以上説明したように、第1の実施の形態および第2の実施の形態では、賞球の獲得が困難な大入賞口d125の開放動作を含む大当たり遊技中に遊技者が集中力を維持することが可能であり、また、ホール店での稼働率低下を抑制することが可能になる。
〔第5の形態例〕
第5の形態例について説明する。
ここで、判定に基づいて行われる特別図柄の変動に際して行われる演出は、その変動における遊技の興趣を高めるために行われるので、通常、特別図柄の変動の開始に伴って開始される。ここで、遊技機の多くは、特別図柄の変動中にさらに遊技球の始動口への入賞があった場合に、所定個数を限度として、大当たり判定に係る権利を保留する。そして、特別図柄の変動および停止を繰り返しながら、保留された大当たり判定に係る権利に基づいた判定を行っていく。そのため、ある入賞に基づく大当たり判定に係る権利が保留された場合、当該保留された権利に基づく判定が行われるまでに、先行して保留されている保留の数によりある程度の時間を要することになり、これに伴って、当該保留された権利に基づく判定結果により実行される特別図柄の変動時の演出が開始されるまでにも時間を要することとなる。
一方で、遊技者にとっては、遊技球を発射して入賞口に入賞させることが遊技における主要な操作である。したがって、入賞に応答して直ちに何らかの演出を行うことにより、遊技における遊技者の動作と演出との関連を強く印象付け、遊技に対する遊技者の興趣をより一層高めることができる。
そこで、第5の形態例は、遊技球の入賞を契機として、特別図柄の変動に伴う演出に関連付けた演出を行うことにより、遊技に対する遊技者の興趣を高めるために、以下の構成を採用する。
すなわち、第5の形態例に係る遊技機は、
所定の始動領域への遊技球の入賞を契機として、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行するか否かを判定する判定手段(e234)と、
前記判定手段(e234)による判定結果に応じて、所定時間、図柄を変動表示させた後に、当該判定結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示手段(e114、e221、e222)と、
前記始動領域への遊技球の入賞に応じて、所定個数を限度として、前記判定手段(e234)による判定を受ける権利を記憶する記憶手段(e203、e303)と、
前記記憶手段(e203、e303)にて記憶される前記権利に関して、前記判定手段(e234)による判定が行われる前に、前記特別遊技状態に移行するか否かに関する事前判定を行う事前判定手段(e200)と、
前記図柄表示手段(e114、e221、e222)による図柄の表示に応じて演出を行う演出制御手段(e300)と、を備え、
前記演出制御手段(e300)は、
前記事前判定手段(e200)による事前判定の結果に基づき、特別演出を行うことを決定し、
前記始動領域への遊技球の入賞を契機として、前記特別演出が行われるのに先立って、当該特別演出が行われる可能性があることを示唆する前兆演出を実行すること、
を特徴とする。
以下、「図5−」を含む図面番号を持つ図面(以下、図5ということがある)を参照して具体的に説明する。なお、第5の形態例について、第1の形態例の図面(図1)を参照する場合があり、その場合には、図1に記載されている符号の上一桁の「a」を「e」に置き換えたものとして説明することがある。
〔事前判定に基づく特別演出〕
次に、第5の形態例において行われる事前判定に基づく特別演出について説明する。
第5の形態例では、第1の形態例として図1−6を参照して説明したように、第1始動口e121(図1−1または図1−3の第1始動口a121に相当)に遊技球が入賞して第1始動口スイッチe211(図1−3の第1始動口スイッチa211に相当)がONとなった場合、および第2始動口e122(図1−1または図1−3の第2始動口a122に相当)に遊技球が入賞して第2始動口スイッチe212(図1−3の第2始動口スイッチa212に相当)がONとなった場合に、図柄変動時の大当たり判定(図1−8のステップa808、a809参照)に先立って、事前判定(先読み)を行う(図1−6のステップa605、a611参照)。
また、本実施の形態では、遊技球の入賞に基づく大当たり判定の権利が保留された場合、演出制御部e300は、上記の事前判定の結果に基づいて、特別演出を行うか否かを決定する。ここで事前判定とは、大当たりであるか否かの事前判定に限らず、選択された特別図柄の変動パターン(変動時間)に関する事前判定であっても良い。この場合、例えば事前判定により大当たりではないと判定された場合であっても、特定の変動パターンが選択されたと事前判定されることに基づいて特別演出を実行することとしても良い。また、特別演出を実行するか否かの決定の契機となる始動口への遊技球の入賞が、大当たり判定に関する権利の保留数が0の状態での入賞であった場合は、その特別演出の実行有無の決定は事前判定ではなく図柄変動時の大当たり判定によりなされることとなる。本実施の形態において、演出制御部e300は、この特別演出として、特別図柄変動時における画像表示部e114に表示される背景画像を特定の画像(例えば夜の背景を表す画像)に切り替える演出を行う。
図5−27は、第5の形態例での特別演出の例を示す図である。
図5−27(a)は、本実施の形態による特別演出が実行される前における画像表示部e114の表示画面の様子であり、図5−27(b)は、本実施の形態による特別演出が実行された後における画像表示部e114の表示画面の様子である。図示の例では、特別演出による背景画像の切り替え前は、昼の景色を表す画像となっており、特別演出による背景画像の切り替え後は、夜の景色を表す画像となっている。
本実施の形態において、特別演出は、始動口e121、e122への遊技球の入賞を契機として実行される。すなわち、ある保留に関して特別演出を行うと決定した場合に、先行する保留が消化されて、特別演出を行うと決定された入賞(保留)に基づく特別図柄の変動表示の開始に伴って特別演出が開始されるのではなく、始動口e121、e122への入賞により実行される事前判定で、特別演出の実行が決定された時点において直ちに特別演出が実行される。これにより、始動口e121、e122への入賞があった瞬間に特別演出が開始されるように見えるため、遊技者に対し、特別演出とその契機となった入賞との関連性を強く印象付けることができる。なお、開始された特別演出は、その特別演出を行うと決定された保留に基づく特別図柄の変動表示が終了するまで継続される。
また、本実施の形態では、演出制御部e300が特別演出を開始する態様として、2種類の態様を設定している。一つは、始動口e121、e122への遊技球の入賞を契機として、直ちに特別演出を開始する態様である。具体的には、図5−27に示した例において、図5−27(a)の状態から図5−27(b)の状態へ直接切り替わる。他の一つは、特別演出が行われる可能性があることを示唆する前兆演出を行った後に特別演出へ移行する態様である。
図5−28は、前兆演出を経て特別演出へ移行する様子を示す図である。
図5−28(a)は、特別演出が実行される前における画像表示部e114の表示画面の様子であり、図5−28(b)は、前兆演出が実行された画像表示部e114の表示画面の様子であり、図5−28(c)は、特別演出が実行された後における画像表示部e114の表示画面の様子である。図5−28(a)は図5−27(a)と同様の画面であり、図5−28(c)は図5−27(b)と同様の画面である。
本実施の形態の前兆演出が開始されると、図5−28(b)に示すように、昼の景色を表す画面(図5−28(a)参照)に、黒いもやもやとした領域(以下、暗領域)が発生する。そして、その領域が次第に大きくなって画面全体を覆うと、夜の景色を表す画面(図5−28(c)参照)に切り替わる。ここで、暗領域が大きくなって画面全体を覆うまでの時間は複数設定することができ、乱数を用いた抽選等により動的に決定することができる。また、暗領域が大きくなったり小さくなったりするような動きを数回繰り返した後に画面全体を覆うような表示態様を採ることもできる。
本実施の形態の前兆演出は、始動口e121、e122への遊技球の入賞を契機として実行される。すなわち、前兆演出が実行される場合は、遊技球が入賞し保留が発生した時点で、まず特別演出を実行するか否かが決定される。そして、特別演出を実行すると決定した場合に、前兆演出が実行され、その後に特別演出が実行される。本実施の形態においてはさらに、前兆演出が行われた後に特別演出に移行する場合、特別演出を開始した瞬間に、固有の効果音を発生させる。この効果音は、前兆演出を行わない場合にも、特別演出を開始した瞬間に発生させても良い。これにより、遊技者は、聴覚的にも特別演出が開始されたことおよびそのタイミングを認識することができる。
また、本実施の形態において、特別演出を実行しない場合にも、前兆演出を実行するようにしても良い。この場合、前兆演出による特別演出の示唆は虚偽(いわゆるガセ)となる。具体的には、図5−28に示した例において、図5−28(a)の状態から図5−28(b)へ移行して暗領域が表示されるものの、この暗領域が画面全体へ広がり切らずに消失し、図5−28(a)の状態に戻るような演出制御が行われる。
このように、特別演出を開始する前に前兆演出を行うことにより、遊技者は、事前判定の結果に基づいて実行される特別演出が開始される可能性があるという期待感を持って演出を楽しむことができる。なお、前兆演出が行われる場合も、遊技球が入賞してから直ちに前兆演出が開始される。そして、上記のように、前兆演出は、特別演出へ自然な流れに沿って移行するため、遊技者に対し、前兆演出および特別演出と、その契機となった入賞との関連性を強く印象づけることができる。
ところで、始動口e121、e122への遊技球の入賞が特別図柄の変動表示中に発生し、その変動が終了するまでの残り時間が短い場合(例えば、1秒程度)、前兆演出が開始された直後に特別図柄が停止し、確定することになる。このとき、前兆演出が開始されたことに遊技者の注意が向けられるため、遊技者が、特別図柄が確定したことを認識し損なう事態が生じ得ると考えられる。そこで、このような場合、演出制御部e300は、前兆演出を実行せず、次の特別図柄の変動表示の開始と共に直接特別演出を開始するような制御を行うようにしても良い。
図5−29は、画像表示部e114に表示される演出画像の構成例を示す図である。
図5−29に示す演出画像は、3層(レイヤー)で構成されており、遊技者から見て、第1層e114a、第2層e114b、第3層e114cの順に並んでいる。したがって、第1層e114aに描画された画像と第2層e114bまたは第3層e114cに描画された画像とが重なった場合は、遊技者には、第1層e114aに描画された画像が他の画像の上に重なった状態で視認される。また、第2層e114bに描画された画像と第3層e114cに描画された画像とが重なった場合は、遊技者には、第2層e114bに描画された画像が他の画像の上に重なった状態で視認される。言い換えると、各層は、第1層e114a、第2層e114b、第3層e114cの順に表示優先度が高くなっている。なお、各層e114a〜e114cは、描画される画像や画像以外の領域に対してマスク処理等により透明度を設定することができる。したがって、例えば、上位の層において描画される画像以外の部分を透明に設定しておくことにより、画像が描画されていない部分には下位の層の画像が透過して視認されることとなる。
第1層e114aには、装飾図柄、演出画像にて大当たり判定に関する権利の保留数を遊技者に報知するための保留アイコン等、遊技に関する情報を含む画像が描画される。これらの画像は、画像により示される情報に関して遊技者に誤認を与えてはならないため、他の画像に隠されることのない、最も表示優先度の高い第1層e114aに描画される。なお、第1層e114aにおいて描画される画像以外の部分を透明に設定しておくことにより、第2層e114bや第3層e114cに描画された画像が視認される状態のまま、その上に第1層e114aの装飾図柄や保留アイコン等を表示することができる。
第2層e114bには、予告演出等の特定の演出において用いられるキャラクタやエフェクトの画像が描画される。また、リーチ演出等の特殊な演出のための画像も第2層e114bに描画される。これらの画像は、実行条件を満足して特に実行される演出であるので、一般の演出画像よりも優先的に表示されることが要請される。ただし、上記のように第1層e114aに描画される画像を隠してはならない。そのため、第1層e114aに次いで表示優先度の高い第2層e114bに描画される。なお、第2層e114bにおいて描画される画像以外の部分を透明に設定しておくことにより、第3層e114cに描画された画像が視認される状態のまま、その前で第2層e114bのキャラクタ画像を動き回らせるような表現が可能となる。
第3層e114cには、一般の演出画像としての背景画像が描画される。本実施の形態による特別演出および前兆演出の画像は、この第3層e114cに描画される。これらの画像は、上記の第1層e114aに描画される装飾図柄等の遊技に関する情報を含む画像や第2層e114bに描画される特殊な演出のための画像が表示される際に、これらの画像を隠してしまうことが無いように、最も表示優先度の低い第3層e114cに描画される。
例えば、リーチ演出等の特殊な演出の実行中に始動口e121、e122へ遊技球が入賞し、前兆演出や特別演出が開始される場合がある。この場合、遊技者は、実行中の特殊な演出に注意を向けているため、入賞を契機として直ちに特別演出や前兆演出を開始してしまうと、実行中の特殊な演出において特別な制御(いわゆる発展演出等)が行われたかのような錯覚を生じる恐れがある。そこで、本実施の形態では、かかる特殊な演出の画像が描画される第2層e114bの後ろに位置する第3層e114cにおいて前兆演出および特別演出の画像を描画する。これにより、特殊な演出の実行中に前兆演出または特別演出が開始されても、前兆演出および特別演出の画像は、特殊な演出の画像に隠されて、遊技者から視認することができなくなる。ただし、特別演出が開始された瞬間には、上記の固有の効果音が発生するので、遊技者は、特別演出が実行されたことを認識することができる。
なお、特に定められた演出(特別のリーチ演出等)において、演出の実行中に、特別演出の実行とは関係なく特別演出の開始時の効果音を発生させる例外制御を行っても良い。例えば、この特定の演出が行われた特別図柄の変動に係る特別図柄抽選において大当たり当選した場合に、この効果音を発生させる。すなわち、この特定の演出が行われているときに効果音が発生した場合は、大当たり当選が確定したことを意味する。このようにすれば、効果音が発生したことによって、遊技者は特別演出が行われたと錯覚するが、特定の演出が終了すると大当たりとなり、遊技者の予想よりも遊技において有利な状態となるので、遊技者に対して意外性を伴う興趣を提供することができる。
〔特別演出および前兆演出の制御〕
図5−30は、特別演出および前兆演出の制御手順の例を示すフローチャートである。
図5−30に示すように、始動口e121、e122に遊技球が入賞すると(ステップe3001)、演出制御部e300は、記憶している大当たり判定に関する権利の保留数の値xを1加算する(ステップe3002)。そして、更新後の保留数xが1か否かを判断する(ステップe3003)。
保留数xが1以外(すなわち、2以上)である場合(ステップe3003でNo)、次に演出制御部e300は、ステップe3001の入賞に基づく大当たり判定に関する権利に対する事前判定を行う(ステップe3004)。そして、演出制御部e300は、事前判定結果に基づき、特別演出を実行するか否かを決定する(ステップe3005)。特別演出を実行すると決定した場合(ステップe3005でYes)、次に演出制御部e300は、現在の特別図柄の変動が停止するまでの時間が所定時間(例えば、1秒程度)以下か否かを判断する(ステップe3006)。
特別図柄の変動停止までの時間が所定時間よりも長い場合(ステップe3006でNo)、次に演出制御部e300は、特殊演出(リーチ演出)の実行中か否かを判断する(ステップe3007)。特殊演出の実行中でない場合(ステップe3007でNo)、次に演出制御部e300は、前兆演出を実行するか否かを決定する(ステップe3008)。そして、前兆演出を実行すると決定した場合(ステップe3008でYes)、演出制御部e300は、直ちに前兆演出を実行し、その後、特別演出を実行する(ステップe3009)。一方、前兆演出を実行しないと決定した場合(ステップe3008でNo)、演出制御部e300は、直ちに特別演出を実行する(ステップe3010)。
ステップe3007で特殊演出の実行中であった場合(ステップe3007でYes)、演出制御部e300は、その特殊演出の画像が描画されている第2層e114b(図5−29参照)の後に位置する第3層e114cに特別演出の画像を描画することを決定し(ステップe3011)、ステップe3008(前兆演出を実行するか否かの決定)以降の処理を実行する。
また、ステップe3006で、特別図柄の変動停止までの時間が所定時間以下であった場合(ステップe3006でYes)、演出制御部e300は、その変動が停止するのを待ち、保留が消化されて次の特別図柄の変動が開始されるのに伴って、特別演出を実行する(ステップe3012)。
また、ステップe3005で、特別演出を実行しないと決定した場合(ステップe3005でNo)、演出制御部e300は、特別演出以外の特別図柄の変動時の演出を行うことを決定して処理を終了する(ステップe3016)。ここで、特別演出以外の演出は、特別図柄抽選において決定される変動パターンや変動時のパチンコ遊技機e100の遊技状態等の種々の条件に応じて決定される。
また、ステップe3003で、保留数xが1であった場合(ステップe3003でYes)、演出制御部e300は、まず、現在が特別図柄の変動中か否かを判断する(ステップe3013)。そして、変動中である場合は(ステップe3013でYes)、その保留に対する事前判定に基づいて特別演出を行うか否かが判断されるので、演出制御部e300は、ステップe3004以降の処理を実行する。一方、変動中でない場合(ステップe3013でNo)、演出制御部e300は、ステップe3001の入賞により取得された大当たりに関する判定値を判定する(ステップe3014)。そして、判定結果に基づき、特別演出を実行するか否かを決定する(ステップe3015)。特別演出を実行すると決定した場合(ステップe3015でYes)、演出制御部e300は、ステップe3008(前兆演出を実行するか否かの決定)以降の処理を実行する。
一方、特別演出を実行しないと決定した場合(ステップe3015でNo)、演出制御部e300は、特別演出以外の特別図柄の変動時の演出を行うことを決定して処理を終了する(ステップe3016)。
以上のようにして、本実施の形態によれば、遊技における始動口e121、e122への遊技球の入賞を契機として特別演出または前兆演出とが直ちに開始されることにより、遊技者に対して、遊技球を入賞させるというパチンコ遊技機e100における主要な操作と特別演出および前兆演出との関連性を強く印象付けることができる。
なお、上記の実施の形態では、始動口e121、e122への遊技球の入賞に基づいて特別演出を実行するか否かを決定し、直ちに特別演出を実行した。また、特別演出を行う前に前兆演出を行う場合は、かかる入賞を契機として、前兆演出を実行した。すなわち、同一の入賞に基づいて、前兆演出を行い、続いて特別演出を行うこととした。これに対し、前兆演出と特別演出とを異なる入賞に基づいて実行するような演出制御を行うことも可能である。
例えば、始動口e121、e122への一つの入賞に基づいて特別演出を実行することを決定し、そのまま実行を開始せずに待機する。そして、次に他の入賞があったときに、これを契機として前兆演出を行い、この前兆演出から引き続いて、待機していた特別演出を実行する。このような演出制御によれば、特別演出は入賞後に直ちに実行されないが、前兆演出は入賞後に直ちに実行されるので、遊技者に、入賞と前兆演出との関連性を強く印象付けることができる。
なお、事前判定の結果に基づいて、大当たり図柄の種類に応じて、前兆演出および特別演出の内容を異ならせてもよい。具体的には、例えば特別演出に関して、事前判定によって、大当たり遊技後に高確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1(図1−29−2参照))が判定された場合には夜の背景に移行し、中確率状態に移行する大当たり(4R長当たり2(図1−29−2参照))が判定された場合には夕方の背景に移行するなどしてもよい。あるいは、大当たり遊技後に高確率状態に移行する大当たりが判定された場合と、中確率状態に移行する大当たりが判定された場合とで、特別演出の実行前に前兆演出が実行される確率を異ならせるようにしてもよい。
図5−30のステップe3004の事前判定や、ステップe3014の判定では、図1−17−1を参照して説明したようにパチンコ遊技機e100の遊技状態(高確率状態、中確率状態または低確率状態)に応じて設けられた大当たり乱数のテーブルを用いて判定が行われる。ここで、どの遊技状態のテーブルが用いられて判定されるかに応じて、特別演出や前兆演出が実行される確率を異ならせるようにしてもよい。
〔第6の形態例〕
次に、第6の形態例について説明する。
ここで、従来の疑似連続予告は、リーチ演出が行われてしまうと、それ以降は疑似連続予告が行われなくなってしまうので、疑似連続予告が行われなかったり、疑似連続予告の回数が少なかったりして、リーチ演出が行われてしまうと、そのリーチ演出に対して大当たりへの期待感を著しく減退させることになっていた。特に、いわゆるノーマルリーチ(リーチの変動態様)の後に、せっかくスーパーリーチ(特定リーチの変動態様)が行われたとしても、疑似連続予告が行われなかった弊害として、スーパーリーチに大当たりへの期待感が持てなくなってしまう。
そこで、第6の形態例は、疑似連続予告を行いながらも、より遊技の興趣の向上を図ることができる遊技機を提供するために、以下の構成を採用する。
すなわち、第6の形態例に係る遊技機は、判定条件が成立することにより、遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かの判定を行う特別遊技判定手段(例えば、ステップSf311の大当たり判定処理を行うメインCPUf110a)と、前記特別遊技判定手段によって前記特別遊技を実行すると判定されたことにより、前記特別遊技を実行する特別遊技実行手段(例えば、ステップSf340の大当たり遊技処理を行うメインCPUf110a)と、前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、演出を行うための演出図柄を表示する演出図柄表示手段(例えば、画像表示装置f31)と、前記演出図柄表示手段に表示される演出図柄の表示制御を行う演出図柄制御手段(例えば、少なくともサブCPUf120aを備える演出制御基板f120等)と、を備え、
前記演出図柄制御手段は、前記演出図柄の変動表示における複数種類の変動態様を記憶する変動態様記憶手段(例えば、サブROMf120b)と、前記特別遊技判定手段による判定が行われると、前記変動態様記憶手段に記憶された変動態様で前記演出図柄を変動表示させた後、前記特別遊技判定手段による判定結果を報知する前記演出図柄を停止表示させる変動表示制御手段(例えば、サブCPUf120a)と、前記特別遊技判定手段による判定結果に基づいて、前記変動態様記憶手段に記憶された複数種類の変動態様から、前記変動表示制御手段に変動表示させる変動態様を決定する変動態様決定手段(例えば、サブCPUf120a)と、を有し、
前記変動表示制御手段は、通常の変動態様(例えば、通常変動)で前記演出図柄を変動表示させる通常変動図柄制御手段と、前記通常の変動態様、通常リーチの変動態様(例えば、ノーマルリーチ)の順番で前記演出図柄を変動表示させる通常リーチ図柄制御手段と、前記通常の変動態様、前記通常リーチの変動態様、特定リーチの変動態様(例えば、スーパーリーチ)の順番で前記演出図柄を変動表示させる特定リーチ図柄制御手段と、前記通常の変動態様、前記通常リーチの変動態様、前記特定リーチの変動態様の順番で前記演出図柄を変動表示させ、当該特定リーチの変動態様による前記演出図柄の変動表示が開始された後に、変動表示している前記演出図柄を一時的に仮停止表示させて、その仮停止表示させた前記演出図柄を再変動表示させた後、所定の変動態様による前記演出図柄の変動表示をさせる疑似連図柄制御手段と、前記演出図柄の停止表示をさせる図柄停止制御手段と、を少なくとも有し、
前記変動態様記憶手段は、複数種類の前記特定リーチの変動態様(例えば、A、B、C、Dリーチ)を記憶し、
前記変動態様決定手段は、前記疑似連図柄制御手段による前記演出図柄の変動表示が行われる場合には、前記演出図柄の再変動表示の前に行われる前記特定リーチの変動態様に基づいて、前記演出図柄の再変動表示の後に行われる前記所定の変動態様を決定することを特徴とする。
以下、「図6−」を含む図面番号を持つ図面(以下、図6ということがある)を参照して具体的に説明する。なお、第6の形態例について、第1の形態例の図面(図1)や他の形態例を参照する場合がある。
第6の形態例において、演出制御部f300のROMf302(図1−3のROMa302参照)には、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
具体的には、疑似連続予告シナリオを決定するための疑似連続予告シナリオ決定テーブル(図6−12参照)、図柄演出パターンを決定するための図柄演出パターン決定テーブル(図6−13参照)、背景パターンを決定するための背景パターン決定テーブル等がROMf302に記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
〔疑似連続予告シナリオ決定テーブル〕
図6−12は、疑似連続予告の構成を決定するための疑似連続予告シナリオ決定テーブルを示す図である。
図6−12に示すように疑似連続予告シナリオ決定テーブルには、遊技制御部f200(図1−3の遊技制御部a200に相当)から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンドと、選択率(第1乱数値)と、疑似連続予告シナリオと、疑似連回数と、疑似連実行時期とが対応付けられている。
ここで、「疑似連続予告シナリオ」とは、疑似連続予告の構成(疑似連予告の実行時期等)を決定するためのデータを意味している、
図6−12の疑似連続予告シナリオ決定テーブルの最右欄には、各疑似連続予告シナリオの構成を参考までに図示している。
ここで、「通常変動」とは、複数の演出図柄f38がバラバラに高速で変動することを意味しており(図6−39(a)参照)、「NR」とは、左右の演出図柄f38が仮停止し、中の演出図柄f38が変動するノーマルリーチを意味している(図6−39(b)参照)。
また、「SPリーチ」とは、演出図柄f38が特殊な変動をしたり、特殊なキャラクタが表示されたり、全ての演出図柄f38が画面の隅の方に縮小表示されたりするようなスーパーリーチを意味している(図6−42、図6−43参照)。
また、「SPSPリーチ」、「お助けリーチ」とは、スーパーリーチの後に行われるスペシャルリーチを意味している。
また、「全回転リーチ」とは、大当たりを報知する複数の演出図柄f38の組合せが全て揃った状態で低速に変動表示するリーチを意味し、本実施形態においては、大当たり抽選において当選したときにのみ実行されるリーチである。
また、「発展失敗」とは、左右の演出図柄f38が仮停止してノーマルリーチとなっているときに、中の演出図柄f38が特殊図柄(例えば「連」図柄)で仮停止するか否かの発展演出をして、中の演出図柄f38が特殊図柄で仮停止せずに、ハズレに対応する図柄で停止する演出を意味している(図6−40(f)、(g)参照)。
また、「発展成功」とは、左右の演出図柄f38が仮停止してノーマルリーチとなっているときに、中の演出図柄f38が特殊図柄(例えば「連」図柄)で仮停止するか否かの発展演出をして、中の演出図柄f38が特殊図柄で仮停止する演出を意味している(図6−40(e)参照)。
また、「疑似発展」とは、中の演出図柄f38が特殊図柄で仮停止した後に所定のキャラクタを表示したり、「刀」を模した第2装飾部材f33bを駆動したりすることにより、疑似変動が開始されることを報知する演出を意味している(図6−41(a)、(b)参照)。
また、「疑似変動」とは、全ての演出図柄f38が仮停止した後(上記「疑似発展」を実行した後)、再び全ての演出図柄f38が再変動する演出を意味している(図6−41(c)、(d)参照)。
なお、疑似連続予告シナリオでは、スーパーリーチの種類等の演出図柄f38の具体的な変動態様等は定めておらず、後述する図柄演出パターン決定テーブル(例えば図6−13参照)によって、演出図柄f38の具体的な変動態様等は定められることになる。
また、「疑似連回数」とは、上述した通り「疑似連続予告の実行回数」を意味し、「疑似連実行時期」とは、「疑似連続予告を実行する時期」を意味している。
本実施形態では、疑似連実行時期の「G1a」は、ノーマルリーチ後において1回目の疑似連続予告を実行する時期に対応しており、疑似連実行時期の「G1b」は、スーパーリーチ後において1回目の疑似連続予告を実行する時期に対応しており、疑似連実行時期の「G2a」は、ノーマルリーチ後において2回目の疑似連続予告を実行する時期に対応しており、疑似連実行時期の「G2b」は、スーパーリーチ後において2回目の疑似連続予告を実行する時期に対応しており、疑似連実行時期の「G3」は、スーパーリーチ後において3回目の疑似連続予告を実行する時期に対応している。
CPUf301(図1−3のCPUa301に相当)は、図6−12に示す疑似連続予告シナリオ決定テーブルを参照し、CPUf200(図1−3のCPUa201に相当)から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンドと、選択率(第1乱数値)に基づいて、疑似連続予告シナリオと、疑似連回数と、疑似連実行時期とを決定する。
CPUf301は、疑似連続予告シナリオと、疑似連回数と、疑似連実行時期とを決定すると、決定した疑似連続予告シナリオと、疑似連回数と、疑似連実行時期とをRAMf303(図1−3のRAMa303に相当)の所定の記憶領域に記憶する。
また、図6−12に示す疑似連続予告シナリオ決定テーブルの特徴として、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行する時期と、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行する時期との異なる2つの時期に疑似連続予告を実行する疑似連続予告シナリオが設けられている。
また、図6−12に示す疑似連続予告シナリオ決定テーブルの特徴として、同じ疑似連回数(同じ変動パターン指定コマンド)について、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行する第1の疑似連続予告シナリオ(例えば、疑似連続予告シナリオA1a−SP1)と、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行する第2の疑似連続予告シナリオ(疑似連続予告シナリオA1b−SP1)とが、同じ特別図柄の変動時間内に収まるように疑似連続予告シナリオの演出パターンが構成されている。
また、図6−12に示す疑似連続予告シナリオ決定テーブルの特徴として、特別図柄の変動パターン指定コマンド(大当たりの種別)と、選択率(第1乱数値)とにより、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行するよりも、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行した方が大当たりの期待度が高くなるように構成されている。
さらに、図6−12に示す疑似連続予告シナリオ決定テーブルの特徴として、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行した後に再び疑似連続予告を実行する場合には、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行せずに、再びスーパーリーチ後において疑似連続予告を実行するように構成されている。
また、図6−12に示す疑似連続予告シナリオ決定テーブルの特徴として、特別図柄の変動パターン指定コマンド(大当たりの種別)と、選択率(第1乱数値)とにより、疑似連続予告を3回実行した場合(通常変動と3回の疑似連続予告とで「4回の変動表示」を行った場合)には、必ず大当たりになるように構成されている。
〔図柄演出パターン決定テーブル〕
図6−13は、特別図柄の1回の変動中に行われる具体的な演出態様を定めた図柄演出パターンを決定するための図柄演出パターン決定テーブルを示す図である。
同図は、疑似連続予告を実行しないときに参照される図柄演出パターン決定テーブル1である。
同図に示す図柄演出パターン決定テーブル1には、CPUf200(図1−3のCPUa201に相当)から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンドと、選択率(第2乱数値)と、図柄演出パターンとが対応付けられている。なお、同図に示す図柄演出パターン決定テーブル1は、疑似連続予告を実行しないときに参照されるテーブルであるところ、疑似連続予告を実行しない変動パターンの変動パターン指定コマンドにしか対応付けられていない。なお、ここにいう変動パターン指定コマンドとは、特別図柄の変動態様を示すものをいう。
CPUf301は、図6−13に示す図柄演出パターン決定テーブル1を参照し、CPUf200から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンドと、選択率(第2乱数値)とに基づいて、図柄演出パターンを決定する。
ここで、同じ特別図柄の変動パターン指定コマンドであっても選択率(第2乱数値)に基づいて、異なる複数の図柄演出パターンが決定可能に構成されていることから、特別図柄の変動パターン指定コマンドの数を減少させて、CPUf200における記憶容量の削減を図っている。
ここで、「図柄演出パターン」とは、特別図柄の1回の変動中において画像表示装置f31、音声出力装置f32、演出用駆動装置f33、演出用照明装置f34で行われる具体的な演出態様をいい、画像表示装置f31においては演出図柄f38の具体的な変動態様を定めるためのものである。
例えば、画像表示装置f31においては、図柄演出パターンによってキャラクタの表示態様、演出図柄f38の変動態様が決定される。また、本実施形態でいう「リーチ」とは、特別遊技に移行することを報知する演出図柄f38の組合せの一部が仮停止表示され、他の演出図柄f38が変動表示を行っている状態をいう。例えば、大当たり遊技に移行することを報知する演出図柄f38の組合せとして「777」の3桁の演出図柄f38の組み合わせが設定されている場合に、2つの演出図柄f38が「7」で仮停止表示され、残りの演出図柄f38が変動表示を行っている状態をいう。
〔疑似連続予告演出のタイムチャートの一例〕
上述した通り、同じ疑似連回数においては、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行したときの全体の演出時間と、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行したときの全体の演出時間とが、同じ変動パターンの変動時間内に収まるように、疑似連続予告シナリオによる演出パターンが構成されている(図6−12参照)。
図6−38を用いて、疑似連続予告演出のタイムチャートの一例を説明する。
図6−38(a)は、1回の疑似連続予告を実行して大当たりになる変動パターンコマンド(MODE=「E6H/E7H」、DATA=02H)を受信したときの疑似連続予告シナリオによる疑似連続予告の演出のタイムチャートの一例であり、図6−38(b)は、2回の疑似連続予告を実行して大当たりになる変動パターンコマンド(MODE=「E6H/E7H」、DATA=03H)を受信したときの疑似連続予告シナリオによる疑似連続予告の演出のタイムチャートの一例である。
図6−38(a)に示すように、疑似連続予告シナリオA1a−SP1のときには、10秒の「通常変動」、5秒の「ノーマルリーチ」、5秒の「発展成功」演出、5秒の「疑似発展」演出、5秒の「疑似変動」、5秒の「ノーマルリーチ」、10秒の「スーパーリーチ」の順に演出を行う。
また、疑似連続予告シナリオA1b−SP1のときには、10秒の「通常変動」、5秒の「ノーマルリーチ」、10秒の「スーパーリーチ」、5秒の「疑似発展」演出、5秒の「疑似変動」、10秒の「スーパーリーチ」の順に演出を行う。
すなわち、1回の疑似連続予告を実行して大当たりになる変動パターンコマンド(MODE=「E6H/E7H」、DATA=02H)に対応する変動時間(T2)が45秒である場合には、疑似連続予告シナリオA1a−SP1と疑似連続予告シナリオA1b−SP1との演出時間が45秒と同じに構成されている。
また、図6−38(b)に示すように、疑似連続予告シナリオA2a−SP1のときには、10秒の「通常変動」、5秒の「ノーマルリーチ」、5秒の「発展成功」演出、5秒の「疑似発展」演出、10秒の「疑似変動」、5秒の「ノーマルリーチ」、5秒の「疑似発展」演出、5秒の「疑似変動」、5秒の「ノーマルリーチ」、10秒の「スーパーリーチ」の順に演出を行う。
また、疑似連続予告シナリオA2b−SP1のときには、10秒の「通常変動」、5秒の「ノーマルリーチ」、5秒の「発展成功」演出、5秒の「疑似発展」演出、5秒の「疑似変動」、5秒の「ノーマルリーチ」、10秒の「スーパーリーチ」、5秒の「疑似発展」演出、5秒の「疑似変動」、10秒の「スーパーリーチ」の順に演出を行う。
また、疑似連続予告シナリオA2c−SP1のときには、10秒の「通常変動」、5秒の「ノーマルリーチ」、10秒の「スーパーリーチ」、5秒の「疑似発展」演出、5秒の「疑似変動」、10秒の「スーパーリーチ」、5秒の「疑似発展」演出、5秒の「疑似変動」、10秒の「スーパーリーチ」の順に演出を行う。
すなわち、2回の疑似連続予告を実行して大当たりになる変動パターンコマンド(MODE=「E6H/E7H」、DATA=03H)に対応する変動時間(T2)が65秒である場合には、疑似連続予告シナリオA2a−SP1、疑似連続予告シナリオA2b−SP1、及び疑似連続予告シナリオA2c−SP1の演出時間が65秒と同じに構成されている。
このように、本実施形態では、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行したときの全体の演出時間と、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行したときの全体の演出時間とが、同じ変動パターンに対応する変動時間内に収まるように、疑似連続予告シナリオによる演出パターンが構成されている。
特に、本実施形態では、少なくとも、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行したときの「疑似変動」の演出時間(例えば、10秒)と、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行したときの「疑似変動」の演出時間(例えば、5秒)とを異ならせることで、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行したときの全体の演出時間と、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行したときの全体の演出時間とが、同一の演出時間になるように調整している。
なお、本実施形態においては、「疑似変動」の演出時間を調整することにより、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行したときの全体の演出時間と、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行したときの全体の演出時間とが同一の時間となるように構成したが、「ノーマルリーチ」、「疑似発展」、「SPリーチ」等の演出時間を調整して、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行したときの全体の演出時間と、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行したときの全体の演出時間とが同一の時間となるように構成してもよい。
〔疑似連続予告演出の表示画面〕
次に、図6−39〜図6−43を用いて、疑似連続予告演出の内容の一例について説明する。
図6−39(a)に示すように、第1始動口f121または第2始動口f122(図1−1の第1始動口a121、第2始動口a122に相当)に遊技球が入球すると、3つの演出図柄f38は「通常変動」の変動表示が行われる。
図6−39(b)に示すように、通常変動の時間が経過すると、左の演出図柄f38aと右の演出図柄f38aとが仮停止し、中の演出図柄f38cが変動する「ノーマルリーチ」が行われる。
図6−39(c)に示すように、ノーマルリーチとなり、許可開始時期G0sが経過すると、演出ボタンf35(図1−1の演出ボタンa161に相当)の操作を促す太鼓のキャラクタf31aが表示される。
図6−40(d)に示すように、許可期間内(G0s〜G0e)に演出ボタンの操作があるか、演出ボタンの操作がないままで許可終了時期G0eが経過すると、画面外から、中の演出図柄f38cに対応する特殊図柄(「連」図柄)が付された花火玉のキャラクタf31bが表示され、花火玉のキャラクタf31bが画面中央で止まるか否かの「発展演出(発展成功または発展失敗の演出)」が行われる。
図6−40(f)、(g)に示すように、「発展失敗」の演出であると、花火玉のキャラクタf31bが、画面の下方に落下していき、中の演出図柄f38cとしてハズレを報知する図柄が停止表示されることになる。
図6−40(e)に示すように、「発展成功」の演出であると、花火玉のキャラクタf31bが、画面の中央で特殊図柄とともに仮停止し、花火玉の導火線においてパチパチと火がついている演出が行われる。
そして、この花火玉の導火線で火がついている演出で、許可期間内(G0s〜G0e)における演出ボタンの操作を契機として開始された発展演出と、演出ボタンの操作がないままで許可終了時期G0eが経過して開始された発展演出との時間差を吸収している。
そして、図6−41(a)、(b)に示すように、「発展成功」の演出の後には、花火玉が爆発するとともに、「刀」を模した第2装飾部材f33bを駆動して、再変動を示す「もういっちょ」という文字f31eや所定のキャラクタが表示する「疑似発展」の演出が行われる。
上述した通り、この「疑似発展」の演出は、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行したときであろうと、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行したときであろうと、同じ演出に構成されている。
そして、図6−41(c)、(d)に示すように、「疑似発展」の演出の後には、通常変動の時とは異なる背景に変更され、全ての演出図柄f38が再変動する「疑似変動」が行われる。
また、「疑似変動」の背景には、疑似連続予告が実行されたことを報知するため、初回の通常変動を含めた変動回数f31gが表示される。
さらに、図6−41(e)、(f)に示すように、「疑似変動」の背景には、大当たりの期待度が異なる複数の背景が用意されている。
図6−42、図6−43は、スーパーリーチ後に疑似連続予告を行う場合の演出の内容の一例である。図6−42は、本実施形態のスーパーリーチとしてA、Bリーチに対応するものであり、図6−43は、本実施形態のスーパーリーチとしてC、Dリーチに対応するものである。
図6−42(h)、(i)に示すように、2人のキャラクタが、演出図柄f38を用いて喧嘩コマをする演出を行う。
特に、図6−42(i)に示すように、中の2つの演出図柄f38cとして、特殊図柄とハズレ図柄とがお互いを押し合うような演出が行われる。
そして、スーパーリーチ後に疑似連続予告が行われる場合には、図6−42(j)に示すように、特殊図柄がハズレ図柄を押し出し、中の演出図柄f38cとして、特殊図柄が仮停止表示される。
一方、スーパーリーチ後に疑似連続予告が行われず、ハズレとなる場合には、図6−42(k)に示すように、ハズレ図柄が特殊図柄を押し出し、中の演出図柄f38cとして、ハズレ図柄が仮停止表示されることになる。
そして、特殊図柄が仮停止表示されると、図6−42(m)に示すように、特殊図柄の背面に花火玉が表示され、図6−41に示した「疑似発展」、「疑似変動」の演出が行われていくことになる。
また、図6−42とは異なるスーパーリーチとして、図6−43(n)、(p)に示すように、キャラクタf31dが、鉄砲で演出図柄f38を打ち抜く演出を行う。
そして、スーパーリーチ後に疑似連続予告が行われる場合には、図6−43(q)に示すように、中の演出図柄f38cとして特殊図柄が仮停止表示される。
一方、スーパーリーチ後に疑似連続予告が行われず、ハズレとなる場合には、図6−43(r)に示すように、中の演出図柄f38cとして、ハズレ図柄が仮停止表示されることになる。
そして、特殊図柄が仮停止表示されると、図6−43(s)に示すように、特殊図柄の背面に花火玉が表示され、図6−41に示した「疑似発展」、「疑似変動」の演出が行われていくことになる。
このように、本実施形態によれば、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行するように構成したことから、リーチ前やノーマルリーチ後に疑似連続予告が実行されずに、スーパーリーチが実行されたとしても、疑似連続予告が実行される期待感を持続させることができる。
また、本実施形態によれば、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行する場合と、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行する場合とで、異なる実行時期に疑似連続予告を実行するように構成したことから、複数の時期において疑似連続予告が実行されることに期待を持たせて、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行する場合よりも、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行する場合の方が大当たりの期待度が高いので、大当たりの期待度が異なる2つの疑似連続予告を実行することができ、より遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、同じ疑似連回数においては、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行したときの全体の演出時間と、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行したときの全体の演出時間とが、同じ変動パターンの変動時間内に収まるように構成したことから、ROMf202(図1―3のROMa202に相当)が記憶する変動パターンの数を減少させ、ROMf202の記憶容量の負担の軽減を図ることができる。
また、本実施形態によれば、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行する場合であっても、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行する場合であっても、図6−41に示すような共通した疑似発展の演出を行うので、疑似連続予告が実行されたことを遊技者にわかりやすく認識させることができる。
また、本実施形態によれば、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行する場合に、スーパーリーチの種類によって疑似連続予告が実行される確率(発展確率)が異なることから、スーパーリーチの種類によって疑似連続予告が実行されることの期待感を持たせることができる。
なお、本実施形態によれば、ノーマルリーチ後において疑似連続予告を実行する場合と、スーパーリーチ後において疑似連続予告を実行する場合との2つの疑似連続予告を実行するように構成したが、リーチ前において疑似連続予告を実行する場合も付加して、3つの疑似連続予告を実行するように構成してもよい。
なお、例えば擬似連続予告の内容に関しては、例えば大当たり遊技後に高確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1(図1−29−2参照))が判定された場合、中確率状態に移行する大当たり(例えば4R長当たり2(図1−29−2参照))が判定された場合、低確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり3(図1−29−2参照))が判定された場合など、大当たり遊技後に移行する確率の状態に応じて内容を異ならせてもよい。
〔第7の形態例〕
次に、第7の形態例について説明する。
ここで、従来より、始動領域に遊技球が進入すると大当たりの抽選(第1図柄抽選)を行い、当該抽選結果を表示画面において行われる第1演出によって報知し、通過領域を遊技球が通過すると普通図柄の抽選(第2図柄抽選)を行って、当該抽選結果を表示画面において行われる第2演出によって報知する遊技機がある。この従来の遊技機では、第2演出においては、普通図柄の抽選が行われたときに実行中の第1演出に対する示唆を行う示唆演出も織り交ぜて実行される。しかしながら、従来の遊技機では、上記第2演出は、第2図柄抽選に基づく第2図柄の変動を契機として行われるものであり、実行の契機を多様化させつつ演出を制御するという点においては改善の余地があった。
そこで、第7の形態例は、特定演出の実行契機を多様化させつつ当該特定演出を制御することを可能にするために、以下の構成を採用する。
すなわち、第7の形態例に係る遊技機は、第1始動条件の成立に応じて、特別遊技を実行するか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段と、前記第1始動条件の成立に応じて、第1図柄表示手段に第1図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する第1図柄制御手段と、前記第1始動条件とは独立して成立し得る第2始動条件の成立に応じて、前記特別遊技とは異なる所定遊技を実行するか否かの所定遊技判定を行う所定遊技判定手段と、前記第2始動条件の成立に応じて、第2図柄表示手段に第2図柄を変動させてから停止させることにより、前記所定遊技判定の結果を報知する第2図柄制御手段と、所定の演出の制御を行う演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記第1図柄の変動に応じて特定演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合に、当該特定演出を実行する第1特定演出実行手段と、前記第2図柄の変動に応じて前記特定演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合に、当該特定演出を実行する第2特定演出実行手段と、前記第1特定演出実行手段および前記第2特定演出実行手段によって前記特定演出を実行すると決定される場合、前記第1特定演出実行手段による前記特定演出および前記第2特定演出実行手段による前記特定演出のうちのいずれか一方を優先させる優先制御手段と、を含む。
以下、「図7−」を含む図面番号を持つ図面(以下、図7ということがある)を参照して具体的に説明する。なお、第7の形態例について、第1の形態例の図面(図1)や他の形態例を参照する場合がある。
図7−6は、第7の形態例での本実施形態に係るパチンコ遊技機g1(図1−1のパチンコ遊技機a100に相当)の液晶表示器g5(同図の画像表示部a114に相当)の画面上において行われる特徴的な演出の一例を示す図である。
図7−6に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機g1では、液晶表示器g5において、特定演出g70が行われる場合がある。特定演出g70は、複数の識別表示g71を変動表示させる演出である。識別表示g71の変動表示は、強調表示g72を移動させることによって行われる。
具体的には、特定演出g70は、普通図柄の変動に応じて実行可能である。図7−6に示す例では、普通図柄に対応する第4図柄g65が変動表示されている様子が示されている。一方、図7−6では、装飾図柄g51と第4図柄g61及びg62が停止しているため、特別図柄が変動していないことが示されている。
特定演出g70が実行されると、複数の識別表示g71のいずれかに強調表示g72が順次表示されるようにして当該強調表示g72が移動表示される。強調表示g72が停止した位置の識別表示g71によって、普通図柄判定の結果が報知される。
より具体的には、識別表示g71には、「開」と書かれた画像、「×」と書かれた画像とがあり、「開」と書かれた識別表示g71に強調表示g72が停止すると、普通図柄判定の結果が長開放当たりであることが報知され、その後、電動チューリップg17(図1−1の電動チューリップa123に相当)が長開放される。一方、「×」と書かれた識別表示g71に強調表示g72が停止すると、普通図柄判定の結果が長開放当たりではないこと(すなわち、ハズレ又は短開放当たりであること)が報知される。
ここで、普通図柄判定の結果には、長開放当たりと、短開放当たりと、ハズレとがある。普通図柄判定において長開放当たりとなった場合には、電動チューリップg17が、例えば5.6秒間だけ開姿勢となった後に閉姿勢に戻る。普通図柄判定において短開放当たりとなった場合には、電動チューリップg17が、例えば0.1秒間だけ開姿勢となった後に閉姿勢に戻る。普通図柄判定においてハズレとなった場合には、電動チューリップg17は作動しない。
普通図柄判定の結果が長開放当たりとなると、比較的長時間電動チューリップg17が開姿勢となるため、第2始動口g12(図1−1の第2始動口a122に相当)に複数の遊技球が入賞容易となる。一方で、普通図柄判定の結果が短開放当たりの場合には、比較的短時間しか電動チューリップg17が開姿勢とならないため、第2始動口g12に遊技球は入賞し難い。
図7−7は、本実施形態に係るパチンコ遊技機g1の液晶表示器g5の画面上において行われる特徴的な演出の他の例を示す図である。
図7−7に示すように、特定演出g70は、特別図柄の変動表示中(装飾図柄g51の変動表示中)にも実行される場合がある。特別図柄と普通図柄とは独立して変動しうるため、特別図柄の変動表示中に普通図柄が変動し、特定演出g70が行われる場合がある。特別図柄の変動表示中に特定演出が行われると、図7−7に示すように、上述した「開」、「×」の識別表示g71以外の識別表示(例えば、「激熱」と書かれた識別表示)が表示される場合がある。この「激熱」と書かれた識別表示g71は、特別図柄判定の結果を示唆するものである。この他にも複数種類の識別表示g71が用意される。
図7−8は、本実施形態のパチンコ遊技機g1において行われる特定演出において表示される識別表示の一例を示す図である。
図7−8に示すように、識別表示g71には、上述した「×」、「開」、の他、「好機」、「擬似」、「激熱」、「RUSH」がある。識別表示「×」は、ガセ、すなわち、遊技者にとって有利でない結果を示し、上述のように、普通図柄判定の結果がハズレであることを示す。また、識別表示「×」は、特別図柄判定の結果がハズレであることを示唆する場合もある。識別表示「開」は、普通図柄判定の結果が長開放当たりであることを示し、電動チューリップg17(第2始動口g12)が長開放することを示す。
識別表示「好機」は、特別図柄判定の結果を示唆するものである。具体的には、識別表示「好機」は、装飾図柄g51を用いたリーチ演出のうちのノーマルリーチ演出以上を示唆する。識別表示「好機」が停止すると、ノーマルリーチ演出以上の演出が行われる。「ノーマルリーチ演出以上の演出」とは、大当たりとなる信頼度(期待度:確率)がノーマルリーチ演出以上である演出を意味する。識別表示「好機」が停止すると、その後に大当たりが報知される確率は比較的低い。
ここで、リーチ演出とは、例えば、左領域g51aおよび右領域g51cに同種の装飾図柄が停止して、中領域g51bにおいて装飾図柄が変動表示される演出であり、左右領域の装飾図柄と同種の装飾図柄が中領域g51bに停止して大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチ演出とロングリーチ演出とがある。ノーマルリーチ演出は、演出時間が比較的短いリーチ演出であり、大当たりとなる信頼度は比較的低い演出である。ロングリーチ演出は、演出時間が比較的長いリーチ演出であり、大当たりとなる信頼度(期待度)が比較的高い演出である。
また、識別表示「擬似」は、特別図柄判定の結果を示唆するものである。具体的には、識別表示「擬似」は、装飾図柄g51を用いた擬似連続予告演出を示唆する。擬似連続予告演出は、1回の特別図柄の変動において、装飾図柄g51が擬似的に変動および停止する演出が所定回数行われる演出である。ここで、「装飾図柄g51が擬似的に停止する」とは、装飾図柄g51が完全には停止しておらず、遊技者が停止したと認識し得る態様で微変動している状態である。擬似連続予告演出が行われると、装飾図柄g51は変動してから擬似的に停止し、その後再変動する。擬似連続予告演出が行われている間は、特別図柄の変動表示は継続して行われ、第4図柄g61(又はg62)も継続して変動表示される。
また、識別表示「激熱」は、特別図柄判定の結果を示唆するものである。具体的には、識別表示「激熱」は、ロングリーチ演出以上を示唆する。識別表示「激熱」は、大当たりに対する信頼度が比較的高く、例えば、60%の確率でその後大当たりが報知される。
さらに、図7−8に示すように、識別表示「RUSH」が用意される。識別表示「RUSH」は、特別図柄判定の結果を示唆するものである。具体的には、識別表示「RUSH」は、大当たり確定を意味し、特定の大当たりであるランクアップボーナス(RUB)大当たりを意味する。
図7−9は、識別表示「RUSH」を用いた特定演出の流れの一例を示す図である。図7−9に示すように、特別図柄の変動中に特定演出g70が開始されると、識別表示g71として、識別表示「×」、識別表示「開」、識別表示「RUSH」、および識別表示「激熱」が表示される。強調表示g72が、これら識別表示上を時間経過に応じて移動する(図7−9(A))。
特定演出g70の開始から所定時間が経過すると、強調表示g72が識別表示「RUSH」上で停止する(図7−9(B))。これにより、特別図柄判定の結果が大当たりであること、具体的には、特定の種類の大当たりであることが報知され、装飾図柄g51が大当たりの態様で停止する(図7−9(C))。その後、大入賞口g13B(図1−1の第2大入賞口a125Bに相当)を開放する大当たり遊技が行われる。
このように、本実施形態では、特定演出g70は、普通図柄判定の結果を示唆することが可能であるとともに、特別図柄判定の結果も示唆することが可能である。本実施形態では、特定演出g70は、普通図柄の変動を契機として行われる場合があるとともに、特別図柄の変動を契機として行われる場合がある。
図7−10は、普通図柄の変動を契機として行われる特定演出の一例を示す図である。図7−11は、特別図柄の変動を契機として行われる特定演出の一例を示す図である。
図7−10に示すように、特定演出g70は、普通図柄が変動したことに応じて(演出制御部g130(図1−3の演出制御部a300に相当)が後述する普通図柄変動開始コマンドを受信したことに応じて)行われることが可能である。ここでは、普通図柄の変動を契機とした特定演出を、普図特定演出ということがある。
例えば、図7−10(A)に示すように、普通図柄の変動を契機として、普通図柄の変動開始と同時に特定演出Aが実行される場合がある。特定演出Aは、当該普通図柄の変動の終了に応じて終了する。特定演出Aでは、上述したように複数の識別表示g71を変動表示させる演出が行われた後、いずれか1の識別表示g71が停止表示される演出が行われる。
また、図7−10(B)に示すように、普通図柄の変動を契機として、普通図柄の変動開始から所定時間後に、特定演出Bが実行される場合がある。特定演出Bは、当該普通図柄の変動の終了に応じて終了する。
また、図7−11に示すように、特定演出g70は、特別図柄が変動したことに応じて(演出制御部g130が特別図柄変動開始コマンドを受信したことに応じて)行われることが可能である。特別図柄の変動を契機とした特定演出を、特図特定演出ということがある。図7−11に示すように、特別図柄の変動を契機として、特別図柄の変動開始から所定時間後に特定演出Cが実行される場合がある。
ここで、特別図柄は第1始動口g11(図1−1の第1始動口a121に相当)又は第2始動口g12(同図の第2始動口a122に相当)への遊技球の入賞に応じて変動し、普通図柄は第1ゲートg15(同図の左側のゲートa124Lに相当)又は第2ゲートg16(同図の右側のゲートa124Rに相当)への遊技球の通過に応じて変動する。このため、特別図柄と普通図柄とは独立して変動し、特別図柄の変動を契機とした特図特定演出の実行条件と、普通図柄の変動を契機とした普図特定演出の実行条件とが同時に成立し得る。
図7−12及び図7−13は、特別図柄の変動を契機とした特図特定演出の実行条件と普通図柄の変動を契機とした普図特定演出の実行条件とが同時に成立する場合の特定演出の実行制御の一例を示す図である。
図7−12に示すように、特別図柄の変動を契機とした特図特定演出の実行条件と、普通図柄の変動を契機とした普図特定演出の実行条件とが同時に成立する場合、パチンコ遊技機g1は、特別図柄の変動を契機とした特図特定演出を優先的に実行する。すなわち、この場合、パチンコ遊技機g1は、特図特定演出のみを実行し、普図特定演出は実行しない。特図特定演出では、図7−9に示したように、識別表示「RUSH」を含む特定演出g70が行われる。
より具体的には、図7−13に示すように、パチンコ遊技機g1は、特別図柄の変動開始時に、例えば特定の大当たりと判定した場合、特図特定演出を実行するか否かを決定する。特図特定演出を実行すると決定した場合には、その特別図柄の変動が終了するまでの間に変動開始した普通図柄に基づく普図特定演出の実行を禁止する。
このように、特別図柄の変動を契機とした特図特定演出を優先的に実行することにより、遊技者にとってより有利な大当たり遊技が行われるか否かの演出を確実に実行することができる。
図7−14は、本実施形態のパチンコ遊技機g1の大当たりの種類を示す図である。同図に示すように、本実施形態では、特別図柄判定の結果が大当たりであることを示す大当たり図柄が複数あり、各大当たり図柄によって大当たり遊技の種類が異なる。
なお、図7−14の大当たり図柄Aおよび大当たり図柄Bは、第1の形態例における「16R長当たり2(RUB)(高確率時短)」に対応する(図1−17−2参照)。
また、図7−14の大当たり図柄Cは「16R長当たり1(高確率時短)」に対応し(図1−17−2参照)、図7−14の大当たり図柄Dは「4R長当たり1(高確率時短)」または「4R長当たり2(中確率時短)」に対応する(図1−17−2参照)。
付言すると、図7−14における大入賞口(下アタッカー)g13Aは、第1の形態例で説明した第1大入賞口a125A(図1−1参照)に相当するものである。また、図7−14における大入賞口(上アタッカー)g13Bは、第1の形態例で説明した第2大入賞口a125B(図1−1参照)に相当するものである。
例えば、第1特別図柄表示器g41(図1−3の第1特別図柄表示器a221に相当)又は第2特別図柄表示器g42(同図の第2特別図柄表示器a222に相当)において大当たり図柄Aが停止すると、ランクアップボーナス(RUB)大当たりとなり、大入賞口g13Bを開放制御するラウンド遊技が16回行われる。例えば、1ラウンドのラウンド遊技は、大入賞口g13Bの開放から30秒が経過するまで、又は、大入賞口g13Bに9個の遊技球が入賞するまで行われ、16ラウンド(「R」と表記する)の大当たり遊技が行われる。また、大当たり図柄Bが停止すると、ランクアップボーナス(RUB)大当たりとなり、大入賞口g13Bを開放制御するラウンド遊技が4回(4R)行われる。
RUB大当たりの大当たり遊技中は、ラウンド遊技が16回行われるか、4回で終了するかの演出が行われ、遊技者に16Rの大当たり遊技を期待させる演出が行われる。RUB大当たりでは、装飾図柄g51として「RUSH」図柄(図7−9参照)が停止し、遊技者は、液晶表示器g5において行われる演出では大当たりの報知時に16RのRUB大当たりなのか、4RのRUB大当たりなのか容易には識別できない。
上述した特図特定演出における識別表示「RUSH」は、RUB大当たり(大当たり図柄A又は大当たり図柄Bでの大当たり)を示す識別表示である。
また、大当たり図柄Cが停止すると、16R大当たりとなり、大入賞口g13Aを開放制御するラウンド遊技が16回(16R)行われる。また、大当たり図柄Dが停止すると、4R大当たりとなり、大入賞口g13Aを開放制御するラウンド遊技が4回(4R)行われる。
大当たり図柄C又は大当たり図柄Dが停止される場合、装飾図柄g51として数字図柄(「1」〜「9」のいずれかの数字が記載された図柄)が3つ揃って停止する。例えば、「7」図柄や「3」図柄が3つ揃った場合は、16Rの大当たりであることを示す。それ以外の数字図柄が3つ揃った場合は、4Rの大当たりであることを示す。なお、「7」図柄や「3」図柄以外の数字図柄が3つ揃った場合でも、大当たり遊技中に16ラウンドへの昇格演出が行われて、16Rの大当たり遊技であることが報知されてもよい。
なお、第1始動口g11への入賞に基づいて特別図柄判定が行われる場合と、第2始動口g12への入賞に基づいて特別図柄判定が行われる場合とで、有利さが異なっていてもよい。具体的には、第1始動口g11への入賞に基づいて特別図柄判定が行われる場合よりも、第2始動口g12への入賞に基づいて特別図柄判定が行われる場合の方が、16Rの大当たり(大当たり図柄A又は大当たり図柄Cでの大当たり)となる確率が高くてもよい。
次に、特別図柄表示器に停止される図柄と、特別図柄の変動パターンと、上記特図特定演出との関係について説明する。図7−15は、特別図柄表示器に停止される図柄と、その図柄が停止する場合の特別図柄の変動パターンと、特図特定演出との関係を示す図である。
図7−15に示すように、特別図柄判定において大当たり図柄Aを停止させると決定された場合には、特別図柄の変動パターンとして、例えば変動パターンP1(変動時間30秒)、変動パターンP2(変動時間60秒)、及び、変動パターンP3(変動時間90秒)のいずれか1つが選択される。この他にも、大当たり図柄Aが停止する場合には、多数の変動パターンを選択可能であってもよい。また、特別図柄判定において大当たり図柄Bを停止させると決定された場合には、特別図柄の変動パターンとして、変動パターンP1〜P3のいずれか1つが選択される。
例えば、変動パターンP1が選択されると、上述した特図特定演出が実行可能となり、特図特定演出が実行されると、識別表示「RUSH」が変動表示されて、所定時間後に当該識別表示「RUSH」が停止する。
また、特別図柄判定において大当たり図柄Cを停止させると決定された場合には、変動パターンP1は選択されず、変動パターンP11又はP12が選択される。また、特別図柄判定において大当たり図柄Dを停止させると決定された場合には、変動パターンP1は選択されず、変動パターンP11又はP12が選択される。
なお、大当たり図柄C又は大当たり図柄Dを停止させると決定された場合に、変動パターンP2やP3が選択可能であってもよいが、変動パターンP1は選択されない。また、各大当たり図柄が停止する場合に選択可能な変動パターンは、図7−15に示す変動パターンの他に多数用意されてもよい。
また、特別図柄判定においてハズレと判定された場合、例えば、変動パターンP100(変動時間20秒)、変動パターンP101(変動時間30秒)、変動パターンP102(変動時間2秒)、変動パターンP103(変動時間8秒)、変動パターンP104(変動時間12秒)、変動パターンP105(変動時間60秒)等のうちのいずれか1つが選択される。
図7−15に示すように、変動パターンP100又は変動パターンP101が選択された場合には、特図特定演出が実行可能となり、特図特定演出が実行された場合には、識別表示「RUSH」を含む上述した特定演出が行われる。しかしながら、変動パターンP100又は変動パターンP101が選択された場合には、最終的に識別表示「RUSH」が停止することはない。
このように、特図特定演出は、特定の変動パターンP1、P100、又はP101が選択された場合に実行可能となる。また、複数の大当たり図柄のうちの特定の大当たり図柄(大当たり図柄A又は大当たり図柄B)が停止表示される場合に、特図特定演出は実行され得る。言い換えると、複数種類の大当たり遊技のうちの特定の大当たり遊技が行われると判定された場合に、特図特定演出が実行可能となる。
ここで、特別図柄の変動を契機とした特図特定演出の詳細について、図7−16を参照して説明する。図7−16は、特別図柄の変動を契機とした特図特定演出の一例を示す図である。
図7−16に示すように、特別図柄の変動開始時において、特別図柄判定の結果が大当たり図柄Aでの大当たりであり、かつ、特別図柄の変動パターンとして変動パターンP1が選択されたとする。変動パターンP1が選択されたため、特図特定演出が実行可能であり、特図特定演出を実行すると決定されたとする。特図特定演出は、特別図柄の変動開始後の所定期間は待機期間となり、変動開始後に即時に実行されない。
一方で、特別図柄の変動開始に応じて、液晶表示器g5において装飾図柄g51を変動させる特図変動演出が行われる。具体的には、特別図柄の変動開始からリーチ成立前においては、液晶表示器g5の3つの領域g51a〜g51cにおいて装飾図柄が変動表示される。この変動開始からリーチ成立前の期間は少なくとも13秒以上あり、この期間においては、装飾図柄の変動表示演出の他にも、様々な予告演出が行われる。
特別図柄の変動開始から少なくとも13秒が経過すると、例えば、左右領域(領域g51aおよび領域g51c)に同種の装飾図柄が停止して、リーチ成立となる。その後、中領域g51bに装飾図柄を変動させるリーチ演出が行われる。図7−16に示すように、特別図柄の変動を契機とした特図特定演出は、このリーチ成立の後に行われる。具体的には、図7−9で示した識別表示「RUSH」を含む複数の識別表示を変動表示させる特定演出g70が行われる。
このように、特別図柄の変動を契機とした特図特定演出は、リーチ成立後に行われ、リーチ成立前には行われない。また、識別表示「RUSH」は、特図特定演出においてのみ用いられる。このため、識別表示「RUSH」は、リーチ成立後に開始される特定演出においてのみ用いられ、リーチ成立前に開始される特定演出においては用いられない。
なお、特図特定演出を実行させる特定の変動パターン(変動パターンP1、変動パターンP100、変動パターンP101)以外の変動パターンが選択された場合、普通図柄の変動を契機とした普図特定演出が行われる。この普通図柄の変動を契機とした普図特定演出において、特別図柄判定の結果に基づく演出が行われる場合がある。
図7−17は、普通図柄の変動を契機とした普図特定演出において特別図柄判定の結果を示唆する演出が行われる場合の一例を示す図である。
図7−17に示すように、まず、特別図柄の変動開始時に、例えば大当たり図柄Cでの大当たりと判定されたとする。大当たり図柄Cで大当たりの場合には、変動パターンP1が選択されることはないため、特別図柄の変動を契機とした特図特定演出は行われない。したがって、普通図柄の変動を契機とした普図特定演出の実行は禁止されない。
特別図柄の変動開始後に、普通図柄が変動開始したとする。普通図柄の変動開始時に、既に開始されている特別図柄の変動に係る特別図柄判定の結果が参照される。この特別図柄判定の結果に基づいて、普通図柄の変動を契機とした普図特定演出の内容が決定され、普通図柄の変動に応じて当該普図特定演出が開始される。例えば、識別表示「激熱」を含む特定演出が開始され、所定時間経過後に、識別表示「激熱」が停止表示される。
このように、普通図柄の変動を契機とした普図特定演出において、特別図柄判定の結果を示唆する識別表示「激熱」を停止させる演出が行われる。また、図7−8に示す識別表示「好機」や識別表示「擬似」を停止させる特定演出も、普通図柄の変動を契機として行われる。
次に、普通図柄の変動を契機とした普図特定演出の実行時間について説明する。図7−18は、特別図柄の変動期間中に普通図柄が変動してから停止する場合の普図特定演出の一例を示す図である。図7−19は、特別図柄の変動開始時及び/又は変動停止時を跨いで普通図柄が変動する場合の普図特定演出の一例を示す図である。
図7−18に示すように、特別図柄が変動してから停止するまでの特別図柄変動期間中に、普通図柄が変動開始してから停止する場合、普通図柄の変動を契機とした普図特定演出は、普通図柄の変動開始のタイミングで開始され、普通図柄の変動停止のタイミングで終了される。すなわち、普通図柄の変動時間は12秒であり、普図特定演出も12秒間行われる。
一方、図7−19に示すように、特別図柄の変動期間中に普通図柄が変動開始し、当該特別図柄の変動が終了した後に普通図柄が停止する場合、普図特定演出は、普通図柄の変動時間よりも短い時間行われる。具体的には、普通図柄の変動時間12秒のうち、後半の6秒だけ普図特定演出が行われる。
なお、図7−19では、普通図柄の変動時間が特別図柄の変動開始時及び/又は変動停止時を跨ぐ場合、普図特定演出の実行時間を短くしたが、普図特定演出が特別図柄の変動開始時及び/又は変動停止時を跨がないように、普図特定演出の実行開始時を設定してもよい。
図7−20は、特別図柄の変動開始時及び/又は変動停止時を跨いで普通図柄が変動する場合の普図特定演出の他の例を示す図である。図7−20に示すように、特別図柄の変動中に普通図柄が変動開始する場合において、特別図柄が停止した後に普通図柄が停止する場合、普通図柄の変動期間の後半で普図特定演出を行うと、特別図柄の停止タイミングにおいて普図特定演出が実行中となる場合がある。この場合において、普通図柄の変動期間の前半で普図特定演出を行うと、特別図柄が停止する前に当該普図特定演出を終了することができる。したがって、この場合、普通図柄の変動期間の前半で普図特定演出を実行してもよい。また、特別図柄の変動開始時及び/又は変動停止時を跨がないように、普図特定演出の実行開始時、および実行時間が調整されてもよい。
このように、特別図柄の変動期間中に普通図柄が変動してから停止する場合は、当該普通図柄の変動時間と同じ時間の普図特定演出が行われる。特別図柄の変動期間中に普通図柄が変動して、かつ、その特別図柄の変動期間が終了後に普通図柄が停止する場合は、当該普通図柄の変動期間よりも短い時間の普図特定演出が行われる。このように、普通図柄の変動が特別図柄の変動開始時及び/又は変動停止時を跨ぐ場合は、普図特定演出の実行時間が短縮されることにより、特別図柄の変動開始時又は変動停止時を跨いで普図特定演出が行われる頻度を少なくすることができる。
上述のように、特定演出は、普通図柄判定の結果を示唆する場合もあれば、特別図柄判定の結果を示唆する場合もある。また、特定演出は、普通図柄の変動を契機として実行される場合もあれば、特別図柄の変動を契機として実行される場合もある。このため、特定演出が実行された場合、普通図柄判定において長開放当たりとなることを遊技者に期待させるとともに、特別図柄判定において大当たりとなることも期待させることができる。しかしながら、特定演出の実行中に特別図柄の変動が終了すると、その特定演出は、特別図柄判定の結果に基づくものではないと遊技者が推測容易となってしまい、特定演出が実行されても特別図柄判定の結果が大当たりであることに対する期待感を持つことができない。
このようなことから、本実施形態では、特別図柄の変動期間中に普通図柄が変動して停止しない場合は、普図特定演出の実行時間を短くして、特別図柄の変動期間中に普図特定演出が実行されやすくする。これにより、特定演出が実行された場合に、大当たりに対する期待感および電動チューリップg17が長開放されることに対する期待感を遊技者に持たせることができる。
図7−21は、特定演出の演出パターンの一例を示す図である。図7−21に示すように、特定演出のパターンとしては、パターン1〜6、およびリーチ後パターン1〜3がある。
例えば、パターン1では、例えば図7−6に示す識別表示g71の構成として、左から順に、識別表示「×」、識別表示「開」、識別表示「×」、識別表示「開」、識別表示「×」の5つの識別表示が用いられる。なお、図7−6では、紙面の都合上、4つの識別表示が表示されているが、実際には例えば5つの識別表示が表示される。パターン1では、このような識別表示g71の構成において、強調表示g72が移動することによって5つの識別表示が変動表示され、普通図柄判定の結果に応じて、強調表示g72が識別表示「×」又は識別表示「開」に停止する。
また、パターン2では、識別表示g71の構成として、左から順に、識別表示「×」、識別表示「開」、識別表示「×」、識別表示「開」、識別表示「好機」の5つの識別表示が用いられる。パターン2では、このような識別表示g71の構成において、強調表示g72が移動することによって5つの識別表示が変動表示され、普通図柄判定の結果及び/又は特別図柄判定の結果に基づいて、強調表示g72が識別表示「×」、識別表示「開」、又は、識別表示「好機」に停止する。例えば、識別表示「開」に強調表示g72が停止した場合は、普通図柄判定の結果が長開放当たりであることを意味し、電動チューリップg17が長開放する。また、識別表示「好機」に強調表示g72が停止した場合は、特別図柄判定の結果を示唆し、特別図柄判定において所定の確率で大当たりとなることを示唆する。また、例えば、パターン3では、最も右側の識別表示が「激熱」であり、識別表示「激熱」に強調表示g72が停止した場合は、識別表示「好機」に停止する場合よりも大当たりに対する信頼度が高い。
また、例えば、パターン6では、識別表示g71の構成として、左から順に、識別表示「×」、識別表示「好機」、識別表示「×」、識別表示「激熱」、識別表示「擬似」の5つの識別表示が用いられる。パターン6では、特別図柄判定の結果に基づいて、強調表示g72が識別表示「×」、識別表示「好機」、識別表示「激熱」、又は、識別表示「擬似」に停止する。
図7−21に示すパターン1〜6の特定演出は、普通図柄の変動を契機として行われる普図特定演出である。
一方、図7−21に示すように、リーチ後パターン1〜3では、左から3番目の識別表示として、識別表示「RUSH」を含む構成の特定演出が行われる。このリーチ後パターン1〜3の特定演出は、上述した特定の変動パターン(変動パターンP1、P100、又はP101)が選択された場合のみ行われる。すなわち、リーチ後パターン1〜3の特定演出は、特別図柄の変動を契機として行われる特図特定演出であり、強調表示g72が識別表示「RUSH」に停止した場合は、特別図柄判定の結果が大当たり図柄A又は大当たり図柄Bでの大当たり(RUB大当たり)であることを示す。
以上のように、本実施形態では、普通図柄の変動を契機とした普図特定演出および特別図柄の変動を契機とした特図特定演出が、同様の演出態様で行われ、普通図柄判定の結果又は特別図柄判定の結果を示唆する演出が行われる。このような特定演出を行うことにより、普通図柄判定又は特別図柄判定の結果を示唆することができ、興趣性を向上させることができる。
なお、特別図柄判定の結果を示唆する演出の内容については、例えば大当たり遊技後に高確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1(図1−17−2参照))が判定された場合、中確率状態に移行する大当たり(例えば4R長当たり2(図1−17−2参照))が判定された場合、低確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり3(図1−17−2参照))が判定された場合など、大当たり遊技後に移行する確率の状態に関するものであってもよい。
次に、演出制御の一例について図7−40を参照して説明する。
図7−40に示すように、始動条件の成立(第1始動口g11又は第2始動口g12に遊技球が入賞したこと、かつ、大当たり遊技中でも特別図柄の変動中でもないこと)に応じて、特別図柄表示器(第1特別図柄表示器g41又は第2特別図柄表示器g42)において特別図柄が変動開始する。この特別図柄の変動中に、別の始動条件の成立(ゲートg15又はg16を遊技球が通過し、かつ、電動チューリップg17の開放中でも普通図柄の変動中でもないこと)に応じて、普通図柄が変動開始する(普図変動1)。
この場合において、普通図柄の変動時間は12秒であり、特別図柄の変動時間が終了するまでに普通図柄が停止するため、12秒の普図特定演出が普通図柄の変動開始と同タイミングで行われる。なお、普図特定演出は、必ず実行されるわけではなく、普通図柄判定の結果に基づいて実行するか否かが決定される。また、この場合において、変動中の特別図柄に係る特別図柄判定の結果に基づいて、特別図柄判定の結果を示唆する演出が行われる場合もある。その後、普図変動1が終了し、かつ、特別図柄の変動が終了する。
次に、2回目の特別図柄の変動が開始し、当該変動中に2回目の普通図柄の変動が開始する(普図変動2)。2回目の特別図柄の変動時間は比較的短く、この普通図柄の変動中に特別図柄の変動は終了する。このため、普図変動2では、普図特定演出は短く設定され、普通図柄の変動期間の後半においてのみ普図特定演出が行われる。その後、普図変動2が終了する。
次に、特別図柄が変動していない間に、3回目の普通図柄の変動が開始する(普図変動3)。この場合、普図特定演出の時間は12秒に設定され、12秒の普図特定演出が行われる。この間に特別図柄が変動した場合でも、普通図柄の変動開始時に決定した普図特定演出の時間および内容は変更されない。その後、普通図柄が停止し、特別図柄も停止する。
さらにその後、特別図柄の変動が開始される(特図変動A)。この特別図柄の変動開始に応じて、装飾図柄g51を用いた変動演出が開始される。また、この特別図柄の変動開始時において、大当たり図柄Aでの大当たりと判定され、特別図柄の変動パターンが特定変動パターン(変動パターンP1)であると判定される。また、変動開始時に特図特定演出を実行すると決定される。この特別図柄の変動中に普通図柄が変動開始しても、特図特定演出を実行すると決定されているため、普通図柄の変動を契機とした普図特定演出は実行されない。
特図変動Aが開始してから所定時間が経過すると、リーチ成立となる。リーチ成立以降の所定のタイミングにおいて、特図特定演出が開始される。特図特定演出では、識別表示「RUSH」を含む変動表示演出が行われ、所定時間後に識別表示「RUSH」が停止する。その後、大当たり遊技が開始される。
以上のように、遊技制御部g100(図1−3の遊技制御部a200に相当)からのコマンドに基づいて、演出制御部g130による演出制御が行われる。本実施形態では、遊技制御部g100からの特別図柄の変動開始コマンドに基づいて、上述のような特図特定演出が行われる。また、遊技制御部g100からの普通図柄の変動開始コマンドに基づいて、普図特定演出が行われる。
具体的には、普通図柄の変動開始に応じて遊技制御部g100から送信される普通図柄の変動開始コマンドに基づいて、特定演出g70(普図特定演出)を行うか否かが決定され、特定演出g70を行うと決定された場合、特定演出g70として、識別表示g71を用いた変動演出が行われる。また、特別図柄の変動開始に応じて遊技制御部g100から送信される特別図柄の変動開始コマンドに基づいて、特定演出g70(特図特定演出)を行うか否かが決定され、特定演出g70を行うと決定された場合、特定演出g70として、識別表示g71を用いた変動演出が行われる。
特別図柄の変動を契機とした特定演出を行うと決定された場合、普通図柄の変動を契機とした特定演出を行うと決定された場合であっても、特別図柄の変動を契機とした特定演出が、普通図柄の変動を契機とした特定演出よりも優先的に行われる。これにより、特別図柄と普通図柄が同時期に変動する場合であっても、特定演出によって特別図柄判定の結果を報知することができる。なお、特別図柄の変動を契機とした特定演出よりも普通図柄の変動を契機とした特定演出が優先的に実行されてもよい。すなわち、特別図柄の変動を契機とした特定演出および普通図柄の変動を契機とした特定演出の両方を実行すると決定された場合、いずれか一方が優先されてもよい。
また、上記特定演出は、普通図柄の変動を契機として行われるが、特別図柄判定の結果において特定の大当たり図柄で大当たりと判定された場合は、特別図柄の変動を契機として行われる。大当たり図柄は、大当たりの種類(大入賞口g13Bを開放する16R大当たりや4R大当たり)を決定する。このため、特定の大当たりの種類を上記特定演出によって報知することができる。
また、上記特定演出は、普通図柄の変動を契機として行われるが、特別図柄判定の結果において特定の変動パターンが選択された場合は、特別図柄の変動を契機として行われる。これにより、種々の条件によって特定演出を行うことができ、演出の実行パターンが単純化することを防止し、遊技者を飽きさせないようにすることができる。
また、普通図柄の変動を契機として行われる上記特定演出は、特別図柄の変動開始及び/又は停止タイミングを跨がずに普通図柄が変動する場合は、普通図柄の変動時間だけ行われ、当該タイミングを跨いで普通図柄が変動する場合は、演出時間は短くなる。これにより、特定演出の実行中に特別図柄が変動開始及び/又は停止する頻度を下げることができる。
また、識別表示「RUSH」を含む特定演出は、特別図柄の変動中の所定のタイミング(例えば、リーチ成立タイミング)よりも後に行われ、所定のタイミングよりも前には行われない。すなわち、識別表示「RUSH」は、所定のタイミングより後にしか特定演出中の識別表示として出現しない。このため、所定タイミングより後に特定演出が実行されて識別表示「RUSH」が出現すると、当該識別表示「RUSH」に停止することを遊技者に期待させることができる。
なお、識別表示「RUSH」を含む特定演出は、リーチ前に行われ、リーチ後には行われないように構成されてもよい。すなわち、特別図柄の変動中の所定のタイミングの前及び後のいずれか一方では、識別表示「RUSH」を含む特定演出が行われ、他方では、識別表示「RUSH」を含まない特定演出が行われるように構成されてもよい。
〔変形例〕
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の形態であってもよい。
例えば、上記実施形態では、4つの種類の大当たり(大入賞口g13Aを開放する16R大当たり、大入賞口g13Aを開放する4R大当たり、大入賞口g13Bを開放する16R大当たり、大入賞口g13Bを開放する4R大当たり)が用意されたが、大当たりの種類はこれに限らない。また、上記実施形態では4つの種類の大当たりに対応して大当たり図柄が4種類用意された。他の実施形態では、大当たり図柄と大当たりの種類とが、多対一で対応付けられてもよい。すなわち、ある大当たりの種類を決定する大当たり図柄が複数用意され、別の大当たりの種類を決定する他の大当たり図柄が複数用意されてもよい。
また、上記特定演出の態様としては上述した例に限らず、特定演出は、他の任意の態様の演出であってもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄判定の結果が大当たりである場合に、大当たり図柄に応じて確変遊技状態に変化する遊技機を想定した。他の実施形態の遊技機では、大当たりとなった場合において、大当たり図柄に応じて所定の入賞口(V入賞口)が大当たり遊技中に開放し、遊技球が当該V入賞口に入賞した場合に、確変遊技状態に移行するように構成されてもよい。このような遊技機では、大当たり図柄の種類に応じて、大当たり遊技中にV入賞口が長開放か短開放し、長開放した場合には遊技球はV入賞口に入賞し、短開放した場合にはほぼ入賞しないように構成されている。このような遊技機では、V入賞口に入賞した場合に確変遊技状態に移行して、当該確変遊技状態が所定期間(特別図柄の変動回数が所定回数)継続し、所定期間を経過すると、通常遊技状態に戻る。このような遊技機において、V入賞口が長開放する大当たりと判定された場合に、上記特定演出が実行されてもよい。
なお、例えばV入賞口に入賞した場合に、大当たり遊技後に移行する確変遊技状態としては、上述のとおり中確率状態および高確率状態のいずれかを例示できる。さらには、複数の入賞口(例えば第1V入賞口、第2V入賞口)のうち一方の第1V入賞口に入賞すると大当たり遊技後に中確率状態に移行し、他方の第2V入賞口に入賞すると大当たり遊技後に高確率状態に移行するように構成してもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機g1の構成は単なる一例に過ぎず、他の構成であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
〔本発明に係る遊技機の構成とその作用効果〕
以上説明したように、本発明に係る遊技機は以下のような構成であってもよい。なお、括弧書きは単なる例示にすぎない。
本発明に係る遊技機は、第1始動条件の成立(第1始動口g11又は第2始動口g12への遊技球の入賞)に応じて、特別遊技(大入賞口g13A又はg13Bの開放)を実行するか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段と、前記第1始動条件の成立に応じて、第1図柄表示手段に第1図柄を変動させてから停止させることにより、前記特別遊技判定の結果を報知する第1図柄制御手段と、前記第1始動条件とは独立して成立し得る第2始動条件の成立(ゲートg15又は16への遊技球の通過)に応じて、前記特別遊技とは異なる所定遊技(第2始動口g12の開放)を実行するか否かの所定遊技判定を行う所定遊技判定手段と、前記第2始動条件の成立に応じて、第2図柄表示手段に第2図柄を変動させてから停止させることにより、前記所定遊技判定の結果を報知する第2図柄制御手段と、所定の演出の制御を行う演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記第1図柄の変動に応じて特定演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合に、当該特定演出を実行する第1特定演出実行手段と、前記第2図柄の変動に応じて前記特定演出を実行するか否かを決定し、実行すると決定した場合に、当該特定演出を実行する第2特定演出実行手段と、前記第1特定演出実行手段および前記第2特定演出実行手段によって前記特定演出を実行すると決定される場合、前記第1特定演出実行手段による前記特定演出および前記第2特定演出実行手段による前記特定演出のうちのいずれか一方を優先させる優先制御手段と、を含む。
上記構成によれば、第1図柄の変動に応じて特定演出を実行可能であるとともに、第2図柄の変動に応じて特定演出を実行することができる。第1図柄の変動に応じて特定演出を実行する場合は、第2図柄の変動に応じて特定演出を実行すると決定される場合であっても、第1図柄の変動に応じた特定演出を優先的に実行することができる。
〔第8の形態例〕
第8の形態例について説明する。
ここで、従来の遊技機では、図柄変動中には図柄変動に対応した変動演出が実行され、大当たり遊技中には大当たり遊技に対応した大当たり演出が実行されるというように、図柄変動中と大当たり遊技中とで全く異なる演出が行われていた。このため、図柄変動中における演出と大当たり遊技中における演出との関連性を遊技者に感じさせるような効果的な演出が行われているとは言えなかった。
そこで、第8の形態例は、図柄変動中と大当たり遊技中とにおいて演出の興趣性を向上することが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用する。
すなわち、第8の形態例に係る遊技機(h1)は、操作可能な操作手段(h26)を備え、始動条件の成立に応じて、有利な特別遊技を実行するか否かを判定して当該判定の結果に応じて前記特別遊技を実行する遊技機であって、図柄表示手段に図柄を変動表示させてから前記特別遊技の判定の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段(h101,Sh316)と、前記図柄表示手段における図柄の変動表示中において、所定の条件下で、演出音を出力するとともに、出力される演出音に関連したタイミングで操作を行うことを指示する第1演出を実行する第1演出実行手段(h140,Sh110)と、前記第1演出が実行されたときの図柄変動において特別遊技を実行すると判定されたことを示す図柄が停止したことに続いて実行される特別遊技中において、演出音を出力するとともに、出力される演出音に関連したタイミングで操作を行うことを指示する第2演出を実行する第2演出実行手段(h140,Sh125)とを備える。
以下、「図8−」を含む図面番号を持つ図面(以下、図8ということがある)を参照して具体的に説明する。なお、第8の形態例について、第1の形態例の図面(図1)や他の形態例を参照する場合がある。
〔大当たりの種類毎に行われる演出〕
第8の形態例でのパチンコ遊技機h1(図1−1のパチンコ遊技機a100に相当)において行われる演出について、図8−6〜図8−15を参照して説明する。図8−6は、通常遊技状態において大当たりと判定された場合における、大当たりの種類と演出との関係を示す図である。
なお、図8−6の16R確変当たりは「16R長当たり1(高確率時短)」に対応し(図1−17−2参照)、図8−6の4R確変当たりは「4R長当たり1(高確率時短)」または「4R長当たり2(中確率時短)」に対応する(図1−17−2参照)。
また、図8−6の16R確変当たり(RUB)は、第1の形態例における「16R長当たり2(RUB)(高確率時短)」に対応する(図1−17−2参照)。
付言すると、図8−6における第1大入賞口(右下)は、第1の形態例で説明した第1大入賞口a125A(図1−1参照)に相当するものである。また、図8−6における第2大入賞口(羽根アタッカー)は、第1の形態例で説明した第2大入賞口a125B(図1−1参照)に相当するものである。
図8−6に示すように、16R確変当たり及び4R確変当たりは、第1大入賞口h13(図1−1の第1大入賞口a125Aに相当)を使用する大当たりである。これらの大当たりになる場合、図柄変動中においては、SPリーチ演出やSPSPリーチ演出等の各種リーチ演出が行われた後に、大当たりになったことと大当たりの種類とが報知される。そして、この図柄変動に続く大当たり遊技では、1ラウンド目の長開放ラウンド遊技中に遊技者による動画の選択操作が行われて、2ラウンド目のラウンド遊技が開始されて以降、遊技者が選択した動画の再生が行われる。
このように、16R確変当たり又は4R確変当たりとなった場合には、図柄変動中と大当たり遊技中とで、異なる演出が行われる。
一方、16R確変当たり(RUB)及び4R確変当たり(RUB)は、第2大入賞口h19(図1−1の第2大入賞口a125Bに相当)を使用する大当たりである。これらの大当たりになる場合、図柄変動中においては、遊技者に演出ボタンh26(図1−1の演出ボタンa161に相当)を操作させるゲーム演出が行われ、このゲームの結果報知によって、大当たりか否かが報知される。そして、この図柄変動に続く大当たり遊技では、図柄変動中におけるゲーム演出用の動画および演出音(楽曲)の再生を引き継ぐ形で、図柄変動中と同種のゲーム演出が行われる。そして、この2回目のゲームの結果報知によって、ラウンド昇格の有無が報知される。
このように、16R確変当たり(RUB)又は4R確変当たり(RUB)となった場合には、図柄変動中と大当たり遊技中とで、同種のゲーム演出が行われる。
図8−7は、図柄変動中から大当たり遊技中にかけて行われる演出の流れを、大当たりの種類毎に示す図である。図8−8は、第1大入賞口h13を用いる大当たりに関する演出の具体例を示す画面図である。図8−9及び図8−10は、液晶表示装置h5(図1−1の画像表示部a114に相当)に表示される動画の選択画面を例示した画面図である。
〔第1大入賞口h13を使用する大当たりの場合〕
以下、図8−7(A)、及び図8−8〜図8−10を参照しつつ、第1大入賞口h13を用いる大当たり(RUB以外の大当たり)に関する演出について説明する。
通常遊技状態で遊技が制御されているときに第1始動口h11(図1−1の第1始動口a121に相当)に遊技球が入賞すると、第1特別図柄表示器h41(図1−3の第1特別図柄表示器a221に相当)において特別図柄の変動表示が開始されるのに伴い、液晶表示装置h5に3列表示された装飾図柄が上から下にスクロールするように装飾図柄の変動表示が開始される(図8−8(S−A)参照)。そして、液晶表示装置h5の表画面における有効ライン上に左図柄、右図柄、中図柄の順で装飾図柄が擬似停止するに際して、互いに異なる左図柄及び右図柄が擬似停止された場合、リーチは成立しない。この場合、第1特別図柄表示器h41にハズレ図柄が停止表示されるのに伴い、有効ライン上にバラケ目が停止表示される。
一方、各図柄が擬似停止するに際して、左図柄及び右図柄として有効ライン上に同じ装飾図柄が擬似停止されると、リーチ成立となり(図8−8(S−B)参照)、液晶表示装置h5ではリーチ演出が行われる。このリーチ演出は、具体的には、図8−7(A)に例示されるように、リーチ演出用の動画(例えば所定のストーリーを再生する動画)を背景画像として再生しつつ、有効ライン上に左図柄及び右図柄と同じ中図柄が停止するのではないかといった遊技者の期待感を煽る装飾図柄を用いたリーチ演出が行われる。また、このリーチ演出中は、再生中のリーチ演出用動画に対応する演出音(具体的には、リーチ演出用動画に対応する楽曲A)がスピーカh25(図1−1のスピーカa156に相当)から出力される。
そして、図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間が経過すると、第1特別図柄表示器h41に例えば16R確変当たりであることを示す大当たり図柄が停止表示されるのに伴い、有効ライン上に図柄揃いとなる3つの装飾図柄が本停止される(図8−8(S−C)参照)。なお、図8−8(S−B)及び(S−C)から明らかなように、リーチ演出中及び図柄停止中は、各装飾図柄が液晶表示装置h5の画面中央に大きく表示される。
このようにして図柄が停止表示されると、大当たり遊技のオープニング期間において、所定のオープニング演出が行われる。具体的には、図8−7(A)に例示されるように、オープニング演出用の動画(例えば特定の人物が大当たりを祝福している様子を撮影した動画)を背景画像として再生しつつ、大当たりとなったことや大当たりの種類を報知する演出表示と共に、右打ち報知が行われる。具体的には、「SUPER○○ボーナス!」といった文言と共に「右を狙って下さい」といったメッセージがオープニング演出用の動画に重畳表示される。このオープニング演出中は、再生中のオープニング演出用動画に対応する演出音(具体的には、「大当たり!」といった音声)がスピーカh25から出力される。
このようにしてオープニング演出が行われるオープニング期間が終了すると、1ラウンド目の長開放ラウンド遊技中において、液晶表示装置h5に動画選択画面が表示される(図8−7(A)、及び図8−8(S−D)参照)。なお、動画選択画面の表示中は、動画選択画面に対応する所定の演出音(BGM等)がスピーカh25から出力される。
図8−9に例示されるように、動画選択画面においては、選択可能な動画のリストが含まれており、遊技者は、再生する動画を、十字キーh27(図1−2の演出キーa162に相当)を用いて選択し、演出ボタンh26を用いて決定(指定)する。なお、選択中の状態である動画(図8−9では“動画1”)はハイライト表示され、演出ボタンh26が押下された時点で選択中の状態である動画が、再生する動画として決定される。また、本実施形態では、動画選択画面において選択できる動画は、連チャン数(大当たりの連続回数)に応じて増加していく。なお、選択可能な動画の数は、大当たりの種類に関わらず増加する。図8−10は、図8−9に示す状態(3連チャン目)よりも連チャン数が多い状態における動画選択画面の一例を示しており、図8−9及び図8−10に例示されるように、本実施形態においては、動画選択画面において、連チャン数に応じた数の動画を選択することが可能である。
1ラウンド目の長開放ラウンド遊技において動画が選択されると、本実施形態では、2ラウンド目の長開放ラウンド遊技の開始時に、選択された動画の再生が開始される(図8−7、図8−8(S−E)参照)。また、選択された動画に対応する演出音である楽曲(図8−7では、上記リーチ演出中の楽曲Aとは異なる楽曲B)がスピーカh25から出力される。なお、再生する動画が1ラウンド目において決定(指定)されなかった場合、1ラウンド終了時に選択状態にあった(ハイライト表示されていた)動画及びその動画に対応する楽曲が2ラウンド目以降において再生される。
図8−7(A)に示すように、上記の動画は最終ラウンド終了時まで再生される。そして、その後、大当たり遊技のエンディングにおいて、エンディング演出が行われる。エンディングにおいては、大当たり遊技が終了した後の遊技状態(ここでは確変遊技状態)を示唆する演出モードを遊技者に対して報知するエンディング演出(例えば、「確変モード突入」といった表示)が行われる。また、上記エンディング演出とともに、エンディング用の背景動画と、エンディング用の背景動画に対応する演出音(例えば効果音)とが再生される(図8−7(A)参照)。
なお、本実施形態においては、第1大入賞口h13を用いる大当たりの場合は、大当たりの種類が16R確変当たり及び4R確変当たりのいずれであっても、動画選択画面が表示されて動画の選択が可能となる。ただし、他の実施形態においては、4R確変当たりの場合は、遊技者による動画の選択を行わないようにしてもよい。4R確変当たりの場合、16R確変当たりに比べて大当たり遊技の時間が短いので、1ラウンド目に動画を選択していると、大当たり遊技中に動画を再生するための十分な時間が確保できなくなるおそれがあるからである。すなわち、4R確変当たりの場合は、予め設定された動画(及び演出音)が1ラウンド目から再生されてもよい。
以上のように、第1大入賞口h13を用いる大当たりの場合、図柄の変動中から停止するまでの期間、オープニングの期間、及び、大当たり遊技中の期間において、それぞれ異なる動画が再生され、異なる演出音(楽曲)が再生される(図8−7(A)参照)。そのため、液晶表示装置h5及びスピーカh25等を用いて行われる演出全体としても、大当たり遊技の開始前後で、演出が連続しないものとなっている。
〔第2大入賞口h19を用いる大当たりの場合〕
図8−11及び図8−12は、RUBに当選する可能性がある図柄変動中に行われるゲーム演出の具体例を示す画面図である。図8−12及び図8−13は、RUBに係る大当たり遊技中に行われるゲーム演出の具体例を示す画面図である。
以下、図8−7(B)及び(C)、図8−11〜図8−15を参照しつつ、第2大入賞口h19(図1−1の第2大入賞口a125Bに相当)を用いる大当たり(RUB)に関する演出について説明する。図8−6に示すように、初当たりがRUBとなる場合、図柄変動中において1回目のゲーム演出が行われ、大当たり遊技中において2回目のゲーム演出が行われる(図8−6参照)。1回目のゲーム演出は、大当たりであるか否かを報知するための演出であり、2回目のゲーム演出は、大当たり遊技中に行われるラウンド数(長開放ラウンド遊技の回数)が16回であるか否かを報知するための演出である。詳細は後述するが、初当たりがRUBとなる場合においては、図柄変動中から大当たり遊技中にかけて1つの背景演出(動画と、BGMとなる楽曲等の演出音)が継続して行われる。また、図8−6に示すように、RUBに関しては、羽根型のアタッカーである第2大入賞口h19を用いて大当たり遊技が行われる。
遊技球が第1始動口h11に入賞したことに応じて行われた大当たり判定の結果、RUBとなる可能性がある場合、図柄変動中において1回目のゲーム演出が行われる(図8−7(B),(C)参照)。具体的には、まず、遊技球が第1始動口h11に入賞したことに応じて液晶表示装置h5において装飾図柄の変動表示が開始され、ゲーム演出の実行を示唆する中図柄を含む3つの装飾図柄が有効ライン上に疑似停止する。これにより、1回目のゲーム演出が開始される(図8−11(S−G)参照)。なお、装飾図柄の変動表示が開始されてから、ゲーム演出の実行を示唆する装飾図柄が疑似停止されるまでの間は、RUB以外の大当たりとなる場合と同様、各装飾図柄が液晶表示装置h5の画面中央に大きく表示される。
1回目のゲーム演出が開始される場合、まず、ゲーム開始を示す演出として、例えば、ゲーム開始までのカウントダウンの表示や、「リズムに合わせてボタンを押せ!」といった操作内容を示す表示が行われたり、それらの表示に合わせて演出音(効果音)の出力が行われたりする。それに続いて、1回目のゲーム演出が開始される。
図8−12に例示されるように、液晶表示装置h5の画面領域の一部(ここでは画面下側の領域)にゲーム領域h61が設けられ、ゲーム領域h61内に、基準ボタン画像h62及び移動ボタン画像h63が表示される。基準ボタン画像h62は所定位置に固定して表示され、移動ボタン画像h63は、画面の端(ここでは左端)から基準ボタン画像h62の上を通って右側に移動するように表示される。また、図8−12に示すように、液晶表示装置h5には、「リズムに合わせて押せ!」といったメッセージが表示される。ここで行われるゲームは、いわゆるリズムゲームであり、複数の移動ボタン画像h63が基準ボタン画像h62の上を順次通過するタイミングで、タイミングよく操作(リズム入力操作)を行うゲームである。ゲームにおける操作方法は任意であるが、本実施形態においては、演出ボタンh26を押下する操作とする。
また、図示しないが、上記の操作が行われたことに応じて、操作タイミングと、移動ボタン画像h63が基準ボタン画像h62上を通過したタイミングとの時間差が評価され、評価結果が表示される。例えば、両者のタイミングが近い場合から順に、「絶妙」、「最高」、「いいぞ」、「おしい」といった評価結果が基準ボタン画像h62の近傍に表示される。
ここで、1回目のゲーム演出が開始される場合、背景演出として、ゲーム演出用の背景動画h65が再生され、背景動画h65に対応する演出音(具体的には、楽曲C)が再生される(図8−7(B)及び(C)参照)。なお、ゲーム演出用の演出音である楽曲Cは、上述したRUB以外の大当たりの場合に再生される演出音である楽曲A及び楽曲Bとは異なる。ただし、他の実施形態においては、楽曲Cは楽曲A又は楽曲Bと同じであってもよい。また、移動ボタン画像h63は、演出音である楽曲Cのテンポやリズムに応じたタイミングで基準ボタン画像h62上を通過する。したがって、1回目のゲームは、楽曲に合わせたタイミングで操作を行うリズムゲームである。このように、本実施形態においては、図柄変動中において、演出音(楽曲)を出力するとともに、出力される演出音に関連したタイミングで操作を行うことを指示するゲーム演出が行われる。
また、図8−12に示すように、液晶表示装置h5にはゲージh64が表示される。ゲージh64は、上記リズムゲームの操作に応じてゲージ量(ゲージのうちで色が変化している部分。図8−12では斜線領域で示される。)が上昇するように表示される。詳細は後述するが、ゲームが成功する場合(大当たりが報知される場合)には、ゲージ量が上限まで達する表示が行われる。一方、1回目のゲーム演出は、大当たり判定においてハズレであると判定された場合でも一定条件下で行われ、この場合、演出ボタンh26を押下しても一定以上はゲージ量が増加しなくなり、ゲームが失敗する。
なお、1回目のゲーム演出中においては、装飾図柄h66は、視認性を低下させた状態で変動表示される。具体的には、ゲーム演出の開始前において上述のように疑似停止した後、装飾図柄は、画面の右下付近に移動し、リーチ演出が行われる場合と比べて小さく、半透明で表示される。これは、図柄変動中の演出と大当たり遊技中の演出との連続性が損なわれるのを抑制するためである。また、装飾図柄h66は、1回目のゲーム演出終了後において、通常の視認状態で(つまり、半透明でない状態で)停止表示される。このとき、停止表示される装飾図柄は、ゲーム演出中と同様、画面の端部付近に小さく(つまり、ゲーム演出中と同じ大きさで)表示される。なお、図8−12には、装飾図柄h66が基準ボタン画像h62の右側に表示されているが、装飾図柄h66を基準ボタン画像h62の背面側に変動表示して、図柄変動中の装飾図柄h66の視認性を低下させるようにしてもよい。
図8−13は、1回目のゲーム演出が行われる時に、図8−12に示す画像の後に表示される画像の一例を示す図である。1回目のゲーム演出においては、図8−12に示す移動ボタン画像h63が所定個数だけ移動表示された後、図8−13に示すように、連打することを示す連打ボタン画像h67が移動表示される。連打ボタン画像h67も移動ボタン画像h63と同様、画面の端(左端)から基準ボタン画像h62の上を通って右側へ移動するように表示される。また、図には示されていないが、連打ボタン画像h67が基準ボタン画像h62の上を通過する間に操作が行われた回数(連打数)が、基準ボタン画像h62の近傍に表示される。
以上説明したように、1回目のゲーム演出において、遊技者は、移動ボタン画像h63の移動に応じたタイミングで操作(リズム入力操作)を行った後、連打ボタン画像h67が基準ボタン画像h62の上を通る間に演出ボタンh26を連打する操作(連打入力操作)を行うことになる。
連打ボタン画像h67が表示された後、1回目のゲーム演出は終了し、図柄変動の終了時に、ゲームの結果(成功/失敗)が報知される。すなわち、ハズレであると判定されている場合は、ゲージh64のゲージ量は上限まで上昇せず、ゲームが失敗する。このとき、失敗を報知する演出として、「失敗」等の文字が表示される演出が行われてもよい。一方、RUBであると判定されている場合には、ゲームが成功となり、大当たり遊技が行われる。
RUBであると判定されている場合、図柄の変動表示が終了すると、16R確変当たり(RUB)又は4R確変当たり(RUB)であることを示す大当たり図柄が第1特別図柄表示器h41に停止表示されるのに伴い、RUBを示す装飾図柄h60が停止表示される(図8−11(S−H)参照)。この装飾図柄h60は、変動表示されていた装飾図柄h66と比べると、表示位置と表示サイズとが共通しているが、他の演出画像の手前に半透明ではない態様で停止表示される点で、装飾図柄h66と相違する。このように、1回目のゲーム演出の開始後においては、装飾図柄h66は、ゲーム用の背景動画の視認性を妨げないように表示される。これによって、図柄変動中の演出と大当たり遊技中の演出との連続性が損なわれるのを抑制することができる。
また、この図柄の停止表示に続く大当たり遊技のオープニングにおいて、大当たり遊技中のラウンド数を遊技者が認識できない態様で大当たり(より特定的にはRUB)であることを報知するオープニング演出が行われる(図8−11(S−H)参照)。このオープニング演出では、具体的には、液晶表示装置h5に例えば「○○RUSH!」といった文字が表示され、「右を狙って下さい」といったメッセージが液晶表示装置h5及びスピーカh25から出力される。
なお、ゲーム演出が終了した後の装飾図柄の停止表示中、及び、オープニング演出中においては、図柄変動中のゲーム用の背景演出の動画及び演出音(楽曲C)が継続して再生される(図8−7(B),(C)、及び、図8−11(S−H)参照)。なお、大当たり遊技中においても、ゲーム用の背景演出の動画及び演出音は継続して再生される(図8−7(B)、(C)参照)。
大当たり遊技中においては、ゲーム用の背景演出の動画及び演出音が再生され、所定のタイミングで2回目のゲーム演出が開始される(図8−11(S−I)参照)。2回目のゲーム演出が開始されるタイミングは、4ラウンド目以前であればどのようなタイミングであってもよいが、本実施形態では、2ラウンド目の開始時に2回目のゲーム演出が開始される。
図8−14は、2回目のゲーム演出時において液晶表示装置h5に表示される画像の一例を示す図である。図8−14に示すように、2回目のゲーム演出時においては、1回目のゲーム演出時と同様のゲーム領域h61が設けられ、ゲーム領域h61内に、基準ボタン画像h62及び連打ボタン画像h67が表示され、ゲーム領域h61の左上方には、ゲージh64が表示される。また、液晶表示装置h5には、「連打!」といったメッセージが表示される。また、上述のように、1回目のゲーム演出時から継続して再生される、ゲーム演出用の背景動画h65がゲーム領域h61の上方に表示される。
さらに、2回目のゲーム演出時は大当たり遊技中であるので、現在のラウンド数を示すラウンド数画像h68、現在のラウンド数と今回の大当たり遊技において行われる総ラウンド数とを示すラウンドアイコンh69、及び、右打ちを促す報知のための右打ち報知画像70が液晶表示装置h5に表示される。なお、ラウンドアイコンh69は、アイコンの数で総ラウンド数を示し、アイコンの表示状態(消灯、点滅、点灯、強調表示等)で消化済みラウンドと現在のラウンドと未消化のラウンドとを示す。2回目のゲーム演出時においては、ラウンドアイコンh69は、総ラウンド数として“4”を示している(4個のアイコンが表示されている)が、後述する昇格演出が行われた場合には、“16”を示すように変更される(図8−15参照)。
2回目のゲーム演出が開始される場合、まず、ゲーム開始を示す演出として、例えば、ゲーム開始までのカウントダウンの表示や、「連打!」といった操作内容を示す表示が行われたり、それらの表示に合わせて演出音(効果音)の出力が行われたりする。それに続いて、2回目のゲーム演出が開始される。図8−14に示すように、2回目のゲーム演出においては、移動ボタン画像h63は出現せず、連打ボタン画像h67のみが出現する。つまり、大当たり遊技における2回目のゲームは、ゲーム開始を示す演出に応じて、連打ボタン画像h67が基準ボタン画像h62の上を通る間に演出ボタンh26を連打する操作を行うゲームである。なお、1回目のゲーム演出時と同様、連打ボタン画像h67が基準ボタン画像h62の上を通過する間に操作が行われた回数(連打数)が、基準ボタン画像h62の近傍に表示される。以上のように、本実施形態においては、大当たり遊技中において、演出音を出力するとともに、出力される演出音に関連したタイミングで操作を行うことを指示する(2回目の)ゲーム演出が行われる。なお、2回目のゲーム演出における操作(連打操作)は、1回目のゲーム演出における操作(リズムに合わせた押下操作及び連打操作)とは異なる内容となっている。ただし、他の実施形態においては、2回目のゲーム演出における操作は、1回目のゲーム演出における操作と同じであってもよい。
連打ボタン画像h67が表示された後、2回目のゲーム演出は終了し、ゲームの結果(成功/失敗)が報知される。2回目のゲーム演出は、ラウンド数が16回であるか否かを報知するための演出である。このため、大当たりの種類が4R確変当たり(RUB)である場合は、ゲージ量は上限まで上昇せず、ゲームが失敗し、ラウンドアイコンh69も変化しない。これに対して、大当たりの種類が16R確変当たり(RUB)である場合は、ゲージh64のゲージ量が上限まで達し、ゲームが成功し、ラウンドアイコンh69が変化する(図8−11(S−J)、及び図8−15参照)。前者の場合、大当たり遊技は4ラウンドで(長開放ラウンド遊技が4回行われた後で)終了する(図8−7(C)参照)。この場合、昇格演出は行われない。
一方、後者の場合には、2回目のゲーム演出の終了後において、ラウンド数が16回であることを報知する昇格演出が行われる(図8−11(S−J)参照)。ここでは、2ラウンド目に上記2回目のゲーム演出が行われ、3ラウンド目に昇格演出が行われる。昇格演出では、大当たり遊技開始時には「○○RUSH!」と表示されていたのが、例えば「Super○○RUSH!」といった文字が液晶表示装置h5に表示される。昇格演出が行われた場合、大当たり遊技は16ラウンドまで継続した後で終了する(図8−7(B)参照)。
図8−15は、昇格演出が行われた後において液晶表示装置h5に表示される画像の一例を示す図である。図8−15に示すように、昇格演出が行われた後、ラウンドアイコンh69は、総ラウンド数として“16”を示すように変更される(アイコンが16個表示される)。また、2回目のゲーム演出の終了後においても、1回目のゲーム演出時から背景動画h65及び演出音が継続して再生される。なお、昇格演出後においては、ゲーム演出は行われていないので、ゲーム領域h61は縮小され(消去されてもよい)、各種のボタン画像h62,h63,及びh67は表示されない。
図8−7(B)及び(C)に示すように、大当たり遊技が終了するゲーム演出用の背景演出(背景動画h65及び楽曲C)は大当たり遊技が終了するまで再生され、その後、大当たり遊技のエンディングにおいて、エンディング演出が行われる。エンディングにおいては、大当たり遊技が終了した後の遊技状態(ここでは高確状態または中確状態のいずれか)を示唆する演出モードを遊技者に対して報知するエンディング演出が行われる。このエンディング演出は、RUB以外の大当たりの場合と同じ演出であってもよい。また、エンディングにおいても、ゲーム演出用の背景演出が引き継がれる。すなわち、上記エンディング演出とともに、ゲーム演出用の背景演出の背景動画h65及び演出音(楽曲C)が再生される(図8−7(B),(C)参照)。
以上のように、本実施形態においては、図柄の変動表示中において1回目のゲーム演出が実行され、それに続いて実行される大当たり遊技中において、2回目のゲーム演出が実行される(図8−7(B),(C)参照)。ここで、上記2回目のゲーム演出は、出力される演出音(楽曲C)に関連したタイミングで操作を行うことを指示する演出であるという点で、1回目のゲーム演出と同種の演出である。また、大当たり遊技前の変動表示中から大当たり遊技中にかけて、継続して背景演出が行われる(図8−7(B),(C)参照)。このように、図柄の変動表示中から大当たり遊技中にかけて同種の演出を行うことで、大当たり遊技の開始前後において演出に連続性を持たせることができる。これによれば、図柄が停止表示した際における大当たりの報知による演出の盛り上がりが途切れることなく、大当たり遊技の演出においても継続されることになり、結果として、図柄変動中の演出と大当たり遊技中の演出との興趣性を向上することができる。
さらに、本実施形態においては、上記2回目のゲーム演出では、1回目のゲーム演出とは異なる操作が指示される。ここで、2回目のゲーム演出における操作が1回目のゲーム演出と同じであるとすると、ゲームが単調になり大当たり遊技の開始後も大当たり遊技開始前の背景演出を引き継いでいる場合には、(背景もゲーム内容も同じであるという意味で)同じゲーム演出が単に2回繰り返されているような印象を遊技者に与えてしまい、かえって興趣性を下げてしまうおそれがある。これに対して、本実施形態においては、上記2回のゲーム演出における操作の少なくとも一部を互いに異なる操作とすることによって、大当たり遊技の開始前後で背景演出に連続性を持たせつつ、大当たり遊技中の演出(2回目のゲーム演出)に新鮮味を持たせている。これによって、大当たり遊技中における演出をより興趣性の高いものとすることができる。
また、本実施形態においては、1回目のゲーム演出によって、大当たりであるか否かを報知し、2回目のゲーム演出によって、ラウンド数の昇格(ラウンド数が16回である)の有無を報知する。したがって、本実施形態においては、大当たりであるか否かを報知するゲーム演出と、ラウンド数の昇格の有無を報知するゲーム演出とに連続性を持たせることができるので、ラウンド数の昇格の報知(昇格演出)をより盛り上げることができる。
〔演出制御基板h130による第1ゲーム演出処理〕
図8−32は、第1ゲーム演出処理の詳細フローチャートである。かかる第1ゲーム演出処理は、1回目のゲーム演出に関して出力される画像及び音の制御処理であり、例えば、遊技者による操作に応じて表示に変化を与える処理等を含む。上述のとおり、第1ゲーム演出処理は、変動演出におけるゲーム演出中に実行されるものである。
なお、第1ゲーム演出は、当該変動において1回目のゲーム演出を行うか否かがサブCPUh131(図1−3のCPUa301に相当)により判定され、肯定の場合は、開始タイミングの到来により1回目のゲーム演出の開始を指示する第1ゲーム演出開始コマンドがサブRAMh133(図1−3のRAMa303に相当)にセットされた後に開始される。
図8−32に例示されるように、第1ゲーム演出処理では、まずサブCPUh131は、演出ボタンh26が押下されたか否かに基づいて、リズムゲームの操作が行われたか否かを判定する(ステップSh1120)。なお、1回目のゲーム演出中においては、操作が受け付けられる有効期間が設定されており、当該有効期間外の期間においては、リズムゲームの操作が行われていないと判定される。
リズムゲームの操作が行われたと判定した場合(ステップSh1120:YES)、サブCPUh131は、1回目のゲーム演出においてリズム入力操作(移動ボタン画像h63が基準ボタン画像h62上を通過するタイミングで行う操作)を行う期間か否かを判定する(ステップSh1121)。本実施形態においては、1回目のゲーム演出の開始時点から所定時点までの期間が、移動ボタン画像h63が表示され、リズム入力操作が遊技者に対して指示される期間であり、当該所定時点から1回目のゲーム演出の終了時点までの期間が、連打ボタン画像h67が表示され、連打入力操作が遊技者に対して指示される期間である。したがって、サブCPUh131は、1回目のゲーム演出の開始時点からの経過時間を計測しておき、経過時間が上記所定時点に到達する前か否かによって、ステップSh1121の判定を行う。
リズム入力操作を行う期間であると判定した場合(ステップSh1121:YES)、サブCPUh131は、行われた操作について操作タイミングを評価する(ステップSh1122)。すなわち、サブCPUh131は、操作が行われたタイミングと、移動ボタン画像h63が基準ボタン画像h62上を通過したタイミングとの時間差を算出し、時間差に応じた評価結果を決定する。ここでは、上記時間差が小さい場合から順に、「絶妙」、「最高」、「いいぞ」、「おしい」という4段階で評価結果が決定される。
ステップSh1122の処理に続いて、サブCPUh131は、上記ステップSh1122で得られた評価結果を示す評価結果コマンドをサブRAMh133にセットする(ステップSh1123)。評価結果コマンドは、送信処理によって画像音響制御基板h140に送信される。評価結果コマンドを受信した画像音響制御基板h140は、評価結果コマンドにより示される評価結果に応じて、「絶妙」、「最高」、「いいぞ」、及び「おしい」の文字のいずれかを液晶表示装置h5に表示する。
ステップSh1123の処理に続いて、サブCPUh131は、上記判別結果に基づいて、ゲージh64のゲージ量を増加させる量(ゲージ増加量)を算出する(ステップSh1124)。本実施形態においては、ゲージ増加量は、上記評価結果(上記時間差)に応じて決められ、具体的には、良い評価ほど(時間差が小さいほど)多くなるようにゲージ増加量が決められる。
一方、リズム入力操作を行う期間でない(連打入力操作を行う期間である)と判定した場合(ステップSh1121:NO)、サブCPUh131は、連打入力操作を行う期間において演出ボタンh26が押下された回数を計測し、計測した回数を示す連打数コマンドをサブRAMh133にセットする(ステップSh1125)。連打数コマンドは、送信処理によって画像音響制御基板h140に送信される。連打数コマンドを受信した画像音響制御基板h140は、連打数コマンドにより示される連打数を示す表示(例えば、「10連打」等)を液晶表示装置h5において行う。
ステップSh1125の処理に続いて、サブCPUh131は、ゲージ増加量を、予め定められた単位量に設定する(ステップSh1126)。つまり、連打入力操作の期間中においては、演出ボタンh26を1回押下する操作につき単位量だけ(後述する制限値未満であることを条件として)ゲージ量が増加する。
上記ステップSh1124の処理を実行した場合、又は、上記ステップSh1126の処理を実行した場合、サブCPUh131は、現在のゲージ量に対して上記ゲージ増加量を加えたゲージ量が所定の制限値以上となるか否か判定する(ステップSh1127)。ここで、現在のゲージ量は、1回目のゲーム演出の開始時に0に設定され、後述するステップSh1129によって更新された値がサブRAMh133に記憶されている。したがって、サブCPUh131は、サブRAMh133に記憶されているゲージ量と、上記ステップSh1124で算出されたゲージ増加量(又はステップSh1126で設定されたゲージ増加量)とを用いて、ステップSh1127の判定を行う。
ゲージ量が所定の制限値以上とならないと判定した場合(ステップSh1127:NO)、サブCPUh131は、表示されるゲージh64のゲージ量を増加させるためのゲージ増加コマンドをサブRAMh133にセットする(ステップSh1128)。ゲージ増加コマンドは、ステップSh1124で算出されたゲージ増加量(又はステップSh1126で設定された単位量)、或いは、現在のゲージ量に対して当該ゲージ増加量を加えたゲージ量を示す情報を含み、送信処理によって画像音響制御基板h140(図1−3の画像/音響制御部a310に相当)に送信される。ゲージ増加コマンドを受信した画像音響制御基板h140は、ゲージ増加コマンドにより特定されるゲージ量となるように、液晶表示装置h5に表示されるゲージh64の表示を更新する。
以上の処理によって、1回目のゲーム演出中において遊技者によって操作が行われた場合には、操作の評価結果(「最高」等)が液晶表示装置h5に表示されるとともに、ゲージ量が増加する。ただし、ゲージ量は、最終的にゲームの成功が報知されるまでは、所定の上限値以上になることはない。
ステップSh1128の処理に続いて、サブRAMh133は、サブRAMh133に記憶されるゲージ量を、現在のゲージ量に対して上記ゲージ増加量を加えたゲージ量となるように更新する(ステップSh1129)。
リズムゲームの操作が行われていないと判定した場合(ステップSh1120:NO)、ゲージ量が所定の制限値以上となると判定した場合(ステップSh1127:YES)、又は、上記ステップSh1129の処理を実行した場合、サブCPUh131は、第1ゲーム演出処理を終了する。
〔演出制御基板h130による第2ゲーム演出処理〕
図8−33は、第2ゲーム演出処理の詳細フローチャートである。かかる第2ゲーム演出処理は、2回目のゲーム演出に関して出力される画像及び音の制御処理であり、例えば、遊技者による操作に応じて表示に変化を与える処理等である。上述のとおり、第2ゲーム演出処理は図柄変動に続く大当たり遊技中に実行されるものである。
図8−33に例示されるように、第2ゲーム演出処理では、まずサブCPUh131は、演出ボタンh26が押下されたか否かに基づいて、リズムゲームの操作が行われたか否かを判定する(ステップSh1360)。なお、2回目のゲーム演出中においては、操作が受け付けられる有効期間が設定されており、当該有効期間外の期間においては、リズムゲームの操作が行われていないと判定される。
リズムゲームの操作が行われたと判定した場合(ステップSh1360:YES)、サブCPUh131は、連打入力操作を行う期間において演出ボタンh26が押下された回数を計測し、計測した回数を示す連打数コマンドをサブRAMh133にセットする(ステップSh1361)。連打数コマンドは、送信処理によって画像音響制御基板h140に送信される。連打数コマンドを受信した画像音響制御基板h140は、連打数コマンドにより示される連打数を示す表示(例えば、「10連打」等)を液晶表示装置h5において行う。
ステップSh1361の処理に続いて、サブCPUh131は、ゲージ増加量を、予め定められた単位量に設定する(ステップSh1362)。つまり、2回目のゲーム演出においても1回目のゲーム演出と同様、連打入力操作の期間中においては、演出ボタンh26を1回押下する操作につき単位量だけ(後述する制限値未満であることを条件として)ゲージ量が増加する。
上記ステップSh1362の処理に続いて、サブCPUh131は、上記ステップSh1127と同様の方法で、現在のゲージ量に対して上記ゲージ増加量を加えたゲージ量が所定の制限値以上となるか否か判定する(ステップSh1363)。
ゲージ量が所定の制限値以上とならないと判定した場合(ステップSh1363:NO)、サブCPUh131は、表示されるゲージh64のゲージ量を増加させるためのゲージ増加コマンドをサブRAMh133にセットする(ステップSh1364)。このゲージ増加コマンドは、1回目のゲーム演出において用いられるものと同様であり、送信処理によって画像音響制御基板h140に送信される。したがって、ゲージ増加コマンドを受信した画像音響制御基板h140は、ゲージ増加コマンドにより特定されるゲージ量となるように、液晶表示装置h5に表示されるゲージh64の表示を更新する。
以上の処理によって、2回目のゲーム演出中においても1回目のゲーム演出中と同様、遊技者によって操作が行われたことに応じてゲージ量が増加する。ただし、ゲージ量は、最終的にゲームの成功が報知されるまでは、所定の上限値以上になることはない。
ステップSh1364の処理に続いて、サブRAMh133は、サブRAMh133に記憶されるゲージ量を、現在のゲージ量に対して上記ゲージ増加量を加えたゲージ量となるように更新する(ステップSh1365)。
リズムゲームの操作が行われていないと判定した場合(ステップSh1360:NO)、ゲージ量が所定の制限値以上となると判定した場合(ステップSh1363:YES)、又は、上記ステップSh1365の処理を実行した場合、サブCPUh131は、第2ゲーム演出処理を終了する。
〔本実施形態の作用効果〕
以上説明したように、本実施形態によれば、出力される演出音に関連したタイミングで操作を行う演出(ゲーム演出)が、図柄の変動表示中と、それに続いて実行される大当たり遊技中とに行われる(図8−7(B),(C)参照)。これによって、図柄変動中と大当たり遊技とに亘って関連性がある効果的な演出を実行することができる。
さらに、本実施形態においては、1回目のゲーム演出時の演出音と同じ演出音を、2回目のゲーム演出時に出力するようにしている。これによって、大当たり遊技の開始前後における演出の連続性をより向上することができる。ここで、本実施形態においては、1回目のゲーム演出における操作と2回目のゲーム演出における操作とを異ならせるようにしているので、上記のように2回のゲーム演出における演出音を同じにする場合であっても、大当たり遊技中の演出(2回目のゲーム演出)を、新鮮味を損なうことなく、より興趣性の高いものとすることができる。
また、本実施形態においては、1回目のゲーム演出が行われる場合には、装飾図柄は、ゲーム演出が行われない場合に比べて視認性を低下させた表示態様で表示される(図8−11(S−G),(S−H))。これによって、大当たり遊技の開始前後における演出の連続性が装飾図柄によって損なわれることを防止することができるので、図柄変動中及び大当たり遊技中における連続性のある演出をより効果的に行うことができる。
〔変形例〕
上記実施形態においては、2回目のゲーム演出は、大当たり遊技中に行われる長開放ラウンド遊技の回数を示唆するための演出であった。ここで、2回目のゲーム演出は、大当たり遊技中、あるいは、大当たり遊技終了後の遊技において遊技者に有利な状態となることを示唆するものであればよい。例えば、他の実施形態においては、2回目のゲーム演出は、いわゆる保留内連チャンの有無を示唆するものであってもよい。すなわち、大当たりであると判定されることになる特別図柄判定の権利が保留された状態で大当たり遊技が行われている場合に、2回目のゲーム演出が成功となる演出を行うことで、いわゆる保留内連チャンを遊技者に示唆することができる。
具体的には、例えば大当たり遊技開始時に、保留されている特別図柄判定に関して、特別図柄の変動開始時に実行される大当たり判定処理(第1の形態例を説明する図1−9参照)と同様の処理を行うことにより、保留されている特別図柄判定の中に大当たりとなるものが含まれているか否かを判定する。そして、大当たりとなるものが含まれていると判定した場合には成功となる2回目のゲーム演出を行い、大当たりとなるものが含まれていないと判定した場合には失敗となる2回目のゲーム演出を行う。
また例えば、他の実施形態においては、2回目のゲーム演出は、大当たり遊技の終了後における遊技状態を示唆するものであってもよい。具体的には、大当たり遊技終了後に確変遊技状態(電サポ付きの高確率状態)又は時短遊技状態(電サポ付きの低確率状態)で遊技が制御されるような遊技機において、サブCPUh131は、大当たり遊技開始時に大当たり遊技終了後の遊技状態を報知することなく、2回目のゲーム演出を開始させる。また、サブCPUh131は、遊技制御基板h100(図1−3の遊技制御部a200に相当)から受信したオープニングコマンドに含まれている大当たりの種類を示す情報に基づいて、大当たり遊技終了時に設定される大当たり遊技終了後の遊技状態を特定する。そして、大当たり遊技終了時に確変遊技状態に設定される場合には、大当たり遊技中に成功となる2回目のゲーム演出を行い、大当たり遊技終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定される場合には、大当たり遊技中に失敗となる2回目のゲーム演出を行う。
さらに、2回目のゲーム演出においては、1回戦、2回戦など複数のステージを設ける。そして、例えば1回戦目のステージを突破することによって、大当たり遊技後に中確率状態以上(高確率遊技状態を含む)に移行することが示唆され、2回戦目のステージを突破することによって大当たり遊技後に高確率状態に移行することを示唆するようにしてもよい。
また、他の実施形態では、いわゆる突然確変当たり、小当たり、又はハズレが報知されることになる図柄の変動表示中に第1ゲーム演出を行うようにしてもよい。具体的には、突然確変当たり又は小当たりが報知されることになる場合には、ゲーム成功となる第1ゲーム演出を図柄変動中に行い、ハズレが報知されることになる場合には、ゲーム失敗となる第1ゲーム演出を図柄変動中に行う。そして、図柄変動中に成功となる第1ゲーム演出を行った場合、大入賞口(例えば第2大入賞口h19)を短開放する複数回の短開放ラウンド遊技を含む大当たり遊技中において、大当たり遊技の契機が突然確変当たりであった場合には成功となる第2ゲーム演出を行い、大当たり遊技の契機が小当たりであった場合には失敗となる第2ゲーム演出を行う。
また、本実施形態においては、図柄変動中と大当たり遊技中とに行われる、遊技者に操作を行うことを指示する演出(操作指示演出と呼ぶ)として、ゲーム(より特定的には、リズムゲーム)の演出を行う場合を例として説明した。ここで、操作指示演出の形式は任意であり、ゲーム形式の演出に限らない。例えば、他の実施形態においては、操作指示演出として、単にボタンの画像を表示し、演出音に応じたタイミングでボタン操作を行わせる演出が行われてもよい。
また、上記操作指示演出における操作は、ボタンを押下する操作に限らず、遊技者による任意の入力でよい。例えば、他の実施形態においては、上記操作指示演出における操作は、操作レバー(スティック)に対する操作であってもよいし、パチンコ遊技機h1が遊技者の手をかざす操作を検知可能なセンサを有する場合には、当該手をかざす操作が、上記操作指示演出における操作として用いられてもよい。つまり、パチンコ遊技機h1は、入力手段(ボタンや、上記操作レバーや、上記センサ等)を備え、入力手段に対する入力操作を、上記操作指示演出における操作として用いてもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機h1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上記実施形態で例示した画面等も単なる一例であって、他の表示態様の画面であってもよい。さらに、例えば遊技状態(高確率状態、中確率状態および低確率状態)に応じて異なる表示態様の画面を用いたゲーム演出を行うことも可能である。
〔第9の形態例〕
第9の形態例について説明する。
ここで、従来の保留先読み演出では、保留画像が特別な表示態様で表示されていたとしても、保留消化に応じてどのような演出が行われる可能性があるかを遊技者が事前に把握することができないため、遊技者が大当たりに対する期待感を抱き難いという問題がある。このような問題を解決するためには、例えば保留消化に応じて行われる演出を保留先読み演出によって直接的に示唆する方法が考えられるが、このような方法を安易に採用してしまうと、保留消化に応じて行われる演出を遊技者が事前に把握できてしまうことになるため、保留消化に応じて特定の演出(擬似連続演出やリーチ演出)が行われることを遊技者が期待しながら遊技を楽しむことができなくなってしまうという別の問題が生じる可能性がある。
そこで、第9の形態例は、保留消化に応じて行われる可能性がある演出を遊技者が事前に把握することができ、且つ遊技者がその演出が行われることを期待しながら遊技を楽しむことが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用する。
すなわち、第9の形態例に係る遊技機(i1)は、取得条件の成立に応じて取得情報を取得する取得手段(i101、Si21,Si22)と、前記取得手段によって取得された取得情報に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かを判定する特別遊技判定手段(i101、Si309)と、前記特別遊技判定手段による判定が行われると、図柄表示手段(i41,i42)において図柄を変動表示させてから当該判定の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段(i101、Si312,Si317)と、前記図柄表示手段において図柄が変動表示されているときに前記取得手段によって取得情報が取得されると、当該取得情報を前記特別遊技判定手段による判定を保留する情報として記憶する取得情報記憶手段(i1031〜i1038)と、前記取得情報記憶手段に記憶された取得情報に対応する保留画像を表示画面(i5)に表示させる画像表示制御手段(i131,i140)と、前記保留画像に対応する取得情報に基づく前記特別遊技判定手段による判定が行われると、当該判定に応じて所定の演出を実行する所定演出実行手段(i131,i140,i5)と、前記所定の演出に関する示唆演出を実行する示唆演出実行手段(i131,i140,i5)とを備え、前記示唆演出実行手段は、前記表示画面に表示されている第1保留画像(例えば侍アイコン)に対応する取得情報に基づいて前記特別遊技判定手段による判定が行われると、当該判定に応じて前記所定演出実行手段によって実行される可能性がある第1演出(例えば擬似連続演出)に関する第1示唆演出(例えば図9−8や図9−9)を実行する一方で、前記表示画面に表示されている前記第1保留画像とは異なる第2保留画像(例えば忍者アイコン)に対応する取得情報に基づいて前記特別遊技判定手段による判定が行われると、当該判定に応じて前記所定演出実行手段によって実行される可能性がある前記第1演出とは異なる第2演出(例えばリーチ演出)に関する第2示唆演出(例えば図9−11や図9−12)を実行する。
以下、「図9−」を含む図面番号を持つ図面(以下、図9ということがある)を参照して具体的に説明する。なお、第9の形態例について、第1の形態例の図面(図1)や他の形態例を参照する場合がある。
図9−4は、第9の形態例での液晶表示装置i5(図1−1の画像表示部a114に相当)に表示される演出画像と演出役物i6,i7とについて説明するための説明図である。
第1保留アイコン表示領域i51(図9−4(A)参照)は、第1特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンを表示する領域である。この第1保留アイコン表示領域i51には、第1特別図柄保留表示器i43(図1−2の第1特別図柄保留表示器a218に相当)が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。
第2保留アイコン表示領域i52(図9−4(A)参照)は、第2特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンを表示する領域である。この第2保留アイコン表示領域i52には、第2特別図柄保留表示器i44(図1−2の第2特別図柄保留表示器a219に相当)が示す第2特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。
図9−4(A)には、第1特別図柄判定の保留数が「4」であることを示唆するために第1保留アイコン表示領域i51に4個の保留アイコンが表示されると共に、第2特別図柄判定の保留数が「1」であることを示唆するために第2保留アイコン表示領域i52に1個の保留アイコンが表示された状態が例示されている。
なお、液晶画面には、第1特別図柄表示器i41(図1−2の第1特別図柄表示器a221に相当)(又は第2特別図柄表示器i42(図1−2の第2特別図柄表示器a222に相当))において図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像を表示する表示領域として、当該領域i53が設けられている(図9−4(A)参照)。本実施形態では、花火筒を模した演出画像の直上の領域が当該領域i53に設定されている。
パチンコ遊技機i1では、保留されている第1特別図柄判定の権利が消化されて図柄の変動表示が開始されるに際して、第1保留アイコン表示領域i51に表示されている保留アイコンの中で最初に表示された保留アイコン(当該領域i53に最も近い保留アイコン)が第1保留アイコン表示領域i51から当該領域i53に移動される。そして、第1保留アイコン表示領域i51に他の保留アイコンが表示されている場合には、他の保留アイコンは、第1保留アイコン表示領域i51内において、当該領域i53側に表示位置がシフトされる。例えば図9−4(A)に例示されるように第1保留アイコン表示領域i51に4個の保留アイコンが表示された状態で第1特別図柄判定が消化される場合には、これらの保留アイコンのうちの一番右側に位置する保留アイコンが第1保留アイコン表示領域i51から当該領域i53に移動されると共に、残り3つの保留アイコンが第1保留アイコン表示領域i51内において表示位置が右側にシフトされる。その結果、第1保留アイコン表示領域i51に表示される保留アイコンの数が3つとなり、保留されている第1特別図柄判定の権利が3つになったことが遊技者に報知されることになる。
なお、このようなシフト処理は、第2保留アイコン表示領域i52に表示されている保留アイコンについても同様に行われる。また、本実施形態におけるパチンコ遊技機i1では、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定とが両方保留されている場合、第1特別図柄判定よりも第2特別図柄判定の方が優先消化される。このため、第1保留アイコン表示領域i51に表示されている保留アイコンに対するシフト処理よりも第2保留アイコン表示領域i52に表示されている保留アイコンに対するシフト処理が優先して行われる。すなわち、第1保留アイコン表示領域i51に表示されている保留アイコンに対するシフト処理は、第2保留アイコン表示領域i52に表示されている保留アイコンがなくなってから行われる。
このように、第1始動口i11(図1−1の第1始動口a121に相当)(又は第2始動口i12(図1−1の第2始動口a122に相当))に遊技球が入賞したことに応じて取得された大当たり乱数などの取得情報に基づく特別図柄判定が行われる前は、その取得情報に対応する保留アイコン(保留画像)が第1保留アイコン表示領域i51(又は第2保留アイコン表示領域i52)に表示される。そして、この第1保留アイコン表示領域i51(又は第2保留アイコン表示領域i52)に表示されている保留アイコンに対応する取得情報に基づいて特別図柄判定及び特別図柄の変動表示が行われるに際して、保留アイコンが当該領域i53に移動されて、特別図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像として当該領域i53に表示される。
なお、第1保留アイコン表示領域i51には、基本的には、白色の花火玉を模した白花火玉アイコンが表示されるが、忍者を模した保留アイコンである忍者アイコンや、侍を模した保留アイコンである侍アイコンが表示される場合がある。白花火玉アイコンは、デフォルトの保留アイコンである。忍者アイコンは、この忍者アイコンに対応する第1特別図柄判定が消化された場合の図柄変動中にリーチ演出が行われる可能性がある場合や、忍者アイコンが当該領域i53に移動した後に最終的に色付きの花火玉を模した色付き花火玉アイコンに変化する場合などに表示される。侍アイコンは、この侍アイコンに対応する第1特別図柄判定が消化された場合の図柄変動中に擬似連続演出が行われる可能性がある場合などに表示される。
〔花火役物i6の概略構成と動作〕
図9−4(A)は、花火役物i6が作動していない状態を示しており、図9−4(B)は、花火役物i6が作動した状態を示している。花火役物i6は、パチンコ遊技機i1の奥行方向を軸方向として回動可能に構成された複数(本実施形態では6つ)の回動部材i61を有して構成されている。各回動部材i61は、それぞれ、発光素子(例えばLED)を内蔵していると共に、発光素子の光を透過する透光部材(回動部材i61の黒塗り部分)を有している。
花火役物i6が作動していない状態では、6つの回動部材i61が正面視で重なって見えるような姿勢に維持されている。これに対して、花火役物i6が作動すると、6つの回動部材i61が扇子のように互いに異なる回転角で回動した状態(図9−4(B)参照)となり、この状態で、各発光素子が所定の発光パターンで発光する。このため、花火役物i6が作動することにより、夜空に打ち上げられた花火玉が破裂して火花が拡散していく様子が表現される。
なお、後に詳述するが、この花火役物i6は、本実施形態では、擬似連続演出のために装飾図柄が擬似停止した後に、これらの装飾図柄が再始動する前に上記の動作を行う(図9−9(E)及び(F)参照)。
〔真剣役物i7の概略構成と動作〕
図9−4(A)は、真剣役物i7が作動していない状態を示しており、図9−4(C)は、真剣役物i7が作動した状態を示している。真剣役物i7は、真剣の鞘の一部を模した鞘部材i71と、真剣の鍔及び柄を模した柄部材i72と、真剣の刀身の一部を模した刀身部材i73とを有して構成されている。
真剣役物i7が作動していない状態では、鞘部材i71と柄部材i72とが互いに当接しており、刀身部材i73が視認できない状態となっている(図9−4(A)参照)。すなわち、刀身が鞘に納められた状態である。これに対して、真剣役物i7が作動すると、鞘部材i71が左方向にスライド移動すると共に、柄部材i72が右方向にスライド移動し、その結果、刀身部材i73が視認可能に露出される(図9−4(C)参照)。図には示されていないが、この刀身部材i73は、発光素子(例えばLED)を内蔵していると共に、発光素子からの光を透過する透光部材によって構成されている。鞘部材i71及び柄部材i72がスライド移動すると、刀身部材i73の発光素子が所定の発光パターンで発光する。これにより、真剣が抜刀される際に鞘から出てきた刀身の一部が光り輝く様子が表現される。
なお、後に詳述するが、この真剣役物i7は、本実施形態では、図柄変動中において、リーチが成立することを示唆するために、リーチ成立前に作動する(図9−12(E)及び(F)参照)。
〔白花火玉アイコンが当該領域i53に移動した場合に行われる演出の流れ〕
図9−5は、白花火玉アイコンが当該領域i53に移動された場合に行われる演出の流れについて説明するための説明図である。
第1保留アイコン表示領域i51に白花火玉アイコンが表示された状態で装飾図柄が所定時間(例えば1秒間)停止表示されると、白花火玉アイコンに対応する装飾図柄の変動表示の開始に伴い、この白花火玉アイコンが当該領域i53に移動される(図9−5(A)参照)。
ここで、白花火玉アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果がハズレであって、特別図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば8秒)に設定されている場合、当該領域i53に移動された白花火玉アイコンは、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示唆するために、そのままの状態を維持する(図9−5(B)参照)。そして、変動表示されていた装飾図柄が例えばバラケ目で停止表示されて、第1特別図柄判定の判定結果がハズレであることが報知される(図9−5(C)参照)。
一方、白花火玉アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果がハズレであるものの、特別図柄の変動時間が長めの時間(例えば30秒)に設定されているような場合、当該領域i53に移動された白花火玉アイコンが表示態様を維持した状態でリーチが成立し(図9−5(D)参照)、リーチ演出が行われた後に第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される場合もある(図9−5(E)及び(C)参照)。
一方、白花火玉アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が大当たりである場合や、ハズレであるものの特別図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば90秒)に設定されているような場合、白花火玉アイコンが当該領域i53に移動した後に、大当たりとなる可能性があることを示唆するために、色付き花火玉アイコンに変化する(図9−5(F)参照)。この色付き花火玉アイコンとしては、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示すものから高いことを示すものへと順に並べた場合、例えば、青色の花火玉アイコン、黄色の花火玉アイコン、緑色の花火玉アイコン、赤色の花火玉アイコン、虹色の花火玉アイコンが例として挙げられる。そして、白花火玉アイコンが色付き花火玉アイコンに変化すると、大抵の場合はリーチが成立し(図9−5(D)参照)、リーチ演出が行われてから色付き花火玉アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される(図9−5(E)及び(C)参照)。
〔白花火玉アイコンを用いた演出の具体例〕
図9−6は、白花火玉アイコンが当該領域i53に移動してから色付き花火玉アイコンに変化する演出の具体例について説明するための説明図である。図9−6(A)に例示されるように、第1保留アイコン表示領域i51に2つの白花火玉アイコンが表示された状態で装飾図柄が所定時間だけ停止表示されると、装飾図柄の変動表示が開始されるのに伴い、アイコンのシフト処理が行われる。具体的には、第1保留アイコン表示領域i51に表示されている2つの白花火玉アイコンのうち、当該領域i53に近い方の白花火玉アイコンが当該領域i53に移動され、残りの白花火玉アイコンが第1保留アイコン表示領域i51において当該領域i53に近づく方向にシフトされる(図9−6(A)及び(B)参照)。
そして、白花火玉アイコンを変化させて大当たりの可能性があることを示唆する演出を行うと決定されている場合、例えば所定のキャラクタが当該領域i53に表示されている白花火玉アイコンを変化させる動作を行う演出表示が行われた後に、白花火玉アイコンが上述したような色付き花火玉アイコンに変化する(図9−6(C)参照)。そして、このようなアイコンの色変化が生じた後に、リーチが成立してリーチ演出が行われる(図9−6(D)参照)。
なお、図9−6では、白花火玉アイコンがリーチ成立前に色付き花火玉アイコンに変化する様子が例示されているが、例えばリーチ成立時やリーチ成立後に白花火玉アイコンを色変化させるようにしてもよい。
〔侍アイコンが当該領域i53に移動した場合に行われる演出の流れ〕
図9−7は、侍アイコンが当該領域i53に移動された場合に行われる演出の流れについて説明するための説明図である。図9−8は、侍アイコンが当該領域i53に移動された場合に行われる失敗パターンの演出の具体例を示す説明図である。図9−9は、侍アイコンが当該領域i53に移動された場合に行われる成功パターンの演出の具体例を示す説明図である。なお、図9−8及び図9−9では、説明の便宜上、真剣役物i7の図示が省略されている。
第1保留アイコン表示領域i51の右端に侍アイコンが表示された状態で装飾図柄が所定時間停止表示されると(図9−8(A)参照)、侍アイコンに対応する装飾図柄の変動表示の開始に伴い、この侍アイコンが当該領域i53に移動される(図9−7(A)、図9−8(A)及び(B)参照)。そして、侍アイコンの目的地である連領域i56を示す演出画像が表示される(図9−8(B)参照)。
〔擬似連続演出が行われない場合〕
侍アイコンに対応する図柄の変動表示中に上述した擬似連続演出が行われない場合、侍アイコンを用いて、以下のような擬似連続演出に関する失敗パターンの示唆演出が行われる。
具体的には、侍アイコンが当該領域i53に移動してから所定時間(例えば2秒)が経過すると、当該領域i53の直下に表示されている花火筒から侍アイコンが打ち上げられる様子を表す演出表示が行われ(図9−7(B)、図9−8(C)参照)、続いて、打ち上げられた侍アイコンが空中を泳いで連領域i56を目指して移動していく様子を表す演出表示が行われる(図9−7(C)、図9−8(C)及び(D)参照)。より詳細には、打ち上げられた侍アイコンと連領域i56とを結ぶ線分の延長線上に花火役物i6の花火玉(回動部材i61の回動中心)が位置しており、侍アイコンは、花火役物i6の花火玉に向けて移動していく。すなわち、侍アイコンの移動方向は、侍アイコンが花火役物i6の花火玉に近づく方向である。
そして、この変動では擬似連続演出が行われないので、侍アイコンが連領域i56に到達できずに当該領域i53とは異なる場所に落下していく様子を表す演出表示が行われて(図9−7(D)、図9−8(D)及び(E)参照)、侍アイコン及び連領域i56の演出画像が液晶画面から消去される。そして、侍アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果がハズレである場合、その旨を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される(図9−7(E)、図9−8(F)参照)。
なお、侍アイコンが落下して液晶画面から消去された後は、変動中の装飾図柄が停止表示されるまでの間、侍アイコンの代わりに、花火玉アイコンが当該領域i53に表示される(図9−8(F)参照)。このため、遊技者は、当該領域i53に白花火玉アイコンが表示されているのを見て、図柄変動が終了していないことを認識することができる。
なお、本実施形態では液晶画面から消去されたキャラクタアイコン(侍アイコン又は忍者アイコン)の代わりに白花火玉アイコンを当該領域i53に表示する場合について説明するが、キャラクタアイコンが消去されてから図柄が停止表示されるまでの時間が十分にない場合には、代わりとなる白花火玉アイコンを表示しないような構成を採用してもよい。
〔擬似連続演出が行われる場合〕
侍アイコンに対応する図柄の変動表示中に上述した擬似連続演出が行われる場合、侍アイコンを用いて、以下のような擬似連続演出に関する成功パターンの示唆演出が行われる。
具体的には、侍アイコンが当該領域i53に移動された後、その移動から所定時間(例えば2秒)が経過すると、失敗パターンの示唆演出が行われる場合と同様に、侍アイコンが当該領域i53から打ち上げられてから連領域i56を目指して移動して行く様子を表す演出表示が行われる(図9−7(A)〜(C)、図9−9(A)〜(C)参照)。すなわち、侍アイコンを用いた失敗パターンの示唆演出と成功パターンの示唆演出とは、前段部分が共通している。
そして、この変動では擬似連続演出が行われるので、例えばリーチが成立した直後のタイミングで、侍アイコンが連領域i56に到達する(図9−7(F)、図9−9(D)参照)。次に、連領域i56及び連領域i56に到達した侍アイコンが液晶画面から消去されるのに伴い、擬似連続演出が行われることが確定したことを示唆する演出表示が行われると共に、侍アイコンの代わりとなる花火玉アイコンが当該領域i53に表示される(図9−9(E)参照)。これは、侍アイコンが消去された後も図柄変動が継続することを示唆するためである。なお、図9−9(E)に示される例では、大当たりの可能性があることを示唆するために、当該領域i53に色付き花火玉アイコンが表示された様子が例示されている。
このように、侍アイコンが連領域i56に到達してから所定時間が経過すると、擬似連続演出の2連目の演出に突入することを示唆する中図柄を含むように、左図柄、中図柄、及び右図柄が擬似停止表示される(図9−7(G)、図9−9(E)参照)。
そして、擬似停止表示された各装飾図柄が再始動するのに先立って、擬似2連目の演出が開始されること(装飾図柄が再始動すること)を示唆するために、花火役物i6が作動する(図9−7(H)、図9−9(F)参照)。具体的には、花火役物i6の各回動部材i61がそれぞれ異なる回転角で回動すると共に、各回動部材i61に内蔵されている発光素子が所定の発光パターンで発光する。これに伴い、液晶画面の一部が花火役物i6によって覆われるので、図には示されていないが、液晶画面には、花火役物i6の作動による演出効果を高めるためのエフェクト画像が表示される。そして、液晶画面には、花火役物i6が作動するのと時を同じくして「もういっちょ」の文言が表示され、花火役物i6が元の姿勢に戻るのに伴ってこの文言が消去されると、各装飾図柄が再始動して擬似2連目の演出に突入する(図9−7(I)参照)。
その後、リーチが成立してリーチ演出が行われて(図9−7(J)及び(K)参照)、第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される(図9−7(E)参照)。
このように、本実施形態では、侍アイコンが当該領域i53に移動されると共に図柄の変動表示が開始されると、この図柄の変動表示中において擬似連続演出が行われないことを示唆する失敗パターンの示唆演出(図9−8参照)、又は擬似連続演出が行われることを示唆する成功パターンの示唆演出(図9−9参照)が侍アイコンを用いて行われる。
このため、遊技者は、第1保留アイコン表示領域i51に侍アイコンが表示されたことに基づいて侍アイコンに対応する図柄変動中に擬似連続演出が行われる可能性があることを事前に把握することができる。なお、侍アイコンが表示されただけで擬似連続演出が行われることが確定する訳ではないため、遊技者は、当該領域i53に移動した侍アイコンによる成功パターンの示唆演出が行われて擬似連続演出に発展することを期待しながら遊技を楽しむことができる。
〔忍者アイコンが当該領域i53に移動した場合に行われる演出の流れ〕
図9−10は、忍者アイコンが当該領域i53に移動された場合に行われる演出の流れについて説明するための説明図である。図9−11は、忍者アイコンが当該領域i53に移動された場合に行われる失敗パターンの演出の具体例について説明するための説明図である。図9−12は、忍者アイコンが当該領域i53に移動された場合に行われる第1成功パターンの演出の具体例について説明するための説明図である。図9−13は、忍者アイコンが当該領域i53に移動された場合に行われる第2成功パターンの演出の具体例について説明するための説明図である。なお、図9−11〜図9−13では、説明の便宜上、花火役物i6の図示が省略されている。
第1保留アイコン表示領域i51の右端に忍者アイコンが表示された状態で装飾図柄が所定時間停止表示されると(図9−11(A)参照)、忍者アイコンに対応する装飾図柄の変動表示の開始に伴い、この忍者アイコンが当該領域i53に移動される(図9−10(A)、図9−11(A)及び(B)参照)。
〔リーチ演出が行われない場合〕
忍者アイコンに対応する図柄の変動表示中に上述したリーチ演出が行われない場合、忍者アイコンを用いて、以下のようなリーチ演出に関する失敗パターンの示唆演出が行われる。
具体的には、忍者アイコンが当該領域i53に移動してから所定時間(例えば2秒)が経過すると、当該領域i53の直下に表示されている花火筒から忍者アイコンが打ち上げられる様子を表す演出表示が行われ(図9−10(B)、図9−11(C)参照)、続いて、打ち上げられた忍者アイコンが空中を泳いで真剣領域i57を目指して移動していく様子を表す演出表示が行われる(図9−10(C)、図9−11(C)参照)。より詳細には、打ち上げられた忍者アイコンと真剣領域i57とを結ぶ線分の延長線上に真剣役物i7の鍔が位置しており、忍者アイコンは、真剣役物i7の鍔に向けて移動していく。すなわち、忍者アイコンの移動方向は、忍者アイコンが真剣役物i7の鍔に近づく方向である。なお、真剣領域i57に相当する領域には真剣領域i57を示唆する演出画像は表示されていないため、図9−11〜図9−13では、真剣領域i57の境界が破線で示されている。
そして、この変動ではリーチ演出が行われず、また、特別図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば12秒)に設定されている場合、忍者アイコンが真剣領域i57に到達できずに当該領域i53とは異なる場所に落下していく様子を表す演出表示が行われて(図9−10(D)、図9−11(D)及び(E)参照)、忍者アイコンが液晶画面から消去される。これに伴い、忍者アイコンに代わるアイコンとして、白花火玉アイコンが当該領域i53に表示される(図9−11(F)参照)。そして、ここではリーチ演出が行われないため、第1特別図柄判定の判定結果がハズレであることを示す表示態様で装飾図柄が停止表示される(図9−10(E)、図9−11(F)参照)。
〔リーチ演出が行われる場合〕
忍者アイコンに対応する図柄の変動表示中にリーチ演出が行われる場合、忍者アイコンを用いて、以下のような第1成功パターンの示唆演出が行われる。
具体的には、忍者アイコンが当該領域i53に移動された後、その移動から所定時間(例えば2秒)が経過すると、失敗パターンの示唆演出が行われる場合と同様に、忍者アイコンが当該領域i53から打ち上げられてから真剣領域i57の鍔を目指して移動して行く様子を表す演出表示が行われる(図9−10(A)〜(C)、図9−12(A)〜(C)参照)。すなわち、忍者アイコンを用いた示唆演出も、失敗パターンの示唆演出と成功パターンの示唆演出との前段部分が共通している。
そして、この変動ではリーチ演出が行われるので、忍者アイコンが真剣領域i57に到達し(図9−10(F)、図9−12(D)参照)、その直後に真剣役物i7が作動する(図9−10(G)、図9−12(E)参照)。具体的には、鞘部材i71が左方向にスライド移動すると共に柄部材i72が右方向にスライド移動し、この状態で刀身部材i73に内蔵されている発光素子が所定の発光パターンで発光する。なお、これに伴い、液晶画面における上部中央(真剣領域i57を含む領域)には、真剣役物i7の作動による演出効果を高めるための所定のエフェクト画像が表示される(図9−12(E)参照)。
真剣役物i7が作動して所定時間が経過すると、同種の左図柄及び右図柄が有効ライン上に擬似停止表示されてリーチが成立する(図9−10(H)、図9−12(F)参照)。
このようにしてリーチが成立すると、所定のリーチ演出が行われて(図9−10(I)参照)、忍者アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される(図9−10(J)参照)。
なお、真剣役物i7の作動に伴い真剣領域i57に到達した忍者アイコンが液晶画面から消去されるので、当該領域i53には、忍者アイコンの代わりとなる花火玉アイコンが表示される(図9−12(E)参照)。このため、例えばリーチ成立後に、当該領域i53に表示されている花火玉アイコンを変化させる演出を行うことが可能である。
〔アイコン変化演出が行われる場合〕
忍者アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が、大当たりに対する信頼度が相対的に高いものである場合、大当たりとなる可能性があることを示唆する演出として、以下のような第2成功パターンの示唆演出が行われる場合がある。
具体的には、忍者アイコンが当該領域i53に移動された後、その移動から所定時間(例えば2秒)が経過すると、失敗パターンの示唆演出や第1成功パターンの示唆演出が行われる場合と同様に、忍者アイコンが当該領域i53から打ち上げられてから真剣領域i57を目指して移動して行く様子を表す演出表示が行われる(図9−10(A)〜(C)、図9−13(A)〜(C)参照)。
そして、この変動が行われた結果として大当たりが報知される可能性があるため、忍者アイコンが真剣領域i57に到達できずに落下すると見せ掛けておいて、忍者アイコンが風呂敷をパラシュート代わりに使用して当該領域i53に戻って来る演出表示が行われる(図9−10(K)、図9−13(D)参照)。
その際、忍者アイコンは、当該領域i53に到達するのとほぼ同時に、風呂敷に包まれた花火玉アイコン(以下「風呂敷玉アイコン」と呼ぶ。)へと変化する。そして、これに伴い、遊技者に演出ボタンi26(図1−1の演出ボタンa161に相当)の押下を促すボタン画像がこの風呂敷玉アイコンと共に当該領域i53に表示される(図9−10(L)、図9−13(E)参照)。
これに対して、ボタン画像が表示されている間に遊技者が演出ボタンi26を押下すると(図9−10(M)参照)、当該領域i53に表示されている風呂敷玉アイコンが色付き花火玉アイコンに変化する(図9−10(N)、図9−13(E)及び(F)参照)。そして、リーチが成立してリーチ演出が行われた後に、この色付き花火玉アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される(図9−10(H)〜(J)参照)。
ここまでの説明から明らかなように、白花火玉アイコンが当該領域i53に移動された場合には、この白花火玉アイコンを色付き花火玉アイコンに変化させる色変化演出のみが行われるのに対して、忍者アイコンを用いた第2成功パターンの示唆演出が行われた場合には、この第2成功パターンの示唆演出が行われてから、同様の色変化演出が行われる。
このため、忍者アイコンが真剣領域i57に到達できなかったことを受けて大当たりに対する期待感を失いかけていた遊技者に対して、大当たりに対する期待感を効果的に抱かせることが可能である。
このように、本実施形態では、忍者アイコンが当該領域i53に移動されると共に図柄の変動表示が開始されると、この図柄の変動表示中においてリーチ演出が行われないことを示唆する失敗パターンの示唆演出(図9−11参照)、リーチ演出が行われることを示唆する第1成功パターンの示唆演出(図9−12参照)、及び大当たりに対する信頼度が相対的に高く色変化演出が行われることを示唆する第2成功パターンの示唆演出(図9−13参照)のいずれかが行われる。
このため、遊技者は、第1保留アイコン表示領域i51に忍者アイコンが表示されたことに基づいて忍者アイコンに対応する図柄変動中にリーチ演出が行われる可能性があることを事前に把握することができ、第1成功パターンの示唆演出又は第2成功パターンの示唆演出が行われることを期待しながら遊技を楽しむことができる。
また、擬似連続演出に関する示唆演出とリーチ演出に関する示唆演出とを比較した場合、示唆演出に使用されるキャラクタが相違する。このため、遊技者は、第1保留アイコン表示領域i51に表示されたキャラクタアイコン(侍アイコン又は忍者アイコン)の種類に基づいて、保留消化時に行われる示唆演出の種類を容易且つ事前に把握することができる。
また、擬似連続演出に関する示唆演出では、擬似連続演出が次の段階に発展していくタイミングで作動する花火役物i6を目指して侍アイコンが移動していく表示演出が行われ、リーチ演出に関する示唆演出では、リーチ成立を示唆する役割を果たす真剣役物i7の鍔を目指して忍者アイコンが移動していく表示演出が行われる。このため、遊技者は、キャラクタアイコンが表示されたことが何を意味しているかを認識できていないとしても、キャラクタアイコンが特定の領域に到達すればその領域に対応する演出役物が作動して擬似連続演出やリーチ演出が行われることを感覚的に認識することができる。
〔演出制御基板i130による予告演出パターン設定処理〕
図9−27及び図9−28は、設定された変動演出パターンで装飾図柄が変動表示されている間に行われる各種の予告演出に関する設定を行う予告演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。サブCPUi131(図1−3のCPUa301に相当)は、図9−27に例示されるように、各種予告演出に関する設定処理を行う(ステップSi1291)。具体的には、例えば、演出乱数と予告演出の演出パターンとが対応付けられたテーブルの中から、取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、予告演出の演出パターンを決定する。詳細な説明は省略するが、このテーブルとしては、例えば、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」の場合に使用するテーブルと、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって変動時間が所定時間(例えば60秒)以上の場合に使用するテーブルと、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって変動時間が所定時間未満である場合に使用する演出テーブルとが個別に設けられており、遊技制御基板i100(図1−3の遊技制御部a200に相当)から受信した変動開始コマンドに含まれている各種設定情報に基づいて選択したいずれかのテーブルを参照して、予告演出の演出パターンが決定される。このステップSi1291の設定処理が行われることによって、例えば、ステップアップ予告演出を行うか否か、ステップアップ予告演出を行う場合には何段階目まで発展させるかが決定される。また、例えば、キャラクタのセリフを液晶画面に表示するセリフ予告を行うか否か、セリフ予告を行う場合にはセリフ内容やセリフ枠の種類などが決定される。
ステップSi1291の処理に続いて、サブCPUi131は、今回の変動演出が第1特別図柄判定の保留消化に伴って行われるものであるか否かを判断する(ステップSi1292)。具体的には、サブCPUi131が遊技制御基板i100から受信した変動開始コマンドには、図柄の設定情報と共に、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報が含まれているので、この情報に基づいて、今回の変動演出が第1特別図柄判定の保留消化に伴って行われるものであるか否かを判定する。このステップSi1292の処理によって、第1保留アイコン表示領域i51から当該領域i53にアイコンが移動されるか否かが判断される。ここで、今回の変動演出が第1特別図柄判定の保留消化に伴って行われるものではないと判定された場合(ステップSi1292:NO)、処理が進められる。なお、サブRAMi133に記憶されている第1特別図柄判定に係る保留数が「0」の状態で変動開始コマンドを受信した場合には、第1特別図柄判定に関する変動演出であっても保留消化に伴うものではないため、ステップSi1292では「NO」と判定される。
サブCPUi131は、今回の変動演出が第1特別図柄判定の保留消化に伴って行われるものであると判定した場合(ステップSi1292:YES)、消化される第1特別図柄判定の保留が白花火玉アイコンに対応する保留であるか否かを判断する(ステップSi1293)。言い換えれば、今回の変動演出の開始に伴って第1保留アイコン表示領域i51から当該領域i53に移動されるアイコンが白花火玉アイコンであるか否かを判断する。具体的には、保留コマンドを受信する毎に、侍アイコン表示コマンド、忍者アイコン表示コマンド、又は白花火玉アイコン表示コマンドのいずれかを送信して第1保留アイコン表示領域i51にアイコンを表示させ、変動演出開始コマンドを送信することによって各アイコンのシフト処理の実行を指示するので、これらの処理結果を示す情報をサブRAMi133に記憶しておき、この情報に基づいて、今回の変動演出の開始に伴って当該領域i53に移動されるアイコンが白花火玉アイコンであるか否かを判断する。ここで、消化される第1特別図柄判定の保留が白花火玉アイコンに対応する保留ではないと判断された場合(ステップSi1293:NO)、後述するステップSi1300に処理が進められる。
サブCPUi131は、当該領域i53に移動されるアイコンが白花火玉アイコンであると判断した場合(ステップSi1293:YES)、アイコン変化演出抽選を実行するか否かを判定する(ステップSi1294)。具体的には、今回の変動演出の開始に伴って当該領域i53に移動される白花火玉アイコンを、当該領域i53において色付き花火玉アイコンに変化させるアイコン変化演出を行うか否かを決定するための抽選対象にするか否かを判定する。この判定の判定基準としては、今回の変動演出における特別図柄の変動時間が所定時間(例えば30秒)以上である場合には抽選対象にすると判定し、所定時間未満である場合には抽選対象にしないと判定する方法が一例として挙げられるが、他の判定基準であってもよい。
サブCPUi131は、アイコン変化演出抽選を実行すると判定した場合(ステップSi1294:YES)、アイコン変化演出抽選を実行する(ステップSi1295)。具体的には、アイコン変化演出抽選に使用されるアイコン変化演出用乱数が、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算した値に更新されるので、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値をアイコン変化演出用乱数として取得する。そして、取得したアイコン変化演出用乱数がサブROMi132に記憶されている所定の乱数値と一致するか否かに基づいて、アイコン変化演出を行うか否かを決定する。
サブCPUi131は、ステップSi1295の処理における決定結果に基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを判断する(ステップSi1296)。ここで、アイコン変化演出を実行すると判断した場合(ステップSi1296:YES)、アイコン変化演出後の花火玉アイコンの表示色を、例えば今回の変動演出に係る図柄の変動時間に基づいて決定する(ステップSi1297)。次に、変動演出パターンの設定情報に基づいて、白花火玉アイコンを色付き花火玉アイコンに変化させるタイミングである変化タイミングを決定する(ステップSi1298)。そして、ステップSi1297の処理で決定した表示色と、ステップSi1298の処理で決定した変化タイミングとをアイコン変化演出の設定情報としてサブRAMi133にセットする(ステップSi1299)。
サブCPUi131は、ステップSi1299の処理を実行した場合、白花火玉アイコンに対応する第1特別図柄判定の保留が消化されないと判断した場合(ステップSi1293:NO)、アイコン変化演出抽選を実行しないと判定した場合(ステップSi1294:NO)、又はアイコン変化演出を実行しないと判断した場合(ステップSi1296:NO)、ステップSi1293の処理と同様に、消化される第1特別図柄判定の保留が侍アイコンに対応する保留であるか否かを判断する(ステップSi1300)。言い換えれば、今回の変動演出の開始に伴って当該領域i53に移動されるアイコンが侍アイコンであるか否かを判断する。ここで、消化される第1特別図柄判定の保留が侍アイコンに対応する保留ではないと判断された場合(ステップSi1300:NO)、後述するステップSi1306(図9−28参照)に処理が進められる。
ところで、今回の変動演出の開始に伴って侍アイコンが当該領域i53に移動される場合には、今回の変動演出中において、擬似連続演出に関する示唆演出として、侍アイコンを用いた成功パターンの示唆演出(図9−9参照)、又は侍アイコンを用いた失敗パターンの示唆演出(図9−8参照)を行う必要がある。
そこで、サブCPUi131は、消化される第1特別図柄判定の保留が侍アイコンに対応する保留であると判断した場合(ステップSi1300:YES)、今回の変動演出中に擬似連続演出が行われるか否かを判断する(ステップSi1301)。具体的には、変動演出パターンの設定情報がサブRAMi133にセットされるので、セットされている変動演出パターンの設定情報に基づいて、今回の変動演出中に擬似連続演出が行われるか否かを判断する。
サブCPUi131は、今回の変動演出中に擬似連続演出が行われると判断した場合(ステップSi1301:YES)、侍アイコンを用いた示唆演出のパターンとして、侍アイコンが連領域i56に到達する擬似連続演出に関する成功演出パターン(図9−9(C)〜(E)参照)を設定情報としてサブRAMi133にセットする(ステップSi1302)。そして、侍アイコンが連領域i56に到達してから所定時間が経過したタイミングで花火役物i6が作動するように、花火役物作動タイミングを設定してその設定情報をサブRAMi133にセットする(ステップSi1303)。
一方、サブCPUi131は、今回の変動演出中に擬似連続演出が行われないと判断した場合(ステップSi1301:NO)、侍アイコンが連領域i56に到達できずに落下する失敗演出パターン(図9−8(C)〜(E)参照)を設定情報としてサブRAMi133にセットする(ステップSi1304)。
サブCPUi131は、ステップSi1303の処理を実行した場合、ステップSi1304の処理を実行した場合、又は消化される第1特別図柄判定の保留が侍アイコンに対応する保留ではないと判断した場合(ステップSi1300:NO)、図9−28に例示されるように、ステップSi1293の処理と同様に、消化される第1特別図柄判定の保留が忍者アイコンに対応する保留であるか否かを判断する(ステップSi1306)。言い換えれば、今回の変動演出の開始に伴って当該領域i53に移動されるアイコンが忍者アイコンであるか否かを判断する。ここで、消化される第1特別図柄判定の保留が忍者アイコンに対応する保留ではないと判断された場合(ステップSi1306:NO)、処理が進められる。
ところで、今回の変動演出の開始に伴って忍者アイコンが当該領域i53に移動される場合には、今回の変動演出中において、忍者アイコンを用いた失敗パターンの示唆演出(図9−11参照)、忍者アイコンを用いた第1成功パターンの示唆演出(図9−12参照)、又は忍者アイコンを用いた第2成功パターンの示唆演出(図9−13参照)を行う必要がある。
そこで、サブCPUi131は、消化される第1特別図柄判定の保留が忍者アイコンに対応する保留であると判断した場合(ステップSi1306:YES)、今回の変動演出中にリーチ演出が行われるか否かを判断する(ステップSi1307)。具体的には、変動演出パターンの設定情報がサブRAMi133にセットされるので、セットされている変動演出パターンの設定情報に基づいて、今回の変動演出中にリーチ演出が行われるか否かを判断する。
サブCPUi131は、今回の変動演出中にリーチ演出が行われないと判断した場合(ステップSi1307:NO)、忍者アイコンが真剣領域i57に到達できずに墜落する失敗演出パターンを設定してその設定情報をサブRAMi133にセットする(ステップSi1308)。
一方、今回の変動演出中にリーチ演出が行われる場合には、リーチ演出が行われない場合に比べて大当たり対する信頼度が高いため、忍者アイコンを用いた第1成功パターンの示唆演出の他に、忍者アイコンを用いた第2成功パターンの示唆演出を行うことも可能である。このため、サブCPUi131は、これら2種類の成功パターンの示唆演出のどちらを行うかを決定するために、以下のような処理を実行する。
すなわち、サブCPUi131は、今回の変動演出中にリーチ演出が行われると判断した場合(ステップSi1307:YES)、忍者アイコンを用いた第1成功パターンの示唆演出と第2成功パターンの示唆演出のどちらを行うかを決定するための成功パターン選択抽選を実行する(ステップSi1309)。具体的には、成功パターン選択抽選に使用される成功パターン選択乱数が、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算した値に更新されるので、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値を成功パターン選択乱数として取得する。そして、取得した成功パターン選択乱数が、サブROMi132に記憶されている第1成功パターンの示唆演出に対応する乱数値と、第2成功パターンの示唆演出に対応する乱数値とのどちらの乱数値と一致するかに基づいて、第1成功パターンの示唆演出を行うか、又は第2成功パターンの示唆演出を行うかを選択する。
次に、サブCPUi131は、ステップSi1309の選択結果に基づいて、忍者アイコンを用いて行う示唆演出の成功パターンが第1成功パターンであるか否かを判断する(ステップSi1310)。ここで、第1成功パターンであると判断した場合(ステップSi1310:YES)、忍者アイコンが真剣領域i57に到達する第1成功パターンを示唆演出の設定情報としてサブRAMi133にセットする(ステップSi1311)。そして、本実施形態では、忍者アイコンが真剣領域i57に到達した直後のタイミングで真剣役物i7を作動させることとしているので、真剣役物i7の作動タイミングを設定してその設定情報をサブRAMi133にセットする(ステップSi1312)。
一方、サブCPUi131は、忍者アイコンを用いて行う示唆演出の成功パターンが第1成功パターンではないと判断した場合(ステップSi1310:NO)、すなわち第2成功パターンの示唆演出を行う場合、忍者アイコンが当該領域i53に戻る第2成功パターンを示唆演出の設定情報としてサブRAMi133にセットする(ステップSi1313)。そして、当該領域i53に戻った忍者アイコンの代わりに当該領域i53に表示する風呂敷玉アイコン及びボタン画像の表示期間を設定し(ステップSi1314)、ステップSi1297の処理と同様に、演出ボタンi26の押下(又はボタン画像の表示期間の終期の到達)に応じて風呂敷玉アイコンを変化させる花火玉アイコンの表示色を設定してその設定情報をサブRAMi133にセットする(ステップSi1315)。
〔本実施形態の作用効果〕
以上説明したように、本実施形態によれば、侍アイコンに対応する保留が消化されると擬似連続演出に関する示唆演出が行われ、忍者アイコンに対応する保留が消化されるとリーチ演出に関する示唆演出が行われる。このため、遊技者は、保留消化に応じて行われる可能性がある演出を事前に把握することができる。また、擬似連続演出が行われる可能性がある場合には侍アイコンを用いた示唆演出が行われ、リーチ演出が行われる可能性がある場合には忍者アイコンを用いた示唆演出が行われる。すなわち、示唆演出が行われたとしても、それに対応する演出(ここでは擬似連続演出やリーチ演出)が行われない場合がある。このため、示唆演出を行うことによって、擬似連続演出やリーチ演出が実際に行われることを遊技者が期待しながら遊技を楽しむことができる。
また、本実施形態では、侍アイコンを用いた示唆演出として、擬似連続演出が行われることを示唆する成功パターンの演出(図9−9参照)、又は擬似連続演出が行われないことを示唆する失敗パターンの演出(図9−8参照)が行われる。また、忍者アイコンを用いた示唆演出として、リーチ演出が行われることを示唆する成功パターンの演出(図9−12参照)、又はリーチ演出が行われないことを示唆する失敗パターンの演出(図9−11参照)が行われる。このため、遊技者は、成功パターンの示唆演出が行われることを期待しながら示唆演出を楽しむことができる。また、侍アイコンを用いた成功パターンの示唆演出と、忍者アイコンを用いた成功パターンの示唆演出とは、演出態様(例えば演出に使用されるアイコンの種類やアイコンの移動方向等)が相違しているため、遊技者は、これらの示唆演出に応じて実際にどの演出が行われるかを容易に判別することができる。
また、本実施形態では、第1保留アイコン表示領域i51から当該領域i53に移動されたアイコンを用いて示唆演出が行われる。このため、他の演出画像を用いて示唆演出を行う場合に比べて、より高い演出効果を得ることができ、また、アイコンと示唆演出との対応関係を遊技者が明確に認識することができる。
〔変形例〕
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、侍アイコンが連領域i56に到達できなかった場合には、侍アイコンを液晶画面から消去して、代わりに白花火玉アイコンを当該領域i53に表示させる場合について説明したが、他の実施形態では、侍アイコンが忍者アイコンと同様に当該領域i53に戻るパターンを新たに追加し、侍アイコンを当該領域i53に戻して変化させるようにしてもよい。すなわち、侍アイコンを用いた示唆演出に関する成功パターンと失敗パターンは、必ずしも1種類ずつである必要はなく、それぞれ、2種類以上のパターンを設けてもよい。これは、忍者アイコンを用いた示唆演出についても同様である。
また、上記実施形態では、忍者アイコンが当該領域i53に戻った場合に、その忍者アイコンを風呂敷玉アイコンとして当該領域i53に表示してから色付き花火玉アイコンに変化させる場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、忍者アイコンを直接色付き花火玉アイコンに変化させるようにしてもよい。また、忍者アイコンを色付き花火玉アイコンに変化させるのではなく、忍者アイコンを他のキャラクタのアイコンに変化させるようにしてもよい。すなわち、アイコン変化は色変化に限定されるものではなく、他のアイコンに変化するような変化であってもよい。
また、上記実施形態では、侍アイコン又は忍者アイコンを当該領域i53に移動させてからこれらのアイコンを用いた示唆演出を行う場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、当該領域i53を設けずに、第1保留アイコン表示領域i51からアイコンを移動させる示唆演出を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1示唆演出として、侍アイコンが連領域i56を目指して移動していく演出を行い、第2示唆演出として、忍者アイコンが真剣領域i57を目指して移動していく演出を行う場合について説明したが、第1示唆演出及び第2示唆演出の演出態様は、本実施形態で例示したものに限定されるものではなく、他の演出態様のものであってもよい。
また、上記実施形態では、当該領域i53に移動された侍アイコンを用いて擬似連続演出に関する示唆演出を行い、当該領域i53に移動された忍者アイコンを用いてリーチ演出に関する示唆演出を行う場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、当該領域i53に移動されたアイコンを使用せずに、第1示唆演出や第2示唆演出を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1示唆演出が擬似連続演出に関する示唆演出であり、第2示唆演出がリーチ演出に関する示唆演出である場合について説明したが、これらの示唆演出は、例えばステップアップ予告演出やセリフ予告等の他の演出に関する示唆演出であってもよい。また、他の実施形態では、擬似連続演出が行われるか否かに関わらず、花火役物i6が作動することを示唆するために侍アイコンを用いた成功パターンの示唆演出を実行するようにしてもよい。また、リーチ演出が行われるか否かに関わらず、真剣役物i7が作動することを示唆するために忍者アイコンを用いた第1成功パターンの示唆演出を実行するようにしてもよい。すなわち、成功パターンの示唆演出の実行によって示唆する演出は、擬似連続演出やリーチ演出以外の演出であってもよい。
なお、示唆演出によって遊技者に示唆する内容は、当たり、はずれのみならず、事前判定の結果に基づいて、大当たり図柄の種類に応じて、より詳細に区別してもよい。例えば、事前判定によって、大当たり遊技後に高確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1(図1−29−2参照))が判定された場合と、中確率状態に移行する大当たり(例えば4R長当たり2(図1−29−2参照))が判定された場合と、低確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり3(図1−29−2参照))が判定された場合とで、上述の示唆演出の内容をそれぞれ異ならせてもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機i1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。上記実施形態で例示した画面等も単なる一例であって、他の態様であってもよい。さらに、例えば遊技状態(高確率状態、中確率状態および低確率状態)に応じて異なる表示態様の画面を用いた示唆演出を行うことも可能である。
〔第10の形態例〕
第10の形態例について説明する。
ここで、従来の遊技機では、大当たりか否かの判定が保留されていることを示す保留画像が、当該遊技機に設けられた表示画面に表示される。これによって、遊技者は、現時点で大当たりか否かの判定が保留されている数を知ることができる。しかしながら、遊技機に表示される保留画像は、単に大当たりか否かの判定が保留されている数を示すだけのものである。そして、保留されていた判定を報知するために特別図柄を変動表示する変動演出が行われる際、当該保留に対応して表示されていた保留画像だったものが当該変動演出を行なっていることを示す変動権利画像となって表示画面に表示されるが、当該変動権利画像自体に演出効果が乏しい。
そこで、第10の形態例は、変動権利画像を用いて、今までにない演出を行うことが可能な遊技機を提供するために、以下の構成を採用する。
すなわち、第10の形態例に係る遊技機は、取得手段、特別遊技判定手段、特別遊技実行手段、図柄表示制御手段、保留記憶手段、保留表示制御手段、および変動権利表示制御手段を有する。取得手段は、始動条件が成立すると、取得情報を取得する。特別遊技判定手段は、取得手段によって取得された取得情報に基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技を実行するか否かを判定する。特別遊技実行手段は、特別遊技を実行すると特別遊技判定手段によって判定された場合に、特別遊技を実行する。図柄表示制御手段は、特別遊技判定手段による判定が行われると、図柄表示手段に特別図柄を変動表示させた後に特別遊技判定手段の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる。保留記憶手段は、図柄表示制御手段により特別図柄の変動表示が実行されているときに取得手段により取得された取得情報を、保留情報として所定上限数まで保留して記憶可能である。保留表示制御手段は、保留記憶手段により記憶されている保留情報のそれぞれに対応する保留画像を、演出表示手段の保留画像表示領域に表示する。変動権利表示制御手段は、変動演出が行われていることを示す変動権利画像を、演出表示手段の変動権利画像表示領域に表示する。図柄表示制御手段は、図柄表示手段によって特別図柄が停止表示されると所定の確定時間が経過するまで確定表示を行い、確定時間経過後に次の特別図柄の変動または特別遊技が開始可能に構成する。変動権利表示制御手段は、特別図柄が停止表示された後の確定時間において変動権利画像を継続して表示可能にする。
以下、「図10−」を含む図面番号を持つ図面(以下、図10ということがある)を参照して具体的に説明する。なお、第10の形態例について、第1の形態例の図面(図1)や他の形態例を参照する場合がある。
第10の形態例において保留アイコンがシフト表示処理されて保留が消化されていく第1当該画像演出について、図10−4および図10−5を参照して説明する。なお、図10−4は、第10の形態例でのリーチ演出が行われる際の第1当該画像演出の一例を説明するための液晶表示装置j5(図1−1の画像表示部a114に相当)の画面図である。図10−5は、リーチ演出が行われた後に大当たり演出が行われる際の第1当該画像演出の一例を説明するための液晶表示装置j5の画面図である。ここで、第1当該画像演出は、特別図柄が停止表示される時点または停止表示されるまでに当該アイコン(変動権利画像)を消去して行われる演出である。なお、以下の説明では、第1当該画像演出として、特別図柄が停止表示される時点で当該アイコンを消去する例を用いるが、特別図柄が停止表示される前に当該アイコンを消去してもよい。
図10−4(A)において、装飾図柄画像の変動表示中であって、変動表示中であることを示す当該アイコンRIj1が当該領域に表示され、1回の第1特別図柄判定が保留されていることを示す保留アイコンRIj2が保留アイコン表示領域に表示されている。この状態において、第1始動口j11(図1−1の第1始動口a121に相当)に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて取得された各種乱数を用いて事前判定処理が行われる。そして、当該事前判定処理の結果に応じた表示態様で、2つ目の保留アイコンRIj3が保留アイコン表示領域に出現する
そして、当該領域に表示されている当該アイコンRIj1に対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、リーチ演出が行われない変動パターンが選択されている場合、例えば、左装飾図柄画像および右装飾図柄画像として5図柄および8図柄が仮停止し(図10−4(A)参照)、続いて中装飾図柄画像として例えば2図柄が仮停止し(図10−4(B)参照)、最終的にこれら3つの装飾図柄画像が本停止して、当該領域に表示されている当該アイコンRIj1に対応する一連の変動演出が終了することになる。
上述した装飾図柄画像の本停止状態は、所定の確定時間(例えば、0.5秒間)が経過するまで維持される。次に、上記確定時間が経過すると、次の装飾図柄画像の変動表示が開始され、保留アイコンRIj3が出現する前から保留アイコン表示領域に表示されていた保留アイコンRIj2に対応する第1特別図柄判定が行われる。なお、上記装飾図柄画像の本停止から次の装飾図柄画像の変動表示を行う期間において、保留アイコンおよび当該アイコンに対して以下のような表示制御処理が行われる。例えば、当該アイコンRIj1に対応する装飾図柄画像の変動表示が停止することに応じて、当該領域に表示されていた当該アイコンRIj1が消去される(図10−4(B)参照)。そして、次の装飾図柄画像の変動表示が開始されることに応じて、保留アイコン表示領域に表示されていた保留アイコンRIj2が当該アイコンRIj2となって当該領域にシフトして表示され、保留アイコンRIj2がシフト前に表示されていた表示位置に保留アイコンRIj3がシフトして表示される(図10−4(C)参照)。このような保留アイコンのシフト表示処理が行われる場合、後述する遊技制御基板j100(図1−3の遊技制御部a200に相当)では、当該領域にシフトされた当該アイコンに対応する始動口入賞時にメインRAMj103(図1−3のRAMa203参照)に記憶された各種乱数に基づいて第1特別図柄判定が実行される。そして、第1特別図柄表示器j41(図1−2の第1特別図柄表示器a221に相当)における特別図柄の変動表示が開始されるとともに、液晶表示装置j5における装飾図柄画像の変動表示が開始される(図10−4(C)参照)。
そして、当該アイコンRIj2に対応する第1特別図柄判定の判定結果がリーチ演出を行う変動パターンが選択されている場合、例えば左装飾図柄画像および右装飾図柄画像としてそれぞれ7図柄が仮停止してリーチが成立する(図10−5(A)参照)。このようにしてリーチが成立すると、選択されている変動パターンに応じて、中装飾図柄画像が当たりを示す装飾図柄画像で仮停止(例えば、有効ライン上に3つの同じ装飾図柄画像が仮停止)するか否かを煽るリーチ演出が実行される。このとき、当該領域の当該アイコンRIj2および保留アイコン表示領域の保留アイコンRIj3は、当該リーチ演出に係る変動開始から継続して表示されている。
図10−5(A)は、図10−4(D)と同様に、当該アイコンRIj2が当該領域に表示され、保留アイコンRIj3が保留アイコン表示領域に表示された状態で、リーチ演出が行われている。このリーチ成立状態において、左装飾図柄画像および右装飾図柄画像と同じ図柄で、中装飾図柄画像が本停止することによって、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることが報知される(図10−5(B)参照)。このように、最終的にこれら3つの装飾図柄画像が本停止することによって第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることが報知されて、当該領域に表示されている当該アイコンRIj2に対応する一連の変動演出が終了することになる。そして、装飾図柄画像の変動表示が停止することに応じて、当該領域に表示されていた当該アイコンRIj2が消去される(図10−5(B)参照)。
そして、大当たりになったことを示す装飾図柄画像が所定時間(例えば0.5秒間)停止表示されると、大当たり遊技を開始する際に行われるオープニング演出として、大当たりの種類を報知する演出や遊技者に右打ちを促す右打ち報知等が行われる(図10−5(C)および図10−5(D)参照)。なお、オープニング演出を経て行われる大当たり演出では、液晶表示装置j5の表示画面に表示されている保留アイコン(図10−5(B)の例では、保留アイコンRIj3)は、一旦全て消去される。
次に、図10−6および図10−7を参照して、保留アイコンがシフト表示処理されて保留が消化されていく第2当該画像演出について説明する。なお、図10−6は、リーチ演出が行われる際の第2当該画像演出の一例を説明するための液晶表示装置j5の画面図である。図10−7は、リーチ演出が行われた後に大当たり演出が行われる際の第2当該画像演出の一例を説明するための液晶表示装置j5の画面図である。ここで、第2当該画像演出では、上述した第1当該画像演出とは異なり、特別図柄が停止表示された後の確定時間において当該アイコン(変動権利画像)を継続して表示し、当該確定時間経過後の次の特別図柄の変動または当該確定時間経過後の特別遊技において継続表示されている当該アイコンを用いた演出が行われる。本実施例におけるパチンコ遊技機j1(図1−1のパチンコ遊技機a100に相当)は、所定の条件に基づいて、第1当該画像演出および第2当該画像演出の一方を選択可能に構成されている。
図10−6(A)では、図10−4(A)と同様に、装飾図柄画像の変動表示中であって、変動表示中であることを示す当該アイコンRIj1が当該領域に表示され、1回の第1特別図柄判定が保留されていることを示す保留アイコンRIj2が保留アイコン表示領域に表示されている。この状態において、第1始動口j11に遊技球が入賞した場合、その入賞に応じて取得された各種乱数を用いて事前判定処理が行われる。そして、当該事前判定処理の結果に応じた表示態様で、2つ目の保留アイコンRIj3が保留アイコン表示領域に出現する。
ここで、図柄の変動表示中は、大当たりに対する信頼度を報知したり、大当たりに対する期待感を遊技者に抱かせたりすることを目的として、各種の予告演出が行われる。本実施形態におけるパチンコ遊技機j1では、予告演出の一例として、同色チャンス目演出が行われる。
例えば、図10−6(A)に例示された保留アイコンRIj2や保留アイコンRIj3に対応する事前判定処理において、第1特別図柄判定において「大当たり」になるような事前判定結果が得られた場合や、第1特別図柄判定では「ハズレ」であるものの高信頼度のリーチ演出が行われることになる可能性が高い変動パターンが選択されることになるような事前判定結果が得られた場合、当該アイコンRIj1に対応する図柄変動演出において、同色チャンス目演出が行われる。ここで、同色チャンス目演出は、特別図柄判定に関する演出であって、液晶表示装置j5の表示画面において同じ色の3つの装飾図柄画像が有効ライン上に本停止(または、擬似停止)する演出である。同色チャンス目演出は、以降に行われる図柄変動演出において、大当たりに当選する信頼度が相対的に高いことを示唆したり、いわゆるゾーンと呼ばれる特殊演出モードへの移行を示唆したりすることを目的として行われる。
例えば、当該領域に表示されている当該アイコンRIj1に対応する第1特別図柄判定の判定結果は「ハズレ」であるが、同色チャンス目演出を行う情報が設定されている場合、例えば、左装飾図柄画像として青色の2図柄が仮停止し、右装飾図柄画像として同じ青色の4図柄が仮停止して、同じ色の3つの装飾図柄画像が有効ライン上に本停止する前の状態となる(図10−6(A)参照)。そして、中装飾図柄画像として同じ青色の6図柄が仮停止し(図10−6(B)参照)、最終的にこれら同じ青色の3つの装飾図柄画像が本停止して、当該領域に表示されている当該アイコンRIj1に対応する一連の変動演出が同色チャンス目演出となって終了する。
ここで、第2当該画像演出では、同色チャンス目演出において装飾図柄画像の変動表示が停止した後も、当該領域に表示されている当該アイコンRIj1が当該領域に継続して表示され、保留アイコンRIj2およびRIj3もシフト表示処理が行われずに同じ表示位置に継続して表示される(図10−6(B)参照)。例えば、装飾図柄画像の仮停止とともに、当該アイコンRIj1に光が集まり、同色チャンス目演出の色(本実施例では、青色)と同じ色のエフェクトが当該アイコンRIj1に付与される演出が行われる。そして、当該アイコンRIj1の表示が変わった後に装飾図柄が本停止表示される。
そして、所定の確定時間が経過すると、次の特別図柄の変動表示が開始される。このとき、前の変動表示に係る当該アイコンRIj1が上記確定時間および次の変動表示が開始されるまで当該領域に継続表示される。そして、次の変動表示が開始されると、液晶表示装置j5の表示画面を用いて、同色チャンス目のエフェクトが付与された過去の当該アイコンRIj1が当該領域から打ち上げられる演出(当該アイコン演出1)が行われる。また、打ち上げる演出の実行に伴い、保留アイコンRIj2およびRIj3に対するシフト表示処理が行われる(図10−6(C)参照)。
次の図柄変動表示が開始されることに応じて打ち上げられた当該アイコンRIj1は、例えば花火球として演出され、液晶表示装置j5の表示画面内でエフェクトと同色の花火(すなわち、青色の花火)として破裂して消滅する(当該アイコン演出2;図10−6(D)参照)。なお、図10−6(C)に示す当該アイコン演出1および図10−6(D)に示す当該アイコン演出2が、確定時間経過後の次の特別図柄の変動で行われる第2当該画像演出の一例に相当する。
そして、当該アイコンRIj2に対応する第1特別図柄判定の判定結果がいわゆるゾーンと呼ばれる特殊演出モードへの移行した後に大当たりとなる変動パターンが選択されている場合、演出モードが通常演出モードから特殊演出モードに移行する。例えば、図10−6(E)の例では、特殊演出モードに移行することを示唆するために例えば「昇華ゾーン」といった文字表示が行われるとともに背景画像などが特殊演出モードに応じたものに変化する。そして、当該特殊演出モード中の装飾図柄画像の変動表示中には、例えば擬似連続予告演出などの各種の予告演出やSPSPリーチ演出などの高信頼度のリーチ演出が行われ、装飾図柄画像の変動表示開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、その旨を報知する態様で装飾図柄画像が停止表示される(図10−6(F)参照)。
このように、第2当該画像演出では、当該アイコンRIj1に対応する特別図柄判定の結果を示す特別図柄の変動が停止した後(例えば、当該特別図柄判定を示す装飾図柄画像を停止表示する確定時間および次の装飾図柄画像を変動表示が開始されるまで)も、当該アイコンRIj1を液晶表示装置j5の表示画面に残して継続表示する。そして、次の特別図柄を変動させる際に行われる演出において過去の当該アイコンRIj1を用いた演出が行われる。これによって、パチンコ遊技機j1において、当該アイコン(変動権利画像)を用いた今までにない演出を行うことが可能となり、当該アイコンが図柄変動演出後も残る演出を行うことによって遊技者に大当たりを期待させることも可能となる。
なお、上述した実施例では、次に行われる第1特別図柄判定において大当たりに当選する信頼度が高い事前判定結果が得られている場合に、直前に行われた第1特別図柄判定に対応する当該アイコンを次の第1特別図柄判定に関連する演出を開始するまで残して表示する例を用いた。しかしながら、次以降に行われる第1特別図柄判定において大当たりに当選する信頼度が高い事前判定結果が得られている場合に、第1特別図柄判定に対応する当該アイコンを次の第1特別図柄判定に関連する演出を開始するまで残して表示してもかまわない。例えば、保留アイコンRIj3に対応する事前判定結果が大当たりに当選する信頼度が高いものである場合、保留アイコンRIj2に対応する図柄変動演出が行われるときに図10−6(C)および図10−6(D)と同様の当該アイコンRIj1を用いた演出が行われる。次に、保留アイコンRIj2であった当該アイコンRIj2が当該領域に移動した状態で行われる図柄変動では、リーチにもならない装飾図柄で本停止する演出が行われる。そして、保留アイコンRIj3であった当該アイコンRIj3が当該領域に移動した状態で行われる図柄変動では、特殊演出モードに移行して大当たりに当選する信頼度が高い演出が行われる。
次に、リーチ演出が行われた後に大当たり演出が行われる際の第2当該画像演出の一例について説明する。図10−7(A)は、図10−5(A)と同様に、当該アイコンRIj2が当該領域に表示され、保留アイコンRIj3が保留アイコン表示領域に表示された状態で、リーチ演出が行われている。このリーチ成立状態において、例えば左装飾図柄画像および右装飾図柄画像と同じ図柄で、中装飾図柄画像が本停止することによって、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることが報知される(図10−7(B)参照)。第2当該画像演出においても、最終的にこれら3つの装飾図柄画像が本停止することによって第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることが報知して、当該領域に表示されている当該アイコンRIj2に対応する一連の変動演出が終了する。
上述した装飾図柄画像の本停止状態は、所定の確定時間(例えば、0.5秒間)が経過するまで維持される。そして、上記確定時間が経過すると、大当たり演出が開始される。このとき、直前の図柄変動表示に係る当該アイコンRIj2が上記確定時間および大当たり演出中(例えば、オープニング演出中)において当該領域に継続表示される(図10−7(B)参照)。そして、大当たり演出が開始されると、液晶表示装置j5の表示画面を用いて、過去の当該アイコンRIj2が当該領域から打ち上げられる演出(当該アイコン演出3)が行われる(図10−7(C)参照)。
例えば、第2当該画像演出では、液晶表示装置j5において大当たりのオープニング演出が開始されると、液晶表示装置j5の表示画面を用いて、前回の特別図柄の変動表示(すなわち、大当たりに当選したことを示した図柄変動表示)に対応する当該アイコンRIj2が花火球として打ち上げられる演出が行われる。そして、オープニング演出中に打ち上げられた当該アイコンRIj2は、液晶表示装置j5の表示画面内で祝砲花火として破裂して消滅する(当該アイコン演出4;図10−7(D)参照)。その後、遊技者に右打ちを促す右打ち報知等が行われる(図10−7(E)参照)。なお、オープニング演出を含む大当たり演出では、液晶表示装置j5の表示画面に表示されている保留アイコン(図10−7(C)の例では、保留アイコンRIj3)は、上記オープニング演出開始時や上記祝砲花火演出の後等に一旦全て消去してもよい。また、図10−7(C)に示す当該アイコン演出3および図10−7(D)に示す当該アイコン演出4が、確定時間経過後の特別遊技で行われる第2当該画像演出の一例に相当する。
このように、第2当該画像演出では、当該アイコンRIj2に対応する特別図柄判定の結果を示す特別図柄の変動が停止した後も、当該アイコンRIj2を液晶表示装置j5の表示画面に残して表示する。そして、以降に行われる大当たり演出において、液晶表示装置j5の表示画面に残して表示した当該アイコンRIj2を用いた演出が行われる。これによって、パチンコ遊技機j1において、当該アイコン(変動権利画像)を用いた今までにない演出を行うことが可能となり、当該アイコンが図柄変動演出後も残る大当たり演出を行うことによってさらに遊技者の興奮度が向上する演出を行うことも可能となる。
なお、上述した実施例では、オープニング演出中まで液晶表示装置j5の表示画面に残して表示した当該アイコンRIj2を用いた演出が行われる例を用いたが、大当たりのラウンド演出が開始された後に当該アイコンRIj2を用いた演出が行われてもよい。例えば、大当たりラウンド演出中に大当たりラウンド数の増加や大当たり遊技後に確変遊技状態(高確率遊技状態または中確率遊技状態)へ移行すること等を大当たり演出中に示唆する、いわゆる昇格演出において、当該アイコンRIj2を用いた第2当該画像演出が行われてもよい。一例として、大当たりラウンド数が4ラウンドと報知されていたものが、当該アイコンRIj2が花火となって破裂することを契機として16ラウンドの報知に切り替える昇格演出に第2当該画像演出が用いられてもよい。他の例として、通常図柄で大当たり表示されていたもの(例えば、大当たり遊技後に通常遊技状態(低確率遊技状態)へ移行する表示)が、当該アイコンRIj2が花火となって破裂することを契機として大当たり遊技後に確変遊技状態(高確率遊技状態または中確率遊技状態)に移行することを報知する昇格演出に第2当該画像演出が用いられてもよい。
また、図10−6および図10−7を用いて説明した第2当該画像演出では、第1特別図柄判定に関連する保留アイコンであった当該アイコンを対象として説明したが、第2特別図柄判定が保留されていることを示す保留アイコンであった当該アイコンを用いて同様の演出を行ってもかまわない。
〔サブRAMj133の構成例〕
図10−19は、演出制御基板j130(図1−3の演出制御部a300に相当)のサブRAMj133(同図のRAMa303に相当)の構成例を示すブロック図である。なお、同図は、第1の形態例における図1−28に対応するものである。
図10−19(A)に例示されるように、サブRAMj133には、第1保留記憶領域j1331、第2保留記憶領域j1332、第3保留記憶領域j1333、第4保留記憶領域j1334、第1保留記憶領域j1335、第2保留記憶領域j1336、第3保留記憶領域j1337、第4保留記憶領域j1338、保留消化中記憶領域j1339、および維持表示フラグ記憶領域j1340が設けられている。
保留記憶領域j1331〜j1338は、遊技制御基板j100(図1−3の遊技制御部a200に相当)から受信した保留コマンドに含まれている情報やこの情報を基に生成された保留先読み演出に関する他の情報を、保留コマンドを受信してから当該保留コマンドに対応する特別図柄の変動表示が開始されるまで記憶する記憶領域である。保留記憶領域j1331〜j1334には第1特別図柄判定に係る事前判定情報などが記憶され、保留記憶領域j1335〜j1338には第2特別図柄判定に係る事前判定情報などが記憶される。
保留消化中記憶領域j1339は、第1保留記憶領域j1331または第1保留記憶領域j1335に記憶されていた各種情報が、これらの情報に対応する図柄の変動表示が開始されてから終了されるまでの間に記憶される領域である。
保留記憶領域j1331〜j1338は、それぞれ、事前判定情報を記憶する領域、表示態様情報を記憶する領域、維持表示演出種別情報を記憶する領域等を含んでいる。
事前判定情報は、遊技制御基板j100(図1−3の遊技制御部a200に相当)から受信する保留コマンドに含まれている情報である。
表示態様情報は、保留アイコンや当該アイコンを表示する際の表示態様を示す情報である。
維持表示演出種別情報は、当該アイコンに対応する特別図柄の変動表示が停止した後も当該アイコンを用いて演出を行う上記第2当該画像演出(以下、維持表示演出と記載する)を行うか否か、維持表示演出を行う場合にどのような種別の演出を行うか等を示す情報である。
図10−19(B)に基づいて説明した3つの情報のうち、事前判定情報は、第1特別図柄判定が保留されたことを示す保留コマンドを遊技制御基板j100から受信する毎に第1保留記憶領域j1331から順に第1保留記憶領域j1331〜第4保留記憶領域j1334のいずれかに格納され、第2特別図柄判定が保留されたことを示す保留コマンドを遊技制御基板j100から受信する毎に第1保留記憶領域j1335から順に第1保留記憶領域j1335〜第4保留記憶領域j1338のいずれかに格納される。
例えば、第1保留記憶領域j1331〜第4保留記憶領域j1334のいずれにも情報が記憶されていない状態で第1特別図柄判定が保留されたことを示す保留コマンドを受信した場合、その保留コマンドに含まれている事前判定情報が第1保留記憶領域j1331に格納される。また、例えば第1保留記憶領域j1331および第2保留記憶領域j1332のそれぞれに各種情報が記憶された状態で第1特別図柄判定が保留されたことを示す保留コマンドを受信した場合、その保留コマンドに含まれている事前判定情報が第3保留記憶領域j1333に格納される。
また、第1保留記憶領域j1331〜第4保留記憶領域j1334のいずれかに情報が記憶された状態で第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドを遊技制御基板j100から受信すると、第1保留記憶領域j1331に記憶されている情報が保留消化中記憶領域j1339にシフトされ、第2保留記憶領域j1332以降の保留記憶領域に記憶されている情報が第1保留記憶領域j1331側にシフトされる。例えば第1保留記憶領域j1331〜第3保留記憶領域j1333のそれぞれに情報が記憶された状態で第1保留記憶領域j1331に記憶されている情報が保留消化中記憶領域j1339にシフトされると、第2保留記憶領域j1332に記憶されている情報が第1保留記憶領域j1331にシフトされるとともに、第3保留記憶領域j1333に記憶されている情報が第2保留記憶領域j1332にシフトされる。
また、第1保留記憶領域j1335〜第4保留記憶領域j1338のいずれかに情報が記憶された状態で第2特別図柄判定に係る変動開始コマンドを遊技制御基板j100から受信すると、保留消化中記憶領域j1339、第1保留記憶領域j1335〜第4保留記憶領域j1338に対して、同様のシフト処理が行われる。
維持表示フラグ記憶領域j1340は、維持表示フラグの状態を示す情報を記憶する領域である。例えば、維持表示フラグは、維持表示演出を行う変動演出が開始される場合にオンに設定され、当該維持表示演出を行う変動演出の次に行われる変動演出が開始される際や当該維持表示演出を行う変動演出の後に行われるオープニング演出が開始される際にオフに設定される。
〔演出制御基板j130によるコマンド受信処理〕
図10−21〜図10−23は、コマンド受信処理の一例を示すフローチャートである。図10−21において、サブCPUj131(図1−3のCPUa301に相当)は、遊技制御基板j100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップj101)。そして、サブCPUj131は、保留コマンドを受信した場合、ステップj102に処理を進める。一方、CPUj131は、保留コマンドを受信していない場合、ステップj121(図10−22参照)に処理を進める。
ステップj102において、サブCPUj131は、サブRAMj133(図1−3のRAMa303に相当)に記憶されている特別図柄判定の保留数に「1」を加算して更新し、次のステップに処理を進める。例えば、サブCPUj131は、受信した保留コマンドに対して指示されている情報に基づいて、第1特別図柄判定に係る保留コマンドおよび第2特別図柄判定に係る保留コマンドを判別し、その判別結果に基づいて、第1特別図柄判定に係る保留数または第2特別図柄判定に係る保留数を更新する。
次に、サブCPUj131は、受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報をサブRAMj133の所定領域に格納し(ステップj103)、次のステップに処理を進める。例えば、サブCPUj131は、第1特別図柄判定が保留されたことを示す事前判定情報を取得した場合、第1保留記憶領域j1331〜第4保留記憶領域j1334のうち、情報が記憶されていない保留記憶領域であって、最も第1保留記憶領域j1331側である保留記憶領域に事前判定情報を格納する。一方、サブCPUj131は、第2特別図柄判定が保留されたことを示す事前判定情報を取得した場合、第1保留記憶領域j1335〜第4保留記憶領域j1338のうち、情報が記憶されていない保留記憶領域であって、最も第1保留記憶領域j1335側である保留記憶領域に事前判定情報を格納する。
次に、サブCPUj131は、先読み演出実行乱数を取得してサブRAMj133に格納し(ステップj104)、次のステップに処理を進める。例えば、上記先読み演出実行乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」ずつ加算されて更新されており、サブCPUj131は、保留コマンドを受信した時点で更新されている値を先読み演出実行乱数として取得する。
次に、サブCPUj131は、先読み演出を行うか否かを決定するための先読み演出抽選を実行するか否かを判定する(ステップj106)。そして、サブCPUj131は、先読み演出抽選を実行する場合、ステップj107に処理を進める。一方、サブCPUj131は、先読み演出抽選を実行しない場合、ステップj110に処理を進める。例えば、サブCPUj131は、上記ステップj103の処理によってサブRAMj133に格納された事前判定情報に基づいて、当該事前判定情報を含んでいた保留コマンドに対応する特別図柄判定の保留を抽選対象にするか否かを判定する。一例として、サブCPUj131は、事前判定情報が大当たり用の変動パターンまたはリーチ用の変動パターンを示す情報を含んでいる場合には抽選対象にすると判定し、事前判定情報が当該情報を含んでいない場合には抽選対象としないと判定する。
ステップj107において、サブCPUj131は、先読み演出抽選を実行し、当該抽選結果に基づいて先読み演出を実行するか否かを判定する。そして、サブCPUj131は、先読み演出を実行する場合、ステップj108に処理を進める。一方、サブCPUj131は、先読み演出を実行しない場合、ステップj110に処理を進める。例えば、サブCPUj131は、上記ステップj104の処理で取得された先読み演出実行乱数が、サブROMj132(図1−3のROMa302に相当)に記憶されている先読み演出実行乱数の当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、先読み演出を実行するか否かを抽選する。
ステップj108において、サブCPUj131は、今回受信した保留コマンドに対応する保留アイコンの表示態様(例えば、色、模様、形状)を決定し、上記ステップj103において格納した保留記憶領域の表示態様情報に当該表示態様を示す情報を格納する。そして、サブCPUj131は、当該表示態様による保留アイコンの表示を指示する特別アイコン表示コマンドをサブRAMj133にセットし(ステップj109)、ステップj111に処理を進める。なお、サブRAMj133にセットされた特別アイコン表示コマンドは、送信処理によって画像音響制御基板j140(図1−3の画像/音響制御部a310に相当)に送信される。そして、画像音響制御基板j140のCPUは、特別アイコン表示コマンドを受信した場合、当該コマンドによって指示された表示態様の保留アイコン(例えば、通常の表示態様に対して、色、模様、形状等を変化させた保留アイコン)を液晶表示装置j5に新たに表示させる。
一方、ステップj110において、サブCPUj131は、上記ステップj103において格納した保留記憶領域の表示態様情報に通常の表示態様を示す情報を格納し、通常アイコン表示コマンドをサブRAMj133にセットして、ステップj111に処理を進める。なお、サブRAMj133にセットされた通常アイコン表示コマンドは、送信処理によって画像音響制御基板j140に送信される。そして、画像音響制御基板j140のCPUは、通常保留表示コマンドを受信した場合、通常の表示態様の保留表示画像を液晶表示装置j5に新たに表示させる。
ステップj111において、サブCPUj131は、今回の処理で対象としている保留コマンドに対応する保留と当該保留の直前に消化される保留との組が維持表示演出の対象か否かを判定する。そして、サブCPUj131は、上記組が維持表示演出の対象である場合、ステップj112に処理を進める。一方、サブCPUj131は、上記組が維持表示演出の対象でない場合、ステップj121(図10−22参照)に処理を進める。例えば、サブCPUj131は、今回の処理で対象としている保留コマンドに対応する事前判定情報が、特別図柄判定において「大当たり」になることを示すものや、特別図柄判定では「ハズレ」であるものの高信頼度のリーチ演出が行われることになる可能性が高い変動パターンが選択されることを示すものであり、先に行われる図柄変動演出において予告演出される対象であることを第1条件とする。また、サブCPUj131は、今回の処理で対象としている保留コマンドに対応する保留の直前に消化される保留が、維持表示演出に使用可能な変動パターン(リーチ演出することなくはずれる変動パターンであり、例えば同色チャンス目演出に使用可能な短変動を示す変動パターン)で消化されることを第2条件とする。そして、サブCPUj131は、これらの条件をいずれも満たす場合に維持表示演出の対象であると判定する。一例として、サブCPUj131は、上記ステップj103において第1特別図柄判定が保留されたことを示す事前判定情報を格納した場合、当該格納前に第1保留記憶領域j1331〜第3保留記憶領域j1333に記憶されている事前判定情報のうち、最も新しい事前判定情報(すなわち、今回の処理で対象としている保留の直前に消化される保留に対応する事前判定情報)に同色チャンス目演出に使用可能な短変動を示す変動パターンを含んでいれば、上記第2条件を満たしていると判定する。
ステップj112において、サブCPUj131は、維持表示演出に関する抽選を実行し、当該抽選結果に基づいて維持表示演出を実行するか否かを判定する。そして、サブCPUj131は、維持表示演出を実行する場合、ステップj113に処理を進める。一方、サブCPUj131は、維持表示演出を実行しない場合、ステップj121(図10−22参照)に処理を進める。例えば、サブCPUj131は、上記ステップj104の処理で取得された先読み演出実行乱数が、サブROMj132に記憶されている維持表示演出実行乱数の当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、維持表示演出を実行するか否かを抽選する。
ステップj113において、サブCPUj131は、今回の処理で対象としている保留コマンドに対応する保留の直前に消化される保留に対して、維持表示演出を行うことを示す情報を設定し、ステップj121(図10−22参照)に処理を進める。例えば、サブCPUj131は、上記ステップj111において上記第2条件を満たすと判定された事前判定情報が格納されている保留記憶領域j1331〜j1333の維持表示演出種別情報に、維持表示演出を行うことを示す情報(例えば、同色チャンス目演出を行うことを示す情報)を設定する。
図10−22に進み、ステップj121において、サブCPUj131は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出中であるか否かを判定する。例えば、サブCPUj131は、遊技制御基板j100から送信された変動開始コマンドに含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて特別図柄の変動時間を特定し、その変動開始コマンドを受信してからその変動時間が経過したか否かに基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する。そして、サブCPUj131は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出中でない場合、ステップj122に処理を進める。一方、サブCPUj131は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出中である場合、ステップj135に処理を進める。
ステップj122において、サブCPUj131は、遊技制御基板j100から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。そして、サブCPUj131は、変動開始コマンドを受信した場合、ステップj123に処理を進める。一方、サブCPUj131は、変動開始コマンドを受信していない場合、ステップj151(図10−23参照)に処理を進める。
ステップj123において、サブCPUj131は、上記乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数について、遊技制御基板j100から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAMj133に格納し、次のステップに処理を進める。そして、サブCPUj131は、受信した変動開始コマンドを解析し(ステップj124)、次のステップに処理を進める。上述したように、変動開始コマンドには、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機j1の遊技状態(高確率遊技状態、中確率遊技状態または低確率遊技状態)を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果とを特定することができる。すなわち、大当たりであるかハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、パチンコ遊技機j1の現在の遊技状態を特定することができる。
次に、サブCPUj131は、変動開始コマンドの解析結果に基づいて、変動演出パターン選択処理を実行し(ステップj125)、次のステップに処理を進める。なお、上記ステップj125で行う変動演出パターン選択処理については、後述する。
次に、サブCPUj131は、上記ステップj125の処理において選択した変動演出パターンの変動演出の開始を指示する変動演出開始コマンドをサブRAMj133にセットし(ステップj126)、次のステップに処理を進める。上記変動演出開始コマンドは、送信処理によって画像音響制御基板j140および/またはランプ制御基板j150(図1−3のランプ制御部a320に相当)に送信される。これにより、演出制御基板j130において決定された演出パターンの変動演出が、画像音響制御基板j140およびランプ制御基板j150によって実現されることになる。なお、上記ステップj126の処理に応じた変動演出は、第1特別図柄表示器j41(または第2特別図柄表示器j42)において特別図柄の変動表示が開始されてから特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されるまで行われる。
次に、サブCPUj131は、サブRAMj133に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」減算し、減算後の値を用いて当該保留数を更新して(ステップj127)、次のステップに処理を進める。例えば、サブCPUj131は、上記ステップj122の処理で受信したと判定した変動開始コマンドが第1特別図柄判定に係るものであるか第2特別図柄判定に係るものであるかを判別し、第1特別図柄判定に係るものであると判別した場合には第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新し、第2特別図柄判定に係るものであると判別した場合には第2特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。
次に、サブCPUj131は、保留記憶領域に対するシフト処理を実行し(ステップj128)、次のステップに処理を進める。例えば、サブCPUj131は、第1特別図柄判定に係る変動演出が開始される場合には、第1保留記憶領域j1331に記憶されている情報を保留消化中記憶領域j1339にシフトさせ、第2保留記憶領域j1332〜第4保留記憶領域j1334に記憶されている情報を第1保留記憶領域j1331側にシフトさせる。一方、サブCPUj131は、第2特別図柄判定に係る変動演出が開始される場合には、第1保留記憶領域j1335に記憶されている情報を保留消化中記憶領域j1339にシフトさせ、第2保留記憶領域j1336〜第4保留記憶領域j1338に記憶されている情報を第1保留記憶領域j1335側にシフトさせる。
次に、サブCPUj131は、保留アイコン表示領域内において当該領域側に各保留アイコンの表示位置をシフトして表示することを指示する保留画像シフトコマンドをサブRAMj133にセットし(ステップj129)、次のステップに処理を進める。上記保留画像シフトコマンドは、送信処理によって画像音響制御基板j140に送信される。これにより、保留アイコン表示領域内に表示されている保留アイコンがそれぞれ当該領域側にシフトして表示されるとともに、保留アイコン表示領域内において、最も当該領域側に表示されている保留アイコンが当該アイコンとなって当該領域へシフトして表示されるシフト表示処理が、画像音響制御基板j140によって実現されることになる。
次に、サブCPUj131は、維持表示演出を開始するか否かを判定する(ステップj130)。そして、サブCPUj131は、維持表示演出を開始する場合、ステップj131に処理を進める。一方、サブCPUj131は、維持表示演出を開始しない場合、ステップj132に処理を進める。例えば、サブCPUj131は、保留消化中記憶領域j1339における維持表示演出種別情報を参照し、維持表示演出を行うことを示す情報が設定されている場合、維持表示演出を開始すると判定する。
ステップj131において、サブCPUj131は、維持表示フラグ記憶領域j1340に設定されている維持表示フラグを「ON」に更新し、ステップj151(図10−23参照)に処理を進める。したがって、受信した変動開始コマンドに応じて開始する変動演出において維持表示演出が行われる場合、当該変動開始時に維持表示フラグが「ON」に設定されることになる。
一方、ステップj132において、サブCPUj131は、維持表示フラグ記憶領域j1340に設定されている維持表示フラグが「ON」であるか否かを判定する。そして、サブCPUj131は、維持表示フラグが「ON」である場合、ステップj133に処理を進める。一方、サブCPUj131は、維持表示フラグが「OFF」である場合、ステップj151(図10−23参照)に処理を進める。
ステップj133において、サブCPUj131は、維持表示フラグ記憶領域j1340に設定されている維持表示フラグを「OFF」に更新し、ステップj151(図10−23参照)に処理を進める。したがって、維持表示演出が行われる変動演出が終了して次の変動演出が開始される場合、当該変動開始時に維持表示フラグが「OFF」に戻されることになる。
一方、サブCPUj131は、上記ステップj121において特別図柄の変動表示に伴う変動演出中であると判定した場合、遊技制御基板j100から図柄確定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップj135)。そして、サブCPUj131は、図柄確定コマンドを受信した場合、ステップj136に処理を進める。一方、サブCPUj131は、図柄確定コマンドを受信していない場合、当該コマンド受信処理を終了して、処理を進める。
ステップj136において、サブCPUj131は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の終了を指示する変動演出終了コマンドをサブRAMj133にセットし、次のステップに処理を進める。なお、上記変動演出終了コマンドは、送信処理によって画像音響制御基板j140および/またはランプ制御基板j150に送信される。これにより、上記ステップj126の処理に応じて開始された変動演出が終了することになる。
次に、サブCPUj131は、維持表示フラグ記憶領域j1340に設定されている維持表示フラグが「ON」であるか否かを判定する(ステップj137)。そして、サブCPUj131は、維持表示演出フラグが「OFF」である場合、ステップj138に処理を進める。一方、サブCPUj131は、維持表示演出フラグが「ON」である場合、当該コマンド受信処理を終了して、処理を進める。
ステップj138において、サブCPUj131は、当該領域に表示されている当該アイコンを消去することを指示する当該アイコン消去コマンドをサブRAMj133にセットし、当該コマンド受信処理を終了して、処理を進める。当該アイコン消去コマンドは、送信処理によって画像音響制御基板j140に送信される。これにより、当該領域に表示されている当該アイコンが消去される処理が、画像音響制御基板j140によって実現されることになる。
なお、上記ステップj135〜ステップj138の処理から明らかなように、特別図柄の変動表示が停止されることに応じて、当該領域に表示されていた当該アイコンが消去される処理が行われる(図10−4(B)および図10−5(B)参照)。しかしながら、維持表示フラグが「ON」に設定されている場合、すなわち維持表示演出が行われる特別図柄の変動表示が停止した場合、当該対象アイコンを消去する処理は行われない(図10−6(B)および図10−7(B)参照)。このように、特別図柄の変動表示が開始されることに応じて当該領域に表示された当該アイコンを用いて維持表示演出が行われる場合、当該特別図柄の変動表示の停止後も当該領域に当該アイコンを残して維持表示される。
図10−23に進み、ステップj151において、サブCPUj131は、遊技制御基板j100から大当たり遊技に係るオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。そして、サブCPUj131は、オープニングコマンドを受信した場合、ステップj152に処理を進める。一方、CPUj131は、オープニングコマンドを受信していない場合、ステップj160に処理を進める。
ステップj152において、サブCPUj131は、オープニング演出開始コマンドをサブRAMj133にセットし、次のステップに処理を進める。ここで、上記オープニング演出開始コマンドは、上記ステップj15の送信処理によって画像音響制御基板j140および/またはランプ制御基板j150に送信される。これにより、画像音響制御基板j140およびランプ制御基板j150によって、大当たりの種類等を報知するための所定のオープニング演出が開始される。なお、サブCPUj131は、維持表示演出フラグが「ON」に設定されている、すなわちセットするオープニングコマンドに応じて行われるオープニング演出において過去の当該アイコン(対象アイコン)を用いた演出が行われる場合、予め設定されているオープニング演出群の中から当該アイコンを用いる演出が行われるオープニング演出を選択して、当該選択された演出を行う指示をオープニング演出開始コマンドに含ませて画像音響制御基板j140および/またはランプ制御基板j150に送信する。これにより、画像音響制御基板j140およびランプ制御基板j150によって、当該アイコンを用いた演出が行われるオープニング演出(図10−7(C)および図10−7(D)参照)が開始される。
次に、サブCPUj131は、維持表示フラグ記憶領域j1340に設定されている維持表示フラグを「OFF」に更新し(ステップj153)、ステップj160に処理を進める。
ステップj160において、サブCPUj131は、遊技制御基板j100からラウンド開始コマンドを受信したか否かを判定する。そして、サブCPUj131は、ラウンド開始コマンドを受信した場合、ステップj161に処理を進める。一方、サブCPUj131は、ラウンド開始コマンドを受信していない場合、ステップj162に処理を進める。
ステップj161において、サブCPUj131は、ラウンド中演出開始コマンドをサブRAMj133にセットし、ステップj162に処理を進める。ここで、上記ラウンド中演出開始コマンドは、送信処理によって画像音響制御基板j140および/またはランプ制御基板j150に送信される。これにより、画像音響制御基板j140およびランプ制御基板j150によって現在のラウンド遊技のラウンド数を報知したりするための所定のラウンド中演出が開始される。
ステップj162において、サブCPUj131は、遊技制御基板j100からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。そして、サブCPUj131は、エンディングコマンドを受信した場合、ステップj163に処理を進める。一方、サブCPUj131は、エンディングコマンドを受信していない場合、当該コマンド受信処理を終了して、処理を進める。
ステップj163において、サブCPUj131は、エンディング演出開始コマンドをサブRAMj133にセットし、当該コマンド受信処理を終了して、処理を進める。ここで、上記エンディング演出開始コマンドは、送信処理によって画像音響制御基板j140および/またはランプ制御基板j150に送信される。これにより、画像音響制御基板j140およびランプ制御基板j150によって大当たり遊技の終了を報知したりするための所定のエンディング演出が行われる。
〔演出制御基板j130による変動演出パターン設定(選択)処理〕
図10−24は、図10−22のステップj125における変動演出パターン設定(選択)処理の一例を示す詳細フローチャートである。図10−24において、サブCPUj131は、遊技制御基板j100から受信した変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、今回の特別図柄の変動表示に伴ってリーチ有り演出を行うか否かを判定する(ステップj1051)。そして、サブCPUj131は、リーチ有り演出を行わない場合、ステップj1052に処理を進める。一方、サブCPUj131は、リーチ有り演出を行う場合、ステップj1054に処理を進める。
ステップj1052において、サブCPUj131は、装飾図柄の変動表示を開始してから終了するまでのリーチ無し演出の変動演出パターンを設定し、ステップj1053に処理を進める。
ここで、サブROMj132には、リーチ演出を伴わない変動演出に関して、ハズレリーチ無し演出テーブルが記憶されている。ハズレリーチ無し演出テーブルには、例えば、3秒用、8秒用、18秒用、36秒用というように、遊技制御基板j100において決定される変動パターン(変動時間)に対応する演出テーブルが複数設けられている。上記ステップj1052において、サブCPUj131は、これら複数の演出テーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、1つの演出テーブルを選択する。例えば設定情報に特別図柄の変動時間が3秒であることを示す変動パターンの設定情報が含まれている場合、3秒用の演出テーブルを選択する。
各演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。サブCPUj131は、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、上述したステップj123の処理で取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。これにより、リーチ演出を含まない変動演出の変動演出パターンが設定される。
なお、本実施形態では、予告演出の1つである維持表示演出(例えば、同色チャンス目演出)用の演出テーブルが、上記複数の演出テーブルの中に含まれている。サブCPUj131は、変動演出パターンを設定する対象となっている当該アイコンを用いて維持表示演出を行う場合、すなわち、当該アイコンに対応する保留記憶領域(典型的には、第1特別図柄判定を消化する場合は第1保留記憶領域j1331、第2特別図柄判定を消化する場合は第1保留記憶領域j1335)に格納されている維持表示演出識別情報に維持表示演出を行う情報が設定されている場合、上記維持表示演出用の演出テーブルを選択する。そして、サブCPUj131は、維持表示演出用の演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、上記ステップj123の処理で取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。これにより、同色チャンス目演出によって次の図柄変動における信頼度を予告する維持表示演出を行う場合、停止表示させる装飾図柄の色や種類、当該停止表示後も当該領域に残して表示する当該アイコン(対象アイコン)に付されるエフェクト画像の色等が決定される。
ステップj1053において、サブCPUj131は、変動開始コマンドに含まれている判定図柄の設定情報に基づいて、第1特別図柄表示器j41または第2特別図柄表示器j42において判定図柄が停止表示されるのに伴って液晶表示装置j5に停止表示させる装飾図柄を設定し、当該変動演出パターン設定処理を終了して、上記ステップj126に処理を進める。なお、サブCPUj131は、上記ステップj1052において同色チャンス目演出を行う変動演出パターンを選択している場合、当該選択された変動演出パターンが示す装飾図柄の色や種類に応じて、停止表示させる装飾図柄を設定する。
一方、ステップj1054において、サブCPUj131は、上記ステップj1052の処理と同様にリーチ有り演出用または大当たり用の演出テーブルを用いて、リーチ成立までの変動演出パターンを設定し、次のステップに処理を進める。上記ステップj1054の処理が行われることによって、リーチ成立前に装飾図柄を疑似停止する演出を行うか否か、疑似停止する場合には有効ライン上に擬似停止される3つの装飾図柄の種類、リーチ成立前に特殊演出モードへ移行するか否か、特殊演出モードへ移行する場合には移行するモード(ゾーン)の種類等が決定されることになる。
なお、サブCPUj131は、維持表示演出フラグが「ON」に設定されている状態で変動開始コマンドを受信した場合、リーチ有り演出用の演出テーブルのうち、維持表示演出用の演出テーブルを用いてリーチ成立までの変動演出パターンを設定する。ここで、上記維持表示演出用の演出テーブルは、図柄変動停止後も次の図柄変動が開始されるまで当該領域に当該アイコン(対象アイコン)を表示し、当該次の図柄変動が開始されることに応じて当該領域に維持表示された当該アイコンを用いてリーチ成立までの演出を行う多数の演出パターンが設定されている。そして、サブCPUj131は、これらの演出パターンの中から、上記ステップj123の処理で取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。これにより、直前の図柄変動演出(同色チャンス目演出)が終了した後も当該領域に残って表示されている当該アイコンを用いて行う演出の種類(図10−6(C)および図10−6(D)参照)等が決定される。
次に、サブCPUj131は、遊技制御基板j100から受信した変動開始コマンドに含まれている各種設定情報等に基づいて、リーチ成立時に有効ライン上において左列および右列に擬似停止させるリーチ図柄を設定し(ステップj1055)、次のステップに処理を進める。なお、リーチ図柄は、上記設定情報とは無関係に、演出乱数を用いた抽選処理を行ってランダムに決定するようにしてもよい。
次に、サブCPUj131は、リーチ成立後の変動演出パターンを設定し(ステップj1056)、次のステップに処理を進める。例えば、サブCPUj131は、変動開始コマンドに含まれている各種設定情報に基づいて、ロングリーチ演出やSPリーチ演出を行うか否か、ロングリーチ演出を行う場合にはロングリーチを終盤でSPリーチ演出に発展させるか否か等を設定する。
なお、変動開始コマンドに含まれている設定情報において大当たりに当選することが示されている場合、サブCPUj131は、維持表示演出に関する抽選を実行し、当該抽選結果に基づいて大当たり遊技中まで当該アイコンを表示する維持表示演出を実行するか否かを判定する。例えば、サブCPUj131は、上記ステップj123の処理で取得された演出乱数が、サブROMj132に記憶されている維持表示演出実行乱数の当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、大当たり遊技中まで当該アイコンを表示する維持表示演出を実行するか否かを抽選する。そして、サブCPUj131は、維持表示演出を実行する場合、大当たり用の演出テーブルのうち、維持表示演出用の演出テーブルを用いて大当たり当選までの変動演出パターンを設定する。ここで、上記維持表示演出用の演出テーブルは、大当たり演出中(例えば、オープニング演出中)に、当該大当たりに当選したことが示された図柄変動停止後も当該領域に継続して表示されている当該アイコン(対象アイコン)を用いた演出が行われる多数の演出パターンが設定されている。そして、サブCPUj131は、これらの演出パターンの中から、上記ステップj123の処理で取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。これにより、大当たりに当選したことが示された図柄変動停止後も、当該領域に当該アイコン(対象アイコン)が継続して表示される演出(維持表示演出(図10−7(B)参照))が行われることが決定される。
次に、サブCPUj131は、現時点で設定している変動演出直後に行われる大当たりのオープニング演出まで当該アイコンを表示する維持表示演出が行われるか否かを判定する。そして、サブCPUj131は、上記オープニング演出において維持表示演出が行われる場合、ステップj1060に処理を進める。一方、サブCPUj131は、現時点で設定している変動演出直後にオープニング演出が行われない場合や上記オープニング演出において維持表示演出が行われない場合、上記ステップj1053に処理を進める。
ステップj1060において、サブCPUj131は、維持表示フラグ記憶領域j1340に設定されている維持表示フラグを「ON」に更新し、上記ステップj1053に処理を進める。
〔本実施形態の作用効果〕
以上説明したように、本実施形態によれば、特別遊技判定の結果を示す特別図柄の変動が停止した後も当該特別遊技判定に関連する当該アイコン(変動権利画像)を表示画面に表示するため、当該アイコンを用いて今までにない演出を行うことが可能となる。
一例として、特別図柄の変動が停止した後に大当たり遊技が特別遊技として行われる場合、当該特別図柄の変動に関連する当該アイコンを、装飾図柄画像が本停止している確定時間中だけでなく、大当たり遊技に関連する演出に用いることができ、大当たり演出(例えば、大当たり遊技を開始する際に行われるオープニング演出)において当該アイコンを用いた演出を行うことが可能となる。
他の例として、特別図柄の変動が停止した後に次の特別図柄の変動が開始される場合、直前の特別図柄の変動に関連する当該アイコンを、当該アイコンに係る特別図柄変動における装飾図柄画像が本停止している確定時間中だけでなく、次の特別図柄の変動に関連する演出に用いることができ、図柄変動演出において直前の図柄変動演出(例えば、予告演出)に用いられた当該アイコンを用いて新たな演出を行うことが可能となる。
〔変形例〕
なお、上記実施形態では、様々な変形例を既に説明しているが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、さらに以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、維持表示演出の一例として特別図柄の変動に関連する当該アイコンを次の図柄変動演出に用いる場合(図10−6参照)と特別図柄の変動に関連する当該アイコンを直後に行われる大当たり演出に用いる場合(図10−7参照)とが両方行われているが、いずれか一方が行われるだけでもよい。
また、上記維持表示演出では、装飾図柄画像が確定表示された後に次の特別図柄の変動が開始される場合、または装飾図柄画像が確定表示された後に大当たり遊技が開始される場合、当該確定表示中に当該アイコンが当該領域から移動したり液晶表示装置j5の表示画面から消去されたりしてもよいし、当該確定表示終了直後に当該アイコンが液晶表示装置j5の表示画面から消去されてもよい。このような場合であっても、装飾図柄画像が確定表示されている期間中に、当該確定表示前に表示されていた当該アイコンを用いた演出を行うことが可能であり、当該アイコンを用いて新たな演出を行うことが可能となる。
また、上記実施形態では、大当たり遊技中に維持表示演出が行われる一例として、大当たりの開始を報知するオープニング演出中に当該アイコンを用いた演出が行われる例を用いたが、他の時点まで当該アイコンを表示して当該アイコンを用いた演出が行われてもかまわない。例えば、右打ち報知を行う演出や、大当たりラウンド数の増加や確変遊技状態(高確率遊技状態または中確率遊技状態)への移行を大当たり演出中に示唆する、いわゆる昇格演出において、当該アイコンを用いた演出が行われてもかまわない。一例として、昇格演出中に行われる維持表示演出としては、表示画面中において当該アイコンが花火となって破裂した場合に昇格が確定するような演出が考えられる。
また、上記実施形態では、次の図柄変動演出において前の特別図柄の変動に関連する当該アイコンを用いた維持表示演出の一例として、当該アイコンが特別図柄の変動が停止した直後の図柄変動演出に用いられる例を用いたが、他の時点まで当該アイコンを表示して当該アイコンを用いた演出が行われてもかまわない。例えば、次の特別図柄抽選の後に行われる特別図柄抽選(例えば、2回目や3回目に行われる特別図柄抽選)の信頼度を報知する予告演出が行われる場合、当該予告演出における図柄変動演出で当該領域に表示されていた当該アイコン(対象アイコン)を、当該信頼度を報知する対象となっている特別図柄の変動が開始されるまで保留アイコン表示領域や当該領域以外の表示領域に表示し、当該特別図柄の変動に応じて行われる図柄変動演出において対象アイコンを用いた演出を行ってもよい。
また、上記実施形態では、次の図柄変動演出において前の特別図柄の変動に関連する当該アイコンを用いた維持表示演出の一例として、特別図柄判定において「大当たり」になるような事前判定結果が得られた場合や、特別図柄判定では「ハズレ」であるものの高信頼度のリーチ演出が行われることになる可能性が高い変動パターンが選択されることになるような事前判定結果が得られた場合に、当該事前判定結果の予告演出として用いられる例を用いたが、いわゆるガセとなる予告演出に維持表示演出が用いられてもかまわない。この場合、当該領域に表示されていた当該アイコン(対象アイコン)を用いて次の図柄変動演出で期待度が高い演出(例えば、次の図柄変動演出で花火となって破裂する演出)が行われたとしても、当該演出が行われた図柄変動演出ではリーチにもならない装飾図柄で停止することになる。
さらに、維持表示演出では、特別図柄判定において「大当たり」になるような事前判定結果のうち、大当たり図柄の種類に応じて、予告演出の内容を異ならせても良い。例えば、事前判定によって、大当たり遊技後に高確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり1、16R長当たり2、4R長当たり1(図1−29−2参照))が判定された場合と、中確率状態に移行する大当たり(例えば4R長当たり2(図1−29−2参照))が判定された場合と、低確率状態に移行する大当たり(例えば16R長当たり3(図1−29−2参照))が判定された場合とで、上述の維持表示演出の内容をそれぞれ異ならせてもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機j1の構成、タイプ、各部材の動作態様等は単なる一例に過ぎず、他の構成、タイプ、動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上記実施形態で例示した画面図等も単なる一例であって、他の表示態様の画面であってもよい。さらに、例えば遊技状態(高確率状態、中確率状態および低確率状態)に応じて異なる表示態様の画面を用いた維持表示演出を行うことも可能である。
また、他の実施形態として、遊技制御基板j100、演出制御基板j130、画像音響制御基板j140、およびランプ制御基板j150においてそれぞれ実行される少なくとも一部の処理を別の制御基板(別の制御部)で実行してもかまわない。例えば、遊技制御基板j100において実行される処理の少なくとも一部を、演出制御基板j130、画像音響制御基板j140、およびランプ制御基板j150において実行してもいいし、上記説明では登場しない他の制御基板(他の制御部)において実行してもよい。また、演出制御基板j130において実行される処理の少なくとも一部を、遊技制御基板j100、画像音響制御基板j140、およびランプ制御基板j150において実行してもいいし、上記説明では登場しない他の制御基板(他の制御部)において実行してもよい。また、画像音響制御基板j140において実行される処理の少なくとも一部を、遊技制御基板j100、演出制御基板j130、およびランプ制御基板j150において実行してもいいし、上記説明では登場しない他の制御基板(他の制御部)において実行してもよい。さらに、遊技制御基板j100、演出制御基板j130、画像音響制御基板j140、およびランプ制御基板j150の一部または全部を一体に構成して、複数の制御基板(制御部)において実行される処理を1つの制御基板(制御部)に実行させるようにしてもよい。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。また、当業者は、本発明の具体的な実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。