JP2019092480A - 藻類、栄養剤、栄養成分補給用組成物及び栄養成分の製造方法 - Google Patents
藻類、栄養剤、栄養成分補給用組成物及び栄養成分の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
また、これまでにも、バイオ燃料用油又は機能性物質を産生する微細藻類種が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
本発明の第1態様に係る藻類は、セネデスムス・エスピー(Scenedesmus sp.)AB−1C株(FERM P−22338)である。
上記第3態様に係る栄養成分補給用組成物において、栄養成分が、エイコサペンタエン酸、カロテノイド類、リノール酸及びα−リノレン酸からなる群から選択される1種類以上であってもよい。
前記カロテノイド類がアスタキサンチンであってもよい。
上記第3態様に係る栄養成分補給用組成物は、食品であってもよい。
上記第3態様に係る栄養成分補給用組成物は、機能性食品又は栄養補助食品であってもよい。
上記第3態様に係る栄養成分補給用組成物は、飼料又はペットフードであってもよい。
上記第3態様に係る栄養成分補給用組成物は、化粧品であってもよい。
上記第4態様に係る栄養成分の製造方法は、更に、前記培養工程の後に、前記セネデスムス・エスピーAB−1C株を破砕して細胞破砕物を得る破砕工程と、前記細胞破砕物から栄養成分を分離する分離工程と、をこの順に備えてもよい。
前記栄養成分が、エイコサペンタエン酸、カロテノイド類、リノール酸及びα−リノレン酸からなる群から選択される1種類以上であってもよい。
前記カロテノイド類がアスタキサンチンであってもよい。
本発明の一実施形態に係る藻類は、セネデスムス・エスピー(Scenedesmus sp.)AB−1C株(FERM P−22338)(以下、「AB−1C株」と称する場合がある。)である。
細胞の形状及び大きさは、楕円球状又は球状で、大きさの異なるものが混在している。形状の違いは、細胞周期によるものであると推察され、球状のものは、分裂前の母細胞であると考えられる。
細胞の大きさとして具体的には、楕円球状のものでは、平均長径が10.9μm程度、平均短径が8.8μm程度である。また、球状のものでは、平均直径が14.6μm程度である。
本明細書において、「変異株」とは、自然発生的又は人為的に、元の藻類株のゲノム(核ゲノム、葉緑体ゲノム、ミトコンドリアゲノムを含む。以下、同じ。)に変異が生じた藻類株を意味する。ゲノムに変異を生じさせる人為的手法は、特に限定されず、紫外線照射、放射線照射、亜硝酸等による化学的処理;遺伝子導入、ゲノム編集等の遺伝子工学的手法等を例示することができる。
さらに、高塩耐性もあり、海水等の高塩条件下(500mM NaCl等)でも増殖可能である。また、光強度としては、3500〜5000luxの範囲で増殖することができ、強光下でも増殖可能である。
本実施形態の藻類は、後述の実施例に示すように、カロテノイド類として、アスタキサンチン、カンタキサンチン、β−カロテン、ルテイン等を含有する。
本発明の一実施形態に係る栄養剤は、上記実施形態のセネデスムス・エスピーAB−1C株又はその抽出物を含む。
本藻類は、適切な培地を用いて培養して増殖させ、遠心分離やろ過等の公知の方法により回収し、適宜、洗浄、乾燥等を行って、本実施形態の栄養剤に用いることができる。
本明細書において、「本藻類の抽出物」とは、本藻類の細胞に対して、物理的処理又は化学的処理を行って、細胞内の成分を抽出したものをいう。例えば、本藻類の抽出物は、物理的処理又は化学的処理によって、本藻類の細胞を破砕した細胞破砕物であってもよい。また、本藻類の抽出物は、前記細胞破砕物を濃縮したものであってもよく、前記細胞破砕物から固形分を除去したものであってもよく、前記細胞破砕物から一部の成分を分離したものであってもよい。
細胞破砕物を濃縮する場合、濃縮方法は特に限定されず、一般的に用いられる濃縮方法を用いればよい。細胞破砕物の濃縮方法としては、例えば、乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥等が挙げられる。
また、細胞破砕物から固形分を除去する場合、固形分の除去方法は特に限定されず、固形分の除去等に一般的に用いられる方法を用いることができる。固形分の除去方法としては、例えば、ろ過、遠心分離等が挙げられる。
細胞破砕物から一部の成分を分離する場合、分離方法は特に限定されず、生化学物質の分離及び精製等に一般的に用いられる方法を用いることができる。分離方法としては、例えば、塩析、透析、溶媒抽出、吸着、各種クロマトグラフィー(ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー等)等が挙げられる。これらの方法は、単独で用いてもよく、2以上の処理を組み合わせて用いてもよい。ただし、単一の成分に精製されたものは、「本藻類の抽出物」からは除かれる。本藻類の抽出物は、好ましくは、本藻類の細胞成分を2種以上、より好ましくは4種以上、さらに好ましくは6種以上含む。
なお、「薬学的に許容される担体」とは、本藻類が含む栄養成分の機能を阻害せず、且つ、その投与対象に対して実質的な毒性を示さない担体を意味する。
また、「実質的な毒性を示さない」とは、その成分が通常使用される投与量において、投与対象に対して毒性を示さないことを意味する。
薬学的に許容される担体としては、特に限定されないが、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、乳化剤、安定剤、希釈剤、油性基剤、増粘剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、キレート剤、溶媒等が挙げられる。薬学的に許容される担体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本藻類又はその抽出物は、適宜他の成分と混合し、定法に従って、乾燥粉末、顆粒剤、錠剤、ゼリー剤、液剤、カプセル剤等の形態とすることができる。
本実施形態の栄養剤は、特に、EPA、アスタキサンチンを補給するために、好適に用いることができる。
本発明の一実施形態に係る栄養成分補給用組成物は、上記実施形態の栄養剤を含む。
特に、機能性油の中では、EPAを多く含む点に特徴があり、カロテノイド類の中では、アスタキサンチンを多く含む点に特徴がある。
例えば、EPAは、中性脂肪低下作用を有することが知られている。また、アスタキサンチンは、抗酸化作用を有することが知られている。
したがって、本実施形態の栄養成分補給用組成物を摂取することにより、上記のような栄養成分が有する体調改善効果等を得ることができる。
本実施形態の栄養成分補給用組成物は、食品であってもよい。
本実施形態の栄養成分補給用組成物が食品である場合、上述の栄養剤は、食品添加剤として、食品に添加されてもよい。上述の栄養剤を食品に添加することにより、上述の栄養剤が含む栄養成分が強化された食品を調製することができる。そのため、本発明の一実施形態に係る食品添加剤は、本藻類又はその抽出物を含む。
本実施形態の食品は、上述の栄養剤を食品原料に添加し、適宜他の食品添加物を添加して、食品の種類に応じた既知の方法に従って、製造することができる。
他の成分としては、特に限定されず、例えば、薬学的に許容される担体等が例示される。薬学的に許容される担体としては、上記の≪栄養剤≫で挙げたものと同様のものが挙げられる。また、風味等を改善するために、甘味剤、矯味剤、各種調味料、香料、油脂類、その他の食品添加物等を他の成分として用いてもよい。他の成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の栄養成分補給用組成物は、飼料又はペットフードであってもよい。
本実施形態の栄養成分補給用組成物が飼料又はペットフードである場合、上述の栄養剤は、飼料添加剤又はペットフード添加剤として、飼料又はペットフードに添加されてもよい。上述の栄養剤を飼料又はペットフードに添加することにより、上述の栄養剤が含む栄養成分が強化された飼料又はペットフードを調製することができる。そのため、本発明の一実施形態に係る飼料添加剤又はペットフード添加剤は、本藻類又はその抽出物を含む。
本実施形態の栄養成分補給用組成物は、化粧品であってもよい。
本実施形態の栄養成分補給用組成物が化粧品である場合、上述の栄養剤は、化粧品添加剤として、化粧品に添加されてもよい。上述の栄養剤を化粧品に添加することにより、上述の栄養剤が含む栄養成分を含む化粧品を調製することができる。そのため、本発明の一実施形態に係る化粧品添加剤は、本藻類又はその抽出物を含む。
他の成分としては、特に限定されず、例えば、薬学的に許容される担体等が例示される。薬学的に許容される担体としては、上記「≪栄養剤≫」で挙げたものと同様のものが挙げられる。また、化粧品添加物として公知の材料を他の成分として用いてもよい。他の成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一実施形態に係る栄養成分の製造方法は、上記実施形態のセネデスムス・エスピーAB−1C株を培養する培養工程を備える方法である。
以下、本実施形態の製造方法の工程について説明する。
培養工程は、本藻類を培養する工程である。
また、培養工程は、上述の「≪藻類≫」に記載の方法で行うことができる。
破砕工程は、本藻類の細胞を破砕して細胞破砕物を得る工程である。
分離工程は、本藻類の細胞破砕物から栄養成分を分離する工程である。
また、カロテノイド類としては、アスタキサンチン、カンタキサンチン、β−カロテン及びルテインからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。好ましくは、カロテノイド類としては、アスタキサンチンが挙げられる。
本実施形態の製造方法は、培養工程、破砕工程及び分離工程に加えて、他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、本藻類を培養液から回収する工程(回収工程)、本藻類の細胞を洗浄する工程(洗浄工程)等が挙げられる。これらの工程は、上述の培養工程の後であって、破砕工程の前に行うことができる。
1.新規微細藻類の単離
日本国富山県の富山湾神通川において河口表層水を採水した。次に、河口表層水を0.45μmのポリカーボネートメンブレンフィルターで減圧濾過し、フィルター上に微細藻類を含む微生物を捕獲した。次に、そのフィルターごと、KWSW培地、SGI培地(Sager & Granick Medium I)、IMK培地及びドナリエラ用培地が入った培養液に入れ、白色蛍光灯下でエアレーションしながら培養した。なお、KWSW培地の組成を以下の表1に、SGI培地の組成を以下の表2に、IMK培地の組成を以下の表3に、ドナリエラ用培地の組成を以下の表4に示す。
AB−1C株の細胞から抽出したDNAを鋳型として、18S リボソームDNAをPCRで増幅し、配列解析を行った。AB−1C株の18S リボソームDNAの塩基配列を配列番号1に示す。
なお、18S リボソームDNAの増幅に使用したプライマーの配列は以下のとおりである。
フォワードプライマー:5’ −TACCTGGTTGATCCTGCCAG−3’(配列番号2)
リバースプライマー:5’ −CCTTCCGCAGGTTCACCTAC−3’ (配列番号3)
図2から、AB−1C株の18S リボソームDNAは、下記表6に示す既知の藻類種と近縁種であることが判明した。
(1)AB−1C株の培養
AB−1C株を、SGI培地を用いて、通気培養した。培養温度は25℃とし、白色蛍光灯(4000〜4500ルクス)下で、エアレーションしながら、4〜7日間振盪培養した。培養したAB−1C株を遠心分離にて回収し、凍結乾燥させた。
(2−1)カロテノイド類の分離及び分析
カロテノイド類の含有量については、一般財団法人日本食品分析センターに依頼し、分析を行った。なお、具体的な分析方法については、以下に示すとおりである。
凍結乾燥させたAB−1C株0.1〜0.2gを秤量した。次に、秤量したAB−1C株を用いて、以下の流れに従って、エステル型アスタキサンチンを酵素で分解後、分離及び精製を行い、高速流体クロマトグラフィーに使用する試料とした。また、高速液体クロマトグラフィーの分析条件を以下に示す。
試料採取(0.2g、乳鉢内)
↓+海砂(適量)
↓+水(1mL)
↓クロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
磨砕抽出(数回に分けて、磨砕抽出。さらに、11Gガラスフィルターで吸引濾過)
↓抽出液をクロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
↓で100mLに定容
溶媒留去
↓+アセトン(定容液10mLを50mL容遠沈管に分取)
↓+0.05Mのトリス緩衝液(pH7.0)(6mL)
↓+コレステロールエステラーゼ(1800μL)(60units/mL)
酵素反応(37℃、120分間)
↓+石油エーテル(10mL)
転溶
↓
遠心分離(1500rpm、5分間)
↓上層を100mL容ナスフラスコに回収
上記酵素反応から上記遠心分離をさらに2回繰り返す
↓
溶媒留去
↓+移動相(所定量添加)
高速液体クロマトグラフィー
高速液体クロマトグラフ:LC−20AT、株式会社島津製作所製
検出器:紫外可視吸光光度計、SPD−20A、株式会社島津製作所製
カラム:Luna3μ Silica Φ4.6mm×150mm、phenomenex社製
カラム温度:30℃
移動相:ヘキサン及びアセトンの混合溶液(ヘキサン:アセトン=82:18)
流量:1.2mL/min
測定波長:470nm
注入量:40μL
凍結乾燥させたAB−1C株1gを秤量した。次に、秤量したAB−1C株を用いて、以下の流れに従って、分離及び精製を行い、高速流体クロマトグラフィーに使用する試料とした。また、高速液体クロマトグラフィーの分析条件を以下に示す。
試料採取(1g、乳鉢内)
↓+海砂(適量)
↓+水(1mL)
↓クロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
磨砕抽出(数回に分けて、磨砕抽出。さらに、11Gガラスフィルターで吸引濾過)
↓抽出液をクロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
↓で100mLに定容
↓100mL容ナスフラスコに60mL分取
溶媒留去
↓+HAET混合溶液(30mL)
↓(ヘキサン、アセトン、エタノール及びトルエンの混合溶液)
↓(ヘキサン:アセトン:エタノール:トルエン=10:7:6:7)
↓+水(1mL)
↓40w/v%水酸化カリウム−メタノール溶液(4mL)
けん化(56℃水浴中30分間)
↓300mL容褐色分液漏斗へ移す
↓+HAET混合溶液(30mL)
↓+3w/v%無水硫酸ナトリウム溶液(40mL)
↓+HAET混合溶液(30mL)
抽出
↓水(50mL)で数回洗浄
上層回収
↓
溶媒留去
↓+2−プロパノール(所定量添加)
高速液体クロマトグラフィー
高速液体クロマトグラフ:LC−20AT、株式会社島津製作所製
検出器:紫外可視吸光光度計、SPD−20A、株式会社島津製作所製
カラム:Cadenza CL−C18 Φ4.6mm×250mm、インタクト株式会社製
カラム温度:40℃
移動相:メタノール及び水の混合溶液(メタノール:水=96:4)
流量:1.0mL/min
測定波長:470nm
注入量:20μL
凍結乾燥させたAB−1C株0.1〜0.2gを秤量した。次に、秤量したAB−1C株を用いて、以下の流れに従ってエステル型ルテインをケン化処理後、分離及び精製を行い、高速流体クロマトグラフィーに使用する試料とした。また、高速液体クロマトグラフィーの分析条件を以下に示す。
試料採取(0.1〜0.2g、乳鉢内)
↓+海砂(適量)
↓+水(1mL)
↓クロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
磨砕抽出(数回に分けて、磨砕抽出。さらに、11Gガラスフィルターで吸引濾過)
↓抽出液をクロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
↓で100mLに定容
↓100mL容ナスフラスコに2mL分取
溶媒留去
↓+HAET混合溶液(30mL)
↓+水(1mL)
↓40w/v%水酸化カリウム−メタノール溶液(4mL)
けん化(56℃水浴中30分間)
↓300mL容褐色分液漏斗へ移す
↓+HAET混合溶液(30mL)
↓+3w/v%無水硫酸ナトリウム溶液(40mL)
↓+HAET混合溶液(30mL)
抽出
↓水(50mL)で数回洗浄
上層回収
↓
溶媒留去
↓+ヘキサン及びアセトンの混合溶液(所定量添加)(ヘキサン:アセトン=81:19)
高速液体クロマトグラフィー
高速液体クロマトグラフ:LC−10ATVP、株式会社島津製作所製
検出器:紫外可視吸光光度計、SPD−20A、株式会社島津製作所製
カラム:Luna3μ Silica Φ4.6mm×150mm、phenomenex社製
カラム温度:30℃
移動相:ヘキサン及びアセトンの混合溶液(ヘキサン:アセトン=82:18)
流量:1.2mL/min
測定波長:450nm
注入量:30μL
凍結乾燥させたAB−1C株0.1〜0.2gを秤量した。次に、秤量したAB−1C株を用いて、以下の流れに従って分離及び精製を行い、高速流体クロマトグラフィーに使用する試料とした。また、高速液体クロマトグラフィーの分析条件を以下に示す。
試料採取(0.1〜0.2g、乳鉢内)
↓+海砂(適量)
↓+水(1mL)
↓クロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
磨砕抽出(数回に分けて、磨砕抽出。さらに、11Gガラスフィルターで吸引濾過)
↓抽出液をクロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
↓で100mLに定容
↓100mL容ナスフラスコに2mL分取
溶媒留去
↓+HAET混合溶液(30mL)
↓+水(1mL)
↓40w/v%水酸化カリウム−メタノール溶液(4mL)
けん化(56℃水浴中30分間)
↓300mL容褐色分液漏斗へ移す
↓+HAET混合溶液(30mL)
↓+3w/v%無水硫酸ナトリウム溶液(40mL)
↓+HAET混合溶液(30mL)
抽出
↓水(50mL)で数回洗浄
上層回収
↓
溶媒留去
↓+ヘキサン及びアセトンの混合溶液(所定量添加)(ヘキサン:アセトン=81:19)
↓50mL容ナスフラスコに2mL分取
溶媒留去
↓+エタノール(所定量添加)
高速液体クロマトグラフィー
高速液体クロマトグラフ:LC−20AD、株式会社島津製作所製
検出器:紫外可視吸光光度計、SPD−20AV、株式会社島津製作所製
カラム:Inertsil ODS−4.5μm Φ4.6mm×250mm、ジーエルサイエンス株式会社製
カラム温度:40℃
移動相:アセトニトリル、メタノール、テトラヒドロフラン及び酢酸の混合溶液
(アセトニトリル:メタノール:テトラヒドロフラン:酢酸=55:40:5:0.1)(0.05g/L dl−α−トコフェロール含有)
流量:1.5mL/min
測定波長:455nm
注入量:20μL
総カロテノイド類の含有量は、吸光光度法により測定した。含有されていることが確認されたカロテノイド類のうち、最も含量が高い成分であるアスタキサンチンの測定条件で定量を行った。アスタキサンチンの吸光係数E1% 1cm=2200(波長478nm、アセトン)より算出した。
凍結乾燥させたAB−1C株1〜30mgを秤量した。次に、AB−1C株をキャップ付きの耐圧試験管に入れた。そこへ、BF3−Methanol溶液を0.4mL入れ、100℃で40分間反応させることにより、AB−1C株の細胞中に含まれる中性脂肪酸を、脂肪酸メチル(バイオディーゼルフューエル成分)へ変換した。反応終了後冷却し、反応液中へペンタンを入れることにより、生成した脂肪酸メチルをペンタン層へ移した。一定時間放置後、ペンタン層を回収した。このペンタン抽出を数回繰り返した。その後、得られたペンタン抽出液を揮発させ、脂肪酸メチルを残渣とした回収した。この残渣をヘキサンに溶解させ、脂肪酸分析の試料とした。
カラム:InertCAP WAX(GLサイエンス製、30m、内径0.25mm)
ガス:ヘリウムガス(He、70kPa)
検出:FID
また、AB−1C株の乾燥重量中のオレイン酸の含有量は17.8質量%、パルミチン酸の含有量は5.1質量%、リノール酸の含有量は4.6質量%、α−リノレン酸の含有量は4.5質量%、ステアリン酸の含有量は1.8質量%であった。
また、脂肪酸中のオレイン酸の含有量は44.6質量%、パルミチン酸の含有量は12.8質量%、リノール酸の含有量は11.5質量%、α−リノレン酸の含有量は11.4質量%、ステアリン酸の含有量は4.6質量%、γ−リノレン酸の含有量は0.2質量%、EPAの含有量は0.9質量%であった。
上記の結果のうち一部を以下の表7にも示す。なお、対照として、Monoraphidium sp.GK−12株の乾燥重量100g中のEPAの含有量を示す。
凍結乾燥させたAB−1C株1〜30mgを秤量した。次に、AB−1C株をビーズ入りアシストチューブに入れた。そこへ、0.1M水酸化カリウムのメタノール液0.1Mを入れた後、キャップ付きの試験管に入れた。次に、80℃で90分間反応させることにより、ケン化させた。反応終了後冷却し、反応液中へ水1.0mLを加えて撹拌し、さらに、ヘキサン2mLを入れて撹拌した。次に、静置し、ヘキサン層をキャップ付きの試験管に回収した。次に、キャップを開けたまま乾燥器内でヘキサンを気化させた。次に、トリメチルシリル(TMS)化剤を50μL加え、キャップをした後60℃で30〜60分間放置した。次に、水0.5mL加え混合した後、ヘキサン0.5mL加えた。次に、ヘキサン層を1.5mLバイアルに移し、ヘキサンを気化させた。そこへ、正確にヘキサン1mLを加え、炭化水素分析の試料とした。
カラム:DB−1ms(SEG、内径0.25mm)
ガス:ヘリウムガス(He、70kPa)
検出:FID
Claims (13)
- セネデスムス・エスピー(Scenedesmus sp.)AB−1C株(FERM P−22338)。
- 請求項1に記載のセネデスムス・エスピーAB−1C株又はその抽出物を含む栄養剤。
- 請求項2に記載の栄養剤を含む栄養成分補給用組成物。
- 栄養成分がエイコサペンタエン酸、カロテノイド類、リノール酸及びα−リノレン酸からなる群から選択される1種類以上である請求項3に記載の栄養成分補給用組成物。
- 前記カロテノイド類がアスタキサンチンである請求項4に記載の栄養成分補給用組成物。
- 食品である請求項3〜5のいずれか一項に記載の栄養成分補給用組成物。
- 機能性食品又は栄養補助食品である請求項6に記載の栄養成分補給用組成物。
- 飼料又はペットフードである請求項3〜5のいずれか一項に記載の栄養成分補給用組成物。
- 化粧品である請求項3〜5のいずれか一項に記載の栄養成分補給用組成物。
- 請求項1に記載のセネデスムス・エスピーAB−1C株を培養する培養工程を備える栄養成分の製造方法。
- 更に、前記培養工程の後に、
前記セネデスムス・エスピーAB−1C株を破砕して細胞破砕物を得る破砕工程と、
前記細胞破砕物から栄養成分を分離する分離工程と、
をこの順に備える請求項10に記載の栄養成分の製造方法。 - 前記栄養成分が、エイコサペンタエン酸、カロテノイド類、リノール酸及びα−リノレン酸からなる群から選択される1種類以上である請求項10又は11に記載の栄養成分の製造方法。
- 前記カロテノイド類がアスタキサンチンである請求項12に記載の栄養成分の製造方法。
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Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008529546A (ja) * | 2005-02-18 | 2008-08-07 | ウニベルシダード デ アルメリア | 新規微細藻類種と、動物または人間の食用のため、およびカロテノイドを得るためのその使用 |
JP2015510763A (ja) * | 2012-03-16 | 2015-04-13 | フェルメンタル | セネデスムス(Scenedesmus)による混合栄養モードでのドコサヘキサエン酸および/またはエイコサペンタエン酸の産生 |
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DE212015000033U1 (de) | 2014-03-19 | 2016-08-26 | U.S. Nutraceuticals, Llc D/B/A Valensa International | Therapeutische Astaxanthin- und Phospholipidzusammensetzung |
-
2017
- 2017-11-27 JP JP2017227125A patent/JP7053231B2/ja active Active
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JP2008529546A (ja) * | 2005-02-18 | 2008-08-07 | ウニベルシダード デ アルメリア | 新規微細藻類種と、動物または人間の食用のため、およびカロテノイドを得るためのその使用 |
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Title |
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