JP2019092480A - 藻類、栄養剤、栄養成分補給用組成物及び栄養成分の製造方法 - Google Patents

藻類、栄養剤、栄養成分補給用組成物及び栄養成分の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】産業利用が可能な新規微細藻類、該藻類を用いた新規栄養剤、該栄養剤を含む栄養成分補給用組成物、及び前記微細藻類を用いた栄養成分の製造方法を提供する。【解決手段】藻類は、セネデスムス・エスピー(Scenedesmus sp.)AB−1C株(FERM P−22338)である。栄養剤は、前記セネデスムス・エスピーAB−1C株又はその抽出物を含む。栄養成分補給用組成物は、前記栄養剤を含む。栄養成分の製造方法は、セネデスムス・エスピーAB−1C株を培養する培養工程を備える方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、藻類、栄養剤、栄養成分補給用組成物及び栄養成分の製造方法に関する。
石油資源の枯渇及び温室効果ガスの削減の面から、バイオマス燃料の開発に高い関心が集まっており、現在、微細藻類から燃料油を生産する研究がなされている(例えば、特許文献1参照)。
一方で、微細藻類の多くは、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(Docosahexaenoic acid;DHA)、エイコサペンタエン酸(Eicosapentaenoic acid;EPA)等のω3又はω6不飽和脂肪酸や、アスタキサンチン等の機能性物質を産生し、これらは様々な機能性を有する。そのため、微細藻類の健康及び機能性食品や医薬品等への利用が注目されている。
また、これまでにも、バイオ燃料用油又は機能性物質を産生する微細藻類種が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
特開平9−009953号公報
Cuellar-Bermudez P. S. et al., "Extraction and purification of high-value metabolites from microalgae: essential lipids, astaxanthin and phycobiliproteins.", Microbial Biotechnology, 8, Minireview, p190-209, 2014.
現在、産業的に実用化されている微細藻類は、数種の藻類種に限定されており、炭化水素、機能性油又は機能性物質を産生する新規微細藻種が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、産業利用が可能な新規微細藻類、該藻類を用いた新規栄養剤、該栄養剤を含む栄養成分補給用組成物、及び前記微細藻類を用いた栄養成分の製造方法を提供する。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、セネデスムス・エスピー(Scenedesmus sp.)AB−1C株(FERM P−22338)が炭化水素、EPA等の機能性油、及び、アスタキサンチン等のカロテノイド類等の多種の有用物質を産生することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係る藻類は、セネデスムス・エスピー(Scenedesmus sp.)AB−1C株(FERM P−22338)である。
本発明の第2態様に係る栄養剤は、上記第1態様に係るセネデスムス・エスピーAB−1C株又はその抽出物を含む。
本発明の第3態様に係る栄養成分補給用組成物は、上記第2態様に係る栄養剤を含む。
上記第3態様に係る栄養成分補給用組成物において、栄養成分が、エイコサペンタエン酸、カロテノイド類、リノール酸及びα−リノレン酸からなる群から選択される1種類以上であってもよい。
前記カロテノイド類がアスタキサンチンであってもよい。
上記第3態様に係る栄養成分補給用組成物は、食品であってもよい。
上記第3態様に係る栄養成分補給用組成物は、機能性食品又は栄養補助食品であってもよい。
上記第3態様に係る栄養成分補給用組成物は、飼料又はペットフードであってもよい。
上記第3態様に係る栄養成分補給用組成物は、化粧品であってもよい。
本発明の第4態様に係る栄養成分の製造方法は、上記第1態様に係るセネデスムス・エスピーAB−1C株を培養する培養工程を備える方法である。
上記第4態様に係る栄養成分の製造方法は、更に、前記培養工程の後に、前記セネデスムス・エスピーAB−1C株を破砕して細胞破砕物を得る破砕工程と、前記細胞破砕物から栄養成分を分離する分離工程と、をこの順に備えてもよい。
前記栄養成分が、エイコサペンタエン酸、カロテノイド類、リノール酸及びα−リノレン酸からなる群から選択される1種類以上であってもよい。
前記カロテノイド類がアスタキサンチンであってもよい。
上記態様によれば、産業利用が可能な新規微細藻類、該藻類を用いた新規栄養剤、該栄養剤を含む栄養成分補給用組成物、及び前記微細藻類を用いた栄養成分の製造方法を提供することができる。
セネデスムス・エスピーAB−1C株の顕微鏡写真である。上の画像は、明視野での顕微鏡写真である。下の画像は蛍光での顕微鏡写真である。 18Sリボソームの塩基配列に基づくセネデスムス属及びコエラストレラ属の分子系統樹を示す。既知のセネデスムス・エスピーKi4株及びJB11株を点線で囲み、AB−1C株を実線で囲んだ。
≪藻類≫
本発明の一実施形態に係る藻類は、セネデスムス・エスピー(Scenedesmus sp.)AB−1C株(FERM P−22338)(以下、「AB−1C株」と称する場合がある。)である。
セネデスムス属は、分類学上、緑藻植物門(Chlorophyta)、緑藻網(Chlorophyceae)、ヨコワミドロ目(Sphaeropleales)、イカダモ科(Scenedesmaceae)に分類される。また、セネデスムス属は、イカダモ属とも呼ばれる。イカダモ科に属する藻類は、セネデスムス属の他に、デスモデスムス属(Desmodesmus)及びアクトデスムス属(Acutodesmus)が知られている。イカダモ科に属する藻類は、自然界では、池や湖沼等に広く生育している。
AB−1C株は、セネデスムス属に属し、且つ、炭化水素、EPA等の機能性油、及び、アスタキサンチン等のカロテノイド類等の多種の有用物質を産生する。従来、セネデスムス属に属する既知の藻類において、上述のような有用物質を産出することは知られていたが、特にアスタキサンチンを高濃度で産出するものは知られていなかった。なお、セネデスムス属の中で、炭化水素、EPA等の機能性油と共に、カロテノイド類を産出するものと知られていたのは、セネデスムス・オブリック(Scenedesmus obliquu)、及び、セネデスムス・コマレッキ(Scenedesmus komarekii)のみである。そのため、AB−1C株は、炭化水素、EPA等の機能性油と共に、アスタキサンチンを高濃度で産出するという点で、他のセネデスムス属に属する藻類とは区別される。
AB−1C株は、日本国富山県の富山湾神通川の河口表層水より単離された単細胞緑藻である。AB−1C株は、2017年6月27日付で、受託番号NITE P−22338として、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(日本国千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に寄託されている。
AB−1C株は、培養初期では、クロロフィルaを有するため、緑色を呈している。一方、細胞内にてアスタキサンチン等のカロテノイド類が産出され蓄積されるため、培養時間の増加に伴い、橙色を呈する。
細胞の形状及び大きさは、楕円球状又は球状で、大きさの異なるものが混在している。形状の違いは、細胞周期によるものであると推察され、球状のものは、分裂前の母細胞であると考えられる。
細胞の大きさとして具体的には、楕円球状のものでは、平均長径が10.9μm程度、平均短径が8.8μm程度である。また、球状のものでは、平均直径が14.6μm程度である。
AB−1C株は、二分裂で増殖する。AB−1C株は、微量の重金属イオン存在下で好適に増殖する。前記重金属イオンとしては、Cu2+、Zn2+、Mn2+、Co2+、Mo2+等が挙げられる。至適温度は約25℃、至適pHは8.4付近である。
18S リボソームDNAの塩基配列に基づく分子系統解析の結果、AB−1C株は、セネデスムス属に分類された。AB−1C株の18S リボソームDNAの塩基配列を配列番号1に示す。
AB−1C株の近縁種である藻類としては、例えば、18S リボソームDNAの塩基配列が、配列番号1と、90%以上の同一性を有する藻類が挙げられる。該藻類が有する18S リボソームDNAの塩基配列と、配列番号1に記載の塩基配列との同一性は、95%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、98%以上であることがさらに好ましく、99%以上であることが特に好ましい。
なお、塩基配列同士の同一性(相同性)は、2つの塩基配列を、対応する塩基が最も多く一致するように、挿入及び欠失に当たる部分にギャップを入れながら並置し、得られたアラインメント中のギャップを除く塩基配列全体に対する一致した塩基の割合として求められる。塩基配列同士の同一性は、当該技術分野で公知の各種相同性検索ソフトウェアを用いて求めることができる。例えば、塩基配列の同一性の値は、公知の相同性検索ソフトウェアBLASTnにより得られたアライメントを元にした計算によって得ることができる。
また、藻類が有する18S リボソームDNAの塩基配列は、公知の方法により得ることができる。例えば、対象とする藻類の細胞から公知の方法によりDNAを抽出し、PCR法等により18S リボソームDNAのDNA断片を増幅する。次に、増幅したDNA断片の塩基配列をDNAシーケンサーで解析することにより、対象とする藻類の18S リボソームDNAの塩基配列を得ることができる。18S リボソームDNAを増幅するためのプライマーとしては、例えば、本明細書の実施例で用いたプライマー等が挙げられる。
また、本実施形態の藻類としては、AB−1C株の変異株も好適な例として挙げられる。
本明細書において、「変異株」とは、自然発生的又は人為的に、元の藻類株のゲノム(核ゲノム、葉緑体ゲノム、ミトコンドリアゲノムを含む。以下、同じ。)に変異が生じた藻類株を意味する。ゲノムに変異を生じさせる人為的手法は、特に限定されず、紫外線照射、放射線照射、亜硝酸等による化学的処理;遺伝子導入、ゲノム編集等の遺伝子工学的手法等を例示することができる。
なお、本明細書において、「AB−1C株の変異株」とは、AB−1C株のゲノムに変異が生じた藻類株であって、AB−1C株が有する栄養成分組成と類似の栄養成分組成を有する藻類株を指す。例えば、総カロテノイド類の含有量が、AB−1C株の乾燥重量100gあたり400mg以上1000mg以下であってもよく、450mg以上900mg以下であってもよく、500mg以上800mg以下であってもよい。
また、例えば、アスタキサンチンの含有量が、AB−1C株の乾燥重量100gあたり50mg以上800mg以下であってもよく、300mg以上600mg以下であってもよく、350mg以上550mg以下であってもよい。
AB−1C株の変異株としては、AB−1C株の全ゲノムに対する変異の割合が、全ゲノム中の10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、2%以下又は1%以下であることが特に好ましい。
本実施形態の藻類は、中温環境(15〜35℃)、弱塩基性(pH7.8〜8.8)条件下において、増殖可能である。そのため、地域や季節に応じて培養条件を変更することも可能であり、屋外大量培養に適している。
さらに、高塩耐性もあり、海水等の高塩条件下(500mM NaCl等)でも増殖可能である。また、光強度としては、3500〜5000luxの範囲で増殖することができ、強光下でも増殖可能である。
本実施形態の藻類は、燃料油となり得る炭化水素、及び、アミノ酸類、ビタミン類(特に、アスタキサンチン等のカロテノイド類)、タンパク質、脂質(特に、EPA等の機能性油)、食物繊維等の栄養成分を豊富に含有する。
特に、後述する実施例で示すように、アスタキサンチンは、従来のアスタキサンチン産生藻類として知られているモノラフィディウム・エスピー(Monoraphidium sp.) GK−12株と比較しても、高濃度に含有することが確認されている。また、従来から利用されている藻類(ヘマトコッカス)と比較しても、多種の機能性油(EPA、α−リノレン酸及びリノール酸)及びカロテノイド類(アスタキサンチン、カンタキサンチン、β−カロテン及びルテイン)を含有することが確認されている。
なお、本明細書において、「機能性油」とは、中性脂肪低下作用、認知機能改善効果、血中コレステロール低下作用等の機能を有する食用油を意味する。機能性油として具体的には、例えば、ドコサヘキサエン酸(Docosahexaenoic acid;DHA)、エイコサペンタエン酸(Eicosapentaenoic acid;EPA)、α−リノレン酸等のω3脂肪酸、リノール酸、アラキドン酸等のω6脂肪酸等が挙げられる。
本実施形態の藻類は、後述の実施例に示すように、機能性油として、EPA、α−リノレン酸、リノール酸等を含有する。
また、本明細書において、「カロテノイド類」とは、黄、橙、赤色等を示す天然色素の一群を意味する。カロテノイド類として具体的には、例えば、α−カロテン、β−カロテン、γ−カロテン、δ−カロテン、リコペン、ε−カロテン等のカロテン類;ルテイン、ゼアキサンチン、カンタキサンチン、フコキサンチン、アスタキサンチン、アンテラキサンチン、ビオラキサンチン等のキサントフィル類等が挙げられる。
本実施形態の藻類は、後述の実施例に示すように、カロテノイド類として、アスタキサンチン、カンタキサンチン、β−カロテン、ルテイン等を含有する。
本実施形態の藻類は、燃料油となり得る炭化水素を含有する。そのため、本実施形態の藻類を用いて、バイオマス燃料を製造することができる。
さらに、本実施形態の藻類は、EPA等の機能性油、及び、アスタキサンチン等のカロテノイド類等の多種の栄養成分を含有する。そのため、本実施形態の藻類が、後述する栄養剤としてヒト又はヒト以外の動物に摂取された場合に、上記のような栄養成分が体内に吸収され得る。また、本実施形態の藻類から、適宜、栄養成分を含む抽出物を調製することができる。
本実施形態の藻類は、微細藻類培養用の培地を用いて培養することができる。培地としては、特に限定されないが、窒素源、リン源、微量元素(亜鉛、ホウ素、コバルト、銅、マンガン、モリブデン、鉄等)等を含む無機塩培地が例示される。例えば、窒素源としては、アンモニウム塩、硝酸塩、亜硝酸塩、尿素、アミン類等が挙げられる。また、リン源としては、リン酸塩等が挙げられる。
上記培地として具体的には、例えば、SGI培地(参考文献1:SAGER R, GRANICK S. “Nutritional studies with Chlamydomonas reinhardi.”, Ann N Y Acad Sci., vol. 56, No. 5, p.831-838, 1953.)、TAP培地(参考文献2:Gorman, D. S. and Levine, R. P., “Cytochrome f and plastocyanin: their sequence in the photosynthetic electron transport chain of Chlamydomonas reinhardi.”, Proc Natl Acad Sci U S A, Vol. 54, No. 6, p1665-1669, 1965.)等が挙げられる。
本実施形態の藻類は、上記のとおり、比較的幅広い培養条件で増殖させることができる。pH条件としては、pH7.8〜10.0を例示することができ、pH8.0〜8.6が好ましい。
温度条件としては、15〜35℃を例示することができ、20〜30℃が好ましい。
光強度としては、3500〜5000luxを例示することができ、4000〜4500luxが好ましい。屋外で培養する場合には、太陽光下で培養すればよい。室内で培養する場合には、連続光で培養してもよく、明暗周期(12L:12D等)を設けてもよい。
本実施形態の藻類は、上記のように、栄養成分を豊富に含み、屋外大量培養に適しているため、後述する栄養剤として産業利用することができる。また、本実施形態の藻類から栄養成分を抽出することができ、そのままヒト又はヒト以外の動物に摂取された場合でも、栄養成分が体内に吸収され得る。
≪栄養剤≫
本発明の一実施形態に係る栄養剤は、上記実施形態のセネデスムス・エスピーAB−1C株又はその抽出物を含む。
本実施形態の栄養剤が含む藻類は、上記実施形態の藻類である。すなわち、AB−1C株及びその変異株(以下、「本藻類」という。)である。本実施形態の栄養剤に含まれる本藻類の好ましい例としては、上記で例示したものと同様である。
本藻類は、適切な培地を用いて培養して増殖させ、遠心分離やろ過等の公知の方法により回収し、適宜、洗浄、乾燥等を行って、本実施形態の栄養剤に用いることができる。
また、本実施形態の栄養剤は、本藻類に替えて、又は本藻類と共に、本藻類の抽出物を含んでいてもよい。
本明細書において、「本藻類の抽出物」とは、本藻類の細胞に対して、物理的処理又は化学的処理を行って、細胞内の成分を抽出したものをいう。例えば、本藻類の抽出物は、物理的処理又は化学的処理によって、本藻類の細胞を破砕した細胞破砕物であってもよい。また、本藻類の抽出物は、前記細胞破砕物を濃縮したものであってもよく、前記細胞破砕物から固形分を除去したものであってもよく、前記細胞破砕物から一部の成分を分離したものであってもよい。
細胞に対する物理的処理又は化学的処理の方法は、特に限定されず、細胞の破砕に一般的に用いられる方法を用いることができる。物理的処理としては、例えば、ガラスビーズ、乳鉢、超音波処理、フレンチプレス、ホモジナイザー等による細胞破砕が挙げられる。化学的処理としては、例えば、中和処理、低張処理、凍結融解処理等が挙げられる。
細胞破砕物を濃縮する場合、濃縮方法は特に限定されず、一般的に用いられる濃縮方法を用いればよい。細胞破砕物の濃縮方法としては、例えば、乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥等が挙げられる。
また、細胞破砕物から固形分を除去する場合、固形分の除去方法は特に限定されず、固形分の除去等に一般的に用いられる方法を用いることができる。固形分の除去方法としては、例えば、ろ過、遠心分離等が挙げられる。
細胞破砕物から一部の成分を分離する場合、分離方法は特に限定されず、生化学物質の分離及び精製等に一般的に用いられる方法を用いることができる。分離方法としては、例えば、塩析、透析、溶媒抽出、吸着、各種クロマトグラフィー(ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー等)等が挙げられる。これらの方法は、単独で用いてもよく、2以上の処理を組み合わせて用いてもよい。ただし、単一の成分に精製されたものは、「本藻類の抽出物」からは除かれる。本藻類の抽出物は、好ましくは、本藻類の細胞成分を2種以上、より好ましくは4種以上、さらに好ましくは6種以上含む。
上記のとおり、本藻類は、機能性油、カロテノイド類等の栄養成分を多く含むため、本藻類の抽出物も同様に、機能性油、カロテノイド類等の栄養成分を多く含む。そのため、本実施形態の栄養剤として用いることができる。
本実施形態の栄養剤は、本藻類又はその抽出物に加えて、適宜、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、特に限定されないが、薬学的に許容される担体等が挙げられる。
なお、「薬学的に許容される担体」とは、本藻類が含む栄養成分の機能を阻害せず、且つ、その投与対象に対して実質的な毒性を示さない担体を意味する。
また、「実質的な毒性を示さない」とは、その成分が通常使用される投与量において、投与対象に対して毒性を示さないことを意味する。
薬学的に許容される担体としては、特に限定されないが、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、乳化剤、安定剤、希釈剤、油性基剤、増粘剤、酸化防止剤、還元剤、酸化剤、キレート剤、溶媒等が挙げられる。薬学的に許容される担体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の栄養剤における本藻類又はその抽出物の含有量は、特に限定されず、例えば、1〜100質量%の範囲で適宜選択可能である。本実施形態の栄養剤における本藻類又はその抽出物の含有量としては、50〜100質量%が好ましく、60〜99質量%がより好ましく、70〜99質量%がさらに好ましい。
本藻類又はその抽出物は、適宜他の成分と混合し、定法に従って、乾燥粉末、顆粒剤、錠剤、ゼリー剤、液剤、カプセル剤等の形態とすることができる。
本実施形態の栄養剤は、機能性油やカロテノイド類等の栄養成分を多く含むため、栄養剤としてヒトやヒト以外の動物に使用することができる。本実施形態の栄養剤により供給される栄養成分としては、アミノ酸類、ビタミン類(特に、カロテノイド類)、タンパク質、脂質(特に、機能性油)、食物繊維等が例示される。中でも、本実施形態の栄養剤は、機能性油(EPA、α−リノレン酸、リノール酸等)、カロテノイド類(アスタキサンチン、カンタキサンチン、β−カロテン、ルテイン等)を補給するために、好適に用いることができる。
本実施形態の栄養剤は、特に、EPA、アスタキサンチンを補給するために、好適に用いることができる。
また、本実施形態の栄養剤は、後述する栄養成分補給用組成物に配合して用いてもよい。本実施形態の栄養剤を配合することにより、機能性油、カロテノイド類等の栄養成分を豊富に含む組成物を調製することができる。
≪栄養成分補給用組成物≫
本発明の一実施形態に係る栄養成分補給用組成物は、上記実施形態の栄養剤を含む。
本明細書において、「栄養成分補給用組成物」とは、ヒト又はヒト以外の動物が栄養成分を体内に取り入れるために用いられる組成物をいう。栄養成分の体内への取り込みは、経口的なものであってもよく、非経口的なものであってもよい。
本実施形態の栄養成分補給用組成物が含む栄養成分としては、アミノ酸類、ビタミン類(特に、アスタキサンチン等のカロテノイド類)、タンパク質、脂質(特に、EPA、α−リノレン酸、リノール酸等の機能性油)及び食物繊維等が挙げられる。これらの成分は、上述の栄養剤が多く含む栄養成分である。これらの中でも、本実施形態の栄養成分補給用組成物は、機能性油、カロテノイド類を多く含む点に特徴がある。
特に、機能性油の中では、EPAを多く含む点に特徴があり、カロテノイド類の中では、アスタキサンチンを多く含む点に特徴がある。
例えば、EPAは、中性脂肪低下作用を有することが知られている。また、アスタキサンチンは、抗酸化作用を有することが知られている。
したがって、本実施形態の栄養成分補給用組成物を摂取することにより、上記のような栄養成分が有する体調改善効果等を得ることができる。
本実施形態の栄養成分補給用組成物は、ヒト又はヒト以外の動物が栄養成分を体内に取り入れるために用いられるものであれば、特に限定されない。本実施形態の栄養成分補給用組成物としては、例えば、食品、飼料、ペットフード、化粧品等が挙げられる。
<食品>
本実施形態の栄養成分補給用組成物は、食品であってもよい。
本実施形態の栄養成分補給用組成物が食品である場合、上述の栄養剤は、食品添加剤として、食品に添加されてもよい。上述の栄養剤を食品に添加することにより、上述の栄養剤が含む栄養成分が強化された食品を調製することができる。そのため、本発明の一実施形態に係る食品添加剤は、本藻類又はその抽出物を含む。
本実施形態の食品は、上述の栄養剤を食品原料に添加し、適宜他の食品添加物を添加して、食品の種類に応じた既知の方法に従って、製造することができる。
本実施形態の食品において、食品の種類は特に限定されない。食品としては、例えば、そば、うどん、はるさめ、中華麺、即席麺、カップ麺等の各種の麺類;パン、小麦粉、米粉、ホットケーキ、マッシュポテト等の炭水化物類;青汁、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、野菜飲料、乳酸飲料、乳飲料、スポーツ飲料、茶、コーヒー等の飲料;豆腐、おから、納豆などの豆製品;カレールー、シチュールー、インスタントスープ等の各種スープ類;アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の冷菓類;飴、クッキー、キャンディー、ガム、チョコレート、錠菓、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、その他の焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、はんぺん、ハム、ソーセージなどの水産又は畜産加工食品;加工乳、発酵乳、バター、チーズ、ヨーグルト等の乳製品;サラダ油、てんぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂及び油脂加工食品;ソース、ドレッシング、味噌、醤油、たれ等の調味料;各種レトルト食品、ふりかけ、漬物等のその他加工食品等を挙げることができるが、これらに限定されない。
上記のような食品において、上述の栄養剤の含有量は特に限定されず、食品の種類に応じて適宜含有量を設定すればよい。例えば、食品の風味等を考慮し、食品における上述の栄養剤の含有量は、本藻類又はその抽出物の含有量として、0.01〜30質量%を例示することができる。食品の風味等の観点からは、0.05〜20質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、0.1〜10質量%がさらに好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。
あるいは、本実施形態の栄養成分補給用組成物は、機能性食品又は栄養補助食品であってもよい。機能性食品又は栄養補助食品は、上述のような一般的な食品の形態であってもよく、乾燥粉末、顆粒剤、錠剤、ゼリー剤、ドリンク剤等の形態であってもよい。この場合、上述の栄養剤と、適宜他の成分とを混合して、定法に従って、乾燥粉末、顆粒剤、錠剤、ゼリー剤、ドリンク剤等の形態とすることができる。
他の成分としては、特に限定されず、例えば、薬学的に許容される担体等が例示される。薬学的に許容される担体としては、上記の≪栄養剤≫で挙げたものと同様のものが挙げられる。また、風味等を改善するために、甘味剤、矯味剤、各種調味料、香料、油脂類、その他の食品添加物等を他の成分として用いてもよい。他の成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記のような機能性食品又は栄養補助食品において、上述の栄養剤の含有量は特に限定されず、機能性食品又は栄養補助食品の種類に応じて適宜含有量を設定すればよい。例えば、機能性食品又は栄養補助食品が乾燥粉末、顆粒剤、錠剤等の形態である場合、当該機能性食品又は栄養補助食品における上述の栄養剤の含有量は、本藻類又はその抽出物の含有量として、0.1〜99質量%が例示される。風味及び栄養成分の効率的補給の観点からは、1〜90質量%が好ましく、10〜85質量%がより好ましく、20〜85質量%がさらに好ましく、25〜85質量%が特に好ましい。また、機能性食品又は栄養補助食品がゼリー剤、ドリンク剤等の形態である場合、該機能性食品又は栄養補助食品における上述の栄養剤の含有量は、本藻類又はその抽出物の含有量として、0.05〜80質量%が例示される。風味及び栄養成分の効率的補給の観点からは、1〜75質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、15〜70質量%がさらに好ましく、20〜70質量%が特に好ましい。
本実施形態の食品は、本藻類が含有する上述のような栄養成分を効率的に補給するために、摂取することができる。
<飼料、ペットフード>
本実施形態の栄養成分補給用組成物は、飼料又はペットフードであってもよい。
本実施形態の栄養成分補給用組成物が飼料又はペットフードである場合、上述の栄養剤は、飼料添加剤又はペットフード添加剤として、飼料又はペットフードに添加されてもよい。上述の栄養剤を飼料又はペットフードに添加することにより、上述の栄養剤が含む栄養成分が強化された飼料又はペットフードを調製することができる。そのため、本発明の一実施形態に係る飼料添加剤又はペットフード添加剤は、本藻類又はその抽出物を含む。
本実施形態の飼料又はペットフードは、上述の栄養剤を飼料原料又はペットフード原料に添加し、適宜他の飼料添加物又はペットフード添加物を添加して、飼料原料又はペットフードの種類に応じた既知の方法に従って、製造することができる。
本実施形態の飼料又はペットフードが与えられる動物の種類は特に限定されない。例えば、家畜類(牛、豚、鶏、馬、ヒツジ、ヤギ等)、魚類、貝類、愛玩動物(イヌ、ネコ、ハムスター、ウサギ、インコ、熱帯魚、爬虫類、両生類、昆虫等)等が挙げられるが、これらに限定されない。
本実施形態の飼料又はペットフードにおいて、上述の栄養剤の含有量は特に限定されず、飼料又はペットフードの種類に応じて適宜含有量を設定すればよい。例えば、飼料又はペットフードにおける上述の栄養剤の含有量は、本藻類又はその抽出物の含有量として、0.01〜90質量%が例示され、0.1〜80質量%が好ましく、1〜70質量%がさらに好ましく、1〜60質量%が特に好ましい。
本実施形態の飼料又はペットフードは、本藻類が含有する上述のような栄養成分を、当該動物に効率的に補給させるために用いることができる。
<化粧品>
本実施形態の栄養成分補給用組成物は、化粧品であってもよい。
本実施形態の栄養成分補給用組成物が化粧品である場合、上述の栄養剤は、化粧品添加剤として、化粧品に添加されてもよい。上述の栄養剤を化粧品に添加することにより、上述の栄養剤が含む栄養成分を含む化粧品を調製することができる。そのため、本発明の一実施形態に係る化粧品添加剤は、本藻類又はその抽出物を含む。
本実施形態の化粧品は、上述の栄養剤と、適宜他の成分とを混合して、化粧品の種類に応じた既知の方法に従って、製造することができる。
他の成分としては、特に限定されず、例えば、薬学的に許容される担体等が例示される。薬学的に許容される担体としては、上記「≪栄養剤≫」で挙げたものと同様のものが挙げられる。また、化粧品添加物として公知の材料を他の成分として用いてもよい。他の成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の化粧品において、化粧品の種類は特に限定されない化粧品としては、例えば、化粧水、乳液、ローション、クリーム、ジェル、サンスクリーン剤、パック、マスク、美容液等の基礎化粧品;ファンデーション類、化粧下地、口紅類、リップグロス、頬紅類等のメーキャップ化粧品;洗顔剤、ボディーシャンプー、クレンジング剤等の洗浄料;シャンプー、リンス、ヘアコンディショナー、トリートメント、整髪剤等の毛髪用化粧品;ボディーパウダー、ボディーローション等のボディ用化粧品等が挙げられるが、これらに限定されない。
本実施形態の化粧品において、上述の栄養剤の含有量は特に限定されず、化粧品の種類に応じて適宜含有量を設定すればよい。例えば、化粧品の使用感等を考慮し、化粧品における上述の栄養剤の含有量は、本藻類又はその抽出物の含有量として、0.01〜30質量%を例示することができる。化粧品の使用感等の観点からは、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、0.1〜10質量%がさらに好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。
本実施形態の化粧品は、本藻類が含有する上述のような栄養成分を皮膚や毛髪に補給するために、皮膚や毛髪に塗布して用いることができる。
≪栄養成分の製造方法≫
本発明の一実施形態に係る栄養成分の製造方法は、上記実施形態のセネデスムス・エスピーAB−1C株を培養する培養工程を備える方法である。
以下、本実施形態の製造方法の工程について説明する。
<培養工程>
培養工程は、本藻類を培養する工程である。
本工程で用いる本藻類の好適な例としては、上述の「≪藻類≫」で記載したものと同様のものが挙げられる。
また、培養工程は、上述の「≪藻類≫」に記載の方法で行うことができる。
本実施形態の製造方法は、更に、前記培養工程の後に、前記セネデスムス・エスピーAB−1C株を破砕して細胞破砕物を得る破砕工程と、前記細胞破砕物から栄養成分を分離する分離工程と、をこの順に備えてもよい。
<破砕工程>
破砕工程は、本藻類の細胞を破砕して細胞破砕物を得る工程である。
本藻類の細胞の破砕方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。細胞の破砕方法としては、例えば、ガラスビーズ、乳鉢、超音波処理、フレンチプレス、ホモジナイザー等の物理的処理;中和処理、低張処理、凍結融解処理等の化学的処理等が挙げられる。これらの処理は、単独で行ってもよく、2種以上の処理を組み合わせて行ってもよい。
中和処理の方法としては、pH7〜10程度の中和液に、本藻類の細胞を浸漬する方法が挙げられる。本藻類は、酸性域のpHに適応しているため、中性〜塩基性の中和液に浸漬することにより、細胞が破壊される。中和液の組成は、特に限定されないが、例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液などの緩衝液等を用いることができる。中和液への細胞の浸漬時間は、細胞が破壊される程度の時間とすればよく、例えば、10〜30分程度が例示される。
低張処理の方法としては、水などの低張液に、本藻類の細胞を浸漬する方法が挙げられる。本藻類は、細胞壁の強度が弱い又は薄いため、低張液に浸漬することにより、細胞が破裂する。低張液の組成は、特に限定されず、本藻類の細胞が破裂する程度の低張な液体であればよい。低張液としては、例えば、水、低濃度の緩衝液等を挙げることができる。低張液への細胞の浸漬時間は、細胞が破裂する程度の時間とすればよく、例えば、1〜30分程度が例示される。
凍結融解処理の方法としては、本藻類の細胞に対して、凍結と融解のサイクルを1回以上行う方法が挙げられる。凍結と融解のサイクル回数は、特に限定されず、本藻類の細胞が破砕される程度の回数であればよい。凍結と融解のサイクル回数は、例えば、1〜5回程度が例示される。凍結及び融解の各時間は、特に限定されず、例えば、各々10〜30分程度が例示される。
上記のような方法で、本藻類の細胞を破砕することにより、本藻類の細胞破砕物を得ることができる。
<分離工程>
分離工程は、本藻類の細胞破砕物から栄養成分を分離する工程である。
本工程において、分離対象となる栄養成分は、本藻類が有する栄養成分であれば特に限定されない。上述の「≪栄養剤≫」において記載したように、本藻類は、アミノ酸類、ビタミン類(特に、カロテノイド類)、タンパク質、脂質(特に、機能性油)、食物繊維等の栄養成分を多く含む。そのため、本工程において分離対象となる栄養成分としては、機能性油及びカロテノイド類からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。
前記栄養成分の中でも、機能性油としては、EPA、α−リノレン酸及びリノール酸からなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。好ましくは、機能性油としては、EPAが挙げられる。
また、カロテノイド類としては、アスタキサンチン、カンタキサンチン、β−カロテン及びルテインからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。好ましくは、カロテノイド類としては、アスタキサンチンが挙げられる。
本工程において分離される栄養成分は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。また、機能性油(EPA、α−リノレン酸、リノール酸等)、カロテノイド類(アスタキサンチン、カンタキサンチン、β−カロテン、ルテイン等)等の種類ごとに分離してもよい。
細胞破砕物からの栄養成分の分離方法は、特に限定されず、栄養成分の種類に応じて適切な方法を選択すればよい。栄養成分の分離方法には、生化学物質の分離・精製等に一般的に用いられる方法を適宜組み合わせて用いることができる。分離方法としては、例えば、遠心分離、洗浄、塩析、透析、再結晶、再沈殿、溶媒抽出、吸着、濃縮、ろ過、ゲルろ過、限外ろ過、各種クロマトグラフィー(ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等)等が挙げられるが、これらに限定されない。
<任意工程>
本実施形態の製造方法は、培養工程、破砕工程及び分離工程に加えて、他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、本藻類を培養液から回収する工程(回収工程)、本藻類の細胞を洗浄する工程(洗浄工程)等が挙げられる。これらの工程は、上述の培養工程の後であって、破砕工程の前に行うことができる。
回収工程は、ろ過や遠心分離等の公知の方法により行うことができる。また、洗浄工程は、pH0.1〜5.0の洗浄液(緩衝液等)に細胞を懸濁し、次いでろ過や遠心分離等の方法で洗浄液から細胞を回収することにより行うことができる。
本実施形態の製造方法により、製造された栄養成分は、栄養剤、食品、飼料、ペットフード、化粧品、医薬品、試薬類等の各種用途に用いることができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
1.新規微細藻類の単離
日本国富山県の富山湾神通川において河口表層水を採水した。次に、河口表層水を0.45μmのポリカーボネートメンブレンフィルターで減圧濾過し、フィルター上に微細藻類を含む微生物を捕獲した。次に、そのフィルターごと、KWSW培地、SGI培地(Sager & Granick Medium I)、IMK培地及びドナリエラ用培地が入った培養液に入れ、白色蛍光灯下でエアレーションしながら培養した。なお、KWSW培地の組成を以下の表1に、SGI培地の組成を以下の表2に、IMK培地の組成を以下の表3に、ドナリエラ用培地の組成を以下の表4に示す。
その結果、微細藻類が増殖し、緑色又は褐色に濁った培養液の一部を、上記各培地で作製した1.5%(w/v)寒天培地上に塗布し、白色蛍光灯下で培養した。寒天培地上に塗布された微細藻類が増殖し、形成された個々のコロニーを単離することで微細藻類の選別及び単離(単一種化)を行った。これにより、AB−1C株が単離された。
次に、AB−1C株の顕微鏡(オリンパス社製、BX51N−33−PH)の観察を(倍率:540倍)を行った。AB−1C株の顕微鏡写真を図1に示す。上の画像は、明視野での顕微鏡写真である。下の画像は蛍光での顕微鏡写真である。
図1から、AB−1C株の細胞の形態は楕円球状又は球状で、大きさの異なるものが混在していることが確認された。
2.18S リボソームDNA配列に基づく系統解析
AB−1C株の細胞から抽出したDNAを鋳型として、18S リボソームDNAをPCRで増幅し、配列解析を行った。AB−1C株の18S リボソームDNAの塩基配列を配列番号1に示す。
なお、18S リボソームDNAの増幅に使用したプライマーの配列は以下のとおりである。
フォワードプライマー:5’ −TACCTGGTTGATCCTGCCAG−3’(配列番号2)
リバースプライマー:5’ −CCTTCCGCAGGTTCACCTAC−3’ (配列番号3)
AB−1C株の18S リボソームDNAの塩基配列に基づき、最尤法による分子系統解析を行った。具体的には、データベースから得た近縁種の配列のアライメントをMEGA5.05 software(http://www.megasoftware.net/)を用いて行い、近隣接合法により分子系統樹を作成した。18S リボソームDNAの塩基配列に基づく分子系統樹を図2に示す。なお、分子系統樹内の内部枝の統計的な支持値は、ブートストラップ法 (1000回反復) によって求めた。
図2から、AB−1C株の18S リボソームDNAは、下記表6に示す既知の藻類種と近縁種であることが判明した。
上記分子系統解析の結果より、AB−1C株は、セネデスムス属に属すると判定された。
3.AB−1C株の成分分析
(1)AB−1C株の培養
AB−1C株を、SGI培地を用いて、通気培養した。培養温度は25℃とし、白色蛍光灯(4000〜4500ルクス)下で、エアレーションしながら、4〜7日間振盪培養した。培養したAB−1C株を遠心分離にて回収し、凍結乾燥させた。
(2)有用物質の分離及び分析
(2−1)カロテノイド類の分離及び分析
カロテノイド類の含有量については、一般財団法人日本食品分析センターに依頼し、分析を行った。なお、具体的な分析方法については、以下に示すとおりである。
・アスタキサンチンの分離及び分析
凍結乾燥させたAB−1C株0.1〜0.2gを秤量した。次に、秤量したAB−1C株を用いて、以下の流れに従って、エステル型アスタキサンチンを酵素で分解後、分離及び精製を行い、高速流体クロマトグラフィーに使用する試料とした。また、高速液体クロマトグラフィーの分析条件を以下に示す。
(アスタキサンチンの分離及び精製工程)
試料採取(0.2g、乳鉢内)
↓+海砂(適量)
↓+水(1mL)
↓クロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
磨砕抽出(数回に分けて、磨砕抽出。さらに、11Gガラスフィルターで吸引濾過)
↓抽出液をクロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
↓で100mLに定容
溶媒留去
↓+アセトン(定容液10mLを50mL容遠沈管に分取)
↓+0.05Mのトリス緩衝液(pH7.0)(6mL)
↓+コレステロールエステラーゼ(1800μL)(60units/mL)
酵素反応(37℃、120分間)
↓+石油エーテル(10mL)
転溶

遠心分離(1500rpm、5分間)
↓上層を100mL容ナスフラスコに回収
上記酵素反応から上記遠心分離をさらに2回繰り返す

溶媒留去
↓+移動相(所定量添加)
高速液体クロマトグラフィー
(高速液体クロマトグラフィーの分析条件)
高速液体クロマトグラフ:LC−20AT、株式会社島津製作所製
検出器:紫外可視吸光光度計、SPD−20A、株式会社島津製作所製
カラム:Luna3μ Silica Φ4.6mm×150mm、phenomenex社製
カラム温度:30℃
移動相:ヘキサン及びアセトンの混合溶液(ヘキサン:アセトン=82:18)
流量:1.2mL/min
測定波長:470nm
注入量:40μL
・カンタキサンチンの分離及び分析
凍結乾燥させたAB−1C株1gを秤量した。次に、秤量したAB−1C株を用いて、以下の流れに従って、分離及び精製を行い、高速流体クロマトグラフィーに使用する試料とした。また、高速液体クロマトグラフィーの分析条件を以下に示す。
(カンタキサンチンの分離及び精製工程)
試料採取(1g、乳鉢内)
↓+海砂(適量)
↓+水(1mL)
↓クロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
磨砕抽出(数回に分けて、磨砕抽出。さらに、11Gガラスフィルターで吸引濾過)
↓抽出液をクロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
↓で100mLに定容
↓100mL容ナスフラスコに60mL分取
溶媒留去
↓+HAET混合溶液(30mL)
↓(ヘキサン、アセトン、エタノール及びトルエンの混合溶液)
↓(ヘキサン:アセトン:エタノール:トルエン=10:7:6:7)
↓+水(1mL)
↓40w/v%水酸化カリウム−メタノール溶液(4mL)
けん化(56℃水浴中30分間)
↓300mL容褐色分液漏斗へ移す
↓+HAET混合溶液(30mL)
↓+3w/v%無水硫酸ナトリウム溶液(40mL)
↓+HAET混合溶液(30mL)
抽出
↓水(50mL)で数回洗浄
上層回収

溶媒留去
↓+2−プロパノール(所定量添加)
高速液体クロマトグラフィー
(高速液体クロマトグラフィーの分析条件)
高速液体クロマトグラフ:LC−20AT、株式会社島津製作所製
検出器:紫外可視吸光光度計、SPD−20A、株式会社島津製作所製
カラム:Cadenza CL−C18 Φ4.6mm×250mm、インタクト株式会社製
カラム温度:40℃
移動相:メタノール及び水の混合溶液(メタノール:水=96:4)
流量:1.0mL/min
測定波長:470nm
注入量:20μL
・ルテインの分離及び分析
凍結乾燥させたAB−1C株0.1〜0.2gを秤量した。次に、秤量したAB−1C株を用いて、以下の流れに従ってエステル型ルテインをケン化処理後、分離及び精製を行い、高速流体クロマトグラフィーに使用する試料とした。また、高速液体クロマトグラフィーの分析条件を以下に示す。
(ルテインの分離及び精製工程)
試料採取(0.1〜0.2g、乳鉢内)
↓+海砂(適量)
↓+水(1mL)
↓クロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
磨砕抽出(数回に分けて、磨砕抽出。さらに、11Gガラスフィルターで吸引濾過)
↓抽出液をクロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
↓で100mLに定容
↓100mL容ナスフラスコに2mL分取
溶媒留去
↓+HAET混合溶液(30mL)
↓+水(1mL)
↓40w/v%水酸化カリウム−メタノール溶液(4mL)
けん化(56℃水浴中30分間)
↓300mL容褐色分液漏斗へ移す
↓+HAET混合溶液(30mL)
↓+3w/v%無水硫酸ナトリウム溶液(40mL)
↓+HAET混合溶液(30mL)
抽出
↓水(50mL)で数回洗浄
上層回収

溶媒留去
↓+ヘキサン及びアセトンの混合溶液(所定量添加)(ヘキサン:アセトン=81:19)
高速液体クロマトグラフィー
(高速液体クロマトグラフィーの分析条件)
高速液体クロマトグラフ:LC−10ATVP、株式会社島津製作所製
検出器:紫外可視吸光光度計、SPD−20A、株式会社島津製作所製
カラム:Luna3μ Silica Φ4.6mm×150mm、phenomenex社製
カラム温度:30℃
移動相:ヘキサン及びアセトンの混合溶液(ヘキサン:アセトン=82:18)
流量:1.2mL/min
測定波長:450nm
注入量:30μL
・β−カロテンの分離及び分析
凍結乾燥させたAB−1C株0.1〜0.2gを秤量した。次に、秤量したAB−1C株を用いて、以下の流れに従って分離及び精製を行い、高速流体クロマトグラフィーに使用する試料とした。また、高速液体クロマトグラフィーの分析条件を以下に示す。
(β−カロテンの分離及び精製工程)
試料採取(0.1〜0.2g、乳鉢内)
↓+海砂(適量)
↓+水(1mL)
↓クロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
磨砕抽出(数回に分けて、磨砕抽出。さらに、11Gガラスフィルターで吸引濾過)
↓抽出液をクロロホルム及びメタノールの混合溶液(クロロホルム:メタノール=2:1)
↓で100mLに定容
↓100mL容ナスフラスコに2mL分取
溶媒留去
↓+HAET混合溶液(30mL)
↓+水(1mL)
↓40w/v%水酸化カリウム−メタノール溶液(4mL)
けん化(56℃水浴中30分間)
↓300mL容褐色分液漏斗へ移す
↓+HAET混合溶液(30mL)
↓+3w/v%無水硫酸ナトリウム溶液(40mL)
↓+HAET混合溶液(30mL)
抽出
↓水(50mL)で数回洗浄
上層回収

溶媒留去
↓+ヘキサン及びアセトンの混合溶液(所定量添加)(ヘキサン:アセトン=81:19)
↓50mL容ナスフラスコに2mL分取
溶媒留去
↓+エタノール(所定量添加)
高速液体クロマトグラフィー
(高速液体クロマトグラフィーの分析条件)
高速液体クロマトグラフ:LC−20AD、株式会社島津製作所製
検出器:紫外可視吸光光度計、SPD−20AV、株式会社島津製作所製
カラム:Inertsil ODS−4.5μm Φ4.6mm×250mm、ジーエルサイエンス株式会社製
カラム温度:40℃
移動相:アセトニトリル、メタノール、テトラヒドロフラン及び酢酸の混合溶液
(アセトニトリル:メタノール:テトラヒドロフラン:酢酸=55:40:5:0.1)(0.05g/L dl−α−トコフェロール含有)
流量:1.5mL/min
測定波長:455nm
注入量:20μL
・総カロテノイド類の分析
総カロテノイド類の含有量は、吸光光度法により測定した。含有されていることが確認されたカロテノイド類のうち、最も含量が高い成分であるアスタキサンチンの測定条件で定量を行った。アスタキサンチンの吸光係数E1% 1cm=2200(波長478nm、アセトン)より算出した。
測定結果としては、AB−1C株の乾燥重量100g中の総カロテノイド類の含有量が666mgであり、アスタキサンチンの含有量が415mgであり、カンタキサンチンの含有量が66.9mgであり、β−カロテンの含有量が42.3mgであり、ルテインの含有量が34.4mgであった。この結果を以下の表7にも示す。なお、対照として、ヘマトコッカス及びMonoraphidium sp.GK−12株の乾燥重量100g中のアスタキサンチンの含有量を示す。
(2−2)脂肪酸の分離及び分析
凍結乾燥させたAB−1C株1〜30mgを秤量した。次に、AB−1C株をキャップ付きの耐圧試験管に入れた。そこへ、BF−Methanol溶液を0.4mL入れ、100℃で40分間反応させることにより、AB−1C株の細胞中に含まれる中性脂肪酸を、脂肪酸メチル(バイオディーゼルフューエル成分)へ変換した。反応終了後冷却し、反応液中へペンタンを入れることにより、生成した脂肪酸メチルをペンタン層へ移した。一定時間放置後、ペンタン層を回収した。このペンタン抽出を数回繰り返した。その後、得られたペンタン抽出液を揮発させ、脂肪酸メチルを残渣とした回収した。この残渣をヘキサンに溶解させ、脂肪酸分析の試料とした。
次に、試料中の脂肪酸の含有量をキャピラリーガスクロマトグラフィー(GC、GC−2010、島津製作所製)にて測定した。キャピラリーガスクロマトグラフィーの分析条件を以下に示す。
(キャピラリーガスクロマトグラフィーの分析条件)
カラム:InertCAP WAX(GLサイエンス製、30m、内径0.25mm)
ガス:ヘリウムガス(He、70kPa)
検出:FID
測定結果としては、AB−1C株の乾燥重量100g中のEPAの含有量は、400mgであった。
また、AB−1C株の乾燥重量中のオレイン酸の含有量は17.8質量%、パルミチン酸の含有量は5.1質量%、リノール酸の含有量は4.6質量%、α−リノレン酸の含有量は4.5質量%、ステアリン酸の含有量は1.8質量%であった。
また、脂肪酸中のオレイン酸の含有量は44.6質量%、パルミチン酸の含有量は12.8質量%、リノール酸の含有量は11.5質量%、α−リノレン酸の含有量は11.4質量%、ステアリン酸の含有量は4.6質量%、γ−リノレン酸の含有量は0.2質量%、EPAの含有量は0.9質量%であった。
上記の結果のうち一部を以下の表7にも示す。なお、対照として、Monoraphidium sp.GK−12株の乾燥重量100g中のEPAの含有量を示す。
(2−3)炭化水素の分離及び分析
凍結乾燥させたAB−1C株1〜30mgを秤量した。次に、AB−1C株をビーズ入りアシストチューブに入れた。そこへ、0.1M水酸化カリウムのメタノール液0.1Mを入れた後、キャップ付きの試験管に入れた。次に、80℃で90分間反応させることにより、ケン化させた。反応終了後冷却し、反応液中へ水1.0mLを加えて撹拌し、さらに、ヘキサン2mLを入れて撹拌した。次に、静置し、ヘキサン層をキャップ付きの試験管に回収した。次に、キャップを開けたまま乾燥器内でヘキサンを気化させた。次に、トリメチルシリル(TMS)化剤を50μL加え、キャップをした後60℃で30〜60分間放置した。次に、水0.5mL加え混合した後、ヘキサン0.5mL加えた。次に、ヘキサン層を1.5mLバイアルに移し、ヘキサンを気化させた。そこへ、正確にヘキサン1mLを加え、炭化水素分析の試料とした。
次に、試料中の炭化水素の含有量をキャピラリーガスクロマトグラフィー(GC、GC−2010、島津製作所製)にて測定した。キャピラリーガスクロマトグラフィーの分析条件を以下に示す。
(キャピラリーガスクロマトグラフィーの分析条件)
カラム:DB−1ms(SEG、内径0.25mm)
ガス:ヘリウムガス(He、70kPa)
検出:FID
測定結果としては、油成分中の炭化水素の含有量は66.8質量%であった。
以上のことから、セネデスムス・エスピーAB−1C株から、燃料油となり得る炭化水素、リノール酸、α−リノレン酸、EPA等の機能性油、及び、アスタキサンチン等のカロテノイド類等の多数の有用物質が得られることが確かめられた。
セネデスムス・エスピーAB−1C株によれば、バイオ燃料、機能性油又は機能性物質等の有用物質が得られる。さらに、前記得られた有用物質は、機能性食品若しくは栄養補助食品等の食品、愛玩動物用のペットフード若しくは家畜や養殖魚介類の飼料、又は、化粧品等に利用可能である。

Claims (13)

  1. セネデスムス・エスピー(Scenedesmus sp.)AB−1C株(FERM P−22338)。
  2. 請求項1に記載のセネデスムス・エスピーAB−1C株又はその抽出物を含む栄養剤。
  3. 請求項2に記載の栄養剤を含む栄養成分補給用組成物。
  4. 栄養成分がエイコサペンタエン酸、カロテノイド類、リノール酸及びα−リノレン酸からなる群から選択される1種類以上である請求項3に記載の栄養成分補給用組成物。
  5. 前記カロテノイド類がアスタキサンチンである請求項4に記載の栄養成分補給用組成物。
  6. 食品である請求項3〜5のいずれか一項に記載の栄養成分補給用組成物。
  7. 機能性食品又は栄養補助食品である請求項6に記載の栄養成分補給用組成物。
  8. 飼料又はペットフードである請求項3〜5のいずれか一項に記載の栄養成分補給用組成物。
  9. 化粧品である請求項3〜5のいずれか一項に記載の栄養成分補給用組成物。
  10. 請求項1に記載のセネデスムス・エスピーAB−1C株を培養する培養工程を備える栄養成分の製造方法。
  11. 更に、前記培養工程の後に、
    前記セネデスムス・エスピーAB−1C株を破砕して細胞破砕物を得る破砕工程と、
    前記細胞破砕物から栄養成分を分離する分離工程と、
    をこの順に備える請求項10に記載の栄養成分の製造方法。
  12. 前記栄養成分が、エイコサペンタエン酸、カロテノイド類、リノール酸及びα−リノレン酸からなる群から選択される1種類以上である請求項10又は11に記載の栄養成分の製造方法。
  13. 前記カロテノイド類がアスタキサンチンである請求項12に記載の栄養成分の製造方法。
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