JP2019090660A - 磁気センサおよび電流センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】数十mTまたはそれ以上の磁場が印加されても残留磁場が生じにくい磁気シールドを備える磁気センサおよび当該磁気センサを用いてなる電流センサを提供する。【解決手段】第1の方向(X1−X2方向)に感度軸を持つ磁気抵抗効果素子11と、第1の方向(X1−X2方向)と交差する第2の方向(Y1−Y2方向)に位置して、磁気抵抗効果素子11に印加される被測定磁界の強度を低減させる磁気シールド15と、を備えた磁気センサであって、磁気シールド15は、本体部150と、本体部150における、第2の方向(Y1−Y2方向)で磁気抵抗効果素子11に近位な側(Y1−Y2方向Y2側)において、第1の方向(X1−X2方向)に突出する突出部15Pを有し、突出部15Pは本体部150よりも厚さ(第2の方向の長さ)が薄い部分を有する磁気センサ1。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気センサおよび当該磁気センサを備えた電流センサに関する。
電気自動車やハイブリッドカーにおけるモータ駆動技術などの分野や、柱状トランスなどインフラ関連の分野では、比較的大きな電流が取り扱われるため、大電流を非接触で測定することが可能な電流センサが求められている。このような電流センサとしては、被測定電流からの誘導磁界を検出する磁気センサを用いたものが知られている。磁気センサ用の磁気検出素子として、例えば、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子などの磁気抵抗効果素子が挙げられる。
磁気抵抗効果素子は、検出感度が高いものの、線形性高く検出可能な磁界強度範囲が比較的狭いという特徴がある。このため、特許文献1の図3に示される電流センサのように、被測定電流と磁気抵抗効果素子との間に磁気シールドを配置して、磁気抵抗効果素子に実質的に印加される誘導磁界の強度を小さくして、被測定磁界の大きさを良好な検出特性を有する磁界強度範囲内とする方法が用いられる場合がある。
このように磁気シールドを用いることによって、磁気抵抗効果素子に実質的に印加される磁界の強度を低減させて、磁界強度の測定範囲を拡げることが実現されているが、磁気シールドが磁気的なヒステリシスの原因となる場合がある。特許文献2では、磁気シールド上にハードバイアス層を設けることによりこの時期的なヒステリシスを抑制し、磁気抵抗効果素子の出力の線形性を向上させることが実現されている。
国際公開第2011/111493号 国際公開第2011/155261号
磁気シールドに印加される磁場が数十mT程度と強い場合には、磁気シールドが軟磁性材料から構成されていても、磁気シールドに残留磁化が生じやすくなってしまう。こうして生じた磁気シールドの残留磁化に基づく磁界が磁気抵抗効果素子に印加されると、磁気抵抗効果素子のゼロ磁場ヒステリシスがマイナス側に大きくなるなどの磁気抵抗効果素子の測定精度に悪影響を与えてしまうおそれがある。
本発明は、かかる現状を鑑み、磁気シールドおよび磁気抵抗効果素子を備える磁気センサであって、磁気センサに印加される磁場が大きい場合であっても、磁気抵抗効果素子の測定精度が低下しにくい磁気センサを提供することを目的とする。本発明は、かかる磁気センサを備える電流センサを提供することをも目的とする。
上記の課題を解決するために提供される本発明は、一態様において、第1の方向に感度軸を持つ磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の上方に離間配置され、前記磁気抵抗効果素子に印加される被測定磁界の強度を減衰させる磁気シールドと、を備えた磁気センサであって、前記磁気シールドは、本体部と、前記第1の方向に突出する突出部とを有し、前記本体部は平面視で前記第1の方向に直交する第2の方向を長手とする形状を有し、前記突出部は前記本体部よりも厚さが薄い部分を有することを特徴とする磁気センサである。このような構成を備えることにより、磁気シールドの残留磁化に基づく磁界は突出部の先端から放出されるため、磁気シールドから放出され磁気抵抗効果素子に対して放出された向きとは反対向きに印加される磁界(還流磁界)の強度を低減させることができ、磁気抵抗効果素子のヒステリシスを少なくすることができる。
前記突出部は、前記磁気シールドの下端に位置することが、磁気抵抗効果素子のヒステリシスを効率的に少なくする観点から好ましい。
平面視で、前記磁気抵抗効果素子の全体が前記磁気シールドの前記本体部に重なることが、磁気抵抗効果素子のヒステリシスを効率的に少なくする観点から好ましい。
上記の磁気センサは、磁気平衡用コイルをさらに備え、前記磁気平衡用コイルに流れる電流に基づき前記被測定磁界の強度を測定するものであってもよい。この場合において、前記磁気平衡用コイルはスパイラルコイルであって、前記磁気抵抗効果素子と前記磁気シールドとの間に位置することが好ましい場合がある。
本発明は、他の一態様として、上記の磁気センサを備え、前記磁気センサは被測定電流の誘導磁界を前記被測定磁界とする電流センサを提供する。
本発明によれば、印加磁場が大きく磁気シールドに残留磁化が生じる場合であっても、残留磁化に基づく還流磁界が磁気抵抗効果素子に与える影響が低減される。このため、磁気抵抗効果素子の測定精度が低下しにくい磁気センサが提供される。また、かかる磁気センサを用いてなる電流センサも提供される。
本発明の一実施形態に係る磁気センサの構造を概念的に示す平面図である。 図1のV1−V1線による断面図である。 本発明の他の一実施形態に係る磁気センサの構造を概念的に示す平面図である。 図3のV2−V2線による断面図である。 磁気シールドとGMR素子との距離D1と、ゼロ磁場ヒステリシスZHとの関係を示すグラフである。
図1は、本発明の一実施形態に係る磁気センサの構造を概念的に示す平面図である。図2は図1のV1−V1線での断面図である。
本発明の一実施形態に係る磁気センサ1は、図1および図2に示されるように、4つの磁気抵抗効果素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)および磁気シールド15を備える。
本発明の一実施形態に係る磁気センサ1の4つの磁気抵抗効果素子のそれぞれは、ミアンダ形状(X1−X2方向に延在する複数の長尺パターンが折り返すようにつながって構成される形状)を有する巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)を備える。各磁気抵抗効果素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)の感度軸方向Pは図1において矢印にて表され、磁気抵抗効果素子11および磁気抵抗効果素子14の感度軸方向P(第1の方向)はY1−Y2方向Y2側を向き、磁気抵抗効果素子12および磁気抵抗効果素子13の感度軸方向PはY1−Y2方向Y1側を向くように設定されている。
入力端子5aに接続される配線5は磁気抵抗効果素子11の一端に接続され、磁気抵抗効果素子11の他端と磁気抵抗効果素子12の一端とが直列に接続されて、磁気抵抗効果素子12の他端が配線6を介してグランド端子6aに接続される。入力端子5aに接続される配線5は途中で分岐して磁気抵抗効果素子13の一端にも接続され、磁気抵抗効果素子13の他端と磁気抵抗効果素子14の一端とが直列に接続されて、磁気抵抗効果素子14の他端が配線6を介してグランド端子6aに接続される。第1の中点電位測定用端子7aは磁気抵抗効果素子11の他端と磁気抵抗効果素子12の一端との間に配線7により接続され、第2の中点電位測定用端子8aは磁気抵抗効果素子13の他端と磁気抵抗効果素子14の一端との間に配線8により接続される。第1の中点電位測定用端子7aの電位と第2の中点電位測定用端子8aの電位とを対比することにより、電流線40を流れる被測定電流Ioの誘導磁界(被測定磁界)の強度および向きを測定することができる。
図2は、磁気抵抗効果素子11のミアンダ形状を構成する複数の長尺パターンの長軸方向(X1−X2方向)に沿った方向を法線とする面で磁気センサ1を切断して得られる断面図である。この断面内方向の1つであるY1−Y2方向(第1の方向)が磁気抵抗効果素子11の感度軸方向P(Y1−Y2方向Y2側の向き)である。磁気抵抗効果素子11は、基板29上に形成され、絶縁材料(アルミナ、窒化ケイ素などが具体例として挙げられる。)からなる絶縁層IMによって覆われている。
磁気シールド15は、磁気抵抗効果素子11の上(Z1−Z2方向Z1側)に磁気抵抗効果素子11から離間して配置される。磁気シールド15と磁気抵抗効果素子11との離間距離は、間に位置する絶縁層IMの厚さによって調整される。
本発明の一実施形態に係る磁気センサ1では、磁気シールド15は磁気抵抗効果素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)に印加される被測定磁界の強度を減衰させるものであって、図1に示されるように、平面視で(Z1−Z2方向からみて)、第1の方向(Y1−Y2方向)に直交する第2方向(X1−X2方向)を長手とする矩形を有する本体部150と、本体部150から少なくとも第1の方向(Y1−Y2方向)に突出する突出部15Pを有する。突出部15Pは、図2に示されるように、本体部150よりも厚さが薄い部分を有し、磁気シールド15の下端(Z1−Z2方向Z2側の端部)に位置する。
このような構造は、具体的には、前記磁気シールドの下端(Z1−Z2方向Z2側端部)に位置し軟磁性体からなる下地層151と、下地層151の上(Z1−Z2方向Z1側)に形成された軟磁性層152とを有する構造により実現されている。下地層151における上側(Z1−Z2方向Z1側)に軟磁性層152が形成されていない部分が突出部15Pとなっており、この突出部15Pは、Z1−Z2方向からみて磁気抵抗効果素子11よりもY1−Y2方向の外側に突出した状態に位置している。磁気センサ1では、図2に示されるように、突出部15Pは磁気シールド15のY1−Y2方向の両側に設けられている。
本体部150は、第2方向(X1−X2方向)を長手とするため、短手である第1の方向(Y1−Y2方向)には、形状磁気異方性効果により磁化しにくいが、外部磁場が強い場合には、図2に示されるように第1の方向(Y1−Y2方向)に残留磁化M0が生じる場合がある。このような場合であっても、このように突出部15Pを設けることにより、磁気シールド15の残留磁化M0に基づく磁界は、主に、この突出部15Pの先端PEから磁気シールド15外に放出される。その結果、磁気シールド15の残留磁化M0に基づく磁界であって、残留磁化M0の向きとは反対向きに磁気抵抗効果素子11に印加される磁界(還流磁界RM0)の強度が相対的に低くなって、磁気抵抗効果素子11のゼロ磁場ヒステリシスZHが小さくなる。それゆえ、磁気シールド15が突出部15Pを有しない場合に比べて、磁気抵抗効果素子11を備える磁気センサ1の測定精度が向上する。
突出部15Pは、図2に示されるように、磁気シールド15の下端(Z1−Z2方向Z2側端部)に位置することが好ましい。このような構成を備える場合には、磁気シールド15のY1−Y2方向Y2側から磁気シールド15の残留磁化M0に基づく磁界が放出される際に、Y1−Y2方向Y1側に周回する成分は全てZ1−Z2方向からみて磁気抵抗効果素子11のY1−Y2方向の端部の外側の位置する突出部15Pの先端15PEから放出されることになる。したがって、磁気シールド15の先端PEから放出される残留磁化M0は、磁気センサ1をZ1−Z2方向からみた時に磁気抵抗効果素子11の端部のより遠い位置から放出されることとなるため、磁気シールド15の残留磁化M0に基づく磁界(還流磁界RM0)の磁気抵抗効果素子11への印加強度をより弱めた状態にすることができる。
平面視で(Z1−Z2方向からみて)、磁気抵抗効果素子11の全体が磁気シールド15に重なることが好ましく、磁気シールド15の本体部150に重なることがより好ましい。この場合には、磁気シールド15の残留磁化M0に基づく磁界(還流磁界RM0)の放出部である突出部15Pの先端15PEと磁気抵抗効果素子11のX1−X2方向(第1の方向)の離間距離を適切に確保することができ、磁気抵抗効果素子11に印加される還流磁界RM0の強度を安定的に低減させることができる。
下地層151および軟磁性層152はFe,Co,Niなど鉄族元素を含む軟磁性材料から構成される。下地層151の厚さは突出部15Pが磁気シールド15の残留磁化M0に基づく磁界の放出部として機能する範囲で任意に設定される。下地層151の厚さの限定されない例として、10nm以上1μm以下が挙げられる。下地層151の厚さは、20nm以上500nm以下が好ましい場合があり、50nm以上200nm以下がより好ましい場合がある。軟磁性層152の厚さは、磁気シールド15が所定の磁気遮蔽機能を有する範囲で任意に設定される。軟磁性層152の厚さの限定されない例として、1μm以上50μm以下が挙げられ、軟磁性層152の厚さは、5μm以上30μm以下が好ましい場合があり、10μm以上25μm以下がより好ましい場合がある。突出部15Pを構成する下地層151の厚さ(Z1−Z2方向長さ)は、次に説明するように磁気シールド15の実質的なアスペクト比を高める観点、および突出部15Pから磁気シールド15の残留磁化M0に基づく磁界が効率的に放出される観点から、軟磁性層152の厚さの3%以下であることが好ましく、1%以下であることがより好ましい。
上記のように軟磁性層152に比べて下地層151の厚さが十分に薄い場合には、磁気シールド15において異方性磁界Hkを発生させる部分は、実質的に本体部150のみとなる。このため、異方性磁界Hkの程度に影響を及ぼす磁気シールド15の実質的なアスペクト比は、本体部150の長手方向(X1−X2方向)の長さの短手方向(Y1−Y2方向)の長さに対する比となる。磁気シールド15の実質的なアスペクト比が大きくなることにより、磁気シールド15の異方性磁界Hkを大きくなり、磁気シールド15の磁気センサ1の感度軸方向において、磁化曲線の線形領域をより大きくできる。その結果、磁気センサ1の出力の線形領域が大きくなって、磁気センサ1のダイナミックレンジをより拡げることが可能となる。
前述のように、磁気センサ1をZ1−Z2方向からみたときに、磁気シールド15の端部は磁気抵抗効果素子11の端部から遠いことが好ましいが、この要請を満たすべく本体部150のY1−Y2方向の長さを伸ばすと、磁気シールド15の実質的なアスペクト比が低下して、磁気シールドの異方性磁界Hkが低減してしまう。そこで、上記のように、本体部150からY1−Y2方向に延びる突出部15Pの厚さを薄くすることにより、磁気シールド15の実質的なアスペクト比を低下させることなく、磁気シールド15の端部(突出部15Pの先端15PE)を磁気抵抗効果素子11の端部から遠くに位置させることが可能となる。このように、磁気シールド15において突出部15Pの厚さを薄くすることにより、磁気シールド15の異方性磁界Hkを大きくすることと、磁気抵抗効果素子11に印加される還流磁界RM0の強度を低下させることとを両立させることが可能となる。これにより、磁気センサ1に外部から強磁場が付与されたりして磁気シールド15に残留磁場が生じても、この残留磁場によって生じる還流磁場の影響を低減し、磁気センサ1の出力のヒステリシスも低減することができるとともに、ダイナミックレンジも大きく維持できる。結果、磁気抵抗効果素子11に磁気シールド15を近接させ、被測定磁界の遮蔽効果を増大させて、磁気センサ1のヒステリシスを増大させること無く磁気センサ1のダイナミックレンジをさらに増大させることも期待できる。
なお、図1に示される磁気シールド15には、タンタル(Ta)などからなる酸化保護層PLが軟磁性層152の上(Z1−Z2方向Z1側)にさらに形成されている。
磁気シールド15の製造方法は任意である。限定されない一例として、スパッタリングなどのドライプロセス、無電解めっきなどのウェットプロセスによって下地層151を形成し、この下地層151の上に所定の形状にパターニングされたレジスト層を形成した後、露出する下地層151を導電層として軟磁性層152を電気めっきにより形成することが挙げられる。この場合において、下地層151を導電層として形成する際には特段のパターニングを行わず、電気めっきで軟磁性層152を形成した後、エッチングなどによって下地層151を適切に除去することにより、効率的に磁気シールド15を製造することができる。このような製造方法において、下地層151を軟磁性層152と平面視で(Z1−Z2方向からみて)同形状にエッチングするのではなく、突出部15Pを有するように除去加工すれば、本発明の一実施形態に係る磁気センサ1の磁気シールド15を特に効率的に形成することができる。
図3は、本発明の他の一実施形態に係る磁気センサの構造を概念的に示す平面図である。図4は図3のV2−V2断面図である。図3および図4に示される磁気センサ1Aは、図1に示される磁気センサ1と同様に磁気抵抗効果素子11および磁気シールド15を備え、さらに磁気抵抗効果素子11と磁気シールド15との間にスパイラル形状を有する磁気平衡用コイル(スパイラルコイル)16を備える。図3では、磁気平衡用コイル16の外形が太い破線にて示されている。この破線で示される領域のX−Y平面内を周回するようにコイル配線が配置される。図4では、磁気平衡用コイル16における周回する複数のコイル配線の断面がY1−Y2方向に並んで示されている。磁気平衡用コイル16は、磁気抵抗効果素子11と磁気シールド15との間に位置することにより、磁気シールド15により減衰した状態で印加される外部磁場をキャンセルするような誘導磁界を比較的小電流により生じさせることが可能となる。このため、磁気平衡式の磁気センサを省電力で動作させることが可能である。
以上の実施形態では、磁気センサ1,1Aが備える磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14がGMR素子からなる場合を具体例としているが、これに限定されない。限定されない一例において、磁気抵抗効果素子は、異方性磁気抵抗効果素子(AMR素子)、巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)およびトンネル磁気抵抗効果素子(TMR素子)からなる群から選ばれる1種以上の素子からなる。
なお、磁気センサ1が備える磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14を構成するそれぞれのGMR素子の固定層がセルフピン構造を有する場合には、固定層の磁化は磁場中成膜によって行うことができ、成膜後に磁場中の加熱処理が必要とされない。このため、同一基板上に固定層の磁化の向きが異なるGMR素子を配置でき、一基板上にフルブリッジ回路を構成することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサ1,1Aは、電流センサとして好適に使用されうる。
本発明の一実施形態に係る電流センサの具体例として、磁気比例式電流センサおよび磁気平衡式電流センサが挙げられる。
磁気比例式電流センサの具体例は、図1および図2に示される磁気センサ1を用いる場合であり、かかる電流センサでは、図2の上方(Z1−Z2方向Z1側)において、被測定電流Ioが流れる電流線40がX1−X2方向に延びるように位置する(図1参照)。被測定磁界となる被測定電流Ioの誘導磁界は、磁気抵抗効果素子11に対して感度軸方向P(Y1−Y2方向)に沿った方向に印加される。被測定磁界の一部はより透磁率の高い磁気シールド15を通るため、磁気抵抗効果素子11に実質的に印加される被測定磁界の強度を低減させることができる。それゆえ、磁気センサ1の測定範囲を拡げることが可能となる。しかも、磁気シールド15は突出部15Pを有するため、磁気シールド15の残留磁化M0に基づく還流磁界RM0が磁気抵抗効果素子11に与える影響が抑制される。
好ましい一例において、磁気比例式電流センサ1は、4つの磁気抵抗効果素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)を備え、被測定電流Ioの誘導磁界からなる被測定磁界に応じた電位差を生じる2つの出力を備える磁界検出ブリッジ回路を有する(図1参照)。このブリッジ回路を有する磁気比例式電流センサ1では、被測定磁界に応じて磁界検出ブリッジ回路から出力される電位差により、被測定電流Ioが測定される。
磁気平衡式電流センサの具体例は、図3および図4に示される磁気センサ1Aを用いる場合であり、かかる電流センサでは、図4の上方(Z1−Z2方向Z1側)において、被測定電流Ioが流れる電流線40がX1−X2方向に延びるように位置する。被測定磁界である被測定電流Ioの誘導磁界は、磁気抵抗効果素子11に対して感度軸方向P(Y1−Y2方向)に沿った方向に印加される。被測定磁界の一部はより透磁率の高い磁気シールド15を通るため、磁気抵抗効果素子11に実質的に印加される被測定磁界の強度を低減させることができる。それゆえ、磁気抵抗効果素子11に実質的に印加される被測定電流Ioによる磁界をキャンセルするような誘導磁界を発生させるべく磁気平衡用コイル16に流される電流量を少なくすることができ、電流センサの省電力化が実現される。しかも、磁気シールド15は突出部15Pを有するため、磁気シールド15の残留磁化M0に基づく還流磁界RM0が磁気抵抗効果素子11に与える影響が抑制される。
好ましい一例において、磁気平衡式電流センサは、4つの磁気抵抗効果素子(磁気抵抗効果素子11から磁気抵抗効果素子14)を備え、被測定電流Ioからの誘導磁界からなる被測定磁界およびこの被測定磁界をキャンセルするように印加された磁気平衡用コイル16からの誘導磁界に応じた電位差を生じる2つの出力を備える磁界検出ブリッジ回路を有する(図3参照)。このブリッジ回路を有する磁気平衡式電流センサでは、磁界検出ブリッジ回路から出力される電位差がゼロとなったときに磁気平衡用コイル16に流れる電流に基づいて、被測定電流Ioが測定される。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、突出部15Pは下地層151のみにより構成されていなくてもよい。磁気抵抗効果素子11に近位になる(Z1−Z2方向Z2側)ほど、軟磁性層152の第1の方向(Y1−Y2方向)の長さが長くなるようなテーパ構造を有していてもよい。
以下、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例等に限定されるものではない。
(実施例1)
図2に示される断面構造と同様の構造を有する磁気平衡式の磁気センサを作製した。磁気抵抗効果素子はGMR素子であった。磁気シールドは、平面形状が800μm×200μmであってNiFeからなり厚さ100nmの下地層をスパッタリングにより形成し、その上に800μm×140μmであってNiFeからなり厚さ16.5μmの軟磁性層を電気めっきにより積層し、さらにTaからなり厚さ10nmの酸化保護層をスパッタリングにより形成した。その結果、平面視で(Z1−Z2方向からみて)本体部のY1−Y2方向の両側から30μmの突出部が位置する形状を有する磁気シールドが得られた。磁気センサを製造する過程で磁気シールとコイルとの間の距離(Y1−Y2方向の距離)を変更することにより、磁気シールドとGMR素子との間の距離(Y1−Y2方向の距離)D1が約8μmから約11.5μmの範囲にある異なる磁気センサを複数作製した。
(比較例1)
実施例1と同様の構造であるが、磁気シールドが突出部を有しない形状である磁気センサを作製した。
(測定例1)ゼロ磁場ヒステリシスの測定
実施例により作製した磁気センサおよび比較例により作製した磁気センサのそれぞれについて、印加する外部磁場の最大強度(最大印加磁場)を±18mTとして外部磁場を変化させながらヒステリシスループを測定した。このヒステリシスループから、ゼロ磁場ヒステリシスZH(単位:%/FS)を測定した。ゼロ磁場ヒステリシスZHは、フルブリッジ出力曲線における出力の最大値(正の最大磁場を印加したときの値−負の最大磁場を印加したときの値)に対するゼロ磁場における出力の大きさ(正の最大磁場の印加から印加磁場ゼロまで変化させたときの値−負の最大磁場の印加から印加磁場ゼロまで変化させたときの値)の割合(単位:%)である。測定結果を図5に示す。
図5に示されるように、比較例に係る磁気センサでは、ゼロ磁場ヒステリシスZHは、+0.05%から−0.2%の範囲となった。距離D1が小さいとき、すなわち、8μmに近いほど、ゼロ磁場ヒステリシスZHは負の値となる傾向がみられた。これは、外部磁場の印加強度がゼロの場合であっても磁気シールドの残留磁化に基づく還流磁界が残留磁化の向きとは反平行にGMR素子に印加され、この還流磁界の強度は、GMR素子が磁気シールドに近いほど高くなるためである。
これに対し、実施例に係る磁気センサでは、ゼロ磁場ヒステリシスZHは+0.05%から−0.05%の範囲となり、ゼロ磁場ヒステリシスZHはマイナス側で絶対値が小さくなる傾向がみられた。これは、磁気シールドが突出部を有する形状となったことで、還流磁界の影響が相対的に低減されたことに起因している。
本発明の一実施形態に係る磁気抵抗効果素子を備えた磁気センサは、柱状トランスなどのインフラ設備の電流センサの構成要素や、電気自動車、ハイブリッドカーなどの電流センサの構成要素として好適に使用されうる。
1,1A 磁気センサ
11,12,13,14 磁気抵抗効果素子
5,6,7,8 配線
5a 入力端子
6a グランド端子
7a 第1の中点電位測定用端子
8a 第2の中点電位測定用端子
40 電流線
Io 被測定電流
IM 絶縁層
15 磁気シールド
150 本体部
15P 突出部
15PE 突出部の先端
151 下地層
152 軟磁性層
16 磁気平衡用コイル(スパイラルコイル)
PL 酸化保護層
29 基板
M0 残留磁化
RM0 還流磁界

Claims (6)

  1. 第1の方向に感度軸を持つ磁気抵抗効果素子と、前記磁気抵抗効果素子の上方に離間配置され、前記磁気抵抗効果素子に印加される被測定磁界の強度を減衰させる磁気シールドと、を備えた磁気センサであって、
    前記磁気シールドは、本体部と、前記本体部から前記第1の方向に突出する突出部とを有し、前記本体部は平面視で前記第1の方向に直交する第2の方向を長手とする形状を有し、前記突出部は前記本体部よりも厚さが薄い部分を有すること
    を特徴とする磁気センサ。
  2. 前記突出部は、前記磁気シールドの下端に位置する、請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 平面視で、前記磁気抵抗効果素子の全体が前記磁気シールドの前記本体部に重なる、請求項1または請求項2に記載の磁気センサ。
  4. 磁気平衡用コイルをさらに備え、前記磁気平衡用コイルに流れる電流に基づき前記被測定磁界の強度を測定する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  5. 前記磁気平衡用コイルはスパイラルコイルであって、前記磁気抵抗効果素子と前記磁気シールドとの間に位置する、請求項4に記載の磁気センサ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載される磁気センサを備え、前記磁気センサは被測定電流の誘導磁界を前記被測定磁界とする電流センサ。
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