(パチンコ機の説明)
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。
図1はパチンコ機の正面図、図2はパチンコ機の右側面図、図3はパチンコ機を前から見た斜視図、図4はパチンコ機を後ろから見た斜視図、図5は前枠からガラス枠を開放させると共に、外枠から前枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図、図6はパチンコ機をガラス枠、遊技盤、前枠、及び、外枠に分解して前方から見た分解斜視図、図7はそれらを後方から見た分解斜視図である。
パチンコ機1は、遊技ホールの島設備に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖するガラス枠3と、ガラス枠3を開閉可能に支持し、外枠2に開閉可能に取付けられている前枠4と、前枠4に前から着脱可能に取付けられ、ガラス枠3を通して視認され、遊技球が打込まれる遊技領域5aを有する遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、上下で左右に延びるフレーム2a,2bと、左右で上下に延びるフレーム2c、2dとを組み合わせた方形状からなり、そして、正面から左側縁上下のヒンジ部材2e,2fを備え、ヒンジ部材によって、前枠4及びガラス枠3とを、横開き開閉及び着脱自在に支持している。
前枠4の前面側には、ガラス枠3が正面向かって左側縁部のヒンジ機構3a,3bによって横開き開閉及び着脱可能に取り付けられている。ガラス枠3は、施錠装置3cを用いて、その前面を覆っているガラス板によって閉鎖状態に保持されている。ガラス枠3の背後に位置する前枠4の上半分には、遊技盤5が前枠4の正面側から着脱可能に装着されており、上述のように閉鎖保持されているガラス枠3の複層ガラスを通して遊技盤5の正面の遊技領域5aが視認可能になっている。
ガラス枠3は、四角形で前後に貫通している貫通口3dを有するベースユニット3eと、その前面下方において遊技球を貯留する皿ユニット3fと、皿ユニット200に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドル4aを収容する領域3gとを備えている。そして、ガラス枠3の前面側には、遊技の進行状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)3h、及び、遊技の進行状況に応じて音を出力するスピーカ3iが設けられている。皿ユニット3fの正面中央には、遊技者によって押圧操作される演出ボタン3jが設けられている。
前枠4は、外枠2の枠内に挿入可能とされ、遊技盤5の外周を支持する枠体4bと、枠体4bの正面視左側の上下に外枠2のヒンジと、扉枠3のヒンジとが回転可能に取付けられるヒンジ4c,4dと、枠体4bの前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置4eと、枠体4bの正面視右側面に取付けられており、外枠2と前枠4、及び、ガラス枠3との間を施錠する施錠ユニット4fと、枠体4bの後面下部に取付けられている基板ユニット4gと、枠体4bの後側で、枠体4bに取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー4hと、を備えている。基板ユニット4gは、スピーカユニットと、電源基板と、インターフェイス制御基板と、遊技球の払出しを制御する払出制御基板とを収容する。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技者が遊技球の発射装置4aを回転操作すると、その角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、入賞口(入球口)に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができる。
(遊技盤の説明)
次に、遊技盤5を図8乃至図14を参照して説明する。図8は遊技盤の正面図、図9は遊技盤を右前から見た斜視図、図10は遊技盤の背面図、図11は遊技盤の背面を左後ろから見た斜視図、図12は遊技盤の背面を右後ろから見た斜視図、図13は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図、図14は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
遊技盤5は、遊技球が打込まれる遊技領域5aを有する。遊技盤5は、表ユニット100m、裏ユニット200m、液晶ベース300m、液晶表示装置70を組み合わせて構成される。表ユニット100mは、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前部材100aと、前部材100aの後側に取付けられ、遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル100bと、を備え、遊技パネル100bの前面において遊技領域5a内となるところに、複数の障害釘が所定の配列で植設されている。
前部材100aは、右下隅に主制御ユニット100(遊技全般の制御を行う主制御基板)からの制御信号に基づいて遊技状況を遊技者に視認可能にする機能表示ユニット100cを備える。液晶表示装置70は、遊技領域5aの中央に配置され所定の演出画像を表示する。液晶表示装置70の背面に、周辺制御ユニット(演出全般の制御を行う演出制御基板)200が取り付けられている。液晶ベース300mは、裏ユニット200m側が開放され、裏ユニット200mを収容するとともに、液晶ベース300mの背面に液晶表示装置70が取付けられる。
遊技パネル100bは外周の形態が前部材100aとほぼ同じで、透明な平板状のパネル板からなり、前部材100aの後側に取付けられ、さらに後面に裏ユニット200mが取付けられるホルダとを備える。前部材100aは、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能に常時開口して複数の一般入賞口66と、一般入賞口とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第1始動口61と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート63と、遊技球がゲートを通過することにより抽選される普通図柄抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第2始動口62(後述のアタッカユニット500に一体形成)と、第1始動口61への遊技球の受入れにより抽選される第1特別抽選結果又は第2始動口への遊技球の受入れにより抽選される第2特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが何れかにおいて可能となる大入賞口64(後述のアタッカユニット500に一体形成)を備える。なお、第2始動口62と大入賞口64とはアタッカユニット500内にあるため、ここでは図示されていない。ゲート63も後述のアタッカユニット500に一体形成されている。
第2始動口には、可動片で構成される普通電動役物と、この普通電動役物を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイドとが設けられている。普通電動役物は、この普通電動役物ソレノイドの通電状態に応じて、第2始動口へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と、当該閉鎖状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とが交互に可変可能である。第2始動口は、普通電動役物が開放状態とされなければ遊技球が入球し難い一方、普通電動役物が開放状態とされると遊技球が入球し易い構成となる。前部材100aは、左右方向中央の第1始動口61の直下に第1のアウト口66を備える。アタッカユニット500は、表部材100aの右下にある。
裏ユニット200mは、後方の液晶表示画面を視認するための開口200aを有する。さらに、裏ユニット200mは、開口200aの下方の前面の領域に、開口200aの上方に向かって出没する可動演出装置600(詳細後述)を支持し、開口200aの左右側領域に、装飾部材701、702(詳細後述)を支持し、開口200aの上方側領域に、光演出装置800(詳細後述)を支持している。なお、裏ユニット200mは、一般入賞口66、第1始動口61等に受入れられた遊技球を検知するセンサと、液晶ベース300mを着脱可能に取付けるためのロック機構、遊技球を排出するための通路を備える。
前部材100aは、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前部材100aは、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール100f、外レール100fに略沿って前部材100aの内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール100dと、内レール100dの下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成され後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導路100eと、を備えている。
遊技パネル100bは、前部材100aの開口と同一形状の開口の周りに、前部材100a側に突出するセンター飾り22を備える。遊技パネル100bを前部材100aに固定すると、センター飾り22が前部材100aの開口の形状に合致するように開口に嵌入して、表ユニット100mの開口100hの回りを飾る。遊技者は、開口100hを介して、演出画面や、演出装置の挙動を認識することができる。センター飾り22の上部には、光演出装置800と協動した光演出を実現するための協動光演出装置802(800と802とを合わせて「光演出ユニット」という。)が付設されている。センター飾り22は装飾体の一種であり、遊技盤5の中心で演出表示装置70の画面等を補助する装飾機能を発揮する。センター飾り22には、遊技の進行状況に応じた演出動作を実行する可動役物(可動演出装置)が設けられてよい。可動役物は、ステッピングモータやソレノイドなどの駆動源によって作動する。センター飾り22には、遊技の進行状況に応じて発光するランプが設けられてもよい。
主制御ユニット100(図7参照)は、液晶表示装置70の背面で、周辺制御ユニット200の下方に取付けられる。主制御ユニット100は、遊技内容及び遊技球の払出し等を制御する主制御基板と、主制御基板を収容する主制御基板ボックスを備える。主制御ユニット100は、遊技内容及び遊技球の賞球等を制御する。
機能表示ユニット100cは、遊技状態を表示する一つのLEDからなる状態表示器と、ゲート63に対する遊技球の通過により抽選される普通図柄抽選結果に基づいて二つのLEDを点滅制御することにより普通図柄を変動表示した後にこれら二つのLEDを普通図柄抽選結果に応じた点灯態様で表示させる普通図柄表示器と、ゲート63に対する遊技球の通過に係る普通図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、第1始動口61への遊技球の受入れ(始動入賞の発生)により抽選された第1特別抽選結果に基づいて八つのLEDを点滅制御することにより第1特別図柄を変動表示した後にこれら八つのLEDを第1特別抽選結果に応じた点灯態様で表示させる第1特別図柄表示器と、第1始動口61への遊技球の受入れに係る第1特別図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる第1特別保留数表示器と、第2始動口への遊技球の受入れ(始動入賞の発生)により抽選された第2特別抽選結果に基づいて八つのLEDを点滅制御することにより第2特別図柄を変動表示した後にこれら八つのLEDを第2特別抽選結果に応じた点灯態様で表示させる第2特別図柄表示器と、第2始動口への遊技球の受入れに係る第2特別図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる第2特別保留数表示器と、第1特別抽選結果又は第2特別抽選結果が「大当り」等の時に、大入賞口の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する四つのLEDからなるラウンド表示器とを備える。機能表示ユニット100cはLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
周辺制御ユニット200は、液晶表示装置70の後面に取付けられ、主制御基板からの制御信号に基いて遊技者に提示する演出(発光演出、サウンド演出、及び可動演出等)を制御する演出制御基板、並びに、遊技展開に応じた画像表示及び音出力の制御を行う画像制御基板を備える。液晶表示装置70は、遊技領域5aの中央に位置し、裏ユニット200mを収容する液晶ベース300mの略中央の後面に着脱可能に取付けられている。液晶表示装置70は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター飾り22の枠内を通して、前面から視認できる。液晶表示装置70は、白色LEDをバックライトとしたフルカラーの表示装置であり、静止画像や動画を表示する。なお、本実施形態では、演出制御基板と画像制御基板を2枚の基板に分けて構成したものを記載しているが、それぞれの基板のCPUの機能構成について上記したものに限らず、適宜変更可能(例えば演出制御基板のCPUで音制御を行うなど)としたり、1枚の基板上のCPUで演出全てを制御するものであってもよい。
液晶表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止する装飾図柄や予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示部と、第1特図保留ランプと同期して第1特別図柄の保留表示が実行される第1特図保留表示部と、第2特図保留ランプと同期して第2特別図柄の保留表示が実行される第2特図保留表示部と、が設けられている。
液晶表示画面の装飾図柄表示部には、所定の有効ライン上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左表示領域、中表示領域、右表示領域)が設けられており、左表示領域に対応して装飾図柄の左図柄、中表示領域に対応して装飾図柄の中図柄、右表示領域に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示される。特図保留表示部には、通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生じると白丸印の保留画像が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の種類や発生順(入球順)など、あらかじめ定められた順番に表示されており、各特図保留表示部に最大で4個ずつ表示が可能である。
<遊技機の制御構成>
図15は、本実施の形態に係る遊技機の制御構成の一例を示す制御ブロック図である。
<主制御基板>
図15に示すように主制御基板100は、主制御CPU101、主制御ROM102、主制御RAM103及びI/Oポート回路104等を備える。主制御CPU101は、主制御プログラムの動作を制御して遊技に関する各種の演算処理を実行する。主制御ROM102は、この主制御プログラム及び各種データなどが不揮発的に記憶されている。主制御RAM103は、一時的な記憶領域(テンポラリ領域)として利用されるワークエリア及びバッファメモリとして機能する。I/Oポート回路104は、主制御CPU101の制御によって演出制御基板200や払出制御基板400などの周辺の基板や各デバイスとの間の信号を入出力する。
主制御CPU101は、主制御ROM102から主制御プログラムを読み出して主制御RAM102上で各命令を実行することにより、主制御プログラムの各命令に従った遊技動作を制御する。
その他にも、主制御基板100には、図示省略するが、クロック回路、WDT回路、CTC回路及び乱数生成回路等を備える。
クロック回路は、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成する。WDT回路は、主制御CPU101が誤動作または暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させる。CTC回路は、リアルタイム割込みを発生したり時間を計測する。乱数生成回路は、主制御CPU101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する。これらは、内部バス(図示せず)を介して互いに電気的に接続されている。
主制御CPU101は、各スイッチ161などからの検出情報などに基づき、主制御ROM102に格納された主制御プログラムを読み出して演算処理を実行することで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。
さらに主制御CPU101は、遊技の主制御に伴う演出動作を実行させるための演出制御コマンドを演出制御基板200に出力するための演出コマンド出力ポートの他にも、遊技球の払出動作を実行させるための払出コマンドを出力するための払出コマンド出力ポートを備え、さらには、それら送信コマンドを各々対象基板に受け取らせるタイミングを図るためのストローブ信号を出力する際に用いられるストローブ信号出力ポートを備えている。なお、主制御CPU101は、その他にも様々な出力ポートを備えており、ストローブ信号出力ポート101Bも実際には、他の出力データと合わせた複数のデータを出力するポートとして存在している。
主制御RAM103は、電源基板において生成されるバックアップ電源によって少なくとも一部の領域がバックアップされる揮発性記憶手段である。主制御RAM103のバックアップ領域は、電源の遮断(以下「電源断」と称する)が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタ及び各レジスタなどのデータの記憶を保持しておくべきエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰される。
主制御基板100は、第1始動口61に設けられた第1始動口スイッチ161、第2始動口62に設けられた第2始動口スイッチ162、作動ゲート63に設けられた作動ゲートスイッチ163、大入賞口64に設けられた大入賞口スイッチ164、及び、一般入賞口66に設けられた一般入賞口スイッチ166などの各種スイッチと電気的に接続されている。主制御基板100では、これら各種スイッチからの検出信号がI/Oポート回路104を介して主制御CPU101に入力される。
さらに主制御基板100は、第1特別図柄表示装置171、第2特別図柄表示装置172、第1特図保留ランプ173、第2特図保留ランプ174、普通図柄表示装置175、及び普図保留ランプ176などの各種表示手段に電気的に接続されている。この主制御基板100は、普通電動役物622を作動させる普通電動役物ソレノイド123、及び、特別電動役物642を作動させる特別電動役物ソレノイド124などの各種ソレノイドに電気的に接続されており、主制御CPU101からの制御信号をI/Oポート回路104を介してこれら各種表示手段及び各種ソレノイドに送信する。
主制御基板100と演出制御基板200との間は、例えば、8本のパラレル信号線及び1本のストローブ信号線で接続されており、主制御基板100から演出制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能とされている。すなわち、主制御基板100から演出制御基板200へ各種の演出制御コマンドを送信することが許容されている一方、演出制御基板200から主制御基板100へコマンドやデータを送信することは許容されていない。
I/Oポート回路104は、主制御基板100において主制御CPU101と演出制御基板接続コネクタ109との間に設けられている。主制御CPU101と演出制御基板接続コネクタ109との間は、8本のデータ線で構成されるデータバス111の他にも、ストローブ信号線で構成されるストローブ信号バス112によって接続されている。I/Oポート回路104より送信されるコマンドデータは、後述するように主制御CPU101の制御によって、演出制御基板接続コネクタ109を介して演出制御基板200によって受け取られる。
<演出制御基板>
一方、図15に示すように演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を実行する演出制御CPU201と、演出制御プログラムや各種データなどを記憶した演出制御ROM202と、一時的な作業領域(テンポラリ領域)としてのワークエリア及びバッファメモリとして機能する演出制御RAM203と、主制御基板100や画像制御基板300などの周辺の基板及び各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路204とを備える。
演出制御CPU201は、演出制御ROM202に記憶された演出制御プログラムを読み出して演出制御RAM203上で実行することにより、この演出制御プログラムに従って遊技の進行に伴う演出動作を制御する。その他、演出制御基板200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、演出制御CPU201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、レジスタ設定及びCTC回路からの信号などに基づきタイマ割込みなどの各種割込みを発生させる割込みコントローラ、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路、及び、計時機能を備えるリアルタイムクロック回路(以下「RTC回路」と称する)などが搭載されており、これらが内部バスを介して互いに接続されている。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに応じた演出制御処理において、画像制御基板300へ画像及び音の出力を指示する画像制御コマンドを生成したり、その他にも、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、及び、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成する。演出制御基板200は、画像制御基板300との間で双方向通信が可能に接続されている。画像及び音に関する画像制御コマンドは、演出制御基板200から画像制御基板300に対して送信される一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(いわゆるACKコマンド)が画像制御基板300から演出制御基板200に対して送信される。
演出制御基板200は、複数のLEDドライバを搭載したランプ接続基板91と電気的に接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本実施の形態では、演出制御基板200及びランプ接続基板91では、クロック同期式のシリアル通信が採用されており、ランプデータ伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。
ランプ接続基板91は、演出制御基板200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバを内蔵している。ランプ接続基板91は、ランプ制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプ10,25に対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプ10,25を点灯させたり消灯させる制御を行う。
さらに演出制御基板200は、複数のモータドライバ92と電気的に接続されており、I/Oポート回路204を介して、役物駆動用の駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92に対して出力する。モータドライバ92は、演出制御基板200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づいて回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、各可動役物のステッピングモータに対して駆動電流を供給したり遮断し、各可動役物を動作させる。なお、モータドライバ92へのデータ送信はパラレル通信方式が採用されている。なお、本実施の形態に限らず、役物の駆動源として、ステッピングモータ以外の駆動源を有するものであれば、モータドライバ92の代わりに、駆動源に対応したドライバICに対して、制御信号や制御データが送信される。
画像制御基板300は、画像制御CPU301、ROM304、RAM305及びI/Oポート回路306を備える。画像制御CPU301は、演出制御基板200からの画像制御コマンドに基づいて画像演出に関する各種の演算処理を実行する。ROM304は、画像制御プログラムや各種データなどが記憶されている。RAM305は、一時的に記憶領域(テンポラリ領域)としてのワークエリアやバッファメモリとして機能する。I/Oポート回路306は、周辺の基板や各デバイスとの間の信号を入出力する。
画像制御CPU301は、ROM304から画像制御プログラムを読み出してRAM305にロードして実行することにより、この画像制御プログラムに従って演出に係る画像表示動作を制御する。なお、このROM304は、演出制御ROM基板700上のROMに相当する。
さらに、画像制御基板300には、画像制御CPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDP302と、画像制御CPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音データを生成する音源IC303とを搭載している。VDP302は、いわゆるグラフィックプロセッサであり、画像制御CPU301からの指示に応じて画像ROM(図示せず)に記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号を演出表示装置70に対して出力する。このVDP302には、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAM(図示せず)が接続されている。音源IC303は、画像制御CPU301からの指示に応じて音声ROM(図示せず)に記憶された音データを読み込み、これを合成処理して生成した音データを増幅器を介してスピーカ11に対して出力する。
<払出制御基板>
払出制御基板400は、払出制御CPU401、払出制御ROM402及び払出制御RAM403を備える。払出制御基板400は、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット34を駆動させて遊技球の払出動作(賞球動作)を制御する一方、発射ハンドル12の操作量に応じて球送り機構13と発射機構14とを同期して駆動させて遊技球の発射動作を制御する。
<電源基板>
図15においては省略されているが、電源基板は、通常電源回路、バックアップ電源回路及び電源断監視回路を備える。通常電源回路は、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成する。バックアップ電源回路はバックアップ電源を生成する。電源断監視回路は、電圧低下による電源断を監視する機能を有する。
電源基板は、各制御基板や遊技用機器などの電子・電気部品に必要な電源電圧を生成して供給する。電源基板には、電源回路を起動させるための電源スイッチが接続されており、遊技島の電源装置から一次電源が供給されている状態で電源スイッチがオンになると、電源基板の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。
電源基板は、遊技島の電源装置からの電源供給が遮断されたこと(以下「電源断」とも称する)を検出する機能を有し、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を、主制御基板100、演出制御基板200及び払出制御基板400に対して送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技島の電源装置から遊技機に電源が供給されている間に充電される構成となっている。電源基板には、RAMクリアスイッチ(図示せず)が接続されている。このRAMクリアスイッチは、遊技機の電源投入時に主制御基板100の主制御RAM103の一時的に記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのスイッチである。なお、RAMクリアスイッチは、電源基板の代わりに、例えば、主制御基板100などその他の基板に接続されていてもよい。
<遊技機の基本的な動作例>
以上のように構成された遊技機は、上球皿8に遊技球が貯留されている状態で遊技が開始される。まず、発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に設けられている球送り機構13によって1球ずつ発射機構14に送り出され、発射ハンドル12の操作量に応じた発射強度にて発射機構14により遊技領域20Aに発射される。
遊技領域20Aを転動流下する遊技球が一般入賞口66、第1始動口61、第2始動口62及び大入賞口64のいずれかに入球すると、この検出信号が主制御基板100に入力される。主制御基板100では、主制御CPU101がその入賞口の種別に応じた賞球動作を指示する払出制御コマンドを払出制御基板400に送信することにより、これを受けた払出制御基板400の制御によって貯留タンク31の遊技球が賞球払出ユニット34により上球皿8又は下球皿9に払い出される。
一方、遊技球が第1始動口61又は第2始動口62に入球すると、この検出信号が主制御基板100に入力される。主制御基板100では、主制御CPU101が、第1始動口61又は第2始動口62に対する入球を検出した際に特別図柄の抽選乱数値を取得し、当該乱数値を、所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時的に記憶する。主制御CPU101は、所定の変動開始条件が成立すると、その後、最先の保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定及び図柄判定を実行するとともに、変動パターンを選択する変動パターン判定を実行し、この判定結果に応じた態様で第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172を用いて特別図柄を変動表示させる。これに併せて、主制御CPU101は、演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信することにより画像制御基板300に演出表示装置70に装飾図柄の変動表示及び変動演出の表示を実行させる。特別図柄及び装飾図柄の変動表示は、選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。ここで、第1始動口61や第2始動口62に対して入球があり各種の抽選乱数値を取得することや、さらには、取得された乱数値が保留され、変動開始条件を満たした際に、特別図柄表示装置により特別図柄遊技を行うことについて、結果的に特別図柄遊技の実行がなされることになる処理のことを「始動条件(が成立する)」と称する。
第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172において第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、特別電動役物642の作動に応じて大入賞口64の開閉動作が開始される。一方、演出表示装置70における大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施の形態では、特別遊技として、ラウンド遊技が10回(10ラウンド)に設定された10R特別遊技と、ラウンド遊技が5回(5ラウンド)に設定された5R特別遊技と、ラウンド遊技が2回(2ラウンド)に設定された2R特別遊技とが用意されている。
本実施の形態では、10R特別遊技、5R特別遊技及び2R特別遊技のいずれに移行されたとしても、特別遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数(「ST回数」とも称する)に達するまでの期間(「ST期間とも称する」)に亘って、特別図柄の確率変動機能(「確変」とも称する)が作動する。すなわち、本実施の形態では、特別図柄の確率変動機能が、次の大当りの発生まで継続するのではなく、上記ST回数に達するまでに限定されている。このように特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、特別図柄抽選の大当り確率が低確率状態から高確率状態へ移行するため、比較的早期に新たな大当りに至る確率が高くなる。
一方、特別遊技が終了した後、主制御CPU101は、特別図柄の確率変動機能と付随して又は別途、特別図柄の変動時間短縮機能(以下「時短」ともいう)を作動させる場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、特別図柄(及び装飾図柄)の平均的な変動時間が通常よりも短縮される傾向となり、単位時間あたりの特別図柄抽選回数が向上し、前回の大当り終了より短期間で次の大当りを獲得し易くなる。
さらに主制御CPU101は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、併せて、いわゆる電チューサポート機能(普通電動役物サポート機能)を作動させる。電チューサポート機能では、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物622の開放延長機能のいずれかの機能または組み合わせの機能が作動する。普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が短縮される状態となり、普通電動役物622の開放態様が通常遊技状態時(電チューサポート機能の非作動時)のものと変更される(例えば普通電動役物622の開放時間が通常よりも延長される)ことによって第2始動口62へ遊技球が入球し易くなる状態(「入球容易状態」とも称する)となる。普通電動役物622の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物622の開放時間が通常状態よりも延長された状態となる。この入球容易状態においては、普通図柄の変動時間短縮機能の作動により一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、普通電動役物622の開放時間の開放時間延長機能の作動により第2始動口62への入球容易性も向上するため、第2始動口62への入球数が増加する可能性が高くなる。従って、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加し、その結果、遊技者は、持ち球を通常遊技状態時に比して減らし難い状態で遊技を継続することが可能となる。
<遊技機の主要な機能構成例>
本実施の形態に係る遊技機の遊技動作の概要は以上のようであり、次に、本実施の形態に係る遊技機の主要な機能について詳細に説明する。図16は、本実施の形態に係る遊技機に搭載された主制御基板100の機能の一例を示すブロック図である。
主制御基板100は、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段169、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられた主制御CPU101、主制御ROM102、主制御RAM103、電子回路などのハードウェア及び主制御ROM102などに格納された主制御プログラムなどのソフトウェアにより構成されるが、ここでは機能的なブロックとして表現している。
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ161、第2始動口スイッチ162、作動ゲートスイッチ163、大入賞口スイッチ164、一般入賞口スイッチ166、及びアウト球検出スイッチ167などからの各検出信号に基づき、各入賞口等への遊技球の入球を判定する。
遊技抽選乱数発生手段120は、前述した乱数生成回路において生成された内蔵乱数を取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。遊技抽選乱数発生手段120は、主制御CPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段として機能する。
このソフトウェア乱数としては、前述の内蔵乱数に加算されて特別図柄当り乱数を構成する特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の初期値及び終了値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ、はずれ図柄の組み合わせなど)の決定に使用する特別図柄当り図柄乱数、特別図柄当り図柄乱数の初期値及び終了値を決定するための特別図柄当り図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の初期値及び終了値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。なお、上述した当り図柄とは、当選した図柄を意味する。
これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新し、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131及び普通図柄保留制御手段132を含む。特別図柄保留制御手段131は、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(例えば4個)まで、当該保留球の入球順序と結合するようにメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時的に記憶する。
第1特別図柄保留格納領域及び第2特別図柄保留格納領域には、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、特別図柄変動パターン乱数を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順にいわゆる先入れ先出しの原則に従って消化される。保留1記憶領域の保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタ、を有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時的に記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれる。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施の形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
普通図柄保留制御手段132は、遊技領域20Aを転動流下する遊技球が作動ゲート63を通過したことを契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(例えば4個)まで、当該保留球の入球順序と結合するようにメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時的に記憶する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を満足するときである。なお、主制御基板100では、どのタイミングで作動保留球を取得した場合であっても事前判定を実行して情報を演出制御基板200へ送信し、先読み予告の実行可否に関してすべて演出制御基板200で決定することも可能である。
具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域から読み出して、当否抽選の事前判定(当否事前判定)、図柄抽選の事前判定(図柄事前判定)、変動パターン抽選の事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルは、図示省略するが、後述の抽選テーブル(特別図柄当否抽選テーブル、特別図柄当り図柄テーブル、変動パターンテーブル)と同様の区切り方で、乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画されており、この領域(判定値数)ごとに、抽選IDが割り当てられている。なお、事前判定手段135による事前判定は、実際に変動が開始される際に抽選に使用される乱数値に対応するものであれば、第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に記憶されたデータではなく、RAMやCPUのレジスタに一時的に保持しているデータを事前判定するものであってもよい。
この抽選IDとしては、事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する)が設定されている。事前判定手段135は、事前判定結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、本実施形態のように、事前判定結果をどの乱数値範囲に属するかの情報(抽選ID)として送信する場合に限らず、実際に変動を開始する際に使用する当否抽選テーブル等を使って事前に抽選した結果を送信するものであってもよい。
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段142及び特別図柄変動パターン判定手段143を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立すると、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出し、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄判定領域及び特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、例えば本実施形態のように第2特別図柄の優先制御を採用する場合には、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄及び第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足することをいう。それら全ての条件を満足すると、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が大当り、小当り及びはずれのいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時的に記憶され(例えば、大当りデータ(例えば「55H」)、小当りデータ(例えば「33H」)、及びはずれデータ(例えば「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に、特別図柄当否抽選テーブルを参照する。なお、上記各データの後に示す「H」は、「Hexadecimal(16進数)」の頭文字であり、データが16進数であらわされていることを意味している。例えば、「55H」であれば、1バイトデータとして「01010101B(「B」は2進数)」であることを示している。特に10進数表記する場合は、記号を付加しないか、あるいは「D」を付して説明するものとする。
図18(A)は、いわゆる低確率状態としての通常状態において参照される特別図柄当否抽選テーブルの一例を示す図であり、図18(B)は、いわゆる高確率状態としての確変状態において参照される特別図柄当否抽選テーブルの一例を示す図である。
この特別図柄当否抽選テーブルでは、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り及びはずれの判定結果とが対応付けられている。このように対応付けられた乱数範囲に応じて大当り及び小当りの当選確率が定まる。これら図18(A)及び図18(B)からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が「0〜163」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大されており、乱数値が「0〜219」の範囲に該当する場合だけでなく、「220〜2185」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(約1/300)から高確率状態(約1/30)に変動する。
このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本実施の形態では、第1特別図柄の当否抽選のみ小当りが存在するように構成しているが、例えば、第2特別図柄の当否抽選にも小当りを用意して、第2特別図柄の当否抽選の方が第1特別図柄の当否抽選よりも高い確率で小当りとなるように構成したり、第2特別図柄の当否抽選のみに小当りを用意するものであってもよい。
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄、及び当該停止図柄の属する図柄群を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、当否抽選の結果が大当りである場合に、第1特別図柄及び第2特別図柄の停止図柄及び図柄群を決定する際に参照される第1特別図柄当り図柄テーブル及び第2特別図柄当り図柄テーブルを有する。
第1特別図柄当り図柄テーブルには、図19(A)に示すように、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口64の作動パターン)がそれぞれ対応付けられている。なお、括弧内の数値「100」は、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能の作動回数、すなわち、ST回数を意味する。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「1」〜「8」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群A,Bに分類されている。なお、本実施形態においては、当否抽選がはずれ、小当りである場合の当り図柄テーブルを示していないが、はずれや小当りが全て単一動作である場合には、当り図柄テーブルを使用することなく、一義的にはずれ図柄、小当り図柄を決定するものとし、はずれや小当りに種類を持たせて、変動パターンを変更させたり、特別電動役物の制御態様を変更させたりしたい場合には、はずれ、小当りの場合にも当り図柄テーブルを使用して図柄を決定するものであってもよい。
具体的には、図柄「1」,「2」,「3」,「4」には、図柄群A(10R特定時短有図柄)が、図柄「5」,「6」には、図柄群B(5R特定時短有図柄)が、図柄「7」,「8」には、図柄群C(2R特定時短有図柄)がそれぞれ対応付けられている。なお、本実施の形態において、「特定図柄」とは、特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることとなる図柄である一方、「通常図柄」とは、特別遊技の終了後に確率変動機能を作動させることのない図柄である(後述する第2特別図柄についても同様である)。
図柄群A,Bは、特別遊技の終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、或いは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間において限定して、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能並びに電チューサポート機能が付与される。図柄群Aについては、特別遊技の規定ラウンド数は10ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。一方、図柄群Bについては、特別遊技の規定ラウンド数は5ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
図柄群Cは、上記の「確変当り」と比較して大入賞口64の開放回数及び開放時間が異なるものの、特別遊技終了後の遊技状態を特別図柄の確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「突然確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、或いは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は、約1.8秒である。
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記特別図柄当り乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「9」が一義的に割り当てられる。この図柄「9」には、図柄群F(特電作動図柄1)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)及び変動パターン選択状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態が維持される。当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「0」が一義的に割り当てられる。
一方、前述した第2特別図柄当り図柄テーブルには、図19(B)に示すように、特別図柄当り図柄乱数値に対して、停止図柄、図柄群、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能の作動回数、特別電動役物642の作動パターンがそれぞれ対応付けられている。この第2特別図柄当り図柄テーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「11」〜「18」が、大当りの種別に応じて、2種類の図柄群D,Eに分類されている。具体的には、図柄「11」,「12」,「13」,「14」には、図柄群D(10R特定時短有図柄)が、図柄「15」,「16」,「17」,「18」には、図柄群E(5R特定時短有図柄)がそれぞれ対応付けられている。
図柄群D,Eは、特別遊技の終了後の遊技状態を確変状態(高確率状態)に移行させる、いわゆる「確変当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、或いは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能、変動時間短縮機能及び電チューサポート機能が付与されうる。図柄群Dについては、特別遊技の規定ラウンド数は10ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。図柄群Eについては、特別遊技の規定ラウンド数は5ラウンドであり、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は、約30秒である。
一方、当否抽選の結果が小当りである場合には、上記特別図柄当り乱数による図柄判定を省略して、停止図柄として図柄「19」が一義的に割り当てられる。この図柄「19」には、図柄群G(特電作動図柄2)が対応付けられている。なお、小当りの場合には、遊技状態(確率変動機能、変動時間短縮機能、電チューサポート機能)及び変動パターン選択状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当選結果がはずれである場合と同様に確率変動機能等の遊技状態の終了条件を満たしていないかを判定し、終了条件を満たしていない場合において、小当りと判定された際の遊技状態が維持される。当否抽選の結果がはずれの場合には、停止図柄として図柄「0」が一義的に割り当てられる。
上述したように本実施の形態では、大当り種別として、10R大当り(10R特定時短有図柄)、5R大当り(5R特定時短有図柄)及び2R大当り(2R特定時短有図柄)の3種類が用意されている。特別遊技における賞球獲得の期待値(賞球獲得期待値)は、10R大当り>5R大当り>2R大当りの順となっている。そこで、以下では、10R大当りを、賞球獲得期待値の最も高い「高利益大当り」とも称し、2R大当りを、賞球獲得期待値の最も低い「低利益大当り」とも称する。なお、同一の実行ラウンド数でも、長開放ラウンド遊技(30秒)と短開放ラウンド遊技(1.8秒)とが混在するような場合には、長開放ラウンド遊技が多く存在する大当りが「高利益大当り」となる。
具体的には、特別遊技に実行ラウンド数を10ラウンドに統一するなど、共通の実行ラウンド数を有するものの、所定ラウンドにてラウンド遊技の態様が異なるように変化する特別遊技を含めてもよく、その場合には、大入賞口64の開放時間が相対的に短い短開放ラウンド遊技のみからなる種類の特別遊技と、所定回数の実行ラウンド以降において大入賞口64の開放時間が相対的に長い長開放ラウンド遊技に切り替わる種類の特別遊技とを含めてもよく、後者が「高利益大当り」を構成する。同一の実行ラウンド数の大当りでも、大入賞口開放パターンの差異によって実質的な利益、すなわち、賞球獲得期待値が異なるように構成してもよい。
ここで、前述した説明からも分かるように、第1特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、50%の確率で10R大当りが選択されるのに対して、第2特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、75%の確率で10R大当りが選択される。これにより、遊技球を第1始動口61に入球するよりも第2始動口62に入球した方が、より多くの出玉を獲得できる可能性が高い点で遊技者にとって有利である。なお、カウント数(規定カウント数)とは、ラウンド遊技における大入賞口64への遊技球の最大入球可能数である。
図16に示す特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、後述する図20(A)及び図20(B)に例示するような、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを有する。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態と当否抽選の結果とに基づき、これら複数種の変動パターンテーブルの中からいずれかの変動パターンテーブルを選択する。なお、変動パターン選択状態と変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。なお、各図中では、説明を分かり易くするため、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定される。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、複数種の変動パターンのみを例に挙げて説明するが、実際にはさらに多数の変動パターンが存在する。
図20(A)は、大当り・小当り用の変動パターンテーブルの一例を示す図である。上段の(A1)は通常変動パターンテーブルであり、中段の(A2)は確変変動パターンテーブルであり、下段の(A3)は特殊変動パターンテーブルである。本実施の形態では、変動パターン選択状態に応じて、または同じ変動パターン選択状態であっても大当り種別に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
通常変動パターンテーブル(A1)では、大当り種別が10R大当りである場合に、変動パターンPX2(ノーマルリーチA)又は変動パターンPX3(スーパーリーチA)が選択されており、5R大当りである場合に、変動パターンPY2(ノーマルリーチA)又は変動パターンPY3(スーパーリーチA)が選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ2(ノーマルリーチA)若しくは変動パターンPZ4(スーパーリーチD)が選択される。この大当り・小当り用の通常変動パターンテーブルでは、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、通常状態で大当り又は小当りになった場合には、リーチ態様の変動パターンのみが選択され得る。
確変変動パターンテーブル(A2)では、大当り種別が10R大当り又は5R大当りである場合に、変動パターンPX7(スーパーリーチB)のみが選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ6(ノーマルリーチB)、変動パターンPZ8(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。この大当り・小当り用の確変変動パターンテーブルでは、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、特別図柄の確変状態で大当り又は小当りになった場合には、リーチ態様の変動パターンのみが選択され得る。
特殊変動パターンテーブル(A3)では、大当り種別が10R大当りである場合に、変動パターンPX9(非リーチC)のみが選択されており、5R大当りである場合に、変動パターンPY10(スーパーリーチC)のみが選択される。一方、2R大当り又は小当りである場合には、変動パターンPZ10(スーパーリーチC)のみが選択される。ここで、非リーチC態様の変動パターンPX9は超短縮の変動時間(2秒)として構成される一方、スーパーリーチC態様の変動パターンPY10,PZ10は相対的に長い変動時間(120秒)として構成される。
図20(B)は、はずれ用の変動パターンテーブルの一例を示す図である。上段の(B1)は通常変動パターンテーブル、中段の(B2)は確変変動パターンテーブル、下段の(B3)は特殊変動パターンテーブルである。本実施の形態では、変動パターン選択状態に応じて、選択される変動パターンが異なるように設定されている。
通常変動パターンテーブル(B1)では、変動パターンPH1(非リーチA)、変動パターンPH2(ノーマルリーチA)、変動パターンPH3(スーパーリーチA)、変動パターンPH4(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。確変変動パターンテーブル(B2)では、変動パターンPH5(非リーチB)、変動パターンPH6(ノーマルリーチB)、変動パターンPH7(スーパーリーチB)、変動パターンPH8(スーパーリーチD)のいずれかが選択される。特殊変動パターンテーブル(B3)では、変動パターンPH9(非リーチC)のみが選択される。ここで、非リーチC態様の変動パターンPH9は、超短縮の変動時間(2秒)として構成される。
なお、前述した説明では、いずれの場合にもはずれ用の変動パターンテーブルを単一のテーブルで表現しているが、当否抽選の結果がはずれとなったときは、特別図柄の作動保留球数(0〜4)に応じて異なる変動パターンテーブルが選択される場合がある。つまり、特別図柄の作動保留球数に応じた変動パターンテーブルを用いることで、作動保留球数が多いほど相対的に短い変動時間が選択される割合を高くして、逆に作動保留数が少ないほど相対的に長い変動時間が選択される割合を高くすることができる。また、変動パターンテーブルとして、特別図柄の種類別に分けることも可能である。例えば、電チューサポート機能が作動している状態においては、第2特別図柄の変動表示が容易な状態であり、図19にも示したように第2特別図柄の大当りの方が有利となる場合には、第1特別図柄の変動時間を長時間とすることで、優先して変動制御されることになる第2特別図柄の保留を溜めさせるための時間を創出させることができる。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、特別図柄の変動パターン情報を含む演出制御コマンド(「変動パターン指定コマンド」と称する)、特別図柄(図柄群)及び遊技状態の情報を含む演出制御コマンド(「図柄指定コマンド」と称する)、変動開始後の保留数の情報を含む演出コマンド(「図柄記憶数コマンド」)などを生成して(以降、これらの演出制御コマンドを纏めて「変動開始コマンド」と称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148と、を有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り及びはずれのいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグとして一時的に記憶されており、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持している。この普通図柄当否判定手段146は、通常状態(低確率状態)においては、例えば「160/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照する一方、普通図柄の確変状態(高確率状態)においては、例えば「282/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照することにより、普通図柄の当否抽選を実行する。
本実施の形態では、普通図柄停止図柄判定手段147は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を選択する一方、はずれである場合には所定のはずれ図柄を選択する。なお、普通電動役物の制御パターンを複数有したい場合においては、普通図柄の図柄抽選テーブルの抽選結果を複数有するように設計すればよい。また、当選した普通図柄が同一であっても、遊技状態が普通電動役物の開放延長機能の作動中であるか否かで、普通電動役物の制御パターンを異ならせることもできる。
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、通常状態における普通図柄の変動表示においては、相対的に長い変動時間を選択する(例えば「4秒・5秒・6秒・7秒・8秒・9秒・10秒」の7種類をそれぞれ均一的に選択する)。一方、普通図柄の時短状態(入球容易状態)では相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された大当りの種別に応じて、特別遊技中に演出表示装置70などに表示される開始デモ演出及び終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。特別遊技制御手段150は、演出制御基板200側に対して、開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板200側において、特別遊技中に展開される一連の大当り演出(開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出)の内容を決定するための契機ともなる。なお、本実施の形態に限らず、特別遊技制御手段150において決定されるデモ演出時間は、大当り種別以外にも大当りとなった際の遊技状態を基準として決定することも可能である。
特別遊技制御手段150は、特別遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成すると、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、ラウンドの開始時に送信される現在のラウンド数の情報を含んだラウンド開始コマンド、及びラウンド遊技中に大入賞口スイッチ164の検出に基づく入賞演出を実行させるための大入賞口有効入賞コマンドが含まれている。
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置70などに表示される小当り開始デモ演出及び小当り終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。特別遊技制御手段150は、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156及び普通図柄表示制御手段157を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置171に変動表示させるとともに、この変動表示が終了した後に第1特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置172に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄及び第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有する。第1特別図柄表示装置171及び第2特別図柄表示装置172の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステータスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマが変動時間を管理しているときであって、その値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。
一方、普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置175に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置175の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステータスに基づき監視される。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、特別遊技処理として、特別電動役物ソレノイド124に制御信号を出力し、特別電動役物642を所定の作動パターンに従って開放させる。特別遊技は、特別電動役物642の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本実施の形態では、10R,5R,2R)だけ連続して実行する。電動役物制御手段160は、特別電動役物642の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り種別がいわゆる10R大当り(図柄群A,D)又は5R大当り(図柄群B,E)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口64を最大で約30秒間開放させる。一方、大当り種別がいわゆる2R大当り(図柄群C)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口64を最大で約1.8秒間開放させる。ここで、特別遊技における大入賞口64の閉鎖条件(ラウンド遊技の終了条件)とは、規定カウント数の遊技球の入賞又は規定秒数の開放可能期間の経過である。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド124に制御信号を出力し、特別電動役物642を短期間だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される特別遊技であり、複数回のラウンド遊技で構成される特別遊技の大当り遊技とは区別される。特に、小当り遊技、大当り遊技はともに特別電動役物642の作動に基づいて出玉の獲得が容易な遊技である特別遊技であるが、特別電動役物642の連続作動を可能とするための役物連続作動装置が動作しているか否かで切り分けられるものである。
電動役物制御手段160は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド123に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物622を開放させる。ここで、電動役物制御手段160は、通常状態では普通電動役物622を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、入球容易状態(電チューサポート状態)では普通電動役物622を通常状態と比較して相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
遊技状態制御手段169は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りに係る図柄群の種類に基づき、特別遊技の終了後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技の終了後の遊技状態を切り替える。以下では、前述した特別図柄及び普通図柄に関する諸機能のうち、1)特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能が作動する遊技状態を「確変状態」と称し、2)特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能のみが作動する遊技状態を「時短状態」と称し、3)特別図柄の確率変動機能のみが作動する遊技状態を「潜伏確変状態」と称し、4)全ての機能が作動していない状態を「通常状態」と称する。なお、「確変状態」、「時短状態」、「潜伏確変状態」は、いずれも「通常状態」と比べて、遊技者にとって有利な遊技状態であるといえる。
以下では、各遊技状態を、特別図柄遊技の作動状態(高確率/低確率)と普通図柄遊技の作動状態(電チューサポート機能作動あり/電チューサポート機能作動なし)との組み合わせにより、(1)確変状態を「高確率/高ベース」、(2)時短状態を「低確率/高ベース」、(3)潜伏確変状態を「高確率/低ベース」、(4)通常状態を「低確率/低ベース」、と呼称することもある(「ベース」は発射球数あたりの賞球数を指すものであり、電チューサポート機能作動中は、普通電動役物の作動により賞球獲得可能性が高い「高ベース」と称する)。本実施の形態では、一例として、特別遊技の終了後の遊技状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終期回数(すなわち前述のST回数)に到達するまでの間に亘って確変状態が継続する(但し、ST回数内で次回の大当りが発生した場合には当該変動にて確変状態は終了し、大当り遊技の終了時に再度大当り種別、大当り図柄に基づいて対応する遊技状態へ移行する)。なお、ST期間中に小当りとなった場合には、ST回数が0リセットされることはなく、小当り発生の前後でST回数は継続してカウントされている。本実施の形態では、ST回数は一例として100回に設定されているが、他の回数に設定されてもよい。なお、確変状態へ移行した場合は、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能が同時に作動し、確変状態が継続する限り各機能も継続することになる。
特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合には、当該大当り前の遊技状態が通常状態及び確変状態のいずれであっても、特別遊技中は通常状態でありかつ特別遊技後はST回数を限度として一律に確変状態となる。一方、特別図柄の当否抽選の結果が小当りである場合には、当該小当り前の遊技状態が通常状態であった場合、小当り遊技中及び小当り遊技後の遊技状態も通常状態となる。当該小当り前の遊技状態が特別図柄の確変状態であった場合には、小当り遊技中及び小当り遊技後の遊技状態も特別図柄の確変状態となる。
遊技状態制御手段169は、当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りの種別(図柄群A〜Eの種類)に基づき、特別遊技後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技後の変動パターン選択状態を切り替える。変動パターン選択状態とは、前述の変動パターンテーブルを選択する際に参照される条件の一つである。変動パターン選択状態の切り替え時期は、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときである。本実施の形態では、変動パターン選択状態として、「低確率通常変動状態α」、「高確率短縮変動状態β」、「高確率特殊変動状態γ」などの3種類が存在する。ここで、低確率通常変動状態αとは、遊技状態が通常状態(低確率状態)のときに選択される通常変動パターンテーブル(図20(A)のA1及び図20(B)のB1)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。高確率短縮変動状態βとは、遊技状態が特別図柄の確変状態(後述の限定期間を除く)のときに選択される確変変動パターンテーブル(図20(A)のA2及び図20(B)のB2)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。高確率特殊変動状態γとは、遊技状態が特別図柄の確変状態であって特別遊技の終了直後の一定期間(第2特別図柄の作動保留球の最大数(4個)に対応した図柄変動回数(4回)の変動表示に亘る期間:「限定期間」と称する)のみ選択が許容される特殊変動パターンテーブル(図20のA3及び図20(B)のB3)を参照して特別図柄の変動パターンを決定する状態である。本実施の形態では、図柄群A〜Dのいずれが選択された場合でも、変動パターン選択状態は、(1)特別遊技の終了直後、図柄変動回数4回の限定期間のみ高確率特殊変動状態γに滞在し、(2)限定期間の終了後、かつ、その実行回数がST回数(100回)内にあるときは高確率短縮変動状態βに滞在し、(3)ST回数の終了後、すなわち、実行回数として101回目以降は低確率通常変動状態αに滞在する。無論、初当たりが発生するまでの期間は、低確率通常変動状態αに滞在することになる。なお、遊技状態制御手段169は、現在の遊技状態情報及び変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。また、本実施の形態に限らず、特殊変動状態γを複数有して、1回の変動時間短縮遊技状態の期間の異なるタイミングで、異なる特殊変動状態を参照可能とするものであってもよい(例えば、大当り終了後の4回に特殊変動状態γ1に滞在し、さらに短縮変動状態βに95回滞在したのち1回の特別図柄遊技で滞在する特殊変動状態γ2を設けるなど)。
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図15においては図示しないが、扉開放スイッチはガラス枠5が開放されているか否かを検出する検出手段であり、枠開放スイッチは前枠2が開放されているか否かを検出する検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤30が開放されているか否かを検出する検出手段である。磁気センサ及び電波センサは不正行為(いわゆるゴト行為)を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段180は、特別図柄遊技及び普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄及び普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技及び普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(大当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄及び変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置171,172の動作状態を示すステータス情報、特別電動役物642の動作状態を示すステータス情報、演出制御コマンドデータの情報など遊技の進行の制御に必要な情報を一時的に記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEデータとEVENTデータを区別するために、MODEデータの第7ビットは「1」、EVENTデータの第7ビットは「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEデータ及びEVENTデータの各々に対してストローブ信号が出力される。
演出制御基板200は、このように出力されたストローブ信号を受け取ったことを契機として、MODEデータ及びEVENTデータをそれぞれ受け取ることができる。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って、割込み周期毎に1コマンドずつMODEデータ及びEVENTデータそれぞれ送信される。
図17は、本実施の形態に係る遊技機における演出制御基板200の機能の一例を示す機能ブロック図である。演出制御基板200は、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ演出制御手段230、役物演出制御手段240、エラー演出制御手段250、演出制御情報記憶手段260及びコマンド送受信手段270を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配された演出制御CPU201、演出制御ROM202、演出制御RAM203、電子回路などのハードウェア及び演出制御ROM202に格納された制御プログラムなどのソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段210は、演出制御CPU201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み予告演出の実行可否の抽選に使用する先読み予告抽選乱数、先読み予告パターンの選択に使用する先読み予告パターン乱数、装飾図柄の停止図柄の選択に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの選択に使用する変動演出パターン乱数、予告演出パターンの選択に使用する予告演出パターン乱数、大当り演出パターンの選択に使用する大当り演出パターン乱数、保留内連荘演出の実行可否の抽選に使用する連荘演出抽選乱数、保留内連荘演出の連荘演出パターンの選択に使用する連荘演出パターン乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合の残余時間を利用して更新する。なお、便宜的に各抽選に使用する乱数に名称を付けてはいるが、共通に使用される乱数を有するものであってもよい。
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、装飾図柄決定手段224、変動演出決定手段225、予告演出決定手段226及び大当り演出決定手段227を含む。
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、この図柄記憶数コマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、第1保留球数カウンタ及び第2保留球数カウンタの値を更新する。保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタ及び第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置70の保留表示部に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生じると白色表示の保留画像が表示される一方、次述する保留変化先読み予告演出が実行された場合には、先読み予告の対象となった保留画像が通常の表示態様(表示色)の「白色」から特殊な表示態様(表示色)として「青色」、「緑色」、「赤色」及び「虹色」のうちのいずれかを取り得る。上記4種類の特殊な表示態様は、抽選結果が大当りとなる信頼度(「大当り信頼度」と称する)と関係しており、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」の順に1段階ずつ大当り信頼度が高くなるように設定されている。本実施の形態では、保留画像が「虹色」に変化した場合には、当該先読み対象の作動保留球において大当りが確定的となる。なお、保留変化先読み予告演出において、保留画像の表示態様の変化を表示色ではなく、形状や模様などで表現してもよい。
先読み予告制御手段223は、主制御基板100から事前判定コマンドを受信したことを契機として、先読み予告の実行可否を抽選にて決定する。先読み予告制御手段223は、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合するように演出制御情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時的に記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。
先読み予告制御手段223は、先読み予告の実行可否を判定するとき、主制御基板100による事前判定結果に基づき、この先読み予告の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み判定」とも称する)を実行する。本実施の形態では、先読み予告には、前述した保留変化先読み予告の他に、装飾図柄の連続的な複数回の変動表示に亘って大当り当選又はリーチ演出発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出を有する。先読み予告演出(連続予告演出)を実行可と判定した場合は、主制御基板100からの事前判定コマンドの情報(事前判定の結果)及び図柄記憶数コマンドの情報(現存する作動保留球数)を解析して、今回の先読み予告演出の発生契機となる作動保留球(「トリガ保留」と称する)を対象として連続的な複数回の変動表示に亘る先読み予告演出パターンが抽選で決定される。なお、先読み予告には、保留変化先読み予告演出、チャンス目先読み予告演出、背景変化先読み予告演出など各種のバリエーションが存在する。また別の種類の先読みとして、大当り遊技中や大当り当選となる変動が実行されている時に大当りとなる作動保留球が存在する可能性を示唆又は報知する保留内連荘演出を有する。
演出モード制御手段221は、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドに基づき、主制御基板100側で管理された遊技状態及び変動パターン選択状態との整合性をとるように演出モードの移行制御を実行する。本実施の形態では、3種類の演出モードとして、通常演出モードα、確変演出モードβ、特殊演出モードγが含まれており、主制御基板100から指示された特別図柄の変動パターンが同一であっても、演出モード毎に図柄変動演出の具体的内容を特定する変動演出パターン(詳細後述)が異なるように設定されている。演出表示装置70には、現在滞在中の演出モードに対応した演出モード報知画像(本実施の形態では、装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示されており、この背景画像は演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像の種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得る。
各演出モードについて概説する。まず、通常演出モードαは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、低確率通常変動状態αが選択されている場合に設定されており、その背景画像として「通常背景」が表示される。確変演出モードβは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、高確率短縮変動状態βが選択されている場合に設定されており、その背景画像として「確変背景」が表示される。特殊演出モードγは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、高確率特殊変動状態γが選択されている場合に設定される。この特殊演出モードは、特別遊技の終了直後の4回に亘る期間(限定期間)を限度として滞在し、この限定期間を超えると、確変演出モードβに遷移する。特別遊技中に保留内連荘演出が発生した場合、背景画像として「特殊背景」を表示する。一方、特別遊技中に保留内連荘演出が発生しなかった場合、すなわち、連続変動演出が実行されていない場合には、背景画像として確変演出モードと共通の「確変背景」を表示する。
装飾図柄決定手段224は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、キャラクタ演出番号情報)に基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・右図柄)を抽選により決定する。本実施の形態では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成される。この装飾図柄は、例えば、数字又は文字からなる識別要素により形成されている。本実施の形態では、識別要素として、「1」〜「9」の数字、「S」の文字などの全10種類が設定されている。各装飾図柄は、図柄列の配列に従って「1」→「2」→「3」→・・・→「8」→「9」→「S」の順序で、左表示領域、中表示領域及び右表示領域においてそれぞれ巡回表示される。
装飾図柄決定手段224は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成されており、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、「小当りを示す停止図柄(小当り図柄)」や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。なお、本実施の形態では、保留内連荘を確定的に報知するための特殊の大当り図柄として「S・S・S」が設けられている。装飾図柄決定手段224は、保留内連荘演出を実行することが決定された場合に、連荘演出パターンPA2が選択されているときは、通常の大当り図柄(「3・3・3」など)を、特殊の大当り図柄(「S・S・S」)に差し替える。
変動演出決定手段225は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを決定する。本実施の形態では、リーチ表示後に行われる図柄変動演出(リーチ演出)として、演出内容が単純なリーチ演出(ノーマルリーチ演出)と、演出内容が途中で発展するリーチ演出(スーパーリーチ演出)とが含まれる。変動演出決定手段225は、変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルを選択する。変動演出パターンテーブルでは、特別図柄の変動パターン抽選の結果(すなわち、リーチ種別)に応じて、変動演出パターン乱数値と変動演出パターンとが対応付けられている。ここで、主制御基板100側では変動パターンとして図柄変動の基本パターン(例えば、「ノーマルリーチA」、「スーパーリーチA」など)が定まるのに対して、演出制御基板200側では変動演出パターンとして当該基本パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した図柄変動の詳細パターン(例えば、「ノーマルリーチA1,A2,A3…」、「スーパーリーチA1,A2,A3…」など)が定まる。このように装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階において予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、変動演出パターン毎にあらかじめ定められており、本実施の形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間の短い変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特定の変動演出パターンである場合には、左図柄→中図柄→右図柄の順に停止させることもできる。このとき、上記原則の停止順序(左図柄→右図柄→中図柄)でない場合は、大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。
予告演出決定手段226は、上述した変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターンなどが含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行されており、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り信頼度は高くなっている。予告演出決定手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告演出パターンテーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告演出パターンテーブルを選択する。予告演出決定手段226は、上記で選択された予告演出パターンテーブルを参照して、演出抽選乱数発生手段210から取得した予告演出パターン乱数値に基づき、抽選によって、複数種の予告演出パターンの中からいずれかを選択する。なお、具体的な予告演出パターンの種類としては、コメント予告演出パターン、背景予告演出パターン、SU(ステップアップ)予告演出パターン、群予告演出パターン、カットイン予告演出パターン、役物可動予告演出パターン、などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置70での装飾図柄の変動表示に合わせて、1又は複数の予告演出を実行することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
大当り演出決定手段227は、特別遊技中であることを報知する大当り演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り演出は、特別遊技の開始を報知する開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、特別遊技の終了を報知する終了デモ演出とを含む。大当り演出決定手段227は、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信した場合、演出制御情報記憶手段260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り種別に応じて、大当り開始デモ演出時間とラウンド演出時間(大入賞口64の開放パターンに応じた演出時間)と大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。大当り演出決定手段227は、大当り演出パターンに従って、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として終了デモ演出を実行する。
ここで、通常の大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」という文字が表示されて、特別遊技の開始が告げられる。通常のラウンド演出では、例えば画面上の現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、特別遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。通常の大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」という文字が表示されて、特別遊技の終了が告げられる。
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、連荘演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像及び音に関する画像制御コマンドを生成して、これを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ演出制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプの点灯や発光色などを制御する。ランプ演出制御手段230は、演出ランプ10,25(枠ランプ10、盤ランプ25)を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板91に送信する。
役物演出制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各可動役物の駆動を制御する。役物演出制御手段240は、可動役物を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92に送信する。
エラー演出制御手段250は、主制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
演出制御情報記憶手段260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報などを一時的に記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド及びACKコマンドをそれぞれ格納することができる。
コマンド送受信手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを、併せて出力されるストローブ信号の受け取りを契機として受信し、この演出制御コマンドを演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。具体的には、コマンド送受信手段270は、主制御基板100からのストローブ信号が入力されたことを契機として発生した割込みに応じて演出制御コマンドの受信割込み処理を実行し、この受信割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得する。この演出制御コマンドの受信割込み処理の詳細については後述する。なお、コマンド送受信手段270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理よりも優先的に実行する。
コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示するため、演出制御情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドを、一例としてシリアル通信方式を用いて画像制御基板300に対して送信する。画像制御コマンドは、原則として、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本実施の形態では500μs)毎に送信される。
これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させて予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをACKコマンドバッファに格納する。
<主制御基板側の処理>
図21〜図42は、主制御基板100における動作処理の手順の一例を示すフローチャートである。主制御基板100側の動作処理は、主として主制御側メイン処理及び主制御側タイマ割込み処理を含む。
<主制御側メイン処理>
図21、図22及び図23は、それぞれ、主制御基板100において実行される主制御側メイン処理の一例を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットにより主制御CPU101のセキュリティチェックが行われた後に主制御プログラムが起動され、この主制御プログラムによって処理が実行される。なお、以下の説明では、適宜、各処理の主体を省略する場合がある。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(ステップS1)、主制御RAM103のアクセス許可を行う(ステップS2)。次に、タイマ割込みが発生した場合に処理する主制御プログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(ステップS3)、主制御CPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(ステップS4)。
次に、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(ステップS5)。RAMクリアスイッチがオンされている場合、後述するステップS9で主制御RAM103の全領域がゼロクリアされる一方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(ステップS6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合、主制御RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(ステップS7)。このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(ステップS8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前に主制御RAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。チェックサムが正常である場合、電源断前の状態に復帰すべく、後述するステップS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合、主制御RAM103の全領域をゼロクリアする(ステップS9)。次に、主制御RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(ステップS10)。次に、演出表示装置70の初期化、演出ランプ10,25の初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(ステップS11)。
次に、電源断復帰設定処理において、主制御RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に実行する(ステップS12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス及び転送バイト数をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(ステップS13)。電源断時における特別図柄遊技ステータスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を実行する(ステップS14)。
次に、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(ステップS15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(ステップS16)。
次に、普通電動役物622を電源断前の状態(例えば、第2始動口62を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(ステップS17)。さらに、特別電動役物642を電源断前の状態(例えば、大入賞口64を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(ステップS18)。次に、特別図柄モードフラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(ステップS19)。なお、特別図柄モードフラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグである。次に、タイマ割込みを起動させるため、上記CTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(ステップS20)。次に、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(ステップS21)。ウォッチドッグタイマのリスタート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(ステップS22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(ステップS23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数及び特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が各乱数毎に定められた最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(ステップS25)、上述の割込みを禁止する処理(ステップS21)に戻り、ステップS21〜ステップS25に亘るループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、ステップS21〜S25までの処理を繰り返す。割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、ステップS25において割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。一方、ステップS23において電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、ステップS26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(ステップS26〜S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(ステップS26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(ステップS27)。電源投入正常情報である場合、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(ステップS28)。他方、電源投入正常情報でない場合、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(ステップS29)、ステップS32に移行する。
次に、主制御RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(ステップS30)。チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値を主制御RAM103のチェックサム領域に設定する(ステップS31)。次に、主制御RAM103のアクセス禁止設定を実施し(ステップS32)、電源が遮断されるまで処理を繰り返し実行する。
<主制御側タイマ割込み処理>
次に、主制御タイマ割込み処理を説明するための各図の関係について説明する。まず、図24及び図25は、それぞれ、主制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。図26及び図27は、それぞれ、図24に示す始動口監視制御処理の詳細を示すフローチャートである。図28は、図25に示す特別図柄変動開始監視制御処理の詳細を示すフローチャートであり、図29及び図30は、それぞれ、図28に示す特別図柄変動開始監視処理の詳細を示すフローチャートである。図31は、図25に示す特別図柄制御処理の詳細を示すフローチャートである。図32は、図31に示す特別図柄制御汎用処理の詳細を示すフローチャートである。図33〜図37は、それぞれ、図32に示す特別図柄変動開始処理、特別図柄変動中処理、及び特別図柄停止図柄表示中処理の詳細を示すフローチャートである。図38〜図40は、それぞれ、図25に示す特別電動役物制御処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、図24に示すタイマ割込み処理は、前述したCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスに応じてタイマ割込みが発生したことを契機として、主制御側メイン処理に割り込んで実行される。なお、以下使用する「条件装置」及び「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味している。「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動し、「役物連続作動装置」とは、「特別電動役物」を連続して複数回作動させることができる。
まず、このタイマ割込みが発生すると、主制御CPU101内のレジスタの内容(主制御側メイン処理の処理中に使用していたデータ)を主制御RAM103のスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(ステップS51)。次に、割込み動作条件設定値が割込み制御レジスタにセットされる(ステップS52)。次に、クリアワード2がセットされる(ステップS53)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(ステップS54)。このとき、あらかじめ設定されたタイムアウト時間内に、主制御CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、主制御CPU101が主制御プログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリア及びリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力処理を実行する(ステップS55)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ161、第2始動口スイッチ162、作動ゲートスイッチ163、大入賞口スイッチ164、及びアウト球検出スイッチ167、並びに、図示しない扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ及び電波センサなどの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(ステップS56)。この各種乱数更新処理では、初期値乱数を使用しない普通図柄変動パターン乱数及び特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(ステップS57)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数及び特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。カウンタの数値が1周した場合(初期値として設定した値となった場合)には、当該タイミングにおいてカウンタの数値が1周した乱数値と対応する初期値乱数の値を新たな初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(ステップS58)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数及び特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が各乱数毎にあらかじめ定められた最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(ステップS59)。このタイマ減算処理では、遊技機の遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置171,172に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、特別電動役物642の動作パターンを制御するためのタイマや、普通図柄、普通電動役物など各種制御に使用するタイマなどが含まれる。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(ステップS60)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口62の入賞有効期間及び入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口62の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(ステップS61)。この入賞監視処理では、前述した入力処理(ステップS55)での第1始動口スイッチ161、第2始動口スイッチ162、作動ゲートスイッチ163、大入賞口スイッチ164、一般入賞口スイッチ166、及びアウト球検出スイッチ167の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求などを行う。
次に、賞球制御処理を実行する(ステップS62)。この賞球制御処理では、入賞が有効であるか無効であるかを判定し、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400に送信するとともに、払出制御基板400からの受信データを監視して払出制御基板400との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(ステップS63)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲート63への通過を監視し、作動ゲート63を通過していると判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(ステップS64)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置175又は普通電動役物622に係る一連の処理を実行するため、普通図柄遊技ステータスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(ステップS65)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(ステップS66)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口61及び第2始動口62への入球を監視して、遊技球が入球したことが検出された場合、例えば、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告のための事前判定及び図柄記憶数等のような演出制御基板200に必要な情報を含むコマンドのコマンド要求を順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(ステップS67)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置171,172に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステータスの値に応じて、例えば、後述する特別図柄変動開始処理(後述する図32のステップS420参照)、特別図柄変動中処理(後述する図32のステップS430参照)及び特別図柄停止図柄表示中処理(後述する図32のステップS440参照)を実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(ステップS68)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物642に係る動作処理として、特別電動役物642の作動開始及び作動終了の設定、大入賞口64の開放時間及び開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(ステップS69)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口64の入賞有効期間及び入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口64の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(ステップS70)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(ステップS71)。この異常検知処理では、前述した入力処理(ステップS55)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(ステップS72)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(ステップS73)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物642が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄及び特別図柄の作動保留球数などの表示データを作成する。前述した異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、ハンドル状態信号検査処理を実行する(ステップS74)。このハンドル状態信号検査処理では、ハンドル状態信号を検査する。
次に、LED出力処理を実行する(ステップS75)。このLED出力処理では、特別図柄及び普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前述した特別図柄制御処理(ステップS85)、異常検知処理(ステップS89)、遊技状態表示処理(ステップS73)などで作成された表示データを、各特別図柄表示装置171,172、普通図柄表示装置175、各特図保留ランプ173,174、普図保留ランプ176、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(ステップS76)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合には、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力して遊技球の発射を許可する一方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されている場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力して遊技球の発射を禁止する。
次に、試験信号出力処理を実行する(ステップS77)。この試験信号出力処理では、各種の試験データを作成した後にエラー検査処理を実施し、この結果、エラーが検出された場合、各種の試験データを各試験信号出力ポートへ出力する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(ステップS78)このソレノイド出力処理では、普通電動役物622,特別電動役物642を作動させるべく、普通図柄制御処理(ステップS82)及び特別電動役物制御処理(ステップS86)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド123,124に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(ステップS79)。この演出制御コマンド送信処理では、前述したようにメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された演出制御コマンドのうちからポインタで指定されたリングバッファに格納されている演出制御コマンドをMODEデータ及びEVENTデータごとにそれぞれ読み出し、後述するように演出制御基板200に対してそれぞれ送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(ステップS80)。この外部情報出力処理では、外部端子板を介して、遊技機の動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータやデータカウンタなどの外部装置に出力する。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、主制御CPU101について割込み許可状態に設定する(ステップS81)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(ステップS26〜S32)を実行することとなる。
<特別図柄遊技処理>
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述した始動口監視制御処理(ステップS84)、特別図柄制御処理(ステップS85)、特別電動役物制御処理(ステップS86)及び特別図柄変動開始監視制御処理(ステップS88)が該当する。
<始動口監視制御処理>
まず、図26に示すように第1始動口61への遊技球の入球を検出したか否かを判定する(ステップS201)。第1始動口61への遊技球の入球を検出した場合には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(ステップS203)。第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(ステップS204)、第1始動口61の入賞チェックを終了する。
次に、第2始動口62への遊技球の入球が検出されたか否かを判定する(ステップS205)。第2始動口62への遊技球の入球が検出された場合、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値及び特別図柄変動パターン乱数値を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(ステップS207)。第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(ステップS208)、第2始動口62の入賞チェックを終了する。
次に、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、ステップS204又はステップS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(ステップS209)。作動保留球数の更新があった場合(ステップS209)には、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS210)。
次に、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(ステップS211)。事前判定タイミングである場合(ステップS211)には、保留n記憶領域の当り乱数バッファから特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(ステップS212)。この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS213)。
保留n記憶領域の当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(ステップS214)。この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS215)。さらに、保留n記憶領域の変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(ステップS216)。この事前判定結果の情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS217)。
<特別図柄変動開始監視制御処理>
図28に示す特別図柄変動開始監視制御処理(ステップS88)では、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)を実行する。なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、一例として第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(ステップS301)。次に、第1特別図柄及び第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステータス及び第2特別図柄遊技ステータスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(ステップS302)。
次に、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(ステップS303)、当該保留球数が「0」でない場合、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定した後に(ステップS304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)に移行する。すなわち、本実施の形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化される。この特別図柄変動開始監視処理の詳細については、後述する図29及び図30を用いて説明する。
一方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定した後に(ステップS306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)に移行する。
なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(ステップS301,S302,S305)には、特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)の実行を省略する。
<特別図柄変動開始監視処理>
特別図柄変動開始監視処理(ステップS310)では、上述したステップS304又はステップS306で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理を実行する。なお、第1特別図柄側と第2特別図柄側とでは、処理内容がほぼ同様であるので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、図29に示すように、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(ステップS311)。減算後の第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS312)。次に、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(ステップS320)、図柄判定処理(ステップS330)、変動パターン選択処理(後述する図33のステップS423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に転送する(ステップS313)。保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を順次保留1記憶領域〜保留3記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(ステップS314)。
次に、特別図柄当否判定処理を実行する(ステップS320)。特別図柄当否判定処理では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次に、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグとして格納する。
次に、図柄判定処理を実行する(ステップS330)。図柄判定処理では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。今回決定した特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された図柄群の種類(図柄群A〜Gの7パターン)と、特別図柄及び普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき、計28パターンなかのいずれかが決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
次に、当否判定の結果が小当りに該当するか否かを判定するとともに(ステップS341)、当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(ステップS342)。当否判定の結果が小当りである場合は、ステップS346に移行する一方、当否判定の結果がはずれである場合は、ステップS349に移行する。
一方、当否判定の結果が大当りである場合には、ステップS330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、特別図柄の確率変動機能を作動させるか否かを判定する(ステップS343)。すなわち、図柄群の種類(大当り種別)が、特定図柄を示すものである場合、確率変動機能を付与することを決定し、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに確率変動作動データ(ST回数)「64H」を格納する一方、図柄群の種類が通常図柄を示すものである場合、確率変動機能を付与しないことを決定し、確率変動回数カウンタに確率変動未作動データ「00H」を格納する(ステップS344)。この判定結果は、メイン情報記憶手段180の確率変動判定フラグに記憶される。
ステップS330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、変動時間短縮機能の作動回数を決定するとともに(ステップS345)、電チューサポート機能の作動回数を決定する(ステップS346)。この判定結果(変動時間短縮機能の作動回数情報(以下「変動時間短縮回数情報」と称する)、電チューサポート機能の作動回数情報(以下「入球容易状態回数情報」と称する))は、それぞれ対応するメイン情報記憶手段180の時短回数格納領域及び入球容易状態回数格納領域に記憶される。
次に、ステップS330で決定された図柄群の種類(大当り種別、小当り種別)に基づき、特別電動役物642の作動パターンを設定する(ステップS347)。具体的には、特別電動役物642の作動パターンとして、ラウンド遊技の規定ラウンド数(本実施の形態では、10ラウンド、5ラウンド、2ラウンド)、大入賞口64の最大開放時間(本実施の形態では、30秒、1.8秒)などを設定する。
次に、ステップS330で決定された図柄群の種類と現在の遊技状態とに基づき、特別遊技終了後の変動パターン選択状態を設定する(ステップS348)。なお、前述の説明では、特殊変動状態に関して、大当り図柄に応じて決定するものを例示したが、小当りの場合であっても、ステップS348において、変動パターン選択状態を特殊なものに変更可能としてもよい。次に、フローに戻り、ステップS330で決定された図柄群の種類に基づき、特別遊技のデモ演出時間(当り開始デモ時間及び当り終了デモ時間)を設定する(ステップS349)。次に、前述の特別図柄当否判定処理(ステップS320)及び図柄判定処理(ステップS330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域及び特別図柄判定領域をクリアする(ステップS351)。今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステータスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(ステップS351)。
<特別図柄制御処理>
次に、図31に示す特別図柄制御処理(ステップS85)について説明する。まず、特別電動役物642が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステータスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(ステップS401)。次に、特別電動役物642が未作動中である場合(ステップS401)には、第2特別図柄遊技ステータスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(ステップS402)。
第2特別図柄遊技ステータスが「00H(待機中)」でない場合、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定して(ステップS403)、特別図柄制御汎用処理(ステップS410)に移行する。一方、第2特別図柄遊技ステータスが「00H(待機中)」である場合、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレス及びRAM記憶領域のアドレス)を設定して(ステップS404)、特別図柄制御汎用処理(ステップS410)に移行する。
なお、以下に説明する特別図柄制御汎用処理では、上述のステップS403又はステップS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理の詳細については後述する。
<特別図柄制御汎用処理>
図32に示す特別図柄制御汎用処理(ステップS410)では、特別図柄遊技ステータスの値(「01H」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(ステップS411〜ステップS414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステータスが0でないか否かを判定する(ステップS411)。特別図柄遊技ステータスが「00H」でない場合(ステップS411)には、特別図柄遊技ステータスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(ステップS412)。特別図柄遊技ステータスが「01H」である場合、特別図柄変動開始処理(ステップS420)に移行する。この特別図柄変動開始処理の詳細については後述する図33を用いて説明する。一方、ステップS412において特別図柄遊技ステータスが「01H」でない場合、特別図柄遊技ステータスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(ステップS413)。特別図柄遊技ステータスが「02H」である場合、特別図柄変動中処理(ステップS430)に移行する。この特別図柄変動中処理の詳細については、後述する図34を用いて説明する。ステップS413において特別図柄遊技ステータスが「02H」でない場合には、特別図柄遊技ステータスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(ステップS414)。特別図柄遊技ステータスが「03H」である場合、特別図柄停止図柄表示中処理(ステップS440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理の詳細については後述する図35を用いて説明する。
<特別図柄変動開始処理>
まず、図33に示すように、当否抽選の結果や当選図柄、保留数、特別図柄の種別、及び変動パターン選択状態などに基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(ステップS421)。次に、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(ステップS422)。特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(ステップS423)。
次に、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(ステップS424)。特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段155の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(ステップS425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(ステップS426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
次に、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(ステップS427)。特別図柄遊技ステータスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(ステップS428)。
<特別図柄変動中処理>
まず、図34に示すように、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(ステップS431)。この表示パターン番号切替処理では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを更新する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(ステップS76)において、第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172に対して出力され、所定の切替時間ごとに変動表示中の特別図柄表示装置において特定の表示部が点滅したり、表示部の個別のLEDが順次点灯することによって変動中であることを示す表示を実行する。
次に、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(ステップS432)。特別図柄の変動時間が終了した場合、第1特別図柄表示装置171又は第2特別図柄表示装置172に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(ステップS433)。次に、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS434)。
次に、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として500msに対応したデータである「125」を格納する(ステップS435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。特別図柄遊技ステータスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(ステップS436)。
<特別図柄停止図柄表示中処理>
まず、図35に示すように、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(ステップS441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合、特別図柄遊技ステータスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(ステップS442)。
次に、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(ステップS443)。当否判定データが大当りデータである場合、特別図柄の確率変動機能の作動停止(ステップS444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(ステップS445)、電チューサポート機能の作動停止(ステップS446)、を順に行う。
次に、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(ステップS447)。次に、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(ステップS448)。特別電動役物遊技ステータスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(ステップS449)。当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(ステップS450)。
一方、当否判定データが大当りデータでない場合(ステップS443)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS451)。図36に示すように、特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(ステップS451)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。次に、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(ステップS454)。一方、減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合、ステップS454をスキップして、ステップS455に移行する。
次に、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。次に、時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。時短回数カウンタがゼロである場合には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(ステップS458)。一方、減算後の時短回数カウンタがゼロでない場合、ステップS458をスキップして、ステップS459に移行する。
次に、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(ステップS459)。電チューサポート機能が作動中である場合、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の入球容易状態回数カウンタを1減算する(ステップS460)。次に、入球容易状態回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。入球容易状態回数カウンタがゼロである場合、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(ステップS462)。一方、減算後の入球容易状態回数カウンタがゼロでない場合、ステップS462をスキップして、ステップS463に移行する。
次に、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(ステップS463)。変動パターン選択状態を更新する(ステップS464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数があらかじめ設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
次に、前述したステップS451〜S464にて更新された現在の遊技状態情報及び変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS465)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定及び更新を実行する。
次に、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されているか否かを判定する(ステップS466)。小当りデータが格納されている場合、小当り遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り開始デモコマンド)を生成する(ステップS467)。次に、特別電動役物遊技ステータスを「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移する(ステップS468)。当否判定フラグの内容をクリアするため「00H」を設定する(ステップS469)。
一方、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されていない場合、すなわち、特別図柄判定フラグにはずれデータ「00H」が格納されている場合、ステップS467〜S469の実行を省略する。なお、特別図柄判定フラグがはずれデータである場合に、当該フラグの内容をクリアする処理をしなかったのは、もともとはずれデータとして「00H」が格納されているからである。
<特別電動役物制御処理>
まず、図38に示すように、特別電動役物遊技ステータスが「01H(特別遊技:大当り)」であるか否かを判定する(ステップS501)。特別電動役物遊技ステータスが「01H」である場合、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物642が作動中であるか否かを判定する(ステップS502)。特別電動役物642が作動していない場合、特別電動役物642の作動開始時間であるか否かを判定する(ステップS503)。特別電動役物642の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物642の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物642の作動開始時間である場合、ラウンド演出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS504)。なお、演出制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。特別電動役物642の作動を開始して(ステップS505)、特別電動役物642の作動中の処理として、ステップS506〜ステップS510の処理を実行する。
特別電動役物642の作動中の処理として、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球したか否かを判定するとともに(ステップS506)、特別電動役物642の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(ステップS507)。このとき、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球した場合又は特別電動役物642の作動時間が経過した場合には、特別電動役物642の作動を停止させる(ステップS508)。特別電動役物642の連続作動回数があらかじめ定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(ステップS509)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合、特別電動役物642の連続作動回数を1加算する(ステップS510)。
一方、特別電動役物642の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合、図39に示すステップS511に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り終了デモコマンド)を生成する(ステップS511)。
次に、確率変動回数カウンタに上記ステップS344で設定した確率変動回数情報を格納する(ステップS512)。時短回数カウンタに、上記ステップS345で設定した変動時間短縮回数情報を格納する(ステップS513)。入球容易状態回数カウンタに、上記ステップS346で設定した入球容易状態回数情報を格納する(ステップS514)。
次に、上記ステップS343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、確率変動回数カウンタに記憶された確率変動回数情報が確率変動機能データ(「64H」)であるか否かを判定する(ステップS515)。確率変動回数情報が確率変動機能データである場合、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(ステップS516)。他方、確率変動回数情報が確率変動機能データでない場合(ステップS515がNOの場合)には、ステップS516の実行を省略する。
次に、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(ステップS517)。変動時間短縮機能作動データである場合、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(ステップS518)。一方、変動時間短縮機能作動データでない場合には、ステップS518の実行を省略する。
次に、入球容易状態回数カウンタに記憶された入球容易状態回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(ステップS519)。電チューサポート機能作動データである場合、電チューサポート機能の作動を開始させる(ステップS520〜S522)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(ステップS520)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(ステップS521)、普通電動役物622の開放延長機能の作動開始(ステップS522)、を順に実行する。一方、電チューサポート機能作動データでない場合には、ステップS520〜S522の実行を省略する。
次に、上記ステップS347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(ステップS523)。次に、前述のステップS512〜S523にて設定された特別遊技後の遊技状態情報及び変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS524)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。特別電動役物遊技ステータスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(ステップS525)。
他方、特別電動役物遊技ステータスが「01H」でない場合(ステップS501)には、ステップS530に移行して、特別電動役物遊技ステータスが「02H(特別遊技:小当り遊技)」であるか否かを判定する(ステップS530)。特別電動役物遊技ステータスが「02H」である場合、以降の処理で小当り遊技処理を実行する。
小当り遊技処理において、まず、特別電動役物642が作動中であるか否かを判定する(ステップS531)。特別電動役物642が作動していない場合、特別電動役物642の作動を開始する(ステップS532)。一方、特別電動役物642が作動中である場合、ステップS532の実行を省略する。
次に、特別電動役物642の作動中の処理として、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球したか否かを判定するとともに(ステップS533)、特別電動役物642の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(ステップS534)。このとき、大入賞口64に遊技球が最大入賞数だけ入球した場合又は特別電動役物642の作動時間が経過した場合には、特別電動役物642の作動を停止する(ステップS535)。
次に、小当り遊技の終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り終了デモコマンド)を生成する(ステップS536)。次に、上記ステップS347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(ステップS537)。次に、このステップS537にて設定された特別遊技後の変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(ステップS538)。この遊技状態指定コマンドは、演出制御基板200側で、例えば、演出モードの移行契機の判定、及び、移行先の演出モードの特定に用いられる。特別電動役物遊技ステータスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移させる(ステップS539)。
図41及び図42は、それぞれ、図25に示す演出制御コマンド処理の一例を示すフローチャートであ図43は、図42に示すストローブ出力処理の一例を示すフローチャートである。以下、併せてストローブ信号出力タイミング制御機能についても説明する。
図41に示すように、コマンド要求書き込み位置のアドレスをセットし(ステップS601)、位置データとしてコマンド要求書き込み位置の内容をロードした後(ステップS602)、コマンド要求読み込み位置のアドレスをセットする(ステップS603)。コマンド要求書き込み位置アドレス、コマンド要求読み込み位置アドレスは、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域(リングバッファ)に対する、次回コマンド発生時の書き込み先RAMアドレスと、次回コマンド送信時のコマンド読み込み先RAMアドレスを表すデータであり、コマンド記憶時、コマンド読み取り時にそれぞれRAMアドレス参照位置を更新しているデータである。
次に、位置データがコマンド要求読み込み位置の内容と一致しているか否かを判定し(ステップS604)、両者が一致している場合にはこの演出制御コマンド送信処理を終了する(両者が一致するのは未送信コマンドがない状況であるため)一方、両者が一致していない場合には、コマンドの送信要求があるものと判断し、読み込み位置データとしてコマンド要求読み込み位置の内容をロードする(ステップS605)。
次に、コマンド要求読み込み位置の内容に1を加算し(ステップS606)、読み込み位置データと位置補正ビットデータ(00111111B)との論理積を演算した後(ステップS607)、コマンドバッファのアドレスをセットし(ステップS608)、論理積の結果を2倍する(ステップS609)。位置補正ビットデータとは、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域を超えてコマンド読み込み先を指定しないための補正データである。ここで、コマンドバッファとは、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域であるリングバッファのことを意味しており、コマンドバッファのアドレスとは、コマンド格納領域の先頭のアドレスのことである。
次に、図42に示すように、基底アドレスとしてコマンドバッファのアドレスに、上記2倍した結果を加算した結果を基底アドレスとしてセットし(ステップS610)、2バイトのコマンドデータとして基底アドレスの内容をロードする(ステップS611)。このとき、ステップS610でセットされたアドレスが、今回送信するコマンド(MODE)が格納されたデータ領域(1バイト)であり、対応するEVENTデータは続くデータ領域(1バイト)に記憶されている。ステップS611の2バイトのコマンドデータとして規定アドレスの内容をロードするとは、ステップS610でセットしたアドレスと、続くアドレスを読みだすことを意味している。
次に、基底アドレス+0の内容及び基底アドレス+1の内容を0クリアを実行することにより、今回送信するために読みだしたメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域の情報をクリアした後(ステップS612)、コマンドを送信する処理に移る。
コマンドを送信する処理では、まず、出力データとして2バイトのコマンドデータの上位1バイト(MODE)をセットし(ステップS613)、出力データ(MODEデータ)を演出コマンド出力ポートへ出力・保持する(ステップS614)。この保持時点から、後述するコマンドデータ保持期間が開始することになる。
次に、ストローブ出力処理を実行する(ステップS615)。このストローブ出力処理(図43)では、まず、待ち時間として初期値「43」をセットする(ステップS701)。
上述のように待ち時間の初期値をセットした後、待ち時間を1減算した結果が0であるか否かを判定した後、その結果が0となるまで繰り返す(ステップS702)。待ち時間を減算する処理は、主制御CPU101のシステムクロック周期(1ステート=62.7ns)の少ない周期で完了する処理であり、初期値としてセットした「43」の回数だけ、待ち時間減算の単位処理を繰り返すことで、第1コマンドを演出コマンド出力ポートにセットしてから、ストローブ出力処理を呼び出す処理、初期値を設定する処理と合わせて、合計で約20μs後に待ち時間が「0」となる。上記待ち時間が経過すると、デジット等バッファの値をロードし(ステップS703)、ロードした値と、演出ストローブビットデータ(01000000B)との論理和を演算し、ストローブ信号に係る出力ポート(デジット等出力ポート)の信号データをアクティブにする(ステップS704)。
次に、その論理和の結果をデジット等出力ポートへ出力し(ステップS705)、演出制御基板200側で読み取りを可能とする待ち時間(ストローブ信号の出力維持期間に相当)の初期値として「2」をセットする(ステップS706)。上記した待ち時間「0」となったタイミング(MODEデータをセットしてから約20μs経過後)からの、ストローブ信号の出力がアクティブになるまで(ステップS705まで)の処理を含めて、MODEデータが演出コマンド出力ポートにセットされてから約26μs後にストローブ信号が出力される。ここで、MODEデータが出力されている期間は約53μsであり、コマンド出力期間のおよそ中間位置で演出制御CPU201にコマンド受信を開始させるようになっており、演出制御CPU201によるコマンド受信処理も3μsで完了するものであるため、余裕をもってコマンド受信を行わせることが可能である。なお、この待ち時間の初期値は、MODEデータ(第1コマンド)とEVENTデータ(第2コマンド)とで異ならせても良く、例えばEVENTデータの方がMODEデータよりも短くするようにしても良い。
次に、図43のストローブ出力処理の説明に戻って、ストローブ信号の出力維持期間である初期値「2」を前述の待ち時間減算の単位処理と同じ処理にて減算し、待ち時間を1減算した結果が0であるか否かを判定し、その結果が0になるまで繰り返して約2.5μsに亘ってストローブ信号の出力を維持する一方(ステップS707)、その結果が0となり上記待ち時間(ストローブ信号の出力維持期間に相当)が経過すると、ステップS704の論理和の結果と、演出ストローブビットデータ(例えば01000000B)との排他的論理和を演算し、ストローブ信号を非アクティブに切り替えたデータを生成する(ステップS708)。次に、この排他的論理和の結果をデジット等出力ポートへ出力する(ステップS709)。
次に、演出制御コマンド送信処理に戻って、図42に示すように待ち時間の初期値として「48」をセットし(ステップS616)、その後待ち時間を1減算した結果が0となったか否か判定し、その結果が0となるまで繰り返す(ステップS617)。この処理によって、ストローブ信号を出力ポートから出力した後、MODEデータを演出コマンド出力ポートへのセットから起算して約50μsまで待機する。主制御CPU101においては、演出制御CPU201からコマンド受信完了の情報を受けて処理を進めることができないため、演出制御CPU201のコマンド受信が正常に完了するのに余裕を持った待機時間が設定されている。
その結果が0となり上記待ち時間が経過すると、出力データに2バイトのコマンドデータ下位(EVENT)をセットし(ステップS618)、この出力データ(EVENTデータ)を演出コマンド出力ポートへ出力し(ステップS609)、保持させる。次に、ストローブ出力処理を実行する(ステップS620)。このストローブ出力処理では、出力データとしてEVENTデータをセットした後は、上述したMODEデータをセットして送信する場合と同様にコマンドデータを保持しつつ待ち時間が経過するまで待ってからストローブ信号を出力している。なお、EVENTデータの読み取りに関しては、演出コマンド出力ポートのデータがすぐに切り替わることはなく、主制御CPU101は待機する必要がないため、MODEの時とは異なり、ストローブ信号出力後の待機処理は設けていない。
<演出制御基板側の処理>
次に、図44〜図53を参照しながら、演出制御基板200側の処理の手順について説明する。なお、以下では、主として演出制御プログラムが主体であるが、適宜主体を省略して記載する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後など演出制御CPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号を受け取ったことを契機として実行される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理とを含んでいる。
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が同時に発生した際における優先度を示す優先レベルが設定されている。本実施の形態では、「電源リセットによるリセット開始処理(図44):最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理(図44):最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理(図51):レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理(図44):レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理(図45):レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理(図52):レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、演出制御CPU201が不正な命令を実行したとき、演出制御CPU201が不正な領域又は不正な方法にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが発生したときなどに起動する。本実施の形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
演出制御側メイン処理では、基本的に、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させて各割込み処理が実行される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的に、当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、前述した割込みコントローラのレジスタ設定によって規定される。
<リセット開始処理>
図44は、演出制御基板200のリセット開始処理の一例を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、演出制御CPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、ステップS801以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(ステップS801)。各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(ステップS802)。
次に、ハードウェアに関する基本的な設定として、演出制御CPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(ステップS803)。さらに、演出制御RAM203内のメモリ領域を初期化する(ステップS804)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。演出制御CPU201が演出制御ROM202に記憶された制御プログラムを演出制御RAM203に適宜展開する。
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(ステップS805)。次に、あらかじめ各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を実行する(ステップS806)。さらに、演出ランプ10,25(枠ランプ10、盤ランプ25)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(ステップS807)。演出制御CPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(ステップS808)。
次に、演出制御側メイン処理を実行する(ステップS809)。この演出制御側メイン処理の詳細について図45を用いて説明する。なお、前述のステップS809において演出制御側メイン処理へ移行すると、当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグなどの発生によって、万が一、このリセット開始処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(スリープモード)へ遷移する。
<演出制御側メイン処理>
図45は、図44に示す演出制御側メイン処理(ステップS809)の詳細を示すフローチャートである。
まず、演出制御側メイン処理内で演出制御プログラムが演出制御RAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(演出制御プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(ステップS811)。次に、全ての割込みを許可、すなわち、各種の割込み処理の起動を許可する(ステップS812)。
次に、デバイスの初期化動作を実行する(ステップS813)。この初期化動作は、遊技機の電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイドなどのデバイスによって可動役物の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物はあらかじめ設定された初期位置(基準位置)に復帰する。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(ステップS814)。このとき、演出制御CPU201が演出プログラムを正常に実行しているときは、あらかじめ設定されたタイムアウト時間内に、演出制御CPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
次に、入力ポートチェック処理を実行する(ステップS815)。この入力ポートチェック処理では、後述する演出制御側タイマ割込み処理(図52参照)におけるポート入出力処理(ステップS1112)で、割込みが発生する度にI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを監視し、複数回(例えば4回)監視した結果、入力ポートの状態が全て「1」の場合には信号レベルを「1(Hレベル)」に変化させ、入力ポートの状態が全て「0」の場合には信号レベルを「0(Lレベル)」に変化させ、入力ポートの状態がそれ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
次に、エラー演出管理処理を実行する(ステップS816)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(ステップS820)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(ステップS1120)にて16ms周期で減算更新される。エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
次に、演出ボタン監視制御処理を実行する(ステップS817)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、操作有効時間内における演出ボタン15の入力状態を監視して、当該ボタン予告演出に応じてあらかじめ設定された複数種の演出内容の中から、演出ボタン15の入力状態に応じた演出の内容を決定する。なお、遊技者によるボタンの入力操作自体は、後述する演出制御側タイマ割込み処理におけるポート入力処理(ステップS1112)において監視し、当該演出ボタン監視制御処理では、ボタン有効操作とみなすフラグや、演出切替のためのフラグが成立しているかどうかを判定してボタン押下に基づく演出の実行制御を行う。
次に、予告抽選管理処理を実行する(ステップS818)。この予告抽選管理処理では、後続のコマンド解析処理(ステップS820)で選択される変動演出パターンのシナリオに沿って、装飾図柄の変動過程の各段階で発生する予告演出の内容を定めた予告演出パターン(予告演出番号)を抽選で決定する。ここで決定された予告演出番号は、演出制御情報記憶手段260の予告演出番号格納領域に一時的に記憶される。この予告演出番号を画像制御基板300側へ指定するための画像制御コマンドを生成して、これを演出制御情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファに設定する。このとき、予告演出パターンとして、役物予告演出パターン(役物予告演出番号)が選択された場合には、役物リクエストが発生し、後続のデバイス管理処理(ステップS819)にて、可動役物の駆動パターンが特定される。なお、本実施の形態では、装飾図柄の一変動内で発生する複数種の予告演出(予告演出パターン)の全てを、1回のメインループ処理内で抽選するのではなく、当該メインループ処理効率を向上させるため、予告演出の発生時期(例えば、変動開始段階、リーチ発生段階、変動停止段階、演出ボタン15の有効操作時)毎に分けて、複数回のメインループ処理に跨って抽選する構成となっている。その際、装飾図柄の変動開始段階で発生する予告演出については、装飾図柄の変動開始と同期をとる(画像制御コマンドを早急に送信する)必要があるので、前述したメインループ処理内において抽選を実行する。
次に、デバイス管理処理を実行する(ステップS819)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(ステップS820)にて各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、ROM203に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプ10,25のランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。なお、本実施の形態において、1フレーム時間は、演出表示装置70において毎秒約60フレーム(=約60fps)で描画などする場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、可動役物の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データなど)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力されており、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプ10,25を消灯させ、又は、可動役物の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
次に、コマンド解析処理(ステップS820)を実行する。このコマンド解析処理では、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されている場合にはこの演出制御コマンドを読み出してこの演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理の詳細については、後述する図46を用いて説明する。
今回の周期の演出メイン処理のループ処理中において、演出制御コマンドに関して解析(以下「コマンド解析」と称する)を実行したか否かを判定する(ステップS821)。コマンド解析を実行している場合、ステップS814に戻り、ステップS814〜ステップS821を繰り返し実行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合、演出抽選乱数更新処理を実行する(ステップS822)。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
<コマンド解析処理>
図46は、図45に示すコマンド解析処理(ステップS820)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100において出力ポートに保持された演出制御コマンドが以下に示すように演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に取り込まれているか否かを監視し、演出制御コマンドが取り込まれて格納されている場合、この演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
まず、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS831)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合、演出状態移行処理(ステップS832)へ移行する。この演出状態移行処理では、遊技状態指定コマンドに含まれる変動パターン選択状態情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。この演出状態移行処理の詳細については後述する図47を用いて説明する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS833)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合、保留情報管理処理(ステップS834)へ移行する。この保留情報管理処理では、演出制御情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、演出表示装置70の保留表示部(図示せず)に表示される保留画像の表示個数及び表示態様(表示色など)を更新するための処理を実行する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS835)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合、変動演出内容決定処理(ステップS836)へ移行する。この変動演出内容決定処理では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には図柄変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には実行中の図柄変動演出を終了させるための処理を実行する。この変動演出内容決定処理の詳細については後述する図48を用いて説明する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS837)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドを含む。大当り演出関連コマンドが格納されている場合、大当り演出内容決定処理(ステップS838)へ移行する。この大当り演出内容決定処理では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を実行する。この大当り演出内容決定処理の詳細については後述する図49及び図50を用いて説明する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS839)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドを含む。小当り演出関連コマンドが格納されている場合、小当り演出内容決定処理(ステップS840)へ移行する。この小当り演出内容決定処理では、小当り開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を実行する。
次に、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域にエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS841)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合、エラー演出内容決定処理(ステップS842)へ移行する。このエラー演出内容決定処理では、演出制御情報記憶手段260からエラー演出指定コマンドを読み出して、演出表示装置70の画像表示や演出ランプ10,25の発光態様などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
なお、ステップS831,S833,S835,S837,S839,S841において演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合は、コマンド解析処理を終了する。なお、演出制御側メイン処理のループ処理(ステップS814〜ステップS822)は、画像制御CPU301の画像表示周期(1フレーム=16ms)と同期するため、ステップS821のコマンド解析処理や、ステップS822の演出抽選乱数更新処理を繰り返し実行し、16msを超える場合には、処理をステップS814へ復帰させる。
<演出状態移行処理>
図47は、図46に示す演出状態移行処理(ステップS832)の詳細を示すフローチャートである。
まず、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる変動パターン選択状態に関する情報を取得する(ステップS901)。次に、上記ステップS901で取得した変動パターン選択状態に関する情報に基づき、演出モードの移行契機が到来したか否かを判定する(ステップS902)。演出モードの移行契機が到来している場合、ステップS903以降で、所定の演出モードへの移行設定を行う。なお、演出モードの移行契機としては、原則的には特別遊技の終了後における確率変動機能や、変動時間短縮機能、電チューサポート機能の作動、及び変動パターン選択状態の移行契機と連動しており、例えば、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときなどである。なお、変動パターン選択状態の終期回数は、特別図柄の変動回数に係る回数である。
始めに、主制御基板100側で管理された変動パターン選択状態の移行先が、低確率通常変動状態αであるか否かを判定する(ステップS903)。移行先が低確率通常変動状態αである場合、演出モードの移行先として通常演出モードMαを設定する(ステップS904)。この通常演出モードMαに移行すると、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に通常背景データ番号が設定される(ステップS905)。通常演出モードMαにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「荒野」を表す通常背景画像が表示される。一方、移行先が低確率通常変動状態αではない場合(ステップS903)には、変動パターン選択状態の移行先が、高確率時短変動状態βであるか否かを判定する(ステップS906)。移行先が高確率時短変動状態βである場合、演出モードの移行先として確変演出モードMβを設定する(ステップS907)。この確変演出モードAに移行すると、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に確変背景データ番号が設定される(ステップS908)。確変演出モードMβにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70には、例えば「城塞」を表す確変背景画像が表示される。
変動パターン選択状態の移行先が、高確率時短変動状態βでない場合(ステップS906)には、変動パターン選択状態の移行先が、高確率特殊変動状態γであるか否かを判定する(ステップS909)。移行先が高確率特殊変動状態γである場合、演出モードの移行先として特殊演出モードMγを設定する(ステップS910)。次に、演出制御情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS911)。特殊連続演出フラグとは、特殊連続演出が実行される場合にオンとなるフラグである。特殊連続演出フラグがオンである場合、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に特殊背景データ番号が設定される(ステップS912)。特殊演出モードMγにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「星空」を表す特殊背景画像が表示される。一方、特殊連続演出フラグがオフである場合には、演出制御情報記憶手段260の背景データ格納領域に確変背景データ番号が設定される(ステップS913)。特殊演出モードMγにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、例えば「城塞」を表す確変背景画像(確変演出モードMβのときと実質的に同一の背景画像)が表示される。次に、当該処理で決定した演出内容(背景画像)の表示を指示するための画像制御コマンドを生成し、これを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(ステップS921)。また、演出モードの変更としては、主制御基板100の遊技状態によるものではない、演出制御基板200側で決定する変更も存在する。例えば、主制御基板100側で通常遊技状態(低確率/低ベース)が、所定回数継続して行われた場合や、特殊な演出態様を実行するための先読み抽選に当選した場合、電源投入からの経過時間を計測するタイマ値やRTC回路が所定時刻になったことと判断して特殊演出を実行する場合などがあげられる。
<変動演出内容決定処理>
図48は、図46に示す変動演出内容決定処理(ステップS836)の詳細を示すフローチャートである。
まず、演出制御情報記憶手段260に変動開始コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS931)。変動開始コマンドが格納されている場合、この変動開始コマンド(変動パターン指定コマンド、変動付加図柄情報指定コマンド、キャラクタ演出番号指定コマンド)の内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる当否抽選の結果、図柄群、変動パターン(変動時間)、遊技状態などを示す情報を取得する(ステップS932)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納される。
次に、変動演出パターン選択処理を実行する(ステップS933)。この変動演出パターン選択処理では、上記ステップS932で取得した変動パターン情報と上記ステップS832の演出状態移行処理で設定された演出モードとに基づき、変動演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から変動演出パターン乱数値を取得して、複数種の変動演出パターンの中から、いずれかの変動演出パターンを抽選で決定する。変動演出パターンは、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の種類・発生時期、予告演出の種類・発生時期などが規定された演出表示過程のシナリオを構成している。ここで決定された変動演出パターン番号は、演出制御情報記憶手段260の変動演出パターン格納領域に一時的に記憶される。選択された変動演出パターン番号に対応したランプ演出番号をリクエストして、このリクエストされたランプ演出番号を演出制御情報記憶手段260のランプリクエスト記憶領域に設定する。
次に、装飾図柄停止図柄選択処理を実行する(ステップS934)。この装飾図柄停止図柄選択処理では、上記ステップS932で取得した図柄群情報と変動パターン情報に基づき、最終的に停止させる装飾図柄の停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)をそれぞれ抽選で決定する。ここで決定された装飾図柄組合せ番号は、演出制御情報記憶手段260の装飾図柄格納領域に一時的に記憶される。
次に、演出制御情報記憶手段260の先読み情報格納領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(ステップS935)。
上記ステップS933〜ステップS935で取得した演出情報に基づき、装飾図柄の変動開始に要する画像制御コマンド(変動演出開始コマンド)を生成し、この画像制御コマンドを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(ステップS939)。
一方、変動開始コマンドが格納されていない場合(ステップS931)には、演出制御情報記憶手段260に変動停止コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS940)。変動停止コマンドが格納されている場合(ステップS940)には、変動停止コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる図柄停止情報を取得する(ステップS941)。装飾図柄の変動停止に要する画像制御コマンド(変動演出停止コマンド)を生成し、この画像制御コマンドを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(ステップS942)。
<大当り演出内容決定処理>
図49及び図50は、図46に示す大当り演出内容決定処理(ステップS836)の詳細を示すフローチャートである。
まず、演出制御情報記憶手段260に開始デモコマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1001)。開始デモコマンドが格納されている場合には、開始デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる大当り種別などを示す情報を取得する(ステップS1002)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次に、連荘回数をカウントするための連荘回数カウンタを更新する(ステップS1003)。具体的には、今回の大当りが通常状態での大当り(「初当り」と称する)である場合は連荘回数カウンタに「1」をセットし、連荘である場合は連荘回数カウンタを「1」加算する。
次に、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)の内容を決定するための大当り演出パターン選択処理を実行する(ステップS1004)。この大当り演出パターン選択処理では、図示しない大当り演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から大当り演出パターン乱数値を取得して、複数種の大当り演出パターンの中から、いずれかの大当り演出パターンを抽選にて決定する。ここで決定された大当り演出パターン番号は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶される。この大当たり演出パターン番号は、例えば、開始デモパターン番号、ラウンド演出パターン番号及び終了デモパターン番号を含んでいる。
次に、保留内連荘演出判定処理を実行する(ステップS1005)。この保留内連荘演出判定処理では、大当り遊技が実行される際に存在する保留内に、大当り終了後の遊技状態(特に確変遊技状態)で大当りとなる保留が存在する場合に、保留内連荘演出の実行可否を判定するとともに、保留内連荘演出を実行することを決定した場合には特殊連続演出フラグをオンとし、連荘演出パターンを選択する。
次に、大当り演出差し替え処理を実行する(ステップS1006)。この大当り演出差し替え処理では、保留内連荘演出(特殊連続演出)が実行される場合に、通常の開始デモ演出パターン及び通常の終了デモ演出パターンを特殊開始デモ演出パターン及び特殊終了デモ演出パターンに差し替える。なお、本実施の形態では、保留内連荘演出における先読み判定の対象となるのは、先行の作動保留球が大当りとなった場合にその特別遊技の開始時点(当該変動終了時)にて存在する後続の作動保留球である。そのため、特別遊技中に生じた作動保留球が特定保留である場合でも、保留内連荘演出判定処理(ステップS1005)と差し替え処理(ステップS1006)は実行されることはないが、当該特別遊技中に特定保留が生じた場合に、当該特別遊技中においても保留内連荘演出判定処理と差し替え処理とを実行し、特別遊技の開始時に設定した大当り演出データを差し替えるように構成してもよい。
上記ステップS1004,S1006で演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶した開始デモ演出パターン番号を演出制御情報記憶手段260の開始デモ演出格納領域に転送して、開始デモ演出の開始を設定する(ステップS1007)。
次に、演出制御情報記憶手段260にラウンド演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1011)。ラウンド演出指定コマンドが格納されている場合(ステップS1007)には、ラウンド演出指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれるラウンド数や、大入賞口64への入賞数を示す情報を取得する(ステップS1012)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次に、上記ステップS1012で取得した情報に基づき、演出制御情報記憶手段260のラウンド数カウンタを更新する(ステップS1013)とともに、演出制御情報記憶手段260の大入賞数カウンタを更新する(ステップS1014)。なお、本実施の形態では、大入賞口64に遊技球が入球する毎に「14」個の賞球が払い出されるため、大入賞口64への入賞数に「14」を乗算することで、獲得賞球数が算出される。
次に、演出制御情報記憶手段260の擬似カウントフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS1015)。擬似カウントフラグとは、先の特別遊技におけるラウンド数及び獲得賞球数を、後の特別遊技におけるラウンド数及び獲得賞球数に上乗せして報知する擬似カウント演出を実行する場合にオンとなるフラグである。擬似カウントフラグがオンである場合、すなわち、後の大当りにおけるラウンド演出(擬似カウント演出)を実行予定である場合には、ラウンド数擬似加算処理を実行する(ステップS1016)。このラウンド数擬似加算処理では、ラウンド数カウンタに記憶されたラウンド遊技の実行回数(ラウンド回数:1R〜10R)に、先の特別遊技で実行されたラウンド遊技の実行回数(ラウンド回数:10R)を加算する。これにより、特殊連続演出において、後の特別遊技における1ラウンド目のラウンド遊技が第11ラウンド目のラウンド遊技として報知される。
次に、獲得賞球数擬似加算処理を実行する(ステップS1017)。この獲得賞球数擬似加算処理では、大入賞数カウンタに格納された入賞数に、先の特別遊技での大入賞口への入賞数を加算する。これにより、特殊連続演出において、後の特別遊技において獲得した賞球数を、先の特別遊技と後の特別遊技で獲得した合計の賞球数として報知される。
上記ステップS1004,S1006において演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶したラウンド演出パターン番号を、ラウンド数カウンタ及び大入賞数カウンタの数値とともに、演出制御情報記憶手段260のラウンド演出格納領域に転送して、ラウンド演出の開始を設定する(ステップS1018)。
次に、演出制御情報記憶手段260に終了デモコマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1021)。終了デモコマンドが格納されている場合、終了デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる情報を取得する(ステップS1022)。なお、この取得情報は、演出制御情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次に、演出制御情報記憶手段260の特殊連続演出フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS1023)、保留内連荘演出を実行するか否かを判断する。特殊連続演出フラグがオンである場合には、ラウンド数カウンタの値(ラウンド数)及び大入賞数カウンタの値(大入賞数)を演出制御情報記憶手段260の先の大当り記憶領域に一時的に記憶する(ステップS1024)。これは、今回の大当りが特殊連続演出における先の大当りに該当する場合には、先の大当りでの最終的なラウンド数及び大入賞数は、後の大当り演出における擬似加算処理(ステップS1016,S1017)にて使用される予定であるため、先の特別遊技の記録情報として記憶するためである。そのため、上記ステップS1016,S1017での擬似加算処理では、この先の大当り記憶領域に保存された数値(ラウンド数及び大入賞数)が上乗せされることになる。次に、演出制御情報記憶手段260のラウンド数カウンタ及び大入賞数カウンタをクリアする(ステップS1025,S1026)。
次に、演出制御情報記憶手段260の擬似カウントフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS1027)。擬似カウントフラグがオンである場合、擬似カウントフラグをオフにする(ステップS1028)。次に、演出制御情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS1035)。保留内連荘演出フラグがオンである場合、演出制御情報記憶手段260の保留内連荘演出フラグをオフにする(ステップS1036)。
次に、上記ステップS1004,S1006において演出制御情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時的に記憶した終了デモ演出パターン番号を演出制御情報記憶手段260の終了デモ演出格納領域に転送して、終了デモ演出の開始を設定する(ステップS1037)。上記ステップS1005,S1007,S1018,S1037において取得した演出情報に基づき、大当り演出に要する画像制御コマンドを生成し、この画像制御コマンドを演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(ステップS1038)。
<演出制御コマンドの受信割込み処理>
図51は、演出制御コマンドの受信割込み処理の一例を示すフローチャートである。演出制御コマンドの受信割込み処理では、前述したように、主制御基板100から入力されるストローブ信号の読み取り開始条件が成立(例えばアクティブ電位に切り替わるエッジを検出したり、一定期間アクティブ電位が継続した場合など)に基づいて割込みが発生したことを契機として開始される。
このように発生する割込みは、ストローブ信号が非アクティブ電位からアクティブ電位に移行する前半エッジを契機とすることを一例とするが、このストローブ信号がアクティブ電位から非アクティブ電位に移行する後半エッジを契機とするようにしても良い。このように後半エッジを契機とすると、ストローブ信号を出力するまでの待ち時間について(及び出力維持期間についても)設定する値を少なくすることが可能になり、特に、EVENTデータ(第2コマンド)に関して前倒しして処理が可能となり、演出制御基板200側の読み取り開始判断ステップは増加する(アクティブ移行の処理後に非アクティブ移行とチャタリングを判別する必要があるため)が、主制御基板100側において演出制御コマンド送信処理(図25のステップS79)を完了するまでの時間を短縮可能となる。なお、上記割込みは、コマンド送信処理の主制御側での処理の完了がEVENTデータのストローブ信号出力の完了時であるため、例えば、MODEデータについては、上述した前半エッジを契機とするとともに、EVENTデータについては、上述した後半エッジを契機とするようにしても良い。
この割込み処理では、ラッチ及びスイッチング回路104Aに各種の演出制御コマンドが格納されている場合、この格納されている演出制御コマンドを取得して演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。なお、前述したように演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んでおり、主制御基板100から演出制御基板200に対して、MODEデータ、EVENTデータの順に送信される。なお、本実施の形態では、説明の便宜上、MODEデータを「第1コマンド」、EVENTデータを「第2コマンド」とも表現している。
この演出制御コマンド受信割込み処理では、まず、演出制御コマンドの入力値が確定したか否かを判定する(ステップS1101)。具体的には、主制御基板100からのストローブ信号の受け取りを契機として、I/Oポート回路104のラッチ及びスイッチング回路104Aに8ビットごとに保持されているコマンドデータについて最高5回まで読み込みを繰り返し、2回連続で同じ値を読み込んだ時点で、当該同じ値を入力値として確定する。このように繰り返すのは、ノイズなどの影響によりコマンドデータの読み取りを失敗するおそれがあるためである。
次に、今回受信したコマンドデータが第1コマンド(MODE)であるか否か、換言すれば、受信したコマンドの第7ビットが「1」であるかを判定する(ステップS1102)。今回受信したコマンドデータが第1コマンドである場合、当該第1コマンドをテンポラリ領域に一時的に記憶する(ステップS1103)。次に、演出抽選乱数発生手段210から演出抽選乱数を取得して、この乱数情報を演出制御情報記憶手段260の演出抽選乱数格納領域に一時的に記憶する(ステップS1104)。なお、演出抽選乱数の取得時期を、演出制御コマンドの受信時としているのは、演出制御コマンドが遊技球の始動入賞時や特別図柄の変動開始時など不規則なタイミングで送信されるため、それを契機とすることにより取得時期に周期性を出さず外部から推測できないようにするためである。このように演出抽選乱数の取得時期を不規則とすることで、各種の演出抽選においても、同一の演出が不自然に繰り返し選択されてしまうなどの不都合が発生し難くなる。
一方、今回受信したコマンドデータが第2コマンドである場合(ステップS1102)には、すでに第1コマンドを受信済であるか否かを判定する(ステップS1105)。すなわち、演出制御コマンドを第1コマンド(MODE)→第2コマンド(EVENT)の順に受信したか否か判定し、演出制御コマンドの組合せに矛盾があるか否かについて確認する。演出制御コマンドの組合せに矛盾がない場合、ライトポインタ(書き込み用のポインタ)の示すアドレスを取得する(ステップS1106)。次に、第1コマンド及び第2コマンドを、ライトポインタの指示するアドレスに従って、演出制御情報記憶手段260のコマンド格納領域のうち演出制御コマンドバッファ(リングバッファ)に、16ビットのコマンドデータとして保存する(ステップS1107)。このように演出制御コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、前述したコマンド解析処理で読み出されており、当該保存されたコマンドデータが表す演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理が実行される。次に、ライトポインタの示すアドレスを更新する(ステップS1108)。さらに、前述したステップS1103において一時的に記憶したコマンドデータ(第1コマンド)をクリアする(ステップS1109)。
本実施形態では、既に説明したように主制御基板100から演出制御基板200に対するストローブ信号の出力タイミングが、ラッチ回路104Bなどの回路を構成するトランジスタアレイの信号遷移時間や伝搬遅延による出力側の理論値を基に制御されているため、演出制御基板200は、ストローブ信号が確実にアクティブ電位に至った状態で各コマンドデータを確実に受け取ることができるため、確実に演出動作を制御することができる。
<演出制御側タイマ割込み処理>
図52は、演出制御側タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動されており、上述した演出制御側メイン処理に割り込むように実行される。
タイマ割込みが発生すると、演出制御CPU201内のレジスタの内容を演出制御RAM203のスタック領域に退避させた後、ステップS1111以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込みなど、優先レベル2以上の割込みを許可する(ステップS1111)。
次に、ポート入出力処理を実行する(ステップS1112)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204を用いて入力データの入力処理及び出力データの出力処理を実行する。入力処理では、I/Oポート回路204に入力されている各種信号を読み取り、これを入力情報として記憶する。一方、出力処理では、演出制御情報記憶手段260に一時的に記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204から出力する。
次に、デバイス制御データ出力処理を実行する(ステップS1113)。このデバイス制御データ出力処理では、前述したデバイス管理処理(ステップS819)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出して演出制御情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204からモータドライバ92へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えられることとなる。
次に、演出用タイマ更新処理を実行する(ステップS1114)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(例えば1ms)ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、及び、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理されており、その時間軸上で可動役物の駆動タイミングや演出ランプ10,25の点灯タイミングなどの時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(ステップS1113)やランプデータ更新処理(ステップS1118)などにおいても利用される。
次に、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(ステップS1115)。演出ボタン15の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施の形態では1ms)減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる時間である。
次に、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(ステップS1117)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」〜「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」〜「14」であれば1加算し、タスクカウンタの値が「15」である場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。今回更新されたタスクカウンタの値に対応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(ステップS1118のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(ステップS1119の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(ステップS1120のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本実施の形態では、タスクカウンタの値(「0」〜「15」)のうち、ある1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプ10,25の切り換え制御の最小単位16msと一致させるためである。この演出ランプ10,25の切り換え制御の最小単位は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
次に、ランプデータ更新処理を実行する(ステップS1118)。このランプデータ更新処理では、前述したデバイス管理処理(ステップS819)などで特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプ10,25の切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板91へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期した態様で、1ビット毎にランプ接続基板91に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返されており、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力される。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板91に対してシリアル転送にて出力される。なお、このランプデータ更新処理は、前述したタスク制御カウンタ更新処理(ステップS1117)でタスクカウンタの値が所定値(ランプ制御タスクを示す値)となった場合に実行される処理(つまり16ms周期で実行される処理)となっている。
次に、画像CPU暴走監視処理を実行する(ステップS1119)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が800〜1600ms(50〜100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基板300の画像制御CPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側は画像制御CPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。なお、この画像CPU暴走監視処理は、前述したタスク制御カウンタ更新処理(ステップS1117)でタスクカウンタの値が所定値(画像監視タスクを示す値)となった場合に実行される処理となっている。
次に、エラー管理タイマ処理を実行する(ステップS1120)。このエラー管理タイマ処理では、前述したエラー演出管理処理(ステップS817)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。なお、このエラー管理タイマ処理は、前述したタスク制御カウンタ更新処理(ステップS1117)でタスクカウンタの値が所定値(エラー管理タスクを示す値)となった場合に実行される処理となっている。全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
<画像制御コマンドの送信割込み処理>
図53は、画像制御コマンドの送信割込み処理の一例を示すフローチャートである。この画像制御コマンドの送信割込み処理は、あらかじめ設定された一定間隔(500μs)毎に発生する。
この画像制御コマンドの送信割込み処理では、まず、演出制御情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファをチェックする(ステップS1131)。次に、画像制御コマンドバッファにおいてリードポインタを取得し(ステップS1132)、画像制御コマンドバッファに画像制御コマンドが格納されているか否かを判定する(ステップS1133)。画像制御コマンドが格納されているか否かは、例えば、リードポインタ及びライトポインタによって確認することができる。リードポインタとライトポインタとが一致している場合には、画像制御コマンドが格納されていないことになる。画像制御コマンドが格納されている場合(ステップS1133)には、リードポインタが指す領域から画像制御コマンドを読み出す(ステップS1134)。この読み出した画像制御コマンドを、出力先として指定されたシリアル通信回路(図示せず)の出力バッファにセットする(ステップS1135)。これによりシリアルポートから画像制御コマンドが画像制御基板300に対してシリアル送信される。次に、コマンドデータ(前述したステップS1135で格納したコマンドデータ)をクリアする(ステップS1136)。次に、リードポインタを1加算して更新する(ステップS1137)。当該画像コマンドの送信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
上記実施の形態(図15−図53)では、主制御基板100が、コマンドを、演出制御基板200に対して送信する場合に適用した形態を例示したがこれに限らず、払出制御基板400や図示しない電源基板に対して送信する場合に適用したり、演出制御基板200が画像制御基板300やランプ接続基板91などに送信する場合のみならず、その他の基板が他の基板に対してコマンドを送信する場合にも適用することができる。
また、既述の実施の形態は、基板間においてパラレル通信を用いる遊技機に適用することができ、例えば、回胴式遊技機(「スロットマシン」とも称される)、じゃん球、またはアレンジボールなどの遊技機に適用してもよい。これらのうち回胴式遊技機は、遊技媒体の投入後、始動用操作手段の操作を契機として主制御基板(図示せず)が内部抽選を実行するとともに複数の図柄を変動表示させ、その後、停止用操作手段の操作または所定時間の経過を契機として内部抽選の結果に応じて変動中の複数の図柄を停止させて図柄列を提示し、特定の条件を満たす場合には遊技者にとって有利な遊技状態とする。その際、演出制御基板(図示せず)は、その主制御基板からのコマンドを、ストローブ信号の受け取りを契機として取り込み、当該取り込んだコマンドに従って演出動作を制御する。このようにすると、前述した効果と同様の効果を発揮することができる。一方、各基板上の信号パターンが発生する電磁波は前述したように遮蔽されるため、この回胴式遊技機は、ノイズの影響を受けにくく、安定的に、正常な演出動作を実行することができるようになる。
(遊技機の装飾について)
次に、遊技機の装飾について説明する。通常、遊技機は、映画やアニメ等のタイトルに沿って作成され、遊技パネルには、アニメの登場人物等の印刷が施され、液晶画面には、タイトルに関連した動画が再生され、既述の装飾部材701,702等もタイトルに関連する形態や模様を持って作成されている。一方、遊技機のスペックを、所謂、甘デジ等に変更する際には、装飾部材の絵柄を変更して、遊技者に遊技機のスペックが理解し易いようにしている。
図54は、既述した装飾部材701の正面図、図55は、装飾部材701を右前から見た斜視図、図56は装飾部材701の組み立て分解斜視図である。装飾部材701は、略弓状のフレーム体7001と、夫々略矩形の二つの装飾片7002と、二つの装飾片を夫々収容する収容部7004を備え、収容部7004に装飾片7002を着脱自在に収容し、収容部7004の基部の端面に装飾片7002を収容部7004に対して挿抜するための直方状の開口端7006を備える。装飾体7001には、シート7008が貼付されており、遊技機のスペックを変更する際、装飾片7002に異なる模様のシートを貼り換えるか、異なる模様のシート7008が貼られた装飾片7002に交換すればよい。
装飾片7002は収容部7004に挿入された後、ボルト7010をフレーム体7001のボルト穴7012を介して装飾片のボルト7014穴に締結することによって、装飾片7002をフレーム体7001に固定することができ、装飾片7002をフレーム体7001から取り外す場合には、ボルト7010を外すことによって可能となる。
右装飾部材701の基部と左装飾部材702の基部とは、夫々、裏ユニット200mとしての演出装置アセンブリとして構成され、液晶ベース300mの前方に固定され、遊技パネル100bの背面側の空間に収容されている。したがって、フレーム体7001の開口端7006は裏ユニット200mの側面から露出している。
一方、裏ユニット200mにラップする、液晶ベース300m側面の遊技パネル100b側に凹部7020が形成されている。図57は、遊技盤の凹部7020付近の拡大斜視図であり、装飾片7002が凹部7020からフレーム体7001に挿入される前の状態を示し、図58は、遊技盤の凹部7020付近の拡大斜視図であり、装飾片7002が凹部7020からフレーム体7001に挿入される状態を示す。凹部7020は、装飾片7002が、液晶ベース300m側面に妨げられることなく、凹部の直下に臨む開口端7006にアクセスできるようにするためのものであり、装飾片7002が通過できるように、装飾片7002の幅、高さ、厚さより僅かに大きく形成されている。したがって、装飾片7002が凹部7020に挿入されるだけで、装飾部材701の収容部7004に至ることが出来る。なお、装飾片7002が装飾部材701に収容された後、装飾片7002の端面は凹部7020に埋もれることなくユーザ側に臨んでいるために、ユーザは装飾片7002の小切り欠き7022を爪や工具で引っ掛けることにより、装飾片7002を引き抜くことが出来る。
装飾片7002の交換手順について説明する。装飾部材701の締結手段(ビス7010とビス孔7012、7014)は、遊技盤の前面側にセンター飾り22等で妨げられることなく露出しているため、ユーザは、遊技機前面のガラス板を開放すれば、締結手段にアクセスすることができる。ビス7010が取り外されると、フレーム体7001と装飾片7002との結合が開放され、液晶ベース300mの凹部7020から装飾片7002を引き抜くことができる。次いで、凹部7020から新しい装飾片7002を挿入し、ビス7010をビス孔7012、7014に締結することによって、装飾片7002の交換が完了する。このように遊技パネルの背面にある装飾部材(装飾片)を、液晶ベース300mを遊技パネル100bに固定したままで交換することが出来る。
一方、遊技盤正面左側の装飾部材702について、図59(遊技盤の正面図)に示すように、下方の装飾片の締結手段がセンター飾り22の領域22Aの背面にあって、センター飾り22の開口100hからビス穴に直接アクセスすることができない。そこで、図60(液晶ベースの右側を後ろから見た一部拡大斜視図)に示すように、液晶ベース300mの側面であって、液晶ベース300mの背面側の端面7013に装飾片7002のビス穴7014にビス7010を連通可能なボルト穴を設け、液晶ベース300mの背面側からビスの脱着が可能になるようにした。
図61(液晶ベースの背面図)に示すように、液晶ベース300mの背面には、複数の製番(機種)で、可動役物等部品を共通して適用できるようにするため、これらを液晶ベースの背面に固定するための位置決めボス穴兼ネジ挿通口300bを多数予め形成されている。そして、可動演出装置等の可動体やランプ等に対するハーネス300cは、液晶ベース後面に開口を設けて挿通させるものでなく、液晶ベース4隅から取りまとめて液晶ベースの背面に外周側に沿って配回させることによって、ハーネスの取り回し構造を簡素化させている。
以上説明したように、装飾部材の装飾(意匠)の交換、変更、改修、補強等について、遊技盤の背面から制御基板を取り外し、可動役物を取り外し、そして、コネクタ類を挿抜し直さなければならない等が不要になるため、遊技機の装飾を従来よりも少ない労力で、交換、変更、改修等することができる。
また、左右の装飾部材701、702の意匠の交換のみに限らず、アタッカユニット500や、第1始動口61、一般入賞口66、センター飾り22など遊技パネル100bの前面側に取り付けられる部材についても、遊技パネル100bの前面側よりネジ等の締結手段によって取り付けられることによって意匠面を交換可能とすることができ、前述の遊技パネル100b背面側の装飾部材701、702と合わせて全体として与える印象を変更することができる。
(光演出ユニットの説明)
次に、既述の光演出ユニット(光演出装置800と協動光演出装置802:図13)について詳しく説明する。図62は、光演出ユニットを含む遊技盤5の正面図、図63は、協動光演出装置802を前側右上より見た分解斜視図、図64は、光演出装置800を前側右上より見た分解斜視図、図65は、光演出ユニットを含む遊技盤の一部拡大断面図である。光演出ユニットは、図62に示すように、センター飾り22の上部に位置した導光板による光演出像(「ヤ*ト」の飾り文字:8000)を遊技者に対して出力する。
光演出ユニットは、センター飾り22に固定された協動光演出装置802(第1のサブユニット)と、裏ユニット200mに固定された光演出装置800(第2のサブユニット)との組み合わせからなる。協動光演出装置802は、図63、65のように、第1の導光板8002と、レンズ部材8004とを備え、これらは、センター飾り22のセンターフレーム8006に、所定距離を隔てて支持されている。
レンズ部材8004には、後述する光演出装置800の第2の導光板から出射される演出態様(例えば、ロゴ発光演出)に対応するパターンの凹凸が形成されている。センターフレーム8006は、第1の導光板8002とレンズ部材8004とを正面から見て重なるようにセットする。なお、図63において、8008は、第1の導光板8002に対する発光素子基板であり、8010は、発光素子基板の保持フレームである。
光演出装置800は、図64に示すように、第2の導光板8020と、拡散シート(所定の図柄が印刷された透明シート8022と、半透明なベース部材8024とをさらに備える。ベース部材8024は裏ユニット200mに固定され、そして、第2の導光板8020を保持することによって、第2の導光板8020を前述のレンズ部材8004および第1の導光板8002の後方に重なるように裏ユニット200mに対して固定する。ベース部材8024の正面に、拡散シート(所定の図柄が印刷された透明シート)8022を介して第2の導光板8020が固定される。
第2の導光板8020は、その端面からLEDの光が供給されると、第2の導光板8020の正面から光演出模様が出射される。第2の導光板8020には、光の入射方向に応じて異なる発光演出を実行するための微細凹凸が形成されており、第2の導光板8020の上面からLEDの光が供給されると、第2の導光板8020の正面から光演出(ロゴ発光演出)模様(「ヤ*ト」の絵文字)が出射され、第2の導光板8020の左側面からLEDの光が供給されると、第2の導光板8020の正面から光演出模様(格子模様)が出射される。
ベース部材8024の上方に、硬質樹脂製でレンズ付き装飾板8028が、拡散シート8030、装飾板を照らす発光素子基板8032を介して固定されていてよい。ベース部材8024は、正面から見て、第2の導光板8020を第1のサブユニット802に重なるように支持する。その結果、第2の導光板8020−レンズ8004ー第1の導光板8002によって複合化された光演出像が遊技者に表示される。通常は、第2の導光板8020が使用され、第1の導光板8002は、遊技のチャンスアップや大当りの報知時に「ヤ*ト」の絵文字(第1の導光板8002)に炎エフェクト等の補強演出を付加する。
レンズ部材8004には、第2の導光板8020から出射される演出像のうちロゴ発光演出の模様に対応するパターン8005が形成されている。対応するパターンとは、第2の導光板8020から射出された光演出画像と同一、相似、近似、又は、同等、類似等であることでよい。パターンは、レンズに凹凸として形成されてよい。凹凸によって、第2の導光板8020からレンズ部材8004に直入した光が、屈折、或いは、乱反射して、屈折等に基く画像効果が第2の導光板8020から射出された光演出画像に重畳されて遊技者に認識される。例えば、第2の導光板8020の絵柄と同等の図柄からなる反射構造が形成された透明なレンズ部材8004を配置することによって、導光板8020からの一様な発光映像にエッジが利いた強弱の輪郭(8001:図62)を持たせること、換言すれば、複数の導光板を利用することなく、導光板の映像を立体的に見せることが可能になる。本実施形態のレンズ部材8004におけるパターン8005は、導光板演出をしない際に透明シート8022の図柄を視認しやすくなるよう、第2の導光板8020のロゴ発光演出の模様における輪郭位置に対応して集中的に光の屈折や乱反射のための凹凸を形成しており、その他の領域は平面で構成している。
図66は、レンズ部材8004の正面図、図67は、レンズ部材8004を正面右から見た斜視図、図68は、レンズ部材8004を背面から見た斜視図、図69は、図66のA−A断面の一部拡大図である。レンズ部材8004の正面には、第2の導光板8020から射出される光演出画像(「ヤ*ト」の絵文字)に対応する図柄のパターン8005が凹凸によって構成されている。このパターンは、パターンの領域を一様の凹状として画成する外郭エリア8050と、外郭エリアの直ぐ内側で「ヤ*ト」の絵文字の輪郭線を構成する2重の壁状の凸状部8052と、第2の導光板8020から射出される光演出画像(「ヤ*ト」の絵文字)に相当する凸状部8054と、を備える。
図69に示すように、凸状部8054は、第2の導光板8020から射出される光演出画像8070を透過させ、凸状部8052は、透過画像に対する付加演出として光を屈折、反射させて透過させる。凸状部8052では、「ヤ*ト」の絵文字の輪郭部分に複数の凸部が存在し、しかも、その凸部は高さ方向にテーパ状になっていることから、第2の導光板8020から射出された光8074が屈折、或いは、反射等して、さらに、凸状部8054の壁面で第2の導光板8020から射出された光8072が屈折、或いは、反射することも合わさって、輪郭部分8076が光効果によって強調されて、これが第2の導光板8020から射出された光演出画像8070に加わった統合光演出画像としてレンズ部材8004から出力される。
レンズ部材8004は、第2の導光板8020から射出される光演出画像に対する物理的な付加演出設定手段である。第2の導光板8020から射出される光演出画像(「ヤ*ト」の絵文字)だけでは平坦なものであるが、これに、第2の導光板8020の平面よりも前方で輪郭での光効果が加わることによって、立体的な演出画像として遊技者に提供することができる。輪郭での光の強調は、付加演出設定手段の一例である。レンズ部材8004を直列に複数設けることにより、付加演出を複合化できる。
図65から分かるように、第2の導光板8020はLED等の配置に制限されて、ロゴの一部を構成する装飾部材8028よりも遊技盤の背面側に存在する。しかし、レンズ部材8004は、第2の導光板8020からの導出光で発光するため、レンズの配置面が、発光している面であるかのように遊技者に錯覚させる。レンズ部材8004は装飾板8028とほぼ同一平面に存在することから、発光面と装飾面が連続しているかの印象を与えることができる。
(可動演出装置の説明)
次に、可動演出装置600の詳細について説明する。図70は、可動演出装置600の正面図であり、図71はその背面図であり、図72は可動演出装置600を右上から見た斜視図であり、図73は、可動装置の右上から見た分解斜視図である。可動演出装置は、液晶ベース300mに固定されるベース部材6000と、可動体6002と、ベース部材6000の左右夫々に固定され、可動体6002をベース部材6000に対して昇降させる、左右一対の駆動源ユニット6004a、6004bとを備える。
右駆動源ユニット6004aは、モータの動力を可動体6002の昇降動作へと伝達する動力伝達機構6006aを備える。動力伝達機構6006aは、小径ギヤと大径ギヤとからなる第1のギヤ6008と、小径ギヤに噛み合う第2のギヤ6010と、大径ギヤに噛み合う第3のギヤ6012と、カム部材6014とを備える。第1のギヤ6008は、ベース部材6000の右動力伝達機構収容部6100の軸6102に回転自在に支持される。第2のギヤ6010は同様に軸6104に回転自在に支持される。第3のギヤ6012も同様に軸6106に回転自在に支持される。
カム部材6014の基端の円形孔6015は、右動力伝達機構収容部6100の軸6106に回転自在に支持される。第3ギヤ6012のカム部材6014側の面に、カム部材の直方状の凹部6017に係合される小円柱6019が軸方向に突設されている。
モータ6200は右動力伝達機構収容部カバー6202の下方に固定されて、モータ6200の駆動軸6204が、第1のギヤ6008の小径ギヤ内に嵌入されている。カム部材6014の先端に設けられた小円柱6053は、可動体6002の背面に形成された水平方向に延びる長孔に係合されている。動力伝達機構収容部カバー6202の上方には、ソレノイドによって可動体6002の側面に係合する爪6250を備える係止部材6252が小カバー6254によって右動力伝達機構収容部カバー6202に固定されている。
モータ6200が回転すると第1ギヤ6008が回動され、第1ギヤに従動して第2ギヤ6012が回転する。第2ギヤ6012の小円柱6019は、カム部材6014の直方状の長孔(凹部)6017に係合されているため、カム部材6014の先端部6013は基端部6015を中心にして上方又は下方に動作する。カム部材6014の先端部6013は可動体6002の背面に係合しているため、左右の駆動ユニット6004a、6004bのカム部材の上下動によって、可動体6002がベース部材6000のガイド6001に沿って昇降する。
第2のギヤ6010のモータ6200側の面の周縁寄りには所定角度で小環状体6007が軸方向に突設されている。小環状体6007は、後述のセンサ内を回転し、その際、光路を遮ることによって、センサは検出信号を出力する。この検出信号によって、演出制御基板200は、昇降する可動体6002が特定位置(初期位置、中間位置、目的位置(可動位置))にあることを判定することができる。
左駆動源ユニット6004bは、モータ6300の動力を可動体6002の昇降動作へと伝達する動力伝達機構6006bを備える。動力伝達機構6006bは、小径ギヤと大径ギヤとからなる第4のギヤ6302と、大径ギヤに噛み合う第5のギヤ6304と、第5のギヤに噛合する第6のギヤ6306、そして、カム部材6308とを備える。第4のギヤ6302は、ベース部材の左動力伝達機構収容部6400の軸6402に回転自在に支持される。第5のギヤ6304は同様に軸6406に回転自在に支持される。第6のギヤ6306も同様に回転自在に支持される。
カム部材6308の基端の円形孔6309は、左動力伝達機構収容部6400の軸6410に回転自在に支持される。第5ギヤ6304のカム部材308側の面に、カム部材6308の直方状の長孔6311に嵌入される小円柱6313が軸方向に突設されている。
モータ6300は左動力伝達機構収容部カバーの下方に固定されて、モータ6300の駆動軸が、第4のギヤ6302の小径ギヤ6303内に係合されている。カム部材6308の先端6315は、可動体6002の背面に係合されている。動力伝達機構収容部カバー6350の上方には、ソレノイドによって可動体6002の側面に係合する爪6370を備える係止部材6372がカバーによって固定されている。
モータ6300が回転すると第4のギヤ6302が回動され、第4のギヤ6302に従動して第5のギヤ6304が回転する。第5ギヤ6304の小円柱6313は、カム部材6308の直方状の長孔6311に嵌入されているため、カム部材の先端部6315は基端部6309を中心にして上方又は下方に動作する。カム部材の先端部6315は可動体6002の背面に係合しているため、左右の駆動ユニットのモータ6200、6300を同期回動させることにより、カム部材6014、6308を上下動させて、可動体6002がベース部材6000のガイド6001に沿って昇降する。
第6のギヤ6303と、左動力伝達機構収容部6400の背面の第7のギヤ6309と、左動力伝達機構収容部カバー6350正面の第8のギヤ6351とが、第8のギヤの回転軸6353によって、この回転軸6353が左動力伝達機構収容部6400の円柱スリーブ6408を貫通することによって、一体に連結される。
第5のギヤ6304が回転すると第8のギヤ6351が回転する。第8のギヤ6351のモータ側の面の周縁寄りには所定角度幅で小環状体6357が軸方向に突設されている。小環状体6357は、センサ6500内を回転し、その際、光路を遮ることによって、センサは検出信号を出力する。この検出信号によって演出制御基板200は、昇降する可動体が既述の特定位置にあることを判定することができる。なお、符号6352はセンサ6500の基板であり、さらに、符号6354はセンサーカバーである。
次に可動体6002の構造を詳細に説明する。図74は、可動体6002を右上からみた組み立て分解斜視図である。可動体6002は、裏カバー6802、表カバー6800、左右の一対の装飾体6804a,b、左右一対の装飾体を、直線上で接近、又は、離間させる直動機構6806、とを備える。直動機構6806は、左右のベース6810a,bを備え、左装飾体6804bが左ベース6810bに固定され、右装飾体6804aが右ベース6810aに固定されている。直動機構6806は上下のラックを備え、上ラック6812に右ベース6810aが固定され、下ラック6814に左ベース6810bが固定されている。
下ラック6814と上ラック6812とには中間ピニオン6816が介装され、下ラック6814にはモータ6820の駆動ギヤが噛合している。したがって、モータが正転すると、上下のラックは、右ベース6810aと左ベース6810bとを互いに離間させるように動作し、モータ6820が逆転すると、上下のラックは、右ベース6810aと左ベース6810bとを互いに接近させるように動作する。
表カバー6800は、メインカバー6840と、メインカバーの上方の中央装飾体6842と、左右の揺動体6844a,bとを備える。二つの揺動体6844a,bは中央装飾体6842の左右に回転自在に固定され、揺動体の背面にはベース6810a,b側へ突出部があり、左揺動体6844bの突出部6845bは左ベース6810bのカム溝6845に嵌り込み、右揺動体6844aの突出部6845aは右ベース6810aのカム溝6847に嵌り込む。カム溝は平坦領域6850と上昇傾斜領域6852とからなる。
左ベース6810bと右ベース6810aとが接近している状態では、左右の突出部6845a,bは共に平坦領域6850に存在し、図示するように、左右の揺動体6844a,bは水平状になっている。左ベース6810bと右ベース6810aが離れるようになると、左右の突出部6845a,bは平坦領域6850から上昇傾斜領域6852に移動して、左右の揺動体6844a,bは水平状の形態から逆ハの字の形態に変化していき、それに伴い中央装飾体6842はメインカバー6840に対して上方に移動する。カム溝6845,6847は略中央位置に傾斜部を有するクランク形状の長孔で形成され、可動体が略中間位置に上昇するまでの間は、左右の揺動体6844a,bは水平状態に保たれるようになっている。
裏カバー6802と表カバー6800の中央は、大きく開放されているために、左右の装飾体6804a,bが隙間なく向き合っている状態では、遊技者は、左右の装飾体6804a,bが妨げとなって、液晶の画面を視認し難い。一方、左右の装飾体6804a,bが離間している状態では、遊技者は、左右の装飾体6804a,bの間の隙間を介して液晶の画面を視認できる。
役物演出制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って、遊技状態に応じて、可動演出装置600の演出パターンを選択或いは決定する。可動演出装置の演出パターンは、パターンテーブルによって管理されてよい。可動演出装置の演出パターンは、可動体6002を昇降する際どの位置にするかという点と、装飾体6804a,b同士をどの程度離すかという点と、可動体6002を通常の速度で上昇させるか、又は、これより遅い速度で上昇させるかという点の組合せから設定されてよい。役物演出制御手段240は、可動演出装置を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92に送信する。
可動体6002が取り得る位置には、初期位置(可動体が最も下にある位置)と、可動体に目的の演出を実行させる目的位置としての可動位置(例えば、可動体が最も上昇した位置)と、中間位置(初期位置と可動位置との間の高さの位置)とがある。
可動体の初期位置では、図8に示すように、可動演出装置600がセンター飾りの開口部の下端において僅かに露出している。一方、図75は可動位置での可動演出装置600の斜視図であり、図76は可動位置での可動演出装置600の正面図であり、図77は可動演出装置600を含む遊技盤の正面図である。可動位置では、可動体6002が液晶表示画面の前面を上昇し、センター飾り22の開口部の下端から大きく露出している。さらに、一対の装飾体6810a,bは最大限離間し、これに伴い、一対の揺動体6804a,bは逆ハの字を呈し、中央装飾体6842は持ち上げられている。その結果、一対の装飾体6804a,bと中央装飾体6842とによって囲まれる第二表示領域6841が形成される。第二表示領域6841は、後方の液晶の画面に、ワイプ表示させるものであってよい。
図78は可動体6002が中間位置にある可動演出装置の斜視図であり、図79はその正面図である。この位置では、可動体6002の高さも可動位置での高さより低く、そして、一対の装飾体6804a,bの隙間も最大隙間より狭く、一対の揺動体6844a,bは共に平坦状であり、中央装飾体6842も持ち上げられていない。したがって、可動体6002が可動位置にある場合よりも、第二表示領域6841のサイズが小さいものに留まっている。
役物演出制御手段240は、低確率遊技の通常遊技状態では、可動体6002を初期位置に設定する。役物演出制御手段240は、例えば、大当り告知、大当り期待度演出等では可動体6002を可動位置まで上昇させる。一方、役物演出制御手段240は、ST中、大当り中、保留先読みの保留消化中、ロングリーチ等、複数の変動等所定の期間、特定の遊技状態を継続させる場合、これを遊技者に意識させるために、可動体を中間位置に設定する。そして、役物演出制御手段240は、小さい第二表示領域6841(図59、図79)に、STや時短の残りゲーム数、大当り中の残りラウンド数等をワイプ表示してよい。
ところで、役物演出制御手段240が、中間位置に、可動体6002を継続的に留めておこうとすると、その間、モータ(ステッピングモータ)6200,6300の保持力を得るためにモータへの励磁を継続しなければならない。これでは、役物演出制御手段240が他の可動役物を動作させようとした際に電力不足になる等の課題が生じる。そこで、役物演出制御手段240は、可動体6002を中間位置に置いておく間は、係止装置6252、6372のソレノイドを駆動させて、係止爪(係止片、あるいは、係合手段と言い換えてもよい。)6250,6370を可動体6002に対して係合させて可動体6002をベース部材6000で支持し、モータへの励磁を中断できるようにしている。
役物演出制御手段240は、センサ6500の内中間位置を検出するものが小環状体6357を検出したときの出力によって、中間位置を判定すると、可動体6002を中間位置で停止させモータへの励磁を中断して、係止爪6250,6370(可動体位置維持手段)を可動体6002に対して係合させて、可動体6002の中間位置を維持する、換言すれば、可動体6002が中間位置から下降し難くする。係止爪は、可動体6002が中間位置に来た時に、可動体6002に係合できる位置でカバー6202,6350に固定されている。図80は、係止爪6250が、可動体6002の右カバー6810aの下端の凹溝6900に係合して、可動体6002の自重を支えていることを示している。役物演出制御手段240は、中間位置から可動体6002を移動させる際は係止爪を可動体から開放する。
なお、役物演出制御手段240は、毎変動の変動開始や変動停止時、5秒毎等様々な間隔で役物位置を監視して初期位置復帰動作をするか否かを監視するが、ST中では、監視用比較データとして中間位置が割り当てられてよい。電断復帰した場合にも初期位置確認がなされ初期化動作をするが、この際には、役物が正常に動作するか否かを確認する必要があるため、監視用比較データは初期位置とする。
役物演出制御手段240は、可動体6002の上昇動作に関して、ステッピングモータの駆動テーブルを備えている。このテーブルは、可動体を緩慢に上昇させるパターンを備えている。このパターンでは、通常、タイマ割り込み(1ms毎)に同期してモータへパルス信号が出力されるのに対して、複数割り込み毎にモータへパルス信号が出力される。例えば、モータの駆動が最も遅いパターンでは、1−2相励磁で250pps(Pulse Per Second)であり、これは2相励磁1000pps駆動の1/8の速さである。しかし、モータの駆動が遅くなると、モータが可動体6002の重さに耐えきれず下降してしまったり、力不足となりパルス信号に同期して上昇できない脱調現象が生じ、可動体を上昇できないといった問題が生じる。
そこで、役物演出制御手段240は、複数割り込み毎(例えば、3割り込み信号毎=333pps)にモータへパルス信号を出力してモータを1ステップ回転させ、その後、所定時間(例えば、20割込み=20ms)前回のパルス出力に基づいて更新した励磁相に対し連続して励磁して、即ち、この間モータを保持して、重量物による抵抗を緩衝するループを繰り返しながら、モータを駆動させれば、モータの脱調現象を避けながら可動体を緩慢に上昇させることができる。駆動テーブルには、ステッピングモータのこのような動作パターンが記録されている。
役物演出制御手段240は、可動体を緩慢に上昇させる際、ループ回数を指定して到達点を定めてもよいし、センサが可動体の到達を検出まで、ループを継続させてもよい。このように、モータの正転と保持のループを繰り返すことにより、モータを、保持時間を含めて1ステップ進めることができるため、モータのデバイスICが処理できる限界速度以下で動作させることができる。なお、役物演出制御手段240は励磁方法の指示ができ、励磁方法でモータの速度が変わる。モータを限界速度以下で動作できることによって、例えば、楽曲の演出に合わせて可動体6002を極めて緩慢に上昇させるといった演出が可能になる。
(アタッカユニットの説明)
次に、既述のアタッカユニット500について説明する。アタッカユニットとは、大入賞口64、及び、大入賞口を開閉する可動片(アタッカ:特別電動役物642)と、これを動作させるための駆動手段(特別電動役物ソレノイド124)とが一体になったユニットである。本発明のアタッカユニット500には、さらに、第2始動口62、第2始動口を開閉する可動片(普通電動役物622)、これを動作させるための駆動手段(普通電動役物ソレノイド123)と、ゲート63、第2始動口に入球できなかった遊技球を第1のアウト口66とは別に排出する第2アウト口とが一体になっている。
図81はアタッカユニットの正面図、図82は、アタッカユニットを右上から見た斜視図、図83はアタッカユニットの背面図、図84はアタッカユニットの背面を左下から見た斜視図、図85はアタッカユニットの右側面図、図86は、アタッカユニットの正面を右上から見た、アタッカユニットの組み立て分解斜視図、そして、図87は、アタッカユニットの背面をその右上から見た、アタッカユニットの組み立て分解斜視図である。
アタッカユニットは、表面パネル(カバー)5000と、背面パネル5004と、中間パネル5002とを備え、これらは一体に組付けられて、アタッカユニットの筐体を構成している。これらパネルは硬質透明樹脂から形成されてよい。
符号5008は、第2始動口62を開閉する可動片5010(普通電動役物622)を備える電チュー装置であり、これは表面パネル5000に固定されている。表面パネル5000には、その装飾面として、所定の模様、絵柄等が付された装飾シール5005が貼付される。なお、シールを設けずに絵、模様等は、表面パネルに直接印刷されていてもよい。模様、絵柄は、平面に限らず立体物であってもよい。
中間パネル5002には、一般入賞口66、ゲート63、そして、第2アウト口5016が形成されている。さらに、中間パネル5002には発光素子基板5003、アタッカモジュール5014が夫々固定されている。発光素子基板5003は複数の発光素子LED5003aを備え、表面パネル5000の背後から装飾シール5005を照明するための光を照射する。
アタッカモジュール5014は、大入賞口64、大入賞口を開閉するアタッカとしてのスライド可動片5019、そして、それを駆動させるソレノイドとが一体になったものである。スライド可動片5019は表面パネル5000と中間パネル5002の間に形成される流路の前後方向にスライド(進退)して、大入賞口64を開閉する。また、中間パネル5002には、可動片5010を揺動させるための駆動源としてのソレノイド123が固定されている。そして、背面パネル5004には、一般入賞口66の背面と、一般入賞口に入球した遊技球の流路5035が形成されている。
アタッカユニット500は、遊技領域5aにおける右側寄りの領域に設けられている。そのため、特別遊技状態においては、遊技領域5aに遊技球を発射する際に、右側領域を狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで、遊技球がアタッカユニット500の大入賞口64へ入球し易い構成となっている。図92、図93は、夫々図85のA−A断面図である。
ゲート63を通過し、又は、ゲート63を通過することなくアタッカユニット500に到達した遊技球Yはアタッカユニット内の流路を流下して、スライド可動片5019に到達する。特別遊技状態において、スライド可動片5019が後退して大入賞口64を開放すると、遊技球Yは流路5050を経て、大入賞口入賞センサ5023を通過して裏ユニット200mに流出される。
スライド可動片5019の非動作時、或いは、スライド可動片5019が大入賞口64を閉鎖しているタイミングでは、遊技球Yは、スライド可動片5019の上面を転動し、次いで、流路5070を流下する。流路5070には第2始動口の可動片5010が臨んでおり、可動片5010が第2始動口を開放するタイミングでは、可動片5010は、図93に示すように、流路5070を流下する遊技球をすくい上げて第2始動口62へ誘導する。
一方、可動片5010が第2始動口62を閉鎖するタイミングでは、図92に示すように、遊技球Yは、第2始動口62へ到達出来ずに流路5070を流下し、第2アウト口5016から排出される。なお、図94に図85のB−B断面図を示す。図94から分かるように、背面パネル5004には、一般入賞口66に入球した遊技球の流路5035が形成されている。
流路5070は、可動片5010の回転揺動の軌跡に合わせて、可動片5010から遠ざかる方向に弧状に成って形成され、可動片5010と流路5070との間で球が挟み込まれないようになっている。そして、可動片5010も開動作した状態で流路5070との間に遊技球を挟まない隙間、位置、高さ等で設定されている。
スライド可動片5019は、その上面を転動する遊技球を減速させて、流路5070での遊技球の挙動を緩和して(遊技球が流路5070で飛び跳ねるのを防止して)、第2始動口62への入球率を上昇(電チューサポート中の発射数当りの賞球数を上昇)させるようにしている。スライド可動片5019の水平方向に対して下降する傾斜角が大きいと、転動する遊技球を減速できず、一方、傾斜角が小さいと、遊技球がスライド可動片5019上で滞留して、複数の遊技球の凝集、所謂、ぶどう状態の虞がある。なお、スライド可動片5019上面、表面パネル5000、および、中間パネル5002の流路側等の少なくとも一つに、転動する遊技球を減速させるための減速機構(リブ等)を設けてもよい。
遊技者の興趣を向上させるために、液晶画像表示面を拡大するスペースを遊技盤に確保する観点から、アタッカユニット500は、遊技領域5aの右最下部のアウト誘導路100eに極力近付けて置かれている。しかも、電チューユニット5008は、既述のように、アタッカユニット500の最下端にあるため、第2始動口62に入球できなかった遊技球を、流路5070から第1のアウト口66へ遊技球を誘導するためのスペースを設けることができない。そこで、アタッカユニット500内の流路5070の終端において、可動片5010に並設させて、第2始動口62に入球されなかった遊技球に対する第2のアウト口5016を設けることとした。このようにすることによって、アタッカユニット500を遊技領域5aの右側最下端まで移動させたとしても、画像表示領域を拡大させながら右打ち時のアウト球を排出するためのアウト口を確保することができる。
次に、表面パネル5000の背面から発光基板5003に向けて、導光部材としての柱状体が延設されていることについて説明する。図88は表面パネルの背面図、図89は表面パネルの背面を右上から見た斜視図、図90は表面パネルの正面を右上から見た斜視図及びその一部(X)の拡大図、そして、図91は図81のA−A断面図及びその一部(X)の拡大図である。
表面パネル5000の背面から発光基板5003に向けて、導光部材としての柱状体5100が延設されている。この導光部材は、装飾面(装飾シール)5005のうち、例えば、強調した発光演出を適用したい領域(目的領域)から、その直下の発光素子5003b(図86)との間を繋ぎ、この発光素子からの光を柱状体5100の内部を反射させながら導光することで、光を集中的に直接目的領域に出射することができる。導光部材が適用されない発光素子は、表面パネル5000の背後から離れて中間パネルの前面に配設されるため、発光素子から発せられる光の照射角の範囲で装飾面5005を均等に照明するのに対して、導光部材が適用される発光素子5003bは目標領域をその他の領域から区別できるように照明することができる。
柱状部材5100は略台形を成し、発光素子基板5003側の短辺5100aが発光素子5003bの直近で終端し、受光素子5003bからの光(発光素子基板からの光の少なくとも一部)を短辺の凹面領域5101(図91)から効率良く取り込み、取り込んだ光を短辺側5100bから柱状部5100内を拡散させながら導光して、長辺側5100bから出射する。
ところで、柱状部材5100の長辺側での表面パネル5000との接合領域は、装飾面5005のラインと面一ではなく、接合領域の一部は装飾面5005のラインから凹状に後退させ、曲面やテーパ面からなる出射面を有した凹部5104を構成している(図91)。柱状部材5100内を導光された光は、凹部5104では散乱或いは拡散する等して光の濃淡が生じ、柱状部材5100と装飾面5005との接合部5104bからは照明光が直接装飾面5005側に出射される。この際、凹部5104の発光演出態様は光の濃淡により、接合部5104bにおける発光態様に対する影を表現したものとなり、影を伴った照明が装飾面5005に適応される。影付き照明に依る発光演出としては、例えば、帽子を被った人物の顔の影の奥から眼光鋭く目が光るといった態様があり、光演出の興趣性を向上させる。柱状部材5100が凹部を伴うことなく、柱状部材5100が面一で表面パネル500に接合すると、人物の顔が均等に照明され、影を伴った発光を表現できない。なお、柱状部材5100の表面パネル5000との接合部は、柱状部材5100を表面パネル5000と一体に形成するために、肉厚状5102にして柱状部材5100の強度を増している。また、柱状部材5100は表面パネル500とは別体でもよい。
次に、図87乃至図89に示すように、表面パネル5000の背面には、スライド可動片側5019に向かって、スライド可動片5019と表面パネル5000の背面の壁面との間で遊技球の挟持(球噛み)を防止するために、複数の突条部としての3つのリブ5200、5202、5204が、遊技球の転動方向に沿って突設されている。
この3つのリブは、遊技球の転動方向に対して、夫々異なった態様で形成されている。即ち、第1のリブ5204は、スライド可動片5019とほぼ平行でスライド可動板の僅か上の領域を、スライド可動板の遊技球の転動方向での開始端から終了端のほぼ中間位置までの長さであり、かつ、遊技球の転動方向に沿った側面が略三角状で先端に向かってテーパ状の細く長く鋭くなった針状を呈している。
第2のリブ5202は、第1のリブ5204の終端近傍とラップしながらそのやや上の位置から開始し、第1のリブ5204より短い長さで終了し、中間より終端に向かって、第1のリブ5204より下方に位置し、遊技球の転動方向に沿った側面が開始端と終了端に向かって夫々鋭角状で全体が「く」の字状を呈している。
第3のリブ5200は、第2のリブ5202の中間から終端に掛けてラップし、第2のリブ5202の上から開始し、遊技球の転動方向に沿った側面が開始端と終了端に向かって夫々鋭角状で全体が弓状を呈し、上下方向の幅が第1のリブ5204と第2のリブ5202に比較して大きくなるように形成されている。
即ち、第1のリブ5204、第2のリブ5202、そして、第3のリブ5200は、遊技球の転動方向に対して、長さ、高さ、形状、方向、傾き、そして、角度等のリブの属性の諸態様において、夫々異なるように設定されているために、遊技球の球噛みが発生しようとしても、単なる1条からなる単一方向のリブに比較して、球噛みの応力を緩和するためのベクトルを違う方向に分散でき、その結果、球噛みを効果的に抑制することができる。特に、球噛み防止のためのリブを長さ、高さ、形状、方向、傾き、角度を異ならせて複数設けておくことにより、複数の遊技球を近接した状態で噛みそうな場合であっても、異なる方向への力を作用させることで、遊技球同士が互いに邪魔にならないようにして球噛みを回避できるようになる。
なお、上述の実施形態においては、3つのリブを個別に形成しているが、1の突状体であっても、第2のリブ5202のように途中で折れ曲がる等まっすぐ形成しないことによって、遊技球の流下方向のそれぞれの領域で球に対して作用させる応力が異なるような態様も採用することによっても同様の効果を得ることが可能である。