JP2019083860A - 生体情報測定装置、操作対象装置、情報処理装置、生体情報測定方法、およびプログラム - Google Patents

生体情報測定装置、操作対象装置、情報処理装置、生体情報測定方法、およびプログラム Download PDF

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添田 薫
Kaoru Soeda
薫 添田
良 下北
Ryo Shimokita
良 下北
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Abstract

【課題】正常な測定方法により得られる高精度な計測データを、有効な計測データとして用いることが可能な生体情報測定装置を提供すること。【解決手段】生体情報測定装置は、筐体と、前記筐体に設けられ、生体に向けて測定光を出射する発光部と、前記筐体に設けられ、前記発光部から出射された前記測定光の前記生体内からの反射光を受光し、当該反射光の受光量に応じた電気信号を出力する受光部と、前記受光部から出力された前記電気信号に基づいて、前記生体における脈波情報およびヘモグロビン情報を算出する生体情報算出部と、前記脈波情報によって特定される前記生体の脈波に重複切痕が示されている場合、前記脈波情報および前記ヘモグロビン情報を有効と判定する判定部とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、生体情報測定装置、操作対象装置、情報処理装置、生体情報測定方法、およびプログラムに関する。
従来、生体内に光を照射し、その反射光の強度に基づいて、生体の脈波の測定を行うことが可能な脈波センサが知られている。例えば、下記特許文献1には、マウス型の筐体と、生体の入力操作を受け付ける入力操作部と、生体の手に光を照射する発光部と、生体内を透過して戻ってくる光の強度を検出する受光部とを有し、受光部によって光の強度を検出することにより脈波データを取得する脈波センサが開示されている。
特開2014−166215号公報
ところで、上記したような脈波センサでは、例えば、生体が正しい姿勢(例えば、着座状態、静止状態等)ではないときに、脈波の測定を行った場合、生体の姿勢の変化に伴って、測定データが変動してしまう場合がある。しかしながら、従来の脈波センサでは、生体が正しい姿勢ではないときに測定された測定データであっても、あたかも正しい測定結果として出力されてしまうため、生体の脈波を高精度に測定することができない虞がある。このようなことから、正常な測定方法により得られる高精度な計測データを、有効な計測データとして用いることが可能な生体情報測定装置が求められている。
一実施形態の生体情報測定装置は、筐体と、前記筐体に設けられ、生体に向けて測定光を出射する発光部と、前記筐体に設けられ、前記発光部から出射された前記測定光の前記生体内からの反射光を受光し、当該反射光の受光量に応じた電気信号を出力する受光部と、前記受光部から出力された前記電気信号に基づいて、前記生体における脈波情報およびヘモグロビン情報を算出する生体情報算出部と、前記脈波情報によって特定される前記生体の脈波に重複切痕が示されている場合、前記脈波情報および前記ヘモグロビン情報を有効と判定する判定部とを備える。
一実施形態によれば、正常な測定方法により得られる高精度な計測データを、有効な計測データとして用いることが可能な生体情報測定装置を提供することができる。
第1実施形態に係る生体情報測定装置の外観斜視図である。 第1実施形態に係る生体情報測定装置のマウス装置への装着例を示す図である。 第1実施形態に係る生体情報測定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る生体情報測定装置が備える制御回路の機能構成を示すブロック図である。 生体における動脈の脈波の波形の構成を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る生体情報測定装置が備える制御回路による処理の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る生体情報測定装置が備える制御回路による処理の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る生体情報測定装置による脈波情報およびヘモグロビン情報の測定結果の第1例を示すグラフである。 第1実施形態に係る生体情報測定装置による脈波情報およびヘモグロビン情報の測定結果の第2例を示すグラフである。 第1実施形態に係る生体情報測定装置による脈波情報およびヘモグロビン情報の測定結果の第3例を示すグラフである。 第2実施形態に係る生体情報測定システムのシステム構成を示す図である。 第2実施形態に係る生体情報測定装置およびスマートフォンの装置構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る生体情報測定装置およびスマートフォンの機能構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る生体情報測定装置およびスマートフォンによる処理の手順を示すシーケンス図である。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、第1実施形態について説明する。
(生体情報測定装置100の概要)
図1は、第1実施形態に係る生体情報測定装置100の外観斜視図である。図1では、便宜上、生体情報測定装置100の厚さ方向をZ軸方向と、生体情報測定装置100の横幅方向をX軸方向とし、生体情報測定装置100の縦幅方向をY軸方向としている。
図1に示す生体情報測定装置100は、その筐体101の測定面101Aを、生体の測定位置(例えば、指、掌等)の表面に接触させることにより、生体における脈拍およびヘモグロビンの濃度を測定し、当該測定結果を出力することが可能な装置である。
生体の血管は、心臓の拍動に伴って脈動することにより、脈波容積が変動し、これに伴い、発光光の吸光度が変化することとなる。また、生体の血管においては、生体の姿勢等に応じて、ヘモグロビンの濃度が変化し、これに伴って、発光光の吸光度が変化することとなる。そこで、本実施形態の生体情報測定装置100は、生体内に発光光を照射し、その反射光の強度に基づいて、脈波情報およびヘモグロビン情報を算出することが可能である。特に、本実施形態の生体情報測定装置100は、脈波情報およびヘモグロビン情報に基づいて、当該脈波情報およびヘモグロビン情報が有効か無効かを判定することができる。これにより、本実施形態の生体情報測定装置100は、正常な測定方法により得られる高精度な計測データを、有効な計測データとして用いることが可能である。
(生体情報測定装置100の構成)
図1に示すように、生体情報測定装置100は、筐体101を備えている。筐体101は、概ね直方体形状(但し、これに限らない)を有する箱状の部材である。筐体101には、例えば、樹脂等の比較的硬質な素材が用いられる。筐体101の内部においては、第1のLED(Light Emitting Diode)パッケージ102、第2のLEDパッケージ103、およびフォトディテクタ104が、基板上に実装されている。
第1のLEDパッケージ102および第2のLEDパッケージ103は、「発光部」の一例である。第1のLEDパッケージ102は、第1のLED素子102aおよび第2のLED素子102bを有する。第2のLEDパッケージ103は、第1のLED素子103aおよび第2のLED素子103bを有する。以下、第1のLEDパッケージ102が有する第1のLED素子102aと、第2のLEDパッケージ103が有する第1のLED素子103aとを、まとめて第1のLED素子102a,103aと示す。また、第1のLEDパッケージ102が有する第2のLED素子102bと、第2のLEDパッケージ103が有する第2のLED素子103bとを、まとめて第2のLED素子102b,103bと示す。
筐体101の測定面101Aは、生体の測定位置(例えば、指、掌等)の表面に接触させる面である。測定面101Aには、上記各LED素子およびフォトディテクタ104のそれぞれに対応する位置に、開口が形成されている。また、測定面101Aには、スイッチ105が設けられている。
第1のLED素子102a,103aは、第1の波長の発光光(「測定光」の一例)を生体に向けて出射する。第1の波長の発光光は、生体を透過し易く、且つ、オキシヘモグロビン(酸素化ヘモグロビン)に対する一定の吸光度を有する近赤外光である。本実施形態では、第1の波長の発光光として、波長が850nmである発光光を用いているが、これに限らない。第1のLED素子102a,103aから出射された第1の波長の発光光は、筐体101の測定面101Aに形成された開口内を通過して、生体の表面に照射される。そして、第1の波長の発光光は、生体の表面を透過して、生体内において反射する。このとき、当該発光光の一部は、オキシヘモグロビンによって吸収されるため、第1の波長の発光光の反射光の強度は、オキシヘモグロビンの濃度に応じたものとなる。
第2のLED素子102b,103bは、第2の波長の発光光(「測定光」の一例)を生体内に向けて出射する。第2の波長の発光光は、生体を透過し易く、且つ、デオキシヘモグロビン(脱酸素化ヘモグロビン)に対する一定の吸光度を有する近赤外光である。本実施形態では、第2の波長の発光光として、波長が760nmである発光光を用いているが、これに限らない。第2のLED素子102b,103bから出射された第2の波長の発光光は、筐体101の測定面101Aに形成された開口内を通過して、生体の表面に照射される。そして、第2の波長の発光光は、生体の表面を透過して、生体内において反射する。このとき、当該発光光の一部は、デオキシヘモグロビンによって吸収されるため、第2の波長の発光光の反射光の強度は、デオキシヘモグロビンの濃度に応じたものとなる。なお、図1に示す例では、生体情報測定装置100には、2つの波長の発光光を出射可能なLEDパッケージが設けられているが、これに限らず、生体情報測定装置100に対し、1つまたは3つ以上の波長の発光光を出射可能なLEDパッケージを設けるようにしてもよい。
フォトディテクタ104は、「受光部」の一例である。第1の波長の発光光および第2の波長の発光光の、生体内からの反射光は、筐体101の測定面101Aに形成された開口内を通過して、フォトディテクタ104に入射される。フォトディテクタ104は、生体内からの反射光を受光し、当該反射光の強度に応じた電気信号を出力する。フォトディテクタ104から出力された電気信号は、ADC114(図3参照)を介して、制御回路107(図3参照)へ供給され、当該制御回路107によって、脈波情報およびヘモグロビン情報を算出するために用いられる。
スイッチ105は、生体が指で押下することにより、オフ状態からオン状態に切り替えられる。スイッチ105のオン状態およびオフ状態は、制御回路107によって検知される。例えば、制御回路107は、スイッチ105がオン状態に切り替えられたことを検知すると、生体情報の測定処理を開始する。なお、スイッチ105は、筐体101の測定面101Aに設けられているため、筐体101に生体の測定位置(例えば、指、掌等)の表面を接触させれば、生体の表面によってスイッチ105が自動的に押下されることとなる。なお、スイッチ105は、押下されている間、オン状態に切り替わるものに限らず、一旦オン状態に切り替えられると、当該オン状態を継続的に維持できるものであってよい。
(生体情報測定装置100の装着例)
図2は、第1実施形態に係る生体情報測定装置100のマウス装置10への装着例を示す図である。例えば、本実施形態の生体情報測定装置100は、生体の手によって把持される操作対象装置に装着される。特に、本実施形態の生体情報測定装置100は、生体の心臓の高さ位置にて操作され得る操作対象装置に装着される。
例えば、図2に示す例では、マウス装置10の左側面に、生体情報測定装置100が装着されている。マウス装置10は、「操作対象装置」の一例である。マウス装置10は、生体が着座している状態において、生体の心臓の高さ位置にて操作される装置である。これにより、図2に示すように、生体の右手でマウス装置10を把持したときに、当該右手の親指の表面を、生体情報測定装置100の測定面101Aに接触させることができる。
この場合、生体情報測定装置100は、第1のLED素子102a,103aから出射された第1の波長の発光光、および、第2のLED素子102b,103bから出射された第2の波長の発光光を、当該右手の親指内に照射することができる。そして、生体情報測定装置100は、当該右手の親指内からの反射光を、フォトディテクタ104によって受光することができる。さらに、生体情報測定装置100は、フォトディテクタ104によって受光された反射光の強度に応じた電気信号に基づいて、生体(親指内)における脈波情報およびヘモグロビン情報を算出することができる。
なお、生体情報測定装置100は、マウス装置に限らず、心臓の高さ位置にて操作され得る操作対象装置であれば、例えば、起立した状態において心臓の高さ位置にて操作される歯ブラシ、着座した状態において心臓の高さ位置にて操作されるトイレのリモコン等の、如何なる操作対象装置に装着されてもよい。また、生体情報測定装置100は、操作対象装置と別体式のものに限らず、操作対象装置と一体化されたものであってもよい。また、生体情報測定装置100は、腕時計型等、生体に装着可能な装着可能な装置であってもよい。
(生体情報測定装置100のハードウェア構成)
図3は、第1実施形態に係る生体情報測定装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3に示すように、生体情報測定装置100は、図1に示した第1のLEDパッケージ102、第2のLEDパッケージ103、フォトディテクタ104、およびスイッチ105に加え、筐体101の内部に、肌温度センサ106、制御回路107、および通信I/F(Inter face)108、ドライバ112、ドライバ113、ADC(Analog to Digital Converter)114、およびバッテリ115を備えている。
肌温度センサ106は、生体情報測定装置100による測定位置における肌温度を検出し、当該肌温度を示す電気信号を、肌温度検出信号として出力する。肌温度センサ106から出力された肌温度検出信号は、制御回路107へ供給される。例えば、肌温度検出信号は、制御回路107により、生体の肌温度を把握したり、生体の肌温度によって測定結果を補正したりするために利用することが可能である。
制御回路107は、生体情報測定装置100の全体を制御する電子回路である。例えば、制御回路107は、第1のLEDパッケージ102向けの駆動信号を、ドライバ112へ出力することにより、第1のLED素子102aおよび第2のLED素子102bの発光を制御する。また、例えば、制御回路107は、第2のLEDパッケージ103向けの駆動信号を、ドライバ113へ出力することにより、第1のLED素子103aおよび第2のLED素子103bの発光を制御する。また、例えば、制御回路107は、フォトディテクタ104から出力された電気信号を、ADC114を介して取得する。そして、制御回路107は、当該電気信号に基づいて、生体内における脈波情報およびヘモグロビン情報を算出し、これらの情報を出力することができる。制御回路107としては、例えば、IC(Integrated Circuit)を用いることができる。なお、制御回路107の機能の詳細については、図4を用いて後述する。
通信I/F108は、外部機器との通信を制御する。通信I/F108は、例えば、外部機器に対して通信接続を行い、当該外部機器に対して各種データ(例えば、脈波情報およびヘモグロビン情報)の送受信を行う。外部機器としては、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の情報処理装置が用いられる。通信I/F108には、無線通信方式および有線通信方式の少なくともいずれか一方が用いられる。無線通信方式としては、例えば、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、赤外線通信等が用いられる。また、有線通信方式としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)等が用いられる。
ドライバ112は、制御回路107から出力された駆動信号に応じて、第1のLEDパッケージ102を駆動する。ドライバ113は、制御回路107から出力された駆動信号に応じて、第2のLEDパッケージ103を駆動する。ADC114は、フォトディテクタ104から出力された電気信号をアナログ−デジタル変換して、制御回路107へ出力する。バッテリ115は、生体情報測定装置100の各部に対して電力を供給する。バッテリとしては、例えば、各種一次電池(例えば、酸化銀電池、マンガン電池、アルカリ電池、リチウム電池等)または各種二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池等)を用いることができる。
(制御回路107の機能構成)
図4は、第1実施形態に係る生体情報測定装置100が備える制御回路107の機能構成を示すブロック図である。
図4に示すように、制御回路107は、その機能として、主制御部120、発光制御部121、信号受信部122、生体情報算出部123、推定部124、判定部125、および出力部126を備える。
主制御部120は、制御回路107による処理全体(例えば、処理の開始、終了、繰り返し等)を制御する。
発光制御部121は、第1のLED素子102a,103aおよび第2のLED素子102b,103bの発光を制御する。具体的には、発光制御部121は、オキシヘモグロビンの濃度を計測するタイミングで、駆動信号をドライバ112,113へ出力することにより、第1のLED素子102a,103aに、波長が850nmである発光光を出射させる。また、発光制御部121は、デオキシヘモグロビンの濃度を計測するタイミングで、駆動信号をドライバ112,113へ出力することにより、第2のLED素子102b,103bに、波長が760nmである発光光を出射させる。
信号受信部122は、フォトディテクタ104から出力された電気信号を、ADC114を介して受信する。フォトディテクタ104から出力される電気信号は、波長が850nmである発光光および波長が760nmである発光光の、生体内からの反射光の強度を示すものである。波長が850nmである発光光は、オキシヘモグロビンに対して一定の吸光度を有するものである。したがって、波長が850nmである発光光の反射光は、オキシヘモグロビンの濃度を特定可能なものである。波長が760nmである発光光は、デオキシヘモグロビンに対して一定の吸光度を有するものである。したがって、波長が760nmである発光光の反射光は、デオキシヘモグロビンの濃度を特定可能なものである。
生体情報算出部123は、信号受信部122によって受信された電気信号に基づいて、生体内における脈波情報およびヘモグロビン情報を算出する。例えば、生体情報算出部123は、脈波情報として、脈波(容積脈波)の変化を時系列に示す波形データを算出する。フォトディテクタ104による受光量の変化は、血管の容積変化に応じて生じる。このため、生体情報算出部123は、フォトディテクタ104による受光量の変化に基づいて、脈波(容積脈波)の変化を時系列に示す波形データを算出することができる。また、例えば、生体情報算出部123は、ヘモグロビン情報として、オキシヘモグロビンの濃度と、デオキシヘモグロビンの濃度と、ヘモグロビンの総量(オキシヘモグロビンの量とデオキシヘモグロビンの量との合計量)とのそれぞれについて、変化を時系列に示す波形データを算出する。フォトディテクタ104による受光量の変化は、血流内のヘモグロビンの濃度変化に応じて生じる。このため、生体情報算出部123は、フォトディテクタ104による受光量の変化に基づいて、オキシヘモグロビンの濃度、デオキシヘモグロビンの濃度、およびヘモグロビンの総量のそれぞれについて、変化を時系列に示す波形データを算出することができる。
推定部124は、生体情報算出部123によって算出された脈波情報およびヘモグロビン情報に基づいて、筐体101が生体に対する測定に適した高さ位置にあるか否かを推定する。本実施形態では、推定部124は、測定に適した高さ位置として、生体の心臓の高さ位置を用いている。
例えば、推定部124は、生体情報算出部123によって算出された脈波情報によって特定される生体の脈波が正常(所定の正常値の範囲内。例えば、振幅が閾値th2以上)であり、且つ、生体情報算出部123によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のオキシヘモグロビンの濃度と、生体情報算出部123によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のデオキシヘモグロビンの濃度との差が、所定の閾値th1(第1の閾値)よりも小さい場合(すなわち、略等しい場合)、筐体101が生体の心臓の高さ位置にあると推定する。
また、例えば、推定部124は、生体情報算出部123によって算出された脈波情報によって特定される生体の脈波が正常(所定の正常値の範囲内。例えば、振幅が閾値th2以上)であり、且つ、生体情報算出部123によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のオキシヘモグロビンの濃度が、生体情報算出部123によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のデオキシヘモグロビンの濃度よりも、閾値th1以上高い場合、筐体101が生体の心臓の高さ位置よりも低い位置にあると推定する。
また、例えば、推定部124は、生体情報算出部123によって算出された脈波情報によって特定される生体の脈波が異常(所定の正常値の範囲外。例えば、振幅が閾値th2未満)であり、且つ、生体情報算出部123によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のオキシヘモグロビンの濃度が、生体情報算出部123によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のデオキシヘモグロビンの濃度よりも、閾値th1以上低い場合、筐体101が生体の心臓の高さ位置よりも高い位置にあると推定する。
このように、筐体101の高さ位置を推定する理由は、以下のとおりである。本発明の発明者は、生体の手が心臓の高さ位置にあるとき(すなわち、筐体101が心臓の高さ位置にあるとき)に、生体情報(脈波情報およびヘモグロビン情報)の計測を行うことにより、当該生体情報が高精度に得られることを見出した。生体の手が心臓の高さ位置にあることで、生体の手における脈波が安定するからであると考えられる。一方、本発明の発明者は、生体の手が心臓の高さ位置よりも低い位置にあるとき、生体情報(脈波情報およびヘモグロビン情報)の計測を行った場合、オキシヘモグロビンの濃度が、デオキシヘモグロビンの濃度よりも高くなることを見出した。これは、生体の手の血管が、一時的に鬱血状態になるからであると考えられる。また、本発明の発明者は、生体の手が心臓の高さ位置よりも高い位置にあるとき、生体情報(脈波情報およびヘモグロビン情報)の計測を行った場合、脈波の振幅が殆ど無くなり、且つ、オキシヘモグロビンの濃度が、デオキシヘモグロビンの濃度よりも低くなることを見出した。これは、生体の手の血管が、一時的に虚血状態になるからであると考えられる。そこで、本実施形態の生体情報測定装置100は、上記したように、脈波情報およびヘモグロビン情報に基づいて、筐体101の高さ位置を推定するようにしている。これにより、本実施形態の生体情報測定装置100、筐体101の高さ位置を、より高精度に推定することができるようになっている。
判定部125は、生体情報算出部123によって算出された脈波情報およびヘモグロビン情報を有効とするか無効とするかを判定する。
例えば、判定部125は、生体情報算出部123によって算出された脈波情報によって特定される生体の脈波の振幅が、所定の閾値th2(第2の閾値)よりも小さい場合(すなわち、脈波がない場合、脈波が弱い場合)、生体情報算出部123によって算出された脈波情報およびヘモグロビン情報を無効と判定する。上記したように、生体が正規の姿勢のときに計測を行っているのであれば、脈波情報として、一定値以上の振幅を有する脈波が得られるはずだからである。
また、例えば、判定部125は、生体情報算出部123によって算出された脈波情報によって特定される生体の脈波に重複切痕が示されている場合、生体情報算出部123によって算出された脈波情報およびヘモグロビン情報を有効と判定する。図5で後述するように、脈波における重複切痕は、極めて微細な特徴点である。脈波情報から、この極めて微細な特徴点である重複切痕を確認できるということは、その脈波情報は、極めて高精度に測定されたものであるといえる。したがって、本実施形態の生体情報測定装置100は、生体の脈波に重複切痕が示されている計測データを有効な計測データとすることにより、より高精度な計測データを、有効な計測データとして用いることができる。
また、例えば、判定部125は、生体情報算出部123によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のオキシヘモグロビンの濃度と、生体情報算出部123によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のデオキシヘモグロビンの濃度との差が、閾値th1よりも小さい場合(すなわち、略等しい場合)、生体情報算出部123によって算出された脈波情報およびヘモグロビン情報を有効と判定する。本発明の発明者は、生体の手が心臓の高さ位置にあるとき(すなわち、筐体101が心臓の高さ位置にあるとき)に、生体情報(脈波情報およびヘモグロビン情報)の計測を行った場合、オキシヘモグロビンの濃度とデオキシヘモグロビンの濃度とが略等しくなることを検出した。一方、本発明の発明者は、生体の手が心臓の高さ位置以外の高さ位置にあるときに、生体情報(脈波情報およびヘモグロビン情報)の計測を行った場合、オキシヘモグロビンの濃度とデオキシヘモグロビンの濃度との差が生じることを検出した。そこで、本実施形態の生体情報測定装置100は、上記したように、オキシヘモグロビンの濃度とデオキシヘモグロビンの濃度とが略等しいときの生体情報(脈波情報およびヘモグロビン情報)を、有効な生体情報として判定するようにしている。これにより、本実施形態の生体情報測定装置100、より高精度な計測データを、有効な計測データとして用いることができる。
また、例えば、判定部125は、推定部124によって筐体101が生体の心臓の高さ位置(生体に対する測定に適した高さ位置)にあると推定された場合、生体情報算出部123によって算出された脈波情報およびヘモグロビン情報を有効と判定する。本発明の発明者は、生体が正規の姿勢にあるとき(すなわち、筐体101が生体の心臓の高さ位置にあるとき)に、生体情報(脈波情報およびヘモグロビン情報)の計測を行うことにより、当該生体情報が高精度に得られることを見出した。一方、本発明の発明者は、生体が非正規の姿勢にあるとき(すなわち、筐体101が生体の心臓の高さ以外の位置にあるとき)、生体情報(脈波情報およびヘモグロビン情報)の計測を行った場合、当該生体情報が、生体が正規の姿勢にあるときに計測したものと異なるものとなり、すなわち、当該生体情報の精度が低くなることを見出した。そこで、本実施形態の生体情報測定装置100は、筐体101が生体の心臓の高さ位置にあると推定された場合、脈波情報およびヘモグロビン情報を有効にすることで、より高精度な計測データを、有効な計測データとして用いることができるようにしているのである。
出力部126は、判定部125によって有効と判断された脈波情報およびヘモグロビン情報を出力する。
例えば、出力部126は、判定部125によって有効と判断された脈波情報およびヘモグロビン情報を、通信I/F108を介して、外部機器(例えば、携帯端末、パーソナルコンピュータ、サーバ装置等)に送信するようにしてもよい。
また、例えば、出力部126は、判定部125によって有効と判断された脈波情報およびヘモグロビン情報を、ディスプレイに表示させるようにしてもよい。この場合、例えば、ディスプレイは、外部機器(例えば、携帯端末、パーソナルコンピュータ等)に設けられたものであってもよく、生体情報測定装置100に設けられたものであってもよい。
また、例えば、出力部126は、判定部125によって有効と判断された脈波情報およびヘモグロビン情報を、メモリ107Bに記録するようにしてもよい。
また、例えば、出力部126は、判定部125による判定結果を、生体情報測定装置100に設けられた通知ランプを発光させることにより、光出力するようにしてもよい。この場合、例えば、判定結果を直感的に把握することができるように、判定結果に応じて、発光色または発光パターンを異ならせるようにするとよい。例えば、出力部126は、判定部125によって脈波情報およびヘモグロビン情報が無効と判定された場合には、通知ランプを赤色に発光させ、判定部125によって脈波情報およびヘモグロビン情報が有効と判定された場合には、通知ランプを緑色に発光させるようにしてもよい。
また、例えば、出力部126は、判定部125による判定結果を、生体情報測定装置100に設けられたスピーカから、音出力するようにしてもよい。この場合、例えば、判定結果を直感的に把握することができるように、判定結果に応じて、出力音を異ならせるようにするとよい。
なお、出力部126は、判定部125によって有効と判断された脈波情報およびヘモグロビン情報に加えて、脈波情報およびヘモグロビン情報に基づく、その他の測定値(例えば、脈拍数、血圧値等)を出力するようにしてもよい。
上記した制御回路107の各機能は、例えば、制御回路107において、メモリ107B(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等)に記憶されているプログラムを、CPU(Central Processing Unit)107Aが実行することによって実現される。
(生体における動脈の脈波の波形の一例)
図5は、生体における動脈の脈波の波形の構成を模式的に示す図である。図5に示すように、生体における動脈の脈波の波形は、大動脈弁の開放とともに急峻に立ち上がり、徐々に下降していく(収縮期)。そして、大動脈弁の閉鎖時に、その際に生じる振動によって重複切痕ができる。その後、生体における動脈の脈波の波形は、緩やかに下降していく(拡張期)。本実施形態では、脈波情報によって特定される脈波に、図5に示すような重複切痕が示されている場合に、脈波情報およびヘモグロビン情報を有効と判定する。脈波情報から、極めて微細な特徴点である重複切痕を確認できるということは、その脈波情報は、極めて高精度に測定されたものであるといえる。したがって、本実施形態の生体情報測定装置100は、より高精度な計測データを、有効な計測データとして用いることができる。
(制御回路107による処理の手順(その1))
図6は、第1実施形態に係る生体情報測定装置100が備える制御回路107による処理の手順を示すフローチャートである。図6に示す処理は、例えば、生体情報測定装置100が生体の測定位置に接触した状態で、スイッチ105がオン状態に切り替えられると、制御回路107が備える主制御部120の制御によって開始される。
まず、発光制御部121が、第1のLED素子102a,103aに、波長が850nmである発光光を出射させる(ステップS601)。次に、信号受信部122が、フォトディテクタ104から出力された電気信号を受信する(ステップS602)。ここで受信される電気信号は、ステップS601で出射された波長が850nmの発光光の、生体内からの反射光の強度を示すものである。信号受信部122は、ステップS602で受信された電気信号の値を、制御回路107が備えるメモリ107Bに時系列に記憶させる(ステップS603)。
次に、発光制御部121が、第2のLED素子102b,103bに、波長が760nmである発光光を出射させる(ステップS604)。次に、信号受信部122が、フォトディテクタ104から出力された電気信号を受信する(ステップS605)。ここで受信される電気信号は、ステップS603で出射された波長が760nmの発光光の、生体内からの反射光の強度を示すものである。信号受信部122は、ステップS605で受信された電気信号の値を、制御回路107が備えるメモリ107Bに時系列に記憶させる(ステップS606)。
次に、主制御部120が、ステップS601〜ステップS606により、一定量のデータが取得されたか否かを判断する(ステップS607)。
ステップS607において、一定量のデータが取得されていないと判断された場合(ステップS607:No)、主制御部120は、ステップS601へ処理を戻す。すなわち、制御回路107は、一定量のデータが取得されるまで、ステップS601〜ステップS606を繰り返し実行することにより、フォトディテクタ104から出力された電気信号の値を、順次メモリ107Bに記憶させてゆく。なお、ステップS601からステップS606までの間に行われる、1回の発光サイクルは、例えば、2〜10ミリ秒程度である。この発光サイクルは、順に、波長が850nmである発光光の出射期間、休止期間、波長が760nmである発光光の出射期間、休止期間を含むものである。
一方、ステップS607において、一定量のデータが取得されたと判断された場合(ステップS607:No)、主制御部120は、ステップS608へ処理を進める。
ステップS608では、生体情報算出部123は、メモリ107Bに記憶された一定量のデータ(信号受信部122によって受信された電気信号)に基づいて、生体における脈波情報を算出する。さらに、生体情報算出部123は、メモリ107Bに記憶された一定量のデータ(信号受信部122によって受信された電気信号)に基づいて、生体におけるヘモグロビン情報を算出する(ステップS609)。その後、主制御部120が、図7に示すフローチャートのAへ処理を進める。
(制御回路107による処理の手順(その2))
図7は、第1実施形態に係る生体情報測定装置100が備える制御回路107による処理の手順を示すフローチャートである。図7に示す処理(A以降の処理)は、図6に示すステップS609の処理に続いて、制御回路107によって実行される。
まず、推定部124が、図6のステップS608で算出された脈波情報に、脈波が示されているか否かを判断する(ステップS701)。具体的には、推定部124は、脈波情報に示されている脈波の振幅が閾値th2よりも大きい場合、その脈波情報に脈波が示されていると判断する。
ステップS701において、「脈波情報に脈波が示されている」と判断された場合(ステップS701:Yes)、推定部124は、図6のステップS608で算出された脈波情報によって特定される脈波に、重複切痕が示されているか否かを判断する(ステップS702)。ステップS702において、「脈波に重複切痕が示されている」と判断された場合(ステップS702:Yes)、推定部124は、図6のステップS609で算出されたヘモグロビン情報において、オキシヘモグロビン(oxyHb)の濃度と、デオキシヘモグロビン(deoxyHb)の濃度とが略等しいか否かを判断する(ステップS703)。具体的には、推定部124は、オキシヘモグロビンの濃度と、デオキシヘモグロビンの濃度との差分が、閾値th1よりも小さい場合、両者が略等しいと判断する。
ステップS703において、「オキシヘモグロビンの濃度と、デオキシヘモグロビンの濃度とが略等しい」と判断された場合(ステップS703:Yes)、推定部124は、「筐体101が生体の心臓の高さ位置にある」と推定する(ステップS704)。そして、判定部125が、図6のステップS608で算出された脈波情報、および、図6のステップS609で算出されたヘモグロビン情報が有効であると判定する(ステップS705)。さらに、出力部126が、ステップS705で有効であると判定された脈波情報およびヘモグロビン情報を出力する(ステップS706)。その後、主制御部120が、図7に示す一連の処理を終了する。
ステップS703において、「オキシヘモグロビンの濃度と、デオキシヘモグロビンの濃度とが略等しくない」と判断された場合(ステップS703:No)、推定部124は、オキシヘモグロビンの濃度が、デオキシヘモグロビンの濃度よりも高いか否かを判断する(ステップS709)。
ステップS709において、「オキシヘモグロビンの濃度が、デオキシヘモグロビンの濃度よりも高い」と判断された場合(ステップS709:Yes)、推定部124は、「筐体101が生体の心臓よりも低い位置にある」と推定する(ステップS710)。そして、判定部125が、図6のステップS608で算出された脈波情報、および、図6のステップS609で算出されたヘモグロビン情報が無効であると判定する(ステップS711)。その後、主制御部120が、図7に示す一連の処理を終了する。
ステップS709において、「オキシヘモグロビンの濃度が、デオキシヘモグロビンの濃度よりも高くない」と判断された場合(ステップS709:No)、判定部125が、図6のステップS608で算出された脈波情報、および、図6のステップS609で算出されたヘモグロビン情報が無効であると判定する(ステップS711)。その後、主制御部120が、図7に示す一連の処理を終了する。
ステップS701において、「脈波情報に脈波が示されていない」と判断された場合(ステップS701:No)、または、ステップS702において、「脈波に重複切痕が示されていない」と判断された場合(ステップS702:No)、推定部124は、オキシヘモグロビンの濃度が、デオキシヘモグロビンの濃度よりも低いか否かを判断する(ステップS707)。
ステップS707において、「オキシヘモグロビンの濃度が、デオキシヘモグロビンの濃度よりも低い」と判断された場合(ステップS707:Yes)、推定部124は、「筐体101が生体の心臓よりも高い位置にある」と推定する(ステップS708)。そして、判定部125が、図6のステップS608で算出された脈波情報、および、図6のステップS609で算出されたヘモグロビン情報が無効であると判定する(ステップS711)。その後、主制御部120が、図7に示す一連の処理を終了する。
ステップS707において、「オキシヘモグロビンの濃度が、デオキシヘモグロビンの濃度よりも低くない」と判断された場合(ステップS707:No)、判定部125が、図6のステップS608で算出された脈波情報、および、図6のステップS609で算出されたヘモグロビン情報が無効であると判定する(ステップS711)。その後、主制御部120が、図7に示す一連の処理を終了する。
(脈波情報およびヘモグロビン情報の測定結果の第1例)
図8は、第1実施形態に係る生体情報測定装置100による脈波情報およびヘモグロビン情報の測定結果の第1例を示すグラフである。
図8(a)に示すグラフは、生体における脈波(容積脈波)の変化を時系列に示すものである。図8(a)に示すグラフにおいて、縦軸は、脈波(容積脈波)の振幅を示し、横軸は、時間を示す。また、図8(a)に示すグラフにおいて、実線によって示される波形データは、生体における脈波(容積脈波)の変化を時系列に示すものである。
図8(b)に示すグラフは、生体におけるヘモグロビン濃度の変化を時系列に示すものである。図8(b)に示すグラフにおいて、縦軸は、ヘモグロビン濃度を示し、横軸は、時間を示す。また、図8(b)に示すグラフにおいて、一点鎖線によって示される波形データは、オキシヘモグロビン(oxyHb)の濃度の変化を時系列に示すものである。また、図8(b)に示すグラフにおいて、点線によって示される波形データは、デオキシヘモグロビン(deoxyHb)の濃度の変化を時系列に示すものである。また、図8(b)に示すグラフにおいて、実線によって示される波形データは、ヘモグロビンの総量(ΔHb)を時系列に示すものである。
この第1例では、図8(a)に示すように、脈波情報における各脈波の波形が、重複切痕(図中点線丸で囲んだ部分)を有するものとなっている。また、図8(b)に示すように、オキシヘモグロビンの濃度と、デオキシヘモグロビンの濃度とが、略等しくなっている。この場合、生体情報測定装置100(推定部124)は、「筐体101が生体の心臓の高さ位置にある」と推定する。そして、生体情報測定装置100(判定部125)は、脈波情報およびヘモグロビン情報が有効であると判定する。
(脈波情報およびヘモグロビン情報の測定結果の第2例)
図9は、第1実施形態に係る生体情報測定装置100による脈波情報およびヘモグロビン情報の測定結果の第2例を示すグラフである。
この第2例では、図9(a)に示すように、脈波情報における各脈波の波形が、重複切痕(図中点線丸で囲んだ部分)を有するものとなっている。一方、図9(b)に示すように、オキシヘモグロビンの濃度が、デオキシヘモグロビンの濃度よりも、閾値th1以上大きくなっている。この場合、生体情報測定装置100(推定部124)は、「筐体101が生体の心臓よりも低い位置にある」と推定する。そして、生体情報測定装置100(判定部125)は、脈波情報およびヘモグロビン情報が無効であると判定する。
(脈波情報およびヘモグロビン情報の測定結果の第3例)
図10は、第1実施形態に係る生体情報測定装置100による脈波情報およびヘモグロビン情報の測定結果の第3例を示すグラフである。
この第3例では、図10(a)に示すように、脈波情報が、脈波が示されていないものとなっている。すなわち、脈波の振幅が、閾値th2よりも小さいものとなっている。一方、図10(b)に示すように、オキシヘモグロビンの濃度が、デオキシヘモグロビンの濃度よりも、閾値th1以上小さくなっている。この場合、生体情報測定装置100(推定部124)は、「筐体101が生体の心臓よりも高い位置にある」と推定する。そして、生体情報測定装置100(判定部125)は、脈波情報およびヘモグロビン情報が無効であると判定する。
以上説明したように、本実施形態の生体情報測定装置100によれば、脈波情報によって特定される脈波に、重複切痕が示されている場合に、脈波情報およびヘモグロビン情報を有効と判定することができる。このため、本実施形態の生体情報測定装置100によれば、微細な特徴点が忠実に示されている脈波情報を、有効な計測データとして判定することができる。したがって、本実施形態の生体情報測定装置100によれば、より高精度な計測データを、有効な計測データとして用いることができる。
また、本実施形態の生体情報測定装置100によれば、脈波情報およびヘモグロビン情報に基づいて、筐体101が生体に対する測定に適した高さ位置にあると推定された場合、脈波情報およびヘモグロビン情報を有効と判定することができる。このため、本実施形態の生体情報測定装置100によれば、正常な姿勢で計測が行われているときに得られたより高精度な計測データを、有効な計測データとして用いることができる。
特に、本実施形態の生体情報測定装置100によれば、計測データ(脈波情報およびヘモグロビン情報)に基づいて、筐体101の高さ位置の判定や、計測データの有効または無効の判定を行うようにしているため、他の計測手段(例えば、慣性センサ、RFモーションセンサ、カメラ等)を設けることなく、比較的簡易な構成で、これらの判定を行うことができる。
〔第2実施形態〕
以下、図面を参照して、第2実施形態について説明する。
(生体情報測定システム20のシステム構成)
図11は、第2実施形態に係る生体情報測定システム20のシステム構成を示す図である。図11に示す生体情報測定システム20は、生体情報測定装置100Aおよびスマートフォン200を備えて構成されている。生体情報測定装置100Aは、生体の測定位置(例えば、指、掌等)に発光光を照射し、その反射光の強度を測定する装置である。スマートフォン200は、「情報処理装置」の一例である。スマートフォン200は、生体情報測定装置100Aによる測定結果(生体からの反射光の強度)に基づいて、脈波情報およびヘモグロビン情報を算出し、当該脈波情報およびヘモグロビン情報が有効か無効かを判定することが可能な装置である。なお、「情報処理装置」は、スマートフォンに限らず、その他の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等)であってもよい。
(生体情報測定装置100Aおよびスマートフォン200の装置構成)
図12は、第2実施形態に係る生体情報測定装置100Aおよびスマートフォン200の装置構成を示すブロック図である。
図12に示すように、生体情報測定装置100Aは、制御回路107の代わりに制御回路107Xを備える点で、第1実施形態の生体情報測定装置100と異なる。その他の点は、第1実施形態の生体情報測定装置100と同様であるため、説明を省略する。
制御回路107Xは、生体情報測定装置100の全体を制御する電子回路である。例えば、制御回路107Xは、第1のLEDパッケージ102向けの駆動信号を、ドライバ112へ出力することにより、第1のLEDパッケージ102が備える第1のLED素子102aおよび第2のLED素子102bの発光を制御する。また、例えば、制御回路107Xは、第2のLEDパッケージ103向けの駆動信号を、ドライバ113へ出力することにより、第2のLEDパッケージ103が備える第1のLED素子103aおよび第2のLED素子103bの発光を制御する。また、例えば、制御回路107Xは、フォトディテクタ104から出力された電気信号を、ADC114を介して取得する。そして、制御回路107Xは、当該電気信号を、通信I/F108を介して、スマートフォン200へ送信する。制御回路107Xとしては、例えば、ICを用いることができる。なお、制御回路107Xの機能の詳細については、図13を用いて後述する。
一方、図12に示すように、スマートフォン200は、制御回路210、タッチパネル221、ディスプレイ222、スピーカ223、通信I/F224、およびバッテリ225を備えて構成されている。
制御回路210は、スマートフォン200の全体を制御する電子回路である。例えば、制御回路210は、生体情報測定装置100Aから出力された電気信号を、通信I/F224を介して取得する。そして、制御回路210は、当該電気信号に基づいて、生体内における脈波情報およびヘモグロビン情報を算出し、これらの情報に基づいて、当該脈波情報およびヘモグロビン情報が有効か無効かを判定する。制御回路210は、CPU211、メモリ212、および補助記憶装置213を有する。CPU211は、メモリ212または補助記憶装置213に記憶されている各種プログラムを実行する。メモリ212は、CPU211により実行される各種プログラム、CPU211が各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。また、メモリ212は、CPU211が各種プログラムを実行する際に利用する作業領域として機能する。メモリ212としては、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等が用いられる。補助記憶装置213は、CPU211により実行される各種プログラム、CPU211が各種プログラムを実行するために必要なデータ等を記憶する。補助記憶装置213としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。なお、制御回路210の機能の詳細については、図13を用いて後述する。
タッチパネル221は、操作面を有し、当該操作面に対する接触操作がなされることにより、各種操作入力を受け付ける入力装置である。タッチパネル221として、例えば、投影型静電容量方式、表面型静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線走査方式、超音波表面弾性波方式等のタッチパネルを用いることができる。
ディスプレイ222は、各種情報を表示する表示装置である。例えば、ディスプレイ222は、脈波情報およびヘモグロビン情報が有効か無効かの判定結果を表示する。また、例えば、ディスプレイ222は、生体における脈波情報およびヘモグロビン情報の算出結果(例えば、図8〜図10に例示するグラフ)を表示する。
スピーカ223は、各種音声を出力する音声出力装置である。例えば、脈波情報およびヘモグロビン情報が有効か無効かの判定結果を音出力する。
通信I/F224は、生体情報測定装置100Aとの通信を制御する。通信I/F224は、例えば、生体情報測定装置100Aに対して通信接続を行い、当該生体情報測定装置100Aから、各種データ(例えば、生体からの反射光の強度を示す電気信号)を受信する。通信I/F224には、無線通信方式および有線通信方式の少なくともいずれか一方が用いられる。無線通信方式としては、例えば、Bluetooth、Wi−Fi、赤外線通信等が用いられる。また、有線通信方式としては、例えば、USB等が用いられる。
バッテリ225は、スマートフォン200の各部に対して電力を供給する。バッテリ225としては、例えば、各種二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池等)を用いることができる。
(制御回路107Xおよび制御回路210の機能構成)
図13は、第2実施形態に係る生体情報測定装置100A(制御回路107X)およびスマートフォン200(制御回路210)の機能構成を示すブロック図である。図13に示すように、生体情報測定装置100Aが備える制御回路107Xは、生体情報算出部123、推定部124、判定部125、および出力部126を有しない点、ならびに、信号出力部127を備える点で、第1実施形態の生体情報測定装置100が備える制御回路107と異なる。
信号出力部127は、信号受信部122によって受信された電気信号(すなわち、生体からの反射光の強度を示す電気信号)を、通信I/F108を介して、スマートフォン200へ送信する。
一方、スマートフォン200が備える制御回路210は、その機能として、主制御部231、信号受信部232、生体情報算出部233、推定部234、判定部235、および出力部236を備える。
主制御部231は、制御回路210による処理全体(例えば、処理の開始、終了、繰り返し等)を制御する。
信号受信部232は、生体情報測定装置100Aから出力された電気信号を、通信I/F224を介して受信する。生体情報測定装置100Aから出力される電気信号は、波長が850nmである発光光および波長が760nmである発光光の、生体からの反射光の強度を示すものである。波長が850nmである発光光は、オキシヘモグロビンに対して一定の吸光度を有するものである。したがって、波長が850nmである発光光の反射光は、オキシヘモグロビンの濃度を特定可能なものである。波長が760nmである発光光は、デオキシヘモグロビンに対して一定の吸光度を有するものである。したがって、波長が760nmである発光光の反射光は、デオキシヘモグロビンの濃度を特定可能なものである。
生体情報算出部233は、信号受信部232によって受信された電気信号に基づいて、生体内における脈波情報およびヘモグロビン情報を算出する。例えば、生体情報算出部233は、脈波情報として、脈波(容積脈波)の変化を時系列に示す波形データを算出する。生体情報測定装置100Aから出力される電気信号の値の変化は、血管の容積変化に応じて生じる。このため、生体情報算出部233は、生体情報測定装置100Aから出力される電気信号の値の変化に基づいて、脈波(容積脈波)の変化を時系列に示す波形データを算出することができる。また、例えば、生体情報算出部233は、ヘモグロビン情報として、オキシヘモグロビンの濃度と、デオキシヘモグロビンの濃度と、ヘモグロビンの総量(オキシヘモグロビンの量とデオキシヘモグロビンの量との合計量)とのそれぞれについて、変化を時系列に示す波形データを算出する。生体情報測定装置100Aから出力される電気信号の値の変化は、血流内のヘモグロビンの濃度変化に応じて生じる。このため、生体情報算出部233は、生体情報測定装置100Aから出力される電気信号の値の変化に基づいて、オキシヘモグロビンの濃度、デオキシヘモグロビンの濃度、およびヘモグロビンの総量のそれぞれについて、変化を時系列に示す波形データを算出することができる。
推定部234は、生体情報算出部233によって算出された脈波情報およびヘモグロビン情報に基づいて、筐体101が生体に対する測定に適した高さ位置にあるか否かを推定する。本実施形態では、推定部124は、測定に適した高さ位置として、生体の心臓の高さ位置を用いている。
例えば、推定部234は、生体情報算出部233によって算出された脈波情報によって特定される生体の脈波が正常(所定の正常値の範囲内。例えば、振幅が閾値th2以上)であり、且つ、生体情報算出部233によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のオキシヘモグロビンの濃度と、生体情報算出部233によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のデオキシヘモグロビンの濃度との差が、所定の閾値th1(第1の閾値)よりも小さい場合(すなわち、略等しい場合)、筐体101が生体の心臓の高さ位置にあると推定する。
また、例えば、推定部234は、生体情報算出部233によって算出された脈波情報によって特定される生体の脈波が正常(所定の正常値の範囲内。例えば、振幅が閾値th2以上)であり、且つ、生体情報算出部233によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のオキシヘモグロビンの濃度が、生体情報算出部233によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のデオキシヘモグロビンの濃度よりも、閾値th1以上高い場合、筐体101が生体の心臓の高さ位置よりも低い位置にあると推定する。
また、例えば、推定部234は、生体情報算出部233によって算出された脈波情報によって特定される生体の脈波が異常(所定の正常値の範囲外。例えば、振幅が閾値th2未満)であり、且つ、生体情報算出部233によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のオキシヘモグロビンの濃度が、生体情報算出部233によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のデオキシヘモグロビンの濃度よりも、閾値th1以上低い場合、筐体101が生体の心臓の高さ位置よりも高い位置にあると推定する。
判定部235は、生体情報算出部233によって算出された脈波情報およびヘモグロビン情報を有効とするか無効とするかを判定する。
例えば、判定部235は、生体情報算出部233によって算出された脈波情報によって特定される生体の脈波の振幅が、所定の閾値th2(第2の閾値)よりも小さい場合(すなわち、脈波がない場合、脈波が弱い場合)、生体情報算出部233によって算出された脈波情報およびヘモグロビン情報を無効と判定する。
また、例えば、判定部235は、生体情報算出部233によって算出された脈波情報によって特定される生体の脈波に重複切痕が示されている場合、生体情報算出部233によって算出された脈波情報およびヘモグロビン情報を有効と判定する。
また、例えば、判定部235は、生体情報算出部233によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のオキシヘモグロビンの濃度と、生体情報算出部233によって算出されたヘモグロビン情報によって特定される生体のデオキシヘモグロビンの濃度との差が、閾値th1よりも小さい場合(すなわち、略等しい場合)、生体情報算出部233によって算出された脈波情報およびヘモグロビン情報を有効と判定する。
また、例えば、判定部235は、推定部234によって筐体101が生体の心臓の高さ位置(生体に対する測定に適した高さ位置)にあると推定された場合、生体情報算出部233によって算出された脈波情報およびヘモグロビン情報を有効と判定する。
出力部236は、判定部235によって有効と判断された脈波情報およびヘモグロビン情報を出力する。
例えば、出力部236は、判定部235によって有効と判断された脈波情報およびヘモグロビン情報を、スマートフォン200が備えるディスプレイ222に表示させる。
例えば、出力部236は、判定部235による判定結果を、ディスプレイ222に表示された表示画面上に、テキスト表示するようにしてもよい。例えば、出力部236は、脈波情報およびヘモグロビン情報が有効であると判定された場合には、ディスプレイ222に表示された表示画面上に「脈波情報およびヘモグロビン情報が有効です」と表示し、脈波情報およびヘモグロビン情報が無効であると判定された場合には、ディスプレイ222に表示された表示画面上に「脈波情報およびヘモグロビン情報が無効です」と表示するようにしてもよい。
また、例えば、出力部236は、判定部235による判定結果を、ディスプレイ222に表示された表示画面上に、色画像を表示するようにしてもよい。例えば、出力部236は、脈波情報およびヘモグロビン情報が有効であると判定された場合には、ディスプレイ222に表示された表示画面上に緑色画像を表示し、脈波情報およびヘモグロビン情報が無効であると判定された場合には、ディスプレイ222に表示された表示画面上に赤色画像を表示するようにしてもよい。
また、例えば、出力部236は、判定部235による判定結果を、スマートフォン200が備えるスピーカから、音出力するようにしてもよい。この場合、例えば、判定結果を直感的に把握することができるように、判定結果に応じて、出力音を異ならせるようにするとよい。
なお、出力部236は、判定部235による判定結果に加えて、各種測定値(例えば、脈拍数、血圧値、ヘモグロビンの濃度等)を出力するようにしてもよい。
上記した制御回路210の各機能は、例えば、制御回路210において、メモリ212または補助記憶装置213に記憶されているプログラムを、CPU211(コンピュータ)が実行することによって実現される。このプログラムは、スマートフォン200に導入された状態で、スマートフォン200とともに提供されてもよく、スマートフォン200とは別に外部から提供されて、スマートフォン200に導入されるようにしてもよい。後者の場合、これらのプログラムは、外部記憶媒体(例えば、USBメモリ、メモリカード、CD−ROM等)によって操作対象機器に提供されてもよく、ネットワーク(例えば、インターネット等)上のサーバからダウンロードすることによって、スマートフォン200に提供されるようにしてもよい。
(生体情報測定装置100Aおよびスマートフォン200による処理の手順)
図14は、第2実施形態に係る生体情報測定装置100A(制御回路107X)およびスマートフォン200(制御回路210)による処理の手順を示すシーケンス図である。図14に示す処理は、例えば、生体情報測定装置100Aが生体の測定位置に接触した状態、且つ、生体情報測定装置100Aとスマートフォン200とが通信接続された状態で、生体情報測定装置100Aのスイッチ105がオン状態に切り替えられると、生体情報測定装置100A(制御回路107X)が備える主制御部120の制御によって開始される。
まず、生体情報測定装置100Aにおいて、発光制御部121が、第1のLED素子102a,103aに、波長が850nmである発光光を出射させる(ステップS801)。次に、信号受信部122が、フォトディテクタ104から出力された電気信号を受信する(ステップS802)。ここで受信される電気信号は、ステップS801で出射された波長が850nmの発光光の、生体内からの反射光の強度を示すものである。
次に、発光制御部121が、第2のLED素子102b,103bに、波長が760nmである発光光を出射させる(ステップS803)。次に、信号受信部122が、フォトディテクタ104から出力された電気信号を受信する(ステップS804)。ここで受信される電気信号は、ステップS803で出射された波長が760nmの発光光の、生体内からの反射光の強度を示すものである。
次に、信号出力部127が、ステップS802,S804で受信された電気信号(すなわち、生体内からの反射光の強度を示す電気信号)を、通信I/F108を介して、スマートフォン200へ出力する(ステップS805)。
次に、スマートフォン200において、信号受信部232が、ステップS805で生体情報測定装置100Aから出力された電気信号を、通信I/F224を介して受信する(ステップS811)。
次に、主制御部231が、ステップS811により、一定量のデータが取得されたか否かを判断する(ステップS812)。
ステップS812において、一定量のデータが取得されていないと判断された場合(ステップS812:No)、主制御部231は、ステップS811へ処理を戻す。すなわち、制御回路210は、一定量のデータが取得されるまで、ステップS811を繰り返し実行することにより、生体情報測定装置100Aから出力された電気信号の値を、繰り返し受信する。
一方、ステップS812において、一定量のデータが取得されたと判断された場合(ステップS812:Yes)、主制御部120は、ステップS813へ処理を進める。
ステップS813では、生体情報算出部233が、生体情報測定装置100Aから取得した一定量のデータ(信号受信部232によって受信された電気信号)に基づいて、生体内における脈波情報を算出する。さらに、生体情報算出部233は、生体情報測定装置100Aから取得した一定量のデータ(信号受信部232によって受信された電気信号)に基づいて、生体内におけるヘモグロビン情報を算出する(ステップS814)。
その後、推定部234が、筐体101が生体に対する測定に適した高さ位置にあるか否かを推定する推定処理を実行する(ステップS815)。この推定処理は、第1実施形態のフローチャート(図7)で説明した推定処理(ステップS701〜S704,S707〜S710)と同様である。
さらに、判定部235が、生体情報算出部233によって算出された脈波情報およびヘモグロビン情報を有効とするか無効とするかを判定する判定処理を実行する(ステップS816)。この判定処理は、第1実施形態のフローチャート(図7)で説明した判定処理(ステップS705〜S706,S711)と同様である。
そして、出力部236が、ステップS816において、「測定値(脈波情報およびヘモグロビン情報)が有効である」と判定されたか否かを判断する(ステップS817)。ステップS817において、「測定値が有効である」と判定された場合(ステップS817:Yes)、出力部236が、脈波情報およびヘモグロビン情報を出力し(ステップS818)、主制御部231が、図14に示す一連の処理を終了させる。一方、ステップS817において、「測定値が無効である」と判定された場合(ステップS817:No)、主制御部231が、図14に示す一連の処理を終了させる。
以上説明したように、第2実施形態に係る生体情報測定システム20によれば、生体情報測定装置100Aと通信接続されたスマートフォン200により、生体情報測定装置100Aから取得したデータに基づいて、脈波情報およびヘモグロビン情報を算出し、脈波情報によって特定される脈波に、重複切痕が示されている場合に、脈波情報およびヘモグロビン情報を有効と判定することができる。このため、第2実施形態に係る生体情報測定システム20によれば、スマートフォン200により、微細な特徴点が忠実に示されている脈波情報を、有効な計測データとして判定することができる。したがって、第2実施形態に係る生体情報測定システム20によれば、より高精度な計測データを、有効な計測データとして用いることができる。
また、第2実施形態に係る生体情報測定システム20によれば、スマートフォン200により、脈波情報およびヘモグロビン情報に基づいて、筐体101が生体に対する測定に適した高さ位置にあると推定された場合、脈波情報およびヘモグロビン情報を有効と判定することができる。このため、第2実施形態に係る生体情報測定システム20によれば、生体情報測定装置100Aによって正常な姿勢で計測が行われているときに得られたより高精度な計測データを、有効な計測データとして用いることができる。
特に、第2実施形態に係る生体情報測定システム20によれば、スマートフォン200により、生体情報測定装置100Aによって計測された計測データ(脈波情報およびヘモグロビン情報)に基づいて、筐体101の高さ位置の判定や、計測データの有効または無効の判定を行うようにしているため、他の計測手段(例えば、慣性センサ、RFモーションセンサ、カメラ等)を設けることなく、比較的簡易な構成で、これらの判定を行うことができる。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、生体情報測定装置100,100Aは、1つの筐体101によって構成されているが、これに限らず、生体情報測定装置100,100Aは、複数の筐体によって構成されてもよい。例えば、生体情報測定装置100,100Aを、第1の筐体と第2の筐体とによって構成し、第1の筐体において、生体情報の計測(発光光の出射および反射光の受光)を行い、第2の筐体において、生体情報(脈波情報およびヘモグロビン情報)の算出を行うようにしてもよい。この場合、第1の筐体および第2の筐体は、有線通信によって互いに接続されてもよく、無線通信によって互いに接続されてもよい。
また、例えば、生体情報測定装置100,100Aは、筐体と、情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等)との組み合わせによって構成されてもよい。例えば、生体情報測定装置100,100Aを、筐体と情報処理装置とによって構成し、筐体において、生体情報の計測(発光光の出射および反射光の受光)を行い、情報処理装置において、生体情報(脈波情報およびヘモグロビン情報)の算出を行うようにしてもよい。この場合、筐体および情報処理装置は、有線通信によって互いに接続されてもよく、無線通信によって互いに接続されてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、生体情報測定装置100,100Aは、筐体101の高さ位置を推定し、その推定結果に基づいて、脈波情報およびヘモグロビン情報を有効とするか否かを判定するようにしているが、筐体101の高さ位置を推定せずに、脈波情報およびヘモグロビン情報を有効とするか否かを判定するようにしてもよい。例えば、生体情報測定装置100,100Aは、脈波情報によって特定される生体の脈波に重複切痕が示されている場合、脈波情報およびヘモグロビン情報を有効と判定するようにしてもよい。また、例えば、生体情報測定装置100は、脈波情報によって特定される生体の脈波に重複切痕が示されている場合において、ヘモグロビン情報によって特定される生体のオキシヘモグロビンの濃度と、ヘモグロビン情報によって特定される生体のデオキシヘモグロビンの濃度とが、略等しい場合、脈波情報およびヘモグロビン情報を有効と判定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、「測定に適した高さ位置」を、生体の心臓の高さ位置としているが、これに限らず、「測定に適した高さ位置」は、生体の心臓の高さ位置以外の所定の高さ位置であってもよい。
10 マウス装置
20 生体情報測定システム
100,100A 生体情報測定装置
101 筐体
101A 測定面
102 第1のLEDパッケージ(発光部)
102a 第1のLED素子
102b 第2のLED素子
103 第2のLEDパッケージ(発光部)
103a 第1のLED素子
103b 第2のLED素子
104 フォトディテクタ(受光部)
105 スイッチ
106 肌温度センサ
107,107X 制御回路
108 通信I/F
112 ドライバ
113 ドライバ
114 ADC
115 バッテリ
121 発光制御部
122 信号受信部
123 生体情報算出部
124 推定部
125 判定部
126 出力部
127 信号出力部
200 スマートフォン(情報処理装置)
210 制御回路
211 CPU
212 メモリ
213 補助記憶装置
221 タッチパネル
222 ディスプレイ
223 スピーカ
224 通信I/F
225 バッテリ
231 主制御部
232 信号受信部
233 生体情報算出部
234 推定部
235 判定部
236 出力部

Claims (12)

  1. 筐体と、
    前記筐体に設けられ、生体に向けて測定光を出射する発光部と、
    前記筐体に設けられ、前記発光部から出射された前記測定光の前記生体内からの反射光を受光し、当該反射光の受光量に応じた電気信号を出力する受光部と、
    前記受光部から出力された前記電気信号に基づいて、前記生体における脈波情報およびヘモグロビン情報を算出する生体情報算出部と、
    前記脈波情報によって特定される前記生体の脈波に重複切痕が示されている場合、前記脈波情報および前記ヘモグロビン情報を有効と判定する判定部と
    を備えることを特徴とする生体情報測定装置。
  2. 前記判定部は、
    前記脈波情報によって特定される前記生体の脈波に重複切痕が示されている場合において、前記ヘモグロビン情報によって特定される前記生体のオキシヘモグロビンの濃度と、前記ヘモグロビン情報によって特定される前記生体のデオキシヘモグロビンの濃度との差が、所定の第1の閾値よりも小さい場合、前記脈波情報および前記ヘモグロビン情報を有効と判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の生体情報測定装置。
  3. 前記脈波情報および前記ヘモグロビン情報に基づいて、前記筐体が前記生体に対する測定に適した高さ位置にあるか否かを推定する推定部をさらに備え、
    前記判定部は、
    前記推定部によって前記筐体が前記生体に対する測定に適した高さ位置にあると推定された場合、前記脈波情報および前記ヘモグロビン情報を有効と判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の生体情報測定装置。
  4. 前記測定に適した高さ位置は、前記生体の心臓の高さ位置である
    ことを特徴とする請求項3に記載の生体情報測定装置。
  5. 前記推定部は、
    前記脈波情報によって特定される前記生体の脈波が、所定の正常値の範囲内であり、且つ、前記ヘモグロビン情報によって特定される前記生体のオキシヘモグロビンの濃度と、前記ヘモグロビン情報によって特定される前記生体のデオキシヘモグロビンの濃度との差が、前記第1の閾値よりも小さい場合、前記筐体が前記生体の心臓の高さ位置にあると推定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の生体情報測定装置。
  6. 前記推定部は、
    前記脈波情報によって特定される前記生体の脈波が、所定の正常値の範囲内であり、且つ、前記ヘモグロビン情報によって特定される前記生体のオキシヘモグロビンの濃度が、前記ヘモグロビン情報によって特定される前記生体のデオキシヘモグロビンの濃度よりも、前記第1の閾値以上高い場合、前記筐体が前記生体の心臓の高さ位置よりも低い位置にあると推定する
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の生体情報測定装置。
  7. 前記推定部は、
    前記脈波情報によって特定される前記生体の脈波が、所定の正常値の範囲外であり、且つ、前記ヘモグロビン情報によって特定される前記生体のオキシヘモグロビンの濃度が、前記ヘモグロビン情報によって特定される前記生体のデオキシヘモグロビンの濃度よりも、前記第1の閾値以上低い場合、前記筐体が前記生体の心臓の高さ位置よりも高い位置にあると推定する
    ことを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の生体情報測定装置。
  8. 前記判定部は、
    前記脈波情報によって特定される前記生体の脈波の振幅が、所定の第2の閾値よりも小さい場合、前記脈波情報および前記ヘモグロビン情報を無効と判定する
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の生体情報測定装置。
  9. 前記生体の手によって把持および操作される操作対象装置であって、
    前記手の表面と接触する位置に、請求項1から8のいずれか一項に記載の生体情報測定装置を備えた
    ことを特徴とする操作対象装置。
  10. 生体に向けて発光部から測定光を出射し、当該測定光の前記生体内からの反射光を受光部が受光したときに、当該受光部から出力された前記反射光の受光量に応じた電気信号を受信する信号受信部と、
    前記信号受信部によって受信された前記電気信号に基づいて、前記生体における脈波情報およびヘモグロビン情報を算出する生体情報算出部と、
    前記脈波情報によって特定される前記生体の脈波に重複切痕が示されている場合、前記脈波情報および前記ヘモグロビン情報を有効と判定する判定部と
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  11. 生体に向けて発光部から測定光を出射し、当該測定光の前記生体内からの反射光を受光部が受光したときに、当該受光部から出力された前記反射光の受光量に応じた電気信号を受信する信号受信工程と、
    前記信号受信工程において受信された前記電気信号に基づいて、前記生体における脈波情報およびヘモグロビン情報を算出する生体情報算出工程と、
    前記生体情報算出工程において算出された前記脈波情報によって特定される前記生体の脈波に重複切痕が示されている場合、前記脈波情報および前記ヘモグロビン情報を有効と判定する判定工程と
    を含むことを特徴とする生体情報測定方法。
  12. コンピュータを、
    生体に向けて発光部から測定光を出射し、当該測定光の前記生体内からの反射光を受光部が受光したときに、当該受光部から出力された前記反射光の受光量に応じた電気信号を受信する信号受信部、
    前記信号受信部によって受信された前記電気信号に基づいて、前記生体における脈波情報およびヘモグロビン情報を算出する生体情報算出部、および、
    前記脈波情報によって特定される前記生体の脈波に重複切痕が示されている場合、前記脈波情報および前記ヘモグロビン情報を有効と判定する判定部
    として機能させるためのプログラム。
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