JP2019083746A - 作物生産管理装置 - Google Patents

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正之 大林
Masayuki Obayashi
正之 大林
田中 健一
Kenichi Tanaka
健一 田中
智弘 柴田
Toshihiro Shibata
智弘 柴田
裕紀 山屋
Yuki Yamaya
裕紀 山屋
昌紀 奥山
Masaki Okuyama
昌紀 奥山
康太 小西
Kota Konishi
康太 小西
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Abstract

【課題】作物の収穫時期を調整することが可能な作物生産管理装置を提供する。【解決手段】サーバ3の制御部30は、所定の栽培領域で栽培される作物の目標収穫時期を設定する目標収穫時期設定部31と、目標収穫時期設定部31によって設定された目標収穫時期に、栽培領域において期待収穫量の作物が得られるように、栽培領域の環境制御値を算出する制御値算出処理部32とを含む。目標収穫時期設定部31は、例えば、収益が最大となる収穫時期を目標収穫時期として設定する。【選択図】図4

Description

この発明は、栽培領域で栽培される作物の生産を管理する作物生産管理装置に関する。この明細書において、「作物」とは、農作物や園芸作物を意味するものとする。「作物」には、例えば、果実、野菜、花等が含まれる。
特許文献1には、環境情報に基づいて農作物の味を推測し、推測した味を利用して農作物の推奨収穫時期または推奨収穫日を推測する収穫時期推定置が開示されている。
特許文献2には、天候、温度、風、日照量等の農作物に関する情報に基づき、農作物の生育状況や、収穫時期および収穫量の予測を行う圃場管理システムが開示されている。
特開2016-019512号公報 特開2016-049102号公報
特許文献1または特許文献2に記載の発明は、収穫する農作物の品質にばらつきが生じるのを防止するために、農作物の適切な収穫時期を予測するものに過ぎない。特許文献1または特許文献2に記載の発明では、市場等の需要や生産者の作業計画等に応じて農作物の収穫時期を調整することはできない。
本発明の目的は、作物の収穫時期を調整することが可能な作物生産管理装置を提供することである。
この発明による作物生産管理装置は、所定の栽培領域で栽培される作物の目標収穫時期を設定する目標収穫時期設定部と、前記栽培領域の環境を制御するための環境制御値を算出する制御値算出処理部とを含み、前記制御値算出処理部は、前記目標収穫時期設定部によって設定された目標収穫時期に、前記栽培領域において期待収穫量の作物が得られるように前記環境制御値を算出する。
この構成では、収穫時期を調整することができる。
この発明の一実施形態では、前記目標収穫時期設定部は、収益が最大となる収穫時期を目標収穫時期として設定するように構成されている。
この構成では、作物の生産者の収益を増加させることが可能となる。
この発明の一実施形態では、前記目標収穫時期設定部は、複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補における前記栽培領域での作物の収穫量を予測する収穫予測部と、前記複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補における作物の価格を予測する価格予測部と、前記収穫予測部によって予測される前記複数の収穫時期候補毎の収穫量と前記価格予測部によって予測される前記複数の収穫時期候補毎の作物の価格とに基づいて、前記複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補において作物を収穫する場合に得られる収入額を予測する収入額予測部と、前記複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補において作物を収穫する場合に、それらの作物の生産に要した支出額を予測する支出額予測部と、前記収入額予測部によって予測される前記複数の収穫時期候補毎の収入額と前記支出額予測部によって予測される複数の収穫時期候補毎の支出額とに基づいて、複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補における収益を予測する収益予測部と、前記複数の収穫時期候補のうち、前記収益予測部によって予測される収益が最大となる収穫時期候補を目標収穫時期として決定する時期決定部とを含む。
この構成では、複数の収穫時期候補のうちから、収益が最大となる収穫時期候補を目標収穫時期として決定できる。
この発明の一実施形態では、前記制御値算出処理部は、前記栽培領域における作物の現在の生長状態に基づいて、前記目標収穫時期において前記期待収穫量の作物が得られるような、前記目標収穫時期での目標生長状態を設定する目標生長状態設定部と、前記目標収穫時期での作物の生長状態が前記目標生長状態に近づくように、前記環境制御値を算出する制御値算出部とを含む。
この構成では、目標収穫時期において期待収穫量の作物が得られるような、目標収穫時期での目標生長状態に基づいて、栽培領域の環境制御値を算出できる。
図1は、実施形態に係る作物生産管理装置が適用された作物生産管理システムの構成を示す模式図である。 図2は、作物の栽培領域および栽培領域に設けられた作物栽培システムの構成を示す模式図である。 図3は、作物栽培システムの電気的構成を示すブロック図である。 図4は、サーバの電気的構成を示すブロック図である。 図5は、目標収穫時期設定部の動作を説明するためのフローチャートである。 図6は、作物の生長段階を示す模式図である。 図7は、生長状態分布の一例を示す度数分布図である。 図8は、ある時間帯についての、関数F(a1・α+a2・β+a3・γ+a4・δ)と作物の生長速度との関係の一例を示す生長速度グラフである。 図9は、1日当たりの生長量が所定量である場合の、ある収穫時期候補での生長状態分布を予測する方法を説明するための説明図である。 図10は、目標収穫時期での生長状態分布の一例を示す度数分布図である。 図11は、制御値算出処理部の動作を説明するためのフローチャートである。 図12は、現在の生長状態分布と目標生長状態分布との一例を示す模式図である。
以下、この発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る作物生産管理装置が適用された作物生産管理システムの構成を示す模式図である。
作物生産管理システム1は、作物を栽培するための作物栽培システム2と、作物生産管理装置としてのサーバ3とを含む。この実施形態では、作物は、野菜であり、より具体的にはトマトである。作物は、果実、花等であってもよい。
作物栽培システム2は、作物の栽培領域の近傍に設置されている。サーバ3は、例えば、作物の栽培領域とは離れた場所に設置された管理センター(図示略)内に設けられている。作物栽培システム2は、通信網4を介して、サーバ3と通信可能である。
作物栽培システム2は、作物の撮影、栽培領域の環境の観測、栽培領域の環境の制御等を行う。作物栽培システム2は、作物の撮像データ(画像データ)、栽培領域の環境の観測データ等をサーバ3に送信する。サーバ3は、作物栽培システム2から送信された画像データ、観測データ等を受信して記憶する。サーバ3は、取得した画像データ、観測データ等に基づいて、目標収穫時期の設定、栽培領域の環境を制御するための環境制御値(後述する制御変数の目標値)の算出等を行う。
図2は、作物の栽培領域および栽培領域に設けられた作物栽培システム2の構成を示す模式図である。
この実施形態では、作物(この例ではトマト)は、ビニルハウス8内で栽培される。したがって、ビニルハウス8の室内が、栽培領域9となる。
作物栽培システム2は、制御装置11、コージェネ12、空調機13、除湿機14、CO施用機15、複数のカメラ16、複数の環境センサ17、電力量センサ18(図3参照)、天候センサ19等を含んでいる。これら構成要素のうち、コージェネ12および天候センサ19は、ビニルハウス8の室外に配置されており、それ以外の要素はビニルハウス8の室内(栽培領域)に配置されている。
コージェネ(Combined Heat & Power)12は、熱源から電力と熱とを生産して供給する機器である。空調機13は、主として栽培領域9の温度を調整する機器である。除湿機14は、栽培領域9の湿度を減少させるための機器である。CO施用機15は、栽培領域9に二酸化炭素(CO)を施用するための機器である。
複数のカメラ(撮像部)16は、栽培領域9内に間隔をおいて配置されている。栽培領域9は、予め複数の小領域に分けられている。そして、小領域毎に1つのカメラ16が割り当てられている。各カメラ16は、対応する小領域内に存在する作物を撮像する。これらのカメラ16は、栽培領域9内に存在する各作物の生長状態(生長段階)を判定するために設けられている。この実施形態では、カメラ16の撮像画像(画像データ)は、無線通信によって、制御装置11に与えられる。
複数の環境センサ17は、栽培領域9に間隔をおいて配置されている。各環境センサ17は、栽培領域9の温度、湿度、照度、CO濃度等を観測するためのセンサであり、温度センサ17A、湿度センサ17B、照度センサ17CおよびCO濃度センサ17D(図3参照)を含んでいる。この実施形態では、環境センサ17によって得られる観測データは、無線通信によって、制御装置11に与えられる。
電力量センサ18(図3参照)は、作物栽培システム2によって消費される電力量(消費電力量)を測定するためのセンサである。
天候センサ19は、ビニルハウス8の室外の温度、湿度、照度等を観測するためのセンサであり、温度センサ19A、湿度センサ19Bおよび照度センサ19C(図3参照)を含んでいる。この実施形態では、天候センサ19によって得られる観測データは、無線通信によって、制御装置11に与えられる。
図3は、作物栽培システム2の電気的構成を示すブロック図である。図3においては、説明の便宜上、複数のカメラ16のうちの1つのみが図示されている。同様に、図3においては、複数の環境センサ17のうちの1つのみが図示されている。
制御装置11は、制御部20と、第1通信部21と、第2通信部22と、操作表示部23と、操作部24と、記憶部25とを含む。制御部20は、CPUおよびメモリ(ROM、RAM等)を備えたマイクロコンピュータを含む。第1通信部21、第2通信部22、操作表示部23、操作部24および記憶部25は、制御部20に接続されている。
第1通信部21は、複数のカメラ16、複数の環境センサ17および天候センサ19と、制御部20との間で無線通信を行うための通信インタフェースである。第2通信部22は、制御部20が通信網4を介してサーバ3と通信を行うための通信インタフェースである。操作表示部23は、例えば、タッチパネル式ディスプレイからなる。操作部24は、例えば、1または複数のスイッチ等を含む。記憶部25は、ハードディスク、不揮発性メモリ等の記憶デバイスから構成されている。
記憶部25には、基本目標値記憶部26、目標値記憶部27等が設けられている。基本目標値記憶部26には、後述する制御変数の基本目標値が記憶される。目標値記憶部27には後述する制御変数の目標値が記憶される。
制御部20には、コージェネ12、空調機13、除湿機14、CO施用機15および電力量センサ18(図3参照)が通信線を介して接続されている。制御部20は、後述するように、目標値記憶部27に記憶されている制御変数の目標値に基づいて、コージェネ12、空調機13、除湿機14およびCO施用機15を制御する。
制御部20は、第1通信部21を介して複数のカメラ16から画像データを第1所定時間毎に取得して記憶部25に記憶する。また、制御部20は、天候センサ19によって観測される観測データ(以下、「天候データ」という)を、第1通信部21を介して第2所定時間毎に取得して記憶部25に記憶する。また、制御部20は、電力量センサ18によって検出される消費電力量を第3所定時間毎に取得して記憶部25に記憶する。また、制御部20は、複数の環境センサ17によって観測される観測データ(以下、「環境データ」という)を、第1通信部21を介して第4所定時間毎に取得して記憶部25に記憶する。この実施形態では、前記第1〜第3所定時間は、1時間であるものとする。また、この実施形態では、前記第4所定時間は、1分間であるものとする。ただし、各データを取得する時間は、これに限定されるものではなく、適宜定めることができる。
制御部20は、記憶部25に記憶された、時刻毎の画像データ(複数のカメラ16によって撮像された画像データを含む)、時刻毎の環境データ(複数の環境センサ17によって観測された環境データを含む)、時刻毎の天候データおよび時刻毎の消費電力量を、リアルタイムにまたは一定時間毎に、第2通信部22を介してサーバ3に送信する。
図4は、サーバ3の電気的構成を示すブロック図である。
サーバ3は、制御部30を備えている。制御部30には、通信部41、操作表示部42、操作部43、記憶部44等が接続されている。通信部41は、制御部30が通信網4を介して作物栽培システム2の制御部20(図3参照)と通信するための通信インタフェースである。操作表示部42は、例えば、タッチパネル式ディスプレイからなる。操作部43は、例えば、キーボード、マウス等を含む。記憶部44は、ハードディスク、不揮発性メモリ等の記憶デバイスから構成されている。
記憶部44には、画像データ記憶部45、環境データ記憶部46、天候データ記憶部47、消費電力量記憶部48、市場データ記憶部49、天気予測データ記憶部50、基本目標値記憶部51、目標値記憶部52、生長速度データ記憶部53等が設けられている。
画像データ記憶部45には、作物栽培システム2から受信した時刻毎の画像データが記憶される。環境データ記憶部46には、作物栽培システム2から受信した時刻毎の環境データが記憶される。天候データ記憶部47には、作物栽培システム2から受信した時刻毎の天候データに基づいて過去の年月日毎の天候データが記憶される。消費電力量記憶部48には、作物栽培システム2から受信した時刻毎の消費電力量データが記憶される。市場データ記憶部49には、過去における年月日毎の作物の出荷量および価格等のデータが記憶される。天気予測データ記憶部50には、栽培領域9の存在する地域に関する天気予測データが記憶される。天気予測データは、気象庁等によって提供される天気予測データである。
基本目標値記憶部51には、後述する制御変数の基本目標値が記憶される。目標値記憶部52には後述する制御変数の目標値が記憶される。生長速度データ記憶部53には、後述する時間帯毎の生長速度グラフに対応した回帰式またはマップが記憶される。
制御部30は、CPUおよびメモリ(ROM、RAM等)を備えたマイクロコンピュータを含む。制御部30は、作物栽培システム2の制御装置11等から送信されてくる各種データを受信して、記憶部44に記憶するデータ収集部(図示略)を含んでいる。制御部30は、さらに、目標収穫時期設定部31と制御値算出処理部32とを含む。
目標収穫時期設定部31は、目標となる収穫時期である目標収穫時期を設定するための目標収穫時期設定処理を行う。目標収穫時期設定部31による目標収穫時期設定処理は、目標収穫時期の設定を行いたい場合に実行される。目標収穫時期設定処理は、オペレータの操作に基づいて実行されてもよいが、自動で実行されてもよい。目標収穫時期設定部31は、オペレータが収穫を希望する期間(年月等)を指定したとき、その期間内において収益が最大となる目標収穫時期(年月日等)を設定することもできる。収益が最大となる目標収穫時期を設定する処理については後で詳しく説明する。
制御値算出処理部32は、目標収穫時期設定部31によって設定された目標収穫時期に、栽培領域9において期待収穫量の作物が得られるように、栽培領域9の環境制御値を算出するための制御値算出処理を行う。環境制御値は、栽培領域9の環境を制御するための制御値である。この実施形態では、目標収穫時期設定部31によって目標収穫時期が設定されると、制御値算出処理部32は、目標収穫時期が設定された日から当該目標収穫時期の前日までの各日に例えば1回ずつ制御値算出処理を行って環境制御値を算出し、その都度、環境制御値を更新する。目標収穫時期設定部31によって目標収穫時期が設定された日においては、例えば、目標収穫時期設定部31による目標収穫時期設定処理に引き続いて制御値算出処理部32による制御値算出処理が行われる。目標収穫時期設定部31によって目標収穫時期が設定された日の翌日以降においては、例えば、予め設定された所定時刻に制御値算出処理部32による制御値算出処理が行われる。
以下、目標収穫時期設定部31および制御値算出処理部32について詳しく説明する。まず、目標収穫時期設定部31について詳しく説明する。
この実施形態では、目標収穫時期設定部31は、収益が最大となる収獲時期を目標収穫時期として設定するための目標収穫時期設定処理を行う。目標収穫時期設定部31は、価格予測部31Aと、収穫予測部31Bと、収入額予測部31Cと、支出額予測部31Dと、収益予測部31Eと、時期決定部31Fとを含む。
価格予測部31Aは、天候データ記憶部47内の天候データ、天気予測データ記憶部50内の天候予測データおよび市場データ記憶部49内の過去における年月日毎の作物の出荷量および価格データに基づいて、複数の収穫時期候補毎に作物の価格(単価)を予測する。つまり、価格予測部31Aは、複数の収穫時期候補それぞれに対する天候予測と、複数の収穫時期候補の月日それぞれに対する過去の天候、作物の価格および作物出荷量とに基づいて、複数の収穫時期候補毎に作物の価格を予測する。
収穫予測部31Bは、栽培領域9の作物の生長速度を一定範囲内で制御可能であるという条件下で、複数の収穫時期候補毎に作物の収穫量を予測する。収穫予測部31Bの詳細については、後述する。
収入額予測部31Cは、価格予測部31Aによって予測される複数の収穫時期候補毎の作物の価格と、収穫予測部31Bによって予測された複数の収穫時期候補毎の作物の収穫量とに基づいて、複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補において作物を収穫する場合に得られる収入額を予測する。ある収穫時期候補に対する収入額は、例えば、価格予測部31Aによって予測された当該収穫時期候補の価格を収穫予測部31Bによって予測された当該収穫時期候補の収穫量に乗算することにより算出される。
支出額予測部31Dは、消費電力量記憶部48内の消費電力量データ、環境データ記憶部46内の環境データ等に基づいて、複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補で作物を収穫する場合に、それらの作物の生産に要する支出額を予測する。
収益予測部31Eは、収入額予測部31Cによって予測される複数の収穫時期候補毎の収入額と、支出額予測部31Dによって予測される複数の収穫時期候補毎の支出額とに基づいて、複数の収穫時期候補毎の収益を予測する。
時期決定部31Fは、複数の収穫時期候補のうち、収益予測部31Eによって予測される収益が最大となる収穫時期候補を、目標収穫時期として決定する。
収穫予測部31Bについて詳しく説明する。
図5は、収穫予測部31Bの動作を説明するためのフローチャートである。
収穫予測部31Bは、画像データ記憶部45に記憶されている時刻毎の画像データのうち最新の時刻に対する画像データ(以下、「処理対象画像データ」という。)を抽出して、メモリ(具体的には作業メモリとしてのRAM)に記憶する(ステップS1)。処理対象画像データは、複数のカメラ16によって撮像されたカメラ16毎の最新の画像データを含んでいる。
次に、収穫予測部31Bは、メモリに記憶された処理対象画像データに基づいて、作物の生長過程の形態である花や実を抽出し、抽出した花や実を生長段階(生長状態)に応じて分類する(ステップS2)。
ここで作物の生長段階について説明する。図6は、作物の生長段階を示す模式図である。
作物(この例ではトマト)は、図6に矢印で示すように、花(蕾を含む)から実へと生長していく。図6の例では、作物の生長段階が10段階に分けられ、各段階に、早い段階から順に1〜10の数値ラベルが割り当てられている。
収穫予測部31Bは、処理対象画像データから花や実を抽出し、抽出した花や実のそれぞれに対して、その生長段階に応じた数値ラベル1〜10を割り当てる。このような処理は、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN: Convolutional Neural Network)等の公知技術を用いることによって行うことができる。
図5に戻り、収穫予測部31Bの動作についての説明を続ける。次に、収穫予測部31Bは、処理対象画像データから抽出された花や実を、ステップS2によって得られた生長段階(数値ラベル)毎に集計することにより、栽培領域9における作物の現在の生長状態を表す度数分布(以下、「生長状態分布」という)を作成する(ステップS3)。生長状態分布の一例を図7に示す。
次に、収穫予測部31Bは、ステップS3で作成された現在の生長状態分布を用いて、栽培領域9の環境を制御可能な範囲内において、複数の収穫時期候補毎に作物の収穫量を予測する(ステップS4)。ステップS4の処理について、具体的に説明する。
作物の生長速度に影響を与える要因の代表的にものには、例えば、温度α、湿度β、CO濃度γ、日照強度δ等がある。本実施形態における作物栽培システム2では、温度α、湿度βおよびCO濃度γは制御可能であるが、日照強度δは制御不可能である。
この実施形態では、作物の生長速度に影響を与えるパラメータを、関数F(a1・α+a2・β+a3・γ+a4・δ)で表すことにする。この実施形態では、説明の便宜上、関数Fを一次式で説明しているが、関数Fは一次式に限定されるものではない。関数F(a1・α+a2・β+a3・γ+a4・δ)において、a1、a2、a3およびa4は重み係数であり、予め設定されている。これらの重み係数は、生長段階(今回の実施形態では数値ラベル1〜10)に応じて別の値を用いてもよい。以下において、関数F(a1・α+a2・β+a3・γ+a4・δ)内の変数α、β、γおよびδのうちのα、βおよびγを「制御変数」ということにする。また、この実施形態では、1日の1時間毎の時間帯を、T1,T2,…T23,T24で表すことにする。
この実施形態では、時間帯T1〜T24毎に、関数F(a1・α+a2・β+a3・γ+a4・δ)内の制御変数α、βおよびγの目標値α、βおよびγが予め設定されて、サーバ3の記憶部44内の目標値記憶部52および作物栽培システム2の記憶部25内の目標値記憶部27に記憶されているものとする。この実施形態では、これらの制御変数の目標値α、βおよびγが環境制御値である。制御変数の目標値α、βおよびγは、通常は、所定の基本目標値αo、βoおよびγoと同じ値に設定されている。基本目標値αo、βoおよびγoは、予め設定されて、サーバ3の記憶部44内の基本目標値記憶部51および作物栽培システム2の記憶部25内の基本目標値記憶部26に記憶されている。また、時間帯T1〜T24毎の日照強度δの予測値が記憶部44に記憶されている。基本目標値αo、βoおよびγoおよび目標値α、βおよびγは、例えば、サーバ3側で設定されて、作物栽培システム2の制御部20に与えられる。
作物栽培システム2の制御部20は、時間帯T1〜T24毎に、制御変数α,β,γが、それぞれ、その時間帯に対して設定されている目標値α、βおよびγと等しくなるように、コージェネ12、空調機13、除湿機14およびCO施用機15を制御する。後述するように、各時間帯T1〜T24に対する制御変数の目標値α、βおよびγは、サーバ3によって変更される場合がある。
図8は、ある時間帯についての、関数F(a1・α+a2・β+a3・γ+a4・δ)に対する作物の生長速度との関係の一例を示す生長速度グラフである。作物の生長速度とは、所定時間当たりの作物の生長量をいう。この実施形態では、1時間当たりの作物の生長量をいう。作物の生長量としては、生長段階の1段階(1ステップ)に相当する生長量を1.0として規格化された値が用いられる。
図8に示すような生長速度グラフは、例えば、関数F(a1・α+a2・β+a3・γ+a4・δ)の値が異なる複数の環境での作物の生長速度データを実験等によって求め、得られた生長速度データを回帰分析することによって作成することができる。1日内の時間帯T1〜T24毎に、図8に示すような生長速度グラフが予め作成され、それらの生長速度グラフに対応した回帰式またはマップがサーバ3の記憶部44内の生長速度データ記憶部53に記憶されている。
なお、図8に示すような生長速度グラフは、制御変数α,β,γのうちから選択された任意の1つまたは任意の組み合わせを変化させたときの関数F(a1・α+a2・β+a3・γ+a4・δ)の値に対する作物の生長速度を表すものであってもよい。例えば、図8に示すような生長速度グラフは、制御変数α,β,γのうちα(温度)のみを変化させたときの関数F(a1・α+a2・β+a3・γ+a4・δ)の値に対する作物の生長速度を表すものであってもよい。
ある時間帯において、制御変数の目標値α、βおよびγのうちの少なくとも1つを変更することによって、当該時間帯の作物の生長速度を変化させることができる。1日の各時間帯T1〜T24での生長量Ghの加算値は、1日当たりの生長量Gdに相当するので、これらの各時間帯T1〜T24のうちの少なくとも1つの時間帯において、制御変数の目標値α、βおよびγのうちの少なくとも1つ変更することによって、1日当たりの生長量を変化させることができる。したがって、1日当たりの生長量Gdは、所定範囲内で制御可能である。
図5のステップS4では、収穫予測部31Bは、複数の収穫時期候補毎に作物の収穫量を予測するが、ここではある収獲時期候補に対する作物の収穫量を予測する方法について説明する。
収穫予測部31Bは、現在から当該収穫時期候補までの期間における1日当たりの生長量Gdを、制御可能範囲内のある所定値Gd1に設定する。そして、収穫予測部31Bは、1日当たりの作物の生長量Gd1を用いて、ステップS3で作成された現在の生長状態分布を当該収穫時期候補まで進展させることにより、当該収穫時期候補での生長状態分布を求める。図9を参照して、ステップS3で作成された現在の生長状態分布を、1日当たりの作物の生長量Gd1分だけ、生長段階が進行する方向にシフトさせると、翌日の生長状態分布を求めることができる。したがって、現在の生長状態分布を初期の生長状態分布として、1日当たりの生長量Gd1分だけ生長段階が進行する方向に生長状態分布をシフトさせる操作を、繰り返し行うことにより、1日当たりの生長量GdがGd1である場合の将来の生長状態分布を予測することが可能となる。そこで、現在から当該収穫時期候補までの日数をNとすると、現在の生長状態分布をN・Gd1分だけ生長段階が進行する方向にシフトさせることにより、GdがGd1である場合の当該収穫時期候補での生長状態分布を求めることができる。GdがGd1である場合の当該収穫時期候補での生長状態分布の一例を図10に示す。
このようにして、GdがGd1である場合の当該収穫時期候補での生長状態分布が求められると、収穫予測部31Bは、GdがGd1である場合の当該収穫時期候補での生長状態分布において収穫閾値Sthを超える部分に存在する作物の数量を、GdがGd1である場合の当該収穫時期候補での収穫量として算出する。収穫閾値Sthは、収穫対象の生長段階と収穫対象外の生長段階とを区分するための値である。すなわち、収穫閾値Sthを超える数値レベルに対応する生長段階は、収穫対象の生長段階であり、収穫閾値Sth以下の数値レベルに対応する生長段階は、収穫対象外の生長段階である。具体的には、収穫予測部31Bは、図10の生長状態分布において収穫閾値Sthを超える部分に存在する作物の数量(図10の斜線部分の面積に相当する)をGdがGd1である場合の当該収穫時期候補での収穫量として算出する。
次に、収穫予測部31Bは、1日当たりの生長量Gdを制御可能範囲内の他の所定値Gd2に変更して、同様な方法により、GdがGd2である場合の当該収穫時期候補での作物の収穫量を予測する。収穫予測部31Bは、このような動作を繰り返すことにより、制御可能範囲内の様々の1日当たりの生長量に対する、当該収穫時期候補での作物の収穫量を予測し、予測された複数の収穫量のうち、最適な値を当該収穫時期候補に対する作物の収穫量として定める。当該収穫時期候補に対する作物の収穫量は、当該収穫時期候補について予測された複数の収穫量のうちの最大値であってもよいし、例えば中央値や平均値に近い値等、最大値以外の値であってもよい。
収穫予測部31Bは、以上のような処理を、複数の収穫時期候補に対して行うことにより、複数の収穫時期候補それぞれに対する作物の予測収穫量を求める。
図4に戻り、制御値算出処理部32について詳しく説明する。
制御値算出処理部32は、目標生長状態設定部32Aと制御値算出部32Bとを含む。目標生長状態設定部32Aは、栽培領域9における作物の現在の生長状態(生長状態分布)に基づいて、目標収穫時期において期待収穫量の作物が得られるような、目標収穫時期での目標生長状態(目標生長状態分布)を設定する。制御値算出部32Bは、目標収穫時期での作物の生長状態が目標生長状態に近づくように、栽培領域9の環境を制御するための環境制御値(制御変数の目標値)を算出する。
図11は、制御値算出処理部32の動作を説明するためのフローチャートである。
制御値算出処理部32内の目標生長状態設定部32Aは、画像データ記憶部45に記憶されている時刻毎の画像データのうち最新の時刻に対する画像データ(処理対象画像データ)を抽出して、メモリに記憶する(ステップS11)。ステップS11の処理は、図5のステップS1の処理と同様である。
次に、目標生長状態設定部32Aは、メモリに記憶された処理対象画像データに基づいて、作物の生長過程の形態である花や実を抽出し、抽出した花や実を生長段階に応じて分類する(ステップS12)。ステップS12の処理は、図5のステップS2の処理と同様である。
次に、目標生長状態設定部32Aは、処理対象画像データから抽出された花や実を、ステップS12によって得られた生長段階(数値ラベル)毎に集計することにより、栽培領域9における作物の現在の生長状態を表す度数分布(生長状態分布)を作成する(ステップS13)。ステップS13の処理は、図5のステップS3の処理と同様である。
次に、目標生長状態設定部32Aは、ステップS13で作成された現在の生長状態分布を基準生長状態分布として設定する(ステップS14)。なお、今回の制御値算出処理が、目標収穫時期設定部31によって目標収穫時期が設定された日に行われる制御値算出処理である場合には、目標収穫時期設定部31による目標収穫時期設定処理(より詳細には図5のステップS3の処理)において作成された生長状態分布を、基準生長状態分布として設定してもよい。この場合には、ステップS11〜S13の処理は省略される。
次に、目標生長状態設定部32Aは、ステップS14で設定された基準生長状態分布において、生長段階が収穫閾値を超える部分に存在する作物の数量である予測収穫量と、目標収穫量との差の絶対値(=|予測収穫量−目標収穫量|)を、第1収穫量偏差Ecとして算出する(ステップS15)。目標収穫量は、予め設定された作物数であってもよいし、現在の作物の総数の所定パーセント(例えば80%)に相当する作物数であってもよい。後者の場合には、前記所定パーセントに相当する値が予め設定される。
次に、目標生長状態設定部32Aは、基準生長状態分布に対して1日先の生長状態分布を予測する(ステップS16)。具体的には、目標生長状態設定部32Aは、まず、時間帯T1〜T24毎に、その時間帯に対する作物の生長速度を求める。ある時間帯に対する作物の生長速度の求め方について説明する。目標生長状態設定部32Aは、当該時間帯に対して現在設定されている制御変数の目標値α、βおよびγと日照強度δの予測値と基づいて、関数F(a1・α+a2・β+a3・γ+a4・δ)の値を算出する。そして、目標生長状態設定部32Aは、当該時間帯に対応する生長速度グラフに対応した回帰式またはマップに基づいて、当該時間帯に対する作物の生長速度を求める。例えば、図8を参照して、図8の生長グラフに対応する時間帯の関数F(a1・α+a2・β+a3・γ+a4・δ)の値がXであったとすると、Xに対応する生長速度Vがその時間帯での作物の生長速度として求められる。
次に、目標生長状態設定部32Aは、時間帯T1〜T24毎に求められた作物の生長速度に、その時間帯の時間長(この例では1時間)を乗算することにより、その時間帯での作物の生長量Ghを算出する。この後、時間帯T1〜T24毎に求められた作物の生長量を加算することにより、1日当たりの作物の生長量Gdを算出する。そして、目標生長状態設定部32Aは、基準生長状態分布を、1日当たりの作物の生長量Gd分だけ、生長段階が進行する方向にシフトさせる。これにより、基準生長状態分布に対して1日先の生長状態分布が得られる。
次に、目標生長状態設定部32Aは、ステップS16で予測された将来の生長状態分布において、生長段階が収穫閾値を超える部分に存在する作物の数量である予測収穫量と、前述の目標収穫量との差の絶対値(=|予測収穫量−目標収穫量|)を、第2収穫量偏差Efとして算出する(ステップS17)。
次に、目標生長状態設定部32Aは、将来の生長状態分布における予測収穫量と目標収穫量との差の絶対値である第2収穫量偏差Efが、基準生長状態分布における予測収穫量と目標収穫量との差の絶対値である第1収穫量偏差Ec以上であるか否かを判別する(ステップS18)。
第2収穫量偏差Efが第1収穫量偏差Ecよりも小さい場合には(ステップS18:NO)、目標生長状態設定部32Aは、ステップS19に移行する。ステップS19では、目標生長状態設定部32Aは、ステップS16で作成された将来の生長状態分布を基準生長状態分布として設定するとともに、ステップS17で算出された第2収穫量偏差Efを第1収穫量偏差Ecとして設定する。この後、目標生長状態設定部32Aは、ステップS16に戻る。そして、目標生長状態設定部32Aは、ステップS16、S17およびS18の処理を再度実行する。
ステップS18において、第2収穫量偏差Efが第1収穫量偏差Ec以上であると判別された場合には(ステップS18:YES)、目標生長状態設定部32Aは、現在設定されている基準生長状態分布(ステップS14またはステップS19で設定された基準生長状態分布)を、目標生長状態分布として設定する(ステップS20)。
ステップS18において、目標生長状態設定部32Aは、現在設定されている基準生長状態分布(ステップS14またはステップS19で設定された基準生長状態分布)における予測収穫量が、目標収穫量以上となっているか否かを判定してもよい。すなわち、目標生長状態設定部32Aは、第2収穫量偏差Efが第1収穫量偏差Ec以上であり、且つ基準生長状態分布における予測収穫量と目標収穫量との差(予測収穫量−目標収穫量)が0以上である場合に、ステップS20の処理に進むよう構成されていてもよい。
次に、制御値算出処理部32内の制御値算出部32Bは、目標収穫時期での予測生長状態分布がステップS20で設定された目標生長状態分布に近づくように、時間帯毎の制御変数の目標値α、βおよびγを算出する(ステップS21)。目標収穫時期は、目標収穫時期設定部31によって設定された目標収穫時期である。算出された時間帯毎の制御変数の目標値α、βおよびγは、記憶部44内の目標値記憶部52に記憶される。これにより、目標値記憶部52に記憶されている時間帯毎の制御変数の目標値α、βおよびγが更新される。ステップS21の処理について具体的に説明する。
図12は、ステップS13で作成された現在の生長状態分布61と、ステップS20で設定された目標生長状態分布62との一例を示す模式図である。
現在の生長状態分布61と目標生長状態分布62との生長量の差をΔGとする。目標収穫時期での予測生長状態分布を目標生長状態分布に近づけるための1日単位の生長量の目標値を目標生長量Gdとし、現在から目標収穫日までの日数をNとすると、1日単位の目標生長量Gdは次式(1)で表される。
Gd=ΔG/N …(1)
制御値算出部32Bは、前記式(1)に基づいて、1日単位の目標生長量Gdを算出する。そして、制御値算出部32Bは、1日の生長量Gdが目標生長量Gdに等しくなるように、1または複数の時間帯における制御変数の目標値α、βおよびγを算出する。
例えば、制御値算出部32Bは、前記式(1)に基づいて算出された1日単位の目標生長量Gdを1日に含まれる時間帯T1〜T24の数(この実施形態では24)で除算することにより、各時間帯T1〜T24に対する目標生長量Gd1〜Gd24を求める。そして、制御値算出部33Cは、時間帯T1〜T24毎の生長速度グラフに対応した回帰式またはマップを用いて、各時間帯T1〜T24に対する生長量Gd1〜Gd24を、対応する時間帯の目標生長量Gd1〜Gd24に等しくさせるための、制御変数の目標値α、βおよびγを時間帯T1〜T24毎に算出する。この場合には、全ての時間帯において、栽培領域9の環境が現在の各時間帯の環境に対して変更されることになる。栽培領域9の環境を変更することにより、作物の生長速度を変化させることができる。
なお、1日の生長量Gdを目標生長量Gdに一致させることができれば、制御値算出部32Bは、すべての時間帯で栽培領域9の環境を変更する必要はなく、少なくとも1つの時間帯において栽培領域9の環境を変更すればよい。言い換えれば、制御値算出部33Cは、少なくとも1つの時間帯において制御変数の目標値α、βおよびγを変更することによって、1日の生長量Gdを目標生長量Gdに一致させるようにしてもよい。
また、図8に示すような生長速度グラフが、制御変数α、βおよびγの一部のみを変化させたときの関数F(a1・α+a2・β+a3・γ+a4・δ)の値に対する作物の生長速度を表すものである場合には、制御値算出部32Bは、その一部の制御変数に対する目標値のみを変更することになる。例えば、図8に示すような生長速度グラフが、制御変数α,β,γのうちα(温度)のみを変化させたときの関数F(a1・α+a2・β+a3・γ+a4・δ)の値に対する作物の生長速度を表すものである場合には、制御値算出部32Bは、αに対する目標値αのみを変更することになる。
次に、制御値算出部32Bは、ステップS21で算出された時間帯毎の制御変数の目標値α、βおよびγを、作物栽培システム2の制御部20に送信する(ステップS22)。そして、今回の制御値算出処理を終了する。
作物栽培システム2の制御部20は、サーバ3からの時間帯毎の制御変数の目標値α、βおよびγを受信すると、受信した時間帯毎の目標値α、βおよびγを記憶部25内の目標値記憶部27に記憶する。これにより、目標値記憶部27に記憶されている時間帯毎の目標値α、βおよびγが更新される。そして、制御部20は、各時間帯の制御変数α、βおよびγが、その時間帯に対する更新後の制御変数の目標値α、βおよびγに近づくように、コージェネ12、空調機13、除湿機14およびCO施用機15を制御する。
前述の実施形態によれば、目標収穫時期設定部31によって設定された目標収穫時期に期待収穫量の作物を収穫できるようになる。期待収穫量は、図11に示すフローにおいて制御値算出処理部32が算出する予測収穫量のうち、目標収穫量に最も近い収穫量であり、好ましくは目標収穫量以上の収穫量である。制御値算出処理部32による制御値算出処理は、目標収穫時期設定部31によって目標収穫時期が設定された日のみならず、その翌日から当該目標収穫時期の前日までの各日に例えば1回ずつ行われる。これにより、実際の作物の生長状態に応じて制御変数の目標値α、βおよびγを更新することができるので、目標収穫時期に期待収穫量の作物をより確実に収穫できるようになる。
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。例えば、前述の実施形態では、作物の生長速度に影響を与えるパラメータは、温度α、湿度β、CO濃度γおよび日照強度δを変数とする関数F(a1・α+a2・β+a3・γ+a4・δ)で表わされているが、変数および変数の組合せはこれに限られない。例えば、変数として、栄養液の供給量を加えてもよい。
また、図11のステップS21は、現在の生長状態分布61と目標生長状態分布62との生長量の差ΔGに基づいて、目標収穫時期での予測生長状態分布を目標生長状態分布に一致させるための時間帯毎の制御変数の目標値α、βおよびγを算出している。しかし、現在設定されている制御変数の目標値α、βおよびγを継続した場合の目標収穫時期での生長状態分布を予測し、予測された目標収穫時期での生長状態分布とステップS20で設定される目標生長状態分布との間の生長量の差とに基づいて、目標収穫時期での予測生長状態分布を目標生長状態分布に一致させるための時間帯毎の制御変数の目標値α、βおよびγを算出してもよい。具体的には、予測された目標収穫時期での生長状態分布と目標生長状態分布との間の生長量の差が零になるように、時間帯毎の制御変数の目標値α、βおよびγを算出すればよい。
また、図11のステップS21の処理は、作物栽培システム2の制御部20が行うようにしてもよい。この場合には、制御値算出処理部33は、ステップS20で設定された目標生長状態分布を作物栽培システム2の制御部20に送信すればよい。この場合には、時間帯T1〜T24毎の生長速度グラフに対応した回帰式またはマップを制御装置11内の記憶部25にも記憶しておく必要がある。
また、サーバ3の目標収穫時期設定部31によって行われる目標収穫時期設定処理およびサーバ3の制御値算出処理部32によって行われる制御値算出処理を、作物栽培システム2側の制御部20によって行うようにしてもよい。この場合には、作物栽培システム2側の制御部20が作物生産管理装置を構成することになる。
また、前記実施形態では、作物として野菜(トマト)を例にとって説明したが、作物は果実や花であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
2 作物栽培システム
3 サーバ
4 通信網
9 栽培領域
11 制御装置
12 コージェネ
13 空調機
14 除湿機
15 CO施用機
16 カメラ
17 環境センサ
20 制御部
21 第1通信部
22 第2通信部
25 記憶部
30 制御部
31 目標収穫時期設定部
31A 価格予測部
31B 収穫予測部
31C 収入額予測部
31D 支出額予測部
31E 収益予測部
31F 時期決定部
32 制御値算出処理部
32A 目標生長状態設定部
32B 制御値算出部
41 通信部
42 操作表示部
43 操作部
44 記憶部

Claims (4)

  1. 所定の栽培領域で栽培される作物の目標収穫時期を設定する目標収穫時期設定部と、
    前記栽培領域の環境を制御するための環境制御値を算出する制御値算出処理部とを含み、
    前記制御値算出処理部は、前記目標収穫時期設定部によって設定された目標収穫時期に、前記栽培領域において期待収穫量の作物が得られるように前記環境制御値を算出する、作物生産管理装置。
  2. 前記目標収穫時期設定部は、収益が最大となる収穫時期を目標収穫時期として設定するように構成されている、請求項1に記載の作物生産管理装置。
  3. 前記目標収穫時期設定部は、
    複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補における前記栽培領域での作物の収穫量を予測する収穫予測部と、
    前記複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補における作物の価格を予測する価格予測部と、
    前記収穫予測部によって予測される前記複数の収穫時期候補毎の収穫量と前記価格予測部によって予測される前記複数の収穫時期候補毎の作物の価格とに基づいて、前記複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補において作物を収穫する場合に得られる収入額を予測する収入額予測部と、
    前記複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補において作物を収穫する場合に、それらの作物の生産に要した支出額を予測する支出額予測部と、
    前記収入額予測部によって予測される前記複数の収穫時期候補毎の収入額と前記支出額予測部によって予測される複数の収穫時期候補毎の支出額とに基づいて、複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補における収益を予測する収益予測部と、
    前記複数の収穫時期候補のうち、前記収益予測部によって予測される収益が最大となる収穫時期候補を目標収穫時期として決定する時期決定部とを含む、請求項2に記載の作物生産管理装置。
  4. 前記制御値算出処理部は、
    前記栽培領域における作物の現在の生長状態に基づいて、前記目標収穫時期において前記期待収穫量の作物が得られるような、前記目標収穫時期での目標生長状態を設定する目標生長状態設定部と、
    前記目標収穫時期での作物の生長状態が前記目標生長状態に近づくように、前記環境制御値を算出する制御値算出部とを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の作物生産管理装置。
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