JP2019083746A - 作物生産管理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には、天候、温度、風、日照量等の農作物に関する情報に基づき、農作物の生育状況や、収穫時期および収穫量の予測を行う圃場管理システムが開示されている。
本発明の目的は、作物の収穫時期を調整することが可能な作物生産管理装置を提供することである。
この発明の一実施形態では、前記目標収穫時期設定部は、収益が最大となる収穫時期を目標収穫時期として設定するように構成されている。
この構成では、作物の生産者の収益を増加させることが可能となる。
この発明の一実施形態では、前記目標収穫時期設定部は、複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補における前記栽培領域での作物の収穫量を予測する収穫予測部と、前記複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補における作物の価格を予測する価格予測部と、前記収穫予測部によって予測される前記複数の収穫時期候補毎の収穫量と前記価格予測部によって予測される前記複数の収穫時期候補毎の作物の価格とに基づいて、前記複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補において作物を収穫する場合に得られる収入額を予測する収入額予測部と、前記複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補において作物を収穫する場合に、それらの作物の生産に要した支出額を予測する支出額予測部と、前記収入額予測部によって予測される前記複数の収穫時期候補毎の収入額と前記支出額予測部によって予測される複数の収穫時期候補毎の支出額とに基づいて、複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補における収益を予測する収益予測部と、前記複数の収穫時期候補のうち、前記収益予測部によって予測される収益が最大となる収穫時期候補を目標収穫時期として決定する時期決定部とを含む。
この発明の一実施形態では、前記制御値算出処理部は、前記栽培領域における作物の現在の生長状態に基づいて、前記目標収穫時期において前記期待収穫量の作物が得られるような、前記目標収穫時期での目標生長状態を設定する目標生長状態設定部と、前記目標収穫時期での作物の生長状態が前記目標生長状態に近づくように、前記環境制御値を算出する制御値算出部とを含む。
図1は、実施形態に係る作物生産管理装置が適用された作物生産管理システムの構成を示す模式図である。
作物生産管理システム1は、作物を栽培するための作物栽培システム2と、作物生産管理装置としてのサーバ3とを含む。この実施形態では、作物は、野菜であり、より具体的にはトマトである。作物は、果実、花等であってもよい。
作物栽培システム2は、作物の撮影、栽培領域の環境の観測、栽培領域の環境の制御等を行う。作物栽培システム2は、作物の撮像データ(画像データ)、栽培領域の環境の観測データ等をサーバ3に送信する。サーバ3は、作物栽培システム2から送信された画像データ、観測データ等を受信して記憶する。サーバ3は、取得した画像データ、観測データ等に基づいて、目標収穫時期の設定、栽培領域の環境を制御するための環境制御値(後述する制御変数の目標値)の算出等を行う。
この実施形態では、作物(この例ではトマト)は、ビニルハウス8内で栽培される。したがって、ビニルハウス8の室内が、栽培領域9となる。
作物栽培システム2は、制御装置11、コージェネ12、空調機13、除湿機14、CO2施用機15、複数のカメラ16、複数の環境センサ17、電力量センサ18(図3参照)、天候センサ19等を含んでいる。これら構成要素のうち、コージェネ12および天候センサ19は、ビニルハウス8の室外に配置されており、それ以外の要素はビニルハウス8の室内(栽培領域)に配置されている。
複数のカメラ(撮像部)16は、栽培領域9内に間隔をおいて配置されている。栽培領域9は、予め複数の小領域に分けられている。そして、小領域毎に1つのカメラ16が割り当てられている。各カメラ16は、対応する小領域内に存在する作物を撮像する。これらのカメラ16は、栽培領域9内に存在する各作物の生長状態(生長段階)を判定するために設けられている。この実施形態では、カメラ16の撮像画像(画像データ)は、無線通信によって、制御装置11に与えられる。
天候センサ19は、ビニルハウス8の室外の温度、湿度、照度等を観測するためのセンサであり、温度センサ19A、湿度センサ19Bおよび照度センサ19C(図3参照)を含んでいる。この実施形態では、天候センサ19によって得られる観測データは、無線通信によって、制御装置11に与えられる。
制御装置11は、制御部20と、第1通信部21と、第2通信部22と、操作表示部23と、操作部24と、記憶部25とを含む。制御部20は、CPUおよびメモリ(ROM、RAM等)を備えたマイクロコンピュータを含む。第1通信部21、第2通信部22、操作表示部23、操作部24および記憶部25は、制御部20に接続されている。
制御部20には、コージェネ12、空調機13、除湿機14、CO2施用機15および電力量センサ18(図3参照)が通信線を介して接続されている。制御部20は、後述するように、目標値記憶部27に記憶されている制御変数の目標値に基づいて、コージェネ12、空調機13、除湿機14およびCO2施用機15を制御する。
図4は、サーバ3の電気的構成を示すブロック図である。
画像データ記憶部45には、作物栽培システム2から受信した時刻毎の画像データが記憶される。環境データ記憶部46には、作物栽培システム2から受信した時刻毎の環境データが記憶される。天候データ記憶部47には、作物栽培システム2から受信した時刻毎の天候データに基づいて過去の年月日毎の天候データが記憶される。消費電力量記憶部48には、作物栽培システム2から受信した時刻毎の消費電力量データが記憶される。市場データ記憶部49には、過去における年月日毎の作物の出荷量および価格等のデータが記憶される。天気予測データ記憶部50には、栽培領域9の存在する地域に関する天気予測データが記憶される。天気予測データは、気象庁等によって提供される天気予測データである。
制御部30は、CPUおよびメモリ(ROM、RAM等)を備えたマイクロコンピュータを含む。制御部30は、作物栽培システム2の制御装置11等から送信されてくる各種データを受信して、記憶部44に記憶するデータ収集部(図示略)を含んでいる。制御部30は、さらに、目標収穫時期設定部31と制御値算出処理部32とを含む。
この実施形態では、目標収穫時期設定部31は、収益が最大となる収獲時期を目標収穫時期として設定するための目標収穫時期設定処理を行う。目標収穫時期設定部31は、価格予測部31Aと、収穫予測部31Bと、収入額予測部31Cと、支出額予測部31Dと、収益予測部31Eと、時期決定部31Fとを含む。
収入額予測部31Cは、価格予測部31Aによって予測される複数の収穫時期候補毎の作物の価格と、収穫予測部31Bによって予測された複数の収穫時期候補毎の作物の収穫量とに基づいて、複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補において作物を収穫する場合に得られる収入額を予測する。ある収穫時期候補に対する収入額は、例えば、価格予測部31Aによって予測された当該収穫時期候補の価格を収穫予測部31Bによって予測された当該収穫時期候補の収穫量に乗算することにより算出される。
収益予測部31Eは、収入額予測部31Cによって予測される複数の収穫時期候補毎の収入額と、支出額予測部31Dによって予測される複数の収穫時期候補毎の支出額とに基づいて、複数の収穫時期候補毎の収益を予測する。
収穫予測部31Bについて詳しく説明する。
図5は、収穫予測部31Bの動作を説明するためのフローチャートである。
収穫予測部31Bは、画像データ記憶部45に記憶されている時刻毎の画像データのうち最新の時刻に対する画像データ(以下、「処理対象画像データ」という。)を抽出して、メモリ(具体的には作業メモリとしてのRAM)に記憶する(ステップS1)。処理対象画像データは、複数のカメラ16によって撮像されたカメラ16毎の最新の画像データを含んでいる。
ここで作物の生長段階について説明する。図6は、作物の生長段階を示す模式図である。
収穫予測部31Bは、処理対象画像データから花や実を抽出し、抽出した花や実のそれぞれに対して、その生長段階に応じた数値ラベル1〜10を割り当てる。このような処理は、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN: Convolutional Neural Network)等の公知技術を用いることによって行うことができる。
作物の生長速度に影響を与える要因の代表的にものには、例えば、温度α、湿度β、CO2濃度γ、日照強度δ等がある。本実施形態における作物栽培システム2では、温度α、湿度βおよびCO2濃度γは制御可能であるが、日照強度δは制御不可能である。
収穫予測部31Bは、現在から当該収穫時期候補までの期間における1日当たりの生長量Gdを、制御可能範囲内のある所定値Gd1に設定する。そして、収穫予測部31Bは、1日当たりの作物の生長量Gd1を用いて、ステップS3で作成された現在の生長状態分布を当該収穫時期候補まで進展させることにより、当該収穫時期候補での生長状態分布を求める。図9を参照して、ステップS3で作成された現在の生長状態分布を、1日当たりの作物の生長量Gd1分だけ、生長段階が進行する方向にシフトさせると、翌日の生長状態分布を求めることができる。したがって、現在の生長状態分布を初期の生長状態分布として、1日当たりの生長量Gd1分だけ生長段階が進行する方向に生長状態分布をシフトさせる操作を、繰り返し行うことにより、1日当たりの生長量GdがGd1である場合の将来の生長状態分布を予測することが可能となる。そこで、現在から当該収穫時期候補までの日数をNとすると、現在の生長状態分布をN・Gd1分だけ生長段階が進行する方向にシフトさせることにより、GdがGd1である場合の当該収穫時期候補での生長状態分布を求めることができる。GdがGd1である場合の当該収穫時期候補での生長状態分布の一例を図10に示す。
図4に戻り、制御値算出処理部32について詳しく説明する。
制御値算出処理部32は、目標生長状態設定部32Aと制御値算出部32Bとを含む。目標生長状態設定部32Aは、栽培領域9における作物の現在の生長状態(生長状態分布)に基づいて、目標収穫時期において期待収穫量の作物が得られるような、目標収穫時期での目標生長状態(目標生長状態分布)を設定する。制御値算出部32Bは、目標収穫時期での作物の生長状態が目標生長状態に近づくように、栽培領域9の環境を制御するための環境制御値(制御変数の目標値)を算出する。
制御値算出処理部32内の目標生長状態設定部32Aは、画像データ記憶部45に記憶されている時刻毎の画像データのうち最新の時刻に対する画像データ(処理対象画像データ)を抽出して、メモリに記憶する(ステップS11)。ステップS11の処理は、図5のステップS1の処理と同様である。
次に、目標生長状態設定部32Aは、処理対象画像データから抽出された花や実を、ステップS12によって得られた生長段階(数値ラベル)毎に集計することにより、栽培領域9における作物の現在の生長状態を表す度数分布(生長状態分布)を作成する(ステップS13)。ステップS13の処理は、図5のステップS3の処理と同様である。
次に、目標生長状態設定部32Aは、将来の生長状態分布における予測収穫量と目標収穫量との差の絶対値である第2収穫量偏差Efが、基準生長状態分布における予測収穫量と目標収穫量との差の絶対値である第1収穫量偏差Ec以上であるか否かを判別する(ステップS18)。
ステップS18において、目標生長状態設定部32Aは、現在設定されている基準生長状態分布(ステップS14またはステップS19で設定された基準生長状態分布)における予測収穫量が、目標収穫量以上となっているか否かを判定してもよい。すなわち、目標生長状態設定部32Aは、第2収穫量偏差Efが第1収穫量偏差Ec以上であり、且つ基準生長状態分布における予測収穫量と目標収穫量との差(予測収穫量−目標収穫量)が0以上である場合に、ステップS20の処理に進むよう構成されていてもよい。
現在の生長状態分布61と目標生長状態分布62との生長量の差をΔGとする。目標収穫時期での予測生長状態分布を目標生長状態分布に近づけるための1日単位の生長量の目標値を目標生長量Gd*とし、現在から目標収穫日までの日数をNとすると、1日単位の目標生長量Gd*は次式(1)で表される。
制御値算出部32Bは、前記式(1)に基づいて、1日単位の目標生長量Gd*を算出する。そして、制御値算出部32Bは、1日の生長量Gdが目標生長量Gd*に等しくなるように、1または複数の時間帯における制御変数の目標値α*、β*およびγ*を算出する。
作物栽培システム2の制御部20は、サーバ3からの時間帯毎の制御変数の目標値α*、β*およびγ*を受信すると、受信した時間帯毎の目標値α*、β*およびγ*を記憶部25内の目標値記憶部27に記憶する。これにより、目標値記憶部27に記憶されている時間帯毎の目標値α*、β*およびγ*が更新される。そして、制御部20は、各時間帯の制御変数α、βおよびγが、その時間帯に対する更新後の制御変数の目標値α*、β*およびγ*に近づくように、コージェネ12、空調機13、除湿機14およびCO2施用機15を制御する。
また、前記実施形態では、作物として野菜(トマト)を例にとって説明したが、作物は果実や花であってもよい。
3 サーバ
4 通信網
9 栽培領域
11 制御装置
12 コージェネ
13 空調機
14 除湿機
15 CO2施用機
16 カメラ
17 環境センサ
20 制御部
21 第1通信部
22 第2通信部
25 記憶部
30 制御部
31 目標収穫時期設定部
31A 価格予測部
31B 収穫予測部
31C 収入額予測部
31D 支出額予測部
31E 収益予測部
31F 時期決定部
32 制御値算出処理部
32A 目標生長状態設定部
32B 制御値算出部
41 通信部
42 操作表示部
43 操作部
44 記憶部
Claims (4)
- 所定の栽培領域で栽培される作物の目標収穫時期を設定する目標収穫時期設定部と、
前記栽培領域の環境を制御するための環境制御値を算出する制御値算出処理部とを含み、
前記制御値算出処理部は、前記目標収穫時期設定部によって設定された目標収穫時期に、前記栽培領域において期待収穫量の作物が得られるように前記環境制御値を算出する、作物生産管理装置。 - 前記目標収穫時期設定部は、収益が最大となる収穫時期を目標収穫時期として設定するように構成されている、請求項1に記載の作物生産管理装置。
- 前記目標収穫時期設定部は、
複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補における前記栽培領域での作物の収穫量を予測する収穫予測部と、
前記複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補における作物の価格を予測する価格予測部と、
前記収穫予測部によって予測される前記複数の収穫時期候補毎の収穫量と前記価格予測部によって予測される前記複数の収穫時期候補毎の作物の価格とに基づいて、前記複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補において作物を収穫する場合に得られる収入額を予測する収入額予測部と、
前記複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補において作物を収穫する場合に、それらの作物の生産に要した支出額を予測する支出額予測部と、
前記収入額予測部によって予測される前記複数の収穫時期候補毎の収入額と前記支出額予測部によって予測される複数の収穫時期候補毎の支出額とに基づいて、複数の収穫時期候補毎に、その収穫時期候補における収益を予測する収益予測部と、
前記複数の収穫時期候補のうち、前記収益予測部によって予測される収益が最大となる収穫時期候補を目標収穫時期として決定する時期決定部とを含む、請求項2に記載の作物生産管理装置。 - 前記制御値算出処理部は、
前記栽培領域における作物の現在の生長状態に基づいて、前記目標収穫時期において前記期待収穫量の作物が得られるような、前記目標収穫時期での目標生長状態を設定する目標生長状態設定部と、
前記目標収穫時期での作物の生長状態が前記目標生長状態に近づくように、前記環境制御値を算出する制御値算出部とを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の作物生産管理装置。
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