JP2019081323A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Akiko Aichi
晶子 愛知
弾塚 俊光
Toshimitsu Danzuka
俊光 弾塚
横澤 琢
Migaku Yokozawa
琢 横澤
大岳 加藤
Hirotake Kato
大岳 加藤
心 現田
Shin Genta
心 現田
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Kazuki Narumi
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Abstract

【課題】廃インク量を低減しつつ、ユーザー利便性の向上したインクジェット記録装置を提供する。【解決手段】インクジェット記録装置は、インクを収容する第1の収容容器130と、大気と連通し第1の収容容器から供給されるインクを収容する第2の収容容器131と、第1の収容容器と第2の収容容器とを接続する連通管160と、第2の収容容器から供給されたインクを吐出する記録ヘッド201と、を備えるインクジェット記録装置であって、第2の収容容器のインク収容可能量を変更する変更手段をさらに備えることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関する。
特許文献1には、所謂チキンフィード方式(バードフィード方式)によって、インクカートリッジ(メインタンク)内のインクを、インクタンク(リザーブタンク)内に、当該インクタンク内のインク量が一定になるように供給する構成が開示されている。
特開昭62−090246号公報
上記構成のインクジェット記録装置では、記録動作中にメインタンク内のインクが無くなった(インク量が所定量未満になった)場合でも、リザーブタンク内にインクが残っている場合には記録動作を継続することができる。しかしながら、記録動作中にリザーブタンク内のインクが無くなる(インク量が所定量未満になる)と、新たなメインタンクが装着されるまで、記録動作は中断せざるを得ない。このような記録動作の中断は、ユーザー利便性の観点から好ましくない。
このような記録動作の中断を防止するために、早い段階でユーザーに対してメインタンクの交換を報知することが考えられる。しかし、早い段階でメインタンクを交換すると、まだメインタンク内にインクが残っている(インク量が所定量以上である)場合があり、残っているインクが無駄になってしまうおそれがある。
一方、リザーブタンクは、気温の上昇や気圧の低下などの環境変化があった場合に内部の空気が膨張しインクが外部に漏れ出すことがないよう、インクの収容量に対して内容積が多少の余裕を持つように設計されている。
本発明は、上記に鑑み、廃インク量を低減しつつ、ユーザー利便性の向上したインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録装置は、インクを収容する第1の収容容器と、大気と連通し前記第1の収容容器から供給されるインクを収容する第2の収容容器と、前記第1の収容容器と前記第2の収容容器とを接続する連通管と、前記第2の収容容器から供給されたインクを吐出する記録ヘッドと、を備えるインクジェット記録装置であって、前記第2の収容容器のインク収容可能量を変更する変更手段をさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、廃インク量を低減しつつ、ユーザー利便性の向上したインクジェット記録装置を提供することができる。
第1実施形態に係るインクジェット記録装置を示す斜視図である。 第1実施形態に係るメインタンクとリザーブタンクを示す概略図である。 第1実施形態に係るインク供給系を示す概略図である。 第1実施形態に係る記録ヘッドの吐出口面を示す概略図である。 第1実施形態に係る制御系の構成を示すブロック図である。 第1実施形態におけるインク残量レベルを選択するフローチャートを示す図である。 第1実施形態におけるメインタンクのインク残量カウント値とインク残量レベルの対応表を示す図である。 第1実施形態における早期使い切りモードのフローチャートを示す図である。 第1実施形態におけるインク残量カウント値の更新シーケンスのフローチャートを示す図である。 第1実施形態における溢れ防止制御のフローチャートを示す図である。 第1実施形態における溢れ防止制御のインク残量カウント値の加算量を示す図である。 第2実施形態に係るインク供給系を示す概略図である。 第3実施形態に係るインク供給系を示す概略図である。 第4実施形態に係るインク供給系を示す概略図である。
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録装置について詳細に説明する。
図1は、第1実施形態に係るインクジェット記録装置(記録装置とも称する)を示す斜視図である。図1において、記録装置100は、互いに向き合った2つの脚部180の上端部に固定されている。記録装置100は、給送部と、搬送部と、記録部と、インク供給部と、排出部とを備えている。
給送部は、ロールホルダユニット122を有している。ロールホルダユニット122は、ロール状の記録媒体であるロールシートを保持する。搬送部は、不図示の給送モータにより、ロールホルダユニット122を回転させて記録媒体を搬送部へ送り出すことができる。搬送部は搬送ローラ対を有している。搬送部は、搬送ローラ対により給送部から送り出された記録媒体を挟持しながら記録部400へ搬送する。
記録部は、キャリッジ200を有している。キャリッジ200には、インクを吐出する記録ヘッド201が着脱自在に搭載される。キャリッジ200は、不図示のキャリッジモータの駆動力がベルト伝動手段270により伝達されて、記録媒体の搬送方向(Y方向)と交差する方向(X方向)に往復移動するように構成されている。記録ヘッド201には、インク供給部からインクが供給される。
インク供給部は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトシアン、ライトマゼンタなどの各色インクを収容する複数のメインタンク(インクタンク、第1の収容容器)130が着脱自在に設けられたインク供給ユニット320を有している。インク供給ユニット320は、各メインタンク130から供給された各色インクを収容するリザーブタンク(サブタンク、第2の収容容器)131をそれぞれ有している。各リザーブタンク131と記録ヘッド201は可撓性の供給チューブ335を介して接続されている。供給チューブ335は、キャリッジ200の往復移動の際に暴れることのないよう、不図示のチューブガイドにより束ねられている。
排出部は、不図示のカッタと、スタッカ123とを有している。カッタは、記録部により画像が記録された記録媒体を切断する。スタッカ123には、記録部により画像が記録されカッタにより切断された記録媒体が排出され、積載される。
また記録装置100には、装置本体が設置された環境の温度を検出するため、サーミスタによる温度センサ151が設けられている。温度センサ151は、電源ON時、電源OFF時、記録命令を受信したとき、メインタンクの交換時、メンテナンス動作の実行前、所定時間(1時間)経過毎などに温度を検出する。
記録装置100は、記録命令を受信すると、まずロールホルダユニット122に保持された記録媒体を搬送ローラ対まで給送する。次に記録媒体を、搬送ローラ対により挟持しながら記録ヘッド201と対向する位置まで搬送する。記録媒体が記録ヘッド201と対向する位置まで搬送されると、搬送を停止し、その間にキャリッジ200がX方向に移動する。キャリッジ200がX方向に移動している間に、記録ヘッド201の各吐出口から記録媒体に対してインク滴を吐出する。これにより、記録媒体に1バンド分の画像を記録する。次にキャリッジ200がX方向における記録媒体の一方端まで移動すると、記録媒体をY方向に所定量だけ搬送する。このような記録動作と搬送動作とを交互に繰り返すことにより記録媒体に1ページ分の画像を記録する。記録媒体に画像を記録した後は、カッタにより記録媒体を切断し、切断した記録媒体をスタッカ123へ排出する。
次に本実施形態に係るインク供給系について詳細に説明する。図2は、本実施形態に係るインク供給系におけるメインタンクとリザーブタンクを示す概略図である。図2は、メインタンクとリザーブタンクとが分離した状態を示している。ここでは説明を簡単にするため、1色のインク供給系についてのみ示す。メインタンク130には、インクが収容されている。メインタンク130は密閉されており、大気に開放されていない(内部が大気と連通していない)。メインタンク130は装置本体に着脱可能に構成されている。記録によりインクが消費され、メインタンク130内のインクが減少した場合、ユーザーにより新たなメインタンク130に交換することができる。
メインタンク130の底面部には、リザーブタンク131と接続するための接続部135が設けられている。接続部135は、封止栓134と、封止栓134を固定するための封止栓固定部材133とを有している。メインタンク130は、接続部135においても密閉した構成となっている。封止栓134は、例えばゴム等の弾性材料により形成されている。封止栓134は、メインタンク130が装置本体に装着されたときに、リザーブタンク131側の連通路160により厚み方向に貫通される。
図3に、メインタンク130とリザーブタンク131が接続している状態を示す。各色のメインタンク130と記録ヘッド201との間には、リザーブタンク131が設けられている。リザーブタンク131は、重力方向においてメインタンク130の下方(直下)に配置されている。リザーブタンク131を設けることにより、メインタンク130内のインクが空になった(インク量が所定量未満になった)としても、リザーブタンク131内のインクを用いて記録を継続することができる。リザーブタンク131とメインタンク130とは、導電性の管状の連通路(連通管)160により接続されている。連通路160の下端には、リザーブタンク131内(第2の収容容器内)に開口した第1の開口部160eが設けられている。また連通路160には、リザーブタンク131内の上面(天井)と連通路の下端(第1の開口部160e)との間に、分岐路(流路)164が設けられている。分岐路164の下端には、リザーブタンク131内(第2の収容容器内)に開口した第2の開口部164eが設けられている。第2の開口部164eは、第1の開口部160eより重力方向において上方に位置している。また分岐路164には、分岐路164を開閉可能な第1の開閉弁163が設けられている。第1の開閉弁163は、開状態と閉状態とに切り替え(切替)可能である。開状態ではメインタンク130とリザーブタンク131とが第2の開口部164eを介して連通した状態である。閉状態ではメインタンク130とリザーブタンク131とが第2の開口部164eを介しては連通せず第1の開口部160eを介して連通した状態である。第1の開閉弁163は、通常使用時には閉状態である。またリザーブタンク131は、大気に連通した大気連通部132を有しており、内部が大気に開放されている。
リザーブタンク131と記録ヘッド201とは、供給チューブ335により接続されている。供給チューブ335には、流路を開閉可能な第2の開閉弁137が設けられている。第2の開閉弁137は、リザーブタンク131と記録ヘッド201が連通した開状態と、リザーブタンク131と記録ヘッド201が連通しない閉状態とに切り替え(切替)可能である。供給チューブ335内には、約30mlのインクが収容可能である。
記録ヘッド201の吐出口面は、リザーブタンク131内のインクの液面よりも重力方向において上方に位置している。記録時に吐出口からインクが吐出されたり、メンテナンス時に吐出口からインクが排出される等して記録ヘッド201内のインクが消費されると、記録ヘッド201内に負圧が発生する。すると、その負圧を解消するように、リザーブタンク131内のインクが記録ヘッド201へ供給される。
図4は、本実施形態に係る記録ヘッドの吐出口面を示す概略図である。記録ヘッド201の吐出口面には、インクを吐出する吐出口がY方向に沿って複数配列された吐出口列202がX方向に複数並んで設けられている。本実施形態に係る記録装置では、6色のインクを用いて記録動作を行うことが可能であり、図4に示すように、記録ヘッド201の吐出口面には各色に対応した6列の吐出口列202が設けられている。すなわち、記録ヘッド201の吐出口面には、シアン、マゼンタ、イエロー、ライトマゼンタ、ライトシアン、ブラックの各色に対応した吐出口列202C,202M,202Y,202LM,202LC,202Bkが設けられている。各吐出口列202の各吐出口には、インクを吐出するためのエネルギーを発生するエネルギー発生素子が設けられており、エネルギー発生素子が発生させるエネルギーによって吐出口からインクが吐出される。エネルギー発生素子としては、例えば熱エネルギーを発生する電気熱変換素子や、ピエゾ素子を用いることができる。
また記録装置100は、記録ヘッドの吐出性能を回復するための回復処理ユニット(回復ユニット)300を備えている。回復処理ユニット300は、記録ヘッド201の吐出口面を覆うことができるキャップ301を有している。本実施形態では、1つのキャップ301により3列の吐出口列を覆うことができ、2つのキャップ301により記録ヘッド201の吐出口面に設けられた6列の吐出口列を覆うように構成されている。記録ヘッド201の吐出口面を覆うキャップ301の範囲を図4の点線にそれぞれ示す。回復処理ユニット300は、回復命令を受信したとき、キャップ301により記録ヘッド201の吐出口面を覆い、キャップ301に接続された吸引ポンプ302を駆動して、キャップ301の内部を負圧にする。これにより記録ヘッド201の吐出口からインクを吸引する吸引動作を行うことができる。この吸引動作は、1つのキャップ301毎に個別に行うこともできるし、2つのキャップで同時に行うことも可能である。リザーブタンク131内や供給チューブ335内のインクを排出する際にも、このように記録ヘッド201の吐出口からインクを吸引することによりインクを排出させる。なお、この吸引動作により吸引されたインクは廃インクタンク303へ排出される。
次に本実施形態に係る記録装置の制御系について説明する。図5は、本実施形態に係る制御系の構成を示すブロック図である。制御部10は、記録装置100全体を制御する。制御部10は、ケーブル12を介して、ホストコンピュータ11と接続される。制御部10には、ホストコンピュータ11から記録データや、記録動作に関わるモードの種類、各種コマンド等が送信される。なおケーブル12の代わりに、赤外線や無線電波をインターフェースとして接続する構成でも良い。
制御部10は、CPU13、インターフェース回路I/F14、ROM15、RAM16、入出力ポートI/O17、不揮発性メモリ23を有する。CPU13は、演算、制御、判断、設定などの各種処理動作を実行する。インターフェース回路I/F14は、ホストコンピュータ11との間で情報を送受信する。ROM15は、CPU13によって実行すべき制御プログラム等を格納する。RAM16は、制御プログラムを実行する際に一時的に使用され、インクの吐出/非吐出を表す2値の記録データを格納するバッファやCPU13による処理のワークエリア等として用いられる。不揮発性メモリ23は、リザーブタンク131内のインク量に関する情報(インク残量カウント値)や、温度センサ151により取得された装置本体が設置された環境の温度(環境温度)に関する情報などを記憶し保存する。不揮発性メモリ23は、記録装置の電源がOFFにされても情報を保持することができる。
入出力ポートI/O17には、記録ヘッド201を駆動するヘッド駆動源18、回復処理ユニット300を駆動する回復モータ19、インク供給ユニット320を駆動する供給駆動モータ20が接続される。ヘッド駆動源18、回復モータ19、供給駆動モータ20は、制御部10からの指令により動作し、記録ヘッドによる吐出動作、吸引ポンプによる吸引動作、第1の開閉弁163,第2の開閉弁137の開閉動作などを行う。また、入出力ポートI/O17には、リザーブタンク131内のインク残量(インク量)を検知する残量検知センサ21、メインタンク130の装着の有無を検知する装着有無センサ22が接続される。
次に本実施形態に係る記録装置において、メインタンクからリザーブタンクへインクが供給(充填)される様子を説明する。図3において、リザーブタンク131内のインクが記録ヘッド201へ供給されると、大気連通部132からリザーブタンク131内に空気が供給され、リザーブタンク131内のインクの液面が下がる。そして、メインタンク130内にインクがある場合には、連通路160を介してメインタンク130のインクがリザーブタンク131に供給され、またリザーブタンク131内の空気が連通路160を介してメインタンク130に供給される。すなわち、メインタンク130内のインクとリザーブタンク131内の空気との間で気液交換が行われ、リザーブタンク131内にインクが供給される。
リザーブタンク131内にインクが供給され、リザーブタンク131内のインクが連通路160の下端の第1の開口部160eに到達すると、リザーブタンク131内の空気が連通路160を介してメインタンク130に送られなくなる。そのため、メインタンク130からリザーブタンク131へのインクの供給は停止する。よって、リザーブタンク131内には、インクの液面の位置が連通路160の下端の第1の開口部160eの位置Aになるようにインクが供給される。つまり、メインタンク130内にインクが残っている場合は、温度や気圧などの環境の変化やインクの蒸発がなければ、リザーブタンク131内にはインクの液面が位置Aになるようにインク量が保たれる。本実施形態においては、リザーブタンク131内のインクの液面が位置Aにあるときのリザーブタンク131内のインク量は70mlである。
メインタンク130内のインクが空になった(インク量が所定量未満になった)場合、記録ヘッド201からインクが消費されると、リザーブタンク131内のインクが減少すると同時に、リザーブタンク131内には大気連通部132から空気が流入する。しかし、メインタンク130内にインクはないため、メインタンク130からリザーブタンク131へはインクは供給されない。そのため、リザーブタンク131内のインクの液面は位置Aよりも低くなる。本実施形態では、リザーブタンク131内のインク残量が10ml未満になる場合には、記録動作を中止するように設定されている。すなわち、リザーブタンク131内のインクの液面が位置Aにある状態から、メインタンク130が空となり、リザーブタンク131内のインクが60ml消費されるまでは、記録動作を継続することができるように設定されている。リザーブタンク131内のインク量が10mlであるとき、インクの液面は位置Eにある。ユーザーにより新しいメインタンク130に交換されると、メインタンク130内のインクとリザーブタンク131内の空気との間で気液交換が行われ、リザーブタンクにはインクの液面が位置Aになるまでインクが充填される。
一方、リザーブタンク131の内容積は150mlである。つまり、リザーブタンク131内にインクの液面が位置Aとなるようなインク量(70ml)のインクが収容されていても、さらに80mlのインクを収容することができるように設計されている。これは、温度の上昇や気圧の低下などの環境変化により、メインタンク130内の空気が膨張し、メインタンク130からリザーブタンク131にインクがさらに流れ込んだとしても、インクがリザーブタンク131から溢れ出ないようにするためである。
例えば、メインタンク130の内容積が300mlであったとする。メインタンク130からリザーブタンク131にインクが供給され、メインタンク130内のインク量が77mlであった場合、メインタンク130内の空気は223mlである。このときの気温を10℃とする。リザーブタンク131内にはインクの液面が位置Aとなるようなインク量(70ml)のインクが収容されている。この状況で記録装置が保管され、気温が60℃まで上昇し、メインタンク130内の空気が膨張して300mlになったとする。すると、メインタンク130内のインクは、メインタンク130内から押し出され、連通路160を通って、リザーブタンク131内に流れ込む。このとき、リザーブタンク131内には147mlのインクが収容されることになり、リザーブタンク131内のインクの液面は位置Aよりも高い位置Fとなる。
このように、気温の上昇や気圧の低下などの環境変化により、メインタンク130からインクが流れ込んできても、リザーブタンク131はインクが溢れ出ないように余裕を持った内容積となっている。リザーブタンク131内のインクの液面が位置Aよりも高かったときに記録ヘッド201からインクが消費されると、リザーブタンク131内のインクは消費した分だけ減少する。そして、リザーブタンク131内のインクの液面が位置Aの高さまで減少した後は、記録ヘッド201からインクが消費されても、メインタンク130内にインクがある状態であれば、リザーブタンク131内のインクの液面は位置Aに保たれる。そして、記録ヘッド201からインクが消費されると、メインタンク130内のインクが減少する。
次に本実施形態におけるメインタンク130内やリザーブタンク131内のインク残量の管理方法について説明する。リザーブタンク131の内部には、第1の電極161と第2の電極162とが設けられている。第1の電極161の下端は、重力方向において位置Eよりも下方の位置にある。一方、第2の電極162の下端は、重力方向において位置Eと略同一の位置にある。メインタンク130内のインク残量は、メインタンク内のインクの初期量(出荷時のインク量)から、記録装置に装着されてから消費されたインク量(吐出量や吸引量)を減算することで、概算値として把握することができる。本実施形態では、インクの初期量は300mlである。この概算値をメインタンクのインク残量カウント値と呼ぶ。また、メインタンク130内のインクの有無については、導電性の連通路160と第1の電極161を用いることで、上記概算値よりも正確に検知することができる。
メインタンク130内にインクがある(インク量が所定量より多い)場合、リザーブタンク131内はインクの液面が位置Aになるようにインクで満たされているため、連通路160と第1の電極161との間にはインクが存在している。その状態で、連通路160と第1の電極161の間に電圧を印加すると、連通路160と第1の電極161の間にインクを介して電流が流れる(通電する)。よって、このときの電流値または電圧値を測定し、連通路160と第1の電極161の間にインクが流れたと判断した場合には、メインタンク130は「インク有り」(インク量が所定量より多い)と判断することができる。
一方、メインタンク130内のインクが無くなった(インク量が所定量より少ない)場合には、リザーブタンク131内のインクの液面は位置Aよりも下方となり、連通路160がインクと接しない。よって、連通路160と第1の電極161の間に電圧を印加しても、ほとんど電流が流れない(通電しない)。よって、このときの電流値または電圧値を測定し、連通路160と第1の電極161の間にインクが流れていないと判断した場合には、メインタンク130は「インク無し」(インク量が所定量より少ない)と判断することができる。これらのメインタンクのインク残量カウント値やメインタンクのインクの有無に関する情報は、メインタンクに設けられた不図示のメモリに保存される。
リザーブタンク131内のインク残量は、メインタンク130からリザーブタンク131にインクが供給されてから、メインタンク130が「インク無し」と検知されるまでは、インクの液面の位置が位置Aとなる70mlであると判断される。メインタンク130が「インク無し」と検知された後は、消費したインク量(吐出量や吸引量)を、70mlから減算することで概算値として把握することができる。この概算値をリザーブタンクのインク残量カウント値と呼ぶ。さらに第1の電極161と第2の電極162の間に電圧を印加することで、リザーブタンク131内のインク残量を正確に把握することができる。第1の電極161と第2の電極162の間に電圧を印加して、電流が流れた(通電した)場合、リザーブタンク131内のインクは液面の位置が位置Eより高い、すなわちインク量が10mlより多いと判断することができる。また、第1の電極161と第2の電極162の間に電圧を印加しても、ほとんど電流が流れなかった(通電しない)場合、リザーブタンク131内のインクは液面の位置が位置Eより低い、すなわちインク量が10mlより少ないと判断することができる。
リザーブタンク131内のインクの液面が位置Aを下回った状態で新たなメインタンクに交換された場合、連通路160と第1の電極161の間に電流が流れたときは、リザーブタンクのインク残量カウント値をインクの液面が位置Aとなる70mlに更新する。一方、連通路160と第1の電極161の間に電流が流れなかったときは、メインタンク130内のインク量が少量で、リザーブタンク131内のインクの液面は位置Aには到達しなかったと判断する。このとき、メインタンクのインク残量カウント値をリザーブタンクのインク残量カウント値に加算する。リザーブタンクのインク残量カウント値は、記録装置に設けられた不揮発性メモリ23に保存される。
このようなインク残量の検知やその結果の保存は、電源ON時や電源OFF時、メインタンクの交換時、記録動作中、メンテナンス動作時、スタンバイ中などに定期的に行われる。
また、ユーザーは色毎にメインタンク130内のインク残量の概算量を把握することができる。これにより、ユーザーが新しいメインタンクの準備をしやすいようになっている。メインタンクのインク残量は、12段階のインク残量レベルに設定される。インク残量レベルは、メインタンク130とリザーブタンク131のインク残量に応じて決定される。そして、インク残量レベルごとにユーザー表示の内容が設定され、ユーザーは記録装置に備えられた操作パネル150や記録装置に接続されたホストコンピュータ11からその内容を確認することができる。
図6に、本実施形態におけるインク残量レベルを選択するフローチャートを示す。まずステップS601では、リザーブタンク131内のインクの液面が位置Eより低いか否かを判断する。リザーブタンク131内のインクの液面が位置E以上である場合(ステップS601でNo)、ステップS602へ進み、リザーブタンク131内のインクの液面が位置Aより低いか否かを判定する。リザーブタンク131内のインクの液面が位置A以上である場合(ステップS602でNo)、ステップ603へ進み、メインタンク130のインク残量カウント値に応じてインク残量レベルを1〜10に分類する。図7に、メインタンクのインク残量カウント値とインク残量レベルの対応表を示す。図7において、メインタンク内のインク残量の初期値(出荷時のインク量)を100%として、10%単位で10段階に分けて表示する。初期値を100%として、インク残量が90%以上の場合はインク残量レベル10、80%以上の場合はインク残量レベル9、・・・、10%以上の場合はインク残量レベル2、10%未満の場合はインク残量レベル1とする。このようにインク残量が多いほど大きい数値のインク残量レベルで示すようにしている。
一方、図6のステップS602で、リザーブタンク131内のインクの液面が位置Aより低かった場合、ステップS604へ進み、インク残量レベルを「Low」とする。つまり、リザーブタンク内のインクの液面が低下し、メインタンクが空になった(インク量が所定量未満になった)と推定される場合には、「インクタンクの交換をお勧めします」など、メインタンクの交換を勧める旨のメッセージを操作パネルなどに表示する。ユーザーは、このメッセージが表示されていても、メインタンクの交換をせずに記録装置の使用を継続することができる。
また、図6のステップS601で、リザーブタンク131内のインクの液面が位置Eより低かった場合、ステップS605へ進み、インク残量レベルを「Empty」とする。つまり、リザーブタンク131内のインク残量が10ml未満となった場合には、「インクタンクを交換してください」など、メインタンクの交換を強く勧める旨のメッセージを操作パネルなどに表示する。また同時に、記録動作や吸引動作などのインクの消費を伴う各種動作を停止する。
しかしながら、ユーザーは、インク残量レベルが「Low」や「Empty」になる前にメインタンクを交換したい場合がある。例えば、大量部数のポスターを記録するときや、バナーなどの大きなサイズの記録媒体に記録するときなど、インク消費量が多く、記録に時間がかかるような場合である。このような場合、ユーザーは記録指示を出した後、記録が終わるまで長時間待つことになる。その間、ユーザーは何もすることなく、記録装置から離れていても、記録時間が経過したならば記録が終えていることが理想的である。しかし、インクの消費が進み、いずれか1色のインクについてインク残量レベルが「Empty」になると記録は停止してしまう。そして、ユーザーによるメインタンクの交換がなされるまで、記録は再開しない。このような記録の中断を避けるためには、記録を開始する前に十分なインク量のインクがリザーブタンク内やメインタンク内にあると良い。既に、インク残量レベルが「Low」や「Empty」であり、メインタンクの交換を勧める旨のメッセージが表示されていれば、そのときはメインタンク内のインクは空または少量であると推定されるので、ユーザーは新たなメインタンクに交換すれば良い。しかし、まだインク残量レベルが「Low」になっておらず、メインタンクの交換を勧める旨のメッセージが表示されていない場合、まだメインタンク内にインクは残っている。この状態でユーザーが新たなメインタンクに交換すると、メインタンク内に残っているインクが無駄になってしまう(廃インクが増大してしまう)。そこで、本実施形態では、メインタンク内にインクはまだ残っているが、ユーザーが早期にメインタンクの交換を望む場合に、操作パネル150やホストコンピュータ11からユーザーが実行可能な「早期使い切りモード」を備えている。早期使い切りモードは、インク色毎に指定して実行することができる。
早期使い切りモードの処理について図8を用いて説明する。図8は、本実施形態における早期使い切りモードのフローチャートを示す図である。早期使い切りモードが実行されると、ステップS801において、指定された色のインク供給ユニット320の連通路160に設けられた第1の開閉弁163を10秒間開く(図3)。第1の開閉弁163が開くと、リザーブタンク131内の空気は連通路160の分岐路164の下端の第2の開口部164eからメインタンク130内に流入する。そのため、第1の開閉弁163が開いている間、リザーブタンク131内のインクの液面が連通路の分岐路の下端の第2の開口部164eの位置Bに到達するまで、メインタンク130からリザーブタンク131にインクが流入する(インクが供給される)。メインタンク130からリザーブタンク131へのインクの流入は10秒以内にほぼ終える。そして、第1の開閉弁163を開いてから10秒経過すると、ステップS802へ進み、メインタンク130とリザーブタンク131のインク残量カウント値を更新する。ステップS802で実行されるインク残量カウント値の更新シーケンスについては、図9を用いて説明する。
図9は、本実施形態におけるインク残量カウント値の更新シーケンスのフローチャートを示す図である。本実施形態では、リザーブタンク131内のインクの液面が位置Aのときのインク量Aは70mlであり、リザーブタンク131内のインクの液面が位置Bのときのインク量Bは110mlである。ステップS901では、インク量B=110mlと設定する。ステップS902では、リザーブタンク131に流入可能なインク量(インク流入可能量)を、インク量Bとリザーブタンクのインク残量カウント値との差分から算出する。ステップS903では、メインタンクのインク残量カウント値とインク流入可能量とを比較する。メインタンクのインク残量カウント値がインク流入可能量より大きい場合(ステップS903でYes)、ステップS904へ進む。ステップS904では、メインタンク130からリザーブタンク131に流入するインク量(インク流入量)を、上記のインク流入可能量とする。メインタンクのインク残量カウント値がインク流入可能量より小さい場合(ステップS903でNo)、ステップS905へ進む。ステップS905では、メインタンク130内のインクがほぼすべてリザーブタンク131内に流入すると推定されることから、メインタンク130からリザーブタンク131に流入するインク量(インク流入量)をメインタンクのインク残量カウント値とする。
次にステップS906へ進み、メインタンクのインク残量カウント値を、上記のインク流入量を引いた値で更新する。またリザーブタンクのインク残量カウント値を、上記のインク流入量を足した値で更新する。メインタンクのインク残量カウント値とリザーブタンクのインク残量カウント値を更新した後、本シーケンスを終了する。
例えば、早期使い切りモードを実行したときのリザーブタンク131内のインク量が70mlで、メインタンク130内のインク量が30mlであったとする。このとき、インク流入可能量は40mlであるので、メインタンク130内のインクはすべてリザーブタンクに流入する。よって、図9のフローチャートによれば、メインタンクのインク残量は0ml、リザーブタンクのインク残量は100mlと更新される。
また、早期使い切りモードを実行したときのリザーブタンク131内のインク量が70mlで、メインタンク130内のインク量が50mlであったとする。このとき、インク流入可能量は40mlであるので、メインタンク130内のインクはこのインク流入可能量分がリザーブタンクに流入する。よって、図9のフローチャートによれば、メインタンクのインク残量は10ml、リザーブタンクのインク残量は110mlと更新される。
図8のフローチャートの説明に戻る。ステップS802で、メインタンク130とリザーブタンク131のインク残量カウント値を更新すると、ステップS803へ進み、温度センサ151により装置本体が設置された環境の温度(環境温度)に関する情報を取得する。次にステップS804へ進み、早期使い切りモードの対象となっているインク色について、温度センサ151により取得した環境温度を基準温度として不揮発性メモリ23に記憶する。そしてステップ806で、操作パネル150やホストコンピュータ11に「インクタンクを交換してください」等のメインタンク130の交換を勧める旨のメッセージを表示する。
このように早期使い切りモードをインク色毎に実行することにより、対象とするインク色について、メインタンクから最大40mlのインクをリザーブタンクに移動させることができ、メインタンクの交換に伴う廃インク量を低減することができる。
早期使い切りモードが実行され、第1の開閉弁163が閉じられた後は、記録ヘッド201からインクが消費されると、リザーブタンク131内のインクは液面が位置Aになるまで減少する。さらにインクが消費された場合、メインタンク130内にインクがあれば、メインタンク130内のインクが減少する。早期使い切りモードが実行された直後などリザーブタンク131内のインクの液面が位置A以上であった場合に再び早期使い切りモードが実行されても、リザーブタンク131内に流入するインク量は液面が位置Bとなるまでの量であり変わることはない。
次に、早期使い切りモードを実行した後に環境温度が上昇する等してリザーブタンクからインクが溢れるという事態を防止する制御(溢れ防止制御)について、図10を用いて説明する。
図10は、本実施形態における溢れ防止制御のフローチャートを示す図である。図10において、ステップS1001では、早期使い切りモードが実行されたか否かを判断する。早期使い切りモードが実行されていた場合、ステップS1002へ進み、温度センサ151により装置本体が設置された環境の温度(環境温度)に関する情報を取得する。ステップS1003では、リザーブタンクのインク残量カウント値が70mlより多いか否かを判断する。リザーブタンクのインク残量カウント値が70mlより多かった場合、ステップS1004へ進み、ステップS1002で取得した環境温度が基準温度よりも13℃以上高いか否かを判断する。環境温度が基準温度よりも13℃以上高かった場合、すなわち環境温度が所定温度より上昇した場合、ステップS1005へ進み、リザーブタンクのインク残量カウント値に所定の加算量を加算する。ここでの加算量は環境温度と基準温度との差に応じて定められる値であり、その一例を図11に示す。例えば、環境温度が基準温度よりも20℃高かった場合は、リザーブタンクのインク残量カウント値に33mlの加算量を加算する。その結果、ステップS1006で、リザーブタンクのインク残量カウント値が110mlより多かった場合は、ステップS1007で、リザーブタンクのインク残量カウント値が110mlになるまで、記録ヘッドからキャップに対してインクを吐出(排出)する。そしてステップS1008で、基準温度を取得した環境温度に更新する。その後、ステップS1002〜ステップS1008で同様の処理を繰り返す。
この処理は、早期使い切りモードの実行後、対応するインク色のリザーブタンクのインク残量カウント値が70mlになるまで行う。インク残量カウント値が70mlになった場合、本溢れ防止制御は終了する。本溢れ防止制御は、次に早期使い切りモードが実行されるまで実行されない。
本実施形態において、リザーブタンク131は、気温の上昇などの環境変化によりメインタンク130からインクが流れ込んできても、インクが外部に溢れ出ないように余裕を持った内容積となっている。しかし、上述した早期使い切りモードを実行した場合、メインタンクからリザーブタンクにさらにインクが流れ込むため、その許容量が減少してしまう。そこで、本実施形態では、上述した溢れ防止制御を行うことで、気温の上昇によりリザーブタンクからインクが溢れるのを防止することができる。溢れ防止制御は、インク色毎に個別に実行することができる。なお本実施形態では、気温が所定温度より上昇した場合のインクの溢れを防止する制御を示したが、気圧センサにより気圧を測定し、気圧が所定気圧より低下した場合のインクの溢れを防止する制御を実行しても良い。
以上、本実施形態によれば、ユーザーが早期使い切りモードを実行することで、リザーブタンクのインク収容可能量を増やし、メインタンク内のインクを、余裕分の内容積を持ったリザーブタンク内に流れ込ませる。これにより、早期にメインタンク内のインクを空または少量にすることができ、早期にメインタンクの交換を報知することができる。そして、メインタンクの交換に伴う廃インク量を低減しつつ、早期にメインタンクの交換を報知することによりメインタンクの交換時期を長くし、記録動作の中断の機会を減らすことができ、ユーザー利便性を向上させることができる。また、メインタンク内のインクは、リザーブタンク内から環境変化によるインクの溢れを防止するために余裕を持って設計された部分に流し込ませているため、必要以上に装置を大型化させることなく、装置の小型化に貢献している。
また、早期使い切りモードを実行した後は、溢れ防止制御を実行することで、上記のリザーブタンク内の内容積の余裕分がインクで満たされていた場合でも、環境変化によってインクが外部へ溢れ出ることを防止することができる。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態に係る記録装置と同様の構成についてはその説明を省略する。第1実施形態では、メインタンクとリザーブタンクが1つの連通路により連通した構成であった。第2実施形態では、メインタンクとリザーブタンクが2つの連通路により連通した構成とする。
図12は、本実施形態に係るインク供給系を示す概略図である。メインタンク130−2とリザーブタンク131−2は、第1の連通路160−2と第2の連通路165とによって連結されている。第2の連通路165の下端には、第3の開口部165eが設けられている。第3の開口部165eは、リザーブタンク131−2内において、第1の連通路160−2の下端の第1の開口部160−2eよりも重力方向において下方に位置している。また2つの連通路によりメインタンク130−2とリザーブタンク131−2を接続するため、メインタンク130−2の底面の封止栓134−2も、2つの連通路が貫通可能なように構成されている。第1実施形態と同様、第1の連通路160−2は導電性である。また第1の連通路160−2には、分岐路164−2と、分岐路164−2を開閉可能な第1の開閉弁163−2とが設けられている。その他の構成については、第1実施形態と同様である。
第1実施形態では、1つの連通路160によりメインタンクとリザーブタンクの間で気液交換が行われていたが、本実施形態では、2つの連通路160−2,165によりメインタンクとリザーブタンクとの間で気液交換が行われる。メインタンク130−2からリザーブタンク131−2にインクが供給されると、先に第2の連通路165の下端の第3の開口部165eにインクの液面が到達する。それ以降、第1の開閉弁163−2が閉じている間は、リザーブタンク131−2からメインタンク130−2への空気の供給は、第1の連通路160−2を介して行われる。そして、メインタンク130−2からリザーブタンク131−2へのインクの供給は、第2の連通路165を介して行われる。つまり、第2実施形態における第1の連通路160−2の下端の第1の開口部160−2eは、第1実施形態における連通路160の下端の第1の開口部160eに相当する。そして、第2実施形態における第1の連通路160−2の下端の第1の開口部160−2eに液面が接する高さは、第1実施形態におけるインクの液面の位置Aに相当する。第2実施形態の分岐路164−2と第1の開閉弁163−2は、第1実施形態の分岐路164と第1の開閉弁163に相当する。そして、第2実施形態の分岐路164−2の下端の第2の開口部164−2eに液面が接する高さは、第1実施形態のインクの液面の位置Bに相当する。このように、メインタンク130−2からリザーブタンク131−2へのインクの供給が、第1の連通路160−2と第2の連通路165により行われること以外は、第1実施形態と同様である。
このように、本発明はメインタンクとリザーブタンクの間に2つの連通路を設けた構成にも適用することができる。
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について説明する。上記実施形態に係る記録装置と同様の構成についてはその説明を省略する。第1実施形態および第2実施形態では、リザーブタンクとメインタンクを連通する連通路に、分岐路と、分岐路を開閉可能な開閉弁とが設けられており、開閉弁を開閉することにより、リザーブタンクのインク収容可能量を変更する構成であった。本実施形態では、異なる方法によりリザーブタンクのインク収容可能量を変更する構成について説明する。
図13は、本実施形態に係るインク供給系を示す概略図である。図13では、メインタンクとリザーブタンクを連通する連通路166に、その外周の一部を覆うように回転可能な回転壁(仕切り部材)167が設けられている。回転壁167の高さは、連通路166の高さの半分程度であり、回転壁167の下端は連通路166の下端とほぼ一致している。回転壁167の幅は、連通路166の外周の3分の1程度である。回転壁167には、レバー168が設けられている。レバー168を、図13(a)の矢印Zの向きに動かすことで、回転壁167を連通路166に沿って回転移動させることができる。レバー168は、リザーブタンクやメインタンクの外側に設けられている。レバー168は、ユーザーにより手動で動かしても良いし、不図示の駆動機構により動作する構成としても良い。
図13(a)の状態からレバー168を矢印Zの向きに動かした状態が図13(b)である。連通路166の下端側の側面には、切り込み(開口部)169が設けられている。図13(a)の状態では、連通路166の切り込み169は回転壁167に覆われた状態である。この状態からレバー168を動かし、図13(b)の状態にすると、連通路166の切り込み169が露出する。回転壁167と連通路166は密着しており、回転壁167と連通路166の間をインクや空気が通ることはない。このような構成で、図13(a)の状態であれば、リザーブタンクのインク収容可能量は、インクの液面が連通路166の下端である位置Aに到達するまでの量である。一方、レバー168を動かし、図13(b)の状態にすると、リザーブタンクのインク収容可能量は、インクの液面が切り込み169の上端の位置Bに到達するまでの量となる。
このような構成とすることで、リザーブタンクのインク収容可能量を変更することができる。そのため、通常使用時は図13(a)の状態にし、早期使い切りモードの実行時は図13(b)の状態にすることで、第1実施形態および第2実施形態と同様の制御を行うことができる。
(第4実施形態)
次に本発明の第4実施形態について説明する。上記実施形態に係る記録装置と同様の構成についてはその説明を省略する。本実施形態では、さらに別の異なる方法によりリザーブタンクのインク収容可能量を変更する構成について説明する。
図14は、本実施形態に係るインク供給系を示す概略図である。図14(a),(b),(c)はインク供給系を側面から見たときの断面図であり、図14(d)はリザーブタンクを上面から見たときの図である。図14(a)では、メインタンクとリザーブタンクは分離した状態である。メインタンクの底面部に配された封止栓固定部材171は、封止栓170よりも下方に長く構成されおり、その側壁にはツメ172が設けられている。本実施形態では、封止栓固定部材171は封止栓170よりも45mm長く構成されており、ツメ172の上端は封止栓固定部材171の下端から20mm離れたところに設けられている。また、ツメ172は封止栓固定部材171の側壁から2mm突出した大きさである。
リザーブタンク175内の上面において、連通路174とリザーブタンク175の接続部の周囲には、伸縮連通路(突出部材)173が設けられている。伸縮連通路173は、図14(d)に示すように、リザーブタンクの上方から見ると円形状であり、また2重になっており下方で繋がった袋状の形状を成している。伸縮連通路173は、ゴム等の弾性材料により構成され、上下方向に伸縮可能に構成された伸縮部材である。メインタンクが装着されていない状態では、伸縮連通路173は縮んだ状態となっている。メインタンクをリザーブタンク175に装着すると、図14(b)に示すように、封止栓固定部材171が伸縮連通路173内に侵入する(メインタンクの一部が第1の侵入量侵入した状態)。そして、伸縮連通路173は下方に押し伸ばされ、下端が下がった姿勢となる(第1の姿勢)。図14(b)の状態では、リザーブタンク175のインク収容可能量は、インクの液面が伸縮連通路173の下端の位置Aとなるまでの量となる。
リザーブタンク175のインク収容可能量を変更するには、メインタンクを途中まで引き抜く。すると、封止栓固定部材171に設けられたツメ172が、リザーブタンク175の天面に引っかかる。この状態を図14(c)に示す。図14(c)では、メインタンクと共に封止栓固定部材171が上方に押し上げられているため、封止栓固定部材171の伸縮連通路173内への侵入量が、図14(b)の状態よりも小さくなる(メインタンクの一部が第2の侵入量侵入した状態)。そして、伸縮連通路173は下端が位置Aよりも高い位置Bとなる姿勢となる(第2の姿勢)。図14(c)の状態では、リザーブタンク175のインク収容可能量は、インクの液面が伸縮連通路173の下端の位置Bとなるまでの量である。
このように本実施形態では、メインタンクを上方に途中まで引き抜くことで、リザーブタンク175のインク収容可能量を変更することができる。図14(c)の状態で、メインタンクからリザーブタンク175にインクを供給した後は、操作パネル等にメッセージを表示して、ユーザーに対しメインタンクの交換を報知しても良い。図14(c)の状態から、メインタンクをさらに上方に引き抜けば、ツメ172はリザーブタンク175の天面から外れ、メインタンクが取り外される。このような図14(b)の状態から図14(c)の状態への切り替えは、ユーザーが手動で行っても良いし、不図示の駆動機構により自動的に切り替える構成としても良い。
以上、本実施形態のような構成でもリザーブタンクのインク収容可能量を変更することができる。
(第5実施形態)
次に本発明の第5実施形態について説明する。上記実施形態では、メインタンクを交換するタイミングで早期使い切りモードを実行し、リザーブタンクのインク収容可能量を増やしていた。しかしながら、記録装置の使用環境や使用状態によっては、通常使用時から、リザーブタンクのインク収容可能量を増やしておくことも可能である。リザーブタンクからインクが溢れ出ることが懸念されるのは、メインタンクからリザーブタンクにインクが供給された後、記録装置を長期間使用していない場合等である。このように記録装置が長期間放置されている間に、大幅な気温の上昇や気圧の変化によって、リザーブタンク内のインクが外部に溢れ出るおそれがある。しかし、大幅な気温上昇等もないような使用環境のときや、記録装置の使用頻度が低くないような使用状態のときには、通常使用時にリザーブタンクのインク収容可能量を増やしておいても問題はない。すなわち、上記実施形態において、リザーブタンク内のインク量をインクの液面位置が位置Bとなるようにしておいても良い。そして、記録装置の設置場所が変化したときや、記録装置を使用しない期間が長くなったときにのみ、リザーブタンクのインク収容可能量を減らしても良い。すなわち、上記実施形態において、リザーブタンク内のインク量をインクの液面位置が位置Aとなるように切り替えても良い。
本実施形態によれば、通常使用時にリザーブタンク内に収容されるインク量が増大するので、メインタンクが空になってから(インク量が所定量未満になってから)リザーブタンク内のインクのみで記録可能な時間が長くなる。すなわち、メインタンクが空の状態でメインタンクを交換可能な期間を長くすることができるので、廃インク量を低減しつつ、ユーザー利便性の向上させることができる。そして、リザーブタンクからインクが溢れ出ることが懸念される状況下においては、リザーブタンク内に収容されるインク量を減少させることで、リザーブタンク内のインクが外部に漏れ出ることを防止することができる。
100 記録装置
201 記録ヘッド
130 メインタンク
131 リザーブタンク
160 連通路
163 第1の開閉弁
164 分岐路

Claims (12)

  1. インクを収容する第1の収容容器と、大気と連通し前記第1の収容容器から供給されるインクを収容する第2の収容容器と、前記第1の収容容器と前記第2の収容容器とを接続する連通管と、前記第2の収容容器から供給されたインクを吐出する記録ヘッドと、を備えるインクジェット記録装置であって、
    前記第2の収容容器のインク収容可能量を変更する変更手段をさらに備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記連通管は、前記第2の収容容器内に開口した第1の開口部が設けられた第1の流路と、重力方向における前記第1の開口部の上方において前記第2の収容容器内に開口した第2の開口部が設けられた第2の流路とを有し、
    前記変更手段は、前記第2の流路に配された開閉可能な開閉弁を有し、当該開閉弁を開閉することによって前記第2の収容容器のインク収容可能量を変更する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  3. 重力方向における前記第1の開口部の下方において前記第2の収容容器内に開口した第3の開口部が設けられた第2の連通管をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記連通管は、下端に前記第2の収容容器内に開口した第1の開口部と、側面に前記第2の収容容器内に開口した第2の開口部とを有し、
    前記変更手段は、前記第2の開口部を覆う位置と前記第2の開口部が露出した位置とに移動する仕切り部材を有し、当該仕切り部材を移動させることによって前記第2の収容容器のインク収容可能量を変更する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記仕切り部材は、前記連通管の外周に対して回転可能に設けられ前記第2の開口部を覆う位置と前記第2の開口部を覆わない位置とに回転移動する回転壁を含むことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記変更手段は、前記第2の収容容器内の上面において前記連通管との接続部の周囲を覆うように設けられ、前記上面から前記第2の収容容器内に第1の長さ突出した第1の姿勢と前記上面から前記第2の収容容器内に前記第1の長さよりも小さい第2の長さ突出した第2の姿勢とに切り替わる突出部材を有し、当該突出部材の姿勢を切り替えることによって前記第2の収容容器のインク収容可能量を変更することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記突出部材は、袋状の伸縮部材から構成され、
    前記第1の収容容器は、前記第1の収容容器の一部が前記突出部材に第1の侵入量侵入した第1の状態と、前記第1の収容容器の一部が前記第1の侵入量よりも小さい第2の侵入量侵入した第2の状態とに切り替わり、
    前記突出部材は、前記第1の収容容器が前記第1の状態のときに前記第1の姿勢であり、前記第2の収容容器が前記第2の状態のときに前記第2の姿勢である、
    ことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記変更手段が前記第2の収容容器のインク収容可能量を第1の量から当該第1の量より多い第2の量に切り替えた後、ユーザーに対してインクタンクの交換を報知する報知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 装置本体が設置された環境の温度に関する情報を取得する取得手段と、
    前記変更手段が前記第2の収容容器のインク収容可能量を第1の量から当該第1の量より多い第2の量に切り替えた後、前記温度が所定温度より上昇した場合に、前記第2の収容容器内のインクを排出する排出手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 装置本体が設置された環境の気圧に関する情報を取得する取得手段と、
    前記変更手段が前記第2の収容容器のインク収容可能量を第1の量から当該第1の量より多い第2の量に切り替えた後、前記気圧が所定気圧より低下した場合に、前記第2の収容容器内のインクを排出する排出手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記排出手段は、前記記録ヘッドからインクを吐出することによって前記第2の収容容器内のインクを排出することを特徴とする請求項9または10に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記変更手段は、ユーザーにより操作パネルまたはホストコンピュータから指示があった場合に、前記第2の収容容器のインク収容可能量を第1の量から当該第1の量より多い第2の量に切り替えることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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