JP2019080871A - 遊技機 - Google Patents

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彦則 立松
Hikonori Tatematsu
彦則 立松
原田 紀彦
Norihiko Harada
紀彦 原田
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Abstract

【課題】 所定特典付与部に遊技球が入るまでに経由した経路を遊技者に判り易く示すことが可能な遊技機を提供する。【解決手段】 第1棒状部材611に接触したタイミングを含んで入賞経路661〜666へ進入するまでの経路を認識可能な動画がカメラ装置600によって撮影され、入賞口630へ進入した遊技球の経路がルート検出部943によって検出される。カメラ装置600によって撮影された撮影動画に基づいた表示データを生成する表示データ生成部942は、ルート検出部943によって入賞口630へ進入した遊技球の経路が検出された場合に、当該経路が検出された遊技球を撮影した撮影動画に対して、キャラクター画像CAを追加した加工動画を含む表示データを生成し、装飾図柄表示装置479に表示する。【選択図】 図23

Description

本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の典型的な遊技機において、遊技球の進入を許容する進入許容配置と遊技球の進入を阻止する進入阻止配置とをとる入賞装置が備えられており、当該許容状態の変化は入賞装置の内部に設けられた進入規制部材の配置変化によって実現されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−319361号公報
従来の遊技機においては、所定の入賞口へと導かれるまでの遊技球の動きは自重の影響によってかなり速い場合もあり、視認をしたかった遊技球の経路を見落としてしまう場合があった。また、遊技者が視認をしたいと強く願う状況は、発生頻度が低いことが多く、長い時間にわたって遊技球の挙動を視認し続けていると、遊技者が疲れを感じてしまって遊技をやめてしまう可能性があるなどの問題点があった。
そこで、本発明に係る遊技機では、例えば、所定特典付与部に遊技球が入るまでに経由した経路を遊技者に判り易く示すことが可能な遊技機を提供することを目的としている。
本発明に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
所定の入口へ進入した遊技球を複数の部位へ振り分けて下流側に流下させる振分手段を備えた遊技機であって、
前記振分手段は、
所定の入口へ進入した遊技球の一部が到達可能な部位であって遊技球が進入した場合に遊技者に所定の特典が付与される所定特典付与部と、
前記所定の入口へ進入した遊技球が前記所定特典付与部へ到達するまでの間の少なくとも一部の区間に設けられて遊技球を前記所定特典付与部へ進入し易く誘導する第1通路と、
該第1通路とは別に設けられて前記第1通路と比べて前記所定の入口へ進入した遊技球を前記所定特典付与部へは進入し難く誘導するか、または前記所定特典付与部への進入を不能とする第2通路と、
前記所定の入口へ進入した遊技球が上面側に接触する位置に設けられ、前記第1通路と前記第2通路とを少なくとも含む複数の通路のいずれかに振り分け可能な振分部材と、
前記振分部材に接触したタイミングを少なくとも含み、当該振分部材に接触した後の遊技球が前記第1通路へ進入するまでの経路を認識可能な動画を撮影する動画撮影装置と、
前記所定特典付与部へ進入した遊技球の経路を検出する経路検出部と、
前記動画撮影装置によって撮影された撮影動画に基づいた表示データを生成する表示データ生成部と、
前記表示データに対応した表示画像を表示する表示部とを備え、
前記表示データ生成部は、前記経路検出部によって前記所定特典付与部へ進入した遊技球の経路が検出された場合に、当該経路が検出された遊技球を撮影した前記撮影動画に対して少なくとも一部を異ならせた加工動画を含む表示データを生成し、
当該加工動画が前記表示データの一部として前記表示部に表示可能に構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、所定特典付与部に遊技球が入るまでに経由した経路を遊技者に判り易く示すことが可能な遊技機を提供することができるという効果がある。
遊技機の一例としてのパチンコ機の正面側斜視図 パチンコ機を開放状態で示す斜視図 パチンコ機を他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機を更に他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機の正面図 パチンコ機の前ブロックを取り外した状態を示す正面図 遊技盤の正面図 パチンコ機の背面側斜視図 パチンコ機の背面図 パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 主制御割込み処理の一例を示すフローチャート 中始動入賞装置の斜視図 中始動入賞装置の上面図 中始動入賞装置の正面図 中始動入賞装置の右側面図 入賞経路(1)を示す略線図 棒状部材の構成と上下方向の位置関係 入賞経路(2)を示す略線図 入賞経路(3)を示す略線図 排出口へ誘導される経路を示す略線図 撮影データの表示(1)を示す略線図 撮影データの表示(2)を示す略線図 撮影データの表示(3)を示す略線図
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1〜図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1〜図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としても良い。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としても良い。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A〜150Cには、回転操作が可能な回動片151A〜151Cが設けられている。回動片151A〜151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A〜151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A〜151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としても良いし、一定方向に移動する構成としても良いし、移動と回転との組合せにより動作する構成としても良い。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A〜151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A〜151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271〜275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271〜275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271〜275が設置されている。
枠発光装置271〜275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271〜275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261〜263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271〜275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402及び内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしても良い。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、中始動入賞装置431)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。なお、遊技盤における釘411や風車412等の流下変化部材は、図7において配置位置や数を模式的に示しており、中始動入賞装置431を含む各入賞装置の入口に予め設定された確率で遊技球が進入可能なように種々の配置をすることができる。
遊技盤400には、上記した中始動入賞装置431等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、中始動入賞装置431に進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(中始動入賞スイッチ441A,441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、下大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、中始動入賞装置431、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。
なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されても良いし、2以上の入賞装置(例えば、2つの入賞口を備えた一般入賞装置439A)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、中始動入賞装置431等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としても良い。
第1特別図柄に係る中始動入賞装置431、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けても良い。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成しても良いし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成しても良い。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、下大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。また、下大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであれば良い。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としても良い。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る中始動入賞装置431へ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、下進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としても良い。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471〜473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476〜478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としても良い。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(下大入賞装置433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としても良いし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成しても良いし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としても良いし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としても良い。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431に進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位優位制御が実行される構成であっても良いし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であっても良い。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、6ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としても良いし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としても良い。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001〜乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004〜初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202〜外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208〜外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ〜第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としても良いし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としても良い。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、中始動入賞装置431、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<始動入賞装置の構成>
次に、図13以降を参照して、中始動入賞装置431について説明する。中始動入賞装置431は、図7に示したように、遊技盤400の下部中央付近に設置されている。図13は中始動入賞装置431を右斜め上方向から見た斜視図、図14は中始動入賞装置431を上から見た上面図、図15は中始動入賞装置431を正面(前方向)から見た正面図、図16は中始動入賞装置431を左方向から見た側面図である。
中始動入賞装置431は、所定の入口へ進入した遊技球を複数の部位へ振り分けて下流側に流下させる振分手段として設けられる装置である。中始動入賞装置431に進入した遊技球は、入賞となって中始動入賞スイッチ441A,441Bのいずれかに検出されるか、それとも非入賞となって中始動入賞装置431から排出されるかが振り分けられる。なお、中始動入賞装置431は、必ずしも始動装置として用いる必要はなく、他の遊技球を振り分ける装置として用いてもよく、例えば、所定数の遊技球が賞球として払い出される一般入賞装置として用いてもよく、特定領域と非特定領域とを振り分けて遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態へ移行させるか否かを決定するための振分装置として用いてもよく、所定の入賞口(例えば、大入賞装置の入賞口)へ入賞した遊技球を特定領域と非特定領域とに振り分ける装置として用いてもよい。また、必ずしも中央構造体420の下側に設ける必要はなく、中央構造体420の一部として構成してもよいし、中央構造体420の右側や左側など、他の位置に設けてもよい。
図13〜図15に示すように、中始動入賞装置431は、その筐体部601が壁面601A〜601Fから構成される透明な箱形状(直方体形状)を有しており、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などの透明なプラスチック素材で形成されている。壁面601A〜601Fは、遊技球が接触した場合における反射角が一定となるように平滑な平面状に形成されている。また、各壁面が隣に位置する壁面に対して略垂直に配置されている。これにより、複数の壁面に遊技球が接触した場合における遊技球の進路が一定となりやすく、また、遊技者がその進路を推測しやすく構成されている。
中始動入賞装置431は、一例として、筐体部601の前側壁面601Eが遊技盤400の基体401(図7参照)の前面と略面一となるようにして配置される。
筐体部601の上側壁面601A(図13参照)には、左右方向に長く、短手方向が遊技球の直径よりも大きい(直径の1.1〜2.0倍程度)矩形状の開口部602が設けられている。開口部602は、中始動入賞装置431の入口を構成し、一例として、後側が遊技盤400の基体401(図7参照)の前面より後方側に設定された基準面400Aと前後方向にほぼ同位置になり、基準面400Aの前方に開口部602が位置するよう配置される(図13,図14参照)。基準面400Aより前側に位置する遊技領域を通過(流下)する遊技球の一部は、開口部602の上流側通路を構成する誘導路651から開口部602に誘導され、壁面601A〜601Fによって構成される中始動入賞装置431の内部領域に進入する。
誘導路651は、開口部602に対して上方側(上流側)に設けられ、複数の釘を含む流下変化部材によって構成され、予め設定された確率で中始動入賞装置431に遊技球を進入させる。誘導路651の入口は、中始動入賞装置431へ遊技球を進入させる入口としても機能し、誘導路651の入口の大きさや、その入口付近まで遊技球が到達する確率に対応した流下変化部材の配置によって、中始動入賞装置431への遊技球の進入確率が設定される。中始動入賞装置431の入口近くに到達して、その入口に進入しない遊技球は、流下変化部材(図示省略)によって中始動入賞装置431の左側又は右側を経由して下流側へと誘導される。この開口部602より上流側と中始動入賞装置431の周辺部分の流下変化部材の構成については、図7において、図示を省略している。
なお、誘導路651は、開口部602の直上に左右に離間した釘を設けて構成したり、開口部602の上側縁部分を上方側に突出するようにして中始動入賞装置431の一部として構成してもよい。また、開口部602を、遊技盤400の基体401(図7参照)の前面より前側に設けて、中始動入賞装置431の内部領域と、遊技領域とが、開口部602によって略上下に連通するようにしてもよい。また、中始動入賞装置431の内部領域と遊技領域とが、必ずしも上下に連通するように構成する必要はなく、誘導路651の入口を、中央構造体420に設けられる通路(ワープ通路)の入口としてもよいし、遊技球を転動させた後に複数の領域に振り分ける転動部(ステージ)の一部の出口部分によって構成してもよい。特に、中始動入賞装置431の上側に位置する流下変化部材としての合成樹脂で外形が形成される構造体(中央構造体420)の内部通路を経由して開口部602の入口(開口部602の上端部分)に遊技球が到達し、開口部602の出口部分(開口部602の下端部分)から中始動入賞装置431の内部領域に進入する構成とすると、開口部602に到達するまでの遊技球の挙動を遊技者が視認し易いように、ステージによって一時停止させたり、低速にしたりすることができて好ましい。
中始動入賞装置431の内部領域には、複数の棒状部材611〜616が配置されている。開口部602から中始動入賞装置431に進入した遊技球は、複数の棒状部材611〜616に接触することによって複数の誘導路(経路)を経由し、最終的に中始動入賞装置431の前方向下面に設けられた始動入賞口としての入賞口630か、又は中始動入賞装置431からの排出口として前方向前面に設けられた出口631のいずれか一方から排出される。
入賞口630から誘導路652へと誘導された遊技球は、2つの中始動入賞スイッチ441A,441Bによって交互に検出されて入賞が発生する構成とされ、その後に、入賞した遊技球として検出された後、遊技盤400の後側へ集められる。なお、中始動入賞装置431において、入賞口630に入賞された遊技球が、2つの中始動入賞スイッチ441A,441Bによって交互に検出される構成とする必要はなく、入賞口630から誘導路652へと誘導された遊技球は、2つの中始動入賞スイッチ441A,441Bのうちいずれか一方(例えば、中始動入賞スイッチ441B)に検出され、出口631に進入した遊技球が他方のスイッチ(例えば、中始動入賞スイッチ441A)に検出される構成とするなど、振分先として、特別図柄に係る始動入賞とは別の特典を遊技者に付与するための別のスイッチが配置される構成としてもよい。
出口631から誘導路653へ誘導された遊技球は、遊技領域に排出されてから、排出口401A(図7参照)を経由して遊技盤400の後側へと誘導される。なお、中始動入賞装置431から遊技領域に排出される出口631より下流側に他の入賞装置が少なくとも1つ以上設けられ、別の入賞装置に遊技球が進入する機会のある構成としてもよい。
棒状部材611〜616は、いずれも断面が溝などの凹部のないほぼ真円状でなる直径0.5〜2.0mm程度の丸棒の鋼材を切断することによって構成されている。第1棒状部材611は棒を切断しただけの直線的な形状によって構成され、第2棒状部材612〜第5棒状部材615は棒を2回折り曲げてハの字の短い側が繋がるゲート形状によって構成され、第6棒状部材616は2本の棒がセットになって水平方向に対して一方側に僅かに下降傾斜した略平行に配置された形状によって構成され、2本の棒の両部を鉛直下方側に略直角に折り曲げたL字形状を有している。なお、棒状部材611〜616の各々は、必ずしも上記形状によって構成する必要はなく、例えば、棒状部材611をゲート形状によって構成してもよいし、棒状部材612〜616の少なくともいずれかを折り曲げ部分の無い直線的な形状にして一端側が壁面に固定されて支持される構成とするなど、他の形状および支持構造によって構成してもよい。
第1棒状部材611は、開口部602の真下(鉛直下方)に設けられており、開口部602から中始動入賞装置431の内部領域に進入した遊技球のすべてが接触可能な構成とされている。なお、必ずしも開口部602から進入した遊技球のすべてが第1棒状部材611に接触する構成とする必要はなく、開口部602から進入した遊技球の一部が第1棒状部材611に接触しない相対位置関係となるように、第1棒状部材611と開口部602との相対位置および各々の形状を設定してもよい。
第1棒状部材611は、一例として、開口部602の幅方向(すなわち、パチンコ機100の左右方向)における中心又は中心近傍に位置するように、また、長手方向が開口部602の長手方向に略平行となるように配置されている(図14参照)。また、第1棒状部材611は、直線的な棒状に形成され、筐体部601の右側壁面601Cから左側へ向けて僅かに(例えば、略10度以下の角度で)下がるように下降傾斜した状態で固定されている。係止部621は、第1棒状部材611の一端側を支持する支持手段であり、右側壁面601Cから筐体部601の内部へ向けて突出する2つの板状部材によって構成され、2枚の板状部材で棒状部材611の両側をしっかりと挟み込むことにより、棒状部材611を固定している。なお、棒状部材611の固定構造は、必ずしも長手方向における一方側で固定する構造とする必要はなく、両端側を支持する構成としてもよい。
第6棒状部材616は、第1棒状部材611に対して鉛直下方に重なる位置に配置され、また、水平方向側における向きとして、第1棒状部材611の連続する方向に対して略垂直又は略垂直(90°に近い角度であって、例えば、90°±10°の範囲内)に配置されている。第6棒状部材を構成する2本の棒部616A,616Bは、水平方向側における向きとして、互いに平行又は略平行(0°±10°)に配置されており、その一端部がそれぞれ後側壁面601Eに固定されている。係止部626は、後側壁面601Eから筐体部601の外側に突出して設けられた透明な樹脂部品によって構成されており、その略中心には、第6棒状部材616の端部が進入可能な穴が形成されている。係止部626の穴には、後側壁面601Eから突出した棒部616A,616Bの端部が挿入され、これにより、棒部616A,616Bの一端側が係止されている。
棒部616A,616Bは、後方向から前方向に向けて下側へ僅かに傾斜(1〜10°)して配置され、先端(L字の折れ曲った部分)が係止部627に形成された孔若しくは穴に挿入されることにより、棒部616A,616Bの先端が係止部627によって固定されている。棒部616A,616Bは、遊技球の直径(例えば、11mm)の1/3〜2/3程度、水平方向側に離間して配置されており、第6棒状部材616の棒部616A,616Bの上に支持された遊技球を落下させることなく前方向に進行可能に構成されている。なお、棒部616A,616Bは、後方向から前方向に向けて必ずしも下側へ傾斜して構成する必要はなく、略水平方向側に向けて配置された2本の棒部の隙間幅が、遊技球を進行させたい方向に向かって次第に広がるようにして遊技球を前方向に進行可能に構成してもよい。
第6棒状部材616の先端部分より棒部616A,616Bの下降方向の先端側(前方向側)には、入賞口630を構成する開口部が形成されている。従って、第6棒状部材616の上に支持された遊技球は、他の遊技球に接触することがなければ、前方向側へ進行し、棒状部材616の折れ曲がり部分から前方向へ向けて落下して、入賞口630に進入する。
ここで、上述したように、第1棒状部材611は、開口部602に対して鉛直下側に配置されている。従って、図17に示すように、開口部602から進入した遊技球の一部は、第1棒状部材611に接触した後に、直接的に、第6棒状部材616の上に支持される。第1棒状部材611から落下した遊技球の一部は、所定の経路(例えば、経路671)を進行し、第6棒状部材616の上に支持されてから入賞口630へ遊技球を誘導する入賞経路666を進行して入賞口630へと誘導される。また、開口部602から進入した遊技球の一部は、他の経路として、第1棒状部材611に接触した後に、壁面601A〜601Eの少なくともいずれかに接触し、間接的に、第6棒状部材616の上に支持される。
また、第1棒状部材611及び第6棒状部材616の間(詳細には、高さ方向における間)には、第2棒状部材612〜第4棒状部材615(詳細には、第2棒状部材612〜第4棒状部材615によって遊技球の通路を形成する遊技球の下側を支持する部分)が配置されている。第2棒状部材612〜第4棒状部材615は、鉛直方向側に連続する各壁面(左側壁面601D,前側壁面601E,右側壁面601C,後側壁面601F)から一定距離だけ離間して配置されている。この場合において、水平方向側における第2棒状部材612〜第4棒状部材615の各々と、それらに近接して設けられる各壁面との離間する距離は、遊技球の直径よりも小さく(好ましくは直径の60%〜75%程度に)設定され、当該壁面と、各棒状部材とによって遊技球を各壁面が連続する水平方向側に誘導可能に構成されている。すなわち、第2棒状部材612〜第4棒状部材615は、各々の近くに設けられる各壁面とで遊技球の下側を支えることによって、当該下側を支持された遊技球を、自身の連続する方向に沿って、下降傾斜する先端方向側へ向けて進行させることができる。
また、棒状部材611〜616は、壁面に沿った周方向における一方側に連続する一部の区間を含むようにして配置され、全体として渦を巻くように下方向に遊技球の通路が徐々に下降傾斜するように配置されている。棒状部材611〜616は、水平方向側における各棒状部材の端部同士が離間する距離が遊技球の半径よりも小さく(好ましくは直径の略3分の1〜略2分の1程度)設定されている。すなわち、1の棒状部材と他の棒状部材とによって形成される遊技球の通路が接続され(以下、この状態を半接続と呼ぶ)、棒状部材611〜616の上側に支持されて下降傾斜する方向側への遊技球の通路が連続的に配置されている(図14参照)。なお、必ずしもすべての棒状部材611〜616による遊技球の通路が連続するように構成する必要はないが、2以上の棒状部材によって通路が連続する区間を設けることが好ましい。
また、棒状部材611〜616における垂直方向側の位置関係は、図18に示すように、構成されている。具体的には、第2棒状部材612は、2つの直線状の長軸部612A,612Bが短軸部612Cによって先端部分で接続され、長軸部612A,612Bがわずかに先細りになるハの字状形状を有している。これにより、略平行に長軸部が配置される場合に比べて、遊技球が各壁面に接触して跳ね返る範囲を広く形成しつつ、先細りした先端部分に対しても変位量が少なく一定以上の剛性を確保し易くしている。なお、第3棒状部材613〜第6棒状部材616についても、第2棒状部材612と同様の構成によって形成することができるものであり、その説明は省略する。
ここで、棒状部材611〜616は、上下方向において、各棒状部材における遊技球の進行方向先端側の端部と、他の棒状部材の半接続部分の鉛直方向側の距離(高さの差)は、遊技球の直径よりも小さく(好ましくは直径の1/3〜2/3程度)設定されることが好ましく、これにより、遊技球を確実に他の棒状部材によって支持され易い構成としつつ、その部分で一旦遊技球の周方向側における進行速度を効率良く低下させて、遊技者が入賞口630へ向けて進行する遊技球を視認し易くすることができる。
図19に示すように、開口部602から進入した遊技球が第1棒状部材611上を左方向への経路661に沿って進行して第1棒状部材611の末端又は末端近傍まで到達すると、第1棒状部材611と半接続状態にある第2棒状部材612の中心近傍に遊技球が移動し、入賞経路662へと進入する。次いで、第2棒状部材612上の遊技球は、先端方向(前方向)への入賞経路662を進行して末端又は末端近傍まで到達すると、第2棒状部材612と半接続状態にある第3棒状部材613の末端近傍に遊技球が移動する。
第3棒状部材613上の遊技球は、先端方向(右方向)への入賞経路663を進行して末端又は末端近傍まで到達すると、第3棒状部材613と半接続状態にある第4棒状部材614の末端近傍に遊技球が移動する。第4棒状部材614上の遊技球は、先端方向(後方向)への入賞経路664を進行して末端又は末端近傍まで到達すると、第4棒状部材614と半接続状態にある第5棒状部材615の末端近傍に遊技球が移動する。
第5棒状部材615上の遊技球は、先端方向(左方向)への入賞経路665を進行して末端又は末端近傍まで到達すると、第5棒状部材615と半接続状態にある第6棒状部材616の末端近傍に遊技球が移動する。そして第6棒状部材616上に進入した遊技球は、前方向への入賞経路666を進行し、棒状部材616の折れ曲り部分から前方向へ向けて落下して入賞口630に進入する。
さらに、遊技球は、上記した経路とは別の種々の経路で入賞口630への進入が可能である。上述したように、第2棒状部材612〜第5棒状部材615は、2つの末端(根元)が各壁面から筐体部601の外側に突出する係止部622〜625によって係止されていると共に、先端側が繋がってゲート形状を形成することにより強度を増大させている。また、第6棒状部材616も、4つの係止部626,627によって両端を係止されている。このため、第2棒状部材612〜第6棒状部材616は、遊技球の重みや移動時の衝撃などによる振動を小さくすることができ、遊技球が一旦、第2棒状部材612〜第6棒状部材616上を進行し始めると、簡単には落ちてしまわないようになされている。これに対して、第1棒状部材611は、1本の直線上の棒でなり、その一端のみ(末端)が係止部621によって係止されており、他の棒状部材612〜616とは異なり弾性が高く、また、長手方向において異なる弾性を有している。
図20に示すように、開口部602から進入した遊技球の一部は、第1棒状部材611に衝突すると、その進入位置に応じて第1棒状部材611に弾かれて様々な方向(経路681〜684)へと進行する。この結果、右方向へ弾かれて経路681,682に誘導された遊技球は第4棒状部材614上の入賞経路664へ、前方向へ弾かれて経路683に誘導された遊技球は第3棒状部材613上の入賞経路663へ、後方向へ弾かれて経路684に誘導された遊技球は第5棒状部材615上の入賞経路665へと進行し、最終的に第6棒状部材616上の入賞経路666を経由して入賞口630へと誘導される。
このように、中始動入賞装置431では、複数の経路を介して入賞経路662〜666に遊技球が進入して入賞口630へと導かれるため、特定の経路に注目することなく、種々の方向に進行した場合において遊技者が入賞口への遊技球の進入に期待を抱くことのできる遊技性を提供することが可能となる。
一方、図21に示すように、開口部602から進入した遊技球のうち、第6棒状部材616近傍以外で落下したり、第6棒状部材616に弾かれたりして、いずれの棒状部材612〜616上(入賞経路662〜666)を進行することができず、下側の壁面601Bまで落下する経路691,692に誘導された場合、遊技球は、下側の壁面601Bの下降傾斜する方向に沿って、そのまま前方向へ進行する経路693を経由して出口631から排出される。
また、パチンコ機100では、カメラ装置600(図10参照)によって中始動入賞装置431を撮影し、装飾図柄表示装置479に表示する構成とされている。
カメラ装置600によって撮影された撮影データは、副制御基板940に供給される。副制御基板940の表示データ生成部942は、予め記憶された画像データ記憶部941から画像データを読み出すと共に、撮影データを使用して表示データを生成し、装飾図柄表示装置479に表示する。さらに、副制御基板940は、ルート検出部943によって遊技球がいずれの入賞経路662〜666に進入したかを含む経路を検出し、表示データ生成部942によって検出結果に応じた表示データを生成する。
図22〜図24には、装飾図柄表示装置479における表示例を示している。図22に示すように、装飾図柄表示装置479の大部分を占める主表示領域701には、中始動入賞装置431に遊技球が進入した場合に実行される抽選の結果が特別図柄に係る変動表示を構成する図柄列702の停止結果によって表示される。同時に、装飾図柄表示装置479における副表示領域(サムネイル領域711)には、カメラ装置600によって撮影された中始動入賞装置431を含む画像が表示される。
ここで、カメラ装置600は、1つでもよいが、2以上の複数の方向からの撮影画像とすることが好ましく、再生画像は、2以上の撮影画像から解析した遊技球の経路に基づいて、カメラの配置位置とは異なる方向側からの動画を生成するようにしてもよい。また、カメラ装置600の画像は、現在から一定時間前までの画像を常に録画し、入賞があった場合に、その入賞前の動画を使用して表示に用いるようにしてもよく、または、中始動入賞装置431への遊技球の進入を監視して、その進入を契機として一定時間の動画を記録(記憶)するようにしてもよい。また、装飾図柄表示装置479の一部の表示画像として、現在の状況に対応した画像を用いてもよいし、これに代えて、または、これに加えて、過去の画像を後から遅れて再生してもよい。例えば、始動入賞が発生した場合に、当該始動入賞の発生の契機となった遊技球の進入を、実際の遊技球の速度より低速にして後から再生してもよく、これにより、遊技球の進行した経路を遊技者に判り易く示すことができる。なお、中始動入賞装置431の開口部602への遊技球の進入は、開口部602に遊技球の通過を検出するスイッチを設けて検出するようにしてもよい。
ルート検出部943は、撮影データを解析し、中始動入賞装置431の内部領域に対する遊技球の有無を検出することで遊技球の経路を検出する手段であり、プログラムを記憶するROMや制御装置としてのCPUなどによって構成されている。中始動入賞装置431の開口部602に遊技球が進入すると、ルート検出部943は、遊技球の位置及び速度から、遊技球が入賞経路662〜666に進入するまでの経路と、入賞経路662〜666を経由して入賞口630に進入したか否かを判別する。
ルート検出部943は、遊技球の位置が入賞経路666よりも下に位置した場合、遊技球が入賞経路662〜666に進入する可能性がなくなったと遊技球であると判別し、その後に、入賞口630への遊技球の進入がなければ非入賞情報を表示データ生成部942によって生成される表示データに関連づける。表示データ生成部942は、非入賞情報が関連付けられると、サムネイル領域711に、入賞できなかったことを表す表示(例えば「残念」という文字)を行い、入賞しなかったことを遊技者に知らせる。なお、ルート検出部943は、中始動入賞装置431によって振り分けられたことを、入賞口630と出口631とに遊技球の通過を検出するスイッチを設けて検出することで、入賞情報または非入賞情報と表示データとを関連づけるようにしてもよい。
また、ルート検出部943は、遊技球の位置が入賞経路662〜666上にあり、進行速度が所定の範囲内である場合、遊技球が入賞経路662〜666に進入する可能性が高いと判別し、入賞可能性情報を表示データ生成部942に供給する。表示データ生成部942は、入賞可能性情報が関連付けられた表示データが生成された場合には、図23に示すように、装飾図柄表示装置479の主表示領域701に中始動入賞装置431の画像を拡大表示して遊技者に入賞口630への遊技球の進入を注目させる一方、サムネイル領域711に図柄列702を縮小表示させる。
また、パチンコ機100では、遊技球が入賞経路662〜666に進入すると、キャラクター画像CAを重畳して表示する。例えば図23では、遊技球の上に玉乗りしているようにキャラクター画像CAを重畳し、さらにサムネイル領域711の上部に拡大領域712を表示し、キャラクター画像CAを拡大表示する。このキャラクター画像CAとして、複数種類の異なるキャラクタの画像が設定され、遊技球が進入して変動表示が開始される場合における特別図柄に係る抽選結果に応じて選択され、キャラクタの種類によって当否や、その後に遷移する遊技状態を示唆するようにしてもよい。
副制御基板940は、変動表示が実行されていない状況において、遊技球が入賞口630へ進入したことが検出された場合に、表示データ生成部942によって主表示領域701に装飾図柄としての図柄列702を、サムネイル領域711に中始動入賞装置431を表示する。このとき、主表示領域701には、「ルーレット開始!」のように、特別図柄に係る抽選が実行されて変動表示が開始されることを示す文字が表示される。主表示領域701とは別の表示領域(サムネイル領域711)には、現在の中始動入賞装置431の様子が表示される。また、主表示領域701およびサムネイル領域711とは別の拡大領域712には、押圧操作装置261の拡大図と共に「もう一度見れるよ!」のように再度の再生を促す文字と、「ボタンを押してね!」のように押圧操作装置261の操作を促す文字が表示される。このとき、遊技者が押圧操作装置261を操作してボタンを押すように操作すると、主表示領域701には、中始動入賞装置431の録画した画像(動画)が大きく拡大されて表示される一方、サムネイル領域711に、図柄列702が表示される(図23参照)。その後、主表示領域701では、遊技球が入賞口630へ進入するまでの様子が実際の速度より低速の再生画像(スロー画像)によって再生される。
このように、入賞経路662〜666に遊技球が進入するか、出口631に誘導される経路693に遊技球が進入するかを決める分岐路となる第1棒状部材611及びその後の遊技球の進行経路(入賞経路662〜666,経路661,683,684,691,692,693)の少なくとも一部を含む中始動入賞装置431の内部領域を撮影し、装飾図柄表示装置479に表示させることにより、入賞口630への遊技球の進入を遊技者に視認させやすくできる。
以上説明したように、中始動入賞装置431には、誘導路651の入口へ進入して開口部602へと進入した遊技球が上面側に接触する位置に第1棒状部材611が設けられている。第1棒状部材611は、遊技球が入賞口630へ到達するまでの間の少なくとも一部の区間に設けられて遊技球を入賞口630へ進入し易く誘導する第1通路としての入賞経路662〜666と、第1通路とは別に設けられて第1通路と比べて入賞口630へは進入し難く誘導するか、または入賞口630への進入を不能とする経路691〜693とを少なくとも含む複数の通路のいずれかに振り分け可能な部位である。第1棒状部材611に対しては、第1棒状部材の長手方向に交差する前方側と後方側とを少なくとも含む複数の方向側に、第1通路(経路683,684)と、第2通路(経路691)とのいずれもが位置し、複数の経路(経路661,682〜684)を経由して遊技球を第1通路へ進入させることを可能とする。
このため、第1棒状部材611に接触した後に予め定めた1つの方向側に遊技球が進行する特定の経路を通らなくても入賞口630への遊技球の進入チャンスがあり、遊技者には、入賞口630への遊技球の進入の期待を感じさせる機会を増加させて、遊技の継続意欲を維持させ易くすることができる。
また、第1棒状部材611は、その遊技球が接触する上面側の形状として、最も高い頂部が一点に形成された断面形状をなし、その一点に対して左右両側(詳細には、その一点を含む第1棒状部材611の連続する方向に垂直な断面視における左右両側)のいずれもが下降傾斜し、当該一点に支持された遊技球が断面視における左右のいずれかに移動した場合には当該振分部材の上に支持されずに落下する円形の断面形状を有し、当該断面形状を有する部位が左方側に連続する直線状の部位(以下、頂部連続部ともいう)を備え、第1通路としての入賞経路662は、第1棒状部材611に対して左方向側における先端側に位置し、第1棒状部材611の直線状の部位の最も高い頂部に沿って進行した遊技球が進入し得る通路を構成する。
この第1棒状部材611における頂部連続部の各断面における最も高い頂部は、第1棒状部材611の連続方向に交差する断面の左右(パチンコ機の前後)のいずれかにずれてしまうと即座に振分部材から落下してしまう。このため、その最も高い頂部を遊技球が進行することは見た目上にも難しいものとし、頂部連続部の最も高い頂部に沿って進行した遊技球が第1通路へ進入することで、遊技者は従来とは異なる経路によって遊技球が入賞口630へ進入する状況を楽しむことができる。
また、第1棒状部材611に接触したタイミングを含み、第1棒状部材611に接触した後の遊技球が第1通路(入賞経路661〜666)へ進入するまでの経路を認識可能な動画を撮影する動画撮影装置としてのカメラ装置600と、入賞口630へ進入した遊技球の経路を検出する経路検出部としてのルート検出部943と、カメラ装置600によって撮影された撮影動画に基づいた表示データを生成する表示データ生成部942と、表示データに対応した表示画像を表示する装飾図柄表示装置479とを備え、表示データ生成部942は、ルート検出部943によって入賞口630へ進入した遊技球の通過が検出された場合に、当該通過が検出された遊技球を撮影した撮影動画に対して、キャラクター画像CAを追加した加工動画を含む表示データを生成し、当該加工動画が前記表示データの一部として装飾図柄表示装置479に表示可能に構成されている。
このため、第1棒状部材611によって第1通路へと振り分けられた遊技球の経路を装飾図柄表示装置479に判り易く表示し、遊技者には、遊技球の動きが速くて認識し難い決定的瞬間を視認し易くすることができる。
また、中始動入賞装置431は、第1棒状部材611に対して水平方向側に離間して設けられ、第1棒状部材611に接触した遊技球が当接した場合に当該遊技球が元の方向側に戻るように構成された略平面状の球接触壁面としての壁面601C〜601Fを備え、入賞経路として、第1棒状部材611の鉛直下方に重なる位置であって第1棒状部材611から遊技球の直径の略2倍以上離間した位置に配置された棒状部材616上の入賞経路666が設けられ、壁面601C〜601Fは、鉛直方向側において、入賞経路666と、第1棒状部材611とが配置される高さ位置の少なくとも中央部分を含んで上下方向に広がる大きさに形成されている。
このため、第1棒状部材611に接触した遊技球が壁面601C〜601Fに当接した後に跳ね返って棒状部材616上の入賞経路666に進入できる経路を設定することができ、遊技球が空間内を大きく落下する区間によって、入賞口630へと導かれるか否かが判定される遊技性を付加することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施しても良い。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用しても良く、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用しても良い。
(1)上記実施形態においては、入賞経路662〜666に遊技球が進入するか、出口631に誘導される経路693に遊技球が進入するかを決める振分機構を直線状の第1棒状部材611する構成としたが、必ずしも棒状部材を使用する必要はない。例えば、振分部材をほぼ水平の皿形状や、複数方向に溝を有する星形形状などにしても良い。また、棒状部材に溝を設けたり、Y字状に分岐させたり、曲線状の棒状部材を使用することもできる。また、弾性を発揮させるように第1棒状部材611を断面が真円でなる直線形状の1本の棒状構成として片側で係止したが、断面がくの字形状やA字の棒など、弾性を発揮させにくい形状の棒状部材を使用することもできる。また、2点以上で係止することにより、弾性を発揮させにくくすることも可能である。
上述実施形態においては、入賞経路662〜665が壁面601C〜601Fと棒状部材611〜616によって構成されたが、その形状に制限はない。例えば、棒状部材611〜616は、上面側に凸となる断面半円状や、三角形状の部材などによって構成されても良いし、金属でなく合成樹脂によって少なくとも一部の棒状部材を構成してもよい。また、棒状部材611〜616の上面側における少なくとも一部に下方側に凹む溝を設けて一定の区間において遊技球を誘導しやすく構成したり、断面の大きさが大きなリング状の部位を設けるなどして異なる断面形状を含むようにしてもよい。また、棒状部材611〜616は、上方側から見て直線状に構成したが、曲線を少なくとも一部として含むようにしたり、折れ線状の部位を含むように棒状部材611〜616の少なくとも一部を構成してもよい。
上述実施形態としては、直線状の第1棒状部材611と、上から見て第1棒状部材611を囲むように配置された第2棒状部材612〜第5棒状部材615、及び第1棒状部材611を横切るように配置された第6棒状部材616によって入賞経路662〜666を構成したが、入賞経路の配置や形状に制限はない。例えば、入賞経路666を上から見てジグザグや星形、渦巻き状に配置することもできる。
上述実施形態としては、棒状部材を片側留めにしたが、両側で留めても良い。その場合、先端部分で遊技球が滞留しないよう、先端部分の角度を急峻にしたり、先端部分の壁面までの幅を敢えて広げて遊技球を確実に落下させることが好ましい。
上述実施形態においては、棒状部材612〜615は、略平行な2本の長軸部が一端で繋がるコの字形状を有するようにしたが、棒状部材612〜615の形状に制限はない。例えば、長軸部が直接繋がるV字形状や、先端部が丸いU字形状であっても良い。
また、第2棒状部材612と第3棒状部材613、第3棒状部材613と第4棒状部材614などのように、棒状部材612〜615における棒状部材間において、長軸部の先端から進行方向側の長軸部が遊技球の1/3〜2/3だけ離隔するようにしたが、その構成に制限はない。例えば、長軸部の先端から進行方向側の長軸部が上下方向でずれて重複していても良く、要はスムーズに遊技球が次の棒状部材に移動できれば良い。
上述実施形態においては、カメラ装置600が始動入賞装置430を撮影するようにしたが、撮影される入賞装置、又は分岐誘導部及び入賞経路の構成に制限はない。例えば、入賞装置の手前に分岐誘導部があり、入賞装置に進入した遊技球の全て又は多くが入賞経路に進入できる構成の場合、カメラ装置600は、分岐誘導部と入賞装置とを同時に又は複数のレンズを用いてそれぞれ撮影する。撮影される入賞装置は、始動入賞装置に限らず、一般入賞装置や大入賞装置であっても良い。入賞経路の構成にも制限は無く、例えば回転して落下したタイミングによって入賞経路に進入できるかどうかが決定されるタイプの分岐誘導部を使用したり、ジグザグに進行する入賞経路など、他の構成を適用してもよい。
上述実施形態においては、入賞経路662〜666への遊技球の進入を検出し、遊技球及び遊技球近傍の領域にキャラクター画像CAを重畳して装飾図柄表示装置479に表示するようにしたが、これに限らず、例えば遊技球の色を変化させたり、点滅表示することにより、遊技球が入賞経路へ進入したことを目立たせたり、音響装置281,282や枠発光装置271〜275と連動して入賞経路への進入を遊技者に知らせたり、その入賞に基づいて実行される変動表示の表示結果や、遷移する遊技状態を示唆してもよい。
上述実施形態においては、遊技者の要望に応じて入賞経路に進入した遊技球の画像を再度スロー再生したが、本発明はこれに限らず、例えば、通常再生しても良い。また、表示する画像として、遊技球近傍の拡大画像を必ずしも含める必要はなく、中始動入賞装置431の内部領域の全体または一部の少なくともいずれか一方を表示すればよい。また、現在の状況と、過去の再生画像とを、複数の表示領域に別々に表示してもよいし、再生をする場合における視点(視認する方向)を異ならせた画像を再生可能とし、その視点を遊技者が選択可能にしてもよく、キャラクター画像CAを重畳しない画像を選択可能としてもよいし、複数回お再生を可能とし、1度目の再生と2回目以降とを、相違する表示データを用いて表示してもよい。
上述実施形態においては、装飾図柄表示装置479に撮影データに基づく表示データを表示するようにしたが、これに限らず,例えば始動入賞装置430に専用の表示装置を設けたり、貯留部241の上部に設けた別の表示装置に表示させたりしてもよい。
上述実施形態においては、棒状部材611〜616が固定された場合について説明したが、棒状部材611〜616の少なくとも一部(例えば、棒状部材616)が可動する(例えば、左右に揺動する)ようにしてもよく、駆動手段としてのモータによって一定の動作をするようにしたり、予め定めた動作タイミング(例えば、予め定めた入賞口への遊技球の進入)で動作を開始するようにしてもよい。
また、中始動入賞装置431に進入した遊技球が最初に接触する第1棒状部材611の向きとして、パチンコ機100の前後方向の向きと一致するようにしてもよく、これにより、パチンコ機100の前後方向の傾斜角度に応じて、中始動入賞装置431に進入した遊技球が入賞口630へ到達する確率が変化し、入賞口630への遊技球の進入確率を検査することで、遊技球が正規の取り付け角度に取り付けられているか否かを判別し易くすることができる。
上記実施形態においては、棒状部材612〜616によって構成される、入賞口630へ進入し易く誘導する第1通路としての入賞経路662〜666と比べて、入賞口630への進入を不能とする第2通路としての経路691〜693が中始動入賞装置431に設けられる構成について説明したが、第2通路としての経路においても、入賞口630へ一定の確率(第1通路よりは低確率)で入賞口630へ遊技球が進入可能としてもよく、例えば、下側の壁面601Bに、遊技球が落下可能な穴を1又は複数設け、その穴に入った遊技球が、入賞口630の下流側にて合流するように、その穴の下流側に経路を設けるようにしてもよい。また、棒状部材612〜616によって構成される、入賞口630へ進入し易く誘導する第1通路は、必ずしも100%の確率で遊技球を入賞口630へ誘導する設定とする必要はなく、一定の確率(例えば、略50%の確率)で遊技球を入賞口へ誘導するように、棒状部材と壁部との相対位置、傾斜角度、高さ位置等を設定してもよい。
球接触壁面としての壁面601C〜601Fの少なくともいずれかは、鉛直方向側において、下側第1通路(棒状部材616上の入賞経路666)と、第1棒状部材611とが配置される高さ位置の少なくとも中央部分を含んだ大きさであればよく、当該中央部分より上方側または下方側の少なくとも一方側が平面でない形状部分を含むようにしてもよい。また、下側第1通路(棒状部材616上の入賞経路666)と、第1棒状部材611とが配置される高さ差(距離)は、遊技球の直径の略2倍以上離間した位置に配置されることが好ましく、略3倍以上離間した位置とすることが遊技球の挙動を大きくすることができて好適である。
また、球接触壁面としての壁面601C〜601Fは、上面側から見て略正方形に形成される場合について説明したが、これに限らず、正三角形、正五角形、正六角形などの正多角形のように形成してもよいし、複数の長さの辺を含む長方形や六角形としてもよいし、略円形や楕円形によって形成してもよい。この場合に、多角形であれば、角の角度がすべて一定とすることが好ましく、また、対面する略平行な2つの平面を含むようにすることが好ましく、また、上面側から見た所定の方向側において対称形状となるように(例えば、長方形や、楕円形に)することが好ましく、上面側から見た所定の方向側と当該方向に交差する方向側とを含む2つの方向側において対称形状となるように(例えば、正方形や、円形に)することが好適である。
(2)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施しても良い。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施しても良い。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしても良い。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用しても良く、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用しても良い。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用しても良い。
従来の典型的な遊技機として、遊技価値としての賞球が払い出される特定の入賞口への遊技球の進入を許容する進入許容配置と、当該特定の入賞口への遊技球の進入を阻止する進入阻止配置とをとる可変入賞装置を備え、可変入賞装置が、所定の入賞口(始動入賞口)への遊技球の進入を条件として作動する遊技機が知られている。遊技者は、可変入賞装置を作動させるために所定の入賞口を狙って遊技球を発射し、所定の入賞口への遊技球の進入によって遊技価値を獲得する機会を少しでも多く得られるように遊技を行うこととなる(例えば、特許文献1参照)。
上記の従来の遊技機においては、所定の入賞口へと導かれるまでの遊技球の経路として画一的なものが多く、遊技機のメーカーおよび機種固有の特徴的な遊技球の経路を含む構成を備えることが難しいという問題点があった。
<特徴10>
所定の入口へ進入した遊技球を複数の部位へ振り分けて下流側に流下させる振分手段を備えた遊技機であって、
前記振分手段は、
所定の入口(誘導路651の入口)へ進入した遊技球の一部が到達可能な部位であって遊技球が進入した場合に遊技者に所定の特典が付与される所定特典付与部(入賞口630)と、
前記所定の入口へ進入した遊技球が前記所定特典付与部へ到達するまでの間の少なくとも一部の区間に設けられて遊技球を前記所定特典付与部へ進入し易く誘導する第1通路(入賞経路662〜666)と、
該第1通路とは別に設けられて前記第1通路と比べて前記所定の入口へ進入した遊技球を前記所定特典付与部へは進入し難く誘導するか、または前記所定特典付与部への進入を不能とする第2通路(経路691〜693)と、
前記所定の入口へ進入した遊技球が上面側に接触する位置に設けられ、前記第1通路と前記第2通路とを少なくとも含む複数の通路のいずれかに振り分け可能な部位であって、所定の第1方向側と当該第1方向とは反対の第2方向側とを少なくとも含む複数の方向側に前記第1通路と前記第2通路とのいずれもが位置し、複数の経路(経路661,682〜684)を経由して遊技球を前記第1通路へ進入させることを可能とする振分部材(第1棒状部材611)とを備え、
当該所定の入口に進入した遊技球が前記振分部材の上面側に接触した後に、前記所定の第1方向側と前記第2方向側とを少なくとも含む複数の方向側のいずれかに進行し、前記所定特典付与部に到達するか否かが振り分けられることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機においては、所定の入賞口へと導かれるまでの遊技球の経路として画一的なものが多く、遊技機のメーカーおよび機種固有の特徴的な遊技球の経路を含む構成を備えることが難しいという問題点があった。
特徴10に記載の遊技機によれば、所定特典付与部に遊技球が入るまでの経路として好適な態様を含む遊技機を提供することができる。すなわち、遊技球が所定特典付与部に進入できる経路を複数設定することができ、複数の方向側のいずれに遊技球が進行した場合にも所定特典付与部への遊技球の進入チャンスがある遊技機を提供することができる。このため、振分部材に接触した後に予め定めた1つの方向側に遊技球が進行する特定の経路を通らなくても所定特典付与部への遊技球の進入チャンスがあり、遊技者には、所定特典付与部への遊技球の進入の期待を感じさせる機会を増加させて、遊技の継続意欲を維持させ易くすることができる。
なお、所定特典付与部によって遊技者に付与される特典は、賞球などの遊技者に遊技をする上での価値(遊技価値)が付与されるものであってもよく、所定の抽選(例えば、特別図柄に係る抽選)を受ける権利(抽選権利)が付与されるものであってもよく、所定の遊技状態へ移行する権利(遊技状態移行権利)が付与されるものであってもよく、複数の特典の組合せであってもよい。また、所定特典付与部によって遊技者に付与される特典は、遊技価値または抽選権利などが必ず(100%で)付与される必要はなく、これらの価値または権利の少なくとも一部の付与可能性が高く設定される(例えば、所定特典付与部に進入した場合に高確率(50%より高く、略70%より高いことが好ましく、略90%より高いことが好適な確率)で所定の遊技価値または権利が付与される)ことによる特典であってもよい。
<特徴11>
特徴10に記載の遊技機において、
前記振分部材は、前記第1通路より上方に配置されて前記第1方向および前記第2方向と交差する第3方向側に連続し、
前記第1通路の少なくとも一部として、前記振分部材より下側に位置し、当該少なくとも一部の前記第1通路から前記振分部材の高さ位置まで少なくとも連続する遊技球の通過可能な空間が上方側に設けられ、前記所定の連続方向側に沿って連続して形成された第3方向側第1通路が設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴11に記載の遊技機によれば、上方にある振分部材から様々な経路で遊技球を第1通路へ進入させることができる。
<特徴12>
特徴11に記載の遊技機において、
前記振分部材は、前記第3方向側に向かって下降傾斜する上面を有する形状に構成され、
前記振分部材に対して鉛直上方側には、前記所定の入口に進入した遊技球が前記振分部材に向かって進行可能な進入部が設けられ、
前記第1通路は、前記進入部が位置する上方側からの方向視において、
前記振分部材に対して前記第1方向側、前記第2方向側、および、前記第3方向側にて周囲を囲む通路を含むように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴12に記載の遊技機によれば、振分部材を中心とした周囲を囲うように第1通路を配置することができ、見た目上の所定特典付与部への遊技球の進入の期待を感じさせる機会の増加にも一層役立つ構成とすることができる。
<特徴13>
特徴10〜特徴12のいずれかに記載の遊技機において、
前記第1通路は、
前記振分部材の鉛直方向下側に位置し、上方側からの方向視において、前記振分部材が連続する方向に交差して前記振分部材を横切るように遊技球を進行させる通路を含むように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴13に記載の遊技機によれば、振分部材に接触した遊技球が大きく弾んで振分部材から離れた位置に落下した場合と、あまり弾ますに振分部材の近くで落下した場合との両方において、第1通路へ遊技球が進入するチャンスを作ることができ、所定特典付与部への遊技球が進入するチャンスとなる経路を好適に増大させることができる。
<特徴14>
特徴10〜特徴13のいずれかに記載の遊技機において、
前記振分部材は、断面が略円形状で直線状に延びる細長い棒状部材であることを特徴とする遊技機。
特徴14に記載の遊技機によれば、単純な形状の振分部材を利用して、どこで遊技球が落下するか予測したり調整することを困難にすることができ、所定特典付与部への遊技球が進入するチャンスとなる経路を好適に多様化することができる。
なお、特徴14の記載における、「細長い」棒状部材とは、遊技球の直径に比べて小さな直径を備えるように細く、棒状部材の長さが遊技球の直径と比べて長いとしてもよく、遊技球の直径に比べて略3分の1以下の直径とすることが好ましく、略5分の1以下とすることが好適であり、棒状部材の長さは、遊技球の直径の略3倍以上の長さとすることが好ましく、略5倍以上の長さとすることが好適である。
<特徴15>
特徴10〜特徴14のいずれかに記載の遊技機において、
前記振分部材は、
一端側が自由端となり、他端側が支持されることによって弾性を有するように固定された棒状部材であることを特徴とする遊技機。
特徴15に記載の遊技機によれば、振分部材に接触した遊技球が、長手方向に沿った位置毎に異なる弾み方をすることとなるので、遊技球が弾んで飛翔する態様を一層多様にし、所定特典付与部への遊技球が進入するチャンスとなる経路を好適に多様化することができる。
<特徴16>
特徴10〜特徴15のいずれかに記載の遊技機において、
前記所定の入口へ進入した遊技球が前記振分部材に向かって通過する遊技球の通過口であって、当該通過口を通過した後には振分部材に接触するまで他の部材に接触することがないように構成された遊技球の通過口を備え、
該通過口は、前記所定の入口に進入した遊技球が前記振分部材に当接する位置が遊技球の直径に対して少なくとも略0.5倍以上に分散可能な形状に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴16に記載の遊技機によれば、通過口を通過した遊技球が振分部材に当接する位置が分散可能となるので、振分部材への当接後に進行する方向を多様にし、所定特典付与部への遊技球が進入するチャンスとなる経路を好適に多様化することができる。
なお、振分部材が長手方向を有する棒状部材である場合に、進入部は、当該長手方向側に遊技球の直径の略1.5倍以上の長さに遊技球の通過口が設定されて構成されるとしてもよい。これにより、振分部材の長手方向において遊技球が接触する位置が分散するので、振分部材と第1通路との相対位置や、振分部材の支持構造などによって、所定特典付与部への遊技球が進入する可能性(確率)を異ならせた遊技性を付加し易くすることができる。
また、振分部材が長手方向を有する棒状部材である場合に、進入部は、当該長手方向に交差する水平方向側に沿った短手方向に遊技球の直径の略1.5倍以下の長さに遊技球の通過口が設定されて構成されるとしてもよく、これにより、振分部材に対して短手方向に大きくばらつく機会を少なくすることができ、振分部材との接触によって上方側へと導かれて遊技球の挙動が大きくなり易く、所定特典付与部への遊技球が進入するチャンスを期待し易い遊技性を付加しやすくすることができる。
<特徴20>
遊技球が前後方向及び左右方向のいずれにも移動可能な遊技球の振分空間を形成する筐体部(筐体部601)を備え、該筐体部における所定の入口へ進入した遊技球を複数の部位へ振り分けて下流側に流下させる振分手段を備えた遊技機であって、
前記振分手段は、
所定の入口へ進入した遊技球の一部が到達可能な部位であって遊技球が進入した場合に遊技者に所定の特典が付与される所定特典付与部(入賞口630)と、
前記所定の入口へ進入した遊技球が前記所定特典付与部へ到達するまでの間の少なくとも一部の区間に設けられて遊技球を前記所定特典付与部へ進入し易く誘導する第1通路(入賞経路662〜666)と、
該第1通路とは別に設けられて前記第1通路と比べて前記所定の入口へ進入した遊技球を前記所定特典付与部へは進入し難く誘導するか、または前記所定特典付与部への進入を不能とする第2通路(経路691〜693)と、
前記所定の入口へ進入した遊技球が上面側に接触する位置に設けられ、前記第1通路と前記第2通路とを少なくとも含む複数の通路のいずれかに振り分け可能な振分部材(第1棒状部材611)とを備え、
該振分部材は、その遊技球が接触する上面側の形状として、最も高い頂部が一点に形成されて、その一点に対して左右両側のいずれもが下降傾斜し、当該一点に支持された遊技球が左右のいずれかに移動した場合には当該振分部材の上に支持されずに落下する断面形状を有し、当該断面形状を有する部位が所定の方向側に連続する頂部連続部を備え、
前記第1通路は、前記振分部材に対して前記所定の方向側における先端側に位置し、前記頂部連続部の最も高い頂部に沿って進行した遊技球が進入し得る通路を含むように構成されていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機においては、所定の入賞口へと導かれるまでの遊技球の経路として画一的なものが多く、遊技機のメーカーおよび機種固有の特徴的な遊技球の経路を含む構成を備えることが難しいという問題点があった。
特徴20に記載の遊技機によれば、所定特典付与部に遊技球が入るまでの経路として好適な態様を含む遊技機を提供することができる。すなわち、遊技球が振分部材に対して所定の方向側における先端側に位置し、頂部連続部の最も高い頂部に沿って進行した遊技球が進入し得る通路を経由することで、所定特典付与部への遊技球の進入チャンスがある遊技機を提供することができる。頂部連続部の最も高い頂部は、遊技球が左右のいずれかにずれてしまうと即座に振分部材から落下してしまうので、その最も高い頂部を遊技球が進行することは見た目上にも難しいものとし、頂部連続部の最も高い頂部に沿って進行した遊技球が第1通路へ進入することで、遊技者は従来とは異なる経路によって遊技球が所定特典付与部へ進入する状況を楽しむことができる。これにより、遊技者には、所定特典付与部への遊技球の進入を自らの目で見てみたいと感じさせる可能性を付与し、遊技の継続意欲を維持させ易くすることができる。
なお、特徴20における「頂部連続部」を特定するための「左右」の方向は、振分部材の頂部連続部の断面形状を視認した場合の左右を意味し、遊技機の左右とは別の方向であってもよい。
<特徴21>
特徴20に記載の遊技機において、
前記振分部材の頂部連続部は、その外周面に凹部などの溝がない棒状部材によって構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴22>
特徴20又は特徴21に記載の遊技機において、
前記振分部材の頂部連続部は、断面が真円又は略真円形状を有することを特徴とする遊技機。
特徴21及び22に記載の遊技機によれば、棒状部材の外形形状が単純で、棒状部材に接触した遊技球の動きが溝に左右されることがなくなるので、遊技球が棒状部材に接触した場合に動く方向などを予測し易くすることができる。このため、遊技者の予測にあった挙動をし易い振分手段とすることができ、遊技機側で遊技者が不利になるような構造が付加されているなどの遊技者が抱く不安感や不満感を少なくすることができる。
<特徴23>
特徴20〜特徴22のいずれかに記載の遊技機において、
前記振分部材は、その頂部連続部と同一の断面形状を有する棒状の部材の一端側が自由端となり、他端側が支持された片持ち状に構成され、
前記第1通路は、前記振分部材の頂部連続部と同一の断面形状を有する棒状の部材であって、上下に離間して同一の方向側に伸びる2本の長軸部が先端側で繋がるコの字形状を有し、長軸部の基端側が支持されて、遊技球を前記長軸部の連続する方向側に誘導可能な誘導部材によって構成される通路を含むことを特徴とする遊技機。
特徴23に記載の遊技機によれば、振分部材と見た目上に近い遊技球の誘導部材を、振分部材と別にも設けつつ、その支持構造を異ならせることによって遊技球が接触した場合の挙動は異ならせることができる。よって、見た目上の類似性と、実際の遊技球の挙動の非類似性とのギャップによって、同一の断面形状を有する部材に対しての遊技球の接触による挙動を楽しむことができる遊技性を付加することができる。
<特徴24>
特徴23に記載の遊技機において、
前記誘導部材における上側の長軸部は、前記振分部材の前記頂部連続部よりも急な角度に下り傾斜して配置されていることを特徴とする遊技機。
特徴25に記載の遊技機によれば、第1通路へ進入した遊技球は誘導部材によってスムースに所定特典付与部へ誘導され易くすることができる一方、振分部材によって第1通路へ進入するかしないかの挙動に時間がかかるようにして遊技球の振り分けを注目する時間が長くなるように構成することができる。よって、振分部材に遊技球が接触し、第1通路へ遊技球が誘導されるまでの経過を視認する遊技者に、遊技球が振り分けられる遊技を少しでも長く楽しませることができる。
<特徴25>
特徴23または24のいずれかに記載の遊技機において、
前記誘導部材として、第1の誘導部材と、該第1の誘導部材に誘導された遊技球が上流側の端部に到達する位置に配置されて前記第1の誘導部材とは異なる方向側に遊技球を誘導する第2の誘導部材とを備え、
前記第1の誘導部材における上側の長軸部の先端側は、前記第2の誘導部材における上側の長軸部の基端側よりも上側に位置して、遊技球が前記第1の誘導部材から前記第2の誘導部材へと鉛直下方に落下して誘導されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴25に記載の遊技機によれば、遊技球が誘導部材間を渡る過程において、一旦停止するように動作させることができ、第1通路に進入した遊技球を所定特典付与部へ確実に誘導され易い遊技性を提供することができる。
なお、特徴25に記載の遊技機において、第1の誘導部材から第2の誘導部材へと鉛直下方に落下して誘導される区間における高さは、遊技球の直径の略3分の1から略3分の2の範囲内に設定されることが好ましく、これにより、落下の衝撃で遊技球が誘導部材によって誘導される方向から逸れて誘導されなく事態を好適に抑制し、且つ、遊技球の速度も好適に減速させることができる。
<特徴26>
特徴20〜25に記載の遊技機において、
前記誘導部材は、前記筐体部を構成する一部の壁面に沿って配置され、当該壁面と共に、遊技球を下流側に誘導することを特徴とする遊技機。
特徴20に記載の遊技機によれば、壁面と棒状部材とによって第1通路を形成し、筐体部によって形成された振分空間の視認性に誘導部材が影響を与える可能性を少なくし、振分部材によって第1通路へ進入するかしないかの挙動を遊技者が注目し易い振分空間を構成し易くすることができる。
<特徴30>
所定の入口へ進入した遊技球を複数の部位へ振り分けて下流側に流下させる振分手段を備えた遊技機であって、
前記振分手段は、
所定の入口へ進入した遊技球の一部が到達可能な部位であって遊技球が進入した場合に遊技者に所定の特典が付与される所定特典付与部(入賞口630)と、
前記所定の入口へ進入した遊技球が前記所定特典付与部へ到達するまでの間の少なくとも一部の区間に設けられて遊技球を前記所定特典付与部へ進入し易く誘導する第1通路(入賞経路662〜666)と、
該第1通路とは別に設けられて前記第1通路と比べて前記所定の入口へ進入した遊技球を前記所定特典付与部へは進入し難く誘導するか、または前記所定特典付与部への進入を不能とする第2通路(経路691〜693)と、
前記所定の入口へ進入した遊技球が上面側に接触する位置に設けられ、前記第1通路と前記第2通路とを少なくとも含む複数の通路のいずれかに振り分け可能な振分部材(第1棒状部材611)と、
前記振分部材に接触したタイミングを少なくとも含み、当該振分部材に接触した後の遊技球が前記第1通路へ進入するまでの経路を認識可能な動画を撮影する動画撮影装置(カメラ装置600)と、
前記所定特典付与部へ進入した遊技球の経路を検出する経路検出部(ルート検出部943)と、
前記動画撮影装置によって撮影された撮影動画に基づいた表示データを生成する表示データ生成部(表示データ生成部942)と、
前記表示データに対応した表示画像を表示する表示部(装飾図柄表示装置479)とを備え、
前記表示データ生成部は、前記経路検出部によって前記所定特典付与部へ進入した遊技球の経路が検出された場合に、当該経路が検出された遊技球を撮影した前記撮影動画に対して少なくとも一部を異ならせた加工動画を含む表示データを生成し、
当該加工動画が前記表示データの一部として前記表示部に表示可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機においては、所定の入賞口へと導かれるまでの遊技球の動きは自重の影響によってかなり速い場合もあり、視認をしたかった遊技球の経路を見落としてしまう場合があった。一方、遊技者が視認をしたいと強く願う状況は、発生頻度が低いことが多く、長い時間にわたって遊技球の挙動を視認し続けていると、遊技者が疲れを感じてしまって遊技をやめてしまう可能性があるなどの問題点があった。
特徴30に記載の遊技機によれば、所定特典付与部に遊技球が入るまでに経由した経路を遊技者に判り易く示すことが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、振分部材によって第1通路へと振り分けられた遊技球の経路を表示部に表示することができるため、遊技者には、遊技球の動きが速くて認識し難い決定的瞬間を、例えば、実際のタイミングよりも後で低速再生するなどして、遊技者が視認し易くすることができる。また、所定特典付与部へ進入した遊技球を撮影した撮影動画に対して少なくとも一部を異ならせた加工動画を遊技者に視認させるので、所定特典付与部への遊技球の進入を判り易く示すことができ、例えば、遊技球が第1通路に進入するまでの遊技球及びその近傍を加工し、遊技球の位置を目立たせるなど、遊技者が遊技球の動きを認識し易い形で動画を視認させることができる。
<特徴31>
特徴30に記載の遊技機において、
前記表示データ生成部は、
前記撮影画像における遊技球の位置に対応して所定のキャラクターの画像を配置した加工動画を含む表示データを生成することを特徴とする遊技機。
特徴31に記載の遊技機によれば、遊技球とは別のキャラクターの画像を用いて遊技球の位置を遊技者に視認させることができ、遊技機メーカーや機種に固有の遊技者の注目を引く形で、遊技球が第1通路に進入するまでの動画を視認させることができる。
<特徴32>
特徴30又は特徴31に記載の遊技機において、
前記表示部に前記表示データが表示された後において、当該表示データを生成するための前記撮影画像、又は当該表示データの少なくとも一方を記憶する画像データ記憶部を備え、
前記表示部は、所定の再表示期間において前記表示データに対応した表示画像を再度表示することを特徴とする遊技機。
特徴32に記載の遊技機によれば、1回は遊技者に視認させた遊技球の動画を再度表示することができるので、所定特典付与部へ誘導される第1通路へ遊技球が入るまでの経路を遊技者に複数回視認させたり、異なる方向側からの加工画像を視認させたりするなどして、第1通路へ遊技球が入るまでの状況を認識し易くして、遊技球の挙動を楽しむ遊技球を利用した遊技機特有の遊技性を多数の遊技者に判り易い形で提供することができる。
なお、所定の再表示期間は、遊技者による再表示の要求操作を受け付ける受付期間中に遊技者が再表示の要求操作を実行した後に開始される期間としてもよいし、所定特典付与部への遊技球の進入に基づいて遊技者にとって通常遊技状態より有利な遊技状態へ移行する場合における有利な遊技状態中の一部の期間としてもよい。
<特徴33>
特徴30〜特徴32のいずれかに記載の遊技機において、
前記表示データ生成部は、
前記動画撮影装置によって撮影された撮影動画に基づいて遊技球を含む一部が拡大された拡大画像を一部とする加工動画を含む表示データを生成することを特徴とする遊技機。
特徴33に記載の遊技機によれば、遊技球の近傍を、拡大画像によっても認識可能に表示できるため、加工画像によって第1通路へ遊技球が入るまでの経路を、多数の遊技者に一層判り易く視認させることができる。
<特徴34>
特徴30〜特徴33のいずれかに記載の遊技機において、
前記所定特典付与部は、遊技球の進入に応じて、所定の抽選と、当該抽選の結果に対応した表示結果が表示される変動表示が実行される単位遊技の権利が付与される始動入賞口であることを特徴とする遊技機。
特徴34に記載の遊技機によれば、遊技者の興味の大きい始動入賞口を表示部に表示することができ、遊技者に遊技を一層楽しませることができる。
<特徴35>
特徴34に記載の遊技機において、
前記表示データ生成部は、
前記表示部の表示領域の一部として設定された主表示領域に、前記抽選の結果を含む変動表示の少なくとも一部を表示し、前記主表示領域よりも面積の小さいサムネイル領域に、前記表示データに対応した表示画像を表示することを特徴とする遊技機。
特徴35に記載の遊技機によれば、遊技者の興味が大きい変動表示と共に、その抽選の契機となった所定特典付与部へ進入した遊技球が第1通路へ入るまでの経路を示すことができ、いずれの形態で進入した遊技球が遊技において当選しやすいといった新たな楽しみを付加した遊技性を提供することができる。
<特徴36>
特徴34又は35に記載の遊技機において、
前記表示部は、
前記変動表示中において、前記経路検出部によって別の単位遊技に係る遊技球の経路が検出された場合に、当該変動表示中に、当該別の単位遊技に係る遊技球が前記第1通路へ入るまでの経路を表示することを特徴とする遊技機。
特徴36に記載の遊技機によれば、変動表示に注目していることで、遊技球の挙動についても、遊技者が興味を抱き易い所定特典付与部へ進行した遊技球の挙動を、見逃し難く表示することができる。よって、変動表示と遊技球の挙動とを、容易に楽しむことのできる遊技性を提供することができる。
なお、変動表示中において、経路検出部によって別の単位遊技に係る遊技球の経路が検出された場合に、当該抽選の結果が遊技者にとって有利な場合に大きな画像で表示されやすい制御を含むように表示してもよく、これにより、抽選の結果を、技球のすることができるため、遊技者にストレスを与えること無く、遊技球の入賞口への進入の様子を表示することができる。
<特徴40>
所定の入口へ進入した遊技球を複数の部位へ振り分けて下流側に流下させる振分手段を備えた遊技機であって、
前記振分手段は、
所定の入口へ進入した遊技球の一部が到達可能な部位であって遊技球が進入した場合に遊技者に所定の特典が付与される所定特典付与部(入賞口630)と、
前記所定の入口へ進入した遊技球が前記所定特典付与部へ到達するまでの間の少なくとも一部の区間に設けられて遊技球を前記所定特典付与部へ進入し易く誘導する第1通路(入賞経路662〜666)と、
該第1通路とは別に設けられて前記第1通路と比べて前記所定の入口へ進入した遊技球を前記所定特典付与部へは進入し難く誘導するか、または前記所定特典付与部への進入を不能とする第2通路(経路691〜693)と、
前記所定の入口へ進入した遊技球が上面側に接触する位置に設けられ、前記第1通路と前記第2通路とを少なくとも含む複数の通路のいずれかに振り分け可能な部位であって、所定の第1方向側と当該第1方向とは反対の第2方向側とを少なくとも含む複数の方向側に前記第1通路と前記第2通路とのいずれもが位置し、複数の経路(経路661,682〜684)を経由して遊技球を前記第1通路へ進入させることを可能とする振分部材(第1棒状部材611)と、
該振分部材に対して水平方向側に離間して設けられ、該振分部材に接触した遊技球が当接した場合に当該遊技球が元の方向側に戻るように構成された略平面状の球接触壁面(壁面601C〜601F)とを備え、
前記第1通路として、前記振分部材の鉛直下方に重なる位置であって前記振分部材から遊技球の直径の略2倍以上離間した位置に配置された下側第1通路(棒状部材616上の入賞経路666)が設けられ、
該球接触壁面の少なくとも1つは、鉛直方向側において、前記下側第1通路と、前記振分部材とが配置される高さ位置の少なくとも中央部分を含んで上下方向に広がる大きさに形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴40に記載の遊技機によれば、所定特典付与部に遊技球が入るまでの経路として好適な態様を含む遊技機を提供することができる。すなわち、振分部材に接触した遊技球が球接触壁面に当接した後に跳ね返って下側第1通路に進入できる経路を設定することができ、遊技球が空間内を大きく落下する区間によって、所定特典付与部へと導かれるか否かが判定される遊技性を付加することができる。
なお、振分部材又は下側第1通路の少なくとも一方が略直線状に連続して構成された遊技球の接触部を含み、球接触壁面は、振分部材又は下側第1通路の少なくとも一方の連続する方向と略平行な壁面を有するとしてもよく、当該略平行な壁面が振分部材及び下側第1通路を挟んだ両側に配置されるとしてもよい。また、振分部材又は下側第1通路の少なくとも一方が略直線状に連続して構成され、球接触壁面の少なくとも1つは、振分部材又は下側第1通路の少なくとも一方の連続する方向と略直行する壁面を有するとしてもよいし、当該略平行な壁面が振分部材及び下側第1通路を挟んだ両側に配置されるとしてもよい。振分部材又は下側第1通路と、球接触壁面とが略平行又は略直交するように配置することで、壁面に接触した遊技球の進行方向を一定に近い形にし易くして、遊技を行う遊技者が遊技機の設定や仕様に不満を抱かせる可能性を少なくして遊技の継続意欲を抱かせやすくすることができる。
また、球接触壁面の少なくとも1つは、鉛直方向側において、下側第1通路と、振分部材とが配置される高さ位置の全体を含んで上下方向に広がる大きさに形成してもよく、これにより、振分部材に接触した遊技球が球接触壁面に当接した後に跳ね返って下側第1通路に進入できる経路を最大限に広く設定し、球接触壁面によって形成される内部空間を遊技球が移動して第1通路へと進入する経路を好適に多様化することができる。
なお、特徴10〜40に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
100:遊技機、431:中始動入賞装置、479:装飾図柄表示装置、600:カメラ装置、601:筐体部、601A〜601F:壁面、602:開口部、611〜616:棒状部材、630:入賞口、631:出口、651:誘導路、661〜666:入賞経路、691〜693:経路、942:表示データ生成部、943:ルート検出部

Claims (2)

  1. 所定の入口へ進入した遊技球を複数の部位へ振り分けて下流側に流下させる振分手段を備えた遊技機であって、
    前記振分手段は、
    所定の入口へ進入した遊技球の一部が到達可能な部位であって遊技球が進入した場合に遊技者に所定の特典が付与される所定特典付与部と、
    前記所定の入口へ進入した遊技球が前記所定特典付与部へ到達するまでの間の少なくとも一部の区間に設けられて遊技球を前記所定特典付与部へ進入し易く誘導する第1通路と、
    該第1通路とは別に設けられて前記第1通路と比べて前記所定の入口へ進入した遊技球を前記所定特典付与部へは進入し難く誘導するか、または前記所定特典付与部への進入を不能とする第2通路と、
    前記所定の入口へ進入した遊技球が上面側に接触する位置に設けられ、前記第1通路と前記第2通路とを少なくとも含む複数の通路のいずれかに振り分け可能な振分部材と、
    前記振分部材に接触したタイミングを少なくとも含み、当該振分部材に接触した後の遊技球が前記第1通路へ進入するまでの経路を認識可能な動画を撮影する動画撮影装置と、
    前記所定特典付与部へ進入した遊技球の経路を検出する経路検出部と、
    前記動画撮影装置によって撮影された撮影動画に基づいた表示データを生成する表示データ生成部と、
    前記表示データに対応した表示画像を表示する表示部とを備え、
    前記表示データ生成部は、前記経路検出部によって前記所定特典付与部へ進入した遊技球の経路が検出された場合に、当該経路が検出された遊技球を撮影した前記撮影動画に対して少なくとも一部を異ならせた加工動画を含む表示データを生成し、
    当該加工動画が前記表示データの一部として前記表示部に表示可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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