以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図58を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側(又は表面側)に取り付けられる。
ベース板60は、木製の板部材から形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴(例えば、図5参照)に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。なお、ベース板60を光透過性の樹脂材料から構成しても良い。この場合、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となる。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81を正面視で囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズから19インチサイズ程度の大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。
また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、例えば2つであっても良い。
また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左右や、下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物640aのない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10とは異なり、遊技盤13の構成が左右対称とされる場合には、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口640を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
一方で、本実施形態におけるパチンコ機10では、「右打ち」では第1入賞口64を狙うことはできないように構成され、「左打ち」で発射された球はスルーゲート67を通過しないように構成されている。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えることを要求することができる。よって、球の打ち方を変化させる遊技性を付加することで遊技が緩慢となることを防止することができる。
第1入賞口64の右方には可変入賞装置65(図2参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の右方に限らず、例えば、第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側や、可変表示装置ユニット80の左方または右方や、上方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口71は、第2入賞口640の左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板を前後方向に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物640aを駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ441,541,731や、電磁ソレノイド2086dが含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、遊技盤13及び動作ユニット300の構造について説明する。図5は、遊技盤13及び動作ユニット300の分解正面斜視図である。なお、図5の説明においては、図2を適宜参照する。
遊技盤13は、上述のように、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、スルーゲート67、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80、ベース板60に開口される窓部60aに正面側から嵌合可能な形状で構成されるセンターフレーム86、センターフレーム86の左下部に配置され一般入賞口63に球を案内可能に構成される左側演出ユニット150、可変入賞装置65が配設され、ベース板60に開口される小窓部60bに正面側から嵌合可能な形状で構成される右側演出ユニット160、遊技領域から排出された球が流下可能に構成される球流下ユニット(図示せず)等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
センターフレーム86、左側演出ユニット150及び右側演出ユニット160は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等によりベース板60に固定される。
ベース板60は、ベニヤ板を重ね合わせた木製の合板から形成されており、窓部60aや小窓部60b等の開放部を除き、正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させないように遮蔽可能に構成される。
図5に示すように、左側演出ユニット150は、光透過性の樹脂材料から形成されるユニットであって、ベース板60の正面に沿って配設され、内レール61と同等の幅の板状に形成される上板部151と、その上板部151の左端部から上板部151と同等の幅の板状で下方へ延設される下板部152と、その下板部152の後端部と上板部151の後端部とに連結される平板状に形成されベース板60の正面と面接触する状態で対向配置される対向板部153と、その対向板部153の正面側に締結固定される複数の部材であって正面側に底部を有し上方へ開放される有底半筒形状の球案内部材154と、その球案内部材154の下方位置において下板部152の上面から上方へ向かう突条形状に形成される複数の突条部155とを主に備える。
左側演出ユニット150と対向配置される箇所において、ベース板60には、一般入賞口63に対応する開口部を除き、開口は形成されていない。これにより、ベース板60の剛性を利用して対向板部153の変位(変形)を防止することができるので、対向板部153の肉厚に関わらず、対向板部153の正面側における球の流下を安定させることができる。
加えて、本実施形態では、対向板部153は球案内部材154から逸れて、一般入賞口63(及び第1入賞口64、第2入賞口640)に入賞しないことが確定した球が流下する経路の背面側に配設される。これにより、入賞口63,64,640へ入球する可能性のある球の流下態様に対向板部153が与える影響を小さくすることができる。
本実施形態では、ベース板60が木製の板部材から形成される構成ながら、ベース板60の背面側に配置される照射装置(例えば、回転ユニット500のLED部材544、図25参照)から正面側へ向けて照射される光を、一般入賞口63に対応する開口を通して遊技者に見せることが可能である。そのため、周囲の対向板部153や上板部151等は発光させず、一般入賞口63に対応して配置される球案内部材154のみを発光させる発光演出を容易に実行することができる。
即ち、例えば、発光手段と球案内部材154との間の距離が離れていても、一般入賞口63に対応する位置でベース板60に形成される開口により光が絞られることになるので、球案内部材154のみを発光させる発光演出を実行することができる。従って、球案内部材154を発光させる専用の発光手段を設けなくとも、後述する回転ユニット500のLED部材544(図25参照)から照射される光を一般入賞口63に対応する位置でベース板60に形成される開口に到達させることで、球案内部材154を発光させる発光演出を実行することができる。
これにより、遊技領域において球が到達することで遊技者に利益が生じ得る箇所(例えば、一般入賞口63)を、容易に目立たせることができる。以下、左側演出ユニット150の詳細について説明する。
図6は、左側演出ユニット150の正面図である。図6に示すように、突条部155は、前後方向に亘り下板部152の上面から突条状に突設形成される部分であって、より上流側に配設される第1突条部156と、その第1突条部156の下流側に配設される第2突条部157とを備えている。第1突条部156と第2突条部157とで形状(突設態様)は異なるが、ベースとする思想は同様なので、第1突条部156の形状の詳細を説明し、第2突条部157については第1突条部156との相違点を説明し、詳細についての説明を省略する。
第1突条部156は、4本の略同一形状の突条が階段状に並ぶように構成されている。突条は、前後方向に亘り略同一形状で形成されているので、球の前後位置に寄らず球と当接することができ、球の減速作用を生じさせることができる。
各突条は、球案内部材154の鉛直下方の範囲を左右方向で4等分される各範囲にそれぞれ配設されている。即ち、球案内部材154の鉛直下方の範囲が約16[mm]の左右幅で形成されているので、各突条が約4[mm]の左右幅で形成される。
各突条は、上下方向の寸法が下流側へ向かう程、徐々に短くなるように構成されている。この上下長さの差は、突条の右辺部156cの上下方向長さを調節することで生じている。そのため、突条の上辺部156a及び湾曲部156bは各突条で同一形状とされる。なお、上辺部156a、湾曲部156b及び右辺部156cの詳細については後述する。
上述のように、各突条の上下長さの差が、突条の右辺部156cの上下方向長さを調節することで生じていることから、第1突条部156は、踏み幅が等しい一方で下へ向かう程に各段の上下寸法が小さくなる階段状に形成されている。
特に、左端の突条の上下寸法と、その右側に隣り合って設けられる突条の上下寸法との差が最大(約0.35[mm])であり、以降は、隣り合う突条の上下寸法の差は半分程度で構成される(約0.16〜0.18[mm])。なお、突条毎の上下寸法については後述する。
この構成によれば、第1突条部156の上流側から流下する球に対する減速効果を、最初の突条(左端の突条)で最大とし、後続の突条では徐々に小さくすることができる。これにより、球に対して複数箇所で程よい負荷が与えられることになるので、局所的に過負荷(応力集中)を生じさせることなく球を十分に減速させることができる。加えて、減速効果が各突条で不変である場合に比較して、第1突条部156上を転動している球の速度変化(速度低下)に減速効果を対応させ易くすることができるので、過度に減速させることを回避することができ、球が意図せず停止することを防止し易くすることができる。
なお、後述する第2突条部157では、隣り合う突条の上下寸法の差が、全て同等(等差)で構成され(約0.11[mm])、左端の突条の上下寸法が飛躍的に大きいという構成を採用していない。なお、突条毎の上下寸法については後述する。これは、球を大きく減速させることが不要なほどに水平に対する下板部152の傾斜が収まっていること、及び第2突条部157の破損防止を目的とするが、詳細は後述する。
また、隣合う突条の上下さが最も小さい位置において、上流側の突条の湾曲部156bと下流側の突条の上辺部156aとに当接する遊技球B1の外形が想像線で図示される。図6に示すように、遊技球B1の中心(重心)は、上辺部156aの右端部よりも右側に配置される。
当接する突条を変えて、同様の2点で当接する遊技球の配置は、当接する突条を上流側の突条とするほど、上流側の突条の上下寸法が大となることから、遊技球はより右側に配置されることになり、当然に、遊技球B1の中心(重心)は、上辺部156aの右端部よりも右側に配置される。
従って、遊技球B1が隣合う突条に挟まれた状態で配置されると、遊技球の自重は、複数の突条の上を下流側へ転がる方向へ向くことから、遊技球が隣り合う突条に挟まれた状態で停止することを回避することができる。
第1突条部156が備える各突条の構成の詳細について説明する。各突条は、左端部から水平方向に対して下降傾斜して延びる上辺部156aと、その上辺部156aの右端部から連続的に形成される湾曲部156bと、その湾曲部156bの右下端部から鉛直方向に沿って下方へ延びる右辺部156cとを備える。
上辺部156aは、正面視で水平方向に対して下降傾斜し、前後に平面状に延びる平面部として構成されているので、上面を転動中の球が意図せず停止することを防止し易くすることができる。上辺部156aの正面視における長さは3.15[mm]であり、上辺部156aの水平方向に対する傾斜角度は約7度であり、下板部152に対する角度は約35度である。
湾曲部156bは、正面視で半径約1[mm]の湾曲形状で構成される湾曲面であり、球の転動を補助する役割がある。即ち、湾曲部156bを角部として構成する場合に比較して、球と突条との当接を継続させ、転動状態を維持し易くすることができるので、球を減速する効果を維持することができる。
下辺部156cは、下流側から順に、約1.42[mm]、約1.58[mm]、約1.76[mm]、約2.11[mm]の長さで設計される。これにより、各突条の上下寸法は、下流側から順に、約2.80[mm]、約2.96[mm]、約3.14[mm]、約3.49[mm]で設計される。
下辺部156cは、正面視で鉛直方向に延び、前後に平面状に延びる平面部として構成されているので、球が下板部152の傾斜に逆らって変位することを防止することができる。これにより、アウト口71(図2参照)から遠ざかる方向へ変位しようとする球をアウト口71へ向けて流下させ易くすることができる。
下辺部156cの水平方向に対する角度は約90度であり、下板部152に対する角度は約56度である。このように、突条の下板部152に対する傾斜角度は、上流側の下板部152に対する角度に比較して、下流側の下板部152に対する角度の方が大きくなるように構成される。
これにより、突条に上流側から到達する球に対しては、転動面の傾斜角度の変化を小さくし、停止しない程度の小さな減速作用を生じさせる一方、突条に下流側から到達する球に対しては、転動面の傾斜角度の変化を大きくすることで、上流側へ向かう球の速度を効果的に減らし、球が下流側へ流れ易くすることができる。
第2突条部157は、第1突条部156よりも各突条の上下幅が更に短く構成されており、この違いが第2突条部157の右辺部156cの長さを異ならせることにより生じている。そのため、上辺部156aの形状および水平方向に対する傾斜角度(即ち、約7度)や、湾曲部156bの形状等は、各突条で同様に構成される。
一方で、下板部152は、曲率半径の中心が右上側に配置される湾曲形状で構成されており、第1突条部156付近の傾斜角度(水平方向に対する傾斜角度)に比較して、第2突条部157付近の傾斜角度(水平方向に対する傾斜角度)の方が小さいことから、第2突条部157の各突条と下板部152との間の角度は、第1突条部156について上述したものと異なる。
即ち、第2突条部157の上辺部156aの正面視における長さは3.15[mm]であり、上辺部156aの下板部152に対する角度は約19度であり、右辺部156cの下板部152に対する角度は約70度である。このように、第1突条部156として上述した数値よりも増して、突条の下板部152に対する傾斜角度は、上流側の下板部152に対する角度に比較して、下流側の下板部152に対する角度の方が大きくなるように構成される。
これにより、第1突条部156として上述したよりも増して、突条に上流側から到達する球に対しては、転動面の傾斜角度の変化を小さくし、停止しない程度の小さな減速作用を生じさせる一方、突条に下流側から到達する球に対しては、転動面の傾斜角度の変化を大きくすることで、上流側へ向かう球の速度を効果的に減らし、球が下流側へ流れ易くすることができる。
第2突条部157の下辺部156cは、下流側から順に、約0.16[mm]、約0.27[mm]、約0.38[mm]、約0.49[mm]の長さで設計される。これにより、各突条の上下寸法は、下流側から順に、約1.54[mm]、約1.65[mm]、約1.76[mm]、約1.87[mm]で設計される。
第2突条部157の各突条は、第1突条部156の各突条に比較して、各段の上下寸法が短くなっていることに加え、隣り合う突条の上下寸法の差が全て同等(等差(約0.11[mm]))で構成されている。即ち、左端の突条の上下寸法が飛躍的に大きいという構成を採用していないので、上面を転動する球の減速割合を均一にすることができると共に、左端部の脆弱性に対する対策をすることで第2突条部の耐久性を向上することができる。
左側演出ユニット150は、上板部151及び下板部152の正面側端面において光を拡散可能な拡散形状が形成される拡散部158を備える。拡散部158は、ガラスユニット16(図1参照)を介して左側演出ユニット150に正面側から到達する光や、上下左右または背面側から到達する光が拡散することにより、線状の光を遊技者に見せることができ、演出効果を向上させることができる。
拡散部158は、第1突条部156及び第2突条部157の正面側端面においても形成されるので、拡散部158を部分的に幅広とすることができる。これにより、第1突条部156及び第2突条部157で視認される光の幅を、その周囲(第1突条部156も第2突条部157も形成されていない箇所)で視認される光の幅に比較して大きくすることができる。
また、第1突条部156の正面側の拡散部158で視認される光の最大幅を、第2突条部157の正面側の拡散部158で視認される光の最大幅よりも大きくすることができる。詳述すれば、上述した各突条の上下寸法に対応して、拡散部158で視認される光の幅を段階的に変化させることができ、第2突条部157における突条のうち上下寸法が最大の突条よりも、第1突条部156における突条のうち上下寸法が最少の突条の方が、上下寸法が大きいので、第1突条部156の正面側の拡散部158で視認される光の幅を、第2突条部157の正面側の拡散部158で視認される光の幅よりも大きくすることができる。
これにより、左側演出ユニット150を見る遊技者の注目度合いを範囲ごとに異ならせることができる。即ち、第1突条部156でも第2突条部157でもない箇所の注目度合いよりも第2突条部157の注目度合いの方が高く、その第2突条部157の注目度合いよりも第1突条部156の注目度合いの方が高くすることができる。
これら注目度合いが高くされる第1突条部156及び第2突条部157の上側に、一般入賞口63に対応して配置される球案内部材154が配設される。遊技者の基本的な遊技姿勢は一般入賞口63及びその正面側に配置される球案内部材154を見下ろすような姿勢となるので、視界の中に、球案内部材154の下方に配置される第1突条部156及び第2突条部157が入る可能性が高い。
そして、第1突条部156及び第2突条部157の注目度合いを高めることで(光を照射することで)、一般入賞口63の左右位置を遊技者が把握し易くすることができる。これにより、一般入賞口63及びその正面側に配置される球案内部材154に注目させ易くすることができる。
即ち、本実施形態によれば、一般入賞口63や球案内部材154を直接的に光らせたり、煌びやかに装飾したりすることなく、第1突条部156及び第2突条部157の注目度合いを高めることにより、一般入賞口63及び球案内部材154の注目力を向上させる(目立たせる)ことができる。
また、拡散部158で視認される光の幅は、各突条の上下寸法に依存して変化するよう構成されるが、第1突条部156の左端の突条の上下寸法が顕著に大きく構成されることから、遊技者の視線を強く引き付ける効果を奏することができる。これにより、上板部151の上流側から流下する球が着地する最上流位置としての第1突条部156の左端の突条の注目力を向上させることができる。
また、拡散部158で視認される光の幅は、各突条の上下寸法に依存して変化するよう構成されるため、下流側(右側)へ向かうにつれて、段階的に光の幅が小さくされる。これにより、遊技領域下流へ向けて徐々に細くなる光を、拡散部158を介して視認させることができるので、光により球の軌道を示すことができたり、遊技領域の外縁を太さの異なる光(先細りする光)で装飾することでシャープな外観を形成することができたりといった、発光演出としての効果を奏することができる。
図6には、球の流下経路の主な例として、流下経路L1,L2が図示される。流下経路L1は、上板部151に到達した球が上板部151の右端部から落下した後で通る経路であり、流下経路L1で流下した球は第1突条部156の上流側で下板部152の上面に到達(着地)する。
流下経路L2は、上板部151に到達することなく、釘(図示せず)の上を流れて右方に流下した球が、一対の球案内部材154の間を流下する際に通る経路であり、流下経路L2で流下した球は第2突条部157の上流側で下板部152の上面に到達(着地)する。
このように、第1突条部156及び第2突条部157は、球の流下経路L1,L2で流下する球が下板部152に到達(着地)する範囲とは異なる範囲に形成されているので、球の到達(着地)時の衝撃が第1突条部156や第2突条部157に与えられることを回避することができる。
加えて、球の到達(着地)範囲の下流側に第1突条部156や第2突条部157が配設されているので、流下経路L1,L2で流下した球を、アウト口71に到達する前に減速させることができる。これにより、アウト口71までの経路中に配置される部分が球から受ける負荷(衝撃)で破損することを回避し易くすることができる。
下板部152を転動する球が第1突条部156に当接開始する場合に第1突条部156から球に与えられる反発力は、球が到達する側に寄らずに右側を向くため球の停止を回避することができる。一方で、反発力の向きは各突条の形状に依存するので、球が到達する側により大きく異なる。
例えば、球が上流側(左側)から第1突条部156に到達(当接開始)する場合、反発力の方向は上辺部156aに対して直角な向きで生じるので、ほぼ上向きの負荷F1となる。一方で、球が下流側(右側)から第1突条部156に到達(当接開始)する場合、反発力の方向は右辺部156cとは当接しておらず湾曲部156bに対して直角な向きで生じているが、ほぼ右向きの負荷F2となる。
従って、上流側から到達する球に対しては、左右方向の速度変化を穏やかに生じさせることができ、下流側から到達する球に対しては、左右方向の速度変化を激しく生じさせる(速度を反転させる)ことができる。
アウト口71付近に配置されていた他の球と衝突したり、アウト口71の正面側に配置される構成部材と衝突したりすることで球が左方へ跳ね返ることがある。この球は、第1突条部156まで到達する可能性は低いが、より配置が低く、アウト口71に近い第2突条部157に到達する可能性は高い。
そのため、球案内部材154の下側に形成することで流下経路L1,L2で流下する球の着地位置から外れた位置に第2突条部157を設けてはいるが、上述の事情で跳ね返った球が第2突条部157に衝突する可能性はあるので、第2突条部157が脆弱である場合には、球の衝突の衝撃で第2突条部157が破損する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、第2突条部157が備える各突条は、隣り合う突条の上下寸法の差が同等に構成され(等差とされ)、左端の突条の上下寸法が飛躍的に大きいという構成を採用していない。これにより、特定の突条を過度に尖らせて構成させる場合に比較して、第2突条部157を破損し難く構成することができる。
また、各突条は、前後方向に亘り下板部152の上面から突条状に突設形成されていることから、角(つの)状に突設される場合に比較して第2突条部157を破損し難く構成することができる。
図7(a)は、図6のVIIa−VIIa線における左側演出ユニット150の断面図であり、図7(b)は、図6のVIIb−VIIb線における左側演出ユニット150の断面図である。
図7(a)及び図7(b)に示すように、第1突条部156及び第2突条部157の肉厚は同等に構成され、突条の反対側に対応する深さの凹溝が形成される。肉厚が同等とされることで、樹脂材料から形成される左側演出ユニット150の成形精度を高く維持することができる。
上述のように第1突条部156及び第2突条部157の肉厚が同等に形成される一方で、拡散部158は、凹溝を正面側から覆うように第1突条部156及び第2突条部157の下方に張出形成されている。即ち、第1突条部156及び第2突条部157の肉厚以上の幅寸法で拡散部158が形成される。
上述のように、第1突条部156の方が第2突条部157よりも各突条の上下寸法が長いので、凹溝についても、第1突条部156の方が第2突条部157よりも深い。これに対応して、拡散部158の幅寸法(の最大値)は、第1突条部156の正面側に配設される拡散部158の方が、第2突条部157の正面側に配設される拡散部158よりも長い。
これにより、第1突条部156及び第2突条部157の肉厚によらず、拡散部158の幅を広げることができるので、拡散部158を介して視認される光の幅を広げることができる。
これにより、拡散部158と、その拡散部158の上端部に連なる第1突条部156及び第2突条部157とに対する注目力を向上させることができ、この第1突条部156及び第2突条部157へ向く方向視により一般入賞口63への入球の有無を把握することができる。このことについて、以下で説明する。
図7(a)に示すように、遊技を行う遊技者の視線YE1は、背面側へ向かうほど遊技領域の外方へ向かう線(放射状の線)に沿う場合が多い。そのため、遊技領域の下縁部に対応する突条部155を見る遊技者の視線YE1は、背面側へ向かうほど下降傾斜する方向視である。
視線YE1の方向に目を向ける遊技者は、視線YE1と交わる突条部155だけではなく、突条部155で反射する光をも見ることができる。即ち、対向板部153を介して突条部155に入射し、視線YE1に沿って反射する反射光R1を、突条部155を介して見ることができる。
反射光R1は、球案内部材154を通り下方へ進行し、対向板部153に入射(反射)して、突条部155に入射(反射)するように進行する光である。即ち、反射光R1の光源は球案内部材154の上方に配置されており、対向板部153が反射手段(例えば、鏡)の役割をすることで、反射光R1は突条部155に到達する。
このように、反射光R1は球案内部材154という一般入賞口63(図5参照)への球の通過経路を通る光である。そのため、視線YE1で突条部155を見る際に、突条部155に球が映ったり、球により光が遮られることで突条部155が暗く見えたりする。これにより、遊技者は、反射光R1の変化を通して、一般入賞口63への球の入球の有無を把握することができる。従って、遊技者の疲労の低減を図りながら、遊技者に利益のある情報を効率的に把握させることができる。このことについて、以下で説明する。
従来、遊技状態が通常時の遊技において、遊技者は、一般入賞口63と内レール61付近とで視線を動かすことが多かった。これは、遊技に役立つ情報を遊技領域における球の流下状態から得るためである。
第1に、一般入賞口63に球が入球すると賞球(本実施形態では、5個から15個の球)が払い出されるので、一般入賞口63への入球頻度が高いほど、遊技中のパチンコ機10の球持ちは良いと判断できる。また、第2に、内レール61付近への球の到達頻度が高いほど、遊技中のパチンコ機10はアウト口71から球が排出される頻度が高いと判断できる。一見、内レール61付近への球の到達頻度が低い程、遊技者にとって利益のあるパチンコ機10であるよう思えるが、そう限られるものでは無い。
これらの情報は、個別に把握するだけでは不完全で、総合的に把握する必要がある。例えば、内レール61付近への球の到達頻度が低いからと言って、遊技者にとって利益のあるパチンコ機10であるかはわからない。
この場合であっても、一般入賞口63への入球頻度が過度に高い場合には、第1入賞口64への入球頻度が低くなるため、遊技中のパチンコ機10の大当たり抽選の頻度が低いと考えられる。そのため、大当たりを獲得するまでに長い時間を要することが予想できるので、遊技可能な時間が短い遊技者にとっては遊技に向かない可能性が高い(遊技者にとって利益があるとは言えない可能性が高い)。
この観点から考えると、遊技者は、一般入賞口63と、内レール61付近とで視線を動かして、各箇所での情報を得ることが必要となる。しかし、視線を動かす回数が多いと、遊技者の疲労が大きくなり、遊技に対する意欲が減退することにつながり易いという問題が生じる。
これに対し、本実施形態では、視線を動かすことなく、複数箇所の情報を得ることができるように構成される。即ち、突条部155を見る視線YE1から視線を動かさなくても、内レール61付近への球の到達頻度と、一般入賞口63への球の入球頻度とを把握することができる。これにより、遊技者の疲労の低減を図り、遊技に対する意欲の減退を防止しながら、遊技者に利益のある情報を効率的に把握させることができる。
なお、一般入賞口63への入球の有無は、反射光R1の態様が変化すれば把握可能なので、対向板部153を介する光の反射の程度は何ら限られるものではなく、種々の態様が例示さえる。例えば、シボ加工が施され光の反射効率が低い形状でも良いし、鏡面加工が施されたり、鏡面を有する別部材(シール部材や、鏡状部材)を配設したりして光の反射効率を高くしても良い。
また、対向板部153の板正面とベース板60の板正面との角度は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、平行であっても良いし、対向板部153の板正面を傾斜面として構成しても良い。これにより、反射光R1の光源の位置に好適に対応することができる。
図8は、図6のVIII−VIII線における遊技盤13の断面図である。図8に示すように、下板部152に到達(着地)した球は流下経路L3を通り遊技領域の下方へ向けて流下する。
流下経路L3で流下する球は、ガラスユニット16(前側)やベース板60(後側)に当たりながらアウト口71の正面側に到達し、その後、アウト口71を通り遊技領域から排出される。
球の勢いが強い場合、下板部152の下端部から右方へ飛び出した球が可動役物640aに衝突する可能性がある。この衝突により可動役物640aが破損すると、正常な遊技の継続が困難となるので、球が可動役物640aに衝突することを回避することが望ましい。
また、可動役物640aの正面側には光透過性樹脂から形成される前意匠部材FD1が配設されており、可動役物640aは前意匠部材FD1に覆われているので、可動役物640aの破損の有無に気付き難い。このことからも、可動役物640aの破損を未然に防ぐことが求められ、球が可動役物640aに衝突することを回避することが望ましい。
これに対し、本実施形態では、流下経路L3中に突条部155を設け、球を減速させることで、下板部152の下端部から右方へ飛び出した球が可動役物640aに到達するために必要な勢い未満に、球の勢いを落としている。これにより、可動役物640aの破損を未然に防ぐことができる。
図8に示すように、突条部155は、上面視における球案内部材154の左右幅に含まれる位置に配設されている。詳細に言えば、球案内部材154は、球の通過経路の左右幅と、その左右に配置される一対の締結部の左右幅との合計が、突条部155の左右幅(約16[mm])以上となるように構成される。
これにより、球案内部材154を突条部155の保護部材として利用することができる。即ち、突条部155へ向けて球が落下する場合に、球案内部材154が、その球の落下経路と干渉することになるので、球の落下経路を変化させることができ、球が突条部155に衝突(着地)することを回避し易くすることができる(頻度を下げることができる)。
従って、球と突条部155との当接を、下板部152に着地した後で流下(転動)する球との当接に限定し易くすることができるので、球の衝突により突条部155が割れたり破損したりすることを防止することができ、突条部155による球の減速効果を長期間維持することができる。
上述のように、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81を正面視で囲むようにして、センターフレーム86が配設されており、そのセンターフレーム86の大きさに合わせて窓部60aが開口形成されているが、本実施形態では、センターフレーム86の形状に対する窓部60aの形状に特徴がある。このことについて、図9を参照して説明する。
図9は、ベース板60の正面図である。図9では、ベース板60に組み付けられた状態におけるセンターフレーム86の形状を示す線が想像線で模式的に図示される。
即ち、センターフレーム86は、光透過性の樹脂材料から形成される部材であって、ベース板60に正面側から対向配置され締結ネジを通す貫通孔が形成される平板状の平板部86aと、その平板部86aの正面側に壁状に張り出し遊技領域の境界部を構成する境界壁部86bと、内レール61と境界壁部86bの左下部との略中間位置において平板部86aの正面側に板状に張り出し、近接する境界壁部86bと平行に設けられる分流板部86cとを備えるところ(図5参照)、図9では、平板部86aの外側縁形状および内側縁形状と、境界壁部86bの形状と、分流板部86cの形状とが、想像線で図示される。
図9に示すように、境界壁部86bが球の転動面(流下面)を構成する範囲(境界壁部の外側面を通る法線が上側を向く範囲)において、ベース板60の窓部60aは、正面視で境界壁部86bの外側まで広がる範囲で設けられている。そのため、境界壁部86bの内側(窓部60aの中心側)のみでなく、境界壁部86bの外側においても、窓部60aを通して光を通過させることができる。
これにより、境界壁部86bの上面を転動する球に対して、窓部60aを通過した光を当てることができ、球を光らせる発光演出を実行することができる。ここで、境界壁部86bの上面は、第3図柄表示装置81(図2参照)に注目しながら遊技を行う遊技者に対して、死角となり易い箇所であり、球が部分的に隠れやすく見え難い箇所になり易いが、球があるか無いかで窓部60aを通過した光の態様が変化するので、遊技者は、光の態様を確認することで球があるか無いかを容易に把握することができる。
また、本実施形態では、この死角を利用して、演出を実行する領域の効率化を図っているが、このことについて図10を参照しながら説明する。
図10は、図9のX−X線に対応する線における遊技機13の断面図である。図10では、第3図柄表示装置81を真正面から見て遊技する際の遊技者の目の配置の一例が図示される。図10に示す目の配置では、第3図柄表示装置81を前後方向の視線YE2で視認することができる一方で、センターフレーム86の上部に配設される境界壁部86bは、仰ぎ見るような方向視の視線YE3で視認することになる。
視線YE3で遊技領域を見る場合、視界の少なくとも一部が境界壁部86b及びその内側(下側)に配置される装飾部分に遮られ、その境界壁部86b及び装飾部分に遮られる被遮蔽範囲SE1が見え難くなる(死角となる)。本実施形態では、この被遮蔽範囲SE1に前後方向で重なる位置において、ベース板60を敢えて開口形成し窓部60aを設けている。換言すれば、被遮蔽範囲SE1を、模様や図形が描かれる箇所としては扱わないことにより、死角となる範囲の有効利用を図っている。このことについて、以下で説明する。
従来、ベース板60を木製部材で構成する場合、主に遊技領域の背面側の範囲に模様や図形が描かれた(プリントされた)シールが貼られることで、遊技機ごとの個性を創出するという装飾方法が採用されていた。
この場合において、境界壁部86b及び装飾部分のように遊技領域側に張り出す壁状部付近の、死角となり易い範囲に、模様や図形を描いておいても遊技者に視認され難いことから演出効果を高くすることが難しい。
この死角となり易い範囲にはシールを貼らないという選択肢もあり、それによりシールの面積を小さくすることでシールの材料費を削減することができるが、遊技者の視線は常に固定されるものでは無いことから、視線が変わることで、シールが貼られておらずベース板60(木製の板部材)がむき出しの箇所が視認されると、遊技者に対して安っぽいという印象を与えてしまい遊技意欲の減退を招く可能性がある。そのため、死角となり易い範囲に装飾用のシールを貼らないという選択肢が好ましいとはいい難く、改良が望まれていた。
また、死角から外れた範囲で模様や図形を完結させる場合には、ただでさえ大きさが限られている遊技領域を、更に狭めた範囲において模様や図形を描く必要があり、遊技領域の装飾の自由度を高くすることが困難であった。
これに対し、本実施形態では、被遮蔽範囲SE1の少なくとも一部と重なる範囲においてベース板60に窓部60aを配設することで、被遮蔽範囲SE1を図形や模様を描く箇所としてでは無く、光の通り道として採用している。即ち、本実施形態によれば、ベース板60の背面側に配置される演出手段(例えば、被軸支手段760、図37参照)から照射され正面側へ進行する透過光R2が、被遮蔽範囲SE1における平板部86aを透過するように構成することができる。
これにより、模様や図形が描かれたシールを被遮蔽範囲SE1には貼らないという選択肢を選んだ場合であっても、被遮蔽領域SE1を視認する遊技者に対しては透過光R2に照らされ輝く平板部86aを見せることができるので、遊技者に対して安っぽいという印象を与える可能性を低くすることができる結果、遊技意欲の減退を防止することができる。
加えて、視線YE3と透過光R2とが重なることから、遊技者に対して、ベース板60に貼られるシールに描かれている模様や図形と、透過光R2とを重ねて視認させることができる。少なくとも、透過光R2の照射状態と、非照射状態とで、視線YE3で視認される遊技領域の見え方を変化させることができるので、遊技領域の装飾の自由度を向上することができる。
このように、本実施形態では、死角としての被遮蔽範囲SE1を有効利用し、遊技盤13の装飾の自由度を高くすることができる結果、遊技盤13の演出効果を高くすることができる。
本実施形態では、境界壁部86bは、上端部から左下側へ延設される左境界壁部86b1と、上端部から右下側へ延設される右境界壁部86b2とを備えており、それぞれ、遊技領域内で視認可能な光を通す領域が線状に構成されるが、幅が異なる。
即ち、右境界壁部86b2側では、外レール62や外縁部材73との間隔が狭く、球の経路がほぼ一定となるので、光を通す幅も狭く構成される(約5[mm]以下)。これに対し、左境界壁部86b1側では、球が着地する箇所は発射強度で様々であり、着地までの間に釘(図示せず)に衝突したか否かでも、着地後の跳ね方が変化するため、球の経路は一定になり難い(ばらつきが生じる)。そのため、本実施形態では、球の流下経路のばらつきに対応することを一つの目的として、光を通す幅を広く構成している(最大約12[mm])。
特に、分流板部86cの周囲においては、窓部60aが分流板部86cの左右両範囲と重なる位置まで広げられる態様で設けられ、光を通す幅は球の直径以上とされる(約11[mm]以上)。これにより、分流板部86cの左右どちらを流下する球に対しても、透過光R2を当てることができる。
このように、本実施形態によれば、境界壁部86bを転動する球に透過光R2を当て易いように窓部60aの形状が設計されているので、遊技領域を流下する球に効率的に透過光R2を当てることができる。そのため、境界壁部86bに遮られ、死角となり易い箇所を球が流下する場合であっても、球の有無に対応して透過光R2の見え方を変化させることができるので、球の有無を遊技者に容易に把握させることができる。
透過光R2の照射態様の一例について説明する。例えば、左打ちで遊技するように遊技者に報知する場合に左境界壁部86b1側へ光を照射し、右打ちで遊技するように遊技者に報知する場合に右境界壁部86b2側へ光を照射するように制御しても良い。この場合、遊技者は、境界壁部86bを見ることによって、左打ちで球を発射すれば良いか、右打ちで球を発射すれば良いかを容易に把握することができる。
また、透過光R2の照射態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、点灯を継続する照射態様でも良いし、点灯と消灯とを繰り返す(点滅する)照射態様でも良い。
また、分流板部86cの周囲を光らせる照射態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、分流板部86cの左右共に光らせる照射態様でも良いし、分流板部86cの左右いずれか一方を光らせる照射態様でも良い。
例えば、分流板部86cの左方を球が流れる場合のほとんどが、球の発射強度が特定の基準よりも弱まった時に限られるように遊技領域が構成される場合、分流板部86cの左側のみを光らせるように透過光R2を照射する制御態様においては、遊技者は、この透過光R2の明るさ確認することで、球の発射強度が特定の基準よりも弱まっているか否かを容易に把握することができる。
即ち、分流板部86cの左側を球が通る際に透過光R2が球に遮られ、分流板部86cの左側が暗く視認されることになるので、透過光R2の明るさと、球の発射強度が特定の基準よりも弱まっていることとを関連付けることができる。これにより、球の着地位置を確認することで球の発射強度を把握する場合に比較して、遊技者が球の発射強度を調整(維持)する際に感じるストレスを低減することができる。
このように、本実施形態によれば、境界壁部86bや分流板部86cに遮蔽され死角となる箇所を、背面側から正面側へ向けて進行する透過光R2の通り道として構成することで、遊技領域における光演出の自由度を向上することができる。なお、死角が構成される範囲は、境界壁部86bの上方や分流板部86cの左方に限られるものでは無く、種々の態様が例示される。
例えば、第1入賞口64の左右下側へ向けて延びる一対の板状部の下方の範囲でも良いし、内レール61や外レール62の外方(遊技領域の反対側)の範囲でも良いし、左側演出ユニット150の上板部151(図5参照)の下方の範囲でも良いし、遊技領域の左側に配置される一般入賞口63へ球を案内する球案内部材154(図5参照)の下方の範囲でも良いし、遊技領域の右側に配置される一般入賞口63(図2参照)の右下側へ向けて延びる板状部の下方の範囲でも良いし、センターフレーム86の外方(正面視で第3図柄表示装置81の反対側)の範囲でも良いし、ベース板60の正面側へ向けて張り出すその他の板状部の周辺範囲でも良い。
図5に戻って説明する。右側演出ユニット160は、可変入賞装置65を備えるユニットであり、ベース板60の小窓部60bに正面側から嵌合される。可変入賞装置65の特定入賞口65a(図2参照)に入球した球は、右側演出ユニット160の背面側に形成される流下経路FL1(図11参照)を流下して、図示しない球排出路へと案内される。
図11は、右側演出ユニット160の背面図である。右側演出ユニット160は、背面側へ向けて開放される開放部を有し流下経路FL1の正面側部を構成するベース部材161と、流下経路FL1の背面側部を構成する第1流路部材162及び第2流路部材163と、その第2流路部材163の正面側に配置され第2流路部材163と嵌合可能に構成される調整部材165と、正面側へ向けて発光するLED等の発光手段が配設される複数の電飾基板168とを備える。
特定入賞口65aを通り、流下経路FL1に進入した遊技球は、第1流路部材162の正面側を流下し、その後で第2流路部材163の正面側を流下する。即ち、第1流路部材162は、第2流路部材163よりも上流側において流下経路FL1を構成する。
電飾基板168は、可変入賞装置65の開閉板の背面側に配置される第1電飾基板168aと、球流路外の範囲の背面側に配置される第2電飾基板168bと、第2流路部材163の背面側に締結固定され流下経路FL1の背面側に配置される第3電飾基板168cとを備える。
なお、図11において電飾基板168の内側に各LED(発光手段)の外形が隠れ線で図示される。図11に示すように、各LEDは、箇所によって粗密が分かれるような配置では無く、電飾基板168に略均一に分散配置される。
第1電飾基板168aにより、可変入賞装置65の開閉板や、その開閉板の開放状態において遊技球が進入可能となる開放部を光らせる発光演出を実行することができる。第2電飾基板168bにより、右側演出ユニット160の内部に流下する遊技球とは関係なく、右演出ユニット160の正面意匠部分を光らせる発光演出を実行することができる。
第3電飾基板168cにより、流下経路FL1を流下する遊技球と関連して光り方が変化する発光演出を実行することができる。即ち、第2流路部材163に遊技球が配置される場合には、第3電飾基板168cから発光される光が遊技球に遮られることで生じる影を遊技者に視認させることができる。一方で、第2流路部材163に遊技球が配置されない場合には、遊技球の影は視認されないようにすることができる。
第3電飾基板168cから照射される光は、第2流路部材163、調整部材165、ベース部材161を順に経て、右側演出ユニット160の正面側へ通過し、遊技者に視認されるところ、通過する部材が多くなるほど視認される光の光量が減衰し易い。
これに対し、本実施形態では、調整部材165は、第2流路部材163の下端部(流下経路FL1であって遊技者から視認される範囲の終端部)の正面側に配置されているので、光量が減衰し易い箇所を流下経路FL1の終端部付近に限定することができる。これにより、流下経路FL1の途中位置で光量が減衰する場合に比較して、第3電飾基板168cから照射される光による演出効果を向上することができる。
更に、流下経路FL1を通る球は正面視でも視認可能であるところ、遊技者は、通常、遊技領域の右下部に配置される右側演出ユニット160を見下ろしている。そのため、遊技者の視線と第3電飾基板168cと結ぶ直線(遊技者の目からパチンコ機10に近づくにつれて斜め下向きに傾斜する直線)が、調整部材165と第3電飾基板168cとを結ぶ線分(調整部材165の一部を通り前後方向に延びる直線)と交差する可能性は低い。
これは、調整部材165を遊技者の目から離れた位置(窓部14c(図2参照)の下端位置付近)に配置したことよる効果であるが、これにより、調整部材165により光量が減衰された範囲を遊技者が注目する可能性を低くすることができる。従って、第3電飾基板168cから照射される光により遊技者に視認される光の演出効果が、調整部材165により低下することを回避することができる。
図12は、右側演出ユニット160の分解背面図であり、図13は、右側演出ユニット160の分解正面斜視図であり、図14は、右側演出ユニット160の分解背面斜視図である。なお、図12では、理解を容易とするために第1流路部材162はベース部材161に組み付けられており、第2流路部材163及び調整部材165は分解された状態が図示される。
ベース部材161は、背面側へ向けて開放され流下経路FL1の正面側側面が形成される半形成部161aと、背面側へ円柱状に突設され先端に形成される雌ネジに第1流路部材162に挿通される締結ネジが螺入される一対の柱状締結部161bと、その柱状締結部161bよりも突設長さが長く、背面側へ円柱状に突設され先端に形成される雌ネジに第2流路部材163に挿通される締結ネジが螺入される特定柱状締結部161cと、その特定柱状締結部161cの基端側において径外方向に薄板状に突設される複数の突条部161dと、特定柱状締結部161cを含む範囲でベース部材161の背面側から正面側へ凹設形成される凹設部161eとを備える。
複数の突条部161dは、調整部材165の切り欠き部165e及び外径凹設部165gと対応する角度位置に形成されており、切り欠き部165eを突条部161dに合わせることで、調整部材165の組み付け時における姿勢合わせを容易に行うことができる。
凹設部161eは、調整部材165の板状部165aに対応する形状(調整幅の分だけ大きな形状)で凹設され、板状部165aを配置するための凹部として機能する。凹設部161eに板状部165aが配設される組立状態(図11参照)では、ベース部材161の背面が配置される面上に、板状部165aの背面が配置される(換言すれば、ベース部材161の背面と板状部165aの背面とが面一に配置される)。
即ち、調整部材165は、流下経路FL1の正面側に配置される部材でありながら、凹設部161e内における配置の違いが、流下経路FL1の形状に影響を与えるものでは無い。そのため、後述するように、調整部材165を凹設部161eとの間の調整幅で位置調整した場合であっても、その位置調整によって流下経路FL1の形が変化することを防止することができる。
換言すれば、調整部材165の配置に関わらず、ベース部材161、第1流路部材162及び第2流路部材163が球を流下させるのに適した配置で組み付けられれば、球は流下経路FL1を流下可能に構成される。従って、調整部材165にも半形成部161a,162a,163aに見られるような流路形状の一部(例えば、ハーフパイプ形状)が形成される場合に比較して、右側演出ユニット160の組み付けの難易度を低くすることができる。
第1流路部材162は、正面側へ向けて開放され流下経路FL1の背面側側面が形成される半形成部162aと、柱状締結部161bに締結固定される締結ネジが挿通可能に穿設される一対の挿通孔162bと、背面側へ円柱状に突設され先端に形成される雌ネジに第2流路部材163に挿通される締結ネジが螺入される柱状締結部162cとを備える。
第2流路部材163は、正面側へ向けて開放され流下経路FL1の背面側側面が形成される半形成部163aと、柱状締結部162bに締結固定される締結ネジが挿通可能に穿設される挿通孔163bと、特定柱状締結部161cに締結固定される締結ネジが挿通可能に穿設される挿通孔163cと、半形成部163aの正面側端から正面側へ細径円柱状で突設される複数の嵌合凸部163dとを備える。
調整部材165は、光透過性の樹脂材料から形成される部材であって、凹設部161eの外形よりも若干小さな外形で凹設部161eの凹設深さと同等の厚みの板状に形成される板状部165aと、嵌合凸部163dと対応する位置で嵌合凸部163dの直径よりも若干大きな直径で板状部165aに穿設される複数の嵌合孔165bと、板状部165aの上面と背面とが交差する角部において面取り形成される面取り部165cと、板状部165aの右端部において正面側が開放される深皿上に形成される皿部165dと、その皿部165dの縁部から皿底側へ向けてテーパを付けて切り欠き形成される切り欠き部165eと、皿部165dの底部中央に特定柱状締結部161cの直径よりも十分に大きな内径で前後方向に穿設される調整孔165fと、その調整孔165fの外径方向へ向けて調整孔165fに凹設される複数の外径凹設部165gとを備える。
嵌合孔165bは、組立状態(図11参照)において、第2流路部材163の嵌合凸部163dと嵌合可能に構成されており、この嵌合により、第2流路部材163の剛性強化を図ることができる。
詳述すると、第2流路部材163は、材料コストからみた観点だけでなく、第3電飾基板168cの正面に配設されるLED等の発光手段から照射される光が遊技者に視認され易いようにする目的から(光の減衰を抑制する目的から)、薄肉で形成することが望ましい。
一方で、第2流路部材163を薄肉で形成した場合、対策無しでは、流下する遊技球から与えられる負荷によって流路の外方へ向けて第2流路部材163が変形する虞がある。これに対し、本実施形態では、第2流路部材163の嵌合凸部163dを嵌合孔165bに嵌合させることにより、流路の外方へ向かう負荷に対する抵抗力を生じさせることができる。これにより、第2流路部材163の変形を防止することができる。
面取り部165cは、流下経路FL1を流下する球に角部が衝突することを避けるための加工部である。そのため、流下経路FL1を流下する球と対向配置される最低限の箇所(例えば、一対の嵌合孔165bの間の範囲)にのみ形成されていれば足り、そのように形成することで、余分な加工コストを削減することができる。
流下経路FL1を流下する球に対向配置する角部に面取り部165cが形成されることにより、寸法誤差等により調整部材165がベース部材161の凹設部161eから背面側へはみ出す場合であっても、球と調整部材165の衝突箇所を面で構成することができる。これにより、調整部材165が破損する可能性を低くすることができると共に、球の流下抵抗を低くすることができる。
皿部165dは、板状部165aに比較して背面側へ張り出しているので掴み易く、組み付け時またはメンテナンス等で調整部材165を取り外す際の持ち手として機能する。組み付け時には、切り欠き部165eにテーパがついていることで切り欠き部165eが突条部161dに案内され易くなっているので、調整部材165の姿勢合わせを容易に行うことができる。そのため、特定柱状締結部161cを調整孔165fに挿通させる組み付け作業を容易に行うことができる。
特定柱状締結部161cが調整孔165fに挿通された状態において、切り欠き部165e及び外径凹設部165gと、突条部161dとの隙間寸法を上限として、調整部材165の姿勢を変化(調整)することができる。なお、調整の態様については後述する。
ここで、調整部材165を可変部材と構成することの目的について説明する。本実施形態では、上流側の第1流路部材162、下流側の第2流路部材163共に、ベース部材161の背面側形状を利用して流下経路FL1の正面側形状を構成しており、流下経路FL1の正面側形状を構成する他の部材を第1流路部材162及び第2流路部材163それぞれに個別に用意する場合に比較して、流下経路FL1を構成する部材の個数を削減することができる。これにより、材料コストを低減することができる。
一方で、樹脂成形においては寸法にばらつきが生じるため、まったく同じ形状の流路部材ができるわけではない。流路部材の寸法のばらつきの生じ方によっては、流下経路FL1に球が通らなくなる場合もある。そのため、実際の組み付け工程では、ベース部材161に第1流路部材162を締結固定する際に流下経路FL1を球が通過することを確認し、球が通過可能な位置で第1流路部材162を締結固定し、その後、第2流下経路部材163を、第1流路部材162の柱状締結部162cと、ベース部材161の特定柱状締結部161cとに締結固定する。
このように、第1流路部材162のベース部材161に対する固定位置には、ある範囲の調整幅を設けることが好ましい。本実施形態では、挿通孔162bの内径と、その挿通孔162bに挿通される締結ネジの外径との差を調整幅として利用することができる。なお、この調整幅がいずれのものであっても、流下経路FL1の連結位置付近において第2流路部材163は第1流路部材162に直接的に締結固定されるので、流下経路FL1の形状を確保し易くすることができる。
この場合、第2流路部材163にも、第1流路部材162の調整幅の影響が生じる。ここで、第2流路部材163をベース部材161の背面と対向配置させるだけでなく、嵌合させた方が第2流路部材163の剛性を向上することができるのは上述の通りであるが、嵌合部がベース部材161に固定配置される場合、第1流路部材162の調整幅の影響で、ベース部材161側の嵌合部と、第2流路部材163側の嵌合部との位置がずれ、組み付け不良が生じる可能性がある。
この位置ずれを考慮して、ベース部材161側の嵌合部と第2流路部材163側の嵌合部とを隙間嵌めで嵌合してもいいが、隙間が大きい程、第2流路部材163の剛性を強化する作用が低下してしまい、好ましくない。
これに対し、本実施形態では、ベース部材161側の嵌合部を調整部材165に設け、調整部材165を第1流路部材162の調整幅を超える調整幅で配置を調整可能に構成することで、第1流路部材162の位置調整により生じる嵌合部の位置ずれを相殺することができ、組み付け不良が生じることを回避することができる。
この場合、調整部材165の嵌合孔165bと、第2流路部材163の嵌合凸部163dとの隙間を十分に確保する必要は無いので、隙間が小さな状態で嵌合させることにより、第2流路部材163の剛性を十分に強化することができる。
本実施形態によれば、図12に示すように、ベース部材161の寸法と、調整部材165の寸法との差が調整幅として利用される。例えば、ベース部材161の突条部161dの幅wa1が、調整部材165の外径凹設部165gの幅wa2に比較して短く構成されることで、調整幅を確保することができる(wa1<wa2)。
また、例えば、ベース部材161の凹設部161eの幅wb1が、調整部材165の板状部165aの幅wb2に比較して長く構成されることで、調整幅を確保することができる(wb1>wb2)。
また、調整部材165は、第2流路部材163の締結固定に伴い、調整孔165fが特定柱状締結部161cに脱落不能に支持され、嵌合孔165bに嵌合凸部163bが挿通され、板状部165aの背面が第2流路部材163の半形成部163aの正面側端部に当接可能に支持されることで、ベース部材161と第2流路部材163との間に固定される。
そのため、調整部材165を締結固定するための専用の締結具を不要とすることができるので、締結具の削減による製品コストの低下や、組立工数の削減を図ることができる。
図5に戻って説明する。動作ユニット300は、遊技盤13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されている。以下、この動作ユニット300について説明する。
図15及び図16は、動作ユニット300の正面図であり、図17は、動作ユニット300の正面斜視図である。なお、図15及び図17では、第1動作ユニット400及び第2動作ユニット700の各可動部材(各可動役物)が待機位置に配置された状態が図示され、図16では、第1動作ユニット400及び第2動作ユニット700の各可動部材(各可動役物)が第3図柄表示装置81の前方に張り出す張出位置に配置された状態が図示される。
図15、図16及び図17で示すように、動作ユニット300は、第3図柄表示装置81の正面側を上下方向に変位する可動役物が上下に配置されており、上下に配置される可動役物は互いに形状や動作態様が異なる。
上下に配置される可動役物は独立駆動可能に構成され、双方共に張出位置に配置されることで、第3図柄表示装置81の表示領域の大部分を隠すように構成される。換言すれば、上側に配置される可動役物または下側に配置される可動役物のいずれか一方が張出位置に配置される場合には、第3図柄表示装置81の他方の範囲は可動役物に隠されることは無く、この範囲を利用して液晶演出を実行することができることに加え、その液晶演出と、張出位置に配置された可動役物とを組み合わせた演出を実行することができる。
また、詳細は後述するが、下側に配置される可動役物は、複数(本実施形態では、4個)の可動役物が左右方向に並べられ、それぞれが独立して上下動作可能に構成されているので、全ての可動役物を張出位置に配置する状態(図16参照)以外にも、一部(例えば、左端)の可動役物だけ張出位置に配置する状態や、張出位置と待機位置との間の位置に異なる上下高さで可動役物を配置する状態等を構成することが可能である。
図18は、動作ユニット300の分解正面斜視図である。動作ユニット300は、底壁部311と、その底壁部311の外縁から立設される外壁部312とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケース310とを備える。
背面ケース310は、底壁部311の中央に矩形状の開口311aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口311aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
動作ユニット300は、背面ケース310の内部空間に、可動役物が開口311aの下側を含む経路で変位可能に配設される第1動作ユニット400と、開口311aの左右両側に配設され、発光演出等を行う左右演出ユニット600と、可動役物が開口311aの上側を含む経路で変位可能に配設される第2動作ユニット700と、がそれぞれ収容され、これを1ユニットとして構成される。
具体的には、第1動作ユニット400は、開口311aの下方位置において、第2動作ユニット700は、開口311aの上方位置において、それぞれ背面ケース310の底壁部311に配設される。なお、図18では、第1動作ユニット400及び第2動作ユニット700が背面ケース310から分解された状態が図示される。
左右演出ユニット600は、内部にLED等の発光手段を有する電飾基板を備えるが、その電飾基板が斜めに配設され、発光手段の光軸が遊技者側へ近づくほど左右内側へ向かうように傾斜することを特徴とする。これにより、発光手段の光軸が遊技者にとって手前側で交差するので、左右演出ユニット600から照射される光を立体的に視認させることができる。
背面ケース310は、外壁部312の正面側端部に遊技盤13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図2参照)において遊技盤13を面支持する支持板部313を備える。
支持板部313は、遊技盤13のベース板60に形成される嵌合凹部(図示せず)と嵌合可能な形状で正面側へ向けて突設される位置決め凸部313aと、ベース板60に締結される締結ネジを挿通可能に穿設される複数の挿通孔313bとを備える。
ベース板60の嵌合凹部に位置決め凸部313aを嵌合させることによりベース板60に対して背面ケース310を位置決めし、締結ネジを挿通孔313bに挿通し、ベース板60に螺入することにより、遊技盤13と動作ユニット300とを一体的に固定することができるので、遊技盤13及び動作ユニット300の全体としての剛性の向上を図ることができる。
なお、位置決め凸部313aの形状は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、ベース板60の嵌合凹部の内形(本実施形態では、円形または長円形)よりも若干小さな外形の凸部でも良いし、組み付け時の作業性を考慮して、嵌合隙間が大きくなるような形状(更に小さな外形)の突部でも良い。また、嵌合凹部の内形が矩形状に形成される場合には、それに対応して位置決め凸部313aの形状も矩形状とされることは当然想定される。
図5及び図18に示すように、本実施形態では、背面ケース310の左側および上側に支持板部313が多く密に配設され、右側および下側では支持板部313の形成が少なくされるが、これは遊技盤13及び動作ユニット300の全体としての剛性の向上と、スペース効率とのバランスを考慮して設計した結果である。
即ち、本実施形態のように遊技盤13のベース板60がベニヤ板を重ね合わせた合板から形成されている場合、遊技盤13の背面側に配設される可動部材はベース板60の肉部を通しては視認不能となるので、可動部材を視認可能に配設する演出用の領域として遊技盤13のベース板60に開口形成(または、側面から凹設形成)できる領域の背面側全体が有効となる。
これに対し、支持板部313を形成する箇所においては、支持板部313の正面視における面積の分だけ背面ケース310の内部空間が内側に侵食されることになるので、その分、可動部材を配設可能な領域が狭まることになる。そのため、支持板部313を省略しても強度的な問題が解消されたまま維持可能であれば、支持板部313を省略することで可動部材の配設範囲が制限されることを回避できるということである。
本実施形態において背面ケース310の左側および上側に支持板部313が多く配設されているのは、遊技領域等に発射された球を遊技者が視認可能な領域の範囲と関連がある。即ち、発射された球が視認される範囲以外の箇所において、支持板部313を形成するようにしている。
より詳しく説明すると、本実施形態において、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球は、内レール61及び外レール62の間を通り、戻り球防止部材68を通過するようにして遊技領域に導入され(図2参照)、それ以降は遊技領域を流下するように構成される。弾球遊技において、もっとも注目が集まると考えられる箇所は球が通る箇所であり、その他の外方領域(例えば、外レール62や内レール61を挟んで第3図柄表示装置81の反対側の領域)への注目力は低いことが通常である。
そのため、球が到達し得ない範囲としての、外レール62により形成される左に凸の円弧を基準とした左下部および左上部と、上に凸の円弧を基準とした左上部および右上部とへの遊技者の注目力は低くなると考えられる。
加えて、本実施形態では、上述の外縁部材73と、外レール62の左下部および左上部における外レール62に対する面が外レール62に沿う形状に形成され遊技盤13の正面側に配設されるブロック状部材74とは、光不透過の樹脂材料から形成されており、遊技盤13がそもそも光を透過し難いベニヤ板から構成されていることに加え、遊技盤13の正面側から外縁部材73やブロック状部材74を介して遊技盤13の背面側を視認することはできないように構成されているので、尚更、遊技者の注目力は低くなると考えられる。
本実施形態では、これらの注目力が低くなる箇所や、視認不能な箇所に、優先的に支持板部313を配設している。現に、支持板部313が多く形成される左側部および上側部においても、支持板部313は、外レール62の張出端部としての中央部は避けて、背面ケース310の隅部付近に形成される。
換言すれば、支持板部313を形成することによりスペースが侵食される箇所を、そもそも視認性の低い(演出能力の低い)箇所から選択することにより、動作ユニット300及び遊技盤13全体の剛性の確保を図るという効果を奏しながら、球に注目する遊技者の視界に入る領域の設計自由度を高く確保することができる。
この観点において、球発射ユニット112a(図4参照)により発射された球を外レール62に沿って転動させ遊技領域に導入するというパチンコ機に共通の構成があることから、球が流下しない範囲を左下部、左上部および右上部に容易に配設することができる。
なお、本実施形態では、下側の外壁部312から延設される支持板部313は、左右および上方の外壁部312から延設される支持板部313よりも背面側にずれて配置される。この構成から、左右および上方の支持板部313に形成される位置決め凸部313aは、ベース板60の背面に形成される嵌合凹部に嵌合され、その一方で、下方の支持板部313に形成される位置決め凸部313aは、ベース板60に直接的に嵌合されるのではなく、ベース板60の背面側に配設される球流下ユニット(図示せず)に対応する形状部が形成されており、その形状部に嵌合される。即ち、背面ケース310の下側に配置される位置決め凸部313aは、球流下ユニットを介してベース板60に間接的に固定される。
図19は、第1動作ユニット400の正面斜視図であり、図20は、第1動作ユニット400の背面斜視図である。第1動作ユニット400は、背面ケース310に正面側から嵌め入れられ、締結固定されるベース部材401を備え、そのベース部材401の正面側に、略同一構成の複合動作ユニット402が4個、左右に並ぶ位置に締結固定される。
複合動作ユニット402は、略サイコロ状に形成され、左右方向軸で回転可能に構成される回転ユニット500と、その回転ユニット500を昇降変位させる機構とを備える。以下、複合動作ユニット402の詳細について説明する。
図21(a)及び図21(b)は、複合動作ユニット402の正面斜視図であり、図22(a)及び図22(b)は、複合動作ユニット402の背面斜視図である。なお、図21(a)及び図22(a)では、回転ユニット500が上昇位置に配置された状態が図示され、図21(b)及び図22(b)では、回転ユニット500が下降位置に配置された状態が図示される。
複合動作ユニット402は、柱状部材431が回転ユニット500を上下方向に案内し、駆動モータ441が回転ユニット500を上下動作させるための駆動力を発生させる。回転ユニット500の内部に案内される電気配線DK1は、複数の電線の束から構成されており、柱状部材431が配設される側の左右反対側を通って垂れ、弛みながら配線補助手段460に進入可能に構成される。以下、複合動作ユニット402の各構成について説明する。
図23及び図24は、複合動作ユニット402の分解正面斜視図である。なお、図23及び図24では、回転ユニット500の分解を省略した状態が図示される。
図23及び図24に示すように、複合動作ユニット402は、回転ユニット500を支持する支持手段410と、その支持手段410に積層され固定される積層手段420と、その積層手段420の移動方向を一方向(本実施形態では、上下方向)に限定することで支持手段410の移動を案内する案内手段430と、支持手段410を移動させる駆動力を発生する駆動モータ441を有する駆動手段440と、駆動モータ441を支持する分割ベース部材442と、駆動モータ441の駆動ギア441aに歯合され駆動力を伝達可能に構成される伝達手段450と、支持手段410の移動量に対応可能な長さの電気配線DK1を絡まりや挟み込み無く配置(収容)可能に構成される配線補助手段460とを主に備える。
支持手段410は、平板状に形成される平板部411と、その平板部411の上面から環状に突設される環状突部412と、その環状突部412の中央部に上下方向に開放される貫通孔として形成される異形孔413と、平板部411の正面縁部から下方へ折曲形成される正面垂部414と、その正面垂部414の左端に連設される板状部であって平板部411の左縁部から下方へ折曲形成される左面垂部415と、その左面垂部415の下端部において前後方向に延びる長孔として穿設され伝達手段450の連結部材454が挿通される貫通長孔416aを有する接続板部416とを備える。
積層手段420は、略前後対称の板状部材として構成される端板部材421と、その端板部材421の前後端部に凹設形成される凹設部422と、その凹設部422に収納可能な大きさの円筒状に構成される案内筒状部423と、端板部材421及び支持手段410の間に配設され端板部材421に締結固定され凹設部422を右方から覆う右蓋部材424とを主に備える。
案内筒状部423は、端板部材421の前後端部に凹設される凹設部422の内、前側端部の凹設部422にのみ収容されており、後側端部の凹設部422には配設されていない(配設を省略している)。
これにより、案内筒状部423を前後の凹設部422の双方共に配設する場合と同様に、回転ユニット500が下降位置または上昇位置に配置されている時に伝達手段450により支持される後側端部(図34(c)参照)から最も遠い前側端部において生じる姿勢ずれを最小限に抑えることができるので、回転ユニット500の配置を安定化させることができる。
更に、案内筒状部423を前後の凹設部422の双方共に配設する場合に比較して、伝達手段450により支持される後側端部においては凹設部422と柱状部材431との隙間をより空けることができるので、積層手段420が上下移動する際に生じる抵抗を低減することができる。
右蓋部材424は、端板部材421に締結固定される締結ネジが挿通される一対の挿通孔424aと、端板部材421側から右蓋部材424を貫通して挿通され支持手段410の左面垂部415に締結固定される締結ネジが挿通可能に開口形成される複数の挿通開口部424bと、積層手段420の案内筒状部423を上下方向への脱落を不能とする形状で受け入れ可能に凹設される凹設支持部424cとを備える。
案内手段430は、案内筒状部423又は凹設部422の少なくとも一方を通るように前後一対で配設される金属製の柱状部材431と、その柱状部材431の左面に配置され金属板から構成される金属板部432と、その金属板部432の上側部から右方に折曲形成される上側折曲部433と、金属板部432の下側部から右方に折曲形成される下側折曲部434と、金属板部432の後側部から右方に折曲形成される後側折曲部435とを主に備える。
金属板部432は、上部から下方へ向けて切り欠かれ、左面視U字形状に形成される。これにより、組立作業者またはメンテナンス作業者は、切り欠かれた範囲を通して端板部材421の前後中間部(前後一対の凹設部422間の部分)に到達することができるので、組立作業またはメンテナンス作業の効率化を図ることができるが、詳細は後述する。
金属板部432は、前後方向中央部を除く箇所において、端板部材421と左右方向で近接配置される。これにより、端板部材421が左右方向に変位することがあったとしても、その変位を、柱状部材431との当接のみでなく、金属板部432との当接によっても規制することができる。
これにより、積層手段420の左右方向への変位を抑制することができるので、積層手段420に締結固定される支持手段410及び、その支持手段410に連結される伝達手段450の左右方向への変位を抑制することができる。
上側折曲部433及び下側折曲部434は、上下方向視で重なる位置で穿設される貫通孔であって、柱状部材431を挿通し支持可能な大きさで形成される支持孔433a,434aを備える。
柱状部材431は、組立状態において、支持孔433a,434aに挿通され、端部が、上側折曲部433の上側および下側折曲部434の下側から若干張り出す長さで形成される(図21(a)参照)。この若干の張出部分に外径方向から凹設形成される溝部に、所謂「Eリング」を嵌め込むことで支持孔433a,434aに対する柱状部材431の抜けを防止している。
下側折曲部434は、分割ベース部材442を下支えした状態で安定的に支持する。この支持された状態において、分割ベース部材442の背面側板部が後側折曲部435と前後方向で重なり、分割ベース部材442の背面側に配設されるベース部材401(図20参照)を通して背面側から挿通される締結ネジが後側折曲部435に形成される雌ネジ部に締結固定されることで、ベース部材401、分割ベース部材442及び案内手段430を一体的に固定することができる。
駆動手段440は、分割ベース部材442の仕切り板部442aにより、構成要素が機能ごとに左右に分けて配置される。即ち、仕切り板部442aの左側には、駆動力を伝達するための構成(伝達手段450等)が配置され、仕切り板部442aの右側には、電力供給のための構成または電力を供給される構成(駆動モータ441の本体部、電気配線DK1が収容される配線補助手段460等)が配置される。なお、図23及び図24では、電力供給に用いられる電気配線DK1の図示が省略されているが、電気配線DK1の配線補助手段460との関係および変位の詳細は後述する。
駆動モータ441は仕切り板部442aに右側から取り付けられ、駆動ギア441aは仕切り板部442aに穿設される開口部を通して仕切り板部442aの左側に張り出す。組立状態(図21参照)において駆動モータ441が駆動され駆動ギア441aが回転すると、駆動ギア441aと歯合する伝達ギア451を介して伝達手段450に駆動力が伝達される。
仕切り板部442aは、左面から左方へ柱状に突設される複数の突設部442bと、上端の突設部442bの上方に固定され突設部442bの突設方向と平行な軸を有する円柱状に形成される金属製の金属円柱部442cと、検出溝が金属円柱部442cと対向配置される姿勢で締結固定されるフォトカプラ形式の検出センサ442dと、左右方向に開口形成される開口部442eとを主に備える。
突設部442bは、それぞれ、伝達ギア451や中間ギア452を軸支可能に構成され、突設先端に雌ネジが形成されており、その雌ネジにツバ付きの締結ネジを締結固定することで、伝達ギア451や中間ギア452を脱落不能に軸支することができる。金属円柱部442cは、回動アーム部材453を軸支可能な直径で形成される。
検出センサ442dは、回動アーム部材453の被検出板部453dが検出溝に配置されることを検出可能に構成される。これにより、回動アーム部材453の位置を検出することができる。
開口部442eは、分割ベース部材442と配線補助手段460との間に到達した電気配線DK1を、左右方向に通し、背面側へ案内するための開口であるが、詳細は後述する。
伝達手段450は、駆動ギア441aと歯合する伝達ギア451と、その伝達ギア451の上側(駆動ギア441aの反対側)に配置され伝達ギア451と歯合する中間ギア452と、その中間ギア452と歯合するギア部453aを有する回動アーム部材453と、その回動アーム部材453の回転先端部において脱落不能に支持される連結部材454とを主に備える。
回動アーム部材453は、仕切り板部442aの金属円柱部442cに回転可能に支持される部材であって、回転軸を中心とする円弧に沿ってギア歯状に形成されるギア部453aと、そのギア部453aに対して軸方向でずれた位置において径外方向へ延設される延設腕部453bと、その延設腕部453bの延設先端部において回転軸と平行な方向で開口形成される支持孔453cと、延設腕部453bから回転方向に沿って延設される被検出板部453dとを備える。
連結部材454は、先端側が貫通長孔416aに挿通される真鍮製円柱形状の被支持部454aと、その454aの基端側に嵌め込まれ基端側端部にフランジ状に張り出すフランジ部454cを有する合成樹脂製の嵌合蓋部454bとを主に備える。
被支持部454aの先端部には、周知のEリング(図示せず)が嵌め込まれる。これにより、連結部材454が貫通長孔416aから左向きに脱落することを防止することができる。そのため、積層手段420及び案内手段430を分割ベース部材442に組み付ける前の状態(組立途中の状態)において連結部材454が抜け落ちてしまい、連結部材454を紛失することを防止することができる。
なお、組立状態(図22(a)参照)においては、連結部材454の左側から右蓋部材424が対向配置される(左右方向で重なるよう配置される)ことにより、連結部材454の左方への脱落が物理的に規制される。
嵌合蓋部454bの外径は、貫通長孔416aの上下幅よりも短く形成され、フランジ部454cの外径は、貫通長孔416aの上下幅よりも長く形成される。これにより、貫通長孔416aと金属製の被支持部454aとの間に樹脂製の嵌合蓋部454bを配置することで、貫通長孔416aの変形を抑制することができ、加えて、フランジ部454cが貫通長孔416aを通過不能な寸法で構成されていることにより、連結部材454が貫通長孔416aから右方へ脱落することを防止することができる。
配線補助手段460は、左右方向で対応配置される2部材から有底容器形状に構成される。即ち、配線補助手段460は、仕切り板部442aの右面側に対向配置され仕切り板部442aに締結固定される左側部材461と、その左側部材461の右面側に対向配置され左側部材461の内部形状を左右方向視で覆うことができる形状とされ左側部材461に締結固定される右側部材468とを主に備える。
左側部材461は、仕切り板部442aの前後位置において右方へ嵩上げ形成される部分に締結固定され、対向配置される板状の対向板462と、その対向板462の前後縁部および下縁部から右方へ帯状に延設される帯状延設部463と、対向板462の上端部付近において右方に柱状に突設され突設先端部に雌ネジが形成される支持柱部464と、その支持柱部464の斜め上後側に電気配線DK1を支持する結束バンド等の細径部材を挿通可能な形状で構成される配線支持部465とを主に備える。
対向板462は、上述のように、仕切り板部442aの嵩上げ形成部分に締結固定されているので、仕切り板部442aの前後中間位置(嵩上げ形成部分以外の位置)において、対向板462と仕切り板部442aとの間には空隙が生じている。この空隙は、電気配線DK1を通過させる空隙として機能する。
電気配線DK1(図21、図22参照)は、詳細は後述するが、開口部442eを経由し、仕切り板部442aと配線補助手段460との間の空隙を経由し、配線支持部465を経由し、支持柱部464の後ろ側から下側を通り、支持柱部464の正面側を上方へ向かい支持手段410や回転ユニット500に支持される。
そのため、電気配線DK1は、支持手段410や回転ユニット500の上下移動に対応可能な長さ(余分長さ)が必要であり、この余分長さの電気配線DK1は、支持手段410や回転ユニット500が下降位置に配置されている場合には、支持柱部464に緩く巻かれた状態で配線補助手段460に収容される。
ここで、本実施形態では、配線補助手段460の形状は、支持柱部464に緩く巻かれる電気配線DK1に与える負荷が小さくなるように設計されている。即ち、支持柱部464に電気配線DK1が巻かれる場合、巻かれる電気配線DK1の長さが長くなるほど支持柱部464を中心とした電気配線DK1の最大径が大きくなるので、帯状延設部463と電気配線DK1との間の距離が短いと、帯状延設部463から電気配線DK1に反力としての負荷が生じる可能性があるところ、本実施形態では、支持柱部464の径方向に十分な間隔を空けて帯状延設部463が配設されている。
特に、後述するように、本実施形態では、回転ユニット500において配線補助手段460に近接する位置で電気配線DK1を支持する部分としての下延設部519が、支持柱部464の正面側に配置される。そのため、支持手段410及び回転ユニット500が下降位置へ移動することに伴い余る余分長さの電気配線DK1は、支持柱部464の主に正面側に配置される。
これに対応して、帯状延設部463は、支持柱部464を前後方向の基準として、支持柱部464よりも前側の方が、内部空間を大きく確保できるように設計されている。また、帯状延設部463は、支持柱部464の下方に、正面側へ向けて下方変位する面であって、下側に曲率半径の中心が配置される湾曲面である機能湾曲面463aを備える。
機能湾曲面463aは、その形状から、近接配置される電気配線DK1に対して反力としての斜め上前方向の負荷を与えることができる。これにより、電気配線DK1が、支持柱部464を基準として前側の範囲に集まり易くすることができる。
加えて、機能湾曲面463aが、配線補助手段460の内側へ突の湾曲形状とされることにより、駆動モータ441を配置するためのスペースを確保し易くすることができる。即ち、機能湾曲面463aの湾曲形状により、電気配線DK1の配置を安定化させることができることに加え、最小限のスペースで配線補助手段460及び駆動モータ441を配置することができる。
図25は、回転ユニット500の分解正面斜視図であり、図26は、回転ユニット500の分解背面斜視図である。図25及び図26に示すように、回転ユニット500は、支持手段410(図23参照)に締結固定され正面視コ字状に形成される固定手段510と、その固定手段510の内部に固定され回転中心部を構成する両端固定手段520と、その両端固定手段520に固定され固定手段510のコ字形状の内側に配設される軸構成手段530と、固定手段510のコ字形状の内側かつ軸構成手段530の左側に配設される回転左蓋部550と、その回転左蓋部550に締結固定され外形が略直方体形状とされる回転体560と、その回転体560の右側に締結固定され、且つ固定手段510のコ字形状の内側に配設される回転右蓋部570とを主に備える。
回転ユニット500の概要を説明すると、回転体560を主として、左右方向軸を中心に回転変位する回転部分と、固定手段510を主として、回転部分を支持する固定部分とから構成される。
回転部分は、回転体560、回転左板550、その回転左板550に歯合されるモータギア542、及び回転右蓋部570の従動板575から構成され、これらを除いた他の構成(固定手段510、両端固定手段520、モータギア542を除く軸構成手段530、及び回転右蓋部570の姿勢固定ブッシュ571)が固定部分を構成する。
固定手段510は、金属板が直角に折曲されることで正面視コ字状に形成されるコ字状金属板511と、そのコ字状金属板511の左右に対向配置されコ字状金属板511との間で閉じた断面を構成可能な形状から構成される左右固定蓋514と、コ字状金属板511の下方から締結固定され電気配線DK1を案内する案内部材516とを主に備える。
なお、左右固定蓋514の説明において、閉じた断面とは、完全な密閉(密着)を想定する意図では無く、本実施形態における目的に合わせた閉じ方であれば良い。即ち、本実施形態では、閉じた断面に電気配線DK1が通されることになるので、この電気配線DK1が通過不能な程度の開口(例えば、電気配線DK1の太さよりも開口径の小さな開口や、電気配線DK1の太さよりも大きい開口幅の方向が電気配線DK1の長尺方向に沿うことで電気配線DK1の収容が維持される開口等)であれば許容される。なお、電気配線DK1の経路の詳細は後述する。
コ字状金属板511は、長尺板状部の適所に雌ネジと位置決め用の貫通孔とが形成され、左右固定蓋514や案内部材516との位置合わせ及び締結固定に利用される。
コ字状金属板511は、板の両端部が対向配置されており、左右でそれぞれ異なる形状に切り欠かれている。即ち、左側には、略円形状の第1開口512が形成される一方、右側には、略瓢箪形状の第2開口513と一対の円状孔513aとが形成される。
案内部材516は、左右方向中央位置において上下方向に略瓢箪形状で穿設される異形孔517と、その異形孔517の右方においてコ字状金属板511との隙間を空けるよう構成される下げ底部518と、その下げ底部518の右後端部から下方へ延設される下延設部519とを主に備える。
異形孔517は、異形孔413(図23参照)の上方に位置し、電気配線DK1を案内可能な大きさで形成される。異形孔517の上方へ通過した電気配線DK1は、下げ底部518とコ字状金属板511との間に配設され、上方へ向けて曲がり、コ字状金属板511と左右固定蓋514との間に配設され、両端固定手段520の右固定ブッシュ522の内径側に配設され、コ字状金属板511の内側に配設される。なお、電気配線DK1の経路中における状態については後述する。
下延設部519は、上下移動に対応して上下移動する側の電気配線DK1を結束バンドで支持可能な形状で構成される部分である。即ち、平板部411の異形孔413の真右に形成部411aが結束バンドを固定可能な形状で形成される。電気配線DK1は、その形成部411aに結束バンドにより固定され、その形成部411aよりも背面側かつ下方に配設される下延設部519に結束バンドにより固定される。
これにより、電気配線DK1を背面側に寄せることができるので、電気配線DK1が正面側に変位して帯状延設部463の前上縁部と支持手段410の正面垂部414との間に挟まれることを回避することができる(図23参照)。
下延設部519の構成の内、右側面を構成する板部は、結束バンドのせり上がりを防止するための規制部として機能する。即ち、結束バンドは、下延設部519の下端部において下方に張り出すコ字状部に固定された状態で維持され、結束バンドのせり上がりを規制することで、下延設部519に対する電気配線DK1の固定位置を下延設部519の下端部付近に限定することができる。
両端固定手段520は、コ字状金属板511の第1開口512に左側から嵌め込まれる左固定ブッシュ521と、第2開口513に右側から嵌め込まれる右固定ブッシュ522とを備える。
左固定ブッシュ521及び右固定ブッシュ522は、第1開口512及び第2開口513の双方の上下に形成される切り欠き(凹部)に嵌め込まれる形成部(凸部)を備え、これらの凹凸嵌合により姿勢の安定が図られ、第1開口512及び第2開口513の内径よりも大径のフランジ状に形成されるフランジ状部により軸方向(左右方向)の位置決めがされる。
即ち、組立状態(図21参照)において、左固定ブッシュ521及び右固定ブッシュ522は、フランジ状部がコ字状金属板511と左右固定蓋514との間に配置されることで支持され、凹凸嵌合により姿勢が固定される。
左固定ブッシュ521は、回転軸位置に断面D字形状の支持孔521aが穿設されている。支持孔521aは、軸構成手段530の一端を支持する部分であるが、詳細は後述する。
右固定ブッシュ522は、円状孔513aに挿通される締結ネジを挿通可能に開口形成される一対の挿通孔523と、第2開口513に内嵌可能な異形の環状で左方へ突設する環状突部524と、略下半部において電気配線DK1の通過経路を確保する目的でフランジ状部の形成が省略される省略部525とを主に備える。
環状突部524は、コ字状金属板511の板厚を超える突設長さで形成される。これにより、軸構成手段530の突設締結部532の姿勢合わせを容易に行うことができるが、詳細については後述する。
軸構成手段530は、挿通孔523に挿通される締結ネジが螺入されることでコ字状金属板511に締結固定される軸右本体部531と、その軸右本体部531の左側に対向配置され軸右本体部531に締結固定される軸左本体部535と、その軸左本体部535に締結固定される駆動モータ541と、その駆動モータ541の駆動軸に固定されるモータギア542と、軸右本体部531及び軸左本体部535の正面側に配設される電飾基板543と、その電飾基板543の正面側に積層配置され、裏面に光拡散形状が形成され、軸右本体部531及び軸左本体部535に前後左右上下から挟まれることで位置決めされる光拡散板545と、軸右本体部531に右側から締結固定されるフォトカプラ方式の検出センサ547とを主に備える。
上述のように、軸構成手段530は、電気の供給が必要な複数の構成(即ち、駆動モータ541、電飾基板543及び検出センサ547)を備える。そのため、電気配線DK1をコンパクトに配置することが課題となると考えられる。これに対し本実施形態では、電気配線DK1の接続端子541a,547aの全てを、軸右本体部531及び軸左本体部535の対向間の領域にまとめている。
即ち、駆動モータ541の接続端子541aは、軸右本体部531及び軸左本体部535に囲まれて配置されるモータ本体部に配設されており、電飾基板543の接続端子(図示せず)は、軸右本体部531及び軸左本体部535の対向間を向く背面側に配置され、検出センサ547の接続端子547aは、軸右本体部531の開口部533aを通り軸右本体部531の左側(軸左本体部535側)へ張り出して配置される。
これにより、電気配線DK1を軸右本体部531及び軸左本体部535の対向間の領域に案内しさえすれば電気の供給を過不足無く行うことが可能であるので、電気配線DK1を軸右本体部531及び軸左本体部535の対向間の領域(相手側へ向けて延設される円弧形状壁の内径側の領域)に収めることができる。
更に、軸構成手段530とコ字状金属板511との締結、軸右本体部531と軸左本体部535との締結、軸左本体部535と駆動モータ541との締結、軸右本体部531と検出センサ547との締結の締結方向は、左右方向(回転軸に平行な方向)で統一される。そのため、軸構成手段530の径方向寸法を小さく構成し易くすることができる。
このように、軸構成手段530により、主要な機能部を集積させることができることに加え、電気配線DK1をコンパクトに収納することができる。以下、軸構成手段530の各構成の詳細について説明する。
軸右本体部531は、前後一対で右方へ向けて突設され突設先端に雌ネジが形成される突設締結部532と、その突設締結部532よりも下方位置において検出センサ547の接続端子547aが通過可能な大きさで左右方向に穿設される開口部533aと、突設締結部532の上方位置において電気配線DK1(及び先端に配設されるコネクタ)を挿通可能な大きさで左右方向に穿設される配線用開口533bと、軸右本体部531の正面板部の正面側に隙間を空けた位置に爪状に突設される一対の係止爪部534とを主に備える。
突設締結部532は、右固定ブッシュ522の環状突部524と緩く嵌合することで姿勢が固定され、先端部はコ字状金属板511に当接し、円状孔513a及び挿通孔523に挿通された締結ネジが螺入されることでコ字状金属板511に締結固定される。また、突設締結部532は、姿勢固定ブッシュ571の挿通孔572に挿通されるが、詳細は後述する。
係止爪部534は、組立状態(図21参照)において、電飾基板543及び光拡散板545を左右方向から挟み込むように支持するための部分である。加えて、正面板部の上下端部において正面側に突設される一対の規制突部534aで電飾基板543及び光拡散板545を(直接的または間接的に)挟むことで、上下方向の変位を規制可能に構成される。
軸左本体部535は、回転軸(左右方向軸)と直角に交差する板状に形成される板状部536と、その板状部536から右方に円柱状に突設され突設先端に雌ネジが形成される一対の突設締結部537と、板状部536から回転軸に沿って左方に円柱状に突設される軸支部538と、軸左本体部535の正面板部の正面側に隙間を空けた位置に爪状に突設される一対の係止爪部539とを主に備える。
突設締結部537は、軸左本体部535の円弧形状壁の右先端部が配置される平面と同一平面まで突設される。この場合、軸左本体部535の円弧形状壁および突設締結部537を、軸右本体部531の構成板部であって板状部536と平行に配置される板部に対して同一平面で当接させることができる。
これにより、軸右本体部531を軸左本体部535に対して安定して配置させることができ、軸右本体部531に開口形成される挿通孔に挿通される締結ネジを容易に突設締結部537の先端の雌ネジに螺入することができるので、軸右本体部531を軸左本体部535に容易に締結固定することができる。
軸支部538は、回転左蓋部550のフランジ付きギア551の中心に円形に穿設される円形開口よりも直径が若干短い円柱形状に構成されることで、フランジ付きギア551を回転可能に軸支する。加えて、軸支部538は、先端が支持孔521aよりも若干小さなD字形状に形成されることで、支持孔521aと嵌合可能に構成される。
即ち、組立状態(図21参照)において、軸支部538は、支持孔521aと嵌合することで回転不能に支持され、回転左蓋部550を回転可能に軸支する部分として機能する。
係止爪部539は、軸右本体部531の係止爪部534と略同一形状で構成されており、組立状態(図21参照)において、電飾基板543及び光拡散板545を左右方向から挟み込むように支持する。この時、背面側に隙間を空けて配置される正面板部と係止爪部534,539とで電飾基板543及び光拡散板545を挟むことで、前後方向の変位も規制することができる。
加えて、正面板部の上下端部において正面側に突設される一対の規制突部539aで電飾基板543及び光拡散板545を(直接的または間接的に)挟むことで、上下方向の変位を規制している。
これにより、電飾基板543及び光拡散板545を固定するための個別の固定手段(例えば、締結ネジ)を用意せずとも、軸右本体部531及び軸左本体部535の形状的工夫を利用したことで、軸右本体部531及び軸左本体部535の締結固定に伴い、電飾基板543及び光拡散板545を軸右本体部531及び軸左本体部535に固定することができる。
電飾基板543は、左端部に上下に並んで配設される複数のLED部材544を備え、LED部材544は、電飾基板543の面に沿って右方へ光軸が延びるよう配置されている。複数のLED部材544は、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDで複数色の発光演出を実行することができる。
光拡散板545は、裏面に光拡散形状が形成されているところ、この光拡散形状が、光拡散板545の面垂直方向へ光を面発光させることができるよう形成される。これにより、LED部材544の個数を少なくしながら、光拡散板545を透過した光が照射される回転体560を、ムラ無く光らせることができる。
検出センサ547は、回転体560の内側において、駆動モータ541や伝達ギア552等の駆動力伝達用の構成が配設される左側とは反対の右側に配設される。これにより、回転体560の内側のスペースを有効利用し、コンパクトに配置することができる。
検出センサ547を回転体560の内側に配設することにより、回転体560を昇降変位させることに伴う検出センサ547の変位を容易に実行することができる。換言すれば、検出センサ547が回転体560の外側に配置される場合、検出センサ547を支持する部材が回転体560の外側に配置されることがほとんどであるが、この場合、回転体560の昇降変位に伴い検出センサ547を昇降変位させるためには、検出センサ547を支持する部材も同様に変位させる必要がある。
これに対し、本実施形態のように、検出センサ547を回転体560の内側に配設する場合において、回転体560の回転軸を構成する部材に検出センサ547を配設することにより、回転体560の昇降変位(回転軸を構成する部材の昇降変位)に付随して、検出センサ547が昇降変位するよう構成することができる。
検出センサ547は、検出溝が、回転体560の回転軸を中心とした円の接線方向を向く姿勢で配設される。これにより、回転体560の偏心した位置から軸方向に沿って突設される被検出部577が検出溝を通過するよう構成することができる。
回転左蓋部550は、軸支部538に軸支されるフランジ付きギア551と、そのフランジ付きギア551に対して回転方向で固定される従動板555とを主に備える。
フランジ付きギア551は、モータギア542と歯合可能に配置される伝達ギア552と、その伝達ギア552の軸方向端部から径外方向へ延設され段付きの円板形状に形成される段付き円板部553と、その段付き円板部553の小径円の外周の特定位置(本実施形態では、円周を3等分する120度間隔の位置)から大径円の外周へ向けて突設される複数の突設部554とを主に備える。
従動板555は、段付き円板部553の小径円および突設部554の外形を回転軸方向視で連続的につなぐ形状よりも若干大きな形状で穿設される異形開口556を備える。
異形開口556が段付き円板部553の小径円および突設部554に外嵌することで、フランジ付きギア551に対する従動板555の回転方向の位置ずれを防止することができる。
また、段付き円板部553の大径円は、異形開口556よりも大きな形状とされるので、フランジ付きギア551が異形開口556を右方に貫通することが規制される。
フランジ付きギア551の左側面の形状は、左固定ブッシュ521の支持孔521aの周囲から右方へ環状に張り出し形成される張出部と当接した状態において、コ字状金属板511との間に隙間が空く形状で設計される。
これにより、回転体560の回転時に、フランジ付きギア551の左側面は左固定ブッシュ521の環状の張出部とのみ擦れるように構成することができ、フランジ付きギア551とコ字状金属板511とが擦れることを回避することができる。従って、フランジ付きギア551の摩耗を抑えることができる。
回転体560は、光透過性の樹脂材料から形成され、表面に異なる又は同一の模様や図形が形成される4枚の板状部材を備えており、回転左蓋部550及び回転右蓋部570と締結固定されることで略立方体形状を構成するが、詳細は後述する。
回転右蓋部570は、軸構成手段530の突設締結部532が挿通可能に穿設される一対の挿通孔572を有する姿勢固定ブッシュ571と、その姿勢固定ブッシュ571に回転可能に支持される従動板575とを主に備える。
姿勢固定ブッシュ571は、フランジ付きギア551の段付き円板部553と同様に、外周面の外径が異なるよう構成される。即ち、右端部の方が、その左側部に比較して大径に構成されることで、従動板575が姿勢固定ブッシュ571に対して右方に変位する際の限界位置を規定している。これにより、従動板575が姿勢固定ブッシュ571から脱落することを防止することができる。
従動板575は、中央部において姿勢固定ブッシュ571の小径円よりも若干大きな円形状で穿設される被軸支孔576と、その被軸支孔576の中心軸と同心の円弧形状に沿って左方へ突設される被検出部577とを主に備える。
従動板575は、軸右本体部531の右側に配置される円弧状部の右端部と、姿勢固定ブッシュ571のフランジ状部との間の隙間(図30(a)参照)に配設されることで、回転軸方向(左右方向)の変位が規制される。
また、従動板575は、姿勢固定ブッシュ571の大径筒状部の外周面に摺動する態様で支持されるので、細径の回転軸で軸支される場合に比較して、回転中の姿勢の安定化を図ることができる。
被検出部577は、組立状態(図21参照)において、検出センサ547の検出溝に進入可能に配設される。検出センサ547により被検出部577の有無(検出センサ547の検出溝に被検出部577が進入している姿勢か、被検出部577の非形成範囲が検出センサ547と対向することで、被検出部577に進入していない姿勢か)を判定することにより、音声ランプ制御装置113のMPU221に、回転体560の姿勢を判定させることができる。
図27は、回転左蓋部550及び回転体560の分解正面斜視図であり、図28は、回転体560及び回転右蓋部570の分解正面斜視図である。図27では、回転左蓋部550と回転体560との対向面が正面側へ向く姿勢で図示され、図28では、回転右蓋部570と回転体560との対向面が正面側へ向く姿勢で図示される。即ち、対向面の後ろ側を軸に、前側が離れる配置で図示される。
回転体560は、類似の形状で構成される複数(本実施形態では4枚)の面構成部材560a〜560dにより矩形の筒状に形成されているので、面構成部材560aについて詳細に説明し、他の面構成部材560b〜560dについては相違点のみ説明し、詳細説明は省略する。
面構成部材560aは、外面に装飾模様が形成され回転体560の外壁を構成する略正方形の板状部561と、その板状部561の中心点に対して回転対称となる形状で板状部561の左右端部から内側へ向けて張出形成される一対の対称張出部562とを備える。
対称張出部562は、従動板555又は従動板575と対向配置される対向板部563と、その対向板部563の左右内側に積層配置され対向板部563の前後外方へ張出形成される左右対向部564と、その左右対向部564の左右内側に積層配置され螺入厚さを確保する締結補助部565と、対向板部563に穿設される姿勢合わせ部566とを主に備える。
板状部561は、面構成部材560a〜560dで異なる装飾模様を備える。これにより、回転体560が回転し、遊技者側を向く面構成部材560a〜560dが(周期的に)変化することで、回転体560を通して視認される図形や模様を複数種類(本実施形態では4種類)に変化させることができる。
詳述すれば、面構成部材560aの板状部561の表面には、「△」(トライアングル、三角形)を示す図形からなる装飾模様が、面構成部材560bの板状部561の表面には、「?」(クエスチョンマーク)を示す図形からなる装飾模様が、面構成部材560cの板状部561の表面には、「!」(エクスクラメーションマーク)を示す図形からなる装飾模様が、面構成部材560dの板状部561の表面には、「○」(サークル、円形)を示す図形からなる装飾模様が、それぞれ形成される。
なお、左右4個が並んで配設される複合動作ユニット402において(図19参照)、面構成部材560a,560b,560dには共通の装飾模様が形成される一方で、面構成部材560cには異なる装飾模様が形成される。
即ち、最も左側に配置される複合動作ユニット402の面構成部材560cの板状部561の表面には、「H」を示す図形からなる装飾模様が、左端から2番目に配置される複合動作ユニット402の面構成部材560cの板状部561の表面には、「I」を示す図形からなる装飾模様が、左端から3番目に配置される複合動作ユニット402の面構成部材560cの板状部561の表面には、「T」を示す図形からなる装飾模様が、最も右側に配置される複合動作ユニット402の面構成部材560cの板状部561の表面には、「!」(エクスクラメーションマーク)を示す図形からなる装飾模様が、それぞれ形成されるが、その用途については後述する。
対向板部563は、中央部の回転軸側の面が、面構成部材560a〜560dで同じ円の一部を構成する円弧形状から形成され、前後端部の一側(面構成部材560aの前側)に凸形状部563aが形成され、他側(面構成部材560aの後側)に凹形状部563bが形成される。
凹形状部563bは、凸形状部563aが左右方向軸を中心に90度回転させた状態で嵌合可能な形状から形成される。例えば、面構成部材560aの左側の凹形状部563bには、面構成部材560aに対して左右方向軸を中心に90度回転した状態に対応する面構成部材560bの下側の凸形状部563aが嵌合する。同時に、面構成部材560aの左側の凸形状部563aには、面構成部材560bの下側の凹形状部563bが嵌合する。
なお、上述の条件を満たせば、凸形状部563a及び凹形状部563bの形状は任意に設定可能である。例えば、角のある形状でも、半円形状でも、傾斜形状でも良い。本実施形態では、凸形状部563aに雌ネジを構成可能な大きさとすることで、締結ネジの締結力を発揮させる箇所として凸形状部563aを構成している。
同様の態様で、隣り合う面構成部材560a〜560dが嵌合することで、矩形の筒形状に位置合わせすることができる。面構成部材560a〜560dの左右方向の位置ずれは左右対向部564により防止される。
即ち、面構成部材560a〜560dが矩形の筒形状を構成した状態において、左右対向部564は、隣り合う面構成部材560a〜560dの凹形状部563bに対して左右方向内側から当接する(対向配置される)。
例えば、面構成部材560aの前側に配置される左右対向部564に対して、その左側(回転体560の左右方向外側)から面構成部材560dの下側に配置される凹形状部563bに連続する右側面が当接する(対向配置される)。即ち、矩形筒形状を構成可能な配置とした後で、面構成部材560aに対して、面構成部材560dを右方に変位させることで、面構成部材560aに対する面構成部材560dの左右位置を合わせることができる。
また、面構成部材560dの下側(右下側)に配置される左右対向部564に対して、その右側(回転体560の左右方向外側)から面構成部材560aの前側に配置される凹形状部563bに連続する左側面が当接する(対向配置される)。即ち、矩形筒形状を構成可能な配置とした後で、面構成部材560aに対して、面構成部材560dを右方に変位させることで、面構成部材560aに対する面構成部材560dの左右位置を合わせることができる。
このように、本実施形態では、対称張出部562の形状を板状部561の中心点に対して回転対称となる形状とすることにより、隣り合う一方の面構成部材(例えば、面構成部材560a)に対して、他の面構成部材(例えば、面構成部材560d)を左右一方向に変位させることで、一の面構成部材に対する他の面構成部材の左右位置を合わせることができる。
姿勢合わせ部566は、各面構成部材560a〜560dにそれぞれ姿勢合わせ部566a〜566dとして形成され、各面構成部材560a〜560dで異なる形状の貫通孔として構成される。
即ち、面構成部材560aに形成される姿勢合わせ部566aは、断面円形状で穿設され、面構成部材560bに形成される姿勢合わせ部566bは、板状部561の延びる方向に沿う方向が短い長方形形状で穿設され、面構成部材560cに形成される姿勢合わせ部566cは、板状部561の延びる方向に沿う方向が長い長方形形状で穿設され、面構成部材560dに形成される姿勢合わせ部566dは、断面正三角形形状で穿設される。
従動板555は、姿勢合わせ部566a〜566dに挿通可能な位置から、姿勢合わせ部566a〜566dに対応する形状で突設される複数の嵌合凸部555a〜555dを備える。
即ち、一対の嵌合凸部555aは、断面円形状で突設され、一対の嵌合凸部555bは、従動板555の近接する辺に沿う方向の辺が短い長方形形状で突設され、一対の嵌合凸部555cは、従動板555の近接する辺に沿う方向の辺が長い長方形形状で突設され、一対の嵌合凸部555dは、断面正三角形形状で突設される。
従動板575は、姿勢合わせ部566a〜566dに挿通可能な位置から、姿勢合わせ部566a〜566dに対応する形状で突設される複数の嵌合凸部575a〜575dを備える。
即ち、一対の嵌合凸部575aは、断面円形状で突設され、一対の嵌合凸部575bは、従動板575の近接する辺に沿う方向の辺が短い長方形形状で突設され、一対の嵌合凸部575cは、従動板575の近接する辺に沿う方向の辺が長い長方形形状で突設され、一対の嵌合凸部575dは、断面正三角形形状で突設される。
このように、姿勢合わせ部566a〜566dと、嵌合凸部555a〜555d及び嵌合凸部575a〜575dとを対応する形状で構成することで、相対角度が適切な状態で、回転左蓋部550、回転体560及び回転右蓋部570を嵌合可能とすると共に、締結固定可能とすることができる。
なお、実際の組立手順としては、回転体560の面構成部材560a〜560dを4枚とも組み付け、矩形筒状に嵌合し、左右位置を合わせた後で、回転左蓋部550の嵌合凸部555a〜555dを回転体560の姿勢合わせ部566a〜566dに嵌合させ、四隅に形成される挿通孔に挿通された締結ネジを凸形状部563aの雌ネジに螺入することで、回転体560と回転左蓋部550とを締結固定することができる。その次に、同様の手順で締結ネジを螺入することで、回転右蓋部570についても回転体560に締結固定することができる。
本実施形態では、回転体560の姿勢合わせ部566a〜566dに対する回転左蓋部550及び回転右蓋部570の嵌合の方向および締結固定の方向が、共に左右方向(回転軸に平行な方向)となるように設計される。
これにより、回転体560の各面構成部材560a〜560dの外面(表示面)上から締結ネジを排除することができるので、表示面上で締結ネジが視認されることを回避することができる。この場合、締結ネジを隠すためのシール部材を不要とすることができると共に、各面構成部材560a〜560dの外面(表示面)の全領域(全面積)を利用して装飾模様を形成することができるので、各構成部材560a〜560dの大きさ(面積)に対する装飾模様の大きさ(面積、即ち密度)を大きくすることができる。
ここで、例えば、一の面構成部材(例えば、面構成部材560a)を回転左蓋部550に締結固定し、その後で、他の面構成部材(例えば、面構成部材560d)を組み付けようとしても、一の面構成部材560aに締結固定されている回転左蓋部550の嵌合凸部555dと、他の面構成部材560dの対向板部563とが干渉する。そのため、他の面構成部材560dの凹形状部563bを、一の面構成部材560aの左右対向部564と従動板555との間に滑り込ますことができず、組み付けることができない。
このように、本実施形態では、全ての面構成部材560a〜560dを矩形筒状に組み合わせた後でしか回転左蓋部550及び回転右蓋部570を締結固定することができないように構成しているので、組立間違い(例えば、面構成部材560a〜560dのいずれかが不足した状態で組み付けること)を防止することができる。
即ち、本実施形態では、嵌合凸部555a〜555d,575a〜575dは、嵌合により回転左蓋部550、回転体560及び回転右蓋部570の剛性を強化できる効果と、嵌合対象としての姿勢合わせ部566a〜566dと形状を合わせることで回転左蓋部550、回転体560及び回転右蓋部570を適切な姿勢で組み付けることができる効果と、組立手順を限定することで各面構成部材560a〜560dの組み付け忘れを防止できる効果とを、同時に奏することができる。
図29(a)及び図29(b)は、第1動作ユニット400の複合動作ユニット402の分解正面斜視図である。なお、図29(a)及び図29(b)では、別方向視での斜視図が図示され、回転ユニット500が、下面を正面側へ向ける姿勢で配置される。
環状突部412は、右側に分断部412a(切れ目)を有する上面視C字形状の突部であり、この分断部412aと対応する張出形状部516aが、案内部材516の下面に形成される。
組立状態(図21参照)では、分断部412aに張出形状部516aが配置されることにより、支持手段410に対する回転ユニット500の姿勢が規定される。回転ユニット500の姿勢が規定された状態で、挿通孔413aに挿通された締結ネジが雌ネジの形成される締結部517aに螺入されることで、案内部材516が支持手段410に締結固定される。
組立状態(図21参照)において、異形孔413及び異形孔517は、電気配線DK1の通過経路として連通されるが、通過経路の外枠を形成する内部形状が異なる。この形状の違いは、異形孔413又は異形孔517から案内される電気配線DK1(図21参照)の態様の違いに対応する。
詳述すると、電気配線DK1は、異形孔413の下方では、支持手段410の上下移動に伴い上下変位する一方で、異形孔517の上方(回転ユニット500側)では、支持手段410の配置に関わらず固定配置される。従って、異形孔413の下方では、上下変位に対応し易い態様とすることが好ましく、異形孔517の上方では、電気配線DK1を固定する経路に対応し易い態様とすることが好ましい。以下、この観点における本実施形態の電気配線DK1の態様について説明する。
本実施形態では、異形孔413の下方では、複数の電線の束から構成される電気配線DK1は、柔軟な樹脂材料から形成されるチューブ状部材に螺旋状の切れ目が入れられた部材(所謂、スパイラルチューブ)に束ねられることで断面円形に近い電線束として構成される。
本実施形態では、少なくとも、配線補助手段460に進入可能(出入可能)な電気配線DK1の範囲において、スパイラルチューブが巻き付けられる。
電気配線DK1は、断面円形に近い電線束として構成されることにより、支持手段410の上下移動に伴い、電気配線DK1がどの方向に湾曲した場合であっても、電気配線DK1の湾曲に対する抵抗および湾曲に伴い与えられる負荷に大きな差が生じないように構成することができる。
異形孔413は、電気配線DK1を断面円形に近い電線束に整え易いように、異形孔517の形状に比較して、異形孔413の前後幅が左右方向に亘って短縮されている。これにより、電気配線DK1の各電線が前後方向に広がるように並ぶことを防止することができる一方、電線が多い場合であっても左右方向に広がるように並びやすくすることができるので、電気配線DK1を異形孔413から右方へ案内し結束バンド等の固定部材により形成部411aで固定する際に、前後幅が短く断面略円形の電線束を構成し易くすることができる。
なお、電気配線DK1の電線束の断面形状は、円形である必要はなく、種々の態様が例示される。例えば、電気配線DK1を構成する電線が多くなるほど、電線束の断面は左右に長尺の楕円形状になり易くなるが、この場合であっても、電気配線DK1が左右に湾曲する場合に比較して、前後方向に湾曲する場合の抵抗や負荷を低減することができる。前後方向への湾曲は、本実施形態において生じやすい湾曲の態様であるが、詳細は後述する。
図30(a)は、回転ユニット500の一部の構成の正面分解斜視図であり、図30(b)は、電気配線DK1を構成するハーネスを模式的に示す斜視図である。図30(b)に示すように、電気配線DK1は、接続端部としてのコネクタに複数本の被覆された柔軟な電線が略等間隔に接続固定される態様とされる。
本実施形態の回転ユニット500では、駆動モータ541、検出センサ547及び電飾基板543にそれぞれコネクタが接続され、各コネクタから延びる電線の総数は16本とされる。
図30(a)では、回転ユニット500の内、コ字状金属板511と、右側の左右固定蓋514と、案内部材516と、両端固定手段520と、軸右本体部531と、軸左本体部535と、駆動モータ541と、検出センサ547と、姿勢固定ブッシュ571が図示されており、左右固定蓋514及び案内部材516は、コ字状金属板511から間隔を空けて図示され、左右固定蓋514のみが異なる方向視で図示される。
図30(a)では、主に回転ユニット500に対する電気配線DK1の案内について説明する。異形孔517を上方へ通過した電気配線DK1は、コ字状金属板511と下げ底部518との間における前後幅が長く上下幅の短い隙間に這わされるので、電気配線DK1を構成する電線も、上下に積み重なるのではなく、前後に並ぶように整えられることが好ましい。
これに対し、本実施形態では、案内部材516は、異形孔517の右端部に、下げ底部518から上面視扇形状で一段下がるように形成され、電気配線DK1を構成する複数の電線の前後方向への広がりの程度を調整するための扇状調整部517bを備える。この扇状調整部517bの機能について、図31を参照して説明する。
図31(a)は、案内部材516の上面図であり、図31(b)は、図31(a)のXXXIb−XXXIb線における案内部材516及び電気配線DK1の断面図であり、図31(c)は、図31(a)のXXXIc−XXXIc線における案内部材516及び電気配線DK1の断面図であり、図31(d)は、図31(a)のXXXId−XXXId線における案内部材516の断面図であり、図31(e)は、図31(d)のXXXIe−XXXIe線における案内部材516及び電気配線DK1の断面図である。
図31(a)及び図31(d)では、異形孔517を通り案内される電気配線DK1の各電線の経路の一部が想像線で模式的に図示され、図31(b)、図31(c)及び図31(e)では、電気配線DK1の各電線の配置の一例が図示される。
即ち、電気配線DK1の各電線は、異形孔517及び扇状調整部517bが2面を構成する下角部と、その下角部の右側に配置される角部であって下げ底部518及び扇状調整部517bが2面を構成する上角部とに近接配置(当接)されるように湾曲し、その状態で扇状調整部517bの前後壁部に前後方向の分散(広がり)を規制される(図31(a)及び図31(c)参照)。
換言すれば、扇状調整部517bの前後壁部の形成角度を調整することで、電気配線DK1の分散の程度を調整することができる。この観点から、本実施形態では、上面視における扇状調整部517bの前後壁部の端部から直線的に延長した延長線517xが、下げ底部518の隅部へ到達する直線となるように扇状調整部517bの前後壁部が構成される。
これにより、異形孔517の上側において、電気配線DK1が一平面(コ字状金属板511と下げ底部518との間の平面)に配置される内に電気配線DK1の分散の程度を最大にすることができる。即ち、下げ底部518の右端部付近において、下げ底部518の前後幅で電気配線DK1の各電線が分散配置され易いようにすることができる(図31(b)参照)。
なお、本実施形態では、扇状調整部517bは、左端部における前後間隔が約6.4[mm]で、前後の傾斜壁の左右方向に対する傾斜角度が35度(中心角70度)で設計される。
図31(b)に示すように、下げ底部518の右端部から締結部516bの中央部までの範囲に亘って、電気配線DK1の各電線は、縦に折り重なる態様では無く、下げ底部518の底面に各電線が当接した状態で配置可能とされる。即ち、外形直径(本実施形態では、約0.7[mm])の各電線が同一平面上に横並びに並ぶために必要な寸法(本実施形態では、16本分で約11.2[mm])以上の寸法の前後幅(本実施形態では、約15.4[mm])が確保される。
これにより、下げ底部518の深さ(コ字状金属板511の下面との間の隙間寸法)を小さく設計しても(本実施形態では、約2[mm])、電気配線DK1の周りで組み付けられる構成部材から電気配線DK1へ圧縮負荷が与えられることを防止し易くすることができる。
なお、扇状調整部517bの形状は、種々の態様が例示される。例えば、本実施形態の形状に比較して前後幅が大きい場合、下げ底部518の左右中央部付近から電気配線DK1の各電線を下げ底部518の前後幅に広げられるし、電線の通過経路の幅を広くできることから電線の本数が多い場合でも扇状調整部517bから電線に与えられる負荷を小さくすることができるという利点がある一方で、下げ底部518の右端に到達する前に案内部材516の前後壁部に近接し、コ字状金属板511と下げ底部518との間の平面において電線が湾曲(屈曲)する可能性があるという欠点もある。
また、例えば、本実施形態の形状に比較して前後幅が小さい場合、コ字状金属板511と下げ底部518との間の平面において電線が湾曲(屈曲)する可能性を低くすることができるという利点がある一方で、電線の通過経路の幅が狭くなるので、電線の本数が多い場合には扇状調整部517bから電線に与えられる負荷が大きくなり易いという欠点もある。
従って、本実施形態における扇状調整部517bの形状は、コ字状金属板511と下げ底部518との間の平面において電線が湾曲(屈曲)する可能性を低くすることができるという利点(電気配線DK1を横向きの直線に沿って下げ底部518の右端部まで到達させられるという利点)を確保しながら、電線の通過経路の幅を最大限広く確保することができるという点で、好ましい形状であるといえる。
また、延長線517xは、電気配線DK1の各電線の配置範囲の目安となり、主にその配置の外縁の目安となるが、異形孔517の中心よりも右寄りで交差するように構成される。換言すれば、上下一対の締結部517aの中心を結ぶ直線よりも右寄りで延長線517xは交差する。
これにより、異形孔517の下方側において電気配線DK1の各電線がまとまる位置を、異形孔517の中心よりも右寄りに配置することができる(図31(e)参照)。そのため、図31(d)に模式的に図示するように、形成部411aの配置との関係で電気配線DK1が異形孔517の右寄りの範囲のみを通過する場合であっても、各電線が十分にまとまった状態で電気配線DK1を形成部411a(図23参照)に案内することができる。
このように、異形孔517は、通過前と通過後とで電気配線DK1の分散の程度(状態)が変化する場合に、その変化を補助可能な形状で形成される。そのため、電気配線DK1の各電線の分散の程度(状態)が急激に変化する場合に比較して、各電線が屈曲する可能性を低くすることができ、電気配線DK1に与えられる負荷を低減することができる。
案内部材516は、コ字状金属板511との締結に利用される位置決めピン及びコ字状金属板511に締結される締結ネジ挿通用の挿通孔から構成される複数の締結部516bを備えている。
締結部516bは電気配線DK1が配置される下げ底部518にも配置されているため、電気配線DK1の配置領域が若干制限されるが、本実施形態では、この制限を最小限に抑えるよう配置を工夫している。
まず、電気配線DK1と干渉しない位置としての下げ底部518の反対側(左側)において締結部516bを複数配置し、締結力を確保することで、下げ底部518における締結部516bの配置個数を最小限に抑えている。
なお、下げ底部518において締結部516bを配置しないようにしても良いが、その場合、下延設部519に固定される電気配線DK1の重みや、回転ユニット500の上下移動時に生じる振動や負荷により、コ字状金属板511と下げ底部518とが位置ずれする可能性がある。これを回避するために案内部材516を肉厚に構成しても良いが、その場合には正面視における案内部材516の厚みが大きくなり、回転体560を目立たせにくくなるので、演出面で不利益が生じる。
即ち、本実施形態では、下げ底部518において最小限の個数で締結部516bを配置することで、電気配線DK1の配置幅を確保するという効果を維持しながら、案内部材516を薄肉で構成することで正面視における回転体560の存在感を強化するという効果を奏することができる。
また、残す側の締結部516bを、下げ底部518の右端部から遠い側の締結部516bとすることで、電気配線DK1の配置幅が縮小される度合いを最小限に抑えることができる。
下げ底部518に配置される締結部516bは、案内部材516の左側に配置される締結部516bと同様に位置決めピン516cを備えるが(図30(a)参照)、その位置決めピン516cは、既に締結部516bにより電気配線DK1の配置が不能とされる箇所に配設される。即ち、異形孔517から引かれ締結部516bと重なる直線上であって、締結部516bを基準として異形孔517の反対側となる位置に配設される。
これにより、位置決めピン516cが電気配線DK1の配設範囲(配設幅)を狭めることを回避することができるので、位置決めピン516cにより案内部材516をコ字状金属板511に組み付ける際の配置容易性は確保しながら、電気配線DK1の配線範囲(配設幅)を確保することができる。
図30(a)に戻って説明する。下げ底部518の右端部まで到達した電気配線DK1は、左右固定蓋514の板左面に沿って上方へ向けて湾曲し、その後はコ字状金属板511と左右固定蓋514との間に配設される。
左右固定蓋514は、平面板状に形成される本体板部514aと、その本体板部514aの外形に沿ってコ字状金属板511の前後上下面と対向配置される位置まで延設される延設枠部514bと、その延設枠部514b及び本体板部514aで構成される隅部を埋めるように形成され延設枠部514bよりも本体板部514a側へ引っ込んでいる空間確保部514cと、その空間確保部514cの一部に形成されコ字状金属板511との締結に利用される位置決めピン及びコ字状金属板511に締結される締結ネジ挿通用の挿通孔から構成される締結部514dと、その締結部514bの前後位置において本体板部514aに穿設される冶具用孔514eとを主に備える。
空間確保部514cは、コ字状金属板511と左右方向で当接する位置に形成されており、これによりコ字状金属板511と本体板部514aとの間に生じる空間確保部514cの厚み分の隙間に電気配線DK1が這わされる。
締結部514dは、下げ底部518に配設される締結部516bと同様に、前側に配設される。これにより、下げ底部518から左右固定蓋514に亘って連続的に、電気配線DK1が配設される範囲を後側に確保することができる。
ここで、締結部514d,516bを前側に配置することで、締結ネジの緩みに対する演出性能の低下度合いを低くすることができる。例えば、締結部514d,516bが後側に配置されていた場合、締結ネジが緩んだ場合にコ字状金属板511に対する変位が大きくなるのは遊技者から視認され易い前側部分であるので、演出性能の低下を招く恐れがある。
これに対し、前側に配置される締結部514d,516bの締結ネジが緩んだ場合には、コ字状金属板511に対する変位が大きくなるのは締結ネジが配置されていない後側部分であるが、後側部分は遊技者から視認され難い部分であるので、遊技者が締結ネジの緩みに気づき難い。従って、演出性能の低下度合いを低くすることができる。
また、締結部514dの位置決めピンが挿通孔の上下(電気配線DK1の長尺方向)に重なって配置されているので、挿通孔および位置決めピンが電気配線DK1の配設範囲を狭める度合いを最小限に抑えることができる。
冶具用孔514eは、コ字状金属板511に左右固定蓋514を組み付ける際に、電気配線DK1がコ字状金属板511と空間確保部514cとの間に挟まってしまう(潰されてしまう)ことを避けるために、電気配線DK1の配置の調整を行うための冶具(図示せず)を外部から挿入するための開口である。
この観点から言えば、冶具用孔514eは、組み付け作業を終えた後は不要となる。これに対し、本実施形態では、冶具用孔514eが遊技者から視認され難い左右位置に形成されるので、冶具用孔514eが遊技者に視認されることにより演出効果が低下することを未然に防ぐことができる。
コ字状金属板511と左右固定蓋514との間に配置された電気配線DK1は、両端固定手段520の右固定ブッシュ522の内径側を通り、コ字状金属板511の内側に配設される。コ字状金属板511の内側に配設される電気配線DK1の各電線が、駆動モータ541、電飾基板543及び検出センサ547に接続されることで、電気供給が可能となる。
ここで、電気配線DK1は、右固定ブッシュ522の内側を通るだけでなく、軸右本体部531、軸左本体部535及び姿勢固定ブッシュ571の内側を通る。これにより、電気配線DK1が回転ユニット500の回転部分(回転体560、回転左板550、その回転左板550に歯合されるモータギア542、及び回転右蓋部570の従動板575)と接触することを物理的に防止することができる。
また、電気配線DK1は、駆動モータ541が締結固定される軸左本体部535の左右反対側である右側に配設される軸右本体部531の内側を通りコ字状金属板511の内側に配置され、突設締結部537に対して駆動モータ541の反対側である位置、即ち、突設締結部537と、軸左本体部535の外形に沿って右方へ延設される円弧状延設部535aとの間に配置される。
これにより、電気配線DK1を駆動モータ541から離して配置することができるので、電気配線DK1が駆動モータ541から発せられる熱により高温になり損傷することを回避することができる。また、この効果は、締結部としての突設締結部537に対する電気配線DK1の取り回しにより生じるものであり、駆動モータ541から電気配線DK1を離して配置するための別個の専用部材を追加することなく行うことができるので、製品コストを削減することができる。
図32から図34を参照して、第1動作ユニット400の複合動作ユニット402の上下移動について説明する。図32から図34では、上下移動する第1動作ユニット400が時系列に沿って図示されている。即ち、図32では、回転ユニット500が下降位置に配置された状態が図示され、図33では、回転ユニット500が上下移動幅の中間位置に配置された状態が図示され、図34では、回転ユニット500が上昇位置に配置された状態が図示される。
図32(a)は、複合動作ユニット402の左側面図であり、図32(b)は、複合動作ユニット402の正面図であり、図32(c)は、複合動作ユニット402の右側面図である。なお、図32(a)では、理解を容易とするために、金属板部432を透過してその奥側が図示され、金属板部432の外形が想像線で図示され、図32(c)では、右側部材468の図示が省略される。
また、図33(a)は、複合動作ユニット402の左側面図であり、図33(b)は、複合動作ユニット402の正面図であり、図33(c)は、複合動作ユニット402の右側面図である。なお、図33(a)では、理解を容易とするために、金属板部432を透過してその奥側が図示され、金属板部432の外形が想像線で図示され、図33(c)では、右側部材468の図示が省略される。
また、図34(a)は、複合動作ユニット402の左側面図であり、図34(b)は、複合動作ユニット402の正面図であり、図34(c)は、複合動作ユニット402の右側面図である。なお、図34(a)では、理解を容易とするために、金属板部432を透過してその奥側が図示され、金属板部432の外形が想像線で図示され、図34(c)では、右側部材468の図示が省略される。
まず、図32(a)、図33(a)及び図34(a)を参照して、駆動手段440による伝達手段450の動作について説明する。駆動手段440の駆動モータ441の駆動軸の回転に伴い、駆動ギア441aが回転すると、駆動ギア441aに歯合される伝達ギア451と、その伝達ギア451に歯合される中間ギア452と、その中間ギア452にギア部453aが歯合される回動アーム部材453とが同時に回転する。
図32(a)に示す状態から、駆動ギア441aを左面視時計回りに回転させると、回動アーム部材453が左面視反時計回りに回転し、図34(a)に示すように、分割ベース部材442の仕切り板部442aの上端部から左方へ延設される回転規制部442fに当接する位置で停止される。
逆に、図34(a)に示す状態から、駆動ギア441aを左面視反時計回りに回転させると、回動アーム部材453が左面視時計回りに回転し、図32(a)に示すように、検出センサ442dに被検出板部453dが挿通されることで、回動アーム部材453が回転終端位置(図32(a)参照)に配置されていることが検出され、駆動モータ441の駆動が停止制御される。
なお、この動作の終端位置では、回動アーム部材453の回転先端部に連結される連結部材454が、支持手段410の貫通長孔416aの内壁と左右方向(支持手段410の変位が許容される方向に対して直角に交差する方向)で当接することで回動アーム部材453の回転が規制されるので、敢えて追加の当接部(例えば、回転規制部442fに対応する部分)を設けることはしていない。
図32(a)、図33(a)及び図34(a)に示すように、被検出板部453dは、回動アーム部材453の回転軸を中心とする円弧形状に形成されており、検出センサ442dは、検出溝がその円弧と重なる姿勢とされ、検出溝の基端側部がその円弧に対して径方向外側に配置される。
これにより、検出センサ442dにより被検出板部453dを検出可能とされると共に、回動アーム部材453が回転終端位置(図32(a)の位置)を超えて回転した場合であっても、検出センサ442dの検出溝の基端側部に被検出板部453dが衝突することを回避することができる。
図34(a)に示すように、回転ユニット500の上昇位置において、端板部材421の締結ネジ挿通孔が金属板部432の切り欠き部の内側に配置されるので、締結ネジをドライバーで回すことができる。
即ち、組み付け時には、回転ユニット500を上昇位置に配置することで、積層手段420と支持手段410とを固定する作業をすることができ、メンテナンス時には、回転ユニット500を上昇位置に配置することで、積層手段420と支持手段410との固定を解除する作業をすることができる。
第1動作ユニット400の複合動作ユニット402及び回転ユニット500の組立順序について説明する。なお、組立順序の説明においては、図23、図24、図25、図26、図30(a)及び図31を適宜参照する。
まず、回転ユニット500から組み立てる。その際、駆動モータ541、電飾基板543及び検出センサ547に対応する電気配線DK1の一端を接続した状態で軸構成手段530の各構成を組み付け、一体化する。この際、電気配線DK1の他端側は配線用開口533bを通して外側へ出しておく(図25、図30(a)参照)。
次に、軸構成手段530に対して、回転左蓋部550、回転体560及び回転右蓋部570を組み付け、一体化する。この際、電気配線DK1の他端側は姿勢固定ブッシュ571の中心の開口を通し外側へ出しておく(図25、図30(a)参照)。
回転左蓋部550、回転体560及び回転右蓋部570を一体化した状態で、フランジ付きギア551の左面と、姿勢固定ブッシュ571の右面との間の距離は、コ字状金属板511の先端部として対向配置される板部間の距離よりも若干短く構成されている。
そのため、回転左蓋部550、回転体560及び回転右蓋部570を一体化した組立体を、コ字状金属板511の先端部として対向配置される板部間に配置することができる。この時、突設締結部532を円状孔513aの位置に合わせて配置する。
次に、コ字状金属板511の左右外側から両端固定手段520を嵌合させる。この際、電気配線DK1の他端側は右固定ブッシュ522の中心開口を通し外側へ出しておく(図30(a)参照)。
両端固定手段520及びコ字状金属板511の形状は、両端固定手段520のコ字状金属板511に対する回転を規制可能な形状とされ(例えば、凹凸嵌合)、両端固定手段520及び軸構成手段530の形状は、軸構成手段530の両端固定手段520に対する回転を規制可能な形状とされる(例えば、D字形状の断面での嵌合)。従って、軸構成手段530のコ字状金属板511に対する回転を規制することができる(図25参照)。
挿通孔523を通して締結ネジを挿通し、その締結ネジを突設締結部532に螺入することで、コ字状金属板511に軸構成手段530を締結固定することができる。これにより、コ字状金属板511、両端固定手段520、軸構成手段530、回転左蓋部550、回転体560及び回転右蓋部570を一体化することができる。なお、両端固定手段520の内、左固定ブッシュ521は左右固定蓋514により抜け止めがされるものであり、締結ネジの配設が省略される。
次に、コ字状金属板511に左右固定蓋514及び案内部材516を締結固定する。この際、電気配線DK1の他端側は案内部材516の異形孔517を通して下側へ出しておく(図30(a)参照)。
コ字状金属板511と左右固定蓋514との間の隙間を狭く構成するためには、コ字状金属板511と左右固定蓋514との間に配置される電気配線DK1を構成する複数の電線を前後に分散配置することが好ましい(図31(b)参照)。
本実施形態の組み付け作業においては、専用の冶具(棒状、紐状または専用の特別形状の冶具)を、冶具用孔514eを通して入れることで、電気配線DK1の配置を調整しながら左右固定蓋514をコ字状金属板511に組み付けることができる。これにより、電気配線DK1を構成する複数の電線を分散配置させながら組み付ける工程の難易度を下げることができる。
案内部材516をコ字状金属板511に締結固定する際は、電気配線DK1を下方に引きながら案内部材516をコ字状金属板511に組み付けることにより、電気配線DK1が自然と扇状調整部517bの内側に引き込まれるよう構成される(図31(c)参照)。これにより、電気配線DK1を適切な位置に配置しながら組み付ける工程の難易度を下げることができる。
上記の手順で一体的に組み付けられた回転ユニット500を、支持手段410に組み付ける際には、電気配線DK1の他端側を、異形孔413を通して下側へ出した状態で行うことに注意する。異形孔413の下側に出た電気配線DK1には、スパイラルチューブを巻き付ける。
第1動作ユニット400の複合動作ユニット402の内、配線補助手段460を除く構成は、回転ユニット500とは別で組み付けることができるので、回転ユニット500の組み付け前に一体的に組み付けておき、その状態で支持手段410に回転ユニット500を固定した後、電気配線DK1の他端側を固定配置する。
即ち、電気配線DK1を、支持手段410の形成部411aに挿通される結束バンド等の固定部材で固定し、同様の方法で案内部材516の下延設部519に固定し、配線補助手段460の支持柱部464の下を通し、配線支持部465に挿通される結束バンド等の固定部材で固定し、分割ベース部材442の開口部442eを通して、背面側へ通す(図23参照)。
開口部442eに電気配線DK1を通した状態で左側部材461を分割ベース部材442に締結固定することで、仕切り板部442aと左側部材461との間の隙間に電気配線DK1を配置させることができる。この組み付け方法によれば、分割ベース部材442に左側部材461を固定した状態で電気配線DK1の配置を決める場合に比較して、電気配線DK1の先端のコネクタの大きさよりも狭い隙間に電気配線DK1を配置することができるので、仕切り板部442aと左側部材461との間の隙間を狭く設計することができる。
その後、左側部材461に右側部材468を締結固定することで、第1動作ユニット400の複合動作ユニット402の組立を完了することができる。このように、配線補助手段460を一体物として形成するのではなく、左側部材461と右側部材468とで分けて形成する本実施形態によれば、電気配線DK1を配線補助手段460の内側に配置する作業の作業性を向上することができる。
次いで、図32(b)、図32(c)、図33(b)、図33(c)、図34(b)及び図34(c)を参照して、配線補助手段460と、電気配線DK1、電気配線DK1を支持する支持手段410及び案内部材516との関係について説明する。
図32(b)に示すように、回転ユニット500の下降位置では、配線補助手段460の左側部材461の上端部に支持手段410の正面垂部414が当接し、下支えされる。即ち、配線補助手段460は、回転ユニット500を支持する手段としても機能する。
換言すれば、回転ユニット500の左側部のみが積層手段420や案内手段430(図23参照)に支持されるという構成を採用しながら、回転ユニット500が下降位置に配置された状態に限り、左右両側で回転ユニット500を支持することができる。
これにより、回転ユニット500のぐらつきが許容範囲に収まる状態での回転体560の回転速度の上限値を、回転ユニット500が下降位置に配置された状態で、他の状態(例えば、回転ユニット500が上昇位置に配置された状態)に比較して上昇させることができる。
図32(c)に示すように、回転ユニット500の下降位置では、正面垂部414の下端部が、配線補助手段460の帯状延設部463の前上端部と当接する。これにより、遊技者の視線(斜め下方向へ見下ろす方向視)に対して、配線補助手段460の上方の開口を遮蔽することができる。これにより、回転ユニット500が下降位置に配置された状態において、配線補助手段460に収容される電気配線DK1が遊技者に見られることを回避することができる。
電気配線DK1は、形成部411a(図23参照)に結束バンド等の固定部材で固定され、その下方で下延設部519の下端部に結束バンド等の固定部材で固定され、その下方に垂れ下がる部分が配線補助手段460の内側に支持される(収容される)。
配線補助手段460の内側に収容される電気配線DK1(図32(c)参照)の長さは、回転ユニット500が上昇位置に配置された状態で帯状延設部463と支持柱部464との間に配置された部分が浮く程度の長さで設計される(図34(c)参照)。
また、帯状延設部463の形状は、機能湾曲面463aの前側において略円弧形状上に配置される電気配線DK1が過剰な緩み無く下延設部519に到達するような長さで設計される(図32(a)参照)。
このように、電気配線DK1に負担をかけないようにするために十分な長さで電気配線DK1を設計することで、電気配線DK1を配線補助手段460の内側に余裕をもって配置することができる。また、電気配線DK1が下延設部519に対して過剰な緩み無く到達するので、電気配線DK1が帯状延設部463と正面垂部414との間に挟まれる事態が発生することを防止することができる。
電気配線DK1に巻き付けられているスパイラルチューブ(図示せず)は、柔軟なシリコン樹脂から形成されているが、その形状から、電気配線よりも若干剛性が高い。そのため、回転ユニット500の上下動作に伴う電気配線DK1の変位のばらつきを抑えることができる。
また、スパイラルチューブの剛性により電気配線DK1を支持することができる(スパイラルチューブにより電気配線DK1を下支えすることができる)ので、電気配線DK1が配線支持部465と下延設部519とに吊り下げられている状態においても、電気配線DK1が自重に任せて垂れ下がることを防止することができるので、電気配線DK1の配置を安定化させることができる。
配線補助手段460の内側に支持される電気配線DK1は、配線支持部465に結束バンド等の固定部材で固定され、左側部材461と仕切り板部442aとの間を通り開口部442eから後方へ案内される(図23参照)。即ち、本実施形態では、電気配線DK1は、下延設部519と配線支持部465とに支持され吊り下げられている。
下延設部519と配線支持部465の内、配線支持部465が固定であり、下延設部519が上下移動可能に構成されており、下延設部519側(正面側)の方が電気配線DK1の配置がばらつき易いことから、下延設部519側(正面側)の方が帯状延設部463の上側の空間を大きく確保できるように構成している。
具体的には、正面側の形状を、背面側の形状に比較して下側へ下げ、配線補助手段460の内側(上方)に中心がある円弧形状として構成することで、電気配線DK1を配置可能な空間を大きく確保している。
図33(b)に示すように、回動アーム部材453は複合動作ユニット402の左側に配置され、電気配線DK1は複合動作ユニット402の右側に配置され、それぞれの配置範囲は、仕切り板部442aにより仕切られている。
ここで、仕切り板部442aは、駆動モータ441や伝達手段450を支持する部分として必須の構成である。即ち、専用の部材を追加することなく、回動アーム部材453と電気配線DK1との配置範囲を分断することができるので、材料コストの削減を図りつつ、回動アーム部材453と電気配線DK1との干渉を避けることができる。
図34(c)に示すように、回転ユニット500の上昇位置では、回動アーム部材453の延設腕部453bの延設方向は、回転軸を起点する鉛直方向となるので、貫通長孔416aの長尺方向(前後方向)に対して左右方向視で直角に交差する。換言すれば、回動アーム部材453の回転軸と連結部材454の中心とを結んだ直線は鉛直方向となり、貫通長孔416aの長尺方向(前後方向)に対して左右方向視で直角に交差する。
これにより、回転ユニット500の自重は回動アーム部材453の回転軸へ向かうことになり、自重が回動アーム部材453の回転方向に負荷されることを防止することができるので(所謂、死点の効果が生じるので)、回転ユニット500を上昇位置に配置した状態で駆動モータ441の駆動力を解除したとしても、回転ユニット500の上下位置を維持することができる。これにより、駆動モータ441の駆動時間を削減することができ、その発熱を抑えやすくすることができる。
なお、回動アーム部材453の延設腕部453bの延設方向と、貫通長孔416aとが左右方向視で直角に交差することは、回転ユニット500が下降位置に配置される状態でも同様である(図32(a)参照)。
これにより、回転ユニット500が下降位置に配置された後でバウンド変位(跳ね返り変位)する場合の上向きの負荷は回動アーム部材453の回転軸へ向かうことになり、負荷が回動アーム部材453の回転方向に負荷されることを防止することができるので(所謂、死点の効果が生じるので)、回転ユニット500を高速で下降位置に移動させた場合であっても、バウンド変位(跳ね返り変位)が生じることを防止し易くすることができる。
従って、バウンド変位(跳ね返り変位)を防止するための負荷を駆動モータ441で発生させることを部分的に不要とできるので、駆動モータ441の駆動時間を削減することができ、その発熱を抑えやすくすることができる。
図34(c)に示すように、回転ユニット500が上昇位置に配置された状態において、回動アーム部材453の連結部材454は、貫通長孔416aの後端部、即ち、後側の柱状部材431と左右方向で重なる位置に配置される。そのため、回動アーム部材453を介する支持力は、支持手段410の後側に集中しており、支持手段410及び回転ユニット500の前側部にぐらつきが生じ易い。
これに対し、本実施形態では、前側の柱状部材431が、案内筒状部423を介して積層手段420を支持するよう構成されている(図23参照)。これにより、柱状部材431により積層手段420が支持される面積(表面積)を大きくすることができるので、積層手段420、支持手段410及び回転ユニット500の前側部のぐらつきを抑制することができる。
回転ユニット500が上昇位置から下降位置へ向けて移動する場合における電気配線DK1の変位について説明する。図34(c)に示すように、電気配線DK1は、支持柱部464の下側から正面側を通り上側に案内され、下延設部519に固定される。
下延設部519は、図34(c)に示すように、支持柱部464よりも正面側に配置されているので、電気配線DK1の下延設部519から垂れ下がる部分(余分部分)は、支持柱部464の正面側に配置される。
この電気配線DK1の余分部分は、下延設部519の上下移動に伴い上下に変位される。例えば、図34(c)に示す状態から下延設部519が下側へ移動する場合、電気配線DK1の余分部分も同様に下がり、帯状延設部463の機能湾曲面463aに当接し始める(図33(c)参照)。
下延設部519が回転ユニット500の下降位置における配置に近づくほど、電気配線DK1の内、配線補助手段460に収容される長さが増え、電気配線DK1により構成される円弧の直径が大きくなる。
本実施形態では、電気配線DK1は、機能湾曲面463aから受ける負荷により正面側へ変位することになるが、この対策として、帯状延設部463の上側の領域が、背面側に比較して正面側の方が大きくなるように構成しているので、帯状延設部463から電気配線DK1に与えられる負荷を低減することができる。
また、電気配線DK1と機能湾曲面463aとの当接により負荷が与えられる機能湾曲面463a付近の電気配線DK1(配線補助手段460の底部付近の電気配線DK1)を正面側に寄せる一方、機能湾曲面463aと当接する前においては電気配線DK1が配線補助手段460の正面側端部から遠い位置に配置される下延設部519から垂れ下がるように構成することで、電気配線DK1が配線補助手段460の正面側端部から正面側にはみ出すことを防止することができる。
これにより、本実施形態のように、回転ユニット500が下降位置に配置された状態において正面垂部414と配線補助手段460とが当接する(配線補助手段460の開口を部分的に閉じる)構成を採用しながら(図32(c)参照)、その当接部分(閉鎖箇所)に電気配線DK1が挟まれることを回避することができる。
このように、本実施形態では、機能湾曲部463aの形状を正面側へ向かうほど下降傾斜する傾斜面として構成していることから、電気配線DK1の主な変位の方向が前後方向になるように図ることができる。これにより、電気配線DK1に変位が生じにくい左右方向の幅は短く(狭く)、電気配線DK1の変位が生じやすい前後方向の幅は長い(広い)形状から配線補助手段460の適切な形状を選択することができる。
電気配線DK1の変位の方向を部分的に制限し、配線補助手段460の形状として左右方向幅が細い形状を選択可能とすることにより、複合動作ユニット402の左右幅を抑えることができる。
そのため、本実施形態のように、左右に複数の複合動作ユニット402を並べる構成においても(図19参照)、電気配線DK1を収容するという補助的な役割を持つ配線補助手段460の形状が制限となって、演出装置として遊技者に視認される主役的な役割を持つ回転ユニット500の配置の自由度が低下することを回避することができる。
電気配線DK1の左右方向への位置ずれに対しては、第1に、配線補助手段460の左右上端と支持手段410との間に隙間が確保されることにより(図32(c)参照)、電気配線DK1に挟み込みの負荷が与えられることを回避することができる。
また、第2に、対向板462は、その上端部に上側へ向かうほど右側部材468から離れる方向に傾斜する傾斜部462aを備え、右側部材468は、その上端部に上側へ向かうほど対向板462から離れる方向に傾斜する傾斜部468aを備えることで、電気配線DK1が配線補助手段460の内部に滑り込み易いように構成している。
即ち、傾斜部462a,468aは、電気配線DK1を迎え入れる側に近づくほど開口幅が長くなる正面視逆ハの字形状に構成されているので、電気配線DK1が左右いずれの方向に位置ずれした場合であっても、電気配線DK1を配線補助手段460の内部に案内し易くすることができる。これにより、電気配線DK1が配線補助手段460の上縁部に引っかかり、配線補助手段460に案内されず、支持手段410と配線補助手段460との間に挟まれる事態が発生することを回避し易くすることができる。
また、第3に、電気配線DK1を吊るすように固定する配線支持部465及び下延設部519の左右位置が合うように設計されている(図33(b)、図34(b)参照)。即ち、電気配線DK1を固定する位置を、左右方向に直交する同一平面上に配置することで、回転ユニット500の昇降変位に伴う電気配線DK1の左右方向の位置ずれを抑制することができる。
図35を参照して、第1動作ユニット400を利用した動作演出の一例について説明する。図35(a)、図35(b)、図35(c)、図35(d)、図35(e)及び図35(f)は、第3図柄表示装置81及び第1動作ユニット400を模式的に示す第3図柄表示装置81及び第1動作ユニット400の正面図である。
図35(a)、図35(b)、図35(c)及び図35(d)では、遊技中における第1動作ユニット400の変化の一例が時系列で図示され、図35(e)及び図35(f)では、複数の回転ユニット500が連動することで異なる内容の報知を実行する演出の一例が図示される。
本実施形態では、回転ユニット500の点灯または消灯が、第1入賞口64(又は第2入賞口640、スルーゲート67)への入球に伴う変動の保留球数に対応するよう制御される。即ち、現在継続中の変動が停止する前に、第1入賞口64(又は第2入賞口640、スルーゲート67)への入球が生じる度に(保留球数が増加する度に)、左端から順に回転ユニット500が点灯する(LED部材544が点灯する)。即ち、図35(a)では、保留球数が3個ある状態が図示される。
回転ユニット500の発光色は、LED部材544の発光色に応じて変更可能であり、この発光色の違いによって、対応する変動の大当たり期待度(又は小当たり期待度、当り期待度、遊技者が得られる利益の期待度)の違いを報知するようにしても良い。
複数のLED部材544は、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDで複数色の発光演出を実行することができる。
現在継続中の変動が停止すると、左端の回転ユニット500が消灯し(図35(b)参照)、保留表示の対応が一つずつ左へずれる(図35(c)参照)。
回転ユニット500は、上述のように上昇位置と下降位置との間を変位可能であるので、図35(b)に示すように、上昇位置において第3図柄表示装置81の一部を隠した状態で回転動作するよう制御することができる。
これにより、回転ユニット500に対する注目力を向上させることができる。加えて回転ユニット500の正面側に配置される装飾模様と、対応する変動の大当たり期待度(又は小当たり期待度、当り期待度、遊技者が得られる利益の期待度)の大小の目安とを対応付けて制御することにより、回転ユニット500に対する注目力を向上させることができる。
例えば、図35(b)では、左から3番目の回転ユニット500が上昇し、回転した後、正面側に面構成部材560bが配置されることで、「?」の装飾模様が遊技者に視認される。これにより、変動の大当たり期待度(又は小当たり期待度、当り期待度、遊技者が得られる利益の期待度)が不明であることを遊技者に対して報知して、遊技者の興味を引くことができる。
なお、興味を引く際の態様は、これに限られるものでは無い。例えば、回転体560の回転を継続させる態様でも良いし、LED部材544を高速で点滅させたりする態様でも良い。
その後、保留表示の対応が一つずつ左へずれた結果、左から2番目の回転ユニット500において正面側に面構成部材560aが配置されることで、「△」の装飾模様が遊技者に視認される。「○」の装飾模様に比較して、「△」の装飾模様の方が、大当たり期待度(又は小当たり期待度、当り期待度、遊技者が得られる利益の期待度)が高くなるよう制御する場合、左から2番目の回転ユニット500に対応する変動への注目力を向上することができる。
なお、大当たり期待度(又は小当たり期待度、当り期待度、遊技者が得られる利益の期待度)の報知は、第3図柄表示装置81に保留球数に対応して表示される保留表示の色や、形態を変化させることにより実行しても良い。また、第3図柄表示装置81に表示される保留表示と、回転ユニット500の状態とを対応付けるように制御しても良い。また、保留表示の変化と、回転ユニット500の状態の変化とに時間差をつけるような演出を採用しても良い。
図35(c)に示すように、保留表示の対応が一つずつ左へずれた結果、左から3番目の回転ユニット500は消灯し、下降位置へ変位する。この変位により、第3図柄表示装置81の隠れていた範囲が視認可能となるが、この範囲において遊技者の期待を高める表示(例えば、「コイン」を示す表示)を描いておくことで、回転ユニット300が下降位置へ変位した後の第3図柄表示装置81への注目力を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、回転ユニット500を、図柄の変動や保留球数と関連させて制御することにより遊技者の注目力を向上するだけでなく、第3図柄表示装置81の表示領域を部分的に隠せるよう構成することにより第3図柄表示装置81の表示を変更する際の目隠しとして機能させることができる。
この際、第3図柄表示装置81を部分的に隠す回転ユニット500に対する注目力を向上させることの補助的な効果として、第3図柄表示装置81の正面側に配置される回転ユニット500に注目させている状態(図35(b)参照)から、回転ユニット500を退かせることで(図35(c)参照)、遊技者の視線を第3図柄表示装置81に向いたまま残すことができる。その結果として、遊技者の視線を第3図柄表示装置81に誘導することができるので、第3図柄表示装置81への注目力を向上させることができる。
図35(c)に示す状態から、保留表示の対応が2つ左へずれて、図35(c)において「△」の装飾模様が図示されていた保留に対応する変動が大当たりである場合には、変動が停止するまでの間に図35(d)のように複数の回転体560を上昇位置に配置して、面構成部材560cを正面側に配置することにより、「HIT!」という文字列(大当たり等、遊技者が何らかの利益を得られる状態に変化することを想起させるような文字列)を遊技者に視認させることができる。
この場合、保留球数に関わらず、LED部材544を点灯させることが好ましい。これにより、回転ユニット500を煌びやかに発光させ、遊技者の期待感を煽る演出を実行することができる。
このように、本実施形態によれば、複数の回転体560を単体で視認させる演出と、複数の回転体560をまとめて視認させる演出とを構成することができる。ここで、複数の回転体560をまとめて視認させる演出は、図35(d)に示す態様に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。
例えば、図35(e)に示すように、左から3番目の回転体560は下降位置に配置し、残りの回転体560を上昇位置に配置することで、「HI!」という文字列(あいさつを想起させるような文字列)を遊技者に視認させることができる。
図35(e)に示す状態を、遊技者が遊技を開始する前の待ち受け状態において定期的に生じるよう制御しておくことで、遊技者の興味を引き付けることができる。
また、例えば、図35(f)に示すように、右端の回転体560のみ面構成部材560bが正面側を向くようにすれば、「HIT?」という文字列を遊技者に視認させることができる。
この場合、あと少しで「HIT!」に変わるかもという期待感から、遊技者の興味を引くことができる。また、そのように演出しても良い。即ち、図35(f)の状態から、右端の回転体560を回転させるように制御して、図35(d)の状態に変化するように制御可能に構成しても良い。
図36(a)及び図36(b)は、検出センサ547及び回転右蓋部570の従動板575の左側面図である。図36(a)では、検出センサ547が、被検出部577の非形成範囲の片側の端部(図36(a)における前側端部)に配置されている状態が図示され、図36(b)では、検出センサ547が、被検出部577の非形成範囲の反対側の端部(図36(b)における後側端部)に配置されている状態が図示される。
図36(a)及び図36(b)に示す状態は、共に、回転待ちの状態(停止状態)を示している。即ち、図36(a)では、回転体560の回転中に検出センサ547の検出溝から被検出部577が退避した時点から、被検出部577の非形成範囲の角度α1(本実施形態では、60度)の半分の角度(本実施形態では、30度)だけ回転させて駆動モータ541を停止させた状態が図示され、図36(b)では、回転体560を左面視反時計回りに回転させた状態で検出センサ547の検出溝に被検出部577が進入した直後に駆動モータ541を停止させた状態が図示される。
図36(a)及び図36(b)に示す状態の角度差は、被検出部577の非形成部の角度に依存する。本実施形態では、非形成部の角度α1が60度となるように被検出部577が形成されており、図36(a)及び図36(b)に示す状態の角度差は約45度とされる。
この角度差は、回転ユニット500が昇降変位することに伴い変化する遊技者の視線の方向に対応付けて設計される。即ち、回転ユニット500が上昇位置に配置される場合、回転ユニット500を見る遊技者の視線は略水平方向を向くので、回転体560を図36(a)に示す姿勢で停止させる方が、回転体560の装飾模様を見せ易くすることができ、回転体560の演出効果を高くすることができる。
一方で、回転ユニット500が下降位置に配置される場合、回転ユニット500を見る遊技者の視線は見下ろす方向視となるので、回転体560を図36(b)に示す姿勢で停止させる方が、回転体560の装飾模様を見せ易くすることができ、回転体560の演出効果を高くすることができる。
このように、本実施形態では、回転ユニット500の停止姿勢を、回転ユニット500を視認する遊技者の視線との関係から複数種類構成することで、回転ユニット500が上昇位置に配置されているか、下降位置に配置されているかに関わらず、回転体560の装飾模様を遊技者に見せ易い姿勢で回転体560を停止させることができる。
なお、図36(a)で示す状態と、図36(b)で示す状態とで検出センサ547と被検出部577との対応関係が異なるのは、回転体560を利用した演出態様(例えば、回転体560の回転速度)の違いによるものである。
即ち、図36(a)で示す状態は、回転ユニット500が上昇位置に配置された状態での停止位置であるが、回転ユニット500が上昇位置に配置された状態では、遊技者の注目が回転ユニット500に十分に集まっているので、回転体560の回転速度を遅くして、じっくりと停止させることで、長い期間をかけて遊技者の興趣の向上を図ることができる。
例えば、図35(f)に示す状態から、図35(d)に示す状態への変化を、回転体560をゆっくりと回転させて演出することで、遊技者の期待感が高まる期間を長くすることができ、回転体560の注目力を維持することができる。そのため、検出センサ547で位置を判定してから被検出部577の非形成範囲の半分の角度(本実施形態では、約30度)を回転させた後で停止させたとしても、回転体560の停止姿勢がずれる可能性は低く、回転体560を図36(a)に示す姿勢で容易に停止させることができる。
この制御態様によれば、回転体560の回転方向によらず同様の制御態様で、回転体560を図36(a)に示す姿勢で停止させることができる。そのため、正回転の後に停止する制御態様と、逆回転の後に停止する制御態様とを場合によって選択することができるので、回転体560の停止までの動作態様を予測し難くすることができる。これにより、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
図36(b)に示す状態は、回転ユニット500が下降位置に配置された状態での停止位置であるが、回転ユニット500が下降位置に配置された状態では、遊技者の注目が回転ユニット500に十分に集まってはいない場合が多いので、回転体560の回転速度を高速にした方が、遊技者の興趣の向上を図り易い。
高速での回転の場合、検出センサ547で位置を判定してから被検出部577の非形成範囲の半分の角度(本実施形態では、約30度)を回転させた後で停止させる制御を行う場合、回転体560の停止位置がずれる虞がある。そのため、図36(b)に示すように、検出センサ547の検出溝に被検出部577が進入した直後に駆動モータ541を停止させることで回転体560の停止位置のずれを抑制することができる。
回転ユニット500の回転制御は、上述の複数種類の停止位置から、90度間隔で設定される回転角度(90度、180度、270度)で回転させた後に停止させることで、面構成部材560a〜560dのいずれかの面を遊技者に視認させる姿勢で停止させることができる。
上述のように、図36(a)及び図36(b)に示す姿勢は、遊技者の視線の変化に対応できるようにするものであるが、いずれの視線においても、駆動モータ541(図25参照)が遊技者に視認されることを回避することができる。
即ち、駆動モータ541は回転体560の内側に配置されているので、遊技者の視線の方向に関わらず回転体560により遊技者の視線を遮ることができ、駆動モータ541が遊技者に視認されることを防止することができる。
図36(a)及び図36(b)に示すように、回転ユニット500では、回転体560の角度を検出するための構成が回転体560の内側に配置されている。そのため、回転体560の外側のほとんどの部分に装飾模様を施すことができ、回転体560の演出効果を向上することができる。
また、角度を検出するための構成を回転体560の外側に配置する場合に必要となる可能性のある目隠し部(角度検出のための構成が視認されることを防止するための構成)の配設を省略しながら、回転体560を一回転以上で回転可能に構成することができる。
図37及び図38は、第2動作ユニット700の正面斜視図であり、図39及び図40は、第2動作ユニット700の背面斜視図である。図37及び図39では、変位ベース部材720及び演出手段780が待機位置(上昇終端位置)に配置された第2動作ユニット700の待機状態が図示され、図38及び図40では、変位ベース部材720及び演出手段780が第3図柄表示装置81の前方に張り出す張出位置(下降終端位置)に配置された状態が図示される。
第2動作ユニット700には、電気供給のために各可動部へ案内される電気配線DK2,DK3の変位量を減らすように各可動部が変位するという特徴と、コイルスプリングSP1を正面視で見えないように隠すスプリングカバーSC1を備えており、そのスプリングカバーSC1が変位ベース部材720及び演出手段780の内方へ進入するという特徴とがあるが、詳細は後述する。なお、コイルスプリングSP1は、模式的に湾曲した四角柱状に図示される。
図41は、第2動作ユニット700の分解正面斜視図であり、図42は、第2動作ユニット700の分解背面斜視図である。また、図43は、固定ベース部材701、変位ベース部材720、駆動手段730、伝達手段740及び付勢手段750の分解正面斜視図であり、図44は、固定ベース部材701、変位ベース部材720、駆動手段730、伝達手段740及び付勢手段750の分解背面斜視図である。即ち、図43では図41の一部が、図44では図42の一部が、それぞれ拡大して図示される。
また、図45は、被軸支手段760L,760R及び連結手段770の分解正面斜視図であり、図46は、被軸支手段760L,760R及び連結手段770の分解背面斜視図である。即ち、図45では図41の一部が、図46では図42の一部が、それぞれ拡大して図示される。
また、図47は、演出手段780の分解正面斜視図であり、図48は、演出手段780の分解背面斜視図である。即ち、図47では図41の一部が、図48では図42の一部が、それぞれ拡大して図示される。
また、図49は、支持手段705の柱状締結部705cを通り水平方向に延びる平面における第2動作ユニット700の部分断面図である。なお、図41から図49の説明では、図37から図40を適宜参照する。
図41から図44に示すように、第2動作ユニット700は、背面ケース310の底壁部311に締結固定される左右長尺の固定ベース部材701と、そのベース部材701よりも正面側に配置され固定ベース部材701に対して上下方向に変位可能に構成される変位ベース部材720と、その変位ベース部材720を変位させるための駆動力を発生させる駆動手段730と、その駆動手段730から発生する駆動力を変位ベース部材720に伝達可能に構成される伝達手段740と、変位ベース部材720に上向きの付勢力を与える付勢手段750と、変位ベース部材720に左右一対で配設され一端(左右中央側の端部)が回転可能に軸支される被軸支手段760L,760Rと、その被軸支手段760L,760Rの他端(左右外側の端部)と固定ベース部材701の左右端部とを連結する一対の連結手段770と、変位ベース部材720の正面側に締結固定され正面視における装飾を目的とする演出手段780とを主に備える。
固定ベース部材701は、合成樹脂材料から形成され、左右に長尺の板状に形成される本体板部702と、その本体板部702から正面側へ同一長さで棒状に突設され、その先端にスプリングカバーSC1を締結固定可能に形成される複数のカバー支持突部703と、左端のカバー支持突部703の上方において本体板部702から正面側へ延設されるバネ支持部704と、駆動力伝達用の伝達ギア734及び終端ギア745等のギア部材を支持する支持手段705と、伝達手段740の回動アーム部材743を軸支する部分であって正面視略円形で正面側へ張り出す円形張出部708と、上下にスライド変位可能な姿勢で本体板部702の左右中央部に背面側の板が固定される金属スライドレール711と、円形張出部708よりも正面側に嵩上げされた位置から正面視筒状で張り出す一対の筒状張出部714と、その筒状張出部714の上方において筒状張出部714に並設される左右一対の左右端上ストッパ717と、筒状張出部714の連結手段770を軸支する前後位置よりも後側において筒状張出部714の径方向に沿う平面を有して形成される左右一対の左右端下ストッパ719とを主に備える。
支持手段705は、固定ベース部材701の板背面から伝達ギア734の開口よりも若干直径の短い円柱状に突設され先端部に雌ネジが形成される柱状締結部705aと、固定ベース部材701の板正面から2重の円環状に凹設される円環状凹設部705bと、円環状凹設部705bの中心位置において固定ベース部材701の板正面から円柱状に突設され先端部に雌ネジが形成される柱状締結部705cと、円環状凹設部705bの側面に前後方向に延びる突条として形成される複数の突条部705dと、円環状凹設部705bの最外周の内周面に穿設される歯合用開口705eとを主に備える。
円環状凹設部705bは、終端ギア745の円環状部(外周にギアが形成されている円環状部)を配置可能な径および幅で形成される。終端ギア745の中心に穿設される開口に挿通される締結ネジが柱状締結部705cに螺入されることにより、終端ギア745は回転可能に軸支される。
突条部705dは、45度刻みで8箇所に配設され、終端ギア745の円環状部の内周に先端が当接可能な突設高さで形成される。これにより、円同士が嵌合する場合に比較して、終端ギア745の回転軸を安定させる機能(軸支状態の安定)を維持しながら、終端ギア745の円環状部と円環状凹設部705bとの当接面積を減少させることができる。これにより、終端ギア745を回転させるために必要とはる駆動力を小さくすることができる。
歯合用開口705eは、円環状凹設部705bの円内周と、背面側底部とに亘って開口形成される。背面側底部については、背面視において、柱状締結部705aを中心とする円(伝達ギア734の最外径の円)と重なる位置においては、少なくとも開口が形成される。これにより、伝達ギア734を、歯合用開口705eの内側(円環状凹設部705bの内径側)に張り出した状態で柱状締結部705aに軸支させることができる。
本実施形態では、歯合用開口705eを通り円環状凹設部705bの内径側へ張り出した伝達ギア734のギア歯部分と、終端ギア745のギア歯部分とが歯合するよう構成される。これにより、伝達ギア734は固定ベース部材701に背面側から取り付けられ、軸支される一方、終端ギア745は固定ベース部材701に正面側から取り付けられ、軸支されるという構成を採用しながら、伝達ギア734と終端ギア745との歯合伝達により駆動力を伝達することができる。
歯合用開口705eは、伝達ギア734を円環状凹設部705bの内径側へ張り出すために必要な箇所にのみ形成され、その他の箇所は開口が形成されていない。これにより、支持手段705付近の固定ベース部材701の強度が過度に不足することを抑制することができる。
円形張出部708は、正面側端面から複数突設される位置合わせ用の突設ピン709と、張出長さに亘って径外方向に突設される複数の突条710とを備える。
突条710は、回動アーム部材743と円形張出部708との対向間に配置され、回動アーム部材743と円形張出部708との接触面積を抑制できるように機能する。この場合、円形張出部708を大径で構成した場合に課題となり易い軸支部分の摩擦抵抗を低減することができるので、回動アーム部材743の軸支状態の安定化を図りながら、回動アーム部材743の変位に伴い生じる摩擦抵抗を低減することができる。これにより、第2動作ユニット700を変位させるために必要な駆動力の抑制を図ることができる。
金属スライドレール711は、前後に複数枚の金属板が積層されており、正面側端の金属板が変位ベース部材720に連結固定される。即ち、変位ベース部材720は、金属スライドレール711により、上下方向に変位するよう案内される。
筒状張出部714は、外周形状が正面視円形に構成されることで連結手段770を回転可能に軸支する部分であって、前後方向へ貫通する開口714aと、正面側端から正面側へ突設される位置合わせ用の複数の突設ピン715と、その突設ピン715が突設されていない部分において正面側端に雌ネジ形成される複数の締結部716とを備える。
開口714aは、電気配線DK2の通過経路となる。即ち、電気配線DK2は、開口714aを通して正面側へ案内され、左右端上ストッパ717の正面側端部に結束バンド等の配線留め用の部材が固定用形状部718に締め付けられることにより固定される。
なお、本実施形態では、左右端上ストッパ717の内、左側の左右端上ストッパ717の正面側端面から張り出すようにして、結束バンドを通すことができる形状の固定用形状部718が形成され、右側の左右端上ストッパ717には固定用形状部718は形成されない。
このように、左右端上ストッパ717の内、電気配線DK2が案内される左側にのみ固定用形状部718を形成し、反対側における形成は省略することにより、固定ベース部材701の形状の単純化を図ることができる。また、不要な箇所に固定用形状部718を形成しないようにすることで、組立作業者の作業効率の向上を図ることができる。
開口714aは、左右一対で配設されるので、電気配線DK2は左右両端で正面側へ案内されることも可能であるが、本実施形態では、左側の開口714aを通してのみ電気配線DK2が案内され、右側の開口714aには電気配線DK2は配設されない。
これにより、右側の筒状張出部714及び右側の筒状張出部714に軸支される右側の連結手段770を電気配線DK2との関係を考えて設計する必要が無いので、右側の筒状張出部714、右側の連結手段770及びその周辺の構成の設計自由度を向上させることができる。
なお、これに関わらず、左右一対の開口714aの両方から電気配線DK2を正面側へ通し、それぞれ左右の被軸支手段760L,760Rに案内するように構成しても良い。この場合、電気配線DK2を介して被軸支手段760L,760Rへ与えられる負荷を左右で同じにし易いので、変位ベース部材720の変位に伴い従動変位する被軸支手段760L,760Rの変位を左右対称にし易くすることができる。
突設ピン715及び締結部716は、開口714aの形状を構成する面であって突設ピン715も締結部716も配設されていない面をつなぐことで作られる円(開口714aの外接円)の中心側へ張り出すよう形成される。即ち、筒状張出部714の内周形状は、外周形状(円形)と異なり、円が円周上の複数箇所で中心軸側へ凹む形状とされる。
ここで、例えば、筒状張出部714の内周形状が真円形状である場合、電気配線DK2の耐久性が低下する可能性がある。即ち、開口714aに挿通される電気配線DK2は被軸支手段760Lの電飾基板764に接続されるので、被軸支手段760Lの変位に合わせて変位する可能性があるところ、この変位に伴い筒状張出部714の縁部と擦れる度合いが大きいと、電気配線DK2の被覆が早期に破損したり、電気配線DK2が早期に断線したりする可能性がある。
この対策として、筒状張出部714と電気配線DK2との間を摺動可能な筒状の中間部材(カラー)を設けたり、電気配線DK2に別個の被覆部材を巻いたりすることもできるが、別部材の費用が嵩むことになり、製品コストの増加を招く。
これに対し、筒状張出部714の内周形状を、円の複数箇所で中心軸側へ凹む形状とすることで、開口714aの縁部に沿って変位し易い電気配線DK2の変位を、突設ピン715や締結部716の箇所で制限することができるので、筒状張出部714の縁部に対する電気配線DK2の擦れの度合いを小さく抑えることができる。
この改良は、別部材が不要であり、単に開口714aの内周形状を工夫することによって課題を解決するものである。従って、製品コストの増加を抑制しながら、電気配線DK2の耐久性を向上することができる。
なお、電気配線DK2に対して、スパイラルチューブを巻き付けるようにすることで電気配線DK2の自由な変位を制限することができるが、この場合、スパイラルチューブの剛性により第2動作ユニット700の変位の抵抗が増加する虞がある。これに対し、本実施形態では、スパイラルチューブの配設を省略することで変位抵抗を減少させながら、後述の被軸支手段760の姿勢変化により、電気配線DK2の自由な変位の制限を図っている。
左右端上ストッパ717は、筒状張出部714に軸支される連結手段770の短手方向側面に当接可能に構成され、その当接により連結手段770の上昇方向変位終端を規定する。これにより、連結手段770の変位角度を制限することができる。
左右端下ストッパ719は、筒状張出部714に軸支される連結手段770の円弧状突部775の回転方向側面に当接可能に構成され、その当接により連結手段770の下降方向変位終端を規定する。これにより、連結手段770の変位角度を制限することができる。
このように、左右端上ストッパ717及び左右端下ストッパ719は、連結手段770に対して連結手段770の回転方向で当接可能に構成されているところ、連結手段770と当接する前後位置が異なる。これにより、連結手段770の特定の位置(前後位置)に当接に伴う負荷(疲労)が蓄積することを回避することができ、連結手段770の耐久性を向上することができる。
連結手段770の変位方向に対応する当接位置は、目的に合わせて選択することが可能である。例えば、本実施形態では、上昇変位は、演出手段780が第3図柄表示装置81(図15参照)の上方へ向かう変位であり、上昇変位の終端位置では連結手段770が遊技盤13の背面側に配置され遊技者から見られ難くなることから(図2参照)、変位終端位置の細かな調整は不要である。従って、連結手段770の強度や構造上の関係で設計変更が困難な外形部分と当接させて変位を規定するという選択肢を採用することができる。
加えて、上昇変位の際は、重力が連結手段770の変位を抑える方向を向くので、連結手段770の変位速度は抑えられる。従って、連結手段770の薄肉部分と当接させて変位を規定するという選択肢を採用することができる。
一方で、下降変位は逆に、演出手段780が第3図柄表示装置81(図15参照)の前側へ向かう変位であり、下降変位の終端位置では連結手段770及び連結手段770により配置が決まる被軸支手段760L,760Rが第3図柄表示装置81の正面側に配置され遊技者から見られ易くなることから(図16参照)、設計試作段階において変位終端位置の細かな調整が必要になると考えられる。従って、外形形状では無く、設計変更の容易な円弧状突部775と当接させて変位を規定するという選択肢を採用した方が、設計試作段階での連結手段770及び被軸支手段760L,760Rの変位終端位置の細かな調整に要する設計変更を最小限に抑えることができる。
即ち、円弧状突部775の形状や配置を変更することによって、連結手段770及び被軸支手段760L,760Rの変位終端位置を変更することができる。
加えて、下降変位の際は、重力が連結手段770の変位と同方向に向いているし、第3図柄表示装置81の正面側へ演出手段780を高速で変位させる演出を採用する可能性も高いことから、連結手段770の下降変位は高速になり易く、当接時の負荷が大きくなると考えられる。
従って、薄肉部分を当接させると連結手段770が破損する可能性があることから、円弧状突部775を長く構成して大きな当接面積を確保し、連結手段770に加えられる圧力の低下を図るという選択肢を採用した方が、連結手段770の耐久性を向上することができる。
このように、本実施形態においても、目的に合わせて連結手段770と、左右端上ストッパ717及び左右端下ストッパ719との当接位置をそれぞれ設定している。従って、第2動作ユニット700の第3図柄表示装置81に対する配置や、変位の方向が変化することに伴って目的が変化する場合には、連結手段770の当接位置の選択肢や採用する選択肢が変化する可能性があること当然にある。
変位ベース部材720は、金属スライドレール711が背面側に締結固定される本体板部721と、その本体板部721の左右方向中心から正面側に柱状に突設され、突設先端にコイルスプリングSP1の端部を固定するためのネジ部材を螺入可能な雌ネジが形成される突設締結部722と、本体板部721の左半部に左右長尺形状で穿設される長尺開口723と、本体板部721から正面側へ正面視筒状で張り出す一対の筒状張出部724と、その筒状張出部724の左右方向外側の上下位置において本体板部721から正面側へ突設され被軸支手段760L,760Rの変位角度を規制する上下ストッパ727と、本体板部721の下半部において左右一対で形成され電気配線DK3と他の構成との干渉を避けることを目的の一つとする干渉回避構成部728とを主に備える。
長尺開口723は、伝達手段740の連結柱部743b及びカラーC1が挿通される開口であり、連結柱部743b及びカラーC1が変位可能な幅および長さで形成される。
筒状張出部724は、固定ベース部材701で上述した筒状張出部714と同様に、外周形状が正面視円形に構成されることで被軸支手段760L,760Rを回転可能に軸支する部分であって、前後方向へ貫通する開口724aと、正面側端から正面側へ突設される位置合わせ用の複数の突設ピン725と、その突設ピン725が突設されていない部分において正面側端に雌ネジ形成される複数の締結部726とを備える。
開口724aは、電気配線DK3の通過経路となる。即ち、電気配線DK3は、開口724aを通して前後方向に案内される。なお、電気配線DK3は、被軸支手段760L,760Rと変位ベース部材720に固定される演出手段とに接続されるが、詳細は後述する。
突設ピン725及び締結部726は、開口724aの形状を構成する面であって突設ピン725も締結部726も配設されていない面をつなぐことで作られる円(開口724aの外接円)の中心側へ張り出すよう形成される。即ち、筒状張出部724の内周形状は、外周形状(円形)と異なり、円が円周上の複数箇所で中心軸側へ凹む形状とされる。
ここで、例えば、筒状張出部724の内周形状が真円形状である場合、電気配線DK3の耐久性が低下する可能性がある。即ち、開口724aに挿通される電気配線DK3は被軸支手段760Lの電飾基板764に接続されるので、被軸支手段760Lの変位に合わせて変位する可能性があるところ、この変位に伴い筒状張出部724の縁部と擦れる度合いが大きいと、電気配線DK3の被覆が早期に破損したり、電気配線DK3が早期に断線したりする可能性がある。
この対策として、筒状張出部724と電気配線DK3との間を摺動可能な筒状の中間部材(カラー)を設けたり、電気配線DK3に別個の被覆部材を巻いたりすることもできるが、別部材の費用が嵩むことになり、製品コストの増加を招く。
これに対し、筒状張出部724の内周形状を、円の複数箇所で中心軸側へ凹む形状とすることで、開口724aの縁部に沿って変位し易い電気配線DK3の変位を、突設ピン725や締結部726の箇所で制限することができる。即ち、突設ピン725や締結部726により電気配線DK3の変位をせき止めることができ、電気配線DK3の変位角度を小さく制限することができるので、筒状張出部724の縁部に対する電気配線DK3の擦れの度合いを小さく抑えることができる。
この改良は、別部材が不要であり、単に開口724aの内周形状を工夫することによって課題を解決するものである。従って、製品コストの増加を抑制しながら、電気配線DK3の耐久性を向上することができる。
上下ストッパ727は、被軸支手段760L,760Rの変位を規制可能に構成されるが、変位ベース部材720が上下変位の終端に配置され停止している場合に、上下ストッパ727の上下どちらか一方が被軸支手段760L,760Rと必ずしも当接しない。
即ち、本実施形態では、変位ベース部材720が上昇終端位置に配置されると、下側のストッパと被軸支手段760L,760Rとが当接するよう構成される一方(被軸支手段760L,760Rの回転下側終端位置)で、変位ベース部材720が下降終端位置に配置されても、被軸支手段760L,760Rとの間で隙間が生じるように上側のストッパが配設される。
これにより、変位ベース部材720を下降終端位置へ向けて高速変位させた場合に、連動して被軸支手段760L,760Rが高速で変位したとしても、変位ベース部材720が下降終端位置に到達した時点では被軸支手段760L,760Rと上側の上下ストッパ727とが当接しないので、上側のストッパを被軸支手段760L,760Rとの間の隙間なしで配設する場合に比較して、被軸支手段760L,760Rから上側の上下ストッパ727に加えられる負荷を低減することができる。
なお、本実施形態では、被軸支手段760L,760Rの回転終端が連結手段770との関係により規定され(図54参照)、被軸支手段760L,760Rが回転上側終端位置に配置された場合であっても、軸支手段760L,760Rと上側のストッパとの間に若干の隙間が生じるように上下ストッパ727が形成される。
上下ストッパ727は、各筒状張出部724に対応して、上下に薄板状に配設される。これにより、被軸支手段760L,760Rとの当接時に若干の撓み変形を生じさせることができるので、当接時に被軸支手段760L,760Rに与えられる負荷を一部相殺することができる。これにより、被軸支手段760L,760Rの破損防止を図ることができる。
特に、下側のストッパには、被軸支手段760L,760Rの自重による負荷が長時間与えられ易いことから、上述のように撓み変形を許容する構成では、撓み変形した状態が長時間続いて、撓み変形したまま形状が固定されてしまう可能性がある。
これに対し、本実施形態では、下側のストッパの当接面の反対側に、隙間を空けて、上下ストッパ727と同様に正面側に突設される突設部727aが対向配置されている。下側のストッパと突設部727aとは、互いに対向する面の上下両端部で連結されているので、下側のストッパの変形が突設部727aに受け止められるよう構成される。
これにより、上下ストッパ727の撓み変形の程度を調整することができる。即ち、突設部727aが負荷を受け止める分(抵抗が生じる分)、上側のストッパに比較して、下側のストッパの撓み変形の程度を小さくすることができる。これにより、被軸支手段760L,760Rの自重による負荷が長時間生じたとしても、下側のストッパの撓み変形量を小さく抑えることができるので、撓み変形したまま形状が固定されてしまう可能性を下げることができる。
なお、上述では、上下ストッパ727の厚み(被軸支手段760L,760Rの回転方向の肉厚)を上下で同等として樹脂成形性を高く維持しながら、ストッパの撓み変形量を調整する簡易な方法を説明したが、ストッパの撓み変形量を調整する方法はこれに限られるものでは無く、種々の方法が例示される。例えば、柔軟な(変形性の高い)クッション部材を配設するようにしても良いし、ストッパが変位可能に本体板部721に支持されるように構成しても良い。
干渉回避構成部728は、左右長尺形状で本体板部721に穿設される長尺開口728aと、その長尺開口728の左右中心位置の上下両縁部をつなぐように形成され中央部が正面側へ張り出す側面視コ字形状のコ字状張出部728bとを備える。長尺開口728は、電気配線DK3を通過させる開口であり、コ字状張出部728bは、電気配線DK3の支持を一つの目的として形成されるが、詳細は後述する。
駆動手段730は、正逆両方向に回転駆動可能な駆動モータ731と、その駆動モータ731のモータケースが締結固定される支持板732と、その支持板732を貫通して正面側へ挿通される駆動軸に挿通固定されるモータギア733と、そのモータギア733と歯合されると共に固定ベース部材701の支持手段705の柱状締結部705aに軸支される伝達ギア734とを主に備える。
支持板732は、組立状態(図39参照)において本体板部702に背面側から締結固定されており、この組立状態において、支持手段705の歯合用開口705eを通して正面視できる位置まで伝達ギア734の一部の歯が張出可能に配置され、その歯と終端ギア745とが歯合することで、駆動モータ731で発生した駆動力が伝達手段740へ伝達可能となる。
伝達手段740は、円形張出部708に隙間を空けて外嵌されるリング部材741と、突設ピン709に位置合わせされた状態で円形張出部708の正面側端面に締結固定される前蓋部材742と、その前蓋部材742及びリング部材741の間に配置され円形張出部708に基端側開口743aが軸支される回動アーム部材743と、その回動アーム部材743に長尺形状で穿設される伝達孔744と、支持手段705の円環状凹設部705b及び柱状締結部705cに回転可能に軸支される終端ギア745と、その終端ギア745の偏心位置から回転軸線と平行に突設され伝達孔744に挿通される偏心柱部746と、終端ギア745の回転位置(終端ギア745が初期配置にあること)を検出可能なフォトカプラ形式の検出装置であって本体板部702に固定される検出センサ747とを主に備える。
リング部材741は、摩擦低減用の部材であって、回動アーム部材743と本体板部702との間で摺動することで摩擦抵抗の増大を抑制し、回動アーム部材743の動作が円滑になるように図っている。
加えて、リング部材741が支持される円形張出部708は、突条710によりリング部材741の回転方向摩擦の低減が図られているので、リング部材741を容易に摺動させることができる。
回動アーム部材743の基端側開口743aも、リング部材741と同様に円形張出部708の突条710が形成されている範囲に回転可能に外嵌支持されるので、突条710により、リング部材741の回転方向摩擦の低減だけでなく、回動アーム部材743の回転方向摩擦の低減をも図ることができる。
回動アーム部材743は、回転先端側から正面側へ柱状に突設される連結柱部743bを備える。連結柱部743bは、変位ベース部材720の長尺開口723に挿通され、連結柱部743bを介して変位ベース部材720へ駆動力が伝達される。
連結柱部743bには、摩擦低減用の部材であって筒状に形成されるカラーC1が配設され、連結柱部743bの先端部に形成される雌ネジにツバ付きネジが螺合されることで、ネジのツバによりカラーC1の抜け止めがされる。
回動アーム743は、伝達孔744の上側部において背面側から正面側へ向けて凹設逃げ部が凹設される(図44参照)。凹設逃げ部は、回動アーム743が上昇終端位置(図50参照)に配置された場合に、検出センサ747と干渉することを避けるための逃げ形状部である。これにより、検出センサ747により回動アーム743の配置が制限されることを回避しながら、正面視において検出センサ747と干渉する位置にまで回動アーム743の外形を拡げる(回動アーム743を幅広に形成する)ことができる。
伝達孔744は、大半の部分で直線方向に沿う長孔として構成されているが、回動アーム部材743の回転基端側端部において、偏心柱部746を案内可能な湾曲形状部744aを備える。なお、湾曲形状部744aと偏心柱部746との関係および湾曲形状部744aの効果については後述する。
終端ギア745は、組立状態(図39参照)において伝達ギア734と歯合されており、駆動モータ731の回転駆動と連動して回転する。即ち、駆動モータ731の駆動力は、駆動モータ731、モータギア733、伝達ギア734、終端ギア745の順で伝達され、終端ギア745から更に下流側の、回動アーム部材743、変位ベース部材720へと伝達される。
偏心柱部746には、摩擦低減用の部材であって筒状に形成されるカラーC1が配設され、偏心柱部746の先端部に形成される雌ネジにツバ付きネジが螺合されることで、ネジのツバによりカラーC1の抜け止めがされる。
検出センサ747は、終端ギア745から径方向外側へ板状に延設される被検出部745aが挿通可能な向きに検出溝が向けられており、この検出溝に被検出部745aが配置されているか否かにより終端ギア745の配置を検出する。
付勢手段750は、正面視L字の板状に形成されるスプリングカバーSC1と、その背面側に配設されるコイルスプリングSP1と、そのコイルスプリングSP1を湾曲させるよう配置されるフランジ付き筒状部材751とを備える。
フランジ付き筒状部材751は、スプリングカバーSC1の背面側へ外形円状に突設される回転軸部SC1jに回転可能に軸支され、定滑車として機能する部材であって、外周円形部に沿ってコイルスプリングSP1が円弧状に湾曲するよう配置される。これにより、コイルスプリングSP1が略L字状に伸縮可能となるので、コイルスプリングSP1を直線状に伸縮させる場合に比較して、小さな範囲でコイルスプリングSP1の弾性力の調整自由度を向上することができる。
コイルスプリングSP1は、上側端部が固定ベース部材701のバネ支持部704に支持される一方、下側端部が変位ベース部材720の突設締結部722に螺入されるネジ部材により支持される。即ち、付勢手段750は、変位ベース部材720よりも正面側に配設される。
被軸支手段760L,760Rは、外観形状が若干異なるものの、機能に関わる構成は左右対称なものが多いので、一方(左側の被軸支手段760L)を被軸支手段760とも称し詳細に説明し、他方(右側の被軸支手段760R)の詳細な説明を省略する。
被軸支手段760は、筒状張出部724に隙間を空けて外嵌される薄肉リング部材761と、突設ピン725に位置合わせされた状態で締結部726に締結される締結ネジが挿通されることで筒状張出部724の正面側端面に締結固定される前蓋部材762と、その前蓋部材762及び薄肉リング部材761の間に配置され円形張出部724に基端側開口763aが軸支される従動変位部材763と、その従動変位部材763の正面側に締結固定される電飾基板764と、その電飾基板764に接続される電気配線DK2を案内する部分であって従動変位部材763の回転先端側に配設される案内部765と、回転先端側において背面側へ円柱状に突設され先端側に雌ネジが形成される円柱状締結部766と、電飾基板764の正面側に配設され光を拡散させる拡散部材および正面視での意匠を構成する意匠部材が積層配置される装飾部材768とを主に備える。
薄板リング部材761は、摩擦低減用の部材であって、従動変位部材763と本体板部702との間で摺動することで摩擦抵抗の増大を抑制し、従動変位部材763の動作が円滑になるように図っている。
前蓋部材762は、開口724aの内周形状に沿う形状で穿設される配線通し用の開口762aを備える。電気配線DK3は、開口762aを前後方向に通され、本体板部721の背面側へ案内され、長尺開口728aを通り正面側へ案内されるが、詳細は後述する。
電飾基板764は、電気配線DK2,DK3が接続されるコネクタ部764aを両端部に備える。ここで、電気配線DK2,DK3及び電飾基板764に関わる電気の供給について説明する。まず、固定用形状部718に通された結束バンドに位置固定された電気配線DK2は、被軸支手段760Lの電飾基板764の左端部に配設されるコネクタ部764aに接続される。
左側の電飾基板764の右端部に配設されるコネクタ部764aには、電気配線DK3の一端が接続され、この電気配線DK3の他端は演出手段780の接続端子784に接続する。電気配線DK3は左右対称に配設されており、右側の電気配線DK3は、右側の電飾基板764の左端部に配設されるコネクタ部764aと演出手段780の接続端子784とに接続される。
このように、本実施形態では、電気配線DK2,DK3の接続は被軸支手段760の端部で行い、被軸支手段760の中腹部分での電気配線DK2,DK3の配設を省略している。その省略部分に配設される電飾基板764に電気配線DK2,DK3の電気供給手段としての役割を担わせることで、電気配線DK2,DK3が変位する範囲を最小限に抑えながら、電気配線DK2,DK3を伝って供給される電気の経路を長く確保することができる。
加えて、演出手段780の電飾基板783に、電気配線DK3の電気供給手段としての役割を担わせることで、左側の被軸支手段760Lの左端部に配置される案内部765に案内された電気配線DK2を介して、右側の被軸支手段760Rまで電気を供給することができる。
これにより、被軸支手段760Rに対して、右端部から電気配線を接続することをせずとも、被軸支手段760Rへ電気を供給することが可能となるので、被軸支手段760Rや、被軸支手段760Rの周辺の構成の設計自由度を向上することができる。
例えば、被軸支手段760を高速で下降させる変位を実行する場合、被軸支手段760Lについては電気配線DK2を置き去りにしないように考慮する必要があるが、被軸支手段760Rについては、それが不要である。従って、被軸支手段760Rのみを高速で下降させる変位態様を採用することができる。
また、例えば、右側の左右端上ストッパ717と被軸支手段760Rとの間に部材を配置することが容易になる。これにより、連結手段770の正面側に部材を配置し、その部材により連結手段770を隠すよう構成することができる。
案内部765は、電飾基板764のコネクタ部764a(図46参照)を配置可能な開口として穿設される開口部765aと、その開口部765aへ向けて電気配線DK2を案内可能な経路として正面側が開放され断面コ字状に形成される経路部765bとを備える。
円柱状締結部766には、摩擦低減用の部材であって筒状に形成されるカラーC1が配設され、先端部に形成される雌ネジにツバ付きネジが螺合されることで、ネジのツバによりカラーC1の抜け止めがされる。
なお、右側の電飾基板764について(左側の)電飾基板764との相違点としては、右端部を介した電気配線の接続が無いので、右側の電飾基板764の右端部には、コネクタ部が配設されていない。また、同様の理由から、右側の従動変位部材763には案内部765が配設されていない。
連結手段770は、左右で略同一形状の部材から構成されるので、左側の連結手段770の構成について詳細に説明し、右側の連結手段770の詳細説明を省略する。連結手段770は、筒状張出部714に隙間を空けて外嵌される薄肉リング部材771と、突設ピン715に位置合わせされた状態で締結部716に締結される締結ネジが挿通されることで筒状張出部714の正面側端面に締結固定される前蓋部材772と、その前蓋部材772及び薄肉リング部材771の間に配置され円形張出部714に基端側開口773aが軸支される従動変位部材773と、その従動変位部材773の径方向に沿う長尺形状に穿設される長尺開口774と、従動変位部材773の背面側へ開口773aの中心を中心とした円弧形状で突設される円弧状突部775とを主に備える。
薄板リング部材771は、摩擦低減用の部材であって、従動変位部材773と本体板部702からの嵩上げ部分との間で摺動することで摩擦抵抗の増大を抑制し、従動変位部材773の動作が円滑になるように図っている。
前蓋部材772は、前蓋部材762と同一形状の部材として構成され、開口714aの内周形状に沿う形状で穿設される配線通し用の開口772aを備える。電気配線DK2は、開口772aを前後方向に通され、案内部765へ案内され、電飾基板764のコネクタ部764aに接続される。
長尺開口774は、正面側から従動変位部材763の円柱状締結部766を受け入れ、背面側から円柱状締結部766に軸支されるカラーC1を受け入れ、円柱状締結部766の先端に形成される雌ネジにツバ付きネジが螺合される。この状態で、ツバ付きネジのツバによりカラーC1の抜け止めがされるので、連結手段770は、被軸支手段760に脱落不能に支持される。
円弧状突部775は、左右端下ストッパ719と当接可能に配設されており、この当接により、連結手段770の回転終端が規定されるが、詳細は後述する。
演出手段780は、背面側へ突設される複数の脚部782が変位ベース部材720に締結固定される演出ベース部材781と、その演出ベース部材781の外形を覆う大きさで正面側から締結固定される装飾部材786と、演出ベース部材781の下半部の背面側に締結固定され下側からの視線を遮る下側遮蔽部材788とを備える。
演出ベース部材781は、円板状の本体板部781aと、スプリングカバーSC1の縦長部分の左右幅よりも若干長い隙間を空けて本体板部781aの背面側へ向けて配設される複数の脚部782と、正面側へ光を照射するLED(発光手段)を有し本体板部781の正面側に締結固定される電飾基板783と、その電飾基板783の背面側に配設され電気配線DK3が接続可能に構成される複数の接続端子784と、本体板部781aに穿設される複数の挿通開口785とを備える。
挿通開口785は、本体板部781aの中心付近において接続端子784を背面視で含む範囲に穿設される組み付け用開口785aと、本体板部781aの径外側部において左右一対で穿設される規制用開口785bとを備える。規制用開口785bは、電気配線DK3の配置を制限するための開口として機能するが、詳細は後述する。
装飾部材786は、複数の部材が積層配置されることで構成されている。即ち、光を拡散させる拡散部材および光透過性の樹脂材料から形成され正面視での意匠形状を構成する意匠部材が積層配置される。これにより、電飾基板783の発光手段から照射される光による演出の演出効果を向上することができる。
下側遮蔽部材788は、下側からの視線(遊技者が第3図柄表示装置81から上側へ向けて見上げるように目線を移す際の視線)を遮る部材であって、第2動作ユニット700の待機状態において付勢手段750が下側から見られないようにすることを目的とするが、詳細は後述する。
図50、図51及び図52は、第2動作ユニット700の正面図である。図50、図51及び図52では、第2動作ユニット700の変位ベース部材720が上昇終端位置から下降終端位置まで変位する様子が時系列で図示される。なお、図50、図51及び図52では、理解を容易とするために、電飾基板764、装飾部材768及び演出手段780の図示が省略される。
図50では、変位ベース部材720が上昇終端位置に配置された状態が図示され、図51では、変位ベース部材720が上昇終端位置と下降終端位置との間の途中位置に配置された状態が図示され、図52では、変位ベース部材720が下降終端位置に配置された状態が図示される。
なお、図51では、左右端下ストッパ719と連結手段770の円弧状凸部775(図46参照)とが当接開始する状態が図示される。即ち、途中位置の内、変位ベース部材720の下降変位中に従動変位部材763の姿勢が維持される区間の終端位置が図示されており、図51に示す状態を超えて変位ベース部材720が下降変位することに伴い、従動変位部材763の姿勢が変化する(図52参照)。
変位ベース部材720が下降終端位置に配置されるまで終端ギア745が回転すると、偏心柱部746は伝達孔744の湾曲形状部744aに進入する。湾曲形状部744aは、図52の状態において終端ギア745の回転軸を中心とした円弧に沿って湾曲する開口部として形成されており、湾曲形状部744aを偏心柱部746が進行している間は回動アーム部材743の姿勢が維持される。
即ち、湾曲形状部744aを、終端ギア745が停止するまでの減速区間として利用すれば、終端ギア745を高速で回転させて変位ベース部材720を高速で上下変位させる場合であっても、終端ギア745の減速中に変位ベース部材720が変位することを防止することができる。従って、変位ベース部材720の下降変位を高速で実行した後で、下降終端位置で正確に停止させることができる(急停止させることができる)。
また、変位ベース部材720が下降終端位置に配置された状態から終端ギア745を正面視反時計回りに回転させる場合、回転開始時において湾曲形状部744aを偏心柱部746が進行する間は、回動アーム部材743の姿勢は維持されており回動アーム部材743の自重による抵抗が負荷されない。そのため、駆動モータ731の駆動開始時における駆動力として要求される大きさを小さく抑えることができる。
また、湾曲形状部744aは、偏心柱部746が正面視時計回りに回転を継続することを規制する長さで構成される。即ち、偏心柱部746が変位し得る位置(終端ギア745の回転軸を中心とした円周上の位置)の内、回動アーム部材743の回転軸に近い側の一範囲に偏心柱部746が配置された場合には、偏心柱部746を内側に含むことができない長さで形成される。
これにより、終端ギア745が減速しきれずに、図52に示す状態から更に正面視時計回りに回転したとしても、偏心柱部746と湾曲形状部744aとの間でロックがかかり、回動アーム部材743が上昇変位することを回避することができる。
左側の開口714aの正面側に配設される前蓋部材772の開口772aの左上角部を通して正面側へ案内される電気配線DK2は、左右端上ストッパ717の固定用形状部718に結束バンド等の固定具で固定され、固定用形状部718を起点として案内部765まで余裕長さを有して延び、案内部765に結束バンド等の固定具で固定される。
電気配線DK2は、経路部765bの内側を通り開口部765aへ向かう方向に案内されるが、この方向と一致する直線である案内直線D1は、被軸支手段760の回転軸の回転径方向と一致する(回転軸を通る)。即ち、本実施形態では、電気配線DK2が被軸支手段760の回転径方向から被軸支手段760に案内される。
これにより、被軸支手段760の回転変位に伴い電気配線DK2に与えられる負荷(引張方向の負荷や、圧縮方向の負荷)が、被軸支手段760の回転向きに関わらず同等に生じるよう図ることができる。即ち、被軸支手段760の回転変位に伴い電気配線DK2に与えられる負荷を均一化することができるので、電気配線DK2の耐久性を向上することができる。
図50から図51の上下移動では、電気配線DK2の被軸支手段760に接続される端部(以降、電気配線DK2の接続端部とも称する)は、鉛直方向に変位している。一方で、図51から図52の上下移動では、被軸支手段760が姿勢変化することに伴い、電気配線DK1の接続端部が左右方向成分を含む方向に変位している。この電気配線DK1の接続端部の変位について説明する。
図51から図52の上下移動において、変位ベース部材720は第1距離L1だけ下降している一方、電気配線DK2の接続端部の移動距離は第2距離L2に短縮されている(L1>L2)。即ち、電気配線DK2の変位量を低減することで、電気配線DK2に与えられ得る負荷を低減することができるので、電気配線DK2の断線を回避し易くすることができる。
更に、電気配線DK2の変位量を短縮することにより、電気配線DK2の移動範囲を遊技盤13のベース板60(図2参照)で隠される範囲に留め易くすることができ、電気配線DK2が遊技者から視認され難くすることができるので、電気配線DK2を正面側に寄せて配置し易くすることができる。
また、電気配線DK2の接続端部は、変位ベース部材720が下降変位するのに対し、上昇変位する。これにより、下降変位していた変位ベース部材720を停止させる際に電気配線DK2に慣性により生じる下向きの負荷に反する上向きの負荷を、電気配線DK2に予め与えることができる。従って、電気配線DK2に与えられ得る負荷を相殺することができ、電気配線DK2に与えられる疲労を低減することができる。
変位ベース部材720が下降終端位置に配置される状態は、電気配線DK2の接続端部が固定用形成部718から最も離れる状態であり、電気配線DK2に大きな引っ張り負荷が生じやすいが、本実施形態では、電気配線DK2が被軸支手段760に案内される方向と一致する案内直線D1が、固定用形成部718に近接する。
これにより、電気配線DK2の接続端部が固定用形成部718から最も離れる状態において、電気配線DK2を固定用形成部718から電気配線DK2の接続端部までまっすぐに延ばした状態で配置可能となるので、電気配線DK2に引っ張り方向の負荷が生じることを回避し易くすることができる。
このように、被軸支手段760の回転変位は、電気配線DK2の変位に対して好適に作用するが、電気配線DK2の変位のためだけに被軸支手段760を回転変位させるのであれば、左側の被軸支手段760Lのみ回転変位させるようにし、右側の被軸支手段760Rは変位ベース部材720に対して固定されるように構成しても良い。この場合、第2動作ユニット700で左右非対称の動作演出を構成することができる。
これに対し、本実施形態では、被軸支手段760の変位を左右対称で生じさせることにより、第2動作ユニット700の昇降移動を左右バランス良く生じさせることができるので、昇降部分としての変位ベース部材720のぐらつきを抑制することができる。更に、被軸支手段760の変位を左右対称で生じさせることにより、動作演出としてのバランスを良化することができる。
被軸支手段760の従動変位部材763は、前蓋部材762に近接する側において、電気配線DK3を固定するために結束バンド等の固定部材を挿通可能に形成される配線固定部763bを備える。
電気配線DK3は、配線固定部763bで固定される部分を基準として前蓋部材762の反対側に配置されるコネクタが、電飾基板764のコネクタ部764a(図46参照)に接続される。
湾曲形状部744aの効果として上述した効果とは別の効果について、図53を参照して説明する。図53では、変位ベース部材720の下降終端位置の周辺において、回動アーム部材743が往復動作する様子が時系列で図示される。
図53(a)、図53(b)及び図53(c)は、回動アーム部材743及び終端ギア745の正面図である。図53(a)では、偏心柱部746は湾曲形状部744aに進入し、回動アーム部材743は変位ベース部材720が下降終端位置に配置される状態の位置(以下、回動アーム部材743の下降終端位置とも称す)で図示され、図53(b)では、図53(a)に示す状態から、終端ギア745が正面視反時計回りに回転し、回動アーム部材743が途中位置(図51参照)に配置された状態が図示され、図53(c)では、変位ベース部材720の自重で回動アーム部材743が下降変位し、下降終端位置に配置された回動アーム部材743が図示される。
図53(a)から図53(c)で示すような時系列での変化は、例えば、駆動モータ731の駆動力を一方向に生じさせたあとで、敢えて駆動力を解除するように制御する場合に発生し得る。
即ち、図53(a)に示す状態から、図53(b)に示す状態に至るまで駆動モータ731を駆動させ、図53(b)に示す状態に到達したら駆動力を解除することで、自重により回動アーム部材743が下降終端位置まで下降変位すると、図53(c)に示す状態に至る。
図53(c)に示す状態では、駆動モータ731の駆動力では無く、回動アーム部材743が自重で下降変位することに伴い従動した結果としての終端ギア745が図示されており、偏心柱部746は湾曲形状部744aに進入していない。
従って、上述の偏心柱部746が湾曲形状部744aに進入することで生じる跳ね返り防止の機能が生じないので、図53(c)に示す状態になった後、回動アーム部材743が跳ね返り変位(バウンド変位)し得るよう構成することができる。
即ち、本実施形態では、駆動モータ731の駆動力により回動アーム部材743を下降終端位置に配置する場合と、自重により回動アーム部材743を下降終端位置に配置する場合とで、その跳ね返り変位(バウンド変位)のし易さを変化させることができるので、回動アーム部材743の動作に意外性を持たせることができる。
ここで、自重での変位や、動作速度は、駆動モータ731での動作のように制御可能な態様に比較して不均一になり易い。また、摺動抵抗やパチンコ機10(図1参照)の設置角度等の不確定な事情によっても、ばらつきが生じ易い。例えば、回動アーム部材743が変位ベース部材720等の自重により高速で下降変位する場合もあれば、若干ゆっくりと下降変位する場合もある。
回動アーム部材743の下降変位が高速で生じると、偏心柱部746も同様に勢いよく変位するので、回動アーム部材743が下降終端位置に配置された時点において偏心柱部746が伝達孔744の長手方向端部の内側面と当接するよう構成する場合、伝達孔744から偏心柱部746に与えられる負荷が大きくなり、偏心柱部746が早期に破断する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、回動アーム部材743が下降終端位置に配置された時点では偏心柱部746が湾曲形状部744aに進入するに留まり、伝達孔744の長手方向端部の内側面との当接が生じないので、偏心柱部746の耐久性を向上することができる。
従って、図53(a)から図53(c)に示す時系列に沿う変化を繰り返し生じさせる演出を偏心柱部746への負担を最小限に抑えながら実行することができる。図53(a)から図53(c)に示す時系列に沿う変化を繰り返し生じさせるには、図53(a)の状態から図53(b)の状態へ変化させるための駆動態様を間欠的に生じさせれば良い。これにより、被軸支手段760(図38参照)が小刻みに上下往復変位を繰り返すという動作演出を実行することができる。
図54は、第2動作ユニット700の正面図である。図54では、変位ベース部材720が下降終端位置に配置された状態が図示される。なお、図54では、理解を容易とするために、電飾基板764、装飾部材768及び演出手段780の図示が省略される。
図54では、図52に示す状態に比較して、被軸支手段760が上昇変位した状態が図示される。即ち、図52に示す状態における水平ラインに対する被軸支手段760の傾斜角度に比較して、図54に示す状態の方が、水平ラインに対する被軸支手段760の傾斜角度が大きい。
図54に示すような状態は、例えば、変位ベース部材720が急降下して下降終端位置に配置された場合に生じる。この場合、変位ベース720は上述の跳ね返り防止(バウンド防止)の効果により下降終端位置で維持される一方、被軸支手段760には傾斜角度を変化させながら変位を継続しようとする慣性が働くので、被軸支手段760のみが変位することになる。
ここで、被軸支手段760に働く慣性による加速度が、自重による加速度よりも小さい内は、被軸支手段760のみが変位することは無く、変位ベース部材720が下降終端位置で維持されるのと同様に、被軸支手段760は図52に示す配置で維持される。
即ち、変位ベース部材720の下降速度の大小により、変位ベース部材720が下降終端位置に到達した後で被軸支手段760の配置が維持される場合(下降速度小)と、変位ベース部材720が下降終端位置に到達した後で被軸支手段760が慣性で位置ずれする場合(下降速度大)とを構成することができる。これにより、演出効果を向上させることができる。
図52に示す状態から、図54に示す状態への変化においても、電気配線DK2の接続端部は、固定用形状部718側である上側へ変位しているので、電気配線DK2が過剰に引っ張られることを回避することができる。
ここで、変位ベース部材720が高速で下降変位する場合には電気配線DK2の慣性がより大きくなり、電気配線DK2が下側へ張り出す可能性が高くなるが、変位ベース部材720が低速で下降変位する場合に比較して電気配線DK2の接続端部が更に上側へ変位するので、下降変位していた変位ベース部材720を停止させる際に電気配線DK2に慣性により生じる下向きの負荷に反して電気配線DK2に予め与えられる上向きの負荷を増大させることができる。
従って、電気配線DK2に与えられ得る慣性による負荷が大きい場合であっても、電気配線DK2に予め与えられる上向きの負荷により十分に相殺することができるので、電気配線DK2に与えられる疲労を低減することができる。
電気配線DK2の接続端部を被軸支手段760の変位により上側へ変位させるという特徴は、電気配線DK2に弛みが必要となる場合に効果的に機能するので、本実施形態のように、被軸支手段760の変位のバリエーションが複数ある場合に特に有用となる。
即ち、被軸支手段760の変位のバリエーションが複数ある場合、電気配線DK2に生じる引張負荷を被軸支手段760の全配置で抑制するため、電気配線DK2の弛みが最も少なくなる被軸支手段760の配置(図54参照)に比較して、その他の被軸支手段760の配置(図51、図52参照)では電気配線DK2の弛みが大きくなる。
そのため、対策無しでは、電気配線DK2の弛みが大きくなる配置において、電気配線DK2が慣性力により過剰に変位し易く、遊技者に視認される可能性が高くなり、演出に支障が生じる虞がある。
これに対し、本実施形態のように、電気配線DK2に与えられ得る慣性に寄る負荷を相殺する方向に負荷を生じさせるように被軸支手段760を変位させる構成であれば、電気配線DK2の弛みが大きくなる配置で被軸支手段760を停止させるよう制御したとしても、電気配線DK2が慣性力により過剰に変位することを抑制し易くできるので、電気配線DK2が遊技者に視認される可能性を低くすることができる。
本実施形態では、慣性による被軸支手段760の位置ずれの限界位置は、連結手段770との関係により規定される。即ち、図54に示すように、円柱状締結部766が連結手段770の長尺開口774の端部に配置される位置として被軸支手段760の回転上側終端位置が設定される。即ち、被軸支手段760は、図52に示す傾斜角度と、図54に示す傾斜角度との間で回転変位可能に構成される。
換言すれば、連結手段770により、慣性による被軸支手段760の位置ずれが過度に生じることを防止することで、被軸支手段760の動作範囲を電気配線DK2に与える負荷が低く維持される範囲に限定することができる。
このように、連結手段770は、変位ベース部材720の変位期間と被軸支手段760の回転変位期間とに時間差を設ける機能に加えて、被軸支手段760の変位を電気配線DK2に与える負担が低く維持される範囲に限定する機能を備えている。従って、本実施形態では、時間差のある動作演出を実行することを可能とする部材によって、電気配線DK2の耐久性を向上することができる。
本実施形態では、変位ベース部材720を駆動モータ731の駆動力により下降終端位置まで変位させる変位態様(図52参照)と、自重により変位ベース部材720を下降終端位置まで変位させる変位態様(図53参照)とで、第2動作ユニット700を動作させることができる。
加えて、変位ベース部材720が下降終端位置に到達した後の被軸支手段760の変位態様として、変位ベース部材720が下降終端位置に到達した時点での姿勢で維持される変位態様と、変位ベース部材720が下降終端位置に到達した後も慣性により変位継続する変位態様とで、第2動作ユニット700を動作させることができる。
これらの変位態様を意図的に選択して生じさせる制御方法の内、上述の、下降変位の速度を調節する方法の他の方法について説明する。
変位ベース部材720は上昇終端位置と下降終端位置との間を変位可能に構成されるところ、下降終端位置に到達してから、上昇変位を開始するまでの時間長さを調整することで、被軸支手段760の変位態様を調整することができる。
例えば、変位ベース部材720が下降終端位置に到達してから、上昇変位を開始するまでの時間が短い場合、被軸支手段760を押し戻す回転方向の負荷が生じ、被軸支手段760の慣性力が相殺される。そのため、被軸支手段760が回転変位し過ぎることなく(図54で示す姿勢となることなく)、変位ベース部材720が上昇変位する。
一方、例えば、変位ベース部材720が下降終端位置に到達してから、上昇変位を開始するまでの時間が長い場合、被軸支手段760が慣性力で回転変位し過ぎる(図54で示す姿勢となる)までの間に被軸支手段760を押し戻す回転方向の負荷が生じなければ、被軸支手段760が慣性力で過度に回転変位し、重力で回転下側終端位置に戻ってから、変位ベース部材720が上昇変位することになる。
このように、変位ベース部材720が下降終端位置に到達してから、上昇変位を開始するまでの時間長さを調整することで、被軸支手段760の変位態様を調整することができる。
図55は、図50のLV−LV線における第2動作ユニット700の部分断面図である。図55では、図50において図示を省略した電飾基板764、装飾部材768及び演出手段780が省略されずに図示される。
図55に示すように、電気配線DK3は、略左右対称に配置される一対の電気配線であるので、左側の電気配線DK3の配置として電気配線DK3の詳細を説明し、右側の電気配線DK3の説明を省略する。
電気配線DK3は、背面側から変位ベース部材720の複数箇所に挿通されるように配置され、一方の端部は、背面側から開口724aを通りコネクタ部764aに接続され、他方の端部は、背面側から長尺開口728aを通り接続端子784に接続される。開口724a及び長尺開口728aは、組立状態において、演出手段780に正面視で遮蔽される位置に形成されるので、正面視で電気配線DK3が遊技者に視認されることを防止することができる(図16参照)。以下、コネクタ部764a側を電気配線DK3の上流側、接続端子784側を電気配線DK3の下流側として説明する。
電気配線DK3は、下流側において配置が固定される。換言すれば、電気配線DK3において他の構成の動作の影響で変位する必要が生じるのは、開口724aの上流側のみである。即ち、被軸支手段760の回転変位に伴うコネクタ部764aの変位の影響で、電気配線DK3の変位が生じる。
ここで、電気配線DK3は、被軸支手段760の回転軸としての開口724aに支持されているので、被軸支手段760の回転に伴って、電気配線DK3に引っ張り方向の負荷が生じることを回避し易くすることができる。
更に、電気配線DK3は、開口724aの正面側に配置される前蓋部材762の開口762aの角部(凹部)に配置されるので、円形状の開口に配置される場合に比較して、開口762a内での配置が限定される。これにより、電気配線DK3が開口762aの縁部と擦れる程度を低くすることができるので、電気配線DK3の耐久性を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、変位ベース部材720の背面側を通さずに電気配線DK3を配置しコネクタ部764aと接続端子784とに接続する場合に比較して、電気配線DK3の変位する範囲を限定することができると共に、その範囲において引っ張り負荷が生じることを回避することができるので、電気配線DK3の耐久性を向上することができる。
また、変位ベース部材720の背面側を通さずに電気配線DK3を配置しコネクタ部764aと接続端子784とに接続する場合には、コネクタ部764aから正面側へ向けて電気配線DK3が案内されることになるので、被支持手段760と干渉することを避けるために電気配線DK3を複数箇所で固定する必要がある。
これに対し、本実施形態では、電気配線DK3が端背面側へ案内される。即ち、電気配線DK3が被軸支手段760から離れる方向へ案内されるので、被軸支手段760と電気配線DK3とが干渉する可能性を低くすることができる。従って、結束バンド等の別個の固定手段の配設個数を減らすことができるので、作業工数の削減や、材料コストの削減を図ることができる。
下流側の電気配線DK3の配置について説明する。電気配線DK3は、長尺開口728aを通り、コ字状張出部728bの外側(スプリングカバーSC1の反対側)を通り、演出手段780の規制用開口785bを通り、接続端子784に接続される。
このように配置されることで、電気配線DK3とスプリングカバーSC1との干渉を回避することができる。即ち、図55に示すように、電気配線DK3はコ字状張出部728bや本体板部781a(図48参照)によりスプリングカバーSC1側へ近接変位することが規制されているので、結束バンド等の固定部材により電気配線DK3を固定しなくても、電気配線DK3とスプリングカバーSC1とが干渉する事態を避けることができる。
図56は、図50のLVI−LVI線における第2動作ユニット700の断面図であり、図57は、図51のLVII−LVII線における第2動作ユニット700の断面図であり、図58は、図52のLVIII−LVIII線における第2動作ユニット700の断面図である。
即ち、図56では、変位ベース部材720が上昇終端位置に配置された状態が図示され、図57では、変位ベース部材720が途中位置に配置された状態が図示され、図58では、変位ベース部材720が下降終端位置に配置された状態が図示される。図56から図58では、図50、図51及び図52で図示を省略した装飾部材768及び演出手段780が図示される。
図56から図58に示すようにコイルスプリングSP1は、フランジ付き筒状部材751に巻き付く態様で方向転換し、変位ベース部材720の左右中心の正面側を通るように下方へ延び、先端部が変位ベース部材720の突設締結部722に固定される。
コイルスプリングSP1の正面側には、スプリングカバーSC1が配置されており、そのスプリングカバーSC1の短手方向側からの視線はスプリングカバーSC1の短手方向縁部から背面側へ突設される側壁SC1aにより遮蔽される。従って、スプリングカバーSC1により、コイルスプリングSP1を隠すことができる。
コイルスプリングSP1は変位ベース部材720に付勢力を与える部材であるので、変位ベース部材720の移動方向(上下方向)から延び、変位ベース部材720の中心(左右中心)に接続されることが好ましい。
一方で、変位ベース部材720の移動方向を案内するための部材(例えば、本実施形態における金属スライドレール711)を配設する場合も、同様の配置が好ましいが、干渉を避けるためにどちらかを中心からずらして配置したり、双方を中心から同程度ずらして配置したりするなどして対策していた。
これに対し、本実施形態では、スプリングカバーSC1を変位ベース部材720と演出手段780との間に進入可能に構成し、このスプリングカバーSC1によりコイルスプリングSP1を隠すようにしたことで、コイルスプリングSP1が遊技者から見られる事態を避けながら、コイルスプリングSP1を変位ベース部材720と演出手段780との間に配置できるので、金属スライドレール711を変位ベース720の背面側に配置することでコイルスプリングSP1との干渉を容易に避けることができる。
これにより、金属スライドレール711の配置の自由度を向上することができるので、コイルスプリングSP1と、金属スライドレール711とを、双方共に、変位ベース部材720の左右中心位置に連結することができる。
スプリングカバーSC1は、必要最小限の範囲で配設される。例えば、図58に示すように、コイルスプリングSP1の接続端部としての突設締結部722は、スプリングカバーSC1の形成範囲を超えて変位可能とされる。
即ち、コイルスプリングSP1の配置範囲の全体をカバーする場合のように、スプリングカバーSC1のみでコイルスプリングSP1の露出を避ける設計思想では無く、他の部材により露出を避けることができる範囲にまでスプリングカバーSC1を形成することはしないという設計思想である。
本実施形態によれば、スプリングカバーSC1が省略されている範囲においても、その正面側に、正面視でスプリングカバーSC1と部分的に重なるように演出手段780が配置されるので、この演出手段780によりコイルスプリングSP1の露出を防止することができる。
このように設計することで、スプリングカバーSC1の上下方向長さを短縮することができ、材料コストを低減することができる。加えて、後述するように、スプリングカバーSC1の下端部と、演出手段780の下側遮蔽部材788とが演出手段780の移動方向視で重なることで、スプリングカバーSC1により演出手段780の変位可能範囲が制限される可能性がある場合であっても、その制限の度合いを低くすることができる。
図56に示すように、変位ベース部材720が上昇終端位置に配置される場合、遊技者は、主に第2動作ユニット700を正面側から見上げる方向視で見ることが多い。上述のように、スプリングカバーSC1は、正面視でコイルスプリングSP1が露出することを防止することができるように設計されている。一方で、コイルスプリングSP1の配置範囲を広げる目的でスプリングカバーSC1の下端部には側壁SC1aを配設していないことからも分かるように、見上げる方向視に対しては、スプリングカバーSC1の遮蔽機能は十分でない。
加えて、図56に示す状態は、第2動作ユニット700の待機状態であり、最も長時間維持される可能性がある状態であるので、図56に示す状態でコイルスプリングSP1が遊技者に視認されないように構成することは重要である。また、視線の遮蔽の度合いが低いと、第3図柄表示装置81(図2参照)にコイルスプリングSP1付近が反射して映った場合に遊技者に見えてしまい、演出効果が下がる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、演出手段780の下側遮蔽部材788がスプリングカバーSC1及びコイルスプリングSP1の下方において左右広範囲に亘って配置されるので(図48参照)、見上げる方向視に対する遮蔽機能を向上することができる。
加えて、下側遮蔽部材788は、変位ベース部材720の前端部に近接する位置まで配配設されているので、コイルスプリングSP1やスプリングカバーSC1が第3図柄表示装置81(図2参照)に映り込むことを回避することができる。
なお、スプリングカバーSC1は状態が固定される部材に限られるものでは無い。例えば、スプリングカバーSC1の一部が変位ベース部材720に締結固定され、変位ベース部材720の変位に伴い伸縮変位可能に構成しても良い。実現方法としては、スプリングカバーSC1を伸縮する柔軟な材料で構成したり、布などで蛇腹形状を構成したりする例が例示される。
これに対し、本実施形態では、スプリングカバーSC1を固定の板部材として構成しているので、変位ベース部材720にスプリングカバーSC1から変位抵抗が与えられることを回避することができる。これにより、変位ベース部材720の変位に要する駆動力を低減することができる。
図59を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、境界壁部86bの内側(下側)に配置される装飾部分がセンターフレーム86に固定される場合を説明したが、第2実施形態のセンターフレーム2086では、装飾部分に対応する装飾部材2086fが変位可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図59(a)及び図59(b)は、図9のX−X線における第2実施形態における遊技盤2013の部分断面図である。図59(a)では、ソレノイド2086dの励磁が解除された状態が図示され、図59(b)では、ソレノイド2086dが励磁された状態が図示される。
なお、本実施形態におけるガラスユニット2016は、第1実施形態のガラスユニット16(図1参照)と異なり、少なくとも第3図柄表示装置81の正面側において、正面側へ張り出して形成される。
即ち、ガラスユニット2016は、球流路の正面側壁面を構成するように少なくとも遊技領域の正面側においてベース板60と対向配置される後側ガラスユニット2016aと、窓部14cを覆うように正面枠14に斜めに固定される前側ガラスユニット2016bを備える。
図59(a)及び図59(b)に示すように、センターフレーム2086は、第1実施形態において上述のセンターフレーム86の構成に加え、境界壁部86bの下方に配置されるソレノイド2086dと、そのソレノイド2086dのプランジャーの変位側先端に固定されL字の開口が穿設される変位部2086eと、境界壁部86bの内側(下側)に変位可能に配置され装飾形状が施される装飾部材2086f(装飾部分に対応)と、装飾部材2086fの端部から回転軸と平行に円柱状に突設され変位部2086eの開口に挿通されることで変位部2086eに連結される連結部2086gとを主に備える。
ソレノイド2086dは、プランジャーが上下に移動する姿勢で配置されており、通電されると、励磁状態となりプランジャーが上側へ張り出し、通電が終わると、励磁状態が解除されプランジャーが戻りばねの付勢力で下側へ戻る。
変位部2086eは、L字の開口の構成として、前後に長尺の長孔形状から形成される長孔2086e1と、その長孔2086e1の正面側端部から上方へ延設される補助孔2086e2とを備える。長孔2086e1及び補助孔2086e2の太さは、連結部2086gの直径よりも若干長くなるように構成される。これにより、連結部2086gがL字の開口を移動可能に構成することができる。
補助孔2086e2は、ソレノイド2086dの非励磁状態において、連結部2086gが配置されるよう構成される。これにより、装飾部材2086fの変位に伴い連結部2086gを介して変位部2086eに加えられる負荷を、ソレノイド2086dのプランジャーが変位可能な上下方向と異なる方向へ向けることができるので、装飾部材2086fのぐらつきを抑制することができる。
装飾部材2086fは、センターフレーム2086の内側位置(下側位置)において左右方向軸で回転可能に支持されており、ソレノイド2086dが励磁状態とされることにより、90度を超える角度で回転する(図59(b)参照)。このように、装飾部材2086fが変位することにより、視線YE3の死角の幅を変化させることができる。
即ち、ソレノイド2086dに通電する前の状態(図59(a)参照)では、境界壁部86bだけでなく、装飾部材2086fも視線YE3と交差するので、これらの相乗効果により、視線YE3での境界壁部86bの後側(被遮蔽範囲SE1に対応)が見え難くなり、死角が広かった。
一方で、ソレノイド2086bに通電され、励磁状態になると(図59(b)参照)、装飾部材2086fは視線YE3の外方に配置されるので、視線YE3での視認性が高まり、境界壁部86b越しに被遮蔽範囲SE1の一部を視認することができる。
即ち、光透過性の薄板部としての境界壁部86bのみが視線YE3と交差する場合には、視線YE3における境界壁部86bの後側が死角として見えなくなるほどに視認性が悪くはならずに、被遮蔽範囲SE1を良好に視認することができる。
このように、本実施形態によれば、ソレノイド2086bを駆動させることにより、境界壁部86b及び装飾部分を通して死角となる範囲を変化させることができる。従って、例えば、境界壁部86bの上部を転動する球の視認性の変化により遊技者が得られる利益が変化する可能性があるように遊技領域が構成されている場合において、適切なタイミングでソレノイド2086bを駆動させるよう制御することにより、遊技の快適さを向上させることができる。
即ち、境界壁部86bの上部を転動する球をよく見るために頭の位置を境界壁部86b付近まで動かすことと要求され(ガラスユニット16(図1参照)付近まで動かすことを要求され)、不自由な姿勢での遊技を強制される場合に比較して、通常の目の配置で被遮蔽範囲SE1を視認可能である本実施形態の方が、遊技の快適さを向上させることができる。
図60及び図61を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、スプリングカバーSC1と変位ベース部材720との当接を回避するように隙間を設ける場合を説明したが、第3実施形態の第2動作ユニット3700では、スプリングカバーSC3が変位ベース部材3720に当接し、変位ベース部材3720を案内する部材として機能する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図60(a)及び図61は、第3実施形態における第2動作ユニット3700の正面図であり、図60(b)は、細径カラーC3の正面斜視図である。図60(a)及び図61では、理解を容易とするために、電飾基板764、装飾部材768及び演出手段780の図示が省略される。
図60(a)では、変位ベース部材3720がスプリングカバーSC3の下方に配置される組立準備位置に配置された状態が図示され、図61では、変位ベース部材3720が下降終端位置に配置された状態が図示される。
図60(a)では、変位ベース部材3720は、下降終端位置よりも下方に配置されている。即ち、本実施形態では、変位ベース部材3720を下降終端位置よりも下方に配置した後に下降終端位置まで上昇させることで、変位ベース部材3720が組み付けられる点を一つの特徴とする。以下、このことについて説明する。
まず、伝達手段3740の回動アーム部材3743の、第1実施形態における回動アーム部材743との相違点について説明する。回動アーム部材3743は、連結柱部743bの形成が省略されており(図43参照)、対応する位置に連結柱部743bの雌ネジよりも若干大きな貫通孔が穿設され外形はカラーC1と同様である細径カラーC3が配設される(図61参照)。
細径カラーC3の貫通孔に挿通される締結ネジが回動アーム部材3743の先端部(省略前の連結柱部743bの根元位置)に形成される雌ネジに螺入されることで、細径カラーC3が回動アーム部材3743に支持される。
この構成により、細径カラーC3を回動アーム部材3743に組み付ける前においては、変位ベース部材3720の長尺開口723と回動アーム部材3743との連結がされていないので、変位ベース部材3720を下降終端位置よりも下方の位置である組立準備位置に配置することができる。
なお、図61に示すように、変位ベース部材3720に対する被軸支手段760の組み付けと、その被軸支手段760及び固定ベース部材701に対する連結手段770の組み付けを完了した状態で、変位ベース部材3720を組立準備位置に配置することができる。これにより、組み付け順序の自由度を向上することができる。
変位ベース部材3720を組立準備位置に配置した後、下降終端位置まで上昇させることで、変位ベース部材3720の上端部の構成とスプリングカバーSC3を係合させることができ、その係合状態において細径カラーC3を長尺開口723に挿通した状態で細径カラーC3に挿通される締結ネジを回動アーム部材3743に締結固定することで、第1実施形態で説明したように、変位ベース部材3720が下降終端位置よりも下方へ変位することを規制することができる。
即ち、変位ベース部材3720は、組み付け前の状態においてのみ組立準備位置に配置可能とされ、組立完了後において組立準備位置に配置されることを防止することができる。これにより、変位ベース部材3720の上端部の構成とスプリングカバーSC3との係合が意図せず解除される可能性を低くすることができる。
スプリングカバーSC3は、光不透過の樹脂材料または金属材料から形成され、変位ベース部材3720の正面側に配置される上下長尺部SC3aの左右端部に上下方向に沿って平行に凹設される一対の案内凹設部SC3bと、上下長尺部SC3aの上端部から左右両側へ延設される左右延設部SC3cとを主に備える。
案内凹設部SC3bは、変位ベース部材3720のローラー部材3729を受け入れ、変位ベース部材3720の上下方向変位を案内する部分として機能する。
変位ベース部材3720は、本体板部721の上端部の左右対称位置において回転可能に軸支されローラー状の円環形状から構成される一対のローラー部材3729を備える。このローラー部材3729は、変位ベース部材3720が、組立準備位置(図60(a)参照)から下降終端位置(図61参照)へ変位する際に案内凹設部SC3bと係合可能に配置される。
これにより、変位ベース部材3720の上下変位に伴い、ローラー部材3729が案内凹設部SC3bに対して当接し、転動することで、スプリングカバーSC3と変位ベース部材3720との間の動作抵抗(摩擦抵抗)を低減させることができる。
左右延設部SC3cは、変位ベース部材3720が適切な姿勢で上昇終端位置(図50において変位ベース部材720が配置される位置および姿勢)に配置された場合に、ローラー部材3729の上端部が当接可能に配設される。
これにより、左右延設部SC3cを、変位ベース部材3720の姿勢を修正する部分として機能させることができる。即ち、変位ベース部材3720はローラー部材3729及び案内凹設部SC3bの係合や、金属スライドレール711(図56参照)により姿勢ずれが抑制されているものの、ローラー部材3729や金属スライドレール711の劣化や、その他の理由により、変位ベース部材3720が正面視で左右に傾く態様で姿勢変化する虞がある。
姿勢変化した状態のまま、変位ベース部材3720の昇降変位を繰り返すと、ローラー部材3729や金属スライドレール711に余分な負荷が加わり、劣化がますます進行する可能性が高いので、元の姿勢に戻せることが好ましい。
これに対し、本実施形態では、変位ベース部材3720が適切な姿勢で上昇終端位置に配置されると、ローラー部材3729の上端部が左右延設部SC3cと当接可能に構成されるので、変位ベース部材3720が左右で傾く姿勢とされる場合に、高い側のローラー部材3729に対して左右延設部SC3cから与えられる負荷(下向きの負荷)を大きく確保することができる。
従って、左右延設部SC3cから生じる押し下げ方向の負荷により、変位ベース部材3720の姿勢変化を、適切な姿勢側に戻すことができる。即ち、変位ベース部材3720が上昇終端位置に配置される度に変位ベース部材3720の姿勢の復帰を図ることができるので、変位ベース部材3720が姿勢変化した状態のまま昇降変位を繰り返す事態を回避し易くすることができる。
図60及び図61に示すように、ローラー部材3729を案内凹設部SC3bに係合させる前においては電気配線DK2,DK3を配置する必要が無いので、組み付け作業を容易に行うことができる。
ローラー部材3729を案内凹設部SC3bに係合させた後で電気配線DK2,DK3を配置および接続する作業は、第1実施形態で上述した構成を利用して容易に行うことができる。
なお、構成上、回動アーム部材743を変位ベース部材3720に連結した後で被軸支手段760を組み立てることは困難である(締結ネジが締結し難い)ので、図60及び図61に示す状態で、被軸支手段760は組立状態となっていると考えられる。即ち、図示していない電飾基板764、装飾部材768も一体となっており、左右端部から、電気配線DK2,DK3が張り出す状態とされている。
一方で、後から細径カラーC3を変位ベース部材3720の長尺開口723に組み付ける関係上、演出手段780の変位ベース部材3720への組み付けは、ローラー部材3729を案内凹設部SC3bに係合させた後で行うことになる。
図61に示す変位ベース部材3720の下降終端位置において、電気配線DK2,DK3を挿通する部分(干渉回避構成部728の長尺開口728a、前蓋部材762の開口762a及び前蓋部材772の開口772a)が隠されることなく見えているので、これらの部分に電気配線DK2,DK3を挿通することは容易である。
例えば、電気配線DK2の配設については、ローラー部材3729を案内凹設部SC3bに係合させた後で、固定用形状部718に固定し、開口772aを通して背面側へ這わすように組み付ければ良い。
また、例えば、電気配線DK3の配設については、予め電気配線DK3の接続端部を開口762aから正面側へ出しておき、演出手段780の接続端子784に接続した状態で演出手段780を変位ベース部材3720に締結固定すれば良い。
また、電気配線DK3の配設について他の方法としては、予め電気配線DK3の接続端部を開口762aから正面側へ出しておき、演出手段780を変位ベース部材3720に締結固定した後で、専用の冶具(図示せず)を利用して接続端子784に電気配線DK3の接続端部を接続するようにしても良い。本実施形態によれば、演出手段780と変位ベース部材3720との間に、スプリングカバーSC3を通すための隙間が構成されるので、その隙間を利用して電気配線DK3の接続端部を接続端子784に容易に案内することができる。
また、図61に示す変位ベース部材3720の下降終端位置において、変位ベース部材3720と固定ベース部材701とは正面視で重なっていないので、ローラー部材3729を案内凹設部SC3bに係合させた後で演出手段780の変位ベース部材3720を組み付けることができる。
次いで、図62及び図63を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、右側演出ユニット160の凹設部161eに流下経路FL1の形状に影響を与えない部材としての調整部材165を配置する場合を説明したが、第4実施形態の右側演出ユニット4160では、凹設部161eに配置される部材が、球の流下経路の形状に影響を与える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図62は、第4実施形態における右側演出ユニット4160の分解正面斜視図であり、図63は、右側演出ユニット4160の分解背面斜視図である。右側演出ユニット4160は、可変入賞装置65を備えるユニットであり、ベース板60の小窓部60bに正面側から嵌合される。可変入賞装置65の特定入賞口65a(図2参照)に入球した球は、右側演出ユニット4160の背面側に形成される流下経路を流下して、図示しない球排出路へと案内される。
図62及び図63に示すように、右側演出ユニット4160は、ベース部材161と、第1流路部材162と、その第1流路部材163の下流側に連結され球の流下経路の正面側を構成する第2流路構成手段4163と、その第2流路構成手段4163の背面側に締結固定され球の流下経路を切り替える切換装置4164とを備える。
第2流路構成手段4163は、背面側へ向けて開放され流下経路の正面側側面が形成される半形成部4163aと、その半形成部4163aの右端部において前後方向に球が通過可能に穿設され半形成部161aの下端部と連通するよう構成される通口4163bと、半形成部4163aに嵌合され流下経路を流下した球が通過可能に配置される検出口を有する複数の検出センサSC1,SC2と、その検出センサSC1,SC2の検出口を流下経路の中央付近に配置するために検出センサSC1,SC2の検出口周囲の枠部を配置させられるよう形成する目的で設計される張出部4163cと、左右両端に穿設され配置に対応して特定柱状締結部161cや柱状締結部162cに挿通可能に構成される複数の挿通孔4163dとを備える。
張出部4163cは、検出センサSC1,SC2を受け入れる背面側が、検出センサSC1,SC2の枠部の厚さ寸法よりも若干長い幅寸法で形成され、それと対応して正面側へ張り出し成形される。
張出部4163の正面側へ張り出す部分は、右側演出ユニット4160を組み立てた状態においてベース部材161の凹設部161eに配置される。即ち、凹設部161eは、第1実施形態で説明したような板状の調整部材165を配置する用途の他に、本実施形態のように、検出センサSC1,SC2を配置する際に生じやすい張出部4163cを配置する用途に活用することができる。
切換装置4164は、半形成部4163aを背面側から閉じる板状面を有する背面閉塞部4164aと、その背面閉塞部4164aの右端部から正面側へ上面視三角形状に突設される球案内部4164bと、背面閉塞部4164aの下端部において検出センサSC1,SC2を受け入れる目的で凹設される受入凹部4164cと、検出センサSC1側の受入凹部4164aの上方位置において前後に進退変位可能に構成される切換弁4164dと、その切換弁4164dを駆動するソレノイド4164eと、特定柱状締結部161cや柱状締結部162cに螺入される締結ネジを挿通可能に構成される複数の挿通孔4164fと、第2流路構成手段4163に螺入される締結ネジを挿通可能に構成される複数の挿通孔4164gとを備える。
通口4163bを通過した球は、半形成部4163aと背面閉塞部4164aとの間を流下する。即ち、球の流下経路は、通口4163bと背面閉塞部4164aとの間に形成される。
球案内部4164bは、通口4163bの右側内面と近接配置されており、通口4163bを通過した球を正面側の傾斜面で案内可能に構成される。これにより、球が通口4163bの背面側で滞留することを防止することができる。
切換弁4164dは、検出センサSC1の上方に配置され検出センサSC1への入球を規制する規制状態と、検出センサSC1の上方から退き検出センサSC1へ球を案内するための案内状態とで状態変化する。
即ち、ソレノイド4164eが非励磁の状態では、切換弁4164dが規制状態とされ、流下経路を流下した球は検出センサSC2に入球する。一方で、ソレノイド4164eが励磁された状態では、切換弁4164dが案内状態とされ、流下経路を流下した球は検出センサSC1に入球する。
検出センサSC1,SC2は、特定入賞口65aの付近(第1流路部材162の上流側)に配置される賞球用の検出センサ(図示せず)とは異なり、球の通過を検出することで遊技者に有利な状態へ変化し得る特定領域と、球の通過を検出しても遊技者に有利な状態へ変化しない非特定領域とを構成する。
即ち、切換弁4164dは、特定入賞口65aの開閉動作と対応して複数のパターンで状態変化可能に設定されている。例えば、第1の状態変化のパターンでは、特定入賞口65aに入球した球が切換弁4164dに到達するタイミングでソレノイド4164eが非励磁とされ、球が検出センサSC2(非特定領域)に入球するように制御される一方、第2の状態変化のパターンでは、特定入賞口65aに入球した球が切換弁4164dに到達するタイミングでソレノイド4164eが励磁され、球が検出センサSC1(特定領域)に入球するように制御される。
このように、切換弁4164dの状態変化のパターンの設定により、球が検出センサSC1,SC2のいずれかに入球するように制御することができ、遊技者が得られる利益に変化をつけることができる遊技性を構成することができる。
凹設部161eは、本実施形態における張出部4163cを配置する部分としても、第1実施形態の調整部材165を配置する部分としても利用することができるので、異なる遊技性のパチンコ機10を容易に構成することができる。
即ち、パチンコ機10が、本実施形態のように流下経路に検出センサSC1,SC2を配置することで実現可能な遊技性を構成する場合であっても、流下経路FL1に賞球を検出する検出センサ以外で追加の検出センサは不要である場合であっても、パチンコ機10を構成する場合に、ベース部材161の流用を図ることができる。そのため、ベース部材161を製造するための金型を新たに設計および製造する場合に比較して、製品コストを下げることができる。
挿通孔4164fに挿通される締結ネジが特定柱状締結部161cや柱状締結部162cに締結固定される際に、第2流路構成手段4163には締結力が負荷されず、第2流路構成手段4163は前後方向に微小変位可能に構成される。即ち、第2流路構成手段4163は、特定柱状締結部161cや柱状締結部162cを挿通孔4163dに挿通させることで位置合わせ可能に構成される一方で、位置の固定は行わないように構成される。
挿通孔4164gに挿通される締結ネジが第2流路構成手段4163に螺入されることにより、切換装置4164と第2流路構成手段4163とが互いに固定される。これにより、通口4163bよりも下流側の流路形状を、第2流路構成手段4163及び切換装置4164の成形精度で規定することができ、大型のベース部材161や第1流路部材162の成形精度に影響されることを回避することができる。
これにより、遊技者の利益に影響するため流路形状の精度を高く維持する必要がある箇所(通口4163bよりも下流側)については成形精度の要求を高くする一方で、それ以外の箇所(通口4163bよりも上流側の流路を構成するベース部材161及び第1流路部材162)の成形精度に対する要求を低く抑えることができる。即ち、高い成形精度が要求される部品数を減らしながら、望みの遊技性を実現することができる。
次いで、図64から図67を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、電気配線DK2の固定位置は、固定用形状部718が固定され、案内部765及びコネクタ部764aが変位可能に構成される場合を説明したが、第5実施形態の第2動作ユニット5700では、固定用形状部5718が変位可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図64から図67は、第5実施形態における第2動作ユニット5700の正面図である。図64から図67では、第2動作ユニット5700の変位ベース部材720が上昇終端位置から下降終端位置まで変位する様子が時系列で図示される。なお、図64から図67では、理解を容易とするために、電飾基板764、装飾部材768及び演出手段780の図示が省略される。
図64では、変位ベース部材720が上昇終端位置に配置された状態が図示され、図65では、変位ベース部材720が上昇終端位置と下降終端位置との間の途中位置に配置された状態が図示され、図66及び図67では、変位ベース部材720が下降終端位置に配置された状態が図示される。
図67では、図65に示す状態に比較して、被軸支手段760が上昇変位した状態が図示される。即ち、図65に示す状態における水平ラインに対する被軸支手段760の傾斜角度に比較して、図65に示す状態の方が、水平ラインに対する被軸支手段760の傾斜角度が大きい。
本実施形態では、左側の左右端上ストッパ5717及び固定用形状部5718が固定ベース部材5701とは別部材で構成され、固定ベース部材5701の左端部に、左右端上ストッパ5717及び固定用形状部5718を上下変位させる駆動力を発生するソレノイドSOL51が配設される。
ソレノイドSOL51に通電していない状態(非励磁の状態)における左右端上ストッパ5717は、図64に示すように、変位ベース部材720が上昇終端位置に配置された状態において従動変位部材773の上側面と当接可能な位置(下降位置)に配置される。
一方、ソレノイドSOL51に通電している状態(励磁状態)における左右端上ストッパ5717は、図66に示すように、下降位置から上昇した位置(上昇位置)に配置される。このように、左右端上ストッパ5717は、下降位置と上昇位置との間を変位可能に構成される。
第2動作ユニット5700の変位に伴う電気配線DK2の変位について説明する。図64から図65への変位では、電気配線DK2が固定される固定用形状部5718と、電気配線DK2が固定されるコネクタ部464aの付近に配置される経路部765bとの距離が短縮側に変化している。そのため、電気配線DK2は、変位ベース部材720の下降変位に伴い生じる慣性力により下側へ過変位し易い状態となっている。
これに対し、図66では、上述したように、被軸支手段760の姿勢変化により経路部765b付近の電気配線DK2が上向きに引かれることに加え、ソレノイドSOL51に通電され、固定用形状部5718が上昇変位することで、電気配線DK2の固定用形状部5718に固定される部分が上向きに引かれる。そのため、電気配線DK2の下側への過変位を強固に抑制することができる。
更に、図67では、電気配線DK2が中央側へ引かれる長さが大きくなるタイミングに合わせて、ソレノイドSOL51の通電が解除される。これにより、被軸支手段760の経路部765bの真左に固定用形状部5718が配置されるようにすることができる。
従って、固定用形状部5718が経路部765bの斜め上位置に配置される場合に比較して、固定用形状部5718と経路部765bとの距離を短縮することができる。これにより、電気配線DK2に与えられる引張力が過剰となることを回避することができ、電気配線DK2の耐久性が低下することを防止することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第1実施形態では、センターフレーム86の背面側に配置される光源から照射された光が平板部86aを通して正面側へ通過する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、センターフレーム86に基板が直接固定され、その基板に配設されるLED等の発光手段から照射される光が平板部86aを通り正面側へ通過するよう構成しても良い。
上記第1実施形態では、平板部86aが平滑面状に形成され、光透過性が良好な場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、平板部86aに光拡散形状を形成しても良い。これにより、平板部86aを面で発光させ易くすることができるので、LED等の発光手段の個数を少なくしながら、良好な発光演出を実行することができる。
上記第1実施形態では、ベース板60が木製の部材として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース板60を光透過性の樹脂材料から形成しても良い。
上記第1実施形態では、遊技者の視線を遮る部分としての境界壁部86bが、ベース板60の正面から直角に張り出す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、境界壁部86bがベース板60の面方向の成分を有する方向(例えば、斜め上方向)に張り出すように構成しても良い。この場合、被遮蔽範囲SE1を広く確保することができる。
上記第1実施形態では、境界壁部86bが幅同一の帯状に延びる壁部として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、境界壁部86bの幅の長さが位置により変化される帯状に形成しても良い。この場合、配置ごとの被遮蔽範囲SE1の広さを調整し易くすることができる。
上記第1実施形態では、境界壁部86bにより遊技者の視界が遮られる場合を説明したが、遊技領域の手前側に配置される手段であれば良く、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、導光板(LED導光パネル)でも良いし、可動役物でも良い。
可動役物は、例えば、待機状態ではセンターフレーム86の背面側に配置されており、動作状態において、センターフレーム86へ向けて正面側へ張り出し、ガラスユニット16の正面側または背面側をセンターフレーム86の正面視外方へ向けて変位するようにしても良い。この時、複数のガラスユニット2016の間を変位し、センターフレーム2086の正面側に配置され、センターフレーム2086へ向けられる遊技者の視線を遮るように構成しても良い。
なお、被遮蔽範囲SE1に配置される手段は、何ら限定されるものでは無い。例えば、遊技球が特定領域(入球により遊技者に有利な状態へ変化し得る領域)に入球するか、否かを切り替える切換装置(例えば、切替装置4164)が配置されても良いし、電動役物640aを有する第2入賞口640や、特定入賞口65aを有する可変入賞装置65が配置されても良い。この場合において、遊技球が特定領域や、第2入賞口640や、特定入賞口65aに入球し得るタイミングで遊技者の視線を(部分的に)遮り、視認し難くしても良い。この場合、特定領域や、第2入賞口640や、特定入賞口65aに対する遊技者の注目力を向上することができる。
上記第1実施形態では、下板部152に突条形状の突条部155が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下板部152から粒状に突設しても良い。この場合、流下する球に対して前後方向の負荷を生じ易くすることができるので、球の減速効果を向上することができる。
上記第1実施形態では、減速作用を生じる突条部155が下面部から上方へ向けて突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース板60から正面側へ向けて突設したり、ガラスユニット16側に部材を設けて、その部材から背面側へ突設したりするよう構成しても良い。また、突設形状部の配置は、遊技領域の左側に限定されるものでは無く、右打ち流路に配置されても良い。
上記第1実施形態では、突条部155の断面形状が同一である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、背面側へ向かうほど断面形状が大きくなる形状(テーパ形状)で形成しても良い。この場合、球に対して正面側向きの負荷を与えることができるので、アウト口71からの球の排出を遅らせることができる。また、断面形状の大小関係を前後逆にしても良い。この場合、アウト口71からの球の排出を早急に行うことができる。
前者の場合、突条部155を樹脂成形する際の正面側への抜き勾配を、突条部155の形状により形成することができる。後者の場合、正面側への型抜きで形成することは難しいが、第1実施形態では、球案内部材154が別体で形成されており、突条部155の上方が開放されているので、上面側へ型抜きすることで容易に製造することができる。
上面側への型抜きを念頭に置けば、突条部155の形状の自由度を向上させることができる。例えば、上述のテーパ形状の断面形状が大の側を、隣り合う突条で交互に入れ替える形状とすることができる。この場合、突条部155の上面を転動する遊技球に対して、繰り返し前後に反転する反力を与えることができるので、遊技球の流下の安定性を高めることができる。また、例えば、突条部155を前後に延設される突条では無く、斜めに延設される突条としても良いし、下板部152の長手方向に沿って波状に延設される突条としても良い。
上記第1実施形態では、第2突条部157が、下流側から当接する球に対して斜め上向きの負荷を与える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下板部152の、第2突条部157の右端に連結する部分を球の半径分だけ下げ底の形状で形成することにより、球を右辺部156cに当接させることができ、球に対して真右向きの負荷を与えることができる。これにより、球が第2突条部157を駆け上る事態を回避し易くすることができる。
上記第1実施形態では、第1突条部156よりも下流側の第2突条部157の方が突設量小である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下流側の第2突条部157の方が第1突設部156に比較して突設量大で構成しても良い。この場合、第1突条部156と第2突条部157との間の位置に球を滞留させ易くすることができる。
上記第1実施形態では、突条部155の上面を光が反射し易い平滑面で構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表面に光拡散形状を形成しても良い。この場合、突条部155の上面を面発光させることができ、突条部155の注目力を向上させることができる。
上記第1実施形態では、対向板部153で反射した光が遊技者に視認される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、対向板部153の正面に鏡面加工された反射部材を配設するようにしても良い。
また、左側演出ユニット150を光らせる別個の発光手段を配設しても良い。例えば、下板部152と内レール61との間の隙間(突条部155の裏側の凹部を利用しても良い)に(高剛性または柔軟な)電飾基板を設けて、その電飾基板に配設されるLED等の発光手段により遊技領域内方へ光が照射されるように構成しても良いし、電動役物640aに電飾基板を設けて電動役物640aの左右外側へ光が照射されるように構成しても良い。
この場合において、一般入賞口63へ向けて光が照射されるよう構成することにより、一般入賞口63付近を流下する球の影を上側へ延ばすことができるので、球の面積以上の範囲で、一般入賞口63付近を流下する球の存在を確認することができるので、球の存在感を高めることができる。
また、一般入賞口63の影を上側へ延ばすことができるので、その影(静)と、球の影(動)という、2種類の異なる影を視認させることができ、一般入賞口63の存在を目立たせることができる。これにより、一般入賞口63に対する注目力を向上させることができる。
また、別個の発光手段は、電飾基板に配設される場合に限られるものでは無い。例えば、導電性の接着材を下板部152と内レール61との間の隙間に塗布し、導電性の接着材とLEDの接点とが固着される態様で下板部152と内レール61との間の隙間にLEDを配設し、導電性の接着材に通電することでLEDを発光させるようにしても良い。この場合、LEDを配置可能な隙間さえあれば、機能を実現することができるので、下板部152及び内レール61の設計自由度を向上することができる。
上記第1実施形態では、アウト口71に対して左右一方から球が案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、アウト口71の左右両側が開放され、アウト口71に左右両側から球が流れ込むよう構成しても良い。
上記第1実施形態では、対向板部153の正面側において光が反射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一般入賞口63の背面側に配置される部材(例えば、第1動作ユニット400)から照射される光が一般入賞口63を通過して、球案内部材154に到達するよう構成しても良い。この場合、球の流下をスムーズにする目的で球案内部材154の内部に設けられる傾斜面を利用して、光を下方へ屈折させることができ、光と突条部155に到達させることができるので、専用の発光手段を設けることなく、突条部155を光らせることができる。
上記第1実施形態では、球案内部材154の真下に突条部155が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球案内部材154付近を流下する球が、左右方向成分を有する速度が大で流下し易い場合には、その速度方向の方向視で球案内部材154と重なる位置に突条部155を設けても良い。この場合、左右方向成分を有する速度で球が流下する場合であっても、球が突条部155に着地することを防止することができる。
上記第1実施形態では、ベース部材161に締結固定される第1流路部材162及び第2流路部材163は、ベース部材161のみとの組み合わせで流下経路FL1を構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2流路部材163の下側部がベース部材161の下端部よりも下方へ延設され、その延設された部分と対向配置される別の流路部材との組み合わせで流下経路FL1を構成しても良い。
上記第1実施形態では、調整部材165が第1流路部材162と別部材で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、調整部材165と第1流路部材162とを一体物として構成しても良い。この場合において、調整部材165と第1流路部材162とを連結する部分が流下経路FL1の外方を通るように構成することで、流下経路FL1の内部形状を維持することができる。
上記第1実施形態では、第2流路部材163をベース部材161に締結固定することに伴い調整部材165をベース部材161に固定可能な構成を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、調整部材165を締結固定するための個別のネジを用意しても良い。
上記第1実施形態では、第2流路部材163の位置合わせとして、調整部材165に嵌合孔165bが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、嵌合孔165bの代わり又は嵌合孔165bに加えて、調整部材165の背面から第2流路部材163の外面に当接可能な壁部が形成されても良い。これにより、流下経路FL1を流下する球から受ける負荷を壁部にも分担させることができるので、第2流路部材163の変形を防止することができる。また、第2流路部材163の内面側には壁部を形成しないことにより、流下経路FL1を構成する領域の断面積を確保することができる。
上記第1実施形態では、ベース部材161の背面と、調整部材165の背面とが面一に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース部材161の背面から調整部材165がはみ出す寸法関係で構成しても良い。この場合、第2流路部材163をベース部材161に締結固定する際に、調整部材165に対して圧縮負荷を与えることができるので、調整部材165の位置安定性を向上することができる。
上記第1実施形態では、駆動モータ541を収容して変位する回転ユニット500について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動装置を収容して変位する役物の変位態様がスライド変位でも良いし、回転変位とスライド変位とを組み合わせた変位でも良いし、その他の複雑変位でも良い。
また、駆動モータ541が回転体560の内部に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転体560の背面側に固定され、回転ユニット500の上下変位に合わせて上下に変位するよう構成しても良い。この場合においても、正面視で回転体560が駆動モータ541を隠すよう構成することができる。一方で、この構成によれば、回転体560の直径よりも大きな直径の駆動モータ541を採用することができる。
上記第1実施形態では、検出センサ547が駆動モータ541の左右反対側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサ547を左側に配置しても良いし、検出センサ547を回転体560の外部に配置しても良いし、検出センサ547の配設を省略し角度を判定する機能を有する駆動モータ541を採用しても良い。
上記第1実施形態では、検出センサ547がコ字状金属板511に間接的に固定されることで、検出センサ547の配置角度が変化しない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、コ字状金属板511を回転変位可能に支持することで、検出センサ547の配置角度が変化可能に構成しても良い。この場合、回転体560の姿勢として複数(本実施形態では、2姿勢。上昇位置に配置された場合と、下降位置に配置された場合とに対応)の姿勢を検出する制御を流用して、回転体560の視認態様を増やすことができる。即ち、検出センサ547の配置角度の変化に伴い、遊技者から見た回転体560の停止位置(停止角度)が変わるので、視認態様を変化させることができる。
なお、コ字状金属板511の回転変位(検出線sあ547の配置角度の変化)は、回転体560の上下位置とは独立して実行可能に構成しても良いし、回転体560の上下変位と連動して(上下位置に依存して)実行可能に構成しても良い。
上記第1実施形態では、回転ユニット500の回転軸が左右方向を向く場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転軸が前後方向や上下方向を向くように構成しても良いし、回転軸の向きを変化可能に構成しても良い。
上記第1実施形態では、電気配線DK1が結束バンド等の固定部材により固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電気配線DK1を粘着テープで固定しても良いし、接着剤等で固定しても良い。
上記第1実施形態では、回転ユニット500の下側に配置される電気配線DK1の固定位置(下延設部519及び配線支持部465)が左右方向に直交する同一平面上に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電気配線DK1の固定位置が、左右方向で位置ずれして配置されても良い。この場合、電気配線DK1が同一平面上に配置される場合に比較して、電気配線DK1の配置自由度を高くすることができ、電気配線DK1に巻き態様の状態変化が生じ易くすることができる。即ち、電気配線DK1が螺旋状に状態変化し易くなるので、回転ユニット500を下降位置に配置し、固定位置同士を近接させた場合に、湾曲する電気配線DK1が形成する円弧の径を小さくすることができ、帯状延設部463から受ける反力を小さくすることができるので、電気配線DK1が受ける負荷を弱めることができる。
上記第1実施形態では、回転ユニット500が昇降変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転ユニット500の変位の方向は、前後方向の変位や左右方向への変位でも良いし、斜め方向の変位でも良い。
上記第1実施形態では、前側の柱状部材431にのみ案内筒状部423が挿通される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内筒状部423の配設を省略しても良いし、一対の柱状部材431の両方に案内筒状部423を配設しても良い。
この場合において、左右4組で配設される複合動作ユニット402ごとに、案内筒状部423の配設態様を異ならせても良い。例えば、回転ユニット500を保留球数と対応させて駆動する場合、小さい保留球数に対応する複合動作ユニット402の方が、大きい保留球数に対応する複合動作ユニット402に比較して動作回数や動作頻度が高くなるので、早期に劣化し易くなると想像される。
そこで、最も小さい保留球数に対応する複合動作ユニット402(左端の複合動作ユニット402)だけは一対の柱状部材431の両方に案内筒状部423を配設し、回転ユニット500の上下変位抵抗の低減を図り、その他の複合動作ユニット402には前側の柱状部材431にだけ案内筒状部423を配設するようにしても良い。これにより、左端の複合動作ユニット402の耐用年数と、その他の複合動作ユニット402の耐用年数との差を小さくすることができる。
上記第1実施形態では、扇状調整部517bの前後面が平面状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、湾曲面状に形成されても良い。また、延長線517xの交差位置が異形孔517の中心に対して右側に偏って配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、延長線517xの交差位置が異形孔517の中心に配置されても良い。
上記第1実施形態では、位置決めピン516cが一対の延長線517xの間の範囲に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、位置決めピン516cを一対の延長線517xの間の範囲の外方(例えば、締結部516bの左側)に配置しても良い。この場合、電気配線DK1の配置幅を確保することができる。
上記第1実施形態では、案内部材516の締結部517aが分かれて配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、異形孔517を分割する態様でつながって配置されても良い。この場合、異形孔517を通る電気配線が複数本ある場合に、それらを分割された別々の開口で支持することができる。これにより、例えば、異形孔517を通り上側に配置された配線を、案内部材516の左右両方向へ案内することを容易とすることができる。
上記第1実施形態では、締結部517aが異形孔517の内方へ張り出す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、締結部517aが省略された真円形の開口から、扇状調整部517bが形成され、締結部は開口の外方に配置されるよう構成しても良い。この場合、電気配線DK1の通過面積を広げることができるので、電気配線DK1の総断面積の上限値を上げることができる。
上記第1実施形態では、異形孔517の深さ方向の途中位置まで扇状調整部517bが形成される場合と説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、扇状調整部517bと同一形状で異形孔517に沿って貫通形成されても良い。
上記第1実施形態では、異形孔517に扇状凹設部としての扇状調整部517bが形成されたが、凹設部の形状は、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前後の壁部が左右方向と平行に延びる略矩形状の凹部でも良い。この場合、凹設部に配置される電気配線DK1が受ける負荷を軽減することができる。
また、この場合、電気配線DK1に接続される部材が左右方向に変位する場合には、その変位に伴う電気配線DK1の左右方向への変位を凹設部により案内することができる。即ち、凹設部により、電気配線DK1の変位を案内することができるので、電気配線DK1に与えられる負荷を軽減することができる。
上記第1実施形態では、扇状調整部517bが単数で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、扇状調整部517bの個数は任意に設定可能であり、2個でも、3個でも、4個でも良い。
上記第1実施形態では、被検出部577は、環状突設部が分断される形状から構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被検出部577の突設基端側は分断されない形状とされても良い。この場合、被検出部577の剛性を向上することができるので、回転右蓋部570の剛性を向上することができ、結果として、回転体560の剛性を向上することができる。
上記第1実施形態では、電気配線DK1が駆動モータ541及び回転部分(回転体560、回転左板550、その回転左板550に歯合されるモータギア542、及び回転右蓋部570の従動板575)と当接しない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータ541又は回転部分の少なくとも一方と電気配線DK1とが当接するように構成しても良い。
上記第1実施形態では、電気配線DK1が右固定ブッシュ522に支持され、回転体560に固定される従動板575は姿勢固定ブッシュ571に支持されることにより、電気配線DK1及び回転体560が金属部材に直接的に支持されるものではない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電気配線DK1又は回転体560の少なくとも一方が、金属部材(例えば、コ字状金属板511)に直接的に支持されても良い。
上記第1実施形態では、前蓋部材762が円環状の部材から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、円環が途中で分断されるC字形状の部材から形成されても良い。
上記第1実施形態では、前蓋部材762が変位ベース部材720に締結固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変位ベース部材720の回転可能に軸支されても良い。この場合、前蓋部材762の回転により、電気配線DK3の変位に前蓋部材762を従動させることができる。
上記第1実施形態では、被軸支手段760が姿勢変化し、昇降変位する変位ベース部材720は姿勢変化しないように構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変位ベース部材720と被軸支手段760とが一体的に構成され、変位ベース部材720及び被軸支手段760が共に姿勢変化可能に構成しても良い。
上記第1実施形態では、左右両側の被軸支手段760が姿勢変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電気配線DK2が案内される左側の被軸支手段760Lが姿勢変化する一方、右側の被軸支手段760Rは姿勢変化しないようにしても良い。この場合であっても、電気配線DK2に与えられる引張負荷の低減を図ることができる。
この場合において、被軸支手段760Rの姿勢を変化させるための駆動力を生じる駆動装置を配設するようにしても良い。これにより、変位ベース部材720の昇降変位に伴い被軸支手段760Rが姿勢変化する場合と、被軸支手段760の姿勢が維持される場合とで、複数の動作態様を構成することができる。
上記第1実施形態では、被軸支手段760が変位ベース部材720に対して姿勢変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変位ベース部材720の昇降変位に対して反対方向に相対スライド変位するスライド部材が変位ベース部材720に連結され、そのスライド部材に電気配線DK2が接続されるように構成しても良い。この場合であっても、変位ベース部材720に電気配線DK2が接続される場合に比較して、変位ベース部材720が同じ距離だけ昇降変位する場合の電気配線DK2の接続端部の変位量を抑えることができる。
上記第1実施形態では、固定ベース部材701の左側に配置される開口714aを通り電気配線DK2が案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左側の被軸支手段760Lには左側の開口714aを通る電気配線DK2が接続され、右側の被軸支手段760Rには右側の開口714aを通る電気配線が接続されるようにしても良い。この場合、演出手段780を経由せずとも、右側の被軸支手段760Rに電気を供給することができる。
更に、右側の被軸支手段760Rにも案内部765が形成されることにより、被軸支手段760L,760Rの構成を、機能の面から左右対称で設計し易くすることができる。また、右側の開口714aに電気配線を通さない場合には、右側の開口714aの形成を省略しても良い。これにより、右側の筒状張出部714の剛性を強化することができる。
上記第1実施形態では、被軸支手段760が長手方向の端部で支持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、端部では無く、中央部付近で支持されるようにしても良いし、他の部分で支持されるようにしても良い。
上記第1実施形態では、電気配線DK1,DK2,DK3が複数の電線を有する1又は複数のハーネスから構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一又は複数のフラットケーブルから構成しても良い。この場合、電気配線DK1,DK2,DK3が変位し得る方向を、フラットケーブルが薄肉となる方向(厚み方向)と一致させることにより、フラットケーブルの変位時の負担を軽減させることができる。
上記第1実施形態では、終端ギア745に被検出部745aが1箇所形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、被検出部745aを複数箇所(複数の角度位置を検出可能)に形成しても良い。これにより、例えば、回動アーム部材743を終端位置まで上昇させるよう制御する際の駆動停止位置と、自重を利用した往復昇降動作をさせるよう制御する際の駆動停止位置という異なる停止位置を検出することができる。
上記第1実施形態では、第1動作ユニット400が下側位置で待機し上昇変位するよう構成され、第2動作ユニット700が上側位置で待機し下降変位するよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各ユニットの配置の上下を反転させても良いし、横向きに変位するよう構成しても良い。
上記第1実施形態では、スプリングカバーSC1の形状が固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スプリングカバーSC1が蛇腹状に形成され、上下に変位可能に構成しても良い。この場合において、スプリングカバーSC1の下端を演出手段780の上端部に連結させることにより、スプリングカバーSC1でコイルスプリングSP1を隠しながら、スプリングカバーSC1を上下に伸縮動作させることができる。例えば、スプリングカバーSC1の前面に装飾模様を描いておくことにより、スプリングカバーSC1の伸縮に伴い、装飾模様の見え方を変化させる演出を行うことができる。
上記第2実施形態では、装飾部材2086fを駆動するための専用のソレノイド2086dを配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、装飾部材2086fが演出手段780の上端部と当接可能に設計され、演出手段780の変位に伴い装飾部材2086fに負荷が与えられることで、装飾部材2086fが変位するように構成しても良い。この場合、駆動モータ731が装飾部材2086fを変位させるための駆動力を発生させるための装置に兼用されることで、専用の駆動装置(ソレノイド2086dに相当)を省略することができる。
上記第2実施形態では、装飾部材2086fが左右方向に沿う回転軸で回転変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ベース板60の正面の面方向(上下左右方向)に沿ってスライド変位するように構成しても良いし、前後方向に変位するように構成しても良いし、これらの組み合わせで変位するように構成しても良い。
上記第3実施形態では、回動アーム部材3743に対する連結を解除して変位ベース部材3720を組立準備位置に配置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、長尺開口723又は伝達孔744を拡大することで変位ベース部材3720を組立準備位置に配置可能に構成しても良い。
上記第3実施形態では、ローラー部材3729が左右延設部SC3cに当接することで変位ベース部材3720の姿勢変化を修正可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ローラー部材3729と左右延設部SC3cとの当接により、変位ベース部材3720を減速させるよう構成しても良い。また、左右延設部SC3cの下側部に柔軟なクッション部材を配設し、当接時の衝撃を和らげるようにしても良い。
上記第3実施形態では、スプリングカバーSC3の案内凹設部SC3bにローラー部材3729を係合させた後で電気配線DK2を接続する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電気配線DK2の接続が完了した状態でスプリングカバーSC3の案内凹設部SC3bにローラー部材3729を係合させるようにしても良い。
この場合、電気配線DK2を固定する固定用形状部718と経路部765bとの距離が最長となり、電気配線DK2に余計な負荷が掛けられる虞があるが、これに対し、変位可能な固定用形状部5718を利用するようにしても良い。即ち、組み付け時に固定用形状部5718を左右端上ストッパ5717の下降位置に配置することにより、電気配線DK2の固定位置の間の距離を短縮化することができる。
上記第3実施形態では、細径カラーC3を締結固定してから(変位ベース部材3720と回動アーム部材3748とを連結してから)、演出手段780を組み付ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、変位ベース部材3720と回動アーム部材3748とを連結する部材を、背面側からの締結ネジの螺入により組み付けるように構成することで、演出手段780を組み付けた後で、変位ベース部材3720と回動アーム部材3748との連結を実行することができる。
上記第3実施形態では、案内凹設部SC3bが上下方向に沿って形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下方向に沿って延設される波状に形成されても良い。この場合、変位ベース部材3720の上下変位に伴い、変位ベース部材3720を左右方向に変位させる演出を実行することができる。なお、この場合には、金属スライドレール711の配設を省略することが好ましい。
上記第4実施形態で説明した球案内部4164bを、上記第1実施形態で説明した第2流路部材163の半形成部163aの上流側位置に配設しても良い。これにより、第1流路部材162から第2流路部材163へ橋渡しされた遊技球が滞留することを回避することができる。
上記第5実施形態では、固定用形状部5718が、左右端上ストッパ5717と連動して昇降変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、固定用形状部5718が単体で昇降変位するようにしても良い。この場合、左右端上ストッパ5717の位置ずれに対する対策を講じることを不要とすることができる。
上記第5実施形態では、固定用形状部5718の左右位置を経路部765bが通過した後で、固定用形状部5718が上昇変位するように制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電気配線DK2の弛緩の度合いが最大となるタイミング(固定用形状部5718の左右位置に経路部765bが配置されたタイミング)で固定用形状部5718を上昇変位するように制御しても良い。この場合、電気配線DK2に与えられる上向きの負荷を早い段階から生じさせることができるので、電気配線DK2に緩やかに上向きの負荷を与えることができる。
上記第5実施形態では、固定用形状部5718がソレノイドSOL51の駆動力により上昇変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータ731の駆動力により変位する他の部材(例えば、回動アーム部材743)の変位と連動するギアなどの伝達手段を介して伝達される駆動力(駆動モータ731の駆動力)により変位するよう構成しても良い。
上記第5実施形態では、固定用形状部5718を昇降変位させるタイミングを、電気配線DK2に与えられる負荷が過大となり易いタイミングに合わるよう制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータ731の駆動期間に合わせて、ソレノイドSOL51が常時連動するように構成しても良い。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<可動役物の変位により電気配線の変位を減らす技術思想>
変位可能に構成される変位手段と、その変位手段に連結される電気配線とを備える遊技機において、前記変位手段が変位する区間は、前記電気配線にかかる負荷を減らすよう変位する区間を含むことを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、変位手段に案内される電気配線を、変位手段に接続され変位可能に構成される補助手段に沿わせることで、変位手段が変位する際に電気配線に過度な負担がかかることを抑制するよう構成される遊技機がある(例えば、特開2012−157474号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、本来遊技者に視認されるものでは無い補助手段が必要になるため、遊技者が見えない部分に配置される部材個数が多くなるという問題点があった。
また、補助手段が破損した場合には電気配線へかかる負担を抑制できなくなるため、補助手段の強度を確保する必要が生じ、その分、製品コストが上昇し易くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、変位手段が電気配線にかかる負荷を減らすよう変位することで、電気配線の変位量自体を減らしたり、電気配線の過度な変位を抑制することで電気配線が露見することを防止しながら、別個の補助手段を不要としたりすることができる。
なお、補助手段の具体例は何ら限定されるものではない。例えば、電気配線を仮留めできる結束バンドでも良いし、電気配線の周囲を囲むシリコン樹脂製のカバーやチューブでも良い。
また、電気配線に係る負荷を減らす態様は、何ら限定されるものでは無い。例えば、電気配線の(少なくとも一部の)変位を減らす態様でも良いし、電気配線の(少なくとも一部の)変位を増やす態様でも良い。
遊技機A1において、前記電気配線は、前記変位手段の外方において所定部で位置決めされ、前記変位手段は、前記電気配線が案内される案内部を備え、その案内部と前記所定部との距離の変化を減らすように変位可能に構成されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、変位手段全体が電気配線の変位を減らすように変位する場合に比較して、変位手段の変位態様の自由度を向上することができる。
遊技機A1又はA2において、駆動力を発生させる駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記変位手段へ向けて伝達可能に構成される伝達手段とを備え、前記電気配線は、前記変位手段を基準として前記伝達手段側の反対側に配置されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、電気配線が変位手段と伝達手段との間に配置されなかったり、伝達手段に電気配線を保持する構造を設ける必要がなかったりする分、変位手段と伝達手段との間隔を狭めることができると共に、変位手段の正面側のスペースを確保することができる。
これにより、変位手段の設計自由度を高めることができるので、変位手段を、意匠性が低くのっぺりとした単なる配線隠しではなく、立体的な意匠を備える演出効果の高い配線隠しとして有効活用することができる。
遊技機A3において、前記伝達手段に変位可能に支持される中間手段を備え、その中間手段は、前記変位手段を変位可能に支持し、前記変位手段の変位は、少なくとも前記中間手段の変位の方向の逆側へ向かう態様の変位を含むことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、変位手段の一側で電気配線を隠しつつ、変位手段の他側で中間手段に支持されるという構成であれば、設計次第で中間手段の変位量の選択自由度を向上することができる。換言すれば、中間手段が電気配線から離れる方向へ変位する場合の変位量を、変位手段の変位により相殺することができる。
遊技機A4において、伝達手段は、高速変位後に中間手段を急停止させるための急停止手段を備えることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、中間手段を急停止させることができるので、中間手段に対する変位手段の変位を、変位手段の慣性を利用して生じさせることができる。
また、これにより、中間手段を急停止させた場合であっても、電気配線が、中間手段の急停止の前に中間手段の変位していた方向に慣性で流れることを、変位手段の反力(釣りあげ)により抑制することができる。これにより、電気配線の変位を減らすことができる。
遊技機A4又はA5において、前記電気配線は、前記中間手段の変位方向を基準として前記伝達手段が配設される側において前記変位手段に案内されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A4又はA5の奏する効果に加え、中間手段の変位方向を基準として駆動力の伝達経路の上流側において電気配線を変位手段に案内することができるので、中間手段が予期せぬ変位態様で変位した場合でも(誤動作した場合でも)、電気配線の変位量を抑制し易くすることができる。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記変位手段は、前記電気配線が案内される案内部と、その案内部を有するベース部材と、そのベース部材に配設される基板とを備え、前記案内部は、第1方向視で前記基板を隠さないように配設されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、案内部に案内される電気配線が基板の演出効果の妨げになることを防止することができる。
<モータが回転手段の内部に配置される技術思想>
所定軸を中心に回転可能に構成される回転手段と、その回転手段を回転させる駆動力を発生する駆動手段とを備える遊技機において、前記回転手段の位置を検出可能に構成される検出手段を備え、前記検出手段は、第1方向視で前記回転手段の内方に配置されるよう構成されることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、複数の回転手段と、それら複数の回転手段を回転させる駆動力を発生する駆動手段とから構成される遊技機がある(例えば、特開2007−130261号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、複数の回転手段を単一の駆動手段から発生した駆動力で回転させることで若干の省スペース化を図っているものの、正面視における回転手段の外縁よりも外方に駆動手段や検出手段が配置されるため、それらを遮蔽する遮蔽部が別で必要になり、回転手段を備える装置が第1方向視で大型化するという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、検出手段は、第1方向視で回転手段の内方に配置されることから、回転手段により検出手段を隠すことができるので、検出手段のみを遮蔽する別個の遮蔽部を不要とすることができ、装置の小型化を図ることができる。
また、第1方向視での大型化を回避しながら、各回転手段に対応した検出手段を設けることができるので、演出自由度を向上することができる。
更に、第1方向視で回転手段の内方に検出手段が設けられるので、装置を小型に維持したまま、回転手段を回転させたり停止させたりして行う演出の自由度を向上することができる。
遊技機B1において、前記回転手段を回転可能に支持する支持手段を備え、その支持手段は、前記駆動手段を支持することを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、回転手段を支持する支持手段を、駆動手段の支持に兼用することで部材個数の削減を図ることができる。
遊技機B1又はB2において、前記駆動手段は、回転手段の内側に収容されることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、回転手段の外側を省スペース化することができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記検出手段は、前記回転手段の回転方向位置の変化を検出可能に構成され、前記回転手段の内側に配置されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、回転手段の外方に検出手段が配置される場合に比較して、回転手段の外方の視認性を良化することができる。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記検出手段は、前記駆動手段の駆動力の伝達経路の下流側に配置されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかの奏する効果に加え、駆動力の伝達経路の上流側に検出手段が配置される場合に比較して、駆動力の伝達経路の途中で異常が生じた場合(例えば、回転手段が断裂して上流側にしか駆動力が伝達されない状態となっている場合)に、検出手段によりその異常の発生を早期に検出し易くすることができる。
この場合において、検出手段が駆動力の伝達経路の下流側終端部に配置されている場合、伝達経路のいずれの箇所で異常が生じた場合であっても、その異常を早期に検出することができる。
なお、異常の態様としては何ら限定されるものでは無い。例えば、分割体を結合して構成される回転体が途中で断裂し駆動力の伝達が遮断される態様でも良いし、ギアや摩擦力により駆動力の伝達がされる機構においてギアが破損したり摩擦が生じ無くなったりする態様でも良いし、駆動力の伝達経路の上端部としての駆動手段が故障する態様でも良い。
遊技機B4又はB5において、前記検出手段は、検出部を有する検出装置と、その検出装置の前記検出部により変位を検出される被検出部とを備え、前記回転手段は、前記被検出部を備えることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B4又はB5の奏する効果に加え、検出装置を固定することができるので、検出装置に接続される電気配線などを簡易に構成することができる。
また、回転手段の変位を直接的に検出することで、間接的に検出する場合に比較して検出の誤差を小さくすることができる。
遊技機B6において、前記被検出部は、前記回転手段の回転方向に沿って前記回転手段の内方へ突設される突設部と、その突設部を分断する凹部として形成される分断部とを備え、前記突設部の方が、前記分断部よりも長いことを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、突設部による回転手段の剛性強化の程度を高くすることができる。
遊技機B3からB7のいずれかにおいて、前記駆動手段に接続される電気配線と、その電気配線の配置を限定する限定手段とを備え、前記電気配線は、前記駆動手段に接続される接続部と、その接続部に連結される連結部とを備え、前記限定手段は、前記連結部が前記駆動手段または前記回転手段と当接することを回避するよう構成されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B3からB7のいずれかの奏する効果に加え、限定手段により、電気配線の耐久性を向上することができる。即ち、駆動手段と電気配線の連結部との当接を避けることで駆動手段からの発熱による電気配線の劣化や断線を抑制することができ、回転手段と電気配線の連結部との当接を避けることで摩擦による電気配線の劣化や断線を抑制することができる。
遊技機B1からB8のいずれかにおいて、前記回転手段を回転可能に支持する支持手段と、前記駆動手段に接続される電気配線とを備え、前記支持手段は、金属製の第1支持部材と、樹脂製の第2支持部材とを備え、前記回転手段または前記電気配線の少なくとも一方は、前記第2支持部材を介して前記第1支持部材に支持されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B1からB8のいずれかの奏する効果に加え、第1支持部材により回転手段および駆動手段の重量に対向して安定的に保持しつつ、回転手段または電気配線が第1支持手段に直接支持される場合に比較して、回転手段が早期に摩耗したり、電気配線が早期に破断したりすることを回避することができる。
遊技機B9において、前記第1支持部材は、前記回転手段の回転軸に対して交差する方向に変位可能に構成されることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、回転手段の回転を安定させながら、回転手段の回転軸を変位させる可動演出を行うことができる。
<異形の配線通しの構造上の技術思想>
電気配線が挿通される開放部を有する配線支持手段を備える遊技機において、前記開放部に挿通された電気配線の移動を制限させる制限手段を備えることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、開放部を有する筒状部材に電気配線が挿通されるよう構成される遊技機がある(例えば、特開2015−159837号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、開放部が電気配線のコネクタを挿通可能な大きさで形成されており、コネクタよりも細径の電気配線の開放部内での位置が定まらないために、組立状態における電気配線位置が製品ごとに均一とならない可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、制限手段により開放部を複数の区画に分ける等の手段により電気配線の移動を制限することにより、電気配線の開放部内での位置を定めやすくすることができるので、電気配線の位置の均一化を図ることができる。
なお、電気配線の位置が均一である態様としては、何ら限定されるものでは無い。例えば、所定の部材に対する相対的な位置が製品ごとに所定の基準内である態様でも良いし、電気配線が束で構成される場合に、その束がばらける程度(まとまる程度)の傾向が製品ごとに同等である態様でも良い。
また、開放部の形状は、何ら限定されるものでは無い。例えば、円形開口でも良いし、所定数の角形開口(三角形や四角形)でも良いし、その他の複雑形状(例えば、星形など)でも良い。
遊技機C1において、前記制限手段は、前記開放部の内側へ張り出す複数の張出部を備え、それら複数の張出部の間に前記電気配線を配置可能に構成されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、開放部内に仕切りを設けて開放部を複数個に分割する場合に比較して、電気配線を開放部に挿通する作業を容易とすることができる。
遊技機C2において、前記配線支持手段は、前記電気配線が案内される案内手段に固定される固定部を備え、その固定部は、前記張出部に配設されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、張出部を案内手段との固定に兼用することができる。これにより、配線支持手段を案内手段に固定する際に、配線支持手段と案内手段との間に電気配線を挟むことを回避することができる。
なお、案内手段の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、案内手段は、板状部材の一部として構成されても良いし、柱状部材(柱状部)として構成されても良い。
遊技機C3において、前記案内手段は、前記張出部の形状に沿って前記配線支持手段の厚み方向に厚肉に形成されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、案内手段が張出部の形状に沿って厚肉に形成されるので、張出部の間に配置される電気配線の案内経路は確保しながら、配線支持手段の剛性を高く確保することができる。
遊技機C3又はC4において、前記案内手段は、前記張出部の厚み方向に柱状に延びる柱状部を備えることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、柱状部が電気配線の配置を緩く制限することにより、案内手段と配線支持手段との間に配置される電気配線の態様(例えば、ばらけ具合)の変化の程度を緩やか(段階的)にすることができる。
遊技機C2からC5のいずれかにおいて、前記配線支持手段は、前記張出部が配設されていない箇所から外周側に肉厚形成される肉厚形成部を備えることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C2からC5のいずれかの奏する効果に加え、張出部が配設されていない箇所に電気配線が集中した場合であっても、肉厚形成部が補強の役割を果たすことにより、配線支持手段が割れたり破損したりすることを防止することができる。
また、配線支持手段が外周側から更に硬質の部材(例えば、金属部材)で支持される場合には、肉厚形成部がその他の箇所(薄肉の箇所)に比較して大きく変形することができるので、肉厚形成部を電気配線が集中する箇所に配置することにより、電気配線が断線することを回避し易くすることができる。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記配線支持手段は、第1配線支持手段と、その第1配線支持手段に積層配置される第2配線支持手段とを備え、前記第1配線支持手段の前記開放部である第1開放部と、前記第2配線支持手段の前記開放部である第2開放部との形状が異なることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかの奏する効果に加え、第1開放部における電気配線の態様(例えば、ばらけ具合)と、第2開放部における電気配線の態様とを異ならせることで、電気配線の態様を段階的に変化させることができる。
これにより、電気配線に求められる態様の切り替わりに対応し易くすることができる。例えば、電気配線に所定の安定した変位(制限された範囲内での変位)が要求される態様と、変位は要求されないが均一にばらけた状態での位置安定が要求される態様とで切り替わる場合に、電気配線の態様を段階的に変化させることができる。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記配線支持手段は、前記電気配線を構成する電線の幅よりも幅広に凹設される凹設部を備えることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC7のいずれかの奏する効果に加え、電線をばらけさせる程度の限界を設定することができるので、電気配線が他の構成と干渉することを防止することができ、電気配線の配置を容易とすることができる。
<電気配線を案内経路に好適に這わせる技術思想>
電気配線を案内可能な案内経路を構成する構成手段を備え、前記構成手段は、前記電気配線を前記案内経路に好適に配置可能に構成されることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、変位部材に電気配線を仮留めする仮留め部を備える遊技機がある(例えば、特開2012−157474号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、電気配線を変位部材に沿わせることはできるものの、電気配線が複数本の電線から構成される場合に、その電線の配置にまで言及するものでは無いので、実際の使用状態に適用する場合に改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、電気配線の案内経路を構成する構成手段が電気配線を好適に配置可能に構成されることから、電気配線の品質を高い状態で保つことができる。
なお、電気配線を好適に配置する態様は、何ら限定されるものではない。例えば、案内経路が細くなる手前の位置で予め複数の電線を束ねたり、案内経路の開口が薄肉形状となる手前の位置で予め複数の電線をばらけさせたりすることで、案内経路から電気配線に与えられる負荷を低減する態様でも良いし、所定区間において案内経路に対して電気配線を固定する態様でも良い。前者の場合、電気配線が断線することを防ぎ易くなるし、後者の場合、電気配線が断線する箇所を特定し易くすることで断線した場合の対処を容易とすることができる。
遊技機D1において、前記案内経路は、局所的に所定方向幅が縮小される縮小部を備え、断面形状が複数種類で構成されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、電気配線が与えられる負荷が比較的大きくなる箇所として縮小部を設けることで、電気配線が断線した場合の断線箇所の予想がしやすくなる。これにより、電気配線のメンテナンスに要する時間を短くすることができる。
遊技機D2において、前記縮小部に配置される前記電気配線は、第1方向視における幅が短くなるよう構成され、前記構成手段は、前記縮小部へ前記電気配線を案内する箇所に、前記電気配線の前記第1方向視における幅を短縮可能に構成される配線調整手段を備えることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、第1方向視における電気配線の幅を短くすることで、電気配線に他の役物の構造が制限されることを回避することができる。更に、電気配線の幅を無理に短くする場合には電気配線に過大な負荷が与えられ、電気配線がつぶれたり、早期に断線したりする虞があるのに対し、電気配線が縮小部に案内される前に配線調整手段により電気配線の状態を調整することで、電気配線に与えられる負荷を低減することができる。これにより、メンテナンスの頻度を下げることができる。
遊技機D3において、前記配線調整手段は、前記電気配線側に曲率半径の中心が配置される湾曲面を備え、その湾曲面の周方向は、前記電線が並ぶ方向に沿うように構成されることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、複数の電線に与えられる負荷を均一化することができる。即ち、平面が複数の電線と対向配置する場合に比較して、並んで配置される電線の内、中心側寄りの電線か、外側寄りの電線かに関わらず、電線に与えられる負荷を同等とすることができる。
遊技機D3又はD4において、前記配線調整手段は、前記電気配線を構成する電線の幅よりも幅広に凹設される凹設部を備えることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D3又はD4の奏する効果に加え、電線をばらけさせる程度の限界を設定することができるので、電気配線が他の構成と干渉することを防止することができ、電気配線の配置を容易とすることができる。
遊技機D1からD5のいずれかにおいて、前記電気配線を固定する固定部材(意匠部材)を備えることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D1からD5のいずれかの奏する効果に加え、電気配線の内部変位を防止することで電気配線の摩耗を防止することができるので、結束バンド等の別個の固定具なしで電気配線の断線を防止することができる。
なお、固定の態様は何ら限定されるものでは無い。例えば、構成手段と電気配線とが糊などの液状部材で固定される態様でも良いし、接着作用のある部材が塗布されたテープ(粘着作用のあるテープ等)を構成部材および電気配線に貼り付ける態様でも良いし、電気配線を構成手段と固定部材とで挟み込む際に生じる負荷で電気配線の変位を防止する態様でも良い。
遊技機D6において、前記固定部材に開口が形成され、その開口を通して前記電気配線に到達可能に構成されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、固定部材に対する電気配線の反対側から開口を通して電気配線の配置を調整することができるので、固定部材で電気配線を固定する作業において電気配線を誤った位置に配置することを回避し易くすることができ、作業中に電気配線を破損することを防止することができる。
遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記案内経路は、前記電気配線を受入可能に構成される受入部と、その受入部に進入可能に構成される進入部とを備え、前記電気配線は、前記進入部に支持されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D1からD7のいずれかの奏する効果に加え、電気配線が凹設部と進入部との間に挟まれる可能性を低くすることができる。
<死角を利用して演出効果の向上を図る技術思想>
第1方向視で視認可能に構成され、遊技球が通過可能に構成される所定領域と、前記第1方向視における前記所定領域の視認態様を変化させる所定手段とを備えることを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤の正面側に張り出して配設される張出配設部を備える遊技機がある(例えば、特開2006−333887号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技盤の上下方向中央よりも上側において、張出配設部が遊技者の視線を遮ることになるので、その張出配設部に隠される部分における演出効果が低くなり易いという問題点があった。
即ち、遊技盤の限られた面積の中に模様や図形を描いておくことで遊技機ごとの個性を創出することが可能となるが、張出配設部に隠される可能性がある箇所において模様や図形を描いておいても遊技者に視認され難いことが明らかである場合には、張出配設部に隠される可能性がある箇所に模様や図形を描くことが避けられることになるので、結果として、遊技盤に模様や図形を描くことができる面積が更に狭められる。従って、遊技盤の装飾の自由度が低くなる。
これに対し、遊技機E1によれば、所定領域を図形や模様を描く箇所としてでは無く、光などの通り道として採用し、所定手段により視認態様を変化させることができる箇所とすることにより、所定領域を有効利用し、遊技盤の装飾の自由度を高くすることができる結果、遊技盤の演出効果を高くすることができる。
遊技機E1において、正面側に遊技球を流下可能に構成される遊技盤を備え、前記遊技盤は、前記所定領域の少なくとも一部と重なるように開口形成される開口を備えることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、遊技盤の背面側位置から遊技盤へ向けて正面側へ照射される光を、所定領域と重なる開口の一部を介して正面側へ照射することができる。従って、暗い印象になり易い所定領域付近を光で明るく照らすことができるので、所定領域付近の演出効果を向上することができる。
遊技機E2において、前記所定手段は、遊技球の転動面を構成することを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、光と遊技球とが重なって視認されることで、遊技球の流下を判別し易くすることができる。これにより、入賞口付近まで遊技球が到達していないことを視認して初めて発射の異常に気付く場合に比較して、入賞口よりも流下経路の上流側を見ることで遊技球の発射異常(例えば、発射装置の故障や球詰まりにより遊技球の発射が滞ること)に気付き易くすることができる。これにより、遊技における不具合(例えば、所謂「一種二種混合機におけるパンク」)を回避し易くすることができる。
遊技機E3において、前記開口は、前記所定手段に沿って線状に視認可能に構成されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、所定領域を最大限に有効利用できると共に、所定手段に隠されない部分にまで開口が形成されることを避けることができる。
遊技機E3又はE4において、前記所定手段は、遊技球が前記遊技領域の左側を流下する際に転動する第1所定手段と、遊技球が前記遊技領域の右側を流下する際に転動する第2所定手段とを備えることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E3又はE4の奏する効果に加え、第1所定手段または第2所定手段のどちらの所定領域を介して光を視認させるかを制御することにより、球の発射態様の報知を行うことができる。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、前記所定領域を通り正面側へ変位する変位部材を備えることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5のいずれかの奏する効果に加え、所定領域における変化を遊技者が判別し易いように構成することができる。
<遊技球を減速させることで遊技効率を報知する技術思想>
遊技球が当接可能に構成され、当接している遊技球の流下経路を構成する流下手段を備え、その流下手段は、遊技領域側へ突設される突設部を備えることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、内レール部材が遊技領域の左側部において一般入賞口から零れた遊技球の転動面を構成する遊技機がある(例えば、特開2011−229686号公報を参照)。遊技領域の左側部において内レール部材に到達した遊技球は、アウト口へ流下する(死に球となる)ことが確定している遊技球であり、この遊技球の多少は、遊技している遊技機の遊技領域における入賞効率を図るために有効なデータの一つである。従って、遊技領域の左側部に注目させることで、遊技者に所定の利益を与えることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技球の流下が滑らか過ぎるため遊技球を滞留させることが困難であり、遊技領域の左側部を流下する遊技球に注目させることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、流下手段が突設部を備えているので、流下手段を流下する遊技球を減速させることができる。これにより、遊技領域の左側部に遊技球を留め易くすることができ、遊技領域の左側部に注目させることができる。
遊技機F1において、前記突設部は、遊技球が前記流下手段に着地する際に当接する着地範囲の下流側に設けられることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、遊技球が流下手段に着地した後の遊技球の跳ね方が不安定になることを回避することができると共に、遊技球が流下手段に衝突する際の衝撃で突設部が破損することを回避することができる。
遊技機F1又はF2において、前記突設部は、前記流下手段の上流側から接近する遊技球に対して押し戻す方向に生じさせる反発力に比較して、前記流下手段の下流側から接近する遊技球に対して押し戻す方向に生じさせる反発力の方が大きいように構成されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、遊技球が流下手段上で停止することを防止し易くすることができると共に、遊技球が突設部を超えて流下手段に沿って上昇することを妨げることができる。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記突設部は、第1突設部と、その第1突設部に対して流下手段の上流側に設けられる第2突設部とを備え、前記第1突設部の突設態様が、前記第2突設部の突設態様と異なることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、第1突設部での遊技球の滞留(減速)度合いと、第2突設部での遊技球の滞留(減速)度合いを異ならせることができる。
なお、突設態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、突設部の形状でも良いし、突設長さや突設幅でも良いし、突設部が複数形成される場合の突設間隔でも良い。
例えば、突設長さを突設態様として採用した場合に、第2突設部の突設長さを第1突設部の突設長さに比較して長くすると、流下手段上を流下する遊技球が固まり難くすることができる。これにより、アウト口に遊技球が固まって(まとまって)流入することを避けることができるので、アウト口で球詰まりが生じることを防止することができる。
逆に、第2突設部の突設長さを第1突設部の突設長さに比較して短くすると、流下手段上を流下する遊技球が固まり易くすることができる。これにより、流下手段に高頻度で遊技球が到達する場合に遊技球の固まりを生じ易くすることができるので、入賞効率についての情報を得たいと望む遊技者の注目を集め易くすることができる。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、前記流下手段は、正面側端部に拡散形状が形成される拡散部を備えることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかの奏する効果に加え、流下手段の正面側端部を面発光させることができる。
遊技機F5において、前記突設部の肉厚は、前記流下手段の肉厚と同等に構成され、前記拡散部は、前記突設部の正面側端部から反突設方向に張り出す張出部を備えることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、突設部の肉厚と流下手段の肉厚とが同等であるので、流下手段を樹脂成形する場合の成形精度を部位ごとに肉厚が変化する場合に比較して向上させることができる。加えて、拡散部が張出部を備えることから、突設部の正面側において光の拡散が生じる面積を大きく確保することができるので、突設部に対する注目力を向上することができる。
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、前記突設部の上方に配設され遊技球が入球可能に構成される入球口を備え、前記突設部を介して視認される態様が、前記入球口への遊技球の入球の有無により変化可能に構成されることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかの奏する効果に加え、流下手段を視認することで入球口への入球を把握させることができる。これにより、流下手段への注目力を上昇させることができる。
遊技機F7において、前記突設部と前記入球口との間に配設される反射手段を備え、その反射手段は、前記突設部から反射された光の少なくとも一部を、前記入球口へ入射可能に構成されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、突設部に入球口を映すことができるので、突設部に注目する遊技者に対して、入球口への入球の有無を把握させることができる。
また、突設部に注目する遊技者に対して、流下手段の上部を転動する遊技球(実際に存在する遊技球)と、入球口へ入球する遊技球であって反射手段の作用により視認可能となる遊技球(映り込んだ遊技球)とを合わせて視認させることができるので、多くの遊技球が一箇所に集まっているかのように遊技者に感じさせることができる。
<部材を数珠繋ぎにして構成する流路の片側面を一部材でまとめて構成>
遊技球が流下可能に構成される流下領域と対向配置される構成部材を備える遊技機において、第1流下領域の一側面を構成する第1構成部材と、前記第1流下領域の他側面を構成する第2構成部材と、第3構成部材とを備え、その第3構成部材は、前記第1構成部材が構成する第2流下領域の一部を構成することを特徴とする遊技機G1。
パチンコ機等の遊技機において、流路を構成する一対の流路構成部材が、複数組連続して配置されることで長い流路が構成される遊技機がある(例えば、特開2015−159997号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、流路を構成する部材個数が多くなり、部品管理が大変になるという問題点があった。
これに対し、遊技機G1によれば、第2構成部材と流路を構成する第1構成部材を、第3構成部材と流路を構成する部材に兼用することができ、流路を構成する部材個数を削減することができるので、部品管理を容易とすることができる。
遊技機G1において、前記流下領域の前記一側面の少なくとも一部を構成する一の前記構成部材は、配設部を備え、前記流下領域の前記他側面の少なくとも一部を構成する他の前記構成部材は、前記配設部に当接することで位置決めされる位置決め部を備えることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、配設部と位置決め部との当接により構成部材同士の位置合わせをすることができるので、位置合わせのために締結固定部を多く配設することを不要とすることができる。
遊技機G1又はG2において、前記第1構成部材に対する前記第2構成部材または前記第3構成部材の配置を調整可能にするための調整手段を備えることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、第1構成部材に対して第2構成部材または第3構成部材を容易に配置することができる。
なお、調整手段は、第2構成部材または第3構成部材に一体的に形成されても良いし、第1構成部材、第2構成部材または第3構成部材のいずれとも異なる個別の部材として構成しても良い。
遊技機G3において、前記調整手段は、第1構成部材、第2構成部材または第3構成部材のいずれからも独立して変位可能に構成されることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、調整手段の調整の自由度を向上することができる。
遊技機G4において、前記調整手段は、配置が変化しても前記流下領域の形状に影響を与えないよう構成されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、球が流下可能であることの確認をしながら配置するのは、第1構成部材、第2構成部材および第3構成部材のみで良く、調整手段の配置を球の流下可能性と独立して設定できるので、組み付け工数を削減することができる。
遊技機G5において、前記第1構成部材は、前記流下領域側から凹設される位置決め凹設部を備え、前記調整手段は、前記位置決め凹設部に配設された状態で、前記第1構成部材の前記一側面が形成される面上に前記流下領域側の面が形成されることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、調整手段により流下領域の一側面を構成しながら、調整手段の配置が異なることで流下領域の形状が変化することを回避することができる。
遊技機G6において、前記調整手段は、遊技球の流下方向と対向配置される側の角部が面取りされることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G6の奏する効果に加え、調整手段の、遊技球の流下方向と対向配置される側の面が面取りされるので、寸法誤差により調整手段が第1構成部材の側面よりも流下領域側へ張り出している場合であっても、遊技球との衝突箇所を面で構成することができる。これにより、遊技球との衝突により調整手段が破損する可能性を低くすることができると共に、遊技球の流下抵抗を低くすることができる。
遊技機G1からG7のいずれかにおいて、前記第2構成部材と前記第3構成部材とが連結されることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G1からG7のいずれかの奏する効果に加え、第2構成部材に対する第3構成部材の配置のずれを小さくすることができるので、流下領域における第2構成部材から第3構成部材へつながる部分を滑らかに構成することができる。
<バネを変位部材の中央付近に配置する技術思想>
変位可能に構成される変位手段と、その変位手段の変位を案内可能に構成される案内手段と、前記変位手段を付勢する付勢手段とを備える遊技機において、前記付勢手段よりも正面側に配置され、前記付勢手段への視線の少なくとも一部を遮るように配設される遮蔽手段を備え、前記付勢手段は、所定方向に沿って前記変位手段と前記案内手段との間に配置されることを特徴とする遊技機H1。
パチンコ機等の遊技機において、変位可能に構成される可動役物と、その可動役物の変位を案内する案内レールと、可動役物の変位を補助する付勢力を発生する付勢手段とを備え、その付勢手段が案内レールを挟んで可動役物の反対側(後側)に配設される遊技機がある(例えば、特開2016−054856号公報を参照)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、可動役物の重心位置と付勢力が生じる位置との前後間隔が長いため、付勢力を効率良く生じさせるという観点から改善の余地があるという問題点があった。
一方で、付勢手段を可動役物の重心位置に近づけるために、付勢手段の配置を正面側へ移動させると、付勢手段が遊技者に見られてしまい、演出効果が低下する可能性があった。
これに対し、遊技機H1によれば、付勢手段を変位手段に近づけることで付勢力を効率良く生じさせることができ、且つ、付勢手段が遊技者に視認されることを遮蔽手段により回避することができる。
遊技機H1において、前記遮蔽手段は、前記変位手段の背面側に配置されることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、遮蔽手段により変位手段が隠されることを防止することができる。
遊技機H1又はH2において、前記遮蔽手段は、前記変位手段の内方へ進入可能に構成されることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1又はH2の奏する効果に加え、遮蔽手段により変位手段の外部に描かれる図形や模様が見えなくなることを防止することができる。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記遮蔽手段は、前記変位手段が所定位置に配置されることで当接可能に構成される修正手段を備え、その修正手段は、前記変位手段に当接することで前記変位手段の姿勢を初期姿勢側へ修正可能に構成されることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかの奏する効果に加え、変位手段に予期せぬ姿勢変化が生じた場合であっても、変位手段が所定位置に配置された場合に遮蔽手段の修正手段が変位手段と当接し姿勢変化を修正することになるので、変位手段が所定位置に配置される度に姿勢変化を修正することができる。これにより、変位手段が許容限界を超えて姿勢変化し遮蔽手段の修正手段以外の部分と衝突することを回避することができる。
遊技機H4において、前記修正手段は、前記付勢手段の支持を安定化する支持安定部を備えることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、修正手段を、付勢手段の脱落を防止する手段に兼用することができる。これにより、部材個数の削減や、機能の集約化を図ることができる。
遊技機H1からH5のいずれかにおいて、前記遮蔽手段への特定方向視(見上げる方向視)に対する遮蔽を図るための第2遮蔽手段を備えることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H1からH5のいずれかの奏する効果に加え、特定方向視で変位手段の背面側が視認可能な位置に変位手段が配置された場合であっても、特定方向視で遮蔽手段が視認されることを第2遮蔽手段によって防止することができる。従って、特定方向視で付勢手段が見られることを防止することができる。
遊技機H6において、前記第2遮蔽手段は、前記変位手段に配設されることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、変位手段の配置に対応して遮蔽手段および付勢手段を適切に隠すことの容易化を図ることができる。
遊技機A1からA7、B1からB10、C1からC8、D1からD8、E1からE6、F1からF8、G1からG8及びH1からH7のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA7、B1からB10、C1からC8、D1からD8、E1からE6、F1からF8、G1からG8及びH1からH7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA7、B1からB10、C1からC8、D1からD8、E1からE6、F1からF8、G1からG8及びH1からH7のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。