図1〜図5は本発明の第1の実施形態を例示している。図1における1が歯ブラシ適時交換システムである。
歯ブラシ適時交換システム1は、図1の機能構成図が示すように、ユーザ用クライアント装置2、事業者用サーバ装置3及び図示しない歯ブラシTBを包装する歯ブラシの包装体4を有する。図示されていないが、歯ブラシの包装体4である紙包装、プラスチック包装等の表面には、予め二次元コードの一種であるQRコード(登録商標)が印刷又は貼付されている。
歯ブラシ適時交換システム1は、複数種の歯ブラシのうち使用のためユーザCが選択した歯ブラシTB(使用歯ブラシ)をユーザCが使用を開始してから交換するまでの使用期間Tについて、推奨される最も長い使用期間Tである推奨最長使用期間Trが定められた歯ブラシTBの適時交換を支援する。推奨最長使用期間Trは、歯ブラシTBの耐久性、刷掃効果の持続性、雑菌の繁殖等を考慮して、歯ブラシTBを供給する事業者Bによって定められ、また、複数種の歯ブラシについてそれぞれ定められる。
ユーザ用クライアント装置2は、スマートフォン、携帯電話機、タブレット型端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型PC(Personal Computer)等の情報処理端末装置である。ユーザ用クライアント装置2は、複数のユーザCがそれぞれ所持する。
ユーザ用クライアント装置2は、カメラ部5、クライアント装置制御部6、表示処理部7、送信部2d及び受信部2rを有する。送信部2d及び受信部2rは、クライアント装置制御部6と外部との間で、インターネット、電話回線等のネットワークを介してデータを送受信する。
カメラ部5は光学読取手段5aを有し、光学読取手段5aが、前記のQRコード(登録商標)から成る可視情報4aを光学的に読み取ることができる。ユーザ用クライアント装置2がスマートフォン、携帯電話機、タブレット型端末などの場合、カメラ部5は、ユーザCが当該ユーザ用クライアント装置2を操作するとき、ユーザC側に面する表示処理部7の表示面7aの裏側の面に位置する。
図2(a)は、カメラ部5を可視情報4aにかざしたときに、表示面7aに映し出される画像を表す。ユーザCは、この画像が表示面7aに表れるとき、タッチパネル式の表示面7a上の「QRコード読み取り」のボタンに触れることによって可視情報4aを光学的に読み取らせることができる。図2(a)のQRコード(登録商標)の例は、一般社団法人流通システム開発センターのホームページに掲載されるGS1QRコードの表示例から引用した。
クライアント装置制御部6は、図1が示すように、製品情報判別手段6a、開始指示受付手段6b、使用期間計測手段6c及び判定手段6dを有する。
製品情報判別手段6aは、光学読取手段5aによって読み取られた可視情報4aから、歯ブラシの包装体4によって包装された歯ブラシTBの製品情報Mを判別する。製品情報Mは、歯ブラシTBのメーカー名、歯ブラシTBの種類毎に設定される品番等を含む。また、製品情報Mが当該歯ブラシTBの製造ロット番号を含んでもよい。
製品情報判別手段6aによって判別された製品情報Mは、送信部2dを経由して事業者用サーバー装置3へ送信される。歯ブラシの包装体4から可視情報4aがユーザ用クライアント装置2へ伝わり、その結果、製品情報Mがユーザ用クライアント装置2から事業者用サーバー装置3へ送信されるまでのシーケンスを図3に示す。
開始指示受付手段6bは、可視情報4aの読み取り後直ぐに、ユーザCに、歯ブラシTBの使用を開始するか否かを選択させることができる。図2(b)は、ユーザCに歯ブラシTBを開始するか否かを尋ねている画像を表す。ここで、ユーザCが「はい」ボタンを選択するとき、ユーザCによる開始指示が歯ブラシ適時交換システム1によって受け付けられる。この開始指示が受け付けられる時が歯ブラシTBの使用開始時である。
その一方で、ユーザCが「いいえ」ボタンを選択するとき、ユーザCによる開始指示は受け付けられない。その場合に歯ブラシ適時交換システム1は、再び可視情報4aを読み取ることによってユーザCに再び「はい」ボタンを選択する機会を与える、または、一定の時間が経過した後に再び「はい」ボタンを選択する機会を与えるなどのように、再度の使用開始の機会を与えてもよい。
使用期間計測手段6cは、開始指示受付手段6bによって使用開始時から経過する期間である使用期間Tを計測し、この使用期間Tの値を判定手段6dへ出力する。また、クライアント装置制御部6は、使用期間Tの計測中に、ユーザCから、使用中の歯ブラシTBを交換する決定である終了指示を受け付けるとき、使用期間計測手段6cが使用期間Tの計測を終了し、使用期間Tの値を初期化する。
判定手段6dは、事業者用サーバ装置3から受信部2rを経由して受信する推奨最長使用期間Trを記憶する。推奨最長使用期間Trの値が事業者用サーバー装置3からユーザ用クライアント装置2へ送信されるシーケンスを図3に示す。
判定手段6dは、使用期間計測手段6cから出力される使用期間Tの値が推奨最長使用期間Trと一致する時に、使用開始時から推奨最長使用期間Trが経過したことの判定である第1の経過判定TJrを行う。また、判定手段6dは、第1の経過判定TJrを行ったことの信号である第1の経過判定信号を表示処理部7へ出力する。
表示処理部7は、表示面7aとアラーム手段7bとを有する。表示面7aは上で述べたようなタッチパネル方式であり、液晶画面である。表示面7aはユーザ用クライアント装置2の表面に配置され、ユーザCが目視することができ、かつ、手指によって触れることができる。
アラーム手段7bは、クライアント装置制御部6から出力された第1の経過判定信号を受け取り、受け取った時にユーザCに対して、使用開始時から推奨最長使用期間Trが経過したことに対するアラームである、推奨最長使用期間経過アラームTArを発する。
図4(a)は、推奨最長使用期間Trが30日間の場合に、推奨最長使用期間経過アラームTArの形態の例として、アラーム時に表示面7aに映し出される画像を表す。また、このような画像に代わり、表示処理部7が音声信号を発してもよい。さらに、このような画像を映し出すとともに前記音声信号を発してもよい。
図4(a)の画像が映し出されることにより、ユーザCは「はい」のボタンに触れ、使用中の歯ブラシTBを交換する決定である終了指示を行うことができる。この終了指示を受け付ける時に、使用期間計測手段6cは使用期間Tの計測を終了し、使用期間Tの値を初期化する。
その一方で、ユーザCが「いいえ」ボタンを選択するとき、ユーザCによる終了指示は受け付けられず、使用期間計測手段6cによる使用期間Tの計測が継続される。その場合に、例えば図4(b)の画像を映し出し、ユーザCに一時的な延長期間を入力させてもよい。そして、アラーム手段7bは、延長期間が経過する時に、延長期間が経過したことに対するアラームを発してもよい。
ユーザCは推奨最長使用期間Trが経過した時点においても、使用中の歯ブラシTBの耐久性や刷掃効果がもうしばらくは持続されると判断するとき、前記の延長期間を入力し、再度のアラームが発せられるまでの間の使用を継続することができる。また、「アラームを発しない」を選択し、好きな時までの使用を継続することもできる。
事業者用サーバー装置3は、図1が示すようにサーバー装置制御部8、記憶部9、送信部3d及び受信部3rを有する。事業者用サーバー装置3は、送信部3d及び受信部3rが、インターネット、電話回線等のネットワークを介して、複数のユーザ用クライアント装置2との間で同時にデータを送受信することができる。
サーバー装置制御部8は、使用期間読出手段8aを有する。また、記憶部9はテーブル記憶手段9aを有する。テーブル記憶手段9aには、図5のデータ構成図に示す推奨最長使用期間テーブルD(1)が記憶される。
使用期間読出手段8aは、ユーザ用クライアント装置2から送信された製品情報Mに対応する推奨最長使用期間Trの値をテーブル記憶手段9aから読み出す。
例えば、受信する製品情報Mが、推奨最長使用期間テーブルD(1)に示される、メーカーであるA社が製造する品番123abcdの歯ブラシTBの製品情報「A123abcd」であるとき、使用期間読出手段8aは、当該歯ブラシTBの製品情報MであるA123abcdに対応する推奨最長使用期間Trの値30日間を読み出す。
これによって、事業用サーバー装置3は、ユーザCの使用する歯ブラシTBの製品情報Mに基づいて、当該歯ブラシTBの推奨最長使用期間Trを特定する。
使用期間読出手段8aが読み出した推奨最長使用期間Trは、送信部3dによってユーザ用クライアント装置2へ送信され、ユーザ用クライアント装置2の受信部2rを経由して判定手段6dが受信する。
推奨最長使用期間テーブルD(1)は、予め事業者Bが作成し、前記のQRコード(登録商標)が歯ブラシの包装体4の表面に印刷又は貼付される際に、事業者Bがテーブル記憶手段9aに記憶させる。
事業者Bは、新しい種類の歯ブラシが発売される度に、新発売される歯ブラシの包装体4に新たなQRコード(登録商標)を印刷又は貼付するとともに、推奨最長使用期間テーブルD(1)を更新することにより、この歯ブラシの製品情報M及び推奨最長使用期間Trを追加することができる。
また、事業者Bは、供給が中止される種類の歯ブラシが市場に出回らなくなった後に、推奨最長使用期間テーブルD(1)を更新することにより、この歯ブラシの製品情報M及び推奨最長使用期間Trを削除することができる。
さらに、事業者Bは、推奨最長使用期間テーブルD(1)を更新することにより、上市されている種類の歯ブラシの推奨最長使用期間Trを変更することができる。例えば、上市後に歯ブラシの刷毛の材質を変更する場合、ユーザCらからの声によりユーザCらの好みが上市時の予想とは異なった場合等に対応することができる。
以上の構成により、歯ブラシ適時交換システム1は、ユーザ用クライアント装置2が開始受付手段6bを有することにより、ユーザCは表示面7aの画像上で「はい」ボタンを選択するだけで使用期間Tの計測を開始することができる。そのため、ユーザCは歯ブラシ適時交換システム1を容易に導入することができる。
また、上で述べたような使用期間Tの計測を開始するため、歯ブラシTBは、特別な付属品の取り付けを必要とせず、また、従来の単体仕様のままでよい。そのため、歯ブラシ適時交換システム1が、数多くの種類の歯ブラシの使用に適用可能なことにより、ユーザCは、多くの選択肢の中から使用する歯ブラシを選ぶことができる。
さらに、推奨最長使用期間Trを特定するための製品情報Mを、QRコード(登録商標)のような可視情報4aによって簡易に判別することができる。そのため、ユーザCは歯ブラシ適時交換システム1を容易に導入することができる。
図6〜図9は本発明の第2の実施形態を例示している。図6における11が歯ブラシ適時交換システムである。
歯ブラシ適時交換システム11は、図6の機能構成図が示すように、ユーザ用クライアント装置12と事業者用サーバ装置13とを有する。
ユーザ用クライアント装置12は、クライアント装置制御部16、表示処理部17、送信部12d及び受信部12rを有する。
クライアント装置制御部16は、製品情報判別手段16a、開始指示受付手段16b、使用期間計測手段16c及び判定手段16dを有する。表示処理部17は、表示面17aとアラーム手段17bとを有する。
製品情報判別手段16aは、表示面17aに図7(a)に示す画像を映し出し、ユーザCに、使用する歯ブラシTBの商品名を含んだ商品名一覧Lを示すための「商品名一覧を示す」ボタンに触れさせる。このボタンに触れたとき、クライアント装置制御部16は、商品名の請求をユーザ用クライアント装置12の送信部12d経由事業者用サーバー装置13へ送信する。商品名の請求がユーザ用クライアント装置12から事業者用サーバー装置13へ送信されるシーケンスを図8に示す。
製品情報判別手段16aは、商品名の請求を送信した後に、受信部12r経由事業者用サーバ装置13から、複数の、商品名とその商品名の歯ブラシの製品情報Mとの組み合わせを受信する。また、製品情報判別手段16aは、これらの商品名を商品名一覧Lの形式により表示面17aに表示する。
図7(b)に、表示面17aに商品名一覧Lが映し出される画像の例を示す。例えば、商品名「A社 エービーシー」は、A社が提供する「エービーシー」というブランドの歯ブラシの商品名を表す。
表示面17aに商品名一覧Lが表示されることにより、ユーザCは、表示面17a上のこれから使用する歯ブラシTBの商品名欄に触れ、該当する商品名を選択することができる。
製品情報判別手段16aは、ユーザCの選択した商品名に対応する製品情報Mが、ユーザCがこれから使用する歯ブラシTBの製品情報Mに該当すると判別し、その製品情報Mを送信部12dを経由して事業者用サーバー13へ送信する。例えば、ユーザCの選択した商品名が「A社 エービーシー」であれば、これから使用する歯ブラシの製品情報Mが、事業者用サーバ装置13から受信した組み合わせのうち「A社 エービーシー」に対応する製品情報MであるA123abcdであると判別する。
上で述べた複数の商品名と製品情報Mとの組み合わせがユーザ用クライアント装置12へ送信され、それに対して選択される商品名に対応する製品情報Mが事業者用サーバ装置13へ送信されるシーケンスを図8に示す。
事業者用サーバー装置13は、図6が示すようにサーバー装置制御部18、記憶部19、送信部13d及び受信部13rを有する。記憶部19は、テーブル記憶手段19aを有し、テーブル記憶手段19aに図9のデータ構成図に示す商品名テーブルが記憶される。商品名テーブルには、商品名と、その商品名の歯ブラシの製品情報Mとの組み合わせが書き込まれている。
サーバー装置制御部18は、商品名読出手段18lを有する。商品名読出手段18lは、事業者用サーバー装置13がユーザ用クライアント装置12から受信する商品名の請求に従い、全ての商品名と製品情報Mとの組み合わせを商品名テーブルから読み出す。事業者用サーバー装置13は、これらの組み合わせを、これから使用する歯ブラシTBの商品名と製品情報Mとの組み合わせの候補として、送信部13dからユーザ用クライアント装置12へ送信する。以上で述べた以外の構成は、第1の実施形態と共通とする。
以上の構成により、歯ブラシ適時交換システム11は、ユーザCが商品名一覧Lから商品名を選択することにより、使用する歯ブラシTBの推奨最長使用期間Trを容易に特定することができる。
また、既に流通している歯ブラシについても、テーブル記憶手段19aが記憶する商品名テーブル及び推奨最長使用期間テーブルD(1)に、当該歯ブラシの商品名、製品情報M及び推奨最長使用期間Trの値を追加する更新を行うことにより、即座に歯ブラシ適時交換システム11への適用を行うことができる。
図10〜図14は本発明の第3の実施形態を例示している。図10における21が歯ブラシ適時交換システムである。
歯ブラシ適時交換システム21は、図10の機能構成図が示すように、ユーザ用クライアント装置22、事業者用サーバー装置23及び歯ブラシの包装体24を有する。
ユーザ用クライアント装置22はカメラ部25、クライアント装置制御部26、表示処理部27、送信部22d及び受信部22rを有する。また、クライアント装置制御部26は、製品情報判別手段26a、開始指示受付手段26b、使用期間計測手段26c、判定手段26d及び期間補正指示受付手段26eを有する。表示処理部27は、表示面27aとアラーム手段27bとを有する。
判定手段26dは、事業者用サーバー装置23が補正最長使用期間Taを記憶しているとき、事業用サーバー装置23から補正最長使用期間Taを受信して記憶する。補正最長使用期間Taとは、最も長い使用期間Tを、ユーザCが推奨最長使用期間Trよりも短縮し、または、延長したものである。
推奨最長使用期間Tr、または、補正最長使用期間Taの値が事業者用サーバー装置23からユーザ用クライアント装置2へ送信されるシーケンスを図11に示す。
判定手段26dは、補正最長使用期間Taを記憶しているとき、使用期間計測手段26cから出力される使用期間Tの値が補正最長使用期間Taと一致する時に、使用開始時から補正最長使用期間Taが経過したことの判定である第2の経過判定TJaを行う。このとき、判定手段26dは、第2の経過判定TJaを行ったことの信号である第2の経過判定信号を表示処理部27へ出力する。
期間補正指示受付手段26eは、ユーザCから前記終了指示を受け付けた後に、表示面27aに図12(a)に示す画像を映し出し、ユーザCに、使用した歯ブラシTBと同じ種類の歯ブラシを次回使用する際に、最も長い使用期間Tを、従来の最も長い使用期間Tから補正させるための補正期間入力ボタンに触れさせる。この使用期間Tの補正の指示を、期間補正指示という。
例えば、従来の最も長い使用期間Tが推奨最長使用期間Trであり、かつ、推奨最長使用期間Trが30日間の場合に、ユーザCが「+5日間」のボタンに触れると、期間補正指示受付手段26eは、そのユーザCが同じ種類の歯ブラシを次回使用する際の最も長い使用期間Tを35日間に補正する。この補正された最も長い使用期間Tである35日間という値が、補正最長使用期間Taとして、送信部22dを経由して事業者用サーバー装置23へ送信される。
また、従来の最も長い使用期間Tが補正最長使用期間Taであり、かつ、補正最長使用期間Taが35日間の場合に、ユーザCが「+10日間」のボタンに触れると、期間補正指示受付手段26eは、そのユーザCが同じ種類の歯ブラシを次回使用する際の最も長い使用期間Tを45日間に補正する。この再度の補正がなされた最も長い使用期間Tである45日間という値が、更新された補正最長使用期間Taの値として、送信部22dを経由して事業者用サーバー装置23へ送信される。
これらの補正最長使用期間Taの値がユーザ用クライアント装置22から事業者用サーバー装置23へ送信されるシーケンスを図11に示す。
アラーム手段27bは、クライアント装置制御部26から出力された第2の判定信号を受け取り、受け取った時にユーザCに対して、使用開始時から補正最長使用期間Taが経過したことに対するアラームである、補正最長使用期間経過アラームTAaを発する。
図12(b)は、補正最長使用期間Taが45日間の場合に、補正最長使用期間経過アラームTAaの形態の例として、アラーム時に表示面27aに映し出される画像を表す。また、このような画像に代わり、表示処理部27が音声信号を発してもよい。さらに、このような画像を映し出すとともに前記音声信号を発してもよい。ユーザCは「はい」を選択して、使用中の歯ブラシTBを交換する決定である終了指示を行うことができる。
なお、このとき「いいえ」を選択して、図4(b)の画像が示すような一時的な期間の延長を設定することができてもよい。
事業者用サーバー装置23は、図10が示すようにサーバー装置制御部28、記憶部29、送信部23d及び受信部23rを有する。事業用サーバー装置23は、送信部23d及び受信部23rが、インターネット、電話回線等のネットワークを介して、複数のユーザ用クライアント装置22との間で同時にデータを送受信することができる。
サーバー装置制御部28は、使用期間読出手段28a及び使用期間書込手段28bを有する。また、記憶部29はテーブル記憶手段29aを有する。テーブル記憶手段29aには、推奨最長使用期間テーブルD(1)と、図13に示す補正最長使用期間テーブルD(2)が記憶される。以上で述べた以外の構成は、第1の実施形態と共通する。
使用期間読出手段28aは、テーブル記憶手段29aが、該当する補正最長使用期間Taを記憶していないときユーザ用クライアント装置22から送信された製品情報Mに対応する推奨最長使用期間Trの値をテーブル記憶手段29aから読み出す。またテーブル記憶手段29aが、該当する補正最長使用期間Taを記憶するとき、その補正最長使用期間Taの値をテーブル記憶手段29aから読み出す。
使用期間書込手段28bは、それぞれのユーザCが所持する各ユーザ用クライアント装置22から事業者用サーバー装置23へ送信される補正最長使用期間Taを受信する。各ユーザCは、予め事業者Bに対して利用者登録を行い、ユーザCごとに割り振られるID番号が付与される。そして、使用期間書込手段28bは、補正最長使用期間テーブルD(2)において、ユーザIDごとの補正最長使用期間Taの値を書き込み、または、補正最長使用期間Taの値を更新する。
例えば、ユーザIDがC1のユーザC1が所持するユーザ用クライアント装置22から製品情報MがA123abcdの歯ブラシTBの最も長い使用期間Tを45日間とする補正最長使用期間Taが受信されるとき、使用期間書込手段28bは、図13の補正最長使用期間テーブルD(2)の最上段の欄のように書き込みまたは更新する。このユーザCをC1とするA123abcdの歯ブラシTBのように、使用期間Tを調整する対象の種類の歯ブラシを使用期間調整歯ブラシともいう。
一方で、ユーザC1が使用する製品情報MがA123abcdの歯ブラシTBの場合のように、事業用サーバー装置23が45日間という補正最長使用期間Taの値を記憶しているとき、ユーザC1の所持するユーザ用クライアント装置22の判定手段26dは、上で述べたように補正最長使用期間Taである45日間という値を受信して記憶する。
ここで、一の歯ブラシTB1を例えばユーザC1が取得し、使用をしてから、他の歯ブラシTB2に交換するまでの概略の流れを、図14に示すフローチャートに沿って説明する。ただし、上記の図4(a)及び図12(b)の「いいえ」で示したような一時的な期間の延長は行わない場合のフローチャートとする。
ユーザC1が歯ブラシTB1を取得し、ステップS101においてQRコード(登録商標)の読み取りを行うことにより、歯ブラシ適時交換システム21は、ステップS102において歯ブラシTB1の製品情報Mを判別する。また、ユーザC1がステップS103において使用の開始指示を行うことにより、歯ブラシ適時交換システム21は、ステップS104において使用期間Tの計測を開始する。
このとき、補正最長使用期間テーブルD(2)にユーザC1に帰属する補正最長使用期間Taが記憶されていないときは、ステップS105においてユーザ用クライアント装置22が、推奨最長使用期間テーブルD(1)に記憶されている歯ブラシTB1の推奨最長使用期間Trを受信し、ステップS107において第1の経過判定TJrを行う。一方で、補正最長使用期間Taが記憶されているときは、ステップS106においてユーザ用クライアント装置22がその補正最長使用期間Taを受信し、ステップS107において第2の経過判定TJaを行う。
第1の経過判定TJr又は第2の経過判定TJaがなされる時、ステップ108において、それぞれ推奨最長使用期間経過アラームTAr又は補正最長使用期間経過アラームTAaが発せられる。その上で、ステップS109においてユーザC1が終了指示を行うことにより、ステップ110及び111において使用期間Tの計測が終了し、使用期間Tの値が初期化される。
さらに、ユーザC1がステップS112において期間補正指示を行うときは、ステップS113において補正最長使用期間テーブルD(2)の書き込み又は更新が行われる。以上の後に、これまで使用された歯ブラシTB1は、次の歯ブラシTB2と交換される。
なお、ステップS101及び102のような、QRコード(登録商標)の読み取りを行うことによる歯ブラシTB1の製品情報Mの判定に限らず、第2の実施形態における製品情報判別手段16aが行うように、表示面27aに商品名一覧Lを映し出し、ユーザC1に歯ブラシTB1の商品名を選択させることにより製品情報Mを判別してもよい。このときの製品情報Mの判定のための構成は、第2の実施形態と共通とする。
以上の構成により、歯ブラシ適時交換システム21は、使用期間調整歯ブラシについて各ユーザCが前記の期間補正指示によってアラームを発するまでの期間を、各人の好みなどによって自在に調整することができる。しかも、使用後に補正期間を選択することによって、容易に前記期間補正指示を行うことができる。
なお、図4(b)及び図12(b)に示すような一時的な期間の延長を行うときは、推奨最長使用期間Tr又は補正最長使用期間Taにどのくらいの使用期間Tを足すことにより適時な交換を行うことができるかを、各ユーザCが試せるため、より各自に合った補正最長使用期間Taを設定することが可能となる。
図15〜図19は本発明の第4の実施形態を例示している。図15における31が歯ブラシ適時交換システムである。
歯ブラシ適時交換システム31は、ユーザ用クライアント装置32、事業者用サーバー装置33及び歯ブラシの包装体34を有する。
ユーザ用クライアント装置32は、カメラ部35、クライアント装置制御部36、表示処理部37、送信部32d及び受信部32rを有する。表示処理部37は、表示面37a及びアラーム手段37bを有する。
カメラ部35は、光学読取手段35a及び撮像手段35bを有する。カメラ部35は、ユーザ用クライアント装置32において、ユーザC側に面する表示面37aの裏側の面に位置し、撮像手段35bが、前記裏側の対象物を撮像する。
図16は、撮像手段35bが、歯ブラシTBを撮像することによって得られる像である。
歯ブラシTBは、ヘッド部1001と柄部1002とを有する。ヘッド部1001は、図の縦横方向に扁平であり、図の手前側から奥側に向けて開口する略円柱形状の植毛穴1003を複数有する。ヘッド部1001の、植毛穴1003が開けられる面を植毛面という。各植毛穴1003には、前記略円柱形状の軸心方向に毛束1004が植毛される。このように、図16に表される像は、ヘッド部1001の植毛方向視の像である毛束植毛方向視像1005である。
クライアント装置制御部36は、製品情報判別手段36a、開始指示受付手段36b、使用期間計測手段36c、判定手段36d及び毛束変形測定手段36fを有する。
図17(a)は、判定手段36dが第1の経過判定TJrを行ったことの信号である第1の経過判定信号を表示処理部37へ出力するとき、アラーム手段37bが、推奨最長使用期間経過アラームTArの形態の例として、表示面37aに映し出す画像を表す。
ここでユーザCが「はい」ボタンを選択することにより、使用期間計測手段36cは使用期間Tの計測を終了し、使用期間Tの値を初期化する。また、 毛束変形測定手段36fは、表示面37aに、撮像手段35bが撮像する毛束植毛方向視像1005を映し出す。図17(b)は、毛束植毛方向視像1005が映し出された状態を示す。
毛束植毛方向視像1005が映し出された状態で、ユーザCが図17(b)の画像に示される「撮影」ボタンに触れることにより毛束植毛方向視像1005は撮像される。
なお、図17(a)の画像においてユーザCが終了指示である「いいえ(歯ブラシを交換します)」ボタンを選択するときは、「はい」の場合と同様に使用期間Tの計測が終了し、かつ、使用期間Tの値が初期化される一方で、毛束植毛方向視像1005が撮像されることがない。
判定手段36dは、事業者用サーバ装置33から受信部32rを経由して受信する推奨毛束変形限度Drを記憶する。推奨毛束変形限度Drの値が事業用サーバー装置33からユーザ用クライアント装置32へ送信されるシーケンスを図18に示す。
推奨毛束変形限度Drを図16において点線により表す。
各毛束1004は、歯ブラシTBの使用にともない植毛面方向に広がる。このとき、各毛束1004が過剰に広がると、刷掃効果が低減し、かつ、毛先が寝てしまうために不必要に歯茎を擦る虞が大きくなる。そのため、推奨毛束変形限度Drは、歯ブラシTBの耐久性や刷掃効果の持続性を考慮して、推奨最長使用期間Trと合わせて歯ブラシTBを供給する事業者Bによって定められ、また、複数種の歯ブラシについてそれぞれ定められる。
すなわち、使用にともない歯ブラシTBの各毛束1004の植毛方向視における外縁が、実線で表される毛束変形外縁Dのように広がろうとするのに対し、上記の耐久性や効果を考慮して、推奨される広がり限度の毛束変形外縁Dが推奨毛束変形限度Drである。
このとき、ヘッド部1001の植毛方向視におけるヘッド部外縁Doに対して、推奨毛束変形限度Drが、例えばヘッド部1001の先端向きNに広がる距離をN向き推奨変形距離drnとして、同様にそれぞれ基端向きSに広がる距離をS向き推奨変形距離drs、毛先に向かって右向きEに広がる距離をE向き推奨変形距離dre、および、毛先に向かって左向きWに広がる距離をW向き推奨変形距離drwとする。
毛束変形測定手段36fは、撮像された毛束植毛方向視像1005における毛束変形外縁Dと、ヘッド部外縁Doとを対比して、例えば毛束変形外縁Dが先端向きNに広がる距離であるN向き変形距離dnと、同様にそれぞれ基端向きSに広がる距離であるS向き変形距離dsと、右向きEに広がる距離であるE向き変形距離deと、左向きWに広がる距離であるW向き変形距離dwとを測定する。
そして、判定手段36dは、記憶している推奨毛束変形限度DrにおけるN向き推奨変形距離drnと、撮像された毛束植毛方向視像1005におけるN向き変形距離dnとを対比し、毛束1004のN向き変形距離dnがN向き推奨変形距離drnを超えたことの判定と、超えるときのN向き超過変形距離dnaの判定とから成る第1の超過判定DJrを行う。
また同様に、判定手段36dは、S向き推奨変形距離drs及びS向き変形距離ds、E向き推奨変形距離dre及びE向き変形距離de、ならびに、W向き推奨変形距離drw及びW向き変形距離dwをそれぞれ対比して、毛束1004が各推奨変形距離drs,dre,drwを超えて植毛方向に広がったかどうかの判定と、超過するときの各超過変形距離dsa,dea,dwaの判定とから成る第1の超過判定DJrを行う。図16の例においては、S向き、E向き及びW向きには各推奨変形距離drs,dre,drwを超えて広がっていない。
さらに判定手段36dは、第1の超過判定DJrを行ったことの信号である第1の超過判定信号を表示処理部37へ出力する。
アラーム手段37bは、クライアント装置制御部36から出力された第1の超過判定信号を受け取り、受け取った時にユーザCに対して、毛束変形外縁Dが推奨毛束変形限度Drを超過したことに対するアラームである、推奨毛束変形限度超過アラームDArを発する。
図17(c)は、例えばN向き推奨変形距離drnが2mmであるのに対し、N向き変形距離dnが3mmである場合に、第1の超過判定DJrを行い、そのときのN向き超過変形距離dnaが1mmであることを示す推奨毛束変形限度超過アラームDArの形態の例として、アラーム時に表示面37aに映し出される画像を表す。また、このような画像に代わり、表示処理部37が音声信号を発してもよい。さらに、このような画像を映し出すとともに前記音声信号を発してもよい。
ユーザCが毛束植毛方向視像1005を撮像しても、毛束変形外縁Dが推奨毛束変形限度Drを超過しておらず、推奨毛束変形限度超過アラームDArが発せられないとき、ユーザCは歯ブラシTBの使用を継続し、任意の回数の歯磨きを経た後に、何度でも図17(b)の画面を呼び出して毛束植毛方向視像1005を撮像することができる。
毛束変形外縁Dが推奨毛束変形限度Drを超過して、推奨毛束変形限度超過アラームDArの一形態である図17(c)の画像が映し出されることにより、ユーザCは「はい」のボタンに触れ、使用中の歯ブラシTBを交換する決定である終了指示を行うことができる。
その一方で、ユーザCが「いいえ」ボタンを選択するとき、ユーザCによる終了指示は受け付けられず、例えば図17(d)の画像を映し出し、ユーザCに「+1mm」や「+3mm」のような一時的な限度の拡張を入力させてもよい。そして、アラーム手段37bは、毛束変形外縁Dが一時的に拡張した限度を超過する時に、一時的に拡張した限度を超過したことに対するアラームを発してもよい。
ユーザCは推奨毛束変形限度Drを超過した時点においても、使用中の歯ブラシTBの耐久性や刷掃効果がもうしばらくは持続されると判断するとき、前記の一時的に拡張する限度を入力し、再度のアラームが発せられるまでの間の使用を継続することができる。
事業用サーバー装置33は、図15が示すようにサーバー装置制御部38、記憶部39、送信部33d及び受信部33rを有する。サーバー装置制御部38は、使用期間読出手段38a及び変形限度読出手段38cを有する。また、記憶部39はテーブル記憶手段39aを有する。テーブル記憶手段39aには、図19のデータ構成図に示す推奨最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(3)が記憶される。以上で述べた以外の構成は、第1の実施形態と共通とする。
変形限度読出手段38cは、ユーザ用クライアント装置32から送信された製品情報Mに対応する推奨毛束変形限度Drにおける各推奨変形距離drn,drs,dre,drwの値をテーブル記憶手段39aから読み出す。
例えば、受信する製品情報Mが、推奨最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(3)に示される「A123abcd」であるとき、使用期間読出手段38aが推奨最長使用期間Trの値30日間を読み出すと同時に、同じく当該歯ブラシTBの製品情報MであるA123abcdに対応する各推奨変形距離drn,drs,dre,drwの値である2mm、2mm、2mm及び2mmを読み出す。
これによって、事業者用サーバー装置33は、ユーザCの使用する歯ブラシTBの製品情報Mに基づいて、当該歯ブラシTBの推奨最長使用期間Trに加えて推奨毛束変形限度Drを特定する。
変形限度読出手段38cが読み出した推奨毛束変形限度Drは、送信部33dによってユーザ用クライアント装置32へ送信され、ユーザ用クライアント装置32の受信部32rを経由して判定手段36dが受信する。
推奨最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(3)は、予め事業者Bが作成し、前記のQRコード(登録商標)が歯ブラシの包装体34の表面に印刷又は貼付される際に、事業者Bがテーブル記憶手段39aに記憶させる。
事業者Bは、新しい種類の歯ブラシが発売される度に、新発売される歯ブラシの包装体34に新たなQRコード(登録商標)を印刷又は貼付するとともに、推奨最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(3)を更新することにより、この歯ブラシの製品情報M、推奨最長使用期間Tr及び推奨毛束変形限度Drを追加することができる。
このとき事業者Bは、ある種類の歯ブラシのN向き〜W向きの各推奨変形距離drn,drs,dre,drwを同じ値にする必要がなく、種類ごとの毛束変形等の特性に合わせて、図19の製品情報Mが「A456efgh」や「B789ijkl」の種類のように異なる値としてもよい。これにより、歯ブラシの特性に合わせた最適な推奨毛束変形限度Drを設定することができる。
変形距離dを計測及び判定する向きを、N向き〜W向きの4つの向きに制限する必要はなく、歯ブラシTBの毛束変形等の特性次第で、2つ、または、8つ若しくは9つ以上のように向きの数を減らしてもよく、また、増やしてもよい。
また、事業者Bは、供給が中止される種類の歯ブラシが市場に出回らなくなった後に、推奨最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(3)を更新することにより、この歯ブラシの製品情報M、推奨最長使用期間Tr及び推奨毛束変形限度Drを削除することができる。
さらに、事業者Bは、推奨最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(3)を更新することにより、上市されている種類の歯ブラシの推奨最長使用期間Tr及び推奨毛束変形限度Drを変更することができる。例えば、上市後に歯ブラシの刷毛の材質を変更する場合、ユーザCらからの声によりユーザCらの好みが上市時の予想とは異なった場合等に対応することができる。
以上の構成により、歯ブラシ適時交換システム31は、ユーザCがユーザ用クライアント装置32を用いて毛束1004の広がりを判定することにより歯ブラシTBの適切な交換時期を知ることができるため、ユーザCが容易に導入することが可能である。
また、上で述べたような適切な交換時期を知るため、歯ブラシTBは、特別な付属品の取り付けを必要とせず、また、従来の単体仕様のままでよい。そのため、歯ブラシ適時交換システム31が、数多くの種類の歯ブラシの使用に適用可能なことにより、ユーザCは、多くの選択肢の中から使用する歯ブラシTBを選ぶことができる。
さらに、推奨最長使用期間Tr及び推奨毛束変形限度Drを特定するための製品情報Mを、QRコード(登録商標)のような可視情報34aによって簡易に判別することができる。そのため、ユーザCは歯ブラシ適時交換システム31を容易に導入することができる。
ところで、従来、複数の歯ブラシが収納可能なスタンドの表面に歯ブラシの交換時期判別用の複数の枠部を形成し、この枠部がシールに印刷して形成された歯ブラシ交換時期判別装置がある(特公平6−28605号公報)。
この、従来の歯ブラシ交換時期判別装置は、使用するにつれ歯ブラシの毛束が広がるのに対し、目視の結果、歯ブラシの毛束が前記枠部よりも植毛面方向にはみ出す時がこの歯ブラシの交換時期であるとして判定することができる。前記シールには複数の前記枠部を印刷することができるため、この歯ブラシ交換時期判別装置は、子供用、大人用等の複数種の歯ブラシに適用可能である。
ただし、ユーザにとっては、使用する歯ブラシの種類の選択肢が数多くあるのに対し、前記シールに印刷することのできる枠部の数には限りがあり、また、前記枠部を入れ替えるには前記シールを貼り直さなければならない。そのため、いったん前記シールが貼られたスタンドを用いて交換時期を判別することのできる歯ブラシの種類が少ない。
また、前記枠部からはみ出すか否かを判定することが可能であっても、はみ出している距離を測定することはできず、はみ出しの度合いを定量的に把握することができない。
しかも、前記スタンドを常置してある場所において判定ができても、前記スタンドを携帯しない限り、宿泊先、勤務先等の、前記スタンドの常置場所から離れた場所においては判定ができない。
これらにより、従来の歯ブラシ交換時期判別装置は、ユーザが容易に導入することができない。
本発明の歯ブラシ交換システム31は、このような問題に鑑み、ユーザCが容易に導入することのできるシステムの提供を目的とする。
なお、歯ブラシ交換システム31において、QRコード(登録商標)の読み取りを行うことによる歯ブラシTBの製品情報Mの判定に限らず、第2の実施形態における製品情報判別手段16aが行うように、表示面37aに商品名一覧Lを映し出し、ユーザCに歯ブラシTBの商品名を選択させることにより製品情報Mを判別してもよい。このときの製品情報Mの判定のための構成は、第2の実施形態と共通とする。
また、上で述べた変形距離dに代わり、毛束変形外縁Dの任意の箇所におけるヘッド部外縁Doとの最短距離を変形距離d‘として、その変形距離d’の最大値を推奨毛束変形限度Drとしてもよい。
図20〜図27は本発明の第5の実施形態を例示している。図20における41が歯ブラシ適時交換システムである。
歯ブラシ適時交換システム41は、図20の機能構成図が示すように、ユーザ用クライアント装置42、事業者用サーバー装置43及び歯ブラシの包装体44を有する。
ユーザ用クライアント装置42はカメラ部45、クライアント装置制御部46、表示処理部47、送信部42d及び受信部42rを有する。また、クライアント装置制御部46は、製品情報判別手段46a、開始指示受付手段46b、使用期間計測手段46c、毛束変形測定手段46f、判定手段46d、期間補正指示受付手段46e及び限度補正指示受付手段46gを有する。表示処理部47は、表示面47a及びアラーム手段47bを有する。
判定手段46dは、事業者用サーバー装置43が補正毛束変形限度Daを記憶しているとき、事業者用サーバー装置43から補正毛束変形限度Daを受信して記憶する。補正毛束変形限度Daとは、毛束変形外縁Dの変形限度を、ユーザCが推奨毛束変形限度Drよりも縮小し、または、拡大したものである。
推奨毛束変形限度Dr、または、補正毛束変形限度Daの値が事業者用サーバー装置43からユーザ用クライアント装置42へ送信されるシーケンスを図21に示す。
判定手段46dは、補正毛束変形限度Daを記憶しているとき、図22に示すような補正毛束変形限度DaにおけるN向き補正変形距離danと、撮像された毛束植毛方向視像1005におけるN向き変形距離dnとを対比し、毛束1004のN向き変形距離dnが補正変形距離danを超えたことの判定と、超えるときのN向き超過変形距離dnaの判定とから成る第2の超過判定DJaを行う。
また同様に、判定手段46dは、S向き補正変形距離das及びS向き変形距離ds、E向き補正変形距離dae及びE向き変形距離de、ならびに、W向き補正変形距離daw及びW向き変形距離dwをそれぞれ対比して、毛束1004が各補正変形距離das,dae,dawを超えて植毛方向に広がったかどうかの判定と、超過するときの各超過変形距離dsa,dea,dwaの判定とから成る第2の超過判定DJaを行う。図22の例においては、S向き、E向き及びW向きには各補正変形距離das,dae,dawを超えて広がっていない。
さらに判定手段46dは、第2の超過判定DJaを行ったことの信号である第2の超過判定信号を表示処理部47へ出力する。
限度補正指示受付手段46gは、ユーザCから終了指示を受け付けた後に、表示面47aに図23(a)に示す画像を映し出し、ユーザCに、使用した歯ブラシTBと同じ種類の歯ブラシを次回使用する際に、毛束変形外縁Dの限度を、従来の毛束変形外縁Dの限度から補正させるための補正限度入力ボタンに触れさせる。この、毛束変形外縁Dの限度の補正の指示を、限度補正指示という。
図示はしないが、S向きの限度補正、E向きの限度補正、および、W向きの限度補正についても図23(a)と同様の画像を映し出し、ユーザCに補正限度入力ボタンに触れさせる。
例えば、従来の毛束変形外縁Dの限度が推奨毛束変形限度Drであり、かつ、推奨毛束変形限度DrにおけるN向き推奨変形距離drnが2mmの場合、ユーザCがN向きの限度補正「+1mm」のボタンに触れると、限度補正指示受付手段46gは、そのユーザCが同じ種類の歯ブラシを次回使用する際のN向き変形距離dnの限度を3mmに補正する。このN向き補正変形距離danである3mmという値を含む補正毛束変形限度Daが、送信部42dを経由して事業者用サーバー装置43へ送信される。
また、従来の毛束変形外縁Dの限度が補正毛束変形限度Daであり、かつ、補正毛束変形限度DaにおけるN向き補正変形距離danが3mmの場合に、ユーザCが「+2mm」のボタンに触れると、限度補正指示受付手段46gは、そのユーザCが同じ種類の歯ブラシを次回使用する際のN向き変形距離dnの限度を5mmに補正する。この再度の補正がなされたN向き補正変形距離danである5mmという値を含む補正毛束変形限度Daが、送信部42dを経由して事業者用サーバー装置43へ送信される。
これらの補正毛束変形限度Daの値がユーザ用クライアント装置42から事業者用サーバー装置43へ送信されるシーケンスを図21に示す。
アラーム手段47bは、クライアント装置制御部46から出力された第2の超過判定信号を受け取り、受け取った時にユーザCに対して、毛束変形外縁Dが補正毛束変形限度Daを超過したことに対するアラームである補正毛束変形限度超過アラームDAaを発する。
図23(b)は、補正毛束変形限度DaにおけるN向き超過変形距離dnaが3mmの場合に、補正毛束変形限度超過アラームDAaの形態の例として、アラーム時に表示面47aに映し出される画像を表す。また、このような画像に代わり、表示処理部47が音声信号を発してもよい。さらに、このような画像を映し出すとともに前記音声信号を発してもよい。ユーザCは「はい」を選択して、使用中の歯ブラシTBを交換する決定である終了指示を行うことができる。
なお、このとき「いいえ」を選択して、図17(d)の画像が示すような限度の一時的な拡張を設定することができてもよい。
ユーザCが毛束植毛方向視像1005を撮像しても、毛束変形外縁Dが補正毛束変形限度Daを超過しておらず、補正毛束変形限度超過アラームDAaが発せられないとき、ユーザCは歯ブラシTBの使用を継続し、任意の回数の歯磨きを経た後に、何度でも毛束植毛方向視像1005を撮像することができる。
事業者用サーバー装置43は、図20が示すようにサーバー装置制御部48、記憶部49、送信部43d及び受信部43rを有する。事業者用サーバー装置43は、送信部43d及び受信部43rが、インターネット、電話回線等のネットワークを介して、複数のユーザ用クライアント装置42との間で同時にデータを送受信することができる。
サーバー装置制御部48は、使用期間読出手段48a、使用期間書込手段48b、変形限度読出手段48c及び変形限度書込手段48dを有する。また、記憶部49はテーブル記憶手段49aを有する。テーブル記憶手段49aには、推奨最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(3)と、図24に示す補正最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(4)とが記憶される。以上で述べた以外の構成は、第3の実施形態及び第4の実施形態と共通する。
変形限度読出手段48cは、テーブル記憶手段49aが、該当する補正毛束変形限度Daを記憶していないときユーザ用クライアント装置42から送信された製品情報Mに対応する推奨毛束変形限度Drの値をテーブル記憶手段49aから読み出す。また、テーブル記憶手段49aが該当する補正毛束変形限度Daを記憶するとき、その補正毛束変形限度Daの値をテーブル記憶手段49aから読み出す。
使用期間書込手段48b及び変形限度書込手段48dは、それぞれのユーザCが所持する各ユーザ用クライアント装置42から事業者用サーバー装置43へ送信される補正最長使用期間Ta、補正毛束変形限度Da、または、補正最長使用期間Ta及び補正毛束変形限度Daを受信する。
各ユーザCは、予め事業者Bに対して利用者登録を行い、ユーザCごとに割り振られるID番号が付与される。そして、使用期間書込手段48b及び変形限度書込手段48dは、補正最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(4)において、ユーザIDごとの補正最長使用期間Taの値を書き込み若しくは更新し、補正毛束変形限度Daの値を書き込み若しくは更新し、または、補正最長使用期間Taの値及び補正毛束変形限度Daの値を書き込み若しくは更新する。
例えば、ユーザIDがC1のユーザC1が所持するユーザ用クライアント装置42から製品情報MがA123abcdの歯ブラシTBのN向き補正変形限度danを3mmとする補正毛束変形限度Daが受信されるとき、変形限度書込手段48dは、図24の補正最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(4)の最上段の欄のように書き込みまたは更新する。このユーザCをC1とするA123abcdの歯ブラシTBのように毛束変形外縁Dの変形限度を調整する対象の歯ブラシを毛束変形限度調整歯ブラシともいう。
一方で、ユーザC1が使用する製品情報MがA123abcdの歯ブラシTBの場合のように、事業用サーバー装置43がN向き補正変形限度danを3mmとする補正毛束変形限度Daの値を記憶しているとき、ユーザC1の所持するユーザ用クライアント装置42の判定手段46dは、上で述べたようにN向き補正変形限度danを3mmとする補正毛束変形限度Daの値を受信して記憶する。
ここで、一の歯ブラシTB1を例えばユーザC1が取得し、使用をしてから、他の歯ブラシTB2に交換するまでの概略の流れを、図25〜27に示すフローチャートに沿って説明する。ただし、上記の図17(d)及び図23(b)の「いいえ」で示したような一時的な限度の拡張は行わない場合のフローチャートとする。
ユーザC1が歯ブラシTB1を取得し、ステップS201においてQRコード(登録商標)の読み取りを行うことにより、歯ブラシ適時交換システム41は、ステップS202において歯ブラシTB1の製品情報Mを判別する。また、ユーザC1がステップS203において使用の開始指示を行うことにより、歯ブラシ適時交換システム41は、ステップS204において使用期間Tの計測を開始する。
このとき、補正最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(4)にユーザC1に帰属する補正最長使用期間Taが記憶されていないときは、ステップS205においてユーザ用クライアント装置42が推奨最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(3)に記憶されている歯ブラシTB1の推奨最長使用期間Trを受信し、ステップS207において第1の経過判定TJrを行う。一方で、補正最長使用期間Taが記憶されているときは、ステップS206においてユーザ用クライアント装置42がその補正最長使用期間Taを受信し、ステップS207において第2の経過判定TJaを行う。
第1の経過判定TJr又は第2の経過判定TJaがなされる時、ステップ208において、それぞれ推奨最長使用期間経過アラームTAr又は補正最長使用期間経過アラームTAaが発せられる。
ここでユーザC1が、ステップS209の終了指示を行う場合は、ステップ212及び213において使用期間Tの計測が終了し、使用期間Tが初期化された後、ステップ219に進む。
一方で、ユーザC1がステップS209の終了指示を行わない場合は、ステップ210及び211において使用期間Tの計測が終了し、使用期間Tが初期化される。その上で、補正最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(4)にユーザC1に帰属する補正毛束変形限度Daが記憶されていないとき、ステップS214においてユーザ用クライアント装置42は、推奨最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(3)に記憶されている歯ブラシTB1の推奨毛束補正限度Drを受信して、判定手段46dがこれを記憶する。
また、補正最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(4)にユーザC1に帰属する補正毛束変形限度Daが記憶されているときは、ステップS215においてユーザ用クライアント装置42が、補正最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(4)に記憶されている歯ブラシTB1の補正毛束補正限度Daを受信して、判定手段46dがこれを記憶する。
ステップS216において、カメラ部45によって歯ブラシTBの毛束植毛方向視像1005が撮像される。その結果、判定手段46dは、推奨毛束補正限度Drとの対比において第1の超過判定DJrを行うか、または、補正毛束補正限度Daとの対比において第2の超過判定DJaを行う。
ステップS216の撮像後において第1の超過判定DJr又は第2の超過判定DJaがなされないときは、第1の超過判定DJr又は第2の超過判定DJaがなされるまで何度でも繰り返し撮像を行うことができる。その間に、ユーザC1は歯ブラシTBの使用を継続し、任意の回数の歯磨きを行うことができる。
そして、第1の超過判定DJr又は第2の超過判定DJaがなされる時、ステップ217において、それぞれ推奨毛束変形限度超過アラームDAr又は補正毛束変形限度超過アラームDAaが発せられる。これにより、ユーザC1がステップS218の終了指示を行う。
さらに、ユーザC1がステップS219及び220において期間補正指示、限度補正指示、または、期間補正指示及び限度補正指示を行うときは、ステップS221において補正最長使用期間・毛束変形限度テーブルD(4)の書き込み又は更新が行われる。以上の後に、これまで使用された歯ブラシTB1は、次の歯ブラシTB2と交換される。
なお、ステップS201及び202のような、QRコード(登録商標)の読み取りを行うことによる歯ブラシTB1の製品情報Mの判定に限らず、第2の実施形態における製品情報判別手段16aが行うように、表示面47aに商品名一覧Lを映し出し、ユーザC1に歯ブラシTB1の商品名を選択させることにより製品情報Mを判別してもよい。このときの製品情報Mの判定のための構成は、第2の実施形態と共通とする。
以上の構成により、ユーザCは限度補正指示によって各人の好みなどに合わせるため、毛束変形限度調整歯ブラシの使用時における補正毛束変形限度超過アラームDAaを発するまでの毛束1004の広がりを自在に調整できる。そのため、歯ブラシ適時交換システム41は、こうしたユーザCが容易に導入することが可能である。
さらに、期間補正指示と限度補正指示とをそれぞれ行うことができるため、ユーザCによって補正最長使用期間Taと補正毛束変形限度Daとを任意に組み合わせることができる。例えば、図24において同じ製品情報Mが「A123abcd」の歯ブラシTBについて、ユーザC1が補正最長使用期間Taを45日と、N向き補正変形限度danを3mmとそれぞれ設定しているのに対し、ユーザC2は補正最長使用期間Taを35日と、N向き補正変形限度danを5mmとそれぞれ設定している。
すなわち、ステップS208における補正最長使用期間経過アラームTAaがユーザC1の場合に45日後に発せられるのに対して、ユーザC2の場合は35日後に発せられる。これに対し、ステップS217における補正変形限度超過アラームDAaがユーザC1の場合、N向き補正変形限度danの3mmを超過するときに発せられるのに対して、ユーザC2の場合は5mmを超過するときに発せられる。
これにより、ユーザCは、補正最長使用期間経過アラームTAaを受け取るタイミングの早い遅いや、補正変形限度超過アラームDAaを受け取るタイミングの早い遅いなどを自在に組み合わせることができる。
なお、図17(d)及び図23(b)に示すような一時的な限度の拡張を行うときは、推奨毛束変形限度Dr又は補正毛束変形限度Daにどのくらいの変形距離dを足すことにより適時な交換を行うことができるかを、各ユーザCが試せるため、より各自に合った補正毛束変形限度Daを設定することが可能となる。
図28〜図32は本発明の第6の実施形態を例示している。図28における51が歯ブラシ適時交換システムである。
歯ブラシ適時交換システム51は、図28の機能構成図が示すように、ユーザ用クライアント装置52、事業用サーバー装置53及び歯ブラシの包装体54を有する。歯ブラシ適時交換システム51は、複数種の歯ブラシのうち使用のためユーザCが選択した歯ブラシTB(使用歯ブラシ)の適時交換を支援する。
ユーザ用クライアント装置52は、カメラ部55、クライアント装置制御部56、表示処理部57、送信部52d及び受信部52rを有する。また、クライアント装置制御部56は、製品情報判別手段56a、判定手段56d、毛束変形測定手段56f及び限度補正指示受付手段56gを有する。表示処理部57は、表示面57a及びアラーム手段57bを有する。
カメラ部55は光学読取手段55a及び撮像手段55bを有する。光学読取手段55aは、QRコード(登録商標)から成る可視情報54aを光学的に読み取ることができる。
図29(a)は、カメラ部55を可視情報54aにかざしたときに、表示面57aに映し出される画像を表す。ユーザCは、この画像が表示面57aに表れるとき、タッチパネル式の表示面57a上の「QRコード読み取り」のボタンに触れることによって可視情報54aを光学的に読み取らせることができる。図29(a)のQRコード(登録商標)の例は、一般社団法人流通システム開発センターのホームページに掲載されるGS1QRコードの表示例から引用した。
製品情報判別手段56aは、光学読取手段55aによって読み取られた可視情報54aから、歯ブラシの包装体54によって包装された歯ブラシTBの製品情報Mを判別する。製品情報Mは、歯ブラシTBのメーカー名、歯ブラシTBの種類毎に設定される品番等を含む。また、製品情報Mが当該歯ブラシTBの製造ロット番号を含んでもよい。
製品情報判別手段56aによって判別された製品情報Mは、送信部52dを経由して事業者用サーバー装置53へ送信される。歯ブラシの包装体54から可視情報54aがユーザ用クライアント装置52へ伝わり、その結果、製品情報Mがユーザ用クライアント装置52から事業者用サーバー装置53へ送信されるまでのシーケンスを図30に示す。
製品情報Mが判別され、歯ブラシTBの使用を開始した後に、ユーザCは、毛束1004の広がり具合を判定するため、毛束植毛方向視像1005を撮像手段55bによって表示面57aに映し出し、図29(b)の画像の「撮影」ボタンに触れることができる。ユーザCが「撮影」ボタンに触れる時、毛束植毛方向視像1005は毛束変形測定手段56fによって撮像される。
製品情報Mが事業者用サーバー装置53へ送信された後に、判定手段56dは、事業者用サーバー装置53が該当する補正毛束変形限度Daを記憶していないとき、事業者用サーバー装置53から推奨毛束変形限度Drを受信して記憶する。また、事業者用サーバー装置53が該当する補正毛束変形限度Daを記憶しているとき、その補正毛束変形限度Daを受信して記憶する。
これらの推奨毛束変形限度Dr、または、補正毛束変形限度Daの値が、事業者用サーバー装置53からユーザ用クライアント装置52へ送信されるシーケンスを図30に示す。
毛束変形測定手段56fは、撮像された毛束植毛方向視像1005における毛束変形外縁Dと、ヘッド部外縁Doとを対比して、例えばN向き、S向き、E向き及びW向きのそれぞれの変形距離dn,ds,de,dwを測定する。
そして、判定手段56dは、記憶している推奨毛束変形限度Dr又は補正毛束変形限度Daにおける各推奨変形距離drn,drs,dre,drw又は各補正変形距離dan,das,dae,dawと、各変形距離dn,ds,de,dwとを対比する。
これにより、判定手段56dは、毛束1004の各変形距離dn,ds,de,dwが各推奨変形距離drn,drs,dre,drw又は各補正変形距離dan,das,dae,dawを超えたことの判定と、超えるときの各超過変形距離dna,dsa,dea,dwaの判定とから成る第1又は第2の超過判定DJr,DJaを行う。
さらに判定手段56dは、第1又は第2の超過判定DJr,DJaを行ったことの信号である第1又は第2の超過判定信号を表示処理部57へ出力する。
アラーム手段57bは、クライアント装置制御部56から出力された第1又は第2の超過判定信号を受け取り、受け取った時にユーザCに対して、毛束変形外縁Dが推奨毛束変形限度Dr又は補正毛束変形限度Daを超過したことに対するアラームである、推奨毛束変形限度超過アラームDAr又は補正毛束変形限度超過アラームDAaを発する。
図29(c)に、推奨毛束変形限度超過アラームDAr又は補正毛束変形限度超過アラームDAaの形態の例を示す。また、このような画像に代わり、表示処理部57が音声信号を発してもよい。さらに、このような画像を映し出すとともに前記音声信号を発してもよい。
ユーザCは、この画面の「はい」を選択することにより、使用中の歯ブラシTBの使用を終了する終了指示を行うことができる。なお、このとき「いいえ」を選択して、限度の一時的な拡張を設定することができてもよい。
限度補正指示受付手段56gは、ユーザCから終了指示を受け付けた後に、表示面57aに図29(d)に示すような画像を映し出し、ユーザCに、使用した歯ブラシTBと同じ種類の歯ブラシを次回使用する際に、毛束変形外縁Dの限度を、従来の毛束変形外縁Dの限度から補正させるための補正限度入力ボタンに触れさせる。この、毛束変形外縁Dの限度の補正の指示を、限度補正指示という。
すなわち、従来の毛束変形外縁Dの限度が推奨毛束変形限度Drのときは、初めての限度補正指示を行い、また、従来の毛束変形外縁Dの限度が補正毛束変形限度Daのときは、同じ種類の歯ブラシについて二度目以降の限度補正を行う。これらの限度補正指示による補正後の補正毛束変形限度Daが、送信部52dを経由して事業者用サーバー装置53へ送信される。
図29(d)にはN向きの限度補正のためのボタンだけが示されるが、S向き、E向き、W向きについても同様である。
この補正毛束変形限度Daの値がユーザ用クライアント装置52から事業者用サーバー装置53へ送信されるシーケンスを図30に示す。
ユーザCが毛束植毛方向視像1005を撮像しても、毛束変形外縁Dが推奨毛束変形限度Dr又は補正毛束変形限度Daを超過しておらず、推奨毛束変形限度DAr又は補正毛束変形限度超過アラームDAaが発せられないとき、ユーザCは歯ブラシTBの使用を継続し、任意の回数の歯磨きを経た後に、何度でも毛束植毛方向視像1005を撮像することができる。
事業者用サーバー装置53は、図28が示すようにサーバー装置制御部58、記憶部59、送信部53d及び受信部53rを有する。事業者用サーバー装置53は、送信部53d及び受信部53rが、インターネット、電話回線等のネットワークを介して、複数のユーザ用クライアント装置52との間で同時にデータを送受信することができる。
サーバー装置制御部58は、変形限度読出手段58c及び変形限度書込手段58dを有する。また、記憶部59はテーブル記憶手段59aを有する。テーブル記憶手段59aには、図31に示す推奨毛束変形限度テーブルD(5)と、図32に示す補正毛束変形限度テーブルD(6)とが記憶される。推奨毛束変形限度テーブルD(5)の推奨毛束変形限度Drの値は、複数種の歯ブラシのそれぞれについて、各歯ブラシを供給する事業者Bによって定められる。
以上で述べた以外の構成は、第4の実施形態及び第5の実施形態と共通する。
変形限度読出手段58cは、テーブル記憶手段59aが、該当する補正毛束変形限度Daを記憶していないときユーザ用クライアント装置52から送信された製品情報Mに対応する推奨毛束変形限度Drの値をテーブル記憶手段59aから読み出す。また、テーブル記憶手段59aが該当する補正毛束変形限度Daを記憶するとき、その補正毛束変形限度Daの値をテーブル記憶手段59aから読み出す。
変形限度書込手段58dは、それぞれのユーザCが所持する各ユーザ用クライアント装置52から事業者用サーバー装置53へ送信される補正毛束変形限度Daを受信する。
各ユーザCは、予め事業者Bに対して利用者登録を行い、ユーザCごとに割り振られるID番号が付与される。そして、変形限度書込手段58dは、補正毛束変形限度テーブルD(6)において、ユーザIDごとの補正毛束変形限度Daの値を書き込み若しくは更新する。
なお、上記の構成において、変形距離dを計測及び判定する向きを、N向き〜W向きの4つの向きに制限する必要はなく、歯ブラシTBの毛束変形等の特性次第で、2つ、または、8つ若しくは9つ以上のように向きの数を減らしてもよく、また、増やしてもよい。
以上の構成により、歯ブラシ適時交換システム51は、事業者用サーバー装置53の記憶部59において、テーブル記憶手段59aの記憶容量が許す範囲まで推奨毛束変形限度テーブルD(5)の情報量と、補正毛束変形限度テーブルD(6)の情報量とを増やすことができる。これに従い、製品情報、推奨毛束変形限度Dr及び補正毛束変形限度Daを記憶する、歯ブラシTBの種類を増やすことができる。
また、毛束変形測定手段56fが変形距離dを定量的に測定することができ、測定の向きを任意に決めることができ、かつ、複数の向きについて決めることができるため、推奨毛束変形限度Dr及び補正毛束変形限度Daを植毛面方向の二次元平面上において自在に設定することができる。
これにより、それぞれ事業者B及びユーザCは、歯ブラシTBの歯磨き時におけるヘッド部1001又は柄部1002の変形の特性、毛束1004の変形の特性、ユーザCの歯磨きの癖等に合う、最適な推奨毛束変形限度Dr及び補正毛束変形限度Daを決めることができる。
しかも、事業者Bは歯ブラシの上市後においても、刷毛の材質を変更する場合、ユーザCらからの声によりユーザCらの好みが上市前の予想と異なった場合等に推奨毛束変形限度Drを変更することができる。
さらに、事業者用サーバー装置53がインターネット等のネットワークを介して複数のユーザ用クライアント装置52との間でデータを送受信するため、ユーザCは、歯ブラシ適時交換システム51を、自宅、宿泊先、勤務先等のような好きな場所で用いることができる。
このとき、各テーブルD(5),D(6)は事業者用サーバー装置53に記憶されているため、一人のユーザC1が場所毎に異なるユーザ用クライアント装置52によってデータを送受信する場合でも、ユーザC1は、同じテーブルD(5),D(6)にアクセスすることができる。
これらにより、歯ブラシ適時交換システム51は、ユーザCが容易に導入することのできるシステムである。
なお、歯ブラシ交換システム51において、QRコード(登録商標)の読み取りを行うことによる歯ブラシTBの製品情報Mの判定に限らず、第2の実施形態における製品情報判別手段16aが行うように、表示面57aに商品名一覧Lを映し出し、ユーザCに歯ブラシTB1の商品名を選択させることにより製品情報Mを判別してもよい。このときの製品情報Mの判定のための構成は、第2の実施形態と共通とする。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上市される複数種の歯ブラシのうち、一部の歯ブラシについて前記のQRコード(登録商標)により製品情報Mが判別され、一部の歯ブラシについて商品名一覧Lにより製品情報Mが判別されてもよい。また、一部の歯ブラシについては、これらの両方により製品情報Mが判別されてもよい。
さらに、一部の歯ブラシについては、ユーザ用クライアント装置2〜52の表示処理部7〜57から、ユーザCが文字又は数字を入力することにより製品情報Mが判別されてもよい。