JP2019080467A - 回転機の2重シール構造、回転機、および回転機保守方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータ等の回転機内部へのオイル進入を事前に有効に防止することができ、回転機の特性が低下する前に不具合、モータの寿命、シールの寿命を検出することができる、回転機の2重シール構造を提供する。【解決手段】モータその他の回転機における2重シール構造10は、外側に配される1段目シール1と、内側に配される2段目シール2と、両シールの間に設けられるオイル用のドレーン3とからなり、1段目シール1におけるオイル進入が検出されることにより回転機内部4へのオイル進入を阻止可能である。1段目シール1はゴム製シールおよびグリース、2段目シール2はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製シールとする。【選択図】図2
Description
本発明は回転機の2重シール構造、回転機、および回転機保守方法に係り、特に、モータ等の回転機内部へのオイル進入を事前に有効に防止することのできる、回転機の2重シール構造等に関するものである。
従来、モータにおけるオイルシールは1個(1段)である。オイルシールにはたとえば、ゴム製シールおよびグリースを併用する方法等が用いられる。オイルがオイルシールを超えるとオイル漏れということになるが、これがモータ内部に進入した場合には、当然ながらモータの特性に影響を与える。このような場合、不具合の原因がオイル漏れであることは、オイルがモータの後蓋を通過した後で認識することができる(後出図1の左側参照)。
モータ等回転機のオイルシール技術については従来、技術的な提案もなされている。たとえば後掲特許文献1には、ケーシング内の圧力が高まってもケーシングと回転軸の間を確実にシールできるポンプモータのシール装置として、回転軸の軸方向に間隔をおいて一対のオイルシールを配設し、このオイルシールの間の空間をドレーン通路に接続する構成が開示されている。
そして、 オイルシール相互間の空間はドレーン通路によってタンク内と同じ圧力に維持されているため、ケーシング内の圧力が高まっても外側のオイルシールに高圧がかかることがなくなり、ケーシングと回転軸の間を確実にシールできるとしている。また、ケーシング内のオイル漏れは内側のオイルシールによって阻止され、内側のオイルシールからオイル漏れが発生した場合には、オイルはドレーン通路からタンクに戻される、としている。
また、特許文献2には、主軸の摺動部の補修作業を行わずにメンテナンス作業を簡便に行える水中モータとして、モータフレームの内部と外部とをシールする第1/第2のオイルシールと、主軸110に沿って第1/第2のオイルシールに隣接して配置された複数のオイルシールスペーサを備えた軸封機構を有するモータが開示されている。そして、オイルシールスペーサを設けたことによって、メンテナンス時に第1/第2のオイルシールの配置位置を変えることができる、としている。
さて、上述の通り従来のオイルシール方法では、オイルが漏れてモータ等の回転機内部に侵入した場合であっても、後蓋を通過するまでそれによる不具合の原因を特定することができない。モータ等内部にオイルが進入し、著しく特性が低下してからの不具合発見では、最悪の場合は製造ライン停止もあり得る事態となる。したがって、モータ等回転機の特性が低下する前にオイル漏れ、シールの寿命を検出できれば、予めモータ等の交換計画を立てることもできる。
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点をなくし、モータ等の回転機内部へのオイル進入を事前に有効に防止することができ、回転機の特性が低下する前に不具合、モータの寿命、シールの寿命を検出することができ、それにより回転機の交換を計画的に実施することができる、回転機の2重シール構造、回転機、および回転機保守方法を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、回転機の回転軸に、たとえば材質の違うシールを2段設け、その中間にドレーンを設け、1段目を越えたオイルが回転機内部へ進入する前に外部に排出されることでオイル漏れを検出でき、シールおよびモータの寿命を検出できることなどによって解決できることを見出し、これに基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
〔1〕 モータその他の回転機における2重シール構造であって、外側に配される1段目シールと、内側に配される2段目シールと、両シールの間に設けられるオイル用のドレーンとからなり、該1段目シールにおけるオイル進入が検出されることにより回転機内部へのオイル進入を阻止することを特徴とする、回転機の2重シール構造。
〔2〕 前記1段目シールと2段目シールとは異なる構成であることを特徴とする、〔1〕に記載の 回転機の2重シール構造。
〔3〕 前記2段目シールがより長寿命となる材質を用いたものであることを特徴とする、〔2〕に記載の回転機の2重シール構造。
〔2〕 前記1段目シールと2段目シールとは異なる構成であることを特徴とする、〔1〕に記載の 回転機の2重シール構造。
〔3〕 前記2段目シールがより長寿命となる材質を用いたものであることを特徴とする、〔2〕に記載の回転機の2重シール構造。
〔4〕 前記1段目シールはゴム製シールおよびグリースであり、前記2段目シールはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製シールであることを特徴とする、〔2〕または〔3〕に記載の回転機の2重シール構造。
〔5〕 前記1段目シールと2段目シールとは同じ構成であることを特徴とする、〔1〕に記載の回転機の2重シール構造。
〔6〕 前記2段目シールのシールリップが接する部分の軸径が該1段目シールのシールリップが接する部分の軸径より小さいことを特徴とする、〔1〕に記載の回転機の2重シール構造。
〔7〕 前記1段目シールと2段目シールとは同じ構成であることを特徴とする、〔6〕に記載の回転機の2重シール構造。
〔8〕 前記1段目シールと2段目シールとはゴム製シールおよびグリースであることを特徴とする、〔5〕または〔7〕に記載の回転機の2重シール構造。
〔5〕 前記1段目シールと2段目シールとは同じ構成であることを特徴とする、〔1〕に記載の回転機の2重シール構造。
〔6〕 前記2段目シールのシールリップが接する部分の軸径が該1段目シールのシールリップが接する部分の軸径より小さいことを特徴とする、〔1〕に記載の回転機の2重シール構造。
〔7〕 前記1段目シールと2段目シールとは同じ構成であることを特徴とする、〔6〕に記載の回転機の2重シール構造。
〔8〕 前記1段目シールと2段目シールとはゴム製シールおよびグリースであることを特徴とする、〔5〕または〔7〕に記載の回転機の2重シール構造。
〔9〕 前記ドレーンはそこにオイルが進入した場合に目視確認可能なように形成されていることを特徴とする、〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕、〔6〕、〔7〕または〔8〕のいずれかに記載の回転機の2重シール構造。
〔10〕 前記ドレーンには油を検知するセンサが設けられていることを特徴とする、〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕、〔6〕、〔7〕または〔8〕のいずれかに記載の回転機の2重シール構造。
〔11〕 〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕、〔6〕、〔7〕、〔8〕、〔9〕または〔10〕のいずれかに記載の2重シール構造を備えていることを特徴とする、回転機。
〔12〕 〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕、〔6〕、〔7〕、〔8〕、〔9〕または〔10〕のいずれかに記載の2重シール構造またはそれを備えた回転機において、前記ドレーンへのオイルの進入の有無を確認し、進入がある場合にはオイルシール漏れ発生と判断することを特徴とする、回転機保守方法。
〔10〕 前記ドレーンには油を検知するセンサが設けられていることを特徴とする、〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕、〔6〕、〔7〕または〔8〕のいずれかに記載の回転機の2重シール構造。
〔11〕 〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕、〔6〕、〔7〕、〔8〕、〔9〕または〔10〕のいずれかに記載の2重シール構造を備えていることを特徴とする、回転機。
〔12〕 〔1〕、〔2〕、〔3〕、〔4〕、〔5〕、〔6〕、〔7〕、〔8〕、〔9〕または〔10〕のいずれかに記載の2重シール構造またはそれを備えた回転機において、前記ドレーンへのオイルの進入の有無を確認し、進入がある場合にはオイルシール漏れ発生と判断することを特徴とする、回転機保守方法。
本発明の回転機の2重シール構造、回転機、および回転機保守方法は上述のように構成されるため、これらによれば、モータ等の回転機内部へのオイル進入を事前に有効に防止することができる。そして、回転機の特性が低下する前に不具合、モータ等回転機の寿命、シールの寿命を検出することができる。それにより回転機の交換を計画的に実施することができる。
また、回転機の特性低下など不具合発生の原因がオイル漏れであることを早期に発見できることは、当該回転機の用いられているシステムにおいて、当該回転機以外の要素における無益な対応を不要とすることができるため、回転機使用者にとって好ましい。
なお、上記文献開示技術と本発明は、1対のオイルシールを嵌着しその間にドレーンを設ける点で、構造上の共通点があるように見える。しかし、同文献開示技術ではオイル漏れは内側のオイルシールによって阻止する構成であるのに対し、本発明では外側(1段目)のオイルシールで阻止し、オイルの進入は2段目シール、さらに回転機内部に漏出する前に確実に検出することのできる構成であり、当然ながら作用効果も全く異なり、上記文献開示技術では本発明の作用効果は得られない。さらに、1段目、2段目の各シールの寿命を、材質等によって相違させる方式、シール摩耗時間を考慮した構成も、本発明独自のものである。
また、2段目シールのシールリップが接する部分の軸径が1段目シールのシールリップが接する部分の軸径より小さい構成の本発明2重シール構造等によれば、2段目シールの摩耗を防いで長寿命化することができ、これにより、モータ等の回転機内部へのオイル進入を事前に有効に防止することができ、回転機の特性が低下する前に不具合、モータの寿命、シールの寿命を検出することができ、それにより回転機の交換を計画的に実施することができる。
すなわち、モータ等回転機内部へのギヤオイル等オイルの進入を防ぎ、1段目シールより漏れてしまったオイルを2段目シールにて止めている間での回転機交換を、行うことができる。さらに、1段目シール、2段目シールで同じシール構成を使用できるため、両シールを異なる材質のものにすることも不要であり、組立・製造管理における負担を最小限とすることができる。また、回転機の特性低下など不具合発生の原因がオイル漏れであることを早期に発見できることは、当該回転機の用いられているシステムにおいて、当該回転機以外の要素における無益な対応を不要とすることができるため、回転機使用者にとって好ましい。
なおまた、上記文献2開示技術においてもシールを2つ設置しているが、これは各々についてのシールメンテナンスの容易性を目的としており、通常取付けされたシールが寿命となった場合の交換方法を低コストかつ容易に行える技術を開示したものであり、2段構えのオイルシールによるオイル漏れ危険性の確実な検出および防止を目的として構成された本発明とは異なるものである。
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の2重シール構造を備えた回転機の構成例(右側)を、従来の回転機の構成例(左側)と併せて示した断面図である。また、
図2は、図1における本発明の2重シール構造の要部を示した断面図である。図1では、左方に従来の回転機25を示し、右方に示した本発明と対比させている。これらに示すように本発明のモータその他の回転機における2重シール構造10は、外側に配される1段目シール1と、内側に配される2段目シール2と、両シールの間に設けられるオイル用のドレーン3とからなり、1段目シール1におけるオイル進入が検出されることにより回転機内部4へのオイル進入を阻止可能であることを、基本的な構成とする。なお、図では1段目シール1、2段目シール2が設けられる箇所の軸径は等しいが、本発明はこれに限定されない。このことについては追って図3を用いて説明する。
図1は、本発明の2重シール構造を備えた回転機の構成例(右側)を、従来の回転機の構成例(左側)と併せて示した断面図である。また、
図2は、図1における本発明の2重シール構造の要部を示した断面図である。図1では、左方に従来の回転機25を示し、右方に示した本発明と対比させている。これらに示すように本発明のモータその他の回転機における2重シール構造10は、外側に配される1段目シール1と、内側に配される2段目シール2と、両シールの間に設けられるオイル用のドレーン3とからなり、1段目シール1におけるオイル進入が検出されることにより回転機内部4へのオイル進入を阻止可能であることを、基本的な構成とする。なお、図では1段目シール1、2段目シール2が設けられる箇所の軸径は等しいが、本発明はこれに限定されない。このことについては追って図3を用いて説明する。
かかる構成により本2重シール構造10を備えた回転機5では、外側に配される1段目シール1にオイル進入が生じた場合、オイルは2段目シール2側へも向かい得るが、むしろドレーン3へと進入し、ドレーン3へと進入したオイルは外部から検知することが可能であるため、それによって1段目シール1が寿命に達したこと、全体的には回転機5を交換すべき時期に達したことを知ることができる。したがって、オイルのそれ以上の進入、すなわち2段目シール2や回転機内部4への進入を有効に防止することができる。
ドレーン3へと進入したオイルの検知方法は、簡単には、目視観察にて行うものとすることができる。たとえば検知用の紙をセットしておいてその濡れ色によってオイル漏れを検知する等、適宜の方法で行うものとすることができる。このようにして、1段目シール1を越えてきたオイルを、モータ等回転機内部4へ進入してくる前に、外部において検出することができ、事前に適切に回転機5の寿命、シールの寿命を検出することができる。また本発明2重シール構造10は、ドレーン3が、そこにオイルが進入した場合に目視確認可能な構造、形態に形成されているものとすることもできる。
本発明2重シール構造10の1段目シール1と2段目シール2とは異なる構成とすることができる。特に、2段目シール2を1段目シール1よりも長寿命となる材質等により構成することができ、かつそのようにすることが発明の目的上より望ましい。すなわち、シール寿命が、1段目<2段目 の組み合わせとなるように、1段目シール1、2段目シール2それぞれの材質、物性、形状その他の属性を選択する。
かかる構成とすることにより、1段目シール1に寿命が来てオイルがこれを越えて進入が開始しても、その時点では2段目シール2はまだ寿命が来ておらず、これを越えてオイルが進入することはなく、したがって回転機内部4へのオイル進入はない状況である。かかる状況でありつつ、一方、1段目シール1を越えて進入したオイルは、ドレーン3へ進入することによって、外部からこれを検出することができる。すなわち、シール寿命を、1段目<2段目 とすることによって、回転機内部4へのオイル漏れ阻止を確保しつつ、1段目シール1におけるオイル漏れの段階でそれを検出するという本発明の目的を、十全に達成することができる。
たとえば、1段目シール1としてゴム製シールおよびグリース、2段目シール2としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製シールを好適に用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。要するに、1段目シール1と2段目シール2の構成を異なるものとする場合は、その寿命が、1段目<2段目 となるように適宜のものを用いることができる。
なお、1段目シール1と2段目シール2とを同じ構成とすることも、本発明からは除外されない。たとえば、1段目シール1、2段目シール2ともに、ゴム製シールおよびグリースとする等である。この場合は、シール寿命は、1段目<2段目 とはならないが、オイル進入が発生する場合は外側に設けられる1段目シール1においてまずそれが発生するのであり、ドレーン3を介しての外部からの検出が遅れずに行われることで、2段目シール2および回転機内部4へのオイル進入は防ぐことができる。本発明によれば、1段目シール1を突破したオイルを素早く検出できるため、少なくともオイル進入後の対策を早期、円滑にとることができる。
さて、図2で示した先行発明ではオイルシールを2重で使用するが、この場合、1段目シール1と2段目シールにおいてシールリップ(以下、単に「リップ」ともいう)摩耗の原因となる摺動発熱量は変わらない。むしろ、2段目シール2はオイルによる潤滑を得られずドライ環境となるため、その点では2段目シール2の方がよりリップ摩耗が進行しやすいといえる。このことは、ドライ環境でも耐え得るとされているPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)をシール材として使用しているシールでも同様である。これを踏まえ、以上説明した発明では、2段目シール2において1段目シール1よりも長寿命の材質を用いることもその内容に含めているのだが、同じシール構成でもってこの問題を解決できれば、なおよい。
そこで、上述の発明をさらに改善し、特に2段目シールの摩耗を防いで長寿命化することができ、これにより、モータ等の回転機内部へのオイル進入を事前に有効に防止することができ、回転機の特性が低下する前に不具合、モータの寿命、シールの寿命を検出することができ、それにより回転機の交換を計画的に実施することができる回転機の2重シール構造等を目指して検討を行った。その結果、図3に示す構成の2重シール構造を完成した。
図3は、本発明の2重シール構造の別例について要部構成を示す断面図である。図示するように本2重シール構造510は、モータその他の回転機55における2重シール構造であって、外側に配される1段目シール51と、内側に配される2段目シール52と、両シール51、52の間に設けられるオイル用のドレーン53とからなり、軸58中、2段目シール52のシールリップL1が接する軸部分82の軸径が1段目シール51のシールリップL2が接する軸部分51の軸径より小さいことを、主たる構成とする。このように本発明の2重シール構造510では、軸58の軸径を一様とせず、オイルシールを設ける箇所によって異なるように形成する。
なお、2段目シール52箇所(軸部分82)における軸58の軸径の縮小程度は、2段目シール52のオイルシールとして十分に機能する程度に少なく、かつ、2段目シール52の長寿命化効果を得られる程度に多く、その間の適宜の範囲に設定すればよい。
かかる構成により本2重シール構造510を備えた回転機55では、外側に配される1段目シール51にオイル進入が生じた場合、オイルは2段目シール52側へも向かい得るが、むしろドレーン53へと進入し、ドレーン53へと進入したオイルは外部から検知することが可能であるため、それによって1段目シール51が寿命に達したこと、全体的には回転機55を交換すべき時期に達したことを知ることができる。したがって、オイルのそれ以上の進入、すなわち2段目シール52や回転機内部54への進入を有効に防止することができる。
そして、軸部分L2に接する2段目シール52のシールリップL1は、軸部分L1に接する1段目シール51のシールリップL2よりも軸58に対して締め代が低減された状態で接するため、2段目シールの52緊迫力を小さくすることができ、摺動発熱を抑制でき、初期潤滑剤の劣化を抑制することができ、シール寿命を、1段目<2段目 とすることができる。このように2段目シール52の摩耗を防いで長寿命化することができることで、モータ等の回転機内部へのオイル進入を事前に有効に防止し、回転機の特性が低下する前に不具合、モータの寿命、シールの寿命を検出することができる。
なお、ドレーン53へと進入したオイルの検知方法は、簡単には、目視観察にて行う物とすることができる。たとえば検知用の紙をセットしておいてその濡れ色によってオイル漏れを検知する等、適宜の方法で行うものとすることができる。このようにして、1段目シール51を越えてきたオイルを、モータ等回転機内部54へ進入してくる前に、外部において検出することができ、事前に適切に回転機55の寿命、シールの寿命を検出することができる。また本発明2重シール構造510は、ドレーン53が、そこにオイルが進入した場合に目視確認可能な構造、形態に形成されているものとすることもできる。
本発明の2重シール構造510では、1段目シール51と2段目シール52とは同じ構成のものとすることができる。したがって、両シールを異なる材質のものにすることは不要である。なお、共通化するシール構成としてはたとえば、ゴム製シールおよびグリースを好適に用いることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
なお、以上説明した2重シール構造を備えている回転機5等自体も、本発明の範囲内である。また、以上説明した2重シール構造10等またはそれを備えた回転機5等において、ドレーン3等へのオイルの進入の有無を目視等により確認し、進入がある場合にはオイルシール漏れ発生と判断する回転機保守方法もまた、本発明の範囲内である。
なお、本発明の回転機の2重シール構造、回転機、および回転機保守方法では、ドレーン3に油を検知し反応するセンサ(図示せず)を設ける構成とすることもできる。かかる構成とすることにより、オイル漏れの発生を早期かつ確実に検知することができ、上述した本発明の効果をより高めることができる。かかるセンサとしては、油の浸透による色変化による方式、その他従来公知のあらゆる構造・方式のものを適宜用いることができる。
本発明の回転機の2重シール構造、回転機、および回転機保守方法によれば、モータ等の回転機内部へのオイル進入を事前に有効に防止でき、回転機の特性が低下する前に不具合、モータの寿命、シールの寿命を検出することができ、それにより回転機の交換を計画的に実施することができる。したがって、モータ、センサ等の回転機利用分野、および関連する全分野において、産業上利用性が高い発明である。
1…1段目シール
2…2段目シール
3…ドレーン
4…回転機内部
5…回転機
8…軸
10…2重シール構造
25…従来の回転機
51…1段目シール
52…2段目シール
53…ドレーン
54…回転機内部
55…回転機
58…軸
81…1段目シールが接する軸部分
82…2段目シールが接する軸部分
510…2重シール構造
L1…1段目シールのシールリップ
L2…2段目シールのシールリップ
2…2段目シール
3…ドレーン
4…回転機内部
5…回転機
8…軸
10…2重シール構造
25…従来の回転機
51…1段目シール
52…2段目シール
53…ドレーン
54…回転機内部
55…回転機
58…軸
81…1段目シールが接する軸部分
82…2段目シールが接する軸部分
510…2重シール構造
L1…1段目シールのシールリップ
L2…2段目シールのシールリップ
Claims (12)
- モータその他の回転機における2重シール構造であって、外側に配される1段目シールと、内側に配される2段目シールと、両シールの間に設けられるオイル用のドレーンとからなり、該1段目シールにおけるオイル進入が検出されることにより回転機内部へのオイル進入を阻止することを特徴とする、回転機の2重シール構造。
- 前記1段目シールと2段目シールとは異なる構成であることを特徴とする、請求項1に記載の 回転機の2重シール構造。
- 前記2段目シールがより長寿命となる材質を用いたものであることを特徴とする、請求項2に記載の回転機の2重シール構造。
- 前記1段目シールはゴム製シールおよびグリースであり、前記2段目シールはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製シールであることを特徴とする、請求項2または3に記載の回転機の2重シール構造。
- 前記1段目シールと2段目シールとは同じ構成であることを特徴とする、請求項1に記載の回転機の2重シール構造。
- 前記2段目シールのシールリップが接する部分の軸径が該1段目シールのシールリップが接する部分の軸径より小さいことを特徴とする、請求項1に記載の回転機の2重シール構造。
- 前記1段目シールと2段目シールとは同じ構成であることを特徴とする、請求項6に記載の回転機の2重シール構造。
- 前記1段目シールと2段目シールとはゴム製シールおよびグリースであることを特徴とする、請求項5または7に記載の回転機の2重シール構造。
- 前記ドレーンはそこにオイルが進入した場合に目視確認可能なように形成されていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7または8のいずれかに記載の回転機の2重シール構造。
- 前記ドレーンには油を検知するセンサが設けられていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7または8のいずれかに記載の回転機の2重シール構造。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のいずれかに記載の2重シール構造を備えていることを特徴とする、回転機。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のいずれかに記載の2重シール構造またはそれを備えた回転機において、前記ドレーンへのオイルの進入の有無を確認し、進入がある場合にはオイルシール漏れ発生と判断することを特徴とする、回転機保守方法。
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CN111262378B (zh) * | 2020-03-17 | 2021-11-30 | Abb瑞士股份有限公司 | 电机和工业机器人 |
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Legal Events
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A977 | Report on retrieval |
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A02 | Decision of refusal |
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