JP2019079946A - コイル部品、回路基板、及び電源装置 - Google Patents

コイル部品、回路基板、及び電源装置 Download PDF

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暁光 鄭
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将義 廣田
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Abstract

【課題】多相動作だけでなく単相動作も行えるコイル部品、回路基板、及び電源装置を提供する。【解決手段】電源装置において、コイル部品1は、多相のトランス結合をなす複数の主コイル2a,2b,2c,2d及び主コイルを磁気結合する結合コア20と、複数の主コイルのうち、一つの主コイルに直列接続される副コイル3a及び副コイル3aが配置され、結合用コアとは独立した独立コア30とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、コイル部品、回路基板、及び電源装置に関する。
昇圧動作を行うDC−DCコンバータに備えられる回路として、特許文献1の図5に示す多相方式トランス結合型昇圧チョッパ回路がある。特許文献1では、二相のトランス結合を行うコイル部品として、二つのコイルと、一つのE−E型コアとを備え、このコアの各側脚にコイルが配置された構成を開示する。
特開2013−198211号公報
多相のトランス結合に利用されるコイル部品に対して、多相動作だけでなく、単相動作も可能なことが望まれている。
上述のDC−DCコンバータを駆動する場合に、高負荷時もあれば低負荷時もある。従来の多相のトランス結合を行うコイル部品では、低負荷時であっても、高負荷時と同様に、スイッチなどのデバイス類を全て駆動し、全てのコイルに通電するため、損失が大きくなり易い。従って、負荷に応じて、効率よく動作できることが望まれる。例えば、高負荷時には多相動作が可能であり、低負荷時には単相動作が可能であれば、損失を低減し易く、効率よく駆動できる。
そこで、多相動作だけでなく単相動作も行えるコイル部品を提供することを目的の一つとする。また、多相動作だけでなく単相動作も行える回路基板、及び電源装置を提供することを別の目的の一つとする。
本開示のコイル部品は、
多相のトランス結合をなす複数の主コイル、及び前記主コイルを磁気結合する結合コアと、
前記複数の主コイルのうち、一つの前記主コイルに直列接続される副コイル、及び前記副コイルが配置され、前記結合用コアとは独立した独立コアとを備える。
本開示の回路基板は、
前記本開示のコイル部品と、
各主コイルへの通電状態を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、多相動作を行う場合に、前記複数の主コイルのうち、前記副コイルが直列接続される主コイルへの電流と、前記副コイルが接続されていない主コイルへの電流とが等しくなるように電流を調整する電流調整部を含む。
本開示の電源装置は、
前記本開示の回路基板を備える。
上記のコイル部品、上記の回路基板、及び上記の電源装置は、多相動作だけでなく単相動作も行える。
実施形態1のコイル部品を備える回路基板の一例を等価回路で示す概略構成図である。 実施形態1のコイル部品の一例を示す概略構成図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係るコイル部品は、
多相のトランス結合をなす複数の主コイル、及び前記主コイルを磁気結合する結合コアと、
前記複数の主コイルのうち、一つの前記主コイルに直列接続される副コイル、及び前記副コイルが配置され、前記結合用コアとは独立した独立コアとを備える。
以下、上記のコイル部品ではn個(nは2以上の自然数)の主コイルと、k個(kは1以上n以下の自然数)の副コイルを備えるものとして説明する。
上記のコイル部品は、磁気結合される複数の主コイルとは別に副コイル及び独立コアを備え、この副コイルが一つの主コイルに直列に接続される。そのため、上記のコイル部品を多相のトランス結合型昇降圧回路といった変圧回路に用いれば、主コイル及び結合コアによって多相動作を行える上に、副コイル及び独立コアによって単相動作も行える。
上記のコイル部品の一例を挙げて説明する。上記のコイル部品の一例として、二つ又は三つ以上の主コイルと、一つの副コイルとを備え、各主コイルは電気的に並列に接続される。副コイルは、複数の主コイルのうちの一つの主コイルに電気的に直列に接続される(以下、この主コイルを直列主コイルと呼ぶ)。また、副コイルは、上記直列主コイルを除く他の主コイルとは電気的に並列に接続されることになる(以下、この他の主コイルを並列主コイルと呼ぶ)。このような上記のコイル部品を備える多相のトランス結合型昇降圧回路を構築し、この回路に備える制御部によって各主コイルに接続されるスイッチを制御し、副コイル及び直列主コイルに電流を流し、並列主コイルに電流を流さない状態とする。この状態では、直列主コイルに基づく磁束によって結合コアは磁気飽和するため、主コイル及び結合コアは多相動作に実質的に利用できないが、副コイル及び独立コアは単相動作に利用できる。このような上記のコイル部品を備える回路基板や電源装置を構築すれば、高負荷時にはn個の主コイルに通電してn相動作を行い、低負荷時には例えば副コイルに通電して単相動作を行うことができる。従って、上記のコイル部品によれば、高負荷時も低負荷時も損失の増大を抑制して、効率よく駆動可能な回路基板や電源装置を構築できる。
また、上記のコイル部品を備えていれば、上述の並列主コイルや制御するデバイス等に故障が生じて結合コアが磁気飽和を引き起こす場合でも副コイルを用いて単相動作を行える。そのため、上記のコイル部品によれば、副コイル及び独立コアを備えていない従来のコイル部品を備える場合に比較して、動作不能となる状態を低減し易い回路基板や電源装置を構築できる。
(2)上記のコイル部品の一例として、
前記主コイルと前記副コイルとが直列接続された組を前記主コイルの個数以下の範囲で複数備える形態が挙げられる。
上記形態は、副コイル及び直列主コイルを複数備えるため(2≦k≦n)、負荷に応じて副コイルの使用個数を調整して、単相動作又はk相動作を行える回路基板や電源装置を構築できる。又は、上記形態は、単相動作が可能な副コイル及び独立コアを複数備えるため、副コイル及び独立コアが一つの場合に比較して、上述の結合コアが磁気飽和を引き起こす場合などでも動作不能となる状態を低減し易い回路基板や電源装置を構築できる。
(3)本発明の一態様に係る回路基板は、
上記(1)又は(2)のコイル部品と、
各主コイルへの通電状態を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、多相動作を行う場合に、前記複数の主コイルのうち、前記副コイルが直列接続される主コイルへの電流と、前記副コイルが接続されていない主コイルへの電流とが等しくなるように電流を調整する電流調整部を含む。
上記の回路基板は、代表的には、負荷に応じて単相動作を行うか多相動作を行うかを判断するように制御部を構成して、多相のトランス結合型昇降圧回路といった変圧回路に用いれば、多相動作も単相動作も行える。特に、上記の回路基板は、n相動作を行う場合に、上記の特定の制御部によって主コイルのうち、直列主コイルへの電流と並列主コイルへの電流とを実質的に等しくできる。そのため、上記の回路基板は、直列主コイルと各並列主コイルとの電流差に起因する損失の増大を低減し易く、効率よく駆動できる。
(4)本発明の一態様に係る電源装置は、
上記(3)に記載の回路基板を備える。
上記の電源装置は、上記のコイル部品が設けられた上記の回路基板を備えるため、多相のトランス結合型昇降圧コンバータといったコンバータに用いれば、多相動作も単相動作も行える。特に、上記の電源装置は、上述の特定の制御部を備える上記の回路基板を備えるため、上述の電流差に起因する損失の増大を低減して、効率よく駆動できる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、図面を適宜参照して、実施形態に係るコイル部品、回路基板、電源装置を具体的に説明する。図中、同一名称物は、同一物を意味する。
[実施形態1]
図1,図2を参照して、実施形態1のコイル部品1、実施形態1の回路基板7、実施形態1の電源装置8を説明する。
図1では、コイル部品1を模式的に示すと共に、回路基板7の概略を等価回路で示し、コイル部品1を除く主要な回路部品を回路記号で示す。
図2は、コイル部品1に備える結合部品2及び単相部品3について、両部品2,3の接続状態が分かり易いように配置して、コイル2a〜2d,3aの軸方向から平面視した状態を示す。また、結合部品2に備えられる結合コア20の一部を切り欠いて示す。
(全体構成)
実施形態1のコイル部品1は、多相のトランス結合に利用されるものであり、磁気結合される複数の主コイルを備える結合部品2を主要素とする。結合部品2は、多相のトランス結合をなす複数の主コイル(この例では四つの主コイル2a〜2d)と、主コイル2a〜2dを磁気結合する結合コア20とを備える。コイル部品1は、代表的には回路基板7(後述)などに備えられる制御部5(後述)によって通電状態が制御されて、主コイルの個数に応じた多相動作(この例では4相動作)を行う。
実施形態1のコイル部品1は、結合部品2に加えて、主コイル2a〜2dとは磁気的に分離された単相部品3を備える。単相部品3は、副コイル3aと、副コイル3aが配置され、結合コア20とは独立した独立コア30とを備える。副コイル3aは、複数の主コイル2a〜2dのうち、一つの主コイル(この例では主コイル2a)に直列接続される。この例のコイル部品1は、単相部品3を一つ備えており、制御部5によって通電状態が後述するように制御されることで、例えば高負荷時に多相動作を行え、低負荷時には単相動作を行うことができる。以下、構成部材ごとに説明する。
(結合部品)
結合部品2は、複数の主コイル2a〜2dと、主コイル2a〜2dが配置される少なくとも一つの結合コア20とを備え、各主コイル2a〜2dは電気的に並列に接続される。このような結合部品2として、代表的には、一つの結合コア20に複数の主コイル2a〜2dを一括して備える形態(以下、単一コア形態と呼ぶことがある)と、複数の結合コア20を備え、複数の結合コアに跨って主コイル2a〜2dを備える形態(以下、多コア形態と呼ぶことがある、図示せず)とが挙げられる。図1では単一コア形態を示し、図2ではその具体的な構成例を示す。上述のいずれの形態も、多相動作を行う際には複数の主コイル2a〜2dから選択される任意の二つの主コイルがつくる磁束が互いに打ち消されるように、主コイル2a〜2dは結合コア20に配置される。また、このような磁束の流れとなるように、制御部5はスイッチ72a〜73d(後述)を制御して、各主コイル2a〜2dに電流を供給する。
《主コイル》
各主コイル2a〜2dはいずれも、巻線を巻回してなる筒状の巻回部を備える。巻回部から延びる巻線の各端部には、回路基板7に形成される配線パターン(図示せず)などを介して、電源71(後述)などが接続される。図2では、主コイル2aをなす巻線2wの端部を図示し、その他の主コイル2b〜2dをなす巻線の端部は図示していない。各主コイル2a〜2d、後述の副コイル3aをなす各巻線の端部の引出方向は適宜選択でき、図2は例示である。この例では、一つの主コイル2aの一端部に副コイル3aが接続される。
主コイル2a〜2dをなす巻線の仕様(構成材料、幅や厚さや断面積などの大きさなど)、及び各主コイル2a〜2d自体の仕様(巻回部の形状、巻径、巻き数、自然長など)はいずれも同じとすることが挙げられる。巻線は、導体線の外周に絶縁被覆を備える被覆線を好適に利用できる。導体線の構成材料は、例えば銅やアルミニウム、その合金が挙げられる。絶縁被覆の構成材料は、例えばエナメルと呼ばれるポリアミドイミドなどの樹脂が挙げられる。その他の巻線として、コイルに利用される公知の線材、例えば平角線、丸線、被覆丸線、リッツ線などを利用できる。
この例の主コイル2a〜2dはいずれも、被覆平角線からなる円筒状のエッジワイズコイルである。被覆平角線は、占積率の高いコイルを形成し易く、小型にし易い。特に円筒状のエッジワイズコイルであれば、巻径が比較的小さい場合でも製造し易く、製造性にも優れる。また、エッジワイズコイルは、保形性に優れ、結合コア20と独立して作製しても中空形状を保持できる。更に、保形性に優れることで、図2に示すように接続部が無く連続する1本の巻線2wによって主コイル2aと副コイル3aとを連続して製造することも可能である。この場合、主コイル2aと副コイル3aとは、両者間に巻線2wの一部からなる渡り部を含むことで一体の部品として取り扱えて、組立作業性に優れる。
なお、主コイル2aと副コイル3aとを異なる巻線でそれぞれ製造し、端子金具や、半田などの接合材などを介して接続することもできる。
(結合コア)
結合コア20は、軟磁性材料を含み、閉磁路を形成する磁性部材である。上述の単一コア形態、多コア形態のいずれにおいても、公知の構成材料で形成された種々の形態、形状、大きさのものが利用できる。具体的な形態として、フェライトコアなどの焼結体、軟磁性材料の粉末を用いた圧粉成形体、軟磁性材料の粉末と樹脂とを含む複合材料からなる成形体、電磁鋼板などの軟磁性材料の板材を積層した積層体などが挙げられる。
この例の結合コア20は、図2に示すように、主コイル2a〜2dの個数と同数の複数の磁脚21〜24と、主コイル2a〜2dから選択される任意の二つの主コイル間に配置される介在部分を有する中央脚部25と、磁脚21〜24及び中央脚部25をその軸方向(図2では紙面垂直方向)から挟む一対の連結部26,26とを備える。単一コア形態は、多コア形態に比較して組立部品点数が少なく、組立作業性に優れる上に、小型にし易い。
この例の各磁脚21〜24は同一の大きさの円柱であり、その外周に各主コイル2a〜2dの巻回部が配置されて、主として各主コイル2a〜2dがつくる磁束の磁路を形成する。この例の中央脚部25は十字状の柱体であり、各磁脚21〜24と共に上記磁路を形成する。任意の二つの主コイルがつくる磁束は中央脚部25の近くで互いに打ち消し合う。この例の各連結部26,26は正方形状の板材であり、丸められた各角部に各磁脚21〜24が配置され、中央部に中央脚部25が配置される。中央脚部25は、連結部26における対角線の交点を中心とする円柱状の介在部分と、この円柱から連結部26の周縁に向かって突出し、隣り合う磁脚21,22間、磁脚22,23間、磁脚23,24間、磁脚24,21間にそれぞれ介在される舌片状の突出部とを備える。中央脚部25の外周面は、突出部と各磁脚21〜24間に主コイル2a〜2dの外周に沿った円弧状の隙間が設けられるように円弧状面からなる。中央脚部25がこのような特定の形状であることで、中央脚部25の磁路断面積を各磁脚21〜24の磁路断面積以上としつつ、複数の磁脚21〜24を上述の連結部26の中央部に寄せ集め易く、結合コア20を小型にし易い。
また、この例の結合コア20は、同一形状、同一の大きさの一対の分割コア片を組み合わせてなる組物である。各分割コア片は、一方の連結部26の内面から、各磁脚21〜24の一部をなす四つの磁脚片と、中央脚部25の一部をなす一つの中央脚片とが突出した形状である。中央脚片における連結部26の内面からの突出長さは各磁脚片の突出長さよりも短く、両分割コア片を組み合わせた状態では、中央脚片間に隙間が設けられる。中央脚部25はこの隙間を磁気ギャップとして備える。
この例では、主コイル2a〜2dの個数が四つである単一形態を示すが、単一形態における主コイルの個数は、所望の相数に応じて適宜変更できる。例えば、主コイルの個数を二つ(2相)、三つ(3相)、又は五つ(5相)以上などとすることができる。結合コア20の形状も適宜変更でき、図2は例示である。例えば、各磁脚21〜24を角柱状としたり、中央脚部25を円柱状としたりすることなどが挙げられる。
多コア形態では、各結合コアは同じ仕様(構成材料、形状、磁路断面積などの大きさなど)とすることが挙げられる。各結合コアは、複数の主コイルが配置される複数の磁脚と、二つの磁脚間に介在される少なくとも一つの中間磁脚と、これら磁脚をその軸方向に挟む一対の連結部とを備えるもの(図示せず)が挙げられる。
その他、結合部品2の基本的構成は公知の構成を参照できる。
(単相部品)
単相部品3は、一つの副コイル3aと、この副コイル3aが配置され、主コイル2a〜2dがいずれも配置されない独立コア30とを備える。単相部品3は、結合部品2とは磁気的に独立しているものの、副コイル3aと一つの主コイルとは電気的に直列に接続される。この例では、副コイル3aは、主コイル2a〜2dのうち、主コイル2aとは電気的に直列に接続され、主コイル2b〜2dとは電気的に並列に接続される。単相部品3は、制御部5によって通電状態が制御されて、単相動作に利用される。
《副コイル》
副コイル3aは巻線を巻回してなる筒状の巻回部を備える。巻回部から延びる巻線の一端部(図2では左端部)には上述の配線パターンなどを介して電源71などが接続され、他端部(同、右端部)には主コイル2aが接続される。副コイル3aは、単相動作といった所定の動作に応じて巻線の仕様、コイル自体の仕様を選択するとよい。巻線の構成材料などは、上述の《主コイル》の項を参照するとよい。この例の副コイル3aは、上述のように主コイル2aをなす巻線2w(被覆平角線)の一部によって主コイル2aに連続して形成された円筒状のエッジワイズコイルであるが例示であり、適宜変更できる。
《独立コア》
独立コア30は、結合コア20とは独立した磁性部材であり、軟磁性材料を含み、閉磁路を形成する。独立コア30の構成材料などは、上述の《結合コア》の項を参照するとよい。この例の独立コア30は、いわゆるE−R型コアである。詳しくは、独立コア30は、図2に示すように副コイル3aが配置される一つの円柱状の磁脚31と、円弧状に湾曲した内周面を有し、磁脚31を挟む一対の側脚32,33と、側脚32、磁脚31、側脚33が並んだ状態で、これらをその軸方向から挟む一対の長方形板状の連結部36,36とを備える。
また、この例の独立コア30は、同一形状、同一の大きさの一対の分割コア片を組み合わせてなる組物である。各分割コア片は、一方の連結部36の内面から、磁脚31の一部をなす一つの磁脚片と、側脚32,33の一部をなす二つの側脚片とが突出した形状である。磁脚片における連結部36の内面からの突出長さは各側脚片の突出長さよりも短く、両分割コア片を組み合わせた状態では、磁脚片間に隙間が設けられる。磁脚31はこの隙間を磁気ギャップとして備える。独立コア30の材質や大きさなどによっては磁気ギャップを省略することもできる。
図2に示す独立コア30は例示であり、単相動作といった所定の動作を可能な磁路断面積などを有する範囲で、形状などを適宜変更できる。例えば、E−E型コアとすることなどが挙げられる。
(用途)
実施形態1のコイル部品1は、多相のトランス結合を行う回路基板7の構成部品の一つに利用される。回路基板7は、多相のトランス結合を行う電源装置8の構成部品の一つに利用される。図1では、回路基板7の一部が電源装置8のケースに収納された状態を部分的に、かつ仮想的に示す。回路基板7の一例として、DC−DCコンバータであって、多相のトランス結合型昇降圧チョッパ回路を構成するものが挙げられる。このような回路基板7を備える電源装置8は、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池自動車といった車両に搭載されるコンバータなどに利用することが挙げられる。
(回路基板)
実施形態1の回路基板7は、実施形態1のコイル部品1と、各主コイル2a〜2dへの通電状態を制御する制御部5とを備える。代表的には、回路基板7は、コイル部品1を含む各種の回路部品と、これら回路部品を搭載する基板本体70と、基板本体70に設けられ、回路部品が接続される配線パターン(図示せず)とを備える。各回路部品は、回路基板7の用途に応じて備えられ、代表的には配線パターンを介して接続される。この例のコイル部品1では各主コイル2b〜2dの巻線の各端部、主コイル2aの他端部、副コイル3aの一端部が配線パターンに接続される。上記の接続には、半田付けやねじ結合など、公知の接続方法が利用できる。
図1では、回路基板7として、DC−DCコンバータであって、多相のトランス結合型昇降圧チョッパ回路を構成するものを例示する。この回路基板7は、回路部品として、コイル部品1の他、直流の電源71と、スイッチ72a〜72d,73a〜73d、コンデンサ74、負荷75などを備える。スイッチ72a〜72d,73a〜73dには、図1に例示するMOSFETなどの半導体素子が利用される。
制御部5は、スイッチ72a〜72dの開閉を制御することで、各主コイル2a〜2dへの通電状態を制御するものであり、代表的には集積回路(IC)、中央処理装置(CPU)などが利用される。制御部5によってスイッチ72a〜72d,73a〜73dの開閉を制御することで、この回路基板7は、電源71の電圧を下げて、負荷75に出力できる(降圧動作)。一方、入出力を逆転する場合、いわば図1に示す負荷75を電源に、電源71を負荷に入れ替える場合、スイッチ72a〜72d,73a〜73dの制御内容を変更することで、電源電圧を昇圧して、負荷に出力できる(昇圧動作)。実施形態1の回路基板7では、特に、制御部5は、多相動作を行う場合に、複数の主コイル2a〜2dのうち、副コイル3aが直列接続された直列主コイル(この例では主コイル2a)への電流と、副コイル3aが接続されていない並列主コイル(この例では主コイル2b〜2d)への電流とが等しくなるように電流を調整する電流調整部52を含む。ここで、仮に、この例の回路基板7が4相動作を行う際に四つの主コイル2a〜2dに同じ大きさの電流を供給する場合を考える。この場合、直列接続される副コイル3aの電気抵抗に起因して、直列主コイル(主コイル2a)に流れる電流は他の並列主コイル(主コイル2b〜2d)に比較して小さくなり易く、直列主コイルは他の並列主コイルと同程度の磁束を形成し難い。従って、この場合の結合部品2では、四つの主コイル2a〜2dを適切に磁気結合できない。これに対し、実施形態1の回路基板7は電流調整部52を備えることで、副コイル3aの電気抵抗を考慮して、直列主コイルへの電流を調整できる。そのため、実施形態1の回路基板7では、複数の主コイル2a〜2dから選択される任意の二つの主コイルがつくる磁束を互いに打ち消すことができ、適切に磁気結合を行える。即ち、4相動作を適切に行える。
なお、上述のように電流調整を行うことで、各主コイルの分離に起因するリップル電流の増大を抑制し、多相動作を行えることをシミュレーションによって確認している。
更に、制御部5は、負荷の高低状態を判定する負荷状態判定部51と、高負荷状態と判定された場合に主コイル2a〜2dを用いてコイル部品1に多相動作(この例では4相動作)を行わせ、低負荷状態と判定された場合に副コイル3aを用いてコイル部品1に単相動作を行わせるように命令する相選択命令部53とを備えることが挙げられる。負荷状態判定部51は、例えば、負荷75の電流や電圧などといった負荷75からの情報に基づいて負荷の高低状態を判定するように構成することが挙げられる。相選択命令部53は、高負荷状態と判定された場合に各スイッチ72a〜72dに駆動動作を命令し、低負荷状態と判定された場合に直列主コイルに繋がるスイッチ72aに駆動動作を命令し、その他の並列主コイルに繋がるスイッチ72b〜72dに停止命令を出すように構成することが挙げられる。具体的な動作は後述する。
その他、回路基板7の基本的な構成や材料などは、公知の技術を利用でき、詳細な説明を省略する。
(電源装置)
実施形態1の電源装置8は、実施形態1の回路基板7を備える。図1では、電源装置8は、上述のようにDC−DCコンバータであって、多相のトランス結合型昇降圧チョッパ回路を構成する回路基板7を備えるものを例示する。電源装置8におけるその他の構成については公知の構成を利用でき、詳細な説明を省略する。
(電源装置の動作)
電源装置8の動作例を以下に説明する。ここでは、電源装置8は、上述の電流調整部52と、負荷状態判定部51と、相選択命令部53とを備える制御部5が設けられ、4相のトランス結合型昇降圧チョッパ回路を構成する回路基板7を備えるものとする。
制御部5の負荷状態判定部51は、例えば負荷75における現在の電流といった負荷状態に関するデータ値と予め記憶された閾値とを比較して、負荷状態を判定する。
上述の現在のデータ値が閾値よりも大きい場合には、負荷状態判定部51は高負荷状態と判定する。この場合、相選択命令部53は、各スイッチ72a〜72dに駆動命令を出し、コイル部品1に4相動作を行わせる。電流調整部52は、副コイル3aに繋がる主コイル2aに他の主コイル2b〜2dと同等の電流が流れるように、電流の大きさを調整する。制御部5は、この調整値に基づいて、各スイッチ72a〜72dに開閉動作を命令する。
上述の現在のデータ値が閾値以下である場合には、負荷状態判定部51は低負荷状態と判定する。この場合、相選択命令部53は、副コイル3aが直列接続された主コイル2aに繋がるスイッチ72aに駆動命令を出し、他のスイッチ72b〜72dには主コイル2b〜2dへの電流を十分に小さくしてから電流を停止するように停止命令を出し、コイル部品1に単相動作を行わせる。電流調整部52は、単相動作に必要な電流が副コイル3aに流れるように電流の大きさを調整する。制御部5は、この調整値に基づいて、スイッチ72aに開閉動作を命令する。
(主な効果)
実施形態1のコイル部品1は、複数の主コイル2a〜2dと結合コア20とを備える結合部品2に加えて、副コイル3aと独立コア30とを備える単相部品3を備える。そのため、コイル部品1は、結合コア20によって多相動作を行えると共に、単相部品3によって単相動作も行える多相のトランス結合型昇降圧回路などを構築できる。
実施形態1のコイル部品1を備える実施形態1の回路基板7、及びこの回路基板7を備える実施形態1の電源装置8は、多相のトランス結合型昇降圧回路やこの回路を備えるコンバータなどに用いた場合に、負荷の状態に応じて多相動作も単相動作も行える。そのため、実施形態1の回路基板7及び実施形態1の電源装置8は、高負荷時も低負荷時も、損失を低減し易く、効率よく駆動できる。更に、単相部品3によって単相動作が行えるため、故障などによって結合コア20が磁気飽和し得る場合でも、動作不能となる状態を低減し易い。
[実施形態2]
実施形態1のコイル部品1は、単相部品3を一つ備える場合を説明したが、単相部品3を複数備えることができる。実施形態2のコイル部品として、主コイルと副コイルとが直列接続された組を主コイルの個数以下の範囲で複数備えるものが挙げられる。実施形態2の回路基板、及び実施形態2の電源装置として、実施形態2のコイル部品を備えるものが挙げられる。図1では、副コイル3b〜3dをそれぞれ備える単相部品3B〜3Dを二点鎖線で仮想的に示し、副コイル3aを備える単相部品3Aを含めて、最大四つの単相部品3A〜3Dを備える場合を例示する。図1では、四つの主コイル2a〜2dを備える場合を例示するため、単相部品3を一以上四以下の範囲で備えることができる。
複数の単相部品3を備えることで、例えば、単相動作を行う場合に、順次、異なる単相部品3を利用する構成とすることができる。この場合、実施形態2の回路基板に備える制御部5として、上述の負荷状態判定部51、電流調整部52、相選択命令部53に加えて、以下のコイル判定部(図示せず)を備えることが挙げられる。コイル判定部は、低負荷状態と判定されて単相動作を行う場合に、複数の単相部品3のうち、過去の使用履歴から今回使用する単相部品3を選択する。今回使用する単相部品3としては、例えば、直近で単相動作に用いた単相部品3以外のものを選択したり、動作頻度が最も少ないものを選択したりすることが挙げられる。そして、制御部5は、コイル判定部によって選択された単相部品3に電流を流すように制御する。この構成では、単相部品3を一つのみ備える場合に比較して、故障などに起因する動作不能となる状態を低減し易い。例えば、上述の選択した単相部品3が故障などしている場合には、別の単相部品3を選択するようにコイル判定部を構成することもできる。
又は、複数の単相部品3を備えることで、例えば、複数の単相部品3を用いて、主コイル2a〜2dの個数以下の多相動作を行う構成とすることができる。例えば、三つの単相部品3A〜3Cを備える場合、負荷の状態に応じて、いずれか二つの単相部品又は三つの単相部品全てを用いて2相動作又は3相動作を行う構成とすることができる。この場合、実施形態2の回路基板に備える制御部5として、上述の負荷状態判定部51、電流調整部52、相選択命令部53を以下のように構成することが挙げられる。
負荷状態判定部51は、上述の現在のデータ値と複数の閾値との比較を多段階に行い、この比較に基づき、単相動作、2相動作、3相動作、4相動作のいずれが適するかを判定する。
例えば、上述の現在のデータ値と第一の閾値とを比較し、上記データ値が第一の閾値よりも大きい場合、高負荷状態と判定する。この場合、実施形態1と同様にして、電流調整部52及び相選択命令部53に基づいて、実施形態2のコイル部品に4相動作を行わせる。
上記データ値が第一の閾値以下の場合、現在の第一の閾値よりも小さい第二の閾値と比較し、上記データ値が第二の閾値よりも大きい場合、中高負荷状態と判定する。この場合、後述のように実施形態2のコイル部品に3相動作を行わせる。
上記データ値が第二の閾値以下の場合、現在の第二の閾値よりも小さい第三の閾値と比較し、上記データ値が第三の閾値よりも大きい場合、中低負荷状態と判定する。この場合、後述のように実施形態2のコイル部品に2相動作を行わせる。
上記データ値が第三の閾値以下の場合、低負荷状態と判定する。この場合、実施形態1と同様にして、電流調整部52及び相選択命令部53に基づいて、実施形態2のコイル部品に単相動作を行わせる。
3相動作を行う場合、相選択命令部53は、副コイル3a〜3cがそれぞれ直列接続される主コイル2a〜2cに繋がるスイッチ72a〜72cに駆動命令を出し、他のスイッチ72dに実施形態1で説明したような停止命令を出し、コイル部品に3相動作を行わせる。電流調整部52は、3相動作に必要な電流が副コイル3a〜3cに供給されるように電流の大きさを調整する。制御部5は、この調整値に基づいて、スイッチ72a〜72cに開閉動作をさせる。
2相動作を行う場合、相選択命令部53は、2相動作を行う副コイル(ここでは副コイル3a,3bとする)がそれぞれ直列接続される主コイル2a,2bに繋がるスイッチ72a,72bに駆動命令を出し、他のスイッチ72c,72dに実施形態1で説明したような停止命令を出し、コイル部品に2相動作を行わせる。電流調整部52は、2相動作に必要な電流が副コイル3a,3bに供給されるように電流の大きさを調整する。制御部5は、この調整値に基づいて、スイッチ72a,72bに開閉動作をさせる。更に、この場合、制御部5は、過去の使用履歴から今回使用する単相部品3を選択するコイル選択部(図示せず)を備えることもできる。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
(1)結合部品2、単相部品3において、分割コア片の形状や分割数を変更する。
(2)主コイル2a〜2dと結合コア20間、副コイル3a〜3dと独立コア30間に絶縁材料からなる介在部材を備える、又は各コイルを覆う絶縁被覆材を備える、又はコアを覆う絶縁被覆材を備える。これらの場合、各コイルとコア間の絶縁性を高められる。
(3)回路基板や電源装置を、昇圧動作のみを行うものとする、又は降圧動作のみを行うものとする。
1 コイル部品
2 結合部品
2w 巻線
2a,2b,2c,2d 主コイル
20 結合コア
21,22,23,24 磁脚
25 中央脚部
26 連結部
3,3A,3B,3C,3D 単相部品
3a,3b,3c,3d 副コイル
30 独立コア
31 磁脚
32,33 側脚
36 連結部
5 制御部
51 負荷状態判定部
52 電流調整部
53 相選択命令部
7 回路基板
70 基板本体
71 電源
72a,72b,72c,72d,73a,73b,73c,73d スイッチ
74 コンデンサ
75 負荷
8 電源装置

Claims (4)

  1. 多相のトランス結合をなす複数の主コイル、及び前記主コイルを磁気結合する結合コアと、
    前記複数の主コイルのうち、一つの前記主コイルに直列接続される副コイル、及び前記副コイルが配置され、前記結合用コアとは独立した独立コアとを備えるコイル部品。
  2. 前記主コイルと前記副コイルとが直列接続された組を前記主コイルの個数以下の範囲で複数備える請求項1に記載のコイル部品。
  3. 前記請求項1又は請求項2に記載のコイル部品と、
    各主コイルへの通電状態を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、多相動作を行う場合に、前記複数の主コイルのうち、前記副コイルが直列接続される主コイルへの電流と、前記副コイルが接続されていない主コイルへの電流とが等しくなるように電流を調整する電流調整部を含む回路基板。
  4. 請求項3に記載の回路基板を備える電源装置。
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