JP2019078391A - 流体制御弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の排出口からの流量を、流体制御弁装置によって正確に制御できること。【解決手段】流体制御弁装置10は、ハウジング20の排出口25,26を、個別に開閉可能な弁機構30を含む。この弁機構30は、前記ハウジング20に収納されたカム軸31と、このカム軸31のカム32,33により駆動されて前記排出口25,26を個別に開閉可能な複数の弁ユニット40A,40Bとを含む。この複数の弁ユニット40A,40Bは、それぞれ、前記ハウジング20に設けられた弁箱41A,41Bと、この弁箱41A,41Bに設けられた弁座61A,61Bと、この弁座61A,61Bに対して変位可能に前記弁箱41A,41Bに収納された弁体71A,71Bと、前記弁座61A,61Bに対して前記弁体71A,71Bを閉じる方向へ付勢する付勢部材81A,81Bとを含む。前記弁体71A,71Bは、前記複数のカム32,33によって駆動される。【選択図】図1

Description

本発明は、ハウジングに1つの流入口と複数の排出口とを有している、流体制御弁装置の改良技術に関する。
複数の排出口を有した流体制御弁装置は、1つの流入口から入った流体を複数の排出口から個別に排出するものであり、例えばエンジン冷却システムに用いられている。このような流体制御弁装置に関する従来技術として、例えば特許文献1及び特許文献2に開示される技術がある。
特許文献1に開示された技術は、筒状のハウジングに筒状の弁体を回転可能に収納した、いわゆるロータリ式制御弁である。ハウジングは、一端に流入口を有するとともに、周壁に2つの排出口を有している。弁体の外周面は、ハウジングの内周面に密着しており、モータによって回転駆動される。弁体の回転角(位相)に応じて、各排出口からの流量制御を行うことができる。
特許文献2に開示された技術は、筒状のハウジングに中空の半球状の弁体を回転可能に収納した、いわゆるロータリ式制御弁である。ハウジングは、一端に流入口を有するとともに、周壁に2つの排出口を有している。この2つの排出口は、弁体の外周面に密着したシール部を有する。弁体は、モータによって回転駆動される。弁体の回転角(位相)に応じて、各排出口からの流量制御を行うことができる。
しかしながら、特許文献1の技術は、弁体の外周面がハウジングの内周面に摺動することによってシールするシール構造である。また、特許文献2の技術は、弁体の外周面がシール部に摺動することによってシールするシール構造である。このように、弁体の外周面が、ハウジングの内周面やシール部に摺動する。つまり、各摺動面に摩耗が発生し得る。各摺動面間に摩耗による隙間が発生することによるシール性能の低下は、流体制御弁装置によって流量を制御する上で、不利である。
特開2016−031139号公報 特開2016−188693号公報
本発明は、複数の排出口から排出される流量を正確に制御することができる、流体制御弁装置の提供を課題とする。
請求項1による発明によれば、1つの流入口と複数の排出口とを有しているハウジングと、前記複数の排出口を個別に開閉可能な弁機構とを含む流体制御弁装置において、前記弁機構は、前記ハウジングに回転可能に収納されており1つまたは複数のカムを有したカム軸と、1つまたは複数の前記カムにより個別に駆動されて1つまたは複数の前記排出口を個別に開閉可能な1つまたは複数の弁ユニットと、を含む。
少なくとも1つの前記弁ユニットには、前記ハウジングに設けられて、このハウジングの内部と前記排出口とを連通している弁箱と、この弁箱に設けられた弁座と、前記カムの位相の変位に従い、前記カム軸の軸線から離間する方向に変位可能であるよう前記弁箱に収納された弁体と、前記弁座に対して前記弁体を閉じる方向へ付勢する付勢部材とを、含むことを特徴とする。
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記弁座は、前記弁箱の内部に位置するとともに、前記ハウジングに対して反対側を向いている。前記弁体は、前記付勢部材の付勢力のみにより、前記弁座に対する閉鎖状態を保持されている。前記カムは、前記付勢部材の付勢力に抗して、前記弁体を、前記弁座に対して開く方向へ駆動可能なカム面を有している。
請求項3に記載のごとく、好ましくは、前記弁体は、前記カムによって個別に駆動可能な弁棒を有する。この弁棒の先端の位置は、前記弁体が閉鎖位置に位置したときに、対応する前記カムのカム面に対して非接触となる位置に設定されている。
請求項4に記載のごとく、好ましくは、前記弁箱の内周面には、前記弁体を開閉方向に案内する、複数のガイドが設けられている。この複数のガイドの一部は、前記弁座を基準とした前記弁体の開き方向の長さが、他のガイドに対して短く設定されている。
請求項5に記載のごとく、好ましくは、前記弁座と、前記弁体と、前記付勢部材と、前記排出口とは、同一線上に位置している。前記弁箱の中には、前記付勢部材を迂回して前記排出口に連通したバイパス流路を有している。
請求項6に記載のごとく、好ましくは、前記弁体は、前記弁座とは反対側の面に、前記付勢部材を受ける受け凹部を有する。この受け凹部は、それぞれ、前記付勢部材を受ける底面と、前記付勢部材の一端部の外周囲を囲う内周面と、からなる。この底面と内周面とのコーナには、このコーナに沿って全周にわたり、溝が形成されてなる。
請求項1に係る発明では、弁機構は、複数の排出口を個別に開閉可能な複数の弁ユニットを、1つまたは複数のカムを有したカム軸によって個別に開閉駆動する、カム駆動式弁機構である。このカム駆動式弁機構によれば、カム軸の回転運動を、カム軸の軸線に対して直角方向への直線運動に変換して複数の弁ユニットを開閉することができる。
弁座は弁箱に設けられている。弁体は、弁座に対して変位可能である。弁ユニットは、付勢部材によって閉鎖状態に付勢されている弁体を、カムの位相が変化することによって、全開まで開くことができる。
このように、弁体を、弁座に対して直線運動させることにより、弁ユニットを開閉することができる。弁座に対して、弁体を摺動することなく開閉できるので、弁体と弁座の摩耗を極力防止することができる。摩耗を防止することによって、弁体と弁座との間のシール性能を、維持することができる。この結果、排出口から排出される流体の流量を、流体制御弁装置によって正確に制御することができる。
さらには、付勢部材は、弁座に対して弁体を閉じる方向へ付勢している。このため、ハウジング内の内圧が過大に急増したときには、弁体は、カムの位相の変位に従うことなく、付勢部材の付勢力に抗して開く、いわゆるフェールセーフ作用を果たすことができる。つまり、弁ユニットは、リリーフ弁を兼ねることができる。この結果、過大な内圧の上昇を、防止することができる。しかも、上述のように、弁体と弁座の摩耗を極力防止することができるので、リリーフ弁のリリーフ圧を一定に維持することができる。
さらには、複数の弁ユニットを個別に制御することができるので、各弁ユニットから流れる流量を個別に高精度に調節することができる。特に、1つまたは複数の弁ユニットは、概ねグローブバルブに類似した構成であるから、ロータリ式制御弁に比べて固有流量特性に優れており、リニア特性に近づけることも可能である。加えて、弁体は、それぞれ個別の付勢部材によって、閉鎖状態に付勢されている。このため、付勢部材の付勢力を個別に設定することにより、1つまたは複数の弁ユニットの開き始めるタイミングを、各排出口に接続されている外部機器に応じて、最適に設定することができる。なお、付勢部材の付勢力をすべて同じとし、弁体の面積を変える(すなわち、水圧の作用する面積を変える)ことで、複数の弁ユニットの開き始めるタイミングを設定することもできる。
また、1つのカム軸によって複数の弁ユニットを個別に開閉させることができるので、この複数の弁ユニットを駆動する駆動機構を簡単な構成にすることができる。加えて、ロータリ式制御弁のように、ハウジングの中に筒状の弁体や半球状の弁体が、回転可能に収納されておらず、例えば流入口と流出口を周方向に並ぶように配置しても、互いに干渉することがない。そのため、流入口の位置に制限がなく、配置の自由度をより高めることができる。また、ハウジングの径を小さくすることができ、ロータリ式制御弁に比べて駆動トルクを低減することができる。
請求項2に係る発明では、弁体は、弁箱の内部に位置した付勢部材の付勢力のみにより、弁座に対する閉鎖状態を保持されている。カムは、各弁体を開くときだけ、この弁体を駆動する。このように、弁機構は、カムによって弁体を弁座に押し付けない構成なので、各部の位置合わせが容易である。しかも、閉鎖状態のときに弁体と弁座との間をシールするための弾性を有したシール部材を設けなくても、流体制御弁装置を採用するシステムの性能に影響しない程度に、シール性能を確保することができる。例えば、流体制御弁装置をエンジン冷却システムに採用した場合には、このシステムの暖機性能に影響しない程度にシール性能を確保することができる。
さらには、付勢部材は、弁箱の内部に位置している。このため、付勢部材を保持する部材を、別個に設ける必要がない。弁ユニットの部品数が少なくて済む。しかも、付勢部材をハウジングの中に設ける必要がないので、その分、ハウジングの径を小さくすることができる。
請求項3に係る発明では、弁棒はカムによって個別に駆動される。このため、弁ユニットのうち、弁棒だけがハウジングの中に位置すればよいので、ハウジングの径を小さくすることができる。加えて、弁体がそれぞれ閉鎖位置に位置したときに、弁棒の先端は対応するカムのカム面に対して非接触となる。つまり、弁体が閉鎖状態のときには、カムによって弁棒を駆動しないので、その分、カム軸のトルクを低減することができる。
請求項4に係る発明では、複数のガイドによって、弁体を開閉方向に案内することにより、各弁体の開閉動作を、より円滑にすることができる。しかも、複数のガイドの一部を短くすることにより、流路の面積を確保して、圧力損失を抑制することができる。
請求項5に係る発明では、弁箱の中には、付勢部材を迂回して排出口に連通したバイパス流路を有している。このため、弁体が開いた状態のときに、流体は付勢部材を通ることなく、バイパス流路を通って排出口へ流れることができる。流体の流れを付勢部材によって妨げられることはない。弁箱の中を流れる流体の圧力損失を、極力低減することができる。
請求項6に係る発明では、弁体は、付勢部材を受ける受け凹部を有する。この受け凹部は、付勢部材を受ける底面と、付勢部材の一端部の外周囲を囲う内周面とからなる。このため、受け凹部に付勢部材の一端部を嵌め込むことによって、弁体に対する付勢部材の位置ズレを防止することができる。さらには、受け凹部における、底面と内周面とのコーナには、このコーナに沿って全周にわたり、溝が形成されてなる。このため、受け凹部に対して、付勢部材の一端部をほぼ隙間無く嵌め込むことができる。この結果、弁体に対して、付勢部材を精度よく組み付けることができる。
本発明による流体制御弁装置をカム軸の軸線に沿って断面した図である。 図1の2−2線に沿った断面図である。 図2に示される弁箱の弁箱本体と弁体との関係を示す図である。 図2に示される弁箱のリッドと付勢部材との関係を示す図である。 図2に示される弁体の受け凹部と付勢部材との関係を示す図である。 図2に示される流体制御弁装置の作用図である。 図1に示される流体制御弁装置をエンジン冷却システムに組み込んだ模式図である。
本発明を実施するための形態を、添付図に基づいて以下に説明する。図1及び図2に示されるように、流体制御弁装置10は、ハウジング20と弁機構30とを含む。
ハウジング20は、周壁21に囲まれた断面真円状の内部空間22を有する、筒状の部材である。この内部空間22は、ハウジング20の長手方向の両端部が、一対の隔壁23A,23Bによって外部から仕切られることにより、形成されてなる。ハウジング20は、1つの流入口24と複数(例えば2つ)の排出口25,26とを有している。複数の排出口25,26は、それぞれホース等の外部配管によって、図示せぬ外部機器に接続される。
以下、複数の排出口25,26の一方のことを適宜「第1排出口25」といい、他方のことを適宜「第2排出口26」という。流入口24と第1排出口25と第2排出口26とは、ハウジング20の外周面に位置して内部空間22に連通しており、ハウジング20の周方向と長手方向の両方に、互いに位置がずれている。流入口24と第1排出口25と第2排出口26とを周方向、または長手方向のいずれかが一致するように設けてもよいが、互いに位置がずれるようにすることで、流体制御弁装置10全体の長さをコンパクトにすることができる。第1排出口25と第2排出口26とは、互いに同じ構成である。但し、第1排出口25と第2排出口26とは、接続される外部機器に応じて口径が異なってもよい。また、複数の排出口25,26の数量は2つに限定されるものではなく、3つ以上あってもよい。
前記弁機構30は、複数の排出口25,26を個別に開閉可能であり、1つのカム軸31と複数の弁ユニット40A,40Bとを含む。
カム軸31は、複数のカム32,33を有しており、この複数のカム32,33と共にハウジング20の内部空間22に回転可能に収納されている。カム軸31の軸線31aは、内部空間22の中心22aに合致している。複数のカム32,33は、カム軸31から径外方へ突出している。以下、複数のカム32,33の一方のことを適宜「第1カム32」といい、他方のことを適宜「第2カム33」という。なお、複数のカム32,33は、カム軸31が回転したときに、各カム32,33の頂部と弁棒73A,73Bとが当接することによって、カム軸31の軸線31aとの距離が変化するものであればよい。本実施例においては、複数のカム32,33は、カム軸31から径外方へ突出している。
カム軸31の両端部は、軸受34A,34Bによって回転可能にハウジング20に支持されるとともに、シール部材35A,35Bによってシールされている。軸受34A,34Bとシール部材35A,35Bは、隔壁23A,23Bに組み込まれている。さらに、カム軸31の一端部は、アクチュエータ36の駆動軸に連結されている。このアクチュエータ36は、図示せぬ制御部の制御信号を受けて、カム軸31を回転制御する。このアクチュエータ36は、一方の隔壁23Aに固定されており、例えば電動モータによって構成される。なお、カム軸31は、軸受34A,34Bによって2点で支持される構成に限定されるものではなく、1点で支持される構成であってもよい。
前記複数の弁ユニット40A,40Bは、複数のカム32,33により個別に駆動されて、複数の排出口25,26を個別に開閉することが可能である。
以下、複数の弁ユニット40A,40Bの一方のことを適宜「第1弁ユニット40A」といい、他方のことを適宜「第2弁ユニット40B」という。第1弁ユニット40Aは第1排出口25に対応しており、第1カム32によって駆動される。第2弁ユニット40Bは第2排出口26に対応しており、第2カム33によって駆動される。この複数の弁ユニット40A,40Bは、複数の弁箱41A,41Bと複数の弁座61A,61Bと複数の弁体71A,71Bと複数の付勢部材81A,81Bとを含む。つまり、第1弁ユニット40Aは、1つの弁箱41Aと1つの弁座61Aと1つの弁体71Aと1つの付勢部材81Aとを含む。第2弁ユニット40Bは、1つの弁箱41Bと1つの弁座61Bと1つの弁体71Bと1つの付勢部材81Bとを含む。
第1弁ユニット40Aと第2弁ユニット40Bとは、互いに同じ構成である。但し、第1弁ユニット40Aと第2弁ユニット40Bの大きさは、第1排出口25と第2排出口26の各口径に合わせて異なってもよい。
第1弁ユニット40Aにおいて、第1排出口25と弁箱41Aと弁座61Aと弁体71Aと付勢部材81Aとは、カム軸31の軸線31aに直交する、同一の線上に位置している。第2弁ユニット40Bにおいて、第2排出口26と弁箱41Bと弁座61Bと弁体71Bと付勢部材81Bとは、カム軸31の軸線31aに直交する、同一の線上に位置している。この第1及び第2弁ユニット40A,40Bは、複数の弁座61A,61Bに対して複数の弁体71A,71Bを垂直方向に接離することにより開閉する、いわゆるグローブバルブに似た構成である。
以下、第1弁ユニット40Aを代表して詳細な構成を説明する。第2弁ユニット40Bについては、第1弁ユニット40Aと同じ構成なので、説明を省略する。なお、第1弁ユニット40Aを構成する各部材(各要素)には、数字の後にアルファベット「A」を付している(例;41A、49Aa)。同様に、第2弁ユニット40Bを構成する各部材(各要素)には、第1弁ユニット40Aを構成する各部材(各要素)と同じ数字の後にアルファベット「B」を付している(例;41Aに対して41B、49Aaに対して49Ba)。
図2及び図3に示されるように、第1弁ユニット40Aの弁箱41は、ハウジング20に設けられて、このハウジング20の内部22(内部空間22)と第1排出口25とを連通している。詳しく述べると、弁箱41Aは、弁箱本体42Aとリッド43Aとからなる。
弁箱本体42Aは、ハウジング20の周壁21から径外方へ膨出した有底円筒状の構成であり、先端面が開放されている。この弁箱本体42Aは、平面状の平坦な底44Aと、この底44Aを周縁から起立した円筒状の周壁部45Aとからなる。
この弁箱本体42Aの開放端面は、リッド43Aによって塞がれている。このリッド43Aは、弁箱本体42Aに対して取り付けられている。第1排出口25は、リッド43Aに設けられることにより、弁箱41Aに連通している。このリッド43Aは、大筒部46Aと、この大筒部46Aの先端に連なり大筒部46Aよりも小径の小筒部47Aと、この小筒部47Aの先端を閉鎖する平板状の平板部48Aとからなる、一体成型品である。第1排出口25と大筒部46Aと小筒部47Aとは、同心上に位置している。
大筒部46Aは、弁箱本体42Aの周壁部45Aを囲む円筒状の部分である。小筒部47Aは、周壁部45Aに対してほぼ同径の円筒状の部分であって、弁箱本体42Aの周壁部45Aの先端に位置している。第1排出口25は円筒状の部材であって、平板部48Aを貫通して、小筒部47Aの中を、弁箱本体42Aの周壁部45Aの先端近傍まで延びている。第1排出口25のなかの、小筒部47Aの中へ延びた部分のことを、内筒部49Aという。
図4も参照して、リッド43Aの説明をする。図4(a)は、リッド43Aを弁箱本体42A側から見た斜視図である。図4(b)は、リッド43Aと付勢部材81Aとを弁箱本体42A側から見た斜視図である。内筒部49Aの先端面49Aaは、付勢部材81Aの一端を支持している。この内筒部49Aは、径方向に貫通した複数のスリット49Abを有する。この複数のスリット49Abは、内筒部49Aの周方向に均等に配置されており、内筒部49Aの内部と小筒部47Aの内部とを連通している。大筒部46A内の流体は、小筒部47Aから複数のスリット49Abを通り、内筒部49A内を介して第1排出口25へ流れることが可能である。小筒部47Aと複数のスリット49Abとの組み合わせ構造のことを、以下、「バイパス流路51A」という。このように、弁箱41A内には、付勢部材81Aの中を通過可能な流路の他に、付勢部材81Aを迂回して第1排出口25に連通したバイパス流路51Aを有している。
図2及び図3に示されるように、弁箱41Aの内部52A、つまり、弁箱本体42Aとリッド43Aとによって囲まれた内部空間52Aには、弁座61Aと弁体71Aと付勢部材81Aとが収納されている。より詳しく述べると、弁箱本体42Aの底44Aには、1つの弁棒支持孔53Aと、複数の連通孔54A,54Aと弁座61Aとが一体に形成されてなる。弁棒支持孔53Aと複数の連通孔54A,54Aとは、ハウジング20の周壁21を貫通している。弁棒支持孔53Aは、弁箱本体42Aの底44Aの中央からカム軸31の軸線31aへ向かって貫通した断面真円状の貫通孔である。弁棒支持孔53Aの中心線53Aaは、カム軸31の軸線31aに対して直交している。複数の連通孔54A,54Aは、弁棒支持孔53Aの周囲を囲うように位置し、ハウジング20と弁箱41Aとを連通している。
さらに、弁箱41Aの内周面45Aa(周壁部45Aの内周面45Aa)には、弁体71Aを開閉方向に案内する、複数のガイド55Aが設けられている。詳しく述べると、複数のガイド55Aは、弁棒支持孔53Aの中心線53Aaに沿って細長いバーによって構成されており、周壁部45Aの内周面45Aaに対して、周方向に等ピッチに配置されている。
この複数のガイド55Aは、複数の長いガイド55Aaと複数の短いガイド55Abとの組み合わせからなる。長いガイド55Aaと短いガイド55Abとは、周壁部45Aの周方向に交互に配列されている。長いガイド55Aaは、弁箱本体42Aの底44Aから先端まで延びている。短いガイド55Abは、弁箱本体42Aの底44Aから途中まで延びている。このように、複数のガイド55Aの一部55Ab(短いガイド55Ab)は、弁座61Aを基準とした弁体71Aの開き方向の長さL1が、他のガイド55Aa(長いガイド55Aa)の長さL2に対して短く設定されている。
複数のガイド55Aによって、弁体71Aを開閉方向に案内することにより、弁体71Aの開閉動作を、より円滑にすることができる。しかも、複数のガイド55Aの一部55Ab(短いガイド55Ab)を短くすることにより、弁箱41Aの内部52Aの流路の面積を確保して、圧力損失を抑制することができる。
図2に示されるように、弁箱本体42Aの周壁部45Aと、リッド43Aの大筒部46Aとの間には、全周にわたって若干の隙間56Aを有している。この隙間56Aは、バリ溜まりとして用いることができる。
図2及び図3に示されるように、前記弁座61Aは、複数の連通孔54A,54Aの周囲を囲うように位置することによって、弁箱41Aの内部52Aに位置するとともに、ハウジング20に対して反対側(第1排出口25側)を向いている。このように、弁座61Aは弁箱41Aに設けられている。この弁座61Aは、カム軸31の軸線31aに対して平行に位置、つまり弁棒支持孔53Aの中心線53Aaに対して直交しており、しかも、この中心線53Aaを基準とした真円状の平坦な環状面の構成である。
図2及び図3に示されるように、前記弁体71Aは、弁座61Aに密着させて流体の流れを遮断することが可能な部材である。この弁体71Aは、第1カム32の位相の変位に従い、弁座61Aに対して直角方向(弁棒支持孔53Aの中心線53Aaに沿う方向)へ変位可能に弁箱41Aに収納されている。つまり、この弁体71Aは、カム軸31の軸線31aから離間する方向に変位可能である。詳しく述べると、この弁体71Aは円盤状の部材である。弁体71Aのなかの、弁座61Aに対向する面72Aは、弁座61Aの面に沿ったシール面である。以下、弁座61Aに対向する面72Aのことを、適宜「シール面72A」という。
この弁体71Aは、第1カム32によって個別に駆動可能な弁棒73Aを有する。この弁棒73Aは、弁体71Aの径方向中心に位置して、シール面72Aからカム軸31の近傍まで延びた丸棒であり、弁棒支持孔53Aにスライド可能に嵌合されている。この結果、弁棒73Aは、ハウジング20及び弁箱41Aに、スライド可能に支持され且つ径方向への位置ズレを規制されている。
図2に示されるように、弁棒73Aの先端73Aaの位置は、弁体71Aが閉鎖位置に位置したときに、対応する第1カム32のカム面32aに対して非接触となる位置に設定されている。つまり、弁体71Aが閉鎖位置に位置したとき、弁棒73Aの先端73Aaとカム面32aとの間には隙間を有する。
弁棒73Aは第1カム32によって個別に駆動される。このため、第1弁ユニット40Aのうち、弁棒73Aだけがハウジング20の中に位置すればよいので、ハウジング20の径を小さくすることができる。加えて、弁体71Aが閉鎖位置に位置したときに、弁棒73Aの先端73Aaは対応する第1カム32のカム面32aに対して、非接触となる。つまり、弁体71Aが閉鎖状態のときには、第1カム32によって弁棒73Aを駆動しないので、その分、カム軸31のトルクを低減することができる。
図2に示されるように、前記付勢部材81Aは、弁座61Aに対して弁体71Aを閉じる方向へ付勢する。弁体71Aは、付勢部材81Aの付勢力のみにより、弁座61Aに対する閉鎖状態を保持されている。この付勢部材81Aは、弁箱41Aの内部に位置しており、例えば圧縮コイルばねやウェイブスプリングによって構成されている。
弁体71Aは、弁箱41Aの内部に位置した付勢部材81Aの付勢力のみにより、弁座61Aに対する閉鎖状態を保持されている。第1カム32は、弁体71Aを開くときだけ、この弁体71Aを駆動する。つまり、第1カム32は、付勢部材81Aの付勢力に抗して、弁体71Aを、弁座61Aに対して開く方向へのみ駆動可能なカム面32aを有している。
このように、弁機構30は、第1カム32によって弁体71Aを弁座61Aに押し付けない構成なので、各部の位置合わせが容易である。しかも、閉鎖状態のときに弁座61Aと弁体71Aとの間をシールするための弾性を有したシール部材を設けなくても、流体制御弁装置10を採用するシステムの性能に影響しない程度に、シール性能を確保することができる。例えば、流体制御弁装置10をエンジン冷却システム100(図7参照)に採用した場合には、このシステム100の暖機性能に影響しない程度にシール性能を確保することができる。
さらには、付勢部材81Aは、弁箱41Aの内部に位置している。このため、付勢部材81Aを保持する部材を、別個に設ける必要がない。第1弁ユニット40Aの部品数が少なくて済む。しかも、付勢部材81Aをハウジング20の中に設ける必要がないので、その分、ハウジング20の径を小さくすることができる。
ここで、弁体71Aと付勢部材81Aの関係について、さらに詳しく説明する。図5(a)は、弁体71Aに付勢部材81Aを組み付けた構成を示している。図5(b)は、弁体71Aから付勢部材81Aを外した構成を示している。
図2、図5(a)及び図5(b)に示されるように、弁体71Aは、弁座61Aとは反対側の面74Aに、付勢部材81Aを受ける受け凹部75Aを有する。この受け凹部75Aは、付勢部材81Aを受ける底面75Aaと、付勢部材81Aの一端部の外周囲を囲う内周面75Abと、からなる。受け凹部75Aに付勢部材81Aの一端部を嵌め込むことによって、弁体71Aに対する付勢部材81Aの位置ズレを防止することができる。
一般に、この底面75Aaと内周面75Abとのコーナには、製作上の小さい丸み(いわゆる、コーナーアール)が発生し得る。これに対し、本発明では、この底面75Aaと内周面75Abとのコーナには、このコーナに沿って全周にわたり、溝76Aが形成されてなる。この溝76Aは、例えば底面75Aaに形成される。溝76Aを有することにより、受け凹部75Aに対して、付勢部材81Aの一端部をほぼ隙間無く嵌め込むことができる。つまり、内周面75Abと付勢部材81Aとの間の隙間を小さくすることができるので、両者間のガタツキを防止することができる。弁体71Aに対して、付勢部材81Aを精度よく組み付けることができる。
なお、図1に示される第2弁ユニット40Bの、弁体71Bと付勢部材81Bの関係についても同様である。つまり、第2弁ユニット40Bについては、図5(a)及び図5(b)において符号「71A」を符号「71B」、「72A」を「72B」、「74A」を「74B」、「75A」を「75B」、「75Aa」を「75Ba」、「75Ab」を「75Bb」、「76A」を「76B」、「81A」を「81B」と、それぞれ読み替えればよい。
次に、上記構成の流体制御弁装置10の作用を説明する。図1及び図2に示されるように、今、第1弁ユニット40Aと第2弁ユニット40Bの両方が閉鎖状態にある。その後、カム軸31が回転することにより、第1カム32が第1弁ユニット40Aの弁棒73Aを押し出す。第1弁ユニット40Aの弁体71Aは、付勢部材81Aの付勢力に抗して弁座61Aから離れる。その結果を図6に示す。
図6に示されるように、カム面32aの変位に従って、このカム面32aと弁棒73Aとが接し、弁体71Aがカム軸31の軸線31aから離間する方向に押し上げられることで、弁座61Aに対する弁体71Aのリフト量が変化する。この結果、流体の流量を制御することができる。流入口24(図1参照)からハウジング20の内部22へ流入した流体は、ハウジング20から連通孔54A,54Aを通って弁箱41Aの内部52Aに入る。つまり、流体は弁座61Aと弁体71Aとの間から、弁体71Aの外周を通った後に、2系統に分かれて第1排出口25へ流れる。第1の系統は、付勢部材81Aの線の間の隙間を通過して、第1排出口25へ流れる、いわゆる主流路である。第2の系統は、付勢部材81Aの周りを通り、バイパス流路51Aを通って第1排出口25へ流れる副流路である。2系統を流れた流体は、第1排出口25に集まって、外部に排出される。
このように、弁箱41Aの中には、付勢部材81Aを迂回して第1排出口25に連通したバイパス流路51Aを有している。このため、弁体71Aが開いた状態のときに、流体は付勢部材81Aを通ることなく、バイパス流路51Aを通って第1排出口25へ流れることができる。例え、付勢部材81Aが圧縮されて縮むことにより、線の間の隙間が小さくなっても、流体の流れを付勢部材81Aによって妨げられることはない。弁箱41Aの中を流れる流体の圧力損失を、極力低減することができる。
次に、上記構成の流体制御弁装置10の使用例を説明する。図7に示されるように、流体制御弁装置10は乗用車等の車両のエンジン冷却システム100に用いられて、冷却水の流れを制御する。このエンジン冷却システム100は、エンジン101を冷却する冷却水をウォーターポンプ102によって循環する冷却水循環ラインを有する。
エンジン101の水冷ジャケットから排出された冷却水は、流体制御弁装置10の流入口24へ流入する。流体制御弁装置10の第1排出口25から排出された冷却水は、ラジエータ103を通ってウォーターポンプ102の吸入口へ流れる。流体制御弁装置10の第2排出口26から排出された冷却水は、ヒーターコアやヒートエクスチェンジャー等の各種の熱交換用のデバイス104を通ってウォーターポンプ102の吸入口へ流れる。ウォーターポンプ102の吐出口から吐出された冷却水は、エンジン101の水冷ジャケットに戻る。
以上の内容をまとめると、次のとおりである。図1及び図2に示されるように、弁機構30は、複数の排出口25,26を個別に開閉可能な複数の弁ユニット40A,40Bを、複数のカム32,33を有したカム軸31によって個別に開閉駆動する、カム駆動式弁機構である。このカム駆動式弁機構によれば、カム軸31の回転運動を、カム軸31の軸線31aに対して直角方向への直線運動に変換して複数の弁ユニット40A,40Bを開閉することができる。
第1弁ユニット40Aにおいて、弁座61Aは、カム軸31の軸線31aに対して平行に位置し、弁箱41Aに設けられている。弁体71Aは、弁座61Aに対して直角方向、つまりカム軸31の軸線31aに対して直角方向へ変位可能である。第1弁ユニット40Aは、付勢部材81Aによって閉鎖状態に付勢されている弁体71Aを、第1カム32の位相が変化することによって、全開まで開くことができる。
このように、弁座61Aに対して、弁体71Aを直角方向へ直線運動させることにより、第1弁ユニット40Aを開閉することができる。弁座61Aに対して、弁体71Aを摺動することなく開閉できるので、弁座61Aと弁体71Aの摩耗を極力防止することができる。摩耗を防止することによって、弁座61Aと弁体71Aとの間のシール性能を、維持することができる。この結果、第1排出口25から排出される流体の流量を、流体制御弁装置10によって正確に制御することができる。
同様に、第2弁ユニット40Bにおいて、弁座61Bは、カム軸31の軸線31aに対して平行に位置し、弁箱41Bに設けられている。弁体71Bは、弁座61Bに対して直角方向、つまりカム軸31の軸線31aに対して直角方向へ変位可能である。第2弁ユニット40Bは、付勢部材81Bによって閉鎖状態に付勢されている弁体71Bを、第2カム33の位相が変化することによって、全開まで開くことができる。
このように、弁座61Bに対して、弁体71Bを直角方向へ直線運動させることにより、第2弁ユニット40Bを開閉することができる。弁座61Bに対して、弁体71Bを摺動することなく開閉できるので、弁座61Bと弁体71Bの摩耗を極力防止することができる。摩耗を防止することによって、弁座61Bと弁体71Bとの間のシール性能を、維持することができる。この結果、第2排出口26から排出される流体の流量を、流体制御弁装置10によって正確に制御することができる。
さらには、1つのカム軸31によって、複数の弁ユニット40A,40Bを個別に制御することができるので、各弁ユニット40A,40Bから流れる流量を個別に高精度に調節することができる。特に、複数の弁ユニット40A,40Bは、概ねグローブバルブに類似した構成であるから、ロータリ式制御弁に比べて固有流量特性に優れており、リニア特性に近づけることも可能である。しかも、この複数の弁ユニット40A,40Bを駆動する駆動機構を簡単な構成にすることができる。加えて、ロータリ式制御弁のように、ハウジング20の中に筒状の弁体や半球状の弁体が、回転可能に収納されていないので、その分、ハウジング20の径を小さくすることができる。このため、ロータリ式制御弁に比べて駆動トルクを低減することができる。
さらには、第1弁ユニット40Aにおいて、付勢部材81Aは、弁座61Aに対して弁体71Aを閉じる方向へ付勢している。このため、ハウジング20内の内圧が過大に急増したときには、弁体71Aは、第1カム32の位相の変位に従うことなく、付勢部材81Aの付勢力に抗して開く、いわゆるフェールセーフ作用を果たすことができる。つまり、第1弁ユニット40Aは、リリーフ弁を兼ねることができる。この結果、内圧の過大な上昇を防止することができる。しかも、上述のように、弁座61Aと弁体71Aの摩耗を極力防止することができるので、リリーフ弁のリリーフ圧を一定に維持することができる。
同様に、第2弁ユニット40Bにおいて、付勢部材81Bは、弁座61Bに対して弁体71Bを閉じる方向へ付勢している。このため、ハウジング20内の内圧が過大に急増したときには、弁体71Bは、第2カム33の位相の変位に従うことなく、付勢部材81Bの付勢力に抗して開く、いわゆるフェールセーフ作用を果たすことができる。つまり、第2弁ユニット40Bは、リリーフ弁を兼ねることができる。この結果、内圧の過大な上昇を防止することができる。しかも、上述のように、弁座61Bと弁体71Bの摩耗を極力防止することができるので、リリーフ弁のリリーフ圧を一定に維持することができる。
上述のように、第1弁ユニット40Aにおいて、弁体71Aは、個別の付勢部材81Aによって、閉鎖状態に付勢されている。このため、付勢部材81Aの付勢力を個別に設定することにより、第1弁ユニット40Aの開き始めるタイミングを、第1排出口25に接続されている外部機器に応じて、最適に設定することができる。
同様に、第2弁ユニット40Bにおいて、弁体71Bは、付勢部材81Bによって、閉鎖状態に付勢されている。このため、付勢部材81Bの付勢力を設定することにより、第2弁ユニット40Bの開き始めるタイミングを、第2排出口26に接続されている外部機器に応じて、最適に設定することができる。
なお、複数の付勢部材81A,81Bの付勢力をすべて同じとし、複数の弁体71A,71Bの面積を変える(すなわち、水圧の作用する面積を変える)ことで、複数の弁ユニット40A,40Bの開き始めるタイミングを設定することもできる。
例えば、図1及び図7に示されるように、流体制御弁装置10をエンジン冷却システム100に採用した場合には、ラジエータ103のように暖機性能に影響する流路を制御する第1弁ユニット40Aを、暖機性能に影響が少ない流路を制御する第2弁ユニット40Bよりも遅く開くように、複数の付勢部材81A,81B(図1参照)の付勢力を個別に設定することができる。
従って、複数の弁ユニット40A,40Bが閉鎖状態、または微少に開口した状態のような圧力損失が大きい状態において、エンジン101の急激な回転数の増大により、ハウジング20内の内圧が過大に急増しても、複数の弁ユニット40A,40Bは、暖機性能への影響を抑制したフェールセーフ作用を果たすことができる。
ここで、弁座61Aと弁体71Aとの間や、弁座61Bと弁体71Bとの間の、シール部材の有無は任意である。例えば、弁座61Aと弁体71Aとの間や、弁座61Bと弁体71Bとの間からの、流体の漏れ量が、暖機性能に影響しない程度であれば、シール部材を設けなくても許容できる。この結果、部品数を削減することができる。
なお、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
複数の弁ユニット40A,40Bは、少なくとも2つあればよく、外部機器の数量に応じて増やすことができる。
複数の弁ユニット40A,40Bの大きさは、複数の排出口25,26の大きさに応じて、適宜設定することができる。
複数の弁座61A,61B及び複数の弁体71A,71Bの各形状は、互いに密閉可能な形状であればよい。
流体制御弁装置10には、複数の弁ユニット40A,40Bのなかの少なくとも1つが、本実施例の構成であるものを含む。
カム軸31に有している複数のカム32,33は、1つに集約された構成であってもよい。
本発明の流体制御弁装置10は、エンジン冷却システムに適用するのに好適である。
10 流体制御弁装置
20 ハウジング
21 周壁
22 ハウジングの内部(内部空間)
24 流入口
25 第1排出口
26 第2排出口
30 弁機構
31 カム軸
31a カム軸の軸線
32 第1カム
32a カム面
33 第2カム
40A 第1弁ユニット
40B 第2弁ユニット
41A,41B 弁箱
45Aa,45Ba 弁箱の内周面(弁箱本体の内周面)
51A,51B バイパス流路
55A,55B ガイド
55Aa,55Ba 長いガイド
55Ab,55Bb ガイドの一部(短いガイド)
61A,61B 弁座
71A,71B 弁体
73A,73B 弁棒
73Aa,73Ba 先端
74A,74B 弁座とは反対側の面
75A,75B 受け凹部
75Aa,75Ba 底面
75Ab,75Ba 内周面
76A,75B 溝
81A,81B 付勢部材
L1 ガイドの一部の長さ
L2 他のガイドの長さ

Claims (6)

  1. 1つの流入口と複数の排出口とを有しているハウジングと、前記複数の排出口を個別に開閉可能な弁機構とを含む流体制御弁装置において、
    前記弁機構は、前記ハウジングに回転可能に収納されており1つまたは複数のカムを有したカム軸と、1つまたは複数の前記カムにより個別に駆動されて1つまたは複数の前記排出口を個別に開閉可能な1つまたは複数の弁ユニットと、を含み、
    少なくとも1つの前記弁ユニットには、
    前記ハウジングに設けられて、このハウジングの内部と前記排出口とを連通している弁箱と、
    この弁箱に設けられた弁座と、
    前記カムの位相の変位に従い、前記カム軸の軸線から離間する方向に変位可能であるよう前記弁箱に収納された弁体と、
    前記弁座に対して前記弁体を閉じる方向へ付勢する付勢部材とを、含むことを特徴とする流体制御弁装置。
  2. 前記弁座は、前記弁箱の内部に位置するとともに、前記ハウジングに対して反対側を向いており、
    前記弁体は、前記付勢部材の付勢力のみにより、前記弁座に対する閉鎖状態を保持されており、
    前記カムは、前記付勢部材の付勢力に抗して、前記弁体を、前記弁座に対して開く方向へ駆動可能なカム面を有していることを特徴とする請求項1記載の流体制御弁装置。
  3. 前記弁体は、前記カムによって個別に駆動可能な弁棒を有し、
    この弁棒の先端の位置は、前記弁体が閉鎖位置に位置したときに、対応する前記カムのカム面に対して非接触となる位置に設定されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の流体制御弁装置。
  4. 前記弁箱の内周面には、前記弁体を開閉方向に案内する、複数のガイドが設けられており、
    この複数のガイドの一部は、前記弁座を基準とした前記弁体の開き方向の長さが、他のガイドに対して短く設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の流体制御弁装置。
  5. 前記弁座と、前記弁体と、前記付勢部材と、前記排出口とは、同一線上に位置しており、
    前記弁箱の中には、前記付勢部材を迂回して前記排出口に連通したバイパス流路を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の流体制御弁装置。
  6. 前記弁体は、前記弁座とは反対側の面に、前記付勢部材を受ける受け凹部を有し、
    この受け凹部は、それぞれ、前記付勢部材を受ける底面と、前記付勢部材の一端部の外周囲を囲う内周面と、からなり、
    この底面と内周面とのコーナには、このコーナに沿って全周にわたり、溝が形成されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の流体制御弁装置。
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