JP2019078357A - ボールジョイント - Google Patents

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裕明 伊藤
有弘 大杉
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有弘 大杉
恵一朗 鈴木
Keiichiro Suzuki
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Abstract

【課題】大型化及びコスト増を抑制しつつ、軸方向と交差する方向の振動を効果的に吸収できるボールジョイントを提供する。【解決手段】ボール部21の外周面24の一部と、ボールシート17の摺動面27の一部と、ボールシート17の外周部31の一部と、ソケット18の内室37の一部との少なくともいずれかに非接触部をその対向する位置に対して非接触に形成する。非接触部とその対向する位置との間に、外力によるボールシート17の軸方向と交差する方向の変形を許容する空間部を区画する。大型化及びコスト増を抑制しつつ、ボールシート17の空間部での変形により軸方向と交差する方向の振動を効果的に吸収できる。【選択図】図1

Description

本発明は、ボール部を回動可能に保持したシート部材を受け側部材に収容するボールジョイントに関する。
従来、自動車用の操舵装置には、タイヤと、回転力を直線運動に変換する機構であるラック&ピニオン(R&P)とを連結するタイロッドが用いられる。このタイロッドは、インナーボールジョイント(IBJ)が端部に設けられるラックエンド(R&P側部品)と、アウターボールジョイント(OBJ)が端部に設けられるタイロッドエンド(タイヤ側部品)とから構成され、ラックエンドに設けられたインナーボールジョイントのスタッド部が、タイロッドエンド側と連結されている。
走行の際、車両本体にはタイヤを通じて路面からのノイズ(振動)が加わる。この振動がシャシーを通じて乗員に伝播されると不快感を与えるなどの問題が生じる。特に軸直方向(水平方向)に入力される振動は、操舵装置(タイロッド、ドライブシャフトなど)を通じてステアリングに伝わり、その操作性に大きな影響を与える。
このような振動を吸収するため、例えばアウターボールジョイントのハウジングの内部に収容されるボールシートを、ハウジングに対して弾性的に保持する弾性体を設ける構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
実開平5−22832号公報(第4−5頁、図1)
しかしながら、上記の構成では、別途弾性体を設ける必要があることから、ハウジング内部に弾性体用のスペースを確保する必要があり、ボールジョイントの大型化やコストアップを避けることが容易でない。このため、大型化及びコスト増なく軸直方向の振動をより効果的に吸収できる構成が求められている。そして、このような課題は、自動車用の操舵装置に用いられるボールジョイント以外でも同様に生じる。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、大型化及びコスト増を抑制しつつ、軸方向と交差する方向の振動を効果的に吸収できるボールジョイントを提供することを目的とする。
請求項1記載のボールジョイントは、ボール部を備えたボール側部材と、前記ボール部の外周面を回動可能に保持する保持部を内部に備えた環状のシート部材と、前記ボール部を保持した前記シート部材を収容する内室を備えた受け側部材と、前記ボール部の外周面の一部と、前記シート部材の保持部の一部と、前記シート部材の外周部の一部と、前記受け側部材の内室の一部との少なくともいずれかに形成された非接触部とを具備し、前記非接触部は、その対向する位置に対して非接触に形成され、その対向する位置との間に、外力による前記シート部材の軸方向と交差する方向の変形を許容する空間部を区画しているものである。
請求項2記載のボールジョイントは、請求項1記載のボールジョイントにおいて、非接触部と対向する位置の非接触面積は、ボール部の外周面とシート部材の保持部との接触面積とこのシート部材の外周部と受け側部材の内室との接触面積との総和に対して1/4以上2/3以下に設定されているものである。
請求項3記載のボールジョイントは、請求項1または2記載のボールジョイントにおいて、非接触部は、シート部材の外周部と受け側部材の内室との軸方向一端側の接触端と軸方向他端側の接触端との間の領域に配置されているものである。
請求項4記載のボールジョイントは、請求項1ないし3いずれか一記載のボールジョイントにおいて、非接触部は、ボール部の外周面とシート部材の保持部との軸方向一端側の接触端と軸方向他端側の接触端との間の領域に配置されているものである。
請求項5記載のボールジョイントは、請求項1ないし4いずれか一記載のボールジョイントにおいて、非接触部は、ボール部の赤道位置を含む仮想平面と全周で交差する位置を含んで配置されているものである。
請求項6記載のボールジョイントは、請求項1ないし5いずれか一記載のボールジョイントにおいて、受け側部材は、内室を内部に区画する受け側部材本体部と、この受け側部材本体部の外側面に突設され他部材と連結される軸状のリンク部とを備え、非接触部は、前記リンク部の軸方向延長線上の位置を含んで配置されているものである。
請求項1記載のボールジョイントによれば、ボール部の外周面の一部と、シート部材の保持部の一部と、シート部材の外周部の一部と、受け側部材の内室の一部との少なくともいずれかに非接触部をその対向する位置に対して非接触に形成し、この非接触部とその対向する位置との間に、外力によるシート部材の軸方向と交差する方向の変形を許容する空間部を区画することで、大型化及びコスト増を抑制しつつ、シート部材の空間部での変形により軸方向と交差する方向の振動を効果的に吸収できる。
請求項2記載のボールジョイントによれば、請求項1記載のボールジョイントの効果に加えて、非接触部と対向する位置の非接触面積を、ボール部の外周面とシート部材の保持部との接触面積とこのシート部材の外周部と受け側部材の内室との接触面積との総和に対して1/4以上2/3以下に設定することで、耐久性の低下を抑制しつつシート部材を空間部で適度に撓ませることができる。
請求項3記載のボールジョイントによれば、請求項1または2記載のボールジョイントの効果に加えて、非接触部を、シート部材の外周部と受け側部材の内室との軸方向一端側の接触端と軸方向他端側の接触端との間の領域に配置することで、荷重が入力される位置を含んで非接触部を配置でき、軸方向と交差する方向の振動を吸収する効果を効率よく得ることができる。
請求項4記載のボールジョイントによれば、請求項1ないし3いずれか一記載のボールジョイントの効果に加えて、非接触部を、ボール部の外周面とシート部材の保持部との軸方向一端側の接触端と軸方向他端側の接触端との間の領域に配置することで、荷重が入力される位置を含んで非接触部を配置でき、軸方向と交差する方向の振動を吸収する効果を効率よく得ることができる。
請求項5記載のボールジョイントによれば、請求項1ないし4いずれか一記載のボールジョイントの効果に加えて、非接触部を、ボール部の赤道位置を含む仮想平面と全周で交差する位置を含んで配置することで、荷重が大きく入力される位置を含んで非接触部を配置でき、軸方向と交差する方向の振動を吸収する効果をより効率よく得ることができる。
請求項6記載のボールジョイントによれば、請求項1ないし5いずれか一記載のボールジョイントの効果に加えて、非接触部を、受け側部材本体部の外側面に突設され他部材と連結される軸状のリンク部の軸方向延長線上の位置を含んで配置することで、荷重が大きく入力される位置を含んで非接触部を配置でき、軸方向と交差する方向の振動を吸収する効果をより効率よく得ることができる。
本発明の第1の実施の形態のボールジョイントを示す断面図である。 同上ボールジョイントの受け側部材の一部を示す斜視断面図である。 本発明の第2の実施の形態のボールジョイントを示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態のボールジョイントを示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態のボールジョイントを示す断面図である。
以下、本発明の第1の実施の形態の構成を、図面を参照して説明する。
図1において、11はボールジョイントを示し、このボールジョイント11は、例えば自動車などの車両の操舵装置用のタイロッドとして用いられるものである。タイロッドは、ステアリングの回転力を直線運動に変換する車体側機構(ラック&ピニオン)に接続されるラックエンドと、タイヤ側に接続されるタイロッドエンドとを備えており、本実施の形態のボールジョイント11は、タイロッドエンドに用いられる、いわゆるアウターボールジョイント(OBJ)である。そして、このボールジョイント11は、ボール側部材であるボールスタッド16を備えている。また、このボールジョイント11は、ベアリングシート(シート部材)である環状(略円筒状)のボールシート17を備えている。さらに、このボールジョイント11は、ハウジング(受け側部材)であるソケット18を備えている。そして、このボールジョイント11は、図示しないが、ダストカバーを備えている。なお、以下、図1及び図2中の上側を一端側である上側、下側を他端側である下側として説明する。また、ボールスタッド16の直立状態(中立状態)での長手方向(すなわち図1中の上下方向)を軸方向といい、この軸方向に対して直交する方向を軸直方向(軸直角方向)というものとする。したがって、ボールジョイント11の中心軸とは、ボールスタッド16の直立状態(中立状態)での中心軸と一致(略一致も含む)するものとする。
ボールスタッド16は、例えば鋼鉄製などであり、球状のボール部21と、このボール部21に連結された軸状のスタッド部22とを一体的に備えている。
ボール部21は、接触部である球面状の外周面24の一部がボールシート17に潤滑剤(グリース)を介して摺動(回動)可能に保持されている。そして、このボール部21は、ボールシート17とともにソケット18に収容されている。
スタッド部22は、図示しないタイヤ側のギヤアームやナックルアームなどの被接続部材に接続されて荷重が加わる部分である。このスタッド部22は、ボール部21と同軸状に形成されている。
ボールシート17は、例えば耐摩耗性に優れる合成樹脂製などにより環状(略円筒状)に形成され、ソケット18に嵌着保持されて収容されている。このボールシート17は、例えばポリエステルなどの低弾性材料により形成されていてもよい。このボールシート17は、シート部材本体部としての胴体部25を備えている。また、このボールシート17は、湾曲部26を備えている。さらに、このボールシート17は、ボール部21を回動可能に保持する保持部としての摺動面27を備えている。また、このボールシート17は、開口部28を備えている。そして、このボールシート17は、潤滑剤を収容する潤滑剤収容部29を備えている。
胴体部25は、円筒状に形成されている。この胴体部25の外周部が、ボールシート17の外周部(外周面)31となっている。この胴体部25は、例えば上下両端が開口されている。この胴体部25の上端側の開口は開口部28であり、下端側の開口は潤滑剤収容部29と連通している。
外周部31は、円筒状に形成されており、例えば本実施の形態では表面に凹凸を有することなくソケット18により面保持される部分となっている。
湾曲部26は、胴体部25の内部にてこの胴体部25の下端側に連続して形成されている。この湾曲部26は、ボール部21の形状に沿ってドーム状に形成され、下端側が胴体部25の下端から下方に突出している。なお、この湾曲部26の周囲には、胴体部25との間に、全周に亘って連続する凹部33が形成されていてもよい。
摺動面27は、ボール部21の外周面24に対して接触する、球面状の接触部である。この摺動面27は、ボール部21の外周面24において少なくとも赤道位置Eを含む領域を保持するように形成されている。なお、この摺動面27には、ボール部21の外周面24に対して接触する突起、あるいは、潤滑剤を保持するための溝部や凹部などが形成されていてもよい。ここで、赤道位置Eとは、ボール部21のボールスタッド16の軸方向における最大径位置をいうものとする。
開口部28は、ボールスタッド16のスタッド部22側を外部に導出するものである。
潤滑剤収容部29は、湾曲部26の下端部の中央部に形成され、ボール部21の下部に臨んで位置している。
ソケット18は、有底円筒状(有蓋円筒状)に形成された金属製である。このソケット18は、受け側部材本体部としてのソケット本体部35を備えている。また、このソケット18は、他部材であるラックエンド側と接続される軸状のリンク部36を備えている。そして、このソケット18には、ボール部21を回動可能に保持したボールシート17を収容する収容部である内室37がソケット本体部35の内部に区画されている。また、このソケット18には、内室37とソケット18の外部とを連通するソケット開口部38が上端部に形成されている。さらに、このソケット18には、ダストカバーの下端部を取り付け固定するカバー取付部39が形成されている。
ソケット本体部35は、本実施の形態において、円筒状の本体部である円筒部41と、この円筒部41と別体の閉塞部材であるプラグ42とにより、環状(有底円筒状)に形成されているが、プラグ42を備えずに一体に環状(有底円筒状)に形成されていてもよい。
円筒部41は、内室37の外周部を構成するものである。この円筒部41は、上下両端が開口されている。この円筒部41の上端側の開口はソケット開口部38であり、下端側の開口はプラグ42によって閉塞される。この円筒部41の内部には、ボールシート17の胴体部25が位置している。
プラグ42は、内室37の底部を構成するものである。このプラグ42は、例えば円形板状に形成されている。このプラグ42は、周縁部が固定部であるかしめ部43によって円筒部41に対して固定され、この円筒部41の下端側の開口を閉塞することでボールシート17を内室37から抜け止めしている。このプラグ42の内室37側である上部には、内室37に収容されたボールシート17の胴体部25及び湾曲部26のそれぞれの下端部が当接されている。
かしめ部43は、円筒部41の下端側の周縁を中心側に向かってかしめ変形することにより形成される。
リンク部36は、例えばラックエンド側のボールジョイント(インナーボールジョイント(IBJ))のスタッド部と連結される部分である。このリンク部36は、ソケット本体部35(円筒部41)の外側面から径方向に沿って、すなわちボールジョイント11の軸直方向に沿って突出している。すなわち、このリンク部36の軸(中心軸)ALは、軸直方向に沿っている。本実施の形態において、例えばこの軸ALの延長線上には、ボール部21の中心が位置しているが、ボール部21の中心の位置は軸ALの延長線上に限定されない。また、このリンク部36の先端部には、図示しないが、例えばラックエンド側のボールジョイントのスタッド部に対して連結するための雄ねじ部、あるいは雌ねじ部などが形成されていてもよい。
内室37は、ボールシート17がボール部21とともに収容される空間である。この内室37は、図1及び図2に示すように、円筒面状の周面部45を備えている。また、この内室37には、非接触部46が形成されている。
周面部45は、ソケット本体部35の内周面である。この周面部45は、ボールシート17の外周部31と全面的に接触する接触部である。すなわち、この周面部45は、本実施の形態において、ボールシート17の外周部31に対して上端部から下端部まで全体が接触している。
非接触部46は、ボールシート17の外周部31と対向し、この外周部31に対して離れて位置する部分である。したがって、この非接触部46とボールシート17の外周部31との間には、外力によるボールシート17の軸方向と交差、例えば直交する方向である軸直方向の変形を許容する空間部48が形成されている。すなわち、この空間部48は、ソケット18の内方で、かつ、ボールシート17の外方に形成されている。この非接触部46は、周面部45に対して径方向に凹状に形成されている。また、この非接触部46は、ボールシート17の外周部31とソケット18の内室37との軸方向一端側である上側の接触端と軸方向他端側である下側の接触端との間の周状領域に配置されている。具体的に、この非接触部46は、内室37の軸方向(上下方向)に沿って連続する溝状に形成されている。本実施の形態において、この非接触部46は、内室37の上端部から下端部に亘って形成されている。また、この非接触部46(空間部48)は、ボール部21の赤道位置Eを含む仮想平面PLと交差する位置を含んで形成されている。さらに、この非接触部46(空間部48)は、リンク部36の軸方向延長線上の位置、すなわちリンク部36の上部と下部とをそれぞれ軸方向に沿って延長した領域と重なる位置、本実施の形態では例えば軸ALと重なる位置を含んで形成されている。すなわち、この非接触部46(空間部48)は、内室37のリンク部36側の位置と、その位置に対して中心軸を挟んで反対側の位置との、周方向2箇所に形成されている。各非接触部46の深さ(周面部45に対する窪み量)は、1mm以下、好ましくは0.7mm〜0.8mmに設定されている。
ここで、非接触部46は、その対向する位置の非接触面積、すなわちボールシート17の外周部31におけるソケット18の内室37との非接触面積が、ボール部21の外周面24とボールシート17の摺動面27との接触面積とこのボールシート17の外周部31とソケット18の内室37との接触面積との総和に対して、1/4以上2/3以下、好ましくは3/7前後(1/3〜7/13)となるようにその大きさが設定されている。すなわち、非接触部46と対向する位置であるボールシート17の外周部31におけるソケット18の内室37との非接触面積が、非接触部46を備えない場合のボールシート17のボール部21の外周面24及びソケット18の内室37に対する総接触面積の20%〜40%、好ましくは30%前後(25%〜35%)となるように非接触部46の大きさが設定されている。
カバー取付部39は、ソケット本体部35(円筒部41)の上端側寄りの外周面の全周に、溝状に形成されている。
ダストカバーは、ダストシール、あるいはブーツなどとも呼ばれ、ボールスタッド16の揺動に拘らずソケット18のソケット開口部38を覆い、ソケット18あるいはボールシート17の内部への水分及び塵埃などの侵入を阻止するものである。このダストカバーは、例えば合成樹脂により環状(略円筒状)に形成され、上端側がボールスタッド16のスタッド部22の外周面に固定され、下端側がソケット18のカバー取付部39に嵌着され、この下端側の外周面に取り付けられたリング状の固定部材によりソケット18に対して締め付け固定されている。
次に、上記第1の実施の形態の作用を説明する。
まず、予め成形されたボールシート17に対して開口部28からボールスタッド16のボール部21を圧入し、摺動面27によってボール部21の外周面24を回動可能に保持する。なお、スタッド部22については、ボール部21と一体に成形してもよいし、後からボール部21に溶接などにより連結してもよい。また、潤滑剤は、ボールシート17に圧入するボール部21に塗布してもよいし、後工程でボールシート17内に注入してもよい。
そして、ボール部21を保持したボールシート17を、鍛造あるいは鋳造などにより別途形成したソケット18の円筒部41に対して、ボールスタッド16のスタッド部22をソケット開口部38に挿通しつつ下端側の開口から挿入し、この開口にプラグ42を取り付け、円筒部41の下端側の周縁を中心側へとかしめ変形させることでかしめ部43を形成して、プラグ42を保持してソケット本体部35を構成する。この結果、ボールシート17がボールスタッド16とともに、ソケット18の内室37に回り止めされた状態で固定される。
この状態で、ボールスタッド16のボール部21がボールシート17の摺動面27に接触保持され、ボールシート17の外周部31がソケット18の内室37の周面部45に保持されるとともに、外周部31の一部が非接触部46によって内室37に対して非接触となり、この非接触部46と内室37との間に空間部48が形成される。なお、ボールシート17の下部は、凹部33の位置でソケット本体部35(プラグ42)に対して非接触となっていてもよい。
この後、ダストカバーをボールスタッド16のスタッド部22に対して挿通し、このダストカバーの下端側を固定部材によってカバー取付部39に締め付け固定するとともに、ダストカバーの上端側をボールスタッド16のスタッド部22の外周に固定することにより、ボールジョイント11、及び、このボールジョイント11を備えるタイロッドエンドを完成する。
このように形成したボールジョイント11を備えるタイロッドエンドは、ボールスタッド16のスタッド部22をタイヤ側のギヤアームやナックルアームなどの被接続部材に連結するとともに、ソケット18のリンク部36を図示しないラックエンド側のボールジョイントのスタッド部と連結する。
そして、車両の乗員がステアリングを回動操作すると、このステアリングの回動がラック&ピニオンの作用によりラックエンドの左右の直線運動に変換され、ラックエンドからタイロッドエンド(ボールジョイント11)を介してタイヤが左右に操舵される。ボールジョイント11では、ボールスタッド16がソケット18及びボールシート17に対して回動することで、転舵するときにタイロッドの軸の回転と懸架装置(サスペンション)の上下運動とを吸収する。
このとき、ボールジョイント11のボールスタッド16には、タイヤ及び被接続部材を通じて路面からの振動(ノイズ)が加わる。この振動のうち、特に軸直方向の振動は、ボールシート17が空間部48に変形することによって吸収され、リンク部36からラックエンド側、すなわちドライブシャフトを介してステアリングなどに伝達されにくくなる。
すなわち、上記第1の実施の形態によれば、ソケット18の内室37の一部に、その対向する位置であるボールシート17の外周部31に対して非接触の非接触部46を形成し、この非接触部46とその対向する位置であるボールシート17の外周部31との間に、外力によるボールシート17の軸方向と交差する方向である軸直方向の変形を許容する、換言すれば外力によりボールシート17が軸直方向に充分に撓むことができる空間部48を区画したことで、別途の部材を用いてボールジョイント11(ソケット18など)が大型化したりコスト増となったりすることを抑制しつつ、ボールシート17をソケット18の内室37に確実に保持しながら、空間部48でのボールシート17の撓みによって軸直方向の振動を効果的に吸収できる。
特に、操舵装置のアウターボールジョイントとして用いられるボールジョイント11において、軸直方向の振動を吸収できることで、振動がラックエンド側からステアリングまで伝播されることを抑制でき、乗員への不快感や操舵性への影響を抑制できる。
また、非接触部46と対向する位置であるボールシート17の外周部31のソケット18の内室37に対する非接触面積を、ボール部21の外周面24とボールシート17の摺動面27との接触面積とこのボールシート17の外周部31とソケット18の内室37との接触面積との総和に対して1/4以上2/3以下に設定することで、耐久性の低下を抑制しつつボールシート17を空間部48で適度に撓ませることができる。すなわち、非接触面積が上記の総和に対して1/4未満では、剛性を充分に下げることができないため、ボールシート17を空間部48で撓ませられず、振動吸収の性能を充分に発揮できない。また、非接触面積が上記の総和に対して2/3より大きいとボールシート17の撓みが大きくなりすぎ、さらには応力集中の影響で耐久力の低下が懸念される。そこで、本実施の形態では、非接触面積を上記の総和に対して1/4以上2/3以下、好ましくは3/7前後とすることで、ボールシート17の撓み不足や撓みすぎを抑制できる。
さらに、非接触部46(空間部48)を、ボールシート17の外周部31とソケット18の内室37との軸方向一端側の接触端と軸方向他端側の接触端との間の領域に配置することで、荷重が入力される位置を含んで非接触部46(空間部48)を配置でき、軸方向と交差する方向の振動を吸収する効果を効率よく得ることができる。
特に、非接触部46(空間部48)を、ソケット本体部35の外側面に突設され他部材(ラックエンド)と連結される軸状のリンク部36の軸方向延長線上の位置を含んで配置することで、荷重が特に大きく入力される位置を含んで非接触部46(空間部48)を配置でき、軸方向と交差する方向の振動を吸収する効果をより効率よく得ることができる。
次に、第2の実施の形態を、図3を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態は、上記第1の実施の形態の非接触部46が、ソケット18の内室37の赤道位置Eを含みこの赤道位置Eからスタッド部22側である上側のソケット開口部38側の領域に配置されているものである。
すなわち、この非接触部46(空間部48)は、ボール部21の赤道位置Eを含む仮想平面PLと交差する位置を全周で含んで形成されている。また、この非接触部46(空間部48)は、内室37の全周に亘って連続して形成されている。換言すれば、この非接触部46(空間部48)は、円環状に形成されている。この非接触部46の深さ(周面部45に対する窪み量)は、0.5mm以下、好ましくは0.3mm〜0.4mmに設定されている。
さらに、この非接触部46は、その対向する位置の非接触面積、すなわちボールシート17の外周部31におけるソケット18の内室37との非接触面積が、ボール部21の外周面24とボールシート17の摺動面27との接触面積とこのボールシート17の外周部31とソケット18の内室37との接触面積との総和に対して、1/4以上2/3以下、好ましくは3/7前後(1/3〜7/13)となるようにその大きさが設定されている。すなわち、非接触部46と対向する位置であるボールシート17の外周部31におけるソケット18の内室37との非接触面積が、非接触部46がない場合のボールシート17のボール部21の外周面24及びソケット18の内室37に対する総接触面積の20%〜40%、好ましくは30%前後(25%〜35%)となるように非接触部46の大きさが設定されている。
なお、本実施の形態のように、リンク部36の軸ALの延長線上にボール部21の中心位置がある場合、非接触部46はリンク部36の軸方向延長線上の位置を含んで配置されていてもよい。
そして、ボールジョイント11のボールスタッド16に、タイヤ及び被接続部材を通じて路面からの振動(ノイズ)が加わると、この振動のうち、特に軸直方向の振動が、ボールシート17が空間部48に変形することによって吸収され、リンク部36からラックエンド側、すなわちドライブシャフトを介してステアリングなどに伝達されにくくなる。
このように、ソケット18の内室37の一部に、その対向する位置であるボールシート17の外周部31に対して非接触の非接触部46を形成し、この非接触部46とその対向する位置であるボールシート17の外周部31との間に、外力によるボールシート17の軸方向と交差する方向である軸直方向の変形を許容する、換言すれば外力によりボールシート17が軸直方向に充分に撓むことができる空間部48を区画するなど、上記第1の実施の形態と同様の構成を有することにより、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、非接触部46と対向する位置であるボールシート17の外周部31のソケット18の内室37に対する非接触面積を、ボール部21の外周面24とボールシート17の摺動面27との接触面積とこのボールシート17の外周部31とソケット18の内室37との接触面積との総和に対して1/4以上2/3以下に設定するなど、上記第1の実施の形態と同様の構成を有することにより、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
そして、非接触部46(空間部48)を、ボール部21の赤道位置Eを含む仮想平面PLと全周で交差する位置を含んで、スタッド部22側のソケット開口部38の領域に配置することで、荷重が特に大きく入力される位置を含んで非接触部46(空間部48)を配置でき、軸方向と交差する方向の振動を吸収する効果をより効率よく得ることができる。
また、非接触部46(空間部48)を、ソケット本体部35の外側面に突設され他部材(ラックエンド)と連結される軸状のリンク部36の軸方向延長線上の位置を含んで配置する場合には、荷重が特に大きく入力される位置を含んで非接触部46(空間部48)を配置でき、軸方向と交差する方向の振動を吸収する効果をより効率よく得ることができる。
次に、第3の実施の形態を、図4を参照して説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態は、上記各実施の形態の非接触部46に代えて、ボール部21の外周面24に非接触部51が形成されているものである。
この非接触部51は、ボール部21を軸方向に対して略平行(平行も含む)な面(円筒面)に沿って切り落とした形状となっており、その対向する位置であるボールシート17の球面状の摺動面27に対して非接触に形成されている。また、この非接触部51は、その対向する位置であるボールシート17の摺動面27との間、すなわちボールシート17の内方に、外力によるボールシート17の軸方向と交差、例えば直交する方向である軸直方向の変形を許容する空間部52を区画している。すなわち、空間部52は、ボール部21の外周面24とボールシート17の摺動面27との間に形成されている。
非接触部51は、ボール部21の外周面24とボールシート17の摺動面27との軸方向一端側である上側の接触端と軸方向他端側である下側の接触端との間の周状領域に配置されている。また、この非接触部51は、例えばボール部21の全周に亘って連続する円筒面状に形成されている。すなわち、この非接触部51(空間部52)は、円環状に形成されている。また、この非接触部51は、ボール部21の赤道位置Eを含む仮想平面PLと全周で交差する位置に形成されている。換言すれば、この非接触部51(空間部52)は、ボール部21の外周面24において、赤道位置Eに対して軸方向一端側(上側)から他端側(下側)に亘る帯状の領域に形成されている。さらに、この非接触部51は、リンク部36の軸方向延長線上の位置(軸ALと重なる位置)を含んで形成されている。
また、この非接触部51は、その対向する位置の非接触面積、すなわちボールシート17の摺動面27におけるボール部21の外周面24との非接触面積が、ボール部21の外周面24とボールシート17の摺動面27との接触面積とこのボールシート17の外周部31とソケット18の内室37との接触面積との総和に対して、1/4以上2/3以下、好ましくは3/7前後(1/3〜7/13)となるようにその大きさが設定されている。すなわち、非接触部51と対向する位置であるボールシート17の摺動面27におけるボール部21の外周面24との非接触面積が、非接触部51がない場合のボールシート17のボール部21の外周面24及びソケット18の内室37に対する総接触面積の20%〜40%、好ましくは30%前後(25%〜35%)となるように非接触部51の大きさが設定されている。
そして、ボールジョイント11のボールスタッド16に、タイヤ及び被接続部材を通じて路面からの振動(ノイズ)が加わると、この振動のうち、特に軸直方向の振動が、ボールシート17が空間部52に変形することによって吸収され、リンク部36からラックエンド側、すなわちドライブシャフトを介してステアリングなどに伝達されにくくなる。
このように、ボール部21の外周面24の一部に、その対向する位置であるボールシート17の摺動面27に対して非接触の非接触部51を形成し、この非接触部51とその対向する位置であるボールシート17の摺動面27との間に、外力によるボールシート17の軸方向と交差する方向である軸直方向の変形を許容する、換言すれば外力によりボールシート17が軸直方向に充分に撓むことができる空間部52を区画したことで、ボールジョイント11の大型化及びコスト増を抑制しつつ、ボール部21をボールシート17の摺動面27に回動可能に確実に保持しながら、ボールシート17の空間部52での撓みにより軸方向と交差する方向である軸直方向の振動を効果的に吸収できる。
また、非接触部51と対向する位置であるボールシート17の摺動面27におけるボール部21の外周面24に対する非接触面積を、ボール部21の外周面24とボールシート17の摺動面27との接触面積とこのボールシート17の外周部31とソケット18の内室37との接触面積との総和に対して1/4以上2/3以下に設定するなど、上記各実施の形態と同様の構成を有することにより、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、非接触部51(空間部52)を、ボール部21の外周面24とボールシート17の摺動面27との軸方向一端側の接触端と軸方向他端側の接触端との間の領域に配置することで、荷重が入力される位置を含んで非接触部51(空間部52)を配置でき、軸方向と交差する方向の振動を吸収する効果を効率よく得ることができる。
そして、非接触部51(空間部52)を、ボール部21の赤道位置Eを含む仮想平面PLと全周で交差する位置を含んで、スタッド部22側のソケット開口部38の領域に配置することで、荷重が特に大きく入力される位置を含んで非接触部51(空間部52)を配置でき、軸方向と交差する方向の振動を吸収する効果をより効率よく得ることができる。
同様に、非接触部51(空間部52)を、ソケット本体部35の外側面に突設され他部材(ラックエンド)と連結される軸状のリンク部36の軸方向延長線上の位置を含んで配置することで、荷重が特に大きく入力される位置を含んで非接触部51(空間部52)を配置でき、軸方向と交差する方向の振動を吸収する効果をより効率よく得ることができる。
次に、第4の実施の形態を、図5を参照して説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態は、上記各実施の形態の非接触部46,51に代えて、ボールシート17の内周側である摺動面27に、非接触部としての内周側非接触部54が形成されているとともに、ボールシート17の外周側である外周部31に、非接触部としての外周側非接触部55が形成されている。そして、内周側非接触部54は、その対向する位置であるボール部21の外周面24との間、すなわちボールシート17の内方に、外力によるボールシート17の軸方向と交差、例えば直交する方向である軸直方向の変形を許容する空間部としての内周側空間部57を区画している。同様に、外周側非接触部55は、その対向する位置であるソケット18の内室37との間、すなわちボールシート17の外方に、外力によるボールシート17の軸方向と交差、例えば直交する方向である軸直方向の変形を許容する空間部としての外周側空間部58を区画している。
内周側非接触部54は、ボールシート17の摺動面27に対して径方向に凹状に形成され、その対向する位置であるボール部21の外周面24に対して非接触に形成されている。すなわち、内周側空間部57は、ボール部21の外周面24とボールシート17の摺動面27との間に形成されている。また、内周側非接触部54は、ボール部21の外周面24とボールシート17の摺動面27との軸方向一端側である上側の接触端と軸方向他端側である下側の接触端との間の周状領域に配置されている。さらに、この内周側非接触部54は、例えば摺動面27の全周に亘って連続して形成されている。すなわち、この内周側非接触部54(内周側空間部57)は、円環状に形成されている。また、この内周側非接触部54は、ボール部21の赤道位置Eを含む仮想平面PLと全周で交差する位置に形成されている。換言すれば、この内周側非接触部54(内周側空間部57)は、ボールシート17の摺動面27において、ボール部21の赤道位置Eに対して軸方向一端側(上側)から他端側(下側)に亘る帯状の領域に形成されている。さらに、この内周側非接触部54は、リンク部36の軸方向延長線上の位置(軸ALと重なる位置)を含んで形成されている。
外周側非接触部55は、ボールシート17の外周部31に対して径方向(中心軸方向)に凹状に形成され、その対向する位置であるソケット18の内室37(周面部45)に対して非接触に形成されている。すなわち、外周側空間部58は、ボールシート17の外周部31とソケット18の内室37(周面部45)との間に形成されている。また、外周側非接触部55は、ボールシート17の外周部31とソケット18の内室37(周面部45)との軸方向一端側である上側の接触端と軸方向他端側である下側の接触端との間の周状領域に配置されている。さらに、この外周側非接触部55は、例えば外周部31の全周に亘って連続して形成されている。すなわち、この外周側非接触部55(外周側空間部58)は、円環状に形成されている。また、この外周側非接触部55は、ボール部21の赤道位置Eを含む仮想平面PLと全周で交差する位置に形成されている。換言すれば、この外周側非接触部55(外周側空間部58)は、ボールシート17の外周部31において、ボール部21の赤道位置Eに対して軸方向一端側(上側)から他端側(下側)に亘る帯状の領域に形成されている。さらに、この外周側非接触部55は、リンク部36の軸方向延長線上の位置(軸ALと重なる位置)を含んで形成されている。また、この外周側非接触部55は、例えば内周側非接触部54に対して軸方向に広い領域に亘って形成されている。すなわち、この外周側非接触部55の上端は、内周側非接触部54の上端よりも上方に延び、外周側非接触部55の下端は、内周側非接触部54の下端よりも下方に延びて形成されている。さらに、この外周側非接触部55は、上下両端が、ボールシート17の外周部31の上下両端に対してそれぞれ離れて位置している。すなわち、ボールシート17の外周部31における外周側非接触部55の上下には、ソケット18の内室37(周面部45)と接触する接触部61,62が形成されている。
また、非接触部54,55は、その対向する位置の非接触面積、すなわちボール部21の外周面24におけるボールシート17の摺動面27との非接触面積とソケット18の内室37(周面部45)との非接触面積との総和が、ボール部21の外周面24とボールシート17の摺動面27との接触面積とこのボールシート17の外周部31とソケット18の内室37との接触面積との総和に対して、1/4以上2/3以下、好ましくは3/7前後(1/3〜7/13)となるようにその大きさが設定されている。すなわち、非接触部54,55と対向する位置であるボール部21の外周面24におけるボールシート17の摺動面27との非接触面積とソケット18の内室37(周面部45)との非接触面積との総和が、非接触部54,55がない場合のボールシート17のボール部21の外周面24及びソケット18の内室37に対する総接触面積の20%〜40%、好ましくは30%前後(25%〜35%)となるように非接触部54,55の大きさが設定されている。
そして、ボールジョイント11のボールスタッド16に、タイヤ及び被接続部材を通じて路面からの振動(ノイズ)が加わると、この振動のうち、特に軸直方向の振動が、ボールシート17が空間部57,58に変形することによって吸収され、リンク部36からラックエンド側、すなわちドライブシャフトを介してステアリングなどに伝達されにくくなる。
このように、ボールシート17の摺動面27の一部及びボールシート17の外周部31の一部に、その対向する位置であるボール部21の外周面24及びソケット18の内室37に対して非接触の内周側非接触部54及び外周側非接触部55を形成し、これら非接触部54,55とその対向する位置であるボール部21の外周面24及びソケット18の内室37との間に、外力によるボールシート17の軸方向と交差する方向である軸直方向の変形を許容する、換言すれば外力によりボールシート17が軸直方向に充分に撓むことができる内周側空間部57及び外周側空間部58を区画したことで、ボールジョイント11の大型化及びコスト増を抑制しつつ、ボールシート17をソケット18の内室37に確実に保持し、ボール部21をボールシート17の摺動面27に確実に回動可能に保持しながら、ボールシート17の空間部57,58での撓みにより軸方向と交差する方向である軸直方向の振動を効果的に吸収できる。
また、非接触部54,55と対向する位置であるボール部21の外周面24に対するボールシート17の摺動面27との非接触面積とソケット18の内室37(周面部45)との非接触面積との総和を、ボール部21の外周面24とボールシート17の摺動面27との接触面積とこのボールシート17の外周部31とソケット18の内室37との接触面積との総和に対して1/4以上2/3以下に設定するなど、上記各実施の形態と同様の構成を有することにより、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、非接触部54,55(空間部57,58)を、ボール部21の赤道位置Eを含む仮想平面PLと全周で交差する位置を含んで、スタッド部22側のソケット開口部38の領域に配置することで、荷重が特に大きく入力される位置を含んで非接触部54,55(空間部57,58)を配置でき、軸方向と交差する方向の振動を吸収する効果をより効率よく得ることができる。
同様に、非接触部54,55(空間部57,58)を、ソケット本体部35の外側面に突設され他部材(ラックエンド)と連結される軸状のリンク部36の軸方向延長線上の位置を含んで配置することで、荷重が特に大きく入力される位置を含んで非接触部54,55(空間部57,58)を配置でき、軸方向と交差する方向の振動を吸収する効果をより効率よく得ることができる。
なお、上記第4の実施の形態では、内周側非接触部54(内周側空間部57)と外周側非接触部55(外周側空間部58)とをそれぞれ形成したが、いずれか一方のみとしても、同様の作用効果を奏することができる。
また、外周側非接触部55は、ボールシート17の外周部31において、軸方向に沿って溝状に形成されていてもよい。すなわち、外周側非接触部55は、外周部31の上端部から下端部に亘って形成されていてもよい。換言すれば、外周側非接触部55は、ボールシート17の外周部31におけるリンク部36側の位置と、その位置に対して中心軸を挟んで反対側の位置との、周方向2箇所に形成されていてもよい。この場合、外周側非接触部55は、ソケット本体部35の外側面に突設され他部材(ラックエンド)と連結される軸状のリンク部36の軸方向延長線上の位置を含んで配置することが好ましい。
さらに、上記各実施の形態は、ボールジョイント11の性能を維持する範囲で任意に組み合わせることができる。
また、ボールジョイント11は、車両の操舵装置に限らず、例えば懸架装置や、その他の装置に用いることができる。
そして、上記ボールジョイント11は、車両用に限らず、その他の任意の用途に用いることができる。
本発明は、例えば自動車の操舵装置に備えられるタイロッドのアウターボールジョイントとして好適に用いられる。
11 ボールジョイント
16 ボール側部材であるボールスタッド
17 シート部材であるボールシート
18 受け側部材であるソケット
21 ボール部
24 外周面
27 保持部としての摺動面
31 外周部
35 受け側部材本体部としてのソケット本体部
36 リンク部
37 内室
46,51 非接触部
48,52 空間部
54 非接触部としての内周側非接触部
55 非接触部としての外周側非接触部
57 空間部としての内周側空間部
58 空間部としての外周側空間部
E 赤道位置
PL 仮想平面

Claims (6)

  1. ボール部を備えたボール側部材と、
    前記ボール部の外周面を回動可能に保持する保持部を内部に備えた環状のシート部材と、
    前記ボール部を保持した前記シート部材を収容する内室を備えた受け側部材と、
    前記ボール部の外周面の一部と、前記シート部材の保持部の一部と、前記シート部材の外周部の一部と、前記受け側部材の内室の一部との少なくともいずれかに形成された非接触部とを具備し、
    前記非接触部は、その対向する位置に対して非接触に形成され、その対向する位置との間に、外力による前記シート部材の軸方向と交差する方向の変形を許容する空間部を区画している
    ことを特徴とするボールジョイント。
  2. 非接触部と対向する位置の非接触面積は、ボール部の外周面とシート部材の保持部との接触面積とこのシート部材の外周部と受け側部材の内室との接触面積との総和に対して1/4以上2/3以下に設定されている
    ことを特徴とする請求項1記載のボールジョイント。
  3. 非接触部は、シート部材の外周部と受け側部材の内室との軸方向一端側の接触端と軸方向他端側の接触端との間の領域に配置されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のボールジョイント。
  4. 非接触部は、ボール部の外周面とシート部材の保持部との軸方向一端側の接触端と軸方向他端側の接触端との間の領域に配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のボールジョイント。
  5. 非接触部は、ボール部の赤道位置を含む仮想平面と全周で交差する位置を含んで配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一記載のボールジョイント。
  6. 受け側部材は、
    内室を内部に区画する受け側部材本体部と、
    この受け側部材本体部の外側面に突設され他部材と連結される軸状のリンク部とを備え、
    非接触部は、前記リンク部の軸方向延長線上の位置を含んで配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載のボールジョイント。
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