JP2019075028A - 仮設足場の設計・積算支援システム及び設計・積算方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】仮設足場の図面を作成し且つ足場構成部材の数量を積算し、積算数量及び図面の各データを実質的に同時に出力する。【解決手段】仮設足場の設計・積算支援システム(1)は、三次元CADソフト、積算ソフト及び座標計算ソフトがインストールされたコンピュータ(2)を有する。座標計算ソフトは、三次元座標系における構造物(100)の所定部位の座標を特定する構造物座標特定手段(S2)と、構造物の特定位置を基準点(BP)として設定する基準点設定手段(S2)と、足場構成部材を幾何学的指標によって認識する指標認識手段(S3)と、基準点に対する指標の相対位置を座標計算して足場構成部材の座標を特定する部材座標特定手段(S3)とを有する。【選択図】図12

Description

本発明は、仮設足場の設計・積算支援システム及び設計・積算方法に関するものであり、より詳細には、足場を施工すべき対象の構造物に適応して足場構成部材を適切に配置した図面を作成するとともに、対象構造物に適応して配置された足場構成部材の数量を積算し、しかも、積算数量及び図面の各データを実質的に同時に出力することができる仮設足場の設計・積算支援システム及び設計・積算方法に関するものである。
一般に、仮設足場(以下、「足場」という。)は、建築物、土木構造物、プラント、タンク、橋梁、大規模機械・装置等の工作物又は構造物(以下、「構造物」という。)の構築、補修、点検等の作業のために仮設される簡易な仮設構造体である。足場は、枠組み足場、楔結合式足場、単管足場、吊り足場、先行足場及び移動式足場等に概ね分類される。枠組み足場は、建枠及び金属製布板等を構造物の外周域等に建込むことより構築され、楔結合式足場は、楔結合部を備えた支柱及び横架材等を構造物の外周域等に建込むことにより構築される。単管足場や吊り足場は、建地パイプ、親(おや)パイプ、布パイプ及びころばし(コロバシ)パイプ、手すりパイプ、足場板等の主要資材の他、パイプ同士を緊結又は緊締するジョイント、クランプ等の副資材を使用し、これら多種多様な足場構成部材を任意に組付けて構造物の外周域や、構造物の下側等に構築される。
足場の工事費は、足場を設置すべき構造物の規模、構造、形状や、足場を構築すべき範囲、位置、時期等に相応して相違するので、通常の建設工事においては、足場を構成する部材の数量を足場の施工前に積算し、足場工事の見積書をその都度作成する必要が生じる。
従来、足場の積算業務は、個々の部材の数を丁寧に数えて部材数を計数し且つ集計し、或いは、単位面積当りの部材数を過去の実績等に基づいて大雑把に算出する方法等で実施されていたが、近年においては、コンピュータやクラウドサービス等を利用して迅速且つ簡易に足場構成部材の数量を積算する積算方法が提案されている(特許文献1〜3)。
例えば、特許文献1(特開2016−42242号公報)には、構造物の周囲に足場資材を割付けるための割付部と、割付けられた資材の数量を積算して工事費の見積書を作成する作成部とを備えた仮設足場見積システムが記載されている。このシステムにおいては、ユーザは、構造物の寸法、足場の種類・寸法・位置等の情報をコンピュータにマニュアル入力し、コンピュータは、概略的な足場の図面や、足場構成部材の数量、積算金額等を表示し又は出力する。このような仮設足場見積システムによれば、概略的な図面をコンピュータ上で作成することにより、コンピュータの演算処理能力を利用して足場構成部材の数量を簡易且つ迅速に積算し得ると考えられる。但し、特許文献1に記載された仮設足場見積システムは、仮設足場及び足場構成要素に関し、その形状・寸法・位置等の幾何学的情報をマニュアル入力することを前提としたものであり、この点から明らかなとおり、枠組足場等のように足場の構成単位を定型化又は標準化し易い形式の足場、即ち、足場の概略図面を比較的容易に作成し得る構造の足場を対象としたものであるにすぎない。
また、特許文献2(実用新案登録第3179447号公報)には、足場の構造解析等をコンピュータ上で比較的簡易に行う仮設足場設計支援システムが記載されている。このシステムは、足場構成部材を組付けてなる足場ユニットを予め類型化し、足場全体を各足場ユニットの集合体又は複合体として特定することにより、足場全体を比較的容易に設計し且つ資材数量等を容易に把握し得るように構成されたものである。このようなシステムによれば、各足場ユニットの構造的強度や、構成部材の数量等を予め設定し得るので、その集合体である足場全体の構造解析や、足場構成部材の数量の積算を比較的容易且つ迅速に実施し得るかもしれない。
更に、特許文献3(開2010−168800号公報)には、資材単価データベース及び歩掛データベースを利用し、これらのデータベースに記憶されたデータを利用して足場構成部材の数量、積算金額等を表示し又は出力するとともに、積算結果に基づいて作成したCAD図面を出力するよう構成された仮設足場の資材・工事費等積算システムが記載されている。このシステムによれば、ユーザは、足場の基本条件等をコンピュータ端末に入力し、コンピュータ端末に接続したサーバ(基幹アプリケーションサーバ及び基幹データベースサーバ)は、資材解析処理手段、資材・工事等積算処理手段、資材単価データベース及び歩掛データベース等を使用して足場の資材数量及び工事費等を積算し、ユーザのコンピュータ端末に出力する。また、このシステムでは、サーバは、資材数量に対応した数量の足場構成部材(おやパイプ等)を足場の基本条件等に基づいて配置したCAD図面を生成し、ユーザのコンピュータ端末に出力する。
特開2016−42242号公報 実用新案登録第3179447号公報 特開2010−168800号公報
特許文献1に記載されたシステムは、ユーザが仮設足場及び足場構成要素の種類・寸法・位置等の情報をコンピュータにマニュアル入力することを前提としたものであるので、マニュアル入力を比較的容易になし得る形式の足場(枠組足場等)の積算作業においては比較的容易に利用し得るかもしれないが、多種多様な足場構成部材を任意に組付ける形式の足場、即ち、マニュアル入力に多くの時間及び労力を要する形状・構造の足場(例えば、単管足場、吊り足場等)には容易に適応し難い。
また、特許文献2のシステムでは、予め類型化された足場ユニットの集合体として足場全体を特定する構成を有するので、このような足場ユニットの集合体として設計し難い条件又は構造の足場(単管足場や吊り足場等)には容易に適用し難く、多種多様な寸法・形状を有する現実の構造物に適応する上でも限界がある。
更に、特許文献3のシステムは、仮設資材の積算及びCAD図面の作成をクラウドサーバによって行い、積算作業及びCAD図面をユーザのコンピュータに出力するように構成されているが、このシステムは、労働安全衛生規則の規定等に従って足場構成部材の数量及び配置・間隔等を演算処理するにすぎず、従って、これに基づいて自動作成されたCAD図面は、必ずしも構造物固有の寸法及び形状等に適応した各部材の位置等を表示するものではなく、このため、このCAD図面が構造物の構造・形態に正しく適応したものであるか否かは、不明である。即ち、特許文献3のシステムでは、構造物固有の寸法及び形状等に適応した位置に足場構成部材を配置した図面を作成し難く、構造物の寸法及び形状等に適応して配置された足場構成部材の数量を積算することも困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構造物固有の寸法及び形状等に適応した位置に足場構成部材を配置した図面を作成するとともに、構造物の寸法及び形状等に適応して配置された足場構成部材の数量を積算し、しかも、積算数量及び図面の各データを実質的に同時に出力することができる仮設足場の設計・積算支援システム及び設計・積算方法を提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明は、構造物に仮設される仮設足場を構成する足場構成部材の数量を積算するとともに、前記仮設足場の図面を作成するための仮設足場の設計・積算支援システムにおいて、
仮設足場の図面を作成するための三次元CADソフトと、前記足場構成部材の数量を積算するための積算ソフトと、前記三次元CADソフト及び積算ソフトと連携した座標計算ソフトとがインストールされたコンピュータを有し、
前記座標計算ソフトは、前記コンピュータに入力された前記構造物の幾何学的情報に基づき、三次元座標系における前記構造物の所定部位の座標を特定する構造物座標特定手段と、三次元座標系における前記足場構成部材の座標を特定するために前記構造物の特定位置を基準点として設定する基準点設定手段と、前記足場構成部材を幾何学的指標によって認識する指標認識手段と、前記構造物の幾何学的情報に基づき、前記基準点に対する前記指標の相対位置を座標計算して前記足場構成部材の座標を特定する部材座標特定手段とを有し、
前記三次元CADソフトは、前記構造物の幾何学的情報と、前記基準点の座標と、前記足場構成部材の座標とに基づいて仮設足場の図面データを生成し、
前記積算ソフトは、座標を特定された前記足場構成部材の数量を該足場構成部材の種類毎に集計して前記足場構成部材の数量を積算し、積算データを生成することを特徴とする仮設足場の設計・積算支援システムを提供する。
本発明の上記構成によれば、仮設足場設計・積算支援システムは、三次元CADソフト及び積算ソフトと連携した座標計算ソフトを有する。構造物と三次元座標との幾何学的関係は、三次元座標系において構造物の基準点を設定することにより特定されるので、基準点に対する各足場構成部材の相対座標(従って、構造物と各足場構成部材との相対位置)を特定することにより、三次元座標系における各足場構成部材の座標を特定することができる。
一般に、仮設足場の足場構成部材は、クランプ部材、吊り金具等の如く、比較的複雑な形態、輪郭及び構造を有し、従って、足場構成部材の座標を特定することは困難であると考えられてきたが、本発明においては、足場構成部材は、指標点及び指標軸線(即ち、点と直線)といった単純な幾何学的指標で認識され、足場構成部材の位置は、この幾何学的指標の座標を特定することにより特定される。例えば、単管パイプに緊締又は緊結されるクランプ部材は、各クランプ部の中心点又は荷重の作用点を指標点として認識することにより、複数の指標点からなる比較的単純な幾何学的要素に置換することができ、単管パイプは、例えば、その端面中心点を指標点として認識し、その中心軸線を指標軸線として認識することにより、指標点及び指標軸線からなる比較的単純な幾何学的要素に置換することができ、このような形態等の単純化により、クランプ部材又は単管パイプの座標を比較的容易に座標計算することができる。所望により、指標点として、例えば、重心、接点、最外端位置等を採用し、指標軸線として、主軸、長軸、短軸、強軸、弱軸、接線、対角線等を採用することも可能である。
本発明に係る設計・積算支援システムは、このように足場構成部材を容易に座標計算可能な幾何学的要素に置換した上で、基準点に対する足場構成部材の相対的位置を座標計算ソフトにより座標計算し、これにより、各足場構成部材の配置を特定する。三次元CADソフト及び積算ソフトは、このようにして特定された足場構成部材の配置に基づき、図面データ及び積算データを生成すれば良い。積算ソフトとして、例えば、表計算ソフト又はリレーショナルデータベースソフト等を基本ソフトとして設計された積算用ソフトウエアを好適に使用し得る。
なお、CAD(Computer Aided Design)は、「製品の形状、その他の属性データからなるモデルを、コンピュータの内部に作成し解析・処理することによって進める設計。」(JIS B 3401)を意味する。一般に、三次元CADソフト(ソフトウェア)は、構造物等の形状に係る三次元モデルをコンピュータ内で作成するように機能し、CADデータは、構造物等の形状のデジタルデータである。他方、BIM(Building Information Modeling)や、CIM(Construction Information Modeling)が建築設計、土木設計等の分野において近年殊に普及しつつある(CIMは、BIMと実質的に同義であるので、本明細書において、BIMは、CIMを含むものとする)。BIMソフト(ソフトウェア)は、構造物等の属性情報(形状情報以外の情報)をも含む三次元モデルをBIMモデルとしてコンピュータ内で作成するように機能する。BIMデータは、構造物等の形状に加えて、構造物等の属性情報(仕様、材質、種類等の情報)を含み、所望により、時間軸と関連した情報をも含むデジタルデータである。一般に、BIMソフトは、三次元CADソフトをベースとして設計されるので、BIM対応の三次元CADソフト、或いは、BIMに特化した三次元CADソフトとしてBIMソフトを位置付けることができる。従って、本明細書において、「三次元CADソフト」の用語は、「BIMソフト」を含む用語であるものとする。
好ましくは、上記足場構成部材の幾何学的指標は、各々の足場構成部材の構造に基づいて各部材に設定された複数の指標点の組合せ、或いは、少なくとも一つの指標点と少なくとも一つの指標軸線との組合せである。指標点は、基準点に対する指標点の位置によって特定され、指標軸線は、三次元座標系における指標軸線の方向によって特定される。また、本発明の好適な実施形態においては、上記基準点の座標と、上記座標系の原点とが一致する。
更に好ましくは、設計・積算支援システムは、上記コンピュータに接続されたディスプレイ装置及びプリント装置を含み、ディスプレイ装置及びプリント装置は、上記図面データ及び積算データに基づいて仮設足場の図面及び積算書を画像表示し又はプリント出力する。所望により、設計・積算支援システムは、外部サーバ又は外部コンピュータと通信するための通信手段を有し、通信手段を介して図面データ及び/又は積算データ等を外部サーバ又は外部コンピュータに送信し、或いは、通信手段を介して構造物の幾何学的情報等を外部サーバ又は外部コンピュータから受信する。
他の観点より、本発明は、上記構成の仮設足場設計・積算支援システムを使用した仮設足場の設計・積算方法において、
前記構造物の幾何学的情報と、前記仮設足場の施工範囲とを前記コンピュータの入力部に入力し、
前記コンピュータの演算・制御部によって前記構造物の基準点を設定するとともに、前記基準点に対する前記指標の相対位置を座標計算して前記足場構成部材の座標を特定し、
前記構造物の幾何学的情報と、前記基準点の座標と、前記足場構成部材の座標とに基づいて仮設足場の図面データを生成するとともに、座標を特定された前記足場構成部材の数量を該足場構成部材の種類毎に集計して前記足場構成部材の数量を積算し、積算データを生成することを特徴とする仮設足場の設計・積算方法を提供する。
更に他の観点より、本発明は、構造物に仮設される仮設足場の図面を作成するための三次元CADソフトと、前記仮設足場を構成する足場構成部材の数量を積算するための積算ソフトと、前記三次元CADソフト及び積算ソフトと連携した座標計算ソフトとがインストールされたコンピュータを使用し、足場構成部材の数量を積算するとともに、前記仮設足場の図面を作成する仮設足場の設計・積算方法であって、
前記座標計算ソフトは、前記コンピュータに入力された前記構造物の幾何学的情報に基づき、三次元座標系における前記構造物の所定部位の座標を特定する構造物座標特定手段と、三次元座標系における前記足場構成部材の座標を特定するために前記構造物の特定位置を基準点として設定する基準点設定手段と、前記足場構成部材を幾何学的指標によって認識する指標認識手段と、前記構造物の幾何学的情報に基づき、前記基準点に対する前記指標の相対位置を座標計算して前記足場構成部材の座標を特定する部材座標特定手段とを有し、
前記三次元CADソフトは、前記構造物の幾何学的情報と、前記基準点の座標と、前記足場構成部材の座標とに基づいて仮設足場の図面データを生成し、
前記積算ソフトは、座標を特定された前記足場構成部材の数量を該足場構成部材の種類毎に集計して前記足場構成部材の数量を積算し、積算データを生成することを特徴とする仮設足場の設計・積算方法を提供する。
本発明の好ましい実施形態においては、上記仮設足場は、吊り足場又は単管足場である。所望により、仮設足場の見積データが、上記コンピュータの記憶部に蓄積された歩掛データ及び価格(単価)データを使用して生成される。
本発明の好適な実施形態によれば、上記足場構成部材の幾何学的指標は、各々の足場構成部材の構造に基づいて各部材に設定された複数の指標点の組合せ、或いは、少なくとも一つの指標点と少なくとも一つの指標軸線との組合せである。指標点は、基準点に対する指標点の相対位置によって特定される。指標軸線の位置情報は、その部材の指標点の座標と関連して、三次元座標系における指標軸線の方向によって特定される。
本発明の設計・積算支援システム及び設計・積算方法によれば、構造物の基準点を設定するとともに、各足場構成部材を単純な幾何学的指標として認識し、基準点と幾何学的指標との相対的な位置関係により、足場構成要素の座標を特定することにより、構造物固有の寸法及び形状等に適応した位置に足場構成部材を配置した図面を作成するとともに、構造物に適応して配置された足場構成部材の数量を積算することができる。
また、本発明によれば、各足場構成要素の座標を特定することができるので、積算数量及び図面の各データを実質的に同時に出力することができる。
図1(A)は、本発明に係る仮設足場の設計・積算支援システムの実施形態を概略的に示すシステム構成図である。図1(B)は、仮設足場設計・積算支援システムの機能を概略的に示すブロック図である。 図2(A)及び図2(B)は、吊り足場を仮設したパイプラックの構成を示す正面図及び部分拡大正面図である。 図3は、図2に示すパイプラック及び吊り足場の部分平面図である。 図4は、吊り足場の支持構造を示す吊り足場の縦断面図である。 図5(A)及び図5(B)は、チェーン吊り金具の構造を示す正面図及び側面図である。 図6(A)及び図6(B)は、おやご及びころばしを相互連結するクランプ部材の構造を示す正面図及び側面図である。 図7(A)は、おやご及びころばしを構成する単管パイプを直列に相互連結する継手金具の正面図であり、図7(B)は、おやご同士又はころばし同士を継手金具によって相互連結した状態を示す正面図である。 図8(A)及び図8(B)は、おやご及びころばしを構成する単管パイプの側面図及び端面図(拡大端面図を含む)である。 図9(A)、図9(B)及び図9(C)は、足場板の平面図、側面図及び端面図である。 図10は、仮設足場設計・積算支援システムの初期入力画面を示す模式図である。 図11は、通路の設置方法の選択において指定可能な通路の配置パターンを示す模式図である。 図12は、仮設足場設計・積算支援システムを用いた設計・積算方法を概略的に示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[仮設足場設計・積算支援システムの概要]
図1(A)は、本発明に係る仮設足場の設計・積算支援システムの実施形態を概略的に示すシステム構成図である。図1(B)は、設計・積算支援システムの機能を概略的に示すブロック図である。
図1(A)に示す仮設足場設計・積算支援システム1(以下、「システム1」という。)は、仮設足場の設計・積算を支援すべくフログラムされた専用のソフトウェアをインストールしたPC(パーソナル・コンピュータ)2を有する。PC2は、液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置3、レーザープリンタ等のプリント装置4、通信モデム等の通信機器(図示せず)等を接続される。PC2は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)や、ハードディスク等の記憶装置を内蔵したスタンドアロン形式のデスクトップ型PCである。キーボード5、マウス(図示せず)等のヒューマンインターフェースがPC2に接続される。所望により、PC2として、ノート型PC、タワー型PC等を使用しても良く、また、インターネット回線Iを介してPC2をクラウドサーバ等に接続し、これにより、PC2の負荷を軽減し、多量のデータの共有を可能にし、或いは、演算処理等を高速化することも可能である。なお、システム1の各構成機器(ハードウェア)や、その周辺機器として、市場で入手可能な汎用のOA機器又は通信機器等を使用することができ、また、USBメモリ等の任意の記憶媒体をPC2の記憶装置として使用することも可能である。
図1(B)に示すように、システム1は、設計・積算支援フログラム等を記憶した記憶部と、キーボード5や、マウス(図示せず)等のヒューマンインターフェースを介して設計条件等をマニュアル入力するための入力部と、数量積算及びCAD図面作成等を行う演算・制御部と、積算結果及びCAD図面の数値データ又は図面データ等をディスプレイ装置3に表示させるとともに、プリント装置4に出力する表示・出力部とを有する。記憶部には、仮設足場の資材数量と関連した人工数等の歩掛データ、各仮設資材の単価等の価格データ、過去の実績データ、構造基準及び労働安全衛生規則等に基づく設計支援データなどが蓄積されている。なお、歩掛データは、各資材の単位数量に相応した人工数、工数、運搬・搬送費、工期等のデータであり、価格データは、各資材の単位数量あたり価格(リース料、購入価格等)のデータであり、実績データ及び設計支援データは、各資材の位置等を決定するための経験則、設計基準、構造基準等を座標の特定、資材数量の積算及びCAD図面の作成等の基準として蓄積したデータである。
演算・制御部は、吊り足場10の設計条件等に基づき、設計・積算支援プログラムを作動して足場構成部材又は足場構成要素の配置を決定する。表示・出力部は、積算結果及びCAD図面の数値又は図面データ等をディスプレイ装置3又はプリント装置4に出力する。
上記設計・積算支援プログラムは、BIMに対応した建物設計用の三次元CADソフトと、足場構成部材又は足場構成要素の数量を積算する積算ソフトと、三次元座標系における幾何学的位置等を座標計算する座標計算ソフトとを含む。三次元CADソフトとして、例えば、BIMに特化した建物設計用ソフトであるAutodesk社のRevit(登録商標)等を好適に使用し得る。積算ソフトとして、例えば、米国のマイクロソフト(登録商標)社が開発したExcel(登録商標)等の汎用の表計算ソフトをベースとした積算ソフト等を使用し得る。座標計算ソフトは、三次元CADソフト及び積算ソフトと夫々連携する。所望により、システム1は、通信部を介して演算・制御部を外部機器又はインターネット回線に接続し、クラウドサービス等を利用して演算を実行し、或いは、積算結果及びCAD図面等を遠地のディスプレイ装置等に送信しても良い。
[仮設足場の概要]
本書の冒頭で説明したとおり、仮設足場として、枠組み足場、楔結合式足場、単管足場、吊り足場、先行足場及び移動式足場等の多種多様の足場が知られている。システム1は、足場構成要素又は足場構成部材の寸法・位置等の情報を比較的容易にマニュアル入力し得る形式の足場(枠組足場等)や、予め類型化された足場ユニットの集合体のような定型的な足場の積算業務において使用し得るだけではなく、単管パイプ等の管材や、緊締具又は緊結具(直交クランプ、自在クランプ等の仮設工事用クランプ部材、或いは、吊り金具等)を構造物の外周域、下側領域等の適所に任意に配置することより構築又は設置される形式の足場(吊り足場、単管足場等)の積算業務において好適に使用し得る。即ち、システム1は、この種の従来システムでは容易に積算し得なかった吊り足場、単管足場等の積算業務に使用し得る点において、顕著な優位性を有する。以下、システム1を使用した積算業務の実施形態について、吊り足場の積算業務を例示して説明する。
図2及び図3には、吊り足場10を仮設したパイプラック100が示されている。パイプラック100は、化学プラント、石油プラント、LNGプラント、発電所等のパイプラインを支持するための配管支持用の鋼構造物であり、本例では、吊り足場10を仮設すべき構造物である。図3においては、吊り足場10は、一部のみが図示されているが、パイプラインの全長に相応した全長Lを有する。パイプラック100は、主要構造部として、所定間隔(柱スパン)L1、L2を隔てて配置された支柱101と、支柱101の間に架設された桁行方向及び梁間方向の梁(横架材)102、103とを有する。支柱101は、基礎104を介して地盤面GLの地盤に支持される。所望により、梁102の中間部を架橋する小梁105(破線で示す)が梁103のスパン間に架設される。本例において、支柱101、梁102、103及び小梁105は、いずれもH型鋼からなり、汎用の鉄骨仕口構造により相互接合される。
図2(A)に示す如く、吊り足場10は、おやご11、ころばし12、足場板13、上おこし14、手摺り柱15、中桟16、手摺り17、巾木18等を一体的に組付け又は組立てた構造を有する。図2(B)に示す如く、足場板13は、ころばし12上に敷設され、ころばし12は、おやご11上に配置される。足場板13の天端レベルFLは、梁103の天端レベルBLから高さhdだけ下方に下がった位置に設定される。おやご11の中心軸線は、天端レベルFLから高さheだけ更に下方に位置する。図3に示す如く、おやご11、足場板13及び上おこし14は、桁行方向の梁102と平行に配向され、ころばし12は、梁間方向の梁103と平行に配向される。おやご11は、梁間方向に互いに間隔L3を隔てて等間隔に配置される。
図2及び図3には、桁行方向(長手方向)に延びるパイプラック100の鉛直中心面CPが示されている。パイプラック100は、鉛直中心面CPに対して左右対称の配置及び構造を有し、吊り足場10も又、鉛直中心面CPに対して左右対称の配置及び構造を有する。
図4は、吊り足場10の支持構造を示す縦断面図である。図4において、足場板13、上おこし14、中桟16、手摺り17、巾木18等の図示は、省略されている。
吊り足場10は、多数の吊り金具20及び吊りチェーン21を有する。吊り金具20は、梁102のフランジ部110に固定される。吊りチェーン21の上端部は、吊り金具20に掛けられ、吊りチェーン21の下端部は、おやご11を周回しておやご11を支承する。おやご11は、吊りチェーン21によって梁102から懸吊され、吊り足場10は、全体的にパイプラック10の下側に仮設される。吊り足場10の荷重は、吊りチェーン21を介して梁102に伝達し、パイプラック100によって支持される。
図4に示す如く、ころばし12は、おやご11上に配置され、クランプ部材30によっておやご11に緊締又は緊結される。手摺り柱15も又、同様のクランプ部材31によってころばし12に緊締又は緊結される。本例において、クランプ部材30、31は、直交クランプである。
図5(A)及び図5(B)は、チェーン吊り金具20の構造を示す正面図及び側面図である。チェーン吊金具20のクランプ部は、コの字形の金属製クランプ本体22と、クランプ本体22の上部フランジに螺合した押圧ボルト23とから構成される。押圧ボルト23をクランプ本体22の上部フランジにねじ込み、押圧ボルト23の皿バネ24をフランジ部110の上面に強圧することにより、クランプ本体22の下部フランジと皿ばね24との間に梁102のフランジ部110を挟持し、これにより、クランプ本体22をフランジ部110に固定することができる。
吊り環部26は、開口部を形成する金属製の吊り環本体27と、吊り環本体27をクランプ部22の下部フランジに係留するための支持ボルト28とから構成される。吊りチェーン21(図4)は、吊り環部26の開口部に挿通される。
図6(A)及び図6(B)は、クランプ部材30の構造を示す正面図及び側面図である。クランプ部材30は、おやご11に対して締付けられる第1クランプ部分31と、ころばし12に対して締付けられる第2クランプ部分32とを有する。第1及び第2クランプ部分31、32は、直交方向に配向されており、おやご11及びころばし12の相対位置は、第1及び第2クランプ部分31、32によって互いに直交する方向に固定される。
図7(A)は、おやご11及びころばし12を構成する単管パイプを直列に相互連結する継手金具40の正面図であり、図7(B)は、おやご11同士又はころばし12同士を継手金具40によって相互連結した状態を示す正面図である。
図7(A)に示す如く、継手金具40は、ソケット式の連結具であり、おやご11及びころばし12を構成する単管パイプの端部開口に挿入可能な左右一対の挿入管部分42と、単管パイプと同一の外径を有し、単管パイプの端部に当接する環状の基部41とから構成される。継手金具40は、図7(B)に示す如く、おやご11同士又はころばし12同士を直列に連結する。継手金具40によって連結されたおやご11又はころばし12の全長は、各単管パイプの長さの合計値と、単管パイプの間に介挿された基部41の長さT1との総和である。
図8(A)及び図8(B)は、おやご11及びころばし12を構成する単管パイプの正面図及び端面図である。図8(B)には、単管パイプの端面が拡大した状態で示されている。おやご11及びころばし12は、単管足場等において一般に使用される外径48.6mmの単管パイプからなる。1mから6mまで50cm単位で長さLpを段階的に増大してなる11種の単管パイプが、選択的に使用可能な管材として予め記憶部(図1)に記憶される。任意の長さLpを有する任意の本数の単管パイプを継手金具40によって直列に相互連結することにより、様々な全長を有するおやご11及びころばし12を予め設定することができる。
図9(A)、図9(B)及び図9(C)は、足場板13の平面図、側面図及び端面図である。足場板13は、単管足場等において一般に使用される鋼製足場板からなる。足場板13として、1.0、1.5、2.0、3.0及び4.0mの長さLfを有する5種の鋼製足場板が、選択的に使用可能な足場板13として設定される。但し、これら鋼製足場板の幅Wf及び厚Tfは、いずれも、250mm及び20mmである。任意の長さLfを有する任意の枚数の鋼製足場板を直列に配置するとともに、幅方向に任意の列数をなして鋼製足場板を配置することにより、様々な寸法を有する足場板13の床組又は床板を予め設定することができ、これらの床組又は床板のパターンは、予め記憶部(図1)に記憶される。
[座標系の設定とパイプラックの基準点]
図2及び図3には、吊り足場10を構成する各部材の位置を設定するための基準点BPが示されている。基準点BPは、平面視(図3)において、鉛直中心面CPと、最前列(図3において最も左側の第1支柱列)に架設された梁103の中心線CLとの交点に位置するとともに、正面視(図2)において梁103の天端レベルBLに位置する。
図2及び図3には、三次元座標系の座標軸X:Y:Zが示されている。X軸は、梁102と平行な方向(図3において右方向)に配向され、Y軸は、梁103と平行な方向(図3において上方向)に配向され、Z軸は、鉛直方向(図2において上方向)に配向される。基準点BPの位置は、このXYZ座標系における座標値(X、Y、Z)として特定される。本例においては、基準点BPの位置は、座標値(0、0、0)に設定され、従って、基準点BPは、XYZ座標系の原点OPと一致する。
パイプラック100の全長L及び梁間方向柱スパンL2、或いは、桁行方向及び梁間方向の柱スパンL1、L2及びスパン数を設定することにより、基準点BPが定まり、パイプラック100と三次元座標系との位置関係を特定することができる。
[足場構成部材の座標]
一般に、吊り足場10を構成するチェーン吊り金具、クランプ部材等は、比較的複雑な形状、輪郭及び各部寸法を有する。このため、このような足場構成部材又は足場構成要素(以下、「足場構成部材」という。)の形状、輪郭及び各部寸法等を考慮して足場の図面を自動作成し且つ各足場構成部材の数量を自動積算することは、実務的に困難であると考えられてきた。しかしながら、各足場構成部材を少数又は単数の点又は線で構成される幾何学的要素として認識するとともに、これらの点又は線の組合せ又は集合体として吊り足場10を認識した場合、吊り足場10の構成を単純化し、これを比較的容易に図面化し得るとともに、図面上の構成要素の数量を比較的容易に積算し得ると考えられる。本発明者等は、吊り足場10の各足場構成部材を少なくとも1つの指標点と少なくとも1つの指標軸線、或いは、複数の指標点によって定義された幾何学的要素として認識し、構造物と関連した上記三次元座標系における指標点及び指標軸線の各座標を特定するとともに、基準点BPに対する各幾何学的要素の指標点及び指標軸線の相対的位置関係により吊り足場10を設計し、このような概念に基づいて吊り足場10の図面化及び足場構成部材の数量の積算を比較的容易に行う仮設足場設計・積算支援システムを上記システム1(図1)として提案する。以下、各足場構成部材における指標点及び指標軸線の設定について説明する。
図5には、チェーン吊り金具20の指標点20A:20B:20Cが示されている。指標点20Bは、吊りチェーン21の吊元を特定する指標点であり、指標点20A:20Cは、チェーン吊り金具20と梁102との相対的位置関係を特定する指標点である。指標点20A:20Bは、押圧ボルト23及び吊り環部26の中心線20G上に位置する。本例において、中心線20Gは、吊りチェーン21(図4)の荷重の作用線と一致する。指標点20Cは、梁102のフランジ部110の下面側縁に位置する。チェーン吊り金具20、梁102及び吊りチェーン21の相対的な位置関係は、指標点20A:20B:20Cによって特定し得るので、チェーン吊り金具20は、指標点20A:20B:20Cの座標によって定義される幾何学的要素として認識することができる。本例において、指標点20A、20Bの鉛直離間距離ΔZ1は、65mmであり、指標点20A、20Cの水平離間距離ΔX1は、20mmである。
図4に示す如く、おやご11の中心軸線はチェーン吊り金具20の直下に位置し、従って、おやご11と梁102との位置関係は、指標点20A:20B:20Cと、天端レベルBL、FLの高低差hdと、天端レベルBL及びおやご11の高低差heとによって特定することができる。
図6には、クランプ部材30の指標点30A:30Bが示されている。指標点30A:30Bは、第1及び第2クランプ部分31、32の中心点であり、おやご11及びころばし12の各荷重の作用点又は支点でもある。チェーン吊り金具20と同じく、クランプ部材30は、おやご11及びころばし12の相対位置を特定するための幾何学的要素として認識することができ、おやご11及びころばし12の相対位置は、指標点30A:30Bの座標によって特定することができる。本例において、指標点30A、30Bの鉛直離間距離ΔZ2は、72mmである。
図7には、継手金具40の指標点40A及び指標軸線40Gが示されている。指標軸線40Gは、継手金具40の中心軸線であり、指標点40Aは、指標軸線40G上における基部41の縁部の位置である。吊り足場10の設計において、継手金具40の空間的位置及び占有空間は、指標点40Aの座標と、指標軸線40Gの方向とを特定することにより、一義的に特定することができる。
図8には、おやご11の指標点11A:11B:11C:11D:11E:11Fが示されるとともに、ころばし12の指標点12A:12B:12C:12D:12E:12Fが示されている。また、図8には、おやご11及びころばし12の指標軸線11G、12Gが示されている。指標軸線11G、12Gは、おやご11及びころばし12の中心軸線であり、指標点11A〜11F、12A〜12Fは、指標軸線11G、12G上の点である。指標点11A、12Aは、おやご11及びころばし12の端位置である。指標点11B、12Bは、おやご11及びころばし12の長さ方向中央の位置である。指標点11D、12D、11F、12Fは、指標点11B、12Bから両側に寸法Lrの距離を隔てた位置に配置され、指標点11C、12C、11E、12Eは、指標点11B、12Bから両側に寸法Lqの距離を隔てた位置に配置される。指標点11C、12Cと指標点11D、12Dとは、寸法Lsの距離を隔てており、指標点11E、12Eと指標点11F、12Fとも又、寸法Lsの距離を隔てている。寸法Lrは、約600mmに設定され、寸法Lsは、約250mmに設定され、寸法Lqは、約850mmに設定される。
図9には、足場板13の指標点13A:13B:13C:13D:13E:13Fが示されている。また、図9には、足場板13の指標軸線13Gが示されている。指標軸線13Gは、足場板13の中心軸線であり、指標点13A〜13Fは、指標軸線13G上の点である。指標点13Aは、足場板13の端位置である。指標点13Bは、足場板13の長さ方向中央の位置である。指標点13D、13Fは、指標点13Bから両側に寸法Liの距離を隔てた位置に配置され、指標点13C、13Eは、指標点13Bから両側に寸法Lgの距離を隔てた位置に配置される。指標点13Cと指標点13Dとは、寸法Ljの距離を隔てており、指標点13Eと指標点13Fとも又、寸法Ljの距離を隔てている。寸法Liは、約600mmに設定され、寸法Ljは、約250mmに設定され、寸法Lgは、約850mmに設定される。
[仮設足場設計・積算方法]
図10は、システム1のディスプレイ装置3上に表示される初期入力画面を示す模式図である。図11は、通路の設置方法により指定される通路の配置パターンを示す模式図である。図12は、システム1を用いた設計・積算方法を概略的に示すフローチャートである。
ユーザは、PC2(図1)のキーボード5(図1)等を操作して仮設足場設計・積算用のソフトウェアを起動するとともに、初期入力画面において施工範囲及び設計条件を入力する(図12、S1)。図10には、ディスプレイ装置3上に表示される初期入力画面が例示されている。ユーザは、「施工範囲」として、「パイプラックの長さ」及び「パイプラックの幅」の各寸法値を入力するとともに、「支柱の間隔」及び「梁天からの下がり」の各寸法値を入力する。「パイプラックの長さ」及び「パイプラックの幅」の各寸法値は、図3に示すパイプラック100の全長L及び柱スパンL2の各寸法値であり、「支柱の間隔」及び「梁天からの下がり」の寸法値は、図3及び図2に示す柱スパンL1及び高さhdの寸法値である。
ユーザは更に、「設計条件」として、「おやごの間隔」(図2〜図4に示すおやご間隔L3)の寸法値をPC2に入力するとともに、初期入力画面において選択肢として表示された「おやごの連結方法」「ころばしの間隔」及び「通路の設置方法」の仕様を選択する。「おやごの連結方法」の選択肢として、「直結ジョイント」「直結ジョイント+1.5m」及び「抱き合わせ」が初期入力画面に表示されている。図10の初期入力画面においては、「直結ジョイント」が選択されている。「ころばしの間隔」の選択肢として、「三点支持」「四点支持」及び「五点支持」が初期入力画面に表示されている。図10の初期入力画面においては、「三点支持」が選択されている。「通路の設置方法」の選択肢として、「四面囲む」「両側通路」「右片側通路」「左片側通路」及び「通路なし」が初期入力画面に表示されている。図10の初期入力画面においては、「両側通路」が選択されている。「四面囲む」「両側通路」「右片側通路」「左片側通路」及び「通路なし」の通路パターンは、図11に示す如く、構造物(パイプラック100)に設置すべき通路(ハッチング表示で示す帯域)の形態を類型化したものである。
システム1の演算・制御部(図1)は、三次元座標を設定し且つパイプラック100の所定部位の座標及び基準点BPを特定する。本例では、演算・制御部は、パイプラック100の基準点BP(図2、図3)を原点OPとした三次元座標系のX軸、Y軸及びZ軸を設定する(図12、S2)。演算・制御部は更に、おやご11、ころばし12、足場板13、上おこし14、手摺り柱15、中桟16、手摺り17、巾木18等の各足場構成部材に関し、複数の指標点の各座標、或いは、指標点の座標及び指標軸線の方向を特定し、これにより、パイプラック100に対する各足場構成部材の相対位置を特定する(図12、S3)。
演算・制御部は、このようにして各足場構成部材の位置を特定すると、これに関連して、施工範囲内における各足場構成部材の数量や、足場構成部材の数量に相応した資材価格、工事費(資材価格を除く)、工事期間等を演算し又は特定する(図12、S4)。演算・制御部は更に、三次元CADソフトにより吊り足場10の立体図面等を作成し、図面データ等をディスプレイ装置3に表示し、或いは、プリント装置4によってプリント出力する(図12、S5)。演算・制御部は又、表計算ソフト等により資材数量を集計し、所望により、資材数量に相応した資材価格、工事費等を更に演算・集計し、予め設定された書式の積算書又は見積書等をディスプレイ装置3に表示し、或いは、プリント装置4を介してプリント出力する(図12、S6)。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施形態は、パイプラックの吊り足場に関するものであるが、仮設足場を設置すべき対象構造物は、パイプラックに限定されるものではなく、また、仮設足場は、吊り足場に限定されるものではなく、従って、各種建築物、土木構造物、プラント、タンク、橋梁、大規模機械・装置等の任意の構造物に仮設される仮設足場の設計・積算に本発明を適用することができ、或いは、単管足場、枠組み足場、楔結合式足場等の任意の形式の仮設足場の設計・積算に本発明を適用することができる。
また、上記実施形態においては、スタンドアローン型のコンピュータが使用されているが、クラウドサービスを提供する基幹アプリケーションサーバと、インターネット回線等の通信手段を介して基幹アプリケーションサーバに接続される携帯端末とによって本発明に係るコンピュータを構成しても良い。
本発明は、構造物に仮設される仮設足場を構成する足場構成部材の数量を積算するとともに、仮設足場の図面を作成する仮設足場の設計・積算支援システム及び設計・積算方法に適用される。本発明によれば、仮設足場を構築し又は設置すべき構造物の形状、構造、寸法等に適応して足場構成部材を配置した図面を作成するとともに、構造物の形状、構造、寸法等に適応して配置された足場構成部材の数量を積算することができ、しかも、積算数量及び図面の各データを実質的に同時に出力することができる。殊に、本発明は、多種多様な足場構成部材を任意に組付ける形式の足場(吊り足場、単管足場等)に比較的容易に適応し得るので、実務的に極めて有利である。また、本発明によれば、BIM対応の三次元CADソフト又はBIMソフトウェアを使用し、各足場構成部材をその属性情報(材質、質量、型番等)と関連させるとともに、工期や設置時期等の時間的情報と関連させることにより、高度な仮設足場の施工管理の実現を可能にするので、その実用的価値は、顕著である。
1 仮設足場設計・積算支援システム
2 パーソナルコンピュータ(PC)
3 ディスプレイ装置
4 プリント装置
5 キーボード
10 吊り足場
11 おやご
12 ころばし
13 足場板
11A〜11F、12A〜12F、13A〜13F 指標点
11G、12G、13G 指標軸線
20 チェーン吊金具
20A、20B、20C 指標点
20G 中心線
21 吊りチェーン
30 クランプ部材
30A、30B 指標点
40 継手金具
40A 指標点
40G 指標軸線
41 基部
42 挿入管部分
100 パイプラック
101 支柱
102、103 梁(横架材)
104 基礎
105 小梁
X:Y:Z 座標軸
OP 原点
BP 基準点
BL 梁の天端レベル
CL 中心線
CP 鉛直中心面
FL 足場板の天端レベル
GL 地盤
L 吊り足場の全長
L1、L2 柱スパン
L3 おやご間隔
hd 高低差

Claims (15)

  1. 構造物に仮設される仮設足場を構成する足場構成部材の数量を積算するとともに、前記仮設足場の図面を作成するための仮設足場の設計・積算支援システムにおいて、
    仮設足場の図面を作成するための三次元CADソフトと、前記足場構成部材の数量を積算するための積算ソフトと、前記三次元CADソフト及び積算ソフトと連携した座標計算ソフトとがインストールされたコンピュータを有し、
    前記座標計算ソフトは、前記コンピュータに入力された前記構造物の幾何学的情報に基づき、三次元座標系における前記構造物の所定部位の座標を特定する構造物座標特定手段と、三次元座標系における前記足場構成部材の座標を特定するために前記構造物の特定位置を基準点として設定する基準点設定手段と、前記足場構成部材を幾何学的指標によって認識する指標認識手段と、前記構造物の幾何学的情報に基づき、前記基準点に対する前記指標の相対位置を座標計算して前記足場構成部材の座標を特定する部材座標特定手段とを有し、
    前記三次元CADソフトは、前記構造物の幾何学的情報と、前記基準点の座標と、前記足場構成部材の座標とに基づいて仮設足場の図面データを生成し、
    前記積算ソフトは、座標を特定された前記足場構成部材の数量を該足場構成部材の種類毎に集計して前記足場構成部材の数量を積算し、積算データを生成することを特徴とする仮設足場の設計・積算支援システム。
  2. 前記足場構成部材の幾何学的指標は、足場構成部材の構造に基づいて各部材に設定された複数の指標点の組合せ、或いは、足場構成部材の構造に基づいて各部材に設定された少なくとも一つの指標点と少なくとも一つの指標軸線との組合せであり、前記指標点は、前記基準点に対する該指標点の位置によって特定され、前記指標軸線は、三次元座標系における前記指標軸線の方向によって特定されることを特徴とする請求項1に記載の設計・積算支援システム。
  3. 前記基準点の座標と、前記座標系の原点とが一致することを特徴とする請求項1又2に記載の設計・積算支援システム。
  4. 前記コンピュータに接続され、前記図面データ及び/又は前記積算データに基づいて仮設足場の図面及び/又は積算書を画像表示又はプリント出力するディスプレイ装置及びプリント装置を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の設計・積算支援システム。
  5. 外部サーバ又は外部コンピュータと通信するための通信手段を有し、該通信手段を介して前記図面データ及び/又は前記積算データを外部サーバ又は外部コンピュータに送信し、或いは、該通信手段を介して前記構造物の幾何学的情報を前記外部サーバ又は外部コンピュータから受信することを特徴とする請求項1乃至4に記載の設計・積算支援システム。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載された仮設足場設計・積算支援システムを使用した仮設足場の設計・積算方法において、
    前記構造物の幾何学的情報と、前記仮設足場の施工範囲とを前記コンピュータの入力部に入力し、
    前記コンピュータの演算・制御部によって前記構造物の基準点を設定するとともに、前記基準点に対する前記指標の相対位置を座標計算して前記足場構成部材の座標を特定し、
    前記構造物の幾何学的情報と、前記基準点の座標と、前記足場構成部材の座標とに基づいて仮設足場の図面データを生成するとともに、座標を特定された前記足場構成部材の数量を該足場構成部材の種類毎に集計して前記足場構成部材の数量を積算し、積算データを生成することを特徴とする仮設足場の設計・積算方法。
  7. 前記仮設足場は、吊り足場又は単管足場であることを特徴とする請求項6に記載の設計・積算方法。
  8. 前記コンピュータの記憶部に蓄積された歩掛データ及び価格データを使用して前記仮設足場の見積データを生成することを特徴とする請求項6又は7に記載の設計・積算方法。
  9. 構造物に仮設される仮設足場の図面を作成するための三次元CADソフトと、前記仮設足場を構成する足場構成部材の数量を積算するための積算ソフトと、前記三次元CADソフト及び積算ソフトと連携した座標計算ソフトとがインストールされたコンピュータを使用し、足場構成部材の数量を積算するとともに、前記仮設足場の図面を作成する仮設足場の設計・積算方法であって、
    前記座標計算ソフトは、前記コンピュータに入力された前記構造物の幾何学的情報に基づき、三次元座標系における前記構造物の所定部位の座標を特定する構造物座標特定手段と、三次元座標系における前記足場構成部材の座標を特定するために前記構造物の特定位置を基準点として設定する基準点設定手段と、前記足場構成部材を幾何学的指標によって認識する指標認識手段と、前記構造物の幾何学的情報に基づき、前記基準点に対する前記指標の相対位置を座標計算して前記足場構成部材の座標を特定する部材座標特定手段とを有し、
    前記三次元CADソフトは、前記構造物の幾何学的情報と、前記基準点の座標と、前記足場構成部材の座標とに基づいて仮設足場の図面データを生成し、
    前記積算ソフトは、座標を特定された前記足場構成部材の数量を該足場構成部材の種類毎に集計して前記足場構成部材の数量を積算し、積算データを生成することを特徴とする仮設足場の設計・積算方法。
  10. 前記仮設足場は、吊り足場又は単管足場であることを特徴とする請求項9に記載の設計・積算方法。
  11. 前記コンピュータの記憶部に蓄積された歩掛データ及び価格データを使用して前記仮設足場の見積データを生成することを特徴とする請求項9又は10に記載の設計・積算方法。
  12. 前記足場構成部材の幾何学的指標は、各々の足場構成部材の構造に基づいて各部材に設定された複数の指標点の組合せ、或いは、少なくとも一つの指標点と少なくとも一つの指標軸線との組合せであり、前記指標点は、前記基準点に対する該指標点の相対位置によって特定され、前記指標軸線は、三次元座標系における前記指標軸線の方向によって特定されることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載の設計・積算方法。
  13. 前記基準点の座標と、前記座標系の原点とを一致させることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の設計・積算方法。
  14. 前記コンピュータに接続されたディスプレイ装置及び/又はプリント装置によって、前記図面データ及び/又は前記積算データに基づく仮設足場の図面及び/又は積算書を画像表示又はプリント出力することを特徴とする請求項9乃至13のいずれか1項に記載の設計・積算方法。
  15. 外部サーバ又は外部コンピュータと通信するための通信手段を有し、該通信手段を介して前記図面データ及び/又は前記積算データを外部サーバ又は外部コンピュータに送信し、或いは、該通信手段を介して前記構造物の幾何学的情報を前記外部サーバ又は外部コンピュータから受信することを特徴とする請求項9乃至14に記載の設計・積算方法。
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