JP2019073509A - 全量噴射型エアゾール組成物 - Google Patents

全量噴射型エアゾール組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】圧縮ガスを噴射剤として用いても、処理対象となる空間全体に有効成分を均一に噴霧できる全量噴射型エアゾール組成物。【解決手段】下記一般式(I)及び(II)で表される化合物から選ばれる1種以上の溶剤(a1)と、下記一般式(III)及び(IV)で表される化合物から選ばれる1種以上の溶剤(a2)と、を含有する薬剤液(A)と、噴射剤(B)と、を含有し、(a1)/(a2)で表される質量比が0.1〜8.0である、全量噴射型エアゾール組成物。HO−R1−OH・・(I)HO−(PO)n−H・・(II)HO−(EO)x−H・・(III)R2O−(EO)y−H・・(IV)(上記一般式中、R1は炭素数3〜6、R2は炭素数1〜4の直鎖又は分岐の炭化水素基であり、POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基を表し、nはPOの平均繰り返し数2〜3であり、x、yはEOの平均繰り返し数1〜3である。)【選択図】なし

Description

本発明は、全量噴射型エアゾール組成物に関する。
天井や壁の上部などの高い部分のカビ掃除は、安全性の点から塩素系カビ取り剤等をスプレーすることが出来ず、一度カビが生えてしまうと対処し難い場所である。このような場所を含め、部屋の隅々のカビを手軽に除菌し、室内を清潔な状態にできる方法が望まれている。
近年、手軽に室内全体に薬剤を散布できる方法として、燻煙タイプの防カビ剤を用いる方法がある。しかし、この方法は煙が発生するため、当該方法を好まない消費者も存在する。全量噴射型エアゾール剤は煙の発生がなく(霧となる)、閉鎖空間の全体を一回の操作で簡易に薬剤処理できるため、燻煙剤に代わる防カビ剤として期待される。
特許文献1には、噴射剤として噴射力の高いジメチルエーテルを用いた全量噴射型エアゾール組成物が提案されている。特許文献1では、処理対象となる空間全体に有効成分を均一に散布できている。
特開2014−227369号公報
しかしながら、ジメチルエーテルは、可燃性ガスであるため、火気のある居住空間での使用が制限される。居住空間での使用制限がない噴射剤として圧縮ガスがある。圧縮ガスはジメチルエーテルに比べて噴射力が劣る。このため、処理対象となる空間全体に有効成分を均一に噴霧しにくい。
そこで、本発明は、圧縮ガスを噴射剤として用いても、処理対象となる空間全体に有効成分を均一に噴霧できる全量噴射型エアゾール組成物を目的とする。
鋭意検討を重ねた結果、本発明者等は、特定の溶剤2種を併用し、特定の混合比とすることで、処理対象となる空間全体に有効成分を均一に噴霧できる全量噴射型エアゾール組成物が得られることを見出した。
即ち、本発明は、以下の態様を有する。
[1]下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物から選ばれる1種以上の溶剤(a1)と、下記一般式(III)で表される化合物及び下記一般式(IV)で表される化合物から選ばれる1種以上の溶剤(a2)と、を含有する薬剤液(A)と、
噴射剤(B)と、を含有し、
前記溶剤(a1)/前記溶剤(a2)で表される質量比が0.1〜8.0である、全量噴射型エアゾール組成物。
HO−R−OH・・・(I)
HO−(PO)−H・・・(II)
(一般式(I)中、Rは炭素数3〜6の直鎖又は分岐の炭化水素基である。一般式(II)中、POはオキシプロピレン基を表し、nはPOの平均繰り返し数であり、2〜3である。)
HO−(EO)−H・・・(III)
O−(EO)−H・・・(IV)
(一般式(III)中、EOはオキシエチレン基を表し、xはEOの平均繰り返し数であり、1〜3である。一般式(IV)中、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、yはEOの平均繰り返し数であり、1〜3である。)
[2]前記噴射剤(B)/前記薬剤液(A)で表される質量比が、0.01〜1.0である、[1]に記載の全量噴射型エアゾール組成物。
[3]25℃における前記薬剤液(A)の表面張力が30〜55mN/mである、[1]又は[2]に記載の全量噴射型エアゾール組成物。
[4]前記溶剤(a1)の含有量が、前記薬剤液(A)の質量に対して5〜80質量%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の全量噴射型エアゾール組成物。
[5]前記溶剤(a2)の含有量が、前記薬剤液(A)の質量に対して5〜65質量%である、[1]〜[4]のいずれかに記載の全量噴射型エアゾール組成物。
[6]前記溶剤(a1)の含有量と前記溶剤(a2)の含有量との合計が、前記薬剤液(A)の質量に対して20〜100質量%である、[1]〜[5]のいずれかに記載の全量噴射型エアゾール組成物。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の全量噴射型エアゾール組成物が充填された容器の噴霧口の内径が0.3〜0.5mmである、全量噴射型エアゾール製品。
本発明の全量噴射型エアゾール組成物によれば、圧縮ガスを噴射剤として用いても、処理対象となる空間全体に有効成分を均一に噴霧できる。
実施例における均一噴霧性の評価方法を説明する概略図である。 実施例における殺カビ効果の評価方法を説明する概略図である。
[全量噴射型エアゾール組成物]
本発明の全量噴射型エアゾール組成物(以下、単にエアゾール組成物ともいう)は、薬剤液(A)(以下、(A)成分ともいう)及び噴射剤(B)(以下、(B)成分ともいう)を含有する組成物である。
<(A)成分>
(A)成分は、溶剤(a1)(以下、(a1)成分ともいう)と溶剤(a2)(以下、(a2)成分ともいう)とを含有する薬剤液である。
((a1)成分)
(a1)成分は、下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物から選ばれる1種以上の溶剤(有効成分)である。本発明のエアゾール組成物は、(a1)成分を含有することで、除菌性能に優れる。また、本発明のエアゾール組成物は、(a1)成分と後述する(a2)成分とを併用することにより、処理対象となる空間全体に有効成分を均一に噴霧できる(均一噴霧性に優れる)。
HO−R−OH・・・(I)
HO−(PO)−H・・・(II)
一般式(I)中、Rは炭素数3〜6の直鎖又は分岐の炭化水素基である。一般式(II)中、POはオキシプロピレン基を表し、nはPOの平均繰り返し数であり、2〜3である。
一般式(I)において、Rの炭素数は3〜6であり、3〜5が好ましい。Rの炭素数が上記数値範囲内であると、エアゾール組成物は除菌性能に優れる。
一般式(II)において、POの平均繰り返し数nは2〜3である。nが上記数値範囲内であると、エアゾール組成物は除菌性能に優れる。
(a1)成分としては、例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。これら(a1)成分の中でも、除菌性能に優れるプロピレングリコールが特に好ましい。
(a1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(a1)成分の含有量は、(A)成分の質量に対して、5〜80質量%が好ましく、10〜75質量%がより好ましく、20〜65質量%がさらに好ましい。(a1)成分の含有量が上記下限値以上であると、エアゾール組成物の除菌性能を向上しやすい。(a1)成分の含有量が上記上限値以下であると、エアゾール組成物の均一噴霧性を向上しやすく、除菌性能を向上しやすい。
((a2)成分)
(a2)成分は、下記一般式(III)で表される化合物及び下記一般式(IV)で表される化合物から選ばれる1種以上の溶剤である。本発明のエアゾール組成物は、(a2)成分を含有することで、均一噴霧性に優れる。
HO−(EO)−H・・・(III)
O−(EO)−H・・・(IV)
一般式(III)中、EOはオキシエチレン基を表し、xはEOの平均繰り返し数であり、1〜3である。一般式(IV)中、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、yはEOの平均繰り返し数であり、1〜3である。
一般式(III)中、EOの平均繰り返し数xは1〜3である。xが上記数値範囲内であると、(A)成分の表面張力を調整しやすい。
一般式(IV)中、Rの炭素数は1〜4である。Rの炭素数が上記数値範囲内であると、(A)成分の表面張力を調整しやすい。
一般式(IV)中、EOの平均繰り返し数yは1〜3である。yが上記数値範囲内であると、(A)成分の表面張力を調整しやすい。
(a2)成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングルコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。これら(a2)成分の中でも、均一噴霧性に優れるエチレングリコールが特に好ましい。
(a2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(a2)成分の含有量は、(A)成分の質量に対して、5〜65質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。(a2)成分の含有量が上記下限値以上であると、エアゾール組成物の除菌性能を向上しやすい。(a2)成分の含有量が上記上限値以下であると、エアゾール組成物の均一噴霧性を向上しやすい。
(a1)成分の含有量と(a2)成分の含有量との合計は、(A)成分の質量に対して20〜100質量%が好ましく、30〜100質量%がより好ましい。(a1)成分の含有量と(a2)成分の含有量との合計が上記下限値以上であると、エアゾール組成物の除菌性能を向上しやすい。(a1)成分の含有量と(a2)成分の含有量との合計が上記上限値以下であると、エアゾール組成物の均一噴霧性を向上しやすい。
エアゾール組成物中の(a1)成分/(a2)成分で表される質量比(以下、(a1)/(a2)比ともいう)は、0.1〜8.0であり、1.0〜7.0が好ましく、3.0〜6.0がより好ましい。(a1)/(a2)比が上記下限値以上であると、エアゾール組成物の除菌性能を向上しやすい。(a1)/(a2)比が上記上限値以下であると、エアゾール組成物の均一噴霧性を向上しやすい。
(任意成分)
本実施形態の(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲内で、(a1)成分及び(a2)成分以外の任意成分を含有してもよい。
任意成分は、殺菌、抗菌、殺虫等の目的に応じて選択すればよく、例えば、(a1)成分以外の有効成分(殺菌剤、抗菌剤、防カビ剤、抗カビ剤、殺虫剤、忌避剤、消臭剤等)、香料、水、界面活性剤、又はこれらの混合物等が挙げられる。
(a1)成分以外の有効成分としては、例えば、有機系薬剤、銀系無機抗菌剤等が挙げられる。
有機系薬剤としては、例えば、3−メチル−4−イソプロピルフェノール(IPMP)、3−ヨード−2−プロパギルブチルカーバメート(IPBC)、o−フェニルフェノール(OPP)、メトキサジアゾン等が挙げられる。
銀系無機抗菌剤としては、銀の酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩あるいは銀そのものを担体に担持した粒子状の剤等が挙げられる。
上記担体としては、例えば、リン酸塩類(リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム等)、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジリコニウム等)、無機化合物(ゼオライト、粘土鉱物、シリカゲル等)等が挙げられる。これらの担体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のエアゾール組成物は、製造時のハンドリングのしやすさ、(A)成分の表面張力の調整のしやすさの観点から、溶剤として水を含有することが好ましい。
水の含有量は特に限定されず、(A)成分の質量に対して、10〜60質量%が好ましい。
任意成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
任意成分の含有量は、(A)成分の質量に対して0〜70質量%が好ましい。
本発明において、(A)成分を構成する成分の合計量は100質量%を超えない。
(A)成分の表面張力は、30〜55mN/mが好ましく、40〜50mN/mがより好ましい。(A)成分の表面張力が上記数値範囲内であると、エアゾール組成物の均一噴霧性を向上しやすい。
なお、(A)成分の表面張力は、全自動接触角計DM701(協和界面化学株式会社)におけるペンダントドロップ法(測定温度25℃)にて測定できる。ペンダントドロップ法は、鉛直方向に向けた針先から液体を押し出して懸滴を作成し、この懸滴の形状をYoung−Laplace理論曲線に機械処理にてフィッティングさせることで表面張力を測定する方法である。
<(B)成分>
(B)成分は、噴射剤である。本発明のエアゾール組成物は、(B)成分を含有することで、(a1)成分及び(a2)成分を含有する(A)成分を噴射することができる。
(B)成分としては、例えば、炭酸ガス、窒素ガス、亜酸化窒素ガス等の圧縮ガスが挙げられる。これら(B)成分の中でも、安全性に優れる窒素ガスが特に好ましい。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エアゾール組成物中の(B)成分/(A)成分で表される質量比(以下、(B)/(A)比ともいう)は、0.01〜1.0が好ましく、0.01〜0.2がより好ましい。(B)/(A)比が上記下限値以上であると、(A)成分を噴射するための十分な勢いが得られやすい。(B)/(A)比が上記上限値以下であると、(A)成分を均一に噴霧しやすい。
本発明のエアゾール組成物は、(a1)成分と(a2)成分とを併用し、(a1)/(a2)比を0.1〜8.0とすることで、噴射剤としてジメチルエーテルを用いなくても、処理対象となる空間全体に有効成分を均一に噴霧できる。そのため、優れた微生物抑制効果(抗菌、殺菌、防カビ、抗カビ等)が得られる。
本発明のエアゾール組成物は、例えば、浴室の天井や、壁面の高い部分等の、手が届きにくいところにある処理対象に対しても、優れた防カビ効果が発揮される。
[エアゾール組成物の製造方法]
本発明のエアゾール組成物は、従来公知の製造方法に準じて製造される。
例えば、(a1)成分、(a2)成分及び必要に応じて任意成分を混合して(A)成分を調製し、この(A)成分と(B)成分とを容器に充填してエアゾール組成物とする方法が挙げられる。
[全量噴射型エアゾール製品]
本実施形態における全量噴射型エアゾール製品は、(A)成分及び(B)成分を含有するエアゾール組成物と、エアゾール組成物を収容した容器とを備える。
全量噴射型エアゾール製品における容器としては、特に限定されず、容器として公知のものを用いることができる。全量噴射型エアゾール製品の容器としては、通常、任意の噴射手段により、容器内容物のほぼ全量を、一度の操作(バルブの開放等)で容器外に噴射させることが出来るように構成された耐圧容器が用いられる。
全量噴射型エアゾール製品の容器の噴霧口の内径は、0.3〜0.5mmが好ましい。全量噴射型エアゾール製品の容器の噴霧口の内径が上記数値範囲内であると、(A)成分を均一に噴霧しやすい。
全量噴射型エアゾール製品の容器の圧力は、0.4〜0.8MPaが好ましく、0.6〜0.8MPaがより好ましい。全量噴射型エアゾール製品の容器の圧力が上記下限値以上であると、(A)成分を噴射するための十分な勢いが得られやすい。全量噴射型エアゾール製品の容器の圧力が上記上限値以下であると、(A)成分を均一に噴霧しやすい。
全量噴射型エアゾール製品における(A)成分の充填量、つまり1回の処理に用いられる(A)成分の量(処理量)は、処理する空間の広さや処理面の面積、前記空間の処理に用いる(a1)成分の量等を勘案して適宜決定できる。(A)成分の充填量は、特に限定されないが、処理する空間1mあたりの(A)成分の量が1〜5gとなる量が好ましく、2〜4gとなる量がより好ましい。
(a1)成分の量としては、処理対象とする空間の広さ等を勘案して決定できるが、処理する空間1mあたりの(a1)成分の量が0.05〜4gとなる量が好ましい。
(B)成分の充填量は、(A)成分の充填量、所望の(B)/(A)比等を勘案して適宜決定できる。
全量噴射型エアゾール製品は、従来公知の製造方法に準じて製造される。例えば、(a1)成分、(a2)成分及び必要に応じて任意成分を混合して(A)成分を調製し、この(A)成分と(B)成分とを任意の耐圧容器に充填して全量噴射型エアゾール製品とする方法が挙げられる。
全量噴射型エアゾール製品の使用方法としては、一般的な全量噴射型エアゾール製品の使用方法と同様の方法を用いることができる。例えば、任意の噴射手段により、容器内容物のほぼ全量を、一度の操作(バルブの開放等)で容器外に噴射させて使用する。
全量噴射型エアゾール製品は、抗菌、殺菌、防カビ、抗カビ等の微生物抑制効果が要求される空間の処理に用いられる。
全量噴射型エアゾール製品の処理対象は、特に限定されず、例えば浴室、洗面所、キッチン、トイレ、リビング、押入れ等が挙げられる。
本発明の有用性の観点から、全量噴射型エアゾール製品は、浴室の防カビ用として好適である。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
本実施例において使用した原料は、下記の[使用原料]に示す通りである。
[使用原料]
<(A)成分>
((a1)成分)
a1−1:プロピレングリコール(和光純薬工業(株)製)。
a1−2:ジプロピレングリコール(和光純薬工業(株)製)。
a1−3:トリプロピレングリコール(和光純薬工業(株)製)。
((a2)成分)
a2−1:エチレングリコール(和光純薬工業(株)製)。
a2−2:ジエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)。
a2−3:トリエチレングリコール(東京化成工業(株)製)。
a2−4:ジエチレングリコールモノブチルエーテル(日本乳化剤(株)、商品名:ブチルジグリコール)。
(任意成分)
香料:表1に記載の香料1。
水:イオン交換水。
Figure 2019073509
<(B)成分>
B−1:圧縮窒素。
((a1’)成分((a1)成分の比較品))
a1’−1:プロピレングリコールモノフェニルアルコール(東京化成工業(株)製)。
((a2’)成分((a2)成分の比較品))
a2’−1:エタノール(純正化学(株)製)。
[実施例1〜17、比較例1〜6]
60×120mm、285mlアルミ缶に表2〜3に記載の薬剤液10g及び噴射剤2gを充填して、各例のエアゾール組成物を得た。薬剤液の表面張力は、全自動接触角計DM701(協和界面化学株式会社)におけるペンダントドロップ法(測定温度25℃)にて測定した。なお、薬剤液10gとともに上記アルミ缶に充填する噴射剤の質量は、実施例16では1gとし、実施例17では4gとした。
なお、表中、(A)成分の配合量の単位は「質量%」であり、純分換算量を示す。
<均一噴霧性の評価>
図1に、均一噴霧性の評価方法を説明する概略図を示す。1.8×1.8×2.0mの密閉可能な空間1の底面の中心O1に、得られた各例のエアゾール組成物を充填した全量噴射型エアゾール製品を設置した。日本プリシジョンバルブトータルリリース傾斜スプレーボタン(21−0264−00:φ0.46mm、MBCO2)を用いて、全量噴射型エアゾール製品からエアゾール組成物を全量噴霧した。空間1の底面の中心O1から距離L1離れた位置にシャーレ11を設置した。シャーレ11とシャーレ12とを結ぶ線分上に中心O1が含まれるようにして、中心O1から距離L2離れた位置にシャーレ12を設置した。L1及びL2は、50cmとした。シャーレ11の位置から高さH1の位置にシャーレ13を設置した。H1は50cmとした。噴霧前後のシャーレ11〜13の質量を測定し、下記式に従って、空間への飛散量のバラツキ(高さ方向、水平方向)を算出した。下記各式の右辺は、絶対値を表す。飛散量のバラツキ(高さ方向、水平方向)を下記の評価基準に基づいて評価し、◎、○を合格とした。結果を表2〜3に示す。
バラツキ(高さ方向)[g]=|([噴霧後のシャーレ13の質量]−[噴霧前のシャーレ13の質量])―([噴霧後のシャーレ11の質量]−[噴霧前のシャーレ11の質量])|。
バラツキ(水平方向)[g]=|([噴霧後のシャーレ12の質量]−[噴霧前のシャーレ12の質量])―([噴霧後のシャーレ11の質量]−[噴霧前のシャーレ11の質量])|。
《評価基準》
◎:バラツキが0.5g未満。
○:バラツキが0.5g以上1.0g未満。
△:バラツキが1.0g以上1.5g未満。
×:バラツキが1.5g以上。
Figure 2019073509
Figure 2019073509
<殺カビ効果の評価>
図2に、殺カビ効果の評価方法を説明する概略図を示す。幅L3×奥行L4×高さH2の密閉可能な空間2の天面中央O3に、下記の方法1で作成した供試用スライドガラス(供試用FRP、菌を接種したFRP)20を取付けた。供試用スライドガラス20に菌を接種した面を空間2側に向けた。L3及びL4は1.8m、H2は2.0mとした。
(方法1:供試用スライドガラスの作成方法)
ポテトデキストロース寒天(Difco社製)の斜面培地にて、25℃、1週間培養したCladosporium cladosporioides HMC1064(浴室分離菌)を調整した。浴室分離菌の水溶液は、滅菌した0.05%Tween80(関東化学製)を用いた。浴室分離菌のコロニー形成単位が、約1.0×10CFU/mlの胞子液を得た。次いで、この胞子液を供試用FRP20に0.4ml接種し、室温にて一晩静置した後に乾燥固定した。
なお、コロニー形成単位(CFU、Colony Forming Unit)は、ある量の微生物(細菌等)を、それが生育する固体培地上に撒いたときに生じるコロニーの数を意味する。
次に、得られた各例のエアゾール組成物を充填した全量噴射型エアゾール製品30を空間2の底面中央O2に置き、エアゾール組成物を全量噴霧した。エアゾール組成物の噴霧から90分後に空間2内の空気を排気し、供試用FRP20を回収した。供試用FRP20から下記の方法2で回収した菌液を、計測可能な濃度となるように生理食塩水で適宜希釈し、ポテトデキストロース寒天培地に塗抹摂取した。前記菌液を25℃にて5日間培養した後、目視により形成されたコロニー数を計測した。
(方法2:供試用FRP20からの菌の回収方法)
菌を接種した供試用FRP20とSCDLP培地(日本製薬社製)10mlを滅菌プラスチックシャーレ(アズワン社製)に入れ、コンラージ棒(日水製薬社製)で攪拌し、供試用FRP20から菌を抽出した。
計測したコロニー数と菌液の希釈倍率から生菌数を求め、その値を「処理後の菌数」とした。別途、未処理区の供試用FRPから回収した菌液を、計測可能な濃度となるように生理食塩水で適宜希釈し、ポテトデキストロース寒天培地に塗抹摂取した。この菌液を25℃にて5日間培養した後、目視により形成されたコロニー数を計測した。計測したコロニー数と菌液の希釈倍率から生菌数を求め、その値を「未処理菌数」とした。
「処理後の菌数」、「未処理菌数」として求めた菌数を常用対数(log)に変換し、「未処理菌数」から「処理後の菌数」を差し引いた値(Δlog=log(未処理菌数)−log(処理後の菌数))を求め、その値を殺カビ効力とした。殺カビ効力の値から、下記の評価基準に基づいて殺カビ効果を評価した。◎◎、◎、○を合格とした。結果を表2〜3に示す。
《評価基準》
◎◎:Δlogが4以上。
◎ :Δlogが3以上4未満。
○ :Δlogが2以上3未満。
△ :Δlogが1以上2未満。
× :Δlogが1未満。
表2〜3に示すように、本発明を適用した実施例1〜17は、均一噴霧性が「◎」又は「○」で、薬剤液を均一に噴霧できていることが分かった。また、本発明を適用した実施例1〜17は、殺カビ効果が「◎◎」、「◎」、「○」で、除菌性能に優れることが分かった。
(a1)/(a2)比が本発明の適用範囲外である比較例1〜2は、均一噴霧性(水平方向のバラツキ)が「△」又は「×」だった。
(a1)成分の代わりに(a1’)成分を用いた比較例3は、均一噴霧性、殺カビ効果が共に「△」だった。
(a2)成分の代わりに(a2’)成分を用いた比較例4は、均一噴霧性が「△」又は「×」だった。
(a1)成分を含有しない比較例5は、均一噴霧性が「△」又は「×」だった。
(a2)成分を含有しない比較例6は、均一噴霧性(水平方向のバラツキ)が「△」だった。
本発明のエアゾール組成物によれば、均一噴霧性を向上でき、かつ、除菌性能に優れることが分かった。
1、2 空間
11、12、13 シャーレ
20 供試用スライドガラス
30 全量噴射型エアゾール製品

Claims (2)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物及び下記一般式(II)で表される化合物から選ばれる1種以上の溶剤(a1)と、下記一般式(III)で表される化合物及び下記一般式(IV)で表される化合物から選ばれる1種以上の溶剤(a2)と、を含有する薬剤液(A)と、
    噴射剤(B)と、を含有し、
    前記溶剤(a1)/前記溶剤(a2)で表される質量比が0.1〜8.0である、全量噴射型エアゾール組成物。
    HO−R−OH・・・(I)
    HO−(PO)−H・・・(II)
    (一般式(I)中、Rは炭素数3〜6の直鎖又は分岐の炭化水素基である。一般式(II)中、POはオキシプロピレン基を表し、nはPOの平均繰り返し数であり、2〜3である。)
    HO−(EO)−H・・・(III)
    O−(EO)−H・・・(IV)
    (一般式(III)中、EOはオキシエチレン基を表し、xはEOの平均繰り返し数であり、1〜3である。一般式(IV)中、Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基であり、yはEOの平均繰り返し数であり、1〜3である。)
  2. 前記噴射剤(B)/前記薬剤液(A)で表される質量比が、0.01〜1.0である、請求項1に記載の全量噴射型エアゾール組成物。
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