JP2019070217A - 電子タバコチップ用のトウバンド及び電子タバコ用チップ - Google Patents

電子タバコチップ用のトウバンド及び電子タバコ用チップ Download PDF

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Abstract

【課題】電子タバコ用チップにおいて、硬度が低下するのを抑制しながら、エアロゾルの濾過度を抑制可能にする。【解決手段】複数本のフィラメントを束状に合一し且つ捲縮してなる、セルロースアセテートのトウバンドであって、トータルデニールが、23000以上45000以下の範囲の値に設定され、フィラメントデニールが、7.0以上30.0未満の範囲の値に設定され、フィラメントのフェレエリアが、0.6以上0.8未満の範囲の値に設定されている。【選択図】図1

Description

本発明は、電子タバコチップ用のトウバンド及び電子タバコ用チップに関する。
本書では、以下の定義された各用語を使用する。
TD:全繊維度(トータルデニール)であり、トウの集合体(トウバンド)の繊維度(9000m当たりのグラム数)を指す。
FD:単繊維度(フィラメントデニール)であり、単繊維(1本のフィラメント)の繊維度(9000m当たりのグラム数)を指す。単繊維デニールとも称する。
フィラメント:連続する長繊維(long fiber)を指す。特には、紡糸口金の紡糸孔から吐出された単繊維を指す。
紡糸孔:紡糸筒の紡糸口金に形成され、フィラメントを吐出(紡糸)する。
トウバンド:複数の紡糸筒のそれぞれから吐出されたフィラメント(単繊維)の集合体であるトウが合一され、TDが所定の数値に設定される。この合一され且つTDが所定の数値に設定されたトウは捲縮される。この捲縮されたトウ(フィラメントの集合体)をトウバンドと称する。即ちトウバンドは、TDと捲縮数を有する。トウバンドは、ベール状に梱包される。
トウ:紡糸孔から吐出された複数本のフィラメント集合体を指す。エンドやヤーンもトウのひとつの様態である。
エンド:複数の紡糸筒の紡糸孔から吐出された複数本のフィラメントが所定のトータルデニールを持つように合一(収束)されたフィラメントの集合体を指す。
ヤーン:1つの紡糸筒から吐出されたフィラメントの束を指す。従って、ヤーンは、合一される前のフィラメントの集合体である。
フェレエリア:フィラメントの断面の異形性を評価するために利用可能な指標の一つを指す。フェレエリアの導出に際し、フィラメントの任意位置にてフィラメント長軸方向に対して垂直に切断することでフィラメントの断面がとられる。この断面に外接する平行四辺形が仮想される。この仮想平行四辺形では、2組の対辺のうち一方が、フィラメントの断面に外接する2平行線であって線間距離が最大値(いわゆる最大フェレ径(maximum Feret diamater))となる2線である。また仮想平行四辺形では、2組の対辺のうち他方が、フィラメントの断面に外接する2平行線であって線間距離が最小値(いわゆる最小フェレ径(minimum Feret diamater))となる2平行線である。フェレエリアは、フィラメントの断面積を仮想平行四辺形の面積で除算することで求まる面積比、換言すれば、仮想平行四辺形におけるフィラメントの断面の占有率である。
比S/L:フィラメントの断面積をS、フィラメントの断面の周長をLとした場合における、フィラメントの断面の異形性を評価するために利用可能な指標の一つを指す。
チップ:シガレットの喫煙時や電子タバコの使用時にタバコ成分を通過させるフィルターを指す。チップは、例えば、所定の通気性材料をロッド状に成形して、その外周に巻紙を巻回することで構成される。
セルロースアセテート、特にはセルロースジアセテートからなるフィラメントは、電子タバコを含むタバコ用のチップの材料として有用である。この用途には、例えば、捲縮された長繊維のセルロースアセテートのフィラメントにより構成されるセルロースアセテートトウバンドが用いられている。
タバコ用チップに用いられるトウバンドには、適度な通気抵抗(PD)を有することが求められる。このため、例えば特許文献1には、タバコ用チップに用いられるトウバンドとして、フィラメントデニールを5.0以上の値に設定し、フィラメントのフェレエリアを0.5以上の値に設定することで、通気抵抗を調整したトウバンドが開示されている。
近年、電子タバコが普及している。電子タバコは、例えば特許文献2に開示されるように、タバコ成分である揮発成分を含有する基材と、基材を加熱する加熱部と、加熱した基材からの揮発成分を冷却・凝集させてエアロゾルを形成する冷却部と、冷却部を通過したエアロゾルを濾過するチップとを備える。
チップは、電子タバコの使用時にユーザに咥えられる。チップは、例えば、セルロースアセテートトウバンド(以下、単にトウバンドとも称する。)により製造される。この場合、トウバンドを開繊して可塑剤を添着し、ロッド状に成形する。そして、このトウバンドの成形体の外周に巻紙を巻回して、成形体と巻紙とを所定寸法に切断することで、チップが製造される。
国際公開第2015/136573号公報 特表2015−503335号公報
電子タバコでは、エアロゾルにタバコ成分が含まれるため、ユーザがチップを通過したエアロゾルを容易に吸引して味わうことができるように、チップのエアロゾルの濾過度は低いことが好ましい。また電子タバコには、通常のシガレットに近い吸い心地が得られることが望まれる。このため、電子タバコのチップは、通常のシガレットのチップのように、適度な硬度を有することが好ましい。
ここで、チップのエアロゾルの濾過度を抑制するために、例えばチップに含まれるトウバンドのフィラメント本数を減少させると、チップの硬度が低下して、通常のシガレットのような吸い心地が得られにくくなるおそれがある。
そこで本発明は、電子タバコ用チップにおいて、硬度が低下するのを抑制しながら、エアロゾルの濾過度を抑制可能にすることを目的としている。
電子タバコ用チップでは、エアロゾルは、トウバンドのフィラメントに衝突して捕集される。ここで本願発明者の検討により、フィラメントのエアロゾルの捕集能力は、前記した仮想平行四辺形を断面形状とする仮想フィラメントのエアロゾルの捕集能力と概略同等であることが分かっている。フィラメントの断面の異形性が大きくなるとフェレエリアが小さくなる。また、フィラメントの断面の異形性が小さくなるとフェレエリアは大きくなる。
また電子タバコ用チップでは、トウバンドのフィラメントの比S/Lが小さいほど、フィラメントの断面積、ひいてはチップに対するトウ詰め込み重量に対して、フィラメントのエアロゾルの捕集性能は高くなることが分かっている。フィラメントの断面の異形性が大きくなると、比S/Lは小さくなる。また、フィラメントの断面の異形性が小さくなると、比S/Lは大きくなる。
本願発明者らは、フェレエリアが比較的大きいフィラメントからなるトウバンドにより電子タバコ用チップを製造することで、異形断面を有するフィラメントからなる同等質量のトウバンドにより電子タバコ用チップを製造した場合と比較して、電子タバコ用チップにおけるフィラメントのエアロゾルの捕集能力を低下させてエアロゾルの濾過度を抑制できることを見出した。
また本願発明者らは、フィラメントデニールを特定範囲の値に設定することにより、比S/Lを適切な範囲の値に調整してエアロゾルの濾過度を抑制できることを見出した。本発明の以下の各態様は、このような観点に基づいてなされたものである。
即ち、本発明の一態様に係る電子タバコチップ用のトウバンドは、複数本のフィラメントを束状に合一し且つ捲縮してなる、セルロースアセテートのトウバンドであって、トータルデニールが、23000以上45000以下の範囲の値に設定され、フィラメントデニールが、7.0以上30.0未満の範囲の値に設定され、前記フィラメントのフェレエリアが、0.6以上0.8未満の範囲の値に設定されている。
上記構成によれば、フィラメントのフェレエリアが0.6以上0.8未満の範囲の値に設定されているので、フィラメントの断面の異形性が抑えられている。このため、該トウバンドにより製造した電子タバコ用チップは、フェレエリアが0.6未満であり且つ同等質量のフィラメントからなるトウバンドにより製造した電子タバコ用チップに比べて、エアロゾルの濾過度を抑制できる。
また、トータルデニールが23000以上45000以下の範囲の値に設定され、フィラメントデニールが、7.0以上30.0未満の範囲の値に設定されていることにより、フィラメントデニールが比較的大きなフィラメントを用いながら、フィラメント本数の減少によるチップの硬度の低下を防止できる。従って、通常のシガレットに近い優れた吸い心地を得ることができる。
また、本発明の別の態様に係る電子タバコチップ用のトウバンドは、複数本のフィラメントを束状に合一し且つ捲縮してなる、セルロースアセテートのトウバンドであって、トータルデニールが、23000以上45000以下の範囲の値に設定され、フィラメントデニールが、7.0以上30.0未満の範囲の値に設定され、前記フィラメントの断面の面積をS、前記断面の周長をLとした場合における前記面積と前記周長との比S/Lが、5.0以上の値に設定されている。
上記構成によれば、比S/Lが、5.0以上の値に設定されているので、フィラメントのフェレエリアを0.6以上0.8未満の範囲の値に設定した場合と同様に、フィラメントの断面の異形性が抑えられている。このため、該トウバンドにより製造した電子タバコ用チップは、比S/Lが5.0未満であり且つ同等質量のフィラメントからなるトウバンドにより製造した電子タバコ用チップに比べて、エアロゾルの濾過度を抑制できる。
また、トータルデニールが23000以上45000以下の範囲の値に設定され、フィラメントデニールが、7.0以上30.0未満の範囲の値に設定されていることにより、フィラメントデニールが比較的大きなフィラメントを用いながら、フィラメント本数の減少によるチップの硬度の低下を防止できる。従って、通常のシガレットに近い優れた吸い心地を得ることができる。
また、本発明の別の態様に係る電子タバコ用チップは、上記いずれかの態様のトウバンドがロッド状に成形されてなる成形体と、前記成形体の周面に巻回された巻紙とを備える。これにより、通常のシガレットに近い優れた吸い心地を得ることが可能な電子タバコ用チップを製造できる。
チップの長さ寸法が、5mm以上35mm以下の範囲の値に設定されていてもよい。これにより、ユーザがチップを咥えたときの感覚を、ユーザが通常のシガレットのチップを咥えたときの感覚に一層近づけることができ、電子タバコの吸い心地を更に向上できる。
エアロゾルの濾過度が20%未満であってもよい。これにより、ユーザが電子タバコのエアロゾルを更に吸引し易くすることができる。
本発明の各態様によれば、電子タバコ用チップにおいて、硬度が低下するのを抑制しながら、エアロゾルの濾過度を抑制できる。
実施形態に係るトウバンド製造装置の全体図である。 実施形態に係るチップ製造装置の全体図である。 実施形態に係る電子タバコの断面図である。
(実施形態)
本発明の実施形態について、各図を参照しながら説明する。
[セルロースアセテートトウバンド製造装置]
図1は、セルロースアセテート(以下、CAとも称する。)トウバンド製造装置1の全体図である。CAトウバンド製造装置1は、乾式紡糸法によりCAフィラメント61を紡糸する。またCAトウバンド製造装置1は、CAフィラメント61により、ヤーン62、エンド63、及びCAトウバンド64を製造する。
CAトウバンド製造装置1は、混合装置2、濾過装置3、紡糸ユニット4、油剤添着ユニット5、ゴデットロール6、ガイドピン7,8、捲縮装置9、及び乾燥装置10を備える。
CAトウバンド製造装置1では、セルロースジアセテート等のセルロースアセテートフレークが、所定濃度(例えば紡糸原液60の20wt%以上30wt%以下の範囲の重量濃度値)で有機溶媒に溶解された紡糸原液60が用いられる。
紡糸原液60は、混合装置2により混合された後、濾過装置3により濾過される。濾過装置3を通過した紡糸原液60は、紡糸ユニット4の紡糸筒14上に備えられた紡糸口金15が有する複数の紡糸孔から吐出される。
紡糸孔は、円形に形成されている。紡糸孔の直径は、製造後のCAフィラメント61のFDに合わせて適宜設定される。各紡糸孔から吐出された紡糸原液は、不図示の乾燥ユニットから紡糸筒14内に供給される熱風により、有機溶媒を蒸発させられることで乾燥する。これにより、固体のCAフィラメント61が形成される。
ここで、紡糸口金15の紡糸孔が円形であることにより、CAフィラメント61の断面が円形となり、CAフィラメント61の断面の異形性が抑えられる。即ち、CAフィラメント61の断面形状は、紡糸孔を通過した紡糸原液60の表面から有機溶媒が蒸発する速度である蒸発速度と、紡糸孔を通過した紡糸原液60の有機溶媒が紡糸原液60の中心から表面に拡散する拡散速度との関係によって変化する。紡糸孔を通過した紡糸原液60の表面積である蒸発表面積が大きいと、蒸発速度が拡散速度に比べて速くなり、フィラメントの表面が固化した後にフィラメントの内部から有機溶媒が拡散することで、断面形状が異形になり易い。
これに対して本実施形態では、紡糸孔が円形であることにより、紡糸孔を通過した紡糸原液60の蒸発表面積が低減されているので、蒸発速度が拡散速度に比べて速くなるのが抑えられる。これにより、CAフィラメント61の断面は円形となり、フェレエリアが後述する値に設定されて、CAフィラメント61の断面の異形性が抑えられる。
また、直径が適切に設定された円形の紡糸孔から吐出されることにより、CAフィラメント61のS/Lの値は、後述する値に設定される。なお、CAフィラメント61のフェレエリアとS/Lとの各値を調整して目的のCAフィラメント61を紡糸する基本的方法については、前述した特許文献1の記載を参照できる。
1つの紡糸筒14を通過した複数本のCAフィラメント61は、ガイドピン7,8により集束されてヤーン62となる。ヤーン62は、油剤添着ユニット5により繊維油剤を添着された後、ゴデットロール6により巻き取られる。その後ヤーン62は、所定の巻取装置により引き取られる。
ヤーン62を製造する一連のユニット、即ち、紡糸口金15からの紡糸原液60を吐出してCAフィラメント61を紡糸する紡糸ユニット4、乾燥ユニット、油剤添着ユニット5、及び、ゴデットロールを有する巻取ユニットは、併せてステーションと称される。通常では、複数のステーションが、一列に並べて配置されている。
ヤーン62は、ゴデットロール6の周面から巻取装置により引き取られる。各ステーションを通過したヤーン62は、ステーションの配列方向に沿って搬送され、順次集積又は積層される。これにより、複数のヤーン62が収束されて、ヤーン62の偏平な集合体であるエンド(トウ)63が形成される。エンド63は、複数のヤーン62を収束して所定のTDに設定したものである。エンド63は、搬送されて捲縮装置9へと導かれる。
捲縮装置9は、一対のニップロール16,17と、スタッフィングボックス(捲縮箱)18とを有する。エンド63は、一対のニップロール16,17間を通過した後、スタッフィングボックス18内に押し込まれる。エンド63がスタッフィングボックス18内に押し込まれる際の抵抗よりも大きな力で、エンド63がスタッフィングボックス18内に押し込まれることにより、エンド63に捲縮が付与される。これにより、CAトウバンド64が製造される。
捲縮装置9を通過したCAトウバンド64は、乾燥装置10により乾燥される。乾燥装置10を通過したCAトウバンド64は、集積された後、梱包容器19に圧縮梱包されてベールとなる。図1の梱包容器19は、断面構造を示している。
本実施形態のCAトウバンド製造装置1により製造されたCAトウバンド64は、TDが23000以上45000以下の範囲の値に設定され、FDが7.0以上30.0未満の範囲の値に設定され、CAフィラメント61のフェレエリアが、0.6以上0.8未満の範囲の値に設定されている。
またCAトウバンド64は、TDが23000以上45000以下の範囲の値に設定され、FDが7.0以上30.0未満の範囲の値に設定され、CAフィラメント61の比S/Lが、5.0以上の値に設定されている。
CAトウバンド64のTDの値は、上記範囲内において適宜設定可能であるが、23000以上40000以下の範囲の値であることが好ましく、23000以上38000以下の範囲の値であることがより好ましく、23000以上35000以下の範囲の値であることが一層好ましい。
また、CAトウバンド64のFDの値は、上記範囲内において適宜設定可能であるが、7.0以上29.0未満の範囲の値であることが好ましく、7.0以上25.0以下の範囲の値であることがより好ましく、7.0以上20.0以下の範囲の値であることが一層好ましい。
[チップ製造装置]
図2は、実施形態に係るチップ製造装置20の全体図である。図2に示すように、チップ製造装置20は、収束リング21、第1開繊ユニット22、ターンバッフル23、第2開繊ユニット24、プレテンションロール対25、第1開繊ロール対26、第2開繊ロール対27、第3開繊ユニット28、可塑剤添着装置29、搬送ロール対30、トランスポートジェット31、巻管部32、及び切断装置33を備える。図2の梱包容器19は、断面構造を示している。
チップ製造装置20では、梱包容器19内から繰り上げられたCAトウバンド64が、収束リング21に挿通された後、第1開繊ユニット22において加圧空気により幅方向に開繊される。その後CAトウバンド64は、ターンバッフル23により案内される。
次にCAトウバンド64は、第2開繊ユニット24において加圧空気により更に幅方向に開繊された後、プレテンションロール対25間、第1開繊ロール対26間、及び第2開繊ロール対27間に順に挿通されることにより、CAトウバンド64の搬送方向に開繊される。
第2開繊ロール対27間を通過したCAトウバンド64は、第3開繊ユニット28において加圧空気により更に幅方向に開繊された後、可塑剤添着装置29により可塑剤を添着される。
可塑剤添着装置29を通過したCAトウバンド64は、搬送ロール対30間に挿通された後、トランスポートジェット31に導入されて、ジェット気流により巻管部32に搬入される。
巻管部32は、ファンネル41、トング42、及びガニチャー43を有する。巻管部32に搬入されたCAトウバンド64は、ファンネル41において渦巻状に巻き取られてロッド状に成形される。これにより、CAトウバンド64がロッド状に成形されてなる成形体65が形成される。
また巻紙40が、トング42により成形体65に向けて案内される。成形体65は、ガニチャー43により搬送されると共に、その外周に巻紙40が巻回され且つ固定される。
切断装置33は、成形体65を間隔をあけて切断する。これによりプラグ66が製造される。プラグ66を更に切断することで、チップ67が製造される。
[電子タバコ用チップ]
図3は、実施形態に係る電子タバコ50の断面図である。電子タバコ50は長尺状であり、電子タバコユニット51と、エアロゾル発生物品52とを備える。電子タバコユニット51は、筐体53、電源54、表示部55、制御部56、加熱部57、及び操作部58を有する。
筐体53は長尺状に形成されている。電源54、制御部56、及び加熱部57は、筐体53に収容されている。表示部55と操作部58とは、筐体53の外表面(ここでは紙面裏側における筐体53の側面)に配置されている。筐体53の形状は、本実施形態では電子タバコユニット51の長手方向一端が閉塞された直管状であるが、これに限定されない。
制御部56は、配線68により電源54、表示部55、及び加熱部57に接続されている。制御部56は、一例としてワンチップマイクロコンピュータであり、操作部58からのユーザの操作入力を受け付ける。これにより制御部56は、所定のタイミングで電源54の電力を加熱部57に供給、又は、該電力の加熱部57への供給を遮断するように、電子タバコユニット51の電源回路を制御する。また制御部56は、ユーザに向けて所定情報を表示するように、表示部55を制御する。
電源54は、一例として二次電池であり、ここではリチウムイオン電池である。表示部55は、LCDであるが、文字を表示しなくてもよい。表示部55は、文字を表示しない場合は、例えばLEDランプ等のランプでもよい。
加熱部57は、エアロゾル発生物品52の基材70を、電源54から供給される電力により加熱する。加熱部57は、電子タバコユニット51内において、基材70と接触するように設けられている。本実施形態の加熱部57は、基材70内に差し込まれて基材70を内部からジュール熱により加熱するためのブレード70aを有する。筐体53と加熱部57との間には、電子タバコ50の使用時に差込口51aとエアロゾル発生物品52との隙間から基材70に向けて外気を流通させるための流通路59が設けられている。
エアロゾル発生物品52は、電子タバコ50の使用時には、電子タバコユニット51の長手方向他端に形成された差込口51aに差し込まれる。エアロゾル発生物品52はロッド状であり、基材70、セパレータパイプ71、エアロゾル発生部72、チップ67、及び巻紙73を有する。エアロゾル発生物品52では、その長手方向一端から他端に向けて、基材70、セパレータパイプ71、エアロゾル発生部72、及びチップ67が、この順に配置されている。巻紙73は、これらの要素66,70〜72の外周を一体的に巻回している。
基材70は、エアロゾル発生物品52の長手方向一端に配置されている。基材70は、タバコ成分である揮発成分を含有すると共に、電子タバコユニット51の差込口51aから電子タバコユニット51の内部に差し込まれる。基材70は、電子タバコ50の使用時に加熱部57に加熱されることで揮発成分を発生する。
基材70は、揮発成分を発生する香味材料、例えばニコチンを含む。具体的に基材70は、タバコ葉、タバコリブ、膨張タバコ、均質化タバコ、及びハーブ葉の少なくともいずれかを含んでいることが好ましい。これらの材料は、例えば、細断片状、粉体状、糸状、又は帯状のいずれかの形状のような固体で含まれていてもよいし、液体で含まれていてもよいし、固体及び液体の両方の形態で含まれていてもよい。該材料が液体で含まれる場合、該材料の液体はカプセルに封入されていてもよい。このようなカプセルは、電子タバコ50の使用時に加熱されて溶融される。
また基材70は、ニコチン以外の香味材料を含んでいてもよい。香味材料は、熱的に安定した担持体に保持されていてもよい。また香味材料は、シート状、発泡体状、ゲル状、又はスラリー状の形態で、担持体に保持されていてもよい。また香味材料は、基材70の全体に均一に含まれていてもよいし、基材70中に偏在して含まれていてもよい。
セパレータパイプ71は、エアロゾル発生物品52の長手方向に延び、基材70とエアロゾル発生部72との間に配置されることで、基材70とエアロゾル発生部72とを離隔するセパレータとして機能する。これによりセパレータパイプ71は、エアロゾル発生物品52が差込口51aから電子タバコユニット51の内部に差し込まれる際、エアロゾル発生物品52が長手方向に圧縮されて基材70がエアロゾル発生部72に接触する程度まで押し潰されるのを防止する。
本実施形態のセパレータパイプ71は、中空のロッド状に形成されている。セパレータパイプ71の中空部には、電子タバコ50の使用時に基材70から発生した揮発成分が、チップ67に向けて流通する。一例として、セパレータパイプ71は、セルロースジアセテートにより構成されているが、これに限定されず、ポリプロピレン等の他の材料により構成されていてもよい。
エアロゾル発生部72は、エアロゾル発生物品52の長手方向に延び、セパレータパイプ71を通過した基材70からの揮発成分を冷却・凝集することで、エアロゾルを発生させる。
エアロゾル発生部72は、例えば、エアロゾル発生物品52の周方向に巻回された帯状のシート体、又は、各折り目がエアロゾル発生物品52の長手方向に延びるように細かく折り畳まれた帯状のシート体により構成される。エアロゾル発生部72では、このように巻回され又は細かく折り畳まれたシート体の間隙により、エアロゾルの流通経路が形成されている。
このエアロゾル発生部72のシート体は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、PETG(高強度ポリエチレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタレート共重合体))、ポリ乳酸、セルロースアセテート、デンプン系ポリエステル、多孔性ペーパー、アルミホイル等のいずれかの材料により構成されている。エアロゾル発生物品52が使い捨て物品であることを考慮すると、シート体は、生分解性を有するポリ乳酸や多孔性ペーパー等の材料により構成されることが好ましい。
本実施形態のチップ67は、CAトウバンド製造装置1により製造されたCAトウバンド64を用いて、チップ製造装置20により製造されたものである。チップ67は、エアロゾル発生物品52の長手方向他端に配置されている。
チップ67は、成形体65と、この成形体65の周面に巻回された巻紙40とを備える。チップ67は、電子タバコ50の使用時にユーザに咥えられ、エアロゾル発生部72を通過したエアロゾルを濾過する。
ここで、電子タバコの吸い心地は、通常のシガレットの吸い心地に近いことが好ましい。このためチップ67は、通常のシガレットのチップと同様に、複数本のCAフィラメント61を束状に合一し且つ捲縮してなるCAトウバンド64により構成されている。
チップ67の長さ寸法(電子タバコ50の差込口51aに対する差し込み方向におけるチップ67の寸法)は、適宜設定可能であり、例えば5mm以上35mm以下の範囲の値に設定されている。またチップ67の長さ寸法は、例えば、下限値を5mm,7mm,10mmのいずれかとし、上限値を17mm,20mm,25mm,28mm,30mm,35mmのいずれかとする範囲の値に設定できる。
ここで、チップ67の通気抵抗(PD)は、チップ67の長さ寸法に比例する。従って、製造しようとするチップ67の通気抵抗は、当該チップ67の長さ寸法を、通気抵抗が既知のチップ67の長さ寸法と比較することで算出できる。チップ67の周長は、適宜設定可能であるが、一例として、19mmより大きい値に設定されており、ここでは24.5mmに設定されている。
電子タバコ50の使用時には、ユーザは、エアロゾル発生物品52を差込口51aから電子タバコユニット51の内部に差し込み、操作部58を操作して、電子タバコユニット51の電源をONにする。
これにより制御部56は、電源54からの電力により加熱部57を加熱するように電源回路を制御する。加熱部57が所定温度まで加熱された状態で所定時間が経過すると、制御部56は表示部55を通じて喫煙可能になった旨をユーザに表示する。
ユーザがチップ67を咥えて息を吸い込むことで、加熱部57により加熱されて揮発した基材70からの揮発成分が、セパレータパイプ71を流通する。セパレータパイプ71を通過した揮発成分は、エアロゾル発生部72の間隙を流通する際に冷却・凝集される。これにより、揮発成分を含むエアロゾル(液滴)が発生する。
エアロゾル発生部72を通過したエアロゾルは、チップ67において適切に濾過された後、ユーザに吸引される。チップ67に用いられたCAトウバンド64にエアロゾルが衝突することで、エアロゾルは更に温度低下されてユーザに吸引される。
ここでCAトウバンド64は、TDが23000以上45000以下の範囲の値に設定され、FDが7.0以上30.0未満の範囲の値に設定され、CAフィラメント61のフェレエリアが、0.6以上0.8未満の範囲の値に設定されている。
またCAトウバンド64は、TDが23000以上45000以下の範囲の値に設定され、FDが7.0以上30.0未満の範囲の値に設定され、CAフィラメント61の比S/Lが、5.0以上の値に設定されている。
このようにチップ67では、CAフィラメント61のフェレエリアが0.6以上0.8未満の範囲の値に設定されているので、CAフィラメント61の断面の異形性が抑えられている。このため、トウバンド64により製造されたチップ67は、フェレエリアが0.6未満であり且つ同等質量のフィラメントからなるトウバンドにより製造した電子タバコ用チップに比べて、エアロゾルの濾過度を抑制できる。
またチップ67によれば、比S/Lが、5.0以上の値に設定されていることによっても、CAフィラメント61の断面の異形性が抑えられている。このため、トウバンド64により製造したチップ67は、比S/Lが5.0未満であり且つ同等質量のフィラメントからなるトウバンドにより製造した電子タバコ用チップに比べて、エアロゾルの濾過度を抑制できる。
また、TDが23000以上45000以下の範囲の値に設定され、FDが7.0以上30.0未満の範囲の値に設定されていることにより、FDが比較的大きなCAフィラメント61を用いながら、CAフィラメント61の本数の減少によるチップ67の硬度の低下を防止できる。従って、通常のシガレットに近い優れた吸い心地を得ることができる。
また、チップ67の長さ寸法が、5mm以上35mm以下の範囲の値に設定されているので、ユーザがチップ67を咥えたときの感覚を、通常のシガレットのチップを咥えたときの感覚に一層近づけることができ、電子タバコ50の吸い心地を更に向上できる。
また、チップ67のエアロゾルの濾過度が20%未満であるため、ユーザが電子タバコ50のエアロゾルを更に吸引し易くすることができる。
(確認試験)
次に、実施例及び比較例について説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。実施例に係るCAトウバンド64は、次の手順で製造した。すなわち、平均酢化度55.2%のセルロースジアセテートをアセトンに溶解し、濃度約25質量%の紡糸原液60を調製した。
この紡糸原液60を温度50〜60℃に温度調整した状態で、紡糸口金15に供給した。紡糸口金15の紡糸孔は、直径71μmの円形とした。紡糸原液60を紡糸口金15より紡糸筒14内に吐出し、CAフィラメント61を紡糸した。紡糸筒14内では、アセトンを蒸発させるため、CAフィラメント61に120℃以上150℃以下の値に設定した加熱空気を当てた。
紡糸筒14より排出されたヤーン62に、油剤添着ユニット5によりオイルエマルジョンを付与し、ヤーン62をゴデットロール6により巻き取った。ヤーン62を合一して形成したエンド63を捲縮装置9により捲縮し、乾燥装置10により乾燥させた。これにより、FDが8.6に設定され且つTDが31000に設定された実施例のCAトウバンド64を得た。
比較例に係るCAトウバンドは、1辺が96μm程度の三角形の紡糸孔を有する紡糸口金を用いた以外は、実施例と同様の手順で製造した。これにより、FDが8.6に設定され且つTDが31000に設定された比較例のCAトウバンドを得た。次に、実施例及び比較例について、フェレエリア、通気抵抗、タール濾過率(濾過度)、及びニコチン濾過率(濾過度)を、以下に示す各測定方法により測定した。
[フェレエリア]
実施例及び比較例に係るCAトウバンドから、以下の手順でフィラメントサンプルを作製した。すなわち、CAトウバンドから繊維束を一部抜き取り、繊維束を長尺状の芯体として配置し、この芯体の外周をパラフィンにより包んだ。このように作製したフィラメントサンプルを、ミクロトームにより、1μm以上10μm以下の範囲の値の厚みにスライスしてサンプル切片を得た。
このサンプル切片を、光学顕微鏡(オリンパス株式会社(Olympus Corporation)製「BX−51」)で観察し、観察で得た画像を画像処理装置に取り込んだ。この画像処理装置に、当該画像に含まれる1つのCAフィラメントの断面に外接する仮想平行四辺形を設定させると共に、CAフィラメントの断面積と仮想平行四辺形の面積との測定を行わせた。このCAフィラメントの断面積と仮想平行四辺形の面積との測定値により、CAフィラメントのフェレエリアを算出した。
[S/L比]
実施例及び比較例に係る上記サンプル切片を、上記光学顕微鏡により観察し、観察で得た画像を上記画像処理装置に取り込んだ。この画像処理装置に、当該画像に含まれる1つのCAフィラメントの断面積と、当該断面の周長との測定を行わせた。このCAフィラメントの断面積と周長との測定値により、CAフィラメントのS/L比を算出した。
[通気抵抗]
実施例及び比較例に係るCAトウバンドにより、以下の手順でフィルターロッド(プラグ)サンプルを作製した。すなわち、CAトウバンド製造装置を用いて製造した実施例及び比較例のCAトウバンドを、チップ製造装置を用いて所定の直径に集束した。このCAトウバンドをロッド状に成形し、その外周に巻紙を巻回して、巻紙をCAトウバンドに固定することで、フィルターロッドサンプルを得た。
このフィルターロッドサンプルは、ロッドの長さ寸法120mm、円周長24.5mm、詰込み量(正味トウ重量)0.705g/rodに設定した。作製したフィルターロッドサンプルは、温度20℃及び湿度65%に設定された空調室内で、24時間保管して調湿した。
次に、温度22±1℃及び湿度60±10%に調整された空気を、毎秒17.5ccの流量で、フィルターロッドサンプルに長手方向に通過させた。このときのフィルターロッドサンプルの両端における圧力差[mmWG](ミリメートルウォーターゲージ)を、通気抵抗として測定した。なお、フィルターロッドサンプルは巻紙を貫通する貫通孔を有していないものとした。
[タール・ニコチン濾過率]
実施例及び比較例に係るCAトウバンドから、以下の手順でシガレットサンプルを作成した。すなわち、フィルターロッドサンプルを径方向に切断し、この切断片に、フィルター付タバコのタバコ葉(日本たばこ産業株式会社製「ピースライト」)部分を接続することで、チップ(長さ寸法25mm)を有するシガレットサンプルを作成した。
ロータリー喫煙機(Borgwaldt kc社製「MR20D」)を用いて、このシガレットサンプルを喫煙させ、シガレットサンプルのチップ及び吸い口側に設置したケンブリッジフィルターにより、タール及びニコチンを含む揮発成分を濾過した。喫煙前後のチップとケンブリッジフィルターの重量差から、シガレットサンプルにおけるタバコ葉部分からの全揮発成分量を測定した。
メタノール30ml及びアネトール(0.65g)/メタノール(1000ml)混合液4mlを混合し、チップ及びケンブリッジフィルターを混合液に浸し、超音波洗浄機で30分間振動させて揮発成分を抽出した。水分測定器(日本測器株式会社製「カールフィッシャー水分測定器(CA−06型)」)を用いて、各抽出液中の水分量を測定した。
ニコチン量は、ガスクロマトグラフ(株式会社島津製作所製「GC−2014 GASCHROMATOGRAPH」)を用いて測定した。得られた全揮発成分量、水分量、及びニコチン量の測定値から、以下に示す式により、タール濾過率とニコチン濾過率とを算出した。
ニコチン濾過率=FTN/(FTN+CFN)
タール濾過率=(FTV−FTN−FTW)/〔(FTV−FTN−FTW)+(CTV−CTN−CTW)〕
ここで、FTNはチップのニコチン量、CFNはケンブリッジフィルターのニコチン量、FTVはチップの全揮発成分量、CFVはケンブリッジフィルターの全揮発成分量、FTWはチップの水分量、CFWはケンブリッジフィルターの水分量である。
表1に、実施例及び比較例に係るCAトウバンド性状、フィルターロッドサンプル(シガレットサンプル)性状、及び各測定結果を示す。
Figure 2019070217
表1に示すように、実施例のフィルターロッドサンプルは、CAフィラメント61のフェレエリアが0.71に設定され、且つ、CAフィラメント61のS/L比が7.7に設定されていることが確認された。比較例のフィルターロッドサンプルは、CAフィラメントのフェレエリアが0.42に設定され、且つ、CAフィラメントのS/L比が4.8に設定されていることが確認された。
このように、実施例のフェレエリアの値は、比較例のフェレエリアの値よりも大きく、実施例のS/Lの値は、比較例のS/Lの値よりも大きい。実施例のCAフィラメント61の断面の異形性は、比較例のCAフィラメントの断面の異形性よりも抑制されていることが確認された。
また、実施例のフィルターロッドサンプルは、実施例のCAトウバンド64と同等質量のCAトウバンドにより作製した比較例のフィルターロッドサンプルに比べて、タール濾過率とニコチン濾過率との両方が低減されることが分かった。
また、実施例及び比較例のフィルターロッドサンプルは、円周長が同等であり、CAトウバンドの詰め込み量が共に比較的多い。しかしながら、実施例のシガレットサンプルの通気抵抗は、比較例のシガレットサンプルの通気抵抗よりも低く、具体的には比較例のシガレットサンプルの通気抵抗の2/3以下の値にまで低減されることが分かった。
これにより、実施例のCAトウバンド64により製造した電子タバコ用チップ67では、ユーザが咥えたときの硬度をある程度維持しながら、通気抵抗を良好に抑制でき、通常のシガレットに近い吸い優れた心地を得ることができると考えられる。
また、発明者らが行った別の検討によれば、実施例のCAトウバンド64により製造した電子タバコ用チップ67と同様の構成を有するチップにおいて、その長さ寸法を25mm以外の5mm以上35mm以内の範囲の値に設定した場合にも、実施例と同様の効果が得られることが、実施例の通気抵抗値に基づく計算により明らかになった。
このように、CAトウバンド64により製造した電子タバコ用チップ67は、通気抵抗が比較的低いため、例えば、その長さ寸法を比較的長くすることができる。このため、電子タバコ用チップ67の長さ寸法の設計自由度を向上できると考えられる。
また、発明者らが行った別の検討により、TDを31000以外の23000以上45000以下の範囲の値に設定し、FDを8.6以外の7.0以上30.0未満の範囲の値に設定し、CAフィラメント61のフェレエリアを0.71以外の0.6以上0.8未満の範囲の値に設定したCAトウバンド64により電子タバコ用チップ67を製造すれば、実施例と同様の効果が得られることが分かった。
また、TDを31000以外の23000以上45000以下の範囲の値に設定し、FDを8.6以外の7.0以上30.0未満の範囲の値に設定し、CAフィラメント61の比S/Lを7.7以外の5.0以上の値に設定したCAトウバンド64により電子タバコ用チップ67を製造すれば、実施例と同様の効果が得られることが分かった。
本発明は、実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その構成及び方法を変更、追加、又は削除できる。
以上のように本発明は、電子タバコ用チップにおいて、硬度が低下するのを抑制しながら、エアロゾルの濾過度を抑制できる優れた効果を有する。従って、この効果の意義を発揮できる電子タバコチップ用のトウバンド、及び、電子タバコ用チップに本発明を広く適用すると有益である。
40 巻紙
50 電子タバコ
61 CAフィラメント
64 CAトウバンド
65 成形体
67 電子タバコ用チップ

Claims (5)

  1. 複数本のフィラメントを束状に合一し且つ捲縮してなる、セルロースアセテートのトウバンドであって、
    トータルデニールが、23000以上45000以下の範囲の値に設定され、フィラメントデニールが、7.0以上30.0未満の範囲の値に設定され、前記フィラメントのフェレエリアが、0.6以上0.8未満の範囲の値に設定されている、電子タバコチップ用のトウバンド。
  2. 複数本のフィラメントを束状に合一し且つ捲縮してなる、セルロースアセテートのトウバンドであって、
    トータルデニールが、23000以上45000以下の範囲の値に設定され、フィラメントデニールが、7.0以上30.0未満の範囲の値に設定され、前記フィラメントの断面の面積をS、前記断面の周長をLとした場合における前記面積と前記周長との比S/Lが、5.0以上の値に設定されている、電子タバコチップ用のトウバンド。
  3. 請求項1又は2に記載のトウバンドがロッド状に成形されてなる成形体と、
    前記成形体の周面に巻回された巻紙と、を備える、電子タバコ用チップ。
  4. チップの長さ寸法が、5mm以上35mm以下の範囲の値に設定されている、請求項3に記載の電子タバコ用チップ。
  5. エアロゾルの濾過度が20%未満である、請求項3又は4に記載の電子タバコ用チップ。
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