特定の実施形態が、図面を参照して記載される。記載中、共通の特徴は、全図面を通して共通の参照番号で示されている。本明細書で使用される様々な用語は、特定の実施形態を説明する目的で使用されているにすぎず、限定することは意図されていない。例えば、単数形「1つの(a、an)」及び「その(the)」は、文脈に別様の明記がない限り、複数形も含むことが意図されている。さらに、「含む」を意味する用語「comprise」、「comprises」、及び「comprising」が、同様に「含む」を意味する「include」、「includes」、及び「including」と互いに交換可能に使用されてよいことは、理解されてよい。加えて、「ここでは」(wherein)という用語が、「この場合」(where)という用語と互いに交換可能に使用されてよいことも、理解されるだろう。本明細書で使用する場合、「例示的」という語は、実施例、実施形態、及び/または態様を表していてよく、限定するものとして、または優先順位もしくは好適な実施形態を表すものとして解釈すべきではない。本明細書で使用する場合、構造、構成要素、操作などといった要素を修飾するのに使われる序数を表す用語(例えば「第1」、「第2」、「第3」など)は、それ自体では、その要素の他の要素に退位する優先順位を何ら表すものではなく、その要素を(その序数の使用以外は)同一の名称を持つ別の要素と区別しているに過ぎない。本明細書で使用する場合、「一式」という用語は、1つ以上の要素の群を指しており、「複数」という用語は、2つ以上の要素を指している。
本開示中では、「決定する」「計算する」「生成する」「調整する」「変更する」などといった用語は、1つ以上の操作がどのように実施されるかについて記載するのに使用されてよい。これらの用語は、限定するものとして解釈されるべきではなく、同様の操作を実施するために他の技法が利用されてよい。さらに、本明細書で使用する場合、「生成する」「計算する」、「使用する」、「選択する」、「アクセスする」及び「決定する」は、互いに交換可能に使用されてよい。例えば、パラメータ(または信号)を「生成する」、「計算する」、または「決定する」ことは、パラメータ(または信号)を能動的に生成するか、計算するか、もしくは決定することを指していてよいか、または、例えば別の構成要素もしくはデバイスによって既に生成されたパラメータ(もしくは信号)を使用するか、選択するか、もしくはそれにアクセスすることを指していてよい。さらに、「調整する」及び「変更する」は、互いに交換可能に用いられ得る。例えば、パラメータを「調整する」または「変更する」ことは、パラメータを第1の値から第2の値(「変更された値」または「調整された値」)へと変えることを指していてよい。本明細書で使用する場合、「連結された」とは、「通信可能に連結された」、「電気的に連結された」、または「物理的に連結された」ことを含んでいてよく、さらに(または代わりに)これらの任意の組み合わせを含んでいてよい。2つのデバイス(または構成要素)は、直接、または1つ以上の他のデバイス、構成要素、配線、バス、ネットワーク(例えば有線ネットワーク、無線ネットワーク、もしくはその組み合わせ)などを介して間接的に、連結(例えば通信可能に連結、電気的に連結、もしくは物理的に連結)されていてよい。電気的に連結されている2つのデバイス(または構成要素)は、同じデバイス内または異なるデバイス内に含まれていてよく、例示的で非限定的な例として、電子機器、1つ以上のコネクタ、または誘導結合を介して接続されていてよい。ある実施形態では、電気的に通信しているといったように、通信可能に連結された2つのデバイス(または構成要素)は、直接、または1つ以上の配線、バス、ネットワークなどを介して間接的に、電気信号を送信及び受信し得る。本明細書で使用する場合、「直接連結された」ということは、構成要素の介在なしに連結(例えば通信可能に連結、電気的に連結、または物理的に連結)された、2つのデバイスを含んでいてよい。
本明細書で開示されている実施形態は、「隣接する」ネットワークデバイスとの柔軟なピアリングを提供するために、ネットワーク情報に基づいてビークル上で通信データのルーティングを実施する、ビークル系通信ネットワークを操作する、システム、コンピュータ可読媒体、及び方法を対象としている。例示すると、衛星系ネットワーク(例えばビークル系ネットワーク)は、第1のデバイス(例えば、カスタマーエッジルータといった地上の第1のネットワークのデバイス)から、地上の第2のデバイス(例えば、カスタマーエッジルータといった地上の第2のネットワークのデバイス)へのインターネットプロトコル(IP)のトラフィックを移送するように構成された、衛星を含む。本明細書でさらに記載されるように、本開示の衛星(または他のビークル)は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の通信経路内にある1つ以上のネットワークに関連する、ネットワークルーティングトポロジーデータ及びシグナリング制御データといったネットワーク制御プレーン情報に基づいて、(衛星のスイッチマトリクスの構成によって)衛星(またはビークル)上での信号のルーティングを実施するように構成されている。ネットワークルーティングトポロジーデータ及びシグナリング制御データは、1つ以上のラベルスイッチルーティングプロトコルまたはパケットスイッチルーティングプロトコルに従って、通信されフォーマットされてよく、衛星は、通信データをルーティングするのに使用されるラベルまたは他のヘッダを抽出するために、衛星上で受信した通信データを復調することなしに、ネットワークルーティングトポロジーデータ及びシグナリング制御データに基づいて、スイッチング構成データを生成するように構成されている。
さらに例示すると、衛星は、衛星の入力ポートで受信した(例えば入力ビームまたはアップリンクビームからの)信号を、1つ以上の地上の(例えば地球上の)デバイスに送信するため、衛星の出力ポートへと(例えば出力ビームまたはダウンリンクビームに)「スイッチ」するように構成された、スイッチマトリクスを含む。本明細書で使用する場合、信号を「スイッチングする」とは、信号(もしくはその一部)を、スイッチマトリクスのうちの1つ以上のスイッチを通じてルーティングすること、信号(もしくはその一部)を1つ以上のタイムスロット(もしくは光学的実施形態の場合には周波数)に割り当てること、または信号(もしくはその一部)に、入力ポートからスイッチマトリクス(もしくは入出力ポート間の衛星のペイロードの任意の他の構成要素)を経由して出力ポートまでの、1つ以上の通信経路を通過させるその他の動作、を意味する。スイッチマトリクスは、衛星の入力ポートから受信した信号(またはその一部)を衛星の出力ポートにスイッチするように構成された、1つ以上の物理的スイッチ、1つ以上の光学スイッチ、または1つ以上のデジタル構成要素(例えばフィルタなど)を含み得る。衛星に関連するリソースマネジャー(例えば、プロセッサ、コントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他の回路)は、スイッチマトリクスの構成を行うために衛星に提供される、スイッチング構成データを生成するように構成されている。特定の実施形態では、リソースマネジャーは、衛星系ネットワークの、地上のオペレーションセンター(例えば地球上のネットワークオペレーションセンター)内か、または衛星系ネットワークの、地上のゲートウェイ内に一体化されている。代替実施形態では、リソースマネジャーは、衛星に搭載されて一体化されている。リソースマネジャーは、ネットワークルーティングトポロジーデータ及びシグナリング制御データといったネットワーク制御プレーン情報を受信し、ネットワーク情報に基づいてスイッチング構成データを生成するように、さらに構成されている。代替実施形態では、リソースマネジャーは、スイッチング構成データを生成するため、ユーザネットワークトラフィックパターンを監視するように構成されている。ネットワーク制御プレーン情報は、ユーザプレーントラフィックデータ(例えばユーザネットワークトラフィック)から独立して受信され、衛星上でルーティングされて、地上の1つ以上の構成要素または他の衛星に送信される。
例示すると、衛星系ネットワークは、第1の外部ネットワーク(例えば、第1の地上のネットワーク)と第2の外部ネットワーク(第2の地上のネットワーク)の間でIPトラフィックを移送し得る。第1の外部ネットワーク及び第2の外部ネットワークは、ラベルスイッチネットワーク(または他のIPスイッチネットワーク)を含む。第1の外部ネットワークと第2のネットワークのネットワークノード(例えばルータ)は、ネットワークノードにおけるラベルスイッチング(例えばラベルに基づくルーティング)を実施するため、ネットワークルーティングトポロジーデータ及びシグナリング制御データを共有する。リソースマネジャーは、第1の外部ネットワーク及び第2の外部ネットワークのネットワークノードから、ネットワークルーティングトポロジーデータ及びシグナリング制御データを受信し、ネットワークルーティングトポロジーデータ及びシグナリング制御データに基づいて、(第1の外部ネットワークのデバイスと第2の外部ネットワークのデバイスとの間の通信経路を初期化または変更するために)スイッチング構成データを生成するように構成されている。リソースマネジャーは、リソースマネジャーにおいて生成されたネットワークルーティングトポロジーデータ及びシグナリング制御データを、第1の外部ネットワーク及び第2の外部ネットワークのネットワークノードに提供するように、さらに構成されている。ネットワークルーティングトポロジーデータ及びシグナリング制御データは、汎用マルチプロトコルラベルスイッチング(GMPLS)プロトコル一式、またはOPENFLOW(商標)プロトコル一式(OPENFLOWは、カリフォルニア州メンローパークのOpen Networking Foundationの許諾商標である)といった、1つ以上の仕様またはプロトコルに従って、生成され共有されてよい。
スイッチマトリクスが、ネットワーク制御プレーン情報(例えばネットワークルーティングトポロジーデータ及びシグナリング制御データ)、またはユーザプレーントラフィックパターンのどちらかに基づいて構成されているため、スイッチマトリクスを通じて衛星上でルーティングされた通信データが、(例えば、スイッチマトリクスの構成を変更する際に)通信データをルーティングするのに使用するラベルまたはヘッダを抽出するために復調されていなくても、衛星系ネットワークが、ラベルスイッチルータの機能を実施することは可能である。ある実施形態では、衛星(または他のビークル)は、ネットワーク制御プレーン情報をスイッチング構成データに変換する、衛星(または他のビークル)上でのリソースマネジメント機能を実施する。他の実施形態では、旧来型衛星(legacy satellites。例えば、衛星上でリソースマネジメント機能を実施するようには構成されていない衛星)は、本明細書でさらに記載されるとおり、旧来型衛星が地上のピアリングデバイスにとってラベルスイッチルータとして見えることができるようにするために、地上のオペレーションセンター内または1つ以上のゲートウェイ内に一体化されているリソースマネジャーによって制御される。したがって、本開示の衛星系ネットワークは、衛星上で通信データをルーティングする際に使用するようにIPパケット(またはIPパケットのヘッダ)をカプセル化するラベルを抽出するための衛星上での復調を実施しない他の衛星系ネットワークと対比して、ラベルスイッチ機能を実施することが可能である。したがって、他の衛星系ネットワークは、「完全なピアリングモデル」(例えば、サービス品質(QoS)または他のプロバイダ固有の基準を満足させるネットワーク経路の選択を可能にするために、エンドツーエンドのネットワーク経路内にある全ネットワーク内の全ネットワークノードが、ルーティング情報及びシグナリング情報を動的に共有することが可能であるモデル)、「部分的なピアリングモデル」(例えば、衛星系ネットワークが、ルーティング情報及びシグナリング情報を外部ネットワークと共有することなしに、ラベルに基づくルーティングを実施しているように見えるモデル)、または従来型の「オーバーレイモデル」(例えば、衛星ネットワークが、他の外部ピアリングネットワークから分離された独自のネットワークとして管理されている)に従って他のネットワークと相互作用することが、不可能である。他の衛星系ネットワークがこれらのピアリングモデル(例えば、少なくとも完全なピアリングモデル及び部分的なピアリングモデル)に従って他のネットワークと相互作用することが可能でないため、これらの他の衛星系ネットワークは、(衛星系ネットワークを含む)複数のネットワークにわたるエンドツーエンドの通信経路を設計する上での課題を提示しており、QoS基準といった様々なエンドツーエンドトラフィックの基準を満たすことが、不可能である。
対照的に、本開示の衛星系ネットワーク(または他のビークル系ネットワーク)は、ラベルスイッチング(または他のIPスイッチング)機能を実施することが可能であり、ネットワーク情報を他のネットワークと共有することが可能である。これによって、ネットワークサービスを、より高いアジリティで開発し展開することが可能になる(例えば、エッジツーエッジの経路を、オペレータの介在なしに確立することができる)。リソースマネジャーが、スイッチマトリクスの構成を行うのに使うために他のネットワークからのネットワーク情報を受信するように構成され、通信経路に関連しているスイッチング情報を、スイッチマトリクスを通じて他のネットワークと共有するように構成されているため、この衛星系ネットワークは、「部分的なピアリング」モデル(例えば、衛星系ネットワークが、通信データをルーティングすることはできるが、内部のスイッチング構成の情報は共有しない)、または「完全なピアリング」モデル(例えば、衛星系ネットワークが、通信データをルーティングすることができ、且つ内部のスイッチング構成の情報を他のネットワークのネットワークノードと共有する)に従って、他のネットワークと相互作用することが可能である。本書で使用する場合、ピアリングとは、ネットワーク間の「ロジカルな近接性」を指す。部分的なピアリングモデルまたは完全なピアリングモデルに従って他のネットワークと相互作用することによって、オーバーレイモデルに従って他のネットワークと共に稼働している衛星系ネットワーク(例えば、同じネットワークプロトコルに従うことなしに、且つ内部ネットワーク動作または通信経路に関する情報を共有することなしに、2つの他のネットワークを接続している別のネットワーク)が満たしていない、サービス品質(QoS)基準またはネットワーク固有のルールもしくは基準といったトラフィックエンジニアリングの基準を、この衛星系ネットワークが満足することが可能になり得る。
図1は、ネットワーク情報に基づいて衛星のスイッチマトリクスの構成を行うシステム100の、特定の実施形態の例を示す。本書でさらに記載されるように、スイッチマトリクス110の構成はネットワーク情報に基づいており、それによって、(衛星で受信した信号に含まれる)通信データを、ネットワーク情報に基づいて衛星上でルーティングすることが可能になっている。ネットワーク情報に基づいて信号(及び信号に含まれる通信データ)を衛星上でルーティングすることによって、システム100が完全なピアリングモデル(または部分的なピアリングモデル)に従って他の通信ネットワークと相互作用することが可能になり、それによって、本書でさらに記載するように、システム100が、サービス品質(QoS)基準またはプロバイダ固有の基準といった、様々なエンドツーエンドの通信基準をサポートすることが可能になる。
システム100は、衛星102を含む。衛星102は、衛星系通信ネットワークの一部である。システム100は、本明細書では衛星として記載されているが、他の実施形態では、別のビークルを含む。本明細書で使用する場合、ビークルとは、宇宙船または航空機を指しており、地上の(地球上の)デバイスとは別個である。例示すると、ビークルは衛星、シャトルなどといった宇宙船、または航空機を含んでいる。特定の実施形態では、システム100は、無人航空ビークル(UAV)(例えば、ドローン)を含む。
衛星102は、ペイロード104及び1つ以上の制御システム(簡便性のため図示せず)を含む。1つ以上の制御システムは、非限定的な例として、発電及び電力制御、熱制御、遠隔測定、高度制御、軌道制御、または他の制御操作といった衛星102用の制御操作を実施するように構成された、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコントローラ、専用ハードウェア、またはこれらの組み合わせを含む。
ペイロード104は、衛星102を含む衛星系ネットワークのユーザに対して、通信サービスを提供するように構成されている。通信サービスは、非限定的な例として、データ通信(例えばインターネットプロトコル(IP)のパケット通信)、電話通信、インターネットアクセス、ラジオ、テレビ、他の種類の通信、またはこれらの組み合わせを含む。ペイロード104は、受信用アンテナ(または受信用アンテナアレイ)、送信用アンテナ(または送信用アンテナアレイ)、及びそれらの間の回路(例えば、衛星102の入力ポートと出力ポートとの間の処理及びルーティング用回路)を含む。例示すると、ペイロード104は、第1の入力ポート124に連結された第1の受信用アンテナ120と、第2の入力ポート125に連結された第2の受信用アンテナ121と、N番目の入力ポート126に連結されたN番目の受信用アンテナ122と、第1の出力ポート134に連結された第1の送信用アンテナ130と、第2の出力ポート135に連結された第2の送信用アンテナ131と、M番目の出力ポート136に連結されたM番目の送信用アンテナ132とを含む。ある実施形態では、受信用アンテナ120−122は1つ以上の受信用アンテナアレイに含まれており、送信用アンテナ130−132は1つ以上の送信用アンテナアレイに含まれている。ある実施形態では、受信用アンテナ120−122のうちの1つ以上が同一の受信用アンテナアレイに含まれているか、送信用アンテナ130−132のうちの1つ以上が同一の送信用アンテナアレイに含まれているか、またはその両方である。
図1に示す具体的な実施形態では、ペイロード104は、3つの受信用アンテナと3つの送信用アンテナを含む(例えば、N及びMが3と等しい)。他の実施形態では、ペイロード104は、3つより多いかまたは3つよりも少ない受信用アンテナを含み、ペイロード104は、3つより多いかまたは3つよりも少ない送信用アンテナを含む。ある実施形態では、受信用アンテナの数と送信用アンテナの数は、同一である(例えば、NはMと等しい)。他の実施形態では、ペイロード104は、送信用アンテナよりも多くの受信用アンテナを含むか、または送信用アンテナよりも少ない受信用アンテナを含む(例えば、NはMと等しくない)。
ペイロード104は、受信用アンテナ120−122及び送信用アンテナ130−132に加えて、アナログフロントエンド(AFE)106、スイッチマトリクス110、及びアナログバックエンド(ABE)を含む。AFE106は、入力ポート124−126において受信用アンテナ120−122から受信したRF信号のアナログ処理を実施し、RF信号をデジタル領域に変換するように構成された、ローノイズアンプ(LNA)、フィルタ、ミキサー、アナログ−デジタルコンバータ(ADC)、などといった回路を含む。特定の実施形態では、AFE106は、N個のRF信号をデジタル処理用の中間周波数(IF)信号にダウンコンバートするように構成された、N個のミキサーを含む。ABE114は、デジタル−アナログ変換(例えばIF信号からRF信号への変換)を実施するように構成され、且つ出力ポート134−136から送信用アンテナ130−132への出力に先立ってRF信号をアナログ処理するように構成された、パワーアンプ(PA)または駆動アンプ、フィルタ、ミキサー、デジタル−アナログコンバータ(DAC)、などといった回路を含む。
スイッチマトリクス110は、1つ以上の信号(またはその一部)を入力ポート124−126から出力ポート134−136へとルーティングするため、1つ以上の出力(またはその一部)をAFE106からABE114へとルーティングするように構成された回路を含む。例示すると、スイッチマトリクス110は、1つ以上のスイッチ(例えば、スイッチング機能を実施する集積回路(IC))と、1つ以上の光学スイッチと、1つ以上のマイクロ波スイッチと、ルーティング及びスイッチング機能を実施するように構成された他のデジタル回路(例えば、フィルタ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など)、またはそれらの組み合わせを含む。例として、スイッチマトリクス110は、入力ポート124−126のうちの1つ以上を出力ポート134−136のうちの1つ以上に連結するように構成された、複数のスイッチを含む。特定の実施形態では、スイッチマトリクス110は、各複数のサブバンドに関連しており、且つ共有バスまたは他の通信媒体を介して相互接続している、複数のスイッチASICを含む。
ある実施形態では、ペイロード104は、チャネライザー108及びコンバイナー112を含む。チャネライザー108は、受信用アンテナにおいてアップリンクビーム上で受信したサブバンドスペクトルのデジタル表現を受信し、且つこのサブバンドスペクトルを均等または不均等なサイズの任意の数の周波数の「スライス」に分割するように構成された、デジタル回路を含む。例示すると、ある衛星は、地球上の衛星基地から(または他の衛星から)特定の周波数帯域内のRF信号を受信し、そのRF信号を第2の特定の周波数帯域に変換し、その第2の周波数帯域内のRF信号を地球上の別の衛星基地(または別の衛星)に送信するように構成された、「トランスポンダー」(例えば、RF受信器、周波数変換回路、及びRF送信器)を含む。典型的なトランスポンダーは、30−70メガヘルツ(MHz)の周波数帯域に関連付けられている。チャネライザーを含まない衛星では、受信されたビーム(例えば特定の周波数帯域内のRF信号)は、ダウンコンバートされ、種々のサブバンドスペクトル(例えば、受信周波数帯域と同じサイズの種々の周波数帯域)を有する1つ以上のダウンリンクビームを介してアップコンバート及び送信を行うために、出力ポートにルーティングされる。このプロセスは、「ビームツービーム・スイッチング」と呼ばれる。
ある実施形態では、衛星102は、「トランスポンダーサイズ」の周波数帯域(「チャネル」とも呼ばれる)よりもより粒度の細かい周波数帯域内で、信号をルーティングするように構成されている。例示すると、チャネライザー108は、受信用アンテナ120−122に関連する周波数帯域(例えばサブバンドスペクトル)を、より小さな周波数のスライス(「サブチャネル」とも呼ばれる)に、さらに細かく分割するように構成されている。例えば、チャネライザー108は、AFE106の1つ以上の出力を複数のスライス(例えばサブチャネル)に逆多重化するように構成されており、各チャネルは、スイッチマトリクス110を通じてルーティングされる。具体的な実施形態では、各サブチャネルは、約31キロヘルツ(kHz)のサブバンドである。他の実施形態では、サブチャネルは、他のサイズを有する。
図1に示す特定の実施形態では、チャネライザー108は、各入力ポート124−126からの各入力ビームスペクトル(例えば周波数帯域)を、8個の入力サブチャネル(例えば周波数のスライス)に分割するように構成されている。他の実施形態では、チャネライザー108は、各入力ビームスペクトルを、8よりも多いかまたは8よりも少ない入力サブチャネルに分割する。周波数のスライスまたはサブチャネルと呼ばれているが、他の実施形態では、信号は、時間ベースのチャネルもしくはサブチャネル(例えば、時分割多元接続(TDMA)の信号に関して)、または符号ベースのチャネルもしくはサブチャネル(符号分割多元接続(CDMA)の信号に関して)に分割されてもよい。サブチャネルは、スイッチマトリクス110によってスイッチされた後、コンバイナー112によって結合される。例示すると、コンバイナー112は、スイッチマトリクス110から受信した複数のサブチャネルを再結合して、送信用アンテナ130−132経由で送信するためのサブバンドにするように構成された回路を含む。例えば、コンバイナー112は、第1の複数のサブチャネルを結合して、第1の出力ポート134に供給される第1のサブバンドにし、第2の複数のサブチャネルを結合して、第2の出力ポート135に供給される第2のサブバンドにし、M番目の複数のサブチャネルを結合して、M番目の出力ポート136に供給されるM番目のサブバンドにするように構成されていてよい。
ある実施形態では、ペイロード104はオプションで、様々な周波数のスライス/サブチャネルで符号化されたデジタルデータに対するさらなる処理を実施するように構成された、再生器(regenerator)を含む。例えば、再生器は、プロセッサ及びメモリ、コントローラ、1つ以上のASIC、1つ以上のFPGA、または送信用アンテナ130−132を介して送信するのに先立って、データを復調し、さらなる処理を実施し、及びデータを再変調するように構成された、回路の他の組み合わせを含んでいてよい。さらなる分析は、非限定的な例として、アクセス検証、暗号化、符号分割多元接続(例えばCDMA)、データ再生(例えば破損したデータもしくは不明瞭なデータの回復)、圧縮、パケットスイッチング、他のデータ処理、またはこれらの組み合わせを含む。復調及び再変調は、衛星102上で、任意の適切な段階において生起されてよい。例えば、復調は、(例えばチャネライザー108を介した)チャネライゼーションの前または後に生起されてよく、再変調は、(例えばコンバイナー112を介した)結合の前または後に生起されてよい。
チャネライザー108及びコンバイナー112を含む実施形態では、スイッチマトリクス110は、各入力ポートからの入力サブチャネルを、割り当てられた各出力ポートにルーティングするように構成されている。スイッチマトリクス110は、インビーム及び/またはクロスビームのポイントツーポイントスイッチング(例えばルーティング)、インビーム及び/またはクロスビームのマルチキャストスイッチング、インビーム及び/またはクロスビームのブロードキャスティング、またはこれらの組み合わせを、実施するように構成されていてよい。例示的な実施例として、チャネライザー108は、第1の入力ポート124の第1のサブチャネルを第1の出力ポート134の第1のサブチャネルにスイッチングすることによって、インビームのポイントツーポイントスイッチングを実施してよく、チャネライザー108は、N番目の入力ポート126の第3のサブチャネルを第2の出力ポート135の第8のサブチャネルにスイッチングすることによって、クロスビームのポイントツーポイントスイッチングを実施してよい。別の例示的な実施例として、チャネライザー108は、第1の入力ポート124の第3のサブチャネルを第1の出力ポート134の複数のサブチャネル(例えば、第2、第3、及び第4のサブチャネル)にスイッチングすることによって、インビームのマルチキャストスイッチングを実施してよく、チャネライザー108は、第1の入力ポート124の第8のサブチャネルを第1の出力ポート134の第5のサブチャネル並びに第2の出力ポート135の第2及び第4のサブチャネルにスイッチングすることによって、インビーム及びクロスビームのマルチキャストスイッチングを実施してよい。図1に示す特定のスイッチングは例示の目的のためであり、限定を意図するものではない。他の実施形態では、他のスイッチングが実施される。
スイッチマトリクス110の構成を制御するため、衛星102は、スイッチングマネジャー116を含んでいる。特定の実施形態では、スイッチングマネジャー116は、スイッチマトリクス110の構成を制御するように構成された、専用回路、プロセッサ、コントローラ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせを含む。他の実施形態では、スイッチングマネジャー116の操作は、衛星102に搭載されたプロセッサまたは他のシステムによって実施されてよい。スイッチングマネジャー116は、スイッチマトリクス110の構成を初期化するか、または変更するように構成されていてよい。例えば、スイッチングマネジャー116は、スイッチマトリクス110の1つ以上のスイッチを(例えば制御信号を用いて)操作して、スイッチマトリクス110のフィルタ係数もしくは他のパラメータ、またはこれらの組み合わせを設定するように構成されている。例示すると、スイッチングマネジャー116は、1つ以上の置換表をインスタンス化し、この1つ以上の置換表に基づいてスイッチマトリクス110の要素の構成を行うように構成されている。例えば、各置換表は、1つ以上のチャネルまたはサブチャネル(例えば周波数のスライス)が特定の入力ポートから特定の出力ポートへとルーティングされるようにして、スイッチマトリクス110内のスイッチの種々の構成を表していてよい。ある実施形態では、スイッチングマネジャー116は、本明細書にさらに記載されるように、衛星102の他の構成要素から、または衛星102の外部のシステム(例えば別の衛星に設置されたシステムもしくは地球上のシステム)から受信した情報または命令に基づいて、スイッチマトリクス110の構成を制御する(例えば置換表をインスタンス化する)ように構成されている。
衛星102は、1つ以上のビークルの1つ以上のスイッチマトリクスの構成を制御するように構成された、リソースマネジャー140をさらに含む。例示すると、リソースマネジャー140は、スイッチマトリクス110の構成を制御して、衛星102のいたるところで通信経路を初期化または変更してよい。ある実施形態では、リソースマネジャー140は、デジタルペイロードリソースマネジャー(DPRM)を含むか、またはそれに対応していてよい。リソースマネジャー140は、衛星102に一体化されているとして示されているが、他の実施形態では、図2に関連してさらに記載されるとおり、リソースマネジャー140は衛星102の外部にあり、衛星通信リンクを介して衛星102と通信するように構成されている。リソースマネジャー140は、単一のビークル(例えば衛星102)用のスイッチング構成データを生成することに関連して記載されているが、図2に関連してさらに記載されるとおり、他の実施形態では、リソースマネジャー140は、複数のビークル用のスイッチング構成データを生成する。
リソースマネジャー140は、スイッチング構成データ142を生成して、1つ以上の信号(または周波数のスライス/サブチャネル)の、入力ポート124−126のうちの1つ以上から出力ポート134−136のうちの1つ以上への、特定のルーティングを可能にするように構成されている。スイッチング構成データ142は、スイッチマトリクス110の複数のスイッチのうちの1つ以上のスイッチの状態を表す(例えば、スイッチング構成データ142は、受信アンテナ120−122のうちの1つ以上において受信したRF信号に関連する1つ以上の周波数のスライスを、送信用アンテナ130−132のうちの1つ以上にルーティングすることに関連した、1つ以上のフィルタ構成もしくはフィルタ係数、1つ以上の置換表、またはこれらの組み合わせを含む)。例示すると、スイッチング構成データ142は、非限定的な例として、第1の入力ポート124に関連する第1のサブチャネルを、第1の出力ポート134に関連するサブチャネルにスイッチするスイッチ構成と、第1の入力ポート124に関連する第2のサブチャネルを、第2の出力ポート135に関連するサブチャネルにスイッチするスイッチ構成を含んでいてよい(例えば、スイッチング構成データ142が、2つの通信経路を含む構成を表していてよい)。
リソースマネジャー140は、スイッチマトリクス110の構成(または再構成)を可能にするため、スイッチング構成データ142をスイッチングマネジャー116に送信するように構成されている。例示すると、リソースマネジャー140は、バス(または他の搭載している通信媒体)を介して、スイッチング構成データ142をスイッチングマネジャー116に送信するように構成される。リソースマネジャー140が衛星102の外部にある代替実施形態では、リソースマネジャー140は、無線フィーダーリンク(または他の衛星通信媒体)を介して、スイッチング構成データ142を衛星102のスイッチングマネジャー116に送信するように構成されている。
スイッチング構成データ142は、第1の外部ネットワークと第2のネットワークとの間の通信経路に関する、ネットワーク情報及び要求に基づいていてよい。例示すると、リソースマネジャー140は、第1のデバイスから第2のデバイスへの通信経路に関連する要求148を受信するように構成されている。通信経路は、衛星102のペイロード104の構成要素を含む。特定の実施形態では、通信経路は、第1の外部ネットワークの第1のデバイス(例えば、モバイルデバイス、計算デバイス、カスタマーエッジルータなど)と、第2の外部ネットワークの第2のデバイス(例えば、モバイルデバイス、計算デバイス、カスタマーエッジルータなど)との間の、スイッチマトリクス110(及び1つ以上の他の構成要素)を経由した通信経路に相当する。
要求148は、地上のデバイス(例えば地球上のデバイス)から、無線フィーダーリンクといった衛星接続を経由して受信されてよい。デバイスは、非限定的な例として、1つ以上の外部ネットワークのデバイス(例えば衛星系ネットワークに通信可能に連結されたネットワークのカスタマーエッジルータ)か、衛星系ネットワークの機能及びアクセスを購入もしくは賃借するティア2オペレータのデバイスか、または衛星系ネットワークのデバイス(例えば、オペレーションセンターまたは、衛星通信を介して通信するように構成された、ゲートウェイといった他のデバイス)を含む。例示すると、図2に関連してさらに記載されるとおり、通信経路は、衛星102を含む衛星系ネットワークを経由して第1の外部ネットワークのデバイスから第2の外部ネットワークのデバイスに至る経路を含み得る。この衛星系ネットワークは、衛星102へのアップリンクビームを送信するように構成された少なくとも1つの地球上の送信器、衛星102からのダウンリンクビームを受信するように構成された少なくとも1つの地球上の受信機、またはこれらの組み合わせを含む。通信経路は、衛星102の少なくとも1つの受信用アンテナ、スイッチマトリクス110を含むペイロード104の衛星上の構成要素、及び衛星102の少なくとも1つの送信用アンテナを通る。
特定の実施形態では、要求148は、通信経路を確立するための要求を含む。例えば、要求148は、AFE106、チャネライザー108、スイッチマトリクス110、コンバイナー112、及びABE114といった衛星102の構成要素を介した、第1の外部ネットワークの第1のデバイスから第2の外部ネットワークの第2のデバイスへの、新たな通信経路を確立するための要求を含んでいてよいか、またはその要求に対応していてよい。別の特定の実施形態では、要求148は、既存の通信経路を変更するための要求を含む。例えば、要求148は、通信経路がペイロード104の1つ以上の別の構成要素を通るようにすること(例えば別の受信用アンテナを介して受信する、別の送信用アンテナを介して送信するなど)によって、第1の外部ネットワークの第1のデバイスから第2の外部ネットワークの第2のデバイスへの通信経路を変更するための要求を含んでいてよいか、またはその要求に対応していてよい。別の特定の実施形態では、要求148は、通信経路を終了させるための要求を含む。例えば、要求148は、特定の通信経路を終了させる要求を含むか、またはその要求に対応していてよく、通信経路を設けるのに使われているリソースは、他の要求に基づく他の通信経路を提供するように再構成されてよい。
ある実施形態では、ネットワークオペレータからの要求148が受信される。例えば、外部ネットワークのネットワークオペレータが衛星102に関連する衛星系ネットワークに対して要求148を送信し、要求148は、衛星102に転送される。他の実施形態では、要求148は、衛星系ネットワークで受信されたデータ通信に基づいて生成される。例えば、衛星系ネットワークの構成要素は、第1のデバイスを発信元として示し、第2のデバイスを送信先として示すデータパケットの受信に応答して、要求148を生成してよい。このように、衛星系ネットワークは、(例えば、人間のネットワークオペレータによって構成が行われない)自動の通信経路のインスタンス化をもたらすように構成されていてよい。
特定の実施形態では、リソースマネジャー140は、要求148によって示される通信経路に関連したネットワークトポロジーデータ144(例えばネットワークルーティングトポロジーデータ)に基づいて、スイッチング構成データ142を生成するように構成されている。ネットワークトポロジーデータ144は、1つ以上のネットワーク(例えば、第1の外部ネットワークと第2の外部ネットワーク)に関連した複数のネットワークデバイス間の接続を表す。リソースマネジャー140は、1つ以上のネットワークの1つ以上のネットワークデバイスから(例えば、第1の外部ネットワーク及び第2の外部ネットワークの1つ以上のルータまたは他のネットワークノードから)、ネットワークトポロジーデータ144を受信するように構成されている。リソースマネジャー140は、ネットワークトポロジーデータ144に基づいて通信経路を形成、変更、または除去することを可能にする、置換表(または他のスイッチング構成データ)を生成するように構成されている。
ある実施形態では、リソースマネジャー140はさらに、シグナリングデータ146(例えばシグナリング制御データ)に基づいて、スイッチング構成データ142を生成するように構成されている。シグナリングデータ146は、1つ以上の外部ネットワークを通る(例えば第1の外部ネットワーク及び第2の外部ネットワークを通る)、1つ以上のラベルスイッチ経路(LSP)に関連する情報を表す。リソースマネジャー140は、1つ以上のネットワーク(例えば、第1の外部ネットワーク及び第2の外部ネットワークから)の1つ以上のネットワークデバイスから、シグナリングデータ146を受信するように構成されている。特定の実施形態では、ネットワークトポロジーデータ144は、リソース予約プロトコル・トラフィックエンジニアリング(RSVP−TE)プロトコルといった、制約ベースの(constraint−based)ルーティングプロトコルに従って受信され、シグナリングデータ146は、リソース予約プロトコル・トラフィックエンジニアリング(RSVP−TE)プロトコルといった、シグナリングプロトコルに従って受信される。制約ベースのルーティングプロトコル及びシグナリングプロトコルは、非限定的な例として、汎用マルチプロトコルラベルスイッチング(GMPLS)プロトコル一式、またはOPENFLOWプロトコル一式といった、より大きい標準プロトコル一式の一部であってよい。
例示すると、リソースマネジャー140は、他の外部ネットワークのデバイスと、(例えばネットワークトポロジーデータ144を通信するための)「ルーティングプレーン」で、及び(例えばシグナリングデータ146を通信するための)「シグナリングプレーン」で、通信するように構成されている。これは、リソースマネジャー140が(「データプレーン」に対比して)「制御プレーンにある」とも呼ばれてよい(データプレーンは、様々なネットワークにわたってルーティングされる通信データの通信経路内の構成要素を表す)。リソースマネジャー140は、スイッチング構成データ142を生成するために、ネットワーク情報(例えば、ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146)を、スイッチマトリクス110のクロスコネクトに変換するように構成されている。このように、ラベルと経路データとを適切に抽出するために衛星102上でデータを復調するということをせずに、衛星102が(例えばネットワーク情報に基づいて)ラベルスイッチルーティングの機能を実施することは、リソースマネジャー140によって可能になっている。
例えば、第1の外部ネットワークによって第1のラベルでカプセル化された第1のデータパケットは、衛星系ネットワークの地球上の構成要素(例えば、衛星102にアップリンクビームを送信するように構成された、衛星アンテナまたは他の送信器に連結された、ルータ)によって受信される。(ラベルスイッチルータがするように)ルータから衛星102へのリンクに基づいてデータパケットをカプセル化するための新たなラベルを生成する代わりに、衛星系ネットワークのルータは、特定の周波数サブバンド(例えば、特定のサブチャネル)内のキャリアに基づいてRF信号を生成し、このRF信号を他のRF信号と組み合わせて、衛星102に送信されるアップリンクビームを生成する。特定の周波数サブバンドは、ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146に基づいて、特定のネットワーク経路及びラベルに対してマッピングされる。アップリンクビームは、衛星102上で、第1の受信用アンテナ120といった受信用アンテナにおいて受信され、AFE106によって処理される。チャネライザー108は、アップリンクビームを特定のサブチャネルを含む複数のサブチャネルへとさらに細かく分類し、特定のサブチャネルは、スイッチング構成データ142(例えば、特定の置換表)によって示される構成に基づいて、スイッチマトリクス110を通じてスイッチングされる。スイッチング構成データ142は、特定のサブチャネルを、標的とする送信用アンテナから地球上の受信器に(または、地球上の受信器に到達する前に、別の1つ以上の衛星に)ダウンリンクビームとして送信するために、スイッチマトリクス110によって、特定のサブチャネルが標的とする出力ポートへとスイッチされるようにする。
こうして、種々のラベル、種々のプロバイダなどに関連するトラフィックが、ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146に基づく種々の経路に従って、スイッチマトリクス110を通じてスイッチされる。例えば、(別の外部ネットワークを起点とする経路を表す)第2のラベルに関連するトラフィックは、種々のサブチャネル(または種々のアップリンクビーム)に関連するキャリアを使用してアンテナに送信されてよく、種々のサブチャネル(または種々のアップリンクビーム)は、スイッチマトリクス110を通じて様々にスイッチされる。ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146に基づくスイッチング構成データ142に基づいてスイッチマトリクス110の構成を行うことによって、ラベルを抽出するために衛星上での復調を実施することなく、衛星102が、種々のラベルに関連しているトラフィックを種々の経路に従ってルーティングすることが可能になる。したがって、種々の外部ネットワークまたは種々のプロバイダからのトラフィックを論理的に分離して、種々の通信経路を経由して衛星102上でスイッチすることが可能である。さらに、または代わりに、単一のネットワーク(またはプロバイダ)のトラフィックは、サービス品質(QoS)、リンク品質などといったトラフィックの制約に基づいて、異なったルーティングをされ得る。例えば、種々の制約に関連するトラフィックは、種々のラベルを有していてよく、したがってトラフィックは、衛星102上で独立して分離されスイッチされてよい。
特定の実施形態では、リソースマネジャー140は、ネットワークトラフィックパターン(例えばプレーントラフィックパターン)に基づいて、スイッチング構成データ142を生成するように構成されている。例示すると、リソースマネジャー140は、ユーザプレーントラフィックパターンを決定するために、衛星系ネットワーク内に伝播したユーザデータを監視するように構成されている。リソースマネジャー140は、ユーザプレーントラフィックパターンに基づいて、スイッチング構成データ142を生成する。例えば、リソースマネジャー140は、特定のユーザまたはユーザグループに関連するトラフィックが多い期間の原因となるスイッチマトリクス110の第1の構成を決定してよく、よりトラフィックが少ない期間の原因となるスイッチマトリクス110の第2の構成を決定してよい。このように、リソースマネジャー140は、1つ以上のネットワークトラフィックに基づいたスイッチマトリクス110の構成を示す、スイッチング構成データ142を生成する。
ある実施形態では、リソースマネジャー140は、部分的なピアリングモデルにしたがって、外部ネットワークと相互作用するように構成されている。こうした実施形態では、リソースマネジャー140は、他のネットワークと通信経路データを共有しない。例示すると、衛星102に関連するリンク品質やリンク速度などを表すデータは、他のネットワークに提供されない。こうして、部分的なピアリングモデルでは、各ネットワーク(例えば外部ネットワークまたは衛星系ネットワーク)は、自身の構成要素に関する情報は知っているが、他のネットワークに関する情報は知っていない、別個のネットワークとして操作される。
ある実施形態では、リソースマネジャー140は、完全なピアリングモデルにしたがって、外部ネットワークと相互作用するように構成されている。こうした実施形態では、リソースマネジャー140は、他のネットワークと通信経路データを共有する。例示すると、衛星上の通信経路、リンク品質、リンク速度などを含む、衛星系ネットワークを通る通信経路を表すデータは、他のネットワークと共有される。こうして、完全なピアリングモデルでは、全てのネットワークが、特定のプロトコルまたは一式のプロトコルに従って動作する単一のネットワークとして扱われ、ルーティング及びシグナリングを、QoS基準といったエンドツーエンドの基準を満たし、プロバイダ固有のルールに従った通信を可能にするように設計することが可能になっている。代替実施形態では、リソースマネジャー140は、オペレーションセンターでオペレータから受信したデータに基づいて、スイッチング構成データ142を生成する(例えば、衛星系ネットワークが、オーバーレイモデルにしたがって他のネットワークと相互作用する)。
リソースマネジャーは、動作中に要求148を受信する。要求148は、外部ネットワークを起点としていてよい。リソースマネジャー140は、要求148、ネットワークトポロジーデータ144、及びシグナリングデータ146に基づいて、スイッチング構成データ142を生成する。特定の実施形態では、スイッチング構成データ142は、スイッチマトリクス110の構成を表す。リソースマネジャー140は、スイッチング構成データ142をスイッチングマネジャー116に送信し、スイッチングマネジャー116は、スイッチング構成データ142に基づいてスイッチマトリクス110の構成を行う。スイッチマトリクス110の構成によって、衛星102経由のデータルーティングを可能にする、受信用アンテナ120−122から送信用アンテナ130−132への信号のスイッチングが可能になる。
ネットワーク情報(例えば、ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146)に基づいてスイッチング構成データを生成することによって、スイッチマトリクス110の構成を行う際に使うラベルを抽出するために通信データが衛星102上で復調されなくても、衛星系ネットワークが、ラベルスイッチルータの機能を実施することが可能になる。リソースマネジャー140は、要求及びネットワーク情報(例えば、ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146)に基づいて、スイッチング構成データ142を生成するので、オペレーションセンター内のオペレータが衛星102で使用する構成データを生成する他の衛星系ネットワークと対比して、リソースマネジャー140が、スイッチマトリクス110の構成を自動で行うことが可能になっている。このように、図1は、データプレーン(例えばAFE106、チャネライザー108、スイッチマトリクス110、コンバイナー112、及びABE114)、並びに制御プレーン(例えばスイッチングマネジャー116、並びにネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146を保存しているリソースマネジャー140)が共に衛星102上に配置されている、衛星(例えば衛星102)の実施形態を示している。他の実施形態では、データプレーンは、地上(例えば地上のオペレーションセンター内)に配置されていてよく、それによって、図2に関連してさらに記載されるように、衛星上でリソースマネジメント機能を実施しない旧来型衛星が、1つ以上の地上の構成要素の制御下で、ラベルスイッチルータの操作を実施することが可能になる。衛星系ネットワークがラベルスイッチルーティング機能を実施することが可能であることによって、衛星系ネットワーク及び外部ネットワークを、単一のネットワークとして操作することができる。複数のネットワークを、あたかも単一のより大きいネットワークであるかのようにして操作することによって、複数のネットワークにわたるトラフィックエンジニアリングが可能になり、それによって、QoS基準といった様々なエンドツーエンドの基準を満たす、複数のネットワークにわたる通信経路が選択され得る。さらに、IPスイッチネットワークと同一のフォーマットを有する制御情報を使用しない、他の衛星系ネットワークと対比して、外部ネットワークを伴う1つ以上のプロトコルに従ってフォーマットされた制御情報の利用を介した、複数のネットワークにわたる通信経路によって、特定のルールまたはポリシー(例えばプロバイダ固有のルールまたはポリシー)をサポートすることが可能である。
上記の記載では、図1のシステム100によって実施される様々な機能は、構成要素106、108、110、112、114、116、及び140によって実施されるとして記載されている。これは、説明のためにすぎない。他の実施形態では、構成要素106、108、110、112、114、116、及び140のうちの1つ以上は、複数の構成要素に関連する機能を実施する単一の構成要素に一体化されていてよい。構成要素106、108、110、112、114、116、及び140のそれぞれは、ハードウェア(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)デバイス、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、コントローラなど)、ソフトウエア(例えばプロセッサによって実行可能な命令)、またはこれらの組み合わせを用いて、実施されてよい。
図2は、ネットワーク情報(例えばネットワークトポロジーデータ、シグナリングデータ、またはその両方)に基づいて構成された、ビークル搭載のスイッチマトリクスを有するビークル系ネットワークを含むシステム200の、例示的な実施形態の第1の実施例を示す。システム200は、ビークル201、ビークルオペレータネットワーク251(例えばビークル系ネットワーク)、第1の外部ネットワーク216(「オペレータAのネットワーク」)、第2の外部ネットワーク226(「オペレータBのネットワーク」)、第3の外部ネットワーク236(「オペレータCのネットワーク」)、第4の外部ネットワーク246(「オペレータDのネットワーク」)を含む。図2には4つの外部ネットワークが示されているが、他の実施形態では、システム200は、4つよりも少ないかまたは4つよりも多い外部ネットワークを含んでいる。ビークルオペレータネットワーク251は、コアネットワークを含むか、コアネットワークに対応している。
ビークル201は、宇宙船または航空機を含んでおり、外部ネットワーク216、226、236、及び246、並びにビークルオペレータネットワーク251の他のデバイスといった、地上の(例えば地球上の)デバイスとは別個である。別の特定の実施形態では、ビークル201は衛星を含む。別の特定の実施形態では、ビークル201はスペースシャトルを含む。別の特定の実施形態では、ビークル201は、UAV(例えば、ドローン)を含む。システム200は、図2には単一のビークルを含むとして示されているが、他の実施形態では、システム200は複数のビークル(例えば一群のビークル)を含んでいる。
特定の実施形態では、図1に関連して示されるように、ビークル201は、AFE106、チャネライザー108、スイッチマトリクス110、コンバイナー112、ABE114、及びスイッチングマネジャー116を含む、ペイロード104を含む。他の実施形態では、構成要素106、108、112、及び114のうちの1つ以上が、ビークル201に含まれていない。ペイロード104は、アンテナアレイ208もまた含む。アンテナアレイ208は、複数の受信用アンテナ及び複数の送信用アンテナを含む。具体的な実施形態では、図1に関連して記載されているとおり、アンテナアレイ208は、受信用アンテナ120−122及び、送信用アンテナ130−132を含む。
ペイロード104は、ビーム形成マネジャー202をさらに含む。ビーム形成マネジャー202は、ビークル201の出力ポートにおいて、1つ以上の出力ビームに関するビーム形成を実施するように構成されている。例えば、ビーム形成マネジャー202は、様々な出力ポートに供給される信号の位相または振幅を制御して、1つ以上の送信用アンテナによって生成される送信ビームの方向または形状を変更し得る。例示すると、ビーム形成マネジャー202は、ビーム形成重み、位相値、振幅値、またはリソースマネジャー140から受信する他の情報に基づいて、1つ以上のビーム形成操作を実施する(例えば、ビーム形成マネジャー202は、1つ以上の信号の位相または振幅を変更する)。
ビークル201は、管理インターフェース204をさらに含む。管理インターフェース204は、ペイロード104の構成要素といった、ビークル201の構成要素に関連するネットワークデータを、地上のオペレーションセンター250、地上のネットワークデバイス(例えば、ネットワーク216、226、236、246、及び251のうちの1つ以上の地球上のデバイス)、またはこの両方に提供するように構成されている。例えば、管理インターフェース204は、ネットワーク固有またはオペレータ固有の測定データ(例えば、ネットワークもしくはプロバイダからの信号及びデータを含む、ビークル201によって実施される通信動作を測定するデータ)、天体暦データ、もしくはこの両方を、ネットワーク216、226、236、及び246うちの1つ以上のデバイスに提供するか、またはビークル主体の測定データ(例えば、ビークル系ネットワークに関連する通信動作を測定するデータ)、天体暦データ、もしくはこの両方を、地上のオペレーションセンター250に提供するように構成されていてよい。
ビークル201は、地上から1つ以上のアップリンクビーム内のRF信号を受信し、1つ以上のダウンリンクビームを介して地上の別の場所(または1つ以上の他のビークル)にRF信号を送信することによって、ビークルオペレータネットワーク251をサポートするように構成されている。ある実施形態では、ビークル201は、オプションのクロスリンク206を介して、1つ以上の他のビークル(例えば衛星、シャトル、ドローン、航空機など)に対してダウンリンクビームを送信するように構成されている。オプションのクロスリンク206は、RFクロスリンクまたは光学クロスリンクを含む。オプションのクロスリンク206を介して他のビークルと通信することによって、システム200が複数のビークルを含むことが可能になり、それによって、ビークルオペレータネットワーク251が、単一のビークルを使う場合と比べてより拡大されたカバレッジエリアを有することが可能になり得る。例えば、ビークルオペレータネットワーク251内の各ビークルは、ビークルオペレータネットワーク251のカバレッジエリアの総計に寄与する、カバレッジエリアを有する。
ビークルオペレータ(例えば、ティア1オペレータ)は、様々なネットワークサービスを提供するため、他の非公開のユーザグループ(「CUG」)に対して、ビークルオペレータネットワーク251へのアクセスを販売または賃貸してよい。本明細書で使用する場合、「CUG」とは、ティア1オペレータに関連する機器へのアクセスに対して対価を支払う、ティア2オペレータ(例えばサービスプロバイダ)を指す。簡便性のため、CUGのメンバーをユーザと称する。非限定的な例として、ティア2オペレータは、仮想移動体通信オペレータ(MVNO)及び仮想通信オペレータ(VNO)を含む。ティア2オペレータが提供するサービスの契約者は、以降、加入者と称する。図2に示す特定の実施形態では、第1の外部ネットワーク216を運営する第1のティア2オペレータ(オペレータA)に関連する第1のMVNO210(「MVNO A」)と、第2の外部ネットワーク226を運営する第2のティア2オペレータ(オペレータB)に関連する第2のMVNO220(「MVNO B」)と、第3の外部ネットワーク236を運営する第3のティア2オペレータ(オペレータC)に関連する第3のMVNO230(「MVNO C」)と、第4の外部ネットワーク246を運営する第4のティア2オペレータ(オペレータD)に関連する第4のMVNO240(「MVNO D」)に対して、アクセスが販売または賃貸される。ここではMVNOとして記載されているが、他の実施形態では、異なるタイプのティア2オペレータ(例えばVNO、政府など)が含まれている。図2には4つのティア2オペレータが示されているが、他の実施形態では、4つよりも多いまたは4つよりも少ないティア2オペレータが、ビークルオペレータネットワーク251へのアクセスを購入または賃借してよい。
ビークルオペレータネットワーク251及び外部ネットワーク216、226、236、及び246の構成要素は、データトラフィックを送信及び受信するように構成されている。例えば、ビークルオペレータネットワーク251は、第1の外部ネットワーク216の第1のカスタマーエッジルータ214と通信するように構成された第1のプロバイダエッジルータ212、第2の外部ネットワーク226の第2のカスタマーエッジルータ224と通信するように構成された第2のプロバイダエッジルータ222、第3の外部ネットワーク236の第3のカスタマーエッジルータ234と通信するように構成された第3のプロバイダエッジルータ232、及び第4の外部ネットワーク246の第4のカスタマーエッジルータ244と通信するように構成された第4のプロバイダエッジルータ242、を含む。4つの別個のプロバイダエッジルータ212、222、232、及び242が示されているが、他の実施形態では、ビークルオペレータネットワーク251は、4つよりも多い、または4つよりも少ないプロバイダエッジルータを含んでいる。例えば、単一のプロバイダエッジルータが、カスタマーエッジルータ214、224、234、及び244のそれぞれと通信していてよい。
特定の実施形態では、各カスタマーエッジルータ214、224、234、及び244は、ビークルオペレータネットワーク251の対応するプロバイダエッジルータに対してデータトラフィックを提供するのに先立って、データトラフィックから、外部ネットワーク固有の全てのラベルまたは他のヘッダを取り外すように構成されており、各プロバイダエッジルータ212、222、232、及び242は、対応するカスタマーエッジルータに対してデータトラフィックを提供するのに先立って、ビークルオペレータネットワーク251に固有の全てのラベル及びヘッダを取り外すように構成されている。
例えば、ネットワーク216、226、236、246、及び251が部分的なピアリングモデルに従って相互作用する実施形態では、第1の外部ネットワーク216内を起点とし第2の外部ネットワーク226内に目的地を有するデータトラフィック(例えばIPトラフィック)は、第1の外部ネットワーク216に固有の1つ以上のラベルを用いて、第1の外部ネットワークの216間でカプセル化及びルーティングされ、データトラフィックがビークルオペレータネットワーク251に送信されるときに、第1のカスタマーエッジルータ214が、データトラフィックからネットワーク固有のラベルを取り外し、そのデータトラフィックを第1のプロバイダエッジルータ212に転送する。第1のプロバイダエッジルータ212は、データトラフィックをカプセル化し、そのデータトラフィックを、別の場所に送信用するために、ビークルオペレータネットワーク251の構成要素を通じてビークル201へとルーティングしてよい。例えば、データトラフィックは、カプセル化され、データトラフィックを含むアップリンクビームをビークル201に送信するように構成された衛星用アンテナまたは他の構成要素に連結された、ゲートウェイルータへとルーティングされてよい。
データトラフィックは、スイッチマトリクス110といった、ビークル201の構成要素を通ってルーティングされ、ビークル201からのダウンリンクビームを介して、別の場所で第2のゲートウェイルータに連結された衛星アンテナ(または他の構成要素)に対して送信されてよい。データトラフィックは、カプセル化され、ビークルオペレータネットワーク251の追加構成要素を通って、第2のプロバイダエッジルータ222へとルーティングされてよい。特定の実施形態では、第2のプロバイダエッジルータ222は、ビークルオペレータネットワーク251に固有のあらゆるラベル(または他のヘッダ)を取り外し、データトラフィックをカプセル化して第2の外部ネットワーク226内の目的地までルーティングするように構成された第2のカスタマーエッジルータ224に対して、データトラフィックを提供するように構成されている。
ネットワーク216、226、236、246、及び251が完全なピアリングモデルに従って相互作用する実施形態では、カスタマーエッジルータ214、224、234、及び244、並びにプロバイダエッジルータ212、222、232、及び242は、ネットワーク間でパケットをルーティングするときに、ラベルまたは他のヘッダ情報を維持するように構成されている。例示すると、ネットワーク216、226、236、246、及び251はルーティング情報及びシグナリング情報を共有しているので、1つのネットワークに関連するラベル及び他のルーティング情報が、他のネットワークによって使用(または変換して使用)されてよい。ネットワーク間でルーティング情報及びシグナリング情報を共有することによって、これらのネットワークを、あたかも単一のネットワークであるかのようにして操作することが可能になり、それによって、様々な基準及びルールが、単一の制御プレーン内で制御用通信を介して管理され得る。
ビークルオペレータネットワーク251は、様々なタイプのネットワーク間相互作用(例えばオーバーレイ、部分的なピアリング、または完全なピアリング)を提供するのに加えて、ビークルオペレータネットワーク251内のネットワークトラフィックを分離するように構成されている。特定の実施形態では、ビークルオペレータネットワーク251は、ビークルオペレータネットワーク251内で、ユーザ単位の(例えばティア2オペレータ単位、またはサービスプロバイダ単位の)ネットワークトラフィックの分離を行うように構成されている。ユーザ単位のネットワークトラフィックの分離を実施するために、異なるCUGに関連するトラフィックは、異なる態様でカプセル化され、異なるルーティング情報を用いて、ビークルオペレータネットワーク251を通ってルーティング及び転送される。特定の実施形態では、ビークルオペレータネットワーク251のネットワーク構成要素(例えば基地局、移動性管理エンティティ、パケットゲートウェイ、サービングゲートウェイなど)は、異なるCUG(例えば異なるMVNO)に関連するトラフィックを、異なる識別子を用いてカプセル化するように構成されている。
例示すると、特定の実施形態では、ネットワーク構成要素は、各ユーザに関して異なる仮想ルーティング/転送(VRF)インスタンスを維持する。これは、各ユーザに関して異なるルーティング情報ベース(RIB)データを維持することを含む。RIBデータが異なることによって、第1のユーザに関連するトラフィックは、第2のユーザに関連するトラフィックとは、外部ネットワーク内を通る異なる経路を通過し得る。特定の実施形態では、ネットワーキング構成要素は、第1のMVNO 210用の第1のVRFインスタンス、第2のMVNO 220用の第2のVRFインスタンス、第3のMVNO 230用の第3のVRFインスタンス、及び第4のMVNO 240用の第4のVRFインスタンスを維持する。他の実施形態では、ビークルオペレータネットワーク251のある構成要素は、特定のMVNO(または他のティア2オペレータ)用に設計されており、したがって、(ビークルオペレータネットワーク251内の各VRF用のRIBデータを維持する代わりに)対応するVRFインスタンス及び関連するRIBデータのみを維持する。
特定の実施形態では、ビークルオペレータネットワーク251のゲートウェイルータは、トラフィックを論理的に分離するか、または特定の基準に基づいてトラフィックを分離する、アップリンクビームを生成するように構成されている。例示すると、ゲートウェイルータは、複数のモデムバンクを含んでいてよく、第1のモデムバンクにおいて第1のMVNO 210に関連する第1のトラフィックを受信し、第2のモデムバンクにおいて第2のMVNO 220に関連する第2のトラフィックを受信してよい。第1のモデムバンクは、第1のトラフィックに基づいて第1の周波数帯域内の第1の信号を生成し、第2のモデムバンクは、第2のトラフィックに基づいて第2の周波数帯域内の第2の信号を生成する。第1の信号及び第2の信号は、結合されて、ビークル201に送信されるアップリンクビームとなる。図1に関連して記載されるように、スイッチマトリクス110は、スイッチング構成データ142に基づいて、第1の信号を第1の通信経路に沿ってスイッチし、第2の信号を第2の通信経路に沿ってスイッチするように構成されている。スイッチング構成データ142は、ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146に基づいて生成される。これらのデータは、ある実施形態では、VRF固有のネットワークトポロジーデータ、及びVRF固有のシグナリングデータを含む。こうして、ビークル201は、ユーザ単位によるネットワークトラフィックの論理的な分離を行う。代わりに、第1のトラフィック及び第2のトラフィックが、QoS基準といった基準について異なる基準を有する同一のプロバイダ(例えばティア2プロバイダ)のトラフィックに対応していてもよく、トラフィックは、異なる基準を満たすため、異なる態様でルーティングされてよい(例えば、第1の通信経路は、第2の通信経路と比べてより信頼性が高いかまたはより速い、エンドツーエンドの移動時間と関連付けられていてよい)。
ビークル201を制御するために、ビークルオペレータのネットワーク251は、地上のオペレーションセンター250を含んでいる。図2に示す特定の実施形態では、リソースマネジャー140は、地上のオペレーションセンター250に一体化されているか、またはその中に含まれている。例えば、地上のオペレーションセンター250は、リソースマネジャー140に関連して記載される操作を実施するように構成された、1つ以上の計算システム(例えば、1つ以上のプロセッサ及びメモリ)を含む。他の実施形態では、リソースマネジャー140は、(地上のオペレーションセンター250のみに設置されている代わりに、)ビークルオペレータネットワーク251の複数の構成要素間に行きわたっている。例示すると、リソースマネジャークライアントは、複数のリソースゲートウェイ、及び地上のオペレーションセンター250に含まれていてよく、それによって、リソースマネジャー140の操作の実施が、リソースゲートウェイ及び地上のオペレーションセンター250中に行きわたっていてよい。特定の実施形態では、地上のオペレーションセンター250は、ビークル201を操作するための制御データを生成するように構成されており、リソースマネジャー140の機能は、リソースゲートウェイ中に行きわたっているが、地上のオペレーションセンター250によっては実施されない。図1に関連して記載されるように、リソースマネジャー140は、ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146に基づいて(並びに、図1の要求148といった1つ以上の要求に基づいて)、スイッチング構成データ142を生成するように構成されている。
地上のオペレーションセンター250は、無線フィーダーリンクとも呼ばれる無線通信リンク270を介して、ビークル201と通信可能に連結されている。無線通信リンク270は、非限定的な例として、RFリンクまたはマイクロ波リンクを含む。ビークル201が衛星である実施形態では、無線通信リンク270は、衛星通信リンクである。リソースマネジャー140は、制御データ及び管理データを、無線通信リンク270を経由してビークル201に送信するように構成されている。制御データ及び管理データは、地上の第1の場所(または第1の群の場所)からビークル201に送信される1つ以上のアップリンクビームに含まれるデータトラフィックとは、別個のものであり、ビークル201上でルーティングされ、1つ以上のダウンリンクビームの一部として地上の第2の場所(または第2の群の場所)に送信されるものである。例えば、図1に関して記載されているように、リソースマネジャー140は、無線通信リンク270を経由してビークル201にスイッチング構成データ142を送信するように構成されており、スイッチングマネジャー116は、スイッチング構成データ142に基づいて、スイッチマトリクス110を制御するように構成されている。
例示すると、スイッチマトリクス110は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の通信経路を初期化または変更するための、スイッチング構成データ142に基づいて構成されていてよい。特定の実施形態では、第1のデバイスは、第1のプロバイダに関連する第1のネットワークと通信可能に連結された第1の地上のデバイスであり、第2のデバイスは、第2のプロバイダに関連する第2のネットワークと通信可能に連結された第2の地上のデバイスである。例えば、第1のデバイスは、オペレータAの第1の外部ネットワーク216と通信可能に連結された第1の加入者デバイス218を含んでいてよく、第2のデバイスは、オペレータBの第2の外部ネットワーク226と通信可能に連結された第2の加入者デバイス228を含んでいてよい。第1のデバイス及び第2のデバイスは、非限定的な例として、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートウォッチ、メディア再生デバイス、ナビゲーションシステム、携帯情報端末(PDA)、衛星電話、ビークル(もしくはその構成要素)、もしくはこれらの組み合わせといったモバイルデバイス、または固定式電子装置を含んでいてよい。別の実施例として、第1のデバイスは第1のカスタマーエッジルータ214を含んでいてよく、第2のデバイスは第2のカスタマーエッジルータ224を含んでいてよい(例えば、ネットワーク216、226、及び251が部分的なピアリングモデルに従って相互作用していることによって、ネットワーク216と226の間のルーティングが、ビークルオペレータネットワーク251には不可視であってよい。)第1のプロバイダは、第1のVRFインスタンスに関連した第1の仮想通信オペレータであってよく(例えば第1のMVNO 210を運営していてよく)、第2のプロバイダは、第2のVRFインスタンスに関連した第2の仮想通信オペレータであってよい(例えば第2のMVNO 220を運営していてよい)。スイッチマトリクス110は、ビークル201の第1の送信用アンテナで生成される第1の出力ビームが、ビークル201の第1の受信用アンテナにおける第1の受信ビームの周波数スペクトルの少なくとも一部に基づくようにして、スイッチング構成データ142に基づいて構成されていてよい(例えば、特定の入力ポートからスイッチマトリクス110を通って特定の出力ポートに至る、特定のサブチャネルに関連する通信経路が設定されていてよい)。さらなる通信経路を初期化(または変更する)スイッチングデータが、ネットワークトポロジーデータ144、シグナリングデータ146、及び1つ以上の他の要求に基づいて生成されてよい。
特定の実施形態では、リソースマネジャー140は、ネットワークトポロジーデータ144、シグナリングデータ146、及び要求(例えば、図1の要求148)に基づいて、ビーム形成構成データ252を生成するように、さらに構成されている。ビーム形成構成データ252は、1つ以上の位相の値、1つ以上の振幅の値、またはこれらの組み合わせに基づく、1つ以上のビーム形成重みを表す。リソースマネジャー140は、無線通信リンク270を介して、ビークル201にビーム形成構成データ252を送信するように構成されており、ビーム形成マネジャー202は、ビーム形成構成データ252に基づいて(例えば、RF信号の位相または振幅を調整することによって)、ビークル201によって出力されるRF信号を調整するように構成されている。RF信号を調整することは、RF信号に対してビーム形成重みを適用する、とも呼ばれる。RF信号に対してビーム形成重みを適用することによって、異なるプロバイダ、異なるトラフィックタイプもしくは基準、またはこれらの組み合わせに関連するRF信号が、異なる態様で(例えば、異なる方向で、異なるビーム形状で、など)、アンテナアレイ208から(例えば1つ以上の送信用アンテナから)ビーム形成されることが可能になる。
別の特定の実施形態では、リソースマネジャー140は、ネットワークトポロジーデータ144、シグナリングデータ146、及び要求(例えば、図1の要求148)に基づいて、追加構成データ254を生成するように構成されている。追加構成データ254は、ペイロード104の1つ以上の他の構成要素(例えば、スイッチマトリクス110以外の構成要素)に関連する、構成またはパラメータ値を表す。例えば、1つ以上の構成要素は、AFE106、チャネライザー108、コンバイナー112、ABE114、再生器、またはこれらの組み合わせを含み得る。リソースマネジャー140は、無線通信リンク270を介して、ビークル201に追加構成データ254を送信するように構成されており、ビークル201の回路は、追加構成データ254に基づいて、ペイロード104の1つ以上の他の構成要素の構成を行うように構成されている。1つ以上の構成要素の構成を行うことによって、アンテナアレイ208で受信された信号及びアンテナアレイ208から送信される信号に関連する、帯域幅、電力、周波数計画、アンテナカバレッジなどが調整されてよい。例えば、AFE106またはABE114に関連するフィルタ係数または局部発信器信号を調整することで、処理される受信信号の帯域幅か、またはビークル201から送信される信号の帯域幅が調整される。別の例として、チャネライザー108またはコンバイナー112のパラメータを調整することによって、各信号からさらに細かく分割されるサブチャネルの数、サブチャネルの幅、各サブチャネルの特定のレンジ、組み合わされて出力チャネルを形成するサブチャネルの数、出力チャネルの幅、出力チャネルのレンジ、またはこれらの組み合わせが調整される。別の例として、ABE114の1つ以上の増幅器に関連するパラメータを調整することで、ビークル201から送信される信号のエネルギー(例えば送信出力)が調整される。
別の具体的な実施形態では、リソースマネジャー140は、ネットワーク216、226、236、246、及び251のデバイスから、1つ以上のトラフィックエンジニアリングパラメータ256を受信するように構成されている。1つ以上のトラフィックエンジニアリングパラメータ256は、QoSパラメータ、ネットワーク固有のポリシーパラメータ、他の速度パラメータもしくは信頼性パラメータ、またはこれらの組み合わせを含む。リソースマネジャー140は、1つ以上のトラフィックエンジニアリングパラメータ256に基づいてスイッチング構成データ142を生成するように、さらに構成されている。例えば、1つ以上のトラフィックエンジニアリングパラメータ256は、特定のデータトラフィック(例えばビデオ、音声、データなど)に関連するQoSタイプを表していてよく、リソースマネジャー140は、特定のデータに関する通信経路が、対応するQoSタイプに関連する基準(例えば信頼性、リンクの数、冗長性、エンドツーエンドの移動時間など)を満たすようにして、スイッチング構成データ142を生成してよい。特定の一例として、リソースマネジャー140は、(1つ以上のサブチャネルに関連した)第1のデータトラフィックを、第1の入力ポートから第1の通信経路に沿って第2の出力ポートにスイッチし、(1つ以上の他のサブチャネルに関連した)第2のデータトラフィックを、第1の入力ポートから第2の通信経路に沿って第1の出力ポートにスイッチする、置換表を生成し得る。第1の通信経路は、より高い出力電圧の増幅器と、特定の形状のビームを有している送信用アンテナとを含んでいてよく、それによって、第1の通信経路は、(より低い出力電圧の増幅器と、別の形状のビームを有している送信用アンテナとを含む)第2の通信経路よりも、高い信頼性に関連付けられている。
別の特定の実施形態では、地上のオペレーションセンター250は、統合(orchestration)マネジャー260を含む。統合マネジャー260は、ビークル201の動作に基づいて統合データ262を生成するように構成されている。例示すると、統合データ262は、ビークル201から第2のビークルへのハンドオーバー、ビークル201に関連する計画された機能停止、ビークル201に関連する計画されていない機能停止、ビークル201の軌道の変更、ビークル201に関連するシステム容量要求の変更、ビークル201に関するユーザ接続ポイントの変更、またはこれらの組み合わせといった、ビークル201の動作に関連する1つ以上の統合された事象を表す。統合マネジャー260は、地上のオペレーションセンター250におけるオペレータ(例えば作業人員)からの指令に基づいて、またはビークル201もしくは地上のオペレーションセンター250によって生成されたデータに基づいて自動的に、統合データ262を生成するように構成されている。特定の一例として、オペレータは、特定の時間に機能停止が発生することを表すデータを、地上のオペレーションセンター250において入力し得る。別の特定の例として、統合マネジャー260は、ビークル201から、ビークル201の軌道が変更されたことを表すセンサデータを受信するか、または地上のオペレーションセンター250から、(例えば気象条件または他の測定可能な条件によって)アップリンクまたはダウンリンクの推定リンク品質が変更されたことを表すデータを受信し得る。リソースマネジャー140は、統合データ262にさらに基づいて、スイッチング構成データ142を生成するように構成されている。例えば、第1の出力ポートに連結された送信用アンテナに関連する条件が変化する可能性を表す統合データ262に基づいて、第1の入力ポートから第1の出力ポートへの通信経路が、第1の入力ポートから別の出力ポートに延びるように変更されてよい。別の例として、統合データ262がこれから起きる計画された機能停止を表している場合、スイッチング構成データ142は、高優先度のトラフィックタイプ(例えば、高優先度のQoSタイプ)に関連する信号だけが、出力ポートにルーティングされることを可能にする、置換表を含むように変更されてよい。
システム200は、ビークル201におけるスイッチング制御の抽象化及びカプセル化を可能にする。例えば、リソースマネジャー140は、他のネットワーク(例えば外部ネットワーク)からのネットワークトポロジーデータ及びシグナリングデータを、スイッチマトリクス110の構成に変換するように構成されている。こうして、リソースマネジャー140は、ラベルスイッチネットワークまたはパケットスイッチネットワークに関連するルーティングデータ及びシグナリングデータに基づいて、(回路スイッチネットワークとして機能する)スイッチマトリクス110の構成を制御することが可能になっている。例示すると、リソースマネジャー140は、GMPLSプロトコル一式、OPENFLOWプロトコル一式、または他のルーティング及びシグナリングプロトコルといった制御プレーンプロトコルに基づいて、ビークルのスイッチマトリクス110(または複数のビークルのスイッチマトリクス)を制御する、スイッチング構成データ142を生成する。スイッチマトリクス110が制御プレーンプロトコルに基づいて構成されているため、ビークル201は、ラベルスイッチルータとして機能する(例えば、ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146に基づいてルーティングを実施する)。スイッチマトリクス110の、制御プレーンプロトコルとポイントツーポイント接続との間で変換を行うことによって、ビークル201のインフラストラクチャーは、外部ネットワークの制御プレーンの中に、効果的に「折りたたまれる」(collapsed)。これによって、ビークルのオペレータネットワーク251が、完全なピアリングモデルに従って他のネットワークと相互作用し、他のネットワークにとって別のラベルスイッチルータ(またはIPベースのルータ)として見えることが可能になる。こうして、外部ネットワークに回路スイッチされたオーバーレイ(a circuit−switched overlay)として稼働し、したがってエンドツーエンド基準を満たすことが不可能であるビークル系ネットワークの場合と対比して、外部ネットワークと組み合わされて稼働しているビークルオペレータネットワーク251が、QoS基準といったエンドツーエンドの基準、並びにネットワーク固有のルール及びポリシーを満たすことが可能になる。
図2は、制御プレーン(例えばリソースマネジャー140)がデータプレーン(例えばAFE106、チャネライザー108、スイッチマトリクス110、コンバイナー112、及びABE114)から「切り離され」、地上に配置されている実施形態を示す。リソースマネジャー140が地上のオペレーションセンター250に一体化されているため、ビークル201は、制御プレーンから除外されている。このように、図2に示す実施形態では、地上のオペレーションセンター250(リソースマネジャー140を含む)は、旧来型ビークル(例えば旧来型衛星または他のビークル)を制御し、旧来型ビークルが、地上の他のピアリングデバイスにとってラベルスイッチルータとして見えるようにさせることが可能である。例えば、旧来型衛星(例えば、AFE106、チャネライザー108、スイッチマトリクス110、コンバイナー112及びABE114を含んでいるが、ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146に基づくスイッチング構成データ142の衛星上での生成を実施するようには構成されていない、衛星)は、スイッチング構成データ142(及び、図2に関連して示す他の構成データ)を受信して、それに応じてスイッチマトリクス110(またはペイロード104の他の構成要素)の構成を行うことによって、ラベルスイッチング機能を実施するように構成されることができる。このように、ある実施形態では、旧来型ビークル系のネットワークが、部分的なピアリングモデルまたは完全なピアリングモデルに従って外部ネットワークと相互作用することは、本開示が可能にしている。
図3は、ネットワーク情報(例えばネットワークトポロジーデータ、シグナリングデータ、またはその両方)に基づいて構成されたビークル搭載のスイッチマトリクスを有する、ビークル系ネットワークを含む、システム300の例示的な実施形態の第2の実施例を示す。システム300は、図2に関連して記載されるように、ビークル201と、外部ネットワーク216、226、236、及び246に通信可能に連結されたビークルオペレータネットワーク251とを含む。システム300では、図2に関連して記載される実施形態とは対照的に、リソースマネジャー140及び統合マネジャー260はビークル201に搭載されて一体化されており、地上のオペレーションセンター250内には存在していない。このように、図3は、制御プレーン及びデータプレーンが共にビークル201に配置されている実施形態を示す。
図3に示す実施形態では、地上のオペレーションセンター250は、システムマネジャー302を含む。システムマネジャー302は、ビークル201(または複数のビークル)の動作を制御するための制御データを生成するように構成されている。例えば、システムマネジャー302は、オペレータがビークル201の様々な動作を制御し、天体暦データといったデータ、ビークル201からのデータ、またはこれらの組み合わせに基づいて制御データを自律的に生成することを可能にするように構成された、1つ以上のプロセッサ及びメモリ、1つ以上のコントローラ、1つ以上のASIC、1つ以上のFPGA、他の回路、またはこれらの組み合わせを含み得る。例えば、システムマネジャー302は、飛行経路/軌道の制御、電力システムの制御、修理の制御、またはビークル201に関連する他の作業に関連する、制御データを生成するように構成されていてよい。システムマネジャー302は、無線通信リンク270を経由してビークル201に制御データを提供するように構成されており、ビークル201は、管理インターフェース204を経由して制御データを受信し、制御データに基づいて1つ以上の動作を実施するように構成されている。例えば、ビークル201は、制御データに基づいて、飛行経路もしくは軌道の調整、電力設定の調整、他の動作の実施、またはこれらの組み合わせを行ってよい。
図3に示すとおり、ビークル201は、リソースマネジャー140及び統合マネジャー260を含む。リソースマネジャー140は、ネットワークトポロジーデータ144、シグナリングデータ146、オプションで1つ以上のトラフィックエンジニアリングデータ256、及び、図1の要求148といった、ビークル201を通る通信経路に関する1つ以上の要求に基づいて、スイッチング構成データ142、ビーム形成構成データ252、及び追加構成データ254を、ビークル201上で決定するように構成されている。ネットワークトポロジーデータ144、シグナリングデータ146、及び1つ以上のトラフィックエンジニアリングパラメータ256(及び他の追加制御データ)は、ネットワーク216、226、236、246、及び251の1つ以上の地上の構成要素から、ビークル201で受信されてよい。特定の実施形態では、外部ネットワーク216、226、236、及び246の構成要素が、各ネットワークトポロジーデータ及びシグナリングデータをプロバイダエッジルータ212、222、232、及び242に提供し、ネットワークトポロジーデータ及びシグナリングデータは、地上のオペレーションセンター250にルーティングされて、無線通信リンク270を経由してビークル201に送信される。代替実施形態では、ネットワークトポロジーデータ及びシグナリングデータは、プロバイダエッジルータ212、222、232、及び242から、ビークルオペレータネットワーク251の1つ以上のリソースゲートウェイにルーティングされ、リソースゲートウェイが、ネットワークトポロジーデータ及びシグナリングデータを、1つ以上の無線通信リンクを経由してビークル201に送信する。1つ以上のトラフィックエンジニアリングパラメータ256は、同様に、外部ネットワーク216、226、236、及び246からビークルオペレータネットワーク251で受信され、ビークル201に対して提供されてよい。このように、ある実施形態では、スイッチング構成データ142は、1つ以上の無線通信リンクを経由して、地上のオペレーションセンター250から、地上のネットワークデバイスから、またはその両方から受信された、ネットワークトポロジーデータ、シグナリングデータ、トラフィックエンジニアリングパラメータ、他の制御データ、またはこれらの組み合わせに基づいて、リソースマネジャー140によって、ビークル201で生成される。
図4は、衛星上で構成を行うことが可能なスイッチマトリクスを有する、衛星系通信ネットワーク400の例示的な実施例を示す。図4に関連して記載される具体的な実施形態では、衛星系通信ネットワーク400は、図1の衛星102を含む。図4の関連では衛星系ネットワークとして記載されているが、他の実施形態では、他のビークル系通信ネットワークが本明細書に記載の動作を実施する。例えば、他のビークル系通信ネットワークは、図2のビークル201または図3のビークル201を含んでいてよい。
衛星系通信ネットワーク400は、衛星102、第2の衛星402、リソースマネジャー140、1つ以上のプロバイダエッジルータ430、衛星アクセスモデム440、衛星ユーザ端末442、及びユーザ機器444(例えば加入者デバイス)を含む。1つ以上のプロバイダエッジルータ430は、図2及び図3のプロバイダエッジルータ212、222、232、及び242といった、種々のネットワークのカスタマーエッジルータと通信するように構成されたルータを含む。衛星アクセスモデム440は、1つ以上のリソースゲートウェイに一体化されており、データトラフィックをアップリンクビームとして衛星102に送信し、データトラフィックをダウンリンクビームとして衛星102から受信するように構成されている。衛星ユーザ端末442は、衛星系通信ネットワーク400によってサポートされている1つ以上のサービスをサポートするため、衛星アクセスモデム440との間でデータの送受信を行うように構成されている。ユーザ機器444は、1つ以上のサービスにアクセスするために衛星ユーザ端末442との間でデータの送受信を行うように構成された、加入者デバイスを含む。例えば、ユーザ機器444は、非限定的な例として、携帯電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートウォッチ、メディア再生デバイス、ナビゲーションシステム、携帯情報端末(PDA)、衛星電話、ビークル(もしくはその構成要素)、もしくはこれらの組み合わせといったモバイルデバイス、または固定式電子装置を含む。
図4に示す特定の実施形態では、リソースマネジャー140は、統合マネジャー260(ORCH MGR)、シグナリングマネジャー410(SIG MGR)、経路計算要素414(PCE)、及びデジタルペイロードリソースマネジャー418(DPRM)を含む。本明細書では、構成要素260、410、414、及び418に関して様々な機能が記載されているが、そうした記載は、例示のみを目的としている。他の実施形態では、構成要素260、410、414、及び418のうちの1つ以上は、複数の構成要素に関連する機能を実施する単一の構成要素に一体化されていてよい。構成要素260、410、414、及び418のそれぞれは、ハードウェア(例えばFPGA、ASIC、DSP、コントローラ、他の専用回路など)、ソフトウエア(例えばプロセッサによって実行可能な命令)、またはこれらの組み合わせを用いて実施されてよい。特定の実施形態では、リソースマネジャー140は、図2に関して記載されるように、地上のオペレーションセンターといった地上の構成要素に一体化されているか、または、リソースゲートウェイ及び地上のオペレーションセンターといった、複数の地上の構成要素の間に行きわたっている。代替実施形態では、図1及び図3に関連して記載されるように、リソースマネジャー140は、衛星102に一体化されている。
図2及び図3に関連して記載されるように、統合マネジャー260は、地上のオペレーションセンターのオペレータからのデータ、または衛星102で生成されたデータ(例えばセンサデータ)に基づいて、統合データ(例えば図2及び図3の統合データ)を生成するように構成されている。特定の実施形態では、統合マネジャーは、北方面インターフェースコントローラ406(NBI CTRL)及び南方面インターフェースコントローラ408(SBI CTRL)を含む。北方面インターフェースコントローラ406は、飛行経路/軌道管理システム、電力システム、及び他のリアルタイムシステムといった、衛星102の動作に関してより高い優先度を有する構成要素と通信するように構成されている。南方面インターフェースコントローラ408は、信号マネジャー410、経路計算要素414、及びデジタルペイロードリソースマネジャー418といった、衛星102の動作に関してより低い優先度を有する構成要素と通信するように構成されている。例示すると、統合マネジャー260は、北方面インターフェースコントローラ406から、衛星102の他のシステムからのデータを受信し、北方面インターフェースコントローラ406を経由して受信したデータに基づいて、統合データを生成し、南方面インターフェースコントローラ408を経由して、信号マネジャー410、経路計算要素414、及びデジタルペイロードリソースマネジャー418に、統合データを提供するように構成されていてよい。
経路計算要素414は、ネットワークトポロジーデータ144を保持し、ネットワークトポロジーデータ144が記述する、様々なネットワークを通る1つ以上の経路を決定するように構成されている。経路計算要素414は、ネットワークトポロジーデータ144(NET TOP DATA)を保持して保存する、ルートマネジャー416(ROUTE MGR)及びストレージを含んでいてよい。特定の実施形態では、経路計算要素414は、トラフィック構成データ、並びに様々なネットワークのリンク及び構成要素に関連するパラメータに加えてネットワークトポロジーデータ144を含む、トラフィックエンジニアリングデータベースを保持する。ルートマネジャー416は、1つ以上の通信経路を決定するため、ネットワークトポロジーデータ144に基づいてルート計算を実施するように構成されている。例えば、ルートマネジャー416は、経路の計算作業、トポロジー発見作業、トポロジー分配作業、またはこれらの組み合わせを実施するように構成されていてよい。
シグナリングマネジャー410は、シグナリングデータ146を保持し、シグナリングデータ146が記述する様々なネットワークを通るリンクに関連するシグナリングを決定するように構成されている。シグナリングマネジャー410は、シグナリングデータ146(SIG DATA)を保持して保存する、シグナリングマネジャー構成要素412(SIG MGR)及びストレージを含んでいてよい。特定の実施形態では、シグナリングマネジャー構成要素412は、シグナリングデータ146を含むラベル情報ベースを保持する。シグナリングマネジャー構成要素412は、1つ以上の通信経路に沿った1つ以上のリンクに関連する、シグナリングを決定するように構成されている。例えば、シグナリングマネジャー412は、シグナリングプロトコル処理、AS内シグナリング管理(例えば、衛星系通信ネットワーク400内のリンクに関連するシグナリングの管理)、AS間シグナリング管理(例えば、MVNOまたはVNOといったティア2オペレータによって制御される、外部ネットワークへのリンク、または衛星系通信ネットワーク400の一部へのリンクに関連するシグナリングの管理)、及び経路エラー管理作業を実施するように構成されている。
デジタルペイロードリソースマネジャー418は、1つ以上の通信経路の初期化または変更、及び1つ以上の通信経路のリンクに関連するシグナリングに関連する、経路計算要素414及びシグナリングマネジャー410からの要求を受信するように構成されている。デジタルペイロードリソースマネジャー418は、この要求に基づいて(衛星102の)ペイロード104の構成要素が使用する構成データを生成することによって、この要求を、衛星102内のクロスコネクト(例えば、チャネライザー108からスイッチマトリクス110を経由したコンバイナー112へのクロスコネクト)へと変換するように、さらに更新されている。特定の実施形態では、デジタルペイロードリソースマネジャー418は、スイッチ管理構成要素417(SWITCH MGR)及びビーム形成管理構成要素419(BFN MGR)を含む。スイッチ管理構成要素417は、図1に関連して記載されるように、(ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146に基づく)要求に基づいて、スイッチング構成データ(例えば、図1〜図3のスイッチング構成データ142)を生成するように構成されている。ビーム形成管理構成要素419は、図2及び図3に関連して記載されるように、(ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146に基づく)要求に基づいて、ビーム形成構成データ(例えば、図2及び図3のビーム形成構成データ252)を生成するように構成されている。加えて、スイッチ管理構成要素417及びビーム形成管理構成要素419は、統合マネジャー260から統合データを受信した場合には、各構成データの生成に際して、統合データを使用するように構成されている。
動作中には、衛星系通信ネットワーク400が、構成要素間の、並びに衛星102(及び他の衛星)を経由した別の場所への、データのルーティングを可能にする。例示すると、ユーザ機器444及び衛星ユーザ端末442は、イーサネット物理(PHY)層、イーサネットメディアアクセスコントロール(MAC)層、IPネットワーク層、TCP層、UDP層、及びアプリケーション層のうちの、1つ以上において、データ及びシグナリングを共有している。衛星ユーザ端末442、及び衛星アクセスモデム440は、PHY層及びMAC層における共通エアインターフェースを介して、データ及びシグナリングを共有する。加えて、衛星アクセスモデム440は、イーサネットのPHY層及びMAC層を介して、プロバイダエッジルータ430からのデータ及びシグナリングを受信する。衛星アクセスモデム440は、受信したデータを組み合わせて、衛星102に送信される1つ以上のアップリンクビームと、(PHY層及びMAC層における)フィーダーリンクを介して衛星102に送信される、任意の制御情報を生成する。加えて、衛星アクセスモデム440は、モデム制御/性能データ422を、リソースマネジャー140に送信する。
プロバイダエッジルータ430は、外部ネットワークからのデータを受信し、衛星102に送信するために、このデータを衛星アクセスモデム440にルーティングする。プロバイダエッジルータ430は、イーサネットPHY層、イーサネットMAC層、マルチプロトコルラベルスイッチ(MPLS)シム層、IPネットワーク層、TCP/UDPトランスポート層、ルーティング層、及びシグナリング層を含む、プロトコルスタック432に従って通信を実施してよい。プロバイダエッジルータ430は、外部のネットワークから受信したネットワークトポロジーデータ(例えばルーティングデータ)及びシグナリングデータもまた、リソースマネジャーに送信する。例えば、ネットワークトポロジーデータ及びシグナリングデータは、イーサネットPHY層、イーサネットMAC層、MPLSシム層、IPネットワーク層、TCP/UDPトランスポート層、ルーティング層、及びシグナリング層を含む、プロトコルスタック415に従って通信を実施する、リソースマネジャー140に通信される。特定の実施形態では、ネットワークトポロジーデータ及びシグナリングデータは、GMPLSプロトコル一式またはOPENFLOWプロトコル一式に従って通信される。他の実施形態では、ネットワークトポロジーデータ及びシグナリングデータをリソースマネジャー140に通信するために、RSVP−TEプロトコル、OSPF−TEプロトコル、IP/MPLSプロトコル、イーサネットプロトコル、または他のネットワークプロトコルといった、他のプロトコルが使用される。
リソースマネジャー140は、プロバイダエッジルータ430から受信したネットワークトポロジーデータ及びシグナリングデータ、並びに衛星アクセスモデム440から受信したモデム制御及び性能データに基づいて、ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146を、生成して保持する。リソースマネジャー140(例えばスイッチ管理構成要素417及びビーム形成管理構成要素419)は、スイッチング構成データ及びビーム形成構成データを生成し、リソースマネジャー140は、スイッチング構成データ、ビーム形成構成データ、並びに他の構成及び制御データを、制御及び管理データ420として衛星102に送信する。衛星102は、制御及び管理データ420を受信し、制御及び管理データ420に基づいて、ペイロード104の1つ以上の構成要素(例えば、AFE106、チャネライザー108、スイッチマトリクス110、コンバイナー112、ABE114、受信用アンテナ、送信用アンテナ、またはこれらの組み合わせ)の構成を行う。1つ以上の構成要素の構成を行うことによって、衛星102が、1つ以上の入力ポートから1つ以上の構成要素を介して1つ以上のアップリンクビーム内で受信したデータトラフィックを、ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146に基づいて決定された通信経路を使用して、1つ以上の出力ポートに伝播することが可能になる。衛星102は、地上の別の場所に、(RFもしくは光学PHY及びMAC層通信を介して)第2の衛星402に、またはRFもしくは光学PHY及びMAC層通信を介して1つ以上の他の衛星に送信するため、送信用アンテナにおいて、RF信号(例えば1つ以上のダウンリンクビーム)を生成する。
リソースマネジャー140は、ネットワークトポロジーデータ及びシグナリングデータをプロバイダエッジルータ430から受信し、受信したネットワークトポロジーデータ及び受信したシグナリングデータに基づいて制御及び管理データ420を生成することによって、1つ以上の他のネットワークのラベルスイッチドメイン(またはその他のIPスイッチドメイン)から、衛星102のドメイン(例えばスイッチマトリクス110)に、通信経路要求を「変換」することができる。このように、衛星102はラベルスイッチ機能を実施することが可能であり、それによって、衛星系通信ネットワーク400が、外部ネットワークにとってラベルスイッチネットワークとして見えるようにしている。上記で説明したように、この機能によって、ビークル系ネットワークが、完全なピアリングモデルに従って他のネットワークと相互作用することが可能になる。それによって、これらのネットワークが、外部ネットワークに回路スイッチされたオーバーレイとして機能する他の衛星系ネットワークでは満たすことができない、QoS基準といった様々な基準を満たすことが可能になる。
図4に関して特定のプロトコル層が示され記載されているが、そうした記載は、限定するものではない。他の実施形態では、本明細書に記載されている通信は、図4に示されているものとは異なるプロトコル層で実施され得る。
図5は、ネットワーク情報(例えばネットワークトポロジーデータ、シグナリングデータ、またはその両方)に基づいて、衛星のスイッチマトリクスの構成を行う方法500を示す。特定の実施形態では、非限定的な例として、方法500は図1〜図4のリソースマネジャー140によって実施される。
方法500は、502において、第1のデバイスから第2のデバイスへの通信経路に関連する要求を受信することを含む。例えば、要求148は、図1に関連して記載されるとおり、2つのデバイス間の通信経路を表す。
方法500は、504において、通信経路に関連するネットワークトポロジーデータに基づいて、スイッチング構成データを生成することを含む。スイッチング構成データは、衛星のスイッチマトリクスの構成を表す。例えば、スイッチング構成データ142は、図1に関連して記載されるとおり、ネットワークトポロジーデータ144及び要求148に基づいて生成される。スイッチング構成データ142は、図1に関連して記載されるとおり、スイッチマトリクス110の1つ以上のスイッチの状態、1つ以上のスイッチの構成を表す置換表、1つ以上のフィルタ構成要素、または他の構成データといった、スイッチマトリクス110の構成を表す。特定の実施形態では、図1に関連して記載されるとおり、要求148は衛星102で受信され、スイッチング構成データ142は、衛星102上で生成される。代替実施形態では、図2に関連して記載されるとおり、要求148が受信されるのとスイッチング構成データ142が生成されるのは、地上のオペレーションセンター250またはゲートウェイといった、通信ネットワークの地上の構成要素においてである。
方法500は、506において、スイッチング構成データに基づいて、スイッチマトリクスに通信経路を初期化させること、または変更させることをさらに含む。通信経路の一部は、衛星のペイロードの構成要素を含み、構成要素は、スイッチマトリクスを含む。例えば、スイッチングマネジャー116は、図1または図2に関連して記載されるとおり、スイッチング構成データ142に基づいて、スイッチングマトリクス110の構成を行う。
特定の実施形態では、方法500は、ネットワークトポロジーデータに基づいて追加構成データを生成することと、ペイロードの1つ以上の他の構成要素の構成が、追加構成データに基づいて行われるようにすることとを含む。例えば、AFE106、チャネライザー108、コンバイナー112、ABE114、またはこれらの組み合わせのうちの1つ以上は、追加構成データ254に基づいて構成される。追加構成データ254は、図1〜図3に関連して記載されるとおり、衛星(または他のビークル)上か、または地上のネットワーク構成要素において、生成されてよい。
別の具体的な実施形態では、方法500は、ネットワークデバイスからのシグナリングデータを受信することを含む。シグナリングデータは、1つ以上の外部ネットワークを通る、1つ以上のラベルスイッチ経路(LSP)に関連する情報を含む。例えば、リソースマネジャー140は、ネットワーク216、226、236、及び246を通る1つ以上のLSPを表す、シグナリングデータ146を受信する。特定の実施形態では、ネットワークトポロジーデータ144及びシグナリングデータ146は、GMPLSプロトコル一式またはOPENFLOWプロトコル一式に従って受信される。シグナリングデータ146は、図1〜図3に関連して記載されるとおり、衛星(または他のビークル)上か、または地上のネットワーク構成要素において、受信されてよい。
別の特定の実施形態では、方法500は、ネットワークデバイスから1つ以上のトラフィックエンジニアリングパラメータを受信することを含む。スイッチング構成データは、1つ以上のトラフィックエンジニアリングパラメータに、さらに基づいている。例示すると、1つ以上のトラフィックエンジニアリングパラメータ256は、図3に関連して記載されるように、またはビークル(例えば衛星)においては図2に関連して記載されるように、スイッチング構成データ142を決定するために、受信され使用されてよい。1つ以上のトラフィックエンジニアリングパラメータ256は、QoSパラメータ、ネットワーク固有のポリシーパラメータ、他のパラメータ、またはこれらの組み合わせを含む。
別の特定の実施形態では、方法500は、ネットワークトポロジーデータ及び通信経路に基づいて、ビーム形成構成データを生成することを含む。この実施形態では、方法500は、ビーム形成構成データに基づいて、ペイロードの受信回路、ペイロードの送信回路、またはその両方の構成を行うことをさらに含む。例えば、図2及び図3に関連して記載されるとおり、リソースマネジャー140がビーム形成構成データ252を生成し、ビーム形成マネジャー202は、ビーム形成構成データ252に基づいて、1つ以上の受信用アンテナ、AFE106、ABE114、1つ以上の送信用アンテナ、他の受信用もしくは送信用回路、またはこれらの組み合わせの、構成を行う。
別の特定の実施形態では、方法500は、統合データを受信することを含む。この実施形態では、スイッチング構成データは、統合データにさらに基づいて、生成される。例示すると、統合マネジャー260は、ビークル201から第2のビークルへのハンドオーバー、ビークル201に関連する計画された機能停止、ビークル201に関連する計画されていない機能停止、ビークル201の軌道の変更、ビークル201に関連するシステム容量要求の変更、ビークル201に関するユーザ接続ポイントの変更、またはこれらの組み合わせを含む、1つ以上の統合された事象を表す統合データ262を生成する。リソースマネジャー140は、図2及び図3に関連してさらに記載されるとおり、統合データ262に基づいてスイッチング構成データ142を生成する。
方法500によって、衛星が、ラベル(または他のヘッダ)を抽出するための通信データの復調を行わないにも関わらず、ラベルスイッチルータの動作を実施することが可能になる。例えば、ネットワークトポロジーデータと、通信経路に関する要求とに基づいてスイッチマトリクスの構成を行うことによって、衛星が、ラベルスイッチルーティング機能を実施することが可能になる。衛星がラベルスイッチルーティングの機能を実施することによって、他のラベルスイッチ(または他のIPスイッチ)ネットワークに関連する制御プレーンデータを用いて、衛星系ネットワークを制御することが可能になる。これによって、衛星系ネットワークを他のネットワーク間のオーバーレイとして操作する代わりに、これらのネットワークを単一のネットワークとして(例えば、完全なピアリングモデルに従って)操作することが可能になり得る。完全なピアリングモデルに従ってネットワークを操作することによって、回路スイッチによるオーバーレイとして機能し、エンドツーエンドの基準を満たすことができない他の衛星系ネットワーク(または他のビークル系ネットワーク)と対比して、QoS基準を含む様々なエンドツーエンド基準を満たすことが可能になり、複数のネットワークの至るところでネットワーク固有のポリシーを実行することが可能になる。
特定の実施形態では、図5の方法500の要素のうちの1つ以上は、非一過性コンピュータ可読媒体に保存された命令を実行するプロセッサによって実施されてよい。例えば、非一過性コンピュータ可読媒体は、プロセッサによって実行されたときに、衛星において、第1のデバイスから第2のデバイスへの通信経路に関連する要求の処理を含む動作をプロセッサに実施させる、命令を保存している。通信経路の一部は、衛星のペイロードの構成要素を含み、構成要素は、スイッチマトリクスを含む。動作は、衛星において、通信経路に関連するネットワークトポロジーデータに基づいて、スイッチング構成データを生成することを含む。スイッチング構成データは、ペイロードのスイッチマトリクスの構成を表す。動作は、スイッチング構成データに基づいて、スイッチマトリクスが通信経路を初期化するか、または変更するように構成することをさらに含む。
図1〜図5のうちの1つ以上は、本開示の教示によるシステム、機器、及び/または方法を示していてよいが、本開示は、これらの示されているシステム、機器、及び/または方法に限定されない。本明細書に記載されている図1から図5のうちの任意のものの1つ以上の機能または構成要素は、図1から図5のうちの別のものの、1つ以上の他の部分と組み合わされてよい。例えば、図5の方法500の1つ以上の要素は、本明細書に記載の他の工程と組み合わせて実施されてよい。このように、本明細書に記載の単一の実施形態は、全て、限定するものとして解釈されるべきではなく、本開示の実施形態は、本開示の教示から逸脱することなく、適切に組み合わせられてよい。一実施例として、図5に関連して記載されている1つ以上の工程はオプションであってよく、少なくとも部分的に同時に実施されてよく、及び/または示されるもしくは記載されるのと異なる順序で実施されてよい。
実施形態のさらなる例は、以下の条項に反映される。
条項1.第1のデバイスから第2のデバイスへの通信経路に関連する要求を受信することと、通信経路に関連するネットワークトポロジーデータに基づいてスイッチング構成データを生成することであって、スイッチング構成データは衛星のスイッチマトリクスの構成を表す、生成することと、スイッチング構成データに基づいて、スイッチマトリクスに通信経路を初期化または変更させることであって、通信経路の一部が、衛星のペイロードの構成要素を含み、構成要素がスイッチマトリクスを含む、初期化または変更させることと、を含む方法。
条項2.スイッチング構成データが衛星上で生成され、スイッチマトリクスが衛星の1つ以上の入力ポートを衛星の1つ以上の出力ポートに連結するように構成された複数のスイッチを含み、スイッチング構成データが、複数のスイッチのうちの1つ以上のスイッチの状態を表す、条項1に記載の方法。
条項3.スイッチング構成データが、衛星の入力ポートで受信した高周波(RF)信号に関連する1つ以上の周波数のスライスを、衛星の1つ以上の出力ポートにルーティングすることに関連した、1つ以上のフィルタ構成または1つ以上の置換表のうちの少なくとも1つをさらに含む、条項1に記載の方法。
条項4.要求が、通信経路を確立する要求、通信経路を変更する要求、または通信経路を終了する要求のうちの少なくとも1つを含み、スイッチング構成データが、ユーザプレーントラフィックパターンに基づいてさらに生成される、条項1に記載の方法。
条項5.第1のデバイスが、第1のプロバイダと関連する第1のネットワークに通信可能に連結された第1の地上のデバイスを含み、第2のデバイスが、第2のプロバイダと関連する第2のネットワークに通信可能に連結された第2の地上のデバイスを含み、スイッチマトリクスの構成が、衛星の第1の送信用アンテナにおける第1の出力ビームの生成と関連している、条項1に記載の方法。
条項6.第1のプロバイダが、第1の仮想ルーティング/転送(VRF)インスタンスに関連する第1の仮想通信オペレータを含み、第2のプロバイダが、第1のVRFインスタンスとは異なる第2のVRFインスタンスに関連する第2の仮想通信オペレータを含み、スイッチング構成データが、第1のネットワークと衛星を含む衛星系ネットワークとの間の部分的なピアリングを可能にする、条項5に記載の方法。
条項7.スイッチング構成データが、第1のネットワークと衛星を含む衛星系ネットワークの間の完全なピアリングを可能にし、スイッチング構成データが、第2のネットワークと衛星系ネットワークの間の完全なピアリングを可能にする、条項5に記載の方法。
条項8.ネットワークトポロジーデータに基づいて追加構成データを生成することと、ペイロードの1つ以上の他の構成要素の構成が追加構成データに基づいて行われるようにすることであって、1つ以上の他の構成要素がチャネライザー、コンバイナー、または再生器のうちの少なくとも1つを含む、行われるようにすることと、をさらに含む、条項1に記載の方法。
条項9.ネットワークトポロジーデータが、1つ以上の外部ネットワークに関連する複数のネットワークデバイス間の接続を表す、条項1に記載の方法。
条項10.ネットワークデバイスからシグナリングデータを受信することをさらに含む方法であって、シグナリングデータは1つ以上の外部ネットワークを通る1つ以上のラベルスイッチ経路(LSP)に関連する情報を含み、スイッチング構成データはシグナリングデータにさらに基づいて生成される、条項1に記載の方法。
条項11.ネットワークトポロジーデータが制約ベースのルーティングプロトコルに従って受信され、シグナリングデータがシグナリングプロトコルに従って受信される、条項10に記載の方法。
条項12.第1のデバイスから第2のデバイスへの通信経路に関連する要求を、衛星において処理することであって、通信経路の一部は衛星のペイロードの構成要素を含み、構成要素はスイッチマトリクスを含む、処理することと、通信経路に関連するネットワークトポロジーデータに基づいて、衛星においてスイッチング構成データを生成することであって、スイッチング構成データは、ペイロードのスイッチマトリクスの構成を表している、生成することと、スイッチマトリクスが、スイッチング構成データに基づいて通信経路を初期化または変更するように構成することと、を含む動作を、プロセッサによって実行されたときにプロセッサに実施させる命令を保存している、非一過性コンピュータ可読媒体。
条項13.動作が、衛星において、ネットワークデバイスからの1つ以上のトラフィックエンジニアリングパラメータを受信することをさらに含み、スイッチング構成データが1つ以上のトラフィックエンジニアリングパラメータにさらに基づいており、1つ以上のトラフィックエンジニアリングパラメータがサービス品質(QoS)パラメータまたはネットワーク固有のポリシーパラメータのうちの少なくとも1つを含んでいる、条項12に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
条項14.動作が、衛星において、ネットワークトポロジーデータ及び通信経路に基づいてビーム形成構成データを生成することと、ビーム形成構成データに基づいて、ペイロードの受信用回路、ペイロードの送信用回路、またはその両方の構成を行うことであって、ビーム形成構成データが、1つ以上の位相値または1つ以上の振幅値のうちの少なくとも1つに基づく1つ以上のビーム形成重みを表している、構成を行うことと、をさらに含む、条項12に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
条項15.動作が、衛星において統合データを受信することをさらに含み、統合データが、衛星の動作に関連する1つ以上の統合された事象を表し、スイッチング構成データが統合データにさらに基づく、条項12に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
条項16.統合データが、衛星から第2の衛星へのハンドオーバー、衛星に関連する計画された機能停止、衛星に関連する計画されていない機能停止、衛星の軌道の変更、衛星に関連するシステム容量要求の変更、または衛星に関するユーザ接続ポイントの変更、のうちの少なくとも1つを表す、条項15に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
条項17.ビークルであって、ビークルの1つ以上の受信用アンテナとビークルの1つ以上の送信用アンテナの間に連結された複数のスイッチを含むスイッチマトリクス、スイッチング構成データに基づいてスイッチマトリクスの構成を初期化または変更するように構成された回路、及び、第1のデバイスから第2のデバイスへの通信経路に関連するネットワークトポロジーデータに基づいてスイッチング構成データを生成するように構成された、通信ネットワークの地上のデバイスであって、通信経路の一部が、ビークルのペイロードの構成要素を含み、構成要素がスイッチマトリクスを含む、地上のデバイスを含む、ビークルを備えるシステム。
条項18.ビークルが、衛星または航空ビークルを含む、条項17に記載のシステム。
条項19.地上のデバイスが、地上のオペレーションセンターに一体化されているか、またはゲートウェイを含んでおり、地上のデバイスが、衛星通信リンクを介してビークルに通信可能に連結されている、条項17に記載のシステム。
条項20.ビークルが、無線通信リンクを経由して、地上のデバイス、第2の地上のネットワークデバイス、またはその両方に、ビークルの構成要素に関連するネットワークデータを提供するように構成された管理インターフェースをさらに含み、スイッチング構成データが、地上のデバイスまたは第2の地上のネットワークデバイスのうちの少なくとも1つから無線通信リンクを経由して受信した制御情報にさらに基づいている、条項17に記載のシステム。
本明細書に記載の実施例の図面は、様々な実施形態の構造の全般的な理解を与えることを意図している。これらの図は、本書に記載された構造または方法を利用する機器及びシステムのすべての要素及び特徴を、網羅的に説明する役割を果たすことは意図していない。本開示を精査することによって、他の多くの実施形態が、当業者にとって明らかになってよい。本開示の他の実施形態を利用すること、及び本開示から他の実施形態を派生させることによって、本開示の範囲を逸脱することなく、構造的及び論理的な置換及び変更が行われ得る。例えば、方法の動作を、図に示す順序とは異なる順序で実施してもよいし、1つ以上の方法の動作を省略してもよい。したがって、本開示及び図面は、限定的というより、むしろ例示的なものと見なすべきである。
さらに、本明細書では特定の実施例が例示及び説明されてきたが、同一または同様の結果を達成するように設計された後続の構成が、いずれも、示されている特定の実施形態と代替され得ることは、理解すべきである。本開示は、様々な実施形態の、後続のあらゆる応用例または変形例を含むことを意図している。上記の実施形態の組み合わせ、及び、本書で特に説明していない他の実施形態については、本明細書を精査することによって、当業者に明らかになるであろう。
本開示の「要約書」は、それが、特許請求の範囲またはその意味を、解釈または限定するために使用されるわけではないとの理解のもとに、提出されるものである。加えて、上記の「発明を実施するための形態」においては、本開示を簡潔にする目的で、様々な特徴が、グループ化されたり、または、単一の実施形態内で説明されたりしている場合がある。上記の実施例は、本開示を例示するものであって、本開示を限定するものではない。本開示の原理に従った多くの修正例及び変形例が可能であることも、また理解すべきである。むしろ、下記の特許請求の範囲において反映されているように、特許請求される主題は、開示されたあらゆる実施例の全ての特徴よりも少ない特徴を対象としていてよい。したがって、本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲及びその均等物によって規定されるものである。