JP2019066549A - 光学フィルタ、光学フィルタの製造方法および自動取引装置 - Google Patents

光学フィルタ、光学フィルタの製造方法および自動取引装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来よりも覗き見を防止する効果が高い光学フィルタ、光学フィルタの製造方法および自動取引装置を提供する。【解決手段】入射される方向によって光を透過するシート状の光学フィルタ30であって、光を透過する帯状の透過部31と、光を遮光する帯状の遮光部32とが光学フィルタ30の表面に平行な面内に交互に配置されたルーバー層を有し、前記ルーバー層は、透過部31および遮光部32の延在方向が異なる第一ルーバー部30aおよび第二ルーバー部30bの二つの領域を含んでおり、第一ルーバー部30aの第一透過部31aおよび第一遮光部32aの延在方向は、前記表面に平行な面内において一方に回転しており、第二ルーバー部30bの第二透過部31bおよび第二遮光部32bの延在方向は、前記表面に平行な面内において第一ルーバー部30aとは逆方向に回転している。【選択図】図4

Description

本発明は、光学フィルタ、光学フィルタの製造方法および自動取引装置に関する。
従来、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)などの表示装置に設置する光学フィルタが開発されている(特許文献1)。特許文献1に記載される光学フィルタは、表示装置に表示される内容を第三者に見られることを防止するものである。特許文献1に記載される光学フィルタを図17に示す。図17の光学フィルタ801は、各々が帯状の透光部(透過部)802と、遮光部803とが交互に並んだ構造である。
また、建物外から光を建物内に採り入れる光採り入れ部に設置する採光シートが開発されている(特許文献2,3)。特許文献2,3に記載される採光シートは、太陽光を制御して好適な態様で光を建物内に採り入れるものである。この採光シートに用いられる技術を表示装置に設置する光学フィルタに適用することで、表示装置に表示される画像を第三者に見られることを防止することが可能である。特許文献2,3に記載される技術を適用した光学フィルタを図18に示す。図18の光学フィルタ901は、透明のシートの表面に一定の間隔でV字状の溝を平行に形成した後でその溝に遮光体を流し込んだものであり、シート状の透光部(透過部)902と、透光部(透過部)902の表面に一定間隔で形成された断面視がV字状の遮光部903とで構成される。
特開平10−104406号公報 特開2014−215580号公報 特開2014−238512号公報
ここで、特許文献1に記載される光学フィルタ801を液晶ディスプレイ804(図19参照)に設置した場合に、光の干渉を起こしてモアレ(縞模様)が発生することが知られている。特許文献2,3に記載される技術を用いた場合も同様である。この現象は、液晶ディスプレイ804のRGBドット(画素)805の並び方向と、光学フィルタ801の遮光部803の延在方向とが平行であることによる。
そのため、図20に示す光学フィルタ801Aのように、液晶ディスプレイ804のRGBドット805の並びに対して遮光部803を斜めに配置することで、モアレの発生を防ぐことが可能である。RGBドット805の並びに対する遮光部803の回転角度(バイアス角)αは、RGBドット805のピッチ幅や遮光部803のピッチ幅にもよるが、例えば十数度である。
しかしながら、光学フィルタ801Aを設置する角度が水平に近い場合に、光学フィルタ801Aの左前方向の視野角が広がってしまうので、その方向にいる第三者(つまり、使用者の左側にいる者)から液晶ディスプレイ804に表示される内容を覗き見される虞があった。このことは、金融サービスを提供する自動取引装置(ATM:Automated /Automatic Teller Machine)において特に問題となる。
なお、光学フィルタ801Aの左前方向の視野角を小さくするために遮光部803の回転角度αを一定の範囲内に制限することも考えられる。その場合、モアレの発生を防ぐためには、遮光部803のピッチ幅をさらに狭くしたり、また、遮光部803のピッチ幅をランダムにしたりする必要がある。したがって、製造が難しくなったり、製造工程が複雑になったりするので現実的ではない。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、従来よりも覗き見を防止する効果が高い光学フィルタ、光学フィルタの製造方法および自動取引装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る光学フィルタは、入射される方向によって光を透過するシート状の光学フィルタであって、光を透過する帯状の透過部と、光を遮光する帯状の遮光部とが前記光学フィルタの表面に平行な面内に交互に配置されたルーバー層を有し、前記ルーバー層は、前記透過部および前記遮光部の延在方向が異なる第一ルーバー部および第二ルーバー部の二つの領域を含んでおり、前記第一ルーバー部の前記透過部および前記遮光部の延在方向は、前記表面に平行な面内において一方に回転しており、前記第二ルーバー部の前記透過部および前記遮光部の延在方向は、前記表面に平行な面内において前記第一ルーバー部とは逆方向に回転していることを特徴とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る光学フィルタの製造方法は、入射される方向によって光を透過するシート状の光学フィルタの製造方法であって、光を透過する透過層と光を遮光する遮光層とが交互に積層された母材ブロックを準備する準備工程と、前記母材ブロックを前記透過層および前記遮光層の積層方向に直行する面に対して傾斜して切断し、二つの分割ブロックに分割する分割工程と、前記積層方向を回転軸として一方の前記分割ブロックを半回転させ、各々の切断面を介して二つの前記分割ブロックを接合する接合工程と、接合した接合面に対して直交する方向に沿って、一体となった前記分割ブロックを所定の厚さで切り出す切出し工程とを有することを特徴とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る自動取引装置は、前記した特徴を有する光学フィルタを表示装置に備えるものである。
本発明によれば、従来よりも覗き見を防止する効果が高い。
本発明の第一実施形態に係る光学フィルタを備えた自動取引装置の外観斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る表示ユニットの分解斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る表示ユニットの平面図である。 本発明の第一実施形態に係る光学フィルタの平面図である。 本発明の第一実施形態に係る光学フィルタのV−V断面図である。 本発明の第一実施形態に係る光学フィルタの製造方法(母材ブロックの分割工程)を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る光学フィルタの製造方法(分割した母材ブロックの接合工程)を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る光学フィルタの製造方法(光学フィルタの切出し工程)を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る光学フィルタの製造方法により完成した光学フィルタの斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る光学フィルタの斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る光学フィルタのXI−XI断面図である。 本発明の第二実施形態に係る光学フィルタの製造方法(母材ブロックの分割工程)を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る光学フィルタの製造方法(分割した母材ブロックの接合工程)を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る光学フィルタの製造方法(分割した母材ブロックの接合工程)を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る光学フィルタの製造方法(光学フィルタの切出し工程)を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る光学フィルタの製造方法により完成した光学フィルタの斜視図である。 従来の光学フィルタを示す斜視図である。 従来の光学フィルタを示す斜視図である。 従来の光学フィルタを液晶ディスプレイに設置した状態を示す平面図である。 従来の光学フィルタを液晶ディスプレイに設置した状態を示す平面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、参照する図面において、本発明を構成する部材の寸法は、説明を明確にするために誇張して表現されている。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[第一実施形態]
≪第一実施形態に係る自動取引装置の構成≫
図1を参照して、第一実施形態に係る光学フィルタを備えた自動取引装置1の構成を説明する。図1に示す自動取引装置1(ATM:Automated /Automatic Teller Machine)は、顧客に対して金融サービスを提供するためのアクセスポイントとしての役割を果たすものである。自動取引装置1は、例えば銀行の支店などに設置され、ネットワークNWを介して銀行ホストシステム(図示せず)に接続されている。
自動取引装置1は、前面が開口した箱型の筺体2と、筺体2の前面下部に配設される前面扉3と、筺体2の前面上部に配設されており、顧客により操作される操作パネル10とを備えて構成されている。以下では、自動取引装置1を使用する顧客を、特に「使用者」と呼ぶことにする。使用者は、自動取引装置1の前方(正面)に位置し、操作パネル10を操作する。
筺体2は、内部に各種のユニット(例えば、紙幣入出金機や硬貨入出金機)を収納する。筺体2の前面側上部は凹んだ形状を呈しており、筺体2の底面には四本の脚部2aが設けられている。
前面扉3は、筺体2の前面下部を覆う部材であり、保守時において筺体2に収納されるユニットを操作する場合に開放される。
操作パネル10は、筺体2の凹みに合わせて成形された側面視でL字形状を呈するフロントカバー10dに、取引に必要な種々の構成要素が設けられたものである。操作パネル10は、略垂直面を形成する第一操作面10aと、略水平面を形成する第二操作面10bとを有する。
操作パネル10の第一操作面10aには、通帳入出口11と、カード入出口12とが設けられている。通帳入出口11は、通帳の挿入や排出を行う開口部である。カード入出口12は、キャッシュカードや振込カード等のカード媒体の挿入や排出を行う開口部である。
操作パネル10の第二操作面10bには、硬貨入出金口13と、紙幣入出金口14と、表示入力部15と、ハンドセット16とが設けられている。硬貨入出金口13は、硬貨の投入や排出を行う開口部である(図1ではシャッタが閉じられた状態)。紙幣入出金口14は、紙幣の投入や排出を行う開口部である(図1ではシャッタが閉じられた状態)。ハンドセット16は、例えば視覚障害者用に設けられ、各種の案内情報を音声で顧客に通知する構成要素である。
表示入力部15は、各種の画面を表示すると共に各種の指示や情報等の入力を受け付ける構成要素である。表示入力部15は、図2に示す表示ユニット18と、図示しないタッチパネルとを備えて構成される。表示ユニット18は、表示装置としての液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)20と、液晶ディスプレイ20の上部に設置される光学フィルタ30とを備えて構成されている。なお、タッチパネルは、使用者が液晶ディスプレイ20上のどの位置に触れたかを検出するセンサであり、例えば光学フィルタ30の上部に設置される。
表示ユニット18の説明における「上下」、「左右」、「前後」は図2の矢印に従う。当該方向は、説明の便宜上定めるものであり、本発明を限定するものではない。ここでの上下方向は表示ユニット18(液晶ディスプレイ20および光学フィルタ30)の厚さ方向であり、液晶ディスプレイ20の視認側を上側とし、その反対側を下側としている。また、上下方向に直交する面内において、使用者が液晶ディスプレイ20を見るときに使用者が居る側を前側とし、その反対側を後側としている。また、左右方向は、上下方向および前後方向に合わせて設定されている。
液晶ディスプレイ20は、図示しない制御部からの信号に応じて文字や図などのグラフィックを表示するものである。ここでの液晶ディスプレイ20は、上から見て長方形状を呈しており、前後左右に配列はれたRGBドット(画素)21を有する。液晶ディスプレイ20は、図示しないバックライトにより発せられた光をRGBドット21毎に遮ったり透過させたりすることによって表示を行う。なお、光学フィルタ30を設置する表示装置は、ここでの液晶ディスプレイ20に限定されずに他の構成であってもよい。また、表示装置への光学フィルタ30の設置方法も特に限定されない。
<第一実施形態に係る光学フィルタの構成>
光学フィルタ30は、液晶ディスプレイ20に表示される文字や画像を覗き見することを防ぐものである。光学フィルタ30は、液晶ディスプレイ20を覆うシート状のものであればよい。ここでの光学フィルタ30は、上から見て液晶ディスプレイ20と同じ長方形状を呈しており、図3に示すように液晶ディスプレイ20よりもサイズが大きくなっている。
光学フィルタ30は、光を透過する透過部31と、光を遮光する遮光部32とを備えて構成されている。透過部31および遮光部32は共に帯状をなしており、前後方向および左右方向を含む面内に交互に配置されている。透過部31および透過部31の配列方向(左右方向)のピッチ幅は、例えば数十μm〜百十数μmである。また、透過部31の幅は、例えば遮光部32の幅の数倍〜十数倍である。以下では、透過部31および遮光部32が交互に配列された層状の部分を「ルーバー層」と呼ぶ場合がある。ここでは光学フィルタ30がルーバー層のみで構成される場合を示しているが、光学フィルタ30はルーバー層以外の層(例えばルーバー層を保護する保護層)を有していてもよい。
図2に示すように、光学フィルタ30には配列された透過部31および遮光部32(ルーバー層)を左右に分割する境界部30cが設定されており、境界部30cを境にして透過部31および遮光部32の延在方向が異なっている。ここでの境界部30cは、前後方向および上下方向を含む面内に設定される平面(境界面)であって光学フィルタ30を左右方向に均等に分割している。以下では、境界部30cよりも左側の部分を「第一ルーバー部30a」と呼び、また境界部30cよりも右側の部分を「第二ルーバー部30b」と呼ぶことにする。なお、光学フィルタ30の製造方法については後記するが、境界部30cは例えば第一ルーバー部30aと第二ルーバー部30bとの接合部である。
図4および図5を参照して、光学フィルタ30の詳細な構成を説明する。図4は光学フィルタ30の平面図であり、また図5は光学フィルタ30のV−V断面図である。図4に示すように、第一ルーバー部30aの第一透過部31aおよび第一遮光部32a、ならびに第二ルーバー部30bの第二透過部31bおよび第二遮光部32bは、後方に向かうにつれて境界部30cから徐々に離れるように配置されている。つまり、第一透過部31aおよび第一遮光部32aの延在方向は、反時計回りに回転角度(バイアス角)α1だけ回転している。また、第二透過部31bおよび第二遮光部32bの延在方向は、時計回りに回転角度(バイアス角)α2だけ回転している。第一透過部31aおよび第一遮光部32aの回転角度α1ならびに第二透過部31bおよび第二遮光部32bの回転角度α2は、モアレが発生しない程度に設定する。回転角度α1,α2は、例えば数度〜十数度であり、回転角度α1,α2は同じ値であるのが望ましい。
また、図5に示すように、第一遮光部32aおよび第二遮光部32bは、光学フィルタ30の裏面(液晶ディスプレイ20側の面であり、ここでは下面)や表面(液晶ディスプレイ20とは反対側の面であり、ここでは上面)に対して垂直である。つまり、ここでの第一遮光部32aおよび第二遮光部32bは、光が入射する面(または光が出射する面)に対して直角をなすように配設されており、下方に配設される液晶ディスプレイ20から出射された光は、第一遮光部32aおよび第二遮光部32bにほぼ平行な光が透過する。
このように、第1実施形態では、左右で透過部31および遮光部32の延在方向が反転することにより、境界部30cを境にして透過部31および遮光部32は左右対称に配置されている。なお、ここでの左右対称は必ずしも厳密でなくてもよく、回転角度α1,α2のずれや、第一遮光部32aと第二遮光部32bとの位置ずれなどを本発明の効果を実現できる範囲で許容する意図である。これにより、透過部31および遮光部32は上面視でV字状を呈する(図4参照)。
図3に示すように、光学フィルタ30を液晶ディスプレイ20に設置した場合、液晶ディスプレイ20の左半分を反時計回りの回転角度α1(図4参照)が設定された第一ルーバー部30aが覆う。そのため、液晶ディスプレイ20の左半分は、右前方向A1の視野角が広がるので、右前方向A1からは見えやすく、左前方向A2からは見えにくい。ここで、液晶ディスプレイ20の左半分に対する右前方向A1は概ね使用者の位置であり、また、左前方向A2は概ね覗き見を行う第三者の位置である。
また、図3に示すように、光学フィルタ30を液晶ディスプレイ20に設置した場合、液晶ディスプレイ20の右半分を時計回りの回転角度α2(図4参照)が設定された第二ルーバー部30bが覆う。そのため、液晶ディスプレイ20の右半分は、左前方向B1の視野角が広がるので、左前方向B1からは見えやすく、右前方向B2からは見えにくい。ここで、液晶ディスプレイ20の右半分に対する左前方向B1は概ね使用者の位置であり、また、右前方向B2は概ね覗き見を行う第三者の位置である。
以上のように、第一実施形態に係る光学フィルタ30は、左右両側前方A2,B2(図3参照)から液晶ディスプレイ20を見えにくくする。また、液晶ディスプレイ20を見ることができる方向A1,B1(図3参照)は使用者の位置になり、この方向からの視線は使用者によって遮断される。そのため、第一実施形態に係る光学フィルタ30は、透過部31および遮光部32の回転角度α1,α2(図4参照)を設けたとしても正面以外の周囲からは液晶ディスプレイ20を見ることができない。したがって、透過部31および遮光部32のピッチ幅を調整せずにモアレの発生を防ぐことが可能である。言い換えれば、第一実施形態に係る光学フィルタ30は、モアレの発生を防ぐことができる程度に透過部31および遮光部32に対して回転角度α1,α2を設定しても、正面以外の周囲からは液晶ディスプレイ20を見ることができないので従来よりも覗き見を防止する効果が高いと言える。
≪第一実施形態に係る光学フィルタの製造方法≫
図6ないし図9を参照して、第一実施形態に係る光学フィルタ30の製造方法を説明する。光学フィルタ30の製造方法は、主に(1)母材ブロックの準備工程、(2)母材ブロックの分割工程、(3)分割した母材ブロックの接合工程、(4)光学フィルタの切出し工程からなる。
<母材ブロックの準備工程>
最初に、図6に示す母材ブロック40を準備する。母材ブロック40は、透過層41と遮光層42とが順番に積層されたものであり、ここでは、透過層41および遮光層42が矩形シート状を呈することで母材ブロック40は直方体状をなしている。以下では、透過層41および遮光層42が積層される方向を「積層方向」と呼ぶ。母材ブロック40を構成する面のなかで積層方向に平行な側面43,44,45,46には、透過層41および遮光層42によって縞模様が形成されている。透過層41および遮光層42の積層方向のピッチ幅は、例えば数十μm〜百十数μmである。また、透過層41の積層方向の厚さは、例えば遮光層42の積層方向の厚さの数倍〜十数倍である。
透過層41の材料は、透明性が高い樹脂材料であるのがよく、例えば、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等である。
遮光層42の材料は、遮光性が得られるものであればよく、例えば、透過層41の材料として挙げた樹脂材料を基材とし、これに顔料や染料等の着色剤を添加した着色樹脂である。遮光層42の色は特に限定されないが、遮光性という点から黒色であるのが好ましい。遮光層42の色は、例えば、着色剤の種類および添加量によって調整できる。
<母材ブロックの分割工程>
次に、図6に示すように、母材ブロック40の積層方向に直交する面(透過層41および遮光層42が形成される面)に対して傾斜して母材ブロック40を切断する。図6中の符号51は切断面を示している。ここでは、側面44,46において遮光層42に平行であると共に、側面43,45において遮光層42に対して傾斜させて切断する。これにより、母材ブロック40は、二つの分割ブロック40a,40bに分割される。
<分割した母材ブロックの接合工程>
次に、積層方向を回転軸として一方の分割ブロック40bを半回転(180°回転)させ(図6の符号52)、図8に示すように、分割ブロック40aの切断面51aと分割ブロック40bの切断面51bとが接触するようにして、分割ブロック40a,40bを接合する。なお、積層方向と直交する方向を回転軸として一方の分割ブロック40bを半回転させ(図7の状態)、符号53で示すように、分割ブロック40aの切断面51aと分割ブロック40bの切断面51bとが接触するように接合してもよい。分割ブロック40a,40bの接合方法は特に限定されないが、例えば接着剤を用いて接合する。
<光学フィルタの切出し工程>
次に、図8に示すように、接合した分割ブロック40a,40bを必要なサイズに切り抜くと共に、接合面に対して直交する方向に沿ってシート状に薄切りする。図8中の符号54は切り抜く領域を示している。これにより、図9に示すように、左右で透過部31および遮光部32の延在方向が反転する光学フィルタ30が完成する。
以上のように、第一実施形態に係る光学フィルタ30の製造方法は、従来の製造方法から「母材ブロックの分割工程」と「分割した母材ブロックの接合工程」とを追加すればよく、透過層41および遮光層42の積層方向のピッチ幅を調整しないので製造方法が比較的簡単である。
[第二実施形態]
図5に示すように、第一実施形態に係る光学フィルタ30は、第一遮光部32aおよび第二遮光部32bが光学フィルタ30の表面(光が出射する面)に対して直角をなすように配設されていた。第二実施形態では、第一遮光部32aおよび第二遮光部32bを光学フィルタ30の内側に傾けて配設する。
<第二実施形態に係る光学フィルタの構成>
図10および図11を参照して、第二実施形態に係る光学フィルタ130の構成について説明する。図10は、第二実施形態に係る光学フィルタ130の斜視図である。図11は、第二実施形態に係る光学フィルタ130のXI−XI断面図である。
図10に示すように、第二実施形態に係る光学フィルタ130は、第一実施形態と同様に境界部130cを境にして透過部131および遮光部132の延在方向が異なっている。つまり、光学フィルタ130は、第一ルーバー部130aと第二ルーバー部130bとからなる。そして、第一ルーバー部130aの第一透過部131aおよび第一遮光部132aの延在方向は、反時計回りに回転角度(バイアス角)α1だけ回転している。また、第二ルーバー部130bの第二透過部131bおよび第二遮光部132bの延在方向は、時計回りに回転角度(バイアス角)α2だけ回転している。これにより、第二実施形態に係る光学フィルタ130の透過部131および遮光部132は上面視でV字状を呈する。
また、図11に示すように、第一遮光部132aおよび第二遮光部132bは、光学フィルタ130の裏面(液晶ディスプレイ20側の面であり、ここでは下面)や表面(液晶ディスプレイ20とは反対側の面であり、ここでは上面)の法線に対して内側に傾斜角度β1,β2だけ傾いている。つまり、ここでの第一遮光部132aおよび第二遮光部132bは、光が入射する面(または光が出射する面)に対して直角よりも内側に傾けて配設されており、下方に配設される液晶ディスプレイ20から出射された光は、第一遮光部132aおよび第二遮光部132bにほぼ平行な光が透過する。傾斜角度β1,β2は、例えば数度〜十数度であるのがよい。
以上のように、第二実施形態に係る光学フィルタ130は、透過部131および遮光部132が上面視でV字状を呈するので、図3に示す第一実施形態に係る光学フィルタ30と同等の効果を奏する。具体的には、液晶ディスプレイ20の左半分は右前方向A1からは見えやすく、左前方向A2からは見えにくい。また、液晶ディスプレイ20の右半分は左前方向B1からは見えやすく、右前方向B2からは見えにくい。つまり、第二実施形態に係る光学フィルタ130は、モアレの発生を防ぐことができる程度に透過部131および遮光部132に対して回転角度α1,α2を設定しても、正面以外の周囲からは液晶ディスプレイ20を見ることができないので従来よりも覗き見を防止する効果が高いと言える。
また、第一実施形態に係る光学フィルタ30では、使用者と液晶ディスプレイ20との距離が近い場合に液晶ディスプレイ20の端部分が光学フィルタ30の遮光域に入ってしまい、その部分の視認性が劣化する可能性があった。使用者と液晶ディスプレイ20との距離が近い場合とは、例えば使用者が車いすを使用する場合や使用者が背の低い子どもである場合である。しかし、第二実施形態に係る光学フィルタ130では、図11に示すように、第一遮光部132aおよび第二遮光部132bが内側(使用者側)に傾斜角度β1,β2だけ傾いているので、光学フィルタ130の内側方向の遮光域が減少し、外側方向の遮光域が増加する。そのため、使用者と液晶ディスプレイ20との距離が近くても液晶ディスプレイ20の端部分の視認性が劣化しづらい。なお、第一遮光部132aおよび第二遮光部132bを内側(使用者側)に傾斜角度β1,β2だけ傾けることで遮光域が減少する方向は、使用者がいる方向なので、使用者以外の第三者の視認性は向上せず、覗き見を防止する効果は保たれる。
≪第二実施形態に係る光学フィルタの製造方法≫
図12ないし図16を参照して、第二実施形態に係る光学フィルタ130の製造方法を説明する。光学フィルタ130の製造方法は、主に(1)母材ブロックの準備工程、(2)母材ブロックの分割工程、(3)分割した母材ブロックの接合工程、(4)光学フィルタの切出し工程からなる。「母材ブロックの準備工程」は第一実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
<母材ブロックの分割工程>
「母材ブロックの準備工程」に続いて、図12に示すように、母材ブロック40の積層方向に直交する面(透過層41および遮光層42が形成される面)に対して傾斜して母材ブロック40を切断する。図12中の符号151は切断面を示している。ここでは、すべての側面43,44,45,46において遮光層42に対して傾斜させて切断する。これにより、母材ブロック40は、二つの分割ブロック140a,140bに分割される。
<分割した母材ブロックの接合工程>
次に、積層方向を回転軸として一方の分割ブロック140bを半回転(180°回転)させ(図12の符号152)、図14に示すように、分割ブロック140aの切断面151aと分割ブロック140bの切断面151bとが接触するようにして、分割ブロック140a,140bを接合する。なお、積層方向と直交する方向を回転軸として一方の分割ブロック140bを半回転させ(図13の状態)、符号153で示すように、分割ブロック140aの切断面151aと分割ブロック140bの切断面151bとが接触するように接合してもよい。分割ブロック140a,140bの接合方法は特に限定されないが、例えば接着剤を用いて接合する。
<光学フィルタの切出し工程>
次に、図15に示すように、接合した分割ブロック140a,140bを加工しやすくするために、上部および下部を接合面に対して直交する方向に沿って平行に切り落とす。また、分割ブロック140a,140bを必要なサイズに切り抜くと共に、接合面に対して直交する方向に沿ってシート状に薄切りする。図15中の符号154は切り抜く領域を示している。これにより、図16に示すように、左右で透過部31および遮光部32の延在方向が反転すると共に、第一遮光部132aおよび第二遮光部132bが内側に傾斜する光学フィルタ130が完成する。
以上のように、第二実施形態に係る光学フィルタ130の製造方法は、従来の製造方法から「母材ブロックの分割工程」と「分割した母材ブロックの接合工程」とを追加すればよく、透過層41および遮光層42の積層方向のピッチ幅を調整しないので製造方法が比較的簡単である。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を変えない範囲で実施することができる。
例えば、各実施形態で説明した製造方法では、透過層41および遮光層42が矩形シート状を呈することで母材ブロック40は直方体状をなしていた。しかし、母材ブロック40の形状はこれに限定されず、他の形状であってもよい。例えば、透過層41および遮光層42が円形シート状を呈することで母材ブロック40は円柱状をなしていてもよい。
また、各実施形態では光学フィルタ30,130を自動取引装置(ATM:Automated /Automatic Teller Machine)の表示装置に設置する場合を説明した。しかしながら、光学フィルタ30,130を適用可能な装置はこれに限定されず、他の装置に適用することも可能である。例えば、光学フィルタ30,130は、発券機、通帳記帳機、多機能型携帯電話機(スマートフォン:Smartphone)、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)などの装置が備える表示装置に広く適用することができる。
1 自動取引装置
15 表示入力部
18 表示ユニット
20 液晶ディスプレイ(表示装置)
30,130 光学フィルタ
30a,130a 第一ルーバー部(ルーバー層)
30b,130b 第二ルーバー部(ルーバー層)
30c,130c 境界部
31,131 透過部
32,132 遮光部
31a,131a 第一透過部
32a,132a 第一遮光部
31b,131b 第二透過部
32b,132b 第二遮光部
40 母材ブロック
40a,40b,140a,140b 分割ブロック
41 透過層
42 遮光層
43,44,45,46 側面
α1,α2 回転角度
β1,β2 傾斜角度

Claims (8)

  1. 入射される方向によって光を透過するシート状の光学フィルタであって、
    光を透過する帯状の透過部と、光を遮光する帯状の遮光部とが前記光学フィルタの表面に平行な面内に交互に配置されたルーバー層を有し、
    前記ルーバー層は、前記透過部および前記遮光部の延在方向が異なる第一ルーバー部および第二ルーバー部の二つの領域を含んでおり、
    前記第一ルーバー部の前記透過部および前記遮光部の延在方向は、前記表面に平行な面内において一方に回転しており、
    前記第二ルーバー部の前記透過部および前記遮光部の延在方向は、前記表面に平行な面内において前記第一ルーバー部とは逆方向に回転している、
    ことを特徴とする光学フィルタ。
  2. 前記遮光部は前記表面に対して垂直である、ことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルタ。
  3. 前記遮光部は内側に傾いている、ことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルタ。
  4. 前記第一ルーバー部および前記第二ルーバー部は、前記表面側から見て左右対称になっている、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の光学フィルタ。
  5. 入射される方向によって光を透過するシート状の光学フィルタの製造方法であって、
    光を透過する透過層と光を遮光する遮光層とが交互に積層された母材ブロックを準備する準備工程と、
    前記母材ブロックを前記透過層および前記遮光層の積層方向に直行する面に対して傾斜して切断し、二つの分割ブロックに分割する分割工程と、
    前記積層方向を回転軸として一方の前記分割ブロックを半回転させ、各々の切断面を介して二つの前記分割ブロックを接合する接合工程と、
    接合した接合面に対して直交する方向に沿って、一体となった前記分割ブロックを所定の厚さで切り出す切出し工程と、
    を有することを特徴とする光学フィルタの製造方法。
  6. 前記母材ブロックは前記積層方向に平行な四つの側面を有する直方体を呈し、
    前記分割工程では、一方の対向する前記側面において前記遮光層に対して平行であると共に、他方の対向する前記側面において前記遮光層に対して傾斜させて切断する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の光学フィルタの製造方法。
  7. 前記母材ブロックは前記積層方向に平行な四つの側面を有する直方体を呈し、
    前記分割工程では、すべての前記側面において前記遮光層に対して傾斜させて切断する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の光学フィルタの製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載された光学フィルタを表示装置に備える自動取引装置。
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WO2024014236A1 (ja) * 2022-07-12 2024-01-18 信越ポリマー株式会社 視野角制御体及びその製造方法
JP7418640B1 (ja) 2023-05-19 2024-01-19 大日本印刷株式会社 光学シート、面光源装置および表示装置

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