JP2019066458A - 凝固結果を決定する技術 - Google Patents

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Abstract

【課題】凝固結果の頑健な自動決定を可能にする技術の提供。【解決手段】本開示の態様は、生体試料の凝固結果を決定する自動化された方法に関し、方法は、生体試料の測定データを表す時系列を取得することと、凝固作用反応が生じる生体試料の測定データをモデル化するように構成されるグローバルモデル関数を取得することと、を含み、時系列は、凝固作用反応が生じるとされる期間に亘り、グローバルモデル関数は、測定データを、少なくとも1つの変曲点を有するシグモイド形状としてモデル化するように構成される。シグモイド形状の最大曲率の絶対値は、少なくとも1つの変曲点の一方の側において、他方の側よりも大きい。方法は、モデル関数を、測定データを表す時系列にフィッティングして、フィッティングされたモデル関数を取得すること、およびフィッティングされたモデル関数に基づいて生体試料の凝固結果を決定することをさらに含む。【選択図】図3

Description

本開示は、生体試料の凝固結果を決定する方法、および生体試料の凝固結果を決定するシステムに関する。
凝固診断(凝固作用診断としても知られる)は、今日の医師たちの日常業務において重要な役割を果たす。しばしば、凝固診断は、自動分析装置により行われる、部分的にまたは完全に自動化された処理を含む。通常、測定は、凝固反応により引き起こされる試料の特性の変化を監視するために、所定の時間に亘って繰り返される。得られる測定データの時系列は、凝固過程における洞察を得るために、そして、試料を抽出された固体の健康状態における洞察を得るために処理され得る。とりわけ、自動分析装置は、生成された測定データに基づいて、1つまたは複数の凝固結果(たとえば、凝固時間または信号変化の大きさ)を自動的に決定するように構成され得る。
異なる様々な交絡因子が生じ、自動判定過程を誤らせ得るため、この処理はエラーを起こしやすい。たとえば、測定データの時系列は、(たとえば、試料容器の移動または試料中の気泡により引き起こされる)信号ジャンプまたは信号の外れ値を含み得る。さらに、監視される反応とは異なる反応が試料中に引き起こされる可能性があり、凝固結果に影響を及ぼし得る。追加的または代替的に、試料または試薬の取扱いにおける誤操作、または他のエラーが、測定データの時系列の予想外の形状を引き起こし得る。これらの事例または他の事例において、凝固結果決定アルゴリズムを自動的に行う自動分析装置が、誤った凝固結果を決定し得る。これにより、誤った凝固結果は、診断および治療の決定に影響を及ぼし得る、または費用のかかる凝固診断の繰り替えしを必要とし得るため、重大な結果が生じ得る。
本開示の第1の概要は、生体試料の凝固結果を決定する自動化された方法に関し、方法は、生体試料の測定データを表す時系列を取得することと、凝固作用反応が生じる生体試料の測定データをモデル化するように構成されるグローバルモデル関数を取得することと、を含み、時系列は、生体試料中において凝固作用反応が生じるとされる期間に亘り、グローバルモデル関数は、測定データを、少なくとも1つの変曲点を有するシグモイド形状としてモデル化するように構成される。シグモイド形状の最大曲率の絶対値は、少なくとも1つの変曲点の一方の側において、他方の側よりも大きい。方法は、モデル関数を、測定データを表す時系列にフィッティングして、フィッティングされたグローバルモデル関数を取得すること、およびフィッティングされたグローバルモデル関数に基づいて生体試料の凝固結果を決定することをさらに含む。
本開示の第2の概要は、本開示の第1の概要のステップを実行するように構成される、生体試料の凝固結果を決定するためのシステムに関する。
第1の概要の方法および第2の全体的な態様のシステムは、いくつかの実施形態において、以下の利点の1つまたは複数を有し得る。
概して、本開示の技術は、いくつかの例において、凝固結果の頑健な自動決定を可能にし得る。
第1に、グローバルモデル関数を用いることで、測定データの時系列を区分的に近似するために複数のモデル関数を用いる、いくつかの先行技術と比較して、外れ値または他の誤ったデータポイントの影響が減少し得る。結果として、本開示のいくつかの例において、外れ値の検出および排除の処理が必要とされない。
第2に、グローバルモデル関数を用いることで、測定データの時系列中の信号ジャンプの、比較的単純な検出が可能となり得る。たとえば、信号ジャンプは、測定データの時系列の近似値とデータ値との差において、単純な方法で検出し得る特性シグナチャを引き起こし得る。また、様々なモデル関数を区分的にフィッティングすることを含む先行技術の方法は、より複雑な信号ジャンプ検出アルゴリズムを必要とする可能性がある。
第3に、凝固結果は、いくつかの例において、単純かつ頑健な方法で、測定データを本開示によるシグモイド形状にモデル化するように構成されるフィッティングされたグローバルモデル関数に基づいて自動的に決定され得る。測定データが有効形状を有する場合、そのように定義されるグローバルモデル関数は、様々な異なる特性を有する測定データの凝固結果の決定に適し得る。たとえば、凝固診断のために使用される様々な自動分析装置または分析は、量的に異なる時系列を生成し得る。さらに、様々な環境においては、様々な誤差源および交絡因子が存在する、またはしない可能性がある。たとえば、試料中の様々な妨害性の作用が、いくつかの状況において、大きな時刻値の測定データにおけるベースラインまたは末尾のドリフトをもたらし得る。
本開示のグローバルモデル関数を用いる場合、いくつかの例においては、これらの誤差および交絡因子は自動的に対処され得る。さらには、そのように定義されるグローバルモデル関数は、異なる複数の環境(たとえば、特定のオペレータにより使用される様々な分析装置または様々な分析)に適合され得る。
第4に、グローバルモデル関数は、いくつかの例において、ベースラインが観察されない場合でも、凝固結果を決定するために使用され得る。たとえば、測定プロセスが遅れて開始し得る、および/または凝固反応を引き起こす試薬が早まって添加され得る。凝固結果の自動決定のためのいくつかの先行技術は、そのような測定データを処理することができない。
第5に、いくつかの例において、本開示によるグローバルモデル関数をフィッティングすることで、比較的単純な方法で、無効またはネガティブの(すなわち、凝固作用反応が生じていない)曲線形状の検出を容易にし得る。たとえば、グローバルモデル関数をフィッティングするプロセスにおいて取得される1つまたは複数のフィッティング品質パラメータは、測定データの時系列が有効凝固曲線を示していないことを決定するために評価され得る。
本明細書において使用される「シグモイド」または「シグモイド形状」という用語(この2つの用語は同じ意味として使用される)は、概してS字状の曲線の全てを含む。限定されないが、たとえば、公式S(x)=1/(1+e-x)により定義される特殊な例のロジスティック関数を含む。
本明細書において定義されるシグモイドまたはシグモイド形状は、少なくとも1つの変曲点を有する。しかし、他の例では、2つ以上の変曲点を有し得る。変曲点は、シグモイドの任意の位置にあり得る(シグモイドは、変曲点の一方の側の信号の増加または低下が、変曲点の他方の側の信号の増加または低下のそれぞれよりも小さい非対称形を有し得る)。シグモイドまたはシグモイド形状は、変曲点において点対称または非対称となり得る。
本開示の「グローバルモデル関数」は、単一の関数表現をフィッティングすることにより、凝固データの完全な時系列をモデル化することができるモデル関数に関する。それとは対照に、いくつかの先行技術は、時系列を区分的にフィッティングするために複数のローカルモデル関数を使用する。
「モデル化するように構成される」という表現は、グローバルモデル関数の、それぞれの特徴をモデル化するという潜在能力を表している。モデル関数がフィッティングされる時系列の性質に応じて、フィッティングされたモデルは、実際にそれぞれの特徴を示し得る、または示さない。たとえば、線形および非線形項の和であるモデル関数は、それぞれの非線形挙動を有する時系列をモデル化するように構成される。しかし、試料の時系列が時間において線形である場合、フィッティングされたモデル関数も線形となる(たとえば、非線形項の重みは小さくなる、またはゼロとなる)。換言すると、たとえモデル関数が特定の特徴をモデル化するように構成されていても、これは、フィッティングされたモデル関数があらゆる場合のそれぞれの特徴を示すことを意味しない。
凝固(凝固作用とも知られる)とは、血液が液体からゲルへと変化し、血餅を結成する過程である。これは、損傷した血管の修復の後に失血を止める、止血をもたらす可能性がある。凝固のメカニズムは、線維素の沈着および成熟とともに、血小板の活性化、粘着、および凝集を伴う。凝固の病気は、たとえば、出欠または血栓症という結果を引き起こし得る病態である。凝固のメカニズムは、すべての哺乳動物において類似しており、細胞(血小板)およびタンパク質(凝固因子)の両方の成分に関係する。凝固は、血管への傷が血管内皮に損傷を与えた直後に開始する。血管内皮から血液が漏れることによって、血小板における変化と、および最終的に線維素の形成へとつながる、内皮下組織因子の血漿第VII因子への曝露との2つのプロセスが開始される。血小板は、即座に負傷部位に血栓を形成する。これは、1次止血と呼ばれる。同時に2次止血が起こる。第VII因子の他のさらなる凝固因子または凝固作用因子は、複雑なカスケード反応を起こして線維素の撚りを形成し、これにより血小板血栓が強化される。
本明細書において説明する方法は、インビトロの、進行中の(たとえば、上記の)凝固反応を監視する測定データの時系列に基づく凝固診断のためのどのような分析にも使用され得る。
本開示による「自動分析装置」は、本開示の技術により処理される測定データの生成に適した任意の自動または半自動装置であってもよい。自動分析装置は、凝固診断のための測定データの時系列を決定するために使用され得る測定を実行するための、任意の適切な測定装置を備えてもよい。
たとえば、自動分析装置は、測定データを生成するために、生体試料に対し光学または電気測定を行うように構成され得る。光学測定は、濁度測定、吸光度測定、散乱測定または透過度測定のうちの1つまたは複数を含み得る。電気測定は、抵抗測定またはインピーダンス測定を含み得る。
「生体試料」という用語は、凝固分析用の対象分析物を含み得る(1つまたは複数の)材料を指す。試料は、生理液などの生物源から取得され得る。とりわけ、試料は、全血試料であってもよく、または血液試料から得られてもよい。
生体試料は、使用前に、血液から血漿を調製するなど、前処理され得る。処理の方法は、対象分析物を含む試料の成分の遠心分離、濾過、蒸留、希釈、濃縮および/または分離、干渉成分の非活性化、ならびに試薬の添加を伴う。
試料は、試料源から取得されて直接使用されてもよく、または試料の特性を変更するための前処理の後に使用されてもよい。生体試料は、様々な材料の混合物であってもよい。とりわけ、生体試料は、非生体材料、たとえば、希釈剤、緩衝剤または凝固分析の前に添加され得る他の添加剤を含み得る。
本開示において「実質的に」という用語は、別段の記載がない限り、所定値から+/−10%の偏差を指し得る。たとえば、2つの要素の長さが実質的に等しいとすると、それらの実際の長さは、10%まで異なり得る。同様に、強度分布が実質的に均一であるとすると、平均値から10%までの偏差が起こり得る。
本開示による、生体試料の凝固結果を決定する例示的方法を示す。 本開示による、測定データの時系列の例示的プロットおよびフィッティングされたモデル関数を示す。 本開示による、凝固結果の決定の例示的処理を示す。 例示的グローバルモデル関数の様々なフィッティングパラメータによる例示的フィッティングされたモデル関数への影響を示す。 本開示による、例示的な凝固測定データの時系列およびフィッティングされたモデル関数を示す。 本開示による、例示的な凝固測定データの時系列およびフィッティングされたモデル関数を示す。 本開示による、例示的な凝固測定データの時系列およびフィッティングされたモデル関数を示す。 本開示による、例示的な凝固測定データの時系列およびフィッティングされたモデル関数を示す。
本開示による生体試料の凝固結果を決定する方法、および生体試料の凝固結果を決定するシステムの特定の態様が、次に説明する。
図1および図2に関連して、本開示の方法およびシステムの様々な態様を概して説明する。続いて、図3に関連して、凝固結果の決定のさらなる態様をより詳細に扱う。図4に関連して、グローバルモデル関数の具体的な選択をより詳細に扱う。最後に、図5a、図5b、図6aおよび図6bに関連して、本開示の技術を用いて評価され得る測定データの例示的時系列を説明する。
(本開示の技術の概要)
図1は、本開示による生体試料の凝固結果を決定する例示的方法を示している。
方法は、生体試料の測定データを表す時系列を取得するステップ51と、生体試料の測定データをモデル化するように構成されるグローバルモデル関数を取得するステップ52と、モデル関数を、測定データを表す時系列にフィッティングして、フィッティングされたモデル関数を取得するステップ53と、フィッティングされたモデル関数に基づいて生体試料の凝固結果を決定するステップ58と、を含む。以下に続くセクションにおいて、これらのステップをより詳細に説明する。方法は、任意の、フィッティングされたモデル関数の検証のステップ54〜57も含んでもよい。以下の独立したセクションにおいて、これらのステップを説明する。
生体試料の測定データを表す時系列を取得すること51は、自動的に発動されるまたはユーザにより発動される、測定データを表す時系列(たとえば、自動分析装置により取得される測定データ)の任意の受信を含み得る。一例として、処理ステップは、時系列をもたらす測定動作を行う自動分析装置の処理システムにおいて行われる(たとえば、測定データは、ローカルメモリから取得され得る)。他の例においては、処理は、時系列をもたらす測定動作を行う自動分析装置から分離および/または遠隔の処理システム上で行われ得る。これらの例においては、測定データは、ネットワーク接続を通して受信され得る。
いずれの場合においても、時系列は、生体試料中において凝固作用反応が生じるとされる期間に亘る。期間は、測定を行う自動分析装置の所定の期間、または測定を行う自動分析装置により動的に設定される変動する期間であり得る。
多くの場合、自動分析装置は、凝固作用反応を引き起こすために、生体試料に試薬を添加するように構成される。これらの例において、時系列は、試薬が添加された後即座に(たとえば、0.1秒以上後に)始まる時間に亘り得る。期間の終了時間は、凝固作用反応が実質的に終わる予測時点の後に設定され得る。この時点は、本開示において「飽和」とも呼称される。凝固作用反応の終了として具体的な時点を決定することは不可能であり得ることに留意すべきである。しかし、「凝固作用反応の終了」は、試料中の材料の所定の大部分の割合分(たとえば、材料の90%以上)が反応した時点と考えられ得る。ある凝固作用反応は、この時点以降も継続し得る(そしてする可能性が高い)。
グローバルモデル関数を取得すること52には、本開示の生体試料の凝固結果を決定する方法を実行する処理システムのメモリ内に記憶されるモデル関数を検索することが含まれ得る。たとえば、グローバルモデル関数は、自動分析装置の制御ソフトに含まれ得る。
グローバルモデル関数は、内部で凝固作用反応が生じる生体試料の測定データをモデル化するように適合される。「グローバル」という属性は、モデル関数が、凝固作用反応が開始する前の時点から始まり、凝固作用反応が飽和した(すなわち、進行中の凝固作用反応による測定データの変化が所定の閾値を下回る)後に終わる時系列全体をモデル化するように適合されることを示している。本開示のグローバルモデル関数のさらなる特徴を、以下において図2および図4に関連して説明する。
モデル関数を、測定データを表す時系列にフィッティングして、フィッティングされたモデル関数を取得するステップ53は、本開示で説明するモデル関数を、測定データの時系列にフィッティングするための任意の数値的技術を含んでもよい。たとえば、フィッティング処理には、適切な数値的回帰技術を用いて(反復)非線形回帰を行うことが含まれ得る。これらの技術は、グローバルモデル関数のフィッティングパラメータの開始値を自動生成すること、およびこれら自動生成された開始値を反復的に最適化することを含み得る。当業者は、利用可能な技術、および本開示のフィッティング動作を自動で行うためにそれらがいかに実施されるかを知っている。したがって、フィッティングステップの実施に関する詳細は、本開示においてより詳細には説明しない。
フィッティング処理は、生体試料の測定を行う自動分析装置上で局所的に行われ得る。他の例では、フィッティング処理は、遠隔サイトにて行われ得る。一例として、フィッティングを行う能力を提供するソフトウェアは、リモートサーバまたはクラウドストレージ位置に記憶され、自動分析装置が位置するサイトから遠隔的にアクセスされ得る。
フィッティングされたモデル関数に基づく生体試料の凝固結果の決定は、凝固(または凝固作用)時間、またはフィッティングされたグローバルモデル関数に基づいて決定される凝固反応により引き起こされる信号変化の大きさのうちの1つまたは複数を決定することを含み得る。
凝固時間は、生体試料が、所定の条件下においてインビトロで凝固するために必要とされる時間を示し得る。この値は、様々な健康状態を示し得る。凝固反応により引き起こされる信号変化の大きさは、進行中の凝固反応に関する量的な情報をもたらし得る。これもまた、様々な健康状態を示し得る。
本開示の多くの節において、凝固時間および信号変化の大きさを、例示的な凝固結果として説明するが、フィッティングされたモデル関数は、また、他の特徴を凝固結果として決定するためにも使用され得る。凝固結果の決定に関するさらなる詳細を、以下、図3に関連して説明する。
前節において本開示による生体試料の凝固結果を決定する方法の概要が示されており、次に、本開示の技術に利用される特定のグローバルモデル関数を説明する。
(グローバルモデル関数)
図2は、本開示による、測定データの時系列の例示的なプロット100およびフィッティングされたモデル関数を示している。図2の例において、(および以下に続く例において)、測定データの時系列は、経時的な生体試料の消衰(または光学濃度)の値を含む。生体試料の光学濃度は、いくつかの例においてターゲット分析物の濃度に比例し得る。
他の例では、時系列は、継時的な消衰(または光学濃度)以外の別のパラメータのデータ値を含み得る。たとえば、パラメータは、生体試料の透過率またはインピーダンスであり得る(またはこれらのパラメータから得られるデータ値を含み得る)。しかし、本開示の技術は、測定データが消衰(または光学濃度)以外の別のパラメータを追跡するようなこれらの場合において、同様に適用され得る。とりわけ、測定データの曲線形状は、これらのパラメータの類似の特性を有し得る。したがって、時系列が消衰データ以外の他の測定データを含む場合、本開示で説明するグローバルフィッティングモデルを利用することが可能となり得る。
図2の例では、時系列13は、有効な1組の測定データを表している。すなわち、予測通りに凝固反応が生体試料中において起こり、明白な測定エラーが起こらなかった。
フィッティングされたモデル関数11が、時系列13の特性を反映することがわかる。とりわけ、フィッティングされたモデル関数11は、測定データを少なくとも1つの変曲点14を有するシグモイド形状19としてモデル化する。シグモイド形状19の曲率の最大値の絶対値は、少なくとも1つの変曲点14の一方の側(左手側)で、他方の側(右手側)よりも大きい。すなわち、フィッティングされたモデル関数11は、変曲点14を中心に非点対称である。したがって、フィッティングされたモデル関数11は、変曲点14の時点までの前期期間においてはより速い信号変化(たとえば増加)を、変曲点14の時点にて開始する後期期間においてはより遅い信号変化(たとえば増加)を示す。曲線の開始部分は急峻であり、浅い部分へと移行する。他の例においては、両側の関係は反転し得る。
変曲点14の相対位置は変化し得る。たとえば、変曲点14は、シグモイド形状19の前期段階(たとえば、シグモイド形状がその振幅の20%に達する以前)またはシグモイド形状19の後期段階(たとえば、シグモイド形状がその振幅80%に達した以降)に位置し得る。
他の場合では、シグモイド形状の曲率の最大値の絶対値における差は、図2に示されるよりも大きく、または小さくなり得る。以下において説明するように、グローバルモデル関数は、シグモイド形状の曲率の最大値の絶対値における様々な差をモデル化するように構成され得る。
凝固分析における測定データをモデル化するためのモデル関数の先行技術による例では、近似曲線は、変曲点に対して対称の形状を有する。本開示のモデル関数は、これらの例のモデル関数よりもより柔軟に、様々な状況下において見られるような様々な信号形状に適合され得る。
上記の特定のシグモイド形状に加えて、本開示のグローバルモデル関数は、測定データの時系列の、1つまたは複数の追加の特徴をモデル化するように構成され得る。
たとえば、グローバルモデル関数は、シグモイド形状の非平坦のベースラインをモデル化するように構成され得る。すなわち、シグモイド形状のベースラインは、時間とともに変化する。それとは対称的に、ロジスティック関数は、平坦なベースラインを有する(すなわち、(「左手側で」)時間の値が非常に小さい間、ロジスティック関数の関数値は、実質的に一定である)。「ベースライン(baseline)」という用語は、本開示において、観察される凝固作用反応により引き起こされる、顕著な非線形の信号変化(すなわち、シグモイド形状の中央部分)より前の、測定データの時系列/フィッティングされたモデル関数の部分を指すものとして使用される。
上記のように、この部分では、凝固作用反応はまだ始まっていない可能性がある、または進行中の凝固作用反応の効果が、測定データ中でまだ顕著ではない可能性がある。図2の近似関数11は、そのような非平坦なベースライン12をモデル化する。このように、ベースライン12は、非線形挙動を示す曲線の部分以前の、時系列の一部に線形に下降する。
他の例では、フィッティングされたモデル関数のベースラインは、線形に上昇し得る。本開示のグローバルモデル関数は、上昇する、下降するおよび平坦なベースライン、またはこれらのうちの1つまたは複数選択されたものをモデル化するように構成され得る(たとえば、特定のモデル関数が、上昇するベースライン、または下降するベースラインの形態のみをとるように提供され得る)。他の例では、モデル関数は、非線形に上昇または下降するベースラインをモデル化するように構成され得る。
上で説明したベースラインの上昇または下降は、いくつかの例において、監視される凝固作用反応以外の、生体試料内で起こる反応によって引き起こされ得る。
非線形のベースラインに加えて、またはその代わりに、グローバルモデル関数は、シグモイド形状の非平坦な、仮想(virtual)または実際の(actual)漸近線10をモデル化するように構成され得る。漸近線10は、観察される凝固作用反応による信号値の変化がさらに生じないときの信号レベルを表すと考えることができる。
漸近線は、フィッティングされたモデル関数/時系列において識別可能な実際の漸近線であってもよい。これらの場合、フィッティングされたモデル関数/時系列は、実際の漸近線に近似する。実際の漸近線を有するフィッティングされたモデル関数の例が、図5a、図5bおよび図6aに示されている。
他の例では、漸近線は、フィッティングされたモデル関数/時系列の仮想の漸近線であってもよい。この場合の例は図3に示されている。見ての通り、「拡張モデル」に対する近似曲線を示すグラフは、正の曲率を有する末尾を有する。すなわち、フィッティングされたモデル関数は、線形漸近関数に近似せず、むしろ、シグモイド形状の右手側で曲線となる。上で説明したように、この末尾は、生体試料中の観察される凝固作用反応に重なる、生体試料中の妨害性の作用によるものであり得る。たとえば、生体試料は、溶血物で汚染され得る(たとえば、医師が血液試料を得るときに間違えた場合)。
それにもかかわらず、これらの場合は、本開示のグローバルモデル関数は、非平坦な漸近曲線をモデル化することが可能である。しかし、この漸近曲線は、重なり合う過程のために、時系列およびフィッティングされたモデル関数においては視認できない。仮想の漸近線は、妨害性の作用が存在しない場合の、時系列/フィッティングされたモデル関数に近似する漸近線である。たとえば、仮想の漸近線は、シグモイド形状の、負または正の曲率を有する末尾が存在しない場合の、時系列/フィッティングされたモデル関数に近似する漸近線となり得る。
図2の近似関数11は、測定データの時系列13における、非平坦な実際の漸近線10をモデル化する。図2に見られるように、フィッティングされたモデル関数11および測定データの時系列は、漸近線10に漸近している(以下において、図3および図4に関連して仮想の漸近線の例を説明する)。以下における図2の実際の漸近線10の説明は、フィッティングされたグローバルモデル関数が仮想の漸近線を定義する場合にも等しく適用可能である。
図2の例では、漸近線10は線形に上昇する線である。他の例では、フィッティングされたモデル関数の漸近線10は線形に下降し得る。本開示のグローバルモデル関数は、上昇、下降する、および静定した漸近線、またはこれらのうちの1つまたは複数選択されたものをモデル化するように適合され得る(たとえば、特定のモデル関数が、上昇する漸近線、または下降する漸近線の形態のみをとるように提供され得る)。他の例では、モデル関数は、非線形に上昇または下降する漸近線をモデル化するように適合され得る。
凝固測定の測定データをモデル化するためのグローバルモデル関数において、非平坦なベースラインおよび/または漸近線をモデル化する性能を有することは、いくつかの例において、凝固結果のより正確かつ頑健な決定をもたらし得る。
本開示のグローバルモデル関数のさらなる可能である態様および特定の例示的なグローバルモデル関数を、以下において、図4に関連して説明する。第一に、凝固結果の決定処理の追加の詳細を取り扱う。
(凝固結果決定)
図3は、本開示による凝固結果を決定する例示的処理を示している。上で説明したように、グローバルモデル関数は、フィッティングされたモデル関数を取得するために、測定データの時系列にフィッティングされている。図3の例では、(わずかに)異なるグローバルモデル関数を使用した結果である、異なる2つのフィッティングされたモデル関数11a、11bが示されている。続いて、これらのフィッティングされたモデル関数11a、11bのいずれかは、1つまたは複数の凝固結果を決定するために使用され得る。
一例として、決定処理は、フィッティングされたモデル関数に基づいてベースライン12を決定すること、フィッティングされたモデル関数に基づいて実際または仮想の漸近線10を決定すること、およびベースラインと漸近線との間を延びる閾線21を定義することを含み得る。
上記のように、ベースライン12および/または漸近線10は、非平坦となり得る(たとえば、線形に上昇または下降する)。この点に関して、図3にプロットされている2つのフィッティングされたモデル関数11a、11bは異なる。非平坦なベースライン12は、フィッティングされたモデル関数11a、11bの両方に対し同じであるが、フィッティングされたモデル関数11aとなる(単純な)グローバルモデルは、実際の漸近線を有する時系列をモデル化する。グローバルモデル関数の「拡張モデル」は、時系列の曲線状の末尾をモデル化するように構成され、フィッティングされたモデル関数11bとなる。このフィッティングされたモデル関数11b/時系列は、上記のような仮想の漸近線を有する。凝固結果を決定する技術は、実際または仮想いずれかの漸近線を使用し得る。したがって、以下において、2つの事例を区別していない。
ベースライン12と閾線21との間の距離は、各時点におけるベースライン12と漸近線10との間の距離の一定の割合となり得る。図2の例ではベースライン12および漸近線10の両方が線形であるため、閾線21も線形である。
一定の割合は、たとえば、生体試料に対し実行される試験の種類、または測定結果を生成する自動分析装置の種類に応じて設定され得る。いくつかの例では、割合は、0.05〜0.9である(たとえば、0.1と0.6との間の値に設定される)。
さらなるステップにおいて、閾線21と交差するフィッティングされたモデル関数11a、11bの特徴に基づいて、凝固結果の決定が行われ得る。図2の例では、閾線21は、点24においてフィッティングされたモデル関数と交差する。
一例として、この点24に対応する時刻値23が、凝固結果として決定され得る。この例では、凝固結果は凝固時間(または凝固作用時間)である。
追加的または代替的に、フィッティングされたモデル関数11a、11bが閾線21と交差する時点23における、ベースライン12と漸近線10との差22(またはその割合)が凝固結果として決定され得る。この例では、凝固結果は、凝固作用反応により引き起こされる、測定データの信号変化の大きさを数量化する。
他の例では、凝固時間、または進行中の凝固作用反応により引き起こされる、測定データの信号変化の大きさは、上記とは別の方法で決定され得る。
たとえば、凝固結果を決定することは、フィッティングされたモデル関数に基づいてベースラインを決定すること、またはフィッティングされたモデル関数に基づいて漸近線を決定することを含み得る。さらなるステップでは、方法は、各時点におけるベースライン値の一定の倍数、または漸近線の一定の割合のいずれかとして閾線を定義することを含み得る。凝固結果の決定は、フィッティングされたモデル関数の1つまたは複数のパラメータに基づいて行われてもよく、フィッティングされたモデル関数は閾線と交差する。凝固結果は、上記の、凝固時間または進行中の凝固作用反応により引き起こされる測定データの信号の大きさとなり得る。
さらに他の例では、凝固時間は、フィッティングされたモデル関数の最大傾き25、またはフィッティングされたモデル関数の別の顕著な特徴の時点として決定される。
さらに別の例では(および上記の凝固結果に加えて)、凝固結果を決定することは、フィッティングされたモデル関数の他の特徴を決定すること、またはフィッティングされたモデル関数の他の値を決定することを含み得る。
たとえば、ベースライン、漸近線、または両方の軸切片における信号レベルは、凝固結果を決定するために使用され得る。他の例では、ベースライン、漸近線、または両方の所定の他の時点における信号レベルは、凝固結果を決定するために使用され得る。しかし、いくつかの例では、ベースラインおよび漸近線のレベルの絶対値のみでは(ベースラインと漸近線とのレベルの差とは対照的に)、凝固結果の決定に関連する情報を示さない。
上記のように、フィッティングされたモデル関数のベースライン、フィッティングされたモデル関数の漸近線、またはその両方が、凝固結果を決定する過程において使用され得る。いくつかの例では、ベースライン、漸近線、または両方が、フィッティングされたモデル関数のフィッティングパラメータの1つまたは複数のサブセットを用いて決定され得る。この過程に関するさらなる詳細を以下において説明する。
詳細な説明の例では、フィッティングされたモデル関数における信号変化は、正として示される(たとえば、低いレベルのベースラインから増加する)。しかし、時系列および/または測定データの表示を生成するために用いられる測定技術に応じて、信号変化は、負であってもよい(たとえば、高いレベルのベースラインから低下する)。たとえば、図3のグラフは、測定された吸光度を表し、生体試料の吸光度が時間の経過とともに増加することを示している。しかし、他の例では、同じ試料に対し時間の経過とともに減少し得る生体試料の透過度が検出され得る。本開示の技術は、これらの状況のいずれにおいても同様に適用され得る。
(例示的グローバルモデル関数)
本開示のグローバルモデル関数が有し得る一般的特性を説明したが、次に、様々な例示的グローバルモデル関数を、図4に関連して説明する。
図4のグラフは、本開示の異なる2つのグローバルモデル関数(「簡易」モデルおよび「拡張」モデル)を使用して生成される2つ例示的なフィッティングされたモデル関数11a、11bを示し、様々なフィッティングパラメータがいかにフィッティングされたモデル関数に影響を与え得るかを表している。
見られるように、フィッティングされたモデル関数は、非静定のベースライン、非静定の漸近線(フィッティングされたモデル関数11aの場合は実際の漸近線、およびフィッティングされたモデル関数11bの場合は仮想の漸近線)を定義し、上記のように、時系列を非対称のシグモイド形状としてモデル化する。
さらに、モデル関数は、測定データの正曲率を有する非線形末尾40をモデル化するように構成され得る。フィッティングされたモデル関数11bは、この特性を示す。すなわち、測定データは、線形に増加または減少しない、またはシグモイド形状の非線形部分の後の期間に一定のままである。他の例では、測定データの末尾は、負曲率を有し得る。
いくつかの例では、本開示のグローバルモデル関数は、3つまたは4つの項の合計を含む。項は、測定データの時系列の様々な特徴をモデル化するように適合され得る。
たとえば、第1項は、ベースラインの切片を定義する定数項であり、第2項は、ベースラインの傾きを定義する線形項となり得る、および第3項は、監視される凝固作用反応が開始した後の信号変化をモデル化する(すなわち、シグモイド形状の非線形挙動を定義する)非線形項となり得る。
第3項は、線形成分と2つ以上の指数成分との積となり得る。たとえば、線形成分は、(仮想または実際の)漸近線を定義することが可能であり、2つ以上の指数成分は、シグモイド形状の非線形部分の形状を定義することが可能である。
さらに、第4項は、モデル関数の末尾における非線形挙動(たとえば、モデル関数の末尾の正曲率または負曲率)を定義する非線形項となり得る。
グローバルモデル関数の第1の例は、以下のように表すことができる。
ここでは、項piは、(1から8までの表示iを有する)フィッティングパラメータを表し、xは、フィッティングされる時系列の時刻値を意味する。モデル関数の時系列へのフィッティングは、時系列に可能な限り一致する(たとえば、最小二乗基準のような品質基準を最小化する)フィッティングされたモデル関数になる、1組のフィッティングパラメータpiを求めることを含み得る。上記のように、この問題を解決するために、非線形回帰の手法が用いられ得る。
方程式1のグローバルモデル関数は、非平坦なベースラインおよび非平坦な実際の漸近線、ならびに非対称のシグモイド形状をモデル化する(すなわち、シグモイド形状が漸近線に近似する)ように適合される。この例では、ベースラインおよび漸近線は、線形にモデル化される。すなわち、フィッティングされたモデル関数は、シグモイド形状の左および右の線形関数に近似する。見ての通り、線形ベースラインの傾きと線形漸近線は異なり得る。
様々なフィッティングパラメータによるフィッティングされたモデル関数の形状への影響を次に説明する。これはまた、図4中にも示されており、図4は、それぞれの影響を強調するそれぞれのフィッティングパラメータを含む矢印を図示している。
第1フィッティングパラメータp1は、ベースラインの切片を定義する。見ての通り、時間x=0の場合、p1以外のすべてのパラメータの影響は小さい。指数項が、小さい値のxに対する最終項の影響を抑制する。さらに、第2フィッティングパラメータp2は、フィッティングパラメータp1と共にベースラインの傾きを定義する。したがって、ベースラインは、項p1(1+p2x)により定義される。
第3フィッティングパラメータp3は、(仮想または実際の)漸近線の切片の、ベースラインの切片に対する差に影響を与える。第4フィッティングパラメータp4は、(仮想または実際の)漸近線の傾きに影響を与える。方程式1に見られるように、指数因子を含む第3項の分子は、また、線形関係(p3(1+p4x))を定義する。したがって、時間x=0の場合、方程式は、p1+p13の値を取る。さらに、大きな時刻値の場合、指数項は1に近い。つまり、方程式は、およそ、
f(large x)=p1(1+p2x+p3(1+p4x))
の値となる。
これはまた、項p3(1+p4x)の影響により、ベースラインと比較するとずれる、および異なる傾きを有する可能性がある線形関数であるであることがわかる。すなわち、フィッティングパラメータのサブセット(たとえば、p1〜p4)は、ベースラインおよび漸近線の形状を定義する。したがって、これらフィッティングパラメータは、上記のベースラインおよび漸近線に関係する凝固結果を決定する過程において使用され得る。
方程式1に戻ると、方程式1の第3項の分母中のパラメータが、観察される凝固作用反応の影響をモデル化するフィッティングされたモデル関数の非線形部分の形状および位置を定義する。方程式1の例では、モデル関数は、それぞれの変曲点の時刻において、異なる形状および異なる位置を有し得る2つのロジスティック関数(すなわち、対称性のシグモイド)の積を含む。結果として、上記のように、それらの積は、非対称のシグモイド形状を定義し得る。
ロジスティック関数は、小さい(時刻)値xの場合、ゼロの値に近似し、大きい値のxの場合、1の値に近似する。結果として、ロジスティック関数は、ある期間のフィッティングされたモデル関数の形状に影響を与えるのみである。残りの項は、前期および後期の時刻の、シグモイド形状の形状を決定する。
方程式1の例では、第5フィッティングパラメータp5は、観察される凝固作用反応の影響をモデル化するフィッティングされたモデル関数の非線形部分をモデル化する、第1のシグモイドの傾きの程度を定義し、第6フィッティングパラメータp6は、観察される凝固作用反応の影響をモデル化するフィッティングされたモデル関数の非線形部分をモデル化する、第1のシグモイドの変曲点の時間上の位置を定義する。それに応じて、第7フィッティングパラメータp7は、観察される凝固作用反応の影響をモデル化するフィッティングされたモデル関数の非線形部分をモデル化する、第2のシグモイドの傾きの程度を定義し、第8フィッティングパラメータp8は、観察される凝固作用反応の影響をモデル化するフィッティングされたモデル関数の非線形部分をモデル化する、第2のシグモイドの変曲点時間上の位置を定義する(方程式1に見られるように、いくつかの例では、線形項は、非線形部分にも影響を与える)。
方程式1より、フィッティングされたモデル関数は、第3項のシグモイドにより、その完全な延長部に亘り影響を受けることが明白となる。したがって、前期の時刻においても、フィッティングされたモデル関数は、時間においては厳密には線形でなくてもよい。しかし、この期間においては、線形挙動からの偏差は目立たないため、ベースラインは線形であると考えられる。
グローバルモデル関数は方程式1において特定の形態を有しているが、他の例ではこの形態は変化し得る。たとえば、方程式1のモデル関数は、数学的に等価の公式化に(すなわち、公式の表現を変える操作を適用することによって)変換され得る。たとえば、等価の公式化は、方程式1の外側括弧の部分を解くことを含み得る。この例では、フィッティングパラメータは異なってもよい。等価のモデル関数は、また、本開示で説明する測定データの時系列をフィッティングするように使用されてもよい。
さらに、他の例では、モデル関数は様々な方法で変更され得る。たとえば、第3(または第3および第4)ロジスティック関数が、最終項の積に加えられる。追加的または代替的に、方程式1中の線形項は、非線形項に置き換えられ得る。以下において、さらなる変形例を説明する。
方程式1のグローバルモデル関数(またはその数学的等価物)は、パラメータの過度に大きい集合を用いることなく、凝固診断において起こる幅広い種類の時系列の形状をフィッティングするのに適し得る。結果として、フィッティングされたモデル関数は正確となり得る(たとえば、関連の特徴が反映され得る)、と同時に、頑健かつ(フィッティングパラメータの数が比較的少ないため)計算が比較的容易になり得る。他のモデル関数の例では、モデルがより単純であるために正確性が低下する(たとえば、点対称のシグモイド形状または静定ベースラインを有する)、またはフィッティングパラメータの数が多いために頑健性が低下する、のいずれかとなり得る。
グローバルモデル関数の第2の例は、以下のように表され得る。
ここでは、項piはまた、(1から10までの表示iを有する)フィッティングパラメータを表し、xは、フィッティングされる時系列の時刻値を意味し、xMAXは別のフィッティングパラメータまたは一定値となり得る。見ての通り、最初の3つの項は、方程式1の項それぞれと同一である。これらのパラメータに関する上記説明が、方程式2に同様に当てはまる。
さらに、方程式2は、モデル関数の末尾において非線形挙動を定義する、非線形項である第4項を含む。項は、別のロジスティック関数を含む。つまり、第4項は、小さい値のxの場合(すなわち、前期の間)、フィッティングされたモデル関数の形状に影響を与えない。
詳細には、第4項は、第9および第10のフィッティングパラメータ(p9、p10)を含む。xMAXの値は、時系列測定の最大の時間として定義され得る(したがって、xMAXは、フィッティング処理において一定値である)。他の例では、値xMAXは、時系列に基づいて、または他の方法で決定される別の一定値として定義され得る。第10のフィッティングパラメータp10は、モデル関数の末尾の曲率に影響を与え、第9のフィッティングパラメータp9は、測定データの末尾の非線形の変化の振幅をモデル化する。
他の例では、モデル関数の末尾における非線形挙動をモデル化する1つまたは複数の項は、ロジスティック関数以外の様々な関数を含み得る。
いくつかの例示グローバルモデル関数をより詳細に説明した後に、さらなる修正例および適用例を図5a、図5b、図6aおよび図6bに関連して説明する。
(適用例およびさらなる変形例)
本開示のモデル関数は、様々な状況下での凝固分析において起こる、測定データの幅広い種類の曲線形状をモデル化するのに適し得る。図5aは、測定データが、非静定のベースラインと(実際の)漸近線とが平行であると定義する例を示している。図5bに示す別の例では、漸近線は線形に増加する一方で、ベースラインは、(比較的)平坦となり得る。図6aに示すさらに別の例では、漸近線が減少する一方で、ベースラインは増加する。これらすべての形状は、本開示のいくつかの例(たとえば、上記の方程式1において示すモデル関数)において、単一のグローバルモデル関数を用いてモデル化され得る。この方法では、様々な状況下で、凝固結果の頑健かつ正確な決定が可能となり得る。したがって、理論的には、同じモデル関数が、多くの様々な自動分析装置、分析および環境から得られるデータに対し用いられ得る。
いくつかの例では、モデル関数は、測定データを生成する分析装置に関する情報に基づいて選択され得る。たとえば、分析装置に関する情報は、分析装置の種類に関する情報、分析装置により行われる分析に関する情報、および分析装置によって使用される試薬に関する情報のうちの1つまたは複数を含む。
たとえば、所定のセットアップにおいて、分析装置のベースラインが平坦である場合がある。追加的または代替的に、所定の分析装置の(仮想または実際の)漸近線が平坦となり得る。さらに別の例では、ベースラインおよび(仮想または実際の)漸近線はいくつかの状況下では平行となり得る。この種類の情報が利用可能である場合、それぞれの状況に適切なモデル関数が選択され得る。たとえば、特定の分析装置の測定においてベースラインが平坦である場合、モデル関数が非静定のベースラインをモデル化する性能を有することは必要とされない。同様に、特定の分析装置の測定において漸近線が平坦である場合、モデル関数が非静定の漸近線をモデル化する性能を有することは必要とされない。これらの性能を排除することで、いくつかの例でモデル関数がより単純化(たとえば、フィッティングパラメータの数を減らす)し得る。これにより、フィッティング処理がより速く、より頑健になり得る。
上記の方程式1または方程式2によるモデル関数の例では、時系列の特性に関するさらなる知識を考慮して、様々な単純化が行われる。
たとえば、パラメータp2を排除する(またはパラメータp2をゼロに設定する)ことで、平坦なベースラインとなり得る。同様に、パラメータp4を排除する(またはパラメータp4をゼロに設定する)ことで、漸近線がベースラインに対し平行となり得る。従って、パラメータp2およびp4の両方を排除する(またはパラメータp2およびp4をゼロに設定する)ことで、平坦なベースラインおよび平坦な漸近線となり得る。
これらの簡易化は、フィッティングアルゴリズムを設定する、またはフィッティング処理において追加条件として使用されるときに考慮され得る。
いくつかの例では、モデル関数の選択は、分析装置の設定中に行われ、選択されたモデル関数は、分析装置の動作中、変更されずに使用される。モデル関数は、工場時の設定中または後の段階で自動分析装置に合わせて選択され得る。
図6bに見られるように、本開示のフィッティング処理は、時系列のベースラインが無くても(たとえば、測定データに影響を与えるように凝固反応が開始した後に、測定期間が開始している)有効なフィッティングとなり得る。これは、データのフィッティングのために複数のモデル関数を使用するいくつかの従来技術に対し、グローバルモデル関数を使用することのさらなる利点となり得る。
(有効性チェック)
以下において、グローバルモデル関数を測定データの時系列にフィッティングした後に実行され得る複数の追加の検証ステップ54〜57を図1に関連して説明する。概して、本開示の技術は、これらの検証ステップを含まない、または1つもしくは複数含み得る。1つまたは複数の検証ステップ54〜57(本明細書においては「識別ステップ」とも呼称される)は、フィッティングされたモデル関数の様々なクラス間(および/または時系列の様々なクラス間)を区別することを可能にする。とりわけ、第1の組のクラスは、「有効」クラスおよび「無効」クラスを含み得る。「有効」クラス内のフィッティングされたモデル関数は、さらなる処理の対象である。フィッティングされたモデル関数が「無効」クラス内にある場合、これは、時系列が重要な欠陥を有していることを意味し得る。追加的または代替的に、1組のクラスは、「ネガティブ」クラス(凝固作用反応が生じていない)および「ポジティブ」クラス(凝固作用反応が生じており、凝固結果が決定され得る)を含み得る。
1つまたは複数の検証または識別ステップは、それぞれの検証処理に対し、フィッティングされたモデル関数および/または測定データの時系列を使用し得る。
たとえば、検証ステップは、フィッティングされたモデル関数のフィッティング品質パラメータを決定すること54を含み得る。品質パラメータは、測定データの時系列へのフィッティングの質の任意の尺度であってもよい。たとえば、フィッティング品質パラメータは、フィッティングされたモデル関数の時系列からの偏差(たとえば、フィッティングされたモデル関数の絶対誤差、フィッティングされたモデル関数の標準誤差または高次モジュール)に基づいて決定され得る。フィッティング品質パラメータが所定の閾を下回る(または上回る)場合、近似曲線は、無効であると決定55され得る。
いくつかの例では、フィッティング品質パラメータは、測定データの完全な時系列を使用して決定され得る。他の例では、フィッティング品質パラメータは、時系列のサブセット(たとえば、決定された凝固作用時間に加えて、所定の期間または凝固作用時間のあたりの所定の期間)に基づいて決定される。
さらに別の例では、フィッティング品質パラメータの決定は、フィッティングされたモデル関数および時系列が、所定の関係を有するかどうかを決定することを含み得る。たとえば、これは、フィッティングされたモデル関数間の差が持続的に一定の符号を有する、または時系列の所定のサブセクションに亘って一定の符号を有する場合、決定され得る。この場合、フィッティングされたモデル関数は、無効であるとされ得る。
このようにして、予測時系列からの実質的偏差を有する測定データの時系列が、グローバルモデル関数は、時系列によくフィッティングされないという事実により検出され得る。これは、時系列が予測時系列からの相当な偏差を有することを示し、これは、適切な測定データを含まないことを意味し得る。
追加的または代替的に、有効および無効フィッティングされたモデル関数間の識別ステップは、1つまたは複数の所定の条件を充たす、フィッティングされたモデル関数の1つまたは複数の特徴を決定することを含み得る。フィッティングされたモデル関数の1つまたは複数の特徴は、近似曲線の最大傾き、信号変化の大きさ(たとえば、ベースラインと漸近線との差)および決定された凝固作用時間のうちの1つまたは複数を含み得る。1つまたは複数の所定の条件は、それぞれの特徴に対する最大および/または最小値を含み得る。追加的または代替的に、1つまたは複数の所定の条件には、それぞれの特徴が1つまたは複数の所定の範囲内にあることを要件とすることを含み得る。たとえば、有効凝固作用時間の範囲が、定義され得る。別の例では、信号変化(たとえば、信号増加または信号低下)の大きさの最小値が設定され得る。
さらなる例では(そしておそらくは上記の検証ステップに加えて)、識別ステップは、フィッティングされたモデル関数の形状を1つまたは複数の予測曲線形状に比較すること56、およびフィッティングされたモデル関数が1つまたは複数の予測曲線形状に類似である場合、フィッティングされたモデル関数が、有効であることを決定すること57を含み得る。
追加的または代替的に、識別ステップは、フィッティングされたモデル関数の形状を1つまたは複数の誤った曲線形状に比較し、比較結果に従いフィッティングされたモデル関数/時系列を分類することを含み得る。たとえば、フィッティングされたモデル関数が誤った曲線形状に類似である場合、フィッティングされたモデル関数/時系列は、「ネガティブ」クラス(凝固作用反応が生じていない)に分類され得る。フィッティングされたモデル関数が誤った曲線形状に類似でない場合、フィッティングされたモデル関数/時系列は、「ポジティブ」クラス(凝固作用反応が生じており、凝固結果が決定され得る)に分類され得る。
たとえば、誤った曲線形状は、線形関数であり得る。フィッティングされたモデル関数が、実質的に線形挙動を示す(すなわち、シグモイド形状でない)、または線形関数に類似である場合、これは、観察される凝固作用反応が生じていない(すなわち、時系列が、観察される凝固作用反応以外の過程により非平坦となり得る線形ベースラインから成る)ことを示し得る。いくつかの例では、誤った曲線形状は、本開示で説明するグローバルモデル関数を使用して比較的高い品質でフィッティングされ得るということが指摘されるべきである。たとえば、上述の方程式1の最初の2項は、線形関数を示している。したがって、いくつかの状況においては、フィッティング品質パラメータを確認するだけでは、凝固結果がフィッティングされたモデル関数に基づいて決定され得ると判断するに十分でない可能性がある。
フィッティングされたモデル関数が1つまたは複数の予測曲線形状または誤った曲線形状に類似であるかどうかを決定することは、フィッティングされたモデル関数が1つまたは複数の予測曲線形状または誤った曲線形状に類似であるという仮説を確かめるためにF検定または他の統計検定を行うことを含み得る。一例として、フィッティングされたモデル関数は、時系列の線形モデルと比較され得る。フィッティングされたモデル関数が(たとえば、F検定により決定されて)線形モデルに類似である場合、フィッティングされたモデル関数は、それに応じて分類され得る。
上記の有効性チェックおよび識別チェックの結果は、様々な方法で使用され得る。
いくつかの例では、凝固結果は、フィッティングされたモデル関数が有効および/または「ポジティブ」である(凝固作用反応が生じていると決定されている)場合にのみ、決定される。追加的または代替的に、有効性チェックを実行するシステムは、(1つまたは複数の)有効性チェックの結果を示す1つまたは複数のメッセージまたは報告をユーザへと出力し得る。たとえば、メッセージは、フィッティング品質パラメータがフィッティングが悪いことを示していること、フィッティングされたモデル関数の特徴が所定の基準を満たさないこと、またはフィッティングされたモデル関数の曲線形状が予測曲線形状に類似でないこと(たとえば、凝固作用反応が生じていないこと)を示し得る。一例として、メッセージは、所定の閾を下回る凝固作用時間、所定の閾を上回る凝固作用時間、所定の閾を下回る信号変化の大きさ、または所定の閾を上回る信号変化の大きさのうちの1つまたは複数を示す。
他の例では、自動分析装置は、有効性チェックの結果に応じて、1つまたは複数の動作を行い得る。たとえば、自動分析装置は、誤った結果を生じる試料の1つまたは複数の検証動作、フィッティング動作の反復および/または新しい試料に対する凝固分析の反復を指示し得る。
有効性チェックおよび本明細書において説明する技術の残りのステップは、(さらなるステップを実行することを必要とするステップが先に実行されるという条件で)任意の順序で行われ得る。たとえば、図1が、第1および第2の有効性チェックの特定の順序を示していても、これらチェックの順序も逆になり得る。さらに、1つまたは複数の有効性チェックは、凝固結果の決定後に起こり得る。
上記の検証チェックは、フィッティングされたモデル関数が、測定データの時系列によくフィッティングしている場合、および/または時系列が有効な測定を示す場合、比較的単純で信頼できる決定を可能にし得る。
(信号ジャンプ補正)
本開示の技術のいずれかと組み合わせられ得る追加のステップにおいて、方法は、フィッティングされたモデル関数に基づいて、測定データを表す時系列が1つまたは複数の信号ジャンプを含むことを決定すること、および1つまたは複数の信号ジャンプを補正することをさらに含む。
信号ジャンプは、測定データの時系列を生成する測定装置における(比較的急な)変化によって引き起こされる人工的なものである。たとえば、試料容器または検出装置が、測定中に動く可能性があり、その結果信号ジャンプが生じ得る。信号ジャンプの他の原因は、試料中を移動し、測定装置の窓を通過する気泡である。
信号ジャンプの原因にかかわらず、測定データを表す時系列が、フィッティングされたモデル関数に基づいて1つまたは複数の信号ジャンプを含むことを決定することは、複数の隣り合う前期のデータ値が、フィッティングされたモデル関数を下回り、複数の隣り合う後期のデータ値が、フィッティングされたモデル関数を上回る、またはその逆となる時系列の値を求めることを含み得る。たとえば、本技術は、フィッティングされたモデル関数の3つ以上(または10以上)のデータ値の差と、データ値のいずれかの側の測定データの時系列とが異符号を有するデータ値を求めることを含み得る。さらなるステップでは、このように検出された信号ジャンプが、(たとえば、信号ジャンプのいずれかの側でデータポイントをシフトすることによって)補正され得る。
本開示の技術は、いくつかの例において、比較的単純な信号ジャンプの検出を可能にし得る。グローバルモデル関数が用いられると、いくつかの例において、信号ジャンプは、比較的容易に検出され得る特性シグナチャを引き起こし得る。
上記の詳細な説明は、複数の例示的な、生体試料の凝固結果を決定する方法、および生体試料の凝固結果を決定するシステムを提供する。しかし、生体試料の凝固結果を決定する方法、および生体試料の凝固結果を決定するシステムは、また、以下の態様において明記される方法またはシステムのうちの1つとしても実施され得る。
(さらなる態様)
1.生体試料の凝固結果を決定する自動化された方法であって、
生体試料の測定データを表す時系列を取得することと、
凝固作用反応が生じる生体試料の測定データをモデル化するように構成される
グローバルモデル関数を取得することと、
モデル関数を、測定データを表す時系列にフィッティングして、フィッティングされたグローバルモデル関数を取得することと、
フィッティングされたグローバルモデル関数に基づいて生体試料の凝固結果を決定することと、を含み、
時系列は、生体試料中において凝固作用反応が生じるとされる期間に亘り、
グローバルモデル関数は、測定データを、少なくとも1つの変曲点を有するシグモイド形状としてモデル化するように構成され、
シグモイド形状の最大曲率の絶対値は、少なくとも1つの変曲点の一方の側において、他方の側よりも大きい、
方法。
2.グローバルモデル関数は、シグモイド形状の第1の側の非平坦なベースラインを、および/またはシグモイド形状の第2の側の非平坦な仮想または実際の漸近線をモデル化するように構成される、態様1の方法。
3.凝固結果を決定することは、
フィッティングされたグローバルモデル関数に基づいてシグモイド形状のベースラインを決定することと、
フィッティングされたグローバルモデル関数に基づいて仮想または実際の漸近線を決定することと、
ベースラインと仮想または実際の漸近線との間を延びる閾線を定義することと、
フィッティングされたグローバルモデル関数が閾線と交差する点における、フィッティングされたグローバルモデル関数の特徴に基づいて、凝固結果を決定することと、を含み、
ベースラインおよび仮想または実際の漸近線のうちの少なくとも1つは、非平坦であり、ベースラインと閾線との間の距離が、各時点におけるベースラインと仮想または実際の漸近線との間の距離の一定の割合である、
態様1または2の自動化された方法。
4.割合は、0.05〜0.9である、態様3の自動化された方法。
5.凝固結果は、フィッティングされたモデル関数が閾線と交差する時点である、またはフィッティングされたモデル関数が閾線と交差する点における、ベースラインと仮想の漸近線との差である、態様3または態様4の自動化された方法。
6.凝固結果を決定することは、
シグモイド形状のベースラインをフィッティングされたグローバルモデル関数に基づいて決定すること、または仮想または実際の漸近線をフィッティングされたグローバルモデル関数に基づいて決定することと、
閾線を、各時点において、それぞれベースライン値の一定の倍数として、または仮想または実際の漸近線の一定の割合として定義すること、
凝固結果を、フィッティングされたモデル関数が閾線と交差する点におけるフィッティングされたモデル関数の特徴に基づいて決定すること、
を含む、態様1または態様2の自動化された方法。
7.ベースラインもしくは仮想または実際の漸近線、またはその両方は、フィッティングされたグローバルモデル関数のフィッティングパラメータの1つまたは複数のサブセットを使用して決定される、態様3〜6のいずれか1つの自動化された方法。
8.閾線は、非平坦な線形関数である、態様3〜7のいずれか1つの自動化された方法。
9.ベースラインは、線形関数である、態様2〜8のいずれか1つの自動化された方法。
10.ベースラインと仮想または実際の漸近線とが平行ではない、態様2〜9のいずれか1つの自動化された方法。
11.シグモイド形状は、正または負の曲率を有する末尾を有する、態様2〜10のいずれか1つの自動化された方法。
12.グローバルモデル関数は、変曲点を中心に非対称である、態様1〜11のいずれか1つの自動化された方法。
13.グローバルモデル関数は、変曲点の両側で異なる曲率特性を有する、態様1〜12のいずれか1つの自動化された方法。
14.凝固結果は、凝固時間である、態様1〜13のいずれか1つの自動化された方法。
15.凝固時間は、フィッティングされたグローバルモデル関数の最大傾きの時点として決定される、態様14の自動化された方法。
16.凝固結果は、フィッティングされたグローバルモデル関数に基づいて決定される信号変化の大きさである、態様1〜14のいずれか1つの自動化された方法。
17.信号変化の大きさは、ベースラインと、フィッティングされたグローバルモデル関数の仮想または実際の漸近線との差として定義される、態様16の自動化された方法。
18.所定の時点は、フィッティングされたモデル関数が閾線と交差する時点である、態様17の自動化された方法。
19.凝固結果は、ベースラインのレベル、またはベースラインの推定レベルに基づいて決定される、態様2〜14のいずれか1つの自動化された方法。
20.凝固結果は、仮想または実際の線形漸近線のレベル、または仮想または実際の漸近線の推定レベルに基づいて決定される、態様3〜14のいずれか1つの自動化された方法。
21.モデル関数を時系列にフィッティングすることは、非線形回帰の技術を使用することを含む、態様1〜20のいずれか1つの自動化された方法。
22.モデル関数は、2つ以上の項の和を含む、態様1〜21のいずれか1つの自動化された方法。
23.モデル関数は、3つまたは4つの項の和を含む、態様1〜22のいずれか1つの自動化された方法。
24.第1項は、ベースラインの切片を定義する定数項である、態様21または23の自動化された方法。
25.第2項は、ベースラインの傾きを定義する線形項である、態様21〜24のいずれか1つの自動化された方法。
26.第3項は、監視される凝固作用反応が開始した後に信号変化をモデル化する非線形項である、態様21〜25のいずれか1つの自動化された方法。
27.第3項は、線形成分と、2つ以上の指数成分との積である、態様26の自動化された方法。
28.線形成分は、仮想または実際の漸近線を定義する、態様27の自動化された方法。
29.2つ以上の指数成分のそれぞれは、対称性のシグモイドである、態様27または28の自動化された方法。
30.指数成分は、1/(1+exp(−Kn))の形態であり、ここでは、Knは、時間とともに線形に増加する項である、態様27〜29のいずれか1つの自動化された方法。
31.第4項は、モデル関数の末尾における非線形挙動を定義する非線形項である、態様21〜30のいずれか1つの自動化された方法。
32.第4項は、シグモイドである、態様31の自動化された方法。
33.モデル関数は、5より多く、任意により15より少ないフィッティングパラメータ含む、態様1〜32のいずれか1つの自動化された方法。
34.第1のフィッティングパラメータは、ベースラインの切片を定義する、態様33の自動化された方法。
35.第2のフィッティングパラメータおよび第1のフィッティングパラメータは、ベースラインの傾きを定義する、態様34の自動化された方法。
36.第3のフィッティングパラメータは、仮想または実際の漸近線の切片の、ベースラインの切片に対する差に影響を与える、態様33〜35のいずれか1つの自動化された方法。
37.第4のフィッティングパラメータは、仮想または実際の漸近線の傾きに影響を与える、態様36の自動化された方法。
38.第5のフィッティングパラメータは、観察される凝固作用反応の影響をモデル化するシグモイド形状の非線形部分を定義する第1のシグモイドの傾きを定義する、態様33〜37のいずれか1つの自動化された方法。
39.第6のフィッティングパラメータは、観察される凝固作用反応の影響をモデル化するシグモイド形状の非線形部分を定義する第1のシグモイドの、変曲点の時間上の位置を定義する、態様33〜38のいずれか1つの自動化された方法。
40.第7のフィッティングパラメータは、観察される凝固作用反応の影響をモデル化するシグモイド形状の非線形部分を定義する第2のシグモイドの傾きを定義する、態様33〜39のいずれか1つの自動化された方法。
41.第8のフィッティングパラメータは、観察される凝固作用反応の影響をモデル化するシグモイド形状の非線形部分を定義する第2のシグモイドの、変曲点の時間上の位置を定義する、態様33〜40のいずれか1つの自動化された方法。
42.第9のフィッティングパラメータは、測定データにおける末尾の非線形の変化の振幅を定義する、態様33〜41のいずれか1つの自動化された方法。
43.第10のフィッティングパラメータは、測定データの末尾の曲率をモデル化する、態様33〜42のいずれか1つの自動化された方法。
44.モデル関数は、
または数学的に等価の公式化の形態を取り、ここでは、piは、フィッティングパラメータであり、xは、フィッティングされる時系列の時刻値を表す、態様1〜41のいずれか1つの自動化された方法。
45.モデル関数は、
または数学的に等価の公式化の形態を取り、ここでは、piは、フィッティングパラメータであり、xは、フィッティングされる時系列の時刻値を表し、xmaxは、別のフィッティングパラメータまたは一定値である、態様1〜43のいずれか1つの自動化された方法。
46.測定データは、光学または電気測定、任意により濁度測定、吸光度測定、散乱測定、またはインピーダンス測定により取得される、態様1〜45のいずれか1つの自動化された方法。
47.測定データを生成する分析装置に関する情報を取得すること、フィッティングステップに用いられるモデル関数を選択することをさらに含む、態様1〜46のいずれか1つの自動化された方法。
48.分析装置に関する情報は、分析装置の種類に関する情報、分析装置により行われる分析に関する情報、および分析装置により使用される試薬に関する情報のうちの1つまたは複数を含む、態様47の自動化された方法。
49.モデル関数を選択することは、分析装置のセットアップ中に行われ、選択されたモデル関数は、分析装置の動作中は変更されずに使用される、態様47または48の自動化された方法。
50.モデル関数をデータの時系列にフィッティングすることは、1つまたは複数の所定条件を用いることを含む、態様1〜49のいずれか1つの自動化された方法。
51.1つまたは複数の所定条件は、分析装置のセットアップ中に定義され、1つまたは複数の所定条件は、分析装置の動作中には変更されずに用いられる、態様50の自動化された方法。
52.所定条件は、ベースラインが平坦であるという条件、仮想または実際の漸近線が平坦であるという条件、およびベースラインおよび仮想または実際の漸近線が平行であるという条件のうちの、1つまたは複数を含む、態様50または態様51の自動化された方法。
53.凝固作用反応は、生体試料に物質を添加することによって引き起こされ、任意により、物質は試薬である、態様1〜52のいずれか1つの自動化された方法。
54.方法は、測定データの様々なクラスを区別するための、1つまたは複数の識別ステップをさらに含む、態様1〜53のいずれか1つの自動化された方法。
55.識別ステップは、フィッティングされたモデル関数のフィッティング品質パラメータを決定すること、および
フィッティング品質パラメータに基づいてフィッティングされたグローバルモデル関数の有効性を決定することを含み、
任意により、フィッティング品質パラメータは、フィッティングされたモデル関数の標準誤差に基づいて決定される、態様54の自動化された方法。
56.フィッティング品質パラメータが、所定の閾を下回るまたは上回る場合、フィッティングされたモデル関数は、無効であると決定される、態様54の自動化された方法。
57.識別ステップは、
フィッティングされたモデル関数の1つまたは複数の特徴を決定すること、および
1つまたは複数の特徴が、1つまたは複数の所定の条件を充たすかどうかを決定すること、
を含む、態様54〜56のいずれか1つの自動化された方法。
58.フィッティングされたモデル関数の1つまたは複数の特徴は、フィッティングされたモデル関数の極大の傾き、ベースラインと仮想による漸近線との信号差、および凝固作用時間のうちの1つまたは複数を含む、態様57の自動化された方法。
59.識別ステップは、
フィッティングされたモデル関数の形状を、1つまたは複数の予測曲線形状と比較すること、および
フィッティングされたモデル関数が1つまたは複数の予測曲線形状に類似である場合、フィッティングされたモデル関数が有効であると決定すること、
を含む、態様54〜58のいずれか1つの自動化された方法。
60.識別ステップは、
フィッティングされたモデル関数の形状を、1つまたは複数のネガティブの曲線形状と比較すること、および
フィッティングされたグローバルモデル関数が、1つまたは複数のネガティブの曲線形状に類似でない場合にのみ、生体試料の凝固結果を決定することを含む、態様54〜59のいずれか1つの自動化された方法。
61.識別ステップは、
フィッティングされたモデル関数を線形関数と比較すること、および
フィッティングされたモデル関数が線形関数に類似である場合、凝固作用反応が生じていないことを決定すること、
を含む、態様54〜60のいずれか1つの自動化された方法。
62.フィッティングされたモデル関数に基づいて、測定データを表す時系列が1つまたは複数の信号ジャンプを含むことを決定すること、および
1つまたは複数の信号ジャンプを補正すること、をさらに備える
態様1〜61のいずれか1つの自動化された方法。
63.フィッティングされたモデル関数に基づいて、測定データを表す時系列が1つまたは複数の信号ジャンプを含むことを決定することは、複数の隣り合う前期データ値がフィッティングされたモデル関数を下回り、複数の隣り合う後期データ値がフィッティングされたモデル関数を上回る、またはその逆である時系列の値を求めることを含む、態様62の自動化された方法。
64.時系列は、凝固作用反応が開始するとされる前に始まり、凝固作用反応が飽和するとされるときに終わる期間に亘る、上記態様1〜63のいずれか1つの自動化された方法。
65.生体試料の凝固結果を決定するシステムであって、
生体試料の測定データを表す時系列を取得し、
凝固作用反応が生じる生体試料の測定データをモデル化するように構成される
グローバルモデル関数を取得し、
モデル関数を、測定データを表す時系列にフィッティングして、フィッティングされたグローバルモデル関数を取得し、
フィッティングされたグローバルモデル関数に基づいて生体試料の凝固結果を決定する
ように構成され、
時系列は、生体試料中において凝固作用反応が生じるとされる期間に亘り、
グローバルモデル関数は、測定データを、少なくとも1つの変曲点を有するシグモイド形状としてモデル化するように構成され、
シグモイド形状の最大曲率の絶対値は、少なくとも1つの変曲点の一方の側において、他方の側よりも大きい、
システム。
66.生体試料の測定データを生成するように構成される自動分析装置をさらに備える、態様65のシステム。
67.態様2〜64のいずれか1つのステップを行うようにさらに構成される、態様65または66のシステム。
68.処理システム上で実行されると、処理システムに態様1〜64のいずれか1つのステップを実行させる指示を記憶しているコンピュータ可読媒体。
(コンピュータによる実施)
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されるときに、本明細書に包含される実施形態の1つまたは複数における、本発明による方法を行うための、コンピュータで実行可能な命令を含むコンピュータプログラムをさらに開示および提案する。具体的には、コンピュータプログラムは、コンピュータ可読データ媒体上に記憶されてもよい。したがって、具体的には、本明細書において開示される方法のステップの1つ、複数、またはすべてが、コンピュータまたは コンピュータネットワークを使用することによって、好ましくはコンピュータプログラムを使用することによって行われてもよい。
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されるときに、本明細書に包含される実施形態の1つまたは複数において、本発明による方法を実行するための、プログラムコード手段を有するコンピュータプログラム製品をさらに開示および提案する。具体的には、プログラムコード手段は、コンピュータ可読データ媒体上に記憶されてもよい。
コンピュータまたはコンピュータネットワークに、たとえば、コンピュータまたはコンピュータネットワークのワーキングメモリまたはメインメモリなどにロードされた後に、本明細書において開示される実施形態の1つまたは複数による方法を実行してもよい、データ構造を記憶しているデータ媒体をさらに開示および提案する。
プログラムがコンピュータまたはコンピュータネットワーク上で実行されるときに、本明細書において開示される実施形態の1つまたは複数による方法を行うための、プログラムコード手段を機械可読媒体上に記憶しているコンピュータプログラム製品をさらに開示および提案する。本明細書において使用されるように、コンピュータプログラム製品は、取引可能製品としてのプログラムを指す。製品は、概して、任意の形式で、たとえば、紙の形式で存在してもよく、またはコンピュータ可読データ媒体上に存在してもよい。具体的には、コンピュータプログラム製品は、データネットワークを通して分配されてもよい。
本明細書において開示される実施形態の1つまたは複数による方法を行うための、コンピュータシステムまたはコンピュータネットワークにより読み取り可能の命令を含む変調データ信号をさらに開示および提案する。
本発明のコンピュータ実施の態様を参照すると、本明細書において開示される実施形態の1つまたは複数による方法のステップの1つもしくは複数、または方法のステップのすべては、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用して行われてもよい。したがって、概して、データの提供および/または操作を含む方法のステップのいずれも、コンピュータまたはコンピュータネットワークを使用して行われてもよい。概して、これらの方法のステップは、典型的には、試料の提供および/または測定の実行におけるいくつかの態様など手作業を必要とする方法のステップを除く方法のステップのいずれを含んでもよい。
本明細書において説明する実施形態の1つによる方法を行うように適合される少なくとも1つのプロセッサを備えるコンピュータまたはコンピュータネットワークをさらに開示および提案する。
本明細書において説明する実施形態の1つによる方法を行うように適合され、コンピュータ上で実行される、コンピュータにロード可能なデータ構造をさらに開示および提案する。
コンピュータまたはコンピュータネットワークのメインおよび/またはワーキングストレージにロードされた後に、本明細書において説明する実施形態の1つによる方法を行うように適合されるデータ構造を記憶する記憶媒体をさらに開示および提案する。

Claims (15)

  1. 生体試料の凝固結果を決定する自動化された方法であって、
    生体試料の測定データを表す時系列(13)を取得すること(51)と、
    凝固作用反応が生じる生体試料の測定データをモデル化するように構成される
    グローバルモデル関数を取得すること(52)と、
    前記モデル関数を、測定データを表す前記時系列にフィッティングして、フィッティングされたグローバルモデル関数(11)を取得することと、
    前記フィッティングされたグローバルモデル関数(11)に基づいて前記生体試料の凝固結果を決定することと、を含み、
    前記時系列(13)は、前記生体試料中において凝固作用反応が生じるとされる期間に亘り、
    前記グローバルモデル関数は、前記測定データを、少なくとも1つの変曲点(14)を有するシグモイド形状(19)としてモデル化するように構成され、
    前記シグモイド形状の最大曲率の絶対値は、前記少なくとも1つの変曲点の一方の側において、他方の側よりも大きい、
    方法。
  2. 前記グローバルモデル関数は、前記シグモイド形状の第1の側の非平坦なベースライン(12)を、および/または前記シグモイド形状の第2の側の、前記シグモイド形状が近似する非平坦な漸近線(10)をモデル化するように構成される、請求項1記載の方法。
  3. 凝固結果を決定することは、
    前記フィッティングされたグローバルモデル関数(11)に基づいて前記シグモイド形状(19)のベースライン(12)を決定することと、
    前記フィッティングされたグローバルモデル関数(11)に基づいて仮想または実際の漸近線(10)を決定することと、
    前記ベースライン(12)と前記漸近線(10)との間を延びる閾線(21)を定義することと、
    前記フィッティングされたグローバルモデル関数(11)が前記閾線(21)と交差する点における、前記フィッティングされたグローバルモデル関数(11)の特徴(23;24)に基づいて、前記凝固結果を決定することと、を含み、
    仮想による漸近線は、妨害性の作用が存在しない場合の前記フィッティングされたモデル関数に近似し得る漸近線であり、
    前記ベースラインおよび前記仮想または実際の漸近線(12,10)のうちの少なくとも1つは、非平坦であり、
    前記ベースライン(12)と前記閾線(21)との間の距離が、各時点における前記ベースライン(12)と前記仮想または実際の漸近線(10)との間の距離の一定の割合である、
    請求項1または2記載の自動化された方法。
  4. 前記ベースライン(12)、または前記仮想もしくは実際の漸近線(10)、またはその両方は、前記フィッティングされたグローバルモデル関数(11)のフィッティングパラメータの1つまたは複数のサブセットを使用して決定される、請求項3記載の自動化された方法。
  5. 前記シグモイド形状は、正または負の曲率を有する末尾(40)を有する、つまり、前記フィッティングされたモデル関数は、線形漸近関数に近似しない、請求項2〜4のいずれか1項に記載の自動化された方法。
  6. 前記凝固結果は、前記フィッティングされたグローバルモデル関数に基づいて決定される信号変化の大きさ(22)または凝固時間(23)である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の自動化された方法。
  7. 前記グローバルモデル関数は、3つまたは4つの項の和を含み、第1項は、ベースラインの切片を定義する定数項であり、第2項は、ベースラインの傾きを定義する線形項であり、第3項は、線形成分と、前記シグモイド形状の非線形挙動を定義する2つ以上の指数成分との積である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の自動化された方法。
  8. 前記グローバルモデル関数は、
    または数学的に等価の公式化の形態を取り、ここでは、piはフィッティングパラメータであり、xはフィッティングされる前記時系列の時刻値である、または
    前記グローバルモデル関数は、
    または数学的に等価の公式化の形態を取り、ここでは、piはフィッティングパラメータであり、xはフィッティングされる前記時系列の時刻値であり、xmaxは、別のフィッティングパラメータまたは所定の値である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の自動化された方法。
  9. 前記測定データを生成する分析装置に関する情報を取得すること、および前記フィッティングのステップに用いられる前記グローバルモデル関数を選択することをさらに含み、分析装置に関する前記情報は、前記分析装置の種類に関する情報、前記分析装置により行われる分析に関する情報、および前記分析装置により使用される試薬に関する情報のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の自動化された方法。
  10. 前記フィッティングされたグローバルモデル関数に基づいて凝固結果を決定することは、測定データの様々なクラスを区別するための、1つまたは複数の識別ステップ(54〜57)を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の自動化された方法。
  11. 前記識別ステップは、前記フィッティングされたグローバルモデル関数のフィッティング品質パラメータを決定すること(54)、および
    前記フィッティング品質パラメータに基づいて前記フィッティングされたグローバルモデル関数の有効性を決定すること(55)を含み、
    前記フィッティング品質パラメータは、前記測定データの、前記フィッティングされたグローバルモデル関数からの標準誤差である、請求項10の自動化された方法。
  12. 前記識別ステップは、
    前記フィッティングされたグローバルモデル関数の形状を、1つまたは複数のネガティブの曲線形状と比較すること(56)、および
    前記フィッティングされたグローバルモデル関数が、前記1つまたは複数のネガティブの曲線形状に類似でない場合にのみ、前記生体試料の前記凝固結果を決定することを含む、請求項10または11に記載の自動化された方法。
  13. 前記フィッティングされたグローバルモデル関数に基づいて、測定データを表す前記時系列が1つまたは複数の信号ジャンプを含むことを決定すること、および
    前記1つまたは複数の信号ジャンプを補正すること、をさらに備え、
    前記フィッティングされたグローバルモデル関数に基づいて、測定データを表す前記時系列が1つまたは複数の信号ジャンプを含むことを決定することは、複数の隣り合う前期のデータ値が前記フィッティングされたグローバルモデル関数を下回り、複数の隣り合う後期のデータ値が前記フィッティングされたグローバルモデル関数を上回る、またはその逆となる前記時系列の値を求めることを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の自動化された方法。
  14. 生体試料の凝固結果を決定するシステムであって、
    生体試料の測定データを表す時系列(13)を取得し(51)、
    凝固作用反応が生じる生体試料の測定データをモデル化するように構成される
    グローバルモデル関数を取得し(52)、
    前記モデル関数を、測定データを表す前記時系列にフィッティングして、フィッティングされたグローバルモデル関数(11)を取得し、
    前記フィッティングされたグローバルモデル関数(11)に基づいて前記生体試料の凝固結果を決定するように構成され、
    前記時系列(13)は、前記生体試料中において凝固作用反応が生じるとされる期間に亘り、
    前記グローバルモデル関数は、前記測定データを、少なくとも1つの変曲点(14)を有するシグモイド形状(19)としてモデル化するように構成され、
    前記シグモイド形状の最大曲率の絶対値は、前記少なくとも1つの変曲点の一方の側において、他方の側よりも大きい、
    システム。
  15. 処理システム上で実行されると、前記処理システムに請求項1〜13のいずれか1項の前記ステップを実行させる指示を記憶しているコンピュータ可読媒体。
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