JP2019066173A - 環境制御手段の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象者が意図しない刺激を受けることによる影響を小さく抑えることが可能な環境制御手段の制御装置を提供する。【解決手段】対象者が存在する室内の環境を環境制御手段としての空気調和装置10を用いて制御する環境設備制御装置100であって、対象者が受ける環境刺激であって空気調和装置10や照明装置20の制御による環境刺激とは異なる環境刺激である外部刺激を把握する外部刺激把握部61と、外部刺激把握部61により把握される外部刺激が対象者に与える影響を打ち消すまたは和らげるように空気調和装置10を制御する制御実行部90と、を備える。【選択図】図2

Description

環境制御手段の制御装置に関する。
従来より、作業者の作業効率を高めるために、作業者の存在する空間における環境を改善させることが求められている。
例えば、特許文献1(特開平10−259943号公報)に記載の空調調和機の制御装置では、対象者の覚醒度を把握しつつ、居眠り状態等の覚醒度の低下した状態から自然に覚醒度の高い状態へ移行するための空気調和動作を実行することで、室内の人間の作業能率を高く保つことを提案している。
上記特許文献1に記載の装置では、対象者の頭部の傾きや揺れの度合いを画像処理回路によって検出することにより対象者が居眠り状態等におちいっていることを把握して、対象者の覚醒度を上げるべく、空気調和機を制御することとしている。
ところが、上記特許文献1に記載の装置では、対象者の周囲の環境によって対象者が居眠り状態等となって、対象者の頭部が傾く状態や揺れ始める状態に到ってはじめて、覚醒度を上げるための空気調和機の制御が行われている。このため、覚醒度を上げるための空気調和機の制御が開始される時点では、既に、対象者の覚醒度等の状態がかなり悪化してしまっている場合がある。
また、このような対象者の覚醒度が変化する原因としては、空気調和機によって制御可能な温度や湿度といった環境因子による刺激以外にも、空気調和機によって制御されるものではない環境因子による刺激があるが、このような空気調和機によって制御されない環境因子に着目して対象者の状態を制御することについては、これまでなんら検討されていない。これに対して、外部からの意図しない環境刺激を受けることによる対象者への影響を小さく抑えることが望まれる。
第1観点に係る環境制御手段の制御装置は、対象者が存在する対象空間の環境を環境制御手段を用いて制御する、環境制御手段の制御装置であって、環境刺激把握部と、制御部と、を備える。環境刺激把握部は、対象者が受ける環境刺激であって、環境制御手段の制御による第1環境刺激以外の環境刺激である第2環境刺激を把握する。制御部は、環境刺激把握部により把握される第2環境刺激が対象者に与える影響を打ち消すまたは和らげるように環境制御手段を制御する。
ここで、環境制御手段で制御可能な環境刺激は、特に限定されるものではなく、例えば、温度、湿度、風速、臭い、音、光、輻射熱、およびこれらの組合せから選択される少なくとも1種以上とすることができる。
なお、第2環境刺激としては、特に限定されず、例えば、温度、湿度、臭い、音、光、振動およびこれらの組合せに関する刺激が挙げられる。ここで、音に関する刺激としては、特に限定されず、例えば、所定の音圧レベル以上の音により対象者が受ける刺激や、所定の周波数以上の周波数の音により対象者が受ける刺激や、予め定めた音量以下の過度に静かな状況が所定時間以上継続することで対象者が受ける刺激も含まれる。なお、第2環境刺激は、環境制御手段の制御による第1環境刺激以外の環境刺激であり、環境制御手段の制御に起因して生じる刺激でなければ第1環境刺激と同種類の刺激であってもよいが、第1環境刺激とは種類の異なる刺激とされていることが好ましい。
また、第2環境刺激が対象者に与える影響を打ち消すまたは和らげるための環境制御手段の制御としては、特に限定されるものではなく、例えば、第2環境刺激を生じさせている原因を除去または低減させるように制御すること、第2環境刺激についての対象者の感度を低減させるように制御すること、第2環境刺激に関する対象者の心理的反応および/または自律神経における反応である心理神経系反応を低減させるように制御すること、およびこれらの制御の組合せが挙げられる。
この環境制御手段の制御装置では、対象者が意図せず受ける環境刺激を、対象空間の環境を制御するために用いられている環境制御手段を利用した制御を行うことで、対象者が受ける影響を打ち消すまたは和らげることができる。このため、対象者が意図せず受ける環境刺激によって対象者が受ける影響を抑制することができる。
第2観点に係る環境制御手段の制御装置は、第1観点に係る環境制御手段の制御装置であって、環境制御手段は、複数種類設けられている。複数種類の環境制御手段は、互いに異なる種類の環境刺激を供給可能である。制御部は、環境刺激把握部により把握される第2環境刺激が対象者に与える影響を打ち消すまたは和らげるように複数種類の環境制御手段を制御する。
この環境制御手段の制御装置では、第2環境刺激が対象者に与える影響を打ち消すまたは和らげるために、複数種類の環境制御手段を用いることができる。このため、対象者が意図せず受ける刺激によって対象者が受ける影響を打ち消すまたは和らげることが容易になる。
第3観点に係る環境制御手段の制御装置は、第1観点または第2観点に係る環境制御手段の制御装置であって、複数種類の環境制御手段は、温度を調節する装置、湿度を調節する装置、風速を調整する装置、二酸化炭素濃度を調節する装置、臭気を調整する装置、音を調整する装置、光を調整する装置、輻射熱を調節する装置の少なくともいずれか2つ以上が含まれる。
この環境制御手段の制御装置では、温度を調節する装置、湿度を調節する装置、風速を調整する装置、二酸化炭素濃度を調節する装置、臭気を調整する装置、音を調整する装置、光を調整する装置、輻射熱を調節する装置の少なくともいずれか2つ以上を用いた制御を行うことで、対象者が意図せず受ける刺激によって対象者が受ける影響を小さく抑えることが可能になる。
第4観点に係る環境制御手段の制御装置は、第1観点から第3観点のいずれかに係る環境制御手段の制御装置であって、状態情報把握部をさらに備えている。状態情報把握部は、対象者の状態に関する状態情報を把握する。制御部は、状態情報の変化のうち、環境制御手段の制御に起因する変化以外の変化が対象者に与える影響を打ち消すまたは和らげるように環境制御手段を制御する。
ここで、状態情報には、心身状態情報と生体状態情報が含まれる。このうち心身状態情報は、対象者について測定して得られる一次情報(心拍等)から推測される二次情報であり、例えば、覚醒度、集中度、緊張度、安静度、LF/HF等の自律神経バランスの指標等の情報が含まれる。また、生体状態情報は、測定装置を用いて対象者について測定して得られる一次情報であり、例えば、心拍、体温、発汗量、声等の情報が含まれる。また、覚醒度としては、特に限定されないが、例えば、対象者の心拍の状態に基づいて定まるものであってもよいし、対象者の呼吸の単位時間当たりの回数に基づいて定まるものであってもよいし、対象者の脳波に基づいて定まるものであってもよいし、これらの組み合わせに基づいて定まるものであってもよい。
環境制御手段の制御装置における環境刺激把握部が第2環境刺激を把握した場合であっても、実際に対象者の心身状態や生体状態が大きく変化するとは限らず、対象者にとっては気にならない程度の刺激に過ぎない場合もある。
これに対して、この環境制御手段の制御装置では、状態情報把握部が、対象者の心身状態情報や生体状態情報等の状態情報を把握している。そして、制御部が、状態情報把握部が把握する状態情報の変化のうち、環境制御手段の制御に起因する変化以外の変化が対象者に与える影響を打ち消すまたは和らげるように環境制御手段を制御する。このため、環境刺激把握部が第2環境刺激を把握した場合のうち、実際に対象者の心身状態や生体状態が変化するような刺激について低減させることが可能になる。
第5観点に係る環境制御手段の制御装置は、第1観点から第4観点のいずれかに係る環境制御手段の制御装置であって、環境刺激把握部は、音と臭いの少なくともいずれかの環境刺激を把握する。
この環境制御手段の制御装置では、対象者が意図せず受ける音と臭いの少なくともいずれか環境刺激が対象者に与える影響を小さく抑えることが可能になる。
環境設備制御システムの全体の概略構成図である。 環境設備制御装置のブロック構成図である。 環境設備制御装置による処理のフローチャートである。 変形例Bに係る環境設備制御システムの全体の概略構成図である。 変形例Mに係る対象者毎の目的別、刺激別の複数制御候補の例を示す表である。
(1)環境設備制御システム全体の概略構成
図1に、環境設備制御システム1の全体の概略構成図を示す。
環境設備制御システム1は、複数種類の環境設備を用いることで、複数種類の環境設備に起因する環境刺激以外の刺激である外部刺激が対象者の覚醒度に与える影響を小さく抑えるためのシステムである。
環境設備制御システム1は、空気調和装置10と、照明装置20と、外部刺激センサ30と、生体センサ40と、環境設備制御装置100と、を主として有している。これらの各機器は、互いに有線または無線により、互いに通信可能に接続されている。
空気調和装置10と、照明装置20とは、互いに異なる種類の環境設備であり、対象者の覚醒度をコントロールすることが可能な設備である。
空気調和装置10は、対象者が存在している室内の温度を調節することが可能な装置であり、図示しない室外ユニットと室内ユニットとが接続されることで、圧縮機と凝縮器と膨張弁と蒸発器とが接続され冷凍サイクルを実行可能な冷媒回路を有している。空気調和装置10は、室内の空気温度を検出する温度センサ11と、冷房運転や暖房運転等の各種空調制御を実行する空調コントローラ13と、を有している。なお、空調コントローラ13は、CPU、ROM、RAM等を有して構成されている。
この空調コントローラ13は、対象者からの冷房運転や暖房運転等の各種空調制御モードの指示や設定温度や設定風量の指示を受け付ける設定受付部14を有している。
空気調和装置10は、後述するように、外部刺激を抑制するための打ち消し制御が行われていない通常空調制御では、温度センサ11が検知する温度が設定温度となるように、設定風量での各種空調制御モードが実行される。
照明装置20は、対象者が存在している室内の照度を調節することが可能な装置であり、照度制御が可能なLED等の発光体と、室内の所定の位置に配置された照度センサ21を有している。照明装置20は、後述するように、外部刺激を抑制するための打ち消し制御が行われていない通常照度制御では、照度センサ21が検知する室内の照度が所定の目標照度となるように制御を行っている。
外部刺激センサ30は、対象者が受ける環境刺激のうち、環境制御手段である空気調和装置10や照明装置20の制御によって与えられる環境刺激以外の環境刺激である外部刺激を検知する。本実施形態では、外部刺激センサ30は、臭気センサ31と、音センサ32とを有している。臭気センサ31は、室内の臭気成分濃度を検知する。臭気センサ31が検知する臭気成分の種類としては、特に限定されるものではなく、予め定められた種類の臭気成分(メチルメルカプタン等のメルカプタン類や硫化水素等の硫黄化合物、アンモニア、ノネナール、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、ジオスミン、酢酸等)を検知させるようにしてもよい。音センサ32は、室内の音を検知する。音センサ32としては、特に限定されるものではなく、例えば集音マイク等が用いられる。外部刺激センサ30の臭気センサ31や音センサ32での検知データは、環境設備制御装置100に対して送信されることになる。
生体センサ40は、対象者の覚醒度を把握するためのセンサであり、本実施形態においては、対象者の心電図波形を検出する心電図波形センサ41を有している。心電図波形センサ41は、対象者の心臓付近に取り付けられることで用いられ、検出された心電図波形データを無線により環境設備制御装置100等の周囲の機器に送信することが可能になっている。
環境設備制御装置100は、後述するように、外部刺激センサ30からの検知データを受信することで、室内の対象者が現在受けている外部刺激を把握し、生体センサ40から心電図波形データを受信することで対象者の覚醒度を推定し、対象者の覚醒度が外部刺激により悪影響を受けている場合に当該悪影響を打ち消す又は弱めるように、各種環境設備である空気調和装置10および照明装置20の制御を行う装置である。
(2)環境設備制御装置100の構成
図2に、環境設備制御装置100の機能ブロック構成図を示す。
環境設備制御装置100は、各種情報を受け付けるためのデータ受付部50と、各種情報を把握するための把握部60と、各種データを格納しておくための記憶部70と、各環境設備に実行させる制御を定める制御特定部80と、制御特定部80で特定された制御を実行させる制御実行部90と、を備えている。この環境設備制御装置100は、外部刺激センサ30や生体センサ40や空調コントローラ13の設定受付部14から送信されてくる情報を取得し、空気調和装置10と照明装置20とを制御することが可能であり、1つまたは複数のCPU、ROM、RAMを有して構成されている。
(2−1)データ受付部50
データ受付部50は、空調コントローラ13の設定受付部14から送信されてくるデータの受信や、外部刺激センサ30から送信されてくる臭気センサ31や音センサ32での検知データの受信や、生体センサ40から送信されてくる心電図波形データの受信が可能となるように構成されている。
データ受付部50で受信したデータは、環境設備制御装置100の各部において参照可能となっている。
(2−2)把握部60
把握部60は、外部刺激把握部61、現状覚醒度把握部62等を有しており、1または複数のCPUやRAM等によって構成されている。
外部刺激把握部61は、外部刺激センサ30からデータ受付部50が受信する臭気センサ31の検知データおよび音センサ32の検知データを把握する。すなわち、外部刺激把握部61は、臭気センサ31や音センサ32が検知する室内の現状の臭気や音のデータを把握する。
現状覚醒度把握部62は、生体センサ40からデータ受付部50が受信する対象者の心電図波形センサ41の検出内容に基づいて、後述する記憶部70に格納されている心電図覚醒度対比データ部71を参酌することにより、対象者の現状の覚醒度を把握する。なお、現状覚醒度把握部62は、把握した対象者の現状の覚醒度を、後述する記憶部70の覚醒度履歴データ部72に覚醒度の履歴データとして格納させていく。
(2−3)記憶部70
記憶部70は、心電図覚醒度対比データ部71、覚醒度履歴データ部72、外部刺激判断基準データ部73、覚醒度変化判断基準データ部74、外部刺激打ち消し対応データ部75等を有しており、1または複数のROMやRAM等によって構成されている。
心電図覚醒度対比データ部71は、上述したように、生体センサ40における心電図波形センサ41の検出内容から、推定される覚醒度を把握するためのデータが予め格納されている。心電図波形と覚醒度との関係は公知の事項に基づいて定められている。例えば、心電図波形センサ41から把握される心電図波形に対応する覚醒度を、予め格納されている心電図波形と覚醒度との関係データを参照して特定することで、対象者の覚醒度を把握するようにしてもよい。
覚醒度履歴データ部72は、対象者の覚醒度の履歴データが格納されている。覚醒度履歴データ部72は、上述したように、現状覚醒度把握部62が把握した対象者の現状の覚醒度が、現状覚醒度把握部62によって逐次記録されていくことで、覚醒度の履歴データが格納された状態となっている。
外部刺激判断基準データ部73は、後述する打ち消し制御を行うための所定の外部刺激程度条件の判断において用いられる判断基準となる情報が格納されている。このように、外部刺激程度条件を設けることにより、外部刺激把握部61が把握した外部刺激のうち、程度の小さな刺激については、外部刺激程度条件を満たさないと判断して、打ち消し制御が行われないようにしている。
覚醒度変化判断基準データ部74は、後述する打ち消し制御を行うための所定の覚醒度変化程度条件の判断において用いられる判断基準となる情報が格納されている。このように、対象者の覚醒度変化程度条件を設けることにより、対象者の覚醒度の変化が小さいような場合には、覚醒度変化程度条件を満たさないと判断して、打ち消し制御が行われないようにしている。
外部刺激打ち消し対応データ部75は、外部刺激の種類毎に、対象者が受ける影響を抑制させるための打ち消し制御で用いる環境設備の情報が、対応付けられて格納されている。本実施形態では、対象者が音に関する刺激を受けていると想定される場合には環境設備のうちの空気調和装置10を用いた温度制御により打ち消し制御を行うこと、および、対象者が臭気に関する刺激を受けていると想定される場合には環境設備のうちの照明装置20を用いた照度制御により打ち消し制御を行うこと、がそれぞれ格納されている。また、外部刺激打ち消し対応データ部75には、さらに、空気調和装置10を用いた温度制御により打ち消し制御を行う場合について、外部刺激程度条件を満たした時点における覚醒度の単位時間当たりの上昇量が大きいほど、空気調和装置10における設定温度の変更幅が大きくなるように(例えば、空気調和装置10が暖房運転を行っている状況において、比較的大きな騒音により対象者が過剰に覚醒しそうな場合には、設定温度の上昇幅が大きくなるように)、覚醒度の単位時間当たりの上昇量と設定温度の変更幅との関係が格納されている。また、同様に、外部刺激打ち消し対応データ部75には、照明装置20を用いた照度制御により打ち消し制御を行う場合について、外部刺激程度条件を満たした時点における覚醒度の単位時間当たりの上昇量が大きいほど、照明装置20における設定照度の変更幅が大きくなるように(例えば、比較的強い臭気により対象者が過剰に覚醒しそうな場合には、設定照度の下降幅が大きくなるように)、覚醒度の単位時間当たりの上昇量と設定照度の下降幅との関係が格納されている。
(2−4)制御特定部80
制御特定部80は、記憶部70の外部刺激打ち消し対応データ部75に格納されているデータに基づいて、打ち消し制御の具体的内容の特定を行うものであり、1または複数のCPU、RAM等を有して構成されている。
(2−5)制御実行部90
制御実行部90は、上述したように制御特定部80で特定された打ち消し制御を実行させるものであり、1または複数のCPUやRAM等によって構成されている。具体的には、制御実行部90は、制御特定部80において特定された打ち消し制御の内容を、環境設備制御システム1の環境設備である空気調和装置10および照明装置20に対して送信することで、空気調和装置10および照明装置20において当該打ち消し制御を実行させる。
(3)環境設備制御装置100による処理
図3に、環境設備制御装置100による処理のフローチャートを示す。
ここでは、打ち消し制御が行われる前の状態から、すなわち、空気調和装置10および照明装置20がそれぞれ設定された設定温度および設定照度で制御されている状態から、打ち消し制御開始条件を満たすことで、すなわち、外部刺激程度条件および覚醒度変化程度条件をいずれも満たすことで、打ち消し制御が開始される場合について説明する。
ステップS10では、制御特定部80が、外部刺激程度条件が満たされているか否かを判断する。具体的には、外部刺激把握部61が把握している現状の臭気成分の濃度や音量が、外部刺激判断基準データ部73に格納されている外部刺激程度条件を満たしているか否か、具体的には、臭気成分の濃度が所定濃度以上となっているか否かおよび音量が所定値以上になっているか否かを判断する。ここで、臭気成分の濃度が所定濃度以上となるか、音量が所定値以上となることにより、対象者が大きな外部刺激を受けていると想定される場合には、外部刺激程度条件が満たされていると判断されることになる。ここで、外部刺激程度条件が満たされていると判断された場合には、ステップS11に移行する。このように、外部刺激程度条件が満たされていると判断されるまでは、空気調和装置10および照明装置20をそれぞれの設定温度および設定照度で制御する状態を継続させる。
ステップS11では、制御特定部80が、対象者の覚醒度について、覚醒度変化程度条件が満たされているか否かを判断する。具体的には、制御特定部80は、まず、覚醒度履歴データ部72に格納されている対象者の覚醒度の履歴データを参照することで、ステップS10において対象者が大きな外部刺激を受けていると想定される時点における対象者の覚醒度の単位時間当たりの変化量(本実施形態では、単位時間当たりの覚醒度の上昇量)を把握する。そして、把握した覚醒度の単位時間当たりの上昇量が、覚醒度変化判断基準データ部74に格納されている覚醒度変化程度条件を満たしているか否か、具体的には、把握した覚醒度の単位時間当たりの上昇量が所定値以上になっているか否かを判断する。ここで、把握した覚醒度の単位時間当たりの上昇量が所定値以上になっている場合には、覚醒度変化程度条件が満たされていると判断されることになる。ここで、覚醒度変化程度条件が満たされていると判断された場合には、ステップS12に移行する。覚醒度変化程度条件が満たされていると判断されない場合には、ステップS10に戻り、空気調和装置10および照明装置20をそれぞれの設定温度および設定照度で制御する状態を継続させる。
ステップS12では、制御特定部80が、外部刺激打ち消し対応データ部75に格納されているデータに基づいて、打ち消し制御の具体的内容を特定する。具体的には、制御特定部80は、外部刺激打ち消し対応データ部75に格納されたデータを参照することで、ステップS10において外部刺激程度条件を満たすこととなった外部刺激の種類に応じて、打ち消し制御において用いる環境設備の種類を特定する。すなわち、ステップS10において音量が所定値以上となることにより外部刺激程度条件が満たされた場合には、打ち消し制御において用いる環境設備として空気調和装置10を特定し、臭気成分の濃度が所定濃度以上となることにより外部刺激程度条件が満たされた場合には、打ち消し制御において用いる環境設備として照明装置20を特定する。そして、制御特定部80は、外部刺激打ち消し対応データ部75に格納されたデータを参照することで、外部刺激程度条件を満たした時点における覚醒度の単位時間当たりの上昇量に応じた、空気調和装置10における設定温度の上昇幅、又は、照明装置20における設定照度の下降幅を、打ち消し制御の内容として特定する。以上のようにして、打ち消し制御の具体的内容が特定されると、ステップS13に移行する。
ステップS13では、制御実行部90が、制御特定部80において特定された打ち消し制御の内容を、環境設備制御システム1の環境設備である空気調和装置10および照明装置20に対して送信することで、空気調和装置10および照明装置20において当該打ち消し制御を実行させる。
ステップS14では、制御実行部90が、ステップS10で満たされた外部刺激程度条件が満たされなくなっているか否かを判断する。すなわち、ステップS10において臭気成分の濃度が所定濃度以上となることで外部刺激程度条件が満たされていた場合には、臭気成分の濃度が所定濃度未満となったか否かを判断し、ステップS10において音量が所定値以上となることで外部刺激程度条件が満たされていた場合には、音量が所定値未満になっているか否かを判断する。ここで、外部刺激程度条件が満たされなくなっている場合には、ステップS15に移行する。なお、外部刺激程度条件が満たされたままの状態である場合には、打ち消し制御を継続させる。
ステップS15では、制御実行部90が、打ち消し制御を終了させ、打ち消し制御が行われる前の設定温度や設定照度によって空気調和装置10および照明装置20の制御を再開させる。
(4)実施形態の特徴
(4−1)
環境設備制御システムが備える環境設備により制御可能な環境刺激に関する変化であれば、当該環境設備の制御により、対象者が望む環境を実現することができる。例えば、空気調和装置10については、室内の気温が設定温度となるように空調制御が行われるが、室内の温度が意図せず上昇することで、対象者が意図しない環境刺激を受けることになっても、空気調和装置10が室内の気温を設定温度に維持させるように制御を行う。また、例えば、照明装置20については、室内の照度が設定照度となるように照度制御が行われるが、天候の変化等により日差しがきつくなりすぎて、対象者が意図しない環境刺激を受けることになっても、照明装置20が室内の照度を設定照度に維持させるように制御を行う。このようにして、環境設備制御システムが備える環境設備により制御可能な環境刺激に関する変化が生じたとしても、当該環境設備によって当該環境刺激の変化を無くするように環境を制御することができる。
これに対して、環境設備制御システム1が備える環境設備により制御可能な環境刺激以外の刺激である意図しない外部刺激が生じた場合には、当該環境設備の制御によって当該環境刺激を無くするように環境を制御することは不可能である。このため、室内に存在する対象者は、当該意図しない外部刺激によって、過剰に緊張した状態やイライラした状態になる等、覚醒度が過剰に上昇してしまう(過覚醒の状態となる)等の不都合が生じうる。
これに対して、本実施形態の環境設備制御装置100は、環境設備制御システム1が備える環境設備である空気調和装置10による温度変化の刺激や照明装置20による照度変化の刺激以外の刺激である意図しない外部刺激(上記例では、音や臭いによる刺激)が生じた場合であっても、空気調和装置10の設定温度を変える又は照明装置20の設定照度を変える等の打ち消し制御を行うことで、対象者の覚醒度が過剰に上昇してしまうことで集中力が低下することを抑制させている。
このように、環境設備の制御によって外部刺激自体を無くすることができない場合であっても、外部刺激による覚醒度の上昇程度を小さく抑えることが可能になり、意図しない外部刺激が生じた場合であっても、対象者が過覚醒となってしまうことを防ぐことにより、集中が低下してしまうことを回避することで、対象者の作業効率を高く維持することが可能になっている。
(4−2)
本実施形態の環境設備制御装置100は、環境設備制御システム1が環境設備を複数種類(空気調和装置10および照明装置20)備えており、対象者が受けていると想定される刺激の種類に応じて、当該刺激による影響を効率的に抑制できるとして予め定められた種類の環境設備を制御することで打ち消し制御を行う。
このため、対象者の覚醒度が外部刺激によって変化してしまう程度を、環境設備が一種類しか設けられていない場合と比較して、より小さく抑えることが可能になっている。
(4−3)
本実施形態の環境設備制御装置100は、外部刺激把握部61が把握した全ての外部刺激について、打ち消し制御を実行するのではなく、外部刺激把握部61が把握した外部刺激の程度が外部刺激程度条件を満たす場合にのみ、打ち消し制御を実行可能な状態としている。このため、打ち消し制御が必要以上に行われることで設定温度や設定照度から外れた温度や照度となる状況をできるだけ少なく抑えることが可能になっている。
さらに、環境設備制御装置100は、外部刺激把握部61が把握した外部刺激の程度が外部刺激程度条件を満たす場合であっても、当該外部刺激によって実際に対象者の覚醒度が過剰に上昇してしまっている場合でなければ(さらに覚醒度変化程度条件を満たさなければ)、打ち消し制御を実行しない。このため、対象者に必要となる場合に限って打ち消し制御を行うことで、設定温度や設定照度から外れた温度や照度となる状況を、さらに少なく抑えることが可能になっている。
(4−4)
本実施形態の環境設備制御装置100は、外部刺激程度条件を満たし、覚醒度変化程度条件を満たすことで、打ち消し制御を開始するため、外部刺激程度条件や覚醒度変化程度条件の設定程度を適宜調整することで、対象者の覚醒度が過度に上昇してしまう前に打ち消し制御を開始させることが可能になっている。これにより、対象者の覚醒度が過度に上昇してしまうことを抑制することが可能になっている。
(5)変形例
(5−1)変形例A
上記実施形態の環境設備制御装置100では、現状覚醒度把握部62によって対象者の覚醒度を把握し、覚醒度履歴データ部72において覚醒度の履歴データを残すことで、覚醒度変化程度条件を判断可能とし、当該覚醒度変化程度条件を満たした場合にのみ打ち消し制御を行う場合について例に挙げて説明した。
しかし、例えば、環境設備制御装置100では、対象者の覚醒度を把握することなく、外部刺激把握部61において把握した外部刺激の程度が、所定の外部刺激程度条件を満たした場合には、対象者の覚醒度が過剰に上昇しているはずであると推定し、外部刺激の程度に応じた空気調和装置10や照明装置20の制御を行うことで、対象者の覚醒度の過剰な上昇を抑制させるようにしてもよい。
この場合には、例えば、外部刺激打ち消し対応データ部75において、外部刺激把握部61が把握している音量が大きいほど、空気調和装置10における設定温度の上昇幅が大きくなるように、音量と設定温度の上昇幅との関係を格納しておき、外部刺激把握部61が把握している臭気成分の濃度の大きさが大きいほど、照明装置20における設定照度の下降幅が大きくなるように、臭気成分の濃度と設定照度の下降幅との関係が格納しておくようにしてもよい。
(5−2)変形例B
上記実施形態の環境設備制御装置100では、意図しない外部刺激によって対象者の覚醒度が過剰に上がること(過覚醒の状態となること)を避けるために、対象者の覚醒度を適切な覚醒度まで下げるために打ち消し制御を行うことで、対象者が過覚醒となることで集中力が低下して作業効率が低下してしまうことを抑制させる場合を例に挙げて説明した。
これに対して、環境設備制御装置100としては、対象者の覚醒度を下げて適切な覚醒度の状態に移行させるための打ち消し制御だけでなく、外部刺激により対象者の覚醒度が低下した場合に適切な覚醒度となるよう覚醒度を上げる打ち消し制御を行うようにしてもよい。また、適切な覚醒度に移行させるための打ち消し制御に、覚醒度を上げる制御と覚醒度を下げる制御との両方を含ませておき、対象者の覚醒度の状態に応じて制御を選択して実行するようにしてもよい。
例えば、外部刺激により対象者の覚醒度が低下する場合に適切な覚醒度となるよう覚醒度を上げる打ち消し制御は、以下に述べるようにして用いることができる。
図4に、本変形例に係る環境設備制御装置100が用いられる環境設備制御システム1aの全体の概略構成図の例を示す。
環境設備制御システム1aでは、上記実施形態における環境設備制御システム1において、外部刺激センサ30において臭気センサ31や音センサ32が設けられていることに代えて、振動センサ33が用いられており、照明装置20が制御対象として含まれていない。
このような環境設備制御システム1aは、例えば、自動車や電車等の車両の内部空間を対象空間として環境制御する場合に用いることができる。この場合、環境設備制御装置100としては、車両の移動に伴い生じる振動を外部刺激として把握することで、車両に乗車している対象者の覚醒度が低下する場合に、外部刺激による当該対象者の覚醒度の低下を抑制させるために、覚醒度を上昇させるような打ち消し制御を実行させることができる。ここで、環境設備制御装置100自体の概略構成や、打ち消し制御の概略フローは、上記実施形態において図2、3において示したものと概ね一致するため、これらの図示は省略する。
環境設備制御システム1aにおける空気調和装置10は、車両に備え付けられており、車両内の温度を制御することが可能になっている。
外部刺激センサ30に設けられた振動センサ33は、車両に取り付けられており、車両が移動することにより生じる振動を検出し、常時、環境設備制御装置100のデータ受付部50に対して送信する。
環境設備制御装置100の外部刺激把握部61は、外部刺激センサ30からデータ受付部50が受信した車両の振動のデータに基づいて、車両において生じている振動の大きさおよび振動の周期性から、予め定められた規則に従って眠気誘発度合いを把握する。当該眠気誘発度合いは、特に限定されず、例えば、大きすぎず小さすぎない所定の範囲内の振動が周期性を持って生じているほど高い値として把握されるように、予め定められた規則に従って把握することができる。
また、環境設備制御装置100の現状覚醒度把握部62は、上記実施形態と同様に、生体センサ40からデータ受付部50が受信した車両に乗車している対象者の心電図波形データから、記憶部70の心電図覚醒度対比データ部71に格納されている情報に基づいて、車両に乗車している対象者の現状の覚醒度を随時把握し、覚醒度履歴データ部72に格納させていく。
そして、環境設備制御装置100の外部刺激判断基準データ部73には、外部刺激把握部61が把握する眠気誘発度合いが、打ち消し制御の実行を必要としうるようなものであるか判断するための判断基準として、予め定められた外部刺激程度条件の情報が格納されている。
また、環境設備制御装置100の覚醒度変化判断基準データ部74には、外部刺激把握部61が把握する眠気誘発度合いが外部刺激程度条件を満たした時点における、覚醒度履歴データ部72から把握される対象者の覚醒度の単位時間当たりの下降程度が、打ち消し制御の実行を必要とする程度のものであるか判断するための判断基準として、予め定められた覚醒度変化程度条件の情報が格納されている。
そして、環境設備制御装置100の外部刺激打ち消し対応データ部75には、車両の振動により対象者の覚醒度が低下していると想定される場合には空気調和装置10を用いた温度制御により打ち消し制御を行うという対応データが格納されている。また、空気調和装置10を用いた温度制御により打ち消し制御を行う場合について、外部刺激程度条件を満たした時点における覚醒度の単位時間当たりの下降量が大きいほど、空気調和装置10における設定温度の変更幅が大きくなるように(例えば、振動により対象者の覚醒度が大きく低下しそうな状況であるほど、空気調和装置10の設定温度の低下幅が大きくなるように)、覚醒度の単位時間当たりの下降量と設定温度の変更幅との関係が格納されている。
以上のように構成された環境設備制御装置100において、上記実施形態における処理と同様に、制御特定部80において制御内容を特定させ、制御実行部90において当該特定された制御内容を実行させることで、周期的な振動等の外部刺激により対象者の覚醒度が低下する場合であっても、適切な覚醒度となるよう覚醒度を上げる打ち消し制御を実行させることが可能となる。これにより、覚醒度を低下させるような意図しない外部刺激についても、対象者への影響を小さく抑えることが可能になる。
(5−3)変形例C
上記実施形態の環境設備制御装置100では、複数の環境設備(空気調和装置10と照明装置20)の中から外部刺激の種類に応じた環境設備を選択して用いることで打ち消し制御を行う場合を例に挙げて説明した。
しかし、環境設備制御装置100が制御を行う環境設備は、複数でなくてもよく、例えば、1つのみの環境設備を用いて打ち消し制御を行うようにしてもよい。この場合には、外部刺激の種類に応じた効率的な覚醒度の調整は難しいものの、外部刺激による対象者の覚醒度の低下を小さく抑えることは可能である。
このように環境設備が1つのみである場合には、外部刺激の種類に応じて対応する打ち消し制御の内容を予め定めて、外部刺激打ち消し対応データ部75に格納しておくことになる。
(5−4)変形例D
上記実施形態の環境設備制御装置100では、複数の環境設備(空気調和装置10と照明装置20)の中から外部刺激の種類に応じた1つの環境設備を選択して用いることで打ち消し制御を行う場合を例に挙げて説明した。
しかし、複数の環境設備の制御を同時に組合せて打ち消し制御を行うようにしてもよい。例えば、上記実施形態における空気調和装置10の設定温度の変更と照明装置20における設定照度の変更とを同時に行うことで打ち消し制御を行うようにしてもよい。このように複数の環境設備を用いて打ち消し制御を行うことにより、1つの環境設備における設定の変更幅を小さく抑えることが可能になる。
このように複数の環境設備の制御を同時に組合せて打ち消し制御を行う場合には、外部刺激の種類に応じた制御組み合わせによる打ち消し制御の内容を予め定めて、外部刺激打ち消し対応データ部75に格納しておくことになる。
(5−5)変形例E
上記実施形態の環境設備制御装置100は、室内に存在する対象者が1人の場合であっても複数である場合においても用いることができる。このように室内に対象者が複数人存在する場合には、対象者の覚醒度の平均的な値を用いて上記実施形態と同様の処理を行うことができる。
(5−6)変形例F
上記実施形態では、生体センサ40としての心電図波形センサ41の検出内容に基づいて対象者の覚醒度を推定し、覚醒度変化程度条件の判断に用いる場合を例に挙げて説明した。
これに対して、外部刺激に起因する対象者の状態の変化を判断するための指標としては、覚醒度に限定されず、例えば、覚醒度以外の心身状態情報であってもよいし、生体状態情報であってもよい。
このうち、心身状態情報とは、対象者について測定して得られる心拍等の一次情報から推測される二次情報であり、例えば、覚醒度、集中度、緊張度、安静度、LF/HF等の自律神経バランスの指標等の情報が含まれる。これらの推測は、公知の測定装置を用いて得られる一次情報を基にして、公知の関係を当てはめることで行うことができる。なお、LF/HFとは、心拍のパターンまたは脈拍のパターンに基づいて算出される交感神経活動度指標をいう。
また、生体状態情報とは、測定装置を用いて対象者について測定して得られる一次情報であり、例えば、心拍、体温、発汗量、声等の情報が含まれる。これらの測定は、公知の測定装置を用いて行うことができる。なお、心拍については、例えば、単位時間当たりの心拍数やその変化の情報が挙げられる。また、声については、その音量、周波数の変化等の情報が挙げられる。
また、上記実施形態では、対象者の覚醒度を、対象者の心電図波形データから推測した場合を例に挙げて説明したが、例えば、対象者の呼吸の単位時間当たりの回数に基づいて覚醒度を推定するようにしてよいし、対象者の脳波に基づいて覚醒度を推定するようにしてもよく、心電図波形データ、呼吸の単位時間当たりの回数、脳波の組み合わせに基づいて覚醒度を推定するようにしてもよい。
(5−7)変形例G
上記実施形態では、複数種類の環境制御手段である環境設備として、温度制御を行う空気調和装置10と、温度制御とは種類の異なる照度制御を行う照明装置20と、を例に挙げて説明した。
しかし、複数種類の環境制御手段が、複数種類の装置によって構成されている必要はなく、例えば、まとまって構成された1つの装置である空気調和装置において、温度制御と湿度制御と風速制御とを実現可能な場合には、当該温度制御を1種の環境制御手段とし、当該湿度制御を別の1種の環境制御手段とし、当該風速制御をさらに別の一種の環境制御手段として扱ってもよい。
この場合には、例えば、外部刺激の種類や対象者の外部刺激による覚醒度の変化程度に応じて、設定温度や、設定湿度や、設定風速を変化させることで打ち消し制御を行うようにしてもよい。
(5−8)変形例H
上記実施形態では、環境制御手段である環境設備として、温度制御を行う空気調和装置10や照度制御を行う照明装置20を例に挙げて説明した。
しかし、環境制御手段である環境設備としては、これに限定されるものではない。
例えば、環境制御手段である環境設備として、対象者が存在している室内の湿度を調整可能な湿度装置を用いるようにしてもよい。なお、湿度装置は、温度制御を行う空気調和装置において一体的に備えられていてもよい。当該湿度装置によれば、例えば、湿度センサによって室内の湿度を検知しつつ、当該湿度を見ながら室内の湿度を調整し、対象者の覚醒度等を変化させることができる。例えば、不快な臭気によって対象者の覚醒度が上昇した場合に、室内の湿度が低下するように湿度装置を制御することによって、室内の壁材やカーテン等に付着している臭気成分の分子の脱離を抑制し、臭気成分の分子がより拡散しやすい環境とすることで、臭気成分の濃度が高い箇所を短時間で無くすことができ、臭気成分自体を低減させることで対象者への刺激を低減させることができる。また、例えば、照明装置が設けられていない部屋や照明装置の電源がOFFされている場合等において、曇天になることで室内の照度が低下し、対象者の眠気が増大した場合に、室内の湿度が低下するように湿度装置を制御することによって、対象者の眠気を抑制させることができる。
また、環境制御手段である環境設備として、対象者の周囲の風速を調整可能な風速装置を用いるようにしてもよい。なお、風速装置は、温度制御を行う空気調和装置において一体的に備えられていてもよい。例えば、オフィス等において隣人の話声に気を取られることで対象者が刺激を受けている場合には、対象者の周囲の風速が増大するように風速装置を制御することで、話声の音に風の音を重ねて、対象者が話声の内容を聞き取ることが難しい状況にするようにしてもよい。なお、ここで、話声と他の音との区別は、特に限られず、公知の音声認識ソフトウェアを用いて外部刺激把握部61が把握できるようにしてもよい。また、例えば、照明装置が設けられていない部屋や照明装置の電源がOFFされている場合等において、曇天になることで室内の照度が低下し、対象者の眠気が増大した場合に、対象者の周囲の風速を増大させるように風速装置を制御することによって、対象者の交換神経を優位にし、眠気を抑制させるようにしてもよい。
また、環境制御手段である環境設備として、対象者が存在している室内の色温度を変更させることができる照明装置を用いるようにしてもよい。当該色温度を調整できる照明装置によれば、室内の色温度を変更させる制御を行うことで、対象者の覚醒度等の状態を変化させることができる。例えば、空気調和装置が設けられていない部屋や空気調和装置の電源がOFFされている場合等において、室内の温度が上がることで対象者が暑く感じている場合に、色温度の高い白色等の色の光を照射させて対象者に涼しく感じさせ、室内の温度が下がることで対象者が寒く感じている場合に、色温度の低い黄色や昼光色や電球色等の色の光を照射させて対象者に暖かみを感じさせるようにしてもよい。なお、照明装置としては、光束を調整可能なものや、光度を調整可能なものや、輝度を調整可能なものであってもよい。また、寝室において音量または音圧が小さすぎる状態が所定持続時間以上続いていることで、対象者が静かすぎて眠れないと感じる刺激を受けている場合には、室内の照度を上げるように照明装置を制御することで、対象者の静かすぎることへの意識の集中を拡散させ、静かすぎることを感じにくくさせるようにしてもよい。さらに、寝室において音量または音圧が小さすぎる状態が所定持続時間以上続いていることで、対象者が静かすぎて眠れないと感じる刺激を受けている場合に、室内の色温度が下がるように照明装置を制御して、対象者の副交感神経を優位にさせることで、眠気を生じさせるようにしてもよい。
また、環境制御手段である環境設備として、対象者が存在している室内の換気を行うことにより室内の二酸化炭素濃度を調整可能な換気装置を用いるようにしてもよい。当該換気装置によれば、例えば、二酸化炭素濃度センサによって室内の二酸化炭素濃度を検知しつつ、当該検知濃度を見ながら換気量を制御することで、室内の二酸化炭素濃度を調整し、対象者の覚醒度を変化させることができる。例えば、不快な臭気によって対象者の覚醒度が上昇した場合に、二酸化炭素濃度が低下するように換気装置を用いた換気を行うことで、対象者の過覚醒を抑制させることができる。
また、環境制御手段である環境設備として、対象者が存在している室内の臭気成分の濃度を低下させることが可能な消臭装置を用いるようにしてもよい。当該消臭装置によれば、例えば、臭気濃度センサによって室内の臭気成分の濃度を検知しつつ、当該検知濃度を見ながら噴霧させる消臭剤や吸着剤の量を制御することで、室内の臭気成分の濃度を調整し、対象者の覚醒度を変化させることができる。例えば、空気調和装置等に設けた湿度センサから把握される湿度が所定値よりも高くなることで対象者の覚醒度が上昇した場合に、臭気成分の濃度が高い環境下であれば、消臭装置から消臭剤等を噴霧させる制御を行うことで、対象者の過覚醒を抑制させることができる。
また、環境制御手段である環境設備として、対象者が存在している室内に対して所定の芳香成分を噴霧することで対象者に香を提供することが可能なアロマディフューザのような芳香装置を用いるようにしてもよい。また、芳香装置としては、対象者の覚醒度を上昇させる目的や低下させる目的等に応じて、複数種類の芳香成分を噴霧することができるものが好ましい。芳香装置によれば、例えば、芳香成分濃度センサによって室内の芳香成分の濃度を検知しつつ、当該芳香濃度を見ながら噴霧させる芳香成分の量を制御することで、室内の芳香成分の濃度を調整し、対象者の覚醒度等の状態を変化させることができる。例えば、温度が所定値よりも高い場合には、芳香装置に備えさせた芳香成分であるメントール等を噴霧させることにより、対象者にさわやかさを感じさせることで、温度が高いことによって対象者が感じる不快感を緩和させ、温度が所定値よりも低い場合には、芳香装置に備えさせた芳香成分であるシナモンやバニラ等を噴霧させることにより、対象者に暖かみを感じさせることで、温度が低いことによって対象者が感じる不快感を緩和させるようにしてもよい。空気調和装置等に設けた湿度センサから把握される湿度が所定値よりも高い場合には、芳香装置に備えさせた芳香成分であるメントール等を噴霧させることにより、対象者にさわやかさを感じさせることで、湿度が高いことによって対象者が感じる不快感を緩和させるようにしてもよい。さらに、音センサによって騒音(大きな音量、大きな音圧、不快な周波数の音)が検知される場合には、芳香装置に備えさせたリラックス効果のある芳香成分であるラベンダー等を噴霧させることにより、対象者の騒音等の感じ方を緩和させるようにしてもよい。
また、環境制御手段である環境設備として、対象者が存在している室内の音環境を変化させることが可能な音響装置を用いるようにしてもよい。当該音響装置によれば、例えば、予め設けられたアップテンポな音楽とスローテンポな音楽とを選択的に流すことによって、対象者の覚醒度を変化させることができる。例えば、空気調和装置が設けられていない部屋や空気調和装置の電源がOFFされている場合等のように、室内の温度が上がることで対象者の覚醒度が低下した場合に、予め格納されたアップテンポな音楽のデータを出力して流すように音響装置を制御することで、対象者の覚醒を上昇させることができる。また、室内の湿度および温度が所定値よりも高いことで対象者の覚醒度が上がって過覚醒となっている場合に、予め格納された南国風の音楽データを出力して流すように音響装置を制御することによって、高温多湿の環境と音楽とを整合させるとともにリラックスさせ、対象者の覚醒度を低下させ、過覚醒を抑制させることができる。また、例えば、室内の温度が高いことで対象者が刺激を受けている場合において、予め格納させた涼しく感じさせる音源(風鈴の音)のデータ等を用いた出力を行うように音響装置を制御することで、対象者が暑いと感じる度合いを抑制させるようにしてもよい。さらに、オフィス等において隣人の話声に気を取られることで対象者が刺激を受けている場合には、予め格納された環境音や空調音のデータを出力して流すように音響装置を制御することで、話声の音に環境音等を重ねることで、対象者が話声の内容を聞き取ることが難しい状況にするようにしてもよい。
また、環境制御手段である環境設備としては、輻射熱によって対象者自体を暖めるような輻射熱を調節する装置であってもよい。輻射熱を調節する装置としては、赤外線ヒータ等が挙げられる。この輻射熱を調節する装置では、輻射熱によって対象者を直接暖めることで、空気調和装置により対象者の周囲の空気温度を上昇させて打ち消し制御を行うことと同様の効果が得られる。
(5−9)変形例I
上記実施形態では、打ち消し制御によって対象者の覚醒度の過剰な上昇を抑制するために、空気調和装置10の設定温度を上げることや、照明装置20の設定照度を下げることを、予め定めた場合を例に挙げて説明した。
これに対して、例えば、環境設備による制御内容の種類に応じた対象者の覚醒度の変化の傾向や度合いを予め調べる等して環境設備制御装置100において把握させておき、打ち消し制御を実行する際には、外部刺激による影響を抑制させるように対象者の覚醒度を変化させることができる制御として環境設備制御装置100が把握している制御のみを実行するようにしてもよい。例えば、外部刺激としての騒音に対して照明装置20の設定照度を低下させる制御が有効であることが明らかになっている対象者に対しては、当該外部刺激と当該制御との組み合わせを環境設備制御装置100の外部刺激打ち消し対応データ部75に予め格納しておくことができる。
これにより、環境設備の制御の種類に応じた対象者の覚醒度の正確な傾向を利用することが可能になり、より確実に外部刺激による影響を抑制することが可能になる。
(5−10)変形例J
上記実施形態では、音センサ32が検知した所定値以上の音量について外部刺激とする場合を例に挙げて説明した。
これに対して、音センサ32が検知する音の周波数が所定の不快な周波数を含むものである場合に外部刺激とするようにしてもよい。さらに、所定の不快な周波数を含む音の音量が所定値以上である場合に外部刺激として扱うようにしてもよい。また、音センサ32が検知する音圧(dB)が所定値を超えた場合に外部刺激とするようにしてもよい。さらには、音センサ32が検知する音の音量または音圧(dB)が所定値よりも小さい状態が所定継続時間以上持続した場合に、静かすぎる状況が対象者に与える刺激として把握して、当該刺激を打ち消すまたは和らげるような制御を行うようにしてもよい。
(5−11)変形例K
上記実施形態では、照明装置を用いた打ち消し制御において、対象者が臭気に関する刺激を受けている場合に照度を下降させる制御を行うことで、対象者が過剰に覚醒することを抑制させる制御を例に挙げて説明した。
これに対して、照度を制御する照明装置を用いた打ち消し制御としては、照度を下降させることで臭気を打ち消す打ち消し制御に限られず、例えば、照度を高めるように変化させることで対象者の意識を分散させ(臭気により不快に感じる意識を分散させ)、対象者が臭気を感じる感度を低下させることで打ち消す制御であってもよい。また、照明装置がOFFされており室内が暗い状況において異音が生じることで対象者が受ける刺激を、照度を僅かに高めるように照明装置を制御することで、対象者が異音が気になる程度を小さく抑えることで打ち消す制御であってもよい。
(5−12)変形例L
上記実施形態では、室内の温度を制御する空気調和装置を用いた打ち消し制御において、対象者が音に関する刺激を受けている場合に、室内の温度を上昇させるように制御を行うことで、対象者が過剰に覚醒することを抑制させる制御を例に挙げて説明した。
これに対して、温度を制御する空気調和装置を用いた打ち消し制御としては、温度を上昇させることで音による刺激を打ち消す打ち消し制御に限られず、例えば、対象者が臭気に関する刺激を受けている場合に、室内の温度を低下させるように空気調和装置を制御することで、対象者が臭気を感じにくいようにするという打ち消し制御であってもよい。また、対象者がラベンダーのような眠気を誘う香による刺激を受けている場合に、室内の温度を低下させるように空気調和装置を制御することで、対象者の交感神経を活発にするという打ち消し制御であってもよい。さらに、講演や会議中において話者の話しぶりが対象者の眠気を誘うようなトーンであるために対象者が刺激を受けている場合には、室内の温度を低下させるように空気調和装置を制御することで、対象者の交感神経を活発にするという打ち消し制御であってもよい。なお、ここで、話者の話しぶりが眠気を誘うものであるか否かの検出判断手法は、特に限定されず、例えば、音センサが検知する音が所定の正弦波に近く、音量または音圧の単位時間当たりの変化が所定値以内である、という状態が所定持続時間以上続いた場合に、眠気を誘うものであると判断する(例えば、外部刺激把握部61等が判断する)ようにしてもよい。さらに、オフィスや寝室において音量または音圧が小さすぎる状態が所定持続時間以上続いていることで、対象者が静かすぎると感じる刺激を受けている場合には、室内の温度を上昇させるように空気調和装置を制御することで、対象者の副交感神経を優位にさせるという打ち消し制御であってもよい。また、例えば、照明装置が設けられていない部屋や照明装置の電源がOFFされている場合等において、曇天になることで室内の照度が低下し、対象者の眠気が増大した場合に、室内の温度が低下するように空気調和装置を制御することによって、対象者の眠気を抑制させるという打ち消し制御であってもよい。
(5−13)変形例M
上記実施形態および変形例では、音や臭い等の外部刺激を打ち消すための環境設備の制御内容が予め定められている場合を例に挙げて説明した。
ここで、対象者が受けている外部刺激が同じ種類であったとしても、対象者が置かれている状況に応じて、当該外部刺激が対象者に与える影響の程度が異なることが考えられる。例えば、話声の音の刺激を対象者が受けている場合であっても、対象者が集中して何かの作業を行おうとしている状況である場合と、対象者が寝ようとしている状況である場合とでは、話声の音の刺激が対象者に与える影響を和らげなければならない程度が異なる場合がある。このため、同じ刺激であっても、対象者が置かれている状況や目的に応じて、環境設備の制御の程度を違えるようにしてもよい。このような対象者が置かれている状況や目的としては、特に限定されず、例えば、集中しようとしている状況、寝ようとしている状況、リラックスしようとしている状況等が挙げられる。このような対象者が置かれている状況や目的を環境設備制御システム1において把握するための手法についても、特に限定されず、例えば、空調コントローラ13の設定受付部14が対象者からの入力を受け付けることが可能となるように構成されていてもよいし、環境設備制御装置100のデータ受付部50等が対象者からの入力を受け付けることが可能となるように構成されていてもよい。そして、環境設備制御装置100の記憶部70の外部刺激打ち消し対応データ部75において、さらに対象者が置かれている状況や目的毎に対応させた打ち消し制御が予め格納されており、環境設備制御装置100の制御特定部80が外部刺激打ち消し対応データ部75の当該データに基づいて打ち消し制御の具体的内容を特定するようにしてもよい。
なお、対象者が置かれている状況や目的毎に対応させた打ち消し制御を、外部刺激打ち消し対応データ部75において予め格納しておく代わりに、外部刺激打ち消し対応データ部75には、例えば、図5の表に示すように、環境設備制御システム1が備える複数種類の環境設備を用いた複数種類の打ち消し制御の候補毎に対象者に与えることができる効果(対象者が受ける外部刺激の種類毎で、対象者が置かれている状況や目的毎である、打ち消し制御の候補毎の効果)を格納させておいてもよい。この場合には、環境設備制御装置100の制御特定部80が、外部刺激打ち消し対応データ部75に格納されている、対象者が現在受けている外部刺激について対象者が置かれている状況や目的毎に格納されている効果のうち、対象者が現在受けている外部刺激を打ち消すために最も効果的である、打ち消し制御を選択して特定するようにしてもよい。さらに、対象者が受けている外部刺激毎であって対象者が置かれている状況や目的毎における打ち消し制御での刺激毎の効果を、対象者の個人毎に特定したデータを外部刺激打ち消し対応データ部75において予め格納しておくことが好ましい。
例えば、図5の表に示すように、対象者Aが集中して作業をしようとしている状況下において、話声(60dB)が外部刺激として聞こえてきている状況では、対象者Aについて、+10の程度で過剰に覚醒してしまう状況であるとする(ここで、+は覚醒の程度を、−は眠気の程度を示す。)。この状況に対して、空気調和装置を用いて設定温度を−1℃とする打ち消し制御(制御候補a)を対象者Aに対して行ったとした場合に得られる効果(対象者Aの覚醒度の変化は0)と、空気調和装置を用いて設定温度を+1℃とする打ち消し制御(制御候補b)を対象者Aに対して行ったとした場合に得られる効果(対象者Aの覚醒度の変化は−2)と、照明装置を用いて設定照度を−50lxとする打ち消し制御(制御候補c)を対象者Aに対して行ったとした場合に得られる効果(対象者Aの覚醒度の変化は−1)と、照明装置を用いて設定照度を+50lxとする打ち消し制御(制御候補d)を対象者Aに対して行ったとした場合に得られる効果(対象者Aの覚醒度の変化は0)と、音響装置を用いて所定の環境音楽を流す打ち消し制御(制御候補e)を対象者Aに対して行ったとした場合に得られる効果(対象者Aの覚醒度の変化は−10)と、が予め外部刺激打ち消し対応データ部75に格納されていることになる。そして、環境設備制御装置100の制御特定部80は、対象者Aが現在受けている外部刺激(60dBの話声)であって対象者Aが置かれている状況や目的(集中)に対して、最も効果的に外部刺激を打ち消すことができる打ち消し制御を、外部刺激打ち消し対応データ部75のデータを参照することで、音響装置を用いて所定の環境音楽を流す打ち消し制御(制御候補e)であると特定できることになる。
なお、この場合において、外部刺激としては、同じ音に関する刺激であったとしても、例えば、図5の表に示すように、上記の話声(60dB)による刺激と、静かすぎる環境(20dB以下)が続いていることにより受ける刺激と、を別の刺激として扱うようにしてもよい。すなわち、これらの区別される刺激毎であって、対象者毎であって、当該対象者が置かれている状況や目的毎の、複数種類の打ち消し制御の候補が示されたテーブルを、外部刺激打ち消し対応データ部75に格納させておくようにしてもよい。具体的には、対象者Aが集中して作業をしようとしている状況下において、静かすぎる環境(20dB以下)が続いていることにより外部刺激を対象者Aが受けている状況では、対象者Aについて、+5の程度で過剰に覚醒してしまう状況であるとする。この状況に対して、空気調和装置を用いて設定温度を−1℃とする打ち消し制御(制御候補a)を対象者Aに対して行ったとした場合に得られる効果(対象者Aの覚醒度の変化は0)と、空気調和装置を用いて設定温度を+1℃とする打ち消し制御(制御候補b)を対象者Aに対して行ったとした場合に得られる効果(対象者Aの覚醒度の変化は−2)と、照明装置を用いて設定照度を−50lxとする打ち消し制御(制御候補c)を対象者Aに対して行ったとした場合に得られる効果(対象者Aの覚醒度の変化は0)と、照明装置を用いて設定照度を+50lxとする打ち消し制御(制御候補d)を対象者Aに対して行ったとした場合に得られる効果(対象者Aの覚醒度の変化は−2)と、音響装置を用いて所定の環境音楽を流す打ち消し制御(制御候補e)を対象者Aに対して行ったとした場合に得られる効果(対象者Aの覚醒度の変化は−5)と、が予め外部刺激打ち消し対応データ部75に格納されていることになる。そして、環境設備制御装置100の制御特定部80は、対象者Aが現在受けている外部刺激(静かすぎる環境(20dB以下)が続いていることにより外部刺激)であって対象者Aが置かれている状況や目的(集中)に対して、最も効果的に外部刺激を打ち消すことができる打ち消し制御を、外部刺激打ち消し対応データ部75のデータを参照することで、音響装置を用いて所定の環境音楽を流す打ち消し制御(制御候補e)であると特定できることになる。
また、打ち消し制御を行って環境設備を制御することにより対象者に与えられる刺激による対象者への効果は、同じ刺激を繰り返して受けることによって、弱まっていく傾向がある。したがって、環境設備制御装置100の制御特定部80は、対象者に対して同じ環境設備を用いた刺激が与えられた頻度や程度に基づいて、上述の効果が小さくなるように外部刺激打ち消し対応データ部75のデータを修正しながら、打ち消し制御の選択を行うようにすることが好ましい。例えば、図5の表に示すように、外部刺激を受けた時点から初期の時期(外部刺激後0〜10分)の間の打ち消し制御により得られる効果と、外部刺激を受けた時点から所定時間が経過した後の時期(外部刺激後10〜30分)の間の打ち消し制御により得られる効果と、を区別して外部刺激打ち消し対応データ部75に格納しておくようにしてもよい。これにより、刺激を受けた当初の打ち消し制御として最も効果的な制御を選択できるだけでなく、刺激を受けた時点からしばらく時間が経過した後の打ち消し制御として最も効果的な制御を改めて選択することも可能になる。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
1 環境設備制御システム
10 空気調和装置(環境制御手段、温度を調整する装置、湿度を調整する装置)
13 空調コントローラ
14 設定受付部
20 照明装置(環境制御手段、光を調整する装置)
30 外部刺激センサ
31 臭気センサ
32 音センサ
33 振動センサ
40 生体センサ
41 心電図波形センサ
50 データ受付部
60 把握部
61 外部刺激把握部(環境刺激把握部)
62 現状覚醒度把握部
70 記憶部
71 心電図覚醒度対比データ部
72 覚醒度履歴データ部
73 外部刺激判断基準データ部
74 覚醒度変化判断基準データ部
75 外部刺激打ち消し対応データ部
80 制御特定部
90 制御実行部
100 環境設備制御装置
特開平10−259943号公報

Claims (5)

  1. 対象者が存在する対象空間の環境を環境制御手段(10、20)を用いて制御する、環境制御手段の制御装置(100)であって、
    前記対象者が受ける環境刺激であって、前記環境制御手段の制御による第1環境刺激以外の環境刺激である第2環境刺激を把握する環境刺激把握部(61)と、
    前記環境刺激把握部により把握される前記第2環境刺激が前記対象者に与える影響を打ち消すまたは和らげるように前記環境制御手段を制御する制御部(90)と、
    を備えた環境制御手段の制御装置。
  2. 前記環境制御手段(10、20)は、複数種類設けられており、
    前記複数種類の環境制御手段は、互いに異なる種類の環境刺激を供給可能であり、
    前記制御部は、前記環境刺激把握部により把握される前記第2環境刺激が前記対象者に与える影響を打ち消すまたは和らげるように前記複数種類の環境制御手段を制御する、
    請求項1に記載の環境制御手段の制御装置。
  3. 前記複数種類の環境制御手段は、温度を調節する装置(10)、湿度を調節する装置(10)、風速を調整する装置(10)、二酸化炭素濃度を調節する装置、臭気を調整する装置、音を調整する装置、光を調整する装置(20)、輻射熱を調節する装置の少なくともいずれか2つ以上が含まれる、
    請求項2に記載の環境制御手段の制御装置。
  4. 前記対象者の状態に関する状態情報を把握する状態情報把握部(62)をさらに備え、
    前記制御部は、前記状態情報の変化のうち、前記環境制御手段の制御に起因する変化以外の変化が前記対象者に与える影響を打ち消すまたは和らげるように前記環境制御手段を制御する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の環境制御手段の制御装置。
  5. 前記環境刺激把握部は、音と臭いの少なくともいずれかの環境刺激を把握する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の環境制御手段の制御装置。
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