JP2019065345A - ニッケル粉の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 工業的に安価な水素ガスを使用し、微小なニッケル粉を用いて硫酸ニッケルアンミン錯体溶液から、含まれる不純物の少ないニッケル粉の粗大な粒を生成する製造方法を提供する。【解決手段】 ニッケルを含有する酸性溶液に、(1)の中和工程、(2)の錯化工程、(3)の種晶添加工程、(4)の還元工程、(5)の成長工程、さらに還元工程(4)、成長工程(5)で得られた還元終液を錯化工程の硫酸酸性溶液として繰り返す(6)の還元終液利用処理に付すことを特徴とするニッケル粉の製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、硫酸ニッケルアンミン錯体溶液から高純度なニッケル粉や、それを固めたブリケットを得る方法に関するものである。
特に湿式ニッケル製錬プロセスで発生した工程内の中間生成溶液の処理に適用できる。
湿式製錬プロセスを用いてニッケル粉を工業的に製造する方法として、原料を硫酸溶液に溶解後、不純物を除去する工程を経て、得た硫酸ニッケル溶液にアンモニアを添加し、ニッケルのアンミン錯体を形成させ、生成した硫酸ニッケルアンミン錯体溶液に水素ガスを供給しニッケルを還元することによりニッケル粉を製造する方法が知られている。
例えば非特許文献1には還元反応時に鉄化合物を種晶として添加し、鉄化合物上にニッケルを析出させるニッケル粉の製造プロセスが記載されているが、製品中への種晶由来の鉄混入がある点が課題である。
さらに、水素ガス以外の還元剤を用いてニッケル粉を得る方法もこれまでに提案されてきている。
例えば、特許文献1には安価で、かつ耐侯性に優れ、樹脂と混練した状態で電気抵抗が低く、初期電気抵抗および使用中の電気抵抗を低減し、長期間にわたり安定して使用でき、導電ペーストおよび導電樹脂用の導電性粒子として好適なニッケル粉、およびその製造方法を提供する方法が開示されている。
特許文献1に開示されるニッケル粉は、コバルトを1〜20質量%含有し、残部がニッケルおよび不可避不純物からなり、一次粒子が凝集した二次粒子で構成されるニッケル粉であって、酸素含有量が0.8質量%以下である。二次粒子の表層部にのみコバルトを含有し、その表層部におけるコバルト含有量が1〜40質量%とすることが好ましい、とされている。
開示される製造方法によって、このニッケル粉を得ようとする場合、コバルトが共存することになり、例えばニッケル酸化鉱石のようにニッケルとコバルトが共存して存在し、これらを分離してそれぞれを高純度かつ経済的に回収しようとする用途には適していない。
さらに特許文献2には、粒子凝集物を生じにくいように改善された、液相還元法による金属粉末の製造方法が提供されている。
この製造方法は、金属化合物、還元剤、錯化剤、分散剤を溶解することにより、金属化合物に由来する金属イオンを含有する水溶液を作製する第1工程と、水溶液のpH調整をすることにより金属イオンを還元剤により還元させ、金属粉末を析出させる第2工程とを備える金属粉末の製造方法である。
しかし、この製造方法は高価な薬剤を用いて高コストであり、上記ニッケル製錬として大規模に操業するプロセスに適用するには経済面で有利とはいえない。
以上のように様々なニッケル粉を製造するプロセスが提案されているが、工業的に安価な水素ガスを用いて高純度のニッケル粉を製造する方法は提唱されていなかった。
これに対して、特許文献3には、工業的に安価な水素ガスを使用し、微小なニッケル粉を用いて硫酸ニッケルアンミン錯体溶液からの高純度のニッケル粉の粗大な粒を生成する製造方法が開示されている。この方法では、従来よりも効率的に高純度なニッケル粉を得ることができるが、一方で水素還元後の反応後液からアンモニアを回収するための手間やコストが無視できない問題があった。
このように、コスト的に有利なニッケル回収方法は見出されていなかった。
特開2005−240164号公報 特開2010−242143号公報 特開2015−140480号公報
POWDER METALLURGY、1958、No.1/2、P.40−52
このような状況の中で、工業的に安価な水素ガスを使用し、微小なニッケル粉を用いて硫酸ニッケルアンミン錯体溶液から不純物の少ないニッケル粉の粗大な粒を生成する製造方法を提供する。
このような課題を解決する本発明の第1の発明は、下記の(1)〜(6)の工程および処理を付すことを特徴とするニッケル粉の製造方法である。

(1)ニッケルを含有する酸性溶液に中和剤を添加し、次いで固液分離して水酸化ニッケルの固体を得る中和工程。
(2)前記(1)の中和工程で得た水酸化ニッケルに、アンモニアを含有する硫酸酸性溶液を添加し、前記水酸化ニッケルを溶解し、硫酸ニッケルアンミン錯体溶液を得る錯化工程。
(3)前記(2)の錯化工程で得た硫酸ニッケルアンミン錯体溶液に、種晶の平均粒径0.1〜5μmのニッケル粉と、分散剤を添加して混合スラリーを形成する種晶添加工程。
(4)前記(3)の種晶添加工程で得られた前記混合スラリーに水素ガスを吹き込み、前記混合スラリー中のニッケル成分が前記種晶上に還元、析出して形成したニッケル粉を含む還元スラリーを形成する還元工程。
(5)前記(4)の還元工程で得た還元スラリーを、固液分離して前記ニッケル粉を固相成分として還元終液と分離、回収した後、前記回収したニッケル粉に硫酸ニッケルアンミン錯体溶液を加えた溶液に水素ガスを吹き込み、前記ニッケル粉を成長させ、高純度ニッケル粉を形成する成長工程。
(6)前記(4)の還元工程で得た前記還元終液を、前記(2)の錯化工程で水酸化ニッケルの溶解に用いる硫酸酸性溶液として繰り返す還元終液利用処理。
本発明の第2の発明は、第1の発明におけるニッケルを含有する酸性溶液が、コバルトを不純物として含むニッケル含有物を溶解する浸出工程と、前記浸出工程で得られたニッケル成分とコバルト成分を含む浸出液をpH調整した後、溶媒抽出法により硫酸ニッケル溶液とコバルト回収液とに分離する溶媒抽出工程を、経て得られたものであることを特徴とするニッケル粉の製造方法である。
本発明の第3の発明は、第2の発明の溶媒抽出工程における浸出液のpHの調整が、あらかじめ金属イオンを抽出した抽出剤と金属イオンを含まない抽出剤を所定の比率で混合することによって行われることを特徴とするニッケル粉の製造方法である。
本発明によれば、硫酸ニッケルアンミン錯体溶液から、水素ガスを用いてニッケル粉を生成する製造方法において、製造された製品を汚染しない種晶を用いることにより、含まれる不純物の少ないニッケル粉を容易に得ることができ、工業上顕著な効果を奏するものである。
本発明のニッケル粉の製造フロー図である。 有機相の混合により水溶液のpHを調整する効果を示した図である。
本発明では、硫酸ニッケルアンミン錯体溶液からニッケル粉を得る製造方法において、湿式製錬プロセスの工程液に下記に示す工程を施すことによって、硫酸ニッケルアンミン錯体溶液から、より不純物の少ない高純度ニッケル粉を製造することを特徴とするものである。
以下、図1に示す本発明の高純度ニッケル粉の製造フロー図を参照して、本発明の高純度ニッケル粉の製造方法を説明する。
[浸出工程]
先ず、浸出工程は、出発原料となる、ニッケルおよびコバルト混合硫化物、粗硫酸ニッケル、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、ニッケル粉などから選ばれる一種、または複数の混合物から成る工業中間物などのニッケル含有物を、硫酸により溶解して、ニッケルを浸出させて浸出液(ニッケルを含む溶液)を生成する工程で、特開2005−350766号公報などに開示された公知の方法を用いて行われる。
[溶媒抽出工程]
次に、この浸出液にpH調整を行い、溶媒抽出工程に供する。
この工程は、浸出工程で得られた後、pH調整された浸出液と有機相を接触させ、各相中の成分を交換することで、水相中のある成分の濃度を高め、他の異なる成分の濃度を低くするものである。
本発明では有機相に2−エチルヘキシルホスホン酸モノ2−エチルヘキシルエステルまたはジ−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸を用いて浸出液中の不純物元素、特にコバルトを選択的に抽出し、不純物の少ない硫酸ニッケル溶液を得るものである。
また、この工程時にpH調整のため用いられるアンモニア水には、工程内から回収したアンモニアを使用することができる。
また、pH調整は、あらかじめニッケルなどの金属イオンを抽出した抽出剤と、金属イオンを含まない抽出剤とを所定の比率で混合することによっても行うことができる。
つまり酸性抽出剤の場合、ニッケルなどの陽イオンの抽出挙動は水相のpHに依存するため、上記の方法を用いるとpH調整剤を添加することなく水相のpH調整を行うことができる。この結果、ニッケルなどの有機相と水相の分配を任意にコントロールすることが可能となる。
以上の工程や処理で得た硫酸ニッケル溶液を、ニッケルを含有する原料として用いることで、以下の(1)〜(6)に示す工程及び処理を経て所望のニッケル粉を得ることができる。
(1)中和工程
本発明では溶媒抽出工程で得た硫酸ニッケル溶液に、消石灰、水酸化ナトリウムなどの中和剤を添加して、溶液のpHを6〜9程度に調整して水酸化ニッケルの固形物を生成させスラリーとする。次いで前記スラリーを遠心分離機やヌッチェやフィルタープレスなど公知の方法を用いて水酸化ニッケルと中和後液とに固液分離する。
(2)錯化工程
この錯化工程では、(1)の中和工程で得た水酸化ニッケルに、アンモニアを含有する硫酸酸性溶液を添加して硫酸ニッケルアンミン錯体溶液を得る。
具体的には、水酸化ニッケルに硫酸溶液を添加して硫酸ニッケル溶液とし、溶解と同時あるいは溶解後にアンモニアを添加してニッケルを錯化すればよいが、本発明では後述の還元終液を繰り返して添加し、還元終液に含有するアンモニアと硫酸成分で溶解と錯化を行なわせる。
本発明で硫酸ニッケル溶液を一度中和して水酸化ニッケルとし、これを再度溶解することで、ニッケルを濃縮した硫酸ニッケルアンミン錯体溶液を得ることができ、以降の工程設備のコンパクト化や発生する排水量の減少など効率的な生産が行える特徴がある。
なお、アンモニアの量が不足するときは、アンモニアガスまたはアンモニア水のアンモニアを添加することで調整すればよい。また硫酸濃度が不足するときも同様に硫酸溶液を添加すればよい。このようにしてニッケルのアンミン錯体である硫酸ニッケルアンミン錯体を生成し、その硫酸ニッケルアンミン錯体溶液を形成する。
このときのアンモニウム濃度は、溶液中のニッケル濃度に対しモル比で1.9以上になるようにアンモニアを添加する。添加するアンモニアのアンモニウム濃度が1.9未満ではニッケルがアンミン錯体を形成せず、水酸化ニッケルの沈殿が生成してしまう。
また、硫酸アンモニウム濃度を調整するために、本工程において硫酸アンモニウムを添加することができる。このときの硫酸アンモニウム濃度は100〜500g/Lが好ましく、500g/Lを超えると溶解度を超えてしまい、結晶が析出してしまい、プロセスのメタルバランス上、100g/L未満を達成するのは困難である。
さらに、この工程で用いるアンモニアガスまたはアンモニア水にも、工程内で回収したアンモニアガスまたはアンモニア水を使用することができる。
[硫酸ニッケルアンミン錯体溶液からのニッケル粉製造工程]
図1の破線で囲まれた(3)〜(5)の処理工程で示される硫酸ニッケルアンミン錯体溶液からニッケル粉を製造する工程を以下に説明する。
(3)種晶添加工程
上記(2の)錯化工程で得られた硫酸ニッケルアンミン錯体溶液に、平均粒径が0.1〜5μmのニッケル粉を種晶としてニッケル粉スラリーの形態で添加して種晶を含む混合スラリーを形成する。
このときに添加する種晶の重量は、硫酸ニッケルアンミン錯体溶液中のニッケル重量に対し1〜100%が好ましい。1%未満では次工程の還元時の反応効率が著しく低下する。また100%を超えると使用量が多く、種晶製造にコストが掛かり、経済的ではない。
また、同時に分散剤を添加する。この分散剤を添加することにより種晶が分散するため、次工程の還元工程の効率を上昇させることができる。
ここで使用する分散剤としては、スルホン酸塩を有するものであれば特に限定されないが、工業的に安価に入手できるものとしてリグニンスルホン酸塩が好ましい。
(4)還元工程
(3)の種晶添加工程で得られた混合スラリーに水素ガスを吹き込み、溶液中のニッケルを種晶上に析出させる。このとき、反応温度は150〜200℃が好ましい。150℃未満では還元効率が低下し、200℃を超えても反応への影響はなく熱エネルギー等のロスが増加する。
また、反応時の圧力は1.0〜4.0MPaが好ましい。1.0MPa未満では反応効率が低下し、4.0MPaを超えても反応への影響はなく水素ガスのロスが増加する。
(3)の種晶添加工程で得られた混合スラリーの液中には、不純物として主にマグネシウムイオン、ナトリウムイオン、硫酸イオン、アンモニウムイオンが存在するが、いずれも溶液中に残留するため、高純度のニッケル粉を生成することができる。
(5)成長工程
(4)の還元工程で生成した還元スラリーを固液分離後、回収した高純度のニッケル粉に、前述の錯化工程で得られた硫酸ニッケルアンミン錯体溶液を加え、(3)の方法により水素ガスを供給する。これにより高純度のニッケル粉上にニッケルが還元析出するため、粒子を成長させることができる。
また、本成長工程を複数回繰り返して行なうことにより、より嵩密度が高く、より粒径の大きな高純度のニッケル粉を生成することができる。
また、得たニッケル粉に対して、以下のニッケル粉団鉱工程やブリケット焼結工程を経てより粗大で酸化し難く取り扱いしやすいブリケットの形状に仕上げても良い。
さらにアンモニア回収工程を設けても良い。
(6)還元終液利用処理
上記(4)の還元工程で得た還元スラリーを固液分離して得た還元終液を、上記(2)の錯化工程で水酸化ニッケルを溶解するのに用いる硫酸酸性溶液として繰り返し利用する還元終液利用処理を行う。
還元終液にはアンモニアが含有されており、従来のように硫安として払い出したりアンモニアとして回収したりする必要がなく、溶液をそのまま再利用できる。さらに、(5)の成長工程で得た前記還元終液を利用することもできる。
[ニッケル粉団鉱工程]
本発明により製造される高純度のニッケル粉は、製品形態として、乾燥後に団鉱機等により成形加工を行ない塊状のニッケルブリケットを得る。
また、このブリケットへの成形性を向上させるために、場合によってはニッケル粉に水等の製品品質を汚染しない物質をバインダーとして添加する。
[ブリケット焼結工程]
団鉱工程で作製したニッケルブリケットは、水素雰囲気中で焙焼、焼結を行ない、ブリケット焼結体を作製する。この処理では強度を高めると共に、微量残留するアンモニア、硫黄成分の除去を行なうもので、その焙焼・焼結温度は、500〜1200℃が好ましい。500℃未満では焼結が不十分となり、1200℃を超えても効率がほとんど変わらずエネルギーのロスが大きくなる。
以下、実施例を用いて本発明を、より詳細に説明する。
(種晶製造工程)
本発明で用いる種晶は、生成した小粒径のニッケル粉を繰り返して充てるが(図示せず)、繰り返すニッケル粉がない最初の場合は、以下の手順で作成したニッケル粉を使用した。
25%アンモニア水73mlに、水酸化ナトリウムを36gと60%ヒドラジン溶液53mlを添加し、合計の液量を269mlに調整した。
ウォーターバスを用いて、その液温が75℃になるように保持、撹拌しながら、硫酸ニッケル溶液(100g/L)273gをビーカー内の液に滴下して反応させ、30分間保持した。その後、固液分離を行ない、生成したニッケル粉を回収した。得られたニッケル粉の平均粒径は2μmであった。
(1)中和工程
ニッケル濃度が120g/Lの硫酸ニッケル溶液1000mlを用意し、この中にスラリー濃度120g/Lに調整した消石灰を1065ml添加して、120gとなる量の水酸化ニッケルを得た。
次に、上記で得た水酸化ニッケルを、上記(4)還元工程で得た還元終液1700mlと混合して混合スラリーとした。この混合スラリーを上記(4)の還元工程に繰り返し、同じ条件で加圧しながら水素ガスを吹き込むことにより、ニッケル粉を回収することができた。
(2)錯化工程
次に、上記(1)の中和工程で得た水酸化ニッケルを、本発明を繰り返した最初のバッチのみ、還元終液がないので、ニッケル濃度が30g/Lの硫酸ニッケル液とアンモニア濃度40g/Lの硫酸アンモニウム溶液の混合液1700mlに投入し撹拌して溶解し、硫酸ニッケルアンミン錯体溶液を得た。
なお、2度目からの繰り返したバッチでは、後述の還元終液を投入する混合液として利用して水酸化ニッケルを溶解した溶解液を得た(還元終液利用処理)。
(3)種晶添加工程
(2)の錯化工程で得た溶解液に、ニッケルが75gが含まれ、かつ硫酸アンモニウムが330g含まれ、かつ25%アンモニア水が191ml含まれ、かつ合計の液量が1000mlになるように調整した。
この溶液に上記種晶製造工程で得たニッケル粉もしくは生成したニッケル粉を繰り返して種晶とし7.5gを添加して混合スラリーを作製した。
(4)還元工程
(1)の中和工程で作製した混合スラリーを、オートクレーブにて撹拌しながら185℃に昇温し、オートクレーブ内の圧力が3.5MPaになるように水素ガスを吹き込み、供給して還元処理であるニッケル粉生成処理を行った。
水素ガスの供給後、1時間が経過した後に水素ガスの供給を停止し、オートクレーブを冷却した。冷却後に得られた還元スラリーを濾過による固液分離処理し、高純度の小径ニッケル粉を還元終液から分離して回収した。このときの回収したニッケル粉は70gであった。また、得た還元終液は上記(2)の錯化工程に繰り返し、次のバッチの溶解液として利用した。
(5)成長工程
次に、硫酸ニッケル336g、硫酸アンモニウム330gを含む溶液に、25%アンモニア水を191ml添加し、合計の液量が1000mlになうように調整した。
この溶液に上記(種晶製造工程)に記載の高純度の2μmの小径ニッケル粉を全量添加してスラリーを作製した。
このスラリーをオートクレーブにて撹拌しながら185℃に昇温し、オートクレーブ内の圧力が3.5MPaになるように水素ガスを吹き込み、供給した。
水素ガスの供給後、1時間が経過した後に水素ガスの供給を停止し、オートクレーブを冷却した。冷却後に得られたスラリーを濾過による固液分離処理し、高純度の粒成長したニッケル粉を回収した。
酸性抽出剤(2−エチルヘキシルホスホン酸モノ2−エチルヘキシルエステル、第八化学工業(株)社製、商品名PC88A)が20体積%になるように希釈剤(ナフテン系洗浄剤、JXTGエネルギー社製、商品名テクリーンN20)を用いて希釈した抽出剤とニッケル濃度が120g/Lの硫酸ニッケル溶液とを混合し、次いで水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを7.0に調整し、抽出剤(A)中のニッケル濃度が23g/Lになるように抽出した。またニッケルを抽出していない抽出剤(B)を別途用意した。
前記のニッケルを抽出した抽出剤(A)50mlを4本用意し、ニッケルを抽出していない抽出剤(B)の50、200、300mlと混合し、合計4種の抽出剤である有機相を用意した。これらの有機相とpH7.6である純水からなる水相50mlとを混合、静置し、その後水相のpHを測定した。その試験結果を表1及び図2に示す。
表1および図2に示したように、ニッケルを抽出している抽出剤(A)の有機相とニッケルを抽出していない抽出剤(B)の有機相の混合比を変化させた抽出剤の有機相と一定量の水相と接触させた場合、有機相(O)と水相(A)の体積比O/Aが大きい場合、すなわちニッケルを抽出していない有機相の割合を多くした場合、水相のpHが低下しpH調整ができていることが確かめられた。
上記のように、酸性抽出剤の場合、ニッケルなどの陽イオンの抽出挙動は水相のpHに依存するため、本発明の方法を用いるとpH調整剤を添加することなく水相のpH調整を行い、ニッケルなどの有機相と水相の分配を任意にコントロールすることができる。
Figure 2019065345

Claims (3)

  1. 下記の(1)〜(6)の工程および処理を付すことを特徴とするニッケル粉の製造方法。

    (1)ニッケルを含有する酸性溶液に中和剤を添加し、次いで固液分離して水酸化ニッケルの固体を得る中和工程。
    (2)前記(1)の中和工程で得た水酸化ニッケルに、アンモニアを含有する硫酸酸性溶液を添加し、前記水酸化ニッケルを溶解し、硫酸ニッケルアンミン錯体溶液を得る錯化工程。
    (3)前記(2)の錯化工程で得た硫酸ニッケルアンミン錯体溶液に、種晶の平均粒径0.1〜5μmのニッケル粉と、分散剤を添加して混合スラリーを形成する種晶添加工程。
    (4)前記(3)の種晶添加工程で得られた前記混合スラリーに水素ガスを吹き込み、前記混合スラリー中のニッケル成分が前記種晶上に還元、析出して形成したニッケル粉を含む還元スラリーを形成する還元工程。
    (5)前記(4)の還元工程で得た還元スラリーを、固液分離して前記ニッケル粉を固相成分として還元終液と分離、回収した後、前記回収したニッケル粉に硫酸ニッケルアンミン錯体溶液を加えた溶液に水素ガスを吹き込み、前記ニッケル粉を成長させ、高純度ニッケル粉を形成する成長工程。
    (6)前記(4)の還元工程で得た前記還元終液を、前記(2)の錯化工程で水酸化ニッケルの溶解に用いる硫酸酸性溶液として繰り返す還元終液利用処理。
  2. 前記ニッケルを含有する酸性溶液が、コバルトを不純物として含むニッケル含有物を溶解する浸出工程と、前記浸出工程で得られたニッケル成分とコバルト成分を含む浸出液をpH調整した後、溶媒抽出法により硫酸ニッケル溶液とコバルト回収液とに分離する溶媒抽出工程を、経て得られたものであることを特徴とする請求項1に記載のニッケル粉の製造方法。
  3. 前記溶媒抽出工程における浸出液のpHの調整が、あらかじめ金属イオンを抽出した抽出剤と金属イオンを含まない抽出剤を所定の比率で混合することによって行われることを特徴とする請求項2に記載のニッケル粉の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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